JP4671872B2 - シリコンの精錬方法 - Google Patents

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本発明は、太陽電池原料などとして利用価値の高い高純度なシリコンを製造することを目的に、冶金学グレードのシリコン(純度98〜99%程度)から、不純物、特にホウ素を効率的に除去するための方法に関するものである。
シリコンからの不純物、特にホウ素を除去する従来技術としては、例えば非特許文献1に開示されているような、溶融シリコンとCaO−SiO2、CaO−MgO−SiO2、CaO−BaO−SiO2及びCaO−CaF2−SiO2 などのスラグを接触させ、スラグとシリコンとの間のホウ素の平衡分配により除去する方法が知られている。
また、特許文献1に開示されているような、溶融シリコンをスラグで処理することによって溶融シリコンから不純物を除去することからなるシリコンの精製方法において、前記スラグを溶融シリコンに連続的にまたは実質的に連続的に添加すること、及び、除去すべき1種または複数の不純物元素について該スラグと溶融シリコンとの間の平衡が達成されるや否や連続的にまたは実質的に連続的に前記スラグを不活性化させるか又は溶融シリコンから取り除く方法が知られている。
さらに具体的には、溶融シリコンにより密度の大きいCaO−SiO2などアルカリ土類系のスラグを溶融シリコンの収容容器の上方から添加するか、あるいは密度の小さいNa2O−SiO2を基材とするスラグを容器の下方から添加するとともに、実質的に連続的に前記スラグを不活性化させるか又は溶融シリコンから取り除く方法が知られている。
また、特許文献2に開示されているような、ホウ素濃度が100質量ppm以下であるシリコンに塩基性成分を含むフラックスを添加し、これらを溶融させるフラックス添加工程と、シリコンにノズルを浸漬し、酸化性ガスを吹き込む反応工程と、シリコンからフラックスを除去するフラックス除去工程からなるシリコンの精製方法であって、フラックスにはCaO、CaCO3、又はNa2Oを含む塩基性フラックス、好ましくは所定の組成を有するCaO−CaF2混合フラックスを用いる方法が知られている。
特開平8−11208号公報 特開2003−12317号公報 鈴木他、日本金属学会誌、第54巻、第2号、p.168−172(1990)
しかし、上述したようなスラグ・フラックス材料を湯面上へ、上方から添加する精製方法を工業的に利用するためには、取り扱うシリコン溶湯及びスラグ・フラックス材料の量が増加するため、以下の課題がある。
第一の課題として、溶融シリコン量の増大に伴なう反応容器の大型化、すなわち湯面の拡大が挙げられる。湯面上の一定位置へ供給されるスラグ・フラックス材料はシリコン溶湯の熱対流等によりシリコン浴の表面に拡げられるが、湯面面積が大きくなるため湯面全体に拡がる時間が長くなり処理時間の増加を招く。この時間的ロスを軽減しスラグ・フラックス材料の溶解時間及び精製反応時間を短縮する必要がある。
第二の課題は、湯面局部にスラグ原料を集中的に供給した場合、シリコン湯面近傍の浴中での酸化性ガスの発生が集中的に起こり、シリコン溶湯の突沸現象が発生する点である。突沸現象が発生すると、シリコン溶湯が上方に飛散して反応容器内面や上面の蓋等に付着固化するため、製品歩留の低下や、精製操作の初期段階で飛散した比較的不純物濃度の高いシリコン付着物が脱落することによるシリコン浴の再汚染が懸念される。
しかし、非特許文献1、特許文献1、特許文献2では、工業的に利用することを視野に入れた、上記の課題については、何ら認識されていない。
本発明は、上記の課題を克服するためになされたものであり、シリコンから不純物、特にホウ素を除去し、太陽電池製造用などに有用な高純度シリコンを得るための工業的に有用な方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、以下の発明を成すに至った。
(1) 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端側面部に1箇所又は2箇所以上の開口を有する装入手段を通して、該装入手段を回転させながら、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
(2) 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端部に複数の開口を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
(3) 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、内部に区画を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
(4) 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端部に周状の開口を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
(5) 前記の装入手段を、略水平面で任意の方向に移動させながら、前記混合物を添加することを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載のシリコンの精錬方法。
本発明によれば、例えば工業化の際に反応容器を大型化する場合でも、スラグ用材料を分散させながら添加することができるため、シリコンからホウ素を効率よく除去することができ、かつ精製歩留を向上できるため、太陽電池用などで利用価値の高い高純度なシリコンを高効率で製造することができ、結果として安価な高純度シリコンを市場に供給することで太陽電池などの製品コストの引き下げに寄与することができる。
次に、本発明についてさらに詳しく説明する。
(1)の発明は、冶金的グレードのシリコン(いわゆる金属シリコン)を溶融し、この溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端側面部に1箇所又は2箇所以上の開口を有する装入手段を通して、該装入手段を回転させながら、前記混合物を添加することを特徴とする。
本発明者らの実験によると、あらかじめ混合したアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とけい砂の混合物を、図1に示す様な、下端側面部に1箇所の開口を有し、連続的に旋回することのできる装入管を介して、シリコンの湯面上に供給したところ、混合物は湯面全体に散布され、ただちに溶解して溶融シリコンの表面に浮上し、ほぼ一定のスラグ層厚みを形成した。装入手段としては、装入管を用いることが一般的である。なお、本発明者の実験的な知見からは、装入管の回転速度は、2〜30rpm程度が望ましい。
また、前記混合物の添加中には、突沸による溶融シリコンの飛散が見られず、高い供給速度での安定した前記混合物の連続供給が可能であることを確認できた。
本発明の方法において、装入管の旋回は外部からの駆動伝達機構によってなされる。例えば、図1に示す例では、装入手段1を、外部の駆動伝達機構7で回転させることが可能である。
また、装入される前記混合物が湯面上により分散されやすくするためには、図2に示すように、開口部から外周方向に向けたガイド筒を付けたり、図3に示すように、開口に向かって装入管下端内部にテーパーをつけることが効果的であるため、好ましい。
溶融シリコンに前記装入管から前記混合物を供給するには、単に重力の作用のみで混合物を落下させることで、実施できる。但し、非酸化性の圧縮ガス(N2、Ar等)の吹き込み手段を設けて、溶融シリコンに前記混合物を投入してもよい。
(2)の発明は、前記混合物を、溶融シリコンの湯面上から、下端部に複数の開口を有する装入管を通して前記混合物を添加することを特徴とする。装入手段としては、装入管を用いることが一般的である。
本発明者らの実験によると、あらかじめ混合したアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とけい砂の混合物を、図4に示すような、下端部に4箇所の開口を有する装入管を通して前記混合物を添加したところ、混合物は湯面全体に散布され、ただちに溶解して溶融シリコンの表面に浮上し、ほぼ一定のスラグ層厚みを形成した。
また、前記混合物の添加中には、突沸による溶融シリコンの飛散が見られず、高い供給速度での安定した前記混合物の連続供給が可能であることを確認できた。
また、装入される前記混合物が湯面上により分散されやすくするためには、図2に示すように、開口部から外周方向に向けたガイド筒を付けたり、図3に示すように、開口に向かって装入管下端内部にテーパーをつけることが効果的であるため、好ましい。
溶融シリコンに、前記装入管から前記混合物を供給するには、単に重力の作用のみで混合物を落下させることで、実施できる。また、非酸化性の圧縮ガス(N2、Ar等)などの吹き込み手段を設けて、溶融シリコンに前記混合物を投入してもよい。
(3)の発明は、内部に通路区画を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とする。
本発明者らの実験によると、あらかじめ混合したアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とけい砂の混合物を、図5に示すような、内部に複数の通路を有した樋状の装入手段を用いて添加したところ、混合物は湯面全体に散布され、ただちに溶解して溶融シリコンの表面に浮上し、ほぼ一定のスラグ層厚みを形成した。また、前記混合物の添加中には、突沸による溶融シリコンの飛散が見られず、高い供給速度での安定した前記混合物の連続供給が可能であることを確認できた。
溶融シリコンに前記混合物を供給するには、単に重力の作用のみで混合物を落下させることで、実施できる。また、加振力により供給する機構(振動フィーダー等)により添加してもよい。
(4)の発明は、装入管下端部に周状の開口を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とする。
本発明者らの実験によると、あらかじめ混合したアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とけい砂の混合物を、図6に示すように、装入管下端部に配置した円錐状のストッパーを下げることにより周状の開口を作り、その隙間から全周方向に向けて添加したところ、混合物は湯面全体に散布され、ただちに溶解して溶融シリコンの表面に浮上し、ほぼ一定のスラグ層厚みを形成した。
また、前記混合物の添加中には、突沸による溶融シリコンの飛散が見られず、高い供給速度での安定した前記混合物の連続供給が可能であることを確認した。
溶融シリコンに前記装入管から前記混合物を供給するには、単に重力の作用のみで混合物を落下させることで、実施できる。また、非酸化性の圧縮ガス(N2、Ar等)の吹き込み手段を設けて、溶融シリコンに前記混合物を投入してもよい。
(5)の発明は、(1)〜(4)の装入手段を用いる際に、略水平面で任意の方向に移動させながら、前記混合物を添加することを特徴とする。
本発明者らの実験によると、あらかじめ混合したアルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とけい砂の混合物を、例えば(2)の発明の装入手段用いて、図7に示すように水平方向に移動させながら添加したところ、さらに効果が上がることを確認できた。
装入手段の移動軌跡は、図8に示す通り、円周軌道でも、また直線的移動でも、またその他の任意の軌道でもよい。さらに、原則として水平方向の面内を移動するが、装置構成上、少し上下に移動するものでも、添加効果には影響しないため、略水平面内を移動させながら、添加しても良い。
本発明の方法において、装入手段(装入管)は、アルミナ−SiC系などの酸化物から成る耐火材料や、ステンレス合金などの耐熱合金が例示できる。
本発明の方法において、溶融シリコンは特に制限されず公知の方法を用いて得られる。例えば図1に示す例では、電磁誘導加熱装置などの加熱手段6が設けられたルツボ5に、原料シリコンを装入し、加熱手段6でルツボ5を加熱し、原料シリコンを溶融させことにより溶融シリコン2が得られる。なお、溶融シリコンの温度は、1450〜1600℃程度に維持するのが望ましい。
溶融シリコンに用いられる原料シリコンは、純度98質量%以上の金属シリコンなど、冶金的精製において工業的に広く利用されているものであれば制限無く用いられる。
また、本発明者らの実験によると、溶融シリコンを収容する容器の内径が0.4m程度以上になると、本発明による混合物の均一分散による効果が顕著に現れることが確認された。
さらに、溶融シリコンを収容する容器の内径が大きいほど、その効果はより顕著になるため、この内径が0.8m以上がより好ましく、1.2m以上がさらに好ましい。この内径の上限は特に規定するものではないが、工業的な観点から、1.5m程度以下とすることが、通常であると考えられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示す内径0.5mのアルミナ質のルツボ5中で、ホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン100kgを溶融し、得られた溶融シリコンを1500℃に保持した。次に、ホウ素を1.0質量ppm含有する粉状態の炭酸カリウムと、ホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のけい砂とを分子量で2:1の割合で混合し、装入手段1を介して前記溶融シリコンに供給した。
このとき、混合物の供給は重力の作用を利用し、装入管を反応容器中心上部で8rpmで回転させつつ、2kg/分の速度で連続的に行った。このとき溶融シリコンの突沸は発生せず、容器内壁へのシリコンの飛散付着は見られなかった。
供給した前記混合物の総量が10kgに達した時点で投入を止め、20分後、供給された混合物がシリコンと反応して生成したスラグ3を、ルツボ5からスラグ掻き棒を用いることにより排出した。
この混合物投入からスラグの排出の一連の操作を合計30回実施し、ルツボを傾けてシリコンを排出した。前記シリコンの成分を分析したところ、シリコン中のホウ素濃度は0.28質量ppmであった。また、シリコンの精製歩留は70%であり、工業的に問題がない結果となった。
また、図4〜6に示す添加装置を用いて、装入管を回転させる以外は、上記と同様の条件でスラグ材料を添加したが、ほとんど同様の結果となった。
(実施例2)
図1に示す内径0.5mのアルミナ質のルツボ5中でホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン100kgを溶融し、得られた溶融シリコンを1500℃に保持した。次に、ホウ素を0.6質量ppm含有する粉状態の炭酸ナトリウムと、ホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のけい砂とを分子量で2:1の割合で混合し、装入手段1を介して前記溶融シリコンに供給した。
このとき、混合物の供給は重力の作用を利用し、装入管を反応容器中心上部で8rpmで回転させつつ、2kg/分の速度で連続的に行った。このとき溶融シリコンの突沸は発生せず、容器内壁へのシリコンの飛散付着は見られなかった。
供給した前記混合物の総量が10kgに達した時点で投入を止め、20分後、供給された混合物がシリコンと反応して生成したスラグ3を、ルツボ5からスラグ掻き棒を用いることにより排出した。
この混合物投入からスラグの排出の一連の操作を合計30回実施し、ルツボを傾けてシリコンを排出した。前記シリコンの成分を分析したところ、シリコン中のホウ素濃度は0.25質量ppmであった。また、シリコンの精製歩留は65%であり、工業的に問題がない結果となった。
また、図4〜6に示す添加装置を用いて、装入管を回転させる以外は、上記と同様の条件でスラグ材料を添加したが、ほとんど同様の結果となった。
(比較例1)
図1に示す内径0.5mのアルミナ質のルツボ中でホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン100kgを溶融し、得られた溶融シリコンを1500℃に保持した。次に、ホウ素を1.0ppm含有する粉状の炭酸カリウムと、ホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のけい砂とを分子量で2:1の割合で混合し、回転しない装入管を介して前記溶融シリコンに供給した。
このとき、混合物の供給は重力の作用を利用し、突沸が起きない状態を保つこのとができる0.4kg/分の速度で連続的に行った。供給した前記混合物の総量が10kgに達した時点で投入を止め、20分後、供給された混合物がシリコンと反応して生成したスラグ3を、ルツボ5からスラグ掻き棒を用いることにより排出した。
この混合物投入からスラグの排出の一連の操作を合計30回実施し、ルツボを傾けてシリコンを排出した。前記シリコンの成分を分析したところ、シリコン中のホウ素濃度は0.3質量ppmであった。従って、シリコン中のホウ素濃度がやや高い上に、スラグ材料の供給に要する時間が長くなってしまった。また、シリコンの精製歩留は60%であり、工業化するには、やや低い結果となった。
また、図4〜6に示す添加装置を用いて、装入管を回転させる以外は、上記と同様の条件でスラグ材料を添加したが、ほとんど同様の結果となった。
(比較例2)
図1に示す内径0.5mのアルミナ質のルツボ中でホウ素を15質量ppm含有する金属シリコン100kgを溶融し、得られた溶融シリコンを1500℃に保持した。次に、ホウ素を0.6質量ppm含有する粉状の炭酸ナトリウムと、ホウ素を1.5質量ppm含有する粉状のけい砂とを分子量で2:1の割合で混合し、回転しない装入管を介して前記溶融シリコンに供給した。
このとき、混合物の供給は重力の作用を利用し、突沸が起きない状態を保つこのとができる0.3kg/分の速度で連続的に行った。供給した前記混合物の総量が10kgに達した時点で投入を止め、20分後、供給された混合物がシリコンと反応して生成したスラグ3を、ルツボ5からスラグ掻き棒を用いることにより排出した。
この混合物投入からスラグの排出の一連の操作を合計30回実施し、ルツボを傾けてシリコンを排出した。前記シリコンの成分を分析したところ、シリコン中のホウ素濃度は0.32質量ppmであった。従って、シリコン中のホウ素濃度がやや高い上に、スラグ材料の供給に要する時間が長くなってしまった。また、シリコンの精製歩留は55%であり、工業化するには、かなり低い結果となった。
また、図4〜6に示す添加装置を用いて、装入管を回転させる以外は、上記と同様の条件でスラグ材料を添加したが、ほとんど同様の結果となった。
本発明の一実施例を示す概略図である。 図1、図4を補足する概略図である。 図1、図4を補足する概略図である。 本発明の一実施例を示す概略図である。 本発明の一実施例を示す概略図である。 本発明の一実施例を示す概略図である。 本発明の一実施例を示す概略図である。 図7を補足する概略図である。
符号の説明
1 装入手段
2 溶融シリコン
3 スラグ
4 原料供給手段
5 反応容器(ルツボ)
6 加熱手段
7 駆動装置
8 開口
9 区画(整流板)
10 ストッパー
11 移動手段

Claims (5)

  1. 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端側面部に1箇所又は2箇所以上の開口を有する装入手段を通して、該装入手段を回転させながら、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
  2. 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端部に複数の開口を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
  3. 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、内部に区画を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
  4. 溶融シリコンを収容した容器に、アルカリ金属の炭酸塩又は該炭酸塩の水和物の一方又は両方とSiO2の混合物を、溶融シリコンの湯面上から添加して、スラグを形成させてシリコン中のホウ素を除去する方法であって、下端部に周状の開口を有する装入手段を通して、前記混合物を添加することを特徴とするシリコンの精錬方法。
  5. 前記の装入手段を、略水平面で任意の方向に移動させながら、前記混合物を添加することを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のシリコンの精錬方法。
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