JP2003150109A - El表示装置の駆動方法とel表示装置およびその製造方法と情報表示装置 - Google Patents

El表示装置の駆動方法とel表示装置およびその製造方法と情報表示装置

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JP2003150109A
JP2003150109A JP2001347015A JP2001347015A JP2003150109A JP 2003150109 A JP2003150109 A JP 2003150109A JP 2001347015 A JP2001347015 A JP 2001347015A JP 2001347015 A JP2001347015 A JP 2001347015A JP 2003150109 A JP2003150109 A JP 2003150109A
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tft
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JP2001347015A
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Hiroshi Takahara
博司 高原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3辺フリー構成を容易に実現できるEL表示
装置を提供する。 【解決手段】 各画素16を4つのTFT11で構成
し、ゲートドライバ12に接続したゲート信号線17a
がTFT11b、11cをオンオフ制御し、ソースドラ
イバ14がソース信号線18に出力するデータを所定輝
度よりも大きくなるようにコンデンサ19に書き込む。
ゲート信号線17bに接続したTFT11dは、オンオ
フ動作させてEL素子15への電流を制御する。ゲート
信号線17bは複数の画素行ごとに接続した共通の点灯
制御線1791より印加されたオンオフ信号によってブ
ロックごとにEL素子15を所定輝度よりも高い輝度で
発光させてオンオフ制御し、所定の表示輝度にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】主として本発明は自発光で画
像を表示するEL表示パネルとおよびこれらのEL表示
パネルを用いた携帯電話などの情報表示装置などに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示パネルは、薄型で低消費電力と
いう利点から、携帯用機器等に多く採用されているた
め、ワードプロセッサやパーソナルコンピュータ、テレ
ビなどの機器や、ビデオカメラのビューファインダ、モ
ニターなどにも用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、液晶表示パネ
ルは自発光デバイスではないため、バックライトを用い
ないと画像を表示できないという問題点がある。バック
ライトを構成するためには所定の厚みが必要であるた
め、表示モジュールの厚みが大きくなるという問題があ
った。また、液晶表示パネルでカラー表示を行うために
は、カラーフィルタを使用する必要がある。そのため、
光利用効率が低いという問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は第1に、EL表示装置において、アクティブ
マトリックス型EL表示装置であって、各画素に形成さ
れたEL素子と、前記EL素子に電流を供給する駆動素
子と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置されたスイ
ッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する制御
信号線とを具備し、前記制御信号線は複数の画素行に共
通となるように形成されていることを特徴とする。
【0005】第2に、EL表示装置において、アクティ
ブマトリックス型EL表示装置であって、各画素に形成
されたEL素子と、前記EL素子に電流を供給する駆動
素子と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置されたス
イッチング素子と、前記スイッチング素子を制御する制
御信号線とを具備し、前記制御信号線は複数の画素行に
共通となるように形成され、隣接した画素行は異なる制
御信号線に接続されていることを特徴とする。
【0006】第3に、EL表示装置において、各画素に
形成されたEL素子と、前記EL素子に電流を供給する
駆動素子と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置され
た第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング
素子を制御する第1の制御信号線と、前記EL素子の一
方の端子に電圧を印加する第2のスイッチング素子と、
前記第2のスイッチング素子を制御する第2の制御信号
線を具備し、前記第1の制御信号線および第2の制御信
号線は複数の画素行に共通となるように形成され、前記
第1の制御信号線と第2の制御信号線は同期をとって制
御信号が印加されることを特徴とする。
【0007】第4に、EL表示装置において、各画素は
EL素子と、前記EL素子に電流を供給する駆動素子
と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置されたスイッ
チング素子とを有し、前記画素を選択するドライバ回路
が、前記画素と同時に基板上に形成され、前記スイッチ
ング素子を制御する制御信号線が複数の画素行に共通と
なるように形成されていることを特徴とする。
【0008】第5に、EL表示装置において、マトリッ
クス状に形成された画素と、映像信号を出力するソース
ドライバICと、前記画素を選択して、前記ソースドラ
イバICが出力する映像信号を印加するゲートドライバ
ICとを具備し、各画素はEL素子と、前記EL素子に
電流を供給する駆動素子と、前記駆動素子と前記EL素
子間に配置されたスイッチング素子とを有し、前記スイ
ッチング素子を制御する制御信号線が複数の画素行に共
通となるように形成され、前記ソースドライバICと前
記ゲートドライバICの両方が、表示領域の一辺に積載
されていることを特徴とする。
【0009】第6に、EL表示装置の駆動方法におい
て、画面の一部を表示し、他の部分を非表示状態とし、
画面の上下方向に順次、表示領域を移動させ、前記移動
スピードが、画面の部分で異なっていることを特徴とす
る。
【0010】第7に、EL表示装置の駆動方法におい
て、画面の第1の部分と、第2の部分で、選択する回数
を異ならせることにより、表示輝度を変化させることを
特徴とする。
【0011】第8に、情報表示装置において、各画素に
形成されたEL素子と、前記EL素子に電流を供給する
駆動素子と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置され
たスイッチング素子と、前記スイッチング素子を制御す
る制御信号線とを有し、前記制御信号線が複数の画素行
に共通となるように形成されたEL表示装置と、ダウン
コンバータと、アップコンバータと、受話器と、スピー
カーとを具備することを特徴とする。
【0012】第9に、情報表示装置において、マトリッ
クス状にEL素子が形成された第1の基板と、前記基板
に積載されたドライバICと、前記EL素子を保護する
封止板とを具備し、前記封止板は、前記ドライバICと
EL素子の両方を封止していることを特徴とする。
【0013】第10に、情報表示装置において、マトリ
ックス状に画素が形成された表示パネルと、前記表示パ
ネルの裏面に形成されたミラーと、前記表示パネルが取
り付けられた筐体とを具備し、前記表示パネルは所定の
支点で位置を変化できるように構成され、第1の状態で
は、前記表示パネルの表示画像を観察でき、第2の状態
では、前記表示パネルの裏面のミラーを観察できるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0014】第11に、情報表示装置において、マトリ
ックス状に画素が形成された表示パネルと、前記表示パ
ネルが取り付けられた筐体と、外光の明るさを検出する
光センサーと、テンキーと、前記筐体の側面または裏面
に配置されたファンクションキーとを具備し、前記ファ
ンクションキーとテンキーとを同時に押さえることによ
り、前記テンキーの入力内容が変化するように構成され
ていることを特徴とする。
【0015】第12に、EL表示装置において、1画素
が、赤色の点灯部と、緑色の点灯部と、青色の点灯部
と、白色の点灯部とを具備し、前記画素のそれぞれの点
灯部に薄膜トランジスタが形成されており、前記白色の
点灯部は、赤色と緑色と青色の点灯部の材料から形成さ
れており、前記画素がマトリックス状に配置されている
ことを特徴とする。
【0016】第13に、EL表示装置において、1画素
が、赤色の点灯部と、緑色の点灯部と、青色の点灯部と
を具備し、前記画素のそれぞれの点灯部に薄膜トランジ
スタが形成されており、前記画素がマトリックス状に配
置され、かつ、前記画素の各色の点灯部の配置が隣接し
た画素行で、逆方向になっていることを特徴とする。
【0017】第14に、EL表示装置において、ゲート
ドライバ回路が基板上に画素と同時に形成され、前記ゲ
ートドライバ回路上にEL膜が形成され、かつ、前記E
L膜上にアノード電極と一体となった金属膜が形成され
ていることを特徴とする。
【0018】第15に、EL表示装置において、ゲート
ドライバ回路が基板上に画素と同時に形成され、前記ゲ
ートドライバ回路上にEL膜が形成され、かつ、前記E
L膜上にアノード電極と一体となった金属膜が形成さ
れ、前記金属膜は、画素に対応して凹凸または円弧状に
形成されていることを特徴とする。
【0019】第16に、EL表示パネルの製造方法にお
いて、第1の基板に画素を駆動する画素回路を形成する
第1の工程と、前記第1の工程後、前記画素回路上の絶
縁膜を形成する第2の工程と、前記絶縁膜上にマスクを
形成し、前記マスクを介して、前記絶縁膜を画素に対応
して円弧状に形成する第3の工程と、前記絶縁膜上に画
素電極を形成する第4の工程と、前記画素電極上にEL
膜を形成する第5の工程と、前記EL膜上に金属からな
る共通電極を形成する第6の工程と、前記共通電極上
に、保護膜を形成する第7の工程を行うことを特徴とす
る。
【0020】
【発明の実施の形態】本明細書において、各図面は理解
を容易にまたは作図を容易にするため、省略や拡大縮小
した箇所がある。例えば、図5の表示パネルの断面図で
は封止膜73などを十分厚く図示している。また、図6
等では画素電極に信号を印加する薄膜トランジスタ(T
FT)などを省略している。また、本発明の表示パネル
などでは、位相補償のための位相フィルムなどを省略し
ているが、適時付加することが望ましい。以上のことは
他の図面に対しても同様である。また、同一番号または
記号を付した箇所は同一の材料あるいは機能もしくは動
作を有するものである。
【0021】なお、各図面等で説明した内容は特に断り
がなくとも、他の実施例等と組み合わせることができ
る。例えば、図6の表示パネルにタッチパネルなどを付
加し、図199、図210のような情報表示装置とする
ことができる。また、拡大レンズを取り付け、ビデオカ
メラ(図130参照)などのビューファインダ(図20
6参照)を構成することもできる。また、図38、図3
9、図49、図216などで説明した本発明の駆動方法
は、本発明の表示装置または表示パネルのいずれにも適
用することができる。また、本発明は各画素にTFTが
形成されたアクティブマトリックス型表示パネルを主と
して説明するがこれに限定されるものではなく、単純マ
トリックス型にも適用することができることは言うまで
もない。
【0022】このように、明細書、図面で説明した事
項、内容、仕様は、特に例示されていなくとも、互いに
組み合わせて適用させることができる。
【0023】(実施の形態1)現在、低消費電力でかつ
高表示品質であり、更に薄型化が可能な表示パネルとし
て、複数の有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子
をマトリックス状に配列して構成される有機EL表示パ
ネルが注目されている。
【0024】有機EL表示パネルは、図2に示すよう
に、画素電極48としての透明電極が形成されたアレイ
基板49上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などか
らなる少なくとも1層の有機EL層47、及び反射膜4
6が積層されたものである。透明電極(画素電極)48
の陽極(アノード)にプラス、反射膜46の陰極(カソ
ード)にマイナスの電圧を加え、これらの間に直流電流
を印加することにより、有機EL層47が発光する。こ
のように、良好な発光特性を期待することのできる有機
化合物を有機EL層に使用することによって、EL表示
パネルが実用に耐え得るものになっている。
【0025】なお、カソード電極、アノード電極あるい
は反射膜は、ITO電極に誘電体多層膜からなる光学的
干渉膜を形成して構成してもよい。誘電体多層膜とは低
屈折率の誘電体膜と高屈折率の誘電体膜とを交互に多層
形成したもの(誘電体ミラー)である。この誘電体多層
膜は有機EL構造から放射される光の色調を良好なもの
にする機能(フィルタ効果)を有する。
【0026】アノードあるいはカソードへ電流を供給す
る配線63、51には大きな電流が流れる。例えば、E
L表示装置の画面サイズが40インチサイズになると1
00A程度の電流が流れる。そのため、これらの配線の
抵抗値は十分低く作製する必要がある。この課題に対し
て、本発明では、まず、アノードなどの配線を薄膜で形
成する。そして、この薄膜配線に電解めっき技術により
導体の厚みを太く形成している。また、必要に応じて、
配線そのもの、あるいは配線に銅薄からなる金属配線を
付加している。
【0027】また、アノードあるいはカソード配線に大
きな電流を供給するため、電流供給手段から高電圧で小
電流の電力配線を用いて、前記アノード配線などの近傍
まで配線し、DCDCコンバータなどを用いて低電圧、
高電流に電力変換して供給している。つまり、電源から
高電圧、小電流配線を用いて電力消費対象まで配線し、
電力消費対象の近傍で大電流、低電圧に変換する。この
ようなものとして、DCDCコンバータ、トランスなど
が例示されている。
【0028】反射膜46には、リチウム、銀、アルミニ
ウム、マグネシウム、インジウム、銅または各々の合金
等の仕事関数が小さなもの、特にAl−Li合金を用い
ることが好ましい。また、透明電極(画素電極)48に
は、ITO(錫ドープ酸化インジウム)等の仕事関数の
大きな導電性材料または金等を用いることができる。な
お、金を電極材料として用いた場合、電極は半透明の状
態となる。なお、ITOはIZOなどの他の材料でもよ
い。この事項は画素電極に対しても同様である。
【0029】なお、画素電極48などに薄膜を蒸着する
際は、アルゴン雰囲気中で有機EL膜を成膜するとよ
い。また、画素電極48としてのITO上にカーボン膜
を20nm以上50nm以下で成膜することにより、界
面の安定性が向上し、発光輝度および発光効率も良好な
ものとなる。
【0030】また、有機EL膜は蒸着で形成することに
限定されるものではなく、インクジェットで形成しても
よいことは言うまでもない。
【0031】(実施の形態2)以下、本発明のEL表示
パネル構造の理解を容易とするため、まず、本発明の有
機EL表示パネルの製造方法について説明をする。
【0032】放熱性を良くするため、アレイ基板49は
サファイアガラスで形成してもよい。または熱伝導性の
よい薄膜あるいは厚膜を形成してもよい。例えば、ダイ
ヤモンド薄膜を形成した基板を使用することが例示され
る。もちろん、石英ガラス基板、ソーダガラス基板を用
いてもよい。その他、アルミナなどのセラミック基板や
銅などからなる金属板を使用したり、絶縁膜に金属膜を
蒸着あるいは塗布などのコーティングを施したものを用
いてもよい。画素電極を反射型とする場合、基板材料と
しては基板の表面方向より光が出射されるので、ガラ
ス、石英や樹脂等の透明ないし半透明材料の他、ステン
レスなどの非透過材料を用いることもできる。この構成
を図5に図示する。図5では、カソード電極をITOな
どの透明電極72で形成している。
【0033】なお、本発明の実施例では、カソードなど
を金属膜で形成するとしたが、これに限定されるもので
はなく、ITO、IZOなどの透明膜で形成してもよ
い。このように、EL素子15のアノードとカソードの
両方の電極を透明電極にすることにより、透明EL表示
パネルを構成できる。つまり、金属膜を使わずに透過率
を約80%まで上げることにより、文字や絵を表示しな
がら表示パネルの向こう側がほとんど透けて見えるよう
な構成にすることができる。
【0034】また、アレイ基板49にはプラスチック基
板を用いてもよい。プラスチック基板は割れにくく、ま
た、軽量のため携帯電話の表示パネル用基板として最適
である。プラスチック基板は、芯材となるベース基板の
一方の面に補助の基板を接着剤で貼り合わせて積層基板
として用いることが好ましい。もちろん、これらの基板
は板に限定されるものではなく、厚さ0.05mm以上
0.3mm以下のフィルムでもよい。
【0035】ベース基板の材料として、脂環式ポリオレ
フィン樹脂を用いることが好ましい。このような脂環式
ポリオレフィン樹脂として日本合成ゴム社製のARTO
N(厚さ200μmの1枚板)が例示される。ベース基
板の一方の面に、耐熱性、耐溶剤性または耐透湿性機能
を持つハードコート層、および耐透気性機能を持つガス
バリア層が形成されたポリエステル樹脂、ポリエチレン
樹脂あるいはポリエーテルスルホン樹脂などからなる補
助基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。
【0036】このように、アレイ基板49をプラスチッ
クで構成する場合、アレイ基板49はベース基板と2枚
の補助基板から構成されるので、ベース基板の他方の面
にも、前述と同様にハードコート層およびガスバリア層
が形成されたポリエーテルスルホン樹脂などからなる補
助基板(あるいはフィルムもしくは膜)を配置する。な
お、ベース基板と補助基板とは接着剤もしくは粘着剤を
介して貼り合わせて積層基板とする。
【0037】接着剤としてはUV(紫外線)硬化型でア
クリル系の樹脂からなるものを用いること、また、アク
リル樹脂はフッ素基を有するものを用いることが好まし
い。その他、エポキシ系の接着剤あるいは粘着剤を用い
てもよい。接着剤あるいは粘着剤の屈折率は1.47以
上1.54以下のものを用いることが好ましい。また、
アレイ基板49の屈折率との屈折率差が0.03以下と
なるようにすることが好ましい。特に、接着剤は先に記
載したような酸化チタンなどの光拡散材を添加し、光散
乱層として機能させることが好ましい。
【0038】各々の補助基板をベース基板に貼り合わせ
る際には、各々の補助基板の光学的遅相軸同士がなす角
度を45度以上120度以下、さらに好ましくは80度
以上100度以下(ほぼ90度)とすることがよい。こ
の範囲にすることにより、補助基板および補助基板であ
るポリエーテルスルホン樹脂などで発生する位相差を積
層基板内で完全に打ち消すことができる。したがって、
有機EL表示パネル用プラスチック基板は位相差の無い
等方性基板として扱うことができるようになる。
【0039】この構成により、位相差を持ったフィルム
基板またはフィルム積層基板に比べて、著しく汎用性が
広がる。つまり、位相差フィルムとを組み合わせること
により直線偏光を楕円偏光に設計通りに変換できるよう
になるからである。アレイ基板49などに位相差がある
と、この位相差により設計値との誤差が発生する。
【0040】補助基板におけるハードコート層は、材料
としてエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂またはアクリル
系樹脂等を用いることができ、ストライプ状電極あるい
は画素電極を有する透明導電膜の第1のアンダーコート
層とを兼ねる。また、ガスバリア層としては、Si
2、SiOxなどの無機材料、またはポリビニールア
ルコール、ポリイミドなどの有機材料等を用いることが
できる。粘着剤、接着剤などとしては、先に記述したア
クリル系の他にエポキシ系接着剤、またはポリエステル
系接着剤等を用いることができる。なお、接着層の厚み
は100μm以下とするが、基板など表面の凹凸を平滑
化するために、10μm以上とすることが好ましい。
【0041】また、アレイ基板49を構成する補助基板
および補助基板として、厚さ40μm以上400μm以
下のものを用いることが好ましい。また、各々の補助基
板の厚さを120μm以下にすることにより、ポリエー
テルスルホン樹脂のダイラインと呼ばれる溶融押し出し
成形時のむらまたは位相差を低く抑えることができるの
で、好ましくは厚さを50μm以上80μm以下とす
る。
【0042】次に、この積層基板に、透明導電膜の補助
アンダーコート層としてSiOxを形成し、画素電極と
なるITOからなる透明導電膜をスパッタ技術で形成す
る。このようにして製造した有機EL表示パネル用プラ
スチック基板の透明導電膜は、その膜特性として、シー
ト抵抗値25Ω/□、透過率80%を実現することがで
きる。
【0043】ベース基板の厚さが50μm〜100μm
のように薄い場合には、有機EL表示パネルの製造工程
において、有機EL表示パネル用プラスチック基板が熱
処理によりカールしてしまう。また、ストライプ状電極
などを構成するITOにクラックが発生し、それ以降の
搬送が不可能となる。また、回路部品の接続においても
良好な結果は得られない。しかし、ベース基板を1枚板
で厚さ200μm以上500μm以下とした場合は、基
板の変形がなく平滑性に優れ、搬送性が良好で、透明導
電膜特性も安定する。また、回路部品の接続も問題なく
実施することができる。さらに、適度な柔軟性と平面性
をもっているため、厚さを250μm以上450μm以
下とすることがよいと考えられる。
【0044】なお、アレイ基板49として前述のプラス
チック基板などの有機材料を使用する場合は、液晶層に
接する面にもバリア層として無機材料からなる薄膜を形
成することが好ましい。この無機材料からなるバリア層
は、AIRコートと同一材料で形成されることが好まし
い。なお、封止フタ41もアレイ基板49と同様の技術
あるいは構成により作製できる。
【0045】また、バリア層を画素電極あるいはストラ
イプ状電極上に形成する場合は、光変調層に印加される
電圧のロスを極力低減させるために低誘電率材料を使用
することが好ましい。例えば、フッ素を添加したアモル
ファスカーボン膜(比誘電率2.0〜2.5)が例示さ
れる。その他、JSR社が製造販売しているLKDシリ
ーズ(LKD−T200シリーズ(比誘電率2.5〜
2.7))、LKD−T400シリーズ(比誘電率2.
0〜2.2))が例示される。LKDシリーズはMSQ
(methy−silsesquioxane)をベー
スにしたスピン塗布形であり、比誘電率も2.0〜2.
7と低く好ましい。その他、ポリイミド、ウレタン、ア
クリル等の有機材料や、SiNx、SiO2などの無機
材料でもよい。これらのバリア層材料は補助基板に用い
ても問題はない。
【0046】プラスチックで形成したアレイ基板49あ
るいは封止フタ41を用いることにより、割れない、軽
量化できるという利点を発揮できる他に、プレス加工で
きるという利点もある。つまり、プレス加工あるいは切
削加工により任意の形状の基板を作製できるということ
である(図3を参照)。また、融解あるいは化学薬品処
理により任意の形状、厚みに加工することもできる。例
えば、円形にしたり、球形(曲面など)にしたり、円錐
状に加工したりすることが例示される。また、プレス加
工により、基板の製造と同時に、一方の基板面に凹凸部
252を形成し、散乱面の形成、あるいはエンボス加工
を行うことができる。
【0047】また、プラスチックをプレス加工すること
により形成したアレイ基板49の穴に、バックライトあ
るいはカバー基板の位置決めピンを挿入できるように形
成することも容易である。また、アレイ基板49、封止
フタ41内に厚膜技術あるいは薄膜技術で形成したコン
デンサあるいは抵抗などの電気回路を構成してもよい。
また、封止フタ41に凹部(図示せず)を形成し、アレ
イ基板49に凸部251を形成し、この凹部と凸部とが
ちょうどはめ込めるように形成することにより、封止フ
タ41とアレイ基板49とをはめ込みにより一体化する
ことができるように構成してもよい。
【0048】ガラス基板を用いた場合は、画素16の周
辺部にEL素子を蒸着する際に使用する土手を形成して
いた。土手(リブ)は樹脂材料を用いて、1.0μm以
上3.5μm以下、さらに好ましくは1.5μm以上
2.5μm以下の厚みで凸部状に形成する。この樹脂か
らなる土手(凸部)251を封止フタ41またはアレイ
基板49のプレス加工による形成と同時に作製すること
もできる(図3を参照)。これは封止フタ41、アレイ
基板49を樹脂で形成することにより発生する大きな効
果である。なお、土手材料はアクリル樹脂、ポリイミド
樹脂の他、SOG材料でもよい。
【0049】このように、樹脂部を基板と同時に形成す
ることにより製造時間を短縮できるので低コスト化が可
能である。また、アレイ基板49などの製造時に、表示
領域部にドット状に凸部251を形成する。この凸部2
51は隣接画素間に形成することで、封止フタ41とア
レイ基板49との所定の空間を保持する。なお、土手形
状は、画素電極を取り囲む□状の他、ストライプ状でも
よい。
【0050】なお、以上の実施例では、土手として機能
する凸部251を形成するとしたが、これに限定される
ことはない。例えば、画素部をプレス加工などにより掘
り下げる(凹部)としてもよい。なお、凹凸部252、
凸部251は基板と同時に形成される他、平面な基板を
最初に形成し、その後、再加熱によりプレスして凹凸を
形成する方式も含まれる。
【0051】また、封止フタ41、アレイ基板49を直
接着色することにより、モザイク状のカラーフィルタを
形成してもよい。基板にインクジェット印刷などの技術
を用いて染料、色素などを塗布し浸透させる。浸透後、
高温で乾燥させ、表面をUV樹脂などの樹脂、酸化シリ
コンあるいは酸化窒素などの無機材料で被覆すればよ
い。また、グラビア印刷技術、オフセット印刷技術、ス
ピンナーで膜を塗布し現像する半導体パターン形成技術
などでカラーフィルタを形成してもよい。カラーフィル
タの他、同様の技術を用いて、黒色もしくは暗色あるい
は変調する光の補色関係にあるブラックマトリックス
(BM)を着色により直接形成してもよい。また、基板
面上に画素に対応するように凹部を形成し、この凹部に
カラーフィルタ、BMあるいはTFTを埋め込むように
構成してもよい。特に、表面をアクリル樹脂で被膜する
ことが好ましい。この構成では画素電極面などが平滑化
されるという利点もある。
【0052】また、導電性ポリマーなどにより基板表面
の樹脂を導電化し、画素電極あるいはカソード電極を直
接構成してもよい。さらには、基板に大きく穴を開け、
この穴にコンデンサなどの電子部品を挿入する構成も例
示される。これにより、基板が薄く構成できる利点が発
揮される。
【0053】また、基板の表面を切削することにより、
自由に模様を形成してもよい。また、封止フタ41、ア
レイ基板49の周辺部を溶かすことにより形成してもよ
い。また、有機EL表示パネルの場合は外部からの水分
の進入を阻止するため、基板の周辺部を溶かして封止し
てもよい。
【0054】以上のように、基板を樹脂で形成すること
により、基板への穴あけ加工が容易である。また、プレ
ス加工などにより自由に基板形状を構成することができ
る。
【0055】また、封止フタ41とアレイ基板49を多
層回路基板あるいは両面基板として利用できるようにす
るため、封止フタ41とアレイ基板49に穴をあけ、こ
の穴に導電樹脂などを充填し、基板の表と裏とを電気的
に導通させることも可能である。
【0056】また、封止フタ41、アレイ基板49自身
を多層の配線基板としてもよい。例えば、導電樹脂のか
わりに導電ピンなどを挿入したり、形成した穴にコンデ
ンサなどの電子部品の端子を差し込めるようにしたり、
または基板内に薄膜による回路配線、コンデンサ、コイ
ルあるいは抵抗を形成してもよい。多層化は薄い基板を
貼り合わせることにより構成されるので、この際、貼り
合わせる基板(フィルム)の1枚以上を着色してもよ
い。
【0057】また、基板材料に染料、色素を加えて基板
自身に着色を行ったり、フィルタを形成したりすること
ができる。また、製造番号を基板作製と同時に形成する
こともできる。また、表示領域以外の部分だけを着色す
ることにより、積載したICチップに光が照射されるこ
とで誤動作を防止できる。
【0058】また、基板の表示領域の半分を異なる色に
着色することもできる。これは、樹脂板加工技術(イン
ジェクション加工、コンプレクション加工など)を応用
すればよい。また、同様の加工技術を用いることにより
表示領域の半分を異なるEL層膜厚にすることもでき
る。また、表示部と回路部とを同時に形成することもで
きる。また、表示領域とドライバ積載領域との基板厚み
を変化させることも容易である。
【0059】また、封止フタ41またはアレイ基板49
に、画素に対応するように、あるいは表示領域に対応す
るようにマイクロレンズを形成することもできる。ま
た、封止フタ41、アレイ基板49を加工することによ
り、回折格子を形成してもよい。また、画素サイズより
も十分に微細な凹凸を形成することで、視野角を改善し
たり、視野角依存性を持たせたりすることができる。な
お、このような任意形状の加工、微細加工技術などはオ
ムロン(株)が開発したマイクロレンズを形成するスタ
ンパ技術で実現できる。
【0060】封止フタ41、アレイ基板49には、スト
ライプ状電極(図示せず)が形成されている。また、基
板が空気と接する面には、反射防止膜(AIRコート)
が形成され、偏光板(偏光フィルム)など他の構成材料
が貼り付けられている場合は、その構成材料の表面など
に反射防止膜(AIRコート)が形成される。また、封
止フタ41、アレイ基板49に偏光板などが貼り付けら
れていない場合は、封止フタ41、アレイ基板49に直
接、反射防止膜(AIRコート)が形成される。
【0061】なお、以上の実施例は封止フタ41、アレ
イ基板49がプラスチックで形成されることを中心に説
明してきたが、これに限定されるものではない。例え
ば、封止フタ41、アレイ基板49がガラス基板、金属
基板であっても、プレス加工、切削加工などにより、凹
凸部252、凸部251などを形成または構成できる。
また、基板に限定されるものでもない。例えば、フィル
ムあるいはシートでもよい。
【0062】また、偏光板の表面へのごみの付着を防止
あるいは抑制するため、フッ素樹脂からなる薄膜を形成
することが有効である。また、静電気防止のために親水
基を有する薄膜、導電性ポリマー膜、金属膜などの導電
体膜を塗布あるいは蒸着してもよい。
【0063】なお、表示パネル82の光入射面あるいは
光出射面に配置または形成される偏光板(偏光フィル
ム)は直線偏光するものに限定されるものではなく、楕
円偏光となるものであってもよい。また、複数の偏光板
を貼り合わせたり、偏光板と位相差板とを組み合わせた
り、貼り合わせたものを用いてもよい。
【0064】偏光フィルムを構成する主たる材料として
はTACフィルム(トリアセチルセルロースフィルム)
が最適である。TACフィルムは、優れた光学特性、表
面平滑性および加工適性を有するからである。TACフ
ィルムの製造については、溶液流延製膜技術で作製する
ことが最適である。
【0065】AIRコートは誘電体単層膜もしくは多層
膜で形成される構成が例示される。その他、1.35〜
1.45の低屈折率の樹脂を塗布してもよい。例えば、
フッ素系のアクリル樹脂などが例示され、特に屈折率が
1.37以上1.42以下のものが良好である。
【0066】また、AIRコートには3層構成あるいは
2層構成がある。3層の場合は広い可視光の波長帯域で
の反射を防止するために用いられ、これをマルチコート
と呼ぶ。2層の場合は特定の可視光の波長帯域での反射
を防止するために用いられ、これをVコートと呼ぶ。マ
ルチコートとVコートは表示パネルの用途に応じて使い
分ける。なお、AIRコートは2層以上に限定されるも
のではなく、1層でもよい。この場合は、フッ化マグネ
シウム(MgF2)をnd1=λ/2積層して形成す
る。
【0067】マルチコートの場合は、酸化アルミニウム
(Al23)を光学的膜厚nd=λ/4、ジルコニウム
(ZrO2)をnd1=λ/2、フッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4積層して形成する。通
常、薄膜はλ=520nmもしくはその近傍の値として
形成される。
【0068】Vコートの場合は、一酸化シリコン(Si
O)を光学的膜厚nd1=λ/4とフッ化マグネシウム
(MgF2)をnd1=λ/4、もしくは酸化イットリ
ウム(Y23)とフッ化マグネシウム(MgF2)をn
d1=λ/4積層して形成する。SiOは青色側に吸収
帯域があるため、青色光を変調する場合は物質の安定性
からもY23を用いた方がよい。また、SiO2薄膜を
使用してもよい。もちろん、低屈折率の樹脂等を用いて
AIRコートとしてもよい。例えば、フッ素等のアクリ
ル樹脂が例示される。これらは紫外線硬化タイプを用い
ることが好ましい。
【0069】なお、表示パネルに静電気がチャージされ
ることを防止するため、カバー基板などの導光板、表示
パネル82などの表面に親水性の樹脂を塗布しておくこ
と、あるいはパネルなどの基板材料を親水性が良好な材
料で構成しておくことが好ましい。その他、表面反射を
防止するため、偏光板54の表面などにエンボス加工を
行ってもよい。
【0070】1画素には複数のスイッチング素子あるい
は電流制御素子としての薄膜トランジスタ(TFT)を
形成する。形成するTFTは、同じ種類のTFTであっ
てもよいし、Pチャンネル型とNチャンネル型のTFT
というように、違う種類のTFTであってもよいが、望
ましくはスイッチング用薄膜トランジスタ、駆動用薄膜
トランジスタとも同極性のものが望ましい。またTFT
の構造は、プレーナー型のTFTというように限定され
るものではなく、スタガー型でも逆スタガー型でもよ
く、また、セルフアライン方式を用いて不純物領域(ソ
ース、ドレイン)が形成されたものでも、非セルフアラ
イン方式によるものでもよい。
【0071】本発明のEL素子15は、アレイ基板上
に、ホール注入電極(画素電極)となるITOと、1種
以上の有機層と、電子注入電極とが順次積層されたEL
構造体を有し、前記アレイ基板にはTFTが設けられて
いる。
【0072】本発明のEL素子を製造するには、まず、
基板上にTFTのアレイを所望の形状に形成する。そし
て、平滑化膜上の透明電極(画素電極)であるITOを
スパッタ法で成膜、パターニングする。その後、有機E
L層、電子注入電極等を積層する。
【0073】TFTとしては、通常の多結晶シリコンT
FTを用いればよい。TFTは、EL構造体の各画素の
端部に設けられ、その大きさは10〜30μm程度で、
この際の画素の大きさは20μm×20μm〜300μ
m×300μm程度である。
【0074】アレイ基板上には、TFTの配線電極が設
けられる。配線電極は抵抗が低く、しかもホール注入電
極を電気的に接続して抵抗値を低く抑える機能があり、
一般的にその配線電極は、Al、Alおよび遷移金属
(ただしTiを除く)、Tiまたは窒化チタン(Ti
N)のいずれか1種または2種以上を含有するものが使
われるが、本発明においてはこの材料に限られるもので
はない。EL構造体の下地となるホール注入電極とTF
Tの配線電極とを併せた全体の厚さは、特に制限はない
が、通常100〜1000nm程度とすればよい。
【0075】TFT11の配線電極とEL構造体の有機
層との間には絶縁層を設ける。絶縁層は、SiO2等の
酸化ケイ素、窒化ケイ素などの無機系材料をスパッタや
真空蒸着で成膜したもの、SOG(スピン・オン・グラ
ス)で形成した酸化ケイ素層、フォトレジスト、ポリイ
ミド、アクリル樹脂などの樹脂系材料の塗膜など、絶縁
性を有するものであればいずれであってもよいが、中で
もポリイミドが好ましい。また、絶縁層は、配線電極を
水分や腐食から守る耐食・耐水膜の役割も果たす。
【0076】EL構造体の発光ピークは2つ以上であっ
てもかまわない。例えば、本発明のEL素子における緑
および青色発光部は、青緑色発光のEL構造体と、緑色
透過層または青色透過層との組み合わせにより得られ
る。赤色発光部は、青緑色発光のEL構造体と、このE
L構造体の青緑発光を赤色に近い波長に変換する蛍光変
換層により得ることができる。
【0077】次に、本発明のEL素子15を構成するE
L構造体について説明する。本発明のEL構造体は、透
明電極である電子注入電極と、1種以上の有機層と、ホ
ール注入電極とを有する。有機層は、それぞれ少なくと
も1層のホール輸送層および発光層を有し、例えば、電
子注入輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層を順次
有する。なお、ホール輸送層はなくてもよい。本発明の
EL構造体の有機層は、種々の構成とすることができ、
電子注入・輸送層を省略したり、あるいは発光層と一体
としたり、正孔注入輸送層と発光層とを混合してもよ
い。
【0078】ホール注入電極の材料としては、ホール注
入電極側から発光した光を取り出す構造であるため、I
TO(錫ドープ酸化インジウム)、IZO(亜鉛ドープ
酸化インジウム)、ZnO、SnO2、In23等が挙
げられるが、特にITO、IZOが好ましい。ホール注
入電極の厚さは、ホール注入を十分行える一定以上の厚
さを有すれば良く、通常10〜500nm程度とするこ
とが好ましい。また、ホール注入電極の材料には、素子
の信頼性を向上させるために駆動電圧が低いことが必要
であるが、好ましいものとして、10〜30Ω/□(膜
厚50〜300nm)のITOが挙げられる。実際に使
用する場合には、ITO等のホール注入電極界面での反
射による干渉効果が、光取り出し効率や色純度を十分に
満たすように、電極の膜厚や光学定数を設定すればよ
い。このホール注入電極は、蒸着法等によっても形成で
きるが、スパッタ法により形成されることが好ましい。
スパッタガスは、特に制限されるものではなく、Ar、
He、Ne、Kr、Xe等の不活性ガス、あるいはこれ
らの混合ガスを用いればよい。
【0079】電子注入電極は、スパッタ法等や好ましく
は蒸着法で成膜される仕事関数の小さい金属、化合物ま
たは合金を用いた材料で構成される。例えば、K、L
i、Na、Mg、La、Ce、Ca、Sr、Ba、A
l、Ag、In、Sn、Zn、Zr等の金属元素単体、
または安定性を向上させるためにそれらを含む2成分、
または3成分の合金系を用いることが好ましい。合金系
としては、例えばAg・Mg(Ag:1〜20at
%)、Al・Li(Li:0.3〜14at%)、In
・Mg(Mg:50〜80at%)、Al・Ca(C
a:5〜20at%)等が好ましい。電子注入電極薄膜
の厚さは、電子注入を十分行える一定以上の厚さとすれ
ば良く、0.1nm以上、好ましくは1nm以上とすれ
ばよい。また、その上限値に特に制限はないが、通常、
膜厚は100〜500nm程度とすればよい。
【0080】正孔注入層は、ホール注入電極からの正孔
の注入を容易にする機能を有し、正孔輸送層は、正孔を
輸送する機能および電子を妨げる機能を有し、電荷注入
層、電荷輸送層とも称される。
【0081】電子注入輸送層は、発光層に用いる化合物
の電子注入輸送機能がさほど高くないときなどに設けら
れ、電子注入電極からの電子の注入を容易にする機能、
電子を輸送する機能および正孔を妨げる機能を有する。
【0082】これらの正孔注入層、正孔輸送層および電
子注入輸送層は、発光層へ注入される正孔や電子を増大
・封止し、再結合領域を最適化させ、発光効率を改善す
る働きがある。なお、電子注入輸送層は、注入機能を持
つ層と輸送機能を持つ層とに別個に設けてもよい。
【0083】発光層の厚さ、正孔注入層と正孔輸送層と
を併せた厚さおよび電子注入輸送層の厚さは特に限定さ
れず、形成方法によっても異なるが、通常5〜100n
m程度とすることが好ましい。
【0084】正孔注入層、正孔輸送層の厚さおよび電子
注入輸送層の厚さは、再結合・発光領域の設計による
が、発光層の厚さと同程度もしくは1/10〜10倍程
度とすればよい。正孔注入層、正孔輸送層の厚さ、およ
び、電子注入層と電子輸送層とを分ける場合のそれぞれ
の厚さは、注入層は1nm以上、輸送層は20nm以上
とするのが好ましい。このときの注入層、輸送層の厚さ
の上限は、通常、注入層で100nm程度、輸送層で1
00nm程度である。このような膜厚については注入輸
送層を2層設けるときも同じである。
【0085】また、組み合わせる発光層や電子注入輸送
層や正孔注入輸送層のキャリア移動度やキャリア密度
(イオン化ポテンシャル・電子親和力により決まる)を
考慮しながら膜厚をコントロールすることで、再結合領
域・発光領域を自由に設計することが可能であり、発光
色の設計や、両電極の干渉効果による発光輝度・発光ス
ペクトルの制御や、発光の空間分布の制御を可能にでき
る。
【0086】本発明のEL素子15の発光層には、発光
機能を有する化合物である蛍光性物質を含有させる。こ
の蛍光性物質としては、例えば、特開昭63−2646
92号公報等に開示されているようなトリス(8−キノ
リノラト)アルミニウム(Alq3)等の金属錯体色
素、特開平6−110569号公報(フェニルアントラ
セン誘導体)、特開平6−114456号公報(テトラ
アリールエテン誘導体)、特開平6−100857号公
報、特開平2−247278号公報等に開示されている
ような青緑色発光材料が挙げられる。
【0087】青色発光のEL素子15は、発光層の材料
に発光波長が約400nmの「DMPhen(Trip
henylamine)」を用いるとよい。この際、発
光効率を高める目的で、電子注入層(Bathocup
roine)と正孔注入層(m−MTDATXA)にバ
ンド・ギャップが発光層と同じ材料であるものを採用す
ることが好ましい。これは、バンド・ギャップが3.4
eVと大きいDMPhenを発光層に用いただけでは、
電子は電子注入層に、正孔は正孔注入層にとどまるの
で、発光層で電子と正孔の再結合が起こりにくいからで
ある。DMPhenのようにアミン基を備える発光材料
は構造が不安定で長寿命化し難いという課題に対して
は、DMPhen中で励起したエネルギーをドーパント
に移動させ、ドーパントから発光させることにより解決
できる。
【0088】EL材料として、りん光発光材料を用いる
ことにより発光効率を向上できる。蛍光発光材料は、そ
の外部量子効率が2〜3%程度である。蛍光発光材料は
内部量子効率(励起によるエネルギーが光に変わる効
率)が25%なのに対し、りん光発光材料は100%近
くに達するため、外部量子効率が高くなる。
【0089】また、EL素子の発光層のホスト材料には
CBPを用いるとよい。ここでは赤色(R)や緑色
(G)、青色(B)のりん光発光材料をドーピングして
いる。ドーピングした材料はすべてIrを含む。R材料
はBtp2Ir(acac)、G材料は(ppy)2I
r(acac)、B材料はFIrpicを用いると良
い。
【0090】また、正孔注入層・正孔輸送層には、例え
ば、特開昭63−295695号公報、特開平2−19
1694号公報、特開平3−792号公報、特開平5−
234681号公報、特開平5−239455号公報、
特開平5−299174号公報、特開平7−12622
5号公報、特開平7−126226号公報、特開平8−
100172号公報、EP0650955A1等に記載
されている各種有機化合物を用いることができる。
【0091】なお、上記これらの正孔注入輸送層、発光
層および電子注入輸送層の形成には、均質な薄膜が形成
できることから真空蒸着法を用いることが好ましい。
【0092】(実施の形態3)以下、本発明のEL表示
パネルの製造方法および構造についてさらに詳しく説明
をする。先にも説明したように、まず、アレイ基板49
に画素を駆動するTFT11を形成する。1つの画素は
4個または5個のTFTで構成される。また、画素は電
流プログラムされ、プログラムされた電流がEL素子1
5に供給される。通常、電流プログラムされた値は電圧
値としてコンデンサ19に保持される。このTFT11
の組み合わせなど画素構成については後に説明をする。
次に、TFT11に正孔注入電極としての画素電極48
を形成する。画素電極48はフォトリソグラフィーによ
りパターン化する。なお、TFT11の下層、あるいは
上層にはTFT11に光入射することにより発生するホ
トコンダクタ現象(以後、ホトコンと呼ぶ)による画質
劣化を防止するために、遮光膜を形成または配置する。
【0093】プラスチック基板にTFTを形成するため
には、有機半導体を形成する表面を加工し、炭素と水素
からなるペンタセン分子を利用した電子薄膜を形成すれ
ばよい。この薄膜は、従来の結晶粒の20〜100倍の
大きさを持つとともに、電子デバイス製造に適した十分
な半導体特性を具備する。
【0094】ペンタセン分子は、シリコン基板上で成長
する際に表面の不純物に付着する傾向がある。このた
め、成長が不規則となり、高品質のデバイスを製造する
には小さすぎる結晶粒になる。結晶粒をより大きく成長
させるために、まずシリコン基板の上に、シクロヘキセ
ンと呼ばれる分子の単一層「分子バッファ」を塗布する
とよい。この層がシリコン上の「sticky sit
es(くっつきやすい場所)」を覆うため、清浄な表面
ができてペンタセン分子が非常に大きな結晶粒にまで成
長する。このような新しい結晶粒の大きなペンタセン分
子の薄膜を低い温度で塗布して使うことにより、フレキ
シブルなトランジスタを大量生産することができる。
【0095】また、基板上にゲートとなる金属薄膜を島
状に形成し、この上にアモルファスシリコン膜を蒸着あ
るいは塗布した後、加熱して半導体膜を形成してもよ
い。島状に形成した部分に半導体膜が良好に結晶化す
る。そのため、モビリティが良好となる。
【0096】有機トランジスタ(TFT)として、静電
誘導トランジスタ(SIT)と呼ぶ構造を採用すること
が好ましく、アモルファス状態のペンタセンを使用す
る。正孔の移動度は1×10cm2/Vsと結晶化した
ペンタセンよりも低い。しかし、SIT構造を採用する
ことにより周波数特性を高めることができる。なお、ペ
ンタセンの膜厚は100nm以上300nm以下とする
ことが好ましい。
【0097】また、有機TFTとしてP型電界効果トラ
ンジスタでもよく、プラスチック基板上にTFTを形成
できる。この場合、プラスチック基板ごと折り曲げるこ
とが可能なので、フレキシブルなTFT型表示パネルを
構成できるペンタセンは多結晶状態とすることが好まし
い。また、ゲート絶縁膜の材料にはPMMAを使用する
ことが好ましい。
【0098】洗浄時に酸素プラズマ、O2アッシャーを
使用すると、画素電極48の周辺部の平滑化膜71も同
時にアッシングされ、画素電極48の周辺部がえぐられ
てしまう。この課題を解決するために、本発明では図4
で示すように、画素電極48の周辺部にアクリル樹脂か
らなるエッジ保護膜81を形成している。エッジ保護膜
81の構成材料としては、平滑化膜71を構成するアク
リル系樹脂、ポリイミド樹脂などの有機材料と同一材料
が例示され、その他、SiO2、SiNxなどの無機材
料や、Al23なども例示される。
【0099】エッジ保護膜81は画素電極48のパター
ニング後、画素電極48間を埋めるように形成される。
もちろん、このエッジ保護膜81を2μm以上4μm以
下の高さに形成し、有機EL材料を塗り分ける際のメタ
ルマスクの土手(メタルマスクが画素電極48と直接接
しないようにするスペーサ)としてもよいことは言うま
でもない。
【0100】真空蒸着装置は市販の高真空蒸着装置(日
本真空技術株式会社製、EBV−6DA型)を改造した
装置を用いる。主たる排気装置は排気速度1500リッ
トル/minのターボ分子ポンプ(大阪真空株式会社
製、TC1500)であり、到達真空度は約1×10e
-6Torr( Pa)以下であり、全ての蒸着は2〜
3×10e-6Torr( Pa)の範囲で行う。ま
た、全ての蒸着はタングステン製の抵抗加熱式蒸着ボー
トに直流電源(菊水電子株式会社製、PAK10−70
A)を接続して行うとよい。
【0101】このようにして真空層中に配置したアレイ
基板上に、カーボン膜20〜50nmを成膜する。次
に、正孔注入層として4−(N,N−ビス(p−メチル
フェニル)アミノ)−α−フェニルスチルベンを0.3
nm/sの蒸着速度で膜厚約5nmに形成する。
【0102】正孔輸送層として、N,N’−ビス(4’
−ジフェニルアミノ−4−ビフェニリル)−N,N’−
ジフェニルベンジジン(保土ヶ谷化学株式会社製)と、
4−N,N−ジフェニルアミノ−α−フェニルスチルベ
ンを、それぞれ0.3nm/sおよび0.01nm/s
の蒸着速度で共蒸着して膜厚約80nmに形成する。
【0103】発光層(電子輸送層)として、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウム(同仁化学株式会社製)
を0.3nm/sの蒸着速度で膜厚約40nmに形成す
る。
【0104】次に、電子注入電極として、Al−Li合
金(高純度化学株式会社製、Al/Li重量比99/
1)から低温でLiのみを、約0.1nm/sの蒸着速
度で膜厚約1nmに形成し、続いてそのAl−Li合金
をさらに昇温し、Liが出尽くした状態から、Alのみ
を、約1.5nm/sの蒸着速度で膜厚約100nmに
形成し、積層型の電子注入電極とした。
【0105】このようにして作成した有機薄膜EL素子
は、蒸着槽内を乾燥窒素でリークした後、乾燥窒素雰囲
気下で、コーニング7059ガラス製の封止フタ41を
シール剤45(アネルバ株式会社製、商品名:スーパー
バックシール953−7000)で貼り付けて表示パネ
ルとした。なお、封止フタ41とアレイ基板49との空
間には乾燥剤55を配置する。これは、有機EL膜が湿
度に弱いため、乾燥剤55によりシール剤45を浸透す
る水分を吸収し、有機EL層47の劣化を防止している
のである。
【0106】シール剤45からの水分の浸透を抑制する
ためには外部からの経路(パス)を長くすることが良好
な対策である。このため、本発明の表示パネルでは、表
示領域の周辺部に微細な凹部43、凸部44を形成して
いる。アレイ基板49の周辺部に形成した凸部44は少
なくとも二重に形成する。凸と凸との間隔(形成ピッ
チ)は100μm以上500μm以下に、また、凸の高
さは30μm以上300μm以下とすることが好まし
い。この凸部はスタンパ技術で形成する。このスタンパ
技術にはオムロン社がマイクロレンズ形成方法として採
用している方式、松下電器がCDのピックアップレンズ
で微小レンズの形成方法として用いている方式を応用す
る。
【0107】一方、封止フタ41にも凹部43を形成す
る。凹部43の形成ピッチは凸部44の形成ピッチと同
一にする。このように、形成ピッチを同一にすることで
凹部43に凸部44がちょうどはまり込み、表示パネル
の製造時に封止フタ41とアレイ基板49との間に位置
ずれが発生しない。凹部43と凸部44間にはシール剤
45を配置する。シール剤45は封止フタ41とアレイ
基板49とを接着するとともに、外部からの水分の浸入
を防止する。
【0108】シール剤45としてはUV(紫外線)硬化
型でアクリル系の樹脂からなるものを用いること、ま
た、アクリル樹脂はフッ素基を有するものを用いること
が好ましい。その他、エポキシ系の接着剤あるいは粘着
剤を用いてもよい。接着剤あるいは粘着剤の屈折率は
1.47以上1.54以下のものを用いることが好まし
い。特に、シール接着剤は酸化チタンの微粉末、酸化シ
リコンなどの微粉末を重量比で65%以上95%以下の
割合で添加し、この微粉末の粒子径の平均直径を20μ
m以上100μm以下とすることが好ましい。これは微
粉末の重量比が多くなるほど外部からの湿度の進入を抑
制する効果が高くなるからである。しかし、あまりに多
いと気泡などが入りやすく、かえって空間が大きくなり
シール効果が低下してしまう。
【0109】乾燥剤の重量はシールの長さ10mmあた
り0.04g以上0.2g以下、特に0.06g以上
0.15g以下とすることが望ましい。これは乾燥剤の
量が少なすぎると、水分防止効果が薄れ、すぐに有機E
L層が劣化するためである。逆に多すぎると、乾燥剤が
シールをする際に障害となり、良好なシールを行うこと
ができない。
【0110】図2ではガラスの封止フタ41を用いて封
止する構成であるが、図5のようにフィルムを用いた封
止であってもよい。例えば、封止フィルムとしては電解
コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク
カーボン)を蒸着したものを用いることが例示され
る。このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿)の
で、封止膜73として使用できる。また、DLC膜を透
明電極72の表面に直接蒸着する構成でもよい。薄膜の
膜厚はn・d(nは薄膜の屈折率、複数の薄膜が積層さ
れている場合はそれらの屈折率を総合(各薄膜のn・d
を計算)して計算する。dは薄膜の膜厚、複数の薄膜が
積層されている場合はそれらの屈折率を総合して計算す
る。)が、EL素子15の発光主波長λ以下となるよう
にするとよい。この条件を満たすことにより、EL素子
15からの光取り出し効率が、ガラス基板で封止した場
合に比較して2倍以上になる。また、アルミニウムと銀
の合金あるいは混合物あるいは積層物を形成してもよ
い。
【0111】有機EL層47から発生した光の半分は、
反射膜46で反射され、アレイ基板49を透過して出射
される。しかし、反射膜46は外光を反射するため写り
込みが発生し、表示コントラストを低下させる。この対
策のために、アレイ基板49にλ/4板50および偏光
板54を配置している。なお、画素が反射電極の場合
は、有機EL層47から発生した光は上方向に出射され
る。したがって、λ/4板50および偏光板54は光出
射側に配置されなければならない。なお、反射型画素
は、画素電極48を、アルミニウム、クロム、銀などで
構成して得られる。また、画素電極48の表面に、凸部
(もしくは凹凸部)を設けることで有機EL層47との
界面が広くなって発光面積が大きくなり、発光効率が向
上する。
【0112】アレイ基板49と偏光板(偏光フィルム)
54間には1枚あるいは複数の位相フィルム(位相板、
位相回転手段、位相差板、位相差フィルム)が配置され
る。位相フィルムとしてはポリカーボネートを使用する
ことが好ましい。この位相フィルムは入射光を出射光に
対して位相差を発生させ、効率よく光変調を行うのに寄
与する。
【0113】その他、位相フィルムとして、ポリエステ
ル樹脂、PVA樹脂、ポリサルホン樹脂、塩化ビニール
樹脂、ゼオネックス樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン
樹脂等の有機樹脂板あるいは有機樹脂フィルムなどを用
いてもよい。その他、水晶などの結晶を用いてもよい。
1つの位相板の位相差は一軸方向に50nm以上350
nm以下、さらには80nm以上220nm以下とする
ことが好ましい。
【0114】なお、図5に図示するように、位相フィル
ムと偏光板とを一体化した円偏光板74(円偏光フィル
ム)を用いてもよい。
【0115】λ/4板(位相フィルム)50は染料ある
いは顔料で着色し、カラーフィルタとしての機能をもた
せることが好ましい。特に、有機EL層は赤(R)の純
度が悪いので、着色したλ/4板50で一定の波長範囲
をカットして色温度を調整する。カラーフィルタは、染
色フィルタとして顔料分散タイプの樹脂で設けられるの
が一般的であり、この顔料が特定の波長帯域の光を吸収
して、吸収されなかった波長帯域の光を透過する。
【0116】以上のように、位相フィルムの一部もしく
は全体を着色したり、一部もしくは全体に拡散機能をも
たせてもよい。また、表面をエンボス加工したり、反射
防止のために反射防止膜を形成してもよい。また、画像
表示に有効でない箇所もしくは支障のない箇所に、遮光
膜もしくは光吸収膜を形成し、表示画像の黒レベルをひ
きしめたり、ハレーション防止によるコントラスト向上
効果を発揮させたりすることが好ましい。また、位相フ
ィルムの表面に凹凸を形成することにより、かまぼこ状
あるいはマトリックス状にマイクロレンズを形成しても
よい。マイクロレンズは1つの画素電極あるいは3原色
の画素にそれぞれ対応するように配置する。
【0117】先にも記述したが、カラーフィルタの形成
時に圧延、もしくは光重合により位相差を発生させるこ
とができるので、位相フィルムの機能はカラーフィルタ
に持たせてもよい。その他、図5の平滑化膜71を光重
合させることにより位相差を持たせてもよい。このよう
に構成すれば、位相フィルムを基板外に構成あるいは配
置する必要がなくなり、表示パネルの構成も簡易になり
低コスト化が望める。なお、以上の事項は偏光板54に
も適用できる。
【0118】偏光板54はヨウ素などをポリビニールア
ルコール(PVA)樹脂に添加した樹脂フィルムのもの
が例示される。一対の偏光分離手段の偏光板は入射光の
うち特定の偏光軸方向と異なる方向の偏光成分を吸収す
ることにより偏光分離を行うので、光の利用効率が比較
的悪い。そこで、入射光のうち、特定の偏光軸方向と異
なる方向の偏光成分(reflective pola
rizer:リフレクティブ・ポラライザー)を反射す
ることにより偏光分離を行う反射偏光子を用いてもよ
い。このように構成すれば、反射偏光子により光の利用
効率が高まって、偏光板を用いた上述の例よりもより明
るい表示が可能となる。
【0119】また、このような偏光板や反射偏光子以外
にも、本発明の偏光分離手段としては、コレステリック
液晶層と(1/4)λ板を組み合わせたもの、ブリュー
スターの角度を利用して反射偏光と透過偏光とに分離す
るもの、ホログラムを利用するもの、偏光ビームスプリ
ッタ(PBS)等を用いることも可能である。
【0120】なお、図2では図示していないが、偏光板
54の表面にはAIRコートを施している。
【0121】画素電極48にはTFTが接続されるとし
たがこれに限定されるものではない。アクティブマトリ
ックスには、スイッチング素子として薄膜トランジスタ
(TFT)の他、ダイオード方式(TFD)、バリス
タ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダイオード、
ホトトランジスタ、FET、MOSトランジスタ、PL
ZT素子などでも可能である。つまり、スイッチング素
子、駆動素子を構成するものはこれらのいずれでも使用
することができる。
【0122】また、TFTにはLDD(ロー ドーピン
グ ドレイン)構造を採用することが好ましい。なお、
TFTとは、FETなどスイッチング等のトランジスタ
動作をするすべての素子一般を意味する。また、EL膜
の構成、パネル構造などは単純マトリックス型表示パネ
ルにも適用できる。また、本明細書ではEL素子として
有機EL素子(OEL、PEL、PLED、OLED)
を例にあげて説明するがこれに限定されるものではな
く、無機EL素子にも適用される。
【0123】有機EL表示パネルに用いられるアクティ
ブマトリックス方式は、(1)特定の画素を選択し、必
要な表示情報を与えられること、(2)1フレーム期間
を通じてEL素子に電流を流すことができることという
2つの条件を満たさなければならない。
【0124】この2つの条件を満たすため、図220に
示す従来の有機ELの素子構成において、第1のTFT
11aは画素を選択するためのスイッチング用薄膜トラ
ンジスタ、第2のTFT11bはEL素子15に電流を
供給するための駆動用薄膜トランジスタとする。
【0125】ここで液晶に用いられるアクティブマトリ
ックス方式と比較すると、スイッチング用TFT11a
は液晶用にも必要であるが、駆動用TFT11bはEL
素子15を点灯させるために必要である。この理由とし
て、液晶の場合は、電圧を印加することでオン状態を保
持することができるが、EL素子15の場合は、電流を
流し続けなければ画素16の点灯状態を維持できないか
らである。
【0126】したがって、有機EL表示パネルでは電流
を流し続けるために、駆動用TFT11bをオンさせ続
けなければならない。まず、走査線、データ線が両方と
もオンになると、スイッチング用TFT11aを通して
コンデンサ19に電荷が蓄積される。このコンデンサ1
9が駆動用TFT11bのゲートに電圧を加え続けるた
め、スイッチング用TFT11aがオフになっても、電
流供給線20から電流が流れ続け、1フレーム期間にわ
たり画素16をオンできる。
【0127】この構成を用いて階調を表示させる場合、
駆動用TFT11bのゲート電圧として階調に応じた電
圧を印加する必要がある。したがって、駆動用TFT1
1bのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。
【0128】トランジスタのオン電流は単結晶で形成さ
れたトランジスタであれば極めて均一であるが、安価な
ガラス基板に形成することのできる形成温度が450度
以下の低温ポリシリコン技術で形成した低温多結晶トラ
ンジスタでは、±0.2V〜0.5Vの範囲でその閾値
のばらつきを持つため、駆動用TFT11bを流れるオ
ン電流がこれに対応してばらつき、表示にむらが発生す
る。これらのむらは、閾値電圧のばらつきのみならず、
TFTの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生す
る。また、TFT11の劣化によっても特性は変化す
る。
【0129】したがって、アナログ的に階調を表示させ
る方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性
を厳密に制御する必要があり、現状の低温多結晶ポリシ
リコンTFTではこのばらつきを所定範囲以内に抑える
というスペックを満たせない。この問題を解決するた
め、1画素内に4つのトランジスタを設けて、閾値電圧
のばらつきをコンデンサにより補償させて均一な電流を
得る方法や、定電流回路を1画素ごとに形成し電流の均
一化を図る方法などが考えられる。
【0130】しかしながら、これらの方法は、プログラ
ムされる電流がEL素子15を通じてなされるため、電
流経路が変化した場合に電源ラインに接続されるスイッ
チングトランジスタに対し、駆動電流を制御するトラン
ジスタがソースフォロワとなり駆動マージンが狭くな
る。そのため、駆動電圧が高くなるという課題を有する
ことになる。
【0131】また、電源に接続するスイッチングトラン
ジスタをインピーダンスの低い領域で使用する必要があ
り、この動作範囲がEL素子15の特性変動により影響
を受けるという課題もある。その上、飽和領域における
電圧電流特性に、キンク電流が発生した場合、またはト
ランジスタの閾値電圧の変動が発生した場合、記憶され
た電流値が変動するという課題もある。
【0132】本発明のEL素子構造は、上記課題に対し
て、EL素子15に流れる電流を制御するTFT11
が、ソースフォロワ構成とならず、かつそのトランジス
タにキンク電流があっても、キンク電流の影響を最小限
に抑えることができ、記憶される電流値の変動を小さく
することができる構成である。
【0133】本発明のEL素子構造は、具体的には図6
(a)に示すように、単位画素が最低4つからなる複数
のTFT11ならびにEL素子15により形成される。
なお、画素電極はソース信号線と重なるように構成す
る。つまり、ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアク
リル材料からなる平滑化膜を形成して絶縁し、この絶縁
膜上に画素電極を形成する。このように、ソース信号線
18上に画素電極を重ねる構成をハイアパーチャ(H
A)構造と呼ぶ。
【0134】第1のゲート信号線(第1の走査線)17
aをアクティブ(ON電圧を印加)とすることにより、
第1のTFT(あるいはスイッチング素子)11aおよ
び第3のTFT(あるいはスイッチング素子)11cを
通して、前記EL素子15に流すべき電流値を流し、第
1のTFT11aのゲートとドレイン間を短絡するよう
に第2のTFT11bが第1のゲート信号線17aをア
クティブ(ON電圧を印加)とすることで開くと共に、
第1のTFT11aのゲートとソース間に接続されたコ
ンデンサ19に、前記電流値を流すように第1のTFT
11aのゲート電圧(あるいはドレイン電圧)を記憶す
る。
【0135】なお、第1のTFT11aのソース−ゲー
ト間容量であるコンデンサ19は0.2pF以上の容量
とすることが好ましい。他の構成として別途、コンデン
サ19を形成する例もある。つまり、これはコンデンサ
電極レイヤーとゲート絶縁膜およびゲートメタルから蓄
積容量を形成する構成である。M3トランジスタ11c
のリークによる輝度低下を防止する観点、表示動作を安
定化させるための観点からは、このように別途コンデン
サを構成する方が好ましい。なお、コンデンサ19の大
きさは、0.2pF以上2pF以下、中でも0.4pF
以上1.2pF以下とすることがよい。
【0136】また、コンデンサ19は隣接する画素間の
非表示領域に形成されることが好ましい。一般的に、フ
ルカラー有機EL層を作成する場合、有機EL層をメタ
ルマスクによるマスク蒸着で形成するため、有機EL層
の形成位置にマスク位置ずれが発生し、各色の有機EL
層が重なる危険性がある。そのため、各色の隣接する画
素間の非表示領域は10μm以上離れなければならず、
また、この部分は発光に寄与しない部分となる。したが
って、コンデンサ19をこの領域に形成することは開口
率向上のために有効な手段となる。
【0137】次に、第1のゲート信号線17aを非アク
ティブ(OFF電圧を印加)、第2のゲート信号線17
bをアクティブとして、電流の流れる経路を前記第1の
TFT11aならびにEL素子15に接続された第4の
TFT11dならびに前記EL素子15を含む経路に切
り替えて、記憶した電流を前記EL素子15に流すよう
に動作する。
【0138】この回路は1画素内に4つのTFT11を
有しており、第1のトランジスタM1のゲートは第2の
トランジスタM2のソースに接続されており、第2のト
ランジスタM2および第3のトランジスタM3のゲート
は第1のゲート信号線17aに、第2のトランジスタM
2のドレインは第3のトランジスタM3のソースならび
に第4のトランジスタM4のソースに接続され、第3の
トランジスタM3のドレインはソース信号線18に接続
されている。第4のトランジスタM4のゲートは第2の
ゲート信号線17bに接続され、第4のトランジスタM
4のドレインはEL素子15のアノード電極に接続され
ている。
【0139】なお、図6ではすべてのTFTはPチャン
ネルで構成している。Pチャンネルは多少、Nチャンネ
ルのTFTと比較してモビリティが低いが、耐圧が大き
くまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発
明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに
限定されるものではない。Nチャンネルのみで構成して
もよいし(図74、図126、図127などを参照)、
また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成
してもよい。
【0140】なお、第3および第4のトランジスタは同
一の極性で構成し、かつNチャンネルで構成し、第1お
よび第2のトランジスタはPチャンネルで構成すること
が好ましい。一般的に、PチャンネルトランジスタはN
チャンネルトランジスタと比較して、信頼性が高い、キ
ンク電流が少ないなどの特長があり、電流を制御するこ
とによって目的とする発光強度を得るEL素子に対して
は、第1のTFT11aをPチャンネルにすると効果が
大きくなる。
【0141】(実施の形態4)以下、本発明のEL素子
構成について図7を用いて説明する。本発明のEL素子
構成は2つのタイミングにより制御される。第1のタイ
ミングは、必要な電流値を記憶させるタイミングであ
る。このタイミングでTFT11bならびにTFT11
cがONすることにより、等価回路として図7(a)と
なる。ここで、信号線より所定の電流I1が書き込ま
れ、TFT11aはゲートとドレインが接続された状態
となり、このTFT11aとTFT11cを通じて電流
I1が流れる。したがって、TFT11aのゲート−ソ
ース間の電圧は電流I1が流れるようにV1となる。
【0142】第2のタイミングは、TFT11aとTF
T11cが閉じ、TFT11dが開くタイミングであ
り、そのときの等価回路は図7(b)となる。この場
合、M1のTFT11aは常に飽和領域で動作するため
電流I1は一定となり、TFT11aのソース−ゲート
間の電圧V1は保持されたままとなる。
【0143】なお、TFT11aのゲートとTFT11
cのゲートは同一のゲート信号線17aに接続してい
る。しかし、TFT11aのゲートとTFT11cのゲ
ートとを異なるゲート信号線17bに接続してもよい
(SA1とSA2とを個別に制御できるようにする)。
つまり、1画素のゲート信号線は3本となる(図6の構
成は2本である)。TFT11aのゲートのON/OF
FタイミングとTFT11cのゲートのON/OFFタ
イミングを個別に制御することにより、TFT11のば
らつきによるEL素子15の電流値ばらつきをさらに低
減することができる。
【0144】第1のゲート信号線17aと第2のゲート
信号線17bとを共通にし、第3および第4のトランジ
スタを異なった導電型(NチャンネルとPチャンネル)
とすると、駆動回路の簡略化、ならびに画素の開口率を
向上させることが出来る。このように構成すれば、本発
明の動作タイミングとしては信号線からの書き込み経路
がオフになる。すなわち、所定の電流が記憶される際
に、電流の流れる経路に分岐があると、正確な電流値が
M1のソース−ゲート間容量(コンデンサ)に記憶され
ない。第3のトランジスタM3と第4のトランジスタM
4を異なった導電形とし、お互いの閾値を制御すること
によって走査線の切り替わりのタイミングで必ずM3が
オフした後にM4がオンすることを可能にする。ただし
この場合、お互いの閾値を正確にコントロールする必要
があるのでプロセスへの注意を要する。
【0145】なお、以上述べた回路は最低4つのトラン
ジスタで実現可能であるが、より正確なタイミングのコ
ントロールあるいは後述するように、ミラー効果低減の
ためにTFT11e(M5)を図6(b)に示すように
カスケード接続してトランジスタの総数を4以上にして
も動作原理は同じである。このように、TFT11eを
加えた構成とすることにより、第3のトランジスタM3
を介してプログラムした電流をより精度よくEL素子1
5に流すことができるようになる。
【0146】図6の構成において、第1のTFT11a
の飽和領域における電流値Idsが下式の条件を満たす
ことがさらに好ましい。なお、下式においてλの値は、
隣接する画素間において、0.01以上0.06以下の
条件を満たす。
【0147】Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+
Vds*λ) 本発明では、TFT11aの動作範囲を飽和領域に限定
するが、一般的に飽和領域におけるトランジスタ特性
は、理想的な特性より外れ、ソース−ドレイン間電圧の
影響を受ける(ミラー効果)。
【0148】隣接する画素におけるそれぞれのTFT1
1aにΔVtなる閾値のシフトが発生した場合を考え
る。この場合、記憶される電流値は同じである。閾値の
シフトをΔLとすれば、約ΔV×λはTFT11aの閾
値が変動することによる、EL素子15の電流値のずれ
に相当する。したがって、電流のずれをx(%)以下に
抑えるためには、閾値のシフトの許容量を隣接する画素
間でy(V)として、λは0.01×x/y以下でなけ
ればならないことが判る。この許容値はアプリケーショ
ンの輝度により変化する。輝度が100cd/m2〜1
000cd/m2までの輝度領域においては、変動量が
2%以上あれば人間は変動した境界線を認識する。した
がって、輝度(電流量)の変動量が2%以内であること
が必要である。輝度が100cd/cm2より高い場合
は隣接する画素の輝度変化量は2%以上となる。本発明
のEL表示素子を携帯端末用ディスプレイとして用いる
場合、その要求輝度は100cd/m2程度である。実
際に、図6の画素構成を試作し、閾値の変動を測定する
と、隣接する画素のTFT11aにおいては閾値の変動
の最大値は0.3Vであることが判った。したがって、
輝度の変動を2%以内に抑えるためにはλは0.06以
下でなければならない。しかし、人間が変化を認識する
ことができないので、0.01以下にする必要はない。
また、この閾値のばらつきを達成するためにはトランジ
スタサイズを十分大きくする必要があり、非現実的であ
る。
【0149】また、第1のTFT11aの飽和領域にお
ける電流値Idsが下式を満たすように構成されること
が好ましい。なお、λの変動は隣接する画素間において
1%以上5%以下とする。
【0150】Ids=k*(Vgs−Vth)2(1+
Vds*λ) 隣接する画素間において、たとえ閾値の変動が存在しな
い場合でも上記式のλに変動があれば、EL素子を流れ
る電流値が変動する。変動を±2%以内に抑えるために
は、λの変動を±5%に抑えなければならない。しか
し、人間が変化を認識することができないので、1%以
下にする必要はない。また、1%以下を達成するために
はトランジスタサイズを相当に大きくする必要があり、
非現実的である。
【0151】また、実験、アレイ試作および検討によれ
ば、第1のTFT11aのチャンネル長を10μm以上
200μm以下、さらには、15μm以上150μm以
下とすることが好ましい。これは、チャンネル長Lを長
くした場合、チャンネルに含まれる粒界が増えることに
よって電界が緩和され、キンク効果が低く抑えられるた
めであると考えられる。
【0152】また、画素を構成するTFT11が、レー
ザー再結晶化方法(レーザアニール)により形成された
ポリシリコンTFTで形成され、すべてのトランジスタ
におけるチャンネルの方向がレーザーの照射方向に対し
て同一の方向であることが好ましい。
【0153】本発明の目的は、トランジスタ特性のばら
つきが表示に影響を与えない回路構成を提案するもので
あり、そのためにトランジスタが4つ以上必要である。
これらのトランジスタ特性により回路定数を決定する場
合、4つのトランジスタの特性がそろわなければ、適切
な回路定数を求めることが困難である。レーザー照射の
長軸方向に対して、チャンネル方向が水平の場合と垂直
の場合では、トランジスタ特性の閾値と移動度が異なっ
て形成される。なお、どちらの場合もばらつきの程度は
同じである。水平方向と垂直方向では移動度、閾値の平
均値が異なるので、画素を構成するすべてのトランジス
タのチャンネル方向は同一である方が望ましい。
【0154】また、コンデンサ19の容量値をCs、第
2のTFT11bのオフ電流値をIoffとした場合、
次式を満たすことが好ましい。
【0155】3<Cs/Ioff<24 さらに好ましくは、次式を満たすことが好ましい。
【0156】6<Cs/Ioff<18 TFT11bのオフ電流を5pA以下とすることによ
り、EL素子を流れる電流値の変化を2%以下に抑える
ことが可能である。これはリーク電流が増加すると、電
圧非書き込み状態においてゲート−ソース間(コンデン
サの両端)に貯えられた電荷を1フィールド間保持でき
ないためである。したがって、コンデンサ19の蓄積用
容量が大きければオフ電流の許容量も大きくなる。前記
式を満たすことによって隣接画素間の電流値の変動を2
%以下に抑えることができる。
【0157】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがp−chポリシリコン薄膜トランジスタ
によって構成され、TFT11bがデュアルゲート構造
以上であるマルチゲート構造とされることが好ましい。
TFT11bは、TFT11aのソース−ドレイン間の
スイッチとして作用するため、できるだけON/OFF
比の高い特性が要求される。この要求を満たすために、
TFT11bのゲートの構造をマルチゲート構造とする
ことでON/OFF比の高い特性を実現できるようにな
るのである。
【0158】また、アクティブマトリックスを構成する
トランジスタがポリシリコン薄膜トランジスタで構成さ
れており、各トランジスタの(チャンネル幅W)*(チ
ャンネル長L)を54μm2以下とすることが好まし
い。(チャンネル幅W)*(チャンネル長L)とトラン
ジスタ特性のばらつきとは相関がある。トランジスタ特
性におけるばらつきの原因は、レーザーの照射によるエ
ネルギーのばらつきなどに起因するものが多く、これを
吸収するためには、できるだけレーザーの照射ピッチ
(一般的には10数μm)をチャンネル内により多く含
む構造とすることが望ましい。そこで、各トランジスタ
の(チャンネル幅W)*(チャンネル長L)を54μm
2以下とすることによりレーザー照射に起因するばらつ
きがなく、特性のそろった薄膜トランジスタを得ること
ができる。なお、あまりにもトランジスタサイズが小さ
くなると面積による特性ばらつきが発生するので、各ト
ランジスタの(チャンネル幅W)*(チャンネル長L)
は9μm2以上、さらには、16μm2以上45μm2
下となるようにすることが好ましい。
【0159】また、隣接する単位画素での第1のTFT
11aの移動度変動を20%以下にすることが好まし
い。なぜなら、移動度が不足することによりスイッチン
グトランジスタの充電能力が劣化し、時間内に必要な電
流値を流すまでに、第1のトランジスタM1のゲート−
ソース間の容量が充電できないからである。したがっ
て、移動のばらつきを20%以内に抑えることで画素間
の輝度のばらつきを認知限以下にすることができる。
【0160】以上、図6を画素構成として説明したが、
これらは図8、図9に図示する構成にも適用することが
できる。以下、図8などの画素構成について説明する。
【0161】EL素子15に流す電流を設定する時、変
換用TFT11aに流す信号電流をIw、その結果、変
換用TFT11aに生ずるゲート−ソース間電圧をVg
sとする。書き込み時はTFT11dによって変換用T
FT11aのゲート−ドレイン間が短絡されているの
で、変換用TFT11aは飽和領域で動作する。よっ
て、信号電流Iwは、以下の式で与えられる。
【0162】 (数1) Iw=μ1・Cox1・W1/L1/2(Vgs−Vth1)2 ここでのCoxは単位面積当たりのゲート容量であり、
Cox=ε0・εr/dで与えられる。VthはTFT
の閾値、μはキャリアの移動度、Wはチャンネル幅、L
はチャンネル長、ε0は真空の移動度、εrはゲート絶
縁膜の比誘電率を示し、dはゲート絶縁膜の厚みであ
る。
【0163】EL素子15に流れる電流をIddとする
と、Iddは、EL素子15と直列に接続される駆動用
TFT11bによって電流レベルが制御される。本発明
では、そのゲート−ソース間電圧が(数1)式のVgs
に一致するので、駆動用TFT11bが飽和領域で動作
すると仮定すれば、以下の式が成り立つ。
【0164】 (数2) Idrv=μ2・Cox2・W2/L2/2(Vgs−Vth2) 2 絶縁ゲート電界効果型の薄膜トランジスタ(TFT)が
飽和領域で動作するための条件は、Vdsをドレイン−
ソース間電圧として、一般に以下の式で与えられる。
【0165】 (数3) |Vds|>|Vgs−Vth| ここで、変換用TFT11aと駆動用TFT11bは、
小さな画素内部に近接して形成されるため、大略μ1=
μ2及びCox1=Cox2であり、特に工夫を凝らさ
ない限り、Vth1=Vth2と考えられる。すると、
このとき(数1)式及び(数2)式から容易に以下の式
が導かれる。
【0166】 (数4) Idrv/Iw=(W2/L2)/(W1/L1) ここで注意すべき点は、(数1)式及び(数2)式にお
いて、μ、Cox、Vthの値自体は、画素毎、製品
毎、あるいは製造ロット毎にばらつくのが普通である
が、(数4)式はこれらのパラメータを含まないので、
Idrv/Iwの値はこれらのばらつきに依存しないと
いうことである。仮に、W1=W2、L1=L2と設計
すれば、Idrv/Iw=1、すなわちIwとIdrv
が同一の値となり、EL素子15に流れる駆動電流Id
dは、TFTの特性ばらつきによらず、正確に信号電流
Iwと同一になるので、結果としてEL素子15の発光
輝度を正確に制御できる。
【0167】以上のように、変換用TFT11aの閾値
Vth1と駆動用TFT11bの閾値Vth2は基本的
に同一である為、両TFTにおける共通電位にあるゲー
トに対してカットオフレベルの信号電圧が印加される
と、変換用TFT11a及び駆動用TFT11bは共に
非導通状態になるはずである。ところが、実際には画素
内でもパラメータのばらつきなどの要因により、Vth
1よりもVth2が低くなってしまうことがある。この
時、駆動用TFT11bにサブスレッショルドレベルの
リーク電流が流れる為、EL素子15が微発光を呈す
る。この微発光により画面のコントラストが低下し、表
示特性が損なわれる。
【0168】本発明では特に、駆動用TFT11bの閾
電圧Vth2が画素内で対応する変換用TFT11aの
閾電圧Vth1より低くならないように設定している。
例えば、駆動用TFT11bのゲート長L2を変換用T
FT11aのゲート長L1よりも長くして、これらの薄
膜トランジスタのプロセスパラメータが変動しても、V
th2がVth1よりも低くならないようにしており、
微少な電流リークを抑制することが可能である。以上の
事項は図6の変換用TFT11aとTFT11dの関係
にも適用される。
【0169】図8に示すように、信号電流が流れる変換
用TFT11a、EL素子15等からなる発光素子に流
れる駆動電流を制御する駆動用TFT11bの他、第1
の走査線scanA(SA)の制御によって画素回路と
データ線dataとを接続もしくは遮断する取込用TF
T11c、第2の走査線scanB(SB)の制御によ
って書き込み期間中に変換用TFT11aのゲート−ド
レイン間を短絡するスイッチング用TFT11d、変換
用TFT11aのゲート−ソース間電圧を書き込み終了
後も保持するためのコンデンサ19および発光素子とし
てのEL素子15などから構成される。このように、ゲ
ート信号線は各画素2本であることから、前述した図6
などに基づく本発明の明細書全体の構成、機能、動作な
どを適用することができる。
【0170】図8における取込用TFT11cはNチャ
ンネルMOS(NMOS)、その他のトランジスタはP
チャンネルMOS(PMOS)で構成されているが、こ
れは一例であって、必ずしもこの通りである必要はな
い。コンデンサ19は、その一方の端子が変換用TFT
11aのゲートに接続され、他方の端子はVdd(電源
電位)に接続されているが、Vddに限らず任意の一定
電位でも良い。EL素子15のカソード(陰極)は接地
電位に接続されている。したがって、以上の事項は図6
などにも適用されることは言うまでもない。
【0171】EL素子15の端子電圧は温度によっても
変化する。通常、温度が低い時は高く、温度が高くなる
につれて低くなる。この傾向はリニアの関係にある。し
たがって、Vdd電圧を外部温度によって(正確にはE
L素子15の温度によって)調整することが好ましい。
温度センサで外部温度を検出し、Vdd電圧発生部のフ
ィードバックをかけてVdd電圧を変化させる。Vdd
電圧は摂氏10℃の変化で、2%以上8%以下、中でも
3%以上6%以下とすることが好ましい。
【0172】なお、図6などのVdd電圧はTFT11
のオフ電圧よりも低くすることが好ましい。具体的に
は、Vgh(ゲートのオフ電圧)は少なくともVdd−
0.5Vよりも高くするべきである。これよりも低いと
TFTのオフリークが発生し、レーザアニールのショッ
トむらが目立つようになる。また、あまりにも高いと逆
にオフリーク量が増加するので、Vdd+4Vよりも低
くすべきである。したがって、ゲートのオフ電圧Vg
h、つまり、図6におけるVdd電源電圧は、−0.5
V以上+4V以下、さらに好ましくは0V以上+2V以
下とすべきであり、ゲート信号線に印加するTFTのオ
フ電圧が、十分オフになるようにする。TFTがNチャ
ンネルの場合は、Vglがオフ電圧となるので、Vgl
はGND電圧に対して−4V以上0.5V以下、さらに
は−2V以上0V以下の範囲となるようにすることが好
ましい。
【0173】以上、図6の電流プログラムの画素構成に
ついて述べたが、これに限定されるものではなく、図7
4、図76などの電圧プログラムの画素構成にも適用で
きることは言うまでもない。なお、電圧プログラムのV
tオフセットキャンセルは、R、G、Bごとに個別に補
償することが好ましい。
【0174】図8の構成は、走査線scanA及びsc
anBを順次選択する走査線駆動回路と、輝度情報に応
じた電流レベルを有する信号電流Iwを生成して逐次デ
ータ線dataに供給する電流源CSを含むデータ線駆
動回路と、各走査線scanA、scanB及び各デー
タ線dataの交差部に配されて、駆動電流の供給を受
けて発光する電流駆動型のEL素子15を含む複数の画
素とを備えている。
【0175】特徴事項として図8に示した画素構成は、
当該走査線scanAが選択された時、当該データ線d
ataから信号電流Iwを取り込む受入部(具体的に
は、取込用TFT11cから構成される)と、取り込ん
だ信号電流Iwの電流レベルを一旦電圧レベルに変換し
て保持する変換部と、保持された電圧レベルに応じた電
流レベルを有する駆動電流を当該発光素子OLED(他
に、EL、OEL、PEL、PLEDと略称する場合が
ある)に流す駆動部とからなる。
【0176】前記変換部は、ゲート、ソース、ドレイン
及びチャネルを備えた変換用TFT11aと、そのゲー
トに接続したコンデンサ19とを含んでいる。変換用T
FT11a、受入部によって取り込まれた信号電流Iw
をチャネルに流して変換された電圧レベルをゲートに発
生させ、コンデンサ19に生じた電圧レベルを保持す
る。
【0177】また、前記変換部は、変換用TFT11a
のドレインとゲートとの間に挿入されたスイッチング用
TFT11dを含んでいる。スイッチング用TFT11
dは、信号電流Iwの電流レベルを電圧レベルに変換す
る時に導通し、変換用TFT11aのドレインとゲート
を電気的に接続してソースを基準とする電圧レベルを変
換用TFT11aのゲートに生ぜしめる。又、スイッチ
ング用TFT11dは、電圧レベルをコンデンサ19に
保持する時に遮断され、変換用TFT11aのゲート及
びこれに接続したコンデンサ19を変換用TFT11a
のドレインから切り離す。
【0178】また、前記駆動部は、ゲート、ドレイン、
ソース及びチャネルを備えた駆動用TFT11bを含ん
でいる。駆動用TFT11bは、コンデンサ19に保持
された電圧レベルをゲートに受け入れ、それに応じた電
流レベルを有する駆動電流がチャネルを介してEL素子
15に流れる。変換用TFT11aのゲートと駆動用T
FT11bのゲートとが直接接続されてカレントミラー
回路を構成し、信号電流Iwの電流レベルと駆動電流の
電流レベルとが比例関係となるようにしている。
【0179】駆動用TFT11bは飽和領域で動作し、
そのゲートに印加された電圧レベルと閾電圧との差に応
じた駆動電流をEL素子15に流す。
【0180】駆動用TFT11bは、その閾電圧が画素
内で対応する変換用TFT11aの閾電圧より低くなら
ないように設定されている。具体的には、駆動用TFT
11bは、そのゲート長が変換用TFT11aのゲート
長より短くならないように設定されている。あるいは、
駆動用TFT11bは、そのゲート絶縁膜が画素内で対
応する変換用TFT11aのゲート絶縁膜より薄くなら
ないように設定されても良い。
【0181】また、駆動用TFT11bは、そのチャネ
ルに注入される不純物濃度を調整して、閾電圧が画素内
で対応する変換用TFT11aの閾電圧より低くならな
いように設定されてもよい。仮に、変換用TFT11a
と駆動用TFT11bの閾電圧が同一となるように設定
した場合、共通接続された両薄膜トランジスタのゲート
にカットオフレベルの信号電圧が印加されると、変換用
TFT11a及び駆動用TFT11bは両方共オフ状態
になるはずである。ところが、実際には画素内にも僅か
ながらプロセスパラメータのばらつきがあり、変換用T
FT11aの閾電圧より駆動用TFT11bの閾電圧が
低くなる場合がある。
【0182】この時には、カットオフレベル以下の信号
電圧でもサブスレッショルドレベルの微弱電流が駆動用
TFT11bに流れる為、EL素子15は微発光し、画
面のコントラスト低下が現れる。そこで、駆動用TFT
11bのゲート長を変換用TFT11aのゲート長より
も長くしている。これにより、薄膜トランジスタのプロ
セスパラメータが画素内で変動しても、駆動用TFT1
1bの閾電圧が変換用TFT11aの閾電圧よりも低く
ならない。
【0183】ゲート長Lが比較的短い短チャネル効果領
域Aでは、ゲート長Lの増加に伴いTFTの閾値Vth
が上昇する。一方、ゲート長Lが比較的大きな抑制領域
Bではゲート長Lに関わらず、TFTの閾値Vthはほ
ぼ一定である。この特性を利用して、駆動用TFT11
bのゲート長を変換用TFT11aのゲート長よりも長
くしている。例えば、変換用TFT11aのゲート長が
7μmの場合、駆動用TFT11bのゲート長を10μ
m程度にする。
【0184】変換用TFT11aのゲート長が短チャネ
ル効果領域Aに属する一方、駆動用TFT11bのゲー
ト長が抑制領域Bに属するようにしても良い。これによ
り、駆動用TFT11bにおける短チャネル効果を抑制
することができるとともに、プロセスパラメータの変動
による閾電圧低減を抑制可能とする。以上により、駆動
用TFT11bに流れるサブスレッショルドレベルのリ
ーク電流を抑制してEL素子15の微発光を抑え、コン
トラスト改善に寄与可能である。
【0185】図8に示した画素回路の駆動方法を簡潔に
説明する。先ず、書き込み時には第1の走査線scan
A、第2の走査線scanBを選択状態とする。両走査
線が選択された状態でデータ線dataに電流源CSを
接続することにより、変換用TFT11aに輝度情報に
応じた信号電流Iwが流れる。電流源CSは輝度情報に
応じて制御される可変電流源である。このとき、変換用
TFT11aのゲート−ドレイン間はスイッチング用T
FT11dによって電気的に短絡されているので(数
3)式が成立し、変換用TFT11aは飽和領域で動作
する。したがって、そのゲート−ソース間には(数1)
式で与えられる電圧Vgsが生ずる。
【0186】次に、第1の走査線scanA、第2の走
査線scanBを非選択状態とする。詳しく述べると、
まず第2の走査線scanBを低レベルとしてスイッチ
ング用TFT11dをoff状態とする。これによっ
て、電圧Vgsがコンデンサ19によって保持される。
次に、第1の走査線scanAを高レベルにしてoff
状態とすることにより、画素回路とデータ線dataと
が電気的に遮断されるので、その後はデータ線data
を介して別の画素への書き込みを行うことができる。こ
こで、電流源CSが信号電流の電流レベルとして出力す
るデータは、第2の走査線scanBが非選択となる時
点では有効とされるが、その後は任意のレベル(例え
ば、次の画素の書き込みデータ)とされて良い。
【0187】駆動用TFT11bは変換用TFT11a
とゲート及びソースが共通接続されており、かつ共に小
さな画素内部に近接して形成されているので、駆動用T
FT11bが飽和領域で動作していれば、駆動用TFT
11bを流れる電流は(数2)式で与えられ、これがす
なわちEL素子15に流れる駆動電流Iddとなる。駆
動用TFT11bを飽和領域で動作させるには、EL素
子15での電圧降下を考慮してもなお(数3)式が成立
するよう、十分な電源電位をVdd電圧に与えれば良
い。
【0188】なお、図6(b)などと同様に、インピー
ダンスを増大させることなどを目的として、図9に図示
するように、TFT11e、11fを付加しても良く、
これによりより良好な電流駆動を実現できる。他の事項
は図6で説明しているで省略する。
【0189】このようにして作製した図6、図8などで
説明したEL表示素子に直流電圧を印加し、10mA/
cm2の一定電流密度で連続駆動させた。EL構造体に
おいては、7.0V、200cd/cm2の緑色(発光
極大波長λmax=460nm)の発光が確認できた。
青色発光部では、輝度100cd/cm2で、色座標が
x=0.129、y=0.105、緑色発光部では、輝
度200cd/cm2で、色座標がx=0.340、y
=0.625、赤色発光部では、輝度100cd/cm
2で、色座標がx=0.649、y=0.338の発光
色が得られた。
【0190】(実施の形態5)以下、図6、図8、図9
などを用いた表示装置、表示モジュール、情報表示装置
およびその駆動回路と駆動方法などについて説明をす
る。
【0191】フルカラー有機EL表示パネルでは、開口
率の向上が重要な開発課題になる。開口率を高めると光
の利用効率が上がり、高輝度化や長寿命化につながるた
めである。開口率を高めるためには、有機EL層からの
光を遮るTFTの面積を小さくすればよい。低温多結晶
Si−TFTはアモルファスシリコンと比較して10〜
100倍の性能を持ち、その上、電流の供給能力が高い
ため、TFTのサイズを非常に小さくできる。したがっ
て、有機EL表示パネルでは、画素トランジスタ、周辺
駆動回路を低温ポリシリコン技術で作製することが好ま
しい。もちろん、アモルファスシリコン技術で形成して
もよいが画素開口率はかなり小さくなってしまう。
【0192】ゲートドライバ12あるいはソースドライ
バ14などの駆動回路をアレイ基板49上に形成するこ
とにより、電流駆動の有機EL表示パネルで特に問題に
なる抵抗を下げることができる。つまり、TCPの接続
抵抗がなくなる上に、TCP接続の場合に比べて電極か
らの引き出し線が2〜3mm短くなり、配線抵抗が小さ
くなる。さらに、TCP接続のための工程がなくなる、
材料コストが下がるという利点がある。
【0193】(実施の形態6)次に、本発明のEL表示
パネルあるいはEL表示装置について説明をする。図1
0はEL表示装置の回路を中心とした説明図である。画
素16がマトリックス状に配置または形成されている。
各画素16には各画素の電流プログラムを行う電流を出
力するソースドライバ14が接続されている。ソースド
ライバ14の出力段には映像信号のビット数に対応した
カレントミラー回路が形成されている。例えば、64階
調であれば、63個のカレントミラー回路が各ソース信
号線ごとに形成され、これらのカレントミラー回路の個
数を選択することにより所望の電流をソース信号線18
に印加できるように構成されている。なお、1つのカレ
ントミラー回路の最小出力電流は10nA以上50nA
以下、特に15nA以上35nA以下にすることがよ
い。これはソースドライバ14内のカレントミラー回路
を構成するトランジスタの精度を確保するためである。
【0194】また、ソース信号線18の電荷を強制的に
放出または充電するプリチャージあるいはディスチャー
ジ回路を内蔵する。この回路の電圧(電流)出力値は、
EL素子15の閾値がRGBで異なるので、R、G、B
で独立して設定できるように構成することが好ましい。
【0195】以上、今までに説明してきた画素構成、ア
レイ構成、パネル構成などは、この後に説明する構成、
方法、装置に適用されることは言うまでもない。
【0196】有機EL素子には大きな温度依存性特性
(温特)があることが知られている。この温特による発
光輝度変化を調整するため、カレントミラー回路に出力
電流を変化させるサーミスタあるいはポジスタなどの非
直線素子を付加し、温特による変化を前記サーミスタな
どで調整することによりアナログ的に基準電流を作成す
る。この場合、選択するEL材料で一義的に決定される
ので、ソフト制御するマイコンなどを必要としない場合
が多い。つまり、液晶材料により、一定のシフト量など
に固定しておいてもよいということである。重要なのは
発光色材料により温特が異なっている点であり、発光色
(R、G、B)ごとに最適な温特補償を行う必要がある
点である。
【0197】R、G、BのEL素子15の温特はない方
が好ましいのは言うまでもないが、各EL素子の温特は
一定範囲内にする必要がある。少なくともR、G、Bの
温特方向が同一方向か、もしくは変化しないようにす
る。また、変化は各色とも摂氏10℃の変化で、2%以
上8%以下、中でも3%以上6%以下とすることが好ま
しい。
【0198】あるいは、温特補償をマイコンで行っても
よい。温度センサでEL表示パネルの温度を測定し、測
定した温度によりマイコン(図示せず)などで変化させ
る。また、切り替え時に基準電流などをマイコン制御な
どにより自動的に切り替えてもよいし、特定のメニュー
を表示できるように制御してもよい。また、マウスなど
を用いて切り替えたり、EL表示装置の表示画面をタッ
チパネルにし、かつメニューを表示して特定箇所を押さ
えることにより切り替えできるように構成してもよい。
【0199】本発明において、ソースドライバ14は半
導体シリコンチップで形成され、ガラスオンチップ(C
OG)技術でアレイ基板49のソース信号線18の端子
と接続されている。ソース信号線18などの信号線の配
線にはクロム、アルミニウム、銀などの金属配線が用い
られる。これは細い配線幅で低抵抗の配線が得られるか
らである。金属配線は画素が反射型の場合は工程が簡略
できるので、画素の反射膜を構成する材料で、反射膜と
同時に形成することが好ましい。
【0200】本発明はCOG技術に限定されるものでは
なく、チップオンフィルム(COF)技術に前述のソー
スドライバ14などを積載し、表示パネルの信号線と接
続した構成としてもよい。また、ソースドライバ14は
電源IC102を別途作製し、3チップ構成としてもよ
い。
【0201】また、TCFテープを用いてもよい。TC
Fテープ向けフィルムは、ポリイミド・フィルムと銅
(Cu)箔を、接着剤を使わずに熱圧着することができ
る。また、TCPテープ向けフィルムにはこの他、Cu
箔の上に溶解したポリイミドを重ねてキャスト成型する
方法と、ポリイミド・フィルム上にスパッタリングで形
成した金属膜の上にCuをメッキや蒸着で付ける方法が
ある。これらのいずれでもよいが、接着剤を使わずにポ
リイミド・フィルムにCuを付けるTCPテープを用い
る方法が最も好ましい。30μm以下のリード・ピッチ
には、接着剤を使わないCu貼り積層板で対応する。こ
の接着剤を使わないCu貼り積層板の形成方法の中で、
Cu層をメッキや蒸着で形成する方法がCu層の薄型化
に適しているため、リード・ピッチの微細化に有利であ
る。
【0202】一方、ゲートドライバ12は低温ポリシリ
コン技術で、画素のTFTと同一のプロセスで形成され
ている。これは、ソースドライバ14と比較して内部の
構造が容易で、動作周波数も低いためである。したがっ
て、低温ポリシリコン技術でも容易に形成することがで
き、また、狭額縁化を実現できる。もちろん、ゲートド
ライバ12をシリコンチップで形成し、COG技術など
を用いてアレイ基板49上に実装してもよい。また、画
素TFTなどのスイッチング素子、ゲートドライバなど
は高温ポリシリコン技術で形成されてもよく、有機材料
で形成(有機TFT)されてもよい。
【0203】ゲートドライバ12はゲート信号線17a
用のシフトレジスタ22aと、ゲート信号線17b用の
シフトレジスタ22bとを内蔵する。各シフトレジスタ
22は正相と負相のクロック信号(CLKxP、CLK
xN)と、スタートパルス(STx)で制御される。そ
の他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブ
ル(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアッ
プダウン(UPDWM)信号を付加することが好まし
い。またその他にも、スタートパルスがシフトレジスタ
にシフトされ、そして出力されていることを確認する出
力端子などを設けることが好ましい。なお、シフトレジ
スタのシフトタイミングはコントロールIC(図示せ
ず)からの信号で制御される。また、外部データのレベ
ルシフトを行うレベルシフト回路と検査回路を内蔵す
る。
【0204】シフトレジスタ22のバッファ容量は小さ
いため、直接にはゲート信号線17を駆動することがで
きない。そのため、シフトレジスタ22の出力とゲート
信号線17を駆動する出力ゲート24間には少なくとも
2つ以上のインバータ回路23が形成されている。
【0205】ソースドライバ14を低温ポリシリコンな
どのポリシリコン技術でアレイ基板49上に直接形成す
る場合も同様であり、ソース信号線を駆動するトランス
ファーゲートなどのアナログスイッチのゲートとソース
ドライバのシフトレジスタ22間には複数のインバータ
回路23が形成される。以下の事項(シフトレジスタの
出力と、信号線を駆動する出力段(出力ゲートあるいは
トランスファーゲートなどの出力段間に配置されるイン
バータ回路に関する事項)は、ソースドライバおよびゲ
ートドライバ回路に共通の事項である。例えば、図10
ではソースドライバ14の出力が直接ソース信号線18
に接続されているように図示したが、実際には、ソース
ドライバのシフトレジスタ22の出力には多段のインバ
ータ回路23が接続されて、インバータ回路の出力には
トランスファーゲートなど、アナログスイッチのゲート
が接続されている。
【0206】インバータ回路23はPチャンネルのMO
SトランジスタとNチャンネルのMOSトランジスタか
ら構成される。先にも説明したように、ゲートドライバ
12のシフトレジスタ22の出力端にはインバータ回路
23が多段に接続されており、その最終出力が出力ゲー
ト24に接続されている。なお、インバータ回路23は
Pチャンネルのみで構成してもよい。ただしこの場合
は、インバータ回路ではなく単なるゲート回路として構
成してもよい。
【0207】各インバータ回路23を構成するPチャン
ネルまたはNチャンネルのTFTのチャンネル幅をW、
チャンネル長をL(ダブルゲート以上の場合は構成する
チャンネルの幅もしくはチャンネル長を加算する)と
し、シフトレジスタに近いインバータの次数を1、表示
側に近いインバータの次数をN(N段目)とする。
【0208】インバータ回路23の接続段数が多いと接
続されているインバータ回路23の特性差が多重(積み
重なり)され、シフトレジスタ22から出力ゲート24
までの伝達時間に差が生じる(遅延時間ばらつき)。例
えば、極端な場合では、図10において出力ゲート24
aは1.0μsec後(シフトレジスタからパルスが出
力されてから起算)にオンしている(出力電圧が切り替
わっている)のに、出力ゲート24bは1.5μsec
後(シフトレジスタからパルスが出力されてから起算)
にオンしている(出力電圧が切り替わっている)という
状態が生じる。
【0209】したがって、シフトレジスタ22と出力ゲ
ート24間に作製するインバータ回路23数は少ない方
がよいが、出力ゲート24を構成するTFTのチャンネ
ルのゲート幅Wは非常に大きい方がよい。また、シフト
レジスタ22の出力段のゲート駆動能力は小さいので、
シフトレジスタを構成するゲート回路(NAND回路な
ど)で直接、出力ゲート24を駆動することは不可能で
ある。そのため、インバータを多段接続する必要がある
が、例えば、図10のインバータ回路23dのW4/L
4(Pチャンネルのチャンネル幅/Pチャンネルのチャ
ンネル長)のサイズと、インバータ回路23cのW3/
L3のサイズの比が大きいと遅延時間が長くなり、ま
た、インバータの特性がばらつきをも大きくする。
【0210】図11に遅延時間ばらつき(点線)と遅延
時間比(実線)の関係を示す。横軸は(Wn−1/Ln
−1)/(Wn/Ln)で示す。例えば、図10でイン
バータ回路23dとインバータ回路23cのチャンネル
長Lが同一で2W3=W4であれば、(W3/L3)/
(W4/L4)=0.5である。図11のグラフにおい
て、遅延時間比は(Wn−1/Ln−1)/(Wn/L
n)=0.5のときを1とし、遅延同様に時間ばらつき
も1としている。
【0211】図11では(Wn−1/Ln−1)/(W
n/Ln)が大きくなるほどインバータ回路23の接続
段数が多くなり、遅延時間ばらつきも大きくなることを
示している。また、(Wn−1/Ln−1)/(Wn/
Ln)が小さくなるほどインバータ回路23から次段の
インバータ回路23への遅延時間が長くなることを示し
ている。このグラフから遅延時間比および遅延時間ばら
つきを2以内にすることが設計上有利であることがわか
る。したがって、次式の条件を満たせればよい。
【0212】0.25≦(Wn−1/Ln−1)/(W
n/Ln)≦0.75 また、各インバータ回路23のPチャンネルのW/L比
(Wp/Lp)とNチャンネルのW/L比(Ws/L
s)とは以下の関係を満たす必要がある。
【0213】0.4≦(Ws/Ls)/(Wp/Lp)
≦0.8 さらに、シフトレジスタの出力端から出力ゲート(ある
いはトランスファーゲート)間に形成されるインバータ
回路23の段数nは次式を満たすと遅延時間のばらつき
も少なく良好である。
【0214】3≦n≦8 モビリティμにも課題がある。Nチャンネルトランジス
タのモビリティμnが小さいとTGおよびインバータの
サイズが大きくなり、消費電力等が大きくなる。また、
ドライバの形成面積が大きくなり、パネルサイズも大き
くなってしまう。一方、モビリティμnが大きいとトラ
ンジスタの特性劣化を引き起こしやすいので、モビリテ
ィμnは以下の範囲がよい。
【0215】50≦μn≦150 また、シフトレジスタ22内のクロック信号のスルーレ
ートは、500V/μsec以下にする。スルーレート
が高いとNチャンネルトランジスタの劣化が激しいから
である。
【0216】なお、図10でシフトレジスタの出力には
インバータ回路23を多段に接続するとしたが、NAN
D回路でもよい。NAND回路でもインバータを構成す
ることができるからである。つまり、インバータ回路2
3の接続段数とはゲートの接続段数と考えればよい。こ
の場合も、今まで説明したW/L比等の関係が適用され
る。また、以上の図10、図11を用いて説明した事項
は図55、図56、図58などにも適用される。
【0217】また、図10などにおいて画素のスイッチ
ングトランジスタがPチャンネルの時は、最終段のイン
バータからの出力は、オン電圧Vglがゲート信号線1
7に印加され、オフ電圧Vghがゲート信号線17に印
加される。逆に、画素のスイッチングトランジスタがN
チャンネルの時は、最終段のインバータからの出力は、
オフ電圧Vglがゲート信号線17に印加され、オン電
圧Vghがゲート信号線17に印加される。
【0218】以上の実施例では、ゲートドライバを高温
ポリシリコンあるいは低温ポリシリコン技術などで画素
16と同時に作製するとしたが、これに限定されるもの
ではない。例えば、図12に図示するように別途、半導
体チップで作製したソースドライバ14、ゲートドライ
バ12を表示パネル82に積載してもよい。
【0219】また、表示パネル82を携帯電話などの情
報表示装置に使用する場合、ソースドライバ14、ゲー
トドライバ12を図12に示すように、表示パネルの一
辺に実装することが好ましい(なお、このように一辺に
ドライバICを実装する形態を3辺フリー構成(構造)
と呼ぶ。従来は、表示領域のX辺にゲートドライバ12
が実装され、Y辺にソースドライバ14が実装されてい
た)。表示画面21の中心線が表示装置の中心になるよ
うに設計し易く、また、ドライバICの実装も容易とな
るからである。なお、ゲートドライバ回路を高温ポリシ
リコンあるいは低温ポリシリコン技術などを用いて3辺
フリーの構成として作製してもよい(つまり、図12の
ソースドライバ14とゲートドライバ12のうち、少な
くとも一方をポリシリコン技術でアレイ基板49に直接
形成する)。
【0220】なお、3辺フリー構成とは、アレイ基板4
9に直接ICを積載あるいは形成した構成だけでなく、
ソースドライバ14、ゲートドライバ12などを取りつ
けたフィルム(TCP、TAB技術など)をアレイ基板
49の1辺(もしくはほぼ1辺)に貼り付けた構成も含
む。つまり、2辺にICが実装、あるいは取り付けられ
ていない構成、配置あるいはそれに類似するすべてを意
味する。
【0221】図12のように、ゲートドライバ12をソ
ースドライバ14の横に配置すると、ゲート信号線17
はC辺に沿って表示画面21まで形成される必要がある
(図13等参照)。
【0222】なお、C辺に形成するゲート信号線17の
ピッチは5μm以上12μm以下にする。5μm未満で
は隣接ゲート信号線に寄生容量の影響によりノイズが乗
ってしまうからである。実験によれば、7μm以下で寄
生容量の影響が顕著に発生し、さらに5μm未満では表
示画面にビート状などの画像ノイズが激しく発生する。
特に、ノイズの発生は画面の左右で異なり、このビート
状などの画像ノイズを低減することは困難である。ま
た、低減12μmを越えると表示パネルの額縁幅Dが大
きくなりすぎて実用的でない。
【0223】前述の画像ノイズを低減するためには、ゲ
ート信号線17を形成した部分の下層あるいは上層に、
グラントパターン(一定電圧に電圧固定あるいは全体と
して安定した電位に設定されている導電パターン)を配
置することにより低減できる。また、別途設けたシール
ド板(シールド箔(一定電圧に電圧固定あるいは全体と
して安定した電位に設定されている導電パターン))を
ゲート信号線17上に配置すればよい。
【0224】図13のC辺のゲート信号線17はITO
電極で形成してもよいが、低抵抗化するため、ITOと
金属薄膜とを積層して形成したり、金属膜で形成するこ
とが好ましい。ITOと積層する場合は、ITO上にチ
タン膜を形成し、その上にアルミニウムあるいはアルミ
ニウムとモリブデンの合金薄膜を形成する。もしくはI
TO上にクロム膜を形成する。金属膜の場合は、アルミ
ニウム薄膜、クロム薄膜で形成する。以上の事項は本発
明の他の実施例でも同様である。
【0225】なお、図13などにおいて、ゲート信号線
17などは表示領域の片側に配置するとしたがこれに限
定されるものではなく、両方に配置してもよい。例え
ば、ゲート信号線17aを表示画面21の右側に配置
(形成)し、ゲート信号線17bを表示画面21の左側
に配置(形成)してもよい。以上の事項は他の実施例で
も同様である。
【0226】図14ではソースドライバ14とゲートド
ライバ12とを1チップ化(1チップドライバIC14
c)している。1チップ化すれば、表示パネル82への
ICチップの実装が1個で済む。したがって、実装コス
トも低減できる。また、1チップドライバIC14c内
で使用する各種電圧も同時に発生させることができる。
【0227】なお、ソースドライバ14、ゲートドライ
バ12、1チップドライバIC14cはシリコンなどの
半導体ウェハで作製し、表示パネル82に実装するとし
たがこれに限定されるものではなく、低温ポリシリコン
技術、高温ポリシリコン技術により表示パネル82に直
接形成してもよい。
【0228】図15では、ソースドライバ14の両端に
ゲートドライバ12a、12bを実装する(あるいは形
成する)としたがこれに限定されるものではない。例え
ば、図12に示すように、ソースドライバ14に隣接し
た一方の側に1つのゲートドライバ12を配置してもよ
い。なお、図15などにおいて太い実線で図示した箇所
はゲート信号線17が並列して形成した箇所を示してい
る。したがって、bの部分(画面下部)は走査信号線の
本数分のゲート信号線17が並列して形成され、aの部
分(画面上部)はゲート信号線17が1本形成されてい
る。
【0229】なお、図15のように、2つのゲートドラ
イバ12a、12bを使用すると図15のC辺に並列し
て形成するゲート信号線17aの本数が走査線数の1/
2となる(画面の左右にゲート信号線数を1/2ずつ配
置できるからである)。したがって、額縁が画面の左右
で均等になるという特徴を持つようになる。
【0230】本発明はゲート信号線17の走査方向と、
画面分割にも特徴がある。例えば、図15ではゲートド
ライバ12aが画面上部のゲート信号線17bと接続さ
れている。また、ゲートドライバ12bが画面下部のゲ
ート信号線17aと接続されている。ゲート信号線17
の走査方向も矢印Aで示すように画面の上部から下部の
方向である。なお、ソース信号線18は画面上部と画面
下部で共通である。
【0231】図16ではゲートドライバ12aが画面上
部の隣接したゲート信号線17と異なるように接続され
ている。ゲートドライバ12aは奇数番目のゲート信号
線17bと接続されている。また、ゲートドライバ12
bは偶数番目のゲート信号線17aと接続されている。
ゲート信号線の走査方向は、ゲート信号線17bは画面
上部から下部の方向である(矢印A)。ゲート信号線1
7aは画面下部から上部の方向である(矢印B)。この
ように、ゲート信号線17をゲートドライバ12と接続
することにより、また、ゲート信号線の走査方法を所定
の方向とすることにより、表示画面21に輝度傾斜が発
生せず、フリッカの発生も抑制することができる。な
お、ソース信号線18は画面上部と画面下部で共通であ
る。ただし、画面の上下で分割してもよいことは言うま
でもない。以上の事項は他の実施例にも適用される。
【0232】1チップ化している図14でもゲートドラ
イバ12aが画面上部のゲート信号線17bと接続され
ている。また、ゲートドライバ12bが画面下部のゲー
ト信号線17aと接続されている。ゲート信号線17b
の走査方向は矢印Aで示すように、画面の上部から下部
の方向である。ゲート信号線17aの走査方向は矢印B
で示すように、画面の下部から上部の方向である。な
お、ソース信号線18は画面上部と画面下部で共通であ
る。このように、ゲート信号線17をゲートドライバ1
2と接続することにより、また、ゲート信号線の走査方
法を所定の方向とすることにより、表示画面21に輝度
傾斜が発生せず、フリッカの発生も抑制することができ
る。
【0233】なお、1チップドライバIC14cはシリ
コンなどの半導体ウェハで作製し、表示パネル82に実
装するとしたがこれに限定されるものではなく、低温ポ
リシリコン技術、高温ポリシリコン技術により表示パネ
ル82に直接形成してもよい。また、画面の上部を駆動
するドライバICを表示画面の上辺に配置し、画面の下
部を駆動するドライバICを表示画面の下辺に配置して
もよい(つまり、実装ICは2チップとなる)。以上の
事項は他の本発明の実施例にも適用される。
【0234】図14および図15では画面を中央部で分
割するように表現したが、これに限定されるものではな
い。例えば、図15の場合は、表示画面21aを小さく
し、表示画面21bを大きくしてもよい。この表示画面
21aをパーシャル表示領域とし(図17参照)、主と
して時刻表示や日付表示を行い、低消費電力モードで使
用する。図14および図15ではゲート信号線17bで
表示画面21aを表示し、ゲート信号線17aで表示画
面21bを表示している。
【0235】また、図17などでは、図18で図示する
ように、表示画面21aを3辺フリーの構成とし、表示
画面21bを従来のソースドライバ14とゲートドライ
バ12を別個の辺に配置する構成としてもよい。つま
り、ゲート信号線17aとソース信号線18aは1チッ
プドライバIC14cから出力するということである。
【0236】また、図19に図示するように、表示画面
21を21aと21bの2つの画面に分割し、それぞれ
の画面に対応するソースドライバ14、ゲートドライバ
12を配置してもよい。図19では各ソースドライバ1
4から出力する映像信号の書き込み時間が他の実施例と
比較して2倍になるので、十分に画素に信号を書き込む
ことができる。また、図20に図示するように、表示画
面21は1つにして画面の上下に各1つずつソースドラ
イバ14を配置してもよい。このことは、ゲートドライ
バ12に対しても同様に適用できる。
【0237】なお、以上の実施例はゲート信号線17を
平行に形成し、画素領域まで配線する構成であったが、
これに限定されるものではなく、図21に図示するよう
にソース信号線18を1辺に平行に配線するように構成
してもよいことは言うまでもない。
【0238】図17、図18、図19などにおいて、表
示画面21aと21bでフレームレート(駆動周波数ま
たは単位時間(1秒間)あたりの画面書き換え回数)を
変化させたりすることも低消費電力化に有効な手段であ
る。また、表示画面21aと21bで表示色数または表
示色を変化させるのも低消費電力化に有効である。
【0239】図6で図示した構成では、EL素子15の
カソードはVs1電位に接続されている。しかし、各色
を構成する有機ELの駆動電圧が異なるという問題があ
る。例えば、単位平方センチメートルあたり0.01A
の電流を流した場合、青(B)ではEL素子の端子電圧
は5Vであるが、緑(G)および赤(R)では9Vであ
る。つまり、端子電圧が、B、GとRで異なる。したが
って、B、GとRでは保持するTFT11c、11dの
ソース−ドレイン電圧(SD電圧)が異なり、各色でト
ランジスタのソース−ドレイン電圧(SD電圧)間のオ
フリーク電流も異なることになる。オフリーク電流が発
生し、かつオフリーク特性が各色で異なると、色バラン
スのずれた状態でフリッカが発生する、発光色に相関し
てガンマ特性がずれるという複雑な表示状態となる。
【0240】この課題に対応するため、本発明では図2
5に図示するように、少なくともR、G、B色のうち、
1つのカソード電極の電位を他色のカソード電極の電位
と異ならせるように構成している。具体的には、図25
ではBをカソード電極53aとし、GとRをカソード電
極53bとしている。なお、図25はガラス面から光を
取り出す下取り出しを想定しているが、上取り出しの場
合もある。この場合、カソードとアノードは逆転した構
成になる。
【0241】R、G、BのEL素子15の端子電圧は極
力一致させることが好ましいことは言うまでもない。少
なくとも、白ピーク輝度を表示しており、色温度が60
00K以上9000K以下の範囲で、R、G、BのEL
素子の端子電圧は10V以下となるように材料あるいは
構造選定をする必要がある。また、R、G、Bのうち、
各EL素子の最大の端子電圧と最小の端子電圧との差
は、2.5V以内、さらに好ましくは1.5V以下にす
る必要がある。なお、以上の実施例では、色はRGBと
したがこれに限定されるものではない。このことは後に
説明する。
【0242】また、色むらの補正も必要である。この色
むらは、各色のEL材料を塗り分けるため、膜厚のばら
つき、特性のばらつきによって発生する。これを補正す
るため、30%〜70%の輝度で白ラスター表示を行
い、表示画面21内の各色の面内分布を測定する。面内
分布は少なくとも30画素に1ポイントずつ測定する。
この測定データをメモリからなるテーブルに保存し、こ
の保存されたデータを使用して、入力画像データを補正
して表示画面21に表示するように構成する。
【0243】なお、画素は、R、G、Bの3原色とした
がこれに限定されるものではなく、シアン、イエロー、
マゼンダの3色でもよい。また、Bとイエローの2色で
もよいし、もちろん単色でもよい。また、R、G、B、
シアン、イエロー、マゼンダの6色でもよいし、R、
G、B、シアン、マゼンダの5色でもよい。これらはナ
チュラルカラーとして色再現範囲が拡大し、良好な表示
を実現できる。その他、R、G、B、白の4色でもよい
し、R、G、B、シアン、イエロー、マゼンダ、黒、白
の8色でもよい。また、白色発光の画素を表示画面21
全体に形成(作製)し、RGBなどのカラーフィルタで
3原色表示とし、EL層に各色の発光材料を積層して形
成してもよい。また、1画素をBとイエローのように塗
り分けても良い。以上のように本発明のEL表示装置
は、RGBの3原色でカラー表示を行うものに限定され
るものではない。
【0244】また、図22に図示するように、3原色の
他に、白色発光の画素16Wを形成してもよい。白色発
光の画素16Wは、R、G、B発光の構造を積層するこ
とにより作製(形成または構成)され、1組の画素は、
これらRGBの3原色と、白色発光の画素16Wからな
る。このように、白色発光の画素を形成することで、白
色のピーク輝度が表現しやすくなり、輝き感のある画像
表示が実現できるようになる。
【0245】また、RGBの3原色を1組の画素とする
場合であっても、図23に図示するように、各色の画素
電極の面積を異ならせることが好ましい。もちろん、各
色の発光効率がバランスよく、色純度もバランスがよけ
れば、同一面積でもかまわない。しかし、1つまたは複
数の色のバランスが悪い場合には、画素電極(発光面
積)を調整することが好ましく、電流密度を基準に各色
の電極面積を決定すればよい。つまり、色温度が600
0K(ケルビン)以上9000K以下の範囲で、ホワイ
トバランスを調整した時、各色の電流密度の差が±30
%以内、さらに好ましくは±15%以内となるようにす
ればよい。例えば、電流密度が100A/平方メーター
とすれば、3原色をいずれも70A/平方メーター以上
130A/平方メーター以下、さらに好ましくは85A
/平方メーター以上115A/平方メーター以下となる
ようにする。
【0246】また、図24に図示するように、隣接した
画素行で、3原色の配置を異なるように配置することが
好ましい。例えば、偶数行目が、左からR、G、Bの配
置であれば、奇数行目はB、G、Rの配置とする。この
ように配置することにより、少ない画素数でも、画像の
斜め方向の解像度が改善される。さらに、1行目を左か
らR、G、B、R、G、Bの配置とし、2行目をG、
B、R、G、B、Rの配置とし、3行目をB、R、G、
B、R、Gの配置とするように、3画素行以上で、画素
配置を異ならせてもよい。
【0247】カソード電極53aは、各色の有機ELを
塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。メタル
マスクを用いるのは、有機ELが水に弱くエッチングな
どを行うことができないからである。メタルマスク(図
示せず)を用いて、カソード電極53aを蒸着し、同時
にコンタクトホール52aに接続する。そして、コンタ
クトホール52aによりBカソード配線51aと電気的
接続を取ることができる。
【0248】カソード電極53bも同様に、各色の有機
ELを塗り分けたメタルマスク技術を用いて形成する。
メタルマスク(図示せず)を用いて、カソード電極53
bを蒸着し、同時にコンタクトホール52bに接続す
る。コンタクトホール52bによりRGカソード配線5
1bと電気的接続を取ることができる。なお、カソード
電極のアルミ膜厚は70nm以上200nm以下となる
ように形成するとよい。
【0249】以上の構成により、カソード電極53aと
53bには異なる電圧を印加することができるから、図
6のVdd電圧が各色共通であっても、RGBのうち、
少なくとも1色のEL素子に印加する電圧を変化させる
ことができる。なお、図25において、RGは同一のカ
ソード電極53bとしたがこれに限定されるものではな
く、RとGで異なるカソード電極となるように構成して
もよい。
【0250】以上のように構成することにより、各色で
トランジスタのソース−ドレイン電圧(SD電圧)間で
のオフリーク電流の発生、キンク現象を防止することが
できる。したがって、フリッカが発生せず、発光色に相
関してガンマ特性がずれるということもなく、良好な画
像表示を実現できる。
【0251】また、図6のVs1をカソード電圧とし、
このカソード電圧を各色で異なるようにするとしたがこ
れに限定されるものではなく、アノード電圧Vddを各
色で異なるように構成してもよい。例えば、R画素のV
dd電圧を8Vにし、Gを6V、Bを10Vとする構成
としてもよい。これらのアノード電圧、カソード電圧は
±1Vの範囲で調整できるように構成されることが好ま
しい。
【0252】パネルサイズが2インチ程度であっても、
Vdd電圧と接続されるアノードからは100mA近く
電流が出力される。そのため、アノード配線(電流供給
線)20の低抵抗化は必須である。この課題に対応する
ため、本発明では図26で図示するように、アノード配
線63を表示領域の上側と下側から供給している(両端
給電)。以上のように両端給電することにより、画面の
上下での輝度傾斜の発生がなくなる。
【0253】発光輝度を高めるためには画素電極48を
粗面化するとよい。この構成を図5に示す。まず、画素
電極48を形成する箇所にスタンパ技術を用いて微細な
凹凸を形成する。画素が反射型の場合は、スパッタリン
グ法で約200nmのアルミニウムの金属薄膜を形成し
て画素電極48を形成する。画素電極48が有機EL素
子と接する箇所には凸部が設けられ、粗面化される。な
お、単純マトリックス型表示パネルの場合は、画素電極
48はストライプ状電極とする。また、凸部は凸状だけ
に限定されるものではなく、凹状でもよい。また、凹と
凸とを同時に形成してもよい。
【0254】突起の大きさは直径4μm程度、隣接間距
離の平均値を10μm、20μm、40μmにし、それ
ぞれ突起の単位面積密度を1000〜1200個/mm
2、100〜120個/mm2、600〜800個/mm
2として輝度測定を行ったところ、突起の単位面積密度
が大きくなるほど発光輝度が強くなることがわかった。
したがって、画素電極48上の突起の単位面積密度を変
えることで、画素電極の表面状態を変えて発光輝度を調
整できることがわかった。検討によれば、突起の単位面
積密度を100個/mm2以上800個/mm2以下とす
ることで良好な結果を得ることができた。
【0255】有機ELは自己発光素子である。この発光
による光がスイッチング素子としてのTFTに入射する
とホトコンダクタ現象(ホトコン)が発生する。ホトコ
ンとは、光励起によりTFTなどのスイッチング素子の
オフ時でのリーク(オフリーク)が増える現象を言う。
【0256】この課題に対処するため、本発明では図2
7に示すように、ゲートドライバ12(場合によっては
ソースドライバ14)の下層、画素TFT11の下層に
遮光膜91を形成している。遮光膜91はクロムなどの
金属薄膜で形成し、その膜厚は50nm以上150nm
以下にする。膜厚が薄いと遮光効果が乏しく、厚いと凹
凸が発生して上層のTFT11のパターニングが困難に
なるからである。
【0257】遮光膜91上に20nm以上100nm以
下の無機材料からなる平滑化膜71aを形成する。ある
いは、この遮光膜91のレイヤーを用いてコンデンサ1
9の一方の電極を形成してもよい。この場合、平滑化膜
71aは極力薄く作り、コンデンサの容量値を大きくす
ることが好ましい。また、遮光膜91をアルミで形成
し、陽極酸化技術を用いて酸化シリコン膜を遮光膜91
の表面に形成し、この酸化シリコン膜をコンデンサ19
の誘電体膜として用いてもよい。平滑化膜71b上には
ハイアパーチャ(HA)構造の画素電極が形成される。
【0258】ゲートドライバ12などは裏面だけでな
く、表面からの光の進入も抑制するべきである。なぜな
ら、ホトコンの影響により誤動作するからである。した
がって、本発明において、カソード電極が金属膜の場合
は、ゲートドライバ12などの表面にもカソード電極を
形成し、この電極を遮光膜として用いている。
【0259】しかし、ゲートドライバ12の上にカソー
ド電極を形成すると、このカソード電極からの電界によ
るドライバの誤動作、あるいはカソード電極とドライバ
回路の電気的接触が発生する可能性がある。この課題に
対処するため、本発明ではゲートドライバ12などの上
に少なくとも1層、好ましくは複数層の有機EL膜を画
素電極上の有機EL膜形成と同時に形成する。基本的に
有機EL膜は絶縁物であるから、ゲートドライバ上に有
機EL膜を形成することにより、カソードとゲートドラ
イバ間が隔離され、前述の課題を解消することができ
る。
【0260】画素において、1つ以上のTFT11の端
子間あるいはTFT11と信号線とが短絡すると、EL
素子15が常時点灯して輝点となる場合がある。この輝
点は視覚的に目立つので黒点化(非点灯)する必要があ
る。この対処法として、該当画素16を検出し、コンデ
ンサ19にレーザー光を照射してコンデンサの端子間を
短絡させる。すると、コンデンサ19には電荷を保持で
きなくなるので、TFT11が電流を流さなくなるので
ある。
【0261】なおこの際、レーザー光を照射する位置に
あたるカソード膜を除去しておくことが望ましい。これ
はレーザー光照射により、コンデンサ19の端子電極と
カソード膜とがショートすることを防止するためであ
る。
【0262】また、図28に図示する構造も例示され
る。図28は光をアレイ基板49側から取り出す下取り
出し構造の例である。図28においても、ゲートドライ
バ12(場合によってはソースドライバ14)の下層、
画素TFT11の下層に遮光膜を形成している。
【0263】しかし、ホトコンの影響により誤動作する
ので、ゲートドライバ12(あるいはソースドライバ1
4)などは裏面だけでなく、表面からの光の進入も抑制
するべきである。このため、本発明では、カソード電極
46を遮光膜として用いている。
【0264】一方、カソード(もしくはアノード)電極
が透明電極の場合、つまり、画素電極を反射タイプとし
共通電極を透明電極(ITO、IZOなど)にする光上
取り出しの構造(アレイ基板49側から光を取り出すの
は下取出し、EL膜蒸着面から光を取り出すのが上取り
出し)の場合は、透明電極のシート抵抗値が問題とな
る。なぜなら、透明電極は高抵抗であるが、有機ELの
カソードには高い電流密度で電流を流す必要があるから
である。したがって、ITO膜の単層でカソード電極を
形成すると発熱により加熱状態となったり、表示画面に
極度の輝度傾斜が発生したりする。
【0265】この課題に対応するため、カソード電極の
表面に金属薄膜からなる低抵抗化配線92を形成してい
る。低抵抗化配線92は液晶表示パネルのブラックマト
リックス(BM)と同様の構成(クロムまたはアルミ材
料で50nm〜200nmの膜厚)で、かつ同様の位置
(画素電極間、ゲートドライバ12の上など)である。
ただし、有機ELではBMを形成する必要はないから機
能は全く異なる。なお、低抵抗化配線92は透明電極7
2の表面に限定されるものではなく、裏面(有機EL膜
と接する面)に形成してもよい。また、BM状に形成し
た金属膜として、Mg・Ag、Mg・Li、Al・Li
などの合金あるいは積層構造体など、アルミニウム、マ
グネシウム、インジウム、銅または各々の合金等を用い
てもよい。なお、BM上には腐食などを防止するため、
さらにITO、IZO膜を積層し、また、SiNx、S
iO2などの無機薄膜、あるいはポリイミドなどの有機
薄膜を形成する。
【0266】また、EL膜の蒸着面から光を取り出す
(上取り出し)場合は、有機EL層47上にMg−Al
膜を形成し、その上にITO、IZO膜を形成すること
が好ましい。または、有機EL層47上にMg−Al膜
を形成し、その上にブラックマトリックス(液晶表示パ
ネルのようなブラックマトリックス)を形成することが
好ましい。このブラックマトリックスはクロム、Al、
Ag、Au、Cuなどで形成し、この上に、SiO2
SiNxなどの無機絶縁膜や、ポリエステル、アクリル
などの有機絶縁膜からなる保護膜1761を形成するこ
とが好ましい。さらに、この保護膜1761上には、反
射防止膜(AIRコート)を形成することが好ましい。
なお、保護膜1761の最小膜厚は1μm以上にする。
【0267】また、下取り出しの場合であっても、カソ
ード電極の反射膜46の透過率を高くすることにも効果
がある。これは、アレイ基板49側から表示画像を見る
構成であっても、反射膜46の透過率が高いため、写り
込みが減少し、円偏光板74が不要となる。したがっ
て、上取り出しよりも光取り出し効率が向上する場合が
ある。なお、反射膜46の透過率は、60%以上90%
以下、特に70%以上90%以下にすることが好まし
い。なぜなら、60%以下であるとカソード電極のシー
ト抵抗値が低くなる一方、写り込みが大きくなるからで
ある。逆に、90%以上ではカソード電極のシート抵抗
値が高くなり、表示画像の輝度傾斜が大きくなるからで
ある。
【0268】反射膜46の透過率を高くするにはAl膜
を厚み20nm以上100nm以下というように薄く形
成する。その上にITO、IZO膜を形成することが好
ましい。または、Al膜上にブラックマトリックスを形
成することが好ましい。
【0269】図29に図示するように、画素電極48を
円弧状にすることにより、有機EL層47の発光面積が
広くなる。したがって、電流密度が小さくなり、EL素
子15の高寿命化を実現できる。また、EL素子15の
端子電圧も低下するので電力効率も向上する。
【0270】図30は図29で説明したEL表示パネル
の製造方法の説明図である。図30(a)で図示するよ
うに、アレイ基板49上にTFT11、ゲートドライバ
12などを形成する。
【0271】次に、図30(b)に図示するように、ア
レイ基板49上にアクリル樹脂などの有機材料からなる
平滑化膜71を塗布する。なお、平滑化膜71はSOG
などの無機材料であってもよい。膜厚は1.5μm以上
3μm以下にすることが好ましい。次に、前記平滑化膜
71上にマスク1771を形成する。マスク1771は
金属材料で形成し、形成位置は画素16に対応するよう
にする。次に、エッチングを行う。エッチングはウエッ
トエッチング、O2プラズマなどの乾式エッチングのい
ずれでもよい。マスク1771の間から、平滑化膜71
がエッチングされるので、図30(c)に図示するよう
に、平滑化膜71は円弧状となる。
【0272】さらに、図30(d)に図示するように、
平滑化膜71にマスク(図示せず)を形成して、コンタ
クトホール1772を形成する。もしくは、図30
(b)のエッチング工程でコンタクトホール1772も
同時に形成する。
【0273】次に、図30(e)に図示するように、I
TO、IZOなどの透明電極で画素電極48を形成す
る。画素電極48とTFT11とは、画素コンタクト部
1751で接続をとる。このコンタクトホールでITO
からなる画素電極48とドレイン端子とを電気的に接続
する。
【0274】次に、画素電極48上に50nm以上15
0nm以下のカーボン膜を薄く蒸着し、この上に有機E
L層を形成する。有機EL層47は単色の場合は全面
に、RGBの場合はメタルマスクを用いて塗り分ける
(図30(f)参照)。
【0275】有機EL層47の形成後、カソード電極と
なるAl膜(反射膜)46を形成する(図30
(g))。さらに、Al膜(反射膜)46上に保護膜1
761を形成する(図30(h))。
【0276】保護膜1761は、フィルムを用いた保護
層であってもよい。例えば、保護層としては電解コンデ
ンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カー
ボン)を蒸着したものを用いることが例示される。この
フィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿)ので、保護
層1761として使用できる。また、保護層1761の
膜厚はn・d(nは薄膜の屈折率、複数の薄膜が積層さ
れている場合はそれらの屈折率を総合(各薄膜のn・d
を計算)して計算する。dは薄膜の膜厚、複数の薄膜が
積層されている場合はそれらの屈折率を総合して計算す
る。)が、EL素子15の発光主波長λ以下となるよう
にするとよい。
【0277】なお、有機EL層47または画素電極48
は、円弧状に限定されるものではなく、三角錐状、円錐
状、サインカーブ状でもよく、また、これらを組み合わ
せた構造でもよい。また、1画素に微細な円弧上、三角
錐状、円錐状、サインカーブ状が形成されたり、これら
が組み合わされたり、もしくは、ランダムな凹凸が形成
された構成であっても良い。また、図29では凸状の円
弧状であるが、凹状の円弧状であっても上記と同様であ
る。
【0278】図31はパネル化した構成図(断面図)で
ある。なお、他の図面でも同様であるが、本明細書にお
いて各図面は理解を容易にまたは作図を容易にするた
め、省略や拡大縮小している。図31の表示パネルの断
面図においても平滑化膜71などを十分に厚く図示して
いる。しかし、アレイ基板49の板厚は、非常に薄く図
示している。また、TFTなどは省略している。
【0279】図31において、封止フタ41と、アレイ
基板49間にはスペーサ1781を配置し、保護膜17
61または反射膜46もしくは有機EL層47と封止フ
タ41とが直接、接しないように構成されている。乾燥
剤は表示領域の周辺部に配置または充填されている。ス
ペーサは円筒状または球状のものを用いる。高さは、1
0μm以上100μm以下にすることが好ましい。ま
た、保護膜1761を加工することによりスペーサとす
ることもできる。つまり、保護膜1761の一部または
全部を突起状あるいは柱状あるいはストライプ状に加工
あるいは形成することによりスペーサの機能を持たせ
る。なお、スペーサ1781を乾燥剤とする構成でも好
ましい。
【0280】図8に示す画素は駆動用TFT11bと変
換用TFT11aとがカレントミラーの関係にあり、こ
れらの特性(閾値Vt、S値、モビリティμなど)が一
致していなければならない。また、図6の画素において
も、各TFTの特性が一致していることが好ましいこと
は言うまでもない。
【0281】画素16のTFT11を構成する半導体膜
は、低温ポリシリコン技術において、レーザアニールに
より形成するのが一般的である。このレーザアニールの
条件のばらつきがTFT11特性のばらつきとなる。し
かし、1画素16内のTFT11の特性が一致していれ
ば、図6、図8などの電流プログラムを行う方式におい
ては、所定の電流がEL素子15に流れるように駆動す
ることができる。この点は、電圧プログラムにない利点
である。
【0282】この課題に対して、本発明では図32に示
すように、アニールの時のレーザー照射スポット230
をソース信号線18と平行に照射する。また、1画素列
に一致するようにレーザー照射スポット230を移動さ
せる。もちろん、1画素列に限定されるものではなく、
例えば、図32のRGBを1画素16という単位でレー
ザーを照射してもよい(この場合は、3画素列というこ
とになる)。特に、画素はRGBの3画素で正方形の形
状となるように作製されている。したがって、R、G、
Bの各画素は縦長の画素形状となる。そのため、画素1
6内に形成されるTFT11の配置は、図32に図示す
るように縦方向に配置される(変換用TFT11a、駆
動用TFT11b)。したがって、レーザー照射スポッ
ト230を縦長にしてアニールすることにより、1画素
内ではTFT11の特性ばらつきが発生しないようにす
ることができる。
【0283】一般的に、レーザー照射スポット230の
長さは10インチというように固定値である。このレー
ザー照射スポット230を移動させるのであるから、1
つのレーザー照射スポット230を移動できる範囲内に
おさめられるようにパネルを配置する必要がある(つま
り、パネルの表示画面21の中央部でレーザー照射スポ
ット230が重ならないようにする)。
【0284】図33の構成では、レーザー照射スポット
230の長さの範囲内に3つのパネルが縦に配置される
ように形成されている。レーザー照射スポット230を
照射するアニール装置はガラス基板241の位置決めマ
ーカ242a、242bを認識してレーザー照射スポッ
ト230を移動させる。位置決めマーカ242の認識は
パターン認識装置で行う。アニール装置(図示せず)は
位置決めマーカ242を認識し、画素列の位置を割り出
す。そして、ちょうど画素列位置に重なるようにレーザ
ー照射スポット230を照射してアニールを順次行う。
【0285】図32、図33で説明したレーザアニール
方法(ソース信号線18と平行にライン状のレーザース
ポットを照射する方式)は、有機ELパネルの電流プロ
グラム方式の時に特に採用することが好ましい。なぜな
らば、ソース信号線の平行方向とTFT11の特性が一
致しているためである(縦方向に隣接した画素TFTの
特性が近似している)。そのため、電流駆動時にソース
信号線の電圧レベルの変化が少なく、電流書き込み不足
が発生しにくい(例えば、白ラスター表示の場合、隣接
した各画素の変換用TFT11aに流す電流はほぼ同一
のため、ソースドライバ14から出力する電流振幅の変
化が少ない)。
【0286】また、図34、図35などで説明する複数
の画素行を同時書き込みする方式では均一な画像表示を
実現できる(主としてTFT特性のばらつきに起因する
表示むらが発生しにくいからである)。図34などは複
数画素行を同時に選択するので、隣接した画素のTFT
が均一であれば、縦方向のTFT特性むらはソースドラ
イバ14で吸収できるようになる。
【0287】図6に示すように、ゲート信号線17aは
行選択期間に導通状態(ここでは図6のTFT11がP
チャネルトランジスタであるためローレベルで導通とな
る)となり、ゲート信号線17bは非選択期間時に導通
状態となる。
【0288】ソース信号線の状態が階調0表示状態であ
ったときに、階調1に対する電流値を印加し、行選択期
間を75μ秒で動作させると、図36の実線aに示すよ
うに、ソース信号線18の寄生容量が増加すると、EL
素子15に出力される電流値が減少する。
【0289】図36の点線bは実線aに比べて階調1に
対する電流値を10倍流した場合であり、ソース信号線
18の寄生容量の増加に対し、EL素子15に出力され
る電流値の減少割合は小さくなる。所定電流値に対し、
10%程度のばらつきは人間の目にとって輝度の差とし
て観測できないことから、10%程度の低下を認めると
すると許容されるソース容量は実線aでは2pF以下、
点線bでは25pF以下となる。
【0290】ソース信号線18の電流値変化に要する時
間tは、浮遊容量の大きさをC、ソース信号線の電圧を
V、ソース信号線に流れる電流をIとすると、t=C・
V/Iであるため、電流値を10倍大きくできることは
電流値変化に要する時間が1/10近くまで短くでき
る、またはソース容量が10倍になっても所定の電流値
に変化できるということを示す。したがって、短い水平
走査期間内に所定の電流値を書き込むためには電流値を
増加させることが有効である。
【0291】入力電流を10倍にすると出力電流も10
倍となり、EL素子の輝度が10倍となるよう所定の輝
度を得るために、図6のスイッチング用TFT11dの
導通期間を従来の1/10とし、発光期間を1/10と
することで、所定輝度を表示するようにした。つまり、
ソース信号線18の寄生容量の充放電を十分に行い、所
定の電流値を画素16の変換用TFT11aに対してプ
ログラムを行うためには、ソースドライバ14から比較
的大きな電流を出力する必要がある。しかし、このよう
に大きな電流をソース信号線18に流すとこの電流値が
画素にプログラムされてしまい、所定の電流に対し大き
な電流がEL素子15に流れる。例えば、10倍の電流
でプログラムすれば、当然10倍の電流がEL素子15
に流れ、EL素子15は10倍の輝度で発光する。つま
り、所定の発光輝度にするためには、EL素子15に流
れる時間を1/10にすればよい。このように駆動する
ことにより、ソース信号線18の寄生容量を十分に充放
電できるし、所定の発光輝度を得ることができる。
【0292】なお、10倍の電流値を画素の変換用TF
T11a(正確にはコンデンサ19の端子電圧を設定し
ている)に書き込み、EL素子15のオン時間を1/1
0にするとしたがこれは一例である。場合によっては、
10倍の電流値を画素の変換用TFT11aに書き込
み、EL素子15のオン時間を1/5にしてもよい。逆
に、10倍の電流値を画素の変換用TFT11aに書き
込み、EL素子15のオン時間を2倍にする場合もある
であろう。本発明は、画素への書き込み電流を所定値以
外の値にし、EL素子15に流れる電流を間欠状態にし
て駆動することに特徴がある。本明細書では説明を容易
にするため、N倍の電流値を画素のTFT11に書き込
み、EL素子15のオン時間を1/N倍にするとして説
明する。しかし、これに限定されるものではなく、N1
倍の電流値を画素のTFT11に書き込み、EL素子1
5のオン時間を1/N2倍(N1とN2とは異なる)と
してもよいことは言うまでもない。なお、間欠する間隔
は等間隔に限定されるものではない。
【0293】また、説明を容易にするため、1F(1フ
ィールドまたは1フレーム)を基準にしてこの1Fを1
/Nにするとして説明する。しかし、1画素行が選択さ
れ、電流値がプログラムされる時間(通常、1水平走査
期間(1H))があるし、また、走査状態によっては誤
差も生じるので、以上の説明はあくまでも説明を容易に
するための便宜状の問題だけであり、これに限定される
ものではない。
【0294】有機(無機)EL表示装置は、CRTのよ
うに電子銃で線表示の集合として画像を表示するディス
プレイとは表示方法が基本的に異なる点にも課題があ
る。つまり、EL表示装置では、1F(1フィールドあ
るいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電
流(電圧)を保持する。そのため、動画表示を行うと表
示画像の輪郭ぼけが発生するという課題を発生させる。
【0295】本発明では、1F/Nの期間の間だけ、E
L素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)/
N)は電流を流さない。この駆動方式を実施し画面の一
点を観測した場合を考える。この表示状態では1Fごと
に画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示さ
れる。つまり、画像データ表示状態が時間的に飛び飛び
表示(間欠表示)状態となる。動画データ表示を、この
間欠表示状態でみると画像の輪郭ぼけがなくなり良好な
表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示
を実現することができる。また、間欠表示を実現する
が、回路のメインクロックは従来と変わらない。したが
って、回路の消費電力が増加することもない。
【0296】液晶表示パネルの場合は、光変調をする画
像データ(電圧)は液晶層に保持されており、黒挿入表
示を実施しようとすると液晶層に印加しているデータを
書き換える必要がある。そのため、ソースドライバ14
の動作クロックを高くし、画像データを黒表示データと
交互にソース信号線18に印加しなければならないの
で、黒挿入表示(黒表示などの間欠表示)を実現しよう
とするためには回路のメインクロックをあげる必要があ
る。また、時間軸伸張を実施するための画像メモリも必
要になる。
【0297】しかし、本発明のEL表示パネルの画素構
成では、図6、図56、図61〜図65、図68〜図7
2、図74、図75、図127、図130、図152な
どに示すように、画像データはコンデンサ19に保持さ
れており、このコンデンサ19の端子電圧に対応する電
流をEL素子15に流している。したがって、画像デー
タは液晶表示パネルのように光変調層に保持されている
のではない。
【0298】本発明はスイッチング用TFT11d、あ
るいはTFT11eなどをオンオフさせるだけでEL素
子15に流す電流を制御する。つまり、EL素子15に
流れる電流Iwをオフしても、画像データはそのままコ
ンデンサ19に保持されている。したがって、次のタイ
ミングでスイッチング素子などをオンさせ、EL素子1
5に電流を流せば、その流れる電流は前に流れていた電
流値と同一である。本発明では黒挿入表示(黒表示など
の間欠表示)を実現しようとする際においても回路のメ
インクロックをあげる必要がない。また、時間軸伸張を
実施する必要もないため、画像メモリも不要である。ま
た、有機EL素子15は電流を印加してから発光するま
での時間が短く高速応答である。そのため、動画表示に
適し、さらに間欠表示を実施することにより従来のデー
タ保持型の表示パネル(液晶表示パネル、ELパネルな
ど)の問題である動画表示の問題を解決できる。
【0299】図37に示すように、ゲート信号線17b
は従来導通期間が1F(電流プログラム時間を0とした
時、通常プログラム時間は1Hであり、EL表示装置の
画素行数は少なくとも100行以上であるので、1Fと
しても誤差は1%以下である)とし、N=10とすれ
ば、図36によると、最も変化に時間のかかる階調0か
ら階調1へもソース容量が20pF程度であれば75μ
秒程度で変化できる。これは、2型程度のEL表示装置
であればフレーム周波数が60Hzで駆動できることを
示している。
【0300】更に、大型の表示装置でソース容量が大き
くなる場合は、ソース電流を10倍以上にしてやればよ
い。一般に、ソース電流値をN倍にした場合、ゲート信
号線17b(TFT11d)の導通期間を1F/Nとす
ればよい。これにより、テレビ、モニター用の表示装置
などにも適用が可能である。
【0301】以下、図面を参照しながら、さらに詳しく
説明をする。まず、図6の寄生容量404は、ソース信
号線間の結合容量、ソースドライバ14のバッファ出力
容量、ゲート信号線17とソース信号線18とのクロス
容量などにより発生する。この寄生容量404は通常1
0pF以上となる。電圧駆動の場合、ソースドライバ1
4からは低インピーダンスで電圧がソース信号線18に
印加されるため、寄生容量404が多少大きくとも駆動
では問題とならない。
【0302】しかし、電流駆動において、特に黒レベル
の画像表示では5nA以下の微小電流で画素のコンデン
サ19をプログラムする必要がある。したがって、寄生
容量404が所定値以上の大きさで発生すると、1画素
行にプログラムする時間(通常1H以内、ただし、2画
素行を同時に書き込む場合もあるので1H以内に限定さ
れるものではない)内に寄生容量を充放電することがで
きない。1H期間で充放電できなければ、画素への書き
込み不足となり、解像度が全く出ない。
【0303】図6の画素構成の場合、図7(a)に示す
ように、電流プログラム時は、プログラム電流I1がソ
ース信号線18に流れる。この電流I1が変換用TFT
11aを流れ、プログラム電流I1を流す電流が保持さ
れるように、コンデンサ19のV1が設定(プログラ
ム)される。このとき、スイッチング用TFT11dは
オープン状態(オフ状態)である。
【0304】次に、EL素子15に電流を流す期間は図
7(b)のようにTFT11が動作する。つまり、ゲー
ト信号線17aにオフ電圧Vghが印加され、変換用T
FT11a、取込用TFT11cがオフする。一方、ゲ
ート信号線17bにオン電圧Vglが印加され、スイッ
チング用TFT11dがオンする。
【0305】今、プログラム電流I1が本来流す電流
(所定値)のN倍であるとすると、図7(b)のEL素
子15に流れる電流もI1となる。したがって、所定値
のN倍の輝度でEL素子15は発光する。
【0306】そこで、スイッチング用TFT11dを本
来オンする時間(約1F)の1/Nの期間だけオンさ
せ、他の期間(N−1)/Nをオフさせれば、1F全体
の平均輝度は所定の輝度となる。この表示状態は、CR
Tが電子銃で画面を走査しているのと近似する。異なる
点は、画像を表示している範囲が画面全体の1/N(全
画面を1とする)が点灯している点である(CRTで
は、点灯している範囲は1画素行(厳密には1画素)で
ある)。
【0307】本発明では、この1/Nの画像表示領域が
図38(a1)に示すように、表示画面21の上から下
に移動する。本発明では、1F/N期間の間だけ、EL
素子15に電流が流れ、他の期間(1F・(N−1)/
N)は電流が流れない。したがって、画像は間欠表示と
なるが、人間の目には残像により画像が保持された状態
となるので、全画面が均一に表示されているように見え
る。
【0308】この表示状態では1Fごとに画像データ表
示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、
画像データ表示状態が時間的に飛び飛び表示(間欠表
示)状態となる。液晶表示パネル(本発明以外のEL表
示パネル)では、1Fの期間、画素にデータが保持され
ているため、動画表示の場合は画像データが変化しても
その変化に追従することができず、動画ぼけとなってい
た(画像の輪郭ぼけ)。しかし、本発明では画像を間欠
表示するため、画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状
態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現
することができるのである。
【0309】また、EL表示装置では、黒表示は完全に
非点灯であるから、液晶表示パネルを間欠表示した場合
のようなコントラスト低下もない。また、図7に示すよ
うに、スイッチング用TFT11dをオンオフ操作する
だけで、間欠表示を実現することができる。これは、コ
ンデンサ19に画像データがメモリされているためであ
る。つまり、各画素16に、画像データは1Fの期間中
は保持されている。この保持されている画像データに相
当する電流をEL素子15に流すか否かをスイッチング
用TFT11dの制御により実現しているのである。
【0310】したがって、間欠表示を実現する場合とし
ない場合では、1画素を構成するTFT11の個数に変
化はない。つまり、画素構成はそのままで、ソース信号
線18の寄生容量404の影響を除去し、良好な電流プ
ログラムを実現している。その上、CRTに近い動画表
示を実現しているのである。
【0311】また、ゲートドライバ12の動作クロック
はソースドライバ14の動作クロックに比較して十分に
遅いため、回路のメインクロックが高くなるということ
はない。また、Nの値の変更も容易である。
【0312】画像表示方向(画像書き込み方向)は図3
9に図示するように、第1フィールド目では画面の上か
ら下方向とし(図39(a))、次の第2フィールド目
では画面の下から上方向(図39(b))としてもよ
い。つまり、図39(a)と図39(b)とを交互に繰
り返せばよいのである。
【0313】さらに、図40に図示するように、第1フ
ィールド目では画面の上から下方向とし(図40
(a))、一旦全画面を黒表示(非表示領域)312と
した後(図40(b))、次の第2フィールド目では画
面の下から上方向(図40(c))とし、また一旦全画
面を黒表示(非表示領域)312としてもよい(図40
(d))。つまり、図40(a)から図40(d)の状
態を交互に繰り返せばよいのである。
【0314】なお、図39、図40などにおいて、画面
の書き込み方法を画面の上から下あるいは下から上とし
たが、これに限定されるものではない。以上の事項は他
の本発明の実施例でも同様である。
【0315】図38(a)は画像表示領域311を1/
Nとし、非表示領域312を(N−1)/Nとしている
(ただし、これは理想状態の場合である。現実にはコン
デンサ19、変換用TFT11aのソース−ゲート(S
G)容量による突き抜けがあるので異なる)。つまり、
画像表示領域311を1つにした場合である。画像表示
領域311は矢印に示すように、画面の上から下方向に
移動する(図38(a1)→図38(a2)→図38
(a3)→図38(a1)→)。ただし、この画像表示
領域311の移動は画面の上から下方向に移動すること
に限定されるものではなく、画面の下から上方向に移動
するとしてもよい。また、1フレーム目(1フィールド
目)は画面の上から下方向に移動させ、次の2フレーム
目(2フィールド目)は画面の下から上方向に移動する
ように走査(操作)してもよいことは言うまでもない。
また、画面の右から左、あるいは画面の左から右に走査
(操作)してもよい。
【0316】図37は動作タイミング波形である。先に
も記載したように、1Fの期間で1画面が表示されると
し、1Hの期間で電流プログラムされるとしている。図
37(a)は図6(a)、(b)におけるゲート信号線
17aのタイミング波形を示す。また、図37(b)
は、ゲート信号線17bのタイミング波形を示す。基本
的には、ゲート信号線17bがオン電圧Vglとなった
時にスイッチング用TFT11dが導通し(期間は1F
/N)、EL素子15にピーク電流が所定電流I1のN
倍の電流が流れ、EL素子15は所定輝度BのN倍の輝
度(N・B)で発光する。1F/(N−1)/Nの期間
はスイッチング用TFT11dがオフ状態となる。この
ゲート信号線の制御は図10のように、ゲートドライバ
12内の2つのシフトレジスタ(22a、22b)を制
御することにより容易に実現できる。シフトレジスタ2
2aはゲート信号線17aの制御データを保持(走査)
し、シフトレジスタ22bはゲート信号線17bの制御
データを保持(走査)すればよいからである。
【0317】図41はゲート信号線17bの波形を示
す。図41(a)を第1画素行目のゲート信号線17b
の電圧波形とすると、図41(b)は第1画素行目に隣
接した第2画素行目のゲート信号線17bの電圧波形を
示す。同様に、図41(c)は次の第3画素行目のゲー
ト信号線17bの電圧波形、図41(d)は第4画素行
目のゲート信号線17bの電圧波形を示す。
【0318】以上のように、各画素行でゲート信号線1
7bの波形を同一にし、1Hの間隔でシフトさせて印加
していく。このように走査することにより、EL素子1
5が点灯している時間を1F/Nに規定しながら、順次
点灯する画素行をシフトさせることができるので、各画
素行でゲート信号線17bの波形を同一にし、シフトさ
せることは容易である。図10のシフトレジスタ22
a、22bに印加するデータであるST1、ST2を制
御すればよいからである。例えば、入力ST2がLレベ
ルの時、ゲート信号線17bにオン電圧Vglが出力さ
れ、入力ST2がHレベルの時、ゲート信号線17bに
オフ電圧Vghが出力されるとすれば、ゲート信号線1
7bに印加するST2を1F/Nの期間だけLレベルで
入力し、他の期間はHレベルにする。この入力されたS
T2を1Hに同期したクロックCLK2でシフトしてい
くだけである。
【0319】同様に、図37(a)に示すゲート信号線
17aの波形の作成も容易である。図10のシフトレジ
スタ22aの入力データであるST1を制御すればよい
からである。例えば、入力ST1がLレベルの時、ゲー
ト信号線17aにオン電圧Vglが出力され、入力ST
1がHレベルの時、ゲート信号線17aにオフ電圧Vg
hが出力されるとすれば、ゲート信号線17aに印加す
るST1を1Hの期間だけLレベルで入力し、他の期間
はHレベルにする。この入力されたST1を1Hに同期
したクロックCLK1でシフトしていくだけである。
【0320】図38(b)は画像表示領域311を1/
(2N)とし、2つの画像表示領域311a、311b
を矢印に示すように、画面の上から下方向に移動した例
である(図38(b1)→図38(b2)→図38(b
3)→図38(b1)→)。ただし、この画像表示領域
311a、311bの移動は画面の上から下方向に移動
することに限定されるものではなく、画面の下から上方
向に移動するとしてもよい。また、1フレーム目(1フ
ィールド目)は画面の上から下方向に移動させ、次の2
フレーム目(2フィールド目)は画面の下から上方向に
移動するように走査(操作)してもよいことは言うまで
もない。また、画面の右から左、あるいは画面の左から
右に走査(操作)してもよい。
【0321】さらに、図38(c)は画像表示領域31
1を1/(3N)とし、3つの画像表示領域311a、
311b、311cを矢印に示すように、画面の上から
下方向に移動した例である(図38(c1)→図38
(c2)→図38(c3)→図38(c1)→)。
【0322】図38(b)、(c)に示すように、画像
表示領域311を複数に分割すればするほど、画像表示
全体のフレームレート(1秒間に画面を書く回数、例え
ばフレームレート60とは、1秒間に60回画面を書き
換えること)を低下させることができる。フレームレー
トを低下させれば、その分、回路の動作クロックを低下
させることができるから消費電力を小さくできる。つま
り、EL素子15の発光期間が短くなり、かつ見かけ上
の瞬時輝度が高くなり、その上、画像表示領域311と
非表示領域312とが高速に繰り返されるため、フリッ
カが低減する。したがって、フレームレートを低減する
ことができる。
【0323】以上のように駆動させることで、1フレー
ム(1フィールド)内に点灯する回数を増やし、フリッ
カを低減させることができる。EL素子の点灯において
は点灯回数を増やすことで周波数成分が高くなることか
ら人間の目に観測されにくくなる。例えば、1回あたり
の点灯期間を1/7にして1フレームに7回点灯させる
と、フレーム周波数が30Hzにおいてもフリッカのな
い表示が実現できた。
【0324】スイッチング用TFT11dのオンオフを
制御することにより、画像の輝度を調整(可変)するこ
とができる。例えば、図38(a)の場合(画像表示領
域311が1つの場合)は、非表示領域312の面積を
変化させることにより、表示画面21の明るさが変化す
る(図42(a1)より図42(a2)の方が暗く、図
42(a2)より図42(a3)の方が暗い)。
【0325】同様に、図38(b)の場合(画像表示領
域311が2つの場合)は、図42(b1)より図42
(b2)の方が暗く、図42(b2)より図42(b
3)の方が表示画面21の表示輝度が暗くなる。また、
図38(c)の場合(画像表示領域311が3つの場
合、つまり3以上)も同様である(図42(c1)より
図42(c2)の方が暗く、図42(c2)より図42
(c3)の方が暗くなる)。
【0326】なお、図38では画像表示領域311は表
示画面21上を走査するとしたが、これに限定されるも
のではなく、図42(c1)、(c2)に図示するよう
に、1フレーム(1フィールド)目は全画面を非表示領
域312とし、次の2フレーム(2フィールド)目は全
画面を画像表示領域311としてもよい。つまり、全画
面を画像表示状態と非点灯状態とを交互に繰り返す。た
だし、画像表示時間と、非点灯時間とを等時間に限定す
るものではない。例えば、画像表示時間を1F/4と
し、非点灯時間を3F/4としてもよい。このように、
画像表示時間と、非点灯時間との割合を変化させること
によっても画像の表示輝度を変化(調整)することがで
きる。
【0327】いずれにせよ、図43に示すように、Nの
値を変化させることにより、画像の表示輝度Bはリニア
に変化させることができる。また、Nの値を制御するだ
けで容易に画像の明るさを可変できる。
【0328】図44は、本発明の表示輝度を調整(制
御)する回路のブロック図である。フレームメモリ(フ
ィールドメモリ)354には、外部から入力された映像
データが蓄積される。CPU353は蓄積された映像デ
ータを用いて演算をする。演算は、映像データの最大輝
度、最適輝度、平均輝度、輝度分布のうち少なくとも1
つ以上を用いる。また、連続する映像データの各フレー
ムの最大輝度、最適輝度、平均輝度、輝度分布およびそ
の変化割合も考慮する。
【0329】演算した結果は輝度メモリ352にストア
される。輝度メモリ352とは画像の明るさを補正した
データである。例えば、海岸などの明るい画面では画像
の平均輝度を明るく補正し、その画像データ内で比較的
暗い部分があるときは、実際値よりも暗い画像データに
変換する。また、夜の画面などでは、画像が全体的に暗
いため、比較的明るい部分をより明るく補正する。
【0330】カウンタ回路351は図43のN値をいく
らにするかをカウントする回路である。ゲート信号線1
7bの波形においてN値をリアルタイムで変化させる。
N値は時間であるから、カウンタでカウントすることに
より容易に変化させることができ、画像の明るさを変更
できる。
【0331】切り替え回路355は画素16のTFT1
1をオンさせる電圧Vglとオフさせる電圧Vgh(画
素TFT11がPチャンネルの場合であり、Nチャンネ
ルではその逆である)を切り替える回路である。つま
り、カウンタ回路351の出力に基づき、図37(b)
に示す1F/Nの期間を変化させる。したがって、表示
画面21の明るさをリアルタイムで容易に可変すること
ができる。
【0332】映像信号データに応じて表示輝度をリアル
タイムで制御する。このように制御することにより、明
るさ表現のダイナミックレンジを実質上3倍以上に拡大
することができる。また、EL表示装置は、EL素子に
電流を流さない時は完全に黒表示(非点灯)となるか
ら、画像表示の黒浮きも発生しない。つまり、コントラ
ストも高くなる。特に電流プログラムの場合、黒表示で
は、画素にプログラムする電流値が10nAと小さいの
で、寄生容量404を十分充放電できず、完全な黒表示
を実現することが難しい。また、ゲート信号線17に印
加されたパルスによりソース信号線18に電力が供給さ
れ(突き抜け電圧)、黒浮きが発生する。
【0333】本発明は強制的にスイッチング用TFT1
1dをオフにし、EL素子15に電流を供給することを
停止する。したがって、EL素子15は完全に非点灯状
態となる。そのため、良好なコントラストを実現でき
る。
【0334】なお、図44において、映像信号の映像デ
ータに基づき、リアルタイムで画像の明るさを変化させ
るとしたが、これに限定されるものではない。例えば、
ユーザーが明るさ調整スイッチを押したり、明るさ調整
ボリウムを回したりする時に、この変化を検出してカウ
ンタ回路351のカウンタ値を可変して、表示画面21
の輝度(あるいはコントラスト、もしくはダイナミック
レンジ)を変化させてもよい。また、外光などの明るさ
をホトセンサで検出し、この検出したデータに基づき、
表示画面21の明るさなどを自動的に変化させてもよ
い。また、表示する画像の内容、データにより手動で、
あるいは自動的に変化させるように構成してもよい。
【0335】明るさ調整は、EL素子15側のTFT
(図6ではスイッチング用TFT11d)をオンオフさ
せることにより実現できる。この場合、ソースドライバ
14から出力するプログラム電流(電圧:電圧プログラ
ム方式の場合)は固定値である(プログラム電流は変化
させない)ので、ソースドライバの回路構成を簡略化で
きる。つまり、表示画面の明るさに対応して出力電流
(電圧)などを変化させる必要がないからである。例え
ば、従来の液晶表示パネルでは64階調表示のときは、
最大明るさの64階調目を使用する。これよりも明るさ
調整で輝度を下げる時は、例えば32階調目までを使用
する。このように回路を構成すると、画面輝度が暗いと
きには階調表示数が少なくなる。
【0336】また、EL素子15側のTFT11をオン
オフさせる(EL素子15に流れる電流を間欠表示させ
る)方式でも、オフ期間の調整により明るさを自由に調
整できる。その際、本発明による明るさ調整は、ガンマ
調整、リニアリティの明るさ変化においても保持でき
る。電源電圧Vddも固定値であるから構成上も有利で
ある。
【0337】また、スイッチング用TFT11dを画面
の上から下方向に、オンオフ状態を制御することにより
容易に画面の輝度をガウス分布させることができる。制
御するにもほとんど演算機能を必要としない。この方法
については後ほど説明をする。
【0338】なお、EL素子15をオンオフする周期は
0.5msec以上にする必要がある。この周期が短い
と、人間の目の残像特性により完全な黒表示状態となら
ず、画像がぼやけたようになり、あたかも解像度が低下
したようになる。あるいは、データ保持型の表示パネル
の表示状態となる。しかし、オンオフ周期を100ms
ec以上にすると、点滅状態に見える。したがって、E
L素子のオンオフ周期は0.5msec以上100ms
ec以下、さらには2msec以上30msec以下に
すべきである。さらに好ましくは、オンオフ周期を3m
sec以上20msec以下にすべきである。
【0339】黒画面(非表示領域)312の分割数は、
1つにすると良好な動画表示を実現できるが、画面のち
らつきが見えやすくなるので、黒挿入部を複数に分割す
ることが好ましい。しかし、分割数をあまりに多くする
と動画ぼけが発生するので、分割数は1以上8以下とす
べきである。さらには1以上5以下とすることが好まし
い。
【0340】なお、黒画面の分割数は静止画と動画で変
更できるように構成することが好ましい。分割数とは、
N=4では、75%が黒画面であり、25%が画像表示
である。このとき、75%の黒表示部を75%の黒帯状
態で画面の上下方向に走査するのが分割数1である。7
5%の黒画面と25/3%の表示画面の3ブロックで走
査するのが分割数3である。静止画の場合は分割数を多
くし、動画の場合は分割数を少なくする。切り替えは入
力画像に応じて自動的(動画検出など)に行っても良
く、ユーザーが手動で行ってもよい。また、表示装置の
映像などを入力コンセントに対応させて切り替えるよう
に構成すればよい。
【0341】例えば、携帯電話などにおいて、壁紙表
示、入力画面では、分割数を10以上とする(極端には
1Hごとにオンオフしてもよい)。NTSCの動画を表
示するときは、分割数を1以上5以下とする。なお、分
割数は3以上の多段階に切り替えできるように構成する
ことが好ましい。例えば、分割数なし、2、4、8など
である。
【0342】また、全表示画面に対する黒画面の割合
は、全画面の面積を1とした時、0.2以上0.9以下
(Nで表示すれば1.2以上9以下)とすること、特に
は0.25以上0.6以下(Nで表示すれば1.25以
上6以下)とすることが好ましい。なぜなら、0.20
以下であると動画表示での改善効果が低いからである。
また、0.9以上であると、表示部分の輝度が高くな
り、表示部分が上下に移動することが視覚的に認識され
やすくなるからである。
【0343】また、1秒あたりのフレーム数は、10以
上100以下(10Hz以上100Hz以下)、さらに
は12以上65以下(12Hz以上65Hz以下)が好
ましい。なぜなら、フレーム数が少ないと、画面のちら
つきが目立つようになり、あまりにもフレーム数が多い
と、ソースドライバ14などからの書き込みが苦しくな
り解像度が劣化するからである。
【0344】いずれにせよ、図37、図44などを用い
て先に説明したように、本発明では、ゲート信号線17
の制御や、ソース信号線18に印加する電流(電圧)の
変化により行ってもよいし、また、両者を組み合わせて
行ってもよい。
【0345】なお、以上の事項は、図74、図76など
の電圧プログラムの画素構成でも適用できることは言う
までもない。例えば、図74ではTFT11eをオンオ
フ制御すればよい。
【0346】ゲート信号線17bの1F/Nの期間だ
け、オン電圧Vglにする時刻は図45に図示するよう
に、1F(1Fに限定されるものではなく、単位期間で
よい)期間のうち、どの時刻でもよい。単位期間のう
ち、所定の期間だけEL素子15をオンさせることによ
り、所定の平均輝度を得るものだからである。ただし、
図45(a)のプログラム期間(1H)後、すぐにゲー
ト信号線17bをオン電圧VglにしてEL素子15を
発光させる方が、図6のコンデンサ19の保持率特性の
影響を受けにくくなるのでよい。また、1F/Nの期間
は図45(b)において、A、Bの記号と矢印で示すよ
うに、位置を変化させるように構成してもよい。図10
におけるSTに印加するデータのタイミング(1Fのい
つにLレベルにするか)を調整あるいは可変できるよう
に構成しておけば、この変化も容易に実現できる。
【0347】また、図46に図示するように、ゲート信
号線17bをオン電圧Vglにする期間(1F/N)を
複数に分割(分割数K)してもよい。つまり、オン電圧
Vglにする期間は1F/(K/N)の期間をK回実施
する。このように制御すれば、画像表示状態は図38
(b)(K=2)、図38(c)(K=3)となる。こ
のように、点灯させる画像部(画像表示領域311)を
複数に分割することによりフリッカの発生を抑制でき、
低フレームレートの画像表示を実現できる。また、この
画像の分割数も可変できるように構成することが好まし
い。例えば、ユーザーが明るさ調整スイッチを押した
り、明るさ調整ボリウムを回したりすることで、この変
化を検出してKの値を変更するというように、表示する
画像の内容、データにより手動で、あるいは自動的に変
化させるように構成してもよい。
【0348】このように、図10におけるSTに印加す
るデータのタイミング(1FのいつにLレベルにする
か)を調整あるいは可変できるように構成しておけば、
Kの値(画像表示領域311の分割数)を変化させるこ
とも容易に実現できる。
【0349】なお、図46では、ゲート信号線17bを
オン電圧Vglにする期間(1F/N)を複数に分割
(分割数K)し、オン電圧Vglにする期間は1F/
(K/N)期間をK回実施するとしたがこれに限定され
るものではない。1F/(K/N)期間をL(L≠K)
回実施してもよい。つまり、本発明は、EL素子15に
流す期間(時間)を制御することにより表示画面21を
表示するものであるので、1F/(K/N)の期間をL
(L≠K)回実施することは本発明の技術的思想に含ま
れる。また、Lの値を変化させることにより、表示画面
21の輝度をデジタル的に変更することができる。例え
ば、L=2とL=3では50%の輝度(コントラスト)
変化をなす。これらの制御も図10、図44、図55、
図56などの回路構成で容易に実現できる。
【0350】また、画像表示領域311を分割する時、
ゲート信号線17bをオン電圧Vglにする期間は同一
期間に限定されるものではない。例えば、図47に示す
ように、オン電圧Vglにする期間をt1とt2のよう
に複数の期間としてもよい。
【0351】図37では隣接した画素行を順次点灯(表
示)させるように図示したが、本発明はこれに限定され
るものではない。図48に図示するように、インターレ
ース走査してもよい。このインターレース走査とは、第
1フィールドでは奇数画素行に画像を書き込み(図48
(a)書き込み画素行391)、次の第2フィールドで
は偶数画素行に画像を書き込む(図48(b)書き込み
画素行391)画像表示方法である。書き込まない画素
行は前のフィールドの画像データを保持している(保持
画素行392)。このように、EL表示装置でインター
レース走査をすることにより、フリッカを減少させ得る
ことができる。
【0352】この図48の駆動方法であれば、すべての
(あるいは複数の)偶数画素行のゲート信号線17bを
共有でき、また、すべての(あるいは複数の)奇数画素
行のゲート信号線17bを共有できる。したがって、ゲ
ート信号線17の引き回し数を大幅に削減できる。ま
た、全画面を画像表示領域311と非表示領域312と
を交互に表示する場合は、すべてのゲート信号線17b
を共有できる。これらの構成は図13などの3辺フリー
の構成で特に有効である。
【0353】なお、インターレース走査は、第1フィー
ルドでは奇数画素行に画像を書き込み、次の第2フィー
ルドでは偶数画素行に画像を書き込むとしたが、これに
限定されるものではない。例えば、第1フィールドでは
2画素行とばしで2画素行ずつ画像を書き込み、次の第
2フィールドでは第1フィールドで書き込まなかった2
画素行ごとに画像を書き込んでもよい。また、3画素行
ずつあるいは4画素行ずつでもよい。また、第1フィー
ルドでは画面の2行目から2画素行ずつ画像を書き込み
(図49(a)を参照)、次の第2フィールドでは1行
目から2画素行ごとに画像を書き込んでもよい(図49
(b)を参照)。また、図49に図示するように、書き
込んでいる画素行あるいは書き込む画素行を非表示領域
312となるように制御してもよい。また、第1フィー
ルドでは画面の上から下に向かって画像を書き込み、第
2フィールドでは画面の下から上に向かって画像を書き
込んでもよい。これらもすべてインターレース走査の概
念に含まれる。
【0354】インターレース走査も図37、図41で説
明した方法を実施することで容易に実現できる。点灯さ
せない非表示領域312に該当する画素行は図6(a)
に示すスイッチング用TFT11dをオフさせればよい
からである。
【0355】また、当然のことながら図50に図示する
ように、非表示領域312とインターレース走査とを組
み合わせることができる。図50(a)では、書き込み
画素行391と保持画素行392からなる走査領域50
1を順次シフトさせる。なお、図50(a)では第1行
目から画像を書き込んでいる。図50(b)でも同様
に、書き込み画素行391と保持画素行392からなる
走査領域501を順次シフトさせる。なお、図50
(b)では第2行目から画像を書き込んでいる。
【0356】以上の実施例は主として図6の画素16の
構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定さ
れるものではない。例えば、図8や図9の画素16でも
実現できる。
【0357】図8の画素構成では、ゲート信号線17a
にオン電圧Vglを印加することにより、コンデンサ1
9にソース信号線18に印加した電流値がプログラムさ
れる。図51に図示するように、ソース信号線18には
ソースドライバ14内の電源切り替え手段403から映
像信号に該当するデータが印加される。プログラムされ
た電流は、カレントミラー効率が1の時、前記電流が駆
動用TFT11bに流れ、この電流がEL素子15に印
加される。この関係(タイミング波形など)は図37に
図示した事項を流用でき、あるいは類似するので説明を
要さないであろう。ただし、電流プログラムを行う際、
取込用TFT11cとスイッチング用TFT11dのオ
ンあるいはオフタイミングを個別に制御しなければなら
ない場合がある。この場合は、取込用TFT11cとス
イッチング用TFT11dをオンオフさせるゲート端子
を別のゲート信号線17としなければならない。
【0358】図38などの表示方法を実施するために
は、EL素子15に流す電流を遮断する必要がある。こ
の遮断を目的として図51に図示するように、TFT1
1eを付加する。TFT11eのゲート端子をオン電圧
VglにすることによりEL素子15に電流が印加さ
れ、TFT11eのゲート端子をオフ電圧Vghにする
ことによりEL素子15への電流が遮断される(非点灯
状態)。
【0359】したがって、図37などで説明したゲート
信号線17a、17bの信号波形を印加することによ
り、図38などで説明した画像表示を実現できる。
【0360】画像表示領域311と非表示領域312は
図52に図示するように、奇数画素行と偶数画素行とを
フレーム(フィールド)ごとに切り替えてもよい。図5
2(a)で奇数画素行を表示し、偶数画素行を非表示と
すれば、次のフレーム(フィールド)(図52(b)を
参照)では奇数画素行を非表示にし、偶数画素行を表示
する。
【0361】このように、1画素行ごとに非表示領域と
表示領域とを繰り返すように表示すれば、フリッカの発
生が大幅に抑制される。
【0362】なお、図52において、1画素行ごとに非
表示画素行と表示画素行にするとしたがこれに限定され
るものではなく、2画素行ごとあるいはそれ以上の画素
行ごとに非表示画素行と表示画素行にするとしてもよ
い。
【0363】例えば、2行ごとであれば、第1フィール
ド(フレーム)では、1画素行目と2画素行目を表示画
素行とし、3画素行目と4画素行目を非表示画素行とす
ると、5画素行目と6画素行目は表示画素行となる。次
の第2フィールド(フレーム)では、1画素行目と2画
素行目を非表示画素行とし、3画素行目と4画素行目を
表示画素行とすると、5画素行目と6画素行目は非表示
画素行となる。また、次の第3フィールド(フレーム)
では、第1フィールドと同様、1画素行目と2画素行目
を表示画素行とし、3画素行目と4画素行目を非表示画
素行とすると、5画素行目と6画素行目は表示画素行と
なる。
【0364】なお、本明細書でフィールドとフレームの
文言は同義に使用したり、分離したりしている。一般的
に、NTSCのインターレース駆動において、1フレー
ムは2フィールドで構成される。しかし、プログレッシ
ブ駆動において、1フレームは1フィールドである。こ
のように、映像の信号の世界ではフィールドとフレーム
は使い分けられているが、本発明における表示パネルに
表示する画像はプログレッシブでもインターレースでも
どちらでも適用できる。そのため、どちらでもよいとい
う表現としている。フィールドでもフレームでも概念的
には一連の画面を書き終える時間の単位である。
【0365】図53の表示方法も有効である。ここで説
明を容易にするため、図53(a)を第1フィールド
(第1フレーム)、図53(b)を第2フィールド(第
2フレーム)、図53(c)を第3フィールド(第3フ
レーム)、図53(d)を第4フィールド(第4フレー
ム)とする。
【0366】第1フィールド(フレーム)では、1画素
行目と2画素行目を非表示画素行とし、3画素行目と4
画素行目を表示画素行、5画素行目と6画素行目を表示
画素行とする。第2フィールド(フレーム)では、奇数
画素行目を表示画素行とし、偶数画素行目を非表示画素
行とする。第3フィールド(フレーム)では、1画素行
目と2画素行目を表示画素行とし、3画素行目と4画素
行目を非表示画素行とする。第4フィールド(フレー
ム)では、奇数画素行目を非表示画素行とし、偶数画素
行目を表示画素行とする。以後、第1フィールド(第1
フレーム)の表示状態から順次繰り返す。
【0367】図53の駆動方法では、4フィールド(フ
レーム)で1ループとしている。このように、複数フィ
ールド(複数フレーム)で画像表示を行うことにより、
図52よりもフリッカの発生は抑制されることが多い。
【0368】なお、図53の実施例では、第1フィール
ド(フレーム)では、2画素行目ずつ非表示画素行と
し、第2フィールド(フレーム)では、1画素行目ずつ
非表示画素行としたがこれに限定されるものではない。
また、第1フィールド(フレーム)では、4画素行目ず
つ非表示画素行とし、第2フィールド(フレーム)で
は、2画素行目ずつ非表示画素行とし、第3フィールド
(フレーム)では、1画素行目ずつ非表示画素行とし、
第4フィールド(フレーム)では、4画素行目ずつ非表
示画素行とし、第5フィールド(フレーム)では、2画
素行目ずつ非表示画素行とし、第6フィールド(フレー
ム)では、1画素行目ずつ非表示画素行としてもよい。
【0369】本発明の駆動方法は、表示効果(アニメー
ション効果など)を実現することも容易である。図54
は表示領域が図54(a)→図54(b)→図54
(c)→図54(d)と順次現れる表示方法である。ゆ
っくりと非表示領域312をスクロールしていくことに
よりアニメーション効果を実現できる。これらの制御は
図10、図55、図56などの回路構成でも容易に実現
できる。これは、映像として黒表示状態を書き込まず、
ゲート信号線17bなどの制御によりアニメーション効
果を容易に実現している。
【0370】液晶表示パネルなどの画素に1フィールド
(1フレーム)期間データを保持する表示パネルは動画
ぼけが発生するという課題がある。ただし、CRTなど
は電子銃により一瞬表示されるだけなので動画ぼけの問
題は発生しない。
【0371】この課題を解決するのに有効な手段が黒挿
入である。本発明は動画表示を極めたCRTに近い黒挿
入方式を容易に実現できる。
【0372】図57は画面の上から下にFという文字が
移動するところを示している。図57に図示するよう
に、画像表示(図57(a)、(c)、(e))の間に
非表示状態(図57(b)、(d)、(f))を挿入し
ている。したがって、画像は飛び飛びの表示となる。そ
のため、動画ぼけが発生せず、良好な動画表示を実現で
きる。
【0373】このように、全画面を非表示領域とするに
は図55の回路構成を採用すればよい。図10との差異
は、ENBL端子601を具備する点である。ENBL
端子601はゲート信号線17が形成されたOR回路6
02の一端子に接続されている。ENBL端子をLレベ
ルとすることにより、すべてのゲート信号線17bには
Vghレベルが出力され、EL素子15に電流を供給す
るスイッチング用TFT11dまたはTFT11eがオ
フ状態となり、全画面が非表示領域312となる。ま
た、ENBL端子がHレベルの時は、通常動作が実施さ
れる。
【0374】なお、図10、図55、図56、図58で
は、ST端子に入力されたデータをクロックで順次シフ
トしていく(シリアル動作)として説明したが、これに
限定されるものではない。例えば、各ゲート信号線のオ
ンオフ状態を一度に決定するパラレル入力であってもよ
い(すべてのゲート信号線のオンオフフロジックがコン
トローラまたはゲート信号線17の本数分、一度に出力
され決定される構成など)。
【0375】図57の実施例は、動画表示であったが、
R、G、Bごとにフラッシュイングさせるなどのアニメ
ーション効果の実施も容易である(図59参照)。図5
9において、図59(a)は赤色表示311Rの画像、
図59(c)は緑色表示311Gの画像、図59(e)
は青色表示311Bの画像である。図59(a)、
(c)、(e)の各画像の間に非表示状態(図59
(b)、(d)、(f))を挿入している。この動作を
図59(a)から図59(f)までの動作をゆっくりと
実施すれば、R、G、Bの画像がフラッシュイングして
いるように表示することができる。
【0376】また、図60のように、異なる画像ごとに
フラッシュイングさせるなどのアニメーション効果の実
施も容易である。図60において、図60(a)は第1
画像311a、図60(c)は第2画像311b、図6
0(e)は第3画像311cである。図60(a)、
(c)、(e)のそれぞれの画像の間に非表示状態(図
60(b)、(d)、(f))を挿入している。図60
(a)から図60(f)までの動作をゆっくりと実施す
れば、第1、第2、第3の画像がフラッシュイングして
いるように表示することができる。
【0377】以上の実施例は、概念的にはソース信号線
18の所定値に対してN倍の電流を流し、EL素子15
には1/Nの期間だけN倍の電流を流して所望の輝度を
得る方法(構成)である。この方法(構成)により、寄
生容量404の存在による書き込み不足の課題を解決し
た。
【0378】なお、N倍する駆動方法は、1倍(従来の
駆動方式)の時よりも発光効率が向上する。これは、図
6の駆動用TFT11b(コンデンサ19側)の突き抜
け電圧の影響であり、N倍にする方が、この突き抜け電
圧の影響を軽減できる。N倍数は1.5倍以上8倍以下
が適切である。これ以上であると、EL素子の発光効率
が低下し、全体としての効率も低下するので、N倍数は
2倍以上6倍以下が好ましい。ここで、N倍するとは、
発光期間を1/Nにするということである。したがっ
て、N倍数を2倍以上6倍以下にするとは、発光期間を
1/2以上1/6以下にする(通常の明るさの時)とい
うことになる。
【0379】なお、本発明はスイッチング用TFT11
dをオフさせ、EL素子15への電流を遮断した後、再
び、スイッチング用TFT11dをオンさせることによ
り、EL素子15に先と同様に電流を流すことができ
る。本発明はこの原理をうまく応用して、1/Nの期間
に電流を流し、所定の輝度を得ている。このように駆動
できるのは、流す電流値が画素16ごとにコンデンサ1
9に保持されているからである。つまり、本発明は、E
L素子15に流す電流値を保持しながらEL表示パネル
特有の画素構成をうまく応用していると言うことができ
る。
【0380】(実施の形態7)図61の構成は、駆動用
TFT11aに対し、駆動能力がN−1倍の駆動用TF
T11anを形成することにより、寄生容量404の存
在による書き込み不足の課題を解決する方法である。
【0381】図61と図6(a)との差異は、駆動用T
FT11aの他に、N−1倍の駆動用TFT11an−
1とスイッチング用TFT11fを追加した点である。
図6と図61との差異を中心に説明する。駆動用TFT
11an−1としたのは、駆動用TFT11an−1と
駆動用TFT11aとの電流が加算されればN倍になる
ように構成したためである。つまり、駆動用TFT11
an−1のチャンネル幅W2を駆動用TFT11aのチ
ャンネル幅W1のN−1倍にしているということであ
る。例えば、N=10であって、駆動用TFT11aの
チャンネル幅W1が1とすれば、駆動用TFT11an
−1のチャンネル幅W2は9倍である。したがって、理
論的には、駆動用TFT11aが1の電流を流せば駆動
用TFT11an−1は9倍の電流を流す能力があると
いうことになる。
【0382】なお、図61で駆動用TFT11an−1
の駆動電流をN−1としたのは、図61の構成では、N
倍の電流をソース信号線18に流す時、EL素子15に
電流を流す駆動用TFT11aの1倍の電流が加算され
るからである。図62の構成では、EL素子15に電流
を流す駆動用TFT11bの電流はソース信号線18に
流れることはないからTFT11nの駆動電流をN倍に
する必要がある。
【0383】ここで説明を容易にするため、駆動用TF
T11aはI1なる電流を流すとし、駆動用TFT11
an−1はIn−1の電流を流すとすると、I1+In
−1=Iw(この場合、IwはEL素子15に流す電流
I1のN倍とする)という式が成り立つ。
【0384】電流プログラム期間にはゲート信号線17
aがオン電圧Vglに印加され、駆動用TFT11b、
スイッチング用TFT11f、取込用TFT11cがオ
ン状態となる。また、ゲート信号線17bにはオフ電圧
Vghが印加され、スイッチング用TFT11dはオフ
状態となる。したがって、プログラム電流Iwに相当す
る電圧がコンデンサ19にプログラムされる。つまり、
I1+In−1=Iw(この場合、IwはEL素子15
に流す電流I1のN倍とする)なる電流がソース信号線
18に流れる。
【0385】次に、EL素子15に電流を流す期間では
ゲート信号線17aにオフ電圧Vghが印加され、駆動
用TFT11b、スイッチング用TFT11f、取込用
TFT11cがオフ状態となる。したがって、ソース信
号線18と画素16とは切り離される。また、ゲート信
号線17bにはオン電圧Vglが印加され、スイッチン
グ用TFT11dはオン状態となる。したがって、プロ
グラム電流Iwの1/Nに対応する電流I1がEL素子
15に流れる。
【0386】以上のように駆動することにより、ソース
信号線18には所望値の電流(EL素子に流す電流)の
N倍の電流を流すことができる。したがって、寄生容量
404の影響が除外され、十分にコンデンサ19に電流
プログラムを行うことができる。一方、EL素子15に
は所望値の電流を印加することができる。
【0387】図61ではN−1の電流能力がある駆動用
TFT11an−1を1つ画素に作製するとしたがこれ
に限定されるものではない。図63に示すように、複数
個のTFT(図63ではTFT11n1〜TFT11n
6)を作製してもよい。動作は図61と同様であるので
説明を省略する。
【0388】また、図8に図示したカレントミラー方式
においても図61の構成を展開することができる。図6
2に図示するように、N倍の駆動能力を有するTFT1
1nを形成すればよい。ただし、カレントミラー構成で
はスイッチング用のTFT11fは必要がない。
【0389】図62において、TFT11nのチャンネ
ル幅W2と駆動用TFT11bのチャンネル幅W1との
比は、N:1としている。ここで説明を容易にするた
め、駆動用TFT11bはI1なる電流を流すとし、T
FT11nはInの電流を流すとすると、In=Iw
(この場合、IwはEL素子15に流す電流I1のN倍
とする)となる。
【0390】電流プログラム期間にはゲート信号線17
aにオン電圧Vglが印加され、取込用TFT11c、
スイッチング用TFT11dがオン状態となる。したが
って、プログラム電流Iwに相当する電圧がコンデンサ
19にプログラムされる。つまり、In=Iw(この場
合、IwはEL素子15に流す電流I1のN倍とする)
なる電流がソース信号線18に流れる。なお、取込用T
FT11cとスイッチング用TFT11dとは少しタイ
ミングをずらせてオンオフ状態を制御することが好まし
い。この場合、取込用TFT11cを制御するゲート信
号線とスイッチング用TFT11dを制御するゲート信
号線とを別個にし、独立制御をする必要がある。
【0391】次に、EL素子15に電流を流す期間では
ゲート信号線17aにオフ電圧Vghが印加され、取込
用TFT11c、スイッチング用TFT11dがオフ状
態となる。したがって、ソース信号線18と画素16と
は切り離され、プログラム電流Iwの1/Nに対応する
電流I1がEL素子15に流れる。
【0392】以上のように駆動することで、ソース信号
線18には所望値の電流(EL素子に流す電流)のN倍
の電流を流すことができる。したがって、寄生容量40
4の影響が除外され、十分にコンデンサ19に電流プロ
グラムを行うことができる。一方、EL素子15には所
望値の電流を印加することができる。
【0393】なお、ゲート信号線17bとTFT11e
は図51で説明したように、図14などの非画像表示あ
るいは1/N期間だけEL素子15に電流を流すように
制御するために設けたものである。したがって、図62
の構成において、さらにN倍の電流を流し、EL素子1
5に流す電流を1/N期間のパルス駆動することによ
り、寄生容量404による書き込み不足の問題は全くな
くなる。また、黒挿入表示を容易に実現でき、良好な動
画表示を実現できる。
【0394】また、図62の構成は非常に有効である。
例えば、図6のみの構成で、N=10を実現しようとす
ると、所望値よりも10倍高いパルス状の電流をEL素
子15に印加する必要がある。この場合、EL素子15
の端子電圧が高くなることから、Vdd電圧を高く設計
する必要があり、また、EL素子15が劣化する可能性
もある。
【0395】しかし、図62の構成では、TFT11n
のチャンネル幅W2を駆動用TFT11bの5倍とし、
2倍高い電流でプログラムすれば、5×2=10となる
ので、EL素子15には2倍の電流を1/2の期間だけ
印加すれば実現できる。したがって、EL素子15が劣
化する問題もなくなるし、Vdd電圧をほとんど高くす
る必要がない。
【0396】逆に、TFT11nだけでN=10を実現
しようとすると、図62の構成では、TFT11nのチ
ャンネル幅W2を駆動用TFT11bの10倍とする必
要がある。10倍にするとTFT11nの形成面積が、
画素の面積のほとんどを占有する。したがって、画素開
口率が極めて小さくなるか、もしくは実現不可能にな
る。しかし、図62の構成では、TFT11nのチャン
ネル幅W2を駆動用TFT11bの5倍とするだけで済
むので十分な画素開口率を実現することができる。
【0397】N=10の実現方法は数多くある。例え
ば、TFT11nのチャンネル幅W2を駆動用TFT1
1bの2倍とし、5倍高い電流をEL素子15に1/5
の期間印加する方法や、TFT11nのチャンネル幅W
2を駆動用TFT11bの4倍とし、2.5倍高い電流
をEL素子15に1/2.5の期間印加する方法などで
ある。つまり、TFT11nの設計(チャンネル幅W
2)とEL素子15に流す電流とその期間とを考慮して
掛算が10となるようにすればよい。このように、Nの
値は自由に設計することができる。
【0398】なお、図62ではNの電流能力があるTF
T11nを1つ画素に作製するとしたがこれに限定され
るものではない。図64に示すように、複数個のTFT
(図64ではTFT11n1〜TFT11n5)を作製
してもよい。動作は図62と同様であるので説明を省略
する。
【0399】N=10の実現方法が数多くあるのは、図
61の構成でも同様である。駆動用TFT11an−1
のチャンネル幅W2を駆動用TFT11aの4倍とし、
2倍高い電流をEL素子15に1/2の期間印加する方
法や、駆動用TFT11an−1のチャンネル幅W2を
駆動用TFT11aの2倍とし、5倍高い電流をEL素
子15に1/5の期間印加する方法などである。つま
り、駆動用TFT11an−1の設計(チャンネル幅W
2)とEL素子15に流す電流とその期間とを考慮して
掛算が10となるようにすればよい。このように、Nの
値は自由に設計することができる。
【0400】以上に説明した事項は、図61、図63、
図65〜図67においても適用できることは明らかであ
る。つまり、本発明はチャンネル幅が大きい駆動用TF
Tを各画素に形成し、ソース信号線18を駆動する電流
を増大させる。かつ、図38などで説明したようにEL
素子15に流す電流を増大するとともに、EL素子15
に流す電流を所定の期間とする方法あるいは構成であ
る。
【0401】また、スイッチング用TFT11dあるい
はTFT11eのオンオフを制御することにより、図1
4、図38などで説明した表示を実現できる。この表示
により、動画表示を改善でき、また、明るさを調整する
ことができる。したがって、本発明ではEL素子にN倍
あるいはNに比例した電流をEL素子15に印加すると
したが、これに限定されるものではない。所定の1倍あ
るいはそれ以下の電流をEL素子15に流す構成でもよ
い。この場合でも、動画表示を改善でき、また、明るさ
を容易に調整することができるという効果を発揮できる
からである。
【0402】図6および図61も同様であるが、スイッ
チング用TFT11dをオン状態にする際、抵抗値を高
くすることにより駆動用TFT11aのキンク現象によ
る特性ばらつきを抑制できる。このことは図6(b)の
構成で説明をした。図6(b)のTFT11eを配置
し、TFT11eのゲート端子にVbb電圧(Vgl<
Vbb<Vgh)を印加することにより、駆動用TFT
11aに流れる電流のばらつきが減少するのである。
【0403】したがって、図6および図61の画素構成
においても、ゲート信号線17bにVbb電圧を印加し
てスイッチング用TFT11dをオンさせることが好ま
しい。つまり、スイッチング用TFT11dはオフ状態
ではオフ電圧Vghが印加され、オン状態ではVbb電
圧を印加するのである。
【0404】図56のように回路構成すればこの制御は
容易である。シフトレジスタ22bの出力段のインバー
タはオフ電圧VghとVbb電圧を電源とすれば、オフ
状態ではゲート信号線17bにオフ電圧Vghが印加さ
れ、オン状態ではゲート信号線17bにVbb電圧が印
加できるからである。
【0405】なお、ゲート信号線17のオンオフ制御
は、シフトレジスタ22が保持するデータに基づくとし
たがこれに限定されるものではなく、シフトレジスタ2
2を設けずに、各ゲート信号線17を独自に制御する方
式でもよい。例えば、オン電圧を出力する任意のゲート
信号線17をマルチプレクサ回路で選択してもよい。ま
た、すべてのゲート信号線をパラレルで引き出し、それ
ぞれのゲート信号線に自由にオン電圧またはオフ電圧を
印加できるように構成してもよい。このように、シフト
レジスタ22の保持データによらず、任意のゲート信号
線17を選択できるように構成することにより、図3
4、図35、図38、図42、図177、図180、図
185、図188、図190などの表示画面21のオン
オフあるいは輝度分布の強弱処理が容易となる。
【0406】なお、図6(b)と同様に図65に図示す
るように、別途Vbb電圧を印加するTFT11eを形
成または配置してもよい。この事項はカレントミラー構
成でも同様である。例えば、図68、図69に図示する
ように、Vbb電圧を印加するスイッチング用TFT1
1fを別途形成または配置してもよい。図70の画素構
成でも同様である。
【0407】なお、図71においては、駆動用TFT1
1aをTFT11a1とTFT11a2に分離し、ゲー
ト端子をカスケードに接続することにより、キンク現象
を抑制でき、また、特性ばらつきも抑制できる。このこ
とは図6の駆動用TFT11a、図8の駆動用TFT1
1b、図61の駆動用TFT11a、図62の駆動用T
FT11bなどについても同様である(駆動用TFTの
構成として採用することが好ましい)。
【0408】図63および図64においてTFT11n
などを複数に分割するとしたが、また他の構成として、
図72に図示するように分割したTFT11n1、TF
T11n2を駆動電流向上用として動作させるか否かを
ゲート信号線17cに印加する電位(VghまたはVg
l)で制御すればよい。TFT11f2をオフ状態にす
れば、ソース信号線18に流れる電流はTFT11n
1、TFT11n2が動作している場合の1/2とな
る。これらの制御は表示パネルの画像表示データおよび
消費電力の観点から決定すると良い。
【0409】図65と図66の差異は、スイッチング用
TFT11fのゲート端子をゲート信号線17cに接続
した点である。つまり、スイッチング用TFT11fの
オンオフ状態をゲート信号線17aの電位状態に影響さ
れず、独自制御を実現できる点にある。スイッチング用
TFT11fが絶えずオフ状態である時は、TFT11
nは画素から切り離された状態であり、図6(a)の画
素構成となる。ゲート信号線17cとゲート信号線17
aとをロジック的にショートして使用すれば図65の構
成となる。
【0410】ここでの図65の問題点は、TFT11n
と駆動用TFT11aの閾値Vtなどの特性ずれが画素
ごとに発生していると、画素ごとにEL素子15に流れ
る電流にばらつきが出るという点である。電流にばらつ
きが発生すると、白ラスターなどの均一表示でも表示画
像にざらつき感が出てしまう。その点、図6の構成では
この問題は発生しない。
【0411】したがって、表示パネルの画面サイズが小
さく、寄生容量404の影響が少ない時はスイッチング
用TFT11fを絶えずオフ状態で使用する。また、表
示パネルの画面サイズが大きく、寄生容量404の影響
が駆動用TFT11aの動作のみでは解消できない時
は、ゲート信号線17cをゲート信号線17aのロジッ
クとショートさせ、図65の画素構成を実現して駆動を
行うとよい。
【0412】図58に図66の画素構成を駆動する回路
ブロックを示す。ゲート信号線17cを駆動するシフト
レジスタ22cを形成し、ゲート信号線17cを駆動す
る。図6の画素構成で駆動する時は、ST3のデータを
絶えずLとし、ゲート信号線17cには絶えず、Vgh
のオフ電圧が出力されるように制御する。図66の構成
で使用する場合は、シフトレジスタ22cと22aのデ
ータ入力状態(タイミング、ロジックなど)を同一にす
ればよい。
【0413】この図66の構成は、カレントミラーの構
成でも実現できる。図67にその画素構成を示す。図6
7に図示するように、分割した駆動用TFT11a、T
FT11nを駆動電流向上用として動作させるか否かを
ゲート信号線17cに印加する電位(VghまたはVg
l)で制御すればよい。スイッチング用TFT11fを
オフ状態にすれば、ソース信号線18に流れる電流によ
り駆動用TFT11aのみが動作する。
【0414】したがって、図66の画素構成と同様に、
表示パネルの画面サイズが小さく、寄生容量404の影
響が少ない時はスイッチング用TFT11fを絶えずオ
フ状態で使用する。表示パネルの画面サイズが大きく、
寄生容量404の影響が駆動用TFT11aの動作のみ
では解消できない時は、ゲート信号線17cをゲート信
号線17aのロジックとショートさせ、駆動電流を増大
させて駆動する。このように、図67の画素構成におい
ても、図58の回路ブロックを適用することができる。
【0415】なお、図58の構成ではゲート信号線17
cを制御するシフトレジスタ22cを新規に形成し、動
作させた。しかし、この構成に限定されるものではな
い。スイッチング用TFT11fのゲート端子にVgl
またはVgh電圧を印加するだけであるので、ゲート信
号線17cの制御ロジックは容易である。TFT11n
を動作させない時は、表示画面21内の全スイッチング
用TFT11fのゲート端子にオフ電圧Vghを印加す
ればよい。TFT11nを動作させる場合は、ゲート信
号線17aの電位をゲート信号線17cに印加すればよ
い。したがって、図58のように別途シフトレジスタ2
2cを使用する必要はない。つまり、シフトレジスタ2
2aのデータをそのままゲート信号線17cに出力する
か、すべてのゲート信号線17cの電位がオフ電圧Vg
hとなるようにゲート回路を付加すればよいからであ
る。
【0416】(実施の形態8)以下に本発明の駆動方法
について説明をする。ソース信号線18に流す電流をN
倍することにより、寄生容量404の影響がなくなり、
解像度のある良好な画像表示を実現できる。図34はソ
ース信号線に流れる電流を増大させる他の実施例の説明
図である。図34における本発明の駆動方法とは、基本
的に複数の画素行を同時に選択し、それら複数の画素行
をあわせた電流でソース信号線の寄生容量などを充放電
し、電流書き込み不足を大幅に改善する方法である。こ
の駆動方法ならば、複数の画素行を同時に選択するた
め、1画素あたりの駆動する電流を減少させることがで
き、EL素子15に流れる電流をも減少させることがで
きる。ここで、説明を容易にするため、一例として、N
=10として説明する(ソース信号線に流す電流を10
倍にする)。
【0417】図34などで説明する本発明において、画
素行は同時にK画素行を選択する。ソースドライバIC
からは所定電流のN倍電流をソース信号線18に印加す
る。各画素にはEL素子に流す電流のN/K倍の電流が
プログラムされる。EL素子を所定発光輝度とするため
に、EL素子に流れる時間を1フレームのK/N時間に
する。このように駆動することにより、ソース信号線1
8の寄生容量を十分に充放電でき、良好な解像度と所定
の発光輝度を得ることができる。
【0418】つまり、1フレームのK/Nの期間の間だ
け、EL素子に電流を流し、他の期間(1F(N−1)
K/N)は電流を流さないということである。この表示
状態では1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)
が繰り返し表示され、画像データ表示が時間的に飛び飛
び表示(間欠表示)状態となる。したがって、画像の輪
郭ぼけがなくなり良好な動画表示を実現できる。また、
ソース信号線18にはN倍の電流で駆動するため、寄生
容量の影響を受けず、高精細表示パネルにも対応でき
る。
【0419】まず、理解を容易にするため、先に説明し
たように1画素行を選択し、N倍の電流をプログラムす
る方式について、駆動波形などを参照しながら説明をす
る。図73はその説明図である。なお、図73では画面
を横長に図示しているがこれに限定されるものではな
く、縦長でもよいし、円形などの他の形状でもよい。
【0420】図73(a)は表示画面21への書き込み
状態を図示している。図73(a)において、871は
書き込み画素行である。なお、図73(a)では1H期
間に書き込む画素行は1行である。また、以下の実施例
では図6の画素構成を例にあげて説明するがこれに限定
されるものではなく、図8などのカレントミラーの画素
構成であってもよい。また、図74、図75、図76な
どの電圧プログラム方式の画素構成にも適用できること
は言うまでもない。
【0421】図73(a)において、ゲート信号線17
aが選択されるとソース信号線18に流れる電流が変換
用TFT11aにプログラムされる。この時、ゲート信
号線17bにはオフ電圧が印加され、EL素子15には
電流が流れない。これは、EL素子15側のスイッチン
グ用TFT11dがオン状態であると、ソース信号線1
8からEL素子15の容量成分が見え、この容量に影響
されてコンデンサ19に十分に正確な電流プログラムが
できなくなるためである。したがって、図73(b)で
示すように、電流を書き込まれている画素行は非表示領
域312となる。他の画素行のスイッチング用TFT1
1dはオン状態となっているので、画像表示領域311
となる。なお、図8などに示すカレントミラーの画素構
成では電流プログラムを行う変換用TFT11aに電流
が流れる状態であっても、ソース信号線18からはEL
素子15は見えない。したがって、図73(b)のよう
に非点灯状態とする必要がない。つまり、図73(b)
のように、書き込み画素行を非表示領域312とするこ
とは発明の必須条件ではない。
【0422】図77はゲート信号線17に印加する電圧
波形である。電圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベル)
とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。図7
7の下段には選択している画素行の番号を記載してい
る。また、図中の(1)、(2)とは選択している画素
行番号を示している。
【0423】図77において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
変換用TFT11aからソースドライバ14に向かって
ソース信号線18にプログラム電流が流れる。このプロ
グラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N
=10として説明する。もちろん、所定値とは画像を表
示するデータ電流であるから、白ラスター表示などでな
い限り固定値ではない。)である。したがって、コンデ
ンサ19には10倍の電流が変換用TFT11aに流れ
るようにプログラムされる。画素行(1)が選択されて
いる時は、図6の画素構成におけるゲート信号線17b
(1)にはオフ電圧Vghが印加され、EL素子15に
は電流が流れない。
【0424】1H後には、ゲート信号線17a(2)が
選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の変換用T
FT11aからソースドライバ14に向かってソース信
号線18にプログラム電流が流れる。このプログラム電
流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=10と
して説明する)である。したがって、コンデンサ19に
は10倍の電流が変換用TFT11aに流れるようにプ
ログラムされる。画素行(2)が選択されている時は、
図6の画素構成ではゲート信号線17b(2)にはオフ
電圧Vghが印加され、EL素子15には電流が流れな
い。しかし、先の画素行(1)のゲート信号線17a
(1)にはオフ電圧Vghが印加され、ゲート信号線1
7b(1)にはオン電圧Vglが印加されるため、点灯
状態となっている。
【0425】次の1H後には、ゲート信号線17a
(3)が選択され(Vgl電圧)、ゲート信号線17b
(3)にはオフ電圧Vghが印加され、画素行(3)の
EL素子15には電流が流れない。しかし、先の画素行
(1)、(2)のゲート信号線17a(1)、(2)に
はオフ電圧Vghが印加され、ゲート信号線17b
(1)、(2)にはオン電圧Vglが印加されるため、
点灯状態となっている。
【0426】以上の動作を1Hの同期信号に同期して画
像を表示していく。しかし、図77の駆動方式では、E
L素子15には10倍の電流が流れる。したがって、表
示画面21は約10倍の輝度で表示される。もちろん、
この状態で所定の輝度表示を行うためには、プログラム
電流を1/10にしておけばよいことは言うまでもな
い。しかし、1/10の電流であると寄生容量などによ
り書き込み不足が発生するため、高い電流でプログラム
し、非表示領域312の挿入により所定の輝度を得るの
が本発明の基本的な主旨である。
【0427】しかし、図73の方法も本発明の範疇であ
る。つまり、所定電流よりも高い電流がEL素子15に
流れるようにし、ソース信号線18の寄生容量を十分に
充放電するという概念である。これによれば、EL素子
15にN倍の電流を流さなくともよくなる。例えば、E
L素子15に並列に電流経路を形成し(ダミーのEL素
子を形成し、このEL素子は遮光膜を形成して発光させ
ない等)、ダミーEL素子とEL素子15に分流して電
流を流しても良い。つまり、信号電流が0.2μAのと
き、プログラム電流を2.2μAとして、変換用TFT
11aには2.2μAを流す。この電流のうち、信号電
流0.2μAをEL素子15に流して、2μAをダミー
のEL素子に流すというものである。
【0428】以上のように構成することにより、ソース
信号線18に流す電流をN倍に増加させることにより、
変換用TFT11aにN倍の電流が流れるようにプログ
ラムすることができ、かつ、電流EL素子15には、N
倍よりも十分小さい電流を流すことができることにな
る。以上の方法では、図78などに図示するように、非
表示領域312を設けることなく、図73のようにほぼ
あるいは完全に全表示画面21を画像表示領域311と
することができる。
【0429】しかし、ダミーEL素子などを形成すると
いうような細工をしなければ、プログラムされた電流は
理論的にはすべてEL素子15に流れる。したがって、
図73では表示画面はN倍の輝度で発光する。これを所
定輝度で発光させるには、図78に図示するように非表
示領域312を設ければよい。図78はその方式の説明
図である。
【0430】図78(a)は表示画面21への書き込み
状態を図示している。図78(a)において、871a
は書き込み画素行である。ソースドライバ14から各ソ
ース信号線18にプログラム電流が供給される。なお、
図78などでは1H期間に書き込む画素行は1行であ
る。しかし、何ら1Hに限定されるものではなく、0.
5H期間でも、2H期間でもよい。また、ソース信号線
18にプログラム電流を書き込むとしたが、本発明は電
流プログラム方式に限定されるものではなく、ソース信
号線18に電圧を書き込むという電圧プログラム方式で
もよい。
【0431】図78(a)において、図73と同様に、
ゲート信号線17aが選択されるとソース信号線18に
流れる電流が変換用TFT11aにプログラムされる。
この時、ゲート信号線17bはオフ電圧が印加され、E
L素子15には電流が流れない。これは、EL素子15
側のスイッチング用TFT11dがオン状態であると、
ソース信号線18からEL素子15の容量成分が見え、
この容量に影響されてコンデンサ19に十分に正確な電
流プログラムができなくなるためである。したがって、
図6の構成を例にすれば、図78(b)で示すように電
流を書き込まれている画素行は非表示領域312とな
る。
【0432】今、N倍(ここでは、先に述べたようにN
=10とする)の電流でプログラムしたとすれば、画面
の輝度は10倍になるので、表示画面21の90%の範
囲を非表示領域312とすればよい。したがって、画像
表示領域の水平走査線がQCIFの220本(S=22
0)とすれば、22本を画像表示領域311とし、22
0−22=198本を非表示領域312とすればよい。
一般的に述べれば、水平走査線(画素行数)をSとすれ
ば、S/Nの領域を画像表示領域311とし、この画像
表示領域311をN倍の輝度で発光させ、画面の上下方
向に走査させると、S(N−1)/Nの領域は非表示領
域312となる。この非表示領域は黒表示(非発光)で
ある。また、この非表示領域312はスイッチング用T
FT11dをオフさせることにより実現する。なお、N
倍の輝度で点灯させるとしたが、当然のことながら明る
さ調整、ガンマ調整によりN倍の値を調整しなければな
らない。
【0433】また、先の実施例で、10倍の電流でプロ
グラムすれば、画面の輝度は10倍になり、表示画面2
1の90%の範囲を非表示領域312とすればよいとし
た。しかし、これは、RGBの画素を共通に非表示領域
312とすることに限定されるものではない。例えば、
Rの画素は、1/8を非表示領域312とし、Gの画素
は、1/6を非表示領域312とし、Bの画素は、1/
10を非表示領域312とするように、それぞれの色に
より変化させてもよい。また、RGBの色で個別に非表
示領域312(あるいは画像表示領域311)を調整で
きるようにしてもよいが、これらを実現するためには、
R、G、Bで個別のゲート信号線17bが必要になる。
しかし、以上のRGBの個別調整を可能にすることによ
り、ホワイトバランスを調整することが可能になり、各
階調において色のバランス調整が容易になる。
【0434】図78(b)に図示するように、書き込み
画素行871aを含む画素行を非表示領域312とし、
書き込み画素行871aよりも上画面のS/Nの範囲を
画像表示領域311とする(書き込み走査が画面の上か
ら下方向の場合であり、画面を下から上に走査する場合
は、その逆となる)。画像表示状態は、画像表示領域3
11が帯状になって、画面の上から下に移動する。
【0435】図79はゲート信号線17に印加する電圧
波形である。電圧波形はオフ電圧をVgh(Hレベル)
とし、オン電圧をVgl(Lレベル)としている。図7
9の下段には選択している画素行の番号を記載してい
る。また、図中の(1)、(2)、(3)、(4)とは
選択している画素行番号を示している。
【0436】図79において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
変換用TFT11aからソースドライバ14に向かって
ソース信号線18にプログラム電流が流れる。このプロ
グラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N
=10として説明する。もちろん、所定値とは画像を表
示するデータ電流であるから、白ラスター表示などでな
い限り固定値ではない。)である。したがって、コンデ
ンサ19には10倍の電流が変換用TFT11aに流れ
るようにプログラムされる。画素行(1)が選択されて
いる時は、図6の画素構成におけるゲート信号線17b
(1)にはオフ電圧Vghが印加され、EL素子15に
は電流が流れない。
【0437】1H(説明を容易にするためであって、1
Hに限定されるものではない)後には、ゲート信号線1
7a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素
行の変換用TFT11aからソースドライバ14に向か
ってソース信号線18にプログラム電流が流れる。この
プログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするた
め、N=10として説明する)である。したがって、コ
ンデンサ19には10倍の電流が変換用TFT11aに
流れるようにプログラムされる。この時には、ゲート信
号線17b(1)にはオン電圧Vglが印加される。こ
のオン電圧が印加される期間は、図78の実施例によれ
ば、S/Nの期間である。その後、ゲート信号線17b
(1)にはオフ電圧Vghが印加されて、画素行(1)
のEL素子15には電流が流れない。
【0438】画素行(2)が選択されている時は、図6
の画素構成におけるゲート信号線17b(2)にはオフ
電圧Vghが印加され、EL素子15には電流が流れな
い。しかし、先の画素行(1)のゲート信号線17a
(1)にはオフ電圧Vghが印加され、ゲート信号線1
7b(1)にはオン電圧Vglが印加されるため、点灯
状態となっている。このオン電圧が印加される期間は、
図78の実施例によれば、S/Nの期間である。その
後、ゲート信号線17b(2)はオフ電圧Vghが印加
されて、画素行(2)のEL素子15には電流が流れな
い。
【0439】次の1H後には、ゲート信号線17a
(3)が選択され、ゲート信号線17b(3)はオフ電
圧Vghが印加され、画素行(3)のEL素子15には
電流が流れない。しかし、先の画素行(1)、(2)の
ゲート信号線17a(1)、(2)にはオフ電圧Vgh
が印加され、ゲート信号線17b(1)、(2)にはオ
ン電圧Vglが印加されるため、点灯状態となってい
る。以上の動作が繰り返されて、図78の表示状態が実
現される。
【0440】図78の表示では、1つの画像表示領域3
11が画面の上から下方向に移動する。フレームレート
が低いと、画像表示領域311が移動するのが視覚的に
認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上
下に移動させた時などに認識されやすくなる。
【0441】この課題に対しては、図80に図示するよ
うに、画像表示領域311を複数に分割するとよい。図
80(b)は、非表示領域312を5つに分割してい
る。この5つを加えた部分がS(N−1)/Nの面積と
なれば、図78の明るさと同等になる。逆に、画像表示
領域311から見れば、画像表示領域(点灯領域)31
1は6つに分割されているが、この6つに分割された領
域を加えた部分がS/Nと略一致するように構成(駆
動)すれば、図78の表示輝度と同等となる。
【0442】なお、図80(b)にも図示するように、
分割された画像表示領域311を等しくする必要はな
い。また、分割された非表示領域312も等しくする必
要はない。
【0443】以上のように、画像表示領域311を複数
に分割することにより画面のちらつきが減少し、フリッ
カの発生がなく、良好な画像表示を実現できるようにな
る。なお、分割はもっと細かくしてもよいが、分割すれ
ばするほど動画表示性能は低下する。
【0444】図81はゲート信号線17に印加する電圧
波形である。図81と図79の差異は、ゲート信号線1
7bの動作であり、このゲート信号線17bは画面を分
割する個数に対応して、その個数分だけオンオフ(Vg
lとVgh)動作する。他の点は図79と同一であるの
で説明を省略する。
【0445】以上の実施例では、同時に選択する画素行
は1画素行であった。図35は複数画素行を同時に選択
する方法である。図35では説明を容易にするために、
5画素行と同時に選択するとして説明するが、これに限
定されるものではなく、2画素行以上であればよい。た
だし、同時に選択する画素行が増加すると、変換用TF
T11aのばらつき吸収効果が低減する。
【0446】なお、以下の実施例においても図6の電流
プログラムの画素構成を例示して説明をするがこれに限
定されるものではない。図8のカレントミラーでも有効
であることは言うまでもない。同時に選択される画素行
が多くなることにより、ソース信号線の寄生容量404
などの充放電が容易になるからである。また、図75、
図76などの電圧プログラムの画素構成でも有効であ
る。同時に選択される画素行が増加することにより、隣
接した画素行を予備充電でき、高精細表示パネルにも対
応できるようになるからである。
【0447】なお、ここでも説明を容易にするために、
ソースドライバ14からソース信号線18に流す電流
(もしくは、ソースドライバ14がソース信号線18か
ら吸い込む電流、変換用TFT11aがソース信号線1
8に流し込む電流)は所定値の10倍(N=10)とし
て説明をする。したがって、同時に選択する画素行が5
画素行(K=5)であれば、5つの変換用TFT11a
が動作する。つまり、1画素あたり、10/5=2倍の
電流が変換用TFT11aに流れる。同時に選択する画
素行が2画素行であれば、2つの変換用TFT11aが
動作する。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電
流が変換用TFT11aに流れるということになる。
【0448】また、同時に選択する画素行が5画素行
(K=5)であれば、5つの変換用TFT11aのプロ
グラム電流を加えたものとなる。例えば、書き込み画素
行871aに、本来、書き込む電流をIdとし、N=1
0とすれば、ソース信号線18には、Id×10の電流
を流すことになる。書き込み画素行871aと隣接した
書き込み画素行871b(871bはソース信号線18
への電流量を増加させるため、補助的に用いる画素行で
ある。したがって、画像を書き込む画素(行)が871
aであり、871aに書き込むために補助的に用いるの
が画素(行)871bである)。
【0449】理想的には、5画素の変換用TFT11a
が、それぞれId×2の電流をソース信号線18に流
し、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプ
ログラムされるようになる。しかし、現実には、5画素
の各TFT11は特性がずれているから、各画素のコン
デンサ19にプログラムされる電流にばらつきが発生す
る。例えば、書き込み画素行871aには、1.8倍、
4つの書き込み画素行871bには各々、2.2倍、
2.0倍、1.6倍、2.4倍の電流がプログラムされ
る。この例では、書き込み画素行871aには1.8倍
の電流がプログラムされており、(2.0−1.8)/
2.0=10%の誤差が出る。しかし、これらを加算し
た電流は10倍という規定値に保たれる。
【0450】つまり、ソース信号線18にはソースドラ
イバ14からプログラムされた電流が規定通り流れるの
に対し、選択された画素には特性ばらつきに応じた電流
が流れる。したがって、各画素の変換用TFT11aの
特性ばらつきが大きいほど、目標とするプログラム電流
が設定値からはずれてしまう。しかし、隣接した変換用
TFT11aはほぼ特性が一致しているから、図35な
どのように同時に選択する画素行を増加させても均一表
示を実現できる。
【0451】なお、図34、図35などの実施例は、低
温ポリシリコン技術でTFT11を形成した表示パネル
よりも、アモルファスシリコン技術でTFT11を形成
した表示パネルに有効である。なぜなら、アモルファス
シリコンのTFT11では、隣接したTFTの特性がほ
ぼ一致しているからである。したがって、加算した電流
で駆動しても個々のTFTの駆動電流はほぼ目標値とな
っている。
【0452】図35において、書き込み画素行871a
の画像データでK行(K=5)を同時に書き込むと、K
行の範囲(871a、871b)は同一表示となる。こ
のように同一表示にすると、当然のことながら解像度が
低下する。これに対処するために、図35(b)に図示
するように書き込み画素行871の部分を非表示領域3
12とするのである。そうすると、解像度低下は発生し
ない。
【0453】次の1H後には、1画素行シフトした位置
を書き込み画素行871aとして同一動作を行い、非表
示領域312も1画素(行)シフトすると、先の1Hで
電流プログラムされた画素(行)が表示される。
【0454】以上のように駆動すると、本来の表示デー
タと異なる電流データを書き込まれた書き込み画素行8
71bは表示されず、上記の動作を1行ずつシフトして
いくと完全な画像表示を実現できる。また、補助的に用
いている書き込み画素行871bの効果で、寄生容量4
04の充放電も十分1H期間内に実現できる。
【0455】図82は、図35の駆動方法を実現するた
めの駆動波形の説明図である。図77と同様に、電圧波
形はオフ電圧をVgh(Hレベル)とし、オン電圧をV
gl(Lレベル)としている。また、図82の下段には
選択している画素行の番号を記載している。また、
(1)、(2)、(3)・・・(6)とは選択している
画素行番号を示している。なお、行数はQCIF表示パ
ネルの場合では220本であり、VGAパネルの場合で
は480本である。
【0456】図82において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
変換用TFT11aからソースドライバ14に向かって
ソース信号線18にプログラム電流が流れる。ここでは
説明を容易にするため、まず、書き込み画素行871a
が画素行(1)番目であるとして説明する。
【0457】また、ソース信号線18に流れるプログラ
ム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、N=1
0として説明する。もちろん、所定値とは画像を表示す
るデータ電流であるから、白ラスター表示などでない限
り固定値ではない。)である。また、5画素行を同時選
択(K=5)として説明をする。したがって、理想的に
は1つの画素のコンデンサ19には2倍の電流が変換用
TFT11aに流れるようにプログラムされる。
【0458】書き込み画素行が(1)画素行目である
時、図82で図示したように、ゲート信号線17aには
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)が選択されて
いる。つまり、画素行(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)の駆動用TFT11b、取込用TFT1
1cがオン状態である。また、ゲート信号線17bはゲ
ート信号線17aの逆位相となっているので、画素行
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)のスイッチン
グ用TFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れておらず、非表示領域31
2となる。
【0459】理想的には、5画素の変換用TFT11a
が、それぞれId×2の電流をソース信号線18に流
す。そして、各画素16のコンデンサ19には、2倍の
電流がプログラムされる。ここでは理解を容易にするた
め、各変換用TFT11aは特性(Vt、S値)が一致
しているとして説明をする。
【0460】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流が変
換用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、5
つの変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。例えば、書き込み画素行871aに、本来、
書き込む電流をIdとし、ソース信号線18には、Id
×10の電流を流す。書き込み画素行(1)より以降に
画像データを書き込む書き込み画素行871bはソース
信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用い
る画素行である。しかし、書き込み画素行871bは後
に正規の画像データが書き込まれるので問題はない。
【0461】したがって、書き込み画素行871bは、
1H期間の間は書き込み画素行871aと同一表示であ
るので、書き込み画素行871aと電流を増加させるた
めに選択した書き込み画素行871bを少なくとも非表
示領域312とするのである。ただし、図8のようなカ
レントミラーの画素構成、図75などの電圧プログラム
方式の画素構成では、場合によっては表示状態としても
よい。
【0462】次の1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17b(1)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(6)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(6)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(1)
には正規の画像データが保持される。
【0463】次の1H後には、ゲート信号線17a
(2)は非選択となり、ゲート信号線17b(2)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(7)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(7)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(2)
には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画
素行ずつシフトしながら走査することにより1画面が書
き換えられる。
【0464】図73と同様であるが、図82の駆動方法
では、各画素には2倍の電流(電圧)でプログラムを行
うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的には
2倍となる。したがって、表示画面の輝度は所定値より
も2倍となる。
【0465】これを所定の輝度とするためには、図34
に図示するように、書き込み画素行871を含み、かつ
表示画面21の1/2の範囲を非表示領域312とすれ
ばよい。このことは図79などを用いて説明したので省
略する。
【0466】表示画面21に占める黒表示領域(非表示
領域)312の面積を大きくするほど動画表示性能が向
上する。したがって、図83に図示するように画像表示
領域311を少なくし、非表示領域312の面積を大き
くすればよい。
【0467】図34のように、各画素にプログラムする
電流が2倍で画像表示領域311の面積が表示画面21
の1/2であれば、所定の表示輝度を得ることができ
る。しかし、図83のように画像表示領域311が表示
画面21の1/2よりも小さい場合、画面は暗くなる。
そこで、所定輝度を得るためには、各画素にプログラム
する電流を大きくすればよい。例えば、画像表示領域
(点灯領域)311が表示画面21の面積の1/5であ
り、同時に選択する画素行が5本(K=5)であれば、
1画素行にプログラムする電流(電圧)は所定値の5倍
にすればよい。ソース信号線18に流れる電流は5×5
画素行=25倍となる。
【0468】いずれにせよ、本発明の実施例ではソース
信号線18に流す電流(電圧)を変化させることにより
プログラム電流(電圧)を調整することができる。つま
り、ソースドライバ14の基準電流(電圧)を調整する
だけでソース信号線18に流れる電流を調整できるとい
うことである。2画素行を同時にオンさせるか、5画素
行を同時にオンさせるか、または1画素行のみを選択す
るかは、図10などに図示するゲートドライバ12のシ
フトレジスタ22に印加するST*端子へのデータで設
定できる。したがって、ソースドライバ14の仕様は、
選択する画素数には左右されない。また、画面の明るさ
もゲート信号線17bのオンオフで調整することができ
るから、表示画面21の明るさ調整でソースドライバ1
4からの出力電流を変化させることはない。したがっ
て、EL素子15のガンマ特性は1つの電流に対して決
定すればよい。そのため、ソースドライバ14の構成は
極めて容易であり、汎用性の高いものとなる。以上の事
項は、他の本発明の実施例にも適用できる。
【0469】図78と同様に、図83のように1つの画
像表示領域311が画面の上から下方向に移動する際、
フレームレートが低いと、画像表示領域311が移動す
るのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、
あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすく
なる。
【0470】この課題に対しては、図84に図示するよ
うに、画像表示領域311を複数に分割するとよい。図
84(b)は、非表示領域312を3つに分割してい
る。この3つを加えた部分がS(N−1)/Nの面積と
なれば、図83の明るさと同等になる。
【0471】図85はゲート信号線17に印加する電圧
波形である。図82と図85の差異は、基本的にはゲー
ト信号線17bの動作である。ゲート信号線17bは画
面を分割する個数に対応して、その個数分だけオンオフ
(VglとVgh)動作する。他の点は図82とほぼ同
一あるいは類推できるので説明を省略する。
【0472】なお、図84(b)にも図示するように、
非表示領域312の走査方向は画面の上から下方向のみ
に限定されるものではなく、画面の下から上方向に走査
してもよい。また、上から下への走査方向と、下から上
方向への走査方向とを、交互にあるいはランダムに走査
してもよい。また、分割数をフレームごとに、あるいは
表示画面21の所定位置で変化させてもよいことは言う
までもない。
【0473】以上のように、画像表示領域311を複数
に分割することにより画面のちらつきは減少し、フリッ
カの発生がなく、良好な画像表示を実現できるようにな
る。なお、分割はもっと細かくしてもよく、分割すれば
するほどフリッカが軽減する。特に、EL素子15の応
答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオンオ
フしても、表示輝度の低下はない。
【0474】本発明の駆動方法において、EL素子15
のオンオフは、ゲート信号線17bに印加する信号のオ
ンオフで制御できるので、クロック周波数はKHzオー
ダーの低周波数で制御が可能である。また、黒画面挿入
(非表示領域312挿入)を実現する際、画像メモリな
どを必要としない。したがって、低コストで本発明の駆
動回路あるいは方法を実現できる。
【0475】図86は同時に選択する画素行が2画素行
の場合である。検討した結果によると、低温ポリシリコ
ン技術で形成した表示パネルでは、2画素行を同時に選
択する方法は表示均一性が実用的であった。これは、隣
接した画素の変換用TFT11aの特性が極めて一致し
ているためと推定される。また、レーザアニールする際
に、ストライプ状のレーザーの照射方向はソース信号線
18と平行に照射することで良好な結果が得られた。
【0476】図86において、書き込み画素行が(1)
画素行目である時、ゲート信号線17aは(1)、
(2)が選択されている(図87を参照のこと)。この
時、画素行(1)、(2)の駆動用TFT11b、取込
用TFT11cがオン状態である。また、ゲート信号線
17bはゲート信号線17aの逆位相となっているの
で、少なくとも画素行(1)、(2)のスイッチング用
TFT11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL
素子15には電流が流れていない。つまり、非表示領域
312となる。なお、図86では、フリッカの発生を低
減するため、画像表示領域311を5分割している。
【0477】理想的には、2画素(行)の変換用TFT
11aが、それぞれId×5(N=10の場合)の電流
をソース信号線18に流し、各画素16のコンデンサ1
9には、5倍の電流がプログラムされるようになる。
【0478】同時に選択する画素行が2画素行(K=
2)であるから、2つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れ、ソース信号線18には、2つ
の変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流が
流れる。
【0479】例えば、書き込み画素行871aに、本
来、書き込む電流をIdとし、ソース信号線18には、
Id×10の電流を流す。書き込み画素行871bは後
に正規の画像データが書き込まれるので問題はない。書
き込み画素行871bは、1H期間の間は書き込み画素
行871aと同一表示であるので、書き込み画素行87
1aと電流を増加させるために選択した書き込み画素行
871bとを少なくとも非表示領域312とするのであ
る。
【0480】次の1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17b(1)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(3)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(1)
には正規の画像データが保持される。
【0481】次の1H後には、ゲート信号線17a
(2)は非選択となり、ゲート信号線17b(2)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(4)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(4)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(2)
には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画
素行ずつシフトしながら走査することにより1画面が書
き換えられる。
【0482】図51と同様であるが、図88の駆動方法
では、各画素には5倍の電流(電圧)でプログラムを行
うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的には
5倍となる。したがって、画像表示領域311の輝度は
所定値よりも5倍となる。これを所定の輝度とするため
には、図34に図示するように、書き込み画素行871
を含み、かつ表示画面21の1/5の範囲を非表示領域
312とすればよい。このことは図79などを用いて説
明したので省略する。
【0483】複数本の画素行を同時に選択する駆動方法
では、同時に選択する画素行数が増加するほど、変換用
TFT11aの特性ばらつきを吸収することが困難にな
る。しかし、選択本数が低下すると、1画素にプログラ
ムする電流が大きくなり、EL素子15に大きな電流を
流すことになり、EL素子15に流す電流が大きいとE
L素子15が劣化しやすくなる。
【0484】図89はこの課題を解決するものである。
図89の基本概念は、1/2H(水平走査期間の1/
2)では図35で説明したように、複数の画素行を同時
に選択し、その後の1/2H(水平走査期間の1/2)
では図73で説明したように、1画素行を選択する方法
を組み合わせたものである。このように組み合わせるこ
とにより、変換用TFT11aの特性ばらつきを吸収
し、より高速にかつ面内均一性を良好にすることができ
る。
【0485】図89において、説明を容易にするため、
第1の期間では5画素行を同時に選択し、第2の期間で
は1画素行を選択するとして説明をする。
【0486】まず、第1の期間では、図89(a1)に
図示するように、5画素行を同時に選択する。この動作
は図35を用いて説明した。ソース信号線に流す電流は
所定値の25倍とする。したがって、各画素16の変換
用TFT11aには5倍の電流がプログラムされる。そ
して、25倍の電流であるから、寄生容量404は極め
て短期間に充放電される。したがって、ソース信号線の
電位は、短時間で目標の電位となり、各画素16のコン
デンサ19の端子電圧も5倍の電流を流すようにプログ
ラムされる。この25倍電流の印加時間は1/2H(1
水平走査期間の1/2)とする。
【0487】当然のことながら、書き込み画素行871
の5画素行は同一画像データが書き込まれるから、表示
しないようにするためTFT11はオフ状態とされる。
したがって、表示状態は図89(a2)となる。
【0488】次の1/2H期間は、1画素行を選択し、
電流(電圧)プログラムを行う。この状態を図89(b
1)に図示している。書き込み画素行871aは先と同
様に5倍の電流を流すように電流(電圧)プログラムさ
れる。ここで、図89(a1)と図89(b1)とで各
画素に流す電流を同一にするのは、プログラムされたコ
ンデンサ19の端子電圧の変化を小さくして、より高速
に目標の電流を流せるようにするためである。
【0489】つまり、図89(a1)で、複数の画素に
電流を流し、高速に概略の電流が流れる値まで近づけ
る。この第1の段階では、複数の変換用TFT11aで
プログラムしているため、目標値に対してTFTのばら
つきによる誤差が発生しているが、次の第2の段階で、
データを書き込みかつ保持する画素行のみを選択して、
概略の目標値から、所定の目標値まで完全なプログラム
を行うのである。
【0490】なお、非表示領域312を画面の上から下
方向に走査し、また、書き込み画素行871aを画面の
上から下方向に走査することは図34、図35、図73
などの実施例と同様であるので説明を省略する。
【0491】図90は図89の駆動方法を実現するため
の駆動波形である。図89でわかるように、1H(1水
平走査期間)は2つのフェーズで構成されており、IS
EL信号で切り替える。ISEL信号については図91
に図示している。
【0492】まず、ISEL信号について説明をしてお
く。図91において、電流出力回路1222は1222
aと1222bの2つから構成されている。それぞれの
電流出力回路1222は、8ビットの階調データをDA
変換するDA回路1226とオペアンプ1224などか
ら構成される。この電流出力回路1222の回路動作に
ついては先に説明したので省略する。図89の実施例で
は、電流出力回路1222aは25倍の電流を出力する
ように構成されている。一方、電流出力回路1222b
は5倍の電流を出力するように構成されている。電流出
力回路1222aと1222bの出力はISEL信号に
よりスイッチ回路1223が制御され、ソース信号線1
8に印加される。
【0493】ISEL信号は、Lレベルの時、25倍電
流を出力する電流出力回路1222aが選択されてソー
ス信号線18からの電流をソースドライバ14が吸収す
る。Hレベルの時、5倍電流を出力する電流出力回路1
222bが選択されてソース信号線18からの電流をソ
ースドライバ14が吸収する。このように、抵抗122
8の値を変化させるだけで済むので、25倍、5倍など
の電流の大きさ変更は容易である。また、抵抗1228
をボリウムとすること、あるいは複数の抵抗とアナログ
スイッチに接続しておき選択することにより容易に変更
することができる。
【0494】図90に示すように、書き込み画素行が
(1)画素行目である時(図90の画素行番号1の欄を
参照)、ゲート信号線17aは(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)が選択されている。つまり、画
素行(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の駆動用
TFT11b、取込用TFT11cがオン状態である。
また、ISELがLレベルであるから、25倍電流を出
力する電流出力回路1222aが選択され、ソース信号
線18と接続されている。また、ゲート信号線17bに
は、オフ電圧Vghが印加されている。したがって、画
素行(1)、(2)、(3)、(4)、(5)のスイッ
チング用TFT11dがオフ状態であり、対応する画素
行のEL素子15には電流が流れておらず、非表示領域
312となる。
【0495】理想的には、5画素の変換用TFT11a
が、それぞれId×2の電流をソース信号線18に流
す。そして、各画素16のコンデンサ19には、5倍の
電流がプログラムされる。ここでは、理解を容易にする
ため、各変換用TFT11aは特性(Vt、S値)が一
致しているとして説明をする。
【0496】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、5
つの変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。例えば、書き込み画素行871aに、本来、
書き込む電流をIdとし、ソース信号線18には、Id
×25の電流を流す。書き込み画素行(1)より以降に
画像データを書き込む書き込み画素行871bはソース
信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用い
る画素行である。しかし、書き込み画素行871bは後
に正規の画像データが書き込まれるので問題はない。
【0497】したがって、書き込み画素行871bは、
1H期間の間は書き込み画素行871aと同一表示であ
る。そのため、書き込み画素行871aと電流を増加さ
せるために選択した書き込み画素行871bを少なくと
も非表示領域312とするのである。
【0498】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみ、つまり、(1)画素
行目のみを選択する。図90で明らかなように、ゲート
信号線17a(1)のみに、オン電圧Vglが印加さ
れ、ゲート信号線17a(2)、(3)、(4)、
(5)にはオフ電圧Vghが印加されている。したがっ
て、画素行(1)の変換用TFT11aは動作状態(ソ
ース信号線18に電流を供給している状態)であるが、
画素行(2)、(3)、(4)、(5)の駆動用TFT
11b、取込用TFT11cがオフ状態、つまり、非選
択状態である。また、ISELがHレベルであるから、
5倍電流を出力する電流出力回路1222bが選択さ
れ、この電流出力回路1222bとソース信号線18と
が接続されている。また、ゲート信号線17bの状態は
先の1/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧Vghが印
加されている。したがって、画素行(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)のスイッチング用TFT11d
がオフ状態であり、対応する画素行のEL素子15には
電流が流れておらず、非表示領域312となる。
【0499】以上のことから、画素行(1)の変換用T
FT11aが、それぞれId×5の電流をソース信号線
18に流し、各画素行(1)のコンデンサ19には、5
倍の電流がプログラムされる。
【0500】次の水平走査期間では1画素行、書き込み
画素行がシフトする。つまり、今度は書き込み画素行が
(2)の時である。最初の1/2Hの期間では、図90
に示すように書き込み画素行が(2)画素行目である
時、ゲート信号線17aは(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)が選択されている。つまり、画素行
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)の駆動用TF
T11b、取込用TFT11cがオン状態である。ま
た、ISELがLレベルであるから、25倍電流を出力
する電流出力回路1222aが選択され、ソース信号線
18と接続されている。また、ゲート信号線17b
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)には、オフ電
圧Vghが印加されている。したがって、画素行
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のスイッチン
グ用TFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れておらず、非表示領域31
2となる。一方、画素行(1)のゲート信号線17b
(1)はVgl電圧が印加されているから、スイッチン
グ用TFT11dはオン状態であり、画素行(1)のE
L素子15は点灯する。
【0501】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、5
つの変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。
【0502】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(2)画素行目のみを選択する。図90で明らかなよう
に、ゲート信号線17a(2)のみに、オン電圧Vgl
が印加され、ゲート信号線17a(3)、(4)、
(5)、(6)にはオフ電圧Vghが印加されている。
したがって、画素行(1)、(2)の変換用TFT11
aは動作状態(画素行(1)はEL素子15に電流を流
し、画素行(2)はソース信号線18に電流を供給して
いる状態)であるが、画素行(3)、(4)、(5)、
(6)の駆動用TFT11b、取込用TFT11cがオ
フ状態、つまり、非選択状態である。また、ISELが
Hレベルであるから、5倍電流を出力する電流出力回路
1222bが選択され、この電流出力回路1222bと
ソース信号線18とが接続されている。また、ゲート信
号線17bの状態は先の1/2Hの状態と変化がなく、
オフ電圧Vghが印加されている。したがって、画素行
(2)、(3)、(4)、(5)、(6)のスイッチン
グ用TFT11dがオフ状態であり、対応する画素行の
EL素子15には電流が流れておらず、非表示領域31
2となる。
【0503】以上のことから、画素行(2)の変換用T
FT11aが、それぞれId×5の電流をソース信号線
18に流す。そして、各画素行(2)のコンデンサ19
には、5倍の電流がプログラムされる。以上の動作を順
次実施することにより、1画面を表示することができ
る。
【0504】図89で説明した駆動方法は、第1の期間
でG画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行にはN倍
の電流を流すようにプログラムする。第1の期間後の第
2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以上)
を選択し、画素にはN倍の電流を流すようにプログラム
する方式である。
【0505】しかし、他の方策もある。第1の期間でG
画素行(Gは2以上)を選択し、各画素行の総和電流が
N倍の電流となるようにプログラムする。第1の期間後
の第2の期間ではB画素行(BはGよりも小さく、1以
上)を選択し、選択された画素行の総和の電流(ただ
し、選択画素行が1の時は、1画素行の電流)がN倍と
なるようにプログラムする方式である。例えば、図89
(a1)において、5画素行を同時に選択し、各画素の
変換用TFT11aに2倍の電流を流すと、ソース信号
線18には5×2倍=10倍の電流が流れる。次の第2
の期間では図89(b1)において、1画素行を選択
し、この1画素の変換用TFT11aには10倍の電流
を流す。
【0506】この方式であれば、図91のように複数の
電流出力回路1222は必要でなくなり、ソースドライ
バ14は各ソース信号線に、1つの電流出力回路122
2で構成できる。つまり、この方式では、ソース信号線
18の電流を流すソースドライバ14の出力電流は一定
値(当然、画像データにより、この一定値は変化する。
この場合は、1H期間の間、選択画素数によらず、一定
という意味である)である。したがって、ソースドライ
バ14の構成は容易になる。
【0507】なお、図89において、複数の画素行を同
時に選択する期間を1/2Hとし、1画素行を選択する
期間を1/2Hとしたがこれに限定されるものではな
い。例えば、複数の画素行を同時に選択する期間を1/
4Hとし、1画素行を選択する期間を3/4Hとしても
よい。また、複数の画素行を同時に選択する期間と、1
画素行を選択する期間とを加えた期間は1Hとしたがこ
れに限定されるものではない。例えば、2H期間でも、
1.5H期間であっても良い。
【0508】また、図89において、5画素行を同時に
選択する期間を1/2Hとし、次の第2の期間では2画
素行を同時に選択するとしてもよい。この場合でも実用
上、支障のない画像表示を実現できる。
【0509】また、図89において、5画素行を同時に
選択する第1の期間を1/2Hとし、1画素行を選択す
る第2の期間を1/2Hとする2段階としたがこれに限
定されるものではない。例えば、第1の段階は、5画素
行を同時に選択し、第2の期間は前記5画素行のうち、
2画素行を選択し、最後に、1画素行を選択する3つの
段階としてもよい。つまり、複数の段階で画素行に画像
データを書き込んでも良い。
【0510】図91では、各ソース信号線18に2つの
電流出力回路1222を設けるとしたが、これは図89
の第1の実施例である、第1の期間に25倍の電流を出
力するためと、第2の期間に5倍の電流を出力するため
である。これを1つの電流出力回路1222で実現する
には、図88の回路構成を採用するとよい。DA回路1
226はリファレンス電圧(Iref)の大きさを最大
値としてデジタル−アナログ変換をする。例えば、Ir
ef電圧が5Vであれば、5Vを256分割したものが
最小値としてアナログ出力される。つまり、アナログ出
力の最大値は5V−1ビットのアナログ値であり、最小
値は0Vであり、最小分解能は5V/256である(入
力が8ビット仕様の時)。Iref電圧が2.5Vであ
れば、2.5Vを256分割したものが最小値としてア
ナログ出力される。つまり、アナログ出力の最大値は
2.5V−1ビットのアナログ値であり、最小値は0V
であり、最小分解能は2.5V/256である(入力が
8ビット仕様の時)。
【0511】つまり、Iref電圧をダイナミックに切
り替えることにより1つの電流出力回路1222で出力
電流値を変更することができる。図88はその実現回路
である。
【0512】図88において、Vi電圧を4分割する抵
抗RIが設けられている。この分圧された電圧がスイッ
チ回路1223に入力され、1つの電圧が選択されてI
ref電圧となる。このIref電圧がオペアンプ12
24に入力されている。したがって、前半の1/2Hの
期間のIref電圧と、後半の1/2Hの期間のIre
f電圧とをすべてのソース信号線18に接続された電流
出力回路1222で切り替えることにより、出力電流の
倍率を変更することができる。もちろん、図92に図示
するように、Iref電圧を複数のオペアンプ1224
の選択により発生させてもよい。
【0513】図91の場合も画像表示領域311は図9
3に図示するように1つとしてもよい。また、図94に
図示するように、複数の画像表示領域311に分割して
もよい。
【0514】図95に図示するように、書き込み画素行
が(1)画素行目である時、ゲート信号線17aは
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)が選択されて
いる。つまり、画素行(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)の駆動用TFT11b、取込用TFT1
1cがオン状態である。また、ISELがLレベルであ
るから、25倍電流を出力する電流出力回路1222a
が選択され、ソース信号線18と接続されている。ま
た、ゲート信号線17b(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)には、オフ電圧Vghが印加されてい
る。したがって、画素行(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)のスイッチング用TFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れておらず、非表示領域312となる。
【0515】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、5
つの変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。例えば、書き込み画素行871aに、本来、
書き込む電流をIdとし、ソース信号線18には、Id
×25の電流を流す。書き込み画素行(1)より以降に
画像データを書き込む書き込み画素行871bはソース
信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用い
る画素行であるが、書き込み画素行871bは後に正規
の画像データが書き込まれるので問題はない。
【0516】したがって、書き込み画素行871bは、
1H期間の間は書き込み画素行871aと同一表示であ
る。そのため、書き込み画素行871aと電流を増加さ
せるために選択した書き込み画素行871bを少なくと
も非表示領域312とするのである。
【0517】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(1)画素行目のみを選択する。ゲート信号線17a
(1)のみに、オン電圧Vglが印加され、ゲート信号
線17a(2)、(3)、(4)、(5)にはオフ電圧
Vghが印加されている。したがって、画素行(1)の
変換用TFT11aは動作状態(ソース信号線18に電
流を供給している状態)であるが、画素行(2)、
(3)、(4)、(5)の駆動用TFT11b、取込用
TFT11cはオフ状態、つまり、非選択状態である。
また、ISELがHレベルであるから、5倍電流を出力
する電流出力回路1222bが選択され、この電流出力
回路1222bとソース信号線18とが接続されてい
る。また、ゲート信号線17bの状態は先の1/2Hの
状態と変化がなく、オフ電圧Vghが印加されている。
したがって、画素行(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)のスイッチング用TFT11dがオフ状態であ
り、対応する画素行のEL素子15には電流が流れてお
らず、非表示領域312となる。
【0518】以上のことから、画素行(1)の変換用T
FT11aが、それぞれId×5の電流をソース信号線
18に流し、各画素行(1)のコンデンサ19には、5
倍の電流がプログラムされる。
【0519】次の水平走査期間では1画素行、書き込み
画素行がシフトする。つまり、今度は書き込み画素行が
(2)の時である。最初の1/2Hの期間では、ゲート
信号線17aは(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)が選択されている。つまり、画素行(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)の駆動用TFT11
b、取込用TFT11cがオン状態である。また、IS
ELがLレベルであるから、25倍電流を出力する電流
出力回路1222aが選択され、ソース信号線18と接
続されている。また、ゲート信号線17b(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)には、オフ電圧Vgh
が印加されている。したがって、画素行(2)、
(3)、(4)、(5)、(6)のスイッチング用TF
T11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子
15には電流が流れておらず、非表示領域312とな
る。一方、画素行(1)のゲート信号線17b(1)に
はVgl電圧が印加されているから、スイッチング用T
FT11dはオン状態であり、画素行(1)のEL素子
15は点灯する。
【0520】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、25/5=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れ、ソース信号線18には、5つ
の変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流が
流れる。
【0521】次の1/2H(水平走査期間の1/2)で
は、書き込み画素行871aのみを選択する。つまり、
(2)画素行目のみを選択する。ゲート信号線17a
(2)のみに、オン電圧Vglが印加され、ゲート信号
線17a(3)、(4)、(5)、(6)にはオフ電圧
Vghが印加されている。したがって、画素行(1)、
(2)の変換用TFT11aは動作状態(画素行(1)
はEL素子15に電流を流し、画素行(2)はソース信
号線18に電流を供給している状態)であるが、画素行
(3)、(4)、(5)、(6)の駆動用TFT11
b、取込用TFT11cがオフ状態、つまり、非選択状
態である。また、ISELがHレベルであるから、5倍
電流を出力する電流出力回路1222bが選択され、こ
の電流出力回路1222bとソース信号線18とが接続
されている。また、ゲート信号線17bの状態は先の1
/2Hの状態と変化がなく、オフ電圧Vghが印加され
ている。したがって、画素行(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)のスイッチング用TFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れておらず、非表示領域312となる。
【0522】以上のことから、画素行(2)の変換用T
FT11aが、それぞれId×5の電流をソース信号線
18に流し、各画素行(2)のコンデンサ19には、5
倍の電流がプログラムされる。以上の動作を順次実施す
ることにより、1画面を表示することができる。
【0523】以上の説明でも明らかであるが、上記の動
作は、図90と同一である。差異は、ゲート信号線17
bの動作であり、ゲート信号線17bは画面を分割する
個数に対応して、その個数分だけオンオフ(VglとV
gh)動作する。
【0524】なお、図94にも図示するように、非表示
領域312の走査方向は画面の上から下方向のみに限定
されるものではない。画面の下から上方向に走査しても
よい。また、上から下への走査方向と、下から上方向へ
の走査方向とを、交互にあるいはランダムに走査しても
よい。また、分割数をフレームごとに、あるいは表示画
面21の所定位置で変化させてもよいことは言うまでも
ない。
【0525】以上のように、画像表示領域311を複数
に分割することにより画面のちらつきが減少する。した
がって、フリッカの発生がなく、良好な画像表示を実現
できる。なお、分割はもっと細かくしてもよく、分割す
ればするほどフリッカは軽減する。特に、EL素子15
の応答性は速いため、5μsecよりも小さい時間でオ
ンオフしても、表示輝度の低下はない。
【0526】図95の実施例も、第1の期間でG画素行
(Gは2以上)を選択し、各画素行にはN倍の電流を流
すようにプログラムし、第1の期間後の第2の期間では
B画素行(BはGよりも小さく、1以上)を選択し、画
素にはN倍の電流を流すようにプログラムする方式とし
た。しかし、図90と同様に、他の方策もある。つま
り、第1の期間でG画素行(Gは2以上)を選択し、各
画素行の総和電流がN倍の電流となるようにプログラム
する。第1の期間後の第2の期間ではB画素行(BはG
よりも小さく、1以上)を選択し、選択された画素行の
総和の電流(ただし、選択画素行が1の時は、1画素行
の電流)がN倍となるようにプログラムする方式であ
る。
【0527】以上の実施例は順次走査で画像を表示する
方法であった。つまり、テレビ信号で言えば、ノンイン
ターレース駆動(プログレッシブ駆動)である。本発明
はインターレース駆動にも有効である。図96はインタ
ーレース駆動の説明図である。
【0528】なお、インターレース駆動は通常2フィー
ルドで1フレームである。図96も2フィールドで1フ
レーム(1画面)として説明した。しかし、これはNT
SCのテレビ信号の場合であって、携帯電話などの画像
表示では必ずしも2フィールド=1フレームの原則を守
る必要はない。
【0529】例えば、4フィールドで1フレームとして
もよい。第1フィールドは4Y−3(Yは、0以上の整
数)画素行を書き込み、第2フィールドは4Y−2(Y
は、0以上の整数)画素行を書き込む。第3フィールド
は4Y−1(Yは、0以上の整数)画素行を書き込み、
第4フィールドは4Y(Yは、0以上の整数)画素行を
書き込む方式である。つまり、インターレース駆動と
は、複数のフィールドで1フレーム(1画面)を構成す
る方法である。
【0530】図96(a)は第1フィールドであり、偶
数画素行を書き込む。図96(b)は第2フィールドで
あり、奇数画素行を書き込む。図97は図96の駆動方
法を実現するための駆動波形である。なお、奇数フィー
ルドと偶数フィールドは便宜上のものである。図96で
はまず、奇数画素行から画像を書き込むとして説明す
る。
【0531】図96において、ゲート信号線17a
(1)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行の
変換用TFT11aからソースドライバ14に向かって
ソース信号線18にプログラム電流が流れる。ここでは
説明を容易にするため、まず、書き込み画素行871a
が画素行(1)番目であるとして説明する。
【0532】また、ソース信号線18に流れるプログラ
ム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、今まで
の実施例と同様にN=10として説明する。なお、N=
10に限定されるものではない。もちろん、所定値とは
画像を表示するデータ電流であるから、白ラスター表示
などでない限り固定値ではない。)である。
【0533】図97において、書き込み画素行が(1)
画素行目である時、ゲート信号線17a(1)にはVg
l電圧が印加され、駆動用TFT11b、取込用TFT
11cがオン状態となる。また、ゲート信号線17b
(1)には、Vgh電圧が印加されている。したがっ
て、画素行(1)のスイッチング用TFT11dはオフ
状態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が
流れておらず、非表示領域312となる。
【0534】次の1Hには、書き込み画素行は(3)画
素行目である。ゲート信号線17a(3)にはVgl電
圧が印加され、駆動用TFT11b、取込用TFT11
cがオン状態となる。また、ゲート信号線17b(3)
には、Vgh電圧が印加されている。したがって、画素
行(3)のスイッチング用TFT11dはオフ状態であ
り、対応する画素行のEL素子15には電流が流れてお
らず、非表示領域312となる。また、ゲート信号線1
7b(1)にはVgl電圧が印加され、スイッチング用
TFT11dがオン状態である。したがって、画素行
(1)のスイッチング用TFT11dもオン状態であ
り、対応する画素行のEL素子15が発光する。
【0535】次の1Hには、書き込み画素行は(5)画
素行目である。ゲート信号線17a(5)にはVgl電
圧が印加され、駆動用TFT11b、取込用TFT11
cがオン状態である。また、ゲート信号線17b(5)
には、Vgh電圧が印加され、画素行(5)のスイッチ
ング用TFT11dがオフ状態となり、対応する画素行
のEL素子15には電流が流れておらず、非表示領域3
12となる。また、ゲート信号線17b(3)にはVg
l電圧が印加され、スイッチング用TFT11dがオン
状態である。したがって、画素行(3)のスイッチング
用TFT11dもオン状態であり、対応する画素行のE
L素子15が発光する。
【0536】以上のように、第1フィールドでは、奇数
画素行が順次選択されて、画像データが書き込まれてい
く。
【0537】第2フィールドでは、(2)画素行目か
ら、順次画像データが書き込まれる。ゲート信号線17
a(2)にはVgl電圧が印加され、駆動用TFT11
b、取込用TFT11cがオン状態となる。また、ゲー
ト信号線17b(2)には、Vgh電圧が印加され、画
素行(2)のスイッチング用TFT11dがオフ状態と
なり、対応する画素行のEL素子15には電流が流れて
おらず、非表示領域312となる。
【0538】次の1Hには、書き込み画素行は(4)画
素行目である。ゲート信号線17a(4)にはVgl電
圧が印加され、駆動用TFT11b、取込用TFT11
cがオン状態となる。また、ゲート信号線17b(4)
には、Vgh電圧が印加され、画素行(4)のスイッチ
ング用TFT11dがオフ状態となり、対応する画素行
のEL素子15には電流が流れておらず、非表示領域3
12となる。また、ゲート信号線17b(3)にはVg
l電圧が印加され、スイッチング用TFT11dがオン
状態である。したがって、画素行(3)のスイッチング
用TFT11dもオン状態であり、対応する画素行のE
L素子15が発光する。
【0539】次の1Hには、書き込み画素行は(6)画
素行目である。ゲート信号線17a(6)にはVgl電
圧が印加され、駆動用TFT11b、取込用TFT11
cがオン状態となる。また、ゲート信号線17b(6)
には、Vgh電圧が印加され、画素行(6)のスイッチ
ング用TFT11dがオフ状態となり、対応する画素行
のEL素子15には電流が流れておらず、非表示領域3
12となる。また、ゲート信号線17b(4)にはVg
l電圧が印加され、スイッチング用TFT11dはオン
状態である。したがって、画素行(4)のスイッチング
用TFT11dもオン状態であり、対応する画素行のE
L素子15が発光する。
【0540】以上のように、第2フィールドでは、偶数
画素行が順次選択されて、画像データが書き込まれてい
く。この第1フィールドと第2フィールドで1枚の画像
表示が完成する。また、第2フィールドにおいて、偶数
画素行を書く時は、奇数画素行はすべて非表示領域31
2としている。第1フィールドでは、奇数画素行を書く
時は、偶数画素行はすべて非表示領域312としてい
る。
【0541】しかし、図96の駆動方法で、ソース信号
線18に10倍の電流(N=10)を流し、変換用TF
T11aに電流プログラムをすると、奇数画素行あるい
は偶数画素行を交互に表示するという処理を実施して
も、表示輝度は所定輝度の10/2=5倍の輝度とな
る。したがって、表示輝度を1倍とするには、N=2で
駆動する必要がある。しかし、N=2で駆動するとソー
ス信号線18に書き込む電流値が小さく寄生容量404
を十分に充放電できないため、コンデンサ19に書き込
み不足が発生し、解像度が低下する。
【0542】これを解決するためには図98に図示する
ように、奇数画素行あるいは偶数画素行だけでなく、表
示画面21の一部を非表示領域312aとすればよい。
図98では図98(a)→図98(b)→図98(c)
→図98(a)と走査される。図98(b)でわかるよ
うに、書き込み画素行871aの上側(画面の上から下
方向に走査しているとき)に所定の範囲で表示領域を形
成する。ただし、表示領域は奇数画素行あるいは偶数画
素行であるため、1画素行ごととなる。また、非表示領
域312aは連続した非表示領域にする。
【0543】しかし、図98の駆動方法のように、表示
領域を表示画面に一部に固めて走査すると、フリッカが
発生しやすくなる。ただし、フレームレートが80Hz
以上の場合は、図98の表示状態(画像表示領域311
を1つにした場合)であってもフリッカが発生しないこ
とに注意を要する。つまり、フレームレートを80Hz
以上にすれば、画像表示領域311を分割する必要がな
くなるのである。
【0544】フレームレートが低い場合は図99に図示
するように分割すればよい。このことは先に説明したの
で、図99はあえて説明を要さないであろう。ただし、
図99は作図を容易にするため、分割した領域として、
非表示領域312bと画像表示領域311のペアで作図
したが、これに限定されるものではなく、分割した領域
に複数の非表示領域312bと複数の画像表示領域31
1が存在しても問題ない。
【0545】駆動方式には多種多様な構成が考えられ
る。図100において、書き込み画素行が(1)画素行
目である時、ゲート信号線17aは(1)、(G)が選
択されている。つまり、画素行(1)、(G)の駆動用
TFT11b、取込用TFT11cがオン状態である。
また、ゲート信号線17bにはVgh電圧が印加されて
いる。したがって、少なくとも画素行(1)、(G)の
スイッチング用TFT11dがオフ状態であり、対応す
る画素行のEL素子15には電流が流れておらず、非表
示領域312となる。
【0546】同時に選択する画素行が2画素行(K=
2)であるから、2つの変換用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流が変
換用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、2
つの変換用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。
【0547】次の1H後には、ゲート信号線17a
(G)は非選択となり、ゲート信号線17b(G)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(2)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(2)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(G)
には正規の画像データが保持される。
【0548】次の1H後には、ゲート信号線17a
(1)は非選択となり、ゲート信号線17b(1)には
オン電圧Vglが印加される。また、同時に、ゲート信
号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(3)の変換用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(1)
には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画
素行ずつシフトしながら走査することにより1画面が書
き換えられる。
【0549】フリッカが発生しやすい場合は、図101
に図示するように非表示領域312あるいは画像表示領
域311を複数に分割すればよい。このことは先に説明
したので、図101はあえて説明を要さないであろう。
【0550】図102、図103は擬似インターレース
駆動である。擬似インターレース駆動とは、第1F(第
1フィールド)は奇数画素行と偶数画素行の2画素(複
数画素)行を同時に選択して、選択した画素行が重なる
ことなく画像データを書き込む。次の第2Fは第1画素
行を除いて、偶数画素行と奇数画素行の2画素(複数画
素)行を同時に選択して、選択した画素行が重なること
なく画像データを書き込む方式である。
【0551】図103(a1)、(a2)、(a3)は
第1フィールドであり、図103(b1)、(b2)、
(b3)は第2フィールドである。第1フィールドは図
103(a1)→図103(a2)→図103(a3)
→と順次書き込み画素行871を2画素行ペアで映像デ
ータを書き込む。したがって、2画素行は同一画像表示
であり、この表示状態が1フィールドの期間保持され
る。また、第1フィールドでは奇数画素行の画像データ
を該当奇数画素行と次の偶数画素行に表示する。つま
り、第1行目の画像データは第1画素行と第2画素行に
表示し、第3行目の画像データは第3画素行と第4画素
行に表示し、第5行目の画像データは第5画素行と第6
画素行に表示し、第7行目の画像データは第7画素行と
第8画素行に表示する。
【0552】第2フィールドは図103(b1)→図1
03(b2)→図103(b3)→と順次書き込み画素
行871を2画素行ペアで映像データを書き込む。した
がって、2画素行は同一画像表示であり、この表示状態
が1フィールドの期間保持される。また、第2フィール
ドでは偶数画素行の画像データを該当偶数画素行と次の
奇数画素行に表示する。つまり、第2行目の画像データ
は第2画素行と第3画素行に表示し、第4行目の画像デ
ータは第4画素行と第5画素行に表示し、第6行目の画
像データは第6画素行と第7画素行に表示し、第8行目
の画像データは第8画素行と第9画素行に表示する。
【0553】なお、図103(a1)の第1画素行は第
1フィールドの状態が保持されたままにする。また、第
1フィールドでは奇数画像データを書き込み、第2フィ
ールドでは偶数画像データを書き込むとしたがこれに限
定されるものでなく、逆でもよい。
【0554】以上のように画像表示をすれば、人間の目
によって2フィールドの表示画像が残像で加え合わさっ
て見えるとした場合、1フレーム(2フィールド)が終
了した時点で、第1画素行は、第1フィールドの表示画
像である。また、第2画素行は、第1フィールドの第1
画素行の画像データと第2フィールドの第2画素行の画
像データとが加えられたものになる。第3画素行は、第
1フィールドの第3画素行の画像データと第2フィール
ドの第2画素行の画像データとが加えられたものにな
る。また、第4画素行は、第1フィールドの第3画素行
の画像データと第2フィールドの第4画素行の画像デー
タとが加えられたものになる。第5画素行は、第1フィ
ールドの第5画素行の画像データと第2フィールドの第
4画素行の画像データとが加えられたものになる。
【0555】以上のように、各画素行は、2つのフィー
ルドの画像が重ね合わさったものとなるため、表示画像
の輪郭が滑らかになる。特に、動画表示では若干の動画
ぼけが発生するが、ほぼ静止画では良好な解像度が得ら
れる(ように認識される)。
【0556】図104は図103の表示方法を実現する
ための駆動波形である。図面の上位置は第1フィールド
(1F)の駆動波形であり、図面の下位置は第2フィー
ルド(2F)の駆動波形である。
【0557】第1フィールド(1F)において、まず、
第1画素行と第2画素行のゲート信号線17a(1)、
(2)が選択される。ソース信号線18には10倍(N
=10)の駆動電流が流れるので、画素行(1)、
(2)の変換用TFT11aにはそれぞれ5倍の電流で
プログラムされる。この時、第1画素行と第2画素行の
ゲート信号線17b(1)、(2)にはオフ電圧Vgh
が印加され、スイッチング用TFT11dはオフ状態で
ある。したがって、第1画素行と第2画素行のEL素子
15は点灯しない。
【0558】2H後(偶数画素行または奇数画素行ずつ
画像データを書き込むから、2Hとなる)、第3画素行
と第4画素行のゲート信号線17a(3)、(4)が選
択され、ソース信号線18には10倍(N=10)の駆
動電流が流れる。したがって、画素行(3)、(4)の
変換用TFT11aはそれぞれ5倍の電流でプログラム
される。この時、第3画素行と第4画素行のゲート信号
線17b(3)、(4)にはオフ電圧Vghが印加さ
れ、スイッチング用TFT11dはオフ状態である。し
たがって、第3画素行と第4画素行のEL素子15は点
灯しない。
【0559】一方、ゲート信号線17b(1)、(2)
には、オン電圧Vglが印加されるので、第1画素行と
第2画素行のスイッチング用TFT11dはオンし、E
L素子15が点灯する。
【0560】さらに、2H後、第5画素行と第6画素行
のゲート信号線17a(5)、(6)が選択される。ソ
ース信号線18には10倍(N=10)の駆動電流が流
れるので、画素行(5)、(6)の変換用TFT11a
にはそれぞれ5倍の電流でプログラムされる。この時、
第5画素行と第6画素行のゲート信号線17b(5)、
(6)にはオフ電圧Vghが印加され、スイッチング用
TFT11dはオフ状態である。したがって、第5画素
行と第6画素行のEL素子15は点灯しない。
【0561】一方、ゲート信号線17b(1)、
(2)、(3)、(4)には、オン電圧Vglが印加さ
れるので、第1画素行、第2画素行、第3画素行および
第4画素行のスイッチング用TFT11dがオンし、E
L素子15が点灯する。以上の動作を画面の最終奇数画
素行まで実施し、1画面を表示する。
【0562】第2フィールド(2F)においては、第1
画素行は選択せず、第1フィールドの状態を保持させ
る。次に、第2画素行と第3画素行のゲート信号線17
a(2)、(3)が選択される。ソース信号線18には
10倍(N=10)の駆動電流が流れる。したがって、
画素行(2)、(3)の変換用TFT11aにはそれぞ
れ5倍の電流でプログラムされる。この時、第2画素行
と第3画素行のゲート信号線17b(2)、(3)には
オフ電圧Vghが印加され、スイッチング用TFT11
dはオフ状態である。したがって、第2画素行と第3画
素行のEL素子15は点灯しない。
【0563】2H後、第4画素行と第5画素行のゲート
信号線17a(4)、(5)が選択され、ソース信号線
18には10倍(N=10)の駆動電流が流れる。した
がって、画素行(4)、(5)の変換用TFT11aに
はそれぞれ5倍の電流でプログラムされる。この時、第
4画素行と第5画素行のゲート信号線17b(4)、
(5)にはオフ電圧Vghが印加され、スイッチング用
TFT11dはオフ状態である。したがって、第4画素
行と第5画素行のEL素子15は点灯しない。
【0564】一方、ゲート信号線17b(2)、(3)
には、オン電圧Vglが印加されるので、第1画素行、
第2画素行と第3画素行のスイッチング用TFT11d
はオンし、EL素子15は点灯する。
【0565】さらに、2H後、第6画素行と第7画素行
のゲート信号線17a(6)、(7)が選択され、ソー
ス信号線18には10倍(N=10)の駆動電流が流れ
る。したがって、画素行(6)、(7)の変換用TFT
11aにはそれぞれ5倍の電流でプログラムされる。こ
の時、第6画素行と第7画素行のゲート信号線17b
(6)、(7)にはオフ電圧Vghが印加され、スイッ
チング用TFT11dはオフ状態である。したがって、
第6画素行と第7画素行のEL素子15は点灯しない。
【0566】一方、ゲート信号線17b(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)には、オン電圧Vgl
が印加されるので、第1画素行、第2画素行、第3画素
行、第4画素行および第5画素行のスイッチング用TF
T11dはオンし、EL素子15は点灯する。以上の動
作を画面の最終偶数画素行まで実施し、1画面を表示す
る。
【0567】以上の実施例は、2フィールドで1画面を
表示するものであった。図105は2フィールド以上で
1画面を表示するものである。図105(a)が第1フ
ィールド、図105(b)が第2フィールド、図105
(c)が第3フィールドである。
【0568】第1フィールドでは、4Y−3(Yは1以
上の整数)画素行と4Y−2画素行とが書き込み画素行
871である。2画素行ずつ画像データを書き込む。第
2フィールドでは、4Y−1画素行と4Y画素行とが書
き込み画素行871である。先のフィールドを同様に2
画素行ずつ画像データを書き込む。第3フィールドで
は、4Y−2画素行と4Y−1画素行とが書き込み画素
行871である。2画素行ずつ画像データを書き込む。
以上のように3Fで書き込むことにより、各画素データ
は複数のフィールドの画像データで補完される。
【0569】図105は3フィールドで1画面の実施例
であったが、それ以上のフィールドを用いて画像表示を
実現してもよい。例えば、4フィールドの場合、第1フ
ィールドでは、4Y−3(Yは1以上の整数)画素行と
4Y−2画素行とが書き込み画素行871である。2画
素行ずつ画像データを書き込む。第2フィールドでは、
4Y−1画素行と4Y画素行とが書き込み画素行871
である。第3フィールドでは、4Y−2画素行と4Y−
1画素行とが書き込み画素行871である。先と同様に
2画素行ずつ画像データを書き込む。第4フィールドで
は、4Y−3画素行と4Y画素行とが書き込み画素行8
71である。先のフィールドを同様に2画素行ずつ画像
データを書き込む。以上のように4フィールドで書き込
むことにより、各画素データは複数のフィールドの画像
データで補完される。
【0570】以上の実施例は、主として図6の画素構成
を例示して説明したが、本発明の駆動方法は、図8、図
68などの他の電流プログラム画素構成に対しても有効
である。
【0571】図106は図68の画素構成の駆動方法の
説明図である。なお、ここでも、説明を容易にするため
に、ソースドライバ14からソース信号線18に流す電
流(もしくは、ソースドライバ14がソース信号線18
から吸い込む電流、駆動用TFT11aがソース信号線
18に流し込む電流)は所定値の10倍(N=10)と
して説明をする。また、駆動用TFT11aとTFT1
1bのカレント倍率は1:1(カレント倍率1)である
として説明をする。
【0572】したがって、同時に選択する画素行が5画
素行(K=5)であれば、5つの駆動用TFT11aが
動作する。カレント倍率=1であるから、駆動用TFT
11bにもTFT11aと同一の電流が流れる。つま
り、1画素あたり、10/5=2倍の電流が駆動用TF
T11aに流れる。画素16の駆動用TFT11aにプ
ログラムされる電流は所定値の2倍であるから、EL素
子に流れる電流も2倍である。したがって、図34のよ
うに10倍の電流を流す場合に比較してEL素子15の
劣化は少なくなる。一方、ソース信号線18に流れる電
流は10倍であるから、図34と同様の寄生容量404
の充放電が可能である。このことは、図35においても
同様である。
【0573】カレント倍率が2であれば、駆動用TFT
11bがEL素子15に流す電流は1倍となる。したが
って、所定輝度が得られるように所定電流をEL素子1
5に流すことができる。つまり、図8、図68の画素構
成では、カレント倍率(TFT11aとTFT11bと
の電流比率)と、ソース信号線18に流す電流(プログ
ラム電流)とを、設計(調整)することにより、汎用度
の高い表示パネルの駆動設計が可能である。
【0574】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であれば、5つの駆動用TFT11aのプログラム
電流を加えたものとなる。例えば、書き込み画素行87
1aに、本来、書き込む電流をIdとし、N=10とす
れば、ソース信号線18には、Id×10の電流を流
す。書き込み画素行871aと隣接した書き込み画素行
871b(871bはソース信号線18への電流量を増
加させるため、補助的に用いる画素行である。したがっ
て、画像を書き込む画素(行)が871aであり、87
1aに書き込むために補助的に用いるのが画素(行)8
71bである)。
【0575】図106において、書き込み画素行871
aの画像データでK行(K=5)同時に書き込む。した
がって、K行の範囲(871a、871b)は同一表示
となる。このように、同一表示にすると当然のことなが
ら解像度が低下する。これに対処するために、図35
(b)に図示するように書き込み画素行871bの部分
を非表示領域312とするのである。したがって、解像
度低下は発生しない。
【0576】図106(a)に図示する書き込み画素行
871aは表示状態にしているが、この画素はプログラ
ム中であるため、画素への電流書き込み状態で変化す
る。したがって、非表示領域312としてもよい。
【0577】次の1H後は、1画素行シフトした画素行
を書き込み画素行871aとして同一動作を行う。非表
示領域312も1画素(行)シフトされる。以上のよう
に、本来の表示データと異なる電流データを書き込まれ
た書き込み画素行871bは表示されず、上記の動作を
1行ずつシフトしていくと完全な画像表示を実現でき
る。また、補助的に用いている書き込み画素行871b
の効果で、寄生容量404の充放電も十分1H期間内に
実現できる。
【0578】図107は、図106の駆動方法を実現す
るための駆動波形の説明図である。電圧波形はオフ電圧
をVgh(Hレベル)とし、オン電圧をVgl(Lレベ
ル)としている。また、図107の下段には選択してい
る画素行の番号を記載している。また、図中の(1)、
(2)、(3)・・・(11)とは選択している画素行
番号を示している。なお、画素行数はVGAパネルでは
480本であり、XGAパネルでは768本である。
【0579】図107において、ゲート信号線17a
(1)とゲート信号線17b(1)が選択され(Vgl
電圧)、選択された画素行の駆動用TFT11aからソ
ースドライバ14に向かってソース信号線18にプログ
ラム電流が流れる。また、ソース信号線18に流れるプ
ログラム電流は所定値のN倍(説明を容易にするため、
N=10として説明する。もちろん、所定値とは画像を
表示するデータ電流であるから、白ラスター表示などで
ない限り固定値ではない。)である。また、5画素行を
同時選択(K=5)として説明をする。したがって、理
想的には1つの画素のコンデンサ19には2倍の電流が
駆動用TFT11aに流れるようにプログラムされる。
【0580】基本的には、ゲート信号線17aと17b
とは同一位相であるから、共通化することが可能であ
る。しかし、厳密には、画素行を選択、非選択とする
際、まず、スイッチング用TFT11dがオフし、次に
取込用TFT11cがオフするように制御されることが
好ましいので、ゲート信号線17aとゲート信号線17
bとは分離しておいた方がよい。
【0581】書き込み画素行が(1)画素行目である
時、図107で図示したように、ゲート信号線17a、
17bにはオン電圧Vglが印加されている。したがっ
て、画素行(1)、(2)、(3)、(4)、(5)が
選択されている。つまり、画素行(1)、(2)、
(3)、(4)、(5)の取込用TFT11c、スイッ
チング用TFT11dがオン状態である。また、ゲート
信号線17bはゲート信号線17bの逆位相となってい
る。したがって、画素行(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)のスイッチング用TFT11dがオフ状
態であり、対応する画素行のEL素子15には電流が流
れておらず、非表示領域312となる。
【0582】理想的には、5画素の駆動用TFT11a
が、それぞれId×2の電流をソース信号線18に流
し、各画素16のコンデンサ19には、2倍の電流がプ
ログラムされる。ここでは理解を容易にするため、各駆
動用TFT11aは特性(Vt、S値)が一致している
として説明をする。
【0583】同時に選択する画素行が5画素行(K=
5)であるから、5つの駆動用TFT11aが動作す
る。つまり、1画素あたり、10/5=2倍の電流が駆
動用TFT11aに流れる。ソース信号線18には、5
つの駆動用TFT11aのプログラム電流を加えた電流
が流れる。例えば、書き込み画素行871aに、本来、
書き込む電流をIdとし、ソース信号線18には、Id
×10の電流を流す。
【0584】書き込み画素行(1)より以降に画像デー
タを書き込む4つの書き込み画素行871bは、ソース
信号線18への電流量を増加させるため、補助的に用い
る画素行である。しかし、書き込み画素行871bは後
に正規の画像データが書き込まれるので問題はない。し
たがって、書き込み画素行871bは、1H期間の間は
書き込み画素行871aと同一表示である。そのため、
電流を増加させるために選択した書き込み画素行871
bを少なくとも非表示領域312とするのである。
【0585】次の1H後には(画素行番号6の位置)、
ゲート信号線17a(1)、17b(1)は非選択とな
り、画素に書き込むデータが確定する。また、同時に、
ゲート信号線17a(6)が選択され(画素番号2の位
置)、選択された画素行(6)の駆動用TFT11aか
らソースドライバ14に向かってソース信号線18にプ
ログラム電流が流れる。このように動作することによ
り、画素行(1)には正規の画像データが保持される。
【0586】次の1H後には、ゲート信号線17a
(2)、17b(2)は非選択となる。また、ゲート信
号線17a(7)が選択され(Vgl電圧)、選択され
た画素行(7)の駆動用TFT11aからソースドライ
バ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が
流れる。このように動作することにより、画素行(2)
には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画
素行ずつシフトしながら走査することにより1画面が書
き換えられる。
【0587】図73と同様であるが、図82の駆動方法
では、各画素には2倍の電流(電圧)でプログラムを行
うため、各画素のEL素子15の発光輝度は理想的には
2倍となる。したがって、表示画面の輝度は所定値より
も2倍となる。
【0588】これを所定の輝度とするためには、図34
に図示するように、書き込み画素行871を含み、かつ
表示画面21の1/2の範囲を非表示領域312とすれ
ばよい。このことは図79などを用いて説明したので省
略する。なお、図89の駆動方法も図68、図70、図
75、図76、図106などにも適用できることは言う
までもない。説明は先に行っているので省略する。
【0589】図34、図35は図6、図8、図68のよ
うな電流プログラム方式の画素構成を例示して説明した
が、これに限定されるものではない。例えば、図70、
図75、図76などの電圧プログラム方式の画素構成で
も有効である。複数画素行に同時に電圧を印加する方式
とすることにより、画素を予備充電することができるた
め、SXGA以上の高精細表示パネルにも対応できるよ
うになる。また、電駆動回路、信号処理回路が簡略化さ
れ、良好な黒表示を実現できるからである。
【0590】電圧プログラムの適用例として図70の画
素構成を例示して説明をする。なお、図108、図10
9はその駆動波形である。図108、図109において
5画素行を非表示領域312にするとして説明をする
が、これに限定されるものではなく、単に説明を容易に
するためである。例えば、2画素行を同時選択してもよ
く、10画素行でもよい。また、1画素行を非表示領域
312としてもよい。このことは図74、図75、図7
6などに対しても同様である。
【0591】また、図70、図74、図75、図76な
どで図示した電圧プログラムの画素構成に対して、図8
6、図89、図93、図94、図96、図105などで
説明した駆動方法を適用することができる。また、N倍
の電流がEL素子15に流れるように駆動し、非表示領
域312を形成するという駆動方法も適用することがで
きることは言うまでもない。しかし、図108、図10
9では説明が複雑になるのであえて説明しない。
【0592】図109に示すように、書き込み画素行が
(1)画素行目である時(画素行番号5の位置)、ゲー
ト信号線17aは(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)が選択されている。つまり、画素行(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)の駆動用TFT11b
がオン状態であり、ゲート信号線17bには、オフ電圧
Vghが印加されている。したがって、画素行(1)、
(2)、(3)、(4)、(5)のスイッチング用TF
T11dがオフ状態であり、対応する画素行のEL素子
15には電流が流れておらず、非表示領域312とな
る。したがって、画素行(1)には5Hの期間、電圧が
予備充電されていることになる。
【0593】予備充電されている画素行は、5H期間の
間は他の4画素行と同一表示である。そのため、書き込
みを行っている画素行を少なくとも非表示領域312と
するのである。特に、映像信号では隣接した画素では映
像データが近似しているので、予備充電を行えば、正規
の画像データの書き込みが楽になる。
【0594】したがって、本発明は、複数の画素行に画
像データを書き込み、正規の画像データが書き込まれる
までは非表示領域312とする方法である。ただし、1
画素行の選択であっても、この画素行の画像データを書
き込んでいるときは表示が不安定であるので、非表示と
することも本発明の概念である。また、EL素子15に
流れる電流を所定値よりも大きくし、非表示領域312
を形成することにより所定輝度にする。この表示方法で
良好な動画を実現するのも本発明の効果である。
【0595】次の1Hでは、(2)画素行目の画像デー
タを確定させる。図109で明らかなように、ゲート信
号線17a(1)とゲート信号線17b(1)にオフ電
圧(Vgl:TFT11bがNチャンネルのため)が印
加される(画素行番号6)。ゲート信号線17a(6)
とゲート信号線17b(6)にはオン電圧(Vgh:T
FT11bがNチャンネルのため)が印加される。した
がって、画素行(2)の変換用TFT11aへの画像デ
ータは保持される。
【0596】以上のように水平走査期間に同期して、1
画素行、書き込み画素行がシフトし、上記の動作を順次
実施することにより、1画面を表示することができる。
【0597】図108は図70の画素構成において、ゲ
ート信号線17bのタイミングを1Hシフトした方法で
ある。図108で明らかなように、確定する画素を表示
状態とするものである。
【0598】例えば、画素行(1)は5Hの期間、画像
データが書き込まれている(画素行番号1〜5の期
間)。つまり、画素行(1)のゲート信号線17aは選
択状態である(TFT11bがNチャンネルのため、オ
ン電圧Vghが印加されている)。5Hの時には、ゲー
ト信号線17b(1)にはオン電圧(Vgl:TFT1
1dがPチャンネルのため)が印加されているため、E
L素子15には電流が流れている。したがって、EL素
子15は点灯状態である。この点が図109と異なって
いる。図109では非表示領域312としていたが、他
の点では図109と同様であるので説明を省略する。
【0599】なお、以上の複数の画素行を同時にオンさ
せて画像データを書き込む本発明の実施例において、表
示画面21の最上辺あるいは最下辺、あるいはその両方
の画素行は同時にオンさせるための隣接した画素行がな
い。この課題に対しては、表示画面21の最上辺あるい
は最下辺、あるいはその両方に、ダミーの画素行を形成
あるいは配置すればよい。
【0600】例えば、図81で説明した5画素行を同時
に選択する駆動方法では、画面の下辺に4本の画素行を
形成する。もちろん上下反転駆動を実施する場合は、画
面の上辺にも4本のダミー画素行を設ける。このダミー
画素行は、EL素子15を形成しないので、発光はしな
い。もちろん、EL素子15を形成しても発光しないよ
うにするか、遮光して表示されないようにする。その
他、図6では1画素のスイッチング用TFT11d以外
を形成しておいてもよい。なお、ダミー画素行は1画素
行以上形成する。
【0601】また、隣接した画素行を同時にオンさせる
としたが、これに限定されるものではない。例えば、複
数の画素行をオンさせるタイミングが異なっていても良
い。また、1行目を3行目の2画素行というように離れ
ていてもその効果は発揮される。極端には、2画素行を
選択する場合、1画素行を固定して(例えば、画面の一
番下の画素行あるいは、ダミー画素行)オンさせ、他の
1画素行を走査して順次オンさせてもよい。
【0602】図6、図8、図51、図61、図62、図
63などの電流プログラム方式で共通の事項であるが、
電流プログラム方式での黒表示が困難という問題点があ
る(もちろん図34、図35などの本発明を実施すれば
大幅に改善できる。しかし、さらに以下の実施例と組み
合わせることも有効である。もちろん、図34、図35
の実施例と組み合わさず、以下の実施例を単独で実施し
ても良い)。例えば、EL素子15に流す白ピーク電流
が2μAであっても、64階調表示における1階調目は
2μA/64≒30nAである。この微小な電流でソー
ス信号線18などの寄生容量404を1H期間に充放電
することはなかなか困難である。なお、画素16はマト
リックス状に形成または配置されているが、図面では説
明を容易にするために、1画素のみを図示している。
【0603】この課題に対応するため、本発明ではソー
ス信号線18に黒レベルの電圧(電流)を書き込むため
の電圧源401を形成または配置している。具体的には
電圧源401とはDCDCコンバータで所定電圧を発生
させ、この電圧をアナログスイッチなどから構成される
電源切り替え手段403で印加できるように構成してい
る。
【0604】ソース信号線18に印加する信号波形の具
体例を図110に示す。電流プログラムを行う1H期間
の最初のt2の期間に駆動用TFT11b(図6などで
は変換用TFT11a)のソース信号線18にオフまた
はほぼ黒表示にする電圧Vbを印加する。この電圧は電
圧源401で発生し、電源切り替え手段403によりソ
ース信号線18に印加される。プログラム期間では取込
用TFT11c、スイッチング用TFT11dがオン状
態であるから、ソース信号線18に印加された電圧Vb
はコンデンサ19の端子電圧、つまり、駆動用TFT1
1bのゲート端子電圧となる。したがって、1H期間の
最初の画素は黒表示(非点灯状態)となる。
【0605】本来、表示される画像が黒表示の場合は、
そのまま、コンデンサ19の端子電圧が保持される。実
際に表示される画像が白表示の場合では、Vb電圧印加
後に白表示の電圧Vw(なお、電流プログラムの場合は
Iwと表現すべきである)が印加されて、この電圧(電
流)がコンデンサ19に保持されて1H期間が終了す
る。なお、ここでは説明を容易にするため、実際に表示
される画像が白表示であるから白表示の電圧Vw(電流
Iw)を印加するとした。しかし、当然のことながら、
自然画の場合は、コンデンサ19に保持される電圧はV
bからVw間の電圧(電流)である。
【0606】図110に図示するように、ソース信号線
18に信号を印加し、ゲート信号線17a、17bを駆
動することにより、良好な黒表示を実現でき、また、図
38などの画像表示を実施できる。
【0607】図6の画素構成でも図110の信号波形を
印加することにより良好な黒表示を実現できる。電流プ
ログラムを行う1H期間の最初のt2の期間に変換用T
FT11aのソース信号線18にオフまたはほぼ黒表示
にする電圧Vbを印加する。この電圧は電圧源401で
発生し、電源切り替え手段403によりソース信号線1
8に印加される。
【0608】プログラム期間では駆動用TFT11b、
取込用TFT11cがオン状態であるから、ソース信号
線18に印加された電圧Vbはコンデンサ19の端子電
圧、つまり、変換用TFT11aのゲート端子電圧とな
る。したがって、1H期間の最初の画素は黒表示(非点
灯状態)となる。
【0609】先に説明したように、表示される画像が黒
表示の場合では、そのまま、コンデンサ19の端子電圧
が保持される。実際に表示される画像が白表示の場合で
は、Vb電圧印加後に白表示の電圧Vw(なお、電流プ
ログラムの場合はIwと表現すべきである)が印加され
て、この電圧(電流)がコンデンサ19に保持されて1
H期間が終了する。
【0610】図51などで図示した電圧源401(プリ
チャージ回路)は低温ポリシリコン技術などで、アレイ
基板49上に直接形成してもよい。なお、EL素子15
はR、G、Bで素子構成、材料が異なるので光の発生が
生じる電圧(電流)が異なる(立ち上がり電圧(電
流))場合が多い。この特性に対応するため、R、G、
Bでプリチャージ電圧を個別に設定できるように構成す
ること、少なくとも3原色のうち1色は変化できるよう
にすることが好ましい。
【0611】なお、Vb電圧を印加するプリチャージ時
間t2は、1μ秒以上にする必要がある。また、Vb電
圧を印加するプリチャージ時間t2は1Hの1%以上1
0%以下、さらには2%以上8%以下にすることが好ま
しい。
【0612】また、表示画面21の内容(明るさ、精細
度など)で、プリチャージする電圧を変化できるように
構成しておくことが好ましい。例えば、ユーザーが調整
スイッチを押したり、調整ボリウムを回したりすること
で、この変化を検出しプリチャージ電圧(電流)の値を
変更する。表示する画像の内容、データにより自動的に
変化させるように構成してもよい。例えば、ホトセンサ
で外部の外光の強さを検出し、その検出された値で、プ
リチャージ(ディスチャージ)電圧(電流)を調整す
る。その他、画像の種類(パソコン画像、昼の画面、星
空など)に応じて、プリチャージ(ディスチャージ)電
圧(電流)を調整する。調整は画像の平均明るさ、最大
輝度、最小輝度、動画、静止画、輝度分布を考慮して決
定する。
【0613】図51などではプリチャージ回路などを簡
易に説明した。さらに、図111などを用いてさらに詳
しく説明する。なお、ディスチャージとプリチャージは
単に電位の印加方向であるので、以降はディスチャージ
とプリチャージを同義とし、プリチャージを用いて説明
する。
【0614】図111は電流駆動と電圧駆動とを組み合
わせた回路構成である。スイッチ回路1223は表示領
域のあるソース信号線18に接続され、アナログスイッ
チから構成される。スイッチ回路1223のa端子には
電圧が印加され(プリチャージ電圧)、b端子には画素
にプログラムするプログラム電流が印加される。
【0615】電流出力回路1222には8ビット(25
6階調)のIDATAが入力され、このIDATAがD
A回路1226でDA変換されてアナログ電圧となる。
このアナログ電圧が出力トランジスタ(もしくはFE
T)1227のベース端子に印加され、オペアンプ12
24bと抵抗1228の作用で、電流出力に変換され
る。なお、出力トランジスタ1227とオペアンプ12
24などによる電圧−電流変換回路は一般的なもので、
当該技術分野の技術者にとって公知であるのでこれ以上
の説明は要さないであろう。
【0616】一方、電圧出力回路1221は調整ボリウ
ム(VR)1225とオペアンプ1224aによるバッ
ファ回路から構成される。調整ボリウム1225は全ソ
ース信号線に共通のものである。この調整ボリウム12
25を調整することにより、プリチャージ電圧Vbが決
定される。
【0617】1水平走査期間(1H)の最初のプリチャ
ージ電圧Vbが印加される時、すべてのソース信号線に
接続されたスイッチ回路1223は端子aと接続されて
いる。したがって、すべてのソース信号線18はプリチ
ャージ電圧Vbに設定される。その後、スイッチ回路1
223は端子bに切り替えられ、画像に対応した電流デ
ータ(256階調)がソース信号線18に印加される。
この電流データが各画素16に書き込まれ、各画素のE
L素子15に電流が流れて発光する。
【0618】図111では、プリチャージ電圧Vbは固
定値であったが、図112では、プリチャージ電圧を2
56値(8ビット)とれるようにした回路構成図であ
る。図112において、電圧出力回路1221は、8ビ
ットのVDATAが入力され、DA回路1226aでア
ナログ電圧に変換される。変換されたアナログ電圧はオ
ペアンプ1224cの一端子に入力され、調整ボリウム
(VR)1225の基準電圧に対して所定の電圧に調整
できるように構成されている。
【0619】オペアンプ1224cの出力はバッファの
オペアンプ1224aを介して、スイッチ回路1223
aのa端子に印加される。一方、スイッチ回路1223
aのb端子には電流出力が印加されている。
【0620】VDATAはIDATAに対応する電圧で
ある。1水平走査期間(1H)の最初の1〜10μse
c(1Hの1/100以上1/5以下の期間であること
が好ましい)の期間にVDATAに対応したプリチャー
ジ電圧Vbが印加される。この時、すべてのソース信号
線に接続されたスイッチ回路1223は端子aと接続さ
れている。したがって、各ソース信号線18はVDAT
Aに対応するプリチャージ電圧Vbに設定される。図1
11との差異は、各ソース信号線にプリチャージ電圧V
bを設定できることである。つまり、各ソース信号線1
8にそれぞれIDATAをDA変換するDA回路と、V
DATAをDA変換するDA回路を具備している。ただ
し、各ソース信号線18にそれぞれIDATAをDA変
換するDA回路と、VDATAをDA変換するDA回路
を具備することに限定されるものではない。例えば、D
A回路は1つでも、その出力を各ソース信号線でサンプ
ルホールドすれば実現できるからである。
【0621】VDATAを変換した電圧を1Hの最初の
期間に印加するが、この電圧値は、以降に印加するID
ATAに対応した電流値によるソース信号線電位とほぼ
等しくなる。したがって、VDATAの電圧を印加する
ことによりソース信号線の電位はほぼ目標値となり、I
DATAでわずかに目標値に補正するだけとなる。以上
のように構成することにより、ソース信号線18への電
流書き込み不足はなくなる。
【0622】なお、図112(a)において、スイッチ
回路1223aはa端子とb端子とを切り替えるとした
がこれに限定されるものではない。例えば、図112
(b)のように、電圧出力回路1221の出力をa端子
に印加し、電流出力回路1222の出力がソース信号線
18に絶えず接続状態になるよう構成してもよい。
【0623】DA回路1226をリファレンス電圧に対
応して出力変化できるものとすることによりさらに回路
構成の柔軟性が向上する。このリファレンス電圧に対応
して出力変化できるとは、例えば、リファレンス電圧が
2.54Vの時、0.01V間隔で出力を変化できるも
のをいう(8ビット、256階調のDA回路を採用した
時)。リファレンス電圧が5.08Vでは0.02V間
隔で出力を変化できる。つまり、リファレンス電圧を変
更することにより、瞬時にDA回路の出力をリファレン
ス電圧に比例して変更することができる。図113はこ
のようなDA回路を採用した場合の回路ブロック図であ
る。
【0624】図113において、DA回路1226aに
はVref電圧が印加されている。Vref電圧はVv
電圧を4分割するRV*抵抗とスイッチ回路1223b
からなる回路より出力される。したがって、Vref電
圧はCVS信号により4段階に切り替えられ、DA回路
1226aの出力を瞬時に4段階で切り替えることがで
きる。
【0625】一方、DA回路1226bにはIref電
圧が印加されている。Iref電圧はVi電圧を4分割
するRV*抵抗とスイッチ回路1223cからなる回路
より出力される。したがって、Iref電圧はCIS信
号により4段階に切り替えられ、DA回路1226bの
出力を瞬時に4段階で切り替えることができる。
【0626】図113のように構成することにより、ソ
ース信号線18に出力する電流(電圧)は、1Hの期間
に4段階に変化することができるようになる。この使用
方法としては例えば、最初に高い電圧(電流)を一瞬印
加し、この印加により高速に目標値まで到達させ、その
後、定常値の電圧(電流)に変更し、目標値にすること
で、画素に書き込む電圧(電流)を高速に変更すること
ができる。
【0627】ただし、図113の構成では、回路規模が
かなり大きなものになる。一般的には図114に図示す
る構成で十分である。図113の構成は、電圧出力回路
1221が2つの電圧値を出力できるように構成されて
いる。この2つの電圧とは、1つが画像表示を黒にする
電圧である。他の1つは画像表示を白にする電圧であ
る。具体的には、図6のVdd電圧を6Vとすれば、黒
電圧は3V〜4Vであり、白電圧は1V〜2Vである。
この白電圧と黒電圧は調整ボリウム(VR)1225で
調整され、この電圧がバッファのオペアンプ1224
a、1224cを介してスイッチ回路1223bに印加
される。なお、スイッチ回路1223bの出力はVSL
電圧で切り替えられる。
【0628】1水平走査期間(1H)の最初にプリチャ
ージ電圧Vb(白電圧または黒電圧)が印加される。各
ソース信号線はスイッチ回路1223aの端子cと接続
されているので、各ソース信号線18はまず、白電圧ま
たは黒電圧にプリチャージ設定される。その後、スイッ
チ回路1223は端子bに切り替えられ、画像に対応し
た電流データ(256階調)がソース信号線18に印加
される。この電流データが各画素16に書き込まれ、各
画素のEL素子15に電流が流れて発光する。
【0629】以上の実施例では、各ソース信号線18は
まず、白電圧または黒電圧にプリチャージに設定される
としたがこれに限定されるものではない。表示データ
(VDATA、IDATA)が所定値以上の時、あるい
は所定値以下の時、プリチャージするように構成した方
が現実的である。
【0630】図115は説明を容易にするため、64階
調表示の場合を例示している。図115(a)では、5
7階調目から63階調目の範囲(KW)を白電圧でプリ
チャージする。つまり、図114の電圧出力回路122
1から白電圧を出力する。また、0階調目から7階調目
の範囲(KB)を黒電圧でプリチャージする。つまり、
図114の電圧出力回路1221から黒電圧を出力す
る。そして、8階調目から56階調目までは電圧出力回
路1221の出力はハイインピーダンス状態とする(ス
イッチ回路1223aは端子aを選択しない)。
【0631】以上のように、白表示とすべき階調に白電
圧を印加し、黒表示とすべき階調に黒電圧を印加する。
また、中間調の箇所(KM)ではプリチャージしないこ
とにより、階調表示を高速に、かつ良好に実現すること
ができる。
【0632】電流プログラム方式の場合、黒表示では、
プログラム電流(画素に書き込む電流)が5nA以上2
0nA以下と小さいため、書き込み不足が発生する。そ
こで、黒電圧をプリチャージすることにより、本来の黒
表示を実現することができる。しかし、暗い灰色の表示
でも書き込み不足が発生することがある。この場合は、
白と黒のプリチャージに加えて、第2の黒のプリチャー
ジを行うことが効果的である。
【0633】図115(b)はこの実施例である。KB
1の範囲で黒電圧をプリチャージすることにより、本来
の黒表示を実現することができる。そして、KB2の範
囲を第2の黒(灰色)をプリチャージすることにより、
黒に近い灰色の部分に対して十分な階調表示を実現でき
る。
【0634】ここで、より具体的には、図6の画素構成
において、Vdd電圧が6Vとすれば、KB1の範囲の
プリチャージを行う黒電圧は3V〜3.5Vであり、K
B2の灰色のプリチャージを行う黒電圧は3.5V〜
4.0Vである。KWの範囲の白電圧は1V〜2Vであ
る。KMの範囲は電圧によるプリチャージは行わない。
【0635】図115(b)は説明を容易にするため、
64階調表示の場合を例示している。図115(b)で
は、57階調目から63階調目の範囲(KW)を白電圧
でプリチャージする。0階調目から7階調目の範囲(K
B1)を黒電圧でプリチャージする。8階調目から15
階調目の範囲(KB2)を第2の黒電圧でプリチャージ
する。16階調目から56階調目までは電圧出力回路1
221の出力をハイインピーダンス状態とする(スイッ
チ回路1223aは端子aを選択しない)。
【0636】以上のように、黒の範囲を複数の範囲に分
離し、それぞれ異なった電圧でプリチャージすることに
より、より適正な階調表示を実現できる。なお、図11
5(b)は、黒の範囲を2つとしたがこれに限定される
ものではなく、3つ以上でもよい。また、プリチャージ
は全ソース信号線に一括して行ってもよい。これらの回
路構成は、図114においてバッファのオペアンプ12
24を3個以上配置し、スイッチ回路1223bを3つ
以上選択できるように構成すればよいから容易である。
【0637】なお、図115において、階調0(黒表
示)にEL素子15に流す電流は0Aではない。EL素
子15は所定電流以上を流さないと発光しない。この発
光しない範囲の電流を暗電流と呼ぶ。暗電流は画素サイ
ズが10000平方μmで10nA以上50nA以下程
度である。この暗電流の範囲内において、画素は黒表示
であり、階調0でも電流が流れている。ソースドライバ
14の構成としては暗電流を加えた電流で駆動する必要
がある。
【0638】以降、図111〜図114に図示する回路
構成を出力段回路1271と呼ぶ。出力段回路1271
は図116に図示するように、各ソース信号線18に配
置(形成)するのが一般的な構成例である。なお、図1
16などで、出力段回路1271はシリコンチップで形
成したソースドライバ14内に形成したように図示した
がこれに限定されるものではなく、ガラス基板241上
に画素TFT11などと同時に直接形成してもよい。つ
まり、高温ポリシリコン技術、低温ポリシリコン技術、
シャープ(株)などが開発しているCGS(Conti
nuous Grain Silicon)技術、富士
通(株)などが開発している種結晶を基板に形成して成
長させる方法、セイコーエプソン(株)が開発している
石英基板に形成した半導体回路を転写によって、ガラス
基板などに形成する技術で出力段回路1271を形成し
てもよい。また、ガラス基板241が金属基板あるいは
半導体基板の場合は直接、出力段回路1271を形成で
きることは言うまでもない。
【0639】また、ソースドライバ14には、前記ソー
スドライバの信号端子電極部にメッキ技術またはネイル
ヘッドボンディング技術を用いて数μmから100μm
の高さの金(Au)からなる突起電極(図示せず)が形
成されている。前記突起電極と各信号線とは導電性接合
層(図示せず)を介して電気的に接続されている。導電
性接合層の接着剤はエポキシ系、フェノール系等を主剤
とし、銀(Ag)、金(Au)、ニッケル(Ni)、カ
ーボン(C)、酸化錫(SnO2)などのフレークを混
ぜた物、あるいは紫外線硬化樹脂などである。この導電
性接合層は、転写等の技術で突起電極上に形成する。
【0640】ソースドライバ14(あるいはゲートドラ
イバ12)を基板上に積載するように図示または説明し
たが、これに限定されるものではない。また、基板上に
ソースドライバ14(あるいはゲートドライバ12)を
積載せず、フィルムキャリヤ技術を用いて、ドライバI
Cを積載したポリイミドフィルム等を用いて信号線と接
続しても良い。
【0641】図116は表示画面21の一方の端のみに
出力段回路1271を配置したように図示したがこれに
限定されるものではない。例えば、図117に図示する
ように、ソースドライバ14aと14bを配置してもよ
い。図117ではゲートドライバ12も2個形成してい
る。つまり、表示画面は21aと21bから構成される
ことになり、このように構成すれば表示画面21aと2
1bで別個の画像を表示することができる。
【0642】図117の構成では表示画面21を2分割
していることから、出力段回路1271から出力する映
像信号は表示画面21が1つの場合と比較して1/2の
動作周波数でよい。また、ソース信号線18などに発生
する寄生容量も1/2となる。したがって、出力段回路
1271の負担は1/2×1/2=1/4となる。その
ため、出力段回路1271から出力する電流が微小であ
っても十分ソース信号線17の寄生容量を充放電でき、
書き込み不足が発生しない。
【0643】図117の構成では表示画面21を画面2
1aと画面21bとに中央部で2分割するため、分割位
置で境目が見える場合がある。図118はこの課題に対
処するものである。ソースドライバ14aは表示画面2
1の奇数画素行を駆動し、ソースドライバ14bは表示
画面21の偶数画素行を駆動する。したがって、表示画
面21の境目が発生しない。
【0644】さらに、画素への書き込み電流不足を改善
するためには、図119に図示するように、ソースドラ
イバ14aおよび14bにおいて各ソース信号線18に
対応する出力段回路1271を2つの出力とするとよ
い。つまり、出力段回路1271aには2つの出力段
(出力段A、出力段B)を具備し、出力段Aが表示画面
21aの奇数画素行に接続され、出力段Bが表示画面2
1aの偶数画素行に接続されている。また、出力段回路
1271bにも2つの出力段(出力段A、出力段B)を
具備し、出力段Aが表示画面21bの奇数画素行に接続
され、出力段Bが表示画面21bの偶数画素行に接続さ
れている。このように構成することにより、さらに微小
電流でもソース信号線に十分な電流を流せることにつな
がり、良好な画像表示を実現できる。
【0645】なお、図119において、出力段回路12
71は各画素に1つのソース信号線18を接続するとし
たがこれに限定されるものではなく、画素を差動構成に
し、各画素に2つのソース信号線(一方のソース信号線
をバイアス電流用、他方のソース信号線をバイアス電流
+信号電流用)で駆動するように構成してもよい。
【0646】図120はより具体的なモジュール構成図
である。図120において、14bはソースドライバで
あり、14cはゲートドライバとソースドライバとが一
体化されたチップ(1チップドライバIC)である。1
チップドライバIC14cが表示画面21のゲート信号
線を駆動している。1チップドライバIC14cは表示
画面21aのソース信号線18aを駆動する。ソースド
ライバ14bはソース信号線18bを駆動し、表示領画
面21bを駆動する。
【0647】なお、図120は一例であって、ソースド
ライバ14bもゲートドライバ機能を有し、表示画面2
1bのゲート信号線17bを駆動するように構成しても
よい。また、電源IC102とコントロールIC101
はプリント基板103上に積載されているように図示し
たがこれに限定されるものではなく、先に説明したポリ
シリコン技術などを用いて表示パネル82に直接形成し
てもよい。このことは図194、図195についても適
用できる。他の構成は図15、図119、図194、図
195などと同様であるので説明を省略する。
【0648】コントロールIC101は1チップドライ
バIC14cとソースドライバ14bの両方を駆動す
る。コントロールIC101から1チップドライバIC
14cに供給する信号(電源配線、データ配線など)は
フレキシブル基板104cを介して供給する。しかし、
ソースドライバ14bはかなり距離が離れているため、
まず、フレキシブル基板104aで表示パネル82の裏
面に接続する。
【0649】図121は表示パネル82を裏面から観察
した図である。表示パネル82の裏面に信号配線(電源
配線を含む)1321が形成されている。信号配線13
21は、銅、アルミ(Al)、銀、銀−パラジウム、パ
ラジウム、金、Al−Moなどの金属材料で形成され
る。信号配線1321は表示パネル82の端から端まで
信号を伝達する。表示パネル82の一端にフレキシブル
基板104bが接続されており、このフレキシブル基板
104bからソースドライバ14bに信号などが供給さ
れる。なお、図122は図121のAから見たときの図
面である。
【0650】図51、図110〜図115は、図6、図
8のような電流プログラム方式の画素構成を例示して説
明したが、これに限定されるものではない。例えば、図
74、図75、図76、図123、図124などの電圧
プログラム方式の画素構成でも有効である。その場合
は、図111のスイッチ回路1223のb端子に印加さ
れる信号は電圧とする必要がある。この変更は容易であ
り、当該技術分野の人間であれば容易に対応することが
できるであろう。電圧駆動では、ソース信号線18の寄
生容量による充電不足ということはないが、複数画素行
に同時に電圧を印加する方式とすることにより、駆動回
路、信号処理回路が簡略化され、また、良好な黒表示を
実現できるからである。また、画像の隠逸表示を実現で
き、TFT11のばらつき吸収にも効果が発揮されるか
らである。
【0651】したがって、図111〜図115で説明し
た事項は、本発明のすべての表示パネル、表示装置、情
報表示装置などに適用することができることは言うまで
もない。
【0652】以上のように、本発明は多種多様な画素構
成に適用することができる。図125は図6のTFT1
1のPチャンネルをNチャンネルにした実施例である。
図125においても、ゲート信号線17を制御すること
によりスイッチング用TFT11dをオンオフすること
ができ、図38などの画像表示を実現できることは言う
までもないので説明を省略する。また、図37、図44
などの駆動波形も同一または類似であるので説明を省略
する。また、図6において駆動用TFT11b、取込用
TFT11cのみをNチャンネルTFTとすることも有
効である。これは、コンデンサ19への突き抜け電圧が
低下し、コンデンサの保持特性も改善されるからであ
る。
【0653】なお、図125は電流源402のみを具備
する構成である。つまり、プリチャージを実施する電圧
源401は具備しない。しかし、寄生容量404が比較
的小さく、または1H期間が十分長い場合は、電圧源4
01がなくとも十分に黒表示を実現できる。また、図3
8などで説明したように、完全な非表示領域312を実
施する場合は、電圧源401は必要でない場合がほとん
どである。必要である場合は図126に図示するように
構成すればよい。
【0654】また、図127は図8のTFT11のPチ
ャンネルをNチャンネルにした実施例である。図127
においても、ゲート信号線17を制御することによりT
FT11eなどをオンオフすることができ、図38など
の画像表示を実現できることは言うまでもないので説明
を省略する。また、図37、図44などの駆動波形も同
一または類似であるので説明を省略する。
【0655】以上説明したように、電圧源401でVb
電圧(Ib電流)を印加することにより、良好な黒表示
を実現できる。
【0656】なお、N=10以上とし、高い電流パルス
をEL素子15に印加すると、EL端子電圧も高くな
る。また、EL素子15はR、G、Bで立ち上がり電
圧、ガンマカーブが異なる。特にBはガンマカーブが緩
やかであるのでEL素子15の端子電圧が高くなる傾向
にある。立ち上がり電圧が高く、ガンマカーブが緩やか
な色(R、G、B色)のEL素子15に端子電圧をあわ
せると消費電力が大きくなる。
【0657】これを解決する方法の1つが図25に示す
カソードをR、G、Bで分離する方式である。なお、
R、G、Bでそれぞれ別のカソード電位にする必要はな
い。特に、ガンマカーブが他の色から離れている1色の
みのカソードのみを分離してもよい。その他の方法とし
て、図128に示すようにVdd電源電圧を分離する構
成も有効である。つまり、R色のVdd電源をVddR
とし、G色のVdd電源をVddGとし、B色のVdd
電源をVddBとする構成である。このように分離する
ことにより、RGBそれぞれを別電源で調整することが
でき、RGBのEL素子15の端子電圧が異なっていて
も消費電力の増加はわずかになる。
【0658】なお、R、G、Bでそれぞれ別のVdd電
位にする必要はない。特に、ガンマカーブが他の色から
離れている1色のみのVddのみを分離してもよい。ま
た、図129に図示するように、図25の構成と組み合
わせてもよい。つまり、R、G、Bで分離する方式であ
るR、G、Bでそれぞれ別のカソード電位(R画素はV
sR、G画素はVsG、B画素はVsB)とする。特
に、ガンマカーブが他の色から離れている1色のみのカ
ソード電位のみを分離してもよい。さらに、Vdd電源
電圧を分離する。R色のVdd電源をVddRとし、G
色のVdd電源をVddGとし、B色のVdd電源をV
ddBとする構成である。この場合もR、G、Bでそれ
ぞれ別のVdd電位にする必要はない。特に、ガンマカ
ーブが他の色から離れている1色のみのVddのみを分
離してもよい。
【0659】なお、図128、図129では画素16は
図6の構成としたが、これに限定されるものではなく、
図8、図9、図56、図61〜図65、図68〜図7
2、図74、図75、図125〜図127、図130な
どの構成でもよいことは言うまでもない。
【0660】本発明の課題にEL素子15に印加する電
流が瞬時的ではあるが、従来と比較してN倍大きいとい
う問題がある。電流が大きいとEL素子の寿命を低下さ
せる場合がある。この課題を解決するためには、EL素
子15に逆バイアス電圧Vmを印加することが有効であ
る。
【0661】以下、逆バイアス電圧Vmを印加する方法
について説明をする。逆バイアス電圧Vmを印加するた
めには図6の構成において、駆動用TFT11bと取込
用TFT11cのゲート端子を個別に制御する必要があ
る。つまり、駆動用TFT11bと取込用TFT11c
を個別にオンオフさせる必要がある。この制御方法は図
131を用いて説明する。
【0662】まず、図131(a)に示すように、取込
用TFT11cをオンし、スイッチング用TFT11d
をオンさせる(図6もあわせて参照のこと)。そして、
逆バイアス電圧VmとEL素子15のa端子に印加す
る。逆バイアス電圧Vmはカソード電圧Vsよりも低い
5V以上15V以内の電圧である。
【0663】EL素子15が点灯するときには、a端子
にはカソード電圧Vsに対し、5V以上15V以内の高
い電圧が印加されている。つまり、逆バイアス電圧Vm
とはEL素子15が点灯しているときに印加する電圧に
対し、理想的には絶対値が等しく、かつ極性の逆の電圧
を印加するのである。現実的には絶対値が等しく、かつ
極性の逆の電圧を印加することは困難であるから、逆極
性で2〜3倍の電圧を印加する。以上のように、逆バイ
アス電圧Vmを印加することにより、EL素子15はほ
とんど劣化しなくなる。
【0664】次に、図131(b)に示すように、スイ
ッチング用TFT11dをオフし、駆動用TFT11b
をオンさせる。そして、黒表示電圧Vbをコンデンサ1
9に書き込む。この動作は図110で説明している。次
に、図131(c)に示すように、TFT11のオンオ
フ状態は図131(b)と同一の状態で、電流源402
からの画像表示電圧(電流)をコンデンサ19に書き込
む。この動作も図110で説明している。最後に、図1
31(d)に示すように、駆動用TFT11b、取込用
TFT11cをオフし、スイッチング用TFT11dを
オンさせ、EL素子15に電流を流して点灯させる。
【0665】以上の動作を図132に示す。1H期間の
t1時間に逆バイアス電圧Vmをソース信号線18に印
加し、次のt2期間に黒表示電圧Vbを印加し、そして
t3期間に画像データVw(Iw)を印加する。他の動
作は、図131で説明し、また、駆動方法などの図3
7、図38などで説明しているので説明を省略する。
【0666】図123、図124、図131、図133
の構成では、ソース信号線18の電流を画素16に取り
込む際に、EL素子15には逆方向電流が流れる。した
がって、EL素子15が有機電界発光素子の場合、逆方
向電圧を印加した場合のように、有機分子の酸化還元反
応などによる電気化学的劣化を遅くすることが可能とな
る。
【0667】図134に陽極/正孔輸送層/発光層/電
子輸送層/陰極からなる3層型有機発光素子のエネルギ
ーダイアグラムを示す。発光時の正負キャリアの挙動は
図134(a)で表わされる。電子は陰極(カソード)
より電子輸送層に注入されると同時に正孔も陽極(アノ
ード)から正孔輸送層に注入される。注入された電子、
正孔は印加電界により対極に移動する。その際、有機層
中にトラップされたり、発光層界面でのエネルギー準位
の差によりキャリアが蓄積されたりする。
【0668】有機層中に空間電荷が蓄積されると分子が
酸化もしくは還元され、生成されたラジカル陰イオン分
子もしくはラジカル陽イオン分子が不安定なため、膜質
の低下により輝度の低下および定電流駆動時の駆動電圧
の上昇を招くことが知られている。これを防ぐために、
一例としてデバイス構造を変化させ、逆方向電圧を印加
している。
【0669】図134(b)においては逆方向電流が印
加されるため、注入された電子及び正孔がそれぞれ陰極
及び陽極へ引き抜かれる。これにより、有機層中の空間
電荷形成を解消し、分子の電気化学的劣化を抑えること
で寿命を長くすることが可能となる。
【0670】なお、図134では3層型素子についての
説明を行ったが、4層型以上の多層型素子及び2層型以
下の素子においても、電極から注入された電子及び正孔
により有機膜の電気化学的劣化が起こることは同様であ
る。したがって、層の数によらず本実施例により寿命を
長くすることが可能となる。1つの層に複数の材料を混
ぜ合わせた素子においても分子の電気化学的劣化は同様
に生じるため効果がある。
【0671】本発明での特徴はこのように、有機分子の
劣化を防ぐ機能を持たせ、かつソース信号線に寄生する
浮遊容量による波形なまりを防ぐためのバイアス電流を
流す機能を持たせても、画素に必要なトランジスタ数を
増加させることなく表示が可能であることである。つま
り、逆方向電流を流すためのトランジスタの数を増やさ
なくてもよいことが、表示装置の各画素の開口率を下げ
なくて済むという利点につながっているのである。
【0672】図135に逆バイアス電圧Vmの印加効果
について説明する。図135は所定電流で駆動した時の
EL素子15の発光輝度、EL素子の端子電圧を示して
いる。図135において、点線bは、EL素子15に逆
バイアス電圧Vmを印加した時のEL素子15の端子電
圧を示している。一点鎖線cは、EL素子15に逆バイ
アス電圧Vmを印加しなかった時のEL素子15の端子
電圧を示している。また、実線aは、EL素子15に逆
バイアス電圧Vmを印加した時(実線a)のEL素子1
5の発光輝度比(初期輝度を1とした時の比率)を示し
ている。
【0673】図135において、具体的には、EL素子
はR発光であり、電流密度100A/平方メーターで電
流駆動した場合である。サンプルBは時間tの間、連続
して電流密度100A/平方メーターの電流を印加して
いる。点灯時間1500時間で端子電圧が高くなったが
急激に輝度低下して、2500時間経過後には、初期輝
度に対して、約15%の輝度しか得られなかった。
【0674】サンプルAは30Hzのパルス駆動を実施
し、半分の時間t2に電流密度200A/平方メーター
の電流を流し、後半の半分の時間t1に逆バイアス電圧
−14Vを印加した(つまり、単位時間あたりの平均発
光輝度はサンプルAとBでは同一である)。サンプルA
は、点線bで示すようにEL素子15の端子電圧の変化
はほとんどなく、また、輝度が50%となる点灯時間は
4000時間であった。
【0675】このように、逆バイアス電圧Vmを印加し
てもEL素子15の端子電圧の増加はなく、発光輝度の
低減割合は少ない。したがって、EL素子15の長寿命
駆動を実現することができる。
【0676】図136は、逆バイアス電圧VmとEL素
子15の端子電圧の変化を示している。この端子電圧と
は、EL素子15に定格電流を印加した時である。図1
36はEL素子15に流す電流が電流密度100A/平
方メーターの場合であるが、図136の傾向は、電流密
度50〜100A/平方メーターの場合とほとんど差が
なかった。したがって、広い範囲の電流密度で適用でき
ると推定される。
【0677】縦軸は初期のEL素子15の端子電圧に対
する2500時間後の端子電圧との比である。例えば、
経過時間0時間において、電流密度100A/平方メー
ターの電流が印加した時の端子電圧を8Vとし、経過時
間2500時間において、電流密度100A/平方メー
ターの電流が印加した時の端子電圧を10Vとすれば、
端子電圧比は、10/8=1.25である。
【0678】横軸は、逆バイアス電圧Vmと1周期に逆
バイアス電圧を印加した時間t1の積に対する定格端子
電圧V0の比である。例えば、60Hzで、逆バイアス
電圧Vmを印加した時間が1/2であれば、t1=0.
5である。また、経過時間0時間において、電流密度1
00A/平方メーターの電流が印加した時の端子電圧
(定格端子電圧)を8Vとし、逆バイアス電圧Vmを8
Vとすれば、|逆バイアス電圧×t1|/(定格端子電
圧×t2)=|−8V×0.5|/(8V×0.5)=
1.0となる。
【0679】図136によれば、|逆バイアス電圧×t
1|/(定格端子電圧×t2)が1.0以上で端子電圧
比の変化はなくなり(初期の定格端子電圧から変化しな
い)、逆バイアス電圧Vmの印加による効果がよく発揮
されている。しかし、|逆バイアス電圧×t1|/(定
格端子電圧×t2)が1.75以上で端子電圧比は増加
する傾向にあるので、1.0以上、好ましくは1.75
以下になるように逆バイアス電圧Vmの大きさおよび印
加時間比t1(もしくはt2、あるいはt1とt2との
比率)を決定するとよい。
【0680】ただし、バイアス駆動を行う場合は、逆バ
イアス電圧Vmと定格電流とを交互に印加する必要があ
る。図135のように、サンプルAとBとの単位時間あ
たりの平均輝度を等しくしようとすると、逆バイアス電
圧Vmを印加する場合は、印加しない場合と比較して瞬
時的に高い電流を流す必要がある。そのため、逆バイア
ス電圧Vmを印加する場合(図135のサンプルA)の
EL素子15の端子電圧も高くしなければならない。
【0681】ただし、図136では、逆バイアス電圧を
印加する駆動方法でも、定格端子電圧V0は、平均輝度
を満たす端子電圧(つまり、EL素子15を点灯する端
子電圧)とする(本明細書の具体例によれば、電流密度
200A/平方メーターの電流を印加した時の端子電圧
である。ただし、1/2デューティであるので、1周期
の平均輝度は電流密度200A/平方メーターでの輝度
となる)。
【0682】なお、以上の事項は、EL素子15を、白
ラスター表示の場合(画面全体のEL素子に最大電流を
印加している場合)を想定しているが、EL表示装置の
映像表示を行う場合は、自然画であり、階調表示を行
う。したがって、絶えずEL素子15の白ピーク電流
(最大白表示で流れる電流。本明細書の具体例では、平
均電流密度100A/平方メーターの電流)が流れてい
るわけではない。
【0683】一般的に、映像表示を行う場合、各EL素
子15に印加される電流(流れる電流)は、白ピーク電
流(定格端子電圧時に流れる電流。本明細書の具体例に
よれば、電流密度100A/平方メーターの電流)の約
0.2倍であるので、図136の実施例において、映像
表示を行う場合は横軸の値を0.2倍にする必要があ
る。したがって、|逆バイアス電圧×t1|/(定格端
子電圧×t2)は0.2以上になるように逆バイアス電
圧Vmの大きさおよび印加時間比t1(もしくはt2、
あるいはt1とt2との比率など)を決定するとよい。
また、好ましくは、|逆バイアス電圧×t1|/(定格
端子電圧×t2)は1.75×0.2=0.35以下に
なるように逆バイアス電圧Vmの大きさおよび印加時間
比t1などを決定するとよい。
【0684】つまり、図136の横軸(|逆バイアス電
圧×t1|/(定格端子電圧×t2))における1.0
の値を0.2とする必要があるので、表示パネルに映像
を表示する(この使用状態が通常であろう。白ラスター
を常時表示することはないであろう)時は、|逆バイア
ス電圧×t1|/(定格端子電圧×t2)が0.2より
も大きくなるように、逆バイアス電圧Vmを所定時間t
1に印加するようにする。また、|逆バイアス電圧×t
1|/(定格端子電圧×t2)の値が大きくなっても、
図136で図示するように、端子電圧比の増加はさほど
ない。したがって、白ラスター表示を実施することも考
慮して、上限値は|逆バイアス電圧×t1|/(定格端
子電圧×t2)の値が1.75以下を満たすようにすれ
ばよい。
【0685】(実施の形態9)以下、図面を参照しなが
ら、本発明の逆バイアス方式について説明をする。な
お、本発明はEL素子15に電流が流れていない期間に
逆バイアス電圧Vm(電流)を印加することを基本とす
るがこれに限定されるものではない。例えば、EL素子
15に電流が流れている状態で、強制的に逆バイアス電
圧Vmを印加してもよい。なお、この場合は結果とし
て、EL素子15には電流が流れず、非点灯状態(黒表
示状態)となるであろう。また、本発明は、主として電
流プログラムの画素構成で逆バイアス電圧Vmを印加す
ることを中心に説明するがこれに限定されるものではな
い。例えば、図76においてTFT11eをオフさせ、
図137と同様に逆バイアス電圧VmをEL素子15の
アノードに印加する構成にすれば、電圧プログラム方式
の画素構成でも、以下に説明する逆バイアス電圧Vmの
印加を容易に実現することができる。したがって、図1
36などで説明した効果を発揮することができる。
【0686】図137は、本発明の逆バイアス電圧印加
方式の駆動方法の説明図である。図137は図6(a)
の画素構成に逆バイアス電圧Vmを印加するスイッチン
グ用TFT11gを配置あるいは形成している。スイッ
チング用TFT11gのゲート端子は制御用のゲート信
号線17dに接続されている。スイッチング用TFT1
1gをオンさせることにより逆バイアス電圧VmがEL
素子15のアノードに印加される。
【0687】まず、図138(a1)に示すように、ゲ
ート信号線17aにオン電圧Vglが印加されると、駆
動用TFT11b、取込用TFT11cがオンする。す
ると、図138(a2)で示すように、ソースドライバ
14からプログラム電流Iwが取込用TFT11cなど
に流れ、コンデンサ19に電流プログラムされる。な
お、N倍に限定されるものではないが、ここでは説明を
容易にするため、N倍の電流をプログラムし、EL素子
15に1F/Nの期間だけ、電流Idを流すものとす
る。
【0688】次に、図138(b1)に図示するよう
に、ゲート信号線17bにオフ電圧Vghが印加され、
駆動用TFT11b、取込用TFT11cがオフする。
同時(同時に限定されるものではない)にゲート信号線
17bにオン電圧Vglが印加されると、スイッチング
用TFT11dがオンする。すると、図138(c2)
で示すように、電源Vddが変換用TFT11aを介し
て、電流プログラムされた電流IdがEL素子15に流
れ、図138(c1)に図示するようにEL素子15が
発光する。この発光輝度は、プログラムの変換効率が1
00%であれば、約N倍の輝度で発光する。
【0689】発光期間は1F/Nである。残りの1F
(1−1/N)の期間はスイッチング用TFT11dが
オフ状態であり、EL素子15は非点灯(黒表示)とな
る。非点灯時はEL素子15に全く電流が流れないた
め、完全な黒表示を実現できる。また、発光時は白ピー
ク電流が大きいため、発光輝度も高い。そのため、本発
明の駆動方法では、非常に高いコントラスト表示を実現
できる。
【0690】1Fの期間のすべてに、1倍の電流をEL
素子15に流した場合(従来の駆動方法)に黒表示を実
現しようとすると、黒表示電流をコンデンサ19にプロ
グラムする必要がある。しかし、電流駆動方法では黒表
示時の電流値が小さいため、寄生容量の影響を大きく受
け十分な解像度が出ない、黒浮きが発生するという課題
が発生する。その上、ゲート信号線17からの突き抜け
電圧の影響も受ける。これらの課題により、黒表示部で
もEL素子15が微点灯状態となり、コントラストが非
常に悪くなる。
【0691】本発明の駆動方法では、1F(1−1/
N)の期間は完全にEL素子15に電流が流れないの
で、完全な黒表示を実現できる。つまり、黒浮きが発生
しないのである。そのため、図131などで説明した黒
表示のためのプリチャージを行わなくとも高コントラス
ト表示を実現できる。
【0692】なお、もちろん図137などで説明する方
式に図131などの方法を加えて実施してもよいことは
言うまでもない。また、高コントラスト表示の実現は図
76などの電圧プログラムの画素構成においても同様に
効果を発揮する。つまり、1F/Nパルス駆動を実施す
ることにより、1F(1−1/N)の期間はEL素子1
5に全く電流が流れず、高コントラスト表示を実現でき
るのである。
【0693】図138(d1)に図示するように、ゲー
ト信号線17dにオン電圧を印加し、スイッチング用T
FT11gをオンさせる。この時、スイッチング用TF
T11dはオフ状態とする。スイッチング用TFT11
gをオンさせることにより、EL素子15のアノード
(なお、画素構成によっては、逆バイアス電圧VmをE
L素子15のカソードに印加する場合もある。また、逆
バイアス電圧Vmは正極性の電圧の場合もある)に逆バ
イアス電圧Vm(逆バイアス電流Imが流れるとも表現
できる。EL素子15は回路的にはコンデンサとみなす
ことができるため、逆バイアス電圧Vmの印加により交
流的に電流が流れるからである。また、蓄積された電荷
が放電されるからである)が印加される。印加する時間
t1は図136の状態を満たすように構成する(図13
8(d2))。
【0694】この逆バイアス電圧Vmを印加する期間は
EL素子15に電流Idが流れていない期間とすること
が好ましい。不可能なわけではないが、電流Idが流れ
ていると、逆バイアス電圧Vmとショート状態となるか
らである。
【0695】なお、図138(d1)では逆バイアス電
圧Vmを印加する期間は1Fのうちの1箇所としたがこ
れに限定されるものではなく、複数の分割(例えば、1
Fの期間に、2回以上あるいは3回以上に分けてEL素
子15に逆バイアス電圧Vmを印加するなど)してもよ
い。
【0696】ゲート信号線17bにオフ電圧を印加して
いる期間のうち、任意のタイミングでゲート信号線17
dにオンオフ電圧を印加すればよいので、この制御は容
易にできる。そして、これらのオン時間の総和が図13
6で説明したt1時間となるようにすればよい。
【0697】また、EL素子15に電流を流さない期間
1F(1−1/N)が複数の期間に分割される場合もあ
る。複数に分割することで、フリッカの発生が抑制され
る。この期間1F(1−1/N)が複数に分割された場
合、その期間に逆バイアス電圧Vmを印加すればよい。
ただし、分割された期間1F(1−1/N)のすべてに
逆バイアス電圧Vmを印加する必要はない。
【0698】なお、図135のように、逆バイアス電圧
を印加せず、かつEL素子15にも電流が流れていない
駆動方法について、図136で説明した内容を基に以下
に補正(もしくは補足)する。図136で説明した時間
t1とは逆バイアス電圧Vmを印加した時間である。ま
た、時間t2とはEL素子15に電流を印加した時間で
ある。
【0699】なお、逆バイアス電圧Vmは直流的に固定
値(Vm=−8V)である必要はない。つまり、逆バイ
アス電圧Vmはのこぎり歯波形の信号としてもよく、パ
ルス的な波形の信号としてもよい。また、サイン波の信
号波形でもよい。この場合の逆バイアス電圧とは、波形
を積分したもの、あるいは実効値とする。また、印加時
間t1も不明確ではあるが、逆バイアス電圧Vmを積分
したもの、実効値を矩形波形とし、この矩形波形が印加
されたとする時間をt1とすればよい。
【0700】例えば、逆バイアス電圧の波形が、図13
9(a)に図示する電圧波形(3角形波)で、最大振幅
値が16V、印加時間がt1=100μsecであると
する。この場合は、図139(b)に図示するように、
最大振幅値が8V、印加時間がt1=100μsecの
電圧波形と等価である。また、図139(c)に図示す
るように、最大振幅値が16V、印加時間がt1=50
μsecの電圧波形と等価と見なして処理を行ってもよ
い。以上の事項は、EL素子15に印加する正方向の電
圧についても同様である。
【0701】また、同様の事項はEL素子15に流す電
流Idについても該当する。つまり、EL素子15に流
す電流(電圧)も直流ではなく、サイン波形の電流波形
などにする場合もあり、この場合も直流の実効値に変換
し、その矩形波の印加期間t2に換算すればよい。
【0702】逆バイアス電圧Vmを印加する期間は、図
140(a)に図示するように、ゲート信号線17aに
オン電圧を印加する期間(通常、1H期間:プログラム
期間)以外のすべての期間としてもよい。
【0703】また、EL素子15に電流Idを印加して
いない期間に逆バイアス電圧Vmを印加すればよいの
で、図140(b)に図示するように、ゲート信号線1
7aにオン電圧を印加する期間(プログラム期間)を含
む期間に逆バイアス電圧Vmを印加するように構成して
もよい(図140(b)はEL素子15に電流Idを印
加している期間(ゲート信号線17bにオン電圧を印加
している期間)以外に逆バイアス電圧Vmを印加してい
る)。
【0704】なお、図138、図140などで説明した
逆バイアス電圧Vmの印加時間、印加方式、印加タイミ
ングなどに関する事項は他の実施例にも適用される。
【0705】以上のように、本発明では、1F期間に非
点灯期間(非表示領域)312を有しており、この非点
灯期間を設けることにより動画表示性能が向上し、非点
灯期間にEL素子15に逆バイアス電圧Vmを印加でき
る。したがって、EL素子15が劣化することがなく、
端子電圧の上昇もないので、電源電圧Vddを低く設定
できるのである。
【0706】図140はEL素子15の直前に逆バイア
ス電圧Vmを印加するように構成したものであったが、
他の構成として、図141に図示するように、スイッチ
ング用TFT11dを介してEL素子15に逆バイアス
電圧Vm(電流−Im)を印加する構成も例示される。
【0707】ゲート信号線17dにオン電圧を印加する
ことにより、スイッチング用TFT11gがオンし、逆
バイアス電圧Vmが印加される。同時にスイッチング用
TFT11dもオンさせることにより、EL素子15に
逆バイアス電圧Vmを印加することができる。図141
の構成であれば、逆バイアス電圧Vmの印加は、スイッ
チング用TFT11gと11dの両方で制御することが
できるので、制御が容易になり、柔軟性が向上する。
【0708】ゲート信号線17には、該当画素が選択さ
れている時にオン電圧が印加される。非選択の期間はオ
フ電圧が印加される。したがって、ゲート信号線に印加
される電圧は1Fの期間のうち、ほとんどの期間にオフ
電圧が印加されているので、オフ電圧を逆バイアス電圧
として使用することができる。
【0709】オフ電圧はTFTを完全にオフさせるた
め、通常、カソード電圧よりも低い電位である(もちろ
ん、TFTがPチャンネルの場合は逆である)。特に、
TFTがアモルファスシリコンの場合は、オフ電圧はか
なり低く設定されることが通常である。
【0710】図142の構成では、ゲート信号線17a
に接続された駆動用TFT11b、取込用TFT11c
をNチャンネルTFTとしている。したがって、オン電
圧Vghで駆動用TFT11b、取込用TFT11cは
オンし、オフ電圧Vglでオフ状態となる。1Fのほと
んどの期間、ゲート信号線17bにはオフ電圧Vglが
印加されている。このオフ電圧Vglを逆バイアス電圧
Vmとする(Vgl=Vm)。
【0711】スイッチング用TFT11gも先の実施例
と同様に、ゲート信号線17dに印加する電圧で制御す
る。なお、断っておくが、ゲート信号線17dに印加す
る電圧はスイッチング用TFT11gのオンオフを制御
するものであるから、印加する電圧はVgh、Vglに
特定されるものではなく、他の任意の電圧を使用するこ
とができる。
【0712】スイッチング用TFT11gがオンする
と、ゲート信号線17aに印加されているオフ電圧Vg
lがEL素子15に印加される。したがって、EL素子
15に逆バイアス電圧Vmを印加することができる。図
142の構成では、図141のように逆バイアス電圧V
mを供給する信号線が不要であるため、画素開口率を向
上できる。なお、図142において、ゲート信号線17
bに印加する電圧をEL素子15に印加するように構成
してもよい(スイッチング用TFT11dはNチャンネ
ルにするなど構成を考慮する必要がある)。
【0713】図142はゲート信号線17の電圧を逆バ
イアス電圧にする構成であったが、図143はソース信
号線18に印加された電圧をEL素子15の逆バイアス
電圧とする構成である。スイッチング用TFT11gが
オンするタイミングで、ソース信号線18に逆バイアス
電圧Vmを印加すると、ソース信号線18を通じてEL
素子15にも逆バイアス電圧Vmを印加することができ
る。タイミングなどは図131で説明しているので省略
する。
【0714】逆バイアス電圧Vmを印加する時間が、E
L素子15に電流を印加している期間と比較して長いと
きは、図144に図示するように、EL素子15にチャ
ージされた電圧が放電されるので、EL素子15のアノ
ード端子とカソード端子間をショートさせることにも効
果がある。このようにショートさせることで、EL素子
15の正孔輸送層に蓄積された正孔が引き抜かれ、ま
た、電子輸送層に蓄積された電子も引き抜かれ、EL素
子の劣化を抑制できるようになる。なお、図138、図
140などで説明した逆バイアス電圧Vmの印加時間、
印加方式、印加タイミングなどに関する事項は図144
の実施例などにも適用されることは言うまでもない。
【0715】図144では各TFTがPチャンネルで構
成されていたが、図145では図144の構成をNチャ
ンネルに変化させたものである。図145において、ス
イッチング用TFT11gがオンすると、EL素子15
のアノード端子とカソード端子間がショートし、この両
端子にVdd電圧が印加される。この期間にEL素子1
5の正孔輸送層に蓄積された正孔が引き抜かれ、また、
電子輸送層に蓄積された電子も引き抜かれ、EL素子の
劣化を抑制できるようになる。なお、図144と同様
に、図138、図140などで説明した逆バイアス電圧
Vmの印加時間、印加方式、印加タイミングなどに関す
る事項は図145の実施例などにも適用されることは言
うまでもない。
【0716】また、電流の流れる制御方向を変化させる
ことによっても、EL素子15に逆バイアス電圧Vmを
印加することができる。図146はその構成図である。
図146における402は定電流源である。
【0717】図146において、スイッチング用TFT
11gがオンしているとき、スイッチング用TFT11
gには定電流源402と同一方向の電流が流れ、EL素
子15には順方向電圧が印加される。一方、スイッチン
グ用TFT11gがオフの時には、EL素子15と定電
流源402とでループを構成するため、EL素子15に
流れる電流の向きが逆になる。つまり、定電流源402
を配置または形成することにより、スイッチング用TF
T11gの制御でEL素子15に容易に逆バイアス電圧
Vmを印加することができるのである。この時の、ゲー
ト信号線17のタイミングを図147に示す。ゲート信
号線17aが選択されている期間以外の期間にゲート信
号線17dにオン電圧が印加されている。こうして、E
L素子15の正孔輸送層に蓄積された正孔が引き抜か
れ、また、電子輸送層に蓄積された電子も引き抜かれ、
正孔輸送材料の酸化および電子輸送材料の還元による劣
化を抑制できるようになる。
【0718】図148はスイッチング用TFT11gを
Nチャンネルとし、スイッチング用TFT11dがオン
しているときはスイッチング用TFT11gをオフ状態
にし、スイッチング用TFT11dがオフしているとき
はスイッチング用TFT11gをオン状態にした構成で
ある。スイッチング用TFT11dがオンしているとき
はEL素子15が点灯し、スイッチング用TFT11g
がオンしているときにはEL素子15に逆バイアス電圧
Vmが印加される。
【0719】逆バイアス電圧Vmはカソード電圧Vkよ
りも低い電圧にすることが有効である。しかし、逆バイ
アス電圧Vmを別途発生させようとすると、発生回路が
必要である。この課題に対して、図149ではフライン
グコンデンサを形成している。フライングコンデンサ1
001は画素ごとに配置(形成)する他、パネルに1回
路を配置(形成)してもよい。
【0720】フライングコンデンサ1001はゲート信
号線17e、17fを制御することにより動作させる。
そして、ゲート信号線17eとゲート信号線17fは逆
位相で動作させる。
【0721】まず、ゲート信号線17eにオン電圧を印
加し、TFT11i、11jをオンさせ、コンデンサ1
9bにVdd電圧を印加する。この時、ゲート信号線1
7fにはオフ電圧を印加し、コンデンサ19bに充電
後、TFT11h、11kをオフさせておく。
【0722】次に、ゲート信号線17eにオフ電圧を印
加し、TFT11i、11jをオフさせ、ゲート信号線
17fにはオン電圧を印加し、TFT11h、11kを
オンさせる。すると、コンデンサ19bに充電されたV
dd電圧は逆位相となってEL素子15に、−Vdd電
圧を印加する。
【0723】以上のように構成することにより、逆位相
のVm電圧(Vm=−Vdd)を発生させることができ
る。したがって、Vm電圧の供給配線は不要となる。
【0724】以上の実施例は、主として図6で説明した
電流プログラム方式の画素構成を例示して説明したがこ
れに限定されるものではなく、図150に図示するよう
に、カレントミラーの画素構成でも、逆バイアス電圧V
mを印加できるように構成できることは言うまでもな
い。なお、動作は図137で説明した構成をそのまま準
用できるので省略する。また、図151に図示するよう
に、電圧プログラムの画素構成であっても、逆バイアス
電圧を印加できることは言うまでもない。図76などで
も同様である。したがって、電圧プログラムの画素構成
でも非点灯時にEL素子15に逆バイアス電圧を印加す
るという構成あるいは方式を適用することができる。
【0725】なお、以上の実施例において、本発明は、
非点灯時にEL素子15に逆バイアス電圧Vmを印加す
るという構成あるいは方法であるとして説明をした。こ
れは、表示画面21を表示し、EL素子15の非点灯時
に、EL素子15に逆バイアス電圧Vmを印加すること
に限定されるものではない。アクティブマトリックス型
EL表示パネルにおいて、絶えず非点灯時に逆バイアス
電圧Vmを印加する構成でも本発明の範疇である。
【0726】例えば、EL表示パネルの使用が終了して
から所定期間の間、全表示画面21のEL素子15に逆
バイアス電圧Vmを印加するように構成してもよい。ま
た、EL表示パネルの使用を終了してから所定期間の
間、全表示画面21のEL素子15を順次走査して逆バ
イアス電圧Vmを印加するように構成してもよい。ま
た、EL表示パネルを使用する際(例えば、電源ON
時)、所定の時間の間、全表示画面21のEL素子15
を順次走査して逆バイアス電圧Vmを印加するように構
成してもよい。また、EL表示パネルを使用していない
とき、所定時間間隔(例えば、1時間ごとに10秒間の
ように)ごとに、逆バイアス電圧Vmを印加するように
構成してもよい。逆に、EL表示パネルを使用している
時、所定時間間隔(例えば、1時間ごとに10秒間のよ
うに)ごとに、逆バイアス電圧Vmを印加するように構
成してもよい。
【0727】図127において、画素を構成するTFT
11は5個となっている。しかし、図6(a)では4個
で構成されている。そのため、図6(a)の構成の方が
画素16を構成するTFT11数が1個少ないため、開
口率を高くでき、また、画素欠陥の発生割合が少ないと
いう利点がある。
【0728】図130も電流プログラム方式の画素構成
である。ゲート信号線17aにオン電圧を印加すること
により、電流プログラムを行うことができる。また、ゲ
ート信号線17bにオフ電圧を印加し、ゲート信号線1
7bにオン電圧を印加することによりEL素子15にプ
ログラムされた電流を流すことができる。
【0729】図130の構成においてもゲート信号線1
7cにオン電圧またはオフ電圧を印加することにより、
EL素子15に流す電流を制御することができ、図38
などに図示した駆動方法あるいは表示状態を実現でき
る。
【0730】なお、図130ではTFT11eを付加し
たが、このTFT11eを削除し、ゲート信号線17b
を操作し、スイッチング用TFT11dのオンオフ状態
を制御することによっても、図38などの画像表示など
を実現できることは言うまでもない。
【0731】図152も電流プログラム方式の画素構成
である。ゲート信号線17aにオン電圧を印加すること
により、電流プログラムを行うことができる。また、ゲ
ート信号線17bにオフ電圧を印加し、ゲート信号線1
7bにオン電圧を印加することによりEL素子15にプ
ログラムされた電流を流すことができる。
【0732】図152の構成においてもゲート信号線1
7cにオン電圧またはオフ電圧を印加することにより、
スイッチング用TFT11dのオンオフを実現できるか
ら、EL素子15に流す電流を制御することができる。
したがって、図38などに図示した駆動方法あるいは表
示状態を実現できる。
【0733】なお、図70は電圧プログラムの画素構成
の例である。本発明は、1フィールドあるいは1フレー
ム(1F、もちろん2Fあるいはそれ以上を1区切りと
することも考えられる)の所定時間にEL素子15に流
す電流の印加時間を制御することにより所定の発光輝度
を得る方法である。つまり、EL素子に流す電流は所定
輝度より高くし、所定より高い輝度分はオン時間を短く
することにより所定輝度を得る方法である。
【0734】図76も電圧プログラムによる画素構成で
ある。図76において、19aは閾値検出用容量(コン
デンサ)、19bは入力信号電圧保持用容量(コンデン
サ)である。
【0735】ステップ1(区間1)では、前記TFT1
1aからTFT11eをすべてONにして一旦前記駆動
用トランジスタをON状態にしているので、閾値のばら
つきによる電流値のずれが発生する。
【0736】ステップ2(区間2)では、前記TFT1
1b、TFT11dはONのままで前記TFT11c、
TFT11eをOFFにすることにより、前記駆動用T
FT11aの電流値が0になるので、前記駆動用TFT
11aの閾値が前記閾値検出用容量19aに検出され
る。
【0737】ステップ3(区間3)では、前記TFT1
1b、TFT11dをOFFにして前記TFT11c、
TFT11eをONにすることにより、データ信号線の
入力信号電圧を前記入力信号電圧保持用容量19bに保
持すると同時に、前記駆動用TFT11aのゲートに前
記入力信号電圧に閾値を加えた信号電圧を印加してEL
素子15を電流駆動して発光させる。この駆動用TFT
11aは飽和領域で動作しているので、ゲート電圧から
閾値を引いた電圧値の2乗に比例した電流が流れるが、
ゲート電圧には前記閾値検出用容量19aにより閾値が
すでに印加されているので、結果的に閾値はキャンセル
される。従って、駆動用TFT11aの閾値がばらつい
てもシミュレーション結果に示すように、常に一定の電
流値がEL素子15に流れることになる。
【0738】ステップ4(区間4)では、画素16が非
選択期間に入ったとき、TFT11b、TFT11dは
OFF、TFT11eはONのまま、TFT11cをO
FFにしても、前記入力信号電圧保持用容量19bに保
持された入力信号電圧と前記閾値検出用容量19aによ
り保持された閾値電圧が駆動用TFT11aのゲートに
印加されているので、EL素子15には電流が流れて発
光し続ける。
【0739】以上のように、より正確に前記駆動用トラ
ンジスタの閾値を検出するためには、第1ステップの期
間として2μsec以上10μsec以下に設定し、第
2ステップの期間として2μsec以上10μsec以
下に設定することが必要である。これは書き込みあるい
は動作時間を十分に確保するためである。しかし、あま
りに長いと本来の電圧プログラム時間が短くなり安定性
がなくなる。
【0740】したがって、図70の電圧プログラム方式
でも、本発明の駆動方法あるいは表示装置を実施するこ
とには効果がある。図70において、ゲート信号線17
bを制御することにより、スイッチング用TFT11d
をオンオフさせることができる。したがって、EL素子
15に流れる電流を間欠させることができる。また、図
76においても、ゲート信号線17cの制御により、T
FT11eをオンオフ制御することができる。そのた
め、図38、図42などの表示状態を実現できる。
【0741】また、EL素子15に流れる電流をN倍
し、TFT11eのオンオフ状態を制御することによ
り、1/Nの期間点灯させるという駆動方法(なお、N
倍あるいは1/Nに限定されるものではない)を実現で
きることは明らかである。つまり、本発明は、図6の電
流プログラムの画素構成のみに限定されるものではな
く、図76などの電圧プログラムの画素構成でも、本発
明の駆動方法を実現することができる。したがって、本
明細書で記載した事項は本明細書で記載あるいは図示し
た画素構成あるいは装置などに適用することができる。
【0742】同様に、図74、図75も電圧プログラム
の画素構成である。図74、図75において、ゲート信
号線17bを制御することにより、TFT11eをオン
オフさせることができる。したがって、EL素子15に
流れる電流を間欠させることができる。そのため、図3
8、図42などの表示状態を実現できる。したがって、
容易にアニメーション効果を実現できる。また、多彩な
画像表示を実現できる。また、その他の事項、あるいは
動作は図76と同様あるいは類似するので説明を省略す
る。なお、以上の事項は図131、図137などで説明
した逆バイアス電圧Vm印加方式に関しても適用するこ
とができることは言うまでもない。
【0743】例えば、逆バイアス電圧VmはR、G、B
画素ごとに電圧値を異ならせてもよい。その場合は、逆
バイアス電圧Vmを制御するTFTのゲート信号線の本
数が増加する。各R、G、BのEL素子15はそれぞ
れ、端子電圧、印加電流が異なるからである。例えば、
R画素のEL素子には、−15Vを印加し、GとB画素
のEL素子には−12Vを印加するという方式である。
【0744】また、各R、G、BのEL素子15に印加
する逆バイアス電圧(電流)の印加時間を異ならせても
よい。それぞれ、RGB画素ごとに、端子電圧、印加電
流が異なるからである。例えば、R画素のEL素子に
は、1Fの1/2の時間だけ逆バイアス電圧Vmを印加
し、GとB画素のEL素子には1Fの1/3の時間だけ
逆バイアス電圧Vmを印加するという方式である。
【0745】また、表示画面21の部分ごとに、逆バイ
アス電圧(電流)の印加時間あるいは印加電圧を異なら
せてもよい。例えば、表示画面の中央部を明るくするガ
ウス分布方式を採用した場合、中央部のEL素子は周辺
部に比較して流す電流値が大きいからである。
【0746】N倍のパルス電圧を印加する方式の課題と
して、EL素子15に流れる電流が大きくなり、EL素
子15が劣化し易くなるという課題がある。また、N=
10以上となると、電流が流れる時に必要となるEL素
子15の端子電圧が高くなり、電力効率が悪くなるとい
う課題もある。ただし、この課題は白表示時のようにE
L素子に流れる電流が大きい時に発生する課題である。
この課題に対する対処法を図6の画素構成を例にして、
図153(a)を参照しながら説明する。
【0747】図153(a)に図示するように、EL素
子15への電流Iddが流れている時、Vdd電圧(電
源電圧)は駆動用TFT11aのソース−ドレイン間電
圧VsdとEL素子15の端子電圧Vdで分圧される。
この時、Idd電流が大きいとVd電圧も高くなる。
【0748】Vdd電圧が十分に高いと駆動用TFT1
1aにプログラムされた電流Iwに等しい電流Iddが
EL素子15に流れる。したがって、図154の実線に
図示するように、電流IwとIddは等しいかほぼリニ
アの関係(比例の関係)になる。リニアの関係になると
いうのは、ゲート信号線17などに印加された信号など
によりコンデンサ19に突き抜けが発生し、Idd=I
wとはならないということである。
【0749】本発明では、Vdd電圧はIddとIwが
リニア(比例)の関係を維持できないような低い電圧で
用いる。つまり、必要なVsd+Vd>Vddの関係に
している。さらには、Vd>Vddとすることが好まし
い。
【0750】例えば、一例として、N=10で、最大白
表示に必要なIw電流が2μAとする。この状態では、
Idd電流が2μAとすると、G色のEL素子ではVd
=14Vとなるので、この時のVdd電圧を14V以下
とする。もしくは、この時、Vsd=7Vとすると、V
d+Vsd=14V+7V=21V<Vdd=21Vと
する。
【0751】この状態で駆動すると、電流IddとIw
の関係は図154の点線で示すような関係となり、最大
白表示ではIwとIddの関係はリニアの関係でなくな
る(非線形の関係、図154のAの範囲)。しかし、黒
表示あるいは灰色表示(表示輝度が比較的低い領域)で
はリニアの関係(図154のBの範囲)が維持される。
【0752】Aの領域ではEL素子15に流れる電流が
制限され、EL素子15を劣化させるような大きな電流
が流れることはない。また、Aの領域で、Iw電流を増
加させると、変化割合は少ないがIdd電流は増加する
ので、階調表示を実現できる。ただし、Aの領域では非
線形となるからガンマ変換が必要である。例えば、画像
表示が64階調表示であれば、入力画像データ64階調
データをテーブル変換し、128階調あるいは256階
調に変換してソースドライバ14に印加する。
【0753】Aの領域では駆動用TFT11aのVsd
電圧とEL素子15のVd電圧とが分圧され、EL素子
15の端子電圧Vaが決定される。この際、注目すべき
事項として、EL素子15は蒸着で形成される(あるい
はインクジェット技術などによる塗布で形成)ため、均
一に形成されている点である。そのため、EL端子電圧
Vaは表示画面21の面内で均一な値となる。したがっ
て、駆動用TFT11aの特性がばらついて、EL素子
15の端子電圧Vaで補正される。結果的にVdd電圧
を本発明のように低くすることにより、駆動用TFT1
1aの特性ばらつきが吸収でき、Vdd電圧の低減によ
り低消費電力化を実現できる。また、Nが大きい時に
も、EL素子15には高い電圧が印加されることがな
い。
【0754】EL素子15は蒸着技術、インクジェット
技術だけでなく、インクを付けたスタンプを紙に当てて
印刷するようにするスタンプ技術でも形成できる。
【0755】まず、スタンプとなる部分を形成する。S
i基板上に半導体プロセスによって有機EL素子の発光
領域と同じ形の溝のパターンを形成し、その溝の中を有
機EL材にドーピングする材料を埋めることでスタンプ
とする。一方、有機EL素子を形成する方のガラス基板
には、電極や発光層となる有機EL材を形成しておく。
【0756】次に、スタンプと有機EL素子となる材料
をつけたガラス基板をぴったりと重ね合わせる。この状
態を保ちながら+100℃〜+200℃で約10分間に
わたって熱処理する。こうすることで、スタンプの溝の
中に埋め込んだドーピング材料が蒸発し、有機EL素子
の発光層に拡散する。あとは、色に応じたドーピング材
料を埋め込んだスタンプを順次有機EL素子に当てて、
RGBを塗り分ける。このスタンプ技術を用いると、1
0μmの矩形パターンや、線幅10μmのパターンのE
L素子15が容易に形成できる。
【0757】なお、1Fの期間の1/Nに、EL素子1
5に電流を印加し、その印加する電流は所定輝度より高
くし、所定より高い輝度分はオン時間を短くすることに
より所定輝度を得る方法であるとした。しかし、本発明
は一定の期間内の輝度平均を所定値にする方法である。
したがって、1F(1フィールドあるいは1フレーム)
に限定されるものではない。例えば、図42(c1)の
表示状態が2F連続したり、図42(c2)の表示状態
が3F連続したり、この図42(c1)と図42(c
2)の状態が交互に繰り返されても良い。最終的に、5
Fで所望の平均輝度となるように駆動すればよい。
【0758】したがって、本発明の技術的思想は、一定
の期間内に、EL素子15のオン状態とオフ状態とを発
生させ、このオン状態とオフ状態とを交互に繰り返し、
この繰り返しにより、所定の表示輝度を得る方式であ
る。また、制御はゲート信号線17のオンオフ電圧を制
御することにより実現する。
【0759】なお、ソース信号線18に所定電流のN倍
の電流を流し、EL素子15に所定電流のN倍の電流を
1/N期間流すとしたが、実用上はこれを実現できな
い。実際にはゲート信号線17に印加した信号パルスが
コンデンサ19に突き抜け、コンデンサ19に所望の電
圧値(電流値)を設定できないからである。一般的にコ
ンデンサ19には所望の電圧値(電流値)よりも低い電
圧値(電流値)が設定される。例えば、10倍の電流値
を設定するように駆動しても、5倍程度の電流しかコン
デンサ19には設定されない。N=10としても実際に
EL素子15に流れる電流はN=5の場合と同一とな
る。したがって、本発明はN倍の電流値を設定し、N倍
に比例したあるいは対応する電流をEL素子15に流れ
るように駆動する方法である(ただし、図154で説明
する駆動方法も実施するので限定は難しい)。もしく
は、所望値よりも大きい電流をEL素子15にパルス状
に印加する駆動方法である。
【0760】また、所望値より電流(そのまま、EL素
子15に連続して電流を流すと所望輝度よりも高くなる
ような電流)を駆動用TFT11a(図6を例示する場
合)に電流(電圧)プログラムを行い、EL素子15に
流れる電流を間欠にすることにより、所望のEL素子の
発光輝度を得るものである。
【0761】また、図6を例示すれば(図76、図7
4、図75、図110、図151などの電圧プログラム
画素構成でも有効である)、駆動用TFT11aと、こ
の駆動用TFTにプログラムをする信号(電流、電圧)
経路を設定(構成、配置、接続)する第1のスイッチン
グ用TFT11cと、駆動用TFT11aからの電流が
EL素子15に流れる経路を設定(構成、配置、接続)
する第2のスイッチング用TFT11dとを具備する画
素構成において、前記第1のスイッチング用TFT11
cをオン(経路を設定)し、第2のスイッチング用TF
T11dをオフ(経路を切断)した第1の状態で、前記
駆動用TFTに電流(電圧)プログラムする第1の状態
と、前記第1のスイッチング用TFT11cをオフ(経
路を切断)し、第2のスイッチング用TFT11dをオ
ン(経路を設定)する第2の状態と、前記第1のスイッ
チング用TFT11cをオフ(経路を切断)し、第2の
スイッチング用TFT11dをオフ(経路を切断)する
第3の状態とを実施するものである。
【0762】また、アクティブマトリックス型表示パネ
ルにおいて、駆動用TFT11aからEL素子15に流
れる電流経路を1フレーム(1フィールド)期間中の所
定期間の間、切断あるいは減少(EL素子15に流れる
電流波形は矩形あるいはDCに限定されるものではな
く、サイン波形などもある。また、DC振幅値を変化さ
せる場合もある)させ、少なくとも1フレーム(1フィ
ールド)のEL素子15の発光輝度を減少させるもので
ある。
【0763】また、駆動用TFT11aに所望値よりも
高い輝度でEL素子15が発光するようにプログラムを
行う動作と、EL素子15に前記プログラムされた信号
(電流)を流し、少なくとも1フレーム(1フィール
ド)期間中の所定期間に前記EL素子15に流れないよ
うに動作を行うものである。
【0764】あるいは、駆動用TFT11aにプログラ
ムされた電流に対応する輝度以下となるように、EL素
子15に流れる電流を制限するものである。
【0765】また、所望値よりも高い輝度でEL素子1
5が発光するようにプログラムを行う動作と1フレーム
(1フィールド)の平均輝度(所望輝度)が、所望輝度
か、少なくとも前記所望輝度(プログラムされた輝度
(電流))以下となるように、前記プログラム電流が前
記EL素子15に流れないように動作を行うものであ
る。また、EL素子15に流れる電流を完全にオンオフ
させることに限定されるものではない。
【0766】例えば、図6においてスイッチング用TF
T11dを高抵抗オン状態とすることにより(つまり、
所定値よりも小さい電流がEL素子15に流れてい
る)、EL素子15をオフあるいは低輝度発光を実施す
ることができる。EL素子15が低輝度発光の時は、表
示画面21の非表示領域312とは、完全黒表示ではな
く、ダーク(灰色または黒表示に近い輝度)と置き換え
て理解する必要がある。つまり、非表示領域312と
は、通常表示よりも低輝度表示であればよい。低輝度表
示とは画像が認識できる表示状態も含む。
【0767】なお、以上の実施例は、EL素子15の非
点灯時間に逆バイアス電圧を印加する(図136、図1
38などを参照)ことを組み合わせることが有効であ
る。また、図76などの電圧プログラム画素構成にも有
効であることは言うまでもない。
【0768】なお、図38などにおいて、非表示領域3
12は完全に非点灯状態である必要はない。微弱な発光
あるいはうっすらとした画像表示があっても実用上は問
題ない。つまり、画像表示領域311よりも表示輝度が
低い領域と解釈するべきである。また、非表示領域31
2とは、R、G、B画像表示のうち、1色または2色の
みが非表示状態という場合も含まれる。
【0769】なお、各画素構成において(例えば、図7
0、図126、図152(a))、スイッチング用TF
T11dのゲート端子を直接、オンオフ電圧を印加でき
るように構成しても、EL素子15に流す電流を間欠動
作させることができる。また、図127においてはTF
T11e、図8においては変換用TFT11a、図9に
おいては駆動用TFT11bのゲート端子を直接、オン
オフ電圧を印加できるように構成しても、EL素子15
に流す電流を間欠動作させることができる。つまり、E
L素子15に電流を印加するTFTのゲート端子を制御
することによって、図38などの表示状態を実施できる
ということである。
【0770】以上のように、本発明はEL素子15に印
加する電流をオンオフすることにより、EL素子15を
間欠表示させるものである。間欠表示させるためには、
図6の例ではスイッチング用TFT11dをオンオフ制
御する必要がある。したがって、スイッチング用TFT
11dをオンオフするためのゲート信号線が必要とな
る。つまり、EL素子15を間欠表示させるためには、
コンデンサに、EL素子15に流す電流をプログラムす
るための経路を形成する第1のスイッチング素子と、こ
の第1のスイッチング素子をオンオフ制御するための第
1のゲート信号線が必要である。また、EL素子15に
流れる電流経路を形成する第2のスイッチング素子と、
この第2のスイッチング素子をオンオフするための第2
のゲート信号線が必要となる。つまり、ゲート信号線は
1画素あたり2本必要となる。
【0771】しかし、1画素あたり2本以上のゲート信
号線が必要となると、図13などで説明した3辺フリー
の画素構成では課題となる。ゲートドライバ12を低温
ポリシリコン技術などで形成しても、シフトレジスタ数
が多くなり、回路構成が複雑となるからである。特に、
アモルファスシリコン技術で3辺フリーの構成を実現し
ようとするとさらに課題は大きくなる。なぜならば、ア
モルファスシリコン技術ではゲートドライバ12(ある
いはソースドライバ14)を表示パネル82上に直接形
成することができないからである。
【0772】したがって、アモルファスシリコン技術で
表示パネルを構成するには、ソースドライバ14とゲー
トドライバ12を表示画面21の一辺に配置する必要が
ある。そして、ゲート信号線17aとゲート信号線17
bのすべてを、表示画面の左右にふりわけて配線する必
要がある。ゲート信号線17の本数が少ない場合はまだ
対応できる可能性があるが、QCIFでも垂直画素数は
220ドットであるから、ゲート信号線17は220×
2=440本にもなってしまう。その他、低温ポリシリ
コン技術でゲートドライバ12を内蔵した場合でも、ゲ
ート信号線17の配線数が多いと、狭額縁化できない。
したがって、商品力を失ってしまう。
【0773】これより述べる本発明は上記の課題を解決
するものである。簡単に記載すれば、EL素子15をオ
ンオフするゲート信号線17bを複数本、共通にするの
である。この共通にしたブロックごとにEL素子15に
流れる電流をオンオフするのである。
【0774】図34、図84の実施例においても、EL
素子15のオンオフは1画素行ずつ制御する必要はな
い。ブロックごとにオンオフしても非表示領域312を
形成できるし、画像表示領域311も形成できるからで
ある。以上のようにブロックでオンオフ制御する方式を
ブロック駆動と呼ぶ。ただし、隣接した画素行でブロッ
クにする実施例もあるので、通常のブロックという概念
よりは広義である。ただし、図6の画素構成では、電流
プログラムを行っている画素行は非点灯状態にする必要
がある。そのため、電流プログラムのために選択された
画素行を含むブロックは非表示領域312とする必要が
ある。しかし、図6の場合であっても多少の画像にみだ
れを許容する場合は、電流プログラムを行っている画素
行であっても、非表示領域312とする必要はない。ま
た、図8のカレントミラーの画素構成では、電流プログ
ラムを行っている画素行であっても、非表示領域312
とする必要はない。
【0775】なお、本発明は、主として図6に図示する
電流プログラムの画素構成を例示して説明をするがこれ
に限定されるものではなく、図8などで説明した他の電
流プログラム構成(カレントミラーの画素構成)であっ
ても適用できる。また、ブロックでオンオフする技術的
概念は、図75、図76などの電圧プログラムの画素構
成であっても適用できる。また、本発明は、EL素子1
5に流れる電流を間欠にする方法であるから、図151
などで説明した逆バイアス電圧を印加する方式とも組み
合わせることができる。以上のように、本発明は他の実
施例と組み合わせて実施することができる。
【0776】図155はブロック駆動の実施例である。
まず、説明を容易にするため、ゲートドライバ12はア
レイ基板49に直接形成するか、もしくはシリコンチッ
プのゲートドライバ12をアレイ基板49に積載すると
して説明する。また、ソースドライバ14およびソース
信号線18は図面が煩雑になるため省略する。
【0777】図155において、ゲート信号線17aは
ゲートドライバ12と接続されている。一方、各画素の
ゲート信号線17bは点灯制御線1791と接続されて
いる。図155では4本のゲート信号線17bが1つの
点灯制御線1791と接続されている。なお、4本のゲ
ート信号線17bでブロックするというのはこれに限定
されるものではなく、それ以上であってもよい。一般的
に、表示画面21は少なくとも5以上、さらには10以
上に分割することが好ましい。さらには、20以上に分
割することが好ましい。なぜなら、分割数が少ないと、
フリッカが見えやすく、また、あまりにも分割数が多い
と、点灯制御線1791の本数が多くなり、点灯制御線
1791のレイアウトが困難になるからである。
【0778】したがって、QCIF表示パネルの場合
は、垂直走査線の本数が220本であるから、少なくと
も、220/5=44本以上、好ましくは、220/1
0=11以上でブロック化する必要がある。ただし、奇
数行と偶数行で2つのブロック化を行った場合は、低フ
レームレートでも比較的フリッカの発生が少ないため、
2つのブロック化で十分の場合がある。
【0779】図155の実施例では、点灯制御線179
1a、1791b、1791c、1791dと順次、オ
ン電圧Vglを印加するか、もしくはオフ電圧Vghを
印加し、ブロックごとにEL素子15に流れる電流をオ
ンオフさせる。
【0780】なお、図155の実施例では、ゲート信号
線17bと点灯制御線1791とがクロスすることがな
い。したがって、ゲート信号線17bと点灯制御線17
91とのショート欠陥は発生しない。また、ゲート信号
線17bと点灯制御線1791とが容量結合することが
ないため、点灯制御線1791からゲート信号線17b
側を見た時の容量付加が極めて小さい。したがって、点
灯制御線1791を駆動しやすい。
【0781】図1は、図155の接続状態をさらに詳細
に図示している。ゲートドライバ12にはゲート信号線
17aが接続されている。ゲート信号線17aにオン電
圧Vglを印加することにより、画素行が選択され、選
択された各画素のTFT11b、11cはオンして、ソ
ース信号線18に印加された電流(電圧)を各画素のコ
ンデンサ19にプログラムする。一方、ゲート信号線1
7bは各画素のTFT11dのゲート端子と接続されて
いる。したがって、点灯制御線1791にオン電圧Vg
lが印加されたとき、駆動用TFT11aとEL素子1
5との電流経路を形成し、逆にオフ電圧Vghが印加さ
れた時は、EL素子15のアノード端子をオープンにす
る。
【0782】なお、点灯制御線1791に印加するオン
オフ電圧の制御タイミングと、ゲートドライバ12がゲ
ート信号線17aに出力する画素行選択電圧Vglのタ
イミングは1水平走査クロック(1H)に同期している
ことが好ましい。しかし、これに限定されるものではな
い。点灯制御線1791に印加する信号は単に、EL素
子15への電流をオンオフさせるだけである。また、ソ
ースドライバ14が出力する画像データと同期がとれて
いる必要もない。なぜなら、点灯制御線1791に印加
する信号は、各画素16のコンデンサ19にプログラム
された電流を制御するものだからである。したがって、
必ずしも、画素行の選択信号と同期がとれている必要は
ない。また、同期する場合であってもクロックは1H信
号に限定されるものではなく、1/2Hでも、1/4H
であってもよい。
【0783】図156は、画素構成が図8などに図示し
たカレントミラーの画素構成の場合である。ただし、以
前の実施例でも説明したように、EL素子15に流れる
電流を制御するために、TFT11eを形成し、また、
TFT11eを制御するためのゲート信号線17bを付
加している。
【0784】なお、図156において、取込用TFT1
1cとスイッチング用TFT11dを制御(オンオフ)
するゲート信号線は共通(ゲート信号線17a)とした
が、これに限定されるものではなく、別個のゲート信号
線17としてもよい。この場合は、取込用TFT11c
を制御する第1のゲート信号線17と、スイッチング用
TFT11dを制御する第2のゲート信号線17をゲー
トドライバ12に接続する。
【0785】図156において、ゲートドライバ12に
はゲート信号線17aが接続されている。ゲート信号線
17aにオン電圧を印加することにより、画素行が選択
される。なお、図1などでも同様であるが、選択される
画素行は1画素行に限定されるものではない。例えば、
図83、図86、図89では複数画素行が選択される。
以上のように、本発明は選択される画素行数に制約され
るものではない。
【0786】図156において、ゲート信号線17aに
オン電圧Vglが印加されると、選択された各画素の駆
動用TFT11b、スイッチング用TFT11dがオン
して、ソース信号線18に印加された電流(電圧)を各
画素のコンデンサ19にプログラムする。つまり、ソー
スドライバ14は画素16に書き込む電流(電圧)を出
力(吸収)する。一方、ゲート信号線17bは各画素の
TFT11eのゲート端子と接続されている。したがっ
て、点灯制御線1791にオン電圧Vglが印加された
とき、駆動用TFT11bとEL素子15との電流経路
を形成し、逆にオフ電圧Vghが印加された時は、EL
素子15のアノード端子をオープンにする。
【0787】図157は、電圧プログラムの画素構成で
ある。ただし、以前の実施例でも説明したように、EL
素子15に流れる電流を制御(間欠動作できるように)
するために、スイッチング用TFT11dを形成し、ま
た、スイッチング用TFT11dを制御するためのゲー
ト信号線17bを付加している。このゲート信号線17
bは複数画素行ごとに点灯制御線1791に接続されて
いる。
【0788】図157において、ゲートドライバ12に
はゲート信号線17aが接続されている。ゲート信号線
17aにオン電圧を印加することにより、駆動用TFT
11bがオンし、所定の画素行が選択される。
【0789】図157において、ゲート信号線17aに
オン電圧Vglが印加されると、選択された各画素の駆
動用TFT11bはオンして、ソース信号線18に印加
された電流(電圧)を各画素のコンデンサ19にプログ
ラムする。つまり、ソースドライバ14は画素16に書
き込む電流(電圧)を出力(吸収)する。一方、ゲート
信号線17bは各画素のスイッチング用TFT11dの
ゲート端子と接続されている。したがって、点灯制御線
1791にオン電圧Vglが印加されたとき、駆動用T
FT11aとEL素子15との電流経路を形成し、逆に
オフ電圧Vghが印加された時は、EL素子15のアノ
ード端子をオープンにする。
【0790】図158は、他の電圧プログラムの画素構
成である、EL素子15に流れる電流の間欠動作はスイ
ッチング用TFT11dを用いて行う。スイッチング用
TFT11dを制御するためのゲート信号線17dは複
数画素行ごとに点灯制御線1791に接続されている。
【0791】図158の画素構成では、オフセット電圧
を測定し、1フレームの期間に書き込まれた電圧をコン
デンサ19に保持させるためには、2本のゲート信号線
17aと17cが必要である。そのため、この2本のゲ
ート信号線17a、17cはゲートドライバ12に接続
されている。この構成を図159に図示している。ゲー
トドライバ12はゲート信号線17aとゲート信号線1
7cにオンオフ電圧を印加することにより、取込用TF
T11c、駆動用TFT11bをオンオフ制御し、ソー
スドライバ14から出力された電圧を画素にプログラム
する。一方、ゲート信号線17dは各画素のスイッチン
グ用TFT11dのゲート端子と接続されている。した
がって、点灯制御線1791にオン電圧Vglが印加さ
れたとき、駆動用TFT11aとEL素子15との電流
経路を形成し、逆にオフ電圧Vghが印加された時は、
EL素子15のアノード端子をオープンにする。
【0792】以上のように本発明は、画素構成が、電流
プログラム方式であっても、電圧プログラム方式であっ
ても、適用することができる。なお、以上の実施例はア
クティブマトリックス型表示パネルを例示して説明した
が、これに限定されるものではなく、単純マトリックス
型表示パネルにも適用することができる。なぜならば、
ブロックごとにEL素子15を点灯あるいは非点灯させ
ることが、単純マトリックス型表示パネルでも実現でき
るからである。
【0793】図160は他の実施例である。以下の実施
例では先に述べた実施例との差異を中心に説明する。し
たがって、図160以降の実施例でも画素構成などは図
1、図156〜図158などで説明したいずれでも適用
できる。
【0794】図160は、ゲート信号線17bを2画素
行ずつ共通にし、かつ4ブロックごとに点灯制御線17
91で共通にした構成である。第1番目と第2番目の画
素行のゲート信号線信号線17bと、第9番目と第10
番目の画素行のゲート信号線17bとを点灯制御線17
91aで共通にしている。したがって、点灯制御線17
91aにオン電圧Vglを印加すると、少なくとも第1
番目、第2番目、第9番目および第10番目の画素行が
点灯する。
【0795】また、第3番目と第4番目の画素行のゲー
ト信号線信号線17bと、第11番目と第12番目の画
素行のゲート信号線17bとを点灯制御線1791bで
共通にしている。したがって、点灯制御線1791bに
オン電圧Vglを印加すると、少なくとも第3番目、第
4番目、第11番目および第12番目の画素行が点灯す
る。
【0796】同様に、第5番目と第6番目の画素行のゲ
ート信号線信号線17bと、第13番目と第14番目の
画素行のゲート信号線17bとを点灯制御線1791c
で共通にしている。したがって、点灯制御線1791c
にオン電圧Vglを印加すると、少なくとも第5番目、
第6番目、第13番目および第14番目の画素行が点灯
する。また、第7番目と第8番目の画素行のゲート信号
線信号線17bと、第15番目と第16番目の画素行の
ゲート信号線17bとを点灯制御線1791dで共通に
している。したがって、点灯制御線1791dにオン電
圧Vglを印加すると、少なくとも第7番目、第8番
目、第15番目および第16番目の画素行が点灯する。
【0797】図160のように、ゲート信号線17bを
点灯制御線1791と接続すると、小さな点灯ブロック
が、分散して表示される。したがって、低レートでもフ
リッカの発生が少なくなる。
【0798】図161は、ゲート信号線17bを4画素
とばしで共通にして点灯制御線1791に接続した構成
である。第1番目、第5番目、第9番目、第13番目の
画素行のゲート信号線信号線17bが点灯制御線179
1aで共通にされている。したがって、点灯制御線17
91aにオン電圧Vglを印加すると、少なくとも第1
番目、第5番目、第9番目および第13番目の画素行が
点灯する。
【0799】また、第2番目、第6番目、第10番目、
第14番目の画素行のゲート信号線信号線17bが点灯
制御線1791bで共通にしている。したがって、点灯
制御線1791bにオン電圧Vglを印加すると、少な
くとも第2番目、第6番目、第10番目および第14番
目の画素行が点灯する。
【0800】同様に、第3番目、第7番目、第11番
目、第15番目の画素行のゲート信号線信号線17bが
点灯制御線1791cで共通にしている。したがって、
点灯制御線1791cにオン電圧Vglを印加すると、
少なくとも第3番目、第7番目、第11番目および第1
5番目の画素行が点灯する。また、第4番目、第8番
目、第12番目、第16番目の画素行のゲート信号線信
号線17bが点灯制御線1791dで共通にしている。
したがって、点灯制御線1791dにオン電圧Vglを
印加すると、少なくとも第4番目、第8番目、第12番
目および第16番目の画素行が点灯する。
【0801】図161のように、ゲート信号線17bを
点灯制御線1791と接続すると、図160よりも点灯
する画素行が分散される。したがって、低レートでもフ
リッカの発生が少なくなる。
【0802】図162は、奇数画素行のゲート信号線1
7bを点灯制御線1791aに接続し、偶数画素行のゲ
ート信号線17bを点灯制御線1791bに接続した構
成である。
【0803】図162では1画素行ごとにEL素子15
を点灯制御できるので低レートでもフリッカの発生が少
なくなる。また、点灯制御線1791が2本と本数も少
なくなる。
【0804】図163は、4画素行ごとにゲート信号線
17bを点灯制御線1791aまたは点灯制御線179
1bに接続した構成である。図163では、画素への電
流(電圧)プログラムのタイミングと同期を取りやす
い。
【0805】以上の実施例は、点灯制御線1791に印
加する電圧により、画素行ごとにオンオフ制御を行うも
のであり、本発明は、EL素子15を間欠動作させるこ
とを目的としている。したがって、点灯制御線1791
の有無に限定されるものではない。
【0806】例えば、図164では点灯制御ドライバ回
路1891を表示画面の1辺に形成(配置)している。
つまり、表示画面の1辺にゲートドライバ12を形成
(配置)し、この辺の対面に点灯制御ドライバ回路18
91を配置(形成)している。点灯制御ドライバ回路1
891は、低温ポリシリコンあるいは高温ポリシリコン
技術を用いて、アレイ基板49に直接形成してもよい
し、シリコンチップで構成し、アレイ基板49にCOG
技術などを用いて積載してもよい。ただし、図164の
ように、複数のゲート信号線17bを共通(ブロック
化)することにより、回路構成は極めて簡易になる。し
たがって、アレイ基板49に直接形成しても、シリコン
チップで構成しアレイ基板49に積載しても、ほとんど
面積を占有しない。したがって、表示パネルの狭額縁化
を実現できる。なお、点灯制御ドライバ回路1891を
ソースドライバ14と同一辺に配置して、3辺フリー構
成を実現してもよい。
【0807】図164までの実施例では、ゲートドライ
バ12は、低温ポリシリコンあるいは高温ポリシリコン
技術を用いて、アレイ基板49に直接形成するか、シリ
コンチップで構成し、アレイ基板49にCOG技術など
を用いて積載するとして説明したが、本発明はこれに限
定されるものではない。例えば、図165に図示するよ
うに、ソースドライバ14が配置された辺から、ゲート
信号線17aを配線してもよい。つまり、点灯制御線1
791とゲート信号線17aの両方を表示画面21の端
に形成するのである。他の構成は図155などと同様で
あるので説明を省略する。
【0808】また、図166に図示するように、表示画
面の2つの辺にソースドライバ14、ゲートドライバ1
2をそれぞれ配置(形成)し、表示画面21の中央部で
それぞれのゲートドライバ12とソースドライバ14と
接続するように構成してもよい。このように構成するこ
とにより、ゲート信号線17aの引き回しが減少(1/
2になる)し、狭額縁化を実現できる。
【0809】図167はソースドライバ14とゲートド
ライバ12などをパネルに配置した説明図である。図1
67では、ソースドライバ14をシリコンチップで作製
し、アレイ基板49の1辺に配置している。ゲートドラ
イバ12は、低温ポリシリコン、CGS技術あるいは高
温ポリシリコン技術を用いて、アレイ基板49に直接に
形成している。点灯制御線1791へのオンオフ電圧は
ソースドライバ14より出力している。
【0810】図168は点灯制御ドライバ回路1891
を低温ポリシリコン、CGS技術あるいは高温ポリシリ
コン技術を用いて、アレイ基板49に直接形成した実施
例である。もちろん、点灯制御ドライバ回路1891を
シリコンチップで作製し、アレイ基板49にCOG技術
などを用いて積載してもよい。
【0811】図169は、点灯制御線1791へのオン
オフ信号はコントロールIC101などから出力した例
である。このように、点灯制御線1791のオンオフデ
ータをマイコンなどのコントロールIC101などから
出力するように構成することにより、ソースドライバ1
4の仕様が簡易となり、また、駆動方法に変更があって
も、ソースドライバ14の変更が不要となる。
【0812】図170は表示画面21aを駆動するゲー
トドライバ12aとソースドライバ14a、および表示
画面21bを駆動するゲートドライバ12bとソースド
ライバ14bを用いた構成である。他の構成は、以前の
実施例と同様であるので説明を省略する。
【0813】図171は点灯制御線1791へのオンオ
フ信号はコントロールIC101などから出力し、ゲー
トドライバ12およびソースドライバ14を、低温ポリ
シリコン、CGS技術あるいは高温ポリシリコン技術を
用いて、アレイ基板49に直接形成した実施例である。
もちろん、ソースドライバ14、点灯制御ドライバ回路
1891などをシリコンチップで作製し、アレイ基板4
9にCOG技術などを用いて積載してもよい。
【0814】図172は点灯制御線1791へのオンオ
フ信号がコントロールIC101などから出力し、ゲー
ト信号線17aへの制御信号およびソース信号線18へ
の画像データをソースドライバ14aで実現した構成で
ある。ソースドライバ14aを、低温ポリシリコン、C
GS技術あるいは高温ポリシリコン技術を用いて、アレ
イ基板49に直接形成してもよい。また、ソースドライ
バ14aなどをシリコンチップで作製し、アレイ基板4
9にCOG技術などを用いて積載してもよい。
【0815】図141〜図150などにおいて、逆バイ
アス電圧Vmの印加する方式について説明を行った。逆
バイアス電圧Vmは基本的にはEL素子15に電流を印
加していない時に、印加する方式であった。一方、図1
などで説明したブロック駆動方式は、ブロックごとに非
表示領域312と画像表示領域311を形成するもので
あった。これらを基に、ブロック駆動で非表示領域31
2のEL素子15に逆バイアス電圧Vmと印加すること
ができる。つまり、ブロックごとに逆バイアス電圧(電
流)を印加するのである。ただし、逆バイアス電圧Vm
は非表示領域312のブロックすべてに印加することに
限定されるものではない。例えば、任意のブロックを複
数に分割し、分割されたブロックごとに逆バイアス電圧
Vmを印加する構成でもよい。もちろん、ブロックごと
に非表示領域312制御を実施し、逆バイアス電圧Vm
の印加制御は1画素行ずつ行ってもよい。
【0816】以上のように、ブロックごとに逆バイアス
電圧Vmを印加するように構成することにより、図14
1などで説明した画素構成などが簡略され、制御も容易
となる。特に、非表示領域312に逆バイアス電圧Vm
を印加するため、ロジックも簡単である。
【0817】図173はブロック駆動と逆バイアス電圧
駆動とを組み合わせた場合の本発明の実施例であり、図
141の画素構成と同様である。この画素構成は、図1
で説明したブロック駆動とを組み合わせている。なお、
ブロック駆動は図1、図156〜図172で説明したい
ずれの構成であっても適用できることは言うまでもな
い。
【0818】図173において、点灯制御線1791に
オフ電圧Vghを印加することにより、該当ブロックが
非表示領域312となる。同時に(同時に限定されるも
のではない。該当点灯制御線1791にオフ電圧Vgh
が印加されている期間であれば、いずれの期間でもよ
い)、逆バイアス制御線2111にオン電圧Vglを印
加する。すると、該当ブロックのEL素子15に逆バイ
アス電圧Vmが印加される。つまり、ロジック的には、
点灯制御線1791の逆位相の信号を逆バイアス制御線
2111とすればよい。
【0819】同様に、図174は図156の構成に、逆
バイアス駆動方式を追加した構成である。また、図17
5は図157の構成に、逆バイアス駆動方式を追加した
構成であり、図176は図158の構成に、逆バイアス
駆動方式を追加した構成である。動作は、容易であるか
ら、あえて説明を要さないであろう。
【0820】なお、先にも記載したが、逆バイアス電圧
Vmの印加とブロック駆動とは、完全に同期を取る必要
はない。また、走査周期も完全に一致させる必要はな
い。
【0821】以下、本発明のブロック駆動の説明を引き
続き行う。図177は、本発明のブロック駆動方法の説
明図である。以降の説明図においても、説明を容易する
ため、画素構成は図6で図示した画素構成として説明す
る。しかし、これに限定されるものではなく、図8、図
75、図76などの他の画素構成もよいことは言うまで
もない。
【0822】図6の画素構成の場合、電流プログラムを
行っている画素行のスイッチング用TFT11dはオフ
状態にする必要がある。つまり、選択画素行にはEL素
子15がソース信号線18から見えないよう(ソース信
号線18にEL素子15が接続されていない)に駆動す
る。これば、ソース信号線18からのプログラム電流が
EL素子15に流れ込むことを防止するためである。E
L素子15でプログラム電流が流れ込むと正規の電流を
コンデンサ19にプログラムできなくなるからである。
【0823】したがって、ブロック駆動を実施する時
は、選択画素行を含むブロックは非表示領域312とす
る必要がある。つまり、該当ブロック内の画素行が選択
されている時は、このブロックは絶えず、非表示領域3
12とする。逆に、他のブロックは画像表示領域311
でも、非表示領域312のいずれでもよい。フリッカを
抑制するには、この選択画素行以外のブロックをオンオ
フ制御することにより行う。
【0824】図177(a)はブロック1981bの1
本の書き込み画素行871aが選択されている。そのた
め、ブロック1981bは非点灯状態に制御されてい
る。もし、ブロック1981が6画素行で構成されるの
であれば、選択されたブロック1981は6Hの期間、
非点灯表示に制御される。
【0825】図177(b)は図177(a)から1H
後の表示状態である。選択された書き込み画素行871
aは1画素行シフトされている。図177(a)におい
て、非表示領域312のブロックは、1981b、19
18d、1981f、1981h、1981jである。
図177(b)では、非表示領域312のブロックは、
1981a、1918b、1981e、1981g、1
981iとなっている。つまり、図177(a)と
(b)では選択された書き込み画素行871aを含むブ
ロック1981b以外は反転(非表示領域312と画像
表示領域311とが逆転)している。
【0826】なお、選択画素行は1画素行に限定される
ものではなく、複数本でもよい。例えば、図34、図3
5、図89などで説明したように、複数本の画素行を選
択する方法と図177のブロック駆動あるいは図173
の逆バイアス電圧駆動などと組み合わせることができ
る。
【0827】また、図177では、選択画素行のスイッ
チング用TFT11dをオフ状態とし、EL素子15は
点灯させないとしたが、図8のようにカレントミラー構
成の場合は、ソース信号線18とEL素子15とは接続
されていない。したがって、選択画素行も表示状態とし
てもよい。ただし、選択画素行は、プログラム中であっ
て、その期間の画像はみだれるので、非点灯状態に制御
することが好ましい図177では、非表示領域312と
画像表示領域311との反転は、1H周期で行うとした
が、これに限定されるものではなく、2Hであったり、
それ以上であったりしてもよい。また、比較的ランダム
に点灯制御を行ってもよい。また、当然のことながら、
非点灯のブロックに逆バイアス電圧Vmを印加してもよ
い。
【0828】なお、非表示領域312と画像表示領域3
11との制御は、RGBの画素で同時に行う必要はな
く、R、G、Bで点灯制御を異ならせても良い。これ
は、FSC(フレームシーケンシャルコントロール)の
場合も含まれる。
【0829】また、図177は1ブロックごとにオンオ
フ制御を行うとしたが、これに限定されるものではな
い。例えば、図178のように、2つのブロック(例え
ば、図178(a)ではブロック1981bと1981
cとを非表示領域312としている。また、ブロック1
981dと1981eとを画像表示領域311としてい
る)で制御を行ってもよい。また、1H後に図178
(b)のように点灯制御を行ってもよい。図178
(a)と(b)では1ブロックずつずらして点灯制御を
行っている。なお、図177、図178などでは図示を
容易にするため、ブロック1981の数を非常に少なく
している。以上の事項は他の実施例においても同様であ
る。
【0830】図179はブロックの点灯制御により、表
示画面21に明るさ分布を形成する方法である。説明を
容易にするため、図179(a)を1H目の状態とし、
図179(b)を図179(a)の次の1H後であると
して説明する。もちろん、図179(a)と(b)は所
定期間はなれた状態であればよい。
【0831】明るさ分布を構成するには、ガウス分布が
例示される。つまり、表示画面の中央部を明るくし、周
辺部を暗くすることにより、視覚的には明るくし、消費
電力を低減する手法である。本発明では、画面の左右方
向は、映像信号の変調により、データ自身を変更して明
るさ分布を形成する。例えば、1画素行のラインメモリ
を搭載し、このメモリに演算に必要な係数を保持させて
おく。例えば、画面の端が中央部に比較して50%であ
れば、50%に相当する係数を保持させておく。以下、
ラインメモリには中央部が100%になるように、かつ
ガウス分布を満足するように係数を保持させておく。印
加された画像データはこのラインメモリの係数と演算さ
れ、演算された結果が、各ソース信号線に印加される。
【0832】なお、画面の縦方向にも非表示領域312
をオンオフできるように、画素構成すれば、画面の左右
方向は、映像信号の変調によりデータ自身が変更され、
そのために明るさ分布を形成する必要がなくなる。例え
ば、1画素列のスイッチング用TFT11dをオンオフ
制御できるように信号線を形成すればよい。つまり、ス
イッチング用TFT11dを表示画面でマトリックス状
に制御できるようにすればよいのである。
【0833】また、ガウス分布とは一実施例である。つ
まり、表示画面21の中央部近傍を明るくする輝度の分
布状態を発生するものである。したがって、ガウス分布
に限定されるものではなく、サインカーブ状の明るさ分
布であったり、円錐状の明るさ分布であったりしてもよ
い。また、本発明はスイッチング用TFT11dなどを
制御して明るさ分布を発生させるものであるから、表示
画面21の中央部を明るくするということに限定される
ものではない。例えば、表示画面の中央部が最も暗い状
態であってもよいし、表示画面の上部が最も明るい状態
でもよい。これらの明るさ分布状態もスイッチング用T
FT11dなどを制御することにより、容易に実現する
ことができる。単に、ゲート信号線17bの制御タイミ
ング、オン時間を調整(変化)させることにより実現で
きるからである。
【0834】また、画像の種類にあわせて、明るさの分
布状態をユーザーが自由に、あるいは自動的に変更する
ことができる。例えば、パーシャル表示の時は、パーシ
ャル表示位置を特に明るく表示することができる。ま
た、任意の表示部分の色を容易に変化させたり、屋外で
必要な部分のみが明るく見えるように表示したりするこ
とができる。
【0835】また、明るさはR、G、Bの3原色を同時
に、かつ同一位置に変化させて発生させる(白色が移動
する)ことに限定されるものではない。例えば、Rのみ
の最大輝度位置を移動させることもできる。以上のよう
に、各色の最大輝度(最小輝度)位置を変化させること
により表示画面21での色模様を発生させることができ
る。
【0836】表示画面21の上下方向における明るさの
分布の形成は、ブロック1981のオンオフ制御により
実現する。つまり、表示画面の中央部のブロック198
1のオフ回数を少なくし、表示画面の上または下はオフ
回数を多くする。オフ回数が多いほど表示画面は暗くな
り、少なくなるほど明るくなる。このオンオフを制御す
ることにより、表示画面の上下方向にガウス分布を形成
できる。したがって、画面の左右方向は映像データの演
算(もしくはアナログ変調で振幅値を変調する場合もあ
るであろう)などにより、明るさを調整(制御)し、表
示画面の上下方向はブロック1981のオンオフ制御に
より、表示画面の明るさ調整(制御)を行う。
【0837】なお、図179などにおいて、ブロック1
981のオンオフ制御により、明るさ分布を形成すると
したがこれに限定されるものではない。ブロック198
1に限らず、画素行ごとにオンオフ制御することによっ
て明るさ分布を形成できることは言うまでもない。ま
た、複数画素行ごとにオンオフ制御することでも実現で
きる。つまり、ブロック1981でオンオフ制御すると
いうのは、複数の画素行の集まりとしてオンオフ制御し
ているに過ぎない。したがって、図179などは、本発
明の技術的範囲の限定された1つの実施例である。
【0838】図179(a)での非表示領域312はブ
ロック1981b、1981d、1981h、1981
jである。図179(b)での非表示領域312はブロ
ック1981a、1981c、1981i、1981k
である。したがって、中央部のブロック1981e、1
981f、1981gは図179(a)、(b)ともに
点灯している。したがって、中央部は明るくなる。
【0839】一方、図179(a)では、ブロック19
81a、1981c、1981i、1981kは画像表
示領域311であるが、図179(b)では逆に非表示
領域312となっている。したがって、表示画像の上下
部は暗くなる。
【0840】以上のことから、ブロック1981ごとに
オンオフ制御することにより、表示画像に明るさ分布を
形成できる。なお、図179において、中央部のブロッ
ク1981e、1981f、1981gは図179
(a)、(b)ともに点灯しているが、次の1Hで非点
灯状態とするなどの制御を行うことにより、自由に明る
さの制御を実現でき、また、フリッカの発生も抑制でき
る。
【0841】図179では、ブロック1981の幅はす
べて同一であった。しかし、視覚的には、表示画面21
の中央部を細かくし周辺部を荒くしてもよく、例えば、
図180のように実施する。これは、人間の視覚による
解像度は、画面の中央部が高いことによる。
【0842】図180において、オンオフ制御は、図1
80(a)と(b)とを交互に行う。そして、表示画面
21の中央部のブロック1981f〜1981nでは細
かいブロック単位(1単位)でオンオフ制御を行い、前
記中央部の上下は2ブロック単位でオンオフ制御を行
い、表示画面の上下は3ブロック単位でオンオフ制御を
行う。なお、書き込み画素行871aのオフ制御は図1
77で説明した方法で行い、非表示領域312とする。
【0843】図180は点灯ブロック1981の幅を変
化させることにより、表示画面の中央部でオンオフ制御
を行い、視覚的にあわせた表示を実現するものであった
が、図181は複数単位周期でオンオフさせる回数を制
御することにより、表示画面のガウス分布を実現するも
のである。図181は6周期(図181(a)→(b)
→(c)→(d)→(e)→(f)→(a)→(b)→
(c)→(d)→(e)→(f)→(a))で表示画面
の明るさ分布を形成するものである。もちろん、6周期
に限定されるものではなく、2周期や、8周期以上であ
ってもよい。また、周期の単位は、1H、1F、あるい
は、他のクロックに同期させればよい。なお、図181
においても、表示画面の左右方向へのガウス分布は、映
像信号などで行う。このことは図177などで説明をし
ているので省略する。また、以上の事項は他の本発明に
も適用される。
【0844】図181でわかるように、図181
(b)、(e)で表示画面の中央部に画像表示領域31
1を発生させ、図181(c)、(f)でも、表示画面
の中央付近に画像表示領域を多く発生させている。この
ように制御することにより、表示画面の中央部が明るく
なる。したがって、良好なガウス分布を発生させること
ができる。
【0845】図182は、ガウス分布を発生させるもの
ではなく、複数の期間で点灯ブロック1981の位置を
変化させることにより、フリッカの発生を抑制するもの
である。図182(a)では、2ブロックごとに非表示
領域312を発生させ、次のブロックの図182(b)
では、3ブロックごとに非表示領域312を発生させて
いる。また、次のブロックの図182(c)では、4ブ
ロックごとに非表示領域312を発生させている。以上
のように、非表示領域312もしくは画像表示領域31
1の位置を複数の周期で変化させることにより、フリッ
カの発生を抑制できる。また、図180、図181で説
明した方法を組み合わせることにより、ガウス分布も発
生できる。
【0846】なお、以上の実施例は、図183に図示す
るようにブロック1981単位で点灯位置を変化させる
ものであった。しかし、本発明はこれに限定されるもの
ではない。例えば、図184に図示するように、1/2
ブロックずつ点灯位置を変化させてもよい。つまり、以
上の実施例は、ブロック単位でオンオフ制御することを
主として説明したがこれに限定されるものではない。ガ
ウス分布の発生、フリッカの抑制は、ブロック1981
単位でなくとも実現できるからである。以前に説明した
ように、1画素行単位で非点灯制御を実施すればよい。
もちろん、複数画素行単位で非点灯制御あるいは点灯制
御を実施すればよい。
【0847】また、画素行に限定されるものではなく、
画素列でオンオフ処理を実施してもよく、また、画素行
と画素列の両方でオンオフ処理を実施してもよい。ま
た、オンオフする画素行などは順次処理をすることに限
定されるものではなく、ランダム処理を実施してもよ
い。ランダムに画素行(画素列)をオンオフ制御するこ
とにより、表示画面21を見えにくくしたり、フリッカ
を発生させたりすることもできる。また、特定画素行
(画素列)を常時、非表示領域312にすることもでき
る。また、画面全体あるいは一部を低フレームレートで
オンオフ表示(非表示領域312と画像表示領域311
を交互に繰り返す)することにより、画面をフラッシン
グさせたりすることもできる。これらは画像のスクラン
ブル処理あるいは特殊効果処理として応用できる。
【0848】ただし、以上の表示状態は、ブロック19
81単位で制御を行うことにより、回路構成が容易にな
り、パネル構成、画素構成も容易となることは言うまで
もない。
【0849】図185に図示するように、画像表示領域
311を表示画面21の上から下へ走査することにより
画像を表示する((a)→(b)→(c)→(d)→
(e)→(a)→(b)→(c)→)。この時、走査ク
ロックを制御することにより、表示画面の上下方向に明
るさ分布(ガウス分布など)を実現できる。
【0850】図185では(c)の表示状態で、画像表
示領域311が走査されるときは、画像表示領域311
の走査速度を遅くする。(a)、(e)の部分に画像表
示領域311が走査されるときは、画像表示領域311
の走査速度を速くする。(b)、(d)の部分に画像表
示領域311が走査されるときには、画像表示領域31
1の走査速度は(a)と(c)の中間の速度にする。走
査速度は図10などで説明したゲートドライバ12のシ
フトレジスタ22に印加するCLK*を制御することに
より実現できる。また、図155などで説明した点灯制
御線1791を制御することにより実現できる。
【0851】以上のように、画像表示領域311を制御
することにより、表示画面21の中央部が最も高輝度と
なり、画面の上下部分が最も暗くなる。したがって、表
示画面21の上下方向にガウス分布などを形成できる。
もちろん、画素列方向に制御して、画面の左右方向にガ
ウス分布などを形成してもよい。また、映像信号の演算
処理でも実現できる。
【0852】なお、図185では、画像表示領域311
の走査スピードを画面位置で変化させることにより、表
示画面にガウス分布などの輝度分布を形成するとした
が、この技術的思想はEL表示装置に限定されるもので
はない。例えば、LED表示装置でも適用できることは
明らかである。また、自己発光型の表示パネル(表示装
置)に限定されるものではない。例えば、液晶表示装置
でも適用することができる。
【0853】液晶表示装置では、バックライトを改良し
て実現する。バックライトは、画素行方向に沿ってスト
ライプ状の発光領域が複数配置されたものを用いる。例
えば、ストライプ状の白色EL素子が画素行方向に沿っ
て、少なくとも10本以上形成されたものを用いる。こ
のストライプ状の発光素子を上から順に点灯していけば
よい。つまり、ストライプ状のEL素子を点灯させると
きに、表示画面21の中央部に該当するストライプ状E
L素子15の点灯時間を長くすると、バックライトの発
光状態を図185の状態にすることができる。
【0854】したがって、液晶表示装置では、そのもの
自身では点灯表示状態を図185のようにすることはで
きないが、バックライトの点灯領域を走査状態とするこ
とにより、図185で説明した画像表示を実現できる。
以上の事項は図177、図188〜図190などにおい
ても適用できることは言うまでもない。
【0855】図186はゲート信号線17aの駆動波形
を図示している。なお、説明を容易にするため、MCL
Kの周期は1H(1水平走査期間)としている。しか
し、これに限定されるものではない。1Hよりももっと
高速のクロックを用いることにより柔軟性のある制御を
実現できる。
【0856】図186の‘a’で示す部分が図185
(a)の表示状態に該当する。同様に、図186の
‘b’で示す部分が図185(b)の表示状態に該当
し、図186の‘c’で示す部分が図185(c)の表
示状態に該当する。また、図186の‘d’で示す部分
が図185(d)の表示状態に該当し、図186の
‘e’で示す部分が図185(e)の表示状態に該当す
る。
【0857】なお、画素構成は図6の構成を例示して説
明をする。したがって、ゲート信号線17aにオン電圧
Vglが印加された時に、該当画素行が選択される。し
かし、本発明の実施例は、図6の画素構成に限定される
ものではなく、図8などのカレントミラー構成、図7
5、図76などの電圧プログラムの画素構成にも適用で
きる。
【0858】図186に図示するように、‘a’、
‘e’の部分は1H幅のクロックで画素行がシフトされ
る。‘b’、‘d’の部分は2H幅のクロックで画素行
がシフトされる。また、‘c’の部分は3H幅のクロッ
クで画素行がシフトされる。したがって、‘c’の部分
は‘a’の部分に比較して3倍、画素行のシフト動作が
遅い。つまり、‘c’の部分は‘a’の部分に比較して
3倍明るくなる。そのため、画面の中央部が最も明るく
なり、上下部を最も暗くすることができる。
【0859】図186では、表示画面の中央部におい
て、シフトレジスタ22のデータ転送を3クロックとし
た。また、表示画面の上下部において、シフトレジスタ
22のデータ転送を1クロックとした。また、表示画面
の上下部と中央部において、シフトレジスタ22のデー
タ転送を2クロックとした。しかし、図186のよう
に、クロックの切り替えが3段階であると、切り替えの
境目がくっきりと明るさの差で表示される。したがっ
て、境目が見えないように、実際はデータの転送クロッ
クの差を小さくするとともに、変化するクロック数を多
様にすることが好ましい。つまり、図186は説明のた
めの図である。
【0860】例えば、表示画面の中央部において、シフ
トレジスタ22のデータ転送を5クロックとし、表示画
面の上下部において、シフトレジスタ22のデータ転送
を3クロックとし、表示画面の上下部と中央部におい
て、シフトレジスタ22のデータ転送を4クロックとす
る。
【0861】また、表示画面を9分割の領域以上とし、
表示画面の上から第1領域、第2領域、第3領域、・・
・・・第9領域とすれば、中央部の第5領域を、シフト
レジスタ22のデータ転送を15クロックとし、第1領
域、第9領域を、シフトレジスタ22のデータ転送を1
1クロックとする。第2領域、第8領域を、シフトレジ
スタ22のデータ転送を12クロックとする。第3領
域、第7領域を、シフトレジスタ22のデータ転送を1
3クロックとする。第4領域、第6領域を、シフトレジ
スタ22のデータ転送を14クロックとする。以上のよ
うに、表示画面を分割してそれぞれ最適にオンオフ制御
すれば、明るさの境目は目立たない。
【0862】また、図187の方法も表示画面の明るさ
の境目が見えなくすることに対して有効である。図18
7では、表示画面21の中央部領域のゲート信号線17
aの信号波形を図示している。
【0863】図187でわかるように、各フィールド
(フレーム)(F)で表示位置に対する3クロックのシ
フト開始タイミングを変化させている。図187では説
明を容易にするために、1Fから4Fでは1クロックず
つ開始位置をシフトしている。現実には、各Fごとに1
クロックずつシフトするものではなく、あるFでは1ク
ロック分シフトするが、他のFではシフトしないなどの
処理を行う。また、3クロックのシフトを実施する回数
は各Fごとで変化させる。
【0864】例えば、1F目は、表示画面の中央部の3
クロックの開始位置が、画素行(90)(90画素行
目)から開始されるとし、3クロックでシフトレジスタ
が転送される範囲を20画素行とする。2F目は、表示
画面の中央部の3クロックの開始位置が、画素行(9
2)から開始されるとし、3クロックでシフトレジスタ
が転送される範囲を16画素行とする。また、3F目
は、表示画面の中央部の3クロックの開始位置が、画素
行(94)から開始されるとし、3クロックでシフトレ
ジスタが転送される範囲を12画素行とする。さらに、
4F目は、表示画面の中央部の3クロックの開始位置
が、画素行(96)から開始されるとし、3クロックで
シフトレジスタが転送される範囲を8画素行とする。以
上のように処理を行うことにより、中央部が最も明る
く、表示画面の上部の表示輝度から、この中央部の表示
輝度に変化する境目を目立ちにくくすることができる。
【0865】なお、シフトの開始位置はループ状に処理
を行う。例えば、図187では1F→2F→3F→4F
→1F→2F・・・・と繰り返す。また、図187では
表示画面の中央部は3クロック周期で画素行をシフトす
るとしたがこれに限定されるものではなく、図186で
説明したように、輝度分布がなめらかに変化するように
クロック数、表示領域を調整することは言うまでもな
い。
【0866】図186と図187を組み合わせることに
よりさらに、画面表示の明るさ分布処理が目立たず、良
好な表示を実現できることは言うまでもない。
【0867】図186、図187で説明した駆動方法
は、表示画面21に輝度分布を意識的に形成するもので
あったが、この技術的概念は、他の画像表示にも応用で
きる。
【0868】図188は表示画面21に2つの輝度部分
を形成(表示)したものである。図188において、画
像表示領域311aは画像表示領域311bよりも明る
く表示していることを示している。図188(a)では
メモ1の画像表示領域311aを他の画像表示領域31
1bよりも明るくする。画像表示領域311aを画像表
示領域311bよりも明るく表示することは、図185
などで説明した方法で容易に構成できる。また、各部の
表示領域を選択する回数を制御すればよいのであるから
容易に他の方法でも実現できる。
【0869】図188では、ユーザーが選択する領域を
明るく(もしくは暗く)表示することにより、表示装置
の使い勝手を良好なものとしている。もちろん、選択し
た画像表示領域311の色を変化させたりすることも好
ましい。図188の表示方法はメニュー選択画面などに
適用することが好ましい。ユーザーの操作で画面表示を
切り替えることができ、操作性が向上するからである。
また、マイコンなどの制御により、自動的に図188の
画面表示状態となるように構成してもよい。また、屋外
では外光が強く、表示画像が見えなくなるので、特に必
要な部分のみを強く点灯するように(画像表示領域31
1a)制御を行っても良い。例えば、外光の明るさを検
出し、その検出した外光の強さが一定値以上の場合にお
いて、ユーザーが電源スイッチを押して表示画面21を
表示した場合などである。
【0870】また、図189(a)に図示するように、
強く点灯する画像表示領域311aを表示画面21の複
数箇所に設けたり、点滅させてもよい。点滅させると
は、図189(a)において、画像表示領域311aを
0.5秒サイクルでオンオフさせたり、低輝度と高輝度
を交互に表示させたりすることである。
【0871】また、図189(b)に図示するように、
高輝度画像表示領域311a、低輝度画像表示領域31
1b、非表示領域312とを組み合わせて画像表示を行
っても良い。
【0872】図190は表示画面21のスクロール効果
を持たせたものである。図190(a)では、表示画面
21の中央部まで、高輝度画像表示領域311aとして
おり、図190(b)が表示画面21の下端近傍まで、
高輝度画像表示領域311aとしている。
【0873】また、表示画面21全体を同時に低輝度表
示することも可能であることは言うまでもない。本発明
は点灯制御線1791あるいはゲート信号線17bを制
御してEL素子15に流れる電流をオンオフさせること
により表示画面21の輝度を調整(制御)する。したが
って、ソースドライバ14から出力する画像データは変
化しないので、表示画像のコントラスト、ガンマカーブ
は、表示画像の輝度によらず一定値が保たれることにも
特徴がある。そのため、表示画面21全体を同時に低輝
度表示しても、階調特性はそのまま保たれる(例えば、
64階調表示をしている場合は、表示画面の輝度が1/
2となっても、64階調が保たれる)。
【0874】図190に図示するように、最初に表示画
面21全体を低輝度画像表示領域311bとしておき
(低輝度表示としておき)、表示画面を書き換えるとい
う効果を発揮させるために、表示画面21の上から、下
方向に高輝度画像表示領域311aとしていく(高輝度
表示としていく)。したがって、図190の矢印方向に
高輝度表示を行っていくことにより、1表示画面21が
書き換えられる。そして、一定時間の間、高輝度表示が
連続させると、低消費電力化の観点から、表示画面21
全体を低輝度表示にする。
【0875】なお、有機EL表示パネルでは、白ラスタ
ー表示で、大きな電力を必要とする。この白ラスター表
示用の電源回路を設けると電源回路が非常に大きくな
る。一方で、通常のキャラクタ表示では、白ラスター表
示の1/5〜1/3の電力しか冗費しない。したがっ
て、白ラスター表示の対応できるように電源の出力電流
を保有することは経済的あるいは、システムサイズの観
点から好ましくない。
【0876】この課題に対処するため、本発明では、一
定値以上の電力を消費される画像(例えば、白ラスター
表示など)を表示する場合は、画像の輝度を低下させて
表示するように構成している。例えば、白ラスターで1
00mAの電流が流れる場合は、1/2の50mAの電
流となるように画像データを処理する。つまり、入力画
像のデータの総和を求め、総和が一定値以上となる場合
は、画像データに演算処理を行って、保有する電源電力
で表示可能なように画像データの値を小さくするのであ
る。
【0877】もちろん、画像データの値を小さくするこ
とに限定されるものではなく、図155、図185、図
189などで説明した非点灯制御を行うことにより、表
示画面21全体の輝度を低減することができる。もちろ
ん、画像表示部のみの輝度を低減し、アンテナ表示、時
計表示などのアイコン部分は従来の輝度(そのままの輝
度)を保つように制御することもできることは言うまで
もない。
【0878】なお、以上の実施例は、画像表示領域31
1もしくは非表示領域312を表示画面の上下方向に走
査することにより、画像表示を行うか、異なる輝度表示
領域を形成(表示)するとして説明をした。しかし、本
発明はこれに限定されるものではない。例えば、図18
8などにおいて、表示画面21の各部分を選択する回数
を制御すれば明るさ分布を形成できる。つまり、図18
8において、表示画面21を表示するフレームレートが
60Hzの時、画像表示領域311bを25回選択し、
画像表示領域311aを50回選択するように制御すれ
ば、画像表示領域311aは画像表示領域311bの2
倍の輝度で表示できる。同様に、図190(b)におい
て、表示画面21を表示するフレームレートが60Hz
の時、画像表示領域311bを25回選択し、画像表示
領域311aを50回選択し、非表示領域312を全く
選択しないように制御すれば、画像表示領域311aは
画像表示領域311bの2倍の輝度で表示でき、312
の非表示領域を黒表示にすることができる。
【0879】なお、以上説明した事項は、図172など
で説明したブロック駆動あるいは図173で説明した逆
バイアス電圧駆動にも適用できることは言うまでもな
い。また、ブロック駆動において、各ブロックを構成す
る画素行の本数は1つの文字列を表現する本数にするこ
とが好ましい。例えば、1文字が16×16ドットで構
成されるのであれば、16画素行を1つのブロックとす
る。また、1文字が24×24ドットで構成されるので
あれば、24画素行を1つのブロックとする。このよう
に、文字を構成する縦方向のドット数をブロック数とを
一致させることにより、文字を表示する行ごとに画像表
示領域311、非表示領域312を制御することができ
る。
【0880】(実施の形態10)図52の表示方法のよ
うに、奇数画素行と偶数画素行(もしくは複数画素行ご
と)を所定フィールド(フレーム)ごとに切り替える表
示方法は、立体画像表示装置もしくは方法に適用するこ
とができる。以下、本発明の立体表示装置について図1
91、図192を参照しながら説明をする。
【0881】まず、本発明の表示方法は基本的に画素行
単位(画素行の方向)に画像表示領域311と非表示領
域312を構成するものである。したがって、図52の
ように表示する場合は縦横を変換する必要があるが、こ
の変換は容易である。メモリに蓄積された画像データを
行と列を入れ替えればよいからである。縦横を変換すれ
ば図191(a1)の表示状態となる。つまり、表示パ
ネルの走査方向はAに示す矢印方向となるが、画像は図
191(a1)に示すように、紙面上が画面上となり、
紙面下が画面下となる。したがって、表示パネルの使用
者にはあたかも画面上から下に走査しているように見え
る。
【0882】表示パネルの表示画面21は左から奇数画
素列(行)に右目の画像を表示し、偶数画素列(行)に
左目の画像を表示する。画像表示は表示パネルと同期す
る観察用眼鏡852と同期させる。観察用眼鏡852は
シャッタ851として機能する2つの液晶パネルを具備
している。
【0883】第1フィールド(第1フレーム)では図1
91(a1)に示すように、左から奇数番目の画素列
(実際は奇数番目の画素行)が画像表示領域311とな
り、左から偶数番目の画素列(実際は偶数番目の画素
行)が非表示領域312となる。図191(a1)の表
示状態と同期して、観察用眼鏡852の左目用のシャッ
タ851Lが閉じ、観察用眼鏡852の右目用のシャッ
タ851Rが開く。したがって、観察者は右目だけで、
図191(a1)の画像を見ることになる。
【0884】第1フィールド(第1フレーム)の次の第
2フィールド(第2フレーム)では図191(a2)に
示すように、左から偶数番目の画素列(実際は偶数番目
の画素行)が画像表示領域311となり、左から奇数番
目の画素列(実際は奇数番目の画素行)が非表示領域3
12となる。図191(a2)の表示状態と同期して、
観察用眼鏡852の右目用のシャッタ851Rが閉じ、
観察用眼鏡852の左目用のシャッタ851Lが開く。
したがって、観察者は左目だけで、図191(a2)の
画像を見ることになる。
【0885】以上の動作を交互に繰り返すことにより、
観察者が使用する眼鏡型のシャッタ851と画像表示状
態とが同期して交互に観察者に見えるようにすることに
より立体画像表示を実現できる。
【0886】シャッタ851を用いずに立体画像表示を
実現するためには、図192に図示したように表示パネ
ルの光出射側にプリズム861を配置すればよい。プリ
ズム861のA部をある表示タイミングにおける画像表
示領域311に対応するように配置し、プリズム861
のB部を前述の表示タイミングにおける非表示領域31
2に対応するように配置する。このように、プリズム8
61を配置することにより、奇数画素行の画像が観察者
の右目に入射するようにし、偶数画素行の画像が観察者
の左目に入射するように構成することができる。なお、
プリズム861と表示パネル間にはエチレングリコール
などの光結合材862を配置し、オプティカルカップリ
ングさせておく。
【0887】なお、図191において切り替え手段85
2は眼鏡としたがこれに限定されるものではない。観察
者の右目に入射する光と左目に入射する光とを制御でき
るものであればいずれのものでもよい。例えば、ゴーグ
ルタイプのものが例示される。また、切り替え手段85
2と表示パネルとが一体となったもの(ヘッドマウント
ディスプレイ)が例示される。また、シャッタ851は
液晶表示パネルに限定されるものではなく、カメラのシ
ャッタ、回転フィルタのようにメカニカルなものでもよ
い。また、ポリゴンミラーを組み込んだもの、PLZT
を用いたシャッタ、エレクトロルミネッセンスを応用し
たシャッタなども例示される。
【0888】以上のように、1つの表示パネルの表示画
像を図52の表示方法を用いることにより立体表示を実
現できる。なお、図191、図192の装置または方法
は、複数画素行(列)ごと、あるいは奇数画素行(列)
と偶数画素行(列)ごとに異なる画像を表示するという
ものであり、その用途は立体表示のみに限定されるもの
ではない。例えば、単に2つの画像を重ね合わせて表示
するという用途に用いてもよい。なお、本発明のEL表
示装置を用い、本発明の駆動方法を実施することが特に
有効であることは言うまでもない。
【0889】なお、各画素を駆動する素子はTFT11
としたがこれに限定されるものではない。例えば、薄膜
ダイオード(TFD)の組み合わせにより、画素16を
構成でき、このダイオードの一方の端子電圧レベルを操
作することにより、EL素子15に流す電流を間欠動作
させることができる。この構成では、必要に応じてカソ
ード電極と横ストライプ状に加工(形成)する。その
他、バリスタ、サイリスタなどのスイッチング素子でも
同様である。
【0890】例えば、図6の変換用TFT11aにおけ
る駆動用TFTを例にすれば、図193(a)に図示す
るように、NチャンネルまたはPチャンネルのバイポー
ラトランジスタでもよい。また、図193(b)に図示
するように、NチャンネルまたはPチャンネルのMOS
トランジスタでもよい。さらに、図193(c)に図示
するように、ホトトランジスタあるいはホトダイオード
でもよく、図193(d)に図示するように、サイリス
タ素子などでもよい。このことは、他の画素を構成する
スイッチング素子にも適用できるということを意味す
る。
【0891】また、TFT素子はPチャンネルでもNチ
ャンネルのいずれでも用いることができる。また、EL
素子15の位置は図6または図8のような位置に限定さ
れるものではない。例えば、図153(a)は図6の変
換用TFT11aとEL素子15との接続状態を抜き出
したものである。この変形として図153(b)の構成
も例示される。また、駆動用TFTをNチャンネルとし
た図153(c)、(d)の構成も例示される。これら
の事項は変換用TFT11aについてだけでなく、他の
画素を構成するスイッチング素子についても同様であ
る。
【0892】また、TFTなどのスイッチング素子は低
温多結晶Si−TFTで形成されることが望ましいが、
アモルファスシリコンTFTでもよい。特に、EL素子
15に流す電流が1μA以下の場合は、アモルファスシ
リコン技術で形成した方が特性上十分である。また、ゲ
ートドライバ回路、ソースドライバ回路などもアモルフ
ァスシリコン技術による素子で形成してもよい。
【0893】また、図10、図55、図56、図58な
どのゲートドライバ12の構成についてもこれに限定さ
れるものではなく(図10などはST信号を順次クロッ
クに同期してシフト動作(シリアル処理)する構成であ
る)、例えば、各ゲート信号線のオンオフ状態を一度に
決定するパラレル入力であってもよい(すべてのゲート
信号線のオンオフフロジックがコントローラかゲート信
号線17の本数分、一度に出力され決定される構成な
ど)。
【0894】図194は有機ELモジュールの構成図で
ある。プリント基板103にはコントロールIC101
と電源IC102が実装されている。プリント基板10
3とアレイ基板49とはフレキシブル基板104で電気
的に接続される。このフレキシブル基板104を介して
電源電圧、電流、制御信号、映像データがアレイ基板4
9のソースドライバ14およびゲートドライバ12に供
給される。
【0895】この際問題となるのは、ゲートドライバ1
2の制御信号である。ゲートドライバ12には少なくと
も5V以上の振幅の制御信号を印加する必要がある。し
かし、コントロールIC101の電源電圧は2.5Vあ
るいは3.3Vであるため、コントロールIC101か
ら直接ゲートドライバ12に制御信号を印加することが
できない。
【0896】この課題に対して、本発明は高い電圧で駆
動される電源IC102からゲートドライバ12の制御
信号を印加する。電源IC102はゲートドライバ12
の動作電圧も発生させるので、当然ながらゲートドライ
バ12に最適な振幅の制御信号を発生させることができ
る。
【0897】図195ではゲートドライバ12の制御信
号をコントロールIC101で発生させ、ソースドライ
バ14で一旦レベルシフトを行った後、ゲートドライバ
12に印加している。ソースドライバ14の駆動電圧は
5〜8Vであるから、コントロールIC101から出力
された3.3V振幅の制御信号を、ゲートドライバ12
が受け取れる5V振幅に変換することができる。
【0898】図132、図196は本発明の表示モジュ
ール装置の説明図である。図196はソースドライバ1
4内に内蔵表示メモリ151を持たせた構成である。内
蔵表示メモリは8色表示(各色1ビット)、256色表
示(RGは3ビット、Bは2ビット)、4096色表示
(RGBは各4ビット)の容量を有する。この8色、2
56色または4096色表示で、かつ静止画の時は、ソ
ースドライバ14内に配置されたドライバコントローラ
はこの内蔵表示メモリ151の画像データを読み出すの
で、超低消費電力化を実現できる。もちろん、内蔵表示
メモリ151は26万色以上の多色の表示メモリであっ
てもよい。また、動画の時も内蔵表示メモリ151の画
像データを用いてもよい。
【0899】内蔵表示メモリ151の画像データは誤差
拡散処理あるいはディザ処理を行った後のデータをメモ
リしてもよい。誤差拡散処理、ディザ処理などを行うこ
とにより、26万色表示データを4096色などに変換
することができ、さらに内蔵表示メモリ151の容量を
小さくすることができる。誤差拡散処理などは誤差拡散
コントローラ141で行うことができる。また、ディザ
処理を行った後、さらに誤差拡散処理を行ってもよい。
以上の事項は、逆誤差拡散処理にも適用される。
【0900】なお、図196などにおいて、14をソー
スドライバと記載したが、単なるドライバだけでなく、
電源IC102、バッファ回路154(シフトレジスタ
などの回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コ
マンドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、内蔵
表示メモリ151からの入力を処理してソース信号線に
電圧あるいは電流を出力する様々な機能あるいは回路が
構成されたものである。これらの事項は、本発明の他の
実施例でも同様である。
【0901】なお、図196などで説明する構成は、図
12〜図16、図18、図20、図21などで説明する
3辺フリー構成あるいはその他の構成、駆動方法などに
も適用できることは言うまでもない。
【0902】図197はEL素子15を湿度から保護す
るための保護カバーを封止フタ41とした構成例であ
り、また、携帯電話などの保護カバーと兼用してもよ
い。保護カバーとは、表示パネルの前面を保護するため
に配置された透明板である。もしくは、反射型の液晶表
示パネルでは、フロントライトが保護カバーとなってい
る。そして、封止フタ41には円偏光板74が取り付け
られている。なお、円偏光板74は薄膜、または封止フ
タ41などに樹脂を塗布し、この樹脂を延伸することに
より形成してもよい。
【0903】そして、携帯電話などの筐体193にEL
素子のアレイ基板49が取り付けられている(EL表示
パネルが取り付けられている)。封止フタ41内にゲー
トドライバ12(あるいはソースドライバ14)が配置
されている。ゲートドライバ12(あるいはソースドラ
イバ14)も、封止フタ41で保護されている。以上の
ように形成(構成)することで、保護カバーを省略する
ことができ、表示パネルモジュールとしての全体の厚み
を薄くすることができる。
【0904】また、図2でも説明したように、有機EL
パネルはカソード電極(もしくはアノード電極)として
反射膜46を形成する必要がある。この電極はアルミな
どで形成する。そのため、反射率は85%以上と良好で
ある。
【0905】図198は、この反射膜46をミラーとし
て使用できるように構成した携帯電話である。通常の使
用状態では図199に図示するように使用する(もしく
は図200を参照のこと)。表示パネル2046をミラ
ーとして使用する際には、表示パネル2046を右また
は左の支点(図示せず)を中心としてひっくり返し、裏
面ミラー2045を使用する。
【0906】ただし、以上の実施例は、EL表示パネル
の裏面に形成された反射膜をミラーとして使用するもの
である。したがって、ミラーとして使用する対象は、携
帯電話に限定されるものではなく、テレビ、モニター、
PDAでもよい。また、表示パネルの裏面にミラーを形
成するものである。したがって、カソードに限定される
ものではなく、別途、表示パネルの裏面にミラーを形成
した構成でもよい。例えば、反射型の液晶表示パネルで
は、裏面を使用していないので、この裏面にアルミある
いは銀を蒸着し、ミラーを形成してもよい。この場合、
アルミあるいは銀が腐食することを防止するため、表面
にSiO2などの無機薄膜を形成することが好ましい。
また、UV樹脂などでも保護してもよい。
【0907】なお、図198において、2041は受信
した音声を聞こえるようにするスピーカーであり、20
44は、使用者の音声を入力するためのマイクである。
また、図44で説明したように、表示モード切り替えス
イッチ465を配置しておくことが好ましい。また、さ
らに、図43などで説明した画面の明るさを切り替える
機能を実現する切り替えスイッチを形成(配置)するこ
とが好ましい。
【0908】フレームレートはパネルモジュールの消費
電力と関係する。つまり、フレームレートを高くすれば
ほぼ比例して消費電力は増大する。携帯電話などは待ち
受け時間を長くするなどの観点から消費電力の低減を図
る必要がある。一方、表示色を多くする(階調数を多く
する)ためにはソースドライバ14などの駆動周波数を
高くしなければならない。しかし、消費電力の問題から
消費電力を増大させることは困難である。
【0909】一般的に、携帯電話などの情報表示装置で
は、表示色数よりも低消費電力化が優先される。表示色
数を増加させる回路の動作周波数が高くなる、あるいは
EL素子に印加する電圧(電流)波形の変化が多くなる
などの理由から、消費電力が増加する。したがって、あ
まり表示色数を多くすることはできない。この課題に対
して、本発明は画像データを誤差拡散処理あるいはディ
ザ処理を行って画像を表示する。
【0910】図199で説明した本発明の携帯電話では
図示していないが、筐体の裏側にCCDカメラを備えて
いる。CCDカメラで撮影した画像およびデータは即時
に表示パネルの表示画面21に表示できる。CCDカメ
ラの画像データは24ビット(1670万色)、18ビ
ット(26万色)、16ビット(6.5万色)、12ビ
ット(4096色)、8ビット(256色)をキー入力
で切り替えることができる。
【0911】表示データが12ビット以上の時は、誤差
拡散処理を行って表示する。つまり、CCDカメラから
の画像データが内蔵表示メモリ151の容量以上の時
は、誤差拡散処理などを実施し、表示色数を内蔵表示メ
モリ151の容量以下となるように画像処理を行う。
【0912】今、ソースドライバ14には4096色
(RGB各4ビット)で1画面の内蔵表示メモリ151
を具備しているとして説明する。モジュール外部から送
られてくる画像データが4096色の場合は、直接ソー
スドライバ14の内蔵表示メモリ151に格納され、こ
の内蔵表示メモリ151から画像データを読み出し、表
示画面21に画像を表示する。
【0913】画像データが26万色(G:6ビット、
R、B:各5ビットの計16ビット)の場合は、図13
2および図196に示すように、誤差拡散コントローラ
141の演算メモリ152に一旦格納され、かつ同時に
演算回路153で誤差拡散あるいはディザ処理が行われ
る。この誤差拡散処理などにより16ビットの画像デー
タは内蔵表示メモリ151のビット数である12ビット
に変換されてソースドライバ14に転送される。ソース
ドライバ14はRGB各4ビット(4096色)の画像
データを出力し、表示画面21に画像を表示する。
【0914】また、図132の構成などにおいて、垂直
同期信号VDを用いて(垂直同期信号VDで処理方法を
変化させて)、フィールドあるいはフレームごとに誤差
拡散処理あるいはディザ処理方法を変化させてもよい。
例えば、ディザ処理では、第1フレームでBayer型
を用い、次の第2フレームではハーフトーン型を用い
る。このように、フレームごとにディザ処理を変化さ
せ、切り替えるようにすることで、誤差拡散処理などに
伴うドットむらが目立ちにくくなるという効果が発揮さ
れる。
【0915】また、第1フレームと第2フレームで誤差
拡散処理などの処理係数を変化させてもよい。また、第
1フレームで誤差拡散処理をし、第2フレームでディザ
処理をし、さらに第3フレームで誤差拡散処理をするな
ど、様々な処理を組み合わせても良い。また、乱数発生
回路を具備し、乱数の値でフレームごとに処理を実施す
る処理方法を選択してもよい。
【0916】フレームレートなどの情報を伝送されるフ
ォーマットに記載するようにしておけば、この記載され
たデータをデコードあるいは検出することにより、自動
でフレームレートなどを変更できるようになる。伝送さ
れてくる画像が動画か静止画かを記載しておくこと、特
に動画の場合は、動画の1秒あたりのコマ数を記載して
おくことが好ましい。また、伝送パケットに携帯電話の
機種番号を記載しておくことが好ましい。なお、本明細
書では伝送パケットとして説明するがパケットである必
要はなく、送信あるいは発信するデータ中に図201な
どで説明する情報(表示色数、フレームレートなど)が
記載されたものであればいずれでもよい。
【0917】図202は本発明の携帯電話などに送られ
てくる伝送フォーマットである。伝送とは、受信するデ
ータと送信するデータの双方を含む。つまり、携帯電話
は受話器からの音声あるいは携帯電話に付属のCCDカ
メラで撮影した画像を他の携帯電話などに送信する場合
もあるからである。したがって、図201などで説明す
る伝送フォーマットなどに関連する事項は送信、受信の
双方に適用される。
【0918】本発明の携帯電話などにおいて、データは
デジタル化されてパケット形式で伝送される。図202
で記載しているように、フレームの中は、フラグ部
(F)、アドレス部(A)、コントロール部(C)、情
報部(I)、及びフレームチェックシーケンス(FC
S)からなる。コントロール部(C)のフォーマットは
図203のように情報転送(Iフレーム)、監視(Sフ
レーム)、及び非番号制(Uフレーム)の3つの形式を
とる。
【0919】まず、情報転送形式は、情報(データ)を
転送する時に使用するコントロールフィールドの形式
で、非番号性形式の一部を除けば、情報転送形式がデー
タフィールドを有する唯一の形式である。この形式によ
るフレームを情報フレーム(Iフレーム)という。
【0920】また、監視形式は、データリンクの監視制
御機能、すなわち情報フレームの受信確認、情報フレー
ムの再送要求などを行うために使用する形式である。こ
の形式によるフレームを、監視フレーム(Sフレーム)
という。
【0921】次に、非番号制形式は、その他のデータリ
ング制御機能を遂行するために使用するコントロールフ
ィールドの形式で、この形式によるフレームを非番号制
フレーム(Uフレーム)という。
【0922】端末及び網は送受信する情報フレームを送
信シーケンス番号N(S)と受信シーケンス番号N
(R)で管理する。N(S)、N(R)とも3ビットで
構成され、0〜7までの8個を循環番号として使い、7
の次は0となるモジュラス構成をとっている。したがっ
て、この場合のモジュラスは8であり、応答フレームを
受信せずに連続送信できるフレーム数は7である。
【0923】データ領域には色数データを示す8ビット
のデータとフレームレートを示す8ビットのデータが記
載される。これらの例を図201(a)、(b)に示
す。また、表示色の色数には静止画と動画の区別を記載
しておくことが好ましい。また、携帯電話の機種名、送
受信する画像データの内容(人物などの自然画、メニュ
ー画面)などを図202のパケットに記載しておくこと
が望ましい。データを受け取った機種はデータをデコー
ドし、それを自身(該当機種番号)のデータと認識した
とき、記載された内容によって、表示色、フレームレー
トなどを自動的に変更する。また、記載された内容を表
示装置の表示画面21に表示するように構成してもよ
い。ユーザーが表示画面21の記載内容(表示色、推奨
フレームレート)を見て、キーなどを操作し、最適な表
示状態にマニュアルで変更すればよい。
【0924】なお、一例として、図201(b)では数
値の3はフレームレート80Hzと一例をあげて記載し
ているがこれに限定されるものではなく、40〜60H
zなどの一定範囲を示すものであってもよい。また、デ
ータ領域に携帯電話の機種などを記載しておいてもよ
い。機種により性能などが異なり、フレームレートを変
化させる必要も発生するからである。また、画像が漫画
であるとか、宣伝(CM)であるとかの情報を記載して
おくことも好ましい。また、パケットに視聴料金や、パ
ケット長などの情報を記載しておいてもよい。ユーザー
が視聴料金の確認をして情報を受信するか否かを判断で
きるからである。また、画像データが誤差拡散処理をさ
れているか否かのデータも記載しておくことが好まし
い。
【0925】また、画像処理方法(誤差拡散処理、ディ
ザ処理などの種別、重み付け関数の種類とそのデータ、
ガンマの係数など)、機種番号などの情報を伝送される
フォーマットに記載しておけばよい。また、画像データ
がCCDで撮影されたデータか、JPEGデータか、ま
た、その解像度、MPEGデータか、BITMAPデー
タかなどの情報を記載しておくと、これを基にデータを
デコードあるいは検出し、自動受信した携帯電話などを
最適な状態に変更できるようになる。
【0926】もちろん、伝送されてくる画像が動画か静
止画かを記載しておくこと、特に動画の場合は、動画の
1秒あたりのコマ数を記載しておくことが好ましい。ま
た、受信端末で推奨する再生コマ数/秒などの情報も記
載しておくことが好ましい。
【0927】以上の事項は、伝送パケットが送信の場合
でも同様である。また、本明細書では伝送パケットとし
て説明しているがパケットである必要はない。つまり、
送信あるいは発信するデータ中に図201などで説明す
る情報が記載されたものであればいずれでもよい。
【0928】誤差拡散処理コントローラ141には、誤
差処理されて送られてきたデータに対して逆誤差拡散処
理を行い、元データに戻してから再度、誤差拡散処理を
行う機能を付加することが好ましい。誤差拡散処理の有
無は図202のパケットデータに載せておく。また、誤
差拡散(ディザなどの方式も含む)の処理方法、形式な
ど逆誤差拡散処理に必要なデータも載せておく。
【0929】逆誤差拡散処理を実施するのは、誤差拡散
処理の過程において、ガンマカーブの補正も実現できる
からである。データを受けたEL表示装置などのガンマ
カーブと、送られてきたガンマカーブとが適応しない場
合や、送信されてきたデータが誤差拡散などの処理をす
でに実施された画像データである場合がある。この事態
に対応するために、逆誤差拡散処理を実施し、元データ
に変換してガンマカーブ補正の影響が出ないようにす
る。その後、受信したEL表示装置などで誤差拡散処理
を行い、受信表示パネルに最適なガンマカーブにし、か
つ最適な誤差拡散処理となるように誤差拡散処理などを
実施する。
【0930】また、表示色によりフレームレートを切り
替えたい場合は、携帯電話などの装置にユーザボタンを
配置し、ボタンなどを用いて表示色などを切り替えられ
るようにすればよい。
【0931】図199は情報端末装置の一例としての携
帯電話の平面図である。筐体193にアンテナ191、
テンキー192などが取り付けられている。194は表
示色切り替えキーあるいは電源オンオフ、フレームレー
ト切り替えキーである。
【0932】携帯電話などの内部回路ブロックを図20
4に示す。回路は主としてアップコンバータ205とダ
ウンコンバータ204のブロック、デェプレクサ201
のブロック、LOバッファ203などのブロックから構
成される。
【0933】キー194を1度押さえると表示色は8色
モードに、続いて同一キー194を押さえると表示色は
256色モード、さらに同一キー194を押さえると表
示色は4096色モードとなるようにシーケンスを組ん
でもよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化す
るトグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変
更キーを設けてもよい。この場合、キー194は3つ
(以上)となる。
【0934】キー194はプッシュスイッチの他、スラ
イドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよ
く、また、音声認識などにより切り替わるものでもよ
い。例えば、4096色を受話器に音声入力すること、
例えば、「高品位表示」、「256色モード」あるいは
「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより
表示パネルの表示画面21に表示される色が変化するよ
うに構成する。これは現行の音声認識技術を採用するこ
とにより容易に実現することができる。
【0935】また、表示色の切り替えは電気的に切り替
わるスイッチでもよく、表示パネルの表示画面21に表
示させたメニューを触れることにより選択するタッチパ
ネルでも良い。また、スイッチを押さえる回数で切り替
える、あるいはクリックボールのように回転あるいは方
向により切り替えるように構成してもよい。
【0936】194は表示色切り替えキーとしたが、フ
レームレートを切り替えるキーなどとしてもよい。ま
た、動画と静止画とを切り替えるキーなどとしてもよ
い。また、動画と静止画とフレームレートなどの複数の
要件を同時に切り替えてもよい。また、押さえ続けると
徐々に(連続的に)フレームレートが変化するように構
成してもよい。この場合は発振器を構成するコンデンサ
C、抵抗Rのうち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボ
リウムにしたりすることにより実現できる。また、コン
デンサはトリマコンデンサとすることにより実現でき
る。また、半導体チップに複数のコンデンサを形成して
おき、1つ以上のコンデンサを選択し、これらを回路的
に並列に接続することにより実現してもよい。
【0937】なお、表示色などによりフレームレートを
切り替えるという技術的思想は携帯電話に限定されるも
のではなく、パームトップコンピュータや、ノートパソ
コン、デスクトップパソコン、携帯時計など表示画面を
有する機器に広く適用することができる。また、液晶表
示装置に限定されるものではなく、液晶表示パネル、有
機EL表示パネルや、TFTパネル、PLZTパネル
や、CRTにも適用することができる。
【0938】図198において、2043はファンクシ
ョンスイッチ(FSW)である。FSW2043は、小
指、薬指で押さえられる位置に配置されている。また、
FSW2043a、2043bは左右に配置されてい
る。これは、右手の小指、薬指で押さえられること、左
手の小指、薬指で押さえられることを実現できるように
構成したためである。なお、FSWは筐体193の裏面
に配置してもよい。
【0939】右手用のFSW2043を有効にするか、
左手のFSW2043を有効にするかは、コマンド設定
でユーザーが切り替えられるようにしている。つまり、
ユーザーがメニュー画面で右側用を有効にする設定をす
ると、右手用のFSW2043が有効になり、左手のF
SW2043は無効になる。逆に、ユーザーがメニュー
画面で左側用を有効にする設定をすると、左手用のFS
W2043が有効になり、右手のFSW2043は無効
になる。
【0940】図205(a)に図示するように、FSW
2043が押されてない時は、テンキー192は数字入
力キーとなる。図205(b)のように、FSW204
3aが押されると、ひらがな入力モードとなる。この時
は、「あ、か、さ、た、な…・」の一番上の文字が指定
される。この状態でまず、「あ」を選択する。次に、F
SW2043bも押さえると、先に押さえられた文字列
を含む5つの文字の入力状態となる。この状態で特定の
キーを押さえると文字が入力される。したがって、FS
W2043とテンキー192とを組み合わせることによ
り、容易に日本語入力を実現できる。また、図205
(d)に図示するように、FSW2043bのみを押さ
えると、英文字入力モードとなる。
【0941】以上のように、テンキー192の他に、F
SW2043を配置することにより、容易に多種多様な
文字入力が可能になる。
【0942】(実施の形態11)さらに、本発明のEL
表示パネルあるいはEL表示装置もしくは駆動方法を採
用した実施の形態について、図面を参照しながら説明す
る。
【0943】図206は本発明の実施の形態におけるビ
ューファインダの断面図である。但し、説明を容易にす
るため模式的に描いている。また、一部拡大あるいは縮
小した箇所や省略した箇所もある。例えば、図206に
おいては接眼カバーを省略している。以上のことは他の
図面においても該当する。
【0944】ボディー451の裏面は暗色あるいは黒色
にされている。これは、表示パネル82から出射した迷
光がボディー451の内面で乱反射し、表示コントラス
トの低下を防止するためである。また、表示パネルの光
出射側にはλ/4板50(位相板など)、偏光板54な
どが配置されている。このことは図2でも説明してい
る。
【0945】接眼リング452には拡大レンズ453が
取り付けられている。観察者は接眼リング452をボデ
ィー451内での挿入位置を可変して、表示パネルの表
示画像にピントが合うように調整する。また、必要に応
じて表示パネルの光出射側に正レンズ454を配置すれ
ば、拡大レンズ453に入射する主光線を収束させるこ
とができる。そのため、拡大レンズ453のレンズ径を
小さくすることができ、ビューファインダを小型化する
ことができる。
【0946】図207はビデオカメラの斜視図である。
ビデオカメラは撮影レンズ461とビデオカメラ本体4
62とを具備し、撮影レンズ461とビューファインダ
466とは背中合わせとなっている。また、ビューファ
インダ466には接眼カバー464が取り付けられてい
る(図206も参照)。観察者(ユーザー)はこの接眼
カバー464部から表示パネルの画像を観察する。
【0947】一方、本発明のEL表示パネルは表示画面
21としても使用されている。表示画面21は支点46
8で角度を自由に調整できる。表示画面21を使用しな
い時は、格納部463に格納される。
【0948】図207において、465は表示モード切
り替えスイッチである。表示モード切り替えスイッチ4
65を押さえると図44の回路が動作し、図44で説明
した事項が実施される。
【0949】本実施の形態のEL表示装置はビデオカメ
ラだけでなく、図208に示すような電子カメラにも適
用することができる。表示パネル82はデジタルカメラ
本体472に付属されたモニターとして用いる。デジタ
ルカメラ本体472にはシャッタ471の他、表示モー
ド切り替えスイッチ465が取り付けられている。
【0950】この表示モード切り替えスイッチ465
は、携帯電話などにも取り付けることが好ましい。ま
た、携帯電話などにも、先に説明した表示モード切り替
えスイッチの表示輝度を切り替える機能をも付加するこ
とが好ましい。以下、この表示輝度をデジタル的に変化
させる方法について説明する。
【0951】図80などで説明したが、本発明の駆動方
法の1つにN倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1
/Mの期間だけ点灯させる方法がある。この点灯させる
1/MのMの値だけを切り替えることにより、明るさを
デジタル的に変更することができる。例えば、N=4と
して、EL素子15に4倍の電流を流す。点灯期間を1
/Mとし、M=1、2、3、4と切り替えれば、1倍か
ら4倍までの明るさ切り替えが可能となる。なお、M=
1、1.5、2、3、4、5、6などと変更できるよう
に構成してもよい。
【0952】以上の切り替え動作は、携帯電話の電源を
オンしたときに、表示画面21を非常に明るく表示し、
一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表
示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希
望する明るさに設定する機能としても用いることができ
る。例えば、屋外などでは、周辺が明るく、画面が全く
見えなくなるので、画面を非常に明るくする。しかし、
高い輝度で表示し続けるとEL素子15は急激に劣化す
る。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常
の輝度に復帰させるように構成しておく。さらに、高輝
度で表示させる場合は、ユーザーがボタンを押すことに
より表示輝度を高くできるように構成しておく。
【0953】したがって、ユーザーがボタンで切り替え
られるとか、設定モードで自動的に変更できるとか、外
光の明るさを検出して自動的に切り替えられるとかのよ
うな構成にしておくことが好ましい。また、表示輝度を
50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるよ
うに構成しておくことが好ましい。
【0954】また、表示画面はガウス分布表示にするこ
とが好ましい。ガウス分布表示とは、中央部の輝度が明
るく、周辺部を比較的暗くする方式である。視覚的に
は、中央部が明るければ周辺部が暗くとも明るいと感じ
られる。主観評価によれば、周辺部が中央部に比較して
70%の輝度を保っておれば、視覚的に遜色ない。さら
に低減させて、50%輝度としてもほぼ問題がない。本
発明の自己発光型表示パネルでは、先に説明したN倍パ
ルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1
/Mの期間だけ点灯させる方法)を用いて画面の上から
下方向に、ガウス分布を発生させている。
【0955】具体的には、画面の上部と下部ではMの値
を大きくし、中央部でMの値を小さくする。これは、ゲ
ートドライバ12のシフトレジスタの動作速度を変調す
ることなどにより実現できる。画面の左右の明るさ変調
は、テーブルのデータと映像データとを乗算することに
より発生させている。以上の動作により、周辺輝度(画
角0.9)を50%にした時、100%輝度の場合に比
較して約20%の低消費電力化が可能である。また、周
辺輝度(画角0.9)を70%にした時、100%輝度
の場合に比較して約15%の低消費電力化が可能であ
る。
【0956】なお、ガウス分布表示はオンオフできるよ
うに切り替えスイッチなどを設けることが好ましい。例
えば、屋外などで、ガウス表示させると画面周辺部が全
く見えなくなるからである。したがって、ユーザーがボ
タンで切り替えられるとか、設定モードで自動的に変更
できるとか、外光の明るさを検出して自動的に切り替え
られるとかのような構成にしておくことが好ましい。ま
た、周辺輝度を50%、60%、80%とユーザーなど
が設定できるように構成しておくことが好ましい。
【0957】なお、液晶表示パネルではバックライトで
固定のガウス分布を発生させているので、ガウス分布の
オンオフを行うことはできない。ガウス分布をオンオフ
できるのは自己発光型の表示デバイス特有の効果であ
る。
【0958】また、フレームレートが所定の時、室内の
蛍光灯などの点灯状態と干渉してフリッカが発生する場
合がある。つまり、蛍光灯が60Hzの交流で点灯して
いるとき、EL素子15がフレームレート60Hzで動
作していると、微妙な干渉が発生し、画面がゆっくりと
点滅しているように感じられる場合がある。これをさけ
るにはフレームレートを変更すればよい。本発明はフレ
ームレートの変更機能を付加している。また、N倍パル
ス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/
Mの期間だけ点灯させる方法)において、NまたはMの
値を変更できるように構成している。
【0959】以上の事項は、携帯電話だけに限定される
ものではなく、テレビ、モニターなどにも用いることが
できる。また、どのような表示状態にあるかをユーザー
がすぐに認識できるように、表示画面にアイコン表示を
しておくことが好ましい。以上の事項は以下の事項に対
しても同様である。
【0960】また、クロック・フェーズと画面位置(水
平・垂直)を自動調整する「画面自動調整」機能や、ブ
ラック・レベル・コントラストを自動調整する「オート
ゲインコントロール機能」を搭載することが好ましい。
ブラック・レベル・コントラストを適正な値に調整すれ
ば、RGB各色に対して最適な階調表示を実現できる。
さらに、VGAモードなどを縮小あるいは拡大表示した
際に発生するにじみなどを抑える機能を搭載することが
好ましい。また、一定時間使用しない際には、自動的に
バックライトが消える「パワーセーブモード」を搭載す
ることが好ましい。
【0961】また、N倍パルス駆動(N倍の電流をEL
素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方
法)を用い、Mの値をかなり大きくし、うっすらと画像
が認識できる程度に表示輝度を低下させてもよい。以上
の事項は他の本発明でも同様である。
【0962】以上は表示パネル82の表示領域が比較的
小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表
示画面21がたわみやすい。その対策のため、本発明で
は図209に示すように、表示パネル82に外枠481
をつけ、外枠481をつりさげられるように固定部材4
82を取り付けている。この固定部材482を用いて図
210に示すように、ネジ等の固定部材482を用いて
壁491などに取り付ける。
【0963】しかし、表示パネル82の画面サイズが大
きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネル8
2の下側に脚取り付け部484を配置し、複数の脚48
3で表示パネル82の重量を保持できるようにしてい
る。
【0964】図209のように、脚483はAに示すよ
うに左右に移動でき、また、脚483はBに示すように
収縮できるように構成されている。そのため、狭い場所
であっても表示装置を容易に設置することができる。
【0965】なお、脚483あるいは筐体(他の本発明
においても)にはプラスチックフィルム−金属板複合材
(以後、複合材と呼ぶ)を使用する。複合材は、金属と
プラスチックフィルムを特殊表面処理層(接着層)を介
して強力に接着したものである。金属板は0.2mm以
上0.8mm以下が好ましく、金属板に特殊表面処理層
を介して貼り合わされるプラスチックフィルムは15μ
m以上100μm以下にすることが好ましい。特殊接着
法によりプラスチックと金属板間に強固な密着力を有す
るようになる。この複合材を使用することにより、プラ
スチック層への着色、染色、印刷が可能となり、また、
プレス部品での二次加工工程(フィルムの手貼り、メッ
キ塗装)の削除が可能となる。また、従来では不可能で
あった深絞り成形やDI成形に適する。
【0966】図209のテレビにおいて、画面の表面を
保護フィルム(保護板でもよい)493で被覆してい
る。これは、表示パネル82の表示画面21に物体があ
たって破損することを防止することが1つの目的であ
る。保護フィルム493の表面にはAIRコートが形成
されており、また、表面をエンボス加工することにより
液晶表示画面21に外の状況(外光)が写り込むことを
抑制している。
【0967】保護フィルム493と表示パネル82間に
ビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置さ
れるように構成する。また、保護フィルム493の裏面
に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネル82と保
護フィルム493間に空間を保持させる。このように、
空間を保持することにより保護フィルム493からの衝
撃が表示パネル82に伝達することを抑制する。
【0968】また、保護フィルム493と表示パネル8
2間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるい
はゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹
脂などの光結合剤を配置または注入することも効果があ
る。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩
衝材として機能するからである。
【0969】保護フィルム493としては、ポリカーボ
ネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム
(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィル
ム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。そ
の他、エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を
用いることもできる。また、強化ガラスなど無機材料か
らなるものでもよい。保護フィルム493を配置するか
わりに、表示パネル82の表面をエポキシ樹脂、フェー
ノル樹脂、アクリル樹脂で0.5mm以上2.0mm以
下の厚みでコーティングすることも同様の効果がある。
また、これらの樹脂表面にエンボス加工などをすること
も有効である。
【0970】また、保護フィルム493あるいはコーテ
ィング材料の表面をフッ素コートすることにも効果があ
る。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすこ
とができるからである。また、保護フィルムを厚く形成
し、フロントライトと兼用してもよい。
【0971】画面は4:3に限定されるものではなく、
ワイド表示ディスプレイでもよい。解像度は1280×
768ドット以上にすることが好ましい。ワイド型とす
ることにより、DVD映画やテレビ放送など、横長表示
のタイトルや番組をフルスクリーンで楽しむことができ
る。表示パネル82の明るさは300cd/m2(カン
デラ/平方メートル)、さらには500cd/m2(カ
ンデラ/平方メートル)にすることが好ましい。また、
インターネットや通常のパソコン作業に適した明るさ
(200cd/m2)で表示できるように切り替えスイ
ッチを設置している。
【0972】このように、使用者は表示内容あるいは使
用方法により、最適な画面の明るさにすることができ
る。さらに動画を表示しているウインドウだけを500
cd/m2にして、その他の部分は200cd/m2にす
る設定も可能である。テレビ番組をディスプレイの隅に
表示しておいて、メールをチェックするといった使い方
にも柔軟に対応できる。スピーカーはタワー型の形状に
なり、前方向だけではなく、空間全体に音が広がるよう
に設計されている。
【0973】テレビ番組の再生、録画機能も使い勝手が
向上している。例えば、iモードからの録画予約が簡単
にできる。従来は新聞などのテレビ番組表で時間、チャ
ンネルを確認してから予約する必要があったが、電子番
組表をiモードで確認して予約できる。これなら、放送
時間が分からなくて困ることもない。また、録画番組の
短縮再生もできる。ニュース番組などのテロップや音声
の有無で重要性を判断しながら、不必要と判断した部分
を飛ばして、番組の概要を短時間で見ることができる
(30分番組で1〜10分程度)。
【0974】また、テレビ録画ができるようにディスク
容量が40GB以上のハードディスクを積載している。
これは本体の他に、電源と映像用入出力端子をまとめた
拡張ボックスで構成されている。ビデオなどのAV機器
の接続に使う拡張ボックスには、パソコンとテレビの他
に2系統の映像機器を接続できる。映像入力はBSデジ
タルチューナー用のD1端子の他にS端子入力も備え、
接続する機器に合わせて選択できる。また、ゲーム機な
どの接続に便利なようにAV用の端子は前面に配置され
ている。
【0975】また、表示画面を前屈30度以上、後屈1
20度以上とし、90度/180度/270度に回転で
きるように構成することにより、操作環境にあわせた自
在な設置が可能となる。例えば、90度回転させてブラ
ウザー画面を縦長に表示することができる。また、14
5度後屈させることによって対面に座った人へ向かって
画面を表示できる。
【0976】以上の保護フィルム493、筐体、構成、
特性、機能などに関する事項は本発明の他の表示装置あ
るいは情報表示装置などにも適用されることは言うまで
もない。
【0977】なお、図61などでコンデンサ19の一方
の端子はVdd電源と接続するとしたがこれに限定され
るものではない。例えば、図133に図示するように、
前段(1つ前の画素行)のゲート信号線17aに一方の
端子を接続してもよい。前段のゲート信号線17aは1
H前に選択され、電位変動が発生するが、その後は、次
の1Fで選択されるまで(次回選択されるまで)、電位
は固定される。つまり、前段のゲート信号線17a1は
オフ電位Vghに固定されているので、コンデンサ19
の一方の電極として使用することができる。このよう
に、前段のゲート信号線をコンデンサの電極として使用
する構成を前段構成と呼ぶ。
【0978】なお、図133ではゲート信号線17aを
電極として使用するとしたがこれに限定されるものでは
なく、他のゲート信号線でもよい。また、前段構成の技
術的思想は、選択されていない画素の固定電位を使用す
る方式である。したがって、場合によっては、後段のゲ
ート電位を使用することもできる(例えば、ゲート信号
線17b、逆バイアス電圧Vmなど)。以上の事項は他
の画素構成にも適用できることは言うまでもない。
【0979】同様の事項は図74の電圧プログラムの画
素構成にも適用することができる。前段構成としては、
図123の構成が例示され、コンデンサ19の一方の電
位がゲート信号線17a1の電位とされている。また、
図76の前段構成は図124となる。以上のように、前
段構成を採用することにより、画素内に形成する電源配
線数を減少させることができ、高開口率化も実現でき
る。
【0980】すでに説明したが、図61のTFT11
d、図62のTFT11e、図63のTFT11d、図
64のTFT11b、図65のTFT11d、図66の
TFT11d、図67のTFT11e、図68のTFT
11e、図69のTFT11d、図71のTFT11
d、図72のTFT11d、図74のTFT11e、図
75のTFT11eなどのオンオフ状態を制御すること
により、図38、図42、図48、図50、図52〜図
54、図57、図59、図60、図191などで説明し
た駆動方法あるいは表示方法もしくは装置を実施できる
ことは言うまでもない。
【0981】また、図6などの駆動用TFT11b、取
込用TFT11cなどはNチャンネルで形成されること
が好ましい。コンデンサ19への突き抜け電圧が低減す
るからである。また、コンデンサ19のオフリークも減
少するから、10Hz以下の低いフレームレートにも適
用できるようになる。
【0982】逆に、図6の駆動用TFT11b、取込用
TFT11cをPチャンネルにすることにより突き抜け
を発生させて、より黒表示を良好にする方法も有効であ
る。Pチャンネルにおいて駆動用TFT11bがオフす
るときはオフ電圧Vghとなる。そのため、コンデンサ
19の端子電圧がVdd側に少しシフトし、変換用TF
T11aのゲート端子電圧が上昇し、より黒表示とな
る。また、第1階調表示とする電流値を大きくすること
ができるから(階調1までに一定のベース電流を流すこ
とができる)、電流プログラム方式により書き込み電流
不足を軽減できる。
【0983】その他、ゲート信号線17aと変換用TF
T11aのゲート端子間に積極的にコンデンサを形成
し、突き抜け電圧を増加させる構成も有効である(図2
11を参照)。このコンデンサの容量はコンデンサ19
の容量の1/50以上1/10以下、さらには1/40
以上1/15以下とすることが好ましい。もしくは駆動
用TFT11bのソース−ゲート(SG)もしくはゲー
ト−ドレイン(GD)容量の1倍以上10倍以下、さら
にはSG(もしくはGD)容量の2倍以上6倍以下にす
ることが好ましい。なお、コンデンサの形成位置は、コ
ンデンサ19の一方の端子(変換用TFT11aのゲー
ト端子)とスイッチング用TFT11dのソース端子間
に形成または配置してもよい(図212を参照)。この
場合も容量などは先に説明した値と同様である。
【0984】したがって、駆動用TFT11bはPチャ
ンネルにし、このPチャンネルは少なくともダブルゲー
ト以上、好ましくはトリプルゲート以上にする。さらに
好ましくは、4ゲート以上にする。そして、駆動用TF
T11bのソース−ゲート(SG)もしくはゲート−ド
レイン(GD)容量(TFTがオンしているときの容
量)の1倍以上10倍以下のコンデンサを並列に形成ま
たは配置することが好ましい。
【0985】なお、以上の事項は、図6の画素構成だけ
でなく、他の画素構成でも有効である。例えば、図8、
図9のカレントミラーの画素構成において、突き抜けを
発生させるコンデンサをゲート信号線17aまたは17
bと変換用TFT11aのゲート端子間に配置または形
成する(図213、図214を参照)。取込用TFT1
1cのNチャンネルはダブルゲート以上とする。もしく
は取込用TFT11c、スイッチング用TFT11dを
Pチャンネルとし、トリプルゲート以上とする。図75
の電圧プログラムの構成にあっては、ゲート信号線17
cと駆動用TFT11aのゲート端子間にコンデンサを
形成または配置する。また、取込用TFT11cはトリ
プルゲート以上とする。以上の事項は図110、図76
などの画素構成にも有効である。
【0986】なお、突き抜け電圧を発生させるコンデン
サ19bは、TFTのソース配線とゲート配線で形成す
る。ただし、これはTFT11のソース幅を広げて、ゲ
ート信号線17と重ねて形成する構成であるから、実用
上は明確にTFTと分離できない構成の場合がある。ま
た、駆動用TFT11b、取込用TFT11c(図6の
構成の場合)を必要以上に大きく形成することで、見か
け上、突き抜け電圧用のコンデンサ19bを構成する方
法も本発明の範疇である。駆動用TFT11b、取込用
TFT11cはチャンネル幅W/チャンネル長L=6/
6μmで形成されることが多い。これらのチャンネル幅
Wを大きくすることでも突き抜け電圧用のコンデンサ1
9bを構成することができる。例えば、W:Lの比を
2:1以上20:1以下、好ましくは、W:Lの比を
3:1以上10:1以下にする構成が例示される。
【0987】また、突き抜け電圧用のコンデンサ19b
は、画素が変調するR、G、Bで大きさ(容量)を変化
させることが好ましい。R、G、Bの各EL素子15の
駆動電流が異なり、EL素子15の変換用TFT11a
のゲート端子にプログラムする電圧(電流)が異なるか
らである。例えば、R画素のコンデンサ19bを0.0
2pFとした場合、他の色(G、Bの画素)のコンデン
サ19bを0.025pFとする。また、R画素のコン
デンサ19bを0.02pFとした場合、G画素のコン
デンサ19bを0.03pFとし、B画素のコンデンサ
19bを0.025pFとするなどである。このよう
に、R、G、Bの画素ごとにコンデンサ19bの容量を
変化させることによりオフセットの駆動電流をRGBご
とに調整することができる。したがって、各RGBの黒
表示レベルを最適値にすることができる。
【0988】また、表示画面21の左右で突き抜け電圧
用のコンデンサ19bの容量を変化させてもよい。これ
は、ゲートドライバ12が信号供給側にあるので、ゲー
ト信号の立ち上がりが速い(スルーレートが高い)時、
突き抜け電圧が大きくなり、また、ゲート信号線17端
は、信号波形が鈍っているため、ゲート信号の立ち上が
りが遅い(スルーレートが遅い)時、突き抜け電圧が小
さくなるためである。したがって、ゲートドライバ12
との接続側のコンデンサ19bを小さくし、ゲート信号
線17端側のコンデンサ19bを大きくする。例えば、
画面の左右でコンデンサの容量を10%程度変化させ
る。
【0989】図211、図212のように、本発明のコ
ンデンサ19bを形成(配置)する構成は以下の通りで
ある。つまり、スイッチング用TFTがオンし、その
後、オフする。この時、コンデンサ19aなどに作用
し、EL素子15の変換用TFT11(図6ではTFT
11a)のゲート端子を変化させることにより、TFT
11の電流が流れないようにする方向に機能する構成で
ある。図211、図212などではPチャンネルの場合
であったが、図215に図示するようにNチャンネルの
場合でも適用することができる。Nチャンネルの場合
は、Vgh電圧でTFTがオンし、Vgl電圧でTFT
がオフする。したがって、Nチャンネルの場合はTFT
11b(11c)がオン(画素行が選択されている)か
らオフ(次の画素行が選択される)する際に、変換用T
FT11aが電流を流さない方向に作用するように構成
すればよい。したがって、本発明は、選択するTFTが
オフになる際に、EL素子15に電流を流さない方向に
動作させるように構成したものである。
【0990】なお、図215は図6のTFTのPチャン
ネルとNチャンネルに変更したものであるので、動作は
図6、図211などと同様であるので説明を省略する。
また、PチャンネルとNチャンネルとの変更は図8など
でも同様であるので、本発明の突き抜け電圧用のコンデ
ンサ19bの概念をそのまま他の画素構成にも適用する
ことができる。
【0991】なお、以上の事項は、図75、図76など
の電圧プログラムの画素構成に対しても適用させること
ができる。つまり、一定以上のプログラム電圧以上にな
らないとEL素子15に電流を流さないようにすること
ができるからである。したがって、黒表示などにおい
て、ノイズで信号が揺れている際は、ノイズレベルを除
去(突き抜け電圧の効果により、一定のレベルまではE
L素子15は点灯しない)できるようになる。
【0992】また、以上の実施例ではコンデンサ19b
の容量で、突き抜け電圧を設定(所望値にする)すると
したが、突き抜け電圧の値は、ゲート信号線17の振幅
値でも変化する。したがって、ゲート信号線17a(図
6の場合)の振幅値を調整することにより、突き抜け電
圧を調整することができる。例えば、ゲート信号線のV
gh電圧=10V、Vgl電圧=0Vであれば、振幅値
は10Vである。この状態で突き抜け電圧が0.1Vで
あるとし、Vgh電圧を12Vとすると、振幅値は12
Vとなる。したがって、理想的には突き抜け電圧は0.
12Vとなる。つまり、ゲート信号線17の振幅により
自由に突き抜け電圧を変更でき、ベース電流を調整でき
るようになるのである。
【0993】ゲート電圧を発生する電源回路をコマンド
により、Vgh電圧またはVgl電圧の値を設定できる
ようにしておけばよいので、この制御は容易である。こ
の電圧を調整することにより、突き抜け電圧の微妙な調
整が可能になる。
【0994】ゲート信号線17aに印加する信号(TF
T11のオンオフ信号)のスルーレート(立ち上がりお
よび立ち下がり時間に対する電圧の変化)が高いと突き
抜け電圧は増加する傾向にある。逆に、スルーレートが
低いと突き抜け電圧は低下する。つまり、スルーレート
が40V/μsecの方が、20V/μsecよりも突
き抜け電圧は大きくなる。このゲート信号のスルーレー
トはゲートドライバ12の出力バッファ(インバータ回
路、オペアンプなど)の駆動能力で変化する。出力バッ
ファの出力電流を制御することにより、スルーレートを
調整でき、突き抜け電圧をも調整できる。出力バッファ
の出力電流を制御することは、出力バッファの供給電圧
を調整すること、ゲート端子への印加波形を鈍らすこと
などにより実現できる。また、供給電圧を調整すること
は回路構成上、容易である。ゲート端子への印加波形を
鈍らすことは前段のバッファのサイズを小さくすること
(能力を低下させる)により、実現できる。また、ゲー
ト信号線17aに印加するオンオフ信号をサインカーブ
や鋸歯状の信号としても突き抜け電圧を変化できる。以
上の事項は、以下に説明する電圧制御信号線、共通信号
線の制御においても適用される。
【0995】なお、図211などにおいて、突き抜け電
圧発生用のコンデンサ19bは、一方の電極をゲート信
号線17にするとしたが(ゲート信号線17に接続する
としたが)、これに限定されるものではない。例えば、
突き抜け電圧発生用にコンデンサ19bの制御用の電圧
制御信号線を別途形成する。コンデンサ19bの2つの
電極のうち、一方を変換用TFT11aのゲート端子に
接続し、他方を別途形成した前記電圧制御信号線に接続
する構成でもよい。この構成では、ゲート信号線17a
の選択状態に同期して、電圧制御信号線にパルス信号
(矩形波に限定されるものではない。サインカーブや鋸
歯状の信号でもよい)を印加すればよい。また、このパ
ルス振幅値を調整することにより、突き抜け電圧を容易
に調整できる。
【0996】また、コンデンサ19aの電極の下層に、
前記電極と絶縁された信号線を形成してもよい。仮に、
この信号線を共通信号線と呼ぶ。このような構成を実現
すれば、共通信号線と前記絶縁膜とコンデンサの電極と
で第2のコンデンサを形成することができる。このコン
デンサは、図211のコンデンサ19bと見なせる。し
たがって、共通信号線に先と同様にパスル信号を印加す
ることにより、先と同様の作用および効果を発揮でき
る。
【0997】なお、共通信号線、電圧制御信号線は画素
行と平行に形成する。つまり、画素行ごとに前記信号線
を形成(配置)する。しかし、必ずしも画素行ごとに形
成することに限定されるものではない。例えば、2画素
行以上ずつ画素を選択する場合は、複数画素行ごとに前
記信号線を形成(または配置)すればよい。
【0998】また、図211などにおいて、19bは2
端子のコンデンサとしたがこれに限定されるものではな
い。例えば、TFTを用いて、TFTのソース−ゲート
間容量を用いてコンデンサとしてもよい。つまり、突き
抜け電圧を発生させる素子はコンデンサに限定されるも
のではなく、EL素子15の変換用TFT11aのゲー
ト端子に絶縁状態で、この端子の電位を変更できるもの
であればいずれでもよい。もちろん、ダイオードの接合
容量でもコンデンサを構成できることは言うまでもな
い。
【0999】また、コンデンサ19bは各画素に形成す
るとしたが必ずしもこれに限定されるものではない。例
えば、隣接した画素で1つのコンデンサ19bを形成し
てもよい。
【1000】また、コンデンサ19bの一端にTFTな
どのスイッチング素子を配置(形成)し、このスイッチ
ング素子をオンオフ制御することにより、コンデンサ1
9bを画素16から切り離せるように構成してもよい。
つまり、画素16からコンデンサ19bを切り離すこと
により、ベース電流を変更(あり、なし)することがで
きるようになる。また、スイッチング素子でコンデンサ
19bを切り離すとしたが、コンデンサ19bの電極間
をショートするTFT(スイッチング素子)などを形成
(配置)し、このスイッチング素子をオンさせることに
より、コンデンサ19bの容量を0とする制御を行って
もよい。
【1001】電位の変更の対象は変換用TFT11aに
限定されるものではない。EL素子15の電流量を設定
する素子であればいずれでもよい。つまり、変換用TF
T11aはMIM、TFD(薄膜ダイオード)などでも
構成できるからである。これらを制御することによりE
L素子15に流れる(あるいは流す)電流を制御できる
ように構成すればよい。この構成では、必要に応じてカ
ソード電極を横ストライプ状に加工(形成)する。
【1002】また、EL素子15に流す電流を制御する
というのが本発明の技術的思想である。したがって、突
き抜け電圧の発生タイミングはゲート信号線17aの走
査タイミングと必ずしも同期がとれていることが必須の
条件ではない。非同期制御も可能であろう。突き抜け電
圧は複数回に分散して印加してもよい。
【1003】図111〜図114に図示したように、D
A回路1226を含む電流出力回路1222でソース信
号線18に電流を出力するとしたが、図211、図21
2、図215などのように、突き抜け電圧を発生させて
駆動する方法の場合は、一定のベース電流を加えて出力
する必要がある。例えば、ある階調で30nAの電流を
画素16に電流プログラムする場合、突き抜け電圧によ
るベース電流を加えた電流をソース信号線18に印加す
る。ベース電流が40nAであれば、30nA+40n
Aの電流をソース信号線18に印加する(ソース信号線
18から電流出力回路1222に向かって吸収する)。
したがって、ベース電流を加えて流すように回路構成を
する必要がある。例えば、ベース電流用のカレントミラ
ー回路を付加したりする構成が例示される。
【1004】図111〜図114では、DA回路122
6を含む電流出力回路1222でソース信号線18に電
流を出力するとしたが、これに限定されるものではな
い。例えば、ソースドライバ14内に基準電流を発生さ
せる第1のカレントミラー回路を1つ形成する。この第
1のカレントミラー回路に流す電流を調整することによ
り、ソースドライバ全体の出力電流量を調整できるよう
にする。この出力電流の調整により、表示パネルの明る
さ、ガンマ特性を調整することができる。なお、基準電
流は、RGBでガンマカーブ、印加電流が異なるので、
R、G、B画素ごとに独自に調整できるように構成す
る。
【1005】この第1のカレントミラー回路と同一の電
流を流す複数の第2のカレントミラー回路を構成し、こ
の第2のカレントミラー回路と同一の電流を流す、63
個(64階調の場合)の第3のカレントミラー回路を構
成する方法でもよい。この第3のカレントミラー回路の
出力電流をデータにより、変化(接続する個数を変化)
させてソース信号線18に所定の電流を印加できるよう
にしてもよい。
【1006】その他、データD0に1個のカレントミラ
ー回路、データD1に2個のカレントミラー回路、デー
タD2に4個のカレントミラー回路、データD3に8個
のカレントミラー回路、データD4に16個のカレント
ミラー回路、データD5に32個のカレントミラー回路
を対応させ、それぞれのデータビットに対応して接続さ
れたカレントミラー回路をオンさせ、この総和の出力を
ソース信号線18に印加する(ソース信号線から電流を
吸収する)ように構成してもよい。なお、以上のように
3段階にするのは、第1および第2のカレントミラー回
路を1チップ内で密集させて形成することにより、第3
のカレントミラー回路およびソース信号線18に出力す
る出力電流のバラツキを少なくするためである。
【1007】前述の3段階カレントミラー回路の構成で
あっても、図211、図215のように、突き抜け電圧
用のコンデンサ19bを形成した場合は、一定のベース
電流を加えて出力する必要がある。例えば、先と同様
に、ある階調で30nAの電流を画素16に電流プログ
ラムする場合、突き抜け電圧によるベース電流を加えた
電流をソース信号線18に印加する。ベース電流が40
nAであれば、30nA+40nAの電流をソース信号
線18に印加する(ソース信号線18から電流出力回路
1222に向かって吸収する)。したがって、ベース電
流を加えて流すように回路構成をする必要がある。例え
ば、ベース電流用のカレントミラー回路を別途、付加し
たりする構成が例示される。
【1008】RGBのEL素子15ごとにガンマカー
ブ、印加電流が異なるので、ベース電流もRGBごとに
独自に調整できるように構成すること、また、オンオフ
制御できるように構成することが好ましい。ベース電流
を印加(ソース信号線18から電流を吸収する場合もあ
る)すると、画像によっては、黒浮きが発生するからで
ある。したがって、ベース電流をオンオフさせることに
より、最適に調整できるようにする。また、ベース電流
のオンオフもRGBごとに独自に設定できるようにして
おくことが好ましい。
【1009】なお、基準電流、ベース電流は温度補償を
しておく。パネル(正確にはEL素子15の温度)を検
出し、その検出した温度によって、基準電流、ベース電
流の値を変化させる。一般的に、EL素子15は温度が
上がると発光効率が低下するので、温度が上がる際には
EL素子15に印加する電流を増大させるように構成す
る。また、基準電流、ベース電流の温度補償も、RGB
ごとに独自に補償値を設定できるようにすることが好ま
しい。
【1010】以上の実施例では、EL素子15はR、
G、Bであるとしたがこれに限定されるものではない。
例えば、シアン、イエロー、マゼンダでもよいし、任意
の2色でもよい。R、G、B、シアン、イエロー、マゼ
ンダの6色あるいは任意の4色以上であってもよい。ま
た、白単色であってもよいし、白単色光をカラーフィル
タでRGBにしたものでもよい。また、有機EL素子に
限定されるものではなく、無機EL素子であってもよ
い。
【1011】本発明の液晶表示パネルあるいはそれを用
いた表示装置において、ゲートドライバ12とソースド
ライバ14は複数個(複数種類)集積することが好まし
い。こうすることで、携帯電話網や無線LANからダウ
ンロードした動画や静止画、地上波のテレビ放送を受信
する画像など、あらゆる通信網から入る画像を、MPU
に負担をかけることなく表示できるようになる。高精細
画像はVGA対応で6ビットのゲートドライバ12とソ
ースドライバ14を使って表示し、精細度が落ちればQ
VGAに切り替え、テキスト・データならば1ビットの
ゲートドライバ12とソースドライバ14を使用する。
また別途、NTSC表示用ドライバ(インターレース、
擬似インターレース走査)、プログレッシブ表示用ドラ
イバ(ノンインターレース)を形成することも好まし
い。なお、これらの複数の機能を有するゲートドライバ
12、ソースドライバ14はシリコンチップで形成し、
COG技術などで実装してもよいことは言うまでもな
い。
【1012】なお、図34、図35などでは、アクティ
ブマトリックス型表示パネルを例示して説明したがこれ
に限定されるものではない。ソースドライバ14などか
らは所定電流のN倍電流をソース信号線18に印加(か
ら吸収)する。また、複数の画素行を同時に選択する。
そして、所定の期間の間だけ、EL素子に電流を流し、
他の期間は電流を流さない、という概念は、単純マトリ
ックス型表示パネルにも適用できるものである。
【1013】ゲートドライバ12、ソースドライバ14
が1種類の場合、精細度の異なる画像を表示するために
MPUで信号の変換処理を実行する必要がある。液晶表
示パネル以外で多数のゲートドライバ12、ソースドラ
イバ14を用意する場合は、個別にICを実装する必要
があるため、コストが高くなるとともに実装面積が拡大
してしまう。また、ゲートドライバ12、ソースドライ
バ14だけでなく、画像処理回路など多くの回路を表示
パネル82上のSi膜中に集積してもよい。
【1014】また、EL素子は点灯初期に特性変化が大
きいので、焼きツキなどが発生しやすい。この対策のた
め、パネル形成後、20時間以上150時間以内の間、
白ラスター表示でエージングを行った後に、商品として
出荷することが好ましい。このエージングでは所定表示
輝度よりも2〜10倍程度の明るさで表示させることが
好ましい。
【1015】図10、図38〜図42、図44、図4
9、図52、図55、図56、図58、図137、図1
40〜図151などを用いて駆動(表示)方法、駆動回
路について説明したが、これらの技術的思想を実現する
ガリ砒素、シリコン、ゲルマニウムなどで作製された半
導体チップも本発明の権利範囲である。これらの半導体
チップを表示パネルに実装することにより表示装置、情
報表示装置などを実現できる。
【1016】また、図6(b)、図9、図65、図6
8、図69、図71などにおけるVbb電圧を印加する
端子を、図56で説明したようにゲートドライバ12b
に接続することにより、良好な画像表示を実現すること
ができる。
【1017】また、図153、図193などで説明した
電源電圧Vddなどに関する事項も本明細書のすべての
画素構成あるいは、表示パネル、情報表示装置あるいは
駆動方法に適用される。また、図2〜図5、図12〜図
21、図25〜図27、図132、図137、図140
〜図151、図192、図194〜図196、図20
1、図204、図206〜図209などに関しても本明
細書のすべての画素構成あるいは、ドライバ配置、表示
パネル、情報表示装置あるいは駆動方法に適用されるこ
とは言うまでもない。
【1018】図34、図35、図73、図77〜図10
9で説明した本発明の駆動方法、駆動回路と、図13
1、図134、図137、図140〜図151などで説
明したEL素子15に逆バイアス電圧を印加する方法あ
るいは構成とを組み合わせることによりさらに特徴ある
効果が発揮される。また、これらは、図6、図8、図7
4〜図76、図136〜図151、図211〜図215
などで説明した画素構成に適用できることも言うまでも
ない。また、これらの構成で、図37〜図40、図42
〜49、図52〜図54、図57、図59、図60、図
74などを実現できることも説明を要しない。図12〜
図21の3辺フリーの構成と組み合わせることも有効で
あることは言うまでもない。また、これらの技術を用い
て、図2〜図5、図12〜図21、図25〜図27、図
132、図137、図140〜図151、図192、図
194〜図196、図201、図204、図206〜図
209などの表示パネル、情報表示装置あるいは駆動方
法に適用できることも言うまでもない。
【1019】また、図131、図134、図137、図
140〜図151などで説明したEL素子15に逆バイ
アス電圧を印加する方法あるいは構成も、図6、図8、
図38、図51、図55、図56、図61〜図65、図
68〜図72、図74〜図76、図123〜図130、
図133、図137、図140〜図152、図211〜
図215などの画素構成あるいはアレイ構成などに適用
することは言うまでもない。また、これらの構成で、図
37〜図40、図42〜49、図52〜図54、図5
7、図59、図60、図74などを実現できることも説
明を要しない。図1、図12〜図21、図155〜図1
67、図173〜図176などの3辺フリー構成と組み
合わせることも有効であることは言うまでもない。特
に、3辺フリー構成の場合は、画素がアモルファスシリ
コン技術を用いて作製されている時に有効である。ま
た、アモルファスシリコン技術で形成されたパネルで
は、TFT素子の特性ばらつきのプロセス制御が不可能
なため、本発明の電流駆動を実施することが好ましい。
【1020】さらに、これらの技術を用いて、図2〜図
5、図12〜図21、図25〜図27、図132、図1
37、図140〜図151、図192、図194〜図1
96、図201、図204、図206〜図209などの
表示パネル、情報表示装置あるいは駆動方法に適用でき
ることも言うまでもない。
【1021】図136〜図151などで説明した画素構
成、あるいは駆動方法における画素構成あるいはアレイ
構成などはEL表示パネルにのみに限定されるものでは
ない。例えば、液晶表示パネルにも適用することができ
る。その際は、EL素子15を液晶層、PLZT、LE
Dなどの光変調層に置き換えればよい。また、スイッチ
ング素子についてもTFTに限定されるものではない。
また、本明細書のすべての画素構成あるいは、ドライバ
配置、表示パネル、情報表示装置あるいは駆動方法に適
用されることは言うまでもない。
【1022】図6、図8、図17〜図21、図38、図
51、図55、図56、図61〜図65、図68〜図7
2、図74〜図76、図123〜図130、図133、
図137、図140〜図152、図211〜図215な
どの画素構成あるいはアレイ構成などはEL表示パネル
にのみ限定されるものではない。例えば、液晶表示パネ
ルにも適用することができる。その際は、EL素子15
を液晶層、PLZT、LEDなどの光変調層に置き換え
ればよい。また、スイッチング素子についてもTFTに
限定されるものでないことは、図193などで説明し
た。
【1023】また、図3、図12、図15、図17〜図
21、図132、図199、図201、図202、図2
06〜図209などの構成、装置、方式はEL表示パネ
ルを用いたものに限定されるものではない。例えば、P
DP表示パネル、PLZT表示パネル、液晶表示パネル
などを用いたものにも適用することができる。
【1024】図6、図8、図28、図38、図51、図
55、図56、図61〜65、図68〜図72、図74
〜図76、図123〜図130、図133、図137、
図140〜図152、図211〜図215などの画素構
成あるいはアレイ構成は、図197、図198、図20
0、図205などの情報表示装置に適用できることは言
うまでもない。
【1025】また、図6、図8、図38、図51、図5
5、図56、図61〜65、図68〜図72、図74〜
図76、図123〜図130、図133、図137、図
140〜図152、図211〜図215などの画素構成
あるいはアレイ構成は、図3、図12、図15、図17
〜図21、図132、図177〜図190、図197〜
図202、図205〜図209に採用できることは言う
までもない。
【1026】図32、図33の方法にあっては、EL表
示パネルの製造方法に限定されるものではない。例え
ば、液晶表示パネルの製造方法にも適用できる。また、
図12〜図21の構成あるいは方法にあってもEL表示
パネルに限定されるものではなく、LED表示パネル、
液晶表示パネルなどにも適用できることは言うまでもな
い。図37〜図40、図42〜図49、図52〜図5
4、図57、図59、図60、図74などの表示方法に
ついても同様である。
【1027】以上、本発明の実施例で説明した技術的思
想はビデオカメラ、プロジェクター、立体テレビ、プロ
ジェクションテレビなどに適用できる。また、ビューフ
ァインダ、携帯電話のモニター、PHS、携帯情報端末
およびそのモニター、デジタルカメラおよびそのモニタ
ーにも適用できる。また、電子写真システム、ヘッドマ
ウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノー
トパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、電子スチル
カメラにも適用できる。また、現金自動引き出し機のモ
ニター、公衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュー
タ、腕時計およびその表示装置にも適用できる。さら
に、家庭電器機器の表示モニター、ポケットゲーム機器
およびそのモニター、表示パネル用バックライトあるい
は家庭用もしくは業務用の照明装置などにも適用あるい
は応用展開できることは言うまでもない。照明装置は色
温度を可変できるように構成することが好ましい。これ
は、RGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリ
ックス状に形成し、これらに流す電流を調整することに
より色温度を変更できる。また、広告あるいはポスター
などの表示装置、RGBの信号器、警報表示灯などにも
応用できる。
【1028】また、スキャナの光源としても有機ELパ
ネルは有効である。RGBのドットマトリックスを光源
として、対象物に光を照射し、画像を読み取る。もちろ
ん、単色でもよいことは言うまでもない。また、アクテ
ィブマトリックスに限定されるものではなく、単純マト
リックスでもよい。色温度を調整できるようにすれば画
像読み取り精度も向上する。
【1029】また、液晶表示装置のバックライトにも有
機EL表示装置は有効である。EL表示装置(バックラ
イト)のRGBの画素をストライプ状あるいはドットマ
トリックス状に形成し、これらに流す電流を調整するこ
とにより色温度を変更でき、また、明るさの調整も容易
である。その上、面光源であるから、画面の中央部を明
るく、周辺部を暗くするガウス分布を容易に構成でき
る。また、R、G、B光を交互に走査する、フィールド
シーケンシャル方式の液晶表示パネルのバックライトと
しても有効である。また、バックライトを点滅しても黒
挿入することにより動画表示用液晶表示パネルのバック
ライトとしても用いることができる。
【1030】
【発明の効果】本発明の表示パネル、表示装置等は、高
画質、良好な動画表示性能、低消費電力、低コスト化、
高輝度化等のそれぞれの構成に応じて特徴ある効果を発
揮する。
【1031】なお、本発明を用いれば、低消費電力の情
報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。
また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。ま
た、高精細の表示パネルであっても十分に対応できる。
したがって、地球環境、宇宙環境に優しいこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表示パネルの説明図
【図2】本発明の表示装置の断面図
【図3】本発明の表示パネルの断面図
【図4】本発明の表示装置の断面図
【図5】本発明の表示装置の断面図
【図6】本発明の表示パネルの回路構成図
【図7】本発明の表示パネルの説明図
【図8】本発明の表示パネルの説明図
【図9】本発明の表示パネルの説明図
【図10】本発明の表示装置の回路構成図
【図11】本発明の表示装置の説明図
【図12】本発明の表示パネルの説明図
【図13】本発明の表示パネルの説明図
【図14】本発明の表示パネルの説明図
【図15】本発明の表示パネルの説明図
【図16】本発明の表示パネルの説明図
【図17】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図18】本発明の表示パネルの説明図
【図19】本発明の表示パネルの説明図
【図20】本発明の表示パネルの説明図
【図21】本発明の表示パネルの説明図
【図22】本発明の表示パネルの説明図
【図23】本発明の表示パネルの説明図
【図24】本発明の表示パネルの説明図
【図25】本発明の表示装置の説明図
【図26】本発明の表示装置の説明図
【図27】本発明の表示装置の断面図
【図28】本発明の表示パネルの説明図
【図29】本発明の表示パネルの説明図
【図30】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図31】本発明の表示パネルの説明図
【図32】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図33】本発明の表示パネルの製造方法の説明図
【図34】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図35】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図36】本発明の表示パネルの説明図
【図37】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図38】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図39】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図40】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図41】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図42】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図43】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図44】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図45】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図46】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図47】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図48】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図49】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図50】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図51】本発明の表示パネルの説明図
【図52】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図53】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図54】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図55】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図56】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図57】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図58】本発明の表示パネルの回路ブロック図
【図59】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図60】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図61】本発明の表示パネルの説明図
【図62】本発明の表示パネルの説明図
【図63】本発明の表示パネルの説明図
【図64】本発明の表示パネルの説明図
【図65】本発明の表示パネルの説明図
【図66】本発明の表示パネルの説明図
【図67】本発明の表示パネルの説明図
【図68】本発明の表示パネルの説明図
【図69】本発明の表示パネルの説明図
【図70】本発明の表示パネルの説明図
【図71】本発明の表示パネルの説明図
【図72】本発明の表示パネルの説明図
【図73】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図74】本発明の表示パネルの説明図
【図75】本発明の表示パネルの説明図
【図76】本発明の表示パネルの説明図
【図77】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図78】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図79】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図80】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図81】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図82】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図83】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図84】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図85】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図86】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図87】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図88】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図89】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図90】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図91】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図92】本発明の表示パネルの駆動回路の説明図
【図93】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図94】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図95】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図96】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図97】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図98】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図99】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図100】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図101】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図102】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図103】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図104】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図105】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図106】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図107】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図108】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図109】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図110】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図111】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図112】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図113】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図114】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図115】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図116】本発明の表示パネルの説明図
【図117】本発明の表示パネルの説明図
【図118】本発明の表示パネルの説明図
【図119】本発明の表示パネルの説明図
【図120】本発明の表示パネルの説明図
【図121】本発明の表示パネルの説明図
【図122】本発明の表示パネルの説明図
【図123】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図124】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図125】本発明の表示パネルの説明図
【図126】本発明の表示パネルの説明図
【図127】本発明の表示パネルの説明図
【図128】本発明の表示パネルの説明図
【図129】本発明の表示パネルの説明図
【図130】本発明の表示パネルの説明図
【図131】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図132】本発明の表示装置の説明図
【図133】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図134】本発明の表示パネルの説明図
【図135】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図136】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図137】本発明の表示パネルの説明図
【図138】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図139】本発明の表示パネルの説明図
【図140】本発明の表示パネルの説明図
【図141】本発明の表示パネルの説明図
【図142】本発明の表示パネルの説明図
【図143】本発明の表示パネルの説明図
【図144】本発明の表示パネルの説明図
【図145】本発明の表示パネルの説明図
【図146】本発明の表示パネルの説明図
【図147】本発明の表示パネルの説明図
【図148】本発明の表示パネルの説明図
【図149】本発明の表示パネルの説明図
【図150】本発明の表示パネルの説明図
【図151】本発明の表示パネルの説明図
【図152】本発明の表示パネルの説明図
【図153】本発明の表示パネルの説明図
【図154】本発明の表示パネルの説明図
【図155】本発明の表示パネルの説明図
【図156】本発明の表示パネルの説明図
【図157】本発明の表示パネルの説明図
【図158】本発明の表示パネルの説明図
【図159】本発明の表示パネルの説明図
【図160】本発明の表示パネルの説明図
【図161】本発明の表示パネルの説明図
【図162】本発明の表示パネルの説明図
【図163】本発明の表示パネルの説明図
【図164】本発明の表示パネルの説明図
【図165】本発明の表示パネルの説明図
【図166】本発明の表示パネルの説明図
【図167】本発明の表示パネルの説明図
【図168】本発明の表示パネルの説明図
【図169】本発明の表示パネルの説明図
【図170】本発明の表示パネルの説明図
【図171】本発明の表示パネルの説明図
【図172】本発明の表示パネルの説明図
【図173】本発明の表示パネルの説明図
【図174】本発明の表示パネルの説明図
【図175】本発明の表示パネルの説明図
【図176】本発明の表示パネルの説明図
【図177】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図178】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図179】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図180】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図181】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図182】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図183】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図184】本発明の表示装置の駆動方法の説明図
【図185】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図186】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図187】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図188】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図189】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図190】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図191】本発明の情報表示装置の説明図
【図192】本発明の情報表示装置の説明図
【図193】本発明の表示パネルの説明図
【図194】本発明の表示装置の構成図
【図195】本発明の表示装置の構成図
【図196】本発明の表示装置の説明図
【図197】本発明の表示パネルの説明図
【図198】本発明の情報表示装置の説明図
【図199】本発明の情報表示装置の平面図
【図200】本発明の情報表示装置の説明図
【図201】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明
【図202】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明
【図203】本発明の表示装置のデータ伝送方法の説明
【図204】本発明の情報表示装置の説明図
【図205】本発明の情報表示装置の説明図
【図206】本発明のビューファインダの断面図
【図207】本発明のビデオカメラの斜視図
【図208】本発明の電子カメラの斜視図
【図209】本発明のテレビの説明図
【図210】本発明のテレビの説明図
【図211】本発明の表示パネルの説明図
【図212】本発明の表示パネルの説明図
【図213】本発明の表示パネルの説明図
【図214】本発明の表示パネルの説明図
【図215】本発明の表示パネル置の説明図
【図216】本発明の表示パネルの駆動方法の説明図
【図217】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図218】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図219】本発明の表示パネルの画素構成の説明図
【図220】従来の表示パネルの回路構成図
【符号の説明】
11 TFT 12 ゲートドライバ 14 ソースドライバ 14c 1チップドライバIC 15 EL素子 16 画素 17 ゲート信号線 18 ソース信号線 19 コンデンサ 20 電流供給線 21 表示画面 22 シフトレジスタ 23 インバータ回路 24 出力ゲート 41 封止フタ 43 凹部 44 凸部 45 シール剤 46 反射膜 47 有機EL層 48 画素電極 49 アレイ基板 50 λ/4板 51 カソード配線 52 コンタクトホール 53 カソード電極 54 偏光板 55 乾燥剤 61,62 接続端子 63 アノード配線 71 平滑化膜 72 透明電極 73 封止膜 74 円偏光板 81 エッジ保護膜 82 表示パネル 91 遮光膜 92 低抵抗化配線 101 コントロールIC 102 電源IC 103 プリント基板 104 フレキシブル基板 105 データ信号 141 誤差拡散コントローラ 151 内蔵表示メモリ 152 演算メモリ 153 演算回路 154 バッファ回路 191 アンテナ 192 テンキー 193 筐体 194 キー 201 デェプレクサ 202 LNA 203 LOバッファ 204 ダウンコンバータ 205 アップコンバータ 206 PAプリドライバ 207 PA 230 レーザー照射スポット 241 ガラス基板 242 位置決めマーカ 251 凸部 252 凹凸部(エンボス加工部) 311 画像表示領域 312 非表示領域 351 カウンタ回路 352 輝度メモリ 353 CPU 354 フレームメモリ(フィールドメモリ) 355 切り替え回路 391 書き込み画素行 392 保持画素行 401 電圧源 402 電流源 403 電源切り替え手段 404 寄生容量 451 ボディー 452 接眼リング 453 拡大レンズ 454 正レンズ 461 撮影レンズ 462 ビデオカメラ本体 463 格納部 464 接眼カバー 465 表示モード切り替えスイッチ 466 ビューファインダ 467 蓋 468 支点 471 シャッタ 472 デジタルカメラ本体 481 外枠 482 固定部材 483 脚 484 脚取り付け部 491 壁 492 固定金具 493 保護フィルム(保護板) 501 走査領域 601 ENBL端子 602 OR回路 851 シャッタ 852 観察用眼鏡(切り替え手段) 861 プリズム 862 光結合材 871 書き込み画素行 1001 フライングコンデンサ 1221 電圧出力回路 1222 電流出力回路 1223 スイッチ回路(アナログスイッチ) 1224 オペアンプ(出力バッファ) 1225 調整ボリウム 1226 DA回路(デジタル−アナログ変換手段) 1227 出力トランジスタ(FET) 1228 抵抗 1271 出力段回路 1321 信号配線 1751 画素コンタクト部 1761 保護膜 1771 マスク 1772 コンタクトホール 1781 スペーサ 1791 点灯制御線 1891 点灯制御ドライバ回路 1981 ブロック 2041 スピーカー 2043 ファンクションスイッチ(FSW) 2044 マイク 2045 ミラー 2046 表示パネル 2111 逆バイアス制御線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 621 G09G 3/20 621E 621M 622 622Z 624 624B 641 641D 680 680G H05B 33/10 H05B 33/10 33/12 33/12 B 33/14 33/14 A 33/26 33/26 Z Fターム(参考) 3K007 AB02 AB04 AB05 AB17 AB18 BA06 BB01 BB07 CB01 CC05 DB03 EB00 FA01 FA02 GA02 GA04 5C080 AA06 BB05 CC03 DD02 DD05 DD26 DD27 EE28 FF11 JJ01 JJ02 JJ03 JJ04 JJ05 JJ06 KK43 KK47 5C094 AA04 AA05 AA07 AA08 AA10 AA13 AA22 AA43 AA44 AA48 AA51 AA53 AA56 BA03 BA12 BA27 CA19 CA20 CA24 CA25 DA07 DA09 DA12 DA13 DB01 DB03 DB04 EA04 EA05 EA07 FA01 FB01 FB12 FB14 FB15 FB20 GA10 HA10 5G435 AA03 AA04 AA16 AA17 BB05 CC09 CC12 EE37 EE41 HH01 HH20 KK05 LL07

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクティブマトリックス型EL表示装置
    であって、 各画素に形成されたEL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動素子と、 前記駆動素子と前記EL素子間に配置されたスイッチン
    グ素子と、 前記スイッチング素子を制御する制御信号線とを具備
    し、 前記制御信号線は複数の画素行に共通となるように形成
    されていることを特徴とするEL表示装置。
  2. 【請求項2】 アクティブマトリックス型EL表示装置
    であって、 各画素に形成されたEL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動素子と、 前記駆動素子と前記EL素子間に配置されたスイッチン
    グ素子と、 前記スイッチング素子を制御する制御信号線とを具備
    し、 前記制御信号線は複数の画素行に共通となるように形成
    され、 隣接した画素行は異なる制御信号線に接続されているこ
    とを特徴とするEL表示装置。
  3. 【請求項3】 各画素に形成されたEL素子と、 前記EL素子に電流を供給する駆動素子と、 前記駆動素子と前記EL素子間に配置された第1のスイ
    ッチング素子と、 前記第1のスイッチング素子を制御する第1の制御信号
    線と、 前記EL素子の一方の端子に電圧を印加する第2のスイ
    ッチング素子と、 前記第2のスイッチング素子を制御する第2の制御信号
    線を具備し、 前記第1の制御信号線および第2の制御信号線は複数の
    画素行に共通となるように形成され、 前記第1の制御信号線と第2の制御信号線は同期をとっ
    て制御信号が印加されることを特徴とするEL表示装
    置。
  4. 【請求項4】 各画素はEL素子と、前記EL素子に電
    流を供給する駆動素子と、前記駆動素子と前記EL素子
    間に配置されたスイッチング素子とを有し、 前記画素を選択するドライバ回路が、前記画素と同時に
    基板上に形成され、 前記スイッチング素子を制御する制御信号線が複数の画
    素行に共通となるように形成されていることを特徴とす
    るEL表示装置。
  5. 【請求項5】 マトリックス状に形成された画素と、 映像信号を出力するソースドライバICと、 前記画素を選択して、前記ソースドライバICが出力す
    る映像信号を印加するゲートドライバICとを具備し、 各画素はEL素子と、前記EL素子に電流を供給する駆
    動素子と、前記駆動素子と前記EL素子間に配置された
    スイッチング素子とを有し、 前記スイッチング素子を制御する制御信号線が複数の画
    素行に共通となるように形成され、 前記ソースドライバICと前記ゲートドライバICの両
    方が、表示領域の一辺に積載されていることを特徴とす
    るEL表示装置。
  6. 【請求項6】 EL表示装置の駆動方法であって、 画面の一部を表示し、他の部分を非表示状態とし、 画面の上下方向に順次、表示領域を移動させ、 前記移動スピードが、画面の部分で異なっていることを
    特徴とするEL表示装置の駆動方法。
  7. 【請求項7】 EL表示装置の駆動方法であって、 画面の第1の部分と、第2の部分で、選択する回数を異
    ならせることにより、表示輝度を変化させることを特徴
    とするEL表示装置の駆動方法。
  8. 【請求項8】 各画素に形成されたEL素子と、前記E
    L素子に電流を供給する駆動素子と、前記駆動素子と前
    記EL素子間に配置されたスイッチング素子と、前記ス
    イッチング素子を制御する制御信号線とを有し、前記制
    御信号線が複数の画素行に共通となるように形成された
    EL表示装置と、 ダウンコンバータと、 アップコンバータと、 受話器と、 スピーカーとを具備することを特徴とする情報表示装
    置。
  9. 【請求項9】 マトリックス状にEL素子が形成された
    第1の基板と、 前記基板に積載されたドライバICと、 前記EL素子を保護する封止板とを具備し、 前記封止板は、前記ドライバICとEL素子の両方を封
    止していることを特徴とする情報表示装置。
  10. 【請求項10】 マトリックス状に画素が形成された表
    示パネルと、 前記表示パネルの裏面に形成されたミラーと、 前記表示パネルが取り付けられた筐体とを具備し、 前記表示パネルは所定の支点で位置を変化できるように
    構成され、 第1の状態では、前記表示パネルの表示画像を観察で
    き、 第2の状態では、前記表示パネルの裏面のミラーを観察
    できるように構成されていることを特徴とする情報表示
    装置。
  11. 【請求項11】 マトリックス状に画素が形成された表
    示パネルと、 前記表示パネルが取り付けられた筐体と、 外光の明るさを検出する光センサーと、 テンキーと、 前記筐体の側面または裏面に配置されたファンクション
    キーとを具備し、 前記ファンクションキーとテンキーとを同時に押さえる
    ことにより、前記テンキーの入力内容が変化するように
    構成されていることを特徴とする情報表示装置。
  12. 【請求項12】 EL表示装置であって、 1画素が、赤色の点灯部と、緑色の点灯部と、青色の点
    灯部と、白色の点灯部とを具備し、 前記画素のそれぞれの点灯部に薄膜トランジスタが形成
    されており、 前記白色の点灯部は、赤色と緑色と青色の点灯部の材料
    から形成されており、 前記画素がマトリックス状に配置されていることを特徴
    とするEL表示装置。
  13. 【請求項13】 EL表示装置であって、 1画素が、赤色の点灯部と、緑色の点灯部と、青色の点
    灯部とを具備し、 前記画素のそれぞれの点灯部に薄膜トランジスタが形成
    されており、 前記画素がマトリックス状に配置され、 かつ、前記画素の各色の点灯部の配置が隣接した画素行
    で、逆方向になっていることを特徴とするEL表示装
    置。
  14. 【請求項14】 ゲートドライバ回路が基板上に画素と
    同時に形成され、 前記ゲートドライバ回路上にEL膜が形成され、 かつ、前記EL膜上にアノード電極と一体となった金属
    膜が形成されていることを特徴とするEL表示装置。
  15. 【請求項15】 ゲートドライバ回路が基板上に画素と
    同時に形成され、 前記ゲートドライバ回路上にEL膜が形成され、 かつ、前記EL膜上にアノード電極と一体となった金属
    膜が形成され、 前記金属膜は、画素に対応して凹凸または円弧状に形成
    されていることを特徴とするEL表示装置。
  16. 【請求項16】 第1の基板に画素を駆動する画素回路
    を形成する第1の工程と、 前記第1の工程後、前記画素回路上の絶縁膜を形成する
    第2の工程と、 前記絶縁膜上にマスクを形成し、前記マスクを介して、
    前記絶縁膜を画素に対応して円弧状に形成する第3の工
    程と、 前記絶縁膜上に画素電極を形成する第4の工程と、 前記画素電極上にEL膜を形成する第5の工程と、 前記EL膜上に金属からなる共通電極を形成する第6の
    工程と、 前記共通電極上に、保護膜を形成する第7の工程を行う
    ことを特徴とするEL表示パネルの製造方法。
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