JP2004506161A - ベアリング装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明はベアリング装置に関し、特に、例えば関節式手首部を有する測定装置用の精密なベアリングの分野に限られないものである。
【0002】
精密ベアリングは多くの形態が知られている。最も簡潔なものは、滑り接触に基づいて荷重を伝えるものである。より複雑なベアリングは、回転接触を有したもの、例えばボールレースまたはローラセットを有したものである。回転接触は高荷重、高回転速度および長寿命の点で好ましい。しかし、これらのベアリングは、正確に製造する必要があり、従って、高価になる。薄形材の要素が用いられる場合には、それら要素はそれらが収納されるハウジングの形を小さくしやすい。その結果として、それらのハウジングは、良好な動作精度を維持するには必要以上に正確に作成しなければならなくなる。
【0003】
滑り接触ベアリングは、例えば時計のベアリングのような精密ベアリングとして用いることができるものである。時計ベアリングやその類のものは、受ける荷重が小さく、従って大きな支持面を必要とせずに力の伝達を行なうことができる。典型的なものとして、回転軸が円錐状の端部を持ち、それぞれ、相補的にこの端部を受ける要素を備えた2つの板の間で支持するものがある。この種のベアリングは、簡潔かつ低コストであるものの、摩損が生じたときはそれに対する調整が難しい。摩損は滑り接触を採用する場合により一般的なものとなっている。
【0004】
市販のベアリングの1つは、典型的には真円度測定装置に用いられるものであり、例えばP.T.F.E.の固定ブロックに円錐状の凹部とこの凹部内で回転できるように嵌められたボールとを備えたものである。同じく、このようなベアリングの摩損に関する調整には問題があり、また、その装置は一対で用いられるものではない。
【0005】
本発明の一形態によれば、ベアリング装置において、同軸上に位置する2つのベアリングアセンブリを具え、それぞれのベアリングアセンブリは、2つの要素であってそれらの相対的な回転の間接触する2つの要素を有し、それぞれのベアリングアセンブリにおいて、前記接触はそれぞれの平面内で生じ、前記アセンブリの1つではその接触平面の弾性変位が可能であり、他方のアセンブリでは比較的固定されてその接触平面の実質的な変位が防止されるベアリング装置が提供される。
【0006】
他の周知のベアリングとしてボールジョイトが知られている。典型的なものは、球状の要素が相補的にソケットにより支持されて1度以上の自由度で動くことができるものである。このようなジョイントの例は、欧州特許番号680599(レニショウ)の図8および9に示され、ボール80および三角ソケット78として参照される。
【0007】
夫々のソケット78は脚77の中に形成され、この脚77が弾性的に動くことができる。つまり、2つの脚77の間で支持されるチューブ72は弾性的に前後に変位することができる。それらの脚をそのようにすることによって、チューブ72の回転軸の位置が変ることができる。
【0008】
本発明の第2の形態によれば、ベアリング装置において、同軸上に位置する2つのベアリングアセンブリを具え、それぞれのベアリングアセンブリは、2つの要素であってそれらの相対的な回転の間接触する2つの要素を有し、それぞれのベアリングアセンブリにおいて、前記接触はそれぞれの平面内で生じ、前記アセンブリの少なくとも1つではその接触平面が軸に平行な方向ヘの弾性変位が可能であるベアリング装置が提供される。
【0009】
上述した問題点は、それらのベアリングが測定装置を構成する要素の(軸周りの旋回を含む)回転に用いられる場合に特に顕著である。このような装置では、ベアリングが摩損したり、あるいはその構成要素の寸法に熱変化が生じた後でも、正確な円運動を再現する必要があり、また、軽量であることや低コストが望まれるものである。
【0010】
本発明の第3の形態によれば、測定装置において、本発明の上記第1または第2の形態によるベアリング装置を含む軸を有した測定装置が提供される。好ましくは、測定装置は機械的手首要素を含むものである。
【0011】
上記第1、第2および第3の形態の好ましい特徴は、以下の各段落に示される。
【0012】
それぞれのベアリングアセンブリの前記2つの要素は、凹部または開口を有した雌要素と前記凹部または開口に受けいれられることが可能な雄要素とを含むことができる。
【0013】
前記接触は滑り接触とすることができる。
【0014】
滑り接触の場合、その接触は、少なくとも1つのアッセンブリの雌要素と雄要素との間で生じ、また、前記平面内の離れた位置で生じるものとすることができる。
【0015】
前記離れた位置は、前記雌要素にける非円形の凹部または開口(例えば、3角形あるいは3面体)と円形(例えば、球状あるいは円錐状)の前記雄要素との作用によってもたらされ、または前記雌要素の円形(例えば、円錐状あるいは直線の辺を持った)の凹部または開口と非円形(例えば、3面体)の雄要素との作用によってもたらされることができる。
【0016】
あるいは、前記接触は回転接触であり、前記要素はボールレースを含むこともできる。
【0017】
前記平面の変位は動くことのできる雌要素によってもたらされ、上記の動きが弾性的である場合には雌要素は弾性的に動くことができる。この雌要素はバネ性を有した平らな支えとすることができる。
【0018】
上記各アセンブリが結びつけられたものは、相対的に回転できる第1および第2のハウジングとすることもできる。それぞれのアセンブリの雌要素および雄要素が上記第1および第2ハウジングの両方に関連付けられるようにすることもできる。
【0019】
本発明の第4の形態によれば、測定プローブの支持物において、プローブの回転に関する2つの軸を定める連結手首を具え、第1の軸で請求項1ないし10のいずれかに記載のベアリング装置が設けられ、該ベアリング装置は前記第1軸の方向に当該ベアリング装置を越えて延在する延長部を有したスピンドルに接続されることを特徴とする測定プローブの支持物が提供される。
【0020】
本発明は位置測定装置(CMM)に用いられる測定装置に関して以下に説明される。しかし、これは本発明の1つの可能な適用の例であり、本発明を限定することを意図したものではない。本発明は要素の相対的な回転が要求される部分、例えば、光学部品の回転支持のようないずれの装置にも適用することができる。この光学部品は、英国特許出願番号GB0019199.9に記載される類のできる限り正確な回転を要求されるものである。
【0021】
図面を参照して本発明を説明する。
【0022】
図1において、プローブ2が示され、このプローブ2は測定されるべき物に接触するためのスタイラス4を有する。通常、使用の際には、CMMのクイル8が直交する3つの軸のいずれかに沿って動かされてスタイラス4が物に接触する。そして、3つの軸に関するクイル8の位置は上記の物の寸法を定めるのに用いられる。
【0023】
上記3つの軸の他、プローブヘッド6がクイルとプローブの間でクイル8に取り付けられて手首構成を有し、この手首構成によってさらにプローブの動きに関する2つの回転軸が加えられる。このプローブの動きは、鉛直面内での回転”A”と水平面内での回転”B”である。モータMAおよびMBは上記2軸に関する回転のためのトルクを与え、これにより、プローブヘッド6を動作させてクイル8の動作とともにまたはこの動作を伴わずに測定を行なうことができる。
【0024】
上記ヘッドの連結によって、プローブのより複雑な動きが可能となる。例えば、スタイラスを孔の周囲のらせん状経路を移動させることにより上記孔の真円度をその長さ方向に沿って測定することができる。スタイラスの位置は既知のスタイラスの回転位置と、3つのCMM軸の読みから計算することができる。
【0025】
このようなプローブの回転動作は、プローブにおけるベアリングの正確でかつ反復性のある動きを必要とする。本実施例では、プローブは、水平スピンドル16に保持されたキャリジ14に装着される。このスピンドル16はその夫々の端部にベアリングアセンブリを有し、それらのアセンブリはヘッド6の下ハウジング12に接続されている。下ハウジング12はヘッド6の上ハウジング10における鉛直スピンドル18に接続される。このスピンドル18も2つのベアリングアセンブリを有している。
【0026】
水平スピンドル16は下ハウジング12に対して回転できるものである。回転は構成要素20および28と、22および29とを有した2つのベアリングアセンブリを用いることによって実現される。ボール20および22の形態の雄ベアリング要素はスピンドル16の端部に(例えば接着剤を用いて)固定される。夫々のボールはそれぞれ雄要素受け入れ用開口を有した支え28および29の形態の雌要素に収容され、これにより、スピンドルについて唯一可能な動作が回転”A”となる。同様にして、下ハウジング12はスピンドル18を介して回転可能に装着される。その2つのベアリングアセンブリは、開口を有する支え30および32の形態の雌要素に収容されるボール24および26の形態の雄要素を有するものとして示されている。これらによって回転”B”が可能となる。
【0027】
ボール20、22、24および26は、公知の技術によってきわめて正確に、すなわち、全体として0.16ミクロン未満の公差の真円度で製造することができる。この正確な球状によってプローブの回転における正確な動きが可能となる。これらのボールは、セラミック、鋼玉石または鋼材料のものとすることができる。
【0028】
スピンドル16および18の夫々は、固定支え、すなわちそれぞれ支え29および30と、可動支え、すなわち支え28および32を有する。固定支えはその取付け部に対して固定された関係で保持され、一方、可動支えはその関連する回転軸の方向に弾性的に動くことができる。
【0029】
電力および信号の経路がa,b,c,dおよびeとして示される。経路aによってモータMAに電力が供給され、これによりスピンドル16(従ってプローブ2)を軸Aに関して回転させることができる。実際には、この回転は180度までの円弧状の軸周りの回転となる。経路bによってモータMBに電力が供給され、これによりスピンドル18(従って下ハウジング12およびプローブ2)を軸Bに関して回転させることができる。実際には、この回転を継続させることにより円弧状の前後への軸周りの回転を行なう必要をなくすことができる。
【0030】
スピンドル16および18の回転位置は、それぞれロータリーエンコーダ86および88によって定めることができる。経路eおよびcはこれらのエンコーダ信号用のものである。
【0031】
経路a,dおよびeにはロータリーカップリング90があり、その2つの半分は、滑り接触するもの(例えば、スリップリングを用いたもの)、または非接触タイプのもの(例えば、容量性、誘導性、赤外線、光学的または高周波の連結)とすることができる。このロータリーカプリングによって下ハウジング12を上ハウジング10に対して連続的に回転させることが可能となる。
【0032】
図2に支え28および29の形態が示される。ねじを装着するための穴34が示され、同様に、ボール20または22を受けるための中央部における3角形の開口40が示される。支え28は、弾性的に動くことができるよう薄板、例えば属性として弾力のあるバネのような性質を持った鋼材または他の平らな材料によって形成される。支え28は、以下に説明されるようにアセンブリにおいて前もって荷重が付与されてもよいが、荷重によって曲がることができるように構成される。
【0033】
製造の簡略化のため支え29は支え28と同じものとすることができるが、(図示されるように)曲がらないよう装着される。または、より厚い材料を用いることもできる。あるいは、支え29は下ハウジング12と一体であってもよい。
【0034】
本構造において、3つのボール接触部36は開口40の3つの辺上に形成される。これらの部分は湾曲した面により形成され、それらの面の半径はボール20または22の半径より大きなものである。部分38はボールと接触しない。上記接触部の形成は、ボール20よりわずかに大きな半径のボールを3角形の凹部に押しこむことによって行なわれる。この凹部は摩擦低減材がコーティングされていてもよい。ボールもまた摩擦低減材によってコーティングされていてもよいが、その過程においてその真円度が損なわれることがあり、好ましくはない。
【0035】
図3は図2におけるIII−III線断面図である。図3において、支え28は荷重がかけられた状態で示されている。この状態で支え28は変形し、それぞれの部分36は荷重がかけられていない状態から回転軸に対して同じ量だけ動かされている。それぞれの部分36の表面の曲率によって接触点42が定められることに注意すべきである。この接触点を部分36の中央に位置させるため、その表面は支え28が荷重を受けたときにそれに適合した半径を有するよう形成される。荷重は、アセンブリにおける支えに対し予備荷重として付与されようにすることもできる。
【0036】
ボール20の中心と支え28の接するその接触点42との間の線を回転することによって生成される円錐は円錐角θを有し、この角度θを選択することにより、回転摩擦を最小にし、べアリングの半径方向剛性を維持し、また、ボールの抜けを防止することができる。20度から175度の間の角度であれば、いずれの角度で用いることができるが、約80度が適切であることがわかっている。
【0037】
ボール接触部36はボールでなく円錐を支えに押し込むことにより形成してもよく、これにより、部分的に円錐形の接触部を生成することができる。この場合においても点接触が実現される。
【0038】
図4に固定支え29の詳細が示される。この支えは、図3に示した支え28とはわずかに違う態様で製造することもできる。支え29はその使用時に変形しないが、下ハウジング12に比較的固定的に保持される。接触面36もまたボールの半径よりわずかに大きな半径で形成されるが、この支えはその半径が形成されるのに変形することはない。円錐角θは支え28について形成されるものとほとんど同じものとすることができる。
【0039】
再び図1を参照すると、スピンドル18は支え30と32との間において装着される。スピンドル18の延長部19は下ハウジング12を保持する。ボール24、26およびそれらの支え30、32の構造の原理は、ボール20、22およびそれらの支え28、29について上記で説明したものと同じである。ただし、ボール24は他のものより大きい。これは、ボール24が下ハウジング12の荷重を支えるものであり、従ってより大きな強度を必要とし、また、ボール24はスピンドル延長部19を収容しなければならないからである。この構成において、支え30は固定され、支え32は変形可能なものである。支え32は上述した態様で予備荷重がかけられる。円錐角は同様のものとする。ロータリーカップリング90とともに、ベアリング24/30を通る延長部19を用いることにより、下ハウジング12およびそれに関連した要素の連続的な回転が可能となる。
【0040】
スピンドル18と支え30および32の配置によって、熱の影響に対して許容度を持ったものとなる。これは、CMMクイル8の下側の端部は支え30とボール24が接触する平面に近いからである。要するに、ハウジング10の熱による伸びはハウジング12の位置を著しく変更することはない。何故なら、CMMクイルと上記平面との間の幅にはほとんど物質がないからである。
【0041】
このことは、上ハウジング10の寸法が熱の影響によってどのように変化しても、実質的にスタイラス4の位置を変更することはないことを意味する。
【0042】
上ハウジング10用のベアリング装置の他の構成が図5に示される。この装置は固定支え30を上部に備え、変形可能な支え32を下部に備えるものである。
【0043】
図6A−6Fは、ボールおよび支えの構成のいくつかの変形例を示している。容易に同一のものがわかるように、固定支えは50で、変形可能な支えは55で、相対的に回転可能な要素は60および65でそれぞれ参照される。これらの全ての変形例は本発明の範囲内のものである。
【0044】
図7はベアリング要素の他の構成を示すものである。この構成では、ボール20および22はそれぞれボールレースベアリング80において支持される。レース80は、一方支え28’および29’によって保持される。上述したように、支え28’はいくらかの軸方向の動きを可能とするものであり、支え29’は比較的固定的なものである。予備荷重が上述したように支えとボールに付与される。ボールレース80を用いることにより、摩擦を減らすことができる。支え28’および29’はボールレース80を保持するのに3角形の穴を必要としない。
【0045】
図7に示される参照符号は図1における水平軸に関するものであるが、同様の“ボールレース”構造は図1に示される実施例の鉛直軸ベアリングにも適用することができる。
【0046】
ボールおよび支えの他の構造が図8に示される。本実施形態では、支え28、29、30、32にはフランジがつけられ、これにより、ボール20、22、24、26を収容することができる。ボールは環状の低摩擦のカラー82上に静止し、このカラーは、P.T.F.E.セラミックまたは同様の低摩擦材料で製造することができる。カラーは同様の材料の3つのパッドに置きかえることもできる。いずれの場合も、カラーまたはパッドは接着剤によって支えに固定することができる。
【0047】
ボールおよび支えのさらに他の構造が図9に示される。本実施例では、支え28、29、30、32はその上に弾性的に変形できるブロックを接着したものである。このブロックは、例えば、P.T.F.E.あるいは他の低摩擦プラスチック、または油を含浸した焼結物の材料からなり、円錐状の凹部を有したものである。この凹部はボール20、22、24、26を収容する。ブロックの弾性的特性は、ボールの真円度がわずかにずれていてもそれを吸収し、ブロックとボールの相対的な回転はボールのみの回転より正確な回転となる。
【0048】
ボールおよび支えの構造のさらに他の実施例が図10および11に示される。それぞれの図において、ボール20、22、24、26は、P.T.F.E.あるいは同4の材料のプラスチックのインサート85によって支持され、このインサートは外カラー90内で支持される。図10に示すボールは円筒状の凹部92内で支持され、図11に示すボールは円錐状の凹部94内で支持される。また、プラスチックのインサートは、荷重がかけられた状態ではボールの形状に応じて弾性的に歪み、それらの相対的な回転の間、ボールの真円度のどのようなずれをも吸収して正確な回転運動が可能となる。
【0049】
当業者にとって種々の変形例や拡張は明らかなものである。例えば、球状のベアリングと3角形の開口が示されたけれども、本発明の範囲内では、雄要素と雌要素との間の滑り接触はどのような構成でもある平面内で行なわれることになる。この平面は、示された実施例では回転軸に垂直となるが、例えば、支え28および29が上記垂直に対してずれた平面内にあり、また、ボール20および22が用いられる場合には、そうでなくすることも可能である。
【0050】
同じように、示された支えは、本発明によれば、簡単に、凹部、例えば円形の穴、環状の凹部、3面凹部、多角形の穴あるいは同様のものとすることができ、ハウジング12または10、あるいは割れ目のある板のインサートの形態のものに直接形成されてもよい。支えはスピンドル16または18に形成されてもよく、その場合、雌要素はハウジング10または12に取り付けられることになる。
【0051】
雄要素はどのような形にすることもできる。例えば、回転楕円、楕円形、円錐状、3面体、多角形のものである。雄要素が円形状でない場合は、支えは円形でなければならない。逆の場合も同じである。支えまたは雄要素が円形状でない場合は、これら2つの間では離れた数点で接触が行なわれ、これらの点もまた平面上にある。
【0052】
それぞれのベアリングアセンブリの雄/雌要素はその構造が異なっていてもよい。
【0053】
ボールが支えと滑り接触するそれぞれの位置は開口の辺として説明したが、凹部、例えば支えにおける低摩擦インサートの小平面が形成された凹部の辺とすることもできる。接触は開口や凹部の縁で行なわれてもよい。
【0054】
また、スピンドル16および18はそれらの回転軸から大きく動かないよう拘束されるようにし、これにより、万一支えとの合わせ位置から強制的に外されるようなことがあっても、支えの1つの弾性によって合わせ位置に押し戻されるようにしてもよい。
【0055】
上述した各実施例は、従来技術に対して一定の利点を有している。特に、上記の各実施例によれば、上述した構成部品の摩損および/または寸法の変化があっても、正確度や再現性が顕著に低下すること、すなわち、スタイラスの位置が顕著に変化することはない。
【0056】
例えば、ボール20と22との間の寸法の変化は、支え28の弾性的な動きによって調整することができる。この動きによって支え28とボール20との間の全ての接触点は軸Aに沿って同じ量移動し、従って、軸Aの位置はこの弾性移動の結果として変化することはない。スタイラスは軸Aと平行にわずかに動くが、その移動はボール20と22との間の寸法の変化と比べて小さい(約半分)となる。
【0057】
スタイラスの位置安定性は、固定支え29を備えることによっても実現されるものである。固定支えよってスピンドル16を軸A上の一点に遊びのないよう位置決めすることができる。
【0058】
上ハウジング10におけるベアリング30/24および32/26についても同様の利点を得ることができる。同様に、図6A−Fに示した変形例も上節で述べた利点を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
プローブおよび本発明を採用した継手連結できるプローブ手首を示す図である。
【図2】
図1に示した部品の詳細をを示す図である。
【図3】
図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】
図1に示す要素のさらなる詳細を示す図である。
【図5】
図1に示した部品のいくつかについて他の構成を示す図である。
【図6A】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図6B】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図6C】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図6D】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図6E】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図6F】
本発明によるベアリングの種々の構成を示す図である。
【図7】
図1に示されるいくつかの要素のさらなる他の構成を示す図である。
【図8】
図1に示されるいくつかの要素の他の構成を示す図である。
【図9】
図1に示されるいくつかの要素の他の構成を示す図である。
【図10】
図1に示されるいくつかの要素の他の構成を示す図である。
【図11】
図1に示されるいくつかの要素の他の構成を示す図である。
Claims (17)
- ベアリング装置において、
同軸上に位置する2つのベアリングアセンブリを具え、
それぞれのベアリングアセンブリは、2つの要素であってそれらの相対的な回転の間接触する2つの要素を有し、
それぞれのベアリングアセンブリにおいて、前記接触はそれぞれの平面内で生じ、
前記アセンブリの1つではその接触平面の弾性変位が可能であり、他方のアセンブリでは比較的固定されてその接触平面の実質的な変位が防止されることを特徴とするベアリング装置。 - 前記接触平面の変位は、軸に対して実質的に平行な方向にのみ生じることが許されることを特徴とする請求項1に記載のベアリング装置。
- ベアリング装置において、
同軸上に位置する2つのベアリングアセンブリを具え、
それぞれのベアリングアセンブリは、2つの要素であってそれらの相対的な回転の間接触する2つの要素を有し、
それぞれのベアリングアセンブリにおいて、前記接触はそれぞれの平面内で生じ、
前記アセンブリの少なくとも1つではその接触平面が軸に平行な方向ヘの弾性変位が可能であることを特徴とするベアリング装置。 - それぞれのベアリングアセンブリの前記2つの要素は、凹部または開口を有した雌要素と前記凹部または開口に受けいれられることが可能な雄要素とを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベアリング装置。
- 前記2つのアセンブリの少なくとも1つでは、前記接触は滑り接触であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベアリング装置。
- 前記接触は、前記1つまたは2つのアッセンブリの雌要素と雄要素との間で生じ、および前記平面内の離れた位置で生じることを特徴とする請求項5に記載のベアリング装置。
- 前記離れた位置は、前記雌要素にける非円形の凹部または開口(例えば、3角形あるいは3面体)と円形(例えば、球状あるいは円錐状)の前記雄要素との作用によってもたらされ、または前記雌要素の円形(例えば、円錐状あるいは直線の辺を持った)の凹部または開口と非円形(例えば、3面体)の雄要素との作用によってもたらされることを特徴とする請求項6に記載のベアリング装置。
- 前記2つの要素の少なくとも1つはプラスチック材料で形成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のベアリング装置。
- 前記プラスチック材料は外カラー内のインサートとして形成されることを特徴とする請求項8に記載のベアリング装置。
- 前記接触は回転接触であり、前記要素はボールレースを含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のベアリング装置。
- 前記平面の弾性変位は弾性的に動くことができる雌要素によってもたらされることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載のベアリング装置。
- 前記雌要素は、平らなバネ支えを含むことを特徴とする請求項11に記載のベアリング装置。
- 測定プローブの支持物において、
請求項1ないし12のいずれかに記載のベアリング装置を含む軸を有したことを特徴とする測定プローブの支持物。 - 測定プローブの支持物において、
プローブの回転に関する2つの軸を定める連結手首を具え、第1の軸で請求項1ないし10のいずれかに記載のベアリング装置が設けられ、該ベアリング装置は前記第1軸の方向に当該ベアリング装置を越えて延在する延長部を有したスピンドルに接続されることを特徴とする測定プローブの支持物。 - 前記延長部は、前記第1の軸を横断するプローブの第2の軸を定める他のベアリング装置に接続されることを特徴とする請求項14に記載の測定プローブの支持物。
- 電力および信号の経路が備えられ、その経路の少なくとも1つは前記第1軸に関して配されるロータリーカップリングを横断することを特徴とする請求項15に記載の測定プローブの支持物。
- 前記ベアリング装置は凹部内のボールとこのボールを越えて延在する延長部を具えることを特徴とする請求項14ないし16のいずれかに記載の測定プローブの支持物。
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