JP6867800B2 - セメント組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、セメント組成物に関する。
近年、高炉スラグ粉末の含有率の大きいセメント組成物を用いたモルタルやコンクリートが開発されている。
高炉スラグの含有率の大きい、セメントを含む混合材の製造方法として、特許文献1には、5〜30重量部のセメントと、0〜20重量部のシリカフュームと、0〜50重量部のフライアッシュと、42〜75重量部の高炉スラグと、を混合して100重量部の混合材を製造することを特徴とする混合材の製造方法が記載されている。
特開2012−86992公報
セメント組成物中の高炉スラグ粉末の含有率が大きくなると、セメント組成物の強度発現性が低下するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、高炉スラグ粉末を多く含む(例えば、30〜75質量%)場合であっても、強度発現性(特に、材齢28日)、及び流動性に優れたセメント組成物を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、鉄率(I.M.)が1.88〜2.00である普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末と、高炉スラグ粉末を含み、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が特定の数値範囲内であり、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末の量、及び高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、石灰石粉末及び高炉スラグ粉末の各割合が特定の数値範囲内であるセメント組成物によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[4]を提供するものである。
[1] 鉄率(I.M.)が1.88〜2.00である普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末と、高炉スラグ粉末を含むセメント組成物であって、上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO換算)、上記石灰石粉末の量、及び上記高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、石灰石粉末の割合が2.5〜10.0質量%、高炉スラグ粉末の割合が30〜75質量%であることを特徴とするセメント組成物。
[2] 上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の水硬率(H.M.)が2.00〜2.20であり、ケイ酸率(S.M.)が2.40を超え、2.60以下である前記[1]に記載のセメント組成物。
[3] セメント組成物中の塩素の含有率が、0.02質量%未満である前記[1]又は[2]に記載のセメント組成物。
[4] 前記[1]〜[3]のいずれかに記載のセメント組成物と、水を含む水硬性組成物。
本発明のセメント組成物は、高炉スラグ粉末を多く含む(例えば、30〜75質量%)場合であっても、強度発現性(特に、材齢28日)、及び流動性に優れたものである。
本発明のセメント組成物は、鉄率(I.M.)が1.88〜2.00である普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末と、高炉スラグ粉末を含むセメント組成物であって、上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO換算)、上記石灰石粉末の量、及び上記高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、石灰石粉末の割合が2.5〜10.0質量%、高炉スラグ粉末の割合が30〜75質量%であるものである。
なお、本明細書において、セメント組成物とは、水、骨材及び減水剤を含まないセメント含有粉末またはそれに由来する物(水を含む混練物中の上記粉末の由来物、または、その硬化物)をいう。また、水硬性組成物とは、セメント組成物と水を含む硬化性組成物であって、水硬性組成物の硬化前の形態および硬化後の形態を包含するものである。水硬性組成物の例としては、ペースト、モルタル、及びコンクリートが挙げられる。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.セメント組成物の構成材料
(1)普通ポルトランドセメントクリンカー粉末
本発明で使用する普通ポルトランドセメントクリンカー粉末(以下、単に「セメントクリンカー」ともいう。)は、普通ポルトランドセメントクリンカーを粉砕することによって得ることができる。セメントクリンカーの鉄率(I.M.)は、1.88〜2.00、好ましくは1.90〜1.99、より好ましくは1.91〜1.98である。鉄率が1.88未満であると、セメント組成物の強度発現性が低下する。鉄率が2.00を超えると、セメント組成物の流動性が低下する。
セメントクリンカーの水硬率(H.M.)は、セメントクリンカーの製造の容易性や、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2.00〜2.20、より好ましくは2.02〜2.18、特に好ましくは2.05〜2.15である。
セメントクリンカーのケイ酸率(S.M.)は、セメントクリンカーの製造の容易性や、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは2.40を超え、2.60以下、より好ましくは2.44〜2.58、特に好ましくは2.48〜2.55である。
セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した3CaO・SiO2(エーライト;以下、「CS」)ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性、強度発現性の観点から、好ましくは53.0〜58.0質量%、より好ましくは53.5〜57.5質量%、特に好ましくは54.0〜57.0質量%である。
また、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した2CaO・SiO2(ビーライト;以下、「CS」ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性、強度発現性の観点から、好ましくは20.0〜24.0質量%、より好ましくは20.5〜23.5質量%、特に好ましくは21.0〜23.0質量%である。
また、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した3CaO・Al(アルミネート相;以下、「CA」ともいう。)の含有率は、セメント組成物の流動性や強度発現性の観点から、好ましくは8.5〜10.0質量%、より好ましくは8.7〜9.8質量%、特に好ましくは8.8〜9.4質量%である。
さらに、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出した4CaO・Al・Fe(フェライト相;以下、「CAF」ともいう。)の含有率は、好ましくは9.5〜11.5質量%、より好ましくは9.7〜11.0質量%、特に好ましくは10.0〜10.8質量%である。
また、セメントクリンカーの、ボーグ式を用いて算出したCSとCSの質量比(CS/CS)は、好ましくは4.0以下、より好ましくは2.0〜3.0、さらに好ましくは2.1〜2.9、特に好ましくは2.2〜2.8である。該比が4.0以下であれば、セメントクリンカーの製造の容易性がより向上し、セメント組成物の強度発現性がより向上する。
なお、本明細書中、セメントクリンカー中のC3S、C2S、C3A、C4AFの各含有率は、セメントクリンカー全量(100質量%)中の割合として、セメントクリンカー原料やセメントクリンカー(焼成物)の化学成分に基づき、下記のボーグの計算式を用いて算出される。
3S(質量%)=(4.07×CaO(質量%))−(7.60×SiO2(質量%))−(6.72×Al23(質量%))−(1.43×Fe23(質量%))
2S(質量%)=(2.87×SiO2(質量%))−(0.754×C3S(質量%))
3A(質量%)=(2.65×Al23(質量%))−(1.69×Fe23(質量%))
4AF(質量%)=3.04×Fe23(質量%)
セメントクリンカーのフリーライムの含有率は、好ましくは0.8質量%以下、より好ましくは0.05〜0.7質量%、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。該含有率が0.8質量%以下であれば、セメント組成物の強度発現性がより向上する。
セメントクリンカーの原料としては、石灰石、生石灰、消石灰等のCaO原料や、珪石、粘土等のSiO原料や、粘土等のAl23原料や、鉄滓、鉄ケーキ等のFe23原料等を使用することができる。
なお、本発明においては、セメントクリンカーの原料として、前記原料に加えて、産業廃棄物、一般廃棄物及び発生土から選ばれる一種以上を使用することができる。セメントクリンカーの原料として、産業廃棄物、一般廃棄物及び発生土から選ばれる一種以上を使用することは、廃棄物の有効利用を促進させる観点から好ましい。
ここで、産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物(ただし、後述する「発生土」を除く。)をいう。産業廃棄物としては、例えば、生コンスラッジ、各種汚泥(例えば、下水汚泥、浄水汚泥、製鉄汚泥等)、建設廃材、コンクリート廃材、各種焼却灰、鋳物砂、ロックウール、廃ガラス、高炉2次灰等が挙げられる。
一般廃棄物とは、産業廃棄物以外の廃棄物(ただし、後述する「発生土」を除く。)をいう。一般廃棄物としては、例えば、下水汚泥乾粉、都市ごみ焼却灰、貝殻等が挙げられる。
発生土とは、建設工事に伴い副次的に発生する土砂(例えば、地盤の掘削により生じるボーリング廃土)や汚泥(建設汚泥;例えば、地盤改良工事で生じる、セメントミルクと掘削土の混合物)をいう。
本発明で使用する普通ポルトランドセメントクリンカーは、上述した原料を、所望の水硬率、ケイ酸率、鉄率となるように混合した後、好ましくは1,350〜1,550℃(より好ましくは1,400〜1,500℃)で焼成することで製造される。
各原料を混合する方法は、特に限定されるものではなく、慣用の混合装置等を用いて行えばよい。
また、焼成に使用する装置も、特に限定されるものではなく、例えば、ロータリーキルン等を用いればよい。なお、ロータリーキルンを用いて焼成する場合、燃料代替廃棄物(例えば、廃油、廃タイヤ、廃プラスチック等)を使用することができる。
焼成によって得られた普通ポルトランドセメントクリンカー(塊状物)を、ボールミル等の慣用の粉砕装置を用いて粉砕することで、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末(粉砕物)を得ることができる。該粉末のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性、及び強度発現性、さらには粉砕のコスト低減の観点から、好ましくは2,500〜3,400cm/g、より好ましくは2,600〜3,300cm/g、特に好ましくは2,700〜3,200cm/gである。
(2)石膏
本発明で使用する石膏としては、例えば、二水石膏、半水石膏、および無水石膏等が挙げられる。石膏は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、二水石膏と半水石膏の混合物を用いることが好ましい。二水石膏と半水石膏の合計100質量%中の半水石膏の割合は、セメント組成物の流動性および強度発現性の観点から、SO換算で、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは20〜90質量%、特に好ましくは30〜85質量%である。
また、石膏のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは5,000〜15,000cm/g、より好ましくは6,000〜14,000cm/gである。
(3)石灰石粉末
本発明で使用する石灰石粉末のブレーン比表面積は、5,000cm/gを超えるも
のであり、好ましくは5,200〜15,000cm/g、より好ましくは5,400〜14,000cm/g、さらに好ましくは5,500〜13,000cm/g、特に好ましくは5,700〜12,000cm/gである。ブレーン比表面積が5,000cm/g以下であると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
(4)高炉スラグ粉末
本発明で使用する高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは3,000〜6,000cm/g、より好ましくは3,500〜5,500cm/g、特に好ましくは4,000〜5,000cm/gである。
2.セメント組成物の組成(構成材料の配合)及び製造方法
(1)各材料の割合
本発明のセメント組成物において、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合は、1.0〜3.0質量%、好ましくは1.1〜2.5質量%、より好ましくは1.2〜2.2質量%である。該割合が1.0質量%未満であると、セメント組成物の流動性が低下する。該割合が3.0質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
また、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、全SO量の割合は、セメント組成物の流動性及び強度発現性の観点から、好ましくは1.5〜3.5質量%、より好ましくは1.7〜3.0質量%である。
本発明のセメント組成物において、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末の量、及び高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、石灰石粉末の割合は、2.5〜10.0質量%、好ましくは3.0〜9.0質量%、より好ましくは3.3〜8.5質量%、特に好ましくは4.0〜7.0質量%である。該割合が上記数値範囲内であると、セメント組成物の強度発現性が向上する。
本発明のセメント組成物において、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、石膏の量(SO換算)、石灰石粉末の量、及び高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、高炉スラグ粉末の割合は、30〜75質量%、好ましくは40〜73質量%、より好ましくは45〜71質量%である。該割合が30質量%未満であると、セメント組成物の流動性が低下する。また、高炉スラグ粉末の有効活用を促進する観点から好ましくない。該割合が75質量%を超えると、セメント組成物の強度発現性が低下する。
また、本発明のセメント組成物中の塩素の含有率は、当該セメント組成物を含む水硬性組成物の作業性の観点から、好ましくは0.02質量%未満、より好ましくは0.005〜0.019質量%、特に好ましくは0.007〜0.018質量%である。
本発明のセメント組成物は、上述した普通ポルトランドセメントクリンカー粉末、石膏、石灰石粉末、及び高炉スラグ粉末の他に、必要に応じて、フライアッシュと珪石粉末の中から選ばれる少なくとも1種を、セメントクリンカー100質量部に対して、5.5質量部以下の量で含んでいてもよい。
(2)セメント組成物の製造方法
本発明のセメント組成物の製造方法としては、例えば、以下の(a)〜(b)の方法が挙げられる。
(a)普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏を同時に粉砕し、次いで、石灰石粉末(ブレーン比表面積が5,000cm/gを超えるもの)と高炉スラグ粉末を添加して混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm/g、より好ましくは3,100〜3,350cm/gとなるまで行うことが好ましい。
(b)普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と石灰石を同時に粉砕し、次いで、高炉スラグ粉末を添加して混合する方法
該方法において、普通ポルトランドセメントクリンカーと石膏と石灰石の粉砕は、粉砕物のブレーン比表面積が、好ましくは3,000〜3,400cm/g、より好ましくは3,100〜3,350cm/gとなるまで行うことが好ましい。なお、該粉砕によって、粉砕物に含まれる石灰石粉末のブレーン比表面積は、5,000cm/gを超えるものとなる。
本発明のセメント組成物は、水、及び、必要に応じて配合される他の材料(例えば、細骨材、粗骨材、減水剤等)と混合されることによって、水硬性組成物(具体的には、ペースト、モルタル、又はコンクリート)として使用される。
減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、又はポリカルボン酸系等の、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、又は高性能AE減水剤を使用することができる。
本発明のセメント組成物を、モルタル又はコンクリートとして使用する場合には、骨材として、モルタルやコンクリートの製造に使用される通常の細骨材(例えば、川砂、陸砂、砕砂等)や粗骨材(例えば、川砂利、山砂利、砕石等)を使用することができる。また、骨材の一部または全部として、溶融スラグ(例えば、都市ゴミ、都市ゴミ焼却灰、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる一種以上を溶融して製造されたもの)、高炉スラグ、製鋼スラグ、銅スラグ、碍子屑、ガラスカレット、陶磁器廃材、クリンカーアッシュ、廃レンガ、コンクリート廃材等の廃棄物を使用することもできる。
なお、必要に応じて、本発明の目的に支障のない範囲内で、空気連行剤、消泡剤等の混和剤を使用してもよい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[普通ポルトランドセメントクリンカーA〜Eの製造]
下水汚泥、石炭灰、発生土等と、石灰石等の一般的なポルトランドセメントクリンカーの原料を用いて、得られる普通ポルトランドセメントクリンカー(A〜E)の水硬率(H.M.)、ケイ酸率(S.M.)、及び鉄率(I.M.)が、表1に示す値となるように、セメント組成物の原料を調製した。調製した原料を、ロータリーキルンを用いて、1,450℃で焼成して、塊状物である普通ポルトランドセメントクリンカーA〜Eを得た。
Figure 0006867800
普通ポルトランドセメントクリンカーA〜Eの製造で使用したもの以外の使用材料を以下に示す。
(1)石灰石:粒径30mm程度
(2)二水石膏:排脱二水石膏(粒径0.01〜2mm程度)
(3)高炉スラグ粉末:ブレーン比表面積4,800cm/g
(4)細骨材:「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に定める標準砂
(5)減水剤A:ポリカルボン酸系高性能AE減水剤、BASFジャパン製、商品名「マスターグレニウムSP8N」
(6)減水剤B:ナフタレンスルホン酸系高性能減水剤、花王社製、商品名「マイティ150」
(7)消泡剤:非イオン界面活性剤、日華化学社製、商品名「フォームレックス747」
(8)水:水道水
[実施例1〜6、比較例1〜5]
表2に示す種類及び割合の普通ポルトランドセメントクリンカー(表3中、「クリンカー」と示す。)と、排脱二水石膏(表3中、「石膏」と示す。)と、石灰石を実機ボールミル(粉砕能力:130トン/時)に投入した後、これらを同時に粉砕して、粉砕物を得た。
得られた粉砕物に、表2に示す割合の高炉スラグ粉末を添加した後、混合して、セメント組成物1〜10を製造した。なお、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の全SOの割合は、2.2質量%である。また、粉砕物中の二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO換算で30〜50質量%であった。
なお、表2中、石膏の割合(質量%)は、普通ポルトランドセメントクリンカーの量と、石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合を示す。
また、表2中、高炉スラグ粉末及び石灰石の各割合(質量%)は、普通ポルトランドセメントクリンカーの量、石膏の量(SO換算)、高炉スラグ粉末の量、及び石灰石の量の合計100質量%中、石灰石の割合、及び、高炉スラグ粉末の割合を示す。
さらに、セメント組成物1〜10の製造における、高炉スラグ粉末を添加する前の粉砕物のブレーン比表面積を表2に示す。
Figure 0006867800
[比較例6]
普通ポルトランドセメントクリンカーEと排脱二水石膏と石灰石を、実機ボールミル(粉砕能力:130トン/時)に投入した後、これらを同時に粉砕して、ブレーン比表面積が3,280cm/gであるセメント組成物11を得た。
なお、普通ポルトランドセメントクリンカーEの量と、石膏の量(SO換算)と、石灰石の量の合計100質量%中、普通ポルトランドセメントクリンカーE、石膏(SO換算)、及び石灰石の割合は、各々、94.9質量%、1.6質量%、及び3.5質量%である。また、普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の全SOの割合は、2.2質量%である。さらに、二水石膏の量と半水石膏の量の合計100質量%中の半水石膏の割合は、SO換算で48質量%であった。
なお、セメント組成物11は、市販されている普通ポルトランドセメントに相当するものである。
[参考例1]
セメント組成物11と高炉スラグ粉末を混合して、セメント組成物12を製造した。セメント組成物12(100質量%)中、セメント組成物11の割合は60質量%であり、高炉スラグ粉末の割合は40質量%である。
なお、セメント組成物12は、市販されている高炉セメントB種に相当するものである。
セメント組成物1〜12中の塩素の含有率は、0.01〜0.012質量%であった。
セメント組成物1〜7、9〜12において、セメント組成物中の石灰石粉末のブレーン比表面積は、6,000〜8,000cm/gであった。
また、セメント組成物1〜12において、セメント組成物中の石膏のブレーン比表面積は、8,000〜12,000cm/gであった。
なお、セメント組成物中の特定の材料(石灰石粉末や石膏)のブレーン比表面積は、セメント組成物を走査電子顕微鏡(SEM)で観察して、セメント組成物中の材料の粒子を特定し、該粒子の平均粒径を求めた後、該平均粒径から推定することができる。
セメント組成物1〜12について、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
(1)モルタルフローの測定
水とセメント組成物の質量比(水/セメント組成物)が0.3、細骨材とセメント組成物の質量比(細骨材/セメント組成物)が1.4、消泡剤とセメント組成物の質量比(消泡剤/セメント組成物)が0.001となる量、及び、表3に示す種類の減水剤を、減水剤Aとセメント組成物の質量比(減水剤A/セメント組成物)が0.0065、又は、減水剤Bとセメント組成物の質量比(減水剤B/セメント組成物)が0.012となる量で、セメント組成物等のこれら材料を混合して、モルタルを調製した。これら材料の混練は、ホバートミキサーを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠(ただし、混練時間は、ここに記載されている時間よりも2分間長いものとした。)して行った。なお、混練に際して、減水剤と消泡剤は水と同時にミキサーに投入した。
得られたモルタルについて、「JIS A 1171(ポリマーセメントモルタルの試験方法)」に記載されたスランプコーンを用いて、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」のフロー試験に準拠して、混練直後のモルタルフロー値を、15回の落下運動を行わないで測定した。
(2)モルタル圧縮強さの測定
「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)」に準拠して、材齢3日、7日、28日の各時点における、モルタル圧縮強さを測定した。
Figure 0006867800
表3から、本発明のセメント組成物(実施例1〜5)は、モルタルフローおよびモルタル圧縮強さ(特に、材齢28日におけるモルタル圧縮強さ)が大きいことがわかる。
具体的には、実施例1及び実施例4(高炉スラグ粉末を50質量%で含むもの)と、比較例6(高炉スラグ粉末を使用していないもの)を比較すると、実施例1、実施例4の材齢3日、7日におけるモルタル圧縮強さ(3日:25.1〜25.2N/mm、7日:43.5〜44.9N/mm)は、比較例6の材齢3日、7日におけるモルタル圧縮強さ(3日:27.4N/mm、7日:43.3N/mm)と同等であり、実施例1、実施例4の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(66.4〜67.0N/mm)は、比較例6の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(61.3N/mm)よりも大きい。また、実施例1、実施例4のモルタルフロー(減水剤Aを使用した場合;直後:290〜315mm、30分後:152〜160mm、減水剤Bを使用した場合;直後:332〜380mm、30分後:194〜220mm)は、比較例6のモルタルフロー(減水剤Aを使用した場合;直後:252mm、30分後:140mm、減水剤Bを使用した場合;直後:256mm、30分後:175mm)よりも大きい。
実施例2〜3、及び実施例5(高炉スラグ粉末を70質量%で含むもの)と、比較例6(高炉スラグ粉末を使用していないもの)を比較すると、実施例2〜3、及び実施例5の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(59.8〜63.6N/mm)は、比較例6の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(61.3N/mm)と同等である。また、実施例2〜3、及び実施例5のモルタルフロー(減水剤Aを使用した場合;直後:324〜362mm、30分後:150〜184mm、減水剤Bを使用した場合;直後:366〜397mm、30分後:200〜253mm)は、比較例6のモルタルフロー(減水剤Aを使用した場合;直後:252mm、30分後:140mm、減水剤Bを使用した場合;直後:256mm、30分後:175mm)よりも大きい。
実施例2及び実施例5と、比較例1(鉄率が1.82である普通ポルトランドセメントクリンカーCを使用した以外は、実施例2及び実施例5と同じ条件で製造したもの)と、比較例2(鉄率が2.10である普通ポルトランドセメントクリンカーDを使用した以外は、実施例2及び実施例5と同じ条件で製造したもの)を比較すると、実施例2、実施例5の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(61.9〜63.6N/mm)は、比較例1、比較例2の材齢28日におけるモルタル圧縮強さ(56.0〜60.5N/mm)よりも大きい。
実施例1〜5と比較例3〜5を比較すると、実施例1〜5の材齢7日、28日におけるモルタル圧縮強さ(7日:35.1〜44.9N/mm、28日:59.8〜67.0N/mm)は、比較例3〜5の材齢7日、28日におけるモルタル圧縮強さ(7日:33.2〜34.6N/mm、28日:48.4〜〜53.0N/mm)よりも大きい。

Claims (3)

  1. 鉄率(I.M.)が1.88〜2.00、水硬率(H.M.)が2.05〜2.18、及び、ケイ酸率(S.M.)が2.48〜2.58である普通ポルトランドセメントクリンカー粉末と、石膏と、ブレーン比表面積が5,000cm/gを超える石灰石粉末と、高炉スラグ粉末を含むセメント組成物であって、
    上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量と、上記石膏の量(SO換算)の合計100質量%中の、石膏の量(SO換算)の割合が、1.0〜3.0質量%であり、
    上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末の量、上記石膏の量(SO換算)、上記石灰石粉末の量、及び上記高炉スラグ粉末の量の合計100質量%中、石灰石粉末の割合が3.0〜9.0質量%で、かつ、高炉スラグ粉末の割合が45〜75質量%であり、
    塩素の含有率が、0.007〜0.018質量%であることを特徴とするセメント組成物。
  2. 上記普通ポルトランドセメントクリンカー粉末のケイ酸率(S.M.)が2.51〜2.58である請求項1に記載のセメント組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のセメント組成物と、水を含む水硬性組成物。
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