JP6316576B2 - セメント組成物 - Google Patents

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    • Y02P40/10Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding

Description

本発明は、セメント組成物に関する。
わが国では、経済成長や、都市部への人口の集中に伴い、産業廃棄物や一般廃棄物等が急増している。従来、これらの廃棄物の大半は、焼却によって十分の一程度に減容化した後に埋め立て処分されているが、最近では、埋め立て処分場の残余容量が逼迫していることから、新しい廃棄物処理方法の確立が緊急課題になっている。
例えば、特許文献1には、産業廃棄物、一般廃棄物及び発生土から選ばれる一種以上を原料として製造した水硬率(H.M.)が2.0〜2.2、ケイ酸率(S.M.)が1.3〜2.3、鉄率(I.M.)が1.3〜2.8である焼成物の粉砕物100質量部と、SO3換算で1〜5質量部の石膏とからなる水硬性組成物であって、前記焼成物が、1.0質量%以下のフッ素を含有し、該水硬性組成物中の全SO3に対する二水石膏及び半水石膏中のSO3の割合が60〜90質量%であり、かつ、二水石膏及び半水石膏の合量に対する半水石膏の割合がSO3換算で50質量%以上である水硬性組成物が記載されている。
また、特許文献2には、産業廃棄物、一般廃棄物及び建設発生土から選ばれる一種以上を原料として製造した水硬率(H.M.)が2.0〜2.2、ケイ酸率(S.M.)が1.3〜2.3、鉄率(I.M.)が1.3〜2.8である焼成物の粉砕物100質量部と、SO3換算で1〜5質量部の石膏と、高炉スラグ粉末10〜150質量部、フライアッシュ10〜100質量部、石灰石粉末10〜100質量部、珪石粉末10〜100質量部から選ばれる1種以上の無機粉末を含む水硬性組成物が記載されている。
特許第4166178号公報 特許第4176660号公報
原料として廃棄物等を多量に使用して製造されたセメントクリンカでは、普通ポルトランドセメントクリンカに比べてカルシウムアルミネートの含有率が大きくなり、当該セメントクリンカを用いて調製されたモルタル、コンクリートまたはペースト(以下、「モルタル等」ともいう。)の流動性や、強度発現性が低下する場合がある。
この問題を改善するために、上述のとおり、例えば、特許文献1に記載の水硬性組成物では、焼成物(セメントクリンカ)中のフッ素の含有率を特定の値以下にすることなどによって、モルタル等の流動性の向上を図っている。また、特許文献2に記載の水硬性組成物では、高炉スラグ粉末等から選ばれる1種以上の無機粉末を特定の配合量で配合することなどによって、モルタル等の流動性や、強度発現性の向上を図っている。
特許文献1〜2に記載されているような従来の技術と異なる技術によって、前記の問題を改善することができれば、廃棄物等を使用してセメント組成物を調製する方法に関して、選択の幅が広がり、好都合である。
本発明の目的は、廃棄物等を原料の一部として使用することによって、廃棄物等の利用の促進を図るとともに、モルタル等を調製した場合に当該モルタル等の流動性に優れ、かつ強度発現性に優れたセメント組成物を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、廃棄物及び発生土の少なくともいずれか一方を原料の一部として使用して製造された、水硬率(H.M.)、ケイ酸率(S.M.)、鉄率(I.M.)およびフリーライムの含有率の各値が特定の数値範囲内である焼成物の粉砕物と、石膏とを含むセメント組成物によれば、上記課題を達成することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] 廃棄物及び発生土の少なくともいずれか一方を原料の一部として使用して製造された、水硬率(H.M.)が2.0〜2.4であり、ケイ酸率(S.M.)が1.9〜2.4であり、鉄率(I.M.)が1.3〜2.0であり、フリーライムの含有率が1.0質量%を超え、2.0質量%以下である焼成物の粉砕物と、石膏を含むことを特徴とするセメント組成物。
[2] 高炉スラグ粉末、ポゾラン、及び石灰石粉末から選ばれる一種以上の無機粉末を含む、前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] 上記セメント組成物中の全SO量の割合が1.5〜2.5質量%である前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 上記セメント組成物に含まれる二水石膏と半水石膏の合計量中の半水石膏の量の割合が、SO3換算で30質量%以上であり、かつ、上記セメント組成物に含まれるSO3の全量中の二水石膏及び半水石膏中のSO3量の割合が、40質量%以上である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント組成物。
本発明のセメント組成物によれば、廃棄物等を原料の一部として使用して製造された焼成物(セメントクリンカ)を含んでいるにもかかわらず、流動性に優れるモルタル等を製造することができる。
また、本発明のセメント組成物は、廃棄物等を原料の一部として使用して製造された焼成物(セメントクリンカ)を含んでいるにもかかわらず、強度発現性に優れる。
本発明のセメント組成物は、廃棄物及び発生土の少なくともいずれか一方を原料の一部として使用して製造された、水硬率(H.M.)が2.0〜2.4であり、ケイ酸率(S.M.)が1.9〜2.4であり、鉄率(I.M.)が1.3〜2.0であり、フリーライムの含有率が1.0質量%を超え、2.0質量%以下である焼成物の粉砕物と、石膏を含むものである。
なお、本明細書中、「セメント組成物」とは、上記焼成物の粉砕物と、石膏を含む粉末状の混合物をいう。
本発明で用いられる焼成物は、原料の一部として廃棄物及び発生土の少なくともいずれか一方を使用して製造されたものである。これによって、廃棄物等の有効利用を促進することができる。
本明細書中、「廃棄物」とは、産業廃棄物または一般廃棄物をいう。
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物をいう。
産業廃棄物の例としては、生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、製鉄汚泥等)、コンクリート廃材、各種焼却灰(例えば、石炭灰)、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰等が挙げられる。
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。
一般廃棄物の例としては、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。
なお、「廃棄物」には、後述する「発生土」は含まれないものとする。
本明細書中、「発生土」とは、建設工事に伴い副次的に発生する土砂(例えば、地盤の掘削により生じるボーリング廃土)や汚泥(建設汚泥;例えば、地盤改良工事で生じる、セメントミルクと掘削土の混合物)をいう。
また、上記廃棄物及び発生土以外の焼成物の原料としては、一般的に用いられるポルトランドセメントクリンカ原料を使用する。具体的には、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO含有原料;珪石、粘土等のSiO2含有原料;粘土等のAl23含有原料;鉄滓、鉄ケーキ等のFe23含有原料等が挙げられる。
焼成物の原料の全量(乾燥質量)中の、廃棄物または発生土の量(乾燥質量;廃棄物と発生土を併用する場合は、これらの合計量)の割合は、廃棄物等の有効利用の促進、及び、セメント組成物の品質の低下を防ぐ観点から、好ましくは20〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。
本発明で用いられる焼成物の水硬率(H.M.)は、2.0〜2.4、好ましくは2.1〜2.3である。該水硬率が2.0未満であると、焼成物中の3CaO・Al(アルミネート相;以下、「C3A」ともいう。)と4CaO・Al23・Fe23(フェライト相;以下、「C4AF」ともいう。)の含有率が大きくなり、モルタル等の流動性が低下する。該水硬率が2.4を超えると、セメント組成物の初期強度発現性は向上するが、長期強度発現性は低下する。
焼成物のケイ酸率(S.M.)は、1.9〜2.4、好ましくは2.0〜2.2である。該ケイ酸率が1.9未満であると、焼成物中のC3AとC4AFの含有率が大きくなり、モルタル等の流動性が低下する。該ケイ酸率が2.4を超えると、モルタル等の流動性が低下する。また、原料として使用できる産業廃棄物等の量が少なくなるので、好ましくない。
焼成物の鉄率(I.M.)は、1.3〜2.0、好ましくは1.4〜1.9である。該鉄率が1.3未満であると、モルタル等の流動性は向上するが、焼成物の粉砕性が低下する。該鉄率が2.0を超えると、焼成物中のC3Aの含有率が大きくなり、モルタル等の流動性が低下する。
焼成物のフリーライムの含有率は、1.0質量%を超え、2.0質量%以下、好ましくは1.1〜1.8質量%、より好ましくは1.1〜1.7質量%、特に好ましくは1.2〜1.6質量%である。該含有率が1.0質量%以下であると、モルタル等の流動性が低下する。該含有率が2.0質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
なお、フリーライムの含有率は、「セメント協会標準試験方法 JCAS I−01」に準じて測定することができる。
焼成物中のフッ素量は、好ましくは1.0g/kg以下、より好ましくは500mg/kg以下である。焼成物中のフッ素量を1.0g/kg以下とすることで、セメント組成物の水和熱を小さくすることができる。また、焼成物を製造する際に、焼成設備が詰まりにくくなる。
上記各原料を、得られる焼成物の水硬率(H.M.)、ケイ酸率(S.M.)、鉄率(I.M.)が上述した数値範囲内となるように適宜混合して焼成することによって、本発明で用いられる焼成物を得ることができる
各原料を混合する方法は、特に限定されるものではなく、慣用の装置等を用いることができる。
また、焼成に用いる装置は、特に限定されるものではなく、例えば、ロータリーキルン等を用いることができる。ロータリーキルンを用いて焼成する場合、燃料代替廃棄物として、例えば廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等を使用することができる。
石膏としては、特に限定されず、例えば、二水石膏、α型又はβ型半水石膏、無水石膏等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、セメント組成物に含まれる二水石膏と半水石膏の合計量中の半水石膏の量の割合は、SO3換算で好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上である。該割合が30質量%以上であると、モルタル等の流動性の向上や、セメント組成物の水和熱の低減を図ることができる。
また、本発明において、セメント組成物に含まれるSO3の全量中の二水石膏及び半水石膏中のSO3量の割合は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50〜95質量%、特に好ましくは60〜90質量%である。該割合が40質量%以上であると、モルタル等の流動性の向上や、セメント組成物の水和熱の低減を図ることができる。
なお、二水石膏及び半水石膏の定量は、特開平6−242035号公報に記載される試料容器を使用した熱分析(熱重量測定等)により行うことができる。また、セメント組成物中の全SO3量の定量は、化学分析により行うことができる。
本発明において、セメント組成物中の全SO量の割合は、好ましくは1.5〜2.5質量%、より好ましくは1.7〜2.3質量%である。該割合を前記数値範囲内とすることにより、モルタル等の流動性が向上する。
本発明のセメント組成物は、例えば、(1)焼成物と石膏を同時に粉砕する方法、(2)焼成物を粉砕し、該粉砕物に、石膏を混合する方法等により製造することができる。
(1)の製造方法の場合、焼成物と石膏を、ブレーン比表面積が、好ましくは2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gとなるまで粉砕する。
(2)の製造方法の場合、焼成物を、ブレーン比表面積が、好ましくは2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gとなるまで粉砕する。また、石膏として、ブレーン比表面積が、好ましくは2,500〜15,000cm2/g、より好ましくは3,000〜12,000cm2/gであるものを使用する。
本発明のセメント組成物は、さらに、高炉スラグ粉末、ポゾラン(例えば、珪石粉末、石粉等の天然ポゾランや、フライアッシュ等の人工ポゾラン)、及び石灰石粉末から選ばれる一種以上の無機粉末(以下、「高炉スラグ粉末等の無機粉末」ともいう。)を含むことができる。
中でも、モルタル等の流動性、セメント組成物の強度発現性、アルカリ骨材反応の抑制効果、及び耐硫酸塩性の観点から、ポゾランが好ましい。ポゾランの中でも、天然ポゾランが特に好ましい。
上記セメント組成物中の高炉スラグ粉末等の無機粉末の量は、該無機粉末の種類により異なる。例えば、無機粉末が高炉スラグ粉末である場合、高炉スラグ粉末の量は、モルタル等の流動性、セメント組成物の強度発現性、アルカリ骨材反応の抑制効果、及び耐硫酸塩性等の観点から、焼成物の粉砕物と石膏の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部、より好ましくは20〜100質量部である。無機粉末がポゾランまたは石灰石粉末である場合、ポゾランまたは石灰石粉末の量は、焼成物の粉砕物と石膏の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜100質量部、より好ましくは15〜80質量部、特に好ましくは15〜40質量部である。
無機粉末として、高炉スラグ粉末と石灰石粉末を併用する場合、モルタル等の流動性及びセメント組成物の強度発現性等の観点から、高炉スラグ粉末の量は、焼成物の粉砕物と石膏の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜150質量部であり、石灰石粉末の量は、焼成物の粉砕物と石膏の合計量100質量部に対して、好ましくは1〜20質量部である。
高炉スラグ粉末等の無機粉末と、焼成物の粉砕物と、石膏を含むセメント組成物は、例えば、(1)焼成物と石膏を同時に粉砕し、該粉砕物と、高炉スラグ粉末等の無機粉末を混合する方法、(2)焼成物を粉砕し、該粉砕物と、石膏と、高炉スラグ粉末等の無機粉末を混合する方法、(3)焼成物と、石膏と、高炉スラグ粉末等の無機粉末を同時に粉砕する方法、等によって製造することができる。
上記(1)の製造方法の場合、焼成物と石膏は、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gとなるまで粉砕する。また、高炉スラグ粉末等の無機粉末としては、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜10,000cm2/g、より好ましくは3,000〜7,000cm2/gであるものを使用する。
上記(2)の製造方法の場合、焼成物は、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gとなるまで粉砕する。また、石膏としては、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜15,000cm2/g、より好ましくは3,000〜12,000cm2/gであるものを使用する。高炉スラグ粉末等の無機粉末としては、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜10,000cm2/g、より好ましくは3,000〜7,000cm2/gであるものを使用する。
上記(3)の製造方法の場合、焼成物と石膏と高炉スラグ粉末等の無機粉末は、好ましくはブレーン比表面積が2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gとなるまで粉砕する。
本発明において、セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは2,500〜4,500cm2/g、より好ましくは3,000〜4,500cm2/gである。該ブレーン比表面積が2,500cm2/g以上であれば、セメント組成物の強度発現性が向上する。該ブレーン比表面積が4,500cm2/g以下であれば、モルタル等の流動性が向上する。
本発明のセメント組成物と、水と、必要に応じて配合される他の材料(例えば、細骨材、粗骨材、減水剤等)を混合することによって、ペースト、モルタル又はコンクリートを調製することができる。減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系もしくはポリカルボン酸系等の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤もしくは高性能AE減水剤を使用することができる。
モルタル又はコンクリートを調製する場合、骨材として、モルタルやコンクリートの製造に使用される通常の細骨材(例えば、川砂、陸砂、砕砂等)や粗骨材(例えば、川砂利、山砂利、砕石等)を使用することができる。
また、骨材として、溶融スラグ(例えば、都市ゴミ、都市ゴミ焼却灰、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる一種以上を溶融して製造されたもの)、高炉スラグ、製鋼スラグ、銅スラグ、碍子屑、ガラスカレット、陶磁器廃材、クリンカーアッシュ、廃レンガ、コンクリート廃材等の廃棄物を使用することもできる。
なお、必要に応じて、支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤等の混和剤を使用してもよい。
ペースト、モルタル又はコンクリートの混練方法は、特に限定するものではなく、例えば、(1)各材料を一括してミキサに投入して1分以上混練する方法、(2)水以外の材料をミキサに投入して空練りした後に、水を投入して1分以上混練する方法等で行うことができる。
混練に用いるミキサは、特に限定するものではなく、ホバートミキサ、パンタイプミキサ、二軸ミキサ等の慣用のミキサで混練すれば良い。
ペースト、モルタル又はコンクリートの成形方法は、特に限定するものではなく、例えば、振動成形等を行えば良い。
また、養生条件も、特に限定するものではなく、例えば、気中養生、蒸気養生等を行えば良い。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
使用材料は、以下に示すとおりである。
(1) 二水石膏:関東化学社製試薬
(2) ポゾラン:天然ポゾラン(ブレーン比表面積:4,500cm2/g;化学組成:表1に示すもの)
(3) 細骨材:「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に定める標準砂
(4) 減水剤:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、BASFジャパン社製、商品名「レオビルドSP8N」
(5) 水:水道水
[焼成物A〜Cの製造]
原料として、廃棄物(下水汚泥、石炭灰)と、発生土と、石灰石等の一般のポルトランドセメントクリンカ原料を使用して、表2に示す水硬率(H.M.)、ケイ酸率(S.M.)および鉄率(I.M.)となるように原料を調合した。調合された原料を、小型ロータリーキルンを用いて、1,400〜1,500℃で焼成して、焼成物A〜Cを製造した。この際、燃料として一般的な重油のほかに、廃油や廃プラスチックを使用した。また、各焼成物中のフリーライムの含有率とフッ素量を表2に示す。
[実施例1]
焼成物Aと、排脱二水石膏と、該排脱二水石膏を140℃で加熱して得た半水石膏とを、表3に示す配合で混合した後、バッチ式ボールミルを用いて粉砕して、ブレーン比表面積が3,700cm/gのセメント組成物を得た。
該セメント組成物、細骨材、水および減水剤を使用して、モルタルを調製し、以下の測定方法に従って、フロー値、フローロス率及び圧縮強さを測定した。結果を表4に示す。
(1)フロー値及びフローロス率の測定
混練直後及び混練後30分間経過後のモルタルをフローコーン(上面直径5cm、下面直径10cm、高さ15cm)に投入し、フローコーンを上方へ取り去った際のモルタルの広がりを測定し、フロー値を求めた。なお、モルタルの配合は、水/セメント組成物(質量)比=0.35、細骨材/セメント組成物(質量)比=2.0、減水剤/セメント組成物(質量)比=0.012とした。また、モルタルの混練は、ホバートミキサを用いて、細骨材と水を1分間低速で混練した後に、セメント組成物と減水剤を、セメント組成物、減水剤の順に投入して、さらに1.5分間低速で混練し、1分間静置した後、さらに3分間中速で混練することで行った。
フローロス率は、次の式を用いて算出した。
フローロス率(%)=100×{(混練直後のフロー値)−(混練後30分間経過後のフロー値)}/{(混練直後のフロー値)−100}
(2)圧縮強さの測定
モルタルの圧縮強さ(材齢1日、3日、7日および28日)を「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準じて測定した。なお、モルタルの配合は、水/セメント組成物(質量)比=0.5、細骨材/セメント組成物(質量)比=3.0とした。
[比較例1]
表3に示す配合に従い、焼成物Bを使用して実施例1と同様にして、ブレーン比表面積が3,300cm/gのセメント組成物を得た。
該セメント組成物を用いて、実施例1と同様にして、フロー値、フローロス率および圧縮強さを測定した。結果を表4に示す。
[比較例2]
表3に示す配合に従い、焼成物Cを使用して実施例1と同様にして、ブレーン比表面積が3,130cm/gのセメント組成物を得た。
該セメント組成物を用いて、実施例1と同様にして、フロー値、フローロス率および圧縮強さを測定した。結果を表4に示す。
表4から、本発明のセメント組成物(実施例1)は、フリーライムの含有率が1.0質量%以下である焼成物Bを使用したセメント組成物(比較例1)、及びケイ酸率が2.4よりも大きい焼成物Cを使用したセメント組成物(比較例2)よりも、モルタルの流動性が良好であることがわかる。
さらに、本発明のセメント組成物(実施例1)は、焼成物Bを使用したセメント組成物(比較例1)よりも、初期強度(材齢1、3日における圧縮強さ)発現性に優れており、長期強度(材齢28日における圧縮強さ)発現性についてはほぼ同等であった。また、本発明のセメント組成物(実施例1)は、焼成物Cを使用したセメント組成物(比較例2)よりも強度発現性に優れている。
[実施例2、比較例3]
実施例1、比較例1の各々のセメント組成物100質量部に対して、天然ポゾランを20質量部添加、混合してセメント組成物(実施例2、比較例3)を得た。該セメント組成物、細骨材および水を使用して、モルタルを調製し、実施例1と同様にして圧縮強さ(材齢1日、3日、7日および28日)を測定した。結果を表5に示す。
表5から、本発明のセメント組成物(実施例2)は、フリーライムの含有率が1.0質量%以下である焼成物Bを使用したセメント組成物(比較例3)よりも、初期強度発現性が優れていることがわかる。

Claims (4)

  1. 廃棄物及び発生土の少なくともいずれか一方を原料の一部として使用して製造された、水硬率(H.M.)が2.1〜2.3であり、ケイ酸率(S.M.)が2.0〜2.2であり、鉄率(I.M.)が1.4〜1.9であり、フリーライムの含有率が1.2〜1.6質量%である焼成物の粉砕物と、石膏を含むことを特徴とするセメント組成物。
  2. 高炉スラグ粉末、ポゾラン、及び石灰石粉末から選ばれる一種以上の無機粉末を含む、請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 上記セメント組成物中の全SO量の割合が1.5〜2.5質量%である請求項1又は2に記載のセメント組成物。
  4. 上記セメント組成物に含まれる二水石膏と半水石膏の合計量中の半水石膏の量の割合が、SO3換算で30質量%以上であり、かつ、上記セメント組成物に含まれるSO3の全量中の二水石膏及び半水石膏中のSO3量の割合が、40質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセメント組成物。
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