JP2003216100A - El表示パネルとel表示装置およびその駆動方法および表示装置の検査方法とel表示装置のドライバ回路 - Google Patents

El表示パネルとel表示装置およびその駆動方法および表示装置の検査方法とel表示装置のドライバ回路

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JP2003216100A
JP2003216100A JP2002011368A JP2002011368A JP2003216100A JP 2003216100 A JP2003216100 A JP 2003216100A JP 2002011368 A JP2002011368 A JP 2002011368A JP 2002011368 A JP2002011368 A JP 2002011368A JP 2003216100 A JP2003216100 A JP 2003216100A
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transistor
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Hiroshi Takahara
博司 高原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表示面内の輝度バラツキがないEL表示装置
の提供。 【解決手段】 駆動用TFT11aとEL素子15間に
TFT11dを配置し、駆動用TFT11aのゲート
(G)端子とドレイン(D)端子間をショートするTF
T11bおよび駆動用TFT11aにプログラム電流を
供給するTFT11cを配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の主として自発光で画
像を表示するEL表示パネルとおよびこれらのEL表示
パネルを用いた携帯電話などの情報表示装置などに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルは、薄型で低消費電力と
いう利点から、携帯用機器等に多く採用されているた
め、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ、テレ
ビ(TV)などの機器や、ビデオカメラのビューファイ
ンダ、モニターなどにも用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液晶表示パネ
ルは、自発光デバイスではないため、バックライトを用
いないと画像を表示できないという問題点がある。バッ
クライトを構成するためには所定の厚みが必要であるた
め、表示モジュールの厚みが厚くなるという問題があっ
た。また、液晶表示パネルでカラー表示を行うために
は、カラーフィルタを使用する必要がある。そのため、
光利用効率が低いという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、EL素子と、前記EL素子に電流を供給する
駆動用トランジスタ素子と、前記駆動用トランジスタ素
子にプログラムする電流を供給する電流供給信号線と、
前記電流供給信号線と前記駆動用トランジスタ素子とを
接続する第1のスイッチング素子と、前記駆動用トラン
ジスタ素子のゲート端子に電圧を供給する第2のスイッ
チング素子と、前記第2のスイッチング素子に接続され
た電圧供給信号線とを具備することを特徴とするEL表
示パネルである。
【0005】
【発明の実施の形態】本明細書において各図面は理解を
容易にまたは/および作図を容易にするため、省略また
は/および拡大縮小した箇所がある。たとえば、図7の
表示パネルの断面図では封止膜73などを十分厚く図示
している。また、図1等では画素電極に信号を印加する
薄膜トランジスタ(TFT)などは省略している。ま
た、本発明の表示パネルなどでは、位相補償のためなど
の位相フィルムなどを省略していが、適時付加すること
が望ましい。以上のことは以下の図面に対しても同様で
ある。また、同一番号または、記号等を付した箇所は同
一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしく
は動作を有する。
【0006】なお、各図面等で説明した内容は特に断り
がなくとも、他の実施例等と組み合わせることができ
る。たとえば、図1の表示パネルにタッチパネルなどを
付加し、図19、図49情報表示装置とすることができ
る。また、拡大レンズを取り付けビデオカメラ(図44
参照)などのビューファインダ(図45参照)を構成す
ることもできる。また、図31、図51、図104、図
106などで説明した本発明の駆動方法は、いずれの本
発明の表示装置または表示パネルに適用することができ
る。また、本発明は各画素にTFTが形成されたアクテ
ィブマトリックス型表示パネルを主に説明するがこれに
限定するものではなく、単純マトリックス型にも適用す
ることができることはいうまでもない。
【0007】このように特に明細書中に例示されていな
くとも、明細書、図面中で記載あるいは説明した事項、
内容、仕様は、互いに組み合わせて請求項に記載するこ
とができる。すべての組み合わせについて明細書などで
記述することは不可能であるからである。
【0008】低消費電力でかつ高表示品質であり、更に
薄型化が可能な表示パネルとして、有機エレクトロルミ
ネッセンス(EL)素子の複数をマトリクス状に配列し
て構成される有機EL表示パネルが注目されている。
【0009】有機EL表示パネルは、図4に示すよう
に、画素電極としての透明電極48が形成されたガラス
板49(アレイ基板)上に、電子輸送層、発光層、正孔
輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層(EL
層)47、及び金属電極(反射膜)46が積層されたも
のである。透明電極(画素電極)48の陽極(アノー
ド)にプラス、金属電極(反射電極)46の陰極(カソ
ード)にマイナスの電圧を加え、すなわち、透明電極4
8及び金属電極46間に直流を印加することにより、有
機機能層(EL層)47が発光する。良好な発光特性を
期待することのできる有機化合物を有機機能層に使用す
ることによって、EL表示パネルが実用に耐えうるもの
になっている。
【0010】なお、カソード電極、アノード電極あるい
は反射膜は、ITO電極に誘電体多層膜からなる光学的
干渉膜を形成して構成してもよい。誘電体多層膜は低屈
折率の誘電体膜と高屈折率の誘電体膜とを交互に多層に
形成したものである。つまり、誘電体ミラーである。こ
の誘電体多層膜は有機EL構造から放射される光の色調
を良好なもの(フィルタ効果)にする機能を有する。な
お、ITOはIZOなどの他の材料でもよい。この事項
は画素電極に対しても同様である。
【0011】アノードあるいはカソードへ電流を供給す
る配線51,63には大きな電流が流れる。たとえば、
EL表示装置の画面サイズが40インチサイズになると
100A程度の電流が流れる。したがって、これらの配
線の抵抗値は十分低く作製する必要がある。この課題に
対して、本発明では、まず、アノードなどの配線を薄膜
で形成する。そして、この薄膜配線に電解めっき技術で
導体の厚みを厚く形成している。また、必要に応じて、
配線そのもの、あるいは配線に銅薄からなる金属配線を
付加している。
【0012】また、アノードあるいはカソード配線に大
きな電流を供給するため、電流供給手段から高電圧で小
電流の電力配線で、前記アノード配線などの近傍まで配
線し、DCDCコンバータなどを用いて低電圧、高電流
に電力変換して供給している。つまり、電源から高電
圧、小電流配線で電力消費対象まで配線し、電力消費対
象の近傍で大電流、低電圧に変換する。このようなもの
として、DCDCコンバータ、トランスなどが例示され
る。
【0013】金属電極46には、リチウム、銀、アルミ
ニウム、マグネシウム、インジウム、銅または各々の合
金等の仕事関数が小さなものを用いることが好ましい。
特に、例えばAl−Li合金を用いることが好ましい。
また、透明電極48には、ITO等の仕事関数の大きな
導電性材料または金等を用いることができる。なお、金
を電極材料として用いた場合、電極は半透明の状態とな
る。なお、ITOはIZOなどの他の材料でもよい。こ
の事項は画素電極に対しても同様である。
【0014】なお、画素電極46などに薄膜を蒸着する
際は、アルゴン雰囲気中で有機EL膜を成膜するとよ
い。また、画素電極46としてのITO上にカーボン膜
を20以上50nm以下で成膜することにより、界面の
安定性が向上し、発光輝度および発光効率も良好なもの
となる。
【0015】また、EL膜は蒸着で形成することに限定
するものではなく、インクジェットで形成してもよいこ
とは言うまでもない。
【0016】以下、本発明のEL表示パネル構造の理解
を容易とするため、まず、本発明の有機EL表示パネル
の製造方法について説明をする。
【0017】基板49の放熱性を良くするため、サファ
イアガラスで形成してもよい。また、熱伝導性のよい薄
膜あるいは厚膜を形成したりしてもよい。たとえば、ダ
イヤモンド薄膜(DLCなど)を形成した基板を使用す
ることが例示される。もちろん、石英ガラス基板、ソー
ダガラス基板を用いてもよい。その他、アルミナなどの
セラミック基板を使用したり、銅などからなる金属板を
使用したり、絶縁膜に金属膜を蒸着あるいは塗布などの
コーティングしたりしたものを用いてもよい。画素電極
を反射型とする場合は、基板材料としては基板の表面方
向より光が出射されるから、ガラス、石英や樹脂等の透
明ないし半透明材料に加えてステンレスなどの非透過材
料を用いることもできる。この構成を図7に図示する。
カソード電極をITOなどの透明電極72で形成してい
る。
【0018】なお、本発明の実施例では、カソードなど
を金属膜で形成するとしたが、これに限定するものでは
なく、ITO,IZOなどの透明膜で形成してもよい。
このようにEL素子15のアノードとカソードの両方の
電極を透明電極にすることにより、透明EL表示パネル
を構成できる。金属膜を使わずに透過率を約80%まで
上げることにより、文字や絵を表示しながら表示パネル
の向こう側がほとんど透けて見えるように構成できる。
【0019】基板はプラスチック基板を用いてもよいこ
とは言うまでもない。プラスチック基板はわれにくく、
また、軽量のため携帯電話の表示パネル用基板として最
適である。プラスチック基板は、芯材となるベース基板
の一方の面に補助の基板を接着剤で貼り合わせて積層基
板として用いることが好ましい。もちろん、これらの基
板321等は板に限定するものではなく、厚さ0.3m
m以下0.05mm以上のフィルムでもよい。
【0020】ベース基板の基板として、脂環式ポリオレ
フィン樹脂を用いることが好ましい。このような脂環式
ポリオレフィン樹脂として日本合成ゴム社製ARTON
の厚さ200μmの1枚板が例示される。ベース基板の
一方の面に、耐熱性、耐溶剤性または耐透湿性機能を持
つハードコート層、および耐透気性機能を持つガスバリ
ア層が形成されたポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂
あるいはポリエーテルスルホン樹脂などからなる補助の
基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。
【0021】以上のように基板49をプラスチックで構
成する場合は、基板49はベース基板と補助基板から構
成する。ベース基板の他方の面に、前述と同様にハード
コート層およびガスバリア層が形成されたポリエーテル
スルホン樹脂などからなる補助基板(あるいはフィルム
もしくは膜)を配置する。補助基板の光学的遅相軸と補
助基板の光学的遅相軸とのなす角度が90度となるよう
にすることが好ましい。なお、ベース基板と補助基板と
は接着剤もしくは粘着剤を介して貼り合わせて積層基板
とする。
【0022】接着剤としてはUV(紫外線)硬化型でア
クリル系の樹脂からなるものを用いることが好ましい。
また、アクリル樹脂はフッ素基を有するものを用いるこ
とが好ましい。その他、エポキシ系の接着剤あるいは粘
着剤を用いてもよい。接着剤あるいは粘着剤の屈折率は
1.47以上1.54以下のものを用いることが好まし
い。また、基板49の屈折率との屈折率差が0.03以
下となるようにすることが好ましい。特に接着剤は先に
記載いたような酸化チタンなどの光拡散材を添加し、光
散乱層として機能させることが好ましい。
【0023】補助基板および補助基板をベース基板に貼
り合わせる際には、補助基板の光学的遅相軸と補助基板
の光学的遅相軸とがなす角度を45度以上120度以下
にすることが好ましい。さらに好ましくは80度以上1
00度以下することがよい。この範囲にすることによ
り、補助基板および補助基板であるポリエーテルスルホ
ン樹脂などで発生する位相差を積層基板内で完全に打ち
消すことができる。したがって、表示パネル用プラスチ
ック基板は位相差の無い等方性基板として扱うことがで
きるようになる。したがって、円偏光板を使用した構成
で、位相状態が異なることによる表示パネルのムラが発
生しない。
【0024】この構成により、位相差を持ったフィルム
基板またはフィルム積層基板に比べて、著しく汎用性が
広がる。つまり、位相差フィルムとを組み合わせること
により直線偏光を楕円偏光に設計どおりに変換できるよ
うになるからである。基板49などに位相差があるとこ
の位相差により設計値との誤差が発生する。
【0025】ここで、ハードコート層としては、ポリエ
ステル樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂またはア
クリル系樹脂等を用いることができ、ストライプ状電極
あるいは画素電極を透明導電膜の第1のアンダーコート
層とを兼ねる。
【0026】また、ガスバリア層としては、SiO2、S
iOxなどの無機材料、またはポリビニールアルコール、
ポリイミドなどの有機材料等を用いることができる。粘
着剤、接着剤などとしては、先に記述したアクリル系の
他にエポキシ系接着剤、またはポリエステル系接着剤等
を用いることができる。なお、接着層の厚みは100μ
m以下とする。ただし、基板など表面の凹凸を平滑化す
るために10μm以上とすることが好ましい。
【0027】また、基板49を構成する補助基板および
補助基板として、厚さ40μm以上400μmのものを
用いることが好ましい。また、補助基板および補助基板
の厚さを120μm以下にすることにより、ポリエーテ
ルスルホン樹脂のダイラインと呼ばれる溶融押し出し成
形時のむらまたは位相差を低く抑えることができる。好
ましくは、補助基板の厚みを50μm以上80μm以下
とする。
【0028】次に、この積層基板に、透明導電膜の補助
アンダーコート層としてSiOxを形成し、必要に応じて
画素電極となるITOからなる透明導電膜をスパッタ技
術で形成する。また、必要に応じて静電気防止としてI
TO膜を形成する。このようにして製造した表示パネル
用プラスチック基板の透明導電膜は、その膜特性とし
て、シート抵抗値25Ω/□、透過率80%を実現する
ことができる。
【0029】ベース基板の厚さが50μmから100μ
mの薄い場合には、表示パネルの製造工程において、表
示パネル用プラスチック基板が熱処理によってカールし
てしまう。また、回路部品の接続においても良好な結果
は得られない。ベース基板を1枚板で厚さ200μm以
上500μm以下とした場合は、基板の変形がなく平滑
性に優れ、搬送性が良好で、透明導電膜特性も安定す
る。また、回路部品の接続も問題なく実施することがで
きる。さらに、特に厚さは250μm以上450μm以
下がよい。適度な柔軟性と平面性をもっているためと考
えられる。なお、ITOはIZOなどの他の材料でもよ
い。この事項は画素電極に対しても同様である。
【0030】なお、基板49として前述のプラスチック
基板などの有機材料を使用する場合は、光変調層に接す
る面にもバリア層として無機材料からなる薄膜を形成す
ることが好ましい。この無機材料からなるバリア層は、
AIRコートと同一材料で形成することが好ましい。な
お、封止基板41も基板49と同様に技術あるいは構成
により作製できることは言うまでもない。
【0031】また、バリア膜を画素電極あるいはストラ
イプ状電極上に形成する場合は、光変調層に印加される
電圧のロスを極力低減させるために低誘電率材料を使用
することが好ましい。たとえば、フッ素を添加したアモ
ルファスカーボン膜(比誘電率2.0〜2.5)が例示
される。その他、JSR社が製造販売しているLKDシ
リーズ(LKD−T200シリーズ(比誘電率2.5〜
2.7)、LKD−T400シリーズ(比誘電率2.0
〜2.2))が例示される。LKDシリーズはMSQ
(methy−silsesquioxane)をベー
スにしたスピン塗布形であり、比誘電率も2.0〜2.
7と低く好ましい。その他、ポリイミド、ウレタン、ア
クリル等の有機材料や、SiNx、SiO2などの無機材
料でもよい。これらのバリア膜材料は補助基板に用いて
もよいことは言うまでもない。
【0032】プラスチックで形成した基板49あるいは
41を用いることにより、割れない、軽量化できるとい
う利点を発揮できる。他に、プレス加工できるという利
点もある。つまり、プレス加工あるいは切削加工により
任意の形状の基板を作製できるのである(図25を参
照)。また、融解あるいは化学薬品処理により任意の形
状、厚みに加工することができる。たとえば、円形に形
成したり、球形(曲面など)にしたり、円錐状に加工し
たりすることが例示される。また、プレス加工により、
基板の製造と同時に、一方の基板面に凹凸252を形成
し、散乱面の形成、あるいはエンボス加工を行うことが
できる。
【0033】また、プラスチックをプレス加工すること
により形成した基板41の穴に、バックライトあるいは
カバー基板の位置決めピンを挿入できるように形成する
ことも容易である。また、基板49、41内に厚膜技術
あるいは薄膜技術で形成したコンデンサあるいは抵抗な
どの電気回路を構成してもよい。また、基板41に凹部
(図示せず)を形成し、基板49に凸部251を形成
し、この凹部と凸部とがちょうどはめ込めるように形成
することにより、基板41と基板49とをはめ込みによ
り一体化することができるように構成してもよい。
【0034】ガラス基板を用いた場合は、画素16の周
辺部にELを蒸着する際に使用する土手を形成してい
た。土手(リブ)は樹脂材料を用いて、1.0μm以上
3.5μm以下の厚みで凸部状に形成する。さらに好ま
しくは1.5μm以上2.5μm以下の高さに形成す
る。土手この樹脂からなる土手(凸部)251を基板4
1または49の形成と同時に作製することもできる。な
お、土手材料はアクリル樹脂、ポリイミド樹脂の他、S
OG材料でもよい。土手は基板41または基板49をプ
レス加工する際に樹脂の凸部251を同時に形成するの
である(図25を参照)。これは基板41、49を樹脂
で形成することにより発生する大きな効果である。
【0035】このように樹脂部を基板と同時に形成する
ことにより製造時間を短縮できるので低コスト化が可能
である。また、基板49などの製造時に、表示領域部に
ドット状に凸部251を形成する。この凸部251は隣
接画素間に形成するとよい。この凸部251は基板41
と基板49との所定の空間を保持する。土手形状は、画
素電極を取り囲む□状の他、ストライプ状でもよい。
【0036】なお、以上の実施例では、土手として機能
する凸部251を形成するとしたが、これに限定するこ
とはない。例えば、画素部をプレス加工などにより掘り
下げる(凹部)としてもよい。なお、凹凸部252,凸
部251を形成は基板と同時に形成する他、平面な基板
を最初に形成し、その後、再加熱によりプレスして凹凸
を形成する方式も含まれる。
【0037】また、基板41、49を直接着色すること
により、モザイク状のカラーフィルタを形成してもよ
い。基板にインクジェット印刷などの技術を用いて染
料、色素などを塗布し、浸透させる。浸透後、高温で乾
燥させ、また、表面をUV樹脂などの樹脂、酸化シリコ
ンあるいは酸化窒素などの無機材料で被覆すればよい。
また、グラビア印刷技術、オフセット印刷技術、スピン
ナーで膜を塗布し、現像する半導体パターン形成技術な
どでカラーフィルタを形成する。同様に技術を用いてカ
ラーフィルタの他、黒色もしくは暗色あるいは変調する
光の補色の関係にあるの着色によりブラックマトリック
ス(BM)を直接形成してもよい。また、基板面に画素
に対応するように凹部を形成し、この凹部にカラーフィ
ルタ、BMあるいはTFTを埋め込むように構成しても
よい。特に表面をアクリル樹脂で被膜することが好まし
い。この構成では画素電極面などが平坦化されるという
利点もある。
【0038】また、導電性ポリマーなどにより基板表面
の樹脂を導電化し、画素電極あるいはカソード電極を直
接に構成してもよい。さらに大きくは基板に穴を開け、
この穴にコンデンサなどの電子部品を挿入する構成も例
示される。基板が薄く構成できる利点が発揮される。
【0039】また、基板の表面を切削することにより、
自由に模様を形成したりしてもよい。また、基板41、
49の周辺部を溶かすことにより形成してもよい。ま
た、有機EL表示パネルの場合は外部からの水分の進入
を阻止するため、基板の周辺部を溶かして封止してもよ
い。
【0040】以上のように、基板を樹脂で形成すること
により、基板への穴あけ加工が容易である。また、プレ
ス加工などにより自由に基板形状を構成することができ
る。また、基板41、49に穴をあけ、この穴に導電樹
脂などを充填し、基板の表と裏とを電気的に導通させた
りすることもできる。基板41、49が多層回路基板あ
るいは両面基板として利用できる。
【0041】また、導電樹脂のかわりに導電ピンなどを
挿入してもよい。形成した穴にコンデンサなどの電子部
品の端子を差し込めるように構成してもよい。また、基
板内に薄膜による回路配線、コンデンサ、コイルあるい
は抵抗を形成してもよい。つまり、基板41、49自身
を多層の配線基板としてもよい。多層化は薄い基板をは
りあわせることのより構成する。はり合わせる基板(フ
ィルム)の1枚以上を着色してもよい。
【0042】また、基板材料に染料、色素を加えて基板
自身に着色を行ったり、フィルタを形成したりすること
ができる。また、製造番号を基板作製と同時に形成する
こともできる。また、表示領域以外の部分だけを着色し
たりすることにより、積載したICチップに光が照射さ
れることのより誤動作することを防止できる。
【0043】また、基板の表示領域の半分を異なる色に
着色することもできる。これは、樹脂板加工技術(イン
ジェクション加工、コンプレクション加工など)を応用
すればよい。また、同様の加工技術を用いることのより
表示領域の半分を異なるEL層膜厚にすることもでき
る。また、表示部と回路部とを同時に形成することもで
きる。また、表示領域とドライバ積載領域との基板厚み
を変化させることも容易である。
【0044】また、基板41または基板49に、画素に
対応するように、あるいは表示領域に対応するようにマ
イクロレンズを形成することもできる。また、基板4
1、49を加工することにより、回折格子を形成しても
よい。また、画素サイズよりも十分に微細な凹凸を形成
し、視野角を改善したり、視野角依存性を持たせたりす
ることができる。なお、このような任意形状の加工、微
細加工技術などはオムロン(株)が開発したマイクロレ
ンズ形成するスタンパ技術で実現できる。
【0045】基板41、49は、ストライプ状電極(図
示せず)が形成されている。基板が空気と接する面に
は、反射防止膜(AIRコート)が形成される。基板4
1、49に偏光板などが張り付けられていない場合は基
板41、49に直接に反射防止膜(AIRコート)が形
成される。偏光板(偏光フィルム)など他の構成材料が
張り付けられている場合は、その構成材料の表面などに
反射防止膜(AIRコート)が形成される。
【0046】なお、以上の実施例は基板41,49がプ
ラスチックで形成することを中心として説明したが、こ
れに限定するものではない。たとえば、基板41、49
がガラス基板、金属基板であっても、プレス加工、切削
加工などにより、凹凸部252、凸部252などを形成
または構成できる。また、基板への着色なども可能であ
る。したがって、説明した事項はプラスチック基板に限
定するものではない。また、基板に限定するものでもな
い。たとえば、フィルムあるいはシートでもよい。
【0047】また、偏光板の表面へのごみの付着を防止
あるいは抑制するため、フッ素樹脂からなる薄膜を形成
することが有効である。また、静電防止のために親水基
を有する薄膜、導電性ポリマー膜、金属膜などの導電体
膜を塗布あるいは蒸着してもよい。
【0048】なお、表示パネル82の光入射面あるいは
光出射面に配置または形成する偏光板(偏光フィルム)
は直線偏光にするものに限定するものではなく、楕円偏
光となるものであってもよい。また、複数の偏光板をは
り合わせたり、偏光板と位相差板とを組み合わせたり、
もしくははり合わせたものを用いてもよい。
【0049】偏光フィルムを構成する主たる材料として
はTACフィルム(トリアセチルセルロースフィルム)
が最適である。TACフィルムは、優れた光学特性、表
面平滑性および加工適性を有するからである。
【0050】AIRコートは誘電体単層膜もしくは多層
膜で形成する構成が例示される。その他、1.35〜
1.45の低屈折率の樹脂を塗布してもよい。たとえ
ば、フッ素系のアクリル樹脂などが例示される。特に屈
折率が1.37以上1.42以下のものが特性は良好で
ある。
【0051】また、AIRコートは3層の構成あるいは
2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長
帯域での反射を防止するために用いられる。これをマル
チコートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域
での反射を防止するために用いられる。これをVコート
と呼ぶ。マルチコートとVコートは表示パネルの用途に
応じて使い分ける。なお、2層以上の限定するものでは
なく、1層でもよい。
【0052】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウ
ム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通常、
λとして520nmもしくはその近傍の値として薄膜は
形成される。
【0053】Vコートの場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1
=λ/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収帯域
があるため青色光を変調する場合はY2O3を用いた方が
よい。また、物質の安定性からもY2O3の方が安定して
いるため好ましい。また、SiO2薄膜を使用してもよ
い。もちろん、低屈折率の樹脂等を用いてAIRコート
としてもよい。たとえばフッ素等のアクリル樹脂が例示
される。これらは紫外線硬化タイプを用いることが好ま
しい。
【0054】なお、表示パネルに静電気がチャージされ
ることを防止するため、カバー基板などの導光板、表示
パネル82などの表面に親水性の樹脂を塗布しておくこ
と、あるいはパネルなどの基板材料に親水性が良好な材
料で構成しておくことが好ましい。
【0055】1画素には複数のスイッチング素子あるい
は電流制御素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を
形成する。形成するTFTは、同じ種類のTFTであっ
てもよいし、Pチャンネル型とNチャンネル型のTFT
というように、違う種類のTFTであってもよいが望ま
しくはスイッチングトランジスタ、駆動用トランジスタ
とも同極性のものが望ましい。またTFTの構造は、プ
レーナー型のTFTで限定されるものではなく、スタガ
ー型でも、逆スタガー型でもよく、また、セルフアライ
ン方式を用いて不純物領域(ソース、ドレイン)が形成
されたものでも、非セルフアライン方式によるものでも
よい。
【0056】本発明のEL表示素子15は、基板上に、
ホール注入電極(画素電極)となるITO、1種以上の
有機層と、電子注入電極とが順次積層されたEL構造体
を有する。前記基板にはTFTが設けられている。
【0057】本発明のEL表示素子を製造するには、ま
ず、基板上にTFTのアレイを所望の形状に形成する。
そして、平坦化膜上の画素電極として透明電極であるI
TOをスパッタ法で成膜、パターニングする。その後、
有機EL層、電子注入電極等を積層する。
【0058】TFTとしては、通常の多結晶シリコンT
FTを用いればよい。TFTは、EL構造体の各画素の
端部に設けられ、その大きさは10〜30μm程度であ
る。なお、画素の大きさは20μm×20μm〜300
μm×300μm程度である。
【0059】基板上には、TFTの配線電極が設けられ
る。配線電極は抵抗が低く、ホール注入電極を電気的に
接続して抵抗値を低く抑える機能があり、一般的にはそ
の配線電極は、Al、Alおよび遷移金属(ただしTi
を除く)、Tiまたは窒化チタン(TiN)のいずれか
1種または2種以上を含有するものが使われるが、本発
明においてはこの材料に限られるものではない。EL構
造体の下地となるホール注入電極とTFTの配線電極と
を併せた全体の厚さとしては、特に制限はないが、通常
100〜1000nm程度とすればよい。
【0060】TFT11の配線電極とEL構造体の有機
層との間には絶縁層を設ける。絶縁層は、SiO2等の
酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機系材料をスパッタや
真空蒸着で成膜したもの、SOG(スピン・オン・グラ
ス)で形成した酸化ケイ素層、フォトレジスト、ポリイ
ミド、アクリル樹脂などの樹脂系材料の塗膜など、絶縁
性を有するものであればいずれであってもよい。中でも
ポリイミドが好ましい。また、絶縁層は、配線電極を水
分や腐食から守る耐食・耐水膜の役割も果たす。
【0061】EL構造体の発光ピークは2つ以上であっ
てもかまわない。本発明のEL表示素子は、緑および青
色発光部は、例えば、青緑色発光のEL構造体と、緑色
透過層または青色透過層との組み合わせにより得られ
る。赤色発光部は、青緑色発光のEL構造体と、このE
L構造体の青緑発光を赤色に近い波長に変換する蛍光変
換層により得ることができる。
【0062】次に、本発明のEL表示素子15を構成す
るEL構造体について説明する。本発明のEL構造体
は、透明電極である電子注入電極と、1種以上の有機層
と、ホール注入電極とを有する。有機層は、それぞれ少
なくとも1層のホール輸送層および発光層を有し、例え
ば、電子注入輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層
を順次有する。なお、ホール輸送層はなくてもよい。本
発明のEL構造体の有機層は、種々の構成とすることが
でき、電子注入・輸送層を省略したり、あるいは発光層
と一体としたり、正孔注入輸送層と発光層とを混合して
もよい。電子注入電極は、蒸着、スパッタ法等、好まし
くは蒸着法で成膜される仕事関数の小さい金属、化合物
または合金で構成される。
【0063】ホール注入電極としては、ホール注入電極
側から発光した光を取り出す構造であるため、例えば、
ITO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドー
プ酸化インジウム)、ZnO、SnO2 、In2O3 等
が挙げられるが、特にITO、IZOが好ましい。ホー
ル注入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上
の厚さを有すれば良く、通常、10〜500nm程度とす
ることが好ましい。素子の信頼性を向上させるために駆
動電圧が低いことが必要であるが、好ましいものとし
て、10〜30Ω/□(膜厚50〜300nm)のITO
が挙げられる。実際に使用する場合には、ITO等のホ
ール注入電極界面での反射による干渉効果が、光取り出
し効率や色純度を十分に満足するように、電極の膜厚や
光学定数を設定すればよい。
【0064】ホール注入電極は、蒸着法等によっても形
成できるが、スパッタ法により形成することが好まし
い。スパッタガスとしては、特に制限するものではな
く、Ar、He、Ne、Kr、Xe等の不活性ガス、あ
るいはこれらの混合ガスを用いればよい。
【0065】電子注入電極は、蒸着、スパッタ法等、好
ましくは蒸着法で成膜される仕事関数の小さい金属、化
合物または合金で構成される。成膜される電子注入電極
の構成材料としては例えば、K、Li、Na、Mg、L
a、Ce、Ca、Sr、Ba、Al、Ag、In、S
n、Zn、Zr等の金属元素単体、または安定性を向上
させるためにそれらを含む2成分、3成分の合金系を用
いることが好ましい。合金系としては、例えばAg・M
g(Ag:1〜20at%)、Al・Li(Li:0.3
〜14at%)、In・Mg(Mg:50〜80at%)、
Al・Ca(Ca:5〜20at%)等が好ましい。
【0066】電子注入電極薄膜の厚さは、電子注入を十
分行える一定以上の厚さとすれば良く、0.1nm以上、
好ましくは1nm以上とすればよい。また、その上限値に
は特に制限はないが、通常、膜厚は100〜500nm程
度とすればよい。
【0067】正孔注入層は、ホール注入電極からの正孔
の注入を容易にする機能を有し、正孔輸送層は、正孔を
輸送する機能および電子を妨げる機能を有し、電荷注入
層、電荷輸送層とも称される。
【0068】電子注入輸送層は、発光層に用いる化合物
の電子注入輸送機能がさほど高くないときなどに設けら
れ、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、
電子を輸送する機能および正孔を妨げる機能を有する。
正孔注入層、正孔輸送層および電子注入輸送層は、発光
層へ注入される正孔や電子を増大・閉じ込めさせ、再結
合領域を最適化させ、発光効率を改善する。なお、電子
注入輸送層は、注入機能を持つ層と輸送機能を持つ層と
に別個に設けてもよい。
【0069】発光層の厚さ、正孔注入層と正孔輸送層と
を併せた厚さおよび電子注入輸送層の厚さは特に限定さ
れず、形成方法によっても異なるが、通常、5〜100
nm程度とすることが好ましい。
【0070】正孔注入層、正孔輸送層の厚さおよび電子
注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計による
が、発光層の厚さと同程度もしくは1/10〜10倍程
度とすればよい。正孔注入層、正孔輸送層の厚さ、およ
び、電子注入層と電子輸送層とを分ける場合のそれぞれ
の厚さは、注入層は1nm以上、輸送層は20nm以上とす
るのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さの上
限は、通常、注入層で100nm程度、輸送層で100nm
程度である。このような膜厚については注入輸送層を2
層設けるときも同じである。
【0071】また、組み合わせる発光層や電子注入輸送
層や正孔注入輸送層のキャリア移動度やキャリア密度
(イオン化ポテンシャル・電子親和力により決まる)を
考慮しながら、膜厚をコントロールすることで、再結合
領域・発光領域を自由に設計することが可能であり、発
光色の設計や、両電極の干渉効果による発光輝度・発光
スペクトルの制御や、発光の空間分布の制御を可能にで
きる。
【0072】本発明のEL素子15の発光層には、発光
機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。こ
の蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−2646
92号公報等に開示されているようなトリス(8−キノ
リノラト)アルミニウム〔Alq3〕等の金属錯体色
素、特開平6−110569号公報(フェニルアントラ
セン誘導体)、同6−114456号公報(テトラアリ
ールエテン誘導体)、特開平6−100857号公報、
同特開平2−247278号公報等に開示されているよ
うな青緑色発光材料が挙げられる。
【0073】青色発光の有機EL素子15は、発光層の
材料に発光波長が約400nmの「DMPhen(Triphenyla
mine)」を用いるとよい。この際、発光効率を高める目
的で,電子注入層(Bathocuproine)と正孔注入層(m-M
TDATXA)にバンド・ギャップが発光層と同じ材料を採用
することが好ましい。バンド・ギャップが3.4eVと
大きいDMPhenを発光層に用いただけでは,電子は電子注
入層に,正孔は正孔注入層にとどまり,発光層で電子と
正孔の再結合が起こりにくいからである。DMPhenのよう
にアミン基を備える発光材料は構造が不安定で長寿命化
し難いという課題に対しては、DMPhen中で励起したエネ
ルギーをドーパントに移動させ,ドーパントから発光さ
せることにより解決できる。
【0074】EL材料として、りん光発光材料を用いる
ことにより発光効率を向上できる。蛍光発光材料は、そ
の外部量子効率は2〜3%程度である。蛍光発光材料は
内部量子効率(励起によるエネルギーが光に変わる効
率)が25%なのに対し,りん光発光材料は100%近
くに達するため,外部量子効率が高くなる。
【0075】有機EL素子の発光層のホスト材料にはC
BPを用いるとよい。ここに赤色(R)や緑色(G)、
青色(B)のりん光発光材料をドーピングしている。ド
ーピングした材料はすべてIrを含む。R材料はBtp2Ir
(acac)、G材料は(ppy)2Ir(acac)、B材料はFIrpicを用
いると良い。
【0076】また、正孔注入層・正孔輸送層には、例え
ば、特開昭63−295695号公報、特開平2−19
1694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−
234681号公報、特開平5−239455号公報、
特開平5−299174号公報、特開平7−12622
5号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−
100172号公報、EP0650955A1等に記載
されている各種有機化合物を用いることができる。正孔
注入輸送層、発光層および電子注入輸送層の形成には、
均質な薄膜が形成できることから真空蒸着法を用いるこ
とが好ましい。
【0077】以下、本発明のEL表示パネルの製造方法
および構造についてさらに詳しく説明をする。以前に説
明したように、まず、アレイ基板49に画素を駆動する
TFT11を形成する。1つの画素は4個または5個の
TFTで構成される。また、画素は電流プログラムさ
れ、プログラムされた電流がEL素子15に供給され
る。通常、電流プログラムされた値は電圧値として蓄積
容量19に保持される。このTFT11の組み合わせな
ど画素構成については後に説明をする。次にTFT11
に正孔注入電極としての画素電極を形成する。画素電極
48はフォトリソグラフィーによりパターン化する。な
お、TFT11の下層、あるいは上層にはTFT11に
光入射することにより発生するホトコンダクタ現象(以
後、ホトコンと呼ぶ)による画質劣化を防止するため
に、遮光膜を形成または配置する。
【0078】なお、電流プログラムとは、ソースドライ
バ回路14からプログラム電流を画素に印加し(もしく
は画素からソースドライバ回路14に吸収し)、この電
流に相当する信号値を画素に保持させるものである。こ
の保持された信号値に対応する電流をEL素子15に流
す(もしくは、EL素子15から流し込む)。つまり、
電流でプログラムし、プログラムされた電流に相当(対
応)する電流をEL素子15に流すようにするものであ
る。
【0079】一方、電圧プログラムとは、ソースドライ
バ回路14からプログラム電圧を画素に印加し、この電
圧に相当する信号値を画素に保持させるものである。こ
の保持された電圧に対応する電流をEL素子15に流
す。つまり、電圧でプログラムし、画素内で電圧を電流
値に変換し、プログラムされた電圧に相当(対応)する
電流をEL素子15に流すようにするものである。
【0080】プラスチック基板にTFTを形成するため
には、有機半導体を形成する表面を加工することで、炭
素と水素からなるペンタセン分子を利用し電子薄膜を形
成すればよい。この薄膜は、従来の結晶粒の20倍から
100倍の大きさを持つとともに、電子デバイス製造に
適した十分な半導体特性を具備する。
【0081】ペンタセンは、シリコン基板上で成長する
際に表面の不純物に付着する傾向がある。このため、成
長が不規則となり、高品質のデバイスを製造するには小
さすぎる結晶粒になる。結晶粒をより大きく成長させる
ために、まずシリコン基板の上に、シクロヘキセンと呼
ばれる分子の単一層「分子バッファ」を塗布するとよ
い。この層がシリコン上の「sticky sites(くっつきや
すい場所)」を覆うため、清浄な表面ができてペンタセ
ンが非常に大きな結晶粒にまで成長する。
【0082】これらの新しい大きな結晶粒の薄膜を使う
ことにより、大型結晶粒のペンタセンを用いたフレキシ
ブルなトランジスタ(TFT)を作製することができ
る。このようなフレキシブルなトランジスタの大量生産
のために、低い温度で液状の材料を塗ることによってト
ランジスタ(TFT)を製造することができる。
【0083】また、基板上にゲートとなる金属薄膜と島
状に形成し、この上にアモルファスシリコン膜を蒸着あ
るいは塗布した後、加熱して半導体膜を形成してもよ
い。島状に形成した部分に半導体膜が良好に結晶化す
る。そのため、モビリティが良好となる。
【0084】有機トランジスタ(TFT)として、静電
誘導トランジスタ(SIT)と呼ぶ構造を採用すること
が好ましい。アモルファス状態のペンタセンを使用す
る。正孔の移動度は1×10cm2/Vsと結晶化したペンタ
センよりも低い。しかし、SIT構造を採用することに
より周波数特性を高めることができる。ペンタセンの膜
厚は100以上300nmとすることが好ましい。
【0085】また、有機TFTとしてp型電界効果トラ
ンジスタでもよい。プラスチック基板上にTFTを形成
できる。プラスチック基板ごと折り曲げることが可能な
ので、フレキシブルなTFT型表示パネルを構成できる
ペンタセンは多結晶状態とすることが好ましい。ゲート
絶縁膜の材料にはPMMAを使用することが好ましい。
有機トランジスタの活性層にはナフタセンを使ってもよ
い。
【0086】洗浄時に酸素プラズマ、O2アッシャーを
使用すると、画素電極48の周辺部の平坦化膜71も同
時にアッシングされ、画素電極48の周辺部がえぐられ
てしまう。この課題を解決するために本発明では図8で
示すように画素電極48周辺部をアクリル樹脂からなる
エッジ保護膜81を形成している。エッジ保護膜81の
構成材料としては、平坦化膜71を構成するアクリル系
樹脂、ポリイミド樹脂などの有機材料と同一材料が例示
され、その他、SiO2、SiNxなどの無機材料が例示され
る。その他、Al2O3などであってもよいことは言うま
でもない。
【0087】エッジ保護膜81は画素電極48のパター
ニング48後、画素電極48間を埋めるように形成す
る。もちろん、このエッジ保護膜81を2以上4μm以
下の高さに形成し、有機EL材料を塗り分ける際のメタ
ルマスクの土手3661(メタルマスクが画素電極48
と直接接しないようにするスペーサ)としてもよいこと
は言うまでもない。
【0088】また、図366に図示するように画素電極
48を大きくすることも発光効率を向上することに有効
である。図366は画素電極48の周辺にエッジ保護膜
を兼用する土手3661を形成している。土手3661
は2以上4μm以下の高さに形成される。土手3661
は有機EL材料を塗り分ける際のメタルマスク(図示せ
ず)画素電極48と直接接しないようにするスペーサと
して機能する。
【0089】図366に図示する本発明では、画素電極
48に重ねて、また、土手3661に重ねて第2の画素
電極3662を形成している。第2の画素電極3662
とは、画素電極48と同一材料で形成される。もちろ
ん、材料を変化させてもよい。第2の画素電極は、画素
電極48と電気的接続が取られる。また、土手3661
に重ねて形成される。そのため、画素開口率は高くな
る。
【0090】この第2の画素電極3662の上にEL膜
(47R(赤)、47G(緑)、47B(青))が形成
される。各EL膜はわずかな隙間をあけて形成される
か、周辺部を重ねられる。重ねられた箇所はほとんど発
光しない。また、EL膜47上にカソードとなるアルミ
膜が形成される。なお、図366において、第2の電極
を反射電極とし、本来、反射膜46を透明電極としても
よい。つまり、光の上取り出しである。
【0091】図366の構成では、土手3661の斜面
を画素開口部として使用している。そのため、EL膜に
印加される電流密度を低下でき、また、発光面積が広く
なるため、効率がよくなる(画素開口率が大幅に向上す
る)。
【0092】以下、その他のEL表示パネル内で発生し
た光の取り出し効率を向上させる方式について説明をす
る。図279は、従来のEL表示装置の課題を説明する
ものである。図279において、2791は光の軌跡を
図示している。
【0093】EL膜47で発生した光は、カソード46
で反射などして、ドライバ回路12(14)が形成され
た基板49から出射する。この光2791aは基板49
と空気との界面に対し、所定の角度で入射した光は基板
49から出射する。しかし、臨界角θ以上の角度で入射
した光2791bは基板49内で全反射してしまう。こ
の全反射した光2791bは、基板49内で乱反射し、
表示コントラストを低下させる。
【0094】全反射した光2791bは損失となる。こ
の損失となる光の割合は、EL素子15が発生する全光
束量の2/3に達する。したがって、光2791bの発
生を低減することが、光利用率の向上に直結する。
【0095】この課題を解決する構成が図280の構成
である。図7などで説明した封止膜73上に屈折シート
(光屈折部材あるいは光屈折板)を取り付けている(配
置している、あるいは形成している)。屈折シート28
01は画素16に対応するように、三角形あるいは多角
形もしくは円弧上に屈折部2801が形成されている。
この屈折部2801は全体が透明部材で構成してもよ
く、また、図280のaで示す部分(屈折部2802の
内面)に反射膜を形成してもよい。反射膜は、Al,銀
などの金属膜の他、低屈折率の誘電体膜と高屈折率の誘
電体膜とを多層に形成することにより構成した干渉膜で
もよい。また、スネルの法則による全反射領域となるよ
うに形状を設定してもよい。
【0096】また、屈折シートに屈曲部2802を形成
したものを封止膜73上に取り付ける構成だけでなく、
封止膜73に直接に、屈曲部2802を形成してもよ
い。また、光の下取り出しの場合は、基板49自身を加
工し、屈曲部2802を形成してもよい。また、封止板
の上に形成または配置してもよい。
【0097】また、屈曲部2802の形状は、斜面状あ
るいは、円弧状に限定するものではなく、多角形、つい
たて状でもよい。また、多数の針状の突起が密集して形
成されたものでもよい。また、屈曲部2802は画素1
6の発光部の周辺部に形成されることを基本とする。つ
まり、画素16の開口率が30%であれば、画素16の
非発光部(つまり、70%の部分)に形成する。もちろ
ん、屈曲部2802の形成位置が発光位置に重なっても
よいことはいうまでもない。
【0098】なお、屈曲部2802は画素16の発光部
の周辺部に形成されることを基本とするとしたが、表示
領域21の中央部を周辺部では多少変化させることが好
ましい。表示領域21の中央部では、屈曲部2802を
画素16の発光部の周辺部にちょうど配置されるように
形成する。表示領域21の周辺部では、屈曲部2802
を画素16の発光部の中心位置から外側にずらした配置
(形成)するように形成する。このように、屈曲部28
02の形成位置を表示領域の中央部と周辺部で変化させ
ることにより、モアレの発生を抑制でき、また、色ムラ
の発生を抑制できる。
【0099】また、屈曲部2802の位置を画素ごとに
多少ランダムに形成することによっても、モアレの発生
を抑制でき、また、色ムラの発生を抑制できる。
【0100】また、屈曲部2802の内部をEL素子1
5で発光した光が通過し、かつ、この屈曲部2802で
屈折してパネルの前面に出射されるように構成してもよ
い。つまり、屈曲部2802はプリズムとして作用す
る。この場合は、屈曲部2802は光透過材で構成する
必要がある。
【0101】屈曲部2802が光透過材料で形成した場
合、この材料を着色することは効果がある。EL素子1
5から放射する光の帯域をカットするカラーフィルタの
効果を発揮できるからである。したがって、EL表示パ
ネルの色純度が向上し、ホワイトバランスも良好とな
る。EL素子15が白色発光の場合は、カラーフィルタ
を設けず、この屈曲部2802をカラーフィルタとして
活用することができる。もちろん、カラーフィルタを別
途形成し、さらに着色した屈曲部2802を形成または
配置してもよいことは言うまでもない。また、屈曲部2
802または屈折シート2801に直接に着色してもよ
い。また、屈曲部2802または屈折シート2801を
着色材料で形成してもよい。
【0102】また、ELのカラー化には、青色発光のE
L層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換
層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、
B光に変換してもよい。もちろん、プレシジェンシャド
ーマスクを利用したRGB有機材料(EL材料)の打ち
分け方式を採用してもよい。本発明のカラーEL表示パ
ネルはこれらのいずれの方式を用いても良い。
【0103】着色材としては、色素あるいは顔料を樹脂
中に分散したものを用いても良いし、カラーフィルタの
ようにゼラチンやカゼインを酸性染料で染色してもよ
い。フルオラン系色素を発色させて用いることもでき
る。また、RGBの3色を必要とするものではなく、任
意の1色以上を用いればよい。また、色素を用いて天然
樹脂を染色することができる。また、色素を合成樹脂中
に分散した材料を用いることができる。色素の選択の範
囲は、アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン
染料、トリフェニルメタン染料などから適切な1種、も
しくはそれらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。
【0104】屈曲部2802、屈折シート2801の構
成材料はポリマー(2861)を用いることが好まし
い。ポリマー(2861)としては、製造工程の容易
さ、液晶相との分離等の点より光硬化タイプの樹脂を用
いる。具体的な例として紫外線硬化性アクリル系樹脂が
例示され、特に紫外線照射によって重合硬化するアクリ
ルモノマー、アクリルオリゴマーを含有するものが好ま
しい。中でもフッ素基を有する光硬化性アクリル樹脂は
経時変化が少なく、耐光性も良好である。
【0105】ポリマー(2861)を構成する高分子形
成モノマーとしては、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ネオペンチル
グリコールドアクリレート、ヘキサンジオールジアクリ
ート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリプロ
ピレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアク
リレート、ペンタエリスリトールアクリレート等々であ
る。
【0106】オリゴマーもしくはプレポリマーとして
は、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリウレタンアクリレート等が挙げられる。
【0107】また、重合を速やかに行う為に重合開始剤
を用いても良く、この例として、2−ヒドロキシ−2−
メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(メルク社製
「ダロキュア1173」)、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン(メルク社製「ダロキュア1116」)、1−ビド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイキー社
製「イルガキュア184」)、ベンジルメチルケタール
(チバガイギー社製「イルガキュア651」)等が掲げ
られる。その他に任意成分として連鎖移動剤、光増感
剤、染料、架橋剤等を適宜併用することができる。
【0108】なお、以上のポリマー(2861)に関す
る事項は、主として図286、図287、図290の製
造方法で適用される。図288の製造方法の場合は、屈
曲部2802は無機材料で形成される。もちろん、図2
88の場合であっても、ポリマーのように有機材料で形
成してもよい。
【0109】屈曲部2802の配置は、図281に図示
するように6角形状にするとよい。もちろん、8角形以
上などでもよい。画素16の発光部の周囲に屈曲部28
02を形成する。以上のように6角形形状とすることに
より、EL表示パネルを観察した際、表示画面をみる視
点を変化させた場合でも色ムラ、色シフトの発生が非常
に少なくすることができる。また、画素16の発光位置
と屈曲部2802の位置ずれによるモアレの発生も少な
い。
【0110】図281は画面21の上下方向に同一色を
配置した構成(縦ストライプ構成)の実施例であった。
図282のように画素の色配置をモザイク状に形成(配
置)することにより、表示パネルを構成するドット数が
比較的少ない場合であっても画像の斜め方向の解像度が
向上する。
【0111】また、図283に図示するように、1つの
画素16に複数の屈曲部2802を形成または配置して
もよい。図283の実施例では、画素16は1つの画素
電極を有しており、この1つの画素電極に対して、3つ
の屈曲部2801(2801a、2801b、2801
c)が形成(配置)されている。もちろん、1つの画素
16に複数の画素電極を有し、各画素電極に対して、そ
れぞれ屈曲部2801が形成(配置)してもよい。な
お、1つの画素電極に対して画素電極を複数に分割して
も開口率の低下はあまり生じない。画素電極の周辺部に
駆動あるいはスイッチング用のTFTなどを配置するか
らである。
【0112】もちろん、図284に図示するように、1
つの画素284に1つの屈曲部2802を配置(形成)
してもよい。また、図285(a)に図示するように、
1つの画素に2列にかつ複数(図285(a)では2×
6個)の屈曲部2802を形成してもよい。また、図2
85(b)のように、1つの画素電極に6角形などの多
角形状の屈曲部2802を複数個(図285(b)では
3個)形成してもよい。
【0113】以下、屈曲部2802(屈折シート280
1を含む場合もある)を形成する製造方法について説明
をする。
【0114】図286は本発明の第1の実施例である。
まず、TFT11、画素16、ドライバ回路12・14
などが形成された基板49にEL膜47を形成する。形
成は、低分子EL膜を蒸着により形成してもよく、ま
た、インクジェット方式で高分子EL膜を形成してもよ
い。EL膜47上に電極を形成し、この上に封止膜73
を形成する(図286(a))。また、封止板を取り付
けても良い。これらの事項については、他の箇所で詳細
に説明するのでここでは省略する。
【0115】また、以下に説明する事項以外は、本発明
の明細書で記載した製造方法が適用される。また、EL
素子15の構成、画素構成、アレイ構成、パネル構成、
駆動方法、駆動回路などに関しても以下の製造方法ある
いは製造されたパネルなどに適用されることは言うまで
もない。また、以下の製造方法で製造されたパネルなど
を用いて情報表示装置、テレビ、モニター、カメラなど
を構成できることも言うまでもない。
【0116】次に、図286(b)に示すように、未硬
化のボリマー材料(透明膜2861)を封止膜73上に
塗布する。ポリマー材料2861としては、先に説明し
た屈折部2802の材料である。なお、塗布はオフセッ
ト印刷、スクリーン印刷、ローラーによる塗布、スピン
ナーでの塗布などのいずれの方法(技術)を用いてもよ
い。
【0117】未硬化のポリマー材料2861の塗布後、
オーブンにいれて予備乾燥させる。もしくは、弱い光
(紫外線(UV)、可視光でもよい)をポリマー286
1に照射して、ポリマー材料2861の流動性を抑え
る。その後、屈折部2802の形状を形成したローラー
2862を回転させながら、透明膜2861に押し付け
る。このようにローラー2862の凹凸形状を透明膜2
861に転写する。この転写により、透明膜2862に
屈折部2801に相当する凹凸(凹部)2863が形成
させる。凹凸部2863の形成後、透明膜2861全体
にUVまたは可視光を照射し、透明膜2861を完全に
硬化させる。
【0118】透明膜2861を重合させる時の温度制御
は重要である。加温は40度以上60度前後にする。紫
外線(UV)は分光分布にもよるが20から30mW/
cm2程度の強度で2秒から8秒間程度照射する。これ
らの温度および紫外線の照射条件は透明膜2861の添
加材などを考慮して定めてなければならない。条件が不
適切な場合は表面が白濁する。また、微細な凹凸状にな
る。本発明では、50℃の温度で光源に超高圧水銀灯を
用いて、透明膜2861に紫外線(基板面での照射強
度:30mW/cm2)を6秒照射し、透明膜2861
を硬化させた。
【0119】なお、ローラー2862の内部に紫外線
(UV2902)の発光源を配置し、ローラー2862
の進行にあわせて、透明膜2861にUVを照射し、順
次硬化させてもよい。また、ローラー2862と別途、
UV2902の発生源を設け、ローラー2862の進行
にあわせて、この発生源から透明膜2861にUVを照
射し、順次硬化させてもよい。また、屈曲部2802の
必要な部分に反射膜などを形成する。反射膜の構成など
については、図280で説明したので省略する。
【0120】また、図290の製造方法により、屈折部
2802を形成してもよい。図290(a)(b)は図
286(a)(b)と同一であるので説明を省略する。
図290(c)では、透明材料からなるスタンパ290
1(プレス板)を用いている。プレス板2901には、
屈折部2802と反対形状の凹凸が形成されている。プ
レス板2901は、石英ガラスなどの透明材料から形成
されている。このプレス板2901を透明膜2861に
押し付けることにより、プレス板2901の凹凸が透明
膜2861に転写される。
【0121】このようにプレス板2901の凹凸形状を
透明膜2861に転写する。この転写により、透明膜2
862に屈折部2801に相当する凹凸(凹部)286
3が形成させる。凹凸部2863の形成後、透明膜28
61全体に、プレス板2901を介してUVまたは可視
光2902を照射し、透明膜2861を完全に硬化させ
る。
【0122】プレス板2901の凹凸面には、オレフォ
ン系の材料などからなる離形性のよい膜を形成しておく
ことが好ましい。これらの離形性のよい薄膜を凹凸面に
形成しておくことにより透明膜2861とプレス板29
01との離形性が良好となり、製造効率が向上する。な
お、プレス板2901と透明材料2861とも温度管理
も重要である。プレス板2901は透明膜2861より
も5度から15度程度、温度を低くしておくことが好ま
しい。なお、透明膜2861の種類によっては、温度は
逆の関係にした方が離形性などは良好になる場合もあ
る。したがって、実験を十分に実施し、条件を定める必
要がある。
【0123】また、離形フィルムとしてはシリコン樹脂
フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のオレフィン系樹脂フィルムが例示され、ま
た、樹脂フィルムの表面にシリコン樹脂、フッ素樹脂を
塗布等したものが例示される。その他は紫外線を透過
し、ある程度の柔軟性を有すれば何でもよい。たとえ
ば、ガラス基板等も用いることはできる。
【0124】また、290(d)で図示するように、プ
レス板2901を取り外した後、透明膜2861全体に
UV(可視光)を照射し、未硬化の樹脂成分を完全に硬
化させる。このことは、透明膜2861が熱硬化タイプ
などの場合も同様である。
【0125】なお、図286、図290などで説明した
製造方法では、透明膜2861は紫外線硬化タイプを用
いるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。
たとえば、熱可塑タイプの樹脂材料、熱硬化タイプの樹
脂材料、2液を混合させることにより硬化し始める2液
タイプの常温硬化タイプなどの樹脂材料なども用いるこ
とができることは言うまでもない。以上の場合は、ポリ
マー2861は透明材料である必要はない。ポリマー材
料2861の選択範囲も広がり、エポキシ系樹脂、フェ
ノール系樹脂などを用いることができる。この場合は、
凹凸2863を形成後、加熱、放置などして屈曲部28
02を形成する。もちろん、プレス板2901を透明膜
2861に押し付けた状態で硬化させてもよい。また、
屈曲部2802の必要な部分に反射膜などを形成する。
反射膜の構成などについては、図280で説明したので
省略する。
【0126】図287は、本発明の他の実施例である。
図287(a)までは他の実施例と同様であるので説明
を省略する。
【0127】図287(b)では封止膜73上に、凸部
2871を形成している。凸部2871の形成位置は屈
曲部2802形成位置に一致するようにする。つまり、
画素周辺部あるいは画素の発光部の周辺部である。液晶
表示パネルではブラックマトリックス(BM)の形成位
置である。凸部2871はSiO2、SiNxなどの無機材料
を用いて形成する。また、透明膜2861のように有機
材料を用いてもよい。凸部2871の形成方法として
は、封止膜73あるいは封止板上に無機薄膜あるいは有
機薄膜を0.5〜3μmの厚みで蒸着あるいは塗布す
る。その上にマスクを形成し、前記マスクを用いてネガ
またはポジでエッチングする(図287(b))。
【0128】次に、図287(c)に図示するように、
表示領域21の全体に、透明膜2861を塗布する。な
お、塗布はオフセット印刷、スクリーン印刷、ローラー
による塗布、スピンナーでの塗布などのいずれの方法
(技術)を用いてもよい。
【0129】塗布する樹脂は、粘度を5cp以上40c
p以下とすることが好ましい。つまり、比較的粘度を低
下したものを用いる。透明膜2861は凸部2871に
沿って滑らかに形成される。以上のように、図287で
は凸部287と透明膜2861で屈曲部2802が形成
される。また、屈曲部2802の必要な部分に反射膜な
どを形成する。反射膜の構成などについては、図280
で説明したので省略する。
【0130】なお、図287(c)において、表示領域
21の全体に透明膜を塗布するとしたがこれに限定する
ものではなく、無機材料からなる薄膜を蒸着してもよ
い。無機材料を蒸着することにより、凸部2871の凹
凸により屈曲部2802が形成される。
【0131】図288は、本発明の他の実施例である。
図288(a)までは他の実施例と同様であるので説明
を省略する。図288(b)では封止膜73もしくは封
止蓋の上に、メタルマスク2881を配置している。メ
タルマスク2881の開口部は、封止膜73側は開口部
が広く、他面側が狭くなっている。
【0132】なお、メタルマスク2881は磁性体で作
製し、基板49の裏面から磁石でメタルマスク2881
を磁力で吸着する。磁力により、メタルマスク2881
は基板と隙間なく密着する。
【0133】図288で説明したメタルマスク2881
は、封止膜73に直接触れないように(もしくは、極
力、封止膜73と接触しないように)するため、メタル
マスク2881の裏面に1.5〜3μmの高さの突起を
形成する。もしくは、封止膜73あるいは封止蓋の表面
に1.5〜3μmの高さの突起を形成する。この突起
は、EL膜47を蒸着などしない箇所に形成する。たと
えば、隣接した画素間である。
【0134】図288(b)で図示するようにメタルマ
スク2881を介して、SiO2、SiNxなどの無機材料を
堆積させる。堆積箇所は、屈曲部2802の形成箇所で
ある。また、無機材料のかわりに透明膜2861のよう
に有機材料を用いてもよい。以上のようにメタルマスク
2881を用いて屈曲部2802を形成することができ
る。
【0135】図280は、プリズム状などの屈曲部(も
しくは光反射部)2802であった。しかし、本発明は
これに限定するものではない。たとえば、図289に図
示するように、画素16に対応してマイクロレンズ状の
屈曲部2802を形成してもよい。マイクロレンズはサ
インカーブ状にすることが好ましい。また、円弧状に形
成することが好ましいが、これに限定するものではな
く、蒲鉾状であってもよい。マイクロレンズの高さは1
5μm以上3100μm以下とすることが好ましい。
【0136】マイクロレンズ基板のもとになるソーダガ
ラス基板にTiを蒸着し、フォトリングラフィで画素に
対応した円形の窓を開ける。次に1価イオンの硝酸塩の
溶融液に浸し、400度以上に加熱処理を行う。加熱
時、溶融中の陽イオンが開口窓からガラス基板内に等方
拡散しイオン交換が行われる。イオン交換されるとその
部分は屈折率分布を生じる。屈折率は1.5〜1.7で
ある。以上のようにしてマイクロレンズが作製される。
【0137】また、マイクロレンズはスタンパ技術で形
成する。このスタンパ技術はオムロン社がマイクロレン
ズ形成の方法として採用している方式、松下電器がCD
のピックアップレンズで微小レンズの形成方式として用
いている方式などを応用する。また、図289の屈曲部
2802は回折格子で形成することもできる。他の事項
は図280を同様であるので説明を省略する。
【0138】図280の構成では封止膜73上に屈折シ
ートを取り付けている(配置している、あるいは形成し
ている)。屈折シート2801は画素16に対応するよ
うに、三角形あるいは多角形もしくは円弧上に屈折部2
801が形成されている。つまり、屈折部2801は凹
凸状であるとしたが、本発明はこれに限定するものでは
ない。たとえば、図362に図示するように、凹部を屈
折材料2802bで充填(形成)してもよい。もしく
は、凸部を屈折材料2802aで充填(形成)してもよ
い。
【0139】屈折部2802aを高屈折率材料で形成
(充填)し、屈折部2802bを低屈折率材料で形成
(充填)する。もしくは、屈折部2802aを低屈折率
材料で形成(充填)し、屈折部2802bを高屈折率材
料で形成(充填)してもよい。低屈折材料は、二弗化マ
グネシウム、二酸化シリコン、三酸化アルミニウム、二
弗化セリウム、一酸化シリコンのいずれかを選択する。
高屈折材料は、三酸化二イットリウム、二酸化ジルコニ
ウム、二酸化ハフニウム、五酸化二タンタル、二酸化セ
リウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、ITO、IZOのい
ずれかを選択する。
【0140】以上は無機材料であるが、有機材料でもよ
い。たとえば、低屈折材料としては、フッ素系のアクリ
ル樹脂が例示される。その他、液体あるいはゲルも使用
することができる。屈折率が1.3以上1.50以下の
低屈折率材料としては、純粋、シリコン、エチレングリ
コール等のゲル、エチルアルコール、メチルアルコール
などが例示され、比較的高い屈折率材料としてはサルチ
ル酸メチル等の液体が例示される。これらを充填するこ
となどにより屈折シート2801を構成する。
【0141】図362のように屈折シート2801を形
成すれば、シート2801に平面状になり、この平面に
偏光板などをはりつけやすくなる。また、表面を6H以
上のUV樹脂などでコーティングすることが容易にでき
る。したがって、シート2801の表面を保護すること
ができる。なお、図363に図示するように屈折シート
2801の上下をさかさまに取り付けてもよい。このよ
うに構成すれば、屈折部2802aが機械的に傷つくこ
とを防止できる。なお、73は封止膜として機能するの
ではなく、保護シート(保護膜)として機能させてもよ
い。
【0142】また、図289の実施例でも同様である。
図364に図示するように、屈折部2802aの凸部を
屈折材料2802bで充填(形成)してもよい。もしく
は、屈折部2802bの凹部を屈折材料2802aで充
填(形成)してもよい。
【0143】また、図363と同様に、図365に図示
するように屈折シート2801の上下をさかさまに取り
付けてもよい。このように構成すれば、屈折部2802
aが機械的に傷つくことを防止できる。なお、73は封
止膜として機能するのではなく、保護シート(保護膜)
として機能させてもよい。
【0144】図280では、屈折シート2801は画素
16の周辺部に凸部を形成したように図示したがこれに
限定するものではない。たとえば、図374のように、
屈折シート2801の凸部が画素に対応するようい配置
(形成)してもよい。具体的には、凸部がマトリックス
状に形成された板チョコレート状である。図374にお
いて、画素16間のAの部分が空気層(屈折率n=1)
である。Bの部分が樹脂あるいは無機材料からなる部分
である(屈折率n=1.5前後)。したがって、EL層
47で発光した光は屈折シート2801に入射し、この
シート2801から出射する光の一部は界面Cで全反射
される。そのため、光は集光されて屈折シート2801
から出射する。
【0145】以上では、マイクロレンズなどを用いて集
光する実施例を開示したが、本発明はこれに限定するこ
ものではない。たとえば、図375はプリズムシート2
801a(これらも、本発明では屈折シートである)を
封止膜73上に配置または形成している。このようなプ
リズムシートは3M社が、液晶表示パネルの照明デバイ
スとして製造販売している。プリズムピッチは、10μ
m以上100μm以下のものを用いることが好ましい。
【0146】プリズムシート2801aに光出射側には
拡散シート3751を配置する。拡散板又は拡散シート
のいずれでもよいが、ここでは拡散シート3751とし
て説明をする。拡散シート3751はプリズム2801
aのプリズムとプリズムとの境目が見えない(見えにく
く)するようにするためのものである。拡散シート37
51の散乱性能が高いと、EL表示パネルの表示画面に
もやがかかったようになる。逆に低いとプリズム形状が
視覚的に見えてしまう。
【0147】拡散シート3751の一例として、(株)
きもとの品番ライトアップシリーズ100MX,100
SX,100SH又は100Sがある。また、筒中プラ
スチック(株)の拡散板も用いることができる。その
他、拡散シート3751として回折格子、マイクロレン
ズアレイ、セルホックレンズアレイ等も採用することが
できる。つまり、拡散板又は拡散シート15は、光学的
ローバスフィルタであればよいのである。
【0148】EL層47から出射したランダム光は、プ
リズムシート2801aにより指向性のある光に変換さ
れる。ここで、指向性のある光と記載したが、これは指
向性何度と記載しがたいためである(ランダム光よりは
指向性が狭いという意味合い)。この光は拡散シート3
751を通過して多少拡散され観察者の目に到達する。
【0149】プリズムシート2801aは図376に図
示するように1つの画素16に対し複数の四角錐上のプ
リズムが対応している。なお、プリズムは四角錐のみに
限定されるものではなく、三角錐であってもよい。ま
た、円錐状であってもよい。さらには六角錐なででもよ
い。また、円筒状であってもよい。なお、図376では
1つの画素16に複数のプリズム2801aがちょうど
納まるように図示しているがこれに限定するものではな
く、ずれていてもよい。
【0150】図376では、プリズム2801aは3次
元状であったが、これに限定するものではなく、図37
8に図示するようにストライプ状(2次元状)であって
もよい。この場合は、図377に図示するように、スト
ライプ状のプリズムシート2802aと2802bとを
略直交するように配置する(形成する)。
【0151】以上の実施例は、EL素子47で発生した
ランダム光は屈折シート2802を用いて指向性のある
光にし、あるいは集光し、パネルの前面からみた輝度を
高くする構成あるいは方法であった。
【0152】図379はレンズの集光機能を発揮させ
て、表示パネルの前面から出射する光量を多くし、高輝
度表示を実現するものである。図379はその実施例で
ある。なお、図379において、説明を容易にするた
め、封止膜73などは省略している。
【0153】図379において、3791は反射板であ
る。反射板3791は封止膜73上に形成される。反射
板は反射手段であればよく、封止膜73上に直接に形成
した金属薄膜(Ag、Alなど)の他、透明シートに金
属薄膜(Ag、Al)を蒸着したものを貼り付けてもよ
い。なお、反射板はシート状、フィルム状、薄膜状、板
状のいずれに限定するものではない。また、反射する機
能を有さなくともよい。例えば、拡散材である。先に説
明した拡散シートの他、板あるいはシートにフロスト加
工したガラス板、酸化チタンなどの拡散粒子を含有する
樹脂板あるいはオパールガラスが該当する。もちろん、
酸化チタンなどの拡散粒子を塗布して形成してもよい。
その他、光吸収膜であってもよい。本発明は、穴379
2から出射する光を集光し、指向性のある光として出射
するものであるからである。したがって、光吸収膜に穴
3792を形成したものであってもよい。なお、ここで
は、説明を容易にするため、3791は反射板として説
明をする。
【0154】図379において、マイクロレンズ(光屈
曲手段)2802cの中央部に穴3792(光出射穴)
が配置(形成)されている。隣接した画素16間には反
射壁3793が形成されている。これは、AL、Mg、
Agなどの金属材料あるいはこれらの合金で形成され
る。その他、反射壁に限定するものではなく、遮光機能
を有するものであればよい。これは広義であり、光吸収
機能を有するものでもよい。
【0155】光吸収膜あるいは遮光膜として機能するも
のは材料で多く存在する。アクリルあるいはエポキシ樹
脂に着色材で着色して形成すればよい。着色材として
は、色素あるいは顔料を樹脂中に分散したものを用いて
も良いし、カラーフィルタのようにゼラチンやカゼイン
を酸性染料で染色してもよい。フルオラン系色素を発色
させて用いることもできる。また、色素を用いて天然樹
脂を染色することができる。また、色素を合成樹脂中に
分散した材料を用いることができる。色素の選択の範囲
は、アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染
料、トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もし
くはそれらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。
【0156】また、反射壁3793の主構成材料を樹脂
で形成する場合は、ポリマー材料を用いることが好まし
い。ポリマーとしては、製造工程の容易さ、化学的安定
性の点より光硬化タイプの樹脂を用いる。具体的な例と
して紫外線硬化性アクリル系樹脂が例示され、特に紫外
線照射によって重合硬化するアクリルモノマー、アクリ
ルオリゴマーを含有するものが好ましい。中でもフッ素
基を有する光硬化性アクリル樹脂は経時変化が少なく、
耐光性も良好である。
【0157】なお、光屈曲手段(マイクロレンズなど)
2802cの光出射側には、拡散シート3751などを
配置(形成)し、マイクロレンズ2802cによる輝度
ムラ、あるいはモアレが発生しないようにする。
【0158】図380に図示するように、マイクロレン
ズ2802cを垂直方向から見たとき、レンズ2802
cの焦点近傍に反射板3791の穴3792が配置され
るように形成されている。なお、穴はマイクロレンズ2
802cの焦点よりも短い位置に配置することが好まし
い。たとえば、マイクロレンズ2802cの焦点距離が
f(m)であれば、穴3792の光出射位置(反射板3
791に厚みがある場合は、最もレンズ2802cの光
出射位置から遠い位置)は、マイクロレンズ2802c
焦点位置fの0.5以上0.95以下の位置となるよう
にすることが好ましい。つまり、位置は0.5f以上
0.95f以下とする。なお、穴3792の直径はマイ
クロレンズ2802c形成ピッチdの0.05以上0.
5以下とする。つまり、穴の直径は0.05d以上0.
5d以下とする。
【0159】なお、図380ではレンズ2802cは円
形のように図示しているがこれに限定するものではな
く、6角形形状に細密充填状に形成(配置)してもよ
い。また、三角形状でもよい。その他、かまぼこ状(2
次元状)であってもよい。また、マイクロレンズ280
2cの中央部に穴3792が位置するように形成(構
成)するとしたがこれに限定するものではなく、穴位置
がずれていてもよい。穴3792位置を中央部からずら
すことにより、レンズ2802cから出射する光の主光
線に角度をつける(主光線が垂直方向でなく、特定の角
度を持った方向にすることができる)ことができる。も
ちろん、画素16に複数のレンズ2802cがちょうど
納まるように形成する必要がないことはいうまでもな
い。また、図382では、反射板3791上に直接にレ
ンズ2802cを形成しているように図示したがこれに
限定するものではなく、適当な隔離層を形成あるいは配
置してもよい。
【0160】図379のEL表示パネルは画素電極48
が反射電極となっている。図381に図示するように、
EL層47で発光した光は、反射板3791、画素電極
48、反射壁3793で乱反射する。そのうち一部の光
は穴3792から出射し、レンズ2802cで集光され
る。例えば、光2791aはEL層47から穴3792
aに直接に入射してレンズ2802cで集光される。光
2791bは反射板3791で反射し、次に画素電極4
8で反射した後、穴3792bに入射してレンズ280
2cで集光される。光2791cは反射壁3793で反
射した後、穴3792cに入射してレンズ2802cで
集光される。
【0161】いずれにしても微細な穴3792から出射
した光がレンズで指向性のある光に集光される。これ
は、面光源であるEL層47を反射膜3791で点光源
化し、レンズ2802cによる機能を発揮させる構成だ
からである。点光源であれば、レンズ2802cで良好
な集光を行うことができる。また、点光源部(穴379
2)は光が集中するため、高輝度の点光源となってい
る。したがって、光利用効率も高い。そのため、本発明
のEL表示装置は高輝度表示を実現できる。
【0162】さらに、マイクロレンズ2802cによる
光集光効率を向上させるためには、図382に図示する
ように反射電極48上などに光散乱部3821を形成
(構成)するとよい。光散乱部3821は、反射電極4
8の表面を白濁させたり、微小な凹凸を形成したり、酸
化チタン微粒子を塗布あるいは形成したりすることによ
り実現できる。また、光散乱部3821は、拡散シー
ト、光拡散接着剤などでも実現できる。
【0163】図382で図示するように、穴3792の
下層に光散乱部3821を形成することにより、入射光
2791aが光散乱部3821で散乱光2791bとな
る。この散乱光2791bの光が穴3792に入射しレ
ンズ2802cで集光される。この光散乱部3821の
形成位置を穴3792の真下からずらすことにより、レ
ンズ2802cに入射する光の主光線の角度を傾けるこ
とができる。したがって、特定の方向から表示パネルを
見たとき(垂直方向でないという意味である)、最も明
るい表示となるようにすることができる。また、レンズ
シート2802cと反射板3791とを分離できるよう
に構成し、穴3792とレンズ2802c中心とをずら
せることによっても特定の方向から表示パネルを見たと
き、最も明るい表示となるようにすることができる(つ
まり、最も明るく見える位置を可変できる)。
【0164】図381、図382などにおいて、マイク
ロレンズ2802cは図383に図示するように、2次
元状でもよい。図383においても、穴3792の短径
はマイクロレンズ2802c形成ピッチdの0.05以
上0.5以下とする。つまり、穴の幅は0.05d以上
0.5d以下とする。また、図380では、1画素16
に9個のレンズ2802cが配置されたように図示し
た。しかし、図384に図示するように、縦長のRGB
の画素16(16R、16G、16B)で構成される場
合は、それぞれの画素に同一数のマイクロレンズ280
2cが配置されるように構成(形成)してもよいことは
言うまでもない。
【0165】EL表示パネルは、発生する光がランダム
光であるため、視野角が広いという特徴がある。しか
し、逆に発生する光がランダム光であるため、基板界面
で全反射する光も多い。一説に全反射する光は全発生光
の2/3であると言われている。この全反射光は、基板
(アレイ基板49、封止ふた41)などで乱反射(ハレ
ーション)し、表示コントラストを低下させる。
【0166】EL層47から発生し、再びEL層47に
戻る光を抑制すれば、ハレーションを防止でき高コント
ラスト表示を実現できる。本発明者らは種々の実験を繰
り返し検討した結果、以下の条件を満足するように構成
(形成)することにより高コントラスト表示を実現でき
た。以下、この条件について説明をする。
【0167】まず、図386に図示するように、表示パ
ネルの有効対角長をd(m)とする。また、図385に
図示するように、EL層47から基板49が空気と接す
る界面までの距離をt(m)とする。また、基板49の
屈折率をnとする。この時、 t ≧ (1/8)・√(n・n−1) の条件を満足させる。この以下の条件を満足させること
のよりハレーションがなく、高コントラスト表示を実現
できる。
【0168】また、さらに好ましくは、以下の条件を満
足させることのより、さらにハレーションがなく、高コ
ントラスト表示を実現できる。
【0169】t ≧ (1/4)・√(n・n−1) なお、基板49の無効領域(画像表示に有効な光が通過
しない領域、たとえば、基板49の側面など)に光吸収
膜を形成する。光吸収膜は、基板49の空気との界面で
反射した光を吸収し、基板49内でハレーションが発生
することを抑制する。
【0170】また、基板49の厚みtは、1枚の基板で
厚さtとなることに限定されるものではない。例えば、
2枚あるいはそれ以上の基板を貼り合わせ、あるいはオ
プティカルカップリング(光結合層3871)させて、
基板厚さtを満足させるようにしてもよいことは言うま
でもない。
【0171】以上は、基板49が板状の場合である。図
387のようにEL表示パネル82の光出射側に凹レン
ズ3872を光結合層3871(オプティカルカップリ
ング材(剤))で取り付ける(貼り付ける、オプティカ
ルカップリングさせる、光学結合させる)ことにより、
全体としての表示パネルの厚みを低減できる。つまり、
凹レンズ3872は空気との界面で反射する光を有効表
示領域にもどすことが少ないからである。このことは、
出射側基板49の出射面が凹面の場合、出射面が平面の
場合と比較して、中心厚が薄くてもコントラスト向上の
効果が大きいことを意味する。したがって、t ≧
(1/4)・√(n・n−1)には制約されない。
【0172】また、図387(b)に図示するように、
凹レンズ3872に微小な空気層(空気ギャップ)38
75を配置して正レンズ(平凸レンズ)3873を配置
することにより、表示画像にゆがみがなくなる。空気ギ
ャップにはほこりなどが侵入しないように周辺部を封止
剤(封止材)3874で封止しておく。
【0173】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いる。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10e
−6Torr以下であり、全ての蒸着は2〜3×10e
−6Torrの範囲で行う。また、全ての蒸着はタング
ステン製の抵抗加熱式蒸着ボートに直流電源(菊水電子
株式会社製、PAK10−70A)を接続して行うとよ
い。
【0174】このようにして真空層中に配置したアレイ
基板上に、カーボン膜20〜50nmを成膜する。次
に、正孔注入層として4−(N,N−ビス(p−メチル
フェニル)アミノ)−α−フェニルスチルベンを0.3
nm/secの蒸着速度で膜厚約5nmに形成する。
【0175】正孔輸送層として、N,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社製)と、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンを、それぞれ0.3nm/sおよび0.01nm/s
の蒸着速度で共蒸着して膜厚約80nmに形成した。発
光層(電子輸送層)としてトリス(8−キノリノラト)
アルミニウム(同仁化学株式会社製)を0.3nm/se
cの蒸着速度で膜厚約40nmに形成する。
【0176】次に、電子注入電極として、AlLi合金
(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/1)
から低温でLiのみを、約0.1nm/secの蒸着速度
で膜厚約1nmに形成し、続いて、そのAlLi合金を
さらに昇温する。Liが出尽くした状態から、Alのみ
を、約1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに
形成し、積層型の電子注入電極とした。
【0177】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の封止フタ41を
シール接着剤(シール剤)45(アネルバ株式会社製、
商品名スーパーバックシール953−7000)で貼り
付けて表示パネルとした。なお、封止フタ41とアレイ
基板49との空間には乾燥剤55を配置する。これは、
有機EL膜は湿度に弱いためである。乾燥剤55により
シール剤45を浸透する水分を吸収し有機EL膜47の
劣化を防止する。
【0178】シール剤45からの水分の浸透を抑制する
ためには外部からの経路(パス)を長くすることが良好
な対策である。このため、本発明の表示パネルでは、表
示領域の周辺部に微細な凹凸43、44を形成してい
る。アレイ基板49の周辺部に形成した凸部44は少な
くとも2重に形成する。凸と凸との間隔(形成ピッチ)
は100μm以上500μm以下に形成することが好ま
しく、また、凸の高さは30μm以上300μm以下と
することが好ましい。この凸部はスタンパ技術で形成す
る。このスタンパ技術はオムロン社がマイクロレンズ形
成の方法として採用している方式、松下電器がCDのピ
ックアップレンズで微小レンズの形成方式として用いて
いる方式などを応用する。
【0179】一方、封止フタ41にも凸部43を形成す
る。凸部43の形成ピッチは凸部44の形成ピッチと同
一にする。このように凸部43と44との形成ピッチを
同一にすることにより凸部43に凸部44がちょうどは
まり込む。そのため、表示パネルの製造時に封止フタ4
1とアレイ基板49との位置ずれが発生しない。凸部4
3と44間にはシール剤45を配置する。シール剤45
は封止フタ41とアレイ基板49とを接着するととも
に、外部からの水分の浸入を防止する。
【0180】シール剤45としてはUV(紫外線)硬化
型でアクリル系の樹脂からなるものを用いることが好ま
しい。また、アクリル樹脂はフッ素基を有するものを用
いることが好ましい。その他、エポキシ系の接着剤ある
いは粘着剤を用いてもよい。接着剤あるいは粘着剤の屈
折率は1.47以上1.54以下のものを用いることが
好ましい。特にシール接着剤は酸化チタンの微粉末、酸
化シリコンなどの微粉末を重量比で65%以上95%以
下の割合で添加することが好ましい。また、この微粉末
の粒子径は平均直径20μm以上100μm以下とする
ことが好ましい。微粉末の重量比が多くなるほど外部か
らの湿度の進入を抑制する効果が高くなる。しかし、あ
まりに多いと気泡などが入りやすく、かえって空間が大
きくなりシール効果が低下してしまう。
【0181】乾燥剤の重量はシールの長さ10mmあた
り0.04g以上0.2g以下をすることが好ましい。
特にシールの長さ10mmあたり0.06g以上0.1
5g以下をすることが望ましい。乾燥剤の量がすくなす
ぎると水分防止効果が少なくすぐに有機EL層が劣化す
る。多すぎると乾燥剤がシールをする際に障害となり、
良好なシールを行うことができない。
【0182】図4ではガラスのフタ41を用いて封止す
る構成であるが、図7のようにフィルムを用いた封止で
あってもよい。たとえば、封止フィルムとしては電解コ
ンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク
カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。
このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿)。この
フィルムを封止膜74して用いる。また、DLC膜など
を電極72の表面に直接蒸着する構成ものよいことは言
うまでもない。つまり薄膜で封止する。薄膜の膜厚はn
・d(nは薄膜の屈折率、複数の薄膜が積層されている
場合はそれらの屈折率を総合(各薄膜のn・dを計算)
にして計算する。dは薄膜の膜厚、複数の薄膜が積層さ
れている場合はそれらの屈折率を総合して計算する。)
が、EL素子15の発光主波長λ以下となるようにする
とよい。この条件を満足させることにより、EL素子1
5からの光取り出し効率が、ガラス基板で封止した場合
に比較して2倍以上になる。また、アルミニウムと銀の
合金あるいは混合物あるいは積層物を形成してもよい。
【0183】以上のようにふた41を用いず、封止膜7
4で封止する構成を薄膜封止と呼ぶ。基板49側から光
を取り出す下取り出しの場合の薄膜封止は、EL膜を形
成後、EL膜上にカソードとなるアルミ電極を形成す
る。次にこのアルミ膜上に緩衝層としての樹脂層を形成
する。緩衝層としては、アクリル、エポキシなどの有機
材料が例示される。また、膜厚は1μm以上10μm以
下の厚みが適する。さらに好ましくは、膜厚は2μm以
上6μm以下の厚みが適する。この緩衝膜上の封止膜7
4を形成する。緩衝膜がないと、応力によりEL膜の構
造が崩れ、筋状に欠陥が発生する。封止膜74は前述し
たように、DLC(ダイヤモンド ライクカーボン)、
あるいは電界コンデンサの層構造(誘電体薄膜とアルミ
薄膜とを交互に多層蒸着した構造)が例示される。
【0184】EL層側から光を取り出す上取り出しの場
合の薄膜封止は、EL膜を形成後、EL膜上にカソード
となるAg−Mg膜を20オングストローム以上300
オングストロームの膜厚で形成する。その上に、ITO
などの透明電極を形成して低抵抗化する。次にこの電極
膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。この緩衝膜上
に封止膜74を形成する。
【0185】有機EL層47から発生した光の半分は、
反射膜46で反射され、アレイ基板49と透過して出射
される。しかし、反射膜46は外光を反射し写り込みが
発生して表示コントラストを低下させる。この対策のた
めに、アレイ基板49にλ/4板50および偏光板54
を配置している。なお、画素が反射電極の場合はEL層
47から発生した光は上方向に出射される。したがっ
て、位相板50および偏光板54は光出射側に配置する
ことはいうまでもない。なお、反射型画素は、画素電極
48を、アルミニウム、クロム、銀などで構成して得ら
れる。また、画素電極48の表面に、凸部(もしくは凹
凸部)を設けることで有機EL層との界面が広くなり発
光面積が大きくなり、また、発光効率が向上する。な
お、カソード(アノード)となる反射膜を透明電極に形
成する、あるいは反射率を30%以下に低減できる場合
は、円偏光板は不要である。写り込みが大幅に減少する
からである。また、光の干渉も低減し望ましい。
【0186】また、ディスプレイ内部に2層の薄膜を形
成することによって実現する外光反射を光学干渉によっ
て打ち消すことで有機EL表示パネルのコントラストを
向上することができる。従来の円偏光板を使う場合に比
べてコストを低減できる。また、円偏光板が抱えていた
拡散反射の問題や、表示色の視野角依存性及び有機EL発
光層の膜厚依存性の問題を解決できる。
【0187】基板49と偏光板(偏光フィルム)54間
には1枚あるいは複数の位相フィルム(位相板、位相回
転手段、位相差板、位相差フィルム)が配置される。位
相フィルムとしてはポリカーボネートを使用することが
好ましい。位相フィルムは入射光を出射光に位相差を発
生させ、効率よく光変調を行うのに寄与する。
【0188】その他、位相フィルムとして、ポリエステ
ル樹脂、PVA樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニール
樹脂、ゼオネックス樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン
樹脂等の有機樹脂板あるいは有機樹脂フィルムなどを用
いてもよい。その他、水晶などの結晶を用いてもよい。
1つの位相板の位相差は一軸方向に50nm以上350
nm以下とすることが好ましく、さらには80nm以上
220nm以下とすることが好ましい。
【0189】なお、図7に図示するように位相フィルム
と偏光板とを一体化した円偏光板74(円偏光フィル
ム)を用いてもよいことはいうまでもない。
【0190】位相フィルム50は染料あるいは顔料で着
色しフィルタとしての機能をもたせることが好ましい。
特に有機ELは赤(R)の純度が悪い。そのため、着色
した位相フィルム50で一定の波長範囲をカットして色
温度を調整する。カラーフィルタは、染色フィルタとし
て顔料分散タイプの樹脂で設けられるのが一般的であ
る。顔料が特定の波長帯域の光を吸収して、吸収されな
かった波長帯域の光を透過する。
【0191】以上のように位相フィルムの一部もしくは
全体を着色したり、一部もしくは全体に拡散機能をもた
せたりしてもよい。また、表面をエンボス加工したり、
反射防止のために反射防止膜を形成したりしてもよい。
また、画像表示に有効でない箇所もしくは支障のない箇
所に、遮光膜もしくは光吸収膜を形成し、表示画像の黒
レベルをひきしめたり、ハレーション防止によるコント
ラスト向上効果を発揮させたりすることが好ましい。ま
た、位相フィルムの表面に凹凸を形成することによりか
まぼこ状あるいはマトリックス状にマイクロレンズを形
成してもよい。マイクロレンズは1つの画素電極あるい
は3原色の画素にそれぞれ対応するように配置する。
【0192】先にも記述したが、位相フィルムの機能は
カラーフィルタに持たせてもよい。たとえば、カラーフ
ィルタの形成時に圧延し、もしくは光重合により一定の
方向に位相差が生じるようにすることにより位相差を発
生させることができる。その他、図7の平滑化膜71を
光重合させることにより位相差を持たせてもよい。この
ように構成すれば位相フィルムを基板外に構成あるいは
配置する必要がなくなり表示パネルの構成が簡易にな
り、低コスト化が望める。なお、以上の事項は偏光板に
適用してもよいことはいうまでもない。
【0193】偏光板(偏光フィルム)54を構成する主
たる材料としてはTACフィルム(トリアセチルセルロ
ースフィルム)が最適である。TACフィルムは、優れ
た光学特性、表面平滑性および加工適性を有するからで
ある。TACフィルムの製造については、溶液流延製膜
技術で作製することが最適である。
【0194】偏光板はヨウ素などをポリビニールアルコ
ール(PVA)樹脂に添加した樹脂フィルムのものが例
示される。一対の偏光分離手段の偏光板は入射光のうち
特定の偏光軸方向と異なる方向の偏光成分を吸収するこ
とにより偏光分離を行うので、光の利用効率が比較的悪
い。そこで、入射光のうち特定の偏光軸方向と異なる方
向の偏光成分(reflective polariz
er:リフレクティブ・ポラライザー)を反射すること
により偏光分離を行う反射偏光子を用いてもよい。この
ように構成すれば、反射偏光子により光の利用効率が高
まって、偏光板を用いた上述の例よりもより明るい表示
が可能となる。
【0195】また、このような偏光板や反射偏光子以外
にも、本発明の偏光分離手段としては、例えばコレステ
リック液晶層と(1/4)λ板を組み合わせたもの、ブ
リュースターの角度を利用して反射偏光と透過偏光とに
分離するもの、ホログラムを利用するもの、偏光ビーム
スプリッタ(PBS)等を用いることも可能である。
【0196】図4では図示していないが、偏光板54の
表面にはAIRコートを施している。AIRコートは誘
電体単層膜もしくは多層膜で形成する構成が例示され
る。その他、1.35〜1.45の低屈折率の樹脂を塗
布してもよい。たとえば、フッ素系のアクリル樹脂など
が例示される。特に屈折率が1.37以上1.42以下
のものが特性は良好である。
【0197】また、AIRコートは3層の構成あるいは
2層構成がある。なお、3層の場合は広い可視光の波長
帯域での反射を防止するために用いられ、これをマルチ
コートと呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域で
の反射を防止するために用いられ、これをVコートと呼
ぶ。マルチコートとVコートは表示パネルの用途に応じ
て使い分ける。なお、2層以上の限定するものではな
く、1層でもよい。
【0198】マルチコートの場合は酸化アルミニウム
(Al2O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニ
ウム(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウ
ム(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通
常、λとして520nmもしくはその近傍の値として薄
膜は形成される。Vコートの場合は一酸化シリコン(S
iO)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウ
ム(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イット
リウム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)
をn d1=λ/4積層して形成する。SiOは青色側
に吸収帯域があるため青色光を変調する場合はY2O3
を用いた方がよい。また、物質の安定性からもY2O3
の方が安定しているため好ましい。また、SiO2薄膜
を使用してもよい。もちろん、低屈折率の樹脂等を用い
てAIRコートとしてもよい。たとえばフッ素等のアク
リル樹脂が例示される。これらは紫外線硬化タイプを用
いることが好ましい。
【0199】なお、表示パネルに静電気がチャージされ
ることを防止するため、表示パネルなどの表面に親水性
の樹脂を塗布しておくことが好ましい。その他、表面反
射を防止するため、偏光板54の表面などにエンボス加
工を行ってもよい。
【0200】また、画素電極48にはTFTが接続され
るとしたがこれに限定されるものではない。アクティブ
マトリックスとは、スイッチング素子として薄膜トラン
ジスタ(TFT)の他、ダイオード方式(TFD)、バ
リスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオー
ド、ホトトランジスタ、FET、MOSトランジスタ、
PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。つま
り、スイッチ素子11、駆動素子11と構成するものは
これらのいずれでも使用することができる。
【0201】また、TFTはLDD(ロー ドーピング
ドレイン)構造を採用することが好ましい。なお、T
FTとは、FETなどスイッチングなどのトランジスタ
動作をするすべての素子一般を意味する。また、EL膜
の構成、パネル構造などは単純マトリックス型表示パネ
ルにも適用できることは言うまでもない。また、本明細
書ではEL素子として有機EL素子(OEL,PEL,
PLED,OLED)15を例のあげて説明するがこれ
に限定するものではなく、無機EL素子にも適用される
ことは言うまでもない。
【0202】まず、有機EL表示パネルに用いられるア
クティブマトリックス方式は、1.特定の画素を選択
し、必要な表示情報を与えられること。2、1フレーム
期間を通じてEL素子に電流を流すことができることと
いう2つの条件を満足させなければならない。
【0203】この2つの条件を満足させるため、図12
に示す従来の有機ELの素子構成では、第1のTFT1
1aは画素を選択するためのスイッチング用トランジス
タ、第2のTFT11bはEL素子(EL膜)15に電
流を供給するための駆動用トランジスタとする。
【0204】ここで液晶に用いられるアクティブマトリ
ックス方式と比較すると、スイッチング用トランジスタ
11aは液晶用にも必要であるが、駆動用トランジスタ
11bはEL素子15を点灯させるために必要である。
この理由は液晶の場合は、電圧を印加することでオン状
態を保持することができるが、EL素子15の場合は、
電流を流しつづけなければ画素16の点灯状態を維持で
きないからである。
【0205】したがって、EL表示パネルでは電流を流
し続けるためにトランジスタ11bをオンさせ続けなけ
ればならない。まず、走査線、データ線が両方ともオン
になると、スイッチング用トランジスタ11aを通して
キャパシタ19に電荷が蓄積される。このキャパシタ1
9が駆動用トランジスタ11bのゲートに電圧を加え続
けるため、スイッチング用トランジスタ11aがオフに
なっても、電流供給線20から電流が流れつづけ、1フ
レーム期間にわたり画素16をオンできる。
【0206】この構成を用いて階調を表示させる場合、
駆動用トランジスタ11bのゲート電圧として階調に応
じた電圧を印加する必要がある。したがって駆動用トラ
ンジスタ11bのオン電流のばらつきがそのまま表示に
現れる。
【0207】トランジスタのオン電流は単結晶で形成さ
れたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安
価なガラス基板に形成することのできる形成温度が45
0度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トタ
ンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜
0.5Vの範囲でばらつきを持つため、駆動用トランジ
スタ11bを流れるオン電流がこれに対応してばらつ
き、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値
電圧のばらつきのみならず、TFTの移動度、ゲート絶
縁膜の厚みなどでも発生する。また、TFT11の劣化
によっても特性は変化する。
【0208】したがって、アナログ的に階調を表示させ
る方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性
を厳密に制御する必要があり、現状の低温多結晶ポリシ
リコンTFTではこのバラツキを所定範囲以内の抑える
というスペックを満足できない。この問題を解決するた
め、1画素内に4つのトランジスタをもうけて、しきい
値電圧のばらつきをコンデンサにより補償させて均一な
電流を得る方法、定電流回路を1画素ごとに形成し電流
の均一化を図る方法などが考えられる。
【0209】しかしながら、これらの方法は、プログラ
ムされる電流がEL素子15を通じてプログラムされる
ため電流経路が変化した場合に電源ラインに接続される
スイッチングトランジスタに対し駆動電流を制御するト
ランジスタがソースフォロワとなり駆動マージンが狭く
なる。従って駆動電圧が高くなるという課題を有する。
【0210】また、電源に接続するスイッチングトラン
ジスタをインピーダンスの低い領域で使用する必要があ
り、この動作範囲がEL素子15の特性変動により影響
を受けるという課題もある。その上、飽和領域における
電圧電流特性に、キンク電流が発生する場合、トランジ
スタのしきい値電圧の変動が発生した場合、記憶された
電流値が変動するとう課題もある。
【0211】本発明のEL素子構造は、上記課題に対し
て、EL素子15に流れる電流を制御するトランジスタ
11が、ソースフォロワ構成とならず、かつそのトラン
ジスタにキンク電流があっても、キンク電流の影響を最
小に抑えることが出来て記憶される電流値の変動を小さ
くすることが出来る構成である。
【0212】本発明のEL素子構造は、具体的には図1
(a)に示すように単位画素が最低4つからなる複数の
トランジスタ11ならびにEL素子により形成される。
なお、画素電極はソース信号線と重なるように構成す
る。つまり、ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアク
リル材料からなる平坦化膜を形成して絶縁し、この絶縁
膜上に画素電極を形成する。このようにソース信号線1
8上に画素電極を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)
構造と呼ぶ。
【0213】第1のゲート信号線(第1の走査線)17
aをアクティブ(ON電圧を印加)とすることにより第
1のトランジスタ(TFTあるいはスイッチング素子)
11aおよび第3のトランジスタ(TFTあるいはスイ
ッチング素子)11cを通して、前記EL素子15に流
すべき電流値を流し、第1のトランジスタのゲートとド
レイン間を短絡するように第2のトランジスタ11bが
第1のゲート信号線17aアクティブ(ON電圧を印
加)となることにより開くと共に、第1のトランジスタ
11aのゲートとソース間に接続されたコンデンサ(キ
ャパシタ、蓄積容量)19に、前記電流値を流すように
第1のトランジスタ11aのゲート電圧(あるいはドレ
イン電圧)を記憶する。
【0214】なお、第1のトランジスタ11aのソース
−ゲート間容量(コンデンサ)19は0.2pF以上の
容量とすることが好ましい。他の構成として、別途、コ
ンデンサ19を形成する構成も例示される。つまり、コ
ンデンサ電極レイヤーとゲート絶縁膜およびゲートメタ
ルから蓄積容量を形成する構成である。M3トランジス
タ11cのリークによる輝度低下を防止する観点、表示
動作を安定化させるための観点からはこのように別途コ
ンデンサを構成するほうが好ましい。なお、コンデンサ
(蓄積容量)19の大きさは、0.2pF以上2pF以
下とすることがよく、中でもコンデンサ(蓄積容量)1
9の大きさは、0.4pF以上1.2pF以下とするこ
とがよい。
【0215】なお、コンデンサ19は隣接する画素間の
非表示領域におおむね形成することがこのましい。一般
的に、フルカラー有機ELを作成する場合、有機EL層
をメタルマスクによるマスク蒸着で形成するためマスク
位置ずれによるEL層の形成位置が発生する。位置ずれ
が発生すると各色の有機EL層が重なる危険性がある。
そのため、各色の隣接する画素間の非表示領域は10μ
以上離れなければならない。この部分は発光に寄与しな
い部分となる。したがって、蓄積容量19をこの領域に
形成することは開口率向上のために有効な手段となる。
【0216】なお、メタルマスク2881は磁性体で作
製し、基板49の裏面から磁石でメタルマスク2881
を磁力で吸着する。磁力により、メタルマスク2881
は基板と隙間なく密着する。以上の製造方法に関する事
項は、本発明の他の製造方法にも適用される。
【0217】次に、第1のゲート信号線17aを非アク
ティブ(OFF電圧を印加)、第2のゲート信号線17
bをアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1の
トランジスタ11a並びにEL素子15に接続された第
4のトランジスタ11dならびに前記EL素子15を含
む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子15
に流すように動作する。
【0218】この回路は1画素内に4つのトランジスタ
11を有しており、第1のトランジスタM1 のゲートは
第2のトランジスタM2のソースに接続されており、第
2のトランジスタおよび第3のトランジスタM2のゲー
トは第1のゲート信号線17aに、M2のドレインはM
3のソースならびに第4のトランジスタM4のソースに
接続されM3のドレインはソース信号線18に接続され
ている。トランジスタM4のゲートは第2のゲート信号
線17bに接続され、トランジスタM4のドレインはE
L素子15のアノード電極に接続されている。
【0219】なお、図1ではすべてのTFTFはPチャ
ンネルで構成している。Pチャンネルは多少Nチャンネ
ルのTFTに比較してモビリティが低いが、耐圧が大き
くまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発
明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに
限定するものではない。Nチャンネルのみで構成しても
よい(図42、図43、図67などを参照)。また、N
チャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成してもよ
い。
【0220】なお、第3および第4のトランジスタは同
一の極性で構成し、かつNチャンネルで構成し、第1お
よび第2のトランジスタはPチャンネルで構成すること
が好ましい。一般的にPチャンネルトランジスタはNチ
ャンネルトランジスタに比較して、信頼性が高い、キン
ク電流が少ないなどの特長があり、電流を制御すること
によって目的とする発光強度をえるEL素子に対して
は、第1のトランジスタ11aをPチャンネルにする効
果が大きい。
【0221】以下、本発明のEL素子構成について図1
3を用いて説明する。本発明のEL素子構成は2つのタ
イミングにより制御される。第1のタイミングは必要な
電流値を記憶させるタイミングである。このタイミング
でTFT11bならびにTFT11cがONすることに
より、等価回路として図13(a)となる。ここで、信
号線より所定の電流I1が書き込まれる。これによりT
FT11aはゲートとドレインが接続された状態とな
り、このTFT11aとTFT11cを通じて電流I1
が流れる。従って、TFT11aのゲートーソースの電
圧はI1が流れるような電圧V1となる。
【0222】第2のタイミングはTFT11aとTFT
11cが閉じ、TFT11dが開くタイミングであり、
そのときの等価回路は図13(b)となる。TFT11
aのソース−ゲート間の電圧V1は保持されたままとな
る。この場合、M1のトランジスタ11aは常に飽和領
域で動作するため、I1の電流は一定となる。
【0223】なお、トランジスタ11aのゲートとトラ
ンジスタ11cのゲートは同一のゲート信号線11aに
接続している。しかし、トランジスタ11aのゲートと
トランジスタ11cのゲートとを異なるゲート信号線1
1に接続してもよい(SA1とSA2とを個別に制御で
きるようにする)。つまり、1画素のゲート信号線は3
本となる(図1の構成は2本である)。トランジスタ1
1aのゲートのON/OFFタイミングとトランジスタ
11cのゲートのON/OFFタイミングを個別に制御
することにより、トランジスタ11のばらつきによるE
L素子15の電流値バラツキをさらに低減することがで
きる。
【0224】第1のゲート信号線17aと第2のゲート
信号線17bとを共通にし、第3および第4のトランジ
スタが異なった導電型(NチャンネルとPチャンネル)
とすると、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を
向上させることが出来る。
【0225】このように構成すれば本発明の動作タイミ
ングとしては信号線からの書きこみ経路がオフになる。
すなわち所定の電流が記憶される際に、電流の流れる経
路に分岐があると正確な電流値がM1のソース−ゲート
間容量(コンデンサ)に記憶されない。TFTM3とT
FTM4を異なった導電形にすることにより、お互いの
閾値を制御することによって走査線の切り替わりのタイ
ミングで必ずM3がオフしたのちにM4がオンすること
が可能になる。
【0226】ただし、この場合お互いの閾値を正確にコ
ントロールする必要があるのでプロセスの注意が必要で
ある。なお、以上述べた回路は最低4つのトランジスタ
で実現可能であるが、より正確なタイミングのコントロ
ールあるいは後述するように、ミラー効果低減のために
トランジスタ11e(M5)を図1(b)に示すように
カスケード接続してトランジスタの総数が4以上になっ
ても動作原理は同じである。このようにトランジスタ1
1eを加えた構成とすることにより、トランジスタM3
を介してプログラムした電流がより精度よくEL素子1
5に流すことができるようになる。
【0227】図1の構成において、第1のトランジスタ
11aの飽和領域における電流値Idsが下式の条件を
満足させることがさらに好ましい。なお、下式において
λの値は、隣接する画素間において0.06以下0.0
1以上の条件を満足させる。
【0228】 Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+Vds*λ) 本発明では、トランジスタ11aの動作範囲を飽和領域
に限定するが、一般的に飽和領域におけるトランジスタ
特性は、理想的な特性より外れ、ソースードレイン間電
圧の影響を受ける。この効果をミラー効果という。
【0229】隣接する画素におけるそれぞれのトランジ
スタ11aにΔVtなる閾値のシフトが発生した場合を
考える。この場合記憶される電流値は同じである。閾値
のシフトをΔLとすれば、約ΔV×λがトランジスタ1
1aの閾値が変動することによる、EL素子15の電流
値のずれに相当する。したがって、電流のずれをx
(%)以下に抑えるためには、閾値のシフトの許容量を
隣接する画素間でy(V)を許容するとして、λは0.
01×x/y以下でなければならないことが判る。
【0230】この許容値はアプリケーションの輝度によ
り変化する。輝度が100cd/m2から1000cd/m2まで
の輝度領域においては、変動量が2%以上あれば人間は
変動した境界線を認識する。したがって、輝度(電流
量)の変動量が2%以内であることが必要である。輝度
が100cd/cm2より高い場合は隣接する画素の輝
度変化量は2%以上となる。本発明のEL表示素子を携
帯端末用ディスプレイとして用いる場合、その要求輝度
は100cd/m2程度である。実際に図1の画素構成を試
作し、閾値の変動を測定すると、隣接する画素のトラン
ジスタ11aおいては閾値の変動の最大値は0.3Vで
あることが判った。したがって、輝度の変動を2%以内
に抑えるためにはλは0.06以下でなければならな
い。しかし、0.01以下にする必要はない。人間が変
化を認識することができないからである。また、この閾
値のバラツキを達成するためにはトランジスタサイズを
十分大きくする必要があり、非現実的である。
【0231】また、第1のトランジスタ11aの飽和領
域における電流値Idsが下式を満足するように構成す
ることが好ましい。なお、λの変動が隣接する画素間に
おいて5%以下1%以上とする。
【0232】 Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+Vds*λ) 隣接する画素間において、たとえ閾値の変動が存在しな
い場合でも上記式のλに変動があれば、ELを流れる電
流値が変動する。変動を±2%以内に抑えるためには、
λの変動を±5%に抑えなければならない。しかし、し
かし、1%以下にする必要はない。人間が変化を認識す
ることができないからである。また、1%以下を達成す
るためにはトランジスタサイズを相当に大きくする必要
があり、非現実的である。
【0233】また、実験、アレイ試作および検討によれ
ば第1のトランジスタ11aのチャンネル長が10μm
以上200μm以下とすることが好ましい。さらに好ま
しくは、第1のトランジスタ11aのチャンネル長が1
5μm以上150μm以下とすることが好ましい。これ
は、チャンネル長Lを長くした場合、チャンネルに含ま
れる粒界が増えることによって電界が緩和されキンク効
果が低く抑えられるためであると考えられる。
【0234】また、画素を構成するトランジスタ11
が、レーザー再結晶化方法(レーザアニ−ル)により形
成されたポリシリコンTFTで形成され、すべてのトラ
ンジスタにおけるチャンネルの方向がレーザーの照射方
向に対して同一の方向であることが好ましい。
【0235】本特許の発明の目的は、トランジスタ特性
のばらつきが表示に影響を与えない回路構成を提案する
ものであり、そのために4トランジスタ以上が必要であ
る。これらのトランジスタ特性により、回路定数を決定
する場合、4つのトランジスタの特性がそろわなけれ
ば、適切な回路定数を求めることが困難である。レーザ
ー照射の長軸方向に対して、チャンネル方向が水平の場
合と垂直の場合では、トランジスタ特性の閾値と移動度
が異なって形成される。なお、どちらの場合もばらつき
の程度は同じである。水平方向と、垂直方向では移動
度、閾値のあたいの平均値が異なる。したがって、画素
を構成するすべてのトランジスタのチャンネル方向は同
一であるほうが望ましい。
【0236】また、蓄積容量19の容量値をCs、第2
のトランジスタ11bのオフ電流値をIoffとした場
合、次式を満足させることが好ましい。
【0237】3 < Cs/Ioff < 24 さらに好ましくは、次式を満足させることが好ましい。
【0238】6 < Cs/Ioff < 18 トランジスタ11bのオフ電流を5pA以下とすること
により、ELを流れる電流値の変化を2%以下に抑える
ことが可能である。これはリーク電流が増加すると、電
圧非書き込み状態においてゲート−ソース間(コンデン
サの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持でき
ないためである。したがって、コンデンサ19の蓄積用
容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。前記
式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を2
%以下に抑えることができる。
【0239】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがp−chポリシリコン薄膜トランジスタ
に構成され、トランジスタ11bがデュアルゲート以上
であるマルチゲート構造とすることが好ましい。トラン
ジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイ
ン間のスイッチとして作用するため、できるだけON/
OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11b
のゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲー
ト構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実
現できる。
【0240】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタで構成さ
れており、各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チ
ャンネル長L)を54μm2以下とすることが好まし
い。(チャンネル幅W)*(チャンネル長L)とトラン
ジスタ特性のバラツキとは相関がある。トランジスタ特
性におけるばらつきの原因は、レーザーの照射によるエ
ネルギーのばらつきなどに起因するものが大きく、した
がってこれを吸収するためには、できるだけレーザーの
照射ピッチ(一般的には10数μm)をチャンネル内に
より多く含む構造が望ましい。各トランジスタの(チャ
ンネル幅W)*(チャンネル長L)を54μm2以下と
することによりレーザー照射に起因するばらつきがな
く、特性のそろった薄膜トランジスタを得ることができ
る。なお、あまりにもトランジスタサイズが小さくなる
と面積による特性ばらつきが発生する。したがって、各
トランジスタの(チャンネル幅W)*(チャンネル長
L)は9μm2以上となるようにする。なお、さらに好
ましくは、各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チ
ャンネル長L)は16μm2以上45μm2以下となるよ
うにすることが好ましい。
【0241】また、隣接する単位画素での第1のトラン
ジスタ11aの移動度変動が20%以下であるようにす
ることが好ましい。移動度が不足することによりスイッ
チングトランジスタの充電能力が劣化し、時間内に必要
な電流値を流すまでに、M1のゲート−ソース間の容量
を充電できない。従って移動のばらつきを20%以内に
抑えることにより画素間の輝度のばらつきを認知限以下
にすることができる。
【0242】以上の説明は、画素構成が図1の構成とし
て説明したが、以上の事項は図21、図43、図71、
図22に図示する構成にも適用することができる。以
下、図21などの画素構成について、構成、動作などの
説明をする。
【0243】EL素子15に流す電流を設定する時、T
FT11aに流す信号電流をIw、その結果TFT11
aに生ずるゲートーソース間電圧をVgsとする。書き
込み時はTFT11dによってTFT11aのゲート・
ドレイン間が短絡されているので、TFT11aは飽和
領域で動作する。よって、Iwは、以下の式で与えられ
る。
【0244】 Iw=μ1・Cox1・W1/L1/2(Vgs−Vth1)2 … (1) ここで、Coxは単位面積当たりのゲート容量であり、
Cox=ε0・εr/dで与えられる。VthはTFT
の閾値、μはキャリアの移動度、Wはチャンネル幅、L
はチャンネル長、ε0は真空の移動度、εrはゲート絶
縁膜の比誘電率を示し、dはゲート絶縁膜の厚みであ
る。
【0245】EL素子15に流れる電流をIddとする
と、Iddは、EL素子15と直列に接続されるTFT
1bによって電流レベルが制御される。本発明では、そ
のゲートーソース間電圧が(1)式のVgsに一致する
ので、TFT1bが飽和領域で動作すると仮定すれば、
以下の式が成り立つ。
【0246】 Idrv=μ2・Cox2・W2/L2/2(Vgs−Vth2)2 … ( 2) 絶縁ゲート電界効果型の薄膜トランジスタ(TFT)が
飽和領域で動作するための条件は、Vdsをドレイン・
ソース間電圧として、一般に以下の式で与えられる。
【0247】 |Vds|>|Vgs−Vth| … (3) ここで、TFT11aとTFT11bは、小さな画素内
部に近接して形成されるため、大略μ1=μ2及びCo
x1=Cox2であり、特に工夫を凝らさない限り、V
th1=Vth2と考えられる。すると、このとき
(1)式及び(2)式から容易に以下の式が導かれる。
【0248】 Idrv/Iw=(W2/L2)/(W1/L1) … (4) ここで注意すべき点は、(1)式及び(2)式におい
て、μ、Cox,Vthの値自体は、画素毎、製品毎、
あるいは製造ロット毎にばらつくのが普通であるが、
(4)式はこれらのパラメータを含まないので、Idr
v/Iwの値はこれらのばらつきに依存しないというこ
とである。
【0249】仮にW1=W2,L1=L2と設計すれ
ば、Idrv/Iw=1、すなわちIwとIdrvが同
一の値となる。すなわちTFTの特性ばらつきによら
ず、EL素子15に流れる駆動電流Iddは、正確に信
号電流Iwと同一になるので、結果としてEL素子15
の発光輝度を正確に制御できる。
【0250】以上の様に、変換用TFT11aのVth
1と駆動用TFT11bのVth2は基本的に同一であ
る為、両TFTお互いにの共通電位にあるゲートに対し
てカットオフレベルの信号電圧が印加されると、TFT
11a及びTFT11b共に非導通状態になるはずであ
る。ところが、実際には画素内でもパラメータのばらつ
きなどの要因により、Vth1よりもVth2が低くな
ってしまうことがある。この時には、駆動用TFT11
bにサブスレッショルドレベルのリーク電流が流れる
為、EL素子15は微発光を呈する。この微発光により
画面のコントラストが低下し表示特性が損なわれる。
【0251】本発明では特に、駆動用TFT11bの閾
電圧Vth2が画素内で対応する変換用TFT11aの
閾電圧Vth1より低くならない様に設定している。例
えば、TFT11bのゲート長L2をTFT11aのゲ
ート長L1よりも長くして、これらの薄膜トランジスタ
のプロセスパラメータが変動しても、Vth2がVth
1よりも低くならない様にする。これにより、微少な電
流リークを抑制することが可能である。以上の事項は図
1のTFT11aとTFT11dの関係にも適用され
る。
【0252】図21に示すように、信号電流が流れる変
換用トランジスタTFT11a、EL素子15等からな
る発光素子に流れる駆動電流を制御する駆動用トランジ
スタTFT11bの他、第1の走査線scanA(S
A)の制御によって画素回路とデータ線dataとを接
続もしくは遮断する取込用トランジスタTFT11c、
第2の走査線scanB(SB)の制御によって書き込
み期間中にTFT1111aのゲート・ドレインを短絡
するスイッチ用トランジスタTFT11d,TFT11
aのゲートーソース間電圧を書き込み終了後も保持する
ための容量C19および発光素子としてのEL素子15
などから構成される。したがって、ゲート信号線は各画
素2本であることから、以前に説明した図1、図2、図
3などで説明した本発明の明細書全体の構成、機能、動
作などが適用することができる。
【0253】図21でTFT11cはNチャンネルMO
S(NMOS)、その他のトランジスタはPチャンネル
MOS(PMOS)で構成しているが、これは一例であ
って、必ずしもこの通りである必要はない。容量Cは、
その一方の端子をTFT11aのゲートに接続され、他
方の端子はVdd(電源電位)に接続されているが、V
ddに限らず任意の一定電位でも良い。EL素子15の
カソード(陰極)は接地電位に接続されている。したが
って、以上の事項は図1などにも適用されることは言う
までもない。
【0254】EL素子15の端子電圧は温度によっても
変化する。通常、温度が低い時は高く、温度が高くなる
につれ、低くなる。この傾向はリニアの関係にある。し
たがって、Vdd電圧を外部温度によって(正確にはE
L素子15の温度によって)調整することが好ましい。
温度センサで外部温度を検出し、Vdd電圧発生部のフ
ィードバックをかけてVdd電圧を変化させる。Vdd
電圧は摂氏10℃の変化で、2%以上8%以下変化する
ようにすることが好ましい。中でも3%以上6%以下と
することが好ましい。
【0255】なお、図1などのVdd電圧はTFT11
のオフ電圧よりも低くすることが好ましい。具体的に
は、Vgh(ゲートのオフ電圧)は少なくともVdd−
0.5(V)よりの高くするべきである。これよりも低
いとTFTのオフリークが発生し、レーザーアニ−ルの
ショットムラが目立つようになる。また、Vdd+4
(V)よりも低くすべきである。あまりにも高いと逆に
オフリーク量が増加する。したがって、ゲートのオフ電
圧(図1ではVgh、つまり、電源電圧に近い電圧側)
は、電源電圧(図1ではVdd)は、よりも−0.5
(V)以上+4(V)以下とすべきである。さらに好ま
しくは、電源電圧(図1ではVdd)は、よりも0
(V)以上+2(V)以下とすべきである。つまり、ゲ
ート信号線に印加するTFTのオフ電圧は、十分オフに
なるようにする。TFTがnチャンネルの場合は、Vg
lがオフ電圧となる。したがって、VglはGND電圧
に対して−4(V)以上0.5(V)以下の範囲となる
ようにする。さらに好ましくは−2(V)以上0(V)
以下の範囲することが好ましい。
【0256】以上の事項は、図1の電流プログラムの画
素構成について述べたが、これに限定するものではな
く、図54、図67、図103などの電圧プログラムの
画素構成にも適用できることは言うまでもない。なお、
電圧プログラムのVtオフセットキャンセルは、R、
G、Bごとに個別に補償することが好ましい。
【0257】図21の構成は、走査線scanA及びs
canBを順次選択する走査線駆動回路と、輝度情報に
応じた電流レベルを有する信号電流Iwを生成して逐次
データ線dataに供給する電流源CSを含むデータ線
駆動回路と、各走査線scanA,scanB及び各デ
ータ線dataの交差部に配されていると共に、駆動電
流の供給を受けて発光する電流駆動型のEL素子15を
含む複数の画素とを備えている。
【0258】特徴事項として、図21に示した画素構成
は、当該走査線scanAが選択された時当該データ線
dataから信号電流Iwを取り込む受入部と、取り込
んだ信号電流Iwの電流レベルを一旦電圧レベルに変換
して保持する変換部と、保持された電圧レベルに応じた
電流レベルを有する駆動電流を当該発光素子OLED1
5(他に、EL,OEL,PEL,PLEDと略称する
場合がある)に流す駆動部とからなる。具体的には、前
記受入部は取込用トランジスタTFT11cからなる。
【0259】前記変換部は、ゲート、ソース、ドレイン
及びチャネルを備えた変換用薄膜トランジスタTFT1
1aと、そのゲートに接続した容量Cとを含んでいる。
変換用薄膜トランジスタTFT11a、受入部によって
取り込まれた信号電流Iwをチャネルに流して変換され
た電圧レベルをゲートに発生させ、容量C19ートに生
じた電圧レベルを保持する。
【0260】更に前記変換部は、変換用薄膜トランジス
タTFT11aドレインとゲートとの間に挿入されたス
イッチ用薄膜トランジスタTFT11dを含んでいる。
スイッチング用薄膜トランジスタTFT11dは、信号
電流Iwの電流レベルを電圧レベルに変換する時に導通
し、変換用薄膜トランジスタTFT11aのドレインと
ゲートを電気的に接続してソースを基準とする電圧レベ
ルをTFT11aのゲートに生ぜしめる。又、スイッチ
用薄膜トランジスタTFT11dは、電圧レベルを容量
Cに保持する時に遮断され、変換用薄膜トランジスタT
FT11aのゲート及びこれに接続した容量C19をT
FT11aのドレインから切り離す。
【0261】また、前記駆動部は、ゲート、ドレイン、
ソース及びチャネルを備えた駆動用薄膜トランジスタT
FT11bを含んでいる。駆動用薄膜トランジスタTF
Tbは、容量C19に保持された電圧レベルをゲートに
受け入れそれに応じた電流レベルを有する駆動電流はチ
ャネルを介してEL素子15に流す。変換用薄膜トラン
ジスタTFT11aのゲートと駆動用薄膜トランジスタ
TFT11bのゲートとが直接に接続されてカレントミ
ラー回路を構成し、信号電流Iwの電流レベルと駆動電
流の電流レベルとが比例関係となる様にしている。
【0262】駆動用薄膜トランジスタTFT11bは飽
和領域で動作し、そのゲートに印加された電圧レベルと
閾電圧との差に応じた駆動電流をEL素子15に流す。
【0263】駆動用薄膜トランジスタTFT11bは、
その閾電圧が画素内で対応する変換用薄膜トランジスタ
TFT11aの閾電圧より低くならない様に設定されて
いる。具体的には、TFT11bは、そのゲート長がT
FT11Aのゲート長より短くならない様に設定されて
いる。あるいは、TFT11bは、そのゲート絶縁膜が
画素内で対応するTFT11aのゲート絶縁膜より薄く
ならないように設定しても良い。
【0264】あるいは、TFT11bは、そのチャネル
に注入される不純物濃度を調整して、閾電圧が画素内で
対応するTFT11aの閾電圧より低くならない様に設
定してもよい。仮に、TFT11aとTFT11bの閾
電圧が同一となる様に設定した場合、共通接続された両
薄膜トランジスタのゲートにカットオフレベルの信号電
圧が印加されると、TFT11a及びTFT11bは両
方共オフ状態になるはずである。ところが、実際には画
素内にも僅かながらプロセスパラメータのばらつきがあ
り、TFT11aの閾電圧よりTFT11bの閾電圧が
低くなる場合がある。
【0265】この時には、カットオフレベル以下の信号
電圧でもサブスレッショルドレベルの微弱電流が駆動用
TFT11bに流れる為、EL素子15は微発光し画面
のコントラスト低下が現れる。そこで、TFT11bの
ゲート長をTFT11aのゲート長よりも長くしてい
る。これにより、薄膜トランジスタのプロセスパラメー
タが画素内で変動しても、TFT11bの閾電圧がTF
T11aの閾電圧よりも低くならない様にする。
【0266】ゲート長Lが比較的短い短チャネル効果領
域Aでは、ゲート長Lの増加に伴いVthが上昇する。
一方、ゲート長Lが比較的大きな抑制領域Bではゲート
長Lに関わらずVthはほぼ一定である。この特性を利
用して、TFT11bのゲート長をTFT11aのゲー
ト長よりも長くしている。例えば、TFT11aのゲー
ト長が7μmの場合、TFT11bのゲート長を10μ
m程度にする。
【0267】TFT11aのゲート長が短チャネル効果
領域Aに属する一方、TFT11bのゲート長が抑制領
域Bに属する様にしても良い。これにより、TFT11
bにおける短チャネル効果を抑制することができるとと
もに、プロセスパラメータの変動による閾電圧低減を抑
制可能である。以上により、TFT11bに流れるサブ
スレッショルドレベルのリーク電流を抑制してEL素子
15の微発光を抑え、コントラスト改善に寄与可能であ
る。
【0268】図21に示した画素回路の駆動方法を簡潔
に説明する。先ず、書き込み時には第1の走査線sca
nA、第2の走査線scanBを選択状態とする。両走
査線が選択された状態でデータ線dataに電流源CS
を接続することにより、TFT11aに輝度情報に応じ
た信号電流Iwが流れる。電流源CSは輝度情報に応じ
て制御される可変電流源である。このとき、TFT11
aのゲート・ドレイン間はTFT11dによって電気的
に短絡されているので(3)式が成立し、TFT11a
は飽和領域で動作する。従って、そのゲートーソース間
には(1)式で与えられる電圧Vgsが生ずる。
【0269】次に、scanA,scanBを非選択状
態とする。詳しくは、まずscanBを低レベルとして
TFT11dをoff状態とする。これによってVgs
が容量C19によって保持される。次にscanAを高
レベルにしてoff状態とすることにより、画素回路と
データ線dataとが電気的に遮断されるので、その後
はデータ線dataを介して別の画素への書き込みを行
うことができる。ここで、電流源CSが信号電流の電流
レベルとして出力するデータは、scanBが非選択と
なる時点では有効である必要があるが、その後は任意の
レベル(例えば次の画素の書き込みデータ)とされて良
い。
【0270】TFT11bはTFT11aとゲート及び
ソースが共通接続されており、かつ共に小さな画素内部
に近接して形成されているので、TFT11bが飽和領
域で動作していれば、TFT11bを流れる電流は
(2)式で与えられ、これがすなわちEL素子15に流
れる駆動電流Iddとなる。TFT11bを飽和領域で
動作させるには、EL素子15での電圧降下を考慮して
もなお(3)式が成立するよう、十分な電源電位をVd
dに与えれば良い。
【0271】なお、図1(b)などと同様に、インピー
ダンスを増大させるためなどを目的として、図22に図
示するように、TFT11e、11fを付加しても良い
ことはいうまでもない。このようにTFT11e,11
fを付加することによりより良好な電流駆動を実現でき
る。他の事項は図1で説明しているで省略する。
【0272】このようにして作製した図1、図21など
で説明したEL表示素子に直流電圧を印加し、10mA/c
m2の一定電流密度で連続駆動させた。EL構造体は、
7.0V 、200cd/cm2の緑色(発光極大波長λmax =
460nm)の発光が確認できた。青色発光部は、輝度1
00cd/cm2 で、色座標がx=0.129,y=0.1
05、緑色発光部は、輝度200cd/cm2 で、色座標が
x=0.340,y=0.625、赤色発光部は、輝度
100cd/cm2 で、色座標がx=0.649,y=0.
338の発光色が得られた。
【0273】以降、図1、図21、図43、図71、図
22などを用いた表示装置、表示モジュール、情報表示
装置およびその駆動回路と駆動方法などについて説明を
する。
【0274】フルカラー有機EL表示パネルでは,開口
率の向上が重要な開発課題になる。開口率を高めると光
の利用効率が上がり,高輝度化や長寿命化につながるた
めである。開口率を高めるためには,有機EL層からの
光を遮るTFTの面積を小さくすればよい。低温多結晶
Si−TFTはアモルファスシリコンに比較して10−
100倍の性能を持ち、電流の供給能力が高いため、T
FTの大きさを非常に小さくできる。したがって、有機
EL表示パネルでは、画素トランジスタ、周辺駆動回路
を低温ポリシリコン技術で作製することが好ましい。も
ちろん、アモルファスシリコン技術で形成してもよいが
画素開口率はかなり小さくなってしまう。
【0275】ゲートドライバ12あるいはソースドライ
バ14などの駆動回路をガラス基板46上に形成するこ
とにより、電流駆動の有機EL表示パネルで特に問題に
なる抵抗を下げることができる。TCPの接続抵抗がな
くなるうえに,TCP接続の場合に比べて電極からの引
き出し線が2〜3mm短くなり配線抵抗が小さくなる。
さらに、TCP接続のための工程がなくなる,材料コス
トが下がるという利点があるとする。
【0276】次に、本発明のEL表示パネルあるいはE
L表示装置について説明をする。図2はEL表示装置の
回路を中心とした説明図である。画素16がマトリック
ス状に配置または形成されている。各画素16には各画
素の電流プログラムを行う電流を出力するソースドライ
バ14が接続されている。ソースドライバ14の出力段
は映像信号のビット数に対応したカレントミラー回路が
形成されている。たとえば、64階調であれば、63個
のカレントミラー回路が各ソース信号線に形成され、こ
れらのカレントミラー回路の個数を選択することにより
所望の電流をソース信号線18に印加できるように構成
されている。
【0277】なお、1つのカレントミラー回路の最小出
力電流は10nA以上50nAにしている。特にカレン
トミラー回路の最小出力電流は15nA以上35nAに
することがよい。ドライバIC14内のカレントミラー
回路を構成するトランジスタの精度を確保するためであ
る。
【0278】また、ソース信号線18の電荷を強制的に
放出または充電するプリチャージあるいはディスチャー
ジ回路を内蔵する。ソース信号線18の電荷を強制的に
放出または充電するプリチャージあるいはディスチャー
ジ回路の電圧(電流)出力値は、R、G、Bで独立に設
定できるように構成することが好ましい。EL素子15
の閾値がRGBでことなるからである。
【0279】以上に説明した画素構成、アレイ構成、パ
ネル構成などは、以下に説明する構成、方法、装置に適
用されることは言うまでもない。また、以下に説明する
構成、方法、装置は、すでに説明した画素構成、アレイ
構成、パネル構成などが適用されることは言うまでもな
い。
【0280】有機EL素子は大きな温度依存性特性(温
特)があることが知られている。この温特による発光輝
度変化を調整するため、カレントミラー回路に出力電流
を変化させるサーミスタあるいはポジスタなどの非直線
素子を付加し、温特による変化を前記サーミスタなどで
調整することによりアナログ的に基準電流を作成する。
【0281】この場合は、選択するEL材料で一義的に
決定されるから、マイコンなどのソフト制御する必要が
ない場合が多い。つまり、液晶材料により、一定のシフ
ト量などに固定しておいてもよい。重要なのは発光色材
料により温特が異なっている点であり、発光色(R,
G,B)ごとに最適な温特補償を行う必要がある点であ
る。
【0282】R、G、Bの各EL素子の温特は一定範囲
内にする必要がある。R、G、BのEL素子15の温特
はない事が好ましいのはいうまでもない。少なくとも
R,G,Bの温特方向が同一方向か、もしくは変化しな
いようにする。また、変化は各色摂氏10℃の変化で、
2%以上8%以下変化するようにすることが好ましい。
中でも3%以上6%以下とすることが好ましい。
【0283】また、温特補償はマイコンでおこなっても
よい。温度センサでEL表示パネルの温度を測定し、測
定した温度によりマイコン(図示せず)などで変化させ
る。また、切り替え時に基準電流などをマイコン制御な
どにより自動的に切り替えてもよいし、また、特定のメ
ニュー表示を表示できるように制御してもよい。また、
マウスなどを用いて切り替えできるように構成できる。
また、EL表示装置の表示画面をタッチパネルにし、か
つメニューを表示して特定箇所を押さえることにより切
り替えできるように構成してもよい。
【0284】本発明ではソースドライバは半導体シリコ
ンチップで形成し、ガラスオンチップ(COG)技術で
基板46のソース信号線18の端子と接続されている。
ソース信号線18などの信号線の配線はクロム、アルミ
ニウム、銀などの金属配線が用いられる。細い配線幅で
低抵抗の配線が得られるからである。配線は画素が反射
型の場合は画素の反射膜を構成する材料で、反射膜と同
時に形成することが好ましい。工程が簡略できるからで
ある。
【0285】本発明はCOG技術に限定するものではな
く、チップオンフィルム(COF)技術に前述のドライ
バIC14などを積載し、表示パネルの信号線と接続し
た構成としてもよい。また、ドライブICは電源IC1
02を別途作製し、3チップ構成としてもよい。
【0286】また、TCFテープを用いてもよい。TC
Fテープ向けフィルムは,ポリイミドフィルムと銅(C
u)箔を,接着剤を使わずに熱圧着することができる。
接着剤を使わずにポリイミドフィルムにCuを付けるT
CPテープ向けフィルムにはこのほか,Cu箔の上に溶
解したポリイミドを重ねてキャスト成型する方式と,ポ
リイミドフィルム上にスパッタリングで形成した金属膜
の上にCuをメッキや蒸着で付ける方式がある。これら
のいずれでもよいが、接着剤を使わずにポリイミドフィ
ルムにCuを付けるTCPテープを用いる方法が最も好まし
い。30μm以下のリード・ピッチには、接着剤を使わ
ないCuはり積層板で対応する。接着剤を使わないCuは
り積層板のうち、Cu層をメッキや蒸着で形成する方法は
Cu層の薄型化に適しているため,リード・ピッチの微細
化に有利である。
【0287】一方、ゲートドライバ回路12は低温ポリ
シリコン技術で形成している。つまり、画素のTFTと
同一のプロセスで形成している。これは、ソースドライ
バ14に比較して内部の構造が容易で、動作周波数も低
いためである。したがって、低温ポリシリ技術で形成し
ても容易に形成することができ、また、狭額縁化を実現
できる。もちろん、ゲートドライバ12をシリコンチッ
プで形成し、COG技術などを用いて基板46上に実装
してもよいことは言うまでもない。また、画素TFTな
どのスイッチング素子、ゲートドライバなどは高温ポリ
シリコン技術で形成してもよく、有機材料で形成(有機
TFT)してもよい。
【0288】ゲートドライバ12はゲート信号線17a
用のシフトレジスタ22aと、ゲート信号線17b用の
シフトレジスタ22bとを内蔵する。各シフトレジスタ
22は正相と負相のクロック信号(CLKxP、CLK
xN)、スタートパルス(STx)で制御される。その
他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブル
(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアップ
ダウン(UPDWM)信号を付加することが好ましい。
他に、スタートパルスがシフトレジスタにシフトされ、
そして出力されていることを確認する出力端子などを設
けることが好ましい。なお、シフトレジスタのシフトタ
イミングはコントロールIC(図示せず)からの制御信
号で制御される。また、外部データのレベルシフトを行
うレベルシフト回路を内蔵する。また、検査回路を内蔵
する。
【0289】シフトレジスタ22のバッファ容量は小さ
いため、直接にはゲート信号線17を駆動することがで
きない。そのため、シフトレジスタ22の出力とゲート
信号線17を駆動する出力ゲート24間には少なくとも
2つ以上のインバータ回路23が形成されている。
【0290】ソースドライバ14を低温ポリシリなどの
ポリシリ技術で基板46上に直接形成する場合も同様で
あり、ソース信号線を駆動するトランスファーゲートな
どのアナログスイッチのゲートとソースドライバのシフ
トレジスタ間には複数のインバータ回路が形成される。
以下の事項(シフトレジスタの出力と、信号線を駆動す
る出力段(出力ゲートあるいはトランスファーゲートな
どの出力段間に配置されるインバータ回路に関する事
項)は、ソースドライブおよびゲートドライブ回路に共
通の事項である。たとえば、図2ではソースドライバ1
4の出力が直接ソース信号線18に接続されているよう
に図示したが、実際には、ソースドライバのシフトレジ
スタの出力は多段のインバータ回路が接続されて、イン
バータの出力がトランスファーゲートなどのアナログス
イッチのゲートに接続されている。
【0291】インバータ回路23はPチャンネルのMO
SトランジスタとNチャンネルのMOSトランジスタか
ら構成される。先にも説明したようにゲートドライバ回
路12のシフトレジスタ回路22の出力端にはインバー
タ回路23が多段に接続されており、その最終出力が出
力ゲート24に接続されている。なお、インバータ回路
23はPチャンネルのみで構成してもよい。ただし、こ
の場合は、インバータではなく単なるゲート回路として
構成してもよい。
【0292】各インバータ回路23を構成するPチャン
ネルまたはNチャンネルのTFTのチャンネル幅をW、
チャンネル長をL(ダブルゲート以上の場合は構成する
チャンネルの幅もしくはチャンネル長を加算する)と
し、シストレジスタに近いインバータの次数を1、表示
側に近いインバータの次数をN(N段目)とする。
【0293】インバータ回路23の接続段数が多いと接
続されているインバータ23の特性差が多重(積み重な
り)され、シフトレジスタ22から出力ゲート24まで
の伝達時間に差が生じる(遅延時間バラツキ)。たとえ
ば、極端な場合では、図2において出力ゲート24aは
1.0μsec後(シフトレジスタからパルスが出力さ
れてから起算して)にオンしている(出力電圧が切り替
わっている)のに、出力ゲート24bは1.5μsec
後(シフトレジスタからパルスが出力されてから起算し
て)にオンしている(出力電圧が切り替わっている)と
いう状態が生じる。
【0294】したがって、シフトレジスタ22と出力ゲ
ート24間に作製するインバータ回路23数は少ない方
がよいが、出力ゲート24を構成するTFTのチャンネ
ルのゲート幅Wは非常に大きい。また、シストレジスタ
22の出力段のゲート駆動能力は小さい。そのため、シ
フトレジスタを構成するゲート回路(NAND回路な
ど)で直接に出力ゲート24を駆動することは不可能で
ある。そのため、インバータを多段接続する必要がある
が、たとえば、図2のインバータ23dのW4/L4
(Pチャンネルのチャンネル幅/Pチャンネルのチャン
ネル長)の大きさと、インバータ23cのW3/L3の
大きさの比が大きいと遅延時間が長くなり、また、イン
バータの特性がバラツキも大きくなる。
【0295】図3に遅延時間バラツキ(点線で示す)と
遅延時間比(実線で示す)の関係を示す。横軸は(Wn-
1/Ln-1)/(Wn/Ln)で示す。たとえば、図2でイ
ンバータ23dとインバータ23cのLが同一で2W3
=W4であれば(W3/L3)/(W4/L4)=0.
5である。図3のグラフにおいて遅延時間比は(Wn-1
/Ln-1)/(Wn/Ln)=0.5のときを1とし、遅
延同様に時間バラツキも1としている。
【0296】図3では(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)
が大きくなるほどインバータ23の接続段数が多くなり
遅延時間バラツキが大きくなることを示しており、ま
た、(Wn-1/Ln-1)/(Wn/Ln)が小さくなるほど
インバータ23から次段へのインバータ23への遅延時
間が長くなることを示している。このグラフから遅延時
間比および遅延時間バラツキを2以内にすることが設計
上有利である。したがって、次式の条件を満足させれば
よい。
【0297】0.25 ≦(Wn-1/Ln-1)/(Wn/
Ln) ≦0.75 また、各インバータ23のPチャンネルのW/L比(W
p/Lp)とnチャンネルのW/L比(Ws/Ls)とは以
下の関係を満足させる必要がある。
【0298】 0.4 ≦(Ws/Ls)/(Wp/Lp) ≦0.8 さらに、シフトレジスタの出力端から出力ゲート(ある
いはトランスファーゲート)間に形成するインバータ2
3の段数nは次式を満足させると遅延時間のバラツキも
少なく良好である。
【0299】3 ≦ n ≦ 8 モビリティμにも課題がある。nチャンネルトランジス
タのモビリティμnは小さいとTGおよびインバータの
サイズが大きくなり、消費電力等が大きくなる。また、
ドライバの形成面積が大きくなる。そのため、パネルサ
イズが大きくなってしまう。一方、大きいとトランジス
タの特性劣化をひきおこしやすい。そのため、モビリテ
ィμnは以下の範囲がよい。
【0300】50 ≦ μn ≦ 150 また、シフトレジスタ22内のクロック信号のスルーレ
ートは、500V/μsec以下にする。スルーレート
が高いとnチャンネルトランジスタの劣化が激しい。
【0301】なお、図2でシフトレジスタの出力にはイ
ンバータ23を多段に接続するとしたが、NAND回路
でもよい。NAND回路でもインバータを構成すること
ができるからである。つまり、インバータ23の接続段
数とはゲートの接続段数と考えればよい。この場合もい
ままで説明したW/L比等の関係が適用される。また、
以上の図2、図3などで説明した事項は図60、図7
4、図84などにも適用される。
【0302】また、図2などにおいて画素のスイッチン
グトランジスタがPチャンネルの時は、最終段のインバ
ータからの出力は、オン電圧はVglがゲート信号線1
7に印加され、オフ電圧はVghがゲート信号線17に
印加される。逆に画素のスイッチングトランジスタがN
チャンネルの時は、最終段のインバータからの出力は、
オフ電圧はVglがゲート信号線17に印加され、オン
電圧はVghがゲート信号線17に印加される。
【0303】以上の実施例では、ゲートドライバを高温
ポリシリコンあるいは低温ポリシリコン技術などで画素
16と同時に作製するとしたが、これに限定するもので
はない。たとえば、図26に図示するように、別途、半
導体チップで作製したソースドライバIC14、ゲート
ドライバIC12を表示パネル82に積載してもよい。
【0304】また、表示パネル82を携帯電話などの情
報表示装置に使用する場合、ドライバIC14、15を
図26に示すように表示パネルの一辺に実装することが
好ましい(なお、このように一辺にドライバICを実装
する形態を3辺フリー構成(構造)と呼ぶ。従来は、表
示領域のX辺にゲートドライバIC12が実装され、Y
辺にソースドライバIC14が実装されていた)。画面
21の中心線が表示装置の中心になるように設計し易
く、また、ドライバICの実装も容易となるからであ
る。なお、ゲートドライバ回路を高温ポリシリコンある
いは低温ポリシリコン技術などで3辺フリーの構成で作
製してもよい(つまり、図26の14と12のうち、少
なくとも一方をポリシリコン技術で基板49に直接形成
する)。
【0305】なお、3辺フリー構成とは、基板49に直
接ICを積載あるいは形成した構成だけでなく、IC1
4,12などを取り付けたフィルム(TCP,TAB技
術など)を基板49の一辺(もしくはほぼ一辺)にはり
つけた構成も含む。つまり、2辺にICが実装あるいは
取り付けられていない構成、配置あるいはそれに類似す
るすべてを意味する。
【0306】図26のようにゲートドライバ12をソー
スドライバ14の横に配置すると、ゲート信号線17は
辺Cの沿って形成し、画面表示領域21まで形成する必
要がある(図27等参照)。
【0307】なお、C辺に形成するゲート信号線17の
ピッチは5μm以上12μm以下にする。5μm未満で
は隣接ゲート信号線に寄生容量の影響によりノイズが乗
ってしまう。実験によれば7μ以下で寄生容量の影響が
顕著に発生する。さらに5μm未満では表示画面にビー
ト状などの画像ノイズが激しく発生する。特にノイズの
発生は画面の左右で異なり、このビート状などの画像ノ
イズを低減することは困難である。また、低減12μm
を越えると表示パネルの額縁幅Dが大きくなりすぎ実用
的でない。
【0308】前述の画像ノイズを低減するためには、ゲ
ート信号線17を形成した部分の下層あるいは上層に、
グラントパターン(一定電圧に電圧固定あるいは全体と
して安定した電位に設定されている導電パターン)を配
置することにより低減できる。また、別途設けたシール
ド板(シールド箔(一定電圧に電圧固定あるいは全体と
して安定した電位に設定されている導電パターン))を
ゲート信号線17上に配置すればよい。
【0309】図26のC辺のゲート信号線17はITO
電極で形成してもよいが、低抵抗化するため、ITOと
金属薄膜とを積層して形成することが好ましい。また、
金属膜で形成することが好ましい。ITOと積層する場
合は、ITO上にチタン膜を形成し、その上にアルミニ
ウムあるいはアルミニウムとモリブデンの合金薄膜を形
成する。もしくはITO上にクロム膜を形成する。金属
膜の場合は、アルミニウム薄膜、クロム薄膜で形成す
る。以上の事項は本発明の他の実施例でも同様である。
【0310】なお、図27などにおいて、配線17など
は表示領域の片側に配置するとしたがこれに限定するも
のではなく、両方に配置してもよい。たとえば、ゲート
信号線17aを表示領域21の右側に配置(形成)し、
ゲート信号線17bを表示領域21の左側に配置(形
成)してもよい。以上の事項は他の実施例でも同様であ
る。
【0311】図30ではソースドライバIC14とゲー
トドライバIC12とを1チップ化(1チップドライバ
IC14a)している。1チップ化すれば、表示パネル
82へのICチップの実装が1個で済む。したがって、
実装コストも低減できる。また、1チップドライバIC
内で使用する各種電圧も同時に発生することができる。
【0312】なお、ソースドライバIC14、ゲートド
ライバIC12、1チップドライバIC14aはシリコ
ンなどの半導体ウェハで作製し、表示パネル82に実装
するとしたがこれに限定するものではなく、低温ポリシ
リコン技術、高温ポリシリコン技術により表示パネル8
2に直接形成してもよいことは言うまでもない。
【0313】図28では、ソースドライバIC14の両
端にゲートドライバIC12a、15bを実装する(あ
るいは形成する)としたがこれに限定するのもではな
い。たとえば、図26に示すように、ソースドライバI
C14に隣接した一方の側に1つのゲートドライバIC
12を配置してもよい。なお、図26などにおいて太い
実線で図示した箇所はゲート信号線17が並列して形成
した箇所を示している。したがって、bの部分(画面下
部)は走査信号線の本数分のゲート信号線17が並列し
て形成され、aの部分(画面上部)はゲート信号線17
が1本形成されている。
【0314】なお、図28のように2つのゲートドライ
バ12a、12bを使用すると図28のC辺に並列して
形成するゲート信号線17aの本数が走査線数の1/2
となる(画面の左右にゲート信号線数の1/2づつ配置
できるからである)。したがって、額縁が画面の左右で
均等になるという特徴があることは言うまでもない。
【0315】本発明はゲート信号線17の走査方向と、
画面分割にも特徴がある。たとえば、図28ではゲート
ドライバ12aが画面上部のゲート信号線17bと接続
されている。また、ゲートドライバ12bが画面下部の
ゲート信号線17aと接続されている。ゲート信号線1
7の走査方向も矢印Aで示すように画面の上部から下部
の方向である。なお、ソース信号線18は画面上部と画
面下部で共通である。
【0316】図29ではゲートドライバ12aが画面上
部の隣接したゲート信号線17と異なるように接続され
ている。ゲートドライバ12aは奇数番目のゲート信号
線bと接続されている。また、ゲートドライバ12bは
偶数番目のゲート信号線17aと接続されている。ゲー
ト信号線の走査方向は、ゲート信号線17bは画面上部
から下部の方向である(矢印A)。ゲート信号線17a
は画面下部から上部の方向である(矢印B)。このよう
にゲート信号線17をゲートドライバIC12と接続す
ることにより、また、ゲート信号線の走査方法を所定の
方向とすることにより、画面21に輝度傾斜が発生せ
ず、フリッカの発生も抑制することができる。
【0317】なお、ソース信号線18は画面上部と画面
下部で共通である。ただし、画面の上下で分割してもよ
いことは言うまでもない。以上の事項は他の実施例にも
適用される。
【0318】図30ではゲートドライバ12aが画面上
部のゲート信号線17bと接続されている。また、ゲー
トドライバ12bが画面下部のゲート信号線17aと接
続されている。ゲート信号線17bの走査方向は矢印A
で示すように画面の上部から下部の方向である。ゲート
信号線17aの走査方向は矢印Bで示すように画面の下
部から上部の方向である。なお、ソース信号線18は画
面上部と画面下部で共通である。このようにゲート信号
線17をゲートドライバIC12と接続することによ
り、また、ゲート信号線の走査方法を所定の方向とする
ことにより、画面21に輝度傾斜が発生せず、フリッカ
の発生も抑制することができる。
【0319】また、図30では、ソースドライバIC1
4とゲートドライバIC12とを1チップ化(1チップ
ドライバIC14a)している。1チップ化すれば、表
示パネル82へのICチップの実装が1個で済む。した
がって、実装コストも低減できる。また、1チップドラ
イバIC内で使用する各種電圧も同時に発生することが
できる。1チップドライバIC14aはシリコンなどの
半導体ウェハで作製し、表示パネル82に実装するとし
たがこれに限定するものではなく、低温ポリシリコン技
術、高温ポリシリコン技術により表示パネル82に直接
形成してもよいことは言うまでもない。また、画面の上
部を駆動するドライバICを表示画面の上辺に配置し、
画面の下部を駆動するドライバICを表示画面の下辺に
配置してもよいことは言うまでもない(つまり、実装I
Cは2チップとなる)。以上の事項は他の本発明の実施
例にも適用される。
【0320】図28および図30では画面を中央部で分
割するように表現したが、これに限定するものではな
い。たとえば、図28の場合は、表示画面21aを小さ
くし、表示画面21bを大きくしてよい。表示画面21
aをパーシャル表示領域とする(図110参照)。パー
シャル表示領域は主として時刻表示や日付表示を行う。
また、パーシャル表示領域は低消費電力モードで使用す
る。図28および図30ではゲート信号線17bで表示
領域21aを表示し、ゲート信号線17aで表示領域2
1bを表示する。
【0321】また、図110などでは、図111で図示
するように、表示領域21aを3辺フリーの構成とし、
表示領域21bを従来のソースドライバ14とゲートド
ライバ12とを別個の辺に配置する構成としてもよい。
つまり、ゲート信号線17aとソース信号線18aは1
チップドライバIC14aから出力する。
【0322】また、図114に図示するように表示領域
21を21aと21bの2つの領域に分割し、それぞれ
の領域に対応するソースドライバIC14、ゲートドラ
イバ12を配置してもよい。図114では各ソースドラ
イバ14から出力する映像信号の書き込み時間が他の実
施例と比較して2倍になるので、十分に画素に信号を書
き込むことができる。また、図113に図示するように
表示領域21は1つにして画面の上下に各1つのソース
ドライバIC14を配置してもよい。このことは、ゲー
トドライバIC12に対しても同様に適用できる。
【0323】なお、以上の実施例はゲート信号線17を
平行に形成し、画素領域まで配線する構成であったが、
これに限定するものではなく、図112に図示するよう
にソース信号線18を1辺に平行に配線するように構成
してもよいことは言うまでもない。
【0324】図110、図111、図114などにおい
て、表示領域21aと21bでフレームレート(駆動周
波数または単位時間(1秒間)あたりの画面書き換え回
数)を変化させたりすることも低消費電力化に有効な手
段である。また、表示領域21aと21bで表示色数ま
たは表示色を変化させるのも低消費電力化に有効であ
る。
【0325】図1で図示した構成ではEL素子15のカ
ソードはVs1電位に接続されている。しかし、各色を
構成する有機ELの駆動電圧が異なるという問題があ
る。たとえば、単位平方センチメートルあたり0.01
(A)の電流を流した場合、青(B)ではEL素子の端
子電圧は5(V)であるが、緑(G)および赤(R)で
は9(V)である。つまり、端子電圧が、BとG、Rで
異なる。したがって、BとG、Rでは保持するトランジ
スタ11c11dのソース−ドレイン電圧(SD電圧)
が異なる。そのため、各色でトランジスタのソース−ド
レイン電圧(SD電圧)間オフリーク電流が異なること
になる。オフリーク電流が発生し、かつオフリーク特性
が各色で異なると、色バランスのずれた状態でフリッカ
が発生する、発光色に相関してガンマ特性がずれるとい
う複雑な表示状態をなる。
【0326】この課題に対応するため、本発明では図5
に図示するように、少なくともR、G、B色のうち、1
つのカソード電極の電位を他色のカソード電極の電位と
異ならせるように構成している。具体的には図5では、
Bをカソード電極53aとし、GとRをカソード電極5
3bとしている。なお、図5はガラス面から光を取り出
す下取り出しを想定しているが、上取り出しの場合もあ
る。この場合はカソードとアノードは逆転した構成にな
る場合がある。
【0327】R、G、BのEL素子15の端子電圧は極
力一致させることが好ましいことは言うまでもない。少
なくとも、白ピーク輝度を表示しており、色温度が60
00K以上9000K以下の範囲で、R、G、BのEL
素子の端子電圧は10(V)以下となるように材料ある
いは構造選定をする必要がある。また、R、G、Bのの
うち、EL素子の最大の端子電圧と最小の端子電圧との
差は、2.5(V)以内にする必要がある。さらに好ま
しくは1.5(V)以下にする必要がある。なお、以上
の実施例では、色はRGBとしたがこれに限定するもの
ではない。このことは後に説明する。
【0328】また、色ムラの補正も必要である。これ
は、各色のEL材料を塗り分けるため、膜厚のバラツ
キ、特性のバラツキによって発生する。これを補正する
ため、30%70%の輝度で白ラスター表示を行い、表
示領域21内の各色の面内分布を測定する。面内分布は
少なくとも30画素に1ポイントずつは測定する。この
測定データをメモリからなるテーブルに保存し、この保
存されたデータを使用して、入力画像データを補正して
表示画面21に表示するように構成する。
【0329】なお、画素は、R、G、Bの3原色とした
がこれに限定するものではなく、シアン、イエロー、マ
ゼンダの3色でもよい。また、Bとイエローの2色でも
よい。もちろん、単色でもよい。また、R、G、B、シ
アン、イエロー、マゼンダの6色でもよい。R、G、
B、シアン、マゼンダの5色でもよい。これらはナチュ
ラルカラーとして色再現範囲が拡大し良好な表示を実現
できる。その他、R、G、B、白の4色でもよい。R、
G、B、シアン、イエロー、マゼンダ、黒、白の7色で
もよいまた、白色発光の画素を表示領域21全体に形成
(作製)し、RGBなどのカラーフィルタで3原色表示
としてもよい。この場合は、EL層に各色の発光材料を
積層して形成すればよい。また、1画素をBとイエロー
のように塗り分けても良い。以上のように本発明のEL
表示装置は、RGBの3原色でカラー表示を行うものに
限定されるものではない。
【0330】有機EL表示パネルのカラー化には主に三
つの方式があり,色変換方式はこのうちの一つである。
発光層として青色のみの単層を形成すればよく,フルカ
ラー化に必要な残りの緑色と赤色は,青色光から色変換
によって作り出す。したがって、RGBの各層を塗り分
ける必要がない、RGBの各色の有機EL材料をそろえ
る必要がないという利点がある。色変換方式は、塗り分
け方式のようは歩留まり低下がない。本発明のEL表示
パネルなどはこのいずれの方式でも適用される。
【0331】また、図168に図示するように、3原色
の他に、白色発光の画素16Wを形成してもよい。白色
発光の画素16Wは、R,G,B発光の構造を積層する
ことのより作製(形成または構成)することにより実現
できる。1組の画素は、RGBの3原色と、白色発光の
画素16Wからなる。白色発光の画素を形成することに
より、白色のピーク輝度が表現しやすくなる。したがっ
て、輝き感のある画像表示実現できる。
【0332】RGBなどの3原色を1組の画素をする場
合であっても、図169に図示するように、各色の画素
電極の面積は異ならせることが好ましい。もちろん、各
色の発光効率がバランスよく、色純度もバランスがよけ
れば、同一面積でもかまわない。しかし、1つまたは複
数の色のバランスが悪ければ、画素電極(発光面積)を
調整することが好ましい。各色の電極面積は電流密度を
基準に決定すればよい。つまり、色温度が6000K
(ケルビン)以上9000K以下の範囲で、ホワイトバ
ランスを調整した時、各色の電流密度の差が±30%以
内となるようにする。さらに好ましくは±15%以内と
なるようにする。たとえば、電流密度が100A/平方
メーターをすれば、3原色がいずれも70A/平方メー
ター以上130A/平方メーター以下となるようにす
る。さらに好ましくは、3原色がいずれも85A/平方
メーター以上115A/平方メーター以下となるように
する。
【0333】また、図170に図示するように、隣接し
た画素行で、3原色の配置が異なるように配置すること
が好ましい。たとえば、偶数行目が、左からR、G、B
の配置であれば、奇数行目はB、G、Rの配置とする。
このように配置することにより、少ない画素数でも、画
像の斜め方向の解像度が改善される。さらに、1行目を
左からR、G、B、R、G、Bの配置とし、2行目を
G、B、R、G、B、Rの配置とし、3行目をB、R、
G、B、R、Gの配置とするように、3画素行以上で、
画素配置を異ならせてもよい。
【0334】カソード電極53aは、各色の有機ELを
塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。メタル
マスクを用いるのは、有機ELが水に弱くエッチングな
どを行うことができないからである。メタルマスク(図
示せず)を用いて、カソード電極53aを蒸着し、同時
にコンタクトホール52aで接続を取る。コンタクトホ
ール52aによりBカソード配線51aと電気的接続を
取ることができる。
【0335】カソード電極53bも同様に、各色の有機
ELを塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。
メタルマスク(図示せず)を用いて、カソード電極53
bを蒸着し、同時にコンタクトホール52bで接続を取
る。コンタクトホール52bによりRGカソード配線5
1bと電気的接続を取ることができる。なお、カソード
電極のアルミ膜厚は70nm以上200nm以下となる
ように形成するとよい。
【0336】以上の構成により、カソード電極51aと
51bには異なる電圧を印加することができるから、図
1のVdd電圧が各色共通であっても、RGBのうち、
少なくとも1色のELに印加する電圧を変化させること
ができる。なお、図5ではRGでは同一のカソード電極
53bとしたがこれに限定するものではなく、RとGで
異なるカソード電極となるように構成してもよい。
【0337】以上のように構成することにより、各色で
トランジスタのソース−ドレイン電圧(SD電圧)間の
オフリーク電流が発生、キンク現象を防止することがで
きる。したがって、フリッカが発生なく、発光色に相関
してガンマ特性がずれるということもなく、良好な画像
表示を実現できる。
【0338】また、図1のVs1をカソード電圧とし、
このカソード電圧を各色で異なるようにするとしたがこ
れに限定するものではなく、アノード電圧Vddを各色
で異なるように構成してもよいことは言うまでもない。
たとえば、Rの画素のVddを電圧8(V)にし、Gを
6(V)、Bを10(V)とする構成である。これらの
アノード電圧、カソード電圧は±1(V)の範囲で調整
できるように構成することが好ましい。
【0339】パネルサイズが2インチ程度であっても、
Vddと接続されるアノードからは100mA近く電流
が出力される。そのため、アノード配線20(電流供給
線)の低抵抗化は必須である。この課題に対応するた
め、本発明では図6で図示するようにアノード63配線
を表示領域の上側と下側から供給している(両端給
電)。以上のように両端給電することにより画面の上下
での輝度傾斜の発生がなくなる。
【0340】発光輝度を高めるためには画素48を粗面
化するとよい。この構成を図7に示す。まず、画素電極
48を形成する箇所にスタンパ技術を用いて微細な凹凸
を形成する。画素が反射型の場合は、スパッタリング法
で約200nmのアルミニウムの金属薄膜を形成して画
素電極48を形成する。画素電極48が有機ELと接す
る箇所には凸部が設けられ、粗面化される。なお、単純
マトリックス型表示パネルの場合は、画像電極48はス
トライプ状電極状とする。また、凸部は凸状だけに限定
するものではなく、凹状でもよい。また、凹と凸とを同
時に形成してもよい。
【0341】突起の大きさは直径4μm程度にして隣接
間距離の平均値を10μm、20μm、40μmにし
て、それぞれ突起の単位面積密度を1000から120
0個/平方ミリメートル、100から120個/mm
2、600から800個/平方ミリメートルとして輝度
測定を行った。すると、突起の単位面積密度が大きくな
るほど発光輝度が強くなることがわかった。したがっ
て、画素電極48上の突起の単位面積密度を変えること
で、画素電極の表面状態を変えて発光輝度を調整できる
ことがわかった。検討によれば、突起の単位面積密度を
800個/平方ミリメートル以下100個/平方ミリメ
ートル以下で良好な結果を得ることができた。
【0342】有機ELは自己発光素子である。この発光
による光がスイッチング素子としてのTFTに入射する
とホトコンダクタ現象(ホトコン)が発生する。ホトコ
ンとは、光励起によりTFTなどのスイッチング素子の
オフ時でのリーク(オフリーク)が増える現象を言う。
【0343】この課題に対処するため、本発明では図9
に示すようにゲートドライバ12(場合によってはソー
スドライバ14)の下層、画素トランジスタ11の下層
の遮光膜91を形成している。遮光膜91はクロムなど
の金属薄膜で形成し、その膜厚は50nm以上150n
m以下にする。膜厚が薄いと遮光効果が乏しく、厚いと
凹凸が発生して上層のTFT11A1のパターニングが
困難になる。
【0344】遮光膜91上に20以上100nm以下の
無機材料からなる平滑化膜71aを形成する。この遮光
膜91のレイヤーを用いて蓄積容量19の一方の電極を
形成してもよい。この場合、平滑膜71aは極力薄く作
り蓄積容量の容量値を大きくすることが好ましい。また
遮光膜91をアルミで形成し、陽極酸化技術を用いて酸
化シリコン膜を遮光膜91の表面に形成し、この酸化シ
リコン膜を蓄積容量19の誘電体膜として用いてもよ
い。平滑化膜71b上にはハイアパーチャ(HA)構造
の画素電極が形成される。
【0345】ドライバ回路12などは裏面だけでなく、
表面からの光の進入も抑制するべきである。ホトコンの
影響により誤動作するからである。したがって、本発明
では、カソード電極が金属膜の場合は、ドライバ12な
どの表面にもカソード電極を形成し、この電極を遮光膜
として用いている。
【0346】しかし、ドライバ12の上にカソード電極
を形成すると、このカソード電極からの電界によるドラ
イバの誤動作あるいはカソード電極とドライバ回路の電
気的接触が発生する可能性がある。この課題に対処する
ため、本発明ではドライバ回路12などの上に少なくと
も1層、好ましくは複数層の有機EL膜を画素電極上の
有機EL膜形成と同時に形成する。
【0347】基本的に有機EL膜は絶縁物であるから、
ドライバ上に有機EL膜を形成することにより、カソー
ドとドライバ間が隔離される。したがって、前述の課題
を解消することができる。
【0348】画素の1つ以上のTFT11の端子間ある
いはTFT11と信号線とが短絡すると、EL素子15
が常時、点灯する輝点となる場合がある。この輝点は視
覚的にめだつので黒点化(非点灯)する必要がある。輝
点に対しては、該当画素16を検出し、コンデンサ19
にレーザー光を照射してコンデンサの端子間を短絡させ
る。したがって、コンデンサ19には電荷を保持できな
くなるので、TFT11aは電流を流さなくすることが
できる。
【0349】なお、レーザー光を照射する位置にあた
る。カソード膜を除去しておくことが望ましい。レーザ
ー照射により、コンデンサ19の端子電極とカソード膜
とがショートすることを防止するためである。
【0350】画素16のTFT11の欠陥は、ドライバ
IC14などにも影響を与える。例えば、図392では
駆動TFT11aにソース−ドレイン(SD)ショート
が発生していると、パネルのVdd電圧がIC14に印
加される。したがって、IC14の電源電圧は、パネル
の電源電圧Vddと同一かもしくは高くしておくことが
好ましい。
【0351】もし、IC14の電源電圧より高い電圧が
ICに印加されるとIC14を破壊する。したがって、
パネルの画素16の点欠陥検査は重要である。
【0352】図393は画素の点欠陥検査の方法の説明
図である。なお、図393では、画素電極16はグラン
トにショートしたように図示しているがこれに限定する
ものではない。説明を容易にするためである。複数の画
素16がマトリックス状に形成されたアレイは複数のゲ
ート信号線17bがショートリング3931でショート
状態に形成されている。ゲート信号線17a個別に分離
されている。
【0353】また、ゲート信号線17aの一端に形成
(配置)された端子電極3933にはプローブ3935
がプロービィングされている。ゲート信号線17bの一
端に形成(配置)された端子電極3932にはプローブ
3934がプロービィングされている。プローブ393
4、3935は全ゲート信号線17a、ソース信号線1
8に行うことが望ましい。しかし、できない場合は、部
分プロービィングでもよい。
【0354】ショートリング3931には絶えず、オフ
電圧を印加する。したがって、画素16のTFT11d
は絶えずオフ状態である。そのため、EL膜47が画素
電極48の上に形成されていてもEL素子15に流れる
電流パスはない。もちろん、EL膜47が形成されてい
ない場合は、画素電極からカソードへの電流経路はな
い。
【0355】画素の検査は、1画素行ずつ実施する。ま
ず、プローブ3935aから端子電極3933aにオン
電圧を印加する。すると、1画素行目の画素のTFT1
1b、11cがオン状態となり、駆動TFT11aのゲ
ート(G)端子(G)への電流パスが形成される。他の
画素行の端子電極(3933b、3933c)にはオフ
電圧を印加する。
【0356】この状態で、プローブ3934を介して、
端子電極3932にVdd電圧(もしくは、その近傍)
を印加する。次に、プローブ3934を介して、端子電
極3932の電位を低下させ、TFT11aが正常であ
れば、わずかな電流が流れるか、全く流さないレベルの
電圧を各ソース信号線18に印加する。この状態では、
端子電極3932には電流は流れ込んでこない。したが
って、1画素行目はすべて画素が正常であることが検出
できる。
【0357】次に、プローブ3935bから端子電極3
933bにオン電圧を印加する。すると、2画素行目の
画素のTFT11b、11cがオン状態となり、駆動T
FT11aのゲート(G)端子(G)への電流パスが形
成される。他の画素行の端子電極(3933a、393
3c)にはオフ電圧を印加する。
【0358】この状態で、プローブ3934を介して、
端子電極3932にVdd電圧(もしくは、その近傍)
を印加する。次に、先と同様にプローブ3934を介し
て、端子電極3932の電位を低下させ、TFT11a
が正常であれば、わずかな電流が流れるか、全く流さな
いレベルの電圧を各ソース信号線18に印加する。しか
し、画素16kにはTFT11aにSDショートが発生
しているため、Vdd電圧から端子電極3932bに流
れる電流パスIwが発生する。したがって、画素16k
に欠陥が発生していることを検出できる。以上の動作を
1画素行ずつ実施することにより画素の欠陥検査を行う
ことができる。
【0359】なお、複数のゲート信号線17aを第1の
ショートリング3931でショート状態に形成し、複数
ゲート信号線17bを第2のショートリング3931で
ショート状態に形成してもよい。この場合は第2のショ
ートリング3931には絶えず、オフ電圧を印加し、第
1のショートリング3931にまず、オン電圧を印加し
て、各画素にVdd(つまり、駆動TFT11aが電流
を流さない電圧)を書き込んだ後、ソース信号線18の
電位を低電位とし、各ソース信号線18に流れる電流の
有無を測定すればよい。
【0360】また、図393などにおいて、プローブ3
935、3932などを端子電極3933、3934に
接触させるとしたが、これはプローブに限定するもので
はない。たとえば、金バンプが形成されたフレキシブル
基板などでもよい。金バンプを端子電極に接触させるこ
とのより電気的接触(接続)をとる。もちろん、電磁的
あるいは静電気的に接触をとってもよい。その他、端子
電極などから放出される電子を検出する電子検出方式を
用いても良い。また、端子に発光LEDなどの発光素子
を形成または接続しておき、この発光LEDの発光の有
無から欠陥を検出する方式でもよい。つまり、プロービ
ィングするとは、信号線あるいは端子電極に流れる電流
あるいは電圧などを検出できるものであれば何でもよ
い。
【0361】その他、複数の端子電極をショートリング
でショートしておき、このショート箇所に電流などの検
出手段を接続しておく。次にレーザーなどを用いて、シ
ョートリングから切り離すことにより検査を行っていっ
てもよい。このような検査方式も本発明の検査における
プロービィングの範疇である。
【0362】TFT11aにSDショートが発生してい
ると、EL素子15に過大な電流が流れる。つまり、E
L素子15が常時点灯状態(輝点)となる。輝点は欠陥
として目立ちやすい。たとえば、図394において、T
FT11aのソース−ドレイン(SD)ショートが発生
していると、TFT11aのゲート(G)端子電位の大
小に関わらず、Vdd電圧からEL素子15に電流が常
時流れる(TFT11dがオンの時)。したがって、輝
点となる。
【0363】一方、TFT11aにSDショートが発生
していると、TFT11cがオン状態の時、Vdd電圧
がソース信号線18に印加されソースドライバ14にV
dd電圧が印加される。もし、ソースドライバ14の電
源電圧がVdd以下であれば、耐圧を越えて、ソースド
ライバ14が破壊される恐れがある。そのため、ソース
ドライバ14の電源電圧はVdd電圧(パネルの高い方
の電圧)以上にすることが好ましい。
【0364】TFT11aのSDショートなどは、点欠
陥にとどまらず、パネルのソースドライバ回路を破壊に
つながる恐れがあり、また、輝点は目立つためパネルと
しては不良となる。したがって、図394の切断箇所3
941で配線を切断し、輝点を黒点欠陥にする必要があ
る。この切断には、レーザー光などの光学手段を用いて
切断することがよい。なお、光学手段とはレーザーに限
定されるものではなく、キセノンランプなどから発生す
る光を集光し、この集光した光で切断箇所3941の配
線を切断する方式でもよい。また、切断箇所3941に
サンドブラスト方式で切断(微粒子の砂を吹き付け、切
断する)する方法を採用してもよい。つまり、切断手段
としては何を用いても良い。しかし、レーザーなどの光
学手段を用いる方法は切断箇所3941に非接触で加工
を行うことができ好ましい。
【0365】なお、レーザー光3952は連続方式のも
のよりは、Qスイッチを用いたパルス発振のものを採用
することが好ましい。また、切断箇所には複数のレーザ
ーパルスが照射されるようにする。そして、レーザーの
パルス間隔は0.1msec以上100msec以下に
することが好ましい。特に1msec以上10msec
以下にすることが好ましい。この間隔では、先に照射し
たレーザー光による加工箇所の溶融状態が継続してお
り、良好な切断あるいは加工が実施できるからである。
また、レーザー光の波長は1μm前後が好ましい。この
波長のレーザーとしてはYAGレーザーが例示される。
もちろん、他のレーザーでもよい。たとえば、炭酸ガス
レーザー、エキシマレーザー、ネオンヘリウムレーザー
などが例示される。
【0366】図395はレーザー照射装置3951が発
生するレーザー光3952を切断箇所3941に照射す
ることにより切断する方法である。しかし、レーザー光
3952の照射によりカソードを構成する金属膜46が
大きく破れる。あるいは、TFT11aのドレイン
(D)端子とカソード電極46とが接触したいする可能
性がある。この問題に対処するため、本発明では、切断
箇所3941に対応する箇所のカソード膜46に開口部
3953を形成している(図396参照)。この開口部
3953の下層に切断箇所3941が位置する。したが
って、しかし、レーザー光3952を照射しても、照射
箇所にはカソード膜49が形成されていない。そのた
め、レーザー光3952の照射強度が強くても、また、
ドレイン(D)端子が膜はがれを引き起こしても、カソ
ード膜49とショートすることはない。なお、図396
では各画素16に対して開口部3953は1箇所とした
がこれに限定するものではなく、他のTFT(たとえ
ば、TFT11b、TFT11c、TFT11dなど)
あいるはTFT11aの他の切断箇所を切断する必要が
ある時は、切断位置に応じて開口部3953を形成すれ
ばよい。なお、レーザー光3952はTFT素子11が
形成された透明基板49側から照射する(逆に、カソー
ド49側からレーザー光3952を照射する場合は、カ
ソード49は金属膜で形成されているため、まず、金属
膜であるカソード電極49を加工する必要がある。しか
し、本発明のように、開口部3953が形成されている
場合は、この開口部3953よりレーザー光3952を
照射することができるから、カソード49側からレーザ
ー光3953を照射することもできる)。
【0367】なお、以上の実施例はTFT11の端子な
どを切断する実施例である。しかし、切断箇所はこの場
合に限定されるものではない。たとえば、画素電極とソ
ース信号線が接続されている場合にも接続箇所を切断す
る必要がある。この場合でも、切断が予測(想定)され
る箇所のカソード膜49を除去し、開口部3953を形
成しておくことが好ましい。また、以上の実施例では、
カソード膜49に開口部3953を形成するとしたが、
これに限定するものではない。例えば、EL素子の構成
上、アノード膜に開口部3953を形成する場合もあ
る。つまり、本発明は、レーザー光などが照射される部
分に位置する電極膜を取り除くことが本発明の技術的範
疇である。
【0368】図394などの実施例ではTFT11の端
子などを切断して、欠陥を修正(輝点と黒点とする場合
など)する方法であった。しかし、黒点とする方法はこ
れに限定するものではない。たとえば、図397に図示
するように、EL素子15(実際にはEL膜というべき
であろう)をショートしても黒点(非点灯)状態にする
ことができる。つまり、画素電極とカソード電極とをシ
ョートさせるのである。
【0369】この場合はショートを目的とするから、図
398に図示するように、カソード膜46側からレーザ
ー光3952を照射し、カソード膜46と画素電極48
とをショートさせる。もちろん、画素電極48側からカ
ソード膜46の方向にレーザー3952を照射してショ
ートさせてもよい。しかし、画素電極48がITO(I
ZO)などの透明電極で形成されている場合は、画素電
極48とカソード電極46とのショートが良好におこな
いにくい。画素電極48がAlなどの金属材料で形成さ
れている場合は、画素電極48とカソード電極46との
ショートが良好に行われる。つまり、レーザーの照射方
向は、ショートする箇所の金属材料側から照射するとよ
い。もちろん、金属膜と画素電極とを短絡されるのであ
るから、レーザー光3952の強度は多少強くともよ
い。
【0370】なお、以上の実施例はカソードなどの金属
膜と画素電極とを短絡させるとしたが、黒表示するため
にはこれに限定されるものではない。たとえば、図1で
もわかるように、TFT11aの電源Vddが、TFT
11aのゲート(G)端子に常時印加されるように修正
してもよい。たとえば、コンデンサ19の2つの電極間
をショートさせれば、Vdd電圧がTFT11aのゲー
ト(G)端子に印加されるようになる。したがって、T
FT11aは完全にオフ状態になり、EL素子15に電
流を流さなくすることができる。これば、コンデンサ1
9にレーザー光3952を照射することによりコンデン
サ電極をショートできるから、容易に実現できる。ま
た、実際には、画素電極の下層にVdd配線が配置され
ているから、Vdd配線と画素電極とにレーザー光39
52を照射することにより、画素の表示状態を制御(修
正)することができる。
【0371】その他、TFT11aのSD間(チャンネ
ル)をオープンにすることでも実現できる。簡単にはT
FT11aにレーザー光3952を照射し、TFT11
aのチャンネルをオープンにする。同様に、TFT11
dのチャンネルをオープンにしてもよい。もちろん、T
FT11bのチャンネルをオープンしても該当画素16
が選択されないから、黒表示となる。
【0372】画素16を黒表示するためには、EL素子
15を劣化させてもよい。たとえば、図399に図示す
るように、レーザー光3952をEL層47に照射し、
EL層47を物理的にあるいは化学的に劣化させ、発光
しないようにする(常時黒表示)。レーザー光3952
の照射によりEL層47を加熱し、容易に劣化させるこ
とができる。また、エキシマレーザーを用いれば、EL
膜47の化学的変化を容易に行うことができる。
【0373】なお、以上の実施例は、図1に図示した画
素構成を例示したが、本発明はこれに限定するものでは
ない。レーザー光3952を用いて配線あるいは電極を
オープンあるいはショートさせることは、図21などの
カレントミラーの画素構成であっても適用できることは
言うまでもない。また、図54、図67、図68、図1
03などの電圧駆動の画素構成にも適用できることは言
うまでもない。
【0374】レーザーの使用方法としては、切断箇所の
切断あるいは金属膜などのショートに限定することに限
定されるものではない。たとえば、有機EL表示装置の
EL膜は水分に弱い。そのため、図398に図示するよ
うに基板49に封止ふた41を取り付け、外部からの水
分の浸入と防止(抑制)する。しかし、封止ふた41だ
けでは水分を抑制することが完全ではない。そのため、
封止ふた41と基板49間に乾燥剤(水分吸収剤)をい
れておく。この乾燥剤で外部から侵入した水分を吸着
し、また、内部の水分を吸収する。
【0375】レーザーを用いれば、基板49と封止ふた
41間に配置された水分吸収剤と容易に過熱することが
できる。つまり、封止後であっても、水分吸収剤をレー
ザーで過熱し、より水分を吸収しやすい状態にすること
ができる。もちろん、封止前(封止ふた41と基板49
とを貼り合わせる前)に水分吸収剤を過熱して、水分吸
収剤をより水分を吸収しやすい状態にしてから、封止す
ることができる。
【0376】その他、レーザーは封止ふた41と基板4
9とを貼り合わせる光硬化樹脂に照射することにより貼
りあわせを容易にできるようにすることもできる。つま
り、封止ふた41と基板49とを貼り合わせる箇所に光
硬化樹脂を塗布した後、封止ふた41と基板49とを貼
り合わせる。この光硬化樹脂にレーザー光3952を照
射することにより、光硬化樹脂を硬化させる。
【0377】また、図175に図示する構造も例示され
る。図175は光をガラス基板49側から取り出す下取
り出し構造の例である。図175においても、ゲートド
ライバ12(場合によってはソースドライバ14)の下
層、画素トランジスタ11の下層の遮光膜を形成してい
る。遮光膜はクロムなどの金属薄膜で形成し、その膜厚
は50nm以上150nm以下にする。膜厚が薄いと遮
光効果が乏しく、厚いと凹凸が発生して上層のTFT1
1A1のパターニングが困難になる。
【0378】遮光膜上に、TFT11、ドライバ回路1
2(14)を形成する。ドライバ回路12(14)など
は裏面だけでなく、表面からの光の進入も抑制するべき
である。ホトコンの影響により誤動作するからである。
したがって、本発明では、カソード電極46を遮光膜と
して用いている。
【0379】しかし、ドライバ12(14)の上にカソ
ード電極を形成すると、このカソード電極からの電界に
よるドライバの誤動作あるいはカソード電極とドライバ
回路の電気的接触が発生する可能性がある。この課題に
対処するため、本発明ではドライバ回路12などの上に
少なくとも1層、好ましくは複数層の有機EL膜を画素
電極上の有機EL膜形成と同時に形成する。
【0380】一方、カソード(もしくはアノード)電極
が透明電極の場合、画素電極を反射タイプとし共通電極
を透明電極(ITO,IZOなど)にする光上取り出し
の構造(ガラス基板49側から光を取り出すのは下取出
し、EL膜蒸着面から光を取り出すのが上取り出し)の
場合は、透明電極のシート抵抗値が問題となる。透明電
極は高抵抗であるが、有機ELのカソードには高い電流
密度で電流を流す必要がある。しがたって、ITO膜の
単層でカソード電極を形成すると発熱により加熱状態と
なったり、表示画面に極度の輝度傾斜が発生したりす
る。
【0381】この課題に対応するため、カソード電極の
表面に金属薄膜からなる低抵抗化配線92を形成してい
る。低抵抗化配線92は液晶表示パネルのブラックマト
リックス(BM)と同様の構成(クロムまたはアルミ材
料で50nm〜200nmの膜厚)で、かつ同様の位置
(画素電極間、ドライバ12の上など)である。しか
し、有機ELではBMを形成する必要はないから機能は
全く異なる。なお、低抵抗化配線92は透明電極72の
表面に限定するものではなく、裏面(有機EL膜と接す
る面)に形成してもよい。また、BM状に形成した金属
膜として、Mg・Ag、Mg・Li、Al・Liなどの
合金あるいは積層構造体など、アルミニウム、マグネシ
ウム、インジウム、銅または各々の合金等を用いてもよ
い。なお、BM上には腐食などを防止するため、さらに
ITO,IZO膜を積層し、また、SiNx、SiO2
などの無機薄膜、あるいはポリイミドなどの有機薄膜を
形成する。
【0382】また、EL膜の蒸着面から光を取り出す場
合(上取り出し)の場合は、有機EL膜47上のMg−
Al膜を形成し、その上にITO、IZO膜を形成する
ことが好ましい。また、有機EL膜47上のMg−Al
膜を形成し、その上にブラックマトリックス(液晶表示
パネルのようなブラックマトリックス)を形成すること
が好ましい。このブラックマトリックスはクロム、A
l、Ag、Au、Cuなどで形成し、この上に、SiO
2、SiNxなどの無機絶縁膜、ポリエステル、アクリ
ルなどの有機絶縁膜からなる保護膜を形成することが好
ましい。さらに、この保護膜上に、反射防止膜(AIR
コート)を形成する。
【0383】AIRコートは3層の構成あるいは2層構
成がある。3層構成の場合は酸化アルミニウム(Al2
O3)を光学的膜厚がnd=λ/4、ジルコニウム(Zr
O2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム(MgF
2)をnd1=λ/4積層して形成する。通常、λとし
て520nmもしくはその近傍の値として薄膜は形成さ
れる。
【0384】2層構成の場合は一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリウ
ム(Y2O3)とフッ化マグネシウム(MgF2)をnd1
=λ/4積層して形成する。
【0385】1層の場合は、フッ化マグネシウム(Mg
F2)をnd1=λ/2積層して形成する。
【0386】なお、下取り出しの場合であっても、カソ
ード電極46の金属膜の透過率を高くすることは効果が
ある。基板49側から表示画像を見る構成であっても、
金属膜46の透過率を高いため、写り込みが減少するか
らである。写り込みが減少すれば、円偏光板74は不要
となる。したがって、上取り出しよりも光取り出し効率
が向上する場合がある。金属膜46の透過率は、60%
以上90%以下にすることが好ましい。特に70%以上
90%以下にすることが好ましい。60%以下であると
カソード電極のシート抵抗値が低くなる。しかし、写り
込みが大きくなる。逆に90%以上ではカソード電極の
シート抵抗値が高くなる。したがって、表示画像の輝度
傾斜が大きくなる。
【0387】金属膜46の透過率を高くするにはAl膜
を薄く形成する。厚みは20nm以上100nm以下に
形成する。その上にITO、IZO膜を形成することが
好ましい。また、Al膜46上にブラックマトリックス
を形成することが好ましい。このブラックマトリックス
はクロム、Al、Ag、Au、Cuなどで形成し、この
上に、SiO2、SiNxなどの無機絶縁膜、ポリエス
テル、アクリルなどの有機絶縁膜からなる保護膜176
1を形成することが好ましい。さらに、この保護膜17
61上に、反射防止膜(AIRコート)を形成すること
が好ましい。
【0388】図176に図示するように、画素電極48
を円弧状にすることにより、EL膜47の発光面積が広
くなる。したがって、電流密度が小さくなり、EL素子
47の高寿命化を実現できる。また、EL素子15の端
子電圧も低下するので電力効率も向上する。
【0389】図176では平滑化膜71を円弧状に形成
し、この円弧状の平滑化膜にTFT11のドレイン
(D)端子とコンタクトをとるコンタクトホールを形成
する。このコンタクトホールでITOからなる透明電極
48とドレイン(D)端子とを電気的に接続する。
【0390】画素電極48上に50nm以上150nm
以下のカーボン膜を薄く蒸着し、この上にEL膜47を
形成する。EL膜47は単色の場合は全面に、RGBの
場合はメタルマスクを用いて塗り分ける(図177
(f)参照)。
【0391】EL膜47の形成後、カソード電極となる
Al膜46を形成する(図177(g))。さらに、A
l膜46上に保護膜1761を形成する(図177
(h))。
【0392】なお、EL膜47または画素電極48は、
円弧状に限定するものではなく、三角錐状、円錐状、サ
インカーブ状でもよく、また、これらを組み合わせた構
造でもよい。また、1画素に微細な円弧上、三角錐状、
円錐状、サインカーブ状が形成されたり、これらが組み
合わされたり、もしくは、ランダムな凹凸が形成された
構成であっても良い。また、図176では凸状の円弧状
であるが、凹状の円弧状であってもよい。以上の事項
は、三角錐状、円錐状、サインカーブ状でもよく、ま
た、これらを組み合わせた構造でも同様である。
【0393】図177は図176で説明したEL表示パ
ネルの製造方法の説明図である。図177(a)で図示
するようにアレイ基板49上にTFT11、ゲートドラ
イバ回路12などを形成する。
【0394】次に、図177(b)に図示するように基
板49上にアクリル樹脂などの有機材料からなる平滑化
膜71を塗布する。なお、平滑化膜71はSOGなどの
無機材料であってもよい。膜厚は1.5μm以上3μm
以下にすることが好ましい。次に前記平滑化膜71上に
マスク1771を形成する。マスク1771は金属材料
で形成し、形成位置は画素16に対応するようにする。
次にエッチングを行う。エッチングはウエットエッチン
グ、O2プラズマなどの乾式エッチングのいずれでもよ
い。マスク1771の間から、平滑化膜71がエッチン
グされる。したがって、図1771(c)に図示するよ
うに、平滑化膜71は円弧状となる。
【0395】さらに、図177(d)に図示するよう
に、平滑化膜71にマスク(図示せず)を形成して、コ
ンタクトホール1772を形成する。もしくは、図17
7(b)のエッチング工程でコンタクトホール1772
も同時に形成する。
【0396】次に図177(e)に図示するように、I
TO、IZOなどの透明電極で画素電極48を形成す
る。画素電極48とTFT11とは、画素コンタクト部
1751で接続をとる。このコンタクトホールでITO
からなる透明電極48とドレイン(D)端子とを電気的
に接続する。
【0397】画素電極48上に50nm以上150nm
以下のカーボン膜を薄く蒸着し、この上にEL膜47を
形成する。EL膜47は単色の場合は全面に、RGBの
場合はメタルマスクを用いて塗り分ける(図177
(f)参照)。EL膜47の形成後、カソード電極とな
るAl膜46を形成する(図177(g))。さらに、
Al膜46上に保護膜1761を形成する(図177
(h))。
【0398】金属膜46の透過率を高くするにはAl膜
46を薄く形成する。厚みは20nm以上100nm以
下に形成する。その上にITO、IZO膜を形成するこ
とが好ましい。また、Al膜46上にブラックマトリッ
クスを形成することが好ましい。このブラックマトリッ
クスはクロム、Al、Ag、Au、Cuなどで形成し、
この上に、SiO2、SiNxなどの無機絶縁膜、ポリ
エステル、アクリルなどの有機絶縁膜からなる保護膜1
761を形成することが好ましい。さらに、この保護膜
1761上に、反射防止膜(AIRコート)を形成する
ことが好ましい。なお、保護膜1761の最小膜厚は1
μm以上にする。
【0399】保護膜1761は、フィルムを用いた保護
層であってもよい。たとえば、保護層としては電解コン
デンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カ
ーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。こ
のフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿)。このフ
ィルムを保護層1761して用いる。
【0400】保護層1761の膜厚はn・d(nは薄膜
の屈折率、複数の薄膜が積層されている場合はそれらの
屈折率を総合(各薄膜のn・dを計算)にして計算す
る。dは薄膜の膜厚、複数の薄膜が積層されている場合
はそれらの屈折率を総合して計算する。)が、EL素子
15の発光主波長λ以下となるようにするとよい。
【0401】図178はパネル化した構成図(断面図)
である。なお、他の図面でも同様であるが、本明細書に
おいて各図面は理解を容易にまたは/および作図を容易
にするため、省略または/および拡大縮小している。図
178の表示パネルの断面図においても平滑化膜71な
どを十分に厚く図示している。しかし、基板49も板厚
は、非常に薄く図示している。また、TFTなどは省略
して図示している。
【0402】図178において、封止板41と、基板4
9間にはスペーサ1781を配置し、保護膜1761ま
たは反射膜46もしくはEL膜47と封止板41とが直
接に接しないように構成されている。乾燥剤は表示領域
の周辺部に配置または充填されている。スペーサは円筒
状のものまたは球状のものを用いる。高さは、10μm
以上100μm以下にすることが好ましい。また、保護
膜1761を加工することによりスペーサとすることも
できる。つまり、保護膜1761の一部または全部を突
起状あるいは柱上あるいはストライプ状に加工あるいは
形成することのよりスペーサの機能を持たせる。なお、
スペーサ1781を乾燥剤とする構成も好ましい。
【0403】図21に示す画素はTFT11bとTFT
11aとがカレントミラーの関係である。このカレント
ミラーの関係の11bと11aとの特性(閾値Vt、S
値、モビリティμなど)が一致していなければならな
い。また、図1の画素においても、各TFTの特性が一
致していることが好ましいことは言うまでもない。
【0404】画素16のTFT11を構成する半導体膜
は、低温ポリシリコン技術において、レーザーアニ−ル
により形成するのが一般的である。このレーザーアニ−
ルの条件のバラツキがTFT11特性のバラツキとな
る。しかし、1画素16内のTFT11の特性が一致し
ていれば、図1、図21、図22、図43、図71など
の電流プログラムを行う方式では、所定の電流がEL素
子15に流れるように駆動することができる。この点
は、電圧プログラムにない利点である。
【0405】この課題に対して、本発明では図23に示
すように、アニ−ルの時のレーザー照射スポット23を
ソース信号線18に平行に照射する。また、1画素列に
一致するようにレーザー照射スポット23を移動させ
る。もちろん、1画素列に限定するものではなく、たと
えば、図23のRGBを1画素16という単位でレーザ
ーを照射してもよい(この場合は、3画素列ということ
になる)。
【0406】特に、画素はRGBの3画素で正方形の形
状となるように作製されている。したがって、R、G、
Bの各画素は縦長の画素形状となる。そのため、画素1
6内に形成されるTFT11の配置は、図23に図示す
るように縦方向に配置される(TFT11a,11
b)。したがって、レーザー照射スポット23を縦長に
してアニ−ルすることにより、1画素内ではTFT11
の特性バラツキが発生しないようにすることができる。
【0407】一般的にレーザー照射スポット23の長さ
は10インチというように固定値である。このレーザー
照射スポット23を移動させるのであるから、1つのレ
ーザー照射スポット23を移動できる範囲内におさまる
ようにパネルを配置する必要がある(つまり、パネルの
表示領域21の中央部でレーザー照射スポット23が重
ならないよういする)。
【0408】図24の構成では、レーザー照射スポット
23の長さの範囲内に3つのパネルが縦に配置されるよ
うに形成されている。レーザー照射スポット23を照射
するアニ−ル装置はガラス基板241の位置決めマーカ
242a,24abを認識してレーザー照射スポット2
3を移動させる。位置決めマーカ242の認識はパター
ン認識装置で行う。アニ−ル装置(図示せず)は位置決
めマーカ242を認識し、画素列の位置をわりだす。そ
して、ちょうど、画素列位置に重なるようにレーザー照
射スポット23を照射してアニ−ルを順次行う。
【0409】図23、図24で説明したレーザーアニ−
ル方法(ソース信号線18に平行にライン状のレーザー
スポットを照射する方式)は、有機EL表示パネルの電
流プログラム方式の時に特に採用することが好ましい。
なぜならば、ソース信号線に平行方向にTFT11の特
性が一致しているためである(縦方向に隣接した画素T
FTの特性が近似している)。そのため、電流駆動時に
ソース信号線の電圧レベルの変化が少なく、電流書き込
み不足が発生しにくい(たとえば、白ラスター表示であ
れば、隣接した各画素のTFT11aに流す電流はほぼ
同一のため、ソースドライバIC14から出力する電流
振幅の変化が少ない)。
【0410】また、図87、図88などで説明する複数
の画素行を同時書き込みする方式で均一が画像表示(主
としてTFT特性のばらつきに起因する表示ムラが発生
しにくいからである)を実現できる。図87などは複数
画素行同時に選択するから、隣接した画素のTFTが均
一であれば、縦方向のTFT特性ムラはドライバ回路1
4で吸収できる。
【0411】図1に示すように、ゲート信号線17aは
行選択期間に導通状態(ここでは図1のトランジスタ1
1がpチャネルトランジスタであるためローレベルで導
通となる)となり、ゲート信号線17bは非選択期間時
に導通状態とする。
【0412】ソース信号線の状態が階調0表示状態であ
ったときに、階調1に対する電流値を印加し、行選択期
間を75μ秒で動作させると、図55(a)に示すよう
にソース信号線18の寄生容量が増加するとEL素子1
5に出力される電流値が減少する。
【0413】図55(b)は(a)に比べ階調1に対す
る電流値を10倍流した場合であり、ソース信号線18
の寄生容量の増加に対しEL素子15に出力される電流
値の減少割合は小さくなる。
【0414】所定電流値に対し10%程度のばらつきは
人間の目にとって輝度の差として観測できないことか
ら、10%程度の低下を認めるとすると許容されるソー
ス容量は(a)では2pF以下、8(b)では25pF
以下である。
【0415】ソース信号線18の電流値変化に要する時
間tは浮遊容量の大きさをC、ソース信号線の電圧を
V、ソース信号線に流れる電流をIとするとt=C・V
/Iであるため電流値を10倍大きくできることは電流
値変化に要する時間が10分の1近くまで短くできる。
またはソース容量が10倍になっても所定の電流値に変
化できるということを示す。従って、短い水平走査期間
内に所定の電流値を書きこむためには電流値を増加させ
ることが有効である。
【0416】入力電流を10倍にすると出力電流も10
倍となり、ELの輝度が10倍となるため所定の輝度を
得るために、図1のトランジスタ17dの導通期間を従
来の10分の1とし、発光期間を10分の1とすること
で、所定輝度を表示するようにした。
【0417】つまり、ソース信号線18の寄生容量の充
放電を十分に行い、所定の電流値を画素16のTFT1
1aにプログラムを行うためには、ソースドライバ14
から比較的大きな電流を出力する必要がある。しかし、
このように大きな電流をソース信号線18に流すとこの
電流値が画素にプログラムされてしまい、所定の電流に
対し大きな電流がEL素子15に流れる。たとえば、1
0倍の電流でプログラムすれば、当然、10倍の電流が
EL素子15に流れ、EL素子15は10倍の輝度で発
光する。所定の発光輝度にするためには、EL素子15
に流れる時間を1/10にすればよい。このように駆動
することにより、ソース信号線18の寄生容量を十分に
充放電できるし、所定の発光輝度を得ることができる。
【0418】なお、10倍の電流値を画素のTFT11
a(正確にはコンデンサ19の端子電圧を設定してい
る)に書き込み、EL素子15のオン時間を1/10に
するとしたがこれは一例である。場合によっては、10
倍の電流値を画素のTFT11aに書き込み、EL素子
15のオン時間を1/5にしてもよい。逆に10倍の電
流値を画素のTFT11aに書き込み、EL素子15の
オン時間を2倍にする場合もあるであろう。本発明は、
画素への書き込み電流を所定値以外の値にし、EL素子
15に流れる電流を間欠状態にして駆動することに特徴
がある。本明細書では説明を容易にするため、N倍の電
流値を画素のTFT11に書き込み、EL素子15のオ
ン時間を1/N倍にするとして説明する。しかし、これ
に限定するものではなく、N1倍の電流値を画素のTF
T11に書き込み、EL素子15のオン時間を1/N2
倍(N1とN2とは異なる)でもよいことは言うまでも
ない。なお、間欠する間隔は等間隔に限定するものでは
ない。たとえば、ランダムでもよい(全体として、表示
期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となれば
よい)。また、RGBで異なっていてもよい。つまり、
白(ホワイト)バランスが最適になるように、R、G、
B表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)と
なるように調整(設定)すればよい。
【0419】また、説明を容易にするため、1/Nを1
F(1フィールドまたは1フレーム)を基準にしてこの
1Fを1/Nにするとして説明する。しかし、1画素行
が選択され、電流値がプログラムされる時間(通常、1
水平走査期間(1H))があるし、また、走査状態によ
っては誤差も生じる。したがって、以上の説明はあくま
でも説明を容易にするための便宜状の問題だけであり、
これに限定するものではない。
【0420】有機(無機)EL表示装置は、CRTのよ
うに電子銃で線表示の集合として画像を表示するディス
プレイとは表示方法が基本的に異なる点にも課題があ
る。つまり、EL表示装置では、1F(1フィールドあ
るいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電
流(電圧)を保持する。そのため、動画表示を行うと表
示画像の輪郭ぼけが発生するという課題が発生する。
【0421】本発明では、1F/Nの期間の間だけ、E
L素子15に電流をながし、他の期間(1F(N−1)
/N)は電流を流さない。この駆動方式を実施し画面の
一点を観測した場合を考える。この表示状態では1Fご
とに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示
される。つまり、画像データ表示状態が時間的に飛び飛
び表示(間欠表示)状態となる。動画データ表示を、こ
の間欠表示状態でみると画像の輪郭ぼけがなくなり良好
な表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表
示を実現することができる。また、間欠表示を実現する
が、回路のメインクロックは従来と変わらない。したが
って、回路の消費電力が増加することもない。
【0422】液晶表示パネルの場合は、光変調をする画
像データ(電圧)は液晶層に保持される。したがって、
黒挿入表示を実施しようとすると液晶層に印加している
データを書き換える必要がある。そのため、ソースドラ
イバIC14の動作クロックを高くし、画像データを黒
表示データとを交互にソース信号線18に印加する必要
がある。したがって、黒挿入(黒表示などの間欠表示)
を実現しょうとすると回路のメインクロックをあげる必
要がある。また、時間軸伸張を実施するための画像メモ
リも必要になる。
【0423】図1、図43、図44、図53、図54、
図67から図78などに示す本発明のEL表示パネルの
画素構成では、画像データはコンデンサ19に保持され
ている。このコンデンサ19の端子電圧に対応する電流
をEL素子15に流す。したがって、画像データは液晶
表示パネルのように光変調層に保持されているのではな
い。
【0424】本発明はスイッチングのTFT11d、あ
るいはTFT11eなどをオンオフさせるだけでEL素
子15に流す電流を制御する。つまり、EL素子15に
流れる電流Iwをオフしても、画像データはそのままコ
ンデンサ19の保持されている。したがって、次のタイ
ミングでスイッチング素子11dなどをオンさせ、EL
素子15に電流を流せば、その流れる電流は前に流れて
いた電流値と同一である。本発明では黒挿入(黒表示な
どの間欠表示)を実現しょうとすると際においても回路
のメインクロックをあげる必要がない。また、時間軸伸
張を実施する必要もないための画像メモリも不要であ
る。また、有機EL素子15は電流を印加してから発光
するまでの時間が短く高速応答である。そのため、動画
表示に適し、さらに間欠表示を実施することのより従来
のデータ保持型の表示パネル(液晶表示パネル、EL表
示パネルなど)の問題である動画表示の問題を解決でき
る。
【0425】たとえば、図33に示すようにゲート信号
線17bは従来導通期間が1F(電流プログラム時間を
0とした時、通常プログラム時間は1Hであり、EL表
示装置の画素行数は少なくとも100行以上であるの
で、1Fとしても誤差は1%以下である)とし、N=1
0とするとすれば、図55によると、最も変化に時間の
かかる階調0から階調1へもソース容量が20pF程度
であれば75μ秒程度で変化できる。これは、2型程度
のEL表示装置であればフレーム周波数が60Hzで駆
動できることを示している。
【0426】更に大型の表示装置でソース容量が大きく
なる場合はソース電流を10倍以上にしてやればよい。
一般にソース電流値をN倍にした場合、ゲート信号線1
7b(TFT11d)の導通期間を1F/Nとすればよ
い。これによりテレビ、モニター用の表示装置などにも
適用が可能である。
【0427】以下、図面を参照しながら、さらに詳しく
説明をする。まず、図1の寄生容量404は、ソース信
号線間の結合容量、ドライブIC14のバッファ出力容
量、ゲート信号線17とソース信号線18とのクロス容
量などにより発生する。この容量404は通常10pF
以上となる。電圧駆動の場合は、ドライバIV14から
は低インピーダンスで電圧がソース信号線18に印加さ
れるため、寄生容量が多少大きくとも駆動では問題とな
らない。
【0428】しかし、電流駆動では特に黒レベルの画像
表示では5nA以下の微小電流で画素のコンデンサ19
をプログラムする必要がある。したがって、寄生容量4
04が所定値以上の大きさで発生すると、1画素行にプ
ログラムする時間(通常、1H以内、ただし、2画素行
を同時に書き込む場合もあるので1H以内に限定される
ものではない。)内に寄生容量を充放電することができ
ない。1H期間で充放電できなれば、画素への書き込み
不足となり、解像度が全くでない。
【0429】図1の画素構成の場合、図13(a)に示
すように、電流プログラム時は、プログラム電流I1が
ソース信号線18に流れる。この電流I1がTFT11
aを流れ、I1を流す電流が保持されるように、コンデ
ンサ19のV1が設定(プログラム)される。このと
き、TFT11dはオープン状態(オフ状態)である。
【0430】次に、EL素子15に電流を流す期間は図
13(b)のようにTFT11が動作する。つまり、ゲ
ート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、T
FT11a,11cがオフする。一方、ゲート信号線1
7bにオン電圧(Vgl)が印加され、TFT11dが
オンする。
【0431】今、電流I1が本来流す電流(所定値)の
N倍であるとすると、図13(b)のEL素子15に流
れる電流もI1となる。したがって、所定値の10倍の
輝度でEL素子15は発光する。
【0432】そこで、TFT11dを本来オンする時間
(約1F)の1/Nの期間だけオンさせ、他の期間(N
−1)/N期間はオフさせれば、1F全体の平均輝度は
所定の輝度となる。この表示状態は、CRTが電子銃で
画面を走査しているのと近似する。異なる点は、画像を
表示している範囲が画面全体の1/N(全画面を1とす
る)が点灯している点である(CRTでは、点灯してい
る範囲は1画素行(厳密には1画素である)。
【0433】本発明では、この1/Nの画像表示領域が
図31(a1)に示すように画面21の上から下に移動
する。本発明では、1F/Nの期間の間だけ、EL素子
15に電流が流れ、他の期間(1F・(N−1)/N)
は電流を流れない。したがって、画像は間欠表示とな
る。しかし、人間の目には残像により画像が保持された
状態となるので、全画面が均一に表示されているように
見える。
【0434】この表示状態では1Fごとに画像データ表
示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、
画像データ表示状態が時間的に飛び飛び表示(間欠表
示)状態となる。液晶表示パネル(本発明以外のEL表
示パネル)では、1Fの期間、画素にデータが保持され
ているため、動画表示の場合は画像データが変化しても
その変化に追従することができず、動画ボケとなってい
た(画像の輪郭ボケ)。しかし、本発明では画像を間欠
表示するため、画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状
態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現
することができる。
【0435】また、EL表示装置では黒表示は完全に非
点灯であるから、液晶表示パネルを間欠表示した場合の
ように、コントラスト低下もない。また、図13に示す
ようにTFT11dをオンオフ操作するだけで、間欠表
示を実現することができる。これは、コンデンサ19に
画像データがメモリ(アナログ値であるから階調数は無
限大)されているためである。つまり、各画素16に、
画像データは1Fの期間中は保持されている。この保持
されている画像データに相当する電流をEL素子15に
流すか否かをTFT11dの制御により実現しているの
である。
【0436】コンデンサ19の端子電圧を維持すること
は重要である。1フィールド(フレーム)期間でコンデ
ンサ19の端子電圧が変化(充放電)すると、画面輝度
が変化し、フレームレートが低下した時にちらつき(フ
リッカなど)が発生するからである。TFT11aが1
フレーム(1フィールド)期間でEL素子15に流す電
流は、少なくとも65%以下に低下しないようにする必
要がある。この65%とは、画素16に書き込み、EL
素子15に流す電流の最初が100%とした時、次のフ
レーム(フィールド)で前記画素16に書き込む直前の
EL素子15に流す電流が65%以上とすることであ
る。
【0437】したがって、間欠表示を実現する場合とし
ない場合では、1画素を構成するTFT11の個数に変
化はない。つまり、画素構成はそのままで、ソース信号
線18の寄生容量404の影響と除去し、良好な電流プ
ログラムを実現している。その上、CRTに近い動画表
示を実現しているのである。
【0438】また、ゲートドライバ回路12の動作クロ
ックはソースドライバ回路14の動作クロックに比較し
て十分に遅いため、回路のメインクロックが高くなると
いうことはない。また、Nの値の変更も容易である。
【0439】画像表示方向(画像書き込み方向)は図1
04に図示するように、1フィールド目では画面の上か
ら下方向とし(図104(a))、つぎの第2フィール
ド目では画面の下から上方向(図104(b))として
もよい。つまり、図104(a)と図104(b)とを
交互に繰り返す。
【0440】さらに、図105に図示するように、1フ
ィールド目では画面の上から下方向とし(図105
(a))、一旦全画面を黒表示(非表示)312とした
後(図105(b))、つぎの第2フィールド目では画
面の下から上方向(図105(c))としてもよい。ま
た、一旦全画面を黒表示(非表示)312としてもよい
(図105(d))。つまり、図105(a)から図1
05(d)の状態を交互に繰り返す。
【0441】なお、図104、図105などにおいて、
画面の書き込み方法を画面の上から下あるいは下から上
としたが、これに限定するものではない。画面の書き込
み方向は絶えず、画面の上から下あるいは下から上と固
定し、非表示領域312の動作方向を1フィールド目で
は画面の上から下方向とし、つぎの第2フィールド目で
は画面の下から上方向としてもよい。以上の事項は他の
本発明の実施例でも同様である。
【0442】図31(a)は画像表示領域311を1/
Nとし、非表示領域(非点灯領域、黒表示領域)312
を(N−1)/Nとしている(ただし、これは理想状態
の場合である。現実にはコンデンサ19、TFT11a
のソース−ゲート(SG)容量による突き抜けがあるの
で異なる)。つまり、画像表示領域311を1つにした
場合である。画像表示領域311は矢印に示すように、
画面の上から下方向に移動する(図31(a1)→図3
1(a2)→図31(a3)→図31(a1)→)。た
だし、この画像表示領域311の移動は画面の上から下
方向に移動することに限定するものではなく、画面の下
から上方向に移動するとしてもよい。また、1フレーム
目(1フィールド目)は画面の上から下方向に移動さ
せ、次の2フレーム目(2フィールド目)は画面の下か
ら上方向に移動するように走査(操作)してもよいこと
はいうまでもない。また、画面の右から左、あるいは画
面の左から右に走査(操作)してもよい。
【0443】図33は動作タイミング波形である。先に
も記載したように、1Fの期間で1画面が表示されると
し、1Hの期間で電流プログラムされるとしている。図
33(a)は図1(a)(b)において、ゲート信号線
17aのタイミング波形を示す。また、図33(b)
は、ゲート信号線17bのタイミング波形を示す。基本
的にはゲート信号線17bがVglとなった時にTFT
11dが導通し(期間は1F/N)、EL素子15にピ
ーク電流が所定値I1のN倍の電流が流れ、EL素子は
所定輝度BのN倍の輝度(N・B)で発光する。1F/
(N−1)/Nの期間はTFT11dがオフ状態とな
る。
【0444】このゲート信号線の制御は図2のようにゲ
ートドライバ12内の2つのシフトレジスタ(22a,
22b)を制御することにより容易に実現できる。シフ
トレジスタ22aはゲート信号線17aの制御データを
保持(走査)し、シフトレジスタ22bはゲート信号線
17bの制御データを保持(走査)すればよいからであ
る。
【0445】図56はゲート信号線17bの波形を示
す。図56(a)を第1画素行目のゲート信号線17b
の電圧波形とすると、図56(b)を第1画素行目に隣
接した第2画素行目のゲート信号線17bの電圧波形を
示す。同様に、図56(c)は次の第3画素行目のゲー
ト信号線17bの電圧波形、図56(d)は第4画素行
目のゲート信号線17bの電圧波形を示す。
【0446】以上のように、各画素行で、ゲート信号線
17bの波形を同一にし、1Hの間隔でシフトさせて印
加していく。このように走査することにより、EL素子
15が点灯している時間を1F/Nに規定しながら、順
次、点灯する画素行をシフトさせることができる。この
ように、各画素行で、ゲート信号線17bの波形を同一
にし、シフトさせていることを実現することは容易であ
る。図2のシフトレジスタ22a,22bに印加するデ
ータであるST1,ST2を制御すればよいからであ
る。たとえば、入力ST2がLレベルの時、ゲート信号
線17bにVglが出力され、入力ST2がHレベルの
時、ゲート信号線17bにVghが出力されるとすれ
ば、シフトレジスタ17bに印加するST2を1F/N
の期間だけLレベルで入力し、他の期間はHレベルにす
る。この入力されたST2を1Hに同期したクロックC
LK2でシフトしていくだけである。
【0447】同様に図33(a)に示すゲート信号線1
7aの波形の作成も容易である。図2のシフトレジスタ
22aの入力データであるST1を制御すればよいから
である。たとえば、入力ST1がLレベルの時、ゲート
信号線17aにVglが出力され、入力ST1がHレベ
ルの時、ゲート信号線17aにVghが出力されるとす
れば、シフトレジスタ17aに印加するST1を1Hの
期間だけLレベルで入力し、他の期間はHレベルにす
る。この入力されたST1を1Hに同期したクロックC
LK1でシフトしていくだけである。
【0448】図31(b)は画像表示領域311を1/
(2N)とし、2つの画像表示領域311a、311b
を矢印に示すように、画面の上から下方向に移動した例
である(図31(b1)→図31(b2)→図31(b
3)→図31(b1)→)。ただし、この画像表示領域
311a,311bの移動は画面の画面の上から下方向
に移動することに限定するものではなく、画面の下から
上方向に移動するとしてもよい。また、1フレーム目
(1フィールド目)は画面の上から下方向に移動させ、
次の2フレーム目(2フィールド目)は画面の下から上
方向に移動するように走査(操作)してもよいことはい
うまでもない。また、画面の右から左、あるいは画面の
左から右に走査(操作)してもよい。また、この画像表
示領域311aを画面の上から下方向に移動させ、画像
表示領域311bは画面の下から上方向に移動させても
よい。
【0449】さらに、図31(c)は画像表示領域31
1を1/(3N)とし、3つの画像表示領域311a、
311bを矢印に示すように、画面の上から下方向に移
動した例である(図31(c1)→図31(c2)→図
31(c3)→図31(c1)→)。
【0450】図31(b)(c)に示すように、画像表
示領域311を複数に分割すればするほど、画像表示全
体のフレームレート(1秒間に画面を書く回数、たとえ
ば、フレームレート60とは、1秒間に60回画面を書
き換える)を低下させることができる。フレームレート
を低下させれば、その分、回路の動作クロックを低下さ
せることができるから消費電力を小さくできる。
【0451】つまり、EL素子15の発光期間が短くな
り、かつ見かけ上の瞬時輝度が高くなり、その上、画像
表示領域311と非点灯領域312とが高速にくりかえ
されるため、フリッカが低減する。したがって、フレー
ムレートを低減することができる。
【0452】以上のように1フレーム(1フィールド)
内に点灯する回数を増やし、フリッカを低減させること
ができる。点灯回数を増やすことでEL素子の点灯にお
いては周波数成分が高くなることから人間の目に観測さ
れにくくなる。例えば1回あたりの点灯期間を7分の1
にして1フレームに7回点灯させると、フレーム周波数
が30Hzにおいてもフリッカのない表示が実現でき
た。
【0453】TFT11dのオンオフを制御することに
より、画像の輝度を調整(可変)することができる。た
とえば、図31(a)の場合(画像表示領域311が1
つの場合)は、非点灯領域312の面積を変化させるこ
とにより、画面21の明るさが変化する(図32(a
1)より図32(a2)が暗く、図32(a2)より図
32(a3)が暗い)。
【0454】同様に、図31(b)の場合(画像表示領
域311が2つの場合)は、図32(b1)より図32
(b2)が暗く、図32(b2)より図32(b3)の
方が画面21の表示輝度が暗くなる。また、図31
(c)の場合(画像表示領域311が3つの場合つま
り、3以上)も同様である(図32(c1)より図32
(c2)が暗く、図32(c2)より図32(c3)の
方が暗くなる。)。
【0455】なお、図31では画像表示領域311は画
面21上を走査するとしたが、これに限定するものでは
なく、図32(c1)(c2)に図示するように、1フ
レーム(1フィールド)目は全画面を非点灯状態312
とし、次の2フレーム(2フィールド)目は全画面を画
像表示状態311としてもよい。つまり、全画面を画像
表示状態と非点灯状態とを交互に繰り返す。ただし、画
像表示時間と、非点灯時間とを等時間に限定するもので
はない。たとえば、画像表示時間を1F/4とし、非点
灯時間を3F/4としてもよい。このように画像表示時
間と、非点灯時間との割合を変化させることによっても
画像の表示輝度を変化(調整)することができる。
【0456】いずれにせよ、図34に示すように、Nの
値を変化させることにより、画像の表示輝度Bはリニア
に変化させることができる。また、Nの値を制御するだ
けで容易に画像の明るさを可変できる。
【0457】図35は、本発明の表示輝度を調整(制
御)する回路のブロック図である。フレームメモリ(フ
ィールドメモリ)354には、外部から入力された映像
データが蓄積される。CPU353は蓄積された映像デ
ータを用いて演算をする。演算は、映像データの最大輝
度、最適輝度、平均輝度、輝度分布のうち少なくとも1
つ以上を用いる。また、連続する映像データの各フレー
ムの最大輝度、最適輝度、平均輝度、輝度分布およびそ
の変化割合も考慮する。
【0458】演算した結果は輝度メモリ352にストア
される。輝度メモリ352は画像の明るさを補正したデ
ータである。たとえば、海岸などの明るい画面では画像
の平均輝度を明るく補正し、その画像データ内で比較的
暗い部分があるときは、実際値よりも暗い画像データに
変換する。また、夜の画面などでは、画像が全体的に暗
いため、比較的明るい部分をより明るく補正する。
【0459】カウンタ回路351は図34のN値をいく
らにするかをカウントする回路である。ゲート信号線1
7bの波形においてN値をリアルタイムで変化させる。
N値は時間であるから、カウンタでカウントすることに
より容易に変化させることができ、画像の明るさを変更
できる。
【0460】切り替え回路355は画素16のTFT1
1をオンさせる電圧Vglとオフさせる電圧Vgh(画
素TFT11がPチャンネルの場合、Nチャンネルでは
その逆である)を切り替える回路である。つまり、カウ
ンタ回路351の出力に基づき、図33(b)に示す1
F/Nの期間を変化させる。したがって、画像21の明
るさをリアルタイムで容易に可変することができる。
【0461】映像信号データに応じて表示輝度をリアル
タイムに制御する。このように制御することにより明る
さ表現のダイナミックレンジを実質上3倍以上に拡大す
ることができる。また、EL表示装置はELに電流を流
さない時は完全に黒表示(非点灯)となるから、画像表
示の黒浮きも発生しない。つまり、コントラストも高く
なる。特に電流プログラムの場合は、黒表示には、画素
にプログラムする電流値が10nAと小さい。そのた
め、寄生容量404を十分充放電できず、完全な黒表示
を実現することが難しい。また、ゲート信号線17に印
加されたパルスによりソース信号線18に電力が供給さ
れ(突き抜け電圧)、黒浮きが発生する。
【0462】本発明は強制的にTFT11dをオフに
し、EL素子15に電流を供給することを停止する。し
たがって、EL素子15は完全に非点灯状態となる。そ
のため、良好なコントラストを実現できる。また、ソー
ス信号線18に印加するデータの出力タイミングと、ゲ
ート信号線17a、17bのタイミングを調整する必要
がある。特に、画素行を選択するゲート信号線17aの
Vgl(図1のTFT11b、11cをオンさせる電
圧)の出力は、1Hよりも短くなるようにすることが好
ましい。このことは図252などでも説明する。
【0463】なお、図35において、映像信号の映像デ
ータに基づき、リアルタイムで画像の明るさを変化させ
るとしたが、これに限定するものではない。たとえば、
ユーザーが明るさ調整スイッチを押すことにより、ある
いは明るさ調整ボリウムを回す。この変化を検出してカ
ウンタ回路351のカウンタ値を可変して、表示画像2
1の輝度(あるいはコントラスト、もしくはダイナミッ
クレンジ)を変化させてもよい。また、外光などの明る
さをホトセンサで検出し、この検出したデータに基づ
き、表示画像21の明るさなどを自動的に変化させても
よい。また、表示する画像の内容、データにより手動
で、あるいは自動的に変化させるように構成してもよ
い。
【0464】明るさ調整は、EL素子15側のTFT
(図1ではTFT11d)をオンオフさせることにより
実現できる。この場合は、ソースドライブIC14から
出力するプログラム電流(電圧:電圧プログラム方式の
場合)は固定値である(プログラム電流は変化させな
い)。したがって、ソースドライバICの回路構成を簡
略化できる。つまり、表示画面の明るさに対応して出力
電流(電圧)などを変化させる必要がない。たとえば、
従来の液晶表示パネルでは64階調表示のときは、最大
明るさの64階調目を使用する。これより、明るさ調整
で輝度を下げる時は、32階調目までなどを使用する。
このように回路を構成すると、画面輝度が暗いときには
階調表示数が少なくなる。
【0465】しかし、EL素子15側のTFT11をオ
ンオフさせる(EL素子15に流れる電流を間欠表示さ
せる)方式では、オフ期間の調整により明るさを自由に
調整できる。その際、本発明による明るさ調整は、ガン
マ調整、リニアリティは明るさを変化させても保持でき
る。電源電圧Vddも固定値であるから構成上も有利で
ある。
【0466】また、TFT11dを画面の上から下方向
に、ガウス分布となるようにオンオフ状態を制御するこ
とにより容易に画面の輝度をガウス分布させることがで
きる。制御もほとんど演算が不要である。この方法につ
いては後ほど説明をする。
【0467】なお、EL素子15をオンオフする周期は
0.5msec以上にする必要がある。この周期が短い
と、人間の目の残像特性により完全な黒表示状態となら
ず、画像がぼやけたようになり、あたかも解像度が低下
したようになる。また、データ保持型の表示パネルの表
示状態となる。しかし、オンオフ周期を100msec
以上になると、点滅状態に見える。したがって、EL素
子のオンオフ周期は0.5μsec以上100msec
以下にすべきである。さらに好ましくは、オンオフ周期
を2msec以上30msec以下にすべきである。さ
らに好ましくは、オンオフ周期を3msec以上20m
sec以下にすべきである。
【0468】黒画面1312の分割数は、1つにすると
良好な動画表示を実現できるが、画面のちらつきが見え
やすくなる。したがって、黒挿入部を複数に分割するこ
とが好ましい。しかし、分割数をあまりに多くすると動
画ボケが発生する。分割数は1以上8以下とすべきであ
る。さらに好ましくは1以上5以下とすることが好まし
い。
【0469】なお、黒画面の分割数は静止画と動画で変
更できるように構成することが好ましい。分割数とは、
N=4では、75%が黒画面であり、25%が画像表示
である。このとき、75%の黒表示部を75%の黒帯状
態で画面の上下方向に走査するのが分割数1である。2
5%の黒画面と25/3%の表示画面の3ブロックで走
査するのが分割数3である。静止画は分割数を多くす
る。動画は分割数を少なくする。切り替えは入力画像に
応じて自動的(動画検出など)に行っても良く、ユーザ
ーが手動で行ってもよい。また、表示装置の映像などに
入力コンセントに対応して切り替ええするように構成す
ればよい。
【0470】たとえば、携帯電話などにおいて、壁紙表
示、入力画面では、分割数を10以上とする(極端には
1Hごとにオンオフしてもよい)。NTSCの動画を表
示するときは、分割数を1以上5以下とする。なお、分
割数は3以上の多段階に切り替えできるように構成する
ことが好ましい。たとえば、分割数なし、2、4、8な
どである。
【0471】また、全表示画面に対する黒画面の割合
は、全画面の面積を1とした時、0.2以上0.9以下
(Nで表示すれば1.2以上9以下)とすることが好ま
しい。また、特に0.25以上0.6以下(Nで表示す
れば1.25以上6以下)とすることが好ましい。0.
20以下であると動画表示での改善効果が低い。0.9
以上であると、表示部分の輝度が高くなり、表示部分が
上下に移動することが視覚的に認識されやすくなる。
【0472】また、1秒あたりのフレーム数は、10以
上100以下(10Hz以上100Hz以下)が好まし
い。さらには12以上65以下(12Hz以上65Hz
以下)が好ましい。フレーム数が少ないと、画面のちら
つきが目立つようになり、あまりにもフレーム数が多い
と、ドライバ回路14などからの書き込みが苦しくなり
解像度が劣化する。
【0473】いずれにせよ、本発明では、ゲート信号線
17の制御により画像の明るさを変化させることができ
る。ただし、画像の明るさはソース信号線18に印加す
る電流(電圧)を変化させて行ってもよいことは言うま
でもない。また、先に説明した(図33、図35などを
用いて)ゲート信号線17の制御と、ソース信号線18
に印加する電流(電圧)を変化させることを組み合わせ
て行ってもよいことは言うまでもない。
【0474】なお、以上の事項は、図54、図67、図
103などの電圧プログラムの画素構成でも適用できる
ことは言うまでもない。たとえば、図67ではTFT1
1eをオンオフ制御すればよい。
【0475】ゲート信号線17bの1F/Nの期間だ
け、Vglにする時刻は図36に図示するように、1F
(1Fに限定するものではない。単位期間でよい。)の
期間のうち、どの時刻でもよい。単位時間にうち、所定
の期間だけEL素子15をオンさせることにより、所定
の平均輝度を得るものだからである。ただし、図36
(a)のプログラム期間(1H)後、すぐにゲート信号
線17bをVglにしてEL素子15を発光させる方が
よい。図1のコンデンサ19の保持率特性の影響を受け
にくくなるからである。また、1F/Nの期間は図36
(b)において、A,Bの記号と矢印で示すように、位
置を変化させるように構成してもよい。この変化も容易
に実現できる。図2においてSTに印加するデータのタ
イミング(1FのいつにLレベルにするか)を調整ある
いは可変できるように構成しておけばよいからである。
【0476】また、図37に図示するように、ゲート信
号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分
割(分割数K)してもよい。つまり、Vglにする期間
は1F/(K/N)の期間をK回実施する。このように
制御すれば、画像表示状態は図31(b)(K=2)、
図31(c)(K=3)をなる。このように点灯させる
画像部(画像表示部311)を複数に分割することによ
りフリッカの発生を抑制でき、低フレームレートの画像
表示を実現できる。また、この画像の分割数も可変でき
るように構成することが好ましい。たとえば、ユーザー
が明るさ調整スイッチを押すことにより、あるいは明る
さ調整ボリウムを回すことにより、この変化を検出して
Kの値を変更する。表示する画像の内容、データにより
手動で、あるいは自動的に変化させるように構成しても
よい。
【0477】このようにKの値(画像表示部311の分
割数)を変化させることも容易に実現できる。図2にお
いてSTに印加するデータのタイミング(1Fのいつに
Lレベルにするか)を調整あるいは可変できるように構
成しておけばよいからである。
【0478】なお、図37では、ゲート信号線17bを
Vglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数
K)し、Vglにする期間は1F/(K/N)の期間を
K回実施するとしたがこれ限定するものではない。1F
/(K/N)の期間をL(L≠K)回実施してもよい。
つまり、本発明は、EL素子15に流す期間(時間)を
制御することにより画像21を表示するものである。し
たがって、1F/(K/N)の期間をL(L≠K)回実
施することは本発明の技術的思想に含まれる。また、L
の値を変化させることにより、画像21の輝度をデジタ
ル的に変更することができる。たとえば、L=2とL=
3では50%の輝度(コントラスト)変化をなる。これ
らの制御も図2、図35、図60、図74などの回路構
成で容易に実現できる。
【0479】また、画像の表示領域311を分割する
時、ゲート信号線17bをVglにする期間は同一期間
に限定するものではない。たとえば、図38に示すよう
にVglにする期間がt1とt2のように複数の期間と
してもよい。
【0480】以上の実施例は、EL素子15に流れる電
流を遮断し、また、EL素子に流れる電流を接続するこ
とにより、表示画面21をオンオフ(点灯、非点灯)す
るものであった。つまり、コンデンサ19に保持された
電荷によりTFT11aに複数回、略同一電流を流すも
のである。本発明はこれに限定するものではない。たと
えば、コンデンサ19に保持された電荷を充放電させる
ことにより、表示画面21をオンオフ(点灯、非点灯)
する方式でもよい。
【0481】図303は、その実施例である。図1の画
素構成において、コンデンサ19の両端に、スイッチン
グ素子をしてのTFT11eが配置または形成されてい
る。TFT11eのゲート(G)端子に接続されたゲー
ト信号線17eにオン電圧(Vgl)を印加することに
よりTFT11eがオンし、コンデンサ19の両端を短
絡する。したがって、Vg電圧はVdd電圧となり、T
FT11aは電流と流すことができなくなる。
【0482】もちろん、TFT11aのドレイン(D)
−ゲート(G)端子間にスイッチング素子を配置または
形成し、TFT11aのドレイン(D)−ゲート(G)
端子間を短絡してもTFT11aは電流を流さないよう
にすることができる。したがって、この構成でもよいこ
とは言うまでもない。たとえば、図1のTFT11bの
ゲート(G)端子と、TFT11cのゲート(G)端子
を個別に制御できるように構成し、TFT11bをオン
させて、TFT11aのドレイン(D)−ゲート(G)
端子間を短絡する構成である。この方式は図21、図4
3、図71、図22にも適用できる。図21、図43、
図71、図22において、ゲート信号線17bにオン電
圧(Vgh)を印加し、TFT11dをオンさせて、T
FT11aのドレイン(D)−ゲート(G)端子間を短
絡する構成である。
【0483】もちろん、以上の構成(駆動用TFT11
の保持電荷を充放電させる方式、ドレイン(D)−ゲー
ト(G)端子間を短絡する方式など)は、図54、図6
7、図68、図103などの電圧駆動の画素構成にも適
用できることは言うまでもない。
【0484】なお、TFT11eはTFTなどのスイッ
チング素子に限定するものではない。コンデンサ19の
両端の電荷を充放電できるものであれはいずれのもので
もよい。たとえば、MIM、TFD(薄膜ダイオー
ド)、サイリスタ、バリスタなどでもよい。また、コン
デンサ19の両端を充放電させるものに限定するもので
はなく、EL素子15に電流を流す駆動用素子の端子電
圧Vgを強制的に電流オフ方向にシフトできるものでも
よい。たとえば、コンデンサなどを用いて、突き抜け電
圧によりVg電圧をシフトできるように構成してもよ
い。
【0485】図303の構成では、TFT11eの動作
によりコンデンサ19の電荷を放電するため、EL素子
15に再度電流を流すことができない。しかし、TFT
11eをオンさせるまでの時間間隔を制御(調整)する
ことのより、表示画面21の輝度調整を容易に実施でき
る。また、R、G、BごとにTFT11eをオンさせる
までの時間間隔を制御(調整)することのより、表示画
面21の色調整を容易に実施できる。図303の構成
は、逆バイアス電圧方式、図87などのN倍パルス駆
動、またガウス分布駆動、ブロック駆動など、本明細書
記載の他の実施例と組み合わせることができることはい
うまでもない。また、他の構成、動作はすでに説明をし
ているので省略する。以上の事項は他の本発明に関して
も同様である。
【0486】また、図303ではTFT11eをオンさ
せることにより、TFT11aに流れる電流を遮断する
方式であった。しかし、TFT11aをNチャンネルに
することなどにより、駆動用TFT11aに流れる電流
を増加させるように制御することも可能である。つま
り、TFT11eの動作することにより、画面21が白
表示(白ラスター)にするということができる(画面を
白画面で消去する)。また、RGBの画素うち、少なく
とも1色のTFT11eの動作することにより、画面2
1がRまたはGまたはB表示にするということができる
(画面をRまたはGまたはB色を強く表示する)。な
お、TFT11eはPチャンネルでもNチャンネルでも
よいことは言うまでもない。また、TFT11eをオン
オフさせることにより、PWM変調も実施することがで
きる。以上の事項は、本明細書の他の実施例にも適用で
きることは言うまでもない。
【0487】図303構成は、コンデンサ19の電荷を
完全に放電する方式である。したがって、コンデンサ1
9に保持された電荷(画像データ)は消去されてしま
う。図304の構成は、コンデンサ19を複数(実施例
では2つ)のコンデンサ19a、19bに分離し、一方
のコンデンサ(実施例では19b)の両端にTFT11
eを形成または配置している。
【0488】図304は、その実施例である。TFT1
1eのゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17
eにオン電圧(Vgl)を印加することによりTFT1
1eがオンし、コンデンサ19bの両端を短絡する。し
たがって、Vg電圧はよりVdd電圧に近くなり、TF
T11aが流す電流を少なく(制限する)する。
【0489】したがって、図304の構成では、TFT
11aが流す電流が完全に遮断されることはない(もち
ろん、完全に遮断するように、コンデンサ19a、19
bの定数を設定することはできる)。図303の構成で
は、TFT11eの動作によりコンデンサ19の電荷を
放電するため、EL素子15に再度電流を流すことがで
きない。しかし、図304の構成では、TFT11eを
オフすると、以前よりは表示輝度は低いが画像を再び表
示することができる。また、TFT11eをオンさせる
までの時間間隔を制御(調整)することのより、表示画
面21の輝度調整をきめこまやかに調整(変更)に実施
できる。
【0490】また、パネルごとに固体差(製造バラツキ
が発生した場合など)にあっても、製造された表示パネ
ルごとにTFTeをオンさせる、あるいはオフさせるこ
とにより表示輝度のバラツキを調整することができる。
この場合は、TFT11eは常時オンあるいは常時オフ
の場合がある。また、R、G、BごとにTFT11eを
オンさせるまでの時間間隔を制御(調整)することのよ
り、表示画面21の色調整を決めこまやかに容易に調整
する。画素構成としては図294などで説明する構成を
採用すればよい。また、図304などの構成について
も、逆バイアス電圧方式など、本明細書記載の他の実施
例と組み合わせることができることはいうまでもない。
また、他の構成、動作はすでに説明をしているので省略
する。以上の事項は他の本発明に関しても同様である。
【0491】なお、図304ではコンデンサ19a、1
9bの2つとしたがこれに限定するものではない。3個
以上のコンデンサを形成し、各コンデンサの電荷を充放
電できるようにTFTなどのスイッチング素子を配置し
てもよい。この構成では、他段階で表示画面21の明る
さを変化することができる。また、RGBの色バランス
も多段階で調整(変更)することができる。
【0492】また、図304ではTFT11eをオンさ
せることにより、TFT11aに流れる電流を減少させ
る方式であった。しかし、TFT11aをNチャンネル
にすることなどにより、駆動用TFT11aに流れる電
流を増加させるように制御することも可能である。つま
り、TFT11eの動作することにより、画面21の輝
度を高くすることができる。また、RGBの画素うち、
少なくとも1色のTFT11eの動作することにより、
画面21の色をRまたはGまたはB色を増加させること
ができる(画面をRまたはGまたはB色を強く表示す
る。なお、RとBというように複数色の場合もある)。
【0493】また、図304ではTFT11aのゲート
(G)端子とソース(S)端子間に1つのコンデンサ1
9aを形成した構成であったが、これに限定するもので
はない。TFT11aのゲート(G)端子とソース
(S)端子間に複数のコンデンサ19aを直列または並
列に形成した構成でもよい。このコンデンサのうち、少
なくとも1つのコンデンサの両端にショート用のスイッ
チングTFT11eを形成し、TFT11eをオンさせ
ることにより、TFT11aに流れる電流を減少させて
もよい。以上の事項はカレントミラーの画素構成あるい
は電圧駆動の画素構成にも適用されることは言うまでも
ない。
【0494】図305は図21、図43、図71などで
説明したカレントミラーの画素構成において、保持用の
コンデンサ19の両端をショートするTFT11eを形
成(配置)した構成である。動作などは、図303など
と同様であるので説明を省略する。図305についても
同様である。動作などは図304で説明あるいは図30
4の説明から容易に類推できるので説明を省略する。
【0495】図307は画素が2TFT構成の電圧駆動
の実施例である。図307の構成も図303などで説明
した電流駆動方式と動作は同一である。保持用のコンデ
ンサ19の両端にTFT11eを形成(配置)してい
る。図307の構成でも先に説明した構成と同様に、T
FT11eの動作によりコンデンサ19の電荷を放電す
るため、EL素子15に再度電流を流すことができな
い。しかし、TFT11eをオンさせるまでの時間間隔
を制御(調整)することのより、表示画面21の輝度調
整を容易に実施できる。また、R、G、BごとにTFT
11eをオンさせるまでの時間間隔を制御(調整)する
ことのより、表示画面21の色調整を容易に実施でき
る。
【0496】また、図307の構成についても、TFT
11aをNチャンネルにすることなどにより、TFT1
1eをオンさせることにより、駆動用TFT11aに流
れる電流を増加させるように制御することも可能であ
る。つまり、TFT11eの動作することにより、画面
21が白表示(白ラスター)にするということができる
(画面を白画面で消去する)。また、RGBの画素う
ち、少なくとも1色のTFT11eの動作することによ
り、画面21がRまたはGまたはB表示にするというこ
ともできる(画面をRまたはGまたはB色を強く表示す
る)。
【0497】図308は図67、図68の電圧プログラ
ム(駆動)の画素構成に図303の技術的概念を適用し
た実施例である。図308の構成も図303などで説明
した電流駆動方式と動作は同一である。つまり、保持用
のコンデンサ19の両端にTFT11eを形成し、TF
T11eの動作によりコンデンサ19の電荷を放電す
る。したがって、黒表示となる。TFT11eをオンさ
せるまでの時間間隔を制御(調整)することのより、表
示画面21の輝度調整を容易に実施できし、また、R、
G、BごとにTFT11eをオンさせるまでの時間間隔
を制御(調整)することのより、表示画面21の色調整
を容易に実施できる。他の事項についても先の実施例と
同様であるので説明を省略する。
【0498】図33では、隣接した画素行を順次点灯
(表示)させるように図示したが、本発明はこれに限定
するものではない。図39に図示するようにインターレ
ース走査してもよい。
【0499】インターレース走査とは第1フィールドで
は奇数画素行に画像を書き込み(図39(a)書き込み
画素行391)、次の第2フィールドでは偶数画素行に
画像を書き込み(図39(b)書き込み画素行391)
画像表示方法である。書き込まない画素行は前のフィー
ルドの画像データを保持している(保持画素行39
2)。このようにEL表示装置でインターレース走査を
することにより、フリッカを減少させえることができ
る。
【0500】図39の駆動では、すべての(あるいは複
数の)偶数画素行のゲート信号線17bを共通にでき、
また、すべての(あるいは複数の)奇数画素行のゲート
信号線17bを共通にできる。したがって、ゲート信号
線17の引き回し数を大幅に削減できる。また、全画面
を表示状態311と非表示状態312を交互に表示する
場合は、すべてのゲート信号線17bを共通にできる。
これらの構成は図27などの3辺フリーの構成で特に有
効である。
【0501】なお、インターレース走査は、第1フィー
ルドでは奇数画素行に画像を書き込み、次の第2フィー
ルドでは偶数画素行に画像を書き込むとしたが、これに
限定するものではない。たとえば、第1フィールドでは
2画素行とばしで2画素行ずつ画像を書き込み、次の第
2フィールドでは第1フィールドで書き込まなかった2
画素行ごとに画像を書き込んでもよい。また、3画素行
ずつあるいは4画素行ずつでもよい。また、第1フィー
ルドでは画面の2行目から2画素行ずつ画像を書き込み
(図106(a)を参照)、次の第2フィールドでは1
行目から2画素行ごとに画像を書き込んでもよい(図1
06(b)を参照)。また、図106に図示するように
書き込んでいる画素行あるいは書き込む画素行を非表示
領域312となるように制御してもよい。また、第1の
フィールドでは画面の上から下に向かって画像を書き込
み、第2のフィールドでは画面の下から上に向かって画
像を書き込んでもよい。これらもすべてインターレース
走査の概念に含まれる。
【0502】インターレース走査も図33、図56で説
明した方法を実施することで容易に実現できる。点灯さ
せない表示領域312に該当する画素行は図1(a)に
示すTFT11dをオフさせればよいからである。
【0503】また、当然のことながら、図50に図示す
るように黒表示領域312とインターレース走査とを組
み合わせることができる。図50(a)では、書き込み
画素行391と保持画素行392からなる走査領域50
1を順次シフトさせる。なお、図50(a)では第1行
目から画像を書き込んでいる。図50(b)でも同様
に、書き込み画素行391と保持画素行392からなる
走査領域501を順次シフトさせる。なお、図50
(b)では第2行目から画像を書き込んでいる。
【0504】飛び越し走査(インターレース走査など)
を応用すると、画素16の駆動TFT11のバラツキを
抑制することできる。図322は隣接した画素行の駆動
TFTT11aが近接して形成(配置)されている。つ
まり、画素16aのTFT11a1と画素16bのTF
T11a2とが近接して配置されている。また、画素1
6aを制御するゲート信号線17a1と画素16bを制
御するゲート信号線17a2も近接して配置されてい
る。ゲート信号線17a1とゲート信号線17a2が近
接して配置されているのは、画素16aと画素16bと
を線対称の配置とするためである。
【0505】図322のように、画素16aを含む画素
行のTFT11a1と、画素16bを含む画素行のTF
T11a2とを近接して配置することにより、TFT1
1a2とTFT11a1の特性が近似する。以下、図3
20の画素配置構成を利用した駆動方法について図32
3、図324を用いて説明をする。
【0506】図323はソース信号線18に流れる電流
を増大させる他の実施例の説明図である。2画素行を同
時に選択し、2画素行をあわせた電流でソース信号線1
8の寄生容量404などを充放電し電流書き込み不足を
大幅に改善する方式である。ただし、2画素行を同時に
選択するため、1画素あたりの駆動する電流をソース信
号線18に流す電流(プログラム電流)の1/2に減少
させることができる。したがって、EL素子15に流れ
る電流を減少させることができるため、EL素子15の
劣化が少ない。ここで、説明を容易にするため、一例と
して、N=2として説明する(ソース信号線に流す電流
を2倍にする)。なお、類似の駆動方法については図8
7、図88などで説明する。したがって、これらの方法
も参照されたい。
【0507】図323(a)は表示画像21への書き込
み状態を図示している。図323(a)において、87
1(871a、871b)は書き込み画素行である。つ
まり、2画素を書き込んでいる。ソース信号線18には
画素に書き込む電流の2倍のプログラム電流Iwを印加
する。したがって、画素行が2行であるから1画素に書
き込まれる電流は1倍(所定値)となる。図323
(a)の状態は、画素16aと画素16bがそれぞれ1
画素行選択されていることになる。つまり、近接した画
素の駆動TFT11a1、11a2が動作するように電
流プログラムされていることになる(図1の画素構成を
想定している)。ソース信号線18に流す電流Iwはこ
の近接して配置された駆動用TFT11a1、駆動用T
FT11a2から供給される。
【0508】駆動用TFT11a1と駆動用TFT11
a2は近接して形成されているため、その特性はほぼ一
致している。したがって、ソース信号線18に流れるプ
ログラム電流Iwが2(μA)とすれば、駆動用TFT
11a1と駆動用TFT11a2は、それぞれ、1(μ
A)づつ電流を供給する。
【0509】以上のことから、ソース信号線18に所定
値の2倍のプログラム電流Iwを流せば、正確に画素に
所定値の電流がプログラムされる。なお、ソース信号線
18に流す電流は2倍(N=2)としたがこれに限定す
るものではない。2倍としたのはあくまでも理解を容易
にするためである。実駆動では、非点灯領域312を表
示面積の1/2をするため、プログラム電流は4倍とし
ている。
【0510】図322の画素構成においては、2フィー
ルドで1画面を書き換える(1フレーム=2フィール
ド)。第1フィールドでは偶数ラインを書き換え、第2
フィールドでは奇数ラインを書き換えるとして説明をす
る。図323では偶数ラインを書き換えているとして説
明し、図324では奇数ラインを書き換えているとして
説明をする。
【0511】図323において、871(871a、8
71b)は書き込み画素行であり、2画素を書き込んで
いる。ソース信号線18には奇数画素に書き込む電流の
2倍のプログラム電流Iwを印加する。そのため、書き
込み画素行871aと871bは同一表示となる。そこ
で、図323(b)に図示するように奇数ラインに該当
する画素のEL素子15を非点灯状態とする(図1にお
いて、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加し、駆動用
TFT11aからの電流がEL素子15に流れないよう
にする)。以上の動作を2画素号ずつシフトしながら画
像データを画素に書き込んでいく。1フィールドの走査
が終了すると、図323(c)に図示するように、偶数
ラインはすべて非点灯312となり、奇数ラインが点灯
311となる。
【0512】図324は第2フィールドの画像データ書
き込み状態を図示している。図324(a)において、
871(871a、871b)は書き込み画素行であ
り、2画素を書き込んでいる。ソース信号線18には奇
数画素に書き込む電流の2倍のプログラム電流Iwを印
加する。そのため、書き込み画素行871aと871b
は同一表示となる。第1フィールドと同様に図324
(b)に図示するように偶数ラインに該当する画素のE
L素子15を非点灯状態とする。以上の動作を2画素号
ずつシフトしながら画像データを画素に書き込んでい
く。1フィールドの走査が終了すると、図324(c)
に図示するように、奇数ライン(奇数番目の画素行)は
すべて非点灯312となり、偶数ライン(偶数番目の画
素行)が点灯311となる。
【0513】以上のように、図323と図324の駆動
を交互に繰り返すことにより1フレーム(2フィール
ド)で1画面が書き換えられる。また、図322のよう
に、2画素行をペアにすることにより、2画素行の駆動
用TFT11aを近接させ、特性バラツキが発生するこ
とを抑制している。したがって、均一な画像表示を実現
できる。
【0514】なお、図322の画素配置、駆動方法は、
図1の画素構成のみに限定されるものではない。たとえ
ば、図21、図43、図71、図22のカレントミラー
の画素構成、図54、図67、図68、図103などの
電圧プログラム方式の画素構成にも適用できることは言
うまでもない。
【0515】図21、図43、図71の画素構成では、
ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)を印加するこ
とにより、コンデンサ19にソース信号線18に印加し
た電流値がプログラムされる。図40に図示するよう
に、ソース信号線18にはソースドライバIC14内の
電流源403から映像信号に該当するデータが印加され
る。プログラムされた電流は、カレントミラー効率が1
の時、前記電流がTFT11bに流れ、この電流がEL
素子15に印加される。この関係(タイミング波形な
ど)は図33に図示した事項を流用でき、あるいは類似
するので説明を要さないであろう。ただし、電流プログ
ラムを行う際、TFT11cとTFT11dのオンある
いはオフタイミングを個別に制御する必要がある場合が
ある。この場合は、TFT11cとTFT11dをオン
オフさせるゲート(G)端子を別のゲート信号線17と
する必要があることはいうまでもない。
【0516】図31などの表示方法を実施するために
は、EL素子15に流す電流を遮断する必要がある。こ
の遮断を目的として図40に図示するようにTFT11
eを付加する。TFT11eのゲート(G)端子をVg
lにすることによりEL素子15に電流が印加され、T
FT11eのゲート(G)端子をVghにすることによ
りEL素子15への電流が遮断(非点灯状態)状態とな
る。
【0517】したがって、図33などで説明したゲート
信号線17a,17bの信号波形を印加することによ
り、図31などで説明した画像表示を実現できる。
【0518】非画像表示領域311と画像表示領域31
2は図61に図示するように奇数画素行と偶数画素行と
をフレーム(フィールド)ごとに切り替えてもよい。図
61(a)が奇数画素行を表示し、偶数画素行を非表示
とすれば、次のフィーム(フィールド)(図61(b)
を参照)では奇数画素行を非示し、偶数画素行を表示に
する。
【0519】このように、1画素行ごとに非表示領域と
表示領域とを繰り返すように表示すれば、フリッカの発
生が大幅に抑制される。
【0520】なお、図61において、1画素行ごとに非
表示画素行と表示画素行にするとしたがこれに限定する
ものではなく、2画素行ごとあるいはそれ以上の画素行
ごとに非表示画素行と表示画素行にするとしてもよい。
【0521】たとえば、2行ごとであれば、第1フィー
ルド(フレーム)では、1画素行目と2画素行目が表示
画素行とし、3画素行目と4画素行目を非表示画素行と
する。5画素行目と6画素行目が表示画素行である。第
1フィールドの次の第2フィールド(フレーム)では、
1画素行目と2画素行目が非表示画素行とし、3画素行
目と4画素行目を表示画素行とする。5画素行目と6画
素行目が非表示画素行である。また、次の第3フィール
ド(フレーム)では、1画素行目と2画素行目が表示画
素行とし、3画素行目と4画素行目を非表示画素行とす
る。5画素行目と6画素行目が表示画素行である。
【0522】なお、本明細書でフィールドとフレームの
文言は同義に使用したり、分離したりしている。一般的
にNTSCのインターレース駆動では、1フレームは2
フィールドで構成される。しかし、プログレッシブ駆動
では1フレームは1フィールドである。このように映像
の信号の世界ではフィールドとフレームは使い分けてい
る。しかし、本発明では表示パネルに表示する画像がプ
ログレッシブでもインターレースでもどちらでも適用で
きる。そのため、どちらでもよいという表現としてい
る。フィールドでもフレームでも概念的には1つも画面
を書き終える時間の単位である。
【0523】図62の表示方法も有効である。ここで説
明を容易にするため、図62(a)が第1フィールド
(第1フレーム)、図62(b)が第2フィールド(第
2フレーム)、図62(c)が第3フィールド(第3フ
レーム)、図62(d)が第4フィールド(第4フレー
ム)とする。
【0524】第1フィールド(フレーム)では、1画素
行目と2画素行目が非表示画素行とし、3画素行目と4
画素行目を表示画素行とする。5画素行目と6画素行目
が表示画素行である。第2フィールド(フレーム)で
は、奇数画素行目が表示画素行とし、偶数画素行目を非
表示画素行とする。第3フィールド(フレーム)では、
1画素行目と2画素行目が表示画素行とし、3画素行目
と4画素行目を非表示画素行とする。第4フィールド
(フレーム)では、奇数画素行目が非表示画素行とし、
偶数画素行目を表示画素行とする。以後、第1フィール
ド(第1フレーム)の表示状態から順次繰り返す。
【0525】図62の駆動方法では、4フィールド(フ
レーム)で1ループとしている。このように複数フィー
ルド(複数フレーム)で画像表示を行うことにより、図
61よりもフリッカの発生は抑制されることが多い。
【0526】なお、図62の実施例では、第1フィール
ド(フレーム)では、2画素行目ずつ非表示画素行と
し、第2フィールド(フレーム)では、1画素行目ずつ
非表示画素行としたがこれに限定するものではない。第
1フィールド(フレーム)では、2画素行目ずつ非表示
画素行とし、第2フィールド(フレーム)では、1画素
行目ずつ非表示画素行としたがこれに限定するものでは
ない。第1フィールド(フレーム)では、4画素行目ず
つ非表示画素行とし、第2フィールド(フレーム)で
は、2画素行目ずつ非表示画素行とし、第3フィールド
(フレーム)では、1画素行目ずつ非表示画素行とし、
第4フィールド(フレーム)では、4画素行目ずつ非表
示画素行とし、第5フィールド(フレーム)では、2画
素行目ずつ非表示画素行とし、第6フィールド(フレー
ム)では、画素行目ずつ非表示画素行としてもよい。
【0527】本発明の駆動方法は、表示効果(アニメー
ション効果など)を実現することも容易である。図63
は表示領域が図63(a)→図63(b)→図63
(c)→図63(d)と順次現れる表示方法である。ゆ
っくりと非表示領域312をスクロールしていくことに
よりアニメーション効果を実現できる。これらの制御も
図2、図60、図74などの回路構成で容易に実現でき
る。つまり、映像として黒表示状態を書き込まず、ゲー
ト信号線17bなどの制御によりアニメーション効果を
容易に実現できるのである。
【0528】液晶表示パネルなどの画素に1フィールド
(1フレーム)期間データを保持する表示パネルは動画
ボケが発生するという課題がある。CRTなどは電子銃
により一瞬表示されるだけであるので動画ボケの問題は
発生しない。
【0529】この課題を解決するのに有効手段が黒挿入
である。本発明は動画表示を極めたCRTに近くする黒
挿入方式を容易に実現できる。
【0530】図64は画面の上から下にFという文字が
移動するところを示している。ただし、文字をFとした
のは作図を容易にするためである。図64に図示するよ
うに画像表示(図64(a)(c)(e))の間に非表
示状態(図64(b)(d)(f))を挿入している。
したがって、画像は飛び飛びの表示となる。そのため。
動画ボケが発生せず、良好な動画表示を実現できる。
【0531】この用に全画面を非表示領域とするには図
60の回路構成を採用すればよい。図2との差異は、E
NBL端子601を具備する点である。ENBL端子6
01はゲート信号線17の形成されたOR回路602の
一端子に接続されている。ENBL端子をLレベルとす
ることにより、すべてのゲート信号線17bにはVgh
レベルが出力され、EL素子15に電流を供給するTF
T11dまたは11eがオフ状態となり、全画面が非表
示領域312となる。ENBL端子がHレベルの時は、
通常動作が実施される。
【0532】なお、図2、図60、図74、図84で
は、ST端子に入力されたデータをクロックで順次シフ
トしていく(シリアル動作)として説明したが、これに
限定するものではない。たとえば、各ゲート信号線のオ
ンオフ状態を一度に決定するパラレル入力であってもよ
い(すべてのゲート信号線のオンフフロジックがコント
ローラかゲート信号線17の本数分、一度に出力され決
定される構成などが該当する)。
【0533】図64の実施例は、動画表示であったが、
R,G,Bごとにフラッシュイングさせるなどのアニメ
ーション効果の実施も容易である(図65参照)。図6
5において、図65(a)は赤色表示311Rの画像、
図65(b)は緑色表示311Gの画像、図65(c)
は青色表示311Bの画像である。図65(a)の赤色
表示311Rの画像、図65(b)は緑色表示311G
の画像、図65(c)は青色表示311Bの画像のそれ
ぞれの間に非表示状態(図65(b)(d)(f))を
挿入している。この動作を図65(a)から図65
(f)をゆっくりと実施すれば、R,G,Bの画像がフ
ラッシュイングしているように表示することができる。
【0534】図64の実施例は、動画表示であったが、
異なる画像をごとにフラッシュイングさせるなどのアニ
メーション効果の実施も容易である(図66参照)。図
66において、図66(a)は第1画像311a、図6
6(b)は第2画像311b、図66(c)は第3画像
311Bである。図66(a)は第1画像311a、図
66(b)の第2画像311b、図66(c)の第3画
像311Bのそれぞれの間に非表示状態(図66(b)
(d)(f))を挿入している。この動作を図66
(a)から図66(f)をゆっくりと実施すれば、第
1、第2、第3の画像がフラッシュイングしているよう
に表示することができる。
【0535】以上の実施例は、概念的にはソース信号線
18に所定値に対しN倍の電流を流し、EL素子15に
は1/Nの期間だけN倍の電流を流して所望の輝度を得
る方法(構成)であった。この方法(構成)により、寄
生容量404の存在による書き込み不測の課題を解決し
た。
【0536】なお、N倍する駆動方法は、1倍(従来の
駆動方式)よりも発光効率が向上する。これは、図1の
TFT11b(コンデンサ19側)の突き抜け電圧の影
響である。N倍にする方が、この突き抜け電圧の影響を
軽減できる。N倍数は1.5倍以上8倍以下が適切であ
る。これ以上であると、ELの発光効率が低下してしま
うから、全体として効率は低下する。好ましくは、N倍
は2倍以上6倍以下が好ましい。また、N倍するとは、
発光期間を1/Nにするということである。しがたっ
て、Nが2倍以上6倍以下にするとは、発光期間を1/
2以上1/6以下にすることが好ましい(通常の明るさ
の時)ということになる。
【0537】なお、本発明はTFT11dをオフさせ、
EL素子15への電流を遮断した後、再び、TFT11
dをオンさせることにより、EL素子15に先と同様に
電流を流すことができる。本発明はこの原理をうまく応
用して、たとえば、1/Nの期間に電流を流し、所定の
輝度を得ている。このように駆動できるのは、流す電流
値が画素16ごとにコンデンサ19に保持されているか
らである。つまり、本発明は、EL素子15に流す電流
値を保持するとEL表示パネルの特有の画素構成をうま
く応用しているということができる。
【0538】図69の構成は、駆動TFT11a対し、
駆動能力が(N−1)倍のTFT11anを形成するこ
とにより、寄生容量404の存在による書き込み不足の
課題を解決する方法である。
【0539】図69と図1(a)との差異は、駆動TF
T11aの他に、N−1倍駆動のTFT11an−1と
スイッチング用TFT11fを追加した点である。図1
と図69との差異を中心に説明する。TFT11an−
1としたのは、TFT11an−1とTFT11aとの
電流が加算されればN倍になるように構成している。簡
単には、TFT11an−1のチャンネル幅W2はTF
T11aのチャンネル幅W1のN−1倍にしている。た
とえば、N=10であれば、TFT11aのチャンネル
幅W1が1とすれば、TFT11an−1のチャンネル
幅W2は9倍である。したがって、理論的には、TFT
11aが1の電流を流せばTFT11an−1は9倍の
電流を流す能力がある。
【0540】なお、図69ではTFT11an−1の駆
動電流をN−1としたのは、図69の構成では、N倍の
電流をソース信号線18に流す時、EL素子15に電流
を流すTFT11aの1倍の電流が加算されるからであ
る。図71の構成ではEL素子15に電流を流すTFT
11bの電流はソース信号線18に流れることはないか
らTFT11nは駆動電流をN倍にする必要がある。
【0541】ここで説明を容易にするため、TFT11
aはI1なる電流を流すとし、TFT11an−1はI
n−1の電流を流すものとする。また、I1 + In
−1=Iw(この場合は、IwはEL素子15に流す電
流I1のN倍とする)とする。
【0542】電流プログラム期間にはゲート信号線17
aがVglの電圧が印加され、TFT11b、11f、
11cがオン状態となる。また、ゲート信号線17bは
Vghの電圧が印加され、TFT11dはオフ状態であ
る。したがって、プログラム電流Iwに相当する電圧が
コンデンサ19にプログラムされる。つまり、I1+
In−1 =Iw(この場合は、IwはEL素子15に
流す電流I1のN倍とする)なる電流がソース信号線1
8に流れる。
【0543】つぎにEL素子15に電流を流す期間では
ゲート信号線17aがVghの電圧が印加され、TFT
11b、11f、11cがオフ状態となる。したがっ
て、ソース信号線18と画素16とは切り離される。ま
た、ゲート信号線17bはVglの電圧が印加され、T
FT11dはオン状態となる。したがって、プログラム
電流Iwの1/Nに対応する電流I1がEL素子15に
流れる。
【0544】以上のように駆動することにより、ソース
信号線18には所望値の電流(EL素子に流す電流)の
N倍の電流を流すことができる。したがって、寄生容量
(浮遊容量)404の影響が除外され、十分にコンデン
サ19に電流プログラムを行うことができる。一方、E
L素子15には所望値に電流を印加することができる。
【0545】図69ではN−1の電流能力があるTFT
11an−1と1個を画素に作製するとしたがこれに限
定するものではない。図70に示すように複数個のTF
T(図70ではTFT11n1〜TFT11n6)を作
製してもよい。動作は図69と同様であるので説明を省
略する。
【0546】図69の構成は、駆動TFT11a対し、
駆動能力が(N−1)倍のTFT11anを形成するこ
とにより、寄生容量404の存在による書き込み不足の
課題を解決する方法である。
【0547】図21、図43、図71に図示したカレン
トミラー方式においても図69の構成を展開することが
できる。図71に図示するように、N倍の駆動能力を有
するTFT11nを形成すればよい。ただし、カレント
ミラー構成では切り替えようのTFT11fは必要がな
い。
【0548】図71において、TFT11nのチャンネ
ル幅W2とTFT11bのチャンネル幅W1との比は、
N:1としている。ここで説明を容易にするため、TF
T11bはI1なる電流を流すとし、TFT11nはI
nの電流を流すものとする。また、In =Iw(この
場合は、IwはEL素子15に流す電流I1のN倍とす
る)とする。
【0549】電流プログラム期間にはゲート信号線17
aがVglの電圧が印加され、TFT11c、11dが
オン状態となる。したがって、プログラム電流Iwに相
当する電圧がコンデンサ19にプログラムされる。つま
り、In =Iw(この場合は、IwはEL素子15に
流す電流I1のN倍とする)なる電流がソース信号線1
8に流れる。なお、TFT11cとTFT11dとは少
しタイミングをずらせてオンオフ状態を制御することが
好ましい。この場合は、TFT11cを制御するゲート
信号線とTFT11dを制御するゲート信号線とを別個
にし、独立制御をする必要がある。
【0550】つぎにEL素子15に電流を流す期間では
ゲート信号線17aがVghの電圧が印加され、TFT
11c、11dがオフ状態となる。したがって、ソース
信号線18と画素16とは切り離される。したがって、
プログラム電流Iwの1/Nに対応する電流I1がEL
素子15に流れる。
【0551】以上のように駆動することにより、ソース
信号線18には所望値の電流(EL素子に流す電流)の
N倍の電流を流すことができる。したがって、寄生容量
(浮遊容量)404の影響が除外され、十分にコンデン
サ19に電流プログラムを行うことができる。一方、E
L素子15には所望値に電流を印加することができる。
【0552】なお、ゲート信号線17bとTFT11e
は図40で説明したように、図30などの非画像表示あ
るいは1/N期間だけEL素子15に電流を流すように
制御するために設けたものである。したがって、図71
の構成において、さらにN倍の電流を流し、EL素子1
5に流す電流を1/N期間のパルス駆動することによ
り、寄生容量404による書き込み不足の問題は全くな
くなる。また、黒挿入表示を容易に実現でき、良好な動
画表示を実現できる。
【0553】図71の構成は非常に有効である。たとえ
ば、図1のみの構成で、N=10を実現しようとする
と、所望値よりも10倍高いパルス状の電流をEL素子
15に印加する必要がある。この場合、EL素子15の
端子電圧が高くなることから、Vdd電圧を高く設計す
る必要がでる。また、EL素子15が劣化する可能性も
ある。
【0554】しかし、図71の構成では、TFT11n
のチャンネル幅W2をTFT11bの5倍とし、2倍高
い電流でプログラムすれば、5×2=10となる。した
がって、EL素子15には2倍の電流を1/2の期間だ
け印加すれば実現できる。したがって、EL素子15が
劣化する問題もなくなるし、Vdd電圧をほとんど高く
する必要がない。
【0555】逆にTFT11nだけでN=10を実現し
ようとすると、図71の構成では、TFT11nのチャ
ンネル幅W2をTFT11bの10倍とする必要があ
る。10倍にするとTFT11nの形成面積が、画素の
面積のほとんどを占有する。したがって、画素開口率が
極めて小さくなるか、もしくは実現不可能になる。しか
し、図71の構成では、TFT11nのチャンネル幅W
2をTFT11bの5倍とするだけで済むので十分な画
素開口率を実現することができる。
【0556】N=10の実現方法は数多くある。TFT
11nのチャンネル幅W2をTFT11bの2倍とし、
5倍高い電流をEL素子15に1/5の期間印加する方
法、TFT11nのチャンネル幅W2をTFT11bの
4倍とし、2.5倍高い電流をEL素子15に1/2.
5の期間印加する方法などである。つまり、TFT11
nの設計(チャンネル幅W2)とEL素子に流す電流と
その期間とを考慮して掛算が10となるようにすればよ
いからである。したがって、Nの値は自由に設計するこ
とができる。
【0557】図71ではNの電流能力があるTFT11
nと1個を画素に作製するとしたがこれに限定するもの
ではない。図72に示すように複数個のTFT(図72
ではTFT11n1〜TFT11n5)を作製してもよ
い。動作は図71と同様であるので説明を省略する。
【0558】N=10の実現方法は数多くあるのは、図
69の構成でも同様である。TFT11an−1のチャ
ンネル幅W2をTFT11aの4倍とし、2倍高い電流
をEL素子15に1/2の期間印加する方法、TFT1
1an−1のチャンネル幅W2をTFT11abの2倍
とし、5倍高い電流をEL素子15に1/5の期間印加
する方法などである。つまり、TFT11an−1の設
計(チャンネル幅W2)とEL素子に流す電流とその期
間とを考慮して掛算が10となるようにすればよいから
である。したがって、Nの値は自由に設計することがで
きる。
【0559】以上に説明した事項は、図69、図70、
図75、図82、図83においても適用できることは明
らかである。つまり、本発明はチャンネル幅が大きい駆
動TFTを各画素に形成し、ソース信号線18を駆動す
る電流を増大させる。かつ、図31などで説明したEL
素子15に流す電流を増大するとともに、EL素子15
に流す電流を所定の期間とする方法あるいは構成であ
る。
【0560】また、TFT11dあるいはTFT11e
のオンオフを制御することにより、図30、図31など
で説明した表示を実現できる。この表示により、動画表
示を改善でき、また、明るさを調整することができる。
したがって、本発明ではEL素子にN倍あるいはNに比
例した電流をEL素子15に印加するとしたが、これに
限定するものではない。所定の1倍あるいはそれ以下の
電流をEL素子15に流す構成でもよい。この場合で
も、動画表示を改善でき、また、明るさを容易に調整す
ることができるという効果を発揮できるからである。
【0561】図1および図69も同様であるが、TFT
11dをオン状態にする際、抵抗値を高くすることによ
りTFT11aのキンク現象による特性バラツキを抑制
できる。このことは図1(b)の構成で説明をした。図
1(b)のTFT11eを配置し、TFT11eのゲー
ト(G)端子にVbb電圧(Vgl < Vbb <V
gh)を印加することにより、TFT11aに流れる電
流のバラツキが減少するのである。
【0562】したがって、図1および図69の画素構成
においても、ゲート信号線17bにVbb電圧を印加し
てTFT11dをオンさせることが好ましい。つまり、
TFT11dはオフ状態ではVghが印加され、オン状
態ではVbbを印加するのである。
【0563】この制御は容易である。図74のように回
路構成すればよいからである。シフトレジスタ22bの
出力段のインバータはVghとVbbを電源とすれば、
オフ状態ではゲート信号線17bにVghが印加され、
オン状態ではゲート信号線17bにVbbが印加できる
からである。
【0564】なお、ゲート信号線17のオンオフ制御
は、シフトレジスタ22が保持するデータに基づくとし
た。しかし、ゲート信号線17のオンオフ制御はシフト
レジスタ22による制御に限定するものではなく、シフ
トレジスタ22を設けず、各ゲート信号線17を独自に
制御する方式でもよい。たとえば、オン電圧を出力する
任意のゲート信号線17をマルチプレクサ回路で選択し
てもよい。また、すべてのゲート信号線をパラレルで引
き出し、それぞれのゲート信号線に自由にオン電圧また
はオフ電圧を印加できるように構成してもよい。このよ
うに、シフトレジスタ22の保持データによらず、任意
のゲート信号線17を選択できるように構成することの
より、図31、図32、図87、図88、図198、図
201、図215、図218、図220、図221など
の表示画面21のオンオフあるいは輝度分布の強弱処理
が容易となる。
【0565】なお、図1(b)と同様に、図75に図示
するように、別途、Vbb電圧を印加するTFT11e
を形成または配置してもよいことは言うまでもない。こ
の事項はカレントミラー構成でも同様である。たとえ
ば、図76に図示するようにVbb電圧を印加するTF
T11fを別途形成または配置してもよい。図54の画
素構成でも同様である。図77に図示するようにVbb
電圧を印加するTFT11fを別途形成または配置して
もよい。
【0566】なお、図78においては、駆動TFT11
aはTFT11a1とTFT11a2の複数に分離し、
ゲート(G)端子をカスケードに接続することにより、
キンク現象を抑制でき、また、特性ばらつきも抑制でき
る。このことは図1のTFT11a、図21、図43、
図71のTFT11b、図69のTFT11a、図71
のTFT11bなどについても同様である(駆動用TF
Tの構成として採用することが好ましい)。
【0567】図70よび図72においてTFT11nな
どを複数に分割するとした。他の構成として、図73に
図示するように分割したTFT11n1、TFT11n
2を駆動電流向上用として動作させるか否かをゲート信
号線17cに印加する電位(VghまたはVhl)で制
御すればよい。TFT11f2をオフ状態にすれば、ソ
ース信号線18に流れる電流はTFT11n1、TFT
11n2が動作している場合の1/2となる。これらの
制御は表示パネルの画像表示データおよび消費電力の観
点から決定すると良い。
【0568】図75と図82の差異は、スイッチングT
FT11fのゲート(G)端子をゲート信号線17cに
接続した点である。つまり、TFT11fのオンオフ状
態をゲート信号線17aの電位状態に影響されず、独自
制御を実現できる点にある。
【0569】TFT11fがたえずオフ状態では、TF
T11nは画素からは切り離された状態である。したが
って、図1(a)の画素構成となる。ゲート信号線17
cとゲート信号線17aとをロジック的にショートして
使用すれば図75の構成となる。
【0570】図75の問題点はTFT11nとTFT1
1aのVtなどの特性ずれが画素ごとに発生している
と、画素ごとにEL素子15に流れる電流にばらつきが
でるという点である。電流にばらつきが発生すると白ラ
スターなどの均一表示でも表示画像にざらつき感が出て
しまう。その点、図1の構成ではこの問題は発生しな
い。
【0571】したがって、表示パネルの画面サイズが小
さく、寄生容量404の影響が少ない時はTFT11f
をたえずオフ状態で使用する。表示パネルの画面サイズ
が大きく、寄生容量404の影響がTFT11aの動作
のみでは解消できない時は、ゲート信号線17cをゲー
ト信号線17aのロジックとショートし、図75の画素
構成を実現して駆動を行う。
【0572】図84に図82の画素構成を駆動する回路
ブロックを示す。ゲート信号線17cを駆動するシフト
レジスタ22cを形成し、ゲート信号線17cを駆動す
る。図1の画素構成で駆動する時は、ST3のデータを
たえずLとし、ゲート信号線17cにはたえず、Vgh
の電圧が出力されるように制御する。図82の構成で使
用する場合は、シフトレジスタ22cと22aのデータ
入力状態(タイミング、ロジックなど)を同一にすれば
よい。
【0573】図82の構成は、カレントミラーの構成で
も実現できる。図83にその画素構成を示す。図83に
図示するように、分割したTFT11a1、TFT11
nを駆動電流向上用として動作させるか否かをゲート信
号線17cに印加する電位(VghまたはVhl)で制
御すればよい。TFT11fをオフ状態にすれば、ソー
ス信号線18に流れる電流はTFT11aのみが動作す
る。
【0574】図82は、スイッチングTFT11fのゲ
ート(G)端子をゲート信号線17cに接続した点であ
る。つまり、TFT11fのオンオフ状態をゲート信号
線17aの電位状態に影響されず、独自制御を実現でき
る点にある。
【0575】TFT11fがたえずオフ状態では、TF
T11nは画素からは切り離された状態である。ゲート
信号線17cとゲート信号線17aとをロジック的にシ
ョートして使用すれば図75の構成となる。
【0576】したがって、図82の画素構成と同様に、
表示パネルの画面サイズが小さく、寄生容量404の影
響が少ない時はTFT11fをたえずオフ状態で使用す
る。表示パネルの画面サイズが大きく、寄生容量404
の影響がTFT11aの動作のみでは解消できない時
は、ゲート信号線17cをゲート信号線17aのロジッ
クとショートし、駆動電流を増大させて駆動する。図8
3の画素構成においても、図84の回路ブロックを適用
することができる。
【0577】なお、図84の構成ではゲート信号線17
cを制御するシフトレジスタ22cを新規に形成し、動
作させた。しかし、この構成に限定するものではない。
ゲート信号線17cの制御ロジックは容易である。スイ
ッチングTFT11fのゲート(G)端子にVglまた
はVgh電圧を印加するだけであるからである。TFT
11nを動作させない時は、表示領域21内の全TFT
11fのゲート(G)端子にVhg電圧を印加すればよ
い。TFT11nを動作させる場合は、ゲート信号線1
7aの電位をゲート信号線17cに印加すればよい。し
たがって、図84のように別途シフトレジスタ22cを
使用する必要はない。つまり、シフトレジスタ22aの
データをそのままゲート信号線17cに出力するか、す
べてのゲート信号線17cの電位がVghとなるように
ゲート回路を付加すればよいからである。
【0578】以下に本発明の駆動方法について説明をす
る。ソース信号線18に流す電流をN倍することによ
り、寄生容量404の影響がなくなり、解像度のある良
好な画像表示を実現できる。
【0579】図87はソース信号線に流れる電流を増大
させる他の実施例の説明図である。基本的に複数の画素
行を同時に選択し、複数の画素行をあわせた電流でソー
ス信号線の寄生容量などを充放電し電流書き込み不足を
大幅に改善する方式である。ただし、複数の画素行を同
時に選択するため、1画素あたりの駆動する電流を減少
させることができる。したがって、EL素子15に流れ
る電流を減少させることができる。ここで、説明を容易
にするため、一例として、N=10として説明する(ソ
ース信号線に流す電流を10倍にする)。
【0580】図87などで説明する本発明は、画素行は
同時にK画素行を選択する。ソースドライバICからは
所定電流のN倍電流をソース信号線18に印加する。各
画素にはEL素子に流す電流のN/K倍の電流がプログ
ラムされる。EL素子を所定発光輝度とするために、E
L素子に流れる時間を1フレームのK/N時間にする。
このように駆動することにより、ソース信号線18の寄
生容量を十分に充放電でき、良好な解像度を所定の発光
輝度を得ることができる。
【0581】つまり、1フレームのK/Nの期間の間だ
け、EL素子に電流を流し、他の期間(1F(N−1)
K/N)は電流を流さない。この表示状態では1Fごと
に画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示さ
れる。つまり、画像データ表示状態が時間的に飛び飛び
表示(間欠表示)状態となる。したがって、画像の輪郭
ぼけがなくなり良好な動画表示を実現できる。また、ソ
ース信号線18にはN倍の電流で駆動するため、寄生容
量の影響をうけず、高精細表示パネルにも対応できる。
【0582】まず、理解を容易にするため、以前に説明
した1画素行を選択し、N倍の電流をプログラムする方
式について、駆動波形などを参照しながら説明をする。
図134はその説明図である。なお、説明図では画面を
横長に図示しているがこれに限定するものではなく、縦
長でもよいし、円形などの他の形状でもよい。
【0583】図134(a)は表示画像21への書き込
み状態を図示している。図134(a)において、87
1は書き込み画素行である。なお、図134(a)では
1H期間に書き込む画素行は1行である。また、以下の
実施例では図1の画素構成を例にあげて説明するがこれ
に限定するのもではなく、図21、図43、図71など
のカレントミラーの画素構成であってもよい。また、図
54、図67、図68、図103などの電圧プログラム
方式の画素構成にも適用できることはいうまでもない。
【0584】図134(a)において、ゲート信号線1
7aが選択されるとソース信号線18に流れる電流がT
FT11aにプログラムされる。この時、ゲート信号線
17bはオフ電圧が印加されEL素子15には電流が流
れない。これは、EL素子側にTFT11dがオン状態
であると、ソース信号線18からEL素子15の容量成
分が見え、この容量に影響されてコンデンサ19に十分
に正確な電流プログラムができなくなるためである。し
たがって、図134(b)で示すように電流を書き込ま
れている画素行は非点灯状態312となる。他の画素行
のTFT11dはオン状態となっており、点灯状態31
1である。なお、図21、図43、図71などに示すカ
レントミラーの画素構成では電流プログラムを行うTF
T11aに電流が流れる状態であっても、ソース信号線
18からはEL素子15は見えない。したがって、図1
34(b)のように非点灯状態とする必要がない。つま
り、図134(b)のように書き込み画素行を非点灯3
12とすることは発明の必須条件ではない。
【0585】図135はゲート信号線17に印加する電
圧波形である。電圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベ
ル)とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。
図135の下段に選択している画素行の番号を記載して
いる。また、(1)(2)とは選択している画素行番号
を示している。
【0586】図135において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
TFT11aからソースドライバ14に向かってソース
信号線18にプログラム電流が流れる。このプログラム
電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10
として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示する
データ電流であるから、白ラスター表示などでない限り
固定値ではない。)である。したがって、コンデンサ1
9には10倍に電流がTFT11aに流れるようにプロ
グラムされる。画素行(1)が選択されている時は、図
1の画素構成ではゲート信号線17b(1)はオフ電圧
(Vgh)が印加され、EL素子15には電流が流れな
い。
【0587】1H後には、ゲート信号線17a(2)が
選択され(Vgl電圧)、選択された画素行のTFT1
1aからソースドライバ14に向かってソース信号線1
8にプログラム電流が流れる。このプログラム電流は所
定値のN倍(説明を容易にするため、N=10として説
明する)である。したがって、コンデンサ19には10
倍に電流がTFT11aに流れるようにプログラムされ
る。画素行(2)が選択されている時は、図1の画素構
成ではゲート信号線17b(2)はオフ電圧(Vgh)
が印加され、EL素子15には電流が流れない。しか
し、先の画素行(1)のゲート信号線17a(1)には
オフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17b
(1)にはオン電圧(Vgl)が印加されるため、点灯
状態となっている。
【0588】次の1H後には、ゲート信号線17a
(3)が選択され、ゲート信号線17b(3)はオフ電
圧(Vgh)が印加され、画素行(3)のEL素子15
には電流が流れない。しかし、先の画素行(1)(2)
のゲート信号線17a(1)(2)にはオフ電圧(Vg
h)が印加され、ゲート信号線17b(1)(2)には
オン電圧(Vgl)が印加されるため、点灯状態となっ
ている。
【0589】以上の動作を1Hの同期信号に同期して画
像を表示していく。しかし、図135の駆動方式では、
EL素子15には10倍の電流が流れる。したがって、
表示画面21は約10倍の輝度で表示される。もちろ
ん、この状態で所定の輝度表示を行うためには、プログ
ラム電流を1/10にしておけばよいことは言うまでも
ない。しかし、1/10の電流であれば寄生容量などに
より書き込み不足が発生するため、高い電流でプログラ
ムし、黒画面312挿入により所定の輝度を得るのは本
発明の基本的な主旨である。
【0590】しかし、図134の方法も本発明の範疇で
ある。つまり、所定電流よりも高い電流がEL素子15
に流れるようにし、ソース信号線18の寄生容量を十分
に充放電するという概念である。つまり、EL素子15
にN倍の電流を流さなくともよい。たとえば、EL素子
15に並列に電流経路を形成し(ダミーのEL素子を形
成し、このEL素子は遮光膜を形成して発光させないな
ど)、ダミーEL素子とEL素子15に分流して電流を
流しても良い。たとえば、信号電流が0.2μAのと
き、プログラム電流を2.2μAとして、TFT11a
には2.2μAを流す。この電流のうち、信号電流0.
2μAをEL素子15に流して、2μAをダミーのEL
素子に流す。
【0591】以上のように構成することにより、ソース
信号線18に流す電流をN倍に増加させることにより、
駆動TFT11aにN倍の電流が流れるようにプログラ
ムすることができ、かつ、電流EL素子15には、N倍
よりは十分小さい電流をながることができることにな
る。以上の方法では、図136などに図示するように、
非点灯領域312を設けることなく、図134のように
ほぼあるいは完全に全表示領域21を画像表示領域31
1とすることができる。
【0592】しかし、ダミーEL素子などを形成すると
いうような細工をしなければ、プログラムされた電流は
理論的にはすべてEL素子15に流れる。したがって、
図134では表示画面はN倍の輝度で発光する。これを
所定輝度で発光させるには図136に図示するように非
点灯表示領域312を設ければよい。図136はその方
式の説明図である。
【0593】図136(a)は表示画像21への書き込
み状態を図示している。図136(a)において、87
1aは書き込み画素行である。ドライバIC14から各
ソース信号線18にプログラム電流が供給される。な
お、図136などでは1H期間に書き込む画素行は1行
である。しかし、何ら1Hに限定するのものではなく、
0.5H期間でも、2H期間でもよい。また、ソース信
号線18にプログラム電流を書き込むとしたが、本発明
は電流プログラム方式に限定するものではなく、ソース
信号線18に書き込まれるのは電圧である電圧プログラ
ム方式でもよい。
【0594】図136(a)において、図134と同様
に、ゲート信号線17aが選択されるとソース信号線1
8に流れる電流がTFT11aにプログラムされる。こ
の時、ゲート信号線17bはオフ電圧が印加されEL素
子15には電流が流れない。これは、EL素子側にTF
T11dがオン状態であると、ソース信号線18からE
L素子15の容量成分が見え、この容量に影響されてコ
ンデンサ19に十分に正確な電流プログラムができなく
なるためである。したがって、図1の構成を例にすれ
ば、図136(b)で示すように電流を書き込まれてい
る画素行は非点灯領域312となる。
【0595】今、N(ここでは、先に述べたようにN=
10とする)倍の電流でプログラムしたとすれば、画面
の輝度は10倍になる。したがって、表示領域21の9
0%の範囲を非点灯領域312とすればよい。したがっ
て、画像表示領域の水平走査線がQCIFの220本
(S=220)とすれば、22本と表示領域311と
し、220−22=198本を非表示領域312とすれ
ばよい。一般的に述べれば、水平走査線(画素行数)を
Sとすれば、S/Nの領域を表示領域311とし、この
表示領域311をN倍の輝度で発光させる。そして、こ
の表示領域311を画面の上下方向に走査する。したが
って、S(N−1)/Nの領域は非点灯領域312とす
る。この非点灯領域は黒表示(非発光)である。また、
この非発光部312はTFT11dをオフさせることに
より実現する。なお、N倍の輝度で点灯させるとした
が、当然のことながら明るさ調整、ガンマ調整によりN
倍の値と調整することは言うまでもない。
【0596】また、先の実施例で、10倍の電流でプロ
グラムしたとすれば、画面の輝度は10倍になり、表示
領域21の90%の範囲を非点灯領域312とすればよ
いとした。しかし、これは、RGBの画素を共通に非点
灯領域312とすることに限定するものではない。例え
ば、Rの画素は、1/8を非点灯領域312とし、Gの
画素は、1/6を非点灯領域312とし、Bの画素は、
1/10を非点灯領域312と、それぞれの色により変
化させてもよい。また、RGBの色で個別に非点灯領域
312(あるいは点灯領域311)を調整できるように
してもよい。これらを実現するためには、R、G、Bで
個別のゲート信号線17bが必要になる。しかし、以上
のRGBの個別調整を可能にすることにより、ホワイト
バランスを調整することが可能になり、各階調において
色のバランス調整が容易になる。
【0597】図136(b)に図示するように、書き込
み画素行871aを含む画素行が非点灯領域312と
し、書き込み画素行871aよりも上画面のS/Nの範
囲を表示領域311とする(書き込み走査が画面の上か
ら下方向の場合、画面を下から上に走査する場合は、そ
の逆となる)。画像表示状態は、表示領域311が帯状
になって、画面の上から下に移動する。
【0598】図137はゲート信号線17に印加する電
圧波形である。電圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベ
ル)とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。
図137の下段に選択している画素行の番号を記載して
いる。また、(1)(2)(3)…・とは選択している
画素行番号を示している。
【0599】図137において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
TFT11aからソースドライバ14に向かってソース
信号線18にプログラム電流が流れる。このプログラム
電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10
として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示する
データ電流であるから、白ラスター表示などでない限り
固定値ではない。)である。
【0600】したがって、コンデンサ19には10倍に
電流がTFT11aに流れるようにプログラムされる。
画素行(1)が選択されている時は、図1の画素構成で
はゲート信号線17b(1)はオフ電圧(Vgh)が印
加され、EL素子15には電流が流れない。
【0601】1H(もちろん1Hに限定するものではな
い。説明を容易にするためである。)後には、ゲート信
号線17a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行のTFT11aからソースドライバ14に向か
ってソース信号線18にプログラム電流が流れる。この
プログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするた
め、N=10として説明する)である。したがって、コ
ンデンサ19には10倍に電流がTFT11aに流れる
ようにプログラムされる。この時には、ゲート信号線1
7b(1)はVgl電圧(オン電圧)が印加される。こ
のオン電圧が印加される期間は、図136の実施例によ
れば、S/Nの期間である。その後、ゲート信号線17
b(1)はVgh(オフ電圧)が印加されて、画素行
(1)のEL素子15には電流が流れない。
【0602】画素行(2)が選択されている時は、図1
の画素構成ではゲート信号線17b(2)はオフ電圧
(Vgh)が印加され、EL素子15には電流が流れな
い。しかし、先の画素行(1)のゲート信号線17a
(1)にはオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号
線17b(1)にはオン電圧(Vgl)が印加されるた
め、点灯状態となっている。このオン電圧が印加される
期間は、図136の実施例によれば、S/Nの期間であ
る。その後、ゲート信号線17b(2)はVgh(オフ
電圧)が印加されて、画素行(2)のEL素子15には
電流が流れない。
【0603】次の1H後には、ゲート信号線17a
(3)が選択され、ゲート信号線17b(3)はオフ電
圧(Vgh)が印加され、画素行(3)のEL素子15
には電流が流れない。しかし、先の画素行(1)(2)
のゲート信号線17a(1)(2)にはオフ電圧(Vg
h)が印加され、ゲート信号線17b(1)(2)には
オン電圧(Vgl)が印加されるため、点灯状態となっ
ている。以上の動作が繰り返されて、図136の表示状
態が実現される。
【0604】図136の表示では、1つの表示領域31
1が画面の上から下方向に移動する。フレームレートが
低いと、表示領域311が移動するのが視覚的に認識さ
れる。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移
動させた時などに認識されやすくなる。
【0605】この課題に対しては、図138に図示する
ように、表示領域311を複数に分割するとよい。図1
38(b)は、非表示領域312を5つに分割してい
る。この5つを加えた部分がS(N−1)/Nの面積と
なれば、図136の明るさと同等になる。逆に表示領域
311から見れば、表示領域(点灯領域)311は6つ
に分割しているが、この6つに分割された領域を加えた
部分がS/Nと略一致するように構成(駆動)すれば、
図136の表示輝度と同等となる。
【0606】なお、図138(b)にも図示するよう
に、分割された表示領域311は等しくする必要はな
い。また、分割された非表示領域312も等しくする必
要はない。
【0607】以上のように、表示領域311を複数に分
割することにより画面のちらつきは減少する。したがっ
て、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現でき
る。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分
割すればするほど動画表示性能は低下する。
【0608】図139はゲート信号線17に印加する電
圧波形である。図139と図137の差異は、ゲート信
号線17bの動作である。ゲート信号線17bは画面を
分割する個数に対応して、その個数分だけオンオフ(V
glとVgh)動作する。他の点は図137と同一であ
るので説明を省略する。
【0609】以上の実施例では、同時に選択する画素行
は1画素行であった。図88は複数画素行を同時に選択
する方法である。図88では説明を容易にするために、
5画素行と同時に選択するとして説明するが、これに限
定するのもではなく、2画素以上であればよい。ただ
し、同時に選択する画素行が増加すると、駆動TFT1
1aのバラツキ吸収効果が低減する。
【0610】なお、以下の実施例においても図1の電流
プログラムの画素構成を例示して説明をするがこれに限
定するものではない。図21、図43、図71のカレン
トミラーでも有効であることは言うまでもない。同時に
選択される画素行がおおくなることにより、ソース信号
線の寄生容量404などの充放電が容易になるからであ
る。また、図54、図67、図68、図103などの電
圧プログラムの画素構成でも有効である。同時に選択さ
れる画素行が増加することにより、隣接した画素行を予
備充電でき、高精細表示パネルにも対応できるようにな
るからである。
【0611】なお、ここでも、説明を容易にするため
に、ソースドライバIC14からソース信号線18に流
す電流(もしくは、ソースドライバIC14がソース信
号線18から吸い込む電流、駆動TFT11aがソース
信号線18に流し込む電流)は所定値の10倍(N=1
0)として説明をする。
【0612】したがって、同時に選択する画素行が5画
素行(K=5)であれば、5つの駆動TFT11aが動
作する。つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流
がTFT11aに流れる。同時に選択する画素行が2画
素行であれば、2つの駆動TFT11aが動作する。つ
まり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がTFT1
1aに流れる。
【0613】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であれば、5つのTFT11aのプログラム電流を
加えたものとなる。たとえば、書き込み画素行871a
に、本来、書き込む電流Idとし、N=10とすれば、
ソース信号線18には、Id×10の電流を流す。書き
込み画素行871aと隣接した画素行871b(871
bはソース信号線18への電流量を増加させるため、補
助的に用いる画素行である。したがって、画像を書き込
む画素(行)が871aであり、871aに書き込むた
めに補助的に用いるのが画素(行)が871bであ
る)。
【0614】理想的には、5画素のTFT11aが、そ
れぞれId×2の電流をソース信号線18に流す。そし
て、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプ
ログラムされる。しかし、現実には、5画素の各TFT
11は特性がずれているから、各画素のコンデンサ19
にプログラムされる電流にバラツキが発生する。たとえ
ば、画素(行)871aには、1.8倍、4つの画素
(行)871bには、2.2倍、2.0倍、1.6倍、
2.4倍の電流がプログラムされる。この例では、書き
込み画素行871aには1.8倍の電流がプログラムさ
れる。したがって、(2.0−1.8)/2.0=10
%の誤差がでる。しかし、これらを加算した電流は10
倍と規定値に保たれる。
【0615】つまり、ソース信号線18にはソースドラ
イバ14からプログラムされた電流が規定どおり流れ
る。しかし、選択された画素には特性バラツキの応じた
電流が流れる。したがって、各画素のTFT11aの特
性バラツキが大きいほど、目標とするプログラム電流が
設定値からはずれる。しかし、隣接したTFT11aは
ほぼ特性が一致しているから、図88などのように同時
に選択する画素行を増加させても均一表示を実現でき
る。
【0616】なお、図87、図88などの実施例は、低
温ポリシリコン技術でTFT11を形成して表示パネル
よりも、アモルファスシリコン技術でTFT11を形成
した表示パネルに有効である。アモルファスシリコンの
TFT11では、隣接したTFTの特性がほぼ一致して
いるからである。したがって、加算した電流で駆動して
も個々のTFTの駆動電流はほぼ目標値となっている。
【0617】図88において、書き込み画素(行)87
1aの画像データでK行(K=5)同時に書き込む。し
たがって、K行の範囲(871a、871b)は同一表
示となる。このように同一表示にすると当然のことなが
ら解像度が低下する。これを対策するために、図88
(b)に図示するように書き込み画素行871の部分を
非点灯表示312とするのである。したがって、解像度
低下は発生しない。
【0618】次の1H後は、1画素行シフトした位置を
書き込み画素行871aとして同一動作を行う。非点灯
領域312も1画素(行)シフトされる。したがって、
先の1Hで電流プログラムされた画素(行)が表示され
る。
【0619】以上のように、本来の表示データと異なる
電流データを書き込まれた871bは表示されない。以
上の動作を1行づつシフトしていくと完全な画像表示を
実現できる。また、補助的に用いている画素行871b
の効果で、寄生容量404の充放電も十分1H期間内に
実現できる。
【0620】図140は、図88の駆動方法を実現する
ための駆動波形の説明図である。図135と同様に、電
圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベル)とし、オン電圧
をVgl(Lレベル)としている。また、図140の下
段に選択している画素行の番号を記載している。また、
(1)(2)(3)・・・(6)とは選択している画素
行番号を示している。したがって、行数はQCIF表示
パネルの場合は220本であり、VGAパネルでは48
0本である。
【0621】図140において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
TFT11aからソースドライバ14に向かってソース
信号線18にプログラム電流が流れる。ここでは説明を
容易にするため、まず、書き込み画素行871aが画素
行(1)番目であるとして説明する。
【0622】また、ソース信号線18に流れるプログラ
ム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=1
0として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示す
るデータ電流であるから、白ラスター表示などでない限
り固定値ではない。)である。また、5画素行が同時に
選択(K=5)として説明をする。したがって、理想的
には1つの画素のコンデンサ19には2倍に電流がTF
T11aに流れるようにプログラムされる。
【0623】書き込み画素行が(1)画素行目である
時、図140で図示したように、ゲート信号線17aは
(1)(2)(3)(4)(5)が選択されている。つ
まり、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッ
チングTFT11b、TFT11cがオン状態である。
また、ゲート信号線17bはゲート信号線17aの逆位
相となっている。したがって、画素行(1)(2)
(3)(4)(5)のスイッチングTFT11dがオフ
状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が
流れていない。つまり、非点灯状態312である。
【0624】理想的には、5画素のTFT11aが、そ
れぞれId×2の電流をソース信号線18に流す。そし
て、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプ
ログラムされる。ここでは、理解を容易にするため、各
TFT11aは特性(Vt、S値)が一致しているとし
て説明をする。
【0625】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえ
ば、書き込み画素行871aに、本来、書き込む電流I
dとし、ソース信号線18には、Id×10の電流を流
す。書き込み画素行(1)より以降に画像データを書き
込む書き込み画素行871bソース信号線18への電流
量を増加させるため、補助的に用いる画素行である。し
かし、書き込み画素行871bは後に正規の画像データ
が書き込まれるので問題がない。
【0626】したがって、画素行871bは、1H期間
の間は871aと同一表示である。そのため、書き込み
画素行871aと電流を増加させるために選択した画素
行871bとを少なくとも非表示状態312とするので
ある。ただし、図21、図43、図71のようなカレン
トミラーの画素構成、図68などの電圧プログラム方式
の画素構成では、場合によっては表示状態としてもよ
い。
【0627】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(6)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(6)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(1)には正規
の画像データが保持される。
【0628】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(7)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(7)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(2)には正規
の画像データが保持される。以上の動作と1画素行づつ
シフトしながら走査することにより1画面が書き換えら
れる。
【0629】図134と同様であるが、図140の駆動
方法では、各画素には2倍の電流(電圧)でプログラム
を行うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的
には2倍となる。したがって、表示画面の輝度は所定値
よりも2倍となる。
【0630】これを所定の輝度とするためには、図87
に図示するように、書き込み画素行871を含み、かつ
表示領域21の1/2の範囲を非表示領域312とすれ
ばよい。このことは図137などを用いて説明したので
説明を省略する。
【0631】表示画面21に占める黒表示領域(非表示
領域)312の面積を大きくするほど動画表示性能が向
上する。したがって、図141に図示するように非表示
領域311を少なくし、非表示領域312の面積を大き
くすればよい。
【0632】図87のように、各画素にプログラムする
電流が2倍で点灯領域311の面積が表示画面21の1
/2であれば、所定の表示輝度を得ることができる。し
かし、図141のように点灯領域311が表示画面21
の1/2よりも小さい場合は、画面は暗くなる。所定輝
度を得るためには、各画素にプログラムする電流を大き
くすればよい。たとえば、表示領域(点灯領域)311
が表示画面21の面積の1/5であり、同時に選択する
画素行が5本(K=5)であれば、1画素行にプログラ
ムする電流(電圧)は所定値の5倍にすればよい。ソー
ス信号線18に流れる電流は5×5画素行=25倍とな
る。
【0633】いずれにせよ、本発明の実施例ではソース
信号線18に流す電流(電圧)を変化させることにより
プログラム電流(電圧)を調整することができる。つま
り、ソースドライバ14の基準電流(電圧)を調整する
だけでソース信号線18に流れる電流を調整できる。2
画素行を同時にオンさせるか、5画素行を同時にオンさ
せるか、または1画素行のみを選択するかは、図2など
に図示するゲートドライバ12のシフトレジスタ22に
印加するST*端子へのデータで設定できる。したがっ
て、ソースドライバ14の仕様は、選択する画素数には
左右されない。また、画面の明るさもゲート信号線17
bのオンオフで調整することができるから、画面21の
明るさ調整でソースドライバ14からの出力電流を変化
させることはない。したがって、EL素子15のガンマ
特性は1つの電流に対して決定すればよい。そのため、
ソースドライバ14の構成は極めて容易であり、汎用性
の高いものとなる。以上の事項は、他の本発明の実施例
にも適用できることは言うまでもない。
【0634】以上の実施例は、1画素行ごとに1本の選
択画素行を配置(形成)する構成であった。本発明は、
これに限定するものではなく、複数の画素行で1本の選
択ゲート信号線を配置(形成)してもよい。
【0635】図294はその実施例である。なお、説明
を容易にするため、画素構成は図1の場合を主として例
示して説明をする。図294では画素行の選択ゲート信
号線17aは3つの画素(16R、16G、16B)を
同時に選択する。Rの記号とは赤色の画素関連を意味
し、Gの記号とは緑色の画素関連を意味し、Bの記号と
は青色の画素関連を意味するものとする。
【0636】したがって、ゲート信号線17aの選択に
より、画素16R、画素16Gおよび画素16Bが同時
に選択されデータ書き込み状態となる。画素16Rはソ
ース信号線18Rからデータをコンデンサ19Rに書き
込み、画素16Gはソース信号線18Gからデータをコ
ンデンサ19Gに書き込む。画素16Bはソース信号線
18Bからデータをコンデンサ19Bに書き込む。
【0637】画素16RのTFT11dはゲート信号線
17bRに接続されている。また、画素16GのTFT
11dはゲート信号線17bGに接続され、画素16B
のTFT11dはゲート信号線17bBに接続されてい
る。したがって、画素16RのEL素子15R、画素1
6GのEL素子15G、画素16BのEL素子15Bは
別個にオンオフ制御することができる。つまり、EL素
子15R、EL素子15G、EL素子15Bはそれぞれ
のゲート信号線17bR、17bG、17bBを制御す
ることにより、点灯時間、点灯周期を個別に制御可能で
ある。
【0638】この動作を実現するためには、図2の構成
において、ゲート信号線17aを走査するシフトレジス
タ22と、ゲート信号線17bRを走査するシフトレジ
スタ22と、ゲート信号線17bGを走査するシフトレ
ジスタ22と、ゲート信号線17bBを走査するシフト
レジスタ22の4つを形成(配置)することが適切であ
る。
【0639】図295は画素16の配置を図示してい
る。図295では画素は横ストライブ状に形成している
(なお、従来の構成では、一般的に縦ストライプ状であ
る)。横ストライプ状に画素を配置することにより、ゲ
ート信号線17とスイッチング素子11との接続が容易
になり、また、画素レイアウトも容易になる。また、高
分子材料のEL素子では、インクジェットによる作製も
容易になる。
【0640】なお、図294、図295で、画素は横ス
トライブ状に形成するとしたが、従来と同様に縦ストラ
イプ状であってもよいことは言うまでもない。また、以
降説明する、あるいは説明をした逆バイアス電圧印加方
式、ブロック駆動方式、Vbb電圧での制御方式、RG
Bそれぞれの電圧を別個にする構成、TFT11bの突
き抜け電圧を利用する方式、図241の方式、ダミー画
素行を付加する構成など本明細書で説明した他の実施例
などと組み合わせることが適切であることは言うまでも
ない。
【0641】図296は、図294の画素構成の動作波
形である。なお、説明を容易にするため、1画素行(も
ちろん、RGBでカウントするのであれば、3画素行と
いうことになる)を選択するとして説明をする。ただ
し、図87、図88、図142などで説明したように複
数の画素行を同時に選択する駆動方法も実現できること
は言うまでもない。また、図252で説明したように、
1H期間の範囲であってもゲート信号線のタイミング制
御を行う必要があるが、ここでは説明を容易にするた
め、ゲート信号線17aによる画素行の選択は1H期間
であるとして説明をする。以上の事項は、本明細書で説
明した他の駆動方法、パネル構成においても適用され
る。
【0642】図296において、書き込み画素行が
(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは画素1
6プロック(これを1画素行と考える方が理解は容易に
なる)が選択している(図294もあわせて参照のこ
と)。つまり、画素16R、画素16G、画素16Bが
選択されている。したがって、画素行(1)の16R、
画素行(1)の16Gおよび画素行(1)の16Bのス
イッチングTFT11b、TFT11cがオン状態であ
る。
【0643】画素行(1)の画素16Rはソース信号線
18Rからの画像データをコンデンサ19Rに書き込
む。また、画素行(1)の画素16Gはソース信号線1
8Gからの画像データをコンデンサ19Gに書き込み、
画素行(1)の画素16Bはソース信号線18Bからの
画像データをコンデンサ19Bに書き込む。
【0644】なお、説明を容易にするため、図296で
は、各画素にはN倍(N=2)の電流がEL素子15に
流れるようにプログラムするとし、1フレーム(1フィ
ールド)の1/Nの期間にEL素子15に電流が流れる
として説明をする。ただし、本明細書で説明するとお
り、他の実施例を実施してもよいことは言うまでもな
い。また、N値を大きくすることにより、ソース信号線
18の寄生容量404の影響を無視できるようになり、
画素16に画像データを書き込みやすくなることは言う
までもない。つまり、N=2に限定するものではない。
また、Nは整数に限定するものではなく、2.5などの
ような値でも実現できることはいうまでもない。また、
ゲート信号線17aの選択時間も1Hに限定するもので
はなく、2H以上でもよい。
【0645】画素行(1)のゲート信号線17bR、ゲ
ート信号線17bGおよびゲート信号線17bBは、ゲ
ート信号線17aの逆位相となっている。したがって、
少なくとも画素行(1)の画素16R、画素16Gおよ
び画素16BのスイッチングTFT11dがオフ状態で
あり、対応する画素行のEL素子(15R、15G、1
5B)には電流が流れていない。つまり、非点灯状態3
12である。
【0646】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(2)の画素16R、画素16Gおよび画素16
BのTFT11aからソースドライバ14に向かってソ
ース信号線18(それぞれ、18R、18G、18B)
にプログラム電流が流れる。このように動作することに
より、画素行(1)の画素16R、画素16Gおよび画
素16Bには画像データが保持される。
【0647】さらに次の、1H後には、ゲート信号線1
7a(2)は非選択となり、ゲート信号線17b(2)
にはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、
ゲート信号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、
選択された画素行(3)のTFT11aからソースドラ
イバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流
が流れる。このように動作することのより、画素行
(2)に画像データが保持される。以上の動作を1画素
行づつシフトしながら走査することにより1画面が書き
換えられる。
【0648】次に、図296のゲート信号線17bの動
作を主に説明をする。画素16Rにはゲート信号線17
bRが接続されている。画素16Gにはゲート信号線1
7bGが接続されている。また、画素16Bにはゲート
信号線17bBが接続されている。したがって、画素1
6Rはゲート信号線17bRでEL素子15Rに流れる
電流をオンオフ制御することができる。同様に、画素1
6Gはゲート信号線17bGでEL素子15Gに流れる
電流をオンオフ制御することができ、画素16Bはゲー
ト信号線17bBでEL素子15Bに流れる電流をオン
オフ制御することができる。
【0649】図296では、ゲート信号線17bR、ゲ
ート信号線17bGおよびゲート信号線17bBは各画
素行において、同一波形にしている。したがって、EL
素子15R、15Gおよび15Bは同時にオンオフ(点
灯、非点灯)される。なお、図296は4HごとにEL
素子15をオンし、またオフさせているがこれに限定す
るものではない。1Hごとや、それ以上でもよい。ま
た、原理的には1H以下の周期でEL素子15をオンオ
フさせてもよい。
【0650】ただし、オンオフ周期をあまりにも速くす
ると動画表示で動画ボケが発生する。したがって、EL
素子15がオンし、消灯して次にオンするまでの間隔は
0.5msec以上にする必要がある。この周期が短い
と、人間の目の残像特性により完全な黒表示状態となら
ず、画像がぼやけたようになり、あたかも解像度が低下
したようになる。また、データ保持型の表示パネルの表
示状態となる。しかし、オンオフ周期を100msec
以上になると、点滅状態に見える。したがって、EL素
子のオンオフ周期は0.5μsec以上100msec
以下にすべきである。さらに好ましくは、オンオフ周期
を2msec以上30msec以下にすべきである。さ
らに好ましくは、オンオフ周期を3msec以上20m
sec以下にすべきである。
【0651】以上の関係から、1フレーム(1フィール
ド)に要する時間と、ゲート信号線17bに印加する信
号(Vgh、Vgl)の周期あるいは回数から画面をオ
ンオフさせる黒画面312の挿入数が決定される。黒画
面312を1つにすると良好な動画表示を実現できる
が、画面のちらつきが見えやすくなる。したがって、黒
312挿入部を複数に分割することが好ましい。しか
し、分割数をあまりに多くすると動画ボケが発生する。
分割数は1以上8以下とすべきである。さらに好ましく
は1以上5以下とすることが好ましい。
【0652】なお、本発明は、TFT11dをオフし、
EL素子15に流れる電流を遮断しても、再び、TFT
11dをオンすると、先に流れていた電流と同一の電流
をEL素子15に流すことができる。これは、流す電流
値が、画素のコンデンサ19にメモリ(アナログメモ
リ)されているからである。この事項は、本発明の大き
な特徴である。つまり、EL素子15に流す電流をオン
オフさせる制御を自由にできるからである。
【0653】図296では、ゲート信号線17bR、ゲ
ート信号線17bGおよびゲート信号線17bBは各画
素行において、同一波形にしている。また、画素行の選
択は1Hごとに選択画素行を順次シストしている。した
がって、EL素子15R、15Gおよび15Bの発光位
置は、画面21の上から下へ高速に移動していく。ま
た、このオンオフ制御と黒画面312の挿入割合および
黒画面312の挿入個数は、図2などで説明したシフト
レジスタ22へのSTデータを制御することにより容易
に実現できる。もちろん、ゲート信号線17bに印加す
るVghデータの制御をパラレル制御してもよいことは
言うまでもない。
【0654】また、ゲート信号線17に印加する信号は
周期的な信号としたが、これに限定するものではなく、
非周期的な信号でもよい。ただし、EL素子15をオン
またはオフする時間の総和が異なると画面の明るさが変
化してしまう。また、色バランスのずれが発生する。し
たがって、1フレーム(1フィールド)の期間におい
て、EL素子15をオンまたはオフする時間の総和を一
定値にする必要がある。特殊な場合として、2フレーム
(2フィールド)以上の期間でEL素子15をオンまた
はオフする時間の総和を一定値にしても良い場合があ
る。1フレーム(フィールド)が非常に高速である場合
と、FSC(フレームシーケンシャルコントロール)駆
動の場合である。
【0655】図296では、ゲート信号線17bR、ゲ
ート信号線17bGおよびゲート信号線17bBは各画
素行において、同一波形にしている。また、画素行の選
択は1Hごとに選択画素行を順次シストしている。図2
97では、ゲート信号線17bRに印加する波形は2H
周期で変化させ、ゲート信号線17bGに印加する波形
は3H周期で変化させ、ゲート信号線17bBに印加す
る波形は4H周期で変化させている。他の事項は、図2
96と同様であるので説明を省略する。
【0656】なお、図297では、ゲート信号線17b
Rに印加する波形は2H周期で変化させ、ゲート信号線
17bGに印加する波形は3H周期で変化させ、ゲート
信号線17bBに印加する波形は4H周期で変化させて
いるとしたが、これは作図を容易にするためであって、
2H、3Hなどに限定されるものではない。少なくと
も、画素16Rに接続されたゲート信号線16bRと、
画素16Gに接続されたゲート信号線16bGと、画素
16Bに接続されたゲート信号線16bBのうち1つ以
上のゲート信号線17bに印加する信号波形を他のゲー
ト信号線17bとを異ならせたものである。
【0657】図297のように駆動すると、EL素子1
5R、15Gおよび15Bの発光位置は、画面21の上
から下へ高速に移動していく。この際、EL素子15R
のオンオフ(点灯、非点灯)周期と、EL素子15Gの
オンオフ(点灯、非点灯)周期と、EL素子15Bのオ
ンオフ(点灯、非点灯)周期とが異なる。EL素子15
の点灯周期を異ならせることにより、フリッカの発生が
目立ちにくくなる。
【0658】また、このオンオフ制御と黒画面312の
挿入割合および黒画面312の挿入個数は、図2などで
説明したシフトレジスタ22へのSTデータを制御する
ことにより容易に実現できる。もちろん、ゲート信号線
17bに印加する信号(Vgh、Vgl)データの制御
をパラレル制御してもよいことは言うまでもない。
【0659】図298では、ゲート信号線17bRに印
加するVgl期間を他のゲート信号線17bよりも短く
している。したがって、ゲート信号線17bRに接続さ
れたEL素子15Rの点灯時間は長くなる(画素16R
のTFT11dがオンする期間が長くなる)。したがっ
て、表示画面21のRの発光輝度が強くなる。
【0660】以上のように、ゲート信号線17bR、ゲ
ート信号線17bG、ゲート信号線17bBに印加する
信号を個別に制御することにより、画面21の色バラン
ス、フリッカの発生を抑制できる。つまり、EL素子1
5をオンさせる時間、タイミング、周期を制御すること
により、画面21の色バランス、フリッカの発生を抑制
できる。
【0661】なお、図298では、ゲート信号線17b
Gに印加する波形は3H周期で変化させ、ゲート信号線
17bBに印加する波形は4H周期で変化させていると
したが、これは作図を容易にするためであって、2H、
3Hなどに限定されるものではない。少なくとも、画素
16Rに接続されたゲート信号線16bRと、画素16
Gに接続されたゲート信号線16bGと、画素16Bに
接続されたゲート信号線16bBのうち1つ以上のゲー
ト信号線17bに印加する信号波形のうち、TFT11
dをオンさせる(もしくはオフさせる)信号の印加時間
を他のゲート信号線17bとを異ならせたものである。
【0662】図298のように駆動すると、EL素子1
5R、15Gおよび15Bの発光位置は、画面21の上
から下へ高速に移動していく。この際、EL素子15R
のオン(点灯)時間と、EL素子15Gのオン(点灯)
時間と、EL素子15Bのオン(点灯)時間を異ならせ
ることができる。したがって、画面の色バランス調整が
可能となり、また、フリッカの発生が目立ちにくくな
る。このような色バランス調整は、ユーザーが画面21
をみながら、調整できるように構成しておくことが好ま
しい。この調整は容易である。図2などのシフトレジス
タ22に入力するSTデータのオン個数を増加あるいは
減少させればよいからである。また、このオンオフ制御
と黒画面312の挿入割合および黒画面312の挿入個
数は、図2などで説明したシフトレジスタ22へのST
データを制御することにより容易に実現できる。もちろ
ん、ゲート信号線17bに印加する信号(Vgh、Vg
l)データの制御をパラレル制御してもよいことは言う
までもない。
【0663】なお、図294から図298は画素構成が
図1の場合を例示して説明をした。しかし、以上の実施
例は、他の画素構成であっても適用できることは言うま
でもない。たとえば、図21、図43、図71、図2
2、図54、図68、図103などである。つまり、図
294から図298で説明した技術的思想は他の構成に
おいても適用できる。たとえば、図360は画素がカレ
ントミラーの構成(図21、図43などを参照のこと)
の場合の実施例である。また、図361は、図54など
で図示した電圧プログラムの画素構成の実施例である。
【0664】図88、図87、図140などで説明した
駆動方法は、同時に複数画素行を選択する駆動方式であ
った。この駆動方式では以下の点で注意が必要である。
結論から言えば、表示に寄与しない画素(行)(ダミー
画素(行))を設ける(形成する)ことが好ましいこと
である。以上の理由などについて以下に説明をする。
【0665】図246は、同時に2画素行を選択する駆
動方式の説明図である。図246において、画素16
a、16bが選択されている状態を図示している。画素
16aのTFT11aと画素16bのTFT11aはそ
れぞれ、電流Iddをソース信号線18に流す。
【0666】ここで説明を容易にするため、各画素のT
FT11aが流す電流はバラツキがないとし、2×Id
d=Iwとする。つまり、ソースドライバ回路14はソ
ース信号線18からの電流Iwを吸収し、この電流Iw
を2等分した電流が各画素のコンデンサ19にプログラ
ムされる。たとえば、Idd=15nAであれば、Iw
=30nAである。
【0667】図247(a)に図示するように、2本の
書き込み画素行871(871a、871b)が選択さ
れ、画面21の上辺から下辺に順次選択されていく。し
かし、図871(b)のように、画面の下辺までくると
書き込み画素行871aは存在するが、871bはなく
なる。つまり、選択する画素行が1本しかなくなる。そ
のため、ソース信号線18に印加された電流Iwは、す
べて画素行871aに書き込まれる。したがって、Iw
=Iddとなり、図247(a)の画素行871aに比
較して、2倍の電流が画素にプログラムされてしまう。
【0668】この課題に対して、本発明は、図247
(b)に図示するように画面21の下辺にダミー画素行
2471を形成(配置)している。したがって、選択画
素行が画面21の下辺まで選択された場合は、画面21
の最終画素行とダミー画素行2471が選択される。そ
のため、図247(b)の書き込み画素行には、規定ど
おりのIdd=Iw/2の電流が書き込まれる。
【0669】図248は図247(b)の状態を示して
いる。図248で明らかのように、選択画素行が画面2
1の下辺の画素16b行まで選択された場合は、画面2
1の最終画素行2471が選択される。また、図249
に図示するように、画素行2471を形成(配置)す
る。しかし、ダミー画素行2471は表示領域21外に
配置する。つまり、ダミー画素行2471は点灯しな
い、あるいは点灯させない、もしくは点灯しても表示と
して見えないように構成する。
【0670】なお、図248、図249のようにダミー
画素行2471を形成(配置)する構成であっても、図
179で説明したように点灯制御線1791でゲート信
号線17bなどを共通にし、ブロック点灯駆動を実施し
たりできることはいうまでもない。また、逆バイアス駆
動とも組み合わせることができることも言うまでもない
(図250を参照のこと)。
【0671】図247では、画面21の下辺にダミー画
素(行)2471を設ける(形成する、配置する)とし
たが、これに限定するものではない。たとえば、図25
1(a)に図示するように、画面の下辺から上辺に走査
する(上下逆転走査)する場合は、図251(b)に図
示するように画面21の上辺にもダミー画素行2471
を形成すべきである。つまり、画面21の上辺を下辺の
それぞれにダミー画素行2471を形成(配置)する
(図254を参照のこと)。以上のように構成すること
により、画面の上下反転走査にも対応できるようにな
る。
【0672】以上の実施例は、2画素行を同時選択する
場合であった。本発明はこれに限定するものではなく、
たとえば、5画素行を同時選択する方式でもよい。
【0673】図255は5画素行を同時に選択する駆動
方法の説明図である。図255に図示するように、画面
の上下辺に4画素分のダミー画素行2471を形成して
いる。
【0674】図271は図255の表示パネルの駆動方
法の説明図である。ソースドライバ回路14からはIw
=5×Iddの電流が出力(あるいは吸収)するとして
説明する。電流Iddは各画素に書き込まれる電流(プ
ログラムされる電流)である。なお、Iddは、表示画
像によって異なるのは言うまでもない。
【0675】5画素行を同時に選択する駆動方式では、
ソースドライバ回路14は画素に書き込む電流Iddの
5倍の電流と出力する。図271(a)では、画面21
の1番上の画素のみが選択されている。しかし、この状
態ではIw=5×Iddであるから、所定値の5倍の電
流が書き込み画素行871に書き込まれてしまう。
【0676】この課題に対して、本発明では、図271
(a)に図示するように、4画素行のダミー画素行24
71aを同時に選択する。つまり、4本のダミー画素行
2471aと1本の表示領域の書き込み画素行871が
同時選択される。したがって、Iw=5×Iddとなる
から、図271(a)で選択した画素行871には所定
の電流Iddがプログラムされる。
【0677】図271(b)では、表示領域21の2本
の書き込み画素行871が選択され、ダミー画素行24
71aは1本が選択されず、3本が選択される。したが
って、選択された画素行は計5本となる。そのため、I
w=5×Iddとなるから、図271(b)で選択した
2本の画素行871には所定の電流Iddがプログラム
される。
【0678】同様に、図271(c)では、表示領域2
1の3本の書き込み画素行871が選択され、ダミー画
素行2471aは2本が選択されず、2本が選択され
る。したがって、選択された画素行は計5本となる。そ
のため、Iw=5×Iddとなるから、図271(c)
で選択した2本の画素行871には所定の電流Iddが
プログラムされる。
【0679】以上のように、図271(d)では、表示
領域21の4本の書き込み画素行871が選択され、ダ
ミー画素行2471aは3本が選択されず、1本が選択
される。また、図271(e)では、表示領域21の5
本の書き込み画素行871が選択され、ダミー画素行2
471aは選択されない。以上、5本の画素行は順次選
択されていく(図271(f)(g)(h))。画面2
1の下辺に到達すると、ダミー画素行2471bの選択
本数が1Hごとに増加する。
【0680】以上のように駆動することにより、同時選
択する画素行が増加しても、画面21の上辺あるいは下
辺を選択する際、ダミー画素行2471を含めた画素行
を一定値とすることができる、そのため、ソースドライ
バ回路14が出力する電流値は画像データの同時選択画
素行倍に固定することができる。したがって、ソースド
ライバ回路14の構成が容易になり、また、各画素には
目標の所定電流(電圧)が書き込まれる。
【0681】以上のように、5画素行を同時に選択する
駆動方式では、画面の1辺に5−1=4本のダミー画素
行を形成すればよい。つまり、同時に選択する(画素行
数−1)本以上のダミー画素行を形成あるいは配置すれ
ばよい。
【0682】また、以上の実施例は、2画素行を同時選
択する実施例と、5画素行を同時選択する実施例であっ
た。本発明はこれに限定するものではなく、3画素行あ
るいはそれ以上の画素行を同時に選択してもよい。
【0683】また、以上の実施例では、隣接した画素行
を同時選択するとして説明したがこれに限定するもので
はない。たとえば、1画素行おきに選択してもよいし、
ランダムに選択してもよい。
【0684】以上の実施例では、複数の画素行を選択す
る際、画面21の走査の最初あるいは最後の部分でダミ
ー画素行2471を選択し、ソースドライバ回路14に
流れる電流Iwを一定値とするものである。もちろん、
本発明はダミー画素行を形成あるいは配置するものであ
るであって、ソースドライバ回路14に流れる電流を一
定値にすることに限定されるものではない。
【0685】図272は、書き込み画素行871aが選
択されていない期間に、ダミー画素行2471aをオン
させる駆動方法である。また、書き込み画素行871a
は1画素行としているがこれに限定するものではなく、
図271などのように複数画素行であってもよいことは
言うまでもない。このような駆動を行う場合として、ア
レイ基板49に直接にゲートドライバ回路12を形成
(ゲートドライバ内蔵構成)する場合が例示される。
【0686】ゲートドライバ内蔵構成では、複雑な回路
を形成することが歩留まりあるいは形成面積の観点から
困難である。そのため、極力簡略化した回路構成で、ゲ
ートドライバ回路12を形成する。回路構成を簡略化す
るため、形成されたゲートドライバ回路12はその動作
に制約がある場合が発生する。
【0687】たとえば、ゲートドライバ回路12のシフ
トレジスタ22にデータ(ST)を入れても、2−3ク
ロック(クロックは1Hとする)後でないと、ゲート信
号線17aにオン信号(Vgl)が出力しないことが例
示される。ただし、ゲート信号線17a(1)にオンデ
ータが出力された後は、以後、1Hのクロックに同期し
てオンデータ位置は順次シフトされる。
【0688】以上のように、2−3クロック後でない
と、ゲート信号線17a(1)が選択されないとなる
と、2−3クロックの間、いずれの画素行も選択されな
いことになる。この期間は、ソースドライバ回路14の
出力は0(電流の入出力はない)状態とすることが好ま
しい。しかし、ソースドライバ回路14の出力段は定電
流回路で構成されている。そのため、流れる電流を完全
に0とすることが困難である。ソース信号線18に電流
が流れると(ソース信号線18の電荷をソースドライバ
回路14が吸収する)、ソース信号線18の電位を低下
させる。ソース信号線18の電位が低下すると、各画素
16のコンデンサ19の電位も低下する場合がある。コ
ンデンサ19の電位が低下すると、TFT11aのゲー
ト(G)端子の電位を低下させる方向になるため、TF
T11aが電流をより流す方向となる。この状態が顕著
に現れるのが、画面が黒表示状態の場合である。各画素
のTFT11aが電流を流すことにより、黒浮きが発生
するからである。
【0689】この課題に対しては、表示領域21のいず
れのゲート信号線17が選択されていない場合(状
態)、ダミー画素行2471を選択し、電流がソース信
号線に流れるように駆動する。つまり、ダミー画素行2
471のスイッチングTFT11をオンさせ、また、駆
動用TFT11aのインピーダンスを低下させる。した
がって、ソースドライバ回路14に流れ込む電流は、ダ
ミー画素行2471のTFT11aから供給されるよう
に構成しておく。
【0690】また、重要なのは、表示領域21のいずれ
の画素行も選択されない状態では、ソースドライバ回路
14の出力段回路は、極力、電流オフの状態とすること
である。
【0691】図272(a1)では、ゲートドライバ内
蔵回路12のシフトレジスタ22にスタート信号が印加
されたことを想定している。図272(a2)は、図2
72(a1)に比較して1H後である。同様に、図27
2(a3)はさらに1H後であり、図272(a4)は
さらに1H後である。
【0692】図272(a)では、最初の2H期間は表
示領域21のいずれのゲート信号線も選択されず、3H
後の、図272(a3)で初めて画素行(1)が選択さ
れ、以降、図272(a4)で1画素行シフトされ、画
素行(2)が選択されたところを示している。
【0693】図272(a1)(a2)では、いずれの
画素行も選択されていない。その対策として、ダミー画
素行2471aを選択し、ソース信号線18の電位を変
化させないように、ダミー画素行2471aにTFT1
1aから電流を供給している。
【0694】以上のように、ダミー画素行2471aか
ら電流を供給することにより黒浮きがなく、良好な画像
表示を実現できる。また、画面のホワイトバランスなど
の変化も発生しない。
【0695】なお、図272(a)では、ソースドライ
バ回路14に近い側のダミー画素行2471aを選択す
るとしたがこれに限定するものではない。たとえば、図
272(b)のように、ソースドライバ14から遠い側
のダミー画素行2471bを選択してもよい。また、ダ
ミー画素行2417aと2471bの両方を選択しても
よい。
【0696】また、図272(b)の駆動方式は、図2
72(a)と動作は同様である。図272(b1)で、
ゲートドライバ内蔵回路12のシフトレジスタ22にス
タート信号が印加され、図272(b2)は、図272
(b1)に比較して1H後である。同様に、図272
(b3)はさらに1H後であり、図272(b4)はさ
らに1H後である。
【0697】図272(b)の図272(a)と同様
に、最初の2H期間は表示領域21のいずれのゲート信
号線も選択されず、3H後の、図272(b3)で初め
て画素行(1)が選択され、以降、図272(b4)で
1画素行シフトされ、画素行(2)が選択されたところ
を示している。図272(b)のように、ソースドライ
バ回路14から遠い方のダミー画素行2471bを選択
するほうが、ソース信号線18の電位が安定化しやす
い。この状態を図253に示している。
【0698】なお、図272の実施例では、選択する画
素行は1本であったが、これに限定するものではない。
たとえば、図271のように複数の画素行を選択する駆
動方式にも適用することができることは言うまでもな
い。なお、複数の画素行を選択する駆動方式において、
表示領域21の画素行が全く選択されていないときに発
生する黒浮きあるいは画質変化問題を解決することを目
的とするのであれば、図271のように複数のダミー画
素行2471を形成する必要はない。図272に図示す
るように、1本のダミー画素行2471であってもよ
い。この1本のダミー画素行でソース信号線18の電位
などを安定化することが可能であるからである。
【0699】また、ダミー画素行2471aと2471
bとは、画面21の走査方向(たとえば、図247と図
251)によって、選択するダミー画素行2471を変
化させてもよい。
【0700】図272では、1フレーム(もしくは1フ
ィールド)の期間のうち、表示領域21のいずれの画素
行も選択されていない状態において、ダミー画素行24
71を選択するというものであった。しかし、実駆動状
態において、1水平走査期間に画素行が選択されていな
い場合がある。
【0701】図252はこの状態を説明するための動作
波形図である。本発明の表示装置では、1H(1水平走
査期間)のクロックで画素行が選択され、かつ選択され
た画素行が順次シフトしていく。しかし、1Hの期間に
おいても、所定の期間に画素行が選択されている。
【0702】基本的に選択される画素行のゲート信号線
17bは1Hの全期間の間、オフ電圧(Vgh)が印加
されている。図252では画素行番号1の時、画素行
(1)のゲート信号線17bにオフ電圧が印加される。
また、画素行番号2の時、画素行(2)のゲート信号線
17bにオフ電圧が印加される。
【0703】一方、ゲート信号線17aは1Hよりも短
い期間に選択電圧(Vgl)が印加されている。したが
って、画素行番号1の時、aの期間およびbの期間は画
素行(1)は非選択である。以上のように非選択の期間
を発生させるのは、ゲート信号線17bが変化するタイ
ミングとゲート信号線17aが変化するタイミングが一
致すると、突き抜け電圧が発生しやすいためである。突
き抜け電圧が発生すると、コンデンサ19に所望の電圧
(電流)が保持されなくなり、EL素子15の発光輝度
にバラツキが発生するからである。
【0704】少なくとも、図252に示すaの期間は確
保することが好ましい。bの期間は場合によっては0で
もよい。これは、EL素子15をオンオフ制御するタイ
ミングを考慮して決定すればよい。基本的には、ゲート
信号線17bがVglからVgh(つまり、非選択状
態)に変化したタイミングから、少なくとも、1Hの1
/64の時間以上1Hの1/8の時間以下経過してか
ら、ゲート信号線17aを選択することが好ましい。さ
らに、好ましくは、1Hの1/32の時間以上1Hの1
/8の時間以下経過してから、ゲート信号線17aを選
択することが好ましい。もしくは、ゲート信号線17b
がVglからVgh(つまり、非選択状態)に変化した
タイミングから、少なくとも、0.5μsec以上20
μsec以下経過してから、ゲート信号線17aを選択
することが好ましい。さらに、好ましくは、1μsec
以上10μsec以下経過してから、ゲート信号線17
aを選択することが好ましい。また、このaの期間また
はbの期間に図52などで説明したプリチャージ(ディ
スチャージ)電圧を印加するように構成するとさらに好
ましい。
【0705】ゲート信号線17aが選択されている期間
は、図252に図示する切り替え信号CSWがVghと
なる。この切り替え信号CSWのVglレベルで、ソー
スドライバ14の出力段はオフ状態となるように制御さ
れる。また、この切り替え信号CSWのVglレベル
で、図272で説明したダミー画素行2471が選択さ
れるように制御される。以上のように構成あるいは動作
させることにより、黒浮きがなく、良好な画像表示を実
現できる。また、画面のホワイトバランスなどの変化も
発生しないようにすることができる。
【0706】なお、図253において、ダミー画素24
71はEL素子15、TFT11dを形成しているよう
に図示したが、基本的にダミー画素2471はソース信
号線18に流す電流を供給する(画素構成によっては、
ソース信号線18から電流を吸収する)ものである。し
たがって、EL素子15は必要がない。逆にEL素子1
5などが形成されていると、EL素子15が点灯して問
題をなる。
【0707】本発明は、ダミー画素2471は図258
に図示するように、EL素子15などを形成していな
い。突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bは付加して
もしなくともよい。ただし、表示領域21の画素に突き
抜け電圧発生用のコンデンサ19bが形成されている場
合は、ダミー画素2471にも形成しておくことが好ま
しい。ダミー画素2471のTFT11aが流す電流を
表示領域21の画素16のTFT11aが流す電流と等
しくするためである。
【0708】図258は図1の画素構成の場合である。
図21、図43、図71のカレントミラーの画素構成で
は、図259に図示するように、ダミー画素2471で
は、駆動用TFT11b、EL素子15を削除する。図
54、図67、図103などの電圧プログラムの画素構
成の場合は、図260に図示するように、スイッチング
用のTFT11bとコンデンサ19aで構成する。電圧
プログラム方式では、画素の駆動用TFTからソース信
号線18に電流を供給することがないからである。
【0709】図258、図259などに図示するダミー
画素2471は、発光する必要がない。そのため、図2
56に図示するようにダミー画素2471の画素電極4
8にはEL膜を形成しない。図256に図示するように
画素電極48には絶縁膜2561を形成して、絶縁状態
とする。もしくは、図257に図示するように、ダミー
画素2471の画素電極48とカソード46の金属膜と
を電気的に短絡状態にする。このように構成することに
より、画素電極48の電位が安定する。
【0710】図136と同様に、図141のように1つ
の表示領域311が画面の上から下方向に移動すると、
フレームレートが低いと、表示領域311が移動するの
が視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、ある
いは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくな
る。
【0711】この課題に対しては、図142に図示する
ように、表示領域311を複数に分割するとよい。図1
42(b)は、非表示領域312を3つに分割してい
る。この3つを加えた部分がS(N−1)/Nの面積と
なれば、図141の明るさと同等になる。
【0712】図143はゲート信号線17に印加する電
圧波形である。図140と図143の差異は、基本的に
はゲート信号線17bの動作である。ゲート信号線17
bは画面を分割する個数に対応して、その個数分だけオ
ンオフ(VglとVgh)動作する。他の点は図140
とほぼ同一あるいは類推できるので説明を省略する。
【0713】なお、図142(b)にも図示するよう
に、非点灯表示領域312の走査方向は画面の上から下
方向のみに限定されるものではない。画面の下から上方
向に走査してもよい。また、上から下への走査方向と、
下から上方向への走査方向とを、交互にあるいはランダ
ムに走査してもよい。また、分割数をフレームごとに、
あるいは表示画面21の所定位置で変化させてもよいこ
とは言うまでもない。
【0714】以上のように、表示領域311を複数に分
割することにより画面のちらつきは減少する。したがっ
て、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現でき
る。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分
割すればするほどフリッカは軽減する。特にEL素子1
5の応答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオ
ンオフしても、表示輝度の低下はない。
【0715】本発明の駆動方法において、EL素子15
のオンオフは、ゲート信号線17bに印加する信号のオ
ンオフで制御できる。そのため、クロック周波数はKH
zオーダーの低周波数で制御が可能である。また、黒画
面挿入(非表示領域312挿入)を実現するのには、画
像メモリなどを必要としない。したがって、低コストで
本発明の駆動回路あるいは方法を実現できる。
【0716】図144は同時に選択する画素行が2画素
行の場合である。検討した結果によると、低温ポリシリ
コン技術で形成した表示パネルでは、2画素行を同時に
選択する方法は表示均一性が実用的であった。これは、
隣接した画素の駆動用TFT11aの特性が極めて一致
しているためと推定される。また、レーザーアニ−ルす
る際に、ストライプ状のレーザーの照射方向はソース信
号線18と平行に照射することで良好な結果が得られ
た。
【0717】図144において、書き込み画素行が
(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは(1)
(2)が選択されている(図145を参照のこと)。つ
まり、画素行(1)(2)のスイッチングTFT11
b、TFT11cがオン状態である。また、ゲート信号
線17bはゲート信号線17aの逆位相となっている。
したがって、少なくとも画素行(1)(2)のスイッチ
ングTFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯
状態312である。なお、図144では、フリッカの発
生を低減するため、表示領域311を5分割している。
【0718】理想的には、2画素(行)のTFT11a
が、それぞれId×5(N=10の場合)の電流をソー
ス信号線18に流す。そして、各画素16のコンデンサ
19には、5倍の電流がプログラムされる。
【0719】同時に選択する画素行が2画素行(K=
2)であるから、2つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、2つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
【0720】たとえば、書き込み画素行871aに、本
来、書き込む電流Idとし、ソース信号線18には、I
d×10の電流を流す。書き込み画素行871bは後に
正規の画像データが書き込まれるので問題がない。画素
行871bは、1H期間の間は871aと同一表示であ
る。そのため、書き込み画素行871aと電流を増加さ
せるために選択した画素行871bとを少なくとも非表
示状態312とするのである。
【0721】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(3)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(1)には正規
の画像データが保持される。
【0722】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(4)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(4)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(2)には正規
の画像データが保持される。以上の動作と1画素行づつ
シフトしながら走査することにより1画面が書き換えら
れる。
【0723】図40と同様であるが、図149の駆動方
法では、各画素には5倍の電流(電圧)でプログラムを
行うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的に
は5倍となる。したがって、表示領域311の輝度は所
定値よりも5倍となる。これを所定の輝度とするために
は、図87に図示するように、書き込み画素行871を
含み、かつ表示画面1の1/5の範囲を非表示領域31
2とすればよい。このことは図137などを用いて説明
したので説明を省略する。
【0724】表示画面21に占める黒表示領域(非表示
領域)312の面積を大きくするほど動画表示性能が向
上する。したがって、図141に図示するように非表示
領域311を少なくし、非表示領域312の面積を大き
くすればよい。
【0725】複数本の画素行を同時に選択する駆動方法
では、同時に選択する画素行数が増加するほど、TFT
11aの特性バラツキを吸収することが困難になる。し
かし、選択本数が低下すると、1画素にプログラムする
電流が大きくなり、EL素子15に大きな電流を流すこ
とになる。EL素子15に流す電流が大きいとEL素子
15が劣化しやすくなる。
【0726】図146はこの課題を解決するものであ
る。図146の基本概念は、1/2H(水平走査期間の
1/2)は図88で説明したように、複数の画素行を同
時に選択し、その後の1/2H(水平走査期間の1/
2)は図134で説明したように、1画素行を選択する
方法を組み合わせたものである。このようにくみあわせ
ることにより、TFT11aの特性バラツキを吸収しよ
り、高速にかつ面内均一性を良好にすることができる。
【0727】図146において、説明を容易にするた
め、第1の期間では5画素行を同時に選択し、第2の期
間では1画素行を選択するとして説明をする。
【0728】まず、第1の期間では、図146(a1)
に図示するように、5画素行を同時に選択をする。この
動作は図88を用いて説明した。ソース信号線に流す電
流は所定値の25倍とする。したがって、各画素16の
TFT11aには5倍の電流がプログラムされる。25
倍の電流であるから、寄生容量404は極めて短期間に
充放電される。したがって、ソース信号線の電位は、短
時間で目標の電位となり、各画素16のコンデンサ19
の端子電圧も5倍電流を流すようにプログラムされる。
この25倍電流の印加時間は1/2H(1水平走査期間
の1/2)とする。
【0729】当然のことながら、書き込み画素行の5画
素行は同一画像データが書き込まれるから、表示しない
ようにTFT11はオフ状態とされる。したがって、表
示状態は図146(a2)となる。
【0730】次の1/2H期間は、1画素行を選択し、
電流(電圧)プログラムを行う。この状態を図146
(b1)に図示している。書き込み画素行871aは先
と同様に5倍の電流を流すように電流(電圧)プログラ
ムされる。図146(a1)と図146(b1)とで各
画素に流す電流を同一にするのは、プログラムされたコ
ンデンサ19の端子電圧の変化を小さくして、より高速
に目標の電流を流せるようにするためである。
【0731】つまり、図146(a1)で、複数の画素
に電流を流し、高速に概略の電流が流れる値まで近づけ
る。この第1の段階では、複数のTFT11aでプログ
ラムしているため、目標値に対してTFTのバラツキに
よる誤差が発生している。次の第2の段階で、データを
書き込みかつ保持する画素行のみを選択して、概略の目
標値から、所定の目標値まで完全なプログラムを行うの
である。
【0732】なお、非点灯領域312を画面の上から下
方向に走査し、また、書き込み画素行871aを画面の
上から下方向に走査することは図87、図88、図13
4などの実施例と同様であるので説明を省略する。
【0733】図147は図146の駆動方法を実現する
ための駆動波形である。図146でわかるように、1H
(1水平走査期間)は2つのフェーズで構成されてい
る。この2つのフェーズはISEL信号で切り替える。
ISEL信号は図148に図示している。
【0734】まず、ISEL信号について説明をしてお
く。図148において、電流出力回路1222は122
2aと1222bの2つから構成されている。それぞれ
の電流出力回路1222は、8ビットの階調データをD
A変換するDA回路1226とオペンアンプ1224な
どから構成される。この電流出力回路1222の回路動
作については以前に説明したので省略する。146の実
施例では、電流出力回路1222aは25倍の電流を出
力するように構成されている。一方、電流出力回路12
22bは5倍の電流を出力するように構成されている。
電流出力回路1222aと1221bの出力はISEL
信号によりスイッチ回路1223が制御され、ソース信
号線18に印加される。
【0735】ISEL信号は、Lレベルの時、25倍電
流を出力する電流出力回路1222aが選択されてソー
ス信号線18からの電流をソースドライバIC14が吸
収する。Hレベルの時、5倍電流を出力する電流出力回
路1222bが選択されてソース信号線18からの電流
をソースドライバIC14が吸収する。25倍、5倍な
どの電流の大きさ変更は容易である。抵抗1228の値
を変化させるだけで済むからである。また、抵抗122
8をボリウムとすること、あるいは複数の抵抗とアナロ
グスイッチに接続しておき、選択することにより容易に
変更することができる。
【0736】図147に示すように書き込み画素行が
(1)画素行目である時(図147の画素行番号1の欄
を参照)、ゲート信号線17aは(1)(2)(3)
(4)(5)が選択されている。つまり、画素行(1)
(2)(3)(4)(5)のスイッチングTFT11
b、TFT11cがオン状態である。また、ISELが
Lレベルであるから、25倍電流を出力する電流出力回
路1222aが選択され、ソース信号線18と接続され
ている。また、ゲート信号線17bには、オフ電圧(V
gh)が印加されている。したがって、画素行(1)
(2)(3)(4)(5)のスイッチングTFT11d
がオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には
電流が流れていない。つまり、非点灯状態312であ
る。
【0737】理想的には、5画素のTFT11aが、そ
れぞれId×2の電流をソース信号線18に流す。そし
て、各画素16のコンデンサ19には、5倍の電流がプ
ログラムされる。ここでは、理解を容易にするため、各
TFT11aは特性(Vt、S値)が一致しているとし
て説明をする。
【0738】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえ
ば、書き込み画素行871aに、本来、書き込む電流I
dとし、ソース信号線18には、Id×25の電流を流
す。書き込み画素行(1)より以降に画像データを書き
込む書き込み画素行871bソース信号線18への電流
量を増加させるため、補助的に用いる画素行である。し
かし、書き込み画素行871bは後に正規の画像データ
が書き込まれるので問題がない。
【0739】したがって、画素行871bは、1H期間
の間は871aと同一表示である。そのため、書き込み
画素行871aと電流を増加させるために選択した画素
行871bとを少なくとも非表示状態312とするので
ある。
【0740】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(1)画素行目のみを選択する。図147で明らかなよ
うに、ゲート信号線17a(1)のみが、オン電圧(V
gl)が印加され、ゲート信号線17a(2)(3)
(4)(5)はオフ(Vgh)が印加されている。した
がって、画素行(1)のTFT11aは動作状態(ソー
ス信号線18に電流を供給している状態)であるが、画
素行(2)(3)(4)(5)のスイッチングTFT1
1b、TFT11cがオフ状態である。つまり、非選択
状態である。また、ISELがHレベルであるから、5
倍電流を出力する電流出力回路1222bが選択され、
この電流出力回路1222bとソース信号線18とが接
続されている。また、ゲート信号線17bの状態は先の
1/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧(Vgh)が印
加されている。したがって、画素行(1)(2)(3)
(4)(5)のスイッチングTFT11dがオフ状態で
あり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れて
いない。つまり、非点灯状態312である。
【0741】以上のことから、画素行(1)のTFT1
1aが、それぞれId×5の電流をソース信号線18に
流す。そして、各画素行(1)のコンデンサ19には、
5倍の電流がプログラムされる。
【0742】次の水平走査期間では1画素行、書き込み
画素行がシフトする。つまり、今度は書き込み画素行が
(2)である。最初の1/2Hの期間では、図147に
示すように書き込み画素行が(2)画素行目である時、
ゲート信号線17aは(2)(3)(4)(5)(6)
が選択されている。つまり、画素行(2)(3)(4)
(5)(6)のスイッチングTFT11b、TFT11
cがオン状態である。また、ISELがLレベルである
から、25倍電流を出力する電流出力回路1222aが
選択され、ソース信号線18と接続されている。また、
ゲート信号線17bには、オフ電圧(Vgh)が印加さ
れている。したがって、画素行(2)(3)(4)
(5)(6)のスイッチングTFT11dがオフ状態で
あり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れて
いない。つまり、非点灯状態312である。一方、画素
行(1)のゲート信号線17b(1)はVgl電圧が印
加されているから、TFT11dはオン状態であり、画
素行(1)のEL素子15は点灯する。
【0743】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
【0744】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(2)画素行目のみを選択する。図147で明らかなよ
うに、ゲート信号線17a(2)のみが、オン電圧(V
gl)が印加され、ゲート信号線17a(3)(4)
(5)(6)はオフ(Vgh)が印加されている。した
がって、画素行(1)(2)のTFT11aは動作状態
(画素行(1)はEL素子15に電流を流し、画素行
(2)はソース信号線18に電流を供給している状態)
であるが、画素行(3)(4)(5)(6)のスイッチ
ングTFT11b、TFT11cがオフ状態である。つ
まり、非選択状態である。また、ISELがHレベルで
あるから、5倍電流を出力する電流出力回路1222b
が選択され、この電流出力回路1222bとソース信号
線18とが接続されている。また、ゲート信号線17b
の状態は先の1/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧
(Vgh)が印加されている。したがって、画素行
(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチングTFT
11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子1
5には電流が流れていない。つまり、非点灯状態312
である。
【0745】以上のことから、画素行(2)のTFT1
1aが、それぞれId×5の電流をソース信号線18に
流す。そして、各画素行(2)のコンデンサ19には、
5倍の電流がプログラムされる。以上の動作を順次、実
施することにより1画面を表示することができる。
【0746】図146で説明した駆動方法は、第1の期
間でG画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行にはN
倍の電流を流すようにプログラムする。第1の期間後の
第2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以
上)を選択し、画素にはN倍の電流を流すようにプログ
ラムする方式である。
【0747】しかし、他の方策もある。第1の期間でG
画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行の総和電流が
N倍の電流となるようにプログラムする。第1の期間後
の第2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以
上)を選択し、選択された画素行の総和の電流(ただ
し、選択画素行が1の時は、1画素行の電流)がN倍と
なるようにプログラムする方式である。たとえば、図1
46(a1)において、5画素行を同時に選択し、各画
素のTFT11aには2倍の電流を流す。したがって、
ソース信号線18には5×2倍=10倍の電流が流れ
る。次の第2の期間では図146(b1)において、1
画素行を選択する。この1画素のTFT11aには10
倍の電流を流す。
【0748】この方式であれば、図148のように複数
の電流出力回路1222は必要でない。したがって、ソ
ースドライバIC14は各ソース信号線に、1つの電流
出力回路1222で構成できる。
【0749】つまり、この方式では、ソース信号線18
の電流を流すソースドライバIC14の出力電流は一定
値(当然、画像データにより、この一定値は変化する。
この場合は、1H期間の間、選択画素数によらず、一定
という意味である)である。したがって、ソースドライ
バIC14の構成は容易になる。
【0750】なお、図146において、複数の画素行を
同時に選択する期間を1/2Hとし、1画素行を選択す
る期間を1/2Hとしたがこれに限定するものではな
い。複数の画素行を同時に選択する期間を1/4Hと
し、1画素行を選択する期間を3/4Hとしてもよい。
また、複数の画素行を同時に選択する期間と、1画素行
を選択する期間とを加えた期間は1Hとしたがこれに限
定するものではない。たとえば、2H期間でも、1.5
H期間であっても良い。
【0751】また、図146において、5画素行を同時
に選択する期間を1/2Hとし、次の第2の期間では2
画素行を同時に選択するとしてもよい。この場合でも実
用上、支障のない画像表示を実現できる。
【0752】また、図146において、5画素行を同時
に選択する第1の期間を1/2Hとし、1画素行を選択
する第2の期間を1/2Hとする2段階としたがこれに
限定するものではない。たとえば、第1の段階は、5画
素行を同時に選択し、第2の期間は前記5画素行のう
ち、2画素行を選択し、最後に、1画素行を選択する3
つの段階としてもよい。つまり、複数の段階で画素行に
画像データを書き込んでも良い。
【0753】図148では、各ソース信号線18に2つ
の電流出力回路1222を設けるとした。これは、図1
46の第1の実施例である、第1の期間に25倍の電流
を出力することと、第2の期間に5倍の電流を出力する
ためである。
【0754】これを1つの電流出力回路1222で実現
するには、図149の回路構成を採用するとよい。DA
回路1224はリファレンス電圧(Iref)の大きさ
を最大値としてデジタル−アナログ変換をする。たとえ
ば、Iref電圧が5(V)であれば、5(V)を25
6分割したものが最小値としてアナログ出力される。つ
まり、アナログ出力の最大値は5(V)−1ビットのア
ナログ値であり、最小値は0(V)であり、最小分解能
は5(V)/256である(入力が8ビット仕様の
時)。Iref電圧が2.5(V)であれば、2.5
(V)を256分割したものが最小値としてアナログ出
力される。つまり、アナログ出力の最大値は2.5
(V)−1ビットのアナログ値であり、最小値は0
(V)であり、最小分解能は2.5(V)/256であ
る(入力が8ビット仕様の時)。
【0755】つまり、Irefをダイナミックに切り替
えることにより1つの電流出力回路1222で出力電流
値を変更することができる。図149はその実現回路で
ある。
【0756】図149において、Vi電圧を4分割する
抵抗RIが設けられている。この分圧された電圧がスイ
ッチ回路1223に入力され、1つの電圧が選択されて
Iref電圧となる。このIref電圧がDAコンバー
タ1224に入力されている。したがって、前半の1/
2Hの期間のIref電圧と、後半の1/2Hの期間の
Iref電圧とをすべてのソース信号線18に接続され
た電流出力回路1222を切り替えることのより、出力
電流の倍率を変更することができる。
【0757】もちろん、図150に図示するようにIr
ef電圧を複数のDA回路1224の選択により発生さ
せてもよいことは言うまでもない。
【0758】図148の場合も点灯表示領域311は図
151に図示するように1つとしてもよい。また、図1
52に図示するように、複数の点灯表示領域311に分
割してもよい。
【0759】図153に図示するように、書き込み画素
行が(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは
(1)(2)(3)(4)(5)が選択されている。つ
まり、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッ
チングTFT11b、TFT11cがオン状態である。
また、ISELがLレベルであるから、25倍電流を出
力する電流出力回路1222aが選択され、ソース信号
線18と接続されている。また、ゲート信号線17bに
は、オフ電圧(Vgh)が印加されている。したがっ
て、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチ
ングTFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯
状態312である。
【0760】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえ
ば、書き込み画素行871aに、本来、書き込む電流I
dとし、ソース信号線18には、Id×25の電流を流
す。書き込み画素行(1)より以降に画像データを書き
込む書き込み画素行871bソース信号線18への電流
量を増加させるため、補助的に用いる画素行である。し
かし、書き込み画素行871bは後に正規の画像データ
が書き込まれるので問題がない。
【0761】したがって、画素行871bは、1H期間
の間は871aと同一表示である。そのため、書き込み
画素行871aと電流を増加させるために選択した画素
行871bとを少なくとも非表示状態312とするので
ある。
【0762】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(1)画素行目のみを選択する。ゲート信号線17a
(1)のみが、オン電圧(Vgl)が印加され、ゲート
信号線17a(2)(3)(4)(5)はオフ(Vg
h)が印加されている。したがって、画素行(1)のT
FT11aは動作状態(ソース信号線18に電流を供給
している状態)であるが、画素行(2)(3)(4)
(5)のスイッチングTFT11b、TFT11cがオ
フ状態である。つまり、非選択状態である。また、IS
ELがHレベルであるから、5倍電流を出力する電流出
力回路1222bが選択され、この電流出力回路122
2bとソース信号線18とが接続されている。また、ゲ
ート信号線17bの状態は先の1/2Hの状態と変化が
なく、オフ電圧(Vgh)が印加されている。したがっ
て、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチ
ングTFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯
状態312である。
【0763】以上のことから、画素行(1)のTFT1
1aが、それぞれId×5の電流をソース信号線18に
流す。そして、各画素行(1)のコンデンサ19には、
5倍の電流がプログラムされる。
【0764】次の水平走査期間では1画素行、書き込み
画素行がシフトする。つまり、今度は書き込み画素行が
(2)である。最初の1/2Hの期間では、(2)画素
行目である時、ゲート信号線17aは(2)(3)
(4)(5)(6)が選択されている。つまり、画素行
(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチングTFT
11b、TFT11cがオン状態である。また、ISE
LがLレベルであるから、25倍電流を出力する電流出
力回路1222aが選択され、ソース信号線18と接続
されている。また、ゲート信号線17bには、オフ電圧
(Vgh)が印加されている。したがって、画素行
(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチングTFT
11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子1
5には電流が流れていない。つまり、非点灯状態312
である。一方、画素行(1)のゲート信号線17b
(1)はVgl電圧が印加されているから、TFT11
dはオン状態であり、画素行(1)のEL素子15は点
灯する。
【0765】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
【0766】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(2)画素行目のみを選択する。ゲート信号線17a
(2)のみが、オン電圧(Vgl)が印加され、ゲート
信号線17a(3)(4)(5)(6)はオフ(Vg
h)が印加されている。したがって、画素行(1)
(2)のTFT11aは動作状態(画素行(1)はEL
素子15に電流を流し、画素行(2)はソース信号線1
8に電流を供給している状態)であるが、画素行(3)
(4)(5)(6)のスイッチングTFT11b、TF
T11cがオフ状態である。つまり、非選択状態であ
る。また、ISELがHレベルであるから、5倍電流を
出力する電流出力回路1222bが選択され、この電流
出力回路1222bとソース信号線18とが接続されて
いる。また、ゲート信号線17bの状態は先の1/2H
の状態と変化がなく、オフ電圧(Vgh)が印加されて
いる。したがって、画素行(2)(3)(4)(5)
(6)のスイッチングTFT11dがオフ状態であり、
対応する画素行のEL素子15には電流が流れていな
い。つまり、非点灯状態312である。
【0767】以上のことから、画素行(2)のTFT1
1aが、それぞれId×5の電流をソース信号線18に
流す。そして、各画素行(2)のコンデンサ19には、
5倍の電流がプログラムされる。以上の動作を順次、実
施することにより1画面を表示することができる。
【0768】以上の説明でも明らかであるが、以上の動
作は、図147と同一である。差異は、ゲート信号線1
7bの動作である。ゲート信号線17bは画面を分割す
る個数に対応して、その個数分だけオンオフ(Vglと
Vgh)動作する。
【0769】なお、図152にも図示するように、非点
灯表示領域312の走査方向は画面の上から下方向のみ
に限定されるものではない。画面の下から上方向に走査
してもよい。また、上から下への走査方向と、下から上
方向への走査方向とを、交互にあるいはランダムに走査
してもよい。また、分割数をフレームごとに、あるいは
表示画面21の所定位置で変化させてもよいことは言う
までもない。
【0770】以上のように、表示領域311を複数に分
割することにより画面のちらつきは減少する。したがっ
て、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現でき
る。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分
割すればするほどフリッカは軽減する。特にEL素子1
5の応答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオ
ンオフしても、表示輝度の低下はない。
【0771】図153の実施例も、第1の期間でG画素
行(Gは2以上)を選択し、各画素行にはN倍の電流を
流すようにプログラムし、第1の期間後の第2の期間で
はB画素行(BはGよりも小さく、1以上)を選択し、
画素にはN倍の電流を流すようにプログラムする方式と
した。しかし、図147と同様に、他の方策もある。つ
まり、第1の期間でG画素行(Gは2以上)を選択し、
各画素行の総和電流がN倍の電流となるようにプログラ
ムする。第1の期間後の第2の期間ではB画素行(Bは
Gよりも小さく、1以上)を選択し、選択された画素行
の総和の電流(ただし、選択画素行が1の時は、1画素
行の電流)がN倍となるようにプログラムする方式であ
る。
【0772】以上の実施例は順次走査で画像を表示する
方法であった。つまり、テレビ信号でいえば、ノンイン
ターレース駆動(プログレッシブ駆動)である。本発明
はインターレース駆動にも有効である。図154はイン
ターレース駆動の説明図である。
【0773】なお、インターレース駆動は通常2フィー
ルドで1フレームである。図154も2フィールドで1
フレーム(1画面)として説明した。しかし、これはN
TSCのテレビ信号の場合であって、携帯電話などの画
像表示では必ずしも2フィールド=1フレームの原則を
守る必要はない。
【0774】たとえば、4フィールドで1フレームとし
てもよい。第1フィールドは4Y−3(Yは、0以上の
整数)画素行を書き込み、第2フィールドは4Y−2
(Yは、0以上の整数)画素行を書き込む。第3フィー
ルドは4Y−1(Yは、0以上の整数)画素行を書き込
み、第4フィールドは4Y(Yは、0以上の整数)画素
行を書き込む方式である。つまり、インターレース駆動
とは、複数のフィールドで1フレーム(1画面)を構成
する方法である。
【0775】図154(a)は第1フィールドであり、
偶数画素行を書き込む。図154(b)は第2フィール
ドである、奇数画素行を書き込む。図155は図154
の駆動方法を実現するための駆動波形である。なお、奇
数フィールドと偶数フィールドは便宜上のものである。
図154ではまず、奇数画素行から画像を書き込むとし
て説明する。
【0776】図154において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
TFT11aからソースドライバ14に向かってソース
信号線18にプログラム電流が流れる。ここでは説明を
容易にするため、まず、書き込み画素行871aが画素
行(1)番目であるとして説明する。
【0777】また、ソース信号線18に流れるプログラ
ム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、いまま
での実施例と同様にN=10として説明する。なお、N
=10に限定するものではない。もちろん、所定値とは
画像を表示するデータ電流であるから、白ラスター表示
などでない限り固定値ではない。)である。
【0778】書き込み画素行が(1)画素行目である
時、ゲート信号線17a(1)にはVgl電圧が印加さ
れている。スイッチングTFT11b、TFT11cが
オン状態である。また、ゲート信号線17b(1)に
は、Vgh電圧が印加されている。したがって、画素行
(1)のスイッチングTFT11dがオフ状態であり、
対応する画素行のEL素子15には電流が流れていな
い。つまり、非点灯状態312である。
【0779】次の1Hには、書き込み画素行は(3)画
素行目である。ゲート信号線17a(3)にはVgl電
圧が印加されている。スイッチングTFT11b、TF
T11cがオン状態である。また、ゲート信号線17b
(3)には、Vgh電圧が印加されている。したがっ
て、画素行(3)のスイッチングTFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れていない。つまり、非点灯状態312である。ゲート
信号線17b(1)にはVgl電圧が印加されている。
スイッチングTFT11dはオン状態である。したがっ
て、画素行(1)のスイッチングTFT11dがオン状
態であり、対応する画素行のEL素子15が発光する。
【0780】次の1Hには、書き込み画素行は(5)画
素行目である。ゲート信号線17a(5)にはVgl電
圧が印加されている。スイッチングTFT11b、TF
T11cがオン状態である。また、ゲート信号線17b
(5)には、Vgh電圧が印加されている。したがっ
て、画素行(5)のスイッチングTFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れていない。つまり、非点灯状態312である。ゲート
信号線17b(3)にはVgl電圧が印加されている。
スイッチングTFT11dはオン状態である。したがっ
て、画素行(3)のスイッチングTFT11dがオン状
態であり、対応する画素行のEL素子15が発光する。
【0781】以上のように、第1フィールドでは、奇数
画素行が順次選択されて、画像データがかきこまれてい
く。
【0782】第2フィールドでは、(2)画素行目か
ら、順次画像データが書き込まれる。ゲート信号線17
a(2)にはVgl電圧が印加されている。スイッチン
グTFT11b、TFT11cがオン状態である。ま
た、ゲート信号線17b(2)には、Vgh電圧が印加
されている。したがって、画素行(2)のスイッチング
TFT11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL
素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態
312である。
【0783】次の1Hには、書き込み画素行は(4)画
素行目である。ゲート信号線17a(4)にはVgl電
圧が印加されている。スイッチングTFT11b、TF
T11cがオン状態である。また、ゲート信号線17b
(4)には、Vgh電圧が印加されている。したがっ
て、画素行(4)のスイッチングTFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れていない。つまり、非点灯状態312である。ゲート
信号線17b(3)にはVgl電圧が印加されている。
スイッチングTFT11dはオン状態である。したがっ
て、画素行(3)のスイッチングTFT11dがオン状
態であり、対応する画素行のEL素子15が発光する。
【0784】次の1Hには、書き込み画素行は(6)画
素行目である。ゲート信号線17a(6)にはVgl電
圧が印加されている。スイッチングTFT11b、TF
T11cがオン状態である。また、ゲート信号線17b
(6)には、Vgh電圧が印加されている。したがっ
て、画素行(6)のスイッチングTFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れていない。つまり、非点灯状態312である。ゲート
信号線17b(4)にはVgl電圧が印加されている。
スイッチングTFT11dはオン状態である。したがっ
て、画素行(4)のスイッチングTFT11dがオン状
態であり、対応する画素行のEL素子15が発光する。
【0785】以上のように、第2フィールドでは、偶数
画素行が順次選択されて、画像データがかきこまれてい
く。この第1フィールドと第2フィールドで1枚の画像
表示が完成する。また、第2フィールドにおいて、偶数
画素行を書く時は、奇数画素行はすべて非点灯表示31
2としている。第1フィールドでは、奇数画素行を書く
時は、偶数画素行はすべて非点灯表示312としてい
る。
【0786】しかし、図154の駆動方法で、ソース信
号線18に10倍電流(N=10)を流し、TFT11
aに電流プログラムをすると、奇数画素行あるいは偶数
画素行を交互に表示するという処理を実施しても、表示
輝度は所定輝度の10/2=5倍の輝度となる。したが
って、表示輝度を1倍とするには、N=2で駆動する必
要がある。しかし、N=2で駆動するとソース信号線1
8に書き込む電流値が小さく寄生容量404を十分に充
放電できない。したがって、コンデンサ19に書き込み
不足が発生し、解像度が低下する。
【0787】これと解決するためには図156に図示す
るように、奇数画素行あるいは偶数画素行だけでなく、
表示画面21の一部を非点灯領域312aとすればよ
い。図156では図156(a)→図156(b)→図
156(c)→図156(a)と走査される。図156
(b)でわかるように、書き込み画素行871aの上側
(画面の上から下方向に走査しているとき)に所定の範
囲で表示領域を形成する。ただし、表示領域は奇数画素
行あるいは偶数画素行であるため、1画素行ごとにな
る。非点灯領域312aは連続した非点灯領域にする。
【0788】しかし、図156の駆動方法のように、表
示領域を表示画面に一部に固めて走査すると、フリッカ
が発生しやすくなる。ただし、フレームレートが80H
z以上の場合は、図156の表示状態(表示領域311
を1つにした場合)であってもフリッカの発生はないこ
とに注意を要する。つまり、フレームレートを80Hz
以上にすれば、点灯領域311を分割する必要がないの
である。
【0789】フレームレートが低い場合は図157に図
示するように分割すればよい。このことは以前に説明し
た。したがって、図157はあえて説明を要さないであ
ろう。ただし、図157は作図を容易にするため、分割
した領域として、非点灯領域312bと点灯領域311
のペアで作図した。しかし、これに限定されるものでは
なく、分割した領域に複数の非点灯領域312bと複数
の点灯領域311が存在することは言うまでもない。
【0790】駆動方式には多種多様な構成が考えられ
る。図158において、書き込み画素行が(1)画素行
目である時、ゲート信号線17aは(1)(G)が選択
されている。つまり、画素行(1)(G)のスイッチン
グTFT11b、TFT11cがオン状態である。ま
た、ゲート信号線17bにはVgh電圧が印加されてい
る。したがって、少なくとも画素行(1)(G)のスイ
ッチングTFT11dがオフ状態であり、対応する画素
行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非
点灯状態312である。
【0791】同時に選択する画素行が2画素行(K=
2)であるから、2つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、2つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
【0792】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(G)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(2)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(G)には正規
の画像データが保持される。
【0793】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電
圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号
線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択された
画素行(3)のTFT11aからソースドライバ14に
向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。
このように動作することのより、画素行(1)には正規
の画像データが保持される。以上の動作と1画素行づつ
シフトしながら走査することにより1画面が書き換えら
れる。
【0794】フリッカが発生しやすい場合は、図160
に図示するように非点灯領域312あるいは点灯領域3
11を複数に分割すればよい。このことは以前に説明し
た。したがって、図157はあえて説明を要さないであ
ろう。
【0795】図161は擬似インターレース駆動であ
る。擬似インターレース駆動とは、第1F(第1フィー
ルド)は奇数画素行と偶数画素行の2画素(複数画素)
行を同時に選択して、選択した画素行が重なることなく
画像データを書き込む。次の第2Fは第1画素行を除い
て、偶数画素行と奇数画素行の2画素(複数画素)行を
同時に選択して、選択した画素行が重なることなく画像
データを書き込む方式である。
【0796】図161(a1)(a2)(a3)は第1
フィールドであり、図161(b1)(b2)(b3)
は第2フィールドである。第1フィールドは図161
(a1)→図161(a2)→図161(a3)→と順
次書き込み画素行871を2画素行ペアで映像データを
書き込む。したがって、2画素行は同一画像表示であ
り、この表示状態が1フィールドの期間保持される。ま
た、第1フィールドでは奇数画素行の画像データを該当
奇数画素行と次の偶数画素行に表示する。つまり、第1
行目の画像データは第1画素行と第2画素行に表示し、
第3行目の画像データは第3画素行と第4画素行に表示
し、第5行目の画像データは第5画素行と第6画素行に
表示し、第7行目の画像データは第7画素行と第8画素
行に表示する。以下、同様である。
【0797】第2フィールドは図161(b1)→図1
61(b2)→図161(b3)→と順次書き込み画素
行871を2画素行ペアで映像データを書き込む。した
がって、2画素行は同一画像表示であり、この表示状態
が1フィールドの期間保持される。また、第2ィールド
では偶数画素行の画像データを該当偶数画素行と次の奇
数画素行に表示する。つまり、第2行目の画像データは
第2画素行と第3画素行に表示し、第4行目の画像デー
タは第4画素行と第5画素行に表示し、第6行目の画像
データは第6画素行と第7画素行に表示し、第8行目の
画像データは第8画素行と第9画素行に表示する。以
下、同様である。
【0798】なお、図161(a1)の第1画素行は第
1フィールドの状態が保持されたままにする。また、第
1フィールドでは奇数画像データを書き込み、第2フィ
ールドでは偶数画像データを書き込むとしたが、逆でも
よい。つまり、第1フィールドでは偶数画像データを書
き込み、第2フィールドでは奇数画像データを書き込む
としてもよい。
【0799】以上のように画像表示をすれば、人間の目
が2フィールドの表示画像を残像で加え合わさって見え
るとした場合、1フレーム(2フィールド)が終了した
時点で、第1画素行は、第1フィールドの表示画像であ
る。また、第2画素行は、第1フィールドの第1画素行
の画像データと第2フィールドの第2画素行の画像デー
タとが加えられたものになる。第3画素行は、第1フィ
ールドの第3画素行の画像データと第2フィールドの第
2画素行の画像データとが加えられたものになる。ま
た、第4画素行は、第1フィールドの第3画素行の画像
データと第2フィールドの第4画素行の画像データとが
加えられたものになる。第5画素行は、第1フィールド
の第5画素行の画像データと第2フィールドの第4画素
行の画像データとが加えられたものになる。以下、同様
である。
【0800】以上のように、各画素行は、2つのフィー
ルドの画像が重ね合わさったものとなるため、表示画像
の輪郭が滑らかになる。とくに動画表示では若干の動画
ボケが発生するが、ほぼ静止画では良好な解像度が得ら
れる(ように認識される)。
【0801】図162は図161の表示方法を実現する
ための駆動波形である。図面の上位置は第1フィールド
(1F)の駆動波形であり、図面の下面は第2フィール
ド(2F)の駆動波形である。
【0802】第1フィールド(1F)において、まず、
第1画素行と第2画素行のゲート信号線17a(1)
(2)が選択される。ソース信号線18には10倍(N
=10)の駆動電流が流れる。したがって、画素行
(1)(2)の駆動TFT11aにはそれぞれ5倍の電
流でプログラムされる。この時、第1画素行と第2画素
行のゲート信号線17b(1)(2)にはVgh電圧が
印加され、TFT11dはオフ状態である。したがっ
て、第1画素行と第2画素行のEL素子15は点灯しな
い。
【0803】2H後(偶数画素行または奇数画素行ずつ
画像データを書き込むから、2Hとなる)、第3画素行
と第4画素行のゲート信号線17a(3)(4)が選択
される。ソース信号線18には10倍(N=10)の駆
動電流が流れる。したがって、画素行(3)(4)の駆
動TFT11aにはそれぞれ5倍の電流でプログラムさ
れる。この時、第3画素行と第4画素行のゲート信号線
17b(3)(4)にはVgh電圧が印加され、TFT
11dはオフ状態である。したがって、第3画素行と第
4画素行のEL素子15は点灯しない。
【0804】一方、ゲート信号線17b(1)(2)に
は、Vgl電圧が印加される。したがって、第1画素行
と第2画素行のTFT11dはオンし、EL素子15は
点灯する。
【0805】さらに、2H後、第5画素行と第6画素行
のゲート信号線17a(5)(6)が選択される。ソー
ス信号線18には10倍(N=10)の駆動電流が流れ
る。したがって、画素行(5)(6)の駆動TFT11
aにはそれぞれ5倍の電流でプログラムされる。この
時、第5画素行と第6画素行のゲート信号線17b
(5)(6)にはVgh電圧が印加され、TFT11d
はオフ状態である。したがって、第5画素行と第6画素
行のEL素子15は点灯しない。
【0806】一方、ゲート信号線17b(1)(2)
(3)(4)には、Vgl電圧が印加される。したがっ
て、第1画素行、第2画素行、第3画素行および第4画
素行のTFT11dはオンし、EL素子15は点灯す
る。以上の動作を画面の最終奇数画素行まで実施し、1
画面を表示する。
【0807】第2フィールド(2F)においては、第1
画素行は選択せず、第1フィールドの状態を保持させ
る。つぎに、第2画素行と第3画素行のゲート信号線1
7a(2)(3)が選択される。ソース信号線18には
10倍(N=10)の駆動電流が流れる。したがって、
画素行(2)(3)の駆動TFT11aにはそれぞれ5
倍の電流でプログラムされる。この時、第2画素行と第
3画素行のゲート信号線17b(2)(3)にはVgh
電圧が印加され、TFT11dはオフ状態である。した
がって、第2画素行と第3画素行のEL素子15は点灯
しない。
【0808】2H後、第4画素行と第5画素行のゲート
信号線17a(4)(5)が選択される。ソース信号線
18には10倍(N=10)の駆動電流が流れる。した
がって、画素行(4)(5)の駆動TFT11aにはそ
れぞれ5倍の電流でプログラムされる。この時、第4画
素行と第5画素行のゲート信号線17b(4)(5)に
はVgh電圧が印加され、TFT11dはオフ状態であ
る。したがって、第4画素行と第5画素行のEL素子1
5は点灯しない。
【0809】一方、ゲート信号線17b(2)(3)に
は、Vgl電圧が印加される。したがって、第1画素
行、第2画素行と第3画素行のTFT11dはオンし、
EL素子15は点灯する。
【0810】さらに、2H後、第6画素行と第7画素行
のゲート信号線17a(6)(7)が選択される。ソー
ス信号線18には10倍(N=10)の駆動電流が流れ
る。したがって、画素行(6)(7)の駆動TFT11
aにはそれぞれ5倍の電流でプログラムされる。この
時、第6画素行と第7画素行のゲート信号線17b
(6)(7)にはVgh電圧が印加され、TFT11d
はオフ状態である。したがって、第6画素行と第7画素
行のEL素子15は点灯しない。
【0811】一方、ゲート信号線17b(1)(2)
(3)(4)(5)には、Vgl電圧が印加される。し
たがって、第1画素行、第2画素行、第3画素行、第4
画素行および第5画素行のTFT11dはオンし、EL
素子15は点灯する。以上の動作を画面の最終偶数画素
行まで実施し、1画面を表示する。
【0812】以上の実施例は、2フィールドで1画面を
表示するものであった。図163は2フィールド以上で
1画面を表示するものである。図163(a)が第1フ
ィールド、図163(b)が第2フィールド、図163
(c)が第3フィールドである。
【0813】第1フィールドでは、4Y−3(Yは1以
上の整数)画素行と4Y−2画素行とが書き込み画素行
871である。2画素行ずつ画像データを書き込む。第
2フィールドでは、4Y−1画素行と4Y画素行とが書
き込み画素行871である。先のフィールドを同様に2
画素行ずつ画像データを書き込む。第3フィールドで
は、4Y−2画素行と4Y−1画素行とが書き込み画素
行871である。2画素行ずつ画像データを書き込む。
以上のように3Fで書き込むことのより、各画素データ
は複数のフィールドの画像データで補間される。
【0814】図163は3フィールドで1画面の実施例
であったが、それ以上のフィールドを用いて画像表示を
実現してもよい。たとえば、4フィールドの場合は、第
1フィールドでは、4Y−3(Yは1以上の整数)画素
行と4Y−2画素行とが書き込み画素行871である。
2画素行ずつ画像データを書き込む。第2フィールドで
は、4Y−1画素行と4Y画素行とが書き込み画素行8
71である。第3フィールドでは、4Y−2画素行と4
Y−1画素行とが書き込み画素行871である。先と同
様に2画素行ずつ画像データを書き込む。第4フィール
ドでは、4Y−3画素行と4Y画素行とが書き込み画素
行871である。先のフィールドを同様に2画素行ずつ
画像データを書き込む。以上のように4フィールドで書
き込むことのより、各画素データは複数のフィールドの
画像データで補間される。
【0815】以上の実施例は、主として図1の画素構成
を例示して説明したが、本発明の駆動方式は、図21、
図43、図71、図76などの他の電流プログラム画素
構成に対しても有効である。
【0816】図164は図76の画素構成の駆動方法の
説明図である。なお、ここでも、説明を容易にするため
に、ソースドライバIC14からソース信号線18に流
す電流(もしくは、ソースドライバIC14がソース信
号線18から吸い込む電流、駆動TFT11aがソース
信号線18に流し込む電流)は所定値の10倍(N=1
0)として説明をする。また、TFT11aとTFT1
1bのカレント倍率は1:1(カレント倍率1)である
として説明をする。
【0817】したがって、同時に選択する画素行が5画
素行(K=5)であれば、5つの駆動TFT11aが動
作する。カレント倍率1であるから、TFT11bにも
TFT11aと同一の電流が流れる。つまり、1画素あ
たり、10/5=2倍の電流がTFT11aに流れる。
画素16のTFT11aにプログラムされる電流は所定
値の2倍であるから、ELに流れる電流も2倍である。
したがって、図87のように10倍の電流を流す場合に
比較してEL素子15の劣化は少なくなる。一方、ソー
ス信号線18に流れる電流は10倍であるから、図87
と同様の寄生容量404の充放電が可能である。このこ
とは、図88においても同様である。
【0818】カレント倍率が2であれば、TFT11b
がEL素子15に流す電流は1倍となる。したがって、
所定輝度を得られる所定電流をEL素子15に流すこと
ができる。つまり、図21、図43、図71、図76の
画素構成では、カレント倍率(TFT11aとTFT1
1bとの電流比率)と、ソース信号線18に流す電流
(プログラム電流)とを、設計(調整)することによ
り、汎用度の高い表示パネルの駆動設計が可能である。
【0819】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であれば、5つのTFT11aのプログラム電流を
加えたものとなる。たとえば、書き込み画素行871a
に、本来、書き込む電流Idとし、N=10とすれば、
ソース信号線18には、Id×10の電流を流す。書き
込み画素行871aと隣接した画素行871b(871
bはソース信号線18への電流量を増加させるため、補
助的に用いる画素行である。したがって、画像を書き込
む画素(行)が871aであり、871aに書き込むた
めに補助的に用いるのが画素(行)が871bであ
る)。
【0820】図164において、書き込み画素(行)8
71aの画像データでK行(K=5)同時に書き込む。
したがって、K行の範囲(871a、871b)は同一
表示となる。このように同一表示にすると当然のことな
がら解像度が低下する。これを対策するために、図88
(b)に図示するように書き込み画素行871bの部分
を非点灯表示312とするのである。したがって、解像
度低下は発生しない。
【0821】図164(a)に図示する871aは表示
状態にしているが、この画素はプログラム中であるた
め、画素への電流書き込み状態で変化する。したがっ
て、非表示領域312としてもよい。
【0822】次の1H後は、1画素行シフトした画素行
を書き込み画素行871aとして同一動作を行う。非点
灯領域312も1画素(行)シフトされる。以上のよう
に、本来の表示データと異なる電流データを書き込まれ
た871bは表示されない。以上の動作を1行づつシフ
トしていくと完全な画像表示を実現できる。また、補助
的に用いている画素行871bの効果で、寄生容量40
4の充放電も十分1H期間内に実現できる。
【0823】図165は、図164の駆動方法を実現す
るための駆動波形の説明図である。電圧波形はオフ電圧
をVgh(Hレベル)とし、オン電圧をVgl(Lレベ
ル)としている。また、図165の下段に選択している
画素行の番号を記載している。また、(1)(2)
(3)・・・(11)とは選択している画素行番号を示
している。したがって、画素行数はVGAパネルでは4
80本であり、XGAパネルでは768である。
【0824】図165において、ゲート信号線17a
(1)とゲート信号線17b(1)が選択され(Vgl
電圧)、選択された画素行のTFT11aからソースド
ライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電
流が流れる。また、ソース信号線18に流れるプログラ
ム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=1
0として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示す
るデータ電流であるから、白ラスター表示などでない限
り固定値ではない。)である。また、5画素行が同時に
選択(K=5)として説明をする。したがって、理想的
には1つの画素のコンデンサ19には2倍に電流がTF
T11aに流れるようにプログラムされる。
【0825】基本的には、ゲート信号線17aと17b
とは同一位相であるから、共通化することが可能であ
る。しかし、厳密には、画素行を選択し、非選択とする
際、まず、TFT11dがオフし、次にTFT11cが
オフするように制御することが好ましい。したがって、
ゲート信号線17aとゲート信号線17bとは分離して
おくことが好ましい。
【0826】書き込み画素行が(1)画素行目である
時、図164で図示したように、ゲート信号線17a、
17bにはVgl電圧が印加されている。したがって、
画素行(1)(2)(3)(4)(5)が選択されてい
る。つまり、画素行(1)(2)(3)(4)(5)の
スイッチングTFT11c、TFT11dがオン状態で
ある。また、ゲート信号線17bはゲート信号線17b
の逆位相となっている。したがって、画素行(2)
(3)(4)(5)のスイッチングTFT11dがオフ
状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が
流れていない。つまり、非点灯状態312である。
【0827】理想的には、5画素のTFT11aが、そ
れぞれId×2の電流をソース信号線18に流す。そし
て、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプ
ログラムされる。ここでは、理解を容易にするため、各
TFT11aは特性(Vt、S値)が一致しているとし
て説明をする。
【0828】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動TFT11aが動作する。
つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流がTFT
11aに流れる。ソース信号線18には、5つのTFT
11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえ
ば、書き込み画素行871aに、本来、書き込む電流I
dとし、ソース信号線18には、Id×10の電流を流
す。
【0829】書き込み画素行(1)より以降に画像デー
タを書き込む4つの書き込み画素行871bは、ソース
信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用い
る画素行である。しかし、書き込み画素行871bは後
に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。
【0830】したがって、画素行871bは、1H期間
の間は871aと同一表示である。そのため、電流を増
加させるために選択した画素行871bとを少なくとも
非表示状態312とするのである。
【0831】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(1)、17b(1)は非選択となり(画素行番号6の
位置)、画素に書き込むデータが確定する。また、同時
に、ゲート信号線17a(6)が選択され(画素番号2
の位置)、選択された画素行(6)のTFT11aから
ソースドライバ14に向かってソース信号線18にプロ
グラム電流が流れる。このように動作することのより、
画素行(1)には正規の画像データが保持される。
【0832】次の、1H後には、ゲート信号線17a
(2)、17b(2)は非選択となる。また、ゲート信
号線17a(7)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(7)のTFT11aからソースドライバ14
に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れ
る。このように動作することのより、画素行(2)には
正規の画像データが保持される。以上の動作と1画素行
づつシフトしながら走査することにより1画面が書き換
えられる。
【0833】図134と同様であるが、図140の駆動
方法では、各画素には2倍の電流(電圧)でプログラム
を行うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的
には2倍となる。したがって、表示画面の輝度は所定値
よりも2倍となる。
【0834】これを所定の輝度とするためには、図87
に図示するように、書き込み画素行871を含み、かつ
表示領域21の1/2の範囲を非表示領域312とすれ
ばよい。このことは図137などを用いて説明したので
説明を省略する。なお、図146の駆動方式も図43、
図71、図164、図76、図54、図67、図68、
図103などにも適用できることはいうまでもない。説
明は以前におこなっているので省略する。
【0835】表示画面21に占める黒表示領域(非表示
領域)312の面積を大きくするほど動画表示性能が向
上する。したがって、図141に図示するように非表示
領域311を少なくし、非表示領域312の面積を大き
くすればよい。
【0836】本発明の実施例ではソース信号線18に流
す電流(電圧)を変化させることによりプログラム電流
(電圧)を調整することができる。つまり、ソースドラ
イバ14の基準電流(電圧)を調整するだけでソース信
号線18に流れる電流を調整できる。2画素行を同時に
オンさせるか、5画素行を同時にオンさせるか、または
1画素行のみを選択するかは、図2などに図示するゲー
トドライバ12のシフトレジスタ22に印加するST*
端子へのデータで設定できる。したがって、ソースドラ
イバ14の仕様は、選択する画素数には左右されない。
【0837】また、画面の明るさもゲート信号線17c
のオンオフで調整することができるから、画面21の明
るさ調整でソースドライバ14からの出力電流を変化さ
せることはない。したがって、EL素子15のガンマ特
性は1つの電流に対して決定すればよい。そのため、ソ
ースドライバ14の構成は極めて容易であり、汎用性の
高いものとなる。以上の事項は、他の本発明の実施例に
も適用できることは言うまでもない。
【0838】図136と同様に、図164のように1つ
の表示領域311が画面の上から下方向に移動すると、
フレームレートが低いと、表示領域311が移動するの
が視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、ある
いは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくな
る。この課題に対しては、図142に図示するように、
表示領域311を複数に分割するとよい。
【0839】なお、図142(b)にも図示するよう
に、非点灯表示領域312の走査方向は画面の上から下
方向のみに限定されるものではない。画面の下から上方
向に走査してもよい。また、上から下への走査方向と、
下から上方向への走査方向とを、交互にあるいはランダ
ムに走査してもよい。また、分割数をフレームごとに、
あるいは表示画面21の所定位置で変化させてもよいこ
とは言うまでもない。
【0840】以上のように、表示領域311を複数に分
割することにより画面のちらつきは減少する。したがっ
て、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現でき
る。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分
割すればするほどフリッカは軽減する。特にEL素子1
5の応答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオ
ンオフしても、表示輝度の低下はない。
【0841】図87、図88は図1、図76、図21、
図43、図71のような電流プログラム方式の画素構成
を例示して説明したが、これに限定するものではない。
たとえば、図54、図68、図103などの電圧プログ
ラム方式の画素構成でも有効である。複数画素行に同時
に電圧を印加する方式とすることにより、画素を予備充
することができるため、SXGA以上の高精細表示パネ
ルにも対応できるようになる。また、電駆動回路、信号
処理回路が簡略化され、また、良好な黒表示を実現でき
るからである。
【0842】電圧プログラムの適用例として図54の画
素構成を例示して説明をする。なお、図166、図16
7はその駆動波形である。図166、図167において
5画素行を非点灯領域312にするとして説明をする
が、これに限定するものではない。単に説明を容易にす
るためである。たとえば、2画素行を同時選択してもよ
く、10画素行でもよい。また、1画素行を非点灯領域
312としてもよい。このことは図54、図67、図6
8、図103などに対しても同様である。
【0843】また、図54、図67、図68、図103
などで図示した電圧プログラムの画素構成に対して、図
144、図146、図151、図152、図154、図
163などで説明した駆動方式を適用することができる
ことはいうまでもない。また、N倍の電流がEL素子1
5に流れるように駆動し、非点灯領域312を形成する
という駆動方式も適用することができることは言うまで
もない。しかし、図166、図167では説明が複雑に
なるのであえて説明しない。
【0844】図167に示すように書き込み画素行が
(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは(1)
(2)(3)(4)(5)が選択されている(画素行番
号5の位置)。つまり、画素行(1)(2)(3)
(4)(5)のスイッチングTFT11bがオン状態で
ある。ゲート信号線17bには、オフ電圧(Vgh)が
印加されている。したがって、画素行(1)(2)
(3)(4)(5)のスイッチングTFT11dがオフ
状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が
流れていない。つまり、非点灯状態312である。した
がって、画素行(1)には5Hの期間、電圧が予備充電
されていることになる。
【0845】予備充電されている画素行は、5H期間の
間は他の4画素行と同一表示である。そのため、書き込
みを行っている画素行を少なくとも非表示状態312と
するのである。特に映像信号では隣接した画素では映像
データが近似している。そのため、予備充電を行えば、
正規の画像データの書き込みが楽になる。
【0846】したがって、本発明は、複数の画素行に画
像データを書き込み、正規の画像データが書き込まれる
までは非表示状態312とする方法である。ただし、1
画素行の選択であっても、この画素行の画像データを書
き込んでいるときは表示が不安定であるので、非表示と
することも本発明の概念である。また、EL素子15に
流れる電流を所定値よりも大きくし、非点灯領域312
を形成することにより所定輝度にする。この表示方法で
良好な動画を実現するのも本発明の効果である。
【0847】次の1Hでは、(2)画素行目の画像デー
タを確定させる。図167で明らかなように、ゲート信
号線17a(1)とゲート信号線17b(1)にオフ電
圧(Vgl:TFT11bがnチャンネルのため)が印
加される(画素行番号6)。ゲート信号線17a(6)
とゲート信号線17b(6)にはオン(Vgh:TFT
11bがnチャンネルのため)が印加される。したがっ
て、画素行(2)のTFT11aへの画像データは保持
される。
【0848】以上のように水平走査期間に同期して、1
画素行、書き込み画素行がシフトする。以上の動作を順
次、実施することにより1画面を表示することができ
る。
【0849】図166は図54の画素構成において、ゲ
ート信号線17bのタイミングを1Hシフトした方式で
ある。図166で明らかであるが、確定する画素を表示
状態とするものである。
【0850】たとえば、画素行(1)は5Hの期間、画
像データが書き込まれている(画素行番号1−5の期
間)。つまり、画素行(1)のゲート信号線17aは選
択状態である(TFT11bがnチャンネルのため、V
ghが印加されている)。5Hの時には、ゲート信号線
17b(1)にはオン電圧(Vgl:TFT11dがP
チャンネルのため)が印加されているため、EL素子1
5には電流が流れている。したがって、EL素子15は
点灯状態である。この点が図167と異なっている。図
167では非点灯領域312としていた。他の点は、図
167と同様であるので説明を省略する。
【0851】なお、以上の複数の画素行を同時にオンさ
せて画像データを書き込む本発明の実施例において、表
示領域21の最上辺あるいは最下辺はあるいはその両方
の画素行は同時にオンさせる隣接した画素行がない。こ
の課題に対しては、表示領域21の最上辺あるいは最下
辺はあるいはその両方に、ダミーの画素行を形成あるい
は配置すればよい。
【0852】たとえば、図139で説明した5画素行を
同時に選択する駆動方式では、画面の下辺に4本の画素
行を形成する。もちろん上下反転駆動を実施する場合
は、画面の上辺にも4本のダミー画素行を設ける。ダミ
ー画素行は、EL素子15を形成しない。したがって、
発光はしない。もちろんEL素子15を形成しても発光
しないようにするか、遮光して表示されないようにす
る。その他、図1では1画素のTFT11d以外を形成
しておいてもよい。ダミー画素行は1画素行以上形成す
る。
【0853】また、隣接した画素行を同時にオンさせる
としたが、これに限定するものではない。たとえば、複
数の画素行をオンさせるタイミングが異なっていても良
い。また、1行目を3行目の2画素行というように離れ
ていてもその効果は発揮される。極端には、2画素行を
選択する場合、1画素行を固定して(たとえば、画面の
一番下の画素行あるいは、ダミー画素行)オンさせ、他
の1画素行を走査して順次オンさせてもよい。
【0854】以上の実施例は、基本的には、EL素子1
5に電流を流す駆動用TFTは1画素に1つであり、ま
た、1フィールド(1フレーム)で目標の輝度を表示す
るものであった。しかし、本発明はこれに限定されな
い。以下、その実施例について説明をする。
【0855】図309は、図1の電流プログラムの画素
構成を基本としている。図1と図309の差異は、図3
09が駆動用TFTとしてTFT11a1とTFT11
a2の2つを1つの画素内に形成(作製)されている点
である。また、TFT11a1とEL素子15との電流
経路をオンオフ(切断、接続)するスイッチングTFT
1f1が形成(配置)されている。さらに、TFT11
a2とEL素子15との電流経路をオンオフ(切断、接
続)するスイッチングTFT1f2が形成(配置)され
ている。このTFT11f1のゲート(G)端子にはゲ
ート信号線17f1が接続されており、このゲート信号
線17f1にVgh電圧を印加することによりTFT1
1f1がオンする(Vgl電圧を印加することによりT
FT11f1がオフする)。同様に、このTFT11f
2のゲート(G)端子にはゲート信号線17f2が接続
されており、このゲート信号線17f2にVgh電圧を
印加することによりTFT11f2がオンする(Vgl
電圧を印加することによりTFT11f2がオフす
る)。もちろん、各ゲート信号線17は画素行で共通で
ある。他の、動作などは、図1で説明した動作と同一あ
るいは類似であり、また、構成も同一あるいは類似であ
るため説明を省略する。
【0856】以下、図310、図311は図309の画
素構成の動作の説明図である。図310、図311にお
いて、スイッチングTFT11はスイッチの記号で図示
している。
【0857】図309の構成では2フレーム(2フィー
ルド)で、EL素子15に流れる電流を所定値とする。
ここでは、説明を容易にするため、2フレームの期間で
EL素子15に流れる電流を所定値とするとして説明を
する。また、プログラムする電流はIw=10(μA)
とし(なお、これは、仮の設定である。現実には1.2
(μA)など画像に応じた電流がプログラムされる)、
プログラムされた電流Iwに応じた電流がEL素子15
に流れるものとする。
【0858】基本的には、第1フレームで、ソースドラ
イバ14にプログラム電流Iw=10(μA)を吸い込
む。この電流Iwは、画素に2つの駆動TFTの両方か
ら供給する。第1フレームでは、第1番目の駆動TFT
11aを選択し、この電流をEL素子15に流す。EL
素子15は、この第1の駆動TFT11aの電流に応じ
て発光する。第2フレームでも第1フレームと同様に、
ソースドライバ14にプログラム電流Iw=10(μ
A)を吸い込む。この電流Iwは、画素に2つの駆動T
FTの両方から供給する。
【0859】第2フレームでは、第2番目の駆動TFT
11aを選択し、この電流をEL素子15に流す。EL
素子15は、この第2の駆動TFT11aの電流に応じ
て発光する。したがって、2フレーム期間を平均すれ
ば、EL素子15は第1の駆動TFT11aと第2の駆
動TFT11aが流す平均電流に応じた輝度で発光する
ことになる。プログラム電流Iw=10(μA)であれ
ば、10/2=5(μA)の輝度で発光する。したがっ
て、2つの駆動TFT11の特性がずれていても、同一
プログラム電流Iwを流して、2つの駆動TFTを電流
プログラムする。かつ、この2つの駆動TFTを2フレ
ーム期間で1回ずつEL素子15に電流を流すのである
から、2フレーム期間では正確にプログラムされた電流
をEL素子に流すことができる。
【0860】なお、以上の説明では、2フレームで画素
の駆動TFT特性バラツキによらず、目標の輝度を得る
として説明をした。しかし、動画などの映像を表示する
場合はこの必要はない。単に、機械的に2つの駆動TF
T11aを交互にEL素子15に流すだけでよい。正確
には2フレーム期間でEL素子15に流した電流の和が
プログラム電流と一致するというのが本実施例である。
しかし、動画ではたえず、画像が変化している。したが
って、動画では表示状態がずれても視覚的に認識されな
いからである。なお、静止画では、画像の動きがないの
で、画像表示にみだれがでることはない。以下、さらに
詳細に説明をする。
【0861】図310は該当画素が選択され、電流プロ
グラムが行われている状態である。ゲート信号線17a
にオン電圧(Vgl)が印加され、TFT11b、TF
T11cがオンする。TFT1aからソースドライバ
(図示せず)14に向かってプログラム電流Iwが流れ
る。この時、TFT11dはオフ状態である(ゲート信
号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されてい
る)。ゲート信号線17f1、ゲート信号線17f2に
もオン電圧(Vgl)が印加され、TFT11f1、T
FT11f2はオン状態である。
【0862】プログラム電流Iwは駆動用TFT11a
1とTFT11a2から供給される。TFT11a1が
供給する電流をIa1、TFT11a2が供給する電流
をIa2とすると、プログラム電流Iw=Ia1+Ia
2である。
【0863】本来、TFT11a1とTFT11a2は
隣接して形成されているため、ほとんど特性ずれがない
はずである。しかし、低温ポリシリコン技術で形成した
場合なとは、Vt電圧などが異なる。したがって、駆動
TFT11a1、TFT11a2のゲート(G)端子を
共通にして、このゲート(G)端子に同一電圧を印加し
ても駆動TFT11a1とTFT11a2が流す電流が
異なる。ことでは説明を容易にするため、TFT11a
1とTFT11a2とは、3:7の差があるとして説明
をする。つまり、プログラム電流Iw=10(μA)と
すると、TFT11a1は3(μA)の電流を供給し、
TFT11a2は7(μA)の電流を供給するとする。
つまり、プログラム電流Iw=Ia1+Ia2=3(μ
A)+7(μA)=10(μA)である。
【0864】画素が非選択状態になると、図311
(a)の状態となる。ゲート信号線17aにオフ電圧
(Vgh)が印加され、TFT11b、TFT11cが
オフする。同時に、ゲート信号線17bにはオン電圧
(Vgh)が印加され、TFT11dがオンする。ゲー
ト信号線17f1にはオン電圧(Vgl)が印加されT
FT11f1がオンする。また、ゲート信号線17f2
には、オフ電圧(Vgh)が印加され、TFT11f2
はオフ状態である。
【0865】したがって、駆動TFT11a1からの電
流Idd1がEL素子15に流れる。この電流は、TF
T11a1とTFT11a2の特性が同一であるなら
ば、Idd1=Iw/2=5(μA)である。しかし、
現実にはTFT11a1とTFT11a2の特性はずれ
ている。ここでは説明を容易にするため、TFT11a
1のIdd1=3(μA)として説明をする。したがっ
て、第1フレームではEL素子15は3(μA)の電流
で発光する。
【0866】第1フレームの次の第2フレームでは、再
度、図310で説明した動作が行われる。つまり、該当
画素が選択され、電流プログラムが行われている状態で
ある。第1フレームと同様に、ゲート信号線17aにオ
ン電圧(Vgl)が印加され、TFT11b、TFT1
1cがオンする。TFT1aからソースドライバ(図示
せず)14に向かってプログラム電流Iw=10(μ
A)が流れる。ゲート信号線17f1、ゲート信号線1
7f2にもオン電圧(Vgl)が印加され、TFT11
f1、TFT11f2はオン状態である。また、プログ
ラム電流Iwについても第1フレームと同様に駆動用T
FT11a1とTFT11a2から供給される。
【0867】画素が非選択状態になると、第2フレーム
では図311(b)の状態となる。ゲート信号線17a
にオフ電圧(Vgh)が印加され、TFT11b、TF
T11cがオフする。同時に、ゲート信号線17bには
オン電圧(Vgh)が印加され、TFT11dがオンす
る。ゲート信号線17f1にはオフ電圧(Vgh)が印
加されTFT11f1がオフする。また、ゲート信号線
17f2には、オン電圧(Vgl)が印加され、TFT
11f2はオンする。
【0868】したがって、今度は、駆動TFT11a2
からの電流Idd2がEL素子15に流れる。この電流
は、TFT11a1とTFT11a2の特性が同一であ
るならば、Idd1=Iw/2=5(μA)であるとい
う点は第1フレームの説明で説明した。しかし、現実に
はTFT11a1とTFT11a2の特性はずれてい
る。ここでは説明を容易にするため、TFT11a2の
Idd2=7(μA)として説明をする。したがって、
第2フレームではEL素子15は7(μA)の電流で発
光する。
【0869】以上の状態を表示状態で図示すれは図31
2の状態となる。図312(a)が第1フレームであ
り、図312(b)が第2フレームの状態である。つま
り、第1フレームでは書き込み画素行871が選択さ
れ、ソース信号線18には10(μA)の電流が流れ
る。そして、画素16には電流プログラムされ、TFT
11a1によりEL素子15に3(μA)の電流が流さ
れる。
【0870】図312(b)に図示するように、第2フ
レームでは書き込み画素行871が選択され、ソース信
号線18には10(μA)の電流が流れる。そして、画
素16には電流プログラムされ、TFT11a2により
EL素子15に7(μA)の電流が流される。したがっ
て、2フレームを平均すれば、(3(μA)+7(μ
A))/2=5(μA)となり、プログラム電流Iw=
10(μA)の1/2の電流がEL素子15に流れる。
【0871】以上の駆動方法によれば、画素に形成され
た2つの駆動用TFT11aの特性のバラツキが発生し
ていてもEL素子15に流れる平均電流にはバラツキは
発生しない。つまり、正確にプログラム電流Iwに比例
(あるいは同一)した電流がEL素子15に流れる。し
たがって、均一画像表示を実現できる。
【0872】なお、以上の説明では、1フレームごとに
EL素子15に電流を供給する駆動用TFT11a1と
TFT11a2を切り替え、かつ、2フレーム期間は、
同一電流で画素に電流プログラムするとして説明をし
て。しかし、動画などの映像を表示する場合はこの必要
はない。ソース信号線18に印加するプログラム電流は
画素に応じてフレームごとに変化させ、2つの駆動TF
T11a1とTFT11a2とを切り替えて交互にEL
素子15に流すだけでよい。動画ではたえず、画像が変
化している。したがって、動画では表示状態がずれても
視覚的に認識されないからである。なお、静止画では、
画像の動きがないので、ソース信号線18に流れる電流
はフレームごとに変化することはない。つまり、少なく
とも2フレームでは一定である。
【0873】なお、以上の場合も、ソース信号線18に
は、実際にELに流す電流の2倍(もちろん、2フレー
ムを平均した電流の2倍である)を流している。したが
って、ソース信号線18に寄生容量404が存在しても
書き込み不足は軽減される。また、図309などの実施
例は、ソース信号線18に流す電流の1/2の電流をE
L素子15に流すという技術的思想である。この技術的
思想は、図87、図88などで説明した、N倍の電流を
ソース信号線18に流し、1/Nの電流をEL素子15
に流す方法と同一である。
【0874】なお、1画素に形成される駆動用TFTは
図309のように2個に限定されるものではない。3個
以上でもよい。ただし、これらのTFTを制御するため
には各TFT11aの電流をオンオフ(切断、接続)す
るスイッチングTFTをゲート信号線17が必要とな
る。もちろん、前記ゲート信号線17は1画素行で共通
である。以上の事項は以下の実施例あるいは他の実施例
においても適用されることは言うまでもない。
【0875】以上の実施例は、図1の画素構成の場合で
あった。図21、図43、図71、図22の画素構成に
おいても、先に説明をした技術的思想は適用される。図
313はその実施例である。
【0876】動作は図308と同様である。第1フレー
ムで、ソースドライバ14にプログラム電流Iw=10
(μA)を吸い込む。この電流Iwは、駆動TFT11
aから供給する。第1フレームでは、第1番目の駆動T
FT11b1を選択し、この電流をEL素子15に流
す。EL素子15は、この第1の駆動TFT11b1の
電流に応じて発光する。
【0877】第2フレームでも第1フレームと同様に、
ソースドライバ14にプログラム電流Iw=10(μ
A)を吸い込む。第2フレームでは、第2番目の駆動T
FT11b2を選択し、この電流をEL素子15に流
す。EL素子15は、この第2の駆動TFT11b2の
電流に応じて発光する。したがって、2フレーム期間を
平均すれば、EL素子15は第1の駆動TFT11b1
と第2の駆動TFT11b2が流す平均電流に応じた輝
度で発光することになる。プログラム電流Iw=10
(μA)であれば、10/2=5(μA)の輝度で発光
する。したがって、2つの駆動TFT11b1、TFT
11b2の特性がずれていても、同一プログラム電流I
wを流して、カレントミラーの関係を保ってTFTを電
流プログラムする。かつ、この2つのFT11bを2フ
レーム期間で1回ずつEL素子15に電流を流すのであ
るから、2フレーム期間では正確にプログラムされた電
流をEL素子に流すことができる。
【0878】図314は図313において、該当画素が
選択され、電流プログラムが行われている状態である。
ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)が印加され、
TFT11c、TFT11dがオンする。TFT11a
からソースドライバ(図示せず)14に向かってプログ
ラム電流Iwが流れる。ゲート信号線17f1、ゲート
信号線17f2にもオフ電圧(Vgh)が印加され、T
FT11f1、TFT11f2はオフ状態である(な
お、カレントミラーの場合は、ゲート信号線17f1、
ゲート信号線17f2にもオン電圧(Vgl)を印加
し、TFT11f1、TFT11f2をオン状態として
もよい)。プログラム電流Iwは駆動用TFT11aか
ら供給される。
【0879】本来、TFT11b1とTFT11b2は
隣接して形成されているため、ほとんど特性ずれがない
はずである。しかし、低温ポリシリコン技術で形成した
場合なとは、Vt電圧などが異なる。したがって、駆動
TFT11b1、TFT11b2のゲート(G)端子を
共通にして、このゲート(G)端子に同一電圧を印加し
ても駆動TFT11b1とTFT11b2がTFT11
aと構成するカレント倍率が異なり、EL素子15に流
す電流が異なる。ここでは説明を容易にするため、TF
T11b1とTFT11b2とは、3:7の差があり、
TFT11aとTFT11bとのカレント倍率を2:1
として説明をする。つまり、プログラム電流Iw=10
(μA)とすると、TFT11b1は3(μA)の電流
を供給し、TFT11b2は7(μA)の電流を供給す
るとする。つまり、プログラム電流Iw=Ib1+Ib
2=3(μA)+7(μA)=10(μA)である。
【0880】画素が非選択状態になると、図315
(a)の状態(第1フレーム)となる。ゲート信号線1
7aにオフ電圧(Vgh)が印加され、TFT11c、
TFT11dがオフする。同時に、ゲート信号線17f
1にはオン電圧(Vgl)が印加されTFT11f1が
オンする。また、ゲート信号線17f2には、オフ電圧
(Vgh)が印加され、TFT11f2はオフ状態であ
る。
【0881】したがって、駆動TFT11b1からの電
流Idd1がEL素子15に流れる。この電流は、TF
T11b1とTFT11b2の特性が同一であるなら
ば、Idd1=Iw/2=5(μA)である。しかし、
現実にはTFT11b1とTFT11b2の特性はずれ
ている。ここでは説明を容易にするため、TFT11b
1のIdd1=3(μA)として説明をする。したがっ
て、第1フレームではEL素子15は3(μA)の電流
で発光する。
【0882】第1フレームの次の第2フレームでは、再
度、図314で説明した動作が行われる。つまり、該当
画素が選択され、電流プログラムが行われている状態で
ある。第1フレームと同様に、ゲート信号線17aにオ
ン電圧(Vgl)が印加され、TFT11c、TFT1
1dがオンする。TFT11aからソースドライバ(図
示せず)14に向かってプログラム電流Iw=10(μ
A)が流れる。
【0883】画素が非選択状態になると、第2フレーム
では図315(b)の状態となる。ゲート信号線17a
にオフ電圧(Vgh)が印加され、TFT11c、TF
T11dがオフする。ゲート信号線17f1にはオフ電
圧(Vgh)が印加されTFT11f1がオフする。ま
た、ゲート信号線17f2には、オン電圧(Vgl)が
印加され、TFT11f2はオンする。
【0884】したがって、今度は、駆動TFT11b2
からの電流Idd2がEL素子15に流れる。この電流
は、TFT11b1とTFT11b2の特性が同一であ
るならば、Idd1=Iw/2=5(μA)であるとい
う点は第1フレームの説明で説明した。しかし、現実に
はTFT11b1とTFT11b2の特性はずれてい
る。ここでは説明を容易にするため、TFT11b2の
Idd2=7(μA)として説明をする。したがって、
第2フレームではEL素子15は7(μA)の電流で発
光する。
【0885】以上の状態を表示状態で図示すれば、図3
12の状態となる。図312(a)が第1フレームであ
り、図312(b)が第2フレームの状態である。つま
り、第1フレームでは書き込み画素行871が選択さ
れ、ソース信号線18には10(μA)の電流が流れ
る。そして、画素16には電流プログラムされ、TFT
11a1によりEL素子15に3(μA)の電流が流さ
れる。
【0886】図312(b)に図示するように、第2フ
レームでは書き込み画素行871が選択され、ソース信
号線18には10(μA)の電流が流れる。そして、画
素16には電流プログラムされ、TFT11a2により
EL素子15に7(μA)の電流が流される。したがっ
て、2フレームを平均すれば、(3(μA)+7(μ
A))/2=5(μA)となり、プログラム電流Iw=
10(μA)の1/2の電流がEL素子15に流れる。
【0887】以上の駆動方法によれば、画素に形成され
た2つの駆動用TFT11aの特性のバラツキが発生し
ていてもEL素子15に流れる平均電流にはバラツキは
発生しない。つまり、正確にプログラム電流Iwに比例
(あるいは同一)した電流がEL素子15に流れる。し
たがって、均一画像表示を実現できる。
【0888】なお、図313では、プログラム電流Iw
を供給するTFTをTFT11aとし、1画素1個と
し、EL素子15に電流を流すTFTをTFT1b1、
TFT11b2の2個としている。また、TFT11b
1とTFT1b2とをフレームごとに交互に切り替えて
EL素子15に流す。しかし、本発明はこれに限定する
ものではない。たとえば、プログラム電流Iwを供給す
るTFTをTFT11a1とTFT11a2の1画素2
個とし、EL素子15に電流を流すTFTをTFT1b
の1個としてもよい。カレントミラーの関係にあるから
である。
【0889】この場合も動作は図308と類似である。
第1フレームで、ソースドライバ14にプログラム電流
Iw=10(μA)を吸い込む。この電流Iwは、2つ
のTFT11a1、TFT11a2とから供給する。第
1フレームでは、第1番目のTFT11a1を選択し、
このTFT11a1とTFT1bとでカレントミラーの
関係を保ち、TFT11bの電流をEL素子15に流
す。EL素子15は、このTFT11bの電流に応じて
発光する。
【0890】第2フレームで、ソースドライバ14にプ
ログラム電流Iw=10(μA)を吸い込む。この電流
Iwは、2つのTFT11a1、TFT11a2とから
供給する。第2フレームでは、第2番目のTFT11a
2を選択し、このTFT11a2とTFT1bとでカレ
ントミラーの関係を保ち、TFT11bの電流をEL素
子15に流す。EL素子15は、このTFT11bの電
流に応じて発光する。
【0891】以上の動作でEL素子15には2フレーム
を平均すると(2フレームトータルでは)、バラツキの
ない電流(正確にプログラム電流Iwに対応した電流)
をながすことができる。
【0892】以上の実施例は、画素構成が電流プログラ
ムの場合であるが、図316に図示するように電圧プロ
グラムの画素構成でも、複数の駆動TFTの特性バラツ
キを吸収し面内均一表示を実現できることは言うまでも
ない。EL素子15に電流を流す駆動用TFT11a1
と電流をオンオフするスイッチングTFT11f1が形
成されている。また、EL素子15に電流を流す駆動用
TFT11a2と電流をオンオフするスイッチングTF
T11f2が形成されている。
【0893】動作は図308などを電流でプログラムす
ることと電圧でプログラムすることの差異を除けばほぼ
同様である。図317に図示するように第1フレーム
で、ソースドライバ14からプログラム電圧が出力さ
れ、コンデンサ19に電圧がプログラムされる。第1フ
レームでは、図318(a)に図示するように第1番目
の駆動TFT11b1を選択し、この電流をEL素子1
5に流す。EL素子15は、この第1の駆動TFT11
b1の電流に応じて発光する。
【0894】第2フレームでも第1フレームと同様に、
ソースドライバ14からプログラム電圧が出力され、コ
ンデンサ19に電圧が保持される。第2フレームでは、
第2番目の駆動TFT11b2を選択し、この電流をE
L素子15に流す。EL素子15は、この第2の駆動T
FT11b2の電流に応じて発光する。したがって、E
L素子15は2つの駆動TFT11aの出力する電流を
平均した明るさで点灯する。
【0895】図68で図示した電圧プログラムの画素構
成でも同様である(図319を参照のこと)。EL素子
15に電流を流す駆動用TFT11a1と電流をオンオ
フするスイッチングTFT11f1が形成されている。
また、EL素子15に電流を流す駆動用TFT11a2
と電流をオンオフするスイッチングTFT11f2が形
成されている。動作も図316と同様であるので説明を
省略する。図320に図示するように、図309に逆バ
イアス電圧印加用のTFT11gを付加してもよいこと
は言うまでもない。
【0896】図1、図21、図43、図71、図40、
図69、図70、図71などの電流プログラム方式で共
通の事項であるが、電流プログラム方式で黒表示が困難
という問題点がある(もちろん図87、88などの本発
明を実施すれば大幅に改善できる。しかし、されに、以
下の実施例と組み合わせることは有効である。もちろ
ん、図87、88の実施例と組合さず、以下の実施例を
単独で実施しても良いことはいうまでもない)。たとえ
ば、EL素子15に流す白ピーク電流が2μAであって
も、64階調表示では1階調目は2μA/64≒30n
Aである。この微小な電流でソース信号線18などの寄
生容量(浮遊容量)404を1H期間に充放電すること
はなかなか困難である。なお、画素16はマトリックス
状に形成または配置されているが、図面では説明を容易
にするために、1画素のみを図示している。
【0897】この課題に対応するため、本発明ではソー
ス信号線18に黒レベルの電圧(電流)を書き込むため
の電圧源401を形成または配置している。具体的には
電圧源401とはDCDCコンバータで所定電圧を発生
させ、この電圧をアナログスイッチなどから構成される
電源切り替え手段403で印加できるように構成してい
る。
【0898】具体的なソース信号線18に印加する信号
波形を図57に示す。電流プログラムを行う1H期間の
最初のt2の期間に駆動用TFT11b(図1などでは
TFT11a)をオフまたはほぼ黒表示にする電圧(V
b)をソース信号線18に印加する。この電圧は電圧源
401で発生し、切り替え手段403によりソース信号
線18に印加する。
【0899】プログラム期間ではTFT11c、11d
がオン状態であるから、ソース信号線18に印加された
電圧Vbはコンデンサ19の端子電圧、つまり、TFT
11bのゲート(G)端子電圧となる。したがって、1
H期間の最初に画素は黒表示(非点灯状態)となる。
【0900】本来、表示する画像が黒表示では、そのま
ま、コンデンサ19の端子電圧が保持される。実際に表
示される画像が白表示ではVb電圧印加後に白表示の電
圧Vw(なお、電流プログラムの場合はIwと表現すべ
きである)が印加されて、この電圧(電流)がコンデン
サ19に保持されて1H期間が終了する。なお、ここで
は説明を容易にするため、実際に表示される画像が白表
示であるから白表示の電圧Vw(電流Iw)を印加する
とした。しかし、当然のことながら、自然画の場合は、
コンデンサ19に保持される電圧はVbからVw間の電
圧(電流)である。
【0901】図57に図示するようにソース信号線18
に信号を印加し、また、ゲート信号線17a,17bを
駆動することにより、良好な黒表示を実現でき、また、
図31などの画像表示を実施できる。
【0902】図1の画素構成でも図57の信号波形を印
加することにより良好な黒表示を実現できる。電流プロ
グラムを行う1H期間の最初のt2の期間に駆動用TF
T11aをオフまたはほぼ黒表示にする電圧(Vb)を
ソース信号線18に印加する。この電圧は電圧源401
で発生し、切り替え手段403によりソース信号線18
に印加する。
【0903】プログラム期間ではTFT11b、11c
がオン状態であるから、ソース信号線18に印加された
電圧Vbはコンデンサ19の端子電圧、つまり、TFT
11aのゲート(G)端子電圧となる。したがって、1
H期間の最初に画素は黒表示(非点灯状態)となる。
【0904】先に説明したように表示する画像が黒表示
では、そのまま、コンデンサ19の端子電圧が保持され
る。実際に表示される画像が白表示ではVb電圧印加後
に白表示の電圧Vw(なお、電流プログラムの場合はI
wと表現すべきである)が印加されて、この電圧(電
流)がコンデンサ19に保持されて1H期間が終了す
る。
【0905】図40などで図示した電圧源401(プリ
チャージ回路)は低温ポリシリコン技術などで、基板4
9上に直接形成してもよいことは言うまでもない。な
お、EL素子15はR、G、Bで素子構成、材料が異な
るので光の発生が生じる電圧(電流)が異なる(立ち上
がり電圧(電流))場合が多い。この特性に対応するた
め、R、G、Bでプリチャージ電圧を個別に設定できる
ように構成することが好ましい。少なくとも3原色のう
ち1色は変化できるようにすることが好ましい。
【0906】なお、Vbを印加するプリチャージ時間t
2は、1μ秒以上にする必要がある。また、Vbを印加
するプリチャージ時間t2は1Hの1%以上10%以下
にすることが好ましい。さらに好ましくは1Hの2%以
上8%以下にすることが好ましい。
【0907】また、表示画像21の内容(明るさ、精細
度など)で、プリチャージする電圧を変化できるように
構成しておくことが好ましい。たとえば、ユーザーが調
整スイッチを押すことにより、あるいは調整ボリウムを
回すことにより、この変化を検出しプリチャ−ジ電圧
(電流)の値を変更する。表示する画像の内容、データ
により自動的に変化させるように構成してもよい。たと
えば、ホトセンサで外部の外光の強さを検出し、検出さ
れた値で、プリチャージ(ディスチャージ)電圧(電
流)を調整する。他に、画像の種類(パソコン画像、昼
の画面、星空など)に応じて、プリチャージ(ディスチ
ャージ)電圧(電流)を調整する。調整は画像の平均明
るさ、最大輝度、最小輝度、動画、静止画、輝度分布を
考慮して決定する。
【0908】図40などではプリチャージ回路などを簡
易に説明した。さらに、図122などを用いてさらに詳
しく説明する。なお、ディスチャージとプリチャージは
単に電位の印加方向であるので、以降は、ディスチャー
ジとプリチャージを同義としてプリチャージとして説明
する。
【0909】図122は電流駆動と電圧駆動とを組み合
わせた回路構成である。切り替え回路1223は表示領
域のあるソース信号線18に接続されている。切り替え
回路1223はアナログスイッチから構成される。切り
替え回路1223のa端子に電圧が印加され(プリチャ
ージ電圧)、b端子に画素にプログラムするプログラム
電流が印加される。
【0910】電流出力回路1222は8ビット(256
階調)のIDATAが入力され、このIDATAがDA
コンバータ1226でDA変換されてアナログ電圧とな
る。このアナログ電圧がバイポーラトランジスタ(もし
くはFET)1227のベース端子に印加され、オペア
ンプ1224bと抵抗1228の作用で、電流出力に変
換される。なお、トランジスタ1227とオペアンプ1
224などによる電圧−電流変換回路は一般的なもの
で、当該技術分野の技術者のとって公知であるのでこれ
以上の説明は要さないであろう。
【0911】一方、電圧出力回路1221はボリウムV
R1225とオペアンプ1224aによるバッファ回路
から構成される。ボリウム1225は全ソース信号線に
共通のものである。このボリウム1225を調整するこ
とにより、プリチャージ電圧Vbが決定される。
【0912】1水平走査期間(1H)の最初のプリチャ
ージ電圧Vbが印加される。この時、すべてのソース信
号線に接続された切り替え回路1223は端子aと接続
されている。したがって、すべてのソース信号線18は
プリチャージ電圧Vbに設定される。その後、切り替え
回路1223は端子bに切り替えられ、画像に対応した
電流データ(256階調)がソース信号線18に印加さ
れる。この電流データが各画素16に書き込まれ、各画
素のEL素子15に電流が流れて発光する。
【0913】図122では、プリチャージ電圧Vbは固
定値であった。図123は、プリチャ−ジ電圧を256
値(8ビット)とれるようにした回路構成図である。図
123において、電圧出力回路1221は、8ビットの
VDATAが入力されDAコンバータ1226aでアナ
ログ電圧に変換される。変換されたアナログ電圧はオペ
アンプ1224cの−端子に入力され、VR1225の
基準電圧に対して所定の電圧に調整できるように構成さ
れている。
【0914】オペアンプ1224cの出力はバッファア
ンプ1224aを介して、切り替え回路1223aのa
端子に印加される。一方、切り替え回路1223aのb
端子には電流出力が印加されている。
【0915】VDATAはIDATAに対応する電圧で
ある。1水平走査期間(1H)の最初の1〜10μsec
(1Hの1/100以上1/5以下の期間であることが
好ましい)の期間にVDATAに対応したプリチャージ
電圧Vbが印加される。この時、すべてのソース信号線
に接続された切り替え回路1223は端子aと接続され
ている。したがって、各ソース信号線18はVDATA
に対応するプリチャージ電圧Vbに設定される。図12
2との差異は、各ソース信号線にプリチャージ電圧Vb
を設定できることである。つまり、各ソース信号線18
にそれぞれIDATAをDA変換するDAコンバータ
と、VDATAをDA変換するDAコンバータを具備し
ている。ただし、各ソース信号線18にそれぞれIDA
TAをDA変換するDAコンバータと、VDATAをD
A変換するDAコンバータを具備することに限定するも
のではない。たとえば、DA回路は1つでも、その出力
を各ソース信号線でサンプルホールドすれば実現できる
からである。
【0916】VDATAを変換した電圧を1Hの最初の
期間に印加するが、この電圧値は、以降に印加するID
ATAに対応した電流値によるソース信号線電位とほぼ
等しくなる。したがって、VDATAの電圧を印加する
ことによりソース信号線の電位はほぼ目標値となり、I
DATAでわずかに目標値に補正するだけとなる。以上
のように構成することにより、ソース信号線18への電
流書き込み不足はなくなる。
【0917】なお、図124(a)において、切り替え
回路1223aはa端子とb端子とを切り替えるとした
がこれに限定するものではない。たとえば、図124
(b)ように、電圧出力回路1221の出力をa端子に
印加し、電流出力回路1222の出力はソース信号線1
8にたえず接続状態に構成してもよい。
【0918】DAコンバータ1226をリファレンス電
圧に対応して出力変化できるものとすることによりさら
に回路構成の柔軟性が向上する。このリファレンス電圧
に対応して出力変化できるとは、たとえば、リファレン
ス電圧Vが2.54(V)の時、0.01(V)間隔で
出力を変化できるものをいう(8ビット、256階調の
DAコンバータを採用した時)。リファレンス電圧Vが
5.08(V)では0.02(V)間隔で出力を変化で
きる。
【0919】つまり、リファレンス電圧を変更すること
により、瞬時にDAコンバータの出力をリファレンス電
圧に比例して変更することができる。図124はこのよ
うなDAコンバータを採用した場合の回路ブロック図で
ある。
【0920】図124では、DAコンバータ1226a
にはVref電圧が印加されている。Vref電圧はV
v電圧を4分割するRV*抵抗とスイッチ回路1223
bからなる回路から出力される。したがって、Vref
電圧はCVS信号により4段階に切り替えられる。つま
り、DAコンバータ1226aの出力は瞬時に4段階で
切り替えることができる。
【0921】一方、DAコンバータ1226bはIre
f電圧が印加されている。Iref電圧はVi電圧を4
分割するRV*抵抗とスイッチ回路1223cからなる
回路から出力される。したがって、Iref電圧はCI
S信号により4段階に切り替えられる。つまり、DAコ
ンバータ1226bの出力は瞬時に4段階で切り替える
ことができる。
【0922】図124のように構成することにより、ソ
ース信号線18に出力する電流(電圧)は、1Hの期間
に4段階に変化することができるようになる。この使用
方法としては、最初に高い電圧(電流)を一瞬印加し、
印加により高速に目標値まで到達させ、その後、定常値
の電圧(電流)に変更し、目標値にするなどである。つ
まり、画素に書き込む電圧(電流)を高速に変更するこ
とができる。
【0923】ただし、図124の構成は、回路規模はか
なり大きなものになる。一般的には図125に図示する
構成で十分である。図124の構成は、電圧出力回路1
221は2つの電圧値を出力できるように構成されてい
る。この2つの電圧とは、1つが画像表示を黒にする電
圧である。他の1つは画像表示を白にする電圧である。
具体的には、図1のVdd電圧が6(V)とすれば、黒
電圧は3(V)〜4(V)であり、白電圧は1(V)〜
2(V)である。この白電圧と黒電圧はVR1225で
調整され、この電圧がバッファアンプ1224a、12
24cを介してスイッチ回路1223bに印加される。
スイッチ回路1223bの出力はVSL電圧で切り替え
られる。
【0924】1水平走査期間(1H)の最初のプリチャ
ージ電圧Vb(白電圧または黒電圧)が印加される。各
ソース信号線は切り替え回路1223aの端子cと接続
されている。したがって、各ソース信号線18はまず、
白電圧または黒電圧にプリチャージに設定される。その
後、切り替え回路1223は端子bに切り替えられ、画
像に対応した電流データ(256階調)がソース信号線
18に印加される。この電流データが各画素16に書き
込まれ、各画素のEL素子15に電流が流れて発光す
る。
【0925】以上の実施例では、各ソース信号線18は
まず、白電圧または黒電圧にプリチャージに設定される
としたがこれに限定するものではない。表示データ(V
DATA,IDATA)が所定値以上の時、あるいは所
定値以下の時、プリチャージするように構成したほうが
現実的である。
【0926】図126は説明を容易にするため、64階
調表示の場合を例示している。図126(a)では、5
7階調目から63階調目の範囲(KW)を白電圧でプリ
チャージする。つまり、図125の電圧出力回路122
1から白電圧を出力する。また、0階調目から7階調目
の範囲(KB)を黒電圧でプリチャージする。つまり、
図125の電圧出力回路1221から黒電圧を出力す
る。8階調目から56階調目までは電圧出力回路122
1の出力はハイインピーダンス状態とする(切り替え回
路1223aのスイッチは端子aを選択しない)。
【0927】以上のように、白表示とすべき階調に白電
圧を印加し、黒表示とすべき階調に黒電圧を印加する。
また、中間調の箇所(KM)にはプリチャージしないこ
とにより、階調表示を高速に、かつ良好に実現すること
ができる。
【0928】電流プログラム方式の場合は、黒表示で、
プログラム電流(画素に書き込む電流)が5nA以上2
0nA以下と小さいため、書き込み不足が発生する。黒
電圧のプリチャージすることにより、本来の黒表示を実
現することができる。しかし、暗い灰色の表示でも書き
込み不足が発生することがある。この場合は、白と黒の
プリチャージに加えて、第2の黒のプリチャージを行う
ことが効果的である。
【0929】図126(b)はこの実施例である。KB
1の範囲を黒電圧のプリチャージすることにより、本来
の黒表示を実現することができる。そして、KB2の範
囲を第2の黒(灰色)のプリチャージすることにより黒
に近い灰色の部分を十分な階調表示を実現できる。
【0930】ここで、より具体的には、図1画素構成に
おいて、Vdd電圧が6(V)とすれば、KB1の範囲
のプリチャージを行う黒電圧は3(V)〜3.5(V)
であり、KB2の灰色のプリチャージを行う黒電圧は
3.5(V)〜4.0(V)である。KWの範囲の白電
圧は1(V)〜2(V)である。KMの範囲は電圧によ
るプリチャージは行わない。
【0931】図126(b)は説明を容易にするため、
64階調表示の場合を例示している。図126(b)で
は、57階調目から63階調目の範囲(KW)を白電圧
でプリチャージする。0階調目から7階調目の範囲(K
B1)を黒電圧でプリチャージする。8階調目から15
階調目の範囲(KB2)を第2の黒電圧でプリチャージ
する。16階調目から56階調目までは電圧出力回路1
221の出力はハイインピーダンス状態とする(切り替
え回路1223aのスイッチは端子aを選択しない)。
【0932】以上のように、黒の範囲を複数の範囲に分
離し、それぞれ異なった電圧でプロチャージすることに
より、より適正な階調表示を実現できる。なお、図12
6(b)は、黒の範囲を2つとしたがこれに限定するも
のではなく、3つ以上でもよい。また、プリチャージは
全ソース信号線に一括しておこなってもよい。これらの
回路構成は、図125においてバッファアンプ1224
を3個以上配置し、スイッチ1223bを3つ以上選択
できるように構成すればよいから容易である。
【0933】なお、図126において、階調0(黒表
示)にEL素子15に流す電流は0(A)ではない。E
L素子15は所定電流以上流さないと発光しない。この
発光しない範囲の電流を暗電流と呼ぶ。暗電流は画素サ
イズが10000平方μmで10nA以上50nA以下
程度ある。この暗電流の範囲内において、画素は黒表示
である。したがって、階調0でも電流が流れている。ド
ライバIC14の構成としては暗電流を加えた電流で駆
動する必要がある。
【0934】以降、図122から図125に図示する回
路構成を出力段回路1271と呼ぶ。出力段回路127
1は図127に図示するように、各ソース信号線18に
配置(形成)するのが一般的な構成例である。図127
などでは、出力段回路1271ははシリコンチップで形
成したソースドライバIC14内に形成したように図示
したがこれに限定するものではなく、ガラス基板82上
に画素TFT11などと同時に直接に形成してもよい。
つまり、高温ポリシリコン技術、低温ポリシリコン技
術、シャープ(株)などが開発しているCGS(Continu
ous Grain Silicon)技術技術、富士通(株)などが開発
している種結晶を基板に形成して成長させる方法、セイ
コーエプソン(株)が開発している石英基板に形成した
半導体回路を転写によって、ガラス基板などに形成する
技術で出力段回路1271を形成してもよい。また、基
板82が金属基板あるいは半導体基板の場合は直接に、
出力段回路1271を形成できることはいうまでもな
い。
【0935】また、ドライバIC14は、前記ICの信
号端子電極部にメッキ技術またはネイルヘッドボンディ
ング技術を用いて数μmから100μmの高さの金(A
u)からなる突起電極(図示せず)が形成されている。
前記突起電極と各信号線とが導電性接合層(図示せず)
を介して電気的に接続されている。導電性接合層は接着
剤としてエポキシ系、フェノール系等を主剤とし、銀
(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、カーボン
(C)、酸化錫(SnO2)などのフレークを混ぜた物、
あるいは紫外線硬化樹脂などである。導電性接合層は、
転写等の技術で突起電極上に形成する。
【0936】ドライブIC14(12)を基板上に積載
するように図示または説明したが、これに限定するもの
ではない。また、基板11上にIC14(12)を積載
せず、フィルムキャリヤ技術を用いて、ICを積載した
ポリイミドフィルム等を用いて信号線と接続しても良
い。
【0937】図127は表示領域21の一方端のみに出
力段回路1271を配置したように図示したがこれに限
定するものではない。たとえば、図128に図示するよ
うに、ドライバIC14aと14bを配置してもよい。
図128ではゲートドライバIC12も2個形成してい
る。つまり、表示領域は21aと21bから構成され
る。このように構成すれば表示領域21aと21bを別
個の画像を表示することができる。
【0938】図128の構成では画面21を2分割して
いることから、出力段回路1271から出力する映像信
号は画面21が1つの場合に比較して1/2の動作周波
数でよい。また、ソース信号線18などに発生する寄生
容量は1/2となる。したがって、出力段回路1271
の負担は1/2×1/2=1/4となる。そのため、出
力段回路1271から出力する電流が微小であっても十
分ソース信号線17の寄生容量を充放電できる。つま
り、書き込み不足が発生しない。
【0939】図128の構成では表示領域21を画面2
1aと画面21bとを中央部で2分割するため、分割位
置で境目がみえる場合がある。図129はこの課題を対
処するものである。ソースドライバ14aは表示領域2
1の奇数画素行を駆動し、ソースドライバ14bは表示
領域21の偶数画素行を駆動する。したがって、画面2
1の境目が発生しない。
【0940】さらに画素への書き込み電流不足を改善す
るためには、図130に図示するように、ドライバIC
14aおよび14bにおいて各ソース信号線18に対応
する出力段回路1271に2つの出力とするとよい。つ
まり、出力段回路1271aには2つの出力段(出力段
A、出力段B)を具備し、出力段Aが表示領域21aの
奇数画素行に接続され、出力段Bが表示領域21aの偶
数画素行に接続されている。また、出力段回路1271
bにも2つの出力段(出力段A、出力段B)を具備し、
出力段Aが表示領域21bの奇数画素行に接続され、出
力段Bが表示領域21bの偶数画素行に接続されてい
る。このように構成することにより、さらに、微小電流
でもソース信号線に十分な電流を流せることにつなが
り、良好な画像表示を実現できる。
【0941】なお、図130において出力段回路127
1は各画素に1つのソース信号線18を接続するとした
がこれに限定するものではなく、画素を差動構成にし、
各画素に2つのソース信号線(一方のソース信号線をバ
イアス電流用、他方のソース信号線をバイアス電流+信
号電流用)で駆動するように構成してもよい。
【0942】図131はより具体的なモジュール構成図
である。図131において、14bはソースドライバで
あり、14aはゲートドライバとソースドライバとが一
体化されたチップである。14aが表示領域21のゲー
ト信号線を駆動している。ドライバ14aは表示領域2
1aのソース信号線18aを駆動する。14bはソース
信号線18bを駆動し表示領域21bを駆動する。
【0943】なお、図131は一例であって、チップ1
4bもゲートドライバ機能を有し、表示領域21bのゲ
ート信号線17bを駆動するように構成してもよい。ま
た、電源IC102とコントロールIC102はプリン
ト基板103上に積載されているように図示したがこれ
に限定するものではなく、基板82に直接形成してもよ
い。以前に説明したポリシリコン技術などを用いてであ
る。このことは図10、図11についても適用できるこ
とは言うまでもない。他の構成は図10、図11、図2
8、図130などと同様であるので説明を省略する。
【0944】コンとロールIC101はドライバ14a
と14bの両方を駆動する。コントロールIC101か
らドライバ14aに供給する信号(電源配線、データ配
線など)はフレキシブル基板104cを介して供給す
る。しかし、ドライバ14bはかなり距離が離れている
ため、まず、フレキシブル基板104aで基板82の裏
面に接続する。
【0945】図132は基板82を裏面から観察した図
である。基板82の裏面に信号配線(電源配線を含む)
1321が形成されている。信号配線1321は、銅、
アルミ(Al)、銀、銀―パラジウム、パラジウム、
金、Al−Moなどの金属材料で形成される。信号配線
1321は基板82の端から端まで信号を伝達する。基
板82の一端にフレキシブル基板104bが接続されて
おり、このフレキシブル基板104bからドライバ14
bに信号などが供給される。なお、図133は図132
のAから見たときの図面である。
【0946】図40、図57、図122から図126
は、図1、図21、図43、図71のような電流プログ
ラム方式の画素構成を例示して説明したが、これに限定
するものではない。たとえば、図54、図67、図6
8、図103、図120、図121などの電圧プログラ
ム方式の画素構成でも有効である。その場合は、図12
2の切り替え回路1223のb端子に印加される信号は
電圧とする必要がある。この変更は容易であり、当該技
術分野の人間であれば容易に対応することができるであ
ろう。電圧駆動では、ソース信号線18の寄生容量によ
る充電不足ということはないが、複数画素行に同時に電
圧を印加する方式とすることにより、駆動回路、信号処
理回路が簡略化され、また、良好な黒表示を実現できる
からである。また、画像の隠逸表示を実現でき、TFT
11のバラツキ吸収にも効果が発揮されるからである。
【0947】したがって、図122から図126で説明
した事項は、本発明のすべての表示パネル、表示装置、
情報表示装置などに適用することができることは言うま
でもない。
【0948】図41は図1のTFT11のPチャンネル
をNチャンネルにした実施例である。以上のように本発
明は多種多様な画素構成に適用することができる。図4
1においても、ゲート信号線17を制御することにより
TFT11dをオンオフすることができ、図31などの
画像表示を実現できることは言うまでもないので説明を
省略する。また、図33、図35などの駆動波形も同一
または類似であるので説明を省略する。また、図1にお
いてTFT11b、11cのみをnチャンネルTFTと
することも有効である。コンデンサ19への突き抜け電
圧が低下し、コンデンサの保持特性も改善されるからで
ある。
【0949】なお、図41は電流源402のみを具備す
る構成である。つまり、プリチャージを実施する電圧源
401は具備しない。しかし、寄生容量404が比較的
小さく、または、1H期間は十分長い場合は、電圧源4
01がなくとも十分に黒表示を実現できる。また、図3
1などで説明したように、完全な非表示領域312を実
施する場合は、電圧源401は必要でない場合がほとん
どである。必要である場合は図42に図示するように構
成すればよい。
【0950】また、図43は図21のTFT11のPチ
ャンネルをNチャンネルにした実施例である。以上のよ
うに本発明は多種多様な画素構成に適用することができ
る。図43においても、ゲート信号線17を制御するこ
とによりTFT11eなどをオンオフすることができ、
図31などの画像表示を実現できることは言うまでもな
いので説明を省略する。また、図33、図35などの駆
動波形も同一または類似であるので説明を省略する。
【0951】以上、説明したように電圧源401でVb
電圧(Ib電流)を印加することにより、良好な黒表示
を実現できる。
【0952】なお、N=10以上とし、高い電流パルス
をEL素子15に印加すると、EL端子電圧も高くな
る。また、EL素子15はR、G、Bで立ち上がり電
圧、ガンマカーブが異なる。特にBはガンマカーブが緩
やかであるのでEL素子15の端子電圧が高くなる傾向
にある。立ち上がり電圧が高く、ガンマカーブが緩やか
な色(R、G、B色)のEL素子15に端子電圧をあわ
せると消費電力が大きくなる。
【0953】これを解決する方法の1つが図5に示すカ
ソードをR、G、Bで分離する方式である。なお、R、
G、Bでそれぞれ別のカソード電位にする必要はない。
特にガンマカーブが他の色からはなれている1色のみの
カソードのみを分離してもよい。その他の方法として、
図58に示すようにVdd電源電圧を分離する構成も有
効である。つまり、R色のVdd電源をVddRとし、
G色のVdd電源をVddGとし、B色のVdd電源を
VddBとする構成である。このように分離することに
より、RGBそれぞれを別電源で調整することができ、
RGBのEL素子15の端子電圧が異なっていても消費
電力の増加はわずかになる。
【0954】なお、R、G、Bでそれぞれ別のVdd電
位にする必要はない。特にガンマカーブが他の色からは
なれている1色のみのVddのみを分離してもよい。ま
た、図59に図示するように、図5の構成と組み合わせ
てもよい。つまり、R、G、Bで分離する方式である
R、G、Bでそれぞれ別のカソード電位(R画素はVs
R,G画素はVsG,B画素はVsB)とする。特にガ
ンマカーブが他の色からはなれている1色のみのカソー
ド電位のみを分離してもよい。さらに、Vdd電源電圧
を分離する。R色のVdd電源をVddRとし、G色の
Vdd電源をVddGとし、B色のVdd電源をVdd
Bとする構成である。この場合もR、G、Bでそれぞれ
別のVdd電位にする必要はない。特にガンマカーブが
他の色からはなれている1色のみのVddのみを分離し
てもよい。
【0955】なお、図58、図59では画素16は図1
の構成としたが、これに限定されるものではなく、図2
1、図22、図43、図44、図41、図42、図5
4、図67から図78などの構成でもよいことは言うま
でもない。
【0956】本発明の課題にEL素子15に印加する電
流が瞬時的ではあるが、従来と比較してN倍大きいとい
う問題がある。電流が大きいとEL素子の寿命を低下さ
せる場合がある。この課題を解決するためには、EL素
子15に逆バイアス電圧Vmを印加することが有効であ
る。
【0957】以下、逆バイアスを印加する方法について
説明をする。逆バイアスを印加するためには図1の構成
において、TFT11bとTFT11cのゲート(G)
端子を個別に制御する必要がある。つまり、TFT11
bとTFT11cを個別にオンオフさせる必要がある。
この制御方法は図52を用いて説明する。
【0958】まず、図52(a)に示すように、TFT
11cをオンし、TFT11dをオンさせる(図1もあ
わせて参照のこと)。そして、逆バイアス電圧VmとE
L素子15のa端子に印加する。Vm電圧はVsよりも
低い電圧である。Vm電圧はVsよりも5(V)以上1
5(V)以内の値の低い電圧である。
【0959】なお、逆バイアス電圧を供給する信号線1
7は、ソース信号線18と平行に形成することが好まし
い。低抵抗配線で形成できるし、ソース信号線18との
クロスがないため、逆バイアス信号線とソース信号線1
8とのカップリングが発生しにくい。なお、もちろん、
逆バイアス電圧を供給する信号線17をゲート信号線1
7と平行に形成してもよい。
【0960】EL素子15が点灯するときには、a端子
にはVsに対し、5(V)以上15(V)以内の高い電
圧が印加されている。つまり、Vm電圧とはEL素子1
5が点灯しているときに印加する電圧に対し、理想的に
は絶対値が等しく、かつ極性の逆の電圧を印加するので
ある。現実的には絶対値が等しく、かつ極性の逆の電圧
を印加は困難であるから、逆極性で2−3倍の電圧を印
加する。以上のように逆バイアスを印加することによ
り、EL素子15はほとんど劣化しなくなる。
【0961】次に、図52(b)に示すように、TFT
11dをオフし、TFT11bをオンさせる。そして、
黒電圧Vbをコンデンサ19に書き込む。この動作は図
57で説明している。次に、図52(c)に示すよう
に、TFT11のオンオフ状態は図52(b)と同一の
状態で、電流源402からの画像表示電圧(電流)をコ
ンデンサ19に書き込む。この動作も図57で説明して
いる。最後に、図52(d)に示すように、TFT11
b、11cをオフし、TFT11dをオンさせ、EL素
子15に電流を流してEL素子15を点灯させる。
【0962】以上の動作を図15に示す。1H期間のt
1時間に逆バイアス電圧Vmをソース信号線18に印加
し、次のt2期間にVb電圧を印加し、そしてt3期間
に画像データVw(Iw)を印加する。他の動作は、図
52で説明し、また、駆動方法などの図31、図33な
どで説明しているので説明を省略する。
【0963】図119から図121図52の構成では、
ソース信号線18の電流を画素16にとりこむ際に、E
L素子15には逆方向電流が流れる。したがって、EL
素子15が有機電界発光素子の場合、逆方向電圧を印加
した場合のように、有機分子の酸化還元反応などによる
電気化学的劣化を遅くすることが可能となる。
【0964】図102に陽極/正孔輸送層/発光層/電
子輸送層/陰極からなる3層型有機発光素子のエネルギ
ーダイアグラムを示す。発光時の正負キャリアの挙動は
図102(a)で表わされる。電子は陰極(カソード)
より電子輸送層に注入されると同時に正孔も陽極(アノ
ード)から正孔輸送層に注入される。注入された電子、
正孔は印加電界により対極に移動する。その際、有機層
中にトラップされたり、発光層界面でのエネルギー準位
の差によりのようにキャリアが蓄積されたりする。
【0965】有機層中に空間電荷が蓄積されると分子が
酸化もしくは還元され、生成されたラジカル陰イオン分
子もしくはラジカル陽イオン分子が不安定であること
で、膜質の低下により輝度の低下および定電流駆動時の
駆動電圧の上昇を招くことが知られている。これを防ぐ
ために、一例としてデバイス構造を変化させ、逆方向電
圧を印加している。
【0966】図102(b)においては逆方向電流が印
加されるため、注入された電子及び正孔がそれぞれ陰極
及び陽極へ引き抜かれる。これにより、有機層中の空間
電荷形成を解消し、分子の電気化学的劣化を抑えること
で寿命を長くすることが可能となる。
【0967】なお、図102では3層型素子について説
明を行ったが、4層型以上の多層型素子及び2層型以下
の素子においても、電極から注入された電子及び正孔に
より有機膜の電気化学的劣化が起こることは同様であ
る。したがって、層の数によらず本実施例により寿命を
長くすることが可能となる。1つの層に複数の材料を混
ぜ合わせた素子においても分子の電気化学的劣化は同様
に生じるため効果がある。
【0968】本発明での特徴はこのように、有機分子の
劣化を防ぐ機能を持たせ、かつソース信号線に寄生する
浮遊容量による波形なまりを防ぐためのバイアス電流を
流す機能を持たせても、画素に必要なトランジスタ数を
増加させることなく表示が可能であることである。つま
り、逆方向電流を流すためのトランジスタの数を増やさ
なくてもよいことが、表示装置の各画素の開口率を下げ
なくて済むため利点となる。
【0969】図109に逆バイアス電圧Vmの印加効果
について説明する。図109は所定電流で駆動した時の
EL素子15の発光輝度、EL素子の端子電圧を示して
いる。図109において、点線実線bは、EL素子15
に逆バイアス電圧Vmを印加した時のEL素子15の端
子電圧を示している。一点鎖線cは、EL素子15に逆
バイアス電圧を印加しなかった時のEL素子15の端子
電圧を示している。また、実線aは、EL素子15に逆
バイアス電圧を印加した時(点線a)のEL素子15の
発光輝度比(初期輝度を1とした時の比率)を示してい
る。
【0970】図109において、具体的には、EL素子
はR発光であり、電流密度100A/平方メーターで電
流駆動した場合である。サンプルBは時間tの間、連続
して電流密度100A/平方メーターの電流を印加して
いる。点灯時間1500時間で端子電圧が高くなり、急
激に輝度低下して2500時間経過後には、初期輝度に
対して、約15%の輝度しか得られなかった。
【0971】サンプルAは30Hzのパルス駆動を実施
し、半分の時間t2に電流密度200A/平方メーター
の電流を流し、後半の半分の時間t1に逆バイアス電圧
−14(V)を印加した(つまり、単位時間あたりの平
均発光輝度はサンプルAとBでは同一である)。サンプ
ルAは、点線bで示すようにEL素子15の端子電圧の
変化はほとんどなく、また、輝度が50%となる点灯時
間は4000時間であった。
【0972】このように、逆バイアス電圧Vmを印加す
ることにEL素子15の端子電圧の増加はなく、発光輝
度の低減割合も少なくなる。したがって、EL素子15
の長寿命駆動を実現することができる。
【0973】図108は、逆バイアス電圧VmとEL素
子15の端子電圧の変化を示している。この端子電圧と
は、EL素子15に定格電流を印加した時である。図1
08はEL素子15に流す電流が電流密度100A/平
方メーターの場合であるが、図108の傾向は、電流密
度50〜100A/平方メーターの場合とほとんど差が
なかった。したがって、広い範囲の電流密度で適用でき
ると推定される。
【0974】縦軸は初期のEL素子15の端子電圧に対
して、2500時間後の端子電圧との比である。たとえ
ば、経過時間0時間において、電流密度100A/平方
メーターの電流の印加した時の端子電圧が8(V)と
し、経過時間2500時間において、電流密度100A
/平方メーターの電流の印加した時の端子電圧が10
(V)とすれば、端子電圧比は、10/8=1.25で
ある。
【0975】横軸は、逆バイアス電圧Vmと1周期に逆
バイアス電圧を印加した時間t1の積に対する定格端子
電圧V0の比である。たとえば、60Hz(とくに60
Hzに意味はないが)で、逆バイアス電圧Vmを印加し
た時間が1/2(半分)であれば、t1=0.5であ
る。また、経過時間0時間において、電流密度100A
/平方メーターの電流の印加した時の端子電圧(定格端
子電圧)が8(V)とし、逆バイアス電圧Vmを8
(V)とすれば、|逆バイアス電圧×t1|/(定格端
子電圧×t2)=|−8(V)×0.5|/(8(V)
×0.5)=1.0となる。
【0976】図108によれば、|逆バイアス電圧×t
1|/(定格端子電圧×t2)が1.0以上で端子電圧
比の変化はなくなる(初期の定格端子電圧から変化しな
い)。逆バイアス電圧Vmの印加による効果がよく発揮
されている。しかし、|逆バイアス電圧×t1|/(定
格端子電圧×t2)が1.75以上で端子電圧比は増加
する傾向にある。したがって、|逆バイアス電圧×t1
|/(定格端子電圧×t2)は1.0以上にするように
逆バイアス電圧Vmの大きさおよび印加時間比t1(も
しくはt2、あるいはt1とt2との比率)を決定する
とよい。また、好ましくは、|逆バイアス電圧×t1|
/(定格端子電圧×t2)は1.75以下になるように
ように逆バイアス電圧Vmの大きさおよび印加時間比t
1などを決定するとよい。
【0977】ただし、バイアス駆動を行う場合は、逆バ
イアスVmと定格電流とを交互に印加する必要がある。
図109のようにサンプルAとBとの単位時間あたりの
平均輝度を等しくしようとすると、逆バイアス電圧を印
加する場合は、印加しない場合に比較して瞬時的には高
い電流を流す必要がある。そのため、逆バイアス電圧V
mを印加する場合(図109のサンプルA)のEL素子
15の端子電圧も高くなる。
【0978】しかし、図108では、逆バイアス電圧を
印加する駆動方法でも、定格端子電圧V0とは、平均輝
度を満足する端子電圧(つまり、EL素子15を点灯す
る端子電圧)とする(本明細書の具体例によれば、電流
密度200A/平方メーターの電流の印加した時の端子
電圧である。ただし、1/2デューティであるので、1
周期の平均輝度は電流密度200A/平方メーターでの
輝度となる)。
【0979】以上の事項は、EL素子15を、白ラスタ
ー表示(画面全体のEL素子に最大電流を印加している
場合)を想定している。しかし、EL表示装置の映像表
示を行う場合は、自然画であり、階調表示を行う。した
がって、たえず、EL素子15の白ピーク電流(最大白
表示で流れる電流。本明細書の具体例では、平均電流密
度100A/平方メーターの電流)が流れているのでは
ない。
【0980】一般的に、映像表示を行う場合は、各EL
素子15に印加される電流(流れる電流)は、白ピーク
電流(定格端子電圧時に流れる電流。本明細書の具体例
によれば、電流密度100A/平方メーターの電流)の
約0.2倍である。
【0981】したがって、図108の実施例では、映像
表示を行う場合は横軸の値に0.2をかけるものとする
必要がある。したがって、|逆バイアス電圧×t1|/
(定格端子電圧×t2)は0.2以上にするように逆バ
イアス電圧Vmの大きさおよび印加時間比t1(もしく
はt2、あるいはt1とt2との比率など)を決定する
とよい。また、好ましくは、|逆バイアス電圧×t1|
/(定格端子電圧×t2)は1.75×0.2=0.3
5以下になるようにように逆バイアス電圧Vmの大きさ
および印加時間比t1などを決定するとよい。
【0982】つまり、図108の横軸(|逆バイアス電
圧×t1|/(定格端子電圧×t2))において、1.
0の値を0.2とする必要がある。したがって、表示パ
ネルに映像を表示する(この使用状態が通常であろう。
白ラスターを常時表示することはないであろう)時は、
|逆バイアス電圧×t1|/(定格端子電圧×t2)が
0.2よりも大きくなるように、逆バイアス電圧Vmを
所定時間t1印加するようにする。また、|逆バイアス
電圧×t1|/(定格端子電圧×t2)の値が大きくな
っても、図108で図示するように、端子電圧比の増加
は大きくない。したがって、上限値は白ラスター表示を
実施することも考慮して、|逆バイアス電圧×t1|/
(定格端子電圧×t2)の値が1.75以下を満足する
ようにすればよい。
【0983】以下、図面を参照しながら、本発明の逆バ
イアス方式について説明をする。なお、本発明はEL素
子15に電流が流れていない期間に逆バイアス電圧Vm
(電流)を印加することを基本とする。しかし、これに
限定するものではない。たとえば、EL素子15に電流
が流れている状態で、強制的に逆バイアス電圧Vmを印
加してもよい。なお、この場合は、結果としてEL素子
15には電流が流れず、非点灯状態(黒表示状態)とな
るであろう。また、本発明は、主として電流プログラム
の画素構成で逆バイアス電圧Vmを印加することを中心
として説明するがこれに限定するものではない。たとえ
ば、図103においてTFT11eをオフさせ、図90
と同様に逆バイアス電圧VmをEL素子15のアノード
に印加する構成にすれば、電圧プログラム方式の画素構
成でも、以下に説明する逆バイアス電圧Vmの印加を容
易に実現することができる。しがたって、図108など
で説明した効果を発揮することができる。
【0984】図90は図1(a)の画素構成に逆バイア
ス電圧Vmを印加するスイッチングTFT11gを配置
あるいは形成している。TFT11gのゲート(G)端
子は制御用のゲート信号線17dに接続されている。T
FT11gをオンさせることによりVm電圧がEL素子
15のアノードに印加される。
【0985】図90は、本発明の逆バイアス電圧印加方
式の駆動方法の説明図である。まず、図107(a1)
に示すようにゲート信号線17aに電圧Vglが印加さ
れると、TFT11b、11cがオンする。すると、図
107(a2)で示すように、ソースドライバ14から
プログラム電流IwがTFT11cなどに流れ、コンデ
ンサ19に電流プログラムされる。なお、N倍に限定す
るものではないが、ここでは説明を容易にするため、N
倍の電流をプログラムし、EL素子15に1F/Nの期
間だけ、電流Idを流すものとする。
【0986】次に、図107(b1)に図示するよう
に、ゲート信号線17bに電圧Vghが印加され、TF
T11b、11cがオフする。同時(同時に限定するも
のではない)にゲート信号線17bに電圧Vglが印加
されると、TFT11dがオンする。すると、図107
(c2)で示すように、電源VddがTFT11aを介
して、電流プログラムされた電流IdがEL素子15に
流れる。したがって、図107(c1)に図示するよう
にEL素子15が発光する。この発光輝度は、プログラ
ムの変換効率が100%であれば、約N倍の輝度で発光
する。
【0987】発光期間は1F/Nである。残りの1F
(1−1/N)の期間はTFT11dがオフ状態であ
り、EL素子15は非点灯(黒表示)となる。黒表示は
EL素子15に全く電流が流れないため、完全な黒表示
を実現できる。また、発光時は白ピーク電流が大きいた
め、発光輝度も高い。そのため、本発明の駆動方法で
は、非常に高コントラスト表示を実現できる。
【0988】1Fの期間のすべてに、1倍の電流をEL
素子15に流した場合(従来の駆動方式)は、黒表示を
実現使用とすると、黒表示電流をコンデンサ19にプロ
グラムする必要がある。しかし、電流駆動方式では黒表
示時の電流値が小さいため、寄生容量の影響と大きく受
け十分な解像度がでないという課題が発生する。また、
黒浮きが発生するという課題も発生する。その上、ゲー
ト信号線17からの突き抜け電圧の影響も受ける。これ
らの課題により、黒表示部でもEL素子15が微点灯状
態となる。しがたって、コントラストは非常に悪くな
る。
【0989】本発明の方式では、1F(1−1/N)の
期間は完全にEL素子15に電流が流れない。したがっ
て、完全な黒表示を実現できる。つまり、黒浮きが発生
しない。そのため、図52などで説明した黒表示のため
のプリチャージを行わなくとも高コントラスト表示を実
現できる。
【0990】なお、もちろん、図90などで説明する方
式に図52などの方式を加えて実施してもよいことは言
うまでもない。また、高コントラスト表示を実現できる
ことは図54、図67、図103などの電圧プログラム
の画素構成でも同様に効果がある。1F/Nパルス駆動
を実施することにより、1F(1−1/N)の期間はE
L素子15に全く電流が流れず、高コントラスト表示を
実現できるからである。もちろん、画像表示を間欠にす
ることによる良好な動画表示を実現できる。
【0991】また、画素構成によっては、突き抜け電圧
がEL素子15に流れる電流を増加させる方向に作用す
る場合は、白ピーク電流が増加し、画像表示のコントラ
スト感が増加する。したがって、良好な画像表示を実現
できる。
【0992】図107(d1)に図示するように、ゲー
ト信号線17dにオン電圧を印加し、TFT11gをオ
ンさせる。この時、TFT11dはオフ状態をする。T
FT11gをオンさせることにより、EL素子15のア
ノード(なお、画素構成によっては、逆バイアス電圧V
mをEL素子15のカソードに印加する場合もある。ま
た、逆バイアス電圧Vmは正極性の電圧の場合もある)
に逆バイアス電圧Vm(逆バイアス電流Imが流れると
も表現できる。EL素子15は回路的にはコンデンサと
みなすことができるため、逆バイアス電圧の印加により
交流的に電流が流れるからである。また、蓄積された電
荷が放電されるからである。)が印加される。印加する
時間t1は図108の状態を満足するように構成する
(図107(d2))。
【0993】逆バイアス電圧Vmを印加する期間はEL
素子15に電流Idが流れていない期間とすることが好
ましい。Idが流れていると、逆バイアス電圧とショー
ト状態が発生するからである(できないことはない)。
【0994】なお、図107(d1)では逆バイアス電
圧Vmを印加する期間は1Fのうちの1箇所としたがこ
れに限定するものではなく、複数の分割(たとえば、1
Fの期間に、2回以上あるいは3回以上に分けてEL素
子15に逆バイアス電圧Vmを印加するなど)してもよ
い。
【0995】この制御は容易である。ゲート信号線17
bにオフ電圧を印加している期間のうち、任意のタイミ
ングでゲート信号線17dにオンオフ電圧を印加すれば
よいからである。これらのオン時間の総和が図108で
説明したt1時間となるようにすればよい。
【0996】また、EL素子15に電流を流さない期間
1F(1−1/N)の期間が複数の期間に分割される場
合もある。分割することにより、フリッカの発生が抑制
される。EL素子15に電流を流さない期間1F(1−
1/N)の期間が複数の期間に分割された場合において
は、その期間に逆バイアス電圧Vmを印加すればよい。
ただし、分割されたEL素子15に電流を流さない期間
1F(1−1/N)のすべてに逆バイアス電圧Vmを印
加する必要はない。
【0997】図109のように逆バイアス電圧を印加せ
ず、かつ、EL素子15にも電流が流れていない駆動方
法では、図108で説明した内容を補正(もしくは補
足)する必要がある。つまり、図108で説明した時間
t1とは逆バイアス電圧Vmを印加した時間である。ま
た、時間t2とはEL素子15に電流を印加した時間で
ある。
【0998】なお、逆バイアス電圧Vmは直流的に固定
値である必要はない。Vm=−8(V)固定で印加する
ことである。つまり、逆バイアス電圧Vmはのこぎり歯
波形の信号としてもよく、パルス的な波形の信号として
もよい。また、サイン波の信号波形でもよい。この場合
では逆バイアス電圧とは、波形を積分したもの、あるい
は実効値とする。また、印加時間t1も不明確となる
が、Vm電圧を積分したもの実効値を矩形波形とし、こ
の矩形波形が印加されたとする時間をt1とすればよ
い。
【0999】たとえば、逆バイアス電圧の波形が、図1
15(a)に図示する電圧波形(3角形波)であるとす
る。最大振幅値が16(V)、印加時間がt1=100
(μsec)であるとする。この場合は、図115
(b)に図示するように、最大振幅値が8(V)、印加
時間がt1=100(μsec)の電圧波形と等価であ
る。また、図115(c)に図示するように、最大振幅
値が16(V)、印加時間がt1=50(μsec)の
電圧波形と等価と見なして処理を行ってもよい。以上の
事項は、EL素子15に印加する正方向の電圧について
も同様である。
【1000】同様の事項はEL素子15に流す電流Id
についても該当する。つまり、EL素子15に流す電流
(電圧)も直流ではなく、サイン波形の電流波形などに
する場合もあるからである。この場合も直流の実効値に
変換し、その矩形波の印加期間t2に換算すればよい。
【1001】逆バイアス電圧Vmを印加する期間は、図
91(a)に図示するように、ゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加する期間(通常、1H期間:プログラム期
間)以外のすべての期間を逆バイアス電圧Vmの印加期
間としてもよい。
【1002】また、EL素子15に電流Idを印加して
いない期間に逆バイアス電圧を印加すれはよいのである
から、図91(b)に図示するように、ゲート信号線1
7aにオン電圧を印加する期間(プログラム期間)を含
む期間に逆バイアス電圧Vmを印加するように構成して
もよい(図91(b)はEL素子15に電流Idを印加
している期間(ゲート信号線17bにオン電圧を印加し
ている期間)以外に逆バイアス電圧Vmを印加してい
る)。
【1003】なお、図91、図107などで説明した逆
バイアス電圧Vmの印加時間、印加方式、印加タイミン
グなどに関する事項は他の実施例にも適用される。
【1004】以上のように、本発明では、1F期間に非
点灯期間312を有している。この非点灯期間を設ける
ことにより動画表示性能が向上する。また、非点灯時間
を設けているために、非点灯期間にEL素子15に逆バ
イアス電圧を印加できる。したがって、EL素子15が
劣化することがなく、端子電圧の上昇もない。そのた
め、電源電圧Vddも低く設定できる。
【1005】図91はEL素子15の直前に逆バイアス
電圧を印加するように構成したものであった。他の構成
として、図92に図示するように、TFT11dを介し
てEL素子15に逆バイアス電圧Vm(電流−Im)を
印加する構成も例示される。
【1006】ゲート信号線17dにオン電圧を印加する
ことにより、TFT11gがオンし、逆バイアスVmが
印加される。同時にTFT11dもオンさせることによ
り、EL素子15に逆バイアス電圧を印加することがで
きる。図92の構成では、逆バイアス電圧Vmの印加
は、TFT11gとTFT11dの両方で制御すること
ができる。そのため、制御が容易になり、柔軟性が向上
する。
【1007】ゲート信号線17に印加される電圧は、該
当画素が選択されている時にオン電圧が印加される。非
選択の期間はオフ電圧が印加される。したがって、ゲー
ト信号線に印加される電圧は1Fの期間のうち、ほとん
どの期間にオフ電圧が印加されている。したがって、オ
フ電圧を逆バイアス電圧として使用することができる。
【1008】オフ電圧はTFTを完全にオフさせるた
め、通常、カソード電圧よりも低い電位である(もちろ
ん、TFTがPチャンネルの場合は逆である)。特にT
FTがアモルファスシリコンの場合は、オフ電圧はかな
り低く設定されることが通常である。
【1009】図93の構成では、ゲート信号線17aに
接続されたTFT11b、11cをnチャンネルTFT
としている。したがって、電圧VghでTFT11b,
11cはオンし、電圧Vglでオフ状態となる。1Fの
ほとんどの期間はゲート信号線17bには電圧Vglが
印加されている。この電圧Vhlを逆バイアス電圧Vm
とする(Vgl=Vm)。
【1010】TFT11gも先の実施例と同様にゲート
信号線17dに印加する電圧で制御する。なお、断って
おくが、ゲート信号線17dに印加する電圧はTFT1
1gのオンオフを制御するものであるから、印加する電
圧はVgh,Vglに特定されるものではなく、他の任
意の電圧を使用することができる。
【1011】TFT11gがオンすると、ゲート信号線
17aに印加されている電圧VglがEL素子15に印
加される。したがって、EL素子15に逆バイアス電圧
Vmを印加することができる。図93の構成では、図9
2のように逆バイアス電圧Vmを供給する信号線が不要
であるため、画素開口率を向上できる。なお、図93に
おいて。ゲート信号線17bに印加する電圧をEL素子
15に印加するように構成してもよい(TFT11dは
nチャンネルにするなど構成に考慮する必要はある)。
【1012】図93はゲート信号線17の電圧を逆バイ
アス電圧にする構成であった。図94はソース信号線1
8に印加された電圧をEL素子15の逆バイアス電圧と
する構成である。TFT11gがオンするタイミング
で、ソース信号線18に逆バイアス電圧Vmを印加す
る。ソース信号線18に印加されている電圧VmがEL
素子15に印加される。したがって、EL素子15に逆
バイアス電圧Vmを印加することができる。タイミング
などは図52で説明しているので省略する。
【1013】逆バイアス電圧Vmを印加する時間が、E
L素子15に電流を印加している期間に比較して長いと
きは、図95に図示するように、EL素子15のアノー
ドとカソード端子間をショートすることも効果がある。
EL素子15にチャージされた電圧が放電されるからで
ある。
【1014】図95において、TFT11gがオンする
と、EL素子15のアノードとカソード端子間がショー
トされる。ショートによりEL素子15の正孔輸送層に
蓄積された正孔が引き抜かれ、また、電子輸送層に蓄積
された電子も引き抜かれる。したがって、EL素子の劣
化を抑制できる。なお、図91、図107などで説明し
た逆バイアス電圧Vmの印加時間、印加方式、印加タイ
ミングなどに関する事項は図95の実施例などにも適用
されることは言うまでもない。
【1015】図95は各TFTがpチャンネルで構成さ
れていた。図96は図95の構成をnチャンネルに変化
させたものである。図96において、TFT11gがオ
ンすると、EL素子15のアノードとカソード端子間が
ショートされる。アノードおよびカソード端子にVdd
電圧が印加される。この期間にEL素子15の正孔輸送
層に蓄積された正孔が引き抜かれ、また、電子輸送層に
蓄積された電子も引き抜かれる。したがって、EL素子
の劣化を抑制できる。なお、図95と同様に、図91、
図107などで説明した逆バイアス電圧Vmの印加時
間、印加方式、印加タイミングなどに関する事項は図9
6の実施例などにも適用されることは言うまでもない。
【1016】電流の流れる制御方向を変化させることに
よっても、EL素子15に逆バイアス電圧Vmを印加す
ることができる。図97はその構成図である。図97に
おいて、402は定電流源である。
【1017】図97において、TFT11gがオンして
いるときには、TFT11gには定電流源402と同一
方向の電流が流れる。したがって、EL素子402には
順方向電圧が印加される。TFT11gがオフの時に
は、EL素子15と電流源402とでループを構成する
ためEL素子15に流れる電流の向きが逆になる。つま
り、定電流源402を配置または形成することにより、
TFT11gの制御でEL素子15に容易に逆バイアス
電圧Vmを印加することができる。この時の、信号線1
7のタイミングを図98に示す。ゲート信号線17aが
選択されている期間以外の期間にゲート信号線17dに
オン電圧が印加されている。
【1018】したがって、EL素子15の正孔輸送層に
蓄積された正孔が引き抜かれ、また、電子輸送層に蓄積
された電子も引き抜かれる。したがって、正孔輸送材料
の酸化および電子輸送材料の還元による劣化を抑制でき
る。
【1019】図99はTFT11gをnチャンネルと
し、TFT11dがオンしているときはTFT11gを
オフ状態にし、TFT11dがオフしているときはTF
T11gをオン状態にした構成である。したがって、T
FT11dがオンしているときはEL素子15が点灯
し、TFT11gがオンしているときにはEL素子15
に逆バイアス電圧Vmが印加される。
【1020】逆バイアス電圧Vmはカソード電圧Vkよ
りも低い電圧にすることが有効である。しかし、逆バイ
アス電圧Vmを別途発生させようとすると、発生回路が
必要である。この課題に対して、図100ではフライン
グコンデンサを形成している。フライングコンデンサ回
路1001は画素ごとに配置(形成)するほか、パネル
に1回路を配置(形成)してもよい。
【1021】フライングコンデンサ1001はゲート信
号線17e,17fを制御することにより動作させる。
ゲート信号線17eとゲート信号線17fとは逆位相で
動作させる。
【1022】まず、ゲート信号線17eにオン電圧を印
加し、TFT11i,11jをオンさせ、コンデンサ1
9bにVdd電圧を印加する。この時、ゲート信号線1
7fにはオフ電圧を印加し、コンデンサ19bに充電
後、TFT11h,11kをオフさせておく。
【1023】次に、ゲート信号線17eにオン電圧を印
加し、TFT11i,11jをオフさせ、ゲート信号線
17fにはオン電圧を印加し、TFT11h,11kを
オンさせる。すると、コンデンサ19bに充電された電
圧Vddは逆位相となってEL素子15に、−Vdd電
圧が印加される。
【1024】以上のように構成することにより、逆位相
のVm電圧(Vm=−Vdd)を発生させることができ
る。したがって、Vm電圧の供給配線は不要となる。
【1025】以上の実施例は、主として図1で説明した
電流プログラム方式の画素構成を例示して説明したが、
これに限定するものではなく、図101に図示するよう
に、カレントミラーの画素構成でも、逆バイアス電圧V
mを印加できるように構成できることは言うまでもな
い。なお、動作は図90で説明した構成をそのまま準用
できるので省略する。また、図89に図示するように、
電圧プログラムの画素構成であっても、逆バイアス電圧
を印加できることは言うまでもない。図54、図67、
図103などでも同様である。したがって、電圧プログ
ラムの画素構成でも非点灯時にEL素子15に逆バイア
ス電圧を印加するという構成あるいは方式を適用するこ
とができる。
【1026】なお、以上の実施例では、本発明は、非点
灯時にEL素子15に逆バイアス電圧を印加するという
構成あるいは方式であるとして説明をした。これは、表
示21を表示し、EL素子15を非点灯時に、EL素子
15に逆バイアス電圧Vmを印加することに限定される
ものではない。アクティブマトリックス型EL表示パネ
ルにおいて、たえず、非点灯時に逆バイアスを印加する
構成でも本発明の範疇である。
【1027】たとえば、EL表示パネルの使用を終了
し、終了してから所定期間の間、全画面21のEL素子
15に逆バイアス電圧Vmを印加するように構成しても
よい。また、EL表示パネルの使用を終了してから所定
期間の間、全画面21のEL素子15を順次走査して逆
バイアス電圧Vmを印加するように構成してもよい。ま
た、EL表示パネルの使用する際(たとえば、電源on
時)、所定の時間の間。全画面21のEL素子15を順
次走査して逆バイアス電圧Vmを印加するように構成し
てもよい。また、EL表示パネルを使用していないと
き、所定時間間隔(例えば、1時間ごとに10秒間のよ
うに)ごとに、逆バイアス電圧を印加するように構成し
てもよい。逆に、EL表示パネルを使用している時、所
定時間間隔(例えば、1時間ごとに10秒間のように)
ごとに、逆バイアス電圧を印加するように構成してもよ
い。
【1028】以上の実施例は、EL素子15に電流を流
さない期間に逆バイアス電圧Vmを印加するという構成
であった。しかし、逆バイアスを印加する構成はこれに
限定されない。たとえば、本発明の表示パネルを携帯電
話に使用した構成で例示すると、携帯電話を使用してい
ない時に、逆バイアスを印加するという構成がある。
【1029】たとえば、携帯電話の電源スイッチが押さ
れた後、所定期間の間は、EL素子15に逆バイアス電
圧Vmを印加するという構成が例示される。また、携帯
電話を使用後、所定期間はEL素子15に逆バイアス電
圧を印加するという構成も例示される。あるいは、折り
たたみ式の携帯電話の場合、折りたたみ状態から使用状
態にした時、所定期間の間、EL素子15に逆バイアス
電圧を印加するという構成、逆に、使用状態から折りた
たみ状態にした時、所定期間の間、EL素子15に逆バ
イアス電圧を印加するという構成が例示される。
【1030】図321は、上記の実施例である。図32
1は説明を容易にするため、1画素を図示しているが、
実際は、画素が176RGB×220などのようにマト
リックス状に配置されている。
【1031】図321において、3211は電圧検出回
路である。電圧検出回路3211は電源ボタンが押され
たことを検出する。電圧検出回路3211は電圧を検出
すると、ゲートドライブ回路14bに信号を出力し、ゲ
ートドライバ回路14bを動作させる。
【1032】ゲートドライブ回路14bはゲート信号線
17dにオン電圧を出力し、TFT11gをオンさせ
る。TFT11gのオンにより逆バイアス電圧VmがE
L素子15のアノードに印加される。
【1033】以上のように、図321の構成では、電圧
検出を行い、一定の期間の間、EL素子15に逆バイア
ス電圧Vmを印加する。逆バイアス電圧を印加している
時は、ソースドライバ回路14などは動作させないよう
にする。
【1034】図400は図1の画素構成に、逆バイアス
電圧印加用のPチャンネルTFT11g(P)を付加
(形成)した構成である。逆バイアス線4001に逆バ
イアス電圧を印加する。逆バイアス電圧を印加する有無
は、ゲート電位制御線4002に印加する電圧で行う。
【1035】ゲート電位制御線4003に印加する電圧
を逆バイアス線4001に印加している電圧よりも低く
することにより、TFT11g(P)がオンし、EL素
子15のアノード電極に逆バイアス電圧Vmが印加され
る。逆バイアス線4001はソース信号線18と平行方
向に引き出すと、ゲート信号線17との交点がなくな
り、ゲート信号線17とゲート電位制御線4003との
クロスショートが減少する。また、ゲート電位制御線4
003に印加した信号がゲート信号線17に突き抜け、
ゲート信号線17の電位変動を引き起こし、TFT11
bなどにリークが発生するという課題を減少させること
ができる。
【1036】逆バイアス線4001は、常時、逆バイア
ス電圧Vmを印加する構成でもよい。しかし、常時、逆
バイアス電圧Vmを印加しておくと、TFT11のゲー
ト(g)端子とソース(S)端子間に常時、大きな電位
差が印加される。そのため、TFT11gが劣化する場
合がある。この課題に対しては、逆バイアス電圧Vmを
印加する時に、逆バイアス線4001に逆バイアス電圧
Vmを印加し、他の期間は逆バイアス線4001をハイ
インピーダンス状態にする方法がある。つまり、オープ
ンにしておく。
【1037】なお、図400ではTFT11gはPチャ
ンネルとしたが、これに限定するものではなく、図40
1に図示するように、TFT11gをNチャンネルとし
てもよい。図401では、ゲート電位制御線4003に
印加する電圧を逆バイアス線4001に印加している電
圧よりも高くすることにより、TFT11g(N)がオ
ンし、EL素子15のアノード電極に逆バイアス電圧V
mが印加される。
【1038】また、図401の画素構成などにおいて、
ゲート電位制御線4003を常時、電位固定して動作さ
せてもよい。たとえば、図401においてVk電圧が0
(V)とする時、ゲート電位制御線4003の電位を0
(V)以上(好ましくは2(V)以上)にする。なお、
この電位をVsgとする。この状態で、逆バイアス線4
001の電位を逆バイアス電圧Vm(0(V)以下、好
ましくはVkより−5(V)以上小さい電圧)にする
と、TFT11g(N)がオンし、EL素子15のアノ
ードに、逆バイアス電圧Vmが印加される。逆バイアス
線4001の電圧をゲート電位制御線4003の電圧
(つまり、TFT11gのゲート(G)端子電圧)より
も高くすると、TFT11gはオフ状態であるため、E
L素子15には逆バイアス電圧Vmは印加されない。も
ちろん、この状態の時に、逆バイアス線4001をハイ
インピーダンス状態(オープン状態など)としてもよい
ことは言うまでもない。
【1039】また、図446に図示するように、逆バイ
アス制御線4001を制御するゲートドライバ回路12
cを別途形成または配置してもよい。ゲートドライバ回
路12cは、ゲートドライバ回路12aと同様に順次シ
フト動作し、シフト動作に同期して、逆バイアス電圧を
印加する位置がシフトされる。
【1040】以上の駆動方法では、TFT11gのゲー
ト(G)端子は電位固定し、逆バイアス線4001の電
位を変化させるだけで、EL素子15に逆バイアス電圧
Vmを印加することができる。したがって、逆バイアス
電圧Vmの印加制御が容易である。また、TFT11g
のゲート(G)端子とソース(S)端子間に印加される
電圧を低減できる。このことは、図400のようにTF
T11gがPチャンネルの場合も同様である。
【1041】また、逆バイアス電圧Vmの印加は、EL
素子15に電流を流していない時に行うものである。し
たがって、TFT11dがオンしていない時に、TFT
11gをオンさせることにより行えばよい。つまり、T
FT11dのオンオフロジックの逆をゲート電位制御線
4003に印加すればよい。たとえば、図401では、
ゲート信号線17bにTFT11dおよびTFT11g
のゲート(G)端子を接続すればよい。TFT11dは
Pチャンネルであり、TFT11gはNチャンネルであ
るため、オンオフ動作は反対となる。
【1042】以上の実施例は、図1の画素構成の場合で
あったが、他の構成においても、図401などの逆バイ
アス電圧を印加する構成に適用できることは言うまでも
ない。たとえば、図403が電流プログラム方式の画素
構成である。図403ではゲート信号線17にVgh電
圧を印加することにより、TFT11c、TFT11b
がオンし、ソース信号線18の電圧(あるいはソース信
号線18に流れる電流)をコンデンサ19に書き込む。
一方、TFT11dはオフ状態となるため、この画素プ
ログラム状態の時には、EL素子15には電流が流れな
い。このEL素子15に電流が流れていない期間に、逆
バイアス線4001にVm電圧を印加する。
【1043】ゲート信号線17にVgl電圧を印加する
(画素非選択)と、TFT11c、TFT11bがオフ
する。一方、TFT11dはオン状態となるため、EL
素子15に電流が流れ、EL素子15が点灯する。
【1044】図404は、図21などで説明したカレン
トミラーの画素構成である。TFT11cは画素選択素
子である。ゲート信号線17a1にオン電圧を印加する
ことにより、TFT11cがオンする。TFT11dは
リセット機能と、駆動用TFT11aのドレイン(D)
−ゲート(G)端子間をショート(GDショート)する
機能を有するスイッチ素子である。TFT11dはゲー
ト信号線17a2にオン電圧を印加することによりオン
する。
【1045】TFT11dは、該当画素が選択する1H
(1水平走査期間、つまり1画素行)以上前にオンす
る。好ましくは3H前にはオンさせる。3H前とすれ
ば、3H前にTFT11dがオンし、TFT11aのゲ
ート(G)端子とドレイン(D)端子がショートされ
る。そのため、TFT11aはオフする。したがって、
TFT11bには電流が流れなくなり、EL素子15は
非点灯となる。
【1046】EL素子15が非点灯状態の時、TFT1
1gがオンし、EL素子15に逆バイアス電圧が印加さ
れる。したがって、逆バイアス電圧は、TFT11dが
オンされている期間、印加されることになる。そのた
め、ロジック的にはTFT11dとTFT11gとは同
時にオンすることになる。
【1047】TFT11gのゲート(G)端子はVsg
電圧が印加されて固定されている。逆バイアス線400
1をVsg電圧より十分に小さな逆バイアス電圧を逆バ
イアス線4001に印加することによりTFT11gが
オンする。
【1048】その後、前記該当画素に映像信号が印加
(書き込まれる)される水平走査期間がくると、ゲート
信号線17a1にオン電圧が印加され、TFT11cが
オンする。したがって、ソースドライバ回路14からソ
ース信号線18に出力された映像信号電圧がコンデンサ
19に印加される(TFT11dはオン状態が維持され
ている)。
【1049】TFT11dをオンさせると黒表示とな
る。1フィールド(1フレーム)期間に占めるTFT1
1dのオン期間が長くなるほど、黒表示期間の割合が長
くなる。したがって、黒表示期間が存在しても1フィー
ルド(1フレーム)の平均輝度を所望値とするために
は、表示期間の輝度を高くする必要がある。つまり、表
示期間にEL素子15に流す電流と大きくする必要があ
る。この動作は、本発明のN倍パルス駆動である(この
N倍パルス駆動については、後ほど説明をする。図3
1、図33、図62、図63、図87、図88などを参
照のこと)。したがって、以降に説明するN倍パルス駆
動と、TFT11dをオンさせて黒表示とする駆動とを
組み合わせることが本発明の1つの特徴ある動作であ
る。また、EL素子15が非点灯状態で、逆バイアス電
圧をEL素子15に印加することが本発明の特徴ある構
成(方式)である。
【1050】以降に説明するN倍パルス駆動は、1フィ
ールド(1フレーム)期間内において、1度、黒表示を
しても再度、EL素子15に所定の電流(プログラムさ
れた電流(コンデンサ19に保持されている電圧によ
る))を流すことができる。しかし、図404の構成で
は、一度、TFT11dがオンすると、コンデンサ19
の電荷は放電(減少を含む)されるため、EL素子15
に所定の電流(プログラムされた電流を流すことができ
ない。しかし、回路動作が容易であるという特徴があ
る。
【1051】なお、以上の実施例は画素が電流プログラ
ムの画素構成であったが、本発明はこれに限定するもの
ではなく、図405に図示するような電圧プログラムの
画素構成でも適用することができる。
【1052】図405は一般的に最も簡単な電圧プログ
ラムの画素構成である。TFT11bが選択スイッチン
グ素子であり、TFT11aがEL素子15に電流を印
加する駆動用トランジスタである。この構成で、EL素
子15のアノードに逆バイアス電圧印加用のTFT(ス
イッチング素子)11gを配置(形成)している。
【1053】図405の画素構成では、EL素子15に
流す電流は、ソース信号線18に印加され、TFT11
bが選択されることにより、TFT11aのゲート
(G)端子に印加される。
【1054】逆バイアス電圧VmをEL素子15に印加
するためには、TFT11aがオフさせる必要がある。
TFT11aをオフさせるためには、TFT11aのV
dd端子とゲート(G)端子間をショートすればよい。
この構成については、後に図458を用いて説明をす
る。
【1055】また、ソース信号線18にVdd電圧また
はTFT11aをオフさせる電圧を印加し、TFT11
bをオンさせてTFT11aのゲート(G)端子に印加
させてもよい。この電圧によりTFT11aがオフする
(もしくは、ほとんど、電流が流れないような状態にす
る(略オフ状態:TFT11aが高インピーダンス状
態))。その後、TFT11gをオンさせて、EL素子
15に逆バイアス電圧を印加する。この逆バイアス電圧
Vmの印加は、全画素同時に行ってもよい。つまり、ソ
ース信号線18にTFT11aを略オフする電圧を印加
し、すべての(複数の)画素行のTFT11bをオンさ
せる。したがって、TFT11aがオフする。その後、
TFT11gをオンさせて、逆バイアス電圧をEL素子
15に印加する。その後、順次、各画素行に映像信号を
印加し、表示装置に画像を表示する。
【1056】図406の電圧プログラム(図67なども
参照のこと)の画素行でも逆バイアス電圧駆動を実施で
きることは言うまでもない。
【1057】図406の画素構成では、まず、ソース信
号線18にVdd電圧が印加され、TFT11c、11
eがオンする。したがって、TFT11aに電流がなが
れ、TFT11aのドレイン(D)端子の電位がVk電
圧の方向にシフトする。次に、TFT11bがオンし、
また、TFT11eがオフして、コンデンサ19aにT
FT11aのVtが保持される。その後、TFT11b
がオフし、ソース信号線18に映像信号電圧が印加さ
れ、この電圧がコンデンサ19bに印加された後、TF
T11cがオフして、前記映像信号電圧がコンデンサ1
9bに保持される。
【1058】TFT11gのオンオフ制御は、後に説明
するが、N倍パルス駆動方式にしたがって制御される。
TFT11eがオンすれば、駆動TFT11aからの電
流がEL素子15に流れる。TFT11eがオフの時に
は、TFT11gがオンし、逆バイアス電圧がEL素子
15に印加される。したがって、TFT11eのオンオ
フ制御とTFT11gのオンオフ制御とはロジック的に
逆ロジックとすればよい。
【1059】図407は逆バイアス電圧駆動を実現する
表示パネルの回路構成である(ドライバを含む構成であ
る)。図407では図400の画素構成を例示して説明
をするが、これに限定するものではない。例えば、図4
01、図406などであっても同様あるいは当業者であ
れば簡単な変更を加えるだけで適用することができるこ
とは言うまでもないであろう。
【1060】ゲート信号線17a、ゲート信号線17b
の制御およびドライバ回路12aの構成は、すでに説明
したので省略する。ゲートドライバ12cは逆バイアス
線4001を制御する信号(電圧、電流)を出力(制
御)する。
【1061】ゲートドライバ12cはゲートドライバ1
2aと同様に、クロック(CLK3N、CLK3P)、
スタートパルス(ST3)などの制御信号で制御され
る。このスタートパルスは、ゲートドライバ12aと同
様にシフトレジスタ22c内をシフトしていき、逆バイ
アス電圧の選択位置と選択する。また、3271cの機
能、動作はゲートドライバ12aの機能あるいは動作と
同様であるので説明を省略する。
【1062】ゲートドライバ12cはVsh電源(電
圧)とVsl電源(電圧)で制御される。また、逆バイ
アス線4001には、Vsh電圧またはVsl電圧が印
加される。つまり、図400などにおいて、逆バイアス
電圧VmとはVsl電圧である。したがって、Vsg電
圧よりもVsh電圧は高い。また、Vsg電圧よりもV
sl電圧が低い。そのため、TFT11gがNチャンネ
ルの場合は、逆バイアス線4001にVsh電圧が印加
されている場合は、TFT11gはオフ状態である。ま
た、逆バイアス線4001にVsl電圧が印加されてい
る場合は、TFT11gはオン状態となる。
【1063】ゲートドライバ12cはゲートドライバ1
2aと同期を取り、EL素子15に電流が流れていない
期間にEL素子15に逆バイアス電圧を印加する。基本
的には、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加されてい
る画素行が該当する逆バイアス線4001に逆バイアス
電圧Vslが印加される。なお、基本的には、ゲート信
号線17bにオン電圧が印加されている画素行が該当す
る逆バイアス線4001には、Vgh電圧が印加され
る。しかし、EL素子15に電流が流れていなければ、
必ず前記EL素子15に逆バイアス電圧を印加すること
に限定されるものではない。つまり、前記画素行の逆バ
イアス線4001にVgh電圧が印加されていてもよ
い。
【1064】また、逆バイアス電圧の印加期間は連続し
ている必要はない。例えば、間欠的でも良く、ゲート信
号線17bの動作と同期をとる必要はあるが、ランダム
的であってもよい。また、画像表示を開始する前に、全
画素あるいは所定の画素領域に一括に逆バイアス電圧を
印加してもよい。
【1065】しかし、基本的には、図151、図15
7、図215などで説明した(する)ように非表示領域
312に逆バイアス電圧を印加するように制御すること
が構成の回路容易で、また、制御も容易である。したが
って、本発明のN倍パルス駆動と図407などの回路構
成(逆バイアス駆動)とを組み合わせて用いることが好
ましい。
【1066】図408は逆バイアス駆動のタイミングチ
ャートである。なお、チャート図において(1)(2)
などの添え字は、画素行を示している。説明を容易にす
るため、(1)とは、第1画素行目と示し、(2)とは
第2画素行目を示すとして説明をするが、これに限定す
るものではない。(1)がN画素行目を示し、(2)がN
+1画素行目を示すと考えても良い。以上のことは他の実
施例でも、特例を除いて同様である。また、図408な
どの実施例では、図400あるいは図1などの画素構成
を例示して説明をするがこれに限定されるものではな
い。たとえば、図21、図67、図103などの画素構
成においても適用できるものである。
【1067】第1画素行目のゲート信号線17a(1)
にオン電圧(Vgl)が印加されている時には、第1画
素行目のゲート信号線17b(1)にはオフ電圧(Vg
h)が印加される。つまり、TFT11dはオフであ
り、EL素子15には電流が流れていない。
【1068】逆バイアス線4001(1)には、Vsl
電圧(TFT11gがオンする電圧)が印加される。し
たがって、TFT11gがオンし、EL素子15には逆
バイアス電圧が印加されている。逆バイアス電圧は、ゲ
ート信号線17bにオフ電圧(Vgh)が印加された
後、所定期間(1Hの1/200以上の期間、または、
0.5μsec)後に、逆バイアス電圧が印加される。
また、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加
される所定期間(1Hの1/200以上の期間、また
は、0.5μsec)前に、逆バイアス電圧がオフされ
る。これは、TFT11dとTFT11gが同時にオン
となることを回避するためである。
【1069】次の水平走査期間(1H)には、ゲート信
号線17aにはオフ電圧(Vgh)が印加され、第2画
素行が選択される。つまり、ゲート信号線17b(2)
にオン電圧が印加される。一方、ゲート信号線17bに
はオン電圧(Vgl)が印加され、TFT11dがオン
して、EL素子15にTFT11aから電流が流れEL
素子15が発光する。また、逆バイアス線4001
(1)にはオフ電圧(Vsh)が印加されて、第1画素
行(1)のEL素子15には逆バイアス電圧が印加され
ないようになる。第2画素行の逆バイアス線4001
(2)にはVsl電圧(逆バイアス電圧)が印加され
る。
【1070】以上の動作を順次くりかえすことにより、
1画面の画像が書き換えられる。以上の実施例では、各
画素にプログラムされている期間に、逆バイアス電圧を
印加するという構成であった。しかし、図407の回路
構成はこれに限定されるものではない。複数の画素行に
連続して逆バイアス電圧を印加することもできることは
明らかである。また、ブロック駆動や、図87、図88
などで説明した複数画素行を同時に選択する駆動方式と
も組み合わせることができることは明らかである。
【1071】図409と図408の差異は、ゲート信号
線17bが選択時を含む複数水平走査期間でオフ電圧
(Vgh)が印加され、この期間に逆バイアス線400
1に逆バイアス電圧Vslが印加されていることであ
る。つまり、複数水平走査期間にわたり、EL素子15
に逆バイアス電圧が印加されている。
【1072】以上の図409のように、複数水平走査期
間にわたって、逆バイアス電圧を印加するように駆動し
てもよい。また、間欠的に複数水平走査期間に逆バイア
ス電圧を印加してもよい。たとえば、奇数画素行は第
2、4、6、8……水平走査期間に逆バイアス電圧を印
加し、偶数画素行は第1、3、5、7……水平走査期間
に逆バイアス電圧を印加してもよい。また、第1フレー
ムは第1、5、8、9……水平走査期間に逆バイアス電
圧を印加し、第2フレームでは、残りの第2、3、4、
6、7、10……水平走査期間に逆バイアス電圧を印加
してもよい。ただし、EL素子15が点灯している画素
行には逆バイアス電圧を印加することができないのでこ
れを考慮して駆動することは言うまでもない。
【1073】図410は1水平走査期間(1H)を2つ
の期間に分割し、前半の期間はEL素子15を点灯さ
せ、後半の期間に逆バイアス電圧を印加する駆動方式で
ある。もちろん、後半の期間はEL素子15を点灯さ
せ、前半の期間に逆バイアス電圧を印加してもよい。ま
た、1H期間を3つ以上の期間に分割し、EL素子15
に電流または逆バイアスを印加するように駆動してもよ
いことは言うまでもない。
【1074】図410では、第1画素行目のゲート信号
線17a(1)にオン電圧(Vgl)が印加されている
時には、第1画素行目のゲート信号線17b(1)には
オフ電圧(Vgh)が印加される。つまり、TFT11
dはオフであり、EL素子15には電流が流れていな
い。
【1075】また、逆バイアス線4001(1)には、
Vsh電圧(TFT11gがオフする電圧)が印加され
る。もちろん、この期間は、EL素子15には電流が流れ
ていないため、この期間にEL素子15に逆バイアス電
圧を印加してもよい。
【1076】次の水平走査期間(1H)には、ゲート信
号線17aにはオフ電圧(Vgh)が印加され、第2画
素行が選択される。つまり、ゲート信号線17b(2)
にオン電圧が印加される。一方、ゲート信号線17bに
は1水平走査期間の前半部にオン電圧(Vgl)が印加
され、TFT11dがオンして、EL素子15にTFT
11aから電流が流れEL素子15が発光する。1水平
走査期間の後半部には、逆バイアス線4001(1)に
はオン電圧(Vsl:逆バイアス電圧)が印加されて、
第1画素行(1)のEL素子15に逆バイアス電圧が印
加される。
【1077】したがって、1水平走査期間の前半部で
は、EL素子15が発光し、この時、TFT11gはオ
フ状態である。1水平走査期間の後半部ではTFT11
gがオンし、EL素子15には逆バイアス電圧が印加さ
れている。この時、EL素子15は消灯状態である。逆
バイアス電圧は、ゲート信号線17bにオフ電圧(Vg
h)が印加された後、所定期間(1Hの1/200以上
の期間、または、0.5μsec)後に、逆バイアス電
圧が印加されるようにすることが好ましい。また、ゲー
ト信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加される所定
期間(1Hの1/200以上の期間、または、0.5μ
sec)前に、逆バイアス電圧がオフされるように駆動
することが好ましい。これは、TFT11dとTFT1
1gが同時にオンとなることを回避するためである。以
上の動作を、順次、画素行に実施していくことにより、
1画面の画像が書き換えられ、また、逆バイアス電圧が
EL素子15に印加される。この駆動状態を図411に
図示している。
【1078】図410では、1水平走査期間を前半部と
後半部に分割し、EL素子15に電圧を印加する期間と
逆バイアス電圧を印加する期間とを設けている。ゲート
信号波形は、図410でも明らかなように、ゲート信号
線17bと逆バイアス線4001とが逆位相となるよう
に動作している。逆バイアス線4001をゲート信号線
17bと平行に形成(配置)した場合、以上のように逆
位相とすることにより、ゲート信号線17bがソース信
号線18に与えるカップリングと、逆バイアス線400
1が前記ソース信号線18に与えるカップリングとが打
ち消しあう。そのため、ゲート信号線17b、逆バイア
ス線4001の駆動によるソース信号線18へのカップ
リングが発生しない。したがって、画像ノイズのない良
好な画像表示を実現できる。
【1079】また、図410などの駆動方法では、1水
平走査期間の一部の期間にEL素子15が点灯する。し
たがって、EL素子15が1フレーム(1フィールド)
期間連続して点灯する駆動方式に比較して、平均輝度が
低くなる(表示輝度は、1フレーム(1フィールド)内
の点灯期間に比例する。)。
【1080】したがって、EL素子15が1フレーム
(1フィールド)期間連続して点灯する駆動方式と同一
にするには、単位時間あたりにEL素子15に流す電流
を大きくする必要がある。この駆動方法は、本発明のN
倍パルス駆動である。つまり、図410の駆動方法は、
N倍パルス駆動と逆バイアス駆動とを組み合わせた駆動
方法である。なお、このN倍パルス駆動については、後
ほど説明をする(図31、図33、図62、図63、図
87、図88などを参照のこと)。
【1081】ただし、図410において、逆バイアス線
4001とゲート信号線17bとを逆位相にするとした
が、信号波形の立ち上がりと立下りが完全に一致させる
必要はない。ゲート信号線17bと逆バイアス線400
1の変化位置がずれていても、ソース信号線18の電位
変動を抑制する効果が発揮されるからである。このこと
は、電流プログラム方式のパネル構成で顕著である。実
験によれば、変化位置は1H(1水平走査期間)の20
%以内(たとえば、1Hが100(μsec)であれ
ば、20(μsec)以内)であれば、変化位置が一致
している場合を差異はない。
【1082】また、図410において、ゲート信号線1
7bの変化は1H周期としているがこれに限定するもの
ではない。全ゲート信号線17bが所定期間でオン電圧
が印加させる期間(T1)が一致すればよい。したがっ
て、HD(水平同期信号)と同期をとる必要はない。各
画素のゲート信号線17bがフリーランで動作させても
よい。ゲート信号線17bにオン電圧を印加し、また、
オフ電圧を印加する周期が、水平同期信号(HD)と全
く非同期でもよい。また、垂直同期信号(VD)と同期
を取っても良い。また、ソースドライバ回路14のクロ
ックと同期を取るように構成してもよい。逆バイアス線
4001は、EL素子15に電流が流れていない期間に
逆バイアス電圧を印加するように構成すればよい。
【1083】図412は1H期間を単位として、逆バイ
アス線4001とゲート信号線17bに逆位相の信号を
印加した駆動方法である。図410、図411などと同
様に、ゲート信号線17bと逆バイアス線4001は平
行に、かつ、両信号線がソース信号線18と直交するよ
うに形成(配置)した場合に、有効である。
【1084】なお、図412では1水平走査期間(1
H)を単位として、逆バイアス電圧あるいは、ゲート信
号線17bにオン電圧を印加するとしたがこれに限定す
るものではなく、2Hあるいはそれ以上の水平走査期間
を単位として逆バイアス電圧またはオン電圧を印加して
も良いことは言うまでのない。
【1085】また、逆バイアス電圧が印加されていない
ときに、EL素子15に電流が流れるように構成すれば
よい。もしくは、EL素子に電流が流れない期間に逆バ
イアス電圧を印加するという関係が保たれればよい。し
たがって、1水平走査期間を単位とする必要はない。つ
まり、1水平走査期間のクロック(HD)の同期を取る
ことなく、EL素子15への印加電流をオンオフ制御し
てもよい。この際に、逆バイアス線4001に印加する
信号の極性と、ゲート信号線17bに印加する信号の極
性とが略逆極性となる関係を維持できるように駆動す
る。もちろん、N倍パルス駆動と組み合わせや、ブロッ
ク駆動などと組み合わせてもよいことは言うまでもな
い。つまり、以前から何度も記載しているように、本明
細書で記載された実施例は相互に組み合わせることがで
きる。
【1086】図413は、ブロックで逆バイアス電圧を
印加する駆動方式である。図413では説明を容易にす
るため、表示画面を21aから21lの12のブロック
に分割したように図示している。しかし、これに限定す
るものでなく、分割数は12以下でもよく、また12以
上でもよい。
【1087】図413(a)は書き込み画素行871位
置を図示している。図413(a)では、表示画面21
bに書き込み画素位置871があることを示している。
もちろん、書き込み画素行871位置は、水平同期信号
に同期して、1画素行(もちろん、インターレース駆動
のように、飛び飛びの画素行に書き込み画素行871が
発生する駆動方式もある。また、場合によっては、2画
素行飛ばしあるいはそれ以上の間隔で画素行に画像を書
き込む駆動方式もある。また、画面の上半分と下半分と
を分離し、独立してあるいは交互に画像を書き込む駆動
方式もある。この場合も本発明に含まれることは言うま
でもない)。
【1088】図413(b)は表示プロック311と非
表示プロック312とを示している。表示プロック31
1とは、EL素子15に電流がながれ画像が表示されて
いるブロックである(映像表示で黒表示も含まれる)。
非表示領域312とは、図1ではTFT11dがオフと
なり(つまり、駆動TFTとEL素子15間に電流経路
がない状態)、EL素子15が非点灯状態である。ここ
で重要なのは、書き込み画素行871が存在するブロッ
クは、非表示領域312であるという点である。
【1089】また、図413(c)は、逆バイアス電圧
が印加されているブロック(逆バイアス電圧印加ブロッ
ク4131)と、逆バイアス電圧が印加されていないブ
ロック(逆バイアス電圧非印加ブロック4132)を図
示している。ここで、重要なのは、図413(b)の非
点灯ブロック312が逆バイアス電圧ブロック4131
としている点である。なお、図413(b)の非点灯ブ
ロック312のすべてが逆バイアス電圧ブロック413
1にする必要はない。少なくとも、非点灯ブロック31
2のうち、1つは逆バイアス電圧を印加するブロックと
すればよい。
【1090】以上の駆動状態では、書き込み画素行87
1があるブロックは非点灯状態にする。しかし、書き込
み画素行871があるブロックを逆バイアス電圧非印加
ブロック4132とする必要はない。つまり、図1の画
素構成では、各表示プロックでゲート信号線17bにオ
フ電圧が印加されていれば、EL素子15には電流が流
れていない。したがって、該当ブロックのEL素子15
には逆バイアス電圧を印加することができるからであ
る。
【1091】以上のように、図413の駆動方法では、
書き込み画素行871の位置に応じて、非点灯ブロック
312と逆バイアス電圧印加ブロック4131を制御す
る。したがって、書き込み画素号871が順次走査(画
像が書き換えられる)されるごとに、非表示領域312
が移動し、また、逆バイアス電圧印加プロック4131
が移動する。
【1092】図413のように、表示ブロックごとに逆
バイアス電圧を印加する構成では、図407のように、
逆バイアス電圧印加位置を制御するゲートドライバ12
cは必要でなくなる。たとえば、図414に図示するよ
うに、複数の逆バイアス線4001と逆バイアス共通線
4141で共通にする。ただし、4画素行ずつに限定さ
れるものではない。4画素行以上でも以下でもよい。し
かし、1ブロックの画素数をあまりに多くするとブロッ
クの境目が目立つようになる。また、4画素行の組みな
どの一定値に限定されるものではない。たとえば、比較
的人間の解像度の高い画面中央部は、1つのブロックの
画素行数を少なくし、画面の上下部は1つのブロックの
画素行数を多くしてもよい。一例としては、画面の中央
部のブロックは、8画素行/1ブロックとし、画面の上
下部は32画素行/1ブロックとし、画面の上下部と中
央部は、16画素行/1ブロックあるいは24画素行/
ブロックとしてもよい。もちろん、各ブロックにおいて
逆バイアス共通線4141で共通にされる画素行数はラ
ンダムとしてもよい。
【1093】一例としての図414では、隣接した4画
素行の逆バイアス線4001を逆バイアス共通線414
1でショートしている。つまり、4本の逆バイアス共通
線4141(4141a、4141b、4141c、4
141d)を具備している。また、N(Nは1以上の整
数)画素行、N+1画素行、N+2画素行、N+3画素
行は逆バイアス共通線4141dで共通化されている。
N+4画素行、N+5画素行、N+6画素行、N+7画
素行は逆バイアス共通線4141cで共通化されてい
る。N+8画素行、N+9画素行、N+10画素行、N
+11画素行は逆バイアス共通線4141bで共通化さ
れ、N+12画素行、N+13画素行、N+14画素
行、N+15画素行は逆バイアス共通線4141aで共
通化されている。また、N+16画素行、N+17画素
行、N+18画素行、N+19画素行は逆バイアス共通
線4141dで共通化されている。
【1094】以上のように、4本の逆バイアス共通線4
141で順番に共通化されている。もちろん、4本以上
の逆バイアス共通線4141を形成し、順番に共通化し
てもよい。
【1095】以上の逆バイアス共通線4141を用い
て、複数の画素行に逆バイアス電圧を印加するように構
成すれば、逆バイアス線4001に個別にTFT11g
を形成する必要がない。そのため、画素構成が簡略化さ
れる。もしくは、逆バイアス線4001制御用のゲート
ドライバ回路12cが不要になる。つまり、1画素行ご
とに制御するゲートドライバ12cは必要でなく、逆バ
イアス共通線4141の本数分の制御回路(逆バイアス
電圧を印加するか否かを制御する)を配置または形成し
ておけばよい。そのため、ゲートドライバ回路12cを
形成または配置する構成に比較して、大幅に構成の簡略
化を実現できる。
【1096】図415は図414のように、逆バイアス
共通線4141を用いて、逆バイアス電圧を印加するブ
ロックに区切って駆動する本発明の駆動方法である。図
415(c)の4151は逆バイアス電圧印加画素行を
示しており、4152は逆バイアス電圧非印加画素行を
示している。図415でわかるように逆バイアス電圧
は、1ブロック飛ばし(1ブロックは1画素行以上であ
る。図415では作図を容易にするため、あるいは理解
を容易にするため、1ブロック=1画素行としている。
しかし、本発明はこれに限定するものではない。)印加
している。この状態では、逆バイアス共通線4141は
2本(4141a、4141b)でよい。つまり、1本
目の逆バイアス共通線4141aは奇数番目に位置する
ブロックと接続されており、2本目の逆バイアス共通線
4141bは偶数番目に位置するブロックと接続されて
いる(1本目の逆バイアス共通線4141aは奇数番目
に位置する画素行と接続されており、2本目の逆バイア
ス共通線4141bは偶数番目に位置する画素行)と接
続されている)。この構成を図416に例示している。
【1097】もちろん、逆バイアス共通線4141は2
本に限定されるものではない。3本以上であってもよ
い。また、すべての画素行に逆バイアス電圧を印加する
ように構成することに限定されるものではない。つま
り、偶数画素行にのみ逆バイアス電圧を印加できるよう
に構成したり、画面の上半分のみに逆バイアス電圧を印
加できるように構成してもよい。また、逆バイアス共通
線4141を形成するとしたが、これに限定されるもの
ではなく、逆バイアス信号線4001に電圧を直接印加
するドライバ回路を形成または積載してもよいし、ま
た、TAB技術を用いて逆バイアス電圧を印加できるよ
うに構成してもよい。また、逆バイアス電圧の走査方向
は、ゲートドライバ回路12aと同一方向にすることに
限定されるものではない。たとえば、逆方向に走査して
もよいし、ランダムでもよい。また、インターレース走
査を実施してもよい。以上の事項は本発明の他の実施例
にも適用されることはいうまでもない。
【1098】また、図415(a)(b)でわかるよう
に、書き込み画素行871を含むブロックは非表示領域
312としている。つまり、黒表示状態である。図1の
画素構成では、この画素行のTFT11dはオフ状態で
ある。また、図415(c)でわかるようにこのブロッ
クには逆バイアス電圧が印加されている(TFT11g
がオン状態)。
【1099】以上のように、本発明は、書き込み画素行
を含むブロックは、非表示領域312とする。また、非
表示領域312には、逆バイアス電圧を印加する(ただ
し、必ずしも印加することに限定するものではない。こ
のことは以前にも説明をした)。
【1100】ただし、図21のようにカレントミラーの
画素構成では、書き込み画素行を含むブロックは、表示
ブロック311としてもよい。つまり、書き込み画素行
が電流を書き込むと同時にEL素子15に電流を流して
点灯させてもよい。
【1101】図415(c)のように、1本目の逆バイ
アス共通線4141aは奇数番目に位置する画素行と接
続されており、2本目の逆バイアス共通線4141bは
偶数番目に位置する画素行に接続されている状態では、
1画素行ごとに逆バイアス電圧印加画素行4151と逆
バイアス電圧非印加画素行4152とが繰り返される。
もちろん、1画素行ごとに、逆バイアス電圧印加画素行
4151と逆バイアス電圧非印加画素行4152とが繰
り返される状態に限定されるものではない。複数の画素
行が連続して逆バイアス電圧非印加画素行4152とな
るように電圧を印加してもよい。
【1102】以上の実施例は、逆バイアス電圧位置をゲ
ートドライバ回路12と同期をとり変化させる構成(方
式)を想定していたが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。たとえば、図417、図418は、1F(フ
ィールドあるいはフレーム)の一定期間に集中して逆バ
イアス電圧を印加する方式である。なお、説明あるいは
理解を容易にするため、画素構成は逆バイアス共通線4
141を2本有する図416の構成とする。なお、図4
17などの添え字((1)(2)など)は以前からの説
明と同様に画素行を示すものとする。また、各図の最上
段の数字も以前からの説明と同様に1Hの回数を示すも
のとする。
【1103】まず、図417において、VD(垂直同期
信号)は立ち上がりで1Fの最初を示す。VDから16
Hの期間、逆バイアス共通線4141a、4141bに
逆バイアス電圧が印加される。この際、逆バイアス共通
線4141aと逆バイアス共通線4141bとは、交互
に逆バイアス電圧が印加される。このように複数の逆バ
イアス共通線4141に交互に逆バイアス電圧を印加す
るのは、隣接した逆バイアス制御線4001に逆極性の
信号を印加し、ソース信号線18あるいはゲート信号線
17へのカップリングの影響を少なくするためである。
【1104】図417で明らかなように逆バイアス共通
線4141aに印加する信号の立上がり位置と逆バイア
ス共通線4141bに印加する信号の立下り位置とが一
致するように信号を印加している。したがって、この信
号が伝達される逆バイアス制御線4001は、隣接画素
行で逆極性となっている。そのため、この逆バイアス制
御線4001と交差するソース信号線へのカップリング
は打ち消しあう。そのため、逆バイアス電圧を印加して
もソース信号線18への信号変動は発生しない。つま
り、本発明は、表示パネルの表示領域12で異なる信号
極性の逆バイアス電圧を印加するものである。図416
の画素構成では、隣接した画素行で逆極性の逆バイアス
電圧(信号)を印加すると良好な結果を得られる。しか
し、隣接した画素行に逆極性の信号を印加することに限
定するものではなく、複数の画素行からなるブロックご
とに逆極性の信号を印加しても効果は高く、また、複数
画素行ごとに逆極性の信号を印加してもよい。
【1105】図417では、逆バイアス共通線4141
に逆バイアス電圧が印加されている時((いずれかの)
画素に逆バイアス電圧が印加されている時)、各ゲート
信号線17aにはオフ電圧が印加されている。つまり、
非プログラム状態である。同時に、EL素子15に流す
電流のオンオフを制御するゲート信号線17bにもオフ
電圧を印加し、EL素子15への電流を遮断しておくこ
とが望ましい。逆バイアス電圧の印加により、EL素子
15の発光輝度が急激に変化する場合があり、視覚的に
ちらつきとして見える場合があるからである。
【1106】図417ではVDから16H後、画素行
(1)のゲート信号線17aにオン電圧が印加され、画
素16に電流がプログラムされる。その後、ゲート信号
線17b(1)にオン電圧が印加され、対応するEL素
子15が点灯する。以降は、同様に画素行(2)のゲー
ト信号線17aにオン電圧が印加され、画素16に電流
がプログラムされる。その後、ゲート信号線17b
(2)にオン電圧が印加され、対応するEL素子15が
点灯するという動作が順次実施される。この動作は、以
前に説明したので省略する。
【1107】図417では16Hの期間、1Hごとに逆
バイアス共通線4141a、4141bの信号極性を反
転させる構成であった。これに限定するものではない。
たとえば、図418に図示するように、16Hの期間、
8Hごとに逆バイアス共通線4141a、4141bの
信号極性を反転させる構成でもよい。
【1108】なお、図417、図418において、逆バ
イアス共通線4141aへの信号の立ち上がりと逆バイ
アス共通線4141bへの信号の立下り(逆バイアス共
通線4141bへの信号の立ち上がりと逆バイアス共通
線4141aへの信号の立下り)位置とを一致させると
したが、これに限定するものではない。実験によれば、
変化位置は1H(1水平走査期間)の20%以内(たと
えば、1Hが100(μsec)であれば、20(μs
ec)以内)であれば、変化位置が一致している場合と
差異はない。
【1109】図417、図418では1Fの一定期間に
集中して各画素に逆バイアス電圧を印加するとしたがこ
れに限定するものではない。複数Fに一度、逆バイアス
電圧を印加するという構成にしてもよい。また、1Fに
複数回、逆バイアス電圧を印加するという構成でもよ
い。また、Fに限定するのではなく、定期的あるいは不
定期的に逆バイアス電圧を印加する構成(方式)として
もよい。たとえば、表示パネルを有する装置の電源オン
した直後あるいは電源オフした直後に、逆バイアス電圧
を印加するように構成してもよい。また、装置を使用し
ていない時に、搭載タイマーを定期的に動作させて、表
示パネルのEL素子15に逆バイアス電圧を印加するよ
うに構成してもよい。
【1110】なお、本明細書の逆バイアス電圧を印加す
るという発明(装置、駆動方法、方式)では、逆バイア
ス電圧の電圧は固定値のように説明してきたが、これに
限定するものではない。複数の逆バイアス電圧を印加し
てもよい(たとえば、−15(V)、−10(V)、−5
(V)など)。また、各画素行もしくは各画素に印加す
る逆バイアス電圧の値を変化させてもよい(たとえば、
隣接した画素に異なる逆バイアス電圧を印加する方式が
例示される。もちろん、隣接した画素に逆バイアス電圧
を必ず印加することに限定するものではない。電圧無印
加状態でもよい)。また、R、G、Bなどの色に対応す
る画素ごとに印加する逆バイアス電圧の絶対値あるいは
印加時間などを変化させてもよい。各色に対応するEL
材料の構成あるいは駆動電圧が異なるからである。ま
た、経過時間とともに、印加する逆バイアス電圧を変化
させてもよい(たとえば、各画素に逆バイアス電圧を印
加した直後は、印加する逆バイアス電圧の絶対値を小さ
くし、少しずつ印加する逆バイアス電圧の絶対値を大き
くする方式などが例示される)。また、逆バイアス電圧
は矩形波状に印加してもよい。たとえば、1F(フィー
ルド、フレーム)の一定の期間のみに逆バイアス電圧を
印加する方式である。
【1111】図417、図418などの逆バイアス電圧
駆動方式(図417などに限定されるものではない)
は、図1の電流プログラムの画素構成について述べた
が、これに限定するものではなく、図21などにも適用
できることは言うまでもなく、また、図54、図67、
図103などの電圧プログラムの画素構成にも適用でき
ることは言うまでもない。
【1112】図415は逆バイアス共通線4141が2
本の構成であった。図419は逆バイアス共通線414
1が16本の構成である(逆バイアス共通線4141
(0:15))。逆バイアス共通線4141(0:1
5))は図349で説明したデコード回路3491で選
択するように構成することにより、制御回路からの逆バ
イアス共通線を選択する制御線数を減少させることがで
きる(たとえば、図419のように逆バイアス共通線が
16本の場合は、選択制御線は4本でよい。逆バイアス
共通線が256本の場合は、選択制御線は8本であ
る)。
【1113】図419の構成では、逆バイアス共通線が
16本である。したがって、1つの逆バイアス共通線
(たとえば、逆バイアス共通線4141(0)は16画
素行ごとに接続されている)。
【1114】図419の構成において、図415と同様
に、偶数番目の逆バイアス共通線(4141(0)、4
141(2)、4141(4)、4141(6)、41
41(8)・・・・・・)と、奇数番目の逆バイアス共
通線(4141(1)、4141(3)、4141
(5)、4141(7)、4141(9)・・・・・
・)との信号極性を逆極性の関係となるように駆動して
もよい。また、逆バイアス共通線(4141(0)、4
141(1)、4141(4)、4141(5)、41
41(8)、4141(9)・・・・・・)と、逆バイ
アス共通線(4141(2)、4141(3)、414
1(6)、4141(7)、4141(10)、414
1(11)・・・・・・)というように2本(もちろ
ん、複数本の組本数でよい)の共通線を連続して組と
し、この組の信号極性を逆極性の関係となるように駆動
してもよい。
【1115】図419の構成においても、逆バイアス共
通線4141(0:15)を、ゲートドライバ回路12
aと同期をとって、順次走査してもよい。また、図41
7などと同様に、一定期間に集中して逆バイアス電圧を
印加してもよい。この方法(l方式)を図420に図示
する。
【1116】図420では、VD信号の立ち上がり後、
まず、逆バイアス線4141(0)に逆バイアス電圧を
印加(逆バイアス電圧が印加されるような信号を印加)
が印加される。したがって、逆バイアス線4141
(0)が画素行(1)、画素行(17)・・・・・・に
接続されていれば、この画素行(1)、(17)・・・
・・・に逆バイアス電圧が印加される。次の1Hでは、
逆バイアス線4141(1)に逆バイアス電圧を印加
(逆バイアス電圧が印加されるような信号を印加)が印
加される。したがって、逆バイアス線4141(1)が
画素行(2)、画素行(18)・・・・・・に接続され
ていれば、この画素行(2)、(18)・・・・・・に
逆バイアス電圧が印加される。また、次の1Hでは、逆
バイアス線4141(2)に逆バイアス電圧を印加(逆
バイアス電圧が印加されるような信号を印加)が印加さ
れる。したがって、逆バイアス線4141(2)が画素
行(3)、画素行(19)・・・・・・に接続されてい
れば、この画素行(3)、(19)・・・・・・に逆バ
イアス電圧が印加される。以上の動作が、逆バイアス線
4141(15)まで繰り返される。また、必要の応じ
て、逆バイアス線4141(0)から順次、同様の動作
が実施される。
【1117】図420ではVDから16H後、画素行
(1)のゲート信号線17aにオン電圧が印加され、画
素16に電流がプログラムされる。その後、ゲート信号
線17b(1)にオン電圧が印加され、対応するEL素
子15が点灯する。以降は、同様に画素行(2)のゲー
ト信号線17aにオン電圧が印加され、画素16に電流
がプログラムされる。その後、ゲート信号線17b
(2)にオン電圧が印加され、対応するEL素子15が
点灯するという動作が順次実施される。この動作は、以
前に説明したので省略する。
【1118】なお、図419において逆バイアス共通線
(逆バイアス線)4141は16本としたが、これに限
定するものではなく、16本以上でも以下でも良い。ま
た、1つの逆バイアス線4141に連続した複数の画素
行の逆バイアス制御線4001と接続してもよい。ま
た、図420では、逆バイアス線4141は0番目から
15番目まで順次1Hに同期して逆バイアス電圧が印加
されるとしたが、これに限定するものではなく、逆バイ
アス線4141に逆バイアス電圧を印加(逆バイアス電
圧が印加されるような信号を印加)する順番はランダム
でもよい。また、1Hと同期する必要もない。また、逆
バイアス線4141に1回の逆バイアス電圧を印加する
ことに限定されるものでもない。ただし、各逆バイアス
線4141の信号の立下りと立ち上がりが打ち消しあう
ように駆動することに注意を払うことが好ましいことは
言うまでもない。このことは以前に説明したので省略す
る。つまり、他の事項は図417などで説明した事項が
適時適用されることは言うまでもない。
【1119】図421は図349と同様に図327、図
333の回路を拡張したものである。図421とすれば
逆バイアス電圧制御が容易となる。ゲートドライバ12
bのシフトレジスタ22bの入力信号(CLK2、ST
2)はゲートドライバ12aのシフトレジスタ22aの
入力信号(CLK1、ST1)と同一にされる。したが
って、STデータはシフトレジスタ22a、22b内の
同一位置で保持され、保持位置がクロックに同期を取っ
てシフトされる。したがって、図326で図示するよう
に、ゲート信号線17aが選択している画素行は必ず、
ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が出力され
るように制御される。
【1120】いずれの期間に逆バイアス線4141
(0:15)に逆バイアス電圧を出力するかは、SEL
(0:3)端子に印加するロジック信号で決定される。
コントローラからは4本のSEL(0:3)端子がデコ
ーダ回路3491に接続されている。このSEL端子の
データをデコ−ダ回路3491がデコードし、どの逆バ
イアス線4141(0:15)にオン電圧またはオフ電
圧を出力されるかが決定される。
【1121】OR回路3272の出力は、シフトレジス
タ22bがデータを保持している箇所に該当するゲート
信号線17bは必ず、オフ電圧が出力される(この画素
行はゲートドライバ14aにより選択され、画素に電流
がプログラムされている)。選択されている画素行のゲ
ート信号線17bはドライバ12cの出力信号線のロジ
ックにより、オンオフ状態が切り替えられる。
【1122】逆バイアス電圧を印加する画素構成(図4
06、図405、図404、図403、図402、図4
01、図400などが例示される)では、逆バイアス電
圧の印加と非印加とを切り替えるため(逆バイアス電圧
のオンオフ制御をするため)にTFT11gなどの制御
TFT(制御スイッチング素子)を各画素に形成(構
成)する必要がある。このTFT11g(なお、TFT
のみに限定するものではない。電流(電圧)経路を形成
(作成)できるものであればいずれのものでもよい)は
逆バイアス電圧の印加だけでなく、画素TFT(画素を
構成するスイッチング素子)の検査にも使用することが
できる。
【1123】以下、TFT11gを用いて実施する画素
の検査方法について説明をする。なお、説明を容易する
ため、図401の構成を例示して説明をする。また、図
443などでは、TFTはスイッチとして記載する。つ
まり、各TFT11のゲート(G)端子にオフ電圧が印
加されている時は、TFTとしてのスイッチはオープン
(非導通状態)である。各TFT11のゲート(G)端
子にオン電圧が印加されている時は、TFTとしてのス
イッチはクローズ(導通状態)である。もちろん、図
1、図401の電流プログラムの画素構成に限定するも
のではなく、図21などにも適用できることは言うまで
もなく、また、図54、図67、図103などの電圧プ
ログラムの画素構成にも適用できることは言うまでもな
い。また、図401のTFT11gの構成は図403の
TFT11gの構成としてもよいことは言うまでもな
い。また、TFT11bとTFT11cとは個別にオン
オフ制御できるようにしているとする(図1(b)を参
照のこと)。また、本発明はEL素子15が形成されて
いない状態で検査を行うことを前提とする(EL素子1
5が形成されてからは検査できないというものではな
い)。説明を容易にするためである。
【1124】以上のように、逆バイアス駆動は電流プロ
グラムの画素構成だけでなく、たとえば、図447に図
示するような電圧プログラムの画素構成にも適用できる
(図67、図68も参照のこと)。まず、図447の構
成を説明するために、基本動作について図448を用い
て説明をする。図447(図67)の画素構成は電圧オ
フセットキャンセラという構成であり、初期化動作、リ
セット動作、プログラム動作、発光動作の4段階で動作
する。
【1125】水平同期信号(HD)後、初期化動作が実
施される。ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、
TFT11gがオンする。また、ゲート信号線17aに
もオン電圧が印加され、TFT11cがオンする。この
時、ソース信号線18にはVdd電圧が印加される。し
たがって、コンデンサ19bのa端子にはVdd電圧が
印加されることになる。この状態で、駆動用TFT11
aはオンし、EL素子15に僅かな電流が流れる。この
電流により駆動用TFT11aのドレイン(D)端子は
少なくともTFT11aの動作点よりも大きな絶対値の
電圧値となる。
【1126】次にリセット動作が実施される。ゲート信
号線17bにオフ電圧が印加され、TFT11eがオフ
する。一方、ゲート信号線17cにT1の期間、オン電
圧が印加され、TFT11bがオンする。このT1の期
間がリセット期間である。また、ゲート信号線17aに
は1Hの期間、継続してオン電圧が印加される。なお、
T1は1H期間の20%以上90%以下の期間とするこ
とが好ましい。もしくは、20μsec以上160μs
ec以下の時間とすることが好ましい。また、コンデン
サ19b(Cb)とコンデンサ19a(Ca)の容量の
比率は、Cb:Ca=6:1以上1:2以下とすること
が好ましい。
【1127】リセット期間では、TFT11bのオンに
より、駆動用TFT11aのゲート(G)端子とドレイ
ン(D)端子間がショートされる。したがって、TFT
11aのゲート(G)端子電圧とドレイン(D)端子電
圧が等しくなり、TFT11aはオフセット状態(リセ
ット状態:電流が流れない状態)となる。このリセット
状態とはTFT11aのゲート(G)端子が、電流を流
し始める開始電圧近傍になる状態である。このリセット
状態を維持するゲート電圧はコンデンサ19bのb端子
に保持される。したがって、コンデンサ19には、オフ
セット電圧(リセット電圧)が保持されていることにな
る。
【1128】次のプログラム状態では、ゲート信号線1
7cにオフ電圧が印加されTFT11bがオフする。一
方、ソース信号線18には、Tdの期間、DATA電圧
が印加される。したがって、駆動用TFT11aのゲー
ト(G)端子には、DATA電圧+オフセット電圧(リ
セット電圧)が加えられたものが印加される。そのた
め、駆動用TFT11aはプログラムされた電流を流せ
るようになる。
【1129】プログラム期間後、ゲート信号線17aに
はオフ電圧が印加され、TFT11cはオフ状態とな
り、駆動用TFT11aはソース信号線18から切り離
される。また、ゲート信号線17cにもオフ電圧が印加
され、TFT11bがオフし、このオフ状態は1Fの期
間保持される。一方、ゲート信号線17bには、必要に
応じてオン電圧とオフ電圧とが周期的に印加される。つ
まり、図31、図37、図108、図142、図14
7、図152、図198などのN倍パルス駆動などと組
み合わせること、図39、図154、図156のインタ
ーレース駆動と組み合わせることによりさらに良好な画
像表示を実現できる。
【1130】図448の駆動方式では、リセット状態で
コンデンサ19には、TFT11aの開始電流電圧(オ
フセット電圧、リセット電圧)が保持される。そのた
め、このリセット電圧がTFT11aのゲート(G)端
子に印加されている時が、最も暗い黒表示状態である。
しかし、ソース信号線18と画素16とのカップリン
グ、コンデンサ19への突き抜け電圧あるいはTFTの
突き抜けにより、黒浮き(コントラスト低下)が発生す
る。したがって、図448で説明した駆動方法では、表
示コントラストを高くすることができない。この課題を
解決する駆動方法を図449に示す。基本的な動作は図
448と同一であるので、差異部を中心にして説明をす
る。
【1131】水平同期信号(HD)後、初期化動作が実
施される。ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、
TFT11gがオンする。また、ゲート信号線17aに
もオン電圧が印加され、TFT11cがオンする。この
時、ソース信号線18にはVdd電圧よりも低いVc電
圧が印加される(図449のDATA欄を参照のこ
と)。このVc電圧はVdd電圧に対して、0.1
(V)以上2.5(V)以下低い値に設定することが好
ましい。さらに好ましくは0.2(V)以上1.5
(V)以下の低い値に設定することが好ましい。ただ
し、これは、駆動用TFT11aがPチャンネルの場合
である。基本的には、絶対値が最大もしくは最小の電位
がデータ電圧の絶対値が最大として、データ電圧が小さ
い方に0.2(V)以上1.5(V)以下の大きさで絶
対値を小さい電圧をソース信号線18に印加する。
【1132】したがって、コンデンサ19bのa端子に
はVc電圧が印加されることになる。この状態で、駆動
用TFT11aはオンし、EL素子15に僅かな電流が
流れる(電流が流れるというよりは、TFT11aを動
作させるという方が的確である)。この電流により駆動
用TFT11aのドレイン(D)端子は少なくともTF
T11aの動作点よりも大きな絶対値の電圧値となる
(電流が流せる状態となる)。
【1133】次にリセット動作が実施される。ゲート信
号線17bにオフ電圧が印加され、TFT11eがオフ
する。一方、ゲート信号線17cにT1の期間、オン電
圧が印加され、TFT11bがオンする。このT1の期
間がリセット期間である。また、ゲート信号線17aに
は1Hの期間、継続してオン電圧が印加される。この期
間中はDATA電圧がVc電圧に維持される。
【1134】図448と同様に、リセット期間では、T
FT11bのオンにより、駆動用TFT11aのゲート
(G)端子とドレイン(D)端子間がショートされる
(動作は図448を差異がない)。したがって、TFT
11aのゲート(G)端子電圧とドレイン(D)端子電
圧が等しくなり、TFT11aはオフセット状態(リセ
ット状態:電流が流れない状態)となる。このリセット
状態とはTFT11aのゲート(G)端子が、電流を流
し始める開始電圧近傍になる状態である。このリセット
状態を維持するゲート電圧はコンデンサ19bのb端子
に保持される。したがって、コンデンサ19bには、オ
フセット電圧(リセット電圧)が保持されていることに
なる。
【1135】次のプログラム状態では、ゲート信号線1
7cにオフ電圧が印加されTFT11bがオフする。一
方、ソース信号線18には、Tdの期間、DATA電圧
が印加される。したがって、駆動用TFT11aのゲー
ト(G)端子には、DATA電圧+オフセット電圧(リ
セット電圧)が加えられたものが印加される。そのた
め、駆動用TFT11aはプログラムされた電流を流せ
るようになる。Td期間は1Hの3%以上20%以下の
期間もしくは3μsec以上20μsec以下とする。
このことは、図448でも同様である。
【1136】プログラム期間後、ゲート信号線17aに
はオフ電圧が印加され、TFT11cはオフ状態とな
り、駆動用TFT11aはソース信号線18から切り離
される。また、ゲート信号線17cにもオフ電圧が印加
され、TFT11bがオフし、このオフ状態は1Fの期
間保持される。
【1137】図449では、基本的にはソース信号線1
8にVc電圧が印加されている時、黒表示状態となる。
しかし、図449の駆動方法では、先にも記載したよう
に、突き抜け電圧の影響などによりVc電圧の印加では
黒浮きが発生する。したがって、完全な黒表示とするた
めには、ソース信号線18にVc電圧以上の電圧を印加
する必要がある。一方で、Vdd電圧はソースドライバ
回路14の電源電圧であるから、Vdd電圧以上の電圧
をソース信号線18に出力することはできない。この問
題から、リセット状態には、ソース信号線18にDAT
A電圧として、Vdd電圧以下のVc電圧を印加し、リ
セットさせたのである。
【1138】図449では画素行(N)は第(N)Hで
プログラムされる。次の画素行(N+1)は第(N+
1)Hでプログラムされる。図449で記載しているよ
うに第(N+1)HではDATAとしてVdd電圧を印
加している(Aの記号で示す)。つまり、リセットのV
c電圧よりもVdd側に大きな電圧を印加している。つ
まり、黒表示としている。以上のように、Vc電圧より
も大きな電圧を印加することにより、駆動用TFT11
aをより電流が流れないようにすることができる。その
ため、良好な黒表示を実現できる。
【1139】以上のように、図449の駆動方法は、コ
ンデンサ19bを介して交流的に印加する駆動用TFT
11aのゲート(G)端子電圧を、リセット電圧よりも
TFT11aが電流の流れない方向に制御できるように
リセット時のソース信号線18電位を設定するものであ
る。駆動用TFT11aがPチャンネルの場合は、Vc
電圧はVdd電圧(TFT11aのソース(S)端子電
圧)よりも低く設定する。プログラム時は、ソース信号
線18にVc電圧よりも大きな電圧を印加できるように
し、TFT11aのゲート(G)端子電圧をよりTFT
11aが電流の流れない方向の電圧に設定する。駆動用
TFT11aがNチャンネルの場合は、逆に、TFT1
1aのゲート(G)端子電圧を低くして、よりTFT1
1aに電流が流れない方向の電圧に設定する。
【1140】なお、図449においても、ゲート信号線
17bには、必要に応じてオン電圧とオフ電圧とが周期
的に印加される。つまり、図31、図37、図108、
図142、図147、図152、図198などのN倍パ
ルス駆動などと組み合わせること、図39、図154、
図156のインターレース駆動と組み合わせることによ
りさらに良好な画像表示を実現できる。
【1141】図448、図449の駆動方式では、1H
(1水平走査期間)のうち、T1の期間内にリセット状
態を完了させる必要がある。しかし、駆動用TFT11
aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子間をショー
トして行うリセットは、自然放電であるため、比較的長
時間を必要とする。そのため、コンデンサ19aの容量
が大きい場合など、1H期間内の完全にリセットされな
い場合がある。もちろん、コンデンサ19aなどの容量
を小さくすれば解決するが、容量を小さくすると、プロ
グラムされた電荷の保持率が1F期間維持されないとい
う問題が発生する。
【1142】この課題を解決するためには、複数の水平
走査期間を用いて、リセット状態を維持すれはよい。こ
の駆動方法を図450に示す。注意すべき点は、ソース
信号線はHDに同期してTFT11aを初期状態にする
電圧(図448ではVdd電圧、図449ではVc電
圧)が印加されている点である。この電圧がリセット期
間の途中で画素に印加されないようにする必要がある。
以下、図450を参照しながら、本発明の駆動方法につ
いて説明する。なお、プログラム対象の画素行は第
(N)画素行とし、この画素行は水平走査期間の第
(N)H番目で電圧プログラムが完了するものとする。
また、図450の実施例では、2H期間を用いて電圧プ
ログラムを実施する。したがって、第(N)番目の画素
行は第(N−1)Hから、プログラム動作が開始され
る。
【1143】なお、図450では2H期間(2水平走査
期間)で電圧プログラムされるとして説明をするが、本
発明は2H期間に限定されるものではない。複数水平走
査期間を用いて画素行が電圧プログラムされるものであ
ればいずれでもよい。また、本発明はリセット状態を長
くすることを目的とする。したがって、リセットの期間
はHDに同期している必要は何らない。そのため、複数
H期間という事項は限定事項ではない。ただ、ハード的
に制御回路を構成する場合、HDに同期するように構成
する方が構成は容易であるからにすぎない。したがっ
て、他のクロックに同期するように構成してもよい。ま
た、非同期動作に構成してもよい。また、基本的な動作
は図448または図449と同様あるいは類似であるの
で、差異を中心として説明をする。
【1144】第(N−1)Hの水平同期信号(HD)
後、初期化動作が実施される。ゲート信号線17bにオ
ン電圧が印加され、TFT11gがオンする。また、ゲ
ート信号線17aにもオン電圧が印加され、TFT11
cがオンする。この時、ソース信号線18にはVdd電
圧よりも低いVc電圧が印加される。もちろん、図44
8と同様にVdd電圧としてもよい。
【1145】したがって、コンデンサ19bのa端子に
はVc電圧が印加されることになる。この状態で、駆動
用TFT11aはオンし、EL素子15に僅かな電流が
流れる(電流が流れるというよりは、TFT11aを動
作させるという方が的確である)。この電流により駆動
用TFT11aのドレイン(D)端子は少なくともTF
T11aの動作点よりも大きな絶対値の電圧値となる
(電流が流せる状態となる)。
【1146】次にリセット動作が実施される。ゲート信
号線17bにオフ電圧が印加され、TFT11eがオフ
する。一方、ゲート信号線17cにT1の期間、オン電
圧が印加され、TFT11bがオンする。本来、リセッ
ト期間は約2Hの期間連続して印加することが好ましい
が、第(N−1)H期間には、第(N−1)番目の画素
行がプログラムされる。したがって、ソース信号線18
にはTdの期間、第(N−1)番目の画素のDATA電
圧が出力される。この第(N−1)番目の画素のDAT
A電圧が、第(N)番目の画素に書き込まれることを防
止する必要がある。そのため、ソース信号線18に第
(N−1)番目の画素のDATA電圧が出力されている
第(N−1)H期間のTd期間は以下のように制御す
る。
【1147】まず、第(N−1)H期間のTd期間、ゲ
ート信号線17aにはオフ電圧を印加し、TFT11c
をオフ状態にして、ソース信号線18に印加されている
第(N−1)番目のDATA電圧が書き込まれないよう
にする。また、ゲート信号線17cにもオフ電圧を印加
してTFT11bをオフ状態にする。このゲート信号線
17cにもオフ電圧を印加するという事項は、必ずしも
必須の事項ではないが、カップリングなどの影響によ
り、TFT11aのリセット動作に影響がおよぶのを回
避するためである(図451を参照のこと。図451で
は第(N−1)H期間ではゲート信号線17cにオフ電
圧を印加していない)。
【1148】次の第(N)H期間では、初期状態は実施
しない。ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、TF
T11cをオンさせる。また、ゲート信号線17cにも
オン電圧を印加し、TFT11bをオンさせて、TFT
11aをリセットさせる。
【1149】図448、図449と同様に、リセット期
間では、TFT11bのオンにより、駆動用TFT11
aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子間がショー
トされる。したがって、TFT11aのゲート(G)端
子電圧とドレイン(D)端子電圧が等しくなり、TFT
11aはオフセット状態(リセット状態:電流が流れな
い状態)となる。リセット状態を維持するゲート電圧は
コンデンサ19bのb端子に保持される。したがって、
コンデンサ19bには、オフセット電圧(リセット電
圧)が保持されていることになる。
【1150】第(N)H期間では、電圧プログラムが実
施される(プログラム状態)。ゲート信号線17cにオ
フ電圧が印加されTFT11bがオフする。一方、ソー
ス信号線18には、Tdの期間、DATA電圧が印加さ
れる。したがって、駆動用TFT11aのゲート(G)
端子には、DATA電圧+オフセット電圧(リセット電
圧)が加えられたものが印加される。そのため、駆動用
TFT11aはプログラムされた電流を流せるようにな
る。Td期間は1Hの3%以上20%以下の期間もしく
は3μsec以上20μsec以下とする。このこと
は、図448でも同様である。
【1151】プログラム期間後、ゲート信号線17aに
はオフ電圧が印加され、TFT11cはオフ状態とな
り、駆動用TFT11aはソース信号線18から切り離
される。また、ゲート信号線17cにもオフ電圧が印加
され、TFT11bがオフし、このオフ状態は1Fの期
間保持される。
【1152】図450では、複数の水平走査期間を用い
て、TFT11aをリセット状態とするため、リセット
状態を十分長くすることができる。そのため、良好な黒
表示を実現できる。
【1153】図447では、図401などと同様に、逆
バイアス電圧印加用のTFT11gを付加している。し
たがって、EL素子15に逆バイアス電圧を印加するこ
とができ、EL表示装置を長寿命化できる。もちろん、
EL素子15に逆バイアス電圧を印加するか、EL素子
15に駆動用TFT11aからの電流を印加するかは、
TFT11eとTFT11gを制御することによって実
施できることは言うまでもない。このことは、図401
などで説明した事項を適用すればよいから説明を省略す
る。また、TFT11g、TFT11eを制御すること
により、電流Ivの経路を形成することができる。した
がって、以降に説明する図443、図444などの検査
方法を実施することができる。
【1154】図443は検査方法の説明図である。44
31は電流検出手段である。電流検出手段4431とし
ては、nA程度まで測定できる微小電流計の他、ピック
アップ抵抗と電圧計の組み合わせ、電流入力型オペアン
プなどが例示される。つまり、電流が流れていることを
いずれかの手段で検出できるものであれば何でも良い。
また、電流(電圧)検出は、画素構成によりTFT11
gに流れ込む方向と流れ出す方向のいずれでも検出でき
るように構成する(電流あるいは電圧の極性が変化する
だけである)。
【1155】また、複数の逆バイアス制御線4001を
共通(ショート)し、共通にした一端に電流検出手段4
431を接続(配置)してもよいことはいうまでもな
い。つまり、複数の逆バイアス制御線4001に接続さ
れたいずれかの画素に欠陥が発生していると、前記電流
検出手段4431に電流が流れ、欠陥検出を行うことが
できる。また、電流検出手段4431を1つ用い、この
電流検出手段4431の測定端子はプローブなどを用い
て逆バイアス制御線4001に順次接続して検査を行っ
ても良い。
【1156】図443(a)では、TFT11bとTF
T11gをオンさせ、他のTFT11c、11dをオフ
させている。なお、EL素子15が形成されていないか
ら、画素電極48上には何も形成されていない(つま
り、アレイ状態での検査である)。電流検出手段443
1の一端子は逆バイアス制御線4001と接続され、他
端子はVsl電圧とされる。Vsl電圧を印加すること
により、図403のTFT11gの構成ではTFT11
gがオンする。図401の構成では、信号線4003お
よび逆バイアス制御線4001にVsl電圧を印加すれ
ばよい。もちろん、Vsl電圧でなくともよい。たとえ
ば、図401の画素構成では、信号線4003にTFT
11gをオンさせる電圧を印加してTFT11gをオン
させ、逆バイアス制御線4001にはVdd電圧よりも
十分に低い電圧を印加すればよい。ここでは説明を容易
にするため、Vsl電圧を印加するとして説明をする。
【1157】図443(a)ではTFT11bがオンの
ため、TFT11aのドレイン(D)端子とゲート
(G)端子の電位が等しくなる。そのため、TFT11
aはオフ状態となる(電流が流れない状態)。この状態
で電流検出手段4431に電流が検出されれば、TFT
11dのソース(S)−ドレイン(D)端子間ショート
(SDショート)が発生している可能性がある。
【1158】次に図443(b)に図示するように、T
FT11bをオフ状態にし、また、TFT11dをオン
状態にする。図443(a)でTFT11aをオフ状態
としているから、図443(b)の状態としても電流は
流れないか、もしくは小さな電流しか流れない。もし、
図443(a)後の図443(b)の状態で大きな電流
が検出されれば、TFT11aのSDショート欠陥が発
生している可能性が高い。TFT11aのSDショート
欠陥は致命的な欠陥であるから、この欠陥が検出された
アレイは不良である。
【1159】以上のように、本発明の検査方法は、EL
素子に電流を供給するTFT11aをオフ状態(電流が
流れない状態)にする動作と、EL素子15に逆バイア
ス電圧を印加するTFT(EL素子とEL素子に電流を
供給するTFT11aの電流経路以外の経路から、EL
素子に電流または電圧を印加(供給)する経路を形成す
るスイッチング素子)に流れる電流を検出する動作とを
行うことにより、画素欠陥を検出するものである。以上
のように、本発明は逆バイアス電圧制御用スイッチング
素子を用いて画素の欠陥検査を行うことができる。
【1160】図443は主としてTFT11aの検査を
行う方法であった。図444はTFT11cとTFT1
1dの検査を行う方法である。図444の電圧源444
1としては、直流電源の他、シグナルジェネレータなど
の信号発生源などが例示される。つまり、一定の電圧あ
るいは信号を出力できるものであればいずれでも良い。
【1161】また、電流(電圧)検出は、画素構成によ
りTFT11gに流れ込む方向と流れ出す方向のいずれ
でも検出できるように構成する(電流あるいは電圧の極
性が変化するだけである)。
【1162】また、複数のソース信号線18を共通(シ
ョート)し、共通にした一端に電圧源4441を接続
(配置)してもよいことはいうまでもない。つまり、複
数の逆バイアス制御線4001に接続されたいずれかの
画素に欠陥が発生していると、前記電圧源4441から
電流が流れ、欠陥検出を行うことができる。したがっ
て、電圧源4441に電流検出手段を設けることによ
り、別途電流検出手段4431を設ける必要はなくな
る。また、電圧源4441を1つ用い、この電圧源44
41の接続端子に、プローブなどを用いてソース信号線
18に順次接続して検査を行っても良い。なお、電流検
出手段4431は図443で説明したので構成、方法、
動作などの説明を省略する。
【1163】図444(a)では、TFT11gをオン
させ、他のTFT11b、TFT11c、TFT11d
をオフさせている。なお、EL素子15が形成されてい
ないから、画素電極48上には何も形成されていない
(つまり、アレイ状態での検査である)。電流検出手段
4431は図443で説明したのと同様に、電流検出手
段4431の一端子は逆バイアス制御線4001と接続
され、他端子はVsl電圧とされる。
【1164】図444(a)ではTFT11bがオフの
ため、コンデンサ19の電荷は放電し、TFT11aの
ゲート(G)端子はVddで電位と等しくなる。そのた
め、TFT11aはオフ状態となる(電流が流れない状
態)。また、TFT11b、TFT11cと一度オン
し、電圧源4441からVdd電圧を出力して、TFT
11aのゲート(G)端子をVdd電圧としてもよい。
【1165】図444(a)の状態で電流検出手段44
31に電流が検出されれば、TFT11dのソース
(S)−ドレイン(D)端子間ショート(SDショー
ト)が発生している可能性がある。
【1166】次に、図444(b)に図示するように、
TFT11c、TFT11dをオン状態にする。また、
電圧源4441からVdd電圧または、信号をソース新
ごう線18に印加する。図444(a)でTFT11a
をオフ状態としているから、この検査状態ではTFT1
1aからの電流の供給はない。電圧源4441から供給
された電圧は、TFT11c、TFT11dが正常であ
れば、電流検出手段4431で検出できるはずである。
もし、検出できないのであれば、TFT11c、TFT
11dのいずれかのSDオープン不良が発生している可
能性が高い。TFT11c、TFT11dのSDオープ
ン(オンしない不良)欠陥は致命的な欠陥であるから、
この欠陥が検出されたアレイは不良である。
【1167】以上のように、図444で説明した本発明
の検査方法は、EL素子に電流を供給するTFT11a
をオフ状態(電流が流れない状態)にする動作と、ソー
ス信号線18に電流あるいは電圧を印加する動作と、逆
バイアス制御TFT11gとソース信号線間のパス間に
おいて前記電圧源(信号源)から流れ出すあるいは流れ
込む電流を検出する動作を行うものである。以上のよう
に、本発明は逆バイアス電圧制御用スイッチング素子1
1gを用いて画素の欠陥検査を行うことができる。ま
た、図443と図444の2つのモードの検査を行うこ
とにより、画素の欠陥の検出を確実に行うことができ
る。
【1168】以上の実施例は図401の画素構成(基本
的には図1の画素構成)の検査方法の実施例であった。
しかし、本発明は図401などに限定されるものではな
く、図21、図22、図404などのカレントミラーの
画素構成についても適用することができる。以下、この
実施例について説明をする。
【1169】図445はカレントミラーの画素構成にお
ける検査方法の説明図である。なお、図445などにお
いても図443などと同様に、複数の逆バイアス制御線
4001を共通(ショート)し、共通にした一端に電流
検出手段4431を接続(配置)してもよいことはいう
までもない。つまり、複数の逆バイアス制御線4001
に接続されたいずれかの画素に欠陥が発生していると、
前記電流検出手段4431に電流が流れ、欠陥検出を行
うことができる。また、電流検出手段4431を1つあ
るいは少数個用い、この電流検出手段4431の測定端
子にプローブなどを用いて逆バイアス制御線4001に
順次接続して検査を行っても良い。
【1170】図445(a)では、TFT11dとTF
T11gをオンさせ、他のTFT11c、11eをオフ
させている。電流検出手段4431の一端子は逆バイア
ス制御線4001と接続され、他端子はVsl電圧とさ
れる。Vsl電圧を印加することにより、図403のT
FT11gの構成ではTFT11gがオンする。
【1171】図445(a)ではTFT11dがオンの
ため、TFT11aのドレイン(D)端子とゲート
(G)端子の電位が等しくなる。そのため、TFT11
aはオフ状態となる(電流が流れない状態)。この状態
で電流検出手段4431に電流が検出されれば、TFT
11eのソース(S)−ドレイン(D)端子間ショート
(SDショート)が発生している可能性がある。
【1172】次に図445(b)に図示するように、T
FT11dをオフ状態にし、また、TFT11eをオン
状態にする。図445(a)でTFT11aをオフ状態
としているから、図445(b)の状態としても電流は
流れないか、もしくは小さな電流しか流れない(TFT
11bのキンク現象は考慮すべきである)。もし、図4
45(a)後の図445(b)の状態で大きな電流が検
出されれば、TFT11bのSDショート欠陥が発生し
ている可能性が高い。また、TFT11aが以上の可能
性もある。TFT11bのSDショート欠陥は致命的な
欠陥であるから、この欠陥が検出されたアレイは不良で
ある。
【1173】以上のように、本発明の検査方法は、図4
43と同様に、EL素子15(図443、図445では
EL素子15は形成されていない)に電流を供給するT
FT11bをオフ状態(電流が流れない状態)にする動
作と、EL素子15に逆バイアス電圧を印加するTFT
(EL素子15とEL素子15に電流を供給するTFT
11bの電流経路以外の経路から、EL素子15に電流
または電圧を印加(供給)する経路を形成するスイッチ
ング素子)に流れる電流を検出する動作とを行うことに
より、画素欠陥を検出するものである。以上のように、
本発明は逆バイアス電圧制御用スイッチング素子11g
を用いて画素の欠陥検査を行うことができる。なお、図
443の検査を行う方法についても、図445のカレン
トミラーの画素構成に適用することができる。
【1174】本発明の画素構成あるいはドライバIC
(12、14)などではスイッチング素子はTFTのP
チャンネルあるいはNチャンネルで構成するとしたがこ
れに限定するものではない。たとえば、TFT11gを
PチャンネルとNチャンネルのTFTを並列に形成する
ことにより、スイッチング素子を形成(構成)してもよ
い。このことは、本発明の他の実施例においても適用さ
れる。
【1175】図43において画素を構成するTFT11
は5個となっている。しかし、図1(a)では4個で構
成されている。そのため、図1(a)の構成のほうが画
素16を構成するTFT11数が1個少ないため、開口
率を高くでき、また、画素欠陥の発生割合が少ないとい
う利点がある。
【1176】図44も電流プログラム方式の画素構成で
ある。ゲート信号線17aにオン電圧を印加することに
より、電流プログラムを行うことができる。また、ゲー
ト信号線17bにオフ電圧を印加し、ゲート信号線17
bにオン電圧を印加することによりEL素子15にプロ
グラムされた電流を流すことができる。
【1177】図44の構成においてもゲート信号線17
cにオン電圧またはオフ電圧を印加することにより、E
L素子15に流す電流を制御することができ、図31な
どに図示した駆動方法あるいは表示状態を実現できる。
【1178】なお、図44ではTFT11eを付加した
が、このTFT11eを削除し、ゲート信号線17bを
操作し、TFT11dのオンオフ状態を制御することに
よっても、図31などの画像表示などを実現できること
は言うまでもない。
【1179】図53も電流プログラム方式の画素構成で
ある。ゲート信号線17aにオン電圧を印加することに
より、電流プログラムを行うことができる。また、ゲー
ト信号線17bにオフ電圧を印加し、ゲート信号線17
bにオン電圧を印加することによりEL素子15にプロ
グラムされた電流を流すことができる。
【1180】図53の構成においてもゲート信号線17
cにオン電圧またはオフ電圧を印加することにより、T
FT11dのオンオフを実現できるから、EL素子15
に流す電流を制御することができる。したがって、図3
1などに図示した駆動方法あるいは表示状態を実現でき
る。
【1181】なお、図54は電圧プログラムの画素構成
の例である。本発明は、1フィールドあるいは1フレー
ム(1F、もちろん2Fあるいはそれ以上を1区切りと
することも考えられる)の所定時間にEL素子15に流
す電流の印加時間を制御することにより所定の発光輝度
を得る方法である。ELに流す電流は所定輝度より高く
し、所定より高い輝度分はオン時間を短くすることによ
り所定輝度を得る方法である。
【1182】図103も電圧プログラムによる画素構成
である。図103において、19aはしきい値検出用容
量,19bは入力信号電圧保持用容量(コンデンサ)で
ある。
【1183】ステップ1(区間1)では、前記TFT1
1aからTFT11eをすべてONにして一旦前記駆動
トランジスタをON状態にしているので、しきい値のば
らつきによる電流値のずれが発生する。
【1184】ステップ2(区間2)では、前記TFT1
1b、TFT11dはONのまま前記TFT11c、T
FT11eをOFFにすることにより、前記駆動トラン
ジスタ11aの電流値が0になるので、前記駆動トラン
ジスタ11aのしきい値が前記しきい値検出用容量19
aに検出される。
【1185】ステップ3(区間3)では、前記TFT1
1b、TFT11dをOFFにして前記TFT11c、
TFT11eをONにすることにより、前記データ信号
線の入力信号電圧を前記入力信号電圧保持用容量19b
に保持すると同時に、前記駆動トランジスタ11aのゲ
ートに前記入力信号電圧にしきい値を加えた信号電圧を
印加して前記EL素子15を電流駆動して発光される。
【1186】駆動トランジスタ11aは飽和領域で動作
しているので、ゲート電圧からしきい値を引いた電圧値
の2乗に比例した電流が流れるが、ゲート電圧には前記
しきい値検出用容量11aによりしきい値がすでに印加
されているので、結果的にしきい値はキャンセルされ
る。従って、駆動トランジスタ11aのしきい値がばら
ついてもシミュレーション結果に示すように、常に一定
の電流値がEL素子15に流れることになる。
【1187】ステップ4(区間4)では、画素16が非
選択期間に入ったとき、TFT11b、TFT11dは
OFF、TFT11eはONのまま、TFT11cをO
FFにしても、入力信号電圧保持用容量19bに保持さ
れた入力信号電圧と前記しきい値検出用容量により保持
されたしきい値電圧が駆動トランジスタ11aのゲート
に印加されているので、EL素子15には電流が流れ続
けて発光し続ける。
【1188】以上のように、より正確に前記駆動トラン
ジスタのしきい値を検出するためには、第1ステップの
期間として2μsec以上10μsec以下に設定し、第2ス
テップの期間として2μsec以上10μsec以下に設定す
ることが必要である。書き込みあるいは動作時間を十分
に確保するためである。しかし、あまりに長いと本来の
電圧プログラム時間が短くなり安定性がなくなる。
【1189】したがって、図54の電圧プログラム方式
でも、本発明の駆動方法あるいは表示装置を実施するこ
とは効果がある。図54において、ゲート信号線17b
を制御することにより、TFT11dをオンオフさせる
ことができる。したがって、EL素子15に流れる電流
を間欠させることができる。また、図54、図67、図
103においても、ゲート信号線17cの制御により、
TFT11eをオンオフ制御することができる。そのた
め、図31、図32などの表示状態を実現できる。
【1190】また、EL素子15に流れる電流をN倍
し、TFT11eのオンオフ状態を制御することによ
り、1/Nの期間点灯させるという駆動方式(なお、N
倍あるいは1/Nに限定されるものではない)を実現で
きることは明らかである。つまり、本発明は、図1の電
流プログラムの画素構成のみに限定されるものではな
く、図54、図67、図103、図121などの電圧プ
ログラムの画素構成でも、本発明の駆動方式を実現する
ことができる。したがって、本明細書で記載した事項は
本明細書で記載あるいは図示した画素構成あるいは装置
などに適用することができる。
【1191】同様に図54、図67、図68も電圧プロ
グラムの画素構成である。図54、図67、図68にお
いて、ゲート信号線17bを制御することにより、TF
T11eをオンオフさせることができる。したがって、
EL素子15に流れる電流を間欠させることができる。
そのため、図31、図32などの表示状態を実現でき
る。したがって、容易にアニメーション効果を実現でき
る。また、多彩な画像表示を実現できる。他の事項、あ
るいは動作は図103と同様あるいは類似するので説明
を省略する。
【1192】なお、以上の事項は図52、図90などで
説明した逆バイアス電圧Vm印加方式に関しても適用す
ることができることは言うまでもない。また、逆バイア
ス電圧VmはR、G、B画素ごとに電圧値を異ならせて
もよい。その場合は、逆バイアス電圧を制御するTFT
のゲート信号線の本数が増加する。各R、G、BのEL
素子15は、それぞれ、端子電圧、印加電流が異なるか
らである。たとえば、R画素のEL素子には、−15
(V)を印加し、GとB画素のEL素子には−12
(V)を印加するという方式である。
【1193】また、各R、G、BのEL素子15に印加
する逆バイアス電圧(電流)の印加時間を異ならせても
よい。それぞれ、RGB画素ごとに、端子電圧、印加電
流が異なるからである。たとえば、R画素のEL素子に
は、1Fの1/2の時間だけ逆バイアス電圧Vmを印加
し、GとB画素のEL素子には1Fの1/3の時間だけ
逆バイアス電圧Vmを印加するという方式である。
【1194】また、表示領域21の部分ごとに、逆バイ
アス電圧(電流)の印加時間あるいは印加電圧を異なら
せてもよい。たとえば、表示領域の中央部を明るくする
ガウス分布方式を採用した場合、中央部のEL素子は周
辺部に比較して流す電流値が大きいからである。
【1195】N倍のパルス電圧を印加する方式の課題と
して、EL素子15に流れる電流が大きくなり、EL素
子15が劣化し易くなるという課題がある。また、N=
10以上となると、電流が流れる時に必要となるEL素
子15の端子電圧が高くなり、電力効率が悪くなるとい
う課題がある。ただし、この課題は白表示時のようにE
L素子に流れる電流が大きい時に発生する課題である。
この課題に対処を図1の画素構成を例にして、図70
(a)を参照しながら説明する。
【1196】図70(a)に図示するようにEL素子1
5への電流Iddが流れている時、Vdd電圧(電源電
圧)は駆動用TFT11aのソースードレイン間電圧
(Vsd)とEL素子15の端子電圧(Vd)で分圧さ
れる。Idd電流が大きいとVd電圧も高くなる。
【1197】Vdd電圧が十分に高いとTFT11aに
プログラムされた電流Iwに等しい電流(Idd)がE
L素子15に流れる。しがたって、図81の実線に図示
するようにIwとIddは等しいかほぼリニアの関係
(比例の関係)になる。リニアの関係になるというの
は、ゲート信号線17などに印加された信号などにより
コンデンサ19に突き抜けが発生し、Idd=Iwとは
ならないからである。
【1198】本発明では、Vdd電圧はIddとIwが
リニア(比例)の関係を維持できないような低い電圧で
用いる。つまり、必要なVsd+Vd > Vddの関
係にしている。さらに好ましくは、Vd > Vddと
することが好ましい。
【1199】たとえば、一例として、N=10で、最大
白表示に必要なIw電流が2μAとする。この状態で
は、Idd電流が2μAとすると、G色のEL素子では
Vd=14(V)である。この時のVdd電圧を14
(V)以下とするのである。もしくは、この時、Vsd
=7(V)とするとVd+Vsd=14(v)+7
(V)=21(V) < Vdd=21(V)とするの
である。
【1200】この状態で駆動すると、IddとIwの関
係は図81の点線で示すような関係となる。最大白表示
ではIwとIddの関係はリニアの関係でなくなる(非
線形の関係、図81のAの範囲)。しかし、黒表示ある
いは灰色表示(表示輝度が比較的低い領域)ではリニア
の関係(図81のBの範囲)が維持される。
【1201】Aの領域ではEL素子15に流れる電流が
制限され、EL素子15を劣化されるような大きな電流
が流れることはない。また、Aの領域で、Iw電流を増
加させると、変化割合は少ないがIdd電流は増加す
る。したがって、階調表示を実現できる。ただし、Aの
領域では非線形となるからガンマ変換が必要である。た
とえば、画像表示が64階調表示であれば、入力画像デ
ータ64階調データをテーブル変換し128階調あるい
は256階調に変換してソースドライバIC14に印加
する。
【1202】Aの領域ではTFT11aのVsd電圧と
EL素子15のVd電圧とが分圧され、EL素子15の
アノード電圧Va電圧が決定される。この際、注目すべ
き事項として、EL素子15は蒸着で形成する(あるい
はインクジェット技術などによる塗布で形成する)た
め、均一に形成されている点である。そのため、EL端
子電圧Vaは表示画面21の面内で均一な値となる。し
たがって、TFT11aの特性がばらついて、EL素子
15の端子電圧Vaで補正される。結果的にVdd電圧
を本発明のように低くすることにより、TFT11aの
特性ばらつきを吸収できるとともに、Vdd電圧の低減
により低消費電力化を実現できる。また、Nが大きい時
にも、EL素子15には高い電圧が印加されることがな
い。
【1203】EL素子15は蒸着技術、インクジェット
技術だけでなく、インクを付けたスタンプを紙に当てて
印刷するようにするスタンプ技術でも形成できる。
【1204】まず,スタンプとなる部分を形成する。S
i基板上に半導体プロセスによって有機EL素子の発光領
域と同じ形の溝のパターンを形成し、その溝の中を有機
EL材料にドーピングする材料を埋めることで,スタンプ
とする。一方、有機EL素子を形成するほうのガラス基板
には,電極や発光層となる有機EL材料を形成してお
く。
【1205】次に,スタンプと有機EL素子となる材料を
つけたガラス基板をぴったりと重ね合わせる。この状態
を保ちながら+100℃〜+200℃で約10分間にわ
たって熱処理する。こうすることで、スタンプの溝の中
に埋め込んだドーピング材料が蒸発し、有機EL素子の発
光層に拡散する。あとは、色に応じたドーピング材料を
埋め込んだスタンプを順次有機EL素子に当てて、RGB
を塗り分ける。このスタンプ技術を用いて、10μmの
矩形パターンや、線幅10μmのパターンのEL素子15
を容易に形成できる。
【1206】なお、1Fの期間の1/Nに、EL素子1
5に電流を印加し、その印加する電流は所定輝度より高
くし、所定より高い輝度分はオン時間を短くすることに
より所定輝度を得る方法であるとした。しかし、本発明
は一定の期間内の輝度の平均を所定値にする方法であ
る。したがって、1F(1フィールドあるいは1フレー
ム)に限定されるものではない。たとえば、図32(c
1)の表示状態が2F連続し、図32(c2)の表示状
態が3F連続し、この図32(c1)と図32(c2)
の状態が交互に繰り返されても良い。つまり、5Fで所
望の平均輝度となりように駆動する。
【1207】したがって、本発明の技術的思想は、一定
の期間内に、EL素子15をオン状態とオフ状態とを発
生させ、このオン状態とオフ状態とを交互に繰り返し、
この繰り返しにより、所定の表示輝度を得る方式であ
る。また、制御はゲート信号線17のオンオフ電圧を制
御することにより実現する。
【1208】なお、ソース信号線18に所定電流のN倍
の電流を流し、EL素子15に所定電流のN倍の電流を
1/Nの期間流すとしたが、実用上はこれを実現できな
い。実際にはゲート信号線17に印加した信号パルスが
コンデンサ19に突き抜け、コンデンサ19に所望の電
圧値(電流値)を設定できないからである。一般的にコ
ンデンサ19には所望の電圧値(電流値)よりも低い電
圧値(電流値)が設定される。たとえば、10倍の電流
値を設定するように駆動しても、5倍程度の電流しかコ
ンデンサ19には設定されない。たとえば、N=10と
しても実際にEL素子15に流れる電流はN=5の場合
と同一となる。したがって、本発明はN倍の電流値を設
定し、N倍に比例したあるいは対応する電流をEL素子
15に流れるように駆動する方法である(ただし、図8
1で説明する駆動方法も実施するので限定は難しい)。
もしくは、所望値よりも大きい電流をEL素子15にパ
ルス状に印加する駆動方法である。
【1209】また、所望値より電流(そのまま、EL素
子15に連続して電流を流すと所望輝度よりも高くなる
ような電流)を駆動トランジスタ11a(図1を例示す
る場合)に電流(電圧)プログラムを行い、EL素子1
5に流れる電流を間欠にすることにより、所望のEL素
子の発光輝度を得るものである。
【1210】また、図1を例示すれば(図54、図5
7、図67、図68、図89、図103などの電圧プロ
グラム画素構成でも有効であることは言うまでもな
い)、駆動トランジスタ11aと、この駆動トランジス
タにプログラムをする信号(電流、電圧)経路を設定
(構成、配置、接続)する第1のスイッチング素子11
cと、駆動トランジスタ11aからの電流がEL素子1
5に流れる経路を設定(構成、配置、接続)する第2の
スイッチング素子11dとを具備する画素構成におい
て、前記第1のスイッチング素子11cをオン(経路を
設定)する。また、第2のスイッチング素子11dをオ
フ(経路を切断)した第1の状態で、前記駆動トランジ
スタに電流(電圧)プログラムする第1の状態と、前記
第1のスイッチング素子11cをオフ(経路を切断)
し、第2のスイッチング素子11dをオン(経路を設
定)する第2の状態と、前記第1のスイッチング素子1
1cをオフ(経路を切断)し、第2のスイッチング素子
11dをオフ(経路を切断)する第3の状態とを実施す
るものである。
【1211】また、アクティブマトリックス型表示パネ
ルにおいて、駆動トランジスタ11aからEL素子15
にながれる電流経路を1フレーム(1フィールド)の期
間のうち所定期間の間、切断あるいは減少(EL素子1
5に流れる電流波形は矩形あるいはDCに限定されるも
のではなく、サイン波形などもある。また、DC振幅値
を変化させる場合もある)させ、少なくとも1フレーム
(1フィールド)のEL素子15の発光輝度を減少させ
るものである。
【1212】また、駆動トランジスタ11aに所望値よ
りも高い輝度でEL素子15が発光するようにプログラ
ムを行う動作と、EL素子15に前記プログラムされた
信号(電流)を流し、少なくとも1フレーム(1フィー
ルド)の期間のうち所定期間に前記EL素子15に流れ
ないように動作を行うものである。
【1213】あるいは、駆動トランジスタ11aにプロ
グラムされた電流に対応する輝度以下となるように、E
L素子15に流れる電流を制限するものである。
【1214】また、所望値よりも高い輝度でEL素子1
5が発光するようにプログラムを行う動作と1フレーム
(1フィールド)の平均輝度(所望輝度)が、所望輝度
か、少なくとも前記所望輝度(プログラムされた輝度
(電流))以下となるように、前記プログラム電流が前
記EL素子15に流れないように動作を行うものであ
る。また、EL素子15に流れる電流を完全にオンオフ
させることに限定されるものではない。
【1215】たとえば、図1においてTFT11dを高
抵抗オン状態とすることにより(つまり、所定値よりも
小さい電流がEL素子15に流れている)、EL素子1
5をオフあるいは低輝度発光を実施することができる。
EL素子15が低輝度発光の時は、表示領域21の非点
灯領域312とは、完全黒表示ではなく、ダーク(灰色
または黒表示に近い輝度)と置き換えて理解する必要が
ある。つまり、非点灯領域312とは、通常表示よりも
低輝度表示であればよい。低輝度表示とは画像が認識で
きる表示状態も含む。
【1216】なお、以上の実施例は、EL素子15の非
点灯時間に逆バイアス電圧を印加する(図107、図1
08などを参照)ことを組み合わせることが有効であ
る。また、図54、図67、図103などの電圧プログ
ラム画素構成にも有効であることは言うまでもない。
【1217】なお、図31などにおいて、非表示領域3
12は完全に非点灯状態である必要はない。微弱な発光
あるいはうっすらとした画像表示があっても実用上は問
題ない。つまり、画像表示領域311よりも表示輝度が
低い領域と解釈するべきである。また、非表示領域31
2とは、R、G、B画像表示のうち、1色または2色の
みが非表示状態という場合も含まれる。
【1218】なお、各画素構成において(たとえば、図
54、図53(a)、図42)、駆動用TFT11dの
ゲート(G)端子を直接に、オンオフ電圧を印加できる
ように構成しても、EL素子15に流す電流を間欠動作
させることができる。また、図43においてはTFT1
1e、図21においてはTFT11a、図22において
はTFT11bのゲート(G)端子を直接に、オンオフ
電圧を印加できるように構成しても、EL素子15に流
す電流を間欠動作させることができる。つまり、EL素
子15に電流を印加するTFTのゲート(G)端子を制
御することによって、図31などの表示状態を実施でき
ることは言うまでもない。
【1219】以上のように、本発明はEL素子15に印
加する電流をオンオフすることにより、EL素子15を
間欠表示させるものである。間欠表示させるためには、
図1の例ではTFT11dをオンオフ制御する必要があ
る。したがって、TFT11dをオンオフするためのゲ
ート信号線が必要となる。つまり、EL素子15を間欠
表示させるためには、コンデンサに、EL素子15に流
す電流をプログラムするための経路を形成する第1のス
イッチング素子と、この第1のスイッチング素子のオン
オフ制御するための第1のゲート信号線が必要である。
また、EL素子15に流れる電流経路を形成する第2の
スイッチング素子と、この第2のスイッチング素子をオ
ンオフするための第2のゲート信号線が必要となる。つ
まり、ゲート信号線は1画素あたり2本必要となる。
【1220】しかし、1画素あたり2本以上のゲート信
号線が必要となると、図27などで説明した3辺フリー
の画素構成では課題となる。ゲートドライバ12を低温
ポリシリコン技術などで形成しても、シフトレジスタ数
が多くなり、回路構成が複雑となるからである。特に、
アモルファスシリコン技術で3辺フリーの構成を実現し
ようとするとさらに課題は大きくなる。なぜならば、ア
モルファスシリコン技術ではドライバ回路12(14)
を基板82上に直接、形成することができないからであ
る。
【1221】したがって、アモルファスシリコン技術で
表示パネルを構成しようとすると、ソースドライバ14
とゲートドライバIC12を表示領域21の一辺に配置
する必要がある。そして、ゲート信号線17aとゲート
信号線17bのすべてを、表示領域の左右にふりわけて
配線する必要がある。ゲート信号線17の本数が少ない
場合はまだ、対応できる可能性がある。しかし、QCI
Fでも垂直画素数は220ドットであるから、ゲート信
号線17は220×2=440本にもなる。
【1222】以上はアモルファスシリコン技術で表示パ
ネルを構成した場合であるが、低温ポリシリコン技術で
ゲートドライバ12を内蔵した場合でも、ゲート信号線
17の配線数が多いと、狭額縁化できない。したがっ
て、商品力を失ってしまう。
【1223】以下の本発明は以上の課題を解決するもの
である。簡単に記載すれば、EL素子15をオンオフす
るゲート信号線17bを複数本、共通にするのである。
この共通にしたブロックごとにEL素子15に流れる電
流をオンオフするのである。
【1224】図87、図142の実施例においても、E
L素子15のオンオフは1画素行ずつ制御する必要はな
い。ブロックごとにオンオフしても非点灯領域312を
形成できるし、点灯領域311も形成できる。以上のよ
うにブロックでオンオフ制御する方式をブロック駆動と
呼ぶ。ただし、隣接した画素行でブロックにする実施例
もあるので、通常のブロックという概念よりは広義であ
る。ただし、図1の画素構成では、電流プログラムを行
っている画素行は非点灯状態にする必要がある。そのた
め、電流プログラムのために選択された画素行を含むブ
ロックは非点灯領域312とする必要がある。しかし、
図1の場合であっても多少の画像にみだれを許容する場
合は、電流プログラムを行っている画素行であっても、
非点灯領域312とする必要はない。また、図21、図
43、図71のカレントミラーの画素構成では、電流プ
ログラムを行っている画素行であっても、非点灯領域3
12とする必要はない。
【1225】なお、本発明は、主として図1に図示する
電流プログラムの画素構成を例示して説明をするが、こ
れに限定するものではなく、図21、図43、図71な
どで説明した他の電流プルグラム構成(カレントミラー
の画素構成)であっても適用できることはいうまでもな
い。また、ブロックでオンオフする技術的概念は、図5
4、図68、図103などの電圧プログラムの画素構成
であっても適用できることは言うまでもない。また、本
発明は、EL素子15に流れる電流を間欠にする方式で
あるから、図89などで説明した逆バイアス電圧を印加
する方式とも組み合わせることができることは言うまで
もない。以上のように、本発明は他の実施例と組み合わ
せて実施することができる。
【1226】図179はブロック駆動の実施例である。
まず、説明を容易にするため、ゲートドライバ回路12
は基板49に直接形成したか、もしくはシリコンチップ
のゲートドライバIC12を基板49に積載したとして
説明をする。また、ソースドライバ14およびソース信
号線18は図面が煩雑になるため省略する。
【1227】図179において、ゲート信号線17aは
ゲートドライバ回路12と接続されている。一方、各画
素のゲート信号線17bは点灯制御線1791と接続さ
れている。図179では4本のゲート信号線17bが1
つの点灯制御線1791と接続されている。
【1228】なお、4本のゲート信号線17bでブロッ
クするというのはこれに限定するものではなく、それ以
上であってもよいことは言うまでもない。一般的に表示
領域21は少なくとも5以上に分割することが好まし
い。さらに好ましくは、10以上に分割することが好ま
しい。さらには、20以上に分割することが好ましい。
分割数が少ないと、フリッカが見えやすい。あまりにも
分割数が多いと、点灯制御線1791の本数が多くな
り、制御線1791のレイアウトが困難になる。
【1229】したがって、QCIF表示パネルの場合
は、垂直走査線の本数が220本であるから、少なくと
も、220/5=44本以上でブロック化する必要があ
り、好ましくは、220/10=11以上でブロック化
する必要がある。ただし、奇数行と偶数行で2つのブロ
ック化を行った場合は、低フレームレートでも比較的フ
リッカの発生が少ないため、2つのブロック化で十分の
場合がある。
【1230】図179の実施例では、点灯制御線179
1a、1791b、1791c、1791dと順次、オ
ン電圧(Vgl)を印加するか、もしくはオフ電圧(V
gh)を印加し、ブロックごとにEL素子15に流れる
電流をオンオフさせる。
【1231】なお、図179の実施例では、ゲート信号
線17bと点灯制御線1791とがクロスすることがな
い。したがって、ゲート信号線17bと点灯制御線17
91とのショート欠陥は発生しない。また、ゲート信号
線17bと点灯制御線1791とが容量結合することが
ないため、点灯制御線1791からゲート信号線17b
側を見た時の容量付加が極めて小さい。したがって、点
灯制御線1791を駆動しやすい。
【1232】図180は、図179の接続状態をさらに
詳細に図示している。ゲートドライバ12にはゲート信
号線17aが接続されている。ゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加することにより、画素行が選択され、選択
された各画素のTFT11b、11cはオンして、ソー
ス信号線18に印加された電流(電圧)を各画素のコン
デンサ19にプログラムする。一方、ゲート信号線17
bは各画素のTFT11dのゲート(G)端子と接続さ
れている。したがって、点灯制御線1791にオン電圧
(Vgl)が印加されたとき、駆動TFT11aとEL
素子15との電流経路を形成し、逆にオフ電圧(Vg
h)が印加された時は、EL素子15のアノード端子を
オープンにする。
【1233】なお、点灯制御線1791に印加するオン
オフ電圧の制御タイミングと、ゲートドライバ回路12
がゲート信号線17aに出力する画素行選択電圧(Vg
l)のタイミングは1水平走査クロック(1H)に同期
していることが好ましい。しかし、これに限定するもの
ではない。点灯制御線1791に印加する信号は単に、
EL素子15への電流をオンオフさせるだけである。ま
た、ソースドライバ14が出力する画像データと同期が
とれている必要もない。点灯制御線1791に印加する
信号は、各画素16のコンデンサ19にプログラムされ
た電流を制御するものだからである。したがって、必ず
しも、画素行の選択信号と同期がとれている必要はな
い。また、同期する場合であってもクロックは1H信号
に限定されるものではなく、1/2Hでも、1/4Hで
あってもよい。
【1234】図181は、画素構成が図21などに図示
したカレントミラーの画素構成の場合である。ただし、
以前の実施例でも説明したように、EL素子15に流れ
る電流を制御するために、TFT11eを形成し、ま
た、TFT11eを制御するためのゲート信号線17b
を付加している。
【1235】なお、図181において、スイッチングT
FT11cと11dを制御(オンオフ)するゲート信号
線は共通(ゲート信号線17a)としたが、これに限定
するものではなく、別個のゲート信号線17としてもよ
い。この場合は、TFT11cを制御する第1のゲート
信号線17と、TFT11dを制御する第2のゲート信
号線17はゲートドライバ回路12に接続する。
【1236】図181において、ゲートドライバ12に
はゲート信号線17aが接続されている。ゲート信号線
17aにオン電圧を印加することにより、画素行が選択
される。
【1237】なお、図180などでも同様であるが、選
択される画素行は1画素行に限定されるものではない。
たとえば、図141、図144、図146では複数画素
行が選択される。以上のように、本発明は、選択される
画素行数に制約されるものではない。
【1238】図181において、ゲート信号線17aに
選択電圧(Vgl)が印加されると、1選択された各画
素のTFT11b、11dはオンして、ソース信号線1
8に印加された電流(電圧)を各画素のコンデンサ19
にプログラムする。つまり、ソースドライバ回路14は
画素16に書き込む電流(電圧)を出力(吸収)する。
一方、ゲート信号線17bは各画素のTFT11eのゲ
ート(G)端子と接続されている。したがって、点灯制
御線1791にオン電圧(Vgl)が印加されたとき、
駆動TFT11bとEL素子15との電流経路を形成
し、逆にオフ電圧(Vgh)が印加された時は、EL素
子15のアノード端子をオープンにする。
【1239】図182は、画素構成が電圧プログラムの
画素構成である。ただし、以前の実施例でも説明したよ
うに、EL素子15に流れる電流を制御(間欠動作でき
るように)するために、TFT11dを形成し、また、
TFT11dを制御するためのゲート信号線17bを付
加している。このゲート信号線17bは複数画素行ごと
に点灯制御線1791に接続されている。
【1240】図182において、ゲートドライバ12は
ゲート信号線17aが接続されている。ゲート信号線1
7aにオン電圧を印加することにより、TFT11bが
オンし、所定の画素行が選択される。
【1241】図182において、ゲート信号線17aに
選択電圧(Vgl)が印加されると、1選択された各画
素のTFT11bはオンして、ソース信号線18に印加
された電流(電圧)を各画素のコンデンサ19にプログ
ラムする。つまり、ソースドライバ回路14は画素16
に書き込む電流(電圧)を出力(吸収)する。一方、ゲ
ート信号線17bは各画素のTFT11dのゲート
(G)端子と接続されている。したがって、点灯制御線
1791にオン電圧(Vgl)が印加されたとき、駆動
TFT11aとEL素子15との電流経路を形成し、逆
にオフ電圧(Vgh)が印加された時は、EL素子15
のアノード端子をオープンにする。
【1242】図183は、他の電圧プログラムの画素構
成である、EL素子15に流れる電流の間欠動作はTF
T11dを用いて行う。TFT11dを制御するための
ゲート信号線17dは複数画素行ごとに点灯制御線17
91に接続されている。
【1243】図183の画素構成では、オフセット電圧
を測定し、1フレームの期間、かきこまれた電圧をコン
デンサ19に保持させるためには、2本のゲート信号線
17aと17cが必要である。そのため、この2本のゲ
ート信号線17a、17cはゲートドライバ回路12に
接続されている。この構成を図184に図示している。
【1244】ゲートドライバ回路12はゲート信号線1
7aとゲート信号線17cにオンオフ電圧を印加するこ
とにより、TFT11c、TFT11bをオンオフ制御
し、ソースドライバ14から出力された電圧を画素にプ
ログラムする。一方、ゲート信号線17dは各画素のT
FT11dのゲート(G)端子と接続されている。した
がって、点灯制御線1791にオン電圧(Vgl)が印
加されたとき、駆動TFT11aとEL素子15との電
流経路を形成し、逆にオフ電圧(Vgh)が印加された
時は、EL素子15のアノード端子をオープンにする。
【1245】以上のように本発明は、画素構成が、電流
プログラム方式であっても、電圧プログラム構成であっ
ても、適用することができる。なお、以上の実施例はア
クティブマトリックス型表示パネルを例示して説明した
が、これに限定するものではなく、単純マトリックス型
表示パネルにも適用することができる。なぜならば、ブ
ロックごとにEL素子15を点灯あるいは非点灯させる
ことは、単純マトリックス型表示パネルでも実現できる
からである。
【1246】図185は他の実施例である。以下の実施
例では以前に実施例との差異を中心に説明する。したが
って、図185以降の実施例でも画素構成などは図18
0から図183などで説明したいずれでも適用できる。
【1247】図185は、ゲート信号線17bを2画素
行ずつ共通にし、かつ4ブロックごとに点灯制御線17
91で共通にした構成である。第1番目と第2番目の画
素行のゲート信号線信号線17bと、第9番目と第10
番目の画素行のゲート信号線17bとを点灯制御線17
91aで共通にしている。したがって、点灯制御線17
91aにオン電圧(Vgl)を印加すると、少なくとも
第1番目、第2番目、第9番目および第10番目の画素
行が点灯する。
【1248】また、第3番目と第4番目の画素行のゲー
ト信号線信号線17bと、第11番目と第12番目の画
素行のゲート信号線17bとを点灯制御線1791bで
共通にしている。したがって、点灯制御線1791bに
オン電圧(Vgl)を印加すると、少なくとも第3番
目、第4番目、第11番目および第12番目の画素行が
点灯する。
【1249】同様に、第5番目と第6番目の画素行のゲ
ート信号線信号線17bと、第13番目と第14番目の
画素行のゲート信号線17bとを点灯制御線1791c
で共通にしている。したがって、点灯制御線1791c
にオン電圧(Vgl)を印加すると、少なくとも第5番
目、第6番目、第13番目および第14番目の画素行が
点灯する。また、第7番目と第8番目の画素行のゲート
信号線信号線17bと、第15番目と第16番目の画素
行のゲート信号線17bとを点灯制御線1791dで共
通にしている。したがって、点灯制御線1791dにオ
ン電圧(Vgl)を印加すると、少なくとも第7番目、
第8番目、第15番目および第16番目の画素行が点灯
する。
【1250】図185のようにゲート信号線17bを点
灯制御線1791と接続すると、小さな点灯ブロック
が、分散して表示される。したがって、低レートでもフ
リッカの発生が少なくなる。
【1251】図186は、ゲート信号線17bを4画素
とばしで共通にして点灯制御線1791に接続した構成
である。第1番目、第5番目、第9番目、第13番目の
画素行のゲート信号線信号線17bが点灯制御線179
1aで共通にされている。したがって、点灯制御線17
91aにオン電圧(Vgl)を印加すると、少なくとも
第1番目、第5番目、第9番目および第13番目の画素
行が点灯する。
【1252】また、第2番目、第6番目、第10番目、
第14番目の画素行のゲート信号線信号線17bが点灯
制御線1791bで共通にしている。したがって、点灯
制御線1791bにオン電圧(Vgl)を印加すると、
少なくとも第2番目、第6番目、第10番目および第1
4番目の画素行が点灯する。
【1253】同様に、第3番目、第7番目、第11番
目、第15番目の画素行のゲート信号線信号線17bが
点灯制御線1791cで共通にしている。したがって、
点灯制御線1791cにオン電圧(Vgl)を印加する
と、少なくとも第3番目、第7番目、第11番目および
第15番目の画素行が点灯する。また、第4番目、第8
番目、第12番目、第16番目の画素行のゲート信号線
信号線17bが点灯制御線1791dで共通にしてい
る。したがって、点灯制御線1791dにオン電圧(V
gl)を印加すると、少なくとも第4番目、第8番目、
第12番目および第16番目の画素行が点灯する。
【1254】図186のようにゲート信号線17bを点
灯制御線1791と接続すると、図185よりも点灯す
る画素行が分散される。したがって、低レートでもフリ
ッカの発生が少なくなる。
【1255】図187は、奇数画素行のゲート信号線1
7bを点灯制御線1791aに接続し、偶数画素行のゲ
ート信号線17bを点灯制御線1791bに接続した構
成である。
【1256】図187では1画素行ごとにEL素子15
を点灯制御できるので低レートでもフリッカの発生が少
なくなる。また、点灯制御線1791が2本と本数も少
なくなる。
【1257】図188は、4画素行ごとにゲート信号線
17bを点灯制御線1791aまたは点灯制御線179
1bに接続した構成である。図188では、画素への電
流(電圧)プログラムのタイミングと同期を取りやす
い。
【1258】以上の実施例は、点灯制御線1791に印
加する電圧により、画素行ごとにオンオフ制御を行うも
のであった。本発明は、EL素子15を間欠動作させる
ことを目的としている。したがって、点灯制御線179
1の有無に限定されるものではない。
【1259】たとえば、図189では点灯制御ドライバ
回路1891を表示領域の1辺に形成(配置)してい
る。つまり、表示領域の1辺にゲートドライバ回路12
を形成(配置)し、この辺の対面に点灯制御ドライバ回
路1891を配置(形成)している。
【1260】点灯制御ドライバ回路1891は、低温ポ
リシリコンあるいは高温ポリシリコン技術をもちいて、
基板49に直接形成してもよいし、シリコンチップで構
成し、基板49にCOG技術などを用いて積載してもよ
い。ただし、図189のように、複数のゲート信号線1
7bを共通(ブロック化)することにより、回路構成は
極めて簡易になる。したがって、基板49に直接形成し
ても、シリコンチップで構成し基板49に積載しても、
ほとんど面積を占有しない。したがって、表示パネルの
狭額縁化を実現できる。なお、点灯制御ドライバ回路1
891をソースドライバ回路14と同一辺に配置して、
3辺フリー構成を実現してもよいことは言うまでもな
い。
【1261】図189までの実施例では、基板49に、
ゲートドライバ回路12は、低温ポリシリコンあるいは
高温ポリシリコン技術をもちいて、基板49に直接形成
するか、シリコンチップで構成し、基板49にCOG技
術などを用いて積載するとして説明した。しかし、本発
明はこれに限定するものではない。たとえば、図190
に図示するように、ソースドライバ回路14が配置され
た辺から、ゲート信号線17aを配線してもよい。つま
り、点灯制御線1791とゲート信号線17aの両方を
表示領域21の端に形成するのである。他の構成は図1
79などと同様であるので説明を省略する。
【1262】また、図191に図示するように、表示領
域の2つの辺にソースドライバ回路14、ゲートドライ
バ回路12をそれぞれ配置(形成)し、表示領域21の
中央部でそれぞれのゲートドライバ回路12とソースド
ライバ回路14と接続するように構成してもよい。この
ように構成することにより、ゲート信号線17aの引き
回しが減少する(1/2になる)。したがって、狭額縁
化を実現できる。
【1263】図192はソースドライバ回路14とゲー
トドライバ回路12などをパネルに配置した説明図であ
る。図192では、ソースドライバ回路14をシリコン
チップで作製し、基板49の1辺に配置している。ゲー
トドライバ回路12は、低温ポリシリコン、CGS技術
あるいは高温ポリシリコン技術を用いて、基板49に直
接に形成している。点灯制御線1791へのオンオフ電
圧はソースドライバ14より出力している。
【1264】図193は点灯制御ドライバ回路1891
を基板49に低温ポリシリコン、CGS技術あるいは高
温ポリシリコン技術を用いて、基板49に直接に形成し
た実施例である。もちろん、点灯制御ドライバ回路18
91をシリコンチップで作製し、基板49にCOG技術
などを用いて積載してもよい。
【1265】図194は、点灯制御線1791へのオン
オフ信号はコントローラ101などから出力した例であ
る。このように点灯制御線1791のオンオフデータを
マイコンなどのコントローラ103などから出力するよ
うに構成することにより、ソースドライバ14の仕様が
簡易となり、また、駆動方式に変更があっても、ソース
ドライバ14の変更が不要となる。
【1266】図195は表示領域21aを駆動するゲー
トドライバ回路12aとソースドライバ回路14a、お
よび表示領域21bを駆動するゲートドライバ回路12
bとソースドライバ回路14bを用いた構成である。他
の構成は、以前の実施例と同様であるので説明を省略す
る。
【1267】図196は点灯制御線1791へのオンオ
フ信号はコントローラ101などから出力し、ゲートド
ライバ回路12およびソースドライバ回路14を、低温
シリコン、CGS技術あるいは高温ポリシリコン技術を
用いて、基板49に直接に形成した実施例である。もち
ろん、ソースドライバ回路14、点灯制御ドライバ回路
1891などをシリコンチップで作製し、基板49にC
OG技術などを用いて積載してもよい。
【1268】図197は点灯制御線1791へのオンオ
フ信号はコントローラ101などから出力し、ゲート信
号線17aへの制御信号およびソース信号線18への画
像データをドライバ回路14aで実現した構成である。
ドライバ回路14aを、低温シリコン、CGS技術ある
いは高温ポリシリコン技術を用いて、基板49に直接に
形成してもよい。また、ドライバ回路14aなどをシリ
コンチップで作製し、基板49にCOG技術などを用い
て積載してもよい。
【1269】図92から図101などにおいて、逆バイ
アス電圧Vmの印加する方式について説明を行った。逆
バイアス電圧Vmは基本的にはEL素子15に電流を印
加していない時に、印加する方式であった。一方、図1
80などで説明したブロック駆動方式は、ブロックごと
に非点灯領域312と点灯領域311を形成するもので
あった。
【1270】したがって、ブロック駆動で非点灯領域3
12のEL素子15に逆バイアス電圧Vmと印加するこ
とができる。つまり、ブロックごとに逆バイアス電圧
(電流)を印加するのである。ただし、逆バイアス電圧
はブロック312のすべてに印加することに限定するも
のではない。例えば、任意のブロックを複数に分割し、
分割されたブロックごとに逆バイアス電圧を印加する構
成でもよい。もちろん、ブロックごとに非点灯領域31
2制御を実施し、逆バイアス電圧の印加制御は1画素行
ずつ行ってもよい。
【1271】以上のように、ブロックごとに逆バイアス
電圧Vmを印加するように構成することにより、図92
などで説明した画素構成などは簡略される。また、制御
も容易となる。特に、非点灯領域312に逆バイアス電
圧Vmを印加するのであるからロジックも簡単である。
【1272】図211はブロック駆動と逆バイアス電圧
駆動とを組み合わせた場合の本発明の実施例である。図
211の画素構成は図92の画素構成である。この画素
構成は、図180で説明したブロック駆動とを組み合わ
せている。なお、ブロック駆動は図180から図197
のいずれで説明した構成であっても適用できることは言
うまでもない。
【1273】図211において、点灯制御線1791に
オフ電圧Vghを印加することにより、該当ブロックが
非点灯領域312となる。同時に(同時に限定するもの
ではない。該当点灯制御線1791にVgh電圧が印加
されている期間であれば、いずれの期間でもよい)、逆
バイアス制御線2111にオン電圧(Vgl)を印加す
る。すると、該当ブロックのEL素子15に逆バイアス
電圧Vmが印加される。つまり、ロジック的には、点灯
制御線1791の逆位相の信号を逆バイアス制御線21
11とすればよい。
【1274】同様に、図212は図181の構成に、逆
バイアス駆動方式を追加した構成である。また、図21
3は図182の構成に、逆バイアス駆動方式を追加した
構成であり、図214は図183の構成に、逆バイアス
駆動方式を追加した構成である。動作は、容易であるか
ら、あえて説明を要さないであろう。
【1275】なお、先にも記載したが、逆バイアス電圧
Vmの印加とブロック駆動とは、完全に同期を取る必要
はない。また、走査周期も完全に一致させる必要はな
い。
【1276】以下、本発明のブロック駆動の説明を引き
続き行う。図198は、本発明のブロック駆動方法の説
明図である。以降の説明図においても、説明を容易する
ため、画素構成は図1で図示した画素構成として説明す
る。しかし、これに限定するものではなく、図21、図
43、図71、図22、図54、図68、図103、図
121などの他の画素構成もよいことは言うまでもな
い。
【1277】図1の画素構成の場合、電流プログラムを
行っている画素行のTFT11dはオフ状態にする必要
がある。つまり、選択画素行にはEL素子15がソース
信号線18から見えないよう(ソース信号線18にEL
素子15が接続されていない)に駆動する。これば、ソ
ース信号線18からのプログラム電流がEL素子15に
流れ込むことを防止するためである。EL素子15でプ
ログラム電流が流れ込むと正規の電流をコンデンサ19
にプログラムできなくなるからである。
【1278】したがって、ブロック駆動を実施する時
は、選択画素行を含むブロックは非点灯状態312とす
る必要がある。つまり、該当ブロック内の画素行が選択
されている時は、このブロックはたえず、非点灯領域3
12とする。逆に他のブロックは点灯状態311でも、
非点灯状態311のいずれでもよい。フリッカを抑制す
るには、選択画素行以外のブロックをオンオフ制御する
ことにより行う。
【1279】図198(a)はプロック1981bの1
本の画素行871aが選択されている。そのため、プロ
ック1981bは非点灯状態に制御されている。もし、
プロク1981が6画素行で構成されるのであれば、選
択されたブロック1981は6Hの期間、非点灯表示に
制御される。
【1280】図198(b)は図198(a)から1H
後の表示状態である。選択画素行871aは1画素行シ
フトされている。図198(a)において、非点灯表示
312のブロックは、1981b、1918d、198
1f、1981h、1981jである。図198(b)
では、非点灯表示312のブロックは、1981a、1
918b、1981e、1981g、1981iとなっ
ている。つまり、図198(a)と(b)では選択画素
行871aを含むブロック1981b以外は反転(非点
灯領域312と点灯領域311とが逆転)している。
【1281】なお、選択画素行が1画素行に限定される
ものではない。複数本でもよい。例えば、図87、図8
8、図146などで説明したように複数本の画素行を選
択する方式と図198のブロック駆動あるいは図211
の逆バイアス駆動などと組み合わせることができる。
【1282】また、図198では、選択画素行のTFT
11dをオフ状態とし、EL素子15は点灯させないと
したが、図21、図43、図71のようにカレントミラ
ー構成の場合は、ソース信号線18とEL素子15とは
接続されていない。したがって、選択画素行も表示状態
としてもよい。ただし、選択画素行は、プログラム中で
あって、その期間の画像はみだれるので、非点灯状態に
制御することが好ましい。
【1283】図198では、非点灯領域312と点灯領
域311との反転は、1H周期で行うとしたが、これに
限定するものではなく、2Hであったり、それ以上であ
ったりしてもよい。また、比較的ランダムに点灯制御を
行ってもよい。また、当然のことながら、非点灯のブロ
ックに逆バイアス電圧Vmを印加してもよい。
【1284】なお、非点灯領域312と点灯領域311
との制御は、RGBの画素を同時に行う必要はない。た
とえば、R、G、Bで点灯制御を異ならせても良い。こ
れは、FSC(フレームシーケンシャルコントロール)
の場合も含まれる。
【1285】図198は1ブロックごとにオンオフ制御
を行うとしたが、これに限定するものではない。たとえ
ば、図199のように、2つのブロック(たとえば、図
199(a)ではブロック1981bと1981cとを
非点灯領域312としている。また、ブロック1981
dと1981eとを点灯領域311としている。)で制
御を行ってもよい。また、1H後に図199(b)のよ
うに点灯制御を行ってもよい。図199(a)と(b)
では1ブロックをづつづらせて点灯制御をおこなってい
る。なお、図198、図199などでは図示を容易にす
るため、ブロック数1981を非常に少なくしている。
以上の事項は他の実施例においても同様である。
【1286】図200はブロックの点灯制御により、表
示画面21に明るさ分布を形成する方式である。説明を
容易にするため、図200(a)を1H目の状態とし、
図200(b)を図200(a)の次の1H後であると
して説明する。もちろん、図200(a)と(b)は所
定期間はなれた状態であればよい。
【1287】明るさ分布を構成するとは、ガウス分布が
例示される。つまり、表示画面の中央部を明るくし、周
辺部を暗くすることにより、視覚的には明るくし、消費
電力を低減する手法である。
【1288】本発明では、画面の左右方向は、映像信号
の変調により、データ自身を変更して明るさ分布を形成
する。たとえば、1画素行のラインメモリを搭載し、こ
のメモリに演算に必要な係数を保持させておく。例え
ば、画面の端が中央部に比較して50%であれば、50
%に相当する係数を保持させておく。以下、ラインメモ
リには中央部が100%になるように、かつガウス分布
を満足するように係数を保持させておく。印加された画
像データはこのラインメモリの係数と演算され、演算さ
れた結果が、各ソース信号線に印加される。
【1289】なお、画面の縦方向にも非点灯領域312
をオンオフできるように、画素構成すれば、画面の左右
方向は、映像信号の変調により、データ自身を変更して
明るさ分布を形成する必要はなくなることはいうまでも
ない。たとえば、1画素列のTFT11dをオンオフ制
御できるように信号線を形成すればよい。つまり、TF
T11dを表示画面でマトリックス状に制御できるよう
にする。
【1290】また、ガウス分布とは一実施例である。つ
まり、画面21の中央部近傍を明るくする輝度の分布状
態を発生するものである。したがって、ガウス分布に限
定するものではなく、サインカーブ状の明るさ分布であ
ったり、円錐状の明るさ分布であったりしてもよい。ま
た、本発明はTFT11dなどを制御して明るさ分布を
発生させるものであるから、画面21の中央部を明るく
するということに限定されるものではない。たとえば、
画面の中央部が最も暗い状態であってもよいし、画面の
上部が最も明るい状態でもよい。これらの明るさ分布状
態もTFT11dなどを制御することのより、容易に実
現することができる。単に、ゲート信号線17bの制御
タイミング、オン時間を調整(変化)させることにより
実現できるからである。
【1291】また、画像の種類にあわせて、明るさの分
布状態をユーザーが自由にあるいは、自動的に変更する
ことができる。たとえば、パーシャル表示の時は、パー
シャル表示位置を特に明るく表示することができる。
【1292】また、明るさはR、G、Bの3原色を同時
に、かつ同一位置に変化させて発生させる(白色が移動
する)ことに限定されるものではない。たとえば、Rの
みの最大輝度位置を移動させることもできる。以上のよ
うに、各色の最大輝度(最小輝度)位置を変化させるこ
との表示画面21で色模様を発生させることができる。
【1293】画面21の上下方向における明るさの分布
の形成は、ブロック1981のオンオフ制御により実現
する。つまり、画面の中央部のブロック1981のオフ
回数を少なくし、画面の上または下はオフ回数を多くす
る。オフ回数が多いほど画面は暗くなり、少なくなるほ
ど明るくなる。このオンオフを制御することのより、画
面の上下方向にガウス分布を形成できる。したがって、
画面の左右方向には映像データの演算(もしくはアナロ
グ変調で振幅値を変調する場合もあるであろう)などに
より、明るさを調整(制御)し、画面の上下方向はブロ
ック1981のオンオフ制御により、表示画面の明るさ
調整(制御)を行う。
【1294】なお、図200などにおいて、ブロック1
981のオンオフ制御により、明るさ分布を形成すると
したが、これに限定するものではない。ブロック198
1に限らず、画素行ごとにオンオフ制御することによっ
て明るさ分布を形成できることはいうまでもない。ま
た、複数画素行ごとにオンオフ制御することでも実現で
きる。つまり、ブロック1981でオンオフ制御すると
いうのは、複数の画素行の集まりとしてオンオフ制御し
ているに過ぎない。したがって、図200などは、本発
明の技術的範囲の限定された1つの実施例である。
【1295】図200(a)では非点灯領域312はブ
ロック1981b、1981d、1981h、1981
jである。図200(b)では非点灯領域312はブロ
ック1981a、1981c、1981i、1981k
である。したがって、中央部のブロック1981e、1
981f、1981gは図200(a)(b)ともに点
灯している。したがって、中央部は明るくなる。
【1296】一方、図200(a)では、ブロック19
81a、1981c、1981i、1981kは点灯状
態311であるが、図200(b)では逆に非点灯状態
312となっている。したがって、表示画像の上下部は
暗くなる。
【1297】以上のことから、ブロック1981ごとに
オンオフ制御することにより、表示画像に明るさ分布を
形成できる。なお、図200において、中央部のブロッ
ク1981e、1981f、1981gは図200
(a)(b)ともに点灯しているが、次の1Hで非点灯
状態とするなどの制御を行うことにより、自由に明るさ
の制御を実現でき、また、フリッカの発生も抑制でき
る。
【1298】図200では、ブロック1981の幅はす
べて同一であった。しかし、視覚的には、画面21の中
央部を細かくし、周辺部を荒くしてもよい。図201の
ように実施する。これは、人間の視覚は、画面の中央部
の解像度が高いことによる。
【1299】図201において、オンオフ制御は、図2
01(a)と(b)とを交互に行う。図201では、画
面21の中央部のブロック1981f〜1981nは細
かいブロック単位(1単位)でオンオフ制御を行い、前
記中央部の上下は2ブロック単位でオンオフ制御を行
い、画面の上下は3ブロック単位でオンオフ制御を行
う。なお、画素書き込み行871aのオフ制御は図19
8で説明した方式で行う。つまり、画素書き込み行87
1aは非点灯表示312とする。
【1300】図201は点灯ブロック1981の幅を変
化させることにより、画面の中央部のオンオフ制御を行
い、視覚的にあわせた表示を実現するものであった。図
202は複数単位周期でオンオフさせる回数を制御する
ことのより、画面のガウス分布を実現するものである。
図202は6周期(図202(a)→(b)→(c)→
(d)→(e)→(f)→(a)→(b)→(c)→
(d)→(e)→(f)→(a))で画面の明るさ分布
を形成するものである。もちろん、6周期に限定するも
のではなく、2周期や、8周期以上であってもよい。ま
た、周期の単位は、1H、1F、あるいは、他のクロッ
クに同期させればよい。なお、図202においても、画
面の左右方向にガウス分布を行うのは、映像信号などで
行う。このことは図198などで説明をしているので省
略する。また、以上の事項は他の本発明にも適用され
る。
【1301】図202でわかるように、図202(b)
(e)で画面の中央部に点灯表示領域311を発生し、
図202(c)(f)でも、画面の中央付近に点灯表示
領域を多く発生させている。このように制御することに
より、画面の中央部が明るくなる。したがって、良好な
ガウス分布を発生させることができる。
【1302】図207は、ガウス分布を発生させるもの
ではなく、複数の期間で点灯ブロック1981の位置を
変化させることにより、フリッカの発生を抑制するもの
である。図207において図207(a)では、2ブロ
ックごとに非点灯領域312を発生させ、次のブロック
の図207(b)では、3ブロックごとに非点灯領域3
12を発生させている。また、次のブロックの図207
(c)では、4ブロックごとに非点灯領域312を発生
させている。以上のように、非点灯領域312もしくは
点灯領域311の位置を複数の周期で変化させることの
より、フリッカの発生を抑制できる。また、図201、
図202で説明した方式を組み合わせることにより、ガ
ウス分布も発生できる。
【1303】なお、以上の実施例は、図208に図示す
るようにブロック1981単位で点灯位置を変化させる
ものであった。しかし、本発明はこれに限定するもので
はない。たとえば、図209に図示するように1/2ブ
ロックずつ点灯位置を変化させてもよい。つまり、以上
の実施例は、ブロック単位でオンオフ制御することを主
として説明したが、これに限定するものではない。ガウ
ス分布の発生、フリッカの抑制は、ブロック1981単
位でなくとも実現できるからである。以前に説明したよ
うに、1画素行単位で非点灯制御を実施すればよい。も
ちろん、複数画素行単位で非点灯制御あるいは点灯制御
を実施すればよい。
【1304】また、画素行に限定するものではなく、画
素列でオンオフ処理を実施してもよく、また、画素行と
画素列の両方でオンオフ処理を実施してもよい。また、
オンオフする画素行などは順次処理をすることに限定す
るものではなく、ランダム処理を実施してもよい。ラン
ダムに画素行(画素列)をオンオフ制御することによ
り、画像21を見えにくくしたり、フリッカを発生させ
たりすることもできる。また、特定画素行(画素列)を
常時、非点灯表示312にすることもできる。また、画
面全体あるいは一部を低フレームレートでオンオフ表示
(非点灯表示312と点灯表示311を交互に繰り返
す)することにより、画面をフラッシングさせたりする
こともできる。これらは画像のスクランブル処理あるい
は特殊効果処理として応用できる。
【1305】ただし、以上の表示状態は、ブロック19
81単位で制御を行うことにより、回路構成は容易にな
り、パネル構成、画素構成も容易となることは言うまで
もない。
【1306】画像の種類にあわせて、明るさの分布状態
をユーザーが自由にあるいは、自動的に変更することが
できる。たとえば、パーシャル表示の時は、パーシャル
表示位置を特に明るく表示することができる。また、任
意の表示部分の色を容易に変化させることができる。ま
た、屋外では、必要な部分のみが明るく見えるように表
示することができる。
【1307】図215に図示するように点灯領域311
を画面21の上から下へ走査することにより画像を表示
する((a)→(b)→(c)→(d)→(e)→
(a)→(b)→(c)→)。この時、走査クロックを
制御することにより、画面の上下方向に明るさ分布(ガ
ウス分布など)を実現できる。
【1308】図215では(c)の表示状態で、点灯領
域311が走査されるときに、点灯領域311の走査速
度を遅くする。(a)(e)の部分に点灯領域311が
走査されるときに、点灯領域311の走査速度を速くす
る。(b)(d)の部分に点灯領域311が走査される
ときには、点灯領域311の走査速度は(a)と(c)
の中間の速度にする。走査速度は図2などで説明したゲ
ートドライバ12のシフトレジスタ22に印加するCL
K*を制御することにより実現できる。また、図179
などで説明した点灯制御線1791を制御することによ
り実現できる。
【1309】以上のように点灯領域(画像表示領域)3
11を制御することにより、画面21の中央部がもっと
も高輝度となり、画面の上下部分が最も暗くなる。した
がって、画面21の上下方向にガウス分布などを形成で
きる。もちろん、画素列方向に制御して、画面の左右方
向にガウス分布などを形成してもよい。また、映像信号
の演算処理でも実現できる。
【1310】なお、図215では、点灯領域311の走
査スピードを画面位置で変化させることにより、画面に
ガウス分布などの輝度分布を形成するとした。しかし、
この技術的思想はEL表示装置に限定されるものではな
い。たとえば、LED表示装置でも適用できることは明
らかである。また、自己発光型の表示パネル(表示装
置)に限定されるものではない。たとえば、液晶表示装
置でも適用することができる。
【1311】液晶表示装置では、バックライトを改良し
て実現する。バックライトは、画素行方向に沿ってスト
ライプ状の発光領域が複数配置されたものを用いる。た
とえば、ストライプ状の白色EL素子が画素行方向に沿
って形成されたものである。ストライブ上の白色EL素
子は、少なくとも10本以上形成したものを用いる。こ
のストライプ状の発光素子を上から順に点灯していけば
よい。つまり、ストライプ状のELを点灯させるとき
に、画面21の中央部に該当するストライプ状EL素子
15の点灯時間を長くする。すると、バックライトの発
光状態が図215の状態にすることができる。
【1312】したがって、液晶表示装置では、そのもの
自身では点灯表示状態を図215のようにすることはで
きないが、バックライトの点灯領域を走査状態とするこ
とにより、図215で説明した画像表示を実現できる。
以上の事項は図218、図219、図220、図198
などにおいても適用できることは言うまでもない。
【1313】図216はゲート信号線17aの駆動波形
を図示している。なお、説明を容易にするため、MCL
Kの周期は1H(1水平走査期間)としている。しか
し、これに限定するものではない。1Hよりももっと高
速のクロックを用いることにより柔軟性のある制御を実
現できる。
【1314】図216の‘a’で示す部分が図215
(a)の表示状態に該当する。同様に、図216の
‘b’で示す部分が図215(b)の表示状態に該当
し、図216の‘c’で示す部分が図215(c)の表
示状態に該当する。また、図216の‘d’で示す部分
が図215(d)の表示状態に該当し、図216の
‘e’で示す部分が図215(e)の表示状態に該当す
る。
【1315】なお、画素構成は図1の構成を例示して説
明をする。したがって、ゲート信号線17aにVgl電
圧が印加された時に、該当画素行が選択される。しか
し、本発明の実施例は、図1の画素構成に限定されるも
のではなく、図21、図43、図71などのカレントミ
ラー構成、図54、図68、図103などの電圧プログ
ラムの画素構成にも適用できることは言うまでもない。
【1316】図216に図示するように、‘a’‘e’
の部分は1H幅のクロックで画素行がシフトされる。
‘b’‘d’の部分は2H幅のクロックで画素行がシフ
トされる。また、‘c’の部分は3H幅のクロックで画
素行がシフトされる。したがって、‘c’の部分は
‘a’の部分に比較して3倍、画素行のシフト動作が遅
い。つまり、‘c’の部分は‘a’の部分に比較して3
倍明るくなる。そのため、画面の中央部が最も明るくな
り、上下部を最も暗くすることができる。
【1317】図216では、画面の中央部において、シ
フトレジスタ22のデータ転送を3クロックとした。ま
た、画面の上下部において、シフトレジスタ22のデー
タ転送を1クロックとした。また、画面の上下部と中央
部において、シフトレジスタ22のデータ転送を2クロ
ックとした。しかし、図216のようにクロックの切り
替えが3段階であると、切り替えの境目がくっきりと明
るさの差で表示される。したがって、境目が見えないよ
うに、実際はデータの転送クロックの差を小さくすると
ともに、変化するクロック数を多様にすることが好まし
い。つまり、図216は説明のための図である。
【1318】たとえば、画面の中央部において、シフト
レジスタ22のデータ転送を5クロックとし、画面の上
下部において、シフトレジスタ22のデータ転送を3ク
ロックとし、画面の上下部と中央部において、シフトレ
ジスタ22のデータ転送を4クロックとする。
【1319】また、画面を9分割の領域以上とし、画面
の上から第1領域、第2領域、第3領域、・・・・・第
9領域とすれば、中央部の第5領域を、シフトレジスタ
22のデータ転送を15クロックとし、第1領域、第9
領域を、シフトレジスタ22のデータ転送を11クロッ
クとする。第2領域、第8領域を、シフトレジスタ22
のデータ転送を12クロックとする。第3領域、第7領
域を、シフトレジスタ22のデータ転送を13クロック
とする。第4領域、第6領域を、シフトレジスタ22の
データ転送を14クロックとする。以上のように、画面
を分割してそれぞれ最適にオンオフ制御すれば、明るさ
の境目はめだたない。
【1320】また、図217の方式も画面の明るさの境
目が見えなくすることに対して有効である。図217で
は、画面21の中央部領域のゲート信号線17aの信号
波形を図示している。
【1321】図217でわかるように、各フィールド
(フレーム)(F)で表示位置に対する3クロックのシ
フト開始タイミングを変化させている。図217では説
明をよういにするために、1Fから4Fでは1クロック
ずつ開始位置をシフトしている。現実には、各Fに1ク
ロックずつシフトするものではなく、あるFでは1クロ
ック分シフトするが、他のFではシフトしないなどの処
理を行う。また、3クロックのシフトを実施する回数は
各Fで変化させる。
【1322】たとえば、1F目は、画面の中央部の3ク
ロックの開始位置が、画素行(90)(90画素行目)
から開始されるとし、3クロックでシフトレジスタが転
送される範囲を20画素行とする。2F目は、画面の中
央部の3クロックの開始位置が、画素行(92)から開
始されるとし、3クロックでシフトレジスタが転送され
る範囲を16画素行とする。また、3F目は、画面の中
央部の3クロックの開始位置が、画素行(94)から開
始されるとし、3クロックでシフトレジスタが転送され
る範囲を12画素行とする。さらに、4F目は、画面の
中央部の3クロックの開始位置が、画素行(96)から
開始されるとし、3クロックでシフトレジスタが転送さ
れる範囲を8画素行とする。以上のように処理を行うこ
とにより、中央部が最も明るく、画面の上部の表示輝度
から、この中央部の表示輝度に変化する境目を目立ちに
くくすることができる。
【1323】なお、シフトの開始位置はループ状に処理
を行う。たとえば、図217では1F→2F→3F→4
F→1F→2F・・・・と繰り返す。また、図217で
は画面の中央部は3クロック周期で画素行をシフトする
としたがこれに限定するものではなく、図216で説明
したように、輝度分布がなめらかに変化するようにクロ
ック数、表示領域を調整することはいうまでもない。
【1324】図216と図217をくみあわせることに
よりさらに、画面表示の明るさ分布処理がめだたず、良
好な表示を実現できることはいうまでもない。
【1325】図216、図217で説明した駆動方式
は、画面21に輝度分布を意識的に形成するものであっ
た。しかし、この技術的概念は、他の画像表示にも応用
できる。
【1326】図218は画面21に2つの輝度部分を形
成(表示)したものである。図218において、点灯領
域311aは点灯領域311bよりも明るく表示してい
ることを示している。図218(a)ではメモ1の表示
領域311aを他の表示領域311bよりも明るくす
る。
【1327】点灯領域311aを点灯領域311bより
も明るく表示するのは、図215などで説明した方式で
容易に構成できる。また、各部の表示領域を選択する回
数を制御すればよいのであるから容易に他の方法でも実
現できる。
【1328】図218では、ユーザーが選択する領域を
明るく(もしくは暗く)表示することにより、表示装置
の使い勝手を良好なものとしている。もちろん、選択し
た表示領域311の色を変化させたりすることも好まし
い。図218の表示方式はメニュー選択画面などに適用
することが好ましい。ユーザーの操作で画面表示が切り
替えることができ、操作性が向上するからである。ま
た、マイコンなどの制御により、自動的に図218の画
面表示状態となるように構成してもよい。また、屋外で
は外光が強く、表示画像が見えなくなるので、特に必要
な部分のみを強く点灯するように(点灯領域311a)
制御を行っても良い。たとえば、外光の明るさを検出
し、その検出した外光の強さが一定値以上の場合におい
て、ユーザーが電源スイッチをおして画面21を表示し
た場合などである。
【1329】また、図219(a)に図示するように、
強く点灯する点灯領域311aを画面21の複数箇所に
設けてもよい。また、点滅させてもよい。点滅させると
は、図219(a)において、表示領域311aを0.
5秒サイクルでオンオフさせたり、低輝度と高輝度を交
互に表示させたりすることである。
【1330】また、図219(b)に図示するように高
輝度領域311a、低輝度領域311b、非点灯領域3
12とを組み合わせて画像表示を行っても良い。
【1331】図220は画面21のスクロール効果を持
たせたものである。図220(a)では、画面21の中
央部まで、高輝度点灯領域311aとしており、図22
0(b)が画面21の下端近傍まで、高輝度点灯領域3
11aとしている。
【1332】また、画面21全体を同時に低輝度表示す
ることも可能であることはいうまでもない。本発明は点
灯制御線1791あるいはゲート信号線17bを制御し
てEL素子15に流れる電流をオンオフさせることによ
り画面21の輝度を調整(制御)する。したがって、ソ
ースドライバ14から出力する画像データは変化しな
い。そのため、表示画像のコントラスト、ガンマカーブ
は、表示画像の輝度によらず一定値が保たれることにも
特徴がある。そのため、画面21全体を同時に低輝度表
示しても、階調特性はそのまま保たれる(たとえば、6
4階調表示をしている場合は、画面の輝度が1/2とな
っても、64階調が保たれる)。
【1333】図220に図示するように最初に画面21
全体を低輝度点灯領域311bとしておき(低輝度表示
としておき)、画面を書き換えているという効果を発揮
させるために、画面21の上から、下方向に高輝度点灯
領域311aとしていく(高輝度表示としていく)。し
たがって、図220の矢印方向に高輝度表示を行ってい
くことにより、1画面21が書き換えられる。そして、
一定時間の間、高輝度表示が連続させると、低消費電力
化の観点から、画面21全体を低輝度表示にする。
【1334】なお、有機EL表示パネルでは、白ラスタ
ー表示で、大きな電力を必要とする。この白ラスター表
示用の電源回路を設けると電源回路が非常に大きくな
る。一方で、通常のキャラクタ表示では、白ラスター表
示の1/5〜1/3の電力しか冗費しない。したがっ
て、白ラスター表示の対応できるように電源の出力電流
を保有することは経済的あるいは、システムサイズの観
点から好ましくない。
【1335】この課題に対処するため、本発明では、一
定値以上の電力を消費される画像(たとえば、白ラスタ
ー表示など)を表示する場合は、画像の輝度を低下させ
て表示するように構成している。たとえば、白ラスター
で100mAの電流が流れる場合は、1/2の50mA
の電流となるように画像データを処理する。つまり、入
力画像のデータの総和を求め、総和が一定値以上となる
場合は、画像データに演算処理をおこなって、保有する
電源電力で表示可能なように画像データの値を小さくす
るのである。
【1336】もちろん、画像データの値を小さくするこ
とに限定するものではなく、図179、図215、図2
19などで説明した非点灯制御をおこなうことにより、
画面21全体の輝度を低減することができる。もちろ
ん、画像表示部のみの輝度を低減し、アンテナ表示、時
計表示などのアイコン部分は従来の輝度(そのままの輝
度)を保つように制御することもできることはいうまで
もない。
【1337】なお、以上の実施例は、点灯領域311も
しくは非点灯領域312を画面の上下方向に走査するこ
とにより、画像表示を行うか、異なる輝度表示領域を形
成(表示)するとして説明をした。しかし、本発明はこ
れに限定するものではない。たとえば、図218などに
おいて、画面21の各部分を選択する回数を制御すれば
明るさ分布を形成できる。
【1338】たとえば、図218において、画面21を
表示するフレームレートが60Hzの時、表示領域31
1bを25回選択し、表示領域311aを50回選択す
るように制御すれば、表示領域311aは表示領域31
1bの2倍の輝度で表示できる。
【1339】同様に、図220(b)において、画面2
1を表示するフレームレートが60Hzの時、表示領域
311bを25回選択し、表示領域311aを50回選
択し、非点灯領域312を全く選択しないように制御す
れば、表示領域311aは表示領域311bの2倍の輝
度で表示でき、312の領域を黒表示にすることができ
る。
【1340】なお、以上説明した事項は、図1971な
どで説明したブロック駆動あるいは図211で説明した
逆バイアス駆動にも適用できることは言うまでもない。
また、ブロック駆動において、各ブロックを構成する画
素行の本数は1つの文字列を表現する本数にすることが
好ましい。たとえば、1文字が16×16ドットで構成
されるのであれば、16画素行を1つのブロックとす
る。また、1文字が24×24ドットで構成されるので
あれば、24画素行を1つのブロックとする。このよう
に、文字を構成する縦方向のドット数をブロック数とを
一致させることにより、文字を表示する行ごとに点灯領
域311、非点灯領域312を制御することができる。
【1341】以上の実施例は、点灯、非点灯制御するこ
とにより画面21の明るさなどを調整(変化)させるも
のであった。明るさ調整のためにEL素子15に流す電
流をオンオフさせる必要がある。この際、課題が出現す
る。以下、この課題とその対策および本発明の駆動方法
について説明をする。なお、説明は図1の画素構成につ
いて説明をする。しかし、以前にも記載しているように
画素構成は図1の構成に限定されるものではなく、図2
1、図43、図71、図22、図54、図67、図10
3など本明細書で記載した画素構成に適用できることは
言うまでもない。
【1342】図325(a)は画素が選択された時の等
価回路図である。ゲート信号線17aにオン電圧(Vg
l)が印加され、TFT11b、TFT11cがオンす
る。この時、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vg
h)電圧が印加されており、TFT11dはオフとなっ
ている。したがって、EL素子15には電流が流れな
い。
【1343】図325(b)は画素が非選択状態で、E
L素子15に電流を流している状態である。ゲート信号
線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、TFT11
b、TFT11cがオフしている。ゲート信号線17b
にはオン電圧(Vgl)電圧が印加されており、TFT
11dはオン状態となっている。
【1344】図326はゲート信号線17に印加する信
号波形である。(1)(2)(3)などの添え字は、画
素行の番号を示している。なお、説明を容易にするた
め、画素行は1画素行目から順次選択されるとして説明
をする。図326においてHDとは水平同期信号であ
る。
【1345】図1の画素構成において、ゲート信号線1
7aは1H期間選択される。この時、選択された画素行
のゲート信号線17bはオフ電圧が印加される。この期
間にソース信号線18から画素に電流がプログラムされ
る。
【1346】ゲート信号線17bは選択期間の経過後、
オン電圧が印加され、EL素子15に電流が流れる。図
326で明らかなように、ゲート信号線17bにはHD
信号に同期して一定の期間オン電圧(Vgl)が印加さ
れている。つまり、オン電圧印加時間はx/1Hである
(1Hは1水平走査期間)。図326の実施例では、1
H期間は16等分されているため、x/1H=4H/1
6=1H/4(つまり、1Hの1/4の期間、EL素子
15が点灯する)である。
【1347】いままで本発明の実施例で説明したEL素
子15の点灯処理は1Hを最小単位として制御したもの
であった。図326は1H期間を細分し、1H期間の点
灯時間で画面の輝度を調整(変化)する方法である。し
たがって、16段階の明るさ調整を例にすれば、明るさ
調整は図328のようになる。明るさの階調1はゲート
信号線17bを1Hごとに1H/16の期間だけ、オン
電圧(Vgl)を印加する。明るさの階調2はゲート信
号線17bを1Hごとに2H/16の期間だけ、オン電
圧(Vgl)を印加する。同様に明るさの階調3はゲー
ト信号線17bを1Hごとに3H/16の期間だけ、オ
ン電圧(Vgl)を印加する。また、明るさの階調14
を例にすれば、はゲート信号線17bを1Hごとに14
H/16の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。
同様に明るさの階調15はゲート信号線17bを1Hご
とに15H/16の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印
加する。明るさの階調16は、選択されている画素行以
外は、たえずオン電圧(Vgl)が印加されている。
【1348】もし、明るさを32階調(段階)必要な場
合は、1Hを32分割して制御すればよい。また、一定
の明るさ以上を段階的に明るさを制御するには、1Hに
1/2はゲート信号線17bにたえず、Vgl電圧を印
加するようにし、残りの1Hの1/2の期間を32等分
するなどして制御すればよい。
【1349】表示パネルの回路構成は図327のように
なる。図327の構成は図2の構成に近似する。したが
って、差異を中心に説明をする。図327ではゲート信
号線17aを制御するゲートドライバ14aをパネルの
左端に配置し、ゲート信号線17bを制御するゲートド
ライバ14bをパネルの右端に配置している。3271
はバッファ回路であり、図2では出力ゲート24、イン
バータ回路22などが該当する。なお、インバータ23
は便宜上、挿入したものであり、シフトレジスタ22の
正出力(H=1)時、ゲート信号線17aにオン電圧
(Vgl)が出力されるように構成される。また、ゲー
ト信号線17aにオン電圧が印加(画素行が選択されて
いる)されている時に、前記画素行のゲート信号線17
bは非選択となるので、シフトレジスタ22aとシフト
レジスタ22bのロジックを一致させるためである。
【1350】ゲートドライバ14bも同様である。ま
た、ゲートドライバ14bのシフトレジスタ22bの入
力信号(CLK2、ST2)はゲートドライバのシフト
レジスタ22aの入力信号(CLK1、ST1)と同一
にされる。したがって、STデータはシフトレジスタ2
2a、22b内の同一位置で保持され、保持位置がクロ
ックに同期を取ってシフトされる。このため、図326
で図示するように、ゲート信号線17aが選択している
画素行は必ず、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vg
h)が出力されるように制御される。
【1351】1Hの期間のうち、いずれの期間にゲート
信号線17bにオン電圧(Vgl)を出力するかは、E
NBL端子に印加するロジック信号で決定される。EN
BL信号がLの時、OR回路3272の出力がオンとな
る(ゲート信号線17bにオン電圧が出力される)。し
たがって、OR回路3272の出力は、シフトレジスタ
22bがデータを保持している箇所に該当するゲート信
号線17bは必ず、オフ電圧が出力される(この画素行
はゲートドライバ14aにより選択され、画素に電流が
プログラムされている)。選択されている画素行のゲー
ト信号線17bはENBL信号線のロジックにより、オ
ンオフ状態が切り替えられる。そのため、ENBL信号
線により、1H期間のどれくらいの期間オン電圧を印加
するか、そのタイミングを自由に調整(制御)すること
ができる。図327の回路構成では、ゲート信号線17
bの制御が容易である。したがって、画面輝度の調整も
自由に行うことができる。また、1Hごとに、EL素子
15に流れる電流をオンオフ制御する。したがって、画
面のオンオフが高速で繰り返されるため、フリッカが発
生しない。
【1352】しかし、アレイ設計状態によっては課題が
発生する。図325(b)に図示するように、ゲート信
号線17bとソース信号線18とはクロスしているた
め、ゲート信号線17bとソース信号線18間には寄生
容量404が発生している。図327ではENBL信号
により全ゲート信号線17bに一斉にオン電圧またはオ
フ電圧が印加される。そのため、ゲート信号線17bに
印加した信号により、寄生容量404を介してソース信
号線18の電位変動を引き起こしてしまう。
【1353】この課題に対処するためには、図329に
図示するように、隣接した画素行に、極力反対極性のパ
ルスを印加することが効果的である。つまり、画素16
a、16cのゲート信号線17bに印加するオンオフ信
号の極性を画素16bと反対位相にすることである。
【1354】しかし、現実には、隣接したゲート信号線
17bに完全に逆位相の信号を印加するということは、
EL素子15に流す電流印加時間が隣接画素行で異なる
ことになる。なぜなら、画素16aのゲート信号線17
bに1Hの1/4の期間オン電圧を印加すると、1Hの
1/4期間発光する。画素16bのゲート信号線17b
に画素16aのゲート信号線17bの逆位相にするとす
れば、画素16bのゲート信号線17bに1Hの3/4
の期間オン電圧を印加することになる。したがって、画
素16bは1Hの3/4期間発光する。つまり、隣接し
た画素行で発光時間が異なってしまう。
【1355】図332はこの課題を解決する本発明の駆
動方法である。理解を容易にするため、画素行(1)と
画素行(2)のゲート信号線17bの波形を抽出して図
示している。Aの例では、画素行(1)のゲート信号線
17b(1)のオン電圧(Vgl)を印加する時間はT
1の期間である。また、画素行(1)に隣接した画素行
(2)のゲート信号線17b(2)のオン電圧(Vg
l)を印加する時間もT1の期間である。つまり、EL
素子15に電流を流す時間は隣接した画素行で等しい。
したがって、全表示領域において、表示輝度は同一とな
る。
【1356】隣接した画素行のゲート信号線17bの波
形は、a点において逆位相であるので打ち消しあう。b
点、c点では離れているが、打ち消し効果は0ではな
い。現実にはAの例(状態)でもほとんど、カップリン
グによる画面浮きは発生しない。
【1357】Bの例(状態)では、画素行(1)のゲー
ト信号線17b(1)のオン電圧(Vgl)を印加する
時間はT2の期間である。また、画素行(1)に隣接し
た画素行(2)のゲート信号線17b(2)のオン電圧
(Vgl)を印加する時間もT2の期間である。つま
り、EL素子15に電流を流す時間は隣接した画素行で
等しい。隣接した画素行のゲート信号線17bの波形
は、a点において逆位相であるので打ち消しあう。ま
た、b点、c点の位置はかなり近い。したがって、打ち
消し効果が大きい。
【1358】Cの例(状態)では、画素行(1)のゲー
ト信号線17b(1)のオン電圧(Vgl)を印加する
時間はT3の期間である。また、画素行(1)に隣接し
た画素行(2)のゲート信号線17b(2)のオン電圧
(Vgl)を印加する時間もT3の期間である。つま
り、EL素子15に電流を流す時間は隣接した画素行で
等しい。隣接した画素行のゲート信号線17bの波形
は、a点において逆位相であるので打ち消しあう。ま
た、a点とb点が近く、c点とa点の位置はかなり近
い。したがって、打ち消し効果が大きい。
【1359】以上のように図332の駆動方法では、C
の状態が画面輝度は最も暗く、Bの状態は次に暗く、A
の状態は一番明るい。また、A、B、Cのいずれの状態
も隣接した画素行でゲート信号線17bに印加する波形
の位相を変化させているので、隣接した画素行間で寄生
容量の影響をキャンセルしている。
【1360】なお、図332において、a点などで画素
行(1)のゲート信号線17bと画素行(2)のゲート
信号線17bの変化位置を一致させるように図示したが
これに限定するものではない。画素行(1)のゲート信
号線17bと画素行(2)のゲート信号線17bの変化
位置がずれていても、ソース信号線18の電位変動を抑
制する効果が発揮されるからである。実験によれば、変
化位置は1H(1水平走査期間)の30%以内(たとえ
ば、1Hが100(μsec)であれば、30(μse
c)以内)であれば、変化位置が一致している場合を差
異はなかった。
【1361】また、図329などでは、隣接した画素行
でゲート信号線17bに印加する信号波形を異ならせる
としたがこれに限定するものではない。たとえば、図3
30のように、2画素行ごとに変化させてもよい。図3
30では画素16a、16b、16eが同一であり、画
素16c、16dが同一である。
【1362】また、隣接画素行でゲート信号線17bを
近接させることも効果がある。この実施例を図331に
図示している。画素16aのゲート信号線17b1と、
画素16bのゲート信号線17b2とを近接させて配置
(形成)している。
【1363】図330は2画素行ごとに信号波形を異な
らせているが、さらに3画素行以上ごとにゲート信号線
17に印加する信号波形を異ならせるとしてもおい。ま
た、ランダムにしてもよい。また、複数フレーム(フィ
ールド)で明るさが目標値をなるように制御してもよ
い。なお、以上の実施例では、ゲート信号線17bの位
相関係、信号波形のタイミングについて論じているが、
これに限定されることなく、ゲート信号線17aについ
ても同様に、位相関係、信号波形のタイミングに隣接画
素行などで変化させれば効果的である。また、逆バイア
ス電圧を印加するTFT11gのゲート信号線について
も同様である。
【1364】図332のように隣接した画素行のゲート
信号線17bの信号波形を変化させるにためには、表示
パネルの回路構成は図333ようになる。図333の構
成は図327の構成に近似する。したがって、差異を中
心に説明をする。
【1365】1Hの期間のうち、いずれの期間にゲート
信号線17bにオン電圧(Vgl)を出力するかは、E
NBL1端子およびENBL2端子に印加するロジック
信号で決定される。ENBL1信号がLの時、偶数画素
行に対応するOR回路3272の出力がオンとなる(ゲ
ート信号線17bにオン電圧が出力される)。また、E
NBL2信号がLの時、奇数画素行に対応するOR回路
3272の出力がオンとなる(ゲート信号線17bにオ
ン電圧が出力される)。
【1366】したがって、OR回路3272の出力は、
シフトレジスタ22bがデータを保持している箇所に該
当するゲート信号線17bは必ず、オフ電圧が出力され
る(この画素行はゲートドライバ14aにより選択さ
れ、画素に電流がプログラムされている)。選択されて
いる画素行のゲート信号線17bはENBL1およびE
NBL2信号線のロジックにより、オンオフ状態が切り
替えられる。そのため、ENBL信号線により、1H期
間のどれくらいの期間オン電圧を印加するか、そのタイ
ミングを自由に調整(制御)することができる。
【1367】したがって、図332ではa点で隣接した
ゲート信号線17bの位相と逆極性にするとしたが、こ
れに限定せず、逆極性をなる位置を自由に変更できる。
また、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)を印加
する位置は1Hの期間において連続している必要はな
い。1H期間に複数回、オン電圧を印加するように構成
してもよい。
【1368】図332は1Hで規則正しい信号波形とな
っていたが、これに限定する必要はない。図326でも
説明したように、ゲート信号線17bに印加する信号波
形が一致することにより、ソース信号線18の電位変動
が発生することが問題である。したがって、解決する手
段の1つが隣接画素行で、ゲート信号線17bに印加す
る信号波形を異ならせるというのが本発明の方法であっ
た。たとえば、図337に図示するように2H周期でゲ
ート信号線17bに印加する信号波形を操作してもよ
い。
【1369】図337では、画素行を選択するゲート信
号線17aは水平同期信号(HD)に同期して変化させ
ている(つまり、HDに同期して1画素行ずつ選択する
画素行をシフトしている)。しかし、ゲート信号線17
bは2H周期でオン電圧(Vgl)を出力する。この場
合でも画面21の輝度調整を行えることは言うまでもな
い。また、ゲート信号線17bに印加する信号波形の変
化が少なくなるから黒浮きは発生しにくくなる。
【1370】図337は1H期間を32に細分したもの
とも言い換えることができる。したがって、32段階の
明るさ調整を例にすれば、明るさ調整は図338のよう
になる。明るさの階調1はゲート信号線17bを2Hご
とに1H/32の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加
する。明るさの階調2はゲート信号線17bを2Hごと
に2H/32の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加す
る。同様に明るさの階調3はゲート信号線17bを2H
ごとに3H/32の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印
加する。以下同様であり、明るさの階調30を例にすれ
ば、はゲート信号線17bを2Hごとに30H/32の
期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。同様に明る
さの階調31はゲート信号線17bを2Hごとに31H
/32の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。明
るさの階調32は、選択されている画素行以外は、たえ
ずオン電圧(Vgl)が印加されている。
【1371】他の方法として、図335に図示するよう
に、ゲート信号線17bに印加する信号波形を少しずつ
変化させるという方法がある。図335では画素行
(1)から画素行(8)までのゲート信号線17bの波
形を図示している。各画素行のゲート信号線17bにオ
ン電圧(Vgl)が印加される時間はT1と一定であ
る。また、オン電圧(Vgl)とオフ電圧(Vgh)が
印加される周期も一定としている。したがって、各画素
行のEL素子15は所定周期で所定時間だけ点灯するか
ら、画面21の輝度は全画素行で一定である(もちろ
ん、白ラスター表示の場合である。動画、自然画では当
然、画像データによって各画素の輝度は異なる)。
【1372】各画素行において、ゲート画素行(1)の
ゲート信号線17b(1)のa1点(立下り方向)と画
素行(2)のゲート信号線17b(2)のa2点(立ち
上がり方向)とのタイミングを一致させている。以上の
ように2つの波形の立ち上がりを立ち下がりタイミング
を一致させることによりソース信号線18へのカップリ
ングの発生を抑制している。同様に、画素行(2)のゲ
ート信号線17b(2)のb2点(立下り方向)と画素
行(3)のゲート信号線17b(3)のb3点(立ち上
がり方向)とのタイミングを一致させている。画素行
(3)のゲート信号線17b(3)のc3点(立下り方
向)と画素行(4)のゲート信号線17b(4)のc4
点(立ち上がり方向)とのタイミングを一致させてい
る。また、画素行(4)のゲート信号線17b(4)の
d4点(立下り方向)と画素行(5)のゲート信号線1
7b(5)のd5点(立ち上がり方向)とのタイミング
を一致させている。
【1373】以上のように図335の駆動方法では、隣
接した画素行のゲート信号線17bは極力、立ち上がり
タイミングと立下りタイミングとを一致させて駆動して
いるため、ソース信号線18へのカップリングが少な
い。したがって、黒浮きの発生は小さく、良好なコント
ラストを実現できる。
【1374】図336は本発明の駆動方式において、画
面21の書き換え状態を図示している。図336(a)
の1H経過後は図336(b)であり、さらに1H経過
後は図336(c)の状態である。つまり、画面21は
複数に分割され、同時に複数の領域が書き換えられてい
る。もちろん、1画素行ずつ書き換えても良いことは言
うまでもない。
【1375】なお、本発明の駆動方式は、図1などの画
素が電流プログラム方式の構成を例示して説明している
が、図54、図68、図103、図121などの電圧プ
ログラム方式の構成においても有効である。ゲート信号
線とソース信号線は、パネル構成に起因するものであ
り、画素が電圧プログラム方式でも電流プログラム方式
でも発生するからである。したがって、本発明の駆動方
法、駆動回路は本明細書に記載されたすべての構成に適
用される。
【1376】また、図1などの画素構成では、選択され
た画素行において、ゲート信号線17aにオン電圧が印
加されているときは、ゲート信号線17bにはオフ電圧
を印加し、ソース信号線18側からEL素子15が見え
ないようにするとした。しかし、図21、図22、図4
3、図71などのカレントミラーの画素構成において
は、ソース信号線18とEL素子15へは直接の電流経
路はない。したがって、カレントミラーの画素構成で
は、ゲート信号線17aにオン電圧が印加されていると
きは、ゲート信号線17bにはオフ電圧を印加するとい
う条件は満足させる必要はない。このことは、図54、
図67、図103などで説明した電圧プログラム方式の
画素構成においても同様である。
【1377】また、図335においても、a1、a2点
などで画素行(1)のゲート信号線17bと画素行
(2)のゲート信号線17bの変化位置を一致させるよ
うに図示したがこれに限定するものではない。画素行
(1)のゲート信号線17bと画素行(2)のゲート信
号線17bの変化位置がずれていても、ソース信号線1
8の電位変動を抑制する効果が発揮されるからである。
このことは、電流プログラム方式のパネル構成で顕著で
ある。実験によれば、変化位置は1H(1水平走査期
間)の30%以内(たとえば、1Hが100(μse
c)であれば、30(μsec)以内)であれば、変化
位置が一致している場合を差異はない。また、図335
において、ゲート信号線17bの変化は1H周期として
いるがこれに限定するものではない。全ゲート信号線1
7bが所定期間でオン電圧が印加させる期間(T1)が
一致すればよい。したがって、HD(水平同期信号)と
同期をとる必要はない。各画素のゲート信号線17bが
フリーランで動作させてもよい。ゲート信号線17bに
オン電圧を印加し、また、オフ電圧を印加する周期が、
水平同期信号(HD)と全く非同期でもよい。また、垂
直同期信号(VD)と同期を取っても良い。また、ソー
スドライバ回路14のクロックと同期を取るように構成
してもよい。
【1378】しかし、現実には、全く非同期(ランダム
状態)でゲート信号線17bを動作させると、画像の種
類によっては、フリッカが発生したり、温度依存性によ
り表示画面の輝度が変化する場合がある。したがって、
所定の周期で各ゲート信号線17bの信号印加状態に規
則性をもたせることが好ましい。また、規則性を持たせ
ることにより、駆動回路を簡略化できる。特に、図1の
画素構成では、選択した画素行のゲート信号線17bは
オフ電圧(Vgh)を印加するという制約があるからで
ある。つまり、ゲート信号線17aとゲート信号線17
bとは同期性を持たせる必要がある。
【1379】本発明では、16周期ごとにパターンを繰
り返すように構成している。したがって、画素行(1)
のゲート信号線17bに印加する信号波形パターンから
画素行(16)のゲート信号線17bに印加する信号波
形パターンを異ならせる。画素行(17)のゲート信号
線17bに印加する信号波形パターンから画素行(3
2)のゲート信号線17bに印加する信号波形パターン
を異ならせる。画素行(1)のゲート信号線17bに印
加する信号波形パターンと画素行(17)のゲート信号
線17bに印加する信号波形パターンとは一致させ、画
素行(2)のゲート信号線17bに印加する信号波形パ
ターンと画素行(18)のゲート信号線17bに印加す
る信号波形パターンとは一致させるという方式である。
つまり、図335を例示すれば、画素行(1)から画素
行(16)のゲート信号線17bは一定間隔でオン電圧
印加位置がずれた波形を印加し、画素行(1)と画素行
(17)のゲート信号線17bの印加波形は同一であ
り、以下、同様に画素行(2)と画素行(18)のゲー
ト信号線17bの印加波形は同一であり、画素行(3)
と画素行(19)のゲート信号線17bの印加波形は同
一であり、画素行(4)と画素行(20)のゲート信号
線17bの印加波形は同一であり、・・・・・、画素行
(16)と画素行(32)のゲート信号線17bの印加
波形は同一であるということである。さらには、16パ
ターンであるから、画素行(1)と画素行(17)と画
素行(33)・・・・・・は同一の信号波形が印加され
る。
【1380】もちろん、16周期に限定するものではな
い。しかし、周期が8未満であると、1画面内でゲート
信号線17bの立ち上がりあるいは立下りタイミングが
一致する箇所が多くなり、黒浮きが発生しやすい。逆に
32周期より大きいと、駆動回路が複雑になる。したが
って、周期は8以上32以下とすることが好ましい。
【1381】図334はゲート信号線17bに16パタ
ーンの信号を入力する回路構成図である。図333など
で説明したゲートドライバ回路14bの替わりに16本
のENBL(0:15)信号線で構成されている。な
お、16本のENBL(0:15)信号線は、オン電圧
(Vgl)、オフ電圧(Vgh)レベルの電圧振幅を出
力できるように構成されている。
【1382】16本のENBL(0:15)信号線は、
それぞれゲート信号線17bと16本ごとに共通に接続
されている。したがって、Nは0以外の整数とした場
合、たとえば、ENBL0信号線に印加された信号は画
素行(16N−15)と接続され、ENBL1信号線に
印加された信号は画素行(16N−14)と接続され、
ENBL2信号線に印加された信号は画素行(16N−
13)と接続され、ENBL3信号線に印加された信号
は画素行(16N−12)と接続され、ENBL4信号
線に印加された信号は画素行(16N−11)と接続さ
れ、ENBL5信号線に印加された信号は画素行(16
N−10)と接続され、ENBL6信号線に印加された
信号は画素行(16N−9)と接続され、ENBL7信
号線に印加された信号は画素行(16N−8)と接続さ
れ、ENBL8信号線に印加された信号は画素行(16
N−7)と接続され、ENBL9信号線に印加された信
号は画素行(16N−6)と接続され、ENBL10信
号線に印加された信号は画素行(16N−5)と接続さ
れ、ENBL11信号線に印加された信号は画素行(1
6N−4)と接続され、ENBL12信号線に印加され
た信号は画素行(16N−3)と接続され、ENBL1
3信号線に印加された信号は画素行(16N−2)と接
続される。また、ENBL14信号線に印加された信号
は画素行(16N−1)と接続される。また、ENBL
15信号線に印加された信号は画素行(16N)と接続
される。したがって、16画素行周期で、ゲート信号線
17bに印加する駆動波形を自由に操作できる。
【1383】図334はENBL(0:15)を制御す
ることにより、ゲート信号線17bを操作し、EL素子
15に流す電流を制御する。また、制御パターンは最大
16種類となる。図334の構成は、表示領域21の端
に形成する信号線数が16本と少ない。したがって、3
辺フリーの構造に適する。
【1384】しかし、表示パネルとコントローラから出
力されるENBL(0:15)端子の接続数が16本と
多い、また、ゲート信号線17aとの制御(ゲート信号
線17aにオン電圧が印加されている画素行のゲート信
号線17bにはオフ電圧を印加する)がやや困難にな
る。
【1385】図327、図333の回路を拡張し、図3
49とすれば制御が容易となる。ゲートドライバ14b
のシフトレジスタ22bの入力信号(CLK2、ST
2)はゲートドライバ14aのシフトレジスタ22aの
入力信号(CLK1、ST1)と同一にされる。したが
って、STデータはシフトレジスタ22a、22b内の
同一位置で保持され、保持位置がクロックに同期を取っ
てシフトされる。このため、図326で図示するよう
に、ゲート信号線17aが選択している画素行は必ず、
ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が出力され
るように制御される。
【1386】いずれの期間にゲート信号線17bにオン
電圧(Vgl)を出力するかは、ENBL(0:15)
端子に印加するロジック信号で決定される。コントロー
ラからは4本のSEL(0:3)端子がデコーダ回路3
491に接続されている。このSEL端子のデータをデ
コ−ダ回路3491がデコードし、どのENBL端子に
オン電圧またはオフ電圧を出力されるかが決定される。
【1387】OR回路3272の出力は、シフトレジス
タ22bがデータを保持している箇所に該当するゲート
信号線17bは必ず、オフ電圧が出力される(この画素
行はゲートドライバ14aにより選択され、画素に電流
がプログラムされている)。選択されている画素行のゲ
ート信号線17bはENBL信号線のロジックにより、
オンオフ状態が切り替えられる。そのため、ENBL信
号線により、1H期間のどれくらいの期間オン電圧を印
加するか、そのタイミングを自由に調整(制御)するこ
とができる。また、コントローラとゲートドライバ回路
14bとの信号線数はENBL端子が16本からSEL
端子の4本になるので大幅に減少する。
【1388】図339に図示するように、隣接した画素
行のゲート信号線17bに印加する信号波形を逆順にす
るという方法も効果がある。図339において、奇数画
素行は同一波形であり、偶数画素行も同一波形である。
しかし、奇数画素行ではHD信号に同期して、オン電圧
(Vgl)がT1の期間印加された後に、オフ電圧(V
gh)が1H−T1期間印加される。偶数画素行ではH
D信号に同期して、まず、オフ電圧(Vgh)が1H−
T1の期間印加された後に、オン電圧(Vgl)がT1
期間印加される。したがって、オン電圧またはオフ電圧
を印加する順序が隣接画素行で反対である。EL素子1
5に電流を流す期間(T1)はすべてのゲート信号線1
7bで同一である。各画素行のEL素子15は所定周期
で所定時間だけ点灯するから、画面21の輝度は全画素
行で一定である(もちろん、白ラスター表示の場合であ
る。動画、自然画では当然、画像データによって各画素
の輝度は異なる)。
【1389】各画素行において、ゲート画素行(1)の
ゲート信号線17b(1)のa1点(立下り方向)と画
素行(2)のゲート信号線17b(2)のa2点(立ち
上がり方向)とのタイミングを一致させている。以上の
ように2つの波形の立ち上がりを立ち下がりタイミング
を一致させることによりソース信号線18へのカップリ
ングの発生を抑制している。
【1390】以上のように、図339の駆動方法では、
隣接した画素行のゲート信号線17bはa点での立ち上
がりタイミングと立下りタイミングとを一致させて駆動
しているため、ソース信号線18へのカップリングが少
ない。したがって、黒浮きの発生は小さく、良好なコン
トラストを実現できる。奇数画素行の信号波形の立ち上
がり位置b1点と、偶数画素行の信号波形の立下り位置
b2点は、EL素子15の点灯時間(T1)で変化す
る。しかし、ほとんどの輝度状態で時間的に近い位置に
発生する。したがって、奇数画素行の信号波形の立ち上
がり位置b1の変化と、偶数画素行の信号波形の立下り
位置b2の変化が打ち消しあい、ソース信号線18への
電位変動は抑制される。また、EL素子15に電流を流
す期間が短い時(T1が小さい)は、奇数画素行の信号
波形の立下り位置a1点と、立ち上がり位置b1が近く
なり、この2つの変化は打ち消しあう(というよりは、
変化が時間的に短期間で発生するので、ソース信号線1
8の電位変化が画素16への書き込みに影響を与えな
い)。同様に、偶数画素行の信号波形の立下り位置b2
点と、立ち上がり位置a2が近くなり、この2つの変化
は打ち消しあう。したがって、ソース信号線18へのカ
ップリングの影響を抑制できるから、黒浮きが発生しな
い。
【1391】垂直同期信号(VD)で信号波形を変化さ
せることも重要である。ゲート信号線17bに印加する
信号波形の立ち上がりと立下り位置が分散され、ソース
信号線18への電位変動を抑制できるからである(ま
た、HD周期で電位変動が発生してもVD周期で抑制さ
れるからである)。図340は図339において、VD
信号で信号の順番を逆にしたところを示している。簡単
には、全フレーム(フィールド)の偶数画素行のゲート
信号線17bに印加していた信号波形を奇数画素行のゲ
ート信号線17bに印加し、奇数画素行のゲート信号線
17bに印加していた信号波形を偶数画素行のゲート信
号線17bに印加している。他の点は図339で説明し
たので省略する。
【1392】図340では、VD信号に同期して奇数画
素行のゲート信号線17bの信号波形と偶数画素行のゲ
ート信号線17bの信号波形とを入れ替える。以上のよ
うに、VD同期信号(もちろん、VD同期信号に限定す
るのではない。HD同期信号よりも長い周期の信号であ
ればよい)に同期して信号波形を変化させることによ
り、より、表示画面21の黒浮きなどが減少し、高コン
トラスト表示を実現できる。なお、以上の事項は、図3
39の実施例に限定されるものではない。今まで説明し
た駆動方式あるいは以降に説明する駆動方式にも適用さ
れる。たとえば、図341に駆動方式にも適用される。
【1393】図329などの駆動方式では、1Hを周期
として信号波形が変化する。そのため、信号の変化回数
が1Hごとに2回発生する。信号の変化によりソース信
号線18などに影響を与える。また、信号の変化が多い
と、ゲートドライバ12の消費電力も増大する。したが
って、単位時間あたりの信号の変化回数は少ない方がよ
い。
【1394】図341は、図339のように1Hの期間
にEL素子15に電流を流す期間T1を維持したまま、
1Hあたりのゲート信号線17bの変化回数を1回にし
た駆動方式である。各画素行で、1Hごとにゲート信号
線17bにオン電圧(Vgl)を印加する期間とオフ電
圧(Vgh)を印加する期間とを逆順にしている。たと
えば、画素行(1)において、第1水平走査期間(第1
H)ではT1の期間、オン電圧を出力し、1H−T1の
期間、オフ電圧を出力する。第2水平走査期間(第2
H)では1H−T1の期間、オフ電圧を出力し、T1の
期間、オフ電圧を出力する。同様に、第3水平走査期間
(第3H)ではT1の期間、オン電圧を出力し、1H−
T1の期間、オフ電圧を出力する。つまり、1Hごとに
オン電圧を出力する期間とオフ電圧を出力する期間を入
れ替えている。また、奇数画素行と偶数画素行では逆順
にしている。
【1395】したがって、奇数画素行の第1水平走査期
間(第1H)ではT1の期間、オン電圧を出力し、1H
−T1の期間、オフ電圧を出力する。第2水平走査期間
(第2H)では1H−T1の期間、オフ電圧を出力し、
T1の期間、オフ電圧を出力する。同様に、第3水平走
査期間(第3H)ではT1の期間、オン電圧を出力し、
1H−T1の期間、オフ電圧を出力する。つまり、1H
ごとにオン電圧を出力する期間とオフ電圧を出力する期
間を入れ替えている。偶数画素行では、第1水平走査期
間(第1H)では1H−T1の期間、オフ電圧を出力
し、T1の期間、オン電圧を出力する。第2水平走査期
間(第2H)ではT1の期間、オン電圧を出力し、1H
−T1の期間、オン電圧を出力する。同様に、第3水平
走査期間(第3H)では1H−T1の期間、オフ電圧を
出力し、T1の期間、オン電圧を出力する。また、図3
40で説明したように、垂直同期信号(VD)で、奇数
画素行と偶数画素行のゲート信号線17bに印加する信
号波形を入れ替えるのである(図343を参照のこ
と)。なお、図341では、オン電圧とオフ電圧を印加
する位置を1Hごとに入れ替えるとしたがこれに限定す
るものではない。たとえば、2Hごとに入れ替えても良
いし、ランダム的に入れ替えても良い。また、図344
に図示するように、各画素行でオン電圧印加位置などを
少しずつシフトしてもよい。
【1396】図344の実施例では、画素行(1)
(2)とペアとし、画素行(3)(4)とペアとしてい
る。画素行(5)(6)とペアとし、画素行(7)
(8)とペアとして信号を印加している。奇数画素行は
同一信号波形であるが、画素行(1)と画素行(3)と
は2H/16の期間、位相をシフトしている。同様に、
画素行(5)と画素行(7)とは2H/16の期間、位
相をシフトしている。以下同様である。また、偶数画素
行は同一信号波形であるが、画素行(2)と画素行
(4)とは2H/16の期間、位相をシフトしている。
同様に、画素行(4)と画素行(6)とは2H/16の
期間、位相をシフトしている。以下同様である。
【1397】以上のように、本発明の駆動方式は、必ず
しも、HD同期信号と同期を取り、HD同期信号から所
定のタイミングですべてのゲート信号線などが変化する
必要はない。以上の事項は他の本発明においても同様で
ある。
【1398】図341での階調表示は、図342のごと
くなる。図342は1H期間を16に細分した例(16
段階の明るさ調整が可能である)である。明るさの階調
1はゲート信号線17bを1Hごとに1H/16の期間
だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。また、オン電圧
(Vgl)を印加する位置を1Hごとに逆順にする。明
るさの階調2はゲート信号線17bを1Hごとに2H/
16の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。ま
た、オン電圧(Vgl)を印加する位置を1Hごとに逆
順にする。同様に明るさの階調3はゲート信号線17b
を1Hごとに3H/16の期間だけ、オン電圧(Vg
l)を印加する。また、オン電圧(Vgl)を印加する
位置を1Hごとに逆順にする。以下同様であり、明るさ
の階調15ははゲート信号線17bを1Hごとに15H
/16の期間だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。ま
た、オン電圧(Vgl)を印加する位置を1Hごとに逆
順にする。明るさの階調16は、選択されている画素行
以外は、たえずオン電圧(Vgl)が印加する。
【1399】なお、今まで説明した駆動方法では、奇数
画素行と偶数画素行のゲート信号線の駆動波形を異なら
せるとしたが、図330、図334に説明したようにこ
れに限定するものではない。2画素行以上の単位で異な
らせても良いことはいうまでもない。また、ランダム的
な駆動を実施してもよい。
【1400】以上の実施例は、1Hあるいは2H期間に
おいて、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)を印
加する時間を制御する(EL素子15に電流を流す期間
を制御する)ことにより、表示画像21の輝度(明る
さ)を調整(制御)する駆動方式であった。つまり、1
Hまたは複数H期間を複数に分割し、分割した期間の該
当期間にオン電圧またはオフ電圧を印加するものであっ
た。
【1401】図345は1H期間を単位としてゲート信
号線17bにオン電圧(Vgl)を印加する時間を制御
する(EL素子15に電流を流す期間を制御する)こと
により、表示画像21の輝度(明るさ:本発明は階調と
表現している)を調整(制御)する駆動方式である。つ
まり、複数のH期間を1つの単位として、その内、いく
つのH期間にオン電圧またはオフ電圧を印加することに
より表示画像21の明るさを制御(調整)するものであ
る。
【1402】図345は1Hを1/2に分割し、この1
/2にオン電圧(Vgl)を印加する。また、偶数画素
行のゲート信号線17bのオン電圧位置を奇数画素行の
ゲート信号線17bのオン電圧位置とを異ならせてい
る。図345でわかるように、奇数画素行の画素行
(1)は1Hの前半の期間にオン電圧(Vgl)を印加
し、偶数画素行の画素行(2)は1Hの後半の期間にオ
ン電圧(Vgl)を印加している。このように、オン電
圧とオフ電圧とを交互にゲート信号線17bに印加す
る。a点では、奇数画素行のゲート信号線17bがオン
電圧(Vgl)からオフ電圧(Vgh)に変化する(立
ち上がり)。一方、偶数画素行のゲート信号線17bが
オフ電圧(Vgh)からオン電圧(Vgl)に変化する
(立下り)。そのため、ソース信号線18に突き抜ける
電圧が打ち消しあう。
【1403】階調表示(というよりは表示画面21の明
るさ(輝度)調整)は、図345のごとくなる。図34
5は16H期間で繰り返す駆動パターンである。したが
って、16階調(16段階の明るさ)を表現できる。な
お、奇数画素行のゲート信号線17bと偶数画素行のゲ
ート信号線17bの位相とは1H/2シフトしている。
なお、図345の明るさ制御では、16階調目でもEL
素子15は1フレーム(1フィールド)の1/2の期間
しか点灯しない。したがって、従来のような(EL素子
15にたえず電流を流した状態)輝度を得るには、ソー
ス信号線18に印加する電流を所定値の2倍(N=2)
とし、各画素にプログラムする必要がある。つまり、図
87、図88などで説明した、N倍パルス駆動を実施す
る。
【1404】明るさの階調1はゲート信号線17bを1
Hごとに1H/2(1Hの1/2)の期間だけ、オン電
圧(Vgl)を印加する。明るさの階調2はゲート信号
線17bを1Hごとに2H/2の期間(1Hの1/2の
点灯を2回)だけ、オン電圧(Vgl)を印加する。同
様に、明るさの階調3はゲート信号線17bを1Hごと
に3H/2の期間(1Hの1/2の点灯を3回)だけ、
オン電圧(Vgl)を印加する。明るさの階調16は、
ゲート信号線17bを1Hごとに16H/2の期間(1
Hの1/2の点灯を16回)だけ、オン電圧(Vgl)
を印加する。以上のように、ゲート信号線17bを制御
することにより表示画面21の輝度制御を容易に実現で
き、また、黒浮きも発生しない。
【1405】図346は、オン電圧(Vgl)印加位置
を分散させたものである。たとえば、図345の階調2
ではオン電圧を印加する位置が2H連続しているが、図
346の駆動方法では、b位置にオン電圧が印加されて
いる。他の事項は図345と同様であるので説明を省略
する。図346のようにオン電圧位置(もしくはオフ電
圧位置)を分散させることにより、さらにソース信号線
18などに与える影響を軽減できる。なお、図346、
図345は16H(16水平走査期間)を1区切りとし
ているがこれに限定するものではない。たとえば、8H
でも、32Hを1区切りとしてもよい。
【1406】図345などは1Hを1/2に分割し、こ
の1H/2の期間にオン電圧またはオフ電圧を印加する
ものであった。本発明はこれに限定するものではない。
たとえば、図347のように1Hすべてをオン電圧また
はオフ電圧を印加するように制御してもよい。
【1407】図345は16Hと1周期単位としてゲー
ト信号線17bにオン電圧またはオフ電圧を印加する。
16Hを1周期とすると階調(明るさは16段階を表現
できる)また、偶数画素行のゲート信号線17bのオン
電圧位置を奇数画素行のゲート信号線17bのオン電圧
位置とを異ならせている。
【1408】図345でわかるように、階調1(明るさ
のレベル1)では、偶数画素行の画素行(1)のゲート
信号線17bに1Hの期間オン電圧(Vgl)を印加す
る。1H後、奇数画素行の画素行(2)のゲート信号線
17bに1Hの期間にオン電圧(Vgl)を印加してい
る。a点では、偶数画素行のゲート信号線17bがオン
電圧(Vgl)からオフ電圧(Vgh)に変化する(立
ち上がり)。一方、奇数画素行のゲート信号線17bが
オフ電圧(Vgh)からオン電圧(Vgl)に変化する
(立下り)。そのため、ソース信号線18に突き抜ける
電圧が打ち消しあう。
【1409】明るさの階調1(明るさのレベル1)はゲ
ート信号線17bを1Hの期間、オン電圧(Vgl)を
印加する。明るさの階調2はゲート信号線17bを2H
の期間、オン電圧(Vgl)を印加する。同様に、明る
さの階調3はゲート信号線17bを3Hの期間、オン電
圧(Vgl)を印加する。最後の明るさの階調16は、
ゲート信号線17bを16Hの期間、オン電圧(Vg
l)を印加する(たえず、オン電圧を印加)。以上のよ
うに、ゲート信号線17bを制御することにより表示画
面21の輝度制御を容易に実現でき、また、黒浮きも発
生しない。
【1410】なお、奇数画素行と偶数画素行のゲート信
号線の駆動波形を異ならせるとしたが、図330、図3
34に説明したようにこれに限定するものではない。2
画素行以上の単位で異ならせても良いことはいうまでも
ない。また、ランダム的な駆動を実施してもよい。
【1411】図347の実施例では、ゲート信号線17
bからオン電圧(Vgl)を連続して印加するとした
が、これに限定するものではない。たとえば、図356
のように、オン電圧(Vhl)とオフ電圧(Vgh)を
交互にゲート信号線17bに印加してもよい。
【1412】図356では各画素行が選択されている
(該当ゲート信号線17aにオン電圧が印加される)時
は、該当画素行のゲート信号線17bにはオフ電圧を印
加するという条件を満足させている。選択されていない
時には、ゲート信号線17bにオン電圧またはオフ電圧
を印加する。図356で図示した状態では、画素行
(1)は第3H、第5H、第7H、第9Hの4Hの期間
にオン電圧が印加されている。画素行(2)はシフトレ
ジスタ22で1シフトされているから、第4H、第6
H、第8H、第10Hの4Hの期間にオン電圧が印加さ
れている。同様に、画素行(3)はシフトレジスタ22
で1シフトされているから、第5H、第7H、第9H、
第11Hの4Hの期間にオン電圧が印加されている。以
下同様である。
【1413】図356の構成では図2で説明したシフト
レジスタ22のデータ入力制御でオン電圧位置を設定で
き、また、シフトレジスタのシフト制御で1画素行ず
つ、オン電圧の印加位置を変更できる。したがって、回
路構成および回路制御が容易である。また、表示画面2
1の明るさ調整も容易である。オン電圧をいくつ印加す
る(これは、シフトレジスタ22に印加するデータの個
数で制御できる)かで容易に変更できるからである。
【1414】また、a点では画素行(1)のゲート信号
線17bがオン電圧からオフ電圧に変化(立ち上がり)
し、画素行(2)のゲート信号線17bがオフ電圧から
オン電圧に変化(立下がり)する。他の箇所(たとえ
ば、b点)でも同様である。b点では画素行(1)と画
素行(3)のゲート信号線17bがオフ電圧からオン電
圧に変化(立下がり)し、画素行(2)のゲート信号線
17bがオン電圧からオフ電圧に変化(立ち上がり)す
る。したがって、図356の駆動方式では、隣接した画
素行のゲート信号線において、信号波形の立ち上がりと
立下りが打ち消しあう。そのため、ゲート信号線17の
印加信号によるソース信号線18などの電位変動が抑制
される。
【1415】図356はオン電圧とオフ電圧を1画素飛
ばしで書き込み、また、オン電圧とオフ電圧の組を一括
で駆動している。また、データのシフトは水平同期信号
(HD)に同期させている。画像表示状態は、表示画素
行311と非表示画素行312の組が4組(つまり8画
素行、他の画素行は非表示)、画面の上から下方向に移
動しているように表示される。なお、以上の説明は説明
を容易にするため、画素行が少なくして説明している。
本発明は表示画素行311と非表示画素行312の組を
連続して発生することに限定するものではない。たとえ
ば、図348に図示するように、分割してもよい。
【1416】図348の画像表示状態は、表示画素行3
11と非表示画素行312の組が4組のものが2ブロッ
ク(つまり8画素行の組が2ブロック、他の画素行は非
表示)、画面の上から下方向に移動しているように表示
される。ブロックとブロックの間は、8画素行である。
なお、以上の説明は説明を容易にするため、画素行が少
なくして説明している。以上のように複数ブロックが発
生するように駆動することにより、フレームレートを非
常に遅くしても、表示画像にフリッカが発生しない。
【1417】なお、図356、図348では、1H期間
にオン電圧を印加し、次の1H期間にオフ電圧を印加す
るとしたがこれに限定するものではない。たとえば、2
H期間連続してオン電圧を印加し、次の2H期間にオフ
電圧を印加し、これを繰り返してもよい。重要なのは、
隣接した画素行で、ゲート信号線17bなどに印加する
信号波形を異ならせることである。なお、隣接画素のみ
に限定するものではない。画面21内で異ならせればよ
い。好ましくは、ある時刻で信号波形の立ち上がりと立
下りがほぼ同数となるように制御する。
【1418】図2、図60、図327、図333などの
ゲート信号線17bを制御するシフトレジスタ22に印
加するSTデータを制御することにより、画面21の輝
度を容易に調整でき、また、画素行の表示311、非表
示312のパターンも自由に制御(変更)することがで
きる。STデータを単位時間に多く入力すると、画面2
1輝度は高くなる(STデータがHの時、ゲート信号線
17bにオン電圧(Vgl)が印加されるように構成さ
れている場合)。
【1419】また、STデータに間欠的に入力データを
入力し、かつその入力データの間隔が短いと、各画素行
は点灯311、非点灯312を短時間で繰り返す。その
ため、動画表示時に動画ボケが発生しやすくなるが、フ
リッカの発生はなくなる。逆に、STデータに一括に連
続して入力データを入力し、かつその入力データの一括
に入力する間隔が長いと、各画素行は点灯311、非点
灯312の間隔は長くなる。そのため、動画表示時に動
画ボケが発生しなくなる。しかし、反面、フリッカの発
生が大きくなる。いずえにせよ、本発明は簡単な駆動方
法で、輝度調整、動画表示調整を実現できる。また、隣
接画素行などで、ゲート信号線17に印加する波形を変
化することにより、ソース信号線18に与える電位変動
を極めて小さくすることができる。したがって、黒浮き
などが発生せず良好な画像表示を実現できる。
【1420】図350はシフトレジスタ22に入力する
データパターンである。図350において、黒丸は非表
示311に制御するデータである。また、白丸は点灯3
11に制御するデータである。このデータがシフトレジ
スタ22内をシフトし、該当のゲート信号線17bにオ
ン電圧を出力するか、オフ電圧を出力するかを制御す
る。
【1421】図350(a)では、7個の黒丸と1個の
白丸の組が連続している。このパターンでは、7画素行
が非点灯312で1画素行が点灯311の組が連続して
表示され、かつ、このパターンが水平同期信号(HD)
に同期して画面21の上から下へ走査されていく。
【1422】図350(b)では、4個の黒丸と4個の
白丸の組が連続している。このパターンでは、4画素行
が非点灯312で4画素行が点灯311の組が連続して
表示され、かつ、このパターンが水平同期信号(HD)
に同期して画面21の上から下へ走査されていく。
【1423】図350(c)では、12個の黒丸と12
個の白丸の組が連続している。このパターンでは、12
画素行が非点灯312で12画素行が点灯311の組が
連続して表示され、かつ、このパターンが水平同期信号
(HD)に同期して画面21の上から下へ走査されてい
く。
【1424】図350(d)では、21個の黒丸と3個
の白丸の組が連続している。このパターンでは、21画
素行が非点灯312で、3画素行が点灯311の組が連
続して表示され、かつ、このパターンが水平同期信号
(HD)に同期して画面21の上から下へ走査されてい
く。
【1425】図350(e)では、1個の黒丸と1個の
白丸の組が連続している。このパターンでは、1画素行
が非点灯312と点灯311の組が交互に表示され、か
つ、このパターンが水平同期信号(HD)に同期して画
面21の上から下へ走査されていく。
【1426】図350(d)では、黒丸と白丸とがラン
ダムに入力されている。このパターンでは、ランダムな
点灯画素行と非点灯画素行とが、水平同期信号(HD)
に同期して画面21の上から下へ走査されていく。
【1427】図350では同一輝度では、動画表示には
図350(d)が適し、図350(a)が最も不適切で
ある(現実には、もっと黒丸と白丸の間隔は広いが)。
【1428】図355もシフトレジスタ22bに入力す
るデータをゲート信号線17bへの出力の関係を図示し
たものである。なお、当初シフトレジスタ22bに保持
されているデータは非選択データ(ゲート信号線17b
にオフ電圧を印加するデータ(黒丸)とする。
【1429】第1H(1H)でシフトレジスタ22bに
白丸(選択データ)が入力される。したがって、画素行
(1)のゲート信号線17bに選択電圧(オン電圧(V
gl))が出力される。他の画素行のゲート信号線17
bにはオフ電圧(Vgh)が出力されている。したがっ
て、画素行(1)が表示311となる。
【1430】次の第2H(2H)でシフトレジスタ22
bに黒丸(非選択データ)が入力される。また、シフト
レジスタ22bはCLK(HD)に同期して1ビットシ
フトする。したがって、画素行(1)にオフ電圧(Vg
h))が出力され、画素行(2)に選択電圧(オン電圧
(Vgl))が出力される。他の画素行にはオフ電圧
(Vgh)が出力されている。したがって、画素行
(1)が表示311となる。
【1431】次の第3H(3H)でシフトレジスタ22
bに白丸(選択データ)が入力される。また、シフトレ
ジスタ22bはCLK(HD)に同期して1ビットシフ
トする。したがって、画素行(1)(3)にオン電圧
(Vgl))が出力され、画素行(2)に非選択電圧
(オフ電圧(Vgh))が出力される。他の画素行には
オフ電圧(Vgh)が出力されている。したがって、画
素行(1)(3)が表示311となる。
【1432】同様に次の第4H(4H)でシフトレジス
タ22bに黒丸(非選択データ)が入力される。また、
シフトレジスタ22bはCLK(HD)に同期して1ビ
ットシフトする。したがって、画素行(1)(3)のゲ
ート信号線17bにはオフ電圧が出力され、画素行
(2)(4)に選択電圧(オフ電圧(Vgh))が出力
される。他の画素行にはオフ電圧(Vgh)が出力され
る。画素行(1)(3)が非表示312となり、画素行
(2)(4)が表示31となる。
【1433】以上の動作を順次繰り返すと、ゲート信号
線17bに出力される波形は図348のようにオン電圧
をオフ電圧とを1Hごとに交互に出力する波形となる。
以上のように、シフトレジスタ22bのデータにより、
容易に画素行を点灯、非点灯制御を行うことができる。
【1434】図355ではゲート信号線17bの出力段
にスイッチSが配置されている。これは、図334、図
333のOR回路3272、あるいは図334のENB
L端子などが該当する。このスイッチをオンオフさせる
ことにより1Hの期間内で、ゲート信号線17bにオン
電圧あるいはオフ電圧を印加できるように制御できる。
なお、スイッチSは閉じている時、シフトレジスタのデ
ータをそのままゲート信号線17bに出力し、スイッチ
Sがオープンの時は、オフ電圧(Vgh)が出力される
ように構成されているものとする。
【1435】図355のスイッチSを制御すれば、図3
32、図339、図340、図341、図344、図3
45などの1H以内の制御を容易に実現できる。したが
って、図355の回路構成あるいは駆動方法で、図34
8、図356などの1H単位の制御と、図332、図3
39、図340、図341、図344、図345などの
1H以内の制御を容易に組み合わせて実施できる。つま
り、柔軟は階調(明るさ)制御が容易に、かつスムーズ
にかつ回路構成が簡単に実現できる。
【1436】以上の実施例はゲート信号線17bについ
て主として説明した。しかし、ソース信号線18とカッ
プリングするのはゲート信号線17bだけではない。以
前に説明した逆バイアス電圧を印加するTFTのゲート
信号線ともカップリングする。図357は逆バイアス電
圧を印加する場合の画素構成である。基本的には図1の
電流プログラムの画素構成であるが、本発明は何度も記
載しているように、図1の画素構成のみに限定されるも
のではない。たとえば、図21、図22、図47、図7
1などのカレントミラーの画素構成にも適用することが
できる。また、図54、図67、図103などの電圧プ
ログラムの画素構成にも適用できることは言うまでもな
い。
【1437】以上の実施例は、ゲート信号線17bとソ
ース信号線18とのカップリングなどにより、黒浮きな
どが発生することに対応するものであった。図89から
図101などでは逆バイアス電圧を印加する本発明の特
徴ある方式を説明した。
【1438】しかし、逆バイアス電圧を印加するために
は、逆バイアス電圧を印加するTFT11gのゲート
(G)端子にオンオフ電圧を印加する必要がある。その
ため、このオンオフ電圧を印加する信号線17dとソー
ス信号線18とがカップリングする場合がある。
【1439】図357は図1の画素構成で逆バイアス電
圧を印加する構成である。なお、以下の実施例で、図1
の画素構成を例示して説明をするがこれに限定するもの
ではなく、図21、図43、図54、図68、図103
などの本発明の画素構成あるいはパネル構成のすべての
おいて適用できることは言うまでもない。
【1440】図357は逆バイアス電圧Vmを印加する
画素構成の等価回路図である。図357(a)は逆バイ
アス電圧を印加するTFTがPチャンネルの場合であ
る。図357(b)は逆バイアス電圧を印加するTFT
がNチャンネルの場合である。
【1441】なお,逆バイアス電圧Vmを伝達する信号
線3571はソース信号線18と平行に配線(配置もし
くは形成)することが好ましい。ゲート信号線17の寄
生容量を少なくできるからである。
【1442】図359は図357(a)の画素構成の時
の駆動波形である。以前にも説明したように、本発明は
信号線間のカップリングを抑制するため、印加する信号
線への波形変化を少なくすること、あるいは(または)
隣接した信号線の印加信号波形を逆位相とするあるいは
極力打ち消しあう方向に入力すること、あるいは(また
は)表示パネルの表示領域21全体として、任意の時刻
で信号線に印加されている波形を観察した時、信号の立
下りと立ち上がりの信号波形がランダムあるいはほぼ同
数となっているように駆動するものである。
【1443】図358、図359などの実施例は基本的
に、今まで説明したゲート信号線17bの駆動方法と同
一である。ゲート信号線17bの駆動概念を制御信号線
17dに置き換えたものである。したがって、ゲート信
号線17bの駆動などで説明した事項を図358、図3
59などに適用することができる。
【1444】ゲート信号線17a、17bの駆動電圧V
ghを15(V)、Vgl=0(V)とすると、図35
7(a)では、TFT11gを制御するゲート信号線1
7dの電圧Vmh(オフ電圧)は0(V)あるいは近傍
である。また、TFT11gを制御するゲート信号線1
7dのオン電圧Vmlは−15(V)あるいは近傍であ
る。
【1445】図357(b)では、TFT11gを制御
するゲート信号線17dの電圧はVmh(オフ電圧)は
Vglと同一あるいは近傍である。また、TFT11g
を制御するゲート信号線17dのオン電圧VmlはVg
lと同一あるいは近傍である。
【1446】以上のことから、TFT11gの駆動電圧
範囲としては、図357(b)の法が有利である。しか
し、TFT11gに印加している電圧をVmに固定する
のではなく、ハイインピーダンスとVm電圧とを切り替
えられるように構成することにより、PチャンネルTF
T11gの制約は軽減される。
【1447】図359(図357(a))では、a点で
は画素行(1)のゲート信号線17bがオフ電圧からオ
ン電圧に変化(立下り)し、画素行(1)のゲート信号
線17d(逆バイアス制御線)がオン電圧(Vml)か
らオフ電圧(Vmh)に変化(立ち上がり)する。した
がって、ゲート信号線17bとゲート信号線17dの信
号波形の変化方向が反対である。そのため、カップリン
グによるソース信号線18に発生する突き抜けが発生し
ない(もしくは非常に小さくなる)。
【1448】ゲート信号線17bにオン電圧が印加され
るとTFT11dがオンする。また、ゲート信号線17
dにオン電圧が印加されるとTFT11gがオンする。
TFT11gとTFT11dが同時にオンするとショー
ト状態となる。この事態を避けるために、TFT11d
とTFT11gとのオンオフを切り替えるタイミングは
必ず、両方がオフ状態のなった後に、一方のTFTをオ
ンさせるように制御する。ゲート信号線17bにオフ電
圧が印加され、ゲート信号線17dにオン電圧が印加さ
れるでの時間は1μsec以上25μsec以下の期間
は離すことが好ましい。もしくは、1Hの1/100以
上1/4以下の時間離すことが好ましい。同様に、ゲー
ト信号線17dにオフ電圧が印加され、ゲート信号線1
7bにオン電圧が印加されるでの時間は1μsec以上
25μsec以下の期間は離すことが好ましい。もしく
は、1Hの1/100以上1/4以下の時間離すことが
好ましい。
【1449】図359のb点では画素行(1)のゲート
信号線17bがオン電圧(Vgl)からオン電圧(Vg
h)に変化(立ち上がり)し、画素行(1)のゲート信
号線17d(逆バイアス制御線)がオフ電圧(Vmh)
からオン電圧(Vml)に変化(立ち下り)する。この
状態で、TFT11aからEL素子15に流れる電流が
遮断され、EL素子15のアノードに逆バイアス電圧V
mが印加される。b点では、ゲート信号線17bとゲー
ト信号線17dの信号波形の変化方向が反対である。そ
のため、カップリングによるソース信号線18に発生す
る突き抜けが発生しない(もしくは非常に小さくな
る)。そのため、ゲート信号線17dの印加信号による
ソース信号線18などの電位変動が抑制される。
【1450】また、図359では、ゲート信号線17d
の信号変化位置は、1画素行ごとにシフトしている。し
たがって、HDに同期して逆バイアス電圧を開始する位
置は、シフトさせている。また、ゲート信号線17bの
信号波形に同期してシフトさせている。以上のように、
ゲート信号線17bと17dの両方と同期をとって変化
させ、また、印加位置をシフトさせることにより、各画
素のEL素子15に逆バイアス電圧を印加する時間が一
定となる。また、ソース信号線18の電位変化も発生し
ない。したがって、黒浮きのない良好なコントラストを
実現できる。
【1451】以上のように、ゲート信号線17bとゲー
ト信号線17dの信号波形の変化方向が反対である(も
ちろん、TFT11dとTFT11gの両方がオンしな
いように両方のTFTがオフとなる期間を設ける必要が
ある)。したがって、ソース信号線18に対しては信号
波形により打ち消しあう。また、偶数番目のゲート信号
線17d((2)(4)(6)…・・)と奇数番目のゲ
ート信号線17d((1)(3)(5)…・・)とが逆
位相である。また、偶数番目のゲート信号線17b
((2)(4)(6)…・・)と奇数番目のゲート信号
線17b((1)(3)(5)…・・)とが逆位相であ
る。表示領域21内で全体として信号波形の振幅による
ソース信号線18の電位変動は抑制される。
【1452】図358も図359と同様である。今まで
説明したゲート信号線17bの駆動方法と同一である。
ゲート信号線17bの駆動概念を制御信号線17dに置
き換えたものである。したがって、ゲート信号線17b
の駆動などで説明した事項を図358に適用することが
できる。
【1453】図358では、a点では画素行(1)のゲ
ート信号線17bがオフ電圧(Vgh)からオン電圧
(Vgl)に変化(立下り)し、画素行(1)のゲート
信号線17d(逆バイアス制御線)がオン電圧(Vm
h)からオフ電圧(Vml)に変化(立ち下がり)す
る。したがって、ゲート信号線17bとゲート信号線1
7dの信号波形の変化方向が同一である。b点では画素
行(1)のゲート信号線17bがオン電圧(Vgl)か
らオフ電圧(Vgh)に変化(立ち上がり)し、画素行
(1)のゲート信号線17d(逆バイアス制御線)がオ
フ電圧(Vml)からオン電圧(Vmh)に変化(立ち
上がり)する。したがって、ゲート信号線17bとゲー
ト信号線17dの信号波形の変化方向が同一である。そ
のため、カップリングによるソース信号線18に発生す
る突き抜けをキャンセルする効果がない。
【1454】なお、図358の駆動方法においても、図
359と同様に、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加
され、ゲート信号線17dにオン電圧が印加されるでの
時間は1μsec以上25μsec以下の期間は離すこ
とが好ましい。もしくは、1Hの1/100以上1/4
以下の時間離すことが好ましい。同様に、ゲート信号線
17dにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオ
ン電圧が印加されるでの時間は1μsec以上25μs
ec以下の期間は離すことが好ましい。もしくは、1H
の1/100以上1/4以下の時間離すことが好まし
い。
【1455】画素行(1)のゲート信号線17bとゲー
ト信号線17dの信号波形の変化方向が同一である。そ
のため、カップリングによるソース信号線18に発生す
る突き抜けをキャンセルする効果がない。しかし、画素
行(2)のゲート信号線17bの信号波形とゲート信号
線17dの信号波形と、画素行(1)のゲート信号線1
7bの信号波形とゲート信号線17dの信号波形とは逆
位相となっている。したがって、画素行(1)と画素行
(2)ではカップリングによるソース信号線18に発生
する突き抜けをキャンセルする効果が発揮される。つま
り、偶数画素行と奇数画素行では、ゲート信号線に印加
する信号位相を逆にすることにより、カップリングによ
るソース信号線18に発生する突き抜けをキャンセルす
る効果が発揮される。
【1456】なお、以上の実施例では、ゲート信号線1
7bとゲート信号線17dの信号波形の位相を逆にする
としたが、完全に正反対にすることを意味するものでは
ない。つまり、ソース信号線18などへのカップリング
を抑制する方向にすることが本発明の技術的思想であ
る。したがって、ゲート信号線17bとゲート信号線1
7dの信号波形の位相の関係が異なっていても良い。
【1457】また、図358では、ゲート信号線17d
の信号変化位置は、1画素行ごとにシフトしている。し
たがって、HDに同期して逆バイアス電圧を開始する位
置は、シフトさせている。また、ゲート信号線17bの
信号波形に同期してシフトさせている。以上のように、
ゲート信号線17bと17dの両方と同期をとって変化
させ、また、印加位置をシフトさせることにより、各画
素のEL素子15に逆バイアス電圧を印加する時間が一
定となる。また、ソース信号線18の電位変化も発生し
ない。したがって、黒浮きのない良好なコントラストを
実現できる。
【1458】図358では、ゲート信号線17bとゲー
ト信号線17dの信号波形の変化方向が同一である。そ
のため、カップリングによるソース信号線18に発生す
る突き抜けをキャンセルする効果がないと記載した。し
かし、図367に図示するように、表示領域21が非点
灯状態312の部分のゲート信号線17bにはオフ電圧
(Vgh)が印加されている。この領域312の非点灯
状態312は一定時間維持される。したがって、図36
7に図示するようにゲート信号線17dはゲート信号線
17bと同期を取ることなく、信号を印加できる。その
ため、偶数番目のゲート信号線17d((2)(4)
(6)…・・)と奇数番目のゲート信号線17d
((1)(3)(5)…・・)とが逆位相にできる。表
示領域21内で全体として信号波形の振幅によるソース
信号線18の電位変動は抑制される。
【1459】なお、今まで説明した駆動方法では、奇数
画素行と偶数画素行のゲート信号線の駆動波形を異なら
せるとしたが、図330、図334に説明したようにこ
れに限定するものではない。2画素行以上の単位で異な
らせても良いことはいうまでもない。また、ランダム的
な駆動を実施してもよい。
【1460】また、図358、図359、図367の逆
バイアス駆動の実施例においても、図322、図331
で説明した画素構成を適用することが好ましい。この場
合は、ゲート信号線17bは逆バイアス印加用TFTを
制御するゲート信号線17dなどに置き換えればよい。
また、図333、図327、図334、図349、図3
55に記載したパネルあるいはアレイ構成についても同
様である。この場合についても、ゲート信号線17bは
逆バイアス印加用TFTを制御するゲート信号線17d
などに置き換えればよい。以上のように、図358、図
359、図367などで説明した逆バイアス駆動に関す
る事項は、本明細書の他の実施例と組み合わせることが
できることは言うまでもない。
【1461】図61の表示方法のように、奇数画素行と
偶数画素行(もしくは複数画素行ごと)を所定フィール
ド(フレーム)ごとに切り替える表示方法は、立体画像
表示装置もしくは方法に適用することができる。以下、
本発明の立体表示装置について図85、図86を参照し
ながら説明をする。
【1462】まず、本発明の表示方法は基本的に画素行
単位(画素行の方向)に表示領域311と非表示領域3
12を構成するものである。したがって、図61のよう
に表示する場合は縦横を変換する必要がある。この変換
は容易である。メモリに蓄積された画像データを行と列
を入れ替えればよいからである。縦横を変換すれば図8
5(a1)の表示状態となる。つまり、表示パネルの走
査方向はAに示す矢印方向となるが、画像は図(a1)
に示すように、紙面上が画面上となり、紙面下が画面下
となる。したがって、表示パネルの使用者にはあたかも
画面上から下に走査しているように見える。
【1463】表示パネルの表示画像21は左から奇数画
素列(行)に右目の画像を表示し、偶数画素列(行)に
左目の画像を表示する。画像表示は表示パネルと同期す
る観察用眼鏡852と同期させる。観察用眼鏡852は
シャッタ851として機能する2つの液晶表示パネルを
具備している。
【1464】第1フィールド(第1フレーム)では図8
5(a1)に示すように左から奇数番目の画素列(実際
は奇数番目の画素行)が表示領域311となり、左から
偶数番目の画素列(実際は偶数番目の画素行)が非表示
領域312となる。図85(a1)の表示状態を同期し
て、眼鏡852の左目用のシャッタ851Lが閉じ、眼
鏡852の右目用のシャッタ851Rが開く。したがっ
て、観察者は右目だけで、図85(a1)の画像を見る
ことになる。
【1465】第1フィールド(第1フレーム)の次の第
2フィールド(第2フレーム)では図85(a2)に示
すように左から偶数番目の画素列(実際は偶数番目の画
素行)が表示領域311となり、左から奇数番目の画素
列(実際は奇数番目の画素行)が非表示領域312とな
る。図85(a2)の表示状態を同期して、眼鏡852
の右目用のシャッタ851Rが閉じ、眼鏡852の左目
用のシャッタ851Lが開く。したがって、観察者は左
目だけで、図85(a2)の画像を見ることになる。
【1466】以上の動作を交互に繰り返すことにより、
観察者が使用する眼鏡型のシャッタ851と画像表示状
態とが同期して交互に観察者に見えるようにすることに
より立体画像表示を実現できる。
【1467】シャッタ851を用いずに立体画像表示を
実現するためには、図86に図示したように表示パネル
の光出射側にプリズム861を配置すれがよい。プリズ
ム861のA部がある表示タイミングにおける表示領域
311に対応するように配置し、プリズム861のB部
が前述の表示タイミングにおける表示領域312に対応
するように配置する。このようにプリズム861を配置
することにより、奇数画素行の画像が観察者の右目に入
射するようにし、偶数画素行の画像が観察者の左目に入
射するように構成することができる。なお、プリズム8
61と表示パネル間にはエチレングリコールなどの光結
合材862を配置し、オプティカルカップリングさせて
おく。
【1468】なお、図85において切り替え手段852
は眼鏡としたがこれに限定するものではない。観察者に
右目に入射する光と左目に入射する光とを制御できるも
のであればいずれのものでもよい。たとえば、ゴーグル
タイプのものが例示される。また、切り替え手段852
と表示パネルとが一体となったもの(ヘッドマウントデ
ィスプレイ)が例示される。また、シャッタ851は液
晶表示パネルに限定されるものではなく、カメラのシャ
ッタ、回転フィルタのようにメカニカルなものでもよい
ことはいうまでもない。また、ポリゴンミラーを組み込
んだもの、PLZTを用いたシャッタ、エレクトロルミ
ネッセンスを応用したシャッタなども例示される。
【1469】以上のように、たとえば、奇数画素行に右
目の画像を表示し、偶数画素行に左目の画像を表示す
る。これを観察者が使用する眼鏡型のシャッタと画像表
示状態とが同期して交互に観察者に見えるようにする。
もしくは、表示パネルの光出射側に配置されたプリズム
により奇数画素行の画像が観察者の右目に入射するよう
にし、偶数画素行の画像が観察者の左目に入射するよう
に構成する。
【1470】以上のように1つの表示パネルの表示画像
を図61の表示方法を用いることにより立体表示を実現
できる。なお、図85、図86の装置または方法は、複
数画素行(列)ごとあるいは奇数画素行(列)と偶数画
素行(列)ごとに異なる画像を表示するというものであ
り、その用途は立体表示のみに限定されるものではな
い。たとえば、単に2つの画像を重ね合わせて表示する
という用途に用いてもよいことは言うまでもない。な
お、特に、本発明のEL表示装置を用い、本発明の駆動
方法を実施することが有効であることは言うまでもな
い。
【1471】なお、各画素を駆動する素子はTFT11
としたがこれに限定するものではない。たとえば、薄膜
ダイオード(TFD)の組み合わせにより、画素16を
構成でき、このダイオードの一方の端子電圧レベルを操
作することにより、EL素子15に流す電流を間欠動作
させることができる。この構成では、必要に応じてカソ
ード電極と横ストライプ状に加工(形成)する。その
他、バリスタ、サイリスタなどのスイッチング素子でも
同様である。
【1472】たとえば、図1のTFT11aの駆動用T
FTを例にすれば、図80(a)に図示するようにNチ
ャンネルまたはPチャンネルのバイポーラトランジスタ
でもよい。また、図80(b)に図示するようにNチャ
ンネルまたはPチャンネルのMOSトランジスタでもよ
いことは言うまでもない。さらに、図80(c)に図示
するようにホトトランジスタあるいはホトダイオードで
もよく、図80(d)に図示するようにサイリスタ素子
などでもよい。このことは、他の画素を構成するスイッ
チング素子にも適用できることは言うまでもない。
【1473】また、TFT素子11はPチャンネルでも
Nチャンネルのいずれでも用いることができることは言
うまでもない。また、EL素子15の位置は図1または
図21のような位置に限定するものではない。たとえ
ば、図79(a)は図1のTFT11aとEL素子15
との接続状態を抜き出したものである。この変形として
図79(b)の構成も例示される。また、駆動用TFT
をNチャンネルとした図79(c)(d)の構成も例示
される。これらの事項は駆動用TFT11aについてだ
けでなく、他の画素を構成するスイッチング素子11
(たとえば、図1ではTFT11b、11c、11dな
ど)についても同様である。また、ドライバ12,14
を構成する素子に対しても同様に適用される。
【1474】また、TFTなどのスイッチング素子は低
温多結晶Si−TFTで形成することが望ましいが、ア
モルファスシリコンTFTでもよいことはいうまでもな
い。特にEL素子15に流す電流が1μA以下の場合は
アモルファスシリコン技術で形成して特性上十分であ
る。また、ゲートドライバ回路、ソースドライバ回路な
どもアモルファスシリコン技術による素子で形成しても
よい。
【1475】また、図2、図60、図74、図84など
のゲートドライバ12の構成についてもこれに限定する
ものではなく(図2などはST信号を順次クロックに同
期してシフト動作(シリアル処理)する構成である)、
たとえば、各ゲート信号線のオンオフ状態を一度に決定
するパラレル入力であってもよい(すべてのゲート信号
線のオンフフロジックがコントローラかゲート信号線1
7の本数分、一度に出力され決定される構成など)。
【1476】図10は有機ELモジュールの構成図であ
る。プリント基板103にはコントロールIC101と
電源IC102が実装されている。プリント基板103
とアレイ基板49とはフレキシブル基板104で電気的
に接続される。このフレキシブル基板104を介して電
源電圧、電流、制御信号、映像データがアレイ基板49
のソースドライバ14およびゲートドライバ12に供給
される。
【1477】この際問題となるのは、ゲートドライバ1
2の制御信号である。ゲートドライバ12には少なくと
も5(V)以上の振幅の制御信号を印加する必要があ
る。しかし、コントロールIC101の電源電圧は2.
5(V)あるいは3.3(V)であるため、コントロー
ルIC101から直接にゲートドライバ12に制御信号
を印加することができない。
【1478】この課題に対して、本発明は高い電圧で駆
動される電源IC102からゲートドライバ12の制御
信号を印加する。電源IC102はゲートドライバ12
の動作電圧も発生させるのであるから、当然ながらゲー
トドライバ12に最適な振幅の制御信号を発生させるこ
とができる。
【1479】図11ではゲートドライバ12の制御信号
はコントロールICで発生させ、ソースドライバ14で
一旦、レベルシフトを行った後、ゲートドライバ12に
印加している。ソースドライバ14の駆動電圧は5〜8
(V)であるから、コントロールIC101から出力さ
れた3.3(V)振幅の制御信号を、ゲートドライバ1
2が受け取れる5(V)振幅に変換することができる。
【1480】図14、図15は本発明の表示モジュール
装置の説明図である。図14はソースドライバ14内に
内蔵RAM151を持たせた構成である。内蔵RAMは
8色表示(各色1ビット)、256色表示(RGは3ビ
ット、Bは2ビット)、4096色表示(RGBは各4
ビット)の容量を有する。この8色、256色または4
096色表示で、かつ静止画の時は、ソースドライバ1
4内に配置されたドライバコントローラはこの内蔵RA
M151の画像データを読み出す。したがって、超低消
費電力化を実現できる。もちろん、内蔵RAM151は
26万色以上の多色のRAMであってもよい。また、動
画の時も内蔵RAM151の画像データを用いてもよ
い。
【1481】内蔵RAM151の画像データは誤差拡散
処理あるいはディザ処理を行った後のデータをメモリし
てもよい。誤差拡散処理、ディザ処理などを行うことに
より、26万色表示データを4096色などに変換する
ことができ、内蔵RAM151の容量を小さくすること
ができる。誤差拡散処理などは誤差拡散コントローラ1
41で行うことができる。また、ディザ処理を行った
後、さらに誤差拡散処理を行ってもよい。以上の事項
は、逆誤差拡散処理にも適用される。
【1482】なお、図14などにおいて14をソースド
ライバと記載したが、単なるドライバだけでなく、電源
回路102、バッファ回路154(シフトレジスタなど
の回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コマン
ドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、内蔵RA
M151からの入力を処理してソース信号線に電圧ある
いは電流を出力するさまざまな機能あるいは回路が構成
されたものである。この事項などは、本発明の他の実施
例でも同様である。
【1483】なお、図14などで説明する構成にあって
も、図26から図30、図111から図113などで説
明する3辺フリー構成あるいは構成、駆動方式などを適
用できることはいうまでもない。
【1484】また、図203に図示するように、封止板
41を、携帯電話などの保護カバーと兼用してもよい。
保護カバーとは、表示パネルの前面を保護するために配
置された透明板である。もしくは、反射型の液晶表示パ
ネルでは、フロントライトが保護カバーとなっている。
【1485】図203は有機EL素子15を湿度から保
護するための保護カバーを封止板(ふた)41とした構
成例である。封止板41に円偏光板74が取り付けられ
ている。なお、円偏光板74は、薄膜で形成してもよ
い。また、封止板41などに樹脂を塗布し、この樹脂を
延伸するとにより形成してもよい。
【1486】携帯電話などの筐体に193にELのアレ
イ基板49が取り付けられている(EL表示パネルが取
り付けられている)。封止板41内にドライバIC(回
路)12(14)が配置されている(形成されてい
る)。ドライバIC(回路)12(14)も、封止板4
1で保護されている。以上のように形成(構成)するこ
とのより、保護カバーを省略することができる。したが
って、表示パネルモジュールとして、全体の厚みを薄く
することができる。
【1487】また、図4でも説明したように、有機EL
表示パネルはカソード電極(もしくはアノード電極)と
しても反射膜46を形成する必要がある。この電極はア
ルミなどで形成する。そのため、反射率は85%以上と
良好である。
【1488】図204は、この反射膜46をミラーとし
て使用できるように構成した携帯電話である。通常の使
用状態では図19に図示するように使用する(もしくは
図205を参照のこと)。表示パネル2046をミラー
として使用する際には、表示パネル2046を右または
左の支点(図示せず)を中心としてひっくり返し、裏面
ミラー2045を使用する。
【1489】ただし、以上の実施例は、EL表示パネル
の裏面に形成された反射膜をミラーとして使用するもの
である。したがって、ミラーとして使用する対象は、携
帯電話に限定するものではなく、テレビ、モニター、P
DAでもよい。また、表示パネルの裏面にミラーを形成
するものである。したがって、カソードに限定するもの
ではなく、別途、表示パネルの裏面にミラーを形成した
構成でもよい。たとえば、反射型の液晶表示パネルで
は、裏面を使用していない。この裏面にアルミ、あるい
は銀を蒸着しミラーを形成してもよい。この場合、アル
ミあるいは銀が腐食することを防止するため、表面にS
iO2などの無機薄膜を形成することが好ましい。ま
た、UV樹脂などでも保護してもよい。
【1490】なお、図204において、2041は受信
した音声を聞こえるようにするスピーカーであり、20
44は、使用者の音声を入力するためのマイクである。
【1491】また、図35で説明したように、表示モー
ド切り替えスイッチ465を配置しておくことが好まし
い。また、さらに、図34などで説明した画面の明るさ
を切り替える機能を実現する切り替えスイッチを形成
(配置)することが好ましい。
【1492】フレームレートはパネルモジュールの消費
電力と関係する。つまり、フレ−ムレートを高くすれば
ほぼ比例して消費電力は増大する。携帯電話などは待ち
受け時間を長くするなどの観点から消費電力の低減を図
る必要がある。一方、表示色を多くする(階調数を多く
する)ためにはソースドライバIC14などの駆動周波
数を高くしなければならない。しかし、消費電力の問題
から消費電力を増大させることは困難である。
【1493】一般的に、携帯電話などの情報表示装置で
は、表示色数よりも低消費電力化が優先される。表示色
数を増加させる回路の動作周波数が高くなる、あるいは
EL素子に印加する電圧(電流)波形の変化が多くなる
など理由から、消費電力が増加する。したがって、あま
り表示色数を多くすることはできない。この課題に対し
て、本発明は画像データを誤差拡散処理あるいはディザ
処理を行って画像を表示する。
【1494】図19で説明した本発明の携帯電話では図
示していないが、筐体の裏側にCCDカメラを備えてい
る。CCDカメラで撮影し画像は即時に表示パネルの表
示画面21に表示できる。CCDカメラで撮影したデー
タは、表示画面21に表示することができる。CCDカ
メラの画像データは24ビット(1670万色)、18
ビット(26万色)、16ビット(6.5万色)、12
ビット(4096色)、8ビット(256色)をキー入
力265で切り替えることができる。
【1495】表示データが12ビット以上の時は、誤差
拡散処理を行って表示する。つまり、CCDカメラから
の画像データが内蔵メモリの容量以上の時は、誤差拡散
処理などを実施し、表示色数を内蔵メモリ151の容量
以下となるように画像処理を行う。
【1496】今、ソースドライバIC14には4096
色(RGB各4ビット)で1画面の内蔵RAM151を
具備しているとして説明する。モジュール外部から送ら
れてくる画像データが4096色の場合は、直接ソース
ドライバIC14の内蔵RAM151に格納され、この
内蔵RAM151から画像データを読み出し、表示画面
21に画像を表示する。
【1497】画像データが26万色(G:6ビット、
R,B:5ビットの計16ビット)の場合は、図14お
よび図15に示すように誤差拡散コントローラ141の
演算メモリ152に一旦格納され、かつ同時に誤差拡散
あるいはディザ処理を行う演算回路153で誤差拡散あ
るいはディザ処理が行われる。この誤差拡散処理などに
より16ビットの画像データは内蔵RAM151のビッ
ト数である12ビットに変換されてソースドライバIC
14に転送される。ソースドライバIC14はRGB各
4ビット(4096色)の画像データを出力し、表示画
面21に画像を表示する。
【1498】また、図15の構成などにおいて、垂直同
期信号VDを用いて(垂直同期信号VDで処理方法を変
化させて)、フィールドあるいはフレームごとに誤差拡
散処理あるいはディザ処理方法を変化させてもよい。た
とえば、ディザ処理では、第1フレームでBayer型
を用い、次の第2フレームではハーフトーン型を用いる
などである。このようにフレームごとにディザ処理を変
化させ、切り替えるようにすることにより誤差拡散処理
などに伴うドットむらが目立ちにくくなるという効果が
発揮される。
【1499】また、第1フレームと第2フレームで誤差
拡散処理などの処理係数を変化させてもよい。また、第
1フレームで誤差拡散処理をし、第2フレームでディザ
処理をし、さらに第3フレームで誤差拡散処理をするな
ど処理とを組み合わせても良い。また、乱数発生回路を
具備し、乱数の値でフレームごとに処理を実施する処理
方法を選択してもよい。
【1500】フレームレートなどの情報を伝送されるフ
ォーマットに記載するようにしておけば、この記載され
たデータをデコードあるいは検出することにより、自動
でフレームレートなどを変更できるようになる。特に、
伝送されてくる画像が動画か静止画かを記載しておくこ
とが好ましい。また、動画場合は、動画の1秒あたりの
コマ数を記載しておくことが好ましい。また、伝送パケ
ットに携帯電話の機種番号を記載しておいたりしておく
ことが好ましい。なお、本明細書では伝送パケットとし
て説明するがパケットである必要なない。つまり、送信
あるいは発信するデータ中に図18などで説明する情報
(表示色数、フレームレートなど)が記載されたもので
あればいずれでもよい。
【1501】図17は本発明の携帯電話などに送られて
くる伝送フォーマットである。伝送とは受信するデータ
と、送信するデータの双方を含む。つまり、携帯電話は
受話器からの音声あるいは携帯電話に付属のCCDカメ
ラで撮影した画像を他の携帯電話などに送信する場合も
あるからである。したがって、図18などで説明する伝
送フォーマットなどに関連する事項は送信、受信の双方
に適用される。
【1502】本発明の携帯電話などではデータはデジタ
ル化されてパケット形式で伝送される。図16および図
17で記載しているように、フレームの中は、フラグ部
(F)、アドレス部(A)、コントロール部(C)、情
報部(I)、フレームチェックシーケンス(FCS)及
びフラグ部(F)からなる。コントロール部(C)のフ
ォーマットは図 のように情報転送(Iフレーム)、関
し(Sフレーム)、及び非番号制(Uフレーム)の3つ
の形式をとる。
【1503】まず、情報転送形式は情報(データ)を転
送する時に使用するコントロールフィールドの形式で、
非番号性形式の一部を除けば、情報転送形式がデータフ
ィールドを有する唯一の形式である。この形式によるフ
レームを情報フレーム(Iフレーム)という。
【1504】また、監視形式は、データリンクの監視制
御機能、すなわち情報フレームの受信確認、情報フレー
ムの再送要求などを行うために使用する形式である。こ
の形式によるフレームを、監視フレーム(Sフレーム)
という。
【1505】次に非番号制形式は、その他のデータリン
グ制御機能を遂行するために使用するコントロールフィ
ールドの形式で、この形式によるフレームを非番号制フ
レーム(Uフレーム)という。
【1506】端末及び網は送受信する情報フレームを送
信シーケンス番号(S)と受信シーケンスN(R)で管
理する。N(S)、N(R)とも3ビットで構成され、
0〜7までの8個を循環番号として使い、7の次は0と
なるモジュラス構成をとっている。したがって、この場
合のモジュラスは8であり、応答フレームを受信せず
に、連続送信できるフレーム数は7である。
【1507】データ領域には色数データを示す8ビット
のデータとフレームレートを示す8ビットのデータが記
載される。これらの例を図18(a)(b)に示す。ま
た、表示色の色数には静止画と動画の区別を記載してお
くことが好ましい。また、携帯電話の機種名、送受信す
る画像データの内容(人物などの自然画、メニュー画
面)などを図17のパケットに記載しておくことが望ま
しい。データを受け取った機種はデータをデコードし、
自身(該当機種番号)のデータであるとき、記載された
内容によって、表示色、フレームレートなど自動的に変
更する。また、記載された内容を表示装置の表示領域2
1に表示するように構成してもよい。ユーザーは画面2
1の記載内容(表示色、推奨フレームレート)を見て、
キーなどを操作し、最適な表示状態にマニュアルで変更
する。
【1508】なお、一例として、図18(b)では数値
の3はフレームレート80Hzと一例をあげて記載して
いるがこれに限定するものではなく、40−60Hzな
どの一定範囲を示すものであってもよい。また、データ
領域に携帯電話の機種などを記載しておいてもよい。機
種により性能などが異なり、フレームレートを変化させ
る必要も発生するからである。また、画像が漫画である
とか、宣伝(CM)であるとかの情報を記載しておくこ
とも好ましい。また、パケットに視聴料金などの情報を
記載する。パケット長などの情報を記載しておいてもよ
い。ユーザーは視聴料金の確認して情報を受信するか否
かを判断する。また、画像データが誤差拡散処理をされ
ているか否かのデータも記載しておくことが好ましい。
【1509】また、画像処理方法(誤差拡散処理、ディ
ザ処理などの種別、重み付け関数の種類とそのデータ、
ガンマの係数など)、機種番号などの情報を伝送される
フォーマットに記載するようにしておけばよい。また、
画像データがCCDで撮影されたデータとか、JPEG
データか、またその解像度、MPEGデータか、BIT
MAPデータかなどの情報を記載しておく。この記載さ
れたデータをデコードあるいは検出することにより、自
動で受信した携帯電話などで最適な状態に変更できるい
ようになる。
【1510】もちろん、伝送されてくる画像が動画か静
止画かを記載しておくことが好ましい。また、動画の場
合は、動画の1秒あたりのコマ数を記載しておくことが
好ましい。また、受信端末で推奨する再生コマ数/秒な
どの情報も記載しておくことが好ましい。
【1511】以上の事項は、伝送パケットが送信の場合
でも同様である。また、本明細書では伝送パケットとし
て説明するがパケットである必要なない。つまり、送信
あるいは発信するデータ中に図18などで説明する情報
が記載されたものであればいずれでもよい。
【1512】誤差拡散処理コントローラ141は、誤差
処理されて送られてきたデータを、逆誤差拡散処理を行
い、元データにもどしてから再度、誤差拡散処理を行う
機能を付加することが好ましい。誤差拡散処理の有無は
図17のパケットデータに載せておく。また、誤差拡散
(ディザなどの方式も含む)の処理方法、形式など逆誤
差拡散処理に必要なデータも載せておく。
【1513】逆誤差拡散処理を実施するのは、誤差拡散
処理はその処理の過程において、ガンマカーブの補正も
実現できるからである。データを受けたEL表示装置な
どのガンマカーブと、送られてきたガンマカーブとが適
応しない場合がある。また、送信親されてきたデータは
誤差拡散などの処理がすでに実施された画像データであ
る場合がある。
【1514】この事態に対応するために、逆誤差拡散処
理を実施し、元データに変換してガンマカーブ補正の影
響がないようにする。その後、受信したEL表示装置な
どで誤差拡散処理を行い、受信表示パネルに最適なガン
マカーブになり、かつ最適な誤差拡散処理となるように
誤差拡散処理などを実施する。
【1515】また、表示色により、フレームレートを切
り替えたい場合は、携帯電話などの装置にユーザボタン
と配置し、ボタンなどを用いて表示色などを切り替えら
れるようにすればよい。
【1516】図19は情報端末装置の1例としての携帯
電話の平面図である。筐体193にアンテナ191、テ
ンキー192などが取り付けられている。194などが
表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート
切り替えキーである。
【1517】携帯電話などの内部回路ブロックを図20
に示す。回路は主としてアップコンバータ205とダウ
ンコンバータ204のブロック、デェプレクサ201の
ブロックLOバッファ203などのブロックから構成さ
れる。
【1518】キー194を1度押さえると表示色は8色
モードに、つづいて同一キー194を押さえると表示色
は256色モード、さらにキー194を押さえると表示
色は4096色モードとなるようにシーケンスを組んで
もよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化する
トグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更
キーを設けてもよい。この場合、キー194は3つ(以
上)となる。
【1519】キー194はプッシュスイッチの他、スラ
イドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよ
く、また、音声認識などにより切換るものでもよい。た
とえば、4096色を受話器に音声入力すること、たと
えば、「高品位表示」、「256色モード」あるいは
「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより
表示パネルの表示画面21に表示される表示色が変化す
るように構成する。これは現行の音声認識技術を採用す
ることにより容易に実現することができる。
【1520】また、表示色の切り替えは電気的に切換る
スイッチでもよく、表示パネルの表示部21に表示させ
たメニューを触れることにより選択するタッチパネルで
も良い。また、スイッチを押さえる回数で切換る、ある
いはクリックボールのように回転あるいは方向により切
換るように構成してもよい。
【1521】194は表示色切換キーとしたが、フレー
ムレートを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と
静止画とを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と
静止画とフレームレートなどの複数の要件を同時に切り
替えてもよい。また、押さえ続けると徐々に(連続的
に)フレームレートが変化するように構成してもよい。
この場合は発振器を構成するコンデンサC、抵抗Rのう
ち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボリウムにしたり
することにより実現できる。また、コンデンサはトリマ
コンデンサとすることにより実現できる。また、半導体
チップに複数のコンデンサを形成しておき、1つ以上の
コンデンサを選択し、これらを回路的に並列に接続する
ことにより実現してもよい。
【1522】なお、表示色などによりフレームレートを
切換るという技術的思想は携帯電話に限定されるもので
はなく、パームトップコンピュータや、ノートパソコ
ン、ディスクトップパソコン、携帯時計など表示画面を
有する機器に広く適用することができる。また、液晶表
示装置(液晶表示パネル)に限定されるものではなく、
液晶表示パネル、有機EL表示パネルや、TFTパネ
ル、PLZTパネルや、CRTにも適用することができ
る。
【1523】図204において、2043はファンクシ
ョンスイッチ(FSW)である。FSW2043は、小
指、薬指で押さえられる位置に配置されている。また、
FSW2043a、2043bは左右に配置されてい
る。これは、右手の小指、薬指で押さえられこと、左手
の小指、薬指で押さえられことを実現できるように構成
したためである。なお、ESWは筐体193の裏面に配
置してもよい。
【1524】右手用のFSW2043を有効にするか、
左手のFSW2043を有効にするかは、コマンド設定
でユーザーが切り返れるようにしている。つまり、ユー
ザーがメニュー画面で右側用を有効にする設定すると、
右手用のFSW2043が有効になり、左手のFSW2
043は無効になる。逆に、ユーザーがメニュー画面で
左側用を有効にする設定すると、左手用のFSW204
3が有効になり、右手のFSW2043は無効になる。
【1525】図206(a)に図示するように、FSW
2043が押されてない時は、キー192は数字入力キ
ーとなる。
【1526】図206(b)のようにFSW2043a
が押されると、ひらがな入力モードとなる。この時は、
「あ、か、さ、た、な…・」の一番上の文字が指定され
る。この状態でまず、「あ」を選択する。次に、FSW
2043bも押さえると、先に押さえられた文字列を含
む5つの文字の入力状態となる。この状態で特定のキー
を押さえると文字が入力される。したがって、FSW2
043とキー192とを組み合わせることにより、容易
に日本語入力を実現できる。また、図206(d)に図
示するように、FSW2043bのみを押さえると、英
文字入力モードとなる。
【1527】以上のように、キー192の他に、FSW
2043を配置することにより、容易に多種多様な文字
入力が可能になる。
【1528】さらに、本発明のEL表示パネルあるいは
EL表示装置もしくは駆動方法を採用した実施の形態に
ついて、図面を参照しながら説明する。
【1529】45は本発明の実施の形態におけるビュー
ファインダの断面図である。但し、説明を容易にするた
め模式的に描いている。また一部拡大あるいは縮小した
箇所が存在し、また、省略した箇所もある。たとえば、
図45において、接眼カバーを省略している。以上のこ
とは他の図面においても該当する。
【1530】ボデー451の裏面は暗色あるいは黒色に
されている。これは、EL表示パネル(表示装置)82
から出射した迷光がボデー451の内面で乱反射し表示
コントラストの低下を防止するためである。また、表示
パネルの光出射側には位相版(λ/4板など)、偏光板
51などが配置されている。このことは図4でも説明し
ている。
【1531】接眼リング452には拡大レンズ453が
取り付けられている。観察者は接眼リング452をボデ
ー451内での挿入位置を可変して、表示パネルの表示
画像にピントがあうようい調整する。
【1532】また、必要に応じて表示パネルの光出射側
に正レンズ454を配置すれば、拡大レンズ453に入
射する主光線を収束させることができる。そのため、拡
大レンズ453のレンズ径を小さくすることができ、ビ
ューファインダを小型化することができる。
【1533】図46はビデオカメラの斜視図である。ビ
デオカメラは撮影(撮像)レンズ部461とビデオかメ
ラ本体462と具備し、撮影レンズ部461とビューフ
ァインダ部466とは背中合わせとなっている。また、
ビューファインダ(図45も参照)466には接眼カバ
ー464が取り付けられている。観察者(ユーザー)は
この接眼カバー464部から表示パネルの画像を観察す
る。
【1534】一方、本発明のEL表示パネルは表示モニ
ター21としても使用されている。表示部21は支点4
68で角度を自由に調整できる。表示部21を使用しな
い時は、格納部463に格納される。
【1535】図46において、465は表示モード切り
替えスイッチである。スイッチ465を押さえると図3
5の回路が動作し、図35で説明した事項が実施され
る。
【1536】本実施の形態のEL表示装置ははビデオカ
メラだけでなく、図47に示すような電子カメラにも適
用することができる。表示装置落ち82はカメラ本体4
72に付属されたモニターとして用いる。カメラ本体4
72にはシャッタ471の他、スイッチ465が取り付
けられている。
【1537】また、タッチパネルを搭載し、指やペンで
WebブラウジングやEメールなどを操作できるインタ
ーネット端末機能を有している。また、ハードディスク
装置の代わりに256Mバイト以上のコンパクト・フラ
ッシュ・カード(誤り訂正機能付き)を搭載することが
好ましい。ウィンドウズOSの基本機能部分だけを採用
することで低容量化が図る。HDDがないため、ディス
ク・クラッシュなどの心配がなく堅牢性を確保できる。
PCカード・スロットを2つ装備させる。モデムや、I
SDN、PIAFS、LAN、無線LANなどを利用で
きるように構成することが好ましい。無線LAN用のア
ンテナ内蔵させる。USB/RS232Cインターフェースによ
り、バーコード・リーダなどの業務用周辺機器も接続で
きるようにしている。キーボードがない省スペース設計
に加え,水濡れやホコリに耐える(JIS防滴2級に準拠)
ように構成する。タッチパネルや、アプリケーションを
簡単に起動できる「ワンタッチ・キー」の採用,手書き
E-mail機能(手書きメモ機能を含む)の搭載など、BtoB
toCでの一般ユーザーの利用を想定して操作性の向上を
図っている。以上の機能などは本発明の他の表示装置、
情報端末なども搭載する。
【1538】表示モード切り替えスイッチ465は、携
帯電話などにも取り付けることが好ましい。また、携帯
電話などでは、以前に説明した表示モード切り替えスイ
ッチの機能表示輝度を切り替える機能をも付加すること
が好ましい。以下、この表示輝度をデジタル的に変化さ
せる方法について説明する。
【1539】図138などで説明したが、本発明の駆動
方法の1つにN倍の電流をEL素子15に流し、1Fの
1/Mの期間だけ点灯させる方法がある。この点灯させ
る1/MのMの値だけをきりかえることのより、明るさ
をデジタル的に変更することができる。たとえば、N=
4として、EL素子15には4倍の電流を流す。点灯期
間を1/Mとし、M=1、2、3、4と切り替えれば、
1倍から4倍までの明るさ切り替えが可能となる。な
お、M=1、1.5、2、3、4、5、6などと変更で
きるように構成してもよい。
【1540】以上の切り替え動作は、携帯電話の電源を
オンしたときに、表示画面21を非常に明るく表示し、
一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表
示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希
望する明るさに設定する機能としても用いることができ
る。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくす
る。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるか
らである。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子
15は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場
合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成して
おく。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーが
ボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構
成しておく。
【1541】したがって、ユーザーがボタンで切り替え
できるようにしておくか、設定モードで自動的に変更で
きるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えでき
るように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度
を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できる
ように構成しておくことが好ましい。
【1542】また、表示画面はガウス分布表示にするこ
とが好ましい。ガウス分布表示とは、中央部の輝度が明
るく、周辺部を比較的暗くする方式である。視覚的に
は、中央部が明るければ周辺部が暗くとも明るいと感じ
られる。主観評価によれば、周辺部が中央部に比較して
70%の輝度を保っておれば、視覚的に遜色ない。さら
に低減させて、50%輝度としてもほぼ、問題がない。
本発明の自己発光型表示パネルでは、以前に説明したN
倍パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1F
の1/Mの期間だけ点灯させる方法)を用いて画面の上
から下方向に、ガウス分布を発生させている。
【1543】具体的には、画面の上部と下部ではMの値
と大きくし、中央部でMの値を小さくする。これは、ゲ
ートドライバ12のシフトレジスタの動作速度を変調す
ることなどにより実現する。画面の左右の明るさ変調
は、テーブルのデータと映像データとを乗算することに
より発生させている。以上の動作により、周辺輝度(画
角0.9)を50%にした時、100%輝度の場合に比
較して約20%の低消費電力化が可能である。周辺輝度
(画角0.9)を70%にした時、100%輝度の場合
に比較して約15%の低消費電力化が可能である。
【1544】なお、ガウス分布表示はオンオフできるよ
うに切り替えスイッチなどを設けることが好ましい。た
とえば、屋外などで、ガウス表示させると画面周辺部が
全く見えなくなるからである。したがって、ユーザーが
ボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モード
で自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動
的に切り替えできるように構成しておくことが好まし
い。また、周辺輝度を50%、60%、80%とユーザ
ーなどが設定できるように構成しておくことがこのまし
い。
【1545】液晶表示パネルではバックライトで固定の
ガウス分布を発生させている。したがって、ガウス分布
のオンオフを行うことはできない。ガウス分布をオンオ
フできるのは自己発光型の表示デバイス特有の効果であ
る。
【1546】また、フレームレートが所定の時、室内の
蛍光灯などの点灯状態と干渉してフリッカが発生する場
合がある。つまり、蛍光灯が60Hzの交流で点灯して
いるとき、EL表示素子15がフレームレート60Hz
で動作していると、微妙な干渉が発生し、画面がゆっく
りと点滅しているように感じられる場合がある。これを
さけるにはフレームレートを変更すればよい。本発明は
フレームレートの変更機能を付加している。また、N倍
パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの
1/Mの期間だけ点灯させる方法)において、Nまたは
Mの値を変更できるように構成している。
【1547】以上の事項は、携帯電話だけに限定される
ものではなく、テレビ、モニターなどに用いることがで
きることはいうまでもない。また、どのような表示状態
にあるかをユーザーがすぐに認識できるように、表示画
面にアイコン表示をしておくことが好ましい。以上の事
項は以下の事項に対しても同様である。
【1548】また、クロック・フェーズと画面位置(水
平・垂直)を自動調整する「画面自動調整」機能や、ブ
ラック・レベル・コントラストを自動調整する「オート
ゲインコントロール機能」を搭載することが好ましい。
ブラック・レベル・コントラストを適正な値に調整し、
RGB各色に対して最適な階調表示を実現できる。さら
に、VGAモードなどを縮小、あるいは拡大表示した際
に発生するにじみなどを抑える機能を搭載することが好
ましい。また,一定時間使用しない際には,自動的にバ
ックライトが消える「パワーセーブモード」を搭載する
ことが好ましい。また、N倍パルス駆動(N倍の電流を
EL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させ
る方法)を用い、Mの値をかなり大きくし、うっすらと
画像が認識できる程度に表示輝度を低下させてもよい。
以上の事項は他の本発明でも同様である。
【1549】以上は表示パネル82の表示領域が比較的
小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表
示画面21がたわみやすい。その対策のため、本発明で
は図48に示すように表示パネル82に外枠481をつ
け、外枠481をつりさげられるように固定部材482
で取り付けている。この固定部材482を用いて図49
に示すようにネジ等の固定金具482を用いて壁491
などに取り付ける。
【1550】しかし、表示パネル82の画面サイズが大
きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネル8
2の下側に脚取り付け部484を配置し、複数の脚48
3で表示パネル82の重量を保持できるようにしてい
る。
【1551】脚483はAに示すように左右に移動で
き、また、脚483はBに示すように収縮できるように
構成されている。そのため、狭い場所であっても表示装
置を容易に設置することができる。
【1552】なお、脚483あるいは筐体(他の本発明
においても)にはプラスチックフィルム−金属板複合材
(以後、複合材と呼ぶ)を使用する。複合材は、金属と
プラスチックフィルムを特殊表面処理層(接着層)を介
して強力に接着したものである。金属板は0.2mm以
上0.8mm以下が好ましく、金属板に特殊表面処理層
を介してはりあわされるプラスチックフィルムは15μ
m以上100μm以下にすることが好ましい。特殊接着
法によりプラスチックと金属板間に強固な密着力を有す
るようになる。この複合材を使用することにより、プラ
スチック層への着色、染色、印刷が可能となり、また、
プレス部品での二次加工工程(フィルムの手貼り、メッ
キ塗装)の削除が可能となる。また、従来では不可能で
あった深絞り成形やDI成形に適する。
【1553】図48のテレビでは、画面の表面を保護フ
ィルム(保護板でもよい)493で被覆している。これ
は、表示パネル82の表面21に物体があたって破損す
ることを防止することが1つの目的である。保護フィル
ム493の表面にはAIRコートが形成されており、ま
た、表面をエンボス加工することにより液晶表示パネル
21に外の状況(外光)が写り込むことを抑制してい
る。
【1554】保護フィルム493と表示パネル82間に
ビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置さ
れるように構成されている。また、保護フィルム493
の裏面に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネル8
2と保護フィルム493間に空間を保持させる。このよ
うに空間を保持することにより保護フィルム493から
の衝撃が表示パネル82に伝達することを抑制する。
【1555】また、保護フィルム493と表示パネル8
2間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるい
はゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹
脂などの光結合剤を配置または注入することも効果があ
る。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩
衝材として機能するからである。
【1556】保護フィルム493をしては、ポリカーボ
ネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム
(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィル
ム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。そ
の他エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を用
いることができることは言うまでもない。また、強化ガ
ラスなど無機材料からなるものでもよい。保護フィルム
493を配置するかわりに、表示パネル82の表面をエ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂で0.5m
m以上2.0mm以下の厚みでコーティングすることも
同様の効果がある。また、これらの樹脂表面にエンボス
加工などをすることも有効である。
【1557】また、保護フィルム493あるいはコーテ
ィング材料の表面をフッ素コートすることも効果があ
る。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすこ
とができるからである。また、保護フィルムを厚く形成
し、フロントライトと兼用してもよい。
【1558】画面は4:3に限定されるものではなく、
ワイド表示ディスプレイでもよい。解像度は1280×
768ドット以上にすることが好ましい。ワイド型をす
ることにより、DVD映画やテレビ放送など、横長表示
のタイトルや番組をフルスクリーンで楽しむことができ
る。表示パネル82の明るさは300cd/m2(カン
デラ/平方メートル)にすることが好ましい。さらに好
ましくは、表示パネルの明るさは500cd/m2(カ
ンデラ/平方メートル)にすることが好ましい。また、
インターネットや通常のパソコン作業に適した明るさ
(200cd/m 2)で表示できるように切り替えスイ
ッチを設置している。
【1559】したがって、使用者は表示内容あるいは使
用方法により、最適に画面の明るさにすることができ
る。さらに動画を表示しているウインドウだけを500
cd/m2にして、その他の部分は200cd/m2にす
る設定も用意している。テレビ番組をディスプレイの隅
に表示しておいて、メールをチェックするといった使い
方にも柔軟に対応する。スピーカーはタワー型の形状に
なり、前方向だけではなく、空間全体に音が広がるよう
に設計されている。
【1560】テレビ番組の再生、録画機能も使い勝手が
向上させている。iモードからの録画予約が簡単にでき
るようにしている。従来は新聞などのテレビ番組表で時
間、チャンネルを確認してから予約する必要があった
が、電子番組表をiモードで確認して予約できる。これ
なら、放送時間が分からなくて困ることもない。また、
録画番組の短縮再生もできるようにしている。ニュース
番組などのテロップや音声の有無で重要性を判断しなが
ら、不必要と判断した部分を飛ばして、番組の概要を短
時間で見ることができる(30分番組で1〜10分程
度)。
【1561】テレビ録画ができるようにディスク容量が
40GB以上のハードディスクを積載している。本体の
ほかに電源と映像用入出力端子をまとめた拡張ボックス
で構成している。ビデオなどのAV機器の接続に使う拡
張ボックスには、パソコンとテレビのほかに2系統の映
像機器を接続できる。映像入力はBSデジタルチューナ
ー用のD1端子のほかにS端子入力も備え、接続する機
器に合わせて選択できる。ゲーム機などの接続に便利な
ようにAV用の端子は前面に配置されている。
【1562】また、表示画面を前屈30度以上、後屈1
20度以上とすることにより、90度/180/270
度に回転できるように構成することにより、操作環境に
あわせた自在な設置が可能となる。たとえば、90度回
転させてブラウザー画面を縦長に表示することができ
る。また、145度後屈させることによって対面に座っ
た人へ向かって画面を表示できる。
【1563】以上の保護フィルム493、筐体、構成、
特性、機能などに関する事項は本発明の他の表示装置あ
るいは情報表示装置などにも適用されることは言うまで
もない。
【1564】なお、図69などでコンデンサ19の一方
の端子はVdd電源と接続するとしたがこれに限定する
ものではない。たとえば、図119に図示するように、
前段のゲート信号線17aに一方の端子を接続してもよ
い。前段(1つ前の画素行)のゲート信号線17aは1
H前に選択され、電位変動が発生するが、その後は、次
の1F(次回選択されるまで)で選択されるまで、電位
は固定される。つまり、前段のゲート信号線17a1は
オフ電位(Vgh)に固定されている。したがって、コ
ンデンサ19の一方の電極として使用することができ
る。このように前段のゲート信号線をコンデンサの電極
として使用する構成を前段構成と呼ぶ。
【1565】なお、図119ではゲート信号線17aを
電極として使用するとしたがこれに限定するものではな
く、他のゲート信号線でもよい。また、前段構成の技術
的思想は、選択されていない画素の固定電位を使用する
方式である。したがって、場合によっては、後段のゲー
ト電位を使用することもできる(たとえば、ゲート信号
線17b、逆バイアス電位Vmなど)。以上の事項は他
の画素構成にも適用できることは言うまでもない。
【1566】同様の事項は図67の電圧プログラムの画
素構成にも適用することができる。前段構成としては、
図120の構成が例示される。つまり、コンデンサ19
の一方の電位はゲート信号線17a1の電位とされてい
る。また、図103の前段構成は図121となる。以上
のように前段構成を採用することにより、画素内に形成
する電源配線数を減少させることができる。したがっ
て、高開口率化も実現できる。
【1567】すでに説明したが、図67のTFT11
e、図68のTFT11e、図69のTFT11d、図
70のTFT11d、図71のTFT11e、図72の
TFT11b、図73のTFT11d、図75のTFT
11d、図76のTFT11e、図77のTFT11
d、図78のTFT11d、図82のTFT11d、図
83のTFT11eなどのオンオフ状態を制御すること
により、図31、図32、図図39、図50、図61、
図62、図63、図64、図65、図66、図85など
で説明した駆動方法あるいは表示方法もしくは装置を実
施できることは言うまでもない。
【1568】また、図1などのスイッチングTFT11
b,11cなどはnチャンネルで形成することが好まし
い。コンデンサ19への突き抜け電圧が低減するからで
ある。また、コンデンサ19のオフリークも減少するか
ら、10Hz以下の低いフレームレートにも適用できる
ようになる。
【1569】また、画素構成によっては、突き抜け電圧
がEL素子15に流れる電流を増加させる方向に作用す
る場合は、白ピーク電流が増加し、画像表示のコントラ
スト感が増加する。したがって、良好な画像表示を実現
できる。
【1570】逆に、図1のスイッチングTFT11b、
11cをPチャンネルにすることのより突き抜けを発生
させて、より黒表示を良好にする方法も有効である。P
チャンネルTFT11bがオフするときにはVgh電圧
となる。そのため、コンデンサ19の端子電圧がVdd
側に少しシフトする。そのため、TFT11aのゲート
(G)端子電圧は上昇し、より黒表示となる。また、第
1階調表示とする電流値を大きくすることができるから
(階調1までに一定のベース電流を流すことができ
る)、電流プログラム方式で書き込み電流不足を軽減で
きる。
【1571】その他、ゲート信号線17aとTFT11
aのゲート(G)端子間に積極的にコンデンサを形成
し、突き抜け電圧を増加させる構成も有効である(図1
71を参照)。このコンデンサの容量はコンデンサ19
の容量の1/50以上1/10以下にすることが好まし
い。さらには1/40以上1/15以下とすることが好
ましい。もしくはTFT11bのソース−ゲート(SG
もしくはゲート−ドレイン(GD))容量の1倍以上1
0倍以下にする。さらに好ましくは、SG容量の2倍以
上6倍以下にすることが好ましい。なお、コンデンサの
形成位置は、コンデンサ19の一方の端子(TFT11
aのゲート(G)端子)とTFT11dのソース(S)
端子間に形成または配置してもよい(図172を参
照)。この場合も容量などは先に説明した値と同様であ
る。
【1572】突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bの
容量(容量をCb(pF)とする)は、電荷保持用のコ
ンデンサ19aの容量(容量とCa(pF)とする)
と、TFT11aの白ピーク電流時(画像表示で表示最
大輝度の白ラスター時)のゲート(G)端子電圧Vwを
黒表示での電流を流す(基本的には電流は0である。つ
まり、画像表示で黒表示としている時)時のゲート
(G)端子電圧Vbが関連する。これらの関係は、 Ca/(200Cb) ≦ |Vw−Vb| ≦ Ca
/(8Cb) の条件を満足させることが好ましい。なお、|Vw−V
b|とは、駆動用TFTの白表示時の端子電圧と黒表示
時の端子電圧との差の絶対値である(つまり、変化する
電圧幅)。
【1573】さらに好ましくは、 Ca/(100Cb) ≦ |Vw−Vb| ≦ Ca
/(10Cb) の条件を満足させることが好ましい。
【1574】TFT11bはPチャンネルにし、このP
チャンネルは少なくともダブルゲート以上にする。この
ましくは、トリプルゲート以上にする。さらに好ましく
は、4ゲート以上にする。そして、TFT11bのソー
ス−ゲート(SGもしくはゲート−ドレイン(GD))
容量(TFTがオンしているときの容量)の1倍以上1
0倍以下のコンデンサを並列に形成または配置すること
が好ましい。
【1575】なお、以上の事項は、図1の画素構成だけ
でなく、他の画素構成でも有効である。たとえば、図2
1、図43、図71、図22のカレントミラーの画素構
成において、突き抜けを発生させるコンデンサをゲート
信号線17aまたは17bとTFT11aのゲート
(G)端子間に配置または形成する(図173、図17
4を参照)。スイッチングTFT11cのnチャンネル
はダプルゲート以上とする。もしくはスイッチングTF
T11c、11dをpチャンネルとし、トリプルゲート
以上とする。図68の電圧プログラムの構成にあって
は、ゲート信号線17cと駆動用TFT11aのゲート
(G)端子間に突き抜け電圧発生用のコンデンサ19c
を形成または配置する(図221を参照)。また、スイ
ッチングTFT11cはトリプルゲート以上とする。突
き抜け電圧発生用のコンデンサ19cはTFT11cの
ドレイン(D)端子(コンデンサ19b側)と、ゲート
信号線17a間に配置してもよい。また、突き抜け電圧
発生用のコンデンサ19cはTFT11aのゲート
(G)端子と、ゲート信号線17a間に配置してもよ
い。また、突き抜け電圧発生用のコンデンサ19cはT
FT11cのドレイン(D)端子(コンデンサ19b
側)と、ゲート信号線17c間に配置してもよい。
【1576】また、電荷保持用のコンデンサ(図1、図
21、図43、図71では19)の容量をCaとし、ス
イッチング用のTFT(図1では11b、図21、図4
3、図71では11cまたは11d)のソース−ゲート
容量Cc(突き抜け用のコンデンサがある場合には、そ
の容量を加えた値)とし、ゲート信号線に印加される高
電圧信号(Vgh)とし、ゲート信号線に印加される低
電圧信号(Vgl)とした時、以下の条件を満足するよ
うに構成することにより、良好な黒表示を実現できる。
【1577】0.05(V) ≦ (Vgh−Vgl)
×(Cc/Ca) ≦ 0.8(V) さらに好ましくは、以下の条件を満足させることが好ま
しい。
【1578】0.1(V) ≦ (Vgh−Vgl)×
(Cc/Ca) ≦ 0.5(V) 以上の事項は図54、図57、図67、図103などの
画素構成にも有効である。たとえば、図57の電圧プロ
グラムの画素構成では、TFT11aのゲート(G)端
子とゲート信号線17a間に突き抜け電圧発生用のコン
デンサ19bを形成または配置する。
【1579】なお、突き抜け電圧を発生させるコンデン
サ19bは、TFTのソース配線とゲート配線で形成す
る。ただし、TFT11のソース幅を広げて、ゲート信
号線17と重ねて形成する構成であるから、実用上は明
確にTFTと分離できない構成である場合がある。
【1580】また、スイッチングTFT11b、11c
(図1の構成の場合)を必要以上に大きく形成すること
により、見かけ上、突き抜け電圧用のコンデンサ19b
を構成する方式も本発明の範疇である。スイッチングT
FT11b、11cはチャンネル幅W/チャンネル長L
=6/6μmで形成することが多い。これをWと大きく
することも突き抜け電圧用のコンデンサ19bを構成す
ることになる。例えば、W:Lの比を2:1以上20:
1以下にする構成が例示される。好ましくは、W:Lの
比を3:1以上10:1以下にすることがよい。
【1581】また、突き抜け電圧用のコンデンサ19b
は、画素が変調するR、G、Bで大きさ(容量)を変化
させることが好ましい(図233を参照のこと)。R、
G、Bの各EL素子15の駆動電流が異なるためであ
る。また、EL素子15のカットオフ電圧が異なるため
である。そのため、EL素子15の駆動用TFT11a
のゲート(G)端子にプログラムする電圧(電流)が異
なるからである。たとえば、Rの画素のコンデンサ11
bRを0.02pFとした場合、他の色(G、Bの画
素)のコンデンサ11bG、11bBを0.025pF
とする。また、Rの画素のコンデンサ11bRを0.0
2pFとした場合、Gの画素のコンデンサ11bGと
0.03pFとし、Bの画素のコンデンサ11bBを
0.025pFとするなどである。このように、R、
G、Bの画素ごとにコンデンサ11bの容量を変化させ
ることのよりオフセットの駆動電流をRGBごとに調整
することができる。したがって、各RGBの黒表示レベ
ルを最適値にすることができる。
【1582】以上は、突き抜け電圧発生用のコンデンサ
19bの容量を変化させるとしたが、図233などでの
構成では、突き抜け電圧は、保持用のコンデンサ19a
と突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bとの容量の相
対的なものである。したがって、コンデンサ19bを
R、G、Bの画素で変化することに限定するものではな
い。つまり、保持用コンデンサ19aの容量を変化させ
てもよい。たとえば、Rの画素のコンデンサ11aRを
1.0pFとした場合、Gの画素のコンデンサ11aG
と1.2pFとし、Bの画素のコンデンサ11aBを
0.9pFとするなどである。この時、突き抜け用コン
デンサ19bの容量は、R、G、Bで共通の値とする。
したがって、本発明は、保持用のコンデンサ19aと突
き抜け電圧発生用のコンデンサ19bとの容量比を、
R、G、Bの画素のうち、少なくとも1つを他と異なら
せたものである。なお、保持用のコンデンサ19aの容
量と突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bとの容量と
の両方をR、G、B画素で変化させてもよい。
【1583】また、画面21の左右で突き抜け電圧用の
コンデンサ19bの容量を変化させてもよい(図234
を参照のこと)。画素16aは、ゲートドライバ12に
近い位置にある。つまり、画素16aは信号供給側に配
置されているので、ゲート信号の立ち上がりが速い(ス
ルーレートが高いからである。波形2341aを参照の
こと)ため、突き抜け電圧が大きくなる。画素16bは
ゲート信号線17端に配置(形成)されているため、信
号波形が鈍っている(ゲート信号線17には容量がある
ためである。波形2341bを参照のこと)。ゲート信
号の立ち上がりが遅い(スルーレートが遅い)ため、突
き抜け電圧が小さくなるためである。したがって、ゲー
トドライバ12との接続側に近い画素16aの突き抜け
電圧用コンデンサ19bを小さくする。また、ゲート信
号線17端はコンデンサ19bを大きくする。たとえ
ば、画面の左右でコンデンサの容量は10%程度変化さ
せる。
【1584】図233でも説明したが、発生する突き抜
け電圧は、保持用コンデンサ19aと突き抜け電圧発生
用のコンデンサ19bの容量比で決定される。したがっ
て、図234では、画面の左右で突き抜け電圧発生用の
コンデンサ19bの大きさを変化させるとしたが、これ
に限定するものではない。突き抜け電圧発生用のコンデ
ンサ19bは画面の左右で一定にし、電荷保持用のコン
デンサ19aの容量を画面の左右で変化させてもよい。
また、突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bと、電荷
保持用のコンデンサ19a容量の両方を画面の左右で変
化させてもよいことは言うまでもない。
【1585】また、図234において、画面21の左右
でコンデンサ19aまたは19bの容量を変化させると
したが、ドライバ回路12などが画面21の左右に配置
されている場合(たとえば、両側給電)、画面21の左
右のコンデンサ19a、19bの容量は等しくてよい。
しかし、今度は画面の中央部の信号波形が、画面の左右
の信号波形に比較して鈍っている場合がある。したがっ
て、この場合は、突き抜け電圧発生用のコンデンサ19
bは画面の左右で一定にし、電荷保持用のコンデンサ1
9aと突き抜け電圧用用のコンデンサ19a容量は、画
面21の左右では同一にし、電荷保持用のコンデンサ1
9aと突き抜け電圧用用のコンデンサ19a容量のうち
少なくとも一方を、画面21の端と中央部で変化させ
る。
【1586】また、図234において、画素16aと画
素16cのように、ゲートドライバ12の形成位置から
同一位置にあっても、突き抜け電圧などが異なる場合が
ある。たとえば、ゲートドライバ12の電源の供給位置
あるいは電圧降下、ソースドライバ14からの信号供給
位置関係からである。したがって、図234の画素16
cは、画素16aに対して、突き抜け電圧発生用のコン
デンサ19bの容量と電荷保持用コンデンサ19aの容
量のうち、少なくとも一方を異ならせる。画素16dに
ついても同様である。
【1587】以上のように、本発明は、突き抜け電圧発
生用のコンデンサ19bの容量と電荷保持用コンデンサ
19aの容量のうち、少なくとも一方を、表示画面21
内で他の部分と変化させた箇所があるものである。
【1588】図171、図172のように本発明のコン
デンサ11bを形成(配置)する構成は以下のとおりで
ある。つまり、スイッチングTFTがオンし、その後、
オフする。この時、コンデンサ11aなどに作用し、E
L素子15駆動用TFT11(図1ではTFT11a)
のゲート(G)端子を変化させることにより、TFT1
1の電流が流れないようにする方向に機能する構成であ
る。つまり、図171、図172などはpチャンネルの
場合である。図210に図示するようにnチャンネルの
場合でも適用することができる。nチャンネルの場合
は、VghでTFTがオンし、VglでTFTがオフす
る。したがって、nチャンネルTFT11b(11c)
がオン(画素行が選択されている)からオフ(次の画素
行が選択される)する際に、駆動用TFT11aが電流
を流さない方向に作用するように構成すればよい。した
がって、本発明は、選択するTFTがオフになる際に、
EL素子15に電流を流さない方向に動作させるように
構成したものである。
【1589】図228を用いて説明すれば、なお、理解
が容易となるであろう。まず、ソースドライバ回路14
には画像データとしての電流Iwがソース信号線18か
ら吸い込まれる。なお、ここでは説明を容易にするた
め、プログラム電流Iwをソースドライバ回路14が吸
い込む方向で動作し、各画素16にプログラムされると
して説明をする。以下、動作について、図228および
図229を参照しながら説明をする。なお、説明は、画
素行(1)として説明をする。
【1590】図228(a)に図示するように、ゲート
信号線17a(1)にオン電圧(Vgl)が印加され、
画素が選択される。この時、ゲート信号線17b(1)
にはオフ電圧(Vgh)が印加される。したがって、ス
イッチングTFT11bおよび11cがオンし、TFT
11dはオフ状態である。
【1591】ソース信号線18にはプログラム電流Iw
が流れる。このプログラム電流IwはTFT11aによ
って、供給させる(電流Idd=Iw)。この電流Id
dが流れることにより、ソース信号線18の電位が所定
電圧となり、TFT11aのゲート(G)端子電圧Vg
が電流プログラムされる。電流プログラムされた電流と
はIw電流である。つまり、TFT11aはプログラム
電流Iwが流れるようにVg電圧が設定される。他の言
い方をすれば、ソース信号線の電位が画素にプログラム
されたとも言うことができる。つまり、画素の動作状態
としては電圧(が)プログラムされたとも言うことがで
きる。
【1592】1H(1水平走査期間)後、ゲート信号線
17a(1)にはオフ電圧(Vgh)が印加され、TF
T11b、TFT11cがオフし、コンデンサ11aに
プログラム電流Iwを流すのに必要な電圧が保持され
る。また、ゲート信号線17b(1)にオン電圧(Vg
l)が印加され、TFT11dがオンする。したがっ
て、Ie(=Iw)電流がEL素子15に流れ、EL素
子15がプログラムされた電流(Ie)で点灯する(図
228(b)を参照)。
【1593】以上が、以前にも説明した電流プログラム
方式の動作である。しかし、本発明は以上の動作を異な
る。EL素子15に流れる電流Ieは、Iwよりも小さ
くしているからである。この理由は、図229のVg
(TFT11aのゲート(G)端子電圧)の変化を見る
とわかる。
【1594】理解を容易にするために、TFTのPチャ
ンネルの動作について説明をする。PチャンネルTFT
はゲート(G)端子電圧Vgがマイナス側にあるほど大
きなオン電流が流れる。0(V)では完全にオフする。
オン電流がTFTのW/Lおよびモビリティ、S値によ
って異なる。TFTのW/Lが6/12の時、およそ−
3(V)までは、チャンネル電流(Idd)はごく僅か
である。−4(V)〜−4.5(V)で1〜5μAの電
流が流れる。
【1595】図229は、画素(1)のTFT11aに
ほぼ、黒表示をするための電流をプログラムする時を示
している。まず、画素(1)のVg電圧はVw(白表示
など)が保持されているとする。画素(1)が選択され
ると、ゲート信号線17a(1)がVghからVglに
変化するため、コンデンサ19bによって、ゲート信号
線17aの電位が突き抜ける。この突き抜けによりVg
電圧はV0となる。
【1596】次に、TFT11aはソースドライバ回路
14が吸収する電流Iwに等しい電流を流す。しかし、
黒表示の場合、TFT11aが流す電流の値は小さい。
一例として30nA以下である。このような電流では、
ソース信号線18の寄生容量を1H期間内に十分に充放
電することができない。したがって、ソース信号線18
の電位を1H期間内に所定電圧にすることができない。
つまり、Vg電圧も低く、本来必要な電圧Vbとするこ
とができず、Vc電圧となる。
【1597】Vc電圧は、Vb電圧よりも低いため、T
FT11aはEL素子15に黒表示よりも大きな電流を
流す。そのため、EL素子15は所望値よりも明るく発
光する。したがって、EL表示パネルでは、黒浮きが発
生し、高コントラスト表示を実現できない。
【1598】しかし、本発明の動作は以上の動作と異な
る。ゲート信号線17a(1)がオン電圧(vgl)か
らオフ電圧(Vgh)に変化するため、再び、コンデン
サ19bにより突き抜け電圧が発生するからである。こ
の突き抜け電圧により、Vg電圧はVc電圧から本来、
必要とするVb電圧にシフトする。したがって、TFT
11aは全く電流を流さないようにプログラムされる
か、もしくは所望値の黒電流を流すようにプログラムさ
れる。つまり、EL素子15には微小な電流しか流れな
いようにプログラムされる。そのため、本発明のEL表
示パネルは黒浮きがなく、高コントラスト表示を実現で
きる。このVb電圧は1フィールド(1フレーム)、つ
まり、次に画素が選択され、書き換えられるまで保持さ
れる。
【1599】本発明は突き抜け電圧をうまく利用して、
良好な黒表示を実現している。該当の画素行が選択さ
れ、ゲート信号線17aにオン電圧が印加されると、図
229に図示するようにV0電圧が突き抜けてVg電圧
がより、白表示をなる方向にシフトしてしまう。しか
し、この突き抜けた電圧は、ソース信号線18からの電
圧により短時間に充電される。特に、TFT11aのゲ
ート(G)端子電圧が低下する方向であるので、TFT
11aがより電流を流す方向になり、短時間に充電され
るのである。しがたって、V0電圧分の突き抜けは全く
問題とならない。
【1600】TFT11aのゲート(G)端子電圧Vg
が目標値のVb電圧に近づくにつれて、TFT11aは
電流を流さない方向となる。したがって、目標の端子電
圧Vbになかなか到達しない。特に、プログラムされる
電流が黒表示の電流に近づくにつれてその影響が顕著に
なる。図229では1Hの選択期間の終了時でもVb電
圧とならず、Vc電圧となっている。
【1601】1Hの期間後、該当の画素行が非選択さ
れ、ゲート信号線17aにオフ電圧が印加されると、図
229に図示するようにゲート信号線17aには、Vg
h電圧が印加され、突き抜け電圧が発生する。この突き
抜け電圧により、TFT11aのゲート(G)端子電圧
が目標のVb電圧に到達する。
【1602】以上のように本発明は、ゲート信号線17
aの電圧変動はコンデンサ11bを介してTFT11a
に供給し、EL素子15に流れる電流を制御している。
この制御は特に、黒表示を実現するのに有効である。
【1603】以上の説明では、選択した画素行のゲート
信号線17aの突き抜け電圧により、駆動用TFT11
aを制御するものであった。しかし、本発明は、これに
限定するものではない。たとえば、図230に図示する
ように、隣接した画素行のゲート信号線17aの突き抜
けを利用するものでもよい。
【1604】図140で説明したように、複数画素行を
同時に選択し、1画素行ずつ選択画素行をシフトしてい
く方法である。印加するゲート信号線17の電圧波形を
図231に図示している。
【1605】図230は、次の画素行のゲート信号線1
7aにコンデンサ19bの一端子を図196、図194
で説明したように接続している。また、図179のよう
に、ゲート信号線17bを複数画素行で共通にしている
(点灯制御線1791で短絡)。また、図131、図1
97で説明したように、ゲートドライバIC12を表示
画面21の一辺に配置した3辺フリーの構成を採用して
いる。
【1606】図1のTFT11a、図21、図43、図
71のTFT11bのキンクバラツキの影響を軽減する
ためには、TFT11を形成する基板の電位を固定する
ことが好ましい。たとえば、シリコン基板などの金属基
板上にTFTを形成すればよい。また、ガラス基板にT
FTを形成する場合でも、基板に金属などで薄い電位安
定化層を形成し、この上にTFT11などを形成する。
また、この電位安定化層にTFTなどの素子の1端子を
接地するとよい。以上のように、基板を電位固定するこ
とのより、キンクバラツキを大幅に低減できる。特に、
光を上取り出しする構成の場合は、基板を透明にする必
要がないので、上記の構成の採用は容易である。
【1607】図231でも理解できるように、隣接した
画素行のゲート信号線17aは注目する画素行のゲート
信号線17aに対して1H遅れて、Vghとなる。した
がって、突き抜け電圧は1H遅れて印加される。他の動
作は、図228、図229で説明した動作と同一である
ので説明を省略する。
【1608】図228、図229は駆動用TFT11a
がPチャンネルの場合であった。駆動用TFT11aが
Nチャンネルの場合は、図232の駆動波形となる。n
チャンネルの場合は、Vgh電圧の印加でスイッチング
TFT11bなどがオンし、Vgl電圧の印加でオフす
る。したがって、突き抜け電圧は図232のVg波形で
もわかるように、ゲート信号線17aに印加された電圧
がVgl→Vghとなる時、Vgh→Vglとなる時に
発生する。画素行を選択し、非選択された時には、Vg
電圧はより低くなっている。したがって、駆動TFT1
1aをNチャンネルで形成しておけば、図228、図2
29で説明したように、良好な黒表示を実現できる。
【1609】なお、図210は図1のTFTのPチャン
ネルとNチャンネルに変更したものである。したがっ
て、動作は図1、図171などと同様であるので説明を
省略する。また、PチャンネルとNチャンネルとの変更
は図21、図43、図71などでも同様であるので、本
発明の突き抜け電圧用のコンデンサ19bの概念をその
まま他の画素構成にも適用することができる。
【1610】また、駆動用TFT11(図1ではTFT
11a、図21ではTFT11bなど)はPチャンネル
よりもNチャンネルの方が突き抜け電圧による制御は良
好な結果となる場合が多い。以下、この理由について説
明をしておく。
【1611】図270(a)は、ドレイン電圧(D)を
ソース電圧(S)に対して、十分に低電圧にした(飽和
領域)にした場合の電流出力を示している。横軸は、ソ
ース(S)電圧に対してゲート(G)電圧である。ゲー
ト電圧をマイナス側にした時にソース(S)−ドレイン
(D)間に電流が流れる。縦軸は、ソース(S)−ドレ
イン(D)間電流である。
【1612】一般的に低温ポリシリコン技術で形成した
TFTはV0電圧以下にした時に、電流が流れる。V0電
圧は3〜4(V)である。また、一般的に、Pチャンネ
ルのTFTは電流が流れ始める電圧(V0)から1〜
1.5(V)で1〜10μA(たとえば、W/L=6/
9μm)の電流が流れる。この電圧幅をVc(V)とす
る。
【1613】したがって、Pチャンネルの場合は、黒表
示の時、ゲート(G)電圧V0で電流が流れはじめ、ゲ
ート(G)電圧V0+Vcで1〜10μAの電流が流れ
る。図1の主要な部分を抜き出し、等価回路図で書く
と、図270(c)のようになる。保持用のコンデンサ
19aの容量をCaとし、突き抜け電圧発生用のコンデ
ンサ19bの容量とCb、TFT11bのチャンネル容
量をCtとする。また、CbとCtとを加えた容量をC
cとする。TFT11aのゲート電圧をVgとする。
【1614】ゲート信号線17aに印加された電圧は、
CaとCcに分圧され、TFT11aのゲート(G)端
子に印加される。たとえば、Ca:Cc=3:2で、ゲ
ート信号線の電圧が10(V)変化したとすれば、この
電圧は、3:2に分圧されてゲート(G)端子にVgと
して印加される。つまり、Vdd=0(V)であれば、
ゲート信号線17aの電位が0(V)から−10(V)
に変化した時、Vg=−4(V)となる。
【1615】Vgにあらかじめ所定電圧が印加されてい
る場合も同様である。ゲート信号線17aに印加された
電圧の変化がCaとCc容量に分圧されて印加する。し
かし、突き抜け電圧は、ゲート信号線17の電位の変化
によるものである。また、Ca、Ccは固定値である。
そのため、電位の変化はVghとVglで決まるから一
定である。たとえば、突き抜け電圧は、画像表示状態に
関わらず、0.1(V)というように一定値である。
【1616】Vg電圧は、画像によって変化する。たと
えば、黒表示では、Vg電圧は−3(V)である。白表
示では−4(V)である(図270(a)の実線aを参
照)。しかし、突き抜け電圧は、たとえば、0.1
(V)というように固定値である。そのため、黒表示の
Vg=3(V)に対する突き抜け電圧0.1(V)と、
白表示のVg=4(V)に対する突き抜け電圧0.1
(V)とは寄与度が異なる。つまり、黒表示に対する突
き抜け電圧の割合の方が、白表示に対する突き抜け電圧
の割合の方大きい。したがって、突き抜け電圧の影響
は、黒表示で大きく、白表示で小さいことになる。
【1617】この動作は、EL表示パネルの表示を良好
な方にすることに寄与する。つまり、黒表示で突き抜け
電圧が大きければ、黒表示で、ソース信号線18に流す
プログラム電流が大きくなる。したがって、書き込み不
足が解消される。白表示で突き抜け電圧の影響は小さい
方がよい。
【1618】駆動用TFT11がPチャンネルの場合
は、黒表示にするV0電圧が−3(V)以下と絶対値が
比較的大きい。少なくとも、黒表示の階調1(第1番目
の階調)で流す電流(およそ、2〜50nA)を発生す
る電圧V0と、白表示の最大の階調で流す電流Ii(μ
A)を発生する電圧V0+Vcとの関係は次式を満足さ
せることが好ましい。
【1619】 1/2 ≦ |(Vc+V0)/V0| ≦ 3 さらに好ましくは、 1 ≦ |(Vc+V0)/V0| ≦ 2 を満足させることが好ましい。突き抜け電圧の影響が黒
表示で顕著となり、良好な黒表示を実現でき、かつ、白
表示での突き抜け電圧の影響が軽減からである。
【1620】また、図270(a)において、従来のV
cの大きさをV0に比較して相対的に大きくしてもよ
い。つまり、S値を小さくする。また、モビリティを小
さくする。
【1621】図270(a)のPチャンネルの場合は、
点線bに示すようにV0電圧を0電位側にシフトさせる
ことが好ましい。このシフトは、PチャンネルTFTの
半導体層へのドーピング量を変更することにより実現で
きる。以上の事項は、図270(b)のNチャンネルの
場合も同様である。
【1622】アレイ作製にあたっては、ゲートドライバ
回路12などを構成するTFTのドーピングは従来と同
一にし、画素のTFT11aのドーピング量を変化させ
ればよい。これは、ドーピングの際、マスクを用いるこ
とにより形成できる。また、ゲートドライバ回路12な
どを構成するTFTをNチャンネルのみで構成し、画素
のTFT11aをPチャンネルとする。逆に、画素のT
FT11aをNチャンネルとした場合は、ゲートドライ
バ回路12などを構成するTFTなどはPチャンネルと
する。以上の事項は以下の事項にも適用することができ
る。
【1623】図270はNチャンネルのTFTのソース
電圧(S)とドレイン電圧(D)に対して、十分に高電
圧にした(飽和領域)にした場合の電流出力を示してい
る。横軸は、ソース(S)電圧に対してゲート(G)電
圧である。ゲート電圧をプラス側にした時にソース
(S)−ドレイン(D)間に電流が流れる。縦軸は、ソ
ース(S)−ドレイン(D)間電流Iiである。
【1624】一般的に低温ポリシリコン技術で形成した
NチャンネルのTFTはV0電圧以上にした時に、電流
が流れる。V0電圧は1〜2(V)である。また、一般
的に、NチャンネルのTFTは電流が流れ始める電圧
(V0)から1〜1.5(V)で1〜10μA(たとえ
ば、W/L=6/9μm)の電流が流れる。この電圧幅
をVc(V)とする。
【1625】したがって、Nチャンネルの場合は、黒表
示の時、ゲート(G)電圧V0で電流が流れはじめ、ゲ
ート(G)電圧V0+Vcで1〜10μAの電流が流れ
る。
【1626】Vg電圧は、画像によって変化する。たと
えば、黒表示では、Vg電圧はグランド電圧から、1.
5(V)である。白表示では2.5(V)である(図2
70(b)を参照)。しかし、突き抜け電圧は、たとえ
ば、0.1(V)というように固定値である。そのた
め、黒表示のVg=1.5(V)に対する突き抜け電圧
0.1(V)と、白表示のVg=2.5(V)に対する
突き抜け電圧0.1(V)とは寄与度が異なる。つま
り、黒表示に対する突き抜け電圧の割合の方が、白表示
に対する突き抜け電圧の割合の方大きい。したがって、
突き抜け電圧の影響は、黒表示で大きく、白表示で小さ
いことになる。つまり、Nチャンネルでは、Pチャンネ
ルに比較してV0電圧が低い。そのため、駆動TFT11
aは、Nチャンネルの方が、Pチャンネルよりも、つま
り、黒表示で突き抜け電圧が大きくなり、黒表示で、ソ
ース信号線18に流すプログラム電流が大きくなる。し
たがって、書き込み不足が解消される。
【1627】なお、以上の事項は、図54、図68、図
103などの電圧プログラムの画素構成に対しても適用
することができることは言うまでもない。つまり、一定
以上のプログラム電圧以上にならないとEL素子15に
電流を流さないようにすることができるからである。し
たがって、黒表示などにおいて、ノイズで信号が揺れて
いる際は、ノイズレベルを除去(突き抜け電圧の効果に
より、一定のレベルまではEL素子15は点灯しない)
できるからである。また、白ピーク輝度をだしやすくな
り、画質が向上する。
【1628】また、以上の実施例ではコンデンサ19b
の容量で、突き抜け電圧を設定(所望値にする)すると
した。突き抜け電圧の値は、ゲート信号線17の振幅値
で変化する。したがって、ゲート信号線17a(図1の
場合)の振幅値を調整することにより、突き抜け電圧を
調整することができる。たとえば、ゲート信号線のVg
h=10(V)、Vgl=0(V)であれば、振幅値は
10(V)である。この状態で突き抜け電圧が0.1
(V)とする。Vghを12(V)とすることにより振
幅値は12(V)となる。したがって、理想的には突き
抜け電圧は0.12(V)となる。つまり、ゲート信号
線17の振幅により自由に突き抜け電圧を変更でき、ベ
ース電流を調整できる。
【1629】この制御は容易である。ゲート電圧を発生
する電源回路をコマンドにより、VghまたはVglの
値を設定できるようにしておけばよいからである。この
電圧を調整することにより、突き抜け電圧の微妙な調整
が可能になる。
【1630】ゲート信号線17aに印加する信号(TF
T11のオンオフ信号)のスルーレート(立ち上がりお
よび立下り時間に対する電圧の変化)が高いと突き抜け
電圧は増加する傾向にある。逆にスルーレートが低いと
突き抜け電圧は低下する。つまり、スルーレート40
(V)/μsecの方が、20(V)/μsecよりも突き抜
け電圧は大きくなる。ゲート信号のスルーレートはゲー
トドライバ12の出力バッファ(インバータ回路、オペ
アンプなど)の駆動能力で変化する。出力バッファの出
力電流を制御することにより、スルーレートを調整でき
る。したがって、出力バッファの出力電流を制御するこ
とにより、突き抜け電圧を調整できる。出力バッファの
出力電流を制御することは、出力バッファの供給電圧を
調整すること、ゲート(G)端子への印加波形を鈍らす
ことなどにより実現できる。また、供給電圧を調整する
ことは回路構成上、容易である。ゲート(G)端子への
印加波形を鈍らすことは前段のバッファのサイズを小さ
くすること(能力を低下させる)により、実現できる。
また、ゲート信号線17aに印加するオンオフ信号をサ
インカーブや鋸歯状の信号としても突き抜け電圧を変化
できる。以上の事項は、以下に説明する電圧制御信号
線、共通信号線の制御においても適用される。
【1631】なお、図171などにおいて、突き抜け電
圧発生用のコンデンサ19bは、一方の電極をゲート信
号線17にするとしたが(ゲート信号線17に接続する
としたが)、これに限定するものではない。例えば、突
き抜け電圧発生用にコンデンサ19bの制御用の電圧制
御信号線を別途形成する。コンデンサ19bの2つの電
極のうち、一方をTFT11aのゲート(G)端子に接
続し、他方を別途形成した前記電圧制御信号線に接続す
る構成でもよい。この構成では、ゲート信号線17aの
選択状態に同期して、電圧制御信号線にパルス信号(矩
形波に限定するものではない。サインカーブや鋸歯状の
信号でもよい)を印加すればよい。また、このパルス振
幅値を調整することにより、突き抜け電圧を容易に調整
できる。
【1632】この構成を図235に示している。電圧制
御信号線17cに印加されたパルス電圧によって、コン
デンサ19bを介して突き抜け電圧がTFT11aのゲ
ート(G)端子に印加される。
【1633】電圧制御信号線17cはゲート信号線17
と動作は同一である。図236に図示するように、電圧
制御信号線17cはゲートドライバ回路12の出力端子
として構成される。また、図179で説明したように、
ゲート信号線17bは点灯制御線1791に接続されて
いる。
【1634】突き抜け電圧を発生させる信号をゲート信
号線17aから供給するのではなく、図237に図示す
るように、電圧制御信号線17cから供給すると突き抜
け電圧の制御が容易になる。図237は図236の表示
パネルを駆動する信号波形の説明図である。なお、説明
を容易にするため、選択する画素行は画素行番号(1)
であるとして説明する。
【1635】画素行(1)が選択されると、ゲート信号
線17a(1)がVghからVglに変化するため、コ
ンデンサ19bによって、ゲート信号線17aの電位が
突き抜ける。この突き抜けによりVg電圧はV0とな
る。
【1636】次に、TFT11aは、ソースドライバ回
路14が吸収する電流Iwに等しい電流を流す。しか
し、黒表示の場合、TFT11aが流す電流の値は小さ
い。一例として30nA以下である。このような電流で
は、ソース信号線18の寄生容量を1H期間内に十分に
充放電することができない。したがって、ソース信号線
18の電位を1H期間内に所定電圧にすることができな
い。つまり、Vg電圧も低く、本来必要な電圧Vbとす
ることができず、Vc電圧となる。
【1637】つぎに、ゲート信号線17a(1)がオン
電圧(vgl)からオフ電圧(Vgh)に変化するた
め、再び、コンデンサ19bにより突き抜け電圧が発生
する。この突き抜け電圧により、Vg電圧はVc電圧か
らVa電圧にシフトする。
【1638】さらに、t1の時間遅れて、電圧制御信号
線17c(1)が低電圧から高電圧にシフトする。した
がって、さらに突き抜け電圧が発生し、TFT11aの
ゲート(G)端子電圧Vgは目標電圧のVbにシフトす
る。このシフトする電圧を調整することにより、突き抜
け電圧を自由に制御できる。つまり、図228、図22
9の構成では電圧の変化(突き抜け電圧量)は、ゲート
信号線17aの振幅で制約される。しかし、図236の
ように、電圧制御信号線17cを別途設けることによ
り、突き抜け電圧量を変更することが容易となる。ま
た、印加する信号のスルーレートの制御も容易である。
また、電圧制御信号線17cに印加する信号の電位レベ
ルにも制約を受けないため、回路構成も容易となる。
【1639】したがって、TFT11aは全く電流を流
さないようにプログラムされるか、もしくは所望値の黒
電流を流すようにプログラムされる。つまり、EL素子
15には微小な電流しか流れないようにプログラムされ
る。そのため、本発明のEL表示パネルは黒浮きがな
く、高コントラスト表示を実現できる。このVb電圧は
1フィールド(1フレーム)、つまり、次に画素が選択
され、書き換えられるまで保持される。
【1640】以上のように本発明は、電圧制御信号信号
線17cの電圧変動は、コンデンサ11bを介してTF
T11aに供給される。したがって、EL素子15に流
れる電流を制御している。この制御は特に、黒表示を実
現するのに有効である。
【1641】図237と図238との差異は、電圧制御
信号線17cの動作タイミングt1を1Hとした点であ
る。他の点は同一である。図238のように構成するこ
とにおり、ゲート信号線17aと電圧制御信号線17c
との動作クロックを同一にすることができるため、回路
構成が容易になる。
【1642】図236は画素構成が図1の電流プログラ
ムの画素構成である。しかし、本発明は電流プログラム
方式に限定するものではなく、電圧プログラムの画素構
成にも適用することができる。図239は図54などで
説明した電圧プログラムの画素構成に、本発明の技術的
思想を適用したものである。
【1643】図239はコンデンサ19bの一端子をT
FT11bのドレイン(D)端子に接続し、他方の端子
を電圧制御信号線17cと接続したものである。なお、
スイッチングTFT11bはNチャンネルのTFTで形
成している。
【1644】図240は図239の画素構成における駆
動波形の説明図である。画素行(1)が選択されると、
ゲート信号線17a(1)がVglからVghに変化す
るため、コンデンサ19bによって、ゲート信号線17
aの電位が突き抜ける。この突き抜けによりVg電圧
は、保持されていたVwからV0となる。
【1645】次に、TFT11aは、ソースドライバ回
路14が吸収する電流Iwに等しい電流を流す。しか
し、黒表示の微小な電流では、ソース信号線18の寄生
容量を1H期間内に十分に充放電することができない。
したがって、ソース信号線18の電位を1H期間内に所
定電圧にすることができない。つまり、Vg電圧も低
く、本来必要な電圧Vbとすることができず、Vc電圧
となる。
【1646】つぎに、ゲート信号線17a(1)がオン
電圧(vgh)からオフ電圧(Vgl)に変化するた
め、再び、コンデンサ19bにより突き抜け電圧が発生
する。この突き抜け電圧により、Vg電圧はVc電圧か
らさらに低下してVa電圧にシフトする。
【1647】さらに、t1の時間遅れて、電圧制御信号
線17c(1)が低電圧から高電圧にシフトする。した
がって、突き抜け電圧が発生し、TFT11aのゲート
(G)端子電圧Vgは目標電圧のVbにシフトする。し
たがって、目標とする電圧VbをTFT11aのゲート
(G)端子に印加することができる。
【1648】図240と図241との差異は、電圧制御
信号線17cの動作タイミングt1を1Hとした点であ
る。他の点は同一である。図241のように構成するこ
とにおり、ゲート信号線17aと電圧制御信号線17c
との動作クロックを同一にすることができるため、回路
構成が容易になる。
【1649】電圧制御信号線17cを用いる構成は、他
の数々の構成が例示される。たとえば、図242はスイ
ッチングTFT11cのドレイン(D)端子と電圧制御
信号線17c間にコンデンサ19bを配置(形成)した
構成である。図242の構成は、直接にTFT11aの
ゲート(G)端子に突き抜け電圧を印加する構成ではな
い。しかし、電圧制御信号線17cに印加した信号波形
はコンデンサ19bを介してTFT11cのドレイン
(D)端子に印加される。そして、このドレイン(D)
端子に印加された電圧がTFT11bなどを介して、T
FT11aのゲート(G)端子に反映(影響、作用、制
御)されるのである。
【1650】つまり、図242の画素構成では、EL素
子15に電流を流す駆動素子11aと直接制御するもの
ではない。しかし、駆動素子11aが流す電流を制御す
ることができる。本発明は、プログラムした電流を制御
してそれよりも低い(場合によっては高くする場合もあ
る。たとえば、白ピーク電流がよりながれるように制御
する場合である。)電流をなんらかの方法で行うもので
ある。したがって、図242の構成も本発明の技術的思
想の範疇である。
【1651】図243は図21、図43、図71のカレ
ントミラーの画素構成において、電圧制御信号線17c
と突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bを形成した方
式である。この構成については特に説明を要さないであ
ろう。したがって、説明を省略する。
【1652】図245は、突き抜け電圧発生用11aを
形成していない。電圧制御信号線17cは保持用コンデ
ンサ19の一端子に接続されている。いままで突き抜け
電圧用コンデンサ19bに印加する電圧でTFT11a
のゲート(G)端子の電位を制御し、TFT11aが流
す電流を調整するとして説明した。
【1653】図245は電荷保持用コンデンサ19を直
接に制御することにより、TFT11aのゲート(G)
端子の電圧を制御し、TFT11aに流す電流を制御す
るものである。動作は図241で説明した動作をそのま
ま、あるいは類推することにより適用することができ
る。図245の画素構成では、突き抜け電圧用のコンデ
ンサ19bが不要である。したがって、画素構成が容易
となる。
【1654】図266は図245の画素構成における駆
動波形の説明図である。ゲート信号線17a(1)が選
択されと、TFT11cとTFT11dがオンする。次
に、TFT11aは、ソースドライバ回路14が吸収す
る電流Iwに等しい電流を流す。しかし、黒表示の微小
な電流では、ソース信号線18の寄生容量を1H期間内
に十分に充放電することができない。したがって、ソー
ス信号線18の電位を1H期間内に所定電圧にすること
ができない。つまり、Vg電圧も低く、本来必要な電圧
Vbとすることができず、Vc電圧となる。
【1655】つぎに、ゲート信号線17a(1)がオン
電圧(vgl)からオフ電圧(Vgh)に変化する。同
時に、電圧制御信号線17c(1)が低電圧から高電圧
にシフトする。したがって、突き抜け電圧が発生し、T
FT11aのゲート(G)端子電圧Vgは目標電圧のV
bにシフトする。したがって、目標とする電圧VbをT
FT11aのゲート(G)端子に印加することができ
る。
【1656】なお、図266では、「ゲート信号線17
a(1)がオン電圧(Vgl)からオフ電圧(Vgh)
に変化する。同時に、電圧制御信号線17c(1)が低
電圧から高電圧にシフトする。」としたが、これに限定
するものではなく、図240、または図241のように
t1の期間おくれて、信号波形が変化するように構成し
てもよい。
【1657】図245の画素構成は、図1の画素構成に
も適用できることは言うまでもない。電荷保持用のコン
デンサ19の一端子に電圧制御信号線17cを接続する
(図244を参照)。そして、この電圧制御信号線17
cに印加する信号によりTFT11aのゲート(G)端
子電圧を変動させ、TFT11aが流す電流を制御(調
整)する。
【1658】また、コンデンサ19aの電極の下層に、
前記電極と絶縁された信号線を形成してもよい。仮に、
この信号線を共通信号線と呼ぶ。このような構成を実現
すれば、共通信号線と前記絶縁膜とコンデンサの電極と
で第2のコンデンサを形成することができる。このコン
デンサは、図171のコンデンサ19bと見なせる。し
がたって、共通信号線に先と同様にパスル信号を印加す
ることにより、先と同様の作用および効果を発揮でき
る。なお、呼び方を共通信号線と呼んだが、機能、構成
は先に説明した電圧制御信号線17cと差がない。した
がって、電圧制御信号線17cで説明した事項、内容は
そのまま、共通信号線に適用することができる。
【1659】また、以上の実施例では、突き抜け電圧発
生用コンデンサ19bの一方の端子は、TFT11aの
ゲート(G)端子に接続するとした。しかし、本発明
は、この構成に限定するものではない。たとえば、図2
67のように、電荷保持用のコンデンサ19a、19c
の中点にコンデンサ19bに一方の端子を接続してもよ
い。図267に図示するように、構成することにより、
突き抜け電圧の影響が、TFT11aのゲート(G)端
子に与える割合が少なくなる。
【1660】また、図277に示す構成も効果的であ
る。図277では画素が選択されると、ソースドライバ
回路14からの電圧はTFT11bのドレイン(D)端
子Vkに印加される。この電圧(つまり、プログラム電
流である)が、コンデンサ19aとコンデンサ19cで
分割されて、駆動用TFT11aのゲート(G)端子電
圧Vgとなる。したがって、ゲート(G)端子電圧Vg
はプログラムされた電圧Vkに比較して低くなる。その
ため、TFT11aに流れる電流(EL素子15に流れ
る電流)は、プログラムされた電流よりも小さくなる。
そのため、プログラム電流を大きくし、EL素子15に
流れる電流を小さくできる。したがって、黒表示でも、
書き込み不足がなくなる。
【1661】図277において、コンデンサ19aの容
量をCaとし、電圧シフト用のコンデン19cの容量を
Ccとし、ゲート信号線に印加される高電圧信号(Vg
h)とし、ゲート信号線に印加される低電圧信号(Vg
l)とした時、以下の条件を満足するように構成するこ
とにより、良好な黒表示を実現できる。
【1662】0.5 ≦ |Vgh−Vgl|×(Ca
/Cc) ≦ 10 さらに好ましくは、以下の条件を満足させることが好ま
しい。
【1663】 1 ≦ |Vgh−Vgl|×(Ca/Cc) ≦ 5 また、図270のVcを基準にすれば、 0.05 ≦ |Vc|×(Ca/Cc) ≦ 1 さらに好ましくは、以下の条件を満足させることが好ま
しい。
【1664】 1 ≦ |Vc|×(Ca/Cc) ≦ 5 以上の事項は図57、図54、図103などの画素構成
にも有効である。たとえば、図57の電圧プログラムの
画素構成では、TFT11aのゲート(G)端子とゲー
ト信号線17a間に突き抜け電圧発生用のコンデンサ1
9bを形成または配置する。
【1665】以上の事項は図292の実施例にも適用さ
れる。また、図21、図43、図71などで説明した画
素構成にも適用することができることは言うまでもない
(図291を参照)。また、図54、図68、図103
なでの電圧プログラムの画素構成にも適用できる。TF
Tを突き抜ける電圧を補償できる。また、電位シフトさ
せることにより最良動作点で動作させることができるか
らである。
【1666】図277は突き抜け電圧発生用のコンデン
サ19bを付加した構成であった。しかし、図277の
構成では、一般的にPチャンネルのTFT11bはオン
抵抗を低くするため、チャンネル幅Wを比較的大きくす
る必要がある。そのため、ソース−ゲート容量が比較的
大きい。したがって、コンデンサ19bを付加せずと
も、TFT11bに発生する寄生容量で代用できる。
【1667】図277のように、突き抜け電圧用のコン
デンサ19bと動作点シフト用のコンデンサ19cの両
方を作製すると、動作点Vgにバラツキが発生する場合
がある。この課題に対しては、画素行を選択するスイッ
チングTFT(図1では、TFT11b、11c。図2
1、図43、図71ではTFT11c、11d)をNチ
ャンネルにして、突き抜け電圧を極力低減することが効
果的である。この実施例を図292に示す。図292で
は、スイッチングTFT11bをNチャンネルにするこ
とにより、Pチャンネルに比較して突き抜け電圧を1/
2〜1/5にすることができる。したがって、突き抜け
電圧は発生しにくく、Vk電圧のシフトは発生しにく
い。そのため、TFT11aのゲート(G)端子電圧V
g電圧のばらつきも発生しにくい。なお、図292で
は、逆バイアス電圧Vm印加用のTFT11g(スイッ
チング手段)と付加している。
【1668】以上は、図1の画素構成の場合であった
が、図21、図22、図43、図71の構成もの同様で
ある(図278を参照)。画素が選択されると、TFT
11dがオンし、ソース信号線18からの電圧(電流)
が、TFT11dのドレイン(D)端子に接続されたコ
ンデンサ19aの一端子に書き込まれる。つまり、ソー
スドライバ回路14からの電圧はTFT11bのドレイ
ン(D)端子Vkに印加される。この電圧(つまり、プ
ログラム電流である)が、コンデンサ19aとコンデン
サ19cで分割されて、駆動用TFT11bのゲート
(G)端子電圧Vgとなる。したがって、ゲート(G)
端子電圧Vgはプログラムされた電圧Vkに比較して小
さく。そのため、TFT11bに流れる電流(EL素子
15に流れる電流)は、プログラムされた電流よりも小
さくなる。そのため、プログラム電流を大きくし、EL
素子15に流れる電流を小さくできる。したがって、黒
表示でも、書き込み不足がなくなる。
【1669】なお、明らかな事項であるが、図278に
図示するように各画素16には、逆バイアスのTFT1
1gを付加してもよい。また、突き抜け電圧発生用のコ
ンデンサ19bを付加してもよいことは言うまでもな
い。もちろん、EL素子15に流れる電流をオンオフ制
御するTFT11dを付加してもよいことは言うまでも
ない。以上のように本発明は、本明細書で記載した(説
明した)構成あるいは実施例あるいは技術的思想を相互
に組み合わせることができる。
【1670】なお、共通信号線、電圧制御信号線は画素
行に平行に形成する。つまり、画素行ごとに前記信号線
を形成(配置)する。しかし、必ずしも画素行ごとに形
成することに限定されるのもではない。たとえば、2画
素行以上ずつ画素を選択する場合は、複数画素行ごとに
前記信号線を形成(または配置)すればよい。
【1671】また、図171などにおいて、19bは2
端子のコンデンサとしたがこれに限定するものではな
い。たとえば、TFTを用いて、TFTのソース−ゲー
ト間容量を用いてコンデンサとしてもよい。つまり、突
き抜け電圧を発生させる素子はコンデンサに限定される
ものではなく、EL素子15の駆動用TFT11aのゲ
ート(G)端子に絶縁状態で、この端子の電位を変更で
きるものであればいずれでもよい。もちろん、ダイオー
ドの接合容量でもコンデンサを構成できることは言うま
でもない。
【1672】また、コンデンサ19bは各画素に形成す
るとしたが必ずしもこれに限定するものではない。たと
えば、隣接した画素で1つのコンデンサ19bを形成し
てもよい。
【1673】また、コンデンサ19bに一端にTFTな
どのスイッチング素子を配置(形成)し、このスイッチ
ング素子をオンオフ制御することにより、コンデンサ1
9bを画素16から切り離せるように構成してもよい。
つまり、画素16からコンデンサ19bを切り離すこと
により、ベース電流を変更(あり、なし)することがで
きるようになる。また、スイッチング素子でコンデンサ
19bを切り離すとしたが、コンデンサ19bの電極間
をショートするTFT(スイッチング素子)などを形成
(配置)し、このスイッチング素子をオンさせることに
より、コンデンサ19bの容量を0とする制御を行って
もよい。
【1674】電位の変更の対象はTFT11aに限定す
るものではない。EL素子15の電流量を設定する素子
であればいずれでもよい。つまり、駆動量TFT11a
はMIM、TFD(薄膜ダイオード)などでも構成でき
るからである。これらを制御することによりEL素子1
5に流れる(あるいは流す)電流を制御できるように構
成すればよい。この構成では、必要に応じてカソード電
極と横ストライプ状に加工(形成)する。
【1675】また、図89から図102などで、逆バイ
アス電圧Vmを印加することによりEL素子15の劣化
を防止するという逆バイアス駆動方式について説明をし
た。説明するまでもないが、この逆バイアス駆動方式と
図222、図223、図224などで説明した突き抜け
電圧により、EL素子15に流れる電流を制御するとう
方式(突き抜け駆動方式と呼ぶ)とを組み合わせても良
いことはいうまでもない。
【1676】図223は、図68の電圧プログラムの画
素構成に突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bを付加
するとともに、逆バイアス電圧Vmを印加するTFT1
1dを付加した構成である。
【1677】なお、逆バイアス電圧VmはTFT11d
で印加するとしたがこれに限定するものではなく、コン
デンサに置き換えてもよい。つまり、突き抜け電圧用コ
ンデンサ19bのように、コンデンサの一端にパルス電
圧を印加することにより、コンデンサの電極に印加され
た電圧を、突き抜けによりEL素子15に印加するよう
に構成してもよい。
【1678】図224は、図21、図43、図71など
で説明したカレントミラーの画素構成(電流プログラム
方式)に逆バイアス用のTFT11gを追加した構成で
ある。また、図225は図67で説明した電圧プログラ
ム方式の画素構成に逆バイアス用のTFT11gを追加
した画素構成である。また、図226は図1の画素構成
(電流プログラム方式)の画素構成に逆バイアス用のT
FT11gを追加した画素構成である。
【1679】なお、以上の実施例において、突き抜け電
圧用コンデンサ19bは2端子のコンデンサであるとし
て説明したが、これに限定するものではない。たとえ
ば、図227では、トランジスタ2271のチャンネル
容量でコンデンサ19bを構成(形成、作製)したもの
である。ソース−ドレイン容量を用いても良い。
【1680】同様に電荷保持用コンデンサ19aも2端
子のコンデンサに限定するものではない。図227で説
明したように、トランジスタのチャンネル容量で構成し
てもよい。また、ダイオード(図227のトランジスタ
2271(19b))はダイオードともみなせる)で容
量を形成してもよい。その他、電荷を保持できる素子で
あればいずれでもよい。以上の事項は、本発明の他の実
施例にも適用できることはいうまでもない。
【1681】また、突き抜け駆動方式と逆バイアス駆動
との組み合わせだけではなく、ブロック駆動方式や、N
倍パルス駆動方式、複数画素行選択方式など、本明細書
で記載した本発明は相互に組み合わせることができる。
以上の事項は、以降の事項に対しても同様である。
【1682】なお,突き抜け電圧により、目標値の電流
に対してずれが発生する。しかし、本発明のように略N
倍の電流がEL素子15に流れるようにプログラムし、
かつ表示画像を間欠表示する方式では、目標値に対する
ずれも略1/Nとなる。また、1倍の電流(通常駆動、
従来の駆動)に比較して、より飽和状態に近い領域でT
FT11aを動作させているため、ずれも少なくなる。
したがって、従来に比較してより良好な画像表示を実現
できる。
【1683】また、EL素子15に流す電流を制御する
というのが本発明の技術的思想である。したがって、突
き抜け電圧の発生タイミングはゲート信号線17aの走
査タイミングと必ずしも同期がとれていることが必須の
条件ではない。非同期制御も可能であろう。突き抜け電
圧は複数回に分散して印加してもよい。
【1684】図1、図21などの電流プログラム方式で
は、黒表示時のプログラム電流が小さく、黒表示しにく
いという課題がある。この課題に対しては、強制的に黒
表示電圧を書き込むのが効果的である。そこ1つの方法
がプリチャージ(ディスチャージ)駆動である。しか
し、図1などの画素構成では、プリチャージ電圧はソー
ス信号線18を介して供給する必要があり、供給する電
圧はVddに近い電圧となる。
【1685】プリチャージ電圧がVddに近くなると、
TFT11aが白表示の供給電流を出力するまで長時間
を要するようになる。そのため、画面12に縦線の表示
ムラが発生する。
【1686】この課題を解決する構成が図368の構成
である。図368では、駆動用TFT11aのゲート
(G)端子に電圧を印加するTFT11eを具備してい
る。TFT11eをオンさせることにより、電圧供給ソ
ース信号線3681に印加された電圧をTFT11aに
供給する。
【1687】TFT11eのゲート(G)端子はゲート
信号線17eに接続されている。ゲート信号線17eは
ゲート信号線17aと同期をとって走査される。ただ
し、ゲート信号線17eはゲート信号線17aよりの1
H以上速くオン電圧が印加される。つまり、ゲート信号
線17eにオン電圧が印加され、TFT11eがオンし
て、電圧供給ソース信号線3681の電圧をTFT11
aのゲート(G)端子に供給し、その後、げーと信号線
17aにオン電圧が印加されて、TFT11bがオンす
る。この時、ゲート信号線17eにはオフ電圧が印加さ
れ、TFT11eはオフ状態となっている。
【1688】電圧供給ソース信号線3681の電圧に印
加する電圧は固定値でもよい。この固定値とは、プリチ
ャージ電圧のように一定の黒表示電圧である。しかし、
好ましくは、TFT11aのゲート(G)端子に印加す
る電圧よりも低い電圧を印加するように構成することが
好ましい。たとえば、画素(1)のTFT11aのゲー
ト(G)端子に印加する電圧が8(V)、画素(2)の
TFT11aのゲート(G)端子に印加する電圧が8.
5(V)、画素(3)のTFT11aのゲート(G)端
子に印加する電圧が9(V)であるとする。この場合
は、1H前に画素(1)のTFT11aのゲート(G)
端子に印加する電圧が8.5(V)、画素(2)のTF
T11aのゲート(G)端子に印加する電圧が9
(V)、画素(3)のTFT11aのゲート(G)端子
に印加する電圧が9.5(V)となるように電圧供給ソ
ース信号線3681の電圧を印加する。
【1689】つまり、画素(1)は電圧供給ソース信号
線3681に印加された8.5(V)の電圧をTFT1
1aのゲート(G)端子に印加してから、1H後(1H
に限定するものではない。1H以上以降であればよい。
なお、場合によっては1H以内でもよい。TFT11a
の電流応答時間が1Hよりも短い場合である。つまり、
少なくとも正規の電流プログラムを行う前に、電圧供給
ソース信号線3681からTFT11a(駆動用TF
T)に電流制御するものであればよい。)、ソース信号
線18に印加された8(V)の電圧をTFT11aのゲ
ート(G)端子に印加する。つまり、1H以前に、TF
T11aが本来EL素子15に供給する電流よりも少な
くなるようにプログラムするのである。このように黒方
向にプログラムすることにより、良好な黒表示を実現す
ることができる。
【1690】なお、ここでは説明を容易にするため、T
FT11aのゲート(G)端子に電圧を書き込む(つま
り、電圧プログラムする)ように表現した。確かに、T
FT11eでTFT11aのゲート(G)端子に印加す
るのは電圧値であるが、ソース信号線18から書き込む
のは電流値である。この電流値がTFT11aのゲート
電圧としていくらになるかはTFT11aのVt特性
(Vtバラツキ)に左右される。したがって、TFT1
1eでTFT11aのゲート(G)端子に供給する電圧
はこのVt特性のバラツキ範囲を考慮して黒表示方向と
なるように電圧供給ソース信号線3681から電圧値を
書き込むのである。例示したのは、このVtのバラツキ
などが0.5(V)として、電圧供給ソース信号線36
81に電圧を印加しているのである。したがって、Vt
バラツキは大きな時は、+1(V)というように電圧供
給ソース信号線3681に印加する電圧値も高くなる
(TFT11aがPチャンネルの場合である。TFT1
1aがNチャンネルの場合は低くなる)。
【1691】同様に、画素(2)は電圧供給ソース信号
線3681に印加された9(V)の電圧をTFT11a
のゲート(G)端子に印加してから、1H後(1Hに限
定するものではない。1H以上以降であればよい。)、
ソース信号線18に印加された8.5(V)の電圧をT
FT11aのゲート(G)端子に印加する。画素(3)
は電圧供給ソース信号線3681に印加された9.5
(V)の電圧をTFT11aのゲート(G)端子に印加
してから、1H後(1Hに限定するものではない。1H
以上以降であればよい)、ソース信号線18に印加され
た9(V)の電圧をTFT11aのゲート(G)端子に
印加する。
【1692】以上のように、本発明は、少なくとも駆動
用TFTに正規の電流プログラムを行う前に、前記駆動
用TFTが正規の電流プログラム値よりも小さくなるよ
うに事前に電圧プログラムを行うものである。なお、以
上の実施例は、画素構成が図1、図21、図22などの
電流プログラムの画素構成を対象に説明をしているが本
発明はこれに限定するものではない。たとえば、図67
で説明した電圧プログラム方式の画素構成に適用するこ
とができる。電圧プログラム方式の画素構成では、事前
に流れる電流が少なくなるように電圧プログラムを行
い、その後、正規の電圧プログラムを行うことになる。
つまり、本発明は画素構成が電圧プログラム方式であっ
ても、電流プログラム方式であっても適用することがで
きる。
【1693】電圧供給ソース信号線3681に供給する
電圧は、R、G、Bで変化させることが好ましい。つま
り、画素が赤(R)の時に供給する電圧Vr、画素が緑
(G)の時に供給する電圧Vg、画素が青(B)の時に
供給する電圧Vbとし、Vr、Vg、Vbとを変化させ
ることが好ましい。もちろん、同一でもよい。変化させ
るのは、RGBでEL素子15の構造が異なり、RGB
の立ち上がり電圧(発光開始電圧)が異なるからであ
る。
【1694】図368では、TFT11eが書き込む電
圧を電圧供給ソース信号線3681で供給し、TFT1
1bが書き込む電圧(電流プログラム方式では電流をプ
ログラムするので、見かけ上電圧を供給しているように
見えるだけである。正、電圧プログラム方式では電圧で
ある。)をソース信号線18から供給していた。しか
し、このように構成すると、従来の画素構成と比較して
2倍の信号線が必要となる。図369のように構成すれ
ば、信号線数は従来と同一になる。図369の構成で
は、ソース信号線18にTFT11eがTFT11aの
ゲート(G)端子に供給する電圧と、TFT11bがT
FT11aのゲート(G)端子に供給する電圧(電流)
とを多重している。多重とは、たとえば、1Hの前半
(1/2H期間)に、ソース信号線18にTFT11e
がTFT11aのゲート(G)端子に供給する電圧を伝
送し、1Hの後半(1/2H期間)に、TFT11bが
TFT11aのゲート(G)端子に供給する電圧(電
流)とを伝送する。つまりソース信号線からみれば倍速
駆動を行っていることになる。
【1695】なお、ソース信号線18もしくは、電圧供
給ソース信号線3681にTFT11eが使用する電圧
を供給(伝送あるいは多重)するとしたが、必ずしも、
すべて供給することに限定するものではない。たとえ
ば、TFT11aのVtバラツキが一定範囲以内であれ
ば、TFT11eが使用する電圧を供給(伝送あるいは
多重)する必要はないであろう。この場合は、ゲート信
号線17eに常時オフ電圧を印加しておくか、もしく
は、ソース信号線18もしくは、電圧供給ソース信号線
3681をハイインピーダンス状態にしておくとよい。
【1696】なお、図372はTFT11cおよびTF
T11bをNチャンネルとし、ゲート信号線17aとゲ
ート信号線17bとを共通化した画素構成である。図3
72の画素構成であっても、図368、図369などで
説明した駆動方式を適用することができる。もちろん、
図372の画素構成は、本明細書で説明した駆動方式
(たとえば、逆バイアス駆動方式、プリチャージ駆動方
式、突き抜け電圧駆動など)のすべてを適用することが
できることは言うまでもない。同様に、図373の画素
構成は、駆動用TFT11aをNチャンネルTFTに変
更した構成である。この変更に伴い、TFT11c、T
FT11bもNチャンネルTFTとしている。図373
の画素構成であっても、図368、図369などで説明
した駆動方式を適用することができる。もちろん、図3
73の画素構成は、本明細書で説明した駆動方式(たと
えば、逆バイアス駆動方式、プリチャージ駆動方式、突
き抜け電圧駆動、リセット駆動など)のすべてを適用で
きることは言うまでもない。以上の事項は、以降に説明
する実施例にも適用されることは言うまでもない。
【1697】以上の実施例は、基本的には図1の画素構
成を例示している。図21、図22などのカレントミラ
ーの画素構成であっても適用できることはいうまでもな
い。図370はカレントミラーの画素構成に適用した構
成である。
【1698】図370では、駆動用TFT11bおよび
プログラム用TFT11aのゲート(G)端子に電圧を
印加するTFT11eを具備している。TFT11eを
オンさせることにより、電圧供給ソース信号線3681
に印加された電圧をTFT11aに供給する。
【1699】図370でも図368と同様に、TFT1
1eのゲート(G)端子はゲート信号線17eに接続さ
れている。ゲート信号線17eはゲート信号線17aと
同期をとって走査される。ゲート信号線17eはゲート
信号線17a(17a1、17a2)よりも基本的には
1H以上速くオン電圧が印加されることなどは、図36
8と同様であるので説明を省略する。
【1700】たとえば、画素(1)のTFT11bのゲ
ート(G)端子に印加する電圧が8(V)、画素(2)
のTFT11cおよびTFT11dのゲート(G)端子
に印加する電圧が8.5(V)、画素(3)のTFT1
1bのゲート(G)端子に印加する電圧が9(V)であ
るとする。この場合は、1H前に画素(1)のTFT1
1bのゲート(G)端子に印加する電圧が8.5
(V)、画素(2)のTFT11bのゲート(G)端子
に印加する電圧が9(V)、画素(3)のTFT11b
のゲート(G)端子に印加する電圧が9.5(V)とな
るように電圧供給ソース信号線3681の電圧を印加す
る。この事項は図368と同様である。
【1701】つまり、画素(1)は電圧供給ソース信号
線3681に印加された8.5(V)の電圧をTFT1
1bのゲート(G)端子に印加してから、1H後(1H
に限定するものではない。1H以上以降であればよい。
なお、場合によっては1H以内でもよい。TFT11b
の電流応答時間が1Hよりも短い場合である。つまり、
少なくとも正規の電流プログラムを行う前に、電圧供給
ソース信号線3681からTFT11b(駆動用TF
T)に電流制御するものであればよい。)、ソース信号
線18に印加された8(V)の電圧をTFT11bのゲ
ート(G)端子に印加する。つまり、1H以前に、TF
T11bが本来EL素子15に供給する電流よりも少な
くなるようにプログラムするのである。このように黒方
向にプログラムすることにより、良好な黒表示を実現す
ることができる。
【1702】同様に、画素(2)は電圧供給ソース信号
線3681に印加された9(V)の電圧をTFT11b
のゲート(G)端子に印加してから、1H後、ソース信
号線18に印加された8.5(V)の電圧をTFT11
bのゲート(G)端子に印加する。画素(3)は電圧供
給ソース信号線3681に印加された9.5(V)の電
圧をTFT11bのゲート(G)端子に印加してから、
1H後、ソース信号線18に印加された9(V)の電圧
をTFT11bのゲート(G)端子に印加する。
【1703】図369と同様に図371のように構成す
れば、信号線数は従来と同一になる。図371の構成で
は、ソース信号線18にTFT11eがTFT11bの
ゲート(G)端子に供給する電圧と、TFT11cとT
FT11dがTFT11bのゲート(G)端子に供給す
る電圧(電流)とを多重している。多重とは、たとえ
ば、1Hの前半(1/2H期間)に、ソース信号線18
にTFT11eがTFT11bのゲート(G)端子に供
給する電圧を伝送し、1Hの後半(1/2H期間)に、
TFT11cとTFT11dがTFT11bのゲート
(G)端子に供給する電圧(電流)とを伝送する。つま
りソース信号線からみれば倍速駆動を行っていることに
なる。他の事項についても図369と同様あるいは図3
68もしくは図369の説明から類推することができる
ので説明を省略する。
【1704】以上の実施例は、TFT11eにより、駆
動用TFTに黒電圧を書き込み、表示コントラストを高
くする方式の実施例であった。以降に説明する実施例
は、駆動用TFT11自身で黒表示状態にした後に、電
流プログラムを行い、表示コントラストを増加させる方
式である。
【1705】図422は基本的には図1(b)の画素構
成である。図422の画素構成では、プログラムされた
Iw電流がEL素子15に流れ、EL素子15が発光す
る。つまり、駆動TFT11aはプログラムされること
により、電流を流す能力を保持している。この電流を流
す能力を利用してTFT11aをリセット(オフ状態)
にする方式が図423の駆動方式である。以降、この駆
動方式をリセット駆動と呼ぶ。
【1706】以下、図423を参照しながら、リセット
駆動方式について説明をする。図423はリセット駆動
の原理説明図である。まず、図423(a)に図示する
ように、TFT11c、TFT11dをオフ状態にし、
TFT11bをオン状態にする。すると、駆動用TFT
11aのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショ
ート状態となり、Ib電流が流れる。一般的に、TFT
11aは1つ前のフィールド(フレーム)で電流プログ
ラムされ、電流を流す能力がある。この状態でTFT1
1dがオフ状態となり、TFT11bがオン状態にすれ
ば、駆動電流IbがTFT11aのゲート(G)端子に
流れる。そのため、TFT11aのゲート(G)端子と
ドレイン(D)端子とが同一電位となり、TFT11a
はリセット(電流を流さない状態)になる。
【1707】このTFT11aのリセット状態(電流を
流さない状態)は、図67などで説明した電圧オフセッ
トキャンセラ方式のオフセット電圧を保持した状態と等
価である。つまり、図423(a)の状態では、コンデ
ンサ19の端子間には、オフセット電圧が保持されてい
ることになる。このオフセット電圧はTFT11aの特
性に応じて異なる電圧値である。したがって、図423
(a)の動作を実施することにより、各画素のコンデン
サ19にはTFT11aが電流を流さない(つまり、黒
表示電流(ほどんど0に等しい)が保持されることにな
るのである。
【1708】なお、図423(a)の動作の前に、TF
T11b、TFT11cをオフ状態にし、TFT11d
をオン状態にし、駆動用TFT11aに電流を流すとい
う動作を実施することが好ましい。この動作は、極力短
時間にすることが好ましい。EL素子15に電流が流れ
てEL素子15が点灯し、表示コントラストを低下させ
る恐れがあるからである。この動作時間は、1H(1水
平走査期間)の0.1%以上10%以下とすることが好
ましい。さらに好ましくは0.2%以上2%以下となる
ようにすることが好ましい。もしくは0.2μsec以
上5μsec以下となるようにすることが好ましい。ま
た、全画面の画素16に一括して前述の動作(図423
(a)の前に行う動作)を実施してもよい。以上の動作
を実施することにより、駆動用TFT11aのドレイン
(D)端子電圧が低下し、図423(a)の状態でスム
ーズなIb電流を流すことができるようになる。なお、
以上の事項は、本発明の他のリセット駆動方式にも適用
される。
【1709】図423(a)の実施時間を長くするほ
ど、Ib電流が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さ
くなる傾向がある。したがって、図423(a)の実施
時間は固定値にする必要がある。実験および検討によれ
ば、図423(a)の実施時間は、1H以上5H以下に
することが好ましい。
【1710】図423(a)を実施後、1H以上5H以
下の期間おいて、図423(b)の状態にする。図42
3(b)はTFT11c、TFT11bをオンさせ、T
FT11dをオフさせた状態である。図423(b)の
状態は、以前にも説明したが、電流プログラムを行って
いる状態である。つまり、ソースドライバ回路14から
プログラム電流Iwを出力(あるいは吸収)し、このプ
ログラム電流Iwを駆動用TFT11aに流す。このプ
ログラム電流Iwが流れるように、駆動用TFT11a
のゲート(G)端子の電位を設定するのである(設定電
位はコンデンサ19に保持される)。
【1711】もし、プログラム電流Iwが0(A)であ
れば、TFT11aは電流を図423(a)の電流を流
さない状態が保持されたままとなるから、良好な黒表示
を実現できる。また、図423(b)で白表示の電流プ
ログラムを行う場合であっても、各画素の駆動用TFT
の特性バラツキが発生していても、完全に黒表示状態の
オフセット電圧から電流プログラムを行う。したがっ
て、目標の電流値にプログラムされる時間が階調に応じ
て等しくなる。そのため、TFT11aの特性バラツキ
による階調誤差がなく、良好な画像表示を実現できる。
【1712】図423(b)の電流プログラミング後、
図423(c)に図示するように、TFT11b、TF
T11cとオフし、TFT11dをオンさせて、駆動用
TFT11aからのプログラム電流Iw(=Ie)をE
L素子15に流し、EL素子15を発光させる。図42
3(c)に関しても、図1などで以前に説明をしたので
詳細は省略する。
【1713】つまり、図423で説明した駆動方式(リ
セット駆動)は、駆動用TFT11aとEL素子15間
を切断(電流が流れない状態)し、かつ、駆動用TFT
のドレイン(D)端子とゲート(G)端子(もしくはソ
ース(S)端子とゲート(G)端子、さらに一般的に表
現すれば駆動用TFTのゲート(G)端子を含む2端
子)間をショートする第1の動作と、前記動作の後、駆
動用TFTに電流(電圧)プログラムを行う第2の動作
とを実施するものである。そして、少なくとも第2の動
作は第1の動作後に行うものである。なお、リセット駆
動を実施するためには、図1(b)の構成のように、T
FT11bとTFT11cとを独立に制御できるよう
に、構成しておかねばならない。
【1714】画像表示状態は(もし、瞬時的な変化が観
察できるのであれば)、まず、電流プログラムを行われ
る画素行は、リセット状態(黒表示状態)になり、1H
後に電流プログラムが行われる(この時も黒表示状態で
ある。TFT11dがオフだからである。)。次に、E
L素子15に電流が供給され、画素行は所定輝度(プロ
グラムされた電流)で発光する。つまり、画面の上から
下方向に、黒表示の画素行が移動し、この画素行が通り
すぎた位置で画像が書き換わっていくように見えるはず
である。なお、リセット後、1H後に電流プログラムを
行うとしたがこの期間は、5H程度以内としてもよい。
図423(a)のリセットが完全に行われるのに比較的
長時間を必要とするからである。もし、この期間を5H
とすれば、5画素行が黒表示(電流プログラムの画素行
もいれると6画素行)となるはずである。
【1715】また、リセット状態は1画素行ずつ行うこ
とに限定するものではなく、複数画素行ずつ同時にリセ
ット状態にしてもよい。また、複数画素行ずつ同時にリ
セット状態にし、かつオーバーラップしながら走査して
もよい。たとえば、4画素行を同時にリセットするので
あれば(図423(a)、図425(a)の状態)、第
1の水平走査期間(1単位)に、画素行(1)(2)
(3)(4)をリセット状態にし、次の第2の水平走査
期間に、画素行(3)(4)(5)(6)をリセット状
態にし、さらに次の第3の水平走査期間に、画素行
(5)(6)(7)(8)をリセット状態にする。ま
た、次の第4の水平走査期間に、画素行(7)(8)
(9)(10)をリセット状態にするという駆動状態が
例示される。なお、当然、図423(b)、図423
(c)の駆動状態も図423(a)の駆動状態と同期し
て実施される。
【1716】また、1画面の画素すべてを同時にあるい
は走査状態でリセット状態(図423(a)、図425
(a))にしてから、図423(b)(c)、図425
(b)(c)の駆動を実施してもよいことはいうまでも
ない。また、インターレース駆動状態(1画素行あるい
は複数画素行の飛び越し走査)で、リセット状態(1画
素行あるいは複数画素行飛び越し)にしてもよいことは
言うまでもない。また、ランダムのリセット状態を実施
してもよい。また、本発明のリセット駆動の説明は、画
素行を操作する方式である(つまり、画面の上下方向の
制御する)。しかし、リセット駆動の概念は、制御方向
が画素行に限定されるものではない。たとえば、画素列
方向にリセット駆動を実施してもよいことは言うまでの
ない。
【1717】なお、図423のリセット駆動は、図3
1、図37、図108、図142、図147、図15
2、図198などのN倍パルス駆動などと組み合わせる
こと、図39、図154、図156のインターレース駆
動と組み合わせることによりさらに良好な画像表示を実
現できる。特に図422の構成は、間欠N/K倍パルス
駆動(1画面に点灯領域を複数設ける駆動方法である。
この駆動方法は、ゲート信号線17bを制御し、TFT
11dをオンオフ動作させることにより容易に実現でき
る。このことは以前に説明をした。)を容易に実現でき
るので、フリッカの発生もなく、良好な画像表示を実現
できる。これは、図422あるいはその変形構成のすぐ
れた特徴である。また、他の駆動方法、たとえば、逆バ
イアス駆動方式、プリチャージ駆動方式、突き抜け電圧
駆動方式などと組み合わせることによりさらに優れた画
像表示を実現できることは言うまでもない。以上のよう
に、本発明と同様にリセット駆動も本明細書の他の実施
例と組み合わせて実施することができることは言うまで
もない。
【1718】図429はリセット駆動を実現する表示装
置の構成図である。ゲートドライバ回路12aは、図4
22におけるゲート信号線17aおよびゲート信号線1
7bを制御する。ゲート信号線17aにオンオフ電圧を
印加することによりTFT11bがオンオフ制御され
る。また、ゲート信号線17bにオンオフ電圧を印加す
ることによりTFT11dがオンオフ制御される。ゲー
トドライバ回路12bは、図422におけるゲート信号
線17cを制御する。ゲート信号線17cにオンオフ電
圧を印加することによりTFT11cがオンオフ制御さ
れる。
【1719】したがって、ゲート信号線17aはゲート
ドライバ回路12aで操作し、ゲート信号線17cはゲ
ートドライバ回路12bで操作する。そのため、TFT
11bをオンさせて駆動用TFT11aをリセットする
タイミングと、TFT111cをオンさせて駆動用TF
T11aに電流プログラムを行うタイミングとを自由に
設定できる。他の構成などは、以前に説明したものと同
一または類似するため説明を省略する。
【1720】図430はリセット駆動のタイミングチャ
ートである。ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、
TFT11bをオンさせ、駆動用TFT11aをリセッ
トしている時には、ゲート信号線17bにはオフ電圧を
印加し、TFT11dをオフ状態にしている。したがっ
て、図423(a)の状態となっている。この期間にI
b電流が流れる。図430のタイミングチャートでは、
リセット時間は2Hとしているが、これに限定するもの
ではない。2H以上でもよい。また、リセットが極めて
高速に行える場合は、リセット時間は1H未満であって
もよい。また、リセット期間を何H期間にするかはゲー
トドライバ回路12に入力するDATA(ST)パルス
期間で容易に変更できる。たとえば、ST端子に入力す
るDATAを2H期間の間Hレベルとすれば、各ゲート
信号線17aから出力されるリセット期間は2H期間と
なる。同様に、ST端子に入力するDATAを5H期間
の間Hレベルとすれば、各ゲート信号線17aから出力
されるリセット期間は5H期間となる。
【1721】1H期間のリセット後、画素行(1)のゲ
ート信号線17c(1)に、オン電圧が印加される。T
FT11cがオンすることにより、ソース信号線18に
印加されたプログラム電流IwがTFT11cを介して
駆動用TFT11aに書き込まれる。
【1722】電流プログラム後、画素(1)のゲート信
号線17cにオフ電圧が印加され、TFT11cがオフ
し、画素がソース信号線と切り離される。同時に、ゲー
ト信号線17aにもオフ電圧が印加され、駆動用TFT
11aのリセット状態が解消される(なお、この期間
は、リセット状態と表現するよりも、電流プログラム状
態と表現する方が適切である)。また、ゲート信号線1
7bにはオン電圧が印加され、TFT11dがオンし
て、駆動用TFT11aにプログラムされた電流がEL
素子15に流れる。
【1723】なお、画素行(2)以降についても、画素
行(1)と同様であり、また、図430からその動作は
明らかであるから説明を省略する。
【1724】図430で図示するように、各ゲート信号
線17bに出力する信号波形は、所定周期でオンオフ動
作させている。これは、図31、図37、図108、図
142、図147、図152、図198などのN倍パル
ス駆動などと組み合わせること、図39、図154、図
156のインターレース駆動と組み合わせることにより
さらに良好な画像表示を実現できからである。特に図4
22の構成は、間欠N/K倍パルス駆動を容易に実現で
きるので、フリッカの発生もなく、良好な画像表示を実
現できる。
【1725】図430において、リセット期間は1H期
間であった。図431はリセット期間を5Hとした実施
例である。リセット期間を何H期間にするかはゲートド
ライバ回路12に入力するDATA(ST)パルス期間
で容易に変更できる。図431ではゲートドライバ回路
12aのST1端子に入力するDATAを5H期間の間
Hレベルし、各ゲート信号線17aから出力されるリセ
ット期間を5H期間とした実施例である。リセット期間
は、長いほど、リセットが完全に行われ、良好な黒表示
を実現できる。しかし、リセット期間の割合分は表示輝
度が低下することになる。
【1726】図431はリセット期間を5Hとした実施
例であった。また、このリセット状態は連続状態であっ
た。しかし、リセット状態は連続して行うことに限定さ
れるものではない。図432に示すタイミングチャート
は、各ゲート信号線17aから出力される信号を1Hご
とにオンオフ動作させた例である。このようにオンオフ
動作させるのは、シフトレジスタの出力段に形成された
イネーブル回路(図示せず)を操作することにより容易
に実現できる。また、ゲートドライバ回路12に入力す
るDATA(ST)パルスを制御することで容易に実現
できる。
【1727】図429の回路構成では、ゲートドライバ
回路12aは少なくとも2つのシフトレジスタ回路(1
つはゲート信号線17a制御用、他の1つはゲート信号
線17b制御用)が必要であった。そのため、ゲートド
ライバ回路12aの回路規模が大きくなるという課題が
あった。図433はゲートドライバ回路12aのシフト
レジスタを1つにした実施例である。図433の回路を
動作させた出力信号のタイミングチャートは図430の
ごとくなる。なお、図429と図433とはゲートドラ
イバ回路12a、12bから出力されているゲート信号
線17の記号が異なっているので注意が必要である。
【1728】図433のOR回路3272が付加されて
いることから明らかであるが、各ゲート信号線17aの
出力は、シフトレジスタ22aの前段出力とのORをと
って出力される。つまり、2H期間、ゲート信号線17
aからはオン電圧が出力される。一方、ゲート信号線1
7cはシフトレジスタ22aの出力がそのまま出力され
る。したがって、1H期間の間、オン電圧が印加され
る。
【1729】たとえば、シフトレジスタ22aの2番目
にHレベル信号が出力されている時、画素16(1)の
ゲート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16
(1)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時
に、画素16(2)のゲート信号線17aにもオン電圧
が出力され、画素16(2)のTFT11bがオン状態
となり、画素16(2)の駆動用TFT11aがリセッ
トされる。
【1730】同様に、シフトレジスタ22aの3番目に
Hレベル信号が出力されている時、画素16(2)のゲ
ート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16
(2)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時
に、画素16(3のゲート信号線17aにもオン電圧が
出力され、画素16(3)TFT11bがオン状態とな
り、画素16(3)駆動用TFT11aがリセットされ
る。つまり、2H期間、ゲート信号線17aからはオン
電圧が出力され、ゲート信号線17cに1H期間、オン
電圧が出力される。
【1731】プログラム状態の時は、TFT11bとT
FT11cが同時にオン状態となる(図423(b))
ら、非プログラム状態(図423(c))に移行する
際、TFT11cがTFT11bよりも先にオフ状態と
なると、図423(b)のリセット状態となってしま
う。これと防止するためには、TFT11cがTFT1
1bよりもあとからオフ状態にする必要がある。そのた
めには、ゲート信号線17aがゲート信号線17cより
も先にオン電圧が印加されるように制御する必要があ
る。
【1732】この課題を解決する構成を図434に示
す。OR回路3272の出力段にAND回路4341を
配置している。このAND回路は、ENBL端子に印加
されたロジック信号より制御される。つまり、ENBL
端子にHレベルのロジック信号が印加されている時、O
R出力3272が有効となる。
【1733】図435がそのタイミングチャートであ
る。ENBL端子にはHD信号に同期してLレベル信号
が印加される。したがって、この期間(ENBL端子に
Lレベル信号が印加されている期間)はゲート信号線1
7aの出力はVgh(オフ電圧)が出力される。したが
って、Tで占めるようにゲート信号線17cにオフ電圧
が出力される前に、ゲート信号線17aからオフ電圧が
出力される。つまり、TFT11cがTFT11bより
もあとからオフ状態となる。
【1734】図434は2Hの期間だけ、ゲート信号線
17aからオン電圧が出力される方式であった。さらに
図431に図示するように、3H以上の期間、ゲート信
号線17aからオン電圧が出力されるようにするには、
図436の構成を採用すればよい。
【1735】図436のOR回路は3端子入力である。
各入力端子はシフトレジスタ22aの3つの出力と接続
されている。したがって、3Hの期間、ゲート信号線1
7aからオン電圧が出力される。以上のように、OR回
路の入力端子数を増加させることにより、ゲート信号線
17aからオン電圧が出力される期間を制御することが
容易にできる。
【1736】以上の実施例は、ゲート信号線17cには
1H期間のみ、オン電圧が出力される実施例であった。
本発明は、これに限定するものではない。たとえば、図
437のタイミングチャートに図示するように、ゲート
信号線17cから出力されるオン電圧は4H期間(つま
り1Hよりも長い)としてもよい。ただし、TFT11
cがオンしている期間は長いが、正規のDATA信号が
書き込まれるのは、最後の1Hの期間である。たとえ
ば、ゲート信号線17cが接続された画素行(2)は7
H目のTで示す期間に正規のDATAが画素に書き込ま
れる。
【1737】図437の駆動方法を実施すると表示状態
などは図438に図示する状態となる。図437(a)
はリセット電圧が印加されている領域(リセット領域4
381)である(もしくは、TFT11bがオン状態の
画素行である)。図437では6画素行のTFT11b
がオンされている。図438(b)はプログラムが行わ
れている領域(書き込み領域871b)を示している。
つまり、TFT11cがオン状態の画素行である。図4
37では4画素行である。図438(c)はプログラム
が行われている領域であり、正規のDATAが書き込ま
れている画素行(書き込み画素行871a)を示してい
る。図437では1画素行である。図438(d)の3
12は非点灯領域である。つまり、リセット領域438
1、書き込み領域871は非点灯領域としている。
【1738】以上は、図422(基本的には図1)の画
素構成に関する実施例であった。しかし、本発明はこれ
に限定されるものではない。たとえば、図21、図42
4に示すようなカレントミラーの画素構成であっても実
施することができる。図425は図424のカレントミ
ラーの画素構成での実施例の説明図である。以下、図4
25を参照しながら、カレントミラーの画素構成におけ
るリセット駆動方式について説明をする。
【1739】図425(a)に図示するように、TFT
11c、TFT11eをオフ状態にし、TFT11dを
オン状態にする。すると、電流プログラム用TFT11
bのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショート
状態となり、図に示すようにIb電流が流れる。一般的
に、TFT11bは1つ前のフィールド(フレーム)で
電流プログラムされ、電流を流す能力がある(ゲート電
位はコンデンサ19に1F期間保持され、画像表示をお
こなっているから当然である。ただし、完全な黒表示を
行っている場合、電流は流れない)。この状態でTFT
11eがオフ状態とし、TFT11dがオン状態にすれ
ば、駆動電流IbがTFT11aのゲート(G)端子の
方向に流れる(ゲート(G)端子とドレイン(D)端子
がショートされる)。そのため、TFT11aのゲート
(G)端子とドレイン(D)端子とが同一電位となり、
TFT11aはリセット(電流を流さない状態)にな
る。また、駆動用TFT11bのゲート(G)端子は電
流プログラム用TFT11aのゲート(G)端子と共通
であるから、駆動用TFT11bもリセット状態とな
る。
【1740】このTFT11a、TFT11bのリセッ
ト状態(電流を流さない状態)は、図67などで説明し
た電圧オフセットキャンセラ方式のオフセット電圧を保
持した状態と等価である(図447も参照のこと)。つ
まり、図425(a)の状態では、コンデンサ19の端
子間には、オフセット電圧(電流が流れ始める開始電
圧。この電圧の絶対値以上の電圧を印加することによ
り、TFT11に電流が流れる)が保持されていること
になる。このオフセット電圧はTFT11a、TFT1
1bの特性に応じて異なる電圧値である。したがって、
図425(a)の動作を実施することにより、各画素の
コンデンサ19にはTFT11a、TFT11bが電流
を流さない(つまり、黒表示電流(ほどんど0に等し
い))状態が保持されることになるのである(電流が流
れ始める開始電圧にリセットされた)。
【1741】なお、図425(a)においても図423
(a)と同様に、リセットの実施時間を長くするほど、
Ib電流が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくな
る傾向がある。したがって、図425(a)の実施時間
は固定値にする必要がある。実験および検討によれば、
図425(a)の実施時間は、1H以上10H(10水
平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには1H
以上5H以下にすることが好ましい。あるいは、20μ
sec以上2msec以下とすることが好ましい。この
ことは図423の駆動方式でも同様である。
【1742】図423(a)も同様であるが、図425
(a)のリセット状態と、図425(b)の電流プログ
ラム状態とを同期をとって行う場合は、図425(a)
のリセット状態から、図425(b)の電流プログラム
状態までの期間が固定値(一定値)となるから問題はな
い(固定値にされている)。つまり、図423(a)あ
るいは図425(a)のリセット状態から、図423
(b)あるいは図425(b)の電流プログラム状態ま
での期間が、1H以上10H(10水平走査期間)以下
とすることが好ましい。さらには1H以上5H以下にす
ることが好ましいのである。あるいは、20μsec以
上2msec以下とすることが好ましいのである。この
期間が短いと駆動用TFT11が完全にリセットされな
い。また、あまりにも長いと駆動用TFT11が完全に
オフ状態となり、今度は電流をプログラムするのに長時
間を要するようになる。また、画面12の輝度も低下す
る。
【1743】図425(a)を実施後、図425(b)
の状態にする。図425(b)はTFT11c、TFT
11dをオンさせ、TFT11eをオフさせた状態であ
る。図425(b)の状態は、電流プログラムを行って
いる状態である。つまり、ソースドライバ回路14から
プログラム電流Iwを出力(あるいは吸収)し、このプ
ログラム電流Iwを電流プログラム用TFT11aに流
す。このプログラム電流Iwが流れるように、駆動用T
FT11bのゲート(G)端子の電位をコンデンサ19
に設定するのである。
【1744】もし、プログラム電流Iwが0(A)(黒
表示)であれば、TFT11bは電流を図423(a)
の電流を流さない状態が保持されたままとなるから、良
好な黒表示を実現できる。また、図425(b)で白表
示の電流プログラムを行う場合は、各画素の駆動用TF
Tの特性バラツキが発生していても、完全に黒表示状態
のオフセット電圧(各駆動用TFTの特性に応じて設定
された電流が流れる開始電圧)から電流プログラムを行
う。したがって、目標の電流値にプログラムされる時間
が階調に応じて等しくなる。そのため、TFT11aあ
るいはTFT11bの特性バラツキによる階調誤差がな
く、良好な画像表示を実現できる。
【1745】図425(b)の電流プログラミング後、
図425(c)に図示するように、TFT11c、TF
T11dとオフし、TFT11eをオンさせて、駆動用
TFT11bからのプログラム電流Iw(=Ie)をE
L素子15に流し、EL素子15を発光させる。図42
5(c)に関しても、図21などで以前に説明をしたの
で詳細は省略する。
【1746】図423、図425で説明した駆動方式
(リセット駆動)は、駆動用TFT11aあるいはTF
T11bとEL素子15間を切断(電流が流れない状
態。TFT11eあるいはTFT11dで行う)し、か
つ、駆動用TFTのドレイン(D)端子とゲート(G)
端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)端子、
さらに一般的に表現すれば駆動用TFTのゲート(G)
端子を含む2端子)間をショートする第1の動作と、前
記動作の後、駆動用TFTに電流(電圧)プログラムを
行う第2の動作とを実施するものである。そして、少な
くとも第2の動作は第1の動作後に行うものである。な
お、第1の動作における駆動用TFT11aあるいはT
FT11bとEL素子15間を切断するという動作は、
必ずしも必須の条件ではない。もし、第1の動作におけ
る駆動用TFT11aあるいはTFT11bとEL素子
15間を切断せずに、駆動用TFTのドレイン(D)端
子とゲート(G)端子間をショートする第1の動作を行
っても多少のリセット状態のバラツキが発生する程度で
済む場合があるからである。これは、作製したアレイの
TFT特性を検討して決定する。
【1747】図425のカレントミラーの画素構成は、
電流プログラムTFT11aをリセットすることによ
り、結果として駆動用TFT11bをリセットする駆動
方法であった。図426のように、駆動用TFT11b
をリセットするTFT11fを形成することにより、直
接に駆動用TFT11bをリセットすることができる。
【1748】図426の場合も図425と動作はほぼ同
様である。まず、TFT11c、TFT11d、TFT
11eをオフ状態にし、今度はTFT11fをオン状態
にする。すると、駆動用TFT11bのドレイン(D)
端子とゲート(G)端子はショート状態となり、図に示
すようにIb電流が流れる。そのため、駆動用TFT1
1bのゲート(G)端子とドレイン(D)端子とが同一
電位となり、駆動用TFT11bはリセット(電流を流
さない状態)になる。
【1749】図426の画素構成においても、図426
と同様に、リセットの実施時間を長くするほど、Ib電
流が流れつづけ、コンデンサ19の端子電圧が小さくな
る傾向がある。したがって、図426においてもリセッ
ト時間は固定値にする必要があることは言うまでもな
い。
【1750】リセット後、TFT11c、TFT11d
をオンさせ、TFT11f、TFT11eをオフさせ
て、電流プログラムを行う。なお、この際、図425も
同様であるが、TFT11eはオン状態であってもよ
い。電流プログラミング後、TFT11c、TFT11
d、TFT11fをオフし、TFT11eをオンさせ
て、駆動用TFT11bからのプログラム電流Iw(=
Ie)をEL素子15に流し、EL素子15を発光させ
る。
【1751】図425、図426のカレントミラーの画
素構成では、リセット状態では、必ずしも駆動用TFT
11bとEL素子15間を切断する必要はない。したが
って、電流プログラム用TFTaのドレイン(D)端子
とゲート(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲー
ト(G)端子、さらに一般的に表現すれば電流プログラ
ム用TFTのゲート(G)端子を含む2端子、あるいは
駆動用TFTのゲート(G)端子を含む2端子)間をシ
ョートする第1の動作と、前記動作の後、電流プログラ
ム用TFTに電流(電圧)プログラムを行う第2の動作
とを実施するものである。そして、少なくとも第2の動
作は第1の動作後に行うものである。
【1752】画像表示状態は(もし、瞬時的な変化が観
察できるのであれば)、まず、電流プログラムを行われ
る画素行は、リセット状態(黒表示状態)になり、所定
H後に電流プログラムが行われる。画面の上から下方向
に、黒表示の画素行が移動し、この画素行が通りすぎた
位置で画像が書き換わっていくように見えるはずであ
る。
【1753】なお、図425、図426のリセット駆動
は、図31、図37、図108、図142、図147、
図152、図198などのN倍パルス駆動などと組み合
わせることにより、複数の黒帯びが画面の上下方向に移
動しているように見えるはずである(実際は高速で移動
するため、視覚的には見えない)。以上のような、間欠
N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける駆
動方法である。この駆動方法は、TFT11eをオンオ
フ動作させることにより容易に実現できる。このことは
以前に説明をした。)を容易に実現できるので、フリッ
カの発生もなく、良好な画像表示を実現できる。これ
は、図425あるいはその変形構成のすぐれた特徴であ
る。また、他の駆動方法、たとえば、逆バイアス駆動方
式、プリチャージ駆動方式、突き抜け電圧駆動方式など
と組み合わせることによりさらに優れた画像表示を実現
できることは言うまでもない。以上のように、本発明と
同様にリセット駆動も本明細書の他の実施例と組み合わ
せて実施することができることは言うまでもない。
【1754】図439は、図424のカレントミラーの
画素構成において、リセット駆動を実現するタイミング
チャートである。ゲート信号線17a2にオン電圧を印
加し、TFT11dをオンさせ、駆動用TFT11bを
リセットする。また、ゲート信号線17bにオフ電圧を
印加し、TFT11dをオフ状態にしている。したがっ
て、図425(a)の状態となっている。この期間にI
b電流が流れる。
【1755】なお、図439のタイミングチャートで
は、リセット時間は2Hとしているが、これに限定する
ものではない。2H以上でもよい。また、リセットが極
めて高速に行える場合は、リセット時間は1H未満であ
ってもよい。また、リセット期間を何H期間にするかは
ゲートドライバ回路12に入力するDATA(ST)パ
ルス期間で容易に変更できる。たとえば、ST端子に入
力するDATAを2H期間の間Hレベルとすれば、各ゲ
ート信号線17aから出力されるリセット期間は2H期
間となる。同様に、ST端子に入力するDATAを5H
期間の間Hレベルとすれば、各ゲート信号線17aから
出力されるリセット期間は5H期間となる。
【1756】1H期間のリセット後、ゲート信号線17
a1にオン電圧が印加され、TFT11cがオン状態に
される。TFT11cがオンすることにより、ソース信
号線18に印加されたプログラム電流IwがTFT11
cを介して電流プログラム用用TFT11aに書き込ま
れる(図425(b)の状態)。
【1757】電流プログラム後、ゲート信号線17a1
およびゲート信号線17a2にオフ電圧が印加され、T
FT11c、TFT11dがオフし、画素16がソース
信号線と切り離される。同時に、ゲート信号線17bに
もオン電圧が印加され、TFT11dがオンして、駆動
用TFT11aにプログラムされた電流がEL素子15
に流れる。
【1758】なお、画素行(2)以降についても、画素
行(1)と同様であり、また、図430からその動作は
明らかであるから説明を省略する。また、リセット期間
は基本的にはTFT11dをオフさせるために、ゲート
信号線17bにオフ電圧を印加する必要がある。しか
し、プログラム期間は、TFT11dをオフさせる必要
性はない。したがって、図440に図示するように、プ
ログラム期間には、ゲート信号線17bにオン電圧を印
加し、TFT11dをオン状態としてもよい。
【1759】図439で図示するように、各ゲート信号
線17bに出力する信号波形は、所定周期でオンオフ動
作させている。これは、図31、図37、図108、図
142、図147、図152、図198などのN倍パル
ス駆動などと組み合わせること、図39、図154、図
156のインターレース駆動と組み合わせることにより
さらに良好な画像表示を実現できからである。特に図4
22の構成は、間欠N/K倍パルス駆動を容易に実現で
きるので、フリッカの発生もなく、良好な画像表示を実
現できる。
【1760】図430において、リセット期間は1H期
間であった。図431はリセット期間を5Hとした実施
例である。リセット期間を何H期間にするかはゲートド
ライバ回路12に入力するDATA(ST)パルス期間
で容易に変更できる。図431ではゲートドライバ回路
12aのST1端子に入力するDATAを5H期間の間
Hレベルし、各ゲート信号線17aから出力されるリセ
ット期間を5H期間とした実施例である。リセット期間
は、長いほど、リセットが完全に行われ、良好な黒表示
を実現できる。しかし、リセット期間の割合分は表示輝
度が低下することになる。
【1761】図431はリセット期間を5Hとした実施
例であった。また、このリセット状態は連続状態であっ
た。しかし、リセット状態は連続して行うことに限定さ
れるものではない。図432に示すタイミングチャート
は、各ゲート信号線17aから出力される信号を1Hご
とにオンオフ動作させた例である。このようにオンオフ
動作させるのは、シフトレジスタの出力段に形成された
イネーブル回路(図示せず)を操作することにより容易
に実現できる。また、ゲートドライバ回路12に入力す
るDATA(ST)パルスを制御することで容易に実現
できる。
【1762】図429の回路構成では、ゲートドライバ
回路12aは少なくとも2つのシフトレジスタ回路(1
つはゲート信号線17a制御用、他の1つはゲート信号
線17b制御用)が必要であった。そのため、ゲートド
ライバ回路12aの回路規模が大きくなるという課題が
あった。図433はゲートドライバ回路12aのシフト
レジスタを1つにした実施例である。図433の回路を
動作させた出力信号のタイミングチャートは図430の
ごとくなる。なお、図429と図433とはゲートドラ
イバ回路12a、12bから出力されているゲート信号
線17の記号が異なっているので注意が必要である。
【1763】図433のOR回路3272が付加されて
いることから明らかであるが、各ゲート信号線17aの
出力は、シフトレジスタ22aの前段出力とのORをと
って出力される。つまり、2H期間、ゲート信号線17
aからはオン電圧が出力される。一方、ゲート信号線1
7cはシフトレジスタ22aの出力がそのまま出力され
る。したがって、1H期間の間、オン電圧が印加され
る。
【1764】たとえば、シフトレジスタ22aの2番目
にHレベル信号が出力されている時、画素16(1)の
ゲート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16
(1)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時
に、画素16(2)のゲート信号線17aにもオン電圧
が出力され、画素16(2)のTFT11bがオン状態
となり、画素16(2)の駆動用TFT11aがリセッ
トされる。
【1765】同様に、シフトレジスタ22aの3番目に
Hレベル信号が出力されている時、画素16(2)のゲ
ート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16
(2)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時
に、画素16(3のゲート信号線17aにもオン電圧が
出力され、画素16(3)TFT11bがオン状態とな
り、画素16(3)駆動用TFT11aがリセットされ
る。つまり、2H期間、ゲート信号線17aからはオン
電圧が出力され、ゲート信号線17cに1H期間、オン
電圧が出力される。
【1766】プログラム状態の時は、TFT11bとT
FT11cが同時にオン状態となる(図423(b))
ら、非プログラム状態(図423(c))に移行する
際、TFT11cがTFT11bよりも先にオフ状態と
なると、図423(b)のリセット状態となってしま
う。これと防止するためには、TFT11cがTFT1
1bよりもあとからオフ状態にする必要がある。そのた
めには、ゲート信号線17aがゲート信号線17cより
も先にオン電圧が印加されるように制御する必要があ
る。
【1767】以上の実施例は、電流プログラムの画素構
成を中心として説明をしたが、本発明のリセット駆動は
電圧プログラムの画素構成にも適用することができる。
図427は電圧プログラムの画素構成におけるリセット
駆動を実施するための本発明の画素構成(パネル構成)
の説明図である。
【1768】図427の画素構成では、駆動用TFT1
1aをリセット動作させるためのTFT11eが形成さ
れている。ゲート信号線17eにオン電圧が印加される
ことにより、TFT11eがオンし、駆動用TFT11
aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子間をショー
トさせる。また、EL素子15と駆動用TFT11aと
の電流経路を切断するTFT11dが形成されている。
以下、図428を参照しながら、電圧プログラムの画素
構成における本発明のリセット駆動方式について説明を
する。
【1769】図428(a)に図示するように、TFT
11b、TFT11dをオフ状態にし、TFT11eを
オン状態にする。駆動用TFT11aのドレイン(D)
端子とゲート(G)端子はショート状態となり、図に示
すようにIb電流が流れる。そのため、TFT11aの
ゲート(G)端子とドレイン(D)端子とが同一電位と
なり、駆動用TFT11aはリセット(電流を流さない
状態)になる。なお、TFT11aをリセットする前
に、図423あるいは図447で説明したように、HD
同期信号に同期して、最初にTFT11dをオンさせ、
TFT11eをオフさせて、TFT11aに電流を流し
ておく。その後、図428(a)の動作を実施する。
【1770】このTFT11a、TFT11bのリセッ
ト状態(電流を流さない状態)は、図447などで説明
した電圧オフセットキャンセラ方式のオフセット電圧を
保持した状態と等価である。つまり、図428(a)の
状態では、コンデンサ19の端子間には、オフセット電
圧(リセット電圧)が保持されていることになる。この
リセット電圧は駆動用TFT11aの特性に応じて異な
る電圧値である。つまり、図428(a)の動作を実施
することにより、各画素のコンデンサ19には駆動用T
FT11aが電流を流さない(つまり、黒表示電流(ほ
どんど0に等しい))状態が保持されることになるので
ある(電流が流れ始める開始電圧にリセットされた)。
【1771】なお、電圧プログラムの画素構成において
も、電流プログラムの画素構成と同様に、図428
(a)のリセットの実施時間を長くするほど、Ib電流
が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくなる傾向が
ある。したがって、図428(a)の実施時間は固定値
にする必要がある。実施時間は、0.2H以上5H(5
水平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには
0.5H以上4H以下にすることが好ましい。あるい
は、2μsec以上400μsec以下とすることが好
ましい。
【1772】また、ゲート信号線17eは前段の画素行
のゲート信号線17aと共通にしておくことが好まし
い。つまり、ゲート信号線17eと前段の画素行のゲー
ト信号線17aとをショート状態で形成する。この構成
を前段ゲート制御方式と呼ぶ。なお、前段ゲート制御方
式とは、着目画素行より少なくとも1H前以上に選択さ
れる画素行のゲート信号線波形を用いるものである。し
たがって、1画素行前に限定されるものではない。たと
えば、2画素行前のゲート信号線の信号波形を用いて着
目画素の駆動用TFT11aのリセットを実施してもよ
い。
【1773】前段ゲート制御方式をさらに具体的に記載
すれば以下のようになる。着目する画素行が(N)画素
行とし、そのゲート信号線がゲート信号線17e
(N)、ゲート信号線17a(N)とする。1H前に選
択される前段の画素行は、画素行が(N−1)画素行と
し、そのゲート信号線がゲート信号線17e(N−
1)、ゲート信号線17a(N−1)とする。また、着
目画素行の次の1H後に選択される画素行が(N+1)
画素行とし、そのゲート信号線がゲート信号線17e
(N+1)、ゲート信号線17a(N+1)とする。
【1774】第(N−1)H期間では、第(N−1)画
素行のゲート信号線17a(N−1)にオン電圧が印加
されると、第(N)画素行のゲート信号線17e(N)
にもオン電圧が印加される。ゲート信号線17e(N)
と前段の画素行のゲート信号線17a(N−1)とがシ
ョート状態で形成されているからである。したがって、
第(N−1)画素行の画素のTFT11b(N−1)が
オンし、ソース信号線18の電圧が駆動用TFT11a
(N−1)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時
に、第(N)画素行の画素のTFT11e(N)がオン
し、駆動用TFT11a(N)のゲート(G)端子とド
レイン(D)端子間がショートされ、駆動用TFT11
a(N)がリセットされる。
【1775】第(N−1)H期間の次の第(N)期間で
は、第(N)画素行のゲート信号線17a(N)にオン
電圧が印加されると、第(N+1)画素行のゲート信号
線17e(N+1)にもオン電圧が印加される。したが
って、第(N)画素行の画素のTFT11b(N)がオ
ンし、ソース信号線18に印加されている電圧が駆動用
TFT11a(N)のゲート(G)端子に書き込まれ
る。同時に、第(N+1)画素行の画素のTFT11e
(N+1)がオンし、駆動用TFT11a(N+1)の
ゲート(G)端子とドレイン(D)端子間がショートさ
れ、駆動用TFT11a(N+1)がリセットされる。
【1776】以下同様に、第(N)H期間の次の第(N
+1)期間では、第(N+1)画素行のゲート信号線1
7a(N+1)にオン電圧が印加されると、第(N+
2)画素行のゲート信号線17e(N+2)にもオン電
圧が印加される。したがって、第(N+1)画素行の画
素のTFT11b(N+1)がオンし、ソース信号線1
8に印加されている電圧が駆動用TFT11a(N+
1)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時に、第
(N+2)画素行の画素のTFT11e(N+2)がオ
ンし、駆動用TFT11a(N+2)のゲート(G)端
子とドレイン(D)端子間がショートされ、駆動用TF
T11a(N+2)がリセットされる。
【1777】以上の本発明の前段ゲート制御方式では、
1H期間、駆動用TFT11aはリセットされ、その
後、電圧(電流)プログラムが実施される。
【1778】図423(a)も同様であるが、図428
(a)のリセット状態と、図428(b)の電圧プログ
ラム状態とを同期をとって行う場合は、図428(a)
のリセット状態から、図428(b)の電流プログラム
状態までの期間が固定値(一定値)となるから問題はな
い(固定値にされている)。この期間が短いと駆動用T
FT11が完全にリセットされない。また、あまりにも
長いと駆動用TFT11aが完全にオフ状態となり、今
度は電流をプログラムするのに長時間を要するようにな
る。また、画面12の輝度も低下する。
【1779】図428(a)を実施後、図428(b)
の状態にする。図428(b)はTFT11bをオンさ
せ、TFT11e、TFT11dをオフさせた状態であ
る。図428(b)の状態は、電圧プログラムを行って
いる状態である。つまり、ソースドライバ回路14から
プログラム電圧を出力し、このプログラム電圧を駆動用
TFT11aのゲート(G)端子に書き込む(駆動用T
FT11aのゲート(G)端子の電位をコンデンサ19
に設定する)。なお、電圧プログラム方式の場合は、電
圧プログラム時にTFT11dを必ずしもオフさせる必
要はない。また、図31、図37、図108、図14
2、図147、図152、図198などのN倍パルス駆
動などと組み合わせること、あるいは以上のような、間
欠N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける
駆動方法である。この駆動方法は、TFT11eをオン
オフ動作させることにより容易に実現できる)を実施す
る必要がなければ、TFT11eが必要でない。このこ
とは以前に説明をしたので、説明を省略する。
【1780】図427の構成あるいは図428の駆動方
法で白表示の電圧プログラムを行う場合は、各画素の駆
動用TFTの特性バラツキが発生していても、完全に黒
表示状態のオフセット電圧(各駆動用TFTの特性に応
じて設定された電流が流れる開始電圧)から電圧プログ
ラムを行う。したがって、目標の電流値にプログラムさ
れる時間が階調に応じて等しくなる。そのため、TFT
11aの特性バラツキによる階調誤差がなく、良好な画
像表示を実現できる。
【1781】図428(b)の電流プログラミング後、
図428(c)に図示するように、TFT11bをオフ
し、TFT11dをオンさせて、駆動用TFT11aか
らのプログラム電流をEL素子15に流し、EL素子1
5を発光させる。
【1782】以上のように、図427の電圧プログラム
における本発明のリセット駆動は、まず、HD同期信号
に同期して、最初にTFT11dをオンさせ、TFT1
1eをオフさせて、TFT11aに電流を流す第1の動
作と、TFT11aとEL素子15間を切断し、かつ、
駆動用TFT11aのドレイン(D)端子とゲート
(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)
端子、さらに一般的に表現すれば駆動用TFTのゲート
(G)端子を含む2端子)間をショートする第2の動作
と、前記動作の後、駆動用TFT11aに電圧プログラ
ムを行う第3の動作とを実施するものである。
【1783】図427は、駆動用TFT11aのゲート
(G)端子とドレイン(D)端子間をショートするTF
T11eを形成した画素構成であった。駆動用TFT1
1aをオフ状態とすることを目的とするのであれば、図
452の画素構成が例示される。図452は駆動用TF
T11aのソース(S)端子とゲート(G)端子間をシ
ョートするTFT(スイッチング素子)11eを形成し
た本発明の画素構成である。
【1784】図452の画素構成では、駆動用TFT1
1aをリセット動作させるためのTFT11eが形成さ
れている。ゲート信号線17eにオン電圧が印加される
ことにより、TFT11eがオンし、駆動用TFT11
aのゲート(G)端子とソース(S)端子間をショート
させる。
【1785】また、EL素子15と駆動用TFT11a
との電流経路を切断するTFT11dが形成されてい
る。また、EL素子15に逆バイアス電圧を印加するT
FT11gが形成されている。このTFT11gの動作
については以前に説明したので説明を省略する。以下、
図452および図453を参照しながら、本発明の電圧
プログラムの画素構成における本発明のリセット駆動方
式について説明をする。
【1786】なお、プログラム対象の画素行は第(N)
画素行とし、この画素行は水平走査期間の第(N)H番
目で電圧プログラムが完了するものとする。また、図4
53の実施例では、2H期間を用いて電圧プログラムを
実施する。したがって、第(N)番目の画素行は第(N
−1)Hから、プログラム動作が開始される。つまり、
第(N−1)H期間では、第(N)番目の画素はリセッ
ト動作し、第(N)H期間で電圧プログラムされる。
【1787】図453では2H期間(2水平走査期間)
で電圧プログラムされるとして説明をするが、本発明は
2H期間に限定されるものではない。複数水平走査期間
を用いて画素行が電圧プログラムされるものであればい
ずれでもよい。つまり、複数の水平走査期間にわたり、
リセット動作を行っても良い。この場合、第(N)番目
の画素行は第(N−K)H(Kは1以上の整数)から、プ
ログラム動作が開始される。つまり、第(N−1)H期
間では、第(N)番目の画素はリセット動作を行う。
【1788】また、本発明はリセット状態を具備するこ
とを目的とする。したがって、リセットの期間はHDに
同期している必要はない。そのため、複数H期間という
事項は限定事項ではない。ただ、ハード的に制御回路を
構成する場合、HDに同期するように構成する方が構成
は容易であるからにすぎない。したがって、他のクロッ
クに同期するように構成してもよい。また、非同期動作
に構成してもよい。ただし、本発明の説明では説明を容
易にするため、前段のゲート信号線の駆動波形を用いて
次段の画素行をリセット動作させる2H期間の駆動とし
て説明を行う(前段ゲート制御方式)。
【1789】第(N−1)Hの水平同期信号(HD)
後、TFT11aのリセット動作が実施される。このリ
セット動作は、図428のオフセット電圧をコンデンサ
19に保持させるものではなく、TFT11aを完全に
オフ状態(電流が全く流れない状態にするものである
(完全黒表示)。
【1790】第(N−1)H期間では、ゲート信号線1
7eにオン電圧が印加され、TFT11eがオンする。
ゲート信号線17aおよびゲート信号線17bにはオフ
電圧が印加され、TFT11d、TFT11bはオフ状
態である。
【1791】TFT11eがオンすることにより、駆動
用TFT11aのゲート(G)端子電圧はVdd電圧と
なり、駆動用TFT11aは完全にオフ状態となる。な
お、駆動用TFT11aのゲート(G)端子をVdd電
圧(=ソース(S)端子電圧)とするのは、駆動用TF
T11aがPチャンネルの場合である。駆動用TFT1
1aがNチャンネルの場合は、駆動用TFT11aのゲ
ート(G)端子をGND電圧(=ドレイン(D)端子電
圧)とする。
【1792】次の第(N)H期間では、電圧プログラム
を行う。ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、TF
T11bをオンさせる。また、ゲート信号線17eには
オフ電圧を印加し、TFT11eをオフさせる。一方、
ゲート信号線17bは、第(N−1)Hと第(N)H期
間の間、オフ電圧を印加する。ただし、ゲート信号線1
7bは、第(N)H期間はオン電圧印加状態でもよい。
このことは以前にも説明をしているので説明を省略す
る。
【1793】プログラム期間後、ゲート信号線17bに
はオン電圧が印加され、TFT11dはオン状態とな
り、EL素子15に電流が供給されて、EL素子15が
点灯する。また、図31、図37、図108、図14
2、図147、図152、図198などのN倍パルス駆
動などと組み合わせること、あるいは以上のような、間
欠N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける
駆動方法である。この駆動方法は、TFT11eをオン
オフ動作させることにより容易に実現できる)を実施す
る。この駆動方式によりフリッカの発生がなく、また動
画表示性能も格段に向上する。
【1794】また、図428などでも説明したように、
前段ゲート制御方式を実施することにより、ゲート信号
線17の引き出し本数を減少させることができる。ゲー
ト信号線17eとゲート信号線17aとを前段ゲートで
共通にすることができるからである。
【1795】具体的には、図452においても、着目す
る画素行が(N)画素行とし、そのゲート信号線がゲー
ト信号線17e(N)、ゲート信号線17a(N)とす
る。1H前に選択される前段の画素行は、画素行が(N
−1)画素行とし、そのゲート信号線がゲート信号線1
7e(N−1)、ゲート信号線17a(N−1)とす
る。また、着目画素行の次の1H後に選択される画素行
が(N+1)画素行とし、そのゲート信号線がゲート信
号線17e(N+1)、ゲート信号線17a(N+1)
とする。
【1796】第(N−1)H期間では、第(N−1)画
素行のゲート信号線17a(N−1)にオン電圧が印加
されると、第(N)画素行のゲート信号線17e(N)
にもオン電圧が印加される。ゲート信号線17e(N)
と前段の画素行のゲート信号線17a(N−1)とがシ
ョート状態で形成されているからである。したがって、
第(N−1)画素行の画素のTFT11b(N−1)が
オンし、ソース信号線18の電圧が駆動用TFT11a
(N−1)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時
に、第(N)画素行の画素のTFT11e(N)がオン
し、駆動用TFT11a(N)のゲート(G)端子とソ
ース(S)端子間がショートされ、駆動用TFT11a
(N)がリセットされる。
【1797】第(N−1)H期間の次の第(N)期間で
は、第(N)画素行のゲート信号線17a(N)にオン
電圧が印加されると、第(N+1)画素行のゲート信号
線17e(N+1)にもオン電圧が印加される。したが
って、第(N)画素行の画素のTFT11b(N)がオ
ンし、ソース信号線18に印加されている電圧が駆動用
TFT11a(N)のゲート(G)端子に書き込まれ
る。同時に、第(N+1)画素行の画素のTFT11e
(N+1)がオンし、駆動用TFT11a(N+1)の
ゲート(G)端子とソース(S)端子間がショートさ
れ、駆動用TFT11a(N+1)がリセットされる。
以下の動作も、図427、図428と同様であるので説
明を省略する。以上の本発明の前段ゲート制御方式で
は、1H期間、駆動用TFT11aはリセットされ、そ
の後、電圧(電流)プログラムが実施される。
【1798】なお、図452において、コンデンサの一
方の端子はVcc電圧としている。Vcc電圧への引き
出し信号線はゲート信号線17と平行に引き出されてい
る。このVcc電圧は電圧ボリウム回路から形成されて
おり、所望の電圧値に可変できるように構成している。
このように、Vcc電圧を可変するのは、コンデンサ1
9の電荷保持特性を良好なものとするためである。ま
た、TFT11aの特性検査を実施する意味合いもあ
る。なお、コンデンサ19の端子はVcc電圧を印加す
る構成の他、図427と同様にVdd電圧と接続しても
よい。この図427の構成を採用すれば、引き出し信号
線を減少させることができ、画素16の開口率を向上で
きる。なお、以上の実施例は、本発明の他の実施例にも
適用できることは言うまでもない。
【1799】図422はTFT11bをオンさせること
により、駆動用TFT11aをリセットする構成であっ
た。他の構成として、図455の画素構成が例示され
る。図455では、TFT11bとTFT11cのゲー
ト(G)端子は共通のゲート信号線17aと接続されて
いる。また、リセット用TFT11eのゲート(G)端
子は別のゲート信号線11eに接続されている。
【1800】図455の画素構成は、電流プログラムの
画素構成において、駆動用TFT11aをリセットする
TFT11eを具備する構成である。前段ゲート制御方
式とする接続としては一例として図456のごとくに接
続する。つまり、図456に示すように画素16aのT
FT11cのゲート(G)端子に接続されたゲート信号
線17aは次段画素16bのリセット用TFT11eの
ゲート(G)端子にも接続されている。同様に、画素1
6bのTFT11cのゲート(G)端子に接続されたゲ
ート信号線17aは次段画素16cのリセット用TFT
11eのゲート(G)端子に接続されている。
【1801】したがって、画素16aのTFT11cの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16aが電流プログラム状態
となるとともに、次段画素16bのリセット用TFT1
1eがオンし、画素16bの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。同様に、画素16bのTFT11cの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16bが電流プログラム状態
となるとともに、次段画素16cのリセット用TFT1
1eがオンし、画素16cの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。したがって、容易に前段ゲート制御方
式によるリセット駆動を実現できる。
【1802】さらに詳しく説明する。まず、図456
(a)のようにゲート信号線17に電圧が印加されてい
るとする。画素16aのゲート信号線17aにオン電圧
が印加され、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加され
ているとする。画素16bのゲート信号線17aにオフ
電圧が印加され、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加
されているとする。また、画素16cのゲート信号線1
7aにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオン
電圧が印加され、画素16dのゲート信号線17aにオ
フ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオン電圧が印
加されているとする。
【1803】この状態では、画素16aは電流プログラ
ム状態で非点灯、画素16bはリセット状態で非点灯、
画素16cはプログラム電流の保持状態で点灯、画素1
6dはプログラム電流の保持状態で点灯状態である。
【1804】1H後、制御用ゲートドライバ回路12の
シフトレジスタ22内のデータが1ビットシフトし、図
456(b)の状態となる。図456(b)の状態は、
画素16aはプログラム電流保持状態で点灯、画素16
bは電流プログラム状態で非点灯、画素16cはリセッ
ト状態で非点灯、画素16dはプログラム保持状態で点
灯状態である。
【1805】さらに1H後、制御用ゲートドライバ回路
12のシフトレジスタ22内のデータが1ビットシフト
し、図456(c)の状態となる。図456(c)の状
態は、画素16aはプログラム電流保持状態で点灯、画
素16bはプログラム電流保持状態で点灯、画素16c
は電流プログラム状態で非点灯、画素16dはリセット
状態で非点灯状態である。
【1806】以上のことから、各画素は前段に印加され
たゲート信号線17aの電圧により、次段の画素の駆動
用TFT11aがリセットされ、次の水平走査期間に電
流プログラムが順次行われることがわかる。
【1807】以上の実施例は電流プログラムの画素構成
の例であったが、図67、図406の電圧プログラムの
画素構成でも前段ゲート制御方式を実施することができ
る。図457はその実施例である。
【1808】図457に示すように画素16aのTFT
11cのゲート(G)端子に接続されたゲート信号線1
7aは次段画素16bのリセット用TFT11bのゲー
ト(G)端子にも接続されている。同様に、画素16b
のTFT11cのゲート(G)端子に接続されたゲート
信号線17aは次段画素16cのリセット用TFT11
bのゲート(G)端子に接続されている。
【1809】したがって、画素16aのTFT11cの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16aが電圧プログラム状態
となるとともに、次段画素16bのリセット用TFT1
1bがオンし、画素16bの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。同様に、画素16bのTFT11cの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16bが電流プログラム状態
となるとともに、次段画素16cのリセット用TFT1
1bがオンし、画素16cの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。したがって、容易に前段ゲート制御方
式によるリセット駆動を実現できる。
【1810】さらに詳しく説明する。図457(a)の
ようにゲート信号線17に電圧が印加されているとす
る。つまり、画素16aのゲート信号線17aにオン電
圧が印加され、他の画素16のゲート信号線17aにオ
フ電圧が印加されているとする。また、ゲート信号線1
7bは画素16a、16bにはオフ電圧が印加され、画
素16c、16dにはオン電圧が印加されているとす
る。
【1811】この状態では、画素16aは電圧プログラ
ム状態で非点灯、画素16bはリセット状態で非点灯、
画素16cはプログラム電流の保持状態で点灯、画素1
6dはプログラム電流の保持状態で点灯状態である。
【1812】1H後、制御用ゲートドライバ回路12の
シフトレジスタ22内のデータが1ビットシフトし、図
457(b)の状態となる。図457(b)の状態は、
画素16aはプログラム電流保持状態で点灯、画素16
bは電流プログラム状態で非点灯、画素16cはリセッ
ト状態で非点灯、画素16dはプログラム保持状態で点
灯状態である。
【1813】以上のことから、各画素は前段に印加され
たゲート信号線17aの電圧により、次段の画素の駆動
用TFT11aがリセットされ、次の水平走査期間に電
圧プログラムが順次行われることがわかる。
【1814】図452でも説明したが、図452、図4
58に図示する電圧プログラムの画素構成でも前段ゲー
ト制御を実現できる。図459は図458の画素構成を
前段ゲート制御方式の接続とした実施例である。
【1815】図459に示すように画素16aのTFT
11bのゲート(G)端子に接続されたゲート信号線1
7aは次段画素16bのリセット用TFT11eのゲー
ト(G)端子に接続されている。同様に、画素16bの
TFT11bのゲート(G)端子に接続されたゲート信
号線17aは次段画素16cのリセット用TFT11e
のゲート(G)端子に接続されている。
【1816】したがって、画素16aのTFT11bの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16aが電圧プログラム状態
となるとともに、次段画素16bのリセット用TFT1
1eがオンし、画素16bの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。同様に、画素16bのTFT11bの
ゲート(G)端子に接続されたゲート信号線17aにオ
ン電圧を印加すると、画素16bが電流プログラム状態
となるとともに、次段画素16cのリセット用TFT1
1eがオンし、画素16cの駆動用TFT11aがリセ
ット状態となる。したがって、容易に前段ゲート制御方
式によるリセット駆動を実現できる。
【1817】さらに詳しく説明する。図459(a)の
ようにゲート信号線17に電圧が印加されているとす
る。つまり、画素16aのゲート信号線17aにオン電
圧が印加され、他の画素16のゲート信号線17aにオ
フ電圧が印加されているとする。また、すべての逆バイ
アス用TFT11gはオフ状態であるとする。
【1818】この状態では、画素16aは電圧プログラ
ム状態、画素16bはリセット状態、画素16cはプロ
グラム電流の保持状態、画素16dはプログラム電流の
保持状態である。
【1819】1H後、制御用ゲートドライバ回路12の
シフトレジスタ22内のデータが1ビットシフトし、図
459(b)の状態となる。図459(b)の状態は、
画素16aはプログラム電流保持状態、画素16bは電
流プログラム状態、画素16cはリセット状態、画素1
6dはプログラム保持状態である。
【1820】以上のことから、各画素は前段に印加され
たゲート信号線17aの電圧により、次段の画素の駆動
用TFT11aがリセットされ、次の水平走査期間に電
圧プログラムが順次行われることがわかる。
【1821】なお、カレントミラーの画素構成におい
て、図460に図示するように、TFT11dに並列に
リセット用TFT11eと形成してもよい。このリセッ
ト用TFT11eのゲート(G)端子は前段画素16の
TFT11dのゲート(G)端子に接続されたゲート信
号線に接続する。他の点に関しては、今までに説明して
構成例と同様あるいは類似である。したがって、説明を
省略する。
【1822】なお、電流プログラムの画素構成の変形例
として、図461の画素構成が例示される。図461で
は、コンデンサ19を2つの直列コンデンサ19aと1
9bから構成する。そして、コンデンサ19aとコンデ
ンサ19bの中点にリセット用のTFT11eのドレイ
ン(D)端子を接続している。また、TFT11eのソ
ース(S)端子は駆動用TFT11aのドレイン(D)
端子に接続する。また、TFT11eのゲート(G)端
子はゲート信号線17eと接続をする。
【1823】図461の構成において、ゲート信号線1
7eにオン電圧を印加すると、駆動用TFT11aのド
レイン(D)端子とコンデンサ19bを交流的に介して
ゲート(G)端子とがショートされる。したがって、交
流的な結合となり、リセット動作が良好となる。
【1824】図462に図示するように、カレントミラ
ーの画素構成においても、図461の概念を適用するこ
とができる。図462では、コンデンサ19を2つの直
列コンデンサ19aと19bから構成する。そして、コ
ンデンサ19aとコンデンサ19bの中点にリセット用
のTFT11eのドレイン(D)端子を接続している。
また、TFT11eのソース(S)端子は電流プログラ
ム用TFT11aのドレイン(D)端子に接続する。ま
た、TFT11eのゲート(G)端子は前段のゲート信
号線17aと接続をする。
【1825】図462の構成においても、ゲート信号線
17aにオン電圧を印加すると、駆動用TFT11aの
ドレイン(D)端子とコンデンサ19bを交流的に介し
てゲート(G)端子とがショートされる。したがって、
交流的な結合となり、リセット動作が良好となる。
【1826】図452では、図401などと同様に、逆
バイアス電圧印加用のTFT11gを付加している。し
たがって、EL素子15に逆バイアス電圧を印加するこ
とができ、EL表示装置を長寿命化できる。もちろん、
EL素子15に逆バイアス電圧を印加するか、EL素子
15に駆動用TFT11aからの電流を印加するかは、
TFT11dとTFT11gを制御することによって実
施できることは言うまでもない。
【1827】図454は、図452の構成において逆バ
イアス電圧を印加する時のタイミングチャート図であ
る。図454では、第(N−1)H期間に、逆バイアス
信号線4001にVsl電圧を印加し、TFT11gを
オンさせて、EL素子15に逆バイアス電圧を印加して
いる。この時、TFT11dはオフ状態としている。他
の、タイミングあるいは状態は図453と同一であるの
で説明を省略する。
【1828】また、図452のTFT11gを付加する
画素構成では、図447と同様に、TFT11g、TF
T11dを制御することにより、電流Ivの経路を形成
することができる。したがって、後に説明する図44
3、図444などの検査方法を実施することができる。
【1829】図443は検査方法の説明図である。44
31は電流検出手段である。電流検出手段4431とし
ては、nA程度まで測定できる微小電流計の他、ピック
アップ抵抗と電圧計の組み合わせ、電流入力型オペアン
プなどが例示される。つまり、電流が流れていることを
いずれかの手段で検出できるものであれば何でも良い。
また、電流(電圧)検出は、画素構成によりTFT11
gに流れ込む方向と流れ出す方向のいずれでも検出でき
るように構成する(電流あるいは電圧の極性が変化する
だけである)。
【1830】また、複数の逆バイアス制御線4001を
共通(ショート)し、共通にした一端に電流検出手段4
431を接続(配置)してもよいことはいうまでもな
い。つまり、複数の逆バイアス制御線4001に接続さ
れたいずれかの画素に欠陥が発生していると、前記電流
検出手段4431に電流が流れ、欠陥検出を行うことが
できる。また、電流検出手段4431を1つ用い、この
電流検出手段4431の測定端子にプローブなどを用い
て逆バイアス制御線4001に順次接続して検査を行っ
ても良い。
【1831】TFT11b、TFT11dをオフ状態に
し、TFT11eをオン状態にする。駆動用TFT11
aのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショート
状態となり、図に示すようにIb電流が流れる。そのた
め、TFT11aのゲート(G)端子とドレイン(D)
端子とが同一電位となり、駆動用TFT11aはリセッ
ト(電流を流さない状態)になる。なお、TFT11a
をリセットする前に、図447で説明したように、HD
同期信号に同期して、最初にTFT11dをオンさせ、
TFT11eをオフさせて、TFT11aに電流を流し
ておく。その後、図428(a)の動作を実施する。
【1832】このTFT11a、TFT11bのリセッ
ト状態(電流を流さない状態)は、図447などで説明
した電圧オフセットキャンセラ方式のオフセット電圧を
保持した状態と等価である。つまり、図428(a)の
状態では、コンデンサ19の端子間には、オフセット電
圧(リセット電圧)が保持されていることになる。この
リセット電圧は駆動用TFT11aの特性に応じて異な
る電圧値である。つまり、図428(a)の動作を実施
することにより、各画素のコンデンサ19には駆動用T
FT11aが電流を流さない(つまり、黒表示電流(ほ
どんど0に等しい))状態が保持されることになるので
ある(電流が流れ始める開始電圧にリセットされた)。
【1833】なお、電圧プログラムの画素構成において
も、電流プログラムの画素構成と同様に、図428
(a)のリセットの実施時間を長くするほど、Ib電流
が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくなる傾向が
ある。したがって、図428(a)の実施時間は固定値
にする必要がある。実施時間は、0.2H以上5H(5
水平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには
0.5H以上4H以下にすることが好ましい。あるい
は、2μsec以上400μsec以下とすることが好
ましい。
【1834】図423(a)も同様であるが、図428
(a)のリセット状態と、図428(b)の電圧プログ
ラム状態とを同期をとって行う場合は、図428(a)
のリセット状態から、図428(b)の電流プログラム
状態までの期間が固定値(一定値)となるから問題はな
い(固定値にされている)。この期間が短いと駆動用T
FT11が完全にリセットされない。また、あまりにも
長いと駆動用TFT11aが完全にオフ状態となり、今
度は電流をプログラムするのに長時間を要するようにな
る。また、画面12の輝度も低下する。
【1835】図428(a)を実施後、図428(b)
の状態にする。図428(b)はTFT11bをオンさ
せ、TFT11e、TFT11dをオフさせた状態であ
る。図428(b)の状態は、電圧プログラムを行って
いる状態である。つまり、ソースドライバ回路14から
プログラム電圧を出力し、このプログラム電圧を駆動用
TFT11aのゲート(G)端子に書き込む(駆動用T
FT11aのゲート(G)端子の電位をコンデンサ19
に設定する)。なお、電圧プログラム方式の場合は、電
圧プログラム時にTFT11dを必ずしもオフさせる必
要はない。また、図31、図37、図108、図14
2、図147、図152、図198などのN倍パルス駆
動などと組み合わせること、あるいは以上のような、間
欠N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける
駆動方法である。この駆動方法は、TFT11eをオン
オフ動作させることにより容易に実現できる)を実施す
る必要がなければ、TFT11eが必要でない。このこ
とは以前に説明をしたので、説明を省略する。
【1836】図427の構成あるいは図428の駆動方
法で白表示の電圧プログラムを行う場合は、各画素の駆
動用TFTの特性バラツキが発生していても、完全に黒
表示状態のオフセット電圧(各駆動用TFTの特性に応
じて設定された電流が流れる開始電圧)から電圧プログ
ラムを行う。したがって、目標の電流値にプログラムさ
れる時間が階調に応じて等しくなる。そのため、TFT
11aの特性バラツキによる階調誤差がなく、良好な画
像表示を実現できる。
【1837】図428(b)の電流プログラミング後、
図428(c)に図示するように、TFT11bをオフ
し、TFT11dをオンさせて、駆動用TFT11aか
らのプログラム電流をEL素子15に流し、EL素子1
5を発光させる。
【1838】以上のように、図427の電圧プログラム
における本発明のリセット駆動は、まず、HD同期信号
に同期して、最初にTFT11dをオンさせ、TFT1
1eをオフさせて、TFT11aに電流を流す第1の動
作と、TFT11aとEL素子15間を切断し、かつ、
駆動用TFT11aのドレイン(D)端子とゲート
(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)
端子、さらに一般的に表現すれば駆動用TFTのゲート
(G)端子を含む2端子)間をショートする第2の動作
と、前記動作の後、駆動用TFT11aに電圧プログラ
ムを行う第3の動作とを実施するものである。
【1839】図122から図125に図示したように、
DAコンバータ1226と含む電流出力回路1222で
ソース信号線18に電流と出力するとした。図171、
図172、図21、図43、図710などのように、突
き抜け電圧を発生させて駆動する方式の場合は、一定の
ベース電流を加えて出力する必要がある。たとえば、あ
る階調で30nAの電流を画素16に電流プログラムす
る場合、突き抜け電圧によるベース電流を加えた電流を
ソース信号線18に印加する。ベース電流が40nAで
あれば、30nA+40nAの電流をソース信号線18
に印加する(ソース信号線18から回路1222に向か
って吸収する)。したがって、ベース電流を加えて流す
ように回路構成をする必要がある。たとえば、ベース電
流用のカレントミラー回路を付加したりする構成が例示
される。
【1840】図122から図125では、DAコンバー
タ1226と含む電流出力回路1222でソース信号線
18に電流と出力するとしたが、これに限定するもので
はない。たとえば、ICチップ14内に基準電流を発生
する第1のカレントミラー回路を1つ形成する(図27
5を参照)。
【1841】図275は各ソース信号線18に対応する
出力電流回路1222の主要部を図示している。なお、
図275では、印加される画像データは6ビット(RG
Bは各64階調)であるとして説明をする。6ビットは
画像データD(0〜5)が対応し、MSB(最上位ビッ
ト)はD5であり、LSB(最下位ビット)はD0であ
る。
【1842】図275でわかるように、画像データD0
によりスイッチングトランジスタ2752aがオンし、
1つの子トランジスタ2754aがオンする。同様に、
画像データD1によりスイッチングトランジスタ275
2bがオンし、2つの子トランジスタ2754bがオン
する。また、画像データD2によりスイッチングトラン
ジスタ2752cがオンし、4つの子トランジスタ27
54cがオンする。また、画像データD3によりスイッ
チングトランジスタ2752dがオンし、8つの子トラ
ンジスタ2754dがオンする。また、画像データD0
4よりスイッチングトランジスタ2752eがオンし、
16つの子トランジスタ2754eがオンする。また、
画像データD5によりスイッチングトランジスタ275
2fがオンし、32つの子トランジスタ2754fがオ
ンする。したがって、入力画像データDに応じて64階
調を表現する電流Iwがソース信号線18から流れ込
む。つまり、ゲート信号線17aにオン電圧が印加さ
れ、選択画素行のTFT11a(図1の場合)からId
d(=Iw)電流が流れる。
【1843】図275では、ドライバ回路14内には1
つの親トランジスタ2753が形成(配置)されてい
る。この親トランジスタ2753に流れる電流が子トラ
ンジスタ2754に流れる。つまり、ソース信号線18
が176(QCIFの場合)本あるとすれば、176×
63個の子トランジスタ2753が親トランジスタ27
53と接続されていることになる。
【1844】ただし、これでは1つの親トランジスタ2
753に接続されている個数があまりにも多いので、中
間のトランジスタを配置してもよい。たとえば、親トラ
ンジスタを第1のトランジスタとすれば、第2のトラン
ジスタ、第3のトランジスタを形成し、第3のトランジ
スタに子のトランジスタ2754の63個とカレントミ
ラーの関係にする。したがって、QCIFを例示すれば
(ソース信号線数176本)、第1のトランジスタを1
個(親トランジスタ)とカレントミラーの関係にある第
2のトランジスタを16個形成(配置)し、この第2の
トランジスタとカレントミラーの関係にある第3のトラ
ンジスタを11個形成(配置)する。つまり、カレント
ミラーの関係にある第1から第3のトランジスタの個数
は、1×16×11=176個である。なお、この第1
から第3のトランジスタはICチップ14内で密集して
配置する。各トランジスタのVtバラツキの影響をなく
するためである。特に第1のトランジスタと第2のトラ
ンジスタは、ごく近傍に配置する必要がある。
【1845】以上のような関係にすると、第1のカレン
トミラー回路(親トランジスタ2753)に流す電流
(基準電流)を調整することにより、ICチップ全体の
出力電流量を調整できるようになる。親トランジスタ2
753に流す電流は電子ボリウムで調整できるように構
成しておく。また、図275に図示するように、チップ
14に外付けボリウム2751(バイアス抵抗)を配置
し、この抵抗の抵抗値を変更することにより、親トラン
ジスタ(第1のトランジスタ)2753に流れる電流を
変化させるように構成してもよい。いずれにせよ、親ト
ランジスタ2753に流れる電流を調整することによ
り、プログラム電流Iwの最小きざみを容易にかつ全ソ
ース信号線18同時に変更することができる。
【1846】また、トランジスタ2753、2754は
Pチャンネルトランジスタのように図示しているがこれ
に限定するものではない。Nチャンネルトランジスタで
もよい。また、PチャンネルとNチャンネルの両方を組
み合わせて用いても良い。特に、トランジスタ2753
a〜2753hなどはオン時の抵抗値を低減するためな
どを目的として、PチャンネルトランジスタとNチャン
ネルトランジスタとを並列に組み合わせて構成すること
が好ましい。
【1847】なお、基準電流は、ガンマカーブの低電流
部と高電流部の2つの部分で独自に調整できるようにす
ることが好ましい(2つの部分であれば、1点折れガン
マカーブとなる)。もちろん、ガンマカーブを3つ以上
の折れ線近似とすることのより、ガンマ2.2乗カーブ
に近づけてもよい。
【1848】なお、図87、図88、図142などでは
同時に複数の画素行を選択するとした。この場合でも、
親トランジスタ2753に流す電流を変化させることに
より対応できる。つまり、1画素行を選択する場合に比
較して、選択する画素行倍の電流を親トランジスタ27
53に流せばよいからである。また、図146で説明し
たように、1Hの期間などで、ソース信号線18に流す
(ソース信号線18から吸収する)電流を変化させる駆
動方法への対応も容易である。親トランジスタ2753
に流す電流を可変すればよいからである。
【1849】この親トランジスタ2753の電流の調整
により、表示パネルの明るさ、ガンマ特性を調整するこ
とができる。なお、親トランジスタ2753に流す基準
電流は、R,G,B画素ごとに独自に調整できるように
構成する。RGBでガンマカーブ、印加電流が異なるか
らである。この構成を図276に示す。図276に図示
するように、各色の親トランジスタ2753(2753
R、2753G、2753B)に流す電流を電子ボリウ
ムあるいはバイアス抵抗により変更できるようにしてお
くのである。もちろん、EL素子15のガンマ特性、温
度特性に合致するように、親トランジスタ2753に流
す電流は補正しておく。
【1850】また、黒の階調飛びを抑制するため(EL
は電流と輝度がリニアのために発生する。PDPなどで
も同様である)、誤差拡散とディザ処理の両方を組み合
わせて画像処理をしておく。
【1851】以上の実施例は、電流プログラムの場合で
ある。図103、図68などの電圧プログラムの場合
は、印加する電圧のきざみが一定になるため、低輝度部
で、印加する電圧ステップに対する電流増加量が小さ
い。そのため、定輝度部で、黒つぶれが発生する。以上
の電圧プログラムの場合であっても本発明の実施例は適
用できる。
【1852】他に、データD0からD5にそれぞれ1つ
の(複数の場合もある)トランジスタ2754を形成
し、親トランジスタ2753とのカレントミラー回路の
カレント倍率を変化させることにより、電流出力を変化
させる構成でもよい。たとえば、D0に対応する子トラ
ンジスタ2754は親トランジスタ2753とカレント
倍率1倍とし、D1に対応する子トランジスタ2754
は親トランジスタ2753とカレント倍率2倍とする。
同様に、D2に対応する子トランジスタ2754は親ト
ランジスタ2753とカレント倍率4倍とし、D3に対
応する子トランジスタ2754は親トランジスタ275
3とカレント倍率8倍とする。さらに、D4に対応する
子トランジスタ2754は親トランジスタ2753とカ
レント倍率16倍とし、D5に対応する子トランジスタ
2754は親トランジスタ2753とカレント倍率32
倍とする構成である。
【1853】以上のように、出力電流回路1222を、
2段階あるいは3段階(第1のトランジスタ、第2のト
ランジスタおよび第3のトランジスタ)のカレントミラ
ー回路の構成を採用することにより、各ソース信号線1
8にプログラムされる電流バラツキをなくすることがで
きる。
【1854】図171、図21、図43、図710のよ
うに、突き抜け電圧用のコンデンサ19bを形成した場
合は、一定のベース電流を加えて出力する必要がある。
また、突き抜け電圧用のコンデンサ19bを配置(形
成)しない構成であっても、TFT11bのソース−ゲ
ート(G)端子容量により突き抜け電圧が発生する。た
とえば、先と同様にある階調で30nAの電流を画素1
6に電流プログラムする場合、突き抜け電圧によるベー
ス電流を加えた電流をソース信号線18に印加する。ベ
ース電流が40nAであれば、30nA+40nAの電
流をソース信号線18に印加する(ソース信号線18か
ら回路1222に向かって吸収する)。したがって、ベ
ース電流を加えて流すように回路構成をする必要があ
る。たとえば、ベース電流用のカレントミラー回路を別
途、付加したりする構成が例示される。
【1855】図293では、このベース電流印加用のト
ランジスタ2752bbと2754bbをチップ14内
に配置(形成)している。なお、ベース電流の印加は端
子Dbbに印加するロジック信号で切り替えられる。つ
まり、ベース電流を加えるか否かは、ロジック的に制御
できるように構成されている。
【1856】ベース電流もRGBごとに独自に調整でき
るように構成することが好ましい。RGBのEL素子1
5ごとにガンマカーブ、印加電流が異なるからである。
また、ベース電流はオンオフ制御できるように構成する
ことが好ましい。ベース電流を印加(ソース信号線18
から電流を吸収する場合もある)すると、画像によって
は、黒浮きが発生するからである。したがって、ベース
電流をオンオフさせることにより、最適に調整できるよ
うにする。また、ベース電流のオンオフもRGBごとに
独自に設定できるようにしておくことが好ましい。
【1857】なお、先にも説明したが親トランジスタ2
753に流す基準電流、トランジスタ2754bbに流
すベース電流は温度補償をしておく。パネル(正確には
EL素子15の温度)を検出し、検出した温度によっ
て、基準電流、ベース電流の値を変化させる。一般的に
EL素子15は、温度が上がると発光効率が低下する。
そのため、温度が上がるとEL素子15に印加する電流
を増大させるように構成する。また、基準電流、ベース
電流の温度補償も、RGBごとに独自に補償値を設定で
きるようにすることが好ましい。
【1858】また、図126でも説明したが、黒の階調
でのプリチャージ(ディスチャージ)機能を付加する。
図351はその実施例である。ソースドライバ回路14
内にプリチャージ回路3511を形成(配置)してい
る。
【1859】プリチャージ電圧はVb1とVb2の2種
類ある。もちろん、図126でも説明したように1種類
でもよい。また、Vb電圧は3つ以上設けてもよい(た
とえば、Vb1,Vb2、Vb3、Vb4)。図351
では、Vb1は完全に画素16に黒表示させるための電
圧である。図1の画素構成では、Vb1電圧を印加する
ことによりTFT11aは完全にオフ状態をなる。しか
し、図126でも説明したように、これでは、完全に黒
表示から次の第1階調目まで階調の飛びが発生する。こ
の飛びの発生を抑制するのが、プリチャージ電圧Vb2
である。Vb2電圧を印加すうると、図1の画素構成で
は、TFT11aは微小な電流をEL素子15に流す。
したがって、階調飛びが抑制される。
【1860】Vb1電圧を印加するか、Vb2電圧を印
加するか、もしくは、両方とも印加せず、電流プログラ
ムを行うかは、画像データD(5:0)で決定される。
たとえば、D(5:0)の値が‘0’であるときは、V
b1電圧を印加する。D(5:0)が1以上7以下の場
合は、Vb2電圧を印加する。この印加条件は、ドライ
バ回路14へのコマンドにより変更できるように構成さ
れている。たとえば、画像データD(5:0)の値が
‘0’または‘1’であるときは、Vb1電圧を印加
し、D(5:0)が1以上15以下の場合は、Vb2電
圧を印加するというようにである。また、Vb電圧が3
つ以上印加できるように構成している場合は、それぞれ
に応じて、入力データに対するVb電圧を印加できるよ
うに構成する。なお、Vb1などは電圧としたが、これ
に限定するものではなく、電流に置き換えても良い。
【1861】本発明では、少なくとも、D(5:0)の
値が‘0’であるときは、Vb1電圧を印加している。
このようにすることにより、非常によい黒が表示され、
画質が格段に向上するからである。また、全階調の1/
16、つまり、D(5:0)が1以上3以下の場合は、
Vb2電圧を印加している。この範囲で、ソースドライ
バ回路14からの出力(入力)電流が小さく、画素への
書き込み不足が発生するからである。なお、以上の実施
例は、EL表示パネルに印加するガンマカーブの設定に
応じて変化するように構成しても良い。
【1862】以上の実施例では、TFT2754はそれ
ぞれ、1つあたり、同一の電流を流すことができるとし
て説明をした。したがって、63階調の場合は、TFT
2754の個数は63個とした。この構成では電流きざ
みは等間隔である。しかし、人間の視覚は2乗カーブで
ないとリニアに階調が変化しているようには見えない。
つまり、低輝度部(低階調表示領域部:64階調では0
−15階調目)では、1ステップ(1階調)あたりの明
るさ変化はわずかにし、高輝度(高階調表示領域部:6
4階調では48−63階調目)では、1ステップ(1階
調)あたりの明るさ変化を大きくする。
【1863】以前に説明したソースドライバ回路14で
は、1ステップことに同一きざみの電流が増加する。そ
のため、階調とEL素子15に流れる電流は比例関係と
なっている。したがって、低輝度部(低階調表示領域
部:64階調では0−15階調目)では、1ステップ
(1階調)あたりの明るさ変化は大きく変化しているよ
うに人間の目には見える。高輝度(高階調表示領域部:
64階調では48−63階調目)では、1ステップ(1
階調)あたりの明るさ変化がほとんど変化していないよ
うに見える。この状態では、表示画像の黒表示部が白く
浮いて見える。
【1864】この課題を解決するのが図388のドライ
バ構成である。ソースドライバ14の電流出力段に電流
倍率変換回路3881を具備している。電流倍率変換回
路3881は、具体的には、カレントミラー回路が例示
される。カレントミラー回路は入力した電流値の大きさ
を変更することができる。たとえば、電流倍率変換回路
3881は入力された1μAを1/2の0.5μAに変
換してソース信号線18に出力する。
【1865】つまり、電流倍率変換回路3881は入力
された電流を1/2にする低電流モードと、スルー(入
力された電流をそのまま出力するモード)で出力するス
ルー電流モードの2モードを切り替えることができる。
この切り替えは、B(R)端子に印加されたロジック信
号により行う。たとえば、B(R:赤)端子への印加ロ
ジックがLの時は、スルー電流モードであり、Hのとき
は、低電流モードとする。もちろん、電流倍率変換回路
3881は、入力された電流を1/2にする低電流モー
ドと、スルー電流モードと、2倍の電流に変換して出力
する高電流モードとを切り替えることができるように構
成してもよい(3電流モード)。この場合は、B(R)
は2ビット必要となる。また、電流倍率変換回路388
1は、入力された電流を1/4にする超低電流モード
と、入力された電流を1/2にする低電流モードと、ス
ルー電流モードと、2倍の電流に変換して出力する高電
流モードとを切り替えることができるように構成しても
よい(4電流モード)。つまり、複数の電流に変換でき
るように構成する。
【1866】複数の電流に変換することは、TFT27
52とTFT2754の関係(カレントミラー)である
カレント倍率の設計と、切り替え回路(アナログスイッ
チなど)の組合わせにより容易に実現できることは当該
技術分野の当事者であれば明らかであろう。もちろん、
カレントミラー回路を使用せず、電流の分流回路でも構
成できることは言うまでもない。したがって、説明を省
略する。複数のモードから1つの電流出力の選択は画像
データD(5:0)(R)の値により、B(R)のロジ
ックが制御される。本発明では、D(5:0)の値が、
0以上15以下の時、低電流モードを選択するように構
成されている。その他の場合(D(5:0)が16以上
63以下)は、スルー電流モードが選択される。つま
り、D(5:0)の値が、0以上15以下の時は、階調
ステップに対する電流の増加割合が小さく、その他の場
合(D(5:0)が16以上63以下)は階調ステップ
に対する電流の増加割合が大きい。また、本発明では、
この切り替えポイント(上記の実施例では、D(5:
0)=16)は、複数のポイントで行えるように構成し
ている。具体的には、D(5:0)=0(変化ポイント
なし)、4、8、16の4ポイントである。また、D
(5:0)=0以上7以下の時は、電流を1/4、D
(5:0)=8以上15以下の時は、電流を1/2、D
(5:0)が16以上の場合は、スルーとなるように制
御しても(動作させても)よい。
【1867】低電流モードでの階調ステップに対する電
流の増加割合は、スルー電流モードの階調ステップに対
する電流増加割合の1/5以上1/2以下にすることが
好ましい。特に1/4以上1/3以下とすることが好ま
しい。また、この増加割合は、低電流モードとスルー電
流モードの基準電流を設定する2つの抵抗(電子ボリウ
ムでもよい)2751を配置し、可変できるように構成
しておくことが好ましい。また、R(赤)、G(緑)、
B(青)色のうち、少なくとも1つ以上(好ましくは3
つ)の低電流モードとスルー電流モードの基準電流を独
立に設定(調整)できるように構成することが好まし
い。また、基準電流は、EL素子15の温特を補償でき
るように温度による変化をフィードバックし変化(調
整)できるように構成しておくことが好ましい。
【1868】以上のように本発明は、有機EL表示パネ
ルのドライバ回路で、2つ以上の電流領域を設け、この
領域で1ステップあたりの出力電流(ソース信号線18
に印加する電流あるいは、ソース信号線18から吸い込
む電流、つまり、プログラム電流である)を異ならせて
いることに特徴がある。以上のことは、電流モードが3
以上ある場合でも適用される。また、以上の実施例は、
シリコンチップで形成(作製)したソースドライバ回路
14のみに限定されるものではなく、低温ポリシリコン
あるいは高温ポリシリコンあるいはCGSなどのように
画素電極と同時に(一体として)形成(作製)されたソ
ースドライバ回路14にも適用されることは言うまでも
ない。
【1869】なお、図388の実施例では、ドライバI
C14の出力段(ソース信号線18との接続直前部)に
電流倍率変換回路3881を配置(形成)するとして説
明した。しかし、本発明はこれに限定するものではな
い。図389の実施例に図示するように、途中部に配置
(形成)してもよい。
【1870】図389では、D2とD3間に電流倍率変
換回路3881を配置している。したがって、トランジ
スタ2754a、2754b、2754cに流れる電流
(あるいは流れ出す電流)がB(R)端子(もちろん、
G(緑)ではB(G)、B(青)ではB(B)である)
のロジック信号により、1/2の電流値などに変換され
る。トランジスタ2754d、・・・・・2754g、
2754hに流れる電流はスルーで出力(あるいは流れ
出す)される。
【1871】以上の実施例は、ソース信号線18から流
れ込む(場合によっては流れ出す)電流を可変すること
により、EL素子15にプログラムする電流を容易に調
整する方式であった。
【1872】他に電流を調整する構成として、図390
の構成が例示される。画素にプログラムされる電流はプ
ログラム電流Iwとしてソース信号線18に流れ、ドラ
イバIC14に流れ込む。もちろん、この電流は、本発
明ではトランジスタ2754のオンの個数で制御され
る。このトランジスタ2754のオンの個数で制御され
る電流をIbとする。
【1873】図390の構成では、ソース信号線18か
らの電流Iwに、電流供給回路3901からの電流Ia
を加えた電流がIbとなる。したがって、Ib電流が固
定であっても、Ia電流を変化させることにより、画素
のプログラム電流Iwを変化(調整)することができ
る。Ia電流の大きさはデータD(5:0)によって変
化(制御)される。
【1874】Ia電流は、図388、図389の電流倍
率変換回路3881が形成された構成と同一の動作を行
う。入力された電流を1/2にする低電流モードでは、
Ib電流の1/2の電流を供給する。スルー(入力され
た電流をそのまま出力するモード)モードでは、オフ状
態(電流を供給しない。Ia=0)となる。また、先の
実施例と同様に、低電流モーととスルー電流モードの2
モードを切り替えることができる。もちろん、電流供給
回路3901は、入力された電流を1/2にする低電流
モードと、スルー電流モードと、2倍の電流に変換して
出力する高電流モードとを切り替えることができるよう
に構成してもよい(3電流モード)。また、電流供給回
路3901は、入力された電流を1/4にする超低電流
モードと、入力された電流を1/2にする低電流モード
と、スルー電流モードと、2倍の電流に変換して出力す
る高電流モードとを切り替えることができるように構成
してもよい(4電流モード)。つまり、複数の電流を供
給できるように構成する。
【1875】複数のモードから1つの電流出力の選択は
画像データD(5:0)(R)の値により制御される。
本発明では、D(5:0)の値が、0以上15以下の
時、低電流モードを選択するように構成されている。そ
の他の場合(D(5:0)が16以上63以下)は、ス
ルー電流モードが選択される。つまり、D(5:0)の
値が、0以上15以下の時は、電流供給回路3901は
階調ステップに対応する電流をステップ(階調数)に応
じて供給する。D(5:0)が16以上63以下の場合
は、電流供給回路3901はオフ状態となる。
【1876】また、本発明では、この切り替えポイント
は、複数のポイントで行るように構成している。具体的
には、D(5:0)=0(変化ポイントなし)、4、
8、16の4ポイントである。ポイントが0の時は、電
流供給回路3901は階調0−63でオフである。ポイ
ントが4の時は、D(5:0)が0以上3以下で電流供
給回路3901は階調ステップに対応する電流(具体的
には、Iaの1/2)をステップ(階調数)に応じて供
給する。D(5:0)が4以上では電流供給回路390
1はオフ状態となる。ポイントが8の時は、D(5:
0)が0以上7以下で電流供給回路3901は階調ステ
ップに対応する電流(具体的には、Iaの1/2)をス
テップ(階調数)に応じて供給する。D(5:0)が8
以上では電流供給回路3901はオフ状態となる。ポイ
ントが16の場合も同様である。
【1877】また、電流供給回路3901は、D(5:
0)=0以上7以下の時は、Ia電流の3/4を供給
し、D(5:0)=8以上15以下の時は、Ia電流の
1/2と供給し、D(5:0)が16以上の場合は、完
全にオフとなるように制御しても(動作させても)よ
い。
【1878】なお、図388などの実施例と同様に、電
流供給回路3901を制御して、低電流モードでは、電
流Iwがスルー電流モードの階調ステップに対する電流
増加割合の1/5以上1/2以下にすることが好まし
い。特にIwは1/4以上1/3以下とすることが好ま
しい。また、EL素子15の温特を補償できるように温
度による変化をフィードバックし変化(調整)できるよ
うに構成しておくことが好ましい。
【1879】以上のように本発明は、有機EL表示パネ
ルのドライバ回路で、2つ以上の電流領域を設け、この
領域で1ステップあたりのIw電流、つまり、プログラ
ム電流である)を異ならせていることに特徴がある。以
上のことは、電流モードが3以上ある場合でも適用され
る。また、以上の実施例は、シリコンチップで形成(作
製)したソースドライバ回路14のみに限定されるもの
ではなく、低温ポリシリコンあるいは高温ポリシリコン
あるいはCGSなどのように画素電極と同時に(一体と
して)形成(作製)されたソースドライバ回路14にも
適用されることは言うまでもない。
【1880】図390では、電流供給回路3901をI
Cチップ14に形成するとしたが、本発明はこれに限定
するものではない。図391に図示するように、階調数
制御回路3911を形成(配置)してもよい。
【1881】図391トランジスタ2753RC(Rは
赤の意味である)、2754i、2753iなどからな
るカレントミラー回路が構成されている。また、カレン
トミラー回路に流れる電流はバイアス抵抗2751RC
(電子ボリウムでもよいことはいうまでもない。つま
り、トランジスタ2754iに流れる電流の大きさを制
御する手段である)で制御(調整)される。トランジス
タ2754iは階調数制御回路3911で制御される。
さらに階調数制御回路3911はデータD(5:0)の
大きさで制御される。
【1882】したがって、データD(5:0)の大きさ
で階調数制御回路3911が動作し、トランジスタ27
53iをオンオフさせる。トランジスタ2753iがオ
ンすると、プログラム電流Iwの一部(あるいは全部の
場合もある)が、分流されてトランジスタ2754iに
流れる。分流がIwの1/2であれば、以降のD(5:
0)に対するトランジスタ2754a〜2754hには
Iwの1/2の電流しか流れない。
【1883】したがって、図388、図389、図39
0とほぼ同様に、ソース信号線18に流れる電流Iwを
トランジスタ2754a〜2754hと階調数制御回路
3911で制御することができる。スルー電流モードを
設けること、変化ポイントに関する事項などは、図38
8、図389、図390などで説明している事項をその
まま適用できるので説明を省略する。
【1884】なお、電流倍率変換回路3881、電流供
給回路3901、階調数制御回路3911などはICチ
ップあるいはソースドライバ回路14内に構成(形成)
することに限定するものではない。ソース信号線18に
電流を供給(構成によっては、ソース信号線18から電
流を吸収する場合もある。これは、画素構成と電流プロ
グラム方式により決定される)ように構成されていれば
よい。たとえば、電流供給回路3901はソースドライ
バ回路14が形成(配置)されたソース信号線18の他
端に形成(配置)してもよい。また、電流供給回路39
01のかわりに、電流を供給する画素を形成(構成)し
てもよい。
【1885】また、ドライバ14の各電流出力段とソー
ス信号線18間には、電流を切断するスイッチング回路
を配置する。スイッチング回路は、全ソース信号線への
出力段に配置され、オンオフ信号により一斉にオンまた
はオフするように構成されている。スイッチング回路
(図示せず)は、いずれの画素行も選択されていないと
きにオフし、カレントミラーを構成するトランジスタ2
754の電流がソース信号線18に流れる(ソース信号
線18から流入する)ことを防止する。もし、いずれの
画素も選択されていない(図1のゲート信号線17aに
オフ電圧が印加されている)時に、前記スイッチングが
オンしていると以下の問題点が発生する。
【1886】ソース信号線18に接続されたいずれの画
素もオン状態でない時であっても、ソースドライバ14
は所定の電流を流そうとする。しかし、画素が選択され
ていないので、電流を流す経路がない。電流がIC(ソ
ースドライバ回路)14に流れ込む構成では、ソース信
号線18にある寄生容量の電荷を吸収し、ソース信号線
18の電位を低下させる。そのため、次に画素が選択さ
れると、電流経路が発生し、急激に電流が流れるため、
ソース信号線18の電位が急上昇する。この電位の急激
な変化は、画質にノイズを発生させ、また、画面に横筋
ムラなどを発生させる。
【1887】ソース信号線18に接続されたいずれの画
素もオン状態でない時に、スイッチング回路がオフ(オ
ープン)であれば、ソース信号線18からソースドライ
バ回路14内に電流を引き込むことはない。そのため、
ソース信号線18の電位は寄生容量などで保持される。
したがって、電位変動は発生しない。
【1888】前記スイッチング回路の制御は、1H期間
に同期して行ってもよい。つまり、ある画素行から次の
画素行の選択に所定時間の間隔があるとき(つまり、画
素行が選択される期間が、1Hよりも短い時)、この間
隔の期間にスイッチング回路をオフ(オープン)にす
る。以上の事項は本発明の他のソースドライバ回路にも
適用される。
【1889】もし、前記スイッチング回路がない場合
は、前記間隔の期間に、図254、図255に説明した
ようにダミー画素行2471をオンさせてもよい。つま
り、いずれの画素行が選択されていないときには、ダミ
ー画素行2471をオンさせて、このダミー画素行24
71からソースドライバ回路14に電流を流す。もしく
は、すべてのスイッチング用のトランジスタ2753を
オフ状態にする。また、スイッチング回路はパワーセー
ブ時にも動作させ、スイッチをオープン状態にするとよ
い。以上の事項は本発明の他のソースドライバ回路にも
適用される。
【1890】表示が白表示から黒表示になる時は、ソー
ス信号線18の電位の変化が遅い。そのため、1H期間
に目標の電位まで変化させることができない(変化させ
ることが難しい)。この課題を解決しるための方法(方
式)を図352に示す。
【1891】図352(a)は、ソース信号線18の電
位変化を図示している。各RGBのグラフでは、縦軸を
+(電圧が高い)としている。図1の画素構成を想定し
ている。図1の画素構成では、電位が高いほど、TFT
11aのゲート電位が高くなり、TFT11aは電流を
流さなくなる。したがって、EL素子15は点灯せず、
黒表示となる。また、ソースドライバ回路14からみれ
ば、完全な黒表示では図351などにおいても、トラン
ジスタ2754はすべてオフである。したがって、ソー
ス信号線18には電流が流れない。ソース信号線18に
電流が流れなければソース信号線18の電位は変化しな
い。
【1892】したがって、ソースドライバ回路14に入
力されたデータが白(たとえば、D(5:0)=63)
から完全に黒(D(5:0)=0)に変化すると、ソー
ス信号線18には電流が流れず、画素16に書き込み不
足が発生する。
【1893】この課題を解決するためには、白から黒に
変化させる際、一旦灰色レベルの画像データを印加し
て、ソース信号線18の電位を変化させて後、最終的な
黒の画像データに対応する電流をソース信号線18に印
加すればよい。
【1894】つまり、灰色表示では、ソースドライバ回
路14のトランジスタ2754のいくつかはオン状態で
ある。したがって、ソース信号線18にも電流が流れ
る。また、画素の駆動用TFT11aも電流を流すこと
ができる。
【1895】そのため、白表示でのソース信号線18の
電位レベルから、灰色(中間調)レベルのデータに応じ
てソース信号線18に電流を流す。電流が流れるのであ
るから、ソース信号線18の電位レベルは急速に変化し
灰色(中間調)の電位まで変化する。その後、黒表示の
電流をソース信号線18に流す。この時は、流れる電流
が小さいため、少しづつしか電位は変化しない。しか
し、ソース信号線18の電位は、目標値近くなっている
ため、画素16への書き込み不足が発生しても視覚的に
は目立たない。
【1896】図352では、以上の駆動方法を実現する
ため、入力データD(5:0)の値をシフトするデータ
シフト回路3521を具備している。データシフト回路
3521は例えば、入力データD(5:0)が4の時、
1ビットシフトして、8に変化させる。このシフト方
向、シフト量はコマンド設定で変更できるように構成さ
れている。また、シフト方向は、前回(1H前)のソー
ス信号線18に印加されたデータの値を考慮して行う。
【1897】1H前が白表示(たとえば、D(5:0)
=63)で、次が黒表示(たとえば、D(5:0)=
2)であれば、1ビットデータが大きい方にシフトす
る。つまり、D(5:0)=4となる。この場合、ソー
ス信号線18に印加されているデータは、1H前にD
(5:0)=63に対応する電圧が印加されており、次
に、D(5:0)=4に対応する電圧(Vbとする)が
印加され、最終的(1Hの1H/2以降)にD(5:
0)=2に対応する電圧(Vaとする)が印加される。
したがって、図352(a)のRのグラフで図示してい
るように、ソース信号線の電位はVbからVa電圧に変
化する。このため、ソース信号線の電位変化は速く、書
き込み不足は解消する。なお、D(5:0)=0の時
は、シフトしても0である。この場合は図351でも説
明したようにプリチャージ電圧Vb1を印加する。
【1898】データシフトする方向は、1H前にソース
信号線18に印加されている電圧(つまり、データ)を
考慮する。図354は黒表示から白表示に変化させる場
合である。1H前が黒表示(たとえば、D(5:0)=
2)で、次が白表示(たとえば、D(5:0)=32)
であれば、1ビットデータが小さい方にシフトする。つ
まり、D(5:0)=16となる。この場合、ソース信
号線18に印加されているデータは、1H前にD(5:
0)=2に対応する電圧が印加されており、次に、D
(5:0)=16に対応する電圧(Vaとする)が印加
され、最終的(1Hの1H/2以降)にD(5:0)=
32に対応する電圧(Vbとする)が印加される。
【1899】したがって、図354(a)のRのグラフ
で図示しているように、ソース信号線の電位はVaから
Vb電圧に変化する。このため、ソース信号線の電位変
化は速く、書き込み不足は解消する。なお、D(5:
0)=32の時は、前の1Hと次の1Hのデータは同一
である。したがって、シフトするとよけいにデータを書
き込み不足の方向となる。したがって、データシフトは
実施しない。以上のように、シフトするかしないか、ま
た、何ビットシフトするかは、前回ソース信号線18に
書き込まれている電位を考慮して行う。なお、前回だけ
でなく、複数Hの期間を考慮してデータシフト回路35
21の動作を決定してもよいことは言うまでもない(場
合によっては複数フィールドも考慮する)。
【1900】なお、図353に図示するように、図35
1などで説明したプリチャージ回路と組み合わせること
も有効である。図353では、まず、より黒に近い、プ
リチャージ電圧Vcを印加している。その後、データシ
フト回路3521からVb電圧をソース信号線に印加
し、最後に目標電圧Vaを印加している。
【1901】以上の実施例では、画素16に突き抜け電
圧発生用のコンデンサ19bを形成する、あるいは、T
FT11bなどのチャンネル容量を利用して黒表示のバ
イアス電流をより多く流したりする方式であった。以上
の事項は、ソース信号線18の電位をシフトすることに
よっても実現できる。
【1902】図299はその実施例である。たとえば、
スイッチ1223に印加される電圧は図122の電圧出
力回路1221である。つまり、画像データに応じて、
スイッチ1223をオンさせてソース信号線18の電位
をVdd電圧の方にシフトさせる。したがって、TFT
11aのゲート(G)端子の電位Vgが高くなり、TF
T11aは電流を流さなくなる。スイッチ1223を閉
じるタイミングは選択された画素行が非選択となる直前
である。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧が印加
される直前である。したがって、画素16のコンデンサ
19aに電流プログラムされ、スイッチ1223が動作
することによるソース信号線18による電位シフトがコ
ンデンサ19aに重畳されたのち、ゲート信号線17a
にオフ電圧が印加され、該当画素行が非選択となる。
【1903】なお、「画像データに応じて」とは、64
階調のうち、黒表示に近い下位8階調では、スイッチ1
223を閉じるという制御を行うという意味である。黒
表示ではソース信号線18に流す電流が小さいため、書
き込み不足が発生しやすいからである。つまり、以前に
説明した選択プリチャージである。
【1904】図299の電流出力回路1222は図12
2、図123、図275、図276、図293などに限
定されるものではない。以下、本発明の他の電流出力回
路1222について説明をする。
【1905】図300は他の電流出力回路1222を用
いた表示パネルの構成図である。なお、図300などで
は、電流出力回路1222は、基板46に画素16と同
時に形成してもよい。つまり、電流出力回路1222は
低温ポリシリコン技術で形成してもよい。つまり、画素
のTFTと同一のプロセスで形成するもちろん、シリコ
ンチップのソースドライバ14内に形成し、COG技術
などを用いて基板46上に実装してもよいことは言うま
でもない。また、高温ポリシリコン技術で形成してもよ
く、有機材料で形成(有機TFT)してもよい。
【1906】図300の電流出力回路1222は図41
のEL素子15を削除し、この削除したEL素子の箇所
とソース信号線18と接続した構成である。つまり、図
41のソース信号線18が電流プログラム線3002と
なる。この電流プログラム線3002には電流サンプリ
ング回路3001の出力が接続される。電流プログラム
線3002に流れる電流はソース信号線18に流れる電
流である。したがって、電流サンプリング回路3001
からの電流が電流プログラム線3002に流れ、この電
流がコンデンサ19にプログラムされる。そして、プロ
グラムされた電流がソース信号線18に1Hクロックに
同期してソース信号線18に印加されるのである。した
がって、1Hクロックに同期して一斉に電流をソース信
号線18に印加する必要があるため、電流出力回路12
22の出力段には1Hクロックに同期してオンオフする
スイッチを具備している。
【1907】なお、電流出力回路1222は図43のカ
レントミラーの画素16構成でもよい。図300の電流
出力回路1222は図43のEL素子15を削除し、こ
の削除したEL素子の箇所とソース信号線18と接続し
た構成である。つまり、図43のソース信号線18が電
流プログラム線3002となる。この電流プログラム線
3002には電流サンプリング回路3001の出力が接
続される。電流プログラム線3002に流れる電流はソ
ース信号線18に流れる電流である。したがって、電流
サンプリング回路3001からの電流が電流プログラム
線3002に流れ、この電流がコンデンサ19にプログ
ラムされる。そして、プログラムされた電流がソース信
号線18に1Hクロックに同期してソース信号線18に
印加されるのである。
【1908】なお、図43のカレントミラーの構成で
は、カレント倍率を設定すること(構成すること)によ
り、電流出力回路1222にサンプリングして書き込む
電流と、ソース信号線18から吸い込む電流値を異なら
せることができる。したがって、電流サンプリング回路
3001からの書き込み電流を増加させることができ、
電流サンプリング回路3001の書き込み不足を解消す
ることができる。また、逆にソース信号線18への書き
込み電流を増加させることもできる。
【1909】なお、図300、図301などにおいて、
電流出力回路1222は、図41、図43を変形させた
ものとして説明したがこれに限定するものではない。た
とえば、2本の信号線に流れる電流(一方の電流はバイ
アス電流、他方の電流はバイアス電流+信号(書き込
み)電流)の差を電流出力回路1222に書き込む差動
構成であってもよい。差動構成では、電流サンプリング
回路3001から電流出力回路1222への電流書き込
み不足は発生しない。しかし、電流プログラム線300
2は2本必要である。
【1910】また、図41、図43において、図27
7、図224、図222などで説明したように画素16
構成に突き抜け電圧発生用のコンデンサ19bなどを付
加することにより、バイアス電流を発生することができ
る。したがって、黒表示状態などにおいて、ソース信号
線18に流す電流を増加させることができる。
【1911】図300の構成では、デジタル画像データ
をアナログ電流に変換するDA回路(図示せず)からの
出力は、電流サンプリング回路3001で電流サンプリ
ングされ、それぞれソース信号線18に配置(形成)さ
れた電流出力回路1222に保持される(コンデンサ1
9に記憶される)。この保持された電流を1Hクロック
に同期してソース信号線18に印加され(ソース信号線
18から電流を吸収し)、各表示領域21の画素16に
順次書き込まれるのである。以上の構成を採用すること
により、図123などで説明したオペアンプなどが不要
になり、図293で説明したカレントミラー回路なども
不要になる。また、電流出力回路1222の構成が容易
であるので低温ポリシリコン技術などでも形成すること
ができる。
【1912】ただし、課題がある。電流サンプリング回
路3001の動作周波数が高く、電流出力回路1222
への書き込み不足が発生するからである。これを解決す
るのは、図301に図示するように、2つの電流出力回
路(1222a、1222b)と、2つの電流サンプリ
ング回路3001(3001a、3001b)を配置
(形成)すればよい。
【1913】このように2層にすることにより、第1H
目では電流出力回路1222aからソース信号線18に
電流を印加し、その期間に、電流サンプリング回路30
01bを動作させて電流出力回路1222bに書き込み
電流を保持させる。第1H目の次の第2H目では電流出
力回路1222bからソース信号線18に電流を印加
し、その期間に、電流サンプリング回路3001aを動
作させて電流出力回路1222aに書き込み電流を保持
させることができる。つまり、電流サンプリング回路3
001の動作スピードを1/2にすることができる。な
お、表示領域は図3001に図示するように表示領域2
1aと21bの2分割としてもよい(ソース信号線18
を画面の中央部で切断する)。
【1914】なお、図300、図301などで説明した
電流出力回路1222がプログラム電流Iwを吸い込む
方向か、吐き出す方向かは、画素16構成によって異な
る。つまり、画素16構成にあわせて出力電流回路12
22の構成を設定(形成)する。
【1915】図301では、図179で説明したように
ゲート信号線17bを複数信号線ずつ共通にしている。
つまり、ブロック駆動方式を実施する。以上のように、
本発明は、本明細書で記載した他の構成と組み合わせる
ことができる。さらに、図302は、点灯制御線179
1を複数本形成し、かつ、逆バイアス電圧を印加するよ
うに構成している。以上のように、本発明は、本明細書
で記載した他の構成と組み合わせることができる。
【1916】EL表示装置は、液晶表示装置のようなバ
ックライトが不要である。したがって、モジュール厚を
薄くできるという特徴がある。液晶表示装置は、バック
ライトを点灯して画像を表示する。また、バックライト
の消費電力は携帯電話に使用するモジュールで200〜
300(mW)と大きい。それに比較して、液晶表示パ
ネルで使用する消費電力は5〜10(mW)と小さい。
したがって、画像を表示する際は、バックライトが点灯
しているため、どんな画像を表示してもモジュールとし
ての消費電力には差がない。
【1917】EL表示装置は、画像表示状態と消費電力
には密接な関係がある。通常の自然画では消費電力は少
ない。しかし、白ラスター表示では、自然画の3〜4倍
の電流を消費する。また、画像の表示状態によって、モ
ジュールに流れる電流がたえず変化する。
【1918】白ラスター表示、画像の表示状態に追従す
るように電源回路を構成すると非常に回路構成が大きく
なる。また、電源容量も大きくなる。本発明はこれらの
課題を解決するものであり、また、表示画像21の明る
さ制御を容易に実現するものである。
【1919】図261は、情報表示装置の一例としての
本発明の携帯電話の表示方法の説明図である。図261
(a)は、携帯電話の表示画面21を示している。表示
領域21bはアンテナの受信状態、時刻などを表示する
部分である。つまり、定常的に必要な情報を表示する領
域である。表示領域21cも同様に操作アイコンなど定
常的に必要な情報を表示する領域である。表示領域21
aはメニュー、画像などを表示する領域でたえず、表示
する画像が変化する領域である。
【1920】図261では説明を容易にするため、図1
79、図198などで説明したブロック表示方法を適用
しているとする。表示領域21bは3つのブロック19
81bを対応させ、表示領域21cは3つのブロック1
981cを対応させている。また、表示領域21aは残
りのブロック1981aを対応させている。したがっ
て、選択するブロック1981の回数などを制御するこ
とにより容易にブロック1981ごとに画像の明るさを
調整できる。なお、断っておくが、表示領域21a、2
1b、21cなどの明るさ調整は、図179、図198
などで説明したプロック駆動に限定されるものではな
い。当然のことながら、図134、図87、図88など
で説明した順次駆動でもよいことは言うまでもない。順
次駆動でも、クロックの速度などを制御することによ
り、画面21を部分ごとに明るさ調整を容易に実現でき
るからである。
【1921】表示領域21b、21cは定常的に表示す
る部分であるので、一定の表示画面の明るさを保つ必要
がある。また、電流の消費量は一定である。しかし、図
261(a)の表示領域21aは画像の種類により画像
の明るさを制御することが好ましい。たとえば、表示領
域21aにテレビ画像を表示していて、突然画面全体が
白表示(白ラスター)と変化すると急激に電源回路から
モジュールに電流が流れる。この電流によりモジュール
が発熱し劣化、あるいは不良が発生する危険性がある。
なお、図261(b)で図示したブロック1981a、
1981b、1981cはそれぞれ個別にオンオフ処理
(点灯、非点灯処理)を行うことができ、画像の明るさ
を調整できる。これは、点灯制御線1791を制御する
ことにより容易に実現できる。
【1922】したがって、表示領域21aにどんな画像
が表示されるかを監視し、消費電力区が急激に増加する
場合は、表示する画像データに演算処理などを施して表
示画像21aの全体輝度を低下させる必要がある。たと
えば、白ラスター表示を行う時には、白ラスターの画像
データの大きさなどを1/2とし、表示輝度を1/2に
低減させる。なお、画像の輝度は、図179などでも説
明しているように、非表示領域312と点灯領域311
の割合を変化することにより行う。このようにすること
により、画像データの大きさを変化させずに画像の明る
さ調整を実現できる。もちろん、画像データの大きさを
変化させて実現してもよいことは言うまでもない。
【1923】図262は、画像データによる消費電力変
化を抑制する回路である。フレーム(フィールド)メモ
リ2621は2つの領域(2621a、2621b)に
分かれており、それぞれ、1画面の画像データを保持で
きる。メモリ2621aとメモリ2621bとは交互に
選択される。たとえば、メモリ2621aからデータ変
換回路2623に画像データを読み出している時には、
マイコン(図示せず)からメモリ2621bに画像デー
タが書き込まれている。逆に、メモリ2621bからデ
ータ変換回路2623に画像データを読み出している時
には、マイコン(図示せず)からメモリ2621aに画
像データが書き込まれている。なお、説明を容易にする
ため、画像データDATA(5:0)はD5〜D0の6
ビット(64階調)であるとして説明をする。
【1924】画像データDATA(5:0)はメモリ2
621aと2621bに交互に書き込まれる。MSBの
DATA5は、カウンタ回路2622でカウントされ
る。DATA5をカウントするのは、DATA5のビッ
トがたっている画像データ、つまり、最高輝度の1/2
以上となる画像データの個数をカウントしているのであ
る。したがって、カウンタ回路2622のカウント値が
大きいほど画像の輝度が高く、モジュールで消費する電
力が大きいことを示していることになる。
【1925】今、画像データはメモリ2621aに書き
込まれるとともに、カウンタ回路2622でカウントさ
れているとする。この時、メモリ2621bの画像デー
タが読み出されている。
【1926】カウンタ回路2622のカウント値が所定
値(この所定値はマイコン(図示せず)などにより可変
できるように構成しておく)以上の時、カウンタ回路2
622はデータ変換回路2623を制御する。この制御
とは、メモリ2622からの画像データの値を1/2す
る(1ビット右にシフトする)などの処理である。つま
り、カウンタ回路は1画面の画像データをカウントする
(画像データはメモリ2621aに書き込まれる)。そ
して、この画像データをメモリ2621aから読み出
し、この画像データを制御するのである。
【1927】なお、カウントはD5だけでなく、DAT
A(5:4)あるいはDATA(5:3)をカウントす
ることにより、より画像の特徴抽出が正確に行えること
は言う今でもない。特徴抽出を正確に行うことにより表
示領域21aの明るさ調整をより適切に実施することが
できる。
【1928】画像データが白ラスターなど、非常に消費
電力が大きくなる場合は、データ変換回路2623で画
像データを小さくする画像データ変換処理をした後、そ
の変換後のデータをソースドライバ14に印加する。な
お、画像を1フレームごとに処理し、1フレームごとに
表示画像の明るさ調整をすると画像がブリンクしてしま
う(明るい画面と暗い画面が繰り返され、画像がまばた
いた状態となる)。この課題に対しては、画像処理に遅
延を持たし、また、複数フレームの画像変化を考慮しな
がら、データ変換回路2623のデータ変換制御を行う
ことにより対応できる。
【1929】なお、図262では、画像データを変換
し、ソースドライバ14に印加することにより表示領域
21aの明るさ調整を行うとしたが、これに限定するも
のではなく、図261のブロック1981aの点灯時間
を制御することにより実現しても良いことは言うまでも
ない。以下、この実施について説明をする。
【1930】図268はその実施例の説明図である。フ
レーム(フィールド)メモリ2621は2つの領域(2
621a、2621b)に分かれており、それぞれ、1
画面の画像データを保持できる。メモリ2621aとメ
モリ2621bとは交互に選択される。たとえば、メモ
リ2621aからソースドライバ14に画像データを読
み出している時には、マイコン(図示せず)からメモリ
2621bに画像データが書き込まれている。逆に、メ
モリ2621bからソースドライバ14に画像データを
読み出している時には、マイコン(図示せず)からメモ
リ2621aに画像データが書き込まれている。以上の
事項は図262と同様である。
【1931】画像データDATA(5:0)のMSBの
DATA5は、カウンタ回路2682aでカウントされ
る。図262の実施例と同様に、最高輝度の1/2以上
となる画像データの個数をカウントするためである。し
たがって、カウンタ回路2862aのカウント値が大き
いほど画像の輝度が高い画像データが多いことを示して
いる。
【1932】加算回路(演算処理回路)2682bは、
画像21を複数のブロックに区切り、それぞれのブロッ
クでも平均輝度分布を処理する。また、演算処理回路2
682cは画像データの所定輝度以上の画像データの分
布状態と、所定輝度以下の画像データの分布状態を演算
により求めている。つまり、加算回路(演算処理回路)
2682は、画像21平均輝度分布、画像データの分布
状態などを解析するものである。
【1933】ゲートドライバ制御回路2683は、演算
処理回路2682からの演算結果(処理結果)を複数フ
レームにわたって蓄積し、ゲートドライバ12のシフト
レジスタ22に印加するSTデータあるいは、点灯制御
線1791のオンオフデータを送出する。
【1934】たとえば、シフトレジスタ22の制御によ
り画面の明るさを調整するのであれば、図273のよう
になる。画像を暗くする場合は、図273(a)に図示
するようにシフトレジスタ22に印加するSTデータ数
を少なくする。したがって、表示領域21に占める点灯
領域311の割合が低下して暗くなる。比較的、表示画
像21を明るくする場合は、図273(b)の点灯領域
312の幅を太くするか、もしくは点灯領域312の個
数を多くする。さらに、表示画像21を明るくする場合
は、図273(c)の点灯領域312の幅をさらに太く
するか、もしくは点灯領域312の個数をさらに多くす
る。なお、以上の処理は、図261のブロック1981
の選択処理でも実現できることは明らかである。したが
って、説明を省略する。
【1935】また、画像データが動画であるか静止画で
あるかを検出し(動画検出、ID処理で行う)、図27
3の点灯領域312の数を調整すればよい。つまり、動
画であれば、点灯領域312の個数を減らし、動画ボケ
をなくす。静止画であれば、フリッカの発生を抑制する
ために、点灯領域312の個数を多くし、また点灯領域
を表示領域21に分散させる。
【1936】図262では、所定輝度以上の画像データ
の個数をカウントし、表示画面21の明るさ制御を行う
としたが、図268と同様に、画像の特徴を抽出して表
示画面21の輝度を変化させてもよい。この実施例を図
269に示す。なお、図268と図269の実施例を組
み合わせても良いことは言うまでもない。
【1937】図269はその実施例の説明図である。フ
レーム(フィールド)メモリ2621は2つの領域(2
621a、2621b)に分かれており、それぞれ、1
画面の画像データを保持できる。メモリ2621aとメ
モリ2621bとは交互に選択される。たとえば、メモ
リ2621aからデータ変換回路2692に画像データ
を読み出している時には、マイコン(図示せず)からメ
モリ2621bに画像データが書き込まれている。逆
に、メモリ2621bからデータ変換回路2692に画
像データを読み出している時には、マイコン(図示せ
ず)からメモリ2621aに画像データが書き込まれて
いる。以上の事項は図262または図268と同様であ
る。
【1938】画像データDATA(5:0)のMSBの
DATA5は、カウンタ回路2682aでカウントされ
る。カウンタ回路2862aのカウント値が大きいほど
画像の輝度が高い画像データが多いことを示している。
加算回路(演算処理回路)2682bの先と同様に、画
像21を複数のブロックに区切り、それぞれのブロック
でも平均輝度分布を処理する。また、演算処理回路26
82cは画像データの所定輝度以上の画像データの分布
状態と、所定輝度以下の画像データの分布状態を演算に
より求めている。つまり、加算回路(演算処理回路)2
682は、画像21平均輝度分布、画像データの分布状
態などを解析するものである。
【1939】データ制御回路2691は、演算処理回路
2682からの演算結果(処理結果)を複数フレームに
わたって蓄積し、データ変換回路2692を制御して、
画像データの変換処理をする。
【1940】たとえば、画面の明るさを調整するのであ
れば、図262と同様にデータをビットシフトさせた画
像データの大きさを変換する。同時に画像データの解析
結果に基づき、図274に図示するように最適なガンマ
変換処理を実施する。
【1941】図274がガンマテーブルである。横軸に
階調番号を示し、縦軸は表示輝度の相対値をとってい
る。図274の点線がリニアの場合であり、実線は黒表
示領域と白表示領域で階調つぶれを発生させた場合であ
る。また、一点鎖線は、黒階調部のみを階調つぶれを発
生させた場合である。
【1942】以上のように、演算処理回路2682で画
像の特徴抽出を行い、この結果に基づき、表示画像のガ
ンマカーブを選択し、データのテーブル変換を行う。ガ
ンマテーブルは3種類以上設け、最適なものを選択す
る。そして変換した画像データをソースドライバ14に
入力する。
【1943】特に、ゲーム画像などの場合、画像を白黒
反転させることは、消費電力の低減に効果がある。ただ
し、カラー画像を反転させるとネガポジ反転となってし
まう。これに対応するため、本発明では、カラー画像は
白黒画像に変換する。その後、白黒画像を白黒反転させ
る。または、カラー画像をネガポジ変換した後、白黒画
像に変換する。
【1944】図441はこの実現回路である。メモリ2
621からのデータは白黒画像処理回路4351に入力
される。この白黒画像処理回路4351は、カラー画像
から輝度成分を抽出し、白黒画像に変換する。白黒画像
変換は、良く知られているように簡単な演算で行うこと
ができる。表示パネルがカラーパネルの場合は、この演
算によりRGBの画素16が白黒表示となるようにされ
る。なお、通常のカラー画像を表示する場合は、この白
黒画像処理回路4351に入力された画像データはスル
ーさせるように処理回路を構成する。
【1945】一方、カウンタ回路2622は最上位ビッ
ト(最上位ビットの1ビットに限定するものではない)
の個数をカウントし、1画面のデータが所定値以上とな
るとき、反転処理回路4352を制御して、画像データ
を白黒(ネガポジ)反転させる。この制御はオートで実
施しても、ユーザーが手動で切り替えてもよい(手動で
切り替える場合は、カウンタ回路2622は不要であ
る。以上の回路の動作により画像は白黒反転され、ソー
スドライバ14に入力される。
【1946】白黒反転の切り替えは、画像の特徴抽出に
より自動的に行う方法、以前に説明した伝送フォーマッ
ト(図16などを参照のこと)に記載された情報をデコ
ード(解読)することにより自動的あるいは半手動的に
行う方法がある。その他、ユーザーが状態に応じて(好
みに応じて)ボタンなどを押すことにより実現する手動
による方法などが例示される。
【1947】このように白黒反転させると消費電力を低
減できることは、図442を見れば明らかである。図4
42(a)が原画像である。現画像はパーシャル領域2
1aと、画像表示領域21bから構成されている。パー
シャル領域21aは時計表示などを行う部分である。し
たがって、画像の書き換えは、1秒単位などゆっくりで
あり、また、ほぼ静止画像である。
【1948】一方、画像表示領域21bにはゲーム画像
などが表示される。この領域21bは液晶表示パネルの
ノーマリホワイトモードを対象として画像が作製されて
いる。そのため、比較的に白表示が多い(ノーマリホワ
イトモードでは、白表示では液晶層に電圧が印加されな
い。したがって、低電力化を実現できる。また、白表示
部分が多いと、画像が明るく見える)。液晶表示パネル
では白表示が多くとも、バックライトは常時点灯してい
るため、消費電力が増大するということはない。しか
し、有機ELなどの自己発光型の表示デバイスでは、発
光面積に比例して消費電力が増大する。
【1949】そのため、有機ELなどの表示パネルで
は、発光部分を少なくする必要がある。しかし、ゲーム
など表示場面は比較的白表示が多い絵作りとなっている
ため、消費電力が大きい。この課題に対応するため、図
441に示すような白黒画像処理回路4351などを用
いるのである。
【1950】図442(b)に図示するように、原画像
である図442(a)の犬は、白黒反転されて画像の図
442(b)のようになる。画像のほとんどが黒表示と
なるように白黒反転されている。しかし、十分に犬とし
て認識できる。ゲームなどの画面も白黒反転させてもゲ
ームを楽しむことができる。
【1951】なお、以上の実施例では、カラー画像を白
黒画像化し、白黒反転するとしてがこれに限定するもの
ではなく、カラー画像をそのまま、ネガポジ転させた
り、RGBの1色のみあるいは2色をネガポジ反転させ
てもよい。この反転の切り替えは、表示画面21に例画
像とともに、「1.白黒反転、2.R反転、3.G反
転、4.B反転、5.そのまま」などと表示させ、ユー
ザーに選択させるように制御するとよい。
【1952】さらに図273で説明したように、画像を
暗くする場合は、図273(a)に図示するようにシフ
トレジスタ22に印加するSTデータ数を少なくする。
したがって、表示領域21に占める点灯領域311の割
合が低下して暗くなる。比較的、表示画像21を明るく
する場合は、図273(b)の点灯領域312の幅を太
くするか、もしくは点灯領域312の個数を多くする。
さらに、表示画像21を明るくする場合は、図273
(c)の点灯領域312の幅をさらに太くするか、もし
くは点灯領域312の個数をさらに多くする。なお、少
ない消費電力で表示画像を比較的明るく見えるようにす
るためには、表示輝度の最高輝度を低くし、最低輝度を
高くし(つまり、画像のコントラストを低下させる)、
かつ全体の平均輝度を小さくするとよい。
【1953】また、画像データが動画であるか静止画で
あるかを検出し(動画検出、ID処理で行う)、図27
3の点灯領域312の数を調整すればよい。つまり、動
画であれば、点灯領域312の個数を減らし、動画ボケ
をなくす。静止画であれば、フリッカの発生を抑制する
ために、点灯領域312の個数を多くし、また点灯領域
を表示領域21に分散させる。
【1954】図261では表示領域は21a、21b、
21cの3つの領域とし、表示領域21aの表示輝度を
変化させるとしたが、これに限定するものではなく、表
示領域21b、21cとも変化させてもよい。
【1955】また、図263に図示するように、表示領
域の端に表示領域21d、21eを設けてもよい。表示
領域21d、21eは単なる枠としての表示を行う(つ
まり、画素電極が形成されておらす、ドットパターンの
表示はできない)。したがって、表示領域21d、21
eは単純マトリックス的な表示となる。つまり、21
d、1eに電圧を印加すると領域全体が点灯する。
【1956】図265に図示するように、点灯制御線1
791aに電圧を印加すると、領域21dのEL膜が点
灯する。また、点灯制御線1791bに電圧を印加する
と、領域21eのEL膜が点灯する。他の構成(189
1など)は、以前に説明したので説明を省略する。
【1957】図264に図示するように、ポリシリコン
技術で形成されたゲートドライバ回路12に平坦化膜7
1が形成されている。この上に画素電極48aと同一材
料で電極48bが形成されており、電極48b上にEL
膜47が形成されている。EL膜47上にはカソード電
極(もしくはアノード電極)が形成される。電極48b
に電圧を印加することにより、領域21d、21eが点
灯する。
【1958】以上の実施例では、EL素子15はR、
G、Bであるとしたがこれに限定するものではない。た
とえば、シアン、イエロー、マゼンダでもよいし、任意
の2色でもよい。R、G、B、シアン、イエロー、マゼ
ンダの6色あるいは任意の4色以上であってもよい。ま
た、白単色であってもよいし、白単色光をカラーフィル
タでRGBにしたのもでもよい。また、有機EL素子に
限定するものではなく、無機EL素子であってもよい。
【1959】本発明の液晶表示パネルあるいはそれと用
いた表示装置において、ドライバ回路12、14は複数
個(複数種類)集積することが好ましい。こうすること
で、携帯電話網や無線LANからダウンロードした動画や
静止画や,地上波のテレビ放送を受信する画像など、あ
らゆる通信網から入る画像を、MPUに負担をかけること
なく表示できるようになる。高精細画像はVGA対応で6ビ
ットのドライバ回路12、14を使って表示し、精細度
が落ちればQVGAに切り替え,テキスト・データならば1
ビットのドライバ回路12、14を使用する。また、別
途、NTSC表示用ドライバ(インターレース、擬似イ
ンターレース走査)、プログレッシブ表示用ドライバ
(ノンインターレース)を形成することも好ましい。な
お、これらの複数の機能を有するドライバ12、14は
シリコンチップで形成し、COG技術などで実装しても
よいことは言うまでもない。
【1960】なお、図87、図88などでは、アクティ
ブマトリックス型表示パネルを例示して説明したがこれ
に限定するものではない。ソースドライバIC14など
からは所定電流のN倍電流をソース信号線18に印加
(から吸収)する。また、複数の画素行を同時に選択す
る。そして、所定の期間の間だけ、EL素子に電流を流
し、他の期間は電流を流さない、という概念は、単純マ
トリックス型表示パネルにも適用できるものである。
【1961】ドライバ回路12、14が1種類の場合,
精細度の異なる画像を表示するためにMPUで信号の変換
処理を実行する必要がある。液晶表示パネル以外で多数
のドライバ回路12、14を用意する場合は,個別にIC
を実装する必要があるため,コストが高くなるとともに
実装面積が拡大してしまう。また、ドライバ回路12、
14だけでなく画像処理回路など多くの回路をパネル8
2上のSi膜中に集積してもよい。
【1962】また、EL素子は点灯初期に特性変化が大
きい。そのため、焼きツキなどが発生しやすい。この対
策のため、パネル形成後、20時間以上150時間以内
の間、白ラスター表示でエージングを行った後に、商品
として出荷することが好ましい。このエージングでは所
定表示輝度よりも2−10倍程度の明るさで表示させる
ことが好ましい。
【1963】なお、本発明は、図54、図67、図10
3などで説明した画素構成を電圧プログラムの画素構
成、図1、図21、図43、図71なでで説明した電流
プログラムの画素構成を中心として説明し、各画素に
は、1H期間に同期してソースドライバ回路14から信
号が供給されて書き込まれる。しかし、本発明はこれに
限定するものでない。たとえば、1フレームまたは1フ
ィールドを複数のサブフレーム(フィールド)に分割し
て駆動する時分割駆動と組み合わせてもよい。また、1
画素の複数の画素に分割する面積階調方式を組み合わせ
ても良い。
【1964】図2、図35、図60、図74、図84、
図31、図32、図56、図61、図89から図10
1、図104、図105、図106などを用いて駆動
(表示)方法、駆動回路について説明した。これらの技
術的思想を実現するガリ砒素、シリコン、ゲルマニウム
などで作製された半導体チップも本発明の権利範囲であ
る。これらの半導体チップを表示パネルに実装すること
により表示装置、情報表示装置などを実現できる。
【1965】また、図1(b)、図22、図75、図7
6、図77、図78などのVbbを印加する端子を図7
4で説明したゲートドライバ回路12bに接続すること
により、良好な画像表示を実現することができる。
【1966】また、図79、図80などで説明した電源
電圧Vddなどに関する事項も本明細書のすべての画素
構成あるいは、表示パネル、情報表示装置あるいは駆動
方法に適用される。また、図4、図5、図6、図7、図
8、図9、図10、図11、図14、図15、図18、
図20、図25、図26、図27、図28、図29、図
30、図45、図46、図47、図48、図86、図8
9から図101、図110から図114などに関しても
本明細書のすべての画素構成あるいは、ドライバ配置、
表示パネル、情報表示装置あるいは駆動方法に適用され
ることは言うまでもない。
【1967】図87、図88、図134から図167で
説明した本発明の駆動方法、駆動回路と、図52、図8
9から図102などで説明したEL素子15に逆バイア
スを印加する方法あるいは構成とを組み合わせることの
よりさらに特徴ある効果が発揮される。また、これら
は、図1、図21、図43、図71、図22、図54、
図67、図68、図103、図107、図108、図8
9から図101、図115、図171から図174、図
21、図43、図710などで説明した画素構成に適用
できることも言うまでもない。また、これらの構成で、
図31、図32から図39、図61から図67、図10
4、図105、図106などを実現できることも説明を
要しない。図26から図30、図110から図114の
3辺フリーの構成と組み合わせることも有効であること
はいうまでもない。また、これらの技術を用いて、図
4、図5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、
図14、図15、図18、図20、図25、図26、図
27、図28、図29、図30、図45、図46、図4
7、図48、図86、図89から図101、図110か
ら図114などの表示パネル、情報表示装置あるいは駆
動方法に適用できることも言うまでもない。
【1968】また、図52、図89から図102などで
説明したEL素子15に逆バイアスを印加する方法ある
いは構成も、図1、図21、図43、図71、図43、
図71、図22、図44、図31、図40、図41、図
42、図43、図44、図53、図54、図58、図5
9、図60、図67から図78、図89から図101、
図103、図119から図121、図171から図17
4、図21、図43、図710などの画素構成あるいは
アレイ構成などに適用することは言うまでもない。ま
た、これらの構成で、図31、図32から図39、図6
1から図67、図104、図105、図106などを実
現できることも説明を要しない。図26から図30、図
110から図114、図179から図192、図21、
図43、図711から図21、図43、図714などの
3辺フリーの構成と組み合わせることも有効であること
はいうまでもない。特に3辺フリーの構成は画素がアモ
ルファスシリコン技術を用いて作製されているときに有
効である。また、アモルファスシリコン技術で形成され
たパネルでは、TFT素子の特性バラツキのプロセス制
御が不可能のため、本発明の電流駆動を実施することが
好ましい。
【1969】さらに、これらの技術を用いて、図4、図
5、図6、図7、図8、図9、図10、図11、図1
4、図15、図18、図20、図25、図26、図2
7、図28、図29、図30、図45、図46、図4
7、図48、図86、図89から図101、図110か
ら図114などの表示パネル、情報表示装置あるいは駆
動方法に適用できることも言うまでもない。
【1970】図107、図108、図89から図10
1、図115などで説明した画素構成、あるいは駆動方
法は、などの画素構成あるいはアレイ構成などはEL表
示パネルにのみ限定されるものではない。たとえば、液
晶表示パネルにも適用することができる。その際は、E
L素子15を液晶層、PLZT、LEDなどの光変調層
に置き換えればよい。たとえば、液晶の場合は、TN
(Twisted Nematic)、IPS(In−
Plane Switching)、FLC(Ferr
oelectric Liquid Crysta
l)、OCB(OpticallyCompensat
ory Bend)、STN(Supper Twis
ted Nematic)、VA(Verticall
y Aligned)、ECB(Electrical
ly Controlled Birefringen
ce )およびHAN(Hybrid Aligned
Nematic)モード、DSMモード(動的散乱モ
ード)などである。特に、DSMは印加する電流により
光変調できるので、本発明とはマッチングがよい。
【1971】また、スイッチング素子11についてもT
FTに限定されるものでない。また、本明細書のすべて
の画素構成あるいは、ドライバ配置、表示パネル、情報
表示装置あるいは駆動方法に適用されることは言うまで
もない。
【1972】図1、図21、図43、図71、図22、
図44、図31、図40、図41、図42、図43、図
44、図53、図54、図58、図59、図60、図6
7から図78、図89から図101、図103、図11
0から図114、図119から図121、図171から
図174、図21、図43、図710、図21、図4
3、図710、図221から図260、図267、図2
91、図292、図294などの画素構成あるいはアレ
イ構成などはEL表示パネルにのみ限定されるものでは
ない。たとえば、液晶表示パネルにも適用することがで
きる。その際は、EL素子15を液晶層、PLZT、L
EDなどの光変調層に置き換えればよい。また、スイッ
チング素子11についてもTFTに限定されるものでな
いことは、図80などで説明した。
【1973】また、図15、図19、図17、図18、
図25、図26、図28、図45、図46、図47、図
48、図110から図114、図261、図264、図
266、図283から図285などの構成、装置、方式
はEL表示パネルを用いたものに限定されるものではな
い。たとえば、PDP表示パネル、PLZT表示パネ
ル、液晶表示パネルなどを用いたものにも適用すること
ができる。また、以上の表示装置などを用いて、本発明
の前段ゲート制御方式、リセット駆動方式などを実施で
きることはいうまでのない。
【1974】図22、図23、図286から図288、
図290の製造方法を用いることにより、図1、図2
1、図43、図71、図22、図44、図31、図4
0、図41、図42、図43、図44、図53、図5
4、図58、図59、図60、図67から図78、図8
9から図101、図103、図119から図121、図
171から図175、図21、図43、図710、図2
21から図260、図267、図283から図285、
図291、図292、図294などの画素構成あるいは
アレイ構成の表示パネルを容易に製造できる。また、こ
れらを用いて情報表示装置を構成することができる。ま
た、図280から図285、図289の構成あるいは構
造は、本発明の表示パネルあるいは表示装置に適用でき
ることはいうまでもない。また、以上の表示装置などを
用いて、本発明の前段ゲート制御方式、リセット駆動方
式などを実施できることはいうまでのない。
【1975】また、図248から図255、図309か
ら図350、図355から図359、図360、図36
1、図366、図367の表示パネルの構成もしくはそ
の駆動方法は、画素構成が図1、図21、図43、図7
1、図22、図44、図31、図40、図41、図4
2、図43、図44、図53、図54、図58、図5
9、図60、図67から図78、図89から図101、
図103、図119から図121、図171から図17
5、図21、図43、図710、図21、図43、図2
10、図221から図260、図267、図283から
図285、図291、図292、図294、図303、
図308などのいずれの構成であっても適用できること
は言うまでもない。また、以上の表示装置などを用い
て、本発明の前段ゲート制御方式、リセット駆動方式な
どを実施できることはいうまでのない。
【1976】また、図351から図354のドライバI
C回路は上記のいずれの画素構成あるいは表示パネルな
どにも適用することができることは言うまでのない。図
362から図365の表示パネルの構成あるいは構造
は、上記のいずれの画素構成でも適用することができる
ことは言うまでもなく、また、どの駆動回路、駆動方法
のものでも適用できることも言うまでもない。
【1977】図1、図21、図43、図71、図22、
図44、図31、図40、図41、図42、図43、図
44、図53、図54、図58、図59、図60、図6
7から図78、図89から図101、図103、図11
9から図121、図171から図175、図21、図4
3、図710、図221から図260、図267、図2
91、図292、図294などの画素構成あるいはアレ
イ構成は、図203、図204、図205、図206、
図265、図261、図263などの情報表示装置に適
用できることは言うまでもない。また、以上の表示装置
などを用いて、本発明の前段ゲート制御方式、リセット
駆動方式などを実施できることはいうまでのない。
【1978】また、図1、図21、図43、図71、図
44、図31、図40、図41、図42、図43、図4
4、図53、図54、図58、図59、図60、図67
から図78、図89から図101、図103、図119
から図121、図171から図174、図21、図4
3、図710、図221から図260、図267、図2
83から図285、図291、図292などの画素構成
あるいはアレイ構成は、図15、図19、図17、図1
8、図25、図26、図28、図45、図46、図4
7、図48、図110から図114、図198から図2
09、図21、図43、図715から図220、図2
1、図43、図710、図221から図260、図26
7、図291、図292、図294に採用できることは
言うまでもない。また、以上の表示装置などを用いて、
本発明の前段ゲート制御方式、リセット駆動方式などを
実施できることはいうまでのない。
【1979】また、図275、図276、図293のソ
ースドライバの構成、図299から図302の電流出力
回路1222などの構成は、画素構成が、図1、図2
1、図43、図71、図22、図44、図31、図4
0、図41、図42、図43、図44、図53、図5
4、図58、図59、図60、図67から図78、図8
9から図101、図103、図119から図121、図
171から図174、図21、図43、図710、図2
21から図260、図267、図283から図285、
図291、図292などに適用できることはいうまでも
ない。同様に、図229、図231から図232、図2
37から図238、図240から図241、図252、
図262、図268から図269、図271から図27
2、図273から図274の駆動方法あるいはデータ処
理方式にあっても適用できることは言うまでもない。ま
た、図248から図255などで説明した駆動方法、画
素構成についても同様である。また、これらを用いて情
報表示装置などを構成できることも言うまでもない。ま
た、以上の表示装置などを用いて、本発明の前段ゲート
制御方式、リセット駆動方式などを実施できることはい
うまでのない。
【1980】図23、図24、図286から図288、
図290などの製造方法にあっては、EL表示パネルの
製造方法に限定されるものではない。たとえば、液晶表
示パネルの製造方法にも適用できることはいうまでもな
い。また、図26から図30、図110から図114の
構成あるいは方法にあってもEL表示パネルに限定され
るものではなく、LED表示パネル、液晶表示パネルな
どにも適用できることはいうまでもない。図31、図3
2から図39、図61から図67、図104、図10
5、図106、図261、図263、図265などの表
示方法についても同様である。
【1981】本発明の実施例で説明した技術的思想はビ
デオカメラ、プロジェクター、立体テレビ、プロジェク
ションテレビなどに適用できる。また、ビューファイン
ダ、携帯電話のモニター、PHS、携帯情報端末および
そのモニター、デジタルカメラおよびそのモニターにも
適用できる。
【1982】また、電子写真システム、ヘッドマウント
ディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパー
ソナルコンピュータ、ビデオカメラ、電子スチルカメラ
にも適用できる。また、現金自動引き出し機のモニタ
ー、公衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュータ、
腕時計およびその表示装置にも適用できる。
【1983】さらに、家庭電器機器の表示モニター、ポ
ケットゲーム機器およびそのモニター、表示パネル用バ
ックライトあるいは家庭用もしくは業務用の照明装置な
どにも適用あるいは応用展開できることは言うまでもな
い。照明装置は色温度を可変できるように構成すること
が好ましい。これは、RGBの画素をストライプ状ある
いはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流
を調整することにより色温度を変更できる。また、広告
あるいはポスターなどの表示装置、RGBの信号器、警
報表示灯などにも応用できる。
【1984】また、スキャナの光源としても有機EL表
示パネルは有効である。RGBのドットマトリックスを
光源として、対象物に光を照射し、画像を読み取る。も
ちろん、単色でもよいことは言うまでもない。また、ア
クティブマトリックスに限定するものではなく、単純マ
トリックスでもよい。色温度を調整できるようにすれば
画像読み取り精度も向上する。
【1985】また、液晶表示装置のバックライトにも有
機EL表示装置は有効である。EL表示装置(バックラ
イト)のRGBの画素をストライプ状あるいはドットマ
トリックス状に形成し、これらに流す電流を調整するこ
とにより色温度を変更でき、また、明るさの調整も容易
である。その上、面光源であるから、画面の中央部を明
るく、周辺部を暗くするガウス分布を容易に構成でき
る。また、R、G、B光を交互に走査する、フィールド
シーケンシャル方式の液晶表示パネルのバックライトと
しても有効である。また、バックライトを点滅しても黒
挿入することにより動画表示用液晶表示パネルのバック
ライトとしても用いることができる。
【1986】
【発明の効果】本発明の表示パネル、表示装置等は、高
画質、良好な動画表示性能、低消費電力、低コスト化、
高輝度化等のそれぞれの構成に応じて特徴ある効果を発
揮する。
【1987】なお、本発明を用いれば、低消費電力の情
報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。
また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。ま
た、高精細の表示パネルであっても十分に対応できる。
したがって、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示パネルの回路構成図
【図2】本発明の表示装置の回路構成図
【図3】本発明の表示装置の説明図
【図4】本発明の表示装置の断面図
【図5】本発明の表示装置の説明図
【図6】本発明の表示装置の説明図
【図7】本発明の表示装置の断面図
【図8】本発明の表示装置の断面図
【図9】本発明の表示装置の断面図
【図10】本発明の表示装置の構成図
【図11】本発明の表示装置の構成図
【図12】従来の表示パネルの回路構成図
【図13】本発明の表示パネルの説明図
【図14】本発明の表示装置の説明図
【図15】本発明の表示装置の説明図
【図16】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図17】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図18】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明図
【図19】本発明の情報表示装置の平面図
【図20】本発明の情報表示装置の説明図
【図21】本発明の表示パネルの説明図
【図22】本発明の表示パネルの説明図
【図23】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図24】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図25】本発明の表示パネルの断面図
【図26】本発明の表示パネルの説明図
【図27】本発明の表示パネルの説明図
【図28】本発明の表示パネルの説明図
【図29】本発明の表示パネルの説明図
【図30】本発明の表示パネルの説明図
【図31】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図32】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図33】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図34】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図35】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図36】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図37】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図38】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図39】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図40】本発明の表示パネルの説明図
【図41】本発明の表示パネルの説明図
【図42】本発明の表示パネルの説明図
【図43】本発明の表示パネルの説明図
【図44】本発明の表示パネルの説明図
【図45】本発明のビューファインダの断面図
【図46】本発明のビデオカメラの斜視図
【図47】本発明の電子カメラの斜視図
【図48】本発明のテレビの説明図
【図49】本発明のテレビの説明図
【図50】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図51】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図52】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図53】本発明の表示パネルの説明図
【図54】本発明の表示パネルの説明図
【図55】本発明の表示パネルの説明図
【図56】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図57】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図58】本発明の表示パネルの説明図
【図59】本発明の表示パネルの説明図
【図60】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図61】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図62】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図63】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図64】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図65】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図66】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図67】本発明の表示パネルの説明図
【図68】本発明の表示パネルの説明図
【図69】本発明の表示パネルの説明図
【図70】本発明の表示パネルの説明図
【図71】本発明の表示パネルの説明図
【図72】本発明の表示パネルの説明図
【図73】本発明の表示パネルの説明図
【図74】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図75】本発明の表示パネルの説明図
【図76】本発明の表示パネルの説明図
【図77】本発明の表示パネルの説明図
【図78】本発明の表示パネルの説明図
【図79】本発明の表示パネルの説明図
【図80】本発明の表示パネルの説明図
【図81】本発明の表示パネルの説明図
【図82】本発明の表示パネルの説明図
【図83】本発明の表示パネルの説明図
【図84】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図85】本発明の情報表示装置の説明図
【図86】本発明の情報表示装置の説明図
【図87】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図88】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図89】本発明の表示パネルの説明図
【図90】本発明の表示パネルの説明図
【図91】本発明の表示パネルの説明図
【図92】本発明の表示パネルの説明図
【図93】本発明の表示パネルの説明図
【図94】本発明の表示パネルの説明図
【図95】本発明の表示パネルの説明図
【図96】本発明の表示パネルの説明図
【図97】本発明の表示パネルの説明図
【図98】本発明の表示パネルの説明図
【図99】本発明の表示パネルの説明図
【図100】本発明の表示パネルの説明図
【図101】本発明の表示パネルの説明図
【図102】本発明の表示パネルの説明図
【図103】本発明の表示パネルの説明図
【図104】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図105】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図106】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図107】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図108】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図109】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図110】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図111】本発明の表示パネルの説明図
【図112】本発明の表示パネルの説明図
【図113】本発明の表示パネルの説明図
【図114】本発明の表示パネルの説明図
【図115】本発明の表示パネルの説明図
【図116】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図117】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図118】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図119】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図120】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図121】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図122】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図123】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図124】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図125】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図126】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図127】本発明の表示パネルの説明図
【図128】本発明の表示パネルの説明図
【図129】本発明の表示パネルの説明図
【図130】本発明の表示パネルの説明図
【図131】本発明の表示パネルの説明図
【図132】本発明の表示パネルの説明図
【図133】本発明の表示パネルの説明図
【図134】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図135】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図136】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図137】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図138】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図139】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図140】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図141】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図142】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図143】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図144】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図145】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図146】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図147】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図148】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図149】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図150】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図151】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図152】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図153】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図154】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図155】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図156】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図157】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図158】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図159】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図160】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図161】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図162】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図163】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図164】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図165】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図166】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図167】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図168】本発明の表示パネルの説明図
【図169】本発明の表示パネルの説明図
【図170】本発明の表示パネルの説明図
【図171】本発明の表示パネルの説明図
【図172】本発明の表示パネルの説明図
【図173】本発明の表示パネルの説明図
【図174】本発明の表示パネルの説明図
【図175】本発明の表示パネルの説明図
【図176】本発明の表示パネルの説明図
【図177】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図178】本発明の表示パネルの説明図
【図179】本発明の表示パネルの説明図
【図180】本発明の表示パネルの説明図
【図181】本発明の表示パネルの説明図
【図182】本発明の表示パネルの説明図
【図183】本発明の表示パネルの説明図
【図184】本発明の表示パネルの説明図
【図185】本発明の表示パネルの説明図
【図186】本発明の表示パネルの説明図
【図187】本発明の表示パネルの説明図
【図188】本発明の表示パネルの説明図
【図189】本発明の表示パネルの説明図
【図190】本発明の表示パネルの説明図
【図191】本発明の表示パネルの説明図
【図192】本発明の表示パネルの説明図
【図193】本発明の表示パネルの説明図
【図194】本発明の表示パネルの説明図
【図195】本発明の表示パネルの説明図
【図196】本発明の表示パネルの説明図
【図197】本発明の表示パネルの説明図
【図198】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図199】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図200】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図201】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図202】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図203】本発明の表示パネルの説明図
【図204】本発明の情報表示装置の説明図
【図205】本発明の情報表示装置の説明図
【図206】本発明の情報表示装置の説明図
【図207】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図208】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図209】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図210】本発明の表示パネル置の説明図
【図211】本発明の表示パネルの説明図
【図212】本発明の表示パネルの説明図
【図213】本発明の表示パネルの説明図
【図214】本発明の表示パネルの説明図
【図215】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図216】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図217】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図218】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図219】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図220】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図221】本発明の表示パネルの説明図
【図222】本発明の表示パネルの説明図
【図223】本発明の表示パネルの説明図
【図224】本発明の表示パネルの説明図
【図225】本発明の表示パネルの説明図
【図226】本発明の表示パネルの説明図
【図227】本発明の表示パネルの説明図
【図228】本発明の表示パネルの説明図
【図229】本発明の表示パネルの説明図
【図230】本発明の表示パネルの説明図
【図231】本発明の表示パネルの説明図
【図232】本発明の表示パネルの説明図
【図233】本発明の表示パネルの説明図
【図234】本発明の表示パネルの説明図
【図235】本発明の表示パネルの説明図
【図236】本発明の表示パネルの説明図
【図237】本発明の表示パネルの説明図
【図238】本発明の表示パネルの説明図
【図239】本発明の表示パネルの説明図
【図240】本発明の表示パネルの説明図
【図241】本発明の表示パネルの説明図
【図242】本発明の表示パネルの説明図
【図243】本発明の表示パネルの説明図
【図244】本発明の表示パネルの説明図
【図245】本発明の表示パネルの説明図
【図246】本発明の表示パネルの説明図
【図247】本発明の表示パネルの説明図
【図248】本発明の表示パネルの説明図
【図249】本発明の表示パネルの説明図
【図250】本発明の表示パネルの説明図
【図251】本発明の表示パネルの説明図
【図252】本発明の表示パネルの説明図
【図253】本発明の表示パネルの説明図
【図254】本発明の表示パネルの説明図
【図255】本発明の表示パネルの説明図
【図256】本発明の表示パネルの説明図
【図257】本発明の表示パネルの説明図
【図258】本発明の表示パネルの説明図
【図259】本発明の表示パネルの説明図
【図260】本発明の表示パネルの説明図
【図261】本発明の表示パネルの説明図
【図262】本発明の表示パネルの説明図
【図263】本発明の表示パネルの説明図
【図264】本発明の表示パネルの説明図
【図265】本発明の表示パネルの説明図
【図266】本発明の表示パネルの説明図
【図267】本発明の表示パネルの説明図
【図268】本発明の表示パネルの説明図
【図269】本発明の表示パネルの説明図
【図270】本発明の表示パネルの説明図
【図271】本発明の表示パネルの説明図
【図272】本発明の表示パネルの説明図
【図273】本発明の表示パネルの説明図
【図274】本発明の表示パネルの説明図
【図275】本発明の表示パネルの説明図
【図276】本発明の表示パネルの説明図
【図277】本発明の表示パネルの説明図
【図278】本発明の表示パネルの説明図
【図279】本発明の表示パネルの説明図
【図280】本発明の表示パネルの説明図
【図281】本発明の表示パネルの説明図
【図282】本発明の表示パネルの説明図
【図283】本発明の表示パネルの説明図
【図284】本発明の表示パネルの説明図
【図285】本発明の表示パネルの説明図
【図286】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図287】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図288】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図289】本発明の表示パネルの説明図
【図290】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図291】本発明の表示パネルの説明図
【図292】本発明の表示パネルの説明図
【図293】本発明の表示パネルの説明図
【図294】本発明の表示パネルの説明図
【図295】本発明の表示パネルの説明図
【図296】本発明の表示パネルの説明図
【図297】本発明の表示パネルの説明図
【図298】本発明の表示パネルの説明図
【図299】本発明の表示パネルの説明図
【図300】本発明の表示パネルの説明図
【図301】本発明の表示パネルの説明図
【図302】本発明の表示パネルの説明図
【図303】本発明の表示パネルの説明図
【図304】本発明の表示パネルの説明図
【図305】本発明の表示パネルの説明図
【図306】本発明の表示パネルの説明図
【図307】本発明の表示パネルの説明図
【図308】本発明の表示パネルの説明図
【図309】本発明の表示パネルの説明図
【図310】本発明の表示パネルの説明図
【図311】本発明の表示パネルの説明図
【図312】本発明の表示パネルの説明図
【図313】本発明の表示パネルの説明図
【図314】本発明の表示パネルの説明図
【図315】本発明の表示パネルの説明図
【図316】本発明の表示パネルの説明図
【図317】本発明の表示パネルの説明図
【図318】本発明の表示パネルの説明図
【図319】本発明の表示パネルの説明図
【図320】本発明の表示パネルの説明図
【図321】本発明の表示パネルの説明図
【図322】本発明の表示パネルの説明図
【図323】本発明の表示パネルの説明図
【図324】本発明の表示パネルの説明図
【図325】本発明の表示パネルの説明図
【図326】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図327】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図328】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図329】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図330】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図331】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図332】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図333】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図334】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図335】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図336】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図337】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図338】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図339】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図340】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図341】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図342】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図343】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図344】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図345】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図346】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図347】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図348】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図349】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図350】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図351】本発明の表示パネルの説明図
【図352】本発明の表示パネルの説明図
【図353】本発明の表示パネルの説明図
【図354】本発明の表示パネルの説明図
【図355】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図356】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図357】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図358】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図359】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図360】本発明の表示パネルの説明図
【図361】本発明の表示パネルの説明図
【図362】本発明の表示パネルの説明図
【図363】本発明の表示パネルの説明図
【図364】本発明の表示パネルの説明図
【図365】本発明の表示パネルの説明図
【図366】本発明の表示パネルの説明図
【図367】本発明の表示パネルの説明図
【図368】本発明の表示パネルの説明図
【図369】本発明の表示パネルの説明図
【図370】本発明の表示パネルの説明図
【図371】本発明の表示パネルの説明図
【図372】本発明の表示パネルの説明図
【図373】本発明の表示パネルの説明図
【図374】本発明の表示パネルの説明図
【図375】本発明の表示パネルの説明図
【図376】本発明の表示パネルの説明図
【図377】本発明の表示パネルの説明図
【図378】本発明の表示パネルの説明図
【図379】本発明の表示パネルの説明図
【図380】本発明の表示パネルの説明図
【図381】本発明の表示パネルの説明図
【図382】本発明の表示パネルの説明図
【図383】本発明の表示パネルの説明図
【図384】本発明の表示パネルの説明図
【図385】本発明の表示パネルの説明図
【図386】本発明の表示パネルの説明図
【図387】本発明の表示パネルの説明図
【図388】本発明のドライバ回路の説明図
【図389】本発明のドライバ回路の説明図
【図390】本発明のドライバ回路の説明図
【図391】本発明のドライバ回路の説明図
【図392】本発明のドライバ回路の説明図
【図393】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図394】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図395】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図396】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図397】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図398】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図399】本発明の表示装置の検査および修正方法の
説明図
【図400】本発明の表示パネルの構成図
【図401】本発明の表示パネルの構成図
【図402】本発明の表示パネルの構成図
【図403】本発明の表示パネルの構成図
【図404】本発明の表示パネルの構成図
【図405】本発明の表示パネルの構成図
【図406】本発明の表示パネルの構成図
【図407】本発明の表示装置の構成図
【図408】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図409】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図410】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図411】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図412】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図413】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図414】本発明の表示装置の構成図
【図415】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図416】本発明の表示装置の構成図
【図417】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図418】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図419】本発明の表示装置の構成図
【図420】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図421】本発明の表示装置の構成図
【図422】本発明の表示パネルの構成図
【図423】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図424】本発明の表示装置の構成図
【図425】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図426】本発明の表示装置の構成図
【図427】本発明の表示装置の構成図
【図428】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図429】本発明の表示装置の構成図
【図430】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図431】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図432】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図433】本発明の表示装置の構成図
【図434】本発明の表示装置の構成図
【図435】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図436】本発明の表示装置の構成図
【図437】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図438】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図439】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図440】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図441】本発明の表示装置の構成図
【図442】本発明の表示装置の説明図
【図443】本発明の表示装置の検査方法の説明図
【図444】本発明の表示装置の検査方法の説明図
【図445】本発明の表示装置の検査方法の説明図
【図446】本発明の表示装置の構成図
【図447】本発明の表示装置の説明図
【図448】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図449】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図450】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図451】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図452】本発明の表示装置の構成図
【図453】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図454】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図455】本発明の表示装置の構成図
【図456】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図457】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図458】本発明の表示装置の構成図
【図459】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図460】本発明の表示装置の構成図
【図461】本発明の表示装置の構成図
【図462】本発明の表示装置の構成図
【符号の説明】
11 TFT(薄膜トランジスタ、スイッチング素子) 12 ゲートドライバ(回路) 14 ソースドライバ(回路) 15 EL素子(EL部、発光部) 16 画素(画素部) 17 ゲート信号線 18 ソース信号線 19 キャパシタ(蓄積容量、コンデンサ) 20 電流供給線(電力供給線、電圧供給線) 21 表示領域(表示画面、有効表示領域) 23 レーザー照射スポット 41 封止フタ(封止材) 43,44 凸部 45 シール剤(材) 46 反射膜 47 有機EL(EL素子) 48 画素電極 49 アレイ基板 50 λ/4板(λ/4シート) 51 カソード配線 52 コンタクト 53 カソード 54 偏光板 55 乾燥剤(乾燥材、吸湿手段) 61,62 接続端子 63 アノード 71 平滑化膜 72 透明電極 73 封止膜 74 円偏光板 81 エッジ保護膜 91 遮光膜 92 低抵抗化配線(金属膜) 101 コントロールIC 102 電源IC 103 プリント基板 104 フレキシブル基板 105 データ信号 141 誤差拡散コントローラ 151 内蔵表示メモリ 152 演算メモリ 153 演算回路 154 バッファ回路 191 アンテナ 192 テンキー(入力キー) 193 筐体 194 ボタン(スイッチ、制御部) 201 デェプレクサ 202 LNA 203 LOバッファ 204 ダウンコンバータ 205 アップコンバータ 206 PAプリドライバ 207 PA 241 ガラス基板 242 位置決めマーカ 251 凸部 252 凹凸部(エンボス加工部) 14a 1チップドライバIC 311 画像表示領域 312 非表示領域 351 カウンタ回路 352 輝度メモリ 353 CPU 354 フレーム(フィールドメモリ、SRAM) 355 切り替え回路 391 書き込み画素行 392 保持画素行 401 電圧源 402 電流源 403 電源切り替え手段 404 浮遊容量(寄生容量) 451 ボデー(筐体) 452 接眼リング 453 拡大レンズ(拡大手段) 454 正レンズ(凸レンズ) 461 撮影レンズ(撮影部) 462 ビデオカメラ本体 463 格納部 464 接眼カバー 465 表示モード切り替えスイッチ 466 蓋(ふた) 467 支点(回転部) 471 シャッタ 472 デジタルカメラ(電子カメラ)本体 481 外枠 482 固定部材 483 脚 484 脚取り付け部 491 壁 492 固定金具 493 保護フィルム(保護板、保護手段) 501 走査領域 601 ENBL端子(制御端子) 602 OR回路 851 シャッタ(遮光手段) 852 眼鏡(切り替え手段) 871 書き込み画素行 1221 電圧出力回路 1222 電流出力回路 1223 切り替え回路(アナログスイッチ) 1224 オペアンプ(出力バッファ) 1225 調整ボリウム(可変抵抗、調整手段) 1226 DAコンバータ(デジタル−アナログ変換手
段(器)) 1227 出力トランジスタ(トランジスタ、FET) 1228 抵抗 1321 信号配線 1751 画素コンタクト部 1761 保護膜(層) 1781 スペーサ 1791 点灯制御線 1981 ブロック(単位) 2041 スピーカー(音発生手段) 2043 ファンクションスイッチ(FSW) 2044 マイク(音入力手段) 2045 鏡(ミラー) 2046 表示パネル(表示装置) 2111 逆バイアス制御線 2561 絶縁膜 2621,2681 フレーム(フィールド)メモリ 2622 カウンタ回路 2623 データ変換回路 2682 加算回路(演算処理回路) 2683 ゲートドライバ制御回路 2691 データ制御回路 2692 データ変換回路 2751 バイアス抵抗(電子ボリウム、電流変更手
段) 2752 スイッチトランジスタ(選択スイッチ) 2753 親トランジスタ 2754 子トランジスタ 2791 光(の軌跡) 2801 屈折シート(板、フィルム) 2802 屈折部 2861 透明膜 2862 ローラー 2863 凹凸部(凹部) 2871 凸部 2881 メタルマスク 2901 プレス板(圧接手段、転写手段) 2902 光(UV光、可視光) 3001 電流サンプリング回路 3002 電流プログラム線 3271 バッファ回路 3272 OR回路 3491 デコーダ回路 3511 プリチャージ回路 3521 データシフト回路 3661 土手(リブ) 3662 第2画素電極 3781 電圧供給ソース信号線(信号供給配線) 3751 拡散シート(光散乱シート(板)、光拡散
部) 3791 反射板(反射手段、反射シート、光吸収板) 3792 穴(光出射穴) 3793 反射壁(遮光壁、遮光部、反射部) 2802c マイクロレンズ(光屈曲手段、微小屈曲
部) 3821 光散乱部(散乱膜、散乱材、光拡散部) 3871 光結合層(オプティカルカップリング材
(剤)、光結合部) 3872 凹レンズ(凹部) 3873 正レンズ(平凸レンズ) 3874 封止材(封止剤、封止部、封止手段) 3875 空気ギャップ 3881 電流倍率変換回路 3901 電流供給回路 3911 階調数制御回路 3921 電子ボリウム回路 3922 TFT(スイッチング素子のSDショート) 3931 ショートリング(短絡部) 3932,3933 端子電極(接続部) 3934,3935 プローブ(接続手段) 3951 レーザー照射装置(光(エネルギー)照射装
置、光ビーム照射装置) 3952 レーザー光(光ビーム) 3953 開口部 3941 切断箇所 3972 画素電極−カソードショート 4001 逆バイアス線 4003 ゲート電位制御線 4131 逆バイアス電圧印加ブロック 4132 逆バイアス電圧非印加ブロック 4141 逆バイアス共通線 4151 逆バイアス電圧印加画素行 4152 逆バイアス電圧非印加画素行 4341 AND回路 4351 白黒画像化処理回路 4352 反転処理回路 4381 リセット領域 4431 電流計(電流検出手段、電圧検出手段、欠陥
検出手段) 4441 電圧源(電圧印加手段、信号発生源)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 624 G09G 3/20 624B 641 641D 642 642A H05B 33/02 H05B 33/02 33/14 33/14 A Fターム(参考) 3K007 AB17 BB06 CA06 GA00 5C080 AA06 BB05 CC03 DD05 EE28 FF11 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 5C094 AA10 AA15 AA22 BA03 BA27 CA19 CA24 DA09 DB01 DB04 EA04 EA05 ED01 FB01 FB16 HA03 HA08 JA08 5G435 AA03 AA18 BB05 CC09 CC12 DD11 FF02 LL04 LL07 LL08 LL14

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 EL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ素子
    と、 前記駆動用トランジスタ素子にプログラムする電流を供
    給する電流供給信号線と、 前記電流供給信号線と前記駆動用トランジスタ素子とを
    接続する第1のスイッチング素子と、 前記駆動用トランジスタ素子のゲート端子に電圧を供給
    する第2のスイッチング素子と、 前記第2のスイッチング素子に接続された電圧供給信号
    線とを具備することを特徴とするEL表示パネル。
  2. 【請求項2】 EL素子と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記駆動用トランジスタ素子のゲート端子を共通にされ
    た第2のトランジスタ素子と、 前記第2のトランジスタ素子にプログラムする電流を供
    給する電流供給信号線と、 前記電流供給信号線と前記第2のトランジスタ素子とを
    接続する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子に電圧を供給
    する第2のスイッチング素子と、 前記第2のスイッチング素子に接続された電圧供給信号
    線と、 前記第1のトランジスタ素子と前記EL素子間に配置さ
    れた第3のスイッチング素子を具備することを特徴とす
    るEL表示パネル。
  3. 【請求項3】 第1の電極が形成された第1の基板と、 前記第1の電極上に形成されたEL層と、 前記EL層上に形成された第2の電極と、 前記第2の電極の上部に配置された周期的な屈折率分布
    を有する光屈折手段と、 前記光屈折手段上に配置された光拡散手段とを具備する
    ことを特徴とするEL表示装置。
  4. 【請求項4】 第1の電極が形成された第1の基板と、 前記第1の電極上に形成されたEL層と、 前記EL層上に形成された第2の電極と、 前記第2の電極の上部に配置され、周期的な開口部を有
    する遮光手段と、 前記遮光手段の開口部に一致した周期的な屈折率分布を
    有する光屈折手段と、 前記光屈折手段上に配置された光拡散手段とを具備する
    ことを特徴とするEL表示装置。
  5. 【請求項5】 第1の電極が形成された第1の基板と、 前記第1の電極上に形成されたEL層と、 前記EL層上に形成された第2の電極と、 前記第2の電極の上部に配置または形成された光拡散部
    と、 前記光拡散部の上部に、所定距離あけて配置された周期
    的な開口部を有する遮光手段と、 前記遮光手段の開口部に一致した周期的な屈折率分布を
    有する光屈折手段と、 前記光屈折手段上に配置された光拡散手段とを具備し、 前記光拡散部は、前記開口部の下部に位置するように配
    置または形成されていることを特徴とするEL表示装
    置。
  6. 【請求項6】 光屈折手段は、プリズムシートであるこ
    とを特徴とする請求項3または請求項4または請求項5
    記載のEL表示装置。
  7. 【請求項7】 光屈折手段は、マイクロレンズ基板であ
    ることを特徴とする請求項3または請求項4または請求
    項5記載のEL表示装置。
  8. 【請求項8】 透明電極が形成された第1の基板と、 前記透明電極上に形成されたEL層と、 前記EL層上に形成された反射電極とを具備し、 前記EL層から前記第1の基板が空気と接する界面まで
    の距離をt(m)とし、前記第1の基板の屈折率をnと
    した時、t ≧ (1/8)・√(n・n−1)の条件
    を満足することを特徴とするEL表示装置。
  9. 【請求項9】 第1の基板は、透明基板と凹レンズで構
    成されていることを特徴とする請求項8記載のEL表示
    装置。
  10. 【請求項10】 第1の電流を発生する第1の基準電流
    源と、 前記第1の電流と略同一の電流を発生する複数の第2の
    基準電流源と、 前記第2の基準電流源と略同一の電流を発生する複数の
    第3の基準電流源と、 前記第3の基準電流源の電流を流す配線と、 前記配線に流れる電流の大きさを変換する電流倍率変換
    手段とを具備することを特徴とするEL表示装置のドラ
    イバ回路。
  11. 【請求項11】 第1の電流を発生する第1の基準電流
    源と、 前記第1の電流と略同一の電流を発生する複数の第2の
    基準電流源と、 前記第2の基準電流源と略同一の電流を発生する複数の
    第3の基準電流源と、 前記第3の基準電流源の電流を流す配線と、 前記配線に流れる電流の大きさを変換する電流倍率変換
    手段と、 前記配線の電位を所定電位にするプリチャージ回路を具
    備し、 前記第3の基準電流源は、入力データに基づき、第3の
    基準電流源内部に有する単位電源がオンする個数が変化
    することを特徴とするEL表示装置のドライバ回路。
  12. 【請求項12】 第1の電流を発生する第1の基準電流
    源と、 前記第1の電流と略同一の電流を発生する複数の第2の
    基準電流源と、 前記第2の基準電流源と略同一の電流を発生する複数の
    第3の基準電流源と、 前記第3の基準電流源の電流を流す配線と、 前記配線に流れる電流の大きさを変換する電流倍率変換
    手段と、 前記配線の電位を所定電位にするプリチャージ回路と、 前記配線に所定の電流を流し込む電流供給回路を具備
    し、 前記第1の電流は、外部に配置した電圧設定手段で可変
    されることを特徴とするEL表示装置のドライバ回路。
  13. 【請求項13】 ドライバ回路の電源電圧は、EL表示
    装置の電源電圧を略一致していることを特徴とする請求
    項10または請求項11または請求項12記載のEL表
    示装置のドライバ回路。
  14. 【請求項14】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ
    素子と、前記第1のトランジスタ素子にプログラムする
    電流を供給する電流供給信号線と、前記電流供給信号線
    と前記第1のトランジスタ素子とを接続する第1のスイ
    ッチング素子と、前記第1のトランジスタ素子のゲート
    端子とドレイン端子をショートする第2のスイッチング
    素子とを有するEL表示装置にあって、 前記第1および第2のスイッチング素子をオンさせ、前
    記電流供給線に黒表示電流をプログラムする第1の動作
    と、 前記第1の動作後に、前記電流供給線に出力される電流
    を検出する第2の動作と、 前記第1および第2のスイッチング素子をオンさせ、前
    記電流供給線に白表示電流をプログラムする第3の動作
    と、 前記第3の動作後に、前記電流供給線に出力される電流
    を検出する第4の動作とを行うことを特徴とするEL表
    示パネルの検査方法。
  15. 【請求項15】 マトリックス状に形成されたEL層
    と、前記EL層に電流を供給する駆動用トランジスタ素
    子と、前記駆動用トランジスタ素子にプログラムする電
    流または電圧を供給する第1の信号線と、前記第1の信
    号線と前記駆動用トランジスタ素子とを接続する第1の
    スイッチング素子とを有する第1の基板と、 前記EL層上に形成された反射膜とを具備し、 前記反射膜の所定箇所に、マトリックス状に開口部が形
    成されていることを特徴とするEL表示装置。
  16. 【請求項16】 マトリックス状に形成されたEL層
    と、前記EL層に電流を供給する駆動用トランジスタ素
    子と、前記駆動用トランジスタ素子にプログラムする電
    流または電圧を供給する第1の信号線と、前記第1の信
    号線と前記駆動用トランジスタ素子とを接続する第1の
    スイッチング素子とを有する第1の基板と、 前記EL層上に形成された反射膜とを具備し、前記反射
    膜の所定箇所に、マトリックス状に開口部が形成された
    EL表示装置であって、 前記開口部にレーザー光を照射することにより、前記駆
    動用トランジスタ素子からの電流が前記EL層に供給さ
    れないようにすることを特徴とするEL表示装置の修正
    方法。
  17. 【請求項17】 少なくともEL層の一方の電極が透明
    電極であるEL表示装置にあって、 前記透明電極に光を照射し、前記EL層の材料を変質ま
    たは、EL層の構造を破壊することにより、前記EL層
    が発光しないようにすることを特徴とするEL表示装置
    の修正方法。
  18. 【請求項18】 EL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ素子
    と、 前記駆動用トランジスタ素子と前記EL素子間に配置さ
    れた第1のスイッチング素子と、 前記EL素子の1端子に接続された第2のスイッチング
    素子と、 前記第2のスイッチング素子の1端子に供給される逆バ
    イアス電圧源とを具備し、 前記第2のスイッチング素子がオン状態の時、前記第1
    のスイッチング素子はオフ状態となるように制御される
    ことを特徴とするEL表示パネル。
  19. 【請求項19】 駆動用トランジスタ素子は、Pチャン
    ネルトランジスタ素子であり、 第2のスイッチング素子は、Nチャンネルトランジスタ
    素子であることを特徴とする請求項18記載のEL表示
    パネル。
  20. 【請求項20】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ
    素子と、前記駆動用トランジスタ素子と前記EL素子間
    に配置された第1のスイッチング素子と、前記EL素子
    の1端子に接続された第2のスイッチング素子とを有す
    るEL表示パネルと、 前記第1のスイッチング素子を制御する第1の信号線が
    接続された第1のゲートドライバ回路と、 前記第2のスイッチング素子を制御する第2の信号線が
    接続された第2のゲートドライバ回路とを具備し、 前記第1のゲートドライバ回路は、前記第1の信号線
    に、前記第1のスイッチング素子をオンオフさせる信号
    を供給し、 前記第2のゲートドライバ回路は、前記第2の信号線
    に、逆バイアス電圧を供給することを特徴とするEL表
    示装置。
  21. 【請求項21】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ
    素子と、前記駆動用トランジスタ素子と前記EL素子間
    に配置された第1のスイッチング素子と、前記EL素子
    の1端子に接続された第2のスイッチング素子を有する
    EL表示パネルであって、 前記第1のスイッチング素子をオンオフさせる第1の信
    号と、前記第2のスイッチング素子に供給する逆バイア
    ス電圧信号とが逆極性の関係にあり、 前記EL表示パネル内で、第1の逆バイアス電圧信号と
    第2の逆バイアス電圧信号が分散して印加され、 前記第1の逆バイアス電圧信号と第2の逆バイアス電圧
    信号とは逆極性の関係にあることを特徴とするEL表示
    装置の駆動方法。
  22. 【請求項22】 EL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ素子
    と、 前記駆動用トランジスタ素子と前記EL素子間に配置さ
    れた第1のスイッチング素子と、 前記EL素子の1端子に接続された第2のスイッチング
    素子と、 複数の前記第2のスイッチング素子の1端子を共通にす
    る共通信号線と、 前記共通信号線に供給される逆バイアス電圧源とを具備
    し、 前記共通信号線は複数本形成され、 前記複数のEL素子がブロックごとに逆バイアス電圧を
    印加できるように構成されていることを特徴とするEL
    表示装置。
  23. 【請求項23】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する駆動用トランジスタ
    素子と、前記駆動用トランジスタ素子にプログラムする
    電流を供給する電流供給信号線と、前記電流供給信号線
    と前記駆動用トランジスタ素子とを接続する第1のスイ
    ッチング素子と、前記駆動用トランジスタ素子のゲート
    端子とドレイン端子をショートする第2のスイッチング
    素子と、前記駆動用トランジスタ素子と前記EL素子間
    に形成された第3のスイッチング素子を有するEL表示
    装置にあって、 画素行単位で前記第2のスイッチング素子をオンさせる
    第1の動作と、 前記第1の動作後、前記第1のスイッチング素子および
    前記第2のスイッチング素子をオンさせて、電流供給線
    からの電流を前記駆動用トランジスタ素子に書き込む第
    2の動作と、 前記第2の動作後、前記第3のスイッチング素子をオン
    させて、前記駆動用トランジスタ素子の電流を前記EL
    素子に供給する第3の動作を行うことを特徴とするEL
    表示装置の駆動方法。
  24. 【請求項24】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ
    素子と、前記第1のトランジスタ素子とゲート端子を共
    通化された第2のトランジスタ素子と、前記第2のトラ
    ンジスタ素子にプログラムする電流を供給する電流供給
    信号線と、前記電流供給信号線と前記第2のトランジス
    タ素子とを接続する第1のスイッチング素子と、前記第
    2のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端子をシ
    ョートする第2のスイッチング素子と、前記第1のトラ
    ンジスタ素子と前記EL素子間に形成された第3のスイ
    ッチング素子を有するEL表示装置にあって、 画素行単位で前記第2のスイッチング素子をオンさせ、
    前記第2のトランジスタ素子をオフ状態にする第1の動
    作と、 前記第1の動作後、前記第1のスイッチング素子および
    前記第2のスイッチング素子をオンさせて、電流供給線
    からの電流を前記第2のトランジスタ素子に書き込む第
    2の動作と、 前記第2の動作後、前記第3のスイッチング素子をオン
    させて、前記第1のトランジスタ素子の電流を前記EL
    素子に供給する第3の動作と、 前記第3のスイッチング素子をオンオフさせて、前記E
    L素子への供給電流を制御する第4の動作を行うことを
    特徴とするEL表示装置の駆動方法。
  25. 【請求項25】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子とゲート端子を共通化され
    た第2のトランジスタ素子と、 前記第2のトランジスタ素子にプログラムする電流を供
    給する電流供給信号線と、 前記電流供給信号線と前記第2のトランジスタ素子とを
    接続する第1のスイッチング素子と、 前記第2のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第2のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子と前記EL素子間に形成さ
    れた第3のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第4のスイッチング素子を具備するこ
    とを特徴とするEL表示パネル。
  26. 【請求項26】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子に電圧を供給
    する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第2のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子と前記EL素子間に形成さ
    れた第3のスイッチング素子を具備することを特徴とす
    るEL表示パネル。
  27. 【請求項27】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ
    素子と、前記第1のトランジスタ素子のゲート端子に電
    圧を供給する第1のスイッチング素子と、前記第1のト
    ランジスタ素子のゲート端子とドレイン端子をショート
    する第2のスイッチング素子と、前記第1のトランジス
    タ素子と前記EL素子間に形成された第3のスイッチン
    グ素子を有するEL表示パネルであって、 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング
    素子をオフさせ、かつ、前記第3のスイッチング素子を
    オンさせる第1の動作と、 前記第1の動作後、前記第1のスイッチング素子と前記
    第3のスイッチング素子をオフさせ、かつ、前記第2の
    スイッチング素子をオンさせて、前記第1のトランジス
    タ素子のリセット状態にする第2の動作と、 前記第2の動作後、前記第2のスイッチング素子と前記
    第3のスイッチング素子をオフさせ、かつ、前記第1の
    スイッチング素子をオンさせて、前記第1のトランジス
    タ素子のゲート端子に電圧を印加する第3の動作と、 前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング
    素子をオフさせ、かつ、前記第3のスイッチング素子を
    オンさせて、前記第1のトランジスタ素子の電流を前記
    EL素子に供給する第4の動作を行うことを特徴とする
    EL表示装置の駆動方法。
  28. 【請求項28】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ
    素子と、前記第1のトランジスタ素子のゲート端子に電
    流または電圧を供給する第1のスイッチング素子と、前
    記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端子
    をショートする第2のスイッチング素子を有するEL表
    示パネルと、 前記第1のスイッチング素子を制御する第1の信号線
    と、 前記第2のスイッチング素子を制御する第2の信号線
    と、 前記第1の信号線および第2の信号線が接続されたゲー
    トドライバ回路とを具備し、 前記ゲートドライバ回路は、少なくとも1つのシフトレ
    ジスタ回路を有し、 前記シフトレジスタ回路の複数の出力の論理和をとった
    出力が前記第2の信号線に印加されるように構成されて
    いることを特徴とするEL表示装置。
  29. 【請求項29】 EL表示パネルと、 画像データをメモリする記憶手段と、 前記画像データの大きさを求める演算手段と、 前記演算手段の結果が所定値以上の時、前記記憶手段か
    ら読み出す画像データを反転させるデータ反転手段を具
    備することを特徴とするEL表示装置。
  30. 【請求項30】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ
    素子と、前記第1のトランジスタ素子と前記EL素子間
    に配置された第1のスイッチング素子と、前記第1のト
    ランジスタ素子のゲート端子とドレイン端子をショート
    する第2のスイッチング素子と、前記EL素子に逆バイ
    アス電圧を供給する第3のスイッチング素子を有するE
    L表示パネルにあって、 前記第1のスイッチング素子をオフさせ、かつ、第2の
    スイッチング素子と第3のスイッチング素子をオンさせ
    る第1の動作と、 前記第1の動作後に、前記第1のスイッチング素子と第
    3のスイッチング素子をオンさせ、かつ、第2のスイッ
    チング素子をオフさせ、前記第3のスイッチング素子に
    流れる電流を検出する第2の動作を行うことを特徴とす
    るEL表示パネルの検査方法。
  31. 【請求項31】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子にプログラム電流または電
    圧を供給する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第2のスイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第1の信号線と、 前記第2のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第2の信号線を具備し、 前記第2の信号線は、任意の画素行の前に選択される画
    素行の第1の信号線と接続されていることを特徴とする
    EL表示装置。
  32. 【請求項32】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子にプログラム電流または電
    圧を供給する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とソース端子
    をショートする第2のスイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第1の信号線と、 前記第2のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第2の信号線を具備し、 前記第2の信号線は、任意の画素行の前に選択される画
    素行の第1の信号線と接続され、 前記任意の画素行は、少なくとも1水平走査期間以上前
    に、前記第2の信号線にオン電圧が印加されるように構
    成されていることを特徴とするEL表示装置。
  33. 【請求項33】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子にプログラム電流または電
    圧を供給する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第2のスイッチング素子および第3の
    スイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子および第2のスイッチング
    素子をオンオフする信号を伝達する第1の信号線と、 前記第3のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第2の信号線を具備し、 前記第2の信号線は、任意の画素行の前に選択される画
    素行の第1の信号線と接続されていることを特徴とする
    EL表示装置。
  34. 【請求項34】 マトリックス状に形成されたEL素子
    と、 前記EL素子に電流を供給する第1のトランジスタ素子
    と、 前記第1のトランジスタ素子にコンデンサを介してプロ
    グラム電圧を供給する第1のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子のゲート端子とドレイン端
    子をショートする第2のスイッチング素子と、 前記第1のトランジスタ素子と前記EL素子間に形成さ
    れた第3のスイッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第1の信号線と、 前記第2のスイッチング素子をオンオフする信号を伝達
    する第2の信号線を具備し、 前記第2の信号線は、任意の画素行の前に選択される画
    素行の第1の信号線と接続されていることを特徴とする
    EL表示装置。
JP2002011368A 2002-01-21 2002-01-21 El表示パネルとel表示装置およびその駆動方法および表示装置の検査方法とel表示装置のドライバ回路 Withdrawn JP2003216100A (ja)

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