JPH08509104A - 音像操作装置及び音像エンハンスメント方法 - Google Patents

音像操作装置及び音像エンハンスメント方法

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JPH08509104A JP6516471A JP51647193A JPH08509104A JP H08509104 A JPH08509104 A JP H08509104A JP 6516471 A JP6516471 A JP 6516471A JP 51647193 A JP51647193 A JP 51647193A JP H08509104 A JPH08509104 A JP H08509104A
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デスパー,スティーブン,エム.
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デスパー プロダクツ,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 音響信号に所定の処理を加えて得た状態信号により二つの空間を隔てて配置されたスピーカから音を発生させることにより、音像をエンハンスし、普通のステレオ音で感じられるよりも広い音響空間を、聴取者が錯覚を通して知覚できるようにすることを目的とする。具体的には、かかる所定の処理を施す自動立体音像エンハンスメント装置は、入力及び出力を夫々持つ第1及び第2のラインと、前記入力及び前記出力の間に夫々ある前記第1のライン中の第1の回路及び前記第2のライン中の第2の回路と、前記第1及び第2のラインに、その入力とその夫々の回路の間において接続されており、信号を受ける入力接続手段と、前記入力接続手段に接続されており、前記入力接続手段における信号を遅延し、遅延された信号を生成する周波数依存遅延手段と、前記遅延された信号を受け、前記第1及び第2のライン中の前記装置の両方に接続されていると共に前記遅延された信号をそこに配送するための出力をもち、遅延され且つ振幅制御された補償信号を前記回路に生成するように前記遅延された信号の振幅を制御する制御手段とを備えて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】 音像操作装置及び音像エンハンスメント方法 発明の背景 この発明は、音響信号に対応する電気的な信号が、音楽と音とに対するエンハ ンスメントの知覚を産み出すように波長と位相制御により電気的に扱われる自動 音像エンハンスメント方法及び装置に係る。本発明は、好ましくはステレオ音響 的に記録された音楽上で(ポスト・プロダクション・エンハンスメント)又はス テレオ音響記録を記録し混合する中で(プロダクション)動作する。本発明はま た、モノラル音響やモノラルの音源をエンハンスするに際して、ステレオのよう な効果を人工合成するために又はステレオ音の段階で通常発見される位置を越え た位置にそのような音源を位置させるために、用いられてもよい。 音は、弾性媒体中の振動であり、音響エネルギは音により生成される媒体中の 付加的エネルギである。媒体中の音は、媒体中のエネルギの圧縮と屈折とにより 伝えられる。媒体は振動するが、音は伝わる。一つの周期は、媒体の完全な単一 の回遊であり、周波数は単位時間当たりの周期の数である。波長は、波のピーク 間の距離であり、動きの(エネルギに関係する)振幅は、振動変位である。液体 中では、邪魔を受けない波の前面は、球状に広がる。 聞くことは、音を受けた人間の基本的な応答である。耳、その機構及び神経は 、聴取インパルスを受けて、脳に伝達する。脳は、そ れを受け、それを記憶と比較し、それを分析し、インパルスを精神的な応答を誘 発する概念へと訳す。これらの過程中で最終過程は、傾聴と呼ばれ、脳の中で起 こるものであり:耳は、単なる受信機に過ぎない。よって、ただ耳にすることは 、客観的なものであり、耳を貸す(傾聴する)ことは主観的なものである。この 発明の装置と方法とは、人間が傾聴する自動ステレオ音像エンハンスメントのた めのものであるため、傾聴プロセスは、単に聞くことの知覚である。この特許は 、人間の主題の知覚について述べる。一つの主題は、互いに横方向に空間を隔て た二つの耳を持っているので、各鼓膜における音は、殆ど常に違っている。その 差のうちの幾らかは、レベル、振幅又はエネルギによるものであり、その他は時 間や位相によるものである。各耳は、脳に異なる信号を送り、脳はその両方の信 号を分析し比較し、それらの中から、音源の見かけの位置及び大きさ並びに聴取 者の周りの音響空間を定める情報を含む情報を抽出する。 ある音源から最初に聞こえる音は、音源から視覚の線でやってくる直接音であ る。直接音は、変化することなく且つ散乱することなく到達し、音源がそれを発 するかぎり続く。直接音は、液体媒体(空気)中の損失しか受けないので、音源 により生成された音に対し比較的そのままである周波数応答(音質)をもって、 耳で受信される。音色のような重要な瞬間的な特性は、特により高い音域では、 直接音により運ばれる。各鼓膜の累積された差は、時間、振幅、スペクトル的な 差として見つかる。耳の物理的な間隔は、両耳の間にある中間の面にある音源か ら生じる音を除き、一方の耳に他方よりも後に聞かせる。時間遅延の差は、音が 到達してくる方向の関数であり、遅延は、0.8ミリ秒にまで到る。0.8ミリ 秒の時間遅延とは、1、110Hzにおける1周期の期間とほぼ等しい。この周 波数より上では、到達する音の音響波長は、耳から耳への間隔より小さくなり、 耳間音響時間の差は重要度が低減し、音の方向を位置決めするためには、約14 00Hz未満のときのみ役立つ。二つの耳に到達する音間の振幅の差は、基本的 に頭と外部耳翼の回折と遮蔽効果の結果である。これらの効果は、400Hzよ りも大きく、脳がより高い周波数の音源の方向を決定するための解釈に用いられ る情報源になる。その他の音の高さと方向の手掛かりは、音の方向を評価する過 程の中で、我々が頭を回すという我々の習慣から生じる。これは、更に方向を評 価するための精神的プロセス用データを供給するように、相対的な振幅と時間差 を変化させる。両方のプロセスは、周波数に依存するが、しかしそれは、時間差 が、音の瞬間的な部分に対してより有用であり、一方で両方が、連続的な信号の 音源の方向の評価のために用いられるということが示されている。 人間の聴取においては、音の評価中、記憶が重要な役割を果たす。脳は、後述 されるような先行効果や時間的な融合はもちろん、耳間時間差、耳間振幅差及び 耳間スペクトル差を、同じ要因に対する記憶と比較する。脳は、周囲の活動の概 念を提供するために、これらの現在受信されている信号が記憶と比較されるよう にして、現在の知覚と記憶された印象とを常に比較する。聴取中は、知覚される 音と同様の出来事についての記憶との組み合わせが一緒になって、概念的な音像 空間になる音源との関係で、我々の周囲に聴覚的概念の幾何学的な骨組みからな る精神的な音像を産み出す。この概念的な音像空間の中では、現実のものと現実 のように思われるものとは同じである。本システムと装置は、現実のように思わ れるが、しかし客観的な評価からは妄想である概念的音像空間を産み出すことに 向けられている。 観察者の前で空間を隔てた二つのスピーカ音源があり、それらの間の中央に観 察者がいる装置では、各スピーカからの実質的に同じ、同位相で同振幅の音の再 生は、二つのスピーカ間の中ほどの仮想の音像として、観察者には感知される。 音源は、同位相であるので、この仮想的な音像は、「均等位相音像」と呼ばれる 。相対的な振幅を変化させることにより、均等位相音像は、二つのスピーカ間の いかなる点にも動かすことが出来る。音信号の従来の専門的な処理においては、 この動かす動作は、「パニング」と呼ばれ、パンポット(パノラマ式のポテンシ ョメータ)により制御される。 もし同じ二つのスピーカの一方へ送られる信号のうちの一方で極性が反転され ると、等しく確かな仮想音像は聞こえる。これは、スピーカから耳に届く音につ いての180度の位相ずれという結果に終わる。簡単のために、左スピーカから の最初の0度遅延した位相ずれ信号が、左の耳に最初に到達し、後に右耳に到達 するものとし、同時に右スピーカからの二番目の180度遅延した位相ずれ信号 は最初に右耳に到達し、後に左耳に到達するものとし、聴取者の頭の中央点の後 ろの方に仮想的な音像を表現する耳−脳機構に対する情報を提供する。この仮想 的音像は、「反位相」の音像である。それは、精神処理により作り出された仮想 的な音像であるので、異なる聴取者にとっては、位置も異なる。ほとんどの聴取 者は、反位相の音像を頭蓋骨の外側で後ろにあるものとして聞く。反位相の音像 は、点音源としては現われないで、しかし、拡散されて、聴取者の概念的な音像 の空間の後ろの境界を作る。左と右の信号の位相の関係及び/又は各種の周波数 の振幅とを変化させることにより、仮想的な音像は、観察者の頭の後ろから左右 のスピーカに向かう扇又は半円 に沿わって発生され得る。 音の知覚に影響する他の要因は、聞かれるべき最初の音が耳脳機構の命令を取 り、50ミリ秒後にまで到達する音は、元の音と同じ方向からの又はその一部と して到達するように思われるうという「先行効果」である。一つのスピーカへ送 られる信号を他方と比較して遅延することにより、音源の見かけの方向は変えら れる。先行効果の一部として、見かけの音源の方向は、30ミリ秒までの間の信 号遅延を介して、動作可能である。この効果は、信号の瞬時の特性によるもので ある。 先行効果の本質的な部分は、また、識別可能に独立した現象でもあるが、直接 の及び遅延した音を一緒に融合するという「時間的な融合」としても知られる。 耳脳機構は、ほぼ同じ時刻に到達する二つ又はそれ以上のとても似ている音を一 緒に混ぜる。最初の音が聞こえた後に、脳は、次の約30ミリ秒の間に到達する 似たような音を重ね合わせる。直接音と部屋の再振動とを全て一緒にして、生聴 取の一つの喜ばしい且つ自然な知覚として保つのが、この現象である。方向を持 つ聴取機構は、直接音の上で働くので、たとえ異なる方向から来る多重波により すぐ後に続かれたとしても、その音の音源は、場所の特定が可能なのである。 部屋の壁は、直接音が反射して複雑な反射を作る反射面である。聴取者に届く 最初の反射は、1次反射として;二番目のは二次としてなどのように、知られて いる。聴取者と反射点とを結ぶ線の延長上に置かれた仮想音源から来るものとし て考えることが出来る音像が作られる。このことは、全ての反射の次元について 正しい。もし、 我々が、仮想音像を作り出す信号を生成すれば、境界は、聴取者によって知覚さ れる。これは、適当な状態に保たれた記憶の現象である。境界音像の位置は、仮 想音像を生成する信号内の振幅と位相の変化により、拡大される。見かけの境界 音像は、知覚空間を広げる。 場所、大きさ、レンジ、スケール、反響、空間識別、空間印象及び雰囲気を判 断する耳−脳機構の能力に影響を及ぼす音響情報は、左右の音源間の差から抽出 され得る。周波数成型及び線形遅延を通しての、この情報の変形は、この情報が 反位相音像位置において元のステレオ信号に混ぜ戻される時に、錯覚音像境界の 知覚を産み出すのに必要である。 発明の概要 ステレオ信号を産み出す記録産業の共通の慣習は、音源の側で二つ又はそれ以 上のマイクロホンを用いることである。これらのマイクロホンは、どんなに多く の数が用いられたとしても、常に電気的に同位相に極性が与えられている。これ らの条件(それは産業の標準である)の下で、プログラムソースが生産されると き、ここで述べられる装置は、それ自身の時間領域の中で第3の点の設立のため の「人工合成」した状態信号を生成する。この誘導は、分離、交番及び新たな全 体を作る再編成があるので、人工合成と呼ばれる。 分離された時間領域での点の設立の更なる助けのために、第3のマイクロホン は、ステレオ対との関係で第3の点の位置を特定するのに用いられてもよい。ス テレオマイクロホン対の左右の側に第3のマイクロホンの出力を加えることの通 常のやりかたとは反対に、 第3のマイクロホンは、左ステレオ対に加算され、右ステレオ対からは減算され る。この配列は、左信号、右信号及び、記録されている音響空間中で関係はして いるが離れた点にある音源を持つ記録可能な信号から構成される2チャンネルス テレオ信号を提供する。これは、有機的誘導と呼ばれ、それは、前に議論した、 比が左マイナス右(それから誘導される)に比例し、しかし、後で見られるよう に、三つのマイクロホン間のスペースに関係するそれ自身の時間基準に基づいた ところの、人工合成された状況に対比される。この有機的な状態信号間のタイミ ングは、三つのマイクロホンに対する元の音源の位置に依存するものである。こ のより近くにて誘導された情報は、人工合成で誘導された状態信号のそれよりも より自然のモデルに近くなる。 有機的な又は人工合成的の状況の何れにか対する制御、そこでの処理及びそこ からの状態信号の生成は、拡張された聴取経験を産み出す。 人工合成的又は有機的な状況における二つ又はそれ以上のマイクロホンにより 記録した音の全ての音源は、元の方向の手掛かりを含む。この発明の装置により 、動作された際には、元の方向の手掛かりの一部は、分離され、変形され、再構 成され、そして、状態信号の形で元のものに付加されて、全体を作り出すことに なる。その新たな全体は、部分的に原型(元のもの)であり、部分的に人工合成 されたものである。原型部分と人工合成部分との比の制御は、二つの動作モード : (1)比が一定である空間。人工合成は直接に原型に比例し、 そこで、エンハンスメントは、原情報がステレオブログラム材料に存在する量に 依存する。 (2)比が電気的に可変である自動空間。人工合成は原型に反比例し、そこ で、エンハンスメントは、プログラム材料によらずに一定の平均値で保持される 。 を介する操作者による指示の下にある。 ステレオ記録がモノラル音響的に再生されたとき、それは、もし全体的な音楽 的釣り合いが変化しないのであれば、互換性があると言える。ステレオ記録の次 元付けは、モノラル音響で再生されたときには、消えることになるが、しかし、 内部楽器的な釣り合いは、L+Rの(即ち左の音源プラス右の音源は、モノラル 音響音に結合されている、L=Rとも呼ばれる)ときは、安定して残る筈である 。 従来のステレオ放送の中では、モノラル音響又はL+R信号放送が左右の音源 について存在する総合的な情報を含まないので、互換性の問題が生じる。そのよ うに結合されるとき、それは、ベクトル的な釣り合いの中での類似性についての 情報しか含まない。その差の情報は、失われる。差の信号が、音源の音楽的な内 容についての識別性を、総和信号と同じくらいに含むようにすることも可能であ る。 差の情報は、左プラス右の結合の中で失われるので、方向性の要素は殆ど差の 信号からなる筈である。方向の情報は、モノラル音響再生の中では殆ど役に立た ず、その損失は音楽的な釣り合いに対し て意義を持たないであろう。従って、付加的な次元的又は空間的な生成要素は、 それらのL+R結合中の除去が元のステレオ音響生成中に設立された音楽的な釣 り合いを破壊しないように、導入されねばならない。 反位相の音像位置における状態信号の挿入は、ステレオモードの中では、増加 された空間的密度の発生とこれに対するエンハンスメントを産み出すが、しかし 、方向の情報が使用されないモノラルモード中では完全に失われる。内部楽器の 音楽的釣り合いを駄目にすることなく、モノラルモード中で失われてもよい情報 は、大きさ、場所、範囲及び雰囲気に関係する手掛かりを含むが、しかし、元の 音源情報を含まない。 これを達成するためには、方向の情報は、正にモノラル音響モードの中で失わ れた音源から排他的に得られ、即ち、左信号マイナス右信号である。 状態信号のレベルが、総合的なRMS差エネルギがその出力において総合的な RMS和エネルギを越さないようにするという条件下では、状態信号の人工合成 又は有機的なモデルの誘導の中にあっては、右信号から左信号を引くことと、そ れを反位相位置において再挿入することとは、何れも、モノラル・ステレオ互換 性を無効にしない。 本発明の理解を助けるために、本質的に要約の形式の中では、それは、状態信 号が、二つのスピーカ間で知覚される音の骨格が少なくともスピーカ間の面から 聴取者の方に伸びている開いた場となり 且つ聴取者の側に生じる境界の知覚を含むように、二つの空間を隔てて配置され たスピーカを通して、再生されるべき電気信号の中に提供され且つ導入されると ころの、ステレオ音像エンハンスメントシステムと装置とに向けられていると言 うことが出来る。その状態信号は、元の音源がほぼマイクによるのであれば、有 機的でもよし、又は、それは、左右のチャンネルのステレオ信号から引き出され てもよい。 ある態様では、本発明は、二つのチャンネルのステレオ音響信号が、その境界 音像面が聴取者の経験の中では聴取者にとって拡張された概念的な音像空間とい う結果になるように知覚される第3の音像点を産み出す、その中の信号と共に再 生されるところの自動立体音像エンハンスメントシステムと装置を提供する。 別の態様では、本発明は、ブログラム内容に関係なく所望の密度の状態信号を 、二つの空間を隔てて配置されるスピーカを通して再生される電気信号に導入す る自動装置を含む立体音像エンハンスメントシステムと装置を提供する。 モノラル音響又はステレオ音響の再生モードにおいて聴取された際、内部楽器 的な音楽的な釣り合いが安定する自動立体音像エンハンスメントシステムと装置 を提供することは、また別の目的である。 操作者が、エンハンスされた概念的な音像空間をもって所望の記録を達成する ようにシステムと装置を採用するに際し簡単に訓練され得る、モノラル音響的に 互換性のある自動立体音像エンハンスメントシステムと装置を提供することは、 また別の目的である。 本発明の新規であると信じられる特徴が、特に請求の範囲の中で、説明される 。本発明は、その動作機構と方法との両方について、その更なる目的と利点と一 緒に、添付図面に関連つけられた次の説明を参照することにより、最も良く理解 されるであろう。 図面の簡単な説明 図1は、二つの空間を隔てて配置されたスピーカに面する聴取者の斜視図であ り、内容の概略を示す。 図2は、スピーカへの信号に含まれる人工合成された状態信号を含む音の骨格 の知覚の図式的平面図である。 図3は、有機的な状態信号が、スピーカに供給される信号中へ導入されたとこ ろの知覚された開いた場の音の骨格の図式的平面図である。 図4は、状態信号中の各種の変化により影響された聴取者の立場から知覚した 開いた場の音の骨格の図式的平面図である。 図5は、有機的に状態信号を生成する音源とマイクロホンの配置の図式的平面 図である。 図6は、左右のチャンネル信号に有機的に導入された状態信号を結合する回路 の概略的な図式的な説明図である。 図7(a)及び図7(b)は、本発明に従う自動立体音像エンハンスメントシ ステムと装置の図式的な電気的説明図をなす。 図8は、その代わりとなる回路の図式的な電気的説明図である。 図9は、図8の装置の制御パネルの正面図である。 図10(a)と図10(b)は、発明のデジタル実施例のデジタル論理説明図 をなす。 図11は、図12(a)、12(b)、13(a)から13(f)、14(a )及び14(b)を参照して説明される本発明の実施例を収容するのに用いるこ とが出来る、操作棒ボックス、制御ボックス及び接続用データケーブル420の 正面図である。 図12(a)から12(d)は、知覚された音場の辺りの音を動かすために操 作棒が用いられるところの、発明の実施例の図式的な説明図をなす。 図13(a)から13(f)は、操作棒により生成され、回路構成に関係し、 図12(a)から12(d)の電圧が制御される増幅器に印加される制御出力の 、図による表現をなす。 図14(a)と14(b)は、図10(a)と10(b)のそれと類似してい るが図12(a)から12(d)の中のデジタル音プロセッサ450用に応用さ れているデジタル音処理論理説明図をなす。 図15は、家庭等で使用される形式の消費品質音響電気装置用に応用される本 発明の実施例の図式的説明図である。 図16は、回路が生成する空間的エンハンスメント量を制御する自動制御回路 を含む、消費品質音響電気装置用に応用される本発明の実施例のブロック図であ る。 図17Aと17Bは一緒になって、図16のブロック図に対応する図式的な図 をなす。 図18は、図15又は図16、17a及び17bの回路構成を履行する集積回 路を含む本発明の他の実施例のブロック図である。 図19は、図18の実施例に類似しているが、しかし多重入力が提供される他 の実施例のブロック図である。 テーブルの簡単な説明 テーブルAからFは、図13(a)から(f)に夫々図で表現されたデータを 説明する。 テーブルGからXは、追加のデータを説明する。 本発明の実施例の詳細な説明 図1は、音をモニタするためのスピーカーの一般的な配置を示す図である。レ コード産業においては、全ての製造段階において、サウンドが「モニタ」される 。サウンドは、製造が完了したとき、及び製品が市場に出回るときに「再生」さ れる。ここで、再生されるものが著作物である。本発明によるいくつかの実施例 が開示されている。いくつかの実施例が、サウンド製作の間に使用されることを 目的とし、他方、一つの実施例が、例えば家庭での、サウンド再生に使用される ことを目的としている。本発明による実施例は、図5及び6に示す第1実施例、 図7に示す第2実施例、図8に示す第3実施例202、図10(a)及び図10 (b)に示す第4実施例、図11、12(a)、12(b)、13(a)〜(f )、14(a)及び14(b)に示す第5の(プロフェッショナルスタジオ使用 の)好適実施例に示すシステム及び装置を備えている。これらの実施例は、レコ ード、コンパクトディスク、ミニディスク、カセット、モーションピクチャー、 ビデオ及び放送製作に使用され、人間、すなわちリスナーのサウンド認識を高め る(エンハンスする)。図15を参照して説明される他の第6実施例は、例えば 、家庭のステレオサウンド装置で使用される。 サウンド製作のためのサウンドモニタにおいて、2つのスピーカー12及び1 4は、エンクロージャーを有する好適な品質のものであり、所望の忠実度を実現 する。これらの2つのスピーカーは、横方向に間隔をあけて配置される。リスナ ー16は、これらのスピーカーと対面し、スピーカー12と14との間の線分を 二等分する垂直平面上にほぼ位置している。一般的に、リスナーは、スピーカー とともに、仮想線にて示す部屋に囲まれている。再生においては、2つのスピー カーを任意の品質のものとする事ができる。スピーカー及びリスナーの位置は、 比較的重要ではない。モニタ中は、多数の別々の要素が混合される。したがって 、モニタを行う場合には、一貫性を評価するための標準的なリスニングポジショ ンが必要とされる。一方、再生中は、全体的なサウンドを伴うものであり、任意 の一般的な位置から知覚できる。 本発明による装置のいくつかの実施例が製作装置として設計されているので、 スピーカー12及び14は、本発明によるサウンド製作エンハンスメント装置を 備えている電子システムから供給されるモニタとみなされる。電子システムを、 レコーディング又は放送用に設計されたステレオ2チャネル出力を有するプロフ ェッショナル仕様のレコーディングコンソール、マルチトラック又は2トラック のアナログ又はディジタルレコーディング装置とすることができる。音源を、ラ イブ活動、記録されたもの、又はこれらの組み合わせとすることができる。 図2は、(下方の曲線17及び26を除く)クローズドフィールドサウンドフ レーム(closed field sound frame)24として知覚されるものに包囲されてい るスビーカー12及び14を示している。当該クローズドフィールドサウンドフ レームは、通常のステレオ再生において一般的なものである。スピーカー12及 び14の振幅を変化させることによって、スピーカー間のサウンドフレーム24 内の任意の位置に明確な音像を位置づけることができる。合成調整信号が、逆位 相音像ポジション34に再挿入されると、3点12,14及び34間の振幅・時 間比17が明らかになる。逆位相点34が、 左ポイント12及び右ポイント14の出力に相互に依存するので、合成によって 自然なモデルに近づけられるが、決して完全に自然なものとすることはできない 。結果的に、オープンフィールドサウンドフレーム(open field sound frame) 26となり、リスナー16は、オープンフィールドを知覚する。 図3は、リスナー16によって知覚されるオープンフィールドサウンドフレー ム28を示している。当該オープンフィールドサウンドフレーム28は、図2に 示すように、調整信号が信号の一部としてスピーカー12及び14に供給される と、リスナー16によって知覚されるものであるが、その音源として、体系的な 場所を有している。空間的な情報密度は、図2の曲線17及び図3の曲線19に よって示されている。図3の場合、オリジナルの調整信号を生成する3点が、電 気的に相互に依存しているのではなく、音響的に相互に作用しているので、空間 情報密度がより多いことは明かであり、自然モデルをより近く表現している情報 が、リスナー16の耳−頭脳構造に供給される。 図4は、本発明によるステレオ音像エンハンスメント装置によってリスナー1 6が知覚する種々のファクターを示している。2つのスピーカー12及び14は 、同相信号が供給されると、クローズドフィールドサウンドフレーム24を生成 する。図に示す同相音像ポジション30は、スピーカー12及び14の総体的な 振幅を制御することによって、フレーム24内で左右に推移する。スピーカー1 2及び14は、左右の本来の音像を再生する。一般的なハードポイント音像32 は、スピーカー間の線上に位置している。その理由は、ハードポイント音像32 が、2つの実在のスピーカーによって再生 される本来の音像間の直線上に位置しているからである。上記のように、ハード ポイント音像源を、左右のスピーカー間で推移させることができる。 逆位相音像ポジション34は、スピーカー12及び14によって作り出され、 試験又は研究実演において、リスナー16の頭部の後方で音源位置34として知 覚される。通常の装置の動作状態において、音源34が独立して知覚されること はないが、一時的な融合によって、オープンフィールドサウンドフレームを知覚 するための手段となる。ポジション34は、知覚される音源ではあり、実在の音 源ではない。スピーカーがポジション34に位置しなければならない理由はない 。むしろ、逆位相音像ポジションと、スピーカー12及び14によって作られる 本来の音像の一方又は双方との間の関係を制御することによって、音像源を、本 来の音像の一方と、逆位相音像ポジション34との間の線上に位置決めできる。 逆位相音像ポジション34が、知覚される音源であり、本来の音源でないので、 逆位相音像ポジション34と、スピーカー12及び14との間の地点は、ソフト ポイント音像源と考えられる。このようなソフトポイント音像源を、図に36で 示す。オープンフィールドサウンドフレームは、このように作り出され、元の音 源に対する調整信号の位相に基づいて、実際の空間境界40,42,44又は4 6を知覚させる。最も近接するハードポイントからの、実際の空間境界40,4 2,44及び46が知覚される距離は、図5のディメンジョン制御設定及びスピ ーカー12並びに14間の距離に依存し、2〜30フィート(約1〜10メート ル)である。 図18は、本発明による第8実施例を示す略図であり、これは、 図15を参照して説明される実施例の変形例である。 図19は、本発明の第9実施例を示す略図であり、当該実施例は、第8実施例 と同様であるが、従来のレコーディングカウンセルを介するなどして、回路の入 力端子に接続されたパニングポット(panning pot)を備えている。第1実施例 図5は、記録又は増幅される音源を示す略図である。3つのマイクロフォンL ,R及びCを、図に示すように、音源の前方に配置する。L(左側の)マイクロ フォン及びR(右側の)マイクロフォンは、その左側及び右側側部において、音 源からほぼ等しい間隔をあけて配置されている。C(調整用の)マイクロフォン は、更に音源から間隔をあけて配置され、L及びRマイクロフォンからほぼ等し い間隔をあけて配置されている。 Cマイクロフォンからの信号は、その利得が調整され、その後、図6に示すよ うに、ステレオ信号L,Rと、(例えば、加算器Aにおいて)加算されるととも に、(例えば、減算器Sにおいて)減算される。最終的に処理された出力信号P L及びPRは、増幅され、スピーカー12及び14に供給されると、図3及び図 4を用いて説明した広がった音像を生成する。調整信号Cの利得を調整すること によって、広がりの量を容易に制御することができる。この実施例において、調 整信号Cは、体系的に、すなわち、調整信号Cは、図5に示すマイクロフォン配 列ピックアップによって生成され、図6に示すように接続される。従来の多くの ステレオレコーディングは、 図6のように接続され、位置Cにマイクロフォンを備えてはいなかった。このた め、上記のような効果を再現する簡単な方法はなかったと思われる。しかしなが ら、(1)音源がレコーディングスタジオ内で予めレコーディングされたテーブ から合成された場合、(2)サウンドが放送の場合、又は(3)予めレコーディ ングされたサウンドが家庭で受信若しくは再生された場合に、調整信号は、合成 的に生成され、左右のチャネル信号に供給される。調整信号は、マイクロフォン Cの位置が原因で、マイクロフォンL及びRからの信号と比較して、遅延され、 フィルタ処理されている。第2実施例 ここで、調整信号を合成的に生成する装置100の実施例を考える。左入力ラ イン48及び49と右入力ライン50及び51とは、音楽信号源から受信される 。この実施例に記載されているシステム及び装置10は、2チャネルレコーディ ングの前に調整信号を生成するシステムであり、プロフェッショナル用のオーデ ィオ研究装置である。このため、左右の入力48,49,50及び51を、ライ ブ音源、又はライブレコーディングによって製造されたマルチチャネルテープか らの合成による出力とすることができる。或いは、これを、コンピュータによる 音源又はこれらの合成とすることもできる。装置48,49,50及び51の入 力信号は、レコーディングコンソールの4トラックバスの出力を供給する。レコ ーディングコンソールにおける各ポジションは、4トラックバスの各それぞれの バスに、特定のポジションを示す可変の又は「パニングされた(panned)」信号 を供給できる。4トラックバスの2つのチャネル49及び51は、ステレオ又は 4チャネルステレオの前方の左右の入力 として使用されるものである。他の2つのチャネル48及び50は、4チャネル ステレオの後方の左右の入力として使用される。一般的に、現行のレコーディン グコンソールの各ポジション又は入力は、パニング制御を有し、入力信号のサウ ンドを、4トラックバスを介して、左、右、前方又は後方の間に位置決めする。 レコーディングコンソールは、4つの独立の出力信号として4トラックバスに組 み込まれた所定数の入力又はポジションを備えている。左前方の4トラックバス チャネルは、装置入力49を供給し、右前方の4トラックバスチャネルは、装置 入力51を供給し、左後方の4トラックバスチャネルは、装置入力48を供給し 、右後方の4トラックバスチャネルは、装置入力50を供給する。図7の装置に 4トラックチャネルを使用せずに、ステレオバスと2つの有効なバスとを使用す ることもできる。(処理されない)左前方の入力49は、増幅器52に接続され る。(処理される)左後方の入力48は、増幅器54に接続される。(処理され る)右後方の入力50は、増幅器56に接続される。(処理されない)右前方の 入力51は、増幅器58に接続される。増幅器52及び58の出力は、それぞれ 加算器60及び62に接続され、増幅器52及び58がエンハンスメントシステ ム100を効果的にバイパスできるようにしている。4トラックバスを使用する ことによって、装置が、その機能を、ライブセッションの各入力又は記録された マルチトラック情報の各トラックに別々に供給できるようにしている。このこと は、製作において、オペレータ/エンジニアが、全体の空間密度を設定するので はなく、各トラックの空間密度を設定できることを示している。この付加的な自 由度は、本装置において固有のものであり、製作装置として他と異なるところで ある。 ライン68及び70における、増幅された左信号及び右信号は、共に加算増幅 器72及び差動増幅器74に接続される。このため、ライン76の出力は、L( 左信号)+R(右信号)となるが、増幅器72は、出力信号を反転するように機 能し、その出力は、−(L+R)となる。ライン76及び78における、これら の加算信号76及び差分信号78は、加算器60で互いに加算されて、調整信号 CLを有する左チャネルのプログラムを出力する。当該調整信号CLは、付加的 な空間効果を左チャネルに与える。ライン78の信号は、インバータ80に供給 され、ライン82に、(L−R)信号を生成する。ライン76及び82は、加算 器62に接続され、その出力ライン84に、調整信号CRを有する右チャネルの プログラムを供給する。加算器60からの出力ライン79は、左出力用の平衡出 力増幅器86及び88に接続され、加算器62からの出力ライン84は、右出力 用の平衡出力増幅器90及び92に接続される。これらの出力増幅器は、左側の 一対及び右側の一対として動作する差動増幅器であることが好ましい。各対の一 方を逆極性として動作させ、他方を平衡ライン出力として動作させる。 調整信号CL及びCRは、図6の調整信号Cと同様のものであり、合成して生 成される。また、これらは、ある程度異なる周波数のフィルタ処理を備え、後方 の音像、特に逆位相ポジション34(図4)を広げる傾向にある。調整信号CL 及びCRは、差動増幅器74の出力であるライン78における差信号−(L−R )から得られる。ライン78の差信号は、ハイパスフィルタ94に供給される。 当該ハイパスフィルタ94の勾配は、18デシベル/オクターブであり、そのカ ットオフ周波数は、約300HZであり、低周波数において、くし形効果を防ぐ ことができる。フィルタ処理された信号は、必ず しも必要ではないが、ディレイ回路96に接続され、手動制御回路98からの手 動入力によって調整・選択可能である。これを、「ディメンジョン制御」と称す る。ディレイ回路96の出力は、電圧制御増幅器(VCA)102に供給され、 レベル制御を行う。電圧制御増幅器102を制御するライン104の直流制御電 圧が、マニュアルモードの場合、ポテンショメータ106によって供給され、自 動モードの場合には、以下に記述する制御回路によって供給される。ポテンショ メータ106は、直流電源107から分圧された直流電圧を供給する。当該ポテ ンショメータ106は、「空間制御(Space Control)」として機能し、リスナ ーによって知覚されるサウンドの広がりの量を制御する。すなわち、ポテンショ メータ106は、左チャネル信号及び右チャネル信号から加算及び減算された調 整信号の量を制御する。 ライン108における電圧制御増幅器102からの出力信号は、左イコライザ 110及び右イコライザ112に接続されることが好ましく、左側チャネル及び 右側チャネルについてそれぞれ適切に等価及び位相整合を行い、後方の音像を広 げる。図に示すイコライザ110及び112は、共振タイプであり(任意の種類 のイコライザを使用できる)、約1.5キロヘルツのイコライザ110の左側チ ャネル中間周波数、及び約3キロヘルツのイコライザ112の右側チャネル中間 周波数において、2dBの中間帯域ブーストを有している。等価回路を介して、 左側調整信号−CLがライン114に生じ、右側調整信号−CRがライン116 に生じる。左側調整信号−CLは、加算器60で加算される。ライン116の右 側調整信号は、インバータ80に接続される。ここで、調整信号−CRは、差信 号−(L−R)に加えられる。この加算が、加算信号に加えられ、ラ イン84において[右信号]−[右調整信号]となり、ライン79において[左 信号]+[左調整信号]となる。 参照番号118で示す自動制御回路は、ライン79及び84の信号をモニタし 、調整信号の量を調整し、前記出力に接続されたX−Yオシロスコープ上に生じ るリサージュ図形を比較的一定に保持する。当該リサージュ図形は、2つの出力 がオシロスコープのスウィープ及び振幅ドライブに接続される場合に、オシロス コープのCRTに表示される図形である。リサージュ図形が完全に円形の場合に は、2つの出力の和及び差のエネルギー比は、ほぼ等しい(望ましい特性である 。)。ライン84及び79は、それぞれ差動増幅器120及び加算増幅器122 の入力端子に接続される。その出力は、それぞれ整流され、整流器124及び1 26がライン128及び130に整流信号を供給する。このため、ライン128 及び130の信号は、それぞれ、減算器120及び加算器122からの、装置出 力の和及び差信号の全波整流である。 ライン128及び130は、上昇及び下降衝撃を調整可能なフィルタ132及 び134に接続される。選択スイッチ136は、ライン104における電圧制御 増幅器102の制御電圧の手動制御と自動制御とを選択する。図7(a)に、選 択スイッチ136が手動ポジションの場合を示す。空間拡張制御用のポテンショ メータ106を使用することについては前述した。図7(a)には、選択スイッ チ136によって制御されるいくつかのスイッチを示している。空間制御スイッ チが、他方の自動ポジションに切り替えられると、ライン138及び140にお けるフィルタ132及び134の出力は、それぞれ制御されて、電圧制御増幅器 102の制御に使用される。 空間制御用選択スイッチ136が自動ポジションの場合、エラー増幅器142 はゲート144に接続され、ライン104の電圧を制御する。エラー増幅器14 2は、ライン138からの直接の入力信号と、スイッチセグメント146及びラ イン148を介してのライン140からの入力信号とを有している。ライン14 0におけるフィルタ処理された加算信号は、スペース拡張ポテンショメータ10 6に接続され、これを使用し、エラー増幅器142への出力加算情報のレベルを 低減し、エラー増幅器142の和/差比を小さくする。 比較器150は、ライン138及び140におけるフィルタ処理された和情報 及び差情報を受信する。比較器150は、空間制御選択スイッチ136が自動モ ードであり、モノラル信号が入力48及び50に存在する場合に、出力信号をゲ ートライン152に供給する。このことは、例えば、音楽と音楽との間にアナウ ンサーが話しをする場合に行われる。比較器150がモノラルを検知すると、ゲ ートライン152は、ゲート144をオフし、電圧制御増幅器102を停止させ 、調整信号を停止させる。このことは、ランダムな位相及び振幅の変化による、 ステレオノイズの過剰な増加を避けるために行われ、入力プログラムのバランス が完全にとられる。自動制御回路118は、望ましくない雑音と、異なる情報を 含む所望のプログラムとを区別することはできない。従って、ライン138及び 140における和情報と差情報との閾値比を、比較器150へのポテンショメー タ入力の制御によって設定する。このため、比較器150及びゲート144は、 誤った空間情報を調整信号に加えてしまうことを避けることができる。これは、 現実には、2つのチャネルのノイズの差に応答する。このようにして、比較器1 50は、和情 報と差情報との間の特定の閾値比を必要とし、この閾値比によって、ゲート14 4をオン・オフする。 クリッピング回路153(図7(a)の中央左側参照)は、システムがほとん どクリッピング状態にある場合に第1の信号を供給し、クリッピングが存在する 場合に第2の信号を供給する。「クリッピング」とは、回路の電源電圧の静的限 界によって制限されるプログラムの動的ピークによって生じる歪の急速な増加の ことである。増幅器52及び58の入力信号であるライン154及び156は、 ライン68、70、79及び84と接続される。これらは、それぞれ、ダイオー ドを介してバス158に接続される。バス158は、抵抗を介して、比較器16 2の入力端子160に接続される。負の定電圧源は、他の抵抗を介して入力端子 160に接続され、比較器162は、アースされる。2つの抵抗を調整すること によって、比較器162は、バス158が所定の値に到達すると、入力信号が供 給される。当該所定の値に到達すると、シグナルライト等の出力信号164が起 動される。同様に、バス158は、抵抗を介して、比較器168の入力端子16 6に接続される。負の電圧源が、他の抵抗を介して、入力端子166に接続され る。クリッピングが発生するときに、比較器168に入力信号が供給されるよう に、抵抗値を調節する。ラッチ回路170は、クリッピングが発生するときに起 動され、2つのシグナルライト172及び174を点灯させる。これらのライト は、リセット176されるまで点灯したままである。 V字形の溝のステレオレコードをカッティングする際、差信号によって垂直方 向の動きが生じる。垂直方向の動きは、再生中の探知が最も困難である。従って 、一般的には、横方向の動きに比して過 大な垂直方向の動きを生じさせる大電流は除去される。このことは、カッティン グ機能の飽和と考えられる。飽和点を越えないことが、適切なディスクカッティ ングにおいて極めて重要なことである。FM放送においても、同様の制約がある 。その理由は、差信号がL+R信号よりも小さく保持されることが、公的な規則 によって要求されているからである。検出回路178を、図7(b)の下方右隅 に示す。ライン130及び128における整流された和信号及び差信号は、ピー クフォロワ(peak follower)180及び182に接続される。ピークフォロワ 180及び182によって発生するピークは、比較器184及び186に接続さ れる。比較器184は、(±3デシベルの範囲内で)差ピークの包絡線が和ピー クの包絡線よりも大きくなった場合に常に、出力パルスを供給する。種々の適用 例において、ピークフォロワ180及び182の出力値を制御することによって 、±6デシベルの範囲内で調整することができる。比較器186は、和/差ピー ク比が比較増幅器184のトリガポイントの約±2デシベルに到達すると出力信 号を供給し、L−R過負荷に到達したことの視覚的な警告として、図7(b)に 示すように、フロントパネルのシグナルライト188を点灯させる。このことは 、ポテンショメータで比較器186をアースし、和包絡線のレベルを約2デシベ ルだけ低くすることによって達成される。比較増幅器184の出力は、ラッチ回 路190に供給され、ライト195を点灯させ、スイッチ192によってリセッ トされるまで点灯させている。ラッチ回路は、起動されると、パネルライト19 6及び197を点灯させる駆動回路194を起動し、所定時間経過後、聞こえる アラーム198を鳴らす。同時に、駆動回路194は、ライン199を付勢し、 ゲート144をオフし、調整信号を制御する増幅器102への信号供給を抑制す る。ゲート144を起動することによって、 ライン108から調整信号を除去し、通常のステレオ信号を回路に供給できる。第3実施例 本発明によるシステム及び装置の第3実施例を図8に示し、これを参照番号2 00にて示す。図7(a)及び(b)のシステム及び装置に関して既に述べた理 由により、左フロント(前方)の4トラックバスチャネルは、処理されない入力 49を供給し、増幅器204に接続され;左リア(後方)の4トラックバスチャ ネルは、処理される入力49を供給し、増幅器206に接続され;右リア(後方 )の4トラックバスチャネルは、処理される入力50を供給し、増幅器212に 接続され;左フロント(前方)の4トラックバスチャネルは、処理されない入力 51を供給し、増幅器214に接続される。増幅器204,206,212及び 214は、それぞれ反転を行い、それぞれライン208,210,216及び2 18に信号を供給する。ライン208及び210は、共に加算増幅器220に接 続され、ライン216及び218は、共に加算増幅器222に接続される。ライ ン210及び216は、−L信号及び−R信号を搬送する。 調整信号CR及び−CLは、差動増幅器224をライン210及び216に接 続することによって得られる。最終的な差信号である−(R−L)は、図7(a )のフィルタ94と同様に、ハイパスフィルタ226でフィルタ処理され、ディ レイ回路228のディレイ時間を選択する。ディレイ時間は、図9に関して説明 するように、フロントパネルから制御される。ディレイ回路228の出力信号は 、電圧制御増幅器230に供給され、当該電圧制御増幅器230は、 ライン232において、信号−Cを出力する。当該出力信号−Cは、非反転イコ ライザ234及び反転イコライザ236に供給される。これらのイコライザは、 それぞれ、調整信号−CL及び+CRを出力し、これらの信号−CL及び+CR は、反転加算増幅器220及び222に接続される。左側調整信号−CLは、増 幅器220において、(反転されて、)オリジナルの左側信号と加算され、L+ CL’を生成する。一方、右側調整信号+CRは、反転増幅器222において、 オリジナルの右側信号から減算され、R−CRを生成する。図7(b)の増幅器 86〜92に関して説明した方法で、ライン238及び240における増幅器2 20及び222の各出力は、平衡左側増幅器242及び244と、平衡右側増幅 器246及び248とにそれぞれ接続されることが好ましい。図8の回路の種々 のポイントを、図7(b)と同様の方法で、クリッピング及びL−R過負荷警告 回路153及び178に接続できると有利である。代案として、電圧制御増幅器 (VCA)230を、ポテンショメータ106及び電源107などの、ポテンシ ョメータと直流電源の組み合わせによって、手動で制御できる。図7(a)、7 (b)及び8のシステムの2つの実施例の相違点は、左右のオリジナルの信号が 、供給されることにある。図7(a)及び(b)において、左右の信号は加算及 び減算される。その後、和及び差情報は、再び加算及び減算され、左右のオリジ ナル信号を再び構成する。図8に回路において、左右のオリジナルの信号は、互 いに混合されない。これらは、互いに入力から出力に至るまで独立のままである 。 このエンハンスメントシステムに、自己制御構造を設け、自動にすることがで き、システム及び装置を連続的に調整しないで、ステレオ音像エンハンスメント を実現することができる。これらの代わ りに、望ましいのであれば、手動制御を使用することもできる。 図7(a)、(b)及び8に示す詳細な回路を参照して説明したように、本発 明の上記説明は、基本的にアナログであり、回路の種々の構成素子は、アナログ デバイス、又はアナログ若しくはディジタルとなり得るデバイスのいづれかであ る。例えば、ディレイラインデバイス96(図7(a))及び288(図8)は 、アナログ構成素子を使用するのではなく、ディジタル構成素子を使用すること によって具体化できる。このため、アナログ−ディジタルコンバータを、線形デ ィジタルディレイライン96、228の直前に使用し、その出力を、ディジタル −アナログコンバータを使用して変換することもできる。 代案として、プロフェッショナル仕様の設備の場合には、以下の実施例から明 らかなとおり、本発明をディジタルで実現することが実際的である。第4実施例 図10(a)及び(b)において、本発明によるディジタルの実施例における ディジタル論理図を示す。これは、概念的には、図7(a)及び(b)のアナロ グ又は多くの場合アナログの実施例と同様である。図10(a)及び(b)にお いて、データ伝送ラインは実線にて示し、制御ラインは破線にて示す。 左右のオーディオチャネル情報が、多重ディジタルフォーマットで入力端子3 02に供給される。クロック情報も、入力端子304 で、フォーマッタ(formatter)306に供給される。当該フォーマッタ306 は、左チャネル情報を右チャネル情報から分離する。フォーマッタ306が、種 々の多重化同期スキーマ(scheme)で供給されるディジタルデータをデマルチプ レクサすることが好ましい。例えば、第1のスキーマを、AES−EBU,S− PDIF入力用のクリスタル半導体モデルCS8402チップを介してデータが 伝送されるものとし、第2のスキーマを、クリスタル半導体モデルCS5328 チップ等のアナログディジタルコンバータからディジタルデータが供給されるも のと仮定する。入出力モード入力305は、図10(a)及び(b)に示す回路 チップの上流及び下流で必要とされる非多重化及び多重化のフロントエンドでフ ォーマッタ306に通知し、リアエンドでフォーマッタ370に通知することが 好ましい。当業者は、他の多重化及び非多重化スキーマを使用すること、又は左 右のチャネルデータをパラレルに、すなわち非多重化データパスで伝送すること もできる。 左チャネルディジタルオーディオデータは、ライン308で伝送され、右チャ ネルディジタルオーディオデータは、ライン309で伝送される。このデータは 、減算器324で、互いに減算され、R−Lデータを生成する。R−Lデータは 、スイッチ329に供給され、ハイパスフィルタ326及びローパスフィルタ3 27を介してフィルタ処理され、デバイス328でディジタル時間遅延を発生さ せる。信号は、好ましくは中心周波数500Hzで、その両側の勾配が6デシベ ル/オクターブの狭帯域通過型のフィルタ310によってフィルタ処理される。 アナログの実施例において、独立のフィルタとして、フィルタ326,327及 び310を示していることは、当業者にとって明らかである。ディジタルの実施 例において、 フィルタ326,327及び310の機能は、ディジタル信号プロセッサで実現 されることが好ましく、ディレイ回路328とともに、他のシーケンスで実行さ れ、その機能は、設計変更の問題として組み合わされる。必要であれば、フィル タ326及び327を除去することもできる。 スイッチ329は、C−モード制御303によって制御される。当該C−モー ド制御303は、そのC−モードポジションにおいて、図10(a)及び(b) に示すスイッチ329のポジションを効果的に制御する。すなわち、この場合、 フィルタ326,327並びに310、及びタイムディレイ328は、バイパス される。装置を、コンサート又は演劇などの生の音源に使用し、Cマイクロフォ ン入力源(図5及び6)を利用可能で、C信号をその後合成して生成する必要の ない場合、C−モードが使用されることが好ましい。例えば、本発明を、マルチ トラックテープデッキから、録音された演奏を生成するのに使用する場合、R− Lデータをフィルタ処理し、時間的に遅延させ、調整信号Cを生成することが好 ましい。 スイッチ329の出力は、可変利得ディジタル回路330に供給される。当該 可変利得ディジタル回路330は、機能的には、図7(b)に示す電圧制御増幅 器102と同様である。必要ならば、ミュート(mute)制御入力を使用して、利 得制御回路330における利得を急速に低減させることができる。可変利得ディ ジタル回路330の出力は、加算器320及び減算器332に供給され、ライン 379において、制御信号Cに左オーディオデータが加算され、ライン384に おいて、右オーディオデータから制御信号Cが減算される。その後、このデータ は、フォーマッタ370で多重化され、 シリアル出力端子390においてディジタル形式で出力される。 例えば、ビットをシフトすることによってディジタル領域で比較的容易に実現 される可変利得回路330を、図7(b)の電圧制御増幅器102と全く同様に 、手動ソース又は自動ソースから制御される。図10(b)に示すスイッチ36 7の手動ポジションにおいて、可変利得回路330は、「空間制御」入力362 によって制御される。当該「空間制御」入力362は、概念的には、図7(a) に示す空間制御ポテンショメータ106及び図6に示すポテンショメータと同様 である。スイッチ367の自動ポジションにおいて、回路330の利得は、図7 (a)及び(b)と全く同様の方法で、自動的に制御される。図10(a)及び (b)において、ライン379及び384のデータは、加算器342で加算され るとともに、減算器340で減算される。出力は、それぞれ、ハイパスフィルタ 346及び344に供給され、当該出力は、それぞれ2乗平均平方根(RMS)検 出器350及び348にそれぞれ供給される。検出器348は、ログ(log)差 動信号を出力し、検出器350は、ログ和信号を出力する。検出器348からの ログ差動信号値は、自動モードにおいて、加算器352で「スペースイン(Spac e In)」入力362によって制御され、「スペースイン」値が、ログ差検出器の 出力を補う。すなわち、 (1)差値が、和値よりも12デシベル小さい場合には00、 (2)差値が、和値と等しい場合には80、そして (3)差値が、和値よりも12デシベル大きい場合にはFF で補う。 加算器352の出力及び検出器350からのログ和出力は、比較 器354に供給される。当該比較器354は、概念的には図7(a)の比較器1 50と同様である。比較器354の出力は、速度リミッタ356に供給される。 当該速度リミッタ356は、比較器354によって約8デシベル/秒に制限され る回路330の利得の変化速度を制限することが好ましい。 離散型ディジタル回路として構成する代わりに、図10(a)及び(b)に示 す回路を、既知の方法によりモトローラ製のモデルDSP 56001チップ等 のディジタル信号プロセッサチップをプログラムすることによって実現されるこ とが好ましい。 自動制御回路378も、図10(a)及び(b)に示す。スイッチ367が自 動ポジションに位置する場合、自動制御回路378は、左右の再生信号に元々存 在する空間的な要素の量に基づき、本発明によって付加される空間的な効果の量 を効果的に制御する。すなわち、回路に入力される左右のオーディオデータが既 に高い空間的な効果を有している場合、本発明によって付加される空間的な効果 の量は、入力される要素に元々含まれている空間的効果の情報が少ない場合より も少ない。制御回路378は、L−R信号の包絡線を、L+Rの包絡線よりも低 く保持するように作用する。このことは、アメリカ合衆国におけるFCC等の政 府機関が、放送用L−R信号がL+R信号以下であることをしばしば好む場合、 FM及びテレビ放送にとって重要である。このため、回路によって付加される空 間的な効果が、所定の手動入力を行う必要なく、自動的に制御される場合、図1 0(a)及び(b)との関連で開示されている本発明の実施例は、放送業界との 関係で特に有効である。又、本発明は完全なモノラル互換性を有する。すなわち 、本発明を、無線FM放送又 はテレビジョンサウンドFM放送で空間効果を高めるのに使用する場合、ステレ オ復号化回路を備えていないこれらの受信機は、本発明によってL−R信号に付 加される空間的効果が放送されるので、L+R信号を再生しても何の望ましくな い効果も発生させない。 ライン312におけるR/L等化は、フィルタによって供給されるブーストの 量を制御する。このブーストは、現在のところ、0〜+8デシベルに設定されて おり、更に好ましくは、+4デシベルに設定される。フィルタ310の中間周波 数は、500Hzに設定されることが好ましいが、フィルタ310の中心周波数 を、300Hzから3kHzの範囲とした。 タイムディレイ328へのワープイン(WARP In)入力は、遅延時間を調整す る。遅延時間は、オーディオ再生の場合にはゼロ、放送の場合には1.0ミリ秒 、機械的なレコードカッティングの場合には4〜6ミリ秒、映画製作の場合には 8ミリ秒に設定されることが好ましい。第5実施例 本発明による自動モードバージョンは、放送の場合に極めて有効であるが、本 発明の手動動作は、レコーディング産業、及び劇場、コンサートなどの、すなわ ち大規模多重チャネルサウンドミキシングパネルが現在使用されているこれらの 適用例の場合に極めて重要である。このようなオーディオ設備は、一般的に、そ れぞれ本質的にモノラルの相当数のオーディオ入力及びオーディオチャネルを有 している。サウンドレコーディングエンジニアは、各チャネルのレ ベルを制御するのみならず、従来の技術においては、パンコントロール(pan co ntrol)を使用し、サウンドボードに供給されるモノラル信号のどの程度の量が 左チャネルに送られ、またどの程度の量が右チャネルに送られるのかを制御する 。更に、エンジニアは、4トラックバスオーディオボードにおいて、リア(後方 )左チャネル及びリア右チャネルに供給される信号量を制御することができる。 再び図4に戻り、従来のパンコントロールによれば、音源のポイント音像32 は、パンコントロールのポジションに基づき、左右のスピーカー12及び14の 間の線上の任意の地点に位置決めされる。この単純な理由により、40年前のモ ノラルレコーディングを経て、ステレオレコーディングが飛躍的に改善された。 しかしながら、思うに、音像点を任意の場所に移動させることができるならば、 すなわち、2つのスピーカー間のみならず、左スピーカーの左側若しくは右スピ ーカーの右側、図4に示す(ポイント36などの)前景ポジション、図4に示す 逆位相音像ポジション34などのリスナー後方のポイントへさえも、音像点を移 動させることができるならば、更に大きな効果がリスナーに与えられる。本発明 は、オーディオエンジニアに、このような機能を提供するものである。4トラッ クデッキ等のように2つのパンコントロールを使用する代わりに、オーディオエ ンジニアは、ジョイスティックを使用し、これを用いて、左右及び前方後方へ同 時に音像を移動させることができる。ジョイスティックは、オーディオレコーデ ィングセッション、劇又はコンサートの製作の間、所定のポジションに保持され る。或いは、その代わりに、ジョイスティックのポジションを、このようなレコ ーディングセッション又は演奏の間に、変化させることもできる。すなわち、音 像ポジションを、リスナー16に対して、左側、右側、前 方及び後方へ、必要に応じて移動させることができる。必要ならば、ジョイステ ィックの効果的なポジションを、ミディー(MIDI)インターフェイスによって制 御することができる。 初期のオーディオレコーディング及びミキシング産業において、本発明は、慣 用のオーディオミキシングボードとともに使用される加算(add-on)デバイスと して、一まとめにされる傾向にある。しかしながら、将来的には、本発明は、オ ーディオミキシングボードそれ自体に適用され、(上記の)ジョイスティック制 御は、現在のオーディオミキシングボード技術の線形パンコントロールに代わる ものである。 図11は、今日知られている慣用のオーディオミキシングボードと共に使用さ れる本発明を適用するオーディオコンポーネントの外観構成を示している。図1 1に示すように、当該装置は、24個のモノラル入力、及びそれぞれの入力のた めの24個のジョイスティックを備えている。当該設備は、制御ボックス400 と、データライン420によって制御ボックス400に接続される多数のジョイ スティックボックス410と、を備えている。(図11に示す)ジョイスティッ ク410は、これに関連する8個のジョイスティックを備え、他のジョイスティ ック410とディジーチェイン(daisy-chained)し、データケーブル420に よって制御ボックス400とシリアルに接続されている。ジョイスティックボッ クス410内に8個のジョイスティックを設ける代わりに、ジョイスティックボ ックス410が、各チャネル用の24個すべてのジョイスティックを備えること もできる。更に、ジョイスティック及びチャネル数を、設計に応じて変更するこ ともできる。現在のところ、図に示すよう に、1つのジョイスティックボックス410内に8個のジョイスティックを設け ることが好ましい。しかしながら、将来的には、本発明はオーディオコンソール 自体に適用されると思われる。ここでは、ジョイスティックは、現行のオーディ オコンソールに設けられているパニングコントロールに代わるものである。 本発明による当該実施例は、エンハンスメント処理された左右の出力430及 び432を有している。ここで、全ての入力は、各ジョイスティックのポジショ ンに従って、左側、右側、前方及び後方へ処理される。これらの出力は、制御ボ ックス400に示されている。未処理出力も、ダイレクト左出力434、ダイレ クト右出力436、ダイレクト前方出力438及びダイレクト後方出力440の 形態で出力されることが好ましい。これらのダイレクト出力は、ミキシングパネ ルが制御ボックスの下流で使用される場合、及び必要ならば、オーディオエンジ ニアがその後処理された左及び/又は右出力を未処理出力とミキシングする場合 に有効である。 図12(a)〜(d)は、ジョイスティックを使用できるように特に構成され た本発明を示す略図である。次に、図12(a)〜(d)において、24個の入 力を、参照番号405−1〜405−24で示す。各入力405は、それぞれ入 力405と関連する入力制御回路404に接続される。この実施例では、24個 の入力405を設けているので、24個の入力制御回路404−1〜404−2 4を設ける。しかし、ただ一つの入力制御回路、すなわち404−1のみを詳細 に図示する。他の入力制御回路、すなわち404−2〜404−24も、404 −1と同様に設計されていることは明らかである。入力制御回路404は、その 関連するジョイスティッ クのポジションに応答し、入力端子405における入力信号をバス408に分配 する。各ジョイスティックは、ジョイスティックのポジションを示す慣用のX及 びY直流電圧信号を供給する。当該信号は、ディジタルデータに変換される。当 該データは、6個のルックアップテーブルにアドレスするのに使用される。当該 ルックアップテーブルは、入力回路404を備えている電圧制御増幅器(VCA )407のそれぞれと関連している。ジョイスティックの特定のX及びY座標に 対するルックアップテーブルの値は、その関連する電圧制御増幅器407の利得 を示している。ルックアップテーブルのディジタル出力は、関連する電圧制御増 幅器407のためのアナログ信号に変換される。各電圧制御増幅器407の利得 は、アナログ制御電圧信号の値に依存し、単位値とゼロとの間である。このため 、例えば、入力端子405−1における入力である信号の0パーセント〜100 パーセントが、ジョイスティック415−1のポジションに基づき、バス408 を形成する種々のラインに供給される。同様に、入力端子405−2の入力は、 ジョイスティック415−2のポジションに基づき、バス408を構成する種々 のライン間で分配される。他の入力及び他のジョイスティックについても同様で ある。また、信号の分配も、スイッチ409のポジションによって、ある程度制 御される。当該スイッチ409の機能は、以下で説明する。 ルックアップテーブルの好適値を、テーブルG−Xに一覧表にして示す。テー ブルG−Xのデータは、ジョイスティックのポジションをX軸方向5ビット及び Y軸方向5ビットに分解した場合、電圧制御増幅器407L、407F、407 R、407BL、407M及び407BRの動作に相当する。このようにして、 ジョイスティ ックのポジションは、X軸方向に沿って32ポジションの中の1ポジション、及 びY軸方向に沿って32ポジションの中の1ポジションに分析される。従って、 各テーブルは、ジョイスティックの存在し得るポジションに相当する32×32 のエントリーを有している。実際、X及びYポジションの情報は、より正確に( 例えば、320×320に)分析されることが好ましく、これらのデータは、テ ーブルに示すデータ点間のこれらのX及びY座標ポジションに内挿される。この データを用いて、ジョイスティックは、ジョイスティックを対応するポジション に移動させることによって、音源を前方、後方、右側又は左側に移動させること ができる。テーブルA〜Fのデータ及び図13(a)〜(f)に図式的に示され ているデータは、概念的に同様のものであり、最も左側のポジション及び最も右 側のポジションは、ジョイスティックの左象限及び右象限内に存在する。これら のテーブル及び図面は、バス408を構成する種々のラインに供給される入力端 子405における信号入力のパーセンテージを示している。バス408において 、種々の入力回路404からの各バスラインにおける種々の信号は、互いに加算 される。テーブルG−Xは、ジョイスティック415が左、右、前方及び後方へ 移動する際のジョイスティック415の種々のポジションにおけるパーセンテー ジを示している。電圧制御増幅器407Lと関連するテーブルGは、関連するジ ョイスティックが最も左側で且つ最も前方に移動する際に、電圧制御増幅器40 7Lが、入力された信号の100パーセントを出力することを示している。電圧 制御増幅器407Lから出力された信号は、ジョイスティックが最も右側で且つ 最も後方へ移動すると、入力された信号の20パーセント以下に降下する。ジョ イスティックの他のポジションでは、電圧制御増幅器407Lは、405におけ る入力信号のテーブルに示されているパーセンテ ージを出力する。 電圧制御増幅器407Lは、制御電圧入力VCX−Lを受信し、バス408L に供給される405における入力信号の量を制御する。同様に、電圧制御増幅器 407Rは、ライン408Rに供給される405における入力信号の量を制御す る。電圧制御増幅器407F,407R等についても同様である。他の入力回路 404−2〜404−24における電圧制御増幅器407も、同様に、バス40 8に接続される。このため、電圧制御増幅器407によって供給される電流は、 前記バス構造で加算される。この為、種々の入力信号405−1〜405−24 は、415−1〜415−24の各ジョイスティックのポジションに基づき、バ ス408の好適なラインに供給される。バス408を構成するラインの信号は、 その後、加算増幅器409によって電圧に変換される。これらの加算増幅器の各 々は、これらが結合されるバスラインに対応する添字によって識別される。加算 増幅器409L,409R及び409Fの出力は、4つのダイレクト出力の中の 3つのダイレクト出力434,436及び438に、それぞれ直接供給される。 ダイレクトバック出力440は、加算増幅器409CDL,409CDR,40 9EL及び409ERの出力信号を加算したものである。 テーブルG−Xは、本発明を映画製作に使用した場合に好適である。 詳細な説明を行う前に、説明を容易に理解できるようにするために、用語の説 明、特にこの説明において使用されている添字の説明を行う。文字「L」は、左 (Left)チャネルを意味し、文字「R」 は、右(Right)チャネルを意味し、文字「F」は、前方(Front)を意味し、文 字「M」は、モノラル互換性(mono-compatibility)を意味している。文字「B L」は、左側後方(back left)を意味し、文字「BR」は、右側後方(back ri ght)を意味している。一例として、L,R,F,BL及びBRに対するサウン ドが知覚される位置を図2に示す。文字「C」は、図10(a)及び(b)を参 照して簡単に説明したCモード動作を意味している。ここに記載されている本発 明の実施例には、Dモード動作及びEモード動作もある。各入力端子405のモ ードは、コントローラ410によって制御される。例えば、図11を参照すると 、ここでは、各ジョイスティック415に、モードスイッチ411を設けている 。当該モードスイッチ411は、反復的に押されて、モードCから、モードD、 モードEL、モードERに変化し、その後、モードCに戻る。モードC及びDに おいて、スイッチ409L及び409Rは、図12(C)に示すポジションとな る。モードELの場合、スイッチ409Lは、ポジションを変更する。また、モ ードERの場合、スイッチ409Rは、ポジションを変更する。図11の発光ダ イオード(LED)412L及び412Rは、各チャネル毎のコントローラのモー ドを報告する。例えば、発光ダイオード412L及び412Rは、モードCにお いて共に黄褐色、モードDにおいて共に緑色とすることができる。また、モード ELにおいて、左側発光ダイオード(412L)が赤色であり、右側発光ダイオ ード(412R)はオフとすることが好ましい。更に、モードERの場合には、 これらの規約を逆にすることが好ましい。 モードCは、インストゥルメント、グループ、アンサンブル、合唱団、音響効 果及び自然音のための、ライブマイクロフォン配列の レコーディングに使用されることが好ましい。ここで、マイクロフォンの配列は 、図5に示す位置に位置決めされる。モードDは、ディレクショナル(Directio nal)モードであり、例えば図4に示すように、モノラル音源を、リスナーの知 覚する音像空間内の任意の所望の位置に配置する。モードDは、マルチトラック ミキシング、コマーシャル番組の作成、対話及び音響効果、更にはコンサートの 音響補強に適用される。 モードEでは、ステレオ音源を拡張する。したがって、各入力は、ステレオ音 源の左チャネル(モードEL)または右チャネル(モードER)のいづれかと関 連している。このモードは、モノラル音源からステレオをシュミレートするのに 使用され、これまで説明したように、リスナーが知覚する音像空間内に配置する 。この適用例はモードDと同一である。 図12(a)及び(b)において、加算増幅器409CLD及び409CDR は、モードC及びモードDにおける後方左側信号及び後方右側信号に対応してい る。信号は、ステレオアナログディジタルコンバータ412CDに供給される。 当該コンバータ412CDは、その出力信号を多重化し、ライン414CDに供 給する。同様に、ステレオアナログディジタルコンバータ412Eは、Eモード 後方左側アナログデータ及びEモード後方右側アナログデータを受信し、これを 多重化されたディジタルデータに変換し、ライン414Eに供給する。ライン4 14CD及び414Eにおけるディジタルデータは、ディジタルサウンドプロセ ッサ(DSP)450に供給される。当該ディジタルサウンドプロセッサ450に 関しては、図14(a)及び(b)を参照して、以下に説明する。オーディオプ ロセッサを、同一のものとし、これが、外部データを受信し、以下で説明するよ うに、C−モード、D−モードまたはE−モードのいづれで動作するのかを決定 できる。ディジタルサウンドプロセッサ(DSP)450のプログラミングを、マ スクレベルで行うことができる。または、これを、DSP450のポートに取り付 けられたマイクロプロセッサによって既知の方法でプログラムすることもできる 。当該マイクロプロセッサは、その後、装置の電源投入時に、消去可能PROM又は ROMに記憶されたデータをDSP450にダウンロードする。ここでは、モトロ ーラ製のモデル56001ディジタルサウンドプロセッサを使用する。本発明を 実行するに、マイクロプロセッサを使用してプログラムをDSP450にダウン ロードすることが好ましい。その理由は、このようにすることによって、必要な 設計変更を容易に行うことができるからである。その後、マスクレベルプログラ ムを使用することが好ましい。その理由は、このようにすることによって、デバ イスを更に経済的に生産することができるからである。いづれにしても、プログ ラムは、図14(a)及び(b)に示すディジタルロジックをエミュレートする 。DSP450チップの出力は、ステレオディジタルアナログコンバータ418 CD及び418Eによってアナログ信号に再び変換される。ステレオディジタル アナログコンバータ418CD及び418Eの出力信号は、加算増幅器425L 及び425R及びこれに続く処理されたステレオ出力430及び432に供給さ れる以前に、加算抵抗419を介して、モノラル互換性チャネル、フロントチャ ネル409F、右チャネル409R及び左チャネル409Lとともに加算される 。加算抵抗419は、すべて同一の値であることが好ましい。加算増幅器409 Mからのモノラル互換性信号は、ローパス及びハイパス等化回路に供給される。 当該等化回路のq値は小さく、一般的に0. 2又は0.3のオーダで、中心は約1700Hzである。等化回路422の損失 は、一般的に、1700Hzで6デシベルである。 D−モードにおいて、処理されたディレクショナルエンハンスメント情報、す なわち調整信号Cは、加算(及び減算)され、出力チャネルに供給される。この 情報は、例えばフィルタ456及び457によってバンドパスフィルタ処理され 、中間帯域でピークに到達するようにする。エンハンスメントされた左右の信号 が互いに加算され、L+Rのモノラル信号を生成する場合、このことによって、 中間帯域のスペクトルに切れ目が現れる。このことを防ぐために、モノラル互換 性信号を使用する。当該信号は、前記中間帯域の切れ目と逆の切れ目を有し、効 果的にL+Rモノラル信号の出力のバランスをとる。ジョイスティックが中心に 位置する場合、等しい量の調整信号が左右のチャネルに供給され、そしてこれら のチャネルが加算され、R+L信号を形成すると、調整信号は効果的に相殺され る。その理由は、調整信号は、元々一方のチャネルに加えられており、他方のチ ャネルから減算されるからである。このようにして、バックセンタード(back-c entered)・ジョイスティックを用いると、例えば、テーブルE及び図13(e )に示すような、モノラル互換性信号が必要とされる。ここで、ジョイスティッ クを右と左との中間の中心に位置させ、その後、後方へ倒すと、VCA407M へのVCX−M入力は、約−5デシベル(60パーセント)である。知覚される 音像空間及び崩壊した音場の空間エンハンスメント及びモノラル互換性は、驚く ほど小さな、数デシベルのレンジの差によって生じることは、明らかである。こ のことは、本発明が適用される音響心理現象に関する人間の聴覚の本質である。 次に、図14(a)及び(b)について説明する。これらの図面は、多数の相 違点が存在するものの、図10(a)及び(b)に類似のサウンドプロセッサロ ジック図を形成する。最も重要な点は、以下に示すとおりである。 (1)図10(a)及び(b)に示すように、自動制御回路378を必要としな い。その理由は、この実施例の場合、拡張量(付加される空間効果の量)が、ジ ョイスティック415のポジションによって手動で制御されるからである。また 、図10(b)の330等の可変利得回路を設けていない。その理由は、ジョイ スティック415が種々のVCA407の利得を制御するため(図12(a)及 び(c))、利得の量が、順次ジョイスティック415のポジションによって制 御されるからである。 (2)図10(a)及び(b)の実施例は、Cモード又は非C拡張モード(当該 モードは、図12(a)、12(b)、14(a)及び14(b)では、モード Eとして示される。)のいづれかで動作する。図12(a)、12(b)、14 (a)及び14(b)の実施例は、他のモード(モードD)も備えている。この モードDでは、図10(a)及び(b)のオーディオプロセッサロジックと対比 すると、図14(a)及び(b)のオーディオプロセッサロジックには多少の変 更点が存在する。再び、図14(a)及び(b)において、ライン414で多重 化された入力シリアルデータは、フォーマッタ451によって、デマルチプレク サ(de-multiplex)される。ステレオアナログディジタルコンバータ412(図 12(d)参照)がクリスタル半導体モデルCS5328であり、ステレオディジタル アナログコンバータ418(図12(d)参照)がクリスタル半導体 モデルCS4328チップであることが好ましい。フォーマッタ451及び470は、 これらのチップに関して好適な方法で、左右のディジタルチャネル情報をデマル チプレクス及びマルチプレクス(多重化)するように構成されている。左右のデ ィジタルデータは、バス452及び453に分離され、例えば、減算器454に 供給され、R−L信号を生成する。R−L信号は、ローパス及びハイパスフィル タ456、457及びタイムディレイ回路458を通過する。この時、回路は、 図示されているようにスイッチ455によって、Eモードに接続されている。ス イッチ455が、図面に示すポジションとは逆のポジションに位置し、Dモード の場合、ライン452の左側チャネルディジタルデータは、ハイパス及びローパ スフィルタ456、457、及びタイムディレイ回路458の上方セットを通過 し、ライン453の右側チャネルディジタルデータは、ハイパス及びローパスフ ィルタ456及び457、及びタイムディレイ回路458の下方セットに供給さ れる。図10(a)及び(b)に示す実施例のように、タイムディレイ回路45 8からの信号の振幅を制御する必要はない。その理由は、信号の振幅が、図12 (a)及び(b)の入力制御回路404で制御され、処理量が、ジョイスティッ ク415のポジションによる入力で制御されるからである(図11参照)。タイ ムディレイ回路458の出力信号は、左右の等化回路460のそれぞれに供給さ れる。左の等化回路460Lの出力は、スイッチ462を介して、フォーマッタ 470の入力端子に供給される。右の等化回路460Rの出力は、スイッチ46 2及びインバータ465を介して、フォーマッタ470の入力端子に供給される 。上記のように、フォーマッタ470は、その入力端子で受信される信号を多重 化(マルチプレクス)し、シリアル出力ライン416に供給する。 タイムディレイ回路458は、0.2ミリ秒の時間遅延を加えることが好まし い。DSP450及びこれらの関連するアナログディジタルコンバータ及びディ ジタルアナログコンバータ412E、412CD,418E及び418CDは、 本来的に約0.8ミリ秒の時間遅延を有している。このため、本来的な回路の遅 延時間と、タイムディレイ回路458で付加される時間遅延との総和としての時 間遅延は、増幅器409L及び409Rからの左右のアナログ信号に対して、約 1ミリ秒である。 図面では、スイッチ462は、上記のCモードに位置している。Cモードの場 合には、ライン452及び453の信号はフィルタ処理されていないが、Dモー ド又はEモードの場合、スイッチ462は、イコライザ460の出力信号をフォ ーマッタ及びインバータ465に供給できるように、そのポジションを変更する 。インバータ465によって行われる右チャネル情報の反転は、図10(a)及 び(b)の実施例における減算器332によって効果的に行われる。減算器33 2が、(イコライザ312からの)右チャネル調整信号CRを、右チャネルオー ディオデータから減算することに留意すべきである。図14(a)及び(b)の 実施例において、右チャネル調整信号は、インバータ465によって反転される 。反転された右チャネル調整信号は、その後、フォーマッタ470及びステレオ ディジタルアナログコンバータ418(図12(d)参照)を介して、加算バス に接続され、ここで、抵抗419を介して、加算増幅器409Rからの右チャネ ル情報と加算され、加算増幅器425Rの入力端子に供給される。左チャネル調 整信号CLは、反転を行わずに、フォーマッタ470及びステレオディジタルア ナログコンバータ4 18(図12(d)参照)を介して、加算バスに接続され、ここで、抵抗419 を介して、加算増幅器407Lからの左チャネル情報と加算され、加算増幅器4 25Lの入力端子に供給する。 本発明を、アナログ及びディジタルによる具体化、及びいくつかの動作モード に関して説明した。放送モードであるモードBは、フィードバックループを使用 し、ステレオ信号に加えられる処理量を制御する。C,D及びEモードの場合、 加えられる処理量は、手動で制御される。ここに開示される最終実施例では、処 理量は、ジョイスティックによって制御される入力である。Cモードの場合、左 右のチャネルデータから加算及び減算される調整信号は、処理されない。実際に 、調整信号が、図5のマイクロフォン「C」の位置によって体系的に生成される 場合、処理しないことが必要である。図10(a)、(b)、12(a)、(b )、14(a)及び(b)を参照して説明したモードCの動作において、調整信 号は、ハイパス/ローパスフィルタ及びタイムディレイ回路をバイパスする。他 方、D及びEモードの場合、調整信号は、ハイパス/ローパスフィルタ、及び好 ましくはタイムディレイ回路によって合成される。Eモードの場合、フィルタ処 理されるのは、R−L信号である。一方、Dモードでは、左右の信号は、独立に フィルタ処理され、調整信号Cを生成する。 図10(a)、(b)、14(a)及び(b)から明らかなとおり、遅延時間 の量は制御できる。実際、応急的に本発明を実施する場合には、遅延時間をなし で済ませる場合もある。しかし、遅延時間は、フィルタから出力される信号と、 左右のチャネル情報とを関連づけないために挿入されることが好ましく、これに よってモノラ ル互換性を保持できる。しかし、くし型効果が生じ得るものの、フィルタ456 、457及び460によって最小化されると思われる。このような効果を、B, D及びEモードにおいて最小化させる為には、328(図10(a)及び(b) )又は458(図14(a)及び(b))などのタイムディレイ回路を使用する ことが好ましい。体系的モード(図6)の場合、マイクロフォン「C]の位置が 、マイクロフォン「L」及び「R」よりも音源から遠いため、時間遅延が本質的 に存在する。 本発明は、レコーディング、放送又は一般の演奏のために、空間的な効果をサ ウンドに加えるために使用される。例えば、本発明の空間的効果を、マルチトラ ックレコーディングからステレオにミキシングする際にオーディオ処理するのに 使用し、テープ、レコード又はディジタルディスクの販売に使用する場合、テー プ、レコード又はディジタルディスクを慣用のステレオ設備で再生すると、拡張 された空間効果がリスナーによって知覚される。このため、放送後、又はテープ 、レコード、ディジタルディスク等の市販のためのミキシング及びレコーディン グの後に、サウンドに付加的な空間処理を行う必要がない。すなわち、受信装置 又は家庭のステレオに、空間効果を付加する必要はない。本発明をミキシング又 は放送プロセスで使用してさえいれば、放送であろうとなかろうと、また予め録 音されたテープ、レコード若しくはディジタルディスクから聞くのであろうとな かろうと、空間的効果はリスナーによって知覚される。 本発明も、モノラル互換性を有する。すなわち、リスナーが、例えば、出力4 30及び432において、L−R信号を聞いた場合、当該処理による人工的なも のはリスナーによって知覚されない。こ のことは、より多数の者が、モノラル信号を聞き続ける場合、テレビジョン、F M及びAMステレオ放送にとって重要である。本発明は、空間拡張効果をステレ オ信号に付加するものの、当該処理による人工的なものをL+R信号に導入する ものではない。 ディジタルディレイ装置は、任意の周波数に、任意の時間長の遅延を与えるこ とができる。線形的なディジタルディレイは、同一の時間だけ、全ての周波数を 遅延させる。郡遅延は、色々な時間だけ、色々な郡の周波数を遅延させることが できる。 本発明は、線形ディジタル遅延装置を使用することが好ましい。その理由は、 これらの装置を使用することが有効であると共に、これらの装置が、郡遅延のデ バイスよりも安価だからである。しかし、必要ならば、郡遅延用のデバイスを使 用することもできる。 上記実施例、特に図7〜14(a)及び(b)の実施例は、上記の色々な適用 例におけるプロフェッショナル用のオーディオ産業において特に有効である。し かし、これらの実施例は、家庭で使用されるような一般消費者用の電気設備とし て容易に使用するには極めて複雑なものとなる傾向がある。このため、これらは 、一般消費者用の電気設備として容易に使用でき、容易に製造できるチップによ って製造できることが好ましい。このような例は、図15を参照して説明する。第6実施例 図15は、本発明の第6実施例を示す略図である。当該第6実施 例は、1つの半導体チップを使用して、比較的容易に製造され、例えば、ステレ オ再生装置、テレビジョン受信機、ステレオラジオ及びパーソナルコンピュータ 等を含む一般消費者用の電気設備に使用され、ステレオ録音又は放送された音楽 及びサウンドを高めることができる。 図15において、回路500は、一般消費者用の電気設備に見られるような、 左右のオーディオチャネル用の2つの入力端子501及び502を備えている。 入力端子501における信号は、2つの演算増幅器、すなわち増幅器504及び 505に供給される。入力端子502における信号は、2つの演算増幅器、すな わち増幅器504及び506に供給される。左右のチャネルは、増幅器504で 互いに減算され、当該増幅器504は、出力L−Rを生成する。この出力は、ポ テンショメータ503に供給される。当該ポテンショメータ503は、(ポテン ショメータ503のポジションに基づき)L−R信号の一部を、慣用のコンデン サ及び抵抗によって形成されるバンドパスフィルタ507に供給する。 フィルタ507は、増幅器504からの出力をバンドパスする(帯域通過させ る)とともに、ある種の周波数依存型の時間遅延(位相遅延)を前記信号に加え る。次に、当該信号は、増幅器508の入力端子に供給される。増幅器508の 出力は、調整信号Cであり、ライン509に供給される。調整信号Cは、増幅器 505で左チャネル情報に加えられ、増幅器506で右チャネル情報から減算さ れる。このようにして、空間的に拡張された左右のオーディオチャネル511及 び512が出力される。 フィルタ507は、その中心周波数が500Hzで、その勾配が6デシベル/ オクターブであることが好ましい。上記のように、中心周波数を、約300Hz 〜3000Hzの範囲内に設定した。 その後、出力511及び512は、一般消費者用のオーディオ装置の電力増幅 器の入力端子に供給され、その後、一般的な方法で、スピーカーに供給される。 リスナーは、調整ポテンショメータ503によって付加されるエンハンスメント の量を制御する。ポテンショメータ503のワイパをアース側に設定すると、ス テレオオーディオプログラムは、一般的なエンハンスメントされていないサウン ドで聞かれる。しかし、ポテンショメータ503のワイパを、L−R信号がより 多くバンドパスフィルタ507に供給されるように、調整すると、それにつれて 、より多くの付加的な空間処理の施されたステレオがリスナーによって知覚され る。例えば、リスナーが、ステレオサウンドでテレビ放送されているスポーツ競 技を見ているものと仮定すると、ポテンショメータ503を調整することによっ て、リスナーは、リスナーによって知覚される付加的な空間効果によって、自ら がスポーツ競技の行われているスタジアムに実際に座っているかのように知覚し 始める。 入力信号がモノラル(すなわち、L=R)の場合、当該処理による人工的なも のは、リスナーによって知覚されない。モノラル信号(すなわち、L=R)のエ ンハンスメントが必要な場合には、第8実施例によって得られる。これについて は、後述する。 図15の回路は、増幅器を除いて、本来的に離散型の構成素子を使用している 。前記増幅器は、国産の半導体モデルLM837デバ イスであることが好ましい。しかし、必要ならば、回路500のすべて(又はほ とんど)を単一のシリコンチップとできることは、当業者にとって明らかである 。バンドパスフィルタ507のコンデンサC1及びC2が、チップ上に設けられ た場合に比較的大型になり易いということも当業者にとって明らかである。従っ て、これらのデバイスから好適なピンアウト(pin-out)を設け、コンデンサC 1及びC2用の離散型デバイスを使用することが望ましい。このことは、基本的 に設計選択に関することである。第7実施例 図16に記載されている本発明の第6実施例は、一般消費者用の電気設備に使 用される。しかし、上記実施例に関する説明から明らかなように、音楽(又は他 のオーディオ要素)を録音する場合、又は音楽(又は他のオーディオ要素)を放 送する場合に、本発明をプロフェッショナル用に使用することもできる。このよ うにして、ディスクへの記録の前若しくは後に、又は放送が送信される前若しく は後に、又はリスナーによって聞かれる直前に、本発明を使用し、空間的な音像 (又は他の記録された要素)を増加させることができる。しかしながら、音楽又 は他のサウンドが本発明によって空間的に拡張される場合、要素が過度に強調さ れないことが好ましい。本発明の上記実施例は、生成される調整信号の量を調節 するための自動制御回路118を備え、2つの空間的に拡張された出力の和と差 とのエネルギー比をほぼ等しくする。この点に関して、本発明の第2及び第3実 施例は、発生する広がりの量を効果的に制御するための制御回路118を備えて いる。 本発明の第7実施例は、第6実施例の変形例であり、発生する空間的な広がり の量を自動的に制御するための自動制御回路518を備えている。第7実施例は 、図16、17A及び17Bを参照して説明する。また、当該実施例は、第6実 施例と同様に、一般消費者用の電気設備にも使用されるようになっている。しか し、回路に供給されるステレオ信号が既に空間的に拡張されている(例えば、再 生又は放送の間に、信号が空間的に拡張されている)ので、第7実施例は、自動 制御回路518を備え、当該第7実施例の回路によって付加される空間的なエネ ルギーの量を制限する。 図16は、ブロック図であり、図17A及びBは、略図である。第7実施例は 、第6実施例と良く類似しており、従って共通の参照番号を、共通の構成要素に 使用する。実際、最大の変更点は、回路が発生する空間的なエンハンスメントの 量を制御する上記の自動制御回路518を設けている点である。他の変更点は、 動作モードとして、ステレオ合成モードを備えていることである。入力501及 び502に供給される音楽又は他のオーディオ要素は、既に多くの空間的なエネ ルギーを有している。その理由は、音楽又は他のオーディオ要素が、図16、1 7A及び17Bの回路によって受信される前に、本発明に従って予め処理された 場合、当該回路で更に空間エンハンスメントを加えることは望ましくない。しか しながら、入力端子501及び502が、予め空間的に拡張されていないステレ オ音楽又は他のオーディオステレオ要素を受信する場合、図17A及び17Bの 回路は、所望の空間エンハンスメントを加える。このようにして、本発明による 制御システム518は、加えられた空間エンハンスメントの量を制御する。入力 されるステレオ音楽又はサウンドが既に空間的に拡張されている場合、更に空間 的に拡張され ることはない。入力される音楽又はサウンドが予め空間的に拡張されていない場 合、制御システムは、空間的なエンハンスメントを発生させる。入力される要素 がモノラルの場合、ステレオサウンドが合成される。 本実施例の制御システム518は、図7A、7B及び8を参照して予め説明し た自動制御回路118と概念的に同様であるが、ここでは、一般消費者用の電気 設備に関しての説明は行わない。 第6実施例の場合、発生する空間的なエンハンスメントの量は、ポテンショメ ータ503を使用することによって制御される。当該ポテンショメータ503は 、ライン509に供給される調整信号Cの振幅を制御する。当該第7実施例では 、手動式のポテンショメータ503を使用する代わりに、調整信号Cの振幅は、 ライン510における制御入力に応答する電圧制御増幅器503’によって制御 される。電圧制御増幅器503’は、ザットコーポレーション(That Corporati on)によって販売されるモデル2151デバイスであることが好ましい。調整信 号は、ライン580における出力である。当該出力は、しばしばリスナーの後方 に配置されるアンビエンス(ambience)又はサラウンドスピーカーを駆動するの に使用される。 ライン511及び512における出力は、サンプリングされ、回路522にお いて加算され、回路520において減算され、ライン530に和親号を生成し、 ライン528に差信号を生成する。これらの和信号及び差信号は、RMS検出器 524及び526の入力端子に供給される。RMS検出回路は、現在ザットコー ポレーションによって製造されているモデル2252デバイスであることが好ま しい。RMS検出器の出力は、比較器550に供給される。比較器550の出力 は、電流源551に接続される(図16)。電流源の出力は、ダイオード552 を介して増幅器544に供給される。図17A及び17Bにおいて、電流源55 1及び増幅器550は、単一のデバイスによって構成される。当該デバイスは、 演算トランスコンダクタンス増幅器550,551と称し、電流源として機能す る。図17A及び17Bのように接続されると、10マイクロアンペアまでの電 流を供給する。 ワイパを抵抗−コンデンサネットワーク553の一方に接続しているポテンシ ョメータ534を用いて、ユーザは、回路が発生する空間エンハンスメントの量 を制御する。抵抗−コンデンサネットワーク553は、電流発生器551の出力 による空間エンハンスメントの変化速度を制御する。ダイオード552を流れる 電流は、抵抗−コンデンサネットワーク553の両端にかかる電圧を変化させる 。当該電圧は、増幅器554に供給される。自動制御回路518は、左側及び右 側チャネルの信号に回路が付加する空間的なエネルギーの量を制限するように機 能する。すなわち、これによって、ユーザが、音楽要素を空間的に過度に拡張で きないようにしている。しかし、ユーザは、必要ならば、ポテンショメータ53 4を調整することによって、空間的エンハンスメントを使用しないようにできる 。抵抗−コンデンサネットワーク553からの出力は、スイッチ581を介して 、高インピーダンスバッファ増幅器554に供給される。当該増幅器554の出 力は、電圧制御増幅器503’の制御用入力端子に供給される。電流源551と ともに抵抗−コンデンサネットワーク553は、回路の衝撃、すなわち電圧制御 増幅器503’によって引き起こされる1秒毎のデシベル数の変化を制御する。 本発明は、空間エンハンスメントをステレオ要素に付加すると共に、入力端子 501及び502に入力される音楽その他のサウンドがモノラルの場合に、ステ レオを合成するのに使用される。モノラル情報からステレオを合成するのに、ラ イン580の信号によって、スイッチ581,582及び583は、図に示すポ ジションを変更する。バッファ増幅器554への入力は、分圧ネットワーク58 4によって供給されることが好ましいバイアス電圧である。このステレオ合成モ ードにおいて、差動増幅器504の入力端子の一方は、スイッチ582を介して 接地され、その他方の入力端子は、モノラル情報を受信し続ける。ここで、モノ ラル情報は、両方の入力端子501及び502に供給されているものと仮定する 。図面中、差動増幅器504への左入力は、スイッチ582を介してアースされ ているように図示されているが、必要ならば、他方の入力をアースすることもで きる。更に、スイッチ583は、増幅器502の利得を調整し、ステレオ合成モ ードにおいて、出力チャネルをほぼ平衡状態に保持する。図17A及び17Bの 略図に示す種々の半導体デバイスは、以前より、バイポーラ半導体デバイスとし て実現されている。これらのデバイス及びほとんどの抵抗並びにコンデンサのす べてが、単一の大型バイポーラ半導体チップ上に配置される。勿論、ポテンショ メータ及び比較的大きなコンデンサ等のいくつかの構成素子を、チップ外に配置 するすることがベストであり、これらの構成素子を、図16では点線内に示す。 更に、図16の点線内に含まれていない構成素子が単一のチップ上に配置される と仮定すると、単一のチップは、小さなボックス内の参照番号1〜18にて示す ピンアウトを有している。このような単一のチップICを極めて容易に実装でき るできることは当業者にとって明らかである。 単一のチップに配置されないパーツに関して、スイッチ530は、調整信号を ミュート又は止めることで、スイッチ530が解放状態の場合に、空間的エンハ ンスメントが回路518によって付加されにようにする。スイッチ530を、図 に示すように手動のスイッチとすること、またトランジスタなどの電気的に動作 するスイッチとすることもできる。ライン580の信号は、慣用のラジオのステ レオ検出回路によって制御可能であり、例えば、ステレオ信号が存在しない場合 にスイッチ581,582及び583のポジションを変更し、ステレオを合成す ることができる。入力端子501及び502に、モノラル情報のみが供給される 場合、この回路が、ステレオ信号の場合に行われる方法で信号を空間的に拡張さ せようとしないことが望ましく、すなわち、ライン580における信号を変化さ せないことが望ましい。その理由は、当該回路が、モノラル情報の場合にノイズ となる差情報を拡張してしまうからである。 コンデンサ516及び517は、ハイパスフィルタを備え、自動制御回路51 8の動作を、極めて低周波数、すなわち100Hzよりも高い周波数の動作に限 定している。このことは、100Hz以下では顕著な空間情報が存在しないので 、望ましいことである。 図15の実施例の場合のように、バンドパスフィルタ507は、チップ外に装 着されることが好ましい比較的大型のコンデンサを備えている。バンドパスフィ ルタ507の中間周波数は、500Hzであることが好ましい。出力511及び 512を差動回路配置520及び加算回路配置522に接続するコンデンサ51 6及び517も、チップ外に装着されることが好ましい。また、RMS検出器5 24及び526は、同様にチップ外に装着されることが好ましい、これらに関連 する比較的大型のコンデンサを備えている。VCA用の歪トリムポット(trim p ot)585も、チップ外に装着される。しかし、多数の構成素子は、単一のチッ プに装着され、したがって、本発明の当該実施例は、一般消費者用のステレオオ ーディオ装置の場合、きわめて容易に且つ低価格で実現される。第8実施例 図15を参照して説明されていた本発明の第6実施例は、もしモノラル信号( 即ち、R=L)がその入力501及び502に印加されたとすれば、本音像エン ハンスメント方法で人工的に作り出されるものが何ら視聴者に知覚されないとい う点で、モノラル互換である。即ち、ステレオ信号入力が入力501、502に 供給されたときに、音像エンハンスメントは起こるが、しかし、もしモノラル信 号がこれらの入力に印加されると、何らの音像エンハンスメントも起こらない。 しかしながら、図15(又は、図16、17a及び17b)の実施例は、もしそ れ(又は、それら)が図18に示されるように変形されれば、モノラル情報をエ ンハンスするために用いることが出来る。 図18では、図15(又は、図16、17a及び17b)の回路構成は、図1 5に示されたポテンショメータ503(図16又は17aのポテンショメータ5 34)を例外として、チップ802として履行されていたものと仮定されている 。従って、入力822及び824は、入力501及び502に現われる入力+L 及び+Rに対応する。二つのポテンショメータ804及び806は、入力814 、 816及び入力822、824間に接続されている。これらのポテンショメータ は、好ましくは、ワイヤ接続され、カウンタ動作が利得されている、即ち利得を 得たワイパの動きに伴なって他方の抵抗が減少するにつれて一方は増加する。ポ テンショメータ503は、図18ではポテンショメータ812として現われてい る。 追加のポテンショメータ808と810は、出力812と828とに接続されて いた(それは、図15の環境では、出力511と512とに対応する)。これら のポテンショメータもまた、ポテンショメータ804と806とを参照して上記 で説明したように、カウンタ動作が利得される。 操作装置と方法の作用は、入力822と824(それらは、図15の+Lと+ Rに対応する)において印加された入力信号間の差の存在に依存する。その差は 、スペクトル的な及び/又は時間的なものであってよい。スペクトル的差によっ て、音響スペクトル上のエネルギ分布が、左右の信号間で異なることが意味され る。時間的差によって、二つの入力信号の同調が互いの信号の期間について時間 的にずれることが意味される。 生の立体音響記録と多重トラック立体音響記録の性質の結果として生じる、こ のスペクトル的な及び時間的な差の組み合わせが、前述した状態信号Cの発生を 引き起こすのである。その状態信号は、例えば、図15の実施例のライン509 上に現われる。その状態信号は、聴取者の左右の前面に位置され出力818と8 20にアンプを介して接続された二つのスピーカから発散される音が、状態信号 Cの内容に応じて、聴取者の背後から又は聴取者の音響空間の他の場所で生じて いるかのように、聴取者に対して実際に現われるよう にすることが出来る。モノラル音響信号は、左右のチャンネルに印加されたとき には、たとえ広帯域の条件下であったとしても、等しいスペクトル的及び時間的 な品質を持つ。従って、その場合、入力822と824は、両方とも同じ信号を 受け取る。その状況では、ポテンショメータ804と806により加えられる抵 抗が左右の入力の両方で同じであるという条件下で、ポテンショメータ812の 位置とは関係なしに、上述の操作システムのエンハンスメント効果は、最小限に なり零に近づく。 広いスペクトル的不釣り合いによる差 しかしながら、ポテンショメータ804と806の抵抗の値を、抵抗がもはや 等しくないように変えることにより、入力822と824において現われる信号 は、もはや同じ信号ではなくなる。事実上、広帯域のスペクトル的な差は、これ らの二つの入力において現実のものとなる。この差は、装置802内部にあるラ イン509において状態信号Cを生成する。しかしながら、制御804と806 の相対的な位置により、入力822と824の広帯域のスペクトル的な内容の差 に関係なく、状態信号は出力826と828とに反位相位置にて現われることに 注意せねばならない。装置802の内部では、入力822と824とにおける信 号は、やはり夫々出力826と828とに直接的に送られる。よって、広帯域の スペクトル的な差は、ポテンショメータ806と比較したポテンショメータ80 4の値を変えることにより実現される。これは、状態信号Cが、出力826と8 28とにおいて等しい強度と反対の極性とをもって存在するという結果に終わる だけでなく、ポテンショメータ804と806との抵抗値の変化により、入力8 22と824とにおいて 表現された差に比例した出力826と828とにおける信号強度の差を産み出す 。そこで、例えば、ポテンショメータ806と比較してポテンショメータ804 が反方向に回転されると、各種のことが同時に起こる。 モノラル音響信号が、入力814と816とに等しく印加されるものとする。 更に、ポテンショメータ804と806とは、入力822と824とに等しい信 号を供給するように調節されているものとする。そのような条件下で、聴取者は 、二つのスピーカ間で中途及び前方に錯覚の音像を聞くことになる。これは、通 常のモノラル音響の効果である。 モノラル音響信号が、入力814と816とに等しく印加されるものとする。 更に、ポテンショメータ804と806は、入力822において大きな信号を供 給し且つ入力824において小さい信号を供給するように調節されているものと する。その場合には、聴取者は、(i)入力信号を出力に直接的に送信する回路 部分によって、左のスピーカからはより大きな信号が聞こえ、右のスピーカから はよりソフトな信号を聞くことになる。そして、聴取者は、(i)半分の状態信 号Cを反転して右側のスピーカに送信する回路部分によって、左右のスピーカに より作り出される反位相位置における音を、同時に聞くことになる。これは、同 期的な状況であるので、重ね合わせの原理、先行効果及び時間的融合は皆一緒に 作用して、これら二つの別個に生成された信号を、スピーカ上の音に変換された 際に聴取経験の範囲内では、左スピーカの物理的位置の向こう及び外側にあるよ うに「現われる」仮想の音像を聴取者に経験させる、一つの均一な信号に混ぜ合 わせるようにする。 ポテンショメータ804と806が反方向に回転される範囲は、上述のごとく 、仮想音像を、左スピーカの物理的位置から、聴取者の頭の後ろに向かって伸び る扇又は半円に沿う音像へと動かすことになる。 もし、800のポテンショメータ804と806とが、入力822、824に おいて右信号が左信号よりも大きくなるように逆方向に、反対回転されたとする と、上述した状況の反対の状況が起こることになる。よって、図18の回路は、 広帯域のスペクトル的な不釣り合いの音像化能力において、対称であると言える 。 更に、図18の回路の音像化特性を説明するために、モノラル音響(即ち、モ ノラル)信号が、入力814と816とにおいて、等しい強度で供給されるもの とする。更に、ポテンショメータ804が完全にオフとなるように調節され、ポ テンショメータ806が完全にオンとなるように調節されているものとする。こ のような状況の下では、入力822における信号は、出力826に直接に送られ 、左スピーカの上で再生されることになる。同時に、状態信号Cは、回路機構に より生成されることになり、左出力信号826に加えられ、右出力828で反転 される。入力824には右信号が存在していないため、そこには出力信号は直接 送信されない。反転された状態信号のみが、出力828に存在することになる。 よって、左スピーカは、左入力信号と状態信号の半分を再生することになり、一 方で右スピーカは、取り決めにより左信号に対して反転されている状態信号の他 の半分を再生することになる。この状況の下では、812により調節されつつ、 状態信号の強度に応じて、聴取者は、(ま っすぐ前方に)0度の中央点から約140度の点に音像化された音を聞くことに なる。 選択的なスペクトル的不釣り合いによる差 広帯域の白色雑音のモノラル音響信号は、外部のイコライザ装置の入力に印加 される等しい信号に分けられ、各イコライザ装置の出力は、入力814と816 とに接続されているものとする。この場合には、音響スペクトラムのピーク部分 を入力814又は816に送るように、夫々のイコライザを選択的に調節するこ とが可能となる。この配列は、スペクトル的な差を供給すると言うことが出来る 。 説明のために、更に、入力814に接続されたイコライザは1000Hzにピ ークを持つものとし、入力816に接続されたイコライザは平坦又はピークを持 たないものとする。普通のレベルにセットされた状態信号制御ポテンショメータ 812とアンプを介して出力818及び820に接続されたスピーカとによって 、二つのスピーカ間に位置する聴取者は、二つスピーカ間の中間点の広帯域の周 波数と、中央から左へ約100度で左スピーカの向こうに1000Hz帯域の音 像の周波数とを全て聞くことになる。 説明中は、入力814はピークをとる信号を受け、入力816はピークをとら ない信号を受け、これらの両信号は広帯域の雑音として生じている。これらの二 つの入力間の差は、1000Hz範囲にのみ起こるので、ポテンショメータ81 2に制御される(側鎖が状態信号Cを生成する)回路の側鎖は、1000Hz帯 域あたりに密集しているこの周波数の狭い帯域のみを含むことになる。出力81 8は、その内部の回路構成により回路を通過する際に、ピークをとる信号を含む ことになる。出力820は、ピークをもつイコライザからの反転信号と、回路を 介して送られる入力816から直接来る反転されていない信号との両方を含むこ とになる。ピークをとる周波数帯域は、等しい強度であるが逆極性である出力8 18と820における信号を生成するようにされていることに注目せよ。強度が 等しいので、そのような配列により生成される音像は、常に反位相の位置になる 。聴取者が経験することは、頭の後ろに向けてではなく、左スピーカの左へ向け てピークをとる周波数帯域を聞くことであるという事実は、「時間的な融合」と いう現象を研究することを通して最も良く理解され得る。 もし、上記例で使用された二つのイコライザが、右信号がピークを持ち、左信 号が平坦であるように反対の態様で接続されるとすれば、回路の出力は、逆の状 況を示すことになる。聴取者は、右スピーカの向こうの方へ音像化するピークを もつ周波数帯域により、等しいが逆の聴取経験を経験することになる。よって、 回路800は、選択的なスペクトル的不釣り合いによる差に関して、対称である と言うことが出来る。 入力814と816間の全てのスペクトル的な差は、上記説明と同じような様 相で振る舞う。ステレオ対のどちらの側かで同時に生成される、多重狭帯域の差 は、人間の頭脳作用と時間的融合の励起を通して、位相の揃ろった音響場の中へ 融合される。 広帯域の時間的不釣り合いによる差 入力822と824間に広帯域の時間遅延の差を導入することにより、時間的 な不釣り合いが存在する。この不釣り合いは、812における状態信号Cを生成 することになるが、状態信号は、入力822と824とにおける時間的な配列と は関係なく、反位相の位置において出力826と828とに存在することに注意 せよ。 更に、入力822と824とにおける信号も、図15に示したように、夫々出 力826と828とに直接に送られる。よって、入力824ではなく入力822 に存在する信号を遅延することにより実現される広帯域の時間的な差は、812 における状態信号Cが出力826と828とにおいて等しい強度と反対の極性と をもって存在するという結果に終わるだけでなく、入力822と824とに存在 する時間差に比例した出力826と828における信号の時間差をも実現させる 。 モノラル音響信号が、入力814と816とに等しく印加されるものとする。 更に、ポテンショメータ804と806とは、入力822と824とに等しい信 号を供給するように、調節されているものとする。そのような条件の下では、聴 取者は、二つのスピーカ間の中途及び前方に錯覚の音像を聞くことになる。 モノラル音響信号が、入力814と816とに等しく印加されるが、入力81 4に印加される信号は、入力816に印加される信号に対して遅延されているも のとする。更に、ポテンショメータ804と806は、等しく調節されているも のとする。この条件下では、聴取者は、(i)入力信号を出力に直接的に発送す る回路部分によって、右のスピーカからはより大きな信号を聞き、左のスピーカ か らはよりソフトな信号を聞くことになる。そして、聴取者は、(ii)半分の状 態信号Cを反転して右側のスピーカに発送する回路部分によって、左右のスピー カから作り出される反位相の位置における音を、同時に聞くことになる。これは 、同期的な状況であるので、重ね合わせの原理、時間的な融合及び得に先行効果 は、皆一緒になって作用し、これら二つの別個に生成された信号を、スピーカ上 の音に変換された際に聴取経験の範囲内では、左スピーカの物理的位置の向こう 及び外側にある「ように現われる」仮想の音像を聴取者に経験させる、一つの均 一な信号に混ぜ合わせるようにする。 調節可能な遅延が不連続になる(約50ミリ秒までに到る)範囲は、上述のご とく、仮想音像を、左スピーカの物理的位置から聴取者の頭の後ろに向かって伸 びる扇又は半円に沿う音像へと動かすことになる。 もし、入力816が入力814に対して遅延されていたとするならば、上述し た状況の反対の状況が起こることになる。よって、図18の回路は、広帯域の時 間的不釣り合いの音像化能力において、対称であると言える。 選択的な時間的不釣り合いによる差 広帯域の白色雑音のモノラル音響信号は、二つの外部のイコライザ装置の入力 に印加される等しい信号に分けられ、各イコライザ装置の出力は、遅延装置に接 続されており、各遅延回路の出力はイコライザの第2セットの入力に接続されて おり、そして、イコライザの第2セットの出力は入力814と816とに接続さ れているものとする。この配列では、各イコライザは、遅延されるべき音響スペ クトルのピークをとる部分を送るように調節されてもよいが、第1のイコライザ のピークに対向する1000Hzにディップをもつ第2のイコライザセットを介 して元の広帯域の白色雑音信号の中に遅延が融合して戻った後に、スペクトルの 他の部分に対して遅延した1000Hzにおけるスペクトル部分を除いた音響ス ペクトル域に渡って等しい強度を生成するように調整されてもよい。この配列は 、選択的な時間的不釣り合いを供給するということが出来る。 説明のために、更に、上述したイコライザ・遅延・イコライザ配列は、入力8 14と816に接続されているものとする。更に、入力814に接続されたイコ ライザ・遅延・イコライザは、1000Hzにピークを持つものとし、入力81 6に接続されたイコライザ・遅延・イコライザは、平坦又はピークを持たないも のとする。普通のレベルにセットされた状態信号制御ポテンショメータ812と (アンプを介して)出力818と820とに接続されたスピーカとによって、二 つのスピーカ間に位置する聴取者は、中央から右へ約100度で右スピーカの向 こうに1000Hz帯域の音像の全ての広帯域の周波数を聞くことになる。 説明中、入力814は、1000Hz帯域の遅延信号と共に広帯域の白色雑音 を受け、入力816は、広帯域の白色雑音の否遅延入力を受ける。これら二つの 入力間の差は、1000Hz範囲にのみ起こるので、ポテンショメータ812に 制御される802の側鎖は、1000Hz帯域あたりに密集しているこの周波数 の狭い帯域のみを含むことになる。出力818は、遅延信号を、それが回路を通 過する際に、含むことになる。出力820は、遅延されたイコライザからの反転 信号と、回路を介して送られる入力816からの否反転 信号の両方を含むことになる。遅延される周波数帯域は、等しい強度であるが逆 極性である出力818と820における信号を生成するようにされていることに 注目せよ。強度が等しいので、そのような配列により生成される音像は、常に反 転位相の位置になる。聴取者が経験することは、頭の後ろに向けてではなく、右 スピーカの右へ向けて遅延された周波数帯域を聞くことであるという事実は、「 時間的な融合」という尊重すべき現象を研究することを通して最も良く理解され 得る。 もし、上記例で使用された二つのイコライザ・遅延・イコライザ配列が、右信 号がピーク遅延を持ち、左信号が平坦であるように反対の態様で接続されていた とすれば、出力は、逆の状況を示すことになる。聴取者は、左スピーカの向こう の方への音像化を行なうピーク及び遅延周波数帯域により、等しいが反対の聴取 経験を経験することになる。よって、回路は、選択的な時間的不釣り合いによる 差に関して、対称であると言うことが出来る。 入力814と816間の50ミリ秒又はそれ未満の全ての時間的な差は、上記 説明と同じような様相で振る舞う。一対のステレオのどちらの側かで同時に生成 される、多重狭帯域の時間的な差は、人間の頭脳の作用と時間的融合の励起を介 して、位相の揃ろった音場の中へと融合される。第9実施例 専門記録における多重入力 操作システムと装置は、図18において番号804と806とで示されるよう に、一つのパノラマ式ポテンショメータ(パンポット)制御に限定されるもので はない。第8実施例の有益な変形が図19に示されており、それは、本発明の第 9実施例からなる。この実施例は、多重入力の使用を含む。バス830と832 は、図15と18の回路の入力822と824から伸びているものであり、前記 バスは複数のパンポットを収容している。図19においては、入力814A、8 14B、814C、814D及び814Eは全て、今度はバス830に接続され た図示されたように夫々のパンポットの左側に接続されている。入力816A、 816B、816C、816D及び816Eは全て、今度はバス832に接続さ れた図示されたように夫々のパンポットの右側に接続されている。 「A」から「E」までの何れの入力に入力された信号も、前述した入力814 と816とに入力された信号と同じように、操作システムと装置上に影響を示す 。よって、コンソールに結合されたパニングするバスから入力814と816と に信号を向けるようなやりかたで現代の記録コンソールに、操作システムや装置 を接続することは、実際には、図15と18の回路の使用を、コンソール上の全 てのパンポットへと拡張することになる。そのような配列の中では、回路の出力 は、コンソールの記録バス又は二つの孤立した入力であってアナログ又はデジタ ルの磁気又は光記録装置に記録する目的でコンソールのライン出力に結合される ように他の孤立した入力に今度は再結合された記録バス又は入力に、再度方向付 けられることが出来る。 専門記録におけるモノラル音響適用 専門記録状況においては、技術者は、選択的且つ広帯域スペクトル的な及び/ 又は、音楽産物からなる各種の楽器要素の時間的な内容に対し、制御出来る。本 操作システムと装置を用いた上述のやり方の中で、選択的又は広帯域スペクトル 的な及び/又は各種の楽器要素の時間的な内容を変化させることにより、技術者 は、これらの要素の音像位置;制御領域として音場の内二つのスピーカの物理的 位置を越えて両方向の中心から少なくとも140度の位置まで伸びる部分を含む 音像位置;に対する正確な度合いの制御を示すことが出来る。更に、技術者は、 二つのスピーカ間の中間点から二つのスピーカの中心から、ステレオスピーカの 右又は左に向けて少なくとも140度の点へ伸びる扇に沿う継ぎ目のない進行の 中で、どの要素をも動かすことが出来る。 上記配列の下では、どのような数のモノラル音響信号が、どのような数の入力 に同時に入力されてもよく、各信号は、恰も夫々が独立したかのように操作シス テム及び装置により扱われる。即ち、一つの信号の操作は、いかなる他の入力信 号の扱いにも影響を与えることはない。 専門記録における立体音響への応用 上記配列の中で、但し、それに限定されるものではないが;もし、ステレオ信 号が814Aや816Cのようなコンソールの二つの入力のどれかに入力され、 814Aのパナーが、左(反時計方向)に回転され、816Cのパナーが、右( 時計方向)に回転されたとすると、図15と18の回路の動作は、第8実施例で (又は、そのこ とについての第9実施例で)説明したようにステレオ信号が入力822と824 に直接入力された場合と同じになる。 上記配列の下では、どのような数のステレオの対が、どのような二つの入力へ 同時に入力されてよく、各ステレオ信号は、あたかも互いに独立したかのように 操作システムと装置とにより扱われることになる。 専門記録におけるステレオ及びモノラルへの応用 更に、上記配列の下では、どのような数のステレオの対及びモノラル入力が、 どのような入力の組み合わせへ同時に入力されてよく、各入力は、モノラルであ ろうがステレオであろうが、あたかも互いに独立したかのように操作システムと 装置とにより扱われることになる。 現代の記録コンソールに操作システムや装置を接続することにより及び本発明 を現代の記録コンソールの動作と共同で動作させることにより、本発明により得 られる生産的長所は、これらの回路の使用及び応用を通して、共通のデザインを もつどのようなコンソールに対しても、改善され得ると言うことが出来る。 本発明は、数多くの実施例を参照して説明されてきたが、それは数多くの変形 、モード及び実施例が、本分野における当業者の能力の範囲内で発明能力の練習 なしに可能であることは、明らかである。例を通して、全ての実施例における状 態信号は、左チャンネルに与えられ且つ、右チャンネルから引かれるように示さ れている。この 取り決めは、電気産業はここで描写した取り決めにずっと従うものと信じられる けれども、もし望むのであれば、逆にされてもよい。他の変形も、この分野にお ける当業者の技術の範囲内で十分である。従って、この発明は、開示された実施 例ではなく、添付の特許請求の範囲により要求されるものに限定されるものであ る。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.入力及び出力を夫々持つ第1及び第2のラインと、 前記入力及び前記出力の間に夫々ある前記第1のライン中の第1の回路及び前 記第2のライン中の第2の回路と、 前記第1及び第2のラインに、その入力とその夫々の回路の間において接続さ れており、信号を受ける入力接続手段と、 前記入力接続手段に接続されており、前記入力接続手段における信号を遅延し 、遅延された信号を生成する周波数依存遅延手段と、 前記遅延された信号を受け、前記第1及び第2のライン中の前記装置の両方に 接続されていると共に前記遅延された信号をそこに配送するための出力をもち、 遅延され且つ振幅制御された補償信号を前記回路に生成するように前記遅延され た信号の振幅を制御する制御手段と を備えた自動立体音像エンハンスメント装置。 2.前記接続手段が、前記第1及び第2ライン上の前記信号を互いから引き算す る手段を備えた請求項1に記載の装置。 3.前記引き算する手段は、前記出力信号が足し合わされたときにモノラル信号 を生成するように、前記入力において印加される信号間の差に等しい信号を供給 し、前記モノラル信号には前記装置の結果として人工的構成が存在しない請求項 2に記載の装置。 4.前記回路の一方は足し算器として配列されており、前記回路の他方は引き算 器として配列されている請求項2に記載の装置。 5.更に、前記回路及び前記出力の間において前記第1及び第2のラインに接続 された出力接続手段であって、前記第1及び第2のライン中の信号を前記出力に おいて感知し、前記制御手段と接続されており、前記出力ライン中の補償信号を 実質的に所望のレベルに維持するように前記制御手段を自動的に調整する出力接 続手段を含むことを特徴とする請求項4に記載の装置。 6.前記出力接続手段は、作動装置と総和装置であって両方ともにその出力に隣 接した前記第1及び第2のラインに接続されており差と総和信号を生成する作動 装置と総和装置とを含んでおり、信号包絡線検出装置は、前記作動装置及び総和 装置の夫々に接続されており、比較器は前記検出器の両方に接続されており、前 記比較器は、その出力に隣接する前記第1及び第2のライン中の信号の総和と差 との関数として、前記制御手段への補償信号が前記補償信号の自動調整のために 前記比較器により制御されるように、前記制御手段に接続された出力を有する請 求項5に記載の装置。 7.手動制御可能な装置とスイッチとを更に含んでおり、前記スイッチは補償信 号の振幅が選択的に自動と手動とで達成できるように、前記比較器と前記手動制 御可能な装置とを前記コントローラに選択的に接続するように動作する請求項6 に記載の装置。 8.前記制御手段の出力は、イコライザを介して前記装置に接続されている請求 項6に記載の装置。 9.ゲートは、入力ゲート処理関係で前記制御手段に接続されており、比較器手 段は、前記第2に命名された接続手段と前記ゲートと の間に接続されており、前記比較機手段は、前記第1及び第2の信号入力間のし きい値比を前記比較器手段に成立さる入力装置を含んでおり、前記比較器手段は 、モノラル信号の存在を感知して、そのようなモノラル音響信号が存在する間は 前記制御手段を非動作状態にするように前記ゲートを閉める請求項2に記載の装 置。 10.4信バスに接続された4つの入力接続があり、前記4つの入力は、夫々4 つの入力増幅器に接続されており、前記第1及び第2の増幅器に接続されている と共に前記第1及び第2のライン中の4信バス信号が、前記第3及び第4の増幅 器に接続された4信バスが未処理の信号に寄与する間に、遅延、位相転移及び付 加処理を受けるように、夫々の前記入力増幅器は出力ラインを有しており、前記 増幅器の第1のものの出力ラインは、前記第1のラインであり、前記増幅器の第 2のものの出力ラインは、前記第2のラインであり、前記増幅器の第3及び第4 のものの出力ラインは夫々前記第1及び第2の回路に接続されている請求項1に 記載の装置。 11.三つの独立した音響的に関連した信号源に接続されるための三つの入力増 幅器があり、前記増幅器のうち第1のものは、前記第1のラインをその出力とし て有しており、前記増幅器のうち第2のものは、前記第2のラインをその出力と して有しており、前記増幅器のうち第3のものは、前記回路のうちの一方の入力 に足算的に且つ前記回路のうちの他方の入力に減算的に接続されている出力ライ ンを有している請求項1に記載の装置。 12.前記制御手段は、電圧が制御された増幅器である請求項1に記載の装置。 13.前記周波数依存遅延手段は、300から3000Hzの範囲にピークを有 する中央周波数を持つバンドパスフィルタを備えた請求項1に記載の装置。 14.前記周波数が500Hzにピークを有する請求項13に記載の装置。 15.遅延信号を生成する前記遅延手段は、デジタル遅延手段とデジタルフィル タ手段とである請求項1に記載の装置。 16.(a)音源に対して置かれた第1及び第2音響マイクロホンに接続された 第1及び第2の音響入力と、 (b)第1及び第2のエンハンスされた音響出力と、 (c)前記第1及び第2の音響入力上の対応信号よりも遅く到達する時間遅延さ れた音響信号の源であって、前記第1又は第2のマイクロホンの何れかよりも前 記源から遠くに置かれた第3のマイクロホンを備えた源と、 (d)前記源の出力に接続された回路中の可変利得回路と、 (e)前記可変利得回路に接続された第1の入力と、前記第1の信号を受けるよ うに接続された第2の入力とを持ち、前記第1のエンハンスされた音響出力に接 続された出力を持つ加算器と、 (f)前記可変利得回路に接続された第1の入力と、前記第2の信号を受けるよ うに接続された第2の入力とを持ち、前記第2のエンハンスされた音響出力に接 続された出力を持つ減算器と を備えた音像エンハンスメント装置。 17.前記第1、第2及び第3のマイクロホンは、底辺が前記音源に面した三角 形の頂点に置かれており、前記第3のマイクロホンは、前記底辺と反対側の前記 音源から最も遠い頂点に置かれている請求項16に記載の音像エンハンスメント 装置。 18.(a)第1及び第2の音響入力と、 (b)第1及び第2のエンハンスされた音響出力と、 (c)前記第1の入力を介して送信される第1の信号を、前記第2の入力を介し て送信される第2の信号から引く減算回路と、前記減算回路に接続されたフィル タであって300から3000Hzの範囲に中央周波数を持つ狭帯域透過フィル タからなるフィルタとを含む音響信号の源と、 (d)前記源に接続された第1の入力と、前記第1の信号を受けるように接続さ れた第2の入力とを有しており、前記第1のエンハンスされた音響出力に接続さ れた出力を有する加算器と、 (e)前記源に接続された第1の入力と、前記第2の信号を受けるように接続さ れた第2の入力とを有しており、前記第2のエンハンスされた音響出力に接続さ れた出力を有する減算器と を備えた音像エンハンスメント装置。 19.前記源は、時間遅延回路を含む請求項18に記載の音像エンハンスメント 装置。 20.前記音源は、可変利得回路を含む請求項19に記載の音像エンハンスメン ト装置。 21.更に、前記減算回路の出力を前記可変利得回路に直接に又は 前記フィルタと時間遅延回路を介して選択的に接続するスイッチを備えた請求項 20に記載の音響エンハンスメント装置。 22.更に、前記加算器及び前記減算器の出力並びに前記可変利得回路に接続さ れており、前記可変利得回路の利得を、前記エンハンスされた音響出力における 空間的な情報の検出レベルに応じて調節するフィードバック回路を備えた請求項 20に記載の音響エンハンスメント装置。 23.(a)複数の音響入力と、 (b)第1及び第2のエンハンスされた音響出力と、 (c)複数の音響ラインを持つバスと、 (d)夫々の操作レバーが一つの音響入力に関連付けられており、音響の各入力 は、前記操作レバーの位置に基づいて、前記音響入力における異なる量の信号を 前記バスのライン上へと導く入力回路を持つ複数の操作レバーと、 (e)前記バスの少なくとも一対のラインに接続された音処理回路と、 (f)夫々の出力増幅器が、前記バスの中で選択された前記音響ライン上の信号 を足合わせると共に前記音処理回路から出力された信号を足合わせるための入力 を持つ、前記エンハンスされた音響出力に接続された出力を持つ複数の出力増幅 器と を備えた音像エンハンスメント装置。 24.前記音処理回路は、 (i)前記一対のラインのうちの第1のものを介して送信される第1の信号を 、前記一対のラインのうちの第2のものを介して送信 される第2の信号から引く減算回路と、 (ii)前記減算器の出力に周波数フィルタをかけるフィルタと、 (iii)前記フィルタの出力を反転させる反転器と を備えており、 前記フィルタと前記反転器との出力は、前記出力増幅器の夫々のものに接続さ れている請求項23に記載の音像エンハンスメント装置。 25.前記フィルタは、300から3000Hzの範囲にピークをもつ請求項2 4に記載の装置。 26.前記ピークが、500Hzにある請求項25に記載の装置。 27.更に、前記複数の音響ライン中のモノラル互換バスであって、前記出力増 幅器にイコライゼーション・フィルタを介して接続されたモノラル互換バスを含 んでおり、前記イコライゼーション・フィルタは、ロー及びハイパスフィルター である請求項23に記載の音像エンハンスメント装置。 28.イコライゼーション・フィルタは、前記音処理回路により透過された周波 数帯域外の周波数帯域にある音響情報を透過する請求項27に記載の音像エンハ ンスメント装置。 29.(a) 一対の音響信号を互いから引く段階と、 (b) 前記引く段階の結果を周波数依存時間遅延する段階と、 (c) 前記時間遅延する段階の結果を前記一対の音響信号の一方に加算する 段階と、 (d) 前記期間遅延する段階の結果を、前記一対の音響信号の他方から減算 する段階と を備えた音響情報をエンハンスする方法。 30.更に、前記時間遅延する段階の結果の振幅を、これらの結果が前記音響信 号に加算されるか又はから減算されるかの前に、制御する段階を含む請求項29 に記載の方法。 31.更に、前記音響信号の空間的な内容を検出する段階と、或る所定の限界中 に前記音響信号の空間的な内容を維持するために前記検出する段階の結果に基づ いて、前記時間遅延する段階の結果の振幅を制御する段階とを含む請求項30に 記載の方法。
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