JP2000212629A - 溶融金属用取鍋内スラグの改質剤添加方法及び装置 - Google Patents

溶融金属用取鍋内スラグの改質剤添加方法及び装置

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JP2000212629A
JP2000212629A JP11010500A JP1050099A JP2000212629A JP 2000212629 A JP2000212629 A JP 2000212629A JP 11010500 A JP11010500 A JP 11010500A JP 1050099 A JP1050099 A JP 1050099A JP 2000212629 A JP2000212629 A JP 2000212629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 精錬炉から出湯された取鍋内の溶融金属の上
表面を覆うスラグに、スラグ改質剤を均一に且つ速やか
に添加する。 【解決手段】 予め取鍋4内のスラグ14上表面全域を
複数の区画に仕切り、各区画毎に所定量のスラグ改質剤
を割り当て、当該領域の上記割り当てられたスラグ改質
剤を貯留し、添加装置の下方真下に取鍋4を位置させる
か、又は取鍋4の上方真上に添加装置2を位置させ、次
いで速やかにスラグ改質剤1を全量、スラグの上表面に
速やかに落下させ添加する。また、上記機能を有する機
構で構成された装置。 【効果】 次工程における2次精錬により従来よりも高
清浄な鋼を溶製することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、精錬炉から出湯
された取鍋内の溶融金属の上表面を覆うスラグを改質す
るために、当該スラグ表面全域に均一に且つ速やかに、
スラグ改質剤を添加する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば転炉等精錬炉から溶鋼を取
鍋に出鋼する場合、出鋼流と共に不可避的にスラグが流
出したり、あるいは、意図的にスラグを流出させ、次い
で、次工程での2次精錬等の目的、例えば、清浄鋼の溶
製等のために、スラグの成分組成を改質する場合があ
る。上記スラグの改質に当たり、一般的に、出鋼後の取
鍋に金属アルミニウムや金属アルミニウムを含有するス
ラグ改質剤を投入し、所定の化学成分組成のスラグを得
ることが行なわれている。取鍋へのスラグ改質剤の添加
方法は、従来、取鍋への出湯後に、精錬炉の炉裏シュー
トから取鍋内に落下投入する方法が行なわれている。こ
のような従来方法では、スラグ改質剤が取鍋内スラグに
均一に添加され難い。従って、目標どおりにスラグを改
質することが困難であり、改質後のスラグの化学成分組
成にバラツキが生じるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来方法によれば、ス
ラグ改質剤の添加が簡単であり、特別な添加装置を必要
としない点という利点を有している。しかしながら、上
述した従来技術では、スラグの全域にわたって均一に、
目標どおりの化学成分組成のスラグに改質することが困
難であり、また、スラグ改質剤の歩留りが低く、そのバ
ラツキも大きい。従って、実施例工程で行なわれる2次
精錬の効果が十分に発揮されないことがある。
【0004】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決して、スラグ改質剤を取鍋に均一に添加すること
により、高清浄鋼の溶製を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
観点から、取鍋内スラグの改質剤添加方法の試験を行な
った。その結果、取鍋内スラグ全域を多数の区画に分
け、その真上に上記区画と合同形状のスラグ改質剤貯留
区画を設け、各区画のゲートを一斉に開とし、落下させ
ることにより、所期の目的が達成されることを知見し
た。
【0006】この発明は、上述した知見に基づきなされ
たものであり、その要旨は次の通りである。
【0007】請求項1記載の溶融金属用取鍋内スラグの
改質剤添加方法は、精錬炉から出湯された取鍋内の溶融
金属の上表面を覆うスラグを改質するために、スラグ改
質剤をスラグに添加する方法において、予め取鍋内のス
ラグ上表面全域を複数の区画に仕切り、各区画毎に所定
量のスラグ改質剤を割り当ててスラグ改質剤添加装置に
貯留し、添加装置の下方に取鍋を位置させるか、又は取
鍋の上方に添加装置を位置させるかし、次いで速やかに
スラグ改質剤を全量、スラグの上表面に速やかに添加す
ることに特徴を有するものである。
【0008】請求項2記載の溶融金属用取鍋内スラグの
改質剤添加装置は、精錬炉から出湯された取鍋内の溶融
金属の上表面を覆うスラグを改質するための装置におい
て、下方に取鍋を設置することが可能で、当該取鍋内の
スラグ上表面全域を複数の区画に仕切る仕切り機構と、
その各区画毎に所定量のスラグ改質剤を割当てて貯留す
るスラグ改質剤貯留機構と、下方に設置した上記取鍋の
内部のスラグ上表面に上記スラグ改質剤を落下させる落
下機構とを設けていることに特徴を有するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、この発明の方法を、図面を
参照しながら説明する。
【0010】〔実施形態−1〕この発明の方法を実施す
るときに使用するスラグ改質剤添加装置例の概略縦断面
図を図1に示し、その概略側面図を図2に示す。図1及
び2において、1はスラグ改質剤、2はスラグ改質剤添
加装置、3は作業床、そして4は溶鋼を収容する取鍋で
ある。図1に示すように、スラグ改質剤添加装置2は転
炉等精錬炉の炉裏の作業床3下部に支持設置されてい
る。作業床3にはスラグ改質剤1の投入口5が設けら
れ、投入口5を中心にしてその下部にスラグ改質剤添加
装置2が設けられている。スラグ改質剤添加装置2は、
上記投入口5下部に設けられたスラグ改質剤の受入れシ
ュート6、ならし機構7及び投入機構8からなってい
る。一方、図2に示すように、取鍋4はレール9上を溶
鋼台車10に乗ってスラグ改質剤添加装置2の下方へ引
き込まれるようになっている。スラグ改質剤1の投入機
構8は、回転ゲート群11、これを回転させるための原
動機15、動力伝達機構16及び回転制御器17からな
っている。
【0011】図3は、取鍋4がスラグ改質剤添加装置2
の下方真下に引き込まれたときの両者の位置関係を示す
平面図であり、図1のA−A線矢視概略図である。
【0012】図4に、回転ゲート群11を構成する各回
転ゲート11a、11b、・・・の長さ方向に直角な部
分詳細縦断面図を示す。回転ゲート群11は、図1〜3
に示した回転ゲート群11からわかるように、取鍋4の
直径方向に平行に、長さが取鍋4の直径程度の多数のパ
イプ形状で、円周方向の一部を切除した回転ゲートを並
べて配置したものである。回転ゲート群11はこのよう
に多数の回転ゲートで構成されている。そして図2に示
したように、回転ゲート群11に対しては、モーター又
はシリンダー機構等原動機15がプーリー等動力伝達機
構16を介して連結されており、原動機15には回転制
御器17が接続されている。回転制御器17は、原動機
15を通じて回転ゲート群11に回転モーメントを負荷
すると共に、各回転ゲート11a、11b、・・・全数
を同時に回転起動及び停止させ、その開度を一斉に制御
する機能を有する。
【0013】上述した構成と機能を有するスラグ改質剤
添加装置2を用いて、先ず、所定量のスラグ改質剤1を
投入口5から受入れシュート6を経由して投入機構8の
回転ゲート群11上に装入する。回転ゲート群11上に
装入されたスラグ改質剤1をならし機構7のならし板1
2を水平面内で回転させて層厚を均一にならす。ならし
板12の回転駆動は、取鍋4の容量により定まるスラグ
改質剤1の装入量に応じ、人力又は原動機で行なう。一
方、転炉等精錬炉から出鋼された溶鋼13を収容した取
鍋4を、図3に示したようにスラグ改質剤添加装置2の
下方真下に引き込む。取鍋4内の溶鋼13表面は、出鋼
時に精錬炉から流出した溶融スラグ14で表面を覆われ
ている。スラグ改質剤添加装置2下方に引き込まれた取
鍋4が所定位置に停止した後、速やかに回転ゲート11
群を回転起動させて、回転ゲート群11上のスラグ改質
剤1を全量、溶融スラグ14の表面に落下させて添加す
る。添加に際し、回転ゲート群11はスラグ改質剤1が
全量切り出されるまで回転を継続させる。こうして、取
鍋4内の溶鋼13表面を覆っている溶融スラグ14の表
面に均一にスラグ改質剤1を添加することができる。
【0014】〔実施形態−2〕取鍋内溶鋼の表面を覆う
スラグの表層部が硬化している場合には、硬化した表層
部を破砕した後、スラグ改質剤を添加しなければならな
い。スラグ層の硬化した表層部を破砕し、スラグ改質剤
を溶融スラグとよく混合し、スラグ改質剤の目的を確実
に達成させなければならないからである。こうした条件
下において本発明の方法を実施する場合について説明す
る。 表層部が硬化したスラグ層で表面を覆われた溶鋼
を収容した取鍋に、スラグ改質剤を添加する場合、下記
二通りの方法がある。第一の方法は、予め硬化スラグ層
をその破砕専用機で破砕し、次いで溶融スラグが露出し
たスラグ表面にスラグ改質剤を均一に添加し、スラグ改
質剤とスラグとを混合する方法、第二の方法は、スラグ
破砕機を設けたスラグ改質剤添加装置を使用して硬化ス
ラグの破砕、スラグ改質剤の添加及び混合をほぼ同時に
行なう方法である。ここでは、第二の方法について説明
する。第一の方法は、第二の方法で使用するスラグ添加
装置のスラグ破砕機構のみを有する破砕専用機をはじめ
の工程で使用すればよい。
【0015】図5に、上述したようにしてこの発明の方
法を実施するときに使用するスラグ改質剤添加装置例の
概略正面図を示し、図6に、スラグ改質剤添加装置の要
部の概略縦断面図を示し、そして、図7に、本発明実施
時の取鍋とスラグ改質剤添加装置と位置関係の説明図と
して、図5のB−B線矢視概略図を示す。図5〜7にお
いて、1はスラグ改質剤、2はスラグ改質剤添加装置、
4は取鍋、そして18はクレーンである。
【0016】図5及び図6に示すように、スラグ改質剤
添加装置2はクレーン18で吊られて使用される。スラ
グ改質剤添加装置2は、硬化スラグ層破砕治具19、ス
ラグ改質剤のならし機構(図示せず)及び投入機構8か
らなっている。投入機構8は、回転ゲート群11、これ
を回転駆動させるためのモーター等原動機15、プーリ
ー等動力伝達機構16及び回転ゲート群の回転制御器1
7からなっている。また、図8に、硬化スラグ層破砕治
具19、及び回転ゲート群11を構成する各回転ゲート
11a、11b、・・・の、長さ方向に直角な部分詳細
縦断面図を示す。
【0017】硬化スラグ層破砕治具19は、所定幅
(W)、所定厚さ(T)及び各種長さ(L)を有する耐
火煉瓦製スラブ形状の重量物であり、図8からわかるよ
うに、各回転ゲート11a、11b、・・・の間に、交
互に設けられている。
【0018】回転ゲート群11は、図5〜7の示した回
転ゲート群11からわかるように、取鍋4の直径方向に
平行に、長さ(L)が種々の多数のパイプ形状のゲート
を並べ、且つ取鍋4の内壁より内側であって、スラグ表
面のほぼ全域を覆うように配置されている。このように
配置された回転ゲート群11は、多数の回転ゲートで構
成されている。そして図6に示したように、回転ゲート
群11に対しては、原動機15が動力伝達機構16を介
して連結されており、原動機15には回転制御器17が
接続されている。回転制御器17は、原動機15を通じ
て回転ゲート群11に回転モーメントを負荷すると共
に、各回転ゲート11a、11b、11c、・・・全数
を同時に回転起動及び停止させ、その開度を一斉に制御
する機能を有する。 上述した構成と機能を有するスラ
グ改質剤添加装置2を用いて、先ず、所定量のスラグ改
質剤1を、投入機構8の回転ゲート群11上に装入す
る。回転ゲート群11上に装入されたスラグ改質剤1を
ならし機構(図示せず)で厚を均一にならす。一方、転
炉等精錬炉から出鋼された溶鋼13を収容した取鍋4の
上方真上に、スラグ改質剤1が装填されたスラグ改質剤
添加装置2を、クレーン18で吊り込む。次いで、クレ
ーン18でスラグ改質剤添加装置2全体を巻き下げ、取
鍋4内の固化スラグ14’の上表面に、硬化スラグ層の
破砕治具19を下向きに軽く衝突させ、硬化スラグ層を
破砕する。固化スラグ14’の表層部を破砕したら速や
かに回転ゲート11群を回転起動させて、回転ゲート群
11上のスラグ改質剤1を全量、スラグ表面に落下させ
て添加する。添加に際し、回転ゲート群11はスラグ改
質剤1が全量切り出されるまで回転を継続させる。次い
で、スラグ改質剤添加装置2全体をクレーン18で巻き
上げ、巻き下げを繰り返し、スラグとスラグ改質剤とを
よく混合する。こうして、取鍋4内の溶鋼13表面を覆
っているスラグ14の表面に均一にスラグ改質剤1を添
加することができる。
【0019】上記実施形態の例では、いずれも、スラグ
改質剤の投入機構におけるゲートの機構として、回転式
ゲートを備えた装置例を用いる場合で説明したが、スラ
グ改質剤を所定量、取鍋内に均一に添加することができ
るものであればよい。従って、パイプ状ゲートの代わり
に、短冊形の平板を水平に支持して多数並べて配置し、
それら短冊状平板の上に所定層厚さのスラグ改質剤を堆
積させ、一方、短冊状平板の上表面に接して、短冊状平
板の長手方向に直角方向に且つ鉛直に薄い平板状堰を支
持固定する。そして、短冊状平板を長手方向に高速で引
き抜くことにより、スラグ改質剤を取鍋内に添加しても
よい。
【0020】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
取鍋に出湯後の溶融金属の表面を覆うスラグの全域に、
スラグ改質剤を均一に、且つ迅速に添加することができ
る。従って、スラグの化学成分組成を目標通りに調整す
ることができるので、次工程における2次精錬により従
来よりも高清浄な鋼を溶製することができる。こうした
効果を発揮し得る溶融金属用取鍋内スラグの改質剤添加
方法を提供することができ、工業上有用な効果がもたら
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法を実施するときに使用するスラ
グ改質剤添加装置例の概略正面図である。
【図2】図1の概略側面図である。
【図3】図1のA−A線矢視概略図である。
【図4】図1の回転ゲート群の部分詳細図である。
【図5】この発明の方法を実施するときに使用するスラ
グ改質剤添加装置の他の例の概略正面図である。
【図6】図5の要部の概略縦断面図である。
【図7】図5のB−B線矢視概略図である。
【図8】図5の硬化スラグ層の破砕治具及び回転ゲート
群の部分詳細図である。
【符号の説明】
1 スラグ改質剤 2 スラグ改質剤添加装置 3 作業床 4 取鍋 5 投入口 6 受入れシュート 7 ならし機構 8 投入機構 9 レール 10 溶鋼台車 11 回転ゲート群 11a、11b、11c、・・・ 回転ゲート 12 ならし板 13 溶鋼 14 溶融スラグ 14’ 固化スラグ 15 原動機 16 動力伝達機構 17 回転制御器 18 クレーン 19 破砕治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 秀栄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 4K002 AB02 AE01 4K013 AA07 BA08 CB03 EA19

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精錬炉から出湯された取鍋内の溶融金属
    の上表面を覆うスラグを改質するために、スラグ改質剤
    を前記スラグに添加する方法において、予め前記取鍋内
    のスラグ上表面全域を複数の区画に仕切り、前記各区画
    毎に所定量の前記スラグ改質剤を割り当てて前記スラグ
    改質剤添加装置に貯留し、前記添加装置の下方に前記取
    鍋を位置させるか、又は前記取鍋の上方に前記添加装置
    を位置させるかし、次いで速やかに前記スラグ改質剤を
    全量、前記スラグの上表面に速やかに添加することを特
    徴とする、溶融金属用取鍋内スラグの改質剤添加方法。
  2. 【請求項2】 精錬炉から出湯された取鍋内の溶融金属
    の上表面を覆うスラグを改質するための装置において、
    下方に取鍋を設置することが可能で、当該取鍋内のスラ
    グ上表面全域を複数の区画に仕切る仕切り機構と、前記
    各区画毎に所定量のスラグ改質剤を割当てて貯留するス
    ラグ改質剤貯留機構と、前記下方に設置した取鍋の内部
    のスラグ上表面に前記スラグ改質剤を落下させる落下機
    構とを設けていることを特徴とする、溶融金属用取鍋内
    スラグの改質剤添加装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007191346A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Nippon Steel Materials Co Ltd シリコンの精錬方法
JP2016501130A (ja) * 2012-11-29 2016-01-18 ポール ワース エス.アー. 円形表面にバルク材料を拡散させるための装置およびその装置を作動させるための方法

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