JP2006023398A - El表示装置 - Google Patents

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博司 高原
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Abstract

【課題】 表示ムラを低減するための電流駆動方式のドライバ回路にも電流出力段を構成するトランジスタ素子にバラツキが発生する。そのため、各出力端子からの階調出力電流にバラツキが発生し、良好な画像表示ができない。
【解決手段】 EL表示パネルと、アノード電圧を発生する第1の電圧発生回路と、カソード電圧を発生する第2の電圧発生回路を具備し、前記第2の電圧発生回路の電力容量を略一定とし、前記ELパネルに印加される映像信号から点灯率を求め、前記点灯率に対応させて前記カソード電圧を変化させることを特徴し、Aで示すアノード電圧Vddの絶対値と、Bで示すカソード電圧Vssの絶対値とは、A<Bの関係となるように構成している。第2の昇圧回路の電力容量リミットで制御されている。は規定容量以上の電力は出力されない。そのため、カソード電流とカソード電圧を積算した値が一定値以下となるように構成されている。
【選択図】 図129

Description

本発明は、有機または無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などを用いたEL表示パネル(表示装置)などの自発光表示パネルに関するものである。また、これらの表示パネルなどの駆動回路(ICなど)および駆動方法などに関するものである。
電気光学変換物質として有機エレクトロルミネッセンス(EL)材料を用いたアクティブマトリクス型の画像表示装置は画素に書き込まれる電流に応じて発光輝度が変化する。有機EL表示パネルは各画素に発光素子を有する自発光型である。有機EL表示パネルは、液晶表示パネルに比べて画像の視認性が高い、バックライトが不要、応答速度が速い等の利点を有する。
有機EL表示パネルも単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式の構成が可能である。前者は構造が単純であるものの大型かつ高精細の表示パネルの実現が困難である。しかし、安価である。後者は大型、高精細表示パネルを実現できる。しかし、制御方法が技術的に難しい、比較的高価であるという課題がある。現在では、アクティブマトリクス方式の開発が盛んに行われている。アクティブマトリクス方式は、各画素に設けた発光素子に流れる電流を画素内部に設けた薄膜トランジスタ(トランジスタ)によって制御する。
アクティブマトリクス方式の有機EL表示パネルの一画素の等価回路を図2に示す。画素16は発光素子であるEL素子15、第1のトランジスタ(駆動用トランジスタ)11a、第2のトランジスタ(スイッチング用トランジスタ)11bおよび蓄積容量(コンデンサ)19からなる。発光素子15は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子である。本明細書では、EL素子15に電流を供給(制御)するトランジスタ11aを駆動用トランジスタ11と呼ぶ。また、図2のトランジスタ11bのように、スイッチとして動作するトランジスタをスイッチ用トランジスタ11と呼ぶ。
有機EL素子15は多くの場合、整流性があるため、OLED(有機発光ダイオード)と呼ばれることがある。図1、図2などでは発光素子15としてダイオードの記号を用いている。
本発明における発光素子15はOLEDに限るものではなく、素子15に流れる電流量によって輝度が制御されるものであればよい。たとえば、無機EL素子が例示される。その他、半導体で構成される白色発光ダイオードが例示される。また、発光トランジスタでもよい。また、発光素子15は必ずしも整流性が要求されるものではない。双方向性素子であってもよい。
図2の動作について説明する。ゲート信号線17を選択状態とし、ソース信号線18に輝度情報を表す電圧の映像信号を印加する。トランジスタ11aが導通し、映像信号が蓄積容量19に充電される。ゲート信号線17を非選択状態とすると、トランジスタ11aがオフになる。トランジスタ11bは電気的にソース信号線18から切り離される。しかし、トランジスタ11aのゲート端子電位は蓄積容量(コンデンサ)19によって安定に保持される。トランジスタ11aを介して発光素子15に流れる電流は、トランジスタ11aのゲート/ドレイン端子間電圧Vgdに応じた値となる。発光素子15はトランジスタ11aを通って供給される電流量に応じた輝度で発光し続ける。
特開平8−234683号公報
有機EL表示パネルは、低温ポリシリコントランジスタアレイを用いてパネルを構成する。しかし、有機EL素子は、ポリシリコントランジスタアレイのトランジスタ特性にバラツキがあると、表示ムラが発生する。
図2は電圧プログラム方式の画素構成でもある。図2に図示する画素構成では、電圧の映像信号をトランジスタ11aで電流信号に変換する。したがって、トランジスタ11aに特性バラツキがあると、変換される電流信号にもバラツキが発生する。通常、トランジスタ11aは50%以上の特性バラツキが発生している。したがって、図2の構成では表示ムラが発生する。
表示ムラは、電流プログラム方式の構成を採用することにより低減することが可能である。電流プログラムを実施するためには、電流駆動方式のドライバ回路が必要である。しかし、電流駆動方式のドライバ回路にも電流出力段を構成するトランジスタ素子にバラツキが発生する。そのため、各出力端子からの階調出力電流にバラツキが発生し、良好な画像表示ができないという課題があった。また、電流プログラム方式は、低階調領域では、駆動電流が小さい。そのため、ソース信号線18の寄生容量により良好に駆動できないという課題があった。特に、0階調目の電流は、0(流れない)である。したがって、画像表示を書き換えできないという課題があった。
本発明は、
EL表示パネルと、アノード電圧を発生する第1の電圧発生回路と、
カソード電圧を発生する第2の電圧発生回路を具備し、
前記第2の電圧発生回路の電力容量を略一定とし、
前記ELパネルに印加される映像信号から点灯率を求め、前記点灯率に対応させて前記カソード電圧を変化させることを特徴とするEL表示装置である。
本発明の表示パネル(表示装置)のドライバ回路は、主として単位電流を出力する複数のトランジスタを具備し、このトランジスタの個数を変化させることにより出力電流を出力するものである。また、本発明の表示装置などは、duty比制御、基準電流制御などを実施する。
本発明のソースドライバ回路は、基準電流の発生回路を有し、また、ゲートドライバ回路を制御することにより、電流制御、輝度制御を実現する。また、画素は、複数あるいは単独の駆動用トランジスタを有し、EL素子15に流れる電流バラツキが発生しないように駆動する。したがって、トランジスタのしきい値ばらつきによる表示むらの発生を抑制することが可能となる。駆動用トランジスタ素子の温度依存性も補償する。また、duty比制御などによりダイナミックレンジが広い画像表示を実現できる。
本発明の表示パネル、表示装置等は、高画質、良好な動画表示性能、低消費電力、低コスト化、高輝度化等のそれぞれの構成に応じて特徴ある効果を発揮する。
本発明を用いれば、低消費電力の情報表示装置などを構成できるので、電力を消費しない。また、小型軽量化できるので、資源を消費しない。したがって、地球環境、宇宙環境に優しいことになる。
本明細書において、各図面は理解を容易するために、また作図を容易にするため、省略および拡大あるいは縮小した箇所がある。たとえば、図4に図示する表示パネルの断面図では薄膜封止膜41などを十分厚く図示している。一方、図3において、封止フタ40は薄く図示している。また、省略した箇所もある。たとえば、本発明の表示パネルなどでは、反射防止のために円偏光板などの位相フィルム(38、39)が必要である。しかし、本明細書の各図面では円偏光板などを省略している。以上のことは以下の図面に対しても同様である。また、同一番号または、記号等を付した箇所は同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作を有する。
本明細書では、駆動用トランジスタ11、スイッチング用トランジスタ11は薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。また、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。つまり、本発明のトランジスタ11、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路(IC)14などは、これらのいずれでも使用することができる。
ソースドライバ回路(IC)14は、単なるドライバ機能だけでなく、電源回路、バッファ回路(シフトレジスタなどの回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コマンドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、画像メモリなどを内蔵させてもよい。
基板30はガラス基板として説明をするが、シリコンウエハで形成してもよい。また、基板30は、金属基板、セラミック基板、プラスティックシート(板)などを使用してよい。また、本発明の表示パネルなどを構成するトランジスタ11、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路(IC)14などは、ガラス基板などに形成し、転写技術により他の基板(プラスチックシート)に移し変えて構成または形成したものでもよいことは言うまでもない。フタ40の材料あるいは構成に関しても基板30と同様である。また、フタ40、基板30は放熱性を良好にするため、サファイアガラスなどを用いてもよいことは言うまでもない。
以下、本発明のEL表示パネルについて図面を参照しながら説明をする。有機EL表示パネルは、図3に示すように、画素電極としての透明電極35が形成されたガラス板30(アレイ基板30)上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層(EL層)29、及び金属電極(反射膜)(カソード)36が積層されたものである。透明電極(画素電極)35である陽極(アノード)にプラス、金属電極(反射電極)36の陰極(カソード)にマイナスの電圧を加え、透明電極35及び金属電極36間に直流を印加することにより、有機機能層(EL膜)29が発光する。
本発明では、画素電極である透明電極(ITO)の膜厚をRGBのサブピクセルごとに変更している。る。有機EL層29から出る光は,透明電極(ITO)層35界面、有機EL層29、金属電極36界面との間で反射を繰り返すうちに,両界面間の距離に応じて特定の波長の光だけが干渉して強度が高まり,そのほかの波長の光の強度は低下する。透明電極(ITO)層35の厚さを、RGBの各サブピクセルで変えることで、各RGB光の色純度を向上させている。取り出す光の波長(R>G>B)が長いものほどITO層を厚くしている。本発明の光のスペクトルは,赤(R)色と青(B)色でやや鋭いピークを持ち、緑(G)色で緩やかなピークになっている。
なお、封止フタ40とアレイ基板30との空間には乾燥剤37を配置する。これは、有機EL膜29は湿度に弱いためである。乾燥剤37によりシール剤を浸透する水分を吸収し有機EL膜29の劣化を防止する。また、封止フタ40とアレイ基板30とは図251に図示するように周辺部を封止樹脂2511で封止する。
封止フタ40とは、外部からの水分の浸入を防止あるいは抑制する手段であって、フタの形状に限定されるものではない。たとえば、ガラス板あるいはプラスティック板あるいはフィルムなどでもよい。また、融着ガラスなどでもよい。また、樹脂あるいは無機材料などの構成体であってもよい。また、蒸着技術などを用いて薄膜状の形成(図4を参照のこと)したものであってもよい。
図3の本発明の有機EL表示パネルは、ガラスのフタ40を用いて封止する構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図4に図示するようにフィルム41(薄膜でもよい。つまり、薄膜封止膜41である)41を用いた封止構造であってもよい。
封止フィルム(薄膜封止膜)41としては電解コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿性能が高い)。このフィルムを封止膜41として用いる。また、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)膜などを電極36の表面に直接蒸着する構成ものよいことは言うまでもない。その他、樹脂薄膜と金属薄膜を多層に積層して、薄膜封止膜を構成してもよい。
薄膜41あるいは封止構造を形成する膜の厚みは、上記干渉領域の膜厚には限定されない。5〜10μm以上あるいは、100μm以上の厚みを有するように構成あるいは形成してもよいことは言うまでもない。また、封止構成の薄膜41などが透過性を有する場合は、図4のA側が光出射側となり、不透過性あるいは光反射性の機能あるいは構造を有する場合は、B側が光出射側となる。
A側とB側からの両方から光が出射されるように構成してもよい。この構成を採用する場合は、A側からEL表示パネルの画像を見る場合と、B側からEL表示パネルの画像を見る場合とでは画像が左右反転する。したがって、A側からEL表示パネルの画像を見る場合と、B側からEL表示パネルの画像を見る場合では、手動であるいはオートマチックに画像の左右を反転させる機能を付加する。この機能の実現は、映像信号の1画素行あるいは複数画素行分をラインメモリに蓄積し、ラインメモリの読み出し方向を反転させればよい。
図4のように封止フタ40を用いず、封止膜41で封止する構成を薄膜封止と呼ぶ。基板30側から光を取り出す「下取り出し(図3を参照のこと。光取り出し方向は図3のB矢印方向である)」の場合の薄膜封止41は、EL膜を形成後、EL膜上にカソードとなるアルミ電極を形成する。次にこのアルミ膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。緩衝層としては、アクリル、エポキシなどの有機材料が例示される。また、膜厚は1μm以上10μm以下の厚みが適する。さらに好ましくは、膜厚は2μm以上6μm以下の厚みが適する。この緩衝膜上の封止膜74を形成する。
緩衝膜がないと、応力によりEL膜の構造が崩れ、筋状に欠陥が発生する。封止膜41は前述したように、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)、あるいは電界コンデンサの層構造(誘電体薄膜とアルミ薄膜とを交互に多層蒸着した構造)が例示される。
有機EL膜29側から光を取り出す「上取り出し(図4を参照のこと。光取り出し方向は図4のA矢印方向である)」の場合の薄膜封止は、有機EL膜29を形成後、有機EL膜29上にカソード(もしくはアノード)となるAg−Mg膜を20オングストローム以上300オングストロームの膜厚で形成する。その上に、ITOなどの透明電極を形成して低抵抗化する。次に、好ましくはこの電極膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。この緩衝膜上に封止膜41を形成する。
図3などにおいて、有機EL膜29から発生した光の半分は、反射膜(カソード電極)36で反射され、アレイ基板30と透過して出射される。しかし、反射膜(カソード電極)36には外光を反射し写り込みが発生して表示コントラストを低下させる。この対策のために、アレイ基板30にλ/4板(位相フィルム)38および偏光板(偏光フィルム)39を配置している。偏光板39と位相フィルム38を一体したものは円偏光板(円偏光シート)と呼ばれる。
図3、図4などの構成において、光出射面に、微細な四角錐、三角錐などの、プリズムを形成することにより、表示輝度を向上できる。四角錐の場合は、底辺の1辺は、100μm以下10μm以上にする。さらに好ましくは30μm以下10μm以上にする。三角錐の場合は、底辺の直径を100μm以下10μm以上にする。さらに好ましくは30μm以下10μm以上にする。
画素16が反射電極の場合はEL膜29から発生した光は上方向に出射される(図4のA方向に光が出射)。したがって、位相板38および偏光板39は光出射側に配置することはいうまでもない。
反射型画素16は、画素電極35を、アルミニウム、クロム、銀などで構成して得られる。また、画素電極35の表面に、凸部(もしくは凹凸部)を設けることで有機EL膜29との界面が広くなり発光面積が大きくなり、また、発光効率が向上する。なお、カソード36(アノード35)となる反射膜を透明電極に形成する、あるいは反射率を30%以下に低減できる場合は、円偏光板は不要である。写り込みが大幅に減少するからである。また、光の干渉も低減し望ましい。
凸部(もしくは凹凸部)は、回折格子にすることは光取り出しに効果がある。回折格子は2次元あるいは3次元構造にする。回折格子のピッチは0.2μm以上2μm以下にすることが好ましい。この範囲で光効率が良好な結果が得られる。特に回折格子のピッチは0.3μm以上0.8μm以下にすることが好ましい。また、回折格子の形状は、サインカーブ状にすることが好ましい。
EL表示装置のカラー化は、マスク蒸着により行うが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、青色発光のEL層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、B光に変換してもよい。たとえば、図4において、薄膜封止膜41上あるいは下にカラーフィルターを配置する。もちろん、プレシジェンシャドーマスクを利用したRGB有機材料(EL材料)の打ち分け方式を採用してもよい。本発明のカラーEL表示パネルはこれらのいずれの方式を用いても良い。
本発明のELパネル(EL表示装置)の画素16の構造は、図1などに示すように、1つの画素16が4つのトランジスタ11ならびにEL素子15により形成される。画素電極35はソース信号線18と重なるように構成する。ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアクリル材料からなる平坦化膜32を形成して絶縁し、平坦化膜32上に画素電極35を形成する。このようにソース信号線18上の少なくとも1部に画素電極35を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態が期待できる。
平坦化膜32は層間絶縁膜としても機能する。平坦化膜32は、0.4μm以上2.0μm以下の膜厚に構成あるいは形成する。平坦化膜32の膜厚が0.4μm以下であれば、層間絶縁が不良になりやすい(歩留まり低下)。2.0μm以上であればコンタクト接続部34の形成が困難になり、コンタクト不良が発生しやすい(歩留まり低下する)。
本明細書ではEL素子15として有機EL素子(OEL、PEL、PLED、OLEDなど多種多様な略称で記述される)を例にあげて説明するがこれに限定するものではなく、無機EL素子にも適用されることは言うまでもない。
有機EL表示パネルに用いられるアクティブマトリックス方式は、特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられること。1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができることという2つの条件を満足させなければならない。
この2つの条件を満足させるため、図2に図示する従来の有機ELの画素構成では、第1のトランジスタ11bは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタとして機能させる。また、第2のトランジスタ11aはEL素子15に電流を供給するための駆動用トランジスタとして機能させている。
この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって、駆動用トランジスタ11aのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。
トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる形成温度が450度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トタンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜0.5Vの範囲でばらつきがある。そのため、駆動用トランジスタ11aを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、トランジスタの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。また、トランジスタ11の劣化によっても特性は変化する。
この現象は、低温ポリシリコン技術に限定されるものではなく、プロセス温度が450度(摂氏)以上の高温ポリシリコン技術でも、固相(CGS)成長させた半導体膜を用いてトランジスタなどを形成したものでも発生する。その他、有機トランジスタでも発生する。アモルファスシリコントランジスタでも発生する。
図2のように、電圧を書き込むことにより、階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要がある。しかし、現状の低温多結晶ポリシリコントランジスタなどではこのバラツキを所定範囲以内の抑えることができない。
本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11は、p−チャンネルポリシリコン薄膜トランジスタに構成される。また、トランジスタ11bは、デュアルゲート以上であるマルチゲート構造としている。
本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイン間のスイッチとして作用する。したがって、トランジスタ11bは、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11bのゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実現できる。
本明細書ではEL素子15として有機EL素子(OEL、PEL、PLED、OLEDなど多種多様な略称で記述される)を例にあげて説明するがこれに限定するものではなく、無機EL素子にも適用されることは言うまでもない。
有機EL表示パネルに用いられるアクティブマトリックス方式は、特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられること。1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができることという2つの条件を満足させなければならない。
この2つの条件を満足させるため、図2に図示する従来の有機ELの画素構成では、第1のトランジスタ11bは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタとして機能させる。また、第2のトランジスタ11aはEL素子15に電流を供給するための駆動用トランジスタとして機能させている。
この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって、駆動用トランジスタ11aのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。
トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる形成温度が450度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トタンジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜0.5Vの範囲でばらつきがある。そのため、駆動用トランジスタ11aを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、トランジスタの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。また、トランジスタ11の劣化によっても特性は変化する。
図2のように、電圧を書き込むことにより、階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要がある。しかし、現状の低温多結晶ポリシリコントランジスタなどではこのバラツキを所定範囲以内の抑えることができない。
本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイン間のスイッチとして作用する。したがって、トランジスタ11bは、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11bのゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実現できる。
図1の画素回路は、1画素内に4つのトランジスタ11を有している。駆動用トランジスタ11aのゲート端子はトランジスタ11bのソース端子に接続されている。トランジスタ11bおよびトランジスタ11cのゲート端子はゲート信号線17aに接続されている。トランジスタ11bのドレイン端子はトランジスタ11cのソース端子ならびにトランジスタ11dのソース端子に接続され、トランジスタ11cのドレイン端子はソース信号線18に接続されている。トランジスタ11dのゲート端子はゲート信号線17bに接続され、トランジスタ11dのドレイン端子はEL素子15のアノード電極に接続されている。
図1ではすべてのトランジスタはPチャンネルで構成している。Pチャンネルは多少Nチャンネルのトランジスタに比較してモビリティが低いが、耐圧が大きくまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Nチャンネルのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成してもよい。
パネルを低コストで作製するためには、画素を構成するトランジスタ11をすべてPチャンネルで形成し、内蔵ゲートドライバ回路12もPチャンネルで形成することが好ましい。このようにアレイをPチャンネルのみのトランジスタで形成することにより、マスク枚数が5枚となり、低コスト化、高歩留まり化を実現できる。
図1のように画素16の駆動用トランジスタ11a、選択トランジスタ(11b、11c)がPチャンネルトランジスタの場合は、突き抜け電圧が発生する。これは、ゲート信号線17aの電位変動が、選択トランジスタ(11b、11c)のG−S容量(寄生容量)を介して、コンデンサ19の端子に突き抜けるためである。Pチャンネルトランジスタ11bがオフするときにはVgh電圧となる。そのため、コンデンサ19の端子電圧がVdd側に少しシフトする。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子電圧は上昇し、より黒表示となる。したがって、良好な黒表示を実現できる。
以上の実施例は、トランジスタ11bのG−S容量(寄生容量)を介して、コンデンサ19の電位を変動させ、コンデンサ19の電位変動により、黒表示を良好にする構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、コンデンサ19bを素子で形成してもよいことは言うまでもない。コンデンサ19bはトランジスタ11のゲート信号線17を構成する電極層と、ソース信号線18を構成(形成)する電極層を2つの電極として形成することが好ましい。コンデンサ19bの容量はコンデンサ19aの容量の1/4以上1/1以下とすることが好ましい。
コンデンサ19bなどによる突き抜け電圧のシフト量は一定であり、また、Vgh電圧、Vgl電圧が一定値であるからである。電流駆動方式(電流プログラム方式)では、低階調ではプログラム電流が小さくなり、ソース信号線18の寄生容量の充放電が困難である。しかし、コンデンサ19bになどよる突き抜け電圧を利用することにより、ソース信号線18に印加するプログラム電流を比較的大きくでき、駆動用トランジスタ11aがEL素子15に流す電流はプログラム電流よりも小さくすることができる。つまり、微小なプログラム電流を画素16に書き込むことができる。
逆に、突き抜け電圧を可変するには、Vgh電圧またはVgl電圧もしくはVgh電圧とVgl電圧の電位差を変化すればよい。たとえば、点灯率(後に説明する)に応じて、Vgh電圧、Vgl電圧を変化あるいは操作する駆動方法が例示される。また、コンデンサ19bの容量を変化すればよい。また、アノード電圧Vddを変化させればよい。たとえば、点灯率(後に説明する)に応じて、アノード電圧(Vdd)を変化あるいは操作する駆動方法が例示される。これらを変化あるいは変更することにより突き抜け電圧の大きさを制御でき、駆動用トランジスタ11aが流す電流量を制御でき、良好な黒表示を実現できる。
突き抜け電圧の大きさは階調番号によらず、一定値であるため、低階調領域では、相対的に減少するプログラム電流量の割合が大きくなる。したがって、低階調領域になるほど、良好な黒表示を実現できる。
以下、さらに本発明の理解を容易にするために、本発明のEL素子構成について図5を用いて説明する。本発明のEL素子構成は2つのタイミングにより制御される。第1のタイミングは必要な電流値を記憶させるタイミングである。このタイミングでトランジスタ11bならびにトランジスタ11cがONすることにより、等価回路として図5(a)となる。ここで、信号線より所定の電流Iwが書き込まれる。これによりトランジスタ11aはゲートとドレインが接続された状態となり、このトランジスタ11aとトランジスタ11cを通じて電流Iwが流れる。したがって、トランジスタ11aのゲート−ソースの電圧はI1が流れるような電圧となる。
第2のタイミングはトランジスタ11aとトランジスタ11cが閉じ、トランジスタ11dが開くタイミングであり、そのときの等価回路は図5(b)となる。トランジスタ11aのソース−ゲート間の電圧は保持されたままとなる。この場合、トランジスタ11aは常に飽和領域で動作するため、Iwの電流は一定となる。
以上の動作を図示すると、図6に図示するようになる。図6(a)の61aは、表示画面64における、ある時刻での電流プログラムされている画素(行)(書き込み画素行)を示している。画素(行)61aは、図5(b)に図示するように非点灯(非表示画素(行))とする。
図1の画素構成の場合は、図5(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwが駆動用トランジスタ11aを流れ、プログラム電流Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
次に、EL素子15に電流を流す期間は図5(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
図6の駆動方法のタイミングチャートを図7に図示する。図7でわかるように、各選択された画素行(選択期間は、1Hとしている)において、ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)が印加されている時(図7(a)を参照)には、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されている(図7(b)を参照)。この期間は、EL素子15には電流が流れていない(非点灯状態)。
選択されていない画素行において、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加されている。また、この期間は、EL素子15に電流が流れている(点灯状態)。また、点灯状態では、EL素子15は所定のN倍の輝度(N・B)で点灯し、その点灯期間は1F/Nである。したがって、1Fを平均した表示パネルの表示輝度は、(N・B)×(1/N)=B(所定輝度)となる。なお、Nは1以上であればいずれの値でもよい。
つぎに、図8を用いて、本発明のEL表示パネルで使用する電源(電圧)について説明をする。ゲートドライバ回路12は、バッファ回路82とシフトレジスタ回路81で構成される。バッファ回路82はオフ電圧(Vgh)とオン電圧(Vgl)を電源電圧として使用する。一方、シフトレジスタ回路81はシフトレジスタの電源VGDDとグラント(GND)電圧を使用し、また、入力信号(CLK、UD、ST)の反転信号を発生させるためのVREF電圧を使用する。また、ソースドライバ回路(IC)14は、電源電圧Vsとグランド(GND)電圧を使用する。
ゲートドライバ回路12aは、シフトレジスタ回路81aとバッファ回路82を具備している。したがって、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aをオンオフ制御する。ゲート信号線17bは、用のシフトレジスタ回路81b(図示せず)とバッファ回路82(図示せず)を内蔵する。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1を例にあげて説明をする。
各シフトレジスタ回路81は正相と負相のクロック信号CLKx(CLKxP、CLKxN)、スタートパルス(STx)で制御される。なお、xは添え字である。その他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブル(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアップダウン(UPDWM)信号を付加することが好ましい。他に、スタートパルスがシフトレジスタ回路81にシフトされ、そして出力されていることを確認する出力端子などを設けることが好ましい。
シフトレジスタ回路81のシフトタイミングはコントロールIC722(後述する)からの制御信号で制御される。また、外部データのレベルシフトを行うレベルシフト回路81を内蔵する。なお、クロック信号は正相のみとしてもよい。正相のみのクロック信号とすることにより信号線数が削減でき、狭額縁化を実現できる。
シフトレジスタ回路81のバッファ容量は小さいため、直接にはゲート信号線17を駆動することができない。そのため、シフトレジスタ回路81の出力とゲート信号線17を駆動する出力ゲート間には少なくとも2つ以上のインバータ回路が形成されている。
ソースドライバ回路(IC)14を低温ポリシリなどのポリシリ技術で基板30上に直接形成する場合も同様であり、ソース信号線18を駆動するトランスファーゲートなどのアナログスイッチのゲートとソースドライバ回路(IC)14のシフトレジスタ間には複数のインバータ回路が形成される。
以下の事項(シフトレジスタの出力と、信号線を駆動する出力段(出力ゲートあるいはトランスファーゲートなどの出力段間に配置されるインバータ回路に関する事項)は、ソースドライブおよびゲートドライバ回路に共通の事項である。
ここで理解を容易にするため、電圧値を規定する。まず、アノード電圧Vddを6(V)とし、カソード電圧Vssを−9(V)とする(図1などを参照のこと)。GND電圧は0(V)とし、ソースドライバ回路のVs電圧はVdd電圧と同一の6(V)とする。Vgh1とVgh2電圧はVddより0.5(V)以上3.0(V)以下とすることが好ましい。ここでは、Vgh1=Vgh2=8(V)とする。
ゲートドライバ回路12のVgl1は、図1のトランジスタ11cのオン抵抗を十分に小さくするため、低くする必要がある。ここでは、回路構成を容易にするため、Vgh1と絶対値が逆であるVgl1=−8(V)にする。VGDD電圧は、Vghよりも低く、GND電圧よりも高くする必要がある。ここでは、発生電圧回路を容易にし、回路コストを低減するため、Vgh電圧の1/2の4(V)にする。一方で、Vgl2電圧は、余り低くすると、トランジスタ11bのリークを発生する危険性があるため、したがって、VGDD電圧とVgl1電圧の中間電圧にすることが好ましい。ここでは、電圧回路を容易にし、回路コストを低減するため、VGDD電圧と絶対値が等しく、また反対極性である−4(V)にする。
以上の実施例は、1画素行ごとに1本の選択画素行を配置(形成)する構成であった。本発明は、これに限定するものではなく、複数の画素行で1本のゲート信号線17aを配置(形成)してもよい。
図10はその実施例である。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1の場合を主として例示して説明をする。図10ではゲート信号線17aは3つの画素(16R、16G、16B)を同時に選択する。Rの記号とは赤色の画素関連を意味し、Gの記号とは緑色の画素関連を意味し、Bの記号とは青色の画素関連を意味するものとする。
ゲート信号線17aの選択により、画素16R、画素16Gおよび画素16Bが同時に選択されデータ書き込み状態となる。画素16Rはソース信号線18Rから映像データをコンデンサ19Rに書き込み、画素16Gはソース信号線18Gから映像データをコンデンサ19Gに書き込む。画素16Bはソース信号線18Bから映像データをコンデンサ19Bに書き込む。
画素16Rのトランジスタ11dはゲート信号線17bRに接続されている。また、画素16Gのトランジスタ11dはゲート信号線17bGに接続され、画素16Bのトランジスタ11dはゲート信号線17bBに接続されている。画素16RのEL素子15R、画素16GのEL素子15G、画素16BのEL素子15Bは別個にオンオフ制御することができる。つまり、EL素子15R、EL素子15G、EL素子15Bはそれぞれのゲート信号線17bR、17bG、17bBを制御することにより、点灯時間、点灯周期を個別に制御可能である。
図10の表示パネルの構成において、ゲート信号線17bRにオンオフ電圧を印加することにより、R画素16Rをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bGにオンオフ電圧を印加することにより、G画素16Gをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bBにオンオフ電圧を印加することにより、B画素16Bをオンオフ制御することができる。
また、以上の駆動を実現するためには、図11に図示するように、ゲート信号線17bRを制御するゲートドライバ回路12bR、ゲート信号線17bGを制御するゲートドライバ回路12bG、ゲート信号線17bBを制御するゲートドライバ回路12bBを形成または配置すればよい。
以上の実施例は、主としてシリコンチップからなるICでソースドライバ回路(IC)14を構成するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、アレイ基板30に直接にポリシリコン技術(CGS技術、低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術など)を用いて出力段回路91など(ポリリシコン電流保持回路92)を形成または構成してもよい。
図9はその実施例である。R、G、Bの出力段回路91(R用は91R、G用は91G、B用は91B)と、RGBの出力段回路91を選択するスイッチSがポリシリコン技術で形成(構成)されている。スイッチSは1H期間を時分割して動作する。基本的には、スイッチSは、1Hの1/3期間がRの出力段回路91Rに接続され、1Hの1/3期間がGの出力段回路91Gに接続され、残りの1Hの1/3期間がBの出力段回路91Bに接続される。
図9に図示するように、シフトレジスタ回路、サンプリング回路などを有するソースドライバ(回路)14は、端子93でソース信号線18と接続される。ポリシリコンからなるスイッチSが時分割で切り換えられ、出力段回路91RGBに接続される。出力段回路91RGBはRGBの映像データからなる電流が保持される。なお、図9ではポリリシコン電流保持回路92は1段分しか図示していないが、実際には2段構成されていることは言うまでもない。
図9では、スイッチSは、1Hの1/3期間がRの出力段回路91Rに接続され、1Hの1/3期間がGの出力段回路91Gに接続され、残りの1Hの1/3期間がBの出力段回路91Bに接続されると説明したが本発明はこれに限定するものではない。R、G、Bを選択する期間は異なっていてもよい。これは、R、G、Bのプログラム電流Iwの大きさが異なっているためである。R、G、BでEL素子15の効率が異なるため、R、G、Bでプログラム電流の大きさが異なる。プログラム電流の大きさが小さいと、ソース信号線18の寄生容量の影響を受けやすいため、プログラム電流の印加期間を長くし、十分にソース信号線18の寄生容量の充放電期間を確保する必要がある。一方で、ソース信号線18の寄生容量の大きさは、R、G、Bで同一であることが多い。
以上の実施例では、RGBそれぞれに対応する画素16を同時に走査する構成であった。本発明はこの構成に限定するものではない。フレーム(フィールド)ないで、RGBを個別に選択して画像表示を行っても良い。図12はその実施例である。
図12(a)は1フレーム(1フィールド)期間にR表示領域63R、G表示領域63G、B表示領域63Bを画面の上から下方向(下方向から上方向でもよい)に走査する。RGBの表示領域以外の領域は非表示領域62とする。つまり、間欠駆動を実施する。R、G、Bの表示領域63は個別に間欠表示が実施される。
図12(b)は1フィールド(1フレーム)期間にR、G、B表示領域63を複数発生するように実施した実施例である。この駆動方法は、図23の駆動方法と類似である。したがって、説明を必要としないであろう。図12(b)に表示領域63を複数に分割することにより、フリッカの発生はより低フレームレートでもなくなる。
図13(a)は、RGBの表示領域63で表示領域63の面積を異ならせたものである。なお、表示領域63の面積は点灯期間に比例することは言うまでもない。図13(a)では、R表示領域63RとG表示領域63Gと面積を同一にしている。G表示領域63GよりB表示領域63Bの面積を大きくしている。
有機EL表示パネルでは、Bの発光効率が悪い場合が多い。図13(a)のようにB表示領域63Bを他の色の表示領域63よりも大きくすることにより、効率よくホワイトバランスをとることができるようになる。また、R、G、B表示領域63の面積を変化させることにより、ホワイトバランス調整、色温度調整を容易に実現できる。
図13(b)は、1フィールド(フレーム)期間で、B表示期間63Bが複数(63B333B2)となるようにした実施例である。図13(a)は1つのB表示領域63Bを変化させる方法であった。変化させることによりホワイトバランスを良好に調整できるようにする。図13(b)は、同一面積のB表示領域63Bを複数表示させることにより、ホワイトバランス調整(補正)を良好にする。また、色温度補正(調整)を良好にする。たとえば、屋外と屋内で色温度を変化させることは有効である。たとえば、屋内では、色温度を低下させ、屋外では色温度を高くする。
本発明の駆動方式は図12、図13のいずれに限定するものではない。また、図12、図13の駆動方法では、R、G、Bの表示領域63を発生し、間欠表示する。結果として動画ボケを解消でき、画素16への書き込み不足を改善する。
図13(a)と図13(b)とは組み合わせてもよいことはいうまでもない。たとえば、図13(a)のRGBの表示面積63を変化し、かつ図13(b)のRGBの表示領域63を複数発生させる駆動方法の実施である。
図6では表示領域63を1つにした方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図14に図示するように、表示領域63と非表示領域62とを複数に分散させてもよい。
また、図14に図示するように、間欠する間隔(非表示領域62/表示領域63)は等間隔に限定するものではない。たとえば、ランダムでもよい(全体として、表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となればよい)。また、RGBで異なっていてもよい。つまり、白(ホワイト)バランスが最適になるように、R、G、B表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となるように調整(設定)すればよい。
非表示領域62とは、ある時刻において非点灯EL素子15の画素16領域である。表示領域63とは、ある時刻において点灯EL素子15の画素16領域である。非表示領域62、表示領域63は、水平同期信号に同期して、1画素行ずつ位置がシフトしていく。
本発明の駆動方法の説明を容易にするため、1/Nとは、1F(1フィールドまたは1フレーム)を基準にしてこの1Fを1/Nにするとして説明する。しかし、1画素行が選択され、電流値がプログラムされる時間(通常、1水平走査期間(1H))があるし、また、走査状態によっては誤差も生じることは言うまでもない。もちろん、ゲート信号線17aからの突き抜け電圧によっても、理想状態から変化する。ここでは説明を容易にするため、理想状態として説明をする。
液晶表示パネルは、1F(1フィールドあるいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電流(電圧)を保持する。そのため、動画表示を行うと表示画像の輪郭ぼけが発生するという課題が発生する。
有機(無機)EL表示パネル(表示装置)も1F(1フィールドあるいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電流(電圧)を保持する。したがって、液晶表示パネルと同様の課題が発生する。一方、CRTのように電子銃で線表示の集合として画像を表示するディスプレイは、人間の眼の残像特性を用いて画像表示を行うため、動画表示画像の輪郭ぼけは発生しない。
本発明の駆動方法では、1F/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)/N)は電流を流さない。本発明の駆動方式を実施し画面の一点を観測した場合を考える。この表示状態では1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、画像データ表示状態が時間的に間欠表示状態となる。動画データ表示を、間欠表示状態でみると画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現することができる。
本発明の駆動方法では、間欠表示を実現する。しかし、間欠表示を実施するにあたり、トランジスタ11dは最大でも1H周期でオンオフ制御するだけでよい。したがって、回路のメインクロックは従来と変わらないため、回路の消費電力が増加することもない。液晶表示パネルでは、間欠表示を実現するために画像メモリが必要である。本発明は、画像データは各画素16に保持されている。そのため、本発明の駆動方法において、間欠表示を実施するための画像メモリは不要である。
本発明の駆動方法はスイッチングのトランジスタ11d(図1などを参照のこと)などをオンオフさせるだけでEL素子15に流す電流を制御する。つまり、EL素子15に流れる電流Iwをオフしても、画像データはそのまま画素16のコンデンサ19の保持されている。したがって、次のタイミングでスイッチング素子11dなどをオンさせ、EL素子15に電流を流せば、その流れる電流は前に流れていた電流値と同一である。
本発明では黒挿入(黒表示などの間欠表示)を実現する際においても、回路のメインクロックをあげる必要がない。また、時間軸伸張を実施する必要もないための画像メモリも不要である。また、有機EL素子15は電流を印加してから発光するまでの時間が短く、高速に応答する。そのため、動画表示に適し、さらに間欠表示を実施することのより従来のデータ保持型の表示パネル(液晶表示パネル、EL表示パネルなど)の問題である動画表示の問題を解決できる。
さらに、大型の表示装置でソース信号線18の配線長が長くなり、ソース信号線18の寄生容量が大きくなる場合は、N値を大きくすることのより対応できる。ソース信号線18に印加するプログラム電流値をN倍にした場合、ゲート信号線17b(トランジスタ11d)の導通期間を1F/Nとすればよい。これによりテレビ、モニターなどの大型表示装置などにも適用が可能である。
電流駆動では特に黒レベルの画像表示では20nA以下の微小電流で画素のコンデンサ19をプログラムする必要がある。したがって、寄生容量が所定値以上の大きさで発生すると、1画素行にプログラムする時間(基本的には1H以内である。ただし、2画素行を同時に書き込む場合もあるので1H以内に限定されるものではない。)内に寄生容量を充放電することができない。1H期間で充放電できなれば、画素への書き込み不足となり、解像度がでない。
図1の画素構成の場合、図5(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwがトランジスタ11aを流れ、Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
次に、EL素子15に電流を流す期間は図5(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
プログラム電流Iwが本来流す電流(所定値)のN倍であるとすると、図5(b)のEL素子15に流れる電流Ieも10倍になる。したがって、所定値の10倍の輝度でEL素子15は発光する。つまり、図18に図示するように、倍率Nを高くするほど、画素16の瞬時の表示輝度Bも高くなる。基本的には倍率Nと画素16の輝度とは比例関係となる。
なお、本発明は、画素構成が電流プログラム方式のみに限定されない。たとえば、図26のような電圧プログラム方式の画素構成にも適用できる。1フレーム(フィールド)の所定期間を高い輝度で表示し、他の期間を非点灯状態にすることが、電圧駆動方式においても、動画表示性能の向上などに有効だからである。また、電圧駆動方式においても、ソース信号線18の寄生容量の影響は無視できない。特に大型EL表示パネルにおいて、寄生容量が大きいため、本発明の駆動方法を実施することは効果がある。以上の事項は、本発明の他の実施例においても同様である。
図6(b)に図示するように、書き込み画素行61aを含む画素行が非点灯領域62とし、書き込み画素行61aよりも上画面のS/N(時間的には1F/N)の範囲を表示領域63とする(書き込み走査が画面の上から下方向の場合、画面を下から上に走査する場合は、その逆となる)。画像表示状態は、表示領域63が帯状になって、画面の上から下に移動する。
図6の表示では、1つの表示領域63が画面の上から下方向に移動する。フレームレートが低いと、表示領域63が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
この課題に対しては、図14に図示するように、表示領域63を複数に分割するとよい。この分割された総和がS(N−1)/Nの面積となれば、図6の明るさと同等になる。なお、分割された表示領域63は等しく(等分に)する必要はない。また、分割された非表示領域62も等しくする必要はない。
以上のように、表示領域63を複数に分割することにより画面のちらつきは減少する。したがって、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現できる。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分割するほど動画表示性能は低下する。
図15はゲート信号線17の電圧波形およびELの発光輝度を図示している。図15で明らかなように、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)している。つまり、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施する。このように制御すれば、フリッカの発生を抑制でき、低フレームレートの画像表示を実現できる。
画像の分割数は可変できるように構成することが好ましい。たとえば、ユーザーが明るさ調整スイッチを押すことにより、あるいは明るさ調整ボリウムを回すことにより、この変化を検出してKの値を変更してもよい。また、ユーザーが輝度を調整するように構成してもよい。表示する画像の内容、データにより手動で、あるいは自動的に変化させるように構成してもよい。
図15などにおいて、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)し、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施するとしたがこれ限定するものではない。1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施してもよい。つまり、本発明は、EL素子15に流す期間(時間)を制御することにより表示画面64を表示するものである。したがって、1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施することは本発明の技術的思想に含まれる。また、Lの値を変化させることにより、表示画面64の輝度をデジタル的に変更することができる。たとえば、L=2とL=3では50%の輝度(コントラスト)変化となる。また、画像の表示領域63を分割する時、ゲート信号線17bをVglにする期間は同一期間に限定するものではない。
図16は2画素行を同時に選択する駆動方法の実施例である。理想的には、2画素(行)のトランジスタ11aが、それぞれがIw×5(N=10の場合。つまり、K=2であるから、ソース信号線18に流れる電流はIw×K×5=Iw×10となる)の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素16のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされ保持される。
同時に選択する画素行が2画素行(K=2)であるから、2つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、2つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
たとえば、書き込み画素行61aに、本来、書き込む電流Idとし、ソース信号線18には、Iw×10の電流を流す。書き込み画素行61bは後に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。画素行61bは、1H期間の間は61aと同一表示である。そのため、書き込み画素行61aと電流を増加させるために選択した画素行61bとを少なくとも非表示状態62とするのである。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(3)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(1)には正規の画像データが保持される。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(4)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(4)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することのより、画素行(2)には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画素行ずつシフト(もちろん、複数画素行ずつシフトしてもよい。たとえば、擬似インターレース駆動であれば、2行ずつシフトするであろう。また、画像表示の観点から、複数の画素行に同一画像を書き込む場合もあるであろう)しながら走査することにより1画面が書き換えられる。
図16(a)(b)に図示するように、2本の書き込み画素行61(61a、61b)が選択され、画面64の上辺から下辺に順次選択されていく。しかし、図16(b)のように、画面の下辺までくると書き込み画素行61aは存在するが、61bはなくなる。つまり、選択する画素行が1本しかなくなる。そのため、ソース信号線18に印加された電流は、すべて画素行61aに書き込まれる。したがって、画素行61aに比較して、2倍の電流が画素にプログラムされてしまう。
この課題に対して、本発明は、図16(b)に図示するように画面64の下辺にダミー画素行161を形成(配置)している。したがって、選択画素行が画面64の下辺まで選択された場合は、画面64の最終画素行とダミー画素行161が選択される。そのため、図16(b)の書き込み画素行には、規定どおりの電流が書き込まれる。なお、ダミー画素行161は表示領域64の上端あるいは下端に隣接して形成したように図示したが、これに限定するものではない。表示領域64から離れた位置に形成されていてもよい。また、ダミー画素行161は、図1のスイッチングトランジスタ11d、EL素子15などは形成する必要はない。形成しないことにより、ダミー画素行161のサイズは小さくなるからパネルの額縁を短くすることができる。
図17は図16(b)の状態を示している。図17で明らかのように、選択画素行が画面64の下辺の画素16c行まで選択された場合は、画面64の最終画素行161が選択される。ダミー画素行161は表示領域64外に配置する。つまり、ダミー画素行161は点灯しない、あるいは点灯させない、もしくは点灯しても表示として見えないように構成する。たとえば、画素電極とトランジスタ11とのコンタクトホールをなくすとか、ダミー画素行にはEL素子15を形成しないとかである。図17のダミー画素行161はEL素子15、トランジスタ11d、ゲート信号線17bを図示しているが、駆動方法の実施には不必要である。実際に開発した本発明の表示パネルでは、ダミー画素行161にはEL素子15、トランジスタ11d、ゲート信号線17bを形成していない。ただし、画素電極を形成することが好ましい。画素内の寄生容量が他の画素16と同一にならず、保持されるプログラム電流に差異が発生する場合があるからである。
図16(a)(b)では、画面64の下辺にダミー画素(行)161を設ける(形成する、配置する)としたが、これに限定するものではない。たとえば、図276(a)に図示するように、画面の下辺から上辺に走査する。上下逆転走査する場合は、図276(b)に図示するように画面64の上辺にもダミー画素行161を形成すべきである。つまり、画面64の上辺を下辺のそれぞれにダミー画素行161を形成(配置)する。以上のように構成することにより、画面の上下反転走査にも対応できるようになる。
以上の実施例は、2画素行を同時選択する場合であった。本発明はこれに限定するものではなく、たとえば、5画素行を同時選択する方式でもよい。つまり、5画素行同時駆動の場合は、ダミー画素行161は4行分形成すればよい。
ダミー画素行161数は、同時に選択する画素行数M−1の画素行を形成すればよい。たとえば、同時に選択する画素行が5画素行であれば、書き込み画素行61は4画素行である。同時に選択する画素行が10画素行であれば、10−1=9画素行である。
図16はダミー画素行161を形成する場合において、ダミー画素行の配置位置の説明図である。基本的に、表示パネルは上下反転駆動するとして、ダミー画素行161を画面64の上下に配置している。
以上の実施例は、1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式、あるいは、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。画像データに応じて1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式と、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式を組み合わせてもよい。
以上の事項は、電流プログラム方式の1つであるカレントミラー方式であっても、図11に図示するように、駆動用トランジスタ11bとEL素子15間にスイッチング素子としてのトランジスタ11eを形成または配置することにより、EL素子15に流れる電流をオンオフすることができる。したがって、前述の駆動方式を実現できる。
図1などで説明した画素構成では、駆動用トランジスタ11aは各画素16に1つの構成である。しかし、本発明において、駆動用トランジスタ11aは1つに限定されるものでなない。たとえば、図19の画素構成が例示される。
図19は画素16を構成するトランジスタ数を6個とし、プログラム用トランジスタ11anはトランジスタ11b2とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成し、駆動用トランジスタ11a1はトランジスタ11b1とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成した実施例である。
図19において、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とプログラム用トランジスタ11anのゲート端子とを共通にしている。トランジスタ11b1は電流プログラム時に駆動用トランジスタ11a1のドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。トランジスタ11b2は電流プログラム時にプログラム用トランジスタ11anのドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。
トランジスタ11cは駆動用トランジスタ11a1のゲート端子に接続されており、トランジスタ11dは駆動用トランジスタ11a1とEL素子15間に形成または配置され、EL素子15に流れる電流を制御する。また、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とアノード(Vdd)端子間には付加コンデンサ19が形成または配置されており、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anのソース端子はアノード(Vdd)端子に接続されている。
以上のように、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anが同一数のトランジスタを通過するように構成することにより、精度を向上させることができる。つまり、駆動用トランジスタ11a1を流れる電流は、トランジスタ11b1、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。また、プログラム用トランジスタ11anを流れる電流は、トランジスタ11b2、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。したがって、駆動用トランジスタ11a1の電流と、プログラム用トランジスタ11anの電流は、同数の2つのトランジスタを通過してソース信号線18に流れるように構成されている。
図19では、駆動用トランジスタ11anを1つのトランジスタとして図示しているが、これに限定するものではない。駆動用トランジスタ11anは、同一チャンネル幅W、同一チャンネル長Lあるいは同一WL比の複数のトランジスタから構成してもよい。また、駆動用トランジスタ11a1の駆動用トランジスタ11anと、同一チャンネル幅W、同一チャンネル長Lあるいは同一WL比にすることが好ましい。同一WLあるいはWL比のトランジスタを複数形成する方が、各トランジスタ11aの出力バラツキが小さくなり、また画素16間のばらつきも少なくなり好ましい。
ゲート信号線17aに選択電圧(オン電圧)が印加されると、トランジスタ11anとトランジスタ11a1からの電流が合成されたものがプログラム電流Iwとなる。このプログラム電流Iwを、駆動用トランジスタ11a1からEL素子15に流れる電流Ieの所定倍率にする。
Iw=n・Ie(nは1以上の自然数)
上式において、表示パネルの最大白ラスターでの表示輝度B(nt)、表示パネルの画素面積S(平方ミリメートル)(画素面積は、RGBを1単位として取り扱う。したがって、各R、G、Bの絵素が縦0.1mm、横0.05mmであれば、S=0.1×(0.05×3)(平方ミリメートル)である)、表示パネルの1画素行選択期間(1水平走査(1H)期間)をH(ミリ秒)としたとき、以下の条件を満足するようにする。なお、表示輝度Bは、パネル仕様に規定する表示できる最大輝度である。
5 <= (B・S)/(n・H) <= 222
さらに好ましくは、以下の条件と満足するようにする。
10 <= (B・S)/(n・H) <= 100
Iwはソースドライバ回路(IC)14が出力するプログラム電流であり、このプログラム電流に対応する電圧が、画素16のコンデンサ19にホールドされる。また、Ieは駆動用トランジスタ11a1がEL素子15に流す電流である。
トランジスタ11a1、トランジスタ11anの出力ばらつきに関しては、トランジスタ11anと駆動用トランジスタ11a1を近接させて形成または配置することにより改善できる。また、トランジスタ11an、トランジスタ11a1の特性は形成方向によっても特性が異なる場合がある。したがって、同一方向に形成することが好ましい。
ゲート信号線17aが選択されると、駆動用トランジスタ11a1およびプログラム用トランジスタ11anの両方がオンする。駆動用トランジスタ11a1が流す電流Iw1と、プログラム用トランジスタ11a1が流す電流Iw2とは、略一致させることが好ましい。最もこのましくは、プログラム用トランジスタ11anと駆動用トランジスタ11a1のサイズ(W、L)を一致させることである。つまり、Iw1=Iw2、Iw=2Ieの関係を満足させることが好ましい。もちろん、Iw1=Iw2の関係を満足させるには、トランジスタサイズ(W、L)を一致させることに限定されるものではなく、サイズを変化することにより一致させてもよい。これは、トランジスタのWLを調整することにより容易に実現できる。略Iw2/Iw1=1であれば、トランジスタ11b1とトランジスタ11b1のサイズは略一致して構成あるいは形成することができる。
なお、Iw2/Iw1は、1以上10以下の関係を満足させておくことが好ましい。Iw2/Iw1は、1以上10以下の関係を満足させておくことが好ましい。さらに好ましくは、1.5以上5以下の関係を満足させておくことが好ましい。
Iw2/Iw1が1以下では、ほとんど、ソース信号線18の寄生容量の影響を改善する効果は見込めない。一方Iw2/Iwが10以上となると、Iwに対するIeの関係に画素ごとにばらつきが発生し、均一な画像表示が実現できない。また、トランジスタ11bのオン抵抗の影響を大きく受けるようになり、画素設計も困難になる。
プログラム用トランジスタ11anが流す電流Iw2が、駆動用トランジスタ11a1が流す電流Iw1に比較して一定以上大きい場合は(Iw2 > Iw1)、スイッチング用トランジスタ11b2のオン抵抗を、スイッチング用トランジスタ11b1のオン抵抗よりも小さくする必要がある。スイッチング用トランジスタ11b2は、トランジスタ11b1よりも大きな電流を、同一のゲート信号線17aの電圧にたいして流すように構成する必要があるからである。
つまり、駆動用トランジスタ11a1の出力電流の大きさに対するトランジスタ11b1の大きさと、プログラム用トランジスタ11anの出力電流の大きさに対するトランジスタ11b2の大きさをマッチングさせる必要がある。
言い換えれば、プログラム電流Iw2、プログラム電流Iw1に対して、トランジスタ11bのオン抵抗を変化させる必要がある。また、プログラム電流Iw2、プログラム電流Iw1に対して、トランジスタ11b1と11b2のサイズを変化させる必要がある。

プログラム電流Iw2がプログラム電流Iw1よりも大きければ、トランジスタ11b2のオン抵抗はトランジスタ11b1のオン抵抗よりも小さくする必要がある(トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のゲート端子電圧が同一の場合である)。プログラム電流Iw2がプログラム電流Iw1よりも大きければ、トランジスタ11b2のオン電流(Iw2)はトランジスタ11b1のオン電流(Iw1)よりも大きくする必要がある(トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のゲート端子電圧が同一の場合である)。
Iw2:Iw1=n:1とし、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11b1とトランジスタ11b2がオンしたときのトランジスタ11b2のオン抵抗をR2、トランジスタ11b1のオン抵抗をR1とする。この時、R2は、R1/(n+5)以上、R1/(n)以下の関係を満足するように構成する。構成するとは、トランジスタ11bの所定のサイズに形成するあるいは配置するもしくは動作させる意味である。ただし、nは1よりも大きな値である。
上記事項は、トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のオン抵抗Rあるいは、プログラム電流Iwの説明である。したがって、上記条件を満足するように画素構成を実現すればいずれの構成でもよい。たとえば、トランジスタ11b1のゲート端子に接続されたゲート信号線17と、トランジスタ11b2のゲート端子に接続されたゲート信号線17とが異なる信号線の場合は、各ゲート信号線に印加する電圧を変化させれば、オン抵抗などを変化でき、本発明の条件を満足させることできる。
図20は図19の画素構成の動作の説明図である。図20(a)は電流プログラム状態であり、図19(b)はEL素子15に電流を供給している状態である。なお、図20(b)の状態で、トランジスタ11dをオンオフさせて間欠表示を実施してもよいことは言うまでもない。
図20(a)では、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11b1、11b2、11cがオンする。トランジスタ11a1は電流Ieを供給し、トランジスタ11anは電流Iw−Ieを供給し、合成した電流IwがソースドライバIcにプログラム電流となる。以上の動作により、プログラム電流Iwに対応する電圧がコンデンサ19に保持される。電流プログラム時にはトランジスタ11dはオフ状態に保持される(ゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている)。
EL素子15に電流を流す場合が、図20(b)の動作状態にされる。ゲート信号線17aにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される。この状態では、トランジスタ11b1、11b2、11cがオフ状態になり、トランジスタ11dがオン状態になる。EL素子15にIe電流が供給される。
以上の実施例は、主として図1の変形例の実施例であった。本発明はこれに限定するものではなく、図18などのカレントミラーの画素構成にも適用することができる。また、図21(a)(b)(c)にも適用できることは言うまでもない。
理解を容易にするため、映像データとプログラム電流は比例の関係で変換されるとして説明する。実際はさらに容易に、映像データとプログラム電流とを変換できる。図22に図示するように本発明は単位トランジスタ224の単位電流が、映像データの1に該当するからである。さらに、単位電流は基準電流回路を調整することにより、容易に任意の値に調整できるからである。また、基準電流はR、G、B回路ごとに設けられており、RGB回路に基準電流回路を調整することにより全階調範囲にわたりホワイトバランスをとることができるからである。このことは電流プログラム方式で、かつ本発明のソースドライバ回路(IC)14、表示パネル構成の相乗効果である。
EL表示パネルでは、プログラム電流とEL素子15の発光輝度が線形の関係にあるという特徴がある。このことは電流プログラム方式の大きな特徴である。つまり、プログラム電流の大きさを制御すれば、リニアにEL素子15の発光輝度を調整できる。
駆動用トランジスタ11aはゲート端子に印加した電圧と、駆動用トランジスタ11aが流す電流とは非線形である(2乗カーブになることが多い)。したがって、電圧プログラム方式では、プログラム電圧と発光輝度とは非線形の関係にあり、きわめて発光制御が困難である。電圧プログラムに比較して電流プログラム方式では極めて発光制御が容易である。
以下、図22、図23を参照しながら、本発明のソースドライバ回路(IC)14について説明をする。ソースドライバ回路(IC)14は、出力端子数に対応する出力段(トランジスタ群)251cが形成または配置されている。各出力段251cには、映像信号のビット数に対応するトランジスタ(電流源(1単位)電流)224が形成または配置されている。たとえば、映像信号が6ビット(D0〜D5)の場合は、2の6乗−1=63個のトランジスタ224が形成される。映像信号が8ビット(D0〜D7)の場合は、2の8乗−1=255個のトランジスタ224が形成される。
各トランジスタ224は、映像データビット(D0〜D5)ごとに配置される。D0ビットには1つのトランジスタ224が配置される。D1ビットには2つのトランジスタ224が配置される。D2ビットには4つのトランジスタ224が配置され、D3ビットには8つのトランジスタ224が配置され、D4ビットには16つのトランジスタ224が配置される。同様に、D5ビットには32つのトランジスタ224が配置される。
各ビットのトランジスタ224の出力電流が端子93に出力されるか否かは、アナログスイッチ221(221a〜221f)によるオンオフ制御で実現される。アナログスイッチ221a〜221fは映像信号の各ビット(一例として6ビット)に対応する。D0ビットに対応するスイッチ221aが閉じると、1単位電流が出力端子93から出力(入力)される。出力端子93には、ソース信号線18が接続されている。同様に、D1ビットに対応するスイッチ221bが閉じると、2単位電流が出力端子93から出力(入力)される。以下、D2ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、4単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D3ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、8単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D4ビットに対応するスイッチ221dが閉じると、16単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D5ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、32単位電流が出力端子93から出力(入力)される。以上のように、映像信号のビットに対応して、デジタル的にスイッチ221がクローズまたはオープンし、映像信号に応じて電流(プログラム電流)が端子93から出力される。
また、プログラム電流は内部配線222を流れる。内部配線222の電位Vwは、ソース信号線18の電位となる。ソース信号線18の電位は、電流プログラム時は、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート電圧である。
単位トランジスタ224はトランジスタ228bとカレントミラー回路を構成している。なお、図22、図23では、単位トランジスタ224とカレントミラー回路を構成するトランジスタ228bを1つと図示しているが、実際は、複数のトランジスタ(トランジスタ群)で構成(形成)(図28を参照のこと)される。トランジスタ228bとトランジスタ群251cとは所定のカレントミラー比でカレントミラー回路を構成する。
トランジスタ228bには基準電流Icが流れ、この基準電流Icのカレントミラー比に応じた電流が単位トランジスタ224に流れる。図22の63個の単位トランジスタ224はすべて同一の単位電流を出力する。ただし、単位電流が流れるためには、該当のスイッチ221が閉じ、電流経路を構成する必要がある。
基準電流Icはオペアンプ231aと抵抗R1からなる定電流回路で発生する。基準電流Icは基準電圧Vsを安定化かつ高精度化することにより一定化する。基準電流Icを設定する電圧ViとVsが抵抗R1の両端に印加される。したがって、基準電流Ic=(Vs−Vi)/R1となる。基準電流IcはRGBごとに設定することができる。つまり、RGBごとにトランジスタ群251cが構成(形成)されている。前記トランジスタ群251cのトランジスタ228bに流れる電流Icを設定(調整)できる。
図23(a)は基準電流Icを、Vs電圧を用いて発生する回路構成である。図23(b)はGNDとオペアンプ231aの−端子間に配置(挿入)された抵抗R1を用いて基本的な電流を発生させ、トランジスタ232bとトランジスタ228aからなるカレントミラー回路で折り返し、トランジスタ228bに基準電流Icを流す構成である。図23(b)の方が、基準電流のIcの大きさを調整しやすい。しかし、トランジスタ232bとトランジスタ228aからなるカレントミラー回路で折り返すために、バラツキが発生しやすい。
本発明は図22(b)に図示するように、各ビット(最下位ビットを除く)に複数の単位トランジスタ224を形成または配置するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、各ビットに、各ビットに応じた電流を出力する1つのトランジスタ224を形成または配置してもよいことは言うまでもない。
64階調(RGB各6ビット)の場合は、63個の単位トランジスタ224を形成するとした。したがって、256階調(RGB各8ビット)の場合、255個の単位トランジスタ224が必要になることになる。
電流駆動方式では、電流の加算ができるという特徴ある効果がある。また、単位トランジスタ224において、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/2にすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/2になるという特徴ある効果がある。同様に、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/4にすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/4になるという特徴ある効果がある。
図24(a)は、各ビットに対して同一のサイズの単位トランジスタ224を配置したトランジスタ群251cの構成である。説明を容易にするため、図24(a)は63個の単位トランジスタ224が構成され、6ビットのトランジスタ群251cを構成(形成)しているとする。また、図24(b)は8ビットであるとする。
図24(b)では、下位2ビット(Aで示す)は、単位トランジスタ224よりも小さいサイズのトランジスタで構成している。最小ビット目の第0ビット目は、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/4で形成している(単位トランジスタ224bで示す)。また、第1ビット目は、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/2で形成している(単位トランジスタ224aで示す)。なお、単位トランジスタ224aは、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/4である単位トランジスタ224bを2個で形成してもよい。
以上の実施例では、単位トランジスタ224bのWは、単位トランジスタ224のWの1/4であるとした。たとえば、単位トランジスタ224のWが6μmであれば、単位トランジスタ224bのWは1/4の1.5μmとなる。しかし、これは理想的な特性を示す場合である。本発明では、1.5μmより大きくしている。つまり、2.0μmなど大きくしている。大きくすることにより、単位トランジスタ224bの4倍の電流が単位トランジスタ224の電流と一致するように構成することができる。以上の事項は後にさらに詳しく説明をする。
単位トランジスタ224a、224b、224のゲート端子は同一のゲート配線222に接続される。ゲート配線223はトランジスタ228bのゲート端子と接続されている。
以上のように、下位2ビットは上位の単位トランジスタ224よりも小さいサイズの単位トランジスタ(224a、224b)で形成している。また、正規の単位トランジスタ224の個数は63個で変化がない。したがって、6ビットから8ビットに変更しても、トランジスタ群251cの形成面積は図24(a)と図24(b)で大差はない。
図24(b)に図示するように、6ビットから8ビット仕様に変化させても出力段のトランジスタ群251cのサイズが大きくならないのは、電流の加算ができるという点、単位トランジスタ224において、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/nにすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/nになるという点をうまく利用しているからである。
また、図24(b)に図示するように、単位トランジスタ224a、224bのようにトランジスタサイズが小さくなると、出力電流バラツキも大きくなる。しかし、いかにバラツキが大きくとも、単位トランジスタ224aまたは224bの出力電流は加算される。したがって、図24(a)の6ビット仕様より、図24(b)の8ビット仕様のほうが高階調出力を実現できる。もちろん、単位トランジスタ224a、224bの出力バラツキが大きいから、正確な8ビット表示を実現することはできない可能性はある。でも、かならず、図24(a)よりは高精細表示を実現できる。
実際にはチャンネル幅Wを1/2にしても出力電流は正確には1/2にはならない。多少の補正が必要である。検討の結果では、チャンネル幅Wを1/2にすると、トランジスタのゲート端子電圧を同一とした場合、出力電流は、1/2以下となる。そのため、本発明は、下位ビットを構成するトランジスタと、上位ビットを構成するトランジスタのサイズと変化させる場合、以下のようにトランジスタサイズを設定している。
まず、ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224を2種類のサイズのように、少ない形状で構成する。複数の単位トランジスタ224のチャンネル長Lは同一にする。つまり、チャンネル幅Wのみを変化させる。第1の単位トランジスタの第1の単位出力電流と、第2の単位トランジスタの第2の単位出力電流の比をn(第1の単位出力電流:第2の単位出力電流=1:n、ただし、nは1より小さい値)とするとき、第1の単位トランジスタのチャンネル幅W1 < 第2の単位トランジスタのチャンネル幅W2×n×a(a=1)の関係となるように構成する。
W1×n×a=W2とした場合、1.05< a <1.3の関係が成り立つようにすることが好ましい。補正aは、テストトランジスタを形成し、測定することにより補正係数を容易に把握することができる。
本発明は、下位のビットを作製(構成)するために、上位のビットの単位トランジスタ224に比較して小さい小単位トランジスタを形成または配置するものである。この小さいという概念は、上位ビットを構成する単位トランジスタ224の出力電流よりも小さいという意味である。したがって、単位トランジスタ224に比較してチャンネル幅Wが小さいだけでなく、同時にチャンネル長Lも小さい場合も含まれる。また、他の形状も含まれる。
図24はトランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のサイズを複数種類とするものであった。図24では2種類としている。この理由は、先に説明したように、単位トランジスタ224のサイズが異なると出力電流の大きさが形状に比例しないため、設計が難しくなるからである。したがって、トランジスタ251cを構成する単位トランジスタ224のサイズは低階調用と高階調用の2種類とすることが好ましい。しかし、本発明はこれに限定するものではない。3種類以上であってもよいことは言うまでもない。
図43でも図示しているように、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のゲート端子は、1つのゲート配線223で接続されている。ゲート配線223に印加された電圧により単位トランジスタ224の出力電流が決定される。したがって、トランジスタ群251c内の単位トランジスタ224の形状が同一であれば、各単位トランジスタ224は同一の単位電流を出力する。
本発明は、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のゲート配線223を共通にすることには限定されない。たとえば、図25(a)のように構成してもよい。図25(a)において、トランジスタ228b1とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ224と、トランジスタ228b2とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ224とが配置されている。
トランジスタ228b1はゲート配線223aで接続されている。トランジスタ228b2はゲート配線223bで接続されている。図25(a)の一番上の1個の単位トランジスタ224はLSB(0ビット目)であり、2段目の2個の単位トランジスタ224は1ビット目、3段目の4個の単位トランジスタ224は2ビット目である。また、4段目の組の8個の単位トランジスタ224は3ビット目である。
図25(a)において、ゲート配線223aとゲート配線223bの印加電圧を変化させることにより、各単位トランジスタ224のサイズ、形状が同一であっても、各単位トランジスタ224の出力電流をゲート配線223の印加電圧により変化(変更)することができる。
図25(a)において、単位トランジスタ224のサイズなどを同一にして、ゲート配線223a、223bの電圧を異ならせるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。単位トランジスタ224のサイズなどを異ならせ、印加するゲート配線223a、223bの電圧を調整することにより、異なる形状の単位トランジスタ224の出力電流を同一となるようにしてもよい。
図24では、低階調のビットを構成する単位トランジスタ224サイズは、高階調を構成する単位トランジスタ224よりも小さくした。単位トランジスタ224のサイズが小さくなると、出力バラツキが大きくなる。この課題を解決するため、実際には、低階調の単位トランジスタ224はチャンネル長Lを高階調よりも大きくし、単位トランジスタ224の面積を小さくならないようにしてバラツキを抑制している。
ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224の最小出力電流は0.5nA以上10nAにしている。特に単位トランジスタ224の最小出力電流は2nA以上20nAにすることがよい。ドライバIC14内の単位トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224の精度を確保するためである。
本発明において、ソースドライバ回路(IC)14は半導体シリコンチップで形成し、ガラスオンチップ(COG)技術で基板30のソース信号線18の端子と接続されている。一方、ゲートドライバ回路12は低温ポリシリコン技術で形成している。つまり、画素のトランジスタと同一のプロセスで形成している。これは、ソースドライバ回路(IC)14に比較して内部の構造が容易で、動作周波数も低いためである。したがって、低温ポリシリ技術で形成しても容易に形成することができ、また、表示パネルの狭額縁化を実現できる。もちろん、ゲートドライバ回路12をシリコンチップで形成し、COG技術などを用いて基板30上に実装してもよいことは言うまでもない。また、ゲートドライバ回路(IC)12、ソースドライバ回路(IC)14をCOFあるいはTAB技術で実装してもよい。また、画素トランジスタなどのスイッチング素子、ゲートドライバなどは高温ポリシリコン技術で形成してもよく、有機材料で形成(有機トランジスタ)してもよい。
画素16を構成するトランジスタ11をPチャンネルで構成すると、プログラム電流は画素16からソース信号線18に流れ出す方向になる。そのため、ソースドライバ回路の単位トランジスタ224は、Nチャンネルのトランジスタで構成する必要がある。つまり、ソースドライバ回路(IC)14はプログラム電流Iwを引き込むように回路構成する必要がある。
画素16の駆動用トランジスタ11a(図1の場合)がPチャンネルトランジスタの場合は、必ず、ソースドライバ回路(IC)14はプログラム電流Iwを引き込むように、単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで構成する。
ソースドライバ回路(IC)14をアレイ基板30に形成するには、Nチャンネル用マスク(プロセス)とPチャンネル用マスク(プロセス)の両方を用いる必要がある。概念的に述べれば、画素16とゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバの引き込み電流源のトランジスタはNチャンネルで構成するのが本発明の表示パネル(表示装置)である。
本発明の1実施形態は、画素16のトランジスタ11をPチャンネルトランジスタで形成し、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで形成する。このように画素16のトランジスタ11とゲートドライバ回路12の両方をPチャンネルトランジスタで形成することにより、基板30を低コスト化できる。
ソースドライバ回路(IC)14は、単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで形成することが必要になる。しかし、Pチャンネルのみのプロセスでは、ソースドライバ回路(IC)14は基板30に直接形成することができない。そこで別途、シリコンチップなどでソースドライバ回路(IC)14を作製し、基板30に積載する。つまり、本発明は、ソースドライバIC14(映像信号としてのプログラム電流を出力する手段)を外付けする構成である。
また、単位トランジスタ224の面積を同一とした場合、Nチャンネルで形成した単位トランジスタ224のばらつきは、Pチャンネルで形成した単位トランジスタのばらつきに比較して、70%になる。つまり、Nチャンネルで単位トランジスタ224を形成する方が、同一トランジスタ形成面積でバラツキを小さくすることができる。検討の結果によれば、Pチャンネルの単位トランジスタのバラツキをNチャンネルの単位トランジスタと同一にするためには、2倍の形成面積が必要であった。
ソースドライバ回路(IC)14はシリコンチップで構成するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、低温ポリシリコン技術などでガラス基板に多数個を同時に形成し、チップ状に切断して、基板30に積載してもよい。
また、基板30にソースドライバ回路を積載するとして説明しているが、積載に限定するものではない。ソースドライバ回路(IC)14の出力端子251を基板30のソース信号線18に接続するのであればいずれの形態でもよい。たとえば、TAB技術でソースドライバ回路(IC)14をソース信号線18に接続する方式が例示される。シリコンチップなどに別途ソースドライバ回路(IC)14を形成することにより、出力電流のバラツキが低減し、良好な画像表示を実現できる。また、低コスト化が可能である。
また、画素16の選択トランジスタをPチャンネルで構成し、ゲートドライバ回路をPチャンネルトランジスタで構成するという構成は、有機ELなどの自己発光デバイス(表示パネルあるいは表示装置)に限定されるものではない。たとえば、液晶表示デバイス、FED(フィールドエミッションディスプレイ)にも適用することができる。
以上の構成を、図26に模式的に示す。単位トランジスタ群251cが出力端子数分、並列に配置される。単位トランジスタ群251cの両脇にトランジスタ群251bが複数ブロック形成されている。トランジスタ群251bのトランジスタ228bのゲート端子と、単位トランジスタ群251cの単位トランジスタ224のゲート端子とはゲート配線223で接続される。
以上の説明は、説明を容易にするため、単色のソースドライバIC14のように説明した。しかし、トランジスタ群251bおよび単位トランジスタ群251cは赤(R)、緑(G)、青(B)のトランジスタ群が交互に配置される。以上のように、RGB用のトランジスタ群を交互に配置することによりRGB間の出力バラツキが低減する。この構成もソースドライバ回路(IC)14内のレイアウトとして重要な要件である。
図27では、基準電流を流すトランジスタ群251b(トランジスタ228b)は、ICチップの外側近傍に配置している。トランジスタ228bは1つではなく、複数個が形成されトランジスタ群を構成する。ここでは説明を容易にするため、トランジスタ群251bはトランジスタ228bとして説明をする。この事項は本発明の他の実施例においても同様である(たとえば、図26が該当する)。
図61などの回路構成ではホワイトバランス調整が容易である。まず、RGBの電子ボリウム291を同一の設定値に調整する。次に外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスを調整する。
ソースドライバ回路(IC)14では、いずれかの電子ボリウムの設定値でホワイトバランスをとれば電子ボリウム291の値を同一にすればホワイトバランスを維持したまま、表示画面64の輝度調整を行えるという特徴がある。
図26は、トランジスタ群251cの両側から給電する構成であるが、上記事項はこれに限定するものではない。図27図29に図示するように、片側給電構成でも同様である。まず、R、G、Bの電子ボリウム291が同一の設定値で、外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスをとる。一般的にR回路のIcr、G回路のIcg、B回路のIcbを各RGBのEL素子の発光効率を考慮して所定の比率とすることによりホワイトバランスをとる。
ソースドライバ回路(IC)14では、どこかの電子ボリウムの設定値でホワイトバランスをとれば電子ボリウム291の値を同一にすればホワイトバランスを維持したまま、表示画面64の輝度調整を行えるという特徴がある。なお、RGBの電子ボリウムは、R、G、B独立に形成または配置することが好ましいが、これに限定するものではない。たとえば、R、G、Bで1つの電子ボリウム291でもホワイトバランスを維持したまま画面輝度を調整することが可能である。
本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の内部に電子ボリウムを形成または配置することのより、ソースドライバ回路(IC)14の外部からのデジタルデータ制御により基準電流を可変あるいは変更することができる。この事項は、電流駆動ドライバにおいて重要な事項である。電流駆動では、映像データがEL素子15に流れる電流に比例する。したがって、映像データをロジック処理することにより全EL素子に流れる電流を制御できる。基準電流もEL素子15に流れる電流に比例するから、基準電流をデジタル制御することにより、全EL素子15に流れる電流を制御できる。以上のことから、映像データに基づき、基準電流制御を実施することにより、表示輝度のダイナミックレンジの拡大などを容易に実現できる。
基準電流の変更あるいは変化させることにより、単位トランジスタ224の出力電流を変化することができる。たとえば、基準電流Icが100μAの時に、1つの単位トランジスタ224がオン状態での出力電流が1μAとする。この状態で、基準電流Icを50μAにすれば、1つの単位トランジスタ224の出力電流は0.5μAとなる。同様に、基準電流Icを200μAにすれば、1つの単位トランジスタ224の出力電流は2.0μAとなる。つまり、基準電流Icと単位トランジスタ224の出力電流Idは比例関係を満足することが好ましい。
基準電流Icを設定する設定データと基準電流Icとは比例関係となるように構成することが好ましい。たとえば、設定データが1の時、基準電流Icが100μAとし、これと基底とするならば、設定データが100の時、基準電流Icが200μAとなるようにする。つまり、設定データが1増加すると、基準電流Icが1μA増加するように構成することが好ましい。
以上のように構成することにより、電子ボリウム291の設定データにより、RGBの基準電流(Icr、Icg、Icb)は線形関係を保持したまま変化することができる。したがって、線形関係を保持していることから、いずれかの設定データ時に、ホワイトバランスを調整すれば、どの設定データの時でもホワイトバランスが維持される。この構成において、先に説明した外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスを構成は重要性がある(特徴ある構成である)。
以上の実施例では、外付け抵抗でホワイトバランスを調整するとしたが、抵抗R1はICチップに内蔵させてもよいことは言うまでもない。
図500に図示するように、電子ボリウム291内にはソースドライバ回路(IC)14内蔵の抵抗Rが直列に形成または配置されている。また、スイッチS1と基準電圧Vstd間は内蔵抵抗Raで接続させている。スイッチSnとグランド電圧GND間は内蔵抵抗Rbで接続されている。基準電圧Vstdは、精密な固定電圧である。したがって、EL表示パネルのVdd電圧が変動してもVstd電圧は変動しない。Vstdが変化すると基準電流Icが変動するため、この変動を防止し、表示パネルの輝度を一定にするためである。
以上のように、抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbをソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗(ポリシリ抵抗)で形成しているため、抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbの相対値は個々のソースドライバ回路(IC)14のポリシリ(ポリシリコン)抵抗のシート抵抗値が変動しても変動しない。したがって、ソースドライバ回路(IC)14では基準電流Icのバラツキが発生しない。
Rの基準電流Icrは電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1rで決定される。Gの基準電流Icgは電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1gで決定される。Bの基準電流Icbは電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1bで決定される。基準電圧VstdをRGBで共通にし、抵抗R1r、抵抗R1g、抵抗R1bでホワイトバランスが調整される。また、電子ボリウム291には、内蔵抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbの相対値を一致させ、電子ボリウム291の電圧もVstdとしている。したがって、基準電流Icr、Icg、Icbはソースドライバ回路(IC)14間で精度よく一定に維持することができる。基準電流Icを変化させるIDATAはコントローラ回路(IC)722で制御する。
抵抗R1r、抵抗R1g、抵抗R1bは外づけ抵抗あるいは外づけの可変抵抗である。また、基準電圧Vstdを用いない場合、あるいはVstdに該当する電圧を変化あるいは調整したい場合は、スイッチSW1で外部電圧Vsを印加できるように構成しておくことが好ましい。さらに、S1スイッチの電位を変化あるいは変更できるように、スイッチSW2で外部電圧Vaを印加できるように構成することが好ましい。また、図500には図示していないが、スイッチSnの出力電圧も変更できるように、電圧印加端子をソースドライバ回路(IC)14外部に引き出しておくことが好ましい。
基準電圧Vstdも図30に図示するように、DA変換回路291bに印加するデータにより、変更あるいは可変できるように構成することが好ましい。また、図231に図示するように、トランジスタ228とオペアンプからなる定電流回路で電流Irを発生し、この電流Irを電子ボリウム291の内蔵抵抗Rに流して、b端子から出力される電圧を変化できるように構成してもよい。
図31において、各ソースドライバIC14の左右には基準電流を流すトランジスタ(トランジスタ群)228bが形成または構成されている。ソースドライバIC14はスイッチSにより、トランジスタ228bを選択して基準電流を印加する。選択されなかったトランジスタ228bはオープン状態に構成される。
ソースドライバIC14aにおいては、基準電流は右端のトランジスタ228b2に流されている。スイッチSa2がクローズされ、スイッチSa1がオープンされている。スイッチSa、Sbはマスタースレーブ端子に印加されるロジック信号によりいずれがオープンにするか制御される。ソースドライバIC(回路)14aでは、右端に基準電流が流されており、左端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic1はトランジスタ228b2に流れる(ゲート配線223aには単位トランジスタ224のゲート端子に流れ込む電流のみが流れる)。
ソースドライバIC14bにおいては、基準電流は左端のトランジスタ228b1に流されている。スイッチSb1がクローズされ、スイッチSb2がオープンされている。スイッチSa、Sbはマスタースレーブ端子に印加されるロジック信号によりいずれがオープンにするか制御される。隣接するソースドライバIC14では、スイッチS*1とスイッチS*2ではオープンクローズが逆の関係となる。なお、*は記号aまたはbである。
ソースドライバIC(回路)14bでは、左端に基準電流が流されており、右端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic2はトランジスタ228b1に流れる。
図31では、トランジスタ228bは1つのトランジスタであるように図示しているが、実際は、図28などに図示するように、複数のトランジスタからなるトランジスタ群251bで構成される。
基準電流Ic1とIc2は等しいとして説明をする。出力端子93a1はカレントミラー回路を構成するトランジスタ228b2とカレントミラー精度がよい電流が出力される。
ソースドライバIC14bは基準電流を流すトランジスタ228b1が左端に構成されており、右端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic1はトランジスタ228b1に流れる(ゲート配線223bには単位トランジスタ224のゲート端子に流れ込む電流のみが流れる)。出力端子93a2はカレントミラー回路を構成するトランジスタ228b1とカレントミラー精度がよい電流が出力される。したがって、基準電流Ic1とIc2が等しいとすると、ソースドライバIC14aの出力端子93a1から出力される階調電流と、ソースドライバIC14bの出力端子93a2から出力される階調電流とは同一となる。以上の理由により2つのソースドライバIC14aとソースドライバIC14bとは良好にカスケード接続される。以上の構成は、160RGB出力のソースドライバIC14を2個使用する320RGB×240ドットなどのQVGAパネルなどに有効である。
図31ではソースドライバIC14aの右端の端子93a3から出力される階調電流(プログラム電流)と、ソースドライバIC14aの左端の端子93a1から出力される階調電流(プログラム電流)とは一致するとはかぎらない。ICチップ14a内の単位トランジスタ224の特性のより変化するからである。
また、ソースドライバIC14bの右端の端子93a2から出力される階調電流と、ソースドライバIC14bの左端の端子93a3から出力される階調電流とは一致するとはかぎらない。ICチップ14b内の単位トランジスタ224の特性のより変化するからである。しかし、カスケードするソースドライバIC14は2チップであるから、ソースドライバIC14aの出力端子93a1からの階調電流と、ソースドライバIC14bの出力端子93a2からの階調電流とが一致していれば問題はない。したがって、ゲート配線223は低抵抗の配線で形成してもよい。
図31の構成を実現するためには、ICチップ14aのゲート配線223の両端に位置するトランジスタ228bの一方をオープン状態(トランジスタ228bに電流が流れない状態)にする必要がある。
ミングしやすいように、複数に分割されている(ドレイン端子323a、323b、323c・・・・・)。図32(a)のA線でカットすることにより、ドレイン端子323eはカットされ、トランジスタ323の出力電流を減少させることができる。
図32(b)はドレイン端子323のトリミングする間隔を変化させたものである。減少させる電流の大きさに応じて、1箇所以上のドレイン端子323をトリミングし、出力電流を調整する。図32(b)ではB線の箇所とトリミングしている。
図32などのトリミング方式は特に、カスケード接続を担当する素子(トランジスタなど)に対して実施すると効果がある。カスケード接続で受け渡す電流の大きさをトリミングにより調整できるため、良好なカスケード接続を実現できるからであす。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できる。
以上の実施例では、ドレイン端子323あるいはソース端子321を1箇所あるいは複数箇所をトリミングするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、ゲート端子322をトリミングしてもよい。また、トリミングだけに限定するものではなく、トランジスタ324の半導体膜に、レーザー光あるいは熱的エネルギーを照射し、トランジスタ324を劣化させることにより、出力電流などを調整してもよいことは言うまでもない。また、図32などの実施例はトランジスタだけに限定されるものではなく、ダイオード、水晶、サイリスタ、コンデンサ、抵抗などに適用してもよいことはいうまでもない。
また、図24に図示するように、各ビットでトランジスタサイズが異なる場合(ビットの大きさに比例する場合など)は、トリミングする長さ(ドレインなどの長さ)もビットの大きさに比例するように構成することが好ましい。
ソースドライバ回路(IC)14は、ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージ回路を内蔵する。ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージあるいはディスチャージ回路の電圧(電流)出力値は、R、G、Bで独立に設定できるように構成することが好ましい。EL素子15の閾値がRGBで異なるからである。
図33はプリチャージ部の構成図である。Vpはプリチャージ電圧である。プリチャージ電圧は映像データD0〜D5により出力期間範囲が決定される。プリチャージ電圧は、クロックCLKに同期して出力される。プリチャージ電圧を出力する時間は、水平同期信号HDを基点としてカウンタ332の設定値で決定される。カウンタ332はクロックCLK信号に同期してカウントアップされる。プリチャージ電圧出力期間は、HDの最初から開始される。カウンタ332はカウントしたカウント値と設定値が一致すると、プリチャージ電圧の出力期間が終了する。カウンタ回路332の出力はアンド(AND)回路333のa端子入力となる。なお、説明を容易にするため、映像データは6ビットであるとして説明をする。
図33の構成では、どの電圧範囲までプリチャージするかは、一致回路331で決定される。一致回路331には、映像データD0〜D5が印加される。一致回路はプリチャージ範囲がメモリされている。メモリされた値よりも、映像データD0〜D5が小さい時、プリチャージ電圧が出力される。一致回路331はクロックCLKで同期して動作する。また、イネーブル信号ENがHの時、プリチャージ電圧は出力され、Lの時は映像データの値によらず、プリチャージ電圧は出力されない。一致回路331の出力はアンド回路333のb端子入力となる。
アンド回路333のa端子入力がHで、b端子入力がHの時、スイッチ221aが閉じ、プリチャージ電圧Vpが内部配線222に印加され、かつHI信号がHの時、スイッチ221bが閉じて端子93からプリチャージ電圧が出力される。
電流出力回路334は、映像データD0〜D5に基づく、プログラム電流を出力する。本発明では、プリチャージ電圧とプログラム電流を同時に出力する。ただし、プリチャージ電圧はHDの最初から一定の期間である。
プリチャージ電圧は、駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子に立ち上がり電圧あるいは立ち上がり電圧以下の電圧を印加する方法とも考えることができる。つまり、駆動用トランジスタ11aをオフ状態にすることによりプログラム電流Iwが0になる状態を発生させ、EL素子15に電流が流れないようにする。
本発明のソースドライバ回路は、図75に図示するように、電子ボリウム291を具備している。したがって、電子ボリウム291を制御することにより、容易にプリチャージ電圧を変化させることができる。なお、電子ボリウム291による制御だけでなく、ソースドライバ回路(IC)14の外部のDA回路などでプリチャージ電圧を発生させて印加してもよいことはいうまでもない。
図35は、ソースドライバ回路(IC)14のプリチャージ回路(プリチャージ電圧を出力する回路構成部)353を中心とするブロック図である。プリチャージ回路353とは、プリチャージ制御回路によりプリチャージ制御信号PC信号(赤(RPC)、緑(GPC)、青(BPC))が出力される。
セレクタ回路352は、メインクロックに同期して出力段に対応するラッチ回路351に順次ラッチしていく。ラッチ回路351はラッチ回路351aとラッチ回路351bの2段構成である。ラッチ回路351bは水平走査クロック(1H)に同期してプリチャージ回路353にデータを送出する。つまり、セレクタは、1画素行分の画像データおよびPCデータを順次ラッチしていき、水平走査クロック(1H)に同期して、ラッチ回路351bでデータをストアする。
なお、図35では、ラッチ回路351のR、G、BはRGBの画像データ6ビットのラッチ回路であり、Pはプリチャージ信号(RPC、GPC、BPC)の3ビットをラッチするラッチ回路である。
プリチャージ回路353は、ラッチ回路351bの出力がHレベルの時、スイッチ221aをオンさせ、ソース信号線18にプリチャージ電圧を出力する。電流出力回路334は画像データに応じて、プログラム電流をソース信号線18に出力する。
図35の構成では、各RGB画像データに対応して、プリチャージコントロール(PC)信号を発生させている。プリチャージの印加は、以上のようにRGBごとに行うことが好ましい。しかし、動画表示、自然画表示では、RGBごとにプリチャージするかしないかを判断する必要がない場合が多い。つまり、RGBを輝度信号に変換し(換算し)、輝度によりプリチャージをするかしないかを判断してもよい。
図36の構成では、PC信号は3ビット必要である(RPC、GPC、BPC)が、図79の構成では、PC信号はRGBPCの1ビットでよい。したがって、図35のラッチ回路351においても、Pは1ビットのラッチでよい。なお、以降の説明では、説明を容易にする点、作図を容易にする観点から、RGBを考慮せずに説明を行う。
以上の本発明の構成は、コントローラ回路(IC)が画像データに基づいてPC信号(プリチャージ制御信号)を発生する点、ソースドライバIC14がPC信号をラッチし1Hの同期信号に同期してソース信号線18に印加する点に特徴がある。プリチャージモード(PMODE)信号により、プリチャージ信号の発生を容易に変更することができる。
たとえば、PMODEとは、階調0のみをプリチャージするモード、階調0−7など一定の階調範囲をプリチャージするモード、画像データが明るい画像データから暗い画像データに変化する時にプリチャージするモード、一定のフレームで連続して低階調表示となる時に、プリチャージするモードなどが例示される。
1画素のデータについてプリチャージするかしないかを判断することに限定するものではない。たとえば、複数画素行の画像データにもとづいてプリチャージ判断をおこなってもよい。また、プリチャージを行う周辺画素の画像データを勘案して(たとえば、重み付け処理など)プリチャージ判断を行っても良い。また、動画と静止画でプリチャージ判断を変化する方法も例示される。以上事項は、画像データに基づき、コントローラがプリチャージ信号を発生することにより、良好な汎用性が発揮される点が重要である。以降、このプリチャージ判断とプリチャージモードを中心に説明をする。
プリチャージをするかしないかの判定は、1画素行前の画像データ(あるいは、直前にソース信号線に印加された画像データ)にもとづいて行っても良い。たとえば、あるソース信号線18に印加される画像データが白→黒→黒であれば、白から黒になる時は、プリチャージ電圧を印加する。黒階調は書込みにくいからである。黒から黒の場合は、プリチャージ電圧を印加しない。先に黒表示でソース信号線18の電位が次に書き込む黒表示の電位となっているからである。以上の動作は、コントローラ81に1画素行分(FIFOのため2ラインのメモリが必要)のラインメモリを形成(配置)することのより容易に実現できる。
また、本発明において、プリチャージ駆動では、プリチャージ電圧を出力するとして説明をするが、これに限定するものではない。1水平走査期間よりも短く、プログラム電流よりも大きい電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。つまり、プリチャージ電流をソース信号線18に書込み、その後にプログラム電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。プリチャージ電流も物理的には電圧変化を引き起こしていることには差異はない。プリチャージをプリチャージ電流で行う方式も本発明のプリチャージ駆動の技術的範疇である(本発明の範囲内である)。
本発明のプリチャージ駆動では所定電圧をソース信号線18に印加する。また、ソースドライバICはプログラム電流を出力するとした。しかし、本発明は、プリチャージ駆動を階調に応じて出力電圧を変化させてもよい。つまり、ソース信号線18に出力するプリチャージ電圧はプログラム電圧をなる。ソースドライバIC内にこのプリチャージ電圧のプログラム電圧回路371を導入した回路構成が図37である。
図37は1つのソース信号線18に対応する1出力回路ブロック図である。階調に応じてプログラム電流を出力する電流階調回路334と、階調に応じたプリチャージ電圧を出力する電圧階調回路371で構成される。電流階調回路334と電圧階調回路371には映像データが印加される。電圧階調回路371の出力はスイッチ221a、221bがオンすることによりソース信号線18に印加される。スイッチ221aはプリチャージイネーブル(プリチャージENBL)信号と、プリチャージ信号(プリチャージSIG)で制御される。
電圧階調回路371は、サンプルホールド回路、DA回路などで構成される(図38を参照のこと)。デジタルの映像データに基づいて、DA回路によりプリチャージ電圧に変換される。この変換されたプリチャージ電圧は、サンプルホールド回路381によりサンプルホールドされ、オペアンプを介してスイッチ221aの一端子に印加される。なお、DA回路は電圧階調回路371ごとに構成または形成する必要がなく、ソースドライバ回路(IC)14の外部にDA回路を構成し、このDA回路の出力を電圧階調回路371内でサンプルホールドしてもよい。また、ポリシリコン技術で形成してもよい。
図38に図示するように、8ビットの映像DATAに対応する電圧(プログラム電圧)が、映像クロックに同期して電子ボリウム291から出力される。プログラム電圧は、駆動用トランジスタ11aにプリチャージ電圧として印加される電圧である。また、プログラム電圧は、この電圧を印加することにより、階調にほぼ対応した電流がEL素子15に印加されるように駆動用トランジスタ11aのゲート端子に保持される電圧である。
プログラム電圧はCc容量に一時的に保持され、バッファアンプ231aから出力される。出力だれた電圧は、サンプルホールド回路(この実施例では切り替え回路のように図示している)381により、各端子93に順次振り分けられる(端子93a、93b、93c、93d・・・・・、93n、93a、93b、93c、・・・・・・・93n・・・・・・)。振り分けはクロックCLKに同期して実施される。なお、本発明では、8ビットのアドレス信号PADRSにより、任意の端子にプログラム電圧を振り分けできるように構成されている。このように、アドレス信号PADRSにより任意の端子93に振り分け(8ビットであるから256本の端子のいずれかに振り分け可能である)できるように構成することにより、プログラム電圧を書き換えが必要な端子のみ新規のプログラム電圧を印加することができる。また、プログラム電圧の振り分けをランダム化することができる。プログラム電圧は容量Cに保持され(サンプリングされ)、バッファ回路231bの出力は、スイッチSpの制御により端子93に印加されたり、遮断されたりする。スイッチSpは図37では、スイッチ221aが該当する。以上の構成が図37の電圧階調回路371に該当する。
電流階調回路334は、具体的には図22の回路構成が該当する。電流階調回路334のプログラム電流出力はスイッチSiにより制御される。以上のように、電流階調回路334と電圧階調回路371の出力はスイッチSi、Spにより制御され、プリチャージ駆動(電圧プログラム)+電流プログラミングが実現される。以上の信号は、端子93からソース信号線端子382に印加される。プログラム電圧はソース信号線18の寄生容量Caを短期間で充放電させる。
電圧階調回路371の出力は、図41に図示するように、1Hの最初に印加される(記号Aで示す)。その後、電流出力回路334によりソース信号線にプログラム電流が供給される(記号Bで示す)。つまり、プリチャージ電圧により概略のソース信号線電位まで電圧設定される。したがって、駆動用トランジスタ11aは目的電流に近い値まで、高速に設定される。その後、電流階調回路334が出力するプログラム電流により駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを補償する目的電流(=プログラム電流)まで設定される。
プリチャージ電圧信号が印加されるA期間は、1Hの1/100以上1/5以下の期間が好ましい。または、0.2μsec以上10μsec以下の期間に設定することが好ましい。したがって、A期間以外がB期間のプログラム電流の印加期間である。A期間が短いとソース信号線18の電荷の充放電が十分に行われないため、書き込み不足が発生する。一方、長すぎると電流印加期間(B)が短くなり十分にプログラム電流を印加することができない。したがって、駆動用トランジスタ11aの電流補正不足となる。
電圧印加期間(A期間)は、1Hの最初から実施することが好ましいが、これに限定されない。たとえば、1Hの終わりのブランキング期間から開始してもよい。また、1Hの途中にA期間を実施してもよい。つまり、1Hのいずれかの期間に電圧印加期間を実施すれはよい。しかし、好ましくは、電圧印加期間は、1Hの最初から1/4H(0.25H)の期間内に実施することが好ましい。
図41の実施例では、電圧プリチャージ(A)の期間後、電流を印加(B期間)するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、図42(a)に図示するように、1Hの期間のすべてを(あるいは大半を、あるいは過半数を)電圧プリチャージ(*A)期間としてもよい。
図42(a)の*Aの期間は、1Hの期間が電圧プログラムを実施している。*Aの期間は、低階調の領域である。低階調の領域で電流プログラムを実施してもプログラムされる電流が微小のため、ソース信号線18の寄生容量の影響により、ソース信号線18の電位変更を実施することができない。つまり、TFT11a(駆動用トランジスタ)の特性補償を行うことができない。また、電流プログラム方式では、プログラム電流Iと輝度Bとが線形の関係にある。そのため、低階調領域で1階調に対する輝度変化が大きすぎる。したがって、低階調領域で階調飛びが発生しやすい。
この課題に対して本発明では、図42(a)に図示するように、低階調領域で1Hの期間にわたり電圧プログラムを実施している(*Aで図示している)。低階調領域における領域で電圧プログラムの電圧ステップきざみを小さくしている。画素16のTFT11aに印加する電圧を一定ステップにすると、TFT11aのEL素子15への出力電流は概略2乗特性となる。したがって、印加電圧に対する輝度B(輝度BはEL素子15への出力電流に比例する)は、人間の視感度は直線的となる(人間の視感度は、2乗特性の時に低ステップで変化していると認識するためである)。
電圧プログラム方式では、TFT11aの特性補償を良好に実施することができない。しかし、低階調領域では、表示画面64の表示輝度が低いため、特性補償不足による表示ムラが発生しても視覚的に認識されることはない。一方で、電圧プログラム方式では、ソース信号線18の充放電を良好に実施することができる。そのため、低階調領域でも十分にソース信号線18の充放電を実施でき、適正な階調表示を実現できる。
図42(a)でも理解できるように、ソース信号線18の電位がアノード電位(Vdd)に近い場合に、1Hの期間のすべてに(大半に)電圧が印加される。ソース信号線18の電位が0(V)に近くなると、電圧プログラム(A期間)と電流プログラム(B)が1Hの期間内に実施される。なお、ソース信号線18の電位が0(V)に近い場合(高階調領域)では、1Hの期間中のすべての期間にわたり、電流プログラムを実施してもよい。
図42(a)の*A以外の期間は、1Hの一定期間(Aで示す)に電圧プログラムによる電圧をソース信号線18に印加し、その後、Bの期間に電流プログラムによる電流を印加している。以上のようにA期間の電圧の印加により画素16のTFT11aのゲート電位に所定電圧を印加し、概略EL素子15に流す電流が所望値になるようにしている。その後、B期間のプログラム電流により、EL素子15に流れる電流が所定値となるようにしている。*A期間は、1H期間の全般にわたり電圧プログラムが実施されている(電圧が印加されている)。
図42(a)は、画素16のTFT11a(駆動用トランジスタ)がPチャンネルの場合のソース信号線18への印加信号波形である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。画素16のTFT11aがNチャンネルであってもよい。この場合は、図42(b)に図示するように、ソース信号線18の電位が0(V)に近い場合に、1Hの期間のすべてに(大半に)電圧が印加される。ソース信号線18の電位がアノード電圧(Vdd)に近くなると、電圧プログラム(A期間)と電流プログラム(B)が1Hの期間に実施される。
なお、ソース信号線18の電位がVddに近い場合(高階調領域)では、1Hの期間中のすべての期間にわたり、電流プログラムを実施してもよい。
本発明では、駆動用トランジスタ11aはPチャンネルとして説明するがこれに限定するものではなく、駆動用トランジスタ11aはNチャンネルであってもよいことはいうまでもない。説明を容易にするために、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタであるとして説明を行うだけである。
図42などの本発明の実施例では、主として低階調領域は電圧プログラムが主で画素に書き込みがされる。中高階調領域は、電流プログラムが主で書き込みが行われる。つまり、電流と電圧駆動の両方のよいところの融合を実現できる。なぜなら、低階調領域は、電圧により所定階調表示される。これは、電流駆動では書き込み電流が微小のため、1H最初に印加した電圧(電圧駆動あるいはプリチャージ駆動による。プリチャージ駆動と電圧駆動は概念的には同一である。大きく差別化するならば、プリチャージ駆動は印加する電圧に種類が比較的少なく、電圧駆動は印加する電圧の種類が多いと言うべきである)が支配的となるからである。
中階調領域は、電圧により書き込んだ後、電圧のずれ量を、プログラム電流で補償する。つまり、プログラム電流が支配的となる(電流駆動が支配的である)。高階調領域は、プログラム電流で書き込む。プログラム電圧印加は不要である。印加した電圧がプログラム電流で書き換えられるからである。つまり、電流駆動が圧倒的に支配的である(図43(b)、図44などを参照のこと)。もちろん、電圧を印加してもよいことは言うまでもない。
電圧階調回路の出力と電流階調回路(プリチャージ回路も含む)の出力とを端子93でショートして構成することができるのは、電流階調回路は高インピーダンスであることによる。つまり、電流階調回路は高インピーダンスのため、電圧階調回路からの電圧が電流階調回路に印加されても、回路に問題点(短絡で過電流が流れるなど)が発生することがない。
したがって、本発明で電圧出力と電流出力状態とを切り換えるとしたがこれに限定するものではない。電流階調回路334からプログラム電流の出力した状態で、スイッチ221(図37を参照のこと)をオンして、電圧階調回路371の電圧を端子93に印加してもよいことは言うまでもない。
スイッチ221を閉じて端子93に電圧と印加した状態で、電流階調回路334からプログラム電流を出力してもよい。電流階調回路334は高インピーダンスであるので回路的には問題がない。以上の状態も本発明は電圧駆動状態と電流駆動状態とを切り換えているという動作の範疇である。本発明は電流回路と電圧回路の性質をうまく利用している。このことは、他のドライバ回路にない特徴ある構成である。
図43に図示するように、1H期間に印加するプログラムを電圧または電流の一方にしてもよいことは言うまでもない。図43において、*Aの期間は電圧プログラムが実施された1H期間であり、Bの期間は電流プログラムが実施されている1H期間である。主として低階調領域では電圧プログラムが実施され(*Aで示す)、中間調以上の領域では電流プログラムが実施される(Bで示す)。以上のように、階調あるいはプログラム電流の大きさに応じて、電圧駆動を選択するか電流駆動を選択するかを切り換えても良い。
図37の本発明の実施例では、電圧階調回路371と電流階調回路334には、同一の映像Dataが入力されている。したがって、映像Dataのラッチ回路は電圧階調回路371と電流階調回路334と共通でよい。つまり、映像Dataのラッチ回路は電圧階調回路371と電流階調回路334とに独立に設ける必要はない。共通の映像Dataラッチ回路からのデータに基づき、電流階調回路334または(および)電圧階調回路371がデータを端子93に出力する。
図45は本発明の駆動方法のタイミングチャートである。図45において、(a)のDATAは画像データである。(b)のCLKは回路クロックである。(c)のPcntlは、プリチャージのコントロール信号である。Pcntl信号がHレベルの時は、電圧駆動のみモード状態になり、Lレベルの時、電圧+電流駆動モードになる。(d)のPtcはプリチャージ電圧あるいは電圧階調回路371からの出力の切り換え信号である。Ptc信号がHレベルの時は、プリチャージ電圧などの電圧出力がソース信号線18に印加される。Ptc信号がLレベルの時は、電流階調回路334からのプログラム電流がソース信号線に出力される。
たとえば、データD(2)、D(3)、D(8)の時は、Pcntl信号がHレベルであるから、ソース信号線18に電圧階調回路371から電圧が出力される(A期間)。PcntlがLレベルの時は、ソース信号線18にはまず、電圧が出力され、その後、プログラム電流が出力される。電圧が出力される期間をAで示し、電流が出力される期間をBで示す。電圧を出力する期間Aは、Ptc信号で制御される。Ptc信号は、図37のスイッチ221のオンオフを制御する信号である。
Pcntl信号がHレベルの時は、電圧駆動のみモード状態になり、Lレベルの時、電圧+電流駆動モードになると説明した。電圧を印加する期間は、点灯率あるいは階調に応じて変化させることが好ましい。低階調の時は、電流駆動では画素にプログラム電流を完全に書き込むことができない。したがって、電圧駆動を実施することが好ましい。電圧を印加する期間を長くすることによって、電圧+電流駆動モードであっても、電圧駆動モードが支配的になり、良好に画素に低階調状態を書き込むことができる。低点灯率の場合は、低階調状態の画素が多い。したがって、低階調状態(低点灯率)の場合も、電圧を印加する期間を長くすることによって、電圧+電流駆動モードであっても、電圧駆動モードが支配的になり、良好に画素に低階調状態を書き込むことができる。
以上のように、電圧+電流駆動モードであっても、点灯率あるいは画素に書き込む階調データ(映像データ)に応じて、電圧駆動状態の期間を変化させることが好ましい。つまり、EL素子15に流す電流を小さくするときは(本発明では低点灯率範囲)、電圧駆動モード期間を長くし、EL素子15に流す電流を大きくするときは(本発明では高点灯率範囲)、電圧駆動モード期間を短くするか、もしくは’なし’にするように制御あるいは調整もしくは装置を構成する。なお、点灯率の意味あるいは点灯率状態に関しては、本明細書内で詳細に説明しているので省略する。また、電圧+電流駆動モードにおいて電圧駆動モードに印加(動作)期間を、duty比、基準電流比などを制御あるいは調整もしくは装置を構成してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
図45において、電圧出力期間Aと電流出力期間Bとを切り換えるとしたが、これに限定するものではない。プログラム電流の出力した状態で、スイッチ221(図37を参照)をオンして、電圧階調回路371の電圧を端子93に印加してもよいことは言うまでもない。また、スイッチ221を閉じて端子93に電圧と印加した状態で、電流階調回路334からプログラム電流を出力してもよい。A期間後にスイッチ221をオープンにする。以上のように電流階調回路334は高インピーダンスであるので電圧回路と短絡状態にしても回路的には問題がない。
図46はPtc信号のH期間を変化させることにより、ソース信号線18に電圧を出力する期間を可変するものである。H期間は、階調番号などにより変化させる。たとえば、D(7)では、Ptc信号は1Hの期間Lレベルである。したがって、図37のスイッチ221は1Hの期間オープン状態である。したがって、1H期間には電圧は印加されず、常時電流プログラム状態である。また、D(5)ではPtc期間は他の1H期間よりも長くなっている。したがって、電圧を印加するA期間は長く設定されている。
以上の実施例では、電流駆動状態と電圧駆動状態とを切り換えるものである。しかし、本発明はこれに限定されない。図47の実施例では、Ptc信号はない。したがって、Pcntl信号で制御される。そのため、H期間は電圧駆動が実施され、L期間は電流駆動が実施される。
電圧プログラムは、RGBのEL素子15の発光効率により、ソース信号線18に出力する電圧値を変更する必要がある。図1の画素構成を例示すれば駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する電圧(プログラム電圧)は駆動用トランジスタ11aが出力する電流により異なるからである。駆動用トランジスタ11aの出力電流はEL素子15の発光効率で異ならせる必要がある。本発明のソースドライバIC14を汎用性があるものとするためには、EL表示パネルの画素サイズが異なっていても、あるいはEL素子15の発光効率が異なっていても、設定あるいは調整により対応する必要がある。
電圧階調回路371は、アノード電圧(Vdd)を原点として電圧を出力する。この状態を図48に示す。アノード電圧(Vdd)は駆動用トランジスタ11aの動作原点である。なお、説明を容易にするため、図1に図示するような駆動用トランジスタ11aがPチャンネルの構成であるとして説明をする。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合も、原点位置が変化するだけであるので説明を省略する。したがって、説明を容易にするため、駆動用トランジスタ11aはPチャンネルの場合を例にあげて説明をする。
図48において、横軸は階調である。本発明では電圧階調回路371の出力階調は256(8ビット)階調であるとして説明をする。縦軸はソース信号線18への出力電圧である。図48では、階調番号に比例してソース信号線18の電位は低くなる。
ソース信号線18の電圧は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧である。駆動用トランジスタ11aの出力電流は、ゲート端子電圧に非線形で変化する。一般的に図48のようにソース信号線18に電圧を印加すると、駆動用トランジスタ11aの出力電流は、印加電圧に対して2乗特性で変化する。つまり、図48では階調に対するソース信号線18の電位は比例しているが、駆動用トランジスタ11aの出力電流(EL素子15に流れる電流)は、ほぼ2乗特性となる。
図48の回路構成は、回路構成などが容易である。しかし、EL素子15に流れる電流は階調番号に比例しない。駆動用トランジスタ11aに線形に変化する電圧を印加(図48の実施例の場合など)すると、トランジスタ11aの2乗特性により、出力電流は印加電圧の2乗に比例して出力されるからである。したがって、階調番号が小さい時はトランジスタ11aの出力電流の変化が小さく、階調番号が大きくなるにつれて、急激に大きくなる。したがって、階調番号に対する出力電流の精度が変化する。
この課題を解決する構成が図49である。図49では、階調番号が小さい時には、ソース信号線18への出力電圧の変化が大きい。また、階調番号が小さくなるほどソース信号線18への電圧変化割合は大きくなる。一方、階調番号が大きく(256番目に近づく)なると、ソース信号線18への出力電圧の変化が小さくなるように構成している。したがって、階調番号に対するソース信号線出力電流の関係は非線形となる。この非線形特性は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧に対するEL素子15への出力電流特性と組合せることにより、線形になるようにしている。つまり、階調番号の変化に対する駆動用トランジスタ11aのEL素子15への出力電流は線形となるように調整している。
電流プログラム方式は、階調番号に対するEL素子15に流れる電流は線形の関係にある。図49の構成(方式)は電圧プログラム方式である。図49では電圧プログラム方式であるが、階調番号に対するEL素子15に流れる電流は線形の関係である。したがって、図37のように電流プログラム方式と電圧プログラム方式とを組み合わせた構成(方式)において、マッチングがよい。
図49は階調番号に対する駆動用トランジスタ11aの出力電流Ieがほぼリニアに変化するようにしている。したがって、階調番号に対するソース信号線出力電圧の関係は、階調番号が小さい時はあらく、大きくなるにつれて細かく変化するようにしている。階調番号をKとし、ソース信号線Vsとした時、変化カーブ式は、図49に図示するようにソース信号線電圧Vs=A/(K・K)となるようにする。なお、Aは比例定数である。もしくは、ソース信号線電圧Vs=A/(B・K・K+C・K+D)もしくはVs=A/(B・K・K+C)となるようにする。なお、D、B、C、Aは定数である。
以上のように、変化カーブ式を構成することにより、変化カーブ式とソース信号線電圧Vsに対する駆動用トランジスタの出力電流Ieを掛け合わせた時に、Vsに対するIeが線形の関係とすることができる。
図49では、変化カーブ式が曲線となる。そのため、変化カーブを作成することが比較的困難である。この課題に対しては、図50に図示するように複数の直線で変化カーブ式を構成することが適切である。つまり、2つ以上の傾きの直線で変化カーブを構成する。
図49では、階調番号が小さい範囲では、ソース信号線18の出力電圧のきざみは大きくし(Aで示す)、階調番号が大きい範囲では、ソース信号線18の出力電圧のきざみは小さくする(Bで示す)。図49の変化カーブでは、階調番号Kに対する駆動用トランジスタ11aの出力電流Ieは非線形の関係となり、また、複数の非線形の出力を組み合わせたものとなる。しかし、階調番号Kに対する出力電流Ieの関係は線形に近い範囲が多くなる。したがって、電流プログラム駆動との組み合わせも容易である。
図49において、電圧階調回路371と電流階調回路334を1つのソースドライバ回路(IC)14内に形成するように図示しているがこれに限定するものではない。本発明は、電圧階調回路371と電流階調回路334とを有することを特徴としている。したがって、1本のソース信号18に一端に電圧階調回路(用IC)371を配置または形成もしくは実装し、前記ソース信号線の他端に電流階調回路(用IC)334を配置または形成もしくは実装してもよい。つまり、本発明は、任意の画素に電流プログラムと電圧プログラムを実施できる構成もしくは方法であればいずれの構成でもよい。
電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)14は逆1.5乗から3.0乗のガンマ特性とする。つまり、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧の変化ステップに対応して等間隔の電流増加を実現できるようにする。駆動用トランジスタ11aのV−I特性は略2乗特性であるからである(電圧V変化に対して、出力電流Iは略2乗特性で変化するからである)。さらに、電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)のガンマ特性は逆1.8乗から2.4乗のガンマ特性とすることが好ましい。
電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)のガンマ特性はプログラムブルに構成しておくことが好ましい。また、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、ガンマ特性カーブの原点はアノード電圧VddあるいはVdd近傍とする。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、ガンマ特性カーブの原点はカソード電圧Vssまたは回路14のグランドもしくはこれらの近傍電位とする。
電圧階調回路371(プリチャージ回路)の変化と電流階調回路334とは同期させる。つまり、電圧階調回路371(プリチャージ回路)の変化が電流階調回路334の変化に対応するように変化させる。電圧階調回路371による画素16の駆動用トランジスタ11aの出力電流の目標値(期待値)が1μAであれば、電流階調回路334による画素16の駆動用トランジスタ11aの目標値(期待値)が1μAとなるように階調制御する。したがって、電流階調回路334の階調データの値と電圧階調回路(プリチャージ回路)371の階調データとが一致するように構成することが好ましい。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。また、同期をさせることが好ましい。
本発明はすべてのソース信号線18に電圧プログラム(プリチャージ)と電流プログラムの両方を実施することに限定するものではない。いずれか一方を実施できるものでもよい。たとえば、奇数画素列に電圧プログラム(プリチャージ)を実施し、偶数画素列に電流プログラムを実施できるものでもよい。このような構成であっても画質の低下はほとんどない。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
図48の実施例では、階調番号が0の時は、ソース信号線18の電位がアノード電位(Vdd)となっていない。駆動用トランジスタ11aは立ち上がり電圧までは出力電流が0またはほぼ0である。この立ち上がり電圧までの範囲がCの領域である。したがって、Cの領域はブランクとなるので、階調番号数が一定の場合、図48などに比較して相対的にソース信号線の出力電圧きざみを細かくすることができる。
階調番号0の時、ソース信号線18の電位は原点(アノード電位)でない関係と、図49の非直線の関係、図50の複数の関係式を組合せる関係、図48の直線の関係などは、相互に組合せても良いことは言うまでもない。
電圧プログラムは、R、G、BのEL素子15の発光効率により、ソース信号線18に出力する電圧値を変更する必要がある。図1の画素構成を例示すれば駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する電圧(プログラム電圧)は駆動用トランジスタ11aが出力する電流により異なるからである。駆動用トランジスタ11aの出力電流はEL素子15の発光効率で異ならせる必要がある。本発明のソースドライバIC14を汎用性があるものとするためには、EL表示パネルの画素サイズが異なっていても、あるいはEL素子15の発光効率が異なっていても、設定あるいは調整により対応する必要がある。
図44は、電圧駆動において、電圧の基準はVddであるという点を利用した回路構成である。図48の縦軸である電圧の大きさVddを固定して変化させる。したがって、階調番号の範囲(256階調=256きざみ)を一定とした場合でも、縦軸の電圧の大きさを調整することができ、ソースドライバ回路(IC)14を汎用的にすることができる。
図44は電子ボリウム291の電圧範囲は、VddからVbvである。したがって、オペアンプ231aの出力電圧VadはVddからVbvの値が出力される。Vbvはソースドライバ回路(IC)14の外部より入力される。また、IC(回路)14内部で発生させてもよい。電子ボリウム291のスイッチSは8ビットの制御データ(階調番号)をデコーダ回路532でデコードされ該当のスイッチSが閉じ、電圧VddからVbv間の電圧がVadから出力される。
図44などはアノード電圧Vddを原点とするものであった。図81はアノード電位に該当する電圧も調整できるようにするものである。電子ボリウム291の端子Vddにオペアンプ231cからの電圧を印加している。印加する電圧はVbvhである。電子ボリウム291の下限電圧は、Vbvlである。したがって、ソース信号線18に印加される電圧範囲は、図82に図示するようにVbvh以下Vbvl以上となる。他の事項は他の実施例と同一あるいは類似であるので説明を省略する。
図39は、図37、図38の電流階調回路334と電圧階調回路371の構成部分をさらに詳細に記載したブロック図である。シフトレジスタ回路(セレクタ回路)352はスタート信号(ST1)、クロック(CLK1)により順次シフト動作する。シフト動作により、第1のラッチ回路(保持回路)351aに、DATA9ビットの保持位置を指定する。DATA9ビットとは、映像信号8ビットとプリチャージ信号1ビットの計9ビットである。ラッチ回路351aは1水平期間に順次DATAを保持していく。
第1のラッチ回路に保持されたDATAは、ロード信号(LD)により2段目の第2のラッチ回路351bにロードされる。ラッチ回路351bに保持されたDATAは、電圧階調回路371の入力と、電流階調回路334の入力となる。プリチャージ信号の1ビットは、電圧階調回路371のプログラム電圧と、電流階調回路334のプログラム電流の切り換え信号である。プリチャージ信号は、切り換え回路(図37のスイッチ221などが該当する)391を時間的に制御し、端子93からプリチャージ信号がオンのときはまずプリチャージ電圧を出力し、その後プログラム電流を出力する。
なお、電圧階調回路のサンプルホールド回路は比較的低速でしか動作しないため、ラッ電圧階調回路のサンプルホールド用として1段のラット回路を追加し、3段のラッチ回路で構成してもよいことは言うまでもない。また、切り換え回路391は基板30にポリシリコン技術で形成してもよい。
図40はプリチャージ電圧発生回路からの出力(一例としてVpa、Vpb、Vpc)をICチップ15の配線で伝達した構成である。配線は、ICチップの長手方向に形成される(各出力段251と垂直)。プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)Vp(Vpa、Vpb、Vpc、open)を伝達するプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)配線PS(PSa、PSb、PSc、PSd)がソース信号線18に直交するように配線される。プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)配線PSと内部配線222とは直交し、各交点にスイッチSpが配置されている。スイッチSpはSEL信号(プリチャージ電圧の選択信号、openを含む)で切り換えられる。openがスイッチSp0aで選択された場合は、プリチャージ電圧は出力されない。スイッチSpは端子93ごとに自由に設定できる。スイッチSpは映像信号の大きさ、変化などにより適切なものが選択され制御される。
図38と図40との差異は、図38が映像信号ごとに対応するプリチャージ電圧をサンプルホールドして発生させる構成である。サンプルホールドしたプリチャージ電圧は、出力端子ごとに、プリチャージビット(プリチャージ電圧を印加するか否かの判断ビット)により判断され印加される。図39は複数のプリチャージ電圧を発生させておき、1つのプリチャージ電圧を選択する構成である。選択するプリチャージ電圧は、プリチャージビット(SEL信号:どのプリチャージ電圧を印加するかの指定ビット。ただし、プリチャージ電圧を印加しない(open)場合もある)により判断され、ソース信号線18に印加される。
なお、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)は1Hの最初の期間に全ソース信号線18に一斉に印加される。したがって、SEL信号もラッチして保持しておく必要がある。
以上の実施例は、ソースドライバIC14を介して、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)を印加するものであったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、アレイ30基板に形成したプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)用トランジスタ素子を形成し、このトランジスタ素子をオンオフ制御することにより、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)線に印加されたプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)をソース信号線18に印加するように構成してもよいことは言うまでもない。
図40などで、オープン機能(openの選択)を設けている。しかし、これは説明を容易にするためであって、必ずしも構成あるいは形成することに限定するものではない。たとえば、図90に図示するように、プログラム電圧(プリチャージ電圧)の電圧出力回路371の出力側にスイッチ221b(セレクタ回路)を配置または形成し、プリチャージ電圧などを端子93から出力するモード(駆動方式)の場合は、スイッチ221bをa端子側にし、他のモードではスイッチ221bをb端子側に設定(a端子を選択しない)するように構成してもよい。
以上の実施例では、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)はアノード電圧に近い電圧であるとして説明をした、しかし、画素構成によっては、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)がカソード電圧に近い場合がある。たとえば、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタで形成している場合、駆動用トランジスタ11aが、Pチャンネルトランジスタで吐き出し電流(図1の画素構成は吸い込み(シンク)電流)で電流プログラムが実施される場合である。この場合は、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)はカソード電圧に近い電圧とする必要がある。
図51は本発明の他の実施例である。電子ボリウムの0階調目に該当するプリチャージ電圧(プログラム電圧)V0は図62に図示するようにRGBで固定電圧を印加する。もちろん、RGBで変化させてもよい。抵抗Rは図に示すように電子ボリウム291の外づけとしてもよい。抵抗Rを変化あるいは取り替えることにより自由に各Vpc電圧を変化できる。
なお、抵抗値R1>R2>・・・・・・>Rnの関係を維持するように構成する。また、少なくともR1>Rnの関係を維持させる(Rnは最後のスイッチから出力されるVpc電圧を決定する抵抗である。また、R1は低階調側でありRnは高階調側である。また、R1は駆動用トランジスタ11aの立ち上がり電圧近傍の電圧発生用であり、Rnは白表示電圧を発生するものである)。特に、R1>R2(R1の端子間電圧>R2の端子間電圧)の関係は維持することが好ましい。駆動用トランジスタ11aの特性から、V0電圧の次の1階調目の電圧との差が、1階調目と2階調目の電圧との差が大きいからである。
スイッチS(図51ではS1〜S7)はVDATAをデコードすることにより指定される。なお、選択できるVpcの電圧の個数は、表示装置が6インチ以上の場合は、表示装置の階調数の1/8以上にすることが好ましい(256階調の場合は、32階調以上)。特に、1/4以上とすることが好ましい(256階調の場合は、64階調以上)。比較的高階調領域までプログラム電流の書き込み不足が発生するからである。6インチ以下の比較的小型の表示パネル(表示装置)では、選択できるVpcの電圧の個数は、2以上にすることが好ましい。VpcがV0の1つであっても良好な黒表示を実現できるが、低階調領域で階調表示することが困難な場合があるからである。Vpcが2以上であれば、FRC制御により複数の階調を発生することができ、良好な画像表示を実現できる。
b点の電位を決定するSDATAは基準電流Icに相関する。好ましくはIcの1/1.5乗以上1/3乗に比例するように制御される。基準電流Icが大きい時は、b点電位が降下するように制御され、基準電流Icが小さい時はb点電位が高くなる。したがって、基準電流Icが大きい時は、各抵抗R間の電位差が大きくなり、各Vpcの差が大きくなる(プログラム電圧のステップ変化が大きくなる)。逆に、基準電流Icが小さい時は、各抵抗R間の電位差が小さくなり、各Vpcの差が小さくなる。
図58の実施例のように、V2電圧、V8電圧、V32電圧、V128電圧と、4倍の階調に対応するように電圧端子を構成すると、図52に図示するように、折れ線ガンマのプリチャージ電圧回路を構成することができる。V2電圧とV8電圧との電位差、V8電圧とV32電圧との電位差、V32電圧とV128電圧との電位差、V128電圧とV255電圧との電位差はほぼ等しくなる。また、図52の折れ線ガンマは駆動用トランジスタ11aのV−I特性と一致する。
以上のことから、図58、図52の実施例のように、構成することにより良好なプリチャージ駆動(プリチャージ電圧+プログラム電流駆動など)を実現することができる。図58の回路構成から出力されるプリチャージ電圧により、目標のソース信号線18電位近傍に変化し、わずかなずれ量をプログラム電流により補正できるから、均一性が非常に良好な画像表示を実現できる。
図58の構成は、電圧端子はV0、V1、V2、V8、V32、V128、V255の7端子の実施例である。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、端子位置を0、8、32、128、512としてもよい。つまり、V0電圧端子、V8電圧端子、V32電圧端子、V128電圧端子、V512電圧端子を形成した実施例である。また、端子位置を0、1、2、8、32、128としてもよい。つまり、V0電圧端子、V1電圧端子、V2電圧端子、V8電圧端子、V32電圧端子、V128電圧端子を形成してもよい。もちろん、近傍であればよく、たとえば、V0電圧端子、V1電圧端子、V3電圧端子、V7電圧端子、V31電圧端子、V127電圧端子などであってもよい。
以上のように、本発明は、少なくとも電圧端子の1組が4の倍数あるいはその近傍にしたものが本発明である。なお、4倍といっても、0階調から開始されるか、1階調から開始されるかにより異なる。たとえば、V0、V1、V2、V8、V32、V128としても、V1、V2、V7、V31、V127などであってもよい。つまり、Vn/Vn−1が4近傍になればよい。たとえば、V127/V31も4近傍であるので本発明の技術的範疇である。V1、V3、V12、V31、V255などであっても1つの組み合わせであるV12とV3の関係、つまりV12/V3が4であるから本発明の技術的範疇である。
各電圧端子間の電位差は、基準電流比などにより変化できるように構成することが好ましい。図60は各電圧端子間をボリウムVRで可変できるように構成した実施例である。もちろん、VRの替わりにDAコンバータで可変してもよい。電圧VddとGND間に抵抗R0〜R6が配置されている。基準電流比の変化に伴い、抵抗R6の端子電圧は、ボリウムVRで変化させる。ボリウムVRによりR0〜R6の各抵抗端子の電圧は変化し、この変化は、電圧端子V1〜V256の電圧を変化させる。V0電圧は階調0の電圧であるため、所定電圧Vaに固定している。電圧端子V1〜V256の電位は、複数のソースドライバ回路(IC)14に共通に印加される。
以上の実施例は、電圧端子V1〜V256基準電流比に対応して変化させるとしたが、点灯率など他の変動により変化させてもよいことは言うまでもない。
図60の実施例は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図55に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図55などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、図56に図示するように、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもうよいことは言うまでもない。
図54などでは、電子ボリウム291の抵抗Rは同一として説明している。抵抗Rの抵抗値を同一にすることによりICチップを小サイズ化できる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。抵抗Rは変化させてもよい。たとえば、低階調側の抵抗値を大きくし(図52に図示するように、V0〜低階調領域では、階調に対応する電位の電位差が大きいからである)、高階調側の抵抗値を相対的にあるいは絶対値的に小さくしてもよい。また、抵抗の抵抗値は、低階調側と高階調側の2種類あるいは複数種類で構成してもよい。
たとえば、図52に図示するガンマカーブを発生するためには、プリチャージ電圧Vpc端子間に配置する抵抗値を2乗特性にする。この実施例を図57に図示する。プリチャージ電圧Vpc端子間電圧は、1、3、5、7、9・・・・・・・と抵抗値を変化させている。
図57などにおいて、V1電圧、V2電圧などを変化させることにより、適切なプリチャージ電圧を発生することができる。電圧の変化は、DA回路を用いてもよい。DA回路は、コントローラ回路(IC)が出力する8ビットデータIDで制御する。
以上の実施例は、プリチャージ駆動方式の実施例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。電圧駆動方式(たとえば、図2などの画素構成を有するEL表示パネルの駆動方法)にも適用できることは言うまでもない。電圧駆動では、RGBのEL素子のガンマカーブが異なるため、RGB独立のガンマ回路が必要である。
図58の構成と、図57の構成とを組み合わせて構成してもよい。図58は、たとえば、V1電圧とV2電圧間のタップ間の抵抗値を一定の抵抗ではなく、4R、2R、Rなど変化させている。変化することにより、図52のカーブが、曲線状となり、よりトランジスタ11aのVI特性と一致するようになる。
以上のように、本発明のソースドライバ回路(IC)14において、プリチャージ電圧を発生する回路構成は、多種多様な構成が含まれる。また、以上の事項は、プリチャージ電流あるいは過電圧Idを発生する回路構成にも適用できることは言うまでもない。
図61は、以前に説明した本発明のプリチャージ電圧回路を電圧駆動方式に適用した実施例である。RGBのV0電圧は共通である。電子ボリウム291RはRの電圧発生回路である。また、電子ボリウム291GはGの電圧発生回路である。電子ボリウム291BはBの電圧発生回路である。図61に構成することによりRGB独立ガンマカーブを発生することができ、良好なホワイトバランスを実現することができる。
以上のように、プリチャージ電圧を発生する本発明の回路構成、駆動方式は電圧駆動方式にも適用できることは言うまでもない。つまり、電圧+電流駆動に限定されるものではない。
図54では、全階調範囲において、プリチャージ電圧Vpcを対応させるとしているが、本発明はこれに限定するものではない。書き込み電流あるいは書き込み電圧が不足する領域に限定してプリチャージ電圧Vpc発生回路を構成または配置してもよい。たとえば、図54では、電流駆動であり、低階調領域で書き込み不足が発生する(と想定する)。したがって、低階調の該当するV0〜V128までプリチャージ電圧発生回路を構成し、それ以上は、省略してもよいことは言うまでもない。また、0階調目と偶数階調目のみにプリチャージ発生回路を構成したりするように、対応する階調を間欠にしてもよいことは言うまでもない。また、階調128以上のプリチャージ電圧はVpc255のみであってもよい。プログラム電流が支配的に動作するからである。以上の事項は本発明の他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
図54に図示するように構成することも好ましい。図54は図53の変形例(簡略化した実施例でもある)である。図54は4点折れガンマの実施例であるが、これは説明を容易にするためであって、4点折れガンマ以下であっても、4点折れガンマ以下以上であってもよい。
図54の特徴は、V0〜V1、V1〜V2、V2〜V4間のプリチャージ電圧Vpc数が一定でないことである。一例としてV0〜V1はVpc0とVpc1の2個、V1〜V2は32−1=31個のプリチャージ電圧Vpc、V2〜V3は128−32=96個のプリチャージ電圧Vpc、V3〜V4は255−32=223個のプリチャージ電圧Vpcとしている。つまり、高階調になるにしたがって、プリチャージ電圧数を多くしている。
階調0対応するプリチャージ電圧V0はRGBで共通であり、アノード電圧Vddに近い。また、階調1対応するプリチャージ電圧V1はRGBで異なり、V1とV0電圧の電位差は大きい。また、V1電圧は低階調であるため、電流プログラム方法において書き込み不足が発生しやすく、EL素子の発光効率も低いため、電圧駆動を支配的にする必要がある。この理由から、図54では、V0電圧とV1電圧とをソースドライバ回路(IC)14の外部より入力している。
一方、V3電圧からV4電圧の範囲は、グランド(GND)電圧に近い。また、プログラム電流も大きいため、電流駆動が支配的となるため、基本的には、プリチャージ電圧Vpcの印加は必要でない。また、高階調側では、ソース信号線電位(駆動用トランジスタ11aのゲート電位)に対する出力電流は直線的な関係になり、少しの電位変化で出力電流は大きくなる。また、電流値も大きい。したがって、プリチャージ電圧Vpcの精度は必要ない。この理由から、V3電圧とV4電圧の間に対応する階調数を多くしても問題ない。
好ましくは、V0〜V1の電位差、V1〜V2の電位差、V2〜V3の電位差、V3〜V4の電位差は同一あるいは近傍の電圧差にすることが好ましい。近傍の電位差とは、1V以内である。このように近傍の電位差にすることにより、電圧V0〜V4の発生回路が容易になり、電子ボリウム291の構成も簡略化することができる。
以上のように、本発明は、外部から(内部で発生してもよいことは言うまでもない)印加する電圧V0〜V4のそれぞれ間に対応するプリチャージ電圧数が異なっていることに特徴がある。
V0電圧は、基準電流比が変化しても固定でよい。しかし、V1電圧位置は、基準電流比の変化に大きく依存する。画素16の駆動用トランジスタ11aの立ち上がり電流が小さいため、基準電流比に対応して駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位(プログラム時のソース信号線18電位)を大きく変化させる必要があるからである。駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、基準電流比が大きくするにしたがって、ソース信号線18電位を低下させる必要がある。また、基準電流比による電圧の変化は、V2電圧よりもV4電圧の方を大きくする必要がある。
以上のように本発明は、基準電流比を変化させる駆動を実施する場合は、V0電圧を固定または、所定電圧近傍の電位を維持したまま、V1電圧以降あるいはV2電圧以降の電位を変化させることに特徴がある。なお、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、GND電位側にV0電圧(立ち上がり電圧)が位置する。
したがって、図54の電位関係をNチャンネル用に変更すればよい。変更は当業者であれば容易であるので説明を省略する。以上のように、本発明は、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタであるとして説明をするがこれに限定するものではない。Nチャンネルトランジスタであってもよいことは言うまでもない。
図54はV0とV1電圧間にソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗を形成または配置した構成である。もちろん、抵抗Rは外づけ抵抗であってもよい。また、抵抗Rの抵抗値はトリミングにより調整してもよい。
V0電圧は固定であり、V1あるいはV2電圧と連動しないのであれば、図58に図示するように、抵抗Rを形成する必要がない。また、V0電圧とV1電圧とは比較的電位差が大きいため、V0電圧とV1電圧間には大きな抵抗を形成する必要がある。大きな抵抗は、抵抗のパーツ数が増大し、ソースドライバ回路(IC)14チップのサイズ拡大に直結する。
図58はこの課題を解決するため、V0電圧とV1電圧とを独立させている。つまり、V0電圧端子とV1電圧端子間に抵抗を形成していない。また、V1電圧端子とV2電圧端子間にも抵抗を形成していない。一方、V2電圧端子とV8電圧端子間には抵抗Rを配置し、Vpc2とVpc3間、Vpc3とVpc4間、Vpc4とVpc5間など1つのプリチャージ電圧端子間には、抵抗Rの8倍の抵抗(8R)を形成している。これは、V2電圧端子とV3電圧端子間は比較的電位差が大きく、抵抗Rの形成数が少ないと貫通電流が多く流れ消費電力が大きくなるからである。
V8電圧端子とV32電圧端子間には抵抗Rを配置し、Vpc8とVpc9間、Vpc9とVpc10間、Vpc10とVpc11間など1つのプリチャージ電圧端子間には、抵抗Rの4倍の抵抗(8R)を形成している。これは、V8電圧端子とV32電圧端子間も比較的電位差が大きく、抵抗Rの形成数が少ないと貫通電流が多く流れ消費電力が大きくなるからである。V32電圧端子とV128電圧端子間のVpc端子間には抵抗Rを配置している。1パーツの抵抗で構成できるのは、V32電圧端子とV128電圧端子間に形成されるプリチャージ電圧端子数が多いため、抵抗Rの構成数も多く、貫通電流が流れないからである。以上の事項は、V128電圧端子とV255電圧端子間も同様である。
各電圧端子間の電位差は、基準電流比などにより変化できるように構成することが好ましい。図60は各電圧端子間をボリウムVRで可変できるように構成した実施例である。もちろん、VRの替わりにDAコンバータ291で可変してもよい。電圧VddとGND間に抵抗R0〜R6が配置されている。基準電流比の変化に伴い、抵抗R6の端子電圧は、ボリウムVRで変化させる。ボリウムVRによりR0〜R6の各抵抗端子の電圧は変化し、この変化は、電圧端子V1〜V256の電圧を変化させる。V0電圧は階調0の電圧であるため、所定電圧Vaに固定している。電圧端子V1〜V256の電位は、複数のソースドライバ回路(IC)14に共通に印加される。
以上の実施例は、電圧端子V1〜V256基準電流比に対応して変化させるとしたが、点灯率など他の変動により変化させてもよいことは言うまでもない。
図60の実施例は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図55に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図55などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、図56に図示するように、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもうよいことは言うまでもない。
図54などでは、電子ボリウム291の抵抗Rは同一として説明している。抵抗Rの抵抗値を同一にすることによりICチップを小サイズ化できる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。抵抗Rは変化させてもよい。たとえば、低階調側の抵抗値を大きくし、高階調側の抵抗値を相対的にあるいは絶対値的に小さくしてもよい。また、抵抗の抵抗値は、低階調側と高階調側の2種類あるいは複数種類で構成してもよい。
たとえば、図52に図示するガンマカーブを発生するためには、プリチャージ電圧Vpc端子間に配置する抵抗値を2乗特性にする。この実施例を図57に図示する。プリチャージ電圧Vpc端子間電圧は、1、3、5、7、9・・・・・・・と抵抗値を変化させている。
以上の実施例は、プリチャージ駆動方式の実施例として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。電圧駆動方式(たとえば、図2などの画素構成を有するEL表示パネルの駆動方法)にも適用できることは言うまでもない。電圧駆動では、RGBのEL素子のガンマカーブが異なるため、RGB独立のガンマ回路が必要である。
以上のように、本発明のソースドライバ回路(IC)14において、プリチャージ電圧を発生する回路構成は、多種多様な構成が含まれる。また、以上の事項は、プリチャージ電流あるいは過電圧Idを発生する回路構成にも適用できることは言うまでもない。
図61は、以前に説明した本発明のプリチャージ電圧回路を電圧駆動方式に適用した実施例である。RGBのV0電圧は共通である。電子ボリウム291RはRの電圧発生回路である。また、電子ボリウム291GはGの電圧発生回路である。電子ボリウム291BはBの電圧発生回路である。図61に構成することによりRGB独立ガンマカーブを発生することができ、良好なホワイトバランスを実現することができる。
以上のように、プリチャージ電圧を発生する本発明の回路構成、駆動方式は電圧駆動方式にも適用できることは言うまでもない。つまり、電圧+電流駆動に限定されるものではない。
図54では、全階調範囲において、プリチャージ電圧Vpcを対応させるとしているが、本発明はこれに限定するものではない。書き込み電流あるいは書き込み電圧が不足する領域に限定してプリチャージ電圧Vpc発生回路を構成または配置してもよい。たとえば、図54では、電流駆動であり、低階調領域で書き込み不足が発生する(と想定する)。したがって、低階調の該当するV0〜V128までプリチャージ電圧発生回路を構成し、それ以上は、省略してもよいことは言うまでもない。また、0階調目と偶数階調目のみにプリチャージ発生回路を構成したりするように、対応する階調を間欠にしてもよいことは言うまでもない。また、階調128以上のプリチャージ電圧はVpc255のみであってもよい。プログラム電流が支配的に動作するからである。以上の事項は本発明の他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
図60の実施例は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図59に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図59などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、図496に図示するように、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもうよいことは言うまでもない。
図63に図示するプリチャージ電圧(V0、V1・・・・)は、表示パネルの温度により変化させることが好ましい。駆動用トランジスタ11aが駆動電圧に対して温度依存性があるからである。この温度依存性に対応するには、図63に図示するように、温度により変化する素子(ポジスタ、サーミスタ)Rb、Rb2、Rc2などを付加し、温度によりV0、V1、V2電圧が適正な電圧に変化するように構成すればよい。
EL表示装置は、液晶表示装置にはないカソード配線、アノード配線が必要である。また、図8に図示するように、ゲートドライバ回路はゲートドライバ回路12a(ゲート信号線17aの駆動用)、ゲートドライバ回路12b(ゲート信号線17bの駆動用)の2つのゲートドライバ回路が必要である。したがって、EL表示装置は、配線数が多く結線が複雑である。そのため、配線の引き回しのためにパネルの額縁が大きくなる。信号線をパネルに入力するためのフレキ基板のサイズが大きくなり高コスト化に直結する。
図65はこの課題を解決する構成の説明図である。なお、説明を容易にするため、図65などでは、ゲートドライバ回路12の制御信号線はST(スタートパルスを印加あるいは伝送する信号線)、CLK(クロック(シフト)パルスを印加あるいは伝送する信号線)、ENBL(イネーブルパルスを印加あるいは伝送する信号線)しか図示していない。実際には、UD(アップダウン方向の信号を印加あるいは伝送する信号線)、Vgh電圧あるいはVgl電圧を伝送あるいは供給する信号線などがあることは言うまでもない。
なお、説明を容易にするため、ST(スタートパルスを印加あるいは伝送する信号線)、CLK(クロック(シフト)パルスを印加あるいは伝送する信号線)、ENBL(イネーブルパルスを印加あるいは伝送する信号線)、UD(アップダウン方向の信号を印加あるいは伝送する信号線)などの制御信号を伝送などする信号線を制御信号線と呼び、Vgh電圧あるいはVgl電圧を伝送あるいは供給する信号線などを電圧信号線と呼ぶ。
ソースドライバIC14は、シリコンチップで形成または構成され、アレイ基板30にCOG(チップオンガラス)技術で実装されている。一方、ゲートドライバ回路12は、低温ポリシリコン、高温ポリシリコンあるいはCGSなどのポリシリコン技術でアレイ基板30に直接に形成されている。
制御信号線(もしくは電力信号線も)は、ソースドライバIC14の裏面あるいはソースドライバIC14の配線パターンを介してゲートドライバ回路12などに接続される。以上のように制御信号線、電力信号線はソースドライバIC14を介して供給することにより前記信号線などを接続するフレキ基板の幅をソースドライバIC14のチップ幅程度にすることができる。したがって、低コスト化が可能である。
図65の構成を実現するために、本発明のソースドライバIC14は図64のように構成(形成)している。図64は、本発明のソースドライバIC14を裏面からみた図である。チップ14の両端に配線645などが形成されている。図64にあって、配線は通常のアルミ配線であり、IC製造工程で形成させる。しかし、配線645などの形成方法はこれに限定するものではなく、IC14完成後、スクリーン印刷技術などで形成してもよい。なお、配線645などはチップ14の一方のみに形成してもよいことは言うまでもない。
IC14は制御信号線などの入力端子643と、ソース信号線18と接続する端子644が形成されている。チップ14の端に制御信号線を接続する端子641aが形成または配置される。また、端子641aには配線645が接続され、配線645の他端は端子641bに接続されている。したがって、G1aの範囲に接続された制御信号線はチップの側辺の端子641bと接続されている。また、端子642aに接続された電力信号線は配線645を介して端子642bに接続される。端子642はアノードあるいはカソード配線が接続されることを想定している。したがって、電力信号線はICチップをブリッジし、IC14の出力側(ソース信号線18との接続側)に出力される。
このようにIC14上において、配線645でブリッジするのは、アノード配線1815などがIC14の遮光膜として、IC14の裏面に形成されていることが多いからである。アノード配線1815を遮光膜としてIC裏面に形成することにより、ICがホトコンダクタ現象により以上動作することがない。配線645で制御信号線あるいは電力信号線を接続することにより、アレイ基板30上で配線を交差する必要がなく、交差部での短絡などが減少し、製造歩留まりを向上させることができる。
なお、図64の実施例では、ICチップ14の裏面(実装時にアレイ基板30と対面する面)に配線645などを形成するとしたがこれに限定するものではない。配線645などをICチップ14に表面に形成または配置してもよい。また、ICチップ14とアレイ基板30との隙間に、配線645などを形成したフレキを配置してもよいことは言うまでもない。
また、以上の実施例ではソースドライバIC14に配線645などを形成し、信号線をブリッジするとした。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、ゲートドライバ回路12をシリコンチップ(ゲートドライバIC12)などで形成し、ゲートドライバIC12の裏面などに配線645などを形成してもよいことは言うまでもない。
また、配線645上には無機材料あるいは有機材料からなる薄膜(厚膜)を形成することが好ましい。薄膜(厚膜)の厚みは少なくとも0.1μm以上必要である。しかし、3μm以下にすることが好ましい。薄膜(厚膜)の形成により配線645が保護され、腐食などの課題が発生しなくなる。薄膜(厚膜)の比誘電率は、3.5以上6.0以下のものを使用することが好ましい。
図65は本発明のソースドライバIC14をアレイ基板30に実装した状態である。電力信号線(実施例ではアノード配線)は配線645を介して端子642bに出力され、表示領域64の画素16部に分岐される。カソード配線のICチップの右端の端子642bから出力されカソード接続点でカソード電極36と接続される。制御信号線もIC14の配線645を介して端子641bから出力されゲートドライバ回路12に入力される。
図66はIC14をアレイ基板30に実装した場合の断面図である。ICチップ14の裏面には配線645が形成され、端子642aと端子642b間を接続している。端子642には金バンプ664が形成されている。金バンプ664はアレイ基板30の端子662とIC14の端子642とを接続している。したがって、信号線661に印加された信号はIC14の配線645を介して信号線622と電気的に接続されるため、アノード配線663などの導体線がアレイ基板30上に形成されていても交差することがない。
図64に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14からゲートドライバ回路(IC)12に引き渡される配線622が交差することがないように、出力端子位置を設定する。以上のように構成することにより、ICチップ14の裏面部を有効に利用することができ、また、パネルを狭額縁化することができる。
以上のように、IC14の配線645を介して電力信号線あるいは制御信号線をブリッジすることのより、基板30に形成された配線と交差することがなくなるという効果が発揮される。他の大きな効果として、図67に図示するように、信号線などをパネルに印加するフレキシブル基板671の大きさを小さくできるという効果も発揮される。一般的にフレキシブル基板671は高価であるのでサイズが小さいほどコストメリットは大きい。
図67に図示するように、IC14への入力信号線にはフレキシブル基板671からストレートに信号などが入力される。IC14の配線645がなければ制御信号線は基板30の入力面でIC14を避けて折り曲げる必要がある。折り曲げればパネルの額縁が大きくなる。本発明のようにICチップ14の配線645を介して接続することにより、額縁を小さくすることができる。
図64などで説明した実施例は、端子641aと端子641b間などを配線645などで結線した実施例である。つまり、端子641aから入力された信号はそのまま端子641bに出力される。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、入力された信号を分岐したり、遅延したり、変化させる回路あるいは配線を端子641間に形成または配置してもよいことは言うまでもない。
図68は一例として端子641aと端子641b間に変換回路681を形成または配置した構成である。図68の実施例における変換回路681は反転出力発生回路である。反転出力発生回路681は入力された信号の反転信号を発生させる。たとえば、ST信号であれば、ネガティブのST信号を発生させる。このネガティブのST信号をNSTと記載する。より具体的には、STが1フレームの期間の1Hの期間、3Vとなり、他の期間は0Vであれば、NST信号は1フレームの期間の1Hの期間、0Vとなり、他の期間は3Vとなる。以上の事項は、CLK、ENBL信号にも適用される。
つまり、図68では端子641aに入力された信号は、反転出力回路681でポジティブ信号とネガティブ信号に変換されて端子681bから出力される。したがって、ソースドライバIC14には入力信号を少なくできる。
図68は反転出力を発生する回路であったが、本発明はこれに限定するものではない。図69はフリップフロップ回路(FF回路)からなる遅延回路691をソースドライバIC14内に形成してものである。
図69では一例として、FF回路691は端子641aと端子641b間に配置されている。FF回路691によりST信号などは遅延される。ゲートドライバ回路12の制御信号(ST、CLKなど)は、ソースドライバ回路(IC)14のラッチ回路381などと同期をとり、ソース信号線18に印加するプログラム電流のタイミングと、ゲート信号線17aにオン電圧を印加するタイミングとを調整する必要がある。このタイミング調整をFF回路691などで行う。以上のように構成することによりコントローラ回路(IC)722から出力する制御信号のタイミング調整が容易になる。
以上の実施例のほかに、図70に図示するように、HD(水平走査信号)、VD(垂直走査信号)から制御信号(ST、CLK、ENBLなど)を発生させてもよい。つまり、ソースドライバ回路(IC)14内に信号発生回路701を形成または配置する。HD(水平走査信号)、VD(垂直走査信号)などから信号発生回路701で制御信号(ST、CLK、ENBLなど)を発生する。以上のように構成することにより、さらにソースドライバIC14への信号線本数を削減することができる。
映像信号などを差動信号にしてソースドライバ回路(IC)14に供給することにより信号線数を削減することができる。また、ノイズにも強くすることができる。同様に図71に図示するようにゲート信号(ゲートドライバ回路12の制御信号(ST、ENBLなど))も差動信号として、ソースドライバIC14に印加してもよい。差動信号は差動−パラレル信号変換回路621でパラレル信号に変換される。
図71の実施例では、電力信号としてのアノード電圧、カソード電圧は端子642aに入力され、ゲートドライバ回路12を制御するゲート信号(差動)は端子641aに入力される。映像信号(差動)および制御信号(差動)は端子643に入力される。なお、ゲート信号、映像信号および制御信号は、ツイストペアーの差動信号としてもよいことは言うまでもない。また、ゲート信号などは細線同軸ケーブルで伝送してもよい。
以上の実施例は他の端子(643、644、642など)についても適用できることは言うまでもない。
図71などに差動信号として印加することにより信号線数の削減できる。図64、図66などのようにIC14に配線645を形成することにより信号線などが交差することをなくすことができる。以上の構成は、アレイ基板30にポリシリコン技術によりゲートドライバ回路12などを形成し、ソースドライバIC14をシリコンチップなどで形成してアレイ基板30にCOG技術を用いて実装することにより発揮できる効果である。
以上の実施例は、1つのIC14をパネルに用いた実施例であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図76に図示するように、また、2つ(複数)のICチップ14をアレイ基板30に実装し、表示パネル1334を構成してもよい。IC14の両方の端には、電力信号線または制御信号線もしくは両方の信号線が出力されるように形成あるいは配置され、IC14の両方の端には、差動−パラレル信号変換回路621が形成あるいは配置されている。
どちらの差動−パラレル信号変換回路621が動作させるかは、セレクタ信号GSELに印加するロジック信号(電圧レベル)で切り換えられる。図76では、ICチップ14aは差動−パラレル信号変換回路621a1が動作し、差動−パラレル信号変換回路621a1からゲートドライバ回路12aの制御信号などが出力される。また、ICチップ14bは差動−パラレル信号変換回路621b2が動作し、差動−パラレル信号変換回路621b2からゲートドライバ回路12bの制御信号などが出力される。
差動信号は図73に図示するように、本体回路のA信号(判別信号)のHとLに同期して出力される。A信号がLの時は、プログラム電圧(VR、VG、VB)が出力され、A信号がHの時は、プログラム電流(IR、IG、IB)が出力される。なお、プログラム電圧、プログラム電流の出力動作などに関しては、図127〜図143、図293、図338などで説明をしているので説明を省略する。
また、映像信号としてのプログラム電流(IR、IG、IB)およびプログラム電圧(VR、VG、VB)と、データ信号DM、DSが伝送される。つまり、差動信号は、R映像信号、G映像信号、B映像信号、Dデータ信号の4相が多重される(VR、IR、VG、IG、VB、IB、DM、DS、VR、IR、・・・・・・)。なお、映像のブランキング期間は、DMとDS信号が連続して伝送される。
なお、プリチャージ時間は、TTLあるいはCMOSのロジックの波形信号などで、コントローラ回路(IC)722などからソースドライバ回路(IC)14に印加してもよいことは言うまでもない。例えば、ロジックの波形信号のHレベルの期間に、プリチャージ電圧(プリチャージ電流)がソース信号線18に印加され、ロジックの波形信号のLレベルの期間は、プリチャージ電圧(プリチャージ電流)がソース信号線18に出力されないように制御あるいは構成される。また、プリチャージ時間は点灯率により制御(可変)してもよいことは言うまでもない。点灯率が低い時は、低階調の画素が多いことを意味している。したがって、プリチャージ時間を長くする。逆に点灯率が高い時は、高階調の画素が多いことを意味している。この場合は、プログラム電流の書き込み不足は発生しないか、もしくは目立たない(認識されない)。したがって、プリチャージ時間は短くてもよい。
図74は、スタート(ST)信号との関係を記載したものである。CLK、ST、映像信号のRGBもしくは(RGBD)も0V(GND)を中心にDiff電圧の振幅で送出(伝送)される。なお、振幅としてのDiff電圧は終端抵抗などで設定あるいは可変もしくは調整される。
図74に図示するように、映像信号としてのRGBと同期をとるCLKは同一の周波数になるようにしている。つまり、CLKの立ち上がりと立下りでDATA内容を識別する。このようなDATAとCLKの関係を保つことにより周波数を定常的にし、不要輻射を低減している。一方、St信号は、CLKの2倍の幅を持ち、CLKの立ち上がりまたは立下りで検出する。CLKはPLL回路721で位相制御される。以上のように差動信号は送出され、送受信が行われる。
本発明では、図79に図示するように、一例としてコントローラ回路(IC)722から差動信号を出力し、ソースドライバ回路(IC)14で受信するとして説明する。コントローラ回路(IC)722に定電流回路Iconが構成され、トランジスタM1、M2が制御されることにより、TxV+、TxV−信号が端子643cから出力される。端子643cから出力された信号は、フレキ基板の配線、プリント基板の配線、ケーブル線、同軸配線などで伝達され、ソースドライバ回路(IC)14の入力端子643aに印加される。
端子643aに印加された信号は、差動信号(RxV+、RxV−)としてコンパレータ791に印加され、論理信号TDATAに復元される。抵抗RT1、RT2はソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗である。Icon電流の経路を終端する。
抵抗RT1、RT2はソースドライバ回路(IC)14に内蔵させてもよい。また、ソースドライバ回路(IC)14は、ポリシリコン技術(低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術、CGS技術)などで基板30に直接形成したものでもよいことは言うまでもない。
抵抗RT1などの値は、伝送路のインピーダンスなどに適合させて選択する。本発明の構成では、抵抗RTの値は、100Ω以上300Ω以下に構成している。
ソースドライバ回路(IC)14に内蔵されたスイッチ(ST1、ST2)はアナログスイッチなどが例示される。スイッチSTがオン状態にするかオフ状態にするかは、ソースドライバ回路(IC)14の切り替え入力端子(図示せず)に印加するロジックレベルにより操作する。
スイッチSTは、スイッチに限定するものではない。ICプロセス工程で、表示パネルに入力される信号仕様に応じて、アルミ配線で選択して短絡するものであってもよい。図80で説明する差動入力構成か、図81で説明するCMOSレベル入力構成かは、表示パネルに印加する信号仕様であらかじめ決定されるからである。つまり、スイッチSTを用いてCMOSレベル信号か、差動信号かを適時切り換える必要がある構成は稀であるからである。
もちろん、図80に図示するように、スイッチSTを設けず、コンパレータ791の入力端子あるいは、コントローラ回路(IC)722の出力端子の経路に終端抵抗RTを接続してもよいことは言うまでもない。終端抵抗RTは、ソースドライバ回路(IC)14が複数であっても1つの配線に1つの終端抵抗RTを配置あるいは設置もしくは構成すればよい。終端抵抗RTはボリウムで構成して、抵抗値を可変あるいは変更できるように構成してもよい。また、抵抗RTをトリミングすることにより抵抗値を目標値に調整してもよい。
図79の構成では、スイッチST(ST1、ST2)がオン(閉じる)することにより、ソースドライバ回路(IC)14への入力は差動信号入力となる。スイッチSTがオフ(開く)と、CMOSあるいはTTLロジック信号入力となる。CMOSレベルあるいはTTLレベル入力とする場合は、図81に図示するようにコンパレータ791の−端子にロジックレベルを判定する一定のDC電圧を印加し、+端子にロジック信号を印加する。+端子に印加された信号レベルが−端子に印加されたDC電圧以上の時、Hレベルロジックと判断され、+端子に印加された信号レベルが−端子に印加されたDC電圧以下の時、Lレベルロジックと判断される。ただし、ロジックの判断はヒステリシス特性をもつようにコンパレータ791を構成することが好ましい。なお、本発明では説明を容易にするため、CMOSレベルの信号であるとして説明をする。
図79の構成では、コントローラ回路(IC)722からの出力信号は1つのソースドライバ回路(IC)14に印加されるように図示した。しかし、実用上は、図80、図81などに図示するように、コントローラ回路(IC)722からの出力信号は複数のソースドライバ回路(IC)14に印加される。
図80は、差動信号入力の場合である。コントローラ回路(IC)722からの出力配線(一例として、差動信号D0+/D0−、D1+/D1−〜D7+/D7−の8ビットとしている。)には、終端抵抗RTが配置されている。コントローラ回路(IC)722は、複数のソースドライバ回路(IC)14を駆動する。ソースドライバ回路(IC)14内のコンパレータ791は各ビットの差動信号から各ビットのロジック信号(TDATA)に変換する。TDATAは駆動(処理)回路811に入力される。駆動回路811で処理あるいは制御された信号は、端子93から出力され、表示パネルのソース信号線18に印加される。
図81はCMOSレベル信号(ロジック信号)の場合である。コンパレータ791の−端子(+端子でもよい)には、直流電圧(DC電圧)V0が印加されている。ロジック信号D0〜D7の信号レベルがV0電圧以上の時、Hレベルと判断される。ロジック信号D0〜D7の信号レベルがV0電圧以下の時、Lレベルとして判断される。したがって、図81の構成ではコンパレータ791は、バッファとして機能する。
以上の図79、図80の構成のソースドライバ回路(IC)14は、図82に図示するように差動インターフェース(差動IF)621aとCMOS(TTL)インターフェース(CMOS IF)621bの両方を具備している。したがって、使用状態に応じて、IF仕様を選択することができる。図82(a)は、コントローラ回路(IC)722はCMOSレベルの信号を出力する。ソースドライバ回路(IC)14は、図81の構成であるCMOS−IFを使用している。
図82(b)でも、コントローラ回路(IC)722は、CMOSレベルの信号を出力する。図82(b)の構成では、モード変換回路(IC)821を具備している。モード変換回路(IC)821は、CMOS信号を差動信号に変換する機能を有する。コントローラ回路(IC)722はCMOS−IF621bよりCMOS信号を出力し、モード変換回路821はCMOS−IF621bで受信した信号を、差動信号に変換して差動IF621aから出力する。差動IF621aから出力した差動信号は、ソースドライバ回路(IC)14の差動IF621aに入力される。
図75に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14からゲートドライバ回路(IC)12に引き渡される配線622が交差することがないように、出力端子位置を設定する。
以上のように、ソースドライバ回路(IC)14は、図80の回路構成を具備することにより、差動信号とCMOS(TTL)レベル信号の両方を受信することができる。
図75は、1つのソースドライバ回路(IC)14を用いる構成である。図76は、複数のソースドライバ回路(IC)14を用いる構成である。
図75、図76ではICチップ14の両端に差動−パラレル信号変換回路621を配置するように図示したが、これに限定するものではない。差動−パラレル信号変換回路621は1つで、配線701で制御信号線などをチップ14の両端に分岐できるように構成してもよい。重要なのは、ICチップ14の両端に電力信号線または制御信号線が出力できることであり、また、図76のようにアレイ基板30に複数のICチップ14を実装した場合、ICチップ14の両端の電力信号線または制御信号線の出力が出力されるか否かを切り換えることができることである(もしくは両方から信号などが出力されていても画像表示に影響がないようにすることができることである)。切り換えはGESL信号によって行う。
カスケード配線771はアレイ基板71上で形成することに限定するものではない。たとえば、図77に図示するように、フレキ基板671あるいはプリント基板でカスケード配線パターン771を形成し、フレキ基板671などを介してカスケード接続を行っても良い。
図78に図示するように、Gcntl信号でソースドライバ回路(IC)14ごとにゲートドライバ12への出力信号622を制御してもよい。図78において、ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1a信号をHレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b1よりゲートドライバ回路12aへの制御信号が出力される。
ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1a信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b1はハイインピーダンスとなる。また、ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1b信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b2はハイインピーダンス状態となる。図78では、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b2には出力する信号はないため、Gcntl1b信号はLレベルに固定される。
ソースドライバ回路(IC)14bは、ソースドライバ回路(IC)14bのGcntl2b信号をHレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b2よりゲートドライバ回路12bへの制御信号が出力される。なお、ソースドライバ回路(IC)14bのGcntl2a信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b1はハイインピーダンスとなる。図78では、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b1には出力する信号はないため、Gcntl2a信号はLレベルに固定される。
以上の実施例は、1つの表示パネルに2個のソースドライバ回路(IC)14を使用する構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。使用するソースドライバ回路(IC)14は3個以上であってもよい。3個以上の場合は、少なくも1つのソースドライバ回路(IC)14の2箇所の出力端子641bはハイインピーダンス状態となる。ハイインピーダンス状態は、GSEL信号、Gcntl信号を操作することにより実現できることは言うまでもない。
したがって、本発明のソースドライバIC14は、アレイ30に1個実装する場合でも、複数実装する場合でも同一のソースドライバIC14を用いることができる。また、1個用いた場合で、ゲートドライバ回路12が画面64の一方の端に形成または配置されている場合でも適用することができる。
場合によっては入力方向であってもよい。たとえば、ゲートドライバ回路12からのスタートパルス(ST)の出力パルスが端子2821bに入力され、端子2821aから出力されるように構成あるいは形成してもよい。この出力パルスはコントロールIC722に入力される。この出力パルスによりコントロールIC722は、ゲートドライバ回路12の動作を監視あるいは正常性を判断できる。
本発明は、ソースドライバIC14をシリコンなどで形成し、COG技術などを用いて基板30に実装するとしたが、これに限定するものではない。TABあるいはCOF技術を用いて実装してもよい。また、ソースドライバICの回路14はポリシリコン技術を用いてアレイ基板30に直接形成してもよい。特に図76などの構成に有効である。また、ICチップ14はアレイ基板30(画素電極などが形成された基板)に実装するとしたが、これに限定するものではなく、対向基板側に形成し、アレイ基板30などに形成されたソース信号線18などと接続してもよい。以上の事項は、本発明の他の実施例においても適用できることは言うまでもない。
電流駆動方式では、低階調領域においてプログラム電流が小さくなり、書き込み不足が発生することが課題である。この課題の対策のために本発明では、プリチャージ駆動、電圧+電流駆動、基準電流制御などを実施する。
電流駆動で書き込み不足が発生する原因は、図83に図示するようにソース信号線18の寄生容量Csによる影響が大きい。寄生容量Csはゲート信号線17とソース信号線18との交差部などで発生する。
以下の説明は説明を容易にするために、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで、かつ吸い込み電流(ソースドライバ回路(IC)14に吸い込む電流)で電流プログラムを実施する場合であるとして説明をする。画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合あるいは駆動用トランジスタ11aを吐き出し電流(ソースドライバIC14から吐き出す電流)で電流プログラムを実施する場合は逆の関係にする。逆の関係に変更あるいは読み変えることは当業者であれば容易であるので説明を省略する。
以下の説明は画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルに限定されるものではない。また、画素構成は図1の画素構成を例示して説明をするが、これに限定するものではなく、他の電流駆動の画素構成であればいずれでもよいことも言うまでもない。なお、以上の事項は、以前あるいはこれ以降に記載する本発明に適用されることはいうまでもない。
図83(a)に図示するように、黒表示(低階調表示)から白表示(高階調表示)に変化する時は、ソースドライバ回路(IC)14がシンク電流で駆動することが主体である。ソースドライバ回路(IC)14がプログラム電流Id1(Iw)で寄生容量Csの電荷を吸い込む。電流を吸い込むことにより、寄生容量Csの電荷を放電し、ソース信号線18の電位が低下する。したがって、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が低下し、プログラム電流Iwを流すように電流プログラムが行われる。
白表示(高階調表示)から黒表示(低階調表示)に変化する時は、画素16の駆動用トランジスタ11aの動作が主体である。ソースドライバ回路(IC)14は黒表示の電流を出力するが、微小であるため実効的に動作しない。駆動用トランジスタ11aが動作し、プログラム電流Id2(Iw)の電位に一致するように寄生容量Csを充電する。寄生容量Csに電荷を充電することにより、ソース信号線18の電位が上昇する。したがって、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が上昇し、プログラム電流Iwを流すように電流プログラムが行われる。
しかし、図83(a)の駆動は低階調領域では電流Id1が小さく、また、定電流動作のため、寄生容量Csの電荷の放電に非常に長時間を必要とする。特に白輝度に到達するまでの時間が長いため白ウインドウ表示で上辺の輝度が所定輝度より低い。そのため、視覚的にめだつ。図83(b)は駆動用トランジスタ11aが非線形動作するため、比較的電流Id2が大きい。そのため、Csの受電時間が比較的はやい。また、特に黒輝度に到達するまでの時間が短いため白ウインドウ表示で下辺の輝度が低下しやすく、視覚的にめだたない。
プログラム電流の書き込み不足の課題を解決するために、電圧+電流駆動、突き抜け電圧駆動、duty駆動、プリチャージ駆動を実施する。しかし、この方法だけでは、パネルが大型になれば、図83(a)の黒から白表示の実現が困難になる場合がある。この対策として、本発明では、1Hの前半にソースドライバ回路(IC)14からのプログラム電流を増加させる。なお、後半は正規のプログラム電流Iwを出力する。つまり、所定条件の時は、1Hの最初に所定のプログラム電流よりも大きな電流をソース信号線18に流し、後半に正規のプログラム電流をソース信号線18に流す。以下この実施例について説明をする。
以下に説明する駆動方法(駆動装置あるいは駆動方式)を過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動と呼ぶ。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は本発明の他の駆動方式あるいは駆動装置(電圧+電流駆動、突き抜け電圧駆動、duty駆動、プリチャージ駆動など)と組み合すことができることは言うまでもない。また、図81などの差動信号IFなどの他の実施例と組み合わせることができることも言うまでもない。
図84は本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式を実施したソースドライバ回路(IC)14の説明図である。基本構成は図22、図23、図24、図26、図27、図28、図28などの構成である。ただし、図示を容易とするため、単位トランジスタ224が1個の電流回路はトランジスタ群841aとし、’1’で図示している。以下同様に、単位トランジスタ224が2個の電流回路はトランジスタ群841bとし、’2’で図示している。また、単位トランジスタ224が4個の電流回路はトランジスタ群841cとし、’4’で図示している。単位トランジスタ224が8個の電流回路はトランジスタ群841dとし、’8’で図示している。また、これらのトランジスタ群841の1出力段が電流出力回路251cである。なお、作図を容易にするため、RGBは各6ビットとしている。
図84の構成は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)のプログラム電流を流すトランジスタ群はトランジスタ群841fとしている。つまり、階調データの最上位ビットのスイッチD5をオンオフ制御することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に流す。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すことにより寄生容量Csの電荷を短時間で放電させることができる。
最上位ビットを過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)制御に使用するのは、以下の理由による。まず、説明を容易にするため、1階調から4階調に変化させるとする。また、階調数は256階調(RGB各8ビット)とする。
1階調から白階調に変化させる場合であっても、1階調から中間調以上(128階調以上)に変化させる場合は、プログラム電流の書き込み不足は発生しない。プログラム電流が比較的大きく、寄生容量Csの充放電が比較的早いからである。
しかし、1階調から中間調以下に変化する場合は、プログラム電流が小さく、1H期間に寄生容量Csを十分に充放電させることができない。したがって、1階調から4階調などのように、中間調以下に階調変化させることを改善させる必要がある。この場合に、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する。
以上のように変化する階調が中間調以下であるから、プログラム電流の指定に最上位ビットは使用しない。つまり、1階調から変化させる場合、目標の階調は、’011111’以下である(最上位ビットのスイッチD5は絶えずオフ状態である。本発明はたえず、オフ状態の最上位ビットを制御して過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する。
最初の階調(変化前の階調)が1であれば、スイッチD0がオンで単位トランジスタ224cが1個動作する。目標の階調が4であれば、スイッチD2が動作し、単位トランジスタ224cが4個動作する。しかし、単位トランジスタ224cが4個では十分に寄生容量Csの電荷を目標値まで放電させることができない。そこで、スイッチD5を閉じトランジスタ群841fを動作させる。なお、D5スイッチの動作は、D2スイッチの動作に加えて実施してもよいし(1Hの前半をD5とD2スイッチをオンさせ、後半はD2スイッチのみをオンさせる)、1Hの前半はスイッチD5のみをオンさせ、後半はスイッチD2のみをオンさせてもよい。
スイッチD5がオンすれば、単位トランジスタ224cが32個動作する。したがって、D2スイッチのみの動作に比較して32/4=8であるから8倍の速度で寄生容量Csの電荷を放電させることができる。したがって、プログラム電流の書き込み改善が可能である。
スイッチD5をオンさせるか否かは、RGBの映像データごとにコントローラ回路(IC)722で判断する。コントローラ回路(IC)722からは判断ビットKDATAがソースドライバ回路(IC)14に印加される。KDATAは一例として4ビットである。KDATA=0の時は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。KDATA=1の時はプリチャージ駆動(電圧+電流駆動)を実施する。KDATA=2〜15が過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施し、KDATAの大きさは、D5ビットをオンさせる時間を示す。
KDATAはラッチ回路331で1H期間保持される。カウンタ回路332はHD(1Hの同期信号)でリセットされ、クロックCLKでカウントされる。カウンタ回路332とラッチ回路331のデータが比較され、カウンタ回路332のカウント値が、ラッチ回路331のデータ値(KDATA)よりも小さいとき、AND回路333は内部配線222bにオン電圧を出力しつづけ、スイッチD5のオン状態が維持される。したがって、トランジスタ群841fの単位トランジスタ224cの電流が内部配線222aおよびソース信号線18に流れる。なお、電流プログラム時はスイッチ222bが閉じ、プリチャージ駆動時は、スイッチ221aが閉じ、スイッチ221bがオープン状態となる。
図91はコントローラIC(回路)722の動作の説明図である。ただし、1画素列(RGBの組)の処理の説明図である。映像データDATA(8ビット×RGB)は内部クロックに同期してラッチ回路351aと351bに2段ラッチされる。したがって、ラッチ回路351bには、1H前の映像データが保持され、ラッチ回路351aには現在の映像データが保持される。
比較回路911は1H前の映像データと現在の映像データを比較し、KDATAの値を導出する。また、映像データDATAはソースドライバ回路(IC)14に転送される。また、コントローラ回路(IC)722はカウンタ332の上限カウント値CNTをソースドライバ回路(IC)14に転送する。
KDATAは比較回路911で決定される。決定は、変化前の映像データ(1H前のデータ)と変化後の映像データ(現在のデータ)から決定される。1H前のデータとは、現在のソース信号線18の電位を示す。現在のデータとは、変化させるソース信号線18の目標電位を示す。
図83に図示して説明したように、プログラム電流の書き込みは、ソース信号線18の電位を考慮して行うことが重要である。書き込み時間tは、T=ACV/I(A:比例定数、C:寄生容量の大きさ、V:変化する電位差、I:プログラム電流)で表すことができる。したがって、変化する電位差Vが大きければ書き込み時間が長くなる。一方、プログラム電流I=Iwが大きくすれば書き込み時間は短くなる。
本発明では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動でIを大きくする。しかし、いずれの場合でもIを大きくすると、目標のソース信号線18電位を越える場合が発生する。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する場合には、電位差Vを考慮する必要がある。現在のソース信号線18の電位と、次の映像データ(現在の映像データ(次に印加する映像データ=(変化後:図92の縦方向))から決定される目標のソース信号線18電位から、KDATAを求める。
KDATAはD5スイッチをオンさせる時間の場合もあるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動での電流の大きさでもよい。また、D5スイッチのオン時間(時間が長いほどソース信号線18に印加する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間が長くなり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の実効値が大きくなる)と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ(大きさが大きいほどソース信号線18に印加する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の実効値が大きくなる)の両方を組み合わせてもよい。説明を容易にするため、最初、KDATAはD5スイッチのオン時間であるとして説明をする。
比較回路911は1H前と変化後(図92を参照のこと)の映像データを比較してKDATAの大きさを決定する。KDATAに0以上のデータが設定される場合は以下の条件に合致する場合である。
1H前の映像データが低階調領域である場合(0階調以上全階調の1/8以下の領域であることが好ましい。たとえば、64階調の場合は、0階調以上8階調以下である。)で、かつ、変化後の映像データが中間調領域以下である場合(1階調以上全階調の1/2以下の領域であることが好ましい。
たとえば、64階調の場合は、1階調以上32階調以下の領域である。)にKDATAを設定する。設定するデータは、駆動用トランジスタ11aのVI特性カーブを考慮して決定する。ソース信号線18のVdd電圧から、0階調目の電圧であるV0(完全黒表示)までの電位差は大きい。また、V0電圧から、1階調目のV1までの電位差は大きい。次の2階調目であるV2電圧とV1電圧までの電位差は、V0電圧からV1電圧までの電位差よりもかなり小さい。以降、V3とV2、V4とV3になるにつれて電位差は小さくなる。以上のように高階調側になるにしたがって、電位差が小さくなるのは、駆動用トランジスタ11aのVI特性が非線形であることにほかならない。
階調間の電位差は、寄生容量Csの電荷の放電量に比例する。したがって、プログラム電流の印加時間つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間と大きさに連動する。たとえば、1H前のV0(階調0)と変化後のV1(階調1)の階調差が小さいからといって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間を短くすることはできない。電位差が大きいからである。
逆に、階調差が大きくとも過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を大きくする必要がない場合もある。たとえば、階調10と階調32では、階調10の電位V10と階調32の電位32の電位差も小さく、階調32のプログラム電流Iwも大きいため、寄生容量Csを短時間で充放電できるからである。
図92は横軸に1H前(変化前、つまり現在のソース信号線18電位を示す)の映像データの階調番号を示している。また、縦軸に現在の映像データの階調番号(変化後、つまり変化させる目標のソース信号線18電位を示す)を示している。
0階調目(1H前)から0階調目(変化後)に変化させるのは、電位変化がないため、KDATAは0でよい。ソース信号線18の電位変化がないからである。0階調目(1H前)から1階調目(変化後)に変化させるのは、図356に図示するようにV0電位からV1電位に変化させる必要がある。V1−V0電圧は大きいから、KDATAは最高値の15(例である)に設定する。ソース信号線18の電位変化が大きいからである。1階調目(1H前)から2階調目(変化後)に変化させるのは、V1電位からV2電位に変化させる必要があり、V2−V1電圧は比較的大きいから、KDATAは最高値近傍の12(一例である)に設定する。ソース信号線18の電位変化が大きいからである。3階調目(1H前)から4階調目(変化後)に変化させるのは、V3電位からV4電位に変化させる必要がある。しかし、V4−V3電圧は比較的小さいため、KDATAは小さい値の2に設定する。ソース信号線18の電位変化が小さくてすみ、寄生容量Csの充放電が短時間で実施でき、目標のプログラム電流を画素16に書き込むことができるからである。
変化前が低階調領域であっても、変化後の階調が中間調以上の場合は、KDATAの値は0である。変化後の階調に対応するプログラム電流が大きく、1H期間内にソース信号線18の電位を目標電位または近傍の電位まで変化させることができるからである。たとえば、2階調から38階調目に変化させる場合は、KDATA=0である。
変化後が変化前より低階調の場合において、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。38階調から2階調目に変化させる場合は、KDATA=0である。この場合は、図83(b)が該当し、主として画素16の駆動用トランジスタからプログラム電流Idが寄生容量Csに供給されるからである。図83(b)の場合は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式は実施せず、電圧+電流駆動方式あるいはプリチャージ電圧駆動を実施することが好ましい。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式において、基準電流を増加させる駆動方式あるいは基準電流比とdutyを制御する駆動方式と組み合わせることは効果がある。基準電流の増加により、図84の構成では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も増加させることができるからである。したがって、寄生容量Csの充放電時間も短くなる。基準電流の大きさあるいは基準電流比の制御により、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを制御することができる点も本発明の特徴ある構成である。
以上のように、KDATAがコントロールIC(回路)722で決定され、KDATAがソースドライバ回路(IC)14に差動信号で伝送される。伝送されたKDATAは図84のラッチ回路331で保持され、D5スイッチが制御される。
図92の表の関係は、マトリックスROMテーブルを用いてKDATAを設定してもよいが、計算式を用いてコントローラ回路(IC)722の乗算器を用いてKDATAの算出(導出)を行ってもよい。その他、コントローラ回路(IC)722の外部電圧の変化によりKDATAを定めてもよい。また、コントローラ回路(IC)722で実施することに限定されるものではなく、ソースドライバ回路(IC)14で実施してもよいことは言うまでもない。
本発明は、基準電流の大きさによりプログラム電流Iwの大きさが基準電流に比例して変化する。したがって、図84などの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさも基準電流の大きさに比例して変化する。図92で説明したKDATAの大きさも基準電流の大きさの変化に連動させる必要があることは言うまでもない。つまり、KDATAの大きさは、基準電流の大きさに連動させるあるいは基準電流の大きさを考慮することが好ましい。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の技術的思想は、プログラム電流の大きさ、駆動用トランジスタ11aからの出力電流などに対応して過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、印加時間、実効値を設定するものである。
比較回路911または比較手段などではRGBの映像データごとに比較を実施するが、RGBデータから輝度(Y値)を求めて、KDATAを算出してもよいことは言うまでもない。つまり、単に、各RGBで比較するのではなく、色度変化、輝度変化を考慮し、また、階調データの連続性、周期性、変化割合を考慮してKDATAを算出あるいは決定もしくは演算する。また、1画素単位でなく、周辺の画素の映像データもしくは映像データに類するデータを考慮してKDATAを導出してもよいことは言うまでもない。たとえば、画面64を複数のブロックに分割し、各ブロック内の映像データなどを考慮してKDATAを決定する方式が例示される。
また、以上の事項は、本発明の表示装置、表示パネルなど他の実施例にも組み合わせて適用できることは言うまでもない。また、N倍パルス駆動方式(図6など)、N倍電流駆動画素方式(たとえば、図19など)、非表示領域分割駆動方式(図14など)、フィールドシーケンシャル駆動方式(たとえば、図9、図12など)、電圧+電流駆動方式(たとえば、図33、図34など)、突き抜け電圧駆動方式(明細書の突き抜け電圧に関する事項を参照のこと)、プリチャージ駆動方式(たとえば、図84など)、複数ライン同時選択駆動方式(たとえば、図16など)など他の駆動方式と組み合わせて実施できることは言うまでもない。
図84などにおいて、D5スイッチが選択される時間は、1H(1水平走査期間)の3/4期間以下1/32期間以上に設定することが好ましい。さらに好ましくは1H(1水平走査期間)の1/2期間以下1/16期間以上に設定することが好ましい。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加する期間が長いと、正規のプログラム電流を印加する期間が短くなり、電流補償が良好にならない場合がある。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加する期間が短いと、目標のソース信号線18の電位まで到達することができない。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では、目標の階調のソース信号線18電位まで行うことが好ましいのは言うまでもない。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動ののみで完全に目標のソース信号線電位にする必要はない。1Hの前半の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動後に、正規の電流駆動を実施し、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により生じた誤差は、正規の電流駆動によるプログラム電流で補償されるからである。
図85は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式を実施した場合の、ソース信号線18の電位変化を図示している。図85(a)はD5スイッチを1/(2H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(2H)のt2期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t2後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
ソースドライバ回路(IC)14は定電流動作する。したがって、t2〜t3期間には定電流のプログラム電流Iwが流れる。このプログラム電流Iwにより、寄生容量Csが目標電位になるまで充放電されると、画素16の駆動用トランジスタ11aから電流Iが流れ、ソース信号線18の電位は目標プログラム電流Iwが流れるように保持される。したがって、駆動用トランジスタ11aは所定プログラム電流Iwが流れるように保持される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の精度は必要ない。精度がなくとも、画素16の駆動用トランジスタ11aにより補正される。
図85(b)はD5スイッチを1/(4H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(4H)のt4期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t4後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
ソースドライバ回路(IC)14は定電流動作する。したがって、t4〜t3期間には定電流のプログラム電流Iwが流れる。このプログラム電流Iwにより、寄生容量Csが目標電位になるまで充放電されると、画素16の駆動用トランジスタ11aから電流Iが流れ、ソース信号線18の電位は目標プログラム電流Iwが流れるように保持される。したがって、駆動用トランジスタ11aは所定プログラム電流Iwが流れるように保持される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の精度は必要ない。精度がなくとも、画素16の駆動用トランジスタ11aにより補正される。
図85(c)はD5スイッチを1/(8H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(8H)のt5期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t5後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
以上のように、単位トランジスタ224cの動作個数と、1つの単位トランジスタ224cの単位電流の大きさが固定値である。したがって、D5スイッチのオン時間により、比例して寄生容量Csの充放電時間を操作することができ、ソース信号線18の電位を操作することができる。なお、説明を容易にするため、寄生容量Csを過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)により充放電させるとしているが、画素16のスイッチトランジスタなどのリークもあるから、Csの充放電に限定されるものではない。
以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさが単位トランジスタ224の動作個数により把握できる点が図84の本発明の特徴ある構成である。書き込み時間tは、T=ACV/I(A:比例定数、C:寄生容量の大きさ、V:変化する電位差、I:プログラム電流)で表すことができるから、KDATAも値も、寄生容量(アレイ設計時に把握できる)、駆動用トランジスタ11aのVI特性(アレイ設計時に把握できる)などから理論値にKDATAの値を決定できる。
図85の実施例は、最上位ビットD5スイッチを操作することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、印加時間を制御するものであった。本発明はこれに限定するものではない。最上位ビット以外のスイッチを操作あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図86は、ソースドライバ回路(IC)14が各RGB8ビット構成である場合において、最上位ビットのスイッチD7と最上位ビットから2番目のスイッチD6をKDATAにより制御した構成である。なお、説明を容易にするため、D7ビットには128個の単位トランジスタ224cが形成または配置されているとし、D6ビットには64個の単位トランジスタ224cが形成または配置されているとする。
図86(a1)はD7スイッチの動作を示している。図86(a2)はD6スイッチの動作を示している。図86(a3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(a)ではD7、D6のスイッチを同時に動作するため、単位トランジスタ224cは128+64個が同時に動作し、端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調3のV3電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
同様に、図86(b1)はD7スイッチの動作を示している。図86(b2)はD6スイッチの動作を示している。図86(b3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(b)ではD7スイッチのみが動作するため、単位トランジスタ224cは128個が同時に動作し、端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調2のV2電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。図86(a)より変化速度は小さい。しかし、変化する電位がV0からV2であるから、適正である。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
同様に、図86(c1)はD7スイッチの動作を示している。図86(c2)はD6スイッチの動作を示している。図86(c3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(c)ではD6スイッチのみが動作するため、単位トランジスタ224cは64個が同時に動作し、端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調1のV1電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。図86(b)より変化速度は小さい。しかし、変化する電位がV0からV1であるから、適正である。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
以上のようにKDATAにより、スイッチのオン期間だけでなく、複数のスイッチを操作あるいは動作させ、動作させる単位トランジスタ224c個数を変化させることにより、適正なソース信号線電位を達成できる。
図86では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動によるスイッチD(D6、D7)をt1からt2の期間に動作させるとしたが、これに限定するものではなく、図85に図示あるいは説明したように、t2、t3、t4などのようにKDATAの値によって変化あるいは変更してもよいことは言うまでもない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加している期間に基準電流あるいは基準電流の大きさを制御あるいは変更し、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整してもよい。なお、正規のプログラム電流を印加している期間は基準電流あるいは基準電流の大きさは正規の値にする。
操作するスイッチはD7、D6に限定するものではなく、D5など他のスイッチも同時にあるいは選択して動作あるいは制御してもよいことは言うまでもない。たとえば、図88が実施例である。a期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7スイッチをオン状態にして、128個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
b期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6スイッチをオン状態にして、128+64個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
c期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6、D5スイッチをオン状態にして、128+64+32個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
d期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6、D5スイッチと前記スイッチに該当しない映像データのスイッチ(たとえば、映像データが4であれいば、D2スイッチ)をオン状態にして、128+64+32+α個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
以上の実施例は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間が1Hの最初からとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図87で(a1)(a2)では、スイッチを1Hの最初のt1から1/(2H)のt2まで動作させる方法である。図87で(b1)(b2)では、スイッチをt4から1/(2H)のt5まで動作させる方法である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間は図87(a)と同一である。ソース信号線18の電位は、寄生容量Csの充放電で規定されるから、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加期間がいずれにあっても実効値は等しくなる。ただし、1Hの最後は、正規のプログラム電流の印加期間にする必要がある。正規のプログラム電流の印加により、正確な目標電位(駆動用トランジスタ11aが精度のよいプログラム電流を流せる)に設定できるからである。
図87(c1)(c2)では、スイッチを1Hの最初のt1から1/(4H)のt4まで動作させ、スイッチを1Hのt2から1/(4H)のt5まで動作させている。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間の実効値は図87(a)と同一になる。以上のように、本発明は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間は複数に分散してもよい。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加開始時間は1Hの最初からに限定するものではない。
以上ように本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方法は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加タイミングに限定されるものではない。ただし、該当画素16の電流プログラムが終了する時点で、プログラム電流が印加されている期間にする必要がある。ただし、画素16の電流プログラムに精度を必要としない時は、これに限定されることがないことは言うまでもない。つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加状態で1H期間が終了してもよい。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に流す動作が重要であって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を発生するものが単位トランジスタ224cに限定されるものではない。たとえば、端子93に接続されて定電流回路、可変電流回路を形成または構成し、これらの電流回路を動作させて過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を発生させてもよいことは言うまでもない。
図84はソースドライバ回路(IC)14の階調表示に用いる(電流プログラム駆動に用いる)構成物あるいは構造を過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動に用いるものであった。本発明はこれに限定するものではない。図89に図示するように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動に用いる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)発生用の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891を別途形成または構成してもよい。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891は、単位トランジスタ224cと同一サイズにし、この単位トランジスタ224を複数個形成して構成してもよい。また、単位トランジスタ224cとサイズあるいはWL比、WLの形状を異ならせてもよい。ただし、すべての出力段で同一にする。
図89では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位は、単位トランジスタ224cのゲート端子電位と同一にした。同一にすることにより、基準電流制御により、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から出力する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを容易に制御することができる。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のサイズなどの出力過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が予測できるため設計が容易になる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位は単位トランジスタ224cと別の端子電位となるように構成してもよい。別になるように構成した過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位を操作することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを制御することができる。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のドレイン端子(D)を単位トランジスタ224cのドレイン(D)端子と分離して、印加する電圧を制御あるいは調整してもよい。ドレイン端子電位の調整あるいは制御によっても過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整あるいは制御することができる。
以上のことは、本発明の他の実施例においても適用できる。たとえば、図84においても、ドレイン端子の電位を制御あるいは調整することにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整あるいは制御することができる。
図89では、222bに印加する信号によりスイッチDcをオンオフ制御し、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実現する。図89の構成を採用することにより、映像データの大きさに左右されずに、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施することができる。
特に、図84、図89で説明した過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は、電圧+電流駆動(プリチャージ駆動)と組み合わせて実施することが好ましい。図93はその実施例の説明図である。図93において、映像データとは画素16に書き込まれる階調の変化(映像データの変化)を示している。ソース信号線電位とはソース信号線18の電位変化を示している。また、階調数は256階調の場合である。
映像データが255(白)階調から0階調に変化する場合は、図83(b)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18にプリチャージ電圧が印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aのプログラム電流Iwが0であるから、電流が流れないように、ゲート端子電位がVdd電圧方向に上昇する。なお、0階調では突き抜け電圧駆動により、完全に黒表示状態にする。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。
映像データが0(黒)階調から2階調に変化する場合は、図83(a)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)がt3からt4の期間印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aは、一般的に動作しない。t4からt5の期間ではプログラム電流駆動が行われる。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により、ソース信号線18の電位が低下しすぎている場合は、画素16の駆動用トランジスタ11aが動作し、図93に示すようにソース信号線18の電位をアノード電圧側に上昇させてV2電圧になる。
以上の動作により駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧はV2電圧になり、精度のよいプログラム電流をEL素子15に流すことができる。
映像データが2階調から16階調に変化する場合の比較的低階調領域でプログラム電流が小さい。動作は図83(a)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)がt5からt6の期間印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aは、一般的に動作しない。t6からt7の期間ではプログラム電流駆動が行われる。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により、ソース信号線18の電位が適正な場合は、図93に図示するようにソース信号線18の電位は変化しない。つまり、画素16の駆動用トランジスタ11aも動作しない。ソース信号線18の電位が目標値よりも低い場合は、t6からt7の期間にソースドライバ回路(IC)14がプログラム電流を引き込み、目標のソース信号線18電位になる。
以上の動作により、図93に示すようにソース信号線18の電位を駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧はV16電圧になり、精度のよいプログラム電流をEL素子15に流すことができる。
映像データが16階調から90階調に変化する場合はプログラム電流が大きい。動作は図83(a)の状態である。この場合は、t7からt8の全期間に渡り、プログラム電流駆動が行われる。つまり、プリチャージ電圧駆動、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施されない。以上のように、本発明は、階調データの変化割合、変化前の大きさによりKDATA値が変化させ、また、駆動方法を変更する。
以下、図面を参照しながら、本発明の他の実施例について説明をする。図96は、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の他の実施例である。図89では過電流トランジスタ891は1つであった。図96では、過電流トランジスタ891は複数個形成または配置しており、過電流トランジスタ891のゲート端子はトランジスタ251cと別のゲート配線と接続をしている。
図96のように構成することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを基準電流Icの大きさに制約されず、自由に設定あるいは調整することができる。また、複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から構成することにより、スイッチDCにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを自由に設定できる。
過電流トランジスタ891は、RGB回路で共通にしている。Rの基準電流Icrであり、IcrはR(赤)の基準電流の設定値IRDATAで変更あるいは調整される。同様にGの基準電流Icgであり、IcはG(緑)の基準電流の設定値IGDATAで変更あるいは調整される。また、Bの基準電流Icbであり、IcbはB(青)の基準電流の設定値IBDATAで変更あるいは調整される。
一方、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、RGBで共通である。つまり、Rの出力段回路のId(図96などを参照のこと)と、Gの出力段回路のId、Bの出力段回路のIdは同一である。Idの大きさおよび/またはIdの変化タイミングは過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の設定データIKDATA4ビットによりコントローラ回路(IC)722で設定される。このIdが図96に図示するように1つのトランジスタ228dまたは複数のトランジスタ228dから構成されるトランジスタ群からなるカレントミラーの親回路に流れる。なお、図96では、トランジスタ228dは1つとして図示しているが、複数のトランジスタ228dで構成あるいは形成してもよいことは言うまでもない。
図89では、RGB回路で個別にプログラム電流の大きさを設定することができる。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)はRGB個別に設定することは好ましくない。図83で説明したように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は寄生容量Csの充放電を制御するものだからである。寄生容量CsはRGBにおいてソース信号線18では同一である。したがって、RGBの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が異なっていれば、図98に図示するように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の書き込み速度がことなり、1H終了時のソース信号線電位が異なってしまう。
図98では、一点鎖線のBの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が最も大きい。したがって、1Hの期間で階調0に相当するV0電圧から階調2に相当するV2電圧に達している。点線のGの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が最も小さい。したがって、1Hの期間では、階調0に相当するV0電圧から階調2に相当するV2電圧には到達しない。Rは実線で示す。図98に図示するように、GとBの中間状態である。以上のような状態では、1H後は、ホワイトバランスがずれていることになる。ただし、図98は低階調の領域であるので、ホワイトバランスがずれていても実用上は問題ない。
寄生容量をRGBで異ならせれば、図98で説明した課題を解決できることは言うまでもない。つまり、図98の状態では、Rのソース信号線18の寄生容量Csを、Gのソース信号線18の寄生容量Csよりも大きくする。また、Bのソース信号線18の寄生容量Csを、Rのソース信号線18の寄生容量Csよりも大きくする。寄生容量Csを大きくする方法として、RGBごとにソース信号線18端にコンデンサをポリシリコン回路で形成あるいは構成する方式が例示される。
また、RGBでソース信号線18の寄生容量を小さくする構成も例示される。Gのソース信号線18の寄生容量Csを、Rのソース信号線18の寄生容量Csよりも小さくする。また、Rのソース信号線18の寄生容量Csを、Bのソース信号線18の寄生容量Csよりも小さくする。寄生容量Csを小さくする方式として、RGBごとにソース信号線18の配線幅を変化させる構成が例示される。
ソース信号線18の幅が狭くなれば、寄生容量Csの大きさは小さくなる。電流駆動方式では、ソース信号線18に流れる電流はμAオーダーである。したがって、ソース信号線18幅が細く、ソース信号線18の抵抗値が高くとも電流駆動方法を実現することに支障はない。
以上のように、本発明では、RGBのソース信号線18のうち1つ以上の寄生容量Csを、他のソース信号線18の寄生容量Csと異ならせたものである。また、その実現には、ソース信号線18の線幅を変化させる構成が例示される。容量となるコンデンサを作製あるいは配置し、該当ソース信号線18に電気的に接続させる構成が例示される。
0階調に該当するV0電圧は、画素16の駆動用トランジスタ11aによって決定される。通常、駆動用トランジスタ11aは、RGBで共通のサイズあるいは大きさである。したがって、RGBではV0電圧は一致している。寄生容量Csの充放電はV0電圧を基準になる場合が多い。
RGB回路で過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを共通にすることにより、図98に図示ように各RGBでソース信号線18の充放電曲線が異なることはない。つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)IdはRGBで同一にすることが好ましい。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの調整回路は、電子ボリウム回路291bで行う。電子ボリウム291bはIKDATAにより、フレームごとあるいは画素行ごとに変化あるいは変更できる。また、画面64を複数領域に分割し、分割した領域ごとに電子ボリウム291bを配置し、分割した領域ごとに電流Idを変化あるいは調整する構成も例示される。以上の事項は、基準電流Icの電子ボリウム回路291aなどにも適用できることは言うまでもない。
図95(a)は、本発明のソースドライバ回路(IC)14における過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)回路の構成例である。トランジスタ228dと過電流トランジスタ891とはカレントミラー回路を構成している。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Ikの大きさは2つのスイッチDcで制御される。スイッチDc0は1個の過電流トランジスタ891が接続されており、スイッチDc1は2個の過電流トランジスタ891が接続されている。
過電流トランジスタ891は図15などで説明した単位トランジスタ224と同一の構成である(同一の技術思想で形成あるいは構成されている)。したがって、過電流トランジスタ891の構成あるいは説明は、単位トランジスタ224で説明した事項がそのままあるいは準用される。したがって、説明を省略する。
プリチャージ電圧Vpcを端子93に印加するスイッチDpの制御と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を端子93に印加するスイッチDcの制御は2ビットで制御される。このビットをKビット(1ビット目)、Pビット(0ビット目:LSB)とする。したがって、4つの状態を制御できる。
4つの状態を図95(b)の表に図示している。(K、P)=0の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、0)に制御される。なお、0はスイッチがオープン状態、1はスイッチがクローズ状態を示す。
(K、P)=0の時、プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープンであり、過電流制御スイッチDcもオープンである。したがって、端子93からはプリチャージ電圧も過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も出力(印加)されない。
(K、P)=1の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチDcは両方ともオープン状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcが出力されるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は出力(印加)されない。
(K、P)=2の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、1、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチDcはDc0がクローズ状態であり、Dc1はオープン状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は1つ分の過電流トランジスタ891の出力電流がソース信号線18に印加される。
(K、P)=3の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、1)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチDcはDc0、Dc1がクローズ状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は2つ分の過電流トランジスタ891の出力電流がソース信号線18に印加される。
以上のように、2ビットの信号(K、P)により、プリチャージ電圧、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御することができる。
図95(b)では、(K、P)のデコード回路が必要である。デコード回路を不要にした構成表を図94に図示する。図94において、K0、K1は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御するスイッチの信号である。K0はDc0をオープン、クローズを制御するビットである。K1はDc1をオープン、クローズを制御するビットである(図95(a)を参照のこと)。図94において、Pはプリチャージ電圧を制御するスイッチの信号である。Dpをオープン、クローズを制御するビットである(図95(a)を参照のこと)。
(P、K0、K1)=(0、0、0)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もオープン状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も出力されない。
(P、K0、K1)=(1、0、0)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もオープン状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcが出力されるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は出力されない。
たとえば、(P、K0、K1)=(1、1、1)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、1、1)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もクローズ状態である。したがって、端子93からはプリチャージ電圧Vpcと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が出力される。
以下、同様に(P、K0、K1)の値に応じて、プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpと、過電流制御スイッチはDc0、Dc1が独立に制御される。したがって、プリチャージ電圧印加と過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加を同時に実施できる。
図94、図95において、スイッチ(Dp、Dc0、Dc1)をクローズさせるビットを付加することによりさらに精度のよい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)、プリチャージ電圧の制御を実施することができることは言うまでもない。
図96は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御するスイッチを3ビットにした実施例である。Dc0スイッチのオン(クローズ)により、1つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。Dc1スイッチのオン(クローズ)により、2つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。Dc2スイッチのオン(クローズ)により、4つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。同様に、Dc0、Dc1、Dc2スイッチのオン(クローズ)により、7つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。
図96において、端子93に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加している期間は、ソースドライバ回路(IC)14の端子643に印加する信号のtd期間により制御する。td期間とはスイッチ221cをオン(クローズ)させる期間である。
d期間の制御は、ソースドライバ回路(IC)14内部に構成あるいは形成したカウンタ回路(図示せず)により実施してもよい。
図95、図96、図89では、各スイッチDcに単位過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す複数の過電流トランジスタなどで構成するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図97(b)に図示するように、各スイッチDcに1つの過電流トランジスタ891を形成または配置してもよいことは言うまでもない。図97(b)において、スイッチDc0には1つの過電流トランジスタ891aが配置または形成されている。スイッチDc1にも1つの過電流トランジスタ891bが配置または形成されている。また、スイッチDc2には1つの過電流トランジスタ891cが配置または形成されている。過電流トランジスタ891a〜891cは出力する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを異ならせている。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさは、過電流トランジスタ891のWL比あるいはサイズ、形状によって容易に調整あるいは設計できる。もちろん、図97(a)に図示するように、各ビットをビットに対応する個数の過電流トランジスタ891を形成または配置してもよい。
図101では、基準電流Icと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idは、電子ボリウム291に入力されるIDATAにより変化する。基準電流Icと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idの大きさの比率は、基準電流Icを流すトランジスタ228aと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idを流すトランジスタ228cの形状などを異ならせることにより実現する。
図101では、基準電流Icを流すトランジスタ228aは1個であり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idを流すトランジスタ228cは4個であるから、トランジスタ228aとトランジスタ228cが同一形状の場合でも、基準電流Ic×4=基準電流Idの関係を構成できる。
図101では、スイッチDcに対応する過電流トランジスタ891を4つ形成または配置されている。小さい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す複数の過電流トランジスタ891で出力段を構成することにより出力バラツキが減少させることができる。以上のことは図15などでも説明をしているので説明を省略する。
図101では図96に図示するように内部配線222bに印加するオンオフ信号によりスイッチDcを時間制御し、端子93から出力する実効電流を制御している。また、スイッチ221aと221bはオンオフ状態を反対の関係としている。したがって、プリチャージ電圧Vpcが端子93に印加されている時は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が端子93に印加されないように制御されている。
図102は8ビットのソースドライバ回路(IC)14において、プログラム電流Iw(D0〜D7のスイッチのオンオフ状態により発生する)と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(説明を容易するため、トランジスタ228dと過電流トランジスタ891はカレントミラー比1のカレントミラー回路を構成しているとし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idと同一の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が端子93に印加されるとする)との発生関係あるいはその状態もしくは駆動方法を説明するための説明図である。
図102(a)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加している状態である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの1/(2H)期間など一定の期間印加される。ただし、1Hの1/(2H)期間というのは一実施例であり、これに限定するものではない。制御信号などにより1Hの1/(2H)期間、1Hの1/(4H)期間、1Hの2/(3H)期間、1Hの1/(8H)期間など切り替えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。図102(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図102(b)は一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iwの出力状態を示している。
以上のように、図102の実施例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを印加している状態と、プログラム電流Iwの出力状態とは独立している。
図103(a)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加している状態である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの1/(2H)期間など一定の期間印加される。
ただし、図102で説明したように、1Hの1/(2H)期間というのは一実施例であり、これに限定するものではない。制御信号などにより1Hの1/(2H)期間、1Hの1/(4H)期間、1Hの2/(3H)期間、1Hの1/(8H)期間など切り替えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。
また、映像データの大きさ、1画面の映像データの総和の大きさ、1H前のソース信号線18電位の大きさ、各フレームの画像状態の変化、静止画あるいは動画などの画像の性質などにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間などは変化あるいは変更もしくは制御してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
図103(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。そのため、端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は、本来の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに、最大のプログラム電流Iwを加えたものとなる。以上のように図103(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図103(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図103(b)は図102(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iwの出力状態を示している。
以上のように、図103の実施例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図103(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図102、図103では過電流トランジスタ891を制御し、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。この実施例を図104に図示する。
図104(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。しかし、過電流トランジスタ891を制御するスイッチDcはオープン状態である。したがって、端子93には過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)であるIdは印加されない。図104(a)では、映像データに基づくプログラム電流Iw以上の電流とスイッチD7〜D0を制御することにより発生させた実施例である。一般的に書き込み不足が発生するのは、映像データが小さい領域(低階調領域)である。したがって、この領域ではD7ビットなどのスイッチがオンすることがない。この映像データではオンすることがないスイッチ(D7など)をオンさせて、大きなプログラム電流(=過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流))を発生させて、この電流でソース信号線18の電位を制御あるいは操作する。
以上のように、端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は、最大のプログラム電流Iwである。以上のように図104(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図104(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図104(b)は図102(b)、図103(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iw(正規の映像データの大きさに対応する)の出力状態を示している。
以上のように、図104の実施例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図104(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図103では、過電流トランジスタ891を設けているが本発明はこれに限定するものではない。過電流トランジスタ891を形成または配置しなくともよい。
図103などにおいて、プリチャージ電流を印加するときは、すべてのスイッチD0〜D7をクローズさせるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。プリチャージ電流を印加すると時は、上位ビットのD7ビットのみをオンさせてもよい。また、上位ビットに該当するD4〜D7ビットをオンさせてもよい。つまり、本発明は、所定の映像データに該当するときよりも、大きい出力電流となるようにスイッチDnを操作するものである。
図104(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。しかし、過電流トランジスタ891を制御するスイッチDcはオープン状態である。したがって、端子93には過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)であるIdは印加されない。
図104(a)では、映像データに基づくプログラム電流Iw以上の電流とスイッチD7〜D0を制御することにより発生させた実施例である。一般的に書き込み不足が発生するのは、映像データが小さい領域(低階調領域)である。したがって、この領域ではD7ビットなどのスイッチがオンすることがない。この映像データではオンすることがないスイッチ(D7など)をオンさせて、大きなプログラム電流(=過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流))を発生させて、この電流でソース信号線18の電位を制御あるいは操作する。
以上のように、端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は、最大のプログラム電流Iwである。以上のように図104(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図104(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図104(b)は図102(b)、図103(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iw(正規の映像データの大きさに対応する)の出力状態を示している。
以上のように、図104の実施例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図104(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図101〜図104などは、端子93から吸い込む方向の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを発生させる構成あるいは方法である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す構成であってもよい。
また、端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吸い込む回路と、端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す回路の両方を形成または構成もしくは配置してもよいことは言うまでもない。
図101〜図104などとの差異は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す回路を有する点である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の吐き出し回路は、トランジスタ228d2と過電流トランジスタ891からなるカレントミラー回路で構成される。このカレントミラー回路で過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2(カレントミラー比が1の時)を端子93に印加する。
図103、図104などの構成では、1H(1水平走査期間)の最初の期間に、映像データなどから判断され、必要な時はスイッチ221aがクローズされ、プリチャージ電圧Vpcが端子93に印加されて、ソース信号線18に印加される。基本的には、プリチャージ電圧Vpcが印加されている時は、スイッチ221bはオープン状態に制御される。
また、1Hの最初あるいはプリチャージ電圧の印加した後に、映像データなどから判断され、必要な時はスイッチDnがクローズされ、プリチャージ電流が端子93に印加されて、ソース信号線18に印加される。プリチャージ電流の印加後、正規の映像データに該当するスイッチDがクローズされてプログラム電流Iwがソース信号線18に印加される。
図103、図104などにおいて、プリチャージ電流Idを印加する期間を長くするほど、ソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。つまり、プリチャージ電流が印加される期間を制御することにより、ソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。
図103、図104では、吸い込み電流方向のプリチャージ電流を発生する構成であった。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図473に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14内にシンク電流のプログラム電流出力段251caと、吐き出し電流を出力するプログラム電流出力段251cbを形成または構成してよい。シンク電流のプリチャージ電流を発生する場合は、出力段251caのスイッチDnを制御あるいは操作する。吐き出し電流を発生する場合は、出力段251cbスイッチDnを制御あるいは操作する。いずれかのプリチャージ電流は、スイッチ221b1とスイッチ221b2を制御することにより実現する。
図99は、本発明の表示パネル(表示装置)の駆動方法(駆動方式)を説明するための説明図である。電圧プリチャージおよびプログラム電流によるソース信号線18に電位状態を示している。図99の実施例では、ソースドライバ回路(IC)14が発生するプリチャージ電圧は、階調0の電位V0(黒電圧プリチャージ)と、最大の階調255の電位V255(白電圧プリチャージ)とを発生する。
図99では、プリチャージ電圧を印加する期間は一例として1μsecとしている。したがって、1H時間−1μsecが電流プログラム期間である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。他の構成あるいは状態あるいは時間などでもよいことは言うまでもない。
図99などの実施例は、RGBが各8ビット(256階調表示)として説明をする。なお、本発明は、以前にも説明したようにRGBに限定されるものではない。単色でもよく、また、シアン、イエロー、マゼンダなどでもよく、RGBに加えて、白色(W)の4色などでもよい。図99(a)は階調0から階調255に変化させる実施例である。階調0と階調255などの電位差が大きい時は、白電圧プリチャージ(V255電圧を印加)が実施される。図99(a)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に白電圧プリチャージが実施される。白電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧が印加されて、ソース信号線18電位はV255となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性に応じてソース信号線18電位が補正される。一例として図99(a)では、ソース信号線18電位がアノード電位Vddの方向に上昇する。
図99(b)は階調255から階調0に変化させる実施例である。階調255と階調0などの電位差が大きい時は、黒電圧プリチャージ(V0電圧を印加)が実施される。図99(b)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に黒電圧プリチャージが実施される。黒電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧V0が印加されて、ソース信号線18電位はGND電圧に近いV0となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性に応じてソース信号線18電位が目標のプログラム電流に等しい電流が流れるように補正される。一例として図99(b)では、ソース信号線18電位がグランド(GND)電位の方向に下降する。
図99(c)は階調0から階調200に変化させる実施例である。階調0と階調200などの比較的電位差が大きい時は、白電圧プリチャージ(V255電圧を印加)が実施される。なお、黒電圧プリチャージは、全階調の1/4より低階調領域に変化する時に実施される。白電圧プリチャージは、全階調の1/2より高階調領域に変化する時に実施される。図99(c)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に白電圧プリチャージが実施される。白電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧が印加されて、ソース信号線18電位はV255となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aが主に動作して、目標の階調電流200に相当するソース信号線18電位に補正される。
図100は過電流駆動(プリチャージ電流駆動)と電圧駆動(プリチャージ電圧駆動)の両方を実施する駆動方法の説明図である。なお、回路構成は一例として図405の構成であるとする。スイッチ221はONでクローズ状態、OFFでオープン状態とする。スイッチ221aがONでプリチャージ電圧Vpcが端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。スイッチ221bがONでプログラム電流Iwが端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。また、スイッチDcがONで過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Iwが端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。
図100(a)に図示するように、スイッチ221aがONでプリチャージ電圧Vpcが端子93に印加される状態と、スイッチ221bがONでプログラム電流Iwが端子93に印加される状態が同時に発生しても動作上は問題がない。定電流回路251cなどは内部インピーダンスが高く、定電圧回路(プリチャージ電圧回路)と短絡しても正常動作を実施できるからである。ただし、図100(b)(c)に図示するように、スイッチDcがON状態の時は、スイッチ221aはOFF状態にすることが好ましい。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)回路からの電流が定電圧回路に突入電流として流れる場合があるからである。図100(a)に図示するように、スイッチDcがOFF状態の時は、スイッチ221aがON状態であっても問題はない。
図100(b)(c)に図示するように、スイッチDcがONする期間を制御することにより、端子93に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間を調整することができる。図100(b)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間は1/(3H)であり、図100(c)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間は1/(4H)である。図100(c)の方が、図100(b)よりもソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。
図103、図104では、プログラム電流Iwを制御するD0〜D7スイッチを操作する構成を説明した。図105はさらに詳しい実施例あるいは他の実施例である。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは内部配線222bに印加するオンオフ信号によりオンする期間を制御することができる。図105の実施例では、1Hの0、82/4、3/4の4つの期間で制御できる。同様に、強制的にプログラム電流Iwを制御するスイッチD0〜Dを操作(制御)する期間(強制制御と記載する)も、図105の実施例では、1Hの0、82/4、3/4の4つの期間で制御できる。なお、図105では正規のプログラム電流を流す期間はデータ制御として記載し階調4から階調5(4→5と記載)などと記載している。図105の実施例では、少なくとも1Hの1/2の期間は、正規のプログラム電流を流す期間である。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hのすべての期間であってもよい。つまり、1H以下1/(4H)以上の期間であればいずれでもよい。
Dcスイッチと強制性によるD7〜D0スイッチの操作(制御)は、階調の変化に応じて実施される。Dcスイッチと強制性によるD7〜D0スイッチの操作(制御)は、コントローラIC(回路)722で、1Hごとの映像信号変化あるいは1F(1フレーム)内の映像信号変化あるいは変化割合などに基づいて判断される。判断されたデータあるいは制御信号は差動信号などに変換されてソースドライバ回路(IC)14に伝送される。
図105(a)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(4H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から1/(4H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idと加算される期間は、1Hの最初から1/(4H)期間であり、比較的短い。正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調4から階調5レベルに変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。
図105(b)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(2H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調1から階調2レベルに変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、動作開始のソース信号線18の電位が階調1レベルである時は、Dcスイッチをオンする期間を長くし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを長時間、ソース信号線18に印加する必要がある。
図105(c)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から3/(4H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から3/(4H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(4H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調0から階調1レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、動作開始のソース信号線18の電位が階調0レベルである時は、Dcスイッチをオンする期間を最も長くし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを長時間、ソース信号線18に印加する必要がある。
図105(d)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは動作しない。プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調0から階調1レベルにほぼ変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すDcスイッチを動作させないのは、階調変化が16階調目から18階調目のように、変化前の階調が比較的大きく(ソース信号線18電位が高く)、16から18階調目と比較的変化が小さいためである。
以上の実施例では、Dcスイッチは連続してオン状態を維持させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(e)は、Dcスイッチを1H期間は連続してオン状態を維持させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(e)は、Dcスイッチを1H期間で複数回(2回)オンさせた実施例である。図105(e)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(4H)の期間と、1/(2H)経過後の1/(4H)の期間にオン(クローズ)される。したがって、全体として1Hの1/(2H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。
したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間に、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調2から階調3レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、電流駆動では、定電流は加算することができる。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは1Hの後半以外(最終以外)のいずれの期間に印加してもよい。また、複数回に分割して印加してもよい。以上の事項は、D0〜D7スイッチの強制制御に対しても適用できることは言うまでもない。
以上の実施例では、Dcスイッチは1Hの最初からオン状態にするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(f)は、Dcスイッチを最初から1/(4H)期間経過後にオンさせた実施例である。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から3/(4H)の期間、強制的に(クローズ)される。
したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間に、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調5から階調6レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、電流駆動では、定電流は加算することができる。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの最初から印加することに限定されるものではない。1Hの後半以外(最終以外)のいずれの期間に印加してもよい。また、複数回に分割して印加してもよい。以上の事項は、D0〜D7スイッチの強制制御に対しても適用できることは言うまでもない。
なお、以上の実施例の制御期間あるいは操作期間は1Hとしたが、本発明はこれに限定するものではない。1H以上の特定の期間内に実施してもよいことは言うまでもない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動とプリチャージ電圧(プログラム電圧)駆動とを組み合わせて実施してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例にも適用できることは言うまでもない。
図106は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動とプリチャージ電圧(プログラム電圧)駆動とを組み合わせた実施例である。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id印加期間も変化させた実施例である。
図106は、プリチャージ電圧は0階調に対応するV0電圧の場合である。まず、図106(a1)(a2)(a3)について説明をする。図106(a1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初に1μsec印加している。また、図106(a2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。
したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。以上の図106(a)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、本発明の他の実施例における駆動方法について図106(b1)(b2)(b3)をもちいて説明をする。図106(b1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初からtxμsecの時間印加している。また、図106(b2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上の図106(b)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加する期間txを制御することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージの印加期間を調整することができる。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図106(a)(b)はプリチャージ電圧を印加する回数は1回の場合であった。しかし、本発明は、プリチャージ電圧を印加する期間は、1回に限定するものではない。プリチャージ電圧を印加することにより、ソース信号線18電位をリセットすることができ、リセットにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id駆動によるソース信号線18の電位制御(調整)が容易になるからである。
図106(c1)(c2)(c3)は、1H期間(所定の時間間隔)に複数回、ソース信号線18にプリチャージ電圧を印加した実施例である。図106(c1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初からと、t3時間からの2回1μsec印加している。また、図106(c2)に示すように1Hの最初から4/(5H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(c3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。t0〜t3の期間は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによりソース信号線18の電位は降下する。しかし、t3〜t4の期間に、プリチャージ電圧を印加するために、ソース信号線18の電位はV0にリセットされる。t4〜t5の期間は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによりソース信号線18の電位は再び降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上の図106(c)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にリセットし、最終のプリチャージ電圧印加した時点から電流プログラムの動作が開始される。したがって、プリチャージ電圧を印加するタイミングを制御あるいは調整することにより、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に制御することが可能である。そのため、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易であり、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図106は、一定のプリチャージ電圧(プログラム電圧)を印加した実施例であった。図107はプリチャージ電圧を変化させた実施例である。なお、一例として図107における過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは1Hの最初から1/(2H)の期間印加しているとする(t1〜t3期間)。
図107(a1)は、プリチャージ電圧は0階調に対応するV0電圧の場合である。図 107(b1)は、プリチャージ電圧は1階調に対応するV1電圧の場合である。図107(c1)は、プリチャージ電圧は2階調に対応するV2電圧の場合である。
図107(a1)(a2)(a3)について説明をする。図107(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(a2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。
また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(a)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、図107(b1)(b2)(b3)について説明をする。図107(b1)では、1階調目に該当するプリチャージ電圧V1を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(b2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は1階調の電圧電位V1である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(b)の実施例では、プリチャージ電圧V1を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。プリチャージ電圧V1はV0よりもソース信号線18に書き込む電位が低い。一方、過電流(プリチャージ電流)の印加時間は一定で、かつ過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさもId0と一定である。したがって、図107(a)よりソース信号線18の電位を低くすることができるから、より高輝度表示を実現できる。
また、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
さらに、図107(c1)(c2)(c3)について説明をする。図107(c1)では、2階調目に該当するプリチャージ電圧V2を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(c2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(c3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は2階調目の電圧電位V2である。
また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(c)の実施例では、プリチャージ電圧V2を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。プリチャージ電圧V2はV1よりもさらにソース信号線18に書き込む電位が低い。一方、過電流(プリチャージ電流)の印加時間は一定で、かつ過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさもId0と一定である。したがって、図107(b)よりソース信号線18の電位を低くすることができるから、より高輝度表示を実現できる。
また、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
以上のように、プリチャージ電圧Vpcの大きさあるいは電位を変化させることにより、1H経過した時の、ソース信号線18電位を容易に制御することができる。
図107は、一定のプリチャージ電圧(プログラム電圧)と変化させた実施例であった。図108は、過電流(プリチャージ電流)を変化させた実施例である。なお、プリチャージ電流を変化させることは、図92、図93、図94のDc0、Dc1スイッチなどを制御することにより実現することができる。図108(a1)(b1)では、プリチャージ電圧はV0と固定している。図108(c1)ではプリチャージ電圧を印加していない実施例である。
図108(a1)(a2)(a3)について説明をする。図108(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図108(a2)に示すように1Hの最初(t1)〜t4の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。t4〜t3の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。
図108(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t4の期間は、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t4〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0よりも小さい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は比較的緩やかに降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(a)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、まず、第1の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を急変させる。次に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を目標電位近くまでさせる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。以上のように複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、これらの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。
また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、図108(b1)(b2)(b3)について説明をする。図108(b1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図108(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t3の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。
図108(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2の期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(b)の実施例では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、比較的小さな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を変化させる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
さらに、図108(c1)(c2)(c3)について説明をする。図108(c1)では、プリチャージ電圧を印加していない。したがって、ソース信号線18の電位は1H前の電位である。また、図108(c2)に示すように1Hの最初(t1)〜t4の期間に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。t4〜t3の期間に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図108(c3)に示すように、t0〜t4の期間は、比較的小さな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は変化する。t4〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1よりも大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(c)の実施例では、まず、第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を変化させる。次に第1の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を目標電位近くまでさせる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。
以上のように複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、これらの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、プリチャージ電圧を印加しないため、前画素行に印加した電位から相対的に電位を変化させることができる。前画素行に印加したソース信号線18の電位は理論的に予測あるいは推測することができる。コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図108では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)(プリチャージ電流)を1H期間(所定期間)で変化させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、1H期間(所定期間)にプリチャージ電圧を変化してもよい。また、プリチャージ電流とプリチャージ電圧の両方の大きさを変化させてもよいことは言うまでもない。また、プリチャージ電流とプリチャージ電圧の両方の印加時間を変化させてもよいことは言うまでもない。
図109はプリチャージ電圧の印加タイミングを変化させた実施例である。過電流(プリチャージ電流)は同一であるとしている。図108(a1)(b1)(c1)では、プリチャージ電圧はV0と固定している。
図109(a1)(a2)(a3)について説明をする。図109(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図109(a2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施例でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
同様に、図109(b1)(b2)(b3)について説明をする。図109(b1)では、プリチャージ電圧V0をt0から1μsec(t0〜t3の期間)印加している。また、図109(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は1H前の電位(前画素行に電流プログラムを行うために印加したソース信号線18電位)から変化が開始する。その後、t0時にプリチャージ電圧V0をt0から1μsec(t0〜t1期間)印加している。したがって、ソース信号線18電位は、V0電圧にリセットされる。
t3〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施例でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、任意の時間にプリチャージ電圧を印加することにより、任意のタイミングで規定されたソース信号線18電位(図109ではV0電圧)から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図109(c)も図109(b)と同様である。図109(c1)では、プリチャージ電圧V0をt3から1μsec(t3〜t4の期間)印加している。また、図109(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(c3)に示すように、t1〜t3の期間は、ソース信号線18の電位は1H前の電位(前画素行に電流プログラムを行うために印加したソース信号線18電位)から変化が開始する。その後、t3時にプリチャージ電圧V0をt3から1μsec(t3〜t4期間)印加している。したがって、ソース信号線18電位は、V0電圧にリセットされる。
t4〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施例でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、任意の時間にプリチャージ電圧を印加することにより、ソース信号線18電位は一定の値に変更することができる。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさは同一である。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる変化カーブは一定の傾斜角度となる。任意のタイミングで規定されたソース信号線18電位(図109ではV0電圧)から、規定された適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することによりソース信号線18電位を目標電位近傍まで変化することができる。電位が近傍になった以降は、プログラム電流により補正するだけであるので精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。
図106〜図109などは、過電流(プリチャージ電流)の方向は、ソースドライバ回路(IC)14に吸い込む方向の電流(シンク電流)を例示して説明をした。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、過電流(プリチャージ電流)は吐き出し方向であってもよい。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は吐き出し電流と吸い込み電流の両方を有してもよい。
図111は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が吐き出し電流と吸い込み電流の両方を用いる場合の駆動方法の説明図である。回路構成としては図110の構成が例示される。図111において、スイッチ221aはプリチャージ電圧のオンオフ制御に用いる。オンの時、端子93にプリチャージ電圧が印加される。スイッチDc2は吐き出し方向のプリチャージ電流のオンオフ制御に用いる。オンの時、端子93に吐き出し方向のプリチャージ電流が印加される。また、スイッチDc1は吸い込み方向のプリチャージ電流のオンオフ制御に用いる。オンの時、端子93に吸い込み方向のプリチャージ電流が印加される。
図111のaの期間では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図111のDc1スイッチはt1〜ta期間オンしている。したがって、吸い込み方向の過電流Id1が流れる。t1から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。以降taまでの期間は、過電流(プリチャージ電流)Id0により、ソース信号線電位18は急激に降下する。ta〜t2までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のbの期間では、プリチャージ電圧は印加していない。また、図111のDc2スイッチはt2〜tb期間オンしている。したがって、吐き出し方向の過電流Id2が流れる。過電流(プリチャージ電流)Id2により、ソース信号線電位18は急激に上昇する。tb〜t3までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のcの期間は低階調領域の書き込みのため、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。図111のDc1、Dc2スイッチはオフ状態である。t3から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。以降t4までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のdの期間では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図111のDc1スイッチはt4〜td期間オンしている。したがって、吸い込み方向の過電流Id1が流れる。t4から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。
以降tdまでの期間は、過電流(プリチャージ電流)Id0により、ソース信号線電位18は急激に降下する。td〜t5までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のeの期間では、プリチャージ電圧は印加していない。また、図111のDc2スイッチはt5〜te期間オンしている。したがって、吐き出し方向の過電流Id2が流れる。過電流(プリチャージ電流)Id2により、ソース信号線電位18は急激に上昇する。te〜t6までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
以上の実施例は、1H期間内の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動または/およびプリチャージ電圧駆動の実施例であった。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動または/およびプリチャージ電圧駆動は1H期間内だけではなく、1フレームあるいは複数水平走査期間のソース信号線18の電位状態を考慮して行うことが好ましい。図416はその実施例である。
本発明では、図130で図示するようにプリチャージ電圧もFRC化している。たとえば、図130(b)は4FRCの駆動方法である。図130(b)において、白○(白丸)はプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加(出力)されたことを示しており、黒○(黒丸)はプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されていないことを示している。つまり、図130(b)(1)では、4フレーム(フィールド)で1回しかプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されないことを示している。
同様に図130(b)(2)では、4フレーム(フィールド)で2回しかプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されないことを示しており、図130(b)(3)では、4フレーム(フィールド)で3回プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されることを示している。図130(b)(4)では、4フレーム(フィールド)ともプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されることを示している。
以上の動作(方法)を実施することによりプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)で階調表示を増大することができる。したがって、階調数が増加しより良好な画像表示を実現できる。つまり、低階調領域では主としてプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)で階調表示を実現し、高階調領域ではプログラム電流により階調表示を実現する。
本発明では、プリチャージ電流あるいはプリチャージ電圧駆動を実施するとした。たとえば、8ビット(256階調)のソースドライバ回路(IC)14で1024階調を実現するためには、図130で説明したように4FRCと組み合わせる。したがって、1024階調で、2階調目は、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、0階調目の出力と1階調目の出力とを組み合わせて表示する。したがって、FRC駆動ではソース信号線18には、1Hごとに0階調目の電圧(プリチャージ電圧と1階調目のプログラム電圧またはプログラム電流)が交互に印加される。この領域は低階調領域であるから、1階調目は必ずプリチャージ駆動が実施される。プリチャージ駆動はラスター表示でも実施される。プリチャージ駆動すると、電流駆動であっても電圧駆動状態となり表示の均一性が低下する。一方ラスター表示では、たとえ低階調領域であっても書き込み不足は発生しないため、プログラム電流のみで均一表示を実現できる。プリチャージ駆動を実施することにより均一性が低下することは好ましくない。
この課題を解決するため、本発明は、FRC駆動を実施する場合は、隣接した階調出力の場合(256階調のソースドライバ回路(IC)14では、0階調目の出力と1階調目が隣接出力である。また、1階調目の出力と2階調目が隣接出力である)は、プリチャージ駆動は実施しない。つまり、ソース信号線18に印加される出力が、1階調分しか差がないときはプリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施しない。FRCによるラスター表示あるいは画像に変化が発生しないと判断し、電流駆動のみで均一表示を実現するためである。1階調差はFRCを実施するため、プリチャージ駆動を実施すると、画面全体に電圧駆動が実施されることになり、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきが画面64に表示される可能性が高いからである。
なお、FRCとは、隣接した階調を組み合わせて間の階調表示を実現する技術である。たとえば、6ビット表示(64階調)で4FRCを実施すると、約256階調表示を実現できる。この表示方法では、たとえば、1階調目と2階調目(隣接した階調)を組み合わせて、1階調目と2階調目間に7階調の表示を実現できる。同様に、2階調目と3階調目(隣接した階調)を組み合わせて、1階調目と2階調目間に7階調の表示を実現できる。
2階調以上の差があるときは、プリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施する(特に低階調領域では実施する)。たとえば、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、ソース信号線18に印加する出力が0階調目から2階調目に変化する時である。また、1階調目の出力から3階調目に変化するときである。2階調以上変化する時は、FRC以上の階調変化として判断し、書き込み不足をプリチャージ駆動で解決する。以上の判断は、コントローラ回路(IC)722で行う。つまり、2階調差以上では、FRC駆動は実施されないからである。
さらに実施例を記載すれば、1024階調の6階調目は、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、1階調目の出力と2階調目の出力で表示する。ソース信号線18には256階調のソースドライバ回路(IC)14から、1階調目の出力と2階調目の出力が交互にあるいは一定周期で印加される。
このように、ソース信号線18に印加する映像データが1階調分の時は、プリチャージ駆動は実施しない。つまり、ソース信号線18に印加される出力が、FRCを考慮しない階調(本実施例では256階調)で1階調分しか差がないときはプリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施しない。FRCによるラスター表示あるいは画像に変化が発生しないと判断し、電流駆動のみで均一表示を実現するためである。
2階調以上の差があるときは、プリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施する。特に低階調領域で実施する。たとえば、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、ソース信号線18に印加する出力が1階調目から3階調目以上に変化する場合が例示される。なお、高階調領域ではプリチャージ駆動を実施する必要がない。書き込み電流が大きいためである。
以上はFRCを実施するときに、本階調(実施例では256階調)で、ソース信号線18に印加する階調数が2階調以上変化する時に、必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。FRCを実施しない場合においても、ソース信号線18に印加する階調数が2階調以上変化する時に、必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよいことは言うまでもない。
ただし、隣接した画素行での変化(ソース信号線18に印加する信号レベルの変化)が1階調差の場合であっても、プリチャージ駆動を実施してもよい。たとえば、自然画を表示する場合は、プリチャージ駆動を実施しても、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきはめだたない(白らすたーなどのパターン表示の場合は、駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきがめだつ)。したがって、表示画像をコントローラ回路(IC)722で判断して、プリチャージ駆動の実施の有無を決定すればよい。
また、nFRC後の階調で変化する階調数がCとした場合に、C/nが1よりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよいことは言うまでもない。たとえば、4FRCで、1024階調表示をする場合、1024階調で変化する階調数が4(C=4)であれば、4/4=1で、プリチャージ駆動は実施しない。1024階調で変化する階調数が5以上(C=5以上)であれば、5/4>1で、必要に応じてプリチャージ駆動を実施する。
以上の実施例では、C/nが1よりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとして説明したが、C/nがKよりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよい。Kの値は、点灯率により変化させる。たとえば、4FRCで、1024階調表示をする場合、点灯率が70%以上の場合はK=4とし、1024階調で変化する階調数が16(C=16)以上であれば、334=4=Kで、プリチャージ駆動を実施するとしてもよい。C=16未満の場合はプリチャージ駆動を実施しない。また、4FRCで、1024階調表示をする場合、点灯率が20%以上の場合はK=2とし、1024階調で変化する階調数が8(C=8)以上であれば、8/4=2=Kで、プリチャージ駆動を実施するとしてもよい。C=8未満の場合はプリチャージ駆動を実施しない。
前述の実施例では、ソース信号線18に印加する出力が1階調目から3階調目以上に変化する場合など、低階調から高階調に変化する時、3階調目から1階調目以下、10階調目から8階調目以下などのように、高階調から低階調に変化する時に、プリチャージ駆動してもよいことは言うまでもない。なお、所定階調以上の高階調領域ではプリチャージ駆動を実施する必要がない。書き込み電流が大きいためである。
以下、本発明のEL表示装置などの駆動方法について説明をする。本発明のEL表示パネルは主として電流駆動方式である。特徴ある画像表示制御方法は主として2つある。1つは、基準電流の制御である。もう1つはduty比制御である。この基準電流制御と比制御を単独であるいは組み合わせることにより、ダイナミックレンジが広く、かつ高画質表示、高コントラストを実現できる。
なお、本発明の明細書において、表示画面64において、表示領域63と全表示領域64の割合をduty比と呼ぶ。つまり、duty比は表示領域63の面積/全表示領域64の面積である。あるいは、duty比はオン電圧が印加されているゲート信号線17bの本数/全ゲート信号線17bの本数でもある。また、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、このゲート信号線17bに接続されている選択画素行数/表示領域64の全画素行数でもある。
本明細書において、点灯率に応じてduty比制御などを変化させるとして説明する。しかし、点灯率とは、一定の意味ではない。たとえば、低点灯率とは、画面64に流れる電流が小さいことを意味しているが、画像を構成する低階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面64を構成する映像は、暗い画素(低階調の画素)が多い。
したがって、低点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、低階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。高点灯率とは、画面64に流れる電流が大きいことを意味しているが、画像を構成する高階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面64を構成する映像は、明るい画素(高階調の画素)が多い。高点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、高階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。つまり、点灯率に対応して制御するとは、画素の階調分布状態あるいはヒストグラム分布に対応して制御することと同義あるいは類似の状態を意味することがある。
以上のことから、点灯率にもとづいて制御するとは、場合に応じて画像の階調分布状態(低点灯率=低階調画素が多い。高点灯率=高階調画素が多い。)にもとづいて制御すると言い換えることができる。たとえば、低点灯率になるにしたがって基準電流比を増加させ、高点灯率になるにしたがってduty比を小さくするとは、低階調の画素数が多くなるにしたがって、基準電流比を増加させ、高階調の画素数が多くなるにしたがってduty比を小さくすると言い換えることができる。または、低点灯率になるにしたがって基準電流比を増加させ、高点灯率になるにしたがってduty比を小さくするとは、低階調の画素数が多くなるにしたがって基準電流比を増加させ、高階調の画素数が多くなるにしたがってduty比を小さくするのと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
また、たとえば、所定の低点灯率以下で基準電流比をN倍し、かつ選択信号線数をN本にするとは、低階調の画素数が一定以上の時に、基準電流比をN倍し、かつ選択信号線数をN本にすることと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
また、たとえば、通常は、duty比1/1で駆動し、所定の高点灯率以上で段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させるとは、低階調あるいは高階調の画素数が一定の範囲以内の時に、duty比1/1で駆動し、高階調の画素数が一定の以上数となった時に、段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させることと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
EL表示パネルで、フルカラー表示を実現するためには、RGBのそれぞれに基準電流を形成(作成)する必要がある。RGBの基準電流の比率でホワイトバランスを調整できる。基準電流は、単位トランジスタ224が流す電流値を決定する。したがって、基準電流の大きさを決定すれば、単位トランジスタ224が流す電流を決定することができる。そのため、R、G、Bのそれぞれの基準電流を設定すれば、すべての階調におけるホワイトバランスが取れることになる。以上の事項は、ソースドライバ回路(IC)14が電流きざみ出力(電流駆動)であることから発揮される効果である。
本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の内部に電子ボリウムを形成または配置することのより、ソースドライバ回路(IC)14の外部からのデジタルデータ制御により基準電流を可変あるいは変更することができる。この事項は、電流駆動ドライバにおいて重要な事項である。電流駆動では、映像データがEL素子15に流れる電流に比例する。したがって、映像データをロジック処理することにより全EL素子に流れる電流を制御できる。基準電流もEL素子15に流れる電流に比例するから、基準電流をデジタル制御することにより、全EL素子15に流れる電流を制御できる。以上のことから、映像データに基づき、基準電流制御を実施することにより、表示輝度のダイナミックレンジの拡大などを容易に実現できる。また、表示輝度を変化した場合においてもホワイトバランスも維持することができる。
基準電流制御は図29、図30などに図示するように、ソースドライバ回路(IC)14は、各RGBの基準電流Icを調整する回路291などを具備している。また、ソースドライバ回路(IC)14からのプログラム電流Iwは、単位トランジスタ224の個数で決定される。
1つの単位トランジスタ224が出力する電流は、基準電流の大きさに比例する。したがって、基準電流を調整することにより、1つの単位トランジスタ224が出力する電流が決定され、プログラム電流の大きさが決定される。基準電流と単位トランジスタ224の出力電流がリニアの関係にあり、かつ、プログラム電流と輝度がリニアの関係にあることから、白ラスター表示で各RGBの基準電流を調整してホワイトバランスを調整すれば、すべての階調でホワイトバランスが維持される。
図6、図7、図12、図13、図14、図15などはduty比制御方法である。図6は非表示領域62を連続して挿入する方法である。動画表示に適する。ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17bにオンまたはオフ電圧を印加することにより自由にduty比を変更できる。基準電流を一定にした状態で、duty比を変化させれば画面62の輝度を変更することができる。
図14は非表示領域62を多数に分割して挿入する方法である。特に静止画表示に適する。ゲートドライバ回路12bを制御し、ゲート信号線17bにオンオフ電圧を周期的に印加することにより、自由にduty比を変更できる。
以上のように、duty比制御とは、ソース信号線18に印加するプログラム電流Iwは変化させずに、EL素子15に流れる電流を制御することにより、画面64の明るさ制御を実現する方式である。つまり、基準電流を一定にした状態(変化させずに)で、画面64の明るさ制御を実現する方式である。もちろん、基準電流を変化するとともに、duty比を変化させてもよい。
駆動用トランジスタ11aが流す電流を変更することなく、画面64の明るさ制御を実現する方式である。また、駆動用トランジスタ11aのゲート端子(G)電圧を変更することなく、画面64の明るさ制御を実現する方式である。また、ゲートドライバ12bの走査状態を変化させることにより、ゲート信号線17bなどを制御し、画面64の明るさ制御を実現する方式である。
表示領域63の分散は、表示パネルの画素行数が220本で、1/4duty比であれば、220/4=55となるから、1から55(1の明るさからその55倍の明るさまで調整できる)。また、表示パネルの画素行が220本で、1/2duty比であれば、220/2=110となるから、1から110(1の明るさからその110倍の明るさまで調整できる)。したがって、画面輝度64の明るさの調整レンジは非常に広い(画像表示のダイナミックレンジが広い)。また、いずれに明るさであっても、表現できる階調数を維持できると特徴がある。たとえば、64階調表示であれば、白ラスターでの表示画面64輝度が300ntであっても、3ntであっても64階調表示を実現できる。
以前にも説明したが、duty比は、ゲートドライバ回路12bへのスタートパルスを制御することにより容易に変更できる。したがって、1/2duty比、1/4duty比、3/4duty比、3/8duty比と多種多様なduty比を容易に変更できる。
1水平走査期間(1H)単位のduty比駆動は、水平同期信号に同期させてゲート信号線17bのオンオフ信号を印加すればよい。さらに、1H単位以下でもduty比制御することができる。
duty比が1/4duty比以下で1H以内のduty比制御を実施する必要が発生するのは、1ステップあたりの変化量が大きいことが主な原因である。また、画像が中間調であるため、微小な変化でも視覚的に認識されやすいためでもある。人間の視覚は、一定以上の暗い画面では、明るさ変化に対する検出能力が低い。また、一定以上の明るい画面でも、明るさ変化に対する検出能力が低い。これは、人間の視覚が2乗特性に依存しているためと思われる。
パネルの画素行が200本であれば、20/200duty比以下(1/200以上20/200以下)で、1H内でのオンオフ制御を行って、1H以下の期間のduty比制御を行う。1/200duty比から2/200duty比に変化すると1/200duty比と2/200duty比の差は、1/200であり、100%の変化となる。この変化はフリッカとして完全に視覚的に認識されてしまう。したがって、1H内でのオンオフ制御を行ってを行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御する。なお、1H期間以下(1H期間以内)でduty比制御するとしたが、これに限定するものではない。図6でもわかるように非表示領域62は連続している。つまり、10.5H期間というような制御も本発明の範疇である。つまり、本発明は1H期間に限定されず(小数点以下が発生する)、duty比駆動を行うものである。
40/200duty比から41/200duty比に変化すると、40/200duty比と41/200duty比の差は、1/200であり、(1/200)/(40/200)で2.5%の変化となる。この変化はフリッカとして視覚的に認識されるか否かは、画面輝度64に依存する可能性が高い。ただし、40/200duty比は中間調表示であるので、視覚的に敏感である。したがって、OEV2制御(図40などを参照のこと)を行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御することが望ましい。
以上のように、本発明の駆動方法および表示装置は、画素16にEL素子15に流す電流値を記憶できる構成(図1ではコンデンサ19が該当する)と、駆動用トランジスタ11aと発光素子(EL素子15が例示される)との電流経路をオンオフできる構成(図1、図18、図19などの画素構成が該当する)の表示パネルにあって、少なくとも表示画像の表示状態において図6、図14の表示状態が発生させる(画像の輝度によっては、表示画面64が表示領域63(duty比1/1になってもよい)駆動方法である。かつ、duty比駆動(少なくとも表示画面64の一部が非表示領域63となる駆動方法または駆動状態)が所定のduty比以下では、1水平走査期間(1H期間)以内あるいは1H期間単位に限定されるEL素子15に流す電流を制御して、表示画面64の輝度制御を行うものである。
比以下の場合に実施する。逆に所定duty比以上では、1H単位でduty比制御を行う。もしくはOEV2制御は実施しない。また、1H期間以外のduty比制御は、1ステップの変化が変化前から変化後で1/20(5%)以上変化する時に実施する。さらに好ましくは、222(2%)以下の変化でもOEV2制御を行い微小なduty比駆動制御を行うことが望ましい。もしくは、白ラスターの最大輝度の1/4以下の輝度で実施する。
本発明のduty比制御駆動によれば、EL表示パネルの階調表現数が64階調であれば、表示画面64の表示輝度(nt)がいずれの輝度(輝度が低いあるいは高いに関わらず)であっても、64階調表示が維持される。たとえば、画素行数が220本で、1画素行のみが表示領域63(表示状態)の時(duty比1/220)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この1画素行分が順次画像表示されるからである。全画素行が表示領域63(表示状態)の時(duty比1/1)であっても、64階調表示を実現できる。
もちろん、20画素行が表示領域63(表示状態)の時(duty比20/220=duty比1/11)であっても、64階調表示を実現できる。画素行にソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bによりすべての画素行が同時に画像表示されるからである。また、20画素行のみが表示領域63(表示状態)の時(duty比20/220=duty比1/11)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この20画素行分が順次走査されて画像表示されるからである。
なお、本発明の基準電流制御(図29、図30などの回路構成を参照のこと)においても同様であり、基準電流が小さくとも大きくとも、64階調表示を実現できる。
本発明のduty比制御駆動は、EL素子15の点灯時間の制御であるから、duty比に対する表示画面64の明るさは、リニアの関係にある。したがって、画像の明るさ制御がきわめて容易であり、その信号処理回路もシンプルとなり、低コスト化を実現できる。図29のようにRGBの基準電流を調整し、ホワイトバランスをとる。基準電流の調整方法としては、各RGBの電子ボリウム291を変化させる方法、各RGBの抵抗R1(R1r、R1g、R1b)の値を調整する方法がある。duty比制御では、R、G、Bを同時に明るさ制御するためにいずれの階調、表示画面64の明るさにおいてもホワイトバランスは維持される。
duty比制御は、表示画面64に対する表示領域63の面積を変化させることにより、表示画面64の輝度を変化するものであった。当然、表示面積63に比例してEL表示パネルに流れる電流はほぼ比例して変化する。したがって、映像データの総和を求めることにより、表示画面64のEL素子15に流れる全消費電流を算出することができる。EL素子15のアノード電圧Vddは直流電圧で固定値のため、全消費電流が算出できれば、画像データに応じて全消費電力をリアルタイムで算出することができる。算出された全消費電力が規定された最大電力を越えると予測される場合は、図29などの基準電流Icを電子ボリウムなどの調整回路で調整し、RGBの基準電流を抑制制御すればよい。
また、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をduty比最小になるように設定する。たとえば、duty比1/8にする。自然画像はduty比を大きくする。最大のduty比は1/1である。たとえば、表示画面64の1/100しか画像が表示されない自然画像をduty比1/1とする。duty比1/1からduty比1/8は表示画面64の自然画像の表示状態で滑らかに変化させる。
以上のように一実施例として、白ラスター表示で(自然画像ではすべての画素が100%点灯している状態)でduty比1/8とし、表示画面64の1/100の画素が点灯している状態をduty比1/1とする。概略の消費電力は、画素数×点灯画素数の割合×duty比で算出できる。
説明を容易にするため、画素数を100とすると、白ラスター表示での消費電力は、100×1(100%)×duty比1/8=80となる。一方、1/100が点灯している自然画像の消費電力は、100×(1/100)(1%)×duty比1/1=1となる。duty比1/1〜duty比1/8は画像の点灯画素数(実際には、点灯画素の総電流=1フレームのプログラム電流の総和)に応じてフリッカが発生しないように穏やかにduty比制御が実施される。
以上のように白ラスターで消費電力割合は80であり、1/100が点灯している自然画像の消費電力割合は、1になる。したがって、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をduty比最小になるように設定すれば、最大電流を抑制することができる。
本発明は、1画面のプログラム電流の総和をSとし、duty比をDとし、S×Dで駆動制御を実施するものである。また、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、最大のduty比をDmax(通常は、duty比1/1が最大である)とし、最小のduty比をDminとし、また、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとした時、Sw×Dmin >= Ss×Dmaxの関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
なお、duty比の最大は1/1とする。最小はduty比1/16以上(1/8など)にすることが好ましい。つまり、duty比は1/16以上1/1以下にする。なお、1/1を必ず使用することには制約されないことは言うまでもない。好ましくは、最小のduty比は1/10以上にする。duty比が小さすぎると、フリッカの発生が目立ちやすく、また、画像内容による画面の輝度変化が大きくなりすぎ、画像が見づらくなるからである。
先にも説明したがプログラム電流は映像データと比例の関係にある。したがって、プログラム電流の総和とは映像データの総和と同義である。なお、1フレーム(1フィールド)期間のプログラム電流の総和を求めるとしたが、これに限定するものではない。1フレーム(1フィールド)において、所定間隔あるいは、所定周期などでプログラム電流を加算する画素をサンプリングしてプログラム電流(映像データ)の総和としてもよい。また、制御を行うフレーム(フィールド)の前後の総和データを用いてもよいし、推定あるいは予測による総和データをもちいて、duty比制御を行っても良い。
図112は本発明の駆動回路のブロック図である。以下、本発明の駆動回路について説明をする。図112では、外部からY/UV映像信号と、コンポジット(COMP)映像信号が入力できるように構成されている。どちらに映像信号を入力するかは、スイッチ回路1121により選択される。
スイッチ回路1121で選択された映像信号は、デコーダおよびA/D回路によりデコードおよびAD変換され、デジタルのRGB画像データに変換される。RGB画像データは各8ビットである。また、RGB画像データはガンマ回路1124でガンマ処理される。同時に輝度(Y)信号が求められる。ガンマ処理により、RGB画像データは各10ビットの画像データに変換される。
ガンマ処理後、画像データはFRC処理または誤差拡散処理が処理回路1129で行われる。FRC処理または誤差拡散処理によりRGB画像データは6ビットに変換される。この画像データはAI処理回路1126でAI処理あるいはピーク電流処理が実施される。また、動画検出回路1127で動画検出が行われる。同時に、カラーマネージメント回路1128でカラーマネージメント処理が行われる。
AI処理回路1126、動画検出回路1127、カラーマネージメント回路1128の処理結果は演算回路1129に送られ、演算処理回路1129で制御演算、duty比制御、基準電流制御データに変換され、変換された結果が、ソースドライバ回路(IC)14およびゲートドライバ回路12に制御データとして送出される。
duty比制御、基準電流比制御、ピーク電流制御などは、OSD(オンスクリーンディスプレイまたはオンスクリーンデマンド)には適用しないことが好ましい。OSDでは、ビデオカメラなどにおいて、メニュー画面表示などを行うものである。OSDにおいても、ピーク電流制御などを行うと、メニューの表示状態によって画面が暗くなったり明るくなったりし、視覚的に不具合が発生する。
この課題に対しては、OSDのデータ(OSDDATA)と映像データ(動画データ)とを別のコントロール回路1126で処理をする。基本的には、OSDデータは輝度変調を実施しない。
なお、コントローラ回路(IC)722に関しても、1チップ化することに限定するものではない。たとえば、ゲートドライバ回路12を制御するコントローラ回路(IC)722Gと、ソースドライバ回路(IC)14を制御するコントローラ回路(IC)722Sに分離してもよい。分離により処理内容が明確になり、コントローラICを小サイズ化することが可能である。
duty比制御データはゲートドライバ回路12bに送られ、duty比制御が実施される。一方、基準電流制御データはソースドライバ回路(IC)14に送られ、基準電流制御が実施される。ガンマ補正され、FRCまたは誤差拡散処理された画像データもソースドライバ回路(IC)14に送られる。
画像データ変換は、ガンマ回路1124のガンマ処理により行う必要がある。ガンマ回路1124は、多点折れガンマカーブにより階調変換を行う。256階調の画像データは、多点折れガンマカーブにより1024階調に変換される。ガンマ回路1124により多点折れガンマカーブでガンマ変換するとしたが、これに限定するものではない。
以上の説明ではduty比で制御するとして説明したが、duty比は、所定期間(通常は1フィールドまたは1フレームである。つまり、一般的には任意の画素の画像データが書き換えられる周期もしくは時間である)におけるEL素子15の点灯期間である。つまり、duty比1/8とは、1フレームの1/8の期間(1F/8)の間、EL素子15が点灯していることを意味する。したがって、duty比は、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、画素の点灯期間Taとした時、duty比=Ta/Tfと読み替えることができる。
なお、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、Tfを基準とするとしたがこれに限定されるものではない。本発明のduty比制御駆動は、1フレームあるいは1フィールドで動作を完結させる必要はない。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間を1周期としてduty比制御を実施してもよい。したがって、Tfは画素を書き換える周期だけに限定されるものではなく、1フレームあるいは1フィールド以上であってもよい。たとえば、1フィールドあるいは1フレームごとに点灯期間Taがことなる場合は、繰り返し周期(期間)をTfとし、この期間の総点灯期間Taを採用すればよい。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間の平均点灯時間をTaとしてもよい。duty比についても同様である。duty比がフレーム(フィールド)ごとに異なる場合は、複数フレーム(フィールド)の平均duty比を算出して用いればよい。
したがって、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとし、最小の点灯期間をTas、最大の点灯期間をTam(通常はTam=TfであるからTam/Tf=1)とした時、Sw×(Tas/Tf) >= Ss×(Tam/Tf)の関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
図29、図30に図示あるいは説明したように基準電流の制御により、プログラム電流をリニアに調整することができる。1つあたりの単位トランジスタ224の出力電流が変化するからである。単位トランジスタ224の出力電流を変化させるとプログラム電流Iwも変化する。画素のコンデンサ19にプログラムされる電流(実際はプログラム電流に相当する電圧である)が大きいほど、EL素子15に流れる電流も大きくなる。EL素子15に流れる電流と発光輝度はリニアに比例する。したがって、基準電流を変化することによりEL素子15の発光輝度をリニアに変化させることができる。
本発明のソースドライバ回路(IC)14は、端子93に接続される単位トランジスタ224の個数を制御することによりプログラム電流Iwを変化させるものであった。また、プログラム電流Iwは図29、図30などで説明したように、基準電流Icを変化させることにより実現した。
しかし、本発明の基準電流制御などは限定するものではない、一定の基準となるもの(電圧、電流、設定データなど)を変化し、この変化により端子93から出力される電流Iwを変更できるものであればいずれでもよい。ただし、基準となるものの変化により、各出力端子93のプログラム電流Iwが同一割合で変化させることが重要である。なお、プログラム電流Iwの変化に限定するものではない。プログラム電圧であってもよい。各端子93のプログラム電圧が同一割合で変化させることにより、表示画面64の輝度を調整することができるからである。また、RGB端子で変化させることによりホワイトバランスを調整することができるからである。
本発明は、説明した基準電流制御方式と、duty比制御方式のうち、少なくとも一方の方式を用いて画面の明るさなどの制御を行うものである。好ましくは、基準電流制御方式とduty比制御方式を組み合わせて実施することが好ましい。
さらに、本発明の駆動方式について説明をする。本発明の駆動方法は、EL表示パネルに消費される消費電流の上限にリミットすることが1つの目的である。EL表示パネルはEL素子15に流れる電流を輝度が比例関係にある。したがって、EL素子15に流れる電流を増大させれば、EL表示パネルの輝度もどんどん明るくすることができる。輝度に比例して消費される電流(=消費電力)も増大する。
携帯装置などのモバイル機器に用いる場合は、電池などの容量に制限がある。また、電源回路も消費される電流が大きくなると規模が大きくなる。したがって、消費する電流にはリミットを設ける必要がある。このリミットを設けること(ピーク電流抑制)が本発明の1つの目的である。
画像がコントラストを大きくすることにより、表示が良好になる。めりはりのあるように画像(ダイナックレンジが広い、コントラスト比が高い、階調表現力が大きいなど)変換して画像を表示することにより表示が良好になる。以上のように画像表示を良好にすることが本発明の2つめの目的である。以上の目的を実現する本発明をAI駆動と呼ぶことにする。
説明を容易にするために、本発明のICチップ14は64階調表示であるとする。AI駆動を実現するためには、階調表現範囲を拡大することが望ましい。説明を容易にするために、本発明のソースドライバ回路(IC)14は64階調表示とし、画像データは256階調とする。この画像データをEL表示装置のガンマ特性に適合するように、ガンマ変換を行う。ガンマ変換は入力256階調を1024階調に拡大することによって実施する。ガンマ変換された画像データは、ソースドライバIC14の64階調に適合するように、誤差拡散処理あるいはフレームレートコントロール(FRC)処理が行われ、ソースドライバIC14に印加される。
1画面の画像データが全体的に大きいときは画像データの総和は大きくなる。たとえば、白ラスターは64階調表示の場合は画像データとしては63であるから、表示画面64の画素数×63が画像データの総和である。1/100の白ウインドウ表示で、白表示部が最大輝度の白表示では、表示画面64の画素数×(1/100)×63が画像データの総和である。
本発明では画像データの総和あるいは画面の消費電流量を予測できる値を求め、この総和あるいは値により、duty比制御あるいは基準電流制御を行う。
なお、画像データの総和を求めるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、画像データの1フレームの平均レベルを求めてこれを用いてもよい。アナログ信号であれば、アナログ画像信号をコンデンサによりフィルタリングすることにより映像信号の平均レベルを得ることができる。アナログの映像信号に対しフィルタを介して直流レベルを抽出し、この直流レベルをAD変換して画像データの総和としてもよい。この場合は、画像データはAPLレベルとも言うことができる。
30フレームから300フレーム期間の画像データの総和あるいは総和を推定できるデータを求め、このデータの大きさに基づいて、duty比制御を行うこと好ましい。総和データは画像変化に応じてゆっくりと変化する。総和データを求めるフレーム期間が長いほど画像の明るさ変化はゆっくりとなる。
表示画面64を構成する画像のすべてのデータを加算する必要はなく、表示画面64の1/W(Wは1より大きい値)をピックアップして抽出し、ピックアップしたデータの総和を求めてもよい。たとえば、1画素とばしで映像データをサンプリングし、サンプリングされた映像データから総和を求めるなどの方法が例示される。また、1画素行ごとに1または複数の画素の映像データをサンプリングし、サンプリングされた映像データから総和を求める方法が例示される。
説明を容易にするため、以上の場合も画像データの総和を求めるとして説明をする。画像データの総和は、画像のAPLレベルをもとめる事に一致する場合が多い。また、画像データの総和とは、デジタル的に加算する手段もあるが、以上のデジタルおよびアナログによる画像データの総和を求める方法を、以後、説明を容易にするためAPLレベルと呼ぶ。
白ラスターの時にAPLレベルは画像がRGB各6ビットであるから63(63階調目であるからデータの表現としては63で示されている)×画素数(QCIFパネルの場合は176×RGB×220)となる。したがって、APLレベルは最大となる。ただし、RGBのEL素子15で消費する電流は異なるから、RGBで分離して画像データを算出することが好ましい。
この課題に対して、図113に図示する演算回路を使用する。図113において、1131、1132乗算器である。1131は発光輝度を重み付けする乗算器である。 R、G、Bでは視感度が異なる。NTSCでの視感度は、R:G:B=3:6:1である。したがって、Rの乗算器1131Rでは、R画像データ(Rdata)に対して3倍の乗算を行う。また、Gの乗算器1131Gでは、G画像データ(Gdata)に対して6倍の乗算を行う。また、Bの乗算器1131Bでは、B画像データ(Bdata)に対して1倍の乗算を行う。ただし、この記述は概念的である。EL素子はRGBで効率が異なっているからである。
EL素子15はRGBで発光効率が異なる。通常、Bの発光効率が最も悪い。次にGが悪い。Rが最も発光効率が良好である。そこで、乗算器1132で発光効率の重み付けを行う。Rの乗算器1132Rでは、R画像データ(Rdata)に対してRの発光効率の乗算を行う。また、Gの乗算器1132Gでは、G画像データ(Gdata)に対してGの発光効率の乗算を行う。また、Bの乗算器1132Bでは、B画像データ(Bdata)に対してBの発光効率の乗算を行う。
乗算器1131および1132の結果は、加算器1133で加算され、総和回路1134に蓄積される。この総和回路1134の結果にもとづき、duty比制御、基準電流制御を実施する。
以上の実施例では、映像データに、EL素子15などの効率を考慮し、所定値を乗算することによりデータを求める。本発明は、映像データから表示パネルのアノードまたはカソード端子に流れる電流を求めるものである。
通常、RGBのEL素子15は、EL材料ごとに発光効率が既知であり、電流と輝度の関係がわかっている。また、EL表示パネルは生産する時の目標色温度が決定されている。したがって、EL表示パネルの表示サイズと目標輝度が決定されれば、目標色温度にするための、EL表示パネルに流すRGB電流の比率と大きさがわかる。このことから、EL表示パネルのアノード端子あるいはカソード端子に流す電流を所定値にすることにより、目標とする輝度と色温度を得ることができる。
アノード端子あるいはカソード端子に流れる電流は映像データの総和に比例する。以上のことから、映像データの総和からアノード電流(カソード電流)を求めることができる。アノード電流とは表示領域に接続されたアノード端子に流れ込む電流である。カソード電流とは表示領域に接続されたカソード端子から流れ出す電流である。アノード電圧またはカソード電圧は固定値であるから、映像データからEL表示パネルの消費電力を制御することができる。
つまり、映像データ(の総和)の大きさあるいは大きさの変化をリアルタイムでモニタ(演算)することにより、EL表示パネルが必要とするカソード(アノード)電流を得ることができる。この電流の大きさをどの大きさに抑制すべきであるかがわかっていれば、基準電流制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。
もちろん、アノード電流あるいはカソード電流の大きさをAD(アナログデジタル)変換することにより、変換されたデジタルデータから基準電流制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。また、アナログデータを直接用いてオペアンプなどにより増幅率のフィードバック制御を実施することにより、基準電流制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。つまり、制御方式としてはデジタル、アナログ方式を問わない。
入力データはRGBデータ(赤はRDATA、緑はGDATA、青はBDATA)としているがこれに限定するものではない。YUV(輝度データと色度データ)であってもよい。YUVの場合は、Y(輝度)データあるいはYデータとUV(色度)データに直接にあるいは、色度に対する発光効率を考慮して輝度データなどに変換して重みづけ処理を行う。
なお、この動作を実施する場合も現動作状態のduty比を考慮することは言うまでもない。duty比が小さければ、重みづけを行ったデータが大きくともパネルに流れ込む電流は小さく、パネルが過熱状態とはならないからである。
RDATAには、定数Raが乗算される。GDATAには、定数Gaが乗算される。BDATAには、定数Baが乗算される。乗算されたデータは総和回路(SUM)1134で1画面分の電流データ(もしくは類似するデータ)が求められる。なお、以下の説明を容易にするため、Ry、Gy、Byは1とする。総和回路1134は比較回路(図示せず)に送る。比較回路はあらかじめ設定された比較データ(所定の電流データ以上では過熱状態であることを示すために設定された値またはデータ)と比較し、電流データが比較データ以上の場合、カウンタ回路(図示せず)を制御し、カウンタ回路のカウンタ値を1つアップする。また、電流データが比較データよりも小さい時、カウンタ回路のカウンタ値を1つダウンする。
以上の動作を継続し、カウンタ回路のカウンタ値が所定以上に到達した場合、コントローラ回路(IC)722は、ゲートドライバ12bを制御して、duty比を小さくし、パネルに流れる電流を抑制する。したがって、パネルが過熱状態になり劣化することがなくなる。
定数Ra、Ga、Baは、コントローラ回路(IC)722によりコマンドで書き換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。もちろん、ユーザーが手動で書き変えできるように構成してもよいことは言うまでもない。比較回路の比較データも書き換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。また、EL素子15は温度依存性があるため、パネルの温度により定数を書き換えるように構成することが好ましい。また、点灯率によっても(EL素子15に流れる電流の大きさによっても)発光効率が変化する。したがって、点灯率によっても定数を書き換えるように構成することが好ましい。以上の事項は、Ry、Gy、Byについても同様である。
以上のように、本発明は、映像データ(もしくはこれに比例するデータ)の大きさ(もしくは推定できるデータ)から、EL表示パネルで消費する電力(電流)を算出あるいは制御し、duty比制御、基準電流制御を実施するものである。
映像データ(もしくはこれに比例するデータ)の大きさ(もしくは推定できるデータ)から、EL表示パネルで消費する電力(電流)の算出は、1フレーム(1フィールド)ごとに実施することに限定されるものではなく、複数フレーム(フィールド)ごとに行ってもよく、また、1フレーム(1フィールド)で複数回行っても良いことは言うまでもない。また、基準電流制御、duty比制御はリアルタイムで実施することに限定されるものではなく、遅延させたり、ヒステリシスで実施したり、飛ばし飛ばしで実施してもよいことは言うまでもない。
基準電流制御、duty比制御によりEL表示パネルのアノード電流またはカソード電流の大きさを制御するとしたが、これに限定するものではなく、アノード電圧またはカソード電圧を制御することによっても、EL表示パネルの消費電力を制御することとができることは言うまでもない。
図113のように制御すると、輝度信号(Y信号)に対するduty比制御、基準電流制御を実施することができる。しかし、輝度信号(Y信号)を求めて、duty比制御などを行うと課題が発生する場合がある。たとえば、ブルーバック表示である。ブルーバック表示ではEL表示パネルで消費する電流は比較的大きい。しかし、表示輝度は低い。ブルー(B)の視感度が低いためである。そのため、輝度信号(Y信号)の総和(APLレベル)は小さく算出されるため、duty比制御が高duty比になる。したがって、フリッカの発生などが生じる。
この課題に対しては、乗算器1131をスルーにして用いるとよい。消費電流に対する総和(APLレベル)が求められるからである。輝度信号(Y信号)による総和(APLレベル)と消費電流による総和(APLレベル)は、両方を求めて加味して総合APLレベルを求めることが望ましい。総合APLレベルによりduty比制御、基準電流制御またプリチャージ制御などを実施する。
黒ラスターは64階調表示の場合は0階調目であるから、APLレベルは0で最小値となる。電流駆動方式では、消費電力(消費電流)は画像データに比例する。なお、画像データは、表示画面64を構成するデータの全ビットをカウントする必要はなく、たとえば、画像が6ビットで表現される場合、上位ビット(MSB)のみをカウントしてもよい。この場合は、階調数が32以上で、1カウントされる。したがって、表示画面64を構成する画像データによりAPLレベルは変化する。つまり、映像データの総和とは、完全な総和ではなく、総和を推定できる方式であればいずれでもよい。
アナログ的な概念から映像データの総和あるいは総和に類似する指標としてAPLレベルという語を用いる。しかし、後半では、点灯率という語を用いて本発明の駆動方式の説明を行う。なお、点灯率は後に説明をする。
理解を容易にするため、具体的に数値を例示して説明する。ただし、これは仮想的であり、実際には実験、画像評価により制御データ、制御方法を決定する必要がある。
EL表示パネルで最大に流せる電流を100(mA)とする。白ラスター表示ととき、総和(APLレベル)は200(単位なし)になるとする。このAPLレベルが200の時、そのままパネルに印加するとEL表示パネルに200(mA)が流れるとする。なお、APLレベルが0の時、EL表示パネルに流れる電流は0(mA)である。また、APLレベルが100の時、duty比は1/2で駆動するものとする。
したがって、APLが100以上の場合は、制限である100(mA)以下となるようにする必要がある。最も簡単には、APLレベルが200の時、duty比を(1/2)×(1/2)=1/4にし、APLレベルが100の時、duty比を1/2とする。APLレベルが100以上200以下の時は、duty比が1/4〜1/2の間をとるように制御する。duty比1/4〜1/2は、EL選択側のゲートドライバ回路12bが、同時に選択するゲート信号線17bの本数を制御することにより実現できる。
ただし、APLレベルのみを考慮し、duty比制御を実施すれば、画像に応じて表示画面64の平均輝度(APL)に応じで表示画面64の輝度が変化し、フリッカが発生する。この課題に対して、もとめるAPLレベルは、少なくとも2フレーム、このましくは、10フレームさらに好ましくは60フレーム以上の期間保持し、この期間で演算して、APLレベルによりduty比制御によるduty比を算出する。また、表示画面64の最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)などの画像の特徴抽出を行ってduty比制御を行うことが好ましい。以上の事項は、基準電流制御にも適用されることは言うまでもない。
画像の特徴抽出により、黒伸張、白伸張を実施することも重要である。これは、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)、シーンの変化状態を考慮して行うとよい。つまり、総和(APLレベルあるいは点灯率)は、映像データの加算だけでなく、画像表示の分布状態などを考慮して補正などを行うことが好ましい。回路構成としては、図113の加算器1133cの補正回路(図示せず)の補正量を加算する構成などが例示される。
図118は横軸を点灯率としている。最大値は100%である。縦軸はduty比である。点灯率=100%は、全画素行が最大の白表示状態である。点灯率が小さい時は、暗い画面あるいは表示(点灯)領域が少ない画面である。この時は、duty比を大きくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は高い。そのため、画像のダイナミックレンジが拡大されて高画質表示される。点灯率が大きい時(最大値は100%)は、明るい画面あるいは表示(点灯)領域が広い画面である。この時は、duty比を小さくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は低い。そのため、低消費電力化が可能である。画面から放射される光量は大きいため、画像が暗く感じることはない。
図118では、点灯率が100%の時に、到達するduty比値を変化させている。たとえば、duty比=1/2は画面の1/2が画像表示状態になる。したがって、画像は明るい。duty比=1/8は画面の1/8が画像表示状態になる。したがって、duty比=1/2に比較して1/4の明るさである。
本発明の駆動方式では、点灯率、duty比、基準電流、データ和などにより画像輝度を制御し、また、ダイナミックレンジを拡大する。また、高コントラスト表示を実現する。
液晶表示パネルでは、白表示および黒表示はバックライトからの透過率で決定される。本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示における透過率は一定である。逆に非表示領域を発生させることにより、1フレーム期間における白表示輝度が低下するから表示コントラストは低下する。
EL表示パネルは、黒表示は、EL素子に流れる電流が0の状態である。したがって、本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示の輝度は0である。非表示領域の面積を大きくすると白表示輝度は低下する。しかし、黒表示の輝度が0であるから、コントラストは無限大である。したがって、良好な画像表示を実現できる。
本発明の駆動方法では、全階調範囲で階調数が保持され、また、全階調範囲でホワイトバランスが維持される。また、duty比制御により画面の輝度変化は10倍近く変化させることができる。また、変化はduty比に線形の関係になるから制御も容易である。また、R、G、Bを同一比率で変化させることできる。したがって、どのduty比においてもホワイトバランスは維持される。
点灯率とduty比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。
以上の切り替え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。表示輝度を低下させるため、duty比を小さくし、または基準電流を小さくする。もしくは、duty比をまたは基準電流のいずれか一方を小さくする。基準電流またはduty比を小さくすることによりEL表示パネルの消費電力を低下させることができる。
以上の制御はユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。つまり、屋外では、図118のaのカーブを選択する。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。たとえば、通常では、cのカーブを選択する。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。また、外部のマイコンなどにより、duty比カーブ、傾きなどを書き換えるように構成することが好ましい。また、メモリされた複数のduty比カーブから1つを選択できるように構成することが好ましい。
なお、duty比カーブなどの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)の1つあるいは複数を加味して行うことが好ましいことは言うまでもない。
以上のように、たとえば、aは屋外用のカーブである。cは屋内用のカーブである。bは屋内と屋外との中間状態用のカーブである。カーブa、b、cとの切り替えは、ユーザーがスイッチを操作することにより切り替えるようにする。また、外光の明るさをホトセンサで検出し、自動的に切り替えるようにしてもよい。なお、ガンマカーブを切り替えるとしたが、これに限定するものではない。計算によりガンマカーブを発生させてもよいことは言うまでもない。
図118のduty比は直線であったが、これに限定するものではない。図119に図示するように、一点折れカーブとしてもよい。つまり、点灯率に応じてduty比の傾きを変化させる。もちろん、duty比カーブは曲線としてもよいし、多点折れカーブとしてもよい。また、外光あるいは画像の種類によりリアルタイムでduty比カーブを変化させてもよい。以上の事項は、基準電流の変化制御においても同様である。
表示パネルの消費電力低減が必要な場合は、図119のcカーブを選択する。消費電力が低減する効果が発揮される。表示輝度は低下するが、階調数などの画像表示の低下はない。高い表示輝度が必要な場合は、図119のaカーブを選択する。画像の表示が明るくなり、また、フリッカの発生が少なくなる。消費電力は増大するが、階調数などの画像表示の低下はない。
本発明の他の実施例において、duty比の変化は、点灯率が1/10以上の範囲で実施する(図120を参照のこと)。点灯率が1に近い画像の発生は少なく、図118のように点灯率が100まで、duty比が変化するように駆動すると、画像表示が暗く感じられるからである。さらに好ましくは、duty比の変化は点灯率が8/10以上の範囲で実施する。
自然画では、点灯率が20%から40%の画像が多い。したがって、この範囲ではduty比が大きい方が好ましい。一方で点灯率が高い(60%以上)では消費電力が大きくEL表示パネルが発熱し劣化する傾向になる。したがって、点灯率が20%から40%の範囲あるいは近傍ではduty比1/1あるいはその近傍とし、点灯率が60%あるいはその近傍以上では、duty比を1/1よりも小さくするように制御することが好ましい。
図120では点灯率が0.9以下ではduty比を1/1から1/5まで変化させている。したがって、5倍のダイナミックレンジが実現されていることになる。図120において、点灯率が0.9以上ではduty比が1/5である。したがって、表示輝度は最大値輝度の1/5になっている。点灯率100%は白ラスター表示である。つまり、白ラスター表示では表示輝度が最大輝度の1/5に低下している。
点灯率が10%以下では、duty比は1/1である。画面の1/10が表示領域(白ウ インドウなどの場合)である。もちろん、自然画では、暗い部分が多い画像である。duty比が1/1では、非点灯領域62がないため、EL素子の発光輝度がそのまま画素の表示輝度となる。
点灯率10%とはイメージ的には画像表示はほとんどが黒表示であり、一部に画像が表示されている状態である。たとえば、点灯率が10%以下の画像表示とは、真っ暗な夜空に月がでている画像である(説明のための参考イメージ画像例である。白ウインドウでは、1/10白ウインドウ表示である)。この画像でduty比を1/1にするということは、月の部分は、白ラスターの輝度(図120で点灯率100%での輝度)の5倍の輝度で表示されることになる。したがって、ダイナミックレンジの広い画像表示を実現できる。画像表示されているのは1/10の領域であるから、1/10の領域の輝度を5倍にしたとしても消費電力の増加はわずかである。
以上のように、本発明では点灯率が低い画像では、duty比を1/1あるいは比較的大きくしている。duty比1/1では発光している画素は常時電流が流れている。したがって、1つの画素からみれば消費電流が大きい。しかし、EL表示パネルにおいて、発光している画素が少ないため、EL表示パネル全体からみれば、消費電力の増加はほとんどない。EL表示パネルでは黒部分は完全黒(非発光)である。したがって、duty比1/1で最高輝度が表示できればダイナミックレンジを拡大でき、メリハリのある良好な画像表示を実現できる。
一方、本発明では点灯率が高い画像では、duty比を1/5など比較的小さくしている。また、点灯率に応じて、duty比が小さくなるように制御を行う。duty比が小さい時は発光している画素は間欠電流が流れている。したがって、1つの画素の消費電流は小さい。EL表示パネルにおいて、発光している画素は多いが、1画素あたりの消費電流が少ないため、EL表示パネル全体からみれば、消費電力の増加は少ない。
以上のように点灯率に対してduty比を制御する本発明の駆動方法はEL表示パネルなどの自己発光表示パネルに最適な駆動方法である。duty比が小さくなれば画像輝度は小さくなるが、画面全体として発生光束が多いため、暗くなったという印象は感じられない。
以上のように、duty比制御と、基準電流制御の一方または両方を実施することにより、画像のコントラスト比を拡大でき、ダイナミックレンジを拡大され、低消費電力化を実現できる。
以上の制御は点灯率を用いて行う。点灯率は先にも説明したが、通常の駆動(duty比1/1)では、アノードまたはカソードに流れ込む(流れ出す)電流の大きさである。点灯率が増加すると比例してアノードまたはカソード端子の電流は増加する。前記電流は基準電流の大きさに比例して増減し、また、duty比に比例して増減する。なお、本発明はduty比、基準電流は点灯率により、変化させることに特徴ある。つまり、duty比、基準電流は固定ではない。画像の表示状態に応じて少なくとも複数の状態に変化させる。
点灯率が0に近い画像は、ほとんどの画素が低階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの低階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が黒つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、ガンマカーブを制御して黒表示部のダイナミックレンジを広くする。
以上の実施例では、点灯率が0では、duty比を1/1にするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。duty比を1より小さい値となるようにしてもよいことは言うまでもない。duty比のカーブは曲線となるようにしてもよい。なお、曲線とは、サインカーブ状、円弧状、三角形状などが例示される。
duty比に最大値を設ける場合は、少なくとも点灯率20%以上50%以下の範囲でいずれかの位置で最大値となるようにすることが好ましい。この範囲は、画像表示でよく出現する。したがって、duty比を1/1など、他の点灯率の範囲よりも大きくすることにより、画像が高輝度表示しているように認識されるからである。たとえば、点灯率35%でduty比を1/1とし、点灯率20%、60%ではduty比を1/2とする制御方式が例示される。
点灯率に応じて階段状に制御してもよい。階段状とは、たとえば、点灯率0%以上20%以下の場合は、duty比を1/1とし、点灯率20%より大きく60%以下の場合は、duty比を1/2とし、点灯率60%より大きく100%以下の場合は、duty比を1/4とする制御方法を言う。
図117に図示するように、赤(R)、緑(G)、青(B)の画素で、duty比カーブを変化させてもよい。図117では、青(B)のduty比の変化の傾きを最も大きくし、緑(G)のduty比の変化の傾きを次に大きくし、赤(R)のduty比の変化の傾きを最も小さくしている。以上のように駆動すれば、RGBのホワイトバランス調整を最適にすることができる。もちろん、1色を一定(点灯率が変化しても変化させない)とし、他の2色を点灯率に応じて変化するように制御してもよい。
点灯率とduty比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。また、ホトセンサあるいは温度センサから出力により自動で、duty比、基準電流比などを調整できるように構成することが好ましい。たとえば、周囲温度(パネル温度)が高い場合は、duty比を低下(1/4など)させることにより、パネルに流れ込む消費電流を抑制することができ、パネルの自己発熱が低下し、結果としてパネル温度を低下させることができる。したがって、パネルが熱劣化することを防止できる。
温度変化は温度変化を積分し、その積分値が所定値を超えた時、duty比制御などの電流抑制手段を動作させるように制御してもよい。なお、積分時には、パネルからの放熱によるパネル温度の低下を考慮することが好ましい。したがって、単純に積分値で制御するのではなく、放熱量分を減算して制御する。放熱量は実験などにより容易に導出できる。
以上のことから、映像データの総和を求め、総和を積分し、また、積分値から放熱量を減算することにより、パネル温度を推定あるいは予測することができる。予測の結果、パネル温度が規定以上の上昇する場合あるいは可能性があるとき、duty比制御、基準電流比制御などを実施して、パネルの消費電力を抑制する。また、抑制によりパネルが規定温度以下に低下したと予測される時は、通常のduty比制御、基準電流比制御などを実施する。
早いスピードで明るい画面と暗い画面とは交互に繰り返す時、変化に応じてduty比、基準電流などを変化させるとのフリッカが発生する。したがって、あるduty比から他のduty比などに変化する時は、ヒステリシス(時間遅延)を設けて変化させることが好ましい。たとえば、ヒステリシス期間を1secとすると、1sec期間内に、画面輝度が明るい暗いが複数回繰り返しても、以前のduty比が維持される。つまり、duty比は変化しない。以上の事項は、基準電流制御などにも適用できることは言うまでもない。なお、変化は、R、G、Bで異ならせても良い。
このヒステリシス(時間遅延)時間をWait時間と呼ぶ。また、変化前のduty比を変化前duty比と呼び、変化後のduty比を変化後duty比と呼ぶ。なお、ヒステリシス(時間遅延)と呼ぶが、ヒステリシスには、変化をゆっくりと行う意味も含まれる。たとえば、duty比1/1から1/2に変化させる時、2秒の時間をかけてゆっくりと変化させる例が例示される(ほとんど、制御はこの方式である)。
変化前duty比が小さい状態から、他のduty比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりやすい。変化前duty比が小さい状態は、画面のデータ和が小さい状態あるいは画面に黒表示部が多い状態である。
特に中間調あるいは点灯率が中央値付近では変化はゆっくりと行う。画面が中間調の表示で視感度が高いためと思われる。また、duty比が小さい領域では、変化duty比との差が大きくなる傾向がある。もちろん、duty比の差が大きくなる時は、OEVを用いて制御する。しかし、OEV制御にも限界がある。以上のことから、変化前duty比が小さい時は、wait時間を長くする必要がある。
以上のように、本発明のduty比制御はduty比に応じてWait時間を変化させる。duty比が小さい時はWait時間を長くし、duty比が大きい時はWait時間を短くする。つまり、少なくともduty比を可変する駆動方法にあって、第1の変化前のduty比が第2の変化前のduty比よりも小さく、第1の変化前duty比のWait時間が、第2の変化前duty比のWait時間よりも長く設定することを特徴とするものである。
以上の実施例では、変化前duty比を基準にしてWait時間を制御あるいは規定するとした。しかし、変化前duty比と変化後duty比との差はわずかである。したがって、前述の実施例において変化前duty比を変化後duty比と読み替えても良い。
以上の実施例において、変化前duty比と変化後duty比を基準にして説明した。変化前duty比と変化後duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる必要があることはいうまでもない。また、duty比の差が大きい時は、中間状態のduty比を経由して変化後duty比に変化させることが良好であることは言うまでもない。
本発明のduty比制御方法は、変化前duty比と変化後duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる駆動方法である。つまり、duty比の差に応じてWait時間を変化させる駆動方法である。また、duty比の差が大きい時にWait時間を長くとる駆動方法である。なお、先にも説明したようにWait時間あるいはヒステリシスとは、ゆっくりと変化させる意味である。もちろん、広義には、変化を開始するのを遅延させるという意味もあることは言うまでもない。
本発明のduty比の方法は、duty比の差が大きい時は、中間状態のduty比を経由して変化後duty比に変化させることを特徴とする駆動方法である。
以上の実施例では、duty比に対するWait時間を、R(赤)G(緑)B(青)で異ならせるとして説明した。しかし、本発明は、R、G、BでWait時間を変化させてもよいことは言うまでもない。RGBで視感度が異なるからである。視感度にあわせてWait時間を設定することにより、より良好な画像表示を実現できる。
以上の実施例は、duty比制御に関する実施例であった。基準電流制御についてもWait時間を設定することが好ましい。
以上のように、本発明の駆動方法では、duty比、基準電流は急激に変化させない。急激に変化させると変化状態がフリッカとして認識されてしまうからである。通常、0.2秒以上10秒以下の遅延時間で変化させる。以上の事項は、後に説明するアノード電圧の変化制御、プリチャージ電圧の変化制御、周囲温度による変化制御(パネル温度により、duty比、基準電流を変化させる)などにも適用できることは言うまでもない。
基準電流が小さい時は表示画面64が暗く、基準電流が大きい時は表示画面64が明るい。つまり、基準電流倍率が小さい時は、中間調表示状態と言い換えることができる。基準電流倍率が高いときは、高輝度の画像表示状態である。したがって、基準電流倍率が低い時は、変化に対する視感度が高いため、Wait時間を長くする必要がある。一方、基準電流倍率が高いときは、変化に対する視感度が低いため、Wait時間が短くても良い。
以上のような、duty比制御は、1フレームあるいは1フィールドで完結する必要はない。数フィールド(数フレーム)の期間でduty比制御を行っても良い。この場合のduty比は数フィールド(数フレーム)の平均値をduty比とする。なお、数フィールド(数フレーム)でduty比制御を行う場合であっても、数フィールド(数フレーム)期間は、6フィールド(6フレーム)以下にすることが好ましい。これ以上であるとフリッカが発生する場合があるからである。また、数フィールド(数フレーム)とは整数ではなく、2.5フレーム(2.5フィールド)などでもよい。つまり、フィールド(フレーム)単位には限定されない。
以上の事項は、電流駆動方式だけでなく、電圧駆動方式にも適用できる。また、一般的な自己発光表示装置に適用できることは言うまでもない。
動画と静止画とでは、duty比パターンを変化させる。duty比パターンを急激に変化させると画像変化が認識されてしまうことがある。また、フリッカが発生する場合がある。この課題は動画のduty比と静止画のduty比との差異によって発生する。動画では非表示領域62を一括して挿入するduty比パターンを用いる。静止画では非表示領域62を分散して挿入するduty比パターンを用いる。非表示領域62の面積/画面面積64の比率がduty比となる。しかし、同一duty比であっても、非表示領域62の分散状態で人間の視感度は異なる。これは人間の動画応答性に依存するためと考えられる。
中間動画は、非表示領域62の分散状態が、動画の分散状態と静止画の分散状態との中間の分散状態である。なお、中間動画は複数の状態を準備し、変化前の動画状態あるいは静止画状態に対応させて複数の中間動画から選択してもよい。複数の中間動画状態とは、非表示領域の分散状態が動画表示に近く、たとえば、非表示領域62が3分割された構成が一例として例示される。また、逆に非表示領域が静止画のように多数に分散された状態が例示される。
静止画でも明るい画像もあれば暗い画像もある。動画も同様である。したがって、変化前の状態に応じてどの中間動画の状態に移行するかを決定すればよい。また、場合によっては、中間動画を経由せずに動画から静止画に移行してもよい。中間動画を経由せずに静止画から動画に移行してもよい。たとえば、表示画面64が低輝度の画像は動画表示と静止画表示とが直接移動しても違和感はない。また、複数の中間動画表示を経由して表示状態を移行させてもよい。たとえば、動画表示のduty比状態から、中間動画表示1のduty比状態に移行し、さらに中間動画表示2のduty比状態に移行してから静止画表示のduty比状態に移行させてもよい。
動画表示から静止画表示に移動する時に、中間動画状態を経由させる。また、静止画表示から中間動画表示を経由して動画表示に移行させる。各状態の移行時間はWait時間をおくことが好ましい。また、静止画から動画あるいは中間動画に移行する時は、非表示領域62の変化がゆっくりとなるようにする。
FRC(フレームレートコントロール)と動画表示とは関係する。FRCで用いるフレーム数(たとえば、4FRCでは、4フレームを用いて、2ビット分の階調表示(階調数を4倍)にする。16FRCでは、16フレームを用いて、4ビット分の階調表示(階調数を16倍)にする。しかし、nFRC(nは2以上の整数)のn(フレーム数)が増加すると、静止画では問題がないが、動画では、動画性能が低下する。したがって、動画表示では、nFRCのnは小さい方が望ましい。また、動画表示では、一定以上の階調数は必要でない。ほとんどの場合が、256階調以下で十分である。一方、静止画では、多くの階調数が必要である。
たとえば、第1フレームと次の第2フレーム間で、同一位置の画素データの差分を求め、差分の値が一定以上ある場合に動画画素と判定する。1パネルの画素数が10万画素とすれば、前記差分演算により動画画素と判定された画素の割合が2.5万画素であれば、動画画素の割合は25%である。
動画画素の割合が0%〜25%以下で、完全静止画あるいはそれに近いと判断し、16FRC(n=16)としている。また、動画画素の割合が25%〜50%以下で、動画に近い中間画像と判断し、12FRC(n=12)としている。また、動画画素の割合が50%〜75%以下で、静止画に近い中間画像と判断し、8FRC(n=8)としている。動画画素の割合が75%以上で、完全動画あるいはそれに近いと判断し、1FRC(n=1つまりFRC制御しない)としている。
以上のように、表示画像の内容にもとづいて、FRCを変化させることのより最適な画像表示を実現できる。FRCの変更はコントローラ回路(IC)722のより行う。
FRCの変更は、画像のシーンが急変する時に実施することが好ましい。画像シーンが急変する状態とは、画面がコマーシャルに変化したとき、チャンネルを切り換えた時、ドラマのシーンが変化したときなどが例示される。なお、シーンの急変時は、本発明のピーク電流抑制、duty比制御でも説明をしている。
したがって、動画画像の割合が変化した場合にリアルタイムでnFRCのFRC数を変化させると画面がフリッカ的な表示状態になる。したがって、シーンの急変時にFRC数を変化させることが好ましい。
プリチャージ電圧の印加は点灯率あるいはduty比と連動させることが好ましい。プリチャージ電圧の印加は必要がない箇所には印加しないことが好ましい。白表示の輝度低下などが発生する場合があるからである。したがって、プリチャージ電圧の印加は限定されることが好ましい。
プリチャージ駆動は、特に電流駆動方式において、白表示部の下にクロストークする現象を解消するために実施する。したがって、このクロストークが目立つのは、画面に黒表示部が多く、一部に白表示がある画像である。点灯率で示せば、点灯率が小さい領域でプリチャージが必要である。表示画面64全体が白表示であればクロストークが発生しても視覚的に認識されることはないからである。したがって、プリチャージ駆動は実施する必要がない。
本発明は点灯率が高い(表示画面64において全体的に白表示部分が多い)時に、duty比を小さくする。つまり、duty比1/nのnを大きくする。点灯率が低い(表示画面64の全体的に黒表示部分が多い)時に、duty比を大きくする。つまり、duty比1/1に近づく。したがって、duty比と点灯率とは相関関係がある。映像データから点灯率(点灯率)を求め、点灯率からduty比制御を行うのであるから当然である。また、点灯率をプリチャージ制御とも関係がある。
図126(a)に図示するように、duty比と点灯率(%)の関係があるとする。図126(b)はプリチャージのオンオフ状態を示している。図126(b)では、duty比が20%以下でプリチャージ駆動するように設定している。ただし、プリチャージ駆動するとしても、本発明のプリチャージ駆動には、allプリチャージモード、適応型プリチャージモード、0階調プリチャージモード、選択階調プリチャージモードがある。したがって、図126(b)ではプリチャージ駆動が実施されるように設定するというポイントであり、どのプリチャージが行われるかにより駆動状態は異なる。重要なのは、duty比あるいは点灯率により、プリチャージ駆動をするかしないかを変化させることである。
duty比あるいは点灯率(%)とガンマ制御も相関がある。図127はその説明図である。点灯率が高い画像では、全体的に輝度が高い画像が多い。そのため、画像が白っぽくなる。そのため、ガンマ定数の係数(通常、係数は2.2とされている)を大きくして、黒階調領域の面積を多くすることが好ましい。黒階調領域の面積を多くすることにより画像のメリハリ感がつく。
点灯率に対するduty比を図114であるとする。図114の制御では、表示画像の点灯率が100%に近いとduty比はほぼ1/4にする。階調は輝度と比例する。点灯率が高い画像では、画像の階調表示がつぶれて解像度のない画像になっていまうので、ガンマカーブを変化させる必要がある。つまり、ガンマカーブの乗数である係数を大きくし、ガンマカーブを急峻にする必要がある。
以上のことから、本発明では、点灯率あるいはduty比に応じて、ガンマカーブの係数を変化させている。図127はその説明図である。
本発明は点灯率が高い(表示画面64の全体的に白表示部分が多い)時に、duty比を小さくする。つまり、duty比1/nのnを大きくする。点灯率が低い(表示画面64の全体的に黒表示部分が多い)時に、duty比を大きくする。つまり、duty比1/1に近づく。したがって、duty比と点灯率とは相関関係がある。映像データから点灯率(点灯率)を求め、点灯率からduty比制御を行うのであるから当然である。
図127(a)に図示するように、duty比と点灯率(%)の関係があるとする。図127(b)のグラフは縦軸をガンマカーブの係数を示している。図127(b)では、duty比が70%以上でガンマカーブの係数が大きくなるように設定している。つまり、ガンマカーブが急峻になるように、高階調領域で階調表現が大きくなるようにしている。したがって、白つぶれ画像が改善される。
duty比制御と電源容量には密接な関係がある。電源サイズは最大の電源容量が大きくなるにつれ、大きくなる。特に、表示装置がモバイルの場合、電源サイズが大きいと重大課題となる。また、ELは電流と輝度が比例の関係である。黒表示では電流が流れない。白ラスター表示では最大電流が流れる。したがって、画像による電流の変化が大きい。電流の変化が大きいと電源サイズも大きくなり、消費電力も増加する。
本発明では、点灯率が高いときに、duty比制御の1/nのnを大きくし、消費電流(消費電力)を低減させている。逆に点灯率が低い時は、duty比を1/1=1または1/1に近くし、最大輝度が表示されるようにしている。以下にこの制御方法について説明をする。
まず、点灯率(点灯率)とduty比の関係を図114に図示する。なお、点灯率は、以前にも説明したようにパネルに流れる電流で換算されているものであるとする。なぜなら、EL表示パネルではBの発光効率が悪いため、海の表示などが表示されると、消費電力が一気に増加するからである。したがって、最大値は、電源容量の最大値である。また、データ和とは単純な映像データの加算値ではなく、映像データを消費電流に換算したものとしている。したがって、点灯率も最大電流に対する各画像の使用電流から求められたものである。
図114は点灯率0%の時に、duty比を1/1とし、点灯率100%の時に最低duty比を1/4とした例である。図115は、電力と点灯率との掛算をした結果である。図114で点灯率が0から100%まで、絶えずduty比1/1であれば、図115のaで示すカーブとなる。図115の縦軸は、電源容量に対する使用電力の比(電力比)である。つまり、カーブaでは、点灯率と消費電力は比例関係にある。したがって、点灯率0%で消費電力は0(電力比0)であり、点灯率100%では、消費電力100(電力比100%)となる。
図115のカーブbは、図114のduty比カーブで電力制限を実施した実施例である。点灯率100%の時のduty比は1/4であるから、カーブaに比較して、電力比は1/4の25%になる。カーブbは電力1/3よりも小さい範囲で動作している。したがって、図114のようにduty比制御を実施すると、電源容量は、従来(カーブa)に比較して1/3で十分であることになる。つまり、本発明では、電源サイズを従来に比較して小さくすることができる。
従来(カーブa)で点灯率が高い状態がつづくとパネルに流れる電流が大きく、発熱によるパネルの劣化が発生する。しかし、duty比制御を実施した本発明ではカーブbでわかるように、点灯率に関わらず、平均した電流がパネルに流れる。したがって、発熱の発生が少なくパネルの劣化も発生しない。
図114のduty比カーブにおいて、最低duty比を1/2にした実施例がカーブcである。また、最低duty比を1/3にして実施例がカーブdである。同様に最低duty比を1/8にして実施例がカーブeである。
図114はduty比カーブを直線にしたものあった。しかし、duty比カーブは、多種多様な直線あるいは曲線で発生させることができる。duty比カーブにより、図115のb、c、d、eに示すように点灯率に対する電力比が変化する。以上のようにduty比カーブあるいは基準電流比カーブは、マイコンなどのプログラミングあるいは外部制御により、可変できるように構成することが好ましい。
duty比制御カーブは、ユーザーが外部環境に応じてボタンで自由にduty比カーブを切り換えるようにする。明るい外部環境では、duty比の大きなカーブを選択し、外部環境が暗いときは、より電力を抑制するため、duty比の小さなカーブを選択するようにする。また、duty比制御カーブは自由に変更できるように構成しておくことが好ましい。
図116に図示するように、低点灯率領域(図116では点灯率20%以下)でduty比を低下させ(図116(a))、duty比の低下にあわせて、基準電流比を上昇させ(図116(b))てもよい。以上のようにduty比制御と基準電流比制御を同時に行うことにより、図116(c)で図示するように輝度の変化はなくなる。低点灯率では低階調領域でのプログラム電流の書き込み不足が顕著に目立つ。しかし、図116に実施するように低点灯率領域で基準電流を増加させることによりプログラム電流を基準電流に比例して増加させることができるので電流の書き込み不足がなくなる。かつ輝度も一定であるから良好な画像表示を実現できる。
図116において、点灯率が高い領域(図116では40%以上)では、duty比は低下させるが、基準電流比は1のまま一定とする。したがって、輝度はduty比の低下にともなって低下するから、パネルの消費電力を制御(基本的には少なく)することができる。なお、duty比の最大を1/1とする駆動方法では、非表示領域62は一括して挿入することが好ましい。
基準電流比、duty比と点灯率との関係は以下に説明するように一定の関係を保つことが好ましい。フリッカの発生の増加またはパネルの自己発熱による劣化が加速されるからである。検討の結果によれば、点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.7以上1.4以下にすることが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下にすることが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.1以上0.8以下になるように制御あるいは設定することが好ましい。また、さらに好ましくは0.2以上0.6以下なるように制御あるいは設定することが好ましい。
あるいは、点灯率50%の時のduty比×基準電流比をAとした時、点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.7以上1.4以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下に設定あるいは制御することが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.1以上0.8以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.2以上0.6以下に設定あるいは制御することが好ましい。
本発明は第1の点灯率(アノード端子のアノード電流、データの総和に対する比率などでもよいことは以前に説明をした)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲、データの総和に対する比率の範囲などでもよいことは以前に説明をした)において、第1のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積などもしくはこれらの組合せとして変化させる。
また、第2の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第2のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積などもしくはこれらの組合せとして変化させる。もしくは、点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)に応じて(適応して)、FRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積など、もしくはこれらの組合せとして変化させるものである。また、変化させる時は、ヒステリシスをもたせて、あるいは遅延させて、あるいはゆっくりと変化させる。
図122は、一例としての点灯率とアノード電圧の関係を示したものである。なお、Vdd+2、Vdd+4は、絶対的な電圧を示しているものではなく、説明を容易にするため相対的に図示したものである。
図122において、点灯率が25%以下で基準電流(プログラム電流)を増大させている。この状態ではアノード電圧を高くする必要があるので、基準電流の増大に伴って、アノード電圧も高くしている。なお、点灯率75%以上で基準電流を大きくしている。また、基準電流の増大に伴い、アノード電圧も高くしている。
図122は、一例としての点灯率とアノード電圧の関係を示したものである。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、点灯率などに応じて、アノード端子電圧とカソード端子電圧との電位差を変化させてもよいことはいうまでもない。たとえば、アノード端子電圧が6(V)、カソード端子電圧が−9(V)であれば、電位差は6−(−9)=15(V)である。つまり、アノード電圧をカソード電圧との絶対値を点灯率あるいは基準電流もしくはアノード端子に流れる電流などに応じて変化させる。
図123において、点灯率に応じて基準電流(プログラム電流)を段階的に変化させている。基準電流の変化に伴って、アノード電圧も変化させている。
プログラム電流の大きさ(基準電流の大きさ)に対するアノード電圧は、図124に図示するように変化させてもよい。図124の実線aは、プログラム電流(基準電流)に比例させてアノード電圧を変化させた例である。図124の点線bは、所定のプログラム電流(基準電流)以上の時に、アノード電圧を変化させた実施例である。点線bでは、基準電流に対するアノード電圧の変化点は1点であるので回路構成が容易となる。
以上の実施例では、基準電流あるいはプログラム電流の大きさによってアノード電圧を変化させる実施例であった。しかし、基準電流あるいはプログラム電流の大きさの変化は、ソース信号線18の電位を変化させることと同義である。図1などの駆動用トランジスタ11aがPチャンネルの場合は、プログラム電流Iwあるいは基準電流を増加させることは、ソース信号線18の電位を低くすることである(GND電位に近くなる)。逆に、プログラム電流Iwあるいは基準電流を小さくすることは、ソース信号線18の電位を高くすることである(アノードVddに近くなる)。
以上のことから、図125に図示するように、制御を行っても良い。つまり、ソース信号線18の電位が0(GND)電位の時に、アノード電圧を最も高くする(基準電流およびプログラム電流が最大値)。ソース信号線18の電位がVdd電位の時に、アノード電圧を最も低くする(基準電流およびプログラム電流が最小値)。以上のように構成あるいは制御することにより、EL素子15に高電圧が印加される期間を短くすることができ、EL素子15を長寿命化できる。
パネルあるいはパネルの周囲温度に応じて、duty比などを変化させてもよい。図121はその実施例である。図121において実線は、パネル温度が40℃以下の場合である。実線では、点灯率40%以下で、duty比を1/1とし、40%以上でduty比を低下させている。点線では点灯率20%以下でduty比を1/2とし、点灯率20%以上でduty比を低下させる。40℃から60℃の間では、点線と実線の間のカーブを描く。
図128は、他の実施例における本発明の表示装置の電源回路の構成図である。バッテリーあるいはDC電源からの出力電圧Vinが昇圧回路1281a、電圧反転回路1282に印加される。昇圧回路1281はDCDCコンバータ回路、チャージポンプ回路が例示される。DCDCコンバータ回路は、スイッチング素子とコイルなどから構成される。スイッチング素子によりDC電圧Vin電圧を矩形波に変換し、コイルの共振作用などにより電圧を昇圧させる。昇圧した電圧は、昇圧回路1281aのコンデンサにより平滑化し、アノード電圧Vddを得る。一方、電圧反転回路1282に入力された電圧Vinは、極性反転される。極性反転された電圧は、昇圧回路1281bに入力され、昇圧されてカソード電圧Vssとなる。
図128などにおいて、電圧反転回路1282と昇圧回路1281bとは別ブロックで図示しているが、これに限定するものではなく、電圧反転回路1282と昇圧回路1281bは1つの回路構成(1ブロック)で作製あるいは構成してもよいことは言うまでもない。以上のように、本発明は、主として2つのコイルにより正極性の電圧Vddと、負極性の電圧Vssを発生する。電圧反転回路1282と昇圧回路1281は接地電位(GND)を基準として動作する。また、Vinも同様である。接地電位(GND)はソースドライバ回路(IC)14のGNDでもある。
説明を容易にするため、本発明の実施例における電圧Vinは、2.7(V)〜4.5(V)とする。また、アノード電圧Vddは、6(V)とし、カソード電圧Vssは、−9(V)とする。
図129は、本発明の表示装置の電源回路などの出力電圧の関係を図示している。本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の接地電位(GND)と、昇圧回路1281の接地電位(GND)は共通である。ソースドライバ回路(IC)14の電源電圧Vccは、Vdd電圧をレギュレートして作成(発生)するか、もしくは別途構成したDCDCコンバータでVin電圧から作成(発生)させる。
EL表示装置では図1で説明したように、アノード電圧Vddからカソード電圧Vssに電流Ieが流れる。また、アノード端子を流れる電流とカソード端子を流れる電流は、等しいという特徴がある。つまり、Ie=Idd=Issなる関係がある。このことはEL表示装置に特徴ある事項である。
図129の実施例では、Aで示すアノード電圧Vddの絶対値と、Bで示すカソード電圧Vssの絶対値とは、A<Bの関係となるように構成している。具体的にはアノード電圧Vddは、6(V)とし、カソード電圧Vssは、−9(V)としている。つまり、1.5×A=Bである。
本発明は、図128の昇圧回路128aの電源発生容量(アノード電源容量と呼ぶ=アノード電圧Vdd×アノード電流Idd)と、昇圧回路128bの電源発生容量(カソード電源容量と呼ぶ=カソード電圧Vdd×カソード電流Idd)は、略同一に構成(作製)している。アノード電源容量=カソード電源容量とすることにより、電源モジュールサイズを小型化できる。特に、カソード電源容量を必要容量よりも小さい設計できることによる効果が大きい。また、昇圧回路128aで使用するコイルLと昇圧回路128bで使用するコイルLとは同一のものを使用することができるため、コストを低減することができる。
1.5×A=B、Idd=Issとし、アノード電源容量=カソード電源容量であれば、カソード電流Iss=(1/1.5)×アノード電流Iddとなる。先にも説明したように、EL表示装置では、Idd=Issの関係がある。したがって、図129の構成において、アノード電源容量をフルに使用した時、カソード電源容量が足りなくなる。1.5×A=Bであれば、カソード電源容量は、約50%分が、必要電源容量に対して足りなくなる。なお、図1を用いてアノード電流Idd、カソード電流Issを説明しているが、Idd、Issは、以下の本明細書においては、画素単位の電流の意味ではなく、表示領域64全体に流れ込む電流である。つまり、点灯率に対応して変化する電流である。
本発明ではカソード電源容量が規定値以上は出力されないように構成されている。したがって、カソード電源容量が足りなくなれば、カソード電圧Vssが上昇し、規定値の電源容量で頭打ちになって制御される。カソード電圧Vssが上昇しても(例えば、−9V→−6V)、Iss電流は最大電流を維持する。カソード電圧が上昇した分だけ、カソード電流Issを増大させることができる。つまり、カソード電源容量の規格の最大値は守られる。また、Idd=Issの関係が維持される。逆に言えば、Idd=Issの関係を維持するように、カソード電源容量を構成する昇圧回路1281bは、カソード電圧Vssを上昇させ、カソード電源容量の上限値以上とならないように制御される。
なお、図128などにおいて、Idd、IssはDC電流であるが、昇圧回路1281内では、矩形波あるいは三角波が発生し、交流動作が行われている。本発明では、カソード電源容量あるいはアノード電源容量が一定容量以上とならないように制御するとしている。しかし、一定容量以上にならないようにとは、DCレベルではなく、矩形波あるいは三角波の最大値で検討する必要がある。昇圧回路1281内のIC耐圧で最大電圧が規定されるからである。
図128、図129では、Idd=Issとし、A<Bとしている。したがって、従来の実施例では、昇圧回路128bの電源発生容量(カソード電圧Vss×カソード電流Iss)は、昇圧回路128aの電源発生容量(アノード電圧Vdd×アノード電流Idd)よりも大きくしている。
本発明では、A<Bとし、Bに対応する昇圧回路128bの電源発生容量を、本来必要な電源容量よりも小さくしている。そのため、Idd=Issを維持し、昇圧回路128bの電源発生容量以上にIssが大きくなると、カソード電圧Vssを上昇させて、電源容量の規定上限値を維持する。
以上のように、カソード電源容量を規定よりも小さくし、カソード電圧Vssを上昇させても、表示画面64の表示画像の劣化(たとえば、フリッカが発生するとか、視覚的に認識されるレベルの輝度が発生するとか)はない。本発明はこれらのEL表示パネルの特徴をうまく利用している。
本発明は、図1に図示するように、駆動用トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタで構成(形成)している。駆動用トランジスタ11aの動作起点は、アノード電圧Vddである。また、Vdd電圧はソースドライバ回路(IC)14からみても、起点電圧である。つまり、ソース信号線18の電位が、Vdd電圧の時、EL素子15には電流が流れない。ソースドライバ回路(IC)14が動作し、Vdd電圧からソース信号線18にプログラム電流Iwがながれることにより、ソース信号線18の電位が低下する。ソース信号線18の電位がVddから離れるにしたがって、EL素子15に流れる電流は大きくなる。以上のことから、Vdd電圧は起点電圧として、所定値に安定に保つ必要がある。
一方、カソード電圧Vssは、起点電圧ではない。Vdd電圧とVss電圧との電位差がEL素子15の飽和電圧として影響があるだけである。したがって、Vss電圧が変化しても、画像表示に影響を与えにくい。本発明は、Iss電流が小さい時には、カソード電圧Vssを規定値に維持し、Iss電流が大きい時に、カソード電圧を上昇させる駆動方法または駆動回路または駆動方式である。
Iss電流が大きい時とは、点灯率が高い場合である。点灯率が高い画像表示は画面に白表示(高輝度表示)が占める割合が高い画像表示状態である。このような画像表示状態では、多少輝度が低下しても、表示ムラが発生しても視覚的には認識されない。点灯率が低い時は、カソード電圧は規定値を維持するため、当然のことながら画像表示劣化はない。
以上のように、本発明は、画素16の駆動用トランジスタ11aをPチャンネルで構成し、ソースドライバ回路(IC)14が吸い込み電流方式で動作し(ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで形成または構成している)などの構成において、カソード電源容量を規定値電源容量(本来必要な電源容量)よりも小さくした構成である。小さくするとは、10%以上60%以下の範囲とすることが好ましい。10%より小さければ、コストメリット、電源サイズメリットを出しにくい。60%より大きければ、点灯率が少し大きくなると、カソード電圧が上昇してしまい画像表示に影響が発生する。
特にカソード電源容量などに関する本発明は、duty比制御、基準電流比制御と組み合わせて用いることにより相乗効果が発揮される。たとえば、duty比制御は、加算などの処理により点灯率を制御する方法である。
たとえば、duty比が1/1近傍で点灯率が低い画像表示において、急に点灯率が高い画像表示(シーン)に変化した場合を例示して考える。この場合は、duty比を小さく(1/4など0に近づける)し、ピーク電流を抑制する動作を実施する。duty比1/1から1/4に急に変化させると、フリッカが発生する。このフリッカの発生を抑制するため、duty比の変化は数フレームあるいは十数フレームかけてゆっくりと行う。しかし、duty比をゆっくり変化させると、変化の期間には電源容量の規定値を超える電流が流れる場合がある。duty比を急に変化させる期間とは、画像シーンの急変時であり、発生する機会は極めて少ない。
画像シーンの急変時に対応するため、カソード電源容量を大きく作製するのは、非効率である。本発明では、画像シーンの急変時に発生する大きなIss電流に対しては、Vss電圧を上昇させてカソード電源容量を規定値以下に維持するように構成する。したがって、電源の使用効率が高い。また、昇圧回路1281aと1281bのいずれもが、比較的高い電力で使用する。したがって、昇圧回路128において、最大効率が発揮する箇所を、比較的高い電力時に設定しておくことにより高効率設計を実現できる。
なお、duty比制御を実施する場合は、点灯率に対するIdd電流は変化する。たとえば、点灯率100%でduty比1/4となる制御を実施する駆動方式では、従来の点灯率100%でduty比1/1の駆動方法に比較して、Iddは1/4である。電力比はアノード電流の変化比率を示すことになる。
以上の事項は、電流駆動方式に限定されるものではなく、電圧駆動方式の画素構成あるいは表示パネル、表示装置などにも適用できることは言うまでもない。また、本発明の昇圧回路などの電源構成などに関する事項は、本発明の他の事項と組み合わせることができる。たとえば、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度などにより、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整と連動あるいは組み合わせても良い。また、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度の変化割合あるいは変化を予想または予測して、調整もしくは変化あるいは可変もしくは制御してもよいことは言うまでもない。
以上の実施例は、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合である。しかし、本発明はこれに限定されるものでない。たとえば、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合であっても適用することができる。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合は、駆動用トランジスタ11aの動作起点は、カソード電圧Vssである。また、Vss電圧はソースドライバ回路(IC)14からみても、起点電圧とする場合がほとんどである。つまり、ソース信号線18の電位が、Vss電圧の時、EL素子15には電流が流れない。ソースドライバ回路(IC)14が動作し、Vss電圧からソース信号線18にプログラム電流Iwがながれることにより、ソース信号線18の電位が上昇する。ソース信号線18の電位がVddから離れるにしたがって、EL素子15に流れる電流は大きくなる。以上のことから、Vss電圧は起点電圧として、所定値に安定に保つ必要がある。
一方、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、アノード電圧Vddは、起点電圧ではない。Vdd電圧とVss電圧との電位差がEL素子15の飽和電圧として影響があるだけである。したがって、Vdd電圧が変化しても、画像表示に影響を与えにくい。本発明は、Idd=Iss電流が小さい時には、アノード電圧Vddを規定値に維持し、Idd電流が大きい時に、アノード電圧を低下させる駆動方法または駆動回路または駆動方式である。
つまり、本発明は、アノード電源容量あるいはカソード電源容量のうち少なくとも一方の電源容量を規定値(表示パネルが使用する最大電流を流す電流×アノード電圧またはカソード電圧)よりも小さく形成(構成)する。そして、IddまたはIss電流が所定値以上流れる場合に、カソード電圧またはアノード電圧のうち少なくとも一方の電圧を変化せる駆動方法あるいは駆動装置もしくは駆動方式である。また、特にduty比制御または基準電流制御を組み合わせることが好ましい方式である。
本発明は、GND電圧に対するアノード電圧とカソード電圧のうち一方の電圧を大きくし、大きくした方の電源容量(アノード電源容量またはカソード電源容量)の出力電圧(アノード電圧またはカソード電圧)を点灯率あるいは点灯率の大きさあるいは所定の点灯率の範囲もしくは点灯率変化に応じて、変化させる駆動方式、駆動方法あるいは駆動装置である。特にduty比制御または基準電流制御を組み合わせることが好ましい。
本発明は、画素の駆動用トランジスタをPチャンネルで構成した場合は、カソード電圧を、点灯率の大きさあるいは点灯率の変化あるいは点灯率変化量に応じて変化させる駆動方式あるいは駆動方法もしくは駆動装置である。また、本発明は、画素の駆動用トランジスタをNチャンネルで構成した場合は、アノード電圧を、点灯率の大きさあるいは点灯率の変化あるいは点灯率変化量に応じて変化させる駆動方式あるいは駆動方法もしくは駆動装置である。以上の事項は特にduty比制御または基準電流制御を組み合わせることが好ましい。
以上の実施例において、カソード電圧あるいはアノード電圧の変化はヒステリシスをもたせて(遅延時間をもたせて)、ゆっくりと変化あるいは変更させることが好ましいことはいうまでもない。
また、カソード電流は点灯率に応じて増加するように構成することが好ましい。本発明では、検討の結果、点灯率が30%以上80%以下の範囲でカソード電圧を低下させるように構成することが好ましい。点灯率が30%以上80%以下の範囲でカソード電圧を低下させるように構成することが好ましい。さらに好ましくは、昇圧回路1281bの電源容量は点灯率100%の40%以上70%以下でカソード電圧を低下させるように構成する(駆動する)ことが好ましい。つまり、本発明の方式では、昇圧回路1281bの電源容量は、点灯率100%の電源容量は必要でなく、50%程度の容量サイズにすることができる。したがって、低コスト、電源サイズの小型化を実現できる。なお、昇圧回路1281a内で使用するコイルのインダクタンスL1(μヘンリー)と、昇圧回路1281b内で使用するコイルのインダクタンスL2(μヘンリー)との関係は、L2=L1×±1.2(精度によるバラツキは除く。つまりタイプ値の比較である。)に設定することが好ましい。さらに好ましくはL2=L1×±1.1に設定することが好ましい。特性が安定し、実装面積を小さくすることができる。また、コストの低減も実現できる。
以上の本発明は、電源容量が限定されるモバイル機器(DVC、DSC、DVDテレビ、携帯テレビ、携帯電話など)に用いることにより大きな効果を発揮する。
図128、図129の実施例では、点灯率などに応じてカソード電圧を変化させるとした。なお、カソード電圧は電源容量から自動的に変化することを想定しているが、意識的に変化させる場合もある。つまり、本発明のカソード電圧などを変化させるとは、自動的な制御と手動的な制御の双方の概念を含む。
カソード電流Issまたはアノード電流Iddの最大値は、設定により可変できるように構成しておくことが好ましい。可変は、昇圧回路1281のスイッチング素子などにリミッタ機能を設け、複数のリミッタ値から1つを設定できるように構成すればよいから実現は容易である。
図130は点灯率に対応してカソード電圧を変化させた実施例である。図130において、実線の例は、第1の点灯率(図130では一例として20%)と第2の点灯率(図130では一例として80%)間でリニアにカソード電圧を変化させている。点灯率が高くなるにつれて、カソード電圧は上昇させる。この範囲では、カソード電流Issはカソード電圧が上昇した分だけ、カソード電流Issを増大させる。一方のアノード電流Iddは、アノード電圧の大きさA(図129を参照のこと)がカソード電圧の大きさBより小さい。アノード電源容量=カソード電源容量であれば、カソード電圧が上昇し、A=Bとなるまで、アノード電圧の低下は発生しない。アノード電流Iddとカソード電流Issは同一に保たれる。
図130の実線の例では、点灯率80%以上では、カソード電圧は一定になるように保たれる。以上のようにカソード電圧の上昇に一定のリミットを設定しないと、さすがに画像表示が破綻するからである。点灯率80%以上では、カソード電圧Vssが一定となるように制御するため、点灯率が80%から100%の範囲では、カソード電流Iddは一定に維持される。したがって、表示パネルから発生する全光速の増加はない(画面輝度は変化しない)。ただし、上記の記載は、点灯率80%以上では、昇圧回路1281bが最大電源容量で動作していることを想定している。もちろん、点灯率80%以上でも電源容量に余裕があれば、点灯率が高くなるにつれてカソード電流Issは増加する。
図130の実線において、点灯率20%以下でも、カソード電圧は一定になるように保たれる。以上のようにカソード電圧の上昇に一定のリミットを設定しないと、昇圧回路1281bで使用するIC耐圧が上限を超えるからである。点灯率20%以下では、カソード電圧Vssが一定となるように制御するため、点灯率が0%から20%の範囲では、カソード電流Iddは点灯率が低下すれば、減少する。
図130の点線は、点灯率に応じてカソード電圧が線形に変化させた実施例である。点灯率が高く、つまり、Idd電流が増加するにつれてカソード電圧は上昇する。点灯率100%では、カソード電圧は−5Vに上昇するが、画質の劣化はない。また、通常の映像表示の点灯率は20%〜40%である。点灯率80%以上はほとんど発生しない。したがって、点灯率が高い領域で画質劣化は発生したとしても、ごく稀であり、視覚的に認識されることはない。本発明はこの映像表示の高点灯率の発生が稀であるという特徴もうまく利用している。また、本発明ではduty比制御を実施し、高点灯率領域ではアノード電流Iddを抑制している。したがって、電源容量を小さくしている。したがって、点灯率が高くとも、カソード電圧を上昇させる事態はほとんど発生しない。
カソード電圧を上昇させる事態が発生するのは、点灯率が低い画像表示で、かつ、duty比が1/1あるいはそれに近い画像表示を行っている場合に、映像表示シーンが急変し点灯率が高くなった場合である。もちろん、点灯率が高くなれば、duty比は低くするから(たとえば、1/4に近づける)、一定期間経過後は、高点灯率かつ低duty比状態に移行する。したがって、カソード電圧は正常電圧に低下する。以上ことからもカソード電圧を上昇させる駆動状態が発生することはごく稀である。
本発明は、電源容量を小さくし、ごく稀に発生するIdd電流増加状態は、カソード電圧を上昇させて画像表示の劣化を抑制する。以上のことはEL表示装置など自己発光表示デバイスに特有の構成であり、極めて有効である。
表示パネルの温度に応じて、点灯率に対するカソード電圧変化を可変あるいは変更してもよい。図131はその実施例である。図131に図示するように、表示パネルが50℃と高い場合は、点灯率60%以上の比較的低い点灯率の状態からカソード電圧を一定値に保持する。一定値に保持されているため、点灯率が60%以上に高くなる状態では、Idd電流は増加しない。つまりIdd電流のリミッタ機能が働く。したがって、表示パネルでの発熱が抑制される。表示パネルが高温状態で、さらに発熱すると表示パネルの劣化が促進されてしまうからである。なお、カソード電圧を上昇させ、EL素子15に印加される電圧と小さくすることにより、発熱も抑制できることは言うまでもない。
表示パネルの温度が10℃と低い場合は、点灯率60%以下と比較的高い点灯率までカソード電圧を低い状態で保持する。したがって、点灯率が高くなるにつれて、アノード電流Iddは増加する(duty比制御が実施されていない場合)。点灯率60%以上では、カソード電圧を上昇させる。上昇により表示パネルで発生する発熱も抑制される。
表示パネルが高温の場合は、カソード電圧は比較的高くてもよい。EL素子15のVt電圧(立ち上がり電圧)が低くなり、また、同一輝度を得るためのEL素子15の両端に印加する電圧の絶対値も低くなるからである。つまり、表示パネルの温度によりカソード電圧を変化させることが低消費電力化に有利である。図131の点線(パネル温度が高い場合)では、カソード電圧を−8Vとしている。実線(パネル温度が低い場合)の場合は、カソード電圧を−9Vとしている。さらにパネル温度が低い一点鎖線の場合は、カソード電圧を−9.5Vとしている。本発明では、表示パネルあるいは表示パネルの周囲温度を検出(測定)し、温度によりカソード電圧またはアノード電圧を変化させることを特徴とする。
図130、図131において、点灯率に対応してカソード電圧はリニア(線形)に変化させるとしたが、これに限定するものではなく、2乗カーブなど非線形に変化(対応)させてもよいことは言うまでもない。また、図130の実線のように2点折れ線に限定するものではなく、3点以上の折れ線としてもよいことは言うまでもない。
以上のように、本発明は、点灯率に対応してあるいは応じてカソード電圧を変化させる。また、本発明はduty比制御、基準電流比制御と組みあせて実施することが好ましい。図143はカソード電圧制御(図130、図131など)と、基準電流制御とを組み合わせて実施した実施例である。
図143において、点灯率75%以上で基準電流を増加させる。基準電流比の変化は、プログラム電流の変化である。したがって、基準電流比に比例してプログラム電流が大きくなり、EL素子15の輝度も高くなる。図143では、基準電流を増加させる範囲(点灯率75%以上)では、カソード電圧を一定にしている。点灯率25%以上ではカソード電圧を上昇させている。
図144はカソード電圧制御(図130、図131など)と、duty比制御とを組み合わせて実施した実施例である。
図143において、点灯率75%以上でduty比を1/2=0.5に低下させる。duty比の変化は、Idd(Iss)電流の変化である。したがって、duty比に対応して表示画面64の輝度は低下する。図144では、点灯率75%以上では、カソード電圧を−4Vと一定にしている。点灯率25%以上ではカソード電圧を上昇させている。また、点灯率に応じてduty比を低下させている。
以上のように、カソード電流制御を実施し、カソード(アノード)電源電力を抑制する。また、本発明はduty比制御などと組み合わせることにより、ピーク電流を抑制し、カソード(アノード)電源電力を抑制する。図147はその実施例の説明図である。
図147(a)は、従来例(カソード電圧一定、duty比制御)の場合である。横軸は経過時間である。図147(a)では、画像の点灯率に合わせて、duty比を可変している。しかし、点灯率が変化する時に発生するフリッカを抑制するため、duty比の変化はゆっくりと実施される。duty比が急変した時刻は、図147(a)のaとbの時である。この時、大きなカソード電流が流れる。したがって、カソード電源容量も160%近く必要である。カソード電流が増大した状態は一定期間継続する。しかし、duty比をゆっくりと低下させることにより、カソード電流が低下され、カソード電源容量は100%以内の規定範囲ないとなる。
図147(b1)、図147(b2)は、カソード電流制御(図128、図129などを参照のこと)と、duty比制御とを組み合わせて実施した実施例である。duty比が急変した時刻は、図147(a)と同様にaとbの時である。この時、図147(b2)に図示するように、カソード電圧は上昇する。そのため、EL素子15に印加される電圧は低下する。カソード電流Issは増加するが、カソード電圧が上昇するために結果としてカソード電源電力は一定に保たれる。したがって、図147(b1)に図示するように、カソード電源電力比は100%を超えることはない。duty比は、a、b時刻と起点としてゆっくりと低下し、duty比の変化に伴い、カソード電圧も正規の電圧に復帰する(−9Vとなる)。
図147は、カソード電流制御(図128、図129などを参照のこと)と、duty比制御とを組みあせた駆動方式として説明したが本発明はこれに限定するものではない。たとえば、カソード電流制御と、基準電流比制御とを組みあせてもよい。基準電流比を増減することによっても、プログラム電流を増減でき、アノード(カソード)電流を増減できるからである。また、カソード電流制御と、duty比制御および基準電流比制御とを組みあせてもよい。
以上の実施例では、点灯率に対応して、カソード電圧を変化する実施例であった。図145の実施例は、カソード電流Issの変化割合(カソード電流比とし、%で示す)と、カソード電圧との関係を示すものである。カソード電流比100%とは、カソード電圧の初期値電圧(点灯率が低い領域での電圧。図145ではカソード電圧=−9V)の場合において、昇圧回路1281bから取り出せるカソード電流Issの最大電流である。変過点は、カソード電流比100%であり、カソード電流比100%以上では、カソード電圧を上昇させている。
説明を容易にするため、一例として具体的な数字を記載して説明をする。図145において、カソード電流比が100%の時のカソード電流Iss=0.1Aとする。したがって、カソード電流比150%の時は、カソード電流Iss=0.15Aである。昇圧回路1281bの電源容量は、カソード電流比100%の時の0.1A×(−9)V=0.9Wである。カソード電流比150%の時は、カソード電流Iss=0.15Aであり、カソード電圧は−6Vである。したがって、必要な電源容量は、0.15A×(−6)=0.9Wとなる。つまり、カソード電流が1.5倍(カソード電流比150%)になっても、カソード電圧を上昇(−9V→−6V)とすることにより、昇圧回路1281bの電源容量は増加させる必要はない。カソード電流比100%〜150%の範囲ではカソード電圧を線形に変化させることにより、昇圧回路1281bの電源容量は最大使用範囲(内)に保たれる。
以上のように、本発明は、カソード電流の増加に対応させて、カソード電圧を変化させる。したがって、電源回路の小型化が可能となる。
図146は、横軸を昇圧回路1281bの電力比としている。電力比100%とは、昇圧回路1281bが使用できる最大電力である。縦軸はカソード電流比である。図146の実施例では、電力比100%以上でカソード電流比を低下させている。つまり、カソード電流Issを減少させている。電力比150%では、カソード電流比を、66.7%まで低下させている。
説明を容易にするため、一例として具体的な数字を記載して説明をする。図146において、カソード電流比が100%の時のカソード電流Iss=0.1Aとする。したがって、カソード電流比66.7%の時は、カソード電流Iss=0.0667Aである。昇圧回路1281bの電源容量100%とは、カソード電流比100%の時の0.1A×(−9)V=0.9Wである。昇圧回路1281bの電源容量150%の時は、カソード電流Iss=0.0667Aである。したがって、昇圧回路1281bが出力する電力は、1.5×0.0667A×(−9)=0.9Wとなる。つまり、カソード電流を0.667倍に抑制することにより、昇圧回路1281bの電源容量は増加させる必要はない。昇圧回路1281bの電力比が0%〜100%の範囲では、カソード電流比の最大出力電流は線形に変化させている。
図148は本発明の他の実施例である。図148はVin電圧を昇圧し、Vdd電圧を発生する昇圧回路1281と、昇圧されたVdd電圧をGND電圧と中心として、極性反転したVss電圧を発生する電圧反転回路1282から構成された電源回路の構成図である。
図148のように構成することにより、回路構成が簡単になり、低コスト化を実現できる。しかし、発生する電圧は、図149に図示するように、Vdd電圧の大きさAとVss電圧の大きさBとは、A=Bとなる。なお、図149に図示するように、Vcc電圧とVdd電圧とを共通(同一の電圧)にすることにより、より電源回路の低コスト化が可能になる。
図149の構成であっても、カソード(アノード)電圧制御(駆動用トランジスタがPチャンネルトランジスタの場合は、主としてカソード電圧を変化させるカソード電圧制御と実施し、駆動用トランジスタがNチャンネルトランジスタの場合は、主としてアノード電圧を変化させるアノード電圧制御と実施する)を適用できることは言うまでもない。
また、図130、図131では、カソード電圧の変化は連続して変化させるとして説明したが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図150に図示するように、カソード電圧をVss0、Vss1、Vss2、Vss3とデジタル的に変化させてもよい(飛び飛びな値で変化させてもよい)。また、一部を連続で、一部をデジタル的に変化させてもよい。たとえば、高輝度表示モードとノーマル輝度表示モードの切り換え時は、デジタル的に変化させ、温度による変化では連続的に変化させてもよい。また、図152に図示するように、Vin電圧を昇圧回路1281bしてから反転させてもよい。
また、以上の実施例は、昇圧回路1281の動作により、アノード電圧を低下させたり、カソード電圧を上昇させたりするとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図151に図示するように、カソード電圧の出力端子に抵抗Rを配置する。抵抗RにIss電流が流れると、抵抗Rの両端電圧がIss電流に比例して高くなる。したがって、Iss電流が大きくなるにしたがって、カソード端子電圧が上昇する。Iss電流は点灯率に比例するから、点灯率に対応してカソード電圧を上昇させる(変化させる)ことができる。なお、抵抗Rの変わりに、ボジスタ、サイリスタなどの非線形素子と用いても良い。
以下、本発明のEL表示パネルまたはEL表示装置もしくはその駆動方法などを用いた装置などについて説明をする。以下の装置は、以前に説明した本発明の装置または方法を実施する。図133は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。筐体1333にアンテナ1331、テンキー1332などが取り付けられている。1332などが表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート切り替えキーである。
キー1332を1度押さえると表示色は8色モードに、つづいて同一キー1332を押さえると表示色は4096色モード、さらにキー1332を押さえると表示色は26万色モードとなるようにシーケンスを組んでもよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化するトグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更キーを設けてもよい。この場合、キー1332は3つ(以上)となる。
キー1332はプッシュスイッチの他、スライドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよく、また、音声認識などにより切換るものでもよい。たとえば、4096色を受話器に音声入力すること、たとえば、「高品位表示」、「4096色モード」あるいは「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより表示パネルの表示画面64に表示される表示色が変化するように構成する。これは現行の音声認識技術を採用することにより容易に実現することができる。表示色の切り換えは、FRC,プリチャージ駆動などによっても実施できる。FRCあるいはプリチャージ駆動の実施例は以前に説明しているため省略する。
また、表示色の切り替えは電気的に切換るスイッチでもよく、表示パネルの表示部64に表示させたメニューを触れることにより選択するタッチパネルでも良い。また、スイッチを押さえる回数で切換る、あるいはクリックボールのように回転あるいは方向により切換るように構成してもよい。
1332は表示色切換キーとしたが、フレームレートを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とフレームレートなどの複数の要件を同時に切り替えてもよい。また、押さえ続けると徐々に(連続的に)フレームレートが変化するように構成してもよい。この場合は発振器を構成するコンデンサC、抵抗Rのうち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボリウムにしたりすることにより実現できる。また、コンデンサはトリマコンデンサとすることにより実現できる。また、半導体チップに複数のコンデンサを形成しておき、1つ以上のコンデンサを選択し、これらを回路的に並列に接続することにより実現してもよい。
本発明の表示パネル(表示装置)において、ブライトネス調整は、duty比制御あるいは基準電流比制御などにより実施する。特に、基準電流比制御回路の構成では、ホワイトバランスを維持したまま、表示画面64の明るさをリニアに制御あるいは調整することができるので好ましい。ブライトネス調整はコントローラ回路(IC)722によるソフト的制御でもよく、表示パネルの表示部64に表示させたメニューを触れることにより選択するタッチスイッチなどによる調整でもよい。また、外光の強さをホトセンサで検出し、オートマチックに調整する方式でもよい。以上の事項は、コントラスト調整などにも適用できることは言うまでもない。また、duty比制御にも適用できることは言うまでもない。
図134は本発明の実施の形態におけるビューファインダの断面図である。但し、説明を容易にするため模式的に描いている。また一部拡大あるいは縮小した箇所が存在し、また、省略した箇所もある。たとえば、図134において、接眼カバーを省略している。以上のことは他の図面においても該当する。
ボデー1333の裏面は暗色あるいは黒色にされている。これは、EL表示パネル(表示装置)1334から出射した迷光がボデー1333の内面で乱反射し表示コントラストの低下を防止するためである。また、表示パネルの光出射側には位相板(λ/4板など)38、偏光板39などが配置されている。このことは図3、図4でも説明している。
接眼リング1341には拡大レンズ1342が取り付けられている。観察者は接眼リング1341をボデー1333内での挿入位置を可変して、表示パネル1334の表示画面64にピントがあうように調整する。
また、必要に応じて表示パネル1334の光出射側に正レンズ1343を配置すれば、拡大レンズ1342に入射する主光線を収束させることができる。そのため、拡大レンズのレンズ径を小さくすることができ、ビューファインダを小型化することができる。
図135はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部1352とビデオかメラ本体1333と具備し、撮影レンズ部1352とビューファインダ部1333とは背中合わせとなっている。また、ビューファインダ(図134も参照)1333には接眼カバーが取り付けられている。観察者(ユーザー)はこの接眼カバー部から表示パネル1334の表示画面64を観察する。
一方、本発明のEL表示パネルは表示モニターとしても使用されている。表示部64は支点1351で角度を自由に調整できる。表示部64を使用しない時は、格納部1353に格納される。
スイッチ1354は以下の機能を実施する切り替えあるいは制御スイッチである。スイッチ1354は表示モード切り替えスイッチである。スイッチ1354は、携帯電話などにも取り付けることが好ましい。この表示モード切り替えスイッチ1354について説明をする。
本発明の駆動方法の1つにN倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法がある。この点灯させる期間を変化させることのより、明るさをデジタル的に変更することができる。たとえば、N=4として、EL素子15には4倍の電流を流す。点灯期間を1/Mとし、M=1、2、3、4と切り替えれば、1倍から4倍までの明るさ切り替えが可能となる。なお、M=1、1.5、2、3、4、5、6などと変更できるように構成してもよい。
以上の切り替え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面64を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子15は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタン1354で切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。
なお、表示画面64はガウス分布表示にすることが好ましい。ガウス分布表示とは、中央部の輝度が明るく、周辺部を比較的暗くする方式である。視覚的には、中央部が明るければ周辺部が暗くとも明るいと感じられる。主観評価によれば、周辺部が中央部に比較して70%の輝度を保っておれば、視覚的に遜色ない。さらに低減させて、50%輝度としてもほぼ、問題がない。本発明の自己発光型表示パネルでは、以前に説明したN倍パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法)を用いて画面の上から下方向に、ガウス分布を発生させている。
具体的には、画面の上部と下部ではMの値と大きくし、中央部でMの値を小さくする。これは、ゲートドライバ回路12のシフトレジスタの動作速度を変調することなどにより実現する。画面の左右の明るさ変調は、テーブルのデータと映像データとを乗算することにより発生させている。以上の動作により、周辺輝度(画角0.9)を50%にした時、100%輝度の場合に比較して約20%の低消費電力化が可能である。周辺輝度(画角0.9)を70%にした時、100%輝度の場合に比較して約15%の低消費電力化が可能である。
ガウス分布は、基準電流を変化させること(たとえば、画面の中央部で基準電流比を大きくし、画面の上下部で基準電流比を小さくする)、duty比を変化させること(たとえば、画面の中央部でduty比を大きくし、画面の上下部でduty比を小さくする)、プリチャージ電流あるいはプリチャージ電圧などを変化させることによっても実現できることはいうまでもない。
なお、ガウス分布表示はオンオフできるように切り替えスイッチなどを設けることが好ましい。たとえば、屋外などで、ガウス表示させると画面周辺部が全く見えなくなるからである。したがって、ユーザーがボタンで切り替えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り替えできるように構成しておくことが好ましい。また、周辺輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことがこのましい。
液晶表示パネルではバックライトで固定のガウス分布を発生させている。したがって、ガウス分布のオンオフを行うことはできない。ガウス分布をオンオフできるのは自己発光型の表示デバイス特有の効果である。
本実施の形態のEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図136に示すような電子カメラ、スチルカメラなどにも適用することができる。表示装置はカメラ本体1361に付属されたモニター64として用いる。カメラ本体1361にはシャッタ1363の他、スイッチ1354が取り付けられている。
本発明のEL表示パネルは、3D(立体)表示装置にも採用できる。図141、図142は本発明の3D表示装置の説明図である。図141に図示するように、2枚のEL表示パネル(EL表示アレイ)30a、30bは対面して配置されている。また、表示パネル30aの画素電極15aと、表示パネル30bの画素電極15bとは対面する位置に配置されている。2枚のEL表示パネルの間隔は隔離柱1411で保持されている。隔離柱1411は表示領域64の周囲に配置され、リング状の形状をしている。ガラスなどの無機材料で構成されている。隔離柱1411(高さ)は圧膜技術、塗布技術、印刷技術などで形成または構成してもよい。また、アレイ基板30をエッチング技術あるいは研磨技術を用いて表示領域64などを掘り下げることにより形成してもよい。
隔離柱1411は1mm以上8mm以下の厚みである。特に、隔離柱1411は3mm以上7mm以下の厚みにすることが好ましい。隔離柱1411は封止樹脂6332でパネル30a、30bに貼り付けられている。空間6333には必要に応じて乾燥剤が配置あるいは形成または構成される。
なお、図142では、表示パネル30aと30bは2枚の基板で一体化されているように図示したがこれに限定するものではない。表示パネル30aと30bはそれぞれアレイ基板と対向基板(封止基板)を有するように構成してもよい。つまり、独立した表示パネル30aと30bを隔離柱1411などの隔離手段(一定間隔を保持する手段)を用いて配置してもよい。
表示パネル30aの画素電極15aと、表示パネル30bの画素電極15bとは、異なる画像あるいは同一の画像を表示する。画像はA方向から観察する。したがって、EL表示パネル30aは透過型である必要がある。画素電極15aを介して表示パネル30bの画素電極15bに表示される画像を観察する必要があるからである。表示パネル30bのEL素子15の両電極は透過性を有する必要がある。液晶表示装置では画像表示にバックライトが必要である。したがって、透過型に構成することはできない。EL表示パネルは自己発光パネルであるので、表示画像を両面から見えるように構成することができる。つまり、A側から表示パネル30aの画像を観察することができる。かつ、表示パネルはA側から表示パネル30bの画像を観察できるように構成する必要がある。表示パネル30bは透過型であっても、反射型であってもよい。
表示パネル30bは液晶表示パネルで構成してもよい。その場合は、図141に図示するようにバックライト1414を配置し、表示パネル30bの画像がA側から観察できるように構成する。表示パネル30aと30bの画面サイズは一致されることが好ましいが、これに限定するものではない。一方の表示パネル30の画面サイズを大小させてもよい。
表示パネル30aと30bに映像信号を供給する映像処理回路は共通にすれば低コスト化が望める。また、表示パネル30aと30bの表示画像の明るさうち、一方の明るさを他方の明るさに対して変化ありは変更できるように構成することが好ましい。
表示パネル30aの表示画像64aは、表示パネル30bの表示画層64bよりも明るく(輝度を高く)表示させる。表示画像64aと表示画像64bとの輝度差を発生させることにより、A側から見た画像が立体的に見える。輝度差は、10%以上80%以下にするとよい。特に、20%以上60%以下にするとよい。
図142は、2つの表示パネル30の画像表示状態の説明図である。コントローラ回路(IC)722は表示パネル30aのソースドライバ回路(IC)14aなどと、表示パネル30bのソースドライバ回路(IC)14bなどを制御して画像を制御し、表示画像64aと64bとで3D表示を実現する。
以上は表示パネルの表示領域が比較的小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表示画面64がたわみやすい。その対策のため、本発明では図137に示すように表示パネルに外枠1371をつけ、外枠1371をつりさげられるように固定部材1374で取り付けている。この固定部材1374を用いて、壁などに取り付ける。
しかし、表示パネルの画面サイズが大きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネルの下側に脚取り付け部1373を配置し、複数の脚1372で表示パネルの重量を保持できるようにしている。
脚1372はAに示すように左右に移動でき、また、脚1372はBに示すように収縮できるように構成されている。そのため、狭い場所であっても表示装置を容易に設置することができる。
図137のテレビでは、画面の表面を保護フィルム(保護板でもよい)で被覆している。これは、表示パネルの表面に物体があたって破損することを防止することが1つの目的である。保護フィルムの表面にはAIRコートが形成されており、また、表面をエンボス加工することにより表示パネルに外の状況(外光)が写り込むことを抑制している。
保護フィルムと表示パネル間にビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置されるように構成されている。また、保護フィルムの裏面に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネルと保護フィルム間に空間を保持させる。このように空間を保持することにより保護フィルムからの衝撃が表示パネルに伝達することを抑制する。
また、保護フィルムと表示パネル間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるいはゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹脂などの光結合剤を配置または注入することも効果がある。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩衝材として機能するからである。
保護フィルムをしては、ポリカーボネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィルム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。その他エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を用いることができることは言うまでもない。また、強化ガラスなど無機材料からなるものでもよい。保護フィルムを配置するかわりに、表示パネルの表面をエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂で0.5mm以上2.0mm以下の厚みでコーティングすることも同様の効果がある。また、これらの樹脂表面にエンボス加工などをすることも有効である。
また、保護フィルムあるいはコーティング材料の表面をフッ素コートすることも効果がある。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすことができるからである。また、保護フィルムを厚く形成し、フロントライトと兼用してもよい。
以上の実施例は、本発明の表示パネルなどを表示装置として用いるものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図140は、情報発生装置として用いるものである。図8などで説明したように、ゲートドライバ回路12に入力する信号(特にST信号)により、非点灯領域62と点灯領域63を発生することができる。点灯領域63は該当画素16のEL素子15が発光している領域である。つまり、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、図1の画素構成では、トランジスタ11dがオン状態となっている領域である。非点灯領域62は該当画素16のEL素子15に電流が流れていない領域である。つまり、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加され、図1の画素構成では、トランジスタ11dがオフ状態となっている領域である。
ソースドライバ回路(IC)14から表示領域64に白ラスター表示の信号が印加されているとする。ゲートドライバ12bを制御することにより、表示領域64にストライプ状(画素行単位で点灯、非点灯制御されるため)に点灯領域63と非点灯領域62を発生させることができる。図140に図示するように、ゲートドライバ回路12bの制御によりバーコード表示を実現できる。
ゲートドライバ回路12aのST1端子には、1フレームに1回のスタートパルスが印加される。ゲートドライバ回路12bのST2端子には、バーコード表示に対応させてスタートパルスが印加される。通常の印刷物のバーコードと異なる点は、表示領域64の各バーコード表示位置が水平走査信号に同期して移動する点である。
したがって、図139に図示するように、EL表示パネルの表示領域64に、1画素行の点灯状態を検出できるホトセンサ1391を配置または形成すれば、ホトセンサ1391を固定した状態で、1/(1秒間のフレーム数・画素行数)のレートでバーコードの表示状態を検出できる。ホトセンサ1391で検出したデータはデコーダ(バーコード解読器)1392により電気信号に変換され解読されて情報になる。EL表示パネルは応答性が速いため、高速の情報を表示することができる。
duty比制御駆動、基準電流制御、N倍パルス駆動、ソースドライバ回路(IC)、ゲートドライバ構成など本明細書で記載した本発明の駆動方法および駆動回路などは、有機EL表示パネルの駆動方法および駆動回路などに限定されるものではない。図138に図示するようにフィールドエミッションディスプレイ(FED)、SED(キャノンと東芝が開発したディスプレイ)などの他のディスプレイにも適用できることは言うまでもない。
図138のFEDでは基板30上にマトリックス状に電子を放出する電子放出突起1383(図3では画素電極35が該当する)が形成されている。画素には映像信号回路1382(図1ではソースドライバ回路(IC)14が該当する)からの画像データを保持する保持回路1384が形成されている(図1ではコンデンサが該当する)。また、電子放出突起1383の前面には制御電極1381が配置されている。制御電極1381にはオンオフ制御回路1385(図1ではゲートドライバ回路12が該当する)により電圧信号が印加される。
図138の画素構成で、周辺回路を構成すれば、duty比制御駆動あるいはN倍パルス駆動などを実施できる。映像信号回路1382からソース信号線18に画像データ信号が印加される。オンオフ制御回路1385aから選択信号線に画素16選択信号が印加され順次画素16が選択され、画像データが書き込まれる。
図138などの構成にも、本発明のduty比制御、基準電流制御、プリチャージ制御、点灯率制御、AI制御、ピーク電流抑制制御、パネルの配線引き回し、ソースドライバ回路(IC)14の構成あるいは駆動方法、ゲートドライバ回路構成あるいは制御方法、トリミング方法、プログラム電圧+プログラム電流駆動方法、検査方法など、本発明の明細書で記載した各種の構成あるいは方法、構成、方式、装置構成、表示方法などが適用できることは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施例においても同様に適用できることは言うまでもない。
本発明は、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度などにより、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整もしくは変化あるいは可変するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度の変化割合あるいは変化を予想または予測して、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ソース信号線18の出力電流、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整もしくは変化あるいは可変もしくは制御してもよいことは言うまでもない。また、フレームレートなどを変更あるいは変化させてもよいことは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明は第1の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第1のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度などもしくはこれらの組合せとして変化させる。
また、第2の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第2のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度などもしくはこれらの組合せとして変化させる。もしくは、点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)に応じて(適応して)、FRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度など、もしくはこれらの組合せとして変化させるものである。
また、変化させる時は、ヒステリシスをもたせて、あるいは遅延させて、あるいはゆっくりと変化させる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明のドライバ回路(IC)で説明する事項は、ゲートドライバ回路(IC)12、ソースドライバ回路(IC)14に適用することができ、また、有機(無機)EL表示パネル(表示装置)だけでなく、液晶表示パネル(表示装置)にも適用することができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
以上に記載した、画素構成あるいは表示パネル(表示装置)あるいはその制御方法もしくは技術的思想、表示パネルあるいは表示装置の駆動方法もしくは制御方法もしくはその技術的思想、ソースドライバ回路(IC)、ゲートドライバIC(回路)などの駆動回路あるいはコントローラIC(回路)もしくはそれらの制御回路とその調整あるいは制御方法(ゲートドライバ回路なども含む)もしくは技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。また、相互に適用あるいは構成もしくは形成することができることはいうまでもない。また、本発明の検査装置と検査方法もしくは調整方法の技術的思想などは、本発明の表示パネルもしくは表示装置などに適用できることは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明の表示パネルは、表示装置を意味することがあることは言うまでもない。また、表示装置とは、撮影レンズなど他の構成物を有するものを意味する場合も含まれる。つまり、表示パネルあるいは表示装置とは、何らかの表示手段をもつ装置である。
本発明の実施例で説明した表示装置あるいは駆動方法あるいは制御方法あるいは方式などの技術的思想は、ビデオカメラ、プロジェクター、立体テレビ、プロジェクションテレビ、FED、SED(キャノンと東芝が開発したディスプレイ)などに適用できる。
また、ビューファインダ、携帯電話のメインモニターおよびサブモニターあるいは時計表示部、PHS、携帯情報端末およびそのモニター、デジタルカメラ、衛星テレビ、衛星モバイルテレビおよびそのモニターにも適用できる。
また、電子写真システム、ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、電子スチルカメラにも適用できる。
また、現金自動引き出し機のモニター、公衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュータ、腕時計およびその表示装置などにも適用できる。また、バーコードなどの情報の発生機器にも適用することができる。これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明は、家庭電器機器の表示モニター、カーオーディオの表示部、車のスピードメーター、ひげそりの表示部、ポケットゲーム機器およびそのモニター、電話器の番号などの表示モニター、電車の行き先表示モニター、ネオン表示装置の置き換え、表示パネル用バックライトあるいは家庭用もしくは業務用の照明装置、天井灯、窓ガラス、車のヘッドライトなどの照明装置などにも適用あるいは応用展開できることは言うまでもない。照明装置は色温度を可変できるように構成することが好ましい。これは、RGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更できる。
また、広告あるいはポスターなどの表示装置、RGBの信号器、警報表示灯などにも応用できる。これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
また、スキャナの光源としても本発明の自己発光素子もしくは表示装置あるいは有機EL表示パネルは有効である。RGBのドットマトリックスを光源として、対象物に光を照射し、画像を読み取る。もちろん、単色でもよいことは言うまでもない。また、本発明の表示装置から出力される光を単一波長あるいは狭帯域の波長がでるように構成し、レーザー表示装置またはその応用として用いても良いことは言うまでもない。狭帯域化は、干渉効果あるいは光学フィルタなどを用いることにより実現できる。
また、アクティブマトリックスに限定するものではなく、単純マトリックスでもよい。色温度を調整できるようにすれば画像読み取り精度も向上する。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
また、本発明は、液晶表示装置のバックライトにも有機EL表示装置は有効である。EL表示装置(バックライト)のRGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更でき、また、明るさの調整も容易である。その上、面光源であるから、画面の中央部を明るく、周辺部を暗くするガウス分布を容易に構成できる。
また、R、G、B光を交互に走査する、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示パネルのバックライトとしても有効である。もちろん、画素16などを形成せず、白色あるいは単色のバックライトもしくはフロンとライトとして本発明の技術的思想を用いてもよいことは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
また、アクティブマトリックス表示パネルだけでなく、単純マトリックス表示パネルに本発明の技術的思想を用いてもよい。また、バックライトを点滅しても黒挿入することにより動画表示用などの液晶表示パネルのバックライトとしても用いることができる。また、本発明の装置あるいは方法により、白色発光を実現し、液晶表示装置などのバックライトとしても用いることができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合組み合わせによる効果が得られる。
本発明の表示パネルの構成図である。 本発明の表示パネルの構成図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示装置の駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図る。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明のソースドライICの説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明のソースドライバIC説明である。 本発明のソースドライバIC説明図である。 本発明のソースドライバ回路の説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明のソースドライバ回路(IC)の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの駆動方法の説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示パネルの説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。 本発明の表示装置の説明図である。
符号の説明
11 TFT(薄膜トランジスタ)
12 ゲートドライバIC(回路)
14 ソースドライバ回路(IC)
15 EL(素子)(発光素子)
16 画素
17 ゲート信号線
18 ソース信号線
19 蓄積容量(付加コンデンサ、付加容量)
29 EL膜
30 アレイ基板
31 土手(リブ)
32 層間絶縁膜
34 コンタクト
35 画素電極
36 カソード電極
37 乾燥剤
38 λ/4板(λ/4フィルム、位相板、位相フィルム)
39 偏光板
40 封止フタ
41 薄膜封止膜
61 書き込み行
62 非表示領域(非点灯領域、黒表示領域)
63 表示領域(点灯領域、画像表示領域)
91 電流保持回路
92 ポリシリコン電流保持回路(内蔵電流保持回路)
93 出力端子
161 ダミー画素(行)
221 スイッチ(オンオフ手段)
222 内部配線(出力配線)
223 ゲート配線
224 電流源(単位トランジスタ)
232、228 トランジスタ
321 ソース端子
322 ゲート端子
323 ドレイン端子
324 トランジスタ
331 一致回路
332 カウンタ
333 AND回路
334 電流出力回路
351 ラッチ回路
352 セレクタ回路
353 プリチャージ回路
371 電圧階調回路
381 サンプルホールド回路(電圧保持手段)
382 ソース信号線端子
391 切り替え回路
441 デコーダ
641 ゲートドライバ用配線パッド(端子)
642 ゲートドライバ用配線パッド(端子)
643 入力信号線パッド(端子)
644 出力信号線パッド(端子)
661 入力信号線
662 端子電極
663 アノード配線
664 金バンプ
671 フレキシブル基板
681 反転出力発生回路
691 フリップフロップ(FF)回路(選択回路)
701 信号発生回路
622 配線
621 差動−パラレル信号変換回路
721 PLL回路
791 コンパレータ回路
811 処理回路
821 モード変換回路(IC)
841 単位トランジスタ(単位電流出力回路)
891 過電流トランジスタ
911 比較回路
1121 スイッチ回路(切り換え手段)
1122 デコーダ回路
1126 AI処理回路(ピーク電流抑制、ダイナミックレンジ拡大処理など)
1127 動画検出処理(ID処理)
1128 カラーマネージメント処理回路(色補償/補正、色温度補正回路)
1129 演算回路(MPU、CPU)
1131、1132 乗算器
1133 加算器
1134 総和回路(SUM回路、データ処理回路、総電流演算回路)
1281 昇圧回路
1282 電圧反転回路
1331 アンテナ
1332 キー
1333 筐体
1334 表示パネル
1341 接眼リング
1342 拡大レンズ(正レンズ)
1343 凸レンズ(正レンズ)
1351 支点(回転部)
1352 撮影レンズ(撮影手段)
1353 格納部
1354 スイッチ
1361 本体
1362 撮影部
1363 シャッタスイッチ
1371 取り付け枠
1372 脚
1373 取り付け台
1374 固定部
1381 制御電極
1382 映像信号回路
1383 電子放出突起
1384 保持回路
1385 オンオフ制御回路
1391 ホトセンサ
1392 デコーダ(バーコード解読器)
1393 EL表示パネル(自発光表示パネル(装置))
1411 隔離柱(隔離壁(リング))
1412 封止樹脂(封止手段)
1413 空間
1414 バックライト

Claims (1)

  1. EL表示パネルと、
    アノード電圧を発生する第1の電圧発生回路と、
    カソード電圧を発生する第2の電圧発生回路を具備し、
    前記第2の電圧発生回路の電力容量を略一定とし、
    前記ELパネルに印加される映像信号から点灯率を求め、前記点灯率に対応させて前記カソード電圧を変化させることを特徴とするEL表示装置。
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CN115207240A (zh) * 2022-07-04 2022-10-18 武汉华星光电半导体显示技术有限公司 发光器件、显示面板及显示装置

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