JP2003511881A - 音響補正装置 - Google Patents

音響補正装置

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JP2003511881A JP2001528430A JP2001528430A JP2003511881A JP 2003511881 A JP2003511881 A JP 2003511881A JP 2001528430 A JP2001528430 A JP 2001528430A JP 2001528430 A JP2001528430 A JP 2001528430A JP 2003511881 A JP2003511881 A JP 2003511881A
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Abstract

(57)【要約】 音響補正装置120 は入力信号126 、128 が音響システムのスピーカ246 、247 により再生されるとき周波数の関数として空間的歪みを補正するため1対の左入力信号126 と右入力信号128 を処理する。左入力信号126 と右入力信号128 の音響エネルギは分離され、第1の低い周波数範囲と第2の高周波数範囲で補正される。結果的な信号は音響システムのスピーカ246 、247 により再生されるとき所望の音響−圧力応答を有するイメージ補正されたオーディオ信号130 、132 を生成するために再結合される。所望の音響−圧力応答はリスナー250 に関して明白な音響イメージ位置を生成する。イメージ補正された信号130 、132 も明白な音響イメージを広くし、小さいスピーカで再生されるときに音響の低周波数特性を改良するために空間的に強調されることもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーディオ強調システムに関するものであり、とくに、ステレオ音
響再生を改善するように設計されたシステムおよび方法に関するものである。さ
らに、とくに、本発明は、リスナーによって感知される音響システムの音響イメ
ージおよび周波数応答特性の問題を克服する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
音響再生環境では、種々の要因がリスナーによって感知される再生音響の品質
を低下させる可能性がある。そのような要因によって、音響再生音はもとの音響
ステージの音と異なるようになる。そのような要因の一つは、音響ステージにお
けるスピーカの位置であり、それは適切に配置されれば可聴周波数スペクトルに
わたる歪まされた音響圧力を生じる可能性がある。スピーカの位置はまた音響ス
テージの知覚される幅にも影響する。例えば、スピーカは、実際の音響ステージ
で容易に知覚される反響音を再生する能力が制限された点音源として作用する。
事実、多くのオーディオ再生システムの知覚される音響ステージの幅はリスナー
の前方に位置されたとき1対のスピーカの分離距離によって制限される。再生音
響の品質を低下させる別の要因は人間の聴覚系が音を感知する方法とは異なった
方法で音を記録するマイクロホンによって生じるものである。再生音響の品質を
低下させる要因を克服しようと試みて多くの努力が注がれ、実際の音響ステージ
でリスナーによって聴かれる状態を模擬するために音響再生環境の特性を変化さ
せることが試みられている。
【0003】 ステレオイメージ強調における努力は人間の耳の音響能力および限界につい
ても検討された。人間の耳の可聴特性は音の強度、音の間の位相差、音自身の周
波数、音源の方向に敏感である。人間の聴覚系の複雑性にもかかわらず、人間の
耳の周波数応答特性は人によってほとんど変化しない。
【0004】 全ての周波数にわたって一定の音響圧力レベルを有する音響波が単一の位置
からリスナーに向けられたとき、人間の耳は音の個々の周波数成分に対して異な
った反応を示す。例えば、等しい音圧がリスナーの前方からリスナーの方向に伝
搬されるとき1000Hzの音によってリスナーの耳内に生成される圧力レベル
は2000Hzの音の場合とは異なっている。
【0005】 周波数感度に加えて、人間の聴覚系は種々の角度から耳に到達する音に対し
て異なった反応を示す。とくに、人間の耳内の音響圧力レベルは音の方向によっ
て変化する。外耳、耳たぶ、または内耳導管の形状は方向の関数として音の周波
数特性形状に大きく影響する。
【0006】 人間の聴覚系の特性は、音源の方位および高低方向の両者の変化に対して敏
感である。これはとくに、複雑な音響信号、すなわち多数の周波数成分を有して
いる信号の場合および一般的に高い周波数成分を有している信号の場合に当ては
まる。耳内の周波数成分間の音圧の変化は音源の指示を与えるために脳によって
解析される。録音された音が再生されるとき、音源に対する方向の指示は音圧情
報から耳によって解析され、したがって音を再生するスピーカの実際の位置に依
存する。
【0007】 一定の音圧レベル、すなわちフラットな音圧と周波数との関係は、リスナー
の直接前方に位置するスピーカからリスナーの耳に到達する。そのような応答特
性はしばしばリアルな音響イメージを得るために望ましい。しかしながら、スピ
ーカのセットの品質は理想的なものではなく、それらは音響的にもっとも好まし
い位置に配置される可能性は少ない。それら両方の要因はしばしば音響圧力特性
の劣化を招く。従来技術の音響システムは、空間的に正確な応答特性を生成する
ためにスピーカから放射される音圧を補正して結果的に音響イメージを改善する
方法を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 所定の音響システムに対してさらに空間的に正確な応答特性を得るために、オ
ーディオ信号に対してヘッド関連伝達関数(HRTF)を選択して適用すること
が知られている。このHRTFは人間の聴覚系の音響特性に基づいている。HR
TFの応用は、空間的歪みに対して補償するためにオーディオ信号の一部の振幅
を調節するために使用される。HRTFベースの原理はまた最適でない状態で配
置されたスピーカからのステレオイメージを再配置するために使用することもで
きる。
【0009】 第2の形式の欠点は、しばしば低音のような低い周波数の音響を適切に再生
することが困難であるために生じる。低い周波数の音響出力を改善するための種
々の通常の方法には、大きなコーン面積、大きな磁石、大きな容器、あるいは大
きなコーン変位距離を有するスピーカの使用が含まれている。さらに、通常のシ
ステムでは、共振チャンバおよびスピーカの周囲の自由空間の音響インピーダン
スとスピーカの音響インピーダンスを整合させるホーンにより低い周波数の音響
を再生することが試みられている。
【0010】 しかしながら、全てのシステムではないが、単に低い周波数の音響を再生す
るために高価な、または強力なスピーカを使用することも行われている。例えば
、コンパクトオーディオシステムおよびマルチメディアコンピュータシステムの
ようないくつかの通常の音響システムは小型のスピーカを使用している。さらに
、コストのために、多くのオーディオシステムでは正確度の低いスピーカを使用
している。そのようなスピーカでは低い周波数の音響を適切に再生する能力はな
く、結果として音響は典型的に低い周波数の音響を正確に再生するシステムのよ
うに良好で楽しめるものではない。
【0011】 いくつかの通常の強調システムは、スピーカに信号を入力する前に、低い周
波数の信号を増幅することにより貧弱な低周波数音響再生を補償することを試み
ている。低い周波数の信号を増幅することによってスピーカに多量のエネルギを
供給して大きな力でスピーカを駆動することができる。しかしながら、このよう
な低い周波数の信号を増幅する試みはスピーカの過駆動を生じる。残念ながらス
ピーカの過駆動は背景雑音を増加させ、大きい歪みを生成し、スピーカを損傷さ
せる可能性がある。
【0012】 さらに別の通常の強調システムは、低い周波数の信号低下を補償しようとし
て高い周波数の再生に歪みを生じさせ、望ましくない音響コロレーションを付加
する。
【0013】 第3の欠点は、多数の位置から生じる音響はオーディオシステムでしばしば
適切に再生されないことである。音響再生を改善しようとする方法の一つとして
多数の記録トラックを有するサラウンド音響システムがある。多数の記録トラッ
クは多数の位置から発生される音に関連した空間的な情報を記録するために使用
される。
【0014】 例えば、サラウンド音響システムでは、いくつかの記録トラックはリスナー
の前方から発生した音を含み、一方、他の記録トラックはリスナーの後方から発
生した音を含む。多数のスピーカがリスナーの周囲に配置されたとき、記録トラ
ックに含まれたオーディオ情報はリスナーによりリアルな間隔を与えるように音
響を生成する。しかしながら、このようなシステムは、多数の記録トラックおよ
び多数のスピーカを使用しないシステムに比較して高価なシステムである。
【0015】 コストを低く保持するために、多くの通常の2スピーカシステムは左信号と
右信号との間の不自然な時間遅延または位相シフトを導入することによってサラ
ウンド音響の間隔をシミュレートしようとする。残念ながら、そのようなシステ
ムはしばしば再生音響に不自然な影響を生じる。
【0016】 既知の音響強調技術の一つは、“和”および“差”信号と呼ばれる信号を使
用する。和信号はモノフォニック信号とも呼ばれ、左信号と右信号との和である
。これは左信号と右信号とを加算または結合するもの(L+R)として概念が与
えられる。
【0017】 他方、差信号は左信号と右信号との差を表している。これは左信号から右信
号を減算するもの(L−R)として概念が与えられる。差信号はまた周囲信号と
呼ばれることもある。
【0018】 差信号中のある周波数を変更して左右のスピーカから放射される音響を広げ
ることができる。広げられた音響イメージは典型的に差信号中に存在する反響音
を変化させることによって生じる。
【0019】 しかしながら、和および差信号を生成する回路は左入力信号と右入力信号と
を処理することによって和および差信号を生成する。さらに、回路が和および差
信号を生成すると、付加的な回路が別に処理して強調された音響効果を得るため
に和信号と差信号を再結合する。
【0020】 典型的に、和信号と差信号の生成および処理は、デジタル信号プロセッサ、
演算増幅器等によって行われる。そのような構成は通常複雑な回路を必要とし、
システムのコストを増加させる。したがって、従来技術の寄与にもかかわらず、
強調された聴取感覚を生成するのに関連するコストを減少させる簡単なオーディ
オ強調システムに対する必要性が存在している。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オーディオシステムのイメージサイズ、低音特性およびダイナミッ
ク性を顕著に改善し、オーディオパフォーマンスの関係する強力な表現でリスナ
ーを囲む信号処理技術を提供することによって上記のおよびその他の問題を解決
する。それはコンピュータ、マルチメディア、テレビジョン、ブームボックス、
自動車、ホームオーディオおよびポータブルオーディオシステムを含む種々の応
用に対する聴取経験を改善する。1実施形態では、音響補正システムは,スピー
カの見掛けの位置、スピーカによって生成されたイメージ、およびスピーカによ
り生成された低周波応答特性の補正を行う。1実施形態では、音響補正システム
は、2以上のスピーカによって生成された音の空間的および周波数応答特性を強
調する。オーディオ補正システムは、スピーカにより生成された音のリスナーに
より知覚された垂直イメージを補正するイメージ補正モジュールと、リスナーに
知覚されるスピーカの低音特性を改善する低音強調モジュールと、見掛け上の音
響ステージのリスナーにより知覚された水平イメージを強調するイメージ強調モ
ジュールとを具備している。
【0022】 1実施形態では、3つの処理技術が使用される。スピーカの境界の外側に位
置する音に対する応答の空間的な兆候はヘッド関連伝達関数(HRTF)を使用
して等化される。これらのHRTF補正曲線はリスナーの前面のスピーカにより
再生されたときであっても、リスナーの側面に対して音の位置を脳がどのように
感知するかを考慮に入れる。その結果、楽器およびバイオリンの表現は室内の全
ての間接的な音および反響音を伴ってそれらの適切な位置で生成される。HRT
F補正曲線の第2のセットは、音響ステージがスピーカの位置に比較して広い割
合のスケールを音響ステージが採用するようにステレオイメージの見掛けの大き
さを拡大し高める。最後に低音特性は、スピーカが一層容易に再生できるダイナ
ミックに増加する高調波によって低周波基本波トーンの知覚を修復する音響精神
分析技術により強調される。
【0023】 音響補正システムおよびそれに関連する動作方法は、不完全な再生環境で垂
直、水平、およびスペクトル音響イメージを改善する高度に洗練された効率的な
システムを提供する。1実施形態では、システムはまず最初にスピーカにより生
成された垂直イメージを補正し、次に低音が強調され、最後に水平イメージが補
正される。垂直イメージ強調は典型的に音の低い周波数部分の若干の強調を含ん
でおり、したがって低音強調が低音強調処理の全体の効果に影響する前に垂直強
調を行う。低音強調は、ステレオ信号中の低周波情報の左および右部分の共通部
分(共通モード)の若干の混合を行う。それと対照的に、水平イメージの強調は
左部分と右部分の差の若干の強調および成形を行う(差モード)。したがって、
1実施形態では、低音強調はステレオ信号の共通部分と差部分を平衡させるため
に水平イメージの強調の前に行うことが有効であり、リスナーに好ましい効果を
与える。
【0024】 垂直平面で改良されたステレオイメージを得るために、イメージ補正装置は
入力信号を第1および第2の周波数範囲に分割し、それらは全体として実質上全
てのオーディオ周波数スペクトルを含んでいる。第1および第2の周波数範囲内
の入力信号の周波数特性は別々に補正され、結合されてリスナーに関して比較的
平坦な周波数応答特性を有する出力信号を生成する。周波数の補正レベル、すな
わち音響エネルギ補正は再生環境に依存し、そのような環境の音響限界を克服す
るために調整される。音響補正装置の設計は、空間的に補正され、再配置された
音響イメージを得るために個々の周波数範囲内の入力信号の容易で独立した補正
を可能にする。
【0025】 オーディオ再生環境では、スピーカは不適切な位置に配置され、そのためリ
スナーにより知覚される音響イメージに悪影響が与えられる可能性がある。例え
ば、ヘッドホンは、そのトランスデューサがリスナーの耳のすぐ右に位置してい
ることが多いために好ましくない音響イメージを生成する。本発明の音響補正装
置はより好ましい位置に音響イメージを再配置する。
【0026】 音響補正装置の応用により、オーディオ信号の再生により生成されたステレ
オイメージはスピーカの位置から異なった垂直および/または水平位置を有する
原点の知覚源を移動させるように空間的に補正されてもよい。リスナーにより知
覚される原点の正確な音源は空間的な補正のレベルに依存する。
【0027】 空間的な歪みの補正により一度知覚される原点が得られると、補正されたオ
ーディオ信号は拡大されたステレオイメージを与えるために強調される。1実施
形態では、位置を再設定されたオーディオイメージのステレオイメージ強調はリ
アルな音響ステージにリスナーが含まれるように人間の聴覚の音響原理を考慮す
る。聴いている位置が固定されている音響再生環境(例えば自動車の内部、マル
チメディアコンピュータシステム、本棚のスピーカシステム等)では、オーディ
オ信号に与えられるステレオイメージ強調の量はリスナーに関するスピーカの実
際の位置によって部分的に決定される。
【0028】 ある低周波の音響を再生しないスピーカにおいては、本発明は、失われた低
周波音響が存在する錯覚を生成する。すなわち、リスナーは低周波数を感知し、
それはスピーカが実際に正確に再生することのできる周波数よりも低い周波数で
ある。この錯覚効果は、人間の聴覚系統が音響を処理するユニークな方法を開発
することによって達成される。
【0029】 本発明の1実施形態では、リスナーが音楽その他の音響をどのようにメンタ
ルに知覚するかを利用している。音響再生プロセスはスピーカにより生成される
音響エネルギに止まらず、リスナーの耳、聴覚神経、脳、思考プロセスを含んで
いる。ヒヤリングは耳および聴覚神経系の作用により開始される。人間の耳は、
音響変化を受取り、それらの変化を神経パルスに変換し、最終的に音の“知覚”
すなわち音の認識に変換するデリケートな変換システムとして動作する。
【0030】 本発明のいくつかの実施形態では、人間の耳がオーバートーンおよび低周波
音をどのように処理して存在しない低周波音がスピーカから放射されている知覚
を生成するかを利用する。いくつかの実施形態では、高い周波数帯域の周波数は
選択的に処理されて低周波信号の錯覚を生じる。別の実施形態では、ある周波数
帯域が複数のフィルタ機能により変更される。
【0031】 さらに、本発明のいくつかの実施形態は、音楽のようなポピュラーなオーデ
ィオプログラム材料の低周波強調を改良するように設計される。大抵の音楽は高
調波に富んでいる。したがって、これらの実施形態は人間の耳が低周波音を処理
するために利用する音楽の広い範囲の種々の形式を変更することができる。既存
のフォーマットの音楽は所望の効果を生成するように処理されることができる。
【0032】 この新しい方法は多くの顕著な効果を生じる。リスナーは実際には存在しな
い低周波音を知覚するため大型のスピーカ,大きいコーンの変位距離、または付
加的なホーンの必要性は減少する。したがって、1実施形態では、大きいスピー
カが低周波音を放射するかのように小型のスピーカが動作することができる。予
測されるように、この実施形態は、大型のスピーカに対しては小さすぎる音響環
境において低音のような低周波オーディオの知覚を生成する。強調された低周波
音の知覚を生成することによって大型のスピーカのような効果が得られる。
【0033】 さらに、本発明の1実施形態によれば、手持ち型、あるいはポータブルな音
響システムの小型のスピーカがより好ましい低周波音の知覚を生成する。したが
って、リスナーは携帯形で低周波音の品質を犠牲にする必要はない。
【0034】 本発明の1実施形態では、廉価なスピーカが低周波音の錯覚を生成する。多
くの廉価なスピーカは適切に低周波音を再生することはできない。高価なスピー
カ容器、高性能の部品および大型の磁石により実際に低周波音を再生するのでは
なく、本発明の実施形態では、低周波音の錯覚を生成するために高い周波数を使
用する。その結果、廉価なスピーカを使用して一層リアルで優れた聴取状態を生
成することができる。
【0035】 さらに、1実施形態では、低周波音の錯覚は高められた聴取状態を生成し、
それは音のリアルさを増加させる。すなわち、多くの廉価な従来のシステムで存
在する濁った不安定な低周波音の再生の代わりに、本発明の1実施形態では、よ
り正確で明瞭に知覚される音響を生成する。そのような廉価なオーディオ装置お
よびオーディオビデオ装置には例えばラジオ、自動車オーディオシステム、コン
ピュータゲーム、コンパクトディスク、(CD)プレーヤ、デジタル多能ディス
ク(DVD)プレーヤ、マルチメディア表示装置、コンピュータ音響カード、等
が含まれる。
【0036】 1実施形態では、低周波音の錯覚の生成は、低周波音を実際に再生するのに
比較して少ないエネルギしか必要としない。したがって、バッテリで動作し、低
電力環境で動作し、小型のスピーカ、マルチメディアスピーカ,ヘッドホン等で
動作するシステムは、単に低周波音を増幅または増強させるだけのシステムと比
較して多くの貴重なエネルギを消費せずに、低周波音の錯覚を生成することがで
きる。
【0037】 本発明の1実施形態は、特別の回路により低周波信号の錯覚を生成する。こ
れらの回路は従来の低周波増幅器よりも簡単であり、したがって製造コストを減
少させることができる。これらのコストは複雑な回路を付加している従来の音響
強調装置よりも少ない。
【0038】 さらに、本発明の別の実施形態はマイクロプロセッサに依存しており、それ
は開示された低周波強調技術を実行している。場合によっては、既存のオーディ
オ部品の処理は本発明の1以上の実施形態の開示されたユニークな低周波信号強
調技術を提供するために再プログラムされることができる。その結果、既存のシ
ステムに低周波強調を追加するコストは著しく減少させることができる。
【0039】 1実施形態では、音響強調装置はホストシステムから1以上の入力信号を受
信し、1以上の強調された出力信号を発生する。とくに、2つの入力信号は処理
されて1対のスペクトルの強調された出力信号を発生し、それはスピーカで再生
され、リスナーによって聴かれたとき拡張された低音の感覚を生成する。1実施
形態では、低周波オーディオ情報は高周波オーディオ情報とは異なった方法で修
正される。
【0040】 本発明の1実施形態では、音響強調装置は1以上の入力信号を受信し、1以
上の強調された出力信号を発生する。とくに、入力信号は第1の周波数範囲と第
2の周波数範囲とを含む波形を有する。入力信号は処理されて強調された出力信
号を生成し、それはスピーカで再生され、リスナーによって聴かれたとき拡張さ
れた低音の感覚を生成する。さらに、この実施形態では、第1の周波数範囲の情
報を第2の周波数範囲の情報とは異なった方法で変形してもよい。ある実施形態
では、第1の周波数範囲は所望のスピーカに対しては低すぎる低音周波数範囲で
あってもよく、第2の周波数範囲はスピーカが再生することのできる中低音周波
数であってもよい。
【0041】 1実施形態は、2つのチャンネルに共通ではないエネルギとは異なった方法
で2つのステレオチャンネルに共通であるオーディオ情報を修正する。両方の入
力信号に共通のオーディオ情報は結合された信号と呼ばれる。1実施形態では、
強調システムはクリッピングを減少させるために結合された信号の位相および周
波数の振幅をスペクトル的に成形し、そのクリッピングはオーディオ情報がステ
レオである感覚を除去することなく高い振幅の入力信号から生じる。
【0042】 以下さらに詳細に説明するように、音響強調システムの1実施形態は結合さ
れた信号を種々のフィルタでスペクトル的に成形して、強調された信号を生成す
る。この実施形態では、結合された信号内の選択された周波数帯域を強調するこ
とによって、実際のスピーカ帯域幅より広く知覚されるスピーカ帯域幅が得られ
る。
【0043】 音響強調装置の1実施形態は、2つのステレオチャンネル用のフィードフォ
ワード信号路と、結合された信号路用の3つの並列フィルタとを含んでいる。4
つの並列のフィルタはそれぞれ、3つの直列接続された4乗(biquad)フィルタか
ら構成された6次のバンドパスフィルタを含んでいる。これら4つのフィルタに
対する伝達関数はとくに、オーディオ信号の低周波内容の種々の高調波の位相お
よび、または振幅成形を行うように選択される。成形によって、スピーカによっ
て再生されたときにオーディオ信号の知覚される帯域幅が予想外に増加する。別
の実施形態では、6次のフィルタはそれより低次のチェビシェフフィルタによっ
て置換される。
【0044】 スペクトル成形は結合された信号に関して行われ、その後、その信号はフィ
ードフォワード路においてステレオ情報と結合されるため、結合された信号中の
周波数は、両ステレオチャンネルが影響を受け、ある周波数範囲内のいくつかの
信号が1つのステレオチャンネルから別のステレオチャンネルに結合されるよう
に変化させられる可能性が高い。その結果、種々の実施形態において、強調され
たオーディオ音響が完全に独特で新しい予想できない方法で生成される。
【0045】 音響強調装置は1以上の後続する信号処理段に接続される。これらの後続す
る処理段は改善された音響ステージを提供し、あるいは改善された空間処理を行
う。出力信号はまた、音響強調装置の動作に影響を与えずに、録音装置、電力増
幅器、スピーカのような別のオーディオ装置に導かれることができる。
【0046】 本発明はまた、音響イメージの水平方向のアスペクトを改善するユニークな
差遠近補正装置を提供する。この差遠近補正装置は、他の音響強調装置とは全く
異なった方法によって音を強調する。この差遠近補正装置の実施形態は、たとえ
ば、ラジオ、自動車のオーディオシステム、コンピュータゲーム、マルチメディ
ア表示装置等が含まれることのできる広範囲にわたる廉価なオーディオおよびオ
ーディオ・ビジュアル装置において音を強調するために有効に使用されることが
可能である。
【0047】 広い意味で述べると、差遠近補正装置は2つの入力信号をホストシステムか
ら受取って、2つの強調された出力信号を発生する。とくに、2つの入力信号は
、1対の空間的に補正された出力信号を供給するようにまとめて処理される。さ
らに、1実施形態において、両方の入力信号に共通するオーディオ情報は、両方
の入力信号に共通しないオーディオ情報とは異なった方法で修正される。
【0048】 両方の入力信号に共通するオーディオ音響情報は、共通モード情報、あるい
は共通モード信号と呼ばれる。共通モードの音響情報は、入力信号の和を含んで
いるのではなく、任意の所定の瞬間に両方の入力信号中に存在するオーディオ情
報だけを含んでいるという点で和信号とは異なっている。信号はディスクリート
な信号として存在していない。
【0049】 それと対照的に、両方の入力信号に共通しないオーディオ情報は、差情報ま
たは差信号と呼ばれる。この差情報は共通モード情報とは異なった方法で処理さ
れるが、差信号はディスクリートな信号ではない。以下さらに詳細に説明するよ
うに、差遠近補正装置は種々のフィルタにより差信号をスペクトル的に成形して
、等化された差信号を生成する。差信号中の選択された周波数帯域を等化するこ
とによって、差遠近補正装置はリスナーの正面に配置された1対のスピーカから
投射された知覚される音響イメージを広げる。
【0050】 クロスオーバーインピーダンスネットワークは差信号中の周波数範囲を等化
するので、共通モード信号中の周波数に影響を与えずに、差信号中の周波数が変
化されることができる。その結果、オーディオ音響は完全に特有の新しい方法で
強調される。
【0051】
【発明の実施の形態】
図1は、ステレオイメージ補正システム122 、低音強調システム101 およびス
テレオイメージ強調システム124 を直列に含んでいる音響補正装置120 のブロッ
ク図である。ステレオイメージ補正システム122 は、左ステレオ信号と右ステレ
オ信号とを低音強調システム101 に供給する。低音強調装置は左および右ステレ
オ信号をステレオイメージ強調システム124 の左および右入力にそれぞれ出力す
る。ステレオイメージ強調システム124 は信号を処理して、左出力信号130 およ
び右出力信号132 を供給する。その後、出力信号130 および132 はある別の形態
の信号調整システムに接続されてもよいし、あるいはスピーカまたはヘッドホン
(示されていない)に直接接続されてもよい。
【0052】 スピーカに接続された場合、補正システム120 はスピーカの配置、スピーカ
により生成されたイメージおよびスピーカによって生成された低周波応答特性の
欠点を補正する。音響補正装置120 は、スピーカによって再生される音の空間的
および周波数応答特性を強調する。音響補正装置120 において、ステレオイメー
ジ補正システム122 はスピーカにより再生された見掛け上の音響ステージのリス
ナーにより知覚される垂直イメージを補正し、低音強調システム101 はその音の
リスナーにより知覚される低音応答特性を改善し、ステレオイメージ強調システ
ム124 は見掛け上の音響ステージのリスナーにより知覚される水平イメージを強
調する。
【0053】 音響補正装置120 は、音響再生環境における欠点とスピーカの欠点とを補正
することによりスピーカにより再生された音を改善する。この装置120 は再生環
境におけるスピーカの位置を補償することにより元の音響ステージの再生を改善
する。音響ステージの再生は、可聴周波数スペクトルにわたって見掛け上の(す
なわち、再生された)音響ステージの水平および垂直の両アスペクトを強調する
方法で改善される。装置120 は、生の音響ステージにおいて容易に知覚される反
響音を都合よく修正するので、スピーカが能力の制限された点音源として動作し
ても、反響音はまた再生環境においてリスナーにより知覚される。装置120 はま
た、人間の聴覚系が音を感知するのとは異なった方法でマスクロホンがしばしば
音を録音することを補償する。装置120 は人間の聴覚をまねるフィルタおよび伝
達関数を使用して、マイクロホンにより生成された音を補正する。
【0054】 音響システム120 は、人間の聴覚器官の応答特性を使用することによって複
合音の見掛け上の方位および高さ地点を調節する。補正はリスナーの脳により使
用され、音の発生源を示す。補正装置120 はまた、最も音響学的に望ましい位置
にないスピーカのような、理想とはいえない条件で配置されたスピーカを補正す
る。
【0055】 所定の音響システムに対して空間的に正確な応答特性を得るために、音響補
正装置120 は、音響情報の周波数応答特性の成形に関してヘッド関連伝達関数(
HRTF)のある特徴を使用して、音響ステージの見掛け上の幅および高さを補
正するためにスピーカの配置を補正すると同時にスピーカの低周波応答特性の欠
点を補正する。
【0056】 このようにして音響補正装置120 は、スピーカが理想的とはいえない位置に
配置されている場合や、スピーカ自身が所望の音を適切に再生する能力に欠けて
いる場合でも、より自然で現実的な音響ステージをリスナーに提供する。
【0057】 補正装置によって行われる種々の音響補正は、後続の補正が先行の補正を妨
害しないような順序で実施される。1実施形態において、補正は、装置120 によ
り行われた前の補正がその装置120 により行われる後の補正を強調すると共に、
これに貢献する望ましい順序で行われる。
【0058】 1実施形態において、補正装置120 は、改善された低音応答特性によりサラ
ウンドサウンドシステムをシミュレートする。この補正装置120 によって、リス
ナーの周囲に多数のスピーカが配置されており、また多数の録音トラックに含ま
れている音響情報が多数のスピーカ装置に供給されている錯覚が生じる。
【0059】 音響補正システム120 は、不完全な再生環境において垂直、水平およびスペ
クトル音響イメージを改善する高性能で実効的なシステムを提供する。イメージ
補正システム122 は最初に、スピーカによって生成された垂直イメージを補正す
る。その後、低音強調システム101 は、十分な低周波再生能力に欠いている小型
スピーカの低周波数出力を強調するようにして音響信号の低周波数成分を調節す
る。最後に、水平音響イメージは、イメージ強調システム124 によって補正され
る。
【0060】 イメージ補正システム122 によって行われる垂直イメージ強調には典型的に
音の低周波部分のある強調が含まれ、それによって低音強調システム101 が低音
強調処理の全体的な効果に貢献する前に垂直強調を行う。低音強調システム101
は、ステレオ信号中の低周波数情報の左および右部分の共通した部分のある混合
を行う(共通モード)。対照的に、イメージ強調システム124 によって行われる
水平イメージ強調は、その信号の左部分と右部分との間の差の強調および成形を
行う(差モード)。このようにして、補正システム120 において、ステレオ信号
の共通モードおよび差モード部分のバランスをとってリスナーに心地好い効果を
生成するために水平イメージ強調の前に低音強調が都合よく行われる。
【0061】 上述したように、ステレオイメージ補正システム122 、低音強調システム101
およびイメージ強調システム124 は共同して音響再生環境の音響上の欠点を克
服する。音響再生環境は入り組んだ劇場のような広いものであってもよく、ある
いは可搬性電子キーボード程度の小さいものであってもよい。音響補正装置はま
たマルチメディアコンピュータシステム(たとえば、図3を参照)、家庭用オー
ディオ、テレビジョン、ヘッドホン、ブームボックス、自動車等に大きな利点を
提供する。
【0062】 図2は、受信機220 を備えたステレオオーディオシステムを示している。受
信機220 は左チャンネル信号を左スピーカ246 に供給し、右チャンネル信号を右
スピーカ247 に供給する。その代わり、受信機220 はテレビジョン、可搬性ステ
レオシステム(たとえば、ブームボックス)、クロックラジオ等と置換されるこ
とができる。受信機220 はまた左および右チャンネル信号をヘッドホン250 に供
給する。リスナー(ユーザ)248 は、ヘッドホン250 またはスピーカ246 ,247
を使用して左および右チャンネル信号を聞くことができる。音響補正装置120 は
、受信機220 内でアナログ装置を使用して、あるいは受信機220 内のデジタル信
号プロセッサ(DSP)で実行するソフトウェアによって構成されることができ
る。
【0063】 スピーカ246 ,247 は所望のステレオイメージをユーザに提供する最適な位
置に配置されず、したがってリスナーのリスニングの満足感を減少させることが
多い。同様に、ヘッドホン250 のようなヘッドホンは、それがリスナーの正面で
はなく、耳に隣接して配置されたために、心地好くない音を生成することが多い
。さらに、多数の小型のブックシェルフスピーカ、マルチメディアスピーカおよ
びヘッドホンの低周波数応答特性は貧弱であり、それがリスナーのリスニング満
足感をさらに減少させる。受信機220 内の音響補正装置(またはソフトウェア)
120 は左および右信号を補正して、スピーカ246 ,247 またはヘッドホン250 に
よって再生されたときにもっと心地好い音を生成する。1実施形態において、受
信機220 は、リスナー248 が聞いているのはスピーカ246 ,247 またはヘッドホ
ン250 のいずれであるかにしたがって、左および右チャンネルにおいて生成され
た音をそのリスナー248 が調節することを可能にするために制御装置(図38に
示されている幅制御装置3846および、または図38に示されている低音制御装置
3827のような)を含んでいる。
【0064】 図3は、本発明の1実施形態を有効に使用して、スピーカ246 ,247 によっ
て生成されるオーディオ性能を改善することのできる典型的なコンピュータオー
ディオシステム300 を示している。スピーカ246 ,247 は典型的にコンピュータ
装置304 内部の音響カード(示されていない)に接続されている。この音響カー
ドはオーディオ出力を生成する任意のコンピュータインターフェースカードであ
ることができ、それにはラジオカード、テレビジョンチューナカード、PCMC
IAカード、内部モデム、プラグインデジタル信号プロセッサ(DSP)等が含
まれる。コンピュータ304 は、スピーカ246 によって音波に変換されるオーディ
オ信号を音響カードに発生させる。
【0065】 図4のAは、音響再生環境内においてリスナーの外耳で生じる所望の周波数
応答特性を表すグラフを示している。曲線460 はデシベルで測定された音圧レベ
ル(SPL)の、周波数に対する関数である。図4Aにおいて認められるように
、音圧レベルは全ての可聴周波数に対して比較的一定である。曲線460 は、リス
ナーの真正面でほぼ耳の高さに配置された1対の理想的なスピーカによってピン
ク雑音の再生から得られることが可能である。ピンク雑音は、オクターブ当り等
しいエネルギを有するオーディオ周波数スペクトルによって伝送された音のこと
である。実際に、曲線460 の平坦な周波数応答特性は、スピーカシステムの固有
の音響限界に応答して変動する可能性がある。
【0066】 曲線460 は、リスナーの聴覚による処理の前に存在する音圧レベルを表して
いる。再び図2を参照すると、曲線460 によって表される平坦な周波数応答特性
は、スピーカが間隔を隔てられて、リスナー248 のほぼ正面に配置されたときに
そのリスナー248 に向かって放射された音と一致する。人間の耳は、それ自身の
聴覚応答特性を音響信号に適用させることによって曲線460 によって表されるよ
うにこのような音を処理する。人間の聴覚応答特性は、外部耳介および内耳管部
分によって決定される。
【0067】 残念ながら、多数の家庭および自動車の音響再生システムの周波数応答特性
は、図4のAに示されている望ましいものではない。対照的に、スピーカは、別
の人間工学的要求に合わせるために音響学的に望ましくない位置に配置される可
能性がある。スピーカ246 ,247 から放射された音は、リスナー248 に関するス
ピーカ246 および247 の位置だけによってスペクトル的に歪められる可能性があ
る。さらに、リスニング環境内の物体および表面のために、結果的に得られた音
が吸収され、あるいはその振幅が歪みを与えられる可能性がある。このような吸
収は、高い周波数においてよく発生する。
【0068】 スペクトルおよび振幅の両方の歪みの結果、リスナー248 により知覚される
ステレオイメージは、望ましくないリスニング体験を与える空間的に歪みを与え
られたものとなる。図4のB乃至Dは、種々の音響再生システムおよびリスニン
グ環境に対する空間的歪みのレベルをグラフで示している。図の4B乃至Dに示
されている歪み特性は、リスナーの耳の近くのデジベルで測定された音圧レベル
を表している。
【0069】 図4のBの周波数応答曲線464 は、ほぼ100Hzより上の周波数で減少す
る音圧レベルを有している。この曲線464 はスピーカから発生される可能な音圧
特性を表し、これにはリスナーより低い位置に取付けられたウーファーおよびツ
イターの両方が含まれる。たとえば、図2のスピーカ246 がツイターを含んでい
ると仮定すると、このようなスピーカ246 によって再生されたオーディオ信号だ
けが図4Bの応答特性を示す。
【0070】 減少する曲線464 に関連した特定の傾斜は変化し、リスニング領域、スピー
カの品質およびリスニング領域内におけるスピーカの正しい配置に応じて、完全
に線形ではないかもしれない。たとえば、表面が比較的硬質であるリスニング環
境では、比較的柔らかい(たとえば、布、カーペット、防音タイル等)表面のリ
スニング環境よりオーディオ信号の、とくに高周波の反射率が高くなる。スペク
トル的な歪みのレベルは、スピーカがリスナーから遠くに離されて配置されたた
めに変化する。
【0071】 図4のCの音圧対周波数特性468 のグラフは、第1の周波数範囲のオーディ
オ信号は空間的に歪みを与えられているが、高周波範囲の信号は歪みを受けてい
ない。特性曲線468 は、低周波数から中間の周波数のスピーカがリスナーより低
い位置に配置され、高周波スピーカがリスナーの耳の高さに、あるいはその近く
に位置しているスピーカ装置から得られることができる。特性曲線468 から得ら
れる音響イメージは、図2のリスナー248 より下方に位置する低周波数成分と、
リスナーの耳の高さ近くに位置する高周波成分とを有している。
【0072】 図4のDは、低い周波数において減少した音圧レベルを有し、高い周波数に
おいて増加する音圧レベルを有する音圧対周波数特性470 のグラフを示している
。この特性470 は、中間の周波数から低周波数のスピーカがリスナーより低く配
置され、高い周波数のスピーカがリスナーの上方に配置されたスピーカ装置から
得られる。図4のDの曲線470 により示されているように、1000Hzより高
い周波数での音圧レベルは、低い周波数より著しく高くなり、近くのリスナーに
とって望ましくないオーディオ効果を生じさせる可能性がある。曲線470 から結
果的に得られた音響イメージは、図2のリスナー248 より下方に位置する低周波
数成分と、リスナー248 の上方に位置する高周波成分とを有している。
【0073】 図4のB乃至Dのオーディオ特性は、一般的なリスニング環境において得ら
れることが可能であり、リスナー248 に聞こえる種々の音圧レベルを表している
。図4のB乃至Dのオーディオ応答特性曲線は、リスナーの耳に存在するオーデ
ィオ信号が種々のオーディオ再生システムによってどのようにして歪みを与えら
れるかを示す数例に過ぎない。所定の周波数での空間的歪みの正確なレベルは、
再生システムおよび再生環境に応じて広範囲にわたって変化する。見掛け上の位
置は、固定したリスナーに関して見掛け上の高さおよび方位座標によって規定さ
れるスピーカシステムに対して発生されることが可能であり、これは実際のスピ
ーカ位置とは異なっている。
【0074】 図5は、左および右ステレオ信号126 および128 を入力するステレオイメー
ジ補正システム122 のブロック図である。イメージ補正システム122 は、比較的
低い周波数を含む第1の周波数成分と比較的高い周波数を含む第2の周波数成分
とに可聴周波数スペクトルを都合よく分割することによって、種々の音響システ
ムの歪みを与えられたスペクトル密度を補正する。左および右の各信号126 およ
び128 は対応した低周波数補正システム580 ,582 および高周波数補正システム
584 ,586 によって別々に処理される。1実施形態において、補正システム580
および582 はほぼ100乃至1000Hzの比較的“低い”周波数で動作し、一
方システム584 および586 はほぼ1000乃至10000Hzの比較的“高い”
周波数で動作することが指摘されなければならない。これは、低い周波が100
Hzまでの周波数を表わし、中間の周波数が100Hz乃至4kHzの周波数を
表わし、高い周波数が4kHzより高い周波数を表す一般的なオーディオ用語と
混同されてはならない。
【0075】 入力オーディオ信号を低い周波数成分と高い周波数成分とに分離することに
よって、音圧レベルの補正がある周波数範囲とは無関係の別の周波数範囲におい
て行われることができる。補正システム580 ,582 ,584 および586 は入力信号
126 および128 を修正して、スピーカによる再生時に入力信号のスペクトル的お
よび振幅的な歪みを補正する。結果的に得られた信号は元の入力信号126 および
128 と共に、各合計結合器590 および592 において結合される。補正された左ス
テレオ信号Lc および補正された右ステレオ信号Rc は低音強調装置101 に出力
される。
【0076】 低音強調装置101 に供給された補正されたステレオ信号は、リスナー248 (
図2および3に示されている)の耳付近に現れる平坦な、すなわち、均一な周波
数応答特性を有している。この空間的に補正された応答特性は、図2または3の
スピーカ246 によって再生されたときに、リスナー248 の真正面に配置されてい
るように思われる見掛け上の音源を生成する。
【0077】 音源がオーディオ信号のエネルギ補正によって適切に配置されると、低音強
調装置101 はスピーカ246 における低周波欠点を補正し、低音補正された左およ
び右チャンネル信号をステレオイメージ強調システム124 に供給する。ステレオ
イメージ強調システム124 は、見掛け上の音源から生じるステレオイメージを広
くする(水平方向に)ようにステレオ信号を調整する。図8のAおよびBと共に
説明するように、ステレオイメージ強調システム124 は音源の実際の位置を補償
するようにステレオオリエンテーション装置により調節されることが可能である
【0078】 1実施形態において、ステレオイメージ強調システム124 は左および右ステ
レオ信号中に存在する差信号情報を等しくする。
【0079】 低音強調装置101 から供給された左および右の信号は強調システム124 によ
って差信号発生器501 および和信号発生器504 に入力される。補正された左およ
び右入力信号の立体音響内容を表す差信号(Lc −Rc )は差信号発生器501 の
出力502 から発生される。補正された左および右ステレオ信号の和を表す和信号
(Lc +Rc )は和信号発生器504 の出力506 において発生される。
【0080】 出力502 および506 における和および差信号は、随意のレベル調節装置508
および510 にそれぞれ供給される。装置508 および510 は典型的に電位差計また
は類似の可変インピーダンス装置である。装置508 および510 の調節は典型的に
、出力信号中に存在する和および差信号の基本レベルを制御するように手動で行
われる。これによって、ユーザは、再生される音のタイプにしたがって、および
ユーザの個人的な嗜好に応じてステレオ強調のレベルおよびアスペクトを調整す
ることが可能になる。和信号の基本レベルを増加することにより、1対のスピー
カの間の中央ステージでのオーディオ情報が強調される。対照的に、差信号の基
本レベルを増加させると、周囲の音響情報が強調され、それによって広いサウン
ドイメージ感が生成される。音楽のタイプおよびシステム構成パラメータが知ら
れているか、あるいは手動調節が実際には役立たないいくつかのオーディオ装置
では、調節装置508 および510 が除去され、和および差信号レベルは予め定めら
れて固定されている必要がある。
【0081】 装置510 の出力は、ステレオ強調等化装置520 に入力522 から供給される。
この等化装置520 は、以下図7に示されているように、入力522 に発生した差信
号をスペクトル的に成形する。
【0082】 成形された差信号はミキサ542 に供給され、このミキサ542 はまた装置506
から和信号を受取る。1実施形態において、ステレオ信号594 および596 もまた
ミキサ542 に供給される。これらの信号は全てミキサ542 内で結合され、強調さ
れて空間的に補正された左出力信号530 および右出力信号532 を生成する。
【0083】 入力信号126 および128 は典型的に補正された立体音響ソース信号を表して
いるが、それらはまたモノフォニックソースから合成的に発生されてもよい。
【0084】 [イメージ補正特性] 図6のA乃至Cは、1対のステレオ信号から発生された移動されて位置を変更
されたイメージを得るために“低”および“高”周波数補正システム580 ,582
,584 ,586 によって行われた空間補正のレベルをグラフで表している。
【0085】 最初に図6のAを参照すると、補正システム580 および582 によって行われ
る可能なレベルの空間補正が、異なった振幅対周波数特性を有する曲線として示
されている、補正システム580 および582 によって行われる最大レベルの補正、
すなわちブースト(dBで測定された)は、補正曲線650 によって表されている
。曲線650 はほぼ100Hz乃至1000Hzの第1の周波数範囲内で増加する
ブーストレベルを示している。1000Hzより高い周波数において、ブースト
のレベルはかなり一定したレベルに維持される。曲線652 はほぼゼロレベルの補
正を表している。
【0086】 当業者には、典型的なフィルタは通常遮断周波数によって分離された周波数
の通過帯域および阻止帯域によって通常特徴付けられる。図6のA乃至Cの補正
曲線は、典型的な信号フィルタを表すものであるが、通過帯域、阻止帯域および
転移帯域によって特徴付けられることができる。図6のAの特性にしたがって構
成されたフィルタはほぼ1000Hzより高い通過帯域と、ほぼ100乃至10
00Hzの転移帯域と、およびほぼ100Hzより低い阻止帯域とを有している
。図6のBおよびCによるフィルタはほぼ10kHzより高い通過帯域と、ほぼ
1kHz乃至10kHzの転移帯域と、およびほぼ1kHzより低い阻止帯域と
を有している。1実施形態において、フィルタは1次フィルタである。
【0087】 図6のA乃至Cに示されているように、システム580 ,582 ,584 および586
によるオーディオ信号の空間的補正は、通過帯域内において実質的に均一であ
るが、転移帯域内では顕著に周波数に依存する。オーディオ信号に対して適用さ
れる音響補正の量はステレオイメージ補正システム622 の調節による周波数の関
数として変化され、それによって図6のA乃至Cの転移帯域の傾斜を変化させる
ことができる。その結果、周波数依存性の補正が100Hz乃至1000Hzの
第1の周波数範囲と、1000乃至10,000Hzの第2の周波数範囲とに適
用される。補正システム580 ,582 ,584 および586 の独立的な調節によって無
限数の補正曲線が可能である。
【0088】 1実施形態によると、高周波のステレオ信号成分の空間的補正は、ほぼ10
00Hz乃至10,000Hzにおいて行われる。これらの信号成分のエネルギ
補正は図6のBに示されているように正であってよく、すなわち、ブーストされ
てもよく、あるいは図6のCに示されているように負であってよく、すなわち、
減衰されてもよい。補正システム584 ,586 によって行われるブーストの範囲は
、最大ブースト曲線660 および最小ブースト曲線162 によって特徴付けられてい
る。曲線664 ,666 および668 は、異なった音響再生システムから生じた音を空
間的に補正するために必要とされることのできるさらに別のレベルのブーストを
表している。図6のCは、本質的に図6のBに示されたものと逆のものであるエ
ネルギ補正曲線を示している。
【0089】 図6のA乃至Cの曲線で表された低周波および高周波補正ファクタは合計さ
れるので、広範囲にわたる可能な空間補正曲線が100乃至10,000Hzの
周波数範囲に適用される。図6のDは、ステレオイメージ補正システム522 によ
って行われた複合空間補正特性の範囲を示すグラフである。とくに、実線の曲線
680 は、曲線650 (図6A)と曲線660 (図6B)とから成る最大レベルの空間
補正を表している。低周波数の補正はθ1 によって示された範囲を通って実線の
曲線680 から変化する可能性がある。同様に、高周波数の補正はθ2 によって示
された範囲を通って実線の曲線680 から変化する可能性がある。したがって、1
00乃至1000Hzの第1の周波数範囲に与えられるブーストの量はほぼ0乃
至15dBの間で変化し、一方1000乃至10,000Hzの第2の周波数範
囲に対して行われる補正の量はほぼ13dB乃至−15dBの間で変化する可能
性がある。
【0090】 [イメージ強調特性] 次に本発明のステレオイメージ強調特徴を検討すると、一連の遠近強調、すな
わち、正規化曲線が図7においてグラフで示されている。上記の式1および2に
おける信号(Lc −Rc p は、図7の周波数応答特性にしたがってスペクトル
的に成形された処理された差信号を表している。これらの周波数応答特性は図5
中の等化装置520 によって適用され、部分的にHRTF原理に基づいたものであ
る。
【0091】 一般に、差信号を選択的に増幅することによって、差信号中に存在している
可能性があるが強度の直接フィールド音でマスクされる周辺音または反響音効果
が強調される。これらの周辺音は、適当なレベルで生の音響ステージにおいて容
易に知覚される。しかしながら、録音された演奏では、周辺音は生演奏に関して
減衰される。1対の立体音響左および右信号から得られた差信号のレベルをブー
ストすることによって、リスナーの正面に配置された1対のスピーカから投射さ
れる音響イメージを著しく広げることができる。
【0092】 図7の遠近曲線790 ,792 ,794 ,796 および798 は、対数フォーマットで
表示された可聴周波数に対する利得の関数として表されている。種々のオーディ
オ再生システムを考慮するために、図7の異なった等化レベル曲線が必要である
。1実施形態において、差信号の等化レベルは、オーディオ再生システム内のリ
スナーに関するスピーカの実際の位置の関数である。曲線790 ,792 ,794 ,79
6 および798 は一般に、中間帯域の周波数に関してそれより低いおよび高い差信
号周波数がブーストされる周波数等高線(contouring)特性を表している。
【0093】 1実施形態によると、図7の遠近曲線に対する範囲は、ほぼ125乃至15
0Hzで認められるほぼ10乃至15dBの最大利得によって規定される。この
最大利得値は、図7の曲線790 ,792 ,794 ,796 および798 の傾斜が正の値か
ら負の値に変化する曲線の曲がりめを示している。図7では、このような曲がり
めはポイントA,B,C,DおよびEとして符号で表わされている。125Hz
より低い場合、遠近曲線の利得はオクターブ当りほぼ6dBのレートで減少する
。125Hzより高い場合には、図7の曲線の利得はほぼ−2乃至+10dBの
最小利得の曲がりめに向かって可変的なレートで減少する。最小利得の曲がりめ
は曲線790 ,792 ,794 ,796 および798 間で著しく異なっている。最小利得の
曲がりめはポイントA´,B´,C´,D´およびE´として符号でそれぞれ表
わされている。最小利得の曲がりめが発生する周波数はほぼ曲線790 に対する2
.1kHzから曲線798 に対する5kHzまでばらばらである。曲線790 ,792
,794 ,796 および798 の利得は、それらの各最小利得周波数より上の周波数に
おいてほぼ10kHzまで増加する。10kHzより高い周波数では、遠近曲線
によって与えられる利得は水平になり始める。全ての曲線はほぼ120kHzす
なわち人間にとって可聴な最高の周波数まで利得の増加を示し続ける。
【0094】 上記の利得および周波数の図は単なる設計の目的のものであり、実際の図は
システムによってまちまちである。さらに、信号レベル装置508 および510 の調
節は、最大および最小利得値、ならびに最大利得周波数と最小利得周波数との間
の利得分離に影響を及ぼすこととなる。
【0095】 図7による差信号の等化は、高い強度の差信号成分を過度に強調することな
く、統計的に低い強度の差信号成分のブーストを意図したものである。典型的な
ステレオ信号の高い強度の差信号成分は、ほぼ1乃至4kHzの中間の周波数範
囲に認められる。人間の聴覚はこれら同じ中間範囲の周波数に対して非常に感度
が高い。したがって、強調された左および右出力信号530 および532 により、非
常に改善されたオーディオ効果が生成される。これは、周辺音が選択的に強調さ
れ、リスナーを再生された音響ステージ内に完全に包み込むためである。
【0096】 図7において認識できるように、125Hzより低い差信号周波数は、それ
が存在するならば、遠近曲線を適用することによって減少された量のブーストを
受ける。この減少は非常に低い、すなわち低音の周波数の過度の増幅を避けるこ
とを意図したものである。多くのオーディオ再生システムにおいて、この低周波
範囲内のオーディオ差信号を増幅することにより、低音応答特性が多過ぎる不快
で非現実的なサウンドイメージが生じる可能性が高い。このようなオーディオ再
生システムの例には、マルチメディアコンピュータシステムおよび家庭用ステレ
オシステムのような近音場または低パワーオーディオシステムが含まれる。これ
らのシステムにおける多量の電力導入は高ブースト期間中に増幅器による“クリ
ッピング”を発生させるか、あるいはスピーカを含むオーディオシステムの部品
に損傷を与える可能性がある。差信号の低音応答特性を制限することはまた、大
部分の近音場オーディオ強調用途においてこれらの問題を回避する助けとなる。
【0097】 1実施形態によると、リスナーが固定されているオーディオ環境における差
信号の等化レベルは、実際のスピーカのタイプおよびリスナーに関するそれらの
位置に依存する。この決定の基礎をなす音響原理は、図8のAおよびBを使用し
て最もよく説明されることができる。図8のAおよびBは、このような音響原理
をスピーカシステムの方位の変化に関して説明することを意図されている。
【0098】 図8のAは、スピーカ800 および802 がリスナー804 より若干前方の両側に
おいてそのリスナーに向けられて配置されている音響再生環境を上方から見た図
を示している。スピーカ800 および802 はまたリスナー804 より下方の、図2に
示されているスピーカ246 と類似した高さの位置に配置されている。基準面Aお
よびBはリスナー804 の両耳806 および808 と整列されている。示されているよ
うに、平面AおよびBはリスナーの視線と平行である。
【0099】 スピーカの位置は、スピーカ810 および812 の位置に対応していることが好
ましい。1実施形態において、スピーカが望ましい位置に配置されることができ
ない場合、差信号を選択的に等化することによって見掛け上のサウンドイメージ
の強調が行われることができる。すなわち、差信号の利得は周波数と共に変化す
る。図7の曲線790 は、破線のスピーカ810 および812 に対応した実際のスピー
カ位置に関して望ましいレベルの差信号等化を表している。
【0100】 [低音強調] 本発明はまた、オーディオ信号を強調するための方法およびシステムを提供す
る。音響強調システムは特有の音響強調プロセスにより音の迫真性を改善する。
一般的には、音響強調プロセスは左入力信号および右入力信号という2つの入力
信号を受取り、その後、左出力信号および右出力信号である2つの強調された出
力信号を発生する。
【0101】 左および右入力信号はまとめて処理され、1対の左および右出力信号として
出力される。とくに、強調システム形態は、知覚される音の幅を広げて強調する
ようにして2つの入力信号間に存在する差を等化する。さらに、多くの形態は、
クリッピングを減少するように両入力信号に共通した音のレベルを調節する。い
くつかの実施形態では、デジタル信号処理を必要としない簡単化された廉価な製
造し易いアナログシステムにより音響強調が有効に行われる。
【0102】 ここでは1つの音響強調システムを参照として実施形態が説明されているが
、本発明はそれに制限されず、音響強調システムの種々の実施形態を種々の状況
に適合させることが望ましいその他の種々の状況において使用されることが可能
である。
【0103】 マルチメディアコンピュータ、自動車、小型ステレオシステム、可搬性ステ
レオシステム、ヘッドホン等において使用される典型的な小型のスピーカシステ
ムは、約150Hzでロールオフする音響出力応答特性を有しているであろう。
図9は、人間の聴覚の周波数応答特性にほぼ対応した曲線906 を示している。図
9はまた、高い周波数を再生する高周波駆動装置(ツイター)と中間範囲および
低音の周波数を再生する4インチの中・低音駆動装置(ウーファー)とを使用す
る典型的な小型コンピュータスピーカシステムの測定された応答特性908 を示し
ている。2つの駆動装置を使用するこのようなシステムはしばしば、ツーウェイ
システムと呼ばれる。3以上の駆動装置を使用するスピーカシステムは技術的に
知られており、それは本発明により使用されるであろう。応答特性908 は、20
Hz乃至20kHzの周波数を示すX軸と直交するプロット上に示されている。
この周波数帯域は、正常な人間の聴覚の範囲に対応している。図9のY軸は、0
dBから−50dBまでの正規化された振幅応答特性を示している。曲線908 は
ほぼ2kHz乃至10kHzの中音周波数帯域では比較的平坦であり、10kH
zより上でロールオフを示している。低周波範囲において、曲線908 は、ほぼ1
50Hzと2kHzとの間の中低音帯域から始まる低周波数ロールオフを示し、
したがって150Hzより下ではスピーカシステムが生成する音響出力はごくわ
ずかとなる。
【0104】 図9に示されている周波数帯域の位置は単なる例示に過ぎず、これに制限さ
れるものではない。深い低音帯域、中低音帯域および中間範囲の帯域の実際の周
波数範囲は、スピーカおよびそのスピーカが使用される用途に応じて変化する。
深い低音という用語は、たとえば中低音帯域等でのそれより高い周波数における
スピーカ出力と比較して正確度の低い出力をスピーカが生成する帯域の周波数を
全体的に示すために使用されている。中低音帯域という用語は、深い低音帯域よ
り上の周波数を全体的に示すために使用されている。中間範囲という用語は、中
低音帯域より上の周波数を全体的に示すために使用されている。
【0105】 多数のコーン型の駆動装置は、そのコーンの直径が音波の波長より小さい場
合、低周波数で音響エネルギを生成するときに非常に非効率的である。コーンの
直径が音波の波長より小さい場合、コーンからの音響出力の均一な音圧レベルを
維持するには、そのコーンの変位距離を、周波数が低下する各オクターブについ
て4倍(2のファクタ)で増加させる必要がある。単に駆動装置に供給される電
力をブーストすることにより低周波数応答特性を改善しようと試みた場合、急速
にその駆動装置の最大許容コーン変位に到達する。
【0106】 したがって、ある限界を越えて駆動装置の低周波数出力を増加させることは
できず、これは大部分の小型スピーカシステムの低周波音質が悪いことを意味し
ている。曲線908 は、直径がほぼ4インチの低周波数駆動装置を使用する大部分
の小型スピーカシステムを代表するものである。大型の駆動装置を備えたスピー
カシステムは、曲線908 で示されているものよりいくぶん低い周波数に対してか
なりの音響出力を生成する傾向があり、小型の低周波数駆動装置を有するシステ
ムは典型的に曲線908 で示されている低さの出力を生成しない。
【0107】 上述したように、現在までシステム設計者は、拡張された低周波数応答特性
を有するスピーカシステムを設計するときに彼等には殆ど選択肢がなかった。以
前から知られている解決方法は高価であり、生産されるスピーカはデスクトップ
には大き過ぎるものであった。低周波数の問題に対してよく行われている1つの
解決方法は、通常コンピュータシステム付近の床上に配置されるサブウーファー
の使用である。サブウーファーは十分な低周波数出力を供給することができるが
、それらは高価であり、したがって廉価なデスクトップスピーカと比較してあま
り一般的ではない。
【0108】 本発明の1実施形態は、大きい直径のコーンを有する駆動装置、すなわちサ
ブウーファーを使用するのではなく、スピーカシステムによって低周波数音響エ
ネルギが生成されない場合でも、このようなエネルギを知覚させる人間の聴覚系
の特性を使用することによって小型システムの低周波数限界を克服する。
【0109】 人間の聴覚系は非線形であることが知られている。非線形系は簡単に述べる
と、入力の増加に出力の比例的な増加が追従しない系である。したがって、たと
えば、耳において音圧レベルを2倍にすることは、音源の音量が2倍にされてい
ることを知覚させるものではない。実際に人間の耳は、第1の近似として音響エ
ネルギの強度ではなく電力に応答する2乗デバイスである。この耳の非線形機構
は、音響波の実際の周波数のオーバートーンまたは高調波として聞かれる相互変
調周波数を生成する。
【0110】 図10には、人間の聴覚における非線形性の相互変調効果が示されている。
図10は、2つの純音の理想化された振幅スペクトルを示している。図10にお
けるスペクトル図は、50Hzでスピーカ駆動装置(たとえば、サブウーファー
)によって生成される音響エネルギに対応する第1のスペクトルライン1004を示
している。第2のスペクトルライン1002は60Hzで示されている。ライン1004
および1002は、駆動装置により生成された実在する音響エネルギに対応した実際
のスペクトルラインであり、他の音響エネルギは存在しないと仮定されている。
しかしながら、人間の耳はその固有の非線形性のために2つの実際のスペクトル
周波数の和とその2つのスペクトル周波数の差に対応した相互変調積を生成する
こととなる。
【0111】 たとえば、スペクトルライン1004および1002によって表される音響エネルギ
を聞いた人間は、スペクトルライン1006によって示されているように50Hzで
、およびスペクトルライン1006によって示されているように60Hzで、および
スペクトルライン1010によって示されているように110Hzで音響エネルギを
知覚するであろう。スペクトルライン1010は、スピーカにより生成された実在す
る音響エネルギに対応せず、むしろ耳の非線形性によって耳の内部で生成された
スペクトルラインに対応している。このライン1010は、2つの実際のスペクトル
ラインの和(110Hz=50Hz+60Hz)である110Hzの周波数で発
生する。耳の非線形性はまた10Hz(10Hz=60Hz−50Hz)の差周
波数でスペクトルラインを生成するが、そのラインは、それが人間の可聴範囲よ
り下であるために知覚されないことを認識すべきである。
【0112】 図10は、人間の耳の内部における相互変調のプロセスを示しているが、そ
れは、音楽のような実際の演奏材料に比較していくぶん簡単化されている。音楽
のような典型的な演奏材料は高調波に富んでいるため、大部分の音楽は、図11
に示されているように、ほぼ連続したスペクトルを示している。図11は、図1
1における曲線が連続したスペクトルとして示されていることを除いて、図10
に示されている実際の音響エネルギと知覚された音響エネルギとの間の比較と同
じタイプの比較を示している。図11は、実際の音響エネルギ曲線1120および対
応した知覚されたスペクトル1130を示している。
【0113】 大部分の非線形システムのように、耳の非線形性は、その系が大きい変位(
たとえば、大きい信号レベル)を行っているときのほうが小さい変位に対するよ
りも顕著である。したがって、人間の耳に関しては、非線形性は、鼓膜および耳
の他の構成要素が低い音量レベルでも比較的大きい機械的変位を行う低周波数で
さらに顕著である。したがって、図11は、実際の音響エネルギ1120と知覚され
た音響エネルギ1130との間の差が低周波数範囲で最大となり、高周波数範囲にお
いて比較的小さくなる傾向があることを示している。
【0114】 図10および11に示されているように、多数の音または周波数を含んでい
る低周波数音響エネルギは、中低音範囲の音響エネルギが実際に存在する以上に
スペクトル内容を含んでいる知覚をリスナーに生じさせる。人間の脳は、情報が
失われたとみなされた状況に直面した場合、潜在意識レベルで失われた情報を“
充填”しようと試みる。この充填現象は、多くの眼の錯覚の基礎である。本発明
の1実施形態において、このような低周波数情報の中低音効果を脳に与えること
によって、実際には存在しない低周波数情報を充填したものと脳に錯覚を起こさ
せることができる。
【0115】 換言すると、低周波数音響エネルギが存在していた場合に耳により生成され
ることになる高調波(たとえば、スペクトルライン1010)が脳に与えられた場合
、脳は適当な条件下において、それが存在している“はずである”とみなした低
周波数スペクトルライン1006および1008を潜在意識レベルで充填する。この充填
プロセスは、検出器効果として知られている人間の耳の非線形性の別の効果によ
って増加させられる。
【0116】 また、人間の耳の非線形性のために、耳は、振幅変調(AM)受信機内のダ
イオード検出器に類似した検出器のように動作する。中低音の高調波音が深い低
音によってAM変調された場合、耳は変調された中低音搬送波を復調して深い低
音エンベロープを再生する。図12のAおよびBは変調および復調信号をグラフ
で示している。図12のAは、深い低音信号により変調された高周波搬送波信号
(たとえば、中低音搬送波)を含む変調された信号を時間軸で示している。
【0117】 高い周波数の信号の振幅は低い周波数の音によって変調され、したがって高
い周波数の振幅は低い周波数の音の周波数にしたがって変化する。耳の非線形性
は、耳が高い周波数の信号の低周波数エンベロープを検出するように信号を部分
的に復調し、したがって実際の音響エネルギが低い周波数で生成されなかったと
しても、低周波数の音の知覚を生じさせる。上述の相互変調効果に関するように
、検出器効果は中低音周波数範囲における信号の適切な信号処理によって強調さ
れることができる。適切な信号処理を使用することによって、低周波数音響エネ
ルギを生成できない、あるいはこのようなエネルギで効率の悪いスピーカを使用
した場合でも、このようなエネルギの知覚を生じさせる音響強調システムを設計
することが可能である。
【0118】 スピーカによって生成された音響エネルギ中に存在する実際の周波数の知覚
は、1次効果と考えられる。実際の音響周波数中には存在しない付加的な高調波
の知覚は、このような高調波の生成が相互変調歪みによるものであろうが、検出
によるものであろうが、2次効果であると考えられる。
【0119】 [低音強調エキスパンダ] 図13のAは、音響強調機能が低音強調装置1304によって行われる音響システ
ムのブロック図である。低音強調装置1304はオーディオ信号を信号源1302から受
取る。信号源1302は、図1に示されている信号処理ブロック122 を含む任意の信
号源であってもよい。低音強調装置1304は受取られたオーディオ信号を修正する
ように信号処理を行って、オーディオ出力信号を生成する。オーディオ出力信号
はスピーカ、増幅器、または別の信号処理装置に供給されてもよい。
【0120】 図13のBは、第1の入力1309、第2の入力1311、第1の出力1317および第
2の出力1319を有している2チャンネル低音強調装置1304に対するテクノロジー
のブロック図である。第1の入力1309および第1の出力1317は第1のチャンネル
に対応している。第2の入力1311および第2の出力1319は第2のチャンネルに対
応している。第1の入力1309は結合器1310の第1の入力と、信号処理ブロック13
13の入力とに供給される。信号処理ブロック1313の出力は、結合器1314の第1の
入力に供給される。第2の入力1311は結合器1310の第2の入力と、信号処理ブロ
ック1315の入力とに供給される。信号処理ブロック1315の出力は、結合器1316の
第1の入力に供給される。結合器1310の出力は信号処理ブロック1312の入力に与
えられる。信号処理ブロック1312の出力は結合器1314の第2の入力と、結合器13
16の第2の入力とに供給される。結合器1314の出力は第1の出力1317に供給され
る。第2の結合器1316の出力は第2の出力1319に供給される。
【0121】 第1および第2の入力1309および1311からの信号は結合され、信号処理ブロ
ック1312によって処理される。信号処理ブロック1312の出力は、信号処理ブロッ
ク1313および1315の各出力と結合されたときに、低音強調された出力1317および
1319を生成する信号である。
【0122】 図13のCは、2チャンネル低音強調装置1344に対する別のトポロジーのブ
ロック図である。図13のCにおいて、第1の入力1309は信号処理ブロック1321
の入力と、信号処理ブロック1322の入力とに供給される。信号処理ブロック1321
の出力は結合器1325の第1の入力に供給され、信号処理ブロック1322の出力は結
合器1325の第2の入力に供給される。第2の入力1311は信号処理ブロック1323の
入力と、信号処理ブロック1324の入力とに供給される。信号処理ブロック1323の
出力は結合器1326の第1の入力に供給され、信号処理ブロック1324の出力は結合
器1326の第2の入力に供給される。結合器1325の出力は第1の出力1317に供給さ
れ、第2の結合器1326の出力は第2の出力1319に供給される。
【0123】 図13のBに示されているトポロジーとは異なり、図13のCに示されてい
るトポロジーは2つの入力信号1309と1311とを結合するのではなく、2つのチャ
ンネルが分離したままにされ、各チャンネルに関して低音強調処理が行われる。
【0124】 図14は、図13のAに示されている低音強調システム1304の1実施形態140
0のブロック図である。低音強調システム1400は、低音パンチ装置1420を使用し
て、時間依存強調ファクタを発生する。図14はまた、本発明の1実施形態の信
号処理動作を行うDSPまたはその他のプロセッサ上で実行するプログラムを説
明するフローチャートとして使用されてもよい。図14には、左チャンネル入力
1402および右チャンネル入力1404である2つの入力が示されている。前の実施形
態に関するように、左および右は便宜上使用されているに過ぎず、それに限定さ
れない。入力1402および1404は共に加算器1406に供給され、この加算器1406によ
り、2つの入力の組合せである出力が生成される。
【0125】 加算器1406の出力は、ローパスフィルタ1409の入力に供給される。ローパス
フィルタ1409の出力は、第1のバンドパスフィルタ1412、第2のバンドパスフィ
ルタ1413、第3のバンドパスフィルタ1415、第4のバンドパスフィルタ1411およ
び第5のバンドパスフィルタ1414に供給される。バンドパスフィルタ1413の出力
は、加算器1418の入力に供給される。
【0126】 バンドパスフィルタ1415の出力は、単極双投(SPDT)スイッチ1416の第
1の位置に供給される。バンドパスフィルタ1411の出力はSPDTスイッチ1416
の第2の位置に供給される。このスイッチ1416は加算器1418の入力に接続されて
いる。
【0127】 バンドパスフィルタ1412の出力は、単極双投(SPDT)スイッチ1419の第
1の第1の位置に供給されている。バンドパスフィルタ1414の出力はSPDTス
イッチ1419の第2の位置に供給される。このスイッチ1419の切換端子は加算器14
18の入力に接続されている。
【0128】 加算器1418の出力は、低音パンチ装置1420の入力に供給される。低音パンチ
装置1420の出力は、(SPDT)スイッチ1422の第1の位置に接続されている。
SPDTスイッチ1422の第2の位置は接地されている。SPDTスイッチ1422は
左チャンネル加算器1424の第1の入力と右チャンネル加算器1432の第1の入力と
に接続されている。左チャンネル入力1402は左チャンネル加算器1424の第2の入
力に供給され、右チャンネル入力1404は右チャンネル加算器1432の第2の入力に
供給される。左チャンネル加算器1424および右チャンネル加算器1432の出力は、
それぞれ信号処理ブロック1400の左チャンネル出力1430および右チャンネル出力
1433である。スイッチ1422および1416は随意であり、固定された接続によって置
換されてもよい。
【0129】 スイッチ1416および1419は、フィルタ1411乃至1415が3つの異なった、すな
わち40乃至100、60乃至150、および100乃至200の周波数範囲に
対して構成されることを可能にする。
【0130】 フィルタ1411乃至1415によって行われるフィルタ処理動作と結合器1418とが
結合されて図14に示されている複合フィルタ1407にされる。たとえば、別の実
施形態では、フィルタ1411乃至1415は、ほぼ40Hzから250Hzまでの通過
帯域を有する単一のバンドパスフィルタに結合されてもよい。低音周波数を処理
するために、複合フィルタ1407の通過帯域は、低いほうがほぼ20Hzから10
0Hzであり、高いほうがほぼ150Hzから350Hzであることが好ましい
。複合フィルタ1407はまた、たとえばハイパスフィルタ、シェルビングフィルタ
等を含む別のフィルタ伝達関数を有していてもよい。複合フィルタはまた、グラ
フィック等化装置と同様に動作して、その通過帯域内のある周波数をその通過帯
域内の別の周波数に関して減衰するように構成されてもよい。
【0131】 示されているように、図14は、信号処理ブロック1313および1315が1の伝
達関数を有し、信号処理ブロック1312が複合フィルタ1407および低音パンチ装置
1420を含む図13のBに示されているトポロジーにほぼ対応している。しかしな
がら、図14に示されている信号処理は図13のBに示されているトポロジーに
制限されない。図14の構成要素はまた、信号処理ブロック1321および1323が1
の伝達関数を有し、信号処理ブロック1322および1324が複合フィルタ1407および
低音パンチ装置1420を含む図13のCに示されているトポロジーで使用されても
よい。図14には示されていないが、信号処理ブロック1313、1315、1321および
1324は、たとえば、ローパス周波数を除去するハイパスフィルタ処理、低音パン
チ装置420 によって処理された周波数を除去するハイパスフィルタ処理、高周波
音を強調する高周波強調、低音パンチシステムを補助する付加的な中低音処理等
の、付加的な信号処理を行ってもよい。その他の組合せもまた考えられる。
【0132】 図15は、バンドパスフィルタ1411乃至1413、1415の伝達関数の一般的な形
状を示す周波数ドメイン図である。図15は、バンドパスフィルタ1411乃至1415
にそれぞれ対応したバンドパス伝達関数1501乃至1505を示している。伝達関数15
01乃至1505は、それぞれ40Hz,60Hz,100Hz,150Hzおよび2
00Hzを中心とするバンドパス関数として示されている。
【0133】 1実施形態において、バンドパスフィルタ1411は40Hzのような100H
zより低い周波数に同調されている。スイッチ1416が第1の位置のとき、それは
バンドパスフィルタ1411を選択し、バンドパスフィルタ1415を除外し、それによ
って40Hz、60Hzおよび100Hzにおけるバンドパスフィルタを提供す
る。スイッチ1416が第2の位置であるとき、それはバンドパスフィルタ1411を除
外し、バンドパスフィルタ1415を選択し、それによって60Hz、100Hzお
よび150Hzにおけるバンドパスフィルタを提供する。
【0134】 したがって、スイッチ1416は、強調されるべき周波数範囲をユーザが選択で
きるようにすることが望ましい。直径3乃至4インチのウーファーのような小型
ウーファーを備えたスピーカシステムのユーザは典型的に、40Hz,60Hz
,100Hzおよび150Hzにそれぞれ同調されるバンドパスフィルタ1412、
1413、1415によって提供される高い周波数範囲を選択することになる。直径5イ
ンチ以上のような若干大きいウーファーを提供するスピーカシステムのユーザは
典型的に、40、60、100、150Hzにそれぞれ同調されたバンドパスフ
ィルタ1411乃至1413、1515によって与えられる低い周波数範囲を選択することと
なる。当業者は、もっと多くのバンドパスフィルタおよびもっと多くの周波数範
囲の選択を可能にするようにさらに多くのスイッチが取付けられることが可能で
あることを認識するであろう。バンドパスフィルタは廉価であり、また単投スイ
ッチにより異なったバンドパスフィルタが選択されることができるので、異なっ
た周波数範囲を提供するために異なったバンドパスフィルタを選択することは望
ましい技術である。
【0135】 1実施形態において、低音パンチ装置1420は、内部サーボフィードバックル
ープを備えた線形増幅器を含む自動利得制御(AGC)を使用する。サーボは、
その制御入力における信号の平均振幅と整合するように出力信号の平均振幅を自
動的に調節する。制御入力の平均振幅は典型的に制御信号のエンベロープを検出
することによって得られる。制御信号はまた、たとえばローパスフィルタ処理、
バンドパスフィルタ処理、ピーク検出、RMS平均化、平均値平均化等を含む別
の方法によって得られてもよい。
【0136】 低音パンチ装置1420の入力に供給された信号のエンベロープの振幅の増加に
応答して、サーボループは低音パンチ装置1420のフォワード利得を増加させる。
反対に、低音パンチ装置1420の入力に供給された信号のエンベロープの振幅の減
少に応答して、サーボループは低音パンチ装置1420のフォワード利得を増加させ
る。1実施形態において、低音パンチ装置1420の利得の増加はその利得の減少よ
りも急速である。図16は、単位ステップ入力に応答している低音パンチ装置14
20の利得を示す時間ドメイン図である。当業者は、図16では出力信号ではなく
、利得が時間の関数として示されていることを認識するであろう。大部分の増幅
器は、固定された利得を有しているので、利得はあまり図示されることがない。
しかしながら、低音パンチ装置1420中の自動利得制御(AGC)は、入力信号の
エンベロープに応答して低音パンチ装置1420の利得を変化させる。
【0137】 単位ステップ入力は曲線1609として示され、利得は曲線1602として示されて
いる。入力パルス1609の前縁に応答して、アタック時定数1604に対応した期間中
利得が上昇する。期間1604の終りに、利得1602はA0 の定常状態利得に達する。
入力パルス1609の後縁に応答して、減衰(ディケイ)時定数1606に対応した期間
中に利得は下降してゼロに戻る。
【0138】 アタック時定数1604およびディケイ時定数1606は、増幅器およびスピーカの
ようなこのシステムの他の素子を過励振せずに、低音周波数の強調を行うように
選択されることが望ましい。図17は、バスギター、バスドラム、シンセサイザ
等のような楽器によって演奏された典型的な低音音調の時間ドメイン図1700であ
る。この時間ドメイン図1700は、変調エンベロープ1742を有する低い周波数部分
によって振幅変調された高い周波数部分1740を示している。エンベロープ1742は
アタック部分1746と、これに後続するディケイ部分1747と、これに続く持続部分
1748と、および最後に、それに続く解放部分1749とを有している。図1700の最大
振幅は、アタック部分1746とディケイ部分1747との間の時点で発生するピーク17
50である。
【0139】 説明したように、波形1744は、大部分とは言わないが多くの楽器を代表して
いる。たとえば、ギターの弦は、それが引張って離されたときに最初に数個の大
きい振幅の振動を発生させ、その後、長期間にわたってゆっくりと減衰するほぼ
定常状態の振動に落ち着く。ギターの弦の最初に大きい変位振動はアタック部分
1746およびディケイ部分1747に対応する。ゆっくりと減衰する振動は、持続部分
1748および解放部分1749に対応する。ピアノの弦は、ピアノのキーに取付けられ
たハンマーによって叩かれたとき、同様の動作をする。
【0140】 ピアノの弦では、ピアノのキーから手を放すまでハンマーが戻らずに弦の上
に位置しているため、持続部分1748から解放部分1749への転移がもっと顕著にな
る可能性がある。ピアノのキーが押された状態を保持されている持続期間1748の
あいだ、弦は自由に振動し、その減衰は比較的わずかである。キーから手を放し
たとき、フェルトカバー付きのハンマーがそのキー上に位置され、解放期間1749
中に弦の振動は急激に減衰させられる。
【0141】 同様に、ドラムヘッドは、それが叩かれたとき、アタック部分1746およびデ
ィケイ部分1747に対応した最初の1組の大きい変位振動を生成する。大きい変位
振動が静まった後(ディケイ部分1717の終りに対応した)、ドラムヘッドは、持
続部分1748および解放部分1749に対応した期間のあいだ振動し続ける。多くの楽
器の音は、期間1746乃至2049の長さを制御するだけで生成されることが可能であ
る。
【0142】 図12のAと関連して説明したように、高周波信号の振幅は低周波音(その
エンベロープ)によって変調され、したがって高周波信号の振幅は低周波音の周
波数にしたがって変化する。耳の非線形性は信号を部分的に復調するので、耳は
高周波信号の低周波エンベロープを検出し、それによって実際の音響エネルギが
低い周波数で生成されていなかったとしても、低周波数音を知覚させる。検出器
効果は、典型的にその低いほうが50乃至150Hzであり、高いほうが200
Hz乃至500Hzの中低音周波数範囲の信号の適切な信号処理によって強調さ
れる。適切な信号処理を使用することによって、低周波音響エネルギを生成する
ことのできないスピーカを使用した場合でもこのようなエネルギの知覚を生じさ
せる音響強調システムを設計することができる。
【0143】 スピーカによって生成された音響エネルギに存在する実際の周波数の知覚は
、1次効果と考えられる。実際の音響周波数中には存在しない付加的な高調波の
知覚は、このような高調波の生成が相互変調歪みによるものであろうが、検出に
よるものであろうが、2次効果であると考えられる。
【0144】 しかしながら、ピーク1750の振幅が高過ぎる場合、スピーカ(および、おそ
らく電力増幅器)は過励振させられる。スピーカの過励振は著しい歪みを生じせ
ることとなり、スピーカに損傷を与える可能性がある。
【0145】 低音パンチ装置1420は、ピーク1750の過励振効果を減少させながら中低音領
域において強調された低音を供給することが望ましい。低音パンチ装置1420によ
って与えられたアタック時定数1604は、低音パンチ装置1420による利得の立上が
り時間を制限する。低音パンチ装置1420のアタック時定数は、その長いアタック
期間1764(遅いエンベロープ立上がり時間)が波形に対して及ぼす影響は比較的
小さく、またその短いアタック期間1746(速いエンベロープ立上がり時間)が波
形に対して及ぼす影響は比較的大きい。
【0146】 [ピーク圧縮による低音パンチ] 低音楽器(たとえば、バスギター)により演奏された音調のアタック部分は、
比較的高い振幅の初期パルスから始まることが多い。このピークは、いくつかの
場合において、増幅器またはスピーカを過励振させて、歪みのある音を発生し、
おそらくスピーカまたは増幅器に損傷を与える。低音強調プロセッサは、低音信
号中のエネルギを増大させ、それによって全体的な低音感を増加させながら、低
音信号中のピークを平坦にする。
【0147】 信号中のエネルギは、信号の振幅および信号の持続期間の関数である。換言
すると、エネルギはその信号のエンベロープの下の面積に比例する。低音音調の
初期パルスは比較的大きい振幅を有している可能性があるが、そのパルスは、そ
の持続期間が短いため、エネルギをほとんど含んでいないことが多い。したがっ
て、エネルギをほとんど含まない初期パルスは低音の知覚にそれ程影響を及ぼさ
ないことが多い。したがって、通常、低音の知覚に影響を与えずに、初期パルス
はその振幅を減少されることができる。
【0148】 図18は、低音音調の初期パルスのようなパルスの振幅を制御するためにピ
ークコンプレッサを使用して低音強調を行う低音強調システム1800の信号処理ブ
ロック図である。システム1800において、ピークコンプレッサ1802は結合器1418
とパンチ装置1420との間に配置されている。結合器1418の出力は、ピークコンプ
レッサ1802の入力に供給され、ピークコンプレッサ1802の出力は低音パンチ装置
1420の入力に供給される。
【0149】 図14を図13のBおよびCに関連させている上記の説明は、図18に示さ
れているトポロジーにも当てはまる。例えば、示されているように、図18は図
13のBに示されているトポロジーにほぼ対応しており、信号処理ブロック1313
および1315が1の伝達関数を有し、信号処理ブロック1312が複合フィルタ1407と
、ピークコンプレッサ1802と、および低音パンチ装置1420とを含んでいる。しか
しながら、図18に示されている信号処理は、図13のBに示されているトポロ
ジーに制限されない。図18の素子はまた、図13のCに示されているトポロジ
ーで使用されてもよい。図18には示されていないが、信号処理ブロック1313、
1315、1321および1323は、たとえば、ローパス周波数を除去するハイパスフィル
タ処理、低音パンチ装置1402およびピークコンプレッサ1802によって処理された
周波数を除去するハイパスフィルタ処理、高周波音を強調する高周波強調、低音
パンチシステム1420およびピークコンプレッサ1802を補助する付加的な中低音処
理のような付加的な信号処理を行ってもよい。別の組合せもまた考えられる。
【0150】 ピークコンプレッサ1802はその入力において供給された信号のエンベロープ
を“平坦化”する。大きい振幅を有する入力信号に対して、ピークコンプレッサ
1802の見掛け上の利得は減少される。小さい振幅を有する入力信号に対しては、
ピークコンプレッサ1802の見掛け上の利得は増加される。このようにして、圧縮
装置は入力信号のエンベロープのピークを減少させる(と共に、入力信号のエン
ベロープにおける谷(trough)を充填する)。ピークコンプレッサ1802の入力に供
給された信号に無関係に、ピークコンプレッサ1802の出力信号のエンベロープ(
たとえば、平均振幅)は比較的均一な振幅を有している。
【0151】 図19は、比較的高い振幅の初期パルスを有するエンベロープに対するピー
クコンプレッサの効果を示す時間ドメイン図である。図19は、大きい初期振幅
パルスが小さい振幅の信号の長い期間によって後続される入力エンベロープ1914
の時間ドメイン図を示している。出力エンベロープ1916は、入力エンベロープ19
14に対する低音パンチ装置1420の効果(ピークコンプレッサ1802なしの)を示し
ている。出力エンベロープ1917は、ピークコンプレッサ1802および低音パンチ装
置1420の両方を入力信号に通過させた効果を示している。
【0152】 図19に示されているように、入力信号1914の振幅は増幅器またはスピーカ
を過励振させるのに十分であると仮定すると、低音パンチ装置は入力信号1914の
最大振幅を制限せず、したがって出力信号1916もまた増幅器またはスピーカを過
励振させるのに十分である。
【0153】 しかしながら、信号1917に関連して使用されたパルス圧縮装置1802は大きい
振幅のパルスを圧縮する(大きい振幅のパルスの振幅を減少させる)。圧縮装置
1802は入力信号1914の大きい振幅の変位を検出し、最大振幅を圧縮する(減少さ
せる)ので、出力信号1917が増幅器またはスピーカを過励振させる可能性は低い
【0154】 圧縮装置1802は信号の最大振幅を減少させるため、出力信号1917が増幅器ま
たはスピーカを過励振させる可能性をあまり減少せずに、パンチ装置1420によっ
て与えられる利得を増加させることが可能である。信号1917は、低音パンチ装置
1420の利得が増加される実施形態に対応している。したがって、長期のディケイ
部分のあいだ、信号1917は曲線1916より大きい振幅を有している。
【0155】 上述のように、信号1914、1916および1917中のエネルギは、各信号を表す曲
線の下の面積に比例している。信号1917は、その最大振幅が小さくても、信号19
17を表す曲線の下の面積が信号1914または1916のいずれよりも広いので、それら
より大きいエネルギを有している。信号1917は大きいエネルギを有しているので
、リスナーは信号1917中の低音を知覚することとなる。
【0156】 このようにして、ピークコンプレッサを低音パンチ装置1420と組合せて使用
することによって、低音強調システムは、強調された低音信号が増幅器またはス
ピーカを過励振させる可能性を減少させながら、低音信号中のエネルギを増加さ
せることを可能にする。
【0157】 [ステレオイメージ強調] 本発明はまた、特有の差動知覚補正システムにより音のリアリズム(とくに、
音響ステージの水平方向のアスペクト)を改善する方法およびシステムを提供す
る。一般的に述べると、差動知覚補正装置は左入力信号および右入力信号である
2つの入力信号を受取って、図5に関連して示されている左出力信号および右出
力信号である2つの強調された出力信号発生する。
【0158】 左および右入力信号はまとめて処理され、1対の空間的に補正された左およ
び右出力信号を供給する。とくに1実施形態において、リスナーにより知覚され
る音を広げて強調する方法で2つの入力信号間に存在している差が等化される。
さらに、1実施形態において、クリッピングを減少させるように両入力信号に共
通する音のレベルが調節される。1実施形態において、図5に示されている共通
および差信号を処理するために別々の回路を必要としない簡単化された廉価で製
造し易い回路により音響強調が有効に行われる。
【0159】 ここにおいていくつかの実施形態が種々の音響強調システムを参照として説
明されているが、本発明はそれに制限されず、異なった状況に音響強調システム
の異なった実施形態を適応させることが望ましい種々の他の状況において使用さ
れることができる。本発明の完全な理解を容易にするために、その詳細な説明の
残りのものは以下の項にまとめられている: 図20は、第1の入力信号2010および第2の入力信号2012を供給される差遠近
補正装置2002のブロック図である。1実施形態において、第1および第2の入力
信号2010および2012はステレオ信号である。しかしながら、第1および第2の入
力信号2010および2012はステレオ信号でなくてもよく、広範囲のオーディオ信号
を含むことが可能である。以下さらに詳細に説明するように、差遠近補正装置20
02は、第1および第2の入力信号2010および2012の両者に共通のオーディオ音響
情報を、第1および第2の入力信号2010および2012の両者に共通しないオーディ
オ音響情報とは異なった方法で修正する。
【0160】 第1および第2の入力信号2010および2012の両者に共通するオーディオ音響
情報は、共通モード情報、あるいは共通モード信号(示されていない)と呼ばれ
る。1実施形態では、共通モード信号はディスクリートな信号として存在してい
ない。したがって、共通モード信号という用語は、任意の瞬間に第1および第2
の入力信号2010および2012の両者の中に存在するオーディオ情報を概念的に示す
ためにこの詳細な説明の中で一貫して使用されている。たとえば、1ボルトの信
号が第1および第2の入力信号2010および2012の両者に供給された場合、その共
通モード信号は1ボルトから構成されている。
【0161】 共通モード信号の調節は、共通モード特性ブロック2020において概念的に示
されている。共通モード特性ブロック2020は、共通モード信号の変化を表してい
る。1実施形態では、高い振幅の入力信号から生じる可能性のあるクリッピング
を減少させるために共通モード信号の周波数の振幅を減少させる。
【0162】 それと対照的に、第1および第2の入力信号2010および2012の両者に共通し
ないオーディオ情報は、差情報または差信号(示されていない)と呼ばれる。1
実施形態において、差信号はディスクリートな信号ではなく、この詳細な説明の
中で一貫して、第1および第2の入力信号2010および2012間の差を表すオーディ
オ情報を示している。たとえば、第1の入力信号2010がゼロボルトであり、第2
の入力信号2012が2ボルトである場合、差信号は2ボルト(2つの入力信号2010
および2012の間の差)である。
【0163】 差信号の修正は、差モード特性ブロック2022内において概念的に示されてい
る。以下詳細に説明するように、差遠近補正装置2002は差信号中の選択された周
波数帯域を等化する。すなわち、1実施形態において、差信号中のオーディオ情
報は共通モード信号中のオーディオ情報とは異なった方法で等化される。
【0164】 差遠近補正装置2002は、種々のフィルタにより差モード特性ブロック2022に
おいて差信号をスペクトル的に成形して、等化された差信号を生成する。差信号
内の選択された周波数帯域を等化することにより、差遠近補正装置2002はリスナ
ーの正面に配置された1対のスピーカから投射された知覚される音響イメージを
広げる。
【0165】 さらに、共通モード特性ブロック2020および差モード特性ブロック2022は別
々のブロックとして概念的に表されているが、1実施形態では、これらの機能は
単一の固有に適合されたシステムにより行われる。したがって、1実施形態にお
いて、共通モードおよび差の両オーディオ情報が同時に処理される。1実施形態
には、オーディオ入力信号をディスクリートな共通モードおよび差信号に分離す
る複雑な回路は必要ないという利点がある。さらに、1実施形態では、1組の強
調された出力信号を発生するために処理された共通モード信号と処理された差信
号とを再結合するミキサが不要である。
【0166】 差遠近補正装置2002は1以上の出力バッファ2006に接続されている。出力バ
ッファ2006は強調された第1の出力信号2030および第2の出力信号2032を出力す
る。以下さらに詳細に説明するように、出力バッファ2006は、第1および第2の
出力信号2030および2032に結合される別の素子から差遠近補正装置2002を分離す
る。たとえば、第1および第2の出力信号2030および2032は、差遠近補正装置20
02の動作を変化させずに録音装置、電力増幅器、1対のスピーカのような別のオ
ーディオ装置に導かれることができる。
【0167】 図21は、図20に示されている差遠近補正を行うために差動増幅器を使用
するシステムのブロック図である。図21において、第1の入力2010は第1の差
動増幅器2102の非反転入力と、クロスオーバーインピーダンスブロック2106の第
1の入力とに供給される。第2の入力2012は第2の差動増幅器2104の非反転入力
と、クロスオーバーインピーダンスブロック2106の第2の端子とに供給される。
第1の差動増幅器2102の非反転入力はクロスオーバーインピーダンスブロック21
07の第1の端子と、第1のフィードバックインピーダンス2108の第1の端子とに
供給される。第1の差動増幅器2102の出力は第1の出力2030と、第1のフィード
バックインピーダンス2108の第2の端子とに供給される。第2の差動増幅器2104
の非反転入力はクロスオーバーインピーダンスブロック2107の第2の端子と、第
1のフィードバックインピーダンス2108の第1の端子とに供給される。第2の差
動増幅器2104の出力は第2の出力2032と、第2のフィードバックインピーダンス
2109の第2の端子とに供給される。
【0168】 ブロック2106、2107、2108および2109のインピーダンスは典型的に周波数依
存性であり、たとえば、抵抗、キャパシタおよび、またはインダクタを使用する
フィルタとして構成されてもよい。1実施形態において、インピーダンス2108お
よび2109は周波数依存性ではない。
【0169】 図22は、左および右出力端子2030および2032における共通モード利得を示
す振幅対周波数チャートである。共通モード利得は、第1の共通モード利得曲線
2200により表されている。第1の共通モード利得曲線2200で示されているように
、ほぼ130ヘルツ(Hz)より下の周波数は、ほぼ130Hzより上の周波数
よりも緩く強調されている。ほぼ130Hzより上の周波数に対して、周波数は
ほぼ6デシベル均一に減少されている。
【0170】 図23は第1および第2の交差ネットワーク2106と2107の組み合わせにより
生成された全体的な補正曲線2300を示している。全体的な補正曲線2300内の種々
の周波数の近似的な相対的な利得値はゼロ(0)dB基準値に対して測定される
ことができる。
【0171】 このような基準により、全体的な補正曲線2300は点Aと点Bとして符号を付
けられた2つの転換点により規定されている。1実施形態では、約2125Hz
である点Aでは、補正曲線の勾配は正の値から負の値へ変化する。1実施形態で
は約21.8kHzである点Bでは、補正曲線の勾配は負の値から正の値へ変化
する。
【0172】 したがって、約2125Hzより下の周波数は2125Hzに近い周波数に
関して強調緩和される。特に2125Hzより下では、全体的な補正曲線2300の
利得はオクターブ当たり約8dBの率で減少する。2125Hzより下の信号周
波数の強調緩和により非常に低い(即ち低音)周波数の過強調を阻止する。多数
のオーディオ再生システムにより、高い周波数に関してこの低い周波数範囲のオ
ーディオ信号の過強調は過大な低音応答を有する不快で非現実的な音のイメージ
を生成できる。さらに、これらの周波数の過強調はスピーカを含む種々のオーデ
ィオ部品に損傷を与える。
【0173】 点Aと点Bの間では、1つの全体的な補正曲線の勾配は負である。即ち約2
125Hzと約21.8kHzの間の周波数は2125Hzに近い周波数に関し
て強調緩和される。したがって点Aと点Bの間の周波数に関する利得は約21.
8kHzで8dBの最大の等化点方向に可変率で減少する。
【0174】 21.8kHzを超えると、利得は可変率で、約120kHzまで、即ち人
間の耳に可聴な最も高い周波数まで増加する。即ち約21.8kHzを超える周
波数は21.8kHzに近い周波数に関して強調される。したがって点8を超え
る周波数に関する利得は可変率で120kHz方向に増加する。
【0175】 これらの相対的な利得および周波数値は単なる設計目標であり、実際の指数
はシステムによって変化する。さらに、利得および周波数値は音のタイプまたは
ユーザの嗜好に基づいて本発明を逸脱せずに変更されてもよい。例えば交差ネッ
トワークの数の変更と、各交差ネットワーク内の抵抗およびキャパシタ値の変更
は全体的な遠近補正曲線2300が再生音のタイプに対して調整されることを可能に
する。
【0176】 差信号の選択的な等化は差信号に存在する周囲または反響音効果を強調する
。前述したように、差信号の周波数は適切なレベルの生の音響ステージで容易に
知覚される。残念ながら、記録されたパフォーマンスの再生では、音響イメージ
は生のパフォーマンスと同一の360度の効果を与えない。しかしながら、差遠
近補正装置2002により差信号の周波数を等化することによって、投射された音の
イメージは非常に広くされることができ、それによってリスナーの正面に置かれ
た1対のスピーカで生の演奏の経験を再生する。
【0177】 全体的な補正曲線2300にしたがった差信号の等化は高い強度の信号成分に関
して統計的に低い信号成分を強調緩和することを意図する。典型的なオーディオ
信号の高い強度の差信号成分は約2乃至4kHz間の中間の周波数範囲に見られ
る。この範囲の周波数では、人間の耳は高い感度を有する。したがって強調され
た左および右の出力信号は非常に改良されたオーディオ効果を生成する。
【0178】 交差ネットワークの数とその中のコンポーネントの数はヘッド関連伝達関数
(HRTF)をシミュレートするため他の実施形態で変更されることができる。
ヘッド関連伝達関数は音が左右の耳によって知覚されるのにかかる時間を考慮す
るように1対のスピーカにより発生される音響を調節するための差信号等化技術
を示している。有効に没入音響効果は十分に没入する位置の音響フィールドを生
成するようにHRTFベースの伝達関数を差信号へ適用することによって位置付
けられる。
【0179】 ある知覚された方位を得るために使用されることができるHRTF伝達関数
の例は、ここで参考文献とされているE.A.B.Shawの題名“Transformation of So
und Pressure Level From the Free Field to the Eardrum in the Horizontal
Plane ”、J.Acoust.SocAm. 、56巻、No.6、1974年12月と、S.Mehrgardt とV.Me
llert の題名“Transformation Characteristics of the External Human Ear”
、J.Acoust.SocAm. 、61巻、No.6、1977年 6月に記載されている。
【0180】 [単一チップ構造] 図24は単一チップで構成されることができる音響強調システム2400の1実施
形態のブロック図である。前述の図1−23と共に説明されているように、シス
テム2400は垂直のイメージ強調ブロック2402と、低音強調ブロック2404と、垂直
イメージ強調ブロック2406を含んでいる。システム2400への外部接続はコネクタ
ピンP1−P27 により行われる。正の供給電圧はピンP25 に与えられ、負の供給電
圧はピンP26 に与えられ、接地電位はピンP27 に接続されている。圧縮結合キャ
パシタ2421の第1の端子はピンP10 に接続され、圧縮結合キャパシタ2421の第2
の端子はピンP11 に接続されている。圧縮結合キャパシタ2420の第1の端子はピ
ンP13 に接続され,圧縮結合キャパシタ2420の第2の端子はピンP14 に接続され
ている。幅制御抵抗2430の第1の端子はピンP19 に接続され、幅制御抵抗2430の
第2の端子はピンP20 に接続されている。幅制御抵抗2431の第1の端子はピンP2
1 に接続され、幅制御抵抗2431の第2の端子はピンP22 に接続されている。1実
施形態では、幅制御抵抗2430と2431は可変抵抗である。
【0181】 図25のAは垂直イメージ強調ブロック2402の左チャンネルの概略図である
。図25のBは垂直イメージ強調ブロック2402の右チャンネルの概略図である。
図25のAでは、左チャンネル入力はピンP2に接続され、左チャンネルバイパス
入力はピンP1に接続されている。ピンP1は抵抗2501の第1の端子に接続されてい
る。抵抗2501の第2の端子は抵抗2502の第1の端子とキャパシタ2503の第1の端
子に接続される。ピンP2は抵抗抵抗2504の第1の端子とキャパシタ2505の第1の
端子に接続されている。キャパシタ2505の第2の端子は抵抗2506の第1の端子と
抵抗2507の第1の端子に接続されている。抵抗2506の第2の端子は接地されてい
る。
【0182】 抵抗2502の第2の端子はキャパシタ2503の第2の端子と抵抗2504の第2の端
子と、抵抗2507の第2の端子と、抵抗2508の第1の端子と、演算増幅器(opa
mp)2510の反転入力とに接続されている。opamp2510の非反転入力は接地
されている。抵抗2508の第2の端子は抵抗2509の第1の端子とキャパシタ2512の
第1の端子に接続されている。抵抗2509の第2の端子はキャパシタ2512の第2の
端子と、opamp2510の出力と、左チャンネル出力2511とに接続されている。
【0183】 1実施形態では、抵抗2501は9.09kオームであり、抵抗2502は27.4
kオームであり、キャパシタ2503は0.1μfであり、抵抗2504は22.6kオ
ームであり、キャパシタ2502は0.1μfであり、抵抗2506は3.01kオーム
であり、抵抗2507は4.99kオームであり、抵抗2508は9.09kオームであ
り、抵抗2509は27.4kオームであり、キャパシタ2512は0.1μfであり、
opamp2510はTL074型またはその均等物である。
【0184】 図25のBで示されている左チャンネルは図25のAで示されている右チャ
ンネルに類似し、ピンP3からのバイパス入力と、ピンP4からの右チャンネル入力
と右チャンネル出力2514とを有する。
【0185】 図26は低音強調ブロック2404の概略図である。図25のAからの左チャン
ネル出力2511は抵抗2601の第1の端子と抵抗2611の第1の端子へ接続される。図
25のBからの右チャンネル出力2514は抵抗2602の第1の端子と抵抗2614の第1
の端子へ接続される。
【0186】 抵抗2601の第2の端子は抵抗2602の第2の端子と、抵抗2625の第1の端子と
、キャパシタ2603の第1の端子に接続される。抵抗2603の第2の端子は接地され
ている。抵抗2625の第2の端子はopamp2606の反転入力と、キャパシタ2605
の第1の端子と、抵抗2604の第1の端子に接続される。opamp2606の非反転
入力は接地されている。opamp2606の出力は抵抗2604の第2の端子と、キャ
パシタ2605の第2の端子と、(図27でさらに詳細に示されている)フィルタブ
ロック2607の入力とに接続される。第1、第2、第3のフィルタブロック2607の
出力は、opamp2608の反転入力と抵抗2609の第1の端子に接続されている。
opamp2608の非反転入力は接地されている。opamp2608の出力は抵抗26
09の第2の端子とピンP10 とに接続されている。
【0187】 ピンP10 はまた(図28でさらに詳細に示されている)コンプレッサ2610の
入力に接続される。コンプレッサ2610の出力はピンP12 に接続される。ピンP12
はピンP16 に接続される。ピンP16 は抵抗2610の第1の端子と抵抗2613の第1の
端子に接続される。
【0188】 抵抗2612の第2の端子は抵抗2611の第2の端子とopamp2620の反転入力
と抵抗2619の第1の端子に接続されている。opamp2620の非反転入力は接地
されている。opamp2620の出力は抵抗2619の第2の端子と抵抗2621の第1の
端子に接続される。抵抗2621の第2の端子はピンP17 に接続される。opamp
2620の出力も左チャンネル出力2630として接続される。
【0189】 抵抗2613の第2の端子は抵抗2614の第2の端子とopamp2815の反転入力
と抵抗2617の第1の端子に接続されている。opamp2615の非反転入力は接地
されている。opamp2615の出力は抵抗2617の第2の端子と抵抗2618の第1の
端子に接続される。抵抗2618の第2の端子はピンP18 に接続される。opamp
2615の出力はまた右チャンネル出力2631である。
【0190】 1実施形態では、抵抗2601、2602、2604は43.2kオームであり、キャパ
シタ2603は0.022μfであり、抵抗2625は21.5kオームであり、キャパ
シタ2605は0.01μfである。1実施形態では、抵抗2609は100kオームで
あり、抵抗2611、2612、2613、2614、2617、2619は10kオームであり、抵抗26
18、2621は200オームである。1実施形態では、opamp2606、2608、2615
、2620はTL074型またはその均等物である。
【0191】 図27はフィルタシステム2607の概略図である。図27では、入力は抵抗270
1−2704の第1の端子に接続される。抵抗2701の第2の端子は抵抗2710の第1の
端子と、キャパシタ2721の第1の端子と、キャパシタ2720の第1の端子とに接続
されている。キャパシタ2721の第2の端子は抵抗2722の第1の端子と、opam
p2732の反転入力とに接続されている。opamp2732の非反転入力は接地され
ている。opamp2732の出力はキャパシタ2720の第2の端子と、抵抗2722の第
2の端子と、抵抗2723の第1の端子とに接続されている。抵抗2723の第2の端子
は第1のフィルタの出力に接続されている。
【0192】 抵抗2702の第2の端子は抵抗2712の第1の端子とピンP5に接続されている。
抵抗2712の第2の端子は接地されている。
【0193】 抵抗2703の第2の端子は抵抗2713の第1の端子とピンP7に接続されている。
抵抗2713の第2の端子は接地されている。
【0194】 ピンP6はキャパシタ2724の第1の端子とキャパシタ2728の第1の端子に接続
されている。キャパシタ2728の第2の端子は抵抗2725の第1の端子と、抵抗2726
の第1の端子と、opamp2729の反転入力とに接続されている。opamp27
29の非反転入力は接地されている。opamp2729の出力はキャパシタ2724の第
2の端子と、抵抗2726の第2の端子と、抵抗2730の第1の端子に接続されている
。キャパシタ2724の第2の端子はピンP8に接続されている。抵抗2725の第2の端
子はピンP9に接続されている。抵抗2730の第2の端子は第2のフィルタ出力に接
続されている。
【0195】 ピンP5がピンP6およびピンP8と短絡され、ピンP9が開いているとき、第2の
フィルタの出力は低周波数出力(例えば40Hz)である。ピンP7がピンP6に短
絡され、ピンP8がピンP9に短絡されるとき、第2のフィルタの出力は高周波数出
力(例えば150Hz)である。
【0196】 抵抗2704の第2の端子は、抵抗2714の第1の端子とキャパシタ2731の第1の
端子と、キャパシタ2735の第1の端子とに接続されている。キャパシタ2735の第
2の端子は抵抗2734の第1の端子と、opamp2736の反転入力に接続されてい
る。opamp2736の非反転入力は接地されている。opamp2736の出力はキ
ャパシタ2731の第2の端子と、抵抗2734の第2の端子と、抵抗2737の第1の端子
に接続されている。抵抗2737の第2の端子は第3のフィルタの出力に接続されて
いる。
【0197】 1実施形態では、(前述したように)第1のフィルタ出力は100Hzを中
心とする帯域通過フィルタであり、第3のフィルタ出力は60Hzを中心とする
帯域通過フィルタであり、第2のフィルタ出力は40Hzまたは150Hzを中
心とする帯域通過フィルタである。
【0198】 1実施形態では、抵抗2701は31.6kオームであり、2702は56.2kオ
ームであり、抵抗2703は21kオームであり、抵抗2704は37.4kオームであ
り、抵抗2710は4.53kオームであり、抵抗2712は13kオームであり、抵抗
2713は3.09kオームであり、抵抗2714は8.87kオームであり、抵抗2722
は63.4kオームであり、抵抗2723は100kオームであり、抵抗2725は57
.6kオームであり、抵抗2726は158kオームであり、抵抗2730は100kオ
ームであり、抵抗2734は107kオームであり、抵抗2737は100kオームであ
る。1実施形態では、opamp2732、2729、2736はTL074型またはその均
等物である。
【0199】 図28はコンプレッサ2610の概略図である。コンプレッサ2610はピーク検出
器2804、バイアス回路2802、利得制御ブロック2806、出力バッファ2810を含んで
いる。ピーク検出器はダイオード1810とダイオード1811を中心にして組立てられ
ている。バイアス回路はトランジスタ2820とツェナーダイオード1816を中心にし
て組立てられている。利得制御回路はFET2814を中心にして組立てられている
。出力バッファはopamp2824を中心に組立てられている。
【0200】 コンプレッサ2610への入力はピンP10 に接続されている。ピンP10 は抵抗282
7の第1の端子に接続されている。抵抗2827の第2の端子はFET2814のドレイ
ンと抵抗2822の第1の端子に接続されている。抵抗2822の第2の端子はopam
p2824の反転入力と抵抗2823の第1の端子に接続されている。opamp2824の
非反転入力は接地されている。opamp2824の出力は抵抗2823の第2の端子と
、ピンP12 に接続されている。ピンP12 はコンプレッサ2616の出力である。
【0201】 FET2814のソースは接地されている。FET2814は抵抗2813の第1の端子
と、抵抗2815の第1の端子と、ピンP13 に接続されている。ピンP14 は抵抗2815
の第2の端子に接続されている。
【0202】 抵抗2813の第2の端子はダイオード2811の陰極に接続されている。ダイオー
ド2811の陽極はダイオード2810とピンP11 に接続されている。ダイオード2810の
陽極は抵抗2812の第1の端子に接続されている。抵抗2812の第2の端子はピンP1
4 に接続されている。
【0203】 ピンP14 は抵抗2818の第1の端子と、PNPトランジスタ2820のエミッタに
接続されている。抵抗2818の第2の端子は接地されている。PNPトランジスタ
2820のベースは抵抗2817の第1の端子と抵抗2819の第1の端子に接続されている
。抵抗2817の第2の端子は接地されている。PNPトランジスタ2820のコレクタ
は抵抗2819の第2の端子と、ツェナーダイオード2816の陽極とピンP15 と接続さ
れている。ツェナーダイオード2816の陰極は接地されている。ピンP15 は電流制
限抵抗がツェナーダイオードと負のパワー供給電圧との間に接続されることを可
能にするために設けられている。
【0204】 キャパシタ2421はピンP10 とピンP11 のピーク検出器回路への入力のAC結
合間に接続されている。ピンP13 とピンP14 の間に接続されているキャパシタ24
20は圧縮の開始時に一定の遅延時間を与える。
【0205】 1実施形態では、ダイオード2810と2811は1N4148型またはそれと等価
のものである。1実施形態では、FET2814は2N3819型またはそれと等価
のものであり、PNPトランジスタ2820は2N2907型またはそれと等価のも
のであり、ツェナーダイオードは2816は3.3ボルトツェナー(1N746Aま
たはそれに等しいもの)である。1実施形態では、opamp2824はTL074
型またはそれと等価のものである。キャパシタ2420はDCブロックであり、キャ
パシタ2421は圧縮遅延を設定する。1実施形態では、抵抗2812は1kオームであ
り、抵抗2813は10kオームであり、抵抗2815は100kオームであり、抵抗28
17は4.12kオームであり、抵抗2818は1.2kオームであり。抵抗2819は8
06kオームであり、抵抗2822は10kオームであり、抵抗2827は1kオームで
あり、抵抗2823は100kオームである。
【0206】 利得制御ブロック2806は電圧制御された電圧分割器として動作する。電圧分
割器は抵抗2827と、FET2814のドレインソース間抵抗により形成される。FE
T2814のドレインソース間抵抗はFET2814のゲートに接続される電圧により制
御される。出力バッファ2810は電圧制御された電圧分割器により発生された電圧
(即ちFET2814のドレインの電圧)を増幅し、ピンP12 で出力電圧を与える。
バイアス回路2802はFET2814を線形の動作区域へバイアスする。ピーク検出回
路2804はピンP10 で接続された信号のピークの大きさを検出し、ピークの大きさ
の増加に応答して(FET2814のドレインソース間抵抗を変更することによって
)利得制御装置2806の“利得”を減少する。
【0207】 図29は水平イメージ強調ブロック2406の概略図である。ブロック2406では
、低音モジュール2404からの左チャンネル信号2630は抵抗2903の第1の端子と、
抵抗2901の第1の端子に与えられる。抵抗2901の第2の端子は接地されている。
低音モジュール2404からの右チャンネル信号2631は抵抗2904の第1の端子と、抵
抗2902の第1の端子に与えられる。抵抗2902の第2の端子は接地されている。
【0208】 抵抗2903の第2の端子は抵抗2905の第1の端子と、opamp2914の非反転
入力に接続される。抵抗2904の第2の端子はキャパシタ2906の第1の端子と、o
pamp2912の非反転入力とに接続される。キャパシタ2906の第2の端子は抵抗
2905の第2の端子に接続されている。
【0209】 opamp2912の反転入力はキャパシタ2911の第1の端子と、キャパシタ290
7の第1の端子と、キャパシタ2910の第1の端子と、ピンP10 とに接続されてい
る。opamp2912の出力は抵抗2913の第1の端子と、ピンP22 と、キャパシタ
2911の第2の端子へ接続されている。
【0210】 opamp2914の反転入力はキャパシタ2915の第1の端子と、ピンP19 と、
抵抗2908の第1の端子と、抵抗2909の第1の端子に接続されている。抵抗2909の
第2の端子はキャパシタ2910の第2の端子に接続されている。抵抗2908の第2の
端子はキャパシタ2907の第2の端子に接続されている。抵抗2908の第2の端子は
キャパシタ2907の第2の端子に接続されている。opamp2914の出力は抵抗29
17の第1の端子と、ピンP20 と、キャパシタ2915の第2の端子とに接続されてい
る。
【0211】 抵抗2913の第2の端子は右チャンネル出力としてピンP24 に接続されている
。抵抗2917の第2の端子は左チャンネル出力としてピンP23 に接続されている。
ピンP19 とP20 との間に接続されている可変抵抗2430は左チャンネルの明白な空
間的イメージ幅を制御する。ピンP21 とP22 との間に接続されている可変抵抗24
31は右チャンネルの明白な空間的イメージ幅を制御する。1実施形態では、可変
抵抗2930と2931は、1つの抵抗の変化が他の抵抗も変化するように機械的に接続
されている。
【0212】 1実施形態では、抵抗2901と2902は100kオームであり、抵抗2903と2904
は10kオームであり、抵抗2905は8.66kオームであり、抵抗2908は15k
オームであり、抵抗2909は30.1kオームであり、抵抗2917と2913は200k
オームである。1実施形態ではキャパシタ2906は0.018μfであり、キャパ
シタ2907は0.001μfであり、キャパシタ2910は0.082μfであり、キ
ャパシタ2915と2911は22pfである。1実施形態では、可変抵抗2430と2431は
最大抵抗100kオームを有する。1実施形態では、opampはTL074型
またはそれと等価のものである。
【0213】 図30は補正システム3000の概略図であり、これはステレオイメージ強調シ
ステム124 として使用されることができる。システム3000は差動増幅器を含み、
それは共通のモード特性3020と、差モード特性3022を与える。
【0214】 システム3000は2つのトランジスタ3010と3012と、多数のキャパシタ3020、3
022、3024、3026、3028と、多数の抵抗3040、3042、3044、3046、3048、3050、3
052、3054、3056、3058、3060、3062、3064を含んでいる。トランジスタ3010と3
012の間には交差ネットワーク3070、3072、3074が位置している。第1の交差ネ
ットワーク3070は抵抗3060とキャパシタ3024を含んでいる。第2の交差ネットワ
ーク3072は抵抗3062とキャパシタ3026を含んでおり、第3の交差ネットワーク30
74は抵抗3064とキャパシタ3028を含んでいる。
【0215】 左入力端子3000(LEFT IN)はキャパシタ3020と抵抗3040を経てトラ
ンジスタ3010のベースへ左入力信号を与える。電源VCC3040は抵抗3042を経てト
ランジスタ3010のベースに接続されている。電源VCC3040は抵抗3046を経てトラ
ンジスタ3010のコレクタにも接続されている。トランジスタ3010のベースはまた
抵抗3044を経て接地点3041に接続されており、トランジスタ3010のエミッタは抵
抗3048を経て接地点2041に接続されている。
【0216】 キャパシタ3020は左入力端子3000で入力信号の直流電流(DC)分離を行う
減結合キャパシタである。抵抗3042、3044、3046、3048は他方で、トランジスタ
3010の安定な動作を与えるバイアス回路を生成する。特に抵抗3042、3044はトラ
ンジスタ3010のベース電圧を設定する。抵抗3046は第3の交差ネットワーク3074
と組合わせて共にトランジスタ3010のコレクタエミッタ間電圧のDC値を設定す
る。抵抗3048は第1および第2の交差ネットワーク3070、3072と組合わせて共に
トランジスタ3010のエミッタのDC電流を設定する。
【0217】 1実施形態では、トランジスタ3010はNPN 2N2222Aトランジスタ
であり、これは広範囲のトランジスタの生業業者から共通して入手可能である。
キャパシタ3020は0.22マイクロファラドである。抵抗3040は22kオームで
あり、抵抗3042は41.2kオームであり、抵抗3046は10kオームであり、抵
抗3048は6.8kオームである。しかしながら、当業者は異なる値が使用される
ことができる種々のトランジスタ、キャパシタ、抵抗を認識するであろう。
【0218】 右入力端子3002はキャパシタ3022と抵抗3050を経てトランジスタ3012のベー
スへ右入力信号を与える。電源VCC3040は抵抗3052を経てトランジスタ3012のベ
ースに接続されている。電源VCC3040は抵抗3056を経てトランジスタ3012のコレ
クタにも接続されている。トランジスタ3012のベースはまた抵抗3054を経て接地
点3041に接続されており、トランジスタ3012のエミッタは抵抗3058を経て接地点
2041に接続されている。
【0219】 キャパシタ3022は右入力端子3002で入力信号の直流電流(DC)分離を行う
減結合キャパシタである。抵抗3052、3054、3056、3058は他方で、トランジスタ
3012の安定な動作を与えるバイアス回路を生成する。特に抵抗3052、3054はトラ
ンジスタ3012のベース電圧を設定する。抵抗3056は第3の交差ネットワーク3074
と組合わせて共にトランジスタ3012のコレクタエミッタ間電圧のDC値を設定す
る。抵抗3058は第1および第2の交差ネットワーク3070、3072と組合わせて共に
トランジスタ3012のエミッタのDC電流を設定する。
【0220】 1実施形態では、トランジスタ3012はNPN 2N2222Aトランジスタ
であり、これは広範囲のトランジスタの生業業者から共通して入手可能である。
キャパシタ3022は0.22マイクロファラドである。抵抗3050は22kオームで
あり、抵抗3052は41.2kオームであり、抵抗3056は10kオームであり、抵
抗3058は6.8kオームである。しかしながら、当業者は異なる値が使用される
ことができる種々のトランジスタ、キャパシタ、抵抗を認識するであろう。
【0221】 システム3000は2つのタイプの電圧利得、即ち共通モードの電圧利得と、差
電圧利得を生成する。共通のモードの電圧利得は左入力端子3000と右入力端子30
02との両者に共通している電圧の変化である。差利得は左入力端子3000と右入力
端子3002に接続される電圧の差による出力電圧の変化である。
【0222】 システム3000では、高い振幅の入力信号から生じるクリッピングを減少する
ように設計されている。1実施形態では、左出力端子3004の共通モード利得は主
として抵抗3040、3042、3044、3046、3048により規定される。1実施形態では共
通モードの利得は約6デシベルである。
【0223】 約30ヘルツ(Hz)よりも低い周波数は約30Hzを超える周波数よりも
強調緩和される。30Hzより上の周波数では、周波数は約6デシベルだけ均一
に減少される。
【0224】 しかしながら、共通モードの利得は抵抗3040、3042、3044、3050、3052、305
4の値を変化することによって所定の構造のために変化されてもよい。
【0225】 左入力端子3004と右入力端子3006との間の差利得は抵抗3046と3048の比と抵
抗3056と3058の比と、3つの交差ネットワーク3070、3072、3074によって主とし
て規定される。以下さらに詳細に説明するように、1実施形態では異なる入力で
ある周波数範囲を等化する。従って差利得は左入力信号と右入力信号の周波数に
基づいて変化する。
【0226】 交差ネットワーク3070、3072、3074は差入力の周波数範囲を等化するので、
差信号の周波数は共通モード信号の周波数に影響せずに変更されることができる
。その結果として、1実施形態では全体的に特有で優れた方法により強調された
オーディオ音響を発生できる。さらに、差遠近補正装置102 は多数の他のオーデ
ィオ強調システムよりも非常に簡単で、構成する価格が効率的である。
【0227】 3つの交差ネットワーク3070、3072、3074に注目すると、交差ネットワーク3
070、3072、3074は差信号をスペクトル的に成形するフィルタとして作用する。
フィルタは通常、周波数の阻止帯域から周波数の通過帯域を分離するカットオフ
周波数を有することを特徴とする。カットオフ周波数は通過帯域のエッジと、阻
止帯域への転移の開始をマークする周波数である。典型的に、カットオフ周波数
は通過帯域中の他の周波数に関して3デシベルだけ強調緩和される周波数である
。周波数の通過帯域は、基本的に等化または減衰がなくフィルタを通過する周波
数である。他方、周波数の阻止帯域はフィルタが等化または減衰する周波数であ
る。
【0228】 図31は丁度、第1の交差ネットワーク3070を有する本発明の1実施形態を
示している。第1の交差ネットワーク3070は抵抗3060とキャパシタ3024を具備し
、これはトランジスタ3010と3012のエミッタを相互接続している。第1の交差ネ
ットワーク3070は周波数スペクトルの下部の周波数を等化するので、したがって
ハイパスフィルタと呼ばれる。1実施形態では、抵抗3060の値は約27.01k
オームであり、キャパシタ3024の値は約0.68マイクロファラドである。
【0229】 抵抗3060とキャパシタ3024の値は低い範囲の周波数のカットオフ周波数を規
定するために選択される。1実施形態では、カットオフ周波数は約78Hzであ
り、阻止帯域は約78Hzよりも低く、通過帯域は約78Hz以上である。約7
8Hzよりも低い周波数は約78Hzを超える周波数に関して強調緩和される。
しかしながら、第1の交差ネットワーク3070が唯一の1次フィルタであるので、
カットオフ周波数を規定する周波数が設計目標である。正確な特性周波数は所定
の構成に対して変化してもよい。さらに、抵抗3060とキャパシタ3024に対する他
の値は他の所望の周波数を強調緩和するようにカットオフ周波数を変化するため
に選択されることができる。
【0230】 図32は第2、第3の交差ネットワーク3070と3072の両者を有する差遠近補
正装置3200の概略図である。第1の交差ネットワーク3070のように、第2の交差
ネットワーク3072も好ましくは差信号中のある周波数を等化するフィルタである
。しかしながら第1の交差ネットワーク3070とは異なって、第2の交差ネットワ
ーク3072は、差信号中の高い周波数に関して差信号中の低い周波数を強調緩和す
るハイパスフィルタである。
【0231】 図32で示されているように第2の交差ネットワーク3072はトランジスタ301
0と3012のエミッタを相互接続する。さらに、第2の交差ネットワーク3072は、
抵抗3062とキャパシタ3026を具備している。好ましくは抵抗3062の値は約1kオ
ームであり、キャパシタンス3026の値は約0.01マイクロファラドである。
【0232】 これらの値は高い範囲の周波数のカットオフ周波数を規定するために選択さ
れる。1実施形態ではカットオフ周波数は約15.9キロヘルツである。約15
.9kHzよりも低い阻止帯域の周波数は15.9kHzを超える通過帯域の周
波数に関して強調緩和される。
【0233】 しかしながら、第2の交差ネットワーク3072は、第1の交差ネットワーク307
0のように1次フィルタであり、通過帯域を規定する周波数が設計目標である。
正確な特性周波数は所定の構成に対して変化してもよい。さらに、抵抗3062とキ
ャパシタ3026の他の値は他の所望の周波数を強調緩和するようにカットオフ周波
数を変化するために選択されることができる。
【0234】 図33を参照すると、第3の交差ネットワーク3074はトランジスタ3010と301
2のコレクタを相互接続する。第3の交差ネットワーク3074は、抵抗3064とキャ
パシタ3028を含んでおり、これらは中間の範囲の周波数より上の周波数を強調緩
和するローパスフィルタを生成するために選択される。1実施形態では、ローパ
スフィルタのカットオフ周波数は約795Hzである。好ましくは抵抗3064の値
は約9.09kオームであり、キャパシタ3028の値は約0.022マイクロファ
ラドである。
【0235】 第3の交差ネットワーク3074により生成される補正では、約795Hzを超
える阻止帯域の周波数は約795Hzより低い通過帯域の周波数に関して強調緩
和される。前述したように、第3の交差ネットワーク3074が唯一の1次フィルタ
であるので、第3の交差ネットワーク3074でローパスフィルタを規定する周波数
が設計目標である。周波数は所定の構成によって変化されてもよい。さらに、抵
抗3064とキャパシタ3028の他の値は他の所望の周波数を強調緩和するようにカッ
トオフ周波数を変化するために選択されることができる。
【0236】 動作において、第1、第2、第3の交差ネットワーク3070、3072、3074は空
間的に差信号を成形するために組合わせて動作する。
【0237】 (図23で示されている)全体的な補正曲線2300は、点Aと点Bでラベルを
付けられた2つの転換点により規定されている。1実施形態では約125Hzで
ある点Aでは、補正曲線の勾配は正の値から負の値へ変化する。1実施形態では
約1.8kHzである点Bでは、補正曲線の勾配は負の値から正の値へ変化する
【0238】 したがって、約125Hzよりも低い周波数は125Hzに近い周波数に関
して強調緩和される。特に、125Hzよりも下では、全体的な補正曲線800 の
利得は1オクターブ当たり約6dBの率で減少する。この125Hzよりも低い
信号周波数の強調緩和により、非常に低い(即ち低音)周波数の過強調を阻止す
る。多数のオーディオ再生システムにより、高い周波数に関してこの低い周波数
範囲の過強調されたオーディオ信号は、過大な低音応答を有する不快で非現実的
な音のイメージを生成する可能性がある。さらに、これらの周波数の過強調はス
ピーカを含む種々のオーディオコンポーネントに損傷を与える。
【0239】 点Aと点Bの間では、1つの全体的な補正曲線の勾配は負である。即ち約1
25Hzと約1.8kHzの間の周波数は125Hzに近い周波数に関して強調
緩和される。したがって点Aと点Bの間の周波数に関する利得は約1.8kHz
で8dBの最大の等化点方向に可変率で減少する。
【0240】 1.8kHzを超えると、利得は可変率で、約20kHzまで、即ち人間の
耳に可聴な最も高い周波数まで増加する。即ち約1.8kHzを超える周波数は
1.8kHzに近い周波数に関して強調される。したがって点8を超える周波数
に関する利得は可変率で20kHzに向けて増加する。
【0241】 これらの相対的な利得および周波数値は単なる設計目標であり、実際の指数
は使用されるコンポーネントの実際値に基づいて回路によって変化する。さらに
、利得および周波数値は音のタイプまたはユーザの嗜好に基づいて本発明を逸脱
せずに変更されてもよい。例えば交差ネットワークの数の変更と、各交差ネット
ワーク内の抵抗およびキャパシタ値の変更は全体的な遠近補正曲線2300が再生音
のタイプに調整されることを可能にする。
【0242】 差信号の選択的な等化は差信号に存在する周囲または反響音効果を強調する
。前述したように、差信号中の周波数は適切なレベルの生の音響ステージで容易
に知覚される。残念ながら、記録されたパフォーマンスの再生では、音響イメー
ジは生のパフォーマンスと同一の360度の効果を与えない。しかしながら、差
信号の周波数を等しくすることによって、投射された音のイメージは非常に広く
されることができ、それによってリスナーの正面に置かれた1対のスピーカで生
のパフォーマンスの経験を再生することができる。
【0243】 全体的な補正曲線2300にしたがって差信号を等しくすることは高い強度の信
号成分に関して統計的に低い信号成分を強調緩和することを意図する。典型的な
オーディオ信号の高い強度の差信号成分は約1乃至4kHz間の中間の周波数範
囲に見られる。この範囲の周波数では、人間の耳は高い感度を有する。したがっ
て強調された左および右の出力信号は非常に改良されたオーディオ効果を生成す
る。
【0244】 交差ネットワーク数とその中のコンポーネント数はヘッド関連伝達関数(H
RTF)をシミュレートするため他の実施形態で変更されることができる。有効
に没入音響効果は十分に没入する位置音響フィールドを生成するようにHRTF
ベースの伝達関数を差信号へ提供することによって位置付けられることができる
【0245】 図33はユーザが全体的な差利得量を変化することを可能にする差遠近補正
装置3300を示している。この実施形態では、第4の交差ネットワーク3301はトラ
ンジスタ3010と3012のエミッタを相互接続する。この実施形態では、第4の交差
ネットワーク3301は可変抵抗3302を具備している。
【0246】 可変抵抗3302はレベル調節装置として作用し、理想的には電位差計または類
似の可変抵抗装置である。可変抵抗3302の抵抗の変化は全体的な遠近補正回路の
相対的な等化を上げ下げする。可変抵抗の調節は典型的には手で行われ、それに
よってユーザは再生される音のタイプにしたがって、ユーザの個人的な嗜好に基
づいて差利得のレベルと特性を調整できる。典型的に、差信号の全体レベルの減
少は狭い音響イメージの知覚を生む周囲の音情報を減少する。
【0247】 図34はユーザが共通モードの利得量を変更することを可能にする差遠近補
正装置3400を示している。差遠近補正装置3400は第4の交差ネットワークを含ん
でいる。第4の交差ネットワークは抵抗3402と、抵抗3404と、キャパシタ3406と
、可変抵抗3408とを含んでいる。キャパシタ3406は差情報を除去し、可変抵抗と
抵抗3402と3404が共通のモード利得を変更することを可能にする。
【0248】 抵抗3402と3404は共通のモードの所望の範囲に基づいた広範囲の値である。
他方で可変抵抗3408はレベル調節装置として作用し、所望の範囲内の共通のモー
ドの利得を調節する。理想的に、可変抵抗3408は電位差計または類似の可変抵抗
装置である。可変抵抗3408の抵抗の変化はトランジスタ3010と3012との両者に同
等に影響し、それによって全体的な共通のモード利得の相対的な等化を上げ下げ
する。
【0249】 可変抵抗の調節は典型的には手で行われ、それによってユーザは共通モード
の利得のレベルおよび特性を調整できる。共通モードの利得の増加はオーディオ
情報を強調し、これは入力信号3002と3004に共通である。例えば、音響システム
における1対のスピーカ間に位置する中央ステージにおいてオーディオ情報を強
調する。
【0250】 図35はトランジスタ3010と3012のエミッタ間に位置する第1の交差ネット
ワーク3501と、トランジスタ3010と3012のコレクタ間に位置する第2の交差ネッ
トワーク3502とを有する差遠近補正装置3500を示している。
【0251】 第1の交差ネットワーク3501は周波数スペクトルの下部の周波数を強調緩和
するハイパスフィルタである。1実施形態では第1の交差ネットワーク3501は抵
抗3510とキャパシタ3512を具備している。抵抗3510とキャパシタ3512の値は約3
50Hzのカットオフ周波数を有するハイパスフィルタを規定するために選択さ
れる。したがって、抵抗3510の値は約27.01kオームであり、キャパシタ35
12の値は約0.15マイクロファラドである。動作において、30Hzよりも低
い周波数は350Hzを超える周波数に関して強調緩和される。
【0252】 第2の交差ネットワーク3502はトランジスタ3510と3512のコレクタを相互接
続する。第2の交差ネットワーク3502は周波数スペクトルの下部の周波数を強調
緩和するローパスフィルタである。1実施形態では第2の交差ネットワーク3502
は抵抗3520とキャパシタ3522を具備している。
【0253】 抵抗3520とキャパシタ3522の値は約27.3kHzのカットオフ周波数を有
するローパスフィルタを規定するために選択される。したがって、抵抗3520の値
は約9.09kオームであり、キャパシタ3522の値は約0.0075マイクロフ
ァラドである。動作において、27.3kHzを超える周波数は27.3kHz
よりも低い周波数に関して強調緩和される。
【0254】 第1、第2の交差ネットワーク3501、3502はスペクトル的に差信号を成形す
るために組合わせて動作する。約5kHzよりも低い周波数は5kHzに近い周
波数に関して強調緩和される。特に、5kHzより下では全体的な補正曲線1400
の利得は1オクターブ当たり約5dBの率で増加する。さらに5kHzを超える
と、全体的な補正曲線1400の利得は1オクターブ当たり約5dBの率で減少する
【0255】 差遠近補正装置の前述の実施形態は図36で示されているように出力バッフ
ァ3630を含むこともできる。出力バッファ3600は左出力端子4004と右出力端子30
06に接続された回路によって与えられる負荷の変化から遠近補正の差動装置を隔
離するように設計されている。例えば左出力端子3004と右出力端子3006が1対の
スピーカに接続されるとき、スピーカのインピーダンス負荷は差遠近補正装置が
差信号を等化する方法を変更しない。したがって、出力バッファ3630なしで、回
路、スピーカ、およびその他のコンポーネントは差遠近補正装置102 が差信号を
等化する方法を変更する。
【0256】 1実施形態では、左出力バッファ3630A は左出力トランジスタ3601、抵抗360
4、キャパシタ3604を含んでいる。電源VCC3040はトランジスタ3601のコレクタ
に直接接続されている。トランジスタ3601のコレクタは、抵抗3603を経て接地点
3041に接続されており、キャパシタ3602を経て左出力端子3004に接続されている
。さらに、トランジスタ3601のベースはトランジスタ3010のコレクタに接続され
ている。
【0257】 1実施形態では、トランジスタ3601はNPN 2N2222Aトランジスタ
であり、抵抗3604は1kオームであり、キャパシタ3602は0.22マイクロファ
ラドである。抵抗3604、キャパシタ3602、トランジスタ3601は1利得を生成する
。即ち左出力バッファ3630A は強調された音響信号をさらに等化せずに左出力端
子3004へ主に通過させる。
【0258】 同様に、右出力バッファ3630B は右出力トランジスタ3610、抵抗3612、キャ
パシタ3614を含んでいる。電源VCC3040はトランジスタ3610のコレクタに直接接
続されている。トランジスタ3610のコレクタは、抵抗3612を経て接地点3041に接
続されており、キャパシタ3614を経て右出力端子に接続されている。さらに、ト
ランジスタ3610のベースはトランジスタ3012のコレクタに接続されている。
【0259】 1実施形態では、トランジスタ3610はNPN 2N2222Aトランジスタ
であり、抵抗3612は1kオームであり、キャパシタ3614は0.22マイクロファ
ラドである。抵抗3612、キャパシタ3614、トランジスタ3610は1利得を生成する
。即ち右出力バッファ3630B は強調された音響信号をさらに等化せずに右出力端
子3006へ主に通過する。
【0260】 当業者は出力バッファ3630はまた例えばopamps等の他の増幅器を使用
して構成されることができることを認識するであろう。
【0261】 図37はステレオイメージ強調プロセッサ124 のさらに別の実施形態を示し
ている。図37では、左入力2630は抵抗3710の第1の端子と、抵抗3716の第1の
端子と、抵抗3740の第1の端子に接続されている。抵抗3710の第2の端子は抵抗
3711の第1の端子と、opamp3712の非反転入力に接続されている。右入力26
31は抵抗3713の第1の端子と、抵抗3741の第1の端子と、抵抗3746の第1の端子
に接続されている。抵抗3713の第2の端子は抵抗3714の第1の端子と、opam
p3712の非反転入力に接続されている。抵抗3714の第2の端子は接地されている
。抵抗3740の第2の端子と抵抗3741の第2の端子はopamp3744の非反転入力
と、抵抗3742の第1の端子に接続されている。抵抗3742の第2の端子は接地され
ている。
【0262】 opamp3744の出力は抵抗3761の第1の端子に接続されている。抵抗3761
の第2の端子はopamp3744の反転入力に接続されている。抵抗3743の第2の
端子は接地されている。opamp3712に戻ると、opamp3712の出力は抵抗
3711の第2の端子に接続されている。opamp3712の出力はまた抵抗3715の第
1の端子に接続されている。抵抗3715の第2の端子はキャパシタ3717の第1の端
子に接続されている。キャパシタ3717の第2の端子は抵抗3718の第1の端子と、
抵抗3719の第1の端子と、キャパシタ3721の第1の端子と、抵抗3722の第1の端
子に接続されている。抵抗3718の第2の端子は接地されている。抵抗3719の第2
の端子は抵抗3720の第2の端子と、抵抗3725の第2の端子に接続されている。抵
抗3721の第2の端子は抵抗3720の第1の端子と、抵抗3723の第1の端子に接続さ
れている。抵抗3722の第2の端子は抵抗3725の第1の端子とキャパシタ3724の第
1の端子に与えられている。抵抗3723の第2の端子とキャパシタ3724の第2の端
子は両者とも接地されている。
【0263】 抵抗3719の第2の端子は抵抗3726の第1の端子とopamp3727の反転入力
に接続されている。opamp3727の非反転入力は接地されている。抵抗3726の
第2の端子はopamp3727の出力に接続されている。opamp3727の出力は
電位差計3728の第1の固定した端子に接続されている。電位差計3728の第2の固
定した端子は接地されている。電位差計3728のワイパーは抵抗3747の第1の端子
と、抵抗3720の第1の端子に接続されている。
【0264】 opamp3744の出力は電位差計3745の第1の固定した端子に与えられる。
電位差計3745の第2の固定した端子は接地されている。電位差計3745のワイパー
は抵抗3730の第1の端子と抵抗3751の第1の端子に与えられている。抵抗3747の
第2の端子は抵抗3748の第1の端子と、opamp3749の反転入力に接続されて
いる。
【0265】 opamp3749の非反転入力は接地されている。opamp3749の出力は抵
抗3748の第2の端子と抵抗3750の第1の端子に与えられている。抵抗3750の第2
の端子は抵抗3729の第2の端子に接続されている。抵抗3730の第2の端子はop
amp3735の非反転入力に接続されている。抵抗3731の第1の端子はまたopa
mp3735の非反転入力に接続されている。抵抗3731の第2の端子は接地されてい
る。opamp3735の非反転入力は抵抗3734の第1の端子と抵抗3732の第1の端
子に接続されている。抵抗3732の第2の端子は接地されている。opamp3735
の出力は抵抗3734の第2の端子に与えられている。抵抗3750の第2の端子と、抵
抗3751の第2の端子と、抵抗3746の第2の端子と、抵抗3752の第1の端子は全て
opamp3755の非反転入力に接続されている。抵抗3752の第2の端子は接地さ
れている。opamp3755の非反転入力は抵抗3753の第1の端子と抵抗3754の第
1の端子に接続されている。opamp3755の出力は抵抗3754の第2の端子に接
続されている。
【0266】 opamp3735の出力は左チャンネル出力として与えられ、opamp3755
の出力は右チャンネル出力として与えられる。
【0267】 抵抗3710、3711、3713、3714、3740、3741、3742、3743、37、3761は全て3
3.2Kオームの抵抗である。抵抗3716と3746は両者とも80.6Kオームであ
る。電位差計3745と3728は両者とも10.0Kの線形電位差計である。抵抗3715
は1.0Kであり、キャパシタ3717は0.47μfであり、抵抗3718は4.42
Kであり、抵抗3719は121Kであり、キャパシタ3721は0.0047μfであ
り、抵抗3720は47.5Kであり、抵抗3722は1.5Kであり、抵抗3723は3.
74Kであり、抵抗3725は33.2Kであり、キャパシタ3724は0.47μfで
ある。抵抗3726は121Kである。抵抗3747と3748は両者とも16.2Kである
。抵抗3729と3750は両者とも11.5Kである。抵抗3730と3751は両者とも37
.9Kである。抵抗3731、3732、3752、3753は全て16.2Kである。抵抗3734
、3754は両者とも38.3Kである。opamp3712、3744、3727、3749、3735
、3755は全てTL074型またはそれと等価のものである。
【0268】 [デジタル信号プロセッサ構造] 音響補正システムは図3に関連して説明したようにソフトウェアで容易に構成
されることもできる。適切なプロセッサは汎用プロセッサと、デジタル信号プロ
セッサ(DSP)等を含んでいる。
【0269】 図38は音響補正システム120 のソフトウェアによる実施形態のブロック図
である。図38では、左チャンネル入力3801は10db減衰器3803の入力に与え
られる。減衰器3803の出力はフィルタ3804の入力と、DPDTスイッチ3805の第
1のスイッチ位置に与えられている。フィルタ3804の出力はスイッチ3805の第2
のスイッチ位置に与えられている。右チャンネル入力3802は10db減衰器3806
の入力に与えられる。減衰器3806の出力はフィルタ3807の入力と、スイッチ3805
の第1のスイッチ位置に与えられている。フィルタ3807の出力はスイッチ3805の
第2のスイッチ位置に与えられている。
【0270】 スイッチ3805の第1の切換え端子は加算器3828の第1の入力と加算器3828の
第1の入力に与えられている。スイッチ3805の第2の切換え端子は加算器3829の
第1の入力と加算器3808の第2の入力に与えられている。加算器3808の出力はロ
ーパスフィルタ3809の入力に与えられている。ローパスフィルタ3809の出力はデ
ュアルバンド帯域通過フィルタ3810の入力と、デュアルバンド帯域通過フィルタ
3811の入力と、100Hz帯域通過フィルタ3812の入力に与えられている。
【0271】 フィルタ3810の出力は加算器3821の第1の入力に与えられ、フィルタ3811の
出力は加算器3821の第2の入力に与えられ、フィルタ3812の出力は加算器3812の
第3の入力に与えられる。加算器3821の出力は2.75dBの増幅器3863の入力
と、乗算器3824の第1の入力と、絶対値ブロック3822の入力に与えられている。
絶対値ブロック3822の出力は高速アタック低速ディケイ(FASD)コンプレッ
サ3823の入力に設けられている。FASDコンプレッサ3823の出力は乗算器3824
の第2の入力に与えられている。
【0272】 増幅器3863の出力は減算器3825の正の入力に与えられている。乗算器3824は
減算器3825の負の入力に与えられている。減算器3825の出力は乗算器3826の第1
の入力に与えられている。低音制御装置3827の出力は乗算器3826の第2の入力に
与えられている。乗算器3826の出力はSPDTスイッチ3860を経て加算器3828の
第2の入力と、加算器3829の第2の入力に与えられている。
【0273】 加算器3828の出力は、加算器3830の第1の入力と、9dB減衰器3833の入力
と、減算器3837の正の入力と、DPDTスイッチ3836の第1のスイッチ位置に与
えられている。加算器3829の出力は減算器3837の負の入力と、加算器3830の第2
の入力と、9db減衰器3834の入力と、スイッチ3836の第1のスイッチ位置に与
えられている。
【0274】 加算器3838の出力は5db減衰器3832の入力に与えられる。減衰器3832の出
力は加算器3835の第1の入力と、加算器3866の第1の入力へ与えられる。減衰器
3833の出力は加算器3835の第2に入力へ与えられる。減衰器3834の出力は加算器
3866の第2の入力に与えられる。加算器3835の出力はスイッチ3836の第2のスイ
ッチ位置に与えられる。加算器3866の出力はスイッチ3836の第2のスイッチ位置
に与えられる。
【0275】 減算器3837の出力は48Hzのハイパスフィルタ3838の入力に与えられる。
ハイパスフィルタ3838の出力は6dB減衰器3840の入力と、7kHzハイパスフ
ィルタ3841の入力と、200Hzローパスフィルタ3842の入力に与えられる。減
衰器3840の出力は加算器3844の第1の入力へ与えられ、ハイパスフィルタ3841の
出力は加算器3844の第2の入力へ与えられ、ローパスフィルタ3842の出力は3d
b減衰器3843を経て加算器3844の第3の入力へ与えられる。加算器3844の出力は
乗算器3845の第1の入力に与えられる。幅制御装置3846の出力は乗算器3845の第
2の入力に与えられる。乗算器3845の出力は加算器3835の第3の入力へ与えられ
、インバータ(即ち−1の利得)を経て加算器3866の第3の入力へ与えられる。
【0276】 スイッチ3836の第1の切換え端子は左チャンネル出力3850へ接続される。ス
イッチ3836の第2の切換え端子は右出力3851へ接続される。
【0277】 図38で示されているように、左および右ステレオ入力信号は左入力3803お
よび右入力3802にそれぞれ与えられる。処理の低音強調部分(図1示されている
低音強調ブロック101 に対応する)では、左および右チャンネルは加算器3808に
より共に加算され、モノフォニック信号として処理され、その後強調されたステ
レオ信号を形成するために加算器3828と3829により左および右チャンネルに戻さ
れて加算される。低音周波数信号には典型的にほとんどステレオ分離がないので
低音情報はモノフォニック信号として処理され、2つのチャンネルの処理を複製
する必要はほとんどない。
【0278】 図38はソフトウェアユーザ制御装置を示しており、これは低音強調量を制
御するためのソフトウェア制御装置3827と、見掛けの音響ステージの幅を制御す
るためのソフトウェア制御装置3846と、垂直、低音、幅イメージ強調を個別にエ
ネーブルまたはディスエーブルするためのソフトウェアスイッチ3805、3860、38
36を含んでいる。アプリケーションに応じて、これらのユーザ制御装置はダイナ
ミックに変更可能であるか、特定の構造に固定されることができる。ユーザ制御
装置はダイアローグボックスのスライダ、チェックボックス等の制御装置に“接
続”されることができ、それによってユーザは音響補正システムの動作を制御で
きる。
【0279】 図38では、左入力3801および右入力3802はバイパスレベルを設定し、後の
処理中に信号が飽和しないようにするため最初に−10dBの利得で処理される
。各チャンネルはその後、図4乃至6に関連して説明したように、音響ステージ
の高低および拡張を行うため高低フィルタ(それぞれ左および右のフィルタ3804
、3807)を経て処理される。
【0280】 高低フィルタの後、左および右チャンネルは共に混合され、帯域通過フィル
タ3810乃至3812のバンクが後続するローパスフィルタ3809を経て伝送される。ロ
ーパスフィルタ3809は284Hzのカットオフ周波数を有する。それぞれ後続す
る4つのフィルタ3810乃至3812は2次帯域通過フィルタである。フィルタ3810は
40Hzまたは150Hzとして選択可能である。フィルタ3811は60Hzまた
は200Hzとして選択可能である。したがって、スピーカのサイズに対して3
つの有効な構造、即ち小型、中型、大型が存在する。全ての3つの構造は3つの
帯域通過フィルタを使用するが、フィルタ3810と3811で異なる中心周波数を有す
る。
【0281】 3つのアクティブフィルタの出力はその後、加算器3821により共に加算され
、合計は低音制御段に与えられる。
【0282】 低音制御段は絶対値検出器3822と、高速アタック低速ディケイピーク検出器3
823と、乗算器3824を有するエキスパンダ回路を含んでいる。ピーク検出器3823
の出力はダイナミック範囲の信号を膨張するためエキスパンダ入力信号の乗算器
として使用される。
【0283】 低音制御段の第2の部分は増幅器3863により与えられた2.75dB利得を
有する同一の入力信号からその段の入力信号の伸長バージョンを減算する。これ
は小さい一定の利得を低い振幅信号に加算しながら高い振幅の信号レベルを制限
する効果を有する。
【0284】 低音制御段の出力はそれぞれ加算器3828と3829により左チャンネル信号と右
チャンネル信号の両者に加算される。左および右チャンネルに混合される強調さ
れた低音信号の量は低音制御装置3827により決定される。
【0285】 結果的な左および右チャンネル信号はL+R信号を形成するため加算器3830
により共に加算され、L−R信号を形成するため減算器3827により減算される。
L−R信号はそれを遠近曲線(図7)を経て処理することによりスペクトル的に
成形され、これには以下のようにフィルタおよび利得調節のネットワークによっ
て構成される。最初に、信号は48Hzハイパスフィルタ3838を通過する。この
フィルタの出力は分割され、7kHzハイパスフィルタ3841と200Hzローパ
スフィルタ3842を通過される。3つのフィルタの出力が加算器3844により共に加
算され、それによって利得調節、即ち48Hzハイパスフィルタ3838では6dB
、7kHzハイパスフィルタ3841では0dB(調節なし)、200Hzローパス
フィルタ3842では+3dBの調節を使用して遠近曲線信号を形成する。幅制御装
置3846は最終的な加算器3835と3866を通過する遠近曲線信号の量を決定する。
【0286】 最後に、左チャンネル信号L+R、右チャンネル信号L−Rは最終的な左お
よび右チャンネル出力をそれぞれ発生するため加算器3835と3866により共に混合
される。左チャンネル出力はL+R信号を−5dB利得調節し、左チャンネル信
号を−9dB利得調節し、遠近曲線信号を幅制御装置3846により行われる利得調
節以外の利得のない調節をすることにより混合することにより形成される。右チ
ャンネル出力はL+R信号を−5dB利得調節し、右チャンネルを−9dB利得
調節し、反転された遠近曲線信号を幅制御装置3846以外の利得のない調節をする
ことにより混合して形成される。
【0287】 高速アタック低速ディケイ(FASD)ピーク検出器3823のアルゴリズムは
以下のように疑似コードで表される。 if[in>out(previous) ]then out=in−[[in −out(previous)]*attack ] else out=in+[[out(previous)−in]*decay ] endif ここで、out(previous) は先のサンプル期間からの出力を表す。
【0288】 アタックとディケイの値は、スルーレートが実時間に相関されなければなら
ないのでサンプルレート依存である。それぞれの公式は以下のようになる。 attack=1−(1/(.01* sampleRate)) decay =1−(1/(.1* sampleRate)) ここでサンプルレートはサンプル/秒である。
【0289】 FASDピーク検出器3123への入力は、これが絶対値関数3122の出力から来
るので、常にゼロ以上である。
【0290】 フィルタ3809−3812はサンプル周波数44.1の有限インパルス応答(II
R)フィルタとして構成される。このフィルタはバイリニア変換方法を使用して
設計される。各フィルタは1つのセクションを有する2次フィルタである。フィ
ルタは32ビットの分数固定小数点算術を使用して構成される。各フィルタにつ
いての特別な情報は以下の表1で与えられている。さらにフィルタ3810乃至3812
の伝達関数は図32乃至35でそれぞれ示されている。付加的な200Hz帯域
通過フィルタの伝達関数(図31で示されていない)は図36で示されている。
ローパスフィルタ3809の伝達関数は図37で示されている。
【0291】 表 1 帯域通過フィルタ フィルタ周波数 −3dB低 中心 −3dB高 帯域通過 帯域通過 (Hz) (Hz) (Hz) (Hz) 利得 利得(dB) 40 30 38.7 50 1.43 3.12 60 45 58.1 75 1.43 3.12 100 78 96.8 129 1.00 0.0 150 116 145.1 192 1.00 0.0 200 150 193.6 250 0.71 -2.93 ローパスフィルタ -3dB -153dB 帯域通過 帯域通過 (Hz) (Hz) 利得 利得(dB) 285 1021 1.00 0.0 低音制御装置3827はオーディオ信号に与えられる低音強調量を決定し、0と1
の間の値を乗算器3826へ与える。
【0292】 幅制御装置3846は最終的な出力に与えられるステレオ幅強調量を決定する。
幅制御装置は0と2.82(9dB)間の値を乗算器3845へ与える。
【0293】 [その他の実施形態] ここで説明した全体的な音響補正システムは、DSPまたはパーソナルコンピ
ュータで動作するソフトウェアによって、ハイブリッド回路構造としてのまたは
適切な外部コンポーネントの調節用の端子を有する半導体基板内のディスクリー
トな回路コンポーネントによって容易に構成されてもよい。ユーザによる調節は
現在、低周波数および高周波数エネルギレベルの補正を含んでおり、種々の信号
レベル調節は和信号と差信号、方向レベルの調節を含んでいる。
【0294】 前述の説明および添付図面を通じて、本発明は現在の音響補正およびステレ
オ強調システムよりも重要な利点を有することを示した。先に詳細な説明を示し
説明し、本発明の基本的な優れた特性を指摘したが、示された装置の形態および
細部の種々の省略と置換、変更が本発明の技術的範囲を逸脱せずに当業者により
行われてもよいことが理解されよう。それ故、本発明は特許請求の範囲によって
のみその技術的範囲で限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1対の入力ステレオ信号からリアルなステレオイメージを生成するためのステ
レオ強調システムおよび低音強調システムに動作可能に接続されたステレオイメ
ージ補正システムのブロック図。
【図2】 1つのステレオ受信機と2つのスピーカを含んでいるステレオシステムの概略
図。
【図3】 典型的なマルチメディアコンピュータシステムの概略図。
【図4】 オーディオ再生システムの所望の音響−圧力対周波数特性のグラフと、第1の
オーディオ再生環境に対応する音響−圧力対周波数特性のグラフと、第2のオー
ディオ再生環境に対応する音響−圧力対周波数特性のグラフと、第3のオーディ
オ再生環境に対応する音響−圧力対周波数特性のグラフ。
【図5】 1対の入力ステレオ信号からリアルなステレオイメージを生成するためのステ
レオイメージ強調システムに動作可能に接続されたエネルギ補正システムの概略
ブロック図。
【図6】 1実施形態にしたがった低周波数補正システムにより与えられる種々の信号変
更レベルのグラフと、1実施形態にしたがったオーディオ信号の高周波数成分を
ブーストするための高周波数補正システムにより与えられる種々の信号変更レベ
ルのグラフと、1実施形態にしたがったオーディオ信号の高周波数成分を減衰す
るための高周波数補正システムにより与えられる種々の信号変更レベルのグラフ
と、ステレオイメージを再度位置付けるための音響−圧力補正の可能な範囲を示
している複雑なエネルギ−補正曲線のグラフ。
【図7】 ステレオイメージ強調の量変化を実現するためオーディオ差信号に与えられた
種々の等化レベルのグラフ。
【図8】 第1の位置に置かれたスピーカからリスナーによって聞かれる知覚された音響
と、実際の音響源と、第2の位置に置かれたスピーカからリスナーによって聞か
れる知覚された音響と、実際の音響源とを示している説明図。
【図9】 典型的な小型のスピーカシステムの周波数応答の特性図。
【図10】 2つのディスクリートな周波数により表される信号の実際のスペクトルと知覚
されたスペクトルを示した図。
【図11】 周波数の連続的なスペクトルにより表される信号の実際のスペクトルと知覚さ
れたスペクトルを示した図。
【図12】 変調された搬送波の時間波形と、それを検出器によって検出した後の時間波形
を示した図。
【図13】 低音強調処理による音響システムのブロック図と、多数のチャンネルを1つの
低音チャンネルに結合する低音強調プロセッサのブロック図と、多数のチャンネ
ルを別々に処理する低音強調プロセッサのブロック図。
【図14】 選択可能な低音応答特性を有する低音強調を行うシステムの信号処理のブロッ
ク図。
【図15】 図14で示されている信号処理で使用される帯域通過フィルタの伝達関数のグ
ラフ。
【図16】 パンチシステムの時間−振幅応答特性を示した時間ドメインの図。
【図17】 エンベロープがアタック、ディケイ、サステイン、リリーズ部分を示している
楽器により演奏される典型的な低音の信号とエンベロープ部分を示した時間ドメ
インの図。
【図18】 ピークコンプレッサおよび低音パンチシステムを使用して低音強調を行うシス
テムの信号処理のブロック図。
【図19】 高速アタックによるエンベロープのピークコンプレッサの効果を示している時
間ドメインの図。
【図20】 ステレオイメージ(差遠近)補正システムの概略ブロック図。
【図21】 明確な和と差の信号を発生しないステレオイメージ(差遠近)補正システムの
ブロック図。
【図22】 差遠近補正システムの共通モード利得のグラフ。
【図23】 差遠近補正システムの全体的な差信号等化曲線のグラフ。
【図24】 単一チップで構成されることができる音響強調システムの1実施形態のブロッ
ク図。
【図25】 図24で示されているシステムで使用するのに適した垂直イメージ強調ブロッ
クの左チャンネルの概略図および右チャンネルの概略図。
【図26】 図24で示されているシステムで使用するのに適した低音強調ブロックの概略
図。
【図27】 図26で示されている低音強調システムで使用するのに適したフィルタシステ
ムの概略図。
【図28】 図26で示されている低音強調システムで使用するのに適したコンプレッサの
概略図。
【図29】 図24で示されているシステムで使用するのに適した水平イメージ強調ブロッ
クの概略図。
【図30】 ステレオイメージ強調システムとして使用されることができる差遠近補正シス
テムのブロック図。
【図31】 1つの交差ネットワークを使用する差遠近補正システムの回路図。
【図32】 2つの交差ネットワークを使用する差遠近補正装置の回路図。
【図33】 ユーザが全体的な差利得量を変化することを可能にする差遠近補正装置の回路
図。
【図34】 ユーザが共通モードの利得量を変更することを可能にする差遠近補正装置の回
路図。
【図35】 差対のトランジスタのエミッタ間に位置する第1の交差ネットワークと、差対
のトランジスタのコレクタ間に位置する第2の交差ネットワークを有する差遠近
補正装置の回路図。
【図36】 出力バッファを有する差遠近補正装置の回路図。
【図37】 イメージ強調システムの6個のopampのバージョンの回路図。
【図38】 音響補正システムのソフトウェアの実施形態のブロック図。
【図39】 図38で示されているブロック図で使用するための40Hzの帯域通過フィル
タの伝達関数の図。
【図40】 図38で示されているブロック図で使用するための80Hzの帯域通過フィル
タの伝達関数の図。
【図41】 図38で示されているブロック図で使用するための100Hzの帯域通過フィ
ルタの伝達関数の図。
【図42】 図38で示されているブロック図で使用するための150Hzの帯域通過フィ
ルタの伝達関数の図。
【図43】 図38で示されているブロック図で使用するための200Hzの帯域通過フィ
ルタの伝達関数の図。
【図44】 図38で示されているブロック図で使用するためのローパスフィルタの伝達関
数の図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04R 5/033 H04R 5/033 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 クレーマー、アラン・ディー アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92680 タスティン、シャデル・ドライブ 17661 (72)発明者 オリバー、リチャード アメリカ合衆国、カリフォルニア州 92677 ラグナ・ビーチ、オーシャン・ビ スタ・ドライブ 21629 Fターム(参考) 5D011 AA16 AC01 5D062 AA12 AA26 AA65 AA74 BB02 CC12 CC13 CC16

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上のスピーカにより再生された音響の空間的および周波
    数応答特性を強調するオーディオ補正システムにおいて、 前記音響が複数のスピーカによって再生されるとき、音響の知覚される垂直イ
    メージを補正するように構成されたイメージ補正モジュールと、 前記音響が複数のスピーカによって再生されるとき、前記音響の知覚される低
    音応答特性を強調するように構成された低音強調モジュールと、 前記オーディオが複数のスピーカによって再生されるとき、オーディオの水平
    イメージを強調するように構成されたイメージ強調モジュールとを具備している
    オーディオ補正システム。
  2. 【請求項2】 前記イメージ補正モジュールにより行われる補正は前記低音
    強調モジュールによって行われる強調に先行して行われる請求項1記載のオーデ
    ィオ補正システム。
  3. 【請求項3】 前記低音強調モジュールによって行われる低音強調は、前記
    イメージ強調モジュールによって与えられるイメージ強調に先行して行われる請
    求項1記載のオーディオ補正システム。
  4. 【請求項4】 前記低音強調モジュールによって行われる低音強調は、前記
    イメージ強調モジュールによって行われるイメージ強調に先行して行われる請求
    項1記載のオーディオ補正システム。
  5. 【請求項5】 2以上のオーディオ信号を有しており、それらのオーディオ
    信号は、前記オーディオ信号に共通している共通モード情報と、前記オーディオ
    信号に共通していない差情報とを有しており、 前記オーディオ信号の一つを供給され、反転入力と非反転入力とを有している
    第1の増幅器と、 前記オーディオ信号の一つを供給され、反転入力と非反転入力とを有している
    第2の増幅器と、 前記第1の増幅器の前記非反転入力と前記第2の増幅器の前記非反転入力とに
    接続され、前記差動情報中の第1の周波数のセットを変更させるように構成され
    ている第1のフィルタと、 前記第1の増幅器の前記反転入力と前記第2の増幅器の前記反転入力とに接続
    され、前記差動情報中の第2の周波数のセットを変更させるように構成されてい
    る第2のフィルタと、 前記第1の増幅器の前記反転入力と前記第1の増幅器の出力とに接続され、第
    3の周波数のセットを変更させるように構成されている第3のフィルタとを具備
    し、前記第1、第2、第3の周波数のセットは組合わされて第1の強調された出
    力信号を形成しており、 さらに、前記第2の増幅器の前記反転入力と前記第2の増幅器の出力とに接続
    され、第4の周波数のセットを変更させるように構成されている第4のフィルタ
    とを具備し、前記第1、第2、第4の周波数のセットは組合わされて第2の強調
    された出力信号を形成しているイメージ強調システム。
  6. 【請求項6】 複数のスピーカによって生成された見掛け上の音響ステージ
    の知覚された高さを補正するように構成されている第1の音響強調モジュールと
    、 前記スピーカの知覚された低音特性を補正するように構成されている第2の音
    響強調モジュールと、 前記見掛け上の音響ステージの知覚された幅を補正するように構成されている
    第3の音響強調モジュールとを具備している音響強調システム。
  7. 【請求項7】 前記第1の音響強調モジュールはさらに前記見掛け上の音響
    ステージの知覚された垂直位置を補正するように構成されている請求項6記載の
    音響強調システム。
  8. 【請求項8】 前記第1の音響強調モジュールは、左信号チャンネル中の音
    響を濾波する左チャンネルフィルタと右信号チャンネル中の音響を濾波する右チ
    ャンネルフィルタとを具備している請求項6記載の音響強調システム。
  9. 【請求項9】 前記左チャンネルフィルタと右チャンネルフィルタは、音響
    源の垂直位置の関数として人間の聴覚システムの周波数応答特性の変化にしたが
    って前記左チャンネルおよび前記右チャンネルを濾波するように構成されている
    請求項8記載の音響強調システム。
  10. 【請求項10】 前記左チャンネルフィルタと右チャンネルフィルタは、高
    い周波数に関して低い周波数を強調するように構成されている請求項8記載の音
    響強調システム。
  11. 【請求項11】 前記第2の音響強調モジュールは、高い周波数に関して低
    い周波数の部分を強調するように構成されている請求項6記載のオーディオ補正
    システム。
  12. 【請求項12】 前記第2の音響強調モジュールは、複数の入力信号を受信
    し、入力信号の高い周波数に関して入力信号の低い周波数の共通モード部分を強
    調するように構成されている請求項6記載のオーディオ補正システム。
  13. 【請求項13】 前記第2の音響強調モジュールは、 左チャンネル信号の少なくとも一部を右チャンネル信号の少なくとも一部と組
    合せて結合された信号を生成する第1の結合器と、 前記結合された信号の一部分を選択して濾波された信号を生成するように構成
    されているフィルタと、 前記濾波された信号のエンベロープに応答して前記濾波された信号を調節し、
    低音強調信号を生成する可変利得モジュールと、 前記左チャンネル信号と前記低音強調信号の少なくとも一部とを組合せるよう
    に構成されている第2の結合器と、 前記右チャンネル信号と前記低音強調信号の少なくとも一部とを組合せるよう
    に構成されている第3の結合器とを具備している請求項6記載の音響強調システ
    ム。
  14. 【請求項14】 前記可変利得モジュールはエキスパンダを具備している請
    求項10記載の音響強調システム。
  15. 【請求項15】 前記可変利得モジュールはコンプレッサを具備している請
    求項10記載の音響強調システム。
  16. 【請求項16】 前記第3の音響強調モジュールは、左チャンネル入力と右
    チャンネル入力とを含む入力信号を受信するように構成され、前記第3の音響強
    調モジュールはさらに、前記入力信号の共通モード部分に応答して共通モード特
    性を与え、前記入力信号の差動モード部分に応答して差動モード特性を与えるよ
    うに構成されている請求項6記載の音響強調システム。
  17. 【請求項17】 前記第3の音響強調モジュールは、共通モード伝達関数お
    よび差動モード伝達関数を与えるように構成されている請求項6記載の音響強調
    システム。
  18. 【請求項18】 前記差動モード伝達関数は高い周波数に関して低い周波数
    を強調する請求項17記載の音響強調システム。
  19. 【請求項19】 前記差動モード伝達関数は、第1の周波数帯域の周波数成
    分に対しては第1の強調緩和を与え、第2の周波数帯域の周波数成分に対しては
    第2の強調緩和を与え、第3の周波数帯域の周波数成分に対しては第3の強調緩
    和を与え、第4の周波数帯域の周波数成分に対しては第4の強調緩和を与え、前
    記第1の周波数帯域は前記第2の周波数帯域よりも低く、前記第2の周波数帯域
    は前記第3の周波数帯域よりも低く、前記第3の周波数帯域は前記第4の周波数
    帯域よりも低く、前記第2の強調緩和は前記第1および第3の強調緩和よりも低
    い請求項17記載の音響強調システム。
  20. 【請求項20】 知覚された音響ステージを改善し、前記音響の知覚された
    低音成分を改善するためのオーディオサウンドの強調方法において、 複数のスピーカによって再生された見掛け上の音響ステージ知覚された高さを
    改善するために音響信号の高さを補正し、 前記スピーカの知覚される低音応答特性を強調するように前記音響信号の低音
    強調を行い、 マルチチャンネル音響信号の幅を、前記マルチチャンネル音響信号によって生
    成された見掛け上の音響ステージの知覚された幅に補正するオーディオサウンド
    の強調方法。
  21. 【請求項21】 前記高さ補正の動作は、リスナーによって聴かれたとき前
    記見掛け上の音響ステージの知覚された垂直位置を変更するための前記音響信号
    の濾波を含んでいる請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記高さの補正の動作において、前記左信号チャンネル中
    の信号の濾波動作および前記右信号チャンネル中の信号の濾波動作を含んでいる
    請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記濾波動作において、前記左信号チャンネルおよび前記
    右信号チャンネルの周波数成分を人間の聴覚の垂直空間的周波数応答特性の変化
    にしたがって調整する請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記濾波動作において、高い周波数に関して低い周波数を
    強調する請求項22記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記低音強調動作において、高い周波数に関して低い周波
    数の部分を強調する請求項20記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記低音強調動作において、マルチチャンネル入力信号の
    高い周波数に関してマルチチャンネル入力信号の低い周波数の共通モード部分を
    強調する請求項20記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記低音強調動作において、 左チャンネル信号の少なくとも一部を右チャンネル信号の少なくとも一部と組
    合せて結合された信号を生成し、 前記結合された信号を濾波して濾波された信号を生成し、 前記濾波された信号のエンベロープにしたがって前記濾波された信号を増幅し
    て低音強調された信号を生成し、 前記低音強調された信号の少なくとも一部分を前記左チャンネル信号と組合せ
    、 前記低音強調された信号の少なくとも一部分を前記右チャンネル信号と組合せ
    る請求項20記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記増幅動作において、アタック期間中前記濾波された信
    号を圧縮する請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記増幅動作において、ディケイ期間中前記濾波された信
    号を伸長する請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記幅を強調する動作において、前記マルチチャンネル音
    響信号の共通モード部分を識別し、共通モード特性にしたがって前記共通モード
    部分を調整し、前記マルチチャンネル音響信号の差動モード部分を識別し、差動
    モード特性にしたがって前記差動モード部分を調整する請求項20記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記幅強調動作において、前記マルチチャンネル音響信号
    に対して共通モード伝達関数および差動モード伝達関数を適用する請求項20記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 前記差動モード伝達関数の適用は、高い周波数に関して低
    い周波数を強調する動作を含んでいる請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記差動モード伝達関数を適用する動作において、 第1の強調緩和値にしたがって第1の周波数帯域の周波数成分の強調を緩和さ
    せ、 第2の強調緩和値にしたがって第2の周波数帯域の周波数成分の強調を緩和さ
    せ、第2の周波数帯域の周波数は第1の周波数帯域の周波数よりも高く、 第3の強調緩和値にしたがって第3の周波数帯域の周波数成分の強調を緩和さ
    せ、第3の周波数帯域の周波数は第2の周波数帯域の周波数よりも高く、第2の
    強調緩和値は第1および第3の強調緩和値よりも低く、 第4の強調緩和値にしたがって第4の周波数帯域の周波数成分の強調を緩和し
    、第4の周波数帯域の周波数は前記第3の周波数帯域の周波数よりも高く、前記
    第4の強調緩和値は前記第1および第3の強調緩和値よりも低い請求項31記載
    の方法。
  34. 【請求項34】 見掛け上の音響ステージの知覚される高さを補正する高さ
    補正装置と、 音響信号の低音応答特性を強調する低音強調装置と、 前記見掛け上の音響ステージの知覚された幅を補正する幅補正装置とを具備し
    ている音響強調システム。
  35. 【請求項35】 見掛け上の音響ステージの知覚された高さを補正する高さ
    補正装置と、 音響信号の低音応答特性を強調する手段と、 前記見掛け上の音響ステージの知覚される幅を補正する幅補正装置とを具備し
    ている音響強調システム。
  36. 【請求項36】 見掛け上の音響ステージの知覚される高さを補正する高さ
    補正装置と、 音響信号の低音応答特性を強調する低音強調装置と、 前記見掛け上の音響ステージの知覚される幅を補正する手段とを具備している
    音響強調システム。
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