JP2009104147A - El表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】EL表示装置において、ダイナミックレンジが広く、かつ高画質表示、高コントラストな表示を実現する。
【解決手段】EL素子を有する画素がマトリックス状に配置された表示画面を有するEL表示装置の駆動方法であって、EL表示装置に入力された映像データを集計し、その集計した結果に基づいて、画像表示のダイナミックレンジを変化させる。映像データの集計は、画素の各色で重み付けして集計する。また、映像データの集計結果に基づいて、画素のEL素子に流す電流の最大値または発光輝度の最大値を変化させる。
【選択図】図89

Description

本発明は、有機または無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いたEL表示パネルなどの自発光表示パネルに関するものである。また、これらの表示パネルの駆動回路(IC)に関するものである。EL表示パネルの駆動方法と駆動回路およびそれらを用いた情報表示装置などに関するものである。
一般に、アクティブマトリクス型表示装置では、多数の画素をマトリクス状に並べ、与えられた映像信号に応じて画素毎に光強度を制御することによって画像を表示する(例えば、特許文献1参照。)。たとえば、電気光学物質として液晶を用いた場合は、各画素に書き込まれる電圧に応じて画素の透過率が変化する。電気光学変換物質として有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたアクティブマトリクス型の画像表示装置は画素に書き込まれる電流に応じて発光輝度が変化する。
液晶表示パネルは、各画素はシャッタとして動作し、バックライトからの光を画素であるシャッタでオンオフさせることにより画像を表示する。有機EL表示パネルは各画素に発光素子を有する自発光型である。そのため、有機EL表示パネルは、液晶表示パネルに比べて画像の視認性が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の利点を有する。
有機EL表示パネルは各発光素子(画素)の輝度は電流量によって制御される。つまり、発光素子が電流駆動型あるいは電流制御型であるという点で液晶表示パネルとは大きく異なる。
有機EL表示パネルも単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式の構成が可能である。前者は構造が単純であるものの大型かつ高精細の表示パネルの実現が困難である。しかし、安価である。後者は大型、高精細表示パネルを実現できる。しかし、制御方法が技術的に難しい、比較的高価であるという課題がある。現在では、アクティブマトリクス方式の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式は、各画素に設けた発光素子に流れる電流を画素内部に設けた薄膜トランジスタ(トランジスタ)によって制御する。
このアクティブマトリクス方式の有機EL表示パネルは、特開平8−234683号公報に開示されている。この表示パネルの一画素分の等価回路を図46に示す。画素16は発光素子であるEL素子15、第1のトランジスタ11a、第2のトランジスタ11bおよび蓄積容量19からなる。15は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子である。本発明では、EL素子15に電流を供給(制御)するトランジスタ11aを駆動用トランジスタ11と呼ぶ。また、図46のトランジスタ11bのように、スイッチとして動作するトランジスタをスイッチ用トランジスタ11と呼ぶ。
EL素子15は多くの場合、整流性があるため、OLED(有機発光ダイオード)と呼ばれることがある。図46などではEL素子15としてダイオードの記号を用いている。
ただし、本発明における発光素子はOLEDに限るものではなく、素子15に流れる電流量によって輝度が制御されるものであればよい。たとえば、無機EL素子が例示される。その他、半導体で構成される白色発光ダイオードが例示される。また、一般的な発光ダイオードが例示される。その他、発光トランジスタでもよい。また、発光素子は必ずしも整流性が要求されるものではない。双方向性ダイオードであってもよい。本発明のEL素子15はこのいずれでもよい。
図46の例では、Pチャンネル型のトランジスタ11aのソース端子(S)をVdd(電源電位)とし、EL素子15のカソード(陰極)は接地電位(Vss)に接続される。一方、アノード(陽極)はトランジスタ11bのドレイン端子(D)に接続されている。一方、Pチャンネル型のトランジスタ11aのゲート端子はゲート信号線17aに接続され、ソース端子はソース信号線18に接続され、ドレイン端子は蓄積容量19およびトランジスタ11aのゲート端子(G)に接続されている。
画素16を動作させるために、まず、ゲート信号線17aを選択状態とし、ソース信号線18に輝度情報を表す映像信号を印加する。すると、トランジスタ11aが導通し、蓄積容量19が充電又は放電され、トランジスタ11bのゲート電位は映像信号の電位に一致する。ゲート信号線17aを非選択状態とすると、トランジスタ11aがオフになり、トランジスタ11bは電気的にソース信号線18から切り離される。しかし、トランジスタ11aのゲート電位は蓄積容量(コンデンサ)19によって安定に保持される。トランジスタ11aを介してEL素子15に流れる電流は、トランジスタ11aのゲート/ソース端子間電圧Vgsに応じた値となり、EL素子15はトランジスタ11aを通って供給される電流量に応じた輝度で発光し続ける。
特開2001−147659号公報
液晶表示パネルは、自発光デバイスではないため、バックライトを用いないと画像を表示できないという問題点がある。バックライトを構成するためには所定の厚みが必要であるため、表示パネルの厚みが厚くなるという問題があった。また、液晶表示パネルでカラー表示を行うためには、カラーフィルターを使用する必要がある。そのため、光利用効率が低いという問題点があった。また、色再現範囲が狭いという問題点があった。
有機EL表示パネルは、低温ポリシリコントランジスタアレイを用いてパネルを構成する。しかし、EL素子は、電流により発光するため、トランジスタの特性にバラツキがあると、表示ムラが発生するという課題があった。
表示ムラは、画素を電流プログラム方式の構成を採用することにより低減することが可能である。電流プログラムを実施するためには、電流駆動方式のドライバ回路が必要である。しかし、電流駆動方式のドライバ回路にも電流出力段を構成するトランジスタ素子にバラツキが発生する。そのため、各出力端子からの階調出力電流にバラツキが発生し、良好な画像表示ができないという課題があった。
上記の課題を解決するための第1の本発明は、ゲート信号線と、ソース信号線と、プログラム電流を出力するソースドライバ回路と、ゲートドライバ回路と、マトリックス状に配置されたEL素子と、前記EL素子に流す電流を供給する駆動用トランジスタと、前記EL素子の電流経路に配置された第1のトランジスタと、前記駆動用トランジスタに前記プログラム電流を伝達する経路を構成する第2のトランジスタとを具備し、前記ソースドライバ回路は、前記ソース信号線に前記プログラム電流を出力し、前記ゲートドライバ回路は、前記ゲート信号線に接続され、前記第2のトランジスタのゲート端子は、前記ゲート信号線に接続され、前記第2のトランジスタのソース端子は、前記ソース信号線に接続され、前記第2のトランジスタのドレイン端子は、前記駆動用トランジスタのドレイン端子に接続され、前記ゲートドライバ回路は、複数の前記ゲート信号線を選択して、前記プログラム電流を複数の画素の前記駆動用トランジスタに供給するEL表示装置である。
この目的を達成するために本発明のEL表示パネル(EL表示装置)のドライバ回路は、単位電流を出力する複数のトランジスタを具備し、このトランジスタの個数を変化させることにより出力電流を出力するものである。また、多段のカレントミラー回路で構成されたことを特徴としている。信号の受け渡しが電圧受け渡しとなるトランジスタ群は密に形成し、カレントミラー回路の群との信号の受け渡しは、電流受け渡しの構成を採用する。また、基準電流は、複数のトランジスタで行う。
本発明のソースドライバ回路は、カントミラー回路を構成するトランジスタが隣接するように形成しているので、しきい値のずれによる出力電流のばらつきが小さく。したがって、EL表示パネルの輝度むらの発生を抑制することが可能となり、その実用的効果は大きい。
また、本発明の表示パネル、表示装置等は、高画質、良好な動画表示性能、低消費電力、低コスト化、高輝度化等のそれぞれの構成に応じて特徴ある効果を発揮する。
なお、本発明を用いれば、低消費電力の情報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。また、高精細の表示パネルであっても十分に対応できる。したがって、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
本明細書において各図面は理解を容易にまたは/および作図を容易にするため、省略または/および拡大縮小した箇所がある。たとえば、図11に図示する表示パネルの断面図では薄膜封止膜111などを十分厚く図示している。一方、図10において、封止フタ85は薄く図示している。また、省略した箇所もある。たとえば、本発明の表示パネルなどでは、反射防止のために円偏光板などの位相フィルムが必要である。しかし、本明細書の各図面では省略している。以上のことは以下の図面に対しても同様である。また、同一番号または、記号等を付した箇所は同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作を有する。
なお、各図面等で説明した内容は特に断りがなくとも、他の実施例等と組み合わせることができる。たとえば、図8の表示パネルにタッチパネルなどを付加し、図157、図159から図161に図示する情報表示装置とすることができる。また、拡大レンズ1582を取り付け、ビデオカメラ(図159など参照のこと)などに用いるビューファインダ(図58を参照のこと)を構成することもできる。また、図4、図15、図18、図21、図23、図29、図30、図35、図36、図40、図41、図44、図100などで説明した本発明の駆動方法は、いずれの本発明の表示装置または表示パネルに適用することができる。
なお、本明細書では、駆動用トランジスタ11、スイッチング用トランジスタ11は薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。また、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもものでもよい。基板71をシリコンウエハで形成すればよい。もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。つまり、本発明のトランジスタ素子11、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路14などは、これらのいずれでも使用することができる。
以下、本発明のELパネルについて図面を参照しながら説明をする。有機EL表示パネルは、図10に示すように、画素電極としての透明電極105が形成されたガラス板71(アレイ基板)上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層(EL層)15、及び金属電極(反射膜)(カソード)106が積層されたものである。透明電極(画素電極)105である陽極(アノード)にプラス、金属電極(反射電極)106の陰極(カソード)にマイナスの電圧を加え、すなわち、透明電極105及び金属電極106間に直流を印加することにより、有機機能層(EL層)15が発光する。
金属電極106には、リチウム、銀、アルミニウム、マグネシウム、インジウム、銅または各々の合金等の仕事関数が小さなものを用いることが好ましい。特に、例えばAl−Li合金を用いることが好ましい。また、透明電極105には、ITO等の仕事関数の大きな導電性材料または金等を用いることができる。なお、金を電極材料として用いた場合、電極は半透明の状態となる。なお、ITOはIZOなどの他の材料でもよい。この事項は他の画素電極105に対しても同様である。
なお、封止フタ85とアレイ基板71との空間には乾燥剤107を配置する。これは、EL膜15は湿度に弱いためである。乾燥剤107によりシール剤を浸透する水分を吸収しEL膜15の劣化を防止する。
図10はガラスのフタ85を用いて封止する構成であるが、図11のようにフィルム(薄膜でもよい。つまり、薄膜封止膜である)111を用いた封止であってもよい。たとえば、封止フィルム(薄膜封止膜)111としては電解コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿性能が高い)。このフィルムを封止膜111として用いる。また、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)膜などを電極106の表面に直接蒸着する構成ものよいことは言うまでもない。その他、樹脂薄膜と金属薄膜を多層に積層して、薄膜封止膜を構成してもよい。
薄膜の膜厚はn・d(nは薄膜の屈折率、複数の薄膜が積層されている場合はそれらの屈折率を総合(各薄膜のn・dを計算)にして計算する。dは薄膜の膜厚、複数の薄膜が積層されている場合はそれらの屈折率を総合して計算する。)が、EL素子15の発光主波長λ以下となるようにするとよい。この条件を満足させることにより、EL素子15からの光取り出し効率が、ガラス基板で封止した場合に比較して2倍以上になる。また、アルミニウムと銀の合金あるいは混合物あるいは積層物を形成してもよい。
以上のようにフタ85を用いず、封止膜111で封止する構成を薄膜封止と呼ぶ。基板71側から光を取り出す「下取り出し(図10を参照、光取り出し方向は図10の矢印方向である)」の場合の薄膜封止は、EL膜を形成後、EL膜上にカソードとなるアルミ電極を形成する。次にこのアルミ膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。緩衝層としては、アクリル、エポキシなどの有機材料が例示される。また、膜厚は1μm以上10μm以下の厚みが適する。さらに好ましくは、膜厚は2μm以上6μm以下の厚みが適する。この緩衝膜上の封止膜74を形成する。緩衝膜がないと、応力によりEL膜の構造が崩れ、筋状に欠陥が発生する。封止膜111は前述したように、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)、あるいは電界コンデンサの層構造(誘電体薄膜とアルミ薄膜とを交互に多層蒸着した構造)が例示される。
EL層15側から光を取り出す「上取り出し図11を参照、光取り出し方向は図11の矢印方向である」の場合の薄膜封止は、EL膜15を形成後、EL膜15上にカソード(アノード)となるAg−Mg膜を20オングストローム以上300オングストロームの膜厚で形成する。その上に、ITOなどの透明電極を形成して低抵抗化する。次にこの電極膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。この緩衝膜上に封止膜111を形成する。
EL層15から発生した光の半分は、反射膜106で反射され、アレイ基板71と透過して出射される。しかし、反射膜106には外光を反射し写り込みが発生して表示コントラストを低下させる。この対策のために、アレイ基板71にλ/4板108および偏光板(偏光フィルム)109を配置している。これらは一般的に円偏光板(円偏光シート)と呼ばれる。
なお、画素が反射電極の場合はEL層15から発生した光は上方向に出射される。したがって、位相板108および偏光板109は光出射側に配置することはいうまでもない。なお、反射型画素は、画素電極105を、アルミニウム、クロム、銀などで構成して得られる。また、画素電極105の表面に、凸部(もしくは凹凸部)を設けることでEL層15との界面が広くなり発光面積が大きくなり、また、発光効率が向上する。なお、カソード106(アノード105)となる反射膜を透明電極に形成する、あるいは反射率を30%以下に低減できる場合は、円偏光板は不要である。写り込みが大幅に減少するからである。また、光の干渉も低減し望ましい。
EL表示パネルのEL素子15から放射される光は指向性がないため、また、この光はEL素子15が形成された基板71を介して外部の空間に出射される。そのため、屈折率の高い基板(屈折率は1.5程度)から、空間(屈折率1.0)に光が出射される際、2/3の光はスネルの法則に基づく臨界角以上となり、空間に出射されない(つまり、EL素子15が発生した光の2/3は基板71からでることができない)。基板71に閉じ込められた光は、基板71内で乱反射しハレーション(図420を参照のこと。基板71内を光4093が乱反射する)となり、EL表示パネルの表示コントラストを低下させる。また、発熱の要因となり好ましいことではない。
この課題を解決するために、本発明では、図410に図示するように、土手(リブ)101材料として、光吸収材料を用いている。以後、光吸収材料で形成した土手を光吸収土手4101と呼ぶ。光吸収土手4101とすることにより、基板71などで発生するハレーションの発生を防止でき、表示コントラストを格段に向上できる。
つまり、図420に図示するように、基板71内で乱反射する光4093が光吸収膜4101(4102)で吸収される。なお、光吸収膜4102(4101)は図421に図示するように、有効領域A(画像表示に有効な光が通過する画面50(画像表示に有効な光が出射する領域)以外の無効領域(有効領域A以外)に形成または配置することが好ましい。また、図422に図示するように、封止フタ85にも光吸収膜4102(4101)を形成または配置することが好ましい。特に封止フタ85を黒色材料などで形成することも有効である。
光吸収膜を構成する物質としては、アクリル樹脂などの有機材料にカーボンを含有させたもの、黒色の色素あるいは顔料を有機樹脂中に分散させたもの、カラーフィルターの様にゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色したものが例示される。その他、単一で黒色となるフルオラン系色素を発色させて用いたものでもよく、緑色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることもできる。また、スパッタにより形成されたPrMnO3膜、プラズマ重合により形成されたフタロシアニン膜等が例示される。
以上の材料はすべて黒色の材料であるが、光吸収膜としては、表示素子が発生する光色に対し、補色の関係の材料を用いても良い。例えば、カラーフィルター用の光吸収材料を望ましい光吸収特性が得られるように改良して用いれば良い。基本的には前記した黒色吸収材料と同様に、色素を用いて天然樹脂を染色したものを用いても良い。また、色素を合成樹脂中に分散した材料を用いることができる。色素の選択の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広く、アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。
また、光吸収膜としては金属材料を用いてもよい。たとえば、六価クロムが例示される。六価クロムは黒色であり、光吸収膜として機能する。その他、オパールガラス、酸化チタンなどの光散乱材料であってもよい。光を散乱させることにより、結果的に光を吸収することと等価になるからである。
また、図411に図示するように、画素16を構成するトランジスタ11の領域(トランジスタ形成領域4111)にも光吸収膜4102を形成または配置することが好ましい。トランジスタ11に光が入射するとホトコンダクタ現象が発生し、トランジスタのオフ特性が悪くなるからである。
なお、光吸収膜4102は、ゲートドライバ回路12の裏面にも形成し、基板71に閉じ込められた光が前記ドライバ回路12に入射しないようにする。同様に、ソースドライバ回路(IC)14の裏面にも形成することが好ましい。これは、図271でベースアノード線2631を形成するのと同様の理由からである。
EL表示パネルでは、EL素子15部に外部の水分が侵入することを防止するため、封止フタ85と基板71とをはりあわせる。その際、狭額縁化を実現するために、はり合わせ箇所をゲートドライバ回路12の上にしている。しかし、はり合わせ部に圧力がかかると、この圧力のために、ゲートドライバ回路12が破壊することがある。特に、はり合わせ箇所の接着層4123を均一にするため、接着層4123を構成する接着材にビーズ4121を混入させる(図412を参照のこと)。このビーズ4121が加圧されて、ゲートドライバ回路12にめり込み、ゲートドライバ回路12を破壊することがある。なお、ゲートドライバ回路12などの構成については後ほど説明する。
この課題に対して、本発明では、ゲートドライバ回路12上に層間絶縁膜102を形成している。層間絶縁膜102の膜厚は0.5μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。特に、0.8μm以上1.6μm以下とすることが好ましい。さらに層間絶縁膜102上に土手101の形成と同時に形成した光吸収土手4101(土手材料4124)を形成している。なお、便宜上、光吸収土手4101と記載するが、ゲートドライバ回路12上に形成した土手は、土手としての機能を発揮するものではなく、ビーズ4121のめり込みによるゲートドライバ回路12の破壊を防止することを主目的とするものである。
光吸収土手4101は、ゲートドライバ回路12に入射する光を遮光する効果も発揮する。光吸収土手4101の膜厚は、画素16の土手101の高さと同一の高さをなる。光吸収土手4101の膜厚は、0.5μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。特に、0.8μm以上1.6μm以下とすることが好ましい。なお、光吸収土手4101の主材料はアクリル系の樹脂材料を用いることが好ましい。
さらに、光吸収土手4101上にカソード電極とするアルミニウム薄膜106を形成している。アルミニウム薄膜106は、画素16のカソード電極と同時に形成する。アルミニウム薄膜106を形成することにより、防湿性能が格段に向上する。アルミニウム薄膜106の膜厚は、0.1μm以上1.5μm以下とすることが好ましい。特に、0.2μm以上1.0μm以下とすることが好ましい。なお、この薄膜はアルミニウムに限定するものではなく、カソード電極を構成する材料で形成すればよい。
以上のように、ゲートドライバ回路12上に、層間絶縁膜102、光吸収土手4101、アルミニウム薄膜106を形成することにより、封止フタ85の取り付けによるゲートドライバ回路12の破壊はなくなる。また、十分な防湿性を得ることができる。
特に、図412では、矢印で示すように、アルミニウム薄膜106で光吸収土手4101、層間絶縁膜102の側面部まで被覆している。この被覆により水分の浸入を完全に防止することができる。さらに好ましくは、アルミニウム薄膜106上に無機材料からなる薄膜を形成すること好ましい。無機材料からなる薄膜とは、SiO2、SiNxが例示される。その他、Al2O3、Ta2O3などであってもよいことは言うまでもない。無機材料からなる薄膜は0.1μm以上形成することが好ましい。また、図412に図示する側面にも形成する。なお、薄膜は、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)を蒸着したものを用いてもよい。
ビーズ4121の直径は、5μm以上30μm以下が好ましく、さらには、8m以上15μm以下が好ましい。また、接着層4123の幅は、0.8mm以上2mm以下とすることが好ましい。また、ビーズの材質は、樹脂ビーズを用いることが好ましい。
図412の実施例では、ゲートドライバ回路12上に封止フタ85の接着層4123を配置するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図413に図示するように、ゲートドライバ回路12上を避けて接着層4123を配置してもよい。図413のように構成することにより、ビーズ4121などによる、ゲートドライバ回路12の破壊はなくなる。
図413では、接着層4123はゲートドライバ回路12の電源配線4131上には形成している。電源配線4131に圧力が印加されても破壊することがないからである。図414のBで示す範囲が、封止フタ85と接着する接着層4123を塗布する範囲(接着の範囲)である。ゲートドライバ回路12には、電源配線4131から電圧供給線4141で電圧が供給されている。
ビーズ4121を用いずに、接着層4123の膜厚を均一にするためには、図415に図示するように、封止フタ85に凸部4151を形成すればよい(図415の点線で示す)。凸部4151をプレス加工することにより容易に形成できる。凸部4151は封止フタ85に形成することに限定するものではなく、基板71側に形成してもよい。
凸部4151の下層には、図415に図示するように、ゲートドライバ回路12は配置されないようにすることが好ましい。また、図416に図示するようにソースドライバ回路14も基板71に直接形成する場合は、ソースドライバ14上も避けて形成することが好ましい。ただし、図416のように凸部4151を線状(4151a、4151b)に形成すると塗布した接着剤(接着層4123となる)の逃げ場がない。したがって、図417に図示するように凸部4151はドット状に形成あるいは配置することが好ましい。このドット状とは、図416のように、完全に途切れることがない線状以外の状態を意味する。線状の凸部4151であっても、その一部が途切れていればそこが接着剤の逃げ場となるからである。したがって、ドット状とは、線状であってもよい。その他の構成は、図412と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
図412は封止フタ85により、封止する構成であった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、図418に図示するように、薄膜111で封止してもよい(薄膜封止膜111)。他の構成は図412と同様である。先にも説明したように、薄膜封止膜111は電解コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。防湿性が非常に良好である。このフィルムを封止膜111して用いる。また、DLC膜などを電極106の表面に直接蒸着する構成ものよいことは言うまでもない。
ソースドライバ回路14として、ソースドライバICをCOG実装(チップ オン ガラス実装工法)する場合は、実装に注意を払う必要がある。EL素子15を構成するEL材料はガラス転移温度が低く、COG実装時の加熱により劣化する恐れがあるからである。一般的に有機EL材料は、100度(摂氏)以上の温度が1分間印加されると特性劣化を引き起こす。
この課題に対処するためには、COG実装するドライバICとEL膜が形成された箇所(表示画面50)までの距離を一定以上離せばよい。実験によれば、COG実装時に印加される最高加熱温度をCとし、COG実装するICの端子位置端から一番近いEL素子形成部までの距離をKとした時、K(mm) > C/120(mm)の関係を満足させることが好ましい。さらに好ましくは、K(mm) > C/100(mm)の関係を満足させることが好ましい。
この条件が満足できない場合は、図419に図示するように、COG実装時に、ICチップと表示画面50間に、放熱板4191(放熱手段)を配置して行う。放熱板4191により、COG実装時の熱が、表示画面50にまで伝達されることを防止できる。放熱板4191とは、金属など、基板71を構成する材料よりも熱伝導率が良好なものであればいずれの構成あるいは材料でもよい。
図418のように、薄膜封止構成を採用する場合は、封止薄膜111に金属板4231などを配置または取り付け、放熱させることも有効である(図423)。封止薄膜111上にシリコン材料からなる接着剤を塗布し、放熱効果のある金属板4231などを配置する。もちろん、金属板(金属シート)4231に限定するものではなく、放熱効果があればいずれの材料でもよい。たとえば、ダイヤモンド薄膜、カーボンなどの有機材料が例示される。なお、接着層4123は必ず必要なものではなく、封止薄膜111に金属板4231を密着する構成でもよい。
さらに放熱効果を良好なものとするには、図426に図示するように、金属板4231の表面に凹凸を形成すればよい。
図423に図示するように、封止薄膜111の全面に接着層4123を塗布すると、接着層が硬化する時の収縮により、封止薄膜111が破壊されることがある。この課題に対応するためには、図424に図示するように、接着剤4123をドット状に塗布するとよい(点在状)。もちろん、線状に接着剤4123を塗布してもよい。
カソード106での映り込みを抑制するためには、図425に図示する構成を採用するとよい。図425では、カソード電極106(図425では4251)を非常に薄く形成している。そのため、図425ではカソード電極4251としている。カソード電極4251の膜厚は、100オングストローム以上1000オングストローム以下にする。さらに好ましくは、200オングストローム以上500オングストローム以下にする。カソード電極4251を薄く形成することにより、カソード電極は半透過状態となるため、映り込みは減少する。しかし、カソード電極4251が薄いと抵抗値が高くなる。
この対策のため、図425に図示するように、カソード電極4251に積層して透明材料からなる導電体膜4253を形成する。導電体膜4253としては、ITOまたはIZOが例示される。なお、透明導電体膜4253はカーボンのように光吸収性のある導電体膜としてもよい。カーボンなどにより映り込みが抑制されるからである。
透明導電体膜4253上にさらに封止薄膜111を形成するか、もしくは透明導電体膜4253上に直接、微細なビーズ4252を散布する。ビーズの直径は、1μm以上10μm以下にすることが好ましい。この上に、ビーズ4252を固定する固定材4254を塗布あるいは蒸着により形成する。固定材4254、SiO2、SiOxなどの無機材料、またはポリビニールアルコール、ポリイミドなどの有機材料等を用いることができる。その他、アクリル系の樹脂の他にエポキシ系接着剤、またはポリエステル系接着剤等を用いることができる。なお、固定材4254の厚みは100μm以下とする。
なお、画素電極105などに薄膜を蒸着する際は、アルゴン雰囲気中でEL膜15を成膜するとよい。また、画素電極105としてのITO上にカーボン膜を20以上50nm以下で成膜することにより、界面の安定性が向上し、発光輝度および発光効率も良好なものとなる。また、EL膜15は蒸着で形成することに限定するものではなく、インクジェットで形成してもよいことは言うまでもない。特に高分子有機EL材料ではこのインクジェット工法は有効である。この場合は、高分子有機EL材料を塗布する箇所に親水膜を形成しておくとよい。
高分子EL材料はインクジェット工法で形成するため、良好に基板71に塗布する必要がある。基本的には、図429の(a)に図示するように、土手101で周囲を囲み、この土手101内に高分子EL材料4291を塗布する。しかし、図429の(a)に図示するように、周囲が土手101で取り囲まれていると、Cで示すような周辺部に高分子EL材料4291が塗布されない箇所が発生する。
この課題に対して、本発明は図429の(b)に図示するように、土手101のDの箇所を除去している(土手101は途切れている)。このように、特に土手101の4角を除去することにより、高分子EL材料4291は画素の周辺部まで良好に塗布できる。
図428は、本発明の土手101の形状および配置を図示している。土手101は縦方向にドット状に点在する土手101aと、横方向にドット状に点在する土手101bから構成される。
なお、図430に図示するように、高分子EL材料4291が塗布される領域が、円形(四角形以外)の場合にあっても、図に示すように、Cの箇所の土手101を除去した構造を採用すると良い。
以下、本発明のEL表示パネル構造の理解を容易とするため、まず、本発明の有機EL表示パネルの製造方法について説明をする。
封止フタ85、基板71の放熱性を良くするため、基板はサファイアガラスで形成してもよい。また、熱伝導性のよい薄膜あるいは厚膜を形成したりしてもよい。たとえば、ダイヤモンド薄膜(DLCなど)を形成した基板を使用することが例示される。もちろん、石英ガラス基板、ソーダガラス基板を用いてもよい。その他、アルミナなどのセラミック基板を使用したり、銅などからなる金属板を使用したり、絶縁膜に金属膜、カーボン膜を蒸着あるいは塗布などのコーティングしたものを用いてもよい。画素電極105を反射型とする場合は、基板材料としては基板の表面方向より光が出射される。したがって、ガラス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料に加えてステンレスなどの非透過材料を用いることもできる。
また、封止フタ85、基板71の外部あるいは内部に、画素形状に対応してマイクロレンズを形成または配置してもよい。マイクロレンズを構成することにより、EL膜から放射する光の指向性が狭くなり、高輝度化を実現することができる。
本発明の実施例では、カソード電極106などを金属膜で形成するとしたが、これに限定するものではなく、ITO、IZOなどの透明膜で形成してもよい。このようにEL素子15のアノードとカソードの両方の電極を透明電極にすることにより、透明EL表示パネルを構成できる(もちろん、一方を光透過性のある金属膜で形成してもよい。あるいは、極薄い金属膜をカソード電極とし、このカソード電極上にITOなどの透明導電体材料を積層して構成してもよい)。金属膜を使わずに透過率を約80%まで上げることにより、文字や絵を表示しながら表示パネルの向こう側がほとんど透けて見えるように構成できる。
封止フタ85、71はプラスチック基板を用いてもよいことは言うまでもない。プラスチック基板はわれにくく、また、軽量のため携帯電話の表示パネル用基板として最適である。プラスチック基板は、芯材となるベース基板の一方の面に補助の基板を接着剤で貼り合わせて積層基板として用いることが好ましい。もちろん、これらの基板等は板に限定するものではなく、厚さ0.05mm以上0.3mm以下のフィルムでもよい。
ベース基板の基板として、脂環式ポリオレフィン樹脂を用いることが好ましい。このような脂環式ポリオレフィン樹脂として日本合成ゴム社製ARTONの厚さ200μmの1枚板が例示される。ベース基板の一方の面に、耐熱性、耐溶剤性または耐透湿性機能を持つハードコート層、および耐透気性機能を持つガスバリア層が形成されたポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂あるいはポリエーテルスルホン樹脂などからなる補助の基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。
以上のように基板71などをプラスチックで構成する場合は、基板71などはベース基板と補助基板から構成する。ベース基板の他方の面に、前述と同様にハードコート層およびガスバリア層が形成されたポリエーテルスルホン樹脂などからなる補助基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。補助基板の光学的遅相軸と補助基板の光学的遅相軸とのなす角度が90度となるようにすることが好ましい。なお、ベース基板と補助基板とは接着剤もしくは粘着剤を介して貼り合わせて積層基板とする。
接着剤としてはUV(紫外線)硬化型でアクリル系の樹脂からなるものを用いることが好ましい。また、アクリル樹脂はフッ素基を有するものを用いることが好ましい。その他、エポキシ系の接着剤あるいは粘着剤を用いてもよい。接着剤あるいは粘着剤の屈折率は1.47以上1.54以下のものを用いることが好ましい。また、基板の屈折率との屈折率差が0.03以下となるようにすることが好ましい。特に接着剤は先に記載いたような酸化チタンなどの光拡散材を添加し、光散乱層として機能させることが好ましい。
補助基板および補助基板をベース基板に貼り合わせる際には、補助基板の光学的遅相軸と補助基板の光学的遅相軸とがなす角度を45度以上120度以下にすることが好ましい。さらに好ましくは80度以上100度以下することがよい。この範囲にすることにより、補助基板および補助基板であるポリエーテルスルホン樹脂などで発生する位相差を積層基板内で完全に打ち消すことができる。したがって、表示パネル用プラスチック基板は位相差の無い等方性基板として扱うことができるようになる。したがって、円偏光板を使用した構成で、位相状態が異なることによる表示パネルのムラが発生しない。もちろん、円偏光板に関する事項は、基板がプラスチックに限定されるものではなく、ガラス基板の場合にも有効であることは言うまでもない。基板表面で反射する外光によるコントラスト低下を有効に抑制などできるからである。
この構成により、位相差を持ったフィルム基板またはフィルム積層基板に比べて、著しく汎用性が広がる。つまり、位相差フィルムを組み合わせることにより直線偏光を楕円偏光に設計どおりに変換できるようになるからである。基板などに位相差があるとこの位相差により設計値との誤差が発生する。
ここで、ハードコート層としては、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂またはアクリル系樹脂等を用いることができ、ストライプ状電極(単純マトリックス型EL表示パネル)あるいは画素電極(アクティブマトリックス型表示パネル)を透明導電膜の第1のアンダーコート層とを兼ねる。
また、ガスバリア層としては、SiO2、SiOxなどの無機材料、またはポリビニールアルコール、ポリイミドなどの有機材料等を用いることができる。粘着剤、接着剤などとしては、先に記述したアクリル系の他にエポキシ系接着剤、またはポリエステル系接着剤等を用いることができる。なお、接着層の厚みは100μm以下とする。ただし、基板など表面の凹凸を平滑化するために10μm以上とすることが好ましい。
トランジスタ11はLDD(lightly doped drain)構造を採用することが好ましい。また、本明細書ではEL素子としてEL素子(OEL、PEL、PLED、OLEDなど多種多様な略称で記述される)15を例にあげて説明するがこれに限定するものではなく、無機EL素子にも適用されることは言うまでもない。
まず、有機EL表示パネルに用いられるアクティブマトリックス方式は、特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられることと、1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができること、という2つの条件を満足させなければならない。
この2つの条件を満足させるため、図46に図示する従来の有機ELの画素構成では、第1のトランジスタ11bは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタ、第2のトランジスタ11aはEL素子(EL膜)15に電流を供給するための駆動用トランジスタとする。
この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって、駆動用トランジスタ11aのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。
トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる形成温度が450度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トタンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜0.5Vの範囲でばらつきがある。そのため、駆動用トランジスタ11aを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、トランジスタの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。また、トランジスタ11の劣化によっても特性は変化する。
この現象は、低温ポリシリコン技術に限定されるものではなく、プロセス温度が450度(摂氏)以上の高温ポリシリコン技術でも、固相(CGS)成長させた半導体膜を用いてトランジスタなどを形成したものでも発生する。その他、有機トランジスタでも発生する。アモルファスシリコントランジスタでも発生する。
以下に説明する本発明は、これらの技術に対応し、対策できる構成あるいは方式である。なお、本明細書では低温ポリシリコン技術で形成したトランジスタを主として説明する。
したがって、図46のように、電圧を書き込むことにより、階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要がある。しかし、現状の低温多結晶ポリシリコントランジスタなどではこのバラツキを所定範囲以内の抑えるというスペックを満足できない。
本発明のEL表示装置の画素構造は、具体的には図1に示すように単位画素が最低4つからなる複数のトランジスタ11ならびにEL素子により形成される。画素電極はソース信号線と重なるように構成する。つまり、ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアクリル材料からなる平坦化膜を形成して絶縁し、この絶縁膜上に画素電極105を形成する。このようにソース信号線18上の少なくとも1部に画素電極を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態が期待できる。
ゲート信号線(第1の走査線)17aをアクティブ(ON電圧を印加)とすることによりEL素子15の駆動用のトランジスタ11aおよびスイッチ用トランジスタ11cを通して、前記EL素子15に流すべき電流値をソースドライバ回路14から流す。また、トランジスタ11aのゲートとドレイン間を短絡するようにトランジスタ11bがゲート信号線17aアクティブ(ON電圧を印加)となることにより開くと共に、トランジスタ11aのゲートとソース間に接続されたコンデンサ(キャパシタ、蓄積容量、付加容量)19にトランジスタ11aのゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶する(図3の(a)を参照のこと)。
なお、コンデンサ(蓄積容量)19の大きさは、0.2pF以上2pF以下とすることがよく、中でもコンデンサ(蓄積容量)19の大きさは、0.4pF以上1.2pF以下とすることがよい。画素サイズを考慮してコンデンサ19の容量を決定する。1画素に必要な容量をCs(pF)とし、1画素が占める面積(開口率ではない)をSp(平方μm)とすれば、500/S ≦ Cs ≦ 20000/Sとし、さらに好ましくは、1000/Sp ≦ Cs ≦ 10000/Spとなるようにする。なお、トランジスタのゲート容量は小さいので、ここでいうQとは、蓄積容量(コンデンサ)19単独の容量である。
ゲート信号線17aを非アクティブ(OFF電圧を印加)、ゲート信号線17bをアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1のトランジスタ11a並びにEL素子15に接続されたトランジスタ11dならびに前記EL素子15を含む経路に切り替えて、記憶した電流を前記EL素子15に流すように動作する(図3の(b)を参照のこと)。
この回路は1画素内に4つのトランジスタ11を有しており、トランジスタ11a のゲートはトランジスタ11bのソースに接続されている。また、トランジスタ11bおよびトランジスタ11cのゲートはゲート信号線17aに接続されている。トランジスタ11bのドレインはトランジスタ11cのソースならびにトランジスタ11dのソースに接続され、トランジスタ11cのドレインはソース信号線18に接続されている。トランジスタ11dのゲートはゲート信号線17bに接続され、トランジスタ11dのドレインはEL素子15のアノード電極に接続されている。
なお、図1ではすべてのトランジスタはPチャンネルで構成している。Pチャンネルは多少Nチャンネルのトランジスタに比較してモビリティが低いが、耐圧が大きくまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Nチャンネルのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成してもよい。
最適には画素を構成するトランジスタ11をすべてPチャンネルで形成し、内蔵ゲートドライバ回路12もPチャンネルで形成することが好ましい。このようにアレイをPチャンネルのみのトランジスタで形成することにより、マスク枚数が5枚となり、低コスト化、高歩留まり化を実現できる。
以下、さらに本発明の理解を容易にするために、本発明のEL素子構成について図3を用いて説明する。本発明のEL素子構成は2つのタイミングにより制御される。第1のタイミングは必要な電流値を記憶させるタイミングである。このタイミングでトランジスタ11bならびにトランジスタ11cがONすることにより、等価回路として図3の(a)となる。ここで、信号線より所定の電流Iwが書き込まれる。これによりトランジスタ11aはゲートとドレインが接続された状態となり、このトランジスタ11aとトランジスタ11cを通じて電流Iwが流れる。したがって、トランジスタ11aのゲート−ソースの電圧はI1が流れるような電圧となる。
第2のタイミングはトランジスタ11aとトランジスタ11cが閉じ、トランジスタ11dが開くタイミングであり、そのときの等価回路は図3の(b)となる。トランジスタ11aのソース−ゲート間の電圧は保持されたままとなる。この場合、トランジスタ11aは常に飽和領域で動作するため、Iwの電流は一定となる。
このように動作させると、図5に図示するようになる。つまり、図5の(a)の51aは表示画面50における、ある時刻での電流プログラムされている画素(行)(書き込み画素行)を示している。この画素(行)51aは、図5の(b)に図示するように非点灯(非表示画素(行))とする。他の画素(行)は表示画素(行)53とする(表示領域53の画素16のEL素子15には電流が流れ、EL素子15が発光している)。
図1の画素構成の場合、図3の(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwがトランジスタ11aを流れ、Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
次に、EL素子15に電流を流す期間は図3の(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
このタイミングチャートを図4に図示する。なお、図4などにおいて、括弧内の添え字(たとえば、(1)など)は画素行の番号を示している。つまり、ゲート信号線17a(1)とは、画素行(1)のゲート信号線17aを示している。また、図4の上段の*H(「*」には任意の記号、数値が当てはまり、水平走査線の番号を示す)とは、水平走査期間を示している。つまり、1Hとは第1番目の水平走査期間である。なお、以上の事項は、説明を容易にするためであって、限定(1Hの番号、1H周期、画素行番号の順番など)するものではない。
図4でわかるように、各選択された画素行(選択期間は、1Hとしている)において、ゲート信号線17aにオン電圧が印加されている時には、ゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている。また、この期間は、EL素子15には電流が流れていない(非点灯状態)。選択されていない画素行において、ゲート信号線17aにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにはオン電圧が印加されている。また、この期間は、EL素子15に電流が流れている(点灯状態)。
なお、トランジスタ11aのゲートとトランジスタ11cのゲートは同一のゲート信号線17aに接続している。しかし、トランジスタ11aのゲートとトランジスタ11cのゲートとを異なるゲート信号線17に接続してもよい(図32を参照のこと)。1画素のゲート信号線は3本となる(図1の構成は2本である)。トランジスタ11bのゲートのON/OFFタイミングとトランジスタ11cのゲートのON/OFFタイミングを個別に制御することにより、トランジスタ11aのばらつきによるEL素子15の電流値バラツキをさらに低減することができる。
ゲート信号線17aとゲート信号線17bとを共通にし、トランジスタ11cと11dが異なった導電型(NチャンネルとPチャンネル)とすると、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を向上させることが出来る。
このように構成すれば本発明の動作タイミングとしては信号線からの書きこみ経路がオフになる。すなわち所定の電流が記憶される際に、電流の流れる経路に分岐があると正確な電流値がトランジスタ11aのソース(S)−ゲート(G)間容量(コンデンサ)に記憶されない。トランジスタ11cとトランジスタ11dを異なった導電形にすることにより、お互いの閾値を制御することによって走査線の切り替わりのタイミングで必ずトランジスタ11cがオフしたのちに、トランジスタ11dがオンすることが可能になる。
ただし、この場合お互いの閾値を正確にコントロールする必要があるのでプロセスの注意が必要である。なお、以上述べた回路は最低4つのトランジスタで実現可能であるが、より正確なタイミングのコントロールあるいは後述するように、ミラー効果低減のためにトランジスタ11eを図2に示すように、カスケード接続してトランジスタの総数が4以上になっても動作原理は同じである。このようにトランジスタ11eを加えた構成とすることにより、トランジスタ11cを介してプログラムした電流がより精度よくEL素子15に流すことができるようになる。
なお、本発明の画素構成は図1、図2の構成に限定されるものではない。たとえば、図113のように構成してもよい。図113は、図1の構成に比較してスイッチ用トランジスタ11dがない。替わりに切り替えスイッチ1131が形成または配置されている。図1のスイッチ11dは駆動用トランジスタ11aからEL素子15に流れる電流をオンオフ(流す、流さない)制御する機能を有する。以降の実施例でも説明をするが、本発明はこのトランジスタ11dのオンオフ制御機能が重要な構成要素である。トランジスタ11dを形成せず、オンオフ機能を実現するのが、図113の構成である。
図113において、切り替えスイッチ1131のa端子は、アノード電圧Vddに接続されている。なお、a端子に印加する電圧はアノード電圧Vddに限定されるものではなく、EL素子15に流れる電流をオフできる電圧であればいずれでもよい。
切り替えスイッチ1131のb端子は、カソード電圧(図113ではグランドと図示している)に接続されている。なお、b端子に印加する電圧はカソード電圧に限定されるものではなく、EL素子15に流れる電流をオンできる電圧であればいずれでもよい。
切り替えスイッチ1131のc端子にはEL素子15のカソード端子が接続されている。なお、切り替えスイッチ1131はEL素子15に流れる電流をオンオフさせる機能を持つものであればいずれでもよい。したがって、図113の形成位置に限定されるものではなく、EL素子15の電流が流れる経路であればいずれでもよい。また、スイッチの機能の限定されるものでもなく、EL素子15に流れる電流をオンオフできればいずれでもよい。つまり、本発明では、EL素子15の電流経路にEL素子15に流す電流をオンオフできるスイッチング手段を具備しればいずれの画素構成でもよい。
また、オフとは完全に電流が流れない状態を意味するものではない。EL素子15に流れる電流を通常よりも低減できるものであればよい。以上の事項は本発明の他の構成においても同様である。
切り替えスイッチ1131は、PチャンネルとNチャンネルのトランジスタを組み合わせることにより容易に実現できるので説明を要さないであろう。たとえば、アナログスイッチを2回路形成すればよい。もちろん、スイッチ1131はEL素子15に流れる電流をオンオフするだけであるから、PチャンネルトランジスタあるいはNチャンネルトランジスタでも形成することができることは言うまでもない。
スイッチ1131がa端子に接続されている時は、EL素子15のカソード端子にVdd電圧が印加される。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子Gがいずれの電圧保持状態であってもEL素子15には電流が流れない。したがって、EL素子15は非点灯状態となる。
スイッチ1131がb端子に接続されている時は、EL素子15のカソード端子にGND電圧が印加される。したがって、駆動用トランジスタ11aのゲート端子Gに保持された電圧状態に応じてEL素子15に電流が流れる。したがって、EL素子15は点灯状態となる。
以上のことより図113の画素構成では、駆動用トランジスタ11aとEL素子15間にはスイッチング用トランジスタ11dが形成されていない。しかし、スイッチ1131を制御することによりEL素子15の点灯制御を行うことができる。
図1、図2などの画素構成では、駆動用トランジスタ11aは1画素につき1個である。本発明はこれに限定するものではなく、駆動用トランジスタ11aは1画素に複数個を形成または配置してもよい。図116はその実施例である。図116では1画素に2個の駆動用トランジスタ11a1、11a2が形成され、2個の駆動用トランジスタ11a1、11a2のゲート端子は共通のコンデンサ19に接続されている。駆動用トランジスタ11aを複数個形成することにより、プログラムされる電流バラツキが低減するという効果がある。他の構成は、図1などと同様であるので説明を省略する。
図1、図2は駆動用トランジスタ11aが出力する電流をEL素子15に流し、前記電流を駆動用トランジスタ11aとEL素子15間に配置されたスイッチ用トランジスタ11dでオンオフ制御するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図117の構成が例示される。
図117の実施例では、EL素子15に流す電流が駆動用トランジスタ11aで制御される。EL素子15に流れる電流をオンオフさせるのはVdd端子とEL素子15間に配置されたスイッチ用トランジスタ11dで制御される。したがって、本発明はスイッチ用トランジスタ11dの配置はどこでもよく、EL素子15に流れる電流を制御できるものであればいずれでもよい。
トランジスタ11aの特性のバラツキはトランジスタサイズに相関がある。特性バラツキを小さくするため、第1のトランジスタ11aのチャンネル長が5μm以上100μm以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、第1のトランジスタ11aのチャンネル長が10μm以上50μm以下とすることが好ましい。これは、チャンネル長Lを長くした場合、チャンネルに含まれる粒界が増えることによって電界が緩和されキンク効果が低く抑えられるためであると考えられる。
以上のように、本発明は、EL素子15に電流が流れこむ経路、またはEL素子15から電流が流れ出す経路(つまり、EL素子15の電流経路である)にEL素子15に流れる電流を制御する回路手段を構成または形成もしくは配置したものである。
電流プログラム方式の1つであるカレントミラー方式であっても、図114に図示すうように、駆動用トランジスタ11bとEL素子15間にスイッチング素子としてのトランジスタ11gを形成または配置することによりEL素子15に流れる電流をオンオフすることができる(制御することができる)。もちろん、トランジスタ11gは図113のスイッチ1131に置き換えても良い。
なお、図114のスイッチング用トランジスタ11d、11cは1本のゲート信号線17aに接続されているが、図115に図示するように、トランジスタ11cはゲート信号線17a1で制御し、トランジスタ11dはゲート信号線17a2で制御するように構成してもよい。図115の構成の方が、画素16の制御の汎用性が高くなる。
また、図42の(a)に図示するように、トランジスタ11b、11cなどはNチャンネルトランジスタで形成してもよい。また、図42の(b)に図示するようにトランジスタ11c、11dなどはPチャンネルトランジスタで形成してもよい。
本特許の発明の目的は、トランジスタ特性のばらつきが表示に影響を与えない回路構成を提案するものであり、そのために4トランジスタ以上が必要である。これらのトランジスタ特性により、回路定数を決定する場合、4つのトランジスタの特性がそろわなければ、適切な回路定数を求めることが困難である。レーザー照射の長軸方向に対して、チャンネル方向が水平の場合と垂直の場合では、トランジスタ特性の閾値と移動度が異なって形成される。なお、どちらの場合もばらつきの程度は同じである。水平方向と、垂直方向では移動度、閾値のあたいの平均値が異なる。したがって、画素を構成するすべてのトランジスタのチャンネル方向は同一であるほうが望ましい。
また、蓄積容量19の容量値をCs、第2のトランジスタ11bのオフ電流値をIoffとした場合、次式を満足させることが好ましい。
3 < Cs/Ioff < 24
さらに好ましくは、次式を満足させることが好ましい。
6 < Cs/Ioff < 18
トランジスタ11bのオフ電流を5pA以下とすることにより、ELを流れる電流値の変化を2%以下に抑えることが可能である。これはリーク電流が増加すると、電圧非書き込み状態においてゲート−ソース間(コンデンサの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持できないためである。したがって、コンデンサ19の蓄積用容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。前記式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を2%以下に抑えることができる。
また、アクティブマトリックスを構成するトランジスタがp−チャンネルポリシリコン薄膜トランジスタに構成され、トランジスタ11bがデュアルゲート以上であるマルチゲート構造とすることが好ましい。トランジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイン間のスイッチとして作用するため、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11bのゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実現できる。
画素16のトランジスタ11を構成する半導体膜は、低温ポリシリコン技術において、レーザーアニールにより形成するのが一般的である。このレーザーアニールの条件のバラツキがトランジスタ11特性のバラツキとなる。しかし、1画素16内のトランジスタ11の特性が一致していれば、図1などの電流プログラムを行う方式では、所定の電流がEL素子15に流れるように駆動することができる。この点は、電圧プログラムにない利点である。レーザーとしてはエキシマレーザーを用いることが好ましい。
なお、本発明において、半導体膜の形成は、レーザーアニール方法に限定するものではなく、熱アニール方法、固相(CGS)成長による方法でもよい。その他、低温ポリシリコン技術に限定するものではなく、高温ポリシリコン技術を用いても良いことはいうまでもない。また、アモルファスシリコン技術を用いて形成した半導体膜であってもよい。
この課題に対して、本発明では図7に示すように、アニールの時のレーザー照射スポット(レーザー照射範囲)72をソース信号線18に平行に照射する。また、1画素列に一致するようにレーザー照射スポット72を移動させる。もちろん、1画素列に限定するものではなく、たとえば、図55のRGBを1画素16という単位でレーザーを照射してもよい(この場合は、3画素列ということになる)。また、複数の画素に同時に照射してもよい。また、レーザーの照射範囲の移動がオーバーラップしてもよいことは言うまでもない(通常、移動するレーザー光の照射範囲はオーバーラップするのが普通である)。
画素はRGBの3画素で正方形の形状となるように作製されている。したがって、R、G、Bの各画素は縦長の画素形状となる。したがって、レーザー照射スポット72を縦長にしてアニールすることにより、1画素内ではトランジスタ11の特性バラツキが発生しないようにすることができる。また、1つのソース信号線18に接続されたトランジスタ11の特性(モビリティ、Vt、S値など)を均一にすることができる(つまり、隣接したソース信号線18のトランジスタ11とは特性が異なる場合があるが、1つのソース信号線に接続されたトランジスタ11の特性はほぼ等しくすることができる)。
図7の構成では、レーザー照射スポット72の長さの範囲内に3つのパネルが縦に配置されるように形成されている。レーザー照射スポット72を照射するアニール装置はガラス基板74の位置決めマーカー73a、73bを認識(パターン認識による自動位置決め)してレーザー照射スポット72を移動させる。位置決めマーカー73の認識はパターン認識装置で行う。アニール装置(図示せず)は位置決めマーカー73を認識し、画素列の位置をわりだす(レーザー照射範囲72がソース信号線18と平行になるようにする)。画素列位置に重なるようにレーザー照射スポット72を照射してアニールを順次行う。
図7で説明したレーザーアニール方法(ソース信号線18に平行にライン状のレーザースポットを照射する方式)は、有機EL表示パネルの電流プログラム方式の時に特に採用することが好ましい。なぜならば、ソース信号線に平行方向にトランジスタ11の特性が一致しているためである(縦方向に隣接した画素トランジスタの特性が近似している)。そのため、電流駆動時にソース信号線の電圧レベルの変化が少なく、電流書き込み不足が発生しにくい。
たとえば、白ラスター表示であれば、隣接した各画素のトランジスタ11aに流す電流はほぼ同一のため、ソースドライバIC14から出力する電流振幅の変化が少ない。もし、図1のトランジスタ11aの特性が同一であり、各画素に電流プログラムする電流値が画素列で等しいのであれば、電流プログラム時のソース信号線18の電位は一定である。したがって、ソース信号線18の電位変動は発生しない。1つのソース信号線18に接続されたトランジスタ11aの特性がほぼ同一であれば、ソース信号線18の電位変動は小さいことになる。このことは、図38などの他の電流プログラム方式の画素構成でも同一である(つまり、図7の製造方法を適用することが好ましい)。
また、図27、図30などで説明する複数の画素行を同時書き込みする方式で均一が画像表示(主としてトランジスタ特性のばらつきに起因する表示ムラが発生しにくいからである)を実現できる。図27などは複数画素行同時に選択するから、隣接した画素行のトランジスタが均一であれば、縦方向のトランジスタ特性ムラはソースドライバ回路14で吸収できる。
なお、図7では、ソースドライバ回路14は、ICチップを積載するように図示しているが、これに限定するものではなく、ソースドライバ回路14を画素16と同一プロセスで形成してもよいことは言うまでもない。
本発明では特に、駆動用トランジスタ11bの閾電圧Vth2が画素内で対応する駆動用トランジスタ11aの閾電圧Vth1より低くならない様に設定している。例えば、トランジスタ11bのゲート長L2をトランジスタ11aのゲート長L1よりも長くして、これらの薄膜トランジスタのプロセスパラメータが変動しても、Vth2がVth1よりも低くならない様にする。これにより、微少な電流リークを抑制することが可能である。
なお、以上の事項は、図38に図示するカレントミラーの画素構成にも適用できる。図38では、信号電流が流れる駆動用トランジスタ11a、EL素子15等からなる発光素子に流れる駆動電流を制御する駆動用トランジスタ11bの他、ゲート信号線17a1の制御によって画素回路とデータ線dataとを接続もしくは遮断する取込用トランジスタ11c、ゲート信号線17a2の制御によって書き込み期間中にトランジスタ11aのゲート・ドレインを短絡するスイッチ用トランジスタ11d、トランジスタ11aのゲート−ソース間電圧を書き込み終了後も保持するための容量C19および発光素子としてのEL素子15などから構成される。
図38でトランジスタ11c、11dはNチャンネルトランジスタ、その他のトランジスタはPチャンネルトランジスタで構成しているが、これは一例であって、必ずしもこの通りである必要はない。容量Csは、その一方の端子をトランジスタ11aのゲートに接続され、他方の端子はVdd(電源電位)に接続されているが、Vddに限らず任意の一定電位でも良い。EL素子15のカソード(陰極)は接地電位に接続されている。
次に、本発明のEL表示パネルあるいはEL表示装置について説明をする。図6はEL表示装置の回路を中心とした説明図である。画素16がマトリックス状に配置または形成されている。各画素16には各画素の電流プログラムを行う電流を出力するソースドライバ回路14が接続されている。ソースドライバ回路14の出力段は映像信号のビット数に対応したカレントミラー回路が形成されている(後に説明する)。たとえば、64階調であれば、63個のカレントミラー回路が各ソース信号線に形成され、これらのカレントミラー回路の個数を選択することにより所望の電流をソース信号線18に印加できるように構成されている(図48を参照のこと)。
なお、1つのカレントミラー回路の最小出力電流は10nA以上50nAにしている。特にカレントミラー回路の最小出力電流は15nA以上35nAにすることがよい。ソースドライバIC14内のカレントミラー回路を構成するトランジスタの精度を確保するためである。
また、ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージあるいはディスチャージ回路を内蔵する。ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージあるいはディスチャージ回路の電圧(電流)出力値は、R、G、Bで独立に設定できるように構成することが好ましい。EL素子15の閾値がRGBで異なるからである(プリチャージ回路については図65、図67およびその説明を参照のこと)。
EL素子は大きな温度依存性特性(温特)があることが知られている。この温特による発光輝度変化を調整するため、カレントミラー回路に出力電流を変化させるサーミスタあるいはポジスタなどの非直線素子を付加し、温特による変化を前記サーミスタなどで調整することによりアナログ的に基準電流を調整する(変化させる)。
本発明において、ソースドライバ14は半導体シリコンチップで形成し、ガラスオンチップ(COG)技術で基板71のソース信号線18の端子と接続されている。ソースドライバ14の実装は、COG技術に限定するものではなく、チップオンフィルム(COF)技術に前述のソースドライバIC14などを積載し、表示パネルの信号線と接続した構成としてもよい。また、ドライブICは電源IC82を別途作製し、3チップ構成としてもよい。
一方、ゲートドライバ回路12は低温ポリシリコン技術で形成している。つまり、画素のトランジスタと同一のプロセスで形成している。これは、ソースドライバ回路14に比較して内部の構造が容易で、動作周波数も低いためである。したがって、低温ポリシリ技術で形成しても容易に形成することができ、また、狭額縁化を実現できる。もちろん、ゲートドライバ回路12をシリコンチップで形成し、COG技術などを用いて基板71上に実装してもよいことは言うまでもない。また、画素トランジスタなどのスイッチング素子、ゲートドライバなどは高温ポリシリコン技術で形成してもよく、有機材料で形成(有機トランジスタ)してもよい。
ゲートドライバ回路12はゲート信号線17a用のシフトレジスタ回路61aと、ゲート信号線17b用のシフトレジスタ回路61bとを内蔵する。各シフトレジスタ回路61は正相と負相のクロック信号(CLKxP、CLKxN)、スタートパルス(STx)で制御される(図6を参照のこと)。その他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブル(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアップダウン(UPDWM)信号を付加することが好ましい。他に、スタートパルスがシフトレジスタにシフトされ、そして出力されていることを確認する出力端子などを設けることが好ましい。なお、シフトレジスタのシフトタイミングはコントロールIC81からの制御信号で制御される。また、外部データのレベルシフトを行うレベルシフト回路を内蔵する。
シフトレジスタ回路61のバッファ容量は小さいため、直接にはゲート信号線17を駆動することができない。そのため、シフトレジスタ回路61の出力とゲート信号線17を駆動する出力ゲート63間には少なくとも2つ以上のインバータ回路62が形成されている。
ソースドライバ14を低温ポリシリなどのポリシリ技術で基板71上に直接形成する場合も同様であり、ソース信号線18を駆動するトランスファーゲートなどのアナログスイッチのゲートとソースドライバ回路14のシフトレジスタ間には複数のインバータ回路が形成される。以下の事項(シフトレジスタの出力と、信号線を駆動する出力段(出力ゲートあるいはトランスファーゲートなどの出力段間に配置されるインバータ回路に関する事項)は、ソースドライブおよびゲートドライブ回路に共通の事項である。
たとえば、図6ではソースドライバ14の出力が直接ソース信号線18に接続されているように図示したが、実際には、ソースドライバのシフトレジスタの出力は多段のインバータ回路が接続されて、インバータの出力がトランスファーゲートなどのアナログスイッチのゲートに接続されている。
インバータ回路62はPチャンネルのMOSトランジスタとNチャンネルのMOSトランジスタから構成される。先にも説明したようにゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路61の出力端にはインバータ回路62が多段に接続されており、その最終出力が出力ゲート回路63に接続されている。なお、インバータ回路62はPチャンネルのみで構成してもよい。ただし、この場合は、インバータではなく単なるゲート回路として構成してもよい。
図8は本発明の表示装置の信号、電圧の供給の構成図あるいは表示装置の構成図である。コントロールIC81からソースドライバ回路14aに供給する信号(電源配線、データ配線など)はフレキシブル基板84を介して供給する。
図8ではゲートドライバ回路12の制御信号はコントロールICで発生させ、ソースドライバ14で、レベルシフトを行った後、ゲートドライバ回路12に印加している。ソースドライバ14の駆動電圧は4〜8(V)であるから、コントロールIC81から出力された3.3(V)振幅の制御信号を、ゲートドライバ回路12が受け取れる5(V)振幅に変換することができる。
なお、図8などにおいて14をソースドライバと記載したが、単なるドライバだけでなく、電源回路、バッファ回路(シフトレジスタなどの回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コマンドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、画像メモリなどを内蔵させてもよい。なお、図8などで説明する構成にあっても、図9などで説明する3辺フリー構成あるいは構成、駆動方式などを適用できることはいうまでもない。
表示パネルを携帯電話などの情報表示装置に使用する場合、図9に示すように、ソースドライバIC(回路)14、ゲートドライバIC(回路)12は、表示パネルの一辺に実装(形成)することが好ましい(なお、このように一辺にドライバIC(回路)を実装(形成)する形態を3辺フリー構成(構造)と呼ぶ。従来は、表示領域のX辺にゲートドライバIC12が実装され、Y辺にソースドライバIC14が実装されていた)。画面50の中心線が表示装置の中心になるように設計し易く、また、ドライバICの実装も容易となるからである。なお、ゲートドライバ回路を高温ポリシリコンあるいは低温ポリシリコン技術などで3辺フリーの構成で作製してもよい(つまり、図9のソースドライバ回路14とゲートドライバ回路12のうち、少なくとも一方をポリシリコン技術で基板71に直接形成する)。
なお、3辺フリー構成とは、基板71に直接ICを積載あるいは形成した構成だけでなく、ソースドライバIC(回路)14、ゲートドライバIC(回路)12などを取り付けたフィルム(TCP、TAB技術など)を基板71の一辺(もしくはほぼ一辺)にはりつけた構成も含む。つまり、2辺にICが実装あるいは取り付けられていない構成、配置あるいはそれに類似するすべてを意味する。
図9のようにゲートドライバ回路12をソースドライバ回路14の横に配置すると、ゲート信号線17は辺Cにそって形成する必要がある。
なお、図9などにおいて太い実線で図示した箇所はゲート信号線17が並列して形成した箇所を示している。したがって、bの部分(画面下部)は走査信号線の本数分のゲート信号線17が並列して形成され、aの部分(画面上部)はゲート信号線17が1本形成されている。
C辺に形成するゲート信号線17のピッチは5μm以上12μm以下にする。5μm未満では隣接ゲート信号線に寄生容量の影響によりノイズが乗ってしまう。実験によれば7μ以下で寄生容量の影響が顕著に発生する。さらに5μm未満では表示画面にビート状などの画像ノイズが激しく発生する。特にノイズの発生は画面の左右で異なり、このビート状などの画像ノイズを低減することは困難である。また、低減12μmを越えると表示パネルの額縁幅Dが大きくなりすぎ実用的でない。
前述の画像ノイズを低減するためには、ゲート信号線17を形成した部分の下層あるいは上層に、グラントパターン(一定電圧に電圧固定あるいは全体として安定した電位に設定されている導電パターン)を配置することにより低減できる。また、別途設けたシールド板(シールド箔(一定電圧に電圧固定あるいは全体として安定した電位に設定されている導電パターン))をゲート信号線17上に配置すればよい。
図9のC辺のゲート信号線17はITO電極で形成してもよいが、低抵抗化するため、ITOと金属薄膜とを積層して形成することが好ましい。また、金属膜で形成することが好ましい。ITOと積層する場合は、ITO上にチタン膜を形成し、その上にアルミニウムあるいはアルミニウムとモリブデンの合金薄膜を形成する。もしくはITO上にクロム膜を形成する。金属膜の場合は、アルミニウム薄膜、クロム薄膜で形成する。以上の事項は本発明の他の実施例でも同様である。
なお、図9などにおいて、ゲート信号線17などは表示領域の片側に配置するとしたがこれに限定するものではなく、両方に配置してもよい。たとえば、ゲート信号線17aを画面50表示画面50の右側に配置(形成)し、ゲート信号線17bを表示画面50の左側に配置(形成)してもよい。以上の事項は他の実施例でも同様である。
また、ソースドライバIC14とゲートドライバIC12とを1チップ化してもよい。1チップ化すれば、表示パネルへのICチップの実装が1個で済む。したがって、実装コストも低減できる。また、1チップドライバIC内で使用する各種電圧も同時に発生することができる。
なお、ソースドライバIC14、ゲートドライバIC12はシリコンなどの半導体ウエハで作製し、表示パネルに実装するとしたがこれに限定するものではなく、低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術により表示パネル82に直接形成してもよいことは言うまでもない。
なお、画素は、R、G、Bの3原色としたがこれに限定するものではなく、シアン、イエロー、マゼンダの3色でもよい。また、Bとイエローの2色でもよい。もちろん、単色でもよい。また、R、G、B、シアン、イエロー、マゼンダの6色でもよい。R、G、B、シアン、マゼンダの5色でもよい。これらはナチュラルカラーとして色再現範囲が拡大し良好な表示を実現できる。以上のように本発明のEL表示装置は、RGBの3原色でカラー表示を行うものに限定されるものではない。
有機EL表示パネルのカラー化には主に三つの方式があり、色変換方式はこのうちの一つである。発光層として青色のみの単層を形成すればよく、フルカラー化に必要な残りの緑色と赤色は、青色光から色変換によって作り出す。したがって、RGBの各層を塗り分ける必要がない、RGBの各色の有機EL材料をそろえる必要がないという利点がある。色変換方式は、塗り分け方式のようは歩留まり低下がない。本発明のEL表示パネルなどはこのいずれの方式でも適用される。
また、3原色の他に、白色発光の画素を形成してもよい。白色発光の画素はR、G、B発光の構造を積層することのより作製(形成または構成)することにより実現できる。1組の画素は、RGBの3原色と、白色発光の画素16Wからなる。白色発光の画素を形成することにより、白色のピーク輝度が表現しやすくなる。したがって、輝き感のある画像表示実現できる。
RGBなどの3原色を1組の画素をする場合であっても、各色の画素電極の面積は異ならせることが好ましい。もちろん、各色の発光効率がバランスよく、色純度もバランスがよければ、同一面積でもかまわない。しかし、1つまたは複数の色のバランスが悪ければ、画素電極(発光面積)を調整することが好ましい。各色の電極面積は電流密度を基準に決定すればよい。つまり、色温度が7000K(ケルビン)以上12000K以下の範囲で、ホワイトバランスを調整した時、各色の電流密度の差が±30%以内となるようにする。さらに好ましくは±15%以内となるようにする。たとえば、電流密度が100A/平方メーターをすれば、3原色がいずれも70A/平方メーター以上130A/平方メーター以下となるようにする。さらに好ましくは、3原色がいずれも85A/平方メーター以上115A/平方メーター以下となるようにする。
EL素子15は自己発光素子である。この発光による光がスイッチング素子としてのトランジスタに入射するとホトコンダクタ現象(ホトコン)が発生する。ホトコンとは、光励起によりトランジスタなどのスイッチング素子のオフ時でのリーク(オフリーク)が増える現象を言う。
この課題に対処するため、本発明ではゲートドライバ回路12(場合によってはソースドライバ14)の下層、画素トランジスタ11の下層の遮光膜を形成している。遮光膜はクロムなどの金属薄膜で形成し、その膜厚は50nm以上150nm以下にする。膜厚が薄いと遮光効果が乏しく、厚いと凹凸が発生して上層のトランジスタ11A1のパターニングが困難になる。
ゲートドライバ回路12などは裏面だけでなく、表面からの光の進入も抑制するべきである。ホトコンの影響により誤動作するからである。したがって、本発明では、カソード電極が金属膜の場合は、ドライバ12などの表面にもカソード電極を形成し、この電極を遮光膜として用いている。
しかし、ドライバ12の上にカソード電極を形成すると、このカソード電極からの電界によるドライバの誤動作あるいはカソード電極とドライバ回路の電気的接触が発生する可能性がある。この課題に対処するため、本発明ではゲートドライバ回路12などの上に少なくとも1層、好ましくは複数層のEL膜を画素電極上のEL膜形成と同時に形成する。
画素の1つ以上のトランジスタ11の端子間あるいはトランジスタ11と信号線とが短絡すると、EL素子15が常時、点灯する輝点となる場合がある。この輝点は視覚的にめだつので黒点化(非点灯)する必要がある。輝点に対しては、該当画素16を検出し、コンデンサ19にレーザー光を照射してコンデンサの端子間を短絡させる。したがって、コンデンサ19には電荷を保持できなくなるので、トランジスタ11aは電流を流さなくすることができる。レーザー光を照射する位置にあたるカソード膜を除去しておくことが望ましい。レーザー照射により、コンデンサ19の端子電極とカソード膜とがショートすることを防止するためである。
画素16のトランジスタ11の欠陥は、ソースドライバIC14などにも影響を与える。例えば、図45では駆動用トランジスタ11aにソース−ドレイン(SD)ショート452が発生していると、パネルのVdd電圧がソースドライバIC14に印加される。したがって、ソースドライバIC14の電源電圧は、パネルの電源電圧Vddと同一かもしくは高くしておくことが好ましい。なお、ソースドライバICで使用する基準電流は電子ボリウム451で調整できるように構成しておくことが好ましい。
トランジスタ11aにSDショート452が発生していると、EL素子15に過大な電流が流れる。つまり、EL素子15が常時点灯状態(輝点)となる。輝点は欠陥として目立ちやすい。たとえば、図45において、トランジスタ11aのソース−ドレイン(SD)ショートが発生していると、トランジスタ11aのゲート(G)端子電位の大小に関わらず、Vdd電圧からEL素子15に電流が常時流れる(トランジスタ11dがオンの時)。したがって、輝点となる。
一方、トランジスタ11aにSDショートが発生していると、トランジスタ11cがオン状態の時、Vdd電圧がソース信号線18に印加されソースドライバ14にVdd電圧が印加される。もし、ソースドライバ14の電源電圧がVdd以下であれば、耐圧を越えて、ソースドライバ14が破壊される恐れがある。そのため、ソースドライバ14の電源電圧はVdd電圧(パネルの高い方の電圧)以上にすることが好ましい。
トランジスタ11aのSDショートなどは、点欠陥にとどまらず、パネルのソースドライバ回路を破壊につながる恐れがあり、また、輝点は目立つためパネルとしては不良となる。したがって、トランジスタ11aとEL素子15間を接続する配線を切断し、輝点を黒点欠陥にする必要がある。この切断には、レーザー光などの光学手段を用いて切断することがよい。
以下、本発明の駆動方法について説明をする。図1に示すように、ゲート信号線17aは行選択期間に導通状態(ここでは図1のトランジスタ11がpチャネルトランジスタであるためローレベルで導通となる)となり、ゲート信号線17bは非選択期間時に導通状態とする。
ソース信号線18には寄生容量(図示せず)が存在する。寄生容量は、ソース信号線18とゲート信号線17とのクロス部の容量、トランジスタ11b、11cのチャンネル容量などにより発生する。
ソース信号線18の電流値変化に要する時間tは浮遊容量の大きさをC、ソース信号線の電圧をV、ソース信号線に流れる電流をIとするとt=C・V/Iであるため電流値を10倍大きくできることは電流値変化に要する時間が10分の1近くまで短くできる。または、ソース信号線18の寄生容量が10倍になっても所定の電流値に変化できるということを示す。従って、短い水平走査期間内に所定の電流値を書きこむためには電流値を増加させることが有効である。
入力電流を10倍にすると出力電流も10倍となり、ELの輝度が10倍となるため所定の輝度を得るために、図1のトランジスタ17dの導通期間を従来の10分の1とし、発光期間を10分の1とすることで、所定輝度を表示するようにした。なお、10倍を例示して説明しているのは理解を容易にするためである。10倍に限定するものでないことは言うまでもない。
つまり、ソース信号線18の寄生容量の充放電を十分に行い、所定の電流値を画素16のトランジスタ11aにプログラムを行うためには、ソースドライバ14から比較的大きな電流を出力する必要がある。しかし、このように大きな電流をソース信号線18に流すとこの電流値が画素にプログラムされてしまい、所定の電流に対し大きな電流がEL素子15に流れる。たとえば、10倍の電流でプログラムすれば、当然、10倍の電流がEL素子15に流れ、EL素子15は10倍の輝度で発光する。所定の発光輝度にするためには、EL素子15に流れる時間を1/10にすればよい。このように駆動することにより、ソース信号線18の寄生容量を十分に充放電できるし、所定の発光輝度を得ることができる。
なお、10倍の電流値を画素のトランジスタ11a(正確にはコンデンサ19の端子電圧を設定している)に書き込み、EL素子15のオン時間を1/10にするとしたがこれは一例である。場合によっては、10倍の電流値を画素のトランジスタ11aに書き込み、EL素子15のオン時間を1/5にしてもよい。逆に10倍の電流値を画素のトランジスタ11aに書き込み、EL素子15のオン時間を1/2倍にする場合もあるであろう。
本発明は、画素への書き込み電流を所定値以外の値にし、EL素子15に流れる電流を間欠状態にして駆動することに特徴がある。本明細書では説明を容易にするため、N倍の電流値を画素のトランジスタ11に書き込み、EL素子15のオン時間を1/N倍にするとして説明する。しかし、これに限定するものではなく、N1倍の電流値を画素のトランジスタ11に書き込み、EL素子15のオン時間を1/(N2)倍(N1とN2とは異なる)でもよいことは言うまでもない。
白ラスター表示において、表示画面50の1フィールド(フレーム)期間の平均輝度をB0と仮定する。この時、各画素16の輝度B1が平均輝度B0よりも高くなるように電流(電圧)プログラムを行う駆動方法である。かつ、少なくとも1フィールド(フレーム)期間において、非表示領域53が発生するようにする駆動方法である。したがって、本発明の駆動方法では、1フィールド(フレーム)期間の平均輝度はB1よりも低くなる。
なお、間欠する間隔(非表示領域52/表示領域53)は等間隔に限定するものではない。たとえば、ランダムでもよい(全体として、表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となればよい)。また、RGBで異なっていてもよい。つまり、白(ホワイト)バランスが最適になるように、R、G、B表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となるように調整(設定)すればよい
本発明の駆動方法の説明を容易にするため、1/Nとは、1F(1フィールドまたは1フレーム)を基準にしてこの1Fを1/Nにするとして説明する。しかし、1画素行が選択され、電流値がプログラムされる時間(通常、1水平走査期間(1H))があるし、また、走査状態によっては誤差も生じることは言うまでもない。
たとえば、N=10倍の電流で画素16に電流プログラムし、1/5の期間の間、EL素子15を点灯させてもよい。EL素子15は、10/5=2倍の輝度で点灯する。N=2倍の電流で画素16に電流プログラムし、1/4の期間の間、EL素子15を点灯させてもよい。EL素子15は、2/4=0.5倍の輝度で点灯する。つまり、本発明は、N=1倍でない電流でプログラムし、かつ、常時点灯(1/1、つまり、間欠表示でない)状態以外の表示を実施するものである。また、EL素子15に供給する電流を1フレーム(あるいは1フィールド)の期間において、少なくとも1回、オフする駆動方式である。また、所定値よりも大きな電流で画素16にプログラムし、少なくとも、間欠表示を実施する駆動方式である。
有機(無機)EL表示装置は、CRTのように電子銃で線表示の集合として画像を表示するディスプレイとは表示方法が基本的に異なる点にも課題がある。つまり、EL表示装置では、1F(1フィールドあるいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電流(電圧)を保持する。そのため、動画表示を行うと表示画像の輪郭ぼけが発生するという課題が発生する。
本発明では、1F/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)/N)は電流を流さない。この駆動方式を実施し画面の一点を観測した場合を考える。この表示状態では1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、画像データ表示状態が時間的に間欠表示状態となる。動画データ表示を、間欠表示状態でみると画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現することができる。
本発明の駆動方法では、間欠表示を実現する。しかし、間欠表示は、トランジスタ11dを1H周期でオンオフ制御するだけでよい。したがって、回路のメインクロックは従来と変わらないため、回路の消費電力が増加することもない。液晶表示パネルでは、間欠表示を実現するために画像メモリが必要である。本発明は、画像データは各画素16に保持されている。したがって、間欠表示を実施するための画像メモリは不要である。
本発明はスイッチングのトランジスタ11d、あるいはトランジスタ11eなどをオンオフさせるだけでEL素子15に流す電流を制御する。つまり、EL素子15に流れる電流Iwをオフしても、画像データはそのままコンデンサ19の保持されている。したがって、次のタイミングでスイッチ用トランジスタ11dなどをオンさせ、EL素子15に電流を流せば、その流れる電流は前に流れていた電流値と同一である。本発明では黒挿入(黒表示などの間欠表示)を実現する際においても、回路のメインクロックをあげる必要がない。また、時間軸伸張を実施する必要もないための画像メモリも不要である。また、EL素子15は電流を印加してから発光するまでの時間が短く、高速に応答する。そのため、動画表示に適し、さらに間欠表示を実施することのより従来のデータ保持型の表示パネル(液晶表示パネル、EL表示パネルなど)の問題である動画表示の問題を解決できる。
さらに、大型の表示装置でソース信号線18の配線長が長くなり、ソース信号線18の寄生容量が大きくなる場合は、N値を大きくすることのより対応できる。ソース信号線18に印加するプログラム電流値をN倍にした場合、ゲート信号線17b(トランジスタ11d)の導通期間を1F/Nとすればよい。これによりテレビ、モニターなどの大型表示装置などにも適用が可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の駆動方法についてさらに詳しく説明をする。ソース信号線18の寄生容量は、隣接したソース信号線18間の結合容量、ソースドライブIC(回路)14のバッファ出力容量、ゲート信号線17とソース信号線18とのクロス容量などにより発生する。この寄生容量は通常10pF以上となる。電圧駆動の場合は、ソースドライバIC14からは低インピーダンスで電圧がソース信号線18に印加されるため、寄生容量が多少大きくとも駆動では問題とならない。
しかし、電流駆動では特に黒レベルの画像表示では20nA以下の微小電流で画素のコンデンサ19をプログラムする必要がある。したがって、寄生容量が所定値以上の大きさで発生すると、1画素行にプログラムする時間(通常、1H以内、ただし、2画素行を同時に書き込む場合もあるので1H以内に限定されるものではない。)内に寄生容量を充放電することができない。1H期間で充放電できなれば、画素への書き込み不足となり、解像度がでない。
図1の画素構成の場合、図3の(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwがトランジスタ11aを流れ、Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
次に、EL素子15に電流を流す期間は図3の(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
今、電流I1が本来流す電流(所定値)のN倍であるとすると、図3の(b)のEL素子15に流れる電流もIwとなる。したがって、所定値の10倍の輝度でEL素子15は発光する。つまり、図12に図示するように、倍率Nを高くするほど、画素16の表示輝度Bも高くなる。したがって、倍率と画素16の輝度とは比例関係となる。
そこで、トランジスタ11dを本来オンする時間(約1F)の1/Nの期間だけオンさせ、他の期間(N−1)/N期間はオフさせれば、1F全体の平均輝度は所定の輝度となる。この表示状態は、CRTが電子銃で画面を走査しているのと近似する。異なる点は、画像を表示している範囲が画面全体の1/N(全画面を1とする)が点灯している点である(CRTでは、点灯している範囲は1画素行(厳密には1画素である)。
本発明では、この1F/Nの画像表示領域53が図13の(b)に示すように画面50の上から下に移動する。本発明では、1F/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流が流れ、他の期間(1F・(N−1)/N)は電流が流れない。したがって、各画素16は間欠表示となる。しかし、人間の目には残像により画像が保持された状態となるので、全画面が均一に表示されているように見える。
なお、図13に図示するように、書き込み画素行51aは非点灯表示52aとする。しかし、これは、図1、図2などの画素構成の場合である。図38などで図示するカレントミラーの画素構成では、書き込み画素行51aは点灯状態としてもよい。しかし、本明細書では、説明を容易にするため、主として、図1の画素構成を例示して説明をする。また、図13、図16などの所定駆動電流Iwよりも大きい電流でプログラムし、間欠駆動する駆動方法をN倍パルス駆動と呼ぶ。
この表示状態では1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、画像データ表示状態が時間的に飛び飛び表示(間欠表示)状態となる。液晶表示パネル(本発明以外のEL表示パネル)では、1Fの期間、画素にデータが保持されているため、動画表示の場合は画像データが変化してもその変化に追従することができず、動画ボケとなっていた(画像の輪郭ボケ)。しかし、本発明では画像を間欠表示するため、画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現することができる。
なお、図13に図示するように、駆動するためには、画素16の電流プログラム期間(図1の画素構成においては、ゲート信号線17aのオン電圧Vglが印加されている期間)と、EL素子15をオフまたはオン制御している期間(図1の画素構成においては、ゲート信号線17bのオン電圧Vglまたはオフ電圧Vghが印加されている期間)とを独立に制御できる必要がある。したがって、ゲート信号線17aとゲート信号線17bは分離されている必要がある。
たとえば、ゲートドライバ回路12から画素16に配線されたゲート信号線17が1本である場合、ゲート信号線17に印加されたロジック(VghまたはVgl)をトランジスタ11bに印加し、ゲート信号線17に印加されたロジックをインバータで変換して(VglまたはVgh)して、トランジスタ11dに印加するという構成では、本発明の駆動方法は実施できない。したがって、本発明では、ゲート信号線17aを操作するゲートドライバ回路12aと、ゲート信号線17bを操作するゲートドライバ回路12bが必要となる。
また、本発明の駆動方法は、図1の画素構成においても、電流プログラム期間(1H)以外の期間においても、非点灯表示にする駆動方法である。
図13の駆動方法のタイミングチャートを図14に図示する。なお、本発明などにおいて、特に断りがない時の画素構成は図1であるとする。図14でわかるように、各選択された画素行(選択期間は、1Hとしている)において、ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)が印加されている時(図14の(a)を参照)には、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されている(図14の(b)を参照)。また、この期間は、EL素子15には電流が流れていない(非点灯状態)。選択されていない画素行において、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加されている。また、この期間は、EL素子15に電流が流れている(点灯状態)。また、点灯状態では、EL素子15は所定のN倍の輝度(N・B)で点灯し、その点灯期間は1F/Nである。したがって、1Fを平均した表示パネルの表示輝度は、(N・B)×(1/N)=B(所定輝度)となる。
図15は、図14の動作を各画素行に適用した実施例である。ゲート信号線17に印加する電圧波形を示している。電圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベル)とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。(1)(2)などの添え字は選択している画素行番号を示している。
図15において、ゲート信号線17a(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このプログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示するデータ電流であるから、白ラスター表示などでない限り固定値ではない。)である。したがって、コンデンサ19には10倍に電流がトランジスタ11aに流れるようにプログラムされる。画素行(1)が選択されている時は、図1の画素構成ではゲート信号線17b(1)はオフ電圧(Vgh)が印加され、EL素子15には電流が流れない。
1H後には、ゲート信号線17a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このプログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10として説明する)である。したがって、コンデンサ19には10倍に電流がトランジスタ11aに流れるようにプログラムされる。画素行(2)が選択されている時は、図1の画素構成ではゲート信号線17b(2)はオフ電圧(Vgh)が印加され、EL素子15には電流が流れない。しかし、先の画素行(1)のゲート信号線17a(1)にはオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17b(1)にはオン電圧(Vgl)が印加されるため、点灯状態となっている。
次の1H後には、ゲート信号線17a(3)が選択され、ゲート信号線17b(3)はオフ電圧(Vgh)が印加され、画素行(3)のEL素子15には電流が流れない。しかし、先の画素行(1)(2)のゲート信号線17a(1)(2)にはオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17b(1)(2)にはオン電圧(Vgl)が印加されるため、点灯状態となっている。
以上の動作を1Hの同期信号に同期して画像を表示していく。しかし、図15の駆動方式では、EL素子15には10倍の電流が流れる。したがって、表示画面50は約10倍の輝度で表示される。もちろん、この状態で所定の輝度表示を行うためには、プログラム電流を1/10にしておけばよいことは言うまでもない。しかし、1/10の電流であれば寄生容量などにより書き込み不足が発生するため、高い電流でプログラムし、黒画面52の挿入により所定の輝度を得るのは本発明の基本的な主旨である。
なお、本発明の駆動方法において、所定電流よりも高い電流がEL素子15に流れるようにし、ソース信号線18の寄生容量を十分に充放電するという概念である。つまり、EL素子15にN倍の電流を流さなくともよい。たとえば、EL素子15に並列に電流経路を形成し(ダミーのEL素子を形成し、このEL素子は遮光膜を形成して発光させないなど)、ダミーEL素子とEL素子15に分流して電流を流しても良い。たとえば、信号電流が0.2μAのとき、プログラム電流を2.2μAとして、トランジスタ11aには2.2μAを流す。この電流のうち、信号電流0.2μAをEL素子15に流して、2μAをダミーのEL素子に流すなどの方式が例示される。つまり、図27のダミー画素行271を常時選択状態にする。なお、ダミー画素行は発光させないか、もしくは、遮光膜などを形成し、発光していても視覚的に見えないように構成する。
以上のように構成することにより、ソース信号線18に流す電流をN倍に増加させることにより、駆動用トランジスタ11aにN倍の電流が流れるようにプログラムすることができ、かつ、電流EL素子15には、N倍よりは十分小さい電流をながることができることになる。以上の方法では、図5に図示するように、非表示領域52を設けることなく、全表示画面50を画像表示領域53とすることができる。
図13の(a)は表示画面50への書き込み状態を図示している。図13の(a)において、51aは書き込み画素行である。ソースドライバIC14から各ソース信号線18にプログラム電流が供給される。なお、図13などでは1H期間に書き込む画素行は1行である。しかし、何ら1Hに限定するものではなく、0.5H期間でも、2H期間でもよい。また、ソース信号線18にプログラム電流を書き込むとしたが、本発明は電流プログラム方式に限定するものではなく、ソース信号線18に書き込まれるのは電圧である電圧プログラム方式(図46など)でもよい。
図13の(a)において、ゲート信号線17aが選択されるとソース信号線18に流れる電流がトランジスタ11aにプログラムされる。この時、ゲート信号線17bはオフ電圧が印加されEL素子15には電流が流れない。これは、EL素子15側にトランジスタ11dがオン状態であると、ソース信号線18からEL素子15の容量成分が見え、この容量に影響されてコンデンサ19に十分に正確な電流プログラムができなくなるためである。したがって、図1の構成を例にすれば、図13の(b)で示すように電流を書き込まれている画素行は非表示領域52となる。
今、N(ここでは、先に述べたようにN=10とする)倍の電流でプログラムしたとすれば、画面の輝度は10倍になる。したがって、表示画面50の90%の範囲を非表示領域52とすればよい。したがって、画像表示領域の水平走査線がQCIFの220本(S=220)とすれば、22本と表示領域53とし、220−22=198本を非表示領域52とすればよい。一般的に述べれば、水平走査線(画素行数)をSとすれば、S/Nの領域を表示領域53とし、この表示領域53をN倍の輝度で発光させる。そして、この表示領域53を画面の上下方向に走査する。したがって、S(N−1)/Nの領域は非表示領域52とする。この非表示領域は黒表示(非発光)である。また、この非発光部52はトランジスタ11dをオフさせることにより実現する。なお、N倍の輝度で点灯させるとしたが、当然のことながら明るさ調整、ガンマ調整によりN倍の値と調整することは言うまでもない。
また、先の実施例で、10倍の電流でプログラムしたとすれば、画面の輝度は10倍になり、表示画面50の90%の範囲を非表示領域52とすればよいとした。しかし、これは、RGBの画素を共通に非表示領域52とすることに限定するものではない。例えば、Rの画素は、1/8を非表示領域52とし、Gの画素は、1/6を非表示領域52とし、Bの画素は、1/10を非表示領域52と、それぞれの色により変化させてもよい。また、RGBの色で個別に非表示領域52(あるいは表示領域53)を調整できるようにしてもよい。これらを実現するためには、R、G、Bで個別のゲート信号線17bが必要になる。しかし、以上のRGBの個別調整を可能にすることにより、ホワイトバランスを調整することが可能になり、各階調において色のバランス調整が容易になる(図41を参照のこと)。
図13の(b)に図示するように、書き込み画素行51aを含む画素行が非表示領域52とし、書き込み画素行51aよりも上画面のS/N(時間的には1F/N)の範囲を表示領域53とする(書き込み走査が画面の上から下方向の場合、画面を下から上に走査する場合は、その逆となる)。画像表示状態は、表示領域53が帯状になって、画面の上から下に移動する。
図13の表示では、1つの表示領域53が画面の上から下方向に移動する。フレームレートが低いと、表示領域53が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
この課題に対しては、図16に図示するように、表示領域53を複数に分割するとよい。この分割された総和がS(N−1)/Nの面積となれば、図13の明るさと同等になる。なお、分割された表示領域53は等しく(等分に)する必要はない。また、分割された非表示領域52も等しくする必要はない。
以上のように、表示領域53を複数に分割することにより画面のちらつきは減少する。したがって、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現できる。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分割するほど動画表示性能は低下する。
図17はゲート信号線17の電圧波形およびELの発光輝度を図示している。図17で明らかなように、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)している。つまり、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施する。このように制御すれば、フリッカの発生を抑制でき、低フレームレートの画像表示を実現できる。また、この画像の分割数も可変できるように構成することが好ましい。たとえば、ユーザーが明るさ調整スイッチを押すことにより、あるいは明るさ調整ボリウムを回すことにより、この変化を検出してKの値を変更してもよい。また、ユーザーが輝度を調整するように構成してもよい。表示する画像の内容、データにより手動で、あるいは自動的に変化させるように構成してもよい。
なお、図17などにおいて、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)し、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施するとしたがこれ限定するものではない。1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施してもよい。つまり、本発明は、EL素子15に流す期間(時間)を制御することにより画面50を表示するものである。したがって、1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施することは本発明の技術的思想に含まれる。また、Lの値を変化させることにより、画面50の輝度をデジタル的に変更することができる。たとえば、L=2とL=3では50%の輝度(コントラスト)変化となる。また、画像の表示領域53を分割する時、ゲート信号線17bをVglにする期間は同一期間に限定するものではない。
以上の実施例は、EL素子15に流れる電流を遮断し、また、EL素子に流れる電流を接続することにより、表示画面50をオンオフ(点灯、非点灯)するものであった。つまり、コンデンサ19に保持された電荷によりトランジスタ11aに複数回、略同一電流を流すものである。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、コンデンサ19に保持された電荷を充放電させることにより、表示画面50をオンオフ(点灯、非点灯)する方式でもよい。
図18は図16の画像表示状態を実現するための、ゲート信号線17に印加する電圧波形である。図18と図15の差異は、ゲート信号線17bの動作である。ゲート信号線17bは画面を分割する個数に対応して、その個数分だけオンオフ(VglとVgh)動作する。他の点は図15と同一であるので説明を省略する。
EL表示装置では黒表示は完全に非点灯であるから、液晶表示パネルを間欠表示した場合のように、コントラスト低下もない。また、図1、図2、図32、図43、図117の構成においては、トランジスタ11dをオンオフ操作するだけで間欠表示を実現できる。また、図38、図51、図115の構成においては、トランジスタ素子11eをオンオフ操作するだけで、間欠表示を実現することができる。また、図113においては切り替え回路1131を制御することにより間欠表示を実現できる。また、図114においては、トランジスタ11gをオンオフ制御することにより間欠表示を実現できる。これは、コンデンサ19に画像データがメモリ(アナログ値であるから階調数は無限大)されているからである。つまり、各画素16に、画像データは1Fの期間中は保持されている。この保持されている画像データに相当する電流をEL素子15に流すか否かをトランジスタ11d、11eの制御により実現しているのである。
したがって、以上の駆動方法は、電流駆動方式に限定されるものではなく、電圧駆動方式にも適用できるものである。つまり、EL素子15に流す電流が各画素内で保存している構成において、駆動用トランジスタ11をEL素子15間の電流経路をオンオフすることにより、間欠駆動を実現するものである。
コンデンサ19の端子電圧を維持することはフリッカ低減と低消費電力化に重要である。1フィールド(フレーム)期間でコンデンサ19の端子電圧が変化(充放電)すると、画面輝度が変化し、フレームレートが低下した時にちらつき(フリッカなど)が発生するからである。トランジスタ11aが1フレーム(1フィールド)期間でEL素子15に流す電流は、少なくとも65%以下に低下しないようにする必要がある。この65%とは、画素16に書き込み、EL素子15に流す電流の最初が100%とした時、次のフレーム(フィールド)で前記画素16に書き込む直前のEL素子15に流す電流が65%以上とすることである。
図1の画素構成では、間欠表示を実現する場合としない場合では、1画素を構成するトランジスタ11の個数に変化はない。つまり、画素構成はそのままで、ソース信号線18の寄生容量の影響と除去し、良好な電流プログラムを実現している。その上、CRTに近い動画表示を実現しているのである。
また、ゲートドライバ回路12の動作クロックはソースドライバ回路14の動作クロックに比較して十分に遅いため、回路のメインクロックが高くなるということはない。また、Nの値の変更も容易である。
なお、画像表示方向(画像書き込み方向)は、1フィールド(1フレーム)目では画面の上から下方向とし、つぎの第2フィールド(フレーム)目では画面の下から上方向としてもよい。つまり、上から下方向と、下から上方向とを交互にくりかえす。
さらに、1フィールド(1フレーム)目では画面の上から下方向とし、いったん、全画面を黒表示(非表示)とした後、つぎの第2フィールド(フレーム)目では画面の下から上方向としてもよい。また、いったん、全画面を黒表示(非表示)としてもよい。
なお、以上の駆動方法の説明では、画面の書き込み方法を画面の上から下あるいは下から上としたが、これに限定するものではない。画面の書き込み方向は絶えず、画面の上から下あるいは下から上と固定し、非表示領域52の動作方向を1フィールド目では画面の上から下方向とし、つぎの第2フィールド目では画面の下から上方向としてもよい。また、1フレームを3フィールドに分割し、第1のフィールドではR、第2のフィールドではG、第3のフィールドではBとして、3フィールドで1フレームを形成するとしてもよい。また、1水平走査期間(1H)ごとに、R、G、Bを切り替えて表示してもよい(図125から図132とその説明などを参照のこと)。以上の事項は他の本発明の実施例でも同様である。
非表示領域52は完全に非点灯状態である必要はない。微弱な発光あるいは低輝度の画像表示があっても実用上は問題ない。つまり、画像表示領域53よりも表示輝度が低い領域と解釈するべきである。また、非表示領域52とは、R、G、B画像表示のうち、1色または2色のみが非表示状態という場合も含まれる。また、R、G、B画像表示のうち、1色または2色のみが低輝度の画像表示状態という場合も含まれる。
基本的には表示領域53の輝度(明るさ)が所定値に維持される場合、表示領域53の面積が広くなるほど、画面50の輝度は高くなる。たとえば、表示領域53の輝度が100(nt)の場合、表示領域53が表示画面50に占める割合が10%から20%にすれば、画面の輝度は2倍となる。したがって、表示画面50に占める表示領域53の面積を変化させることにより、画面の表示輝度を変化することができる。画面50の表示輝度は画面50に占める表示領域53の割合に比例する。
表示領域53の面積はシフトレジスタ61へのデータパルス(ST2)を制御することにより、任意に設定できる。また、データパルスの入力タイミング、周期を変化させることにより、図16の表示状態と図13の表示状態とを切り替えることができる。1F周期でのデータパルス数を多くすれば、画面50は明るくなり、少なくすれば、画面50は暗くなる。また、連続してデータパルスを印加すれば図13の表示状態となり、間欠にデータパルスを入力すれば図16の表示状態となる。
図19の(a)は図13のように表示領域53が連続している場合の明るさ調整方式である。図19の(a1)の画面50の表示輝度が最も明るい。図19の(a2)の画面50の表示輝度が次に明るく、図19の(a3)の画面50の表示輝度が最も暗い。図19の(a)は最も動画表示に適する。
図19の(a1)から図19の(a3)への変化(あるいはその逆)は、先にも記載したようにゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路61などの制御により、容易に実現できる。この際、図1のVdd電圧は変化させる必要がない。つまり、電源電圧を変化させずに表示画面50の輝度変化を実施できる。また、図19の(a1)から図19の(a3)への変化の際、画面のガンマ特性は全く変化しない。したがって、画面50の輝度によらず、表示画像のコントラスト、階調特性が維持される。これは本発明の効果のある特徴である。
従来の画面の輝度調整では、画面50の輝度が低い時は、階調性能が低下する。つまり、高輝度表示の時は64階調表示を実現できても、低輝度表示の時は、半分以下の階調数しか表示できない場合がほとんどである。これに比較して、本発明の駆動方法では、画面の表示輝度に依存せず、最高の64階調表示を実現できる。
図19の(b)は図16のように表示領域53が分散している場合の明るさ調整方式である。図19の(b1)の画面50の表示輝度が最も明るい。図19の(b2)の画面50の表示輝度が次に明るく、図19の(b3)の画面50の表示輝度が最も暗い。図19の(b1)から図19の(b3)への変化(あるいはその逆)は、先にも記載したようにゲートドライバ回路12のシフトレジスタ回路61などの制御により、容易に実現できる。図19の(b)のように表示領域53を分散させれば、低フレームレートでもフリッカが発生しない。
さらに低フレームレートでも、フリッカが発生しないようにするには、図19の(c)のように表示領域53を細かく分散させればよい。しかし、動画の表示性能は低下する。したがって、動画を表示するには、図19の(a)の駆動方法が適している。静止画を表示し、低消費電力化を要望する時は、図19の(c)の駆動方法が適している。図19の(a)から図19の(c)の駆動方法の切り替えも、シフトレジスタ61の制御により容易に実現できる。
以上の実施例は、主として、N=2倍、4倍などにする実施例であった。しかし、本発明は整数倍に限定されるものではないことは言うまでもない。また、N=2以上に限定されるものでもない。たとえば、ある時刻で表示画面50の半分以下の領域を非表示領域52とすることもある。所定値の5/4倍の電流Iwで電流プログラムし、1Fの4/5期間点灯させれば、所定の輝度を実現できる。
本発明はこれに限定されるものではない。一例として、10/4倍の電流Iwで電流プログラミングし、1Fの4/5期間の間点灯させるという方法もある。この場合は、所定輝度の2倍で点灯する。また、5/4倍の電流Iwで電流プログラミングし、1Fの2/5期間の間点灯させるという方法もある。この場合は、所定輝度の1/2倍で点灯する。また、5/4倍の電流Iwで電流プログラミングし、1Fの1/1期間の間点灯させるという方法もある。この場合は、所定輝度の5/4倍で点灯する。
つまり、本発明は、プログラム電流の大きさと、1Fの点灯期間を制御することにより、表示画面の輝度を制御する方式である。かつ、1F期間よりも短い期間点灯させることにより、黒画面52を挿入でき、動画表示性能を向上できる。1Fの期間、常時点灯させることにより明るい画面を表示できる。
画素に書き込む電流(ソースドライバ回路14から出力するプログラム電流)は、画素サイズがA平方mmとし、白ラスター表示所定輝度をB(nt)とした時、プログラム電流I(μA)は、
(A×B)/20 <= I <= (A×B)
の範囲とすることが好ましい。発光効率が良好となり、かつ、電流書込み不足が解消する。
さらに、好ましくは、プログラム電流I(μA)は、
(A×B)/10 <= I <= (A×B)
の範囲とすることが好ましい。
図20はソース信号線18に流れる電流を増大させる他の実施例の説明図である。基本的に複数の画素行を同時に選択し、複数の画素行をあわせた電流でソース信号線18の寄生容量などを充放電し電流書き込み不足を大幅に改善する方式である。ただし、複数の画素行を同時に選択するため、1画素あたりの駆動する電流を減少させることができる。したがって、EL素子15に流れる電流を減少させることができる。ここで、説明を容易にするため、一例として、N=10として説明する(ソース信号線18に流す電流を10倍にする)。
図20で説明する本発明は、画素行は同時にM画素行を選択する。ソースドライバIC14からは所定電流のN倍電流をソース信号線18に印加する。各画素にはEL素子15に流す電流のN/M倍の電流がプログラムされる。一例として、EL素子15を所定発光輝度とするために、EL素子15に流れる時間を1フレーム(1フィールド)のM/N時間にする(ただし、M/Nに限定するものでなない。M/Nとするのは理解を容易にするためである。先にも説明したように、表示する画面50輝度により自由に設定できることはいうまでもない。)。このように駆動することにより、ソース信号線18の寄生容量を十分に充放電でき、良好な解像度を所定の発光輝度を得ることができる。
1フレーム(1フィールド)のM/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)M/N)は電流を流さないように表示する。この表示状態では1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、画像データ表示状態が時間的に飛び飛び表示(間欠表示)状態となる。したがって、画像の輪郭ぼけがなくなり良好な動画表示を実現できる。また、ソース信号線18にはN倍の電流で駆動するため、寄生容量の影響をうけず、高精細表示パネルにも対応できる。
図21は、図20の駆動方法を実現するための駆動波形の説明図である。信号波形はオフ電圧をVgh(Hレベル)とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。各信号線の添え字は画素行の番号((1)(2)(3)など)を記載している。なお、行数はQCIF表示パネルの場合は220本であり、VGAパネルでは480本である。
図21において、ゲート信号線17a(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。ここでは説明を容易にするため、まず、書き込み画素行51aが画素行(1)番目であるとして説明する。
また、ソース信号線18に流れるプログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示するデータ電流であるから、白ラスター表示などでない限り固定値ではない。)である。また、5画素行が同時に選択(M=5)として説明をする。したがって、理想的には1つの画素のコンデンサ19には2倍(N/M=10/5=2)に電流がトランジスタ11aに流れるようにプログラムされる。
書き込み画素行が(1)画素行目である時、図21で図示したように、ゲート信号線17aは(1)(2)(3)(4)(5)が選択されている。つまり、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオン状態である。また、ゲート信号線17bはゲート信号線17aの逆位相となっている。したがって、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。
理想的には、5画素のトランジスタ11aが、それぞれIw×2の電流をソース信号線18に流す(つまり、ソース信号線18にはIw×2×N=Iw×2×5=Iw×10。したがって、本発明のN倍パルス駆動を実施しない場合が所定電流Iwとすると、Iwの10倍の電流がソース信号線18に流れる)。
以上の動作(駆動方法)により、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプログラムされる。ここでは、理解を容易にするため、各トランジスタ11aは特性(Vt、S値)が一致しているとして説明をする。
同時に選択する画素行が5画素行(M=5)であるから、5つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、5つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえば、書き込み画素行51aに、本来、書き込む電流Iwとし、ソース信号線18には、Iw×10の電流を流す。書き込み画素行(1)より以降に画像データを書き込む書き込み画素行51bソース信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用いる画素行である。しかし、書き込み画素行51bは後に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。
したがって、4画素行51bにおいて、1H期間の間は51aと同一表示である。そのため、書き込み画素行51aと電流を増加させるために選択した画素行51bとを少なくとも非表示状態52とするのである。ただし、図38のようなカレントミラーの画素構成、その他の電圧プログラム方式の画素構成では表示状態としてもよい。
1H後には、ゲート信号線17a(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(6)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(6)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(1)には正規の画像データが保持される。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(7)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(7)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(2)には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画素行ずつシフトしながら走査することにより1画面が書き換えられる。
図20の駆動方法では、各画素には2倍の電流(電圧)でプログラムを行うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的には2倍となる。したがって、表示画面の輝度は所定値よりも2倍となる。これを所定の輝度とするためには、図16に図示するように、書き込み画素行51を含み、かつ表示画面50の1/2の範囲を非表示領域52とすればよい。
図13と同様に、図20のように1つの表示領域53が画面の上から下方向に移動すると、フレームレートが低いと、表示領域53が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
この課題に対しては、図22に図示するように、表示領域53を複数に分割するとよい。分割された非表示領域52を加えた部分がS(N−1)/Nの面積となれば、分割しない場合と同一となる。
図23はゲート信号線17に印加する電圧波形である。図21と図23との差異は、基本的にはゲート信号線17bの動作である。ゲート信号線17bは画面を分割する個数に対応して、その個数分だけオンオフ(VglとVgh)動作する。他の点は図21とほぼ同一あるいは類推できるので説明を省略する。
以上のように、表示領域53を複数に分割することにより画面のちらつきは減少する。したがって、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現できる。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分割すればするほどフリッカは軽減する。特にEL素子15の応答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオンオフしても、表示輝度の低下はない。
本発明の駆動方法において、EL素子15のオンオフは、ゲート信号線17bに印加する信号のオンオフで制御できる。そのため、本発明の駆動方法では、KHzオーダーの低周波数で制御が可能である。また、黒画面挿入(非表示領域52挿入)を実現するのには、画像メモリなどを必要としない。したがって、低コストで本発明の駆動回路あるいは方法を実現できる。
図24は同時に選択する画素行が2画素行の場合である。検討した結果によると、低温ポリシリコン技術で形成した表示パネルでは、2画素行を同時に選択する方法は表示均一性が実用的であった。これは、隣接した画素の駆動用トランジスタ11aの特性が極めて一致しているためと推定される。また、レーザーアニールする際に、ストライプ状のレーザーの照射方向はソース信号線18と平行に照射することで良好な結果が得られた。
これは同一時間にアニールされる範囲の半導体膜は特性が均一であるためである。つまり、ストライプ状のレーザー照射範囲内では半導体膜が均一に作製され、この半導体膜を利用したトランジスタのVt、モビリティがほぼ等しくなるためである。したがって、ソース信号線18の形成方向に平行にストライプ状のレーザーショットを照射し、この照射位置を移動させることにより、ソース信号線18に沿った画素(画素列、画面の上下方向の画素)の特性はほぼ等しく作製される。したがって、複数の画素行を同時にオンさせて電流プログラムを行った時、プログラム電流は、同時に選択されて複数の画素にはプログラム電流を選択された画素数で割った電流が、ほぼ同一に電流プログラムされる。したがって、目標値に近い電流プログラムを実施でき、均一表示を実現できる。したがって、レーザーショット方向と図24などで説明する駆動方式とは相乗効果がある。
以上のように、レーザーショットの方向をソース信号線18の形成方向と略一致させる(図7を参照のこと)ことにより、画素の上下方向のトランジスタ11aの特性がほぼ同一になり、良好な電流プログラムを実施することができる(画素の左右方向のトランジスタ11aの特性が一致していなくとも)。以上の動作は、1H(1水平走査期間)に同期して、1画素行あるいは複数画素行ずつ選択画素行位置をずらせて実施する。
なお、図8で説明したように、レーザーショットの方向をソース信号線18と平行にするとしたが、必ずしも平行でなくともよい。ソース信号線18に対して斜め方向にレーザーショットを照射しても1つのソース信号線18に沿った画素の上下方向のトランジスタ11aの特性はほぼ一致して形成されるからある。したがって、ソース信号線に平行にレーザーショットを照射するとは、ソース信号線18の沿った任意の画素の上または下に隣接した画素を、1つのレーザー照射範囲に入るように形成するということである。また、ソース信号線18とは一般的には、映像信号となるプログラム電流あるいは電圧を伝達する配線である。
なお、本発明の実施例では1Hごとに、書き込み画素行位置をシフトさせるとしたが、これに限定するものではなく、2Hごとにシフト(2画素行ごと)してもよく、また、それ以上の画素行ずつシフトさせてもよい。また、任意の時間単位でシフトしてもよい。また、1画素行とばしでシフトしてもよい。
画面位置に応じて、シフトする時間を変化させてもよい。たとえば、画面の中央部でのシフト時間を短くし、画面の上下部でシフト時間を長くしてもよい。たとえば、画面50の中央部は200μsecごとに1画素行をシフトし、画面50の上下部は、100μsecごとに1画素行をシフトする。このようにシフトすることにより、画面50の中央部の発光輝度が高くなり、周辺(画面50の上部と下部)を低くできる)。なお、画面50の中央部と画面上部のシフト時間、画面50の中央部と画面下部のシフト時間は滑らかに時間変化するようにし、輝度輪郭がでないように制御することは言うまでもない。
なお、ソースドライバ回路14の基準電流を画面50の走査位置に対応して変化(図146などを参照のこと)させてもよい。たとえば、画面50の中央部の基準電流を10μAとし、画面50の上下部の基準電流は5μAとする。このように画面50位置に対応して基準電流を変化させることにより、画面50の中央部の発光輝度が高くなり、周辺(画面50の上部と下部)を低くできる)。なお、画面50の中央部と画面上部との間の基準電流、画面50の中央部と画面下部との間の基準電流の値は滑らかに時間変化するようにし、輝度輪郭がでないように基準電流を制御することは言うまでもない。
また、画面位置に応じて、画素行をシフトする時間を制御する駆動方法と、画面50位置に対応して基準電流を変化させる駆動方法を組み合わせて画像表示を行っても良いことは言うまでもない。
フレームごとにシフト時間を変化させてもよい。また、連続した複数画素行を選択することに限定するものではない。例えば、1画素行へだてた画素行を選択してもよい。
つまり、第1番目の水平走査期間に第1番目の画素行と第3番目の画素行を選択し、第2番目の水平走査期間に第2番目の画素行と第4番目の画素行を選択し、第3番目の水平走査期間に第3番目の画素行と第5番目の画素行を選択し、第4番目の水平走査期間に第4番目の画素行と第6番目の画素行を選択する駆動方法である。もちろん、第1番目の水平走査期間に第1番目の画素行と第3番目の画素行と第5番目の画素行を選択するという駆動方法も技術的範疇である。もちろん、複数画素行へだてた画素行位置を選択してもより。
なお、以上のレーザーショット方向と、複数本の画素行を同時に選択するという組み合わせは、図1、図2、図32の画素構成のみに限定されるものではなく、カレントミラーの画素構成である図38、図42、図50などの他の電流駆動方式の画素構成にも適用できることはいうまでもない。また、図43、図51、図54、図46などの電圧駆動の画素構成にも適用できる。つまり、画素上下のトランジスタの特性が一致しておれば、同一のソース信号線18に印加した電圧値により良好に電圧プログラムを実施できるからである。
図24において、書き込み画素行が(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは(1)(2)が選択されている(図25を参照のこと)。つまり、画素行(1)(2)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオン状態である。したがって、少なくとも画素行(1)(2)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。なお、図24では、フリッカの発生を低減するため、表示領域53を5分割している。
理想的には、2画素(行)のトランジスタ11aが、それぞれIw×5(N=10の場合。つまり、K=2であるから、ソース信号線18に流れる電流はIw×K×5=Iw×10となる)の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素16のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされる。
同時に選択する画素行が2画素行(K=2)であるから、2つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、2つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
たとえば、書き込み画素行51aに、本来、書き込む電流Idとし、ソース信号線18には、Iw×10の電流を流す。書き込み画素行51bは後に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。画素行51bは、1H期間の間は51aと同一表示である。そのため、書き込み画素行51aと電流を増加させるために選択した画素行51bとを少なくとも非表示状態52とするのである。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(3)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(1)には正規の画像データが保持される。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(4)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(4)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(2)には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画素行ずつシフト(もちろん、複数画素行ずつシフトしてもよい。たとえば、擬似インターレース駆動であれば、2行ずつシフトするであろう。また、画像表示の観点から、複数の画素行に同一画像を書き込む場合もあるであろう)しながら走査することにより1画面が書き換えられる。
図16と同様であるが、図24の駆動方法では、各画素には5倍の電流(電圧)でプログラムを行うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的には5倍となる。したがって、表示領域53の輝度は所定値よりも5倍となる。これを所定の輝度とするためには、図16などに図示するように、書き込み画素行51を含み、かつ表示画面1の1/5の範囲を非表示領域52とすればよい。
図27に図示するように、2本の書き込み画素行51(51a、51b)が選択され、画面50の上辺から下辺に順次選択されていく(図26も参照のこと。図26では画素行16aと16bが選択されている)。しかし、図27の(b)のように、画面の下辺までくると書き込み画素行51aは存在するが、51bはなくなる。つまり、選択する画素行が1本しかなくなる。そのため、ソース信号線18に印加された電流は、すべて画素行51aに書き込まれる。したがって、画素行51aに比較して、2倍の電流が画素にプログラムされてしまう。
この課題に対して、本発明は、図27の(b)に図示するように画面50の下辺にダミー画素行271を形成(配置)している。したがって、選択画素行が画面50の下辺まで選択された場合は、画面50の最終画素行とダミー画素行271が選択される。そのため、図27の(b)の書き込み画素行には、規定どおりの電流が書き込まれる。
なお、ダミー画素行271は表示画面50の上端あるいは下端に隣接して形成したように図示したが、これに限定するものではない。表示画面50から離れた位置に形成されていてもよい。また、ダミー画素行271は、図1のスイッチング用トランジスタ11d、EL素子15などは形成する必要はない。形成しないことにより、ダミー画素行271のサイズは小さくなる。
図28は図27の(b)の状態を示している。図28で明らかのように、選択画素行が画面50の下辺の画素16c行まで選択された場合は、画面50の最終画素行(ダミー画素行)271が選択される。ダミー画素行271は表示画面50外に配置する。つまり、ダミー画素行(ダミー画素)271は点灯しない、あるいは点灯させない、もしくは点灯しても表示として見えないように構成する。たとえば、画素電極105とトランジスタ11とのコンタクトホールをなくすとか、ダミー画素行271にはEL膜15を形成しないとかである。また、ダミー画素行の画素電極105上に絶縁膜を形成する構成などが例示される。
図27では、画面50の下辺にダミー画素(行)271を設ける(形成する、配置する)としたが、これに限定するものではない。たとえば、図29の(a)に図示するように、画面の下辺から上辺に走査する(上下逆転走査)する場合は、図29の(b)に図示するように画面50の上辺にもダミー画素行271を形成すべきである。つまり、画面50の上辺を下辺のそれぞれにダミー画素行271を形成(配置)する。以上のように構成することにより、画面の上下反転走査にも対応できるようになる。以上の実施例は、2画素行を同時選択する場合であった。
本発明はこれに限定するものではなく、たとえば、5画素行を同時選択する方式(図23を参照のこと)でもよい。つまり、5画素行同時駆動の場合は、ダミー画素行271は4行分形成すればよい。したがって、ダミー画素行271は同時に選択する画素行−1の画素数分を形成すればよい。ただし、これは、1画素行ずつ選択する画素行をシフトする場合である。複数画素行ずつシフトする場合は、選択する画素数をMとし、シフトする画素行数をLとしたとき、(M−1)×L画素行分を形成すればよい。
本発明のダミー画素行構成あるいはダミー画素行駆動は、少なくとも1つ以上のダミー画素行を用いる方式である。もちろん、ダミー画素行駆動方法とN倍パルス駆動とを組み合わせて用いることが好ましい。
複数本の画素行を同時に選択する駆動方法では、同時に選択する画素行数が増加するほど、トランジスタ11aの特性バラツキを吸収することが困難になる。しかし、同時選択画素行数Mが少なくなると、1画素にプログラムする電流が大きくなり、EL素子15に大きな電流を流すことになる。EL素子15に流す電流が大きいとEL素子15が劣化しやすくなる。
図30はこの課題を解決するものである。図30の基本概念は、1/2H(水平走査期間の1/2)は、図22、図29で説明したように、複数の画素行を同時に選択する方法である。その後の(1/2)H(水平走査期間の1/2)は図5、図13などで説明したように、1画素行を選択する方法を組み合わせたものである。このように組み合わせることにより、トランジスタ11aの特性バラツキを吸収しより、高速にかつ面内均一性を良好にすることができる。なお、理解を容易にするため、(1/2)Hで操作するとして説明するがこれに限定するものではない。最初の期間を(1/4)Hとし、後半の期間を(3/4)Hとしてもよい。
図30において、説明を容易にするため、第1の期間では5画素行を同時に選択し、第2の期間では1画素行を選択するとして説明をする。まず、第1の期間(前半の1/2H)では、図30の(a1)に図示するように、5画素行を同時に選択する。この動作は図22を用いて説明したので省略する。一例としてソース信号線18に流す電流は所定値の25倍とする。したがって、各画素16のトランジスタ11a(図1の画素構成の場合)には5倍の電流(25/5画素行=5)がプログラムされる。25倍の電流であるから、ソース信号線18などに発生する寄生容量は極めて短期間に充放電される。したがって、ソース信号線18の電位は、短時間で目標の電位となり、各画素16のコンデンサ19の端子電圧も5倍電流を流すようにプログラムされる。この25倍電流の印加時間は前半の1/2H(1水平走査期間の1/2)とする。
当然のことながら、書き込み画素行の5画素行は同一画像データが書き込まれるから、表示しないように5画素行のトランジスタ11dはオフ状態とされる。したがって、表示状態は図30の(a2)となる。
次の後半の1/2H期間は、1画素行を選択し、電流(電圧)プログラムを行う。この状態を図30の(b1)に図示している。書き込み画素行51aは先と同様に5倍の電流を流すように電流(電圧)プログラムされる。図30の(a1)と図30の(b1)とで各画素に流す電流を同一にするのは、プログラムされたコンデンサ19の端子電圧の変化を小さくして、より高速に目標の電流を流せるようにするためである。
つまり、図30の(a1)で、複数の画素に電流を流し、高速に概略の電流が流れる値まで近づける。この第1の段階では、複数のトランジスタ11aでプログラムしているため、目標値に対してトランジスタのバラツキによる誤差が発生している。次の第2の段階で、データを書き込みかつ保持する画素行のみを選択して、概略の目標値から、所定の目標値まで完全なプログラムを行うのである。
なお、非表示領域52を画面の上から下方向に走査し、また、書き込み画素行51aも画面の上から下方向に走査することは図13などの実施例と同様であるので説明を省略する。
図31は図30の駆動方法を実現するための駆動波形である。図31でわかるように、1H(1水平走査期間)は2つのフェーズで構成されている。この2つのフェーズはISEL信号で切り替える。ISEL信号は図31に図示している。
まず、ISEL信号について説明をしておく。図30を実施するソースドライバ回路14は、電流出力回路Aと電流出力回路Bとを具備している。それぞれの電流出力回路は、8ビットの階調データをDA変換するDA回路とオペアンプなどから構成される。図30の実施例では、電流出力回路Aは25倍の電流を出力するように構成されている。一方、電流出力回路Bは5倍の電流を出力するように構成されている。電流出力回路Aと電流出力回路Bの出力はISEL信号により電流出力部に形成(配置)されたスイッチ回路が制御され、ソース信号線18に印加される。この電流出力回路は各ソース信号線に配置されている。
ISEL信号は、Lレベルの時、25倍電流を出力する電流出力回路Aが選択されてソース信号線18からの電流をソースドライバIC14が吸収する(より適切には、ソースドライバ回路14内に形成された電流出力回路Aが吸収する)。25倍、5倍などの電流出力回路電流の大きさ調整は容易である。複数の抵抗とアナログスイッチで容易に構成できるからである。
図30に示すように書き込み画素行が(1)画素行目である時(図30の1Hの欄を参照)、ゲート信号線17aは(1)(2)(3)(4)(5)が選択されている(図1の画素構成の場合)。つまり、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオン状態である。また、ISELがLレベルであるから、25倍電流を出力する電流出力回路Aが選択され、ソース信号線18と接続されている。また、ゲート信号線17bには、オフ電圧(Vgh)が印加されている。したがって、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。
理想的には、5画素のトランジスタ11aが、それぞれIw×2の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素16のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされる。ここでは、理解を容易にするため、各トランジスタ11aは特性(Vt、S値)が一致しているとして説明をする。
同時に選択する画素行が5画素行(K=5)であるから、5つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、5つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。たとえば、書き込み画素行51aに、従来の駆動方法で画素に書き込む電流Iwとする時、ソース信号線18には、Iw×25の電流を流す。書き込み画素行(1)より以降に画像データを書き込む書き込み画素行51bソース信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用いる画素行である。しかし、書き込み画素行51bは後に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。
したがって、画素行51bは、1H期間の間は51aと同一表示である。そのため、書き込み画素行51aと電流を増加させるために選択した画素行51bとを少なくとも非表示状態52とするのである。
次の1/2H(水平走査期間の1/2)では、書き込み画素行51aのみを選択する。つまり、(1)画素行目のみを選択する。図31で明らかなように、ゲート信号線17a(1)のみが、オン電圧(Vgl)が印加され、ゲート信号線17a(2)(3)(4)(5)はオフ(Vgh)が印加されている。したがって、画素行(1)のトランジスタ11aは動作状態(ソース信号線18に電流を供給している状態)であるが、画素行(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオフ状態である。つまり、非選択状態である。
また、ISELがHレベルであるから、5倍電流を出力する電流出力回路Bが選択され、この電流出力回路Bとソース信号線18とが接続されている。また、ゲート信号線17bの状態は先の1/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧(Vgh)が印加されている。したがって、画素行(1)(2)(3)(4)(5)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。
以上のことから、画素行(1)のトランジスタ11aが、それぞれIw×5の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素行(1)のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされる。
次の水平走査期間では1画素行、書き込み画素行がシフトする。つまり、今度は書き込み画素行が(2)である。最初の1/2Hの期間では、図31に示すように書き込み画素行が(2)画素行目である時、ゲート信号線17aは(2)(3)(4)(5)(6)が選択されている。つまり、画素行(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオン状態である。また、ISELがLレベルであるから、25倍電流を出力する電流出力回路Aが選択され、ソース信号線18と接続されている。また、ゲート信号線17bには、オフ電圧(Vgh)が印加されている。
したがって、画素行(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。一方、画素行(1)のゲート信号線17b(1)はVgl電圧が印加されているから、トランジスタ11dはオン状態であり、画素行(1)のEL素子15は点灯する。
同時に選択する画素行が5画素行(K=5)であるから、5つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、5つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
次の1/2H(水平走査期間の1/2)では、書き込み画素行51aのみを選択する。つまり、(2)画素行目のみを選択する。図31で明らかなように、ゲート信号線17a(2)のみが、オン電圧(Vgl)が印加され、ゲート信号線17a(3)(4)(5)(6)はオフ(Vgh)が印加されている。
したがって、画素行(1)(2)のトランジスタ11aは動作状態(画素行(1)はEL素子15に電流を流し、画素行(2)はソース信号線18に電流を供給している状態)であるが、画素行(3)(4)(5)(6)のスイッチング用トランジスタ11b、トランジスタ11cがオフ状態である。つまり、非選択状態である。
また、ISELがHレベルであるから、5倍電流を出力する電流出力回路Bが選択され、この電流出力回路1222bとソース信号線18とが接続されている。また、ゲート信号線17bの状態は先の1/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧(Vgh)が印加されている。したがって、画素行(2)(3)(4)(5)(6)のスイッチング用トランジスタ11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れていない。つまり、非点灯状態52である。
以上のことから、画素行(2)のトランジスタ11aが、それぞれIw×5の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素行(2)のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされる。以上の動作を順次、実施することにより1画面を表示することができる。
図30で説明した駆動方法は、第1の期間でG画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行にはN倍の電流を流すようにプログラムする。第1の期間後の第2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以上)を選択し、画素にはN倍の電流を流すようにプログラムする方式である。
しかし、他の方策もある。第1の期間でG画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行の総和電流がN倍の電流となるようにプログラムする。第1の期間後の第2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以上)を選択し、選択された画素行の総和の電流(ただし、選択画素行が1の時は、1画素行の電流)がN倍となるようにプログラムする方式である。たとえば、図30の(a1)において、5画素行を同時に選択し、各画素のトランジスタ11aには2倍の電流を流す。したがって、ソース信号線18には5×2倍=10倍の電流が流れる。次の第2の期間では図30の(b1)において、1画素行を選択する。この1画素のトランジスタ11aには10倍の電流を流す。
なお、図31において、複数の画素行を同時に選択する期間を1/2Hとし、1画素行を選択する期間を1/2Hとしたがこれに限定するものではない。複数の画素行を同時に選択する期間を1/4Hとし、1画素行を選択する期間を3/4Hとしてもよい。また、複数の画素行を同時に選択する期間と、1画素行を選択する期間とを加えた期間は1Hとしたがこれに限定するものではない。たとえば、2H期間でも、1.5H期間であっても良い。
また、図30において、5画素行を同時に選択する期間を1/2Hとし、次の第2の期間では2画素行を同時に選択するとしてもよい。この場合でも実用上、支障のない画像表示を実現できる。
また、図30において、5画素行を同時に選択する第1の期間を1/2Hとし、1画素行を選択する第2の期間を1/2Hとする2段階としたがこれに限定するものではない。たとえば、第1の段階は、5画素行を同時に選択し、第2の期間は前記5画素行のうち、2画素行を選択し、最後に、1画素行を選択する3つの段階としてもよい。つまり、複数の段階で画素行に画像データを書き込んでも良い。
以上の実施例は、1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式、あるいは、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。画像データに応じて1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式と、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式を組み合わせてもよい。
以下、本発明のインターレース駆動について説明をする。図133はインターレース駆動を行う本発明の表示パネルの構成である。図133において、奇数画素行のゲート信号線17aはゲートドライバ回路12a1に接続されている。偶数画素行のゲート信号線17aはゲートドライバ回路12a2に接続されている。一方、奇数画素行のゲート信号線17bはゲートドライバ回路12b1に接続されている。偶数画素行のゲート信号線17bはゲートドライバ回路12b2に接続されている。
したがって、ゲートドライバ回路12a1の動作(制御)により奇数画素行の画像データが順次書き換えられる。奇数画素行は、ゲートドライバ回路12b1の動作(制御)によりEL素子の点灯、非点灯制御が行われる。また、ゲートドライバ回路12a2の動作(制御)により偶数画素行の画像データが順次書き換えられる。また、偶数画素行は、ゲートドライバ回路12b2の動作(制御)によりEL素子の点灯、非点灯制御が行われる。
図134の(a)は、第1フィールドでの表示パネルの動作状態である。図134の(b)は、第2フィールドでの表示パネルの動作状態である。なお、説明を容易にするため、1フレームは2フィールドで構成されているとする。図134において、斜線を記入したゲートドライバ回路12はデータの走査動作がしていないことを示している。つまり、図134の(a)の第1フィールドでは、プログラム電流の書込み制御としてゲートドライバ回路12a1が動作し、EL素子15の点灯制御としてゲートドライバ回路12b2が動作する。図134の(b)の第2フィールドでは、プログラム電流の書込み制御としてゲートドライバ回路12a2が動作し、EL素子15の点灯制御としてゲートドライバ回路12b1が動作する。以上の動作が、フレーム内で繰り返される。
図135が第1フィールドでの画像表示状態である。図135の(a)が書込み画素行(電流(電圧)プログラムを行っている奇数画素行位置を図示している。図135の(a1)→(a2)→(a3)と書込み画素行位置が順次シフトされる。第1フィールドでは、奇数画素行が順次書き換えられる(偶数画素行の画像データは保持されている)。図135の(b)が奇数画素行の表示状態を図示している。なお、図135の(b)は奇数画素行のみを図示している。偶数画素行は図135の(c)に図示している。図135の(b)でも明らかなように、奇数画素行に対応する画素のEL素子15は非点灯状態である。一方、偶数画素行は、図135の(c)に図示しているように表示領域53と非表示領域52を走査する(N倍パルス駆動)。
図136が第2フィールドでの画像表示状態である。図136の(a)が書込み画素行(電流(電圧)プログラムを行っている奇数画素行位置を図示している。図136の(a1)→(a2)→(a3)と書込み画素行位置が順次シフトされる。第2フィールドでは、偶数画素行が順次書き換えられる(奇数画素行の画像データは保持されている)。図136の(b)が奇数画素行の表示状態を図示している。なお、図136の(b)は奇数画素行のみを図示している。偶数画素行は図136の(c)に図示している。図136の(b)でも明らかなように、偶数画素行に対応する画素のEL素子15は非点灯状態である。一方、奇数画素行は、図136の(c)に図示しているように表示領域53と非表示領域52を走査する(N倍パルス駆動)。
以上のように駆動することにより、インターレース駆動をEL表示パネルで容易に実現することができる。また、N倍パルス駆動を実施することにより書込み不足も発生せず、動画ボケも発生することがない。また、電流(電圧)プログラムの制御と、EL素子15の点灯制御も容易であり、回路も容易に実現できる。
なお、本発明の駆動方式は、図135、図136の駆動方式に限定されるものではない。たとえば、図137の駆動方式も例示される。図135、図136は、電流(電圧)プログラムを行っている奇数画素行または偶数画素行は非表示領域52(非点灯、黒表示)とするものであった。図137の実施例は、EL素子15の点灯制御を行うゲートドライバ回路12b1、12b2の両方を同期させて動作させるものである。ただし、電流(電圧)プログラムを行っている画素行51は非表示領域となるように制御することはいうまでもない(図38のカレントミラー画素構成ではその必要はない)。図137では、奇数画素行と偶数画素行の点灯制御が同一であるので、ゲートドライバ回路12b1と12b2の2つと設ける必要はない。ゲートドライバ回路12bを1つで点灯制御することができる。
図137は、奇数画素行と偶数画素行の点灯制御を同一にする駆動方法であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図138は、奇数画素行と偶数画素行の点灯制御を異ならせた実施例である。とくに、図138は奇数画素行の点灯状態(表示領域53、非表示領域52)の逆パターンを偶数画素行の点灯状態にした例である。したがって、表示領域53の面積と非表示領域52の面積とは同一になるようにしている。もちろん、表示領域53の面積と非表示領域52の面積とは同一になることに限定されるものではない。
また、図136、図135において、奇数画素行あるいは偶数画素行ですべての画素行が非点灯状態にすることに限定されるものではない。
以上の実施例は、1画素行ずつ電流(電圧)プログラムを実施する駆動方法であった。しかし、本発明の駆動方法はこれに限定されるものではなく、図139に図示するように2画素行(複数画素行)を同時に電流(電圧)プログラム行っても良いことは言うまでもない(図27とその説明も参照のこと)。図139の(a)は奇数フィールドの実施例であり、図139の(b)は偶数フィールドの実施例である。奇数フィールドでは、(1、2)画素行、(3、4)画素行、(5、6)画素行、(7、8)画素行、(9、10)画素行、(11、12)画素行、・・・・・・・・(n、n+1)画素行(nは1以上の整数)の組で2画素行を順次選択し、電流プログラムを行っていく。偶数フィールドでは、(2、3)画素行、(4、5)画素行、(6、7)画素行、(8、9)画素行、(10、11)画素行、(12、13)画素行、・・・・・・・・(n+1、n+2)画素行(nは1以上の整数)の組で2画素行を順次選択し、電流プログラムを行っていく。
以上のように各フィールドで複数画素行を選択し電流プログラムを行うことによりソース信号線18に流す電流を増加することができ、黒書き込みを良好にすることができる。また、奇数フィールドと偶数フィールドで選択する複数画素行の組を少なくとも1画素行ずらせることにより、画像の解像度を向上させることができる。
図139の実施例は、各フィールドで選択する画素行を2画素行としたが、これに限定するものではなく3画素行としてもよい。この場合は、奇数フィールドと偶数フィールドで選択する3画素行の組は1画素行ずらせる方法と、2画素行ずらせる方法の2方式を選択可能である。また、各フィールドで選択する画素行は4画素行以上としてもよい。また、図125〜図132に図示するように、1フレームを3フィールド以上で構成するようにしてもよい。
また、図139の実施例では、2画素行を同時に選択するとしたが、これに限定するものではなく、1Hを前半1/2Hと後半の1/2Hとし、奇数フィールドでは、第1H期間の前半の1/2H期間に第1画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第2画素行を選択して電流プログラムを行う。次の第2H期間の前半の1/2H期間に第3画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第4画素行を選択して電流プログラムを行う。また、次の第3H期間の第1H期間の前半の1/2H期間に第5画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第6画素行を選択して電流プログラムを行う。・・・・・・と駆動してもよい。
また、偶数フィールドでは、第1H期間の前半の1/2H期間に第2画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第3画素行を選択して電流プログラムを行う。次の第2H期間の前半の1/2H期間に第4画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第5画素行を選択して電流プログラムを行う。また、次の第3H期間の第1H期間の前半の1/2H期間に第6画素行を選択して電流プログラムを行い、後半の1/2H期間に第7画素行を選択して電流プログラムを行う。・・・・・・と駆動してもよい。
以上の実施例においても各フィールドで選択する画素行を2画素行としたが、これに限定するものではなく3画素行としてもよい。この場合は、奇数フィールドと偶数フィールドで選択する3画素行の組は1画素行ずらせる方法と、2画素行ずらせる方法の2方式を選択可能である。また、各フィールドで選択する画素行は4画素行以上としてもよい。
本発明のN倍パルス駆動方法では、各画素行で、ゲート信号線17bの波形を同一にし、1Hの間隔でシフトさせて印加していく。このように走査することにより、EL素子15が点灯している時間を1F/Nに規定しながら、順次、点灯する画素行をシフトさせることができる。このように、各画素行で、ゲート信号線17bの波形を同一にし、シフトさせていることを実現することは容易である。図6のシフトレジスタ回路61a、61bに印加するデータであるST1、ST2を制御すればよいからである。たとえば、入力ST2がLレベルの時、ゲート信号線17bにVglが出力され、入力ST2がHレベルの時、ゲート信号線17bにVghが出力されるとすれば、シフトレジスタ61bに印加するST2を1F/Nの期間だけLレベルで入力し、他の期間はHレベルにする。この入力されたST2を1Hに同期したクロックCLK2でシフトしていくだけである。
なお、EL素子15をオンオフする周期は0.5msec以上にする必要がある。この周期が短いと、人間の目の残像特性により完全な黒表示状態とならず、画像がぼやけたようになり、あたかも解像度が低下したようになる。また、データ保持型の表示パネルの表示状態となる。しかし、オンオフ周期を100msec以上になると、点滅状態に見える。したがって、EL素子のオンオフ周期は0.5μsec以上100msec以下にすべきである。さらに好ましくは、オンオフ周期を2msec以上30msec以下にすべきである。さらに好ましくは、オンオフ周期を3msec以上20msec以下にすべきである。
先にも記載したが、黒画面52の分割数は、1つにすると良好な動画表示を実現できるが、画面のちらつきが見えやすくなる。したがって、黒挿入部を複数に分割することが好ましい。しかし、分割数をあまりに多くすると動画ボケが発生する。分割数は1以上8以下とすべきである。さらに好ましくは1以上5以下とすることが好ましい。
なお、黒画面の分割数は静止画と動画で変更できるように構成することが好ましい。分割数とは、N=4では、75%が黒画面であり、25%が画像表示である。このとき、75%の黒表示部を75%の黒帯状態で画面の上下方向に走査するのが分割数1である。25%の黒画面と25/3%の表示画面の3ブロックで走査するのが分割数3である。静止画は分割数を多くする。動画は分割数を少なくする。切り替えは入力画像に応じて自動的(動画検出など)に行っても良く、ユーザーが手動で行ってもよい。また、表示装置の映像などに入力コンセントに対応して切り替ええするように構成すればよい。
たとえば、携帯電話などにおいて、壁紙表示、入力画面では、分割数を10以上とする(極端には1Hごとにオンオフしてもよい)。NTSCの動画を表示するときは、分割数を1以上5以下とする。なお、分割数は3以上の多段階に切り替えできるように構成することが好ましい。たとえば、分割数なし、2、4、8などである。
また、全表示画面に対する黒画面の割合は、全画面の面積を1とした時、0.2以上0.9以下(Nで表示すれば1.2以上9以下)とすることが好ましい。また、特に0.25以上0.6以下(Nで表示すれば1.25以上6以下)とすることが好ましい。0.20以下であると動画表示での改善効果が低い。0.9以上であると、表示部分の輝度が高くなり、表示部分が上下に移動することが視覚的に認識されやすくなる。
また、1秒あたりのフレーム数は、10以上100以下(10Hz以上100Hz以下)が好ましい。さらには12以上65以下(12Hz以上65Hz以下)が好ましい。フレーム数が少ないと、画面のちらつきが目立つようになり、あまりにもフレーム数が多いと、ソースドライバ回路14などからの書き込みが苦しくなり解像度が劣化する。
なお、以上の事項は、図38などの電流プログラムの画素構成、図43、図51、図54などの電圧プログラムの画素構成でも適用できることは言うまでもない。図38では、トランジスタ11dを、図43ではトランジスタ11dを、図51ではトランジスタ11eをオンオフ制御すればよい。このように、EL素子15に電流を流す配線をオンオフすることにより、本発明のN倍パルス駆動を容易に実現できる。
また、ゲート信号線17bの1F/Nの期間だけ、Vglにする時刻は1F(1Fに限定するものではない。単位期間でよい。)の期間のうち、どの時刻でもよい。単位時間にうち、所定の期間だけEL素子15をオンさせることにより、所定の平均輝度を得るものだからである。ただし、電流プログラム期間(1H)後、すぐにゲート信号線17bをVglにしてEL素子15を発光させる方がよい。図1のコンデンサ19の保持率特性の影響を受けにくくなるからである。
また、この画像の分割数も可変できるように構成することが好ましい。たとえば、ユーザーが明るさ調整スイッチを押すことにより、あるいは明るさ調整ボリウムを回すことにより、この変化を検出してKの値を変更する。表示する画像の内容、データにより手動で、あるいは自動的に変化させるように構成してもよい。
このようにKの値(画像表示部53の分割数)を変化させることも容易に実現できる。図6においてSTに印加するデータのタイミング(1FのいつにLレベルにするか)を調整あるいは可変できるように構成しておけばよいからである。
なお、図16などでは、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数M)し、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施するとしたがこれ限定するものではない。1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施してもよい。つまり、本発明は、EL素子15に流す期間(時間)を制御することにより画面50を表示するものである。したがって、1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施することは本発明の技術的思想に含まれる。また、Lの値を変化させることにより、画面50の輝度をデジタル的に変更することができる。たとえば、L=2とL=3では50%の輝度(コントラスト)変化をなる。これらの制御も、本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない(もちろん、以降に説明する本発明にも適用できる)。これらも本発明のN倍パルス駆動である。
以上の実施例は、EL素子15と駆動用トランジスタ11aとの間にスイッチング素子としてのトランジスタ11dを配置(形成)し、このトランジスタ11dを制御することにより、画面50をオンオフ表示するものであった。この駆動方法により、電流プログラム方式の黒表示状態での電流書き込み不足をなくし、良好な解像度あるいは黒表示を実現するものであった。つまり、電流プログラム方式では、良好な黒表示を実現することが重要である。次に説明する駆動方法は、駆動用トランジスタ11aをリセットし、良好な黒表示を実現するものである。以下、図32を用いて、その実施例について説明をする。
図32は基本的には図1の画素構成である。図32の画素構成では、プログラムされたIw電流がEL素子15に流れ、EL素子15が発光する。つまり、駆動用トランジスタ11aはプログラムされることにより、電流を流す能力を保持している。この電流を流す能力を利用してトランジスタ11aをリセット(オフ状態)にする方式が図32の駆動方式である。以降、この駆動方式をリセット駆動と呼ぶ。
図1の画素構成でリセット駆動を実現するためには、トランジスタ11bとトランジスタ11cを独立してオンオフ制御できるように構成する必要がある。つまり、図32で図示するようにトランジスタ11bをオンオフ制御するゲート信号線17a(ゲート信号線WR)、トランジスタ11cをオンオフ制御するゲート信号線17c(ゲート信号線EL)を独立して制御できるようにする。ゲート信号線17aとゲート信号線17cの制御は、図6に図示するように独立した2つのシフトレジスタ61で行えばよい。
トランジスタ11bを駆動するゲート信号線17aとトランジスタ11dを駆動するゲート信号線17bの駆動電圧は変化させるとよい(図1の画素構成の場合)。ゲート信号線17aの振幅値(オン電圧とオフ電圧との差)は、ゲート信号線17bの振幅値よりも小さくする。
ゲート信号線17の振幅値が大きいと、ゲート信号線17と画素16との突き抜け電圧が大きくなり、黒浮きが発生する。ゲート信号線17aの振幅は、ソース信号線18の電位が画素16に印加されない(印加する(選択時))を制御すればよいのである。ソース信号線18の電位変動は小さいから、ゲート信号線17aの振幅値は小さくすることができる。
一方、ゲート信号線17bはELのオンオフ制御を実施する必要がある。したがって、振幅値は大きくなる。これに対応するため、シフトレジスタ61aと61bとの出力電圧を変化させる。画素がPチャンネルトランジスタで形成されている場合は、シフトレジスタ61aと61bのVgh(オフ電圧)を略同一にし、シフトレジスタ61aのVgl(オン電圧)をシフトレジスタ61bのVgl(オン電圧)よりも低くする。
以下、図33を参照しながら、リセット駆動方式について説明をする。図33はリセット駆動の原理説明図である。まず、図33の(a)に図示するように、トランジスタ11c、トランジスタ11dをオフ状態にし、トランジスタ11bをオン状態にする。すると、駆動用トランジスタ11aのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショート状態となり、Ib電流が流れる。一般的に、トランジスタ11aは1つ前のフィールド(フレーム)で電流プログラムされている。この状態でトランジスタ11dがオフ状態となり、トランジスタ11bがオン状態にすれば、駆動電流Ibがトランジスタ11aのゲート(G)端子に流れる。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子とが同一電位となり、トランジスタ11aはリセット(電流を流さない状態)になる。
なお、図33の(a)の動作の前に、トランジスタ11b、トランジスタ11cをオフ状態にし、トランジスタ11dをオン状態にし、駆動用トランジスタ11aに電流を流すという動作を実施することが好ましい。この動作は、極力短時間に完了させることが好ましい。EL素子15に電流が流れてEL素子15が点灯し、表示コントラストを低下させる恐れがあるからである。この動作時間は、1H(1水平走査期間)の0.1%以上10%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.2%以上2%以下となるようにすることが好ましい。もしくは0.2μsec以上5μsec以下となるようにすることが好ましい。また、全画面の画素16に一括して前述の動作(図33の(a)の前に行う動作)を実施してもよい。以上の動作を実施することにより、駆動用トランジスタ11aのドレイン(D)端子電圧が低下し、図33の(a)の状態でスムーズなIb電流を流すことができるようになる。なお、以上の事項は、本発明の他のリセット駆動方式にも適用される。
図33の(a)の実施時間を長くするほど、Ib電流が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくなる傾向がある。したがって、図33の(a)の実施時間は固定値にする必要がある。実験および検討によれば、図33の(a)の実施時間は、1H以上5H以下にすることが好ましい。
なお、この期間は、R、G、Bの画素で異ならせることが好ましい。各色の画素でEL材料が異なり、このEL材料の立ち上がり電圧などに差異があるためである。RGBの各画素で、EL材料に適応して、もっとも最適な期間を設定する。なお、実施例において、この期間は1H以上5H以下にするとしたが、黒挿入(黒画面を書き込む)を主とする駆動方式では、5H以上であってもよいことは言うまでもない。なお、この期間が長いほど、画素の黒表示状態は良好となる。
図33の(a)を実施後、1H以上5H以下の期間おいて、図33の(b)の状態にする。図33の(b)はトランジスタ11c、トランジスタ11bをオンさせ、トランジスタ11dをオフさせた状態である。図33の(b)の状態は、以前にも説明したが、電流プログラムを行っている状態である。つまり、ソースドライバ回路14からプログラム電流Iwを出力(あるいは吸収)し、このプログラム電流Iwを駆動用トランジスタ11aに流す。このプログラム電流Iwが流れるように、駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子の電位を設定するのである(設定電位はコンデンサ19に保持される)。
もし、プログラム電流Iwが0(A)であれば、トランジスタ11aは電流を図33の(a)の電流を流さない状態が保持されたままとなるから、良好な黒表示を実現できる。また、図33の(b)で白表示の電流プログラムを行う場合であっても、各画素の駆動用トランジスタの特性バラツキが発生していても、完全に黒表示状態のオフセット電圧から電流プログラムを行う。したがって、目標の電流値にプログラムされる時間が階調に応じて等しくなる。そのため、トランジスタ11aの特性バラツキによる階調誤差がなく、良好な画像表示を実現できる。
図33の(b)の電流プログラミング後、図33の(c)に図示するように、トランジスタ11b、トランジスタ11cとオフし、トランジスタ11dをオンさせて、駆動用トランジスタ11aからのプログラム電流Iw(=Ie)をEL素子15に流し、EL素子15を発光させる。図33の(c)に関しても、図1などで以前に説明をしたので詳細は省略する。
つまり、図33で説明した駆動方式(リセット駆動)は、駆動用トランジスタ11aとEL素子15間を切断(電流が流れない状態)し、かつ、駆動用トランジスタのドレイン(D)端子とゲート(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)端子、さらに一般的に表現すれば駆動用トランジスタのゲート(G)端子を含む2端子)間をショートする第1の動作と、前記動作の後、駆動用トランジスタに電流(電圧)プログラムを行う第2の動作とを実施するものである。かつ、少なくとも第2の動作は第1の動作後に行うものである。なお、リセット駆動を実施するためには、図32の構成のように、トランジスタ11bとトランジスタ11cとを独立に制御できるように、構成しておかねばならない。
画像表示状態は(もし、瞬時的な変化が観察できるのであれば)、まず、電流プログラムを行われる画素行は、リセット状態(黒表示状態)になり、1H後に電流プログラムが行われる(この時も黒表示状態である。トランジスタ11dがオフだからである。)。次に、EL素子15に電流が供給され、画素行は所定輝度(プログラムされた電流)で発光する。つまり、画面の上から下方向に、黒表示の画素行が移動し、この画素行が通りすぎた位置で画像が書き換わっていくように見えるはずである。
なお、リセット後、1H後に電流プログラムを行うとしたがこの期間は、5H程度以内としてもよい。図33の(a)のリセットが完全に行われるのに比較的長時間を必要とするからである。もし、この期間を5Hとすれば、5画素行が黒表示(電流プログラムの画素行もいれると6画素行)となるはずである。
また、リセット状態は1画素行ずつ行うことに限定するものではなく、複数画素行ずつ同時にリセット状態にしてもよい。また、複数画素行ずつ同時にリセット状態にし、かつオーバーラップしながら走査してもよい。たとえば、4画素行を同時にリセットするのであれば、第1の水平走査期間(1単位)に、画素行(1)(2)(3)(4)をリセット状態にし、次の第2の水平走査期間に、画素行(3)(4)(5)(6)をリセット状態にし、さらに次の第3の水平走査期間に、画素行(5)(6)(7)(8)をリセット状態にする。また、次の第4の水平走査期間に、画素行(7)(8)(9)(10)をリセット状態にするという駆動状態が例示される。なお、当然、図33の(b)、図33の(c)の駆動状態も図33の(a)の駆動状態と同期して実施される。
また、1画面の画素すべてを同時にあるいは走査状態でリセット状態にしてから、図33の(b)(c)の駆動を実施してもよいことはいうまでもない。また、インターレース駆動状態(1画素行あるいは複数画素行の飛び越し走査)で、リセット状態(1画素行あるいは複数画素行飛び越し)にしてもよいことは言うまでもない。また、ランダムのリセット状態を実施してもよい。また、本発明のリセット駆動の説明は、画素行を操作する方式である(つまり、画面の上下方向の制御する)。しかし、リセット駆動の概念は、制御方向が画素行に限定されるものではない。たとえば、画素列方向にリセット駆動を実施してもよいことは言うまでのない。
なお、図33のリセット駆動は、本発明のN倍パルス駆動などと組み合わせること、インターレース駆動と組み合わせることによりさらに良好な画像表示を実現できる。特に図22の構成は、間欠N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける駆動方法である。この駆動方法は、ゲート信号線17bを制御し、トランジスタ11dをオンオフ動作させることにより容易に実現できる。このことは以前に説明をした。)を容易に実現できるので、フリッカの発生もなく、良好な画像表示を実現できる。
また、他の駆動方法、たとえば、以降の説明するプリチャージ駆動方式などと組み合わせることによりさらに優れた画像表示を実現できることは言うまでもない。以上のように、本発明と同様にリセット駆動も本明細書の他の実施例と組み合わせて実施することができることは言うまでもない。
図34はリセット駆動を実現する表示装置の構成図である。ゲートドライバ回路12aは、図32におけるゲート信号線17aおよびゲート信号線17bを制御する。ゲート信号線17aにオンオフ電圧を印加することによりトランジスタ11bがオンオフ制御される。また、ゲート信号線17bにオンオフ電圧を印加することによりトランジスタ11dがオンオフ制御される。ゲートドライバ回路12bは、図32におけるゲート信号線17cを制御する。ゲート信号線17cにオンオフ電圧を印加することによりトランジスタ11cがオンオフ制御される。
したがって、ゲート信号線17aはゲートドライバ回路12aで操作し、ゲート信号線17cはゲートドライバ回路12bで操作する。そのため、トランジスタ11bをオンさせて駆動用トランジスタ11aをリセットするタイミングと、トランジスタ111cをオンさせて駆動用トランジスタ11aに電流プログラムを行うタイミングとを自由に設定できる。他の構成などは、以前に説明したものと同一または類似するため説明を省略する。
図35はリセット駆動のタイミングチャートである。ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、トランジスタ11bをオンさせ、駆動用トランジスタ11aをリセットしている時には、ゲート信号線17bにはオフ電圧を印加し、トランジスタ11dをオフ状態にしている。したがって、図32の(a)の状態となっている。この期間にIb電流が流れる。
図35のタイミングチャートでは、リセット時間は2H(ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11bがオンする)としているが、これに限定するものではない。2H以上でもよい。また、リセットが極めて高速に行える場合は、リセット時間は1H未満であってもよい。
リセット期間を何H期間にするかはゲートドライバ回路12に入力するDATA(ST)パルス期間で容易に変更できる。たとえば、ST端子に入力するDATAを2H期間の間Hレベルとすれば、各ゲート信号線17aから出力されるリセット期間は2H期間となる。同様に、ST端子に入力するDATAを5H期間の間Hレベルとすれば、各ゲート信号線17aから出力されるリセット期間は5H期間となる。
1H期間のリセット後、画素行(1)のゲート信号線17c(1)に、オン電圧が印加される。トランジスタ11cがオンすることにより、ソース信号線18に印加されたプログラム電流Iwがトランジスタ11cを介して駆動用トランジスタ11aに書き込まれる。
電流プログラム後、画素(1)のゲート信号線17cにオフ電圧が印加され、トランジスタ11cがオフし、画素がソース信号線と切り離される。同時に、ゲート信号線17aにもオフ電圧が印加され、駆動用トランジスタ11aのリセット状態が解消される(なお、この期間は、リセット状態と表現するよりも、電流プログラム状態と表現する方が適切である)。また、ゲート信号線17bにはオン電圧が印加され、トランジスタ11dがオンして、駆動用トランジスタ11aにプログラムされた電流がEL素子15に流れる。なお、画素行(2)以降についても、画素行(1)と同様であり、また、図35からその動作は明らかであるから説明を省略する。
図35において、リセット期間は1H期間であった。図36はリセット期間を5Hとした実施例である。リセット期間を何H期間にするかはゲートドライバ回路12に入力するDATA(ST)パルス期間で容易に変更できる。図36ではゲートドライバ回路12aのST1端子に入力するDATAを5H期間の間Hレベルし、各ゲート信号線17aから出力されるリセット期間を5H期間とした実施例である。リセット期間は、長いほど、リセットが完全に行われ、良好な黒表示を実現できる。しかし、リセット期間の割合分は表示輝度が低下することになる。
図36はリセット期間を5Hとした実施例であった。また、このリセット状態は連続状態であった。しかし、リセット状態は連続して行うことに限定されるものではない。たとえば、各ゲート信号線17aから出力される信号を1Hごとにオンオフ動作させてもよい。このようにオンオフ動作させるのは、シフトレジスタの出力段に形成されたイネーブル回路(図示せず)を操作することにより容易に実現できる。また、ゲートドライバ回路12に入力するDATA(ST)パルスを制御することで容易に実現できる。
図34の回路構成では、ゲートドライバ回路12aは少なくとも2つのシフトレジスタ回路(1つはゲート信号線17a制御用、他の1つはゲート信号線17b制御用)が必要であった。そのため、ゲートドライバ回路12aの回路規模が大きくなるという課題があった。図37はゲートドライバ回路12aのシフトレジスタを1つにした実施例である。図37の回路を動作させた出力信号のタイミングチャートは図35のごとくなる。なお、図35と図37とはゲートドライバ回路12a、12bから出力されているゲート信号線17の記号が異なっているので注意が必要である。
図37のOR回路371が付加されていることから明らかであるが、各ゲート信号線17aの出力は、シフトレジスタ回路61aの前段出力とのORをとって出力される。つまり、2H期間、ゲート信号線17aからはオン電圧が出力される。一方、ゲート信号線17cはシフトレジスタ回路61aの出力がそのまま出力される。したがって、1H期間の間、オン電圧が印加される。
たとえば、シフトレジスタ回路61aの2番目にHレベル信号が出力されている時、画素16(1)のゲート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16(1)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時に、画素16(2)のゲート信号線17aにもオン電圧が出力され、画素16(2)のトランジスタ11bがオン状態となり、画素16(2)の駆動用トランジスタ11aがリセットされる。
同様に、シフトレジスタ回路61aの3番目にHレベル信号が出力されている時、画素16(2)のゲート信号線17cにオン電圧が出力され、画素16(2)が電流(電圧)プログラムの状態である。同時に、画素16(3のゲート信号線17aにもオン電圧が出力され、画素16(3)トランジスタ11bがオン状態となり、画素16(3)駆動用トランジスタ11aがリセットされる。つまり、2H期間、ゲート信号線17aからはオン電圧が出力され、ゲート信号線17cに1H期間、オン電圧が出力される。
プログラム状態の時は、トランジスタ11bとトランジスタ11cが同時にオン状態となる(図33の(b))ら、非プログラム状態(図33の(c))に移行する際、トランジスタ11cがトランジスタ11bよりも先にオフ状態となると、図33の(b)のリセット状態となってしまう。これと防止するためには、トランジスタ11cがトランジスタ11bよりもあとからオフ状態にする必要がある。そのためには、ゲート信号線17aがゲート信号線17cよりも先にオン電圧が印加されるように制御する必要がある。
以上の実施例は、図32(基本的には図1)の画素構成に関する実施例であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図38に示すようなカレントミラーの画素構成であっても実施することができる。なお、図38ではトランジスタ11eをオンオフ制御することにより、図13、図15などで図示するN倍パルス駆動を実現できる。図39は図38のカレントミラーの画素構成での実施例の説明図である。以下、図39を参照しながら、カレントミラーの画素構成におけるリセット駆動方式について説明をする。
図39の(a)に図示するように、トランジスタ11c、トランジスタ11eをオフ状態にし、トランジスタ11dをオン状態にする。すると、電流プログラム用トランジスタ11bのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショート状態となり、図に示すようにIb電流が流れる。一般的に、トランジスタ11bは1つ前のフィールド(フレーム)で電流プログラムされ、電流を流す能力がある(ゲート電位はコンデンサ19に1F期間保持され、画像表示をおこなっているから当然である。ただし、完全な黒表示を行っている場合、電流は流れない)。この状態でトランジスタ11eがオフ状態とし、トランジスタ11dがオン状態にすれば、駆動電流Ibがトランジスタ11aのゲート(G)端子の方向に流れる(ゲート(G)端子とドレイン(D)端子がショートされる)。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子とが同一電位となり、トランジスタ11aはリセット(電流を流さない状態)になる。また、駆動用トランジスタ11bのゲート(G)端子は電流プログラム用トランジスタ11aのゲート(G)端子と共通であるから、駆動用トランジスタ11bもリセット状態となる。
このトランジスタ11a、トランジスタ11bのリセット状態(電流を流さない状態)は、図51などで説明する電圧オフセットキャンセラ方式のオフセット電圧を保持した状態と等価である。つまり、図39の(a)の状態では、コンデンサ19の端子間には、オフセット電圧(電流が流れ始める開始電圧。この電圧の絶対値以上の電圧を印加することにより、トランジスタ11に電流が流れる)が保持されていることになる。このオフセット電圧はトランジスタ11a、トランジスタ11bの特性に応じて異なる電圧値である。したがって、図39の(a)の動作を実施することにより、各画素のコンデンサ19にはトランジスタ11a、トランジスタ11bが電流を流さない(つまり、黒表示電流(ほとんど0に等しい))状態が保持されることになるのである(電流が流れ始める開始電圧にリセットされた)。
なお、図39の(a)においても図33の(a)と同様に、リセットの実施時間を長くするほど、Ib電流が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくなる傾向がある。したがって、図39の(a)の実施時間は固定値にする必要がある。実験および検討によれば、図39の(a)の実施時間は、1H以上10H(10水平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには1H以上5H以下にすることが好ましい。あるいは、20μsec以上2msec以下とすることが好ましい。このことは図33の駆動方式でも同様である。
図33の(a)も同様であるが、図39の(a)のリセット状態と、図39の(b)の電流プログラム状態とを同期をとって行う場合は、図39の(a)のリセット状態から、図39の(b)の電流プログラム状態までの期間が固定値(一定値)となるから問題はない(固定値にされている)。つまり、図33の(a)あるいは図39の(a)のリセット状態から、図33の(b)あるいは図39の(b)の電流プログラム状態までの期間が、1H以上10H(10水平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには1H以上5H以下にすることが好ましいのである。あるいは、20μsec以上2msec以下とすることが好ましいのである。この期間が短いと駆動用トランジスタ11が完全にリセットされない。また、あまりにも長いと駆動用トランジスタ11が完全にオフ状態となり、今度は電流をプログラムするのに長時間を要するようになる。また、画面50の輝度も低下する。
図39の(a)を実施後、図39の(b)の状態にする。図39の(b)はトランジスタ11c、トランジスタ11dをオンさせ、トランジスタ11eをオフさせた状態である。図39の(b)の状態は、電流プログラムを行っている状態である。つまり、ソースドライバ回路14からプログラム電流Iwを出力(あるいは吸収)し、このプログラム電流Iwを電流プログラム用トランジスタ11aに流す。このプログラム電流Iwが流れるように、駆動用トランジスタ11bのゲート(G)端子の電位をコンデンサ19に設定するのである。
もし、プログラム電流Iwが0(A)(黒表示)であれば、トランジスタ11bは電流を図33の(a)の電流を流さない状態が保持されたままとなるから、良好な黒表示を実現できる。また、図39の(b)で白表示の電流プログラムを行う場合は、各画素の駆動用トランジスタの特性バラツキが発生していても、完全に黒表示状態のオフセット電圧(各駆動用トランジスタの特性に応じて設定された電流が流れる開始電圧)から電流プログラムを行う。したがって、目標の電流値にプログラムされる時間が階調に応じて等しくなる。そのため、トランジスタ11aあるいはトランジスタ11bの特性バラツキによる階調誤差がなく、良好な画像表示を実現できる。
図39の(b)の電流プログラミング後、図39の(c)に図示するように、トランジスタ11c、トランジスタ11dとオフし、トランジスタ11eをオンさせて、駆動用トランジスタ11bからのプログラム電流Iw(=Ie)をEL素子15に流し、EL素子15を発光させる。図39の(c)に関しても、以前に説明をしたので詳細は省略する。
図33、図39で説明した駆動方式(リセット駆動)は、駆動用トランジスタ11aあるいはトランジスタ11bとEL素子15間を切断(電流が流れない状態。トランジスタ11eあるいはトランジスタ11dで行う)し、かつ、駆動用トランジスタのドレイン(D)端子とゲート(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)端子、さらに一般的に表現すれば駆動用トランジスタのゲート(G)端子を含む2端子)間をショートする第1の動作と、前記動作の後、駆動用トランジスタに電流(電圧)プログラムを行う第2の動作とを実施するものである。
少なくとも第2の動作は第1の動作後に行うものである。なお、第1の動作における駆動用トランジスタ11aあるいはトランジスタ11bとEL素子15間を切断するという動作は、必ずしも必須の条件ではない。もし、第1の動作における駆動用トランジスタ11aあるいはトランジスタ11bとEL素子15間を切断せずに、駆動用トランジスタのドレイン(D)端子とゲート(G)端子間をショートする第1の動作を行っても多少のリセット状態のバラツキが発生する程度で済む場合があるからである。これは、作製したアレイのトランジスタ特性を検討して決定する。
図39のカレントミラーの画素構成は、電流プログラムトランジスタ11aをリセットすることにより、結果として駆動用トランジスタ11bをリセットする駆動方法であった。
図39のカレントミラーの画素構成では、リセット状態では、必ずしも駆動用トランジスタ11bとEL素子15間を切断する必要はない。したがって、電流プログラム用トランジスタaのドレイン(D)端子とゲート(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)端子、さらに一般的に表現すれば電流プログラム用トランジスタのゲート(G)端子を含む2端子、あるいは駆動用トランジスタのゲート(G)端子を含む2端子)間をショートする第1の動作と、前記動作の後、電流プログラム用トランジスタに電流(電圧)プログラムを行う第2の動作とを実施するものである。そして、少なくとも第2の動作は第1の動作後に行うものである。
画像表示状態は(もし、瞬時的な変化が観察できるのであれば)、まず、電流プログラムを行われる画素行は、リセット状態(黒表示状態)になり、所定H後に電流プログラムが行われる。画面の上から下方向に、黒表示の画素行が移動し、この画素行が通りすぎた位置で画像が書き換わっていくように見えるはずである。
以上の実施例は、電流プログラムの画素構成を中心として説明をしたが、本発明のリセット駆動は電圧プログラムの画素構成にも適用することができる。図43は電圧プログラムの画素構成におけるリセット駆動を実施するための本発明の画素構成(パネル構成)の説明図である。
図43の画素構成では、駆動用トランジスタ11aをリセット動作させるためのトランジスタ11eが形成されている。ゲート信号線17eにオン電圧が印加されることにより、トランジスタ11eがオンし、駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子間をショートさせる。また、EL素子15と駆動用トランジスタ11aとの電流経路を切断するトランジスタ11dが形成されている。以下、図44を参照しながら、電圧プログラムの画素構成における本発明のリセット駆動方式について説明をする。
図44の(a)に図示するように、トランジスタ11b、トランジスタ11dをオフ状態にし、トランジスタ11eをオン状態にする。駆動用トランジスタ11aのドレイン(D)端子とゲート(G)端子はショート状態となり、図に示すようにIb電流が流れる。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子とドレイン(D)端子とが同一電位となり、駆動用トランジスタ11aはリセット(電流を流さない状態)になる。なお、トランジスタ11aをリセットする前に、図33あるいは図39で説明したように、HD同期信号に同期して、最初にトランジスタ11dをオンさせ、トランジスタ11eをオフさせて、トランジスタ11aに電流を流しておく。その後、図44の(a)の動作を実施する。
なお、電圧プログラムの画素構成においても、電流プログラムの画素構成と同様に、図44の(a)のリセットの実施時間を長くするほど、Ib電流が流れ、コンデンサ19の端子電圧が小さくなる傾向がある。したがって、図44の(a)の実施時間は固定値にする必要がある。実施時間は、0.2H以上5H(5水平走査期間)以下とすることが好ましい。さらには0.5H以上4H以下にすることが好ましい。あるいは、2μsec以上400μsec以下とすることが好ましい。
また、ゲート信号線17eは前段の画素行のゲート信号線17aと共通にしておくことが好ましい。つまり、ゲート信号線17eと前段の画素行のゲート信号線17aとをショート状態で形成する。この構成を前段ゲート制御方式と呼ぶ。なお、前段ゲート制御方式とは、着目画素行より少なくとも1H前以上に選択される画素行のゲート信号線波形を用いるものである。したがって、1画素行前に限定されるものではない。たとえば、2画素行前のゲート信号線の信号波形を用いて着目画素の駆動用トランジスタ11aのリセットを実施してもよい。
前段ゲート制御方式をさらに具体的に記載すれば以下のようになる。着目する画素行が(N)画素行とし、そのゲート信号線がゲート信号線17e(N)、ゲート信号線17a(N)とする。1H前に選択される前段の画素行は、画素行が(N−1)画素行とし、そのゲート信号線がゲート信号線17e(N−1)、ゲート信号線17a(N−1)とする。また、着目画素行の次の1H後に選択される画素行が(N+1)画素行とし、そのゲート信号線がゲート信号線17e(N+1)、ゲート信号線17a(N+1)とする。
第(N−1)H期間では、第(N−1)画素行のゲート信号線17a(N−1)にオン電圧が印加されると、第(N)画素行のゲート信号線17e(N)にもオン電圧が印加される。ゲート信号線17e(N)と前段の画素行のゲート信号線17a(N−1)とがショート状態で形成されているからである。したがって、第(N−1)画素行の画素のトランジスタ11b(N−1)がオンし、ソース信号線18の電圧が駆動用トランジスタ11a(N−1)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時に、第(N)画素行の画素のトランジスタ11e(N)がオンし、駆動用トランジスタ11a(N)のゲート(G)端子とドレイン(D)端子間がショートされ、駆動用トランジスタ11a(N)がリセットされる。
第(N−1)H期間の次の第(N)期間では、第(N)画素行のゲート信号線17a(N)にオン電圧が印加されると、第(N+1)画素行のゲート信号線17e(N+1)にもオン電圧が印加される。したがって、第(N)画素行の画素のトランジスタ11b(N)がオンし、ソース信号線18に印加されている電圧が駆動用トランジスタ11a(N)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時に、第(N+1)画素行の画素のトランジスタ11e(N+1)がオンし、駆動用トランジスタ11a(N+1)のゲート(G)端子とドレイン(D)端子間がショートされ、駆動用トランジスタ11a(N+1)がリセットされる。
以下同様に、第(N)H期間の次の第(N+1)期間では、第(N+1)画素行のゲート信号線17a(N+1)にオン電圧が印加されると、第(N+2)画素行のゲート信号線17e(N+2)にもオン電圧が印加される。したがって、第(N+1)画素行の画素のトランジスタ11b(N+1)がオンし、ソース信号線18に印加されている電圧が駆動用トランジスタ11a(N+1)のゲート(G)端子に書き込まれる。同時に、第(N+2)画素行の画素のトランジスタ11e(N+2)がオンし、駆動用トランジスタ11a(N+2)のゲート(G)端子とドレイン(D)端子間がショートされ、駆動用トランジスタ11a(N+2)がリセットされる。
以上の本発明の前段ゲート制御方式では、1H期間、駆動用トランジスタ11aはリセットされ、その後、電圧(電流)プログラムが実施される。
図33の(a)も同様であるが、図44の(a)のリセット状態と、図44の(b)の電圧プログラム状態とを同期をとって行う場合は、図44の(a)のリセット状態から、図44の(b)の電流プログラム状態までの期間が固定値(一定値)となるから問題はない(固定値にされている)。この期間が短いと駆動用トランジスタ11が完全にリセットされない。また、あまりにも長いと駆動用トランジスタ11aが完全にオフ状態となり、今度は電流をプログラムするのに長時間を要するようになる。また、画面12の輝度も低下する。
図44の(a)を実施後、図44の(b)の状態にする。図44の(b)はトランジスタ11bをオンさせ、トランジスタ11e、トランジスタ11dをオフさせた状態である。図44の(b)の状態は、電圧プログラムを行っている状態である。つまり、ソースドライバ回路14からプログラム電圧を出力し、このプログラム電圧を駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子に書き込む(駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子の電位をコンデンサ19に設定する)。なお、電圧プログラム方式の場合は、電圧プログラム時にトランジスタ11dを必ずしもオフさせる必要はない。また、図13、図15などのN倍パルス駆動などと組み合わせること、あるいは以上のような、間欠N/K倍パルス駆動(1画面に点灯領域を複数設ける駆動方法である。この駆動方法は、トランジスタ11eをオンオフ動作させることにより容易に実現できる)を実施する必要がなければ、トランジスタ11eが必要でない。このことは以前に説明をしたので、説明を省略する。
図43の構成あるいは図44の駆動方法で白表示の電圧プログラムを行う場合は、各画素の駆動用トランジスタの特性バラツキが発生していても、完全に黒表示状態のオフセット電圧(各駆動用トランジスタの特性に応じて設定された電流が流れる開始電圧)から電圧プログラムを行う。したがって、目標の電流値にプログラムされる時間が階調に応じて等しくなる。そのため、トランジスタ11aの特性バラツキによる階調誤差がなく、良好な画像表示を実現できる。
図44の(b)の電流プログラミング後、図44の(c)に図示するように、トランジスタ11bをオフし、トランジスタ11dをオンさせて、駆動用トランジスタ11aからのプログラム電流をEL素子15に流し、EL素子15を発光させる。
以上のように、図43の電圧プログラムにおける本発明のリセット駆動は、まず、HD同期信号に同期して、最初にトランジスタ11dをオンさせ、トランジスタ11eをオフさせて、トランジスタ11aに電流を流す第1の動作と、トランジスタ11aとEL素子15間を切断し、かつ、駆動用トランジスタ11aのドレイン(D)端子とゲート(G)端子(もしくはソース(S)端子とゲート(G)端子、さらに一般的に表現すれば駆動用トランジスタのゲート(G)端子を含む2端子)間をショートする第2の動作と、前記動作の後、駆動用トランジスタ11aに電圧プログラムを行う第3の動作を実施するものである。
以上の実施例では、駆動用トランジスタ11a(図1の画素構成の場合)からEL素子15に流す電流を制御するのに、トランジスタ11dをオンオフさせて行う。トランジスタ11dをオンオフさせるためには、ゲート信号線17bを走査する必要があり、走査のためには、シフトレジスタ61(ゲートドライバ回路12)が必要となる。しかし、シフトレジスタ61は規模が大きく、ゲート信号線17bの制御にシフトレジスタ61を用いたのでは狭額縁化できない。図40で説明する方式は、この課題を解決するものである。
なお、本発明は、主として図1などに図示する電流プログラムの画素構成を例示して説明をするが、これに限定するものではなく、図38などで説明した他の電流プログラム構成(カレントミラーの画素構成)であっても適用できることはいうまでもない。また、ブロックでオンオフする技術的概念は、図41などの電圧プログラムの画素構成であっても適用できることは言うまでもない。
図40はブロック駆動方式の実施例である。まず、説明を容易にするため、ゲートドライバ回路12は基板71に直接形成したか、もしくはシリコンチップのゲートドライバIC12を基板71に積載したとして説明をする。また、ソースドライバ14およびソース信号線18は図面が煩雑になるため省略する。
図40において、ゲート信号線17aはゲートドライバ回路12と接続されている。一方、各画素のゲート信号線17bは点灯制御線401と接続されている。図40では4本のゲート信号線17bが1つの点灯制御線401と接続されている。
なお、4本のゲート信号線17bでブロックするというのはこれに限定するものではなく、それ以上であってもよいことは言うまでもない。一般的に表示画面50は少なくとも5以上に分割することが好ましい。さらに好ましくは、10以上に分割することが好ましい。さらには、20以上に分割することが好ましい。分割数が少ないと、フリッカが見えやすい。あまりにも分割数が多いと、点灯制御線401の本数が多くなり、制御線401のレイアウトが困難になる。
したがって、QCIF表示パネルの場合は、垂直走査線の本数が220本であるから、少なくとも、220/5=44本以上でブロック化する必要があり、好ましくは、220/10=11以上でブロック化する必要がある。ただし、奇数行と偶数行で2つのブロック化を行った場合は、低フレームレートでも比較的フリッカの発生が少ないため、2つのブロック化で十分の場合がある。
図40の実施例では、点灯制御線401a、401b、401c、401d……401nと順次、オン電圧(Vgl)を印加するか、もしくはオフ電圧(Vgh)を印加し、ブロックごとにEL素子15に流れる電流をオンオフさせる。
なお、図40の実施例では、ゲート信号線17bと点灯制御線401とがクロスすることがない。したがって、ゲート信号線17bと点灯制御線401とのショート欠陥は発生しない。また、ゲート信号線17bと点灯制御線401とが容量結合することがないため、点灯制御線401からゲート信号線17b側を見た時の容量付加が極めて小さい。したがって、点灯制御線401を駆動しやすい。
ゲートドライバ回路12にはゲート信号線17aが接続されている。ゲート信号線17aにオン電圧を印加することにより、画素行が選択され、選択された各画素のトランジスタ11b、11cはオンして、ソース信号線18に印加された電流(電圧)を各画素のコンデンサ19にプログラムする。一方、ゲート信号線17bは各画素のトランジスタ11dのゲート(G)端子と接続されている。したがって、点灯制御線401にオン電圧(Vgl)が印加されたとき、駆動用トランジスタ11aとEL素子15との電流経路を形成し、逆にオフ電圧(Vgh)が印加された時は、EL素子15のアノード端子をオープンにする。
なお、点灯制御線401に印加するオンオフ電圧の制御タイミングと、ゲートドライバ回路12がゲート信号線17aに出力する画素行選択電圧(Vgl)のタイミングは1水平走査クロック(1H)に同期していることが好ましい。しかし、これに限定するものではない。
点灯制御線401に印加する信号は単に、EL素子15への電流をオンオフさせるだけである。また、ソースドライバ14が出力する画像データと同期がとれている必要もない。点灯制御線401に印加する信号は、各画素16のコンデンサ19にプログラムされた電流を制御するものだからである。したがって、必ずしも、画素行の選択信号と同期がとれている必要はない。また、同期する場合であってもクロックは1H信号に限定されるものではなく、1/2Hでも、1/4Hであってもよい。
図38に図示したカレントミラーの画素構成の場合であっても、ゲート信号線17bを点灯制御線401に接続することにより、トランジスタ11eをオンオフ制御できる。したがって、ブロック駆動を実現できる。
なお、図32において、ゲート信号線17aを点灯制御線401に接続し、リセットを実施すれば、プロック駆動を実現できる。つまり、本発明のブロック駆動とは、1つの制御線で、複数の画素行を同時に非点灯(あるいは黒表示)とする駆動方法である。
以上の実施例は、1画素行ごとに1本の選択画素行を配置(形成)する構成であった。本発明は、これに限定するものではなく、複数の画素行で1本の選択ゲート信号線を配置(形成)してもよい。
図41はその実施例である。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1の場合を主として例示して説明をする。図41では画素行の選択ゲート信号線17aは3つの画素(16R、16G、16B)を同時に選択する。Rの記号とは赤色の画素関連を意味し、Gの記号とは緑色の画素関連を意味し、Bの記号とは青色の画素関連を意味するものとする。
したがって、ゲート信号線17aの選択により、画素16R、画素16Gおよび画素16Bが同時に選択されデータ書き込み状態となる。画素16Rはソース信号線18Rからデータをコンデンサ19Rに書き込み、画素16Gはソース信号線18Gからデータをコンデンサ19Gに書き込む。画素16Bはソース信号線18Bからデータをコンデンサ19Bに書き込む。
画素16Rのトランジスタ11dはゲート信号線17bRに接続されている。また、画素16Gのトランジスタ11dはゲート信号線17bGに接続され、画素16Bのトランジスタ11dはゲート信号線17bBに接続されている。したがって、画素16RのEL素子15R、画素16GのEL素子15G、画素16BのEL素子15Bは別個にオンオフ制御することができる。つまり、EL素子15R、EL素子15G、EL素子15Bはそれぞれのゲート信号線17bR、17bG、17bBを制御することにより、点灯時間、点灯周期を個別に制御可能である。
この動作を実現するためには、図6の構成において、ゲート信号線17aを走査するシフトレジスタ回路61と、ゲート信号線17bRを走査するシフトレジスタ回路61と、ゲート信号線17bGを走査するシフトレジスタ回路61と、ゲート信号線17bBを走査するシフトレジスタ回路61の4つを形成(配置)することが適切である。
なお、ソース信号線18に所定電流のN倍の電流を流し、EL素子15に所定電流のN倍の電流を1/Nの期間流すとしたが、実用上はこれを実現できない。実際にはゲート信号線17に印加した信号パルスがコンデンサ19に突き抜け、コンデンサ19に所望の電圧値(電流値)を設定できないからである。一般的にコンデンサ19には所望の電圧値(電流値)よりも低い電圧値(電流値)が設定される。たとえば、10倍の電流値を設定するように駆動しても、5倍程度の電流しかコンデンサ19には設定されない。たとえば、N=10としても実際にEL素子15に流れる電流はN=5の場合と同一となる。したがって、本発明はN倍の電流値を設定し、N倍に比例したあるいは対応する電流をEL素子15に流れるように駆動する方法である。もしくは、所望値よりも大きい電流をEL素子15にパルス状に印加する駆動方法である。
また、所望値より電流(そのまま、EL素子15に連続して電流を流すと所望輝度よりも高くなるような電流)を駆動用トランジスタ11a(図1を例示する場合)に電流(電圧)プログラムを行い、EL素子15に流れる電流を間欠にすることにより、所望のEL素子の発光輝度を得るものである。
また、図1などのスイッチング用トランジスタ11b、11cなどはNチャンネルで形成することが好ましい。コンデンサ19への突き抜け電圧が低減するからである。また、コンデンサ19のオフリークも減少するから、10Hz以下の低いフレームレートにも適用できるようになる。
また、画素構成によっては、突き抜け電圧がEL素子15に流れる電流を増加させる方向に作用する場合は、白ピーク電流が増加し、画像表示のコントラスト感が増加する。したがって、良好な画像表示を実現できる。
逆に、図1のスイッチング用トランジスタ11b、11cをPチャンネルにすることのより突き抜けを発生させて、より黒表示を良好にする方法も有効である。Pチャンネルトランジスタ11bがオフするときにはVgh電圧となる。そのため、コンデンサ19の端子電圧がVdd側に少しシフトする。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子電圧は上昇し、より黒表示となる。また、第1階調表示とする電流値を大きくすることができるから(階調1までに一定のベース電流を流すことができる)、電流プログラム方式で書き込み電流不足を軽減できる。
図1におけるトランジスタ11bは駆動用トランジスタ11aが流す電流をコンデンサ19に保持するために動作する。つまり、駆動用トランジスタ11aのゲート端子(G)とドレイン端子(D)もしくはソース端子(S)間をプログラム時にショートさせる機能を有する。このトランジスタ11bのような機能を有するスイッチング用トランジスタを短絡トランジスタと呼ぶことにする。短絡トランジスタはソース端子またはドレイン端子が保持用のコンデンサ19に接続されている。短絡トランジスタはゲート信号線17aに印加された電圧により、オンオフ制御される。課題は、オフ電圧が印加された時にゲート信号線17aの電圧がコンデンサ19に突き抜けることである。この突き抜け電圧により、コンデンサ19の電位(=駆動用トランジスタ11aのゲート端子(G)電位)が変動し、良好な電流プログラムができなくなり、レーザーショットムラなどが発生する。したがって、突き抜け電圧は小さくする必要がある。
突き抜け電圧を小さくするためには、短絡トランジスタ11bのサイズを小さくするとよい。今、短絡トランジスタのサイズSccをチャンネル幅W(μm)、チャンネル長L(μm)とし、Scc=W・L(平方μm)とする。短絡トランジスタが複数直列接続されて構成されている場合は、Sccは接続されたトランジスタサイズの総和である。たとえば、1つの短絡トランジスタのW=5(μm)、L=6(μm)とし、個数(n=4)が接続されて構成されていれば、Scc=5×6×4=120(平方μm)である。
短絡トランジスタのサイズと突き抜け電圧は相関がある。この関係を図194に示す。なお、短絡トランジスタはPチャンネルトランジスタであるとする。ただし、Nチャンネルトランジスタであっても適用できる。
図194において、横軸はScc/nとしている。Sccは先に説明したように短絡トランジスタのサイズの総和せある。nは接続された短絡トランジスタ数である。図194ではSccをn個でわったものを横軸にしている。つまり、短絡トランジスタが1個あたりのサイズである。
先に実施例では、短絡トランジスタのサイズSccをチャンネル幅W(μm)、チャンネル長L(μm)とし、短絡トランジスタ数がn=4であれば、Scc/n=5×6×4/4=30(平方μm)である。図194において、縦軸は突き抜け電圧(V)である。
突き抜け電圧は0.3(V)以内にしないと、レーザーショットムラが発生し、視覚的に許容できない。したがって、1つあたりの短絡トランジスタのサイズは25(平方μm)以下にする必要がある。一方で、短絡トランジスタは5(平方μm)以上にしないと、トランジスタの加工精度がでず、ばらつきが大きくなる。また、駆動能力にも課題を生じる。以上のことから短絡トランジスタ11bは5(平方μm)以上25(平方μm)以下にする必要がある。さらに好ましくは、短絡トランジスタ11bは5(平方μm)以上20(平方μm)以下にする必要がある。
短絡トランジスタによる突き抜け電圧は、短絡トランジスタを駆動する電圧(Vgh、Vgl)の振幅値(Vgh−Vgl)とも相関がある。振幅値が大きいほど突き抜け電圧は大きくなる。この関係を図196に図示している。図196において、横軸を振幅値(Vgh−Vhl)(V)としている。縦軸は突き抜け電圧である。図194でも説明したように、突き抜け電圧は0.3(V)以下となるようにする必要がある。
なお、突き抜け電圧の許容値0.3(V)は言い換えると、ソース信号線18の振幅値の1/5以下(20%以下)である。ソース信号線18はプログラム電流が白表示の場合は、1.5(V)であり、プログラム電流が黒表示の場合は3.0(V)である。したがって、(3.0−1.5)/5=0.3(V)となる。
一方、ゲート信号線の振幅値(Vgh−Vhl)は4(V)以上ないと十分に画素16に書き込むことができない。以上のことから、ゲート信号線の振幅値(Vgh−Vgl)は、4(V)以上15(V)以下の条件と満足させる必要がある。さらに好ましくは、ゲート信号線の振幅値(Vgh−Vgl)は、5(V)以上12(V)以下の条件と満足させる必要がある。
EL素子15において、電子は陰極(カソード)より電子輸送層に注入されると同時に正孔も陽極(アノード)から正孔輸送層に注入される。注入された電子、正孔は印加電界により対極に移動する。その際、有機層中にトラップされたり、発光層界面でのエネルギー準位の差によりのようにキャリアが蓄積されたりする。
有機層中に空間電荷が蓄積されると分子が酸化もしくは還元され、生成されたラジカル陰イオン分子もしくはラジカル陽イオン分子が不安定であることで、膜質の低下により輝度の低下および定電流駆動時の駆動電圧の上昇を招くことが知られている。これを防ぐために、一例としてデバイス構造を変化させ、逆方向電圧を印加している。
逆バイアス電圧が印加されると、逆方向電流が印加されるため、注入された電子及び正孔がそれぞれ陰極及び陽極へ引き抜かれる。これにより、有機層中の空間電荷形成を解消し、分子の電気化学的劣化を抑えることで寿命を長くすることが可能となる。
なお、以下に説明する本発明の逆バイアス駆動は、画像を表示していない期間に実施するものである。つまり、本発明の表示パネルを点灯した後、一定の期間、逆バイアス駆動を実施するものである。もしくは、表示パネルの点灯前に、一定の期間、逆バイアス駆動を実施するものである。
図340は、本発明の逆バイアス駆動方式を説明する説明図である。電源回路(IC)82は、2つの端子を有し、1つの端子Aはベースアノード線2631に接続され、画素16のアノード線にアノード電圧Vddを印加する。一方、他の端子Bはベースカソード線2671に接続され、画素16のカソードにVss電圧を供給する。
なお、説明を容易にするために、アノード電圧Vddはカソード電圧Vssよりも高いとして説明をする。また、画素構成は、図1の構成を例示して説明するが、この画素の構成に限定されるものではない。なぜなら、以下に説明する本発明の逆バイアス駆動方式は、少なくともカソードとアノードのうち一方の端子に印加する電圧を変化させてEL素子15に逆バイアス電圧を印加するものだからである。さらに好ましくは、ソースドライバ回路14より、所定の電圧を画素に書き込み、この電圧と、変化させたEL素子15に印加した電圧により逆バイアス電圧を印加するものである。したがって、画素構成には限定されない。
さらに理解を容易にするため、一例として、各部の駆動電圧、信号振幅について電圧値などを具体化しておく。まず、ソースドライバ回路14は、GND(0(V))と5.5(V)の電源電圧により動作し、出力する映像信号は、最大5.5(V)、最低0.5(V)(図71における単位トランジスタ634の動作に0.5(V)程度必要なため、GND+0.5(V)が出力最低振幅となる)とする。したがって、ソース信号線18には5.5(V)〜0.5(V)電位の映像信号が出力される。また、ソースドライバ回路14が出力するプリチャージ電圧は、5.5(V)〜0(V)とする。
一方、画素のアノード電圧Vddは、ソースドライバ回路14の電源電圧の5.5(V)とする。したがって、画素16の駆動用TFT11aが画像表示に必要とする最大電流Imaxを流した時の、ダイオード接続状態のチャンネル(S−D間)電圧降下は、5.0(V)以内にしている。この点は重要なことである。つまり、ソースドライバ回路14が使用する電圧Vic(この場合は、5.5(V))−0.5(V)とした時、画素16の駆動トランジスタがダイオード接続(TFT11aのG−Dショート状態)し、画像表示に必要とする最大電流(白表示である)を流した時、そのチャンネル電圧(S−D電圧)の方が、Vic−0.5(V)よりも小さくなるように画素設計をするのである。つまり、以上の実施例では、ソースドライバ回路14がソース信号線18に出力する映像信号の電圧は5.0(V)である。この時、ダイオード接続されたTFT11aのS−D電圧は最大でも5.0(V)以下となるようにする。ダイオード特性は、トランジスタのチャンネル幅(W)とチャンネル長(L)を所定値に設計することにより、自由に可変することができる。
また、カソード電圧Vssは、−8(V)とする。ゲート信号線17に印加されるオン電圧Vglは−8+(−2)=−10(V)とし、ゲート信号線17に印加されるオフ電圧Vghは+5.5+1.5=+7(V)とする。ソースドライバ回路14が出力するプリチャージ電圧Vpは、5(V)とし、Vmは0(V)とする。
図340は、画像表示状態である。電源回路(IC)82からは、画素16のアノードにVdd電圧が印加され、アノードにはVss電圧が印加される。ソース信号線18には、表示パネルに表示する映像信号に基づき、ソースドライバ回路14から映像信号が印加される。また、図65、図66、図67、図232、図233などで説明したように必要に応じて、プリチャージ電圧Vpがソース信号線18に印加される。ゲートドライバ回路12は、水平同期信号と同期をとり、ゲート信号線17を順次選択して、選択したゲート信号線17にオン電圧を印加する。
以上の動作により、映像信号に対応するプログラム電流Iwが画素16に書き込まれ、このプログラム電流Iwに対応する電流が駆動TFT11aからEL素子15に印加され、EL素子15が発光する。以上が、画像表示状態の動作である。
ユーザーが電源スイッチをオフするとコントローラ81(図8などを参照のこと)が、電源スイッチのオフを検出し、電源回路82およびソースドライバ回路14などを制御して、逆バイアス駆動を開始する。図341は逆バイアス駆動状態の説明図である。
逆バイアス駆動時は、まず、EL側のゲートドライバ回路12bを制御し、ゲート信号線17bにオフ電圧Vghを印加してEL素子15に電流が流れないようにする。次に、ソースドライバ回路14から、プリチャージ電圧Vmをソース信号線18に出力する。また、選択側のゲートドライバ回路12aを順次あるいは一斉に動作させ、選択TFT11b、11cを動作させ、Vm電圧をTFT11aのゲート端子に書き込む(と言うよりは、画素電極105に書き込む。画素電極105はEL素子15のアノード側端子である)。なお、EL素子15と画素電極の関係などは図10およびその説明を参照のこと。
次に、ゲート信号線17aにオフ電圧を印加し、選択側TFT11b、TFT11cをオフ状態にする。なお、ソースドライバ回路14がソース信号線18の電位をVm電圧に変動なく固定できる場合は、TFT11b、TFT11cはオン状態のままでもよい。
また、次にあるいは先の動作と同時に、電源回路82を制御してベースカソード線2671にV2=Vdd電圧を印加し、ベースアノード線2631には、V1=Vm−2(V)の電圧を印加する。V1電圧をVm−2(V)とするのは、TFT11aを完全にオフ状態にし、電流を流さないようにするためである。したがって、V1電圧は、Vm電圧との関係で、TFT11aがリーク状態以下の電流値に設定できる電圧であればいずれでも良い。
以上の状態で、EL側のゲートドライバ回路12aを動作させ、TFT11dをオンさせる。TFT11dのオンにより、Vm電圧がEL素子15のアノード側に印加され(画素電極105に印加される)、V2電圧がEL素子15のカソード側(反射電極)に印加さえる。したがって、EL素子15に逆バイアス電圧が印加される。
なお、TFT11dは、画素電極105にVm電圧を印加後、オンさせるとしたが、これに限定するものではない。TFT11dをオンした状態でVm電圧を印加してもよい。ただし、TFT11d、TFT11cがオン状態で、カソード端子にV2電圧が印加されると、ソース信号線18の電位が低下し、ソースドライバ回路14が破壊する場合があるのでTFTのオンオフタイミング、電源回路82の制御タイミングを考慮する(検討する)必要がある。
また、V2電圧はVdd電圧をしたが、これに限定するものではない。Vdd電圧は電源回路82が発生している電圧であるから、利用することのより電源回路82の回路規模を小さくできる効果がある。しかし、EL素子15のカソードに印加する電圧が高いほど、逆バイアスの効果が高く、劣化によるEL素子15の端子電圧上昇が小さくなることが多い。したがって、他の電圧(Vdd電圧以上、Vdd電圧以下の場合もあるであろう)であってもよい。つまり、逆バイアス電圧の印加による効果は、実験により決定する必要がある。ここでは、説明を容易にするため、V2=Vddとして説明をする。また、Vm電圧は、Vm=0(V)以下(たとえば、−5(V)など)とすることも可能である。
また、EL素子15に印加する逆バイアス電圧Vs(Vs=(V2−Vm)の絶対値)は、EL素子15が高分子EL材料で構成されている場合は、3(V)以上必要であり、好ましくは、5(V)以上必要である。なお、最大値のVsは15(V)以下にする必要がある(逆バイアス電圧が所定値以上に高いと、逆バイアス電圧の印加により、EL素子15のアノード電極とカソード電極間にショートなどが発生する)。EL素子15が低分子EL材料で構成されている場合は、Vs電圧は5(V)以上必要であり、好ましくは、10(V)以上必要である。なお、最大値のVsは20(V)以下にする必要がある(逆バイアス電圧が所定値以上に高いと、逆バイアス電圧の印加により、EL素子15のアノード電極とカソード電極間にショートなどが発生する)。
図344は図341(後に説明する他の実施例の場合も同様である)の逆バイアス駆動方式の効果を図示したものである。図344において、縦軸は変化電圧比率を示している。変化電圧比率とは、逆バイアス電圧を印加した場合と、印加しない場合の電圧変化の割合である。たとえば、1(μA)の定電流をEL素子15に流した時の初期の端子電圧を10(V)とし、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施しなかった場合の、1(μA)の停電竜時のEL素子15の端子電圧が13(V)になったとすれば、変化電圧比率は13(V)/10(V)=1.3である。
逆バイアス電圧駆動を実施すると、劣化によるEL素子15の端子電圧上昇は小さくなる。たとえば、1(μA)の定電流をEL素子15に流した時の初期の端子電圧を10(V)とし、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施すると、1(μA)の停電竜時のEL素子15の端子電圧が11(V)以下となり、大幅な改善効果がみられる。この場合は、変化電圧比率は11(V)/10(V)=1.1である。
図344において、横軸は、表示パネルを使用した後に、印加する逆バイアス電圧の印加時間をしめしている。なお、逆バイアス電圧Vsは、EL素子15が高分子EL材料で構成されている場合は、3(V)以上必要であり、好ましくは、5(V)以上必要である。なお、最大値のVsは15(V)以下にする必要がある。EL素子15が低分子EL材料で構成されている場合は、Vs電圧は5(V)以上必要であり、好ましくは、10(V)以上必要である。なお、最大値のVsは20(V)以下にする必要がある。なお、図344の実線は、EL素子15が低分子材料の場合を示しており、点線は、EL素子15が高分子材料の場合を示している。また、図344は、G色を200(nt)で表示させ、10分間連続点灯を行い、その後に、EL素子15に逆バイアス電圧を印加し、点灯した時間の累計が2000時間となったときの電圧変化比率を示している。ただし、R、Bでも傾向は同一あるいは類似である。
図344で、わかるように、逆バイアス電圧を印加しない場合は、EL素子15の端子電圧は、30%も高くなる。しかし、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施することのより変化電圧比率は低下する。EL表示素子の連続点灯後、2秒間の逆バイアス電圧を印加すると、変化電圧比率は5%(1.05)程度の変化となる。したがって、逆バイアス電圧は2秒(sec)以上印加することが好ましい。特に、EL表示素子の連続点灯後、5秒間の逆バイアス電圧を印加すると、変化電圧比率は2%(1.02)程度の変化となる。したがって、さらに好ましくは、逆バイアス電圧は5秒(sec)以上の時間印加することが好ましい。逆バイアス電圧を印加する最大期間はシステムの使用上の制約なる。長時間の逆バイアス電圧を印加すると、逆バイアス電圧を印加している期間は、コントローラ81なども動作させる必要がある。そのため、システム(表示装置)の消費電力が大きくなる。したがって、逆バイアス電圧を印加する期間は最大でも60秒(60sec)以内にする必要がある。
なお、図344は表示パネルを使用後に、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施した例であるが、表示パネルの使用前に、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施後、表示パネルを使用した場合でも、図344の特性は同一である。また、図344は表示パネルを10分間使用した後に、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施した例である。この表示パネルの使用時間による逆バイアス電圧駆動の効果に差はない。つまり、表示パネルの使用時間が3分間の連続使用であっても、60分間の連続使用であっても、逆バイアス電圧を2秒以上印加することのより、EL素子15の端子電圧の上昇を抑制できる。これは、EL素子15にチャージされた電荷は、使用期間に関わらず一定以上の電圧印加により、放電できるためと考えられる。
図342は本発明の電源回路82とソースドライバ回路14との接続状態を図示している。ソース信号線18には、プリチャージ回路から電圧(Vp、Vm)を印加する。通常の表示時は、アナログスイッチ561b2でVp電圧をソース信号線18に印加する。逆バイアス電圧駆動時は、電源回路82と同期(同期はコントローラ81で制御する)して、ソース信号線18にVm電圧を印加する。Vm電圧を印加する時は、電流出力回路654の出力端と接続端子2633間に配置または形成されたアナログスイッチ561をオフ(オープン)させる。Vm電圧または、画素16からソース信号線18に出力される電圧から電流出力回路654を保護し、破壊されることを防止するためである。
ソース信号線18にはソースドライバ回路14からVm電圧を印加するとしたが、Vm電圧の印加はソースドライバ回路14から印加することに限定されない。たとえば、図92で説明したように、アレイ基板内にプリチャージ電圧PVを発生できるように構成し、このPV電圧をVm電圧に変更してソース信号線18に印加してもよい。また、図103に図示するように接続端子971に直接にプローブを接触させ、プローブからVm電圧を印加してもよい。
図343は本発明の電源回路(IC)82のブロック図である。本発明の電源回路82は2つの昇圧回路3433を具備している。昇圧回路3433には、基準電圧または電池から供給される直流電圧Vdが印加されている。この直流電圧Vdは、スイッチング回路(図示せず)により矩形波(交流)に変換される。この変換された矩形波は単巻きコイルからなるトランス1121で規定値(所望値)まで昇圧される。昇圧された矩形波は再び、昇圧回路3433内に形成または配置された平滑回路によって、直流電圧に変換される。この直流電圧は、スイッチング回路のスイッチング周期あるいはタイミングにより容易に可変することができる。また、発生する直流電圧の極性は、トランス1121のコイルの巻き方向により自由に設定できる。
以上のように、2つの昇圧回路により、2つの電圧(Va、Vbとする)が発生され、この2つの電圧は、切り替え回路481(481c、481d)のa端子とb端子に印加される。
切り替え回路481cはコントローラ81の制御により、ベースアノード線2631にVa電圧を出力するか、Vb電圧を出力するかを制御する。切り替え回路481dの同様にコントローラ81の制御により、ベースカソード線2671にVa電圧を出力するか、Vb電圧を出力するかを制御する。
なお、3431は出力バッファ回路であり、よりVa電圧あるいはVb電圧を出力電流の大小に関わらず、一定の電圧値に保持する機能を有している。また、スイッチ561c、561dは図351のように、ベースアノード線2631あるいはベースカソード線2671に出力する電圧をハイインピィーダンス状態にするスイッチである。
図345は本発明の逆バイアス電圧駆動のタイミングチャート図である。表示制御信号がHレベルの時、電源オン(表示パネルに画像を表示している状態)であり、Lレベルの時、ユーザーが電源オフ(表示パネルに画像を表示していない状態)である。したがって、表示制御信号がLレベルになるときを、コントローラ81が検出して、逆バイアス電圧駆動モードに入る。
表示制御信号がLレベルになった(b点)後、t1後(c点)に、ベースアノード線2631に印加する電圧(V1印加電圧)は、VH1電圧(Vdd電圧)から、VL1電圧(Vm−2(V))に変化する(図341を参照のこと)。また、ベースカソード線2671に印加する電圧(V2印加電圧)は、VL2電圧(Vss電圧)から、VH2電圧(Vdd電圧)に変化する(図341を参照のこと)。このようにして、EL素子15に逆バイアス電圧を印加する準備が整う。Vm電圧は、一定値である必要はなく、変化させてもよい。
なお、c点とb点の時間(t1)は1msec以上とする必要がある。ゲート信号線17の選択状態を変更する期間を確保するためである。さらに、d点とc点の時間(t2:t2は最初のゲート信号線17aが選択され、画素電極105にVm電圧を印加するまでの期間。基本的に逆バイアス駆動するために、画素電極105に電位設定するまでの時間)は少なくとも1msec以上の期間を確保する必要がある。さらに好ましくは、4msec以上にする必要がある。カソード電極は、0.01μF以上の容量があるため、電源回路82から出力する電圧(V1、V2)が所定電圧になるまでに比較的、長時間を必要とするからである。
一方、ゲート信号線17aは順次走査され、ソース信号線18に印加されたVm電圧を画素電極105に印加していく。この際、EL側のTFT11dのオンオフと同期をとって、画素電極105にVm電圧を印加している(書き込んでいる)時には、TFT11dはオンさせないようにする。なお、TFT11c、TFT11bがオンしている期間は、1ゲート信号線17aの選択期間(基本的には1水平走査期間)であるので、TFT11dがオフし、EL素子15に逆バイアス電圧が印加されていない期間は、ほとんど無視できる。
以上のように、ゲート信号線17aを順次選択し、Vm電圧をEL素子15のアノード側に印加し、カソード側に+電圧を印加することにより、EL素子15に逆バイアス電圧を印加できる。そのため、EL素子15の端子電圧の上昇がなく、EL表示パネルを長寿命化できる。
なお、図345の実施例は、逆バイアス電圧の印加するために、各ゲート信号線17aを選択する期間は、通常の画像表示時と同一の1水平走査期間(1H)としたが、これに限定するものではない。たとえば、図346に図示するように、1Hよりも長い期間(T1)としてもよい。つまり、画像を表示するのではないので、1Hに限定する必要はないのである。T1>1Hとすることのより、逆バイアス電圧印加時の安定度がよくなる。
また、図345の実施例では、ゲート信号線17aは走査して選択するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、図347に図示するように、すべてのゲート信号線17aにオン電圧を印加して、各画素16のEL素子15のアノードにVm電圧を印加してもよい。
同様に、図348に図示するように、すべてのゲート信号線17aにオン電圧を印加する期間(T2)とオフ電圧を印加する期間(T3)とを交互に繰り返しても良い。また、図349に図示するように、偶数番目のゲート信号線17aに、オン電圧を印加し、その際には、奇数番目のゲート信号線17aにはオフ電圧を印加する状態と、奇数番目のゲート信号線17aに、オン電圧を印加し、その際には、偶数番目のゲート信号線17aにはオフ電圧を印加する状態とを交互に繰り返してもよい。
図341はベースアノード線2631にV1=Vm−2(V)の電圧を印加するものであった。V1=Vm−2(V)の電圧を印加するのは、TFT11aをオフ状態とし、画素電極105に電流が流れ込まないようにするためであった。電流を流れないようにするには、図350に図示するように、駆動用TFT11aのソース(S)端子をオープンにしてもよい。ソース端子をオープンにすることのよりTFT11aのチャンネル間に流れる電流は発生しない。また、オープンにするには、スイッチ561をオープンにすることにより容易に実現できる(図343を参照のこと)。もしくは、電源回路82とベースアノード線2631との接続点をはずせばよい。
図350の構成によっても、ソースドライバ回路14からソース信号線18に印加された電圧Vmを画素電極105に印加することができる(EL素子15のアノード側にVm電圧を印加することができる)。また、電源回路82からEL素子15のカソード側にVdd電圧を印加することができ、EL素子15に逆バイアス電圧を印加できる。
以上の実施例は、ゲート信号線17aを順次選択あるいは常時選択もしくは所定周期で選択することにより、EL素子15のアノード側にVm電圧を書き込む実施例であった。Vm電圧を書き込むことにより、EL素子15のアノード側に電位が正確に確定する。しかし、EL素子15に逆バイアス電圧を印加することを目的とするのであれば、EL素子15のアノード電位が正確である(所定値)である必要はない。たとえば、Vm電圧から±2(V)程度の誤差があってもよい。
したがって、図351の実施例のように、ゲート信号線17a、17bのオンオフ状態をタイミング制御せず、ゲート信号線17aにはオフ電圧を印加して、TFT11b、TFT11cをオフ状態に維持し、ゲート信号線17bにはオン電圧を印加して、TFT11dをオン状態に維持してもよい。この状態で、図351に図示するようにベースアノード線2631にV1電圧を印加し、ベースカソード線2671にV2電圧を印加する。この場合は、画素電極105の電位Vcは、TFT11aのチャンネル間電圧と、EL素子15の端子間電圧により(基本的には、両素子のインピーダンスにより決定される)分圧されたものになる。したがって、Vc電圧は正確な値とはならないが、少なくとも、Vc>V1、Vc<V2の関係となるから、EL素子15に逆バイアス電圧が印加される。
以上の実施例は、図1の画素構成を例示して説明をした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図352に図示するように、カレントミラーの画素構成でも、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施することができる。また、図353に図示するように、電圧駆動の画素構成によっても、本発明の逆バイアス電圧駆動を実施できることは言うまでもない。図352および図353の画素構成にあっても、逆バイアス電圧駆動方式は、以前に説明した方法あるいは構成と同一または類似であるので説明を省略する。
以上のように、本発明の逆バイアス電圧駆動により、EL素子15の劣化を防止できる。しかし、駆動方式のみでの対策では完全ではない。EL素子15が1〜5%の輝度低下で、焼きつきが発生するからである。液晶表示パネルの場合の焼きつきは、1〜2時間の駆動により消滅するが、EL表示パネルの焼きつきは、EL素子15の劣化であるため、一度発生するとなくならない。
この課題を対策するため、本発明のEL表示パネル(装置)では、図354に図示するように、横M文字、縦N文字の表示画面50に対し、縦横とも1文字分の表示領域をもっている。1文字が図355に図示するように、横D1ドット×縦D2ドットで表現されるとすれば、横D1ドット、縦D2ドット分だけ、本来必要とする表示ドット数よりも多くのドット数を持っている。
焼きつきは、固定パターンを同一位置に表示するために発生する。したがって、固定パターン(文字あるいは壁紙)を一定の周期あるいは間隔で、移動させれば、焼き付けの発生は少なくなる。移動周期(タイミング、つまり、ある表示場所状態から他の表示場所に移動する時間間隔)は、10秒以上120秒以下にすることが好ましい。10秒以下だと、ユーザーが画面を注視している期間に画面(文字など)の移動が発生するため、視覚的に許容できない。一方、あまりに長時間、同一位置に表示すると焼き付けが発生する。
移動の間隔は、3ドット以内にすることが好ましい。さらに好ましくは1ドット以内にすることが好ましい。4ドット以上にすると、ユーザーが画面を注視している期間に画面(文字など)の移動が発生したときに、大きな変動状態と認識され、視覚的に許容できない。また、電源を切断し、次回の電源を投入した時、前回の画像表示位置をフラッシュメモリに記憶させておくとよい。
図355では図355の(a)から355の(b)への移動は、縦横とも1ドット移動した状態を示している。しかし、移動は図356に図示するように、上下方向または左右方向に少しずつ移動させることが好ましい。図355では、まず、文字の表示位置を下方向に移動させ(図356の左上)、次に1ドット左右方向に移動させ、今度は、文字の表示位置を上方向に移動させるという動作を行っている。最後まで移動(図356の右上)すると、矢印の逆順序に移動させる。この動作を繰り返す。
以上のように、表示位置を移動させることにより、EL表示パネルに固定パターンが焼きつくことを大幅に低減できる。
以下、図面を参照しながら本発明の他の駆動方式について説明をする。図125は本発明のシーケンス駆動を実施するための表示パネルの説明図である。ソースドライバ回路14は接続端子681にR、G、Bデータを切り替えて出力する。したがって、ソースドライバ回路14の出力端子数は図48などの場合に比較して1/3の出力端子数ですむ。
ソースドライバ回路14から接続端子681に出力する信号は、出力切り替え回路1251のよりソース信号線18R、18G、18Bに振り分けられる。出力切り替え回路1251はポリシリコン技術あるいはアモルファスシリコン技術で基板71に直接形成する。また、出力切り替え回路1251はシリコンチップで形成し、COG技術、TAB技術、COF技術で基板71に実装してもよい。また、出力切り替え回路1251は切り替えスイッチ1251をソースドライバ回路14の回路として、ソースドライバ回路14に内蔵させてもよい。
切り替えスイッチ1252がR端子に接続されている時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Rに印加される。切り替えスイッチ1252がG端子に接続されている時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Gに印加される。切り替えスイッチ1252がB端子に接続されている時は、ソースドライバ回路14からの出力信号は、ソース信号線18Bに印加される。
なお、図126の構成では、切り替えスイッチ1252がR端子に接続されている時は、切り替えスイッチのG端子およびB端子はオープンである。したがって、ソース信号線18Gおよび18Bに入力される電流は0Aである。したがって、ソース信号線18Gおよび18Bに接続された画素16は黒表示となる。
切り替えスイッチ1252がG端子に接続されている時は、切り替えスイッチのR端子およびB端子はオープンである。したがって、ソース信号線18Rおよび18Bに入力される電流は0Aである。したがって、ソース信号線18Rおよび18Bに接続された画素16は黒表示となる。
なお、図126の構成では、切り替えスイッチ1252がB端子に接続されている時は、切り替えスイッチのR端子およびG端子はオープンである。したがって、ソース信号線18Rおよび18Gに入力される電流は0Aである。したがって、ソース信号線18Rおよび18Gに接続された画素16は黒表示となる。
基本的には、1フレームが3フィールドで構成される場合、第1フィールドで、表示画面50の画素16に順次R画像データが書き込まれる。第2フィールドでは、表示画面50の画素16に順次G画像データが書き込まれる。また、第3フィールドでは、表示画面50の画素16に順次B画像が書き込まれる。
以上のように、フィールドごとにRデータ→Gデータ→Bデータ→Rデータ→Gデータ→Bデータ→Rデータ→・・・・・ が順次書き換えられシーケンス駆動が実現される。図1のようにスイッチング用トランジスタ11dをオンオフさせて、N倍パルス駆動を実現することなどは、図5、図13、図16などで説明をした。これらの駆動方法をシーケンス駆動と組み合わせることができることは言うまでもない。もちろん、その他の本発明の駆動方法とシーケンス駆動とを組み合わせることができることは言うまでもない。
また、先に説明した実施例では、R画素16に画像データを書き込む時は、G画素およびB画素には黒データを書き込むとした。G画素16に画像データを書き込む時は、R画素およびB画素には黒データを書き込むとした。B画素16に画像データを書き込む時は、R画素およびG画素には黒データを書き込むとした。本発明はこれに限定するものではない。
たとえば、R画素16に画像データを書き込む時は、G画素およびB画素の画像データは前フィールドで書き換えられた画像データを保持するようにしてもよい。このように駆動すれば画面50輝度を明るくすることができる。G画素16に画像データを書き込む時は、R画素およびB画素の画像データは前フィールドで書き換えられた画像データを保持するようにしする。B画素16に画像データを書き込む時は、G画素およびR画素の画像データは前フィールドで書き換えられた画像データを保持する。
以上のように、書き換えている色画素以外の画素の画像データを保持するには、RGB画素でゲート信号線17aを独立に制御できるようにすればよい。たとえば、図125に図示するように、ゲート信号線17aRは、R画素のトランジスタ11b、トランジスタ11cのオンオフを制御する信号線とする。また、ゲート信号線17aGは、G画素のトランジスタ11b、トランジスタ11cのオンオフを制御する信号線とする。ゲート信号線17aBは、B画素のトランジスタ11b、トランジスタ11cのオンオフを制御する信号線とする。一方、ゲート信号線17bはR画素、G画素、B画素のトランジスタ11dを共通でオンオフさせる信号線とする。
以上のように構成すれば、ソースドライバ回路14がRの画像データを出力し、スイッチ1252がR接点に切り替わっているときは、ゲート信号線17aRにオン電圧を印加し、ゲート信号線aGとゲート信号線aBとにオフ電圧を印加することができる。したがって、Rの画像データをR画素16に書き込み、G画素16およびB画素16は前にフィールドの画像データを保持したままにできる。
第2フィールドでソースドライバ回路14がGの画像データを出力し、スイッチ1252がG接点に切り替わっているときは、ゲート信号線17aGにオン電圧を印加し、ゲート信号線aRとゲート信号線aBとにオフ電圧を印加することができる。したがって、Gの画像データをG画素16に書き込み、R画素16およびB画素16は前にフィールドの画像データを保持したままにできる。
第3フィールドでソースドライバ回路14がBの画像データを出力し、スイッチ1252がB接点に切り替わっているときは、ゲート信号線17aBにオン電圧を印加し、ゲート信号線aRとゲート信号線aGとにオフ電圧を印加することができる。したがって、Bの画像データをB画素16に書き込み、R画素16およびG画素16は前にフィールドの画像データを保持したままにできる。
図125の実施例では、RGBごとに画素16のトランジスタ11bをオンオフさせるゲート信号線17aを形成あるは配置するとした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、図126に図示するように、RGBの画素16に共通のゲート信号線17aを形成または配置する構成であってもよい。
図125などの構成において、切り替えスイッチ1252がRのソース信号線を選択しているときは、Gのソース信号線とBのソース信号線はオープンになるとして説明をした。しかし、オープン状態は電気的にはフローティング状態であり、好ましいことではない。
図126は、このフローティング状態をなくすために対策を行った構成である。出力切り替え回路1251のスイッチ1252のa端子はVaa電圧(黒表示となる電圧)に接続されている。b端子はソースドライバ回路14の出力端子と接続されている。スイッチ1252はRGBそれぞれに設けられている。
図126の状態では、スイッチ1252RはVaa端子に接続されている。したがって、ソース信号線18Rには、Vaa電圧(黒電圧)が印加されている。スイッチ1252GはVaa端子に接続されている。したがって、ソース信号線18Gには、Vaa電圧(黒電圧)が印加されている。スイッチ1252Bはソースドライバ回路14の出力端子に接続されている。したがって、ソース信号線18Bには、Bの映像信号が印加されている。
以上の状態では、B画素の書き換え状態であり、R画素とG画素には黒表示電圧が印加される。以上のようにスイッチ1252を制御することにより、画素16の画像は書き換えられる。なお、ゲート信号線17bの制御などに関しては以前説明した実施例と同様であるので説明を省略する。
以上の実施例では、第1フィールドでR画素16を書き換え、第2フィールドでG画素16を書き換え、第3フィールドでB画素16を書き換えるとした。つまり、1フィールドごとに書き換えられる画素の色が変化する。本発明はこれに限定されるものではない。1水平走査期間(1H)ごとに書き換える画素の色を変化させてもよい。たとえば、1H目にR画素を書き換え、2H番目にG画素を書き換え、3H番目にB画素を書き換え、4H番目にR画素を書き換え、・・・・・・と駆動する方法である。もちろん、2H以上の複数水平走査期間ごとに書き換える画素の色を変化させてもよいし、1/3フィールドごとに書き換える画素の色を変化させてもよい。
図127は1Hごとに書き換える画素の色を変化させた実施例である。なお、図127から図129において、斜線でしめした画素16は、画素を書き換えずに前フィールドの画像データを保持していること、もしくは、黒表示にされていることを示している。もちろん、画素を黒表示したり、前フィールドのデータを保持したりと繰り返し実施してもよい。
なお、図125から図129の駆動方式において、図13などのN倍パルス駆動やM行同時駆動を実施してもよいことは言うまでもない。図125から図129などは画素16の書き込み状態を説明している。EL素子15の点灯制御は説明しないが、以前あるいは以降に説明する実施例を組み合わせることができることは言うまでもない。もちろん、図27で説明したダミー画素行271を形成した構成、ダミー画素行を使用する駆動方法と組み合わせてもよい。
また、1フレームは3フィールドで構成されることに限定されるものではない。2フィールドでもよいし、4フィールド以上でもよい。1フレームが2フィールドで、RGBの3原色の場合は、第1フィールドで、RとG画素を書き換え、第2フィールドでB画素を書き換えるという実施例が例示される。また、1フレームが4フィールドで、RGBの3原色の場合は、第1フィールドで、R画素を書き換え、第2フィールドでG画素を書き換え、第3フィールドと第4フィールドでB画素を書き換えるという実施例が例示される。これらのシーケンスは、RGBのEL素子15の発光効率を考慮して検討することのより効率よくホワイトバランスをとることができる。
以上の実施例では、第1フィールドでR画素16を書き換え、第2フィールドでG画素16を書き換え、第3フィールドでB画素16を書き換えるとした。つまり、1フィールドごとに書き換えられる画素の色が変化する。
図127の実施例では、第1フィールドの1H目にR画素を書き換え、2H番目にG画素を書き換え、3H番目にB画素を書き換え、4H番目にR画素を書き換え、・・・・・・と駆動する方法である。もちろん、2H以上の複数水平走査期間ごとに書き換える画素の色を変化させてもよいし、1/3フィールドごとに書き換える画素の色を変化させてもよい。
図127の実施例では、第1フィールドの1H目にR画素を書き換え、2H番目にG画素を書き換え、3H番目にB画素を書き換え、4H番目にR画素を書き換える。第2フィールドの1H目にG画素を書き換え、2H番目にB画素を書き換え、3H番目にR画素を書き換え、4H番目にG画素を書き換える。第3フィールドの1H目にB画素を書き換え、2H番目にR画素を書き換え、3H番目にG画素を書き換え、4H番目にB画素を書き換える。
以上のように、各フィールドでR、G、B画素を任意にあるいは所定の規則性を持って書き換えることにより、R、G、Bのカラーセパレーションを防止することができる。また、フリッカの発生も抑制できる。
図128では、1Hごとに書き換えられる画素16の色数は複数となっている。図127では、第1フィールドにおいて、1H番目は書き換えられる画素16はR画素であり、2H番目は書き換えられる画素16はG画素である。また、3H番目は書き換えられる画素16はB画素であり、4H番目は書き換えられる画素16はR画素である。
図128では、1Hごとに、書き換える画素の色位置を異ならせている。各フィールドでR、G、B画素を異ならせ(所定の規則性を持っていてもよいことは言うまでもない)、順次書き換えることにより、R、G、Bのカラーセパレーションを防止することができる。また、フリッカの発生も抑制できる。
なお、図128の実施例においても、各絵素(RGB画素の組)では、RGBの点灯時間あるいは発光強度を一致させる。このことは、図126、図127などの実施例においても同然、実施することは言うまでもない。色ムラになるからである。
図128のように、1Hごとに書き換える画素の色数(図128の第1フィールドの1H番目は、R、G、Bの3色が書き換えられている)を複数にするのは、図125において、ソースドライバ回路14が各出力端子に任意(一定の規則性があってもよい)の色の映像信号を出力できるように構成し、スイッチ1252が接点R、G、Bを任意(一定の規則性があってもよい)に接続できるように構成すればよい。
図129の実施例の表示パネルでは、RGBの3原色に加えて、W(白)の画素16Wを有している。画素16Wを形成または配置することのより、色ピーク輝度を良好に実現できる。また、高輝度表示を実現できる。図129の(a)は1画素行に、R、G、B、W画素16を形成した実施例である。図129の(b)は、1画素行ごとに、RGBWの画素16を配置した構成である。
図129の駆動方法においても、図127、図128などの駆動方式を実施できることは言うまでもない。また、N倍パルス駆動や、M画素行同時駆動などを実施できることは言うまでもない。これらの事項は、当業者であれば本明細書により容易に具現化できるので説明を省略する。
なお、本発明は説明を容易にするため、本発明の表示パネルはRGBの3原色を有するとして説明しているが、これに限定するものではない。RGBに加えて、シアン、イエロー、マゼンダを加えても良いし、R、G、Bのいずれかの単色、R、G、Bのいずれかの2色を用いた表示パネルであってもよい。
また、以上のシーケンス駆動方式では、フィールドごとにRGBを操作するとしてが、本発明はこれに限定されるものではないことは言うまでもない。また、図125から図129の実施例は、画素16に画像データを書き込む方法について説明したものである。図1などのトランジスタ11dを操作し、EL素子15に電流を流して画像を表示する方式を説明したものではない(もちろん、関連している)。EL素子15に流れる電流は、図1の画素構成では、トランジスタ11dを制御することにより行う。
また、図127、図128などの駆動方法では、トランジスタ11d(図1の場合)を制御することにより、RGB画像を順次表示することができる。たとえば、図130の(a)は1フレーム(1フィールド)期間にR表示領域53R、G表示領域53G、B表示領域53Bを画面の上から下方向(下方向から上方向でもよい)に走査する。RGBの表示領域以外の領域は非表示領域52とする。つまり、間欠駆動を実施する。
図130の(b)は1フィールド(1フレーム)期間にRGB表示領域53を複数発生するように実施した実施例である。この駆動方法は、図16の駆動方法と類似である。したがって、説明を必要としないであろう。図130の(b)に表示領域53を複数に分割することにより、フリッカの発生はより低フレームレートでもなくなる。
図131の(a)は、RGBの表示領域53で表示領域53の面積を異ならせたものである(表示領域53の面積は点灯期間に比例することは言うまでもない)。図131の(a)では、R表示領域53RとG表示領域53Gと面積を同一にしている。G表示領域53GよりB表示領域53Bの面積を大きくしている。有機EL表示パネルでは、Bの発光効率が悪い場合が多い、図131の(a)のようにB表示領域53Bを他の色の表示領域53よりも大きくすることにより、効率よくホワイトバランスをとることができるようになる。
図131の(b)は、1フィールド(フレーム)期間で、B表示期間53Bが複数(53B1、53B2)となるようにした実施例である。図131の(a)は1つのB表示領域53Bを変化させる方法であった。変化させることによりホワイトバランスを良好に調整できるようにする。図131の(b)は、同一面積のB表示領域53Bを複数表示させることにより、ホワイトバランスを良好にする。
本発明の駆動方式は図131の(a)と図131の(b)のいずれに限定するものではない。R、G、Bの表示領域53を発生し、また、間欠表示することにより、結果として動画ボケを対策し、画素16への書き込み不足を改善することを目的としている。なお、図16の駆動方法では、R、G、Bが独立の表示領域53は発生しない。RGBが同時に表示される(W表示領域53が表示されると表現すべきである)。なお、図131の(a)と図131の(b)とは組み合わせてもよいことはいうまでもない。たとえば、図131の(a)のRGBの表示面積53を変化し、かつ図131の(b)のRGBの表示領域53を複数発生させる駆動方法の実施である。
なお、図130から図131の駆動方式は、図125から図129の本発明の駆動方式に限定されるものではない。図41のように、RGBごとにEL素子15(EL素子15R、EL素子15G、EL素子15B)に流れる電流を制御できる構成あれば、図130、図131の駆動方式を容易に実施できることは言うでもないであろう。ゲート信号線17bRにオンオフ電圧を印加することにより、R画素16Rをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bGにオンオフ電圧を印加することにより、G画素16Gをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bBにオンオフ電圧を印加することにより、B画素16Bをオンオフ制御することができる。
また、以上の駆動を実現するためには、図132に図示するように、ゲート信号線17bRを制御するゲートドライバ回路12bR、ゲート信号線17bGを制御するゲートドライバ回路12bG、ゲート信号線17bBを制御するゲートドライバ回路12bBを形成または配置すればよい。図132のゲートドライバ回路12bR、12bG、12bBを図6などで説明した方法で駆動することにより、図130、図131の駆動方法を実現できる。もちろん、図132の表示パネルの構成で、図16の駆動方法なども実現できることは言うまでもない。
また、図125から図128の構成で、画像データを書き換える画素16以外の画素16に、黒画像データを書き換える方式であれば、EL素子15Rを制御するゲート信号線17bR、EL素子15Gを制御するゲート信号線17bG、EL素子15Bを制御するゲート信号線bBが分離されておらず、RGB画素に共通のゲート信号線17bであっても、図130、図131の駆動方式を実現できることは言うまでもない。
図15、図18、図21などでは、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)は1水平走査期間(1H)を単位として、オン電圧(Vgl)、オフ電圧(Vgh)を印加するとして説明をした。しかし、EL素子15の発光量は、流す電流が定電流の時、流す時間に比例する。したがって、流す時間は1H単位に限定する必要はない。
アウトプットイネーブル(OEV)の概念を導入するため、以下のように規定する。OEV制御を行うことにより、1水平走査期間(1H)以内のゲート信号線17a、17bにオンオフ電圧(Vgl電圧、Vgh電圧)を画素16に印加できるようになる。
説明を容易にするため、本発明の表示パネルでは、電流プログラムを行う画素行を選択するゲート信号線17a(図1の場合)であるとして説明をする。また、ゲート信号線17aを制御するゲートドライバ回路12aの出力をWR側選択信号線と呼ぶ。EL素子15を選択するゲート信号線17b(図1の場合)であるとして説明をする。また、ゲート信号線17bを制御するゲートドライバ回路12bの出力をEL側選択信号線と呼ぶ。
ゲートドライバ回路12は、スタートパルスが入力され、入力されたスタートパルスが保持データとして順次シフトレジスタ内をシフトする。ゲートドライバ回路12aのシフトレジスタ内の保持データにより、WR側選択信号線に出力される電圧がオン電圧(Vgl)かオフ電圧(Vgh)かが決定される。さらに、ゲートドライバ回路12aの出力段には、強制的に出力をオフにするOEV1回路(図示せず)が形成または配置されている。OEV1回路がLレベルの時には、ゲートドライバ回路12aの出力であるWR側選択信号をそのままゲート信号線17aに出力する。以上の関係をロジック的に図示すれば、図224の(a)の関係となる(OR回路である)。なお、オン電圧をロジックレベルのL(0)とし、オフ電圧をロジック電圧のH(1)としている。
つまり、ゲートドライバ回路12aがオフ電圧を出力している場合は、ゲート信号線17aにオフ電圧が印加される。ゲートドライバ回路12aがオン電圧(ロジックではLレベル)を出力している場合は、OR回路でOEV1回路の出力とORが取られてゲート信号線17aに出力される。つまり、OEV1回路は、Hレベルの時、ゲートドライバ信号線17aに出力する電圧をオフ電圧(Vgh)にする(図176のタイミングチャートの例を参照のこと)。
ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ内の保持データにより、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)に出力される電圧がオン電圧(Vgl)かオフ電圧(Vgh)かが決定される。さらに、ゲートドライバ回路12bの出力段には、強制的に出力をオフにするOEV2回路(図示せず)が形成または配置されている。OEV2回路がLレベルの時には、ゲートドライバ回路12bの出力をそのままゲート信号線17bに出力する。以上の関係をロジック的に図示すれば、図176の(a)の関係となる。なお、オン電圧をロジックレベルのL(0)とし、オフ電圧をロジック電圧のH(1)としている。
つまり、ゲートドライバ回路12bがオフ電圧を出力している場合(EL側選択信号はオフ電圧)は、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加される。ゲートドライバ回路12bがオン電圧(ロジックではLレベル)を出力している場合は、OR回路でOEV2回路の出力とORが取られてゲート信号線17bに出力される。つまり、OEV2回路は、入力信号がHレベルの時、ゲートドライバ信号線17bに出力する電圧をオフ電圧(Vgh)にする。したがって、OEV2回路のよりEL側選択信号がオン電圧出力状態であっても、強制的にゲート信号線17bに出力される信号はオフ電圧(Vgh)になる。なお、OEV2回路の入力がLであれば、EL側選択信号がスルーでゲート信号線17bに出力される(図176のタイミングチャートの例を参照のこと)。
なお、OEV2の制御により、画面輝度を調整する。画面輝度により変化できる明るさの許容範囲がある。図175は許容変化(%)と画面輝度(nt)の関係を図示したものである。図175でわかるように、比較的暗い画像で許容変化量が小さい。したがって、OEV2による制御あるいはDuty比制御による画面50の輝度調整は、画面50輝度を考慮して制御する。制御による許容変化は画面が明るい時よりも暗い時を短くする。
図140は、1/4Duty比駆動である。4H期間に1H期間の間、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)にオン電圧が印加され、水平同期信号(HD)に同期してオン電圧が印加されている位置が走査される。したがって、オン時間は1H単位である。
しかし、本発明はこれに限定するものではなく、図143に図示するように1H未満(図143は1/2H)としてもよく、また、1H以下としてもよい。つまり、1H単位に限定されるものではなく、1H単位以外の発生も容易である。ゲートドライバ回路12b(ゲート信号線17bを制御する回路である)の出力段に形成または配置されたOEV2回路を用いればよい。OEV2回路は先に説明したOEV1回路と同様であるので説明を省略する。
図141は、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)のオン時間は1Hを単位としていない。奇数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)は1H弱の期間オン電圧が印加される。偶数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)は、極短い期間オン電圧が印加される。また、奇数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)に印加されるオン電圧時間T1と偶数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)に印加されるオン電圧時間T2を加えた時間を1H期間となるようにしている。図141を第1フィールドの状態とする。
第1フィールドの次の第2フィールドでは、偶数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)は1H弱の期間オン電圧が印加される。奇数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)は、極短い期間オン電圧が印加される。また、偶数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)に印加されるオン電圧時間T1と奇数画素行のゲート信号線17b(EL側選択信号線)に印加されるオン電圧時間T2を加えた時間を1H期間となるようにしている。
以上のように、複数画素行でのゲート信号線17b(EL側選択信号線)に印加するオン時間の和を一定となるようにし、また、複数フィールドで各画素行のEL素子15の点灯時間を一定となるようにしてもよい。
図142は、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)のオン時間を1.5Hをしている。また、A点におけるゲート信号線17b(EL側選択信号線)の立ち上りと立下りが重なるようにしている。ゲート信号線17b(EL側選択信号線)とソース信号線18とはカップリングしている。そのため、ゲート信号線17b(EL側選択信号線)の波形が変化すると波形の変化がソース信号線18に突き抜ける。この突き抜けによりソース信号線18に電位変動が発生すると電流(電圧)プログラムの精度が低下し、駆動用トランジスタ11aの特性ムラが表示されるようになる。
図142において、A点において、ゲート信号線17B(EL側選択信号線)(1)はオン電圧(Vgl)印加状態からオフ電圧(Vgh)印加状態に変化する。ゲート信号線17B(EL側選択信号線)(2)はオフ電圧(Vgh)印加状態からオン電圧(Vgl)印加状態に変化する。したがって、A点では、ゲート信号線17B(EL側選択信号線)(1)の信号波形とゲート信号線17B(EL側選択信号線)(2)の信号波形が打ち消しあう。したがって、ソース信号線18とゲート信号線17B(EL側選択信号線)とがカップリングしていても、ゲート信号線17B(EL側選択信号線)の波形変化がソース信号線18に突き抜けることはない。そのため、良好な電流(電圧)プログラム精度を得ることができ、均一な画像表示を実現できる。
なお、図142は、オン時間が1.5Hの実施例であった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、図144に図示するように、オン電圧の印加時間を1H以下としてもよいことは言うまでもない。
ゲート信号線17B(EL側選択信号線)にオン電圧を印加する期間を調整することにより、表示画面50の輝度をリニアに調整することができる。これはOEV2回路を制御することにより容易に実現できる。たとえば、図145では、図145の(a)よりも図145の(b)の方が表示輝度は低くなる。また、図145の(b)よりも図145の(c)の方が表示輝度は低くなる。
図109はOEV2とゲート信号線17bの信号波形の関係を図示してものである。図109において、図109の(a)が最もOEV2がLレベルになる期間が短い。したがって、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される期間が短いため、EL素子15に流れる電流期間は短くなる。この状態は結果的にはDuty比が小さい状態である。図109の(b)が次にOEV2がLレベルになる期間が長い。さらに図109の(c)は図109の(b)よりもOEV2がLレベルになる期間が長い。そのため、図109の(c)のDuty比は図109の(b)のDuty比よりも大きいことになる。
なお、図109の(a)(b)(c)の実施例は、1Hより短い期間でDuty比制御を行うものである。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、図109の(d)に図示するように1H単位でDuty比制御を行っても良い。なお、図109の(d)はDuty比1/2の実施例である。
図109の(a)が最もOEV2がLレベルになる期間が短い。したがって、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される期間が短いため、EL素子15に流れる電流期間は短くなる。この状態は結果的にはDuty比が小さい状態である。
図109の(a)が最もOEV2がLレベルになる期間が短い。したがって、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される期間が短いため、EL素子15に流れる電流期間は短くなる。この状態は結果的にはDuty比が小さい状態である。
また、図146に図示するように、1H期間にオン電圧を印加する期間とオフ電圧を印加する期間の組を複数回設けてもより。図146の(a)は6回設けた実施例である。図146の(b)は3回設けた実施例である。図146の(c)は1回設けた実施例である。図146では、図146の(a)よりも図146の(b)の方が表示輝度は低くなる。また、図146の(b)よりも図146の(c)の方が表示輝度は低くなる。したがって、オン期間の回数を制御することにより表示輝度を容易に調整(制御)できる。
以後、本発明の電流駆動方式のソースドライバIC(回路)14について説明をする。本発明のソースドライバICは、以前に説明した本発明の駆動方法、駆動回路を実現するために用いる。また、本発明の駆動方法、駆動回路、表示装置と組み合わせて用いる。なお、説明は、ICチップとして説明をするがこれに限定するものではなく、低温ポリシリコン技術、アモルファスシリコン技術などを用いて、表示パネルの基板71上に作製してもよいことは言うまでもない。
まず、図55に、従来の電流駆動方式のドライバ回路の一例を示す。ただし、図55は本発明の電流駆動方式のソースドライバIC(ソースドライバ回路)14を説明するための原理的なものである。
図55において、551はD/A変換器である。D/A変換器551にはnビットのデータ信号が入力され、入力されたデータに基づき、D/A変換器からアナログ信号が出力される。このアナログ信号はオペアンプ552に入力される。オペアンプ552はNチャンネルトランジスタ471aに入力され、トランジスタ471aに流れる電流が抵抗531に流れる。抵抗Rの端子電圧はオペアンプ552の−入力となり、この−端子の電圧とオペアンプ552の+端子とは同一電圧となる。したがってD/A変換器551の出力電圧は抵抗531の端子電圧となる。
抵抗531の抵抗値が1MΩとし、D/A変換器551の出力が1(V)であれば、抵抗531には1(V)/1MΩ=1(μA)の電流が流れる。これが定電流回路となる。したがって、データ信号の値に応じて、D/A変換器551のアナログ出力が変化し、このアナログ出力に値にもとづいて抵抗531に所定電流が流れ、プログラム電流Iwとなる。
しかし、DA変換回路551の回路規模は大きい。また、オペアンプ552の回路規模も大きい。1出力回路に、DA変換回路551とオペアンプ552を形成するとソースドライバIC14の大きさは巨大となる。したがって、実用上は作製することが不可能である。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものである。本発明のソースドライバ回路14は、電流出力回路の規模をコンパクトにし、電流出力端子間の出力電流ばらつきをできるだけ最小限にするための回路構成、レイアウト構成を有するものである。
図47に、本発明の電流駆動方式のソースドライバIC(回路)14の1実施例における構成図を示す。図47は、一例として電流源を3段構成(471、472、473)とした場合の多段式カレントミラー回路を示している。
図47において、第1段の電流源471の電流値は、N個(ただし、Nは任意の整数)の第2段電流源472にカレントミラー回路によりコピーされる。更に、第2段電流源472の電流値は、M個(ただし、Mは任意の整数)の第3段電流源473にカレントミラー回路によりコピーされる。この構成により、結果として第1段電流源471の電流値は、N×M個の第3段電流源473にコピーされることになる。
例えば、QCIF形式の表示パネルのソース信号線18に1個のソースドライバIC14で駆動する場合は、176出力(ソース信号線が各RGBで176出力必要なため)となる。この場合は、Nを16個とし、M=11個とする。しがたって、16×11=176となり、176出力に対応できる。このように、NまたはMのうち、一方を8または16もしくはその倍数とすることにより、ドライバICの電流源のレイアウト設計が容易になる。
本発明の多段式カレントミラー回路による電流駆動方式のソースドライバIC(回路)14では、前記したように、第1段電流源471の電流値を直接N×M個の第3段電流源473にカレントミラー回路でコピーするのではなく、中間に第2段電流源472を配備しているので、そこでトランジスタ特性のばらつきを吸収することが可能である。
特に、本発明は、第1段のカレントミラー回路(電流源471)と第2段にカレントミラー回路(電流源472)を密接して配置するところに特徴がある。第1段の電流源471から第3段の電流源473(つまり、カレントミラー回路の2段構成)であれば、第1段の電流源と接続される第2段の電流源473の個数が多く、第1段の電流源471と第3段の電流源473を密接して配置することができない。
本発明のソースドライバ回路14のように、第1段のカレントミラー回路(電流源471)の電流を第2段のカレントミラー回路(電流源472)にコピーし、第2段のカレントミラー回路(電流源472)の電流を第3段にカレントミラー回路(電流源472)にコピーする構成である。この構成では、第1段のカレントミラー回路(電流源471)に接続される第2段のカレントミラー回路(電流源472)の個数は少ない。したがって、第1段のカレントミラー回路(電流源471)と第2段のカレントミラー回路(電流源472)とを密接して配置することができる。
密接してカレントミラー回路を構成するトランジスタを配置できれば、当然のことながら、トランジスタのばらつきは少なくなるから、コピーされる電流値のバラツキも少なくなる。また、第2段のカレントミラー回路(電流源472)に接続される第3段のカレントミラー回路(電流源473)の個数も少なくなる。したがって、第2段のカレントミラー回路(電流源472)と第3段のカレントミラー回路(電流源473)とを密接して配置することができる。
つまり、全体として、第1段のカレントミラー回路(電流源471)、第2段のカレントミラー回路(電流源472)、第3段のカレントミラー回路(電流源473)の電流受け取り部のトランジスタを密接して配置することができる。したがって、密接してカレントミラー回路を構成するトランジスタを配置できるから、トランジスタのばらつきは少なくなり、出力端子からの電流信号のバラツキは極めて少なくなる(精度が高い)。
本発明において、電流源471、472、473と表現したり、カレントミラー回路と表現したりしている。これらは同義に用いている。つまり、電流源とは、本発明の基本的な構成概念であり、電流源を具体的に構成するとカレントミラー回路となるからである。したがって、電流源はカレントミラー回路のみに限定するものではなく、オペアンプ552とトランジスタ471と抵抗Rの組み合わせからなる定電流回路でもよい。
図48はさらに具体的なソースドライバIC(回路)14の構造図である。図48は第3の電流源473の部分を図示している。つまり、1つのソース信号線18に接続される出力部である。最終段のカレントミラー構成として、複数の同一サイズのカレントミラー回路(単位トランジスタ484(1単位))で構成されており、その個数が画像データのビットに対応して、ビット重み付けされている。
なお、本発明のソースドライバIC(回路)14を構成するトランジスタは、MOSタイプに限定するものではなく、バイポーラタイプでもよい。また、シリコン半導体に限定するものではなく、ガリ砒素半導体でもよい。また、ゲルマニウム半導体でもよい。また、基板に低温ポリシリコンなどのポリシリコン技術、アモルファスシリコン技術で直接形成したものでもよい。
図48で明らかであるが、本発明の1実施例として、6ビットのデジタル入力の場合を図示している。つまり、2の6乗であるから、64階調表示である。このソースドライバIC14をアレイ基板に積載することにより、赤(R)、緑(G)、青(B)が各64階調であるから、64×64×64=約26万色を表示できることになる。
64階調の場合は、D0ビットの単位トランジスタ484は1個、D1ビットの単位トランジスタ484は2個、D2ビットの単位トランジスタ484は4個、D3ビットの単位トランジスタ484は8個、D4ビットの単位トランジスタ484は16個、D5ビットの単位トランジスタ484は32個であるから、計単位トランジスタ484は63個である。つまり、本発明は階調の表現数(この実施例の場合は、64階調)−1個の単位トランジスタ484を1出力と構成(形成)する。なお、単位トランジスタ1個が複数のサブ単位トランジスタに分割されている場合であっても、単位トランジスタが単にサブ単位トランジスタに分割されているだけである。したがって、本発明が、階調の表現数−1個の単位トランジスタで構成されていることには差異はない(同義である)。
図48において、D0はLSB入力を示しており、D5はMSB入力を示している。D0入力端子にHレベル(正論理時)の時、スイッチ481a(オンオフ手段である。もちろん、単体トランジスタで構成してもよいし、PチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタとを組み合わせたアナログスイッチなどでもよい)がオンする。すると、カレントミラーを構成する電流源(1単位)484に向かって電流が流れる。この電流はソースドライバIC14内の内部配線483に流れる。この内部配線483はソースドライバIC14の端子電極を介してソース信号線18に接続されているから、この内部配線483に流れる電流が画素16のプログラム電流となる。
たとえば、D1入力端子にHレベル(正論理時)の時、スイッチ481bがオンする。すると、カレントミラーを構成する2つの電流源(1単位)484に向かって電流が流れる。この電流はソースドライバIC14内の内部配線483に流れる。この内部配線483はソースドライバIC14の端子電極を介してソース信号線18に接続されているから、この内部配線483に流れる電流が画素16のプログラム電流となる。
他のスイッチ481でも同様である。D2入力端子にHレベル(正論理時)の時は、スイッチ481cがオンする。すると、カレントミラーを構成する4つの電流源(1単位)484に向かって電流が流れる。D5入力端子にHレベル(正論理時)の時は、スイッチ481fがオンする。すると、カレントミラーを構成する32つの電流源(1単位)484に向かって電流が流れる。
以上のように、外部からのデータ(D0〜D5)に応じて、それに対応する電流源(1単位)に向かって電流が流れる。したがって、データに応じて、0個から63個に電流源(1単位)に電流が流れるように構成されている。
なお、本発明は説明を容易にするため、電流源は6ビットの63個としているが、これに限定するものではない。8ビットの場合は、255個の単位トランジスタ484を形成(配置)すればよい。また、4ビットの時は、15個の単位トランジスタ484を形成(配置)すればよい。単位電流源を構成するトランジスタ484は同一のチャンネル幅W、チャンネル幅Lとする。このように同一のトランジスタで構成することにより、ばらつきの少ない出力段を構成することができる。
また、単位トランジスタ484はすべてが、同一の電流を流すことに限定するものではない。たとえば、各単位トランジスタ484を重み付けしてもよい。たとえば、1単位の単位トランジスタ484と、2倍の単位トランジスタ484と、4倍の単位トランジスタ484などを混在させて電流出力回路を構成してもよい。 しかし、単位トランジスタ484を重み付けして構成すると、各重み付けした電流源が重み付けした割合にならず、バラツキが発生する可能性がある。したがって、重み付けする場合であっても、各電流源は、1単位の電流源となるトランジスタを複数個形成することにより構成することが好ましい。
単位トランジスタ484を構成するトランジスタの大きさは一定以上の大きさが必要である。トランジスタサイズが小さいほど出力電流のバラツキが大きくなる。トランジスタ484の大きさとは、チャンネル長Lとチャンネル幅Wをかけたサイズをいう。たとえば、W=3μm、L=4μmであれば、1つの単位電流源を構成するトランジスタ484のサイズは、W×L=12平方μmである。トランジスタサイズが小さくなるほどバラツキが大きくなるのはシリコンウエハの結晶界面の状態が影響しているためと考えられる。したがって、1つのトランジスタが複数の結晶界面にまたがって形成されているとトランジスタの出力電流バラツキは小さくなる。
トランジスタサイズと出力電流のバラツキの関係を図119に示す。図119のグラフの横軸はトランジスタサイズ(平方μm)である。縦軸は、出力電流のバラツキを%で示したものである。ただし、出力電流のバラツキ%は、単位電流源(1つの単位トランジスタ)484を63個の組で形成し(63個形成し)、この組を多数組ウエハ上に形成し、出力電流のバラツキをもとめたものである。したがって、グラフの横軸は、1つの単位電流源を構成するトランジスタサイズ(単位トランジスタ484のサイズ)で図示しているが、実際の並列するトランジスタは63個あるので面積は63倍である。しかし、図119では単位トランジスタ484の大きさを単位として検討している。したがって、図119でおいて、30平方μmの単位トランジスタ484を63個形成したとき、その時の出力電流のバラツキは、0.5%となることを示している。
64階調の場合は、100/64=1.5%である。したがって、出力電流バラツキは1.5%以内にする必要がある。図119から1.5%以下にするためには、単位トランジスタのサイズは2平方μm以上にする必要がある(64階調は63個の2平方μmの単位トランジスタが動作する)。一方でトランジスタサイズには制限がある。ICチップサイズが大きくなる点と、1出力あたりの横幅に制限があるからである。この点から、単位トランジスタ484のサイズの上限は、300平方μmである。したがって、64階調表示では、単位トランジスタ484のサイズは、2平方μm以上300平方μm以下にする必要がある。
128階調の場合は、100/128=1%である。したがって、出力電流バラツキは1%以内にする必要がある。図119から1%以下にするためには、単位トランジスタのサイズは8平方μm以上にする必要がある。したがって、128階調表示では、単位トランジスタ484のサイズは、8平方μm以上300平方μm以下にする必要がある。
一般的に、階調数をKとし、単位トランジスタ484の大きさをSt(平方μm)としたとき、
40 ≦ K/√(St) かつ St ≦ 300の関係を満足させる。
さらに好ましくは、120 ≦ K/√(St) かつ St ≦ 300の関係を満足させることが好ましい。
以上の例は、64階調で63個のトランジスタを形成した場合である。64階調を127個の単位トランジスタ484で構成する場合は、単位トランジスタ484のサイズとは、2つの単位トランジスタ484を加えたサイズである。たとえば、64階調で、単位トランジスタ484のサイズが10平方μmであり、127個形成されていたら、図119では単位トランジスタのサイズは10×2=20の欄をみる必要がある。同様に、64階調で、単位トランジスタ484のサイズが10平方μmであり、255個形成されていたら、図119では単位トランジスタのサイズは10×4=40の欄をみる必要がある。
単位トランジスタ484は大きさだけでなく、形状も考慮する必要がある。キンクの影響を低減するためである。キンクとは、単位トランジスタ484のゲート電圧を一定に保った状態で、単位トランジスタ484のソース(S)−ドレイン(D)電圧を変化させたときに、単位トランジスタ484に流れる電流が変化する現象と言う。キンクの影響がない場合(理想状態)では、ソース(S)−ドレイン(D)間に印加する電圧を変化させても、単位トランジスタ484に流れる電流は変化しない。
キンクの影響が発生するのは、図1などの駆動用トランジスタ11aのVtのバラツキにより、ソース信号線18が異なる場合である。ソースドライバ回路14は、画素の駆動用トランジスタ11aにプログラム電流が流れるように、プログラム電流をソース信号線18に流す。このプログラム電流により、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が変化し、駆動用トランジスタ11aにプログラム電流が流れるようになる。図3でわかるように、選択された画素16がプログラム状態の時は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧=ソース信号線18電位である。
したがって、各画素16の駆動用トランジスタ11aのVtばらつきにより、ソース信号線18の電位は異なる。ソース信号線18の電位は、ソースドライバ回路14の単位トランジスタ484のソース−ドレイン電圧となる。つまり、画素16の駆動用トランジスタ11aのVtバラツキにより、単位トランジスタ484に印加されるソース−ドレイン電圧が異なり、このソース−ドレイン間電圧により、単位トランジスタ484にキンクによる出力電流のバラツキが発生する。
図123は単位トランジスタL/Wと目標値からのずれ(ばらつき)のグラフである。単位トランジスタのL/W比が2以下では、目標値からのずれが大きい(直線の傾きが大きい)。しかし、L/Wが大きくなるにつれて、目標値のずれが小さくなる傾向にある。単位トランジスタL/Wが2以上では目標値からのずれの変化は小さくなる。また、目標値からのずれ(ばらつき)はL/W=2以上で、0.5%以下となる。したがって、トランジスタの精度としてソースドライバ回路14に採用できる。なお、Lは単位トランジスタ484のチャンネル長、Wは単位トランジスタのチャンネル幅である。
しかし、単位トランジスタ484のチャンネル長Lがいくらでも長くすることはできない。Lが長いほどソースドライバIC14が大きくなるからである。また、単位トランジスタ484のゲート端子電圧が上昇し、ソースドライバIC14に必要な電源電圧が高くなる。電源電圧が高くなると高耐圧のICプロセスを採用する必要がある。高耐圧のICプロセスで形成したソースドライバIC14は単位トランジスタ484の出力バラツキが大きい(図121とその説明を参照のこと)。検討の結果によれば、L/Wは100以下にすることが好ましい。さらに好ましくは、L/Wは50以下にすることが好ましい。
以上のことから、単位トランジスタL/Wは2以上にすることが好ましい。また、L/Wは100以下にすることが好ましい。さらに好ましくは、L/Wは40以下にすることが好ましい。
また、L/Wの大きさは階調数にも依存する。階調数が少ない場合は、階調と階調との差が大きいため、キンクの影響により単位トランジスタ484の出力電流がばらついても問題がない。しかし、階調数が多い表示パネルでは、階調と階調との差が小さいため、キンクの影響により単位トランジスタ484の出力電流が少しでもばらつくと階調数が低減する。
以上のことを勘案し、本発明のソースドライバ回路14は、階調数をKとし、単位トランジスタ484のL/W(Lは単位トランジスタ484のチャンネル長、Wは単位トランジスタのチャンネル幅)とした時、
(√(K/16)) ≦ L/W ≦ かつ (√(K/16))×20
の関係を満足させるように構成(形成)している。この関係を図示すると図120のようになる。図120の直線の上側が本発明の実施範囲である。
単位トランジスタ484の出力電流のバラツキはソースドライバIC14の耐圧にも依存している。ソースドライバICの耐圧とは一般的にICの電源電圧を意味する。たとえば、5(V)耐圧とは、電源電圧を標準電圧5(V)で使用する。なお、IC耐圧とは最大使用電圧と読み替えてもよい。これらの耐圧は、半導体ICメーカーが5(V)耐圧プロセス、10(V)耐圧プロセスと標準化して保有している。
IC耐圧が単位トランジスタ484の出力バラツキに影響を与えるのは、トランジスタ484のゲート絶縁膜の膜質、膜厚によると考えられる。IC耐圧が高いプロセスで製造したトランジスタ484はゲート絶縁膜が厚い。これば高電圧の印加でも絶縁破壊を発生しないようにするためである。絶縁膜が厚いと、ゲート絶縁膜厚の制御が困難になり、またゲート絶縁膜の膜質バラツキも大きくなる。そのため、トランジスタのバラツキが大きくなる。また、高耐圧プロセスで製造したトランジスタはモビリティが低くなる。モビリティが低いと、トランジスタのゲートに注入される電子が少し変化するだけで特性が異なる。したがって、トランジスタのバラツキが大きくなる。したがって、単位トランジスタ484のバラツキを少なくするためには、IC耐圧が低いICプロセスを採用することが好ましい。
図121はIC耐圧を単位トランジスタ484の出力バラツキの関係を図示してものである。縦軸のバラツキ比率とは、1.8(V)耐圧プロセスで作製して単位トランジスタ484のバラツキを1としている。なお、図121は単位トランジスタ484の形状L/Wを12(μm)/6(μm)とし、各耐圧プロセスで製造した単位トランジスタ484の出力バラツキを示している。また、各IC耐圧プロセスで複数の単位トランジスタを形成し、出力電流バラツキを求めている。ただし、耐圧プロセスは、1.8(V)耐圧、2.5(V)耐圧、3.3(V)耐圧、5(V)耐圧、8(V)耐圧、10(V)耐圧、15(V)耐圧など離散値である。しかし、説明を容易にするため、各耐圧で形成したトランジスタのバラツキをグラフに記入し、直線で結んでいる。
図121でもわかるが、IC耐圧が9(V)程度までは、ICプロセスに対するバラツキ比率(単位トランジスタ484の出力電流バラツキ)の増加割合は小さい。しかし、IC耐圧が10(V)以上になるとIC耐圧に対するバラツキ比率の傾きが大きくなる。
図121におけるバラツキ比率は3以内が、64階調から256階調表示でのバラツキ許容範囲である。ただし、このばらつき比率は、単位トランジスタ484の面積、L/Wにより異なる。しかし、単位トランジスタ484の形状などを変化させても、IC耐圧に対するバラツキ比率の変化傾向はほとんど差がない。IC耐圧9〜10(V)以上でバラツキ比率が大きくなる傾向がある。
一方、図48の出力端子681の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aのプログラム電流により変化する。ほぼ、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧とソース信号線18の電位と等しい。また、ソース信号線18の電位がソースドライバIC(回路)14の出力端子681の電位となる。画素16の駆動用トランジスタ11aが白ラスター(最大白表示)の電流を流す時のゲート端子電位Vwとする。画素16の駆動用トランジスタ11aが黒ラスター(完全黒表示)の電流を流す時のゲート端子電位Vbとする。Vw−Vbの絶対値は2(V)以上必要である。また、Vw電圧が端子681に印加されている時、単位トランジスタ484のチャンネル間電圧は、0.5(V)必要である。
したがって、出力端子681(端子681はソース信号線18と接続され、電流プログラム時、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が印加される)には、0.5(V)から((Vw−Vb)+0.5)(V)の電圧が印加される。Vw−Vbは2(V)であるから、端子681は最大2(V)+0.5(V)=2.5(V)印加される。したがって、ソースドライバIC14の出力電圧(電流)がrail−to−rail回路構成(IC電源電位まで、電圧を出力できる回路構成)であっても、IC耐圧としては2.5(V)必要である。端子741の振幅必要範囲は、2.5(V)以上必要である。
以上のことから、ソースドライバIC14の耐圧は、2.5(V)以上10(V)以下のプロセスを使用することが好ましい。さらに好ましくは、ソースドライバIC14の耐圧は、3(V)以上9(V)以下のプロセスを使用することが好ましい。
なお、以上の説明は、ソースドライバIC12の使用耐圧プロセスは、2.5(V)以上10(V)以下のプロセスを使用するとした。しかし、この耐圧は、基板71に直接にソースドライバ回路14が形成された実施例(低温ポリシリコンプロセスなど)にも適用される。基板71に形成されたソースドライバ回路14の使用耐圧は15(V)以上と高い場合がある。この場合は、ソースドライバ回路14に使用する電源電圧を図121に図示するIC耐圧に置き換えてもよい。また、ソースドライバIC14にあっても、IC耐圧とせず、使用する電源電圧に置き換えても良い。
単位トランジスタ484の面積は出力電流のバラツキと相関がある。図122は単位トランジスタ484の面積を一定とし、単位トランジスタ484のトランジスタ幅Wを変化させた時のグラフである。図121は単位トランジスタ484のチャンネル幅W=2(μm)のバラツキを1としている。グラフの縦軸は、チャンネル幅W=2(μm)のバラツキを1とした時に相対比である。
図122で示すようにバラツキ比率は、単位トランジスタのWが2(μm)から9〜10(μm)まで緩やかに増加し、10(μm)以上でバラツキ比率の増加は大きくなる傾向がある。また、チャンネル幅W=2(μm)以下でバラツキ比率が増加する傾向がある。
図122におけるバラツキ比率は3以内が、64階調から256階調表示でのバラツキ許容範囲である。ただし、このばらつき比率は、単位トランジスタ484の面積により異なる。しかし、単位トランジスタ484の面積を変化させても、IC耐圧に対するバラツキ比率の変化傾向はほとんど差がない。
以上のことから、単位トランジスタ484のチャンネル幅Wは2(μm)以上10(μm)以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、単位トランジスタ484のチャンネル幅Wは2(μm)以上9(μm)以下とすることが好ましい。ただし、階調数が64階調の時は、チャンネル幅Wは2(μm)以上15(μm)以下でも実用上は支障がない。
図52に図示するように、第2段のトランジスタ472bを流れる電流は、第3段のカレントミラー回路を構成するトランジスタ473aにコピーされ、カレントミラー倍率が1倍の時は、この電流がトランジスタ473bに流れる。この電流は、最終段の単位トランジスタ484にコピーされる。
D0に対応する部分は、1個の単位トランジスタ484で構成されているので、最終段電流源の単位トランジスタ473に流れる電流値である。D1に対応する部分は2個の単位トランジスタ484で構成されているので、最終段電流源の2倍の電流値である。D2は4個の単位トランジスタ484で構成されているので、最終段電流源の4倍の電流値であり、・・・、D5に対応する部分は32個のトランジスタで構成されているので、最終段電流源の32倍の電流値である。ただし、最終段のカレントミラー回路のミラー比が1の場合である。
6ビットの画像データD0、D1、D2、・・・、D5で制御されるスイッチを介してプログラム電流Iwはソース信号線に出力される(電流を引き込む)。したがって、6ビットの画像データD0、D1、D2、・・・、D5のON、OFFに応じて、出力線には、最終段電流源473の1倍、2倍、4倍、・・・、32倍の電流が加算されて出力される。すなわち、6ビットの画像データD0、D1、D2、・・・、D5により、最終段電流源473の0〜63倍の電流値が出力線より出力される(ソース信号線18から電流を引き込む。
実際には、図76、図77、図78、図118に図示するように、ソースドライバIC14内には、R、G、Bごとの基準電流(IaR、IaG、IaB)は、抵抗491(491R、491G、491B)などで調整できるように構成されている。基準電流Iaを調整することにより、ホワイトバランスを容易に調整することができる。
EL表示パネルで、フルカラー表示を実現するためには、RGBのそれぞれに基準電流を形成(作成)する必要がある。RGBの基準電流の比率でホワイトバランスを調整できる。電流駆動方式の場合は、また、本発明は、1つの基準電流から単位トランジスタ484が流す電流値を決定する。したがって、基準電流の大きさを決定すれば、単位トランジスタ484が流す電流を決定することができる。そのため、R、G、Bのそれぞれの基準電流を設定すれば、すべての階調におけるホワイトバランスが取れることになる。以上の事項は、ソースドライバ回路14が電流きざみ出力(電流駆動)であることから発揮される効果である。したがって、いかに、RGBごとに基準電流の大きさを設定できるかがポイントとなる。
EL素子の発光効率は、EL材料の蒸着あるいは塗布する膜厚で決定される。もしくは、支配的な要因である。膜厚は、ロットごとにほぼ一定である。したがって、EL素子15の形成膜厚をロット管理すれば、EL素子15に流す電流と発光輝度の関係が決定される。つまり、ロットごとに、ホワイトバランスをとるための電流値は固定である。
図49に、3段式カレントミラー回路による176出力(N×M=176)の回路図の一例を示す。図49では、第1段カレントミラー回路による電流源471を親電流源、第2段カレントミラー回路による電流源472を子電流源、第3段カレントミラー回路による電流源473を孫電流源と記している。最終段カレントミラー回路である第3段カレントミラー回路による電流源の整数倍の構成により、176出力のばらつきを極力抑え、高精度な電流出力が可能である。
なお、密集して配置するとは、第1の電流源471と第2の電流源472とを少なくとも8mm以内の距離に配置(電流あるいは電圧の出力側と電流あるいは電圧の入力側)することをいう。さらには、5mm以内に配置することが好ましい。この範囲であれば、検討によりシリコンチップ内で配置されてトランジスタの特性(Vt、モビリティ(μ))差がほとんど発生しないからである。また、同様に、第2の電流源472と第3の電流源473(電流の出力側と電流の入力側)も少なくとも8mm以内の距離に配置する。さらに好ましくは、5mm以内の位置に配置することが好ましい。以上の事項は、本発明の他の実施例においても適用されることは言うまでもない。
この電流あるいは電圧の出力側と電流あるいは電圧の入力側とは、以下の関係を意味する。図50の電圧受け渡しの場合は、第(I)段の電流源のトランジスタ471(出力側)と第(I+1)の電流源のトランジスタ472a(入力側)とを密集して配置する関係である。図51の電流受け渡しの場合は、第(I)段の電流源のトランジスタ471a(出力側)と第(I+1)の電流源のトランジスタ472b(入力側)とを密集して配置する関係である。
なお、図49、図50などにおいて、トランジスタ471は1個としたが、これに限定するものではない。たとえば、小さなサブトランジスタ471を複数個形成し、この複数個のサブトランジスタのソースまたはドレイン端子を抵抗491と接続して単位トランジスタ484を構成してもよい。小さなサブトランジスタを複数個並列に接続することのより、単位トランジスタ484のばらつきを低減することができる。
同様に、トランジスタ472aは1個としたが、これに限定するものではない。たとえば、小さなトランジスタ472aを複数個形成し、このトランジスタ472aの複数個のゲート端子を、トランジスタ471のゲート端子と接続してもよい。小さなトランジスタ472aを複数個並列に接続することのより、トランジスタ472aのばらつきを低減することができる。
したがって、本発明の構成としては、1つのトランジスタ471と複数個のトランジスタ472aとを接続する構成、複数個のトランジスタ471と1個のトランジスタ472aとを接続する構成、複数個のトランジスタ471と複数個のトランジスタ472aとを接続する構成が例示される。以上の実施例は後に詳細に説明する。
以上の事項は、図52のトランジスタ473aとトランジスタ473bとの構成にも適用される。1つのトランジスタ473aと複数個のトランジスタ473baとを接続する構成、複数個のトランジスタ473aと1個のトランジスタ473bとを接続する構成、複数個のトランジスタ473aと複数個のトランジスタ473bとを接続する構成が例示される。小さなトランジスタ473を複数個並列に接続することのより、トランジスタ473のばらつきを低減することができるからである。
以上の事項は、図52のトランジスタ472a、472bとの関係にも適用することができる。また、図48のトランジスタ473bも複数個のトランジスタで構成することが好ましい。図56、図57のトランジスタ473についても同様に複数個のトランジスタで構成することが好ましい。
ここで、ソースドライバIC14はシリコンチップで形成するとして説明するが、これに限定するものではない。ソースドライバIC14は、ガリウム基板、ゲルマニウム基板など形成された他の半導体チップでもよい。また、単位トランジスタ484は、バイポーラトランジスタ、CMOSトランジスタ、FET、バイCMOSトランジスタ、DMOSトランジスタのいずれでもよい。しかし、単位トランジスタ484の出力バラツキを小さくする観点から、単位トランジスタ484はCMOSトランジスタで構成することが好ましい。
単位トランジスタ484はNチャンネルで構成することが好ましい。Pチャンネルトランジスタで構成した単位トランジスタは、Nチャンネルトランジスタで構成した単位トランジスタに比較して、出力バラツキが1.5倍になる。
ソースドライバIC14の単位トランジスタ484は、Nチャンネルトランジスタで構成することが好ましいことから、ソースドライバIC14のプログラム電流は、画素16からソースドライバICへの引き込み電流となる。したがって、画素16の駆動用トランジスタ11aはPチャンネルで構成される。また、図1のスイッチング用トランジスタ11dもPチャンネルトランジスタで構成される。
以上のことから、ソースドライバIC(回路)14の出力段の単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成し、画素16の駆動用トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタで構成するという構成は、本発明の特徴ある構成である。なお、画素16を構成するトランジスタ11のすべて(トランジスタ11a、11b、11c、11d)をPチャンネルと形成するとよい。Nチャンネルトランジスタを形成するプロセスとなくすことができるから、低コスト化と高歩留まり化を実現できる。
なお、単位トランジスタ484はソースドライバIC14に形成するとしたが、これに限定するものではない。低温ポリシリコン技術でソースドライバ回路14を形成してもよい。この場合も、ソースドライバ回路14内の単位トランジスタ484はNチャンネルトランジスタで構成することが好ましい。
図51は電流受け渡し構成の実施例である。なお、図50は電圧受け渡し構成の実施例である。図50、図51とも回路図としては同じであり、レイアウト構成すなわち配線の引き回し方が異なる。図50において、471は第1段電流源用Nチャンネルトランジスタ、472aは第2段電流源用Nチャンネルトランジスタ、472bは第2段電流源用Pチャンネルトランジスタである。
図51において、471aは第1段電流源用Nチャンネルトランジスタ、472aは第2段電流源用Nチャンネルトランジスタ、472bは第2段電流源用Pチャンネルトランジスタである。
図50では、可変抵抗491(電流を変化するために用いるものである)とNチャンネルトランジスタ471で構成される第1段電流源のゲート電圧が、第2段電流源のNチャンネルトランジスタ472aのゲートに受け渡されているので、電圧受け渡し方式のレイアウト構成となる。
一方、図51では、可変抵抗491とNチャンネルトランジスタ471aで構成される第1段電流源のゲート電圧が、隣接する第2段電流源のNチャンネルトランジスタ472aのゲートに印加され、その結果トランジスタに流れる電流値が、第2段電流源のPチャンネルトランジスタ472bに受け渡されているので、電流受け渡し方式のレイアウト構成となる。
なお、本発明の実施例では説明を容易にするため、あるいは理解を容易にするために、第1の電流源と第2の電流源との関係を中心に説明しているが、これに限定されるものではなく、第2の電流源と第3の電流源との関係、あるいはそれ以外の電流源との関係においても適用される(適用できる)ことは言うまでもない。
図50に示した電圧受け渡し方式のカレントミラー回路のレイアウト構成では、カレントミラー回路を構成する第1段の電流源のNチャンネルトランジスタ471と第2段の電流源のNチャンネルトランジスタ472aが離れ離れになる(離れ離れになりやすいというべきではある)ので、両者のトランジスタ特性に相違が生じやすい。したがって、第1段電流源の電流値が第2段電流源に正確に伝達されず、ばらつきが生じやすい。
それに対して、図51に示した電流受け渡し方式のカレントミラー回路のレイアウト構成では、カレントミラー回路を構成する第1段電流源のNチャンネルトランジスタ471aと第2段電流源のNチャンネルトランジスタ472aが隣接している(隣接して配置しやすい)ので、両者のトランジスタ特性に相違は生じにくく、第1段電流源の電流値が第2段電流源に正確に伝達され、ばらつきが生じにくい。
以上のことから、本発明の多段式カレントミラー回路の回路構成(本発明の電流駆動方式のソースドライバIC(回路)14として、電圧受け渡しではなく、電流受け渡しとなるレイアウト構成とすることにより、よりばらつきの小さくでき好ましい。以上の実施例は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
なお、説明の都合上、第1段電流源から第2段電流源の場合を示したが、第2段電流源から第3段電流源、第3段電流源から第4段電流源、・・・などの多段の場合も同様であることは言うまでもない。また、本発明は1段の電流源構成を採用してもよいことは言うまでもない(図48、図164、図165、図166などを参照のこと)。
図52は、図49の3段構成のカレントミラー回路(3段構成の電流源)を、電流受け渡し方式にした場合の例を示している(したがって、図49は電圧受け渡し方式の回路構成である)。
図52では、まず、可変抵抗491とNチャンネルトランジスタ471で基準電流が作成される。なお、可変抵抗491で基準電流を調整するように説明しているが、実際は、ソースドライバIC(回路)14内に形成(もしくは配置)された電子ボリウム回路によりトランジスタ471のソース電圧が設定され、調整されるように構成される。もしくは、図48に図示するような多数の電流源(1単位)484から構成される電流方式の電子ボリウムから出力される電流を直接にトランジスタ471のソース端子に供給することにより基準電流は調整される(図53を参照のこと)。
トランジスタ471による第1段電流源のゲート電圧が、隣接する第2段電流源のNチャンネルトランジスタ472aのゲートに印加され、その結果トランジスタに流れる電流値が、第2段電流源のPチャンネルトランジスタ472bに受け渡される。また、第2の電流源のトランジスタ472bによるゲート電圧が、隣接する第3段電流源のNチャンネルトランジスタ473aのゲートに印加され、その結果トランジスタに流れる電流値が、第3段電流源のNチャンネルトランジスタ473bに受け渡される。第3段電流源のNチャンネルトランジスタ473bのゲートには図48に図示する多数の単位トランジスタ484が必要なビット数に応じて形成(配置)される。
図53では、前記多段式カレントミラー回路の第1段電流源471に、電流値調整用素子が具備されていることを特徴としている。この構成により、第1段電流源471の電流値を変化させることにより、出力電流をコントロールすることが可能となる。
トランジスタのVtバラツキ(特性バラツキ)は、1ウエハ内で100(mV)程度のばらつきがある。しかし、100μ以内に近接して形成されたトランジスタのVtバラツキは、少なくとも、10(mV)以下である(実測)。つまり、トランジスタを近接して形成し、カレントミラー回路を構成することにより、カレントミラー回路の出力電流バラツキを減少させることができる。したがって、ソースドライバICの各端子の出力電流バラツキを少なくすることができる。
なお、トランジスタのバラツキはVtであるとして説明をするが、トランジスタのバラツキはVtだけではない。しかし、Vtバラツキがトランジスタの特性バラツキの主要因であるから、理解を容易にするため、Vtバラツキ=トランジスタバラツキとして説明をする。
図118はトランジスタの形成面積(平方ミリメートル)と、単体トランジスタ484の出力電流バラツキとの測定結果を示している。出力電流バラツキとは、Vt電圧での電流バラツキである。黒点は所定の形成面積内に作製された評価サンプル(10−200個)のトランジスタ出力電流バラツキである。図118のA領域(形成面積0.5平方ミリメートル以内)内で形成されたトランジスタには、ほとんど出力電流のバラツキがない(ほぼ、誤差範囲の出力電流バラツキしかない。つまり、一定の出力電流が出力される)。逆にC領域(形成面積2.4平方ミリメートル以上)では、形成面積に対する出力電流のバラツキが急激に大きくなる傾向がある。B領域(形成面積0.5平方ミリメートル以上2.4平方ミリメートル以下)では、形成面積に対する出力電流のバラツキはほぼ比例の関係にある。
ただし、出力電流の絶対値は、ウエハごとに異なる。しかし、この問題は、本発明のソースドライバIC(回路)14において、基準電流を調整すること、あるいは所定値にすることにより対応できる。また、カレントミラー回路などの回路工夫で対応できる(解決できる)。
本発明は、入力デジタルデータ(D)により、単位トランジスタ484に流れる電流数を切り替えることによりソース信号線18に流れる電流量を変化(制御)する。階調数が64階調以上であれば、1/64=0.015であるから、理論的には、1〜2%以内の出力電流バラツキ以内にする必要がある。なお、1%以内の出力バラツキは、視覚的には判別することが困難になり、0.5%以下ではほぼ判別することができない(均一に見える)。
出力電流バラツキ(%)を1%以内にするためには、図118の結果に示すようにトランジスタ群(バラツキの発生を抑制すべきトランジスタ)の形成面積を2平方ミリメーター以内にする必要がある。さらに好ましくは、出力電流のバラツキ(つまり、トランジスタのVtバラツキ)を0.5%以内にすることが好ましい。図118の結果に示すようにトランジスタ群521の形成面積を1.2平方ミリメーター以内にすればよい。なお、形成面積とは、縦×横の長さの面積である。たとえば、一例として、1.2平方ミリメートルでは、1mm×1.2mmである。
また、単位トランジスタ484の組(64階調であれば63個のトランジスタ484のかたまり(図48などを参照のこと)に関しても同様である。単位トランジスタ484の組の形成面積を2平方ミリメーター以内にする必要がある。さらに好ましくは、単位トランジスタの組484の形成面積を1.2平方ミリメーター以内にすればよい。
なお、以上は、特に8ビット(256階調)以上の場合である。256階調以下の場合、たとえば、6ビット(64階調)の場合は、出力電流のバラツキは2%程度であっても良い(画像表示上、実状は問題がない)。この場合は、トランジスタ群521は、5平方ミリメートル以内に形成すればよい。また、トランジスタ群521(図52では、トランジスタ群521aと521bの2つを図示している)の両方が、この条件を満足することを要しない。少なくとも一方が(3つ以上ある場合は、1つ以上のトランジスタ群521)この条件を満足するように構成すれば本発明の効果が発揮される。特に、下位のトランジスタ群521(521aが上位で、521bが下位の関係)に関してこの条件を満足させることが好ましい。画像表示に問題が発生しにくくなるからである。
本発明のソースドライバIC(回路)14は、図52に図示するように、親、子、孫というように複数の電流源を多段接続し、かつ各電流源を密配置にしている(もちろん、親、子の2段接続でもよい)。また、各電流源間(トランジスタ群521間)を電流受け渡しにしている。具体的には、図52の点線で囲った範囲(トランジスタ群521)を密配置にする。このトランジスタ群521は電圧受け渡しの関係にある。また、親の電流源471と子の電流源472aとは、ソースドライバIC14チップの略中央部に形成または配置する。チップの左右に配置された子の電流源を構成するトランジスタ472aと、子の電流源を構成するトランジスタ472bとの距離を比較的短くすることができるからである。つまり、最上位のトランジスタ群521aをICチップの略中央部に配置する。そして、ソースドライバIC14の左右に、下位のトランジスタ群521bを配置する。好ましくは、この下位のトランジスタ群521bの個数がICチップの左右で略等しくなるように配置または、形成もしくは作製するのである。なお、以上の事項は、ソースドライバIC14に限定されず、低温ポリシリコン技術あるいは高温ポリシリコン技術で基板71に直接形成したソースドライバ回路14にも適用される。他の事項も同様である。
本発明では、トランジスタ群521aはソースドライバIC14の略中央部に1つ構成または配置または形成あるいは作製されたおり、チップの左右に8個ずつトランジスタ群521bが形成されている(N=8+8、図47を参照のこと)。子のトランジスタ群521bはチップの左右に等しくなるように、もしくは、チップ中央の親が形成された位置に対し、左側に形成または配置されたトランジスタ群521bの個数と、チップの右側に形成または配置されたトランジスタ群521bの個数との差が、4個以内となるように構成することが好ましい。さらには、チップの左側に形成または配置されたトランジスタ群521bの個数と、チップの右側に形成または配置されたトランジスタ群521bの個数との差が、1個以内となるように構成することが好ましい。以上の事項は、孫にあたるトランジスタ群(図52では省略されているが)についても同様である。
親電流源471とトランジスタ472a間は電圧受け渡し(電圧接続)されている。したがって、トランジスタのVtバラツキの影響を受けやすい。そのため、トランジスタ群521aの部分を密配置する。このトランジスタ群521aの形成面積を、図118の図示するように2平方ミリメートル以内の面積に形成する。さらに好ましくは1.2平方ミリメートル以内に形成する。もちろん、階調数が64階調以下の場合は、5平方ミリメートル以内でもよい。
トランジスタ群521aと子トランジスタ472b間は電流でデータを受け渡し(電流受け渡し)をしているので、距離は流れても構わない。この距離の範囲(たとえば、上位のトランジスタ群521aの出力端から下位のトランジスタ521bの入力端までの距離)は、先に説明したように、第2の電流源(子)を構成するトランジスタ472aと第2の電流源(子)を構成するトランジスタ472bとを、少なくとも10mm以内の距離に配置する。このましくは8mm以内に配置または形成する。さらには、5mm以内に配置することが好ましい。
この範囲であれば、検討によりシリコンチップ内で配置されてトランジスタの特性(Vt、モビリティ(μ))差が、電流受け渡しではほとんど影響しないからである。特に、この関係は、下位のトランジスタ群で実施することが好ましい。たとえば、トランジスタ群521aが上位で、その下位にトランジスタ群521b、さらにその下位にトランジスタ群521cがあれば、トランジスタ群521bとトランジスタ群521cの電流受け渡しをこの関係を満足させる。したがって、すべてのトランジスタ群521がこの関係を満足させることに、本発明が限定されるものではない。少なくとも1組のトランジスタ群521がこの関係を満足さえるようにすればよい。特に、下位の方が、トランジスタ群521の個数が多くなるからである。
第3の電流源(孫)を構成するトランジスタ473aと第3の電流源を構成するトランジスタ473bについても同様である。なお、電圧受け渡しでも、ほぼ適用することができることは言うまでもない。
トランジスタ群521bはチップの左右方向(長手方向、つまり、出力端子681と対面する位置に)に形成または作製あるいは配置されている。トランジスタ群521bはチップの左右方向(長手方向、つまり、出力端子681と対面する位置に)に形成または作製あるいは配置されている。このトランジスタ群521bの個数Mは、本発明では11個(図47を参照)である。
トランジスタ472bと孫電流源473a間は電圧受け渡し(電圧接続)されている。そのため、トランジスタ群521aと同様にトランジスタ群521bの部分を密配置する。このトランジスタ群521bの形成面積を、図118の図示するように2平方ミリメートル以内の面積に形成する。さらに好ましくは1.2平方ミリメートル以内に形成する。ただし、このトランジスタ群521b部分のVtが少しでもばらつくと画像として認識されやすい。したがって、ほとんどバラツキが発生しないように、形成面積は図118のA領域(0.5平方ミリメートル以内)にすることが好ましい。
トランジスタ群521bを孫トランジスタ473aとトランジスタ473b間は電流でデータを受け渡し(電流受け渡し)をしているので、多少、距離は流れても構わない。この距離の範囲についても先の説明と同様である。第3の電流源(孫)を構成するトランジスタ473aと第2の電流源(孫)を構成するトランジスタ473bとを、少なくとも8mm以内の距離に配置する。さらには、5mm以内に配置することが好ましい。
図53に、前記電流値制御用素子として、電子ボリウムで構成した場合を示す。電子ボリウムは抵抗531(電流制限および各基準電圧を作成する。抵抗531はポリシリで形成する)、デコーダ532、レベルシフタ533などで構成される。なお、電子ボリウムは電流を出力する。トランジスタ481はアナログスイッチ回路として機能する。
なお、ソースドライバIC(回路)14において、トランジスタを電流源と記載する場合がある。トランジスタで構成されたカレントミラー回路などは電流源として機能するからである。
また、電子ボリウム回路は、EL表示パネルの色数に応じて形成(もしくは配置)する。たとえば、RGBの3原色であれば、各色に対応する3つの電子ボリウム回路を形成(もしくは配置)し、各色を独立に調整できるようにすることが好ましい。しかし、1つの色を基準にする(固定する)場合は、色数−1分の電子ボリウム回路を形成(もしくは配置)する。
図68は、RGBの3原色を独立に基準電流を制御する抵抗素子491を形成(配置)した構成である。もちろん、抵抗素子491は電子ボリウムに置き換えてもよいことは言うまでもない。また、抵抗素子491はソースドライバIC(回路)14内に内蔵させてもよい。電流源471、電流源472などの親電流源、子電流源など基本(根本)となる電流源は図68に図示する領域に電流出力回路654に密集して配置する。密集して配置することにより、各ソース信号線18からの出力バラツキが低減する。図68に図示するようにICチップ(回路)14の中央部に電流出力回路654(電流出力回路に限定されるものではない。基準電流発生回路部、コントローラ部でもよい。つまり、654とは出力回路が形成されていない領域である)に配置することのより、ICチップ(回路)14の左右に電流源471、472などから電流を均等に分配することが容易となる。したがって、左右の出力バラツキが発生しにくい。
ただし、中央部に電流出力回路654に配置することに限定するものではない。ICチップの片端もしくは両端に形成してもよい。また、出力電流回路654と平行に形成または配置してもよい。
ソースドライバIC14中央部にコントローラあるいは出力電流回路654を形成することは、ソースドライバIC14の単位トランジスタ484のVt分布の影響を受けやすいため、あまり好ましいとはいえない(ウエハのVtはウエハ内で滑らかな分布が発生しているからである)。
図52の回路構成では、1つのトランジスタ473aと1つのトランジスタ473bとが一対一の関係で接続されている。図51においても、1つのトランジスタ472aと1つのトランジスタ472bとが一対一の完成で接続されている。図49などにおいても同様である。
しかし、1つのトランジスタと1つのトランジスタとが一対一の関係で接続されていると、対応するトランジスタの特性(Vtなど)の特性がバラツクとこのトランジスタに接続されたトランジスタの出力にバラツキが発生してしまう。
この課題を解決する構成の実施例が図58の構成である。図58の構成は、一例として4つのトランジスタ473aからなる伝達トランジスタ群521b(521b1、521b2、521b3)と4つのトランジスタ473bからなる伝達トランジスタ群521c(521c1、521c2、521c3)とを接続されている。ただし、伝達トランジスタ群521b、伝達トランジスタ群521cはそれぞれ4つのトランジスタ473で構成されるとしたがこれに限定されるものではなく、3以下でもよく、5以上でもよいことは言うまでもない。つまり、トランジスタ473aに流れる基準電流Ibを、トランジスタ473aとカレントミラー回路を構成する複数のトランジスタ473で出力し、この出力電流を複数のトランジスタ473bで受けるものである。
複数のトランジスタ473aと複数のトランジスタ473bと略同一サイズで、かつ同一個数に設定することが好ましい。また、1出力を構成する単位トランジスタ484の個数(図48のように64階調の場合は63個)と、単位トランジスタ484とカレントミラーを構成するトランジスタ473bの個数とは略同一サイズ、かつ同一個数にすることが好ましい。具体的には単位トランジスタ484のサイズとトランジスタ473bのサイズとの差は、±25%以内にすることが好ましい。以上のように構成すればカレント倍率が精度よく設定でき、また、出力電流のばらつきも少なくなる。なお、トランジスタの面積とは、トランジスタのチャンネル長Lとトランジスタのチャンネル幅Wをかけた面積をいう。
なお、トランジスタ473bに流す電流Ic1に対して、472bに流れる電流Ibは5倍以上になるように設定することが好ましい。トランジスタ473aのゲート電位が安定し、出力電流による過渡現象の発生を抑制できるからである。
また、伝達トランジスタ群521b1には4つのトランジスタ473aが隣接して配置され、伝達トランジスタ群521b1に隣接して伝達トランジスタ群521b2が配置され、この伝達トランジスタ群521b2には4つのトランジスタ473aが隣接して配置されというように形成されるとしているがこれに限定するものではない。たとえば、伝達トランジスタ群521b1のトランジスタ473aと伝達トランジスタ群521b2のトランジスタ473aとが相互に位置関係を交錯するように配置または形成してもよい。位置関係を交錯(トランジスタ473の配置を伝達トランジスタ群521間で入れ替える)させることにより、各端子での出力電流(プログラム電流)のバラツキをより少なくすることができる。
このように電流受け渡しするトランジスタを複数のトランジスタで構成することにより、トランジスタ群全体として出力電流のバラツキが少なくなり、各端子での出力電流(プログラム電流)のバラツキをより少なくすることができる。
伝達トランジスタ群521を構成するトランジスタ473の形成面積の総和が重要な項目である。基本的にトランジスタ473の形成面積の総和が大きいほど、出力電流(ソース信号線18から流入するプログラム電流)のバラツキは少なくなる。つまり、伝達トランジスタ群521の形成面積(トランジスタ473の形成面積の総和)が大きいほどバラツキは小さくなる。しかし、トランジスタ473の形成面積が大きくなればチップ面積が大きくなり、ソースドライバIC14の価格が高くなる。
なお、伝達トランジスタ群521の形成面積とは、伝達トランジスタ群521を構成するトランジスタ473の面積の総和である。また、トランジスタ473の面積とは、トランジスタ473のチャンネル長Lとトランジスタ473のチャンネル幅Wをかけた面積をいう。したがって、トランジスタ521が10個のトランジスタ473で構成され、トランジスタ473のチャンネル長Lが10μm、トランジスタ473のチャンネル幅Wが5μmとすれば、伝達トランジスタ群521の形成面積Tm(平方μm)は10μm×5μm×10個=500(平方μm)である。
伝達トランジスタ群521の形成面積は単位トランジスタ484との関係を所定の関係を維持するようにする必要がある。また、伝達トランジスタ群521aと伝達トランジスタ群521bとは所定の関係を維持するようにする必要がある。
トランジスタ群521の形成面積は単位トランジスタ484との関係について説明をする。図50でも図示しているように、1つのトランジスタ473bに対応して複数の単位トランジスタ484が接続されている。64階調の場合は、1つのトランジスタ473bに対応する単位トランジスタ484は63個である(図48の構成の場合)。この単位トランジスタ郡(この例では、単位トランジスタ484が63個)の形成面積Ts(平方μm)は、単位トランジスタ473のチャンネル長Lが10μm、トランジスタ473のチャンネル幅Wが10μmとすれば、10μm×10μm×63個=6300平方μmである。
図48のトランジスタ473bが、図58では、伝達トランジスタ群521cが該当する。単位トランジスタ群の形成面積Tsと伝達トランジスタ群521cの形成面積Tmとは、以下の関係となるようにする。
1/4 ≦ Tm/Ts ≦ 6
さらに好ましくは、単位トランジスタ群の形成面積Tsと伝達トランジスタ群521cの形成面積Tmとは、以下の関係となるようにする。
1/2 ≦ Tm/Ts ≦ 4
以上の関係を満足させることにより、各端子での出力電流(プログラム電流)のバラツキを少なくすることができる。
また、伝達トランジスタ群521bの形成面積Tmmは伝達トランジス群521cの形成面積Tmsとは、以下の関係となるようにする。
1/2 ≦ Tmm/Tms ≦ 8
さらに好ましくは、単位トランジスタ群の形成面積Tsと伝達トランジスタ群521cの形成面積Tmとは、以下の関係となるようにする。
1 ≦ Tmm/Tms ≦ 4
以上の関係を満足させることにより、各端子での出力電流(プログラム電流)のバラツキを少なくすることができる。
トランジスタ群521b1からの出力電流Ic1、トランジスタ群521b2からの出力電流Ic2、トランジスタ群521b2からの出力電流Ic3とするとき、出力電流Ic1、出力電流Ic2、および出力電流Ic3は一致させる必要がある。本発明では、トランジスタ群521は複数のトランジスタ473で構成しているため、個々のトランジスタ473がばらついていても、トランジスタ群521としては、出力電流Icのバラツキは発生しない。
なお、以上の実施例は、図52のように3段のカレントミラー接続(多段のカレントミラー接続)の構成に限定されるものではない。1段のカレントミラー接続にも適用できることは言うまでのない。また、図52の実施例は、複数のトランジスタ473aからなるトランジスタ群521b(521b1、521b2、521b3・・・・・・)と複数のトランジスタ473bからなるトランジスタ群521c(521c1、521c2、521c3・・・・・・)とを接続した実施例であった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、1つのトランジスタ473aと複数のトランジスタ473bからなるトランジスタ群521c(521c1、521c2、521c3・・・・・・)とを接続してもよい。また、複数のトランジスタ473aからなるトランジスタ群521b(521b1、521b2、521b3・・・・・・)と1つのトランジスタ群473bとを接続してもよい。
図48において、スイッチ481aは0ビット目に対応し、スイッチ481bは1ビット目に対応し、スイッチ481cは2ビット目に対応し、……スイッチ481fは5ビット目に対応する。0ビット目は1つの単位トランジスタで構成され、1ビット目は2つの単位トランジスタで構成され、2ビット目は4つの単位トランジスタで構成され、……5ビット目は32つの単位トランジスタで構成される。説明を容易にするために、ソースドライバ回路14は64階調表示対応で、6ビットであるとして説明をする。
本発明のソースドライバIC(回路)14の構成では、1ビット目は0ビット目に対して2倍のプログラム電流を出力する。2ビット目は1ビット目に対して2倍のプログラム電流を出力する。3ビット目は2ビット目に対して2倍のプログラム電流を出力する。4ビット目は3ビット目に対して2倍のプログラム電流を出力する。5ビット目は4ビット目に対して2倍のプログラム電流を出力する。逆に言えば、各隣接したビットは、正確に2倍のプログラム電流を出力できるように構成する必要がある。
図58の構成は、複数のトランジスタ473aの出力電流を複数のトランジスタ473bで受け取ることにより、各端子の出力電流のばらつきを低減させるものであった。図60は基準電流をトランジスタ群の両側から給電することにより出力電流のバラツキを低減する構成である。つまり、電流Ibの供給源を複数設ける。本発明では、電流Ib1と電流Ib2とは同一の電流値とし、電流Ib1を発生するトランジスタと電流Ib2を発生するトランジスタと、対をなすトランジスタでカレントミラー回路を構成している。
したがって、本発明は、単位トランジスタ484の出力電流を規定する基準電流を発生するトランジスタ(電流発生手段)を複数個形成または配置された構成である。さらに好ましくは、複数のトランジスタからの出力電流を、カレントミラー回路を構成するトランジスタなどの電流受け取り回路に接続し、この複数のトランジスタが発生するゲート電圧により単位トランジスタ484の出力電流を制御する構成である。つまり、本発明は、単位トランジスタ484とカレントミラー回路を構成するトランジスタ473bが複数個形成された構成である。図58では、単位トランジスタ484が63個形成されたトランジスタ群に対し、カレントミラー回路を形成する5つのトランジスタ473bが配置(形成)されている。
単位トランジスタ484のゲート端子電圧は、ICチップがシリコンチップの場合、0.52以上0.68(V)以下の範囲に設定することが好ましい。この範囲であれば、単位トランジスタ484の出力電流のバラツキが少なくなる。以上の事項は、図163、図164、図165などの本発明の他の実施例においても同様である。
図60において、基準電流Ib1と基準電流Ib2を個別に調整できるように構成しておくと、ゲート端子581のa点の電圧とb点の電圧を自由に設定できるようになる。基準電流Ib1とIb2の調整により、ソースドライバIC14の左右で単位トランジスタのVtが異なるため、出力電流の傾斜が発生している場合も補正することができる。
カレントミラー回路を構成するトランジスタが発生する電流を受け渡すのは、複数のトランジスタで受け渡すのが好ましい。ソースドライバIC14内に形成されるトランジスタには特性バラツキが発生する。トランジスタの特性バラツキを抑制するためには、トランジスタサイズを大きくする方法がある。しかし、トランジスタサイズを大きくしてもカレントミラー回路のカレントミラー倍率が大きくずれる場合がある。この課題を解決するには、複数のトランジスタで電流あるいは電圧受け渡しをするように構成するとよい。複数のトランジスタで構成すれば、各トランジスタの特性がばらついていても全体としての特性バラツキは小さくなる。また、カレントミラー倍率の精度も向上する。トータルで考えればICチップ面積も小さくなる。
図58はトランジスタ群521aとトランジスタ群521bでカレントミラー回路を構成している。トランジスタ521aは複数のトランジスタ472bで構成されている。一方、トランジスタ群521bはトランジスタ473aで構成されている。同様にトランジスタ群521cも複数のトランジスタ473bで構成されている。
トランジスタ群521b1、トランジスタ群521b2、トランジスタ群521b3、トランジスタ群521b4・・・・・・・・を構成するトランジスタ473aは同一個数に形成している。また、各トランジスタ群521bのトランジスタ473aの総面積(トランジスタ群521b内のトランジスタ473aのWLサイズ×トランジスタ473a数)は(略)等しくなるように形成している。トランジスタ群521cについても同様である。
トランジスタ521cのトランジスタ473bの総面積(トランジスタ群521c内のトランジスタ473bのWLサイズ×トランジスタ473b数)をScとする。また、トランジスタ521bのトランジスタ473aの総面積(トランジスタ群521b内のトランジスタ473aのWLサイズ×トランジスタ473a数)とSbとする。トランジスタ521aのトランジスタ472bの総面積(トランジスタ群521a内のトランジスタ472bのWLサイズ×トランジスタ472b数)をSaとする。また、1出力の単位トランジスタ484の総面積をSd(図48の実施例では単位トランジスタ484のWL面積×63)とする。
総面積Scと総面積Sbとは略等しくなるように形成することが好ましい。トランジスタ群521bを構成するトランジスタ473aの個数と、トランジスタ群521cのトランジスタ473bの個数とを同数にすることが好ましい。ただし、ソースドライバIC14のレイアウトの制約などから、トランジスタ群521bを構成するトランジスタ473aの個数を、トランジスタ群521cのトランジスタ473bの個数よりも少なくし、トランジスタ群521bを構成するトランジスタ473aのサイズをトランジスタ群521cのトランジスタ473bのサイズよりも大きくしてもよい。
この実施例を図59に図示する。トランジスタ群521aは複数のトランジスタ472bで構成されている。トランジスタ群521aとトランジスタ473aはカレントミラー回路を構成する。トランジスタ473aは電流Icを発生させる。1つのトランジスタ473aはトランジスタ群521cの複数のトランジスタ473bを駆動する(1つのトランジスタ473aからの電流Icは複数のトランジスタ473bに分流される。一般にトランジスタ473aの個数は、出力回路分の個数が配置または形成される。たとえば、QCIF+パネルの場合は、R、G、B回路において、各176個のトランジスタ473aが形成または配置される。
総面積Sdと総面積Scの関係は、出力バラツキに相関がある。この関係を図124に図示している。なお、バラツキ比率などに関しては図121を参照のこと。バラツキ比率は、総面積Sd:総面積Sc=2:1(Sc/Sd=1/2)の時を1としている。図124でもわかるように、Sc/Sdが小さいと急激にバラツキ比率が悪くなる。特にSc/Sd=1/2以下で悪くなる傾向がある。Sc/Sdが1/2以上では、出力バラツキが低減する。その低減効果は緩やかである。また、Sc/Sd=1/2程度で出力バラツキが許容範囲となる。以上のことから、1/2 <= Sc/Sdの関係となるように形成することが好ましい。しかし、Scが大きくなるとICチップサイズも大きくなることになる。したがって、上限はSc/Sd=4とすることが好ましい。つまり、1/2 <= Sc/Sd <= 4の関係を満足するようにする。
なお、A >= Bは、AはB以上という意味である。 A > Bは、AはBより大きいという意味である。A <= Bは、AはB以下という意味である。 A < Bは、AはBより小さいという意味である。
さらには、総面積Sdと総面積Scは、略等しくなるようにすることが好ましい。さらに1出力の単位トランジスタ484の個数と、トランジスタ群521cのトランジスタ473bの個数とを同数にすることが好ましい。つまり、64階調表示であれば、1出力の単位トランジスタ484は63個形成される。したがって、トランジスタ群521cを構成するトランジスタ473bの個数は63個形成される。
また、好ましくは、トランジスタ群521a、トランジスタ群521b、トランジスタ521c、単位トランジスタ484は、WL面積の比率が4倍以内のトランジスタで構成することが好ましい。さらに好ましくはWL面積の比率が2倍以内のトランジスタで構成することが好ましい。さらには、すべて同一サイズのトランジスタで構成することが好ましい。つまり、略同一形状のトランジスタでカレントミラー回路、出力電流回路654を構成することが好ましい。
総面積Saは総面積Sbよりも大きくなるようにする。好ましくは、200Sb >= Sa >= 4Sbの関係を満足するように構成する。また、すべてのトランジスタ群521bを構成するトランジスタ473aの総面積とSaが略等しくなるように構成する。
図60などはゲート配線581の両端にトランジスタあるいはトランジスタ群を配置する構成であった。したがって、ゲート配線581の両側に配置するトランジスタは2個であり、または、トランジスタ群は2組であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図61に図示するようにゲート配線581の中央部などにもトランジスタあるいはトランジスタ群を配置または形成してもよい。図61では3つのトランジスタ群521aを形成している。本発明は、ゲート配線581に形成するトランジスタあるいはトランジスタ群521は複数形成することに特徴がある。複数形成することにより、ゲート配線581を低インピーダンス化でき、安定度が向上する。
さらに安定度を向上させるためには、図62に図示するように、ゲート配線581にコンデンサ661を形成または配置することが好ましい。コンデンサ661はソースドライバIC14あるいはソースドライバ回路14内に形成してもよいし、ソースドライバIC14の外付けコンデンサとしてチップ外部に配置あるいは積載してもよい。コンデンサ661を外付けにする場合は、ICチップの端子にコンデンサ接続端子を配置する。
以上の実施例は、基準電流を流し、この基準電流をカレントミラー回路でコピーし、最終段の単位トランジスタ484に伝達する構成である。画像表示が黒表示(完全な黒ラスター)の時は、いずれの単位トランジスタ484にも電流が流れない。いずれのスイッチ481もオープンだからである。したがって、ソース信号線18に流れる電流は0(A)であるから、電力は消費しない。
しかし、黒ラスター表示であっても、基準電流は流れる。たとえば、図63の電流Ibおよび電流Icである。この電流は無効電流となる。基準電流は電流プログラム時に流れるように構成すると効率がよい。したがって、画像の垂直ブランキング期間水平ブランキング期間には基準電流が流れることを制限する。また、ウエイト期間なども基準電流が流れることを制限する。
基準電流が流れないようにするには、図63に図示するようにスリープスイッチ631をオープンにすればよい。スリープスイッチ631はアナログスイッチである。アナログスイッチは、ソースドライバ回路あるいはソースドライバIC14内に形成する。もちろん、ソースドライバIC14の外部にスリープスイッチ631を配置し、このスリープスイッチ631を制御してもよい。
スリープスイッチ631をオフにすることにより、基準電流Ibが流れないようになる。そのため、トランジスタ群521a1内のトランジスタ473aに電流が流れないから、基準電流Icも0(A)となる。したがって、トランジスタ群521cのトランジスタ473bにも電流が流れない。したがって、電力効率が向上する。
図64は、タイミングチャートである。水平同期信号HDに同期してブランキング信号が発生する。ブランキング信号はHレベルの時、ブランキング期間であり、Lレベルの時、映像信号が印加されている期間である。スリープスイッチ631はLレベルの時、オフ(オープン)であり、Hレベルの時、オンである。
したがって、ブランキング期間Aの時、スリープスイッチ631はオフであるから、基準電流は流れない。Dの期間、スリープスイッチ631はオンであり、基準電流が発生する。
なお、画像データに応じてスリープスイッチ631のオンオフ制御を行っても良い。たとえば、1画素行の画像データがすべて黒画像データの時(1Hの期間はすべてのソース信号線18に出力されるプログラム電流は0である)、スリープスイッチ631をオフにして、基準電流(Ic、Ibなど)が流れないようにする。また、各ソース信号線に対応するようにスリープスイッチを形成または配置し、オンオフ制御してもよい。たとえば、奇数番目のソース信号線18が黒表示(縦黒ストライプ表示)の時は、奇数番目に対応するスリープスイッチをオフにする。
図52、図77は多段接続のカレントミラー構成を有するソースドライバIC(回路)14の構成図である。本発明は、図52などの多段接続の構成に限定されるものではない。1段接続のソースドライバ回路14でもよい。図166から図172、図190、図191、図208、図211、図213、図214は1段接続のソースドライバIC(回路)の構成図である。1段構成は、回路構成がシンプルで出力電流バラツキが小さい。この場合も単位トランジスタ484はNチャンネルトランジスタで構成する。したがって、ソース信号線18からのプログラム電流はシンク(sink)電流となる。単位トランジスタ484のゲート端子と、トランジスタ473bのゲート端子とは共通のゲート配線581で接続をする。なお、図166は単位トランジスタ群521cを示している。各図面の単位トランジスタ521cを示す点線内に配置あるいは形成される。
図207、図210、図228のように複数のソースドライバIC(14a、14b)が隣接して配置されている場合を考える。白ラスター表示においては、すべての端子(Iout)の出力電流がばらつきなく一致していることが好ましい。出力電流のバラツキが発生していても、隣接出力端子間の出力電流差が小さければ、視覚的にバラツキとして認識されることはない。なお、隣接出力端子間のばらつきは、1%以内にする必要がある。
1つのソースドライバIC14で表示画面50を駆動する場合は、隣接出力端子間のバラツキが小さければよい。しかし、図228のように、複数のソースドライバIC14で1つの画面50を駆動する場合は課題となる。隣接出力端子間のバラツキが少なくとも、ソースドライバIC14aとソースドライバIC14bの出力電流の絶対値に差が発生しているからである。
ソースドライバIC14aの単位トランジスタ群521のIoutnと、ソースドライバIC14bの単位トランジスタ群521のIout(n+1)の出力電流の絶対値が異なれば隣接出力差により画面50に境目が発生するからである。以下、この課題を解決する方法を説明する。
図167において、トランジスタ472bと2つのトランジスタ473aとはカレントミラー回路を構成している。トランジスタ473a1とトランジスタ473a2は同一サイズである。したがって、トランジスタ473a1が流す電流Icとトランジスタ473a2が流す電流Icは同一である。
図167の単位トランジスタ484からなるトランジスタ群521cとトランジスタ473b1、および単位トランジスタ484からなるトランジスタ群521cとトランジスタ473b2とはカレントミラー回路を構成する。トランジスタ群521cの出力電流にはバラツキが発生する。しかし、近接してカレントミラー回路を構成するトランジスタ群521の出力は精度よく電流が規定される。
ソースドライバIC14aにおいて、トランジスタ473b1とトランジスタ群521c1とは近接して配置され、カレントミラー回路を構成している。また、トランジスタ473b2とトランジスタ群521cnとも近接して配置されてカレントミラー回路を構成している。したがって、トランジスタ473b1に流れる電流とトランジスタ473b2に流れる電流が等しければ、トランジスタ群521c1の出力電流とトランジスタ群521cnの出力電流とは等しくなる。
同様に、ソースドライバIC14bにおいて、トランジスタ473b1とトランジスタ群521c(n+1)とは近接して配置され、カレントミラー回路を構成している。また、トランジスタ473b2とトランジスタ群521c(2n)とも近接して配置されてカレントミラー回路を構成している。したがって、トランジスタ473b1に流れる電流とトランジスタ473b2に流れる電流が等しければ、トランジスタ群521c(n+1)の出力電流とトランジスタ群521c(2n)の出力電流とは等しくなる。
図228において、オペアンプ522の正極性端子に基準電圧Vsが印加される。オペアンプ522の負極性端子には外付け抵抗R1が接続される。また、抵抗R1の一端子は、安定した電圧Vpに接続されている。したがって、抵抗R1とオペアンプ522およびトランジスタ473で定電流回路が構成される。トランジスタ473を流れる電流Icは、Ic=(Vs−Vp)/R1となる。なお、抵抗R1は外付け抵抗であるとしたが、これに限定するものではなく、ソースドライバIC(回路)14内に内蔵されたものでもよい。たとえば、ICチップ内に形成された拡散抵抗、ポリシリコン抵抗などが例示される。もちろん、抵抗は低温ポリシリコン技術で形成してもよい。また、基準電圧Vs、Vpなどは、ソースドライバIC(回路)14の電源電圧Vccと共通にしてもよい。また、パネルのアノード電圧Vddと兼用にしてもよい。
ソースドライバIC14aとソースドライバIC14bに同一基準電圧Vsが印加され、この基準電圧Vsにより、オペアンプ552からなる定電流回路により基準電流Icが発生する(図170なども参照のこと)。以下説明を容易にするために、抵抗R1はソースドライバIC14の外付け抵抗であり、1%以下の精度のものが使用されるとして説明をする。
以上の構成より、ソースドライバIC14aのトランジスタ473b1とトランジスタ473b2に流れる電流Ic、ソースドライバIC14bのトランジスタ473b1とトランジスタ473b2に流れる電流Icを等しくすることができる。したがって、ソースドライバIC14aのトランジスタ473b2と、ソースドライバIC14bのトランジスタ473b1に流れる電流Icが等しくすることができる。
ソースドライバIC14aにおいて、トランジスタ473b2とトランジスタ群521cnとは近接して配置されているため、精度がよいカレントミラー回路を構成している。また、ソースドライバIC14bにおいて、トランジスタ473b1とトランジスタ群521c(n+1)とは近接して配置されているため、精度がよいカレントミラー回路を構成している。以上のことから、ソースドライバIC14aの単位トランジスタ群521cnの出力電流と、ソースドライバIC14bの単位トランジスタ521c(n+1)の出力電流とは略一致する。そのため、画面50における、ソースドライバIC14aとソースドライバIC14bとの境目は発生しない。
以上のように本発明のソースドライバIC14はチップの左右に基準電流を流すトランジスタ473bを具備している点が大きな特徴である。たとえば、図207に図示するようにソースドライバIC14に一方のみにトランジスタ473bを具備している場合を考えると明らかである。図207の構成では、図208に図示するように、単位トランジスタ群521c1はトランジスタ473bから近いため、精度のよいカレントミラー回路が構成されている。しかし、トランジスタ473bからD距離離れた(DはICチップサイズの横幅に近い距離)単位トランジスタ群521cnとトランジスタ473bとはカレントミラー回路の精度はない。
図208の構成のソースドライバIC14を図207のように複数配置した場合、たとえ、ソースドライバIC14aのトランジスタ4を図207のように複数配置した場合、たとえ、ソースドライバIC14aのトランジスタ473bと、ソースドライバIC14bのトランジスタ473bとに同一の基準電流Icを流しても、図209に図示するように、端子681aと端子681nとの出力電流の大きさには傾斜が発生する。そのため、ソースドライバIC14aが駆動する画面50aと、ソースドライバIC14bが駆動する画面50bとの間に境目が発生する。
本発明では、図210に図示するように、ソースドライバIC14はチップの左右に基準電流を流すトランジスタ473b(473b1、473b2)を形成または配置されている。具体的回路構成は、図211である。
図228の実施例では、外付け抵抗の程度と、基準電圧Vsなどの精度を上げるとことにより、ソースドライバIC14のトランジスタ473aと473bに流す電流Ic1とIc2を等しくすることができる。したがって、トランジスタ473bとカレントミラー回路を構成するトランジスタ群521c1、521cn、521c(n+1)、521c(2n)の同一階調における出力電流を精度よく同一にすることができる。そのため、画面50を複数のソースドライバIC(回路)14で駆動する場合であっても、ソースドライバIC(回路)14間の境目は見えることはない。なお、電流Ic1とIc2は、ICチップ外に構成した基準電流回路で発生し、トランジスタ473bに供給してもよいことはいうまでもない。
抵抗R11aと抵抗R12aとの所定比率の抵抗値あるいは好ましくは同一の抵抗値に形成される(設計される)。同様に、抵抗R21aと抵抗R22aとの所定比率の抵抗値あるいは好ましくは同一の抵抗値に形成される(設計される)。また、抵抗R11bと抵抗R12b、抵抗R21bと抵抗R22bの組に対しても同様である。ここでは説明を容易にするため、抵抗R11a、抵抗R12a、抵抗R21a、抵抗R22a、抵抗R11b、抵抗R12b、抵抗R21b、抵抗R22bは同一の抵抗値となるように設計(形成)されているとする。
抵抗R11a、R12aとは近接して形成または配置される。同様に、抵抗R21a、R22aとは近接して形成または配置され、抵抗R11b、R12bとは近接して形成または配置される。同様に、抵抗R21b、R22bとは近接して形成または配置される。各抵抗はポリシリコン抵抗あるいは拡散抵抗である。ICチップ内で形成する(構成する)抵抗の値は、近接して配置した抵抗の相対比は精度よく形成できるという特質がある。しかし、絶対値には精度がない場合が多い。
ソースドライバIC14の基準電流源は、ICチップの両端に形成される場合が多い。しかし、2つの基準電流源の距離はせいぜい20mm程度である。したがって、ソースドライバIC14aの抵抗R11aと抵抗R21aの抵抗値差はわずかである場合が多い。しかし、ICチップが異なるソースドライバIC14aの抵抗R11aと抵抗R21aと、ソースドライバIC14b抵抗R11bと抵抗R21bとは絶対値が大きく異なる場合が多い。ソースドライバIC14aと14bが同一ウエハで形成されていても、ICの形成位置が大きく異なることが多いからである。
説明を容易にするため、一例としてソースドライバIC14aの抵抗11Ra、抵抗R12a、抵抗R21a、抵抗R22aの抵抗値は等しく、50(KΩ)であるとして説明をする。また、ソースドライバIC14bの抵抗R11b、抵抗R12b、抵抗R21b、抵抗R22bの抵抗値は等しく、75(KΩ)であるとして説明をする。つまり、ソースドライバIC14aの内蔵抵抗とソースドライバIC14bの内蔵抵抗とは、絶対値が異なり、各ソースドライバICの内蔵抵抗の相対抵抗値は等しいと想定している。
図229において、抵抗R11a、抵抗R21a、抵抗R11b、抵抗R21bの一端子は電圧Vpに接続されている。また、オペアンプ522に基準電圧Vsが印加されている。この点において、図228の構成と同一である。図229と図228との差異は、図228において、抵抗R1が外付け抵抗である点である。また、図229で隣接したソースドライバICの内蔵抵抗を接続配線2291でカスケード接続している点である。
ソースドライバIC14aの抵抗R22aとソースドライバIC14bの抵抗R11bとは接続配線2291で電気的に接続されている。接続配線2291cとは、基板71上に形成された配線パターンが例示される。したがって、ソースドライバIC14aのオペアンプ522bに接続される抵抗はR11b+R22a=75(KΩ)+50(KΩ)=125(KΩ)となる。また、ソースドライバIC14aの抵抗R21aとソースドライバIC14bの抵抗R12bとは接続配線2291bで電気的に接続されている。したがって、ソースドライバIC14bのオペアンプ522aに接続される抵抗はR11b+R22a=75(KΩ)+50(KΩ)=125(KΩ)となる。
ソースドライバIC14aのオペアンプ522bおよびソースドライバIC14bのオペアンプ522aに接続された抵抗は125(KΩ)と等しく、また、印加される基準電圧Vs、Vpなども同一である。したがって、図229におけるソースドライバIC14aのトランジスタ473b2に流れる電流Ic2と、ソースドライバIC14bのトランジスタ473b1に流れる電流Ic1とは等しくなる。そのため、ソースドライバIC14aのトランジスタ群521cnに流れるプログラム電流と、ソースドライバIC14bのトランジスタ群521c(n+1)に流れるプログラム電流とは等しくなる。
図229の構成のより、図228のように外付け抵抗なしに、隣接したソースドライバIC14間のプログラム出力電流を等しくすることができる。つまり、ソースドライバIC14内の抵抗Rの絶対値がばらついていても自己整合により、基準電流が等しくすることができる。したがって、本発明のソースドライバIC14は基板71に複数個を実装する場合であっても、全く調整の必要がなく、実装するだけでソースドライバICのカスケード接続を実現することができる。
なお、ソースドライバIC14内の抵抗Rはトリミングにより所定の絶対値の抵抗値となるように調整してもよい。また、抵抗R11aとR12a、抵抗R21aとR22aなどの組の相対抵抗値が所定の相対値となるように調整してもよい。
また、図229に図示するように、ソースドライバ14aの端の内蔵抵抗R11aと抵抗R12aとは配線2291aでショートする。また、ソースドライバ14bの端の内蔵抵抗R21bと抵抗R22bとは配線2291dでショートする。
ソースドライバ14aの端の内蔵抵抗R11aと抵抗R12aとは接続配線2291aにより接続される。ソースドライバIC14aのオペアンプ522aに接続される抵抗は、抵抗R11a+抵抗R12a=50(KΩ)+50(KΩ)=100(KΩ)となる。ソースドライバIC14aのオペアンプ522bに接続される抵抗はR21b+R22a=75(KΩ)+50(KΩ)=125(KΩ)である。したがって、ソースドライバIC14aの基準電流Ic1と基準電流Ic2とは異なった値となる。そのため、ソースドライバIC14aのIout1のプログラム出力電流と、ソースドライバIC14aのIoutnのプログラム出力電流とは異なった値となってしまう。しかし、Iout1は画面50の端に位置するため、画面50の端の明るさが画面50の中央部と異なっていても視覚的に認識されることはない。ただし、画面50の中央部から端部には明るさが滑らかに変化している必要がある。
同様に、ソースドライバ14bの端の内蔵抵抗21bと抵抗22bとは接続配線2291dにより接続される。ソースドライバIC14bのオペアンプ522bに接続される抵抗は、抵抗21b+抵抗22b=75(KΩ)+75(KΩ)=150(KΩ)となる。ソースドライバIC14bのオペアンプ522aに接続される抵抗はR11b+R12b=75(KΩ)+50(KΩ)=125(KΩ)である。したがって、ソースドライバIC14bの基準電流Ic1と基準電流Ic2とは異なった値となる。そのため、ソースドライバIC14bのIout(n+1)のプログラム出力電流と、ソースドライバIC14bのIout(2n)のプログラム出力電流とは異なった値となってしまう。しかし、Iout(2n)は画面50の端に位置するため、画面50の端の明るさが画面50の中央部と異なっていても視覚的に認識されることはない。
なお、図230に図示するように、抵抗R12aにボリウム491aを接続することにより、また、抵抗R22bにボリウム491bを接続することにより、トランジスタ群521cからのプログラム電流を調整できるように構成してもよい。また、抵抗R12a、抵抗R22aなどを電子ボリウムなどにしてもよい。以上の事項は、抵抗R22a、抵抗R12bに適用してもよいことは言うまでもない。
図228、図229、図230は各ソースドライバ回路14に抵抗を内蔵する構成であった。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図231に図示するように、ソースドライバIC14aに同一抵抗値R(R1、R2、R3、R4)を内蔵してもよい。抵抗R(R1、R2、R3、R4)は近接させて配置する。近接して配置することにより、抵抗値の相対値は精度よく形成することできる。なお、抵抗(R1、R2、R3、R4)はレーザートリミングを行い、絶対値が等しくなるように調整してもよい。また、トリミングにより抵抗の相対値を等しくなるように調整してもよい。
ソースドライバIC14aの抵抗R3、R4は端子a2、端子a4を介して出力される。この出力は、ソースドライバIV14bの端子b2、端子b3よりソースドライバIC14bに入力される。以上のように構成されることにより、ソースドライバIC14a内の抵抗R3はソースドライバIC14bのオペアンプ522aと接続され、定電流回路が構成される。また、ソースドライバIC14a内の抵抗R4はソースドライバIC14bのオペアンプ522bと接続され、定電流回路が構成される。
なお、基準電圧VsもソースドライバIC14aに入力され、ソースドライバIC14bにはソースドライバIC14aの端子a1を介して出力される。出力された基準電圧VsはソースドライバIC14bの端子b1よりソースドライバIC14bに入力される。
先の実施例では、トランジスタ473b1とトランジスタ473b2に流す電流は同一としたが、図211では説明を容易にするため、トランジスタ473b1には基準電流Ic1を流し、トランジスタ473b2には基準電流Ic2を流すとして説明をする。
図210の構成では、ソースドライバIC14aの単位トランジスタ群521cnはトランジスタ473b2から近いため、精度のよいカレントミラー回路が構成されている。また、ソースドライバIC14bの単位トランジスタ群521c1はトランジスタ473b1から近いため、精度のよいカレントミラー回路が構成されている。したがって、ソースドライバIC14aの基準電流Ic2とソースドライバIC14bの基準電流Ic1を調整すれば、ソースドライバIC14aの単位トランジスタ群521cnの出力電流と、ソースドライバIC14bの単位トランジスタ群521c1の出力電流とを調整することができる。
したがって、図209のようにソースドライバIC14aとソースドライバIC14bの出力電流に傾きがある場合でも、ソースドライバIC14aの基準電流Ic2または(および)ソースドライバIC14bの基準電流Ic1を調整することにより、図212に示すように出力電流が画面50aと50bで連続するように調整することができる。もちろん、基準電流Ic1と基準電流Ic2とを同一にすることにより、画面50aと画面50bの境目が発生しないようにできることは言うまでもない。
つまり、本発明において、トランジスタ473b1の基準電流Ic1とトランジスタ473b2の基準電流Ic2を調整できるように構成することにより、より画面50aと画面50bの境目が発生しないようにすることができる。
なお、以上の説明では、トランジスタ473bは1個のように説明した。しかし、トランジスタ473bは複数個で形成し、トランジスタ群521bとすることが好ましい。トランジスタ521bは複数個のトランジスタ473bで構成される。また、トランジスタ群521bのトランジスタ473bのトランジスタサイズ、形状は、単位トランジスタ484と同一形状、同一サイズとすることが好ましい。また、トランジスタ群521bのトランジスタ473bの個数は、トランジスタ521cの単位トランジスタ484の個数と同一にすることが好ましい。さらにトランジスタ群521bを複数ブロック形成することが好ましい。
または、トランジスタ群521bのトランジスタ473bのトランジスタの総面積は、単位トランジスタ群521cを構成する単位トランジスタ484の総面積と略一致させることが好ましい。さらにトランジスタ群521bを複数ブロック形成することが好ましい。
図215はトランジスタ群521bのトランジスタ483bの配置構成である。1つのトランジスタ群521bに単位トランジスタ群521cの単位トランジスタ484と同一数の63個のトランジスタ473bが形成されている。もちろん、1つのトランジスタ群521b内のトランジスタ473bの個数は63個に限定するものではない。単位トランジスタ群521cの単位トランジスタ484数が階調数−1で構成される場合は、トランジスタ群521b内のトランジスタ473bの個数も階調数−1あるいはこれと同様もしくは類似個数が形成される。また、図215の構成に限定されるものではなく、図216のようにマトリックス状に形成または配置してもよい。
以上の構成を図213に模式図的にしめす。単位トランジスタ群521cが出力端子数分、並列に配置される。単位トランジスタ群521cの両脇にトランジスタ群521bが複数ブロック形成されている。トランジスタ群521bのトランジスタ473bのゲート端子と、単位トランジスタ群521cの単位トランジスタ484のゲート端子とはゲート配線581で接続される。
なお、以上の説明は、説明を容易にするため、単色のソースドライバIC14のように説明したが、本来は、図214のように構成される。つまり、トランジスタ群521bおよび単位トランジスタ群521cは赤(R)、緑(G)、青(B)のトランジスタ群が交互に配置される(図214において、添え字Rが付加されたトランジスタ群は赤(R)用を示しており、添え字Gが付加されたトランジスタ群は緑(G)用を示しており、添え字Bが付加されたトランジスタ群は青(B)用を示している)。以上のように、RGB用のトランジスタ群を交互に配置することによりRGB間の出力バラツキが低減する。この構成もソースドライバIC14内のレイアウトとして重要な要件である。
なお、図228において、基準電流Icはオペアンプ552などにより発生させるとしたが、これに限定するものではない。ボリウムに置き換えて、このボリウムにより基準電流Icを調整するように構成してもよい。また、トランジスタ473bは図62と同様に、複数のトランジスタで形成し、トランジスタ群521b1、トランジスタ521b2としてもよい。また、固定抵抗でもよい。
トランジスタ群521c内の単位トランジスタ484の配置においても考慮を有する。なお、以下の単位トランジスタ484などの配置、構成に関する事項は、トランジスタ群521aのトランジスタ473a、トランジスタ群521bのトランジスタ473bに対しても適用される。
単位トランジスタ群521cは規則正しく配置または形成することが必要である。また、単位トランジスタ群521c内の単位トランジスタ484も規則正しく形成または配置する必要がある。たとえば、単位トランジスタ484に抜けがあると、その周辺の単位トランジスタ484の特性が他の単位トランジスタ484の特性と異なってしまう。また、トランジスタのゲート線にレイアウトも規則ただしく形成または配置する必要がある。
図217は出力段の単位トランジスタ群521cでの単位トランジスタ484の配置を模式的に図示している。64階調を表現する63個の単位トランジスタ484はマトリックス状に規則正しく配置されている。しかし、64個の単位トランジスタ484であれば、4列×16行に配置することができるが、単位トランジスタ484は63個であるので、1箇所形成しない箇所が発生する(斜線部)。すると、斜線部の周辺の単位トランジスタ484a、484b、484cの特性が他の単位トランジスタ484と異なって作製されてしまう。
この課題を解決するために、本発明は、斜線部にダミートランジスタ1341を形成または配置する。すると、単位トランジスタ484a、単位トランジスタ484b、単位トランジスタ484cの特性が他の単位トランジスタ484と一致するようになる。つまり、本発明は、ダミートランジスタ1341を形成することにより、単位トランジスタ484をマトリックス状に構成するものである。また、単位トランジスタ484をマトリックス状にかけがないように配置するものである。または、単位トランジスタ484は線対称性を有するように配置するものである。
64階調を表現するためには、63個の単位トランジスタ484をトランジスタ群521cに配置するとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。単位トランジスタ484は、さらに複数のサブトランジスタで構成してもよい。
図218の(a)は、単位トランジスタ484である。図218の(b)は4つのサブトランジスタ12181で、単位トランジスタ484を構成している。複数のサブトランジスタ2181を加算した出力電流は、単位トランジスタ484と同一となるようにする。つまり、単位トランジスタ484を4つのサブトランジスタ2181で構成している。
なお、本発明は単位トランジスタ484を4つのサブトランジスタ2181で構成することに限定するものではなく、単位トランジスタ484を複数のサブトランジスタ2181で構成すればいずれの構成でもよい。ただし、サブトランジスタ2181は同一のサイズまたは同一の出力電流を出力するように構成する。
図218において、Sはトランジスタのソース端子、Gはトランジスタのゲート端子、Dはトランジスタのドレイン端子を示している。図218の(b)において、サブトランジスタ2181は同一方向に配置している。図218の(c)はサブトランジスタ2181が行方向に異なる方向に配置している。また、図218の(d)はサブトランジスタ2181が列方向に異なる方向に配置し、かつ点対称となるように配置している。図218の(b)、図218の(c)、図218の(d)はいずれも規則性がある。
図218の(a)(b)(c)(d)はレイアウトであるが、サブトランジスタ2181は図218の(e)に図示するように直列に接続して単位トランジスタ484としてもよい。また、図218の(f)に図示するように並列に接続して単位トランジスタ484としてもよい。
単位トランジスタ484あるいはサブトランジスタ2181の形成方向を変化させると特性は異なることが多い。たとえば、図218の(c)において、単位トランジスタ484aとサブトランジスタ2181bとは、ゲート端子に印加された電圧が同一でも、出力電流は異なる。しかし、図218の(c)では、異なる特性のサブトランジスタ2181が同数ずつ形成されている。したがって、トランジスタ(単位)としてはバラツキが少なくなる。また、形成方向が異なる単位トランジスタ484あるいはサブトランジスタ2181の方向を変化させることにより、特性差が補間しあって、トランジスタ(1単位)のバラツキは低減するという効果を発揮する。以上の事項は、図218の(d)の配置にも該当することは言うまでもない。
したがって、図219などに図示するように、単位トランジスタ484の方向を変化させ、トランジスタ群521cとして縦方向に形成した単位トランジスタ484の特性と横方向に形成した単位トランジスタ484の特性とを補間しあうことにより、トランジスタ群521cとしてばらつきを少なくすることができる。
図219はトランジスタ群521c内で列ごとに単位トランジスタ484の形成方向を変化させた実施例である。図220はトランジスタ群521c内で行ごとに単位トランジスタ484の形成方向を変化させた実施例である。図221はトランジスタ群521c内で行および列ごとに単位トランジスタ484の形成方向を変化させた実施例である。なお、ダミートランジスタ1341を形成または配置する場合もこの構成要件にしたがって構成する。
以上の実施例は、同一のサイズまたは同一の電流出力の単位トランジスタをトランジスタ群521c内に構成あるいは形成する構成であった(図222の(b)を参照のこと)。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図222の(a)に図示するように、0ビット目(スイッチ641a)は、1単位の単位トランジスタ484aを接続する(形成する)。1ビット目(スイッチ641b)は、2単位の単位トランジスタ484bを接続する(形成する)。2ビット目(スイッチ641c)は、4単位の単位トランジスタ484cを接続する(形成する)。3ビット目(スイッチ641d)は、8単位の単位トランジスタ484dを接続する(形成する)。4ビット目(図示せず)は、16単位の単位トランジスタ484aを接続する(形成する)。5ビット目(図示せず)は、32単位の単位トランジスタ484aを接続する(形成する)としてもよい。なお、たとえば、16単位の単位トランジスタとは、単位トランジスタ484の16個分の電流を出力するトランジスタである。
*単位(*は整数)の単位トランジスタはチャンネル幅Wを比例的に変化させる(チャンネル長Lを一定にする)ことにより容易に形成することができる。しかし、現実には、チャンネル幅Wを2倍にしても出力電流は2倍にならないことが多い。これは実際にトランジスタを作製して実験によりチャンネル幅Wを決定する。しかし、本発明において、チャンネル幅Wが比例条件からずれていても、比例しているとして表現する。
図48、図166などにも図示するように、本発明は、単位電流源484に流れる電流を制御することにより、映像データに応じたプログラム電流Iwを発生させる。単位電流源484はトランジスタから構成されている。このトランジスタはICチップ内にトランジスタ群521として密集して形成または配置される。単位電流を構成するトランジスタ484にはランダムなバラツキが発生する。このランダムなバラツキは、ICプロセスのエッチングのバラツキ(加工精度)やトランジスタ形状に起因する。その他の特性(特に出力電流)のバラツキとして、ICチップ内でのトランジスタの位置分布に起因するものがある。
図64では、トランジスタ群521fは32個のトランジスタが密集して形成(配置)される。トランジスタ群521fは、ICチップの位置により出力電流が異なる傾向にある。32個のトランジスタのすべての出力電流が大きい(または小さい)と、プログラム電流Iwの精度はトランジスタ群521fで決定される。したがって、各トランジスタ群521を構成するトランジスタ484は個々にバラツキが発生していても、総和として(たとえば32個の単位電流源484の加算)の電流値が各端子間で一致していることが好ましい。
図48、図166では、単体トランジスタ484を図示しているため、図面が煩雑である。理解を容易にするため、図48、図166の構成は図299のように図示する。各トランジスタ群521に記入されている数字は、単位電流を流すトランジスタの個数である。たとえば、トランジスタ群521a(この場合は、単位電流源484としてのトランジスタは1個であるから群と呼ぶのは適当ではないかもしれない。しかし、説明を容易にするため、あえてトランジスタ群と呼ぶ)は1個の単位トランジスタが構成(形成)されている。
同様にトランジスタ群521bは2個のトランジスタが構成(形成)されている。また、トランジスタ群521cには4個のトランジスタが構成され、トランジスタ群521cには4個のトランジスタが構成され、トランジスタ群521dには8個のトランジスタが構成され、トランジスタ群521eには16個のトランジスタが構成され、トランジスタ群521fには32個のトランジスタが構成されている。
アナログスイッチ481は、映像(画像)データのD0に対応するものをスイッチ481aとし、D1に対応するものをスイッチ481bとする。また、D2に対応するものをスイッチ481cとし、D3に対応するものをスイッチ481dとする。同様に、D4に対応するものをスイッチ481eとし、D5に対応するものをスイッチ481fとする。
以上のように、スイッチ481のオンオフにより、画像データに対応する単位電流源の総和が内部配線483に流れ、これがプログラム電流Iwとなる。なお、理解を容易にするため、図面は各トランジスタ群521のチップ内レイアウトをイメージしているとして説明する。つまり、図299では、ソース信号線18と接続される出力端子681に近い位置にトランジスタ群521fが配置され、次にトランジスタ群521e、次にトランジスタ群521d、トランジスタ群521c、トランジスタ群521bとレイアウトされ、最も出力端子681に遠い位置にトランジスタ群521aがレイアウトされているとしている(図322を参照のこと)。ただし、以上は理解を容易にするためであり、ICチップのレイアウト設計はもっと複雑であることは言うまでもない。
図299のトランジスタ群521が1出力端子に接続され(本発明では、高階調領域のIwH、低階調領域のIwL、嵩上げ電流のIwKを流すトランジスタ群521があるから、もっと複雑である。しかし、説明を容易にするため、図299の構成を1出力端子に接続されているとする)、プログラム電流Iwとなる。しかし、各トランジスタ群521があまりにも規則ただしく配置されると、プログラム電流Iwが規定よりも大きくなる出力端子が発生する。
この課題に対処する本発明の構成が図300の構成である。具体的には、32個の単位トランジスタで構成されるトランジスタ群521f(521f1、521f2)を2群有している。また、16個の単位トランジスタで構成されるトランジスタ群521e(521e1、521e2)も2群有している。トランジスタ群521の配置は出力端子681から順に、トランジスタ群521f1、トランジスタ群521e1、トランジスタ群521d、トランジスタ群521c、トランジスタ群521b、トランジスタ群521a、トランジスタ群521f2、トランジスタ群521e2とする(図323を参照のこと。図323はソースドライバIC14のレイアウトの概念図である。)。
また、図329に図示するように、R、G、Bのトランジスタ群521を規則ただしく配置してもよい。また、図330に図示するように、高階調側のトランジスタ群521Hと低階調側のトランジスタ群521Lを、RGBで規則ただしく配置してもよい。
トランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2の切り替えは選択スイッチ3001aで行う。選択スイッチ3001aをa側にするとトランジスタ群521f1が選択され、b側にするとトランジスタ群521f2が選択される。選択スイッチ3001bをa側にするとトランジスタ群521e1が選択され、b側にするとトランジスタ群521e2が選択される。
なお、以上の実施例ではトランジスタ群521f、トランジスタ群521eを2個形成または配置するとしたが、これに限定するものではなく、3個以上形成または配置してもよい。この場合、選択スイッチ3001は3入力の1選択スイッチとなる。また、複数形成または配置するトランジスタ群521はトランジスタ群521fとトランジスタ群521eに限定するものではなく、他のトランジスタ群521を複数個形成してもよい。ただし、単位電流源484の個数が多いほど、トランジスタ特性の偏りによる出力バラツキへの影響が大きくなる。したがって、トランジスタ群521でも単位トランジスタ数が多いものを複数個形成または配置することが好ましい。また、画像は、中間調表示でバラツキがあると目立ちやすい。したがって、中間調の表示に寄与するトランジスタ群521を複数形成または配置することが好ましい。図299の64階調表示(総トランジスタ数は63個(1+2+4+8+16+32))の場合は、トランジスタ群521e(単位電流源の個数は16個)、トランジスタ群521f(単位電流源の個数は32個)が該当する。トランジスタ群521eは階調16以上、トランジスタ群521fは階調32以上で電流を出力する。この範囲が中間調表示に該当するからである。したがって、階調数をYとしたとき、Y/5以上(2Y)/3階調以下で動作するトランジスタ群521のうち、少なくとも1つのトランジスタ群521を複数以上形成または配置するとよい。
選択スイッチ3001の切り替えは、1フィールド(1フレーム)(1Fと表現する)ごとに、a側(トランジスタ群521f1、トランジスタ群521e1を選択)とb側(トランジスタ群521e1、トランジスタ群521f2を選択)とを切り替える。この概念図を図324に図示する。なお、図324では説明を容易にするため、トランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2の切り替えした表示を図示している。表示画面50でトランジスタ群521f1またはトランジスタ群521f2と記載しているのは、トランジスタ群521f1またはトランジスタ群521f2からのプログラム電流Iwがソース信号線18に出力され、画素16に書き込まれた状態を図示している。もちろん、自然画の画像表示では他のトランジスタ群521も動作するので、図324のようにはならない。あくまでも、図324は説明のために、画面が白ラスター表示であり、さらにトランジスタ群521fなどの階調の白ラスター表示がされているとしている。なお、以上の図面の説明事項は、他の図面(図325、図326)などにおいても同様である。
図324は、第1Fでトランジスタ群521f1を選択し、第2Fでトランジスタ群521f2を選択して画像を表示している。また、第3F以降も繰り返し、トランジスタ群521f1を選択し、第4Fでトランジスタ群521f2を表示する。以上のように、複数のトランジスタ群521を交互に動作させ、画素にプログラム電流Iwを書き込むことのより出力電流のバラツキを平均化することができ、均一な画像表示を実現できる。
図324の実施例では第1Fでトランジスタ群521f1の出力電流で画像を表示し、第2Fでトランジスタ群521f2を表示するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、第1Fおよび第2Fでトランジスタ群521f1の出力電流で画像を表示し、第3Fおよび第4Fでトランジスタ群521f2の出力電流で画像を表示し、第5Fおよび第6Fでトランジスタ群521f1の出力電流で画像を表示するとしてもよい。つまり、本発明は、複数のトランジスタ群521を交互に動作させることにより、画素16に書き込む電流を平均化し、画像表示においてバラツキを低減するものであるからである。
図324はフィールド(フレーム)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を選択して切り替えることにより均一表示を実現するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図325に図示するように、1画素行(もしくは複数画素行)ごとに、画素に書き込むプログラム電流Iwを出力するトランジスタ群521を切り替えてもよい。図325の(a)は第1Fの画面50の書き込み状態を概念的に図示している。図325の(a)では奇数画素行にトランジスタ群521f1の出力電流を書き込み、偶数画素行にトランジスタ群521f2の出力電流を書き込む。第2Fでは図325の(b)に図示するように、偶数画素行にトランジスタ群521f1の出力電流を書き込み、奇数画素行にトランジスタ群521f2の出力電流を書き込む。以降のフィールド(フレーム)ではこの動作を交互に繰り返す。
図325では、1画素行もしくは複数画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替え、かつ、1フレーム(フィールド)もしくは複数のフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替える。以上のように動作させることにより、画素16に書き込む電流を平均化し、画像表示においてバラツキを低減することができる。つまり、図325では1水平走査期間ごとに画素行16に書き込むトランジスタ群521を変化させる(水平同期信号に同期してトランジスタ群521を変化させる)。もちろん、複数画素行(複数水平走査期間)ごとにトランジスタ群521を変化させてもよい(つまり、周期は2水平走査期間)。以上の事項は図311でも同様である。
図325は画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を選択して切り替え、かつフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替えることにより均一表示を実現するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図326に図示するように、1画素列(もしくは複数画素列)ごとに、画素に書き込むプログラム電流Iwを出力するトランジスタ群521を切り替えてもよい。
図326の(a)は第1Fの画面50の書き込み状態を概念的に図示している。図326の(a)では奇数画素列にトランジスタ群521e1の出力電流を書き込み、偶数画素列にトランジスタ群521e2の出力電流を書き込む。第2Fでは図326の(b)に図示するように、偶数画素列にトランジスタ群521e1の出力電流を書き込み、奇数画素列にトランジスタ群521e2の出力電流を書き込む。以降のフィールド(フレーム)ではこの動作を交互に繰り返す。図326では1垂直同期期間ごとに画素行16に書き込むトランジスタ群521を変化させる(垂直同期信号に同期してトランジスタ群521を変化させる)。周期は2垂直走査期間である。もちろん、複数垂直走査期間ごとにトランジスタ群521を変化させてもよい。以上の事項は図312でも同様である。
図326では、1画素列もしくは複数画素列ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替え、かつ、1フレーム(フィールド)もしくは複数のフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替える。以上のように動作させることにより、画素16に書き込む電流を平均化し、画像表示においてバラツキを低減することができる。
なお、図325は画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替えるとし、図326は画素列ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替えるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、図325と図326とを組み合わせてもよい。つまり、隣接した画素行に書き込むトランジスタ群521を変化させるとともに、隣接した画素列に書き込むトランジスタ群521を変化させる。もちろん、隣接した画素行または画素列に限定するものではなく、複数の画素行あるいは複数の画素列を組として、画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させてもよい。また、R、G、Bで画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させてもよい。
また、以上のトランジスタ群521を、フィールド(フレーム)、画素行、画素列で切り替えるという概念が、本発明の他の実施例にも適用することができることは言うまでもない。
図300の実施例は、階調数以上の単位電流源484からなるトランジスタ群521を形成または配置するものであった(つまり、階調表示に重複したトランジスタ群521を複数形成する)。トランジスタ群521の出力バラツキが偏って発生するのは、チップ内でトランジスタ群521を構成する単位トランジスタをあまりにも密集して配置するためである。もちろん、密集させることのより、単位トランジスタの特性が均一にはなる。しかし、チップ内である位置に特異的にモビリティなどが異なって形成される場合がある。この場合、1つのトランジスタ群521がこの特異的な箇所に配置されてしまうと、階調出力電流が異常となる。トランジスタ群521を構成する単位トランジスタ数が少ない場合は、このトランジスタ群521がこの特異的な箇所に配置されても出力電流が小さいため、自然画表示では目立つことはない。しかし、トランジスタ群521を構成する単位トランジスタ484数が多い(図299では、トランジスタ群521f、トランジスタ群521eなど)と、出力電流が大きいため、不自然な画像表示となる。
図301の実施例は、単位トランジスタ数484が多いトランジスタ群521fを複数に分割して配置した実施例である。チップ14内のレイアウトの概念図を図327に図示する。つまり、1ビットの階調信号に対応するトランジスタ群521が複数のサブトランジスタ群521に分割されている。なお、分割するサブトランジスタ群521は均等に分割(図301では、単位トランジスタ484が16ずつの2分割)することに限定するものではない。たとえば、トランジスタ群521f1を20個の単位トランジスタから構成され、トランジスタ群521f2を残りの12個の単位トランジスタから構成されるとしてもよい。以上の事項は、本発明の他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
トランジスタ群521fは32個の単位トランジスタ484で構成される。図301では2分割し、16個の単位トランジスタで構成されるトランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2に分割している。また、トランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2との形成位置はチップ内で離してレイアウトしている。具体的には図327に図示するように、トランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2との間にトランジスタ群521eを配置している。なお、分割は8の倍数で行うことが好ましい。レイアウトが容易になり、また階調制御も容易となるからである。
図301の動作は図299、図300と同様である。スイッチ481fがオンすることによりトランジスタ群521f1とトランジスタ群521f2にプログラム電流Iwが流れる。スイッチ481eがオンすることによりトランジスタ群521eにプログラム電流Iwが流れる。以上のように、画像データに応じて該当スイッチ481がオンオフ制御され、該当トランジスタ群521にプログラム電流Iwが流れてソース信号線18に印加される。
図302の実施例は、図301に比較してさらにトランジスタ群521を多数の分割した実施例である。トランジスタ群521fは32個の単位トランジスタ484で構成される。図302では4分割し、8個の単位トランジスタで構成されるトランジスタ群521f1、トランジスタ群521f2、トランジスタ群521f3、トランジスタ群521f4に分割している。トランジスタ群521eについても、トランジスタ群521e1、トランジスタ群521e2に分割している。また、トランジスタ群521a、トランジスタ群521b、トランジスタ群521c、トランジスタ群521dについてもレイアウト位置を図299などとは変化させている。
図302の動作は図299、図300と同様である。スイッチ481fがオンすることによりトランジスタ群521f1、トランジスタ群521f2、トランジスタ群521f3、トランジスタ群521f4にプログラム電流Iwが流れる。スイッチ481eがオンすることによりトランジスタ群521e1、トランジスタ群521e2にプログラム電流Iwが流れる。以上のように、画像データに応じて該当スイッチ481がオンオフ制御され、該当トランジスタ群521にプログラム電流Iwが流れてソース信号線18に印加される。
以上の実施例は説明を容易にするため、単色表示の場合を例示して説明をした。以降、R、G、Bによるカラー表示を例示して説明をする。なお、以降の実施例は、RGBの3原色を例示しているが、これに限定するものではなく、シアン、イエロー、マゼンダの3原色に置き換えてもよく、また、RとGと言うように2色表示にも適用できることは言うまでもない。また、R、G、B、シアン、イエロー、マゼンダの6色表示などにも適用することができる。
以降の実施例は、カラー表示の場合を例示しているが、図299、図300、図301などで説明したレイアウト、駆動方式、構成、動作などを組み合わせることができることは言うまでもない。また、R、G、Bのレイアウトで表現しているが、これを単色と考えることもできる。たとえば、図303のRの隣接はGであり、その隣はBである。しかし、これらをすべて単一色のトランジスタ群521と考えても良い。つまり、本発明は、トランジスタ群521を構成する単位トランジスタを一定の条件で分散させることにより出力バラツキを低減するものである。したがって、隣接したトランジスタ群521のレイアウトと入れ替えることにより出力バラツキ低減できると考えるのであれば、RGBで区別するものではなくても効果を発揮する。
図303は図48、図166の配置をRGBで表現した図面である。レイアウトの概念図を図328に図示する。なお、図示を容易にするために、スイッチ481などを省略している。また、説明を容易にするため、レイアウト位置を横方向(チップの短辺方向)に“a b c d e f”と記号を付加し、縦方向(チップの長辺方向)に“1 2 3 4 5 6 ”と記号を付加している。説明のためのレイアウト位置は“a1”、“d3”などと表現する。
図304は本発明の実施例である。1、2、3の3つに位置でRGBのトランジスタ群521が配置され、繰り返してレイアウトされている。赤(R)は、トランジスタ群521fが“f1”に配置され、トランジスタ群521eが“e2”に配置され、トランジスタ群521dが“d3”に配置され、トランジスタ群521cが“c1”に配置され、トランジスタ群521bが“b2”に配置され、トランジスタ群521aが“a3”に配置されている。以上のように、レイアウト位置変化させている。
緑(G)は、トランジスタ群521fが“f2”に配置され、トランジスタ群521eが“e3”に配置され、トランジスタ群521dが“d1”に配置され、トランジスタ群521cが“c2”に配置され、トランジスタ群521bが“b3”に配置され、トランジスタ群521aが“a1”に配置されている。以上のように、レイアウト位置変化させている。
同様に青(B)は、トランジスタ群521fが“f3”に配置され、トランジスタ群521eが“e1”に配置され、トランジスタ群521dが“d2”に配置され、トランジスタ群521cが“c3”に配置され、トランジスタ群521bが“b1”に配置され、トランジスタ群521aが“a2”に配置されている。以上のように、レイアウト位置変化させている。
以上のように、トランジスタ群521のレイアウト位置を図303のように直線的にするのではなく、“1”、“2”、“3”位置に入れ替えることのより、トランジスタ群521を構成する単位トランジスタ484の特性に偏りがなくなり、各出力端子からのプログラム電流Iwのバラツキを低減することができる。また、図300に図示するように複数のトランジスタ群521を形成または配置して1F周期などで切り替え選択してもよい。また、図301、図302のようにトランジスタ群521を分割しても良い。また、トランジスタ群521配置を入れ替えてもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
なお、先にも説明したがレイアウト位置の入れ替えにより出力電流のバラツキを低減する効果は、図304のようにRGBにすることなく、発揮できる効果である。したがって、隣接したトランジスタ群521のレイアウトと入れ替えることにより出力バラツキ低減できると考えるのであれば、RGBで区別するものではなくても効果を発揮する。
図304は3つのレイアウトライン“1 2 3”、“4、5、6”・・・・・の組でトランジスタ群521を入れ替える実施例であった。図305は1ラインずつ選択するトランジスタ群521を変化させた実施例である。
赤(R)を例示して説明すれば、トランジスタ群521fが“f1”に配置され、トランジスタ群521eが“e2”に配置され、トランジスタ群521dが“d3”に配置され、トランジスタ群521cが“c4”に配置され、トランジスタ群521bが“b5”に配置され、トランジスタ群521aが“a6”に配置されている。以上のように、レイアウト位置変化させている。
同様に緑(G)を例示して説明すれば、トランジスタ群521fが“f2”に配置され、トランジスタ群521eが“e3”に配置され、トランジスタ群521dが“d4”に配置され、トランジスタ群521cが“c5”に配置され、トランジスタ群521bが“b6”に配置され、トランジスタ群521aが“a7”に配置されている。以上のように、1行ずつ選択するトランジスタ群521のレイアウト位置変化させている。
図306の実施例は、主として低階調表示に動作するトランジスタ群521L(図56のL0〜L4端子で制御される単位トランジスタ484)と、高階調表示で動作するトランジスタ群521H(図57のH0〜H5端子で制御される単位トランジスタ484)のレイアウト位置を変化させたものである。
図306において、赤(R)のトランジスタ群521Lは“a1”位置の配置し、トランジスタ群521Hは“b1”に配置する。緑(G)のトランジスタ群521Lは“a2”位置の配置し、トランジスタ群521Hは“b2”位置に配置する。青(B)のトランジスタ群521Lは“a3”位置の配置し、トランジスタ群521Hは“b3”位置に配置する。
次の赤(R)のトランジスタ群521Hは“a4”位置の配置し、トランジスタ群521Lは“b4”に配置する。緑(G)のトランジスタ群521Hは“a5”位置の配置し、トランジスタ群521Lは“b5”位置に配置する。青(B)のトランジスタ群521Hは“a6”位置の配置し、トランジスタ群521Lは“b6”位置に配置する。以降はその繰り返しである。
図306のレイアウトでは、Rに着目して観察すると、隣接したRの出力電流回路のトランジスタ群521Hとトランジスタ群521Lの配置は、交互に変化(入れ替えている)していることがわかる。以上のように、隣接したトランジスタ群521のレイアウトと入れ替えることにより出力バラツキを低減できる。
以上はRGBの場合である。単色として検討するのであれば(単にレイアウト位置の変更と考えるのであれば)、“a1”位置にトランジスタ群521L、“b1”位置にトランジスタ群521Hを配置し、“b1”位置にトランジスタ群521H、“b2”位置にトランジスタ群521Lを配置し、“a3”位置にトランジスタ群521L、“b3”位置にトランジスタ群521Hを配置するというようにレイアウトすればよい(図308は、RGBの場合である。図308でRGBと考えない場合である)。
図307は、1行(“1 2 3 4 5 ・・・・・”)にトランジスタ群521Lとトランジスタ群521Hを複数組レイアウトした実施例である。“a1”位置および“b1”位置のトランジスタ群521はR1(赤の1)のソース信号線18の出力となる。“c1”位置および“d1”位置のトランジスタ群521はR2(赤の2)のソース信号線18の出力となる。“e1”位置および“f1”位置のトランジスタ群521はR3(赤の3)のソース信号線18の出力となる。
同様に、“a2”位置および“b2”位置のトランジスタ群521はG1(緑の1)のソース信号線18の出力となる。“c2”位置および“d2”位置のトランジスタ群521はG2(緑の2)のソース信号線18の出力となる。“e2”位置および“f2”位置のトランジスタ群521はG3(緑の3)のソース信号線18の出力となる。
また、“a3”位置および“b3”位置のトランジスタ群521はB1(青の1)のソース信号線18の出力となる。“c3”位置および“d3”位置のトランジスタ群521はB2(青の2)のソース信号線18の出力となる。“e3”位置および“f3”位置のトランジスタ群521はB3(青の3)のソース信号線18の出力となる。以下は同様に繰り返してレイアウトされる。
図308の実施例は、低階調領域のトランジスタ群521Lと、高階調領域のトランジスタ群521Hとが組みとなって、配置された実施例である。図309は、低階調領域のトランジスタ群521Lの各ビットに対応する単位トランジスタと、高階調領域のトランジスタ群521Hの各ビットに対応する単位トランジスタとが、交互(分散されて)に配置された実施例である。以上のように本発明のトランジスタ群521の配置分散には多種多様の構成がある。本発明の構成を実施することにより、出力電流Iwのバラツキがなくなり、均一な画像表示を実現できる。
以上のようにトランジスタ群521の配置などを考慮することにより、均一な画像表示を実現できる。さらに、以下に説明する駆動方式を実施することのよりさらに均一な画像表示を実現できる。ただし、以下に説明する駆動方式は単独の実施でも効果を発揮することは言うまでもない。
まず、図299を用いて説明をする。トランジスタ群521の単位トランジスタ484が動作状態となる個数でプログラム電流Iwが出力される。すべての単位トランジスタ484がオフ状態の時、階調0であり、すべてのトランジスタ群521の単位トランジスタがオン状態の時、階調は63である。
階調32は、トランジスタ群521fの単位トランジスタ484がオン状態である(スイッチ481fがオン状態であり、他のスイッチ481はオフ状態である)。階調31はトランジスタ群521a、トランジスタ群521b、トランジスタ群521c、トランジスタ群521d、トランジスタ群521eの単位トランジスタ484がオン状態である(スイッチ481fがオフ状態であり、他のスイッチ481はオン状態である)。
このため、階調32と階調31では、オンする単位トランジスタ484が全く異なる。そのため、トランジスタ群521fの単位トランジスタと他のトランジスタ群521の単位トランジスタに特性差があると階調飛びが発生する。また、各ソース信号線18への出力電流のバラツキが目立ちやすくなる。
この課題に対して、本発明は図310に図示する駆動方式を実施する。なお、理解を容易にするため、階調32を例示して図示している。表示画面50に“32”と記載しているのは、階調32の白ラスター表示であることを示している(トランジスタ群521fのみが動作している)。表示画面50に“31”と記載しているのは、階調31の白ラスター表示であることを示している(トランジスタ群521f以外が動作している)。つまり、第1Fでは階調32を表示し、第2Fでは階調31を表示し、この階調32と階調31とを交互に繰り返して画像表示を行う。つまり、階調表示を行うのに、1つのトランジスタ群521に固定されることなく、他のトランジスタ群521を動作させることにより画像表示を行う。以上のように複数フィールト(フレーム)を使用して多数の単位トランジスタ484を動作させて画像を表示することにより、出力バラツキが発生せず、均一な画像表示を実現できる。
以上の動作を一般的に表現すれば以下のとおりとなる。第1Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第2Fでは、映像信号のデータを−1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第3Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第4Fでは、映像信号のデータを−1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。以上の動作を繰り返して画像を表示する。つまり、画像表示に寄与するトランジスタ群521が均一に動作する。階調32はトランジスタ群521fが動作し、−1された階調31は、トランジスタ群521f以外が動作する。したがって、すべてのトランジスタ群521の単位トランジスタ484が動作することになり、画像表示における出力電流のバラツキは大幅に低減する。また、駆動方法も、1F信号に同期して映像信号を−1するか、否かだけであるので実現も容易である。ただし、階調0は−1することができない(すべてのトランジスタ群521の単位トランジスタ484がオフ状態である)。したがって、階調0は0のままとする。
画像表示は、映像信号と−1した映像信号との中間的な画像表示となる。しかし、この差はわずかである。また、画像表示はわずかに輝度が低下した状態だけである。効果としては、トランジスタ群521の特性バラツキが表示されることがなく、非常に均一な画像表示を実現できる。
なお、実施例では、映像信号を−1するとしたが、これに限定するものではない。映像信号を+1してもよい。つまり、第1Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第2Fでは、映像信号のデータを+1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第3Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第4Fでは、映像信号のデータを+1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。以上の動作を繰り返して画像を表示する。
さらに、−1と+1とを組み合わせてもよい。つまり、第1Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第2Fでは、映像信号のデータを−1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第3Fでは、映像信号のデータをそのまま、スイッチ481のオンオフデータに変換する。次の第4Fでは、映像信号のデータを+1した後、スイッチ481のオンオフデータに変換する。以上の動作を4F周期で繰り返して画像を表示する。
また、映像信号を−1するとしたが、これに限定されるものではない。−2以上あるいは+2以上としてもよい。本発明は、映像信号に対応するトランジスタ群521の単位トランジスタ484以外の単位トランジスタ484を動作させることにより、複数フィールド(フレーム)で平均化し、均一な画像表示を実現することを目的とするからである。したがって、本来の映像信号を変化させる大きさに限定されるものではない。
図310は、第1Fでトランジスタ群521fを選択し、第2Fでトランジスタ群521f以外のトランジスタ群521を選択して画像を表示している。また、第3F以降も繰り返し、トランジスタ群521fを選択し、第4Fでトランジスタ群521以外のトランジスタ群521を動作させる。以上のように、複数のトランジスタ群521を交互に動作させ、画素にプログラム電流Iwを書き込むことのより出力電流のバラツキを平均化することができ、均一な画像表示を実現できる。
図310はフィールド(フレーム)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を選択して切り替える(というよりはオンさせるトランジスタ群521の単位トランジスタを変化させると言う方が適切である。また、他のトランジスタ群521を動作させる、あるいは他のトランジスタ群521を加えると言う方が適切である。しかし、ここでは、説明を容易にするため、切り替えるという表現を採用する)ことにより均一表示を実現するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図311に図示するように、1画素行(もしくは複数画素行)ごとに、画素に書き込むプログラム電流Iwを出力するトランジスタ群521を切り替えてもよい。図311の(a)は第1Fの画面50の書き込み状態を概念的に図示している。図311の(a)では奇数画素行にトランジスタ群521fの出力電流を書き込み、偶数画素行にトランジスタ群521f以外のトランジスタ群521の出力電流を書き込む。第2Fでは図311の(b)に図示するように、偶数画素行にトランジスタ群521fの出力電流を書き込み、奇数画素行にトランジスタ群521f以外のトランジスタ群521の出力電流を書き込む。以降のフィールド(フレーム)ではこの動作を交互に繰り返す。
なお、以上の実施例は、理解を容易にするために、階調32を例示しているだけである。一般的には図310で説明した映像信号変換を実施する。
図311では、1画素行もしくは複数画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替え、かつ、1フレーム(フィールド)もしくは複数のフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替える。以上のように動作させることにより、画素16に書き込む電流を平均化し、画像表示においてバラツキを低減することができる。
図311は画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を選択して切り替え、かつフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替えることにより均一表示を実現するものであった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図312に図示するように、1画素列(もしくは複数画素列)ごとに、画素に書き込むプログラム電流Iwを出力するトランジスタ群521を切り替えてもよい。図311の(a)は第1Fの画面50の書き込み状態を概念的に図示している。図311の(a)では奇数画素列にトランジスタ群521fの出力電流を書き込み、偶数画素列にトランジスタ群521f以外のトランジスタ群521の出力電流を書き込む。第2Fでは図311の(b)に図示するように、偶数画素列にトランジスタ群521fの出力電流を書き込み、奇数画素列にトランジスタ群521f以外のトランジスタ群521の出力電流を書き込む。以降のフィールド(フレーム)ではこの動作を交互に繰り返す。
図311では、1画素列もしくは複数画素列ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替え、かつ、1フレーム(フィールド)もしくは複数のフレーム(フィールド)ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を切り替える。以上のように動作させることにより、画素16に書き込む電流を平均化し、画像表示においてバラツキを低減することができる。
なお、図311は画素行ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させるし、図326は画素列ごとに画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、図311と図312とを組み合わせてもよい。つまり、隣接した画素行に書き込むトランジスタ群521を変化させるとともに、隣接した画素列に書き込むトランジスタ群521を変化させる。もちろん、隣接した画素行または画素列に限定するものではなく、複数の画素行あるいは複数の画素列を組として、画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させてもよい。また、R、G、Bで画素16に書き込むトランジスタ群521を変化させてもよい。
また、以上のトランジスタ群521を、フィールド(フレーム)、画素行、画素列で切り替えるという概念が、本発明の他の実施例にも適用することができることは言うまでもない。
また、以上の実施例では、ソースドライバIC14に関するもののように表現したが、これに限定するものではない。基板71に低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術、CGS技術などで直接形成されたソースドライバ回路14にも適用できることは言うまでもない。
以上の実施例は、ソースドライバ回路(IC)14により、あるいは駆動方法により均一表示を実現するものであった。以下に説明する実施例は、主として表示パネルの画素配置を考慮することのより、特性バラツキをめだたなくする方式である。もちろん、図7で説明した製造方法と組み合わせることによりさらなる特徴ある効果を発揮できる。また、図299から図312などで説明した構成、駆動方法と組み合わせることによりさらなる特徴ある効果を発揮できる。また、本明細書で説明した他の駆動方法、構成、仕様などと組み合わせることによりさらなる特徴ある効果を発揮できる。
図313は、本発明の実施例における画素レイアウトである。説明を容易にするため、画素16にはゲート信号線17a(G1、G2、G3、・・・・・・)を1本だけを図示している。また、ソース信号線18(S1、S2、S3、S4、・・・・・)とする。画素16はPと記載し、その画素位置を(m,n)で示す。また、RGBの表現はしていない。
図313は、ソース信号線18およびゲート信号線17aは直線的にかつマトリックス状に配置されている。画素Pはゲート信号線G3にP(3,1)、P(2,2)、P(3,3)、P(2,4)、P(3,5)・・・と接続されている。また、ゲート信号線G4にP(4,1)、P(3,2)、P(4,3)、P(3,4)、P(4,5)・・・と接続されている。図314は図313において、ゲート信号線17aが選択された時にプログラム電流が書き込まれる画素16をわかりやすいように図示している。
つまり、図314では、1つのゲート信号線Gが選択されると、交互に1画素行ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。
図313のように、書き込まれる画素行が直線的でない(2画素行にわたり、交互の上下位置に書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、千鳥(図314では2画素行での千鳥)状に書き込まれるため、バラツキが目立たない。
図315は、本発明の第2の実施例における画素レイアウトである。図315は、ソース信号線18およびゲート信号線17aは直線的にかつマトリックス状に配置されている。画素Pはゲート信号線G3にP(3,1)、P(3,2)、P(2,3)、P(2,4)、P(3,5)、P(3,6)・・・と接続されている。また、ゲート信号線G4にP(4,1)、P(4,2)、P(3,3)、P(3,4)、P(4,5)、P(4,6)・・・と接続されている。図316は図315において、ゲート信号線17aが選択された時にプログラム電流が書き込まれる画素16をわかりやすいように図示している。
つまり、図316では、1つのゲート信号線Gが選択されると、2画素列ごとに交互に1画素行ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。
図315のように、書き込まれる画素行が直線的でない(2画素行にわたり、交互の上下位置に書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、千鳥(図316では2画素行での千鳥)状に書き込まれるため、バラツキが目立たない。
図317は画素16位置をゲート信号線17a方向にデルタ配置したものである。図317は、ソース信号線18は直線的に形成されている。ゲート信号線17aは1/2画素ずれたようにジグザグに形成されている。画素Pはゲート信号線G2にP(2,1)、P(2,2)、P(2,3)、P(2,4)、P(2,5)、P(2,6)・・・と接続されている。また、ゲート信号線G3にP(3,1)、P(3,2)、P(3,3)、P(3,4)、P(3,5)、P(3,6)・・・と接続されている。図318は図317において、ゲート信号線17aが選択された時にプログラム電流が書き込まれる画素16をわかりやすいように図示している。
つまり、図318では、1つのゲート信号線Gが選択されると、交互に1/2画素行ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。
図318は、書き込まれる画素行が直線的でない(1/2画素行にわたり、交互の上下位置に書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、バラツキが目立たない。
図319は画素16位置をゲート信号線17a方向に1画素ずらせて配置したものである。図319は、ソース信号線18は直線的に形成されている。ゲート信号線17aは1画素ずつジグザグに形成されている。画素Pはゲート信号線G3には、P(3,1)、P(2,2)、P(3,3)、P(2,4)、P(3,5)、P(2,6)・・・と接続されている。また、ゲート信号線G3には、P(4,1)、P(3,2)、P(4,3)、P(3,4)、P(4,5)、P(3,6)・・・と接続されている。
つまり、図319では、1つのゲート信号線Gが選択されると、交互に1画素行ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。図319は、書き込まれる画素行が直線的でない(交互の上下位置に書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、バラツキが目立たない。
図320は画素16位置をソース信号線17a方向にデルタ配置したものである。図320は、ゲート信号線17aは直線的に形成されている。ソース信号線18は1/2画素ずれたようにジグザグに形成されている。画素Pはソース信号線S2にP(1,2)、P(2,2)、P(3,2)、P(4,2)、P(5,2)、P(6,3)・・・と接続されている。また、ソース信号線S3にP(1,3)、P(2,3)、P(3,3)、P(4,3)、P(5,3)、P(6,3)・・・と接続されている。
つまり、図320では、1つのゲート信号線Gが選択されると、左右方向に、1画素行交互に1/2画素行ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。図320は、書き込まれる画素行が直線的でない(2画素行にわたり、1/2画素左右方向にずれて書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、バラツキが目立たない。
図321は画素16位置をソース信号線18方向に1画素ずらせて配置したものである。図321は、ゲート信号線17aは直線的に形成されている。ソース信号線18は1画素ずつジグザグに形成されている。画素Pはソース信号線S3には、P(1,2)、P(2,2)、P(3,2)、P(4,3)、P(5,2)、P(6,3)・・・と接続されている。また、ソース信号線S4には、P(1,3)、P(2,4)、P(3,3)、P(4,4)、P(5,3)、P(6,4)・・・と接続されている。
つまり、図321では、1つのゲート信号線Gが選択されると、交互に1画素列ずれた位置の画素16にプログラム電流Iwが書き込まれる。ソースドライバ回路14からはもちろんのことながら、書き込む画素位置に応じて出力される映像電流は制御される。図321は、書き込まれる画素列が直線的でない(交互の左右位置に書き込まれる)ため、ソースドライバ回路14から出力されるプログラム電流Iwにバラツキがあっても、バラツキが目立たない。
なお、図174、図175に図示するように、各トランジスタ群521は相互に入れ替えて配置してもよいことは言うまでもない。
図167、図168、図169では、トランジスタ472bの電流は抵抗R1で規定するとしたがこれに限定するものではなく、図170に図示するように、電子ボリウム451a、451bとしてもよい。図170の構成では電子ボリウム451aと電子ボリウム451bを独立に動作させることができる。したがって、トランジスタ472a1とトランジスタ472a2とが流す電流の値を変更することができる。したがって、チップの左右の出力段521cの出力電流傾きを調整可能である。なお、電子ボリウム451は図171に図示するように1つにし、2つのオペアンプ722を制御するように構成してもよい。また、図63でスリープスイッチ631について説明した。同様に、図172のようにスリープスイッチを配置あるいは形成しても良いことは言うまでもない。
図166から図172のカレントミラーの1段構成では単位トランジスタ484の個数が非常に多いため、ソースドライバIC(回路)14のドライバ回路出力段について説明を加えておく。なお、説明を容易にするため、図168、図169を例示して説明をする。しかし、説明はトランジスタ473bの個数とその総面積、単位トランジスタ484の個数と総面積に関わる事項であるので他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
図168、図169において、トランジスタ群521bのトランジスタ473bの総面積(トランジスタ群521b内のトランジスタ473bのWLサイズ×トランジスタ473b数)をSbとする。なお、図168、図169のようにゲート配線581の左右にトランジスタ群521bがある場合は面積を2倍にする。図167のように2つの場合はトランジスタ473bの面積×2である。なお、トランジスタ群521bが1個のトランジスタ473bで構成される場合は、1個のトランジスタ473bのサイズであることは言うまでもない。
また、トランジスタ群521cの単位トランジスタ484の総面積(トランジスタ群521c内のトランジスタ484のWLサイズ×トランジスタ484数)をScとする。トランジスタ群521cの個数をnとする。nはQCIF+パネルの場合は176である(RGBごとに基準電流回路が形成されている場合)。
図165の横軸は、Sc×n/Sbである。縦軸は変動比率であり、変動比率は最も悪い状況を1としている。図165に図示するようにSc×n/Sbが大きくなるにしたがって、変動比率は悪くなる。Sc×n/Sbが大きくなることは、出力端子数nを一定とすると、トランジスタ群521cの単位トランジスタ484総面積が、トランジスタ群521bのトランジスタ473b総面積に対して広いことを示す。この場合は変動比率が悪くなる。
Sc×n/Sbが小さくなることは、出力端子数nを一定とすると、トランジスタ群521cの単位トランジスタ484総面積が、トランジスタ群521bのトランジスタ473b総面積に対して狭いことを示す。この場合は変動比率が小さくなる。
変動許容範囲は、Sc×n/Sbが50以下である。Sc×n/Sbが50以下であれば、変動比率は許容範囲内であり、ゲート配線581の電位変動は極めて小さくなる。したがって、横クロストークの発生もなく、出力バラツキも許容範囲内となり良好な画像表示を実現できる。Sc×n/Sbが50以下であれば許容範囲であるが、Sc×n/Sbを5以下としてもほとんど効果がない。逆に、Sbが大きくなりソースドライバIC14のチップ面積が増加する。したがって、Sc×n/Sbは5以上50以下にすることが好ましい。
図185はIC耐圧を単位トランジスタの出力バラツキの関係を図示してものである。縦軸のバラツキ比率とは、1.8(V)耐圧プロセスで作製して単位トランジスタ484のバラツキを1としている。なお、図185は単位トランジスタ484の形状L/Wを12(μm)/6(μm)とし、各耐圧プロセスで製造した単位トランジスタ484の出力バラツキを示している。また、各IC耐圧プロセスで複数の単位トランジスタを形成し、出力電流バラツキを求めている。ただし、耐圧プロセスは、1.8(V)耐圧、2.5(V)耐圧、3.3(V)耐圧、5(V)耐圧、8(V)耐圧、10(V)耐圧、15(V)耐圧などとびとびである。しかし、説明を容易にするため、各耐圧で形成したトランジスタのバラツキをグラフに記入し、直線で結んでいる。
図185からIC耐圧が9(V)程度までは、ICプロセスに対するバラツキ比率(単位トランジスタ484の出力電流バラツキ)の増加割合は小さい。しかし、IC耐圧が10(V)以上になるとIC耐圧に対するバラツキ比率の傾きが大きくなる。
図185におけるバラツキ比率は3以内が、64階調から256階調表示でのバラツキ許容範囲である。ただし、このばらつき比率は、単位トランジスタ484の面積、L/Wにより異なる。しかし、単位トランジスタ484の形状などを変化させても、IC耐圧に対するバラツキ比率の変化傾向はほとんど差がない。IC耐圧9〜10(V)以上でバラツキ比率が大きくなる傾向がある。
一方、ソースドライバIC(回路)14の出力端子681の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aのプログラム電流により変化する。画素16の駆動用トランジスタ11aが白ラスター(最大白表示)の電流を流す時のゲート端子電位Vwとする。画素16の駆動用トランジスタ11aが黒ラスター(完全黒表示)の電流を流す時のゲート端子電位Vbとする。Vw−Vbの絶対値は2(V)以上必要である。また、Vw電圧が出力端子681に印加されている時、単位トランジスタ484のチャンネル間電圧は、0.5(V)必要である。
したがって、出力端子681(端子681はソース信号線18と接続され、電流プログラム時、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が印加される)には、0.5(V)から((Vw−Vb)+0.5)(V)の電圧が印加される。Vw−Vbは2(V)であるから、端子681は最大2(V)+0.5(V)=2.5(V)印加される。したがって、ソースドライバIC14の出力電圧(電流)がrail−to−rail出力であっても、IC耐圧としては2.5(V)必要である。出力端子681の振幅必要範囲は、2.5(V)以上必要である。
以上のことから、ソースドライバIC14の耐圧は、2.5(V)以上10(V)以下のプロセスを使用することが好ましい。さらに好ましくは、ソースドライバIC14の耐圧は、3(V)以上9(V)以下のプロセスを使用することが好ましい。IC耐圧とは、使用できる電源電圧の最大値と同等である。なお、使用できる電源電圧とは、常時使用できる電圧であり、瞬時耐圧ではない。
なお、以上の説明は、ソースドライバIC12の使用耐圧プロセスは、2.5(V)以上10(V)以下のプロセスを使用するとした。しかし、この耐圧は、アレイ基板71に直接にソースドライバ回路14が形成された実施例(低温ポリシリコンプロセスなど)にも適用される。アレイ基板71に形成されたソースドライバ回路14の使用耐圧は15(V)以上と高い場合がある。この場合は、ソースドライバ回路14に使用する電源電圧を図185に図示するIC耐圧に置き換えてもよい。また、ソースドライバIC14にあっても、IC耐圧とせず、使用する電源電圧に置き換えても良い。
単位トランジスタ484の面積は出力電流のバラツキと相関がある。図186は単位トランジスタ484の面積を一定とし、単位トランジスタ484のトランジスタ幅Wを変化させた時のグラフである。図186は単位トランジスタ484のチャンネル幅W=2(μm)のバラツキを1としている。
図186で示すようにバラツキ比率は、単位トランジスタのWが2(μm)から9〜10(μm)まで緩やかに増加し、10(μm)以上でバラツキ比率の増加は大きくなる傾向がある。また、チャンネル幅W=2(μm)以下でバラツキ比率が増加する傾向がある。
図186におけるバラツキ比率は3以内が、64階調から256階調表示でのバラツキ許容範囲である。ただし、このばらつき比率は、単位トランジスタ484の面積により異なる。しかし、単位トランジスタ484の面積を変化させても、IC耐圧に対するバラツキ比率の変化傾向はほとんど差がない。
以上のことから、単位トランジスタ484のチャンネル幅Wは2(μm)以上10(μm)以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、単位トランジスタ484のチャンネル幅Wは2(μm)以上9(μm)以下とすることが好ましい。また、単位トランジスタ484のチャンネル幅Wは図184のゲート配線581のリンキング抑制対策からも上記範囲で形成することが好ましい。
図187は単位トランジスタ484のL/Wと目標値からのずれ(ばらつき)のグラフである。単位トランジスタ484のL/W比が2以下では、目標値からのずれが大きい(直線の傾きが大きい)。しかし、L/Wが大きくなるにつれて、目標値のずれが小さくなる傾向にある。単位トランジスタ484のL/Wが2以上では目標値からのずれの変化は小さくなる。また、目標値からのずれ(ばらつき)はL/W=2以上で、0.5%以下となる。したがって、トランジスタの精度としてソースドライバ回路14に採用できる。
以上のことから、単位トランジスタ484のL/Wは2以上にすることが好ましい。しかし、L/Wが大きいということはLが長くなることを意味しているからトランジスタサイズが大きくなる。したがって、L/Wは40以下にすることが好ましい。
また、L/Wの大きさは階調数にも依存する。階調数が少ない場合は、階調と階調との差が大きいため、キンクの影響により単位トランジスタ484の出力電流がばらついても問題がない。しかし、階調数が多い表示パネルでは、階調と階調との差が小さいため、キンクの影響により単位トランジスタ484の出力電流が少しでもばらつくと階調数が低減する。
以上のことを勘案し、本発明のソースドライバ回路14は、階調数をKとし、単位トランジスタ484のL/W(Lは単位トランジスタ484のチャンネル長、Wは単位トランジスタのチャンネル幅)とした時、
(√(K/16))≦L/W ≦かつ (√(K/16))×20
の関係を満足させるように構成(形成)している。
図169などにおいて、トランジスタ群521aのトランジスタ473aの総面積Saとし、トランジスタ群521bのトランジスタ473bの総面積Sbとした時、総面積Saと総面積Sbの関係は、出力バラツキに相関がある。この関係を図188に図示している。なお、バラツキ比率などに関しては図185を参照のこと。
バラツキ比率は、総面積Sb:総面積Sa=2:1(Sa/Sb=1/2)の時を1としている。図188でもわかるように、Sa/Sbが小さいと急激にバラツキ比率が悪くなる。特にSa/Sb=1/2以下で悪くなる傾向がある。Sa/Sbが1/2以上では、出力バラツキが低減する。その低減効果は緩やかである。また、Sa/Sb=1/2程度で出力バラツキが許容範囲となる。以上のことから、1/2<=Sa/Sbの関係となるように形成することが好ましい。しかし、Saが大きくなるとICチップサイズも大きくなることになる。したがって、上限はSa/Sb=4とすることが好ましい。つまり、1/2<=Sa/Sb<=4の関係を満足するようにする。
なお、A>=Bは、AはB以上という意味である。A>Bは、AはBより大きいという意味である。A<=Bは、AはB以下という意味である。A<Bは、AはBより小さいという意味である。
さらには、総面積Sbと総面積Saは、略等しくなるようにすることが好ましい。さらに1出力の単位トランジスタ484の個数と、トランジスタ群521cのトランジスタ633bの個数とを同数にすることが好ましい。つまり、64階調表示であれば、1出力の単位トランジスタ484は63個形成される。したがって、トランジスタ群521cを構成するトランジスタ633bは63個形成される。
また、好ましくは、トランジスタ群521a、トランジスタ群521b、単位トランジスタ群521c、単位トランジスタ484は、WL面積が4倍以内のトランジスタで構成することが好ましい。さらに好ましくはWL面積が2倍以内のトランジスタで構成することが好ましい。さらには、すべて同一サイズのトランジスタで構成することが好ましい。つまり、略同一形状のトランジスタでカレントミラー回路、出力電流回路704を構成することが好ましい。
総面積Saは総面積Sbよりも大きくなるようにする。好ましくは、200Sb>=Sa>=4Sbの関係を満足するように構成する。また、すべてのトランジスタ群521bを構成するトランジスタ633aの総面積とSaが略等しくなるように構成する。
図191に図示するような、1段接続のソースドライバ回路では、特に表示パネルに画像を表示するとソース信号線18に印加された電流によりソース信号線電位が変動する。この電位変動によいソースドライバIC14のゲート配線581がゆれる課題がある(図184を参照のこと)。図184に図示するように、ソース信号線18に印加される映像信号が変化するポイントでゲート配線581にリンキングが発生する。リンキングによりゲート配線581の電位が変化するから、単位トランジスタ484のゲート電位が変化し、出力電流が変動する。特に、ゲート配線581の電位変動は、ゲート信号線17に沿ったクロストーク(横クロストーク)となる。
この揺れ(ゲート配線581のリンキング(図184を参照のこと))は、ソースドライバIC14の電源電圧が影響する。電源電圧が高いほどリンキングする波高値が大きくなるからでる。最悪、電源電圧まで振幅する。ゲート配線581の電圧は、定常値が0.55〜0.65(V)である。したがって、わずかなリンキングの発生でも出力電流の大きさの変動値は大きい。
図163はソースドライバIC14の電源電圧が1.8(V)の時を基準にしたゲート配線の電位変動比率である。変動比率はソースドライバIC14の電源電圧が高くなるにつれて変動比率も大きくなる。変動比率の許容範囲は3程度である。これ以上変動比率が大きいと、横クロストークが発生する。また、変動比率はIC電源電圧が10〜12(V)以上で電源電圧に対する変化割合が大きくなる傾向がある。したがって、ソースドライバIC14の電源電圧は12(V)以下にする必要がある。
一方、駆動用トランジスタ11aが白表示から黒表示の電流を流すために、ソース信号線18の電位は一定の振幅変化させる必要がある。この振幅必要範囲は、2.5(V)以上必要である。振幅必要範囲は電源電圧以下である。ソース信号線18の出力電圧がICの電源電圧を越えることはできないからである。
以上のことから、ソースドライバIC14の電源電圧は、2.5(V)以上12(V)以下にする必要がある。この範囲とすることにおりゲート配線581の変動が規定範囲に抑制され、横クロストークが発生せず、良好な画像表示を実現できる。
ゲート配線581の配線抵抗も課題となる。ゲート配線581の配線抵抗R(Ω)とは、図167では、トランジスタ473b1からトランジスタ473b2までの配線全長の抵抗である。または、ゲート配線全長の抵抗である。ゲート配線581の過渡現象の大きさは、1水平走査期間(1H)にも依存する。1H期間が短ければ、過渡現象の影響も大きいからである。配線抵抗R(Ω)が高いほど過渡現象は発生しやすい。この現象は特に、図166から図172の1段カレントミラー接続の構成で課題となる。ゲート配線581が長く、1つのゲート配線581に接続された単位トランジスタ484の数が多いためである。もちろん、図162の多段接続でも課題であることは言うまでもない。
図164は、ゲート配線581の配線抵抗R(Ω)と1H期間T(sec)と掛算(R・T)を横軸にとり、縦軸に変動比率をとったグラフである。変動比率の1はR・T=100を基準にしている。図164でわかるように、R・Tが5以下で変動比率が大きくなる傾向がある。また、R・Tが1000以上で変動比率が大きくなる傾向がある。したがって、R・Tは5以上1000以下にすることが好ましい。
Duty比も課題となる。Duty比によりソース信号線18の変動も大きくなるからである。ここで、トランジスタ群521cの単位トランジスタ484の総面積(トランジスタ群521c内のトランジスタ484のWLサイズ×トランジスタ484数)をScとする。
図189は横軸をSc×Duty比とし、縦軸を変動比率としている。図189でわかるようにSc×Duty比が50以上で変動比率が大きくなる傾向がある。また、変動比率が3以下の時が変動許容範囲である。したがって、Sc×Duty比は50以下で駆動できるように制御することが好ましい。
変動許容範囲は、Sc×Duty比bが50以下である。Sc×Duty比が50以下であれば、変動比率は許容範囲内であり、ゲート配線581の電位変動は極めて小さくなる。したがって、横クロストークの発生もなく、出力バラツキも許容範囲内となり良好な画像表示を実現できる。Sc×Duty比が50以下であれば許容範囲であるが、Sc×Duty比を5以下としてもほとんど効果がない。逆に、ソースドライバIC14のチップ面積が増加する。したがって、Sc×Duty比は5以上50以下にすることが好ましい。
図211でトランジスタ473b1に流す基準電流Ic1と、トランジスタ473b2に流す基準電流Ic2とを調整することにより、図212に図示するように、ソースドライバIC14aと14bとのカスケード接続を良好に行えることを説明した。
なお、図211では、基準電流Ic1とIc2とを調整するとした。しかし、ゲート配線581が所定値以上の抵抗値を有していると、トランジスタ473b1に流す基準電流Ic1と、トランジスタ473b2に流す基準電流Ic2とを同一にしても、図211のように出力電流の傾斜が補正される。これは、図191に図示するように傾斜を補正する補正電流Idがゲート配線581に流れるからである。
理解を容易にするため、具体的な数値で説明する。Ic1=Ic2=10(μA)とし、この時、トランジスタ473b1のゲート端子電圧V1=0.60(V)、トランジスタ473b2のゲート端子電圧V2=0.61(V)とする。トランジスタ473b2に流れる基準電流とトランジスタ473b1に流れる基準電流との差を1%以内にする必要があるから、基準電流=10(μA)の1%は0.1(μA)である。したがって、(V2−V1)/0.1(μA)=(0.61−0.60)(V)/0.1(μA)=100(KΩ)となる。したがって、ゲート配線581の抵抗値を100(KΩ)とすることにより、出力電流の傾きは調整され、隣接して配置されたソースドライバIC14の出力電流の差は1%以内の差におさまる。
ゲート配線581が高抵抗であるほど、補正電流Idの大きさは小さくてよい。しかし、ゲート配線581の抵抗値をあまりに高くすると、図184のリンキングの波高値も大きくなり、横クロストークの発生が顕著となる。したがって、ゲート配線581の抵抗値には適切な範囲が存在する。
本発明は、ゲート配線581のうちすべてをまたは、少なくともゲート配線581の一部はポリシリコンからなる配線で形成したことを特徴としている。好ましくは、単位トランジスタ484のゲート端子とのコンタクト部あるいは近傍以外をポリシリコンで形成する。ゲート配線581は配線幅を調整することにより、あるいは、蛇行させることにより目標の抵抗値に形成あるいは構成する。
ゲート配線のリンキング発生を抑制するには、ゲート配線581を所定値以下の抵抗値にすることで達成できる。また、トランジスタ473bの総面積Sb(トランジスタ群521bの総面積Sb)を大きくすることにより、達成できる。また、基準電流Icを大きくすることにより達成できる。
1出力の単位トランジスタ484の面積(1つのトランジスタ群521c内の単位トランジスタ484の総面積)をS0とし、トランジスタ群521bのトランジスタ473bの総面積Sb(図213のようにトランジスタ群521bが複数ある時は、複数のトランジスタ群521bのトランジスタ473bの総面積)とする。図192はSb/S0を横軸とし、許容できるゲート配線抵抗(KΩ)を縦軸とした時の関係を示している。図192の実線の下側の範囲が許容範囲である(リンキングの発生の影響を受けない範囲である)。言い換えれば、横クロストークが実用上、許容できる範囲である。
図192の横軸は、総トランジスタ群521bの大きさSbに対する1出力あたりの単位トランジスタ484の大きさS0である(64階調の場合は、単位トランジスタ484が63個分)。S0を固定値であるとすると、Sbが大きいほど、ゲート配線581が許容できる抵抗値も大きくなる。これは、Sbが大きくなるほどゲート配線581に対するインピーダンスが低くなり、安定度が増加するためである。
S0は出力電流(プログラム電流)を発生させるものであり、また、出力バラツキを一定値以下にする必要から、S0の大きさは設計上の変更範囲は狭い。一方でゲート配線581の抵抗値を所定値とするためには設計制約がある。ゲート配線581を高抵抗にするには、配線が細くなり断線が発生する課題、安定度の課題がある。また、Sbを大きくするとチップ面積が大きくなり、コストが高くなる。したがって、ソースドライバIC14のチップサイズの課題から、Sb/S0は50以下にすることが好ましい、また、ゲート配線581の安定した設計、リンキングの課題などの制約から、Sb/S0は5以上にすることが好ましい。したがって、5<= Sb/S0 <= 50の条件を満足させる必要がある。
図192のグラフ(実線)から、Sb/S0が小さくなるほど実線カーブの傾きは緩やかになる。また、Sb/S0が15以上では傾きが一定になる傾向がある。したがって、Sb/S0が5以上15以下では、ゲート配線581の抵抗値は400(KΩ)以下にする必要がある。また、Sb/S0が15以上50以下では、Sb/S0×24(KΩ)以下にする必要がある。たとえば、Sb/S0=50の時は、50×24=1200(KΩ)以下にする必要がある。
トランジスタ473bに流れる基準電流Icと、許容ゲート配線抵抗には相関がある。基準電流Icが大きいほどトランジスタ473bからゲート配線581をみたときのインピーダンスが低くなるからである。図193にその関係を示す。図193は横軸をトランジスタ473b(もしくはトランジスタ群521b)に流れる基準電流Ic(μA)である。縦軸が許容できるゲート配線抵抗(KΩ)を示している。図193の実線の下側の範囲が許容範囲である(リンキングの発生の影響を受けない範囲である)。言い換えれば、横クロストークが実用上、許容できる範囲である。
基準電流Icを大きくすれば、ゲート配線581の安定度は向上する。しかし、ソースドライバIC14で消費する無効電流が増加し、また、ゲート配線581の電位も高くなる。このことから、基準電流Icは50(μA)以下にする必要がある。
基準電流Icを小さくすれば、ゲート配線581の安定度は低下するため、ゲート配線581の抵抗値を下げる必要がある。しかし、一定値以下に基準電流を下げると単位トランジスタ521cからの出力電流のバラツキが大きくなる。つまり出力電流の安定度がなくなる。このことから、基準電流Icは2(μA)以上にする必要がある。以上のことから、トランジスタ473bに流す基準電流Icは2(μA)以上50(μA)以下にする必要がある。
図193のグラフ(実線)は、2つの直線に近似できる。Icが2(μA)以上15(μA)以下では、ゲート配線581の抵抗値(MΩ)は、0.04×Ic(MΩ)以下にする必要がある。たとえば、Ic=15(μA)であれば、ゲート配線581の抵抗値は、0.04×15=0.6(MΩ)以下の条件を満足させる必要がある。
Icが15(μA)以上50(μA)以下では、ゲート配線581の抵抗値(MΩ)は、0.025×Ic(MΩ)以下にする必要がある。たとえば、Ic=50(μA)であれば、ゲート配線581の抵抗値は、0.025×50=1.25(MΩ)以下の条件を満足させる必要がある。
1画素行が選択される期間(1水平走査期間(1H))と、ゲート配線581の抵抗R(KΩ)×ゲート配線581の長さD(m)にも相関がある。1H期間が短いほど、ゲート配線581の電位が正常値に戻るのに要する期間を短くする必要があるからである。また、図211のようにゲート配線581長D(=ドライバICのチップ長さ)が長くなると、トランジスタ473bから最も遠い単位トランジスタ群521cの電位変動が許容範囲を越えるからである。この現象は、単位トランジスタ484とソース信号線18間の寄生容量が影響を与えているためと推定される。つまり、ソースドライバIC14のチップ長Dが長くなると単純なゲート配線581の抵抗値だけでなく、寄生容量によるゲート配線581の電位変動も考慮する必要があることを示している。
図195は横軸を1水平走査期間(μ秒)としている。縦軸がゲート配線抵抗(KΩ)とチップ長D(m)の掛算値である。図195の実線の下側の範囲が許容範囲である。R・Dは9(KΩ・m)がソースドライバICの作製限界である。これ以上は、コストが高くなり実用的でない。一方、R・Dが0.05以下では、図191の電流Idが大きくなりすぎ、隣接出力電流の偏差が大きくなりすぎる。したがって、R・D(KΩ・m)は0.05以上9以下にする必要がある。
画素16を構成するトランジスタ11をPチャンネルで構成すると、プログラム電流は画素16からソース信号線18に流れ出す方向になる。そのため、ソースドライバ回路の単位トランジスタ484(図48、図57などを参照のこと)は、Nチャンネルのトランジスタで構成する必要がある。つまり、ソースドライバ回路14はプログラム電流Iwを引き込むように回路構成する必要がある。
したがって、画素16の駆動用トランジスタ11a(図1の場合)がPチャンネルトランジスタの場合は、必ず、ソースドライバ回路14はプログラム電流Iwを引き込むように、単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成する。ソースドライバ回路14をアレイ基板71に形成するには、Nチャンネル用マスク(プロセス)とPチャンネル用マスク(プロセス)の両方を用いる必要がある。概念的に述べれば、画素16とゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバの引き込み電流源のトランジスタはNチャンネルで構成するのが本発明の表示パネル(表示装置)である。
したがって、画素16のトランジスタ11をPチャンネルトランジスタで形成し、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで形成する。このように画素16のトランジスタ11とゲートドライバ回路12の両方をPチャンネルトランジスタで形成することにより基板71を低コスト化できる。しかし、ソースドライバ14は、単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで形成することが必要になる。したがって、ソースドライバ回路14は基板71に直接形成することができない。そこで別途、シリコンチップなどでソースドライバ回路14を作製し、基板71に積載する。つまり、本発明は、ソースドライバIC14(映像信号としてのプログラム電流を出力する手段)を外付けする構成である。
なお、ソースドライバ回路14はシリコンチップで構成するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、低温ポリシリコン技術などでガラス基板に多数個を同時に形成し、チップ状に切断して、基板71に積載してもよい。なお、基板71にソースドライバ回路を積載するとして説明しているが、積載に限定するものではない。ソースドライバ回路14の出力端子681を基板71のソース信号線18に接続するのであればいずれの形態でもよい。たとえば、TAB技術でソースドライバ回路14をソース信号線18に接続する方式が例示される。シリコンチップなどに別途ソースドライバ回路14を形成することにより、出力電流のバラツキが低減し、良好な画像表示を実現できる。また、低コスト化が可能である。
また、画素16の選択トランジスタをPチャンネルで構成し、ゲートドライバ回路をPチャンネルトランジスタで構成するという構成は、有機ELなどの自己発光デバイス(表示パネルあるいは表示装置)に限定されるものではない。たとえば、液晶表示デバイス、FED(フィールドエミッションディスプレイ)にも適用することができる。
画素16のスイッチング用トランジスタ11b、11cがPチャンネルトランジスタで形成されていると、Vghで画素16が選択状態となる。Vglで画素16が非選択状態となる。以前にも説明したが、ゲート信号線17aがオン(Vgl)からオフ(Vgh)になる時に電圧が突き抜ける(突き抜け電圧)。画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで形成されていると、黒表示状態の時、この突き抜け電圧によりトランジスタ11aがより電流が流れないようになる。したがって、良好な黒表示を実現できる。黒表示を実現することが困難であるという点が、電流駆動方式の課題である。
本発明では、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成することにより、オン電圧はVghとなる。したがって、Pチャンネルトランジスタで形成された画素16とマッチングがよい。また、黒表示を良好にする効果を発揮させるためには、図1、図2、図32、図113、図116の画素16の構成のように、アノード電圧Vddから駆動用トランジスタ11a、ソース信号線18を介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484にプログラム電流Iwが流入するように構成することが重要である。したがって、ゲートドライバ回路12および画素16をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバ回路14を基板に積載し、かつソースドライバ回路14の単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成することは、すぐれた相乗効果を発揮する。また、Nチャンネルで形成した単位トランジスタ484はPチャンネルで形成した単位トランジスタ484に比較して出力電流のバラツキが小さい。同一面積(W・L)のトランジスタ484で比較した場合、Nチャンネルの単位トランジスタ484はPチャンネルの単位トランジスタ484に比較して、出力電流のばらつきは、1/1.5から1/2になる。この理由からもソースドライバIC14の単位トランジスタ484はNチャンネルで形成することが好ましい。
なお、図42の(b)においても同様である。図42の(b)は駆動用トランジスタ11bを介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484に電流が流入するのではない。しかし、アノード電圧Vddからプログラム用トランジスタ11a、ソース信号線18を介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484にプログラム電流Iwが流入するように構成である。したがって、図1と同様に、ゲートドライバ回路12および画素16をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバ回路14を基板に積載し、かつソースドライバ回路14の単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成することは、すぐれた相乗効果を発揮する。
なお、本発明では、画素16の駆動用トランジスタ11aをPチャンネルで構成し、スイッチングトランジスタ11b、11cをPチャンネルで構成する。また、ソースドライバIC14の出力段の単位トランジスタ484をNチャンネルで構成するとした。また、好ましくは、ゲートドライバ回路12はPチャンネルトランジスタで構成するとした。
前述の逆の構成でも効果を発揮することは言うまでもない。画素16の駆動用トランジスタ11aをNチャンネルで構成し、スイッチングトランジスタ11b、11cをNチャンネルで構成する。また、ソースドライバIC14の出力段の単位トランジスタ484をPチャンネルとする構成である。なお、好ましくは、ゲートドライバ回路12はNチャンネルトランジスタで構成する。この構成も本発明の構成である。
以下、基準電流回路について説明する。図68に図示するように基準電流回路691は、R、G、Bごとに形成(配置)する。また、基準電流回路691R、691G、691Bは近接して配置する。
Rの基準電流回路654Rには基準電流を調整するボリウム(電子ボリウム)491Rが配置され、Gの基準電流回路654Gには基準電流を調整するボリウム(電子ボリウム)491Gが配置され、Bの基準電流回路654Bには基準電流を調整するボリウム(電子ボリウム)491Bが配置される。
なお、ボリウム491などは、EL素子15の温特を補償できるように、温度で変化するように構成することが好ましい。また、図69に図示するように、基準電流回路691は電流制御回路692で制御される。基準電流の制御(調整)により、単位トランジスタ484より出力する単位電流を変化させることができる。
以上に説明した本発明の電流出力方式(液晶表示パネルのソースドライバは電圧出力方式(信号は電圧のステップ)である)では、基準電流を元にし、この基準電流に比例した単位電流を複数組み合わせてプログラム電流Iwを出力するものである。したがって、基準電流をチップ間でバラツキがなく精度よく作成できることが重要である。
図331はその実施例である。図49、図162では、抵抗471で基準電流を作成している。また、図167では抵抗R1で基準電流を作成している。図331は、図68の抵抗471をトランジスタで置き換え、このトランジスタとカレントミラー回路を形成するトランジスタ3314に流れる電流をオペアンプ722など用いて制御するものである(図170なども参照のこと)。トランジスタ3314とトランジスタとはカレントミラー回路を形成する。カレントミラー倍率が1であれば、トランジスタ3313を流れる電流が基準電流となる。なお、図331などで記載する654とはプログラム電流Iwの発生回路というべきものである。
オペアンプ722の出力電圧はNチャンネルトランジスタ3313に入力され、トランジスタ3313に流れる電流が外付け抵抗531aに流れる。なお、抵抗531aは固定チップ抵抗である。基本的には、抵抗531aのみでよい。抵抗531bはポジスタあるいはサーミスタなどの温度に対して抵抗値が変化する抵抗素子である。この抵抗531aはEL素子15の温特を補償するために用いる。抵抗531aは、EL素子15の温特にあわせて(補償するために)、抵抗531bと並列あるいは直列に挿入あるいは配置する。また、図170などにおいても、抵抗R1に並列あるいは直列に抵抗531bを形成または配置してもよい。なお、以後は説明を容易にするため、抵抗531aと抵抗531bは1つの抵抗531とみなして説明を行う。
抵抗531aは、チップ抵抗である。そのため、1%以上の精度のものが容易に入手できる。抵抗をIC内に拡散抵抗技術あるいはポリシリパターンを用いて構成すると抵抗値精度が非常に悪い。したがって、基準電流を決定する元となる抵抗531aは精度のよい外付け抵抗とすることが好ましい。チップ抵抗531aは入力端子681aに取り付ける。特にEL表示パネルでは、RGBごとにEL素子15の温特が異なる。したがって、RGBごとの3つの外付け抵抗531aが必要となる。
抵抗531の端子電圧はオペアンプ722の−入力となり、この−端子の電圧とオペアンプ722の+端子とは同一電圧となる。したがって、オペアンプ722の+入力電圧がV1とすれば、この電圧と抵抗531で割ったものがトランジスタ3314に流れる電流となる。この電流が基準電流となる。
今、抵抗531の抵抗値が100KΩとし、オペアンプ722の+端子の入力電圧がV1=1(V)であれば、抵抗531には1(V)/100KΩ=10(μA)の基準電流が流れる。基準電流の大きさは、2μA以上30μA以下に設定することが好ましい。さらに好ましくは、5μA以上20μA以下に設定することが好ましい。親トランジスタ63に流す基準電流が小さいと、単位電流源484の精度が悪くなる。基準電流が大きすぎると、IC内部で変換するカレントミラー倍率(この場合は低減方向)が大きくなり、カレントミラー回路でのバラツキが大きくなり、先と同様に単位電流源484の精度が悪くなる。以上の事項は、本発明の他の実施例においても適用されることは言うまでもない。また、以下に説明する事項も同様である。
以上の構成によれば、オペアンプ722の+入力端子の精度が良好かつ抵抗値精度531が良好であれば、極めて精度のよい基準電流(大きさ、バラツキ精度)を形成できる。オペアンプ722の+端子には、基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefを印加する。基準電圧を出力する基準電圧回路3311のICはマキシム社などから多数の品種が販売されている。また、基準電圧Vrefはソースドライバ回路14内に形成することもできる(基準電圧Vrefの内蔵)。基準電圧Vrefの範囲は1(V)以上3(V)以下とすることが好ましい。
基準電圧は接続端子681aから入力する。基本的には、このVref電圧をオペアンプ722の+端子に入力すればよい。接続端子681aを+端子間に電子ボリウム回路451が配置されているのは、EL素子15はRGBで発光効率が異なるためである。つまり、RGBの各EL素子15に流す電流と調整し、ホワイトバランスを取るためである。もちろん、抵抗531で調整できる場合は、電子ボリウム451での調整は必要でない。電子ボリウム451の活用としては、EL素子15がRGBで劣化速度が異なることにより再度のホワイトバランス調整である。EL素子15は特に、Bが劣化しやすい。そのため、EL表示パネルを使用していると長年の間にBのEL素子15が暗くなり、画面がイエロー色になる。この場合にB用の電子ボリウム451を調整してホワイトバランスを実施する。もちろん、電子ボリウム451を温度センサ781(図78およびその説明を参照のこと)と連動させて、EL素子の輝度補償あるいはホワイトバランス補償を実施してもよい。
電子ボリウム451はIC(回路)14内に内蔵させる(基板71に直接に形成する)。ポリシリコンをパターニングすることにより単位抵抗(R1、R2、R3、R4、・・・・・Rn)を複数個形成し、直列に接続する。また、各単位抵抗間にアナログスイッチ(S1、S2、S2、・・・・・・Sn+1)を配置し、基準電圧Vrefを分圧して電圧を出力する。
図331において、トランジスタ3313はバイポーラトランジスタとして図示しているが、これに限定するものではない。図332の(a)はトランジスタ3313をFETとした実施例である。また、トランジスタ3313はIC内14に内蔵させる必要はなく、IC外部に配置してもよいことは言うまでもない。また、ゲートドライバ回路12内に電源などの発生回路を内蔵させ、また、トランジスタ3313も内蔵させてもよい。
また、図331のように基準電圧回路3311の替わりに図332の(b)に図示するように、ツェナーダイオード3321と抵抗531で基準電圧Vrefを発生させてもよい。もちろん、図332の(b)に図示するようにオペアンプ722を用いなくともよい。ツェナーダイオード3321は、基準電圧の可変タイプを採用してもよい。
EL表示パネルの画素数が多い場合は、複数のソースドライバIC(回路)14を1つのEL表示パネルに積載する必要がある。この場合は、基準電圧を複数のソースドライバICで共通となるように用いる必要がある。単純には、1つの基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefを使用する複数のソースドライバIC14に入力すればよい。問題となるのは、図331の電子ボリウム451を操作(制御)し、オペアンプ722に入力される基準電圧が変化した場合である。以降の説明を容易にするため、オペアンプの+端子に入力される電圧を調整基準電圧Vrsと呼ぶことにする。Vrsは基準電圧VrefをソースドライバIC14内部で使用する電圧に調整した電圧である。
以上のように、本発明は、電流出力の(ソース)ドライバ回路(IC)において、基準電圧を内部で発生または、外部より入力し、この基準電圧より基準電流を発生させ、この基準電流を対応する複数の単位電流源484を構成し、外部からの映像(画像)データ信号により、出力(吸収)する電流を前記単位電流源484の個数を切り替えることにより変化させるものである。
調整基準電圧Vrsを使用した場合は、この調整基準電圧Vrsを他のソースドライバ14で使用する必要がある。図333はその実施例である。基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefは電子ボリウム回路451aで電圧調整され、調整基準電圧Vrsとなる。この調整基準電圧Vrsはバッファ回路3332に入力される。バッファ回路3332を配置するのは、調整基準電圧出力配線1453に他のソースドライバ14が接続されることによるVrs電圧の変動を抑制するためである。バッファ回路3332の出力Vrsはオペアンプ722の+端子に印加されるとともに、調整基準電圧出力配線3333に印加される。
調整基準電圧出力配線3333は調整基準電圧出力端子3341に接続されている。調整基準電圧出力端子3341には配線3331が接続され、この配線3331を介して他のソースドライバ回路14に調整基準電圧Vrsが供給される。
図333では、端子681bとトランジスタ3313のエミッタ端子間に電子ボリウム451bが形成または配置されている。この電子ボリウム451bも構成は電子ボリウム451aと同一である。ただし、電子ボリウム451bは抵抗値の大きさにより基準電流の大きさを変更する。つまり、電子ボリウム451bは、内部のスイッチをオンオフさせることにより、直列抵抗の個数を変化させる。電子ボリウム451bの抵抗値+抵抗531と、Vrs電圧により、基準電流の大きさが変化する。電子ボリウム451bの最大抵抗は、抵抗531の抵抗の1/5以下にする。電子ボリウム451bの抵抗値のバラツキは、基準電流のバラツキとなってしまうからである。主として電子ボリウム451bは、EL素子15の温特補償に用いる。
EL表示パネルで、フルカラー表示を実現するためには、RGBのそれぞれに基準電流を形成(作成)する必要がある。RGBの基準電流の比率でホワイトバランスを調整できる。電流駆動方式の場合は、図251に図示するように、電流Iと輝度Bとが線形の関係がある。また、本発明は、1つの基準電流から単位電流源484が流す電流値を決定する。したがって、基準電流の大きさを決定すれば、単位電流源484が流す電流を決定することができる。そのため、R、G、Bのそれぞれの基準電流を設定すれば、すべての階調におけるホワイトバランスが取れることになる。以上の事項は、ソースドライバ回路14が電流きざみ出力(電流駆動)であることの大きな特徴である。したがって、いかに、RGBの基準電流の大きさを設定できるかがポイントとなる。
EL素子の発光効率は、EL材料の蒸着あるいは塗布する膜厚で決定される(支配的である)。膜厚は、ロットごとにほぼ一定である。したがって、EL素子15の形成膜厚をロット管理すれば、EL素子15に流す電流と発光輝度の関係が決定される。つまり、ロットごとに、ホワイトバランスをとるための電流値は固定である。たとえば、RのEL素子15に流す電流をIr(A)、GのEL素子15に流す電流をIg(A)、BのEL素子15に流す電流をIb(A)とすれば、Ir:Ig:Ib=1:2:4の時に、ホワイトバランスが取れることがわかる。したがって、この電流が流れるように、固定抵抗531の値を決定する。R回路の抵抗531RをRr(Ω)、G回路の抵抗531GをRg(Ω)、B回路の抵抗531BをRb(Ω)とし、調整基準電圧VrsがRGBで共通であれば、Rr:Rg:Rb=4:2:1となるように、抵抗値531の値を設定すればよい。このように設定するだけで、本発明のEL表示パネルは全階調にわたって、ホワイトバランスがとれる。この点は、本発明の非常に有効な効果である。
R回路の調整基準電圧VrsRは、他のソースドライバ回路14とカスケード接続するために、調整基準電圧出力端子3341Rに接続される。また、G回路の調整基準電圧VrsGも同様に、他のソースドライバ回路14とカスケード接続するために、調整基準電圧出力端子3341Gに接続される。また、B回路の調整基準電圧VrsBも、他のソースドライバ回路14とカスケード接続するために、調整基準電圧出力端子3341Bに接続される。他の点に関して、図333と同様であるので説明を省略する。
図334の実施例では、RGBごとに調整基準電圧(VrsR、VrsG、VrsB)を調整基準電圧出力3341から出力するとしたが、これに限定するものではない。RGBごとに電子ボリウム回路451a(451Ra、451Ga、451Ba)で調整が必要でないと時(たとえば、RGBごとに配置または形成された固定抵抗531でホワイトバランス調整、温特補償などができる時など)は、RGBごとの調整基準電圧Vrsの出力は必要でない。また、外部からの基準電圧Vrefをそのまま使用できる(オペアンプ722の+端子入力がVrefとする場合など)場合は、RGBごとの電子ボリウム回路451a(451Ra、451Ga、451Ba)も必要でないことは言うまでもない。
ソースドライバ回路(IC)14は基準電圧Vrefを使用するか、カスケード接続のために、調整基準電圧Vrsを使用するかを切り替える必要がある。図335は基準電圧切り替えスイッチ3352を内蔵した本発明のソースドライバ回路(IC)14の実施例である。
基準電圧Vrefを使用するか、調整基準電圧Vrsを使用するかを設定するために、本発明ではスイッチ3352の切り替え端子(図示せず)をIC端子として設けており、この端子へのロジック電圧によりスイッチ3352を切り替えることができる。これは、ソースドライバIC14のマスター/スレーブの切り替えスイッチとしても用いていることになる。マスター/スレーブ機能に関しては図250などでも説明しているので説明を省略する。
以上に説明した構成を図334に図示する。1つの基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefは端子681aからソースドライバ回路14に入力される。この電圧は必要に応じて、各RGBの電子ボリウム回路451a(451Ra、451Ga、451Ba)で電圧調整され、調整基準電圧Vrs(R回路はVrsR、G回路はVrsG、B回路はVrsB)が各RGBのオペアンプ722に入力される。
基準電圧切り替えスイッチ3352は、ソースドライバIC14内部の電子ボリウム回路451の出力電圧V2をオペアンプ722の入力とするか、端子3353に印加された外部からの基準電圧V1をオペアンプ722の入力とするかを切り替える。V2電圧をオペアンプ722の入力とする場合は、このIC(回路)14はマスターモードで使用していることになる。この場合は、V2電圧は調整基準電圧出力3341から出力され、調整基準電圧出力3341に接続された配線3331に、スレーブとなるソースドライバIC(回路)14の調整基準電圧入力端子3353が接続されることになる。なお、先にも述べたが、マスター/スレーブの区別なしに複数個のソースドライバ回路(IC)14が1つの基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefを入力として動作する時は、切り替えスイッチ3352は不要である。基準電圧VrefまたはIC内部で発生する調整基準電圧Vrsが各ICのオペアンプ722の+端子入力となるからである。また、他の事項については、先に説明しているので説明を省略する。
図335で重要な事項として、調整基準電圧入力端子3353が2個具備している点である。ソースドライバIC14内部で、端子3353aと3353bとが接続されている。この点については図337で説明をする。
図336は、複数のソースドライバ回路(IC)14を実装した状態を概念的に図示している。図面は、基板71の裏面から透視して観察した状態である(ソースドライバIC14の裏面から観察している)。なお、ベースアノード配線2631、共通アノード配線2642などに関する事項は、図263、図264、図267などで説明しているので、説明を省略する。以上の事項は、図337、図338についても同様である。
図336では、調整基準電圧出力3341、3353をソースドライバIC14チップの中央部に配置し、かつ、ソース信号線18の形成方向に平行になる(ICチップの短辺方向に平行になる)ように配置(形成)している。以上のように、形成するのは、端子に接続される配線3331が交差しないようにするためである。
ソースドライバIC14aには基準電圧回路3311から配線により端子681aに基準電圧Vrefが印加されている。したがって、ソースドライバIC14aがマスターとして動作する。IC内の切り替えスイッチ3352はV2電圧の入力状態とされている(図335を参照)ソースドライバIC14aに隣接して実装されたソースドライバIC14b、14cはスレーブとして動作する。ソースドライバIC14b、ソースドライバIC14cの切り替えスイッチ3352はV1電圧入力状態とされている(図335を参照のこと)。
図336において、ソースドライバIC14aからの調整電圧Vrsは各RGBの調整基準電圧出力端子3341(3341R、3341G、3341B)から出力され、配線3331または3351を介して、ソースドライバIC14b、ソースドライバIC14cの調整電圧入力端子3353(3353R、3353G、3353B)に入力される。この電圧がV2電圧となる。
図336のように、各RGBの調整基準電圧出力3341、3353を配置すれば、各RGBに配線3351、3331が交錯することがない。したがって、配線レイアウトが容易になる。また、調整基準電圧出力3341、3351は基準電流が流れるだけであるので、映像信号線のような電位変化が全くない。したがって、ベースアノード線2631と同様に遮光パターンとして利用できる。つまり、ソースドライバIC14の裏面に配置しても、ノイズなどが発生してソースドライバIC14には影響を与えることはない。この効果に関しては、図101、図102、図103などで説明した事項において、ベースアノード線2631を調整基準電圧出力3341(3351)に置き換えることによりそのまま適用できるので説明を省略する。
図337は、図335で説明した調整基準電圧入力端子3353を複数個形成した効果の説明図である。図337では、図336と異なり、調整基準電圧出力3341、3353をソースドライバIC14のエッジに形成している。つまり、ICの映像信号入力端子、制御端子と同一辺に並べられて形成または配置されている。
ソースドライバIC14aには基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefは配線により端子681aに印加されている。したがって、ソースドライバIC14aがマスターとして動作する。IC内の切り替えスイッチ3352はV2電圧の入力状態とされている(図335を参照)ソースドライバIC14aに隣接して実装されたソースドライバIC14b、14cはスレーブとして動作する。ソースドライバIC14b、ソースドライバIC14cの切り替えスイッチ3352はV1電圧入力状態とされている(図335を参照のこと)。
図337において、ソースドライバIC14aからの調整電圧Vrsは調整基準電圧出力端子3341から出力される。なお、図335には図示していないが、調整基準電圧出力端子3341は基準電圧入力端子681aの左右に1つずつ形成されている(3341a、3341b)。調整基準電圧Vrsは配線3331または3351を介して、ソースドライバIC14b、ソースドライバIC14cの調整電圧入力端子3353(3353a、3353b)に入力される。この電圧がV2電圧となる。
調整基準電圧入力端子3353aと3353b間は図335にも図示するように電気的に接続されている。したがって、ソースドライバIC14aの調整基準電圧出力3341aから出力された電圧VrsはソースドライバIC14bの端子3353bに印加され、この電圧VrsがIC16b内を介して端子3353aに出力される。また、端子3353aは他に隣接して実装されたソースドライバIC14に端子3353に入力される。同様に、ソースドライバIC14aの調整基準電圧出力3341bから出力された電圧VrsはソースドライバIC14cの端子3353aに印加され、この電圧VrsがIC16c内を介して端子3353bに出力される。また、端子3353bは他に隣接して実装されたソースドライバIC14に端子3353に入力される。以上のように端子3353、3341を配置または接続することにより、カスケードにICを接続することできる。
図337のように、調整基準電圧出力3341、3353を配置し、また、配線3351、3331をICの裏面に形成すれば、配線3351、3331が交錯することがない。したがって、配線レイアウトが容易になる。また、図336と同様に調整基準電圧出力3341、3351は基準電流が流れるだけであるので、映像信号線のような電位変化が全くない。したがって、ベースアノード線2631と同様に遮光パターンとしても利用できる。つまり、ソースドライバIC14の裏面に配置しても、ノイズなどが発生してソースドライバIC14には影響を与えることはない。この効果に関しては、図103などで説明した事項において、ベースアノード線2631を調整基準電圧出力3341(3351)に置き換えることによりそのまま適用できるので説明を省略する。
図337は説明を容易にするため、EL表示装置が単色であるように図示した。EL表示装置は、RGBの3色で構成される。したがって、調整基準電圧出力3341、3353は各RGBで必要である。図338は、各RGBで調整基準電圧出力3341、3353を配置した構成図である。
ソースドライバIC14aはマスターとして動作し、ソースドライバIC14aには基準電圧回路3311からの基準電圧Vrefは端子681aに印加されている。基準電圧入力端子681aの左右には、調整基準電圧出力端子3341が配置されている。各RGBの調整基準電圧出力端子3341は、基準電圧入力端子681aを中心に線対称の位置に配置されている。つまり、入力端子681aの左右の端子は3341Ra、3341Rbであり、その外側に3341Ga、3341Gbが配置されている。さらにその外側に3341Ba、3341Bbが配置されている。調整基準電圧出力3341Raと3341RbはソースドライバIC14a内部で接続されている。同様に調整基準電圧出力3341Gaと3341GbもソースドライバIC14a内部で接続されている。また、調整基準電圧出力3341Baと3341BbもソースドライバIC14a内部で接続されている。
ソースドライバIC14bはスレーブとして動作し、ソースドライバIC14bにはソースドライバIC14aからの調整基準電圧Vrsが入力される。基準電圧入力端子681aの左右には、調整基準電圧入力端子3353が配置されている。各RGBの調整基準電圧入力端子3353は、基準電圧入力端子681aを中心に線対称の位置に配置されている。つまり、入力端子681aの左右の端子は3353Ra、3353Rbであり、その外側に3353Ga、3353Gbが配置されている。さらにその外側に3353Ba、3353Bbが配置されている。端子3353Raと3353RbはソースドライバIC14a内部で接続されている。同様に、端子3353Gaと3353GbもソースドライバIC14a内部で接続されている。また、端子3353Baと3353BbもソースドライバIC14a内部で接続されている(図335を参照のこと)。
ソースドライバIC14aの調整基準電圧出力3341Bbから出力された電圧VrsはソースドライバIC14bの端子3353Baに印加され、この電圧VrsがIC16b内を介して端子3353Bbに出力される。また、端子3353Bbは他に隣接して実装されたソースドライバIC14に端子3353に入力される。ソースドライバIC14aの調整基準電圧出力3341Gbから出力された電圧VrsはソースドライバIC14bの端子3353Gaに印加され、この電圧VrsがIC16b内を介して端子3353Gbに出力される。また、端子3353Gbは他に隣接して実装されたソースドライバIC14に端子3353に入力される。同様に、ソースドライバIC14aの調整基準電圧出力3341Rbから出力された電圧VrsはソースドライバIC14bの端子3353Raに印加され、この電圧VrsがIC16b内を介して端子3353Rbに出力される。また、端子3353Rbは他に隣接して実装されたソースドライバIC14に端子3353に入力される。以上のように端子3353、3341を配置または接続することにより、カスケードにICを容易に接続することできる。
図338のように、調整基準電圧出力3341、3353を配置し、また、配線3351、3331をICの裏面に形成すれば、配線3351、3331が交錯することがない。したがって、配線レイアウトが容易になる。また、図336と同様に調整基準電圧出力3341、3351は基準電流が流れるだけであるので、映像信号線のような電位変化が全くない。したがって、ベースアノード線2631と同様に遮光パターンとしても利用できる。つまり、ソースドライバIC14の裏面に配置しても、ノイズなどが発生してソースドライバIC14には影響を与えることはない。この効果に関しては、図101、図102、図103などで説明した事項において、ベースアノード線2631を調整基準電圧出力3341(3351)に置き換えることによりそのまま適用できるので説明を省略する。
図77、図78、図79、図80、図81などにおいて、ガンマ電流比率について説明をした。図56の低階調部の単位電流源484に流れる電流と、図57の高階調部の単位電流源484に流れる電流の比率である。高階調部の基準電流はINHとし、低階調部の基準電流をINLとして、この比率(ガンマ電流比率)が所定の範囲となるように設定することが好ましい、一方で基準電流は、基本となる電流であるから、極力1つの電流とし、調整を少なくすることが好ましい(高階調部の基準電流はINHとし、低階調部の基準電流をINLとすれば、各RGBで2つの基準電流の調整が必要となる)。
図339は各RGBで基準電流Ibを1つにした構成である。図339の上の回路は、高階調用の電流源であり、下は低階調用の電流源である(正確には、高階調部では、低階調の電流源の電流も流れている)。図339の左部は、図333、図335の回路構成である。
トランジスタ3313には元となる基準電流Ibが流れる。高階調用の親トランジスタ471aHには並列に倍率可変用のトランジスタ3392が少なくとも1個以上形成または配置されている。低階調用の親トランジスタ471aLには、そのまま、トランジスタ3314とカレントミラー回路を構成している。したがって、高階調用のカレントミラー回路は、トランジスタ3314とトランジスタ3392+トランジスタ471aHで構成される。トランジスタ3392には直列に倍率可変スイッチ3391が形成または配置されている。スイッチ3391は、アナログスイッチなどが例示される。
スイッチ3391をオンオフ制御することにより、トランジスタ471bHに流れる電流を変更することができる。スイッチ3391bをオンすると、トランジスタ3392が2個+トランジスタ471aHに流れる電流が、トランジスタ471bHに流れる。スイッチ3391aをオンすると、トランジスタ3392が1個+トランジスタ471aHに流れる電流が、トランジスタ471bHに流れる。スイッチ3391aと3391bを同時にオンすると、トランジスタ3392が3個+トランジスタ471aHに流れる電流が、トランジスタ471bHに流れる。スイッチ3391はソースドライバIC14へのコマンドにより切り替える。以上のようにスイッチ3391の制御により、ガンマ電流比率を変更することができる。また、基準となる電流はIbのみとなるのでホワイトバランスの調整は非常に容易になる。他の、構成は、図48、図333、図335、図79、図80、図81などで説明しているので説明を省略する。
ICチップの出力端子には、出力パッド681が形成または配置されている。この出力パッドと、表示パネルのソース信号線18とが接続される。出力バッド681は、メッキ技術あるいはネイルヘッドボンダ技術によりバンプ(突起)が形成されている。突起の高さは10μm以上40μm以下の高さにする。
前記バンプと各ソース信号線18とは導電性接合層(図示せず)を介して電気的に接続されている。導電性接合層は接着剤としてエポキシ系、フェノール系等を主剤とし、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、カーボン(C)、酸化錫(SnO2)などのフレークを混ぜた物、あるいは紫外線硬化樹脂などである。導電性接合層は、転写等の技術でバンプ上に形成する。なお、バンプあるいは出力パッド681とソース信号線18との接続は、以上の方式に限定するものではない。また、アレイ基板上にソースドライバIC14を積載せず、フィルムキャリヤ技術を用いてもよい。また、ポリイミドフィルム等を用いてソース信号線18などと接続しても良い。
本発明では、前記基準電流回路691が、R用、G用、B用の3系統に分離されているので、発光特性や温度特性をR、G、Bでそれぞれ調整することができ、最適なホワイトバランスを得ることが可能である(図70を参照のこと)。
次にプリチャージ回路について説明をする。先にも説明しているが、電流駆動方式では、黒表示時で、画素に書き込む電流が小さい。そのため、ソース信号線18などに寄生容量があると、1水平走査期間(1H)に画素16に十分な電流を書き込むことができないという問題点があった。一般に、電流駆動型発光素子では、黒レベルの電流値は数nA程度と微弱であるため、その信号値で数10pF程度あると思われる寄生容量(配線負荷容量)を駆動することは困難である。この課題を解決するためには、ソース信号線18に画像データを書き込む前に、プリチャージ電圧を印加し、ソース信号線18の電位レベルを画素のトランジスタ11aの黒表示電流(基本的にはトランジスタ11aはオフ状態)にすることが有効である。このプリチャージ電圧の形成(作成)には、画像データの上位ビットをデコードすることにより、黒レベルの定電圧出力を行うことが有効である。
図65に、本発明のプリチャージ機能を有した電流出力方式のソースドライバIC(回路)14の一例を示す。図65では、6ビットの定電流出力回路の出力段にプリチャージ機能を搭載した場合を示している。図65において、プリチャージ制御信号は、画像データD0〜D5の上位3ビットD3、D4、D5がすべて0である場合をNOR回路652でデコードし、水平同期信号HDによるリセット機能を有するドットクロックCLKのカウンタ回路651の出力とのAND回路653をとり、一定期間黒レベル電圧Vpを出力するように構成されている。他の場合は、電流出力段654(具体的には図48、図56、図57などの構成である)からの出力電流がソース信号線18に印加される(ソース信号線18からプログラム電流Iwを吸収する)。この構成により、画像データが黒レベルに近い0階調目〜7階調目の場合、1水平期間のはじめの一定期間だけ黒レベルに相当する電圧が書き込まれて、電流駆動の負担が減り、書き込み不足を補うことが可能となる。なお、完全黒表示を0階調目とし、完全白表示を63階調目とする(64階調表示の場合)。
図65では、プリチャージ電圧を印加すると、内部配線483のB点にプリチャージ電圧が印加される。したがって、プリチャージ電圧は電流出力段654にも印加されることになる。しかし、電流出力段654は定電流回路であるから、高インピーダンスである。そのため、定電流回路654にプリチャージ電圧が印加されても回路の動作上問題は発生しない。なお、電流出力段654にプリチャージ電圧が印加されないようにするには、図65のA点で切断し、スイッチ655を配置すればよい(図66を参照のこと)。前記スイッチはプリチャージスイッチ481aと連動させ、プリチャージスイッチ481aがオンしている時にはオフになるように制御する。
プリチャージは全階調範囲で実施してもよいが、好ましくは、プリチャージを行う階調は、黒表示領域に限定すべきである。つまり、書き込み画像データを判定し、黒領域階調(低輝度、つまり、電流駆動方式では、書き込み電流が小さい(微小))を選択しプリチャージする(選択プリチャージと呼ぶ)。全階調データに対し、プリチャージすると、今度は、白表示領域で、輝度の低下(目標輝度に到達しない)が発生する。また、画像に縦筋が表示されるという課題が発生する場合がある。
好ましくは、階調データの階調0から全階調の1/8の領域の階調領域で、選択プリチャージを行う(たとえば、64階調の時は、0階調目から7階調目までの画像データの時、プリチャージを行ってから、画像データを書き込む)。さらに、好ましくは、階調データの階調0から1/16の領域の階調で、選択プリチャージを行う(たとえば、64階調の時は、0階調目から3階調目までの画像データと時、プリチャージを行ってから、画像データを書き込む)。
特に黒表示で、コントラストを高くするためには、階調0のみを検出してプリチャージする方式も有効である。極めて黒表示が良好になる。階調0のみをプリチャージする方法は、画像表示に与える弊害の発生が少ない。したがって、最もプリチャージ技術として採用することが好ましい。
なお、プリチャージの電圧、階調範囲は、R、G、Bで異ならせることも有効である。EL表示素子15は、R、G、Bで発光開始電圧、発光輝度が異なっているからである。たとえば、Rは、階調データの階調0から1/8の領域の階調で、選択プリチャージを行う(たとえば、64階調の時は、01階調目から7階調目までの画像データの時、プリチャージを行ってから、画像データを書き込む)。他の色(G、B)は、階調データの階調0から1/16の領域の階調で、選択プリチャージを行う(たとえば、64階調の時は、0階調目から3階調目までの画像データと時、プリチャージを行ってから、画像データを書き込む)などの制御を行う。また、プリチャージ電圧も、Rは7(V)であれば、他の色(G、B)は、7.5(V)の電圧をソース信号線18に書き込むようにする。最適なプリチャージ電圧は、EL表示パネルの製造ロットで異なることが多い。したがって、プリチャージ電圧は、外部ボリウムなどで調整できるように構成しておくことが好ましい。この調整回路も電子ボリウム回路を用いることにより容易に実現できる。
なお、プリチャージ電圧は、図1のアノード電圧Vdd−0.5(V)以下、アノード電圧Vdd−2.5(V)以内にすることが好ましい。
階調0のみをプリチャージする方法にあっても、R、G、Bの一色あるいは2色を選択してプリチャージする方法も有効である。画像表示に与える弊害の発生が少ない。また、画面輝度が所定輝度以下あるいは所定輝度以上の時に、プリチャージすることも有効である。特に画面50の輝度が低輝度の時は、黒表示が困難である。低輝度の時に、0階調プリチャージなどのプリチャージ駆動を実施することにより画像のコントラスト感が良好になる。
また、全くプリチャージしない第0モード、階調0のみをプリチャージする第1モード、階調0から階調3の範囲でプリチャージする第2モード、階調0から階調7の範囲でプリチャージする第3モード、全階調の範囲でプリチャージする第4モードなどを設定し、これらをコマンドで切り替えるように構成することが好ましい。これらは、ソースドライバIC(回路)14内においてロジック回路を構成(設計)することにより容易に実現できる。
図66は選択プリチャージ回路部の具体化構成図である。PVはプリチャージ電圧の入力端子である。外部入力あるいは、電子ボリウム回路により、R、G、Bで個別のプリチャージ電圧が設定される。なお、R、G、Bで個別のプリチャージ電圧を設定するとしたがこれに限定するものではない。R、G、Bで共通であってもよい。プリチャージ電圧は、画素16の駆動用トランジスタ11aのVtに相関するものであり、この画素16はR、G、B画素で同一だからである。画素16の駆動用トランジスタ11aのW/L比などがR、G、Bで異ならせている(異なった設計となっている)場合は、プリチャージ電圧を異なった設計に対応して調整することが好ましい。たとえば、駆動用トランジスタ11aのチャンネル長Lが大きくなれば、トランジスタ11aのダイオード特性は悪くなり、ソース−ドレイン(SD)電圧は大きくなる。したがって、プリチャージ電圧は、ソース電位(Vdd)に対して低く設定する必要がある。
プリチャージ電圧PVはアナログスイッチ561に入力されている。このアナログスイッチのW(チャンネル幅)はオン抵抗を低減するために、10μm以上にする必要がある。しかし、あまりWが大きいと、寄生容量も大きくなるので100μm以下にする。さらに好ましくは、チャンネル幅Wは15μm以上60μm以下にすることが好ましい。
なお、この選択プリチャージは、階調0のみをプリチャージするとか、階調0から階調7の範囲でプリチャージするとか固定してもよいが、低階調流域(図79の階調0から階調R1もしくは階調(R1−1))を選択プリチャージするというように、低階調領域と連動させてもよい。つまり、選択プリチャージは、低階調領域が階調0から階調R1の時はこの範囲で実施し、低階調領域が階調0から階調R2の時はこの範囲で実施するように連動させて実施する。なお、この制御方式の方が他の方式に比較して、ハード規模が小さくなる。
以上の信号の印加状態により、スイッチ481aがオンオフ制御され、スイッチ481aオンの時、プリチャージ電圧PVがソース信号線18に印加される。なお、プリチャージ電圧PVを印加する時間は、別途形成したカウンタ(図示せず)により設定される。このカウンタはコマンドにより設定できるように構成されている。また、プリチャージ電圧の印加時間は1水平走査期間(1H)の1/100以上1/5以下の時間に設定することが好ましい。たとえば、1Hが100μsecとすれば、1μsec以上20μsec(1Hの1/100以上1Hの1/5以下)とする。さらに好ましくは、2μsec以上10μsec(1Hの2/100以上1Hの1/10以下)とする。
図67は図65あるいは図66の変形例である。図67は入力画像データに応じてプリチャージするかしないかを判定し、プリチャージ制御を行うプリチャージ回路である。たとえば、画像データが階調0のみの時にプリチャージを行う設定、画像データが階調0、1のみの時にプリチャージを行う設定、階調0は必ずプリチャージし、階調1が所定以上連続して発生する場合にプリチャージする設定を行うことができる。
図67は、本発明のプリチャージ機能を有した電流出力方式のソースドライバIC(回路)14の一例を示す。図67では、6ビットの定電流出力回路の出力段にプリチャージ機能を搭載した場合を示している。図67において、一致回路671は、画像データD0〜D5に応じてデコードし、水平同期信号HDによるリセット機能を有するREN端子入力、ドットクロックCLK端子入力でプリチャージするかしないかを判定する。また、一致回路671はメモリを有しており、数Hあるいは数フィールド(フレーム)の画像データによるプリチャージ出力結果を保持している。保持結果にもとづき、プリチャージするか否かを判定し、プリチャージ制御する機能を有する。たとえば、階調0は必ずプリチャージし、階調1が6H(6水平走査期間)以上連続して発生する場合にプリチャージする設定を行うことができる。また、階調0、1は必ずプリチャージし、階調2が3F(3フレーム期間)以上連続して発生する場合にプリチャージする設定を行うことができる。
一致回路671の出力と、カウンタ回路651の出力とが、AND回路653でANDされ、一定期間黒レベル電圧Vpを出力するように構成されている。他の場合は、図52などで説明した電流出力段654からの出力電流がソース信号線18に印加される(ソース信号線18からプログラム電流Iwを吸収する)。他の構成は、図65、図66などと同等あるいは類似であるので説明を省略する。なお、図67ではプリチャージ電圧はA点に印加しているが、B点に印加してもよいことはいうまでもない(図66も参照のこと)。
以上のように、プリチャージ印加時間は、R、G、Bで異ならせたりすることも良好な結果が得られる。たとえば、Rのプリチャージ時間をG、Bのプリチャージ時間よりも長くするなどである。これば、有機ELなどでは、RGBの各材料で発光開始時間などが異なるからである。また、次にソース信号線18に印加する画像データにより、プリチャージ電圧PV印加時間を可変することによっても良好な結果が得られる。たとえば、完全黒表示の階調0では印加時間を長くし、階調4ではそれよりも短くするなどである。また、1H前の画像データと次に印加する画像データの差を考慮して、印加時間を設定することも良好な結果を得ることができる。たとえば、1H前にソース信号線に画素を白表示にする電流と書き込み、次の1Hに、画素に黒表示にする電流を書き込む時は、プリチャージ時間を長くする。黒表示の電流は微小であるからである。逆に、1H前にソース信号線に画素を黒表示にする電流と書き込み、次の1Hに、白素に黒表示にする電流を書き込む時は、プリチャージ時間を短くするか、もしくはプリチャージを停止する(行わない)。白表示の書き込み電流は大きいからである。
また、印加する画像データに応じてプリチャージ電圧を変化かえることも有効である。黒表示の書き込み電流は微小であり、白表示の書き込み電流は大きいからである。したがって、低階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を高く(Vddに対して。なお、画素TFT11aがPチャンネルの時)し、高階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を低く(画素TFT11aがPチャンネルの時)する。
プログラム電流オープン端子(PO端子)が“0”の時は、スイッチ481bがオフ状態となり、IL端子およびIH端子とソース信号線18とは切り離される(Iout端子が、ソース信号線18と接続されている)。したがって、プログラム電流Iwはソース信号線18には流れない。PO端子はプログラム電流Iwをソース信号線に印加している時は、“1”とし、スイッチ481bをオンして、プログラム電流Iwをソース信号線18に流す。
PO端子に“0”を印加し、スイッチ481bをオープンにする時は、表示領域のいずれの画素行も選択されていない時である。電流源484は入力データ(D0〜D5)に基づいて電流をたえず、ソース信号線18から引き込んでいる。この電流が選択された画素16のVdd端子からTFT11aを介してソース信号線18に流れ込む電流である。したがって、いずれの画素行も選択されていない時は、画素16からソース信号線18に電流が流れる経路がない。いずれの画素行も選択されていない時とは、任意の画素行が選択され、次の画素行が選択されるまでの間に発生する。なお、このようないずれの画素(画素行)も選択されず、ソース信号線18に流れ込む(流れ出す)経路がない状態を、全非選択期間と呼ぶ。
この状態で、IOUT端子がソース信号線18に接続されていると、オンしている単位電流源484(実際にはオンしているのはD0〜D5端子のデータにより制御されるスイッチ481であるが)に電流が流れる。そのため、ソース信号線18の寄生容量に充電された電荷が放電し、ソース信号線18の電位が、急激に低下する。
以上のように、ソース信号線18の電位が低下すると、本来ソース信号線18に書き込む電流により、元の電位まで回復するのに時間を要するようになってしまう。
この課題を解決するため、本発明は、全非選択期間に、PO端子に“0”を印加し、図66のスイッチ481bをオフとして、IOUT端子とソース信号線18とを切り離す。切り離すことにより、ソース信号線18から電流源484に電流が流れ込むことはなくなるから、全非選択期間にソース信号線18の電位変化は発生しない。以上のように、全非選択期間にPO端子を制御し、ソース信号線18から電流源を切り離すことにより、良好な電流書き込みを実施することができる。
また、画面に白表示領域(一定の輝度を有する領域)の面積(白面積)と、黒表示領域(所定以下の輝度の領域)の面積(黒面積)が混在し、白面積と黒面積の割合が一定の範囲の時、プリチャージを停止するという機能を付加することは有効である(適正プリチャージ)。この一定の範囲で、画像に縦筋が発生するからである。もちろん、逆に一定の範囲で、プリチャージするという場合もある。
また、画像が動いた時、画像がノイズ的になるからである。適正プリチャージは、演算回路で白面積と黒面積に該当する画素のデータをカウント(演算)することにより、容易に実現することができる。また、適正プリチャージは、R、G、Bで異ならせることも有効である。EL表示素子15は、R、G、Bで発光開始電圧、発光輝度が異なっているからである。たとえば、Rは、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:20以上でプリチャージを停止または開始し、GとBは、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:16以上でプリチャージを停止または開始するという構成である。なお、実験および検討結果によれば、有機ELパネルの場合、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:100以上(つまり、黒面積が白面積の100倍以上)でプリチャージを停止することが好ましい。さらには、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:200以上(つまり、黒面積が白面積の200倍以上)でプリチャージを停止することが好ましい。
プリチャージ電圧PVは、画素16の駆動TFT11aがPチャンネルの場合、Vdd(図1を参照)に近い電圧をソースドライバ回路(IC)14から出力する必要がある。しかし、このプリチャージ電圧PVがVddに近いほど、ドライバ回路(IC)14は高耐圧プロセスの半導体を使用する必要がある(高耐圧といっても、5(V)〜10(V)であるが、しかし、5(V)耐圧を超えると、半導体プロセス価格は高くなる点が課題である。したがって、5(V)耐圧のプロセスを採用することのより高精細、低価格のプロセスを使用することができる)。
画素16の駆動用TFT11aのダイオード特性が良好で白表示のオン電流が確保した時、5(V)以下であれば、ソースドライバIC14も5(V)プロセスを使用できるから問題は発生しない。しかし、ダイオード特性が5(V)を越えると時、問題となる。特に、プリチャージは、TFT11aのソース電圧Vddに近いプリチャージ電圧PVを印加する必要があるので、ソースドライバIC14から出力することができなくなる。
図260は、この課題を解決するパネル構成である。図260では、アレイ71側にスイッチ回路481を形成している。ソースドライバIC14からは、スイッチ481のオンオフ信号を出力する。このオンオフ信号は、アレイ71に形成されたレベルシフト回路2591で昇圧され、スイッチ481をオンオフ動作させる。なお、スイッチ481およびレベルシフト回路2591が画素のTFTを形成するプロセスで同時に、もしくは順次に、形成する。もちろん、外付け回路(IC)で別途形成し、アレイ71上に実装などしてもよい。
オンオフ信号は、先に説明したプリチャージ条件に基づいて、ソースドライバIC14の端子761aから出力される。したがって、プリチャージ電圧の印加、駆動方法は図260の実施例においても適用できることは言うまでもない。端子761aから出力される電圧(信号)は、5(V)以下と低い。この電圧(信号)がレベルシフタ回路2591でスイッチ481のオンオフロジックレベルまで振幅が大きくされる。
以上のように構成することにより、ソースドライバ回路(IC)14はプログラム電流Iwを駆動できる動作電圧範囲の電源電圧で十分になる。プリチャージ電圧PVは、動作電圧が高いアレイ基板71で課題はなくなる。したがって、プリチャージもVdd電圧まで十分印加できるようになる。
図66のスイッチ回路481aもソースドライバ回路(IC)14内に形成(配置)するとなると耐圧が問題となる。たとえば、画素16のVdd電圧が、ソースドライバIC14の電源電圧よりも高い場合、ソースドライバIC14の端子761にソースドライバIC14を破壊するような電圧が印加される危険があるからである。
この課題を解決する実施例が図259の構成である。アレイ基板71にスイッチ回路481を形成(配置)している。スイッチ回路481の構成などは図260で説明した構成、仕様などと同一または近似である。
図91、図92において、スイッチ481はソースドライバIC14の出力よりも先で、かつソース信号線18の途中に配置されている。スイッチ481がオンすることにより、画素16をプログラムする電流Iwがソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。スイッチ481がオフすることにより、ソースドライバ回路(IC)14はソース信号線18から切り離される。
図260と同様に端子761aから出力される電圧(信号)は、5(V)以下と低い。この電圧(信号)がレベルシフタ回路2591でスイッチ481のオンオフロジックレベルまで振幅が大きくされる。
以上のように構成することにより、ソースドライバ回路(IC)14はプログラム電流Iwを駆動できる動作電圧範囲の電源電圧で十分になる。また、スイッチ481もアレイ71の電源電圧で動作するため、画素16からVdd電圧がソース信号線18に印加されてもスイッチ481が破壊することはなく、また、ソースドライバ回路(IC)14が破壊されることもない。
なお、図259のソース信号線18の途中に配置(形成)されたスイッチ481とプリチャージ電圧PV印加用スイッチ481の双方をアレイ基板71に形成(配置)してもよいことは言うまでもない(図259+図260の構成)。
図223は図67に加えて、プリチャージ電圧を階調に応じて変化できるように構成した実施例である。図223では印加する画像データに応じてプリチャージ電圧を変化させることが容易に実現できる。プリチャージ電圧は画像データ(D3〜D0)によって、電子ボリウム451により変化させることができる。図223では、D3〜D0ビットは電子ボリウムに接続されていることから、低階調のプリチャージ電圧が変更できるようにしていることがわかる。これは、黒表示の書き込み電流は微小であり、白表示の書き込み電流は大きいからである。したがって、低階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を高くする。画素16の駆動用トランジスタ11aをPチャンネルとしているため、アノード電圧(Vdd)がもっと黒表示電圧である。高階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を低く(画素トランジスタ11aがPチャンネルの時)する。つまり、低階調表示では、電圧プログラム方式が実施され、高階調表示(白表示)では、電流プログラム方式が実施されていることになる。
図223のプリチャージ回路では、階調0のみをプリチャージするとか、階調0から階調7の範囲でプリチャージするとかを選択できる。また、各階調に対するプリチャージ電圧も電子ボリウム451で変更できる。他の構成は、図65、図66、図67と同様であるので説明を省略する。
ソース信号線18に印加する画像データにより、プリチャージ電圧PV印加時間を可変することによっても良好な結果が得られる。たとえば、完全黒表示の階調0では印加時間を長くし、階調4ではそれよりも短くするなどである。また、1H前の画像データと次に印加する画像データの差を考慮して、印加時間を設定することも良好な結果を得ることができる。たとえば、1H前にソース信号線に画素を白表示にする電流と書き込み、次の1Hに、画素に黒表示にする電流を書き込む時は、プリチャージ時間を長くする。黒表示の電流は微小であるからである。逆に、1H前にソース信号線に画素を黒表示にする電流と書き込み、次の1Hに、白素に黒表示にする電流を書き込む時は、プリチャージ時間を短くするか、もしくはプリチャージを停止する(行わない)。白表示の書き込み電流は大きいからである。
印加する画像データに応じてプリチャージ電圧を変化かえることも有効である。黒表示の書き込み電流は微小であり、白表示の書き込み電流は大きいからである。したがって、低階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を高く(Vddに対して。なお、画素トランジスタ11aがPチャンネルの時)し、高階調領域になるにしたがって、プリチャージ電圧を低く(画素トランジスタ11aがPチャンネルの時)するという制御方法も有効である。
以下、理解を容易にするため、図66を中心に説明する。なお、以下に説明する事項は図65、図67のプリチャージ回路にも適用できることは言うまでもない。
プログラム電流オープン端子(PO端子)が“0”の時は、スイッチ655がオフ状態となり、IL端子およびIH端子とソース信号線18とは切り離される(Iout端子が、ソース信号線18と接続されている)。したがって、プログラム電流Iwはソース信号線18には流れない。PO端子はプログラム電流Iwをソース信号線に印加している時は、“1”とし、スイッチ655をオンして、プログラム電流Iwをソース信号線18に流す。
PO端子に“0”を印加し、スイッチ655をオープンにする時は、表示領域のいずれの画素行も選択されていない時である。単位トランジスタ484は入力データ(D0〜D5)に基づいて電流をたえず、ソース信号線18から引き込んでいる。この電流が選択された画素16のVdd端子からトランジスタ11aを介してソース信号線18に流れ込む電流である。したがって、いずれの画素行も選択されていない時は、画素16からソース信号線18に電流が流れる経路がない。いずれの画素行も選択されていない時とは、任意の画素行が選択され、次の画素行が選択されるまでの間に発生する。なお、このようないずれの画素(画素行)も選択されず、ソース信号線18に流れ込む(流れ出す)経路がない状態を、全非選択期間と呼ぶ。
この状態で、出力端子681がソース信号線18に接続されていると、オンしている単位トランジスタ484(実際にはオンしているのはD0〜D5端子のデータにより制御されるスイッチ481であるが)に電流が流れる。そのため、ソース信号線18の寄生容量に充電された電荷が放電し、ソース信号線18の電位が、急激に低下する。以上のように、ソース信号線18の電位が低下すると、本来ソース信号線18に書き込む電流により、元の電位まで回復するのに時間を要するようになってしまう。
この課題を解決するため、本発明は、全非選択期間に、PO端子に“0”を印加し、図66のスイッチ655をオフとして、出力端子681とソース信号線18とを切り離す。切り離すことにより、ソース信号線18から単位トランジスタ484に電流が流れ込むことはなくなるから、全非選択期間にソース信号線18の電位変化は発生しない。以上のように、全非選択期間にPO端子を制御し、ソース信号線18から電流源を切り離すことにより、良好な電流書き込みを実施することができる。
また、画面に白表示領域(一定の輝度を有する領域)の面積(白面積)と、黒表示領域(所定以下の輝度の領域)の面積(黒面積)が混在し、白面積と黒面積の割合が一定の範囲の時、プリチャージを停止するという機能を付加することは有効である(適正プリチャージ)。この一定の範囲で、画像に縦筋が発生するからである。もちろん、逆に一定の範囲で、プリチャージするという場合もある。また、画像が動いた時、画像がノイズ的になるからである。適正プリチャージは、演算回路で白面積と黒面積に該当する画素のデータをカウント(演算)することにより、容易に実現することができる。
プリチャージ制御は、R、G、Bで異ならせることも有効である。EL表示素子15は、R、G、Bで発光開始電圧、発光輝度が異なっているからである。たとえば、Rは、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:20以上でプリチャージを停止または開始し、GとBは、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:16以上でプリチャージを停止または開始するという方法が例示される。なお、実験および検討結果によれば、有機ELパネルの場合、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:100以上(つまり、黒面積が白面積の100倍以上)でプリチャージを停止することが好ましい。さらには、所定輝度の白面積:所定輝度の黒面積の比が1:200以上(つまり、黒面積が白面積の200倍以上)でプリチャージを停止することが好ましい。
さらに、プリチャージについて説明をする。図232はプリチャージ回路の他の実施例である。図66の実施例との差異は、プリチャージイネーブル(PEN)とプリチャージセレクト(PSL)などによりプリチャージスイッチ481aが制御される点である。なお、制御スイッチをOPVとする。なお、電流出力段のスイッチ656はPO信号により制御される。
本発明のこの実施例では、プリチャージするかしないかは、画像データにより決定される。この制御として、PSL信号、PEN信号は重要な機能を発揮する。
以前にも説明をしたが、図235に図示するように、RGBの画像データ(RDATA、GDATA、BDATA)は各8ビットである。RGB各8ビットの画像データは、ガンマ回路834でガンマ変換されて、10ビット信号となる。ガンマ変換された信号は、フレームレートコントロール(FRC)回路835でFRC処理されて、6ビットの画像データに変換される。プリチャージ制御回路(PC)2351は、変換された6ビットの画像データからプリチャージ制御信号(プリチャージする時はHレベルとし、プリチャージしない時はLレベルとする)を発生させる。このプリチャージを発生させる方式については後に説明をする。
図236は、ソースドライバIC(回路)14のプリチャージ回路2363を中心とするブロック図である。プリチャージ回路2363とは、図66、図232、図233などの回路が該当する。プリチャージ制御回路2351によりプリチャージ制御信号PC信号(赤(RPC)、緑(GPC)、青(BPC))が出力される。このPC信号は図235に図示するコントロールIC81のプリチャージ制御回路2351により発生し、PC信号は、図236に図示するソースドライバIC14のセレクタ回路2362に入力される。
セレクタ回路2362は、メインクロックに同期して出力段に対応するラッチ回路2361に順次ラッチしていく。ラッチ回路2361はラッチ回路2361aとラッチ回路2361bの2段構成である。ラッチ回路2361bは水平走査クロック(1H)に同期してプリチャージ回路2363にデータを送出する。つまり、セレクタは、1画素行分の画像データおよびPCデータを順次ラッチしていき、水平走査クロック(1H)に同期して、ラッチ回路2361bでデータをストアする。
なお、図236では、ラッチ回路2361のR、G、BはRGBの画像データ6ビットのラッチ回路であり、Pはプリチャージ信号(RPC、GPC、BPC)の3ビットをラッチするラッチ回路である。
プリチャージ回路2363は、ラッチ回路2361bの出力がHレベルの時、スイッチ481aをオンさせ、ソース信号線18にプリチャージ電圧を出力する。電流出力回路654は画像データに応じて、プログラム電流をソース信号線18に出力する。
図235、図236の構成を概略的に図示すれば、図237の構成となる。なお、図237、図238は図228のように、1つの表示パネルに複数のソースドライバIC(回路)14を積載した構成(ソースドライバICのカソード接続)である。また、図237、図238のCSEL1、CSEL2はICチップのセレクト信号である。CSEL信号によりどちらにICチップを選択し、画像データおよびPC信号を入力するかを決定する。
図236、図237の構成では、各RGB画像データに対応して、PC信号を発生させている。プリチャージの印加は、以上のようにRGBごとに行うことが好ましい。しかし、動画表示、自然画表示では、RGBごとにプリチャージするかしないかを判断する必要がない場合が多い。つまり、RGBを輝度信号に変換し(換算し)、輝度によりプリチャージをするかしないかを判断してもよい。このようにしたのが、図238の構成である。図237の構成では、PC信号は3ビット必要である(RPC、GPC、BPC)が、図238の構成では、PC信号はRGBPCの1ビットでよい。したがって、図236のラッチ回路2361においても、Pは1ビットのラッチでよい。なお、以降の説明では、説明を容易にする点、作図を容易にする観点から、RGBを考慮せずに説明を行う。
以上の本発明の構成は、コントローラ81が画像データに基づいてPC信号(プリチャージ制御信号)を発生する点、ソースドライバIC14がPC信号をラッチし1Hの同期信号に同期してソース信号線18に印加する点に特徴がある。また、コントローラ81は図235に図示するように、プリチャージモード(PMODE)信号により、プリチャージ信号の発生を容易に変更することができる。たとえば、PMODEとは、階調0のみをプリチャージするモード、階調0−7など一定の階調範囲をプリチャージするモード、画像データが明るい画像データから暗い画像データに変化する時にプリチャージするモード、一定のフレームで連続して低階調表示となる時に、プリチャージするモードなどが例示される。
なお、1画素のデータについてプリチャージするかしないかを判断することに限定するものではない。たとえば、複数画素行の画像データにもとづいてプリチャージ判断をおこなってもよい。また、プリチャージを行う周辺画素の画像データを勘案して(たとえば、重み付け処理など)プリチャージ判断を行っても良い。また、動画と静止画でプリチャージ判断を変化する方法も例示される。以上事項は、画像データに基づき、コントローラがプリチャージ信号を発生することにより、良好な汎用性が発揮される点が重要である。以降、このプリチャージ判断とプリチャージモードを中心に説明をする。
なお、本発明において、プリチャージ駆動では、プリチャージ電圧を出力するとして説明をするが、これに限定するものではない。1水平走査期間よりも短く、プログラム電流よりも大きい電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。つまり、プリチャージ電流をソース信号線18に書込み、その後にプログラム電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。プリチャージ電流も物理的には電圧変化を引き起こしていることには差異はない。プリチャージをプリチャージ電流で行う方式も本発明のプリチャージ駆動の範疇である。たとえば、図223では電子ボリウム451を切り換えることによりプリチャージ電圧が変化する。この電子ボリウム451を電流出力の電子ボリウムに変更すればよい。変更は複数のカレントミラー回路を組み合わせることにより容易に実現できる。また、図232、図233にあっては、プリチャージ電圧Vpをカレントミラー回路からなる電流出力に変更すればよい。本発明では説明を容易にするため、プリチャージ駆動はプリチャージ電圧で行うとして説明をする。
また、プリチャージ電圧(電流)の印加は、一定のプリチャージ電圧(電流)を印加することに限定するものではない。たとえば、複数のプリチャージ電圧をソース信号線に印加してもよい。たとえば、第1のプリチャージ電圧5(V)を5(μsec)印加した後、第2のプリチャージ電圧4.5(V)を5(μsec)印加する方法である。その後に、プログラム電流Iwをソース信号線18に印加する。また、プリチャージ電圧を鋸波状に変化させたものでもよい。また、矩形波を印加してもよい。また、正規のプログラム電流(電圧)にプリチャージ電圧(電流)を重畳させてもよい。また、プリチャージ電圧(電流)の大きさ、プリチャージ電圧(電流)の印加期間は、画像データに対応させて変化させてもよい。
また、本発明は電流駆動方式において、プリチャージ電圧(電流)を印加するとして説明をするが、プリチャージ駆動は、電圧駆動方式でも効果を発揮する。電圧駆動方式では、EL素子15を駆動する駆動用トランジスタサイズが大きいため、ゲート容量が大きい。そのため、正規のプログラム電圧が書き込みにくいという課題がある。この課題に対して、プログラム電圧を印加する前に、プリチャージを実施することにより、駆動用トランジスタをリセット状態にすることができ、良好な書込みを実現できる。したがって、本発明のプリチャージ駆動方式は、電流プログラム駆動に限定されるものではない。本発明の実施例では、説明を容易にするために、電流プログラム駆動の画素構成(図1などを参照のこと)を例示して説明をする。
また、本発明の実施例において、プリチャージ駆動方式は、駆動用トランジスタ11aのみに作用するものではない。たとえば、図38の画素構成において、カレントミラー回路を構成するトランジスタ11aにも作用して効果を発揮する。本発明のプリチャージ駆動方式は、ソースドライバIC(回路)14からみたソース信号線18の寄生容量を充放電することを1つの目的としているが、当然のことながらソースドライバIC(回路)14内の寄生容量も充放電されることも目的としている。
また、プリチャージ電圧(電流)は、黒表示を良好にすることを1つの目的としているが、これに限定されるものではない。白表示を書込み易くする白書込みプリチャージ電圧(電流)を印加すれば、良好な白表示も実現できる。つまり、本発明のプリチャージ駆動とは、プログラム電流(プログラム電圧)を書き込む前に、前記プログラム電流(プログラム電圧)を書込み易くするための、所定の電圧(電流)を印加し、予備充電するものである。
また、本発明は、黒表示でプリチャージするとして説明をするが、これは、基本的には駆動用トランジスタ11aからソースドライバIC(回路)14に吸い込み電流で実施する場合である。駆動用トランジスタ11aなどがNチャンネルトランジスタの場合は、ソースドライバIC(回路)14からは吐き出し電流でプログラムすることになる。この場合は、白表示で書込みにくい画素構成の場合も発生する。したがって、本発明のプリチャージ駆動方法は、ソース信号線18などを所定電位に変化させるものであって、白表示でプリチャージするとか、黒表示でプリチャージするとかは実施形態にすぎない。したがって、これらに限定されるものではない。
プリチャージ電圧(電流)の印加タイミングは、プログラム電圧(電流)を書き込む画素行を選択した状態でプリチャージ電圧(電流)を書き込むことが好ましいが、これに限定するものではなく、画素行が非選択の状態で、ソース信号線18にプリチャージ電圧(電流)を印加して予備充電を行ない、その後、プログラム電流(電圧)を書き込む画素行を選択してもよい。
また、プリチャージ電圧は、ソース信号線18に印加するとしているが、他の方式も例示される。たとえば、アノード端子への印加電圧(Vdd)またはカソード端子への印加電圧(Vss)を変化させてもよい(プリチャージ電圧を印加)。アノード電圧またはカソード電圧を変化させることにより、駆動用トランジスタ11aの書込み能力が拡大される。したがって、プリチャージ効果が発揮される。特に、アノード電圧(Vdd)をパルス的に変化させる方式を実施する効果が高い。
図239の(a)は階調0のみをプリチャージした時の説明図である。階調0のみのプリチャージは階調飛びがなく、良好な黒表示を実現できるので好ましい方法である。図239において、行番号は、画素行の番号を示している。画素行は、第1画素行からn画素行まで順次画像データが書き換えられ、最終画素行nまで電流プログラムがされると、また、第1画素行から電流プログラムが開始される。
画像データは、64階調の画像データである。画像データは0から63の値をとる。当然ながら、256階調の時は、0から255までの値をとる。PSLはプリチャージセレクト信号であり、Hレベル(記号H)のとき、プリチャージ電圧の出力が許可させる。Lレベルの時は、プリチャージ電圧は出力されない。PENはプリチャージイネーブル信号である。このPENはコントローラ81の判断により出力される信号である。つまり、コントローラは画像データに基づいて、PEN信号をHまたはLレベルにする。PENがHレベルの時は、プリチャージをするという判断信号であり、Lレベルの時は、プリチャージしないという判断信号である。図239では、階調0の時にのみ、PEN信号はHレベルとなっている。P出力は、スイッチ481aのオンオフ状態である(図232、図233を参照のこと)。表では、○はスイッチ481aがオン状態(ソース信号線18にプリチャージ電圧Vpが印加された状態)である。×はスイッチ481aがオフ状態(ソース信号線18にプリチャージ電圧が印加されていない状態)である。
図239の(a)では、画素行番号3と画素行番号8に該当する箇所で、PEN信号がHとなっている。同時に画素行番号3と画素行番号8では、PSL信号もHレベルであるので、P出力は○(プリチャージ電圧Vpが出力された状態となっている。図239の(b)では、PEN信号は図239の(a)と同一であるが、PSL信号がLレベルである。したがって、P出力はたえず、×(プリチャージ電圧Vpが出力されていない)の状態となっている。基本的にはPEN信号もコントローラ81から出力される。しかし、PEN信号はユーザーが調整できるようにすることが好ましい。
また、プリチャージ電圧Vpが出力されている期間は、図232のカウンタ651で設定することができる。このカウンタはプログラマブルカウンタであり、コントローラからの設定値、あるいはユーザーの設定値に基づき動作する。カウンタ651はメインクロック(CLK)に同期して動作するように構成されている。
図240の(a)は階調0から階調7のみをプリチャージした時の説明図である。低階調領域のみにプリチャージする方法は、電流駆動が黒表示領域を書込みにくいという課題を解決する方策として有効である。なお、いずれの範囲までプリチャージするかはコントローラ81により設定できる。
図240では、階調0−7の時にのみ、PEN信号はHレベルとなっている。P出力は、スイッチ481aのオンオフ状態である(図232、図233などを参照のこと)。図240の(a)では、画素行番号3、5、6、7、11、12、13に該当する箇所で、画像データは7以下であるので、PEN信号がHとなっている。同時に以上の箇所で、PSL信号もHレベルであるので、P出力は○(プリチャージ電圧Vpが出力された状態)となっている。図240の(b)では、PSL信号がLレベルであるので、P出力はすべて×(プリチャージ電圧が印加されていない状態)となっている。
図241は画素16の輝度が低くなる時にプリチャージを実施する駆動方式の説明図である。電流プログラム方式では、画素16の輝度を高くするとき(白表示)のプログラム電流Iwが大きい。したがって、ソース信号線18に寄生容量があっても十分寄生容量を充放電することができる。しかし、画素16を黒表示にプログラムするときは、プログラム電流は小さくソース信号線18の寄生容量などを十分に充放電することができない。したがって、画素16に書き込むプログラム電流が大きくなる時は、プリチャージをする必要がない場合が多い。逆に画素16に書き込む電流が小さくなる時(黒表示となる時)はプリチャージする必要が発生する。
図241は画素16の輝度が低くなる時にプリチャージを実施する駆動方式の説明図である。第1画素行目の画像データが39である。したがって、ソース信号線18には、画素16を画像データ39に電流プログラムする電位が保持されている。第2画素行目の画像データは12である。したがって、ソース信号線18は画像データ12に対応する電位になるようにする必要がある。しかし、プログラム電流は階調39から階調12と小さくなる。そのため、ソース信号線18を十分に充放電できない状態が発生する場合がある。この課題に対応するため、プリチャージする(PEN信号はHレベルとなる)。画素行3、5、6、8、11、12、13、15においても同様の判定結果となる。
第3画素行目の画像データは0である。したがって、ソース信号線18には、画素16を画像データ0に電流プログラムする電位が保持されている。第4画素行目の画像データは21である。したがって、ソース信号線18は画像データ21に対応する電位になるようにする必要がある。プログラム電流は階調0から階調21と大きくなる。そのため、ソース信号線18を十分に充放電可能である。したがって、第4画素行ではプリチャージする必要はない。
以上の判断を、コントローラ81で実施する。実施の結果、図241の(a)に図示するように、PEN信号は、画素行2、3、5、6、8、11、12、13、15でHレベルとなる。つまり、前記画素行ではプリチャージするという結果となる。図241の(a)では、PSL信号もHレベルであるから、P出力の欄でわかるように、P出力は、画素行2、3、5、6、8、11、12、13、15で○(プリチャージする)ことになる。なお、他の画素行ではプリチャージは行われない。
図241の(b)では、PEN信号は図241の(a)と同一であるが、PSL信号がLレベルである。したがって、P出力はたえず、×(プリチャージ電圧Vpが出力されていない)の状態となっている。基本的にはPEN信号もコントローラ81から出力される。しかし、PEN信号はユーザーが調整できるようにすることが好ましい。
図242は、図240と図241のプリチャージ方法を組み合わせた方式である。画素16の輝度が低くなる時にプリチャージを実施し、かつ、画素16のプログラム電流が0−7階調の低輝度となる場合にプリチャージする方法である。どの階調以下でプリチャージするか否かは、コントローラIC81の設定値で変更可能である。また、ユーザーが変更することも可能である。変更は、コントローラ内部のテーブルにマイコンからシリアルインターフェースを介して行う。
画像データは図241の実施例と同一である。しかし、図242では、第2画素行では画像データが12であり、第15画素行では、画像データが12であるため、PEN信号はLレベルの判定結果となっている。先にも説明したように、一定以上のプログラム電流Iwの大きさがあれば、ソース信号線18の寄生容量を充放電できる。したがって、プリチャージする必要はない。逆にプリチャージするとソース信号線18の電位が黒表示電位まで変化し、中間調表示の電位に復帰するのに時間を要する。
以上の判断を、コントローラ81で実施する。実施の結果、図242の(a)に図示するように、PEN信号は、画素行3、5、6、8、11、12、13でHレベルとなる。つまり、前記画素行ではプリチャージするという結果となる。図242の(a)では、PSL信号もHレベルであるから、P出力の欄でわかるように、P出力は、画素行3、5、6、8、11、12、13で○(プリチャージする)ことになる。なお、他の画素行ではプリチャージは行われない。図242の(b)では、PEN信号は図242の(a)と同一であるが、PSL信号がLレベルである。したがって、P出力はたえず、×(プリチャージ電圧Vpが出力されていない)の状態となっている。
以上の実施例は、各RGBのプリチャージについて説明をしていないが、図243のように各RGBでプリチャージ判定を行うことが好ましいことは言うまでもない。各RGBで画像データがことなっているからである。特に、図41、図125、図126のように、列方向に各RGB画素が配置される場合に良好な結果が得られる。各ソース信号線には連続して同一色の画素データが印加されるからである。
図243は、図240と同様に階調0−7の範囲でプリチャージを実施する駆動方法である。各RGBでのプリチャージの判断をコントローラ81で実施する。実施の結果、図243に図示するように、R画像データでは、PEN信号は、画素行3、5、6、7、8、11、12、13でHレベルとなる。つまり、前記画素行ではプリチャージするという結果となる。G画像データでは、PEN信号は、画素行3、7、9、11、12、13、14でHレベルとなる。つまり、前記画素行ではプリチャージするという結果となる。B画像データでは、PEN信号は、画素行1、2、3、6、7、8、9、15でHレベルとなる。つまり、前記画素行ではプリチャージするという結果となる。
以上の実施例では、画素行に対応してプリチャージをするか否かを判断した。しかし、本発明はこれに限定するものではない。フレーム(フィールド)単位で各画素に印加される画像データの大きさ、変化などを判定し、プリチャージするか否かを判断してもよいことは言うまでもない。図244はその実施例である。
図244はある画素16に着目した画像データの変化を示している。図244の表の第1行目はフレーム番号を示している。表の2行目はある画素16にプログラムされる画像データの変化を示している。また、図244は、図239と同様に階調0でプリチャージする駆動方式の変形例である。図239では、階調0で必ずプリチャージする方法であった。図244では、階調0が一定フレーム連続する時にプリチャージする方法である。連続は、カウンタで示す。
図244の(a)では、フレーム3、4、5、6、11、12で階調0である。そのため、カウント値は、第3フレームから第6フレームまで順次カウントされる。また、フレーム11、12でカウントされる。図244の(a)では、階調0が3フレーム連続する時に、プリチャージを実施するように制御されている。したがって、フレーム5、6でP出力が○(プリチャージ電圧が出力される)となる。フレーム11、12では2フレームしか階調0が連続しないため、プリチャージはされない。
図244の(b)では、PSL信号によりカウント制御を実施している。PSL信号がHレベルの時に、カウント値はアップされる。図244の(b)では、フレーム5、12でPSL信号がLレベルため、カウントアップされない。そのため、プリチャージ電圧は、フレーム6でしか出力されない。
なお、図244では階調0が一定フレーム連続する時にプリチャージするとしたが、本発明はこれに限定するものではなく、図240で説明したように、一定の階調範囲(たとえば、階調0−7)が連続する時にプリチャージするように制御してもよい。また、連続したフレームに限定するものではなく、離散的であってもよい。また、連続した画素行で一定の階調範囲(たとえば、階調0のみ、階調0−7など)が連続する時にプリチャージするように制御してもよい。
以上のように本発明のプリチャージ駆動方式では、画像データの値あるいは画像データの変化状態あるいはプリチャージする画素の近傍の画像データ値とその変化などにより、プリチャージするか否かを判定し、プリチャージ電圧(電流)を印加する。また、プリチャージを印加するか否かの情報は、ソースドライバIC(回路)に保持される。したがって、ソースドライバIC(回路)14はプリチャージ信号をラッチするラッチ回路2361(保持回路あるいは記憶手段(メモリ))を具備するだけであるから構成は容易である。また、いずれのプリチャージ方式でもコントローラICのプログラムを変更するだけで対応できるため汎用性がある。
図232では、スイッチ481aをオンオフすることにより、端子681からプリチャージ電圧Vpを出力し、スイッチ655はPO信号によりオンオフすることにより、プログラム電流Iwを端子681からソース信号線18に印加する。しかし、図232の構成では、スイッチ481aが閉じ、プリチャージ電圧Vpが端子681に印加された時には、電流出力回路654(単位トランジスタ群521c)にもプリチャージ電圧Vpが印加される。電流出力回路654にプリチャージ電圧が印加されると電流出力回路654に異状動作が発生する場合がある。
この課題に対しては、図233に図示するように、スイッチ655を電流出力回路654とA点との間に配置し、OPV信号をインバータ62でロジック反転してスイッチ656を制御するように構成する。つまり、スイッチ481aが閉じている時は、スイッチ656は開く(オープン)状態となるようにする。このように構成することにより、端子681にプリチャージ電圧Vpが印加されている時は、スイッチ655は開いているために、電流出力回路654にはプリチャージ電圧は印加されない。このタイミングチャートを図234の(a)に図示する。図234の(a)において、OPV信号がHになっている期間tには、PO信号はLとなっている。さらに好ましくは、スイッチ481aが閉じている期間の前後には、スイッチ655がオフ(開いている)になっていることが好ましい。つまり、図234の(b)に図示するように、OPV信号がHになっている期間の前後を含めたt2の期間の間PO信号がLレベルにする。スイッチ481aのオンオフによる過渡現象の悪影響を防止するためである。
図1のように画素16の駆動用トランジスタ11a、選択トランジスタ(11b、11c)がPチャンネルトランジスタの場合は、突き抜け電圧が発生する。これは、ゲート信号線17aの電位変動が、選択トランジスタ(11b、11c)のG−S容量(寄生容量)を介して、コンデンサ19の端子に突き抜けるためである。Pチャンネルトランジスタ11bがオフするときにはVgh電圧となる。そのため、コンデンサ19の端子電圧がVdd側に少しシフトする。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子電圧は上昇し、より黒表示となる。したがって、良好な黒表示を実現できる。
しかし、第0階調目の完全黒表示は実現できるが、第1階調などは表示しにくいことになる。もしくは、第0階調から第1階調まで大きく階調飛びが発生したり、特定の階調範囲で黒つぶれが発生したりする。
この課題を解決する構成が、図54の構成である。出力電流値を嵩上げする機能を有することを特徴としている。嵩上げ回路541の主たる目的は、突き抜け電圧の補償である。また、画像データが黒レベル0であっても、ある程度(数10nA)電流が流れるようにし、黒レベルの調整にも用いることができる。
基本的には、図54は、図48の出力段に嵩上げ回路(図54の点線で囲まれた部分)を追加したものである。図54は、電流値嵩上げ制御信号として3ビット(K0、K1、K2)を仮定したものであり、この3ビットの制御信号により、孫電流源の電流値の0〜7倍の電流値を出力電流に加算することが可能である。
以上が本発明のソースドライバIC(回路)14の基本的な概要である。以後、さらに詳細に本発明のソースドライバIC(回路)14についてさらに詳しく説明をする。
EL素子15に流す電流I(A)と発光輝度B(nt)とは線形の関係がある。つまり、EL素子15に流す電流I(A)と発光輝度B(nt)とは比例する。電流駆動方式では、1ステップ(階調刻み)は、電流(単位トランジスタ484(1単位))である。
人間の輝度に対する視覚は2乗特性をもっている。つまり、2乗の曲線で変化する時、明るさは直線的に変化しているように認識される。しかし、図83の関係であると、低輝度領域でも高輝度領域でも、EL素子15に流す電流I(A)と発光輝度B(nt)とは比例する。したがって、1ステップ(1階調)きざみづつ変化させると、低階調部(黒領域)では、1ステップに対する輝度変化が大きい(黒飛びが発生する)。高階調部(白領域)は、ほぼ2乗カーブの直線領域と一致するので、1ステップに対する輝度変化は等間隔で変化しているように認識される。以上のことから、電流駆動方式(1ステップが電流きざみの場合)において(電流駆動方式のソースドライバIC(回路)14において)、黒表示領域の表示が特に課題となる。
この課題に対して、低階調領域(階調0(完全黒表示)から階調(R1))の電流出力の傾きを小さくし、高階調領域(階調(R1)から最大階調(R))の電流出力の傾きを大きくする。つまり、低階調領域では、1階調あたりに(1ステップ)増加する電流量と小さくする。高階調領域では、1階調あたりに(1ステップ)増加する電流量と大きくする。高階調領域と低階調領域で1ステップあたりに変化する電流量を異ならせることにより、階調特性が2乗カーブに近くなり、低階調領域での黒飛びの発生はない。
なお、以上の実施例では、低階調領域と高階調領域の2段階の電流傾きとしたが、これに限定するものではない。3段階以上であっても良いことは言うまでもない。しかし、2段階の場合は回路構成が簡単になるので好ましいことは言うまでもない。好ましくは、5段階以上の傾きを発生できるようにガンマ回路は構成することが望ましい。
本発明の技術的思想は、電流駆動方式のソースドライバIC(回路)などにおいて(基本的には電流出力で階調表示を行う回路である。したがって、表示パネルがアクティブマトリックス型に限定されるものではなく、単純マトリックス型も含まれる。)、1階調ステップあたりの電流増加量が複数存在させることである。
ELなどの電流駆動型の表示パネルは、印加される電流量に比例して表示輝度が変化する。したがって、本発明のソースドライバIC(回路)14では、1つの電流源(1単位トランジスタ)484に流れるもととなる基準電流を調整することにより、容易に表示パネルの輝度を調整することができる。
EL表示パネルでは、R、G、Bで発光効率が異なり、また、NTSC基準に対する色純度がずれている。したがって、ホワイトバランスを最適にするためにはRGBの比率を適正に調整する必要がある。調整は、RGBのそれぞれの基準電流を調整することにより行う。たとえば、Rの基準電流を2μAにし、Gの基準電流を1.5μAにし、Bの基準電流を3.5μAにする。以上のように少なくとも複数の表示色の基準電流のうち、少なくとも1色の基準電流は変更あるいは調整あるいは制御できるように構成することが好ましい。
電流駆動方式は、ELに流す電流Iと輝度の関係は直線の関係がある。したがって、RGBの混合によるホワイトバランスの調整は、所定の輝度の一点でRGBの基準電流を調整するだけでよい。つまり、所定の輝度の一点でRGBの基準電流を調整し、ホワイトバランスを調整すれば、基本的には全階調にわたりホワイトバランスがとれている。したがって、本発明はRGBの基準電流を調整できる調整手段を具備する点、1点折れまたは多点折れガンマカーブ発生回路(発生手段)を具備する点に特徴がある。以上の事項は電流制御のEL表示パネルに特有の回路方式である。
本発明のガンマ回路では、一例として低階調領域で1階調あたり10nA増加(低階調領域でのガンマカーブの傾き)にする。また、高階調領域で1階調あたり50nA増加(高階調領域でのガンマカーブの傾き)する。
なお、高階調領域で1階調あたり電流増加量/低階調領域で1階調あたり電流増加量をガンマ電流比率と呼ぶ。この実施例では、ガンマ電流比率は、50nA/10nA=5である。RGBのガンマ電流比率は同一にする。つまり、RGBでは、ガンマ電流比率を同一にした状態でEL素子15に流れる電流(=プログラム電流)を制御する。
このようにガンマ電流比率をRGBで同一に維持したまま調整すると回路構成は容易になる。各色に、低階調部に印加する基準電流を発生する定電流回路と、高階調部に印加する基準電流を発生する定電流回路とを作製し、これらを相対的に流す電流を調整するボリウムを作製(配置)すればよいからである。
図56は低電流領域の定電流発生回路部の構成図である。また、図57は高電流領域の定電流回路部および嵩上げ電流回路部の構成図である。図56に図示するように低電流源回路部は基準電流INLが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データL0〜L4により、単位トランジスタ484が必要個数動作し、その総和として低電流部のプログラム電流IwLが流れる。
また、図57に図示するように高電流源回路部は基準電流INHが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データH0〜L5により、単位トランジスタ484が必要個数動作し、その総和として低電流部のプログラム電流IwHが流れる。
嵩上げ電流回路部も同様であって、図57に図示するように基準電流INHが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データAK0〜AK2により、単位トランジスタ484が必要個数動作し、その総和として嵩上げ電流に対応する電流IwKが流れる
ソース信号線18に流れるプログラム電流IwはIw=IwH+IwL+IwKである。IwHとIwLの比率、つまりガンマ電流比率は、先にも説明した第1の関係を満足させるようにする。
図56、図57に図示するようにオンオフスイッチ481は、インバータ562とPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタからなるアナログスイッチ561から構成される。このようにスイッチ481を、インバータ562とPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタからなるアナログスイッチ561から構成することにより、オン抵抗を低下することができ、単位トランジスタ484とソース信号線18間の電圧降下が極めて小さくすることができる。このことは本発明の他の実施例においても適用されることは言うまでもない。
図56の低電流回路部と図57の高電流回路部の動作について説明をする。本発明のソースドライバIC(回路)14は、低電流回路部L0〜L4の5ビットで構成され、高電流回路部H0〜H5の6ビットで構成される。なお、回路の外部から入力されるデータはD0〜D5の6ビット(各色64階調)である。この6ビットデータをL0〜L4の5ビット、高電流回路部H0〜H5の6ビットに変換してソース信号線に画像データに対応するプログラム電流Iwを印加する。つまり、入力6ビットデータを、5+6=11ビットデータに変換をしている。したがって、高精度のガンマカーブを形成できる。
以上のように、入力6ビットデータを、5+6=11ビットデータに変換をしている。本発明では、高電流領域の回路のビット数(H)は、入力データ(D)のビット数と同一にし、低電流領域の回路のビット数(L)は、入力データ(D)のビット数−1としている。なお、低電流領域の回路のビット数(L)は、入力データ(D)のビット数−2としてもよい。このように構成することにより、低電流領域のガンマカーブと、高電流領域のガンマカーブとが、EL表示パネルの画像表示に最適になる。
電流駆動方式は、ELに流す電流Iと輝度の関係は直線の関係がある。したがって、RGBの混合によるホワイトバランスの調整は、所定の輝度の一点でRGBの基準電流を調整するだけでよい。つまり、所定の輝度の一点でRGBの基準電流を調整し、ホワイトバランスを調整すれば、基本的には全階調にわたりホワイトバランスがとれている。この点も本発明の電流駆動方式の特徴ある効果である。
図247などのように折れ線(折れ曲がり位置を有する)のガンマカーブの場合は、少し注意が必要である。まず、RGBのホワイトバランスを取るためには、ガンマカーブの折れ曲がり位置(階調R1)をRGBで同一にする必要がある。同一にすることにより、電流駆動方式では、ガンマカーブの相対的な関係をRGBで同一にできる。また、低階調領域の傾きと高階調領域の傾きとの比率をRGBで、一定にする必要がある。一定にすることにより、電流駆動方式では、ガンマカーブの相対的な関係をRGBで同一にできる。
たとえば、低階調領域で1階調あたり10nA増加(低階調領域でのガンマカーブの傾き)し、高階調領域で1階調あたり50nA増加(高階調領域でのガンマカーブの傾き)する。なお、高階調領域で1階調あたり電流増加量/低階調領域で1階調あたり電流増加量をガンマ電流比率と呼ぶ。この実施例では、ガンマ電流比率は、50nA/10nA=5である。RGBでは、ガンマ電流比率を同一にした状態でEL素子15に流れる電流を調整するように構成する。
図248ではそのガンマカーブの例である。図248の(a)では、低階調部と高階調部とも1階調あたりの電流増加が大きい。図248の(b)では、低階調部と高階調部とも1階調あたりの電流増加は図248の(a)に比較して小さい。ただし、図248の(a)、図248の(b)ともガンマ電流比率は同一にしている。このようにガンマ電流比率を、RGBで同一に維持したまま調整することは、各色に、低階調部に印加する基準電流を発生する定電流回路と、高階調部に印加する基準電流を発生する定電流回路とを作製し、これらを相対的に流す電流を調整するボリウムを作製(配置)すればよいからである。
図245はガンマ電流比率を維持したまま、出力電流を可変する回路構成である。電流制御回路692で低電流領域の基準電流源691Lと高電流領域の基準電流源691Hとのガンマ電流比率を維持したまま、電流源473L、473Hに流れる電流を変化させる。
また、図246に図示するように、ICチップ(回路)14内に形成した温度検出回路701で相対的な表示パネルの温度を検出することが好ましい。EL素子は、RGBを構成する材料により温度特性が異なるからである。この温度の検出は、バイポーラトランジスタの接合部の状態が温度により変化し、出力電流が温度により変化することを利用する。この検出した温度を各色に配置(形成)した温度制御回路702にフィードバックし、電流制御回路692により温度補償を行う。
なお、ガンマ比率は、3以上10以下の関係にすることが適切である。さらに好ましくは、4以上8以下の関係にすることが適切である。特にガンマ電流比率は5以上7以下の関係を満足させることが好ましい。これを第1の関係と呼ぶ。
また、低階調部と高階調部との変化ポイント(図247の階調R1)は、最大階調数Kの1/32以上1/4以下に設定するのが適切である。たとえば、最大階調数Kが6ビットの64階調とすれば、64/32=2階調番目以上、64/4=16階調番目以下にする。さらに好ましくは、低階調部と高階調部との変化ポイント(図247の階調R1)は、最大階調数Kの1/16以上1/4以下に設定するのが適切である。たとえば、最大階調数Kが6ビットの64階調とすれば、4816=4階調番目以上、64/4=16階調番目以下にする。さらに好ましくは、最大階調数Kの1/10以上1/5以下に設定するのが適切である。なお、計算により小数点以下が発生する場合は切り捨てる。たとえば、最大階調数Kが6ビットの64階調とすれば、4810=6階調番目以上、64/5=12階調番目以下にする。以上の関係を第2の関係と呼ぶ。
なお、以上の説明は、2つの電流領域のガンマ電流比率の関係である。しかし、以上の第2の関係は、3つ以上の電流領域のガンマ電流比率がある(つまり、折れ曲がり点が2箇所以上ある)場合にも適用される。つまり、3つ以上の傾きに対し、任意の2つの傾きに対する関係に適用すればよい。
以上の第1の関係と第2の関係の両方を同時に満足させることにより、黒飛びがなく良好な画像表示を実現できる。
図250は、本発明の電流駆動方式のソースドライバ回路(IC)14を1つの表示パネルに複数個用いた実施例である。本発明のソースドライバICは複数のソースドライバIC14を用いることを想定した、スレーブ/マスター(S/M)端子2502を具備している。S/M端子2502をHレベルにすることによりマスターチップとして動作し、基準電流出力端子(図示せず)から、基準電流を出力する。この電流がスレーブのソースドライバIC14(14a、14c)の図56、図57のINL、INH端子に流れる電流となる。S/M端子2502をLレベルにすることによりソースドライバIC14はスレーブチップとして動作し、基準電流入力端子(図示せず)から、マスターチップの基準電流を受け取る。
基準電流入力端子、基準電流出力端子間で受け渡される基準電流は、各色の低階調領域と高階調領域の2系統である。なお、基準電流は基準電流受け渡し配線2501で行う。したがって、RGBの3色では、3×2で6系統となる。なお、上記の実施例では、各色2系統としたがこれに限定するものではなく、各色3系統以上であっても良い。
本発明の電流駆動方式では、図249に図示するように、折れ曲がり点(階調R1など)を変更できるように構成している。図249の(a)では、階調R1で低階調部と高階調部とを変化させ、図249の(b)では、階調R2で低階調部と高階調部とを変化させている。このように、折れ曲がり位置を複数箇所で変化できるようにしている。
具体的には、本発明では64階調表示を実現できる。折れ曲がり点(R1)は、なし、2階調目、4階調目、8階調目、16階調目としている。なお、完全黒表示を階調0としているため、折れ曲がり点は2、4、8、16となるのであって、完全に黒表示の階調を階調1とするのであれば、折れ曲がり点は、3、5、9、17、33となる。以上のように、折れ曲がり位置を2の倍数の箇所(もしくは、2の倍数+1の箇所:完全黒表示を階調1とした場合)でできるように構成することにより、回路構成が容易になるという効果が発生する。
図56は低電流領域の電流源回路部の構成図である。また、図57は高電流領域の電流源部および嵩上げ電流回路部の構成図である。図56に図示するように低電流源回路部は基準電流INLが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データL0〜L4により、電流源484が必要個数動作し、その総和として低電流部のプログラム電流IwLが流れる。
また、図57に図示するように高電流源回路部は基準電流INHが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データH0〜L5により、電流源484が必要個数動作し、その総和として高電流部のプログラム電流IwHが流れる。
嵩上げ電流回路部も同様であって、図57に図示するように基準電流INHが印加され、基本的にはこの電流が単位電流となり、入力データAK0〜AK2により、電流源484が必要個数動作し、その総和として嵩上げ電流に対応する電流IwKが流れる。
ソース信号線18に流れるプログラム電流IwはIw=IwH+IwL+IwKである。なお、IwHとIwLの比率、つまりガンマ電流比率は、先にも説明した第1の関係を満足させるようにする。
なお、図56、図57に図示するようにオンオフスイッチ481は、インバータ562とPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタからなるアナログスイッチ561から構成される。このようにスイッチ481を、インバータ562とPチャンネルトランジスタとNチャンネルトランジスタからなるアナログスイッチ561から構成することにより、オン抵抗を低下することができ、電流源484とソース信号線18間の電圧降下が極めて小さくすることができる。
図56の低電流回路部と図57の高電流回路部の動作について説明をする。本発明のソースドライバ回路(IC)14は、低電流回路部L0〜L4の5ビットで構成され、高電流回路部H0〜H5の6ビットで構成される。なお、回路の外部から入力されるデータはD0〜D5の6ビット(各色64階調)である。この6ビットデータをL0〜L4の5ビット、高電流回路部H0〜H5の6ビットに変換してソース信号線に画像データに対応するプログラム電流Iwを印加する。つまり、入力6ビットデータを、5+6=11ビットデータに変換をしている。したがって、高精度のガンマカーブを形成できる。
以上のように、入力6ビットデータを、5+6=11ビットデータに変換をしている。本発明では、高電流領域の回路のビット数(H)は、入力データ(D)のビット数と同一にし、低電流領域の回路のビット数(L)は、入力データ(D)のビット数−1としている。なお、低電流領域の回路のビット数(L)は、入力データ(D)のビット数−2としてもよい。このように構成することにより、低電流領域のガンマカーブと、高電流領域のガンマカーブとが、EL表示パネルの画像表示に最適になる。
以下、低電流領域の回路制御データ(L0〜L4)と高電流領域の回路制御データ(H0〜H4)との制御方法について、図252から図254を参照しながら説明をする。
本発明は図56の図56のL4端子に接続された、電流源484aの動作に特徴がある。この484aは1単位の電流源となる1つのトランジスタで構成されている。このトランジスタをオンオフさせることにより、プログラム電流Iwの制御(オンオフ制御)が容易になる。
図252は、低電流領域と高電流領域を階調4で切り替える場合の低電流側信号線(L)と高電流側信号線(H)との印加信号である。なお、図252から図254において、階調0から18まで図示しているが、実際は63階調目まである。したがって、各図面において階調18以上は省略している。また、表の“1”の時にスイッチ481がオンし、該当電流源484とソース信号線18とが接続され、表の“0”の時にスイッチ481がオフするとしている。なお、63階調目に限定するものではなく、255階調あるいはそれ以上であってもよい。
図252において、完全黒表示の階調0の場合は、(L0〜L4)=(0、0、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、すべてのスイッチ481はオフ状態であり、ソース信号線18にはプログラム電流Iw=0である。
階調1では、(L0〜L4)=(1、0、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の1つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調2では、(L0〜L4)=(0、1、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の2つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調3では、(L0〜L4)=(1、1、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の2つのスイッチ481La、481Lbがオンし、3つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調4では、(L0〜L4)=(1、2681)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の3つのスイッチ481La、481Lb、481Leがオンし、4つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調5以上では、低電流領域(L0〜L4)=(1、2681)は変化がない。しかし、高電流領域において、階調5では(H0〜H5)=(1、0、0、0、0)であり、スイッチ481Haがオンし、高電流領域の1つの単位電流源481がソース信号線18と接続されている。また、階調6では(H0〜H5)=(0、1、0、0、0)であり、スイッチ481Hbがオンし、高電流領域の2つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。同様に、階調7では(H0〜H5)=(1、1、0、0、0)であり、2つのスイッチ481Haスイッチ481Hbがオンし、高電流領域の3つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。さらに、階調8では(H0〜H5)=(0、0、1、0、0)であり、1つのスイッチ481Hcがオンし、高電流領域の4つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。以後、図252のように順次スイッチ481がオンオフし、プログラム電流Iwがソース信号線18に印加される。
以上の動作で特徴的なのは、折れ曲がり点での動作である。ただし、折れ曲がり点は低電流領域と高電流領域の切り換わり点であり、正確には、プログラム電流Iwとしては、高電流領域の階調の場合、低電流IwLが加算されているので、切換り点という表現は正しくない。つまり、高階調部の階調では、低階調部の電流に加算されて、高階調部のステップ(階調)に応じた電流がプログラム電流Iwとなっているのである。1ステップの階調(電流が変化する点あるいはポイントもしくは位置というべきであろう)を境として、低電流領域の制御ビット(L)が変化しない点である。また、この時、図56のL4端子に“1”となり、スイッチ481eがオンし、トランジスタ484aに電流が流れている点である。
したがって、図252の階調4では低階調部の単位トランジスタ(電流源)484が4個動作している。そして、階調5では、低階調部の単位トランジスタ(電流源)484が4個動作し、かつ高階調部のトランジスタ(電流源)484が1個動作している。以後同様に、階調6では、低階調部の単位トランジスタ(電流源)484が4個動作し、かつ高階調部のトランジスタ(電流源)484が2個動作する。したがって、折れ曲がりポイントである階調5以上では、折れ曲がりポイント以下の低階調領域の電流源484が階調分(この場合、4個)オンし、これに加えて、順次、高階調部の電流源484が階調に応じた個数順次オンしていく。
したがって、図56におけるL4端子のトランジスタ484aの1個は有用に作用していることがわかる。このトランジスタ484aがないと、階調3の次に、高階調部のトランジスタ484が1個オンする動作になる。そのため、切り替わりポイントが4、8、16というように2の乗数にならない。2の乗数は1信号にみが“1”となった状態である。
したがって、2の重み付けの信号ラインが“1”となったという条件判定がやりやすい。そのため、条件判定のハード規模が小さくすることができる。つまり、ICチップの論理回路が簡略化し、結果としてチップ面積小さいICを設計できるのである(低コスト化が可能である)。
図253は、低電流領域と高電流領域を階調8で切り替える場合の低電流側信号線(L)と高電流側信号線(H)との印加信号の説明図である。
図253において、完全黒表示の階調0の場合は、図252と同様であり、(L0〜L4)=(0、0、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、すべてのスイッチ481はオフ状態であり、ソース信号線18にはプログラム電流Iw=0である。
同様に階調1では、(L0〜L4)=(1、0、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の1つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調2では、(L0〜L4)=(0、1、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の2つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調3では、(L0〜L4)=(1、1、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の2つのスイッチ481La、481Lbがオンし、3つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
以下も同様に、階調4では、(L0〜L4)=(0、0、1、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。また、階調5では、(L0〜L4)=(1、0、1、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。階調6では、(L0〜L4)=(0、1、1、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。また、階調7では、(L0〜L4)=(1、1、1、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。
階調8が切り替わりポイント(折れ曲がり位置)である。階調8では、(L0〜L4)=(1、1、1、0、1)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の4つのスイッチ481La、481Lb、481Lc、481Leがオンし、8つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調8以上では、低電流領域(L0〜L4)=(1、1、1、0、1)は変化がない。しかし、高電流領域において、階調9では(H0〜H5)=(1、0、0、0、0)であり、スイッチ481Haがオンし、高電流領域の1つの単位電流源481がソース信号線18と接続されている。
以下、同様に、階調ステップに応じて、高電流領域のトランジスタ484の個数が1個ずつ増加する。つまり、階調10では(H0〜H5)=(0、1、0、0、0)であり、スイッチ481Hbがオンし、高電流領域の2つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。同様に、階調11では(H0〜H5)=(1、1、0、0、0)であり、2つのスイッチ481Haスイッチ481Hbがオンし、高電流領域の3つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。さらに、階調12では(H0〜H5)=(0、0、1、0、0)であり、1つのスイッチ481Hcがオンし、高電流領域の4つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。以後、図252のように順次スイッチ481がオンオフし、プログラム電流Iwがソース信号線18に印加される。
図254は、低電流領域と高電流領域を階調16で切り替える場合の低電流側信号線(L)と高電流側信号線(H)との印加信号の説明図である。この場合も図252、図253と基本的な動作は同じである。
つまり、図254において、完全黒表示の階調0の場合は、図253と同様であり、(L0〜L4)=(0、0、0、0、0)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、すべてのスイッチ481はオフ状態であり、ソース信号線18にはプログラム電流Iw=0である。同様に階調1から階調16までは、高階調領域の(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の1つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。つまり、低階調領域の(L0〜L4)のみが変化する。
つまり、階調1では、(L0〜L4)=(1、0、0、0、0)であり、階調2では、(L0〜L4)=(0、1、0、0、0)であり、階調3では、(L0〜L4)=(1、1、0、0、0)であり、階調2では、(L0〜L4)=(0、0、1、0、0)である。以下階調16まで順次カウントされる。つまり、階調15では、(L0〜L4)=(1、1、1、1、0)であり、階調16では、(L0〜L4)=(1、1、1、1、1)である。階調16では、階調を示すD0〜D5の5ビット目(D4)のみが1本オンするため、データD0〜D5の表現している内容が16であるということが、1データ信号線(D4)の判定で決定できる。したがって、論理回路のハード規模が小さくすることができる。
階調16が切り替わりポイント(折れ曲がり位置)である(もしくは階調17が切り替わりポイントというべきであるかもしれないが)。階調16では、(L0〜L4)=(1、1、1、1、1)であり、(H0〜H5)=(0、0、0、0、0)である。したがって、低電流領域の4つのスイッチ481La、481Lb、481Lc、481d、481Leがオンし、16つの単位電流源484がソース信号線18に接続されている。高電流領域の単位電流源はソース信号線18には接続されていない。
階調16以上では、低電流領域(L0〜L4)=(1、1、1、0、1)は変化がない。しかし、高電流領域において、階調17では(H0〜H5)=(1、0、0、0、0)であり、スイッチ481Haがオンし、高電流領域の1つの単位電流源481がソース信号線18と接続されている。以下、同様に、階調ステップに応じて、高電流領域のトランジスタ484の個数が1個ずつ増加する。つまり、階調18では(H0〜H5)=(0、1、0、0、0)であり、スイッチ481Hbがオンし、高電流領域の2つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。同様に、階調19では(H0〜H5)=(1、1、0、0、0)であり、2つのスイッチ481Haスイッチ481Hbがオンし、高電流領域の3つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。さらに、階調20では(H0〜H5)=(0、0、1、0、0)であり、1つのスイッチ481Hcがオンし、高電流領域の4つの単位電流源481がソース信号線18と接続される。
以上のように、切り替わりポイント(折れ曲がり位置)で、2の乗数の個数の電流源(1単位)484がオンもしくはソース信号線18と接続(逆に、オフとなる構成も考えられる)ように構成するロジック処理などがきわめて容易になる。たとえば、図252に図示するように折れ曲がり位置が階調4(4は2の乗数である)であれば、4個の電流源(1単位)484が動作などするように構成する。そして、それ以上の階調では、高電流領域の電流源(1単位)484が加算されるように構成する。また、図253に図示するように折れ曲がり位置が階調8(8は2の乗数である)であれば、8個の電流源(1単位)484が動作などするように構成する。そして、それ以上の階調では、高電流領域の電流源(1単位)484が加算されるように構成する。本発明の構成を採用すれば、64階調に限らず(16階調:4096色、256階調:1670万色など)、あらゆる階調表現で、ハード構成が小さなガンマ制御回路を構成できる。
なお、図252、図253、図254で説明した実施例では、切り替わりポイントの階調が2の乗数となるとしたが、これは、完全黒階調を階調0とした場合である。階調1を完全黒表示とする場合は、+1する必要がある。しかし、これらは便宜上の事項である。
本発明で重要なのは、複数の電流領域(低電流領域、高電流領域など)を有し、その切り替わりポイントを信号入力が少なく判定(処理)できるように構成することである。その一例として、2の乗数であれば、1信号線を検出するだけでよいからハード規模が極めて小さくなるという技術的思想である。また、その処理を容易にするため、電流源484aを付加する。
したがって、負論理であれば、2、4、8・・・ではなく、階調1、3、7、15・・・で切り替わりポイントとすればよい。また、階調0を完全黒表示としたが、これに限定するものではない。たとえば、64階調表示であれば、階調63を完全黒表示状態とし、階調0を最大の白表示としてもよい。この場合は、逆方向に考慮して、切り替わりポイントを処理すればよい。したがって、2の乗数から処理上、異なる構成となる場合がある。
また、切り替わりポイント(折れ曲がり位置)が1つのガンマカーブに限定されるものではない。折れ曲がり位置が複数存在しても本発明の回路を構成することができる。たとえば、折れ曲がり位置が階調4と階調16に設定することができる。また、階調4と階調16と階調32というように3ポイント以上に設定することもできる。
また、以上の実施例は、階調が2の乗数に設定するとして説明をしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、2の乗数の2と8(2+8=10階調目、つまり、判定に要する信号線は2本)で折れ曲がり点を設定してもよい。それ以上の、2の乗数の2と8と16(2+8+16=26階調目、つまり、判定に要する信号線は3本)で折れ曲がり点を設定してもよい。この場合は、多少判定あるいは処理に要するハード規模が大きくなるが、回路構成上、十分に対応することができる。また、以上の説明した事項は本発明の技術的範疇に含まれることは言うまでもない。
図255に図示するように、本発明のソースドライバ回路(IC)14は3つの部分の電流出力回路654から構成されている。高階調領域で動作する高電流領域電流出力回路654aであり、低電流領域および高階調領域で動作する低電流領域電流出力回路654bであり、嵩上げ電流を出力する電流嵩上げ電流出力回路654bである。
高電流領域電流出力回路654aと電流嵩上げ電流出力回路654cは高電流を出力する基準電流源691aを基準電流として動作し、低電流領域電流出力回路654bは低電流を出力する基準電流源691bを基準電流として動作する。
なお、先にも説明したが、電流出力回路654は、高電流領域電流出力回路654a、低電流領域電流出力回路654b、電流嵩上げ電流出力回路654cの3つに限定するものではなく、高電流領域電流出力回路654aと低電流領域電流出力回路654bの2つでもよく、また、3つ以上の電流出力回路654から構成してもよい。もちろん、電流出力回路654は1つでもよい。また、基準電流源691はそれぞれの電流領域電流出力回路654に対応して配置または形成してもよく、また、すべての電流領域電流出力回路654に共通にしてもよい。
以上の電流出力回路654が階調データに対応して、内部の単位トランジスタ484が動作し、ソース信号線18から電流を吸収する。前記単位トランジスタ484は、1水平走査期間(1H)信号に同期して動作する。つまり、1Hの期間の間、該当する階調データに基づく電流を入力する(単位トランジスタ484がNチャンネルの場合)。
一方、ゲートドライバ回路12も1H信号に同期して、基本的には1本のゲート信号線17aを順次選択する。つまり、1H信号に同期して、第1H期間にはゲート信号線17a(1)を選択し、第2H期間にはゲート信号線17a(2)を選択し、第3H期間にはゲート信号線17a(3)を選択し、第4H期間にはゲート信号線17a(4)を選択する。
しかし、第1のゲート信号線17aが選択されてから、次の第2のゲート信号線17aが選択される期間には、どのゲート信号線17aも選択されない期間(非選択期間、図256のt1を参照)を設ける。非選択期間は、ゲート信号線17aの立ち上がり期間、立下り期間が必要であり、TFT11dのオンオフ制御期間を確保するために設ける。
いずれかのゲート信号線17aにオン電圧が印加され、画素16のTFT11b、TFT11cがオンしていれば、Vdd電源(アノード電圧)から駆動用TFT11aを介して、ソース信号線18にプログラム電流Iwが流れる。このプログラム電流Iwがトランジスタ484に流れる(図256のt2期間)。なお、ソース信号線18には寄生容量Cが発生している(ゲート信号線とソース信号線とのクロスポイントの容量などにより寄生容量が発生する)。
しかし、いずれのゲート信号線17aも選択されていない(非選択期間:図256のt1期間)はTFT11aを流れる電流経路がない。トランジスタ484は電流を流すから、ソース信号線18の寄生容量から電荷を吸収する。そのため、ソース信号線18の電位が低下する(図256のAの部分)。ソース信号線18の電位が低下すると、次の画像データに対応する電流を書き込むのに時間がかかる。
この課題に解決するため、図257に図示するように、ソース端子681との出力端にスイッチ481aを形成する。また、嵩上げ電流出力回路654cの出力段にスイッチ481bを形成または配置する。
非選択期間t1に、制御端子S1に制御信号を印加し、スイッチ481aをオフ状態にする。選択期間t2ではスイッチ481aをオン状態(導通状態)にする。オン状態の時にはプログラム電流Iw=IwH+IwL+IwKが流れる。スイッチ481aをオフにするとIw電流は流れない。したがって、図258に図示するように図256のAのような電位に低下(変化はない)。なお、スイッチ481のアナログスイッチ561のチャンネル幅Wは、10μm以上100μm以下にする。このアナログスイッチのW(チャンネル幅)はオン抵抗を低減するために、10μm以上にする必要がある。しかし、あまりWが大きいと、寄生容量も大きくなるので100μm以下にする。さらに好ましくは、チャンネル幅Wは15μm以上60μm以下にすることが好ましい。
スイッチ481bは低階調表示のみに制御するスイッチである。低階調表示(黒表示)時は、画素16のTFT11aのゲート電位はアノード電圧Vddに近くする必要がある。したがって、黒表示では、ソース信号線18の電位はアノード電圧Vdd近くにする必要がある。また、黒表示では、プログラム電流Iwが小さく、図256のAように一度、電位が低下してしまうと、正規の電位に復帰するのに長時間を要する。
そのため、低階調表示の場合は、非選択期間t1が発生することを避けなくてはならない。逆に、高階調表示では、プログラム電流Iwが大きいため、非選択期間t1が発生しても問題がない場合が多い。したがって、本発明では、高階調表示の画像書き込みでは、非選択期間でもスイッチ481a、スイッチ481bの両方をオンさせておく。また、嵩上げ電流IwKも切断しておく必要がある。極力黒表示を実現するためである。低階調表示の画像書き込みでは、非選択期間ではスイッチ481aをオンさせておき、スイッチ481bはオフするというように駆動する。スイッチ481bは端子S2で制御する。
もちろん、低階調表示および高階調表示の両方で、非選択期間t1にスイッチ481aをオフ(非導通状態)、スイッチ481bはオン(導通)させたままにするという駆動を実施してもよい。もちろん、低階調表示および高階調表示の両方で、非選択期間t1にスイッチ481a、スイッチ481bの両方をオフ(非導通)させた駆動を実施してもよい。
いずれにしても、制御端子S1、S2の制御でスイッチ481を制御できる。なお、制御端子S1、S2はコマンド制御で制御する。
たとえば、制御端子S2は非選択期間t1をオーバーラップするようにt3期間を“0”ロジックレベルとする。このように制御にすることにより、図256のAの状態は発生しない。また、階調が一定以上の黒表示レベルの時は、制御端子S1を“0”ロジックレベルとする。すると、嵩上げ電流IwKは停止し、良好な黒表示を実現できる。
以上の実施例は、表示パネルに1つのソースドライバIC14を積載することを前提に実施例として説明した。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではない。ソースドライバIC14を1つの表示パネルに複数積載する構成でもよい。たとえば、図261は3つのソースドライバIC14を積載した表示パネルの実施例である。
本発明のソースドライバIC14は、図56、図57、図245などでも説明したように、一例として少なくとも低階調領域の基準電流と、高階調領域の基準電流の2系統を具備する。
図250でも説明したように、本発明の電流駆動方式のソースドライバ回路(IC)14は複数のソースドライバIC14を用いることを想定した、スレーブ/マスター(S/M)端子2502を具備している。S/M端子2502をHレベルにすることによりマスターチップとして動作し、基準電流出力端子(図示せず)から、基準電流を出力する。もちろん、S/M端子のロジックは逆極性でもよい。また、ソースドライバIC14へのコマンドにより切り替えても良い。基準電流はカスケート電流接続線2611で伝達される。S/M端子2502をLレベルにすることによりソースドライバIC14はスレーブチップとして動作し、基準電流入力端子(図示せず)から、マスターチップの基準電流を受け取る。この電流が図56、図57のINL、INH端子に流れる電流となる。
基準電流はソースドライバIC14の中央部(真中部分)の基準電流発生回路1691で発生させる。マスターチップの基準電流は外部から外付け抵抗、あるいはIC内部に配置あるいは構成された電流きざみ方式の電子ボリウムにより、基準電流が調整されて印加される。
なお、ソースドライバIC14の中央部にはコントロール回路(コマンドデコーダなど)なども形成(配置)される。基準電流源をチップの中央部に形成するのは、基準電流発生回路とプログラム電流出力端子までの距離を極力短くするためである。
図261の構成では、マスターチップ14bより基準電流が2つのスレーブチップ(14a、14c)に伝達される。スレーブチップは基準電流を受け取り、この電流を基準として、親、子、孫電流を発生させる。なお、マスターチップ14bがスレーブチップに受け渡す基準電流は、カレントミラー回路の電流受け渡しにより行う。電流受け渡しを行うことにより、複数のチップで基準電流のずれはなくなり、画面の分割線が表示されなくなる。
図262は基準電流の受け渡し端子位置を概念的に図示している。ICチップの中央部に配置されて信号入力端子2621iに基準電流信号線2501が接続されている。この基準電流信号線2501に印加される電流は、EL材料の温特補償がされている。また、EL材料の寿命劣化による補償がされている。
基準電流信号線2501に印加された電流(電圧)に基づき、チップ14内で各電流源(471、472、473、484)を駆動する。この基準電流がカレントミラー回路を介して、スレーブチップへの基準電流として出力される。スレーブチップへの基準電流は端子2621oから出力される。端子2621oは基準電流発生回路1691の左右に少なくとも1個以上配置(形成)される。図262では、左右に2個ずつ配置(形成)されている。この基準電流が、カスケード信号線2611a1、2611a2、2611b1、2611b2でスレーブチップ14に伝達される。なお、スレーブチップ14aに印加された基準電流を、マスターチップ14bにフィードバックし、ずれ量を補正するように回路を構成してもよい。
電流駆動方式のEL表示パネルは、黒表示でのプログラム電流は100nA以下を非常に微小である。したがって、ソース信号線18などに寄生容量が存在すると、寄生容量の充放電が1水平走査期間(1H)に実施することができない(十分に寄生容量の影響をなくすることができない)。したがって、書き込み不足が発生する。書き込み不足は、表示コントラストの低下、解像度の低下を招く。
寄生容量には、表示領域の寄生容量と、ソースドライバIC14の出力回路の寄生容量がある。この出力回路の寄生容量とは、主として図375の(a)に図示するように、出力段の内部配線3752に接続された保護ダイオード3751aによる寄生容量3751bである。保護ダイオード3751aは、ソースドライバIC14の静電気対策として重要な回路であるが、図375の(b)のように、保護ダイオード3751aはコンデンサ3751b(寄生容量)と等価である。なお、保護ダイオードなどによる寄生容量を保護容量と呼ぶ。
ソースドライバIC14が電圧出力の場合は、保護容量が比較的大きくとも、ソースドライバIC14の出力インピーダンスが低いため影響はない。しかし、ソースドライバIC14が電流出力の場合は、ソースドライバIC14の出力インピーダンスが高いため、保護容量の大きさは時定数に大きく影響する。つまり、1水平走査期間(1H)内でプログラム電流Iwを画素16に書き込めない。しかし、静電気対策などのため、保護ダイオードを削除することはできない。
本発明はこの課題を解決させるものである。図376はその実施例である。図375の(a)のような保護ダイオード3751aは形成していない。かわりに隣接したソース信号線18間をショートするスイッチ3761(短絡回路)をソースドライバIC14内に形成している。短絡回路3761はごく小さなスイッチである。スイッチして、MOSトランジスタが例示される。その他、バイポーラトランジスタでもよく、PチャンネルとNチャンネルのトランジスタからなるアナログスイッチでもよい。なお、スイッチはオープン状態の時、100MΩ以上の抵抗値を示すようにトランジスタのW(チャンネル幅)とL(チャンネル長)が設計される。また、このスイッチ3761はソースドライバIC14形成時、クローズ状態となるように構成されている(ノーマリクローズ)。制御端子(図示せず)に印加した信号(電圧)により図377に図示するようにオープンとなる。制御端子とはスイッチ3761を構成するトランジスタのゲート端子に接続されている。
図378の実施例は隣接したソース信号線18間に短絡部3781を形成した実施例である。100MΩ以上の高インピーダンスの配線で形成される。隣接したソース信号線18間には微小なリークが発生するが、微小電流のためプログラム電流Iwには影響を与えない。短絡部はポリシリコンで形成する。
図379の(a)は隣接したソース信号線18間に完全な短絡部3781を形成した実施例である。短絡部をメタル配線などで形成する。ソースドライバIC14を基板71に実装するまでは、短絡部3781は残しておく。実装後、エッチング液などに基板71とソースドライバIC14を浸し、短絡部3781をエッチングして切り離す。以上の実施例では、エッチングにより短絡部3781を切り離すとしたが、レーザーなどを短絡部3781に照射することにより切断してもよい。
図382はその実施例である。先にも説明したように、本発明ではソースドライバIC14の裏面にはベースアノード線2631が形成されている。また、ベースアノード線2631はICがホトコンにより誤動作することを抑制するため、回路形成部を遮光するように基板上71に形成されている(図102およびその説明を参照のこと)。
図382では、ソースドライバIC14において、短絡部3781が形成された箇所に、ベースアノード線2631にスリット3821を空けている。スリット3821とは、光が透過できる部分である。このスリット3821から図383に図示するようにレーザー光3831を入射させることにより、短絡部3781を切断する。レーザー光の波長は1μm前後が好ましい。この波長のレーザーとしてはYAGレーザーが例示される。もちろん、他のレーザーでもよい。たとえば、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、ネオンヘリウムレーザー、白色レーザー、色素レーザーなどが例示される。その他、アルゴンランプ、キセノンランプが放射する光を集光したものを用いても良い。つまり、光学エネルギーにおり、配線などを加工できるものであればいずれでもよい。
レーザー光3831はガラス基板71を透過させて、短絡部3781などに照射する。レーザー光3831はベースアノード線2631に形成されたスリット3821から入射する。なお、スリット3821を形成するとしたがこれに限定するものではない。重要なことは、短絡部3781などの切断箇所がレーザー光3831などで加工できるように構成することである。
図380は内部配線3752に接続された保護ダイオード3751を形成した実施例である。図375の(a)と異なる点は、保護ダイオード3751を内部配線3751aから切り離せるように短絡部(つまり切断部)3781bを形成している点である。さらにVss電圧源、Vdd電圧源とも切断できるように短絡部3781aを形成または配置している。図381は切断箇所に×印をつけている。なお、短絡部3781の切断に関しては、図382、図383などで説明したので説明を省略する。
有機EL表示パネルをモジュール化する際、問題となる事項に、アノード配線2631、カソード配線の引き回し(配置)の抵抗値の課題がある。有機EL表示パネルは、EL素子15の駆動電圧が比較的低いかわりに、EL素子15に流れる電流が大きい。そのため、EL素子15に電流を供給するアノード配線、カソード配線を太くする必要がある。一例として、2インチクラスのEL表示パネルでも高分子EL材料では、200mA以上の電流をアノード配線2631に流す必要がある。そのため、アノード配線2631の電圧降下を防止するため、アノード配線は1Ω以下の低抵抗化する必要がある。しかし、アレイ基板71では、配線は薄膜蒸着で形成するため、低抵抗化は困難である。そのため、パターン幅を太くする必要がある。しかし、200mAの電流をほとんど電圧降下なしで伝達するためには、配線幅が2mm以上となるという課題があった。
図273は従来のEL表示パネルの構成である。表示画面50の左右に内蔵ゲートドライバ回路12a、12bが形成(配置)されている。また、ソースドライバ回路14pも画素16のTFTと同一プロセスで形成されている(内蔵ソースドライバ回路)。
アノード配線2631はパネルの右側に配置されている。アノード配線2631にはVdd電圧が印加されている。アノード配線2631幅は一例として2mm以上である。アノード配線2631は画面の下端から画面の上端に分岐されている。分岐数は画素列数である。たとえば、QCIFパネルでは、176列×RGB=528本である。一方、ソース信号線18は内蔵ソースドライバ14pから出力されている。ソース信号線18は画面の上端から画面の下端に配置(形成)されている。また、内蔵ゲートドライバ回路12の電源配線2731も画面の左右に配置されている。
したがって、表示パネルの右側の額縁は狭くすることができない。現在、携帯電話などに用いる表示パネルでは、狭額縁化が重要である。また、画面の左右の額縁を均等にすることが重要である。しかし、図273の構成では、狭額縁化が困難である。
この課題を解決するため、本発明の表示パネルでは、図274に図示するように、アノード配線2631はソースドライバIC14の裏面に位置する箇所、かつアレイ表面に配置(形成)している。ソースドライバ回路(IC)14は半導体チップで形成(作製)し、COG(チップオンガラス)技術で基板71に実装している。ソースドライバIC14化にアノード配線2631を配置(形成)できるのは、チップ14の裏面に基板に垂直方向に10μm〜30μmの空間があるからである。
図273のように、ソースドライバ回路14pをアレイ基板71に直接形成すると、マスク数の問題、あるいは歩留まりの問題、ノイズの問題からソースドライバ回路14pの下層あるいは上層にアノード配線(ベースアノード線、アノード電圧線、基幹アノード線)2631を形成することは困難である。
また、図274に図示するように、共通アノード線2642を形成し、ベースアノード線2631と共通アノード線2642とを接続アノード線2641で短絡させている。特に、ICチップの中央部の接続アノード線2641を形成した点がポイントである。接続アノード線2641を形成することにより、ベースアノード線2631と共通アノード線2642間の電位差がなくなる。また、アノード配線2632を共通アノード線2642から分岐している点がポイントである。以上の構成を採用することにより、図273のようにアノード配線2631の引き回しがなくなり、狭額縁化を実現できる。
以上の事項を他の図面を使用しながらさらに詳しく説明をする。図263は本発明の表示パネルの一部の説明図である。図263において、点線がソースドライバIC14を配置する位置である。つまり、ベースアノード線(アノード電圧線つまり分岐まえのアノード配線)がソースドライバIC14の裏面かつアレイ基板71上に形成(配置)されている。なお、本発明の実施例において、ICチップ(12、14)の裏面に分岐前のアノード配線2631を形成するとして説明するが、これは説明を容易にするためである。たとえば、分岐前のアノード配線2631のかわりに分岐前のカソード配線あるいはカソード膜を形成(配置)してもよい。その他、ゲートドライバ回路12の電源配線1051を配置または形成してもよい。
ソースドライバIC14はCOG技術により電流出力(電流入力)端子とアレイ71に形成された接続端子2633とが接続される。接続端子2633はソース信号線18の一端に形成されている。また、接続端子2633は2633aと2633bというように千鳥配置である。なお、ソース信号線の一端には接続端子2633が形成され、他の端にもチェック用の端子電極が形成されている。
また、本発明においてICチップは電流駆動方式のドライバIC(電流で画素にプログラムする方式)としたが、これに限定するものではない。たとえば、図43などの電圧プログラムの画素を駆動する電圧駆動方式のドライバICを積載したEL表示パネル(装置)などにも適用することができる。
接続端子2633aと2633b間にはアノード配線2632(分岐後のアノード配線)が配置される。つまり、太く、低抵抗のベースアノード線2631から分岐されたアノード配線2632が接続端子2633間に形成され、画素16列に沿って配置されている。したがって、アノード配線2632とソース信号線18とは平行に形成(配置)される。以上のように構成(形成)することにより、図273のようにベースアノード線2631を画面横に引き回すことなく、各画素にVdd電圧を供給できる。
図264はさらに、具体的に図示している。図263との差異は、アノード配線を接続端子2633間に配置せず、別途形成した共通アノード線2642から分岐させた点である。共通アノード線2642とベースアノード線2631とは接続アノード線2641で接続している。
図264はソースドライバIC14を透視して裏面の様子を図示したように記載している。ソースドライバIC14は出力端子681にプログラム電流Iwを出力する電流出力回路654が配置されている。基本的に、出力端子681と電流出力回路654は規則正しく配置されている。ソースドライバIC14の中央部には親電流源の基本電流を作製する回路、コントロール(制御)回路が形成されている。そのため、ICチップの中央部には出力端子681が形成されていない(電流出力回路654がICチップの中央部に形成できないからである)。
本発明では、図264の中央部654a部には出力端子681をICチップに作製していない。出力回路がないからである。なお、ソースドライバなどのICチップの中央部に、コントロール回路などが形成され、出力回路が形成されていない事例は多い。本発明のICチップはこの点に着眼し、ICチップの中央部に出力端子681を形成(配置)していない。なお、ソースドライバなどのICチップの中央部に、コントロール回路などが形成され、出力回路が形成されていない場合であっても、中央部にダミーパッドをして、出力端子681(パッド)が形成されているのが一般的である。この位置に共通アノード線2641を形成している(ただし、共通アノード線2641はアレイ基板71面に形成されている)。接続アノード線2641の幅は、50μm以上1000μm以下にする。また、長さに対する抵抗(最大抵抗)値は、100Ω以下になるようにする。
接続アノード線2641でベースアノード線2631と共通アノード線2642とをショートすることにより、共通アノード線2642に電流が流れることにより発生する電圧降下を極力抑制する。つまり、本発明の構成要素である接続アノード線2641はICチップの中央部に出力回路がない点を有効に利用しているのである。また、従来、ICチップの中央部にダミーパッドとして形成されている出力端子681を削除することのより、このダミーパッドと接続アノード線2641が接触することによる、ICチップが電気的に影響をあたえることを防止している。ただし、このダミーパッドがICチップのベース基板(チップのグランド)、他の構成と電気的に絶縁されている場合は、ダミーパッドが接続アノード線2641と接触しても全く問題がない。したがって、ダミーパッドをソースドライバIC14の中央部に形成したままでもよいことは言うまでもない。
さらに具体的には、図267のように接続アノード線2641、共通アノード線2642は形成(配置)されている。まず、接続アノード線2641は太い部分(2641a)と細い部分(2641b)がある。太い部分(2641a)は抵抗値を低減するためである。細い部分(2641b)は、出力端子963間に接続アノード線2641bを形成し、共通アノード線2642と接続するためである。
また、ベースアノード線2631と共通アノード線2642との接続は、中央部の接続アノード線2641bだけでなく、左右の接続アノード線2641cでもショートしている。したがって、共通アノード線2642とベースアノード線2631とは3本の接続アノード線2641でショートされている。したがって、共通アノード線2642に大きな電流が流れても共通アノード線2642で電圧降下が発生しにくい。これは、ソースドライバIC14は通常、幅が2mm以上あり、このソースドライバIC14下に形成されたベースアノード線2631の線幅を太く(低インピーダンス化できる)できるからである。そのため、低インピーダンスのベースアノード線2631と共通アノード線2642とを複数箇所で接続アノード線2641によりショートしているため、共通アノード線2642の電圧降下は小さくなるのである。
以上のように共通アノード線2642での電圧降下を小さくできるのは、ソースドライバIC14下にベースアノード線2631を配置(形成)できる点、ソースドライバIC14の左右の位置を用いて、接続アノード線2641cを配置(形成)できる点、ソースドライバIC14の中央部に接続アノード線2641bを配置(形成)できる点にある。
また、図267では、ベースアノード線2631とカソード電源線(ベースカソード線)2671とを絶縁膜2661を介して積層させている。この積層した箇所がコンデンサを形成する(この構成をアノードコンデンサ構成と呼ぶ)。このコンデンサは、電源パスコンデンサとして機能する。したがって、ベースアノード線2631の急激な電流変化を吸収することができる。また、前記構成を応用することにより、ソースドライバIC14などの電源パスコンデンサとしても用いることができる。
コンデンサの容量は、EL表示装置の表示面積をS平方ミリメートルとし、コンデンサの容量をC(pF)としたとき、M/200 ≦ C ≦ M/10以下の関係を満足させることがよい。さらには、M/100 ≦ C ≦ M/20以下の関係を満足させることがよい。Cが小さいと電流変化を吸収することが困難であり、大きいとコンデンサの形成面積が大きくなりすぎ実用的でない。
なお、図267などの実施例では、ソースドライバIC14下にベースアノード線2631を配置(形成)するとしたが、アノード線をカソード線としてもよいことは言うまでもない。また、図267において、ベースカソード線2671とベースアノード線2631とを入れ替えても良い。本発明の技術的思想は、ドライバを半導体チップで形成し、かつ半導体チップをアレイ基板71もしくはフレキシブル基板に実装し、半導体チップの下面にEL素子15などの電源あるいはグランド電位(電流)を供給する配線などを配置(形成)する点にある。
したがって、半導体チップは、ソースドライバ14に限定されるものではなく、ゲートドライバ回路12でもよく、また、電源IC82でもよい。また、半導体チップをフレキシブル基板に実装し、このフレキシブル基板面かつ半導体チップの下面にEL素子15などの電源あるいはグランドパターンを配線(形成)する構成も含まれる。もちろん、ソースドライバIC14とゲートドライバIC12の両方を、半導体チップで構成し、基板71にCOG実装を起こっても良い。前記チップの下面に電源あるいはグランドパターンを形成してもよい。また、EL素子15への電源あるいはグラントパターンとしたがこれに限定するものではなく、ソースドライバ14への電源配線、ゲートドライバ回路12への電源配線でもよい。また、EL表示装置に限定されるものではなく、液晶表示装置にも適用できる。その他、FED、PDPなど表示パネルにも適用することができる。以上の事項は、本発明の他の実施例でも同様である。
図265は本発明の他の実施例である。図263、図264、図267との差異は図263が出力端子2633間にアノード配線2632を配置したのに対し、図265では、ベースアノード配線2631から多数(複数)の細い接続アノード線2641dを分岐させ、この接続アノード線2641dを共通アノード線2642とをショートした点である。また、細い接続アノード線2641dと接続端子2633と接続されたソース信号線18とを絶縁膜2661を介して積層した点である。
アノード線2641dはベースアノード線2631とコンタクトホール2651aで接続を取り、アノード配線2632は共通アノード線2642とコンタクトホール2651bで接続を取っている。他の点(接続アノード線2641a、2641b、2641c、アノードコンデンサ構成など)などは図264、図267と同様であるので説明を省略する。
図267のaa‘線での断面図を図266に図示する。図266の(a)では、略同一幅のソース信号線18を接続アノード線2641dが絶縁膜2661aを介して積層されている。
絶縁膜2661aの膜厚は、500オングストローム以上3000オングストローム(Å)以下にする。さらに好ましくは、800オングストローム以上2000オングストローム(Å)以下にする。膜厚が薄いと、接続アノード線2641dとソース信号線18との寄生容量が大きくなり、また、接続アノード線2641dとソース信号線18との短絡が発生しやすくなり好ましくない。厚いと絶縁膜の形成時間に長時間を要し、製造時間が長くなりコストが高くなる。また、上側の配線の形成が困難になる。
なお、絶縁膜2661は、ポリビフェーニールアルコール(PVA)樹脂、エポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂などの有機材料と同一材料が例示され、その他、SiO2、SiNxなどの無機材料が例示される。その他、Al2O3、Ta2O3などであってもよいことは言うまでもない。また、図266の(a)に図示するように、最表面には絶縁膜2661bを形成し、配線2641などの腐食、機械的損傷を防止させる。
図266の(b)では、ソース信号線18の上にソース信号線18よりも線幅の狭い接続アノード線2641dが絶縁膜2661aを介して積層されている。以上のように構成することのより、ソース信号線18の段差によるソース信号線18と接続アノード線2641dとのショートを抑制することができる。図266の(b)の構成では、接続アノード線2641dの線幅は、ソース信号線18の線幅よりも0.5μm以上狭くすることが好ましい。さらには、接続アノード線2641dの線幅は、ソース信号線18の線幅よりも0.8μm以上狭くすることが好ましい。
図266の(b)では、ソース信号線18の上にソース信号線18よりも線幅の狭い接続アノード線2641dが絶縁膜2661aを介して積層されているとしたが、図266の(c)に図示するように、接続アノード線2641dの上に接続アノード信号線2641dよりも線幅の狭いソース信号線18が絶縁膜2661aを介して積層するとしてもよい。他の事項は他の実施例と同様であるので説明を省略する。
図268はソースドライバIC14部の断面図である。基本的には図267の構成を基準にしているが、図264、図265などでも同様に適用できる。もしくは類似に適用できる。
図268の(b)は図267のAA‘での断面図である。図268の(b)でも明らかなように、ICチップの14の中央部には出力パッド681が形成(配置)されていない。この出力パッドと、表示パネルのソース信号線18とが接続される。出力バッド681は、メッキ技術あるいはネイルヘッドボンダ技術によりバンプ(突起)が形成されている。突起の高さは10μm以上40μm以下の高さにする。もちろん、金メッキ技術(電解、無電解)により突起を形成してもよいことは言うまでもない。
前記突起と各ソース信号線18とは導電性接合層(図示せず)を介して電気的に接続されている。導電性接合層は接着剤としてエポキシ系、フェノール系等を主剤とし、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、カーボン(C)、酸化錫(SnO2)などのフレークを混ぜた物、あるいは紫外線硬化樹脂などである。導電性接合層(接続樹脂)2681は、転写等の技術でバンプ上に形成する。または、突起とソース信号線18とをACF樹脂2681で熱圧着される。なお、突起あるいは出力パッド681とソース信号線18との接続は、以上の方式に限定するものではない。また、アレイ基板上にソースドライバIC14を積載せず、フィルムキャリヤ技術を用いてもよい。また、ポリイミドフィルム等を用いてソース信号線18などと接続しても良い。図268の(a)はソース信号線18と共通アノード線2642とが重なっている部分の断面図である(図266を参照のこと)。
共通アノード線2642からアノード配線2632が分岐されている。アノード配線2632はQCIF+パネルの場合は、176×RGB=528本である。アノード配線2632を介して、図1などで図示するVdd電圧(アノード電圧)が供給される。1本のアノード配線2632には、EL素子15が低分子材料の場合は、最大で200μA程度の電流が流れる。したがって、共通アノード配線2642には、200μA×528で約100mAの電流が流れる。
したがって、共通アノード配線2642での電圧降下を0.2(V)以内にするには、電流が流れる最大経路の抵抗値が2Ω(100mA流れるとして)以下にする必要がある。本発明では、図267に示すように3箇所に接続アノード線2641を形成しているので、集中分布回路におきなおすと、共通アノード線2642の抵抗値は容易に極めて小さく設計することができる。また、図265のように多数の接続アノード線2641dを形成すれば、共通アノード線2642での電圧降下は、ほぼなくなる。
問題となるのは、共通アノード線2642とソース信号線18との重なり部分における寄生容量(共通アノード寄生容量と呼ぶ)の影響である。基本的に、電流駆動方式では、電流を書き込むソース信号線18に寄生容量があると黒表示電流を書き込みにくい。したがって、寄生容量は極力小さくする必要がある。
共通アノード寄生容量は、少なくとも1ソース信号線18が表示領域内で発生する寄生容量(表示寄生容量と呼ぶ)の1/10以下にする必要がある。たとえば、表示寄生容量が10(pF)であれば、1(pF)以下にする必要がある。さらに好ましくは、(表示寄生容量と呼ぶ)の1/20以下にする必要がある。表示寄生容量が10(pF)であれば、0.5(pF)以下にする必要がある。この点を考慮して、共通アノード線2642の線幅(図271のM)、絶縁膜2661の膜厚(図269を参照)を決定する。
ベースアノード線2631はソースドライバIC14の下に形成(配置)する。形成する線幅は、低抵抗化の観点から、極力太い方がよいことは言うまでのない。その他、ベースアノード配線2631は遮光の機能を持たせることが好ましい。この説明図を図270に図示している。なお、ベースアノード配線2631を金属材料で所定膜厚形成すれば、遮光の効果があることはいうまでもない。また、ベースアノード線2631が太くできない時、あるいは、ITOなどの透明材料で形成するときは、ベースアノード線2631に積層して、あるいは多層に、光吸収膜あるいは光反射膜をソースドライバIC14下(基本的にはアレイ71の表面)に形成する。また、図270の遮光膜(ベースアノード線2631)は、完全な遮光膜であることを必要としない。部分に開口部があってもよく。また、回折効果、散乱効果を発揮するものでもよい。また、ベースアノード線2631に積層させて、光学的干渉多層膜からなる遮光膜を形成または配置してもよい。
もちろん、アレイ基板71とソースドライバIC14との空間に、金属箔あるいは板あるいはシートからなる反射板(シート)、光吸収板(シート)を配置あるいは挿入あるいは形成してもよいことは言うまでもない。また、金属箔に限定されず、有機材料あるいは無機材料からなる箔あるいは板あるいはシートからなる反射板(シート)、光吸収板(シート)を配置あるいは挿入あるいは形成してもよいことは言うまでもない。
また、アレイ基板71とソースドライバIC14との空間に、ゲルあるいは液体からなる光吸収材料、光反射材料を注入あるいは配置してもよい。さらに前記ゲルあるいは液体からなる光吸収材料、光反射材料を加熱により、あるいは光照射により硬化させることが好ましい。なお、ここでは説明を容易にするために、ベースアノード線2631を遮光膜(反射膜)にするとして説明をする。
図270のように、ベースアノード線2631はアレイ基板71の表面(なお、表面に限定するものではない。遮光膜/反射膜とするという思想を満足させるためには、ソースドライバIC14の裏面に光が入射しなければよいのである。したがって、基板71の内面あるいは内層にベースアノード線2631などを形成してもよいことは言うまでもない。また、基板71の裏面にベースアノード線2631(反射膜、光吸収膜として機能する構成または構造)を形成することのより、ソースドライバIC14に光が入射することを防止または抑制できるのであれば、アレイ基板71の裏面でもよい。
また、図270などでは、遮光膜などはアレイ基板71に形成するとしたがこれに限定するものではなく、ソースドライバIC14の裏面に直接に遮光膜などを形成してもよい。この場合は、ソースドライバIC14の裏面に絶縁膜2661(図示せず)を形成し、この絶縁膜上に遮光膜もしくは反射膜などを形成する。また、ソースドライバ回路14がアレイ基板71に直接に形成する構成(低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術、固相成長技術、アモルファスシリコン技術によるドライバ構成)の場合は、遮光膜、光吸収膜あるいは反射膜を基板71に形成し、その上にソースドライバ回路14を形成(配置)すればよい。
ソースドライバIC14には電流源484など、微少電流を流すトランジスタ素子が多く形成されている(図270の回路形成部2701)。微少電流を流すトランジスタ素子に光が入射すると、ホトコンダクタ現象が発生し、出力電流(プログラム電流Iw)、親電流量、子電流量などが異常な値(バラツキが発生するなど)となる。特に、有機ELなどの自発光素子は、基板71内でEL素子15から発生した光が乱反射するため、表示画面50以外の箇所から強い光が放射される。この放射された光が、ソースドライバIC14の回路形成部1021に入射するとホトコンダクタ現象を発生する。したがって、ホトコンダクタ現象の対策は、EL表示デバイスに特有の対策である。
この課題に対して、本発明では、ベースアノード線2631を基板71上に構成し、遮光する。ベースアノード線2631の形成領域は図270に図示するように、回路形成部2701を被覆するようにする。以上のように、遮光膜(ベースアノード線2631)を形成することにより、ホトコンダクタ現象を完全に防止できる。特にベースアノード配線2631などのEL電源線は、画面書き換えに伴い、電流がながれて多少の電位が変化する。しかし、電位の変化量は、1Hタイミングで少しずつ変化するため、ほど、グランド電位(電位変化しないという意味)として見なせる。したがって、ベースアノード線2631あるいはベースカソード線は、遮光の機能だけでなく、シールドの効果も発揮する。
有機ELなどの自発光素子は、基板71内でEL素子15から発生した光が乱反射するため、表示画面50以外の箇所から強い光が放射される。この乱反射光を防止あるいは抑制するため、図269に図示するように、画像表示に有効な光が通過しない箇所(無効領域)に光吸収膜2691を形成する(逆に有効領域とは、表示画面50をその近傍)。光吸収膜を形成する箇所は、封止フタ85の外面(光吸収膜2691a)、封止フタ85の内面(光吸収膜2691c)、基板71の側面(光吸収膜2691d)、基板の画像表示領域以外(光吸収膜2691b)などである。なお、光吸収膜2691に限定するものではなく、光吸収シートを取り付けてもよく、また、光吸収壁でもよい。また、光吸収の概念には、光を散乱させることのより、光を発散させる方式あるいは構造も含まれる、また、広義には反射により光を封じこめる方式あるいは構成も含まれる。
光吸収膜2691を構成する物質としては、アクリル樹脂などの有機材料にカーボンを含有させたもの、黒色の色素あるいは顔料を有機樹脂中に分散させたもの、カラーフィルターの様にゼラチンやカゼインを黒色の酸性染料で染色したものが例示される。その他、単一で黒色となるフルオラン系色素を発色させて用いたものでもよく、緑色系色素と赤色系色素とを混合した配色ブラックを用いることもできる。また、スパッタにより形成されたPrMnO3膜、プラズマ重合により形成されたフタロシアニン膜等が例示される。
以上の材料はすべて黒色の材料であるが、光吸収膜2691としては、表示素子が発生する光色に対し、補色の関係の材料を用いても良い。例えば、カラーフィルター用の光吸収材料を望ましい光吸収特性が得られるように改良して用いれば良い。基本的には前記した黒色吸収材料と同様に、色素を用いて天然樹脂を染色したものを用いても良い。また、色素を合成樹脂中に分散した材料を用いることができる。色素の選択の範囲は黒色色素よりもむしろ幅広く、アゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料などから適切な1種、もしくはそれらのうち2種類以上の組み合わせでも良い。
また、光吸収膜としては金属材料を用いてもよい。たとえば、六価クロムが例示される。六価クロムは黒色であり、光吸収膜として機能する。その他、オパールガラス、酸化チタンなどの光散乱材料であってもよい。光を散乱させることにより、結果的に光を吸収することと等価になるからである。
なお、封止フタ85は、4μm以上15μm以下の樹脂ビーズ2692を含有させた封止樹脂2693を用いて、基板71と封止フタ85とを接着する。封止フタ85と基板71とは、樹脂ビーズ2692を含有する封止樹脂2693で貼り付ける。フタ85は加圧せずに配置し、固定する。
図267の実施例は、共通アノード線2642をソースドライバIC14の近傍に形成(配置)するように図示したが、これに限定するものではない。たとえば、図271に図示するように、表示画面50の近傍に形成してもよい。また、形成することが好ましい。なぜならば、ソース信号線18とアノード配線2632とが短距離で、かつ平行して配置(形成)する部分が減少するからである。ソース信号線18とアノード配線2632とが短距離で、かつ平行に配置されると、ソース信号線18とアノード配線2632間に寄生容量が発生するからである。図271のように、表示画面50の近傍に共通アノード線2642を配置するとその問題点はなくなる。画面表示画面50から共通アノード線2642の距離K(図271を参照)は、1mm以下にすることが好ましい。
共通アノード線2642は、極力低抵抗化するため、ソース信号線18を形成する金属材料で形成することが好ましい。本発明では、Cu薄膜、Al薄膜あるいはTi/Al/Tiの積層構造、あるいは合金もしくはアマンガムからなる金属材料(SDメタル)で形成している。したがって、ソース信号線18と共通アノード線2642が交差する箇所はショートすることを防止するため、ゲート信号線17を構成する金属材料(GEメタル)に置き換える。ゲート信号線は、Mo/Wの積層構造からなる金属材料で形成している。
一般的に、ゲート信号線17のシート抵抗は、ソース信号線18のシート抵抗より高い。これは、液晶表示装置で一般的である。しかし、有機EL表示パネルにおいて、かつ電流駆動方式では、ソース信号線18を流れる電流は1〜5μAと微少である。したがって、ソース信号線18の配線抵抗が高くとも電圧降下はほとんど発生せず、良好な画像表示を実現できる。液晶表示装置においては、電圧でソース信号線18に画像データを書き込む。したがって、ソース信号線18の抵抗値が高いと画像を1水平走査期間に書き込むことができない。
しかし、本発明の電流駆動方式では、ソース信号線18の抵抗値が高く(つまり、シート抵抗値が高い)とも、課題とはならない。したがって、ソース信号線18のシート抵抗は、ゲート信号線17のシート抵抗より高くともよい。したがって、本発明のEL表示パネルにおいて(概念的には、電流駆動方式の表示パネルあるいは表示装置において)、図272に図示するように、ソース信号線18をGEメタルで作製(形成)し、ゲート信号線17をSDメタルで作製(形成)してもよい。これは、液晶表示パネルと逆の構成である。
図275は、図267、図271の構成に加えて、ゲートドライバ回路12を駆動する電源配線2731を配置した構成である。電源配線2731はパネルの表示画面50の右端→下辺→表示画面50の左端に引き回している。つまり、ゲートドライバ回路12aと12bの電源とは同一になっている。
しかし、ゲート信号線17aを選択するゲートドライバ回路12a(ゲート信号線17aはTFT11b、TFT11cを制御する)と、ゲート信号線17bを選択するゲートドライバ回路12b(ゲート信号線17bはTFT11dを制御し、EL素子15に流れる電流を制御する)とは、電源電圧を異ならせることが好ましい。特に、ゲート信号線17aの振幅(オン電圧−オフ電圧)は小さいことが好ましい。ゲート信号線17aの振幅が小さくなるほど、画素16のコンデンサ19への突き抜け電圧が減少するからである(図1などを参照)。一方、ゲート信号線17bはEL素子15を制御する必要があるため、振幅は小さくできない。
したがって、図276に図示するように、ゲートドライバ回路12aの印加電圧はVha(ゲート信号線17aのオフ電圧)と、Vla(ゲート信号線17aのオン電圧)とし、ゲートドライバ回路12aの印加電圧はVhb(ゲート信号線17bのオフ電圧)と、Vla(ゲート信号線17bのオン電圧)とする。Vla < Vlbなる関係とする。なお、VhaとVhbとは、略一致させてもよい。
ゲートドライバ回路12は、通常、NチャンネルトランジスタとPチャンネルトランジスタで構成する。しかし、Pチャンネルトランジスタのみで形成することが好ましい。アレイを作製に必要とするマスク数が減少し、製造歩留まり向上、スループットの向上が見込まれるからである。したがって、図1、図2などに例示したように、画素16を構成するトランジスタをPチャンネルトランジスタとするとともに、ゲートドライバ回路12もPチャンネルトランジスタで形成あるいは構成する。NチャンネルトランジスタとPチャンネルトランジスタでゲートドライバ回路を構成すると必要なマスク数は10枚となるが、Pチャンネルトランジスタのみで形成すると必要なマスク数は5枚になる。
しかし、Pチャンネルトランジスタのみでゲートドライバ回路12などを構成すると、レベルシフタ回路をアレイ基板71に形成できない。レベルシフタ回路はNチャンネルトランジスタとPチャンネルトランジスタで構成するからである。
この課題に対して、本発明では、レベルシフタ回路機能を、電源IC82に内蔵させている。図277はその実施例である。電源IC82はゲートドライバ回路12の駆動電圧、EL素子15のアノード、カソード電圧、ソースドライバ回路14の駆動電圧を発生させる。
電源IC82はゲートドライバ回路12のEL素子15のアノード、カソード電圧を発生させるため、高い耐圧の半導体プロセスを使用する必要がある。この耐圧があれば、ゲートドライバ回路12の駆動する信号電圧までレベルシフトすることができる。
したがって、レベルシフトおよびゲートドライバ回路12の駆動は図277の構成で実施する。入力データ(画像データ、コマンド、制御データ)2672はソースドライバIC14に入力される。入力データにはゲートドライバ回路12の制御データも含まれる。ソースドライバIC14は耐圧(動作電圧)が5(V)である。一方、ゲートドライバ回路12は動作電圧が15(V)である。ソースドライバ回路14から出力されるゲートドライバ回路12に出力される信号は、5(V)から15(V)にレベルシフトする必要がある。このレベルシフトを電源回路(IC)82で行う。図277ではゲートドライバ回路12を制御するデータ信号も電源IC制御信号2772としている。
電源回路82は入力されたゲートドライバ回路12を制御するデータ信号2772を内蔵するレベルシフタ回路でレベルシフトし、ゲートドライバ回路制御信号2773として出力し、ゲートドライバ回路12を制御する。
以下、基板71に内蔵するゲートドライバ回路12をPチャンネルのトランジスタのみで構成した本発明のゲートドライバ回路12について説明をする。先にも説明したように、画素16とゲートドライバ回路12とをPチャンネルトランジスタのみで形成する(つまり、基板71に形成するトランジスタはすべてPチャンネルトランジスタである。反対に言えば、Nチャンネルのトランジスタを用いない状態)ことにより、アレイを作製に必要とするマスク数が減少し、製造歩留まり向上、スループットの向上が見込まれるからである。また、Pチャンネルトランジスタの性能のみの向上に取り組みができるため、結果として特性改善が容易である。たとえば、Vt電圧の低減化(より0(V)に近くするなど)、Vtバラツキの減少を、CMOS構造(PチャンネルとNチャンネルトランジスタを用いる構成)よりも容易に実施できる。
一例として、図274に図示するように、本発明は、表示画面50の左右に1相(シフトレジスタ)づつ、ゲートドライバ回路12を配置または形成あるいは構成している。ゲートドライバ回路12など(画素16のトランジスタも含む)は、プロセス温度が450度(摂氏)以下の低温ポリシリコン技術で形成または構成するとして説明するが、これに限定するものではない。プロセス温度が450度(摂氏)以上の高温ポリシリコン技術を用いて構成してもよく、また、固相(CGS)成長させた半導体膜を用いてTFTなどを形成したものを用いてもよい。その他、有機TFTで形成してもよい。また、アモルファスシリコン技術で形成あるいは構成したTFTであってもよい。
1つは選択側のゲートドライバ回路12aである。ゲート信号線17aにオンオフ電圧を印加し、画素TFT11を制御する。他方のゲートドライバ回路12bは、EL素子15に流す電流を制御(オンオフさせる)する。
本発明の実施例では、主として図1の画素構成を例示して説明をするがこれに限定するものではない。図2、図42、図43、図115、図116、図117などの他の画素構成においても適用できることは言うまでもない。また、本発明のゲートドライバ回路12の構成あるいはその駆動方式は、本発明の表示パネル、表示装置あるいは情報表示装置との組み合わせにおいて、より特徴ある効果を発揮する。しかし、他の構成においても特徴ある効果を発揮できることは言うまでもない。
本発明の実施例では、主として図1の画素構成を例示して説明をするがこれに限定するものではなく、他の画素構成でもよいことは言うまでもない。また、以下に説明するゲートドライバ回路12構成あるいは配置形態は、有機EL表示パネルなどの自己発光デバイスに限定されるものではない。液晶表示パネル、電磁遊動表示パネルあるいはFED(フィールドエミッションディスプレイ)などにも採用することができる。たとえば、液晶表示パネルでは、画素の選択スイッチング素子の制御として本発明のゲートドライバ回路12の構成あるいは方式を採用してもよい。また、ゲートドライバ回路12を2相用いる場合は、1相を画素のスイッチング素子の選択用として用い、他方を画素において、保持容量の1方の端子に接続してもよい。この方式は、独立CC駆動と呼ばれるものである。また、図71、図73などで説明する構成は、ゲートドライバ回路12だけでなく、ソースドライバ回路14のシフトレジスタ回路などにも採用することができることは言うまでもない。
図71は、本発明のゲートドライバ回路12のブロック図である。説明を容易にするため、4段分しか図示していないが、基本的には、ゲート信号線17数に対応する単位ゲート出力回路711が形成または配置される。
図71に図示するように、本発明のゲートドライバ回路12(12a、12b)では、4つのクロック端子(SCK0、SCK1、SCK2、SCK3)と、1つのスタート端子(データ信号(SSTA))、シフト方向を上下反転制御する2つの反転端子(DIRA、DIRB、これらは、逆相の信号を印加する)の信号端子から構成される。また、電源端子としてL電源端子(VBB)と、H電源端子(Vd)などから構成される。
画素16をPチャンネルのトランジスタで構成することのより、Pチャンネルトランジスタで形成したゲートドライバ回路12とのマッチングが良くなる。Pチャンネルトランジスタ(図1の画素構成では、トランジスタ11b、11c、トランジスタ11d)はL電圧でオンする。一方、ゲートドライバ回路12もL電圧が選択電圧である。Pチャンネルのゲートドライバは図73の構成でもわかるが、Lレベルを選択レベルとするとマッチングが良い。Lレベルが長期間保持できないからである。一方、H電圧は長時間保持することができる。
EL素子15に電流を供給する駆動用トランジスタ(図1ではトランジスタ11a)をPチャンネルで構成することにより、EL素子15のカソードが金属薄膜のべた電極に構成することができる。また、アノード電位Vddから順方向にEL素子15に電流を流すことができる。以上の事項から、画素16のトランジスタをPチャンネルとし、ゲートドライバ回路12のトランジスタもPチャンネルとすることがよい。以上のことから、本発明の画素16を構成するトランジスタ(駆動用トランジスタ、イッチング用トランジスタ)をPチャンネルで形成し、ゲートドライバ回路12のトランジスタをPチャンネルで構成するという事項は単なる設計事項ではない。
なお、レベルシフタ(LS)回路を、基板71に直接に形成してもよい。つまり、レベルシフタ(LS)回路をNチャンネルとPチャンネルトランジスタで形成する。コントローラ(図示せず)からのロジック信号は、基板71に直接形成されたレベルシフタ回路で、Pチャンネルトランジスタで形成されたゲートドライバ回路12のロジックレベルに適合するように昇圧する。この昇圧したロジック電圧を前記ゲートドライバ回路12に印加する。
なお、レベルシフタ回路を半導体チップで形成し、基板71にCOG実装などしてもよい。また、ソースドライバ回路14は、半導体チップで形成し、基板71にCOG実装する。ただし、ソースドライバ回路14を半導体チップで形成することに限定するものではなく、ポリシリコン技術を用いて基板71に直接に形成してもよい。
画素16を構成するトランジスタ11をPチャンネルで構成すると、プログラム電流は画素16からソース信号線18に流れ出す方向になる。そのため、ソースドライバ回路の単位電流回路484(図56、図57などを参照のこと)は、Nチャンネルのトランジスタで構成する必要がある。つまり、ソースドライバ回路14はプログラム電流Iwを引き込むように回路構成する必要がある。
したがって、画素16の駆動用トランジスタ11a(図1の場合)がPチャンネルトランジスタの場合は、必ず、ソースドライバ回路14はプログラム電流Iwを引き込むように、単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成する。ソースドライバ回路14をアレイ基板71に形成するには、Nチャンネル用マスク(プロセス)とPチャンネル用マスク(プロセス)の両方を用いる必要がある。概念的に述べれば、画素16とゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバの引き込み電流源のトランジスタはNチャンネルで構成するのが本発明の表示パネル(表示装置)である。
したがって、画素16のトランジスタ11をPチャンネルトランジスタで形成し、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで形成する。このように画素16のトランジスタ11とゲートドライバ回路12の両方をPチャンネルトランジスタで形成することにより基板71を低コスト化できる。しかし、ソースドライバ14は、単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで形成することが必要になる。したがって、ソースドライバ回路14は基板71に直接形成することができない。そこで別途、シリコンチップなどでソースドライバ回路14を作製し、基板71に積載する。なお、ソースドライバ回路14はシリコンチップで構成するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、低温ポリシリコン技術などでガラス基板に多数個を同時に形成し、チップ状に切断して、基板71に積載してもよい。なお、基板71にソースドライバ回路を積載するとして説明しているが、積載に限定するものではない。ソースドライバ回路14の出力端子681を基板71のソース信号線18に接続するのであればいずれの形態でもよい。たとえば、TAB技術でソースドライバ回路14をソース信号線18に接続する方式が例示される。シリコンチップなどに別途ソースドライバ回路14を形成することにより、出力電流のバラツキが低減し、良好な画像表示を実現できる。また、低コスト化が可能である。
また、画素16の選択トランジスタをPチャンネルで構成し、ゲートドライバ回路をPチャンネルトランジスタで構成するという構成は、有機ELなどの自己発光デバイス(表示パネルあるいは表示装置)に限定されるものではない。たとえば、液晶表示デバイス、FED(フィールドエミッションディスプレイ)にも適用することができる。
反転端子(DIRA、DIRB)は各単位ゲート出力回路711に対し、共通の信号が印加される。なお、図73の等価回路図をみれば、理解できるが、反転端子(DIRA、DIRB)は互いに逆極性の電圧値を入力する。また、シフトレジスタの走査方向を反転させる場合は、反転端子(DIRA、DIRB)に印加している電圧の極性を反転させる。
なお、図71の回路構成は、クロック信号線数は4つである。4つが本発明では最適な数であるが、本発明はこれに限定するものではない。4つ以下でも4つ以上でもよい。
クロック信号(SCK0、SCK1、SCK2、SCK3)の入力は、隣接した単位ゲート出力回路711で異ならせている。たとえば、単位ゲート出力回路711aには、クロック端子のSCK0がOCに、SCK2がRSTに入力されている。この状態は、単位ゲート出力回路711cも同様である。単位ゲート出力回路711aに隣接した単位ゲート出力回路711b(次段の単位ゲート出力回路)は、クロック端子のSCK1がOCに、SCK3がRSTに入力されている。したがって、単位ゲート出力回路711に入力されるクロック端子は、SCK0がOCに、SCK2がRSTに入力され、次段は、クロック端子のSCK1がOCに、SCK3がRSTに入力され、さらに次段の単位ゲート出力回路711に入力されるクロック端子は、SCK0がOCに、SCK2がRSTに入力され、というように交互に異ならせている。
図73が単位ゲート出力回路711の回路構成である。構成するトランジスタはPチャンネルのみで構成している。図74が図73の回路構成を説明するためのタイミングチャートである。なお、図72は図73の複数段分におけるタイミングチャートを図示したものである。したがって、図73を理解することにより、全体の動作を理解することができる。動作の理解は、文章で説明するよりも、図73の等価回路図を参照しながら、図74のタイミングチャートを理解することにより達成されるため、詳細な各トランジスタの動作の説明は省略する。
Pチャンネルのみでドライバ回路構成を作成すると、基本的にゲート信号線17をHレベル(図73ではVd電圧)に維持することは可能である。しかし、Lレベル(図73ではVBB電圧)に長時間維持することは困難である。しかし、画素行の選択時などの短期間維持は十分にできる。
画素16のスイッチング用トランジスタ11b、11cがPチャンネルトランジスタで形成されていると、Vghで画素16が選択状態となる。Vglで画素16が非選択状態となる。以前にも説明したが、ゲート信号線17aがオン(Vgl)からオフ(Vgh)になる時に電圧が突き抜ける(突き抜け電圧)。画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで形成されていると、黒表示状態の時、この突き抜け電圧によりトランジスタ11aがより電流が流れないようになる。したがって、良好な黒表示を実現できる。黒表示を実現することが困難であるという点が、電流駆動方式の課題である。しかし、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成することにより、オン電圧はVghとなる。したがって、Pチャンネルトランジスタで形成された画素16とマッチングがよい。また、図1、図2、図32、図113、図116の画素16構成のように、アノード電圧Vddから駆動用トランジスタ11a、ソース信号線18を介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484にプログラム電流Iwが流入するように構成することが重要である。したがって、ゲートドライバ回路12および画素16をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバ回路14を基板に積載し、かつソースドライバ回路14の単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成することは、すぐれた相乗効果を発揮する。
なお、図42の(b)においても同様である。図42の(b)は駆動用トランジスタ11bを介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484に電流が流入するのではない。しかし、アノード電圧Vddからプログラム用トランジスタ11a、ソース信号線18を介してソースドライバ回路14の単位トランジスタ484にプログラム電流Iwが流入するように構成である。したがって、図1と同様に、ゲートドライバ回路12および画素16をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバ回路14を基板に積載し、かつソースドライバ回路14の単位トランジスタ484をNチャンネルトランジスタで構成することは、すぐれた相乗効果を発揮する。
IN端子に入力された信号と、RST端子に入力されたSCKクロックにより、n1が変化し、n2はn1の反転信号状態となる。n2の電位とn4の電位とは同一極性であるが、OC端子に入力されたSCKクロックによりn4の電位レベルはさらに低くなる。この低くなるレベルに対応して、Q端子がその期間、Lレベルに維持される(オン電圧がゲート信号線17から出力される)。SQあるいはQ端子に出力される信号は、次段の単位ゲート出力回路711に転送される。
図71、図73の回路構成において、IN(INA、INB)端子、クロック端子の印加信号のタイミングを制御することにより、図75の(a)に図示するように、1ゲート信号線17を選択する状態と、図75の(b)に図示するように2ゲート信号線17を選択する状態とを同一の回路構成を用いて実現できる。
選択側のゲートドライバ回路12aにおいて、図75の(a)の状態は、1画素行(51a)を同時に選択する駆動方式である(ノーマル駆動)。また、選択画素行は1行ずつシフトする。図75の(b)は、2画素行を選択する構成である。この駆動方式は、図27、図28、図29で説明した複数画素行(51a、51b)の同時選択駆動(ダミー画素行を構成する方式)である。選択画素行は、1画素行ずつシフトし、かつ隣接した2画素行が同時に選択される。特に、図75の(b)の駆動方法は、最終的な映像を保持する画素行(51a)に対し、画素行51bは予備充電される。そのため、画素16が書き込み易くなる。つまり、本発明は、端子に印加する信号により、2つの駆動方式を切り替えて実現できる。
なお、図75の(b)は隣接した画素16行を選択する方式であるが、図76に図示するように、隣接した以外の画素16行を選択してもよい(図76は、3画素行離れた位置の画素行を選択している実施例である)。また、図73の構成では、4画素行の組で制御される。4画素行にうち、1画素行を選択するか、連続した2画素行を選択するかの制御を実施できる。これは、使用するクロック(SCK)が4本によることの制約である。クロック(SCK)8本になれば、8画素行の組で制御を実施できる。
選択側のゲートドライバ回路12aの動作は、図75の動作である。図75の(a)に図示するように、1画素行を選択し、選択位置を1水平同期信号に同期して1画素行ずつシフトする。また、図75の(b)に図示するように、2画素行を選択し、選択位置を1水平同期信号に同期して1画素行ずつシフトする。
図279の(a)では、4画素行に組で1画素行を選択することができる(4画素行の組で、1本の画素行を選択するが、全く選択しないかは、INデータの入力状態と、シフト状態で決定される)。図279の(b)では、4画素行に組で連続した2画素行を選択することができる(4画素行の組で、2本の画素行を選択するが、全く選択しないかは、INデータの入力状態と、シフト状態で決定される)。また、本発明は、クロック数に等しい画素行を組として、この画素行の組において、1画素行もしくは、画素行の組の1/2以下の本数(たとえば、4画素行の組であれば、4/2=2画素行)を選択する方式である。したがって、画素行に組内では、必ず非選択の画素行が発生する。
1画素行を選択する方式では、図278の(a)で図示するように、プログラム電流Iwは1つの画素16に流れる。2画素行を同時に選択する駆動方式は、図24、図27で説明した駆動方式と同様になる。プログラム電流Iwは図278の(b)に図示するように、2画素行に分割されて画素16に書き込まれる。ただし、これに限定されるものではない。たとえば、図278の(b)に図示するように、プログラム電流Iw×2の電流を印加し、選択された2つの画素(16a、16b)に同一の電流を流すように構成してもよい。
選択側のゲートドライバ回路12aの動作は、図75の動作である。図75の(a)に図示するように、1画素行を選択し、選択位置を1水平同期信号に同期して1画素行ずつシフトする。また、図75の(b)に図示するように、2画素行を選択し、選択位置を1水平同期信号に同期して1画素行ずつシフトする。
図279は、EL素子15をオンオフさせるゲート信号線17bを制御するゲートドライバ回路12bの動作を説明する説明図である。図279の(a)は、4画素行の組(以降、このような画素行の組を画素行組と呼ぶ)に1画素行のゲート信号線17bにオン電圧を印加した状態である。表示画素行53位置は、水平同期信号(HD)に同期して1画素行ずつシフトする。もちろん、4画素行組に1画素行に対応するゲート信号線17bにオン電圧を印加する(他の3画素行に対応するゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている)か、4画素行組のすべてにオフ電圧を印加する(4画素行に対応するゲート信号線17bにオフ電圧が印加されている)かは、任意に選択できる。なお、シフトレジスタの構成であるから、設定された選択状態は、水平同期信号に同期してシフトされる。
図279の(b)は、4画素行組の2画素行のゲート信号線17bにオン電圧を印加した状態である。表示画素行53位置は、水平同期信号(HD)に同期して1画素行ずつシフトする。もちろん、4画素行組に2画素行に対応するゲート信号線17bにオン電圧を印加する(他の2画素行に対応するゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている)か、4画素行組のすべてにオフ電圧を印加する(4画素行に対応するゲート信号線17bにオフ電圧が印加されている)かは、任意に選択できる。なお、シフトレジスタの構成であるから、設定された選択状態は、水平同期信号に同期してシフトされる。
また、図279の(a)は4画素行組に1画素行のゲート信号線17bにオン電圧を印加した状態である。図279の(b)は、4画素行組の2画素行のゲート信号線17bにオン電圧を印加した状態である。しかし、本発明はこの構成(方式)に限定するものではない。たとえば、6画素行組に1画素行のゲート信号線17bにオン電圧を印加してもよい。
図280は図279の(a)の駆動状態の時に、ゲート信号線17bに出力される電圧の状態である。先にも説明したように、信号線17bの( )で記載した添え字は、画素行を示している。なお、説明を容易にするため、画素行は(1)からとしている。また、表の上段の数字は、水平走査期間の番号を示している。
図280に図示するように、ゲート信号線17b(1)〜ゲート信号線17b(4)と、ゲート信号線17b(5)〜ゲート信号線17b(8)とが同一波形である。つまり、4画素行組で同一の動作が実施されている。
図281は図279の(b)の駆動状態の時に、ゲート信号線17bに出力される電圧の状態である。図281に図示するように、ゲート信号線17b(1)〜ゲート信号線17b(4)と、ゲート信号線17b(5)〜ゲート信号線17b(8)とが同一波形である。つまり、4画素行組で同一の動作が実施されている。
図279の実施例では、任意の時刻で、表示状態の画素数を増減することにより、表示画面50の明るさを調整することができる。QCIF+パネルの場合は、垂直画素数は220ドットである。したがって、図279の(a)では、220/4=55画素行を表示することができる。つまり、白ラスター表示では、55画素行を表示させた時が、最大の明るさである。画面の明るさは、表示画素行数を55本→54本→53本→52本→51本→・・・・・・・5本→4本→3本→2本→1本→0本と変化させることにより、表示画面を暗くすることができる。逆に、0本→1本→2本→3本→4本→5本→・・・・・・・50本→51本→52本→53本→54本→55本と変化させることにより、画面を明るくすることができる。したがって、多段階の明るさ調整を実現できる。
この明るさ調整では、画面の明るさは表示画素数に比例し、かつ変化はリニアである。その上、明るさに対応するガンマ特性に変化はない(画面が明るくとも、暗くとも階調数は維持される)。
以上の実施例では、表示画面50の明るさを調整する表示画素行数の変化は、1本ごとにするとしたが、これに限定するものではない。54本→52本→50本→48本→46本→・・・・・・・6本→4本→2本→0本と変化させてもよい。また、55本→50本→45本→40本→35本→・・・・・・・15本→10本→5本→0本と変化させてもよい。
同様に、図279の(b)では、QCIF+パネルでは、220/2=110画素行を表示することができる。つまり、白ラスター表示では、110画素行を表示させた時が、最大の明るさである。画面の明るさは、表示画素行数を110本→108本→106本→104本→102本→・・・・・・・10本→8本→6本→4本→2本→0本と変化させることにより、表示画面を暗くすることができる。逆に、0本→2本→4本→6本→8本→10本→・・・・・・・100本→102本→104本→106本→108本→110本と変化させることにより、画面を明るくすることができる。したがって、多段階の明るさ調整を実現できる。なお、表示画面50の明るさを調整する表示画素行数の変化は、2本ごとにするとしたが、これに限定するものではない。4本ごとにしてもよく、4本以上であってもよい。また、明るさを調整するために、表示画素行を間引くのは、一箇所に集中して間引くのではなく、極力分散するように間引くことがよい。フリッカの発生を抑制するためである。
明るさ調整は、画素行数の単位ではなく(画素行を1水平走査期間の略全期間の間点灯させる、あるいは非点灯とさせるという駆動)、1水平走査期間あたりの点灯時間でも調整することができる。つまり、1水平走査期間の一部の期間(たとえば、1Hの1/8の期間、1Hの15/16の期間というように)点灯することのより表示画面の明るさを調整するのである。
この調整(制御)は、表示パネルのメインクロック(MCLK)を用いて行う。QCIF+パネルでは、MCLKは約2.5MHzである。つまり、1水平走査期間(1H)に176クロックをカウントすることができる。したがって、MCLKをカウンタし、このカウント値により、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)を印加する期間を制御することにより各画素行のEL素子15をオンオフさせることができる。
具体的には、図72、図74に図示するタイミングチャートにおいて、クロック(SCK)のLレベルにする位置、Lレベルの期間を制御することにより実現できる。SCKがLレベルにする期間を短くするほど、出力のQ端子がLレベル(Vgl)となる期間が短くなる。
図279の(a)の駆動方式では、図282に図示するように、1Hの期間において左右対称にVgl(オン電圧)となる期間が短くなる。図282ではの(a)が1H期間のすべてがVgl(オン電圧)を出力している期間である(ただし、図73のPチャンネルのゲートドライバ回路12構成では、1H期間のすべてにLレベル出力をすることは不可能である。1Hと次の1Hとの間にはVgh電圧(オフ電圧)の期間が発生する。図282は説明を容易にするためにあえて(a)のように図示している。
同様に、図282の(b)では、ゲート信号線17bにVglを出力している期間が、MCLKが2クロック分だけ短く((a)に比較して)していることを図示している。さらに、図282の(c)では、ゲート信号線17bにVglを出力している期間が、MCLKが2クロック分だけ短く((b)に比較して)していることを図示している。以下、同様であるので説明を省略する。
図279の(b)の駆動方式では、図283に図示するように、2Hの期間において左右対称にVgl(オン電圧)となる期間が短くなる。図283では(a)が1H期間のすべてがVgl(オン電圧)を出力している期間である(ただし、図73のPチャンネルのゲートドライバ回路12構成では、2H期間のすべてにLレベル出力をすることは不可能である。2Hと次の2Hとの間にはVgh電圧(オフ電圧)の期間が発生する。このことは、図282と同様である。
同様に、図283の(b)では、ゲート信号線17bにVglを出力している期間が、2H期間でMCLKが2クロック分だけ短く((a)に比較して)していることを図示している。さらに、図283の(c)では、ゲート信号線17bにVglを出力している期間が、MCLKが2クロック分だけ短く((b)に比較して)していることを図示している。以下、同様であるので説明を省略する。
なお、ゲートドライバ回路12の構成を多少変更し、クロックを調整すれば、図284に図示するように、図282のゲート信号線17bの印加期間が2H期間連続して行うことができる。
図13、図14などでは、動画ボケを解決する駆動方式について説明をした。画像を間欠表示することにより、画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状態を実現できという方法である。つまり、CRTに近い表示状態を実現することにおり、良好な動画表示を実現するものである。
図279の駆動方式でも、良好な動画表示を実現できる。ただし、図13では表示領域53が連続し、非表示領域52も連続しているのに対し、図279では、表示領域53が連続しない。4画素行組で1画素行にオン電圧を印加(図279の(a))するか、4画素行組で連続した2画素行にオン電圧を印加(図279の(b))するかの表示状態となるからである。もちろん、図71、図73に例示した回路構成を変更あるいは改良することにより、クロック(SCK)に対する表示画素行を変更あるいは変化させることができる。たとえば、1画素行飛ばしで表示させることもできる。また、6画素行飛ばしで点灯させることもできる。ただし、Pチャンネルのトランジスタで構成あるいは形成したドライバ回路(シフトレジスタ)では、少なくとも表示画素行53間に非点灯の表示画素行52が配置(挿入)される。
図285に、ゲートドライバ回路12が図73のようにPチャンネルで形成されている場合において、動画表示対応とする駆動方式を示す。以前にも説明したように、動画ボケによる画像表示劣化を防止するためには、間欠表示にする必要がある。つまり、黒挿入(黒あるいは低輝度の表示画面を表示する)する必要がある。CRTの表示のように駆動(表示)する。つまり、任意の画素行に画像が表示すると、所定の期間の表示後、黒(低輝度)表示にする。この画素行は、点滅(画像表示と非表示(黒表示あるいは低輝度表示)が交互に繰り返される)することになる。黒表示期間は4msec以上にする必要がある。もしくは、1フレーム(1フィールド)の1/4以上の期間を黒表示(低輝度表示)にする。好ましくは、1フレーム(1フィールド)の1/2の期間以上を黒表示(低輝度表示)にする。この条件は、人間の目の残像特性による。つまり、所定周期より速く点滅する画像は、人間の目の残像特性により、連続して点灯しているように見える。これが、動画ボケにつながる。しかし、所定周期より遅く点滅する画像は、視覚的には、連続しているように見えるが、間に挿入された非点灯(黒表示)状態を認識することができるようになり、表示画像が飛び飛びの状態になる(視覚的には変には感じないが)。そのため、動画表示で、画像が飛び飛びになり、画像ぶれが発生しない。つまり、動画ボケがなくなる。
図285の(a)において、Aの領域は、4画素行に1画素行が表示(点灯状態)状態である。したがって、4水平走査期間(4H)に1回点灯する(4H期間に1H期間の間点灯する)。この期間(画素行が点灯し、非点灯となり、次に点灯するまでの期間)は、4msec以下である。したがって、人間の目には、画像が完全に連続して表示されているように見える(任意の画素行がたえず、点灯しているのと大差がない)。図285の(a)のBの領域では、画素行が表示されてから、次に表示されるまで、4msec以上、好ましくは8msec以上となるように黒挿入(低輝度表示)されている。したがって、画像は飛び飛びとなり、良好な動画表示を実現できる。
なお、以上の説明でAの領域あるいはBの領域として説明したが、以上の事項は説明を容易にするためである。図285において、Aの領域は矢印方向(画面の上から下)に順次走査される。CRTで電子ビームの走査されるごとくにである。つまり、画像は順次書き換えられる(図285の(a)は図286を参照のこと。図286の(a)→(b)→(c)→(a)のように走査(駆動)される。図285の(b)は図287を参照のこと。図287の(a)→(b)→(c)→(a)のように走査(駆動)される)。
以上のように、本発明の駆動方式において、任意の画素行は、図285の(a)において、1フィールド(1フレーム)の4msec(好ましくは8msec)以上の期間は、4Hに1Hの期間表示され、その他の期間(1フィールド(1フレーム)の残りの期間)は、連続して非点灯(黒表示(黒挿入)あるいは低輝度表示)状態が維持される。したがって、説明を容易にするために、A領域あるいはB領域と表現したが、時間的な観点から、A期間あるいはB期間と表現するほうが適切である。つまり、A領域(A期間)は、連続して画像が点灯する期間であり、B領域(B期間)は画素行(画面50)が間欠表示される期間である。以上の事項は図285の(b)あるいは他の本発明の実施例においても同様である。
図285の(b)では、2画素行を連続して点灯状態にし、つづく、2画素行を非点灯状態にしている。つまり、A領域(A期間)では、2Hの期間点灯し、2Hの期間非点灯状態となることを繰り返す。B領域(B期間)は所定の期間、連続して非点灯状態が維持される。図285の(b)の駆動方式においても、A領域は見かけ上、連続表示状態であり、B領域は見かけ上、間欠表示である。
以上のように、本発明の駆動方式は、任意の画素行(画素)に着目して表示状態を観測したとき、4msec未満の期間(もしくは1フレーム(1フィールド)の1/4未満の期間)で画像表示と非表示(黒表示または所定以下の低輝度表示)が少なくとも1回以上繰り返させる第1の期間と、前記画素行(画素)が表示状態から非表示(黒表示または所定以下の低輝度表示)状態になり、次に表示状態になる期間が、4msec以上となる第2の期間(もしくは1フレーム(1フィールド)の1/4以上の期間)を実施するものである。以上の駆動を実施することのより、良好な動画表示を実現でき、また、その制御回路(ゲートドライバ回路12など)の構成も容易であり、低コスト化を実現できる。
図285においても、点灯画素行数を変化させることにより、画面50の明るさを調整(変化)させることができる(図279と同様に、表示画素数53を変化あるいは調整すればよい)。また、黒挿入領域(図285のB領域)の割合を変化させることにより、画像表示状態に応じて最適状態にすることができる。たとえば、静止画では、B領域が長くなることを避けるべきである。フリッカの発生の原因となるからである。静止画の場合は、表示画素行53を分散して表示(画面50内に配置)すべきである。たとえば、QCIF+パネルの場合は、画素行数が220本である。このうち、静止画で55画素行を表示するのであれば、220/44=4であるから、4画素行ごとに1画素行を表示させればよい。220画素行のうち10画素行を表示するのであれば、220/10=22画素行に1画素行を表示させればよい。なお、図285においてB領域(B期間)は1つとしているが、これに限定するものではなく、2つ以上(複数)に分割あるいは分散させてもよいことはいうまでもない。
しかし、図285の(a)では、4画素行組で1画素行を点灯させるか否かの表示しか実現できない。したがって、22画素行に1画素行を点灯させることはできない。そのため、4画素行組を5回=20画素行に1画素行を表示する(つまり、20画素行に1画素行を表示する。言い換えれば、4画素行組の4つは、まったく画素行を点灯状態とせず、1画素行組の1画素行を点灯状態とする)。残りの20画素行(220−4×5=200)はすべてを非点灯状態にする。つまり、本発明では、制約(規制あるいは規定)される画素行組を1単位として、この画素行組の組み合わせ(ブロック)内で、このブロック内にいくつの画素行組の画素行を点灯させるか否かの制御を行う。以上の事項は、図285の(b)においても適用され、また、本発明の他の実施例においても適用される。
動画表示の場合は、図285で説明したように、少なくとも4msec以上の黒挿入を実施する必要がある。また、黒挿入の割合(黒表示の連続時間、表示画面に対する黒表示面積)を変化させることにより、動画表示状態を変化することができる(最適状態に調整できる)。非常に高速な動画表示(画像の動きが激しい場合など)は、黒挿入面積を増大させるとよい。この際、画像を表示する画素数が減少することにより輝度低下は、1画素行の発光輝度を高くすることにより対応する。また、黒表示が連続する期間を長くするとよい。比較的全画面に対する動画表示領域の割合が少ない場合、あるいは比較的動画の動きがゆっくりとしている場合は、黒挿入の割合を減少させるとよい。この場合の点灯画素行53が増加することによる表示輝度の増大は、1画素行あたりの発光輝度を低下させることにより容易に調整できる。この調整はプログラム電流Iwなどで変更できるからである。もしくは、黒挿入期間を複数に分散させるとよい。フリッカが減少し良好な画像表示を実現できる。
以上のような、動画表示においても黒挿入状態を変更あるいは調整することにより、より最適な画像表示を実現できる。以上の事項は以下の実施例においても適用されることは言うまでもない。
入力映像信号の動画検出(ID検出)を行い、動画の場合あるいは動画が多い画像では、図285の駆動方式(黒挿入による間欠表示)を実施する。静止画の場合は、図279の駆動方式(点灯画素行位置が極力分散して配置する)を実施する。もちろん、本発明の表示パネルあるいは表示装置を用いる用途に応じて切り替えてもよい。たとえば、コンピュータモニターのように静止画の場合は図279の駆動方式を採用する。テレビのようにAV用途の場合は、図285の駆動方式を採用する。この駆動方式の切り替えは、ゲートドライバ回路12bのSSTAデータのより、容易に変更することができる。図1などのEL素子15に流れる電流をオンオフさせるTFTを制御するだけであるからである。図285と図279の切り替え(動画対応かあるいは静止画対応か、もしくは、より動画対応かより静止画対応か)は、ユーザーが操作できる切り替えスイッチなどを状況に応じて実施してもよいし、本発明の表示パネルの製造業者が実施してもよい。また、ホトセンサなどを用いて、周囲環境状態を検出し、自動で切り替えてもよい。また、本発明が受信する映像信号に制御信号(切り替え信号)をあらかじめ乗せておき、この制御信号を検出して、表示状態(駆動方式)を切り替えてもよい。
図288は、図285の(a)の駆動方式の場合の、ゲート信号線17bの出力波形である。図1の画素構成では、ゲート信号線17bに印加されるオンオフ信号(Vghがオフ電圧、Vglがオン電圧)でTFT11dをオンオフ制御し、EL素子15に流れる電流をオンオフさせる。図1において、上段は水平走査期間を示しており、L記号は、画素行数L(QCIF+パネルの場合は、L=220本)を示している。なお、図279、図285においても、本発明の駆動方式は、図1の画素構成に限定されるものではない。たとえば他の画素構成(図54など)においても適用できることは言うまでもない。
図288でわかるように、A期間(A領域)では、4H期間に1H期間の割合で各ゲート信号線17bにオン電圧(Vhl)が印加される。B期間(B領域)では、連続してオフ電圧(Vgh)が印加される。したがって、この期間にはEL素子15には電流が流れない。そして、各ゲート信号線17bのオン電圧位置が1画素行ずつ走査されている。
なお、以上の実施例では、1画素行ずつ走査されるとしたが、本発明はこれ限定されるものではない。たとえば、インターレース走査では、1画素行飛ばしで走査される。つまり、第1フレームでは偶数画素行が走査される。第2フレームでは奇数画素行が走査される。また、第1フレームを書き換えているときは、第2フレームで書き込まれた画像はそのまま保持される。ただし、点滅動作を実施する(実施しなくともよい)。第2フレームを書き換えているときは、第1フレームで書き込まれた画像はそのまま保持される。もちろん、図285の実施例のように点滅動作を実施してもよい。
インターレース走査は2フレームで1フィールドがCRTで通常である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、4フレーム=1フィールドでもよい。この場合は、第1フレームでは、(4N+1)画素行(ただし、Nは以上の整数)の画像が書き換えられる。第2フレームでは、(4N+2)画素行の画像が書き換えられる。次の第3フレームでは(4N+3)画素行の画像が書き換えられる。また、最後の第4フレームでは、(4N+4)画素行の画像が書き換えられる。以上のように、本発明は、画素行への書き込みは、順次走査のみに限定するものではない。以上の事項は他の実施例においても適用される。また、本発明において、インターレース走査とは広く一般的な飛び越し走査を意味し、2フレーム=1フィールドに限定されるものではない。つまり、複数フレーム=1フィールドである。
なお、図288、図289においても、図282、図283、図284などの1水平走査期間(1H)あるいは複数の水平走査期間内において、EL素子15に流れる電流を制御すること(オン期間を制御すること)により、表示画面50の明るさを調整する駆動方式を併用できることは言うまでもない。
図289は図288と同様に、図285の(b)におけるゲート信号線17bの印加波形である。図288との差異は、A期間(A領域、図279の(b)を参照のこと)において、各ゲート信号線17bには、2水平走査期間(2H)の間、オン電圧(Vgl)が印加され、その後、2Hの期間、オフ電圧(Vgh)が印加されている。また、このオン電圧とオフ電圧とは交互に繰り返されている。B期間(B領域)では連続してオフ電圧が印加される。各ゲート信号線17bのオン電圧の印加位置は、1Hごとに走査される。
図288は図285の(a)の駆動方式の場合の、ゲート信号線17bの出力波形である。図1の画素構成では、ゲート信号線17bに印加されるオンオフ信号(Vghがオフ電圧、Vglがオン電圧)でTFT11dをオンオフ制御し、EL素子15に流れる電流をオンオフさせる。図1において、上段は水平走査期間を示しており、L記号は、画素行数L(QCIF+パネルの場合は、L=220本)を示している。なお、図279、図285においても、本発明の駆動方式は、図1の画素構成に限定されるものではない。たとえば他の画素構成(図54など)においても適用できることは言うまでもない。
図288でわかるように、A期間(A領域)では、4H期間に1H期間の割合で各ゲート信号線17bにオン電圧(Vhl)が印加される。B期間(B領域)では、連続してオフ電圧(Vgh)が印加される。したがって、この期間にはEL素子15には電流が流れない。そして、各ゲート信号線17bのオン電圧位置が1画素行ずつ走査されている。
なお、以上の実施例では、1画素行ずつ走査されるとしたが、本発明はこれ限定されるものではない。たとえば、インターレース走査では、1画素行飛ばしで走査される。つまり、第1フレームでは偶数画素行が走査される。第2フレームでは奇数画素行が走査される。また、第1フレームを書き換えているときは、第2フレームで書き込まれた画像はそのまま保持される。ただし、点滅動作を実施する(実施しなくともよい)。第2フレームを書き換えているときは、第1フレームで書き込まれた画像はそのまま保持される。もちろん、図285の実施例のように点滅動作を実施してもよい。
インターレース走査は2フレームで1フィールドがCRTで通常である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、4フレーム=1フィールドでもよい。この場合は、第1フレームでは、(4N+1)画素行(ただし、Nは以上の整数)の画像が書き換えられる。第2フレームでは、(4N+2)画素行の画像が書き換えられる。次の第3フレームでは(4N+3)画素行の画像が書き換えられる。また、最後の第4フレームでは、(4N+4)画素行の画像が書き換えられる。以上のように、本発明は、画素行への書き込みは、順次走査のみに限定するものではない。以上の事項は他の実施例においても適用される。また、本発明において、インターレース走査とは広く一般的な飛び越し走査を意味し、2フレーム=1フィールドに限定されるものではない。つまり、複数フレーム=1フィールドである。
なお、図288、図289においても、図282、図283、図284などの1水平走査期間(1H)あるいは複数の水平走査期間内において、EL素子15に流れる電流を制御すること(オン期間を制御すること)により、表示画面50の明るさを調整する駆動方式を併用できることは言うまでもない。
図289は図288と同様に、図285の(b)におけるゲート信号線17bの印加波形である。図288との差異は、A期間(A領域、図279の(b)を参照のこと)において、各ゲート信号線17bには、2水平走査期間(2H)の間、オン電圧(Vgl)が印加され、その後、2Hの期間、オフ電圧(Vgh)が印加されている。また、このオン電圧とオフ電圧とは交互に繰り返されている。B期間(B領域)では連続してオフ電圧が印加される。各ゲート信号線17bのオン電圧の印加位置は、1Hごとに走査される。他の事項は、図288と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
なお、以上の実施例では、表示画面50内で、A領域とB領域とが混在する駆動方式である。つまり、画面表示状態のいずれの期間でも、かならず、A領域をB領域がある(もちろん、A領域がどこにあるかは、異なる)。このことは、1フィールド(1フレーム、つまり画面の書き換え周期)内に、A期間とB期間があるということである。しかし、動画表示を良好にするためには、黒挿入(黒表示あるいは低輝度表示)を行えばよいのであるから、図285の駆動方式に限定されるものではない。
たとえば、図290の駆動方式が例示される。理解を容易にするために、図290では、4つの表示期間((a)、(b)、(c)、(d))で構成されているとする。また、4フレー=1フィールドとし、図290の(a)を第1フレーム、図290の(b)を第2フレーム、図290の(c)を第3フレーム、図290の(d)を第4フレームとする。表示は図290の(a)→(b)→(c)→(d)→(a)→(b)→・・・・・・・と繰り返される。
第1フレームでは、図290の(a)に図示するように、偶数番目の画素行を順次選択し、画像を書き換える。第1フレームの書き換えが終わると、図290の(b)に図示するように、画面50の上から順次黒表示としていく(図290の(b)は黒表示書き込みが終了した状態である)。次の第3フレームでは、図290の(c)に図示するように、奇数番目の画素行を、画面50の上から順次、画像を書き込んでいく。つまり、奇数番目の画像が、画面の上部から順次表示される。次の第4フレームでは、画面50の上部から、画像が非点灯状態(黒表示)にされていく(図290の(d)も完全に非点灯状態にした時の状態を示す)。
なお、図290において、(a)(c)では、画像を書き込むと表現し、かつ画像を表示すると表現したが、本発明は基本的に、画像を表示する(点灯させる)状態に特徴がある。したがって、画像を書き込むこと(プログラムを実施すること)と画像を表示することとは同一である必要はない。つまり、図290の(a)(c)では、ゲート信号線17bの制御により、EL素子15に流れる電流を制御し、点灯あるいは非点灯状態にすると考えてよい。したがって、図290の(a)の状態と図290の(b)の状態との切り替えは、一括で(たとえば、1H期間で)行うことができる。たとえば、イネーブル端子を制御することで実施できる(ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタにオンオフ状態(図290の(a)では、偶数画素行に対応するシフトレジスタがオンデータ)を保持しておき、イネーブル端子がオフの時は、図290の(b)(d)の状態を表示し、イネーブル端子をオンにすることのより、図290の(a)の表示状態になるなど)。したがって、ゲート信号線17bのオンオフ状態で図290の(a)(c)の表示を実施できる(あらかじめ、画像データは図1の画素構成で例示すれば、コンデンサ19に保持させておく)。以上の説明では、図290のの(a)(b)(c)(d)の状態は、各1lフレーム期間の間実施するとした。
しかし、本発明がこの表示状態に限定するものではない。少なくとも動画表示状態を改善あるいは良好なものとするには、図290の(b)(d)などの黒挿入状態を4msecの期間、実施すればよいからである。したがって、本発明の実施例において、ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ回路を用いて、ゲート信号線17bを走査し、図290の(a)(c)の表示状態を実現することの限定されるものではない。奇数番目のゲート信号線17b(奇数ゲート信号線組と呼ぶ)を一括接続しておき、また、偶数番目のゲート信号線17b(偶数ゲート信号線組と呼ぶ)を一括接続しておき、奇数ゲート信号線組と偶数ゲート信号線組とを交互にオンオフ電圧を印加するようにすればよい。奇数ゲート信号線組にオン電圧を印加し、偶数ゲート信号線組にオフ電圧を印加すれば、図290の(c)の表示状態が実現される。偶数ゲート信号線組にオン電圧を印加し、奇数ゲート信号線組にオフ電圧を印加すれば、図290の(a)の表示状態が実現される。奇数ゲート信号線組と偶数ゲート信号線組の両方にオフ電圧を印加すれば、図290の(b)(d)の表示状態が実現される。図290の(a)(b)(c)(d)の各状態は、4msec(特に図290の(b)(d)は)以上の期間、実施すればよい。
以上の図290の駆動方式では、画面表示状態(図290の(a)(c))と黒表示状態(黒挿入、図290の(b)(d))が交互に繰り返される。したがって、画像表示が間欠表示となり、動画表示性能が向上する(動画ボケが発生しない)。
図290の実施例では、第1フレームと第3フレームでは、奇数画素行または偶数画素行に画像を表示し、この2つの画面間に黒画面(図290の(b)(d))を挿入する駆動方式であった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、図279の表示状態を第1フレームおよび第3フレームに実施し、この2つのフレーム間に黒表示を挿入してもよい。以上の実施例におけるタイミングチャートを図291に示す。図291の(a)は第1フレームであり、図291の(b)は黒挿入状態の第2フレームである。図291の(c)は第3フレームである。なお、第4フレームは図291の(b)と同様であるので省略している。ただし、第4フレ−ムは必ずしも必要ではない。3フレーム=1フィールド構成でもよい。第2フレームで黒画面が挿入されるから動画ボケは大幅に改善されるからである。つまり、図291の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・・・と繰り返す。
図291の(a)は、図279の(a)に4水平走査期間(4H)に1Hの期間、画像を表示する(各ゲート信号線17bは4Hごとに1Hの期間、Vgl電圧(オン電圧)が印加される。次の第2フレームでは、すべてのゲート信号線17bはオフ電圧(Vgh)が印加されている。この制御は先の実施例と同様に、イネーブル端子を制御することのより、一括で行うことができる。したがって、図291の(b)の状態は、1フレーム期間実施することに限定されるものではない。動画表示を良好なものとするには、4msec以上の期間、維持されればよいからである。ただし、図291の(a)が画面の上(上からに限定するものではないが)から順次画像を書き換えるとすると、画像が飛んでしまう。図290説明したように、複数のゲート信号線17bを一括接続し、また、イネーブル端子を制御することによれば、容易に実施することができる。
図291は、各画素行は、4H期間に1H期間、点灯するなど、規則正しく、画像表示を実施するものであった。しかし、各画素行は、単位期間(たとえば、1フレーム、1フィールドなど)で、点灯(表示)期間が一致していればよい。つまり、規則正しく、点灯状態と非点灯状態とを実施する必要はない。
図292は、規則正しくない点灯状態の場合の実施例である。ゲート信号線17b(1)は第1H、第5H、第6H、第9H、第13H、第14H、・・・・・・にオン電圧が印加されている。他の期間にはオフ電圧が印加されている。したがって、周期的にオン電圧が印加されているのではなく(長期間でみれば、周期てきであるが)、ランダム的である。この1フレーム期間(単位期間)に各ゲート信号線17bにオン電圧が印加される期間を加算したものが、他のゲート信号線17bと略一致させておけばよい。このように各画素行の点灯時間(ゲート信号線17bにオン電圧を印加することのより、画素行が点灯(表示)するとしている)が略一致する。なお、図292では、各ゲート信号線17bに印加する信号波形は、1Hずつ走査されたようにしている。このように、基本パターン波形を、各ゲート信号線17bで1H(所定クロックあるいは単位)ずらして走査する(印加する)ことにより、表示画面の輝度を全画面で均一化できる。なお、図292においてもオン電圧(Vgl)の印加期間を調整することにより、画面の明るさを制御(調整)することができることはいうまでもない。
以上の実施例では、各フレーム(単位期間)において、ゲート信号線17bには、同一のオンオフ電圧パターンを印加する実施例であった。しかし、本発明は、所定期間で、各画素行(画素)が点灯(表示)もしくは非点灯(非表示)となる期間が略等しくするものである。したがって、2フレーム=1フィールドの駆動方式において、第1フレームと第2フレームとに印加する各ゲート信号線17bの信号波形が異なっていてもよい。たとえば、任意の画素行が第1フレームで10Hの期間の間、オン電圧が印加され、第2フレームで20Hの期間の間、オン電圧が印加されるように駆動してもよい(2フレームという単位期間で、10H+20Hの期間の間、オン電圧が印加される)。他の画素行も、30Hの期間、オン電圧が印加されるようにする。
この実施例を図293に図示する。図293の(a)(第1フレームとする)では、各画素行に対応するゲート信号線17bには、4水平走査期間(4H)周期で1水平走査期間(1H)オン電圧が印加される。図293の(b)(第2フレームとする)では、各画素行に対応するゲート信号線17には、4H周期で2Hの期間オン電圧が印加されている。つまり、2フレームでは、(4+4)H周期で(1+2)Hの期間オン電圧が印加されることになる。このように駆動しても、単位期間(図293では2フレーム)では、各ゲート信号線17bにはオン電圧が同一期間印加されることになる。したがって、各画素行は、同一輝度で表示される(白ラスター表示と仮定した場合)。
なお、図291では、4H周期で1Hの期間オン電圧を印加するとしたが、これに限定するこのではない。たとえば、図294に図示するように、8H周期で1Hの期間オン電圧を印加するとしてもよい。また、各フレームでの各ゲート信号線17bに印加する信号波形は、周期性をもたせることはなく、完全にランダム化してもよい。単位周期(単位期間)でオン電圧を印加する総和期間が、すべてのゲート信号線17bで一致していればよいからである。
しかし、以上の実施例では、すべてのゲート信号線17bで単位期間において、オン電圧を印加する総和期間を一致させるとしたが、以下の場合には適用されない。1画面50内(つまり、1つの表示パネル)で、複数の輝度が異なる画面50を有する場合である。画面50が、第1の画面50aと第2の画面50bが構成されており、画面50aと50bとの輝度が異なる場合である。2つの画面50の輝度を異ならせるのは、プログラム電流Iwを調整することのよっても変化することができるが、ゲート信号線17bを走査し、第1の画面50aにおける各画素行の点灯(表示)期間と第2の画面50bにおける各画素行の点灯(表示)期間とを異ならせる方式が実現容易である。たとえば、第1の画面50aの各画素行は、4Hに1Hの期間、ゲート信号線17bにオン電圧を印加する。第2の画面50bの各画素行は、8Hに1Hの期間、ゲート信号線17bにオン電圧を印加する。このように、各画面でオン電圧を印加する期間を変化させることにより、画面の明るさを調整でき、また、そのときのガンマカーブも相似にすることができる。
以上の実施例は、ゲート信号線17bを制御することにより、EL素子15に流れる電流を調整(オンオフさせ)し、表示画面50の輝度を調整する、あるいは、動画表示を良好にするというものであった。図295は、以上の効果などを有する本発明の他の実施例である。
図295の画素16は、図296のように配置または構成されている。図1の画素構成と異なる点は、蓄積容量19(コンデンサ19)の一方の端子が容量制御線2951に接続されている点である。1本の容量制御線2951は、1画素行に共通である。容量制御線2951は容量制御共通線2953に接続されている。
図296において、コンデンサ19は一方の端子は容量制御線2951に接続され、他方の端子は、TFT11aのゲート端子に接続されている。今、TFT11aのゲート端子(G)にVa電圧が印加されているとする。また、TFT11aのソース端子(S)に、Vdd電圧が印加されているとする。また、Va < Vddとする。容量制御線2951にはVc電圧が印加されているとする。
以上の状態で、容量制御線2951のVc電圧を+側に変化させると、この変化に伴い、Va電圧も+側にシフトする。TFT11aはPチャンネルトランジスタであるので、TFT11aのゲート端子が、+側(Vdd側)にシフトすると、TFT11aは電流を流さない方向になる。したがって、Vc電圧の+側への変化が一定以上に大きいと、TFT11aは完全に電流を流さない状態(カットオフ状態)となる。つまり、容量制御線2951への印加電位を制御することにより、該当画素行を黒表示状態にすることができる。なお、逆に、容量制御線2951のVc電圧を−側に変化させると、TFT11aのゲート端子(G)の電位も−側にシフトする。そのため、TFT11aはより電流を流すようになる。以上の事項は、駆動用TFT11aがPチャンネルトランジスタで構成されている場合である。駆動用TFT11aがNチャンネルの場合は、逆になる。つまり、容量制御線2951の電位を+側にシフトすると、Nチャンネルの駆動用TFT11aはより電流をEL素子15に流すようになる。
以上の駆動方式を図296に適用することにより、表示画面50を黒表示にすることができる。つまり、図285などで説明した黒挿入を実現できる。
図295では、容量制御共通線2953(2953a、2953b、2953c、2953d)が形成あるいは配置されている。(4N+1)画素行(ただし、Nは0以上の整数)の容量制御線2951は容量制御共通線2953aに接続されている。また、(4N+2)画素行の容量制御線2951は容量制御共通線2953bに接続されている。(4N+3)画素行は容量制御共通線2953cに接続され、(4N+4)画素行の容量制御線2951は容量制御共通線2953dに接続されている。
以上の構成で、容量制御共通線2953aの印加電圧を、+側にシフトすれば、(4N+1)画素行が非表示(黒表示または低輝度表示)となる。同様に、容量制御共通線2953bの印加電圧を、+側にシフトすれば、(4N+2)画素行が非表示(黒表示または低輝度表示)となる。また、容量制御共通線2953cの印加電圧を、+側にシフトすれば、(4N+3)画素行が非表示となり、容量制御共通線2953dの印加電圧を、+側にシフトすれば、(4N+4)画素行が非表示となる。
以上のように容量制御共通線2953を制御することにより、所定の画素行を黒表示にすることができる。したがって、容量制御共通線2953の制御タイミング、制御周期を調整することのより、画面輝度の調整を実施することができる。また、容量制御線2951と容量制御共通線2953との接続状態、接続本数、容量制御共通線2953の形成本数を所定状態とすることにより、図285のように、集中した黒挿入部分を設けることができる。したがって、動画表示を良好にすることもできる。
図296の(a)では、奇数番目の画素行は容量制御共通線2953aに接続され、偶数番目の画素行は容量制御共通線2953bに接続されている。したがって、容量制御共通線2953aと2953bとに交互に+側に電圧を印加することのより、表示画面50を櫛状に、非表示画素行とすることができる。図296の(b)では、3画素行ごとに異なる容量制御共通線2953に接続されている。したがって、3画素行周期で、点灯あるいは非点灯制御を行うことができる。
容量制御線2951に印加し、+側に変化させる電圧が比較小さい場合は、再び、容量制御線2951に印加する電圧を、−側にシフトすることにより、TFT11aが流す電流は元の電流に戻すことができる(ただし、補償電圧の加算は必要である。)。しかし、+側にシフトする電圧が所定値以上大きいと、TFT11aが流す電流は元に戻すことができない(必要とする補償電圧が大きくなり、元の電流値にすることが困難になる)。
図296の構成で黒挿入を実施するには、基本的には、コンデンサ19に保持された画像データの復帰は望まない方がよい(完全にもとの保持電圧に復帰させることが困難だからである)。言い返せば、画像を黒表示にすることはできる。
たとえば、図297に図示するように、画像書き込み前に、R位置で容量制御線2951に+電圧を印加し黒表示52にする。つまり、容量制御線2951に+電圧を印加し、画面50を黒表示52にする。次に所定期間の経過後に、画像を書き込む(画像書き込み位置は画素書き込み行51)。図297では、画素行がK(図297の(a)の場合はK1、図297の(b)の場合はK2)離れた位置で書き込みを行っている。K1は画素行数を示している。つまり、R位置の黒書き込みを行ってから、画像を書き込むまでの時間は、画素行数×1水平走査期間となる。したがって、Kが大きいほど、黒書き込み期間は増加(K1<K2)し、画像表示は暗くなる。Kの値が大きくするほど画面が暗くなり、Kの値が小さいほど画面は明るくなる。このKの値の調整により画像の輝度を調整することができる。また、Kの値が大きいほど、動画ボケの改善効果が高くなる。
以上の実施例では、1つのソースドライバ回路(IC)14と1つのゲートドライバ回路(IC)12で、1つの画面50に画像を表示するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図298の実施例では、画面50は画面50aと画面50bで構成されている。画面50aのソース信号線18aにはソースドライバ回路14aが接続されている。画面50bのソース信号線18bにはソースドライバ回路14bが接続されている。画面50a、画面50bとのゲート信号線(17a、17b)は1つの内蔵ゲートドライバ回路12に接続されている。
つまり、図298の実施例では、ゲートドライバ回路(IC)12は、画面50a、50bに共通であり、画面50を2つに分割して2つのソースドライバ回路(14a、14b)で駆動されている。画像の書き込みは、画面50の上から下方向(A方向)に限定するものではない。図298に図示するように、画面50の下から上方向(B方向)に走査してもよい。また、画面50aをA方向に走査し、画面50bをB方向に走査してもよい。図298では画面50の分割は2分割であるが、3分割以上としてもよいことは言うまでもない。また、ソースドライバ回路14aが、1つの表示画面50における偶数番目のソース信号線18を駆動し、ソースドライバ回路14bが前記表示画面50における奇数番目のソース信号線18を駆動するように配置または構成してもよい。ゲートドライバ回路12についても同様である。ゲートドライバ回路12を複数個用いて、それぞれの画面(50a、50b)を駆動してもよい。また、ゲートドライバ回路12aが1つの表示画面50における偶数番目のゲート信号線18を駆動し、ゲートドライバ回路12bが前記表示画面50における奇数番目のゲート信号線18を駆動するように配置または構成してもよい。なお、ソース信号線14およびゲート信号線12には、静電気保護のために保護ダイオードを形成することが好ましい。以上の事項は、本発明の他の実施例についても適用できることは言うまでもない。
以下、図面を参照しながら、電流駆動方式(電流プログラム方式)による高画質表示方法について説明をする。電流プログラム方式は、画素16に電流信号を印加して、画素16に電流信号を保持させる。そして、EL素子15に保持させた電流を印加するものである。
EL素子15は印加した電流の大きさに比例して発光する。つまり、EL素子15の発光輝度はプログラムする電流の値とリニアの関係がある。一方、電圧プログラム方式では、印加した電圧を画素16で電流に変換する。この電圧−電流変換は非線形である。非線形の変換は制御方法が複雑になる。
電流駆動方式は、映像データの値をそのままプログラム電流に線形に変換する。簡単な例で例示すれば、64階調表示であれば、映像データの0はプログラム電流Iw=0μAとし、映像データ63はプログラム電流Iw=6.3μAとする(比例の関係となる)。同様に、映像データ32はプログラム電流Iw=3.2μAとし、映像データ10はプログラム電流Iw=1.0μAとする。つまり、映像データはそのまま、比例の関係でプログラム電流Iwに変換される。
理解を容易にするため、映像データとプログラム電流は比例の関係で変換されるとして説明する。実際はさらに容易に、映像データとプログラム電流とを変換できる。図48に図示するように本発明は単位トランジスタ484の単位電流が、映像データの1に該当するからである。さらに、単位電流は基準電流回路を調整することにより、容易に任意の値に調整できるからである。また、基準電流はR、G、B回路ごとに設けられており、RGB回路に基準電流回路を調整することにより全階調範囲にわたりホワイトバランスをとることができるからである。このことは電流プログラム方式で、かつ本発明のソースドライバ回路14、表示パネル構成の相乗効果である。
EL表示パネルでは、プログラム電流とEL素子15の発光輝度が線形の関係にあるという特徴がある。このことは電流プログラム方式の大きな特徴である。つまり、プログラム電流の大きさを制御すれば、リニアにEL素子15の発光輝度を調整できる。
駆動用トランジスタ11aはゲート端子に印加した電圧と、駆動用トランジスタ11aが流す電流とは非線形である(2乗カーブになることが多い)。したがって、電圧プログラム方式では、プログラム電圧と発光輝度とは非線形の関係にあり、きわめて発光制御が困難である。電圧プログラムに比較して電流プログラム方式では極めて発光制御が容易である。特に、図1の画素構成では、プログラム電流とEL素子15に流れる電流が理論上は等しい。したがって、発光制御は極めてわかりやすく、制御が容易である。本発明のN倍パルス駆動の場合も、プログラム電流を1/Nにして計算することにより発光輝度を把握できるから、発光制御の容易という点で優れている。図38などの画素構成がカレントミラー構成の場合は、駆動用トランジスタ11bとプログラム用トランジスタ11aとがことなり、カレントミラー倍率のずれが発生するため、発光輝度の誤差要因がある。しかし、図1の画素構成では、駆動用トランジスタとプログラム用トランジスタが同一であるから、この課題もない。
EL素子15は、投入電流量により発光輝度が比例して変化する。EL素子15に印加する電圧(アノード電圧)は固定値である。したがって、EL表示パネルの発光輝度は消費電力と比例の関係にある。
以上のことから、映像データとプログラム電流は比例し、プログラム電流とEL素子15の発光輝度は比例し、EL素子15の発光輝度と消費電力は比例する。したがって、映像データをロジック処理すれば、EL表示パネルの消費電流(電力)、EL表示パネルの発光輝度、EL表示パネルの消費電力を制御できることになる。つまり、映像データをロジック処理(加算など)することにより、EL表示パネルの輝度、消費電力を把握することができる。したがって、ピーク電流が設定値を越えないようにすることなどの処理が極めて容易である。
特に本発明のEL表示パネルは電流駆動方式である。かつ特徴ある構成のより画像表示制御が容易である。特徴ある画像表示制御方法は2つある。1つは、基準電流の制御である。もう1つはDuty比制御である。この基準電流制御とDuty比制御を単独であるいは組み合わせることにより、ダイナミックレンジが広く、かつ高画質表示、高コントラストを実現できる。
まず、基準電流制御は図77に図示するように、ソースドライバIC(回路)14は、各RGBの基準電流を調整する回路を具備している。また、ソースドライバ回路14からのプログラム電流Iwはいくつの単位トランジスタ484に流れているが出力されているかで決定される。1つの単位トランジスタ484が出力する電流は、基準電流の大きさに比例する。したがって、基準電流を調整することにより、1つの単位トランジスタ484が出力する電流が決定され、プログラム電流の大きさが決定される。基準電流と単位トランジスタ484の出力電流がリニアの関係にあり、かつ、プログラム電流と輝度がリニアの関係にあることから、白ラスター表示で各RGBの基準電流を調整してホワイトバランスを調整すれば、すべての階調でホワイトバランスが維持される。
なお、図77は、カレントミラーを多段接続した構成であるが、本発明はこれに限定するものではない。図166から図170などの1段構成のソースドライバIC(回路)14であっても基準電流を容易に調整でき、全階調でホワイトバランスが維持されることは言うまでもない。また、基準電流の調整で、EL表示パネルの輝度を制御できることは言うまでもない。
図78はDuty比制御方法である。図78の(a)は非表示領域52を連続して挿入する方法である。動画表示に適する。また、図78の(a1)が最も画像が暗く、図78の(a4)が最も明るい。ゲート信号線17bの制御で自由にDuty比を変更できる。図78の(c)は非表示領域52を多数に分割して挿入する方法である。特に静止画表示に適する。また、図78の(c1)が最も画像が暗く、図78(c4)が最も明るい。ゲート信号線17bの制御で自由にDuty比を変更できる。また、図78の(b)は、図78の(a)と図78の(c)との中間状態である。図78の(b)も同様にゲート信号線17bの制御で自由にDuty比を変更できる。
表示領域53の分散は、表示パネルの画素行数が220本で、1/4Dutyであれば、220/4=55となるから、1から55(1の明るさからその55倍の明るさまで調整できる)。また、表示パネルの画素行が220本で、1/2Dutyであれば、220/2=110となるから、1から110(1の明るさからその110倍の明るさまで調整できる)。したがって、画面輝度50の明るさの調整レンジは非常に広い(画像表示のダイナミックレンジが広い)。また、いずれに明るさであっても、表現できる階調数を維持できると特徴がある。たとえば、64階調表示であれば、白ラスターでの画面50輝度が300ntであっても、3ntであっても64階調表示を実現できる。
なお、以前にも説明したが、Dutyは、ゲートドライバ回路12bへのスタートパルスを制御することにより容易に変更できる。したがって、1/2Duty、1/4Duty、3/4Duty、3/8Dutyと多種多様なDutyを容易に変更できる。
1水平走査期間(1H)単位のDuty比駆動は、水平同期信号に同期させてゲート信号線17bのオンオフ信号を印加すればよい。さらに、1H単位以下でもDuty比制御することができる。図145、図146の駆動方法である。1H期間以内において、OEV2制御を行うことにより、微小ステップの明るさ制御(Duty比制御)が可能である(図109とその説明も参照のこと。また、図175とその説明を参照のこと)。
1H以内のDuty比制御を行うのは、Duty比が1/4Duty以下の場合に実施する。画素行数が220画素行であれば、55/220Duty以下である。つまり、1/220から55/220Dutyの範囲で行う。1ステップの変化が変化前から変化後で1/20(5%)以上変化する時に実施する。さらに好ましくは、1/50(2%)以下の変化でもOEV2制御を行い微小なDuty比駆動制御を行うことが望ましい。つまり、ゲート信号線17bによるDuty比制御では、変化前から変化後の明るさ変化が5%以上になる時は、OEV2による制御を行うことにより変化量が5%以下になるように少しずつ変化させる。この変化には、図94で説明するWait機能を導入することが好ましい。
Duty比が1/4Duty以下で1H以内のDuty比制御を実施するのは、1ステップあたりの変化量が大きいためもあるが、画像が中間調であるため、微小な変化でも視覚的に認識されやすいためでもある。人間の視覚は、一定以上の暗い画面では、明るさ変化に対する検出能力が低い。また、一定以上の明るい画面でも、明るさ変化に対する検出能力が低い。これは、人間の視覚が2乗特性に依存しているためと思われる。
図174は画面の変化に対する検出機能をグラフ化したものである。横軸は、画面の明るさ(nt)である。縦軸は許容変化(%)である。許容変化(%)は、任意Dutyから次のDutyに変化したさせた明るさの変化割合(%)が、許容できるか限界点を記載したものである。ただし、許容変化(%)は、画像の内容(変化割合、シーンなど)により変動割合が大きい。また、個人的な動画検出能力などに依存しやすい。
図174でもわかるように、画面50の輝度が高い時には、Duty変化に対する許容変化が大きい。また、画面50の輝度が暗い時もDuty変化に対する許容変化が大きい傾向にある。しかし、中間調表示の場合は、許容変化の限界値(%)は小さい。画像が中間調であるため、微小な変化でも視覚的に認識されやすいためである。
一例をあげれば、パネルの画素行が200本であれば、50/200Duty以下(1/200以上50/200以下)でOEV2制御を行って、1H以下の期間のDuty比制御を行う。1/200Dutyから2/200Dutyに変化すると1/200Dutyと2/200Dutyの差は、1/200であり、100%の変化となる。この変化はフリッカとして完全に視覚的に認識されてしまう。したがって、OEV2制御(図175などを参照のこと)を行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御する。なお、1H期間以下(1H期間以内)でDuty比制御するとしたが、これに限定するものではない、図19でもわかるように非表示領域52は連続している。つまり、10.5H期間というような制御も本発明の範疇である。つまり、本発明は1H期間に限定されず(小数点以下が発生する)、Duty比駆動を行うものである。
40/200Dutyから41/200Dutyに変化すると、40/200Dutyと41/200Dutyの差は、1/200であり、(1/200)/(40/200)で2.5%の変化となる。この変化はフリッカとして視覚的に認識されるか否かは、画面輝度50に依存する可能性が高い。ただし、40/200Dutyは中間調表示であるので、視覚的に敏感である。したがって、OEV2制御(図175などを参照のこと)を行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御することが望ましい。
以上のように、本発明の駆動方法および表示装置は、画素16にEL素子15に流す電流値を記憶できる構成(図1ではコンデンサ19が該当する)と、駆動用トランジスタ11aと発光素子(EL素子15が例示される)との電流経路をオンオフできる構成(図1、図43、図113、図114、図117などの画素構成が該当する)の表示パネルにあって、少なくとも表示画像の表示状態において図19の表示状態が発生させる(画像の輝度によっては、画面50が表示領域53(Duty1/1になってもよい)駆動方法である。かつ、Duty比駆動(少なくとも画面50の一部が非表示領域53となる駆動方法または駆動状態)が所定のDuty比以下では、1水平走査期間(1H期間)以内あるいは1H期間単位に限定されるEL素子15に流す電流を制御して、表示画面50の輝度制御を行うものである。この制御はOEV2制御により実施する(OEV2に関しては図175とその説明を参照のこと)。
1H単位以外のDuty比制御を行う所定Duty比は、Duty比が1/4Duty以下の場合に実施する。逆に所定Duty比以上では、1H単位でDuty比制御を行う。もしくはOEV2制御は実施しない。また、1H期間以外のDuty比制御は、1ステップの変化が変化前から変化後で1/20(5%)以上変化する時に実施する。さらに好ましくは、1/50(2%)以下の変化でもOEV2制御を行い微小なDuty比駆動制御を行うことが望ましい。もしくは、白ラスターの最大輝度の1/4以下の輝度で実施する。
本発明のDuty比制御駆動によれば、図79に図示するように、EL表示パネルの階調表現数が64階調であれば、表示画面50の表示輝度(nt)がいずれの輝度であっても、64階調表示が維持される。たとえば、画素行数が220本で、1画素行のみが表示領域53(表示状態)の時(Duty比1/220)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この1画素行分が順次画像表示されるからである。
もちろん、220画素行のすべてが表示領域53(表示状態)の時(Duty比220/220=Duty比1/1)であっても、64階調表示を実現できる。画素行にソースドライバ回路14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bによりすべての画素行が同時に画像表示されるからである。また、20画素行のみが表示領域53(表示状態)の時(Duty20/220=Duty1/11)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この20画素行分が順次走査されて画像表示されるからである。
本発明のDuty比制御駆動は、EL素子15の点灯時間の制御であるから、Duty比に対する画面50の明るさは、リニアの関係にある。したがって、画像の明るさ制御がきわめて容易であり、その信号処理回路もシンプルとなり、低コスト化を実現できる。図77のようにRGBの基準電流を調整し、ホワイトバランスをとる。Duty比制御では、R、G、Bを同時に明るさ制御するためにいずれの階調、画面50の明るさにおいてもホワイトバランスは維持される。
Duty比制御は、表示画面50に対する表示領域53の面積を変化させることにより、画面50の輝度を変化するものであった。当然、表示面積53に比例してEL表示パネルに流れる電流はほぼ比例して変化する。したがって、映像データの総和を求めることにより、表示画面50のEL素子15に流れる全消費電流を算出することができる。EL素子15のアノード電圧Vddは直流電圧で固定値のため、全消費電流が算出できれば、画像データに応じて全消費電力をリアルタイムで算出することができる。算出された全消費電力が規定された最大電力を越えると予測される場合は、図77の基準電流を電子ボリウムなどの調整回路で調整し、RGBの基準電流を抑制制御すればよい。
また、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をDuty比最小になるように設定する。たとえば、Duty比1/8にする。自然画像はDuty比を大きくする。最大のDutyは1/1である。たとえば、画面50の1/100しか画像が表示されない自然画像をDuty1/1とする。Duty比1/1からDuty比1/8は画面50の自然画像の表示状態で滑らかに変化させる。
以上のように一実施例として、白ラスター表示で(自然画像ではすべての画素が100%点灯している状態)でDuty比1/8とし、画面50の1/100の画素が点灯している状態をDuty比1/1とする。概略の消費電力は、画素数×点灯画素数の割合×Duty比で算出できる。
説明を容易にするため、画素数を100とすると、白ラスター表示での消費電力は、100×1(100%)×Duty比1/8=80となる。一方、1/100が点灯している自然画像の消費電力は、100×(1/100)(1%)×Duty比1/1=1となる。Duty1/1〜Duty比1/8は画像の点灯画素数(実際には、点灯画素の総電流=1フレームのプログラム電流の総和)に応じてフリッカが発生しないようになめらかにDuty比制御が実施される。
以上のように白ラスターで消費電力割合は80であり、1/100が点灯している自然画像の消費電力割合は、1になる。したがって、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をDuty比最小になるように設定すれば、最大電流を抑制することができる。
本発明は、1画面のプログラム電流の総和をSとし、Duty比をDとし、S×Dで駆動制御を実施するものである。また、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、最大のDuty比をDmax(通常は、Duty比1/1が最大である)とし、最小のDuty比をDminとし、また、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとした時、Sw×Dmin >= Ss×Dmaxの関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
なお、Duty比の最大は1/1とする。最小はDuty比1/16以上にすることが好ましい。つまり、Duty比は1/8以上1/1以下にする。なお、1/1を必ず使用することには制約されないことは言うまでもない。好ましくは、最小のDuty比は1/10以上にする。Duty比が小さすぎると、フリッカの発生が目立ちやすく、また、画像内容による画面の輝度変化が大きくなりすぎ、画像が見づらくなるからである。
先にも説明したがプログラム電流は映像データと比例の関係にある。したがって、プログラム電流の総和とはプログラム電流の総和と同義である。なお、1フレーム(1フィールド)期間のプログラム電流の総和を求めるとしたが、これに限定するものではない、1フレーム(1フィールド)において、所定間隔あるいは、所定周期などでプログラム電流を加算する画素をサンプリングしてプログラム電流(映像データ)の総和としてもよい。また、制御を行うフレーム(フィールド)の前後の総和データを用いてもよいし、推定あるいは予測による総和データをもちいて、Duty比制御を行っても良い。
なお、以上の説明ではDuty比Dで制御するとして説明したが、Duty比は、所定期間(通常は1フィールドまたは1フレームである。つまり、一般的には任意の画素の画像データが書き換えられる周期もしくは時間である)におけるEL素子15の点灯期間である。つまり、Duty比1/8とは、1フレームの1/8の期間(1F/8)の間、EL素子15が点灯していることを意味する。したがって、Duty比は、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、画素の点灯期間Taとした時、Duty比=Ta/Tfと読み替えることができる。
なお、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、Tfを基準とするとしたがこれに限定されるものではない。本発明のDuty比制御駆動は、1フレームあるいは1フィールドで動作を完結させる必要はない。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間を1周期としてDuty比制御を実施してもよい(図104などを参照のこと)。したがって、Tfは画素を書き換える周期だけに限定されるものではなく、1フレームあるいは1フィールド以上であってもよい。たとえば、1フィールドあるいは1フレームごとに点灯期間Taがことなる場合は、繰り返し周期(期間)をTfとし、この期間の総点灯期間Taを採用すればよい。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間の平均点灯時間をTaとしてもよい。Duty比についても同様である。Dutyがフレーム(フィールド)ごとに異なる場合は、複数フレーム(フィールド)の平均Duty比を算出して用いればよい。
したがって、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとし、最小の点灯期間をTas、最大の点灯期間をTam(通常はTam=TfであるからTam/Tf=1)とした時、Sw×(Tas/Tf) >= Ss×(Tam/Tf)の関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
画面50の明るさを制御する方式として、図77などで説明した構成もある。つまり、基準電流を調整することにより、単位トランジスタ484に流れる電流を変化させプログラム電流の大きさを調整することにより、画面輝度50を変化させる方式である。なお、基準電流の調整方式に関しては図53などで説明している。
図77の491Rは赤(R)の基準電流を調整するボリウムである。ただし、ボリウムと表現しているのは説明を容易にするためであり、実際には電子ボリウムであり、外部から6ビットのデジタル信号により、64段階でR回路の基準電流IaRがリニアに調整できるように構成されている。基準電流IaRを調整することにより、トランジスタ471Rとカレントミラー回路を構成するトランジスタ472aに流れる電流をリニアに変化させることができる。したがって、トランジスタ群521aのトランジスタ472aと電流受け渡しされたトランジスタ472bに流れる電流が変化し、トランジスタ472bとカレントミラー回路を構成するトランジスタ群521bのトランジスタ473aが変化し、トランジスタ473aと電流受け渡しされたトランジスタ473bが変化する。したがって、単位トランジスタ484の駆動電流(単位電流)が変化するから、プログラム電流を変化させることができる。なお、Gの基準電流IaG、Bの基準電流IaBについても同様である。
図77は、親子孫の3段階のトランジスタ接続であるが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図166から図170のように基準電流を発生する回路と単位トランジスタ484とが直結された1段構成であっても適用されることが言うまでもない。つまり、本発明は、1つの基準電流あるいは基準電圧により、プログラム電流あるいはプログラム電圧を変更できる回路構成にあって、基準電流あるいは基準電圧によって画面50の明るさを変化させる方式である。
図77に図示するように、(電子)ボリウム491は、赤(R)、緑(G)、B(青)の回路にそれぞれ形成されている。したがって、ボリウム491R、491G、491Bを調整することにより、それぞれに接続された単位トランジスタ484の電流を変化(制御あるいは調整)することができる。したがって、RGBの割合調整によりホワイト(W)調整を容易に行うことができる。もちろん、RGBの基準電流(トランジスタ472R、472G、472Bに流れる電流)を出荷時にあらかじめ調整しておけば、RGBの電子ボリウム(491R,491G,491B)を一括して変化できる電子ボリウムを別途設けることにより、ホワイト(W)バランス調整を行うこともできる。たとえば、図169、図170において、抵抗R1の値を、各RGB回路にホワイトバランスがとれるように調整する。この状態で、図169、図170電子ボリウム451のスイッチSをRGBで同一に切り替えればホワイトバランスを維持したまま、画面輝度を調整できる。
以上のように本発明の基準電流の駆動方法は、ホワイトバランスがとれるように、RGBの基準電流値を調整する。そして、この状態を中心として、RGBの基準電流を同一比率で調整するものである。同一比率で調整するため、ホワイトバランスが維持される。
以上のように電子ボリウム491の調整により、プログラム電流をリニアに変化することができる。なお、説明を容易にするため、図1に図示した画素構成を例として説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、他の画素構成でもよいことは言うまでもない。
図77に図示あるいは説明したように基準電流の制御により、プログラム電流をリニアに調整することができる。1つあたりの単位トランジスタ484の出力電流が変化するからである。単位トランジスタ484の出力電流を変化させるとプログラム電流Iwも変化する。画素のコンデンサ19にプログラムされる電流(実際はプログラム電流に相当する電圧である)が大きいほど、EL素子15に流れる電流も大きくなる。EL素子15に流れる電流と発光輝度はリニアに比例する。したがって、基準電流を変化することによりEL素子15の発光輝度をリニアに変化させることができる。
なお、本発明は、図77で説明した基準電流制御方式と、図78で説明したDuty比制御方式のうち、少なくとも一方の方式を用いて画面の明るさなどの制御を行うものである。好ましくは、図77と図78の方式を組み合わせて実施することが好ましい。
以下、図77、図78で説明した方式を用いた駆動方法について、さらに詳しく説明をする。本発明の駆動方法は、EL表示パネルに消費される消費電流の上限にリミットすることが1つの目的である。EL表示パネルはEL素子15に流れる電流を輝度が比例関係にある。したがって、EL素子15に流れる電流を増大させれば、EL表示パネルの輝度もどんどん明るくすることができる。輝度に比例して消費される電流(=消費電力)も増大する。
携帯装置に用いる場合は、電池などの容量に制限がある。また、電源回路も消費される電流が大きくなると規模が大きくなる。したがって、消費する電流にはリミットを設ける必要がある。このリミットを設けること(ピーク電流抑制)が本発明の1つの目的である。
また、画像がコントラストを大きくすることにより、表示が良好になる。めりはりのあるように画像変換して画像を表示することにより表示が良好になる。以上のように画像表示を良好にすることが本発明の2つめの目的である。以上の2つの目的(あるいは一方)を実現する本発明をAI駆動と呼ぶことにする。
まず、説明を容易にするために、本発明のソースドライバIC14は64階調表示であるとする。AI駆動を実現するためには、階調表現範囲を拡大することが望ましい。説明を容易にするために、本発明のソースドライバIC(回路)14は64階調表示とし、画像データは256階調とする。この画像データをEL表示装置のガンマ特性に適合するように、ガンマ変換を行う。ガンマ変換は入力256階調を1024階調に拡大することによって実施する。ガンマ変換された画像データは、ソースドライバIC14の64階調に適合するように、誤差拡散処理あるいはフレームレートコントロール(FRC)処理が行われ、ソースドライバIC14に印加される。
FRCはフィールドごとに画像表示を重ね合わせることにより高階調表示を実現するものである。誤差拡散処理は、一例として図99に図示するように画素Aの画像データを処理方向の右に7/16、左下に3/16、下に5/16、右下に1/16に分散させる方法である。分散処理により高階調表示を実現できる。一種の面積階調である。
図示する容易性から図80、図81では64階調表示を512階調に変換するとして説明をする。変換は、誤差拡散処理方式あるいはフレームレート制御(FRC)により行う。ただし、図80では階調変換を行っているというよりは、画像の明るさを変換したと解釈してもよい。
図80は、本発明の駆動方法による画像変換処理を説明するものである。図80は、横軸は、階調(番号)である。階調(番号)が大きいほど、画面50の輝度が明るいことを示している。逆に階調(番号)が小さいほど、画像が暗いことを示している。縦軸は、度数である。度数とは、画像を構成する画素の明るさのヒストグラムを示している。たとえば、図80の(a)のA1は画像の24階調レベルの輝度の画素が最も多いことを示す。
図80の(a)は画像の階調表現数を維持したまま、表示明るさを変化させた例である。A1を原画像とすると、原画像はおよそ64階調の表現範囲である。A2は階調表現数を維持したまま、明るさの中心を256階調に変換した例である。A3も同様に階調表現数を維持したまま、明るさの中心を448階調の変換した例である。このような変換は画像データに所定の大きさのデータを加算することにより変換することにより達成できる。
しかし、図80の(a)の階調変換は本発明の駆動方式では実現が困難である。本発明の駆動方式では、図80の(b)の階調変換を行う。
図80の(b)は、原画像の度数分布を拡大した例である。B1を原画像とすると、原画像はおよそ64階調の表現範囲である。B2は階調表現範囲を256階調まで拡大した例である。画面の輝度が明るくなり、階調表現範囲も拡大する。B3は、さらに階調表現範囲を512階調まで拡大した例である。画面表示輝度がさらに明るくなり、階調表現範囲も拡大する。
図80の(b)の実現は、本発明の駆動方式で容易に実現できる。図77で説明した基準電流を変化させることにより実現できる。また、図78のDuty比を変更(制御)することにより実現できる。もしくは、図77と図78の方式を組み合わせることにより実現できる。基準電流制御あるいはDuty比制御により、画像の明るさ制御は容易である。たとえば、Duty比が1/4の時に図80の(b)のB2の表示状態であれば、Duty比を1/16にすれば、図80の(b)のB1の表示状態となる。また、Duty比を1/2にすれば、図80の(b)のB3の表示状態となる。基準電流制御の場合も同様である。基準電流の大きさを、2倍あるいは1/4にすることのより図80の(b)の画像表示が可能である。
図80の(b)の横軸は階調数としている。本発明の駆動方法では階調数の増加ではない。本発明の駆動方法では、図79で説明したように表示輝度が変化しても階調数が維持されていることに特徴がある。つまり、図80の(b)ではB1の64階調数が、B2では256階調に変換されたとしている。しかし、B2の階調数は64階調である。1つの階調範囲が、B1に比較して4倍に拡大されている。B1からB2への変換は画像表示のダイナミック変換されたことにほかならない。したがって、高階調表示を実現したのを同等である。したがって、高画質表示を実現できる。
同様に、図80の(b)ではB1の64階調数が、B3では512階調に変換されたとしている。しかし、B3の階調数は64階調である。1つの階調範囲が、B1に比較して8倍に拡大されている。B1からB3への変換は画像表示のダイナミック変換されたことにほかならない。
図80の(a)では、画面50の輝度を向上させることができる。しかし、画面50は全体が白っぽくなる(白浮き)。しかし、消費電流の増加は比較的少ない(といっても、画面輝度に比例して消費電流は増大する)。図80の(b)では、画面50の輝度を向上でき、階調の表示範囲も拡大しているため、画質劣化もない。しかし、消費電流の増加は大きい。
階調数と画面輝度を比例とし、原画像を64階調とすると、階調数の増加(ダイナミックレンジの拡大)=輝度の増大となる。したがって、消費電力(消費電流)が増加する。この課題を解決するため、本発明は、図77の基準電流と調整(制御)する方式、図78のDuty比を制御する方式のいずれか、もしくは両方を組み合わせる。
1画面の画像データが全体的に大きいときは画像データの総和は大きくなる。たとえば、白ラスターは64階調表示の場合は画像データとしては63であるから、画面50の画素数×63が画像データの総和である。1/100の白ウインドウ表示で、白表示部が最大輝度の白表示では、画面50の画素数×(1/100)×63が画像データの総和である。
本発明では画像データの総和あるいは画面の消費電流量を予測できる値を求め、この総和あるいは値により、Duty比制御あるいは基準電流制御を行う。
なお、画像データの総和を求めるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、画像データの1フレームの平均レベルを求めてこれを用いてもよい。アナログ信号であれば、アナログ画像信号をコンデンサによりフィルタリングすることにより平均レベルを得ることができる。アナログの映像信号に対しフィルタを介して直流レベルを抽出し、この直流レベルをAD変換して画像データの総和としてもよい。この場合は、画像データはAPLレベルとも言うことができる。
また、画面50を構成する画像のすべてのデータを加算する必要はなく、画面50の1/W(Wは1より大きい値)をピックアップして抽出し、ピックアップしたデータの総和を求めてもよい。
説明を容易にするため、以上の場合も画像データの総和を求めるとして説明をする。画像データの総和は、画像のAPLレベルをもとめる事に一致する場合が多い。また、画像データの総和とは、デジタル的に加算する手段もあるが、以上のデジタルおよびアナログによる画像データの総和を求める方法を、以後、説明を容易にするためAPLレベルと呼ぶ。
白ラスターの時にAPLレベルは画像がRGB各6ビットであるから63(63階調目であるからデータの表現としては63で示されている)×画素数(QCIFパネルの場合は176×RGB×220)となる。したがって、APLレベルは最大となる。ただし、RGBのEL素子15で消費する電流は異なるから、RGBで分離して画像データを算出することが好ましい。
この課題に対して、図84に図示する演算回路を使用する。図84において、841、842乗算器である。841は発光輝度を重み付けする乗算器である。R、G、Bでは視感度が異なる。NTSCでの視感度は、R:G:B=3:6:1である。したがって、Rの乗算器841Rでは、R画像データ(Rdata)に対して3倍の乗算を行う。また、Gの乗算器841Gでは、G画像データ(Gdata)に対して6倍の乗算を行う。また、Bの乗算器841Bでは、B画像データ(Bdata)に対して1倍の乗算を行う。
EL素子15はRGBで発光効率が異なる。通常、Bの発光効率が最も悪い。次にGが悪い。Rが最も発光効率が良好である。そこで、乗算器842で発光効率の重み付けを行う。Rの乗算器842Rでは、R画像データ(Rdata)に対してRの発光効率の乗算を行う。また、Gの乗算器842Gでは、G画像データ(Gdata)に対してGの発光効率の乗算を行う。また、Bの乗算器842Bでは、B画像データ(Bdata)に対してBの発光効率の乗算を行う。
乗算器841および842の結果は、加算器843で加算され、総和回路844に蓄積される。この総和回路87の結果にもとづき、図77のDuty比制御、図78の基準電流制御を実施する。
図84のように制御すると、輝度信号(Y信号)に対するDuty比制御、基準電流制御を実施することができる。しかし、輝度信号(Y信号)を求めて、Duty制御などを行うと課題が発生する場合がある。たとえば、ブルーバック表示である。ブルーバック表示ではELパネルで消費する電流は比較的大きい。しかし、表示輝度は低い。ブルー(B)の視感度が低いためである。そのため、輝度信号(Y信号)の総和(APLレベル)は小さく算出されるため、Duty制御が高Dutyになる。したがって、フリッカの発生などが生じる。
この課題に対しては、乗算器841をスルーにして用いるとよい。消費電流に対する総和(APLレベル)が求められるからである。輝度信号(Y信号)による総和(APLレベル)と消費電流による総和(APLレベル)は、両方を求めて加味して総合APLレベルを求めることが望ましい。総合APLレベルによりDuty比制御、基準電流制御を実施する。
黒ラスターは64階調表示の場合は0階調目であるから、APLレベルは0で最小値となる。図80の駆動方式では、消費電力(消費電流)は画像データに比例する。なお、画像データは、画面50を構成するデータの全ビットをカウントする必要はなく、たとえば、画像が6ビットで表現される場合、上位ビット(MSB)のみをカウントしてもよい。この場合は、階調数が32以上で、1カウントされる。したがって、画面50を構成する画像データによりAPLレベルは変化する。
本発明では、得られたAPLレベルの大きさにより、図78の基準電流制御あるいは図77のDuty比制御を実施する。
理解を容易にするため、具体的に数値を例示して説明する。ただし、これは仮想的であり、実際には実験、画像評価により制御データ、制御方法を決定する必要がある。
ELパネルで最大に流せる電流を100(mA)とする。白ラスター表示ととき、総和(APLレベル)は200(単位なし)になるとする。このAPLレベルが200の時、そのままパネルに印加するとELパネルに200(mA)が流れるとする。なお、APLレベルが0の時、ELパネルに流れる電流は0(mA)である。また、APLレベルが100の時、Duty比は1/2で駆動するものとする。
したがって、APLが100以上の場合は、制限である100(mA)以下となるようにする必要がある。最も簡単には、APLレベルが200の時、Dutyを(1/2)×(1/2)=1/4にし、APLレベルが100の時、Dutyを1/2とする。APLレベルが100以上200以下の時は、Dutyが1/4〜1/2の間をとるように制御する。Duty比1/4〜1/2は、EL選択側のゲートドライバ回路12bが、同時に選択するゲート信号線17bの本数を制御することにより実現できる。
ただし、APLレベルのみを考慮し、Duty比制御を実施すれば、画像に応じて画面50の平均輝度(APL)に応じで画面50の輝度が変化し、フリッカが発生する。この課題に対して、もとめるAPLレベルは、少なくとも2フレーム、このましくは、10フレームさらに好ましくは60フレーム以上の期間保持し、この期間で演算して、APLレベルによりDuty比制御によるDuty比を算出する。また、画面50の最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)などの画像の特徴抽出を行ってDuty比制御を行うことが好ましい。以上の事項は、基準電流制御にも適用されることは言うまでもない。
また、画像の特徴抽出により、黒伸張、白伸張を実施することも重要である。これは、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)を考慮して行うとよい。たとえば、図81の(a)では、画像の中心データKbは256階調付近に分布し、高輝度部Kcは、320階調付近に分布している。また、低輝度部Kaは、128階調付近に分布している。
図81の(b)は図81の(a)の画像に対して黒伸張および白伸張を実施した例である。ただし、黒伸張と白伸張を同時に行う必要はなく、一方だけを実施してもよい。また、画像の中心部分(図81の(a)のKbも低階調部あるいは高階調部に移動させてもよい。これらの適切な移動情報は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)からもとめることができる。ただし、経験的な事項の場合もある。人間の視感度が影響するからである。したがって、画像評価と実験とを繰り返して検討する必要がある。しかし、黒伸張あるいは白伸張などの画像処理は、ガンマカーブを演算であるいはルックアップテーブルからもとめることをできるから容易に実現できる。図81の(b)のように処理をすることにより、画像にめりはりがつき、良好な画像表示を実現できる。
なお、Duty比制御により、画面50の明るさを変化させるのは、図82のように行う。図82の(a)は表示領域53を連続して変化させる駆動方法である。図82の(a1)の画面50輝度よりは図82の(a2)の画面50輝度が明るい。最も明るいのは図82の(an)の状態である。図82の(a)のDuty比制御による駆動は動画表示に適する。
図82の(b)は表示領域53を分割して変化させる駆動方法である。図82の(b1)は一例として画面50の2箇所に表示領域53を発生させている。図82の(b2)も図82の(b1)と同様に画面50の2箇所に表示領域53を発生させているが、2箇所のうち1箇所に表示領域53の画素行が増加している(一方は1画素行が表示領域53、他方は2画素行が表示領域53である)。図82の(b3)も図82の(b2)と同様に画面50の2箇所に表示領域53を発生させているが、2箇所のうち1箇所に表示領域53の画素行が増加している(両方とも2画素行が表示領域53である)。以上のように表示領域53を分散させてDuty比制御を行っても良い。一般的に図82の(b)は静止画表示に適する。
図82の(b)は表示領域53の分散を2分散としている。しかし、これは作図を容易にするためである。実際には、表示領域53の分散は3分散以上にする。
図83は本発明の駆動回路のブロック図である。以下、本発明の駆動回路について説明をする。図83では、外部からY/UV映像信号と、コンポジット(COMP)映像信号が入力できるように構成されている。どちらに映像信号を入力するかは、スイッチ回路831により選択される。
スイッチ回路831で選択された映像信号は、デコーダおよびA/D回路によりデコードおよびAD変換され、デジタルのRGB画像データに変換される。RGB画像データは各8ビットである。また、RGB画像データはガンマ回路834でガンマ処理される。同時に輝度(Y)信号が求められる。ガンマ処理により、RGB画像データは各10ビットの画像データに変換される。
ガンマ処理後、画像データはFRC処理または誤差拡散処理が処理回路835で行われる。FRC処理または誤差拡散処理によりRGB画像データは6ビットに変換される。この画像データはAI処理回路836でAI処理あるいはピーク電流処理が実施される。また、動画検出回路837で動画検出が行われる。同時に、カラーマネージメント回路838でカラーマネージメント処理が行われる。
AI処理回路836、動画検出回路837、カラーマネージメント回路838の処理結果は演算回路839に送られ、演算処理回路839で制御演算、Duty比制御、基準電流制御データに変換され、変換された結果が、ソースドライバ回路14およびゲートドライバ回路12に制御データとして送出される。
Duty比制御データはゲートドライバ回路12bに送られ、Duty比制御が実施される。一方、基準電流制御データはソースドライバ回路14に送られ、基準電流制御が実施される。ガンマ補正され、FRCまたは誤差拡散処理された画像データもソースドライバ回路14に送られる。
図81の(b)の画像データ変換は、ガンマ回路834のガンマ処理により行う必要がある。ガンマ回路834は、多点折れガンマカーブにより階調変換を行う。256階調の画像データは、多点折れガンマカーブにより1024階調に変換される。
ガンマ回路834により多点折れガンマカーブでガンマ変換するとしたが、これに限定するものではない。図85に図示するように、一点折れガンマカーブでガンマ変換してもよい。一点折れガンマカーブを構成するハード規模が小さいため、コントロールICを低コスト化できる。
図85において、aは32階調目での折れ線ガンマ変換である。bは64階調目での折れ線ガンマ変換である。cは96階調目での折れ線ガンマ変換である。dは128階調目での折れ線ガンマ変換である。画像データが高階調に集中している場合は、高階調での階調数を多くするため、図85のdのガンマカーブを選択する。画像データが低階調に集中している場合は、低階調での階調数を多くするため、図85のaのガンマカーブを選択する。画像データの分布が分散している場合は、図85のb、cなどのガンマカーブを選択する。なお、以上の実施例では、ガンマカーブを選択するとしたが、実際には、ガンマカーブは演算により発生させるので選択するのではない。
ガンマカーブの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)を加味して行う。また、Duty比制御、基準電流制御も加味して行う。
図86は多点折れガンマカーブの実施例である。画像データが高階調に集中している場合は、高階調での階調数を多くするため、図85のnのガンマカーブを選択する。画像データが低階調に集中している場合は、低階調での階調数を多くするため、図85のaのガンマカーブを選択する。画像データの分布が分散している場合は、図85のbからn−1のガンマカーブを選択する。ガンマカーブの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)を加味して行う。また、Duty比制御、基準電流制御も加味して行う。
表示パネル(表示装置)が使用する環境に合わせて選択するガンマカーブを変化することも有効である。特にEL表示パネルでは、屋内では良好な画像表示を実現できるが、屋外では低階調部は見えない。EL表示パネルは自発光のためである。そこで、図87に図示するように、ガンマカーブを変化させてもよい。ガンマカーブaは屋内用のガンマカーブである。ガンマカーブbは屋外用のガンマカーブである。ガンマカーブaとbとの切り替えは、ユーザーがスイッチを操作することにより切り替えるようにする。また、外光の明るさをホトセンサで検出し、自動的に切り替えるようにしてもよい。なお、ガンマカーブを切り替えるとしたが、これに限定するものではない。計算によりガンマカーブを発生させてもよいことは言うまでもない。屋外の場合は、外光があかるいため、低階調表示部は見えない。したがって、低階調部をつぶすガンマカーブbを選択することが有効である。
屋外では、図88のようにガンマカーブを発生させることも有効である。ガンマカーブaは128階調目までは出力階調は0にする。128階調からガンマ変換を行う。以上のように、低階調部は全く表示しないようにガンマ変換することにより消費電力を削減できる。また、図88のガンマカーブbのようにガンマ変換を行っても良い。図88のガンマカーブは128階調目までは出力階調を0にする。128以上は出力階調を512以上とする。図88のガンマカーブbでは高階調部を表示し、出力階調数も少なくすることにより屋外でも画像表示を見えやすくする効果がある。
本発明の駆動方式では、Duty比制御と基準電流制御により画像輝度を制御し、また、ダイナミックレンジを拡大する。また、高コントラスト表示を実現する。
液晶表示パネルでは、白表示および黒表示はバックライトからの透過率で決定される。本発明のDuty比駆動のように画面50に非表示領域52を発生させても、黒表示における透過率は一定である。逆に非表示領域52を発生させることにより、1フレーム期間における白表示輝度が低下するから表示コントラストは低下する。
EL表示パネルは、黒表示は、EL素子15に流れる電流が0の状態である。したがって、本発明のDuty比駆動のように画面50に非表示領域52を発生させても、黒表示の輝度は0である。非表示領域52の面積を大きくすると白表示輝度は低下する。しかし、黒表示の輝度が0であるから、コントラストは無限大である。したがって、Duty比駆動は、EL表示パネルに最適な駆動方法である。以上のことは、基準電流制御においても同様である。基準電流の大きさを変化させても、黒表示の輝度は0である。基準電流を大きくすると白表示輝度は増加する。したがって、基準電流制御においても良好な画像表示を実現できる。
Duty比制御は、全階調範囲で階調数が保持され、また、全階調範囲でホワイトバランスが維持される。また、Duty比制御により画面50の輝度変化は10倍近く変化させることができる。また、変化はDuty比に線形の関係になるから制御も容易である。しかし、Duty比制御は、N倍パルス駆動であるから、EL素子15に流れる電流の大きさが大きく、また、画面50の輝度にかかわらず、常時EL素子に流れる電流の大きさが大きくなり、EL素子15が劣化しやすいという課題がある。
基準電流制御は、画面輝度50を高くするときに、基準電流量を大きくするものである。したがって、画面50が高いときにしか、EL素子15に流れる電流は大きくならない。そのため、EL素子15が劣化しにくい。課題は、基準電流を変化させた時のホワイトバランス維持が困難である傾向が強い。
本発明では、基準電流制御とDuty比制御の両方を用いる。画面50が白ラスター表示に近い時には、基準電流は一定値に固定し、Duty比のみを制御して表示輝度などを変化させる。画面50に黒ラスター表示に近い時は、Duty比は一定値に固定し、基準電流のみを制御させて表示輝度などを変化させる。
Duty比制御は、データ和/最大値が1/10以上1/1の範囲で実施する。さらに好ましくは、データ和/最大値が1/100以上1/1の範囲で実施する。また、基準電流の倍率変化(単位トランジスタ484の出力電流変化)は、データ和/最大値が1/10以上1/1000の範囲で実施する。さらに好ましくはデータ和/最大値が1/100以上1/2000の範囲で実施する。基準電流制御とDuty比制御はオーバーラップしないようにすることが好ましい。図89ではデータ和/最大値が1/100以下では基準電流の倍率を変化させており、1/100以上でDuty比を変化させている。したがって、オーバーラップはしていない。
ここでは説明を容易にするため、Duty比の最大はDuty比1/1とし、最小はDuty比1/8とする。基準電流は、1倍から3倍に変化させるとする。また、データ和は画面50のデータの総和を意味し、(データ和の)最大値は、最大輝度での白ラスター表示での画像データの総和であるとする。なお、Duty比1/1まで使用する必要がないことは言うまでもない。Duty比1/1は最大値として記載している。本発明の駆動方法では、最大のDuty比を210/220などと設定してもよいことは言うまでもない。なお、220はQCIF+の表示パネルの画素行数を例示している。
なお、Duty比の最大はDuty比1/1とし、最小はDuty比1/16以内にすることが好ましい。さらに好ましくは、Duty比1/10以内にするとよい。フリッカの発生を抑制できるからである。基準電流の変化範囲は、4倍以内にすることが好ましい。さらに好ましくは2.5倍以内にする。基準電流の倍数を大きくしすぎると、基準電流発生回路の線形性がなくなり、ホワイトバランスずれが発生するからである。
データ和/(データ和の)最大値=1/100とは、一例として1/100の白ウインドウ表示である。自然画像では、画像表示する画素のデータ和が、白ラスター表示の1/100に換算できる状態を意味する。したがって、100画素あたりに1点の白輝点表示もデータ和/最大値が1/100である。
以下の説明では最大値とは白ラスターの画像データの加算値としたが、これは説明を容易にするためである。最大値は画像データの加算処理あるいはAPL処理などで発生する最大値である。したがって、データ和/最大値とは、処理を行う画面の画像データの最大値に対する割合である。
なお、データ和は消費電流で算定するか、輝度で算定するかはどちらでもよい。ここでは説明を容易にするため、輝度(画像データ)の加算であるとして説明をする。一般的に輝度(画像データ)の加算の方式が処理は容易であり、コントローラICのハード規模も小さくできる。また、Duty比制御によるフリッカの発生もなく、ダイナミックレンジを広く取れることから好ましい。
図89は本発明の基準電流制御とDuty比制御を実施した例である。図89ではデータ和/最大値が1/100以下では基準電流の倍率を3倍まで変化させている。1/100以上でDuty比を1/1から1/8まで変化させている。したがって、データ和/最大値が1/1から1/10000までで、Duty比制御で8倍、基準電流制御で3倍であるから、8×3=24倍の変化が実施されている。基準電流制御およびDuty比制御はともに画面輝度を変化させるから、24倍のダイナミックレンジが実現されていることになる。
データ和/最大値が1/1ではDuty比が1/8である。したがって、表示輝度は最大値の1/8になっている。データ和/最大値が1であるから、白ラスター表示である。つまり、白ラスター表示では表示輝度が最大の1/8に低下している。画面50の1/8が画像表示領域53であり、非表示領域52が7/8を占めている。データ和/最大値が1/1に近い画像は、ほとんどの画素16が高階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの高階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が白つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、図86などのガンマカーブのnまたはnに近いものが選択される。
データ和/最大値が1/100では、Duty比は1/1である。画面50の全体が表示領域53である。したがって、N倍パルス駆動は実施されていない。EL素子15の発光輝度がそのまま画面50の表示輝度となる。画像表示はほとんどが黒表示であり、一部に画像が表示されている状態である。イメージで表現すれば、データ和/最大値が1/100の画像表示とは、真っ暗な夜空に月がでている画像である。この画像でDuty比を1/1にするということは、月の部分は、白ラスターの輝度の8倍の輝度で表示されることになる。したがって、ダイナミックレンジの広い画像表示を実現できる。画像表示されているのは1/100の領域であるから、1/100の領域の輝度を8倍にしたとしても消費電力の増加はわずかである。
データ和/最大値が1/100に近い画像は、ほとんどの画素16が低階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの低階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が黒つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、図86などのガンマカーブのbまたはbに近いものが選択される。
以上のように本発明の駆動方法は、Duty比が大きくなるにしたがって、ガンマのx乗数を大きくする駆動方法である。Duty比が小さくなるにしたがって、ガンマのx乗数を小さくする駆動方法である。
図89ではデータ和/最大値が1/100以下では基準電流の倍率を3倍まで変化させている。データ和/最大値が1/100ではDuty比が1/1として、Duty比により画面輝度を高くしている。データ和/最大値が1/100よりも小さくなるにしたがって、基準電流の倍率を大きくしている。したがって、発光している画素16はより高輝度で発光する。たとえば、データ和/最大値が1/1000とは、メージで表現すれば、真っ暗な夜空に星がでている画像である。この画像でDuty比を1/1にするということは、星の部分は、白ラスターの輝度の8×2=16倍の輝度で表示されることになる。したがって、ダイナミックレンジの広い画像表示を実現できる。画像表示されているのは1/1000の領域であるから、1/1000の領域の輝度を16倍にしたとしても消費電力の増加はわずかである。
基準電流の制御はホワイトバランスを維持することが難しいという点である。しかし、真っ暗な夜空に星がでている画像ではホワイトバランスがずれていても視覚的にはホワイトバランスずれは認識されない。以上のことから、データ和/最大値が非常に小さい範囲で、基準電流制御を行う本発明は適切な駆動方法である。
データ和/最大値が1/1000では、Duty比は1/1である。画面50の全体が表示領域53である。したがって、N倍パルス駆動は実施されていない。EL素子15の発光輝度がそのまま画面50の表示輝度となる。画像表示はほとんどが黒表示であり、一部に画像が表示されている状態である。
データ和/最大値が1/1000に近い画像は、ほとんどの画素16が低階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの低階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が黒つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、図86などのガンマカーブのbまたはbに近いものが選択される。
以上のように本発明の駆動方法は、基準電流が小さくなるにしたがって、ガンマのx乗数を大きくする駆動方法である。また、基準電流が大きくなるにしたがって、ガンマのx乗数を小さくする駆動方法である。
図89では、基準電流の変化およびDuty比制御の変化は直線的に図示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図90に図示するように基準電流の倍率制御、Duty比制御を曲線的にしてもよい。図89、図90では、横軸のデータ和/最大値が対数であるから、基準電流制御およびDuty比制御の線が曲線になるのは自然である。データ和/最大値と基準電流倍率の関係、データ和/最大値とDuty比制御の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。
図89、図90は、RGBのDuty比制御、基準電流制御を同一にした実施例である。本発明は、これに限定するものではない。図91に図示するように、RGBで基準電流倍率の傾きを変化させてもよい。図91では、青(B)の基準電流倍率の変化の傾きを最も大きくし、緑(G)の基準電流倍率の変化の傾きを次に大きくし、赤(R)の基準電流倍率の変化の傾きを最も小さくしている。基準電流を大きくすると、EL素子15に流れる電流も大きくなる。EL素子はRGBで発光効率が異なる。また、EL素子15に流れる電流が大きくなると印加電流に対する発光効率が悪くなる。特に、Bではその傾向が顕著である。そのため、RGBで基準電流量を調整しないとホワイトバランスが取れなくなる。したがって、図91のように、基準電流倍率を大きくした時(各RGBのEL素子15に流す電流が大きい領域)では、ホワイトバランスを維持できるようにRGBの基準電流倍率を異ならせることが有効である。データ和/最大値と基準電流倍率の関係、データ和/最大値とDuty比制御の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。
図91は基準電流倍率をRGBで異ならせた実施例であった。図92はDuty比制御も異ならせている。データ和/最大値を1/100以上でBとGで同一にし、Rの傾きを小さくしている。また、GとRは1/100以下でDuty比1/1であるが、Bは1/100以下でDuty比1/2としている。以上のような駆動方法は、図125から図131で説明した駆動方法により実施することができる。以上のように駆動すれば、RGBのホワイトバランス調整を最適にすることができる。データ和/最大値と基準電流倍率の関係、データ和/最大値とDuty比制御の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。
図89から図91は、一例としてデータ和/最大値を1/100を境に基準電流倍率とDuty比を変化させる方法であった。データ和/最大値を一定の値を境で、基準電流倍率とDuty比を変化させ、基準電流倍率が変化させる領域とDuty比を変化させる領域を重ならないようにしている。このように構成することによりホワイトバランスの維持が容易である。つまり、データ和/最大値が1/100以上Duty比を変化させ、データ和/最大値が1/100以下で基準電流を変化させている。基準電流倍率が変化させる領域とDuty比を変化させる領域を重ならないようにしている。この方法は、本発明の特徴ある方法である。
なお、データ和/最大値が1/100以上でDuty比を変化させ、データ和/最大値が1/100以下で基準電流を変化させたとしたが、逆の関係でもよい。つまり、データ和/最大値が1/100以下でDuty比を変化させ、データ和/最大値が1/100以上で基準電流を変化させてもよい。また、データ和/最大値が1/10以上でDuty比を変化させ、データ和/最大値が1/100以下で基準電流を変化させ、データ和/最大値が1/100以上1/10以下では、基準電流倍率およびDuty比を一定値としてもよい。
場合によっては、本発明は以上の方法に限定されない。図93に図示するようにデータ和/最大値が1/100以上でDuty比を変化させ、データ和/最大値が1/10以下でBの基準電流を変化させてもよい。Bの基準電流変化とRGBのDuty比とを変化をオーバーラップさせている。
早いスピードで明るい画面と暗い画面とは交互に繰り返す時、変化に応じてDuty比を変化させるとのフリッカが発生する。したがって、あるDuty比から他のDuty比に変化する時は、ヒステリシス(時間遅延)を設けて変化させることが好ましい。たとえば、ヒステリシス期間を1secとすると、1sec期間内に、画面輝度が明るい暗いが複数回繰り返しても、以前のDuty比が維持される。つまり、Duty比は変化しない。
このヒステリシス(時間遅延)時間をWait時間と呼ぶ。また、変化前のDuty比を変化前Duty比と呼び、変化後のDuty比を変化後Duty比と呼ぶ。
変化前Duty比が小さい状態から、他のDuty比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりやすい。変化前Duty比が小さい状態は、画面50のデータ和が小さい状態あるいは画面50に黒表示部が多い状態である。したがって、画面50が中間調の表示で視感度が高いためと思われる。また、Duty比が小さい領域では、変化Dutyとの差が大きくなる傾向があるからである。もちろん、Duty比の差が大きくなる時は、OEV2端子を用いて制御する。しかし、OEV2制御にも限界がある。以上のことから、変化前Duty比が小さい時は、wait時間を長くする必要がある。
変化前Duty比が大きい状態から、他のDuty比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりにくい。変化前Duty比が大きい状態は、画面50のデータ和が大きい状態あるいは画面50に白表示部が多い状態である。したがって、画面50全体が白表示で視感度が低いためと思われる。以上のことから、変化前Duty比が大きい時は、wait時間は短くてよい。
以上の関係を図94に図示する。横軸は変化前Duty比である。縦軸はWait時間(秒)である。Duty比が1/16以下では、Wait時間を3秒(sec)と長くしている。Duty比が1/16以上Duty比8/16(=1/2)では、Duty比に応じてWait時間を3秒から2秒に変化させる。Duty比8/16以上Duty比16/16=1/1では、Duty比に応じて2秒から0秒に変化させる。
以上のように、本発明のDuty比制御はDuty比に応じてWait時間を変化させる。Duty比が小さい時はWait時間を長くし、Duty比が大きい時はWait時間を短くする。つまり、少なくともDuty比を可変する駆動方法にあって、第1の変化前のDuty比が第2の変化前のDuty比よりも小さく、第1の変化前Duty比のWait時間が、第2の変化前Duty比のWait時間よりも長く設定することを特徴とするものである。
なお、以上の実施例では、変化前Duty比を基準にしてWait時間を制御あるいは規定するとした。しかし、変化前Duty比と変化後Duty比との差はわずかである。したがって、前述の実施例において変化前Duty比を変化後Duty比と読み替えても良い。
また、以上の実施例において、変化前Duty比と変化後Duty比を基準にして説明した。変化前Duty比と変化後Duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる必要があることはいうまでもない。また、Duty比の差が大きい時は、中間状態のDuty比を経由して変化後Duty比に変化させることが良好であることは言うまでもない。
本発明のDuty比制御方法は、変化前Duty比と変化後Duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる駆動方法である。つまり、Duty比の差に応じてWait時間を変化させる駆動方法である。また、Duty比の差が大きい時にWait時間を長くとる駆動方法である。
また、本発明のDuty比の方法は、Duty比の差が大きい時は、中間状態のDuty比を経由して変化後Duty比に変化させることを特徴とする駆動方法である。
図94の実施例では、Duty比に対するWait時間を、R(赤)G(緑)B(青)で同一にするとして説明した。しかし、本発明は、図95に図示するようにRGBでWait時間を変化させてもよいことは言うまでもない。RGBで視感度が異なるからである。視感度にあわせてWait時間を設定することにより、より良好な画像表示を実現できる。
データ和/(データ和の)最大値=1/100とは、一例として1/100の白ウインドウ表示である。自然画像では、画像表示する画素のデータ和が、白ラスター表示の1/100に換算できる状態を意味する。したがって、100画素あたりに1点の白輝点表示もデータ和/最大値が1/100である。
以下の説明では最大値とは白ラスターの画像データの加算値としたが、これは説明を容易にするためである。最大値は画像データの加算処理あるいはAPL処理などで発生する最大値である。したがって、データ和/最大値とは、処理を行う画面の画像データの最大値に対する割合である。
ただし、データ和とは、1画面のデータを正確に加算することを必要としない。1画面をサンプリングした画素のデータの加算値から1画面の加算値を推定(予測)したものでもよい。また、最大値も同様である。また、複数フィールドあるいは複数フレームからの予測値あるいは推定値でもよい。また、画像データの加算だけでなく、映像データをローパスフィルタ回路によりAPLレベルを求めて、このAPLレベルをデータ和としてもよい。この時の最大値は、最大振幅の映像データが入力された時のAPLレベルの最大値である。
なお、データ和は表示パネルの消費電流で算定するか、輝度で算定するかはどちらでもよい。ここでは説明を容易にするため、輝度(画像データ)の加算であるとして説明をする。一般的に輝度(画像データ)の加算の方式が処理は容易である。
図197は横軸をデータ和/最大値としている。最大値は1である。縦軸はDUTY比である。データ和=最大値(データ和/最大値=1)は、全画素行が最大の白表示状態である。データ和/最大値が小さい時は、暗い画面あるいは画像表示領域が少ない画面である。この時は、DUTY比を大きくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は高い。そのため、画像のダイナミックレンジが拡大されて高画質表示される。データ和/最大値が大きい時(最大値は1)は、明るい画面あるいは画像表示領域が広い画面である。この時は、DUTY比を小さくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は低い。そのため、低消費電力化が可能である。画面から放射される光量は大きいため、画像が暗く感じることはない。
図197では、データ和/最大値が1.0の時に、到達するDUTY比値を変化させている。たとえば、DUTY比=1/2は画面の1/2が画像表示状態になる。したがって、画像は明るい。DUTY比=1/8は画面の1/8が画像表示状態になる。したがって、DUTY比=1/2に比較して1/4の明るさである。
本発明の駆動方式では、データ和などにより画像輝度を制御し、また、ダイナミックレンジを拡大する。また、高コントラスト表示を実現する。
液晶表示パネルでは、白表示および黒表示はバックライトからの透過率で決定される。本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示における透過率は一定である。逆に非表示領域を発生させることにより、1フレーム期間における白表示輝度が低下するから表示コントラストは低下する。
EL表示パネルは、黒表示は、EL素子に流れる電流が0の状態である。したがって、本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示の輝度は0である。非表示領域の面積を大きくすると白表示輝度は低下する。しかし、黒表示の輝度が0であるから、コントラストは無限大である。したがって、良好な画像表示を実現できる。
また、本発明の駆動方法では、全階調範囲で階調数が保持され、また、全階調範囲でホワイトバランスが維持される。また、DUTY比制御により画面の輝度変化は10倍近く変化させることができる。また、変化はDUTY比に線形の関係になるから制御も容易である。また、R、G、Bを同一比率で変化させることできる。したがって、どのDuty比においてもホワイトバランスは維持される。
データ和/最大値とDUTY比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。
以上の切り替え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。つまり、屋外では、図197のaのカーブを選択する。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。たとえば、通常では、cのカーブを選択する。また、さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。また、外部のマイコンなどにより、Duty比カーブ、傾きなどを書き換えるように構成することが好ましい。また、メモリされた複数のDutyカーブから1つを選択できるように構成することが好ましい。
なお、DUTY比カーブなどの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)を加味して行うことが好ましいことは言うまでもない。
以上のように、たとえば、aは屋外用のカーブである。cは屋内用のカーブである。bは屋内と屋外との中間状態用のカーブである。カーブa、b、cとの切り替えは、ユーザーがスイッチを操作することにより切り替えるようにする。また、外光の明るさをホトセンサで検出し、自動的に切り替えるようにしてもよい。なお、ガンマカーブを切り替えるとしたが、これに限定するものではない。計算によりガンマカーブを発生させてもよいことは言うまでもない。
図197のDUTY比は直線であったが、これに限定するものではない。図198に図示するように、一点折れカーブとしてもよい。
画像データ和が小さい時は、図198のcカーブを選択する。消費電力が低減する効果が発揮される。画像表示の低下はない。画像データ和が大きい時は、aカーブを選択する。画像の表示が明るくない、フリッカの発生が少なくなる。
本発明の他の実施例において、DUTY比の変化は、データ和/最大値が1/10以上の範囲で実施する(図199を参照のこと)。データ和/最大値が1に近い画像の発生は少なく、図197のようにデータ和/最大値が1まで、DUTY比が変化するように駆動すると、画像表示が暗く感じられるからである。さらに好ましくは、DUTY比の変化はデータ和/最大値が8/10以上の範囲で実施する。
図199ではデータ和/最大値が0.9以下ではDUTY比を1から1/5まで変化させている。したがって、5倍のダイナミックレンジが実現されていることになる。
データ和/最大値が0.9以上では1/5である。したがって、表示輝度は最大値の1/5になっている。データ和/最大値=1は白ラスター表示である。つまり、白ラスター表示では表示輝度が最大の1/5に低下している。
データ和/最大値が0.1以下では、DUTY比は1/1である。画面の1/10が表示領域である。EL素子の発光輝度がそのまま画素の表示輝度となる。画像表示はほとんどが黒表示であり、一部に画像が表示されている状態である。イメージで表現すれば、データ和/最大値が0.1以下の画像表示とは、真っ暗な夜空に月がでている画像である。この画像でDUTY比を1/1にするということは、月の部分は、白ラスターの輝度の5倍の輝度で表示されることになる。したがって、ダイナミックレンジの広い画像表示を実現できる。画像表示されているのは1/10の領域であるから、1/10の領域の輝度を5倍にしたとしても消費電力の増加はわずかである。
データ和/最大値が0に近い画像は、ほとんどの画素が低階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの低階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が黒つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、ガンマカーブを制御して黒表示部のダイナミックレンジを広くする。
以上の実施例では、データ和/最大値が0では、DUTY比を1にするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図200に図示するように、DUTY比を1より小さい値となるようにしてもよいことは言うまでもない。また、DUTY比のカーブは図201に図示するように曲線となるようにしてもよい。
図202に図示するように、赤(R)、緑(G)、青(B)の画素で、DUTY比カーブを変化させてもよい。図202では、青(B)のDUTY比の変化の傾きを最も大きくし、緑(G)のDUTY比の変化の傾きを次に大きくし、赤(R)のDUTY比の変化の傾きを最も小さくしている。以上のように駆動すれば、RGBのホワイトバランス調整を最適にすることができる。データ和/最大値とDUTY比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。
早いスピードで明るい画面と暗い画面とは交互に繰り返す時、変化に応じてDUTY比を変化させるとのフリッカが発生する。したがって、あるDUTY比から他のDUTY比に変化する時は、図203に図示するように、ヒステリシス(時間遅延)を設けて変化させることが好ましい。たとえば、ヒステリシス期間を1secとすると、1sec期間内に、画面輝度が明るい暗いが複数回繰り返しても、以前のDUTY比が維持される。つまり、DUTY比は変化しない。
このヒステリシス(時間遅延)時間をWait時間と呼ぶ。また、変化前のDUTY比を変化前DUTY比と呼び、変化後のDUTY比を変化後DUTY比と呼ぶ。
変化前DUTY比が小さい状態から、他のDUTY比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりやすい。変化前DUTY比が小さい状態は、画面のデータ和が小さい状態あるいは画面に黒表示部が多い状態である。
したがって、画面が中間調の表示で視感度が高いためと思われる。また、DUTY比が小さい領域では、変化DUTY比との差が大きくなる傾向があるからである。もちろん、DUTY比の差が大きくなる時は、OEVを用いて制御する。しかし、OEV制御にも限界がある。以上のことから、変化前DUTY比が小さい時は、wait時間を長くする必要がある。
変化前DUTY比が大きい状態から、他のDUTY比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりにくい。変化前DUTY比が大きい状態は、画面のデータ和が大きい状態あるいは画面に白表示部が多い状態である。したがって、画面全体が白表示で視感度が低いためと思われる。以上のことから、変化前DUTY比が大きい時は、wait時間は短くてよい。
以上の関係を図203に図示する。横軸は変化前DUTY比である。縦軸はWait時間(秒)である。DUTY比が1/16以下では、Wait時間を3秒(sec)と長くしている。DUTY比が1/16以上DUTY比8/16(=1/2)では、DUTY比に応じてWait時間を3秒から2秒に変化させる。DUTY比8/16以上DUTY比16/16=1/1では、DUTY比に応じて2秒から0秒に変化させる。
以上のように、本発明のDUTY比制御はDUTY比に応じてWait時間を変化させる。DUTY比が小さい時はWait時間を長くし、DUTY比が大きい時はWait時間を短くする。つまり、少なくともDUTY比を可変する駆動方法にあって、第1の変化前のDUTY比が第2の変化前のDUTY比よりも小さく、第1の変化前DUTY比のWait時間が、第2の変化前DUTY比のWait時間よりも長く設定することを特徴とするものである。
なお、以上の実施例では、変化前DUTY比を基準にしてWait時間を制御あるいは規定するとした。しかし、変化前DUTY比と変化後DUTY比との差はわずかである。したがって、前述の実施例において変化前DUTY比を変化後DUTY比と読み替えても良い。
また、以上の実施例において、変化前DUTY比と変化後DUTY比を基準にして説明した。変化前DUTY比と変化後DUTY比との差が大きい時はWait時間を長くとる必要があることはいうまでもない。また、DUTY比の差が大きい時は、中間状態のDUTY比を経由して変化後DUTY比に変化させることが良好であることは言うまでもない。
本発明のDUTY比制御方法は、変化前DUTY比と変化後DUTY比との差が大きい時はWait時間を長くとる駆動方法である。つまり、DUTY比の差に応じてWait時間を変化させる駆動方法である。また、DUTY比の差が大きい時にWait時間を長くとる駆動方法である。
また、本発明のDUTY比の方法は、DUTY比の差が大きい時は、中間状態のDUTY比を経由して変化後DUTY比に変化させることを特徴とする駆動方法である。
以上の実施例では、DUTY比に対するWait時間を、R(赤)G(緑)B(青)で同一にするとして説明した。しかし、本発明は、R、G、BでWait時間を変化させてもよいことは言うまでもない。RGBで視感度が異なるからである。視感度にあわせてWait時間を設定することにより、より良好な画像表示を実現できる。
以上の実施例は、Duty比制御に関する実施例であった。基準電流制御についてもWait時間を設定することが好ましい。図96はその実施例である。
基準電流が小さい時は画面50が暗く、基準電流が大きい時は画面50が明るい。つまり、基準電流倍率が小さい時は、中間調表示状態と言い換えることができる。基準電流倍率が高いときは、高輝度の画像表示状態である。したがって、基準電流倍率が低い時は、変化に対する視感度が高いため、Wait時間を長くする必要がある。一方、基準電流倍率が高いときは、変化に対する視感度が低いため、Wait時間が短くても良い。したがって、図96に図示するように、基準電流倍率に対するWait時間を設定すればよい。
データ和などに対する基準電流倍率は、パネルモジュール外部から変更できるようにしておくことが望ましい。外部からの変更は、マイコンなどを用いて、パネルモジュールの制御回路839(図83、図205およびその説明を参照のこと)のメモリに書き込めばよい。
図224は基準電流倍率を変化させる方式の説明図である。図224の横軸はアドレス番号である。アドレス番号は0番地から511番地であり、9ビットとなっている。また、横軸はアドレスとしているが、図197から図202などで説明したデータ和/最大値に対応していると考えてよい。つまり、データ和=最大値の時は、データ和/最大値=1である。この状態がアドレスの511番地に該当させていると考えてよい。また、データ和×2=最大値の時は、データ和/最大値=1/2である。この状態がアドレスの255番地に該当させていると考えてよい。
各アドレスに対するデータ(基準電流倍率)は、図225に図示するようにアドレスバスとデータバスに印加されたデータ値により順次書き換えられる。
縦軸の基準電流はメモリ状態によって変化する。実線のa線では、アドレスの値によらず、たえず、基準電流倍率が1と変化しない状態にされた場合を示している。点線のb線では、データ和が大きい時(画面50全体が白表示に近い状態)では基準電流を1から変化しないようにし、データ和が小さい時(画面50が黒表示に近い状態か、表示された画素が少ない状態)では基準電流の変化を大きくしている。したがって、画像表示のダイナミックレンジが拡大されている。一点鎖線のc線では、データ和が大きい時から小さい時に、その変化が一定に変化するようにしている。
以上のように、基準電流倍率を書き換えることにより本発明の駆動方式の適用性が拡大される。なお、図224において、a、b、c線となるように各アドレスに対するデータを書き換えるとしたが、これに限定するものでなく、制御回路839などに、a、b、c線のカーブ(データ)を格納しておき、選択して切り換えるように制御してもよい。
図226はduty比を変化させる方式の説明図である。図226の横軸はアドレス番号である。アドレス番号は0番地から255番地であり、8ビットとなっている。また、横軸はアドレスとしているが、図197から図202などで説明したデータ和/最大値に対応していると考えてよい。つまり、データ和=最大値の時は、データ和/最大値=1である。この状態がアドレスの255番地に該当させていると考えてよい。また、データ和×2=最大値の時は、データ和/最大値=1/2である。この状態がアドレスの127番地に該当させていると考えてよい。各アドレスに対するデータ(duty比)は、図227に図示するようにアドレスバスとデータバスに印加されたデータ値により順次書き換えられる。
縦軸の基準電流はメモリ状態によって変化する。実線のa線では、アドレスの値によらず、たえず、duty比が1と変化しない状態にされた場合を示している。点線のb線では、データ和が大きい時(画面50全体が白表示に近い状態)ではduty比を0.2から変化しないようにし、データ和が小さい時(画面50が黒表示に近い状態か、表示された画素が少ない状態)ではduty比の変化を大きくしている。したがって、画像表示のダイナミックレンジが拡大されている。一点鎖線のc線では、データ和が大きい時から小さい時に、その変化が一定に変化するようにしている。
以上のように、duty比を書き換えることにより本発明の駆動方式の適用性が拡大される。なお、図226において、a、b、c線となるように各アドレスに対するデータを書き換えるとしたが、これに限定するものでなく、制御回路839などに、a、b、c線のカーブ(データ)を格納しておき、選択して切り換えるように制御してもよい。また、図224と図226とは相互に組み合わせて実施してもよいことは言うまでもない。
本発明は、データ和あるいはAPLを算出(検出)し、この値のよりDuty比制御、基準電流制御を行うものである。図98はこのDuty比と基準電流倍率を求めるフローチャートである。
図98に図示するように、入力された画像データは、概略のAPLが算出される(仮APLが算出される)。このAPLから基準電流の値、基準電流倍率が決定される。決定された基準電流、基準電流倍率は、電子ボリウムデータに変換されソースドライバ回路14に印加される。
一方、画像データはガンマ処理回路に入力され、ガンマ特性が決定される。ガンマ特性の処理した画像データからAPLが算出される。算出されたAPLよりDuty比を決定する。次に、画像が動画か静止画により、Dutyパターンが決定される。Dutyパターンとは、非表示領域52と表示領域53との分布状態である。動画の場合は、非表示領域52を一括に挿入する。静止画の場合は、非表示領域52を分散させて挿入にする。したがって、静止画の場合は、非表示領域52と表示領域非表示領域52を分散させて挿入するDutyパターンに変換する。動画の場合は、非表示領域52を一括で挿入するDutyパターンに変換する。変換されたパターンは、ゲートドライバ回路12bのスタートパルスST(図6を参照のこと)として印加される。
図94、図95では、Duty比に応じてWait時間を制御することを説明し、また、図89から図93において、データ和に応じてDuty比制御を行うことを説明した。図103はさらにDuty比制御およびWait時間を行うための詳細な説明図である。ただし、説明を容易にするため、時間的ファクタなどを縮小して表現している。
図103において、最上段はフレーム(フィールド)番号を示している。2段目はAPLレベル(データ和が該当)を示している。3段目はAPLレベルから算出された対応Duty比を示している。最下段は、Wait時間を考慮し補正して結果のDuty比(処理Duty比)を示している。つまり、各フレームのAPLレベルにより対応Duty比(3段目)は8/64→9/64→9/64→10/64→9/64→10/64→11/64→11/64→12/64→14/64→・・・・・と変化する。
対応Duty比に対して、処理Duty比はWait時間を考慮して、8/64→8/64→9/64→9/64→9/64→10/64→10/64→11/64→12/64→12/64→・・・・・と変化する。
図103では、Wait時間により対応Duty比を補正している。また、処理Duty比は分子が整数にしている(図107は分子には小数点があることと比較のこと)。図103では、Duty比の変化が滑らかにし、フリッカが発生しにくいように駆動している。図103において、フレーム3、4、5で対応Duty比が9/64、10/64、9/64に変化しているが、Wait時間制御を実施し、処理Duty比は、9/64、9/64、9/64に変化させている(フレーム4において点線で補正箇所を記載している)。また、図103において、フレーム9、10、11で対応Duty比が12/64、14/64、11/64に変化しているが、Wait時間制御を実施し、処理Duty比は、12/64、12/64、11/64に変化させている(フレーム10において点線で補正箇所を記載している)。以上のようにWait時間制御を行うことにより、Duty比制御にヒステリシス(時間遅延あるいはローパスフィルタ)を持たせることにより、APLレベルが急激に変化してもDuty比が変化しないようにしている。
以上のような、Duty比制御は、1フレームあるいは1フィールドで完結する必要はない。数フィールド(数フレーム)の期間でDuty比制御を行っても良い。この場合のDuty比は数フィールド(数フレーム)の平均値をDuty比とする。なお、数フィールド(数フレーム)でDuty比制御を行う場合であっても、数フィールド(数フレーム)期間は、6フィールド(6フレーム)以下にすることが好ましい。これ以上であるとフリッカが発生する場合があるからである。また、数フィールド(数フレーム)とは整数ではなく、2.5フレーム(2.5フィールド)などでもよい。つまり、フィールド(フレーム)単位には限定されない。
図104は数フィールド(数フレーム)でDuty比制御を行う場合の実施例である。図104は数フィールド(数フレーム)を行う場合の概念を図示している。MはDuty比制御を行う長さである。1フィールド(1フレーム)が画素行数256であれば、M=1024は4フィールド(4フレーム)が該当する。つまり、図104は4フィールド(4フレーム)でDuty比制御を行う実施例である。
Mは仮想的ゲートドライバ回路12bのシフトレジスタ61bの保持データ列をしめしている(図6を参照のこと)。保持データ列には、ゲート信号線17bに印加する電圧をオフ電圧にするかオン電圧にするかのデータ(オンオフ電圧)が保持されている。この保持データ列の平均値がDuty比を示すことになる。なお、図104において、M=Nであっても良いことは言うまでもない。また、場合によっては、M < Nの関係でDuty比制御を行っても良いことは言うまでもない。
たとえば、M=1024の保持データ列において、オン電圧データが256あり、オフ電圧が768であれば、Duty比は256/1024=1/4となる。なお、オン電圧データの分布状態は表示画像が動画の場合は、固まって保持されており、表示画像が静止画の場合は、オン電圧の分布状態は分散して保持されている。
つまり、仮想的にオンオフ電圧データ列がEL表示パネルのゲート信号線17bに順次印加される。オンオフ電圧が順次印加されることによりEL表示パネルがDuty比制御され、所定の明るさで報じされる。
図105は図104のDuty比制御を実現するための回路構成のブロック図である。まず、映像信号(画像データ)はY変換回路1051により、輝度信号に変換される。次に、APL演算回路1052により、APLレベル(データ和あるいはデータ和/最大値)が求められる。このAPLレベルによりDuty比がフィールド(フレーム)単位で算出され、結果はスタック1053に蓄えられる。スタック回路1053はfirst in first out構成である。なお、Wait時間制御によりDuty比は補正されてスタック回路1053に格納される。スタック1053に格納されたDuty比データは、パラレル/シリアル変換(P/S)回路1054により、シフトレジスタ61bのSTパルス(図6を参照のこと)として印加され、印加されたデータの順番に応じてゲートドライバ回路12bからゲート信号線17bのオンオフ電圧が出力される。
以上の実施例では、フィールドあるいはフレームでDuty比制御を実施するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、1フレーム=4フィールドとし、複数のフィールドを単位としてDuty比制御を行っても良い。複数のフィールドを用いてDuty比制御を行うことにより、フリッカの発生しない滑らかな画像表示を実現できる。
図106において、1−1は1フレームの第1フィールドを意味し、1−2は1フレームの第2フィールドを意味し、1−3は1フレームの第3フィールドを意味し、1−4は1フレームの第4フィールドを意味する。また、2−1は2フレームの第1フィールドを意味する。
Duty比が128/1024→132/1024に変化させる場合は、1−1では128/1024、1−2では129/1024、1−3では130/1024、1−4では131/1024、2−1では132/1024と変化させる。以上の変化により128/1024から132/1024に緩やかに変化する。
Duty比が128/1024→130/1024に変化させる場合は、1−1では128/1024、1−2では128/1024、1−3では129/1024、1−4では129/1024、2−1では130/1024と変化させる。以上の変化により128/1024から130/1024に緩やかに変化する。
Duty比が128/1024→136/1024に変化させる場合は、1−1では128/1024、1−2では130/1024、1−3では132/1024、1−4では134/1024、2−1では136/1024と変化させる。以上の変化により128/1024から136/1024に緩やかに変化する。
フィールド(フレーム)のDuty比制御におけるDuty比の分子は整数である必要はない。たとえば、図107に図示するように、小数点以下となるように制御してもよい。分子が小数点以下とするのは、OEV2端子を制御することより、容易に実現できる。また、複数のフレーム(フィールド)での平均Duty比を用いることによりDuty比の分母を小数点以下が発生することができる。逆に、Duty比の分母に小数点以下を発生するようにしてもよい。図107では、分子が30.8、31.2など小数点以下としている。なお、分母、分子を一定以上の大きな整数にすることにより小数点以下を必要ないようにすることができる。
動画と静止画とでは、Duty比パターンを変化させる。Duty比パターンを急激に変化させると画像変化が認識されてしまうことがある。また、フリッカが発生する場合がある。この課題は動画のDuty比と静止画のDuty比との差異によって発生する。動画では非表示領域52を一括して挿入するDutyパターンを用いる。静止画では非表示領域52を分散して挿入するDutyパターンを用いる。非表示領域52の面積/画面面積50の比率がDuty比となる。しかし、同一Duty比であっても、非表示領域52の分散状態で人間の視感度は異なる。これは人間の動画応答性に依存するためと考えられる。
中間動画は、非表示領域52の分散状態が、動画の分散状態と静止画の分散状態との中間の分散状態である。なお、中間動画は複数の状態を準備し、変化前の動画状態あるいは静止画状態に対応させて複数の中間動画から選択してもよい。複数の中間動画状態とは、非表示領域の分散状態が動画表示に近く、たとえば、非表示領域52が3分割された構成が一例として例示される。また、逆に非表示領域が静止画のように多数に分散された状態が例示される。
静止画でも明るい画像もあれば暗い画像もある。動画も同様である。したがって、変化前の状態に応じてどの中間動画の状態に移行するかを決定すればよい。また、場合によっては、中間動画を経由せずに動画から静止画に移行してもよい。中間動画を経由せずに静止画から動画に移行してもよい。たとえば、画面50が低輝度の画像は動画表示と静止画表示とが直接移動しても違和感はない。また、複数の中間動画表示を経由して表示状態を移行させてもよい。たとえば、動画表示のDuty状態から、中間動画表示1のDuty比状態に移行し、さらに中間動画表示2のDuty状態に移行してから静止画表示のDuty状態に移行させてもよい。
図108に図示するように動画表示から静止画表示に移動する時に、中間動画状態を経由させる。また、静止画表示から中間動画表示を経由して動画表示に移行させる。各状態の移行時間はWait時間をおくことが好ましい。
図110は動画と静止画および中間動画を移行するときの、Duty比、非表示領域の分散数を示している。図110において、動画静止画レベルが0の時は、画像表示が動画レベルであること、1の時は画像表示が準動画(中間動画)状態であることを示している。また、2の時は、画像表示が静止画状態であることを示している。
分散数は、非表示領域52の分割数である。1とは非表示領域52が一括して画面に挿入されていることを示している。30とは非表示領域52が30に分割して挿入されていることを示している。同様に50とは非表示領域52が50に分割して挿入されていることを示している。Duty比は以前にも説明したが、白表示の輝度低減率をしめしている。つまり、Duty比1/2とは、最高の白輝度の1/2の表示状態となっていることを示す。
図110で図示するように、動画静止画レベルは、動画から静止画に移行する時、静止画から動画に移行する時に中間動画(準動画)状態を経由して以降する。
動画から静止画に移行する時間は、図111に図示するようにWait時間を設けることが好ましい。Wait時間は、動画の割合によって決定するとよい。図110の横軸の異なるデータ数とは、あるフレームと次のフレーム間で動画検出をし、動画検出により検出された動画の割合を示している。つまり、フレーム間で演算し、画像データが異なっている画素の割合が横軸である。したがって、数値が大きいほど、動画表示に近いということになる。図110では動画表示に近いほど、Wait時間を長く確保している。
さらにDuty比制御について説明するために、本発明の有機EL表示装置の電源回路について説明をする。図112は本発明の電源回路の構成図である。1122は制御回路である。抵抗1125aと1125bの中点電位を制御し、トランジスタ1126のゲート信号を出力する。トランス1121の1次側には電源Vpcが印加され、1次側の電流がトランジスタ1126のオンオフ制御により2次側に伝達される。1123は整流ダイオードであり、1124は平滑化コンデンサである。
図201は本発明の電源回路の構成図である。1122は制御回路である。トランジスタ1775をオンオフ制御かけることにより、コイル1771に流れる電流、駆動波形を変化させ、コンデンサ1774に充電される電荷を制御する。抵抗1125aと1125bの中点電位を制御し、トランジスタ1126のゲート信号を出力する。抵抗の抵抗値を変化させることによりVdd電圧(アノード電圧)を変化させることができる。電圧の発生はコイル(トランス)1771で行っているため、アノード電圧の変化によりカソード電圧(Vss)も変化する。つまり、アノード電圧(Vdd)が高くなれば、カソード電圧(Vss)もシフトする。
たとえば、アノード電圧(Vdd)が6(V)で、カソード電圧(Vss)が−6(V)の場合を考える。アノード電圧(Vdd)を9(V)に3(V)変化させると、カソード電圧(Vss)は−6(V)から−3(V)にシフトする。これは、トランス1121の入力側と出力側が絶縁されている効果である。
電流駆動方式の有機EL表示パネルは、電位的な観点から以下の特徴がある。本発明の画素構成は、図1などでの説明したように駆動用トランジスタ11aはPチャンネルのトランジスタである。また、プログラム電流を発生するソースドライバ14の単位トランジスタ484はNチャンネルのトランジスタである。この構成により、プログラム電流は、画素16からソースドライバIC(回路)14に向かって流れる吸い込み電流(シンク電流)となっている。したがって、電位的な動作は、アノード(Vdd)を原点として動作している。つまり、画素16へのプログラムは電流であるから、駆動の電圧マージンが確保されていれば、ソースドライバIC(回路)14の電位はいずれでも良い。
制御回路1122の制御はコントローラなどのロジック回路で制御する。したがって、制御回路1122とロジック回路のグランドは一致させる必要がある。しかし、トランス1121は入力側と出力側は切り離されている。電流プログラム方式のソースドライバIC(回路)14は出力側に作用し、アノード電位(Vdd)を基準に動作する。したがって、ソースドライバIC(回路)14のグランドは、制御回路1122、ロジック回路のグランドと一致させる必要はない。この点で、ソースドライバIC14が電流プログラム方式であること、トランス1122を用いてアノード電圧(Vss)を発生させること(さらに加えるならば、アノード電圧(Vdd)を基準としてカソード電圧(Vss)を発生させること)、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルであることの組み合わせは相乗効果を発揮する。
また、有機EL表示パネルは、アノード(Vdd)とカソード(Vss)との絶対値で動作する。たとえば、Vdd=6(V)で、Vss=−6(V)であれば、6−(−6)=12(V)で動作する。図112の本発明のトランス1121を用いた電源回路では、アノード(Vdd)を基準にしてカソード電圧(Vss)が変化する。また、アノード電圧(Vdd)が、本発明の電流駆動のソースドライバIC(回路)14のプログラム電流の基準位置である。つまり、アノード電圧(Vdd)を原点として動作している。逆に、カソード電圧(Vss)の電位あるいは制御はラフでよい。この理由によっても、図112のトランスを用いた本発明の電源回路、電流駆動の画素16構成を有する有機ELパネル、電流プログラム方式のソースドライバIC(回路)14とは組み合わせによる相乗効果を発揮することが理解できる。また、アノード電圧の変化によりカソード電圧がシフトする点も重要である。
また、有機ELパネルは、アノードVddから駆動用トランジスタ11aに流れ込む電流Iddと、EL素子15からカソードVssに流れ出す電流Issが略一致する。つまり、Idd=Issの関係がある。実際は、Idd>Issとなるが、この差は、ソースドライバIC(回路)14のプログラム電流であるため、極わずかであり無視できる。図112、図177のトランス1121は、構成上、アノードVddから出力される電流と、カソードVssから吸い込む電流が一致する。この点においても、有機ELパネルと本発明のトランス1121を用いた電源回路の組み合わせの相乗効果は大きい。
なお、画素16の駆動用トランジスタ11aをNチャンネルトランジスタとする場合は、ソースドライバIC(回路)14の単位トランジスタ484はPチャンネルトランジスタとすると同様の効果を発揮できることは言うまでもない。
ゲートドライバ回路12のVgh電圧、Vgl電圧、ソースドライバ回路の電源電圧などは、カソード電圧(Vss)または(および)アノード電圧(Vdd)から発生させると効率がよい。また、トランス1121は入力2端子、出力2端子の4端子構成でもよいか、図112に図示するように、入力2端子、出力は中点といれて3端子とすることが望ましい。なお、トランス1121には単巻きトランス(コイル)も含まれる。
トランス1121の1次側には電源Vpcが印加され、1次側の電流がトランジスタ1126のオンオフ制御により2次側に伝達される。1123は整流ダイオードであり、1124は平滑化コンデンサである。
アノード電圧Vddは抵抗1125bに出力電圧が調整される。Vssはカソード電圧である。カソード電圧Vssは図178に図示するように2つの電圧を選択して出力できるように構成されている。選択はスイッチ1781で行う。カソード電圧としての2つの電圧(図178では、−9(V)と−6(V))の発生は、トランス1121の出力側に中間タップを設けることにより容易に発生できる。また、トランス1121の出力側に−9(V)用と、−6(V)用の2つの巻線を構成し、この巻線のいずれかを選択することのより容易に発生できる。この点も本発明のすぐれた点である。また、図178などではカソード電圧(Vss)を切り換える点も特徴である。アノードは電位の原点として変化させると回路構成が複雑となり、コストが高くなる。一方、カソード電圧(Vss)は10%程度の電位誤差が発生しても、画像表示に影響を与えない(鈍感である)。したがって、アノード電圧を基準としてカソード電圧を設定する点、パネルの温度特性にあわせて、カソード電圧(Vss)を変化させる点は本発明の優れた特徴である。また、トランス1121は、入力巻線数と出力巻線数との比を変化させることにより容易にカソード電圧およびアノード電圧を変化させることも利点が多い。また、トランジスタ1776のスイッチング状態を変化することにより、アノード電圧(Vdd)を変化できることも利点が多い。図178では、スイッチ1781により−9(V)が選択されている。
なお、図178では、カソード電圧Vssを2つの電圧から選択するとしたが、これに限定するものではなく、2つ以上にしてもよい。また、カソード電圧は可変レギュレータ回路を用いて、連続的に変化させてもよい。
スイッチ2021の選択は温度センサ701からの出力結果による。パネル温度が低いときは、Vss電圧として、−9(V)を選択する。一定以上のパネル温度の時は、−6(V)を選択する。これは、EL素子15に温特があり、低温側でEL素子15の端子電圧が高くなるためである。なお、図178では、2つの電圧から1つの電圧を選択し、Vss(カソード電圧)とするとしたが、これに限定するものではなく、3つ以上の電圧からVss電圧を選択できるように構成してもよい。以上の事項は、Vddについても同様に適用される。なお、本発明は一定以下の低温では、カソード電圧(Vss)を低くする点も特徴ある構成である。
なお、図178では、温度センサ701でカソード電圧を切り換える(変化させる)としたが、これに限定するものではない。たとえば、図177に図示するように、出力電圧を決定する抵抗1775に並列にあるいは直列に可変抵抗(ポジスタ、サーミスタなど)を形成または配置し、全体として温度により抵抗値を変化できるように構成してもよい。
図178のように、複数の電圧をパネル温度により選択できるように構成することで、パネルの消費電力を低減することができる。一定温度以下の時に、Vss電圧を低下させればよいからである。通常は、電圧が低いVss=−6(V)を使用することができる。なお、スイッチ2021は図178に図示するように構成してもよい。なお、複数のカソード電圧Vssを発生させるのは、図178のトランス1121から中間タップをとりだすことにより容易に実現できる。アノード電圧Vddの場合も同様である。実施例として、図179の構成を例示する。図179では、トランス1771の中間タップを用いて複数のカソード電圧を発生させている。
図180は電位設定の説明図である。この例では説明を容易にするため、ソースドライバIC14はGNDを基準にするとして説明をする。ソースドライバIC14の電源はVccである。Vccはアノード電圧(Vdd)と一致させてもよい。本発明では消費電力の観点から、Vcc<Vddにしている。好ましくは、ソースドライバIC(回路)のVcc電圧は Vdd−1.5(V) <= Vcc <= Vddの関係を満足させることが好ましい。たとえば、Vdd=7(V)であれば、Vccは、Vdd−1.5=5.5(V)以上7(V)以下の条件を満足させることが好ましい。なお、Vcc電圧とは、図48、図166のスイッチ481を動作させる最大電圧である。
ゲートドライバ回路12のオフ電圧Vghは、Vdd電圧以上にする。好ましくは、Vdd+0.2(V)<=Vgh<=Vdd+2.5(V)の関係を満足させる。たとえば、Vdd=7(V)であれば、Vghは、7+0.2=7.2(V)以上7+2.5=9.5(V)以下の条件を満足させるようにする。以上の条件は、画素選択側(図1の画素構成ではトランジスタ11b、11c)と、EL選択側(図1の画素構成ではトランジスタ11d)の両方に適用される。
駆動用トランジスタ11aとのプログラム電流の経路を発生させるスイッチング用トランジスタ(図1の画素構成にあっては、トランジスタ11b、11cが該当する)のオン電圧Vglは、Vdd−Vdd以下Vdd−Vdd−4(V)の条件を満足させるか、もしくは、カソード電圧Vssと略一致させることが好ましい。同様に、EL選択側(図1の画素構成にあっては、トランジスタ11dが該当する)のオン電圧も同様である。つまり、アノード電圧が7(V)、カソード電圧が−6(V)であれば、オン電圧Vglは、7−7(V)=0(V)以下7−7−4=−4(V)の範囲にすることが好ましい。もしくは、オン電圧Vglはカソード電圧と略一致させ、−6(V)あるいはその近傍とすることが好ましい。
なお、画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルのトランジスタの場合は、Vghはオン電圧となる。この場合は、オフ電圧をオン電圧に置き換えればよいことは言うまでもない。
本発明の電源回路の課題に、アノード電圧Vddおよび(または)カソード電圧VssからVgh、Vgl電圧などを発生させている点がある。アノード電圧などはトランス1121で発生させ、この電圧から、DCDCコンバータVgh、Vgl電圧などが印加されることになる。
しかし、Vgh、Vglはゲートドライバ回路12の制御電圧であり、この電圧が印加されていないと、画素のトランジスタ11はフローティング状態となってしまう。また、Vcc電圧がないと、ソースドライバIC(回路)14もフローティング状態となり、誤動作と引き起こす。したがって、図181に図示するように、Vgh、Vgl、Vcc電圧をパネルに印加した後、T1時間経過後、あるいは同時にVdd、Vss電圧を印加する必要がある。
この課題に対して、本発明は図182に図示する構成で解決している。図182において、1783aはトランス1121などから構成される電源回路である。1783bは、電源回路1783aからの電圧を入力し、Vgh、Vgl、Vcc電圧などを発生させる電源回路であり、DCDCコンバータ回路、レギュレータ回路などで構成される。1821はスイッチである。サイリスタ、メカニカルリレー、電子リレー、トランジスタ、アナログスイッチなどが該当する。
図182の(a)では、電源回路1783aがまず、アノード電圧(Vdd)およびカソード電圧(Vss)を発生する。この発生時には、スイッチ1821aがオープン状態となっている。したがって、表示パネルにはアノード電圧(Vdd)は印加されない。電源回路1783aで発生したアノード電圧(Vdd)およびカソード電圧(Vss)は電源回路1783bに印加され、電源回路1783bでVgh、Vgl、Vcc電圧が発生させられ、表示パネルに印加される。Vgh、Vgl、Vcc電圧を表示パネルに印加した後、スイッチ1821aがオン(クローズ)し、表示パネルにアノード電圧(Vdd)が印加される。
図182の(a)では、アノード電圧(Vdd)のみをスイッチ1821aで遮断している。これは、アノード電圧(Vdd)が印加されていなければ、EL素子15に電流を印加する経路が発生せず、また、ソースドライバIC(回路)14に流れる経路も発生しないからである。したがって、表示パネルが誤動作あるいはフローティング動作することがない。
もちろん、図182の(b)に図示するように、スイッチ1821a、1821bの両方をオンオフ制御することにより、表示パネルに印加する電圧を制御してもよい。ただし、スイッチ1821aと1821bは同時にクローズ状態にするか、もしくは、スイッチ1821aがクローズした後、スイッチ1821bがクローズ状態となるように制御する必要がある。
以上は、電源回路1783aのVdd端子にスイッチ1821を形成または配置する構成であった。図183はスイッチ1821を形成または配置しない構成である。アノード電圧(Vdd)とVgh電圧が近似し、また、アノード電圧(Vdd)とVcc電圧が近似している点、Vgh電圧が印加されていればゲートドライバ回路12によりゲート信号線17a、17bにオフ電圧Vghが印加され、トランジスタ11(図1の構成ではトランジスタ11b、トランジスタ11c、トランジスタ11d)がオフ状態になることを利用している。トランジスタ11がオフ状態であれば、駆動用トランジスタ11aからEL素子15に流れる電流経路は発生せず、また、駆動用トランジスタ11aからソースドライバIC(回路)14に流れるプログラム電流の経路も発生しないから、表示パネルが誤動作あるいは異状動作することがない。
アノード電圧(Vdd)とVgh電圧が近似していると、抵抗1831aでショートされていても抵抗にはほとんどで電流が流れない。したがって、電力ロスはほとんど発生しない。たとえば、アノード電圧(Vdd)=7(V)で、Vgh=8(V)とし、抵抗1831aが10(KΩ)とすれば、(8−7)/10=0.1となるから、抵抗1831aに流れる電流は、0.1(mA)である。また、Vghはオフ電圧である。また、ゲートドライバ回路12から出力される電圧であるので、使用する電流は小さい。本発明はこの性質を利用している。つまり、アノード電圧(Vdd)端子とVgh端子とを短絡した抵抗1831aによって、ゲート信号線17をオフ電圧(Vgh)あるいはその近傍の電位に保持することができる。したがって、アノード電圧(Vdd)からEL素子15に流れる電流経路が発生することがなく、表示パネルに異状動作が発生しない。なお、ゲートドライバ回路12のシフトレジスタ61(図6を参照のこと)を動作させ、すべてのゲート信号線17からオフ電圧(Vgh)が出力されるように、制御することは言うまでもない。
その後、電源回路1783bが完全動作し、電源回路1783bから規定のVgh電圧、Vgl電圧、Vcc電圧が出力される。
同様に、アノード電圧(Vdd)とVcc電圧が近似していると、抵抗1831bでショートされていても抵抗にはほとんどで電流が流れない。したがって、電力ロスはほとんど発生しない。たとえば、アノード電圧(Vdd)=7(V)で、Vcc=6(V)とし、抵抗1831aが10(KΩ)とすれば、(7−6)/10=0.1となるから、抵抗1831bに流れる電流は、0.1(mA)である。また、VccはソースドライバIC(回路)14で使用する電圧であるが、Vccから消費される電流はソースドライバ回路14のシフトレジスタ回路とスイッチ481(図48、図166を参照のこと)のオンオフ制御に使用される程度であり、わずかである。
本発明はこの性質を利用している。つまり、アノード電圧(Vdd)端子とVcc端子とを短絡した抵抗1831bによって、ソースドライバ回路14のスイッチ481をオフ(オープン)状態にすることにより、単位トランジスタ484には電流が流れ込まなくすることができる。したがって、アノード電圧(Vdd)からソース信号線18への電流経路は発生しないから、表示パネルに異状動作が発生しない。なお、ソースドライバ回路14のシフトレジスタを動作させ、すべてのソース信号線17から単位トランジスタ484の電流経路を切り離すように制御することは言うまでもない。
また、図183において、カソード電圧(Vss)端子とVgl端子間を抵抗(図示せず)で短絡しておいてもよい。この抵抗の短絡により、カソード電圧(Vss)の発生時にカソード電圧(Vss)がVgl端子に印加される。したがって、ゲートドライバ回路12が正常動作する。
なお、図183ではアノード電圧(Vdd)でVgh端子を抵抗1831でショートするとしたが、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルのトランジスタの場合は、アノード電圧(Vdd)とVgl端子もしくは、カソード電圧(Vss)とVgl端子とをショートさせることは言うまでもない。
アノード電圧(Vdd)とVgh電圧間、アノード電圧(Vdd)とVcc電圧間などは比較的に高い抵抗でショート(接続)するとしたが、これに限定するものではない。抵抗1831をリレーあるいはアナログスイッチなどのスイッチに置き換えても良い。つまり、アノード電圧(Vdd)が発生した時点で、リレーがクローズ状態にしておく。したがって、アノード電圧(Vdd)をVgh端子およびVcc端子に印加される。次に、電源回路1783bでVgh電圧、Vhl電圧、Vcc電圧などが発生した時点で、リレーをオープン状態にし、アノード電圧(Vdd)とVgh端子、およびアノード電圧(Vdd)とVcc端子とを切り離す。
トランス1121は比較的高さが高い。そのため、図206に図示するように、ソースドライバIC14に対面する位置に配置された基板83に実装する。基板83はシャーシ2061に取り付け、トランス1121などからの放熱を良好にする。基板83にはチップコンデンサ、チップ抵抗などのチップ部品2063を実装する。また、トランス1121に前面には、パネルモジュールの操作ボタン2062を配置している。
EL表示パネルからの発熱対策は重要である。発熱対策のため、パネルの裏面(表示画面50からの光が出ない面)に金属材料からなるシャーシ2061を取り付ける(図206を参照のこと)。シャーシ2061には放熱を良好にするため、凹凸(図示せず)を形成する。また、シャーシ2061とパネルでは封止フタ85)間に接着層を配置する。接着層は熱伝導性のよい材料を用いる。たとえば、シリコン樹脂やシリコン材料からなるペーストが例示される。これらは、レギュレータICと放熱板間の接着剤(密着剤)としてよく用いられている。なお、接着層は接着する機能に限定されず、シャーシとパネルとを密着させる機能のみでもよい。
有機EL表示パネルは、アノードVddとカソードVss間にEL素子15が形成(配置)されている。図112の電源回路からアノードVdd電圧およびカソードVss電圧の供給を受ける。EL素子15が発光しない時は、アノード−カソード間に流れる電流は0である。本発明のDuty比制御では、画素行ごとにゲート信号線17bのオンオフ電圧と印加し、EL素子15の電流制御を行なう。また、オン電圧を印加したゲート信号線17bの位置は走査される。たとえば、図97は非表示領域52を4分割した実施例である。図97の(a)、(b)、(c)、(d)は非表示領域52の大きさは異なる。しかし、非表示領域52は画面50の上部から下部に走査される(移動していく)。同様に表示領域53も画面50の上から下方向に走査される。非表示領域52に該当する画素16のEL素子15には電流が流れない。一方、表示領域53に該当する画素16のEL素子15には電流が流れる。
ここで課題を説明するために、1画素行ごとに非表示領域52と表示領域53とが繰り返す表示パターンを例示する。この表示状態は白黒の横ストライプ表示である。つまり、奇数画素行が白表示であり、偶数画素行が黒表示である。なお、この表示パターンを1横ストライプと呼ぶ。
画素行数を220画素行数あるとし、Duty比を110/220の状態を例示する。Duty比110/220とは、ゲート信号線17bに対し、1画素行ごとにオン電圧とオフ電圧が印加された状態である。また、オン電圧またはオフ電圧が印加されたゲート信号線17b位置は、水平同期信号に同期して走査される。したがって、ある画素行のゲート信号線17bに着目すれば、このゲート信号線17bには水平同期信号に同期して、オン電圧印加状態とオフ電圧印加状態とが交互に繰り返される。画面50全体で考えれば偶数画素行にオン電圧が印加される。この期間には、奇数画素行にはオフ電圧が印加されている。1水平走査期間後に奇数画素行にオン電圧が印加される。この期間には偶数画素行にはオフ電圧が印加される。
奇数画素行が白表示で、偶数画素行が黒表示の1横ストライプ表示では、奇数画素行にオン電圧が印加された時には、電源回路から表示領域に電流が流れる。しかし、偶数画素行にオン電圧が印加されたときは、偶数画素行が黒表示のため、電源回路から表示領域には電流が流れない。したがって、電源回路は1水平走査期間ごとに、電流を流す動作と、電流を全く流さない動作とを繰り返すことになる。この動作は電源回路にとって、好ましいことではない。電源回路に過渡現象が発生し、また電源効率が悪化するからである。
この課題を解決する駆動方式を図100に図示する。図100では、Duty比を1/2とせず、複数のDuty比の状態が画面50内で発生するようにし、1横ストライプ表示であっても常時電流が流れるように制御している。
図100の(a)(b)はDuty比1/2とDuty比1/1とDuty比1/3とを発生させ、全体として(1フレーム期間の平均で)Duty比1/2を実現している。以上のように、複数のDuty比を1フレーム期間に組み合わせることにより1横ストライプ表示であっても、電源回路からの出力電流がオンオフ状態となることはなくなる。つまり、比較的1横ストライプなどの規則正しい表示パターンは多く表示さえることが多い。これに対して、非表示領域52幅が等間隔になるDuty比パターンによるDuty比制御を行うと電源回路に負担が発生しやすい。したがって、Duty比パターンは画面50に同時に複数発生するように駆動することが好ましい。また、Duty比パターンは、単一Duty比パターンとせず、1フレームまたは福数フレーム(フィールド)の平均として所定Duty比になるようにすることが好ましい。
なお、図100において、Duty比パターンは図97に図示するように画面50の上から下方向に走査されることはいうまでもない。また、本発明のDuty比制御方法において、水平同期信号に同期して1画素行ごとに走査位置を移動させるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、水平同期信号に同期して複数画素行ずつ走査位置を移動させてもよい。また、走査方向は、画面50の上から下方向に限定するものではない。たとえば、1フィールド目は画面50の上から下方向に走査し、2フィールド目は画面50の下から上方向に走査してもよい。
図100は離散した1画素行のゲート信号線17bごとにオン電圧印加とオフ電圧印加する駆動方法であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図101a)は図100の駆動状態である。同様の画面50輝度を実現する駆動は、図101の(b)のDuty比パターンでの実現できる。図101の(b)ではオン電圧またはオフ電圧が印加される画素行連続させている。
同一の画面50輝度を実現するDuty比パターンは多種多様なパターンがある。図102の(a)に図示するように、非表示領域52を極めて多く分散させるパターンもあれば、図102の(b)のように比較的非表示領域52の分散状態を少なくしたパターンもある。図102の(a)のパターンも図102の(b)のパターンのDuty比を約分すれば同一になる。したがって、画面50輝度は同一にすることができる。
EL表示パネルでは、EL素子15の劣化により画像が焼きつくという問題がある。特に画像は固定パターンで焼きつきやすい。この課題に対応するため、本発明は、固定パターンを表示するサブ画像表示画面50b(サブ画面)を具備している。表示画面50a(メイン画面)はテレビ画像などの動画表示領域である。
図147の本発明のEL表示パネルでは、サブ画面50bとメイン画面50aとのゲートドライバ回路12は共通である。サブ画面50aは20画素行以上とする。したがって、一例として画面50はメイン画面50aの220画素行と、サブ画面50bの24画素行から構成される。なお、画素列数は176×RGBである(図148参照)。
メイン画面50aとサブ画面50bとは図149に図示するように、明確に分離してもよい。図149では、メイン画面50aとサブ画面50b間にスペースBLを設けている。スペースBLは画素16が形成されていない領域である。
なお、メイン画面(メインパネル)とサブ画面(サブパネル)の画素の駆動用トランジスタ17aのW/L(Wは駆動用トランジスタのチャンネル幅、Lは駆動用トランジスタのチャンネル長)を変化させてもよい。基本的にはサブ画面(サブパネル)のW/Lを大きくする。また、メイン画面(メインパネル)50aの画素16aサイズとサブ画面(サブパネル)50bの画素サイズ16bの大きさを変化させてもよい。また、メイン画面(メインパネル)50aのアノード電源あるいはカソード電源と、サブ画面(サブパネル)50bのアノード電圧Vddあるいはカソード電圧Vssを別電圧とし、印加する電圧を変化させてもよい。
また、サブパネル71aとメインパネル71aを図150の(b)に図示するように重ねて使用する場合は、封止基板(封止薄膜層)85aと封止基板(封止薄膜層)85b間に緩衝シート1504を配置もしくは形成する。緩衝シート1504としては、マグネシウム合金などの金属からなる板あるいはシート、ポリエステルなどの樹脂からなる板あるいはシートが例示される。
図150も図示するように、サブ画面50bを表示するサブパネル71bを別途設けてもよい。メインパネル71aとサブパネル71bとはフレキ基板84でソース信号線18aと18b接続する。フレキ基板84には、接続配線1503を形成しておく。ソース信号線18aの終端には、アナログスイッチ1501から構成されるアナログスイッチ群を配置する。アナログスイッチ1501はソースドライバ回路14からの電流信号をサブパネル71bに供給するか否かの制御を行うものである。
アナログスイッチ1501のオンオフ制御を行うため、スイッチ制御線1502が形成される。スイッチ制御線1502へのロジック信号によりサブパネルへの信号供給が制御され画像が表示される。
なお、サブパネル71bにゲートドライバ回路を形成せず、もしくはゲートドライバICチップを実装せず、図9で説明したようにWR側にゲート信号線17を形成し、図40で説明した点灯制御線401を形成または配置してもよい(図151参照)。
アナログスイッチ1501は図152に図示するようにPチャンネルとNチャンネルとを組み合わせたCMOSタイプが好ましい。スイッチ制御線1502の途中にインバータ1521を配置してスイッチ1501をオンオフ制御する。また、図153に図示するように、アナログスイッチ1501bはPチャンネルのみで形成してもよい。
また、サブパネル71bとメインパネル71aでソース信号線18数が異なる場合は、図154のように構成してもよい。アナログスイッチ1501aと1501bの出力をショートし、同一の端子1322aに接続する。また、図155に図示するように、アナログスイッチ1501bの出力をVdd電圧に接続し、オンしないように構成してもよい。また、図156に図示するように、サブパネル71bと接続することが不要なソース信号線18の終端にはアナログスイッチ1501a(1501a1,1501a2)を配置または形成してもよい。アナログスイッチ1501aはオフ電圧を印加し、オンしないように構成する。
焼き付きは、一定以上の期間、画像が変化しない場合に発生する。本発明では、データ和が小さい時にDUTY比を大きくしてダイナミックレンジを拡大させている。しかし、データ和が小さいときに、静止画を表示しつづけると焼き付きが発生してしまう。この課題を解決するためには、一定期間以上、静止画が表示されていることを検出し、DUTY比を小さくするか、基準電流を小さくすればよい。本発明は、静止画状態が一定期間連続する場合に、duty比あるいは(および)基準電流を変化(小さくする)する駆動方法である。
課題はいかにして静止画が連続しているかを検出するかである。静止検出は、フレームあるいはフィールド間で、画像データの差分をとりことにより実現できる。しかし、フレーム間などで差分をとるためには、フレームメモリが必要である。本発明では、画像データのサンプルポイントのみの画像データ対して差分演算を実施してこの課題を解決している。図204、図205はその説明図である。
図204において、画面50を構成する画像データを一定間隔でサンプリングし、サンプリングされた画像データの総和(総和はSUM回路2051で実施する)を求め、次にフレームの画像データの総和と比較する。総和が一致しているか、類似した大きさであれば、静止画である。判定は、数秒あるいは数十秒の単位で行う。つまり、総和の比較(比較回路2052で実施する)はフレーム(フィールド)ごとに行う(もちろん、複数フレームまたはフィールド間隔で実施してもよい)。途中で比較結果が静止画として判定される場合もあるが、すぐにDUTY比あるいは基準電流を変更せず、一定期間以上に連続する場合に、固定パターンが表示されているとしてDUTY比あるいは基準電流を変化させる。
なお、実施例ではサンプリングした画像データの総和をとり、比較するとしたが、これに限定するものではなく、画素データごとに差分をとり、静止画であるかを検出してもよいことは言うまでもない。
以上に説明した本発明のEL表示装置、液晶表示装置などに用いるアレイ基板、前記アレイ基板にEL素子15を形成したEL表示パネル、前記EL表示パネルを用いたEL表示装置あるいは情報表示装置もしくは映像表示装置の検査方法と検査装置について説明をする。検査方法は、アレイ基板もしくは表示装置の製造方法において歩留まりを向上させ、低コスト化のための必須技術である。
なお、EL表示パネルの検査方法あるいは検査装置として説明をするが、しかし、本発明はEL素子15が形成されていない状態(アレイ状態)でも本発明の検査方式を適用することができる。つまり、EL表示パネルの検査方法として説明していても、アレイの検査方法にも適用できる。アレイと、ELパネルとの差は、EL素子15の形成の有無だけである。したがって、EL表示パネルとアレイの検査方式とは同義であり、両方とも本発明の技術的範疇に含まれる。同様に、EL表示装置の検査方式も同様である。また、アレイと表示パネルとは特に断りがない限り同義として取り扱う。また、表示パネルと表示装置についても特に断りがない限り同義として取り扱う。
まず、最初に図1に記載している電流駆動方式の画素構成を採用するアレイ基板あるいはそれを用いた表示装置を中心として説明をする。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、他の画素構成でも適用できることは言うまでもない。
図1の画素構成において、図357に図示するように、ゲート信号線17に電圧を印加する。なお、図357において、画素16の駆動用TFT11aのゲート端子(G)には、Vt以上の電圧が印加されているとする。Vt電圧を印加するためには、図361に図示するようにゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)を印加し、ソース信号線18に印加されたVs電圧をTFT11aのゲート端子に書き込めばよい。
なお、ここではVt電圧とは、EL素子15が発光し、この発光を視覚的あるいは光学的に検出できる以上の電流の意味で用いている。つまり、TFT11aが比較的EL素子を発光させるのに十分な電流を流す状態である。したがって、Vt電圧とは、EL素子15の発光開始電流以上となるようにTFT11aを制御したものである。ここでは説明を容易にするため、Vt電圧以上の電圧を印加することによりTFT11aが流す電流をオン電流と呼ぶ。
ゲート信号線17aにはゲートオフ電圧(Vgh)、ゲート信号線17bにはゲートオン電圧(Vgl)を印加する(以上はスイッチングTFT11がPチャンネルの場合である。Nチャンネルの場合は、逆の関係となる)。
すると、図358に図示するように、ゲート信号線17aに接続されたスイッチングTFT11b、11cはオフ状態となり、ゲート信号線17bに接続されたスイッチングTFT11dはオン状態となる。一方、駆動TFT11aのソース端子(S)にはドレイン端子(D)よりも高い電圧Vddが印加されている。この状態では、駆動用TFT11aから電流IeがEL素子15に流れる。したがって、EL素子15は点灯する。
駆動用TFT11aがオン電流を流すようにするには、ソース信号線18にVt電圧(駆動用トランジスタ11aが電流を流し始める電圧)以上の電圧を印加し、ゲート信号線17aにオン電圧を印加することのより、TFT11b、TFT11cをオンさせ、ソース信号線18に印加された電圧を駆動TFT11aのゲート(G)端子に印加する方法がある。もちろん、本発明の検査方法において、この方法を採用してもよい。しかし、この方法では、ソース信号線18に電圧を印加する必要がある。
他の方法として、ソース信号線18をオープンにし(電圧などが無印加状態)、ゲート信号線17a、ゲート信号線17bにオン電圧を印加し、TFT11b、11dをオンさせる方法がある。すると、駆動用TFT11aのゲート(G)端子の電位は、EL素子15のアノード電位となる。Vdd電圧が十分高く、またEL素子15のカソード電位(Vss)が低ければ、駆動用TFT11aはオン電流を流すようになる。この状態で、ゲート信号線17aのオフ電圧を印加し、TFT11bをオフ状態にしても、TFT11aがオン状態を維持するのに、コンデンサ19に十分な電荷が保持されている。したがって、TFT11aは一定の期間、オン状態(オン電流を流す状態)を維持する。
つまり、ソース信号線18がオープン状態であっても、ゲート信号線17a、17bにオン電圧を印加し、TFT11b、TFT11dをオンさせればよい。また、ゲート信号線17bにオン電圧を印加し、TFT11dのオン状態を維持したまま、ゲート信号線17aのオン電圧位置を走査していけば、EL素子15が発光する。なお、ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、TFT11bをオンさせて、駆動用TFT11aがオン電流を流すようにするとしたが、実際には、ゲート信号線17aをオフ状態のままを維持しても、駆動用TFT11aはオン電流を流すようになり、EL素子15が発光する。これは、TFT11bのリークによるためと推定される。したがって、ゲート信号線17aは走査しなくとも、また、ゲート信号線17aにオン電圧を印加せずとも本発明の検査方式を実現することができる。しかし、以下の実施例においては、検査を確実にするため、ゲート信号線17aは走査あるいはオン電圧を印加するとして説明する。そのため、本発明において、ゲート信号線17aの操作状態に限定されるものではない。
以上の駆動を実施すれば、図1の画素構成において、EL素子15の点灯、非点灯を検出することのより、少なくともTFT11a、TFT11b、TFT11d、EL素子15の動作状態(正常あるいは非正常)を検出あるいは検査を行うことができる。
なお、本発明の検査方法などにおいて、ゲートドライバ回路12は、画素16の形成時に同時に形成した内蔵ゲートドライバ回路12として説明をするが、これに限定するものではない。たとえば、シリコンチップからなる半導体のゲートドライバICをゲート信号線17に接続(実装)する構成であってもよい。もちろん、ゲートドライバICを実装し、このゲートドライバIC17を動作させて検査する方式に限定するものではなく、各ゲート信号線17あるいは単独のゲート信号線17ごとにプローブ3591でプロービィングすることにより実施してもよい。
本発明では説明を容易にするため、ソースドライバ回路14は半導体ICチップ(外付け)とし、ゲートドライバ回路12は内蔵(基板71に直接形成されている)であるとして説明をする。
図359は、本発明のアレイ(パネル状態も含む)基板の検査方式を説明するための説明図である。図359において、内蔵ゲートドライバ回路17aはゲート信号線17aと接続されており、外部のクロック、制御信号と電源(図示せず)により動作する。制御信号は、ゲートドライバ制御端子3594(信号線(クロック、スタートパルス、シフト信号線)、電源)により供給される。内蔵ゲートドライバ回路17bはゲート信号線17bと接続されており、外部のクロック、制御信号と電源(図示せず)により動作する。制御信号は、ゲートドライバ制御端子3594(信号線(クロック、スタートパルス、シフト信号線)、電源)により供給される。
また、図359において、ソース信号線17はオープン状態であるとして説明をするが、先にも説明したように所定電圧(Vt電圧以上)を印加し、この所定電圧をTFT11aのゲート端子に印加するように操作してもよいことは言うまでもない。
図359に図示するように、ベースアノード線2631にはアノード端子電極3592が形成あるいは配置されており、プローブ3591を介して電圧(電流の場合もある。一定の電流を外部から印加することによりEL素子15が発光に要する電流を供給するからである)印加配線3593からの電圧もしくは電流をベースアノード線2631に印加する。なお、発明では、ベースアノード線2631から電圧を印加するとして説明をするが、これに限定されるものではない。カード電極に電圧(Vss)に印加してもよい。EL素子15を点灯制御するためには、アノードあるいはカソードの一方を基準にして電圧あるいは電流を印加すればよいからである(つまり、EL素子15のアノードとカソード間に電位差が発生するように電圧(電流)を印加する。本発明では、説明を容易にするため、図359に図示するように、アノード側に電圧(電流)を印加するとして説明をする。
ベースアノード線2631に電圧を印加することにより、ベースアノード線2631から分岐されたアノード配線2632にVdd電圧が印加される。ゲートドライバ回路12bは、制御端子3594bの制御により、オン電圧を走査し、すべてのゲート信号線17bにオン電圧が印加されるように動作する。もちろん、1本あるいは複数のゲート信号線17bにオン電圧を印加し、他のゲート信号線17bにはオフ電圧を印加し、さらにオン電圧印加位置が走査されるように制御してもよい。本発明は駆動用TFT11aからEL素子15にオン電流を流し、EL素子15が発光あるいは点灯しないことを検出するものである。したがって、ゲートドライバ回路12bの動作状態に同期して、TFT11dがオンオフし、EL素子15が点滅動作したとしても、EL素子15が点灯する(逆に非点灯を維持)することを検出できれば、検査方法を実現できるからである。また、TFT11dをオンオフさせることにより、ELの点滅周期、点灯状態を測定することのよりEL表示パネルの良否、性能を検査あるいは評価することができる。
なお、先にも述べたが、ソース信号線18に電圧を印加し、TFT11aを制御(オン電流を流すなど)、EL素子15にソース信号線18から直接に電流を流すことにより、EL表示パネルの良否、性能を検査あるいは評価してもよいことは言うまでもない。
一方、ゲートドライバ17aは基本的には、1本以上のゲート信号線17aにオン電圧を印加し、このオン電圧を印加したゲート信号線17a位置を走査させる(制御端子3594aで制御する)。この動作により、表示画面50内の駆動用TFT11aのゲート端子にはオン電圧が書き込まれ、TFT11aはオン電流を流せるようになる。もちろん、先に説明したように、ゲートドライバ回路12aを制御し、すべてのゲート信号線17aがオフ状態となるように制御してもよい。他に、全ゲート信号線17aがオン電圧を出力し、次の期間に全ゲート信号線17aにオフ電圧を出力するように制御してもよい。この制御は、ゲートドライバ回路17に付加(形成あるいは作製)された回路構成のイネーブル回路により容易に実現できる。
なお、以上の事項はゲートドライバ回路12bについても適用される。つまり、イネーブル回路により、全ゲート信号線17bをオン状態にしたり、オフ状態にしたりして検査を実施する。
図360は、本発明の検査装置の構成図である。ベースアノード線2631の一端には、アノード端子電極3592が形成または配置され、この端子電極3592にプローブ3591cが接続もしくは配置または導通がとれるように構成される。なお、プローブ3591などはマニピュレータに配置され、XYZ方向を移動できるように構成されている。この移動により、端子電極3592などに位置決めされる。
すべてのソース信号線18は、ショート配線3634で電気的に短絡されている。なお、技術的思想は、複数のソース信号線18を電気的に接続するということである。したがって、ショート配線3634でソース信号線18を短絡することに限定されるものではない。たとえば、導電体材料をソース信号線間に圧接することのより、電気的に接続をとってもよい。また、すべてのソース信号線18が1つのショート配線3634で接続されることに限定するものではなく、偶数番目のソース信号線18が第1のショート配線3634でショートされ、この第1のショート配線3634に第1の端子電極3631が配置または形成され、奇数番目のソース信号線18が第2のショート配線3634でショートされ、この第2ショート配線3634に第1の端子電極3631が配置または形成されるように構成してもよい。
ベースカソード線2671の一端には、カソード端子電極3606が形成または配置され、この端子電極3606にプローブ3591bが接続もしくは配置または導通がとれるように構成される。これらのプローブ3591などはマニピュレータに配置され、XYZ方向を移動し、複数のアレイが作製された1基板に、順次プロービィングが行われる。
アノード端子電極3592とカソード端子電極3606間には電流計3604c、3604bが接続される。また、アノード端子電極3592とカソード端子電極3606間に電圧源3605aが接続または配置されている。制御回路3601は電圧源3605aを制御し、所定の電圧をアノード端子電極3592とカソード端子電極3606間に印加する。電圧の印加により、電流計3604c、3604bに流れる電流が測定され、制御回路3601に入力される。基本的にEL素子15は電流素子である。したがって、電圧源3605aを用いて、アノード端子電極3592とカソード端子電極3606間に所定値になるように電圧を印加するのではなく、電流計3604が所定の電流が流れるように、電圧源3604aの発生する電圧を所定値にする。
電流計3604cに流れる電流は図357に図示するVdd端子(TFT11aのソース(S)端子)から流れ込む電流である。したがって、Vdd端子には、プログラム電流Iwも流れる。また、EL素子15に流れる電流Ieも流れる。電流計3604bに流れる電流は図357に図示するEL素子15のVss端子(EL素子15のカソード端子)から流れ出す電流である。したがって、基本的には、EL素子15に流れる電流Ieしか流れない。
プログラム電流Iwは、該当画素行が選択されている時にしか流れない。したがって、1フレームの期間、保持されて電流を流しつづけるEL素子15電流Ieに比較すると小さい。逆に電流計3604cの値と、電流計3604bの値が大きく異なる時、アレイ内に異常があることを検出できる。また、電流計3604cの値と電流計3604bの値を検討/評価することによりアレイ、パネル検査を良好に行うことができる。
ベースカソード線2671の一端には、カソード端子電極3606が形成または配置され、この端子電極3606にプローブ3591bが接続もしくは配置または導通がとれるように構成される。これらのプローブ3591などはマニピュレータに配置され、XYZ方向を移動し、複数のアレイが作製された1基板に、順次プロービィングが行われる。
ソース信号線ショート端子電極3631にプローブ3591aが接続されている。端子電極3631には電流計3604aが接続される。また、電圧源3605bが接続または配置されている。制御回路3601は電圧源3605bを制御し、所定の電圧を端子電極3631に印加する。電圧の印加により、電流計3604aに流れる電流が測定され、制御回路3601に入力される。
ソース信号線18に流れる電流は、基本的にプログラム電流である。ただし、複数のソース信号線18をショートしているため、電流駆動ではなく、電圧駆動となっている。電流計3604aには画素行が選択されている時にしか流れない。したがって、1フレームの期間、保持されて電流を流しつづけるEL素子15電流Ieに比較すると小さい。逆に電流計3604aの値が大きく異なる時、アレイ内に異常があることを検出できる。電流計3604aの値を検討/評価することによりアレイ、パネル検査を良好に行うことができる。
図397のように、Vdd端子をOpenにする場合は、プローブ3591を電極などに接触させないようにする。もしくは、図397に図示するように、プローブ3591への経路にスイッチ641を形成または配置し、導通状態と、ハイインピーダンス状態(オープン)状態とを切り替えられるようにする。
図397のように構成すれば、プローブ3591を移動せずに、プローブをベースソース線2631などと接触あるいは非接触状態にすることができる。したがって、本発明の検査方法を容易に実現できるようになる。
検査は、図359で説明したように、ベースアノード線2631に電圧を印加することにより、ベースアノード線2631から分岐されたアノード配線2632にVdd電圧が印加される。ゲートドライバ回路12bは、制御端子3594bの制御により、オン電圧を印加するゲート信号線17bの位置を走査し、すべてのゲート信号線17bにオン電圧が印加されるように動作する。もちろん、イネーブル端子を用いて、すべてのゲート信号線17bに一度にオン電圧を印加するように構成してもよい。また、イネーブル端子を制御し、クロックに同期して、TFT11dをオンオフさせ、EL素子15を点滅動作させることにより、検査を実施してもよい。この検査時に流れる電流計3604の電流値により、アレイ、パネル検査/評価を実施することもできる。
一方、ゲートドライバ17aは基本的には、1本以上のゲート信号線17aにオン電圧を印加し、このオン電圧を印加したゲート信号線17a位置を走査させる(制御端子3594aで制御する)。この動作により、表示画面50内の駆動用TFT11aのゲート端子にはオン電圧が書き込まれ、TFT11aはオン電流を流せるようになる。もちろん、先に説明したように、ゲートドライバ回路12aを制御し、すべてのゲート信号線17aがオフ状態となるように制御してもよい。他に、全ゲート信号線17aがオン電圧を出力し、次の期間に全ゲート信号線17aにオフ電圧を出力するように制御してもよい。この制御は、ゲートドライバ回路17に付加(形成あるいは作製)された回路構成のイネーブル回路により容易に実現できる。
EL素子15の点灯状態は、カメラ(光学的入力手段)3602で行う。カメラはイメージセンサを有しておき、ゲートドライバ回路12の制御信号に同期して、順次、表示画面50の表示状態を取り込むように構成されている。この表示状態から、非点灯状態である画素16を検出する。また、本来、非点灯状態の印加信号の時に、点灯する欠陥画素16を検出する。
なお、図360では、カメラあるいはイメージセンサあるいはホトマルなどで検査もしくは評価などするとしたが、これに限定するものではない。本発明は光学的にアレイ、パネルなどを検査あるいは評価あるいは測定あるいは検出するものである。したがって、人間の目を用いて、視覚的にアレイ、パネルなどを検査あるいは評価あるいは測定あるいは検出してもよい。
また、光学的にのみ限定するものではない。TFT11あるいはEL素子15あるいは信号線(17、18など)に流れる電流を直接検出したり、電流が流れることにより発生する電界あるいは磁界を検出したりするものである(ホール素子、コイルなどで測定あるいは検出できる)。TFT11あるいはEL素子15あるいは信号線(17、18など)から放出される電子あるいは電荷あるいは光子を検出することにより、アレイ、パネルなどを検査あるいは評価あるいは測定あるいは検出してもよい。また、磁気歪みを検出することにより、アレイ、パネルなどを検査あるいは評価あるいは測定あるいは検出してもよい。
以上の実施例は、光学的に画素16欠陥などを検出するということを前提に実施例を説明した。しかし、図357において、EL素子15が形成されていない状態(アレイ状態)でも検査を実施できる。プログラム電流Iwを検出することにより、トランジスタ11a、11b、11cの欠陥を検出できるからである(電気的検査)。したがって、図360に図示する本発明の検査装置は、光学的検査装置だけではなく、電気的検査装置としても用いることができる。
以上の本発明の検査方式は、Vdd端子(TFT11aのソース端子)にVdd電圧を印加して検査を実施するものであった。そのため、ベースアノード線2631にVdd電圧を印加することにより、ベースアノード線2631から分岐されたアノード配線2632にVdd電圧が印加した。
しかし、EL素子15を点灯させ、検査を実施するのはこの方法だけではなく、図361の構成でも実施することできる。図361と図357の相違は、Vdd端子をオープン(インピーダンス無限大)にした点である。図360の検査回路ではプローブ3591cを非接触状態にした状態である。ただし、プローブ3591bは端子電極3606と接触させ、電圧源3606bとの電位関係を所定値にしておく(つまり、電圧源3605aと3605bとは、グラント共通にされており、プローブ3591a、3591b、3591cに印加する電位は独立に電位設定を行えるように構成されている)。以上のように、図360の検査回路を用いて、図361で説明する検査方法を実施することができる。
図361に図示するようにVdd端子を‘Open’にすることにより、駆動用TFT11aの電流経路はなくなる。ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)を印加すれば、TFT11b、TFT11cがオン状態となる。また、ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)を印加すれば、TFT11dがオン状態となる。この状態で、電圧源3605bからVs電圧(Vs>Vss)をソース信号線18に印加すれば、ソース信号線18からTFT11c→TFT11d→EL素子15→Vss端子なる電流Isが流れる電流経路が発生する。したがって、ソース信号線18の電圧印加により図362に図示するようにEL素子15を点灯させることができる。
ゲートドライバ回路12bを制御して、すべてのゲート信号線17bにオン電圧を印加する(表示画面50内のTFT11dはオン状態)。また、ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17aに順次、オン電圧(Vgl)を印加(走査状態)する。すると、1画素行が順次、選択され、1画素行が点灯する。そして、この点灯画素行が画面の上から下に移動する。この点灯画素行をカメラ3602で観察することにより、画素欠陥を検出することができる。もちろん、ソース信号線18にVs電圧を印加しない状態で点灯する画素があれば、この画素16は欠陥であることを検出することができる。
また、ゲートドライバ回路12bを制御して、すべてのゲート信号線17bにオン電圧を印加する(表示画面50内のTFT11dはオン状態)。また、ゲートドライバ回路12aを制御し、すべてのゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)を印加する。すると、画面50全体が点灯状態となる。この点灯画面をカメラ3602で観察することにより、画素欠陥を検出することができる。
なお、ソース信号線18にVs電圧を印加することは、ソース信号線18にソースドライバIC14を実装し、このソースドライバIC14を動作させることによっても実現することができる。この場合、前記ソースドライバIC14が電流駆動方式のICであれば、ソース信号線18に印加される信号はVsではなく、電流Isである。重要なのは、本発明はソースドライバIC(回路)14を動作させて行う検査方法も技術的範疇であることである。
また、本発明の検査方式では、表示画像は、白ラスターに限定されるものではなく、クロスパッチ、縦ストライプ、横ストライプ、チェッカー、階調パターン、カラーバー、ウインドウなどを表示させて行っても良い。
なお、図362では、Vdd端子(駆動用TFT11aのソース(S)端子)をOpenにして、本発明の検査方式を実施するとしたが、これは一例である。たとえば、図398に図示するように、Vdd端子に−電圧(少なくとも、駆動用TFT11aがゲート信号線17aの電位状態にかかわらず、オフする電圧である。もしくは、電流が流れても検査に影響を与えない状態にする電圧である)を印加しても、ソース信号線18→TFT11c→TFT11d→EL素子15→Vssなる電流経路が発生する。この状態でEL素子15が発光すれば光学的に検査を実施することができる。また、電流Isを電流計で直接に、電流Isの経路にピックアップ抵抗を接続し、ピックアップ抵抗531の両端の電圧を検出すれば、間接的に電圧計3991(電圧測定手段)で測定することができる(図399を参照のこと)。したがって、検査を行うことができる。
また、EL素子15のカソード−アノード間(画素電極−カソード電極間)に短絡が発生しているかどうか検査する場合(つまり、EL膜が破れている)は、図398の(b)に図示するように電圧を印加することにより検査を行うことができる。図398の(b)では、EL素子15のカソード端子に高い電圧(一例としてVs電圧)を印加する(なお、図398の(a)のように電流経路を発生する場合は低い電圧でもよい)。この状態で、ゲート信号線17a、ゲート信号線17bにオン電圧を印加すれば、Vss端子→EL素子→TFT11d→TFT11c→ソース信号線18なる電流経路が発生する。したがって、電気的にアレイ(パネル)に検査を実施することができる。また、電流Isを電流計で直接に、電流Isの経路にピックアップ抵抗531を接続し、ピックアップ抵抗531の両端の電圧を検出すれば、間接的に電圧計で測定することができる。
また、Vs電圧、Vss電圧は、直流電圧または直流電流のように表現しているが、これに限定するものではない。たとえば、図400に図示するように、信号発生器4001(信号発生手段)を接続してもよい。
以上の実施例は、検査時は、図401のように構成される。内蔵ゲートドライバ回路12a、12bが接続され、このゲートドライバ回路12を制御することにより、ゲート信号線17a、17bにオンオフ電圧が印加される。この印加状態により、検査画素行が順次、選択され、検査が実施される。本発明は、基本的には、画素の発光状態を光学的に検出し、検査を実施する。電気的に検査を実施する場合は、図401に図示するように、ソース信号線18の接続端子2633などにプロ−ブ3591を接触させ、プローブ3591に流れる電流を直接に、あるいは、ピックアップ抵抗531に流れる電流を電圧計32671で測定することのより実施する。
なお、以上の事項は、他の画素構成の検査方式も適用されることはいうまでもない。また、他の本発明の他の検査方式の実施例に適用されることも言うまでもない。EL素子15を形成後に検査を実施する場合は、EL膜の封止を行ってから実施する。
また、図360の検査回路を用いて、図361、図362で説明した第2の検査方法と、図357、図358で説明した第1の検査方法の両方を実施することができる。この第1の検査方法と第2の検査方法の両方を実施することにより、画素16のTFT11a、11b、11c、11d、EL素子15のすべての電流パスを実施したことになる。したがって、完全な検査を実現できる。また、以降に説明する本発明の他の検査方法を単独であるいは組み合わせて実施してもよい。
ゲートドライバ回路12aを1画素行ずつ、順次、走査すれば、1画素行ずつ点灯させることができる。ゲートドライバ回路12aを制御し、すべてのゲート信号線17aにオン電圧を印加すれば、画面50全体を表示することができる。また、1画素行飛ばし(偶数行、奇数行)で交互に点灯させて検査を行ってもよい。複数画素行(2画素行、4画素行など)の組みで、順次、走査して検査を行ってもよい。また、画面を分割(画面50を4分割して、この4分割の領域を順次点灯するなど)して、順次検査を行ってもよい。
以上の事項は、図357、図359、図360などで説明した本発明の検査方式においても適用できることは言うまでもない。なお、以上の事項は以降に説明する他の本発明の検査方式においても適用できる。
図363に図示するようにソース信号線18をショート配線3634でショートしておく。ショート配線3634はソース信号線18と同時に形成しておく。ショート配線3634を形成しておくことにより、静電気対策にもなる。ショート配線3634の一端にソース信号線端子電極33313を形成または配置し、図360に図示するように、この端子電極33313にプロ−ブ3591aを接続し、このプローブ3591aは電圧(電流)印加配線3593が接続されている。
一方、ソース信号線18の一端には、チェック端子電極3633が形成されている。チェック端子3633は各ソース信号線18の電位をチェックあるいは測定するためのものである。アレイ検査後、AA‘線で切断することにより、各ソース信号線18は分離されて、アレイが完成する。
なお、本発明の検査方式において、画素構成は図357に限定されるものではない。たとえば、画素構成がカレントミラーの構成であっても適用することができる。また、画素構成が電圧駆動の画素構成であっても適用することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の他の実施例について説明をする。図364は本発明の検査方法を説明するための説明図である。図364の画素構成では、プログラム電流Iwをソース信号線18に印加する。プログラム電流Iwは1μA〜10μAの電流である。駆動用TFT11aは所定のプログラム電流Iwが流れるように駆動される。つまり、駆動用TFT11aのゲート(G)端子の電位は変化する。この所定の電流Iwを流すための、TFT11aのゲート端子(G)の電位をVtと呼ぶ。
たとえば、ある画素の駆動用TFT11aはIw電流を流すのに、ゲート端子はVdd電圧よりもVt2だけ低くする必要がある(図364の(a)の実線)。他のある画素の駆動用TFT11aはIw電流を流すのに、ゲート端子はVdd電圧よりもVt1だけ低くする必要がある(図364の(a)の点線)。これらのVtはソース信号線18の電位の変化であるが、画素16のTFT11aの特性を示していることになる。
ゲートドライブ回路12を制御し、1ゲート信号線17aにオン電圧を印加する。つまり、1画素行ずつ、順次選択していく(他のゲート信号線17aにはオフ電圧が印加されている)。また、ソース信号線18にはIw電流を流すように設定する。ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、選択された画素16のTFT11aのゲート端子は、所定電流Iwを流すに必要とするVt電圧となる。
ゲート信号線17bにはオフ電圧を印加しておく。オフ電圧に印加によりTFT11dはオフ状態となり、駆動用TFT11aとEL素子15とは切り離された状態となる。したがって、EL素子15が形成されていないアレイ状態でも本発明の検査方法を適用できる。
以上のように、ゲート信号線17aのオン電圧位置を、1水平走査期間(1H)に同期して順次シフトしていくと、図365に図示するようにソース信号線18電位が変化する(図364も参照のこと)。変化は、1Hに同期して出力される。なお、1Hに同期すること限定されるものではない。画像を表示するのではなく、検査のためだからである。したがって、1Hとは、1画素行を順次選択するという意味であって、説明を容易にするためである。1Hは任意の固定の時間(期間)であって良い。
図366は、図364の検査方法を実施するための検査回路である。基本的に図360の検査回路と同一である。異なる点は、各ソース信号線18の電極端子2633にプローブ3591を接続し、ソース信号線18にプログラム電流Iwを印加している点である。プログラム電流Iwは、基準電圧回路3661の電圧値により変更あるいは調整できる。
プログラム電流Iwは1μA以上10μA以下に設定する。基本的には、パネルを駆動するのに必要な最大値の電流で実施する。また、黒書き込み状態(黒表示時)の検討するため、100nA以下の低電流で測定してもよい。
基準電圧回路3661が出力する基準電圧Vaは、オペアンプ722の+端子に印加される。オペアンプの+端子と−端子は同一電位となるから、トランジスタ3313にはソース信号線18に流れる電流Iw=Va/Rmが流れる。したがって、すべてのソース信号線18には定電流Iwが流れる。
以上の回路構成によれば、ソース信号線18に定電流Iwが流れるから、ゲート信号線17aを順次シフトしていくと、図365の電圧波形を測定することができる。この電圧波形をAD(アナログ−デジタル)変換して、パーソナルコンピュータ(PC)3662などのデータ収集手段および制御手段に取り込む。
ソース信号線18には微小な電流が流れることから、インピーダンスが高い状態である。この状態で、ソース信号線18の電位変化(あるいは絶対値)を良好に測定するためには、高インピーダンス回路(たとえば、FET回路で構成された入力オペアンプの入力端子)をソース信号線18に接続する。また、QCIF+パネルの場合、176×RGB=528本のソース信号線18がある。このソース信号線18のすべてに、ADコンバータを配置することは困難である。そこで、入力オペアンプの出力端に、マルチプレクサタイプのアナログスイッチを配置する。このアナログスイッチの出力にADコンバータを配置し、このADコンバータからのデータをパーソナルコンピュータ(PC:制御手段)3662に取り込む。図366では、この高インピーダンス回路、アナログスイッチなどを3663として表現している。なお、端子電極2633との接続状態を図370に図示する。
図367がソース信号線18の電位を測定する回路(検査回路)のデータ測定のタイミングチャートである。図367の(a)は1Hに同期したソース信号線18の電位変化を示している。図367の(b)はゲート信号線17bの電位を図示している。つまり、1画素行ずつオン電圧位置がシフトされていることを示している。この選択画素行に同期して、選択された画素行のTFT11aが動作し、ソース信号線電位(図367の(a))が変化する。
図367の(c)はPC3662へのデータ取り込み信号である(アナログスイッチの切り替え信号ということもできる)。このデータ取り込み信号の立ち上がりでPC3662にデータが取り込まれる。
PC3662では取り込まれたデータの値を評価/判断する。この結果により、アレイあるいはパネルの欠陥状態、欠陥位置、欠陥モード、不良状態などを検出あるいは検査する。
図357の画素構成で、ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加した状態(図366の検査方式)では、Vdd端子→TFT11aのSD間→TFT11c→ソース信号線18への電流経路が生じる。
TFT11aにSDショート(チャンネルショート)が発生していると、ソース信号線18にはVdd電圧が出力される(図368の(a))。したがって、TFT11aのSDショート(画素欠陥)を検出できる。また、ゲート信号線17aが断線していれば、プログラム電流Iwの経路は発生しないので、ソース信号線18の電位がグランド電位に近くなる(図368の(b)を参照)。したがって、ゲート信号線17aの断線などの線欠陥も検出できる(検査できる)。また、すべてのゲート信号線17aにオフ電圧を印加した状態で、規定以外の電圧がソース信号線18に出力されていれば、TFT11cあるいはTFT11bに欠陥が発生しているなどの検出もできる。また、Vdd端子にVdd電圧を印加するか、図361のように、Vdd端子をOpenにするかを変化させることにより欠陥を詳細に検討、検査することができる。
図369の(a)に図示するように、1画素列(1つのソース信号線18に接続された画素16)のソース信号線18の信号線電位を測定することにより、最大電圧Vtmax、最小電圧Vtminを検出することができる。この最大電圧と最小電圧との差が所定値以上の場合に、測定あるいは検査しているアレイまたはパネルを不良と判定することも容易である。また、アレイまたはパネル内のVt分布を測定し、図369の(b)に図示するように、TFT11aの特性分布を求めることができる。この特性分布から、Vtの標準偏差、平均値を算出することができる。また、Vtの標準偏差、平均値が所定範囲以外の時、測定あるいは検査しているアレイまたはパネルを不良と判定することも容易である。
本発明の検査方法は、ゲートドライバ回路12を制御して、少ないとも1本のゲート信号線17aにオン電圧を印加し、ソース信号線18にプログラム電流を流すことにより、画素16の検査を行う。
なお、以上の実施例において、1画素行ずつ、選択し、ソース信号線18に出力されるVtを測定あるいは検査するとしたが、これに限定するものではない。複数画素行を同時に選択しても、ソース信号線18の電位は変化する。この場合であっても、図368に図示するような画素欠陥(ゲート断線、SDショートなど)を検出することができる。したがって、検査を高速に実施するためには、まず、複数本のゲート信号線18を選択し、概略の欠陥を検出した後、欠陥がある箇所を再度、1ゲート信号線17aずつオン電圧を印加して、欠陥位置あるいは欠陥状態を特定すればよい。
本発明の検査方式において、すべてのソース信号線18には一度にプロービィングすることを要しない。たとえば、図371に図示するように、1本ごとにプロービィングしてもよい。つまり、偶数番目のソース信号線18bはオープンにし、奇数番目のソース信号線18aの端子電極2633aにプローブ3591をプロービィングして、本発明の検査方式を実施してもよい。ソース信号線18aに接続された画素16を検査後、偶数番目のソース信号線18bの端子電極2633bにプロ−ビィングしてソース信号線18bに接続された画素を検査する。
以上の実施例では、ソースドライバIC14を接続する接続端子2633にプローピィングするものであった。しかし、接続端子2633にプローピィングすると、接続端子2633に凹凸が発生し、ソースドライバIC14のCOG接続がやりにくくなる。
図372の実施例では、接続端子2633を表示画面50間に検査電極3721を配置または形成している。また、内蔵のゲートドライバ回路12を動作あるいは制御(図367などのシフト動作など)させる(する)ため、ゲートドライバ回路12の制御信号線および電源端子にも検査端子3721を形成または配置している。したがって、プロービィングすることにより、ゲートドライバ回路12を制御して、ゲート信号線17のオン電圧、オフ電圧の印加位置を容易に制御することができる。
図372では、複数に分割して検査できるようにするため、検査電極3721は検査電極3721aと3721bを形成または配置している。偶数番目のソース信号線18bはオープンにし、奇数番目のソース信号線18aの端子電極2633aにプローブ3591をプロービィングして、本発明の検査方式を実施する。ソース信号線18aに接続された画素16を検査後、偶数番目のソース信号線18bの端子電極2633bにプロ−ビィングしてソース信号線18bに接続された画素を検査する。奇数番目のソース信号線18aを検査する際にも、偶数板目のソース信号線18bを検査する際も、ゲートドライバ回路12を制御できるように、信号線3594に電圧、信号を印加できるように構成している。
検査電極3721が形成されたソース信号線18の他端には、図373に図示するようにチェック端子電極3731が形成または配置されている。チェック端子3731は、3段千鳥配置となっている。1段目が赤色のソース信号線18に接続されたチェック端子電極3731Rである。2段目が赤色のソース信号線18に接続されたチェック端子電極3731Gである。3段目が赤色のソース信号線18に接続されたチェック端子電極3731Bである。
チェック端子電極3731もソース信号線18の電位変化を観察あるいはモニターするためのものである。プローブ3591を接続することにより、図369の評価、図368の検査などを容易に実施することができる。
図366などで説明した検査方式の課題は、図357のTFT11dの検査が完全に実施できないことである。特に、TFT11dのチャンネル(SD)の状態が検査できない。この課題を解決するためには、図374に図示するように、画素16にTFT11gを付加(形成または配置)すればよい。TFT11gのソース(S)端子は隣接のソース信号線18bに接続され、ドレイン(D)端子はEL素子15のアノード端子に接続されている。また、ゲート(G)端子はゲート信号線17gに接続されている。
ゲート信号線17gにオン電圧を印加することにより、TFT11gがオンする。また、ソース信号線18bにVs電圧を印加する。すると、ソース信号線18b→TFT11g→TFT11d→TFT11c→ソース信号線18aの経路で流れる電流パスIsが形成される。したがって、TFT11dの検査を容易に実施することができる。なお、ゲート信号線17gにオフ電圧を印加することによりTFT11gはオフにすることができる。したがって、検査時以外は、ゲート信号線17gにオフ電圧を印加しておく。
また、Vs電圧を−電圧とすることにより、ソース信号線18bからEL素子15に逆バイアス電圧(Vs<Vss)を印加することができる。もちろん、逆バイアス電圧を印加するときは、ゲート信号線17gにオン電圧を印加する。
なお、図366などにおいて、ゲートドライバ回路12は内蔵ゲートドライバ回路(半導体チップとして外付けでない)としたが、これに限定するものではない。図384に図示するように、ゲートドライバIC12を半導体チップで形成し、接続端子3721に接続(COG工法などを用いて)してもよい。この場合は、ゲート信号線17にオンオフ電圧を印加するゲートドライバ回路12がない。そのため、図384に図示するようにプローブ3591を接続端子3721(もしくは検査電極3721)に圧接して、各ゲート信号線17にオン電圧またはオフ電圧を印加する。
図363では、プローブ3591を介して、ソース信号線18に電圧を印加するとしたが、これに限定するものではない。ソースドライバIC14を基板71に実装した後は、ソースドライバIC14を動作させて、ソース信号線18に電圧Vsを印加してもよい。図385はその実施例である。以前にも説明したように、本発明のソースドライバIC14にはプリチャージ回路を形成(構成あるいは配置)している。このプリチャージ回路(図70などを参照のこと)を用いて本発明の検査を実施する。
図385の構成では、ソースドライバIC14の外部にプリチャージ電圧の調整回路が配置されている。図385では単純に概念的に記載している。抵抗531によりVp電圧からVs電圧を形成する。このVs電圧はスイッチ641を制御することにより、各ソース信号線18に印加する。他の点は以前に説明した本発明の検査方法と同様であるので説明を省略する。
以上の実施例では、図357の画素構成における検査方式の説明であった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、他の画素構成においても本発明の検査方式を実施することができる。
図386はカレントミラータイプの画素構成(図38とその説明なども参照のこと)である。図386の画素構成の検査では、まず、ソース信号線18にTFT11bのVt電圧以上のVs電圧を印加する。また、ゲート信号線17a、17bのオン電圧を印加し、TFT11c、TFT11dをオンさせて、Vs電圧をTFT11bのゲート端子に書き込む(図388の(a))。次に、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加し、TFT11dをオフさせる。すると図387に図示するようにVdd端子→TFT11b→EL素子15→Vss端子なる電流経路が発生し、EL素子15が点灯する。したがって、EL素子15の点灯検査を行うことができる。また、図388の(b)に図示するように、Vdd端子→TFT11a→TFT11c→ソース信号線18なる電流Isの経路が発生する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11c、TFT11d、EL素子15の検査を実施することができる。
図389は電圧駆動の画素構成である。ソース信号線18に印加された電圧をTFT11bで駆動用TFT11aのゲート端子に書き込み、この電圧に応じた電流をEL素子15に印加する構成である。従来の電圧駆動の2TFT画素構成と異なる点は、リセット用のTFT11eが付加(形成または配置)されている点である(図44とその説明なども参照のこと)。
図389に図示するように、ゲート信号線17aにオン電圧を印加することにより、TFT11bがオンし、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加することにより、TFT11eがオフする。したがって、図390の(a)に図示するように、駆動用TFT11aのゲート端子にVs電圧が書き込まれる。次に、図390の(b)のように、ソース信号線18へのVs電圧の印加を止め、定電流回路に接続し、ゲート信号線17bにオン電圧を印加すれば、Vdd端子→TFT11a→TFT11e→TFT11b→ソース信号線18なる電流Isの経路が発生する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11e、EL素子15の検査を実施することができる。
なお、図390の実施例では、EL素子15に流れる電流を阻止するために、Vss端子をオープン(ハイインピィーダンス状態)にしておく。または、Vss端子の電圧をEL素子15に流れないように高くしておく。または、アレイ状態でEL素子15が形成されていないときは、駆動用TFT11aのドレイン(D)端子とVss端子間はハイインピィーダンス状態であるから、本発明の検査方式を実施できる。以上の事項は本発明の他の検査方式においても同様である。
図391に図示するように、図44の画素構成であれば、さらに良好な検査を実現できる。図391に図示するように、ゲート信号線17aおよび17eにオン電圧を印加することにより、TFT11b、TFT11eがオンし、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加することにより、TFT11dがオフする。したがって、図392の(a)(b)に図示するように、EL素子15が形成されていても、TFT11dによりEL素子15への電流経路を遮断することができる。そのため、Vdd端子→TFT11a→TFT11e→TFT11b→ソース信号線18なる電流Isの経路が発生する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11e、EL素子15の検査を実施することができる。
また、Vdd端子をOpenにし、ソース信号線18にVs電圧を印加する。また、ゲート信号線17a、17bおよび17eにオン電圧を印加することにより、TFT11b、TFT11d、TFT11eがオンする。したがって、ソース信号線18→TFT11b→TFT11e→TFT11d→EL素子15→Vss端子なる電流Isの経路が発生する。したがって、画素が正常であればEL素子15が点灯する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11d、TFT11e、EL素子15の検査を実施することができる。
図393に図示する検査方式も実施できる。ゲート信号線17aにオン電圧を印加することにより、TFT11bがオンし、ゲート信号線17bおよび17eにオフ電圧を印加することにより、TFT11e、TFT11dがオフする。したがって、図393の(a)に図示するように、駆動用TFT11aのゲート端子にVs電圧が書き込まれる。次に、図393の(b)のように、ゲート信号線17bにオン電圧し、ゲート信号線17aおよび17eにオフ電圧を印加すれば、Vdd端子→TFT11a→TFT11d→EL素子15→Vss端子なる電流Ieの経路が発生する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11d、TFT11e、EL素子15の検査を実施することができる。
図386に付加して、図394に図示するように、TFT11fを追加すれば、カレントミラーの画素構成において、駆動用TFT11bの検査も実施することができる。TFT11fはソース(S)端子がEL素子15のアノード端子に接続され、ドレイン(D)端子がコンデンサ19の一方の端子に接続されている。また、TFT11fのゲート端子はゲート信号線17cに接続されている。
図394に図示するように、ゲート信号線17aおよび17bにオン電圧を印加し、ゲート信号線17cにオフ電圧を印加する。TFT11c、TFT11dがオンし、TFT11fがオフする。この状態で、駆動用TFT11bのゲート(G)端子にソース信号線18からVs電圧を印加する。月に、図395に図示するように、ゲート信号線17cにオン電圧を印加し、TFT11fをオンさせる。すると、Vdd端子→TFT11b→TFT11f→TFT11d→TFT11c→ソース信号線18なる電流Isの経路が発生する。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11d、TFT11e、TFT11fの検査を実施することができる。
また、この状態で、図396に図示するように、Vdd端子をOpenにし、ソース信号線18にVs電圧を印加すれば、ソース信号線18→TFT11c→TFT11d→TFT11f→EL素子15→Vss端子なる電流Isの経路が発生する。EL素子の点灯検査を実現できる。したがって、TFT11a、TFT11b、TFT11d、TFT11e、TFT11f、EL素子15の検査を実施することができる。
つぎに、本発明の駆動方式を実施する本発明の表示機器についての実施例について説明をする。図157は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。筐体1573にアンテナ1571、テンキー1572などが取り付けられている。1572などが表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート切り替えキーである。
キー1572を1度押さえると表示色は8色モードに、つづいて同一キー1572を押さえると表示色は4096色モード、さらにキー1572を押さえると表示色は26万色モードとなるようにシーケンスを組んでもよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化するトグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更キーを設けてもよい。この場合、キー1572は3つ(以上)となる。
キー1572はプッシュスイッチの他、スライドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよく、また、音声認識などにより切換るものでもよい。たとえば、4096色を受話器に音声入力すること、たとえば、「高品位表示」、「4096色モード」あるいは「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより表示パネルの表示画面50に表示される表示色が変化するように構成する。これは現行の音声認識技術を採用することにより容易に実現することができる。
また、表示色の切り替えは電気的に切換るスイッチでもよく、表示パネルの表示部50に表示させたメニューを触れることにより選択するタッチパネルでも良い。また、スイッチを押さえる回数で切換る、あるいはクリックボールのように回転あるいは方向により切換るように構成してもよい。
1572は表示色切換キーとしたが、フレームレートを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とフレームレートなどの複数の要件を同時に切り替えてもよい。また、押さえ続けると徐々に(連続的に)フレームレートが変化するように構成してもよい。この場合は発振器を構成するコンデンサC、抵抗Rのうち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボリウムにしたりすることにより実現できる。また、コンデンサはトリマコンデンサとすることにより実現できる。また、半導体チップに複数のコンデンサを形成しておき、1つ以上のコンデンサを選択し、これらを回路的に並列に接続することにより実現してもよい。
さらに、本発明のEL表示パネルあるいはEL表示装置もしくは駆動方法を採用した実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図158は本発明の実施の形態におけるビューファインダの断面図である。但し、説明を容易にするため模式的に描いている。また一部拡大あるいは縮小した箇所が存在し、また、省略した箇所もある。たとえば、図158において、接眼カバーを省略している。以上のことは他の図面においても該当する。
ボデー1573の裏面は暗色あるいは黒色にされている。これは、EL表示パネル(表示装置)1574から出射した迷光がボデー1573の内面で乱反射し表示コントラストの低下を防止するためである。また、表示パネルの光出射側には位相板(λ/4板など)108、偏光板109などが配置されている。このことは図10、図11でも説明している。
接眼リング1581には拡大レンズ1582が取り付けられている。観察者は接眼リング1581をボデー1573内での挿入位置を可変して、表示パネル1574の表示画面50にピントがあうように調整する。
また、必要に応じて表示パネル1574の光出射側に正レンズ1583を配置すれば、拡大レンズ1582に入射する主光線を収束させることができる。そのため、拡大レンズ1582のレンズ径を小さくすることができ、ビューファインダを小型化することができる。
図159はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部1592とビデオかメラ本体1573と具備し、撮影レンズ部1592とビューファインダ部1573とは背中合わせとなっている。また、ビューファインダ(図158も参照)1573には接眼カバーが取り付けられている。観察者(ユーザー)はこの接眼カバー部から表示パネル1574の画面50を観察する。
一方、本発明のEL表示パネルは表示モニターとしても使用されている。表示部50は支点1591で角度を自由に調整できる。表示部50を使用しない時は、格納部1593に格納される。
スイッチ1594は以下の機能を実施する切り替えあるいは制御スイッチである。スイッチ1594は表示モード切り替えスイッチである。スイッチ1594は、携帯電話などにも取り付けることが好ましい。この表示モード切り替えスイッチ1594について説明をする。
本発明の駆動方法の1つにN倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法がある。この点灯させる期間を変化させることのより、明るさをデジタル的に変更することができる。たとえば、N=4として、EL素子15には4倍の電流を流す。点灯期間を1/Mとし、M=1、2、3、4と切り替えれば、1倍から4倍までの明るさ切り替えが可能となる。なお、M=1、1.5、2、3、4、5、6などと変更できるように構成してもよい。
以上の切り替え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面50を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子15は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタン1594で切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。
なお、表示画面50はガウス分布表示にすることが好ましい。ガウス分布表示とは、中央部の輝度が明るく、周辺部を比較的暗くする方式である。視覚的には、中央部が明るければ周辺部が暗くとも明るいと感じられる。主観評価によれば、周辺部が中央部に比較して70%の輝度を保っておれば、視覚的に遜色ない。さらに低減させて、50%輝度としてもほぼ、問題がない。本発明の自己発光型表示パネルでは、以前に説明したN倍パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法)を用いて画面の上から下方向に、ガウス分布を発生させている。
具体的には、画面の上部と下部ではMの値と大きくし、中央部でMの値を小さくする。これは、ゲートドライバ回路12のシフトレジスタの動作速度を変調することなどにより実現する。画面の左右の明るさ変調は、テーブルのデータと映像データとを乗算することにより発生させている。以上の動作により、周辺輝度(画角0.9)を50%にした時、100%輝度の場合に比較して約20%の低消費電力化が可能である。周辺輝度(画角0.9)を70%にした時、100%輝度の場合に比較して約15%の低消費電力化が可能である。
なお、ガウス分布表示はオンオフできるように切り替えスイッチなどを設けることが好ましい。たとえば、屋外などで、ガウス表示させると画面周辺部が全く見えなくなるからである。したがって、ユーザーがボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、周辺輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことがこのましい。
液晶表示パネルではバックライトで固定のガウス分布を発生させている。したがって、ガウス分布のオンオフを行うことはできない。ガウス分布をオンオフできるのは自己発光型の表示デバイス特有の効果である。
また、フレームレートが所定の時、室内の蛍光灯などの点灯状態と干渉してフリッカが発生する場合がある。つまり、蛍光灯が60Hzの交流で点灯しているとき、EL表示素子15がフレームレート60Hzで動作していると、微妙な干渉が発生し、画面がゆっくりと点滅しているように感じられる場合がある。これをさけるにはフレームレートを変更すればよい。本発明はフレームレートの変更機能を付加している。また、N倍パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法)において、NまたはMの値を変更できるように構成している。
以上の機能をスイッチ1594で実現できるようにする。スイッチ1594は表示画面50のメニューにしたがって、複数回おさえることにより、以上に説明した機能を切り替え実現する。
なお、以上の事項は、携帯電話だけに限定されるものではなく、テレビ、モニターなどに用いることができることはいうまでもない。また、どのような表示状態にあるかをユーザーがすぐに認識できるように、表示画面にアイコン表示をしておくことが好ましい。以上の事項は以下の事項に対しても同様である。
本実施の形態のEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図160に示すような電子カメラ、スチルカメラなどにも適用することができる。表示装置はカメラ本体1601に付属されたモニター50として用いる。カメラ本体1601にはシャッタ1603の他、スイッチ1594が取り付けられている。
以上は表示パネルの表示領域が比較的小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表示画面50がたわみやすい。その対策のため、本発明では図161に示すように表示パネルに外枠1611をつけ、外枠1611をつりさげられるように固定部材1614で取り付けている。この固定部材1614を用いて、壁などに取り付ける。
しかし、表示パネルの画面サイズが大きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネルの下側に脚取り付け部1613を配置し、複数の脚1612で表示パネルの重量を保持できるようにしている。
脚1612はAに示すように左右に移動でき、また、脚1612はBに示すように収縮できるように構成されている。そのため、狭い場所であっても表示装置を容易に設置することができる。
図161のテレビでは、画面の表面を保護フィルム(保護板でもよい)で被覆している。これは、表示パネルの表面に物体があたって破損することを防止することが1つの目的である。保護フィルムの表面にはAIRコートが形成されており、また、表面をエンボス加工することにより表示パネルに外の状況(外光)が写り込むことを抑制している。
保護フィルムと表示パネル間にビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置されるように構成されている。また、保護フィルムの裏面に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネルと保護フィルム間に空間を保持させる。このように空間を保持することにより保護フィルムからの衝撃が表示パネルに伝達することを抑制する。
また、保護フィルムと表示パネル間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるいはゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹脂などの光結合剤を配置または注入することも効果がある。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩衝材として機能するからである。
保護フィルムをしては、ポリカーボネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィルム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。その他エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を用いることができることは言うまでもない。また、強化ガラスなど無機材料からなるものでもよい。保護フィルムを配置するかわりに、表示パネルの表面をエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂で0.5mm以上2.0mm以下の厚みでコーティングすることも同様の効果がある。また、これらの樹脂表面にエンボス加工などをすることも有効である。
また、保護フィルムあるいはコーティング材料の表面をフッ素コートすることも効果がある。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすことができるからである。また、保護フィルムを厚く形成し、フロントライトと兼用してもよい。
EL表示パネルなどを用いる環境は、屋外、屋内がある。屋内は、周囲の照度が低いため、表示画面50の輝度は100(nt)以下でもよい。屋外では、太陽光が照射されるため、400(nt)以上必要である。また、EL表示パネルでは、カソード電極106がAlなどの金属薄膜で形成されるため、外部の景色あるいは使用者がカソード電極106に映りこむという現象が発生し、表示画面50が見づらくなる。映り込みを対策するには、表示画面50の光出射側に円偏光板144(偏光板+λ/4板)あるいは偏光板(偏光フィルム)を配置するとよい。しかし、円偏光板などを配置すると、表示パネルから出射する光の1/2以上が偏光板に吸収されてしまい、表示画面50が暗くなってしまう。映り込みは使用環境に左右され、円偏光板144を使用せず、表示画面50が明るければ表示画面50が見やすいという場合も多い。
図402などは、この課題を解決する構成である。なお、図面は、図157で説明した携帯電話をイメージしているが、本発明はこれに限定するものではなく、図158のビューファインダ、図159、図160のビデオ機器、図161のテレビなどにも適用することができる。
図402、図404の構成は、表示画面50に脱着できる円偏光板(偏光板でも効果は高い)4021を付加した点である。円偏光板4021をEL表示パネル1574の表示画面50上(光出射側)に配置すると、映り込みが抑制される。EL表示パネル1574の表示画面50上(光出射側)から円偏光板を除去すると表示画面50が2倍以上に明るくなる。
図402(図157)の表示装置は、メイン画面50が本発明のEL表示装置1574で構成されている。このEL表示装置1574と背中合わせにサブ表示装置としての液晶表示装置(液晶表示パネル)4033が配置または形成されている。また、液晶表示装置4033の裏面には、白色LEDを有するバックライト4031が配置されている。なお、図面144では、説明を容易にするため、説明に不要な構成は図示していない。しかし、折りたたみ構成にしてもよい。また、付加的にキーボードなどを取り付けられるように構成してもよいことは言うまでもない。
使用者は、サブ液晶表示装置4033の表示画面を見るか、EL表示装置1574の表示画面50を見るかの一方のみを一度に観察する。円偏光板4021は図403の(a)の構成の時、EL表示装置1574側にλ/4板(フィルム)が配置され、外側に偏光板が配置されるように構成されている。
円偏光板4021は2つの支点1591(1591a、1591b)で360度回転できるように構成されている。支点1591aと支点1591b間は支持部材4032で連結されている。つまり、図403の(a)のようにEL表示装置1574の表示画面50側に円偏光板4021を配置することもできる。また、図403の(c)のように液晶表示装置4033側に円偏光板4021を配置することもできる。なお、図403の(b)は図403の(a)の状態から図403の(c)の状態に移行する途中段階の状態を図示している。
図402の装置の使用者は、2つの状態でEL表示装置1574の画面50を観察することができる。1つは、図403の(a)のように、EL表示装置1574の表示画面50上に円偏光板4021を配置した状態である。映り込みがなくなり良好な画像表示を観察できる。他の1つは、図403の(b)または図403の(c)の状態である。EL表示装置1574上には円偏光板4021がなく、明るい画面50を観察できる。使用者は、図403の(a)と図403の(c)の状態とを円偏光板4021を移動させることにより、自由に変更出来る。他の点(EL表示装置に関する事項、その他)などは、図157などで説明している(あるいは説明する)ので説明を省略する。
図403は、支持部材4032に取り付けられた円偏光板4021を移動させることにより、EL表示装置1574上に円偏光板4021を配置する構成であった。図404は、円偏光板4021を差し込む(脱着)ことにより、円偏光板4021をEL表示装置1574上に配置する構成である。
図403において、EL表示装置1574の光出射側には、透明カバー4041が配置されている。透明カバー4041はアクリル樹脂で構成されており、表面に反射防止のためのAIRコート(この構成については以前に説明した2層あるいは3層構成であるので説明を省略する)が形成されている。また、機械的に表面に傷がつくことを防止するために6H以上の硬度を持つUV樹脂からなるハードコートが形成または構成されている。
透明カバー146とEL表示装置1574間に挿入部(空間)4042が配置されている。この挿入部4042に必要に応じて円偏光板4021を挿入することにより映り込み防止を実施することができる。他の点については、図402、図403などと同様であるので説明を省略する。
EL表示装置1574のEL素子15から放射される光は指向性がないため、また、この光はEL素子が形成された基板71を介して外部の空間に出射される。そのため、屈折率の高い基板(屈折率は1.5程度)から、空間(屈折率1.0)に光が出射される際、2/3の光はスネルの法則に基づく臨界角以上となり、空間に出射されない(つまり、EL素子15が発生した光の2/3は基板71からでることができない)。基板71に閉じ込められた光は、基板71内で乱反射しハレーションとなり、EL表示装置の表示コントラストを低下させる。また、発熱の要因となり好ましいことではない。
図405などは、基板71などで乱反射するEL素子15からの光をボタンの照明光などとして用いるものである。なお、ボタンなどの照明はEL表示装置1574からの光のみに限定するものではなく、白色LEDなどの照明光を別途設け、EL表示装置1574からの光は補助的に用いるとしても良い。なお、白色LED照明光を用いるか、EL表示装置1574からの照明光のみを用いるかは使用者がボタンなどで切り替えられるように構成することが好ましい。
図405は導光板4054にEL表示装置1574が取り付けられている。もしくは、導光板4054として機能する基板とEL表示装置1574が一体として構成されている。たとえば、導光板4054を別途設けるのではなく、EL表示装置1574の封止基板85を導光板として機能させるなどである。導光板4054は、透明な基板を想像するがこれに限定するものではなく、アルミニウムなどの板でもよい。また、導光部が樹脂で形成されている必要はなく、空気でもよい(つまり、アルミニウムの反射部4052のみがある構成である)。導光板4054が封止基板(フタ)85とする場合は、図405の1574とは基板71になる。
導光板4054の周囲(画像表示に有効な光が通過しない領域、また、ボタンなどの照明に有効な光が通過しない領域)には、反射膜(反射部)4052が形成または構成あるいは配置されている。反射膜は、アルミニウム、銀などの蒸着による薄膜による構成の他、アルミニウム、銀などの反射板を接着剤などで貼り付けるあるいは配置してもよい。その他、光を反射させることに限定するものではなく、光を拡散させる材料(光拡散材)あるいは構成でもよい。光拡散材としては、酸化チタンの微粉末を塗布した構成、オバールガラスなどがある。これらを塗布したり、光拡散材からなるシートは貼り付けたりしてもよい。その他、導光板4054において、光拡散材を充填あるいは拡散配置したものを採用してもよい。また、導光板4054において、光反射材を充填あるいは拡散配置したものを採用してもよい。
EL素子15(図示せず)から放射された光4053aは、EL表示装置1574の表示光となり表示画面50として寄与する。一方、臨界角以上となった光4053cは導光板4054を伝達する。なお、IC12(14)の裏面にも反射膜4052を形成することが好ましい。ICに迷光4053cが入射することによる誤動作を防止するためである。
図10に図示したように、金属薄膜ならなるカソード電極106が表示領域前面に構成されていたのでは、光4053cは発生しない(乱反射による弱い光はある)。そのため、カソード電極106を半透明状態となるように、薄いアルミニウム薄膜でカソード電極106を形成し、さらにカソード電極106の抵抗値を低減するために、アルミニウムのカソード電極106にITO、IZOからなる透明薄膜を積層して構成する。もしくはカソード電極106に微細は開口部を形成する。しかし、実用上は、基板71と封止基板(フタ)85を密接して配置すること、封止基板85を基板71との取り付け箇所から、回り込み光4053cが発生する。
光4053cは反射膜4052で反射されて導光板4054内を導光する。光4053cは、ボタン1572(図57、図402を参照のこと)が配置される開口部4051から出射する。この出射する光がボタン1572などの照明光となる。以上のように、本発明は、EL表示装置1574が画像表示として利用しない光を伝達し、この伝達した光を用いて、他の照明部材の照明光として利用するものである。
図406は、照明対象物(図406ではボタン1572)の近傍に光拡散部(光拡散部材)4061を配置した構成である。近傍とは、照明対象物の裏面、図406の反射面4052あるいは導光板4054の表面などが該当する。この光拡散部4061に入射した光4053cが散乱し、この散乱光4053bが効率良く開口部4051に入射して照明する。なお、図406では、光拡散部4061を形成または配置するとしたが、これに限定するものではなく、反射膜(反射面)4052に凹凸部あるいは傾斜部を形成または構成し、この凹凸部または傾斜部などに入射する光4053cの進行方向をかえて、開口部4051に入射するようにしてもよいことは言うまでもない。
図406などは、ボタン1572などの照明光として光4053cを用いるものであった。この光は、液晶表示パネル4033などの照明光としても用いることができる。液晶表示パネルは、自発光デバイスでなく、図403に図示するように、画像表示にはバックライト4031が必要である。つまり、液晶表示パネル4033のバックライトとして光4053cを用いる。なお、光4053cのみで液晶表示パネル4033を照明することに限定するものではなく、別途バックライト4031を設けておき、補助的に光4053cを用いるように構成してもよい。バックライト4031を点灯させるか否かは、使用者が切り替えることができるように構成する。
図407ではEL素子15(図示せず)から、放射された光4053cを用いて、EL表示装置1574の裏面に配置されたサブ表示装置としての液晶表示パネル4033を照明している。
図405では、EL表示装置1574と導光板4054とを一体として構成するとしたがこれに限定するものではない。図408に図示するようにEL表示装置1574と導光板4054a(もしくは封止フタ85)を一体として形成し、別途導光板4054bを設け、この導光板4054aと導光板4054bとを光結合層4081(接着剤など)で接続してもよい。
図407では、画像表示用として、EL素子15から発生させた光4053cを液晶表示パネル4033の照明用として用いるとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図409に図示するように、液晶表示パネル4033のバックライト(照明用)として、EL表示パネル1574にELバックライト4092を形成または配置してもよい。ELバックライト4092は基板71に画像表示用のEL素子15と同時に形成する。たとえば、EL素子15材料が低分子EL材料の場合は、マスク蒸着により画像表示領域4093のEL素子15をELバックライト4092のEL素子15と同時に形成する。ELバックライト4092は画素16がマトリックス状に形成されている必要はない。また、アクティブマトリクス型でなくともよい(もちろん、EL素子15をマトリックス状に形成してもよいし、アクティブマトリクス型でもよい)。本発明では、ELバックライト4092部は、ストライプ状に形成しており、単純型である。
ELバックライト4092は、白色発光である必要はない。単色でもよい。単色の場合は、液晶表示パネル4033の表示画像は、単色表示となる。しかし、ELバックライト4033を複数色とすることにより、液晶表示パネル4033の表示色を多種多様に変化できるようになり、好ましい。
ELバックライト4092部の発光が、使用者から見えないようにするため、図409に図示するように、遮光膜4091(遮光手段、光吸収手段)を、一方の光出射側に形成または配置することが好ましい。遮光膜4091の一部に開口部を形成しておくことにより、ELバックライト4092が点灯しているか否かのインジケータ(表示器)として活用することができる。この表示器は、遮光膜4091を加工することにより、文字の形状にしたり、円形などにしたりすることができる。
なお、図409の実施例では、ELバックライト4092と画像表示領域4093とを同時に形成するとしたがこれに限定するものではなく、分離して形成してもよい。また、ELバックライト4092とEL表示パネル1574を分離して作製し、取り付けても良い。
また、EL表示装置の放熱対策を行うには、図424、図426の構成を採用し、図427に図示するように、筐体1573をEL表示装置間に空気穴(空気の通路)4271を形成または配置するとよい。
本発明の実施例における表示パネルは、3辺フリーの構成と組み合わせることも有効であることはいうまでもない。特に3辺フリーの構成は画素がアモルファスシリコン技術を用いて作製されているときに有効である。また、アモルファスシリコン技術で形成されたパネルでは、トランジスタ素子の特性バラツキのプロセス制御が不可能のため、本発明のN倍パルス駆動、リセット駆動、ダミー画素駆動などを実施することが好ましい。つまり、本発明におけるトランジスタ11などは、ポリシリコン技術によるものに限定するものではなく、アモルファスシリコンによるものであってもよい。つまり、本発明の表示パネルにおいて画素16を構成するトランジスタ11はアモルファスシリコン技術で用いて形成したトランジスタであってもよい。また、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路14もアモルファスシリコン技術を用いて形成あるいは構成してもよいことは言うまでもない。
なお、本発明のN倍パルス駆動(図13、図16、図19、図20、図22、図24、図30など)などは、低温ポリシリコン技術でトランジスタ11を形成して表示パネルよりも、アモルファスシリコン技術でトランジスタ11を形成した表示パネルに有効である。アモルファスシリコンのトランジスタ11では、隣接したトランジスタの特性がほぼ一致しているからである。したがって、加算した電流で駆動しても個々のトランジスタの駆動電流はほぼ目標値となっている(特に、図22、図24、図30のN倍パルス駆動はアモルファスシリコンで形成したトランジスタの画素構成において有効である)。
Duty比制御駆動、基準電流制御、N倍パルス駆動など本明細書で記載した本発明の駆動方法および駆動回路などは、有機EL表示パネルの駆動方法および駆動回路などに限定されるものではない。図173に図示するようにフィールドエミッションディスプレイ(FED)などの他のディスプレイにも適用できることは言うまでもない。
図173のFEDでは基板71上にマトリックス状に電子を放出する電子放出突起1733(図10では画素電極105が該当する)が形成されている。画素には映像信号回路1732(図1ではソースドライバ回路14が該当する)からの画像データを保持する保持回路1734が形成されている(図1ではコンデンサが該当する)。また、電子放出突起1733の前面には制御電極1731が配置されている。制御電極1731にはオンオフ制御回路1735(図1ではゲートドライバ回路12が該当する)により電圧信号が印加される。
図173の画素構成で、図174に図示するように周辺回路を構成すれば、Duty比制御駆動あるいはN倍パルス駆動などを実施できる。映像信号回路1732からソース信号線18に画像データ信号が印加される。オンオフ制御回路1735aから選択信号線2173に画素16選択信号が印加され順次画素16が選択され、画像データが書き込まれる。また、オンオフ制御回路1735bからオンオフ信号線1742にオンオフ信号が印加され、画素のFEDがオンオフ制御(Duty比制御)される。
本発明の実施例で説明した技術的思想はビデオカメラ、プロジェクター、立体テレビ、プロジェクションテレビなどに適用できる。また、ビューファインダ、携帯電話のモニター、PHS、携帯情報端末およびそのモニター、デジタルカメラおよびそのモニターにも適用できる。
また、電子写真システム、ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、電子スチルカメラにも適用できる。また、現金自動引き出し機のモニター、公衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュータ、腕時計およびその表示装置にも適用できる。
さらに、家庭電器機器の表示モニター、ポケットゲーム機器およびそのモニター、表示パネル用バックライトあるいは家庭用もしくは業務用の照明装置などにも適用あるいは応用展開できることは言うまでもない。照明装置は色温度を可変できるように構成することが好ましい。これは、RGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更できる。また、広告あるいはポスターなどの表示装置、RGBの信号器、警報表示灯などにも応用できる。
また、スキャナの光源としても有機EL表示パネルは有効である。RGBのドットマトリックスを光源として、対象物に光を照射し、画像を読み取る。もちろん、単色でもよいことは言うまでもない。また、アクティブマトリックスに限定するものではなく、単純マトリックスでもよい。色温度を調整できるようにすれば画像読み取り精度も向上する。
また、液晶表示装置のバックライトにも有機EL表示装置は有効である。EL表示装置(バックライト)のRGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更でき、また、明るさの調整も容易である。その上、面光源であるから、画面の中央部を明るく、周辺部を暗くするガウス分布を容易に構成できる。また、R、G、B光を交互に走査する、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示パネルのバックライトとしても有効である。また、バックライトを点滅しても黒挿入することにより動画表示用などの液晶表示パネルのバックライトとしても用いることができる。
本発明のEL表示装置の駆動方法は、カントミラー回路を構成するトランジスタが隣接するように形成しているので、しきい値のずれによる出力電流のばらつきが小さい。したがって、EL表示パネルの輝度むらの発生を抑制することが可能となり、その実用的効果は大きい。
また、本発明のEL表示装置の駆動方法は、高画質、良好な動画表示性能、低消費電力、低コスト化、高輝度化等のそれぞれの構成に応じて特徴ある効果を発揮する。
なお、本発明を用いれば、低消費電力の情報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。また、高精細の表示パネルであっても十分に対応できる。したがって、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
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符号の説明
11 トランジスタ(薄膜トランジスタ)
12 ゲートドライバIC(回路)
14 ソースドライバIC(回路)
15 EL(素子)(発光素子)
16 画素
17 ゲート信号線
18 ソース信号線
19 蓄積容量(付加コンデンサ、付加容量)
50 表示画面
51 書き込み画素(行)
52 非表示画素(非表示領域、非点灯領域)
53 表示画素(表示領域、点灯領域)
61 シフトレジスタ
62 インバータ
63 出力バッファ
71 アレイ基板(表示パネル)
72 レーザー照射範囲(レーザースポット)
73 位置決めマーカー
74 ガラス基板(アレイ基板)
81 コントロールIC(回路)
82 電源IC(回路)
83 プリント基板
84 フレキシブル基板
85 封止フタ
86 カソード配線
87 アノード配線(Vdd)
88 データ信号線
89 ゲート制御信号線
101 土手(リブ)
102 層間絶縁膜
104 コンタクト接続部
105 画素電極
106 カソード電極
107 乾燥剤
108 λ/4板
109 偏光板
111 薄膜封止膜
271 ダミー画素(行)
341 出力段回路
371 OR回路
401 点灯制御線
451 電子ボリウム回路
452 トランジスタのSD(ソース−ドレイン)ショート
471、472、473 電流源(トランジスタ)
481 スイッチ(オンオフ手段)
484 電流源(単位トランジスタ)
483 内部配線
491 電子ボリウム
521 トランジスタ群
531 抵抗
532 デコーダ回路
533 レベルシフタ回路
541 嵩上げ回路
551 D/A変換器
552 オペアンプ
561 アナログスイッチ
562 インバータ
581 ゲート配線
631 スリープスイッチ(基準電流オンオフ手段)
651 カウンタ
652 NOR
653 AND
654 電流出力回路
655 スイッチ
671 一致回路
681 入出力パッド
691 基準電流回路
692 電流制御回路
701 温度検出手段
702 温度制御回路
711 単位ゲート出力回路
1121 コイル(トランス)
1122 制御回路
1123 ダイオード
1124 コンデンサ
1125 抵抗
1126 トランジスタ
1131 切り替え回路(アナログスイッチ)
1251 出力切り替え回路
1252 切り替えスイッチ
1501 アナログスイッチ
1502 スイッチ制御線
1503 接続配線
1504 緩衝シート(板)
1521 インバータ
1522 接続端子
1571 アンテナ
1572 キー
1573 筐体
1574 表示パネル
1581 接眼リング
1582 拡大レンズ
1583 凸レンズ
1591 支点(回転部)
1592 撮影レンズ
1593 格納部
1594 スイッチ
1601 本体
1602 撮影部
1603 シャッタスイッチ
1611 取り付け枠
1612 脚
1613 取り付け台
1614 固定部
1731 制御電極
1732 映像信号回路
1733 電子放出突起
1734 保持回路
1735 オンオフ制御回路
1741 選択信号線
1742 オンオフ信号線
1781 スイッチ
1783 電源回路
1821 スイッチ
1831 抵抗
1901 基準電流回路
2041 サンプリングポイント
2051 SUM回路
2052 比較回路
2061 シャーシ
2062 操作ボタン
2063 チップ部品
2171 ダミートランジスタ
2181 サブトランジスタ
2351 プリチャージ制御回路
2361 ラッチ回路
2362 セレクタ回路
2363 プリチャージ回路
2591 レベルシフタ回路
2611 カスケード電流接続線
2621i 電流入力端子
2621o 電流出力端子
2631 ベースアノード線
2632 アノード配線
2633 接続端子
2641 接続アノード線
2642 共通アノード線
2651 コンタクトホール
2661 絶縁膜、層間膜、絶縁手段
2671 ベースカソード線
2672 入力信号線
2681 接続樹脂
2691 光吸収膜
2692 樹脂ビーズ
2693 封止樹脂
2701 回路形成部
2731 ゲート電圧線
2772 電源IC制御信号
2773 ゲートドライバ回路制御信号
2951 容量制御線(コンデンサグランド)
2953 容量制御共通線
3001 選択スイッチ(選択手段、切り替え手段)
3311 基準電圧回路(基準電圧発生手段)
3313 トランジスタ
3314 トランジスタ
3321 ツェナーダイオード(基準電圧発生手段)
3331 配線
3332 バッファ回路
3333 調整基準電圧出力配線
3341 調整基準電圧出力端子
3351 調整基準電圧入力配線
3352 基準電圧切り替えスイッチ(切り替え手段、選択手段)
3353 調整基準電圧入力端子
3391 倍率可変スイッチ
3392 トランジスタ
3431 出力バッファ回路
3433 昇圧回路
3591 プローブ(接続手段)
3592 アノード端子電極
3593 電圧(電流)印加配線(供給配線、伝達手段)
3594 ゲートドライバ(走査ドライバ)制御端子(信号線、電源線)
3601 制御回路(コントローラ、制御手段)
3602 カメラ(光学的入力手段、光学的検出手段)
3604 電流計(電流検出手段、電流測定手段)
3605 電圧源(電圧発生手段、信号発生手段)
3631 ソース信号線端子電極
3633 チェック端子電極
3634 ショート配線
3661 基準電圧回路(電圧発生回路、電圧発生手段)
3662 パーソナルコンピュータ(PC)(データ入力手段、制御手段、データ収集手段)
3663 入力回路(データ入力手段、電圧入力手段)
3721 検査電極
3731 チェック端子電極
3751 保護ダイオード
3752 内部配線
3761 短絡回路
3781 短絡部
3821 スリット
3831 レーザー光
3991 電圧計(電圧測定手段)
4001 信号発生器(信号発生手段)
4021 円偏光板(円偏光フィルム、偏光板)
4031 バックライト
4032 支持部材
4033 液晶表示パネル
4041 透明カバー(光透過性フィルム、光透過性板)
4042 挿入部
4051 開口部
4052 反射膜(反射部、反射手段)
4053 光(光の軌跡)
4054 導光部(導光坂)
4061 光拡散部(光拡散材料、光散乱部)
4081 光結合層(オプティカルカップリング材、光結合材)
4091 遮光膜(反射膜)
4092 ELバックライト(光発生手段、面発光源)
4093 画像表示領域(有効表示領域)
4101 光吸収膜
4102 光吸収土手
4111 トランジスタ等形成領域(無効領域)
4121 ビーズ
4123 接着層(接着材)
4124 土手材料
4131 電源配線
4141 電圧供給配線
4151 凸部
4191 放熱板(放熱手段)
4231 金属板(金属シート、放熱シート、放熱板)
4251 カソード電極
4252 ビーズ
4253 導電材料
4254 固定材
4271 空気穴(空気の通路)
4291 高分子EL材料

Claims (10)

  1. EL素子を有する画素がマトリックス状に配置された表示画面を有するEL表示装置の駆動方法であって、
    前記EL表示装置に入力された映像データを集計し、
    前記集計した結果に基づいて、画像表示のダイナミックレンジを変化させることを特徴とするEL表示装置の駆動方法。
  2. 前記映像データの集計は、前記画素の各色で重み付けされて集計されることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  3. 前記EL表示装置は、前記画素に印加する映像信号を出力するソースドライバ回路と、
    前記ソースドライバ回路の出力端子と前記画素が接続されたソース信号線との間に配置されたスイッチ回路とを更に具備し、
    前記スイッチ回路は、前記ソースドライバ回路が出力する前記映像信号を、選択した前記ソース信号線に印加することを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  4. 前記EL表示装置は、外光の明るさを検出するホトセンサを更に具備し、
    前記ホトセンサの出力に基づいて、前記画素のEL素子に流す電流の最大値または前記画素のEL素子の発光輝度の最大値を変化させることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  5. 前記表示画面に配置された前記画素は、複数色の画素から構成され、
    前記複数色の画素のうち、少なくとも1つの色が白色であることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  6. 前記EL表示装置は、ゲートドライバ回路を更に具備し、
    前記ゲートドライバ回路は、Pチャンネルトランジスタで構成され、
    前記ゲートドライバ回路が、前記表示画面の画素行を選択することを特徴とする請求項1または2に記載のEL表示装置の駆動方法。
  7. 前記映像データの集計結果に基づいて、前記画素のEL素子に流す電流の最大値または前記画素のEL素子の発光輝度の最大値を変化させることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  8. 前記表示画面に非表示領域を表示し、
    前記表示画面の表示領域/(前記表示画面の前記非表示領域+前記表示画面の前記表示領域)は、1/16以上1/1以下であることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  9. 前記EL表示装置は、動画検出を行う動画検出回路を更に具備することを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
  10. 前記表示画面に非表示領域を表示し、
    前記表示画面の非表示領域と表示領域の割合を、第1の割合から第2の割合に変更する際に、待機時間を発生させることを特徴とする請求項1記載のEL表示装置の駆動方法。
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