JP2003314612A - 吸振器及びそれを用いた制震構造 - Google Patents

吸振器及びそれを用いた制震構造

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澄夫 川口
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    • E04H9/00Buildings, groups of buildings or shelters adapted to withstand or provide protection against abnormal external influences, e.g. war-like action, earthquake or extreme climate
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で壁内に筋交い状に又は柱に該柱
と略平行であって略鉛直方向に伸びて設置できて価格を
低減でき、しかも、揺動において異音の発生のない吸振
器を提供すること。 【解決手段】 吸振器7は、円筒部材からなる中空の外
側の長尺体21と、同じく円筒部材からなる中空の内側
の長尺体22と、長尺体21の内面23と長尺体22の
外面24との間の円筒状の隙間25に、これら長尺体2
1及び22の内面23及び外面24に夫々接触して配さ
れた粘性体26と、開口端27側の一端部28を有する
長尺体21の軸方向Xの閉塞側の他端部29及び長尺体
22の閉塞側の一端部30の夫々に固着された矩形状の
取付板部材31及び32と、長尺体21の一端部28に
おける長尺体21の内面23と長尺体22の外面24と
の間の隙間25を保持する保持手段33とを具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物等の壁内に筋
交い状に又は建物等の柱に該柱と鉛直方向に平行に設置
して建物等の地震による振動を減衰させる吸振器及びこ
の吸振器を建物の壁に筋交い状に又は柱に該柱と略平行
であって略鉛直方向に伸びて設置して内装した制震構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】建物等の壁に吸振器を埋め込んで当該壁
を制震構造とし、而して、建物全体を制震構造にする技
術が既に提案されている。
【0003】この種の吸振器の一つとしての、シリンダ
とシリンダを貫通するロッドとを具備したシリンダ−ロ
ッド型の吸振器は、シリンダの一端部側を左右柱及び上
下水平材によって画成される壁空間の一方の隅部におい
て柱又は水平材に、シリンダから突出するロッドの一端
部側を壁空間において一方の隅部に対して対角線上の他
方の隅部において柱又は水平材に夫々取付けて使用され
る。
【0004】
【特許文献1】特公平4−38936号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、斯かる吸振
器は、地震等により建物が揺れて壁空間が変形する際に
伸縮すると共に各隅部の柱又は水平材に対して揺動する
必要があるために、各隅部の柱又は水平材にめがね継手
等を介して揺動自在にそのシリンダの一端部側及びその
ロッドの一端部側が取付けられるが、斯かるめがね継手
等を用いると、価格の上昇をもたらし、しかも、揺動に
おいて滑りによる異音を発生する虞があり、また取付上
のガタによって制震効果を損なう虞がある。
【0006】また、シリンダ−ロッド型の吸振器におい
て、地震による振動を早期に効率よく減衰させるために
大きな減衰力を発生させようとして、シリンダとロッド
とを長くすると、設置において軸方向の占有空間が大き
くなる上に、撓み等を起こさせないために厚肉のシリン
ダや、太いロッドを用いることになって重量が極めて大
きくなる一方、シリンダとロッドとの間の隙間を小さく
すると、シリンダ及びロッドの製造上の寸法精度の関連
でシリンダとロッドとが接触し、場合により、シリンダ
に対してロッドが軸方向に移動できなくなる。
【0007】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、簡単な構成で壁内
に筋交い状に又は柱に該柱と略平行であって略鉛直方向
に伸びて設置できて価格を低減でき、しかも、揺動にお
いて異音の発生のない吸振器及びそれを用いた制震構造
を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的とするところは、軸方向
の占有空間及び重量を大きくすることなしに、しかも、
シリンダとロッドとの接触等の不都合な事態を生じさせ
ないで、大きな減衰力を発生させることができる吸振器
及びそれを用いた制震構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様の吸
振器は、中空の外側の長尺体と内側の長尺体とを少なく
とも具備しており、ここで、内側の長尺体は、外側の長
尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配され
た軸方向に伸びる外面を有していると共に外側の長尺体
に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部
と、この内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に
外側の長尺体の軸方向の一端部から外部に突出した一端
部とを具備しており、外側の長尺体の内面と内側の長尺
体の外面との間の隙間には、これら内面及び外面に接触
して粘性体又は粘弾性体が配されており、外側の長尺体
の他端部には一方の一の取付板部材が固着されており、
内側の長尺体の一端部には他方の一の取付板部材が固着
されている。
【0010】第一の態様の吸振器によれば、各取付板部
材を介して例えば柱及び水平材に本吸振器を連結するこ
とにより、地震等による例えば上水平材に対する下水平
材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体
に対して内側の長尺体が相対的に軸方向に移動される結
果、外側の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の
隙間に配された粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変形を生
じさせて相対振動エネルギを吸収できる上に、めがね継
手等に代えて、各取付板部材を介して柱及び水平材等に
例えば各取付板部材の幅広の取付面において当該取付板
部材を挟持するスプライスプレート等を用いて摩擦接合
をもって簡単に強固に連結することができるために、簡
単な構成で壁内に筋交い状に又は柱に平行に設置できて
価格を低減でき、しかも、揺動において異音の発生がな
く、取付上のガタを生じない上に低価格化を図り得て、
強固な連結を得ることができる。
【0011】本発明の第二の態様の吸振器では、第一の
態様の吸振器において、一方の一の取付板部材の幅広の
取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質
的に平行になっている。
【0012】第二の態様の吸振器によれば、一方及び他
方の一の取付板部材においてその幅広の取付面が互いに
実質的に平行になっているために、両一の取付板部材の
幅広の取付面を例えば建物の壁面と平行となるようにし
て吸振器を両一の取付板部材を介して建物の壁を画成す
る柱及び水平材に夫々連結することができ、斯かる連結
態様では、後述の補強用の他の一の取付板部材を設けな
い際には、柱及び水平材の面外方向の相対振動では、両
一の取付板部材の面外方向の容易な撓みでもって斯かる
相対振動に無理なく追従させることができる結果、所望
の減衰効果を発揮できる。
【0013】上記の第一又は第二の態様の吸振器におい
ては、一本の外側の長尺体と一本の内側の長尺体とで吸
振器を構成してもよいが、これに代えて、外側の長尺体
と内側の長尺体との組を複数設け、複数の外側の長尺体
を互いに固着して一体化し、一方の一の取付板部材を複
数の外側の長尺体の夫々の他端部に固着して共用し、他
方の一の取付板部材を複数の内側の長尺体の夫々に固着
して共用してなる本発明の第三の態様の吸振器のように
構成してもよい。
【0014】本発明の第四の態様の吸振器では、第一か
ら第三のいずれかの態様の吸振器において、一方の一の
取付板部材は、外側の長尺体の他端部に形成されたスリ
ットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部に固着され
ている。
【0015】第四の態様の吸振器によれば、一方の一の
取付板部材の外側の長尺体への固着をより強固にでき、
長期の使用で一方の一の取付板部材が外側の長尺体から
外れてしまうような不都合な事態を避けることができ
る。
【0016】本発明の第五の態様の吸振器では、第一か
ら第三のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺
体の他端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一
方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて
外側の長尺体の他端部に固着されている。
【0017】第五の態様の吸振器のように、一方の一の
取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の
他端部に固着してもよいのであるが、この場合、鍔部材
又は蓋部材を溶接等により外側の長尺体の他端部に固着
し、一方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔
部材又は蓋部材に固着するとよい。
【0018】本発明の第六の態様の吸振器では、第一か
ら第五のいずれかの態様の吸振器において、他方の一の
取付板部材は、内側の長尺体の一端部に形成されたスリ
ットに嵌装されて当該内側の長尺体の一端部に固着され
ている。
【0019】第六の態様の吸振器においても、第四の態
様の吸振器と同様に、他方の一の取付板部材の内側の長
尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の一
の取付板部材が内側の長尺体から外れてしまうような不
都合な事態を避けることができる。
【0020】本発明の第七の態様の吸振器では、第一か
ら第五のいずれかの態様の吸振器において、内側の長尺
体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、他
方の一の取付板部材は、内側の長尺体の一端部に固着さ
れた鍔部材又は蓋部材に固着されて内側の長尺体の一端
部に固着されている。
【0021】第七の態様の吸振器でも、第五の態様の吸
振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶接等により外側の
長尺体の他端部に固着し、他方の一の取付板部材を溶接
又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよ
い。
【0022】上記のいずれかの態様の吸振器は、充填さ
れた粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、本
発明の第八の態様のように、外側の長尺体の内部に対す
る内側の長尺体の内挿部の軸方向の進退における粘性体
又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制手段を具備し
ていると好ましい。
【0023】本発明の第八の態様の吸振器では、その第
九の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であっ
て、抑制手段は、外側及び内側の長尺体のうちの少なく
とも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填
される室と空気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性
体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備し
ていても、その第十の態様の吸振器のように、内側の長
尺体が中空であって、抑制手段は、外側及び内側の長尺
体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部に充填され
た粘性体又は粘弾性体に埋設される空気袋、発泡ゴム又
はスポンジ等の可圧縮体を具備していてもよく、その第
十一の態様の吸振器のように、抑制手段は、内側の長尺
体の内部に形成されていると共に粘性体又は粘弾性体の
内圧の増減で容積を減増する空気室を具備してもよい。
【0024】上記のいずれかの態様の吸振器において、
本発明の外側の長尺体と内側の長尺体とは、好ましくは
本発明の第十二の態様の吸振器のように、円筒部材から
なる。
【0025】本発明の第十三の態様の吸振器では、上記
のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他
端部には一方の他の一の取付板部材が固着されており、
一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の一の取
付板部材の幅広の取付面と交叉している。
【0026】第十三の態様の吸振器によれば、幅広の取
付面が互いに交叉するようにして一方の両一の取付板部
材が外側の長尺体の他端部に固着されているために、一
方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
【0027】第十三の態様の吸振器において、一方の他
の一の取付板部材は、本発明の第十四の態様の吸振器の
ように、外側の長尺体の他端部に形成されたスリットに
嵌装されて当該外側の長尺体の他端部に固着されていて
も、本発明の第十五の態様の吸振器のように、一方の一
の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部に固着
されていてもよい。
【0028】第十四の態様の吸振器によれば、一方の他
の一の取付板部材の外側の長尺体への固着をより強固に
でき、長期の使用で一方の他の一の取付板部材が外側の
長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けるこ
とができる。
【0029】好ましい例では、一方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部に
固着されている。
【0030】本発明の第十六の態様の吸振器では、上記
のいずれかの態様の吸振器において、内側の長尺体の一
端部には他方の他の一の取付板部材が固着されており、
他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、他方の一の取
付板部材の幅広の取付面と交叉している。
【0031】第十六の態様の吸振器によれば、第十三の
態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が互いに交叉する
ようにして他方の両一の取付板部材が内側の長尺体の一
端部に固着されているために、他方の両一の取付板部材
の曲げ強度を増加できる。
【0032】第十六の態様の吸振器において、他方の他
の一の取付板部材は、本発明の第十七の態様の吸振器の
ように、内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに
嵌装されて当該内側の長尺体の一端部に固着されていて
も、本発明の第十八の態様の吸振器のように、他方の一
の取付板部材に固着されて内側の長尺体の一端部に固着
されていてもよい。
【0033】第十七の態様の吸振器によれば、他方の他
の一の取付板部材の内側の長尺体への固着をより強固に
でき、長期の使用で他方の他の一の取付板部材が内側の
長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けるこ
とができる。
【0034】好ましい例では、他方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして内側の長尺体の他端部に
固着されている。
【0035】本発明の第十九の態様の吸振器では、上記
のいずれかの態様の吸振器において、隙間と外側及び内
側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体とは、次式
(1)及び(2)の関係を有している。
【0036】
【数式7】 10≦d・t≦100 (1)
【0037】
【数式8】 0.5≦t/d≦8 (2)
【0038】ここで、dは、隙間の軸方向に直交する方
向の厚みであり、tは、外側及び内側の長尺体のうちの
少なくとも一方の長尺体の軸方向に直交する方向の厚み
である。
【0039】本発明に係る吸振器では、外側の長尺体に
対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動でもって、
隙間に配された粘性体又は粘弾性体に剪断変形を生じさ
せて減衰力を発生し、而して、建物等の地震による振動
を減衰させるのであるから、減衰力の大きさは、隙間の
軸方向に直交する方向の厚みdに反比例することとなる
結果、長尺体は、斯かる厚みdに反比例する大きさの減
衰力に耐える強度を有している必要があり、厚みdと長
尺体の軸方向に直交する方向の厚みtとの積(d・t)
が10よりも小さいと、長尺体は、発生する減衰力に対
して強度的に弱くなって、場合により、発生する減衰力
に耐えられず折れ曲がる虞を有することとなる一方、積
(d・t)が100よりも大きいと、発生する減衰力の
大きさに比較して厚みtが必要以上となり、大重量及び
大径の吸振器となってコストアップの要因となる。
【0040】また本発明に係る吸振器では、粘性体又は
粘弾性体の短時間の繰り返し剪断変形において粘性体又
は粘弾性体が発熱するのであるが、この熱を効率よく迅
速に逃がさないと粘性体又は粘弾性体の粘性又は粘弾性
が低下して意図した減衰力が発生されなくなる虞がある
が、厚みtと厚みdとの比(t/d)が0.5よりも小
さいと、多くの場合、粘性体又は粘弾性体の熱容量に対
して長尺体の熱容量が小さくなって、粘性体又は粘弾性
体で発生した熱が効率よく迅速に長尺体を介して逃がさ
れなくなって、粘性体又は粘弾性体自体の昇温が生じて
意図した減衰力が発生されなくなる虞がある。
【0041】更にまた本発明に係る吸振器では、粘性体
又は粘弾性体自体に昇温を生じさせないという観点から
は、比(t/d)が0.5以上であることが好ましいの
であるが、比(t/d)が8よりも大きくなると、上記
の通り大重量及び大径の吸振器となる上に、外側の長尺
体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の少しの移動
において粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動が生じ
て、建物等の地震による振動を効率よく減衰させること
が困難となる。
【0042】したがって、第十九の態様の吸振器では、
積(d・t)が10以上であって100以下であり、比
(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、
厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、し
かも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径を
もった吸振器を提供することができることになる上に、
粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺
体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温
をなくし得て意図した減衰力を発生でき、加えて、外側
の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動
においても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動を生じ
させないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰
させることができることになる。
【0043】本発明の第二十の態様の吸振器は、中空の
外側の長尺体と内側の長尺体と少なくとも一つの中空の
中間の長尺体とを具備しており、ここで、中間の長尺体
は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間を
もって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に
外側の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されて
いる内挿部を具備しており、内側の長尺体は、中間の長
尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配され
た軸方向に伸びる外面を有していると共に中間の長尺体
に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を
具備しており、外側の長尺体の内面と中間の長尺体の外
面との間及び中間の長尺体の内面と内側の長尺体の外面
との間の夫々の隙間には、これら内面及び外面に接触し
て粘性体又は粘弾性体が配されている。
【0044】第二十の態様の吸振器によれば、各取付手
段を介して例えば柱及び水平材に本吸振器を連結するこ
とにより、地震等による例えば上水平材に対する下水平
材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体
に対する中間の長尺体の相対的な軸方向の移動及び中間
の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動
で粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変形を生じさせて相対
振動エネルギを第一の態様の吸振器と比較して更に効果
的に吸収できる結果、換言すれば、外側の長尺体の内面
と中間の長尺体の外面との間の隙間に配された粘性体又
は粘弾性体による減衰力に加えて、中間の長尺体の内面
と内側の長尺体の外面との間の隙間に配された粘性体又
は粘弾性体による減衰力をも得ることができる結果、軸
方向の占有空間及び重量を大きくすることなしに、しか
も、極端に狭い隙間に起因する長尺体相互の接触等の不
都合な事態を生じさせないで、発生する減衰力を大きく
することができる。
【0045】上記第二十の態様の吸振器において、充填
された粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、
好ましくは本発明の第二十一の態様のように、吸振器
は、外側の長尺体の内部に対する中間の長尺体の進退及
び中間の長尺体の内部に対する内側の長尺体の進退によ
る粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制手段
を具備しているとよい。
【0046】本発明の第二十一の態様の吸振器では、そ
の第二十二の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中
空であって、抑制手段は、中間及び内側の長尺体のうち
の少なくとも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性
体が充填される室と空気室とに画成すると共に粘性体又
は粘弾性体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁
を具備していても、その第二十三の態様の吸振器のよう
に、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、外側、
中間及び内側の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体
の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体に埋設されて
いると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で体積を減
増する空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具
備していてもよく、更には、その第二十四の態様の吸振
器のように、抑制手段は、内側の長尺体の内部に形成さ
れていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で容積
を減増する空気室を具備してもよい。
【0047】第二十から第二十四のいずれかの態様の吸
振器において、好ましくは本発明の第二十五の態様の吸
振器のように、外側の長尺体と内側の長尺体と中間の長
尺体とは円筒部材からなる。
【0048】第二十から第二十五のいずれかの態様の吸
振器において、好ましくは本発明の第二十六の態様の吸
振器のように、両隙間のうちの少なくとも一方の隙間
と、外側及び内側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの
少なくとも一つの長尺体とは、次式(1)及び(2)の
関係を有している。
【0049】
【数式9】 10≦d・t≦100 (1)
【0050】
【数式10】 0.5≦t/d≦8 (2)
【0051】ここで、dは、両隙間のうちの少なくとも
一方の隙間の軸方向に直交する方向の厚みであり、t
は、外側及び内側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの
少なくとも一つの長尺体の軸方向に直交する方向の厚み
である。
【0052】第二十六の態様の吸振器においても、積
(d・t)が10以上であって100以下であり、比
(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、
厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、し
かも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径を
もった吸振器を提供することができることになる上に、
粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺
体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温
をなくし得て意図した減衰力を発生でき、更に、外側及
び内側の長尺体に対する中間の長尺体の相対的な軸方向
の移動においても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動
を生じさせないので、建物等の地震による振動を効率よ
く減衰させることができることになる。
【0053】上記の第二十から第二十六のいずれかの態
様の吸振器では、本発明の第二十七の態様の吸振器のよ
うに、中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向
に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の一端部から
外部に突出した一端部を具備しており、内側の長尺体
は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に
中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出した一端
部を具備しており、外側の長尺体の軸方向の他端部及び
内側の長尺体の一端部には一方の取付手段が設けられて
おり、中間の長尺体の一端部には他方の取付手段が設け
られているとよい。
【0054】第二十七の態様の吸振器では、本発明の第
二十八の態様の吸振器のように、一方の取付手段は、外
側の長尺体の軸方向の他端部及び内側の長尺体の一端部
に固着された一方の一の取付板部材を具備しており、他
方の取付手段は、中間の長尺体の一端部に固着された他
方の一の取付板部材を具備しているとよい。
【0055】第二十八の態様の吸振器によれば、第一の
態様の吸振器と同様に、めがね継手等に代えて、各取付
板部材を介して柱及び水平材等に例えば各取付板部材の
幅広の取付面において当該取付板部材を挟持するスプラ
イスプレート等を用いて摩擦接合をもって簡単に強固に
連結することができるために、簡単な構成で壁内に筋交
い状に又は柱に平行に設置できて価格を低減でき、しか
も、揺動において異音の発生がなく、取付上のガタを生
じない上に低価格化を図り得て、強固な連結を得ること
ができる。
【0056】本発明の第二十八の態様の吸振器では、第
二十九の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材
の幅広の取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付
面と実質的に平行になっていてもよい。
【0057】第二十九の態様の吸振器によれば、第二の
態様の吸振器と同様に、両取付板部材の幅広の取付面を
例えば建物の壁面内と平行となるようにして吸振器を両
取付板部材を介して建物の壁を画成する柱及び水平材に
夫々連結することができ、斯かる連結態様では、後述の
補強用の取付板部材を設けない際には、柱及び水平材の
面外方向の相対振動では、両取付板部材の面外方向の容
易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく追従させる
ことができる結果、所望の減衰効果を発揮できる。
【0058】第二十八及び第二十九の態様の吸振器で
も、外側の長尺体、内側の長尺体及び中間の長尺体の夫
々を一本でもって吸振器を構成してもよいが、これに代
えて、外側の長尺体と、少なくとも一つの中空の中間の
長尺体と、内側の長尺体との組を複数設け、複数の外側
の長尺体を互いに固着して一体化し、一方の一の取付板
部材を複数の外側の長尺体の夫々の他端部及び内側の長
尺体の夫々の一端部の夫々に固着して共用し、他方の一
の取付板部材を複数の中間の長尺体の夫々の一端部に固
着して共用してなる本発明の第三十の態様の吸振器のよ
うに構成してもよい。
【0059】本発明の第三十一の態様の吸振器では、第
二十八から第三十のいずれかの態様の吸振器において、
一方の一の取付板部材は、外側の長尺体の他端部及び内
側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて
当該外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に
固着されている。
【0060】第三十一の態様の吸振器によれば、第四の
態様の吸振器と同様に、一方の一の取付板部材の外側及
び内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用
で一方の一の取付板部材が外側及び内側の長尺体から外
れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
【0061】本発明の第三十二の態様の吸振器では、第
二十八から第三十のいずれかの態様の吸振器において、
外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部には鍔
部材又は蓋部材が固着されており、一方の一の取付板部
材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて外側の長尺体の他
端部及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
【0062】第三十二の態様の吸振器でも、一方の一の
取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の
他端部及び内側の長尺体の一端部に固着してもよいので
あるが、この場合にも、鍔部材又は蓋部材を溶接等によ
り外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固
着し、一方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により
鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
【0063】本発明の第三十三の態様の吸振器では、第
二十八から第三十二のいずれかの態様の吸振器におい
て、他方の一の取付板部材は、中間の長尺体の一端部に
形成されたスリットに嵌装されて当該中間の長尺体の一
端部に固着されている。
【0064】第三十三の態様の吸振器によれば、第六の
態様の吸振器と同様に、他方の一の取付板部材の中間の
長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の
一の取付板部材が中間の長尺体から外れてしまうような
不都合な事態を避けることができる。
【0065】本発明の第三十四の態様の吸振器では、第
二十八から第三十二のいずれかの態様の吸振器におい
て、中間の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着
されており、他方の一の取付板部材は、中間の長尺体の
一端部に固着された鍔部材又は蓋部材に固着されて中間
の長尺体の一端部に固着されている。
【0066】第三十四の態様の吸振器でも、第七の態様
の吸振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶接等により中
間の長尺体の一端部に固着し、他方の一の取付板部材を
溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着すると
よい。
【0067】本発明の第三十五の態様の吸振器では、第
二十八から第三十四のいずれかの態様の吸振器におい
て、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の
夫々には一方の他の一の取付板部材が固着されており、
一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の一の取
付板部材の幅広の取付面と交叉している。
【0068】第三十五の態様の吸振器によれば、第十三
の態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が互いに交叉す
るようにして一方の両一の取付板部材が外側の長尺体の
他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されてい
るために、一方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加で
きる。
【0069】第三十五の態様の吸振器において、一方の
他の一の取付板部材は、本発明の第三十六の態様の吸振
器のように、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の
一端部の夫々に形成されたスリットに嵌装されて当該外
側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に
固着されていても、本発明の第三十七の態様の吸振器の
ように、一方の一の取付板部材に固着されて外側の長尺
体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着され
ていてもよい。
【0070】第三十六の態様の吸振器によれば、一方の
他の一の取付板部材の外側及び内側の長尺体への固着を
強固にでき、長期の使用で一方の他の一の取付板部材が
外側及び内側の長尺体から外れてしまうような不都合な
事態を避けることができる。
【0071】好ましい例では、一方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部及
び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されている。
【0072】本発明の第三十八の態様の吸振器では、上
記の二十八から三十七のいずれかの態様の吸振器におい
て、中間の長尺体の軸方向の一端部には他方の他の一の
取付板部材が固着されており、他方の他の一の取付板部
材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面
と交叉している。
【0073】第三十八の態様の吸振器によれば、幅広の
取付面が互いに交叉するようにして他方の両一の取付板
部材が中間の長尺体の一端部に固着されているために、
他方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
【0074】第三十八の態様の吸振器において、他方の
他の一の取付板部材は、本発明の第三十九の態様の吸振
器のように、中間の長尺体の一端部に形成されたスリッ
トに嵌装されて当該中間の長尺体の一端部に固着されて
いても、本発明の第四十の態様の吸振器のように、他方
の一の取付板部材に固着されて中間の長尺体の一端部に
固着されていてもよい。
【0075】第三十九の態様の吸振器によれば、他方の
他の一の取付板部材の中間の長尺体への固着をより強固
にでき、長期の使用で他方の他の一の取付板部材が中間
の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避ける
ことができる。
【0076】好ましい例では、他方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして中間の長尺体の一端部に
固着されている。
【0077】本発明の第四十一の態様の吸振器は、中空
の外側の長尺体と内側の長尺体と少なくとも二つの中空
の中間の長尺体とを具備しており、ここで、一方の中間
の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内面に対し
て隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有してい
ると共に外側の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿
入されている内挿部を具備しており、他方の中間の長尺
体は、一方の中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対し
て隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有してい
ると共に一方の中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自
在に挿入されている内挿部を具備しており、内側の長尺
体は、他方の中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対し
て隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有してい
ると共に他方の中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自
在に挿入されている内挿部を具備しており、外側の長尺
体の内面と一方の中間の長尺体の外面との間、一方の中
間の長尺体の内面と他方の中間の長尺体の外面との間及
び他方の中間の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との
間の夫々の隙間には、これら内面及び外面に接触して粘
性体又は粘弾性体が配されている。
【0078】第四十一の態様の吸振器によれば、第二十
の態様の吸振器と同様に、各取付手段を介して例えば柱
及び水平材に本吸振器を連結することにより、地震等に
よる例えば上水平材に対する下水平材の壁面内での水平
方向の相対振動では、外側の長尺体及び他方の中間の長
尺体に対する一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の相
対的な軸方向の移動で粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変
形を生じさせて相対振動エネルギを第一及び第二十の態
様の吸振器と比較して更により効果的に吸収できる結
果、軸方向の占有空間及び重量を大きくすることなし
に、しかも、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二
つの中空の中間の長尺体との接触等の不都合な事態を生
じさせないで、発生する減衰力を大きくすることができ
る。
【0079】第四十一の態様の吸振器において、充填さ
れた粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、好
ましくは本発明の第四十二の態様のように、吸振器は、
外側の長尺体及び他方の中間の長尺体の夫々の内部に対
する一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の夫々の進退
による粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制
手段を具備している。
【0080】本発明の第四十二の態様の吸振器では、そ
の第四十三の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中
空であって、抑制手段は、他方の中間の長尺体及び内側
の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部を粘
性体又は粘弾性体が充填される室と空気室とに画成する
と共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で室の容積を増
減する可撓隔壁を具備していても、その第四十四の態様
の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制
手段は、外側の長尺体、二つの中間の長尺体及び内側の
長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の中空部に充填
された粘性体又は粘弾性体に埋設されていると共に粘性
体又は粘弾性体の内圧の増減で体積を減増する空気袋、
発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具備していても、
更には、その第四十五の態様の吸振器のように、抑制手
段は、内側の長尺体の内部に形成されていると共に粘性
体又は粘弾性体の内圧の増減で容積を減増する空気室を
具備してもよい。
【0081】第四十一から第四十五のいずれかの態様の
吸振器において、好ましくは本発明の第四十六の態様の
吸振器のように、外側の長尺体と内側の長尺体と少なく
とも二つの中間の長尺体とは円筒部材からなる。
【0082】第四十一から第四十六のいずれかの態様の
吸振器において、好ましくは本発明の第四十七の態様の
吸振器のように、三個の隙間のうちの少なくとも一つの
隙間と、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの
中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体とは、次
式(1)及び(2)の関係を有している。
【0083】
【数式11】 10≦d・t≦100 (1)
【0084】
【数式12】 0.5≦t/d≦8 (2)
【0085】ここで、dは、三個の隙間のうちの少なく
とも一つ隙間の軸方向に直交する方向の厚みであり、t
は、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの中間
の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の軸方向に直
交する方向の厚みである。
【0086】第四十七の態様の吸振器においても、積
(d・t)が10以上であって100以下であり、比
(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、
厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、し
かも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径を
もった吸振器を提供することができることになる上に、
粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺
体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温
をなくし得て意図した減衰力を発生でき、加えて、外側
の長尺体及び他方の中間の長尺体に対する一方の中間の
長尺体及び内側の長尺体の相対的な軸方向の移動におい
ても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動を生じさせな
いので、建物等の地震による振動を効率よく減衰させる
ことができることになる。
【0087】第四十一から第四十七のいずれかの態様の
吸振器では、本発明の第四十八の態様の吸振器のよう
に、一方の中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸
方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の一端部
から外部に突出した一端部を具備しており、他方の中間
の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びてい
ると共に一方の中間の長尺体の軸方向の他端部から外部
に突出した一端部を具備しており、内側の長尺体は、そ
の内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に他方の
中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出した一端
部を具備しており、外側の長尺体の軸方向の他端部及び
他方の中間の長尺体の一端部には一方の取付手段が設け
られており、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長
尺体の一端部には他方の取付手段が設けられているとよ
い。
【0088】第四十八の態様の吸振器では、本発明の第
四十九の態様の吸振器のように、一方の取付手段は、外
側の長尺体の軸方向の他端部及び他方の中間の長尺体の
一端部の夫々に固着された一方の一の取付板部材を具備
しており、他方の取付手段は、一方の中間の長尺体の一
端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着された他方
の一の取付板部材を具備しているとよい。
【0089】第四十九の態様の吸振器によれば、第一及
び第二十八の態様の吸振器と同様に、めがね継手等に代
えて、各取付板部材を介して柱及び水平材等に例えば各
取付板部材の幅広の取付面において当該取付板部材を挟
持するスプライスプレート等を用いて摩擦接合をもって
簡単に強固に連結することができるために、簡単な構成
で壁内に筋交い状に又は柱に平行に設置できて価格を低
減でき、しかも、揺動において異音の発生がなく、取付
上のガタを生じない上に低価格化を図り得て、強固な連
結を得ることができる。
【0090】本発明の第四十九の態様の吸振器では、第
五十の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材の
幅広の取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面
と実質的に平行になっているとよい。
【0091】第五十の態様の吸振器によれば、第二及び
第二十九の態様の吸振器と同様に、両取付板部材の幅広
の取付面を例えば建物の壁面内と平行となるようにして
吸振器を両取付板部材を介して建物の壁を画成する柱及
び水平材に夫々連結することができ、斯かる連結態様で
は、後述の補強用の取付板部材を設けない際には、柱及
び水平材の面外方向の相対振動では、両取付板部材の面
外方向の容易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく
追従させることができる結果、所望の減衰効果を発揮で
きる。
【0092】第四十九及び第五十の態様の吸振器でも、
外側の長尺体、内側の長尺体及び二つの中間の長尺体の
夫々を一本でもって吸振器を構成してもよいが、これに
代えて、外側の長尺体と、少なくとも二つの中空の中間
の長尺体と、内側の長尺体との組を複数設けて、複数の
外側の長尺体を互いに固着して一体化し、一方の一の取
付板部材を複数の外側の長尺体の夫々の他端部及び複数
の他方の中間の長尺体の夫々の一端部に固着して共用
し、他方の一の取付板部材を複数の一方の中間の長尺体
の夫々の一端部及び複数の内側の長尺体の夫々の一端部
に固着して共用してなる本発明の第五十一の態様の吸振
器のように構成してもよい。
【0093】本発明の第五十二の態様の吸振器では、第
四十九から第五十一のいずれかの態様の吸振器におい
て、一方の一の取付板部材は、外側の長尺体の他端部及
び他方の中間の長尺体の一端部に形成されたスリットに
嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び他方の中間の
長尺体の一端部に固着されている。
【0094】第五十二の態様の吸振器においても、第四
及び第三十一の態様の吸振器と同様に、一方の一の取付
板部材の外側の長尺体及び他方の中間の長尺体への固着
をより強固にでき、長期の使用で一方の一の取付板部材
が外側の長尺体及び他方の中間の長尺体から外れてしま
うような不都合な事態を避けることができる。
【0095】本発明の第五十三の態様の吸振器では、第
四十九から第五十一のいずれかの態様の吸振器におい
て、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一
端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一方の一
の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて外側の
長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着
されている。
【0096】第五十三の態様の吸振器でも、一方の一の
取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の
他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着してもよ
いのであるが、この場合にも、鍔部材又は蓋部材を溶接
等により外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体
の一端部に固着し、一方の一の取付板部材を溶接又はボ
ルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
【0097】本発明の第五十四の態様の吸振器では、第
四十九から第五十三のいずれかの態様の吸振器におい
て、他方の一の取付板部材は、一方の中間の長尺体の一
端部及び内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに
嵌装されて当該一方の中間の長尺体の一端部及び内側の
長尺体の一端部に固着されている。
【0098】第五十四の態様の吸振器においても、第六
及び第三十三の態様の吸振器と同様に、他方の一の取付
板部材の一方の中間の長尺体及び内側の長尺体への固着
をより強固にでき、長期の使用で他方の一の取付板部材
が一方の中間の長尺体及び内側の長尺体から外れてしま
うような不都合な事態を避けることができる。
【0099】本発明の第五十五の態様の吸振器では、第
四十九から第五十三のいずれかの態様の吸振器におい
て、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一
端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、他方の一
の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて一方の
中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着
されている。
【0100】第五十五の態様の吸振器でも、第七及び第
三十四の態様の吸振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶
接等により一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺
体の一端部に固着し、他方の一の取付板部材を溶接又は
ボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
【0101】本発明の第五十六の態様の吸振器では、第
四十九から第五十五のいずれかの態様の吸振器におい
て、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一
端部の夫々には一方の他の一の取付板部材が固着されて
おり、一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の
一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
【0102】第五十六の態様の吸振器によれば、第十三
及び第三十五の態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が
互いに交叉するようにして一方の両一の取付板部材が外
側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の
夫々に固着されているために、一方の両一の取付板部材
の曲げ強度を増加できる。
【0103】第五十六の態様の吸振器において、一方の
他の一の取付板部材は、本発明の第五十七の態様の吸振
器のように、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長
尺体の一端部の夫々に形成されたスリットに嵌装されて
当該外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一
端部の夫々に固着されていても、本発明の第五十八の態
様の吸振器のように、一方の一の取付板部材に固着され
て外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端
部の夫々に固着されていてもよい。
【0104】第五十七の態様の吸振器によれば、一方の
他の一の取付板部材の外側の長尺体及び他方の中間の長
尺体への固着を強固にでき、長期の使用で一方の他の一
の取付板部材が外側の長尺体及び他方の中間の長尺体か
ら外れてしまうような不都合な事態を避けることができ
る。
【0105】好ましい例では、一方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部及
び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されてい
る。
【0106】本発明の第五十九の態様の吸振器では、上
記の第四十九から第五十八のいずれかの態様の吸振器に
おいて、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体
の一端部には他方の他の一の取付板部材が固着されてお
り、他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、他方の一
の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
【0107】第五十九の態様の吸振器によれば、幅広の
取付面が互いに交叉するようにして他方の両一の取付板
部材が一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の
一端部に固着されているために、他方の両一の取付板部
材の曲げ強度を増加できる。
【0108】第五十九の態様の吸振器において、他方の
他の一の取付板部材は、本発明の第六十の態様の吸振器
のように、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺
体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて一方の中
間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着さ
れていても、本発明の第六十一の態様の吸振器のよう
に、他方の一の取付板部材に固着されて一方の中間の長
尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されてい
てもよい。
【0109】第六十の態様の吸振器によれば、他方の他
の一の取付板部材の一方の中間の長尺体及び内側の長尺
体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の他の
一の取付板部材が一方の中間の長尺体及び内側の長尺体
から外れてしまうような不都合な事態を避けることがで
きる。
【0110】好ましい例では、他方の他の一の取付板部
材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広
の取付面に直交するようにして一方の中間の長尺体及び
内側の長尺体の一端部に固着されている。
【0111】なお、本発明による吸振器は、取付板部材
を介して例えば壁面内の方向(面内方向)では剛性的に
柱及び水平材に連結されることになるが、地震による上
水平材に対する下水平材の壁面内での水平方向の相対振
動では、外側の長尺体と内側の長尺体との相互の相対的
な軸方向の移動、外側の長尺体及び内側の長尺体と中間
の長尺体との相互の相対的な軸方向の移動又は外側の長
尺体及び他方の中間の長尺体と一方の中間の長尺体及び
内側の長尺体との相互の相対的な軸方向の移動に加えて
各長尺体の若干の撓みでもってこの相対振動に追従する
ことになってもよい。
【0112】本発明の第一の態様の制震構造は、上記の
第一から第十九、第二十八から第四十及び第四十九から
第六十一のいずれかの態様の吸振器を備えており、ここ
で、吸振器は、一方の一の取付板部材及びこの一方の一
の取付板部材に固着された一方の連結手段を介して柱又
は水平材に、他方の一の取付板部材及びこの他方の一の
取付板部材に固着された他方の連結手段を介して水平材
又は柱に夫々連結されている。
【0113】第一の態様の制震構造によれば、上記の第
一から第十九、第二十八から第四十及び第四十九から第
六十一のいずれかの態様の吸振器が取付板部材及び連結
手段を介して柱又は水平材に連結されている結果、建物
を制震化できて、地震による被害を最小にできる。
【0114】本発明の第二の態様の制震構造では、第一
の態様の制震構造において、各連結手段は、対応の一の
取付板部材を当該一の取付板部材の幅広の取付面におい
て一端部で挟持する少なくとも一対のスプライスプレー
トと、この一対のスプライスプレートの一端部を一の取
付板部材に締め付けるボルトとを具備しており、一対の
スプライスプレートの他端部は、対応の柱又は水平材に
固着されたブラケットにボルトを介して固着されてい
る。
【0115】第二の態様の制震構造によれば、一対のス
プライスプレートと取付板部材及びブラケットへの摩擦
接合により吸振器の更に強固な連結を達成できる上に、
吸振器の壁空間への設置作業を簡略化でき、作業時間を
大幅に短縮でき、しかも、吸振器の取り替えを容易に行
うことができる。
【0116】本発明の第三の態様の制震構造では、第一
又は第二の態様の制震構造において、吸振器は、建物等
の左右柱及び上下水平材によって画成される壁空間に筋
交い状に又は建物等の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直
方向に伸びて配置されている。
【0117】本発明の第四の態様の制震構造では、第三
の態様の制震構造において、両一の取付板部材の幅広の
取付面は壁空間の面に平行に配されている。
【0118】第四の態様の制震構造によれば、両一の取
付板部材の幅広の取付面が壁空間の面に平行に配されて
いる結果、上記の吸振器による効果を得ることができる
上に、利用空間を狭めることなしに建物を制震化でき
る。
【0119】本発明の第五の態様の制震構造は、上記第
二十から第二十七及び第四十一から第四十八のいずれか
の態様の吸振器を備えており、吸振器は、一方の取付手
段及びこの一方の取付手段に取り付けられた一方の連結
手段を介して柱又は水平材に、他方の取付手段及びこの
他方の取付手段に取り付けられた他方の連結手段を介し
て水平材又は柱に夫々連結されている。
【0120】第五の態様の制震構造によれば、上記第二
十から第二十七及び第四十一から第四十八のいずれかの
態様の吸振器が各連結手段を介して柱又は水平材に連結
されている結果、建物を制震化できて、地震による被害
を最小にできる。
【0121】本発明の第六の態様の制震構造では、第五
の態様の制震構造において、吸振器は、建物等の左右柱
及び上下水平材によって画成される壁空間に筋交い状に
又は建物等の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直方向に伸
びて配置されている。
【0122】本発明の吸振器が適用される建物は、公共
及び民間を含む事業用若しくは事務所ビル、共同住宅を
含む集合住宅及び戸建住宅等を含み、新築又は既設建物
のいずれでもよい。
【0123】本発明に用いる粘性体としては、30℃に
おけるその粘度が1000Pa・sから50000Pa
・sであるものが好ましく、また、本発明に用いる粘弾
性体としては、20℃におけるその等価粘性減衰定数が
20%から50%であるものが好ましいが、本発明で
は、これらに必ずしも限定されず、上記の効果を得るこ
とができる粘性体又は粘弾性体であればよい。そして、
本発明に用いる粘性体としては、具体的には、通常のシ
リコン油等の粘性体でもよいが、例えば高粘度を有した
ポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリブテン又はジ
メチルポリシロキサン等の高分子粘性体又はアスファル
ト等を好ましい例として挙げることができるが、その他
の粘性体でもよく、また、本発明に用いる粘弾性体とし
ては、具体的には、天然ゴム、合成ゴム、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレンなどの液状合成ゴム、その他上記粘
性体と混合したものなどを例示することができるが、そ
の他の粘弾性体でもよい。
【0124】更に本発明において、隙間を維持すべく各
長尺体間にスペーサ部材を当該長尺体に接触して配して
もよいが、斯かるスペーサ部材としては、無端環状体で
あってもよいが、これに代えて、各長尺体に部分的に接
触するような個別のスペーサ片であってもよい。隙間の
厚みdの好ましい具体例として、1mmから5.5mm
程度を挙げることができる。
【0125】次に本発明及びその実施の形態を図に示す
好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発
明はこれら例に何等限定されないのである。
【0126】
【発明の実施の形態】図1から図6において、本例の制
震構造としての制震壁構造1は、建物の左右柱2及び3
並びに上下水平材4及び5によって画成される壁空間6
に、筋交い状に配置された軸方向Xに伸縮自在である吸
振器7を具備している。
【0127】建物は、本例では高層のビルであって、所
定階の壁空間6に加えて、必要に応じて、この所定階の
壁空間6に隣接する同階の壁空間並びにこの所定階より
も上階及び下階の壁空間にも、図示しないが筋交い状に
吸振器が同様に配置されている。また、図示の例では、
壁空間6に一個の吸振器7を配しているが、二個以上の
複数個の吸振器7を配してもよい。
【0128】吸振器7は、円筒部材からなる中空の外側
の長尺体21と、同じく円筒部材からなる中空の内側の
長尺体22と、長尺体21の円筒状の内面23と長尺体
22の円筒状の外面24との間の円筒状の隙間25に、
これら長尺体21及び22の内面23及び外面24に夫
々接触して配された粘性体又は粘弾性体、本例では粘性
体26と、開口端27側の一端部28を有する長尺体2
1の軸方向Xの閉塞側の他端部29及び長尺体22の閉
塞側の一端部30の夫々に固着された矩形状の取付板部
材31及び32と、長尺体21の一端部28における長
尺体21の内面23と長尺体22の外面24との間の隙
間25を保持する保持手段33とを具備している。
【0129】長尺体21は、円板状の底部35と、底部
35に一体的であって底部35により他端部29側が閉
塞された円筒部36とを具備した有底の円筒部材からな
り、長尺体22は、円板状の底部37と、底部37に一
体的であって底部37により一端部30側が閉塞された
円筒部38とを具備した同じく有底の円筒部材からな
り、斯かる長尺体22の円筒部38は、長尺体21の円
筒部36の軸方向Xに伸びる内面23に対して隙間25
をもって配された軸方向Xに伸びる円筒状の外面24を
有していると共に長尺体21の円筒部36に軸方向Xに
相対的に移動自在に挿入されている内挿部39と、内挿
部39から一体的に軸方向に伸びていると共に長尺体2
1の円筒部36の軸方向Xの一端部28から外部に突出
した一端部30とを具備している。
【0130】粘性体26は、隙間25に加えて隙間25
以外の円筒部36及び38の内部に密に充填されてい
る。なお、長尺体21の円筒部36に対する長尺体22
の円筒部38の軸方向Xの相対的な移動において、円筒
部36の開口端27からの外部への粘性体26の漏出が
生じないようにするために、粘性体26は、隙間25に
おいて円筒部36の開口端27まで一杯には充填されて
いない。
【0131】取付け用のボルト41が挿通される貫通孔
42が穿孔されていると共に一方の取付手段でもある一
方の一の取付板部材31は、長尺体21の底部35及び
円筒部36の他端部29に形成されたスリット43に嵌
装されて当該長尺体21の底部35及び円筒部36の他
端部29に溶接等により固着されており、取付け用のボ
ルト44が挿通される貫通孔45が穿孔されていると共
に他方の取付手段でもある他方の一の取付板部材32
は、長尺体22の底部37及び円筒部38の一端部30
に形成されたスリット46に嵌装されて当該長尺体22
の底部37及び円筒部38の一端部30に溶接等により
固着されている。
【0132】仮止め手段としても用いることができる保
持手段33は、円筒状の筒体51と、筒体51の軸方向
Xの一端部52の内面53にボルト54により固着され
たスペーサ部材55とを具備しており、筒体51は、そ
の軸方向Xの他端部56で取付板部材32にボルト50
により固着されており、スペーサ部材55は筒体51の
円周方向に等間隔に配された四個のスペーサ片57から
なり、各スペーサ片57は、その内面58で長尺体21
の円筒部36の一端部28の外面59に軸方向X及び軸
心60の回りの方向Rに相対的に摺動自在に接触して長
尺体21の軸方向Xの一端部28と筒体51の一端部5
2との間に介在されている。このように四個のスペーサ
片57からなるスペーサ部材55は、長尺体21の円筒
部36の一端部28の外面59に部分的に接触するよう
になっている。
【0133】以上のようにして長尺体21と長尺体22
とは、互いに軸方向Xに相対的に移動自在である上に、
長尺体21に固着された取付板部材31の幅広の取付面
61は、長尺体22に固着された取付板部材32の幅広
の取付面62と実質的に平行になっている。なお本例で
は、長尺体21と長尺体22とは、互いに軸心60の回
りで方向Rに相対的に回転自在である。
【0134】吸振器7において、隙間25の軸方向に直
交する方向の厚みをd1とし、外側及び内側の長尺体2
1及び22のうちの少なくとも一方、本例では長尺体2
1の円筒部36の軸方向に直交する方向の厚みをt1と
し、長尺体22の円筒部38の軸方向に直交する方向の
厚みをt2とすると、厚みd1と厚みt1及びt2と
は、次式(3)から(6)の関係を有している。
【0135】
【数式13】 10≦d1・t1≦100 (3)
【0136】
【数式14】 0.5≦t1/d1≦8 (4)
【0137】
【数式15】 10≦d1・t2≦100 (5)
【0138】
【数式16】 0.5≦t2/d1≦8 (6)
【0139】以上の吸振器7は、取付板部材31及び取
付板部材31に固着された連結手段65を介して柱又は
水平材に、本例では下水平材5に、取付板部材32及び
取付板部材32に固着された連結手段66を介して柱又
は水平材に、本例では上水平材4に夫々連結されてお
り、両取付板部材31及び32の幅広の取付面61及び
62は、壁空間6の面に平行に配されている。
【0140】連結手段65は、取付板部材31を当該取
付板部材31の幅広の取付面61において一端部71で
挟持する少なくとも一対、本例では二対のスプライスプ
レート72及び73と、一対のスプライスプレート72
及び73の一端部71を取付板部材31に締め付けるべ
く、貫通孔42に挿通されたボルト41とを具備してお
り、一対のスプライスプレート72及び73の他端部7
4は、下水平材5に溶接、ボルト等を介して固着された
ブラケット75にボルト41を介して固着されている。
【0141】連結手段66は、取付板部材32を当該取
付板部材32の幅広の取付面62において一端部81で
挟持する少なくとも一対、本例では二対のスプライスプ
レート82(一方のスプライスプレートは図示せず)
と、一対のスプライスプレート82の一端部81を取付
板部材32に締め付けるべく、貫通孔45に挿通された
ボルト44とを具備しており、一対のスプライスプレー
ト82の他端部84は、上水平材4に溶接、ボルト等を
介して固着されたブラケット85にボルト44を介して
固着されている。
【0142】以上の制震壁構造1では、地震等による上
水平材4に対する下水平材5の壁空間6の面内での水平
方向Hの相対振動で長尺体21に対して長尺体22が相
対的に軸方向Xに移動される結果、隙間25に配された
粘性体26に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネル
ギを吸収でき、而して、建物の地震等による振動を早期
に減衰させることができ、しかも、柱2、3及び上下水
平材4、5の面外方向(図5において紙面に直交する方
向)の相対振動では、両取付板部材31及び32の面外
方向の容易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく追
従させることができる結果、所望の減衰効果を発揮で
き、しかも、めがね継手等に代えて、各取付板部材31
及び32の幅広の取付面61及び62において当該取付
板部材31及び32を挟持するスプライスプレート72
及び73並びに82を用いて摩擦接合をもって吸振器7
を上下水平材4及び5に夫々連結させているために、異
音の発生がなく、取付上のガタを生じない上に低価格化
を図り得て、簡単な構成でも強固な連結となっている。
【0143】また吸振器7では、取付板部材31及び3
2は、長尺体21及び長尺体22に形成されたスリット
43及び46に夫々に嵌装されて当該長尺体21及び長
尺体22に固着されているので、取付板部材31及び3
2の夫々の長尺体21及び長尺体22への固着をより強
固にでき、長期の使用で各取付板部材31及び32の夫
々が長尺体21及び長尺体22から外れてしまうような
不都合な事態を避けることができる。
【0144】加えて、吸振器7では、隙間25の厚みd
1と円筒部36の厚みt1との積(d1・t1)が10
以上であって100以下であり、隙間25の厚みd1と
円筒部36の厚みt1との比(t1/d1)が0.5以
上であって8以下であって、隙間25の厚みd1と円筒
部38の厚みt2との積(d1・t2)が10以上であ
って100以下であり、隙間25の厚みd1と円筒部3
8の厚みt2との比(t2/d1)が0.5以上であっ
て8以下であるために、厚みd1の大きさに拘わらず円
筒部36及び38が十分に強度的に保障され、しかも、
発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径の円筒部
36及び38をもった吸振器7を提供することができる
ことになる上に、粘性体26で発生した熱を効率よく迅
速に円筒部36及び38を介して逃がして、粘性体26
自体の昇温をなくし得て意図した減衰力を発生でき、加
えて、長尺体21に対する長尺体22の相対的な軸方向
Xの移動においても粘性体26に大きな圧力変動を生じ
させないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰
させることができることになる。
【0145】ところで上記の吸振器7は、外側の長尺体
21と内側の長尺体22とを具備したものであるが、こ
れに代えて、図7から図10に示すように、長尺体21
及び長尺体22に加えて中空の長尺体102を具備して
吸振器101を構成してもよい。
【0146】図7から図10に示す吸振器101では、
長尺体22は、長尺体21と長尺体102との中間に位
置する中間の長尺体となり、長尺体102は、長尺体2
1及び長尺体22の両方に対して内側に配された内側の
長尺体となる。
【0147】吸振器101において、外側の長尺体21
は、円板状の底部35に代えて、円筒部36に一体的な
環状の底部103を具備しており、長尺体21及び中間
の長尺体22と同様に円筒部材からなる内側の中空の長
尺体102は、円板状の底部104と、底部104に一
体的であって底部104により一端部105側が閉塞さ
れた円筒部106とを具備した有底の円筒部材からな
り、長尺体21は、底部103が底部104に溶接等に
より固着されて長尺体102に一体化されており、斯か
る長尺体102の円筒部106は、長尺体22の円筒部
38の軸方向Xに伸びる円筒状の内面107に対して隙
間108をもって配された軸方向Xに伸びる円筒状の外
面109を有していると共に長尺体22の円筒部38に
軸方向Xに相対的に移動自在に挿入されている内挿部1
10と、内挿部110から一体的に軸方向Xに伸びてい
ると共に円筒部38の軸方向Xの開口端111側の他端
部112から円筒部38の外部に突出した一端部105
とを具備しており、隙間25に加えて隙間108にも、
内面107及び外面109に接触して粘性体26が配さ
れており、取付板部材31は、長尺体21の底部103
及び円筒部36の他端部29に形成されたスリット43
並びに長尺体102の底部104及び円筒部106の一
端部105に形成されたスリット113に嵌装されて当
該外側の長尺体21の底部103及び円筒部36の他端
部29並びに長尺体102の底部104及び円筒部10
6の一端部105に固着されており、粘性体26は、隙
間25及び108並びに隙間25及び108以外の円筒
部36及び38の内部に加えて、円筒部106の内部に
も密に充填されている。
【0148】吸振器101においては、スペーサ部材5
5のスペーサ片57と同等のスペーサ片121、122
及び123の夫々が、円筒部38の他端部112の外面
24、円筒部106の一端部105側の外面109及び
円筒部106の他端部124の外面109の夫々に固着
されて、スペーサ片121、122及び123の夫々の
外面が円筒部36の内面23及び円筒部38の内面10
7の夫々に軸方向X及び軸心60の回りの方向Rに相対
的に摺動自在に接触されて、隙間25及び108が保持
されるようになっている。
【0149】吸振器101もまた、長尺体21及び10
2と長尺体22とは、互いに軸方向Xに相対的に移動自
在であり、長尺体21及び102に固着された取付板部
材31の幅広の取付面61は、長尺体22に固着された
取付板部材32の幅広の取付面62と実質的に平行にな
っている。本例の長尺体21及び102と長尺体22と
は、互いに軸心60の回りで方向Rに相対的に回転自在
である。
【0150】更に吸振器101おいてもまた、隙間25
の軸方向に直交する方向の厚みをd1とし、隙間108
の軸方向に直交する方向の厚みをd2とし、外側及び内
側の長尺体21及び102並びに中間の長尺体22のう
ちの少なくとも一つ、本例では長尺体21、22及び1
02の夫々の円筒部36、38及び106の軸方向に直
交する方向の厚みを夫々t1、t2及びt3とすると、
厚みd1及びd2と厚みt1、t2及びt3とは、次式
(7)から(14)の関係を有している。
【0151】
【数式17】 10≦d1・t1≦100 (7)
【0152】
【数式18】 0.5≦t1/d1≦8 (8)
【0153】
【数式19】 10≦d1・t2≦100 (9)
【0154】
【数式20】 0.5≦t2/d1≦8 (10)
【0155】
【数式21】 10≦d2・t2≦100 (11)
【0156】
【数式22】 0.5≦t2/d2≦8 (12)
【0157】
【数式23】 10≦d2・t3≦100 (13)
【0158】
【数式24】 0.5≦t3/d2≦8 (14)
【0159】以上の吸振器101は、吸振器7と同様
に、両取付板部材31及び32の幅広の取付面61及び
62を壁空間6の面に平行に配するようにして、図5に
示す連結手段65を介して下水平材5に、連結手段66
を介して上水平材4に夫々連結し、吸振器7に代えて制
震壁構造1に用いられる。
【0160】吸振器101を具備した制震壁構造1で
は、吸振器7を具備した上述の制震壁構造1と同様に効
果を得ることができる上に、地震等による長尺体21及
び102に対する長尺体22の相対的な軸方向Xの移動
で、隙間25に配された粘性体26に加えて、隙間10
8に配された粘性体26によっても粘性剪断変形を生じ
させて相対振動エネルギを吸収できる結果、建物の地震
等による振動を更に早期に減衰させることができ、また
吸振器101では、吸振器7と同様に、取付板部材31
及び32の夫々の長尺体21、22及び102への固着
をより強固にでき、長期の使用で各取付板部材31及び
32の夫々が長尺体21、22及び102から外れてし
まうような不都合な事態を避けることができる。
【0161】そして吸振器101では、厚みd1及びd
2の大きさに拘わらず長尺体21、22及び102の夫
々の円筒部36、38及び106が十分に強度的に保障
され、しかも、発生する減衰力の大きさに対応した重量
及び径の円筒部36、38及び106をもった吸振器1
01を提供することができることになる上に、粘性体2
6で発生した熱を効率よく迅速に長尺体21、22及び
102の夫々の円筒部36、38及び106を介して逃
がして、粘性体26自体の昇温をなくし得て意図した減
衰力を発生でき、その上、長尺体21及び102に対す
る長尺体22の相対的な軸方向Xの移動においても粘性
体26に大きな圧力変動を生じさせないので、建物等の
地震による振動を効率よく減衰させることができること
になる。
【0162】上記では、一本の長尺体21と一本の長尺
体22とを具備した吸振器7又は長尺体21、22及び
102を夫々一本具備した吸振器101であるが、これ
に代えて、長尺体21と長尺体22との組を複数又は長
尺体21、22及び102の組を複数、更には、後述の
長尺体21、22、102及び202の組を複数、例え
ば図11から図13に示すように長尺体21と長尺体2
2との組を二組具備して吸振器131を構成してもよ
く、図11から図13に示す吸振器131では、二本の
長尺体21は、溶接等により互いに固着されて一体化さ
れており、取付板部材31は、前記と同様にして各長尺
体21に固着されて各長尺体21に対して共用されてお
り、取付板部材32もまた、前記と同様にして各長尺体
22に固着されて各長尺体22に対して共用されてい
る。
【0163】吸振器131では、保持手段33の筒体5
1は、円筒状に代えて楕円状になって、取付板部材31
及び32と同様に、長尺体21及び22の一端部28を
取り囲んで各長尺体21及び22に対して共用されてい
る。
【0164】吸振器131もまた、吸振器7と同様に、
両取付板部材31及び32の幅広の取付面61及び62
を壁空間6の面に平行に配するようにして、連結手段6
5を介して下水平材5に、連結手段66を介して上水平
材4に夫々連結し、吸振器7に代えて制震壁構造1に用
いることができ、吸振器131を具備した制震壁構造1
でも、地震等による二本の長尺体21に対する二本の長
尺体22の相対的な軸方向Xの移動で、二個の隙間25
に配された粘性体26に粘性剪断変形を生じさせて相対
振動エネルギを吸収できる結果、建物の地震等による振
動を更に早期に減衰させることができる。長尺体21、
22及び102の組を複数及び長尺体21、22、10
2及び202の組を複数夫々具備した吸振器の場合も同
様である。
【0165】上記の吸振器7、101及び131のいず
れも長尺体21の開口端27をそのまま開口状態にした
が、開口端27から隙間25への雨水、塵埃の侵入を防
止するために、例えば図14に示すように、吸振器7に
おいて開口端27をシール部材141で閉鎖して粘性体
26を密封する場合には、長尺体21の内部に対する長
尺体22の内挿部39の軸方向Xの進退における粘性体
26の内圧の増減を抑制する抑制手段142を具備して
吸振器7を構成してもよい。
【0166】図14に示す抑制手段142は、長尺体2
2の中空部である円筒部38の内部を粘性体26が充填
される室144と空気室146とに画成すると共に粘性
体26の内圧の増減で室144の容積を増減するゴム部
材等からなるベローズ状の可撓隔壁145を具備してお
り、可撓隔壁145の外周端は、円筒部38の内面10
7に固着されている。斯かる抑制手段142である場合
には、円筒部38の内部であって可撓隔壁145で画成
される室144に隣接する空気室146は、空気が充填
されて密閉されていてもよいが、必要であれば、空気室
146を外部と連通させるべく、円筒部38に貫通孔1
47を穿孔してもよい。
【0167】吸振器7及び101のいずれにおいても、
可撓隔壁145の外周端を円筒部38の内面107に固
着して可撓隔壁145を円筒部38の内部に配する代わ
りに可撓隔壁145の外周端を円筒部36の内面23に
固着して円筒部36の内部に可撓隔壁145を配しても
よく、要は、動作において粘性体26の内圧の増減を抑
制できる空気室146を形成するように吸振器7及び1
01に配すればよい。
【0168】また抑制手段142は、可撓隔壁145に
代えて又は可撓隔壁145と共に、図15に示すよう
に、円筒部38の内部に充填された粘性体26に埋設さ
れた空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体148
を具備していてもよい。斯かる可圧縮体148を円筒部
38の内部に充填された粘性体26に埋設する代わりに
又はこれと共に円筒部38の外部であって円筒部36の
内部に充填された粘性体26若しくは図9に示す吸振器
101の場合には円筒部106の内部に充填された粘性
体26に埋設してもよく、可圧縮体148もまた、要
は、動作において粘性体26の内圧の増減を抑制できる
ように粘性体26に埋設すればよい。
【0169】可撓隔壁145を例えば吸振器101にお
いて長尺体22の円筒部38の内部に配置する場合に
は、長尺体102を中空な部材に代えて中実な部材で構
成しても、更には、図16に示すように長尺体102を
他端部124側でも底部149で閉塞された円筒部10
6を有した中空な部材で構成してもよく、図16に示す
吸振器101では、円筒部106の内部に粘性体を充填
しなくてもよい。
【0170】上記の吸振器7、101及び131のいず
れも、一枚の取付板部材31及び32をもって各取付手
段を構成したが、これに代えて、図17から図21に示
すように、一枚の取付板部材31及び32に加えて、更
に他の一の取付板部材151及び152をもって、即ち
一方の一対の取付板部材31及び151を具備した一方
の取付手段と他方の一対の取付板部材32及び152を
具備した他方の取付手段をもって例えば吸振器7を構成
してもよい。
【0171】一方の他の一の取付板部材151は、取付
板片155及び156を具備しており、取付板片155
は、取付板部材31と同様に、底部35及び円筒部36
に形成されたスリット157に嵌装されて、底部35及
び円筒部36並びに取付板部材31に溶接等により固着
されており、取付板片156は、取付板片155と同様
に、底部35及び円筒部36に形成されたスリット15
8に嵌装されて、底部35及び円筒部36並びに取付板
部材31に溶接等により固着されており、取付板片15
5及び156からなる取付板部材151の幅広の面15
9は、取付板部材31の幅広の取付面61と交叉、本例
では直交している。
【0172】他方の他の一の取付板部材152は、取付
板片165及び166を具備しており、取付板片165
は、取付板部材32と同様に、底部37及び円筒部38
に形成されたスリット167に嵌装されて、底部37及
び円筒部38並びに取付板部材32に溶接等により固着
されており、取付板片166は、取付板片165と同様
に、底部37及び円筒部38に形成されたスリット16
8に嵌装されて、底部37及び円筒部38並びに取付板
部材32に溶接等により固着されており、取付板片16
5及び166からなる取付板部材152の幅広の面16
9は、取付板部材32の幅広の取付面62と交叉、本例
では直交している。
【0173】図17から図21に示す吸振器7によれ
ば、取付板部材151の幅広の面159が取付板部材3
1の幅広の取付面61と直交して、取付板部材152の
幅広の面169が取付板部材32の幅広の取付面62と
直交しているので、取付板部材31及び32の曲げ強度
を増加できる。
【0174】上述の吸振器7及び101では保持手段3
3を具備して構成したが、吸振器7及び101の連結手
段66を介する壁空間6への設置前までは保持手段33
を長尺体21に対する仮止め手段として利用し、連結手
段66を介する壁空間6への設置後、ボルト50及び5
4を緩めて保持手段33を除去し、保持手段33を具備
しない吸振器7又は101をもって制震壁構造1を構成
してもよく、この場合には、スペーサ片121、122
及び123と同様のスペーサ片を円筒部36と円筒部3
8との間及び円筒部38と円筒部106との間に新たに
又は追加的に必要に応じて適宜配してもよい。
【0175】また、保持手段33を省いた吸振器7又は
101において、温度上昇によって隙間25から外部に
溢出する粘性体26を貯める貯留手段を設けてもよい。
例えば図22に示すように吸振器101に設けた貯留手
段171は、長尺体21においてその円筒部36の一端
部28の外面173に固着された円筒体174を具備し
ており、円筒部38の外面24と円筒体174の内面1
75とで円環状の貯留空間177を形成しており、貯留
空間177から吸振器101の外部への粘性体26の漏
れ出し及び吸振器101の外部から貯留空間177への
雨水、塵埃の侵入を夫々防止するために、長尺体22の
円筒部38の外面24に対しては軸方向Xに摺動自在と
なる一方、円筒体174の内面175に対しては固着さ
れるように円筒部38と円筒体174との間には円環状
の蓋部材176が嵌装されている。貯留空間177は、
軸方向Xに直交する方向の幅dsが厚みd1よりも大き
くなっており、これにより、隙間25から多量の粘性体
26が溢出しても問題なくこれを貯留空間177に貯め
ることができるようになっている。斯かる貯留手段17
1を吸振器7に同様にして設けてもよいことは勿論であ
る。
【0176】上記の図16に示す吸振器101では可撓
隔壁145をもって抑制手段142を構成したが、これ
に代えて、図22に示すように、円筒部106の一端部
105の内部に円板状の閉塞部材181を固着して円筒
部106の内部を閉塞空間182と空間183とに画成
し、閉塞部材181から軸方向Xに離間して空間183
側に円環状部材184を同じく円筒部106の一端部1
05の内部に固着して空気室185と粘性体26が配さ
れる空間187とを形成し、円環状部材184の中央孔
186を介して空間187に連通された空気室185で
もって抑制手段142を構成してもよい。吸振器101
に斯かる空気室185からなる抑制手段142を設ける
場合には、図22に示すように、隙間25及び108と
空間187とを互いに連通させる一個以上の貫通孔18
8を円筒部106の一端部105に設けるとよい。
【0177】空気室185は、長尺体21及び102に
対する長尺体22の相対的な軸方向Xの移動による粘性
体26の内圧の増減で空気室185に対する粘性体26
の入出でもってその容積を減増するようになって、長尺
体21の内部に対する長尺体22の進退及び長尺体22
の内部に対する長尺体102の進退による粘性体26の
内圧の増減を抑制するようになっている。吸振器7にお
いても、空気室185と同様の空気室を円筒部38の他
端側112の内部に形成して、斯かる空気室をもって抑
制手段142を構成してもよい。
【0178】また図22に示すように、円筒部36の他
端部29に栓付の充填孔191を設けて、壁空間6への
設置前に又は設置後に充填孔191を介して長尺体21
内等に粘性体26を充填した後、充填孔191を栓によ
り閉鎖するようにしてもよい。空気室185を形成する
ためには、円筒部38と円筒体174との間に蓋部材1
76が嵌装されていない状態で、一対の取付板部材32
及び152が一対の取付板部材31及び151よりも上
方に位置するように吸振器101を斜めに又は直立させ
て粘性体26の長尺体21内等への充填を行い、充填
後、円筒部38と円筒体174との間に蓋部材176を
嵌装するとよい。また、隙間108に加えて円筒部38
の内部全体に粘性体26を充満させるためには、底部3
7に空気排出孔を設けて、円筒部38と円筒体174と
の間への蓋部材176の嵌装後にも、充填孔191を介
する粘性体26の長尺体21内等への充填を継続し、円
筒部38の内部全体への粘性体26の充満後、空気排出
孔を閉塞するようにしてもよく、更には、斯かる空気排
出孔を介して円筒部38の内部に粘性体26を充填し
て、円筒部38の内部全体への粘性体26の充満後、空
気排出孔を閉塞するようにしてもよい。
【0179】更に図22に示すように、取付板部材31
及び32の夫々は、吸振器101の運搬、設置、仮止め
等において吸振器101を吊り下げるための貫通孔19
2を有した舌部193及び194を具備していてもよ
い。
【0180】上記の吸振器101は、長尺体21、22
及び102を具備して構成されているが、これに代え
て、図23に示すように、長尺体21、22及び102
に加えて中空の長尺体202を更に具備して吸振器20
1を構成してもよい。
【0181】図23に示す吸振器201では、長尺体2
2及び102は、長尺体21と長尺体202との中間に
位置する中間の長尺体となり、したがって、一方の中間
の長尺体は長尺体22で構成され、他方の中間の長尺体
は長尺体102で構成されることになり、長尺体202
は、長尺体21、22及び102の夫々に対して内側に
配された内側の長尺体となる。
【0182】吸振器201において、長尺体22は、そ
の円筒部38に一体的な環状の底部211を具備してお
り、内側の中空の長尺体202は、長尺体102と同様
に、円板状の底部212と、底部212に一体的であっ
て底部212により一端部213側が閉塞された円筒部
214とを具備した有底の円筒部材からなり、長尺体2
2は、底部211が底部212に溶接等により固着され
て長尺体202に一体化されており、長尺体202の円
筒部214は、長尺体102の円筒部106の軸方向X
に伸びる内面216に対して隙間217をもって配され
た軸方向Xに伸びる外面218を有していると共に長尺
体102の円筒部106に軸方向Xに相対的に移動自在
に挿入されている内挿部221と、内挿部221から一
体的に軸方向Xに伸びていると共に円筒部106の軸方
向Xの開口端222側の他端部124から円筒部106
の外部に突出した一端部213とを具備しており、隙間
25及び108に加えて、隙間217にも内面216及
び外面218に接触して粘性体26が配されており、取
付板部材32及び152は、上記と同様に、長尺体22
の底部211及び円筒部38の一端部30に形成された
スリット並びに長尺体202の底部212及び円筒部2
14の一端部213に形成されたスリットに嵌装されて
当該長尺体22の底部211及び円筒部38の一端部3
0並びに長尺体202の底部212及び円筒部214の
一端部213に固着されており、粘性体26は、隙間2
5、108及び217加えて、隙間25、108及び2
17以外の円筒部36、38及び106の内部に密に充
填されている。
【0183】また吸振器201においても、一方の取付
手段としての取付板部材31及び151は、吸振器10
1と同様にして長尺体21及び102に固着されてい
る。
【0184】更に吸振器201には、スペーサ片12
1、122及び123に加えて、スペーサ片121、1
22及び123と同等のスペーサ片225及び226が
円筒部214の外面218の夫々に固着されて設けられ
ており、スペーサ片225及び226の外面は、円筒部
106の内面216に軸方向X及び軸心60の回りの方
向Rに相対的に摺動自在に接触されており、スペーサ片
225及び226でもって隙間217が保持されるよう
になっている。
【0185】吸振器201でもまた、長尺体21及び1
02と長尺体22及び202とは、互いに軸方向Xに相
対的に移動自在であり、長尺体21及び102に固着さ
れた取付板部材31の幅広の取付面61は、長尺体22
及び202に固着された取付板部材32の幅広の取付面
62と実質的に平行になっている。本例の長尺体21及
び102と長尺体22及び202ともまた、互いに軸心
60の回りで方向Rに相対的に回転自在である。
【0186】吸振器201では、隙間25の軸方向に直
交する方向の厚みをd1とし、隙間108の軸方向に直
交する方向の厚みをd2とし、隙間217の軸方向に直
交する方向の厚みをd3とし、外側及び内側の長尺体2
1及び202並びに中間の長尺体22及び202のうち
の少なくとも一つ、本例では長尺体21、22、102
及び202の夫々の円筒部36、38、106及び21
4の軸方向に直交する方向の厚みを夫々t1、t2、t
3及びt4とすると、厚みd1、d2及びd3と厚みt
1、t2、t3及びt4とは、次式(15)から(2
6)の関係を有している。
【0187】
【数式25】 10≦d1・t1≦100 (15)
【0188】
【数式26】 0.5≦t1/d1≦8 (16)
【0189】
【数式27】 10≦d1・t2≦100 (17)
【0190】
【数式28】 0.5≦t2/d1≦8 (18)
【0191】
【数式29】 10≦d2・t2≦100 (19)
【0192】
【数式30】 0.5≦t2/d2≦8 (20)
【0193】
【数式31】 10≦d2・t3≦100 (21)
【0194】
【数式32】 0.5≦t3/d2≦8 (22)
【0195】
【数式33】 10≦d3・t3≦100 (23)
【0196】
【数式34】 0.5≦t3/d3≦8 (24)
【0197】
【数式35】 10≦d3・t4≦100 (25)
【0198】
【数式36】 0.5≦t4/d3≦8 (26)
【0199】更に吸振器201おいて、円筒部214の
他端部231の内部に円板状の閉塞部材232を固着し
て円筒部214の内部を閉塞空間233と空間234と
に画成し、閉塞部材232から軸方向Xに離間して空間
234側に円環状部材235を同じく円筒部214の他
端部231の内部に固着して空気室236を形成し、円
環状部材235の中央孔237を介して隙間217等に
連通された空気室236でもって抑制手段142を構成
してもよい。斯かる抑制手段142もまた、長尺体20
2の内部に形成されていると共に粘性体26の内圧の増
減で容積を減増する空気室236でもって、長尺体21
及び102の夫々の内部に対する長尺体22及び202
の夫々の進退による粘性体26の内圧の増減を抑制する
ようになっている。吸振器201は、空気室236から
なる抑制手段142に代えて又は斯かる抑制手段142
と共に、上述の可撓隔壁145又は可圧縮体148から
なる抑制手段142を具備して構成されてもよい。
【0200】吸振器201おいては、円筒部106の一
端部105に貫通孔188を設ける必要はないが、斯か
る貫通孔188が一端部105に設けられていると、充
填孔191を介する粘性体26の吸振器201内への充
填に際して、長尺体102内への充填を迅速に行い得
る。
【0201】以上の吸振器201は、吸振器7及び10
1と同様に、両取付板部材31及び32の幅広の取付面
61及び62を壁空間6の面に平行に配するようにし
て、図5に示す連結手段65を介して下水平材5に、連
結手段66を介して上水平材4に夫々連結し、吸振器7
又は101に代えて制震壁構造1に用いられる。
【0202】吸振器201を具備した制震壁構造1で
は、吸振器7又は101を具備した上述の制震壁構造1
と同様に効果を得ることができる上に、地震等による長
尺体21及び102に対する長尺体22及び202の相
対的な軸方向Xの移動で、隙間25及び108に配され
た粘性体26に加えて、隙間217に配された粘性体2
6によっても粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネル
ギを吸収できる結果、建物の地震等による振動を更によ
り早期に減衰させることができ、また吸振器201で
は、吸振器7及び101と同様に、取付板部材31及び
32の夫々の長尺体21、22、102及び202への
固着をより強固にでき、長期の使用で各取付板部材31
及び32の夫々が長尺体21、22、102及び202
から外れてしまうような不都合な事態を避けることがで
きる上に、取付板部材151及び152を具備している
ので、取付板部材31及び32の曲げ強度が増加されて
いる。
【0203】そして吸振器201では、厚みd1、d2
及びd3の大きさに拘わらず長尺体21、22、102
及び202の夫々の円筒部36、38、106及び21
4が十分に強度的に保障され、しかも、発生する減衰力
の大きさに対応した重量及び径をもった吸振器201を
提供することができることになる上に、粘性体26で発
生した熱を効率よく迅速に長尺体21、22、102及
び202の夫々の円筒部36、38、106及び214
を介して逃がして、粘性体26自体の昇温をなくし得て
意図した減衰力を発生でき、また、長尺体21及び10
2に対する長尺体22及び202の相対的な軸方向Xの
移動においても粘性体26に大きな圧力変動を生じさせ
ないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰させ
ることができることになる。
【0204】上記の吸振器7、101及び201では、
取付板部材31及び32をスリット43及び46に嵌装
して各取付手段を構成したが、これに代えて、例えば図
24から図29に示すように鍔部材又は蓋部材、本例で
は蓋部材241及び242を用いて各取付手段を構成し
てもよい。
【0205】即ち、図24及び図25に示す吸振器10
1においては、一方の取付手段は、長尺体21の円筒部
36の他端部29及び長尺体102の円筒部106の一
端部105の夫々に固着された蓋部材241と、蓋部材
241に溶接等により固着された取付板部材31とを具
備しており、他方の取付手段は、長尺体22の円筒部3
8の一端部30に溶接等により固着された蓋部材242
と、蓋部材242に固着された取付板部材32とを具備
しており、取付板部材31は、蓋部材241に固着され
て長尺体21の他端部29及び長尺体102の一端部1
05に固着されており、取付板部材32は、蓋部材24
2に固着されて長尺体22の一端部30に固着されてい
る。
【0206】また図26及び図27に示す吸振器101
においては、一方の取付手段は、蓋部材241及び取付
板部材31に加えて、蓋部材241にボルト243によ
り固着されていると共に取付板部材31が溶接等により
固着された鍔部材244を具備しており、他方の取付手
段は、蓋部材242及び取付板部材32に加えて、蓋部
材242にボルト245により固着されていると共に取
付板部材32が溶接等により固着された鍔部材246を
具備しており、取付板部材31は、蓋部材241に鍔部
材244及びボルト243を介して固着されて長尺体2
1の他端部29及び長尺体102の一端部105に固着
されており、取付板部材32は、蓋部材242に鍔部材
246及びボルト245を介して固着されて長尺体22
の一端部30に固着されている。
【0207】更に図28及び図29に示す吸振器101
においては、一方の取付手段は、蓋部材241、取付板
部材31及び鍔部材244に加えて、取付板部材31及
び鍔部材244に溶接等により固着された取付板部材1
51を具備しており、他方の取付手段は、蓋部材24
2、取付板部材32及び鍔部材246に加えて、取付板
部材32及び鍔部材246に溶接等により固着された取
付板部材152を具備している。
【0208】図24から図27に示すように、取付板部
材31及び32の夫々に一個の貫通孔42及び45を設
けて、貫通孔42及び45の夫々に挿通されるボルトを
有した連結手段を介して壁空間6に吸振器101を設置
するようにしてもよい。
【0209】図24から図29に示す各取付手段は、吸
振器7及び201にも同様にして用いられてもよい。
【0210】以上の例では、各吸振器を壁空間6に配置
したが、これに代えて又はこれと共に柱2及び3の少な
くとも一方に、柱2、3と略平行にかつ略鉛直方向に伸
びて配置してもよい。
【0211】
【発明の効果】本発明によれば、簡単な構成で壁内に筋
交い状に又は柱に該柱と鉛直方向に平行に設置できて価
格を低減でき、しかも、揺動において異音の発生のない
吸振器及びそれを用いた制震構造を提供することができ
る。
【0212】また本発明によれば、軸方向の占有空間及
び重量を大きくすることなしに、しかも、各長尺体同士
の接触等の不都合な事態を生じさせないで、大きな減衰
力を発生させることができる吸振器及びそれを用いた制
震構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい実施の形態の一例の図2
に示すI−I線矢視断面図である。
【図2】図1に示す例のII−II線矢視断面図であ
る。
【図3】図1に示す例の一部の拡大断面図である。
【図4】図1に示す例の図2に示すIV−IV線矢視断
面図である。
【図5】図1に示す例を用いた本発明による好ましい実
施の形態の一例の説明図である。
【図6】図5に示す例のVI−VI線矢視断面図であ
る。
【図7】本発明による好ましい実施の形態の他の例の図
8に示すVII−VII線矢視断面図である。
【図8】図7に示す例のVIII−VIII線矢視断面
図である。
【図9】図7に示す例の一部の拡大断面図である。
【図10】図7に示す例の図8に示すX−X線矢視断面
図である。
【図11】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の外観図である。
【図12】図11に示す例の断面図である。
【図13】図11に示す例の図12に示すXIII−X
III線矢視断面図である。
【図14】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図15】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図16】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図17】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図18】図17に示す例の一部の断面説明図である。
【図19】図18の右側面説明図である。
【図20】図17に示す例の一部の断面説明図である。
【図21】図20の左側面説明図である。
【図22】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図23】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の断面説明図である。
【図24】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の正面断面説明図である。
【図25】図24に示す例の平面断面説明図である。
【図26】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の正面断面説明図である。
【図27】図26に示す例の平面断面説明図である。
【図28】本発明による好ましい実施の形態の更に他の
例の正面断面説明図である。
【図29】図28に示す例の右側面図である。
【符号の説明】
7 吸振器 21、22 長尺体 24 外面 25 隙間 26 粘性体 31、32 取付板部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 9/54 F16F 9/32 H (72)発明者 宮崎 充 東京都港区芝大門一丁目3番2号 オイレ ス工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 明雄 東京都港区芝大門一丁目3番2号 オイレ ス工業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA06 AC05 AD05 BD08 BE04 DA02 EA38 3J069 AA34 CC09 CC34

Claims (67)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空の外側の長尺体と内側の長尺体とを
    少なくとも具備しており、内側の長尺体は、外側の長尺
    体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された
    軸方向に伸びる外面を有していると共に外側の長尺体に
    軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部と、
    この内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に外側
    の長尺体の軸方向の一端部から外部に突出した一端部と
    を具備しており、外側の長尺体の内面と内側の長尺体の
    外面との間の隙間には、これら内面及び外面に接触して
    粘性体又は粘弾性体が配されており、外側の長尺体の他
    端部には一方の一の取付板部材が固着されており、内側
    の長尺体の一端部には他方の一の取付板部材が固着され
    ている吸振器。
  2. 【請求項2】 一方の一の取付板部材の幅広の取付面
    は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平
    行になっている請求項1に記載の吸振器。
  3. 【請求項3】 外側の長尺体と内側の長尺体との組を複
    数具備しており、複数の外側の長尺体は互いに固着され
    て一体化されており、一方の一の取付板部材は、複数の
    外側の長尺体の夫々の他端部に固着されて共用されてお
    り、他方の一の取付板部材は、複数の内側の長尺体の夫
    々の一端部に固着されて共用されている請求項1又は2
    に記載の吸振器。
  4. 【請求項4】 一方の一の取付板部材は、外側の長尺体
    の他端部に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の
    長尺体の他端部に固着されている請求項1から3のいず
    れか一項に記載の吸振器。
  5. 【請求項5】 外側の長尺体の他端部には鍔部材又は蓋
    部材が固着されており、一方の一の取付板部材は、鍔部
    材又は蓋部材に固着されて外側の長尺体の他端部に固着
    されている請求項1から3のいずれか一項に記載の吸振
    器。
  6. 【請求項6】 他方の一の取付板部材は、内側の長尺体
    の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該内側の
    長尺体の一端部に固着されている請求項1から5のいず
    れか一項に記載の吸振器。
  7. 【請求項7】 内側の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋
    部材が固着されており、他方の一の取付板部材は、内側
    の長尺体の一端部に固着された鍔部材又は蓋部材に固着
    されて内側の長尺体の一端部に固着されている請求項1
    から5のいずれか一項に記載の吸振器。
  8. 【請求項8】 外側の長尺体の内部に対する内側の長尺
    体の内挿部の軸方向の進退における粘性体又は粘弾性体
    の内圧の増減を抑制する抑制手段を具備している請求項
    1から7のいずれか一項に記載の吸振器。
  9. 【請求項9】 内側の長尺体は中空であって、抑制手段
    は、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長
    尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填される室と空
    気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増
    減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備している請求項
    8に記載の吸振器。
  10. 【請求項10】 内側の長尺体は中空であって、抑制手
    段は、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の
    長尺体の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体に埋設
    される空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具
    備している請求項8又は9に記載の吸振器。
  11. 【請求項11】 抑制手段は、内側の長尺体の内部に形
    成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で
    容積を減増する空気室を具備している請求項8から10
    のいずれか一項に記載の吸振器。
  12. 【請求項12】 外側の長尺体と内側の長尺体とは円筒
    部材からなる請求項1から11のいずれか一項に記載の
    吸振器。
  13. 【請求項13】 外側の長尺体の他端部には一方の他の
    一の取付板部材が固着されており、一方の他の一の取付
    板部材の幅広の面は、一方の一の取付板部材の幅広の取
    付面と交叉している請求項1から12のいずれか一項に
    記載の吸振器。
  14. 【請求項14】 一方の他の一の取付板部材は、外側の
    長尺体の他端部に形成されたスリットに嵌装されて当該
    外側の長尺体の他端部に固着されている請求項13に記
    載の吸振器。
  15. 【請求項15】 一方の他の一の取付板部材は、一方の
    一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部に固
    着されている請求項13に記載の吸振器。
  16. 【請求項16】 内側の長尺体の一端部には他方の他の
    一の取付板部材が固着されており、他方の他の一の取付
    板部材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の幅広の取
    付面と交叉している請求項1から15のいずれか一項に
    記載の吸振器。
  17. 【請求項17】 他方の他の一の取付板部材は、内側の
    長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該
    内側の長尺体の一端部に固着されている請求項16に記
    載の吸振器。
  18. 【請求項18】 他方の他の一の取付板部材は、他方の
    一の取付板部材に固着されて内側の長尺体の一端部に固
    着されている請求項16に記載の吸振器。
  19. 【請求項19】 隙間と外側及び内側の長尺体のうちの
    少なくとも一方の長尺体とは、次式(1)及び(2)の
    関係を有している請求項1から18のいずれか一項に記
    載の吸振器。 【数式1】 10≦d・t≦100 (1) 【数式2】 0.5≦t/d≦8 (2) ここで、dは、隙間の軸方向に直交する方向の厚みであ
    り、tは、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一
    方の長尺体の軸方向に直交する方向の厚みである。
  20. 【請求項20】 中空の外側の長尺体と内側の長尺体と
    少なくとも一つの中空の中間の長尺体とを具備してお
    り、中間の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内
    面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を
    有していると共に外側の長尺体に軸方向に相対的に移動
    自在に挿入されている内挿部を具備しており、内側の長
    尺体は、中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙
    間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると
    共に中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入さ
    れている内挿部を具備しており、外側の長尺体の内面と
    中間の長尺体の外面との間及び中間の長尺体の内面と内
    側の長尺体の外面との間の夫々の隙間には、これら内面
    及び外面に接触して粘性体又は粘弾性体が配されている
    吸振器。
  21. 【請求項21】 外側の長尺体の内部に対する中間の長
    尺体の進退及び中間の長尺体の内部に対する内側の長尺
    体の進退による粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制
    する抑制手段を具備している請求項20に記載の吸振
    器。
  22. 【請求項22】 内側の長尺体は中空であって、抑制手
    段は、中間及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の
    長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填される室と
    空気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の
    増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備している請求
    項21に記載の吸振器。
  23. 【請求項23】 内側の長尺体は中空であって、抑制手
    段は、外側、中間及び内側の長尺体のうちの少なくとも
    一つの長尺体の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体
    に埋設されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増
    減で体積を減増する空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の
    可圧縮体を具備している請求項21又は22に記載の吸
    振器。
  24. 【請求項24】 抑制手段は、内側の長尺体の内部に形
    成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で
    容積を減増する空気室を具備している請求項21から2
    3のいずれか一項に記載の吸振器。
  25. 【請求項25】 外側の長尺体と内側の長尺体と中間の
    長尺体とは円筒部材からなる請求項20から24のいず
    れか一項に記載の吸振器。
  26. 【請求項26】 両隙間のうちの少なくとも一方の隙間
    と、外側及び内側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの
    少なくとも一つの長尺体とは、次式(1)及び(2)の
    関係を有している請求項20から25のいずれか一項に
    記載の吸振器。 【数式3】 10≦d・t≦100 (1) 【数式4】 0.5≦t/d≦8 (2) ここで、dは、両隙間のうちの少なくとも一方の隙間の
    軸方向に直交する方向の厚みであり、tは、外側及び内
    側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの少なくとも一つ
    の長尺体の軸方向に直交する方向の厚みである。
  27. 【請求項27】 中間の長尺体は、その内挿部から一体
    的に軸方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の
    一端部から外部に突出した一端部を具備しており、内側
    の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びてい
    ると共に中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出
    した一端部を具備しており、外側の長尺体の軸方向の他
    端部及び内側の長尺体の一端部には一方の取付手段が設
    けられており、中間の長尺体の一端部には他方の取付手
    段が設けられている請求項20から26のいずれか一項
    に記載の吸振器。
  28. 【請求項28】 一方の取付手段は、外側の長尺体の軸
    方向の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着された一
    方の一の取付板部材を具備しており、他方の取付手段
    は、中間の長尺体の一端部に固着された他方の一の取付
    板部材を具備している請求項27に記載の吸振器。
  29. 【請求項29】 一方の一の取付板部材の幅広の取付面
    は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平
    行になっている請求項28に記載の吸振器。
  30. 【請求項30】 外側の長尺体と、少なくとも一つの中
    空の中間の長尺体と、内側の長尺体との組を複数具備し
    ており、複数の外側の長尺体は互いに固着されて一体化
    されており、一方の一の取付板部材は、複数の外側の長
    尺体の夫々の他端部及び内側の長尺体の夫々の一端部の
    夫々に固着されて共用されており、他方の一の取付板部
    材は、複数の中間の長尺体の夫々の一端部に固着されて
    共用されている請求項28又は29に記載の吸振器。
  31. 【請求項31】 一方の一の取付板部材は、外側の長尺
    体の他端部及び内側の長尺体の一端部に形成されたスリ
    ットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び内側の
    長尺体の一端部に固着されている請求項28から30の
    いずれか一項に記載の吸振器。
  32. 【請求項32】 外側の長尺体の他端部及び内側の長尺
    体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一
    方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて
    外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着
    されている請求項28から30のいずれか一項に記載の
    吸振器。
  33. 【請求項33】 他方の一の取付板部材は、中間の長尺
    体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該中間
    の長尺体の一端部に固着されている請求項28から32
    のいずれか一項に記載の吸振器。
  34. 【請求項34】 中間の長尺体の一端部には鍔部材又は
    蓋部材が固着されており、他方の一の取付板部材は、中
    間の長尺体の一端部に固着された鍔部材又は蓋部材に固
    着されて中間の長尺体の一端部に固着されている請求項
    28から32のいずれか一項に記載の吸振器。
  35. 【請求項35】 外側の長尺体の他端部及び内側の長尺
    体の一端部の夫々には一方の他の一の取付板部材が固着
    されており、一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、
    一方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している請
    求項28から34のいずれか一項に記載の吸振器。
  36. 【請求項36】 一方の他の一の取付板部材は、外側の
    長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に形成
    されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部
    及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されている請求
    項35に記載の吸振器。
  37. 【請求項37】 一方の他の一の取付板部材は、一方の
    一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び
    内側の長尺体の一端部の夫々に固着されている請求項3
    5に記載の吸振器。
  38. 【請求項38】 中間の長尺体の軸方向の一端部には他
    方の他の一の取付板部材が固着されており、他方の他の
    一の取付板部材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の
    幅広の取付面と交叉している請求項28から37のいず
    れか一項に記載の吸振器。
  39. 【請求項39】 他方の他の一の取付板部材は、中間の
    長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該
    中間の長尺体の一端部に固着されている請求項38に記
    載の吸振器。
  40. 【請求項40】 他方の他の一の取付板部材は、他方の
    一の取付板部材に固着されて中間の長尺体の一端部に固
    着されている請求項38に記載の吸振器。
  41. 【請求項41】 中空の外側の長尺体と内側の長尺体と
    少なくとも二つの中空の中間の長尺体とを具備してお
    り、一方の中間の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸
    びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる
    外面を有していると共に外側の長尺体に軸方向に相対的
    に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、他
    方の中間の長尺体は、一方の中間の長尺体の軸方向に伸
    びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる
    外面を有していると共に一方の中間の長尺体に軸方向に
    相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備してお
    り、内側の長尺体は、他方の中間の長尺体の軸方向に伸
    びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる
    外面を有していると共に他方の中間の長尺体に軸方向に
    相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備してお
    り、外側の長尺体の内面と一方の中間の長尺体の外面と
    の間、一方の中間の長尺体の内面と他方の中間の長尺体
    の外面との間及び他方の中間の長尺体の内面と内側の長
    尺体の外面との間の夫々の隙間には、これら内面及び外
    面に接触して粘性体又は粘弾性体が配されている吸振
    器。
  42. 【請求項42】 外側の長尺体及び他方の中間の長尺体
    の夫々の内部に対する一方の中間の長尺体及び内側の長
    尺体の夫々の進退による粘性体又は粘弾性体の内圧の増
    減を抑制する抑制手段を具備している請求項41に記載
    の吸振器。
  43. 【請求項43】 内側の長尺体は中空であって、抑制手
    段は、他方の中間の長尺体及び内側の長尺体のうちの少
    なくとも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が
    充填される室と空気室とに画成すると共に粘性体又は粘
    弾性体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具
    備している請求項42に記載の吸振器。
  44. 【請求項44】 内側の長尺体は中空であって、抑制手
    段は、外側の長尺体、二つの中間の長尺体及び内側の長
    尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の中空部に充填さ
    れた粘性体又は粘弾性体に埋設されていると共に粘性体
    又は粘弾性体の内圧の増減で体積を減増する空気袋、発
    泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具備している請求項
    42又は43に記載の吸振器。
  45. 【請求項45】 抑制手段は、内側の長尺体の内部に形
    成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で
    容積を減増する空気室を具備している請求項42から4
    4のいずれか一項に記載の吸振器。
  46. 【請求項46】 外側の長尺体と内側の長尺体と少なく
    とも二つの中間の長尺体とは円筒部材からなる請求項4
    1から45のいずれか一項に記載の吸振器。
  47. 【請求項47】 三個の隙間のうちの少なくとも一つの
    隙間と、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの
    中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体とは、次
    式(1)及び(2)の関係を有している請求項41から
    46のいずれか一項に記載の吸振器。 【数式5】 10≦d・t≦100 (1) 【数式6】 0.5≦t/d≦8 (2) ここで、dは、三個の隙間のうちの少なくとも一つの隙
    間の軸方向に直交する方向の厚みであり、tは、外側及
    び内側の長尺体並びに少なくとも二つの中間の長尺体の
    うちの少なくとも一つの長尺体の軸方向に直交する方向
    の厚みである。
  48. 【請求項48】 一方の中間の長尺体は、その内挿部か
    ら一体的に軸方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸
    方向の一端部から外部に突出した一端部を具備してお
    り、他方の中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸
    方向に伸びていると共に一方の中間の長尺体の軸方向の
    他端部から外部に突出した一端部を具備しており、内側
    の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びてい
    ると共に他方の中間の長尺体の軸方向の他端部から外部
    に突出した一端部を具備しており、外側の長尺体の軸方
    向の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部には一方の
    取付手段が設けられており、一方の中間の長尺体の一端
    部及び内側の長尺体の一端部には他方の取付手段が設け
    られている請求項41から47のいずれか一項に記載の
    吸振器。
  49. 【請求項49】 一方の取付手段は、外側の長尺体の軸
    方向の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に
    固着された一方の一の取付板部材を具備しており、他方
    の取付手段は、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の
    長尺体の一端部の夫々に固着された他方の一の取付板部
    材を具備している請求項48に記載の吸振器。
  50. 【請求項50】 一方の一の取付板部材の幅広の取付面
    は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平
    行になっている請求項49に記載の吸振器。
  51. 【請求項51】 外側の長尺体と、少なくとも二つの中
    空の中間の長尺体と、内側の長尺体との組を複数具備し
    ており、複数の外側の長尺体は互いに固着されて一体化
    されており、一方の一の取付板部材は、複数の外側の長
    尺体の夫々の他端部及び複数の他方の中間の長尺体の夫
    々の一端部に固着されて共用されており、他方の一の取
    付板部材は、複数の一方の中間の長尺体の夫々の一端部
    及び複数の内側の長尺体の夫々の一端部に固着されて共
    用されている請求項49又は50に記載の吸振器。
  52. 【請求項52】 一方の一の取付板部材は、外側の長尺
    体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に形成され
    たスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び
    他方の中間の長尺体の一端部に固着されている請求項4
    9から51のいずれか一項に記載の吸振器。
  53. 【請求項53】 外側の長尺体の他端部及び他方の中間
    の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されてお
    り、一方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着
    されて外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の
    一端部に固着されている請求項49から51のいずれか
    一項に記載の吸振器。
  54. 【請求項54】 他方の一の取付板部材は、一方の中間
    の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に形成され
    たスリットに嵌装されて当該一方の中間の長尺体の一端
    部及び内側の長尺体の一端部に固着されている請求項4
    9から53のいずれか一項に記載の吸振器。
  55. 【請求項55】 一方の中間の長尺体の一端部及び内側
    の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されてお
    り、他方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着
    されて一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の
    一端部に固着されている請求項49から53のいずれか
    一項に記載の吸振器。
  56. 【請求項56】 外側の長尺体の他端部及び他方の中間
    の長尺体の一端部の夫々には一方の他の一の取付板部材
    が固着されており、一方の他の一の取付板部材の幅広の
    面は、一方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉して
    いる請求項49から55のいずれか一項に記載の吸振
    器。
  57. 【請求項57】 一方の他の一の取付板部材は、外側の
    長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々
    に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の
    他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着さ
    れている請求項56に記載の吸振器。
  58. 【請求項58】 一方の他の一の取付板部材は、一方の
    一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び
    他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されている請
    求項56に記載の吸振器。
  59. 【請求項59】 一方の中間の長尺体の一端部及び内側
    の長尺体の一端部には他方の他の一の取付板部材が固着
    されており、他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、
    他方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している請
    求項49から58のいずれか一項に記載の吸振器。
  60. 【請求項60】 他方の他の一の取付板部材は、一方の
    中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に形成
    されたスリットに嵌装されて一方の中間の長尺体の一端
    部及び内側の長尺体の一端部に固着されている請求項5
    9に記載の吸振器。
  61. 【請求項61】 他方の他の一の取付板部材は、他方の
    一の取付板部材に固着されて一方の中間の長尺体一端部
    及び内側の長尺体の一端部に固着されている請求項59
    に記載の吸振器。
  62. 【請求項62】 請求項1から19、28から40及び
    49から61のいずれか一項に記載の吸振器を備えてお
    り、吸振器は、一方の一の取付板部材及びこの一方の一
    の取付板部材に固着された一方の連結手段を介して柱又
    は水平材に、他方の一の取付板部材及びこの他方の一の
    取付板部材に固着された他方の連結手段を介して水平材
    又は柱に夫々連結されている制震構造。
  63. 【請求項63】 各連結手段は、対応の一の取付板部材
    を当該一の取付板部材の幅広の取付面において一端部で
    挟持する少なくとも一対のスプライスプレートと、この
    一対のスプライスプレートの一端部を一の取付板部材に
    締め付けるボルトとを具備しており、一対のスプライス
    プレートの他端部は、対応の柱又は水平材に固着された
    ブラケットにボルトを介して固着されている請求項62
    に記載の制震構造。
  64. 【請求項64】 吸振器は、建物等の左右柱及び上下水
    平材によって画成される壁空間に筋交い状に又は建物等
    の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直方向に伸びて配置さ
    れている請求項62又は63に記載の制震構造。
  65. 【請求項65】 両一の取付板部材の幅広の取付面は壁
    空間の面に平行に配されている請求項64に記載の制震
    構造。
  66. 【請求項66】 請求項20から27及び41から48
    のいずれか一項に記載の吸振器を備えており、吸振器
    は、一方の取付手段及びこの一方の取付手段に取り付け
    られた一方の連結手段を介して柱又は水平材に、他方の
    取付手段及びこの他方の取付手段に取り付けられた他方
    の連結手段を介して水平材又は柱に夫々連結されている
    制震構造。
  67. 【請求項67】 吸振器は、建物等の左右柱及び上下水
    平材によって画成される壁空間に筋交い状に又は建物等
    の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直方向に伸びて配置さ
    れている請求項66に記載の制震構造。
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