本発明の第一の態様の吸振器は、中空の外側の長尺体と内側の長尺体とを少なくとも具備しており、ここで、内側の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に外側の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部と、この内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の一端部から外部に突出した一端部とを具備しており、外側の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の隙間には、これら内面及び外面に接触して粘性体又は粘弾性体が配されており、外側の長尺体の他端部には一方の一の取付板部材が固着されており、内側の長尺体の一端部には他方の一の取付板部材が固着されている。
第一の態様の吸振器によれば、各取付板部材を介して例えば柱及び水平材に本吸振器を連結することにより、地震等による例えば上水平材に対する下水平材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体に対して内側の長尺体が相対的に軸方向に移動される結果、外側の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の隙間に配された粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネルギを吸収できる上に、めがね継手等に代えて、各取付板部材を介して柱及び水平材等に例えば各取付板部材の幅広の取付面において当該取付板部材を挟持するスプライスプレート等を用いて摩擦接合をもって簡単に強固に連結することができるために、簡単な構成で壁内に筋交い状に又は柱に平行に設置できて価格を低減でき、しかも、揺動において異音の発生がなく、取付上のガタを生じない上に低価格化を図り得て、強固な連結を得ることができる。
本発明の第二の態様の吸振器では、第一の態様の吸振器において、一方の一の取付板部材の幅広の取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平行になっている。
第二の態様の吸振器によれば、一方及び他方の一の取付板部材においてその幅広の取付面が互いに実質的に平行になっているために、両一の取付板部材の幅広の取付面を例えば建物の壁面と平行となるようにして吸振器を両一の取付板部材を介して建物の壁を画成する柱及び水平材に夫々連結することができ、斯かる連結態様では、後述の補強用の他の一の取付板部材を設けない際には、柱及び水平材の面外方向の相対振動では、両一の取付板部材の面外方向の容易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく追従させることができる結果、所望の減衰効果を発揮できる。
上記の第一又は第二の態様の吸振器においては、一本の外側の長尺体と一本の内側の長尺体とで吸振器を構成してもよいが、これに代えて、外側の長尺体と内側の長尺体との組を複数設け、複数の外側の長尺体を互いに固着して一体化し、一方の一の取付板部材を複数の外側の長尺体の夫々の他端部に固着して共用し、他方の一の取付板部材を複数の内側の長尺体の夫々に固着して共用してなる本発明の第三の態様の吸振器のように構成してもよい。
本発明の第四の態様の吸振器では、第一から第三のいずれかの態様の吸振器において、一方の一の取付板部材は、外側の長尺体の他端部に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部に固着されている。
第四の態様の吸振器によれば、一方の一の取付板部材の外側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で一方の一の取付板部材が外側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第五の態様の吸振器では、第一から第三のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて外側の長尺体の他端部に固着されている。
第五の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の他端部に固着してもよいのであるが、この場合、鍔部材又は蓋部材を溶接等により外側の長尺体の他端部に固着し、一方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
本発明の第六の態様の吸振器では、第一から第五のいずれかの態様の吸振器において、他方の一の取付板部材は、内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該内側の長尺体の一端部に固着されている。
第六の態様の吸振器においても、第四の態様の吸振器と同様に、他方の一の取付板部材の内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の一の取付板部材が内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第七の態様の吸振器では、第一から第五のいずれかの態様の吸振器において、内側の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、他方の一の取付板部材は、内側の長尺体の一端部に固着された鍔部材又は蓋部材に固着されて内側の長尺体の一端部に固着されている。
第七の態様の吸振器でも、第五の態様の吸振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶接等により外側の長尺体の他端部に固着し、他方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
上記のいずれかの態様の吸振器は、充填された粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、本発明の第八の態様のように、外側の長尺体の内部に対する内側の長尺体の内挿部の軸方向の進退における粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制手段を具備していると好ましい。
本発明の第八の態様の吸振器では、その第九の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填される室と空気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備していても、その第十の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体に埋設される空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具備していてもよく、その第十一の態様の吸振器のように、抑制手段は、内側の長尺体の内部に形成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で容積を減増する空気室を具備してもよい。
上記のいずれかの態様の吸振器において、本発明の外側の長尺体と内側の長尺体とは、好ましくは本発明の第十二の態様の吸振器のように、円筒部材からなる。
本発明の第十三の態様の吸振器では、上記のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部には一方の他の一の取付板部材が固着されており、一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第十三の態様の吸振器によれば、幅広の取付面が互いに交叉するようにして一方の両一の取付板部材が外側の長尺体の他端部に固着されているために、一方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第十三の態様の吸振器において、一方の他の一の取付板部材は、本発明の第十四の態様の吸振器のように、外側の長尺体の他端部に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部に固着されていても、本発明の第十五の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部に固着されていてもよい。
第十四の態様の吸振器によれば、一方の他の一の取付板部材の外側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で一方の他の一の取付板部材が外側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、一方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部に固着されている。
本発明の第十六の態様の吸振器では、上記のいずれかの態様の吸振器において、内側の長尺体の一端部には他方の他の一の取付板部材が固着されており、他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第十六の態様の吸振器によれば、第十三の態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が互いに交叉するようにして他方の両一の取付板部材が内側の長尺体の一端部に固着されているために、他方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第十六の態様の吸振器において、他方の他の一の取付板部材は、本発明の第十七の態様の吸振器のように、内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該内側の長尺体の一端部に固着されていても、本発明の第十八の態様の吸振器のように、他方の一の取付板部材に固着されて内側の長尺体の一端部に固着されていてもよい。
第十七の態様の吸振器によれば、他方の他の一の取付板部材の内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の他の一の取付板部材が内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、他方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして内側の長尺体の他端部に固着されている。
本発明の第十九の態様の吸振器では、上記のいずれかの態様の吸振器において、隙間と外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体とは、次式(1)及び(2)の関係を有している。
10≦d・t≦100 (1)
0.5≦t/d≦8 (2)
ここで、dは、隙間の軸方向に直交する方向の厚みであり、tは、外側及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の軸方向に直交する方向の厚みである。
本発明に係る吸振器では、外側の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動でもって、隙間に配された粘性体又は粘弾性体に剪断変形を生じさせて減衰力を発生し、而して、建物等の地震による振動を減衰させるのであるから、減衰力の大きさは、隙間の軸方向に直交する方向の厚みdに反比例することとなる結果、長尺体は、斯かる厚みdに反比例する大きさの減衰力に耐える強度を有している必要があり、厚みdと長尺体の軸方向に直交する方向の厚みtとの積(d・t)が10よりも小さいと、長尺体は、発生する減衰力に対して強度的に弱くなって、場合により、発生する減衰力に耐えられず折れ曲がる虞を有することとなる一方、積(d・t)が100よりも大きいと、発生する減衰力の大きさに比較して厚みtが必要以上となり、大重量及び大径の吸振器となってコストアップの要因となる。
また本発明に係る吸振器では、粘性体又は粘弾性体の短時間の繰り返し剪断変形において粘性体又は粘弾性体が発熱するのであるが、この熱を効率よく迅速に逃がさないと粘性体又は粘弾性体の粘性又は粘弾性が低下して意図した減衰力が発生されなくなる虞があるが、厚みtと厚みdとの比(t/d)が0.5よりも小さいと、多くの場合、粘性体又は粘弾性体の熱容量に対して長尺体の熱容量が小さくなって、粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺体を介して逃がされなくなって、粘性体又は粘弾性体自体の昇温が生じて意図した減衰力が発生されなくなる虞がある。
更にまた本発明に係る吸振器では、粘性体又は粘弾性体自体に昇温を生じさせないという観点からは、比(t/d)が0.5以上であることが好ましいのであるが、比(t/d)が8よりも大きくなると、上記の通り大重量及び大径の吸振器となる上に、外側の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の少しの移動において粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動が生じて、建物等の地震による振動を効率よく減衰させることが困難となる。
したがって、第十九の態様の吸振器では、積(d・t)が10以上であって100以下であり、比(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、しかも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径をもった吸振器を提供することができることになる上に、粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温をなくし得て意図した減衰力を発生でき、加えて、外側の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動においても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動を生じさせないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰させることができることになる。
本発明の第二十の態様の吸振器は、中空の外側の長尺体と内側の長尺体と少なくとも一つの中空の中間の長尺体とを具備しており、ここで、中間の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に外側の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、内側の長尺体は、中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、外側の長尺体の内面と中間の長尺体の外面との間及び中間の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の夫々の隙間には、これら内面及び外面に接触して粘性体又は粘弾性体が配されている。
第二十の態様の吸振器によれば、各取付手段を介して例えば柱及び水平材に本吸振器を連結することにより、地震等による例えば上水平材に対する下水平材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体に対する中間の長尺体の相対的な軸方向の移動及び中間の長尺体に対する内側の長尺体の相対的な軸方向の移動で粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネルギを第一の態様の吸振器と比較して更に効果的に吸収できる結果、換言すれば、外側の長尺体の内面と中間の長尺体の外面との間の隙間に配された粘性体又は粘弾性体による減衰力に加えて、中間の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の隙間に配された粘性体又は粘弾性体による減衰力をも得ることができる結果、軸方向の占有空間及び重量を大きくすることなしに、しかも、極端に狭い隙間に起因する長尺体相互の接触等の不都合な事態を生じさせないで、発生する減衰力を大きくすることができる。
上記第二十の態様の吸振器において、充填された粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、好ましくは本発明の第二十一の態様のように、吸振器は、外側の長尺体の内部に対する中間の長尺体の進退及び中間の長尺体の内部に対する内側の長尺体の進退による粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制手段を具備しているとよい。
本発明の第二十一の態様の吸振器では、その第二十二の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、中間及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填される室と空気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備していても、その第二十三の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、外側、中間及び内側の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体に埋設されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で体積を減増する空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具備していてもよく、更には、その第二十四の態様の吸振器のように、抑制手段は、内側の長尺体の内部に形成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で容積を減増する空気室を具備してもよい。
第二十から第二十四のいずれかの態様の吸振器において、好ましくは本発明の第二十五の態様の吸振器のように、外側の長尺体と内側の長尺体と中間の長尺体とは円筒部材からなる。
第二十から第二十五のいずれかの態様の吸振器において、好ましくは本発明の第二十六の態様の吸振器のように、両隙間のうちの少なくとも一方の隙間と、外側及び内側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体とは、次式(1)及び(2)の関係を有している。
10≦d・t≦100 (1)
0.5≦t/d≦8 (2)
ここで、dは、両隙間のうちの少なくとも一方の隙間の軸方向に直交する方向の厚みであり、tは、外側及び内側の長尺体並びに中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の軸方向に直交する方向の厚みである。
第二十六の態様の吸振器においても、積(d・t)が10以上であって100以下であり、比(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、しかも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径をもった吸振器を提供することができることになる上に、粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温をなくし得て意図した減衰力を発生でき、更に、外側及び内側の長尺体に対する中間の長尺体の相対的な軸方向の移動においても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動を生じさせないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰させることができることになる。
上記の第二十から第二十六のいずれかの態様の吸振器では、本発明の第二十七の態様の吸振器のように、中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の一端部から外部に突出した一端部を具備しており、内側の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出した一端部を具備しており、外側の長尺体の軸方向の他端部及び内側の長尺体の一端部には一方の取付手段が設けられており、中間の長尺体の一端部には他方の取付手段が設けられているとよい。
第二十七の態様の吸振器では、本発明の第二十八の態様の吸振器のように、一方の取付手段は、外側の長尺体の軸方向の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着された一方の一の取付板部材を具備しており、他方の取付手段は、中間の長尺体の一端部に固着された他方の一の取付板部材を具備しているとよい。
第二十八の態様の吸振器によれば、第一の態様の吸振器と同様に、めがね継手等に代えて、各取付板部材を介して柱及び水平材等に例えば各取付板部材の幅広の取付面において当該取付板部材を挟持するスプライスプレート等を用いて摩擦接合をもって簡単に強固に連結することができるために、簡単な構成で壁内に筋交い状に又は柱に平行に設置できて価格を低減でき、しかも、揺動において異音の発生がなく、取付上のガタを生じない上に低価格化を図り得て、強固な連結を得ることができる。
本発明の第二十八の態様の吸振器では、第二十九の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材の幅広の取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平行になっていてもよい。
第二十九の態様の吸振器によれば、第二の態様の吸振器と同様に、両取付板部材の幅広の取付面を例えば建物の壁面内と平行となるようにして吸振器を両取付板部材を介して建物の壁を画成する柱及び水平材に夫々連結することができ、斯かる連結態様では、後述の補強用の取付板部材を設けない際には、柱及び水平材の面外方向の相対振動では、両取付板部材の面外方向の容易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく追従させることができる結果、所望の減衰効果を発揮できる。
第二十八及び第二十九の態様の吸振器でも、外側の長尺体、内側の長尺体及び中間の長尺体の夫々を一本でもって吸振器を構成してもよいが、これに代えて、外側の長尺体と、少なくとも一つの中空の中間の長尺体と、内側の長尺体との組を複数設け、複数の外側の長尺体を互いに固着して一体化し、一方の一の取付板部材を複数の外側の長尺体の夫々の他端部及び内側の長尺体の夫々の一端部の夫々に固着して共用し、他方の一の取付板部材を複数の中間の長尺体の夫々の一端部に固着して共用してなる本発明の第三十の態様の吸振器のように構成してもよい。
本発明の第三十一の態様の吸振器では、第二十八から第三十のいずれかの態様の吸振器において、一方の一の取付板部材は、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
第三十一の態様の吸振器によれば、第四の態様の吸振器と同様に、一方の一の取付板部材の外側及び内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で一方の一の取付板部材が外側及び内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第三十二の態様の吸振器では、第二十八から第三十のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
第三十二の態様の吸振器でも、一方の一の取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着してもよいのであるが、この場合にも、鍔部材又は蓋部材を溶接等により外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部に固着し、一方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
本発明の第三十三の態様の吸振器では、第二十八から第三十二のいずれかの態様の吸振器において、他方の一の取付板部材は、中間の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該中間の長尺体の一端部に固着されている。
第三十三の態様の吸振器によれば、第六の態様の吸振器と同様に、他方の一の取付板部材の中間の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の一の取付板部材が中間の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第三十四の態様の吸振器では、第二十八から第三十二のいずれかの態様の吸振器において、中間の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、他方の一の取付板部材は、中間の長尺体の一端部に固着された鍔部材又は蓋部材に固着されて中間の長尺体の一端部に固着されている。
第三十四の態様の吸振器でも、第七の態様の吸振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶接等により中間の長尺体の一端部に固着し、他方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
本発明の第三十五の態様の吸振器では、第二十八から第三十四のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々には一方の他の一の取付板部材が固着されており、一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第三十五の態様の吸振器によれば、第十三の態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が互いに交叉するようにして一方の両一の取付板部材が外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されているために、一方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第三十五の態様の吸振器において、一方の他の一の取付板部材は、本発明の第三十六の態様の吸振器のように、外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されていても、本発明の第三十七の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されていてもよい。
第三十六の態様の吸振器によれば、一方の他の一の取付板部材の外側及び内側の長尺体への固着を強固にでき、長期の使用で一方の他の一の取付板部材が外側及び内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、一方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着されている。
本発明の第三十八の態様の吸振器では、上記の二十八から三十七のいずれかの態様の吸振器において、中間の長尺体の軸方向の一端部には他方の他の一の取付板部材が固着されており、他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第三十八の態様の吸振器によれば、幅広の取付面が互いに交叉するようにして他方の両一の取付板部材が中間の長尺体の一端部に固着されているために、他方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第三十八の態様の吸振器において、他方の他の一の取付板部材は、本発明の第三十九の態様の吸振器のように、中間の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該中間の長尺体の一端部に固着されていても、本発明の第四十の態様の吸振器のように、他方の一の取付板部材に固着されて中間の長尺体の一端部に固着されていてもよい。
第三十九の態様の吸振器によれば、他方の他の一の取付板部材の中間の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の他の一の取付板部材が中間の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、他方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして中間の長尺体の一端部に固着されている。
本発明の第四十一の態様の吸振器は、中空の外側の長尺体と内側の長尺体と少なくとも二つの中空の中間の長尺体とを具備しており、ここで、一方の中間の長尺体は、外側の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に外側の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、他方の中間の長尺体は、一方の中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に一方の中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、内側の長尺体は、他方の中間の長尺体の軸方向に伸びる内面に対して隙間をもって配された軸方向に伸びる外面を有していると共に他方の中間の長尺体に軸方向に相対的に移動自在に挿入されている内挿部を具備しており、外側の長尺体の内面と一方の中間の長尺体の外面との間、一方の中間の長尺体の内面と他方の中間の長尺体の外面との間及び他方の中間の長尺体の内面と内側の長尺体の外面との間の夫々の隙間には、これら内面及び外面に接触して粘性体又は粘弾性体が配されている。
第四十一の態様の吸振器によれば、第二十の態様の吸振器と同様に、各取付手段を介して例えば柱及び水平材に本吸振器を連結することにより、地震等による例えば上水平材に対する下水平材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体及び他方の中間の長尺体に対する一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の相対的な軸方向の移動で粘性体又は粘弾性体に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネルギを第一及び第二十の態様の吸振器と比較して更により効果的に吸収できる結果、軸方向の占有空間及び重量を大きくすることなしに、しかも、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの中空の中間の長尺体との接触等の不都合な事態を生じさせないで、発生する減衰力を大きくすることができる。
第四十一の態様の吸振器において、充填された粘性体又は粘弾性体を密封状態とする場合には、好ましくは本発明の第四十二の態様のように、吸振器は、外側の長尺体及び他方の中間の長尺体の夫々の内部に対する一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の夫々の進退による粘性体又は粘弾性体の内圧の増減を抑制する抑制手段を具備している。
本発明の第四十二の態様の吸振器では、その第四十三の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、他方の中間の長尺体及び内側の長尺体のうちの少なくとも一方の長尺体の中空部を粘性体又は粘弾性体が充填される室と空気室とに画成すると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で室の容積を増減する可撓隔壁を具備していても、その第四十四の態様の吸振器のように、内側の長尺体が中空であって、抑制手段は、外側の長尺体、二つの中間の長尺体及び内側の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の中空部に充填された粘性体又は粘弾性体に埋設されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で体積を減増する空気袋、発泡ゴム又はスポンジ等の可圧縮体を具備していても、更には、その第四十五の態様の吸振器のように、抑制手段は、内側の長尺体の内部に形成されていると共に粘性体又は粘弾性体の内圧の増減で容積を減増する空気室を具備してもよい。
第四十一から第四十五のいずれかの態様の吸振器において、好ましくは本発明の第四十六の態様の吸振器のように、外側の長尺体と内側の長尺体と少なくとも二つの中間の長尺体とは円筒部材からなる。
第四十一から第四十六のいずれかの態様の吸振器において、好ましくは本発明の第四十七の態様の吸振器のように、三個の隙間のうちの少なくとも一つの隙間と、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体とは、次式(1)及び(2)の関係を有している。
10≦d・t≦100 (1)
0.5≦t/d≦8 (2)
ここで、dは、三個の隙間のうちの少なくとも一つ隙間の軸方向に直交する方向の厚みであり、tは、外側及び内側の長尺体並びに少なくとも二つの中間の長尺体のうちの少なくとも一つの長尺体の軸方向に直交する方向の厚みである。
第四十七の態様の吸振器においても、積(d・t)が10以上であって100以下であり、比(t/d)が0.5以上であって8以下であるために、厚みdの大きさに拘わらず十分に強度的に保障され、しかも、発生する減衰力の大きさに対応した重量及び径をもった吸振器を提供することができることになる上に、粘性体又は粘弾性体で発生した熱が効率よく迅速に長尺体を介して逃がされて、粘性体又は粘弾性体自体の昇温をなくし得て意図した減衰力を発生でき、加えて、外側の長尺体及び他方の中間の長尺体に対する一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の相対的な軸方向の移動においても粘性体又は粘弾性体に大きな圧力変動を生じさせないので、建物等の地震による振動を効率よく減衰させることができることになる。
第四十一から第四十七のいずれかの態様の吸振器では、本発明の第四十八の態様の吸振器のように、一方の中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に外側の長尺体の軸方向の一端部から外部に突出した一端部を具備しており、他方の中間の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に一方の中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出した一端部を具備しており、内側の長尺体は、その内挿部から一体的に軸方向に伸びていると共に他方の中間の長尺体の軸方向の他端部から外部に突出した一端部を具備しており、外側の長尺体の軸方向の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部には一方の取付手段が設けられており、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部には他方の取付手段が設けられているとよい。
第四十八の態様の吸振器では、本発明の第四十九の態様の吸振器のように、一方の取付手段は、外側の長尺体の軸方向の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着された一方の一の取付板部材を具備しており、他方の取付手段は、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部の夫々に固着された他方の一の取付板部材を具備しているとよい。
第四十九の態様の吸振器によれば、第一及び第二十八の態様の吸振器と同様に、めがね継手等に代えて、各取付板部材を介して柱及び水平材等に例えば各取付板部材の幅広の取付面において当該取付板部材を挟持するスプライスプレート等を用いて摩擦接合をもって簡単に強固に連結することができるために、簡単な構成で壁内に筋交い状に又は柱に平行に設置できて価格を低減でき、しかも、揺動において異音の発生がなく、取付上のガタを生じない上に低価格化を図り得て、強固な連結を得ることができる。
本発明の第四十九の態様の吸振器では、第五十の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材の幅広の取付面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と実質的に平行になっているとよい。
第五十の態様の吸振器によれば、第二及び第二十九の態様の吸振器と同様に、両取付板部材の幅広の取付面を例えば建物の壁面内と平行となるようにして吸振器を両取付板部材を介して建物の壁を画成する柱及び水平材に夫々連結することができ、斯かる連結態様では、後述の補強用の取付板部材を設けない際には、柱及び水平材の面外方向の相対振動では、両取付板部材の面外方向の容易な撓みでもって斯かる相対振動に無理なく追従させることができる結果、所望の減衰効果を発揮できる。
第四十九及び第五十の態様の吸振器でも、外側の長尺体、内側の長尺体及び二つの中間の長尺体の夫々を一本でもって吸振器を構成してもよいが、これに代えて、外側の長尺体と、少なくとも二つの中空の中間の長尺体と、内側の長尺体との組を複数設けて、複数の外側の長尺体を互いに固着して一体化し、一方の一の取付板部材を複数の外側の長尺体の夫々の他端部及び複数の他方の中間の長尺体の夫々の一端部に固着して共用し、他方の一の取付板部材を複数の一方の中間の長尺体の夫々の一端部及び複数の内側の長尺体の夫々の一端部に固着して共用してなる本発明の第五十一の態様の吸振器のように構成してもよい。
本発明の第五十二の態様の吸振器では、第四十九から第五十一のいずれかの態様の吸振器において、一方の一の取付板部材は、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着されている。
第五十二の態様の吸振器においても、第四及び第三十一の態様の吸振器と同様に、一方の一の取付板部材の外側の長尺体及び他方の中間の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で一方の一の取付板部材が外側の長尺体及び他方の中間の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第五十三の態様の吸振器では、第四十九から第五十一のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、一方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着されている。
第五十三の態様の吸振器でも、一方の一の取付板部材を鍔部材又は蓋部材を介して外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着してもよいのであるが、この場合にも、鍔部材又は蓋部材を溶接等により外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部に固着し、一方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
本発明の第五十四の態様の吸振器では、第四十九から第五十三のいずれかの態様の吸振器において、他方の一の取付板部材は、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて当該一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
第五十四の態様の吸振器においても、第六及び第三十三の態様の吸振器と同様に、他方の一の取付板部材の一方の中間の長尺体及び内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の一の取付板部材が一方の中間の長尺体及び内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
本発明の第五十五の態様の吸振器では、第四十九から第五十三のいずれかの態様の吸振器において、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部には鍔部材又は蓋部材が固着されており、他方の一の取付板部材は、鍔部材又は蓋部材に固着されて一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
第五十五の態様の吸振器でも、第七及び第三十四の態様の吸振器と同様に、鍔部材又は蓋部材を溶接等により一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着し、他方の一の取付板部材を溶接又はボルト等により鍔部材又は蓋部材に固着するとよい。
本発明の第五十六の態様の吸振器では、第四十九から第五十五のいずれかの態様の吸振器において、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々には一方の他の一の取付板部材が固着されており、一方の他の一の取付板部材の幅広の面は、一方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第五十六の態様の吸振器によれば、第十三及び第三十五の態様の吸振器と同様に、幅広の取付面が互いに交叉するようにして一方の両一の取付板部材が外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されているために、一方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第五十六の態様の吸振器において、一方の他の一の取付板部材は、本発明の第五十七の態様の吸振器のように、外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に形成されたスリットに嵌装されて当該外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されていても、本発明の第五十八の態様の吸振器のように、一方の一の取付板部材に固着されて外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されていてもよい。
第五十七の態様の吸振器によれば、一方の他の一の取付板部材の外側の長尺体及び他方の中間の長尺体への固着を強固にでき、長期の使用で一方の他の一の取付板部材が外側の長尺体及び他方の中間の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、一方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が一方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして外側の長尺体の他端部及び他方の中間の長尺体の一端部の夫々に固着されている。
本発明の第五十九の態様の吸振器では、上記の第四十九から第五十八のいずれかの態様の吸振器において、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部には他方の他の一の取付板部材が固着されており、他方の他の一の取付板部材の幅広の面は、他方の一の取付板部材の幅広の取付面と交叉している。
第五十九の態様の吸振器によれば、幅広の取付面が互いに交叉するようにして他方の両一の取付板部材が一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されているために、他方の両一の取付板部材の曲げ強度を増加できる。
第五十九の態様の吸振器において、他方の他の一の取付板部材は、本発明の第六十の態様の吸振器のように、一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に形成されたスリットに嵌装されて一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されていても、本発明の第六十一の態様の吸振器のように、他方の一の取付板部材に固着されて一方の中間の長尺体の一端部及び内側の長尺体の一端部に固着されていてもよい。
第六十の態様の吸振器によれば、他方の他の一の取付板部材の一方の中間の長尺体及び内側の長尺体への固着をより強固にでき、長期の使用で他方の他の一の取付板部材が一方の中間の長尺体及び内側の長尺体から外れてしまうような不都合な事態を避けることができる。
好ましい例では、他方の他の一の取付板部材は、その幅広の取付面が他方の一の取付板部材の幅広の取付面に直交するようにして一方の中間の長尺体及び内側の長尺体の一端部に固着されている。
なお、本発明による吸振器は、取付板部材を介して例えば壁面内の方向(面内方向)では剛性的に柱及び水平材に連結されることになるが、地震による上水平材に対する下水平材の壁面内での水平方向の相対振動では、外側の長尺体と内側の長尺体との相互の相対的な軸方向の移動、外側の長尺体及び内側の長尺体と中間の長尺体との相互の相対的な軸方向の移動又は外側の長尺体及び他方の中間の長尺体と一方の中間の長尺体及び内側の長尺体との相互の相対的な軸方向の移動に加えて各長尺体の若干の撓みでもってこの相対振動に追従することになってもよい。
本発明の第一の態様の制震構造は、上記の第一から第十九、第二十八から第四十及び第四十九から第六十一のいずれかの態様の吸振器を備えており、ここで、吸振器は、一方の一の取付板部材及びこの一方の一の取付板部材に固着された一方の連結手段を介して柱又は水平材に、他方の一の取付板部材及びこの他方の一の取付板部材に固着された他方の連結手段を介して水平材又は柱に夫々連結されている。
第一の態様の制震構造によれば、上記の第一から第十九、第二十八から第四十及び第四十九から第六十一のいずれかの態様の吸振器が取付板部材及び連結手段を介して柱又は水平材に連結されている結果、建物を制震化できて、地震による被害を最小にできる。
本発明の第二の態様の制震構造では、第一の態様の制震構造において、各連結手段は、対応の一の取付板部材を当該一の取付板部材の幅広の取付面において一端部で挟持する少なくとも一対のスプライスプレートと、この一対のスプライスプレートの一端部を一の取付板部材に締め付けるボルトとを具備しており、一対のスプライスプレートの他端部は、対応の柱又は水平材に固着されたブラケットにボルトを介して固着されている。
第二の態様の制震構造によれば、一対のスプライスプレートと取付板部材及びブラケットへの摩擦接合により吸振器の更に強固な連結を達成できる上に、吸振器の壁空間への設置作業を簡略化でき、作業時間を大幅に短縮でき、しかも、吸振器の取り替えを容易に行うことができる。
本発明の第三の態様の制震構造では、第一又は第二の態様の制震構造において、吸振器は、建物等の左右柱及び上下水平材によって画成される壁空間に筋交い状に又は建物等の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直方向に伸びて配置されている。
本発明の第四の態様の制震構造では、第三の態様の制震構造において、両一の取付板部材の幅広の取付面は壁空間の面に平行に配されている。
第四の態様の制震構造によれば、両一の取付板部材の幅広の取付面が壁空間の面に平行に配されている結果、上記の吸振器による効果を得ることができる上に、利用空間を狭めることなしに建物を制震化できる。
本発明の第五の態様の制震構造は、上記第二十から第二十七及び第四十一から第四十八のいずれかの態様の吸振器を備えており、吸振器は、一方の取付手段及びこの一方の取付手段に取り付けられた一方の連結手段を介して柱又は水平材に、他方の取付手段及びこの他方の取付手段に取り付けられた他方の連結手段を介して水平材又は柱に夫々連結されている。
第五の態様の制震構造によれば、上記第二十から第二十七及び第四十一から第四十八のいずれかの態様の吸振器が各連結手段を介して柱又は水平材に連結されている結果、建物を制震化できて、地震による被害を最小にできる。
本発明の第六の態様の制震構造では、第五の態様の制震構造において、吸振器は、建物等の左右柱及び上下水平材によって画成される壁空間に筋交い状に又は建物等の柱に当該柱と略平行にかつ略鉛直方向に伸びて配置されている。
本発明の吸振器が適用される建物は、公共及び民間を含む事業用若しくは事務所ビル、共同住宅を含む集合住宅及び戸建住宅等を含み、新築又は既設建物のいずれでもよい。
本発明に用いる粘性体としては、30℃におけるその粘度が1000Pa・sから50000Pa・sであるものが好ましく、また、本発明に用いる粘弾性体としては、20℃におけるその等価粘性減衰定数が20%から50%であるものが好ましいが、本発明では、これらに必ずしも限定されず、上記の効果を得ることができる粘性体又は粘弾性体であればよい。そして、本発明に用いる粘性体としては、具体的には、通常のシリコン油等の粘性体でもよいが、例えば高粘度を有したポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリブテン又はジメチルポリシロキサン等の高分子粘性体又はアスファルト等を好ましい例として挙げることができるが、その他の粘性体でもよく、また、本発明に用いる粘弾性体としては、具体的には、天然ゴム、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの液状合成ゴム、その他上記粘性体と混合したものなどを例示することができるが、その他の粘弾性体でもよい。
更に本発明において、隙間を維持すべく各長尺体間にスペーサ部材を当該長尺体に接触して配してもよいが、斯かるスペーサ部材としては、無端環状体であってもよいが、これに代えて、各長尺体に部分的に接触するような個別のスペーサ片であってもよい。隙間の厚みdの好ましい具体例として、1mmから5.5mm程度を挙げることができる。