JP4186696B2 - 吸振器及びそれを用いた制震構造 - Google Patents

吸振器及びそれを用いた制震構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物等の壁内に筋交い状に又は建物等の柱に該柱と鉛直方向に平行に設置して建物等の地震による振動を減衰させる吸振器及びこの吸振器を建物の壁に筋交い状に又は柱に該柱と略平行であって略鉛直方向に伸びて設置して内装した制震構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一端を固定端とする円筒状の外部材の内側に、外部材の固定端と反対側の端部を固定端とする棒状の内部材を挿入し、外部材と内部材との隙間に粘弾性体を充填してなる粘弾性ダンパーは既に提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−279695号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、提案されている粘弾性ダンパーでは、外部材と内部材と間に単層の粘弾性体を設けたものであるために、大きな減衰力を得るには外部材と内部材とをかなり長尺にするか、外部材と内部材と間の隙間を極めて狭くする等の必要がある。
【0005】
しかるに、極めて長い外部材と内部材とでもって粘弾性ダンパーを構成すると建物の柱梁架構内に収まらない場合があり、このために一個の建物の柱梁架構内に複数本の粘弾性ダンパーを設置したり、複数の柱梁架構の夫々に粘弾性ダンパーを設置したりしなけらばならず、いずれにしても多くの粘弾性ダンパーを必要としてコストアップを招来する。
【0006】
また、外部材と内部材との間を極めて狭い隙間にするには外部材と内部材とを伸直度を含めて高精度に製作することが要求される上に、斯かる隙間への粘性体又は粘弾性体の充填、配置に相当の時間を要する虞もある。
【0007】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、長尺体を効率的に用いて大きな減衰力を得るようにして柱梁架構内に収めるようにでき、しかも、極端に狭い隙間にしなくても大きな減衰力を得ることができる結果、コストのかかる高精度な製作が要求されず、粘性体又は粘弾性体の充填、配置も容易に行い得る吸振器及びそれを用いた制震構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様の吸振器は、矩形状であって少なくとも一枚の一方の板状の長尺体と、この一方の長尺体を間にして当該一方の長尺体に対して隙間をもってその長手方向に可動に配されていると共に矩形状である少なくとも二枚の他方の板状の長尺体とを具備しており、ここで、一方の長尺体と他方の長尺体との間の隙間には、一方の長尺体の矩形状の表裏面とこの表裏面に対面する他方の長尺体の矩形状の表面の夫々とに接触して粘性体又は粘弾性体が配されており、二枚の他方の長尺体はその一端部で互いに連結されている。
【0009】
本発明の第二の態様の吸振器は、断面U字状を有した少なくとも一つの一方の長尺体と、この一方の長尺体を間にして当該一方の長尺体に対して隙間をもってその長手方向に可動に配されていると共に断面U字状を有した少なくとも二つの他方の長尺体とを具備しており、ここで、一方の長尺体と他方の長尺体との間の隙間には、一方の長尺体の表裏面とこの表裏面に対面する他方の長尺体の表面の夫々とに接触して粘性体又は粘弾性体が配されており、二つの他方の長尺体はその一端部で互いに連結されている。
【0010】
本発明の第三の態様の吸振器は、断面矩形状であって少なくとも一つの一方の中空の長尺体と、この一方の長尺体を間にして当該一方の長尺体に対して隙間をもってその長手方向に可動に配されていると共に断面矩形状である少なくとも二つの他方の中空の長尺体とを具備しており、ここで、一方の長尺体と他方の長尺体との間の隙間には、一方の長尺体の内外周面とこの内外周面に対面する他方の長尺体の周面の夫々とに接触して粘性体又は粘弾性体が配されており、二つの他方の長尺体はその一端部で互いに連結されている。
【0011】
第一から第三のいずれの態様の吸振器も、一方の長尺体の表裏面又は内外周面を利用し、この表裏面又は内外周面に接触して粘性体又は粘弾性体を配する結果、それ程長い長尺体を用いなくても、また極端に狭い隙間にしなくても大きな減衰力を得ることができ、而して、比較的狭い柱梁架構内にも収めるようにできる上に、コストのかかる高精度な製作が長尺体に対して要求されず、しかも、粘性体又は粘弾性体の充填、配置も容易に行い得る。
【0012】
吸振器は、本発明の第四の態様のそれのように、断面矩形状であると共に一方の長尺体が内部に配された中空の長尺のハウジングを具備しており、斯かる態様の吸振器では、ハウジングと一方の長尺体とはそれらの一端部で互いに連結されており、他方の長尺体はハウジングに対してその長手方向に可動になっており、粘性体又は粘弾性体はハウジングの内部に配されている。
【0013】
吸振器は、本発明の第五の態様のそれのように、一方及び他方の長尺体の夫々の一端部に設けられていると共に構造物への取り付けのための取り付け手段を具備していてもよく、この場合、一方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、本発明の第六の態様の吸振器のように、一方の長尺体の一端部を互いに連結するように一方の長尺体の一端部が固着された一方の連結板と、連結板に固着されていると共に一方の連結板に対して交差して配された一方の交差板とを具備していてもよく、ここで、本発明の第七の態様の吸振器のように、一方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、一方の連結板及び交差板の夫々に対して交差していると共に一方の連結板及び交差板に固着された一方の第二の交差板を更に具備していると、一方の連結板及び交差板を補強できて好ましい。
【0014】
第五から第七のいずれかの態様の吸振器では、他方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、本発明の第八の態様の吸振器のように、他方の長尺体の一端部を互いに連結するように他方の長尺体の一端部が固着された他方の連結板と、他方の連結板に固着されていると共に他方の連結板に対して交差して配された他方の交差板とを具備していてもよく、この場合も、本発明の第九の態様の吸振器のように、他方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、他方の交差板に対して交差していると共に他方の交差板に固着された他方の第二の交差板を更に具備していると、他方の連結板及び交差板を補強できて好ましい。
【0015】
本発明の吸振器が適用される建物は、公共及び民間を含む事業用若しくは事務所ビル、共同住宅を含む集合住宅及び戸建住宅等を含み、新築又は既設建物のいずれでもよい。
【0016】
本発明に用いる粘性体としては、30℃におけるその粘度が1000Pa・sから50000Pa・sであるものが好ましく、また、本発明に用いる粘弾性体としては、20℃におけるその等価粘性減衰定数が20%から50%であるものが好ましいが、本発明では、これらに必ずしも限定されず、上記の効果を得ることができる粘性体又は粘弾性体であればよい。そして、本発明に用いる粘性体としては、具体的には、通常のシリコン油等の粘性体でもよいが、例えば高粘度を有したポリイソブチレン、ポリプロピレン、ポリブテン又はジメチルポリシロキサン等の高分子粘性体又はアスファルト等を好ましい例として挙げることができるが、その他の粘性体でもよく、また、本発明に用いる粘弾性体としては、具体的には、天然ゴム、合成ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの液状合成ゴム、その他上記粘性体と混合したものなどを例示することができるが、その他の粘弾性体でもよい。
【0017】
更に本発明において、隙間を維持すべく各長尺体間にスペーサ部材を当該長尺体に接触して配してもよいが、斯かるスペーサ部材としては、各長尺体に部分的に接触するような個別のスペーサ片であってもよい。隙間の厚みdの好ましい具体例として、1mmから5.5mm程度を挙げることができる。
【0018】
次に本発明及びその実施の形態を図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1から図5において、本例の制震構造としての制震壁構造1は、建物の左右柱2及び3並びに上下水平材4及び5によって画成される壁空間6に、筋交い状に配置された長手方向Xに伸縮自在である吸振器7を具備している。
【0020】
建物は、本例では高層のビルであって、所定階の壁空間6に加えて、必要に応じて、この所定階の壁空間6に隣接する同階の壁空間並びにこの所定階よりも上階及び下階の壁空間にも、図示しないが筋交い状に吸振器が同様に配置されている。また、図示の例では、壁空間6に一個の吸振器7を配しているが、二個以上の複数個の吸振器7を配してもよい。
【0021】
吸振器7は、矩形状であって少なくとも一枚、本例では八枚の板状の長尺体11と、長尺体11の夫々を間にして長尺体11に対して隙間12をもってその長手方向Xに可動に配されていると共に矩形状である少なくとも二枚、本例では九枚の板状の長尺体13と、断面矩形状であると共に長尺体11が内部14に配された中空の長尺のハウジング15と、長尺体11及び13の夫々の一端部16及び17に設けられていると共に構造物としての建物の左右柱2及び3並びに上下水平材4及び5への取り付けのための取り付け手段18及び19と、ハウジング15の内部14に配された粘性体又は粘弾性体、本例では粘性体20とを具備している。
【0022】
ハウジング15の内部14にハウジング15の内面31に対して隙間32をもって配された長尺体13は、ハウジング15に対しても長手方向Xに可動に配されており、各長尺体11と各長尺体13との間の隙間12には、各長尺体11の矩形状の表裏面33及び34と表裏面33及び34に対面する長尺体13の矩形状の表面35の夫々とに接触して粘性体20が配されており、隙間32においてハウジング15と両側の長尺体13との間の二つの隙間36にも、ハウジング15の内面31と両側の長尺体13の矩形状の表面35とに接触して粘性体20が配されている。
【0023】
各長尺体11の表裏面33及び34並びに各長尺体13の表面35のうちの適宜の面には、隙間12及び36を維持するためのスペーサ37が設けられており、各長尺体13の一端部17の両縁には、各長尺体13間の間隔を保持するための保持板38が溶接等により固着されている。
【0024】
取り付け手段18は、各長尺体11の一端部16を互いに連結するように各長尺体11の一端部16が溶接等により固着された連結板41と、連結板41に溶接等により固着されていると共に連結板41に対して交差、本例では直交して配された交差板42と、連結板41及び交差板42の夫々に対して交差、本例では直交していると共に連結板41及び交差板42に溶接等により固着された交差板43とを具備しており、交差板42には取り付け用のボルト44が挿通される貫通孔45が穿孔されており、各長尺体11に対して直交していると共に各長尺体11の一端部16にも溶接等により固着された交差板43は本例では補強板として機能しており、ハウジング15は、その一端部46で連結板41、交差板42及び43に溶接等により固着されており、こうして、ハウジング15と各長尺体11とはそれらの一端部16及び46で連結板41、交差板42及び43を含む取り付け手段18を介して互いに連結されている。
【0025】
取り付け手段19は、ハウジング15の内部14から外部に突出する各長尺体13の一端部17を互いに連結するように各長尺体13の一端部17が溶接等により固着された連結板51と、長尺体13のうちで中央の厚肉の長尺体13の一端部17から一体的に延設された交差板としての延設部52と、各長尺体13、連結板51及び延設部52の夫々に対して交差、本例では直交していると共に連結板51、延設部52及び各長尺体13の一端部17に溶接等により固着された交差板53とを具備しており、連結板51に固着されていると共に連結板51に対して交差して配された延設部52には取り付け用のボルト44が挿通される貫通孔54が穿孔されており、交差板53は本例では補強板として機能しており、各長尺体13はそれらの一端部17で連結板51、延設部52及び交差板53を含む取り付け手段19並びに保持板38を介して互いに連結されている。
【0026】
上水平材4及び下水平材5の夫々には、溶接、ボルト等を介してブラケット61及び62が夫々固着されており、吸振器7は、取り付け手段18の交差板42がスプライスプレート63及びボルト44を介してブラケット62に、取り付け手段19の延設部52がスプライスプレート64及びボルト44を介してブラケット61に夫々固着されて壁空間6に筋交い状に配置される。
【0027】
以上の制震壁構造1では、地震等による上水平材4に対する下水平材5の壁空間6の面内での水平方向Hの相対振動で長尺体11に対して長尺体13が相対的に長手方向Xに移動される結果、隙間12及び36に配された粘性体20に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネルギを吸収でき、而して、建物の地震等による振動を早期に減衰させることができる。
【0028】
吸振器7では、各長尺体11の表裏面33及び34を利用し、表裏面33及び34に接触して粘性体20を配する結果、それ程長い長尺体11及び13を用いなくても、また極端に狭い隙間12にしなくても大きな減衰力を得ることができ、而して、比較的狭い柱梁架構内である壁空間6にも収めるようにできる上に、コストのかかる高精度な製作が長尺体11及び13に対して要求されず、しかも、粘性体20の充填、配置も容易に行い得る。
【0029】
ところで上記の吸振器7は、矩形状の長尺体11及び13を具備したものであるが、これに代えて、図6及び図7に示すように断面U字状の長尺体71及び72を具備して吸振器73を構成してもよい。
【0030】
即ち、図6及び図7に示す吸振器73は、断面U字状を有した三つの長尺体71と、長尺体71を間にして長尺体71に対して隙間74をもってその長手方向Xに可動に配されていると共に断面U字状を有した四つの長尺体72と、最内側の長尺体72に対して隙間75をもってその長手方向Xに可動に配されている断面U字状を有した中央の長尺体76と、断面矩形状であると共に長尺体71及び76が内部77に配された中空の長尺のハウジング78と、長尺体71、72及び76の夫々の一端部79、80及び81に設けられていると共に左右柱2及び3並びに上下水平材4及び5への取り付けのための取り付け手段82及び83と、ハウジング78の内部77に配された粘性体84とを具備している。
【0031】
ハウジング78の内部77にハウジング78の内面85に対して隙間86をもって配された長尺体72はハウジング78に対しても長手方向Xに可動に配されており、各長尺体71と各長尺体72との間の隙間74には、各長尺体71の表裏面87及び88と表裏面87及び88に対面する長尺体72の表面89の夫々とに接触して粘性体84が配されており、隙間86においてハウジング78と外側の長尺体72との間の隙間90にも、ハウジング78の内面85と外側の長尺体72の表面89とに接触して粘性体84が配されている。
【0032】
長尺体76の表面87、各長尺体71の表裏面87及び88並びに各長尺体72の表面89のうちの適宜の面には、隙間74、75及び90を維持するためのスペーサ(図示せず)が設けられており、長尺体76は、長手方向Xに伸びるその両端面91でハウジング78の内面85に固着されており、長尺体76の他端部92には閉鎖板93が溶接等により固着されている。
【0033】
取り付け手段82は、各長尺体71の一端部79を互いに連結するように各長尺体71の一端部79が溶接等により固着された連結板96と、連結板96に溶接等により固着されていると共に連結板96に対して直交して配された交差板97と、連結板96及び交差板97の夫々に対して直交していると共に連結板96及び交差板97に溶接等により固着された補強板としての交差板98とを具備しており、交差板97には取り付け用のボルト44が挿通される貫通孔99が穿孔されており、長尺体76及びハウジング78は、その一端部81及び100で連結板96に溶接等により固着されており、こうして、ハウジング78と各長尺体71及び76とはそれらの一端部79、81及び100で連結板96、交差板97及び98を含む取り付け手段82を介して互いに連結されており、長尺体76で囲まれる空間101には粘性体84が侵入しないようになっている。
【0034】
取り付け手段83は、ハウジング78の内部77から外部に突出する各長尺体72の一端部80を互いに連結するように各長尺体72の一端部80が溶接等により固着された連結板111と、連結板111に溶接等により固着されていると共に連結板111に対して直交して配された交差板112と、連結板111及び交差板112の夫々に対して直交していると共に連結板111及び交差板112に溶接等により固着された補強板としての交差板113とを具備しており、交差板112には取り付け用のボルト44が挿通される貫通孔115が穿孔されており、各長尺体72はそれらの一端部80で連結板111、交差板112及び113を含む取り付け手段83を介して互いに連結されている。
【0035】
斯かる吸振器73もまた、取り付け手段82の交差板97がスプライスプレート63及びボルト44を介してブラケット62に、取り付け手段83の交差板112がスプライスプレート64及びボルト44を介してブラケット61に夫々固着されて壁空間6に筋交い状に配置されて、地震等による上水平材4に対する下水平材5の壁空間6の面内での水平方向Hの相対振動で長尺体71に対して長尺体72が相対的に長手方向Xに移動される結果、隙間74、75及び90に配された粘性体84に粘性剪断変形を生じさせて相対振動エネルギを吸収でき、而して、建物の地震等による振動を早期に減衰させることができる。
【0036】
吸振器73では、長尺体76で囲まれる空間101には粘性体84が侵入しないようにしたが、これに代えて、例えば閉鎖板93を設けないで、長尺体76で囲まれる空間101にも粘性体84を配するようにしてもよく、この場合、空間101に体積減増手段としての可撓性の空気袋を配置して、長尺体71に対する長尺体72の長手方向Xの進退における粘性体84の内圧の増減で空気袋の体積が減増するようにし、粘性体84の内圧の増減による長尺体71に対する長尺体72の長手方向Xの進退への影響を低減するようにしてもよい。また体積減増手段としては、可撓性の空気袋に代えて、閉鎖板93を可撓性の閉鎖膜又は長手方向Xに可動な隔壁として構成して具体化してもよい。
【0037】
吸振器73では、断面U字状を有した長尺体71、72及び76を用いて構成したが、これに代えて、図8に示すように断面矩形状であって中空の長尺体71、72及び76を用いて構成してもよく、図8に示す長尺体71、72及び76を用いると、更に大きな減衰力を得ることができる。
【0038】
以上の例では、吸振器7及び73を壁空間6に配置したが、これに代えて又はこれと共に柱2及び3の少なくとも一方に、柱2、3と略平行にかつ略鉛直方向に伸びて配置してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、長尺体を効率的に用いて大きな減衰力を得るようにして柱梁架構内に収めるようにでき、しかも、極端に狭い隙間にしなくても大きな減衰力を得ることができる結果、コストのかかる高精度な製作が要求されず、粘性体又は粘弾性体の充填、配置も容易に行い得る吸振器及びそれを用いた制震構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による好ましい実施の形態の一例の説明図である。
【図2】図1に示す例の吸振器の断面説明図である。
【図3】図2に示すIII−III線矢視断面図である。
【図4】図2に示す吸振器の部分斜視図である。
【図5】図2に示す吸振器の部分斜視図である。
【図6】本発明による好ましい実施の形態の他の例の説明図である。
【図7】図6に示すVII−VII線矢視断面図である。
【図8】本発明による好ましい実施の形態の他の例の説明図である。
【符号の説明】
7 吸振器
11、13 長尺体
20 粘性体

Claims (8)

  1. 断面U字状を有した少なくとも一つの一方の長尺体と、この一方の長尺体を間にして当該一方の長尺体に対して隙間をもってその長手方向に可動に配されていると共に断面U字状を有した少なくとも二つの他方の長尺体とを具備しており、一方の長尺体と他方の長尺体との間の隙間には、一方の長尺体の表裏面とこの表裏面に対面する他方の長尺体の表面の夫々とに接触して粘性体又は粘弾性体が配されており、二つの他方の長尺体はその一端部で互いに連結されている吸振器。
  2. 断面矩形状であると共に一方の長尺体が内部に配された中空の長尺のハウジングを具備しており、ハウジングと一方の長尺体とはそれらの一端部で互いに連結されており、他方の長尺体はハウジングに対してその長手方向に可動になっており、粘性体又は粘弾性体はハウジングの内部に配されている請求項1に記載の吸振器。
  3. 一方及び他方の長尺体の夫々の一端部に設けられていると共に構造物への取り付けのための取り付け手段を具備している請求項1又は2に記載の吸振器。
  4. 一方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、一方の長尺体の一端部を互いに連結するように一方の長尺体の一端部が固着された一方の連結板と、連結板に固着されていると共に一方の連結板に対して交差して配された一方の交差板とを具備している請求項3に記載の吸振器。
  5. 一方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、一方の連結板及び交差板の夫々に対して交差していると共に一方の連結板及び交差板に固着された一方の第二の交差板を具備している請求項4に記載の吸振器。
  6. 他方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、他方の長尺体の一端部を互いに連結するように他方の長尺体の一端部が固着された他方の連結板と、他方の連結板に固着されていると共に他方の連結板に対して交差して配された他方の交差板とを具備している請求項3から5のいずれか一項に記載の吸振器。
  7. 他方の長尺体の一端部に設けられた取り付け手段は、他方の交差板に対して交差していると共に他方の交差板に固着された他方の第二の交差板を具備している請求項6に記載の吸振器。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の吸振器により振動が減衰されるようになっている制震構造。
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