JP5464663B2 - カルシウムアルミネートクリンカ及び速硬材並びに注入用速硬混和材 - Google Patents

カルシウムアルミネートクリンカ及び速硬材並びに注入用速硬混和材 Download PDF

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Description

本発明は、建築、土木、二次製品等に用いるカルシウムアルミネート、とりわけ注入用のセメント系材料に速硬性を付与するのに適したカルシウムアルミネートに関する。
建設・土木工事、建築部材や成形品等でセメント、モルタル又はコンクリート等の水硬性材料の硬化を早める手段に速硬材が混和使用されている。速硬材としては、早期強度発現性、各種セメントに対しての適合性の広さ、施工性状の調整し易さ、経済性等の点からカルシウムアルミネートを有効成分とするものが広く用いられている。カルシウムアルミネートはまた、初期水和反応の進行が速く、注水量が多めの条件下でも硬化が早いことから、水の含有量が高く、水性スラリーとして使用されることの多い注入材の速硬用に好適である。注入材のうち地盤に使用するものはかなり狭い間隙に注入するため、水性スラリー中の懸濁粒子は微細なものであることが不可欠であり、これに加え、注入後の有効成分が簡単に地下水等により流冒する虞を防ぐため速やかに固結する必要がある。(例えば、特許文献1参照。)さらに望ましくは、均一でより強固な地盤形成能力やセメントに含まれる所謂六価クロム等の重金属の地盤中への溶出拡散防止作用といった性能を具備するものが注入材には要求される。
一方、一般にカルシウムアルミネートは構造的に結晶質のものよりもガラス化率が高いものほど反応活性が高く、より強い速硬作用を発現できる。しかるに高ガラス化率のカルシウムアルミネートを得るには、所定の原料配合物を低粘性流体となるようなより高い高温で溶融せしめ、それを水冷以外の手段で急冷する必要があるため、製造コストが高騰する。さらには、ガラス化率の高いクリンカは、粉砕時に破壊源となりうるような粒界相が殆ど存在しない謂わば均質なガラスネットワーク構造であることから、細粒化のための粉砕が容易でない。そしてカルシウムアルミネートクリンカを粉砕処理し、地盤注入材に適した粒径のものを得ようとすると高い粉砕エネルギーを要し、粉砕コストが高騰する。また、注入材を充満させた対象地盤を強く固化させて、注入材中のセメントに含まれる六価クロム等重金属を所定容器内に封じ込めることはできる。(例えば、特許文献2参照。)しかし、かかる手段では固化ムラや経年の劣化・浸食等により固化体から重金属が再溶出する虞が解消されない。
特開2007−177077号公報 特開平10−279937号公報
本発明は、前記実情を鑑み、製造コストの高騰を抑えた汎用の方法で製造することができ、高い速硬性を有し、且つ粉砕による細粒化が容易なカルシウムアルミネートクリンカ及びこのクリンカから速硬材を得ること並びに地盤注入に使用しても重金属の溶出拡散を起こすこと無く強固な地盤を斑無く形成できる注入用速硬性混和材を得ることを課題とする。
本発明者は、前記課題解決のため検討を重ねた結果、金属鉄と金属鉄以外の特定の酸化状態で存在する鉄の含有量が、特定の関係となるよう含有せしめた高ガラス化率のカルシウムアルミネートクリンカが非常に容易に粉砕でき、細粒化に調整するのに適し、且つ粉砕物は高い速硬性を発現でき、またこの粉砕物とセッコウを含有させた注入用速硬性混和材は強固な地盤を形成する作用を有したことから本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、次の[1]で表すカルシウムアルミネートクリンカ、[2]で表す速硬材及び[3]で表す注入用速硬混和材である。
[1]少なくとも金属鉄と原子価が二価の状態で存在する鉄を含有し、ガラス化率が90質量%以上のカルシウムアルミネートクリンカであって、金属鉄の含有量をF0、金属以外の状態で存在する鉄を酸化物換算した含有量と金属鉄の含有量の合計値をFT、原子価が二価の状態で存在する鉄の酸化第一鉄換算による含有量をF2とすると、F0/FT≧0.4、及び(F0+F2)/FT≧0.7、且つ金属以外の状態で存在する鉄を酸化物換算した場合のクリンカ中での含有割合と金属鉄のクリンカ中での含有割合の合計が0.5〜2質量%であることを特徴とするカルシウムアルミネートクリンカ。
[2]前記[1]のカルシウムアルミネートクリンカの粉砕物からなる速硬材。
[3]セッコウと前記[2]の速硬材とを含有してなる注入用速硬混和材。
本発明のカルシウムアルミネートクリンカは、比較的低温で製造することができ、易粉砕性であるため所望の細粒に調整することが容易である。この粉砕物からなる速硬材は高い速硬作用を発現できる。また、本発明の注入用速硬混和材を使用した地盤注入材は斑無く強固な地盤を形成でき、セメントと併用した場合にセメントに含まれる六価クロム等の重金属イオンの溶出を十分抑制することができる。
本発明において、カルシウムアルミネートとは、主要化学成分としてCaOとAl23を含む水和活性物質の総称であり、化合物、固溶体又はガラス質等として、さらには左記何れかのものの混合物が例示できる。より具体的には、例えば12CaO・7Al23、CaO・Al23、3CaO・Al23、CaO・2Al23、CaO・6Al23等が挙げられる。またCaOとAl23に加えて他の化学成分が加わったものも広義のカルシウムアルミネートであり、他の化学成分も単体で、或いはCaOやAl23の何れか又は両者と反応した生成物であっても良い。具体的には、CaOとAl23に加え他の化学成分を含むカルシウムアルミネートとして、例えば4CaO・3Al23・SO3、11CaO・7Al23・CaF2、Na2O・8CaO・3Al23等が挙げられる。また、例示以外のCaOとAl23の含有モル比となるカルシウムアルミネートでも良く、CaOとAl23の含有モル比の値は特に制限されるものではない。
本発明のカルシウムアルミネートクリンカは、前記のようなカルシウムアルミネートのうち、少なくとも金属鉄と原子価が二価の状態で存在する鉄を含有し、且つガラス化率が90質量%以上のもの、好ましくは95質量%、最も好ましくは100%非晶質構造のものである。尚、本発明で原子価が二価や三価の状態で存在する鉄とは、他の物質と結合状態にあるものはもとより、それぞれFe2+のイオンやFe3+のイオンとして含むものも該当する。カルシウムアルミネートはガラス化率が高くなるほど水和反応活性が高くなり、速硬作用が強まる。ガラス化率が90質量%未満では早期強度発現性が低く、特に注入材のような水分量の多いスラリー状材料に用いた場合では硬化遅延を起こし易くなるので好ましくない。また、本発明のカルシウムアルミネートクリンカに含有される金属鉄は、クリンカ中に分散状態で存在することが適当である。一般により高い加熱温度で原料溶融するほど高いガラス化率のクリンカを安定して製造することができるが、クリンカ中に金属鉄が存在するものでは、その存在量に応じて溶融温度を低下させることができるため生産上有利である。他の金属でも溶融温度を下げる作用はあるが、入手容易性や原料コスト、源原料からの金属を得る際の還元し易さ等を考慮すると鉄が最適である。また、クリンカ中の鉄イオンの含有状態は特に制限されない。例えば酸化物等の化合物として、単体で或いはカルシウムアルミネート中に固溶して存在するもの、またCaO又は/及びAl23の一部と化合物を形成し、この化合物がカルシウムアルミネートガラス中に分散存在するもの、カルシウムアルミネートへ固溶して存在するものの他、直接ガラスネットワークの構成体として存在するものも例示される。本発明のカルシウムアルミネートクリンカは、金属鉄や原子価が二価以外の鉄、例えば原子価が三価や四価といった状態で存在する鉄の含有を排除するものではない。
本発明のカルシウムアルミネートクリンカは少なくとも金属鉄と原子価が二価の状態で存在する鉄を含有するものであるが、金属鉄の含有量をF0、金属鉄以外の状態で存在する鉄は全て酸化物換算した場合の含有量として、金属鉄以外の状態で存在する鉄の含有量と金属鉄の含有量の合計値をFT、原子価が二価の状態で存在する鉄の酸化第一鉄換算による含有量をF2とすると、F0/FT≧0.4及び(F0+F2)/FT≧0.7なる関係に従うものであることを必須とする。ここで、金属鉄以外の状態で存在する鉄の酸化物換算とは、仮に酸化物以外の鉄化合物として存在するものであっても、原子価が二価の鉄(Fe2+イオンとして存在するものを含む)は全て酸化第一鉄、原子価が三価の鉄(Fe3+イオンとして存在するものを含む)は酸化第二鉄、原子価が四価の鉄(Fe4+イオンとして存在するものを含む)は四酸化三鉄にそれぞれ換算することを云う。
この関係で、F0/FT<0.4では、カルシウムアルミネートマトリックス中に分散する金属鉄粒子が不足し、その結果破壊源となりうる脆弱部が減少するため粉砕性が著しく低下し、クリンカの細粒化には多大な粉砕エネルギーが必要となるので好ましくない。また、金属鉄の存在は、微粒化によって可能性が高まるカルシウムアルミネートの急激な水和反応が適度に抑えられるため、地盤注入成分として使用された場合、対象部位内深部まで注入材が到達する前に途中固結し、経路閉塞による固化斑の発生を防止できる。F0/FTの上限は特に定めるものではないが、好ましくは固化後の発錆による過膨張防止、焼成炉内での酸化還元反応の安定制御の点から0.8程度とする。
また、(F0+F2)/FT<0.7ではCr6+等の生体にとって有害な重金属イオンを還元する能力が高い二価の原子価の鉄の存在割合が減少し、還元力の乏しい三価乃至四価の鉄の存在割合が増え、Cr6+の溶出抑制作用が低減するので好ましくない。鉄イオンは、概ね同様の還元能力を有する他の金属イオンに比べるとイオン源となり得る原料が概して安価であり、取扱も特段の配慮を必要としないので適している。ここで(F0+F2)/FTの上限は特に定めるものではないが、好ましくは炉内に還元酸素が大量に発生すると炉の安定稼働に支障が生じることがあるため0.9を上限とする。
本発明のカルシウムアルミネートクリンカは、前記関係を有するものであって、且つ金属鉄と金属以外の状態で存在する鉄とを、金属以外の状態で存在する鉄については前記同様酸化物換算し、0.5〜2質量%含有するものである。金属鉄と金属以外の状態で存在する鉄が0.5質量%未満の含有では、易粉砕性に寄与する鉄金属とCr6+の溶出抑制作用に寄与するFe2+の絶対量が不足し、所望の作用が得られ難くなるので好ましくない。また、2質量%を超えると速硬性が低下することがあるので好ましくない。
本発明のカルシウムアルミネートクリンカは、例えば所望のCaOとAl23の含有モル比となるようCaO源とAl23源の原料を配合し、該原料が鉄成分を含有する場合はそれを考慮し、鉄成分源となる原料を所定量加えた混合原料を加熱する。加熱媒体は特に限定されず、通常は電気、瓦斯、石炭又は石油等を燃料とする外熱式溶融炉を用いることができる。これらの原料が全て溶融する温度まで加熱するのが望ましいが、全溶融可能な温度は原料配合割合等により大きく異なるが、通常は1300〜1900℃で行うことができる。加熱後は水冷以外の手段、例えば炉外取り出し、冷却ガスの吹き付けで急冷することによって目的とするクリンカを得ることができる。尚、使用原料は何れも限定されるものではなく、CaO源の原料としては例えば石灰石粉、消石灰や生石灰粉を好適に挙げることができ、同様にAl23源は、例えばボーキサイト粉、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、アルミ残灰、アルミナ粉末等を好適に挙げることができる。また、鉄成分源としては例えばヘマタイトが挙げられる。尚、本発明のカルシウムアルミネートクリンカ中の金属鉄は、例えばカルシウムアルミネートの加熱溶融中に、鉄化合物から還元せしめたものでも構わない。
また、本発明の速硬材は、前記のカルシウムアルミネートクリンカを粉砕した粉砕物である。粉砕に要するエネルギーを軽減できるので、粉砕手段は特に限定されず、例えばボールミル、振動ミル、ロッドミル、ピンミル等で比較的容易に粉砕できる。粉砕物の粉末度は速硬材としての作用を十分発揮させる上で、分級・篩い分け等を適宜行い、ブレーン比表面積で3000〜10000cm2/gにしたものを用いるのが好ましい。ブレーン比表面積で3000cm2/g未満では速硬性が低下することがあるので適当ではなく、またブレーン比表面積が10000cm2/gを超えると粉砕コストが高騰したり、風化し易くなるので適当ではない。
また、本発明の注入用速硬混和材は、前記のカルシウムアルミネートクリンカの粉砕物からなる速硬材とセッコウを含有するものである。セッコウは、無水、半水、二水の何れの石膏でも良く、また所謂化学石膏と称されているものでも、天然石膏の何れでも良い。この中では最も易粉砕性であり粉末度の調整が容易なことから無水石膏が好ましい。使用セッコウの粉末度は特に限定されないが、好ましくは速硬性が確保でき、土壌地盤への浸透性も良好なものが得やすいことからブレーン比表面積で、3000〜20000cm2/g、より好ましくは4000〜10000cm2/gとする。また、前記速硬材とセッコウの含有割合は特に制限されるものではないが、前記速硬材100質量部に対し、セッコウ30〜300質量部が好ましい。セッコウ30質量部未満で強度低下する虞があるため適当でなく、300質量部を超えると速硬性が低下したり、二価の鉄量が相対的に減少するため重金属の溶出防止が十分できない虞があるので適当ではない。また、本発明の注入用速硬混和材は、本発明の効果を実質喪失させない限り前記速硬材及びセッコウ以外の成分を含有するものでも良い。このような含有可能成分として、何れもモルタル又はコンクリートに使用できる、増粘剤、分散剤(減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等の減水剤類を含む)、収縮低減剤、消泡剤、空気連行剤、膨張材、凝結調整剤、ポゾラン反応性物質、石灰石微粉、潜在水硬性物質、ポリマー、撥水剤、防錆剤、各種繊維が例示される。
また、本発明の注入用速硬混和材の使用に際しては、セメント100質量部に対し、本混和材30〜300質量部混和することが好ましい。30質量部未満では十分速硬性が得られないことがあるため適当ではなく、また300質量部を超えると可使時間の確保が非常に困難になることとがあるので適当でない。注入用としての配合水の量は特に限定されないが、例えばセメント100質量部に対し、水50〜3000質量部を配合したものとすることができる。この範囲から外れると、注入中に固結して浸透経路閉塞したり、固結に時間が掛かりすぎて流冒することがある。尚、セメントは特に限定されるものではないが、例えば普通、早強、超早強、低発熱、中庸熱等の各種ポルトランドセメントや高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント等の各種混合セメント、エコセメント等の特殊セメントを例示することができる。特に、近年各種廃棄物やその焼却灰を積極的にセメント製造原料に混合することが活発に行われているが、この種のセメントであっても本発明では好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は記載された実施例に限定されるものではない。
CaO源原料としてCaO含有量97質量%の生石灰(粉末試薬)、Al23源原料としてバン土頁岩(Al23含有量88質量%、Fe23含有量1質量%)又は市販アルミナ試薬(Al23含有量>99質量%)、Fe23源原料としてヘマタイト(Al23含有量3質量%、Fe23含有量93質量%)を用い、表1で表す配合に混合し、これを電気炉を用い、1550±50℃の温度で2時間加熱した。加熱後は常温近傍まで炉内で自然放冷した「徐冷」クリンカと、1550℃前後から常温下の炉外に取り出し、直ちに冷却用圧搾空気を吹き付けた「急冷」クリンカを得た。各クリンカは粉末エックス線回折によって生成結晶相の存在有無等を確認した。また、粉末エックス線回折による内部標準法(内部標準;石英)によって生成結晶相の存在量を定量し、残部をガラス相と見なしてガラス相生成量を計算し、クリンカ総量との比(質量比)よりクリンカのガラス化率を算定した。この値を表1表す。さらに、JIS M8213及びJIS M8312に準拠した方法で、クリンカ中に原子価が二価の状態で存在する鉄と三価の状態で存在する鉄の含有量(質量%)を前者は酸化第一鉄換算で、後者は酸化第二鉄換算で算出したものと、JIS M8213に準拠した方法で測定された金属鉄の含有量(質量%)をそれぞれ表1に表す。尚、何れのクリンカにおいても原子価が四価の状態で存在する鉄は実質存在しなかった。また、表1に表したクリンカ11に相当する原料配合物は、1550℃の加熱温度では溶融せず、また焼結も実質的に起こらず、粉末エックス線回折からは配合原料のピークがほぼそのまま確認された。クリンカも堅牢な塊状物ではなく、かなり脆いフレーク状であった。
Figure 0005464663
次に、各クリンカとも4Kgを、材質がステンレスからなる内容積50リットルのボールミルに投入し、同じ材質からなる平均直径15mm、30mm及び50mmの粉砕ボールを概ね等質量ずつ混ぜたもの計約10リットルをミルに投入し、40rpmで乾式粉砕を行った。ブレーン比表面積が5000±500cm2/gとなるまでに要した粉砕時間を表2に表す。また、その時点での各クリンカ粉砕物に対し、レーザー粒度分布測定装置にて粒度分布を測定し、90%通過粒子径;R90と10%通過粒子径;R10の比(R90/R10)を求めた。この結果も表2に表す。
Figure 0005464663
表2に表したクリンカ粉砕物とブレーン比表面積5000cm2/gに調整した無水石膏を表3に表す配合となるようヘンシェルミキサで約3分間乾式混合し、混和材を作製した。作製した各混和材とCr6+を約10ppm含有する市販の普通ポルトランドセメントと水とを、何れも等質量となるよう配合し、ハンドミキサで混練した。各混練物は環境省告示第46号に定められている方法に準拠し、20℃でのCr6+溶出量を測定した。この結果も表3に表す。また、各混練物をJIS R5201に準拠した方法で供試体を作製し、該供試体の材齢1日の圧縮強度も測定した。その結果も表3に表す。
Figure 0005464663
また、表3で表す混和材、前記と同様の普通ポルトランドセメント、凝結調整剤としてのクエン酸(市販試薬)及び水を表4で表す配合でハンドミキサを用いて1分間混練し、注入用の水性スラリーを作製した。この水性スラリーを、地盤工学会基準「薬液注入による安定処理度の供試体作成方法」JGS0831に準拠した方法で、地盤モデルとして、4号珪砂を間隙率約40%で充填させた内径5cmで高さ50cmのアクリル製円筒管を垂直に設置したものの底部から、注入用ポンプを使用し、1kgf/cm2の圧力で注入して管上面から溢れるまで充満させた。これを20℃の温度下に24時間静置した後、円筒管内に形成された硬化物に対し下端面から10cm間隔の距離で水平に切断し、直径5cm×高さ約10cmの円柱形硬化体5個を得た。各硬化体の材齢24時間の圧縮強度をJIS A1216に準拠した方法で測定した。この結果を表4に表す。
Figure 0005464663
表4の結果は、各硬化体は高い早期強度発現性を呈し、しかも採取部位に拘わらず概ね一定の強度値であったことから、本発明の混和材を使用した注入材は地盤に注入した場合、短期間に強固な地盤を斑無く形成できることがわかる。

Claims (3)

  1. 少なくとも金属鉄と原子価が二価の状態で存在する鉄を含有し、ガラス化率が90質量%以上のカルシウムアルミネートクリンカであって、金属鉄の含有量をF0、金属以外の状態で存在する鉄を酸化物換算した含有量と金属鉄の含有量の合計値をFT、原子価が二価の状態で存在する鉄の酸化第一鉄換算による含有量をF2とすると、F0/FT≧0.4、及び(F0+F2)/FT≧0.7、且つ金属以外の状態で存在する鉄を酸化物換算した場合のクリンカ中での含有割合と金属鉄のクリンカ中での含有割合の合計が0.5〜2質量%であることを特徴とするカルシウムアルミネートクリンカ。
  2. 請求項1記載のカルシウムアルミネートクリンカの粉砕物からなる速硬材。
  3. セッコウと請求項2記載の速硬材とを含有してなる注入用速硬混和材。
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