本明細書において、各図面は理解を容易にするために、また作図を容易にするため、省略および拡大あるいは縮小した箇所がある。たとえば、図4に図示する表示パネルの断面図では薄膜封止膜41などを十分厚く図示している。一方、図3において、封止フタ40は薄く図示している。また、省略した箇所もある。たとえば、本発明の表示パネルなどでは、反射防止のために円偏光板などの位相フィルム(38、39)が必要である。しかし、本明細書の各図面では円偏光板などを省略している。以上のことは以下の図面に対しても同様である。また、同一番号または、記号等を付した箇所は同一もしくは類似の形態もしくは材料あるいは機能もしくは動作を有する。
本明細書では、駆動用トランジスタ11、スイッチング用トランジスタ11は薄膜トランジスタとして説明するが、これに限定するものではない。薄膜ダイオード(TFD)、リングダイオードなどでも構成することができる。また、薄膜素子に限定するものではなく、シリコンウエハに形成したトランジスタでもよい。もちろん、FET、MOS−FET、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタでもよい。これらも基本的に薄膜トランジスタである。その他、バリスタ、サイリスタ、リングダイオード、ホトダイオード、ホトトランジスタ、PLZT素子などでもよいことは言うまでもない。つまり、本発明のトランジスタ11、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路(IC)14などは、これらのいずれでも使用することができる。
ソースドライバ回路(IC)14は、単なるドライバ機能だけでなく、電源回路、バッファ回路(シフトレジスタなどの回路を含む)、データ変換回路、ラッチ回路、コマンドデコーダ、シフト回路、アドレス変換回路、画像メモリなどを内蔵させてもよい。
基板30はガラス基板として説明をするが、シリコンウエハで形成してもよい。また、基板30は、金属基板、セラミック基板、プラスティックシート(板)などを使用してよい。また、本発明の表示パネルなどを構成するトランジスタ11、ゲートドライバ回路12、ソースドライバ回路(IC)14などは、ガラス基板などに形成し、転写技術により他の基板(プラスティックシート)に移し変えて構成または形成したものでもよいことは言うまでもない。フタ40の材料あるいは構成に関しても基板30と同様である。また、フタ40、基板30は放熱性を良好にするため、サファイアガラスなどを用いてもよいことは言うまでもない。
以下、本発明のEL表示パネルについて図面を参照しながら説明をする。有機EL表示パネルは、図3に示すように、画素電極としての透明電極35が形成されたガラス板30(アレイ基板30)上に、電子輸送層、発光層、正孔輸送層などからなる少なくとも1層の有機機能層(EL層)29、及び金属電極(反射膜)(カソード)36が積層されたものである。透明電極(画素電極)35である陽極(アノード)にプラス、金属電極(反射電極)36の陰極(カソード)にマイナスの電圧を加え、透明電極35及び金属電極36間に直流を印加することにより、有機機能層(EL膜)29が発光する。
本発明では、画素電極である透明電極(ITO)の膜厚をRGBのサブピクセルごとに変更している。有機EL層29から出る光は、透明電極(ITO)層35界面、有機EL層29、金属電極36界面との間で反射を繰り返すうちに、両界面間の距離に応じて特定の波長の光だけが干渉して強度が高まり、そのほかの波長の光の強度は低下する。透明電極(ITO)層35の厚さを、RGBの各サブピクセルで変えることで、各RGB光の色純度を向上させている。取り出す光の波長(R>G>B)が長いものほどITO層を厚くしている。本発明の光のスペクトルは、赤(R)色と青(B)色でやや鋭いピークを持ち、緑(G)色で緩やかなピークになっている。
なお、封止フタ40とアレイ基板30との空間には乾燥剤37を配置する。これは、有機EL膜29は湿度に弱いためである。乾燥剤37によりシール剤を浸透する水分を吸収し有機EL膜29の劣化を防止する。また、封止フタ40とアレイ基板30とは、周辺部を封止樹脂2511で封止する。乾燥剤37などの水分吸収手段は、封止フタ40などに直接塗布または蒸着することにより形成してもよい。
封止フタ40とは、外部からの水分の浸入を防止あるいは抑制する手段であって、フタの形状に限定されるものではない。たとえば、ガラス板あるいはプラスティック板あるいはフィルムなどでもよい。また、融着ガラス、ステンレスなどの金属などでもよい。また、樹脂あるいは無機材料などの構成体であってもよい。また、蒸着技術などを用いて薄膜状の形成(図4を参照のこと)したものであってもよい。乾燥剤37の表面からEL膜までの距離は、0.2mm以上開けることが好ましい。
図3の本発明の有機EL表示パネルは、ガラスのフタ40を用いて封止する構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図4に図示するようにフィルム41(薄膜でもよい。つまり、薄膜封止膜41である)を用いた封止構造であってもよい。
封止フィルム(薄膜封止膜)41としては、電解コンデンサのフィルムにDLC(ダイヤモンド ライク カーボン)を蒸着したものを用いることが例示される。このフィルムは水分浸透性が極めて悪い(防湿性能が高い)。このフィルムを薄膜封止膜41として用いる。また、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)膜などを電極36の表面に直接蒸着する構成もよいことは言うまでもない。その他、樹脂薄膜と金属薄膜を多層に積層して、薄膜封止膜を構成してもよい。
薄膜封止膜41あるいは封止構造を形成する膜の厚みは、上記干渉領域の膜厚には限定されない。5〜10μm以上あるいは、100μm以上の厚みを有するように構成あるいは形成してもよいことは言うまでもない。また、封止構成の薄膜封止膜41などが透過性を有する場合は、図4のA側が光出射側となり、不透過性あるいは光反射性の機能あるいは構造を有する場合は、B側が光出射側となる。
A側とB側からの両方から光が出射されるように構成してもよい。この構成を採用する場合は、A側からEL表示パネルの画像を見る場合と、B側からEL表示パネルの画像を見る場合とでは画像が左右反転する。したがって、A側からEL表示パネルの画像を見る場合と、B側からEL表示パネルの画像を見る場合では、手動であるいはオートマチックに画像の左右を反転させる機能を付加する。この機能の実現は、映像信号の1画素行あるいは複数画素行分をラインメモリに蓄積し、ラインメモリの読み出し方向を反転させればよい。
図4のように封止フタ40を用いず、薄膜封止膜41で封止する構成を薄膜封止と呼ぶ。基板30側から光を取り出す「下取り出し(図3を参照のこと。光取り出し方向は図3のB矢印方向である)」の場合の薄膜封止膜41は、EL膜を形成後、EL膜上にカソードとなるアルミ電極を形成する。次にこのアルミ膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。緩衝層としては、アクリル、エポキシなどの有機材料が例示される。また、膜厚は1μm以上10μm以下の厚みが適する。さらに好ましくは、膜厚は2μm以上6μm以下の厚みが適する。この緩衝膜上の封止膜74を形成する。
緩衝膜がないと、応力によりEL膜の構造が崩れ、筋状に欠陥が発生する。薄膜封止膜41は前述したように、DLC(ダイヤモンド ライク カーボン)、あるいは電界コンデンサの層構造(誘電体薄膜とアルミ薄膜とを交互に多層蒸着した構造)が例示される。
有機EL膜29側から光を取り出す「上取り出し(図4を参照のこと。光取り出し方向は図4のA矢印方向である)」の場合の薄膜封止は、有機EL膜29を形成後、有機EL膜29上にカソード(もしくはアノード)となるAg−Mg膜を20オングストローム以上300オングストロームの膜厚で形成する。その上に、ITOなどの透明電極を形成して低抵抗化する。次に、好ましくはこの電極膜上に緩衝層としての樹脂層を形成する。この緩衝膜上に薄膜封止膜41を形成する。
図3などにおいて、有機EL膜29から発生した光の半分は、反射膜(カソード電極)36で反射され、アレイ基板30と透過して出射される。しかし、反射膜(カソード電極)36には外光を反射し写り込みが発生して表示コントラストを低下させる。この対策のために、アレイ基板30にλ/4板(位相フィルム)38および偏光板(偏光フィルム)39を配置している。偏光板39と位相フィルム38を一体にしたものは円偏光板(円偏光シート)と呼ばれる。
なお、位相フィルム38、円偏光板1654は、有機樹脂フィルム、有機樹脂板に限定するものではなく、無機材料(水晶結晶、光学薄膜)などで構成してもよいことは言うまでもない。
図3、図4などの構成において、光出射面に、微細な四角錐、三角錐などのプリズムを形成することにより、表示輝度を向上できる。四角錐の場合は、底辺の1辺は、100μm以下10μm以上にする。さらに好ましくは30μm以下10μm以上にする。三角錐の場合は、底辺の直径を100μm以下10μm以上にする。さらに好ましくは30μm以下10μm以上にする。四角錐、三角錐に限定するものではなく、五角錐以上であってもよい。底面が3角形、6角形、その他の多角形でもよい。また、形状が台形、立方体であってもよい。また、2次元形状(たとえば、3角形の形状が長手方向に連続する形状、一般にプリズムシートとよばれる形状)であってもよい。
画素16が反射電極の場合は、EL膜29から発生した光は上方向に出射される(図4のA方向に光が出射)。したがって、位相板38および偏光板39は光出射側に配置することはいうまでもない。
反射型画素16は、画素電極35を、アルミニウム、クロム、銀などで構成して得られる。また、画素電極35の表面に、凸部(もしくは凹凸部)を設けることで有機EL膜29との界面が広くなり発光面積が大きくなり、また、発光効率が向上する。なお、カソード36(アノード35)となる反射膜を透明電極に形成する、あるいは反射率を30%以下に低減できる場合は、円偏光板は不要である。写り込みが大幅に減少するからである。また、光の干渉も低減し望ましい。
凸部(もしくは凹凸部)は、回折格子にすることは光取り出しに効果がある。回折格子は2次元あるいは3次元構造にする。回折格子のピッチは0.2μm以上2μm以下にすることが好ましい。この範囲で光効率が良好な結果が得られる。特に回折格子のピッチは0.3μm以上0.8μm以下にすることが好ましい。また、回折格子の形状は、サインカーブ状にすることが好ましい。
EL表示装置のカラー化は、マスク蒸着により行うが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、青色発光のEL層を形成し、発光する青色光を、R、G、Bの色変換層(CCM:カラーチェンジミディアムズ)でR、G、B光に変換してもよい。たとえば、図4において、薄膜封止膜41上あるいは下にカラーフィルターを配置する。もちろん、プレシジェンシャドーマスクを利用したRGB有機材料(EL材料)の打ち分け方式を採用してもよい。本発明のカラーEL表示パネルはこれらのいずれの方式を用いても良い。
本発明のEL表示パネル(EL表示装置)の画素16の構造は、図1などに示すように、1つの画素16が4つのトランジスタ11ならびにEL素子15により形成される。画素電極35はソース信号線18と重なるように構成する。ソース信号線18上に絶縁膜あるいはアクリル材料からなる平坦化膜32を形成して絶縁し、平坦化膜32上に画素電極35を形成する。このようにソース信号線18上の少なくとも1部に画素電極35を重ねる構成をハイアパーチャ(HA)構造と呼ぶ。不要な干渉光などが低減し、良好な発光状態が期待できる。
平坦化膜32は層間絶縁膜としても機能する。平坦化膜32は、0.4μm以上2.0μm以下の膜厚に構成あるいは形成する。平坦化膜32の膜厚が0.4μm以下であれば、層間絶縁が不良になりやすい(歩留まり低下する)。2.0μm以上であればコンタクト接続部34の形成が困難になり、コンタクト不良が発生しやすい(歩留まり低下する)。
本明細書では、EL素子15として有機EL素子(OEL、PEL、PLED、OLEDなど多種多様な略称で記述される)を例にあげて説明するがこれに限定するものではなく、無機EL素子にも適用されることは言うまでもない。
有機EL表示パネルに用いられるアクティブマトリックス方式は、特定の画素を選択し、必要な表示情報を与えられることと、1フレーム期間を通じてEL素子に電流を流すことができること、という2つの条件を満足させなければならない。
この2つの条件を満足させるため、図2に図示する従来の有機ELの画素構成では、第1のトランジスタ11bは画素を選択するためのスイッチング用トランジスタとして機能させる。また、第2のトランジスタ11aはEL素子15に電流を供給するための駆動用トランジスタとして機能させている。
この構成を用いて階調を表示させる場合、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧として階調に応じた電圧を印加する必要がある。したがって、駆動用トランジスタ11aのオン電流のばらつきがそのまま表示に現れる。
トランジスタのオン電流は単結晶で形成されたトランジスタであれば、きわめて均一であるが、安価なガラス基板に形成することのできる形成温度が450度以下の低温ポリシリ技術で形成した低温多結晶トランジスタでは、そのしきい値のばらつきが±0.2V〜±0.5Vの範囲でばらつきがある。そのため、駆動用トランジスタ11aを流れるオン電流がこれに対応してばらつき、表示にムラが発生する。これらのムラは、しきい値電圧のばらつきのみならず、トランジスタの移動度、ゲート絶縁膜の厚みなどでも発生する。また、トランジスタ11の劣化によっても特性は変化する。
この現象は、低温ポリシリコン技術に限定されるものではなく、プロセス温度が450度(摂氏)以上の高温ポリシリコン技術でも、固相(CGS)成長させた半導体膜を用いてトランジスタなどを形成したものでも発生する。その他、有機トランジスタでも発生する。アモルファスシリコントランジスタでも発生する。
図2のように、電圧を書き込むことにより、階調を表示させる方法では、均一な表示を得るために、デバイスの特性を厳密に制御する必要がある。しかし、現状の低温多結晶ポリシリコントランジスタなどではこのバラツキを所定範囲以内に抑えることができない。
本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11は、p−チャンネルポリシリコン薄膜トランジスタに構成される。また、トランジスタ11bは、デュアルゲート以上であるマルチゲート構造としている。
本発明の表示パネルの画素16を構成するトランジスタ11bは、トランジスタ11aのソース−ドレイン間のスイッチとして作用する。したがって、トランジスタ11bは、できるだけON/OFF比の高い特性が要求される。トランジスタ11bのゲートの構造をデュアルゲート構造以上のマルチゲート構造とすることによりON/OFF比の高い特性を実現できる。
本明細書では、EL素子15として有機EL素子(OEL、PEL、PLED、OLEDなど多種多様な略称で記述される)を例にあげて説明するがこれに限定するものではなく、無機EL素子にも適用されることは言うまでもない。
図1の画素回路は、1画素内に4つのトランジスタ11を有している。駆動用トランジスタ11aのゲート端子は、トランジスタ11bのソース端子に接続されている。トランジスタ11bおよびトランジスタ11cのゲート端子は、ゲート信号線17aに接続されている。トランジスタ11bのドレイン端子は、トランジスタ11cのソース端子ならびにトランジスタ11dのソース端子に接続され、トランジスタ11cのドレイン端子は、ソース信号線18に接続されている。トランジスタ11dのゲート端子は、ゲート信号線17bに接続され、トランジスタ11dのドレイン端子は、EL素子15のアノード電極に接続されている。
図1ではすべてのトランジスタはPチャンネルで構成している。Pチャンネルは多少Nチャンネルのトランジスタに比較してモビリティが低いが、耐圧が大きくまた劣化も発生しにくいので好ましい。しかし、本発明はEL素子構成をPチャンネルで構成することのみに限定するものではない。Nチャンネルのみで構成してもよい。また、NチャンネルとPチャンネルの両方を用いて構成してもよい。
パネルを低コストで作製するためには、画素を構成するトランジスタ11をすべてPチャンネルで形成し、内蔵ゲートドライバ回路12もPチャンネルで形成することが好ましい。このようにアレイをPチャンネルのみのトランジスタで形成することにより、マスク枚数が5枚となり、低コスト化、高歩留まり化を実現できる。
ゲート信号線17bに印加するトランジスタ11dのオン電圧は、ゲート信号線17aに印加するトランジスタ11bのオン電圧よりも低くする。具体的にはゲート信号線17aに印加するオン電圧は−9Vであるが、ゲート信号線17bに印加するオン電圧は、−2〜0Vである。ゲート信号線17bに印加するトランジスタ11dのオン電圧を、ゲート信号線17aに印加するトランジスタ11bのオン電圧よりも低くすることにより、トランジスタ11dのリークが減少し良好な黒表示を実現できる。ゲート信号線17aと17bに印加するオフ電圧は同一にする。オフ電圧は8Vである。ゲート信号線17aと17bに印加するオフ電圧を同一にすることにより、電源回路の構成が簡略化される。
図1のように、画素16の駆動用トランジスタ11a、選択トランジスタ(11b、11c)がPチャンネルトランジスタの場合は、突き抜け電圧が発生する。これは、ゲート信号線17aの電位変動が、選択トランジスタ(11b、11c)のG−S容量(寄生容量)を介して、コンデンサ19の端子に突き抜けるためである。Pチャンネルトランジスタ11bがオフするときにはVgh電圧となる。そのため、コンデンサ19の端子電圧がVdd側に少しシフトする。そのため、トランジスタ11aのゲート(G)端子電圧は上昇し、より黒表示となる。したがって、良好な黒表示を実現できる。
以上の実施の形態は、トランジスタ11bのG−S容量(寄生容量)を介して、コンデンサ19の電位を変動させ、コンデンサ19の電位変動により、黒表示を良好にする構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、コンデンサ19bを素子で形成してもよいことは言うまでもない。コンデンサ19bはトランジスタ11のゲート信号線17を構成する電極層と、ソース信号線18を構成(形成)する電極層を2つの電極として形成することが好ましい。コンデンサ19bの容量は、コンデンサ19aの容量の1/4以上1/1以下とすることが好ましい。
コンデンサ19bなどによる突き抜け電圧のシフト量は一定であり、また、Vgh電圧、Vgl電圧が一定値であるからである。電流駆動方式(電流プログラム方式)では、低階調ではプログラム電流が小さくなり、ソース信号線18の寄生容量の充放電が困難である。しかし、コンデンサ19bになどによる突き抜け電圧を利用することにより、ソース信号線18に印加するプログラム電流を比較的大きくでき、駆動用トランジスタ11aがEL素子15に流す電流をプログラム電流よりも小さくすることができる。つまり、微小なプログラム電流を画素16に書き込むことができる。
逆に、突き抜け電圧を可変するには、Vgh電圧またはVgl電圧もしくはVgh電圧とVgl電圧との電位差を変化すればよい。たとえば、点灯率(後に説明する)に応じて、Vgh電圧、Vgl電圧を変化あるいは操作する駆動方法が例示される。また、コンデンサ19bの容量を変化すればよい。また、アノード電圧Vddを変化させればよい。たとえば、点灯率(後述に説明する)に応じて、アノード電圧(Vdd)を変化あるいは操作する駆動方法が例示される。これらを変化あるいは変更することにより突き抜け電圧の大きさを制御でき、駆動用トランジスタ11aが流す電流量を制御でき、良好な黒表示を実現できる。
突き抜け電圧の大きさは、階調番号によらず一定値であるため、低階調領域では、相対的に減少するプログラム電流量の割合が大きくなる。したがって、低階調領域になるほど、良好な黒表示を実現できる。
以下、さらに本発明の理解を容易にするために、本発明のEL素子構成について図5を用いて説明する。本発明のEL素子構成は2つのタイミングにより制御される。第1のタイミングは、必要な電流値を記憶させるタイミングである。このタイミングでトランジスタ11bならびにトランジスタ11cがONすることにより、等価回路として図5(a)となる。ここで、信号線より所定の電流Iwが書き込まれる。これによりトランジスタ11aはゲートとドレインが接続された状態となり、このトランジスタ11aとトランジスタ11cを通じて電流Iwが流れる。したがって、トランジスタ11aのゲート−ソースの電圧はI1が流れるような電圧となる。
第2のタイミングは、トランジスタ11aとトランジスタ11cが閉じ、トランジスタ11dが開くタイミングであり、そのときの等価回路は図5(b)となる。トランジスタ11aのソース−ゲート間の電圧は保持されたままとなる。この場合、トランジスタ11aは常に飽和領域で動作するため、Iwの電流は一定となる。
以上の動作を図示すると、図6のようになる。図6(a)の61aは、表示画面64における、ある時刻での電流プログラムされている画素(行)(書き込み画素行)を示している。画素(行)61aは、図5(b)に図示するように非点灯(非表示画素(行))とする。
図1の画素構成の場合は、図5(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwが駆動用トランジスタ11aを流れ、プログラム電流Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。なお、図1などのコンデンサ19の一方の端子は、前段(1行まえの画素)あるいは後段(次に選択される画素)のゲート信号線17aに接続してもよい。
次に、EL素子15に電流を流す期間は図5(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
図6の駆動方法のタイミングチャートを図7に図示する。図7でわかるように、各選択された画素行(選択期間は、1Hとしている)において、ゲート信号線17aにオン電圧(Vgl)が印加されている時(図7(a)を参照)には、ゲート信号線17bにはオフ電圧(Vgh)が印加されている(図7(b)を参照)。この期間は、EL素子15には電流が流れていない(非点灯状態)。
選択されていない画素行において、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加されている。また、この期間は、EL素子15に電流が流れている(点灯状態)。また、点灯状態では、EL素子15は所定のN倍の輝度(N・B)で点灯し、その点灯期間は1F/Nである。したがって、1Fを平均した表示パネルの表示輝度は、(N・B)×(1/N)=B(所定輝度)となる。なお、Nは1以上であればいずれの値でもよい。
つぎに、図8を用いて、本発明のEL表示パネルで使用する電源(電圧)について説明をする。ゲートドライバ回路12は、バッファ回路82とシフトレジスタ回路81で構成される。バッファ回路82はオフ電圧(Vgh)とオン電圧(Vgl)を電源電圧として使用する。一方、シフトレジスタ回路81はシフトレジスタの電源VGDDとグランド(GND)電圧を使用し、また、入力信号(CLK、UD、ST)の反転信号を発生させるためのVREF電圧を使用する。また、ソースドライバ回路(IC)14は、電源電圧Vsとグランド(GND)電圧を使用する。
ゲートドライバ回路12aは、シフトレジスタ回路81aとバッファ回路82を具備している。したがって、ゲートドライバ回路12aはゲート信号線17aをオンオフ制御する。ゲート信号線17bは、シフトレジスタ回路81b(図示せず)とバッファ回路82(図示せず)を内蔵する。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1を例にあげて説明をする。
各シフトレジスタ回路81は、正相と負相のクロック信号CLKx(CLKxP、CLKxN)、スタートパルス(STx)で制御される。なお、xは添え字である。その他、ゲート信号線の出力、非出力を制御するイネーブル(ENABL)信号、シフト方向を上下逆転するアップダウン(UPDWM)信号を付加することが好ましい。他に、スタートパルスがシフトレジスタ回路81にシフトされ、そして出力されていることを確認する出力端子などを設けることが好ましい。
シフトレジスタ回路81のシフトタイミングはコントロールIC722(後述する)からの制御信号で制御される。また、外部データのレベルシフトを行うレベルシフト回路81を内蔵する。なお、クロック信号は正相のみとしてもよい。正相のみのクロック信号とすることにより信号線数が削減でき、狭額縁化を実現できる。
シフトレジスタ回路81のバッファ容量は小さいため、直接にはゲート信号線17を駆動することができない。そのため、シフトレジスタ回路81の出力とゲート信号線17を駆動する出力ゲート間には、少なくとも2つ以上のインバータ回路が形成されている。
ソースドライバ回路(IC)14を低温ポリシリなどのポリシリ技術で基板30上に直接形成する場合も同様であり、ソース信号線18を駆動するトランスファーゲートなどのアナログスイッチのゲートとソースドライバ回路(IC)14のシフトレジスタ間には複数のインバータ回路が形成される。
以下の事項(シフトレジスタの出力と、信号線を駆動する出力段(出力ゲートあるいはトランスファーゲートなどの出力段間に配置されるインバータ回路に関する事項)は、ソースドライブおよびゲートドライバ回路に共通の事項である。
ここで理解を容易にするため、電圧値を規定する。まず、アノード電圧Vddを6(V)とし、カソード電圧Vssを−9(V)とする(図1などを参照のこと)。GND電圧は0(V)とし、ソースドライバ回路のVs電圧はVdd電圧と同一の6(V)とする。Vgh1とVgh2電圧は、Vddよりも0.5(V)以上3.0(V)以下、高い電圧値とすることが好ましい。ここでは、Vgh1=Vgh2=8(V)とする。
ゲートドライバ回路12のVgl1は、図1のトランジスタ11cのオン抵抗を十分に小さくするため、低くする必要がある。ここでは、回路構成を容易にするため、Vgh1と絶対値が逆であるVgl1=−8(V)にする。VGDD電圧は、Vghよりも低く、GND電圧よりも高くする必要がある。ここでは、発生電圧回路を容易にし、回路コストを低減するため、Vgh電圧の1/2の4(V)にする。一方で、Vgl2電圧は、あまり低くすると、トランジスタ11bのリークを発生する危険性があるため、VGDD電圧とVgl1電圧の中間電圧にすることが好ましい。ここでは、電圧回路を容易にし、回路コストを低減するため、VGDD電圧と絶対値が等しく、また反対極性である−4(V)にする。
以上の実施の形態は、1画素行ごとに1本の選択画素行を配置(形成)する構成であった。本発明は、これに限定するものではなく、複数の画素行で1本のゲート信号線17aを配置(形成)してもよい。
図10はその実施の形態である。なお、説明を容易にするため、画素構成は図1の場合を主として例示して説明をする。図10では、ゲート信号線17aは3つの画素(16R、16G、16B)を同時に選択する。Rの記号とは赤色の画素関連を意味し、Gの記号とは緑色の画素関連を意味し、Bの記号とは青色の画素関連を意味するものとする。
ゲート信号線17aの選択により、画素16R、画素16Gおよび画素16Bが同時に選択されデータ書き込み状態となる。画素16Rはソース信号線18Rから映像データをコンデンサ19Rに書き込み、画素16Gはソース信号線18Gから映像データをコンデンサ19Gに書き込む。画素16Bはソース信号線18Bから映像データをコンデンサ19Bに書き込む。
画素16Rのトランジスタ11dは、ゲート信号線17bRに接続されている。また、画素16Gのトランジスタ11dはゲート信号線17bGに接続され、画素16Bのトランジスタ11dはゲート信号線17bBに接続されている。画素16RのEL素子15R、画素16GのEL素子15G、画素16BのEL素子15Bは別個にオンオフ制御することができる。つまり、EL素子15R、EL素子15G、EL素子15Bはそれぞれのゲート信号線17bR、17bG、17bBを制御することにより、点灯時間、点灯周期を個別に制御可能である。
図10の表示パネルの構成において、ゲート信号線17bRにオンオフ電圧を印加することにより、R画素16Rをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bGにオンオフ電圧を印加することにより、G画素16Gをオンオフ制御することができる。ゲート信号線17bBにオンオフ電圧を印加することにより、B画素16Bをオンオフ制御することができる。
また、以上の駆動を実現するためには、図11に図示するように、ゲート信号線17bRを制御するゲートドライバ回路12bR、ゲート信号線17bGを制御するゲートドライバ回路12bG、ゲート信号線17bBを制御するゲートドライバ回路12bBを形成または配置すればよい。
以上の実施の形態は、主としてシリコンチップからなるICでソースドライバ回路(IC)14を構成するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、アレイ基板30に直接にポリシリコン技術(CGS技術、低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術など)を用いて出力段回路91など(ポリシリコン電流保持回路92)を形成または構成してもよい。
図9はその実施の形態である。R、G、Bの出力段回路91(R用は91R、G用は91G、B用は91B)と、RGBの出力段回路91を選択するスイッチSがポリシリコン技術で形成(構成)されている。スイッチSは1H期間を時分割して動作する。基本的には、スイッチSは、1Hの1/3期間がRの出力段回路91Rに接続され、1Hの1/3期間がGの出力段回路91Gに接続され、残りの1Hの1/3期間がBの出力段回路91Bに接続される。
図9に図示するように、シフトレジスタ回路、サンプリング回路などを有するソースドライバ(回路)14は、出力端子93でソース信号線18と接続される。ポリシリコンからなるスイッチSが時分割で切り換えられ、出力段回路91R、91G、91Bに接続される。出力段回路91R、91G、91Bには、RGBの映像データからなる電流が保持される。なお、図9では、ポリシリコン電流保持回路92は1段分しか図示していないが、実際には2段構成されていることは言うまでもない。
図9では、スイッチSは、1Hの1/3期間がRの出力段回路91Rに接続され、1Hの1/3期間がGの出力段回路91Gに接続され、残りの1Hの1/3期間がBの出力段回路91Bに接続されると説明したが、本発明はこれに限定するものではない。R、G、Bを選択する期間は異なっていてもよい。これは、R、G、Bのプログラム電流Iwの大きさが異なっているためである。R、G、BでEL素子15の効率が異なるため、R、G、Bでプログラム電流の大きさが異なる。プログラム電流の大きさが小さいと、ソース信号線18の寄生容量の影響を受けやすいため、プログラム電流の印加期間を長くし、十分にソース信号線18の寄生容量の充放電期間を確保する必要がある。一方で、ソース信号線18の寄生容量の大きさは、R、G、Bで同一であることが多い。
以上の実施の形態では、RGBそれぞれに対応する画素16を同時に走査する構成であった。本発明はこの構成に限定するものではない。フレーム(フィールド)内で、RGBを個別に選択して画像表示を行っても良い。図12はその実施の形態である。
図12(a)は、1フレーム(1フィールド)期間にR表示領域63R、G表示領域63G、B表示領域63Bを画面の上から下方向(下方向から上方向でもよい)に走査する。RGBの表示領域以外の領域は非表示領域62とする。つまり、間欠駆動を実施する。R、G、Bの表示領域63は個別に間欠表示が実施される。
図12(b)は、1フィールド(1フレーム)期間にR、G、B表示領域63を複数発生するように実施した実施の形態である。この駆動方法は、図23の駆動方法と類似である。したがって、説明を必要としないであろう。図12(b)の表示領域63を複数に分割することにより、フリッカの発生は、より低フレームレートでも無くなる。
図13(a)は、RGBの表示領域63で表示領域63の面積を異ならせたものである。なお、表示領域63の面積は点灯期間に比例することは言うまでもない。図13(a)では、R表示領域63RとG表示領域63Gと面積を同一にしている。B表示領域63Bの面積を、G表示領域63Gより大きくしている。
有機EL表示パネルでは、Bの発光効率が悪い場合が多い。図13(a)のようにB表示領域63Bを他の色の表示領域63よりも大きくすることにより、効率よくホワイトバランスをとることができるようになる。また、R、G、B表示領域63の面積を変化させることにより、ホワイトバランス調整、色温度調整を容易に実現できる。
図13(b)は、1フィールド(フレーム)期間で、B表示期間63Bが複数(63B1、63B2)となるようにした実施の形態である。図13(a)は1つのB表示領域63Bを変化させる方法であった。変化させることによりホワイトバランスを良好に調整できるようにする。図13(b)は、同一面積のB表示領域63Bを複数表示させることにより、ホワイトバランス調整(補正)を良好にする。また、色温度補正(調整)を良好にする。たとえば、屋外と屋内で色温度を変化させることは有効である。たとえば、屋内では、色温度を低下させ、屋外では色温度を高くする。
本発明の駆動方式は、図12、図13のいずれに限定するものではない。また、図12、図13の駆動方法では、R、G、Bの表示領域63を発生し、間欠表示する。結果として動画ボケを解消でき、画素16への書き込み不足を改善する。
図13(a)と図13(b)とは組み合わせてもよいことはいうまでもない。たとえば、図13(a)のRGBの表示面積63を変化し、かつ図13(b)のRGBの表示領域63を複数発生させる駆動方法の実施である。
図6は、表示領域63を1つにした方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図14に図示するように、表示領域63と非表示領域62とを複数に分散させてもよい。
また、図14に図示するように、間欠する間隔(非表示領域62/表示領域63)は等間隔に限定するものではない。たとえば、ランダムでもよい(全体として、表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となればよい)。また、RGBで異なっていてもよい。つまり、白(ホワイト)バランスが最適になるように、R、G、B表示期間もしくは非表示期間が所定値(一定割合)となるように調整(設定)すればよい。
非表示領域62とは、ある時刻において非点灯EL素子15の画素16領域である。表示領域63とは、ある時刻において点灯EL素子15の画素16領域である。非表示領域62、表示領域63は、水平同期信号に同期して、1画素行ずつ位置がシフトしていく。
本発明の駆動方法の説明を容易にするため、1/Nとは、1F(1フィールドまたは1フレーム)を基準にしてこの1Fを1/Nにするとして説明する。しかし、1画素行が選択され、電流値がプログラムされる時間(通常、1水平走査期間(1H))があるし、また、走査状態によっては誤差も生じることは言うまでもない。もちろん、ゲート信号線17aからの突き抜け電圧によっても、理想状態から変化する。ここでは説明を容易にするため、理想状態として説明をする。
液晶表示パネルは、1F(1フィールドあるいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電流(電圧)を保持する。そのため、動画表示を行うと表示画像の輪郭ぼけが発生するという課題が発生する。
有機(無機)EL表示パネル(表示装置)も1F(1フィールドあるいは1フレーム)の期間の間は、画素に書き込んだ電流(電圧)を保持する。したがって、液晶表示パネルと同様の課題が発生する。一方、CRTのように電子銃で線表示の集合として画像を表示するディスプレイは、人間の眼の残像特性を用いて画像表示を行うため、動画表示画像の輪郭ぼけは発生しない。
本発明の駆動方法では、1F/Nの期間の間だけ、EL素子15に電流を流し、他の期間(1F(N−1)/N)は電流を流さない。本発明の駆動方式を実施し画面の一点を観測した場合を考える。この表示状態では、1Fごとに画像データ表示、黒表示(非点灯)が繰り返し表示される。つまり、画像データ表示状態が時間的に間欠表示状態となる。動画データ表示を、間欠表示状態でみると画像の輪郭ぼけがなくなり良好な表示状態を実現できる。つまり、CRTに近い動画表示を実現することができる。
本発明の駆動方法では、間欠表示を実現する。しかし、間欠表示を実施するにあたり、トランジスタ11dは最大でも1H周期でオンオフ制御するだけでよい。したがって、回路のメインクロックは従来と変わらないため、回路の消費電力が増加することもない。液晶表示パネルでは、間欠表示を実現するために画像メモリが必要である。本発明では、画像データは各画素16に保持されている。そのため、本発明の駆動方法において、間欠表示を実施するための画像メモリは不要である。
本発明の駆動方法は、スイッチングのトランジスタ11d(図1などを参照のこと)などをオンオフさせるだけでEL素子15に流す電流を制御する。つまり、EL素子15に流れる電流Iwをオフしても、画像データはそのまま画素16のコンデンサ19に保持されている。したがって、次のタイミングでスイッチング素子11dなどをオンさせ、EL素子15に電流を流せば、その流れる電流は前に流れていた電流値と同一である。
本発明では、黒挿入(黒表示などの間欠表示)を実現する際においても、回路のメインクロックをあげる必要がない。また、時間軸伸張を実施する必要もないため、画像メモリも不要である。また、有機EL素子15は、電流を印加してから発光するまでの時間が短く、高速に応答する。そのため、動画表示に適し、さらに間欠表示を実施することにより、従来のデータ保持型の表示パネル(液晶表示パネル、EL表示パネルなど)の問題である動画表示の問題を解決できる。
さらに、大型の表示装置でソース信号線18の配線長が長くなり、ソース信号線18の寄生容量が大きくなる場合は、N値を大きくすることにより対応できる。ソース信号線18に印加するプログラム電流値をN倍にした場合、ゲート信号線17b(トランジスタ11d)の導通期間を1F/Nとすればよい。これにより、テレビ、モニターなどの大型表示装置などにも適用が可能である。
電流駆動では、特に黒レベルの画像表示では、20nA以下の微小電流で画素のコンデンサ19をプログラムする必要がある。したがって、寄生容量が所定値以上の大きさで発生すると、1画素行にプログラムする時間(基本的には1H以内である。ただし、2画素行を同時に書き込む場合もあるので1H以内に限定されるものではない。)内に寄生容量を充放電することができない。1H期間で充放電できなれば、画素への書き込み不足となり、解像度がでない。
図1の画素構成の場合、図5(a)に示すように、電流プログラム時は、プログラム電流Iwがソース信号線18に流れる。この電流Iwがトランジスタ11aを流れ、Iwを流す電流が保持されるように、コンデンサ19に電圧設定(プログラム)される。このとき、トランジスタ11dはオープン状態(オフ状態)である。
次に、EL素子15に電流を流す期間は、図5(b)のように、トランジスタ11c、11bがオフし、トランジスタ11dが動作する。つまり、ゲート信号線17aにオフ電圧(Vgh)が印加され、トランジスタ11b、11cがオフする。一方、ゲート信号線17bにオン電圧(Vgl)が印加され、トランジスタ11dがオンする。
プログラム電流Iwが本来流す電流(所定値)のN倍であるとすると、図5(b)のEL素子15に流れる電流Ieも10倍になる。したがって、所定値の10倍の輝度でEL素子15は発光する。つまり、図18に図示するように、倍率Nを高くするほど、画素16の瞬時の表示輝度Bも高くなる。基本的には倍率Nと画素16の輝度とは比例関係となる。
なお、本発明は、画素構成が電流プログラム方式のみに限定されない。たとえば、図26のような電圧プログラム方式の画素構成にも適用できる。1フレーム(フィールド)の所定期間を高い輝度で表示し、他の期間を非点灯状態にすることが、電圧駆動方式においても、動画表示性能の向上などに有効だからである。また、電圧駆動方式においても、ソース信号線18の寄生容量の影響は無視できない。特に大型EL表示パネルにおいて、寄生容量が大きいため、本発明の駆動方法を実施することは効果がある。以上の事項は、本発明の他の実施の形態においても同様である。
図6(a)に図示するように、書き込み画素行61を含む画素行が非点灯領域62とし、書き込み画素行61よりも上画面のS/N(時間的には1F/N)の範囲を表示領域63とする(書き込み走査が画面の上から下方向の場合、画面を下から上に走査する場合は、その逆となる)。画像表示状態は、表示領域63が帯状になって、画面の上から下に移動する。
図6の表示では、1つの表示領域63が画面の上から下方向に移動する。フレームレートが低いと、表示領域63が移動するのが視覚的に認識される。特に、まぶたを閉じた時、あるいは顔を上下に移動させた時などに認識されやすくなる。
この課題に対しては、図14に図示するように、表示領域63を複数に分割するとよい。この分割された総和がS(N−1)/Nの面積となれば、図6の明るさと同等になる。なお、分割された表示領域63は等しく(等分に)する必要はない。また、分割された非表示領域62も等しくする必要はない。
以上のように、表示領域63を複数に分割することにより画面のちらつきは減少する。したがって、フリッカの発生はなく、良好な画像表示を実現できる。なお、分割はもっと細かくしてもよい。しかし、分割するほど動画表示性能は低下する。
図15は、ゲート信号線17の電圧波形およびELの発光輝度を図示している。図15で明らかなように、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)している。つまり、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施する。このように制御すれば、フリッカの発生を抑制でき、低フレームレートの画像表示を実現できる。
画像の分割数は可変できるように構成することが好ましい。たとえば、ユーザーが明るさ調整スイッチを押すことにより、あるいは明るさ調整ボリウムを回すことにより、この変化を検出してKの値を変更してもよい。また、ユーザーが輝度を調整するように構成してもよい。表示する画像の内容、データにより手動で、あるいは自動的に変化させるように構成してもよい。
図15などにおいて、ゲート信号線17bをVglにする期間(1F/N)を複数に分割(分割数K)し、Vglにする期間は1F/(K・N)の期間をK回実施するとしたが、これ限定するものではない。1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施してもよい。つまり、本発明は、EL素子15に流す期間(時間)を制御することにより表示画面64を表示するものである。したがって、1F/(K・N)の期間をL(L≠K)回実施することは本発明の技術的思想に含まれる。また、Lの値を変化させることにより、表示画面64の輝度をデジタル的に変更することができる。たとえば、L=2とL=3では50%の輝度(コントラスト)変化となる。また、画像の表示領域63を分割する時、ゲート信号線17bをVglにする期間は、同一期間に限定するものではない。
図16は、2画素行を同時に選択する駆動方法の実施の形態である。理想的には、2画素(行)のトランジスタ11aが、それぞれがIw×5(N=10の場合。つまり、K=2であるから、ソース信号線18に流れる電流はIw×K×5=Iw×10となる)の電流をソース信号線18に流す。そして、各画素16のコンデンサ19には、5倍の電流がプログラムされ保持される。
同時に選択する画素行が2画素行(K=2)であるから、2つの駆動用トランジスタ11aが動作する。つまり、1画素あたり、10/2=5倍の電流がトランジスタ11aに流れる。ソース信号線18には、2つのトランジスタ11aのプログラム電流を加えた電流が流れる。
たとえば、書き込み画素行61aに、本来、書き込む電流Idとし、ソース信号線18には、Iw×10の電流を流す。書き込み画素行61bは、後に正規の画像データが書き込まれるので問題がない。画素行61bは、1H期間の間は61aと同一表示である。そのため、書き込み画素行61aと電流を増加させるために選択した画素行61bとを少なくとも非表示状態62とするのである。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(1)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(3)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(3)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することにより、画素行(1)には正規の画像データが保持される。
次の、1H後には、ゲート信号線17a(2)は非選択となり、ゲート信号線17bにはオン電圧(Vgl)が印加される。また、同時に、ゲート信号線17a(4)が選択され(Vgl電圧)、選択された画素行(4)のトランジスタ11aからソースドライバ14に向かってソース信号線18にプログラム電流が流れる。このように動作することにより、画素行(2)には正規の画像データが保持される。以上の動作と1画素行ずつシフト(もちろん、複数画素行ずつシフトしてもよい。たとえば、擬似インターレース駆動であれば、2行ずつシフトするであろう。また、画像表示の観点から、複数の画素行に同一画像を書き込む場合もあるであろう)しながら走査することにより1画面が書き換えられる。
図16(a)(b)に図示するように、2本の書き込み画素行61(61a、61b)が選択され、画面64の上辺から下辺に順次選択されていく。しかし、図16(b)のように、画面の下辺までくると書き込み画素行61aは存在するが、61bはなくなる。つまり、選択する画素行が1本しかなくなる。そのため、ソース信号線18に印加された電流は、すべて画素行61aに書き込まれる。したがって、画素行61aに比較して、2倍の電流が画素にプログラムされてしまう。
この課題に対して、本発明は、図16(b)に図示するように画面64の下辺にダミー画素行161を形成(配置)している。したがって、選択画素行が画面64の下辺まで選択された場合は、画面64の最終画素行とダミー画素行161が選択される。そのため、図16(b)の書き込み画素行には、規定どおりの電流が書き込まれる。なお、ダミー画素行161は表示領域64の上端あるいは下端に隣接して形成したように図示したが、これに限定するものではない。表示領域64から離れた位置に形成されていてもよい。また、ダミー画素行161は、図1のスイッチングトランジスタ11d、EL素子15などは形成する必要はない。形成しないことにより、ダミー画素行161のサイズは小さくなるからパネルの額縁を短くすることができる。
図17は、図16(b)の状態を示している。図17で明らかのように、選択画素行が画面64の下辺の画素16c行まで選択された場合は、画面64の最終画素行161が選択される。ダミー画素行161は表示領域64外に配置する。つまり、ダミー画素行161は点灯しない、あるいは点灯させない、もしくは点灯しても表示として見えないように構成する。たとえば、画素電極とトランジスタ11とのコンタクトホールをなくすとか、ダミー画素行にはEL素子15を形成しないとかである。図17のダミー画素行161は、EL素子15、トランジスタ11d、ゲート信号線17bを図示しているが、駆動方法の実施には不必要である。実際に開発した本発明の表示パネルでは、ダミー画素行161にはEL素子15、トランジスタ11d、ゲート信号線17bを形成していない。ただし、画素電極を形成することが好ましい。画素内の寄生容量が他の画素16と同一にならず、保持されるプログラム電流に差異が発生する場合があるからである。
図16(a)(b)では、画面64の下辺にダミー画素(行)161を設ける(形成する、配置する)としたが、これに限定するものではない。たとえば、上下逆転走査する場合は、画面64の上辺にもダミー画素行161を形成すべきである。つまり、画面64の上辺と下辺のそれぞれにダミー画素行161を形成(配置)する。以上のように構成することにより、画面の上下反転走査にも対応できるようになる。
以上の実施の形態は、2画素行を同時選択する場合であった。本発明はこれに限定するものではなく、たとえば、5画素行を同時選択する方式でもよい。つまり、5画素行同時駆動の場合は、ダミー画素行161は4行分形成すればよい。
ダミー画素行161数は、同時に選択する画素行数M−1の画素行を形成すればよい。たとえば、同時に選択する画素行が5画素行であれば、書き込み画素行61は4画素行である。同時に選択する画素行が10画素行であれば、10−1=9画素行である。
図16は、ダミー画素行161を形成する場合における、ダミー画素行の配置位置の説明図である。基本的に、表示パネルは上下反転駆動するとして、ダミー画素行161を画面64の上下に配置している。
図16などのように、同時に複数の画素行を選択する駆動方式では、図244などに図示するように駆動用トランジスタ11aを配置することが好ましい。同時に選択する複数の画素行に同一の駆動用トランジスタ11aを選択することができるため、1つの駆動用トランジスタ11aの特性にバラツキが発生していても複数の駆動用トランジスタ11aで平均化されるためである。図244などでは、説明を容易にするために駆動用トランジスタ11aをトランジスタ2431と図示している。
図244では、図示するように、駆動用トランジスタ2431は複数の画素16にまたがって形成されている。なお、トランジスタ2431が隣接した画素にまたがって形成されているとしたが、トランジスタ2431のチャンネルが上下に隣接した画素にまたがって形成されていると考えても良い。
図244では、画素16aには、トランジスタ2341a、2341b、2341cが形成されている。画素16aの次に選択される画素16bにも同様に、トランジスタ2341a、2341b、2341cが形成されている。画素16aと16bでは、トランジスタ2431aと2431cが共通になっている。トランジスタ2431bは、さらに次の画素16cと共通になっている。
以上のように、トランジスタ2431を上下に隣接した画素で共通にすることにより、図16の駆動方法のように複数の画素16を選択する方式では、各画素16の駆動用トランジスタの特性バラツキが平均化され、良好な画像表示を実現できる。
図245は、図244の変形例である。図244と図245の差違は、図245では、3画素に渡りトランジスタ2431が共通になるように形成または配置されている点である。画素16a、16b、16cには、トランジスタ2341a、2341b、2341cが形成されている。画素16aと16bでは、トランジスタ2431aと2431cが共通になっている。画素16bと16cでは、トランジスタ2431bと2431cが共通になっている。画素16cと16dでは、トランジスタ2431bが共通になっている。また、画素16a、16b、16cでは、トランジスタ2431cが共通になっている。
以上のように、トランジスタ2431を上下に隣接した複数の画素で共通にすることにより、図16の駆動方法のように複数の画素16を選択する方式では、各画素16の駆動用トランジスタの特性バラツキが平均化され、良好な画像表示を実現できる。
図246では、2画素に渡りトランジスタ2431a、2431bが共通になるように形成または配置されている。画素16a、16b・・・・・には、トランジスタ2341a、2341bが形成されている。画素16aと16bでは、トランジスタ2431bが共通になっている。同様に画素16bと16cでは、トランジスタ2431bが共通になっている。
以上のように、トランジスタ2431を上下に隣接した複数の画素で共通にすることにより、図16の駆動方法のように複数の画素16を選択する方式では、各画素16の駆動用トランジスタの特性バラツキが平均化され、良好な画像表示を実現できる。
図244〜図246の実施の形態において、図247に図示するように、レーザーアニール時のレーザーショットの長手方向(aa’)はソース信号線18の形成方向に一致させることが好ましい。レーザーヘッドは、図247に図示するように、bb’方向に走査する。画素列方向に駆動用トランジスタ11a(2431)の特性が一致しやすいからである。
図15の駆動方式でも発生するが、特に図6のように、非表示領域62を一括で挿入する方式では、外光との干渉によるフリッカが発生しやすい。たとえば、外光の蛍光灯の周波数が60Hzで、表示パネルの1フレームが60Hzのように、一致あるいは近似するときに、干渉が発生する。また、カソード電極36での外光反射による干渉も問題となる。この課題は、以下に説明するように、表示パネルの非表示領域62もしくは表示領域63の1サイクルが、外光(蛍光灯)の点滅サイクルに一致しないようにすることで解決する。表示パネルの非表示領域の1サイクルが、外光(蛍光灯)の点滅サイクルに一致しないようにすることで解決する。
図250(a)に図示するように、ゲートドライバ12aを制御することにより、ゲート信号線17aを順次選択走査し、ソース信号線18に印加された映像データを画素16(画素行61)に書き込む(図250(b)のAで図示している)。この映像データの書きこみ周期である1フレームは固定である。また、ゲートドライバ12bを制御することにより、ゲート信号線17bを順次選択走査し、画面64の非表示領域62または表示領域63を制御する(図250(b)のBで図示している)。この1サイクルの制御は、ゲートドライバ12aの動作と独立で制御できる。
ゲートドライバ12aは、1フレーム(1フィールド)の走査線数で1画素行シフト動作する時間が決定されている(1水平走査期間)。デジタル映像信号で1フレームは525水平走査期間であり、1フィールド(偶数フィールドと奇数フィールドでは異なる)は、262水平走査期間である。図249(a)のAはゲートドライバ12aの動作を図示している。図249(a)のAに図示するように、ゲートドライバ12aの動作を制御するカウンタ(カウンタの値は、選択するゲート信号線17aを示す)の値は、0から261である。この0から261である262水平走査期間が1フィールドである。
ゲートドライバ12bは、図249(a)のBに図示するように、カウンタの値によって、画素行シフト動作する時間が決定されている。カウンタBは8ビットで構成されている。したがって、0から255の値がカウントできる。8ビットにしているのは、カウンタAでカウントする値が0〜262(263)であるため、その値に最も近く、かつ最大の2の乗数から決定している。カウンタBは選択されるゲート信号線17bを示しているのではない。カウンタBに同期してゲートドライバ12bへのスタートパルスのオンオフが制御される。スタートパルスは、LレベルまたはHレベルが入力される(入力データ)。この入力データは、ゲートドライバ12bのシフトレジスタ内を順次シフトされる。シフトされる入力データがHレベルの時、その入力データ位置に対応するゲート信号線17bにはオン電圧が印加され、対応する画素行が表示領域63となる。シフトされる入力データがLレベルの時、その入力データ位置に対応するゲート信号線17bにはオフ電圧が印加され、対応する画素行が非表示領域62となる。表示領域63および非表示領域62は、ゲートドライバ12b内をシフトする入力データにより位置が変化する。
カウンタBはゲートドライバ12bの動作を図示している。図249(a)のBに図示するように、ゲートドライバ12bの動作を制御するカウンタ(カウンタの値は、ゲートドライバ12bへのスタートパルスの順番(位置)を示す)の値は、0から255である。この0から255、つまり、256水平走査期間が1サイクルである。なお、ゲートドライバ12の制御は図8など参照のこと。
以上の実施の形態より、ゲートドライバ12aを制御する1周期は262(263)水平走査期間であり、ゲートドライバ12bを制御する1周期は256水平走査期間である。したがって、走査期間が異なる。つまり、画素行61に映像データを書き込む周期と、表示領域63あるいは非表示領域62を制御する周期とが異なる。したがって、外光の蛍光灯の周波数の60Hzと表示パネルの1フレームが60Hzと一致あるいは近似していても、表示パネルの非表示領域62もしくは表示領域63の1サイクルが、外光(蛍光灯)の点滅サイクルに一致しないようにしているため、外光(蛍光灯)との干渉が発生しない。
本発明は、図249(b)に図示するように実施しても良い。図249(a)と図249(b)との差違は、カウンタBの動作である。カウンタBは、カウンタAの1サイクル(0〜261(262))でリセットされ、カウンタ0となる。つまり、カウンタBはカウンタAと同期が取られている。カウンタBは、255の次のクロックで0にクリアされ、さらにカウントアップされて、5までカウントされる(1フィールドが262水平走査期間の場合)。Aカウンタが261までカウントされると、次のクロックでAカウンタ、Bカウンタは0にクリアされる。
ゲートドライバ12bは、図249(b)のBに図示するように、カウンタの値によって、画素行シフト動作する時間が決定されている。図249(a)と同様に、カウンタBは8ビットで構成されている。したがって、0から255の値がカウントできる。
以上の図249(b)の実施の形態より、ゲートドライバ12aを制御する1周期は262(263)水平走査期間であり、ゲートドライバ12bを制御する1周期は結果的にAカウンタと同一の262(263)水平走査期間である。AカウンタとBカウンタとは、起点(最初はカウンタAとカウンタBともに0クリアされている)は一致するが、画素行61に映像データを書き込む周期と、表示領域63あるいは非表示領域62を制御する周期とが異なる。したがって、外光の蛍光灯の周波数の60Hzが表示パネルの1フレームの60Hzと一致あるいは近似していても、表示パネルの非表示領域62もしくは表示領域63の1サイクルが、外光(蛍光灯)の点滅サイクルに一致しないようにしているため、外光(蛍光灯)との干渉が発生しない。
以上のようにゲートドライバ12bを制御するカウンタは、255などの2の乗数にすることにより制御が容易になる。カウンタの値が最高値までカウントされれば、次のクロックで0にクリアされるからである。また、図249(a)のゲートドライバ12aを制御するAのカウンタと、ゲートドライバ12bを制御するBのカウンタとを同一のクロックで動作させることにより、ハード構成が容易になり、ゲートドライバ12(12a、12b)の制御が容易になる。
なお、図249に図示するように、ゲートドライバ12bの動作タイミングは、ゲートドライバ12aと一定の同期をとる(開始タイミングを一致させるなど)ことに限定するのではなく、ゲートドライバ12bの動作タイミングは、ランダム化してもよい。また、フレームまたはフィールドごとに動作タイミングを変化させてもよい。また、点灯率あるいはduty比、基準電流比により、動作タイミング、ゲートドライバ12bのシフトレジスタのシフト周波数、スタートパルスの入力数あるいは入力タイミングを変化あるいは調整または可変してもよいことは言うまでもない。また、ゲートドライバ12aの動作クロックと、ゲートドライバ12bの動作クロックとを変化させてもよい。たとえば、水晶によるクロック周波数をゲートドライバ12aと12bで別回路とすることが例示される。
図248、図249などの実施の形態は、図7、図12、図13、図14、図16、図114〜図132などで説明した駆動方式と組み合わせてもよいことは言うまでもない。
以上の事項は、非表示または表示領域制御を、画素行に映像データを書き込む書きこみ周期と独立制御することにより実現できる。つまり、画素行に映像データを書き込むゲートドライバ12aと、非表示または表示領域制御するゲートドライバ12bとを具備することにより実現できる。もしくは、EL素子15と駆動用トランジスタ11a間に供給電流をオンオフ制御できるスイッチ用トランジスタ11dなどを具備することにより実現できる。したがって、電流プログラム方式の1つであるカレントミラー方式であっても、図11に図示するように、駆動用トランジスタ11bとEL素子15間にスイッチング素子としてのトランジスタ11eを形成または配置することにより、EL素子15に流れる電流をオンオフすることができる。したがって、前述の駆動方式を実現できる。図18などのカレントミラーの画素構成にも適用することができる。また、図21(a)、(b)、(c)にも適用できることは言うまでもない。
以上の実施の形態は、1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式、あるいは、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。画像データに応じて1画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式と、複数の画素行を順次選択し画素に電流プログラムを行う方式を組み合わせてもよい。
以上の事項は、電流プログラム方式の1つであるカレントミラー方式であっても、図11に図示するように、駆動用トランジスタ11bとEL素子15間にスイッチング素子としてのトランジスタ11eを形成または配置することにより、EL素子15に流れる電流をオンオフすることができる。したがって、前述の駆動方式を実現できる。もちろん、電圧プログラム方式の画素構成であっても、本発明の駆動方式を実施できることはいうまでもない。
図1などで説明した画素構成では、駆動用トランジスタ11aは各画素16に1つの構成である。しかし、本発明において、駆動用トランジスタ11aは1つに限定されるものではない。たとえば、図19の画素構成が例示される。
図19は、画素16を構成するトランジスタ数を6個とし、プログラム用トランジスタ11anは、トランジスタ11b2とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成し、駆動用トランジスタ11a1は、トランジスタ11b1とトランジスタ11cの2個のトランジスタを経由してソース信号線18に接続されるように構成した実施の形態である。
図19において、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とプログラム用トランジスタ11anのゲート端子とを共通にしている。トランジスタ11b1は、電流プログラム時に駆動用トランジスタ11a1のドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。トランジスタ11b2は電流プログラム時にプログラム用トランジスタ11anのドレイン端子とゲート端子とを短絡するように動作する。
トランジスタ11cは、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子に接続されており、トランジスタ11dは、駆動用トランジスタ11a1とEL素子15間に形成または配置され、EL素子15に流れる電流を制御する。また、駆動用トランジスタ11a1のゲート端子とアノード(Vdd)端子間には付加コンデンサ19が形成または配置されており、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anのソース端子はアノード(Vdd)端子に接続されている。
以上のように、駆動用トランジスタ11a1とプログラム用トランジスタ11anが同一数のトランジスタを通過するように構成することにより、精度を向上させることができる。つまり、駆動用トランジスタ11a1を流れる電流は、トランジスタ11b1、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。また、プログラム用トランジスタ11anを流れる電流は、トランジスタ11b2、トランジスタ11cを通じてソース信号線18に流れる。したがって、駆動用トランジスタ11a1の電流と、プログラム用トランジスタ11anの電流は、同数の2つのトランジスタを通過してソース信号線18に流れるように構成されている。
図19では、駆動用トランジスタ11anを1つのトランジスタとして図示しているが、これに限定するものではない。駆動用トランジスタ11anは、同一チャンネル幅W、同一チャンネル長Lあるいは同一WL比の複数のトランジスタから構成してもよい。また、駆動用トランジスタ11a1の駆動用トランジスタ11anと、同一チャンネル幅W、同一チャンネル長Lあるいは同一WL比にすることが好ましい。同一WLあるいはWL比のトランジスタを複数形成する方が、各トランジスタ11aの出力バラツキが小さくなり、また画素16間のばらつきも少なくなり好ましい。
ゲート信号線17aに選択電圧(オン電圧)が印加されると、トランジスタ11anとトランジスタ11a1からの電流が合成されたものがプログラム電流Iwとなる。このプログラム電流Iwを、駆動用トランジスタ11a1からEL素子15に流れる電流Ieの所定倍率にする。
Iw=n・Ie(nは1以上の自然数)
上式において、表示パネルの最大白ラスターでの表示輝度B(nt)、表示パネルの画素面積S(平方ミリメートル)(画素面積は、RGBを1単位として取り扱う。したがって、各R、G、Bの絵素が縦0.1mm、横0.05mmであれば、S=0.1×(0.05×3)(平方ミリメートル)である)、表示パネルの1画素行選択期間(1水平走査(1H)期間)をH(ミリ秒)としたとき、以下の条件を満足するようにする。なお、表示輝度Bは、パネル仕様に規定する表示できる最大輝度である。
5 ≦ (B・S)/(n・H) ≦ 222
さらに好ましくは、以下の条件を満足するようにする。
10 ≦ (B・S)/(n・H) ≦ 100
Iwはソースドライバ回路(IC)14が出力するプログラム電流であり、このプログラム電流に対応する電圧が、画素16のコンデンサ19にホールドされる。また、Ieは駆動用トランジスタ11a1がEL素子15に流す電流である。
トランジスタ11a1、トランジスタ11anの出力ばらつきに関しては、トランジスタ11anと駆動用トランジスタ11a1を近接させて形成または配置することにより改善できる。また、トランジスタ11an、トランジスタ11a1の特性は、形成方向によっても特性が異なる場合がある。したがって、同一方向に形成することが好ましい。
ゲート信号線17aが選択されると、駆動用トランジスタ11a1およびプログラム用トランジスタ11anの両方がオンする。駆動用トランジスタ11a1が流す電流Iw1と、プログラム用トランジスタ11a1が流す電流Iw2とは、略一致させることが好ましい。最も好ましくは、プログラム用トランジスタ11anと駆動用トランジスタ11a1のサイズ(W、L)を一致させることである。つまり、Iw1=Iw2、Iw=2Ieの関係を満足させることが好ましい。もちろん、Iw1=Iw2の関係を満足させるには、トランジスタサイズ(W、L)を一致させることに限定されるものではなく、サイズを変化することにより一致させてもよい。これは、トランジスタのWLを調整することにより容易に実現できる。略Iw2/Iw1=1であれば、トランジスタ11b1とトランジスタ11b1のサイズは略一致して構成あるいは形成することができる。
なお、Iw2/Iw1は、1以上10以下の関係を満足させておくことが好ましい。さらに好ましくは、1.5以上5以下の関係を満足させておくことが好ましい。
Iw2/Iw1が1以下では、ほとんど、ソース信号線18の寄生容量の影響を改善する効果は見込めない。一方Iw2/Iw1が10以上となると、Iwに対するIeの関係に画素ごとにばらつきが発生し、均一な画像表示が実現できない。また、トランジスタ11bのオン抵抗の影響を大きく受けるようになり、画素設計も困難になる。
プログラム用トランジスタ11anが流す電流Iw2が、駆動用トランジスタ11a1が流す電流Iw1に比較して一定以上大きい場合(Iw2 > Iw1)は、スイッチング用トランジスタ11b2のオン抵抗を、スイッチング用トランジスタ11b1のオン抵抗よりも小さくする必要がある。スイッチング用トランジスタ11b2は、トランジスタ11b1よりも大きな電流を、同一のゲート信号線17aの電圧に対して流すように構成する必要があるからである。
つまり、駆動用トランジスタ11a1の出力電流の大きさに対するトランジスタ11b1の大きさと、プログラム用トランジスタ11anの出力電流の大きさに対するトランジスタ11b2の大きさをマッチングさせる必要がある。
言い換えれば、プログラム電流Iw2、プログラム電流Iw1に対して、トランジスタ11bのオン抵抗を変化させる必要がある。また、プログラム電流Iw2、プログラム電流Iw1に対して、トランジスタ11b1と11b2のサイズを変化させる必要がある。
プログラム電流Iw2がプログラム電流Iw1よりも大きければ、トランジスタ11b2のオン抵抗はトランジスタ11b1のオン抵抗よりも小さくする必要がある(トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のゲート端子電圧が同一の場合である)。プログラム電流Iw2がプログラム電流Iw1よりも大きければ、トランジスタ11b2のオン電流(Iw2)はトランジスタ11b1のオン電流(Iw1)よりも大きくする必要がある(トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のゲート端子電圧が同一の場合である)。
Iw2:Iw1=n:1とし、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11b1とトランジスタ11b2がオンしたときのトランジスタ11b2のオン抵抗をR2、トランジスタ11b1のオン抵抗をR1とする。この時、R2は、R1/(n+5)以上、R1/(n)以下の関係を満足するように構成する。構成するとは、トランジスタ11bの所定のサイズに形成する、あるいは配置する、もしくは動作させる意味である。ただし、nは1よりも大きな値である。
上記事項は、トランジスタ11b1とトランジスタ11b2のオン抵抗Rあるいは、プログラム電流Iwの説明である。したがって、上記条件を満足するように画素構成を実現すればいずれの構成でもよい。たとえば、トランジスタ11b1のゲート端子に接続されたゲート信号線17と、トランジスタ11b2のゲート端子に接続されたゲート信号線17とが異なる信号線の場合は、各ゲート信号線に印加する電圧を変化させれば、オン抵抗などを変化でき、本発明の条件を満足させることできる。
図20は、図19の画素構成の動作の説明図である。図20(a)は電流プログラム状態であり、図20(b)はEL素子15に電流を供給している状態である。なお、図20(b)の状態で、トランジスタ11dをオンオフさせて間欠表示を実施してもよいことは言うまでもない。
図20(a)では、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、トランジスタ11b1、11b2、11cがオンする。トランジスタ11a1は電流Ieを供給し、トランジスタ11anは電流Iw−Ieを供給し、合成した電流IwがソースドライバIcのプログラム電流となる。以上の動作により、プログラム電流Iwに対応する電圧がコンデンサ19に保持される。電流プログラム時には、トランジスタ11dはオフ状態に保持される(ゲート信号線17bにはオフ電圧が印加されている)。
EL素子15に電流を流す場合が、図20(b)の動作状態にされる。ゲート信号線17aにオフ電圧が印加され、ゲート信号線17bにオン電圧が印加される。この状態では、トランジスタ11b1、11b2、11cがオフ状態になり、トランジスタ11dがオン状態になる。EL素子15にIe電流が供給される。
以上の実施の形態は、主として図1の変形例の実施の形態であった。本発明はこれに限定するものではなく、図18などのカレントミラーの画素構成にも適用することができる。また、図21(a)、(b)、(c)にも適用できることは言うまでもない。
また、図1などの画素構成は、トランジスタ11dによりEL素子15に流す電流をトランジスタ11dにより制御するものであったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図215に図示するように、トランジスタ11dがなくともEL素子15に印加する電流をオンオフ制御することができる。
図215では、ゲートドライバ回路12bは、ゲート信号線17bを制御し、ゲート信号線17bの電位は、Vdd電圧と、それより低い電圧であるEL素子15に電流が流れない電圧Vgで駆動される。つまり、ゲート信号線17bには、Vdd電圧とVg電圧が出力される。ゲート信号線17bにVdd電圧が印加されたときは、EL素子15に電流が流れ、ゲート信号線17bにVg電圧が印加されたときには、EL素子15には電流が流れない。図215の画素構成では、トランジスタ11dがなくとも、ゲートドライバ11bの制御によりDuty比制御、基準電流比制御、点灯率制御が実現できる。
理解を容易にするため、映像データとプログラム電流は比例の関係で変換されるとして説明する。実際はさらに容易に、映像データとプログラム電流とを変換できる。図22に図示するように、本発明は、単位トランジスタ224の単位電流が映像データの1に該当するからである。さらに、単位電流は基準電流回路を調整することにより、容易に任意の値に調整できるからである。また、基準電流はR、G、B回路ごとに設けられており、RGB回路に基準電流回路を調整することにより全階調範囲にわたりホワイトバランスをとることができるからである。このことは、電流プログラム方式で、かつ本発明のソースドライバ回路(IC)14、表示パネル構成の相乗効果である。
EL表示パネルでは、プログラム電流とEL素子15の発光輝度が線形の関係にあるという特徴がある。このことは電流プログラム方式の大きな特徴である。つまり、プログラム電流の大きさを制御すれば、リニアにEL素子15の発光輝度を調整できる。
駆動用トランジスタ11aは、ゲート端子に印加した電圧と、駆動用トランジスタ11aが流す電流とは非線形である(2乗カーブになることが多い)。したがって、電圧プログラム方式では、プログラム電圧と発光輝度とは非線形の関係にあり、きわめて発光制御が困難である。電圧プログラムに比較して電流プログラム方式では極めて発光制御が容易である。
以下、図22、図23を参照しながら、本発明のソースドライバ回路(IC)14について説明をする。ソースドライバ回路(IC)14は、出力端子数に対応する出力段(トランジスタ群)251cが形成または配置されている。各出力段251cには、映像信号のビット数に対応するトランジスタ(電流源(1単位)電流)224が形成または配置されている。たとえば、映像信号が6ビット(D0〜D5)の場合は、2の6乗−1=63個のトランジスタ224が形成される。映像信号が8ビット(D0〜D7)の場合は、2の8乗−1=255個のトランジスタ224が形成される。
各トランジスタ224は、映像データビット(D0〜D5)ごとに配置される。D0ビットには1つのトランジスタ224が配置される。D1ビットには2つのトランジスタ224が配置される。D2ビットには4つのトランジスタ224が配置され、D3ビットには8つのトランジスタ224が配置され、D4ビットには16個のトランジスタ224が配置される。同様に、D5ビットには32個のトランジスタ224が配置される。
各ビットのトランジスタ224の出力電流が出力端子93に出力されるか否かは、アナログスイッチ221(221a〜221f)によるオンオフ制御で実現される。アナログスイッチ221a〜221fは、映像信号の各ビット(一例として6ビット)に対応する。D0ビットに対応するスイッチ221aが閉じると、1単位電流が出力端子93から出力(入力)される。出力端子93には、ソース信号線18が接続されている。同様に、D1ビットに対応するスイッチ221bが閉じると、2単位電流が出力端子93から出力(入力)される。以下、D2ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、4単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D3ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、8単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D4ビットに対応するスイッチ221dが閉じると、16単位電流が出力端子93から出力(入力)され、D5ビットに対応するスイッチ221cが閉じると、32単位電流が出力端子93から出力(入力)される。以上のように、映像信号のビットに対応して、デジタル的にスイッチ221がクローズまたはオープンし、映像信号に応じて電流(プログラム電流)が出力端子93から出力される。
また、プログラム電流は内部配線222を流れる。内部配線222の電位Vwは、ソース信号線18の電位となる。ソース信号線18の電位は、電流プログラム時は、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート電圧である。
単位トランジスタ224はトランジスタ228bとカレントミラー回路を構成している。なお、図22、図23では、単位トランジスタ224とカレントミラー回路を構成するトランジスタ228bを1つと図示しているが、実際は、複数のトランジスタ(トランジスタ群)で構成(形成)(図28を参照のこと)される。トランジスタ228bとトランジスタ群251cとは、所定のカレントミラー比でカレントミラー回路を構成する。
トランジスタ228bには基準電流Icが流れ、この基準電流Icのカレントミラー比に応じた電流が単位トランジスタ224に流れる。図22の63個の単位トランジスタ224はすべて同一の単位電流を出力する。ただし、単位電流が流れるためには、該当のスイッチ221が閉じ、電流経路を構成する必要がある。
基準電流Icは、オペアンプ231aと抵抗R1からなる定電流回路で発生する。基準電流Icは、基準電圧Vsを安定化かつ高精度化することにより一定化する。基準電流Icを設定する電圧ViとVsが抵抗R1の両端に印加される。したがって、基準電流Ic=(Vs−Vi)/R1となる。基準電流IcはRGBごとに設定することができる。つまり、RGBごとにトランジスタ群251cが構成(形成)されている。前記トランジスタ群251cのトランジスタ228bに流れる電流Icを設定(調整)できる。
図23(a)は、基準電流IcをVs電圧を用いて発生する回路構成である。図23(b)は、GNDとオペアンプ231aの−端子間に配置(挿入)された抵抗R1を用いて基本的な電流を発生させ、トランジスタ232bとトランジスタ228aからなるカレントミラー回路で折り返し、トランジスタ228bに基準電流Icを流す構成である。図23(b)の方が、基準電流のIcの大きさを調整しやすい。しかし、トランジスタ232bとトランジスタ228aからなるカレントミラー回路で折り返すために、バラツキが発生しやすい。
本発明は、図22(b)に図示するように、各ビット(最下位ビットを除く)に複数の単位トランジスタ224を形成または配置するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、各ビットに、各ビットに応じた電流を出力する1つのトランジスタ224を形成または配置してもよいことは言うまでもない。
64階調(RGB各6ビット)の場合は、63個の単位トランジスタ224を形成するとした。したがって、256階調(RGB各8ビット)の場合、255個の単位トランジスタ224が必要になることになる。
電流駆動方式では、電流の加算ができるという特徴ある効果がある。また、単位トランジスタ224において、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/2にすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/2になるという特徴ある効果がある。同様に、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/4にすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/4になるという特徴ある効果がある。
図24(a)は、各ビットに対して同一のサイズの単位トランジスタ224を配置したトランジスタ群251cの構成である。説明を容易にするため、図24(a)は63個の単位トランジスタ224が構成され、6ビットのトランジスタ群251cを構成(形成)しているとする。また、図24(b)は8ビットであるとする。
図24(b)では、下位2ビット(Aで示す)は、単位トランジスタ224よりも小さいサイズのトランジスタで構成している。最小ビット目の第0ビット目は、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/4で形成している(単位トランジスタ224bで示す)。また、第1ビット目は、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/2で形成している(単位トランジスタ224aで示す)。なお、単位トランジスタ224aは、単位トランジスタ224のチャンネル幅Wの1/4である単位トランジスタ224bを2個で形成してもよい。
以上の実施の形態では、単位トランジスタ224bのWは、単位トランジスタ224のWの1/4であるとした。たとえば、単位トランジスタ224のWが6μmであれば、単位トランジスタ224bのWは1/4の1.5μmとなる。しかし、これは理想的な特性を示す場合である。本発明では、1.5μmより大きくしている。つまり、2.0μmなど大きくしている。大きくすることにより、単位トランジスタ224bの4倍の電流が単位トランジスタ224の電流と一致するように構成することができる。以上の事項は後にさらに詳しく説明をする。
単位トランジスタ224a、224b、224のゲート端子は、同一のゲート配線222に接続される。ゲート配線223は、トランジスタ228bのゲート端子と接続されている。
以上のように、下位2ビットは上位の単位トランジスタ224よりも小さいサイズの単位トランジスタ(224a、224b)で形成している。また、正規の単位トランジスタ224の個数は63個で変化がない。したがって、6ビットから8ビットに変更しても、トランジスタ群251cの形成面積は図24(a)と図24(b)で大差はない。
図24(b)に図示するように、6ビットから8ビット仕様に変化させても出力段のトランジスタ群251cのサイズが大きくならないのは、電流の加算ができるという点、単位トランジスタ224において、チャンネル長Lを一定にし、チャンネル幅Wを1/nにすれば、単位トランジスタ224が流す電流がおよそ1/nになるという点をうまく利用しているからである。
また、図24(b)に図示するように、単位トランジスタ224a、224bのようにトランジスタサイズが小さくなると、出力電流バラツキも大きくなる。しかし、いかにバラツキが大きくとも、単位トランジスタ224aまたは224bの出力電流は加算される。したがって、図24(a)の6ビット仕様より、図24(b)の8ビット仕様のほうが高階調出力を実現できる。もちろん、単位トランジスタ224a、224bの出力バラツキが大きいから、正確な8ビット表示を実現することはできない可能性はある。しかし、かならず、図24(a)よりは高精細表示を実現できる。
実際にはチャンネル幅Wを1/2にしても出力電流は正確には1/2にはならない。多少の補正が必要である。検討の結果では、チャンネル幅Wを1/2にすると、トランジスタのゲート端子電圧を同一とした場合、出力電流は1/2以下となる。そのため、本発明は、下位ビットを構成するトランジスタと、上位ビットを構成するトランジスタのサイズとを変化させる場合、以下のようにトランジスタサイズを設定している。
まず、ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224を、2種類のサイズのように少ない形状で構成する。複数の単位トランジスタ224のチャンネル長Lは同一にする。つまり、チャンネル幅Wのみを変化させる。第1の単位トランジスタの第1の単位出力電流と、第2の単位トランジスタの第2の単位出力電流の比をn(第1の単位出力電流:第2の単位出力電流=1:n、ただし、nは1より小さい値)とするとき、第1の単位トランジスタのチャンネル幅W1 < 第2の単位トランジスタのチャンネル幅W2×n×a(a=1)の関係となるように構成する。
W1×n×a=W2とした場合、1.05< a <1.3の関係が成り立つようにすることが好ましい。補正aは、テストトランジスタを形成し、測定することにより補正係数を容易に把握することができる。
本発明は、下位のビットを作製(構成)するために、上位のビットの単位トランジスタ224に比較して小さい小単位トランジスタを形成または配置するものである。この小さいという概念は、上位ビットを構成する単位トランジスタ224の出力電流よりも小さいという意味である。したがって、単位トランジスタ224に比較してチャンネル幅Wが小さいだけでなく、同時にチャンネル長Lも小さい場合も含まれる。また、他の形状も含まれる。
図24は、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のサイズを複数種類とするものであった。図24では2種類としている。この理由は、先に説明したように、単位トランジスタ224のサイズが異なると出力電流の大きさが形状に比例しないため、設計が難しくなるからである。したがって、トランジスタ251cを構成する単位トランジスタ224のサイズは、低階調用と高階調用の2種類とすることが好ましい。しかし、本発明はこれに限定するものではない。3種類以上であってもよいことは言うまでもない。
図43でも図示しているように、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のゲート端子は、1つのゲート配線223で接続されている。ゲート配線223に印加された電圧により単位トランジスタ224の出力電流が決定される。したがって、トランジスタ群251c内の単位トランジスタ224の形状が同一であれば、各単位トランジスタ224は同一の単位電流を出力する。
本発明は、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224のゲート配線223を共通にすることには限定されない。たとえば、図25(a)のように構成してもよい。図25(a)において、トランジスタ228b1とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ224と、トランジスタ228b2とカレントミラー回路を構成する単位トランジスタ224とが配置されている。
トランジスタ228b1はゲート配線223aで接続されている。トランジスタ228b2はゲート配線223bで接続されている。図25(a)の一番上の1個の単位トランジスタ224はLSB(0ビット目)であり、2段目の2個の単位トランジスタ224は1ビット目、3段目の4個の単位トランジスタ224は2ビット目である。また、4段目の組の8個の単位トランジスタ224は3ビット目である。
図25(a)において、ゲート配線223aとゲート配線223bの印加電圧を変化させることにより、各単位トランジスタ224のサイズ、形状が同一であっても、各単位トランジスタ224の出力電流をゲート配線223の印加電圧により変化(変更)することができる。
図25(a)において、単位トランジスタ224のサイズなどを同一にして、ゲート配線223a、223bの電圧を異ならせるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。単位トランジスタ224のサイズなどを異ならせ、印加するゲート配線223a、223bの電圧を調整することにより、異なる形状の単位トランジスタ224の出力電流を同一となるようにしてもよい。
図24では、低階調のビットを構成する単位トランジスタ224のサイズは、高階調を構成する単位トランジスタ224よりも小さくした。単位トランジスタ224のサイズが小さくなると、出力バラツキが大きくなる。この課題を解決するため、実際には、低階調の単位トランジスタ224は、チャンネル長Lを高階調よりも大きくし、単位トランジスタ224の面積を小さくならないようにしてバラツキを抑制している。
ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224の最小出力電流は0.5nA以上10nA以下にしている。特に単位トランジスタ224の最小出力電流は、2nA以上20nA以下にすることがよい。ドライバIC14内の単位トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224の精度を確保するためである。
以上のように構成することにより、各出力端子93の出力バラツキを低減することができる。特に、各端子間の隣接バラツキを低減することができる。さらに、出力バラツキを低減するためには、図153のように構成する。
図153と、図26、図27、図29、図31などとの差異は、出力段251cの出力側に、出力選択回路1531を有する構成である。出力選択回路1531は、主として選択回路とアナログスイッチから構成される。出力選択回路1531は、任意の出力段251cの出力電流を、任意の出力端子93から出力させることができる。たとえば、出力段251c1の出力電流は、出力端子93aに出力することができるし、出力端子93c、93nにも出力することができる。つまり、出力段251c1のプログラム電流をどの出力端子93にでも出力させることができる。出力選択回路1531の切り換えタイミング(動作タイミング)は、コントローラ722により制御される。たとえば、出力選択回路1531の制御により、出力段251aの出力信号を、1水平走査期間の前半に出力端子93aに出力し、後半に出力端子93bに出力することができる。また、出力選択回路1531は、出力段251cに設定される階調番号により動作を変化させることができる。
出力選択回路1531は、1つまたは複数の出力段251cからの出力信号(電圧または電流)が1つまたは複数の出力端子93から出力されるように動作させることができることは言うまでもない。たとえば、出力段251c1、251c3、251c5の出力電流を合成して、出力端子93aに出力することができる。また、出力段251c1、251c3、251c5の出力電流を合成して、出力端子93aと出力端子93bの両方に出力することができる。また、出力段251c1の出力電流を合成して、出力端子93aと出力端子93bの両方に出力することができる。
本発明の出力選択回路1531の説明は、出力段251cが電流出力であるとして説明するが、これに限定するものではない。たとえば、出力段251cが電圧出力であってもよい。つまり、ソースドライバ回路(IC)14が液晶表示パネルのように、電圧駆動を実施する場合が例示される。なお、EL表示パネルが電圧駆動である場合も同様に適用される。また、出力選択回路1531は、ソースドライバ回路(IC)14がシリコンチップとして構成され、前記チップ14に内蔵されているとして説明するが、これに限定するものではない。たとえば、出力選択回路1531を、ポリシリコン技術などでガラス基板30に直接形成してもよい。また、別チップに形成または構成してもよい。
出力段251cは単位トランジスタ224で構成されるため、各出力段251の出力電流バラツキは小さい。しかし、ソースドライバ回路(IC)のチップには、穏やかなモビリティ特性、Vt特性のうねりがある。このうねりにより出力段251cからの出力電流は変化する。
このうねりの影響がない様にするには、1つの出力段251cを構成する単位トランジスタ224の形成領域をうねりの周期にまたがる大きさ(範囲あるいは面積)に形成すればよい。しかし、この場合は、単位トランジスタ224の形成面積が大きく、巨大なチップサイズとなってしまう。本発明はこの課題に対して、1つに出力端子93に出力する電流を、チップ14内の比較的広い領域から選択し、選択する領域を一定条件で変化させることにより形成(発生)させる。たとえば、出力端子93aに、38階調目のプログラム電流を出力させ、ある画素16に32階調目のプログラム電流を書き込む場合を例示する。1フィールド(フレーム)目では、出力選択回路1531は、出力段251c1から、38階調目のプログラム電流が出力されるように制御し、この出力段251c1からのプログラム電流を出力端子93aから出力する。
次のフィールド(フレーム)では、出力段251c2から、38階調目のプログラム電流を出力されるように制御し、この出力段251c2からプログラム電流を出力端子93aから出力する。さらに次のフィールド(フレーム)では、出力選択回路1531は、出力段251c3から、38階調目のプログラム電流を出力されるように制御し、この出力段251c3からプログラム電流を出力端子93aから出力する。以降、この動作を順次繰り返す。また、各出力端子93からは、対応する(書き込む)画素に応じて各出力段251cの階調設定がなされ、プログラム電流がソース信号線18に出力される。
図154は、以上の動作を表にまとめたものである。図154は、出力端子93と、水平走査期間(H)の関係を示している。ただし、理解を容易にするため、階調に関する記載は省略している。つまり、単に出力端子93には、各Hにどの出力段251cからのプログラム電流が出力されているかを示している。
図154において、出力端子93aには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251c1が選択される。なお、表では出力段251c1の1を図示している。2H目に出力段251c2が選択され(表では2と図示している)、3H目に出力段251c3(図154の表では3と図示している)が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c4が選択され(図154の表では4と図示している)、5H目では、出力段251c5が選択される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cn(最終段の出力段)が選択される。なお、表では出力段251cnのnを図示している。2H目に出力段251c1が選択され(表では1と図示している)、3H目に出力段251c2(図154の表では2と図示している)が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c3が選択され(図154の表では3と図示している)、5H目では、出力段251c4が選択される。以下、同様である。
同様に出力端子93cには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cn−1が選択される。なお、表ではn−1と図示している。2H目に出力段251cnが選択され(表ではnと図示している)、3H目に出力段251c1(図154の表では1と図示している)が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c2が選択され(図154の表では2と図示している)、5H目では、出力段251c3が選択される。以下同様である。
以上のように、たとえば、出力端子93aには、Hごとに異なる出力段251cからのプログラム電流が出力され、ソース信号線18を介して画素に順次印加される。
さらに理解を容易にするため、出力端子93aを例示して説明する。1H目ではソース信号線18a(出力端子93aに接続されたソース信号線)に印加される(出力される)出力段は251c1である。1H目では、第1画素行目で、かつソース信号線18aに接続された画素に出力段251c1からの信号が印加される。2H目ではソース信号線18a(出力端子93aに接続されたソース信号線)に印加される(出力される)出力段は251c2である。2H目では、第2画素行目で、かつソース信号線18aに接続された画素に出力段251c2からの信号が印加される。同様に、3H目ではソース信号線18a(出力端子93aに接続されたソース信号線)に印加される(出力される)出力段は251c3である。3H目では、第3画素行目で、かつソース信号線18aに接続された画素に出力段251c3からの信号が印加される。以上の動作を順次最終のm画素行(mは最終の画素行番号)の画素に実施していく。画素の選択はゲートドライバ回路17aにより選択される。
最終画素行まで以上の動作を実施すると、また、第1画素行に対して以上の動作を行う。ただし、第1画素行の画素には、出力段251c1以外の出力信号が印加される。たとえば、出力段251c2の出力信号が印加される。つまり、フィールド(フレーム)ごとに異なる出力段251cの出力信号が印加されるようにし、各画素16に書き込まれる信号を平均化し、出力段251cの出力ムラ分布が反映されないようにしている。各画素16に書き込まれる出力段251cからの信号はランダム化することが好ましいが、これが不可能な場合は、少なくとも2つの出力段251cの出力が書き込まれて平均化されるように制御する。以上の事項は、第2画素行の画素以降にも同様に適用される。また、出力端子93a以外(93b〜93n)に対しても同様の動作が実施される。
以上のように、基本的には1つの出力段251cの出力と1つの出力端子とが、出力選択回路1531により選択され、各出力段251cの出力がソース信号線18に印加される。ソース信号線18から出力される信号は、正規の(正常な)画像表示となるように、ラッチ回路351にラッチ保持される。
1画面あるいは一定の表示周期が終了すると、出力端子93から出力される出力段521cの順番を入れ替えることが好ましい。たとえば、図154の表の状態が、1フレーム目とする。次の2フレーム目では、図154の表の出力端子93aの出力段251cの選択状態(251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93bの出力段251cの選択状態(251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。図154の表の出力端子93bの出力段251cの選択状態(251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93cの出力段251cの選択状態(251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。図154の表の出力端子93cの出力段251cの選択状態(251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93dの出力段251cの選択状態(251cn−2、251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。以後同様にシフトさせる。
次の3フレーム目では、出力端子93aの出力段251cの選択状態(251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93bの出力段251cの選択状態(251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。出力端子93bの出力段251cの選択状態(251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93cの出力段251cの選択状態(251cn−1、251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。出力端子93cの出力段251cの選択状態(251cn−2、251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)を、出力端子93dの出力段251cの選択状態(251c−3、251cn−2、251cn−1、251cn、251c1、251c2、251c3、251c4・・・・・・)とする。以後同様にシフトさせる。
なお、本発明では説明を容易にするため、1フレームまたは1フィールドで出力端子93から出力される状態を入れ替えるとして説明するが、これに限定するものではない。複数フレームまたはフィールドで入れ替えてもよい。また、複数画素行(複数水平走査期間)ごとに入れ替えてもよい。また、フレームまたは画素行(水平走査期間)に限定されるものではなく、一定周期もしくはランダム周期で入れ替えてもよい。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用されることは言うまでもない。
シフトさせることにより、画面94の表示状態は、出力段251cの特性の影響を受けず、均一な表示を実現できる。シフトの方式には他の方法も例示される。
たとえば、フレームごとに、出力端子93aと出力端子93nの状態を入れ替える。出力端子93bと出力端子93n−1の状態を入れ替える。出力端子93cと出力端子93n−2の状態を入れ替える。以下同様で入れ替える。つまり、画面の左右を入れ替える。
また、他の方法も例示される。たとえば、フレームごとに、奇数番目の出力端子93と偶数番目の出力端子93の状態とを入れ替える。もちろん、ランダムに入れ替えてもよい。
また、第1のフレームでは、出力端子93aと出力端子93bの状態とを入れ替える。次の第2のフレームでは、出力端子93aと出力端子93cの状態とを入れ替える。次の第3のフレームでは、出力端子93aと出力端子93dの状態とを入れ替える。次の第4のフレームでは、出力端子93aと出力端子93ce状態とを入れ替える。以下、他の出力端子も同様に入れ替える方法が例示される。
また、第1、第3のフレームなどの奇数番目のフレームでは、奇数番目の出力端子93間で入れ替え、偶数番目の出力端子93間で入れ替える。第2、第4のフレームなどの偶数番目のフレームでは、隣接した奇数番目と偶数番目の出力端子93間で入れ替える方式が例示される。
また、ソースドライバ回路(IC)14では、4mm〜8mmの周期で特性周期が分布する。これは、IC製造時の拡散工程により発生する。したがって、出力端子93の入れ替え範囲は、4mm以上の範囲で実施する。たとえば、出力段251a〜251nの形成長さが20mmあり、4mm周期で特性分布が発生する恐れがある場合は、少なくとも20/4=5ブロック以下の範囲内で出力端子93と出力段251cとの接続を出力選択回路1351により入れ替えることが好ましい。
また、先の説明では、最終画素行まで以上の動作を実施するとし、また、第1画素行に対して同一の動作を行うとしたが、これに限定されるものではない。たとえば、最終画素行−1画素行までに1周期を完了させ、最終画素行から次の周期を開始してもよい。つまり、出力端子93aを例示すれば、1画素行目の画素には、出力段251c1からの信号が印加される。2画素行目の画素には、出力段251c2からの信号が印加され、3画素行目の画素には、出力段251c3からの信号が印加され、4画素行目の画素には、出力段251c4からの信号が印加される。以上の動作を順次行い、最終の画素行から1つ前の画素行に、たとえば、出力段251nの信号が印加されたとすると、最終の画素行には、出力段251c1の信号が印加される。したがって、次のフレームである1画素行目の画素には、出力段251c2からの信号が印加される。2画素行目の画素には、出力段251c3からの信号が印加され、3画素行目の画素には、出力段251c4からの信号が印加される。このように駆動することにより、フレーム(フィールド)周期では、1画素行あるいはそれ以上がずれて、出力段251cの選択が行われることになり、各画素に印加する出力段251cを長期間で変化させることができる。したがって、各画素16は多数の出力段251cからの信号で駆動されることになり、画像表示は均一化される。なお、他の出力端子93においても同様の制御が実施される。
また、画面の第1画素行から最終画素行まで選択された後、今度は、最終画素行から第1画素行の方向に選択される出力段251cを変化させてもよい。つまり、出力端子93aを例示すれば、1画素行目の画素には、出力段251c1からの信号が印加される。2画素行目の画素には、出力段251c2からの信号が印加され、3画素行目の画素には、出力段251c3からの信号が印加され、4画素行目の画素には、出力段251c4からの信号が印加される。以上の動作を順次行い、最終の画素行に、たとえば、出力段251nの信号が印加されたとすると、次のフレームである1画素行目の画素には、出力段251cnからの信号が印加される。2画素行目の画素には、出力段251cn−1からの信号が印加され、3画素行目の画素には、出力段251cn−3からの信号が印加される。このように駆動することにより、フレーム(フィールド)周期で、各画素に印加する出力段251cを長期間で変化させることができる。したがって、各画素16は多数の出力段251cからの信号で駆動されることになり、画像表示は均一化される。なお、他の出力端子93においても同様の制御が実施される。
出力端子93を順次選択する出力段251cの順番をランダム化してもよい。また、2とばしや、3以上とばしで出力段251cを選択してもよい。
以上の事項あるいは方法は、図158〜図164の方式においても適用できることは言うまでもない。
なお、出力段251の個数は、行方向のドット数(ソース信号線18の本数)以上の個数を形成または構成しておき、そのうち、必要な個数(基本的にはソース信号線18の本数)を選択して各ソース信号線18に出力段251cからの出力信号を印加してもよい。
以上の実施の形態では、R、G、Bの各出力段251については、説明していないが、R、G、Bの各出力段251cの出力にも出力選択回路1531が形成または構成されている。R、G、Bの各出力選択回路1531の制御により、各出力端子93から出力される信号が、出力段251cを選択して出力される。本発明はこれに限定するものではなく、R、G、Bで共通の出力選択回路1531を形成または構成し、出力段251cがRGBの区別なく選択されて各出力端子93から出力されるように構成しても良いことは言うまでもない。
他の構成は、図26、図27、図29、図31あるいはその他の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
以下、図面を参照しなから、本発明の他の実施の形態について説明を行う。図155は本発明の第2の実施の形態を表にまとめたものである。回路構成は図153と同様あるいは類似である。図155は、図154と同様に、出力端子93と、水平走査期間(H)の関係を示している。出力端子93には、各Hにどの出力段251cからのプログラム電流が出力されているかを示している。
図155において、出力端子93aには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251c1が選択される。2H目に出力段251c3が選択され、3H目に出力段251c5が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c7が選択され、5H目では、出力段251c9が選択される。つまり、出力端子93aには、順次、奇数番目の出力段251cが選択され、各画素16に印加される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cnが選択される。2H目に出力段251c2が選択され、3H目に出力段251c4が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c6が選択され、5H目では、出力段251c8が選択される。つまり、出力端子93bには、順次、偶数番目の出力段251cが選択され、各画素16に印加される。
出力端子93cには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cn−1が選択される。2H目に出力段251c1が選択され、3H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の4H目では出力段251c5が選択され、5H目では、出力段251c7が選択される。つまり、出力端子93cには、出力端子93aとは、1H遅れた奇数番目の出力段251cが選択され、各画素16に印加される。
図155の実施の形態のように、奇数番目の出力端子93には奇数番目の出力段251cが選択されて出力されるとし、偶数番目の出力端子93には偶数番目の出力段251cが選択されて出力されるように構成することにより、出力選択回路1531の回路構成、映像信号を順次ラッチするラッチ回路の構成が簡単になり、回路規模を小さくでき、低コスト化することができる。なお、他の動作は、図154と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
以上の実施の形態は、プログレッシブ表示を前提として説明した。図157は、インターレース表示の場合の実施の形態である。インターレース表示では、奇数フィールドと偶数フィールドで1フレームが構成され、1画面表示が実現される。
図157は、インターレース表示の出力選択回路1531の動作を示している。なお、図157において、偶数フィールド(図157(a))では、奇数番目の画素行が順次選択されて、画像が書きかえられるとし、奇数フィールド(図157(b))では、偶数番目の画素行が順次選択されて、画像が書きかえられるとする。
図157(a)の偶数F(偶数フィールド)において、出力端子93aには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251c1が選択される。3H目に出力段251c2が選択される。5H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の7H目では出力段251c4が選択され、9H目では、出力段251c5が選択される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cnが選択される。3H目に出力段251c1が選択される。5H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の7H目では出力段251c4が選択され、9H目では、出力段251c5が選択される。出力端子93c〜も同様である。
図157(b)の奇数F(奇数フィールド)においては、偶数フィールドと同様に、出力端子93aには、出力選択回路1531により、2H目に出力段251c1が選択される。4H目に出力段251c2が選択される。6H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の8H目では出力段251c4が選択され、10H目では、出力段251c5が選択される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、2H目に出力段251cnが選択される。4H目に出力段251c1が選択される。6H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の8H目では出力段251c4が選択され、10H目では、出力段251c5が選択される。出力端子93c〜も同様である。なお、他の動作、構成などは、図154と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
図157の実施の形態のように、奇数番目フィールドと偶数番目のフィールドで、各出力端子93から出力される出力段251cの選択を同一にすることにより、回路規模を小さくでき、低コスト化することができる。
なお、図156のような方式としてもよいことは明らかである。図156(a)の偶数F(偶数フィールド)において、出力端子93aには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251c2が選択される。3H目に出力段251c4が選択される。5H目に出力段251c6が選択される。さらに、次の7H目では出力段251c8が選択され、9H目では、出力段251c10が選択される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、1H目に出力段251cnが選択される。3H目に出力段251c2が選択される。5H目に出力段251c4が選択される。さらに、次の7H目では出力段251c6が選択され、9H目では、出力段251c8が選択される。出力端子93c〜も同様である。
図156(b)の奇数F(奇数フィールド)においては、偶数フィールドと同様に、出力端子93aには、出力選択回路1531により、2H目に出力段251c1が選択される。4H目に出力段251c3が選択される。6H目に出力段251c5が選択される。さらに、次の8H目では出力段251c7が選択され、10H目では、出力段251c9が選択される。
同様に、出力端子93bには、出力選択回路1531により、2H目に出力段251cn−1が選択される。4H目に出力段251c1が選択される。6H目に出力段251c3が選択される。さらに、次の8H目では出力段251c5が選択され、10H目では、出力段251c7が選択される。出力端子93c〜も同様である。なお、他の動作、構成などは、図154と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
以上の実施の形態は、水平走査期間を主とする制御(駆動方法)であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。1F(フレームあるいはフィールド)で制御(駆動)してもよい。図158はその実施の形態である。
図158は、図154などと同様に出力端子93cに接続される出力段251cの番号を示している。たとえば、図154のソース信号線18aに接続される出力段93aは、1F目の期間には、出力段251c1(表では1と記載)が選択されている。次の2F目の期間には、出力段251c2(表では2と記載)が選択されている。3F目の期間には、出力段251c3(表では3と記載)が選択され、さらに次の4F目の期間には、出力段251c4(表では4と記載)が選択されている。以下同様である。
ソース信号線18aに隣接したソース信号線18bに接続される出力段93bは、1F目の期間には、出力段251cn(表ではnと記載)が選択されている。次の2F目の期間には、出力段251c1(表では1と記載)が選択されている。3F目の期間には、出力段251c2(表では2と記載)が選択され、さらに次の4F目の期間には、出力段251c3(表では3と記載)が選択されている。以下同様である。他の端子も同様に1つまたは場合によっては複数の出力段251cが選択され出力端子93から出力される。
なお、以上の実施の形態では1F周期としたがこれに限定されるものではなく、複数周期で選択する出力段251cを変化(変更)してもよい。また、1F単位の周期に限定されるものではなく、0.5F、1.5F周期などの周期で選択する出力段251cを変化(変更)してもよい。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、他の実施の形態と組み合わせることができることも言うまでもない。
以上の実施の形態では、選択する出力段251cを変化させることにより、出力段251cの特性バラツキを平均化し、均一な画像表示を実現するという駆動方式であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
均一の方式として、基準電流を変化させるという方法がある。図153などに図示する基準電流Icにより出力段251cの特性が変化するからである。複数の基準電流Icにより、出力段251cの信号(出力電流または出力電圧)を変化させることにより、より均一な画像表示を実現できる。なお、この方式では、出力選択回路1531は必要ないが、出力選択回路1531により、選択する出力段251cを変化させることにより、より均一な画像表示を実現できることは言うまでもない。
基準電流Icの大きさと出力段251cから出力されるプログラム電流は基本的には比例する。しかし、選択される単位トランジスタ数などによりプログラム電流Icは変化する。以上のことから、基準電流を変化させ、画素16に書き込まれるプログラム電流が平均的に目標値となるように駆動することにより、均一な画像表示を実現できる。
図159はその実施の形態である。図159の実施の形態では、一例として基準電流Ic1とIc2で駆動する場合を例示している。また、図159では、水平走査期間ごとに基準電流Ic1とIc2とを変化させている。なお、目標の基準電流IcとIc1、Ic2とは、Ic=(Ic1+Ic2)/2の関係に調整されている。
なお、以下の実施の形態では、基準電流を一定の周期で変化させるとして説明している。基準電流を変化させるのは、図29などの電子ボリウム291を変化させる方法がある。他にも、カスケード接続を行う場合に、マスターチップ(ソースドライバ回路(IC)14)からスレーブチップ(ソースドライバ回路(IC)14)に基準電流(この場合はカスケード電流)を受け渡す構成がある。基準電流(カスケード電流)はトランジスタ群251bに印加され、このカスケード電流に対応して出力段251cからプログラム電流が出力される。したがって、基準電流が変化することは、カスケード電流が変化することと同義である。
1つの表示領域94を構成するのに、3つ以上のソースドライバ回路(IC)14を用いる場合は、カスケード接続において、スレーブチップが複数のマスターチップから基準電流(カスケード電流)を受け取る構成が実施される。この場合は、基準電流(カスケード電流)を発生するマスターチップが複数存在することになる。したがって、スレーブチップは、複数のマスターチップからの基準電流(カスケード電流)が入力されることになる。つまり、基準電流は複数になる。スレーブチップでは、入力される複数の基準電流を平均化することにより、良好なカスケード接続を実現する。つまり、スレーブチップは、画像表示に基準電流を切り換えるという動作を行う。この動作は、以下に説明する基準電流を変化させる実施の形態で実現する。
図159において、第1F(フレームまたはフィールド)では、最初の1H(第1画素行目)は、基準電流Ic1(第1のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。次の2H(第2画素行目)は、基準電流Ic2(第2のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。以下同様に、3H(第3画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。4H(第4画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
第1F(フレームまたはフィールド)の次の第2Fは、基準電流が平均化されて目標の基準電流Icとなるように、最初の1H(第1画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。次の2H(第2画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。以下同様に、3H(第3画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。4H(第4画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
なお、基準電流の変化は2つに限定するものではなく、3以上としてもよいことは言うまでもない。また、基準電流は1Hごとに限定するものではなく、複数H(複数水平走査期間)ごとに変化させてもよい。また、水平走査期間に限定するものではなく、F(フレームまたはフィールド)周期で基準電流を変化させてもよい。また、1Hあるいは1F単位の変化に限定するものではない。1.5Hや1.5Fなどで、基準電流を変化させてもよい。
図160は、1Hを前半の期間Bと後半の期間Aに分けている。かつ、前半と後半に印加する基準電流の大きさを変化させている。図160において、最初の1H(第1画素行目)の前半(1B)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。1H(第1画素行目)の後半(1A)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
次の2H(第2画素行目)の前半(2B)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。2H(第2画素行目)の後半(2A)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
以下同様に、次の3H(第3画素行目)の前半(3B)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。3H(第3画素行目)の後半(3A)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
なお、以上の実施の形態においても、基準電流の変化は2つに限定するものではなく、3以上としてもよいことは言うまでもない。また、基準電流の変化は1Hごとに限定するものではなく、複数H(複数水平走査期間)ごとに変化させてもよい。また、水平走査期間に限定するものではなく、F(フレームまたはフィールド)周期で基準電流を変化させてもよい。また、1Hあるいは1F単位の変化に限定するものではない。1.5Hや1.5Fなどで、基準電流を変化させてもよい。
以上の実施の形態は、水平走査期間を基準として、基準電流を変化させる実施の形態であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。図161に示す実施の形態は、1F(フィールド又はフレーム)周期で基準電流を変化させるものである。
第1F(フレームまたはフィールド)では、基準電流Ic1(第1のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加する。出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。次の第2Fは、基準電流Ic2(第2のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。以下同様に、第3Fは、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。第4Fは、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
以上の実施の形態は、1Fを基準として、基準電流を変化させる実施の形態であった。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。0.5あるいは1.5(フィールド又はフレーム)周期で基準電流を変化させてもよい。
以上の実施の形態は、図153に図示するトランジスタ群251bに印加される基準電流Icを変化させるものであった。本発明はこれに限定するものでない。たとえば、図162に図示するように、トランジスタ群251c(出力段251c)の両側にトランジスタ群251b(チップの左端にトランジスタ群251b1、チップの右端にトランジスタ群251b2)を配置または形成し、トランジスタ群251b1に基準電流Ic1を印加し、トランジスタ群251b2に基準電流Icを印加する構成としてもよい。
基準電流Ic1を選択するか、基準電流Ic2を選択するかは、スイッチS1とスイッチS2を制御することにより実現する。スイッチS1をクローズし、スイッチS2をオープンすれば、出力段251cからは、基準電流Ic1に対応するプログラム電流が出力される。スイッチS2をクローズし、スイッチS1をオープンすれば、出力段251cからは、基準電流Ic2に対応するプログラム電流が出力される。
図162の構成を用いれば、図163の駆動方式の実現は容易である。スイッチS1とスイッチS2の制御により、基準電流Ic1とIc2を容易に切り換えることができるからである。
図163において、第1F(フレームまたはフィールド)では、最初の1H(第1画素行目)は、基準電流Ic1(第1のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。次の2H(第2画素行目)は、基準電流Ic2(第2のマスターチップからのカスケード電流と考えてもよい)を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。以下同様に、3H(第3画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。4H(第4画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
第1F(フレームまたはフィールド)の次の第2Fは、基準電流が平均化されて目標の基準電流Icとなるように、最初の1H(第1画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。次の2H(第2画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。以下同様に、3H(第3画素行目)は、基準電流Ic2を印加し、出力端子93から基準電流Ic2に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。4H(第4画素行目)は、基準電流Ic1を印加し、出力端子93から基準電流Ic1に対応するプログラム電流が各ソース信号線18に出力される。
なお、基準電流の変化は2つに限定するものではなく、3以上としてもよいことは言うまでもない。この場合は、トランジスタ251bの個数を増加させればよい。基準電流は1Hごとに限定するものではなく、複数H(複数水平走査期間)ごとに変化させてもよい。また、水平走査期間に限定するものではなく、F(フレームまたはフィールド)周期で基準電流を変化させてもよい。たとえば、図164の実施の形態が例示される。図164では、2F周期で基準電流を変化させている。また、1Hあるいは1F単位の変化に限定するものではない。1.5Hや1.5Fなどで、基準電流を変化させてもよい。
以上の図153から図164で説明した駆動方法あるいは構成は、相互に組み合わせることができることは言うまでもない。たとえば、図157と、図160、図161、図162などとの組み合わせが例示される。また、図162と図153の組み合わせ、図153と図160、図161などの組み合わせが例示される。以上のように本発明は相互に組み合わせることができる。
本発明において、ソースドライバ回路(IC)14は半導体シリコンチップで形成し、ガラスオンチップ(COG)技術で基板30のソース信号線18の端子と接続されている。一方、ゲートドライバ回路12は低温ポリシリコン技術で形成している。つまり、画素のトランジスタと同一のプロセスで形成している。これは、ソースドライバ回路(IC)14に比較して内部の構造が容易で、動作周波数も低いためである。したがって、低温ポリシリ技術で形成しても容易に形成することができ、また、表示パネルの狭額縁化を実現できる。もちろん、ゲートドライバ回路12をシリコンチップで形成し、COG技術などを用いて基板30上に実装してもよいことは言うまでもない。また、ゲートドライバ回路(IC)12、ソースドライバ回路(IC)14をCOFあるいはTAB技術で実装してもよい。また、画素トランジスタなどのスイッチング素子、ゲートドライバなどは高温ポリシリコン技術で形成してもよく、有機材料で形成(有機トランジスタ)してもよい。
画素16を構成するトランジスタ11をPチャンネルで構成すると、プログラム電流は画素16からソース信号線18に流れ出す方向になる。そのため、ソースドライバ回路の単位トランジスタ224は、Nチャンネルのトランジスタで構成する必要がある。つまり、ソースドライバ回路(IC)14は、プログラム電流Iwを引き込むように回路構成する必要がある。
画素16の駆動用トランジスタ11a(図1の場合)がPチャンネルトランジスタの場合は、必ず、ソースドライバ回路(IC)14はプログラム電流Iwを引き込むように、単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで構成する。
ソースドライバ回路(IC)14をアレイ基板30に形成するには、Nチャンネル用マスク(プロセス)とPチャンネル用マスク(プロセス)の両方を用いる必要がある。概念的に述べれば、画素16とゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで構成し、ソースドライバの引き込み電流源のトランジスタをNチャンネルで構成するのが本発明の表示パネル(表示装置)である。
本発明の1実施形態は、画素16のトランジスタ11をPチャンネルトランジスタで形成し、ゲートドライバ回路12をPチャンネルトランジスタで形成する。このように画素16のトランジスタ11とゲートドライバ回路12の両方をPチャンネルトランジスタで形成することにより、基板30を低コスト化できる。
ソースドライバ回路(IC)14は、単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで形成することが必要になる。しかし、Pチャンネルのみのプロセスでは、ソースドライバ回路(IC)14は基板30に直接形成することができない。そこで別途、シリコンチップなどでソースドライバ回路(IC)14を作製し、基板30に積載する。つまり、本発明は、ソースドライバIC14(映像信号としてのプログラム電流を出力する手段)を外付けする構成である。
また、単位トランジスタ224の面積を同一とした場合、Nチャンネルで形成した単位トランジスタ224のばらつきは、Pチャンネルで形成した単位トランジスタのばらつきに比較して、70%になる。つまり、Nチャンネルで単位トランジスタ224を形成する方が、同一トランジスタ形成面積でバラツキを小さくすることができる。検討の結果によれば、Pチャンネルの単位トランジスタのバラツキをNチャンネルの単位トランジスタと同一にするためには、2倍の形成面積が必要であった。
ソースドライバ回路(IC)14は、シリコンチップで構成するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、低温ポリシリコン技術などでガラス基板に多数個を同時に形成し、チップ状に切断して、基板30に積載してもよい。
また、基板30にソースドライバ回路を積載するとして説明しているが、積載に限定するものではない。ソースドライバ回路(IC)14の出力端子251を基板30のソース信号線18に接続するのであればいずれの形態でもよい。たとえば、TAB技術でソースドライバ回路(IC)14をソース信号線18に接続する方式が例示される。シリコンチップなどに別途ソースドライバ回路(IC)14を形成することにより、出力電流のバラツキが低減し、良好な画像表示を実現できる。また、低コスト化が可能である。
また、画素16の選択トランジスタをPチャンネルで構成し、ゲートドライバ回路をPチャンネルトランジスタで構成するという構成は、有機ELなどの自己発光デバイス(表示パネルあるいは表示装置)に限定されるものではない。たとえば、液晶表示デバイス、FED(Field Emission Display(フィールドエミッションディスプレイ))、SED(Surface-conductionElectron-emitter Display)カーボンナノチューブ(Carbon nano tube、CNTと略されることがある)を用いた表示装置にも適用することができる。
以上の構成を、図26に模式的に示す。単位トランジスタ群251cが出力端子数分、並列に配置される。単位トランジスタ群251cの両脇にトランジスタ群251bが複数ブロック形成されている。トランジスタ群251bのトランジスタ228bのゲート端子と、単位トランジスタ群251cの単位トランジスタ224のゲート端子とはゲート配線223で接続される。
以上の説明は、説明を容易にするため、単色のソースドライバIC14のように説明した。しかし、トランジスタ群251bおよび単位トランジスタ群251cは赤(R)、緑(G)、青(B)のトランジスタ群が交互に配置される。以上のように、RGB用のトランジスタ群を交互に配置することによりRGB間の出力バラツキが低減する。この構成もソースドライバ回路(IC)14内のレイアウトとして重要な要件である。
図27では、基準電流を流すトランジスタ群251b(トランジスタ228b)を、ICチップの外側近傍に配置している。トランジスタ228bは、1つではなく、複数個が形成されトランジスタ群を構成する。ここでは説明を容易にするため、トランジスタ群251bはトランジスタ228bとして説明をする。この事項は本発明の他の実施の形態においても同様である(たとえば、図26が該当する)。
図61などの回路構成ではホワイトバランス調整が容易である。まず、RGBの電子ボリウム291を同一の設定値に調整する。次に外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスを調整する。
ソースドライバ回路(IC)14では、いずれかの電子ボリウムの設定値でホワイトバランスをとり、電子ボリウム291の値を同一にすれば、ホワイトバランスを維持したまま表示画面64の輝度調整を行えるという特徴がある。
図26は、トランジスタ群251cの両側から給電する構成であるが、上記事項はこれに限定するものではない。図27、図29に図示するように、片側給電構成でも同様である。まず、R、G、Bの電子ボリウム291が同一の設定値で、外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスをとる。一般的にR回路のIcr、G回路のIcg、B回路のIcbを、各RGBのEL素子の発光効率を考慮して所定の比率とすることによりホワイトバランスをとる。
ソースドライバ回路(IC)14では、どこかの電子ボリウムの設定値でホワイトバランスをとり、電子ボリウム291の値を同一にすればホワイトバランスを維持したまま表示画面64の輝度調整を行えるという特徴がある。なお、RGBの電子ボリウムは、R、G、B独立に形成または配置することが好ましいが、これに限定するものではない。たとえば、R、G、Bで1つの電子ボリウム291でも、ホワイトバランスを維持したまま画面輝度を調整することが可能である。
本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の内部に電子ボリウムを形成または配置することにより、ソースドライバ回路(IC)14の外部からのデジタルデータ制御により基準電流を可変あるいは変更することができる。この事項は、電流駆動ドライバにおいて重要な事項である。電流駆動では、映像データがEL素子15に流れる電流に比例する。したがって、映像データをロジック処理することにより全EL素子に流れる電流を制御できる。基準電流もEL素子15に流れる電流に比例するから、基準電流をデジタル制御することにより、全EL素子15に流れる電流を制御できる。以上のことから、映像データに基づき、基準電流比制御を実施することにより、表示輝度のダイナミックレンジの拡大などを容易に実現できる。
基準電流の変更あるいは変化させることにより、単位トランジスタ224の出力電流を変化することができる。たとえば、基準電流Icが100μAの時に、1つの単位トランジスタ224がオン状態での出力電流が1μAとする。この状態で、基準電流Icを50μAにすれば、1つの単位トランジスタ224の出力電流は0.5μAとなる。同様に、基準電流Icを200μAにすれば、1つの単位トランジスタ224の出力電流は2.0μAとなる。つまり、基準電流Icと単位トランジスタ224の出力電流Idは比例関係を満足することが好ましい。
基準電流Icを設定する設定データと基準電流Icとが比例関係となるように構成することが好ましい。たとえば、設定データが1の時、基準電流Icが100μAとし、これを基底とするならば、設定データが100の時、基準電流Icが200μAとなるようにする。つまり、設定データが1増加すると、基準電流Icが1μA増加するように構成することが好ましい。
以上のように構成することにより、電子ボリウム291の設定データにより、RGBの基準電流(Icr、Icg、Icb)は線形関係を保持したまま変化することができる。したがって、線形関係を保持していることから、いずれかの設定データ時に、ホワイトバランスを調整すれば、どの設定データの時でもホワイトバランスが維持される。この構成において、先に説明した外付け抵抗R1r、R1g、R1bを調整してホワイトバランスを構成は重要性がある(特徴ある構成である)。
以上の実施の形態では、外付け抵抗でホワイトバランスを調整するとしたが、抵抗R1はICチップに内蔵させてもよいことは言うまでもない。
たとえば、電子ボリウム291内にはソースドライバ回路(IC)14内蔵の抵抗Rを直列に形成または配置する。また、スイッチS1と基準電圧Vstd間は、内蔵抵抗Raで接続させている。スイッチSnとグランド電圧GND間は内蔵抵抗Rbで接続されている。基準電圧Vstdは、精密な固定電圧である。したがって、EL表示パネルのVdd電圧が変動してもVstd電圧は変動しない。Vstdが変化すると基準電流Icが変動するため、この変動を防止し、表示パネルの輝度を一定にするためである。
以上のように、抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbをソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗(ポリシリ抵抗)で形成しているため、抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbの相対値は個々のソースドライバ回路(IC)14のポリシリ(ポリシリコン)抵抗のシート抵抗値が変動しても変動しない。したがって、ソースドライバ回路(IC)14では基準電流Icのバラツキが発生しない。
Rの基準電流Icrは、電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1rで決定される。Gの基準電流Icgは、電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1gで決定される。Bの基準電流Icbは、電子ボリウム291の出力電圧と抵抗R1bで決定される。基準電圧VstdをRGBで共通にし、抵抗R1r、抵抗R1g、抵抗R1bでホワイトバランスが調整される。また、電子ボリウム291には、内蔵抵抗Ra、抵抗R、抵抗Rbの相対値を一致させ、電子ボリウム291の電圧もVstdとしている。したがって、基準電流Icr、Icg、Icbは、ソースドライバ回路(IC)14間で精度よく一定に維持することができる。基準電流Icを変化させるIDATAはコントローラ回路(IC)722で制御する。
抵抗R1r、抵抗R1g、抵抗R1bは、外づけ抵抗あるいは外づけの可変抵抗である。また、基準電圧Vstdを用いない場合、あるいはVstdに該当する電圧を変化あるいは調整したい場合は、スイッチSW1で外部電圧Vsを印加できるように構成しておくことが好ましい。さらに、S1スイッチの電位を変化あるいは変更できるように、スイッチSW2で外部電圧Vaを印加できるように構成することが好ましい。また、スイッチSnの出力電圧も変更できるように、電圧印加端子をソースドライバ回路(IC)14外部に引き出しておくことが好ましい。
基準電圧Vstdも図30に図示するように、DA変換回路291bに印加するデータにより、変更あるいは可変できるように構成することが好ましい。また、トランジスタ228とオペアンプからなる定電流回路で電流Irを発生し、この電流Irを電子ボリウム291の内蔵抵抗Rに流して、b端子から出力される電圧を変化できるように構成してもよい。
図31において、各ソースドライバIC14の左右には、基準電流を流すトランジスタ(トランジスタ群)228bが形成または構成されている。ソースドライバIC14は、スイッチSによりトランジスタ228bを選択して基準電流を印加する。選択されなかったトランジスタ228bはオープン状態に構成される。
ソースドライバIC14aにおいては、基準電流は右端のトランジスタ228b2に流されている。スイッチSa2がクローズされ、スイッチSa1がオープンされている。スイッチSa、Sbはマスタースレーブ端子に印加されるロジック信号により、いずれをオープンにするか制御される。ソースドライバIC(回路)14aでは、右端に基準電流が流されており、左端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic1はトランジスタ228b2に流れる(ゲート配線223aには単位トランジスタ224のゲート端子に流れ込む電流のみが流れる)。
ソースドライバIC14bにおいては、基準電流は左端のトランジスタ228b1に流されている。スイッチSb1がクローズされ、スイッチSb2がオープンされている。スイッチSa、Sbは、マスタースレーブ端子に印加されるロジック信号によりいずれをオープンにするか制御される。隣接するソースドライバIC14では、スイッチS*1とスイッチS*2ではオープンクローズが逆の関係となる。なお、*は記号aまたはbである。
ソースドライバIC(回路)14bでは、左端に基準電流が流されており、右端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic2はトランジスタ228b1に流れる。
図31では、トランジスタ228bは1つのトランジスタであるように図示しているが、実際は、図28などに図示するように、複数のトランジスタからなるトランジスタ群251bで構成される。
基準電流Ic1とIc2は等しいとして説明をする。出力端子93a1は、カレントミラー回路を構成するトランジスタ228b2とカレントミラー精度がよい電流が出力される。
ソースドライバIC14bは、基準電流を流すトランジスタ228b1が左端に構成されており、右端はオープン状態となっている。したがって、基準電流Ic1はトランジスタ228b1に流れる(ゲート配線223bには単位トランジスタ224のゲート端子に流れ込む電流のみが流れる)。出力端子93a2は、カレントミラー回路を構成するトランジスタ228b1とカレントミラー精度がよい電流が出力される。したがって、基準電流Ic1とIc2が等しいとすると、ソースドライバIC14aの出力端子93a1から出力される階調電流と、ソースドライバIC14bの出力端子93a2から出力される階調電流とは同一となる。以上の理由により2つのソースドライバIC14aとソースドライバIC14bとは良好にカスケード接続される。以上の構成は、160RGB出力のソースドライバIC14を2個使用する320RGB×240ドットなどのQVGAパネルなどに有効である。
図31ではソースドライバIC14aの右端の出力端子93a3から出力される階調電流(プログラム電流)と、ソースドライバIC14aの左端の出力端子93a1から出力される階調電流(プログラム電流)とは一致するとはかぎらない。ICチップ14a内の単位トランジスタ224の特性により変化するからである。
また、ソースドライバIC14bの右端の出力端子93a2から出力される階調電流と、ソースドライバIC14bの左端の出力端子93a3から出力される階調電流とは一致するとはかぎらない。ICチップ14b内の単位トランジスタ224の特性により変化するからである。しかし、カスケードするソースドライバIC14は2チップであるから、ソースドライバIC14aの出力端子93a1からの階調電流と、ソースドライバIC14bの出力端子93a2からの階調電流とが一致していれば問題はない。したがって、ゲート配線223は低抵抗の配線で形成してもよい。
図31の構成を実現するためには、ICチップ14aのゲート配線223の両端に位置するトランジスタ228bの一方をオープン状態(トランジスタ228bに電流が流れない状態)にする必要がある。
トランジスタ324のドレイン端子がトリミングしやすいように、複数に分割されている(ドレイン端子323a、323b、323c・・・・・)。図32(a)のA線でカットすることにより、ドレイン端子323eはカットされ、トランジスタ323の出力電流を減少させることができる。
図32(b)は、ドレイン端子323のトリミングする間隔を変化させたものである。減少させる電流の大きさに応じて、1箇所以上のドレイン端子323をトリミングし、出力電流を調整する。図32(b)ではB線の箇所とトリミングしている。
図32などのトリミング方式は、特にカスケード接続を担当する素子(トランジスタなど)に対して実施すると効果がある。カスケード接続で受け渡す電流の大きさをトリミングにより調整できるため、良好なカスケード接続を実現できるからである。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できる。
以上の実施の形態では、ドレイン端子323あるいはソース端子321を1箇所あるいは複数箇所をトリミングするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、ゲート端子322をトリミングしてもよい。また、トリミングだけに限定するものではなく、トランジスタ324の半導体膜にレーザー光あるいは熱的エネルギーを照射し、トランジスタ324を劣化させることにより出力電流などを調整してもよいことは言うまでもない。また、図32などの実施の形態は、トランジスタだけに限定されるものではなく、ダイオード、水晶、サイリスタ、コンデンサ、抵抗などに適用してもよいことはいうまでもない。
また、図24に図示するように、各ビットでトランジスタサイズが異なる場合(ビットの大きさに比例する場合など)は、トリミングする長さ(ドレインなどの長さ)もビットの大きさに比例するように構成することが好ましい。
ソースドライバ回路(IC)14は、ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージ回路を内蔵する。ソース信号線18の電荷を強制的に放出または充電するプリチャージあるいはディスチャージ回路の電圧(電流)出力値は、R、G、Bで独立に設定できるように構成することが好ましい。EL素子15の閾値がRGBで異なるからである。
図33はプリチャージ部の構成図である。Vpはプリチャージ電圧である。プリチャージ電圧は、映像データD0〜D5により出力期間範囲が決定される。プリチャージ電圧は、クロックCLKに同期して出力される。プリチャージ電圧を出力する時間は、水平同期信号HDを基点としてカウンタ332の設定値で決定される。カウンタ332はクロックCLK信号に同期してカウントアップされる。プリチャージ電圧出力期間は、HDの最初から開始される。カウンタ332は、カウントしたカウント値と設定値が一致すると、プリチャージ電圧の出力期間が終了する。カウンタ回路332の出力は、アンド(AND)回路333のa端子入力となる。なお、説明を容易にするため、映像データは6ビットであるとして説明をする。
図33の構成では、どの電圧範囲までプリチャージするかは、一致回路331で決定される。一致回路331には、映像データD0〜D5が印加される。一致回路にはプリチャージ範囲がメモリされている。メモリされた値よりも、映像データD0〜D5が小さい時、プリチャージ電圧が出力される。一致回路331は、クロックCLKで同期して動作する。また、イネーブル信号ENがHの時、プリチャージ電圧は出力され、Lの時は映像データの値によらず、プリチャージ電圧は出力されない。一致回路331の出力はアンド回路333のb端子入力となる。
アンド回路333のa端子入力がHで、b端子入力がHの時、スイッチ221aが閉じ、プリチャージ電圧Vpが内部配線222に印加され、かつHI信号がHの時、スイッチ221bが閉じて出力端子93からプリチャージ電圧が出力される。
電流出力回路334は、映像データD0〜D5に基づくプログラム電流を出力する。本発明では、プリチャージ電圧とプログラム電流を同時に出力する。ただし、プリチャージ電圧はHDの最初から一定の期間である。
プリチャージ電圧は、駆動用トランジスタ11aのゲート(G)端子に立ち上がり電圧あるいは立ち上がり電圧以下の電圧を印加する方法とも考えることができる。つまり、駆動用トランジスタ11aをオフ状態にすることによりプログラム電流Iwが0になる状態を発生させ、EL素子15に電流が流れないようにする。
本発明のソースドライバ回路は、図75に図示するように、電子ボリウム291を具備している。したがって、電子ボリウム291を制御することにより、容易にプリチャージ電圧を変化させることができる。なお、電子ボリウム291による制御だけでなく、ソースドライバ回路(IC)14の外部のDA回路などでプリチャージ電圧を発生させて印加してもよいことはいうまでもない。
図35は、ソースドライバ回路(IC)14のプリチャージ回路(プリチャージ電圧を出力する回路構成部)353を中心とするブロック図である。プリチャージ回路353とは、プリチャージ制御回路によりプリチャージ制御信号PC信号(赤(RPC)、緑(GPC)、青(BPC))が出力される。
セレクタ回路352は、メインクロックに同期して出力段に対応するラッチ回路351に順次ラッチしていく。ラッチ回路351は、ラッチ回路351aとラッチ回路351bの2段構成である。ラッチ回路351bは、水平走査クロック(1H)に同期してプリチャージ回路353にデータを送出する。つまり、セレクタは、1画素行分の画像データおよびPCデータを順次ラッチしていき、水平走査クロック(1H)に同期して、ラッチ回路351bでデータをストアする。
なお、図35では、ラッチ回路351のR、G、BはRGBの画像データ6ビットのラッチ回路であり、Pはプリチャージ信号(RPC、GPC、BPC)の3ビットをラッチするラッチ回路である。
プリチャージ回路353は、ラッチ回路351bの出力がHレベルの時、スイッチ221aをオンさせ、ソース信号線18にプリチャージ電圧を出力する。電流出力回路334は、画像データに応じてプログラム電流をソース信号線18に出力する。
図35の構成では、各RGB画像データに対応して、プリチャージコントロール(PC)信号を発生させている。プリチャージの印加は、以上のようにRGBごとに行うことが好ましい。しかし、動画表示、自然画表示では、RGBごとにプリチャージするかしないかを判断する必要がない場合が多い。つまり、RGBを輝度信号に変換し(換算し)、輝度によりプリチャージをするかしないかを判断してもよい。
図36の構成では、PC信号は3ビット必要である(RPC、GPC、BPC)が、図79の構成では、PC信号はRGBPCの1ビットでよい。したがって、図35のラッチ回路351においても、Pは1ビットのラッチでよい。なお、以降の説明では、説明を容易にする点、作図を容易にする観点から、RGBを考慮せずに説明を行う。
以上の本発明の構成は、コントローラ回路(IC)が画像データに基づいてPC信号(プリチャージ制御信号)を発生する点、ソースドライバIC14がPC信号をラッチし1Hの同期信号に同期してソース信号線18に印加する点に特徴がある。プリチャージモード(PMODE)信号により、プリチャージ信号の発生を容易に変更することができる。
たとえば、PMODEとは、階調0のみをプリチャージするモード、階調0−7など一定の階調範囲をプリチャージするモード、画像データが明るい画像データから暗い画像データに変化する時にプリチャージするモード、一定のフレームで連続して低階調表示となる時に、プリチャージするモードなどが例示される。
1画素のデータについてプリチャージするかしないかを判断することに限定するものではない。たとえば、複数画素行の画像データにもとづいてプリチャージ判断をおこなってもよい。また、プリチャージを行う周辺画素の画像データを勘案して(たとえば、重み付け処理など)プリチャージ判断を行っても良い。また、動画と静止画でプリチャージ判断を変化する方法も例示される。以上の事項は、画像データに基づき、コントローラがプリチャージ信号を発生することにより、良好な汎用性が発揮される点が重要である。以降、このプリチャージ判断とプリチャージモードを中心に説明をする。
プリチャージをするかしないかの判定は、1画素行前の画像データ(あるいは、直前にソース信号線に印加された画像データ)にもとづいて行っても良い。たとえば、あるソース信号線18に印加される画像データが白→黒→黒であれば、白から黒になる時は、プリチャージ電圧を印加する。黒階調は書込みにくいからである。黒から黒の場合は、プリチャージ電圧を印加しない。先に黒表示でソース信号線18の電位が次に書き込む黒表示の電位となっているからである。以上の動作は、コントローラ81に1画素行分(FIFOのため2ラインのメモリが必要)のラインメモリを形成(配置)することにより容易に実現できる。
また、本発明において、プリチャージ駆動では、プリチャージ電圧を出力するとして説明をするが、これに限定するものではない。1水平走査期間よりも短く、プログラム電流よりも大きい電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。つまり、プリチャージ電流をソース信号線18に書込み、その後にプログラム電流をソース信号線18に書き込む方式でもよい。プリチャージ電流も物理的には電圧変化を引き起こしていることには差異はない。プリチャージをプリチャージ電流で行う方式も、本発明のプリチャージ駆動の技術的範疇である(本発明の範囲内である)。
本発明のプリチャージ駆動では所定電圧をソース信号線18に印加する。また、ソースドライバICは、プログラム電流を出力するとした。しかし、本発明は、プリチャージ駆動を階調に応じて出力電圧を変化させてもよい。つまり、ソース信号線18に出力するプリチャージ電圧はプログラム電圧となる。ソースドライバIC内にこのプリチャージ電圧のプログラム電圧回路371を導入した回路構成が図37である。
図37は、1つのソース信号線18に対応する1出力回路のブロック図である。階調に応じてプログラム電流を出力する電流階調回路334と、階調に応じたプリチャージ電圧を出力する電圧階調回路371で構成される。電流階調回路334と電圧階調回路371には映像データが印加される。電圧階調回路371の出力は、スイッチ221a、221bがオンすることによりソース信号線18に印加される。スイッチ221aは、プリチャージイネーブル(プリチャージENBL)信号と、プリチャージ信号(プリチャージSIG)で制御される。
電圧階調回路371は、サンプルホールド回路、DA回路などで構成される(図38を参照のこと)。デジタルの映像データに基づいて、DA回路によりプリチャージ電圧に変換される。この変換されたプリチャージ電圧は、サンプルホールド回路381によりサンプルホールドされ、オペアンプを介してスイッチ221aの一端子に印加される。なお、DA回路は電圧階調回路371ごとに構成または形成する必要がなく、ソースドライバ回路(IC)14の外部にDA回路を構成し、このDA回路の出力を電圧階調回路371内でサンプルホールドしてもよい。また、ポリシリコン技術で形成してもよい。
図38に図示するように、8ビットの映像DATAに対応する電圧(プログラム電圧)が、映像クロックに同期して電子ボリウム291から出力される。プログラム電圧は、駆動用トランジスタ11aにプリチャージ電圧として印加される電圧である。また、プログラム電圧は、この電圧を印加することにより、階調にほぼ対応した電流がEL素子15に印加されるように駆動用トランジスタ11aのゲート端子に保持される電圧である。
プログラム電圧は、Cc容量に一時的に保持され、バッファアンプ231aから出力される。出力された電圧は、サンプルホールド回路381(この実施の形態では切り換え回路のように図示している)により、各出力端子93に順次振り分けられる(出力端子93a、93b、93c、93d・・・・・、93n、93a、93b、93c、・・・・・・・93n・・・・・・)。振り分けは、クロックCLKに同期して実施される。なお、本発明では、8ビットのアドレス信号PADRSにより、任意の端子にプログラム電圧を振り分けできるように構成されている。このように、アドレス信号PADRSにより任意の出力端子93に振り分け(8ビットであるから256本の端子のいずれかに振り分け可能である)できるように構成することにより、プログラム電圧の書き換えが必要な端子にのみ、新規のプログラム電圧を印加することができる。また、プログラム電圧の振り分けをランダム化することができる。プログラム電圧は容量Cに保持され(サンプリングされ)、バッファ回路231bの出力は、スイッチSpの制御により出力端子93に印加されたり、遮断されたりする。スイッチSpは、図37ではスイッチ221aが該当する。以上の構成が図37の電圧階調回路371に該当する。
電流階調回路334は、具体的には図22の回路構成が該当する。電流階調回路334のプログラム電流出力はスイッチSiにより制御される。以上のように、電流階調回路334と電圧階調回路371の出力は、スイッチSi、Spにより制御され、プリチャージ駆動(電圧プログラム)+電流プログラミングが実現される。以上の信号は、出力端子93からソース信号線端子382に印加される。プログラム電圧は、ソース信号線18の寄生容量Caを短期間で充放電させる。
電圧階調回路371の出力は、図41に図示するように、1Hの最初に印加される(記号Aで示す)。その後、電流出力回路334によりソース信号線にプログラム電流が供給される(記号Bで示す)。つまり、プリチャージ電圧により概略のソース信号線電位まで電圧設定される。したがって、駆動用トランジスタ11aは、目的電流に近い値まで高速に設定される。その後、電流階調回路334が出力するプログラム電流により駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを補償する目的電流(=プログラム電流)まで設定される。
プリチャージ電圧信号が印加されるA期間は、1Hの1/100以上1/5以下の期間が好ましい。または、0.2μsec以上10μsec以下の期間に設定することが好ましい。したがって、A期間以外がB期間のプログラム電流の印加期間である。A期間が短いとソース信号線18の電荷の充放電が十分に行われないため、書き込み不足が発生する。一方、長すぎると電流印加期間(B)が短くなり十分にプログラム電流を印加することができない。したがって、駆動用トランジスタ11aの電流補正不足となる。
電圧印加期間(A期間)は、1Hの最初から実施することが好ましいが、これに限定されない。たとえば、1Hの終わりのブランキング期間から開始してもよい。また、1Hの途中にA期間を実施してもよい。つまり、1Hのいずれかの期間に電圧印加期間を実施すればよい。しかし、好ましくは、電圧印加期間は、1Hの最初から1/4H(0.25H)の期間内に実施することが好ましい。
図41の実施の形態では、電圧プリチャージ(A)の期間後、電流を印加(B期間)するとしたがこれに限定するものではない。たとえば、図42(a)に図示するように、1Hの期間のすべてを(あるいは大半を、あるいは過半数を)電圧プリチャージ(*A)期間としてもよい。
図42(a)の*Aの期間は、1Hの期間が電圧プログラムを実施している。*Aの期間は、低階調の領域である。低階調の領域で電流プログラムを実施してもプログラムされる電流が微小のため、ソース信号線18の寄生容量の影響により、ソース信号線18の電位変更を実施することができない。つまり、TFT11a(駆動用トランジスタ)の特性補償を行うことができない。また、電流プログラム方式では、プログラム電流Iと輝度Bとが線形の関係にある。そのため、低階調領域で1階調に対する輝度変化が大きすぎる。したがって、低階調領域で階調飛びが発生しやすい。
この課題に対して、本発明では、図42(a)に図示するように、低階調領域で1Hの期間にわたり電圧プログラムを実施している(*Aで図示している)。低階調領域における領域で電圧プログラムの電圧ステップきざみを小さくしている。画素16のTFT11aに印加する電圧を一定ステップにすると、TFT11aのEL素子15への出力電流は概略2乗特性となる。したがって、印加電圧に対する輝度B(輝度BはEL素子15への出力電流に比例する)は、人間の視感度は直線的となる(人間の視感度は、2乗特性の時に低ステップで変化していると認識するためである)。
電圧プログラム方式では、TFT11aの特性補償を良好に実施することができない。しかし、低階調領域では、表示画面64の表示輝度が低いため、特性補償不足による表示ムラが発生しても視覚的に認識されることはない。一方で、電圧プログラム方式では、ソース信号線18の充放電を良好に実施することができる。そのため、低階調領域でも十分にソース信号線18の充放電を実施でき、適正な階調表示を実現できる。
図42(a)でも理解できるように、ソース信号線18の電位がアノード電位(Vdd)に近い場合に、1Hの期間のすべてに(大半に)電圧が印加される。ソース信号線18の電位が0(V)に近くなると、電圧プログラム(A期間)と電流プログラム(B)が1Hの期間内に実施される。なお、ソース信号線18の電位が0(V)に近い場合(高階調領域)では、1Hの期間中のすべての期間にわたり、電流プログラムを実施してもよい。
図42(a)の*A以外の期間は、1Hの一定期間(Aで示す)に電圧プログラムによる電圧をソース信号線18に印加し、その後、Bの期間に電流プログラムによる電流を印加している。以上のようにA期間の電圧の印加により画素16のTFT11aのゲート電位に所定電圧を印加し、概略EL素子15に流す電流が所望値になるようにしている。その後、B期間のプログラム電流により、EL素子15に流れる電流が所定値となるようにしている。*A期間は、1H期間の全般にわたり電圧プログラムが実施されている(電圧が印加されている)。
図42(a)は、画素16のTFT11a(駆動用トランジスタ)がPチャンネルの場合のソース信号線18への印加信号波形である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。画素16のTFT11aがNチャンネルであってもよい。この場合は、図42(b)に図示するように、ソース信号線18の電位が0(V)に近い場合に、1Hの期間のすべてに(大半に)電圧が印加される。ソース信号線18の電位がアノード電圧(Vdd)に近くなると、電圧プログラム(A期間)と電流プログラム(B)が1Hの期間に実施される。
なお、ソース信号線18の電位がVddに近い場合(高階調領域)では、1Hの期間中のすべての期間にわたり、電流プログラムを実施してもよい。
本発明では、駆動用トランジスタ11aはPチャンネルとして説明するが、これに限定するものではなく、駆動用トランジスタ11aはNチャンネルであってもよいことはいうまでもない。説明を容易にするために、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタであるとして説明を行うだけである。
図42などの本発明の実施の形態では、主として低階調領域は電圧プログラムが主で画素に書き込みがされる。中高階調領域は、電流プログラムが主で書き込みが行われる。つまり、電流と電圧駆動の両方のよいところの融合を実現できる。なぜなら、低階調領域は、電圧により所定階調表示される。これは、電流駆動では書き込み電流が微小のため、1H最初に印加した電圧(電圧駆動あるいはプリチャージ駆動による。プリチャージ駆動と電圧駆動は概念的には同一である。大きく差別化するならば、プリチャージ駆動は印加する電圧に種類が比較的少なく、電圧駆動は印加する電圧の種類が多いと言うべきである)が支配的となるからである。
中階調領域は、電圧により書き込んだ後、電圧のずれ量を、プログラム電流で補償する。つまり、プログラム電流が支配的となる(電流駆動が支配的である)。高階調領域は、プログラム電流で書き込む。プログラム電圧印加は不要である。印加した電圧がプログラム電流で書き換えられるからである。つまり、電流駆動が圧倒的に支配的である(図43(b)、図44などを参照のこと)。もちろん、電圧を印加してもよいことは言うまでもない。
電圧階調回路の出力と電流階調回路(プリチャージ回路も含む)の出力とを出力端子93でショートして構成することができるのは、電流階調回路は高インピーダンスであることによる。つまり、電流階調回路は高インピーダンスのため、電圧階調回路からの電圧が電流階調回路に印加されても、回路に問題点(短絡で過電流が流れるなど)が発生することがない。
したがって、本発明で、電圧出力と電流出力状態とを切り換えるとしたがこれに限定するものではない。電流階調回路334からプログラム電流を出力した状態で、スイッチ221(図37を参照のこと)をオンして、電圧階調回路371の電圧を出力端子93に印加してもよいことは言うまでもない。
スイッチ221を閉じて出力端子93に電圧を印加した状態で、電流階調回路334からプログラム電流を出力してもよい。電流階調回路334は高インピーダンスであるので回路的には問題がない。以上の状態も、本発明の、電圧駆動状態と電流駆動状態とを切り換えているという動作の範疇である。本発明は、電流回路と電圧回路の性質をうまく利用している。このことは、他のドライバ回路にない特徴ある構成である。
図43に図示するように、1H期間に印加するプログラムを電圧または電流の一方にしてもよいことは言うまでもない。図43において、*Aの期間は電圧プログラムが実施された1H期間であり、Bの期間は電流プログラムが実施されている1H期間である。主として低階調領域では電圧プログラムが実施され(*Aで示す)、中間調以上の領域では電流プログラムが実施される(Bで示す)。以上のように、階調あるいはプログラム電流の大きさに応じて、電圧駆動を選択するか電流駆動を選択するかを切り換えても良い。
図37の本発明の実施の形態では、電圧階調回路371と電流階調回路334には、同一の映像Dataが入力されている。したがって、映像Dataのラッチ回路は、電圧階調回路371と電流階調回路334と共通でよい。つまり、映像Dataのラッチ回路は、電圧階調回路371と電流階調回路334とに独立に設ける必要がない。共通の映像Dataラッチ回路からのデータに基づき、電流階調回路334または(および)電圧階調回路371がデータを出力端子93に出力する。
図45は本発明の駆動方法のタイミングチャートである。図45において、(a)のDATAは画像データである。(b)のCLKは回路クロックである。(c)のPcntlは、プリチャージのコントロール信号である。Pcntl信号がHレベルの時は、電圧駆動のみモード状態になり、Lレベルの時、電圧+電流駆動モードになる。(d)のPtcはプリチャージ電圧あるいは電圧階調回路371からの出力の切り換え信号である。Ptc信号がHレベルの時は、プリチャージ電圧などの電圧出力がソース信号線18に印加される。Ptc信号がLレベルの時は、電流階調回路334からのプログラム電流がソース信号線に出力される。
たとえば、データD(2)、D(3)、D(8)の時は、Pcntl信号がHレベルであるから、ソース信号線18に電圧階調回路371から電圧が出力される(A期間)。PcntlがLレベルの時は、ソース信号線18には、まず電圧が出力され、その後、プログラム電流が出力される。電圧が出力される期間をAで示し、電流が出力される期間をBで示す。電圧を出力する期間Aは、Ptc信号で制御される。Ptc信号は、図37のスイッチ221のオンオフを制御する信号である。
Pcntl信号がHレベルの時は、電圧駆動のみモード状態になり、Lレベルの時、電圧+電流駆動モードになると説明した。電圧を印加する期間は、点灯率あるいは階調に応じて変化させることが好ましい。低階調の時は、電流駆動では画素にプログラム電流を完全に書き込むことができない。したがって、電圧駆動を実施することが好ましい。電圧を印加する期間を長くすることによって、電圧+電流駆動モードであっても、電圧駆動モードが支配的になり、良好に画素に低階調状態を書き込むことができる。低点灯率の場合は、低階調状態の画素が多い。したがって、低階調状態(低点灯率)の場合も、電圧を印加する期間を長くすることによって、電圧+電流駆動モードであっても、電圧駆動モードが支配的になり、良好に画素に低階調状態を書き込むことができる。
以上のように、電圧+電流駆動モードであっても、点灯率あるいは画素に書き込む階調データ(映像データ)に応じて、電圧駆動状態の期間を変化させることが好ましい。つまり、EL素子15に流す電流を小さくするときは(本発明では低点灯率範囲)、電圧駆動モード期間を長くし、EL素子15に流す電流を大きくするときは(本発明では高点灯率範囲)、電圧駆動モード期間を短くするか、もしくは’なし’にするように制御あるいは調整もしくは装置を構成する。なお、点灯率の意味あるいは点灯率状態に関しては、本明細書内で詳細に説明しているので省略する。また、電圧+電流駆動モードにおいて電圧駆動モードに印加(動作)期間を、duty比、基準電流比などを制御あるいは調整もしくは装置を構成してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施の形態においても適用できることは言うまでもない。
図45において、電圧出力期間Aと電流出力期間Bとを切り換えるとしたが、これに限定するものではない。プログラム電流の出力した状態で、スイッチ221(図37を参照)をオンして、電圧階調回路371の電圧を出力端子93に印加してもよいことは言うまでもない。また、スイッチ221を閉じて出力端子93に電圧を印加した状態で、電流階調回路334からプログラム電流を出力してもよい。A期間後にスイッチ221をオープンにする。以上のように、電流階調回路334は高インピーダンスであるので、電圧回路と短絡状態にしても回路的には問題がない。
図46は、Ptc信号のH期間を変化させることにより、ソース信号線18に電圧を出力する期間を可変するものである。H期間は、階調番号などにより変化させる。たとえば、D(7)では、Ptc信号は1Hの期間Lレベルである。したがって、図37のスイッチ221は1Hの期間オープン状態である。したがって、1H期間には電圧は印加されず、常時電流プログラム状態である。また、D(5)ではPtc期間は他の1H期間よりも長くなっている。したがって、電圧を印加するA期間は長く設定されている。
以上の実施の形態は、電流駆動状態と電圧駆動状態とを切り換えるものである。しかし、本発明はこれに限定されない。図47の実施の形態では、Ptc信号はない。したがって、Pcntl信号で制御される。そのため、H期間は電圧駆動が実施され、L期間は電流駆動が実施される。
電圧プログラムは、RGBのEL素子15の発光効率により、ソース信号線18に出力する電圧値を変更する必要がある。図1の画素構成を例示すれば、駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する電圧(プログラム電圧)は、駆動用トランジスタ11aが出力する電流により異なるからである。駆動用トランジスタ11aの出力電流は、EL素子15の発光効率で異ならせる必要がある。本発明のソースドライバIC14を汎用性があるものとするためには、EL表示パネルの画素サイズが異なっていても、あるいはEL素子15の発光効率が異なっていても、設定あるいは調整により対応する必要がある。
電圧階調回路371は、アノード電圧(Vdd)を原点として電圧を出力する。この状態を図48に示す。アノード電圧(Vdd)は駆動用トランジスタ11aの動作原点である。なお、説明を容易にするため、図1に図示するような駆動用トランジスタ11aがPチャンネルの構成であるとして説明をする。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合も、原点位置が変化するだけであるので説明を省略する。したがって、説明を容易にするため、駆動用トランジスタ11aはPチャンネルの場合を例にあげて説明をする。
図48において、横軸は階調である。本発明では電圧階調回路371の出力階調は256(8ビット)階調であるとして説明をする。縦軸はソース信号線18への出力電圧である。図48では、階調番号に比例してソース信号線18の電位は低くなる。
ソース信号線18の電圧は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧である。駆動用トランジスタ11aの出力電流は、ゲート端子電圧に非線形で変化する。一般的に図48のようにソース信号線18に電圧を印加すると、駆動用トランジスタ11aの出力電流は、印加電圧に対して2乗特性で変化する。つまり、図48では階調に対するソース信号線18の電位は比例しているが、駆動用トランジスタ11aの出力電流(EL素子15に流れる電流)は、ほぼ2乗特性となる。
図48の回路構成は、回路構成などが容易である。しかし、EL素子15に流れる電流は階調番号に比例しない。駆動用トランジスタ11aに線形に変化する電圧を印加(図48の実施の形態の場合など)すると、トランジスタ11aの2乗特性により、出力電流は印加電圧の2乗に比例して出力されるからである。したがって、階調番号が小さい時はトランジスタ11aの出力電流の変化が小さく、階調番号が大きくなるにつれて、急激に大きくなる。したがって、階調番号に対する出力電流の精度が変化する。
この課題を解決する構成が図49である。図49では、階調番号が小さい時には、ソース信号線18への出力電圧の変化が大きい。また、階調番号が小さくなるほどソース信号線18への電圧変化割合は大きくなる。一方、階調番号が大きく(256番目に近づく)なると、ソース信号線18への出力電圧の変化が小さくなるように構成している。したがって、階調番号に対するソース信号線出力電流の関係は非線形となる。この非線形特性は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧に対するEL素子15への出力電流特性と組合せることにより、線形になるようにしている。つまり、階調番号の変化に対する駆動用トランジスタ11aのEL素子15への出力電流が線形となるように調整している。
電流プログラム方式は、階調番号に対するEL素子15に流れる電流が線形の関係にある。図49の構成(方式)は電圧プログラム方式である。図49は電圧プログラム方式であるが、階調番号に対するEL素子15に流れる電流は線形の関係である。したがって、図37のように電流プログラム方式と電圧プログラム方式とを組み合わせた構成(方式)において、マッチングがよい。
図49は、階調番号に対する駆動用トランジスタ11aの出力電流Ieがほぼリニアに変化するようにしている。したがって、階調番号に対するソース信号線出力電圧の関係は、階調番号が小さい時はあらく、大きくなるにつれて細かく変化するようにしている。階調番号をKとし、ソース信号線Vsとした時、変化カーブ式は、図49に図示するようにソース信号線電圧Vs=A/(K・K)となるようにする。なお、Aは比例定数である。もしくは、ソース信号線電圧Vs=A/(B・K・K+C・K+D)もしくはVs=A/(B・K・K+C)となるようにする。なお、D、B、C、Aは定数である。
以上のように、変化カーブ式を構成することにより、変化カーブ式とソース信号線電圧Vsに対する駆動用トランジスタの出力電流Ieを掛け合わせた時に、Vsに対するIeが線形の関係とすることができる。
図49では、変化カーブ式が曲線となる。そのため、変化カーブを作成することが比較的困難である。この課題に対しては、図50に図示するように複数の直線で変化カーブ式を構成することが適切である。つまり、2つ以上の傾きの直線で変化カーブを構成する。
図49では、階調番号が小さい範囲では、ソース信号線18の出力電圧のきざみを大きくし(Aで示す)、階調番号が大きい範囲では、ソース信号線18の出力電圧のきざみを小さくする(Bで示す)。図49の変化カーブでは、階調番号Kに対する駆動用トランジスタ11aの出力電流Ieは非線形の関係となり、また、複数の非線形の出力を組み合わせたものとなる。しかし、階調番号Kに対する出力電流Ieの関係は線形に近い範囲が多くなる。したがって、電流プログラム駆動との組み合わせも容易である。
図49において、電圧階調回路371と電流階調回路334を1つのソースドライバ回路(IC)14内に形成するように図示しているがこれに限定するものではない。本発明は、電圧階調回路371と電流階調回路334とを有することを特徴としている。したがって、1本のソース信号線18の一端に電圧階調回路(用IC)371を配置または形成もしくは実装し、前記ソース信号線18の他端に電流階調回路(用IC)334を配置または形成もしくは実装してもよい。つまり、本発明は、任意の画素に電流プログラムと電圧プログラムを実施できる構成もしくは方法であればいずれの構成でもよい。
電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)14は、逆1.5乗から3.0乗のガンマ特性とする。つまり、駆動用トランジスタ11aのゲート電圧の変化ステップに対応して等間隔の電流増加を実現できるようにする。駆動用トランジスタ11aのV−I特性は、略2乗特性であるからである(電圧V変化に対して、出力電流Iは略2乗特性で変化するからである)。さらに、電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)のガンマ特性は、逆1.8乗から2.4乗のガンマ特性とすることが好ましい。
電圧プログラムを実施するドライバ回路(IC)のガンマ特性は、プログラマブルに構成しておくことが好ましい。また、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、ガンマ特性カーブの原点はアノード電圧VddあるいはVdd近傍とする。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、ガンマ特性カーブの原点は、カソード電圧Vssまたは回路14のグランドもしくはこれらの近傍電位とする。
電圧階調回路371(プリチャージ回路)の変化と電流階調回路334とは同期させる。つまり、電圧階調回路371(プリチャージ回路)の変化が電流階調回路334の変化に対応するように変化させる。電圧階調回路371による画素16の駆動用トランジスタ11aの出力電流の目標値(期待値)が1μAであれば、電流階調回路334による画素16の駆動用トランジスタ11aの目標値(期待値)が1μAとなるように階調制御する。したがって、電流階調回路334の階調データの値と電圧階調回路(プリチャージ回路)371の階調データとが一致するように構成することが好ましい。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。また、同期をさせることが好ましい。
本発明は、すべてのソース信号線18に電圧プログラム(プリチャージ)と電流プログラムの両方を実施することに限定するものではない。いずれか一方を実施できるものでもよい。たとえば、奇数画素列に電圧プログラム(プリチャージ)を実施し、偶数画素列に電流プログラムを実施できるものでもよい。このような構成であっても画質の低下はほとんどない。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。
図48の実施の形態では、階調番号が0の時は、ソース信号線18の電位がアノード電位(Vdd)となっていない。駆動用トランジスタ11aは、立ち上がり電圧までは出力電流が0またはほぼ0である。この立ち上がり電圧までの範囲がCの領域である。したがって、Cの領域はブランクとなるので、階調番号数が一定の場合、図48などに比較して相対的にソース信号線の出力電圧きざみを細かくすることができる。
階調番号0の時、ソース信号線18の電位は原点(アノード電位)でない関係と、図49の非直線の関係、図50の複数の関係式を組合せる関係、図48の直線の関係などは、相互に組合せても良いことは言うまでもない。
電圧プログラムは、R、G、BのEL素子15の発光効率により、ソース信号線18に出力する電圧値を変更する必要がある。図1の画素構成を例示すれば駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加する電圧(プログラム電圧)は駆動用トランジスタ11aが出力する電流により異なるからである。駆動用トランジスタ11aの出力電流はEL素子15の発光効率で異ならせる必要がある。本発明のソースドライバIC14を汎用性があるものとするためには、EL表示パネルの画素サイズが異なっていても、あるいはEL素子15の発光効率が異なっていても、設定あるいは調整により対応する必要がある。
図44は、電圧駆動において、電圧の基準はVddであるという点を利用した回路構成である。図48の縦軸である電圧の大きさVddを固定して変化させる。したがって、階調番号の範囲(256階調=256きざみ)を一定とした場合でも、縦軸の電圧の大きさを調整することができ、ソースドライバ回路(IC)14を汎用的にすることができる。
図44の電子ボリウム291の電圧範囲は、VddからVbvである。したがって、オペアンプ231aの出力電圧Vadは、VddからVbvの値が出力される。Vbvはソースドライバ回路(IC)14の外部より入力される。また、IC(回路)14内部で発生させてもよい。電子ボリウム291のスイッチSは、8ビットの制御データ(階調番号)がデコーダ回路532でデコードされ、該当のスイッチSが閉じ、電圧VddからVbv間の電圧がVadから出力される。
図44などはアノード電圧Vddを原点とするものであった。図81は、アノード電位に該当する電圧も調整できるようにするものである。電子ボリウム291の端子Vddにオペアンプ231cからの電圧を印加している。印加する電圧はVbvhである。電子ボリウム291の下限電圧は、Vbvlである。したがって、ソース信号線18に印加される電圧範囲は、図82に図示するようにVbvh以下Vbvl以上となる。他の事項は他の実施の形態と同一あるいは類似であるので説明を省略する。
図39は、図37、図38の電流階調回路334と電圧階調回路371の構成部分をさらに詳細に記載したブロック図である。シフトレジスタ回路352(セレクタ回路)はスタート信号(ST1)、クロック(CLK1)により順次シフト動作する。シフト動作により、第1のラッチ回路351a(保持回路)に、DATA9ビットの保持位置を指定する。DATA9ビットとは、映像信号8ビットとプリチャージ信号1ビットの計9ビットである。ラッチ回路351aは、1水平期間に順次DATAを保持していく。
第1のラッチ回路に保持されたDATAは、ロード信号(LD)により2段目の第2のラッチ回路351bにロードされる。ラッチ回路351bに保持されたDATAは、電圧階調回路371の入力と、電流階調回路334の入力となる。プリチャージ信号の1ビットは、電圧階調回路371のプログラム電圧と、電流階調回路334のプログラム電流の切り換え信号である。プリチャージ信号は、切り換え回路391(図37のスイッチ221などが該当する)を時間的に制御し、出力端子93から、プリチャージ信号がオンのときはまずプリチャージ電圧を出力し、その後プログラム電流を出力する。
なお、電圧階調回路のサンプルホールド回路は比較的低速でしか動作しないため、電圧階調回路のサンプルホールド用として1段のラッチ回路を追加し、3段のラッチ回路で構成してもよいことは言うまでもない。また、切り換え回路391は基板30にポリシリコン技術で形成してもよい。
図40は、プリチャージ電圧発生回路からの出力(一例としてVpa、Vpb、Vpc)をICチップ15の配線で伝達した構成である。配線は、ICチップの長手方向に形成される(各出力段251と垂直)。プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)Vp(Vpa、Vpb、Vpc、open)を伝達するプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)配線PS(PSa、PSb、PSc、PSd)がソース信号線18に直交するように配線される。プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)配線PSと内部配線222とは直交し、各交点にスイッチSpが配置されている。スイッチSpはSEL信号(プリチャージ電圧の選択信号、openを含む)で切り換えられる。openがスイッチSp0aで選択された場合は、プリチャージ電圧は出力されない。スイッチSpは出力端子93ごとに自由に設定できる。スイッチSpは、映像信号の大きさ、変化などにより適切なものが選択され制御される。
図38と図40との差異は、図38が映像信号ごとに対応するプリチャージ電圧をサンプルホールドして発生させる構成である。サンプルホールドしたプリチャージ電圧は、出力端子ごとに、プリチャージビット(プリチャージ電圧を印加するか否かの判断ビット)により判断され印加される。図39は、複数のプリチャージ電圧を発生させておき、1つのプリチャージ電圧を選択する構成である。選択するプリチャージ電圧は、プリチャージビット(SEL信号:どのプリチャージ電圧を印加するかの指定ビット。ただし、プリチャージ電圧を印加しない(open)場合もある)により判断され、ソース信号線18に印加される。
なお、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)は1Hの最初の期間に全ソース信号線18に一斉に印加される。したがって、SEL信号もラッチして保持しておく必要がある。
以上の実施の形態は、ソースドライバIC14を介して、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)を印加するものであったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、アレイ基板30に形成したプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)用トランジスタ素子を形成し、このトランジスタ素子をオンオフ制御することにより、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)線に印加されたプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)をソース信号線18に印加するように構成してもよいことは言うまでもない。
図40などで、オープン機能(openの選択)を設けている。しかし、これは説明を容易にするためであって、必ずしも構成あるいは形成することに限定するものではない。たとえば、図90に図示するように、プログラム電圧(プリチャージ電圧)の電圧出力回路371の出力側にスイッチ221b(セレクタ回路)を配置または形成し、プリチャージ電圧などを出力端子93から出力するモード(駆動方式)の場合は、スイッチ221bをa端子側にし、他のモードではスイッチ221bをb端子側に設定(a端子を選択しない)するように構成してもよい。
以上の実施の形態では、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)はアノード電圧に近い電圧であるとして説明をした、しかし、画素構成によっては、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)がカソード電圧に近い場合がある。たとえば、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタで形成されている場合、および、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで、吐き出し電流(図1の画素構成は吸い込み(シンク)電流)で電流プログラムが実施される場合である。この場合は、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)をカソード電圧に近い電圧とする必要がある。
図51は本発明の他の実施の形態である。電子ボリウムの0階調目に該当するプリチャージ電圧(プログラム電圧)V0は、図62に図示するようにRGBで固定電圧を印加する。もちろん、RGBで変化させてもよい。抵抗Rは図に示すように電子ボリウム291の外づけとしてもよい。抵抗Rを変化あるいは取り替えることにより、自由に各Vpc電圧を変化できる。
なお、抵抗値R1>R2>・・・・・・>Rnの関係を維持するように構成する。また、少なくともR1>Rnの関係を維持させる(Rnは最後のスイッチから出力されるVpc電圧を決定する抵抗である。また、R1は低階調側でありRnは高階調側である。また、R1は駆動用トランジスタ11aの立ち上がり電圧近傍の電圧発生用であり、Rnは白表示電圧を発生するものである)。特に、R1>R2(R1の端子間電圧>R2の端子間電圧)の関係は維持することが好ましい。駆動用トランジスタ11aの特性から、V0電圧と次の1階調目の電圧との差が、1階調目と2階調目の電圧との差よりも大きいからである。
スイッチS(図51ではS1〜S7)は、VDATAをデコードすることにより指定される。なお、選択できるVpcの電圧の個数は、表示装置が6インチ以上の場合は、表示装置の階調数の1/8以上にすることが好ましい(256階調の場合は、32階調以上)。特に、1/4以上とすることが好ましい(256階調の場合は、64階調以上)。比較的高階調領域までプログラム電流の書き込み不足が発生するからである。6インチ以下の比較的小型の表示パネル(表示装置)では、選択できるVpcの電圧の個数は、2以上にすることが好ましい。VpcがV0の1つであっても良好な黒表示を実現できるが、低階調領域で階調表示することが困難な場合があるからである。Vpcが2以上であれば、FRC制御により複数の階調を発生することができ、良好な画像表示を実現できる。
b点の電位を決定するSDATAは、基準電流Icに相関する。好ましくはIcの1/1.5乗以上1/3乗に比例するように制御される。基準電流Icが大きい時は、b点電位が降下するように制御され、基準電流Icが小さい時はb点電位が高くなる。したがって、基準電流Icが大きい時は、各抵抗R間の電位差が大きくなり、各Vpcの差が大きくなる(プログラム電圧のステップ変化が大きくなる)。逆に、基準電流Icが小さい時は、各抵抗R間の電位差が小さくなり、各Vpcの差が小さくなる。
図58の実施の形態のように、V2電圧、V8電圧、V32電圧、V128電圧と、4倍の階調に対応するように電圧端子を構成すると、図52に図示するように、折れ線ガンマのプリチャージ電圧回路を構成することができる。V2電圧とV8電圧との電位差、V8電圧とV32電圧との電位差、V32電圧とV128電圧との電位差、V128電圧とV255電圧との電位差はほぼ等しくなる。また、図52の折れ線ガンマは駆動用トランジスタ11aのV−I特性と一致する。
以上のことから、図58、図52の実施の形態のように構成することにより、良好なプリチャージ駆動(プリチャージ電圧+プログラム電流駆動など)を実現することができる。図58の回路構成から出力されるプリチャージ電圧により、目標のソース信号線18の電位近傍に変化し、わずかなずれ量をプログラム電流により補正できるから、均一性が非常に良好な画像表示を実現できる。
図58の構成は、電圧端子はV0、V1、V2、V8、V32、V128、V255の7端子の実施の形態である。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、端子位置を0、8、32、128、512としてもよい。つまり、V0電圧端子、V8電圧端子、V32電圧端子、V128電圧端子、V512電圧端子を形成した実施の形態である。また、端子位置を0、1、2、8、32、128としてもよい。つまり、V0電圧端子、V1電圧端子、V2電圧端子、V8電圧端子、V32電圧端子、V128電圧端子を形成してもよい。もちろん、近傍であればよく、たとえば、V0電圧端子、V1電圧端子、V3電圧端子、V7電圧端子、V31電圧端子、V127電圧端子などであってもよい。
以上のように、本発明は、少なくとも電圧端子の1組が4の倍数あるいはその近傍にしたものである。なお、4倍といっても、0階調から開始されるか、1階調から開始されるかにより異なる。たとえば、V0、V1、V2、V8、V32、V128としても、V1、V2、V7、V31、V127などであってもよい。つまり、Vn/Vn−1が4近傍になればよい。たとえば、V127/V31も4近傍であるので本発明の技術的範疇である。V1、V3、V12、V31、V255などであっても1つの組み合わせであるV12とV3の関係、つまりV12/V3が4であるから本発明の技術的範疇である。
各電圧端子間の電位差は、基準電流比などにより変化できるように構成することが好ましい。図60は、各電圧端子間をボリウムVRで可変できるように構成した実施の形態である。もちろん、VRの替わりにDAコンバータで可変してもよい。電圧VddとGND間に抵抗R0〜R6が配置されている。基準電流比の変化に伴い、抵抗R6の端子電圧は、ボリウムVRで変化させる。ボリウムVRによりR0〜R6の各抵抗端子の電圧は変化し、この変化は、電圧端子V1〜V256の電圧を変化させる。V0電圧は階調0の電圧であるため、所定電圧Vaに固定している。電圧端子V1〜V256の電位は、複数のソースドライバ回路(IC)14に共通に印加される。
以上の実施の形態は、電圧端子V1〜V256基準電流比に対応して変化させるとしたが、点灯率など他の変動により変化させてもよいことは言うまでもない。
図60の実施の形態は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図55に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図55などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、図56に図示するように、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもよいことは言うまでもない。
図54などでは、電子ボリウム291の抵抗Rは同一として説明している。抵抗Rの抵抗値を同一にすることによりICチップを小サイズ化できる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。抵抗Rは変化させてもよい。たとえば、低階調側の抵抗値を大きくし(図52に図示するように、V0〜低階調領域では、階調に対応する電位の電位差が大きいからである)、高階調側の抵抗値を相対的にあるいは絶対値的に小さくしてもよい。また、抵抗の抵抗値は、低階調側と高階調側の2種類あるいは複数種類で構成してもよい。
たとえば、図52に図示するガンマカーブを発生するためには、プリチャージ電圧Vpc端子間に配置する抵抗値を2乗特性にする。この実施の形態を図57に図示する。プリチャージ電圧Vpc端子間電圧は、1、3、5、7、9・・・・・・・と抵抗値を変化させている。
図57などにおいて、V1電圧、V2電圧などを変化させることにより、適切なプリチャージ電圧を発生することができる。電圧の変化は、DA回路を用いてもよい。DA回路は、コントローラ回路(IC)が出力する8ビットデータIDで制御する。
以上の実施の形態は、プリチャージ駆動方式の実施の形態として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。電圧駆動方式(たとえば、図2などの画素構成を有するEL表示パネルの駆動方法)にも適用できることは言うまでもない。電圧駆動では、RGBのEL素子のガンマカーブが異なるため、RGB独立のガンマ回路が必要である。
図58の構成と、図57の構成とを組み合わせて構成してもよい。図58は、たとえば、V1電圧とV2電圧間のタップ間の抵抗値を一定の抵抗ではなく、4R、2R、Rなど変化させている。変化することにより、図52のカーブが、曲線状となり、よりトランジスタ11aのVI特性と一致するようになる。
以上のように、本発明のソースドライバ回路(IC)14において、プリチャージ電圧を発生する回路構成は、多種多様な構成が含まれる。また、以上の事項は、プリチャージ電流あるいは過電圧Idを発生する回路構成にも適用できることは言うまでもない。
図61は、以前に説明した本発明のプリチャージ電圧回路を電圧駆動方式に適用した実施の形態である。RGBのV0電圧は共通である。電子ボリウム291RはRの電圧発生回路である。また、電子ボリウム291GはGの電圧発生回路である。電子ボリウム291BはBの電圧発生回路である。図61のように構成することによりRGB独立ガンマカーブを発生することができ、良好なホワイトバランスを実現することができる。
以上のように、プリチャージ電圧を発生する本発明の回路構成、駆動方式は、電圧駆動方式にも適用できることは言うまでもない。つまり、電圧+電流駆動に限定されるものではない。
図54では、全階調範囲において、プリチャージ電圧Vpcを対応させるとしているが、本発明はこれに限定するものではない。書き込み電流あるいは書き込み電圧が不足する領域に限定してプリチャージ電圧Vpc発生回路を構成または配置してもよい。たとえば、図54では、電流駆動であり、低階調領域で書き込み不足が発生する(と想定する)。したがって、低階調の該当するV0〜V128までプリチャージ電圧発生回路を構成し、それ以上は、省略してもよいことは言うまでもない。また、0階調目と偶数階調目のみにプリチャージ発生回路を構成したりするように、対応する階調を間欠にしてもよいことは言うまでもない。また、階調128以上のプリチャージ電圧はVpc255のみであってもよい。プログラム電流が支配的に動作するからである。以上の事項は本発明の他の実施の形態においても適用できることは言うまでもない。
図54に図示するように構成することも好ましい。図54は図53の変形例(簡略化した実施の形態でもある)である。図54は4点折れガンマの実施の形態であるが、これは説明を容易にするためであって、4点折れガンマ以下であっても、4点折れガンマ以上であってもよい。
図54の特徴は、V0〜V1、V1〜V2、V2〜V4間のプリチャージ電圧Vpc数が一定でないことである。一例としてV0〜V1はVpc0とVpc1の2個のプリチャージ電圧Vpc、V1〜V2は32−1=31個のプリチャージ電圧Vpc、V2〜V3は128−32=96個のプリチャージ電圧Vpc、V3〜V4は255−32=223個のプリチャージ電圧Vpcとしている。つまり、高階調になるにしたがって、プリチャージ電圧数を多くしている。
階調0に対応するプリチャージ電圧V0はRGBで共通であり、アノード電圧Vddに近い。また、階調1に対応するプリチャージ電圧V1はRGBで異なり、V1とV0電圧の電位差は大きい。また、V1電圧は低階調であるため、電流プログラム方法において書き込み不足が発生しやすく、EL素子の発光効率も低いため、電圧駆動を支配的にする必要がある。この理由から、図54では、V0電圧とV1電圧とをソースドライバ回路(IC)14の外部より入力している。
一方、V3電圧からV4電圧の範囲は、グランド(GND)電圧に近い。また、プログラム電流も大きいため、電流駆動が支配的となるため、基本的にはプリチャージ電圧Vpcの印加は必要ではない。また、高階調側では、ソース信号線電位(駆動用トランジスタ11aのゲート電位)に対する出力電流は直線的な関係になり、少しの電位変化で出力電流は大きくなる。また、電流値も大きい。したがって、プリチャージ電圧Vpcの精度は必要ない。この理由から、V3電圧とV4電圧の間に対応する階調数を多くしても問題ない。
好ましくは、V0〜V1の電位差、V1〜V2の電位差、V2〜V3の電位差、V3〜V4の電位差は同一あるいは近傍の電圧差にすることが好ましい。近傍の電位差とは、1V以内である。このように近傍の電位差にすることにより、電圧V0〜V4の発生回路が容易になり、電子ボリウム291の構成も簡略化することができる。
以上のように、本発明は、外部から(内部で発生してもよいことは言うまでもない)印加する電圧V0〜V4のそれぞれの間に対応するプリチャージ電圧数が異なっていることに特徴がある。
V0電圧は、基準電流比が変化しても固定でよい。しかし、V1電圧位置は、基準電流比の変化に大きく依存する。画素16の駆動用トランジスタ11aの立ち上がり電流が小さいため、基準電流比に対応して駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位(プログラム時のソース信号線18電位)を大きく変化させる必要があるからである。駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合は、基準電流比を大きくするにしたがって、ソース信号線18電位を低下させる必要がある。また、基準電流比による電圧の変化は、V2電圧よりもV4電圧の方を大きくする必要がある。
以上のように本発明は、基準電流比を変化させる駆動を実施する場合は、V0電圧を固定または、所定電圧近傍の電位を維持したまま、V1電圧以降あるいはV2電圧以降の電位を変化させることに特徴がある。なお、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、GND電位側にV0電圧(立ち上がり電圧)が位置する。
したがって、図54の電位関係をNチャンネル用に変更すればよい。変更は当業者であれば容易であるので説明を省略する。以上のように、本発明は、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタであるとして説明をするがこれに限定するものではない。Nチャンネルトランジスタであってもよいことは言うまでもない。
図54は、V0とV1電圧間にソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗を形成または配置した構成である。もちろん、抵抗Rは外づけ抵抗であってもよい。また、抵抗Rの抵抗値はトリミングにより調整してもよい。
V0電圧は固定であり、V1あるいはV2電圧と連動しないのであれば、図58に図示するように抵抗Rを形成する必要がない。また、V0電圧とV1電圧とは比較的電位差が大きいため、V0電圧とV1電圧間には大きな抵抗を形成する必要がある。大きな抵抗は、抵抗のパーツ数が増大し、ソースドライバ回路(IC)14チップのサイズ拡大に直結する。
図58は、この課題を解決するため、V0電圧とV1電圧とを独立させている。つまり、V0電圧端子とV1電圧端子間に抵抗を形成していない。また、V1電圧端子とV2電圧端子間にも抵抗を形成していない。一方、V2電圧端子とV8電圧端子間には抵抗Rを配置し、Vpc2とVpc3間、Vpc3とVpc4間、Vpc4とVpc5間など1つのプリチャージ電圧端子間には、抵抗Rの8倍の抵抗(8R)を形成している。これは、V2電圧端子とV3電圧端子間は比較的電位差が大きく、抵抗Rの形成数が少ないと貫通電流が多く流れ、消費電力が大きくなるからである。
V8電圧端子とV32電圧端子間には抵抗Rを配置し、Vpc8とVpc9間、Vpc9とVpc10間、Vpc10とVpc11間など1つのプリチャージ電圧端子間には、抵抗Rの4倍の抵抗(4R)を形成している。これは、V8電圧端子とV32電圧端子間も比較的電位差が大きく、抵抗Rの形成数が少ないと貫通電流が多く流れ、消費電力が大きくなるからである。V32電圧端子とV128電圧端子間のVpc端子間には抵抗Rを配置している。1パーツの抵抗で構成できるのは、V32電圧端子とV128電圧端子間に形成されるプリチャージ電圧端子数が多いため、抵抗Rの構成数も多く、貫通電流が流れないからである。以上の事項は、V128電圧端子とV255電圧端子間も同様である。
各電圧端子間の電位差は、基準電流比などにより変化できるように構成することが好ましい。図60は、各電圧端子間をボリウムVRで可変できるように構成した実施の形態である。もちろん、VRの替わりにDAコンバータ291で可変してもよい。電圧VddとGND間に抵抗R0〜R6が配置されている。基準電流比の変化に伴い、抵抗R6の端子電圧は、ボリウムVRで変化させる。ボリウムVRによりR0〜R6の各抵抗端子の電圧は変化し、この変化は、電圧端子V1〜V256の電圧を変化させる。V0電圧は階調0の電圧であるため、所定電圧Vaに固定している。電圧端子V1〜V256の電位は、複数のソースドライバ回路(IC)14に共通に印加される。
以上の実施の形態は、電圧端子V1〜V256基準電流比に対応して変化させるとしたが、点灯率など他の変動により変化させてもよいことは言うまでもない。
図60の実施の形態は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図55に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図55などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、図56に図示するように、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもよいことは言うまでもない。
図54などでは、電子ボリウム291の抵抗Rは同一として説明している。抵抗Rの抵抗値を同一にすることによりICチップを小サイズ化できる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。抵抗Rは変化させてもよい。たとえば、低階調側の抵抗値を大きくし、高階調側の抵抗値を相対的にあるいは絶対値的に小さくしてもよい。また、抵抗の抵抗値は、低階調側と高階調側の2種類あるいは複数種類で構成してもよい。
たとえば、図52に図示するガンマカーブを発生するためには、プリチャージ電圧Vpc端子間に配置する抵抗値を2乗特性にする。この実施の形態を図57に図示する。プリチャージ電圧Vpc端子間電圧は、1、3、5、7、9・・・・・・・と抵抗値を変化させている。
以上の実施の形態は、プリチャージ駆動方式の実施の形態として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。電圧駆動方式(たとえば、図2などの画素構成を有するEL表示パネルの駆動方法)にも適用できることは言うまでもない。電圧駆動では、RGBのEL素子のガンマカーブが異なるため、RGB独立のガンマ回路が必要である。
以上のように、本発明のソースドライバ回路(IC)14において、プリチャージ電圧を発生する回路構成は、多種多様な構成が含まれる。また、以上の事項は、プリチャージ電流あるいは過電圧Idを発生する回路構成にも適用できることは言うまでもない。
図61は、以前に説明した本発明のプリチャージ電圧回路を電圧駆動方式に適用した実施の形態である。RGBのV0電圧は共通である。電子ボリウム291RはRの電圧発生回路である。また、電子ボリウム291GはGの電圧発生回路である。電子ボリウム291BはBの電圧発生回路である。図61のように構成することにより、RGB独立ガンマカーブを発生することができ、良好なホワイトバランスを実現することができる。
以上のように、プリチャージ電圧を発生する本発明の回路構成、駆動方式は、電圧駆動方式にも適用できることは言うまでもない。つまり、電圧+電流駆動に限定されるものではない。
図54では、全階調範囲において、プリチャージ電圧Vpcを対応させるとしているが、本発明はこれに限定するものではない。書き込み電流あるいは書き込み電圧が不足する領域に限定してプリチャージ電圧Vpc発生回路を構成または配置してもよい。たとえば、図54では、電流駆動であり、低階調領域で書き込み不足が発生する(と想定する)。したがって、低階調の該当するV0〜V128までプリチャージ電圧発生回路を構成し、それ以上は、省略してもよいことは言うまでもない。また、0階調目と偶数階調目のみにプリチャージ発生回路を構成したりするように、対応する階調を間欠にしてもよいことは言うまでもない。また、階調128以上のプリチャージ電圧はVpc255のみであってもよい。プログラム電流が支配的に動作するからである。以上の事項は本発明の他の実施の形態においても適用できることは言うまでもない。
図60の実施の形態は、ソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rにより電圧端子に印加する電圧を変化させる構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図59に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14の内蔵抵抗Raにより、電圧端子間(V2電圧とV8電圧間、V8電圧とV32電圧間、V32電圧とV128電圧間)に所定電圧が印加されるように構成してもよい。
図59などでは、V1電圧とV2電圧とを分離しているが、V1電圧をプリチャージ電圧Vpc1とし、また、オペアンプ231cを介してプリチャージ電圧Vpc2以降を発生するように構成してもよいことは言うまでもない。
図63に図示するプリチャージ電圧(V0、V1・・・・)は、表示パネルの温度により変化させることが好ましい。駆動用トランジスタ11aが駆動電圧に対して温度依存性があるからである。この温度依存性に対応するには、図63に図示するように、温度により変化する素子(ポジスタ、サーミスタ)Rb、Rb2、Rc2などを付加し、温度によりV0、V1、V2電圧が適正な電圧に変化するように構成すればよい。
以上の実施の形態は、主としてプリチャージ電圧を外部から設定する(印加する)ものであった。以下の実施の形態は、プリチャージ電圧をパネル内部で発生させるものである。以前にも説明したように、アレイは、アレイごとにレーザーアニール条件の差異により駆動用トランジスタ11aなどのVt特性がばらつく。Vt特性が異なれば、電圧駆動であるプリチャージ電圧も変化する。したがって、プリチャージ電圧を外部から印加するようにした構成では、パネルごと(アレイごと)にプリチャージ電圧を調整して設定しなければならない。
電流駆動方式では、駆動用トランジスタ11aにプログラム電流を印加する。一例として図1の画素構成では、プログラム電流はアノード端子から駆動用トランジスタ11aをとおって、ソース信号線18に流れ込む。プログラム電流によりソース信号線18電位は変化する。ソース信号線18の電位は、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位と同一である。たとえば、駆動用トランジスタ11aに階調10に対応するプログラム電流が流れれば、ソース信号線18の電位(駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位)は、階調10に対応するプログラム電流が流れるように変化する。たとえば、この電位をV10とすれば、V10の電圧をプリチャージ電圧としてソース信号線18に印加すれば、駆動用トランジスタ11aは、階調10の電流を流すようにプログラムされることになる。
本発明では、ソースドライバ回路(IC)14内にトランジスタ群251cを有し、このトランジスタ群251cは階調の対応した単位電流(プログラム電流)を出力できる。したがって、トランジスタ群251cから所定の階調に該当するプログラム電流を出力し、駆動用トランジスタ11aを動作させて、前記プリチャージ電圧に該当するプログラム電流が流れるように動作させ、この時のソース信号線18の電位を測定することにより、前記所定の階調に該当するプリチャージ電圧を取得することができる。つまり、プリチャージ電圧の設定に必要な階調に該当するプログラム電流をソースドライバ回路(IC)14から出力し、アレイ特性が反映された駆動用トランジスタ(テストトランジスタ)のゲート端子電圧を変化させる。このゲート端子電圧を測定してプリチャージ電圧としてフィードバックするのである。このように動作あるいは設定させることにより、ソースドライバ回路(IC)14の特性とアレイの特性をフィードバックして精度のよいプリチャージ電圧を設定することができる。以上の動作には、アレイなどの特性だけでなく、温度特性も補償している。したがって、プリチャージ電圧を外部設定する必要がないし、温度補償を実施する必要もない。
図169(a)は、説明を容易にするため、階調に対応するプリチャージ電圧の関係を示している。図169(a)に図示するように、一例として、階調0に対応するプリチャージ電圧をV0とする。階調1に対応するプリチャージ電圧をV1、階調8に対応するプリチャージ電圧をV2、階調32に対応するプリチャージ電圧をV3、階調128に対応するプリチャージ電圧をV4、階調255に対応するプリチャージ電圧をV5とする。もちろん、他の階調をV0〜V5に設定してもよい。また、V0〜V5の6つに限定するものではなく、6つ以上であってもよいし、6つ以下でもよい。
図169(b)は、プリチャージ電圧を発生するための駆動用トランジスタ11aを有する測定画素16sを示している。測定画素16sは、プログラム電流を発生させるものであるから、EL素子15を形成する必要はない。したがって、図1におけるトランジスタ11dは不要であり、また、ゲート信号線17bも必要ない。プログラム電流が流れれば目的を達するからである。もちろん、画像を表示する画素16と同様に、EL素子15を形成してもよい。寄生容量などが画素16と同一となり、プリチャージ電圧の測定が良好になるからである。なお、プリチャージ電圧を測定するために用いる測定画素16sを測定画素16sと呼ぶ。
測定画素16sは、ゲート信号線17aにオン電圧が印加され、ソース信号線18にプログラム電流が印加されることにより、駆動用トランジスタ11aが動作し、駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧が変化する。この時のソース信号線18電位を読み取ることにより、プリチャージ電圧を取得することができる。
たとえば、階調1のプリチャージ電圧V1を取得する場合には、階調1に該当するプログラム電流(通常、1個の単位トランジスタからの出力電流)をソース信号線18に印加し、測定画素16sの駆動用トランジスタ11aを動作させる。この動作の完了時のソース信号線18の電位を測定すれば、プリチャージ電圧V1を取得することができる。なお、電圧を測定するとしたが、測定の概念は、電圧を保持するあるいは、得る、を含む概念である。つまり、取得したソース信号線電位をプリチャージ電圧として活用できる方式であれば、いずれの構成、形式、方法であってもよい。たとえば、ソース信号線18sの電位をサンプルホールドして活用する構成が例示される。また、ソース信号線18sのアナログ電位をアナログ−デジタル変換(AD変換)し、デジタルデータをそのまま、プリチャージ電圧V0〜V5として活用する構成、あるいはアナログ変換してV0〜V5として活用する構成が例示される。また、単に、ソース信号線18sの電位をそのまま、フィードバックし、V0〜V5として活用する構成が例示される。また、取得または測定したソース信号線18sの電位あるいは電圧もしくは電位変化をかさ上げしたり、一定の比率と演算したり、重み付け処理をしたり、レベルシフトしたり、また、所定の加工あるいは他の電圧値と、加算あるいは減算などをしてもよいことはいうまでもない。また、複数回の測定値を平均して所望値を得てもよいことは言うまでもない。また、ソース信号線18sの電位変化から目的電圧を予測あるいは推測する動作あるいは処理を含む。本明細書では、説明を容易にするため、これらの概念、方式あるいは構成を含む概念として’測定’として説明する。
また、プリチャージ電圧V0〜V5は、プリチャージ電圧の発生だけではなく、電圧駆動あるいは、ガンマ曲線を発生することにも用いることができる。したがって、本発明の技術的思想は、電流プログラム方式(駆動)だけではなく、電圧プログラム方式(駆動)としても適用することができるものである。
図169(b)において、コンデンサ19bを付加することにより、駆動用トランジスタ11aが流す電流をレベルシフトすることができる。また、ゲート信号線12aの電位の振幅値を変化させることにより、駆動用トランジスタ11aが流す電流をレベルシフトすることができる。以上の事項は、図1で説明を行ったので説明を省略する。コンデンサ19bの大きさなどの画像を表示する画素16と異ならせることにより、プリチャージ電圧を適正な値にアナログ的に変化させることができる。
図170は、本発明のプリチャージ電圧の測定回路の説明図である。プリチャージ電圧の電圧測定回路1701はソースドライバIC14内に形成または構成されている。もちろん、ポリシリコン技術を用いてアレイ基板30に直接に形成または構成してよいことは言うまでもない。ソースドライバIC14内に電圧測定回路を構成することにより、ソース信号線18sに接続された端子93sからプリチャージ電圧を取得することができる。したがって、プリチャージ電圧を測定するために新たな端子93の形成は不要である。また、ソースドライバIC14では、サンプルホールド回路、オペアンプ、アナログスイッチなどプリチャージ電圧を測定するための回路が小面積で高精度に作製あるいは形成もしくは構成することができる。
プリチャージ電圧を測定するために出力するプログラム電流の発生回路は、プログラム電流を出力する電流階調回路334の構成と同様である。電流階調回路は、図33などで説明しているので説明を省略する。
ゲートドライバ回路12aは、測定画素16sを選択するゲート信号線17a1と、画像を表示する画素16を順次選択するゲート信号線17a2(図1などでは、ゲート信号線17aが該当する)を制御する。ゲート信号線17a1は画像表示に関係なく、選択あるいは非選択動作にされる。プリチャージ電圧を測定する時は、ゲート信号線17a1が選択される。それ以外の期間は、非選択とされる。
電流階調回路334は、階調0に対応するプログラム電流を出力する。ただし、階調0に対応するプログラム電流は0である。したがって、スイッチ221b(図33を参照のこと)はオープン状態と同一である。つまり、ソース信号線18sにはプログラム電流は供給されず、ゲート信号線17a1が選択される。測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、ソース信号線18sに電流が流れない状態までソース信号線18sに電荷を充電あるいは放電させる。ソース信号線18sの電位が一定値に落ち着くと、電圧測定回路1701を動作させて、ソース信号線18sの電位を測定する。もちろん、電圧測定回路1701は、たえず動作させておき、ソース信号線18sの電位が安定後した後、プリチャージ電圧としてもよいことは言うまでもない。
なお、電圧測定回路1701が電圧V0を測定している時は、ゲート信号線17a1を非選択状態にすることを基本とするが、たえず、ゲート信号線17a1を選択状態としてもよいことは言うまでもない。
電圧測定回路1701は、ソース信号線18sの電圧を測定し、電圧階調回路371に保持する。保持されたプリチャージ電圧V0は、図51〜図59、図63、図90などのV0電圧となる。
同様に、電流階調回路334は、階調1に対応するプログラム電流を出力する。階調1に対応するプログラム電流は1個の単位トランジスタ224の出力電流(1単位電流)である。ソース信号線18sには1単位のプログラム電流が供給され、ゲート信号線17a1が選択される。ただし、プリチャージ電圧V0〜V5を連続して測定する場合は、ゲート信号線17a1は連続して選択状態を維持してもよい。測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、ソース信号線18sに1単位のプログラム電流が定常的に流れるように動作する。定常の単位電流が流れることにより、また、定常の単位電流が流れるように、ソース信号線18sの電位が変化する。また、駆動用トランジスタ11aは、1単位電流が安定して流れるような状態になるように、ソース信号線18sに電荷を充電あるいは放電させる。
ソース信号線18sの電位が一定値に落ち着くと、電圧測定回路1701を動作させて、ソース信号線18sの電位V1を測定する。もちろん、電圧測定回路1701は、たえず動作させておき、ソース信号線18sの電位が安定後した後に、測定した電圧V1をプリチャージ電圧としてもよいことは言うまでもない。
なお、電圧測定回路1701が電圧V1を測定している時は、ゲート信号線17a1を非選択状態にすることを基本とするが、たえずゲート信号線17a1を選択状態としてもよいことは言うまでもない。電圧測定回路1701は、ソース信号線18sの電圧V1を測定し、電圧階調回路371に保持する。保持されたプリチャージ電圧V1は、図51〜図59、図63、図90などのV1電圧となる。
プリチャージ電圧V2も同様である。流階調回路334は、階調8に対応するプログラム電流を出力する(図169(a)を参照のこと)。階調2に対応するプログラム電流は8個の単位トランジスタ224の出力電流(8単位電流)である。図22では図示していないが、スイッチ221dがクローズし、他のスイッチ221はオープン状態に制御される。
ソース信号線18sには8単位のプログラム電流が供給され、ゲート信号線17a1が選択される。測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、ソース信号線18sに8単位のプログラム電流が定常的に流れるように動作する。定常の単位電流が流れることにより、また、定常の単位電流が流れるように、ソース信号線18sの電位が変化する。
ソース信号線18sの電位が一定値に落ち着く、あるいは、一定値になることが推定される時間後に、電圧測定回路1701を動作させて、ソース信号線18sの電位を測定する。もちろん、電圧測定回路1701は、たえず動作させておき、ソース信号線18sの電位が安定した後、あるいは安定すると推定される時間経過後に測定してもよい。測定した電圧は、プリチャージ電圧V2電圧となる。電圧測定回路1701は、ソース信号線18sの電圧(プリチャージ電圧V2)を測定し、電圧階調回路371に保持する。保持されたプリチャージ電圧V2は、図51〜図59、図63、図90などのV2電圧となる。
同様の操作あるいは動作または駆動を、階調32に対応するプリチャージ電圧をV3として、階調128に対応するプリチャージ電圧をV4として、階調255に対応するプリチャージ電圧をV5としてそれぞれ実施する。
なお、以上の実施の形態では、プリチャージ電圧はV0からV5まで順次測定するとしたが、この順序に限定するものではない。プリチャージ電圧V5からV0に順次測定してもよい。また、ランダムに測定してもよい。また、ソース信号線18sに一定の電圧(黒電圧あるいはリセット電圧)を印加し、ソース信号線18sの電位を所定電位にしてから、各プリチャージ電圧に対応する単位電流をソース信号線18sに印加してもよい。また、プリチャージ電圧V0〜V5の測定は、複数回行って平均化してもよい。
また、プリチャージ電圧V0を測定する時間を長くし、プリチャージ電圧V5を測定する時間を短くするなど、各プリチャージ電圧測定に設定する測定時間を可変してもよい。プリチャージ電圧V1などは、ソース信号線18sに流れ込む電流が小さく、ソース信号線18sの電位変化が遅いからである。一方、プリチャージ電圧V5などは、ソース信号線18sに流れ込む電流が大きく、ソース信号線18sの電位変化が速いからである。
図51〜図59、図63、図90などでは、ポイントとなるプリチャージ電圧は、ソースドライバ回路(IC)14の外部で発生し、もしくは、ソースドライバ回路(IC)14に印加された基準電圧などを分圧して発生することを想定して説明をした。この場合、アレイ基板30のロットが異なれば、駆動用トランジスタ11aの特性が異なり、プリチャージ電圧V0〜V5の値を調整する必要があった。また、アレイ30(駆動用トランジスタ11a)の温度依存性により、プリチャージ電圧V0〜V5を再調整あるいは設定する必要があった。
図170の本発明では、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性を反映する測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、アレイ基板30内に形成されている。つまり、測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、アレイ基板30のトランジスタの特性バラツキを反映している。この測定画素16sの駆動用トランジスタ11aに、ソースドライバ回路(IC)14からプログラム電流を供給し、プリチャージ電圧を測定する。したがって、図51〜図59、図63、図90の電子ボリウム291に供給するプリチャージ電圧V0〜V5は、アレイ基板30の画素16の駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを反映したものとなっている。また、温度依存に関しても、本発明の表示パネルを駆動している温度を反映したものとなっている。したがって、プリチャージ電圧V0〜V5は再調整あるいは、ロットごとに設定する必要がない。
以上のように、本発明は、ソースドライバIC14から、精度のよいプログラム電流を発生(このプログラム電流を実際に表示装置の画像表示するための階調に対応する電流である)させる。したがって、全体としてソースドライバ回路(IC)14の小型化、低コスト化を実現できる。また、測定画素16sは、画素16を形成するアレイ基板30に作製あるいは形成する。測定画素16sは、画像を表示する画素16と同時に形成する(同一プロセスあるいは工程)。また、同一のプログラム電流を画素16と測定画素16sに印加したとき、ソース信号線18とソース信号線18sの電位は略同一になるようにする。つまり、画素16の駆動用トランジスタ11aと測定画素16sの駆動用トランジスタ11aとは、同一特性になるように構成あるいは形成する。同一特性にするには、基本的には、画素16と画素16sを同一構成あるいはレイアウトにすればよい。駆動用トランジスタ11aのチャンネル幅W、チャンネル長Lに構成するのが最も簡単である。
図171は、アナログ−デジタル(AD)変換回路1711を用いた構成である。電流階調回路334内のトランジスタ群251s(図22、図26などで説明したトランジスタ群251cと同一の構成である)から、プログラム電流がソース信号線18sに出力される。
なお、プログラム電流は、吸い込み電流であるが、本発明はこれに限定するものではない。画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタなどの場合は、吐き出し電流にする。もの場合は、トランジスタ群251cを構成する単位トランジスタ224はPチャンネルトランジスタで構成する。
測定画素16sの駆動用トランジスタ11aは、プログラム電流により動作し、ソース信号線18sの電位が変化する。プログラム電流に対応するソース信号線18の電位をVsとする。Vs電圧は電圧測定回路1701により測定される。この電圧はAD変換回路1711でデジタルデータに変換され、メモリあるいは保持回路(ラッチ回路など)により蓄積または保持される。保持されたデータは、デジタルデータのVsとして電圧階調回路371に印加される。他の構成などは、図169、図170などと同様であるので説明を省略する。
なお、Vs電圧は、電圧測定回路1701を介さず、直接にAD変換回路1711によりデジタルデータに変換してもよい。つまり、本発明では、電圧測定回路1701を形成または配置し、この回路1701を使用あるいは動作させるとしたが、何らかの構成あるいは手段あるいは方法により、ソース信号線18sあるいはソース信号線18の電圧を取得できるものあればいずれの構成あるいは手段でもよい。
また、ソース信号線18sにプログラム電流を流すトランジスタ群251s、電圧測定回路1701などは、ソースドライバ回路(IC)14と分離し、別チップ(IC)としてもよい。この別チップ(IC)をアレイ基板30にCOG技術で実装する。また、TAB技術で実装してもよい。
図170の実施の形態では、測定画素16sは1つの場合と図示した。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図172に図示するように、複数の測定画素16s(16s1、16s2、16s3、16s4、・・・・・・・)を形成又は構成し、測定画素16sをゲート信号線17a(17a1、17a2、17a3、17s4、・・・・・・・・)で順次選択する。各測定画素16sは、それぞれプリチャージ電圧V0〜V5を測定する。複数の測定画素16sで測定したプリチャージ電圧V0〜V5を平均化し、平均値としてのV0〜V5を求めることにより、より精度のよいプリチャージ電圧を求めることができる。
また、測定画素16s1はプリチャージ電圧V0を測定する画素とし、測定画素16s2はプリチャージ電圧V1を測定する画素とし、測定画素16s3はプリチャージ電圧V2を測定する画素とし、・・・・・・・・・、測定画素16s6はプリチャージ電圧V5を測定する画素とする、というように、各測定画素16sが受け持つプリチャージ電圧を設定してもよい。
また、各測定画素16sが受け持つプリチャージ電圧は、一定の周期で変更してもよい。たとえば、1周期目は、測定画素16s1はプリチャージ電圧V0を測定する画素とし、測定画素16s2はプリチャージ電圧V1を測定する画素とし、測定画素16s3はプリチャージ電圧V2を測定する画素とし、・・・・・・・・・、測定画素16s6はプリチャージ電圧V5を測定する画素とし、2周期目は、測定画素16s1はプリチャージ電圧V5を測定する画素とし、測定画素16s2はプリチャージ電圧V4を測定する画素とし、測定画素16s3はプリチャージ電圧V3を測定する画素とし、・・・・・・・・・、測定画素16s6はプリチャージ電圧V0を測定する画素とする、というように制御する。周期は、1フレーム周期でもよいし、それ以上あるいはそれ以下でもよい。また、ゲート信号線17bの走査と同期を取って、ゲート信号線17aを順次選択してもよい。つまり、1つのゲート信号線17aの選択期間は、1水平走査期間となる。
図173に図示するように、電圧測定回路1701は、測定信号に同期してプリチャージ電圧を測定する。図173では、Hレベルの時にプリチャージ電圧を測定し、Lレベルの時には、プリチャージ電圧は測定しない。図173では、上段は、トランジスタ群251sが出力する単位電流の大きさを示している。0は、すべての単位トランジスタ224が選択されていない状態である(階調0)。1は単位トランジスタ224が1個選択された状態である(階調1)。2は単位トランジスタ224が2個選択された状態である(階調2)。以下同様に、4は単位トランジスタ224が4個選択された状態であり(階調4)、・・・・・・・32は単位トランジスタ224が32個選択された状態である(階調32)。
図173の実施の形態では、出力電流は、1、2、4、8、16、・・・・・・・と2の乗数で変化させている。つまり、図22において、スイッチ221a、221b、221c、221d・・・・・・・と順次クローズしていく方式である。プリチャージ電圧の階調の2の乗数で測定し取得される。図173の構成では、トランジスタ群251sの制御が容易であり、プリチャージ電圧の測定精度も高い。
トランジスタ群251sからの出力電流により、駆動用トランジスタ11aなどが動作して、ソース信号線18sの電位が変化する。本発明の構成では、単位電流の大きさ(プログラム電流の大きさ)が大きくなるにつれてソース信号線18sの電位は低下する。
プログラム電流の大きさが変化すると、ソース信号線18sの電位は変化する。ソース信号線18sには寄生容量があるため、目標電位まで変化するのに一定の期間が必要である。図173では、この期間は、測定信号はLレベルであり、電圧測定回路1701は動作しない。ソース信号線18sの寄生容量を充放電し、目標電位まで変化すると、測定信号はHレベルとなり、プリチャージ電圧(ソース信号線18sの電位)が測定される。以上の測定がソース信号線18sに印加されるプログラム電流に対応して順次繰り返され、プリチャージ電圧が測定し保持される。
図173は、プログラム電流を2の乗数倍で変化させプリチャージ電圧を測定するものである(取得するものである)。図174は、図169で説明したように、プリチャージ電圧V0、V1、V2、V3、V4、V5を測定(取得)する方法である。トランジスタ群251sから、プログラム電流、0、1、8、32、128、255が順次ソース信号線18sに印加される。このプログラム電流に対応して、ソース信号線18sの電位が変化する。電圧測定回路1701は変化後のソース信号線18sの電位を測定する。
なお、プリチャージ電圧は、決められた階調に対応して測定あるいは取得するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。すべての階調(たとえば、256階調の場合は、0階調目から255階調目)に対してプリチャージ電圧を測定(取得)してもよい。このプリチャージ電圧を階調信号として使用すれば、良好な電圧駆動を実現できる。
以上の実施の形態は、3つ以上のプリチャージ電圧を測定するものであった。しかし、最大階調の階調255(256階調の時)と、最低階調の階調0を測定し、この両者から中間のプリチャージ電圧を発生させてもよい。
図176は、プリチャージ電圧V0とV255を電圧測定回路1701で測定し、測定したプリチャージ電圧を切り換え回路1761(V0電圧をV255電圧の振り分け回路)で、V0電圧を平均化回路1762aに入力する。また、測定したプリチャージ電圧を切り換え回路1761(V0電圧をV255電圧の振り分け回路)で、V255電圧を平均化回路1762bに入力する。平均化回路1762aは、交互にあるいは連続して測定されたプリチャージ電圧V0、プリチャージ電圧V255を平均化し、安定したプリチャージ電圧V0、プリチャージ電圧255をするものである。
平均化回路1762の出力はオペアンプ231に入力され、インピーダンスを低減して、電子ボリウム291に入力される。電子ボリウム291では、図51〜図59、図63、図90などで説明したように、抵抗Rで分圧され、階調に対応するプリチャージ電圧(V0〜V255)が発生させられる。
図175に図示するように、トランジスタ群251sからの出力電流(0または255)により、駆動用トランジスタ11aなどが動作して、ソース信号線18sの電位が変化する。プログラム電流の大きさが変化すると、ソース信号線18sの電位は変化する。ソース信号線18sには寄生容量があるため、目標電位まで変化するのに一定の期間が必要である。そのため、ソース信号線18sの電位変化は曲線を描く。階調に対するプリチャージ電圧(ソース信号線18sの電位)と、階調255に対するプリチャージ電圧が、電圧測定回路1701により測定される。以上の測定がソース信号線18sに印加されるプログラム電流に対応して順次繰り返され、測定されたプリチャージ電圧V0とV255が図176に図示する切り換え回路1761に伝送(伝達)される。
図175は、プリチャージ電圧V0とV255の場合であった。本発明はこれに限定するものではない。図177に図示するように、プリチャージ電圧V0〜V5を順次、電圧測定回路1701で測定し、順次、切り換え回路1761に伝送する。切り換え回路1761は、受信したプリチャージ電圧V0〜V5を平均化回路1762に振り分ける。平均化回路1762は、それぞれのプリチャージ電圧を平均化する。V0〜V5電圧は、V0(A)〜V5(A)として安定化され、電子ボリウム291などに印加される。
図169(b)で説明したように、EL素子15を有しない測定画素16sを形成し、プリチャージ電圧を測定するとした。しかし、もっと簡単には、図178に図示するように、駆動用トランジスタ11aからなる測定画素16sを形成し、この測定画素16sを動作させてプリチャージ電圧を測定してもよい。図178の測定画素16sのゲート端子とドレイン端子は短絡して形成されている。ソース端子は、画素16の駆動用トランジスタと同様にアノード電圧Vddに接続されている。
測定画素16sは、図179に図示するように、アレイ基板30の複数箇所に形成し、複数箇所に形成された測定画素16sの駆動用トランジスタ11aを動作させてプリチャージ電圧を測定することが好ましい。アレイ基板30内の各部分で作製された駆動用トランジスタ11aの特性バラツキがあるからである。複数箇所の測定画素16sで測定されたプリチャージ電圧を平均化して所望のプリチャージ電圧V0〜V5を取得する。また、複数箇所に測定画素16sを形成しておけば、そのうち1つの測定画素16sが不良であっても、他の測定画素16sからプリチャージ電圧V0〜V5を取得することができる。
図180に図示するように、画像を表示するためのトランジスタ群251cと同様に、プリチャージ電圧を測定するためのトランジスタ群251sを形成し、トランジスタ群251sの単位トランジスタ224数を選択して、測定画素16sに印加してもよい。なお、図180などのトランジスタ群251c(251s)の数字は、単位トランジスタ224の個数を示している。つまり、1は単位トランジスタ224が1個であり、2は単位トランジスタ224が2個であり、4は単位トランジスタ224が4個であり、8は単位トランジスタ224が8個・・・・・・・128は単位トランジスタ224が128個である。単位トランジスタ224の個数をスイッチ221で切り換え、各単位トランジスタ224の個数に対する(階調に対する)プリチャージ電圧を測定する。
図180などの構成では、ソース信号線18にプログラム電流を出力するトランジスタ群251cと、ソース信号線18sにプログラム電流を出力するトランジスタ群251sとは、共通のトランジスタ群251b(トランジスタ228b)とカレントミラー回路を構成した実施の形態である(図28、図26、図27、図25、図22などを参照のこと)。したがって、トランジスタ群251sとトランジスタ251cの単位トランジスタが出力する単位電流は同一である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図181に図示するように、トランジスタ群251sとカレントミラー回路を構成するトランジスタ群またはトランジスタ228bに流れる基準電流を、トランジスタ群251cとは別に発生させてもよい。
図181の電子ボリウム291は、電圧Vを変化させる8ビットのDATAにより制御される。DATAは、コントローラ722で制御される。この電圧Vと抵抗R1によりトランジスタ228bに流れる基準電流Icを変更(可変)することができる。トランジスタ228bは、トランジスタ群228bとカレントミラー回路を構成する。なお、以上の構成あるいは動作は、図28、図26、図27、図25、図22などと同様であるので、説明を省略する。
図212は、ソースドライバ回路(IC)14にスイッチS(S1、S2、S3、・・・・・・・)が形成されている。1つのスイッチSが選択されることにより、選択されたスイッチSに接続された端子93のソース信号線18の電位が、ソース信号線電位検出線2121に印加される。
図212では、各端子93に接続されたトランジスタ群251cからプログラム電流I0(階調0に対応する)が出力される。すると、各ソース信号線18の電位は、プログラム電流I0に対応する電位に変化する。この状態でスイッチS0からSn(nは端子93の最大番号値)まで、順次クローズし、各ソース信号線18の電位がソース電位検出線2121に印加され、この電圧はVsdとして測定されてコントローラ722に伝送される。コントローラ722では、プログラム電流I0に対する各ソース信号線18の電位は、Vst0電圧として、メモリ2122に記憶される。このVst0がプリチャージ電圧V0に該当する。
また、プリチャージ電圧V1に対しては、各端子93に接続されたトランジスタ群251cからプログラム電流I1が出力される。すると、各ソース信号線18の電位は、プログラム電流I1に対応する電位に変化する。この状態でスイッチS0からSn(nは端子93の最大番号値)まで、順次クローズし、各ソース信号線18の電位がソース電位検出線2121に印加され、この電圧がVsd1として測定されてコントローラ722に伝送される。コントローラ722では、プログラム電流I1に対する各ソース信号線18の電位Vst1として、メモリ2122に記憶される。このVst1がプリチャージ電圧V1に該当する。
プリチャージ電圧V2に対しては、各端子93に接続されたトランジスタ群251cからプログラム電流I2が出力され、この状態でスイッチS0からSn(nは端子93の最大番号値)まで、順次クローズし、各ソース信号線18の電位がソース電位検出線2121に印加され、この電圧がVsd2として測定されてコントローラ722に伝送される。以下同様である。
以上のように測定されたプリチャージ電圧V0〜V5は、プリチャージ電圧の設定値Vstとして、必要に応じて、ソースドライバ回路(IC)14に伝送され、電子ボリウム291などの設定値として使用される
以上のように構成すれば、プリチャージ電圧を測定するためのプログラム電流を、トランジスタ群251cと変化させることができる。したがって、より柔軟にかつ適正なプリチャージ電圧を測定することができる。
プリチャージ電圧の測定回路は、図182に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14と別回路またはICとしてもよい。図182では、電圧測定回路機能を有する電圧測定回路IC1821をアレイ基板30にCOG実装した実施の形態である。また、図186は、3つのソースドライバ回路(IC)14に電圧測定回路1701からの出力を印加した構成である。また、図189は、3つのソースドライバ回路(IC)14にAD変換回路からのデジタル信号にされたプリチャージ電圧を印加した構成である。
複数のソースドライバ回路(IC)14を用いる場合は、各ソースドライバ回路(IC)14内に電圧測定回路1701を構成あるいは形成し、複数のソースドライバ回路(IC)14のうち、1つの電圧測定回路1701を動作させ、この電圧測定回路1701からのプリチャージ電圧を他のソースドライバ回路(IC)14に供給あるいは印加すればよい。図187はこの構成の説明図である。3つのソースドライバ回路(IC)14は、マスタースレーブ選択端子(M/S)により、マスターとスレーブ設定がロジック的に設定される。マスターモードの時は、M/S端子はロジックレベル1とされ、スレーブモードの時は、M/S端子はロジックレベル0と設定される。
図187では、ソースドライバ回路(IC)14aがマスターモードに設定され、ソースドライバ回路(IC)14bと14cがスレーブモードに設定されている。マスターモードでは、ソースドライバ回路(IC)14a内の電圧測定回路1701が動作し、ソース信号線18sの電位を測定してプリチャージ電圧V0〜V5を出力する。出力されたプリチャージ電圧V0〜V5はスレーブモードのソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電子ボリウム回路などに印加される。スレーブモードに設定されたソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電圧測定回路1701は動作しないように構成されている。
以上のように、マスターモードとスレーブモードがソースドライバ回路(IC)14に設定されるのは、プリチャージ電圧を測定するソース信号線18sまたは測定画素16sが表示領域64以外の箇所に形成されるためである。したがって、これらは、表示領域64の端に構成されることになる。したがって、プリチャージ電圧を測定するソースドライバ回路(IC)14は、表示画面64の端に位置するものが選択されることになる(図187ではソースドライバ回路(IC)14aが該当する)。この選択をM/S端子で設定する。
表示領域64の両端にソース信号線18s、測定画素16sが形成できる場合は、図188に図示するように、画面64の両端に位置するソースドライバ回路(IC)14(14a、14d)をマスターモードに設定する。ソースドライバ回路(IC)14aが出力するプリチャージ電圧を選択するか、ソースドライバ回路(IC)14dが出力するプリチャージ電圧を選択してスレーブモードのソースドライバ回路(IC)14に印加するかは、スイッチSaとSbにより行う。
ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにする時は、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにして、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。ソースドライバ回路(IC)14dをマスターモードにする時は、スイッチSbをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14aをスレーブモードにして、スイッチSaをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)は常時スレーブモードとして使用する。
ソースドライバ回路(IC)14aを常時マスターモードとするか、もしくはソースドライバ回路(IC)14dを常時マスターモードとするかを固定する方法も例示されるが、ソースドライバ回路(IC)14aとソースドライバ回路(IC)14dを交互にマスターモードにして使用するほうが、プリチャージ電圧が平均化され、良好な結果が得られる。切り換えは、1フィールドあるいは1フレームなど周期的に行う。もちろん、1水平走査期間などの周期で切り換えてもよい。また、マスターモードにするソースドライバ回路(IC)14は、2つ以上であってもよい。たとえば、4つであれば、4つのソースドライバ回路(IC)14から1つのスイッチSを制御してプリチャージ電圧を他のソースドライバ回路(IC)14に印加すればよい。
たとえば、第1フレームで、ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにし、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにし、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。第1フレームの次の第2フレームでは、ソースドライバ回路(IC)14dをマスターモードにし、スイッチSbをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14aをスレーブモードにし、スイッチSaをオープンにする。同様に、第2フレームの次の第3フレームでは、ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにし、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにし、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。
また、図208に図示するように、2ビットのセレクタ信号(CS)で切り換える。たとえば、図208において、CS=1の時は、チップ14aの左側のトランジスタ群251Saが動作する。チップ14cは、CS=2であり、CS=2の時は、チップ14cの右側のトランジスタ群251Saが動作する。チップ14bは、CS=0であり、CS=0の時は、チップ14bの両方のトランジスタ群251Sは選択されない。
電圧測定回路IC1821は、トランジスタ群251sを内部に有してもよい。また、AD変換回路1711を内部に有してもよい。電圧測定回路IC1821が測定したプリチャージ電圧V0〜V5は、アナログデータあるいはデジタルデータとして、ソースドライバ回路(IC)14に供給(印加)される。ソースドライバ回路(IC)14が複数ある場合は、複数のソースドライバ回路(IC)14に共通に印加される。
以上の実施の形態は、1つのトランジスタ群251sからのプログラム電流を1つの測定画素16sに印加し、複数のプリチャージ電圧を取得する方式であった。本発明はこれに限定するものではない。図183に図示するように、1つのトランジスタ群251sからのプログラム電流を複数の測定画素16sに印加し、プリチャージ電圧を取得してもよい。
図183の構成では、トランジスタ群251sのプリチャージ電圧V0〜V5に対応する単位トランジスタ224から構成されている。図183において、トランジスタ群251sの1は、プリチャージ電圧V0を発生させる0個の単位トランジスタ(単位トランジスタ群0)を意味している(実際にはトランジスタ224はない)。トランジスタ群251sの1は、プリチャージ電圧V1を発生させる1個の単位トランジスタ(単位トランジスタ群1)を意味している。同様に、トランジスタ群251sの8は、プリチャージ電圧V2を発生させる8個の単位トランジスタ(単位トランジスタ群8)を意味している。以下同様に、トランジスタ群251sの32は、プリチャージ電圧V3を発生させる32個の単位トランジスタの集合(単位トランジスタ群32)を意味し、トランジスタ群251sの128は、プリチャージ電圧V4を発生させる128個の単位トランジスタの集合(単位トランジスタ群128)を意味し、トランジスタ群251sの255は、プリチャージ電圧V5を発生させる255個の単位トランジスタの集合(単位トランジスタ群255)を意味する。
トランジスタ群251s1はプログラム電流I1を出力する。トランジスタ群251s8はプログラム電流I8を出力する。同様に、トランジスタ群251s32はプログラム電流I32を出力し、トランジスタ群251s128はプログラム電流I128を出力し、トランジスタ群251s255はプログラム電流I255を出力する。
単位トランジスタ群0だけは特殊で、単位トランジスタは配置されておらず、プリチャージ電圧V0を測定する電圧測定回路1701aがソース信号線18s0に接続されている。また、測定画素16s0が接続されている。測定画素16s0は、プリチャージ電圧V0に対応する電圧をソース信号線18s0に設定し、電圧測定回路1701aは、プリチャージ電圧V0を測定し出力する。
単位トランジスタ群1は、単位トランジスタが1個形成または配置されている。もしくは、階調1に該当するプログラム電流が出力できるように構成されている。単位トランジスタ群1には、プリチャージ電圧V1を測定する電圧測定回路1701bがソース信号線18s1に接続されている。また、測定画素16s1が接続されている。測定画素16s1は、階調1に対応するプログラム電流の印加により、プリチャージ電圧V1に対応する電圧をソース信号線18s1に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701bは、プリチャージ電圧V1を測定し出力する。
単位トランジスタ群8は、単位トランジスタが8個形成または配置されている。もしくは、階調8に該当するプログラム電流が出力できるように構成されている。たとえば、単位トランジスタの8倍のチャンネル幅を有するトランジスタが1個形成されている。ただし、トランジスタ群251sも、トランジスタ251cと同様に同一の単位トランジスタの集合で構成するほうがバラツキが少なく有利である。
単位トランジスタ群8には、プリチャージ電圧V2を測定する電圧測定回路1701cがソース信号線18s2に接続されている。また、測定画素16s2が接続されている。測定画素16s2は、階調8に対応するプログラム電流の印加により、プリチャージ電圧V2に対応する電圧をソース信号線18s2に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701cは、プリチャージ電圧V2を測定し出力する。
同様に、単位トランジスタ群32には、プリチャージ電圧V3を測定する電圧測定回路1701dがソース信号線18s3に接続されている。また、測定画素16s3が接続されている。測定画素16s3は、階調32に対応するプログラム電流の印加により、プリチャージ電圧V3に対応する電圧をソース信号線18s3に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701dは、プリチャージ電圧V3を測定し出力する。
同様に、単位トランジスタ群32には、プリチャージ電圧V3を測定する電圧測定回路1701dがソース信号線18s3に接続されている。また、測定画素16s3が接続されている。測定画素16s3は、階調32に対応するプログラム電流の印加により、プリチャージ電圧V3に対応する電圧をソース信号線18s3に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701dは、プリチャージ電圧V3を測定し出力する。
単位トランジスタ群128には、プリチャージ電圧V4を測定する電圧測定回路1701eがソース信号線18s4に接続されている。また、測定画素16s4が接続されている。測定画素16s4は、階調128に対応するプログラム電流I128の印加により、プリチャージ電圧V4に対応する電圧をソース信号線18s4に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701eはプリチャージ電圧V4を測定し出力する。
同様に、単位トランジスタ群255には、プリチャージ電圧V5を測定する電圧測定回路1701fがソース信号線18s5に接続されている。また、測定画素16s5が接続されている。測定画素16s5は、階調255に対応するプログラム電流I255の印加により、プリチャージ電圧V5に対応する電圧をソース信号線18s5に設定あるいは調整あるいは動作し、電圧測定回路1701fは、プリチャージ電圧V5を測定し出力する。
図183は、プリチャージ電圧V0〜V5の場合であったが、本発明はV0〜V5に限定するものではない。図184に図示するようにプリチャージ電圧V0〜V8としてもよい。他の構成は、図183と同様であるので説明を省略する。
以上の実施の形態では、ソース信号線18sおよび測定画素16sを形成し、ソース信号線18sにプログラム電流を印加して、ソース信号線18sの電位を電圧測定回路1701で測定するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、表示領域64に形成されたソース信号線18および画素16にプログラム電流を印加し、ソース信号線18の電位を測定してプリチャージ電圧を取得してよい。
この回路構成などを図185に示している。基本的な構成は、以前に説明した構成と同一であり、動作も同一である。単にソース信号線18sをソース信号線18に、測定画素18sを画素16に置き換えればよい。したがって、構成、動作は以前に説明した内容と同一あるいは類似であるため説明は省略する。
図185は、これらの構成に加えて、各ソース信号線18から測定されるプリチャージ電圧をスイッチS(Sa、Sb、Sc、・・・・・・・・Sn)により選択する。たとえば、トランジスタ群251c1からプリチャージ電圧を測定するためのプログラム電流を出力した場合は、スイッチSaを選択し、電圧測定回路1701に印加する。トランジスタ群251c2からプリチャージ電圧を測定するためのプログラム電流を出力した場合は、スイッチSbを選択し、電圧測定回路1701に印加する。
もちろん、すべてのソース信号線18あるいは、複数のソース信号線18にプリチャージ電圧を測定するためのプログラム電流を印加した場合は、該当するソース信号線に接続されたスイッチSを選択して、あるいは順次選択して電圧測定回路1701に印加する。
スイッチSの選択は1つに限定されるものではない。複数のスイッチSを同時に選択し、電圧測定回路1701に印加してもよい。たとえば、すべてのトランジスタ群251cから階調1に対応するプログラム電流を出力し、ゲート信号線17aを選択して、階調1のプログラム電流を印加したソース信号線18に接続された画素16の駆動用トランジスタ11aを動作させる。各画素16の駆動用トランジスタ11aは、各ソース信号線18に階調1に対応するプログラム電流を出力する。このとき、階調1のプログラム電流を印加したソース信号線18に接続されたスイッチをクローズする。すると、各ソース信号線は電圧配線1851で短絡される。したがって、各ソース信号線18の電位は同一電圧になる。この同一電圧となった電圧V1は、各ソース信号線18の階調1のプリチャージ電圧を平均化した値となる。したがって、電圧配線1851のプリチャージ電圧V1を電圧測定回路17101で測定すれば、良好なプリチャージ電圧V1を取得することができる。他の階調のプリチャージ電圧の測定にあっても同様である。
以上の実施の形態では、すべてのソース信号線18に階調に対応するプログラム電流を印加し、すべてのスイッチSをクローズさせてプリチャージ電圧を取得するとしたが、これに限定するものではない。任意の複数のソース信号線18に階調に対応するプログラム電流を印加し、前記選択した任意のスイッチSをクローズさせてプリチャージ電圧を取得してもよいことは言うまでもない。
また、すべてのソース信号線18に同一の階調に対応するプログラム電流を印加する必要はない。たとえば、奇数番目に位置するトランジスタ群251には、階調1に対応するプログラム電流を印加し、偶数番目に位置するトランジスタ群251には、階調32に対応するプログラム電流を印加し、奇数番目に位置するソース信号線18に接続されたスイッチをクローズして、階調1に対応するプリチャージ電圧V1を測定し、偶数番目に位置するソース信号線18に接続されたスイッチをクローズして、階調32に対応するプリチャージ電圧V3を測定するとしてもよい。
また、ソース信号線18の選択数と、選択するスイッチの個数とが一致している必要はない。プログラム電流を印加するソース信号線18が32本であっても、そのうち、16本のソース信号線18に接続されたスイッチを選択してクローズ動作させてもよい。
また、各ソース信号線18に印加する階調に対応するプログラム電流は、順次変化させ、順次プリチャージ電圧を測定していってもよいことは言うまでもない。また、1つのソース信号線18を固定して特定の階調のプリチャージ電圧を測定するよりは、周期的に変化させて各プリチャージ電圧を測定するように構成あるいは動作させることが好ましい。
また、測定するプリチャージ電圧は、階調ごとに測定期間あるいはウエイト期間を異ならせることが好ましい。V1電圧は、プログラム電流が小さいためソース信号線18の電位変化が完了するのに時間を必要とするからである。階調255に対応するV5電圧は、プログラム電流が大きいためソース信号線18の電位変化が短時間で完了するので、ウエイト時間はほとんど必要ない。
図185の実施の形態では、表示領域64の画素16を用いてプリチャージ電圧を測定する。したがって、画像表示させている期間には、プリチャージ電圧を測定できない。ただし、表示画像の階調のプログラム電流が、プリチャージ電圧を取得するためのプログラム電流と一致している時は、プリチャージ電圧を取得できることは言うまでもない。
基本的は、プリチャージ電圧の取得は、図190に図示するように、1フィールドまたは1フレームのブランキング期間あるいは、1水平走査期間のブランキング期間に実施する。ブランキング期間に、プリチャージ電圧に該当するプログラム電流をソース信号線18に印加し、電圧測定回路1710でプリチャージ電圧を測定する。
また、図191に図示するように、画像表示を行う前、つまり、表示装置の電源をオンし、画像表示を行うまえに、リチャージ電圧に該当するプログラム電流をソース信号線18に印加し、電圧測定回路1710でプリチャージ電圧を測定する。また、一度測定した、プリチャージ電圧はデジタル化して表示装置のメモリに格納し、次回からはこの格納したデジタルデータを用いてプリチャージ電圧を発生させてもよい。
図191の実施の形態では、画像表示を行う前に、プリチャージ電圧を測定するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、表示装置の電源をオフする前に、プリチャージ電圧を測定し、測定したデータをフラシュメモリに書き込んで保持してよい。つまり、本発明は、プリチャージ電圧の測定は、何らかのタイミングにおいて測定し、測定したプリチャージ電圧を使用するものであればいずれでもよい。
なお、以上の事項は、図169から図184で説明した構成などにも適用できることは言うまでもない。また、図169から図184で説明した事項は図185にも適用できることは言うまでもない。
また、本発明の実施の形態において、電圧測定回路1701は、ソース信号線18の電圧を測定するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。ソース信号線18に限定されず、擬似的にソース信号線18のように電位変化を発生できるものであればいずれのものでもよい。たとえば、別途形成した配線でもよい。また、測定画素16sの駆動用トランジスタ11aのゲート端子と電圧測定回路1710とを直接結線するように構成してもよい。
また、ソース信号線18などの電位を測定することに限定するものではなく、ソース信号線18の電荷、あるいは電界からプリチャージ電圧を求めるものであってもよい。あるいは、これらの変化速度からプリチャージ電圧を求めるものであってもよい。
以上の実施の形態では、1つの測定画素16sにプログラム電流を印加し、ソース信号線18の電位を電圧測定回路1701で測定するものであった。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図192に図示するように、複数の画素16(16a〜16n)を動作させ、各ソース信号線18の電圧を電圧測定回路1701で測定させてもよい。
図192では、表示画素16に各トランジスタ群251cからプログラム電流を印加し、また、表示画素16の駆動用トランジスタ11aを動作させる。たとえば、トランジスタ群251caは、画素16aに所定の測定すべきプリチャージ電圧に対応するプログラム電流を印加する。画素16aの駆動用トランジスタ11aは、プリチャージ電流を流し、ソース信号線18aは、プログラム電流に該当する電圧に充電または放電される。
また、トランジスタ群251cbは、画素16bに所定の測定すべきプリチャージ電圧に対応するプログラム電流を印加する。画素16bの駆動用トランジスタ11aは、プリチャージ電流を流し、ソース信号線18bは、プログラム電流に該当する電圧に充電または放電される。以下、同様に、トランジスタ群251ccは、画素16cに所定の測定すべきプリチャージ電圧に対応するプログラム電流を印加する。画素16cの駆動用トランジスタ11aは、プリチャージ電流を流し、ソース信号線18cは、プログラム電流に該当する電圧に充電または放電される。
電圧測定回路1701は、スイッチSaをクローズすることにより、ソース信号線18aに保持されたプリチャージ電圧を測定する。また、スイッチSbをクローズすることにより、ソース信号線18bに保持されたプリチャージ電圧を測定する。以下、同様に、スイッチScをクローズすることにより、ソース信号線18cに保持されたプリチャージ電圧を測定する。
また、電圧測定回路1701は、同時に複数のスイッチS(Sa〜Sn)のいずれかを選択する。複数のスイッチSを選択することにより、選択された複数のソース信号線18に保持されたプリチャージ電圧が平均化し、表示領域の駆動用トランジスタ11aの特性を反映したプリチャージ電圧を測定できるようになる。
以上のように、本発明は、複数の画素16を選択し、各ソース信号線18に保持されたプリチャージ電圧を測定してもよい。また、複数のソース信号線18を選択してプリチャージ電圧を測定してもよい。また、1つあるいは複数の画素16にn倍(nは1以上の整数)のプログラム電流を印加し、前記画素16の駆動用トランジスタ11aを動作させて、ソース信号線18を充放電させ、このソース信号線18の電位を測定してもよい。測定したソース信号線18の電位から、演算処理などによりプリチャージ電圧を取得する。
本発明は、ソース信号線18の電位(内部配線222の電位)を測定することにより、プリチャージ電圧を取得する。しかし、電圧測定回路1710で測定された(取得された)プリチャージ電圧をそのままプリチャージ電圧として、使用できない場合がある。たとえば、0階調あるいは1階調に該当するプリチャージ電圧は、完全な黒表示を実現するため、トランジスタ群251から0階調または1階調に該当するプリチャージ電流を印加して取得したプリチャージ電圧よりもアノード側に寄せる(アノード電圧に近い方にシフトさせる)必要がある(駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合で、前記トランジスタのソース端子がアノード端子に接続されている場合)。
以上の課題を解決する方式を、図193に図示している。電圧測定回路1701で測定されたプリチャージ電圧は、AD変換回路1711でデジタルデータMDATAに変換される。一方、どの程度アノード電圧側に電位シフトするかであるデータHDATAはラッチ回路351に保持されている。演算回路1931はHDATAとMDATAとを加算し、目標のVDATAが得られる。VDATAがDA変換されて、アナログデータとなり、電子ボリウム291などに印加される。なお、HDATAとMDATAとを加算するとしたが、場合によっては減算によりVDATAを求める場合もある。また、HDATAあるいはMDATAに一定の割合で重み付け処理をしてVDATAを求めてもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用されることはいうまでもない。
以上の場合は、測定データなどをデジタル信号処理する方法である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図194に図示するようにアナログ的に処理を実施してもよい。電圧測定回路1701で測定されたプリチャージ電圧は、アナログデータMDATAとして演算回路1931に印加される。一方、どの程度アノード電圧側に電位シフトするかを示すデータHDATAは、可変抵抗VRで発生される。この場合、HDATAはアナログ値である。演算回路1931はHDATAとMDATAとを加算し、目標のVDATAが得られる。VDATAがDA変換されて、アナログデータとなり、電子ボリウム291などに印加される。
図193、図194などのHDATA、VDATAは温度により可変してもよい。また、パネルの表示輝度に応じて変化させてもよい。温度は温度センサで検出し、表示輝度は、アノードに流れる電流により検出する。
プリチャージ電圧V0〜V5は、対応するプログラム電流を画素16に印加することにより取得する。図195では、トランジスタ群251cbよりプログラム電流を出力し、画素16が動作する。プログラム電流は、電圧V0に相当する電流を出力し、電圧測定回路1701は電圧V0を測定し、出力する。次にトランジスタ群251cbは、電圧V1に相当するプログラム電流を出力し、電圧測定回路1701は電圧V1を測定し出力する。同様に、トランジスタ群251cbは、電圧V2に相当するプログラム電流を出力し、電圧測定回路1701は電圧V2を測定し出力する。以上の動作をV5まで繰り返し、V5まで実施すると、再びV0より実施する。
図195は、電圧測定回路1701が端子93bと接続されている。トランジスタ群251cbは端子93bと接続されている。端子93bは、アレイ基板30の電極382aと接触し、電気的接続が取られている。端子93bは、アレイ基板30の電極382bと接触し、電気的接続が取られている。図180などでは、電圧測定回路1701の端子とトランジスタ群251の端子93sは共通である。図195では、トランジスタ群251cの端子93bと、電圧測定回路1701の端子93bは分離されている。図195のように構成すれば、端子数93は増加するが、電圧測定回路1701とトランジスタ群251cとを分離して検査を行うことができる。
以上の実施の形態は、電圧測定手段1701でプリチャージ電圧を測定するものであった。電圧測定回路1701の概念には、図196で図示するように、サンプルホールド回路も含まれる。一例としてのサンプルホールド回路は、スイッチS1、S2、コンデンサC、オペアンプ231で構成されている。
図196に図示するように、トランジスタ251cから出力されたプログラム電流は、内部配線222、端子93を通じてソース信号線18に印加され、画素16に供給される。ソース信号線18にプログラム電流に対応したプリチャージ電圧Vが出力され、プリチャージ電圧Vは内部配線222に印加させる。スイッチS2が閉じることによりプリチャージ電圧はコンデンサCに印加され、その後、スイッチS2が閉じてもプリチャージ電圧は保持される。プリチャージ電圧はオペアンプ231により低インピーダンス化されて出力される。スイッチS1が閉じることによりプリチャージ電圧はCnに保持される。保持されたプリチャージ電圧は電子ボリウム291などに印加される。以上のような構成あるいは方式も電圧測定回路である。
以上の構成は、トランジスタ群251sなどを半導体チップとして構成したものである。しかし、図197に図示するように、トランジスタ群251c、電圧測定回路1701をアレイ基板30に直接に構成あるいは形成してもよい。また、図197に図示するように、画素16あるいは測定画素16sの駆動用トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタではなく、Nチャンネルトランジスタであってもよい。
図197に図示するように、トランジスタ群251cから出力されてプリチャージ電流Iにより駆動用トランジスタ11aが動作する。ソース信号線18はプリチャージ電圧に相当する電圧が印加され、この電圧が、アレイ基板30に形成された電圧測定回路1701により測定される。もちろん、トランジスタ群251cをアレイ基板30に直接形成し、電圧測定回路1701を半導体チップとして構成し、アレイ基板30に実装してもよい。
表示パネルでは、RGBのトランジスタ群251cを形成する。プリチャージ電圧もV0は、RGBで共通にできるが、V1〜Vnは別のプリチャージ電圧に設定する。RGBでプログラム電流に対する発光効率が異なるからである。もちろん、RGBのプログラム電流が同一の時あるいは略一致する場合に、ホワイトバランスがとれるときは、プリチャージ電圧はRGBで共通としてもよい。
RGBでプリチャージ電圧を異ならせる場合は、図198のように構成する。トランジスタ群251c(251cR、251cG、251cB)はスイッチSa(SaR、SaG、SaB)により選択させて、内部配線222に接続される。スイッチSa、Sbはアナログスイッチやトランジスタが例示される。スイッチSa、Sbは選択手段である。内部配線222は端子93により測定画素16Sに接続されている。したがって、スイッチSa(SaR、SaG、SaB)によりトランジスタ群251c(251cR、251cG、251cB)が選択されて、各トランジスタ群251cからのプログラム電流Iが電圧測定画素16S(または画素16)に印加される。
トランジスタ群251cRからのプログラム電流はスイッチSaRがクローズすることにより、測定画素16Sに印加される。スイッチSaRがクローズする時は、スイッチSbRがクローズし、ソース信号線18の電位がRの電圧測定回路1701Rに印加され、電圧測定回路1701Rはプリチャージ電圧V0R〜VmR(mはプリチャージ電圧の最大番号値)を測定あるいは取得する。
トランジスタ群251cGからのプログラム電流はスイッチSaGがクローズすることにより、測定画素16Sに印加される。スイッチSaGがクローズする時は、スイッチSbGがクローズし、ソース信号線18の電位がGの電圧測定回路1701Gに印加され、電圧測定回路1701Gはプリチャージ電圧V0G〜VmGを測定あるいは取得する。
トランジスタ群251cBからのプログラム電流はスイッチSaBがクローズすることにより、測定画素16Sに印加される。スイッチSaBがクローズする時は、スイッチSbBがクローズし、ソース信号線18の電位がBの電圧測定回路1701Bに印加され、電圧測定回路1701Bはプリチャージ電圧V0B〜VmBを測定あるいは取得する。
なお、電圧測定回路1701R、1701G、1701Bは、共通にして、1つの電圧測定回路1701で兼用してもよい。また、内部配線222、測定画素16SもRGBごとに分離してもよい。また、図201に図示するように、スイッチSbを形成しなくともよい。
図200は、RGBでプリチャージ電圧を異ならせた場合の構成図である。電子ボリウム291にはデジタル化されたプリチャージ電圧が印加される。電子ボリウム291Rには、プリチャージ電圧V0R〜V5Rが印加される。電子ボリウム291Gには、プリチャージ電圧V0G〜V5Gが印加される。電子ボリウム291Bには、プリチャージ電圧V0B〜V5Bが印加される。なお、プリチャージ電圧とその構成については、図61などでも説明しているので参照されたい。
トランジスタ群251sから出力するプログラム電流Iはn倍にして出力してもよい。n倍にすることは図6などで説明している。n倍のプログラム電流を印加し、プリチャージ電圧を取得する場合は、図199に図示するように、測定画素16sも駆動用トランジスタ11aをn個形成する。もしくは、n倍のプログラム電流で、既定のプリチャージ電圧V(画素16が1つの駆動用トランジスタ11aで構成されている場合に取得されるプリチャージ電圧)が得られるように構成または形成する。
図199に図示するように、プリチャージ電圧を測定するための画素16sをn個の駆動用トランジスタ11aで構成することにより、駆動用トランジスタ11aの特性バラツキによるプリチャージ電圧Vのバラツキを低減することができる。つまり、プリチャージ電圧の精度を向上できる。
図199において、トランジスタ251sから出力されたプログラム電流は、内部配線222、端子93を通じてソース信号線18に印加され、画素16sに供給される。画素16sのn個の駆動用トランジスタ11aからソース信号線18にプログラム電流nIに対応したプリチャージ電圧Vが出力され、プリチャージ電圧Vは内部配線222に印加される。なお、図199ではn=4とし、画素16sには4つの駆動用トランジスタ11aを形成している。
図199では、4Iのプログラム電流が印加させ、4個の駆動用トランジスタ11aが動作する。したがって、個々の駆動用トランジスタ11aはIの大きさのプログラム電流を流すことになる。トランジスタ群251cからは4Iのプログラム電流を出力するが、1つの駆動用トランジスタ11aはIのプログラム電流を流すことになり、結局、画素16が1個の駆動用トランジスタ11aで構成されている場合に、トランジスタ251cからIのプログラム電流を流し、画素16の駆動用トランジスタ11aがIの電流を流す場合と同一になる。しかし、画素11sには駆動用トランジスタ11aが複数形成されているため、多少駆動用トランジスタ11aにバラツキが発生していても、精度のよりプリチャージ電圧を取得することができる。他の構成あるいは動作は、本発明の他の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
以上のように本発明は測定画素16sまたは画素16を用いてプリチャージ電圧を取得する方式である。しかし、課題はプリチャージ電圧を取得する画素16などに欠陥が発生している場合である。欠陥が発生した画素は正常なプリチャージ電圧を出力しない。また、プリチャージ電圧を取得する駆動用トランジスタ11aの特性が異常の場合も問題となる。
本発明はこの課題に対して、プリチャージ電圧を取得する画素16sを複数個形成し、この複数個の画素16sから正常な画素を選択することにより解決している。図202はその説明図である。図202において、プリチャージ電圧を取得する測定画素16sが4個形成されている。どの測定画素16sを選択するかは、スイッチS(S1〜S4)により決定される。図202では、スイッチS1がクローズされ、他のスイッチS2〜S4をオープンにすることにより、測定画素16s1が選択される。したがって、トランジスタ群251cからのプログラム電流は測定画素16s1に印加される。
どの測定画素16sを選択するかは、事前に複数の画素16sの特性を測定し選択しておく。選択した情報はスイッチSのクローズ情報として不揮発性のメモリに保持する。また、デフォルトで選択するスイッチSを決めておく。
なお、図199のように、n個のスイッチSをクローズさせ、n倍のプログラム電流を印加してもよいことは言うまでもない。また、複数の測定画素16sが正常の場合は、正常な測定画素16sが接続されたスイッチSを順次切り換えてプリチャージ電圧Vを取得してもよい。
測定画素16sは図203に図示するようにマトリックス状に形成してもよい。また、1画素列あるいは1画素行として形成してもよい。図203は4画素行、6画素列のマトリックス状に測定画素16sを形成した場合を示している。マトリックス状に形成された測定画素16sの構成は、表示領域64の構成と同様である。測定画素16sの画素行方向には、ゲートドライバ回路12sが接続または形成され、測定画素16sの画素列方向には、ソースドライバ回路(IC)14のトランジスタ群251sが接続または形成されている。どの測定画素16sを選択するかは、選択するソース信号線18とゲートドライバ12sの制御により決定される。また、どのソース信号線18のプリチャージ電圧を測定するかは、電圧測定回路1701の制御により決定される。
ゲートドライバ回路12sがどの測定画素行を選択するかは、ゲートドライバ回路12のST1、CLK1(図8も参照のこと)の制御と同様に、ST3とCLK3により実施される。ゲートドライバ回路12sはゲート信号線17s(ゲート信号線17aと同様の機能を有する)を順次選択し、選択した画素行の駆動用トランジスタ11aを動作させる。
もしくは、ゲートドライバ回路12sはあらかじめ指定(決定)されたゲート信号線17s(ゲート信号線17aと同様の機能を有する)を選択し、選択した画素行の駆動用トランジスタ11aを動作させる。この場合はどの測定画素行を選択し、また、どの測定画素を選択するかは、事前に複数の画素16sの特性を測定し選択しておく。選択した情報は不揮発性のメモリに保持する。また、デフォルトで測定画素行あるいは測定画素16sを決めておく。また、ソースドライバ回路(IC)14の制御により、測定画素行にプログラム電流を印加する。
図199と同様に、n個の測定画素16sを選択し、n倍のプログラム電流を印加してもよいことは言うまでもない。また、ゲートドライバ12sを走査し、プリチャージ電圧を測定する測定画素16sを順次切り換えてプリチャージ電圧Vを取得してもよい。また、図203において、ゲートドライバ回路12sとゲートドライバ12は別回路のように図示したが、これに限定するものではなく、1つの回路として構成してもよい。この1つのゲートドライバ回路の走査により、たとえば、1Fの最初のブランキング時間にゲートドライバ回路により測定画素行を選択し、その後、表示領域64の画素行を選択するように構成してもよい。また、図203において、ソースドライバ回路(IC)14の測定画素用と表示領域用の2つを別回路のように図示したが、これに限定するものではなく、1つの回路として構成し、この1つのソースドライバ回路(IC)14の制御により、たとえば、1Fの最初のブランキング時間にソースドライバ回路(IC)14により測定画素行にプログラム電流を印加し、その後、表示領域64の画素行にプログラム電流を印加するように構成してもよい。
図204は、プリチャージ電圧V0〜V5を測定する測定画素16sと電圧測定回路1701とを形成または配置して構成である。また、プリチャージ電圧を取得するトランジスタ群251sと画像を表示するトランジスタ群251cと、共通のトランジスタ群251bとでカレントミラー回路を構成した実施の形態である。
図204において、トランジスタ群251sは、プリチャージ電圧V0〜V5に対応するプログラム電流を順次出力する。プリチャージ電圧V0に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s0が選択され、電圧測定回路1701aでプリチャージ電圧V0が測定され、電子ボリウム291などに印加される。
プリチャージ電圧V1に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s1が選択され、電圧測定回路1701bでプリチャージ電圧V1が測定され、電子ボリウム291などに印加される。同様に、プリチャージ電圧V2に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s2が選択され、電圧測定回路1701cでプリチャージ電圧V2が測定され、プリチャージ電圧V3に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s3が選択され、電圧測定回路1701dでプリチャージ電圧V3が測定され、プリチャージ電圧V4に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s4が選択され、電圧測定回路1701eでプリチャージ電圧V4が測定され、プリチャージ電圧V5に対応するプログラム電流がソース信号線18sに印加させたときは、測定画素16s5が選択され、電圧測定回路1701fでプリチャージ電圧V5が測定され、電子ボリウム291などに印加される。
当然であるが、図204の構成に本発明が限定されるものではなく、図205のように、電圧測定回路1701は1つで構成してもよい。また、図206に図示するように、RGBごとにトランジスタ群261s、電圧測定回路1701を構成してもよいことは言うまでもない。
以上の実施の形態ではプリチャージ電圧は、測定画素16sまたは画素16を動作させて取得するとした。しかし、プリチャージ電圧はパネル外部で発生して印加してもよい。たとえば、図207に図示するように、外部で発生したプリチャージ電圧V0b〜V5bと、測定画素16sまたは画素16を動作させて取得したプリチャージ電圧V0a〜V5aとをスイッチSで選択または切り換えできるように構成する。外部で発生したプリチャージ電圧V0b〜V5bを選択する場合はスイッチをb側に切り換える。測定画素16sまたは画素16を動作させて取得したプリチャージ電圧V0a〜V5a(内部で発生したプリチャージ電圧)を選択する場合はスイッチSをa側に切り換える。スイッチSの切り換えは、ユーザーが手動で切り換えてもよいし、外光センサ、温度センサなどの出力結果により自動で切り換えてもよい。
プリチャージ電圧を測定するタイミング、測定時間、測定画素16sの指定、プリチャージ電圧の印加期間、タイミングなどの制御は図209に図示するようにコントローラ722で実施する。図209において、RDATAは赤の映像データ、GDATAは緑の映像データ、BDATAは青の映像データである。PCはプリチャージをするしないを制御する信号、PTはプリチャージ期間信号、VCは、プリチャージ電圧の測定信号、VNOはV0〜V5のどのプリチャージ電圧を測定するかの指定信号、VTはプリチャージ電圧の測定期間を指定する信号である。
なお、本発明の実施の形態において、プリチャージ電流を画素16に印加して、プリチャージ電圧を測定するとした。しかし、本発明は、プリチャージ電圧を求めるものであるから、プリチャージ電流を印加する対象は、画素16の駆動用トランジスタ11aだけに限定されるものではない。たとえば、プリチャージ電流の印加により、所定の電流を供給できるトランジスタをアレイ30に形成または配置し、このトランジスタを用いてプリチャージ電圧を取得してもよい。本発明において、重要な点は、画素16の駆動用トランジスタ11aをアレイ基板30に形成し、同一のアレイ基盤30にプリチャージ電圧を取得(測定)するトランジスタを形成又は配置することが構成の条件である。さらには、駆動用トランジスタ11aにプログラム電流を供給するあるいは、プログラム電流に近いまたは類似する電流を供給するトランジスタ(群)で、画素16に電流を印加し、プリチャージ電圧を測定するものである。
なお、以上の事項は、図169から図209で説明した構成、方式などは相互に組みあわて、また単独で本発明の表示パネル、表示装置あるいはそれを用いた装置などに適用できることは言うまでもない。
0階調に該当するV0電圧は、画素16の駆動用トランジスタ11aによって決定される。通常、駆動用トランジスタ11aは、RGBで共通のサイズあるいは大きさである。したがって、RGBではV0電圧は一致している。寄生容量Csの充放電はV0電圧を基準になる場合が多い。
したがって、V0電圧は電流駆動あるいは電圧駆動方式において原点の位置づけとなる。V0電圧の取得は、図216から図221でも取得できる。
図216は、カソード電流を測定することにより取得する方法である。図216は各ソース信号線18を短絡し、短絡した状態でソース信号線に設定するV0’電圧を印加する。この状態で、ゲートドライバ12a、12bを走査し、ソース信号線18に印加されたV0’電圧を画素16に書きこむ。一方、抵抗Rm18電位を電圧測定手段1701で測定する。なお、図216では、電圧測定手段1701を用いて、カソード端子に直列接続した抵抗R0に分流抵抗Rmを接続し、前記抵抗Rmの端子電圧を測定するとしたが、本発明の目的は、カソードに流れる電流を測定するものである。したがって、カソード端子に直接電流測定手段を配置して測定してもよい。また、電流の測定は、アノード端子側でもよい。
ソース信号線18に印加されたV0’電圧を画素16に書きこむ。V0’電圧は、Im(つまりI0)の値が目標値(以下)となるように調整する。I0が目標値となったときのソース信号線18に印加するV0’電圧をV0電圧とする。図216の画素構成では、V0’電圧をアノード端子側にすれば、I0電流は減少する。しかし、V0’電圧を必要以上にアノード電圧よりにすると、階調0に対応するV0電圧を印加したときは、良好な黒表示を実現できるが、階調0電位が深すぎ、階調0から階調1などに変化する時に、階調1が書き込みにくくなる。
適正なV0電圧が得られるI0電流は、表示パネルの表示領域の対角長をd(インチ)とし、I0(mA)するとき、K=I0/dとした時、Kは0.2以上2以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、Kは、0.3以上1.0以下とすることが好ましい。良好な黒表示を実現でき、かつ0階調から他の階調にプリチャージ駆動(過電流駆動)を実施する場合でも良好な階調変化を実現できるからである。
以上のように、V0’電圧を変化させ、変化に対応して、I0電流を測定する。I0電流がKの範囲を満足した時点で、ソース信号線18に印加しているV0’電圧をプリチャージ電圧V0とする、
プリチャージ電圧V0は図217で取得することも好ましい。図217では、複数のソース信号線18は、短絡配線2171で短絡されている。短絡配線2171は黒電圧(プリチャージ電圧V0)を測定した後、a−a’線で割断される。
図217においては、すべてのソース信号線18は短絡配線2171で短絡されている。したがって、各ソース信号線18はフローティング状態である。短絡配線2171には端子電極2172が形成または配置されている。端子電極2172にはプローブ2173が圧接されている。プローブ2173には、配線2175を介して定電流源2174が接続されている。定電流源2174はプリチャージ電圧V0の場合は、出力する電流は0である。
配線2175には、配線2175の電位を測定する電圧測定手段1701が接続されている。電圧測定手段1701はプローブ2173を介してソース信号線18の電位を測定していることになる。今、定電流源2174の出力電流は0であるから、ソース信号線18には電流が印加されていない。つまり、ソース信号線18はプリチャージ電圧V0(階調0)の状態である。
図217はあらかじめ配線2171で複数のソース信号線18を短絡する方式であった。図172のように、ソース信号線18が配線2171で短絡されていない構成の場合は、図218に図示するように、導電体を用いて短絡すればよい。
図217、図219、図221に説明するように、プログラム電流、検査電流など1mA以下の比較的小さな電流を、アレイ30もしくは表示パネルに印加/供給して検査あるいは評価を実施する場合、アレイ30もしくは表示パネルから1mA以下の比較的小さな出力電流を受け取り検査あるいは評価を実施する場合は、図248に図示するように、端子382(2172)と接触するプローブ2173に電圧を印加することが好ましい。特に、端子382(2172)がITOで形成あるいは構成されている場合に必須である。ITO表面は接触抵抗が高く、わずかな酸化物あるいは無機物、有機物によるバリアにより接触が不完全となるからである。
交流電圧発生器2481は、GNDに対して正、負電圧印加手段である。交流電圧発生器(電圧印加手段)2481で、ゲートドライバ回路12の出力オン電圧、出力オフ電圧あるいは近似する電圧を1周期以上の期間印加する。具体的には、±5V〜±15Vの電圧を印加する。1周期以上好ましくは10周期以上の電圧印加により、端子382(2172)表面の障害物(酸化物あるいは無機物、有機物によるバリア)がやぶれ、あるいは除去される。除去などにより接触を完全にした後、検査あるいは評価を実施する。電圧の印加により不要な酸化膜が除去されるからである。
なお、電圧を印加するとしたが、これに限定するものではない。電流を印加してもよい。たとえば、10μA程度の定電流源を端子382(2172)に接続し、この電流が流れるようになるまで、継続させて印加する。電流の印加はパルス的でも、連続的でもよい。また、±5V〜±15Vの電圧を、1周期以上好ましくは10周期以上印加するとしたが、これに限定するものではない。+5V〜+15Vの電圧を継続させて印加してもよい。もちろん、電圧の印加はパルス的でも、連続的でもよい。
図248に図示するように、まず、電圧印加手段2481などにより、端子382(2172)にに電流/電圧を印加し(SWはa端子に接続する)、接続酸化物あるいは無機物、有機物によるバリアを除去してから、SWをb端子に切り換え、定電流源2174に接続して、パネルの評価/検査などを実施する。
図218のようにバンプ664で端子382と接触をとる場合でも同様に、図248で説明したように、バンプ664に交流電圧波形を印加し、完全な接触を取ることが好ましいことは言うまでもない。
以上のように、本発明は、プログラム電流、検査電流など1mA以下の比較的小さな電流を、アレイ30もしくは表示パネルに印加/供給して検査あるいは評価を実施する場合、アレイ30もしくは表示パネルから1mA以下の比較的小さな出力電流を受け取り検査あるいは評価を実施する場合においてアレイ30などの端子と電気接触が必要な場合は、電圧印加手段2481で、ゲートドライバ回路12の出力オン電圧、出力オフ電圧あるいは近似する電圧を1周期以上の期間印加する。1周期以上好ましくは10周期以上の電圧印加により、端子382(2172)と接触を完全にした後、検査あるいは評価を実施する。特に、端子382(2172)にITOなどの酸化物が形成されている場合に実施することが好ましい。電圧の印加により不要な酸化膜が除去されるからである。また、接触を実施する前に、ごく薄いふっ酸、アルコールなどで、端子382(2172)上の有機物を除去することが好ましい。
図218はソース信号線18の各端子電極382に、バンプ664を介して短絡チップ14cで短絡し、ソース信号線18の電位からV0電圧を得る方法である。短絡チップ14cの端子配置はソースドライバIC14と同一である。短絡チップ14cは導電体で構成されている。したがって、短絡チップ14cによりアレイ30上のソース信号線18は共通電位に設定される。したがって、図217と同様に短絡チップ14cの電位を電圧測定手段1701で測定することにより、V0電圧を測定できる。
図220は、ソース信号線18を配線2171で共通にし、アノード配線2101にアノード電圧Vddを印加し、カソード配線2102に電流測定手段2201を接続した構成である。図220では、図216と同様に、配線2171でV0’電圧と印加し、電流測定手段2201で電流I0を測定する。印加する電圧V0’は電圧測定手段1701で測定する。他の構成あるいは方式は、図216または図217と同様である。
図221は、RGBごとにV0電圧を取得する方法である。図217と同様に、R用のソース信号線を短絡する配線2171Rを形成している。また、図218で説明したように短絡チップ14cを用いても良い。また、Gに関しても図217と同様に、G用のソース信号線を短絡する配線2171Gを形成している。同様に、Bについても、B用のソース信号線を短絡する配線2171Bを形成している。
図221においても、図220と同様に、V0’電圧をソース信号線18に印加し、I0電流が目標電流となるように調整してV0電圧を得る。図220との差異は、V0電圧をRGBごとに得る点である。つまり、R用のソース信号線18を配線2171Rで共通にし、アノード配線2101にアノード電圧Vddを印加し、カソード配線2102に電流測定手段2201を接続する。この時、G用とB用のソース信号線18はオープン状態にする。図221では、図216と同様に、配線2171RでV0’電圧と印加し、電流測定手段2201(図示せず)で電流I0を測定する。印加する電圧V0’は電圧測定手段1701Rで測定する。他の構成あるいは方式は、図216または図217と同様である。以上の動作を行うことにより、R用のプリチャージ電圧V0を得ることができる。
Gに対しても同様である。G用のソース信号線18を配線2171Gで共通にし、アノード配線2101にアノード電圧Vddを印加し、カソード配線2102に電流測定手段2201を接続する。この時、R用とB用のソース信号線18はオープン状態にする。図221では、配線2171GでV0’電圧と印加し、電流測定手段2201(図示せず)で電流I0を測定する。印加する電圧V0’は電圧測定手段1701Gで測定する。以上の動作を行うことにより、G用のプリチャージ電圧V0を得ることができる。
Bの場合は、B用のソース信号線18を配線2171Bで共通にし、アノード配線2101にアノード電圧Vddを印加し、カソード配線2102に電流測定手段2201を接続する。この時、R用とG用のソース信号線18はオープン状態にする。配線2171BでV0’電圧と印加し、電流測定手段2201(図示せず)で電流I0を測定する。印加する電圧V0’は電圧測定手段1701Bで測定する。以上の動作を行うことにより、B用のプリチャージ電圧V0を得ることができる。
各階調(プログラム電流)に対するプリチャージ電圧Vの測定は、図221において、電流設定手段2174で実施できる。電流設定手段は、各階調に対応するプログラム電流Iを出力できる。ただし、n本のソース信号線18が配線2171で短絡されている場合は、プログラム電流Iは、I×nである。
電流設定手段2174RはR用のプログラム電流を出力するものである。電流設定手段2174GはG用のプログラム電流を出力するものである。電流設定手段2174BはB用のプログラム電流を出力するものである。
Rのプリチャージ電圧V0〜V5を得る場合は、電流設定手段2174Rからプリチャージ電圧V0〜V5に対応するプログラム電流×nをRのn本のソース信号線18に印加する。Gのプリチャージ電圧V0〜V5を得る場合は、電流設定手段2174Gからプリチャージ電圧V0〜V5に対応するプログラム電流×nをGのn本のソース信号線18に印加する。Bのプリチャージ電圧V0〜V5を得る場合は、電流設定手段2174Bからプリチャージ電圧V0〜V5に対応するプログラム電流×nをBのn本のソース信号線18に印加する。以上の動作あるいは処理により、RGBごとにプリチャージ電圧V0〜V5を得ることができる。
図219は、取得されたV0電圧から補正し、正規のV0電圧を得る方法の説明図である。得られたプリチャージ電圧V0は一定の補正をすることが好ましい。たとえば、より黒表示を実現したいと言う場合である。
図219において、プローブ2173などの構成は、図217などが該当する。つまり、図219のプローブ2173が端子2172に接続される。配線2171の電位は電圧測定手段1701で8ビットのデジタルデータに変換される。一方補正する大きさはROM2122に保持されている。ROMデータは、RDaTaとして、外部より書き換えることができる。
ROM2122に保持されたデータも8ビットである。このROMデータと電圧測定手段1701のデータが加算(減算の場合もある)回路1931で加算される。一般的に加算データにより、アノード電圧側にデータはシフトされる。
加算されたデータは9ビットになる。このデータはDA(デジタルーアナログ変換)回路1711でアナログデータに変換され、パネル温度を検出する温度補償回路2191で温度補償されて、ソースドライバ回路(IC)14に印加される。温度補償回路2191を必要とするのは、プリチャージ電圧は電圧駆動であるため、温度依存性があるからである。
なお、図219ではV0電圧を補正するとしたが、他のプリチャージ電圧Vにおいても同様の処理を実施すればよいことは言うまでもない。
EL表示装置は、液晶表示装置にはないカソード配線、アノード配線が必要である。また、図8に図示するように、ゲートドライバ回路はゲートドライバ回路12a(ゲート信号線17aの駆動用)、ゲートドライバ回路12b(ゲート信号線17bの駆動用)の2つのゲートドライバ回路が必要である。したがって、EL表示装置は、配線数が多く結線が複雑である。そのため、配線の引き回しのためにパネルの額縁が大きくなる。信号線をパネルに入力するためのフレキ基板のサイズが大きくなり高コスト化に直結する。
図65はこの課題を解決する構成の説明図である。なお、説明を容易にするため、図65などでは、ゲートドライバ回路12の制御信号線はST(スタートパルスを印加あるいは伝送する信号線)、CLK(クロック(シフト)パルスを印加あるいは伝送する信号線)、ENBL(イネーブルパルスを印加あるいは伝送する信号線)しか図示していない。実際には、UD(アップダウン方向の信号を印加あるいは伝送する信号線)、Vgh電圧あるいはVgl電圧を伝送あるいは供給する信号線などがあることは言うまでもない。
なお、説明を容易にするため、ST(スタートパルスを印加あるいは伝送する信号線)、CLK(クロック(シフト)パルスを印加あるいは伝送する信号線)、ENBL(イネーブルパルスを印加あるいは伝送する信号線)、UD(アップダウン方向の信号を印加あるいは伝送する信号線)などの制御信号を伝送などする信号線を制御信号線と呼び、Vgh電圧あるいはVgl電圧を伝送あるいは供給する信号線などを電圧信号線と呼ぶ。
ソースドライバIC14は、シリコンチップで形成または構成され、アレイ基板30にCOG(チップオンガラス)技術で実装されている。一方、ゲートドライバ回路12は、低温ポリシリコン、高温ポリシリコンあるいはCGSなどのポリシリコン技術でアレイ基板30に直接に形成されている。
制御信号線(もしくは電力信号線も)は、ソースドライバIC14の裏面あるいはソースドライバIC14の配線パターンを介してゲートドライバ回路12などに接続される。以上のように制御信号線、電力信号線はソースドライバIC14を介して供給することにより前記信号線などを接続するフレキ基板の幅をソースドライバIC14のチップ幅程度にすることができる。したがって、低コスト化が可能である。
図65の構成を実現するために、本発明のソースドライバIC14は図64のように構成(形成)している。図64は、本発明のソースドライバIC14を裏面からみた図である。チップ14の両端に配線645などが形成されている。図64にあって、配線は通常のアルミ配線であり、IC製造工程で形成させる。しかし、配線645などの形成方法はこれに限定するものではなく、IC14完成後、スクリーン印刷技術などで形成してもよい。なお、配線645などはチップ14の一方のみに形成してもよいことは言うまでもない。
IC14は制御信号線などの入力端子643と、ソース信号線18と接続する端子644が形成されている。チップ14の端に制御信号線を接続する端子641aが形成または配置される。また、端子641aには配線645が接続され、配線645の他端は端子641bに接続されている。したがって、G1aの範囲に接続された制御信号線はチップの側辺の端子641bと接続されている。また、端子642aに接続された電力信号線は配線645を介して端子642bに接続される。端子642はアノードあるいはカソード配線が接続されることを想定している。したがって、電力信号線はICチップをブリッジし、IC14の出力側(ソース信号線18との接続側)に出力される。
このようにIC14上において、配線645でブリッジするのは、アノード配線1815などがIC14の遮光膜として、IC14の裏面に形成されていることが多いからである。アノード配線1815を遮光膜としてIC裏面に形成することにより、ICがホトコンダクタ現象により以上動作することがない。配線645で制御信号線あるいは電力信号線を接続することにより、アレイ基板30上で配線を交差する必要がなく、交差部での短絡などが減少し、製造歩留まりを向上させることができる。
なお、図64の実施の形態では、ICチップ14の裏面(実装時にアレイ基板30と対面する面)に配線645などを形成するとしたがこれに限定するものではない。配線645などをICチップ14に表面に形成または配置してもよい。また、ICチップ14とアレイ基板30との隙間に、配線645などを形成したフレキを配置してもよいことは言うまでもない。
また、以上の実施の形態ではソースドライバIC14に配線645などを形成し、信号線をブリッジするとした。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、ゲートドライバ回路12をシリコンチップ(ゲートドライバIC12)などで形成し、ゲートドライバIC12の裏面などに配線645などを形成してもよいことは言うまでもない。
また、配線645上には無機材料あるいは有機材料からなる薄膜(厚膜)を形成することが好ましい。薄膜(厚膜)の厚みは少なくとも0.1μm以上必要である。しかし、3μm以下にすることが好ましい。薄膜(厚膜)の形成により配線645が保護され、腐食などの課題が発生しなくなる。薄膜(厚膜)の比誘電率は、3.5以上6.0以下のものを使用することが好ましい。
図65は本発明のソースドライバIC14をアレイ基板30に実装した状態である。電力信号線(実施の形態ではアノード配線)は配線645を介して端子642bに出力され、表示領域64の画素16部に分岐される。カソード配線のICチップの右端の端子642bから出力されカソード接続点でカソード電極36と接続される。制御信号線もIC14の配線645を介して端子641bから出力されゲートドライバ回路12に入力される。
図66はIC14をアレイ基板30に実装した場合の断面図である。ICチップ14の裏面には配線645が形成され、端子642aと端子642b間を接続している。端子642には金バンプ664が形成されている。金バンプ664はアレイ基板30の端子662とIC14の端子642とを接続している。したがって、信号線661に印加された信号はIC14の配線645を介して信号線622と電気的に接続されるため、アノード配線663などの導体線がアレイ基板30上に形成されていても交差することがない。
図64に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14からゲートドライバ回路(IC)12に引き渡される配線622が交差することがないように、出力端子位置を設定する。以上のように構成することにより、ICチップ14の裏面部を有効に利用することができ、また、パネルを狭額縁化することができる。
以上のように、IC14の配線645を介して電力信号線あるいは制御信号線をブリッジすることのより、基板30に形成された配線と交差することがなくなるという効果が発揮される。他の大きな効果として、図67に図示するように、信号線などをパネルに印加するフレキシブル基板671の大きさを小さくできるという効果も発揮される。一般的にフレキシブル基板671は高価であるのでサイズが小さいほどコストメリットは大きい。
図67に図示するように、IC14への入力信号線にはフレキシブル基板671からストレートに信号などが入力される。IC14の配線645がなければ制御信号線は基板30の入力面でIC14を避けて折り曲げる必要がある。折り曲げればパネルの額縁が大きくなる。本発明のようにICチップ14の配線645を介して接続することにより、額縁を小さくすることができる。
図64などで説明した実施の形態は、端子641aと端子641b間などを配線645などで結線した実施の形態である。つまり、端子641aから入力された信号はそのまま端子641bに出力される。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、入力された信号を分岐したり、遅延したり、変化させる回路あるいは配線を端子641間に形成または配置してもよいことは言うまでもない。
図68は一例として端子641aと端子641b間に変換回路681を形成または配置した構成である。図68の実施の形態における変換回路681は反転出力発生回路である。反転出力発生回路681は入力された信号の反転信号を発生させる。たとえば、ST信号であれば、ネガティブのST信号を発生させる。このネガティブのST信号をNSTと記載する。より具体的には、STが1フレームの期間の1Hの期間、3Vとなり、他の期間は0Vであれば、NST信号は1フレームの期間の1Hの期間、0Vとなり、他の期間は3Vとなる。以上の事項は、CLK、ENBL信号にも適用される。
つまり、図68では端子641aに入力された信号は、反転出力回路681でポジティブ信号とネガティブ信号に変換されて端子681bから出力される。したがって、ソースドライバIC14には入力信号を少なくできる。
図68は反転出力を発生する回路であったが、本発明はこれに限定するものではない。図69はフリップフロップ回路(FF回路)からなる遅延回路691をソースドライバIC14内に形成してものである。
図69では一例として、FF回路691は端子641aと端子641b間に配置されている。FF回路691によりST信号などは遅延される。ゲートドライバ回路12の制御信号(ST、CLKなど)は、ソースドライバ回路(IC)14のラッチ回路381などと同期をとり、ソース信号線18に印加するプログラム電流のタイミングと、ゲート信号線17aにオン電圧を印加するタイミングとを調整する必要がある。このタイミング調整をFF回路691などで行う。以上のように構成することによりコントローラ回路(IC)722から出力する制御信号のタイミング調整が容易になる。
以上の実施の形態のほかに、図70に図示するように、HD(水平走査信号)、VD(垂直走査信号)から制御信号(ST、CLK、ENBLなど)を発生させてもよい。つまり、ソースドライバ回路(IC)14内に信号発生回路701を形成または配置する。HD(水平走査信号)、VD(垂直走査信号)などから信号発生回路701で制御信号(ST、CLK、ENBLなど)を発生する。以上のように構成することにより、さらにソースドライバIC14への信号線本数を削減することができる。
映像信号などを差動信号にしてソースドライバ回路(IC)14に供給することにより信号線数を削減することができる。また、ノイズにも強くすることができる。同様に図71に図示するようにゲート信号(ゲートドライバ回路12の制御信号(ST、ENBLなど))も差動信号として、ソースドライバIC14に印加してもよい。差動信号は差動−パラレル信号変換回路621でパラレル信号に変換される。
図71の実施の形態では、電力信号としてのアノード電圧、カソード電圧は端子642aに入力され、ゲートドライバ回路12を制御するゲート信号(差動)は端子641aに入力される。映像信号(差動)および制御信号(差動)は端子643に入力される。なお、ゲート信号、映像信号および制御信号は、ツイストペアーの差動信号としてもよいことは言うまでもない。また、ゲート信号などは細線同軸ケーブルで伝送してもよい。
以上の実施の形態は他の端子(643、644、642など)についても適用できることは言うまでもない。
図71などに差動信号として印加することにより信号線数の削減できる。図64、図66などのようにIC14に配線645を形成することにより信号線などが交差することをなくすことができる。以上の構成は、アレイ基板30にポリシリコン技術によりゲートドライバ回路12などを形成し、ソースドライバIC14をシリコンチップなどで形成してアレイ基板30にCOG技術を用いて実装することにより発揮できる効果である。
以上の実施の形態は、1つのIC14をパネルに用いた実施の形態であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図76に図示するように、また、2つ(複数)のICチップ14をアレイ基板30に実装し、表示パネル1334を構成してもよい。IC14の両方の端には、電力信号線または制御信号線もしくは両方の信号線が出力されるように形成あるいは配置され、IC14の両方の端には、差動−パラレル信号変換回路621が形成あるいは配置されている。
どちらの差動−パラレル信号変換回路621が動作させるかは、セレクタ信号GSELに印加するロジック信号(電圧レベル)で切り換えられる。図76では、ICチップ14aは差動−パラレル信号変換回路621a1が動作し、差動−パラレル信号変換回路621a1からゲートドライバ回路12aの制御信号などが出力される。また、ICチップ14bは差動−パラレル信号変換回路621b2が動作し、差動−パラレル信号変換回路621b2からゲートドライバ回路12bの制御信号などが出力される。
図76において、ソースドライバ回路(IC)14aは、選択信号GSELによりゲートドライバ12aの制御信号を出力するが、ゲートドライバ12bの制御信号に出力は停止(出力はハイインピーダンス状態、図78なども参照のこと)する。ソースドライバ回路(IC)14bは、選択信号GSELによりゲートドライバ12bの制御信号を出力するが、ゲートドライバ12aの制御信号に出力は停止(出力はハイインピーダンス状態)する。つまり、ソースドライバ回路(IC)14は制御信号あるいはロジック信号またはコマンド入力により、ゲートドライバ12a、12bへの信号を出力するか否かを設定あるいは調整もしくは制御することができる。ただし、3つ以上のICチップ14をアレイ基板30に実装した場合は、ゲートドライバ回路12を制御しないソースドライバ回路(IC)14が発生する。また、ゲートドライバ回路12が1つしかない場合は、2個のソースドライバ回路(IC)14の場合であっても、ゲートドライバ回路12を制御しないソースドライバ回路(IC)14が発生する。これらも本発明の範疇である。つまり、ゲートドライバ回路12を制御するあるいは制御しないことをきりかえられることに本発明の技術的思想がある。
なお、ソースドライバ回路(IC)14内にコントローラ722機能あるいは一部の機能を組みこんでもよい。また、図77のように、ソースドライバ回路(IC)14内にカスケード接続をするか否かを選択する機能を組み込んでもよい。
差動信号は図73に図示するように、本体回路のA信号(判別信号)のHとLに同期して出力される。A信号がLの時は、プログラム電圧(VR、VG、VB)が出力され、A信号がHの時は、プログラム電流(IR、IG、IB)が出力される。
また、映像信号としてのプログラム電流(IR、IG、IB)およびプログラム電圧(VR、VG、VB)と、データ信号DM、DSが伝送される。つまり、差動信号は、R映像信号、G映像信号、B映像信号、Dデータ信号の4相が多重される(VR、IR、VG、IG、VB、IB、DM、DS、VR、IR、・・・・・・)。なお、映像のブランキング期間は、DMとDS信号が連続して伝送される。
なお、プリチャージ時間は、TTLあるいはCMOSのロジックの波形信号などで、コントローラ回路(IC)722などからソースドライバ回路(IC)14に印加してもよいことは言うまでもない。例えば、ロジックの波形信号のHレベルの期間に、プリチャージ電圧(プリチャージ電流)がソース信号線18に印加され、ロジックの波形信号のLレベルの期間は、プリチャージ電圧(プリチャージ電流)がソース信号線18に出力されないように制御あるいは構成される。また、プリチャージ時間は点灯率により制御(可変)してもよいことは言うまでもない。点灯率が低い時は、低階調の画素が多いことを意味している。したがって、プリチャージ時間を長くする。逆に点灯率が高い時は、高階調の画素が多いことを意味している。この場合は、プログラム電流の書き込み不足は発生しないか、もしくは目立たない(認識されない)。したがって、プリチャージ時間は短くてもよい。
図74は、スタート(ST)信号との関係を記載したものである。CLK、ST、映像信号のRGBもしくは(RGBD)も0V(GND)を中心にDiff電圧の振幅で送出(伝送)される。なお、振幅としてのDiff電圧は終端抵抗などで設定あるいは可変もしくは調整される。
図74に図示するように、映像信号としてのRGBと同期をとるCLKは同一の周波数になるようにしている。つまり、CLKの立ち上がりと立下りでDATA内容を識別する。このようなDATAとCLKの関係を保つことにより周波数を定常的にし、不要輻射を低減している。一方、St信号は、CLKの2倍の幅を持ち、CLKの立ち上がりまたは立下りで検出する。CLKはPLL回路721で位相制御される。以上のように差動信号は送出され、送受信が行われる。
図74は、一例としてたとえば、RGBDを1対の差動信号として伝送する構成であったが、本発明はこれに限定するものではなく、図72に図示するように、赤の映像データ(RDATA)を1対の差動信号とし、緑の映像データ(GDATA)を1対の差動信号とし、青の映像データ(BDATA)を1対の差動信号としてもよい。各RGBの差動信号には、プリチャージビットを付加する。つまり、赤のRDATAは赤の該当データをプリチャージするか否かのビットPrRビットを付加(RDATA8ビット+PrR1ビット)する。緑のGDATAは赤の該当データをプリチャージするか否かのビットPrGビットを付加(GDATA8ビット+PrG1ビット)する。青のBDATAは青の該当データをプリチャージするか否かのビットPrBビットを付加(BDATA8ビット+PrB1ビット)する。
本発明では、図79に図示するように、一例としてコントローラ回路(IC)722から差動信号を出力し、ソースドライバ回路(IC)14で受信するとして説明する。コントローラ回路(IC)722に定電流回路Iconが構成され、トランジスタM1、M2が制御されることにより、TxV+、TxV−信号が端子643cから出力される。端子643cから出力された信号は、フレキ基板の配線、プリント基板の配線、ケーブル線、同軸配線などで伝達され、ソースドライバ回路(IC)14の入力端子643aに印加される。
端子643aに印加された信号は、差動信号(RxV+、RxV−)としてコンパレータ791に印加され、論理信号TDATAに復元される。抵抗RT1、RT2はソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗である。Icon電流の経路を終端する。
抵抗RT1、RT2はソースドライバ回路(IC)14に内蔵させてもよい。また、ソースドライバ回路(IC)14は、ポリシリコン技術(低温ポリシリコン技術、高温ポリシリコン技術、CGS技術)などで基板30に直接形成したものでもよいことは言うまでもない。
抵抗RT1などの値は、伝送路のインピーダンスなどに適合させて選択する。本発明の構成では、抵抗RTの値は、100Ω以上300Ω以下に構成している。
ソースドライバ回路(IC)14に内蔵されたスイッチ(ST1、ST2)はアナログスイッチなどが例示される。スイッチSTがオン状態にするかオフ状態にするかは、ソースドライバ回路(IC)14の切り換え入力端子(図示せず)に印加するロジックレベルにより操作する。
スイッチSTは、スイッチに限定するものではない。ICプロセス工程で、表示パネルに入力される信号仕様に応じて、アルミ配線で選択して短絡するものであってもよい。図80で説明する差動入力構成か、図81で説明するCMOSレベル入力構成かは、表示パネルに印加する信号仕様であらかじめ決定されるからである。つまり、スイッチSTを用いてCMOSレベル信号か、差動信号かを適時切り換える必要がある構成は稀であるからである。
もちろん、図80に図示するように、スイッチSTを設けず、コンパレータ791の入力端子あるいは、コントローラ回路(IC)722の出力端子の経路に終端抵抗RTを接続してもよいことは言うまでもない。終端抵抗RTは、ソースドライバ回路(IC)14が複数であっても1つの配線に1つの終端抵抗RTを配置あるいは設置もしくは構成すればよい。終端抵抗RTはボリウムで構成して、抵抗値を可変あるいは変更できるように構成してもよい。また、抵抗RTをトリミングすることにより抵抗値を目標値に調整してもよい。
図79の構成では、スイッチST(ST1、ST2)がオン(閉じる)することにより、ソースドライバ回路(IC)14への入力は差動信号入力となる。スイッチSTがオフ(開く)と、CMOSあるいはTTLロジック信号入力となる。CMOSレベルあるいはTTLレベル入力とする場合は、図81に図示するようにコンパレータ791の−端子にロジックレベルを判定する一定のDC電圧を印加し、+端子にロジック信号を印加する。+端子に印加された信号レベルが−端子に印加されたDC電圧以上の時、Hレベルロジックと判断され、+端子に印加された信号レベルが−端子に印加されたDC電圧以下の時、Lレベルロジックと判断される。ただし、ロジックの判断はヒステリシス特性をもつようにコンパレータ791を構成することが好ましい。なお、本発明では説明を容易にするため、CMOSレベルの信号であるとして説明をする。
図79の構成では、コントローラ回路(IC)722からの出力信号は1つのソースドライバ回路(IC)14に印加されるように図示した。しかし、実用上は、図80、図81などに図示するように、コントローラ回路(IC)722からの出力信号は複数のソースドライバ回路(IC)14に印加される。
図80は、差動信号入力の場合である。コントローラ回路(IC)722からの出力配線(一例として、差動信号D0+/D0−、D1+/D1−〜D7+/D7−の8ビットとしている。)には、終端抵抗RTが配置されている。コントローラ回路(IC)722は、複数のソースドライバ回路(IC)14を駆動する。ソースドライバ回路(IC)14内のコンパレータ791は各ビットの差動信号から各ビットのロジック信号(TDATA)に変換する。TDATAは駆動(処理)回路811に入力される。駆動回路811で処理あるいは制御された信号は、出力端子93から出力され、表示パネルのソース信号線18に印加される。
図81はCMOSレベル信号(ロジック信号)の場合である。コンパレータ791の−端子(+端子でもよい)には、直流電圧(DC電圧)V0が印加されている。ロジック信号D0〜D7の信号レベルがV0電圧以上の時、Hレベルと判断される。ロジック信号D0〜D7の信号レベルがV0電圧以下の時、Lレベルとして判断される。したがって、図81の構成ではコンパレータ791は、バッファとして機能する。
以上の図79、図80の構成のソースドライバ回路(IC)14は、図82に図示するように差動インターフェース(差動IF)621aとCMOS(TTL)インターフェース(CMOS IF)621bの両方を具備している。したがって、使用状態に応じて、IF仕様を選択することができる。図82(a)は、コントローラ回路(IC)722はCMOSレベルの信号を出力する。ソースドライバ回路(IC)14は、図81の構成であるCMOS−IFを使用している。
図82(b)でも、コントローラ回路(IC)722は、CMOSレベルの信号を出力する。図82(b)の構成では、モード変換回路(IC)821を具備している。モード変換回路(IC)821は、CMOS信号を差動信号に変換する機能を有する。コントローラ回路(IC)722はCMOS−IF621bよりCMOS信号を出力し、モード変換回路821はCMOS−IF621bで受信した信号を、差動信号に変換して差動IF621aから出力する。差動IF621aから出力した差動信号は、ソースドライバ回路(IC)14の差動IF621aに入力される。
差動IFとは、LVDS、mini−LVDS、RSDS、CMDSなどすべての差動信号伝送の方式が該当する。
図75に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14からゲートドライバ回路(IC)12に引き渡される配線622が交差することがないように、出力端子位置を設定する。
以上のように、ソースドライバ回路(IC)14は、図80の回路構成を具備することにより、差動信号とCMOS(TTL)レベル信号の両方を受信することができる。
図75は、1つのソースドライバ回路(IC)14を用いる構成である。図76は、複数のソースドライバ回路(IC)14を用いる構成である。
図75、図76ではICチップ14の両端に差動−パラレル信号変換回路621を配置するように図示したが、これに限定するものではない。差動−パラレル信号変換回路621は1つで、配線701で制御信号線などをチップ14の両端に分岐できるように構成してもよい。重要なのは、ICチップ14の両端に電力信号線または制御信号線が出力できることであり、また、図76のようにアレイ基板30に複数のICチップ14を実装した場合、ICチップ14の両端の電力信号線または制御信号線の出力が出力されるか否かを切り換えることができることである(もしくは両方から信号などが出力されていても画像表示に影響がないようにすることができることである)。切り換えはGESL信号によって行う。
カスケード配線771はアレイ基板71上で形成することに限定するものではない。たとえば、図77に図示するように、フレキ基板671あるいはプリント基板でカスケード配線パターン771を形成し、フレキ基板671などを介してカスケード接続を行っても良い。
図78に図示するように、Gcntl信号でソースドライバ回路(IC)14ごとにゲートドライバ12への出力信号622を制御してもよい。図78において、ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1a信号をHレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b1よりゲートドライバ回路12aへの制御信号が出力される。
ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1a信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b1はハイインピーダンスとなる。また、ソースドライバ回路(IC)14aのGcntl1b信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b2はハイインピーダンス状態となる。図78では、ソースドライバ回路(IC)14aの出力端子641b2には出力する信号はないため、Gcntl1b信号はLレベルに固定される。
ソースドライバ回路(IC)14bは、ソースドライバ回路(IC)14bのGcntl2b信号をHレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b2よりゲートドライバ回路12bへの制御信号が出力される。なお、ソースドライバ回路(IC)14bのGcntl2a信号をLレベルにすることにより、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b1はハイインピーダンスとなる。図78では、ソースドライバ回路(IC)14bの出力端子641b1には出力する信号はないため、Gcntl2a信号はLレベルに固定される。
以上の実施の形態は、1つの表示パネルに2個のソースドライバ回路(IC)14を使用する構成である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。使用するソースドライバ回路(IC)14は3個以上であってもよい。3個以上の場合は、少なくも1つのソースドライバ回路(IC)14の2箇所の出力端子641bはハイインピーダンス状態となる。ハイインピーダンス状態は、GSEL信号、Gcntl信号を操作することにより実現できることは言うまでもない。
したがって、本発明のソースドライバIC14は、アレイ30に1個実装する場合でも、複数実装する場合でも同一のソースドライバIC14を用いることができる。また、1個用いた場合で、ゲートドライバ回路12が画面64の一方の端に形成または配置されている場合でも適用することができる。
場合によっては入力方向であってもよい。たとえば、ゲートドライバ回路12からのスタートパルス(ST)の出力パルスが端子2821bに入力され、端子2821aから出力されるように構成あるいは形成してもよい。この出力パルスはコントロールIC722に入力される。この出力パルスによりコントロールIC722は、ゲートドライバ回路12の動作を監視あるいは正常性を判断できる。
本発明は、ソースドライバIC14をシリコンなどで形成し、COG技術などを用いて基板30に実装するとしたが、これに限定するものではない。TABあるいはCOF技術を用いて実装してもよい。また、ソースドライバICの回路14はポリシリコン技術を用いてアレイ基板30に直接形成してもよい。特に図76などの構成に有効である。また、ICチップ14はアレイ基板30(画素電極などが形成された基板)に実装するとしたが、これに限定するものではなく、対向基板側に形成し、アレイ基板30などに形成されたソース信号線18などと接続してもよい。以上の事項は、本発明の他の実施の形態においても適用できることは言うまでもない。
電流駆動方式では、低階調領域においてプログラム電流が小さくなり、書き込み不足が発生することが課題である。この課題の対策のために本発明では、プリチャージ駆動、電圧+電流駆動、基準電流比制御などを実施する。
電流駆動で書き込み不足が発生する原因は、図83に図示するようにソース信号線18の寄生容量Csによる影響が大きい。寄生容量Csはゲート信号線17とソース信号線18との交差部などで発生する。
以下の説明は説明を容易にするために、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで、かつ吸い込み電流(ソースドライバ回路(IC)14に吸い込む電流)で電流プログラムを実施する場合であるとして説明をする。画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合あるいは駆動用トランジスタ11aを吐き出し電流(ソースドライバIC14から吐き出す電流)で電流プログラムを実施する場合は逆の関係にする。逆の関係に変更あるいは読み変えることは当業者であれば容易であるので説明を省略する。
以下の説明は画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルに限定されるものではない。また、画素構成は図1の画素構成を例示して説明をするが、これに限定するものではなく、他の電流駆動の画素構成であればいずれでもよいことも言うまでもない。なお、以上の事項は、以前あるいはこれ以降に記載する本発明に適用されることはいうまでもない。
図83(a)に図示するように、黒表示(低階調表示)から白表示(高階調表示)に変化する時は、ソースドライバ回路(IC)14がシンク電流で駆動することが主体である。ソースドライバ回路(IC)14がプログラム電流Id1(Iw)で寄生容量Csの電荷を吸い込む。電流を吸い込むことにより、寄生容量Csの電荷を放電し、ソース信号線18の電位が低下する。したがって、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が低下し、プログラム電流Iwを流すように電流プログラムが行われる。
白表示(高階調表示)から黒表示(低階調表示)に変化する時は、画素16の駆動用トランジスタ11aの動作が主体である。ソースドライバ回路(IC)14は黒表示の電流を出力するが、微小であるため実効的に動作しない。駆動用トランジスタ11aが動作し、プログラム電流Id2(Iw)の電位に一致するように寄生容量Csを充電する。寄生容量Csに電荷を充電することにより、ソース信号線18の電位が上昇する。したがって、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が上昇し、プログラム電流Iwを流すように電流プログラムが行われる。
しかし、図83(a)の駆動は低階調領域では電流Id1が小さく、また、定電流動作のため、寄生容量Csの電荷の放電に非常に長時間を必要とする。特に白輝度に到達するまでの時間が長いため白ウインドウ表示で上辺の輝度が所定輝度より低い。そのため、視覚的にめだつ。図83(b)は駆動用トランジスタ11aが非線形動作するため、比較的電流Id2が大きい。そのため、Csの受電時間が比較的はやい。また、特に黒輝度に到達するまでの時間が短いため白ウインドウ表示で下辺の輝度が低下しやすく、視覚的にめだたない。
プログラム電流の書き込み不足の課題を解決するために、電圧+電流駆動、突き抜け電圧駆動、duty駆動、プリチャージ駆動を実施する。しかし、この方法だけでは、パネルが大型になれば、図83(a)の黒から白表示の実現が困難になる場合がある。この対策として、本発明では、1Hの前半にソースドライバ回路(IC)14からのプログラム電流を増加させる。なお、後半は正規のプログラム電流Iwを出力する。つまり、所定条件の時は、1Hの最初に所定のプログラム電流よりも大きな電流をソース信号線18に流し、後半に正規のプログラム電流をソース信号線18に流す。以下この実施の形態について説明をする。
以下に説明する駆動方法(駆動装置あるいは駆動方式)を過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動と呼ぶ。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は本発明の他の駆動方式あるいは駆動装置(電圧+電流駆動、突き抜け電圧駆動、duty駆動、プリチャージ駆動など)と組み合すことができることは言うまでもない。また、図81などの差動信号IFなどの他の実施の形態と組み合わせることができることも言うまでもない。
図84は本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式を実施したソースドライバ回路(IC)14の説明図である。基本構成は図22、図23、図24、図26、図27、図28、図28などの構成である。ただし、図示を容易とするため、単位トランジスタ224が1個の電流回路はトランジスタ群841aとし、’1’で図示している。以下同様に、単位トランジスタ224が2個の電流回路はトランジスタ群841bとし、’2’で図示している。また、単位トランジスタ224が4個の電流回路はトランジスタ群841cとし、’4’で図示している。単位トランジスタ224が8個の電流回路はトランジスタ群841dとし、’8’で図示している。また、これらのトランジスタ群841の1出力段が電流出力回路251cである。なお、作図を容易にするため、RGBは各6ビットとしている。
図84の構成は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)のプログラム電流を流すトランジスタ群はトランジスタ群841fとしている。つまり、階調データの最上位ビットのスイッチD5をオンオフ制御することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に流す。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すことにより寄生容量Csの電荷を短時間で放電させることができる。
最上位ビットを過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)制御に使用するのは、以下の理由による。まず、説明を容易にするため、1階調から4階調に変化させるとする。また、階調数は256階調(RGB各8ビット)とする。
1階調から白階調に変化させる場合であっても、1階調から中間調以上(128階調以上)に変化させる場合は、プログラム電流の書き込み不足は発生しない。プログラム電流が比較的大きく、寄生容量Csの充放電が比較的早いからである。
しかし、1階調から中間調以下に変化する場合は、プログラム電流が小さく、1H期間に寄生容量Csを十分に充放電させることができない。したがって、1階調から4階調などのように、中間調以下に階調変化させることを改善させる必要がある。この場合に、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する。
以上のように変化する階調が中間調以下であるから、プログラム電流の指定に最上位ビットは使用しない。つまり、1階調から変化させる場合、目標の階調は、’011111’以下である(最上位ビットのスイッチD5は絶えずオフ状態である。本発明はたえず、オフ状態の最上位ビットを制御して過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する。
最初の階調(変化前の階調)が1であれば、スイッチD0がオンで単位トランジスタ224cが1個動作する。目標の階調が4であれば、スイッチD2が動作し、単位トランジスタ224cが4個動作する。しかし、単位トランジスタ224cが4個では十分に寄生容量Csの電荷を目標値まで放電させることができない。そこで、スイッチD5を閉じトランジスタ群841fを動作させる。なお、D5スイッチの動作は、D2スイッチの動作に加えて実施してもよいし(1Hの前半をD5とD2スイッチをオンさせ、後半はD2スイッチのみをオンさせる)、1Hの前半はスイッチD5のみをオンさせ、後半はスイッチD2のみをオンさせてもよい。
スイッチD5がオンすれば、単位トランジスタ224cが32個動作する。したがって、D2スイッチのみの動作に比較して32/4=8であるから8倍の速度で寄生容量Csの電荷を放電させることができる。したがって、プログラム電流の書き込み改善が可能である。
スイッチD5をオンさせるか否かは、RGBの映像データごとにコントローラ回路(IC)722で判断する。コントローラ回路(IC)722からは判断ビットKDATAがソースドライバ回路(IC)14に印加される。KDATAは一例として4ビットである。KDATA=0の時は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。KDATA=1の時はプリチャージ駆動(電圧+電流駆動)を実施する。KDATA=2〜15が過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施し、KDATAの大きさは、D5ビットをオンさせる時間を示す。
KDATAはラッチ回路331で1H期間保持される。カウンタ回路332はHD(1Hの同期信号)でリセットされ、クロックCLKでカウントされる。カウンタ回路332とラッチ回路331のデータが比較され、カウンタ回路332のカウント値が、ラッチ回路331のデータ値(KDATA)よりも小さいとき、AND回路333は内部配線222bにオン電圧を出力しつづけ、スイッチD5のオン状態が維持される。したがって、トランジスタ群841fの単位トランジスタ224cの電流が内部配線222aおよびソース信号線18に流れる。なお、電流プログラム時はスイッチ222bが閉じ、プリチャージ駆動時は、スイッチ221aが閉じ、スイッチ221bがオープン状態となる。
図91はコントローラIC(回路)722の動作の説明図である。ただし、1画素列(RGBの組)の処理の説明図である。映像データDATA(8ビット×RGB)は内部クロックに同期してラッチ回路351aと351bに2段ラッチされる。したがって、ラッチ回路351bには、1H前の映像データが保持され、ラッチ回路351aには現在の映像データが保持される。
比較回路911は1H前の映像データと現在の映像データを比較し、KDATAの値を導出する。また、映像データDATAはソースドライバ回路(IC)14に転送される。また、コントローラ回路(IC)722はカウンタ332の上限カウント値CNTをソースドライバ回路(IC)14に転送する。
KDATAは比較回路911で決定される。決定は、変化前の映像データ(1H前のデータ)と変化後の映像データ(現在のデータ)から決定される。1H前のデータとは、現在のソース信号線18の電位を示す。現在のデータとは、変化させるソース信号線18の目標電位を示す。
図83に図示して説明したように、プログラム電流の書き込みは、ソース信号線18の電位を考慮して行うことが重要である。書き込み時間tは、T=ACV/I(A:比例定数、C:寄生容量の大きさ、V:変化する電位差、I:プログラム電流)で表すことができる。したがって、変化する電位差Vが大きければ書き込み時間が長くなる。一方、プログラム電流I=Iwが大きくすれば書き込み時間は短くなる。
本発明では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動でIを大きくする。しかし、いずれの場合でもIを大きくすると、目標のソース信号線18電位を越える場合が発生する。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施する場合には、電位差Vを考慮する必要がある。現在のソース信号線18の電位と、次の映像データ(現在の映像データ(次に印加する映像データ=(変化後:図92の縦方向))から決定される目標のソース信号線18電位から、KDATAを求める。
KDATAはD5スイッチをオンさせる時間の場合もあるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動での電流の大きさでもよい。また、D5スイッチのオン時間(時間が長いほどソース信号線18に印加する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間が長くなり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の実効値が大きくなる)と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ(大きさが大きいほどソース信号線18に印加する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の実効値が大きくなる)の両方を組み合わせてもよい。説明を容易にするため、最初、KDATAはD5スイッチのオン時間であるとして説明をする。
比較回路911は1H前と変化後(図92を参照のこと)の映像データを比較してKDATAの大きさを決定する。KDATAに0以上のデータが設定される場合は以下の条件に合致する場合である。
1H前の映像データが低階調領域である場合(0階調以上全階調の1/8以下の領域であることが好ましい。たとえば、64階調の場合は、0階調以上8階調以下である。)で、かつ、変化後の映像データが中間調領域以下である場合(1階調以上全階調の1/2以下の領域であることが好ましい。
たとえば、64階調の場合は、1階調以上32階調以下の領域である。)にKDATAを設定する。設定するデータは、駆動用トランジスタ11aのVI特性カーブを考慮して決定する。ソース信号線18のVdd電圧から、0階調目の電圧であるV0(完全黒表示)までの電位差は大きい。また、V0電圧から、1階調目のV1までの電位差は大きい。次の2階調目であるV2電圧とV1電圧までの電位差は、V0電圧からV1電圧までの電位差よりもかなり小さい。以降、V3とV2、V4とV3になるにつれて電位差は小さくなる。以上のように高階調側になるにしたがって、電位差が小さくなるのは、駆動用トランジスタ11aのVI特性が非線形であることにほかならない。
階調間の電位差は、寄生容量Csの電荷の放電量に比例する。したがって、プログラム電流の印加時間つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間と大きさに連動する。たとえば、1H前のV0(階調0)と変化後のV1(階調1)の階調差が小さいからといって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間を短くすることはできない。電位差が大きいからである。
逆に、階調差が大きくとも過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を大きくする必要がない場合もある。たとえば、階調10と階調32では、階調10の電位V10と階調32の電位32の電位差も小さく、階調32のプログラム電流Iwも大きいため、寄生容量Csを短時間で充放電できるからである。
図92は横軸に1H前(変化前、つまり現在のソース信号線18電位を示す)の映像データの階調番号を示している。また、縦軸に現在の映像データの階調番号(変化後、つまり変化させる目標のソース信号線18電位を示す)を示している。
0階調目(1H前)から0階調目(変化後)に変化させるのは、電位変化がないため、KDATAは0でよい。ソース信号線18の電位変化がないからである。0階調目(1H前)から1階調目(変化後)に変化させるのは、V0電位からV1電位に変化させる必要がある。V1−V0電圧は大きいから、KDATAは最高値の15(例である)に設定する。ソース信号線18の電位変化が大きいからである。1階調目(1H前)から2階調目(変化後)に変化させるのは、V1電位からV2電位に変化させる必要があり、V2−V1電圧は比較的大きいから、KDATAは最高値近傍の12(一例である)に設定する。ソース信号線18の電位変化が大きいからである。3階調目(1H前)から4階調目(変化後)に変化させるのは、V3電位からV4電位に変化させる必要がある。しかし、V4−V3電圧は比較的小さいため、KDATAは小さい値の2に設定する。ソース信号線18の電位変化が小さくてすみ、寄生容量Csの充放電が短時間で実施でき、目標のプログラム電流を画素16に書き込むことができるからである。
変化前が低階調領域であっても、変化後の階調が中間調以上の場合は、KDATAの値は0である。変化後の階調に対応するプログラム電流が大きく、1H期間内にソース信号線18の電位を目標電位または近傍の電位まで変化させることができるからである。たとえば、2階調から38階調目に変化させる場合は、KDATA=0である。
変化後が変化前より低階調の場合において、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。38階調から2階調目に変化させる場合は、KDATA=0である。この場合は、図83(b)が該当し、主として画素16の駆動用トランジスタからプログラム電流Idが寄生容量Csに供給されるからである。図83(b)の場合は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式は実施せず、電圧+電流駆動方式あるいはプリチャージ電圧駆動を実施することが好ましい。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式において、基準電流を増加させる駆動方式あるいは基準電流比とdutyを制御する駆動方式と組み合わせることは効果がある。基準電流の増加により、図84の構成では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も増加させることができるからである。したがって、寄生容量Csの充放電時間も短くなる。基準電流の大きさあるいは基準電流比の制御により、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを制御することができる点も本発明の特徴ある構成である。
以上のように、KDATAがコントロールIC(回路)722で決定され、KDATAがソースドライバ回路(IC)14に差動信号で伝送される。伝送されたKDATAは図84のラッチ回路331で保持され、D5スイッチが制御される。
図92の表の関係は、マトリックスROMテーブルを用いてKDATAを設定してもよいが、計算式を用いてコントローラ回路(IC)722の乗算器を用いてKDATAの算出(導出)を行ってもよい。その他、コントローラ回路(IC)722の外部電圧の変化によりKDATAを定めてもよい。また、コントローラ回路(IC)722で実施することに限定されるものではなく、ソースドライバ回路(IC)14で実施してもよいことは言うまでもない。
本発明は、基準電流の大きさによりプログラム電流Iwの大きさが基準電流に比例して変化する。したがって、図84などの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさも基準電流の大きさに比例して変化する。図92で説明したKDATAの大きさも基準電流の大きさの変化に連動させる必要があることは言うまでもない。つまり、KDATAの大きさは、基準電流の大きさに連動させるあるいは基準電流の大きさを考慮することが好ましい。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の技術的思想は、プログラム電流の大きさ、駆動用トランジスタ11aからの出力電流などに対応して過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、印加時間、実効値を設定するものである。
比較回路911または比較手段などではRGBの映像データごとに比較を実施するが、RGBデータから輝度(Y値)を求めて、KDATAを算出してもよいことは言うまでもない。つまり、単に、各RGBで比較するのではなく、色度変化、輝度変化を考慮し、また、階調データの連続性、周期性、変化割合を考慮してKDATAを算出あるいは決定もしくは演算する。また、1画素単位でなく、周辺の画素の映像データもしくは映像データに類するデータを考慮してKDATAを導出してもよいことは言うまでもない。たとえば、画面64を複数のブロックに分割し、各ブロック内の映像データなどを考慮してKDATAを決定する方式が例示される。
また、以上の事項は、本発明の表示装置、表示パネルなど他の実施の形態にも組み合わせて適用できることは言うまでもない。また、N倍パルス駆動方式(図6など)、N倍電流駆動画素方式(たとえば、図19など)、非表示領域分割駆動方式(図14など)、フィールドシーケンシャル駆動方式(たとえば、図9、図12など)、電圧+電流駆動方式(たとえば、図33、図34など)、突き抜け電圧駆動方式(明細書の突き抜け電圧に関する事項を参照のこと)、プリチャージ駆動方式(たとえば、図84など)、複数ライン同時選択駆動方式(たとえば、図16など)など他の駆動方式と組み合わせて実施できることは言うまでもない。
図84などにおいて、D5スイッチが選択される時間は、1H(1水平走査期間)の3/4期間以下1/32期間以上に設定することが好ましい。さらに好ましくは1H(1水平走査期間)の1/2期間以下1/16期間以上に設定することが好ましい。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加する期間が長いと、正規のプログラム電流を印加する期間が短くなり、電流補償が良好にならない場合がある。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加する期間が短いと、目標のソース信号線18の電位まで到達することができない。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では、目標の階調のソース信号線18電位まで行うことが好ましいのは言うまでもない。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動ののみで完全に目標のソース信号線電位にする必要はない。1Hの前半の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動後に、正規の電流駆動を実施し、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により生じた誤差は、正規の電流駆動によるプログラム電流で補償されるからである。
図85は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式を実施した場合の、ソース信号線18の電位変化を図示している。図85(a)はD5スイッチを1/(2H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が出力端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(2H)のt2期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t2後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
ソースドライバ回路(IC)14は定電流動作する。したがって、t2〜t3期間には定電流のプログラム電流Iwが流れる。このプログラム電流Iwにより、寄生容量Csが目標電位になるまで充放電されると、画素16の駆動用トランジスタ11aから電流Iが流れ、ソース信号線18の電位は目標プログラム電流Iwが流れるように保持される。したがって、駆動用トランジスタ11aは所定プログラム電流Iwが流れるように保持される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の精度は必要ない。精度がなくとも、画素16の駆動用トランジスタ11aにより補正される。
図85(b)はD5スイッチを1/(4H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が出力端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(4H)のt4期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t4後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
ソースドライバ回路(IC)14は定電流動作する。したがって、t4〜t3期間には定電流のプログラム電流Iwが流れる。このプログラム電流Iwにより、寄生容量Csが目標電位になるまで充放電されると、画素16の駆動用トランジスタ11aから電流Iが流れ、ソース信号線18の電位は目標プログラム電流Iwが流れるように保持される。したがって、駆動用トランジスタ11aは所定プログラム電流Iwが流れるように保持される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の精度は必要ない。精度がなくとも、画素16の駆動用トランジスタ11aにより補正される。
図85(c)はD5スイッチを1/(8H)期間オン状態にした場合である。1水平走査期間(1H)の最初であるt1よりD5スイッチをオンし、32個分の単位トランジスタ224cの単位電流が出力端子93から吸い込まれる。D5スイッチは1/(8H)のt5期間までの間、オン状態が維持され、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2がソース信号線18に流れる。したがって、ソース信号線18の電位は目標電位のVn電位近傍のVm電位まで低下する。その後(t5後)、D5スイッチはオフ状態となり、正規のプログラム電流Iwが1Hの終了(t3)まで、ソース信号線18に流れて、ソース信号線18電位は目標のVn電位となる。
以上のように、単位トランジスタ224cの動作個数と、1つの単位トランジスタ224cの単位電流の大きさが固定値である。したがって、D5スイッチのオン時間により、比例して寄生容量Csの充放電時間を操作することができ、ソース信号線18の電位を操作することができる。なお、説明を容易にするため、寄生容量Csを過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)により充放電させるとしているが、画素16のスイッチトランジスタなどのリークもあるから、Csの充放電に限定されるものではない。
以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさが単位トランジスタ224の動作個数により把握できる点が図84の本発明の特徴ある構成である。書き込み時間tは、T=ACV/I(A:比例定数、C:寄生容量の大きさ、V:変化する電位差、I:プログラム電流)で表すことができるから、KDATAも値も、寄生容量(アレイ設計時に把握できる)、駆動用トランジスタ11aのVI特性(アレイ設計時に把握できる)などから理論値にKDATAの値を決定できる。
図85の実施の形態は、最上位ビットD5スイッチを操作することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、印加時間を制御するものであった。本発明はこれに限定するものではない。最上位ビット以外のスイッチを操作あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図86は、ソースドライバ回路(IC)14が各RGB8ビット構成である場合において、最上位ビットのスイッチD7と最上位ビットから2番目のスイッチD6をKDATAにより制御した構成である。なお、説明を容易にするため、D7ビットには128個の単位トランジスタ224cが形成または配置されているとし、D6ビットには64個の単位トランジスタ224cが形成または配置されているとする。
図86(a1)はD7スイッチの動作を示している。図86(a2)はD6スイッチの動作を示している。図86(a3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(a)ではD7、D6のスイッチを同時に動作するため、単位トランジスタ224cは128+64個が同時に動作し、出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調3のV3電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
同様に、図86(b1)はD7スイッチの動作を示している。図86(b2)はD6スイッチの動作を示している。図86(b3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(b)ではD7スイッチのみが動作するため、単位トランジスタ224cは128個が同時に動作し、出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調2のV2電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。図86(a)より変化速度は小さい。しかし、変化する電位がV0からV2であるから、適正である。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
同様に、図86(c1)はD7スイッチの動作を示している。図86(c2)はD6スイッチの動作を示している。図86(c3)はソース信号線18の電位変化を示している。図86(c)ではD6スイッチのみが動作するため、単位トランジスタ224cは64個が同時に動作し、出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に流れ込む。したがって、階調0のV0電圧から階調1のV1電圧まで高速にソース信号線18電位を変化させることができる。図86(b)より変化速度は小さい。しかし、変化する電位がV0からV1であるから、適正である。なお、t2後は、正規のスイッチDが閉じ、正規のプログラム電流Iwが出力端子93からソースドライバ回路(IC)14に吸い込まれる。
以上のようにKDATAにより、スイッチのオン期間だけでなく、複数のスイッチを操作あるいは動作させ、動作させる単位トランジスタ224c個数を変化させることにより、適正なソース信号線電位を達成できる。
図86では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動によるスイッチD(D6、D7)をt1からt2の期間に動作させるとしたが、これに限定するものではなく、図85に図示あるいは説明したように、t2、t3、t4などのようにKDATAの値によって変化あるいは変更してもよいことは言うまでもない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加している期間に基準電流あるいは基準電流の大きさを制御あるいは変更し、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整してもよい。なお、正規のプログラム電流を印加している期間は基準電流あるいは基準電流の大きさは正規の値にする。
操作するスイッチはD7、D6に限定するものではなく、D5など他のスイッチも同時にあるいは選択して動作あるいは制御してもよいことは言うまでもない。たとえば、図88が実施の形態である。a期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7スイッチをオン状態にして、128個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
b期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6スイッチをオン状態にして、128+64個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
c期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6、D5スイッチをオン状態にして、128+64+32個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
d期間の例では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動として1/(2H)の期間D7、D6、D5スイッチと前記スイッチに該当しない映像データのスイッチ(たとえば、映像データが4であれいば、D2スイッチ)をオン状態にして、128+64+32+α個の単位電流からなる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に印加している。
以上の実施の形態は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間が1Hの最初からとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図87で(a1)(a2)では、スイッチを1Hの最初のt1から1/(2H)のt2まで動作させる方法である。図87で(b1)(b2)では、スイッチをt4から1/(2H)のt5まで動作させる方法である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間は図87(a)と同一である。ソース信号線18の電位は、寄生容量Csの充放電で規定されるから、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加期間がいずれにあっても実効値は等しくなる。ただし、1Hの最後は、正規のプログラム電流の印加期間にする必要がある。正規のプログラム電流の印加により、正確な目標電位(駆動用トランジスタ11aが精度のよいプログラム電流を流せる)に設定できるからである。
図87(c1)(c2)では、スイッチを1Hの最初のt1から1/(4H)のt4まで動作させ、スイッチを1Hのt2から1/(4H)のt5まで動作させている。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間の実効値は図87(a)と同一になる。以上のように、本発明は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間は複数に分散してもよい。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加開始時間は1Hの最初からに限定するものではない。
以上ように本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方法は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加タイミングに限定されるものではない。ただし、該当画素16の電流プログラムが終了する時点で、プログラム電流が印加されている期間にする必要がある。ただし、画素16の電流プログラムに精度を必要としない時は、これに限定されることがないことは言うまでもない。つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加状態で1H期間が終了してもよい。
C期間を変化あるいは調整することにより、階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対応して最適な制御を実施できる。
過電流駆動方法において、図87(d)に図示するように、プリチャージ期間は、C=ax+bとなるように制御してもよい。過電流を印加する期間(または、プリチャージ電圧を印加する期間)Cは、t1(基本的には水平走査期間の開示位置(0))と同時または、t4の期間から開始し、水平走査期間の終了時刻t3(1H)より以前のt6の期間に終了するように設定される。なお、t6=t3であれば、図42の*Aの期間となる。
過電流(プリチャージ電圧)の開始時間t4、終了時間のt6は、カウンタにより制御される。カウンタ(図示せず)は、RGBごとに独立に設けられる。つまり、Rのカウンタ、Gのカウンタ、Bのカウンタがソースドライバ回路(IC)14内に形成される。RGBのカウンタは、同一クロック(ドットクロック)で動作する。RGBのカウンタは独立に分周周期を設定できる。たとえば、Rのカウンタは1ドットクロックで1ずつカウントアップされるが、Gのカウンタは2ドットクロックで1ずつカウントアップされ、Bのカウンタは3ドットクロックで1ずつカウントアップされる。分周期は、RGBのカウンタに対してコマンドで設定される。
bの期間は、図87(f1)(f2)(f3)で共通である。たとえば、図87(f1)は、階調番号0から階調番号3に変化させる時に実施する過電流(プリチャージ電圧)駆動であり、図87(f2)は、階調番号0から階調番号4に変化させる時に実施する過電流(プリチャージ電圧)駆動であり、図87(f3)は、階調番号0から階調番号5に変化させる時に実施する過電流(プリチャージ電圧)駆動である。つまり、図87(f1)(f2)(f3)で理解できるように、bは、過電流(プリチャージ電圧)駆動で共通にする変数である。階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対しても一定値である。もちろん、変化させてもよいことは言うまでもない。
なお、図87(e)に図示するように、b期間は設定しなくともよい。bの開始位置t4はt1から開始してもよい。また、RGBのカウンタにより、カウンタ値によりt4位置を可変してもよい。t4位置は、RGBで共通にしてもよいし、RGBごとに変化させてもよい。
xは、図87(f1)(f2)(f3)でも明らかなように、階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対応して最適な値に設定する。設定するxの値は、コントローラ722によりソースドライバ回路(IC)14に伝送される。xの時間は、ソースドライバ回路(IC)14内に形成したカウンタにより既定される。カウンタはRGBごとに保有している。たとえば、図87(f1)は、x=5と設定された実施の形態であり、図87(f2)は、x=6と設定された実施の形態であり、図87(f3)は、x=7と設定された実施の形態である。図87(f1)(f2)(f3)で理解できるように、xは、、階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対応して設定される値である。aは、RGBごとに設定される値である。
以上のように、過電流を印加する時間あるいは幅をC=ax+bとし、変化あるいは調整する機能を付加することにより、階調あるいは階調変化で、過電流の書き込み時間を調整などすることができ、書き込み不足がなくなり、目的の階調に良好に設定することができる。また、RGBでEL素子15の発光効率が異なり、同一階調であっても、RGBでプログラム電流の大きさが異なることによるホワイトバランスずれが発生するという課題を解決できる。
また、RGBごとに独立して、C=ax+bの定数、xの長さを可変あるいは設定できるように構成してもよいことは言うまでもない。たとえば、図87(d)において、Rではaの値を2とし、Gではaの値を3とし、Bではaの値を1.5と設定する方式が例示される。また、図87(d)において、Rではbの値を0(μsec)とし、Gではaの値を3(μsec)とし、Bではaの値を2.5(μsec)と設定する方式が例示される。
以上の事項は、図84から図111の過電流駆動方法だけに適用されるものではない。図41、図42、図45、図46のA期間(プリチャージ電圧印加期間)にも適用できる。つまり、A=ax+bとし、図33〜図63の駆動方式に適用できることは言うまでもない。
なお、図86、図87などで説明したプリチャージを印加する幅(C=ax+b)は、パネル温度、点灯率、duty比、基準電流比などに対応して変化あるいは調整してもよいことは言うまでもない。ax+bと一次方程式に限定するものではない。2次多項式あるいは、多次元多項式として実施してもよいことは言うまでもない。
プリチャージを印加する期間(C=ax+b)において、RGBごとに、基準電流を変化させてもよい。図29、図30で図示するように、RGBの基準電流はR1(R1r、R1g、R1b)で設定あるいは調整され、R回路(トランジスタ(群)228b1、251c)には基準電流Icr、G回路(トランジスタ(群)228b1、251c)には基準電流Icg、B回路(トランジスタ(群)228b1、251c)には基準電流Icbが印加される。図29、図30の基準電流Ic発生回路と同様あるいは類似のプリチャージ基準電流Ip発生回路をソースドライバIC14内に形成する。プリチャージ基準電流Ipは、外付け抵抗R1と同様に、外付け抵抗Rp(図示せず)で調整あるいは設定する。
ソースドライバIC14内には、プリチャージ基準電流Ipを選択して、トランジスタ2281b1に印加するか、基準電流Icを選択して、トランジスタ2281b1に印加するかを選択するスイッチSp(R用はSpr、G用はSpg、B用はSpb、ともに図示せず)が形成または構成されている。プリチャージを印加する期間(C=ax+b)において、スイッチSpはプリチャージ基準電流Ipを選択して、トランジスタ2281b1に印加するように動作する。プリチャージを印加する期間(C=ax+b)以外において、スイッチSpは基準電流Icを選択して、トランジスタ2281b1に印加するように動作する。プリチャージ基準電流Ip > 基準電流Icなる関係とすることにより、C期間を短縮できる。
以上にように、C期間には、プリチャージ基準電流Ipを使用し、C期間以外では、正規の基準電流Icを使用する。このように構成あるいは制御することにより、より良好な過電流駆動あるいはプリチャージ電圧駆動を実現できる。
なお、C期間にプリチャージ基準電流Ipを使用し、プリチャージ基準電流Ipを、階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対応して設定あるいは調整できる構成では、C期間は一定値(固定値)としてもよいことは言うまでもない。
また、プリチャージ基準電流Ip(Ipr、Ipg、Ipb)はRGBで共通に設定あるいは調整してもよいことは言うまでもない。また、プリチャージ基準電流Ipは、階調の変化量(ソース信号線18電位の変化量)あるいは階調位置(プリチャージ(過電流あるいはプリチャージ電圧)を開始する階調番号、目的の階調番号)に対応して設定あるいは調整してもよい。また、プリチャージ基準電流Ipは、パネル温度、点灯率、duty比、基準電流比などに対応して変化あるいは調整してもよいことは言うまでもない。調整あるいは設定は、コントローラIC722で演算し、ソースドライバIC14に伝送し、電子ボリウム291などを動作させて実施する。
以上の事項は本発明の他の実施の形態(表示パネル、表示装置、駆動方法など)にも、適用あるいは組み合わせることができることは言うまでもない。
本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)をソース信号線18に流す動作が重要であって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を発生するものが単位トランジスタ224cに限定されるものではない。たとえば、出力端子93に接続されて定電流回路、可変電流回路を形成または構成し、これらの電流回路を動作させて過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を発生させてもよいことは言うまでもない。
図84はソースドライバ回路(IC)14の階調表示に用いる(電流プログラム駆動に用いる)構成物あるいは構造を過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動に用いるものであった。本発明はこれに限定するものではない。図89に図示するように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動に用いる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)発生用の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891を別途形成または構成してもよい。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891は、単位トランジスタ224cと同一サイズにし、この単位トランジスタ224を複数個形成して構成してもよい。また、単位トランジスタ224cとサイズあるいはWL比、WLの形状を異ならせてもよい。ただし、すべての出力段で同一にする。
図89では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位は、単位トランジスタ224cのゲート端子電位と同一にした。同一にすることにより、基準電流比制御により、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から出力する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを容易に制御することができる。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のサイズなどの出力過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が予測できるため設計が容易になる。しかし、本発明はこれに限定するものではない。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位は単位トランジスタ224cと別の端子電位となるように構成してもよい。別になるように構成した過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のゲート端子電位を操作することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを制御することができる。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891のドレイン端子(D)を単位トランジスタ224cのドレイン(D)端子と分離して、印加する電圧を制御あるいは調整してもよい。ドレイン端子電位の調整あるいは制御によっても過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整あるいは制御することができる。
以上のことは、本発明の他の実施の形態においても適用できる。たとえば、図84においても、ドレイン端子の電位を制御あるいは調整することにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを調整あるいは制御することができる。
図89では、222bに印加する信号によりスイッチDcをオンオフ制御し、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実現する。図89の構成を採用することにより、映像データの大きさに左右されずに、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動を実施することができる。
特に、図84、図89で説明した過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は、電圧+電流駆動(プリチャージ駆動)と組み合わせて実施することが好ましい。図93はその実施の形態の説明図である。図93において、映像データとは画素16に書き込まれる階調の変化(映像データの変化)を示している。ソース信号線電位とはソース信号線18の電位変化を示している。また、階調数は256階調の場合である。
映像データが255(白)階調から0階調に変化する場合は、図83(b)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18にプリチャージ電圧が印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aのプログラム電流Iwが0であるから、電流が流れないように、ゲート端子電位がVdd電圧方向に上昇する。なお、0階調では突き抜け電圧駆動により、完全に黒表示状態にする。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施しない。
映像データが0(黒)階調から2階調に変化する場合は、図83(a)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)がt3からt4の期間印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aは、一般的に動作しない。t4からt5の期間ではプログラム電流駆動が行われる。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により、ソース信号線18の電位が低下しすぎている場合は、画素16の駆動用トランジスタ11aが動作し、図93に示すようにソース信号線18の電位をアノード電圧側に上昇させてV2電圧になる。
以上の動作により駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧はV2電圧になり、精度のよいプログラム電流をEL素子15に流すことができる。
映像データが2階調から16階調に変化する場合の比較的低階調領域でプログラム電流が小さい。動作は図83(a)の状態である。この場合は、まず、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)がt5からt6の期間印加される。画素16の駆動用トランジスタ11aは、一般的に動作しない。t6からt7の期間ではプログラム電流駆動が行われる。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動により、ソース信号線18の電位が適正な場合は、図93に図示するようにソース信号線18の電位は変化しない。つまり、画素16の駆動用トランジスタ11aも動作しない。ソース信号線18の電位が目標値よりも低い場合は、t6からt7の期間にソースドライバ回路(IC)14がプログラム電流を引き込み、目標のソース信号線18電位になる。
以上の動作により、図93に示すようにソース信号線18の電位を駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧はV16電圧になり、精度のよいプログラム電流をEL素子15に流すことができる。
映像データが16階調から90階調に変化する場合はプログラム電流が大きい。動作は図83(a)の状態である。この場合は、t7からt8の全期間に渡り、プログラム電流駆動が行われる。つまり、プリチャージ電圧駆動、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動は実施されない。以上のように、本発明は、階調データの変化割合、変化前の大きさによりKDATA値が変化させ、また、駆動方法を変更する。
以下、図面を参照しながら、本発明の他の実施の形態について説明をする。図96は、本発明の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動方式の他の実施の形態である。図89では過電流トランジスタ891は1つであった。図96では、過電流トランジスタ891は複数個形成または配置しており、過電流トランジスタ891のゲート端子はトランジスタ251cと別のゲート配線と接続をしている。
図96のように構成することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを基準電流Icの大きさに制約されず、自由に設定あるいは調整することができる。また、複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)トランジスタ891から構成することにより、スイッチDCにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを自由に設定できる。
過電流トランジスタ891は、RGB回路で共通にしている。Rの基準電流Icrであり、IcrはR(赤)の基準電流の設定値IRDATAで変更あるいは調整される。同様にGの基準電流Icgであり、IcはG(緑)の基準電流の設定値IGDATAで変更あるいは調整される。また、Bの基準電流Icbであり、IcbはB(青)の基準電流の設定値IBDATAで変更あるいは調整される。
一方、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、RGBで共通である。つまり、Rの出力段回路のId(図96などを参照のこと)と、Gの出力段回路のId、Bの出力段回路のIdは同一である。Idの大きさおよび/またはIdの変化タイミングは過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の設定データIKDATA4ビットによりコントローラ回路(IC)722で設定される。このIdが図96に図示するように1つのトランジスタ228dまたは複数のトランジスタ228dから構成されるトランジスタ群からなるカレントミラーの親回路に流れる。なお、図96では、トランジスタ228dは1つとして図示しているが、複数のトランジスタ228dで構成あるいは形成してもよいことは言うまでもない。
図89では、RGB回路で個別にプログラム電流の大きさを設定することができる。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)はRGB個別に設定することは好ましくない。図83で説明したように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は寄生容量Csの充放電を制御するものだからである。寄生容量CsはRGBにおいてソース信号線18では同一である。したがって、RGBの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が異なっていれば、図98に図示するように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の書き込み速度がことなり、1H終了時のソース信号線電位が異なってしまう。
図98では、一点鎖線のBの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が最も大きい。したがって、1Hの期間で階調0に相当するV0電圧から階調2に相当するV2電圧に達している。点線のGの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が最も小さい。したがって、1Hの期間では、階調0に相当するV0電圧から階調2に相当するV2電圧には到達しない。Rは実線で示す。図98に図示するように、GとBの中間状態である。以上のような状態では、1H後は、ホワイトバランスがずれていることになる。ただし、図98は低階調の領域であるので、ホワイトバランスがずれていても実用上は問題ない。
寄生容量をRGBで異ならせれば、図98で説明した課題を解決できることは言うまでもない。つまり、図98の状態では、Rのソース信号線18の寄生容量Csを、Gのソース信号線18の寄生容量Csよりも大きくする。また、Bのソース信号線18の寄生容量Csを、Rのソース信号線18の寄生容量Csよりも大きくする。寄生容量Csを大きくする方法として、RGBごとにソース信号線18端にコンデンサをポリシリコン回路で形成あるいは構成する方式が例示される。
また、RGBでソース信号線18の寄生容量を小さくする構成も例示される。Gのソース信号線18の寄生容量Csを、Rのソース信号線18の寄生容量Csよりも小さくする。また、Rのソース信号線18の寄生容量Csを、Bのソース信号線18の寄生容量Csよりも小さくする。寄生容量Csを小さくする方式として、RGBごとにソース信号線18の配線幅を変化させる構成が例示される。
ソース信号線18の幅が狭くなれば、寄生容量Csの大きさは小さくなる。電流駆動方式では、ソース信号線18に流れる電流はμAオーダーである。したがって、ソース信号線18幅が細く、ソース信号線18の抵抗値が高くとも電流駆動方法を実現することに支障はない。
以上のように、本発明では、RGBのソース信号線18のうち1つ以上の寄生容量Csを、他のソース信号線18の寄生容量Csと異ならせたものである。また、その実現には、ソース信号線18の線幅を変化させる構成が例示される。容量となるコンデンサを作製あるいは配置し、該当ソース信号線18に電気的に接続させる構成が例示される。
0階調に該当するV0電圧は、画素16の駆動用トランジスタ11aによって決定される。通常、駆動用トランジスタ11aは、RGBで共通のサイズあるいは大きさである。したがって、RGBではV0電圧は一致している。寄生容量Csの充放電はV0電圧を基準になる場合が多い。
RGB回路で過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを共通にすることにより、図98に図示ように各RGBでソース信号線18の充放電曲線が異なることはない。つまり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)IdはRGBで同一にすることが好ましい。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの調整回路は、電子ボリウム回路291bで行う。電子ボリウム291bはIKDATAにより、フレームごとあるいは画素行ごとに変化あるいは変更できる。また、画面64を複数領域に分割し、分割した領域ごとに電子ボリウム291bを配置し、分割した領域ごとに電流Idを変化あるいは調整する構成も例示される。以上の事項は、基準電流Icの電子ボリウム回路291aなどにも適用できることは言うまでもない。
図95(a)は、本発明のソースドライバ回路(IC)14における過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)回路の構成例である。トランジスタ228dと過電流トランジスタ891とはカレントミラー回路を構成している。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Ikの大きさは2つのスイッチDcで制御される。スイッチDc0は1個の過電流トランジスタ891が接続されており、スイッチDc1は2個の過電流トランジスタ891が接続されている。
過電流トランジスタ891は図15などで説明した単位トランジスタ224と同一の構成である(同一の技術思想で形成あるいは構成されている)。したがって、過電流トランジスタ891の構成あるいは説明は、単位トランジスタ224で説明した事項がそのままあるいは準用される。したがって、説明を省略する。
プリチャージ電圧Vpcを出力端子93に印加するスイッチDpの制御と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を出力端子93に印加するスイッチDcの制御は2ビットで制御される。このビットをKビット(1ビット目)、Pビット(0ビット目:LSB)とする。したがって、4つの状態を制御できる。
4つの状態を図95(b)の表に図示している。(K、P)=0の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、0)に制御される。なお、0はスイッチがオープン状態、1はスイッチがクローズ状態を示す。
(K、P)=0の時、プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープンであり、過電流制御スイッチDcもオープンである。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧も過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も出力(印加)されない。
(K、P)=1の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチDcは両方ともオープン状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcが出力されるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は出力(印加)されない。
(K、P)=2の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、1、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチDcはDc0がクローズ状態であり、Dc1はオープン状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は1つ分の過電流トランジスタ891の出力電流がソース信号線18に印加される。
(K、P)=3の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、1)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチDcはDc0、Dc1がクローズ状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は2つ分の過電流トランジスタ891の出力電流がソース信号線18に印加される。
以上のように、2ビットの信号(K、P)により、プリチャージ電圧、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御することができる。
図95(b)では、(K、P)のデコード回路が必要である。デコード回路を不要にした構成表を図94に図示する。図94において、K0、K1は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御するスイッチの信号である。K0はDc0をオープン、クローズを制御するビットである。K1はDc1をオープン、クローズを制御するビットである(図95(a)を参照のこと)。図94において、Pはプリチャージ電圧を制御するスイッチの信号である。Dpをオープン、クローズを制御するビットである(図95(a)を参照のこと)。
(P、K0、K1)=(0、0、0)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(0、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはオープン(open)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もオープン状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcは出力されない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)も出力されない。
(P、K0、K1)=(1、0、0)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、0、0)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もオープン状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcが出力されるが、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は出力されない。
たとえば、(P、K0、K1)=(1、1、1)の時、(Dp、Dc0、Dc1)=(1、1、1)に制御される。プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpはクローズ(close)状態であり、過電流制御スイッチはDc0、Dc1もクローズ状態である。したがって、出力端子93からはプリチャージ電圧Vpcと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が出力される。
以下、同様に(P、K0、K1)の値に応じて、プリチャージ電圧(プログラム電圧)制御スイッチDpと、過電流制御スイッチはDc0、Dc1が独立に制御される。したがって、プリチャージ電圧印加と過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加を同時に実施できる。
図94、図95において、スイッチ(Dp、Dc0、Dc1)をクローズさせるビットを付加することによりさらに精度のよい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)、プリチャージ電圧の制御を実施することができることは言うまでもない。
図96は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を制御するスイッチを3ビットにした実施の形態である。Dc0スイッチのオン(クローズ)により、1つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。Dc1スイッチのオン(クローズ)により、2つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。Dc2スイッチのオン(クローズ)により、4つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。同様に、Dc0、Dc1、Dc2スイッチのオン(クローズ)により、7つの過電流トランジスタ891の電流がソース信号線18に印加される。
図96において、出力端子93に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加している期間は、ソースドライバ回路(IC)14の端子643に印加する信号のtd期間により制御する。td期間とはスイッチ221cをオン(クローズ)させる期間である。
d期間の制御は、ソースドライバ回路(IC)14内部に構成あるいは形成したカウンタ回路(図示せず)により実施してもよい。
図95、図96、図89では、各スイッチDcに単位過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す複数の過電流トランジスタなどで構成するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図97(b)に図示するように、各スイッチDcに1つの過電流トランジスタ891を形成または配置してもよいことは言うまでもない。図97(b)において、スイッチDc0には1つの過電流トランジスタ891aが配置または形成されている。スイッチDc1にも1つの過電流トランジスタ891bが配置または形成されている。また、スイッチDc2には1つの過電流トランジスタ891cが配置または形成されている。過電流トランジスタ891a〜891cは出力する過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさを異ならせている。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさは、過電流トランジスタ891のWL比あるいはサイズ、形状によって容易に調整あるいは設計できる。もちろん、図97(a)に図示するように、各ビットをビットに対応する個数の過電流トランジスタ891を形成または配置してもよい。
図101では、基準電流Icと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idは、電子ボリウム291に入力されるIDATAにより変化する。基準電流Icと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idの大きさの比率は、基準電流Icを流すトランジスタ228aと過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idを流すトランジスタ228cの形状などを異ならせることにより実現する。
図101では、基準電流Icを流すトランジスタ228aは1個であり、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idを流すトランジスタ228cは4個であるから、トランジスタ228aとトランジスタ228cが同一形状の場合でも、基準電流Ic×4=基準電流Idの関係を構成できる。
図101では、スイッチDcに対応する過電流トランジスタ891を4つ形成または配置されている。小さい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す複数の過電流トランジスタ891で出力段を構成することにより出力バラツキが減少させることができる。以上のことは図15などでも説明をしているので説明を省略する。
図101では図96に図示するように内部配線222bに印加するオンオフ信号によりスイッチDcを時間制御し、出力端子93から出力する実効電流を制御している。また、スイッチ221aと221bはオンオフ状態を反対の関係としている。したがって、プリチャージ電圧Vpcが出力端子93に印加されている時は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が出力端子93に印加されないように制御されている。
図102は8ビットのソースドライバ回路(IC)14において、プログラム電流Iw(D0〜D7のスイッチのオンオフ状態により発生する)と、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(説明を容易するため、トランジスタ228dと過電流トランジスタ891はカレントミラー比1のカレントミラー回路を構成しているとし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の基準電流Idと同一の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が出力端子93に印加されるとする)との発生関係あるいはその状態もしくは駆動方法を説明するための説明図である。
図102(a)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加している状態である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの1/(2H)期間など一定の期間印加される。ただし、1Hの1/(2H)期間というのは一実施の形態であり、これに限定するものではない。制御信号などにより1Hの1/(2H)期間、1Hの1/(4H)期間、1Hの2/(3H)期間、1Hの1/(8H)期間など切り換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。図102(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図102(b)は一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iwの出力状態を示している。
以上のように、図102の実施の形態では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを印加している状態と、プログラム電流Iwの出力状態とは独立している。
図103(a)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加している状態である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの1/(2H)期間など一定の期間印加される。
ただし、図102で説明したように、1Hの1/(2H)期間というのは一実施の形態であり、これに限定するものではない。制御信号などにより1Hの1/(2H)期間、1Hの1/(4H)期間、1Hの2/(3H)期間、1Hの1/(8H)期間など切り換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。
また、映像データの大きさ、1画面の映像データの総和の大きさ、1H前のソース信号線18電位の大きさ、各フレームの画像状態の変化、静止画あるいは動画などの画像の性質などにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの印加時間などは変化あるいは変更もしくは制御してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。
図103(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。そのため、出力端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は、本来の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに、最大のプログラム電流Iwを加えたものとなる。以上のように図103(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図103(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図103(b)は図102(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iwの出力状態を示している。
以上のように、図103の実施の形態では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図103(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図102、図103では過電流トランジスタ891を制御し、ソース信号線18に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。この実施の形態を図104に図示する。
図104(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。しかし、過電流トランジスタ891を制御するスイッチDcはオープン状態である。したがって、出力端子93には過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)であるIdは印加されない。図104(a)では、映像データに基づくプログラム電流Iw以上の電流とスイッチD7〜D0を制御することにより発生させた実施の形態である。一般的に書き込み不足が発生するのは、映像データが小さい領域(低階調領域)である。したがって、この領域ではD7ビットなどのスイッチがオンすることがない。この映像データではオンすることがないスイッチ(D7など)をオンさせて、大きなプログラム電流(=過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流))を発生させて、この電流でソース信号線18の電位を制御あるいは操作する。
以上のように、出力端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディス チャージ電流)は、最大のプログラム電流Iwである。以上のように図104(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図104(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図104(b)は図102(b)、図103(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iw(正規の映像データの大きさに対応する)の出力状態を示している。
以上のように、図104の実施の形態では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図104(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図103では、過電流トランジスタ891を設けているが本発明はこれに限定するものではない。過電流トランジスタ891を形成または配置しなくともよい。
図103などにおいて、プリチャージ電流を印加するときは、すべてのスイッチD0〜D7をクローズさせるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。プリチャージ電流を印加すると時は、上位ビットのD7ビットのみをオンさせてもよい。また、上位ビットに該当するD4〜D7ビットをオンさせてもよい。つまり、本発明は、所定の映像データに該当するときよりも、大きい出力電流となるようにスイッチDnを操作するものである。
図104(a)ではプログラム電流Iwを発生させるスイッチD0〜D7がすべてオン(クローズ)状態にしている。しかし、過電流トランジスタ891を制御するスイッチDcはオープン状態である。したがって、出力端子93には過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)であるIdは印加されない。
図104(a)では、映像データに基づくプログラム電流Iw以上の電流とスイッチD7〜D0を制御することにより発生させた実施の形態である。一般的に書き込み不足が発生するのは、映像データが小さい領域(低階調領域)である。したがって、この領域ではD7ビットなどのスイッチがオンすることがない。この映像データではオンすることがないスイッチ(D7など)をオンさせて、大きなプログラム電流(=過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流))を発生させて、この電流でソース信号線18の電位を制御あるいは操作する。
以上のように、出力端子93から出力される過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は、最大のプログラム電流Iwである。以上のように図104(a)のようにスイッチD0〜D7、Dcを制御することにより、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加することができる。そのため、寄生容量Csの電荷放電時間を短くすることができる。
図104(b)は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)印加時間後の状態である。図104(b)は図102(b)、図103(b)と同様に一例として、データD(D7〜D0)が”10000001”つまり、D7ビットとD0ビットがオン(クローズ)状態でのプログラム電流Iw(正規の映像データの大きさに対応する)の出力状態を示している。
以上のように、図104の実施の形態では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流す期間に大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を印加することができる。なお、図104(a)において、すべてのスイッチD0〜D7をオン(クローズ)することに限定するものではない。ソース信号線18の電位、水平走査期間の長さ、寄生容量Csの大きさなどに対応してスイッチD0〜D7のオンオフ状態を変化あるいは制御してもよいことは言うまでもない。
図101〜図104などは、出力端子93から吸い込む方向の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを発生させる構成あるいは方法である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。出力端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す構成であってもよい。
また、出力端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吸い込む回路と、出力端子93から過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す回路の両方を形成または構成もしくは配置してもよいことは言うまでもない。
図101〜図104などとの差異は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を吐き出す回路を有する点である。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の吐き出し回路は、トランジスタ228d2と過電流トランジスタ891からなるカレントミラー回路で構成される。このカレントミラー回路で過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id2(カレントミラー比が1の時)を出力端子93に印加する。
図103、図104などの構成では、1H(1水平走査期間)の最初の期間に、映像データなどから判断され、必要な時はスイッチ221aがクローズされ、プリチャージ電圧Vpcが出力端子93に印加されて、ソース信号線18に印加される。基本的には、プリチャージ電圧Vpcが印加されている時は、スイッチ221bはオープン状態に制御される。
また、1Hの最初あるいはプリチャージ電圧の印加した後に、映像データなどから判断され、必要な時はスイッチDnがクローズされ、プリチャージ電流が出力端子93に印加されて、ソース信号線18に印加される。プリチャージ電流の印加後、正規の映像データに該当するスイッチDがクローズされてプログラム電流Iwがソース信号線18に印加される。
図103、図104などにおいて、プリチャージ電流Idを印加する期間を長くするほど、ソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。つまり、プリチャージ電流が印加される期間を制御することにより、ソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。
図103、図104では、吸い込み電流方向のプリチャージ電流を発生する構成であった。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、ソースドライバ回路(IC)14内にシンク電流のプログラム電流出力段251caと、吐き出し電流を出力するプログラム電流出力段251cbを形成または構成してよい。シンク電流のプリチャージ電流を発生する場合は、出力段251caのスイッチDnを制御あるいは操作する。吐き出し電流を発生する場合は、出力段251cbスイッチDnを制御あるいは操作する。いずれかのプリチャージ電流は、スイッチ221b1とスイッチ221b2を制御することにより実現する。
図99は、本発明の表示パネル(表示装置)の駆動方法(駆動方式)を説明するための説明図である。電圧プリチャージおよびプログラム電流によるソース信号線18に電位状態を示している。図99の実施の形態では、ソースドライバ回路(IC)14が発生するプリチャージ電圧は、階調0の電位V0(黒電圧プリチャージ)と、最大の階調255の電位V255(白電圧プリチャージ)とを発生する。
図99では、プリチャージ電圧を印加する期間は一例として1μsecとしている。したがって、1H時間−1μsecが電流プログラム期間である。しかし、本発明はこれに限定するものではない。他の構成あるいは状態あるいは時間などでもよいことは言うまでもない。
図99などの実施の形態は、RGBが各8ビット(256階調表示)として説明をする。なお、本発明は、以前にも説明したようにRGBに限定されるものではない。単色でもよく、また、シアン、イエロー、マゼンダなどでもよく、RGBに加えて、白色(W)の4色などでもよい。図99(a)は階調0から階調255に変化させる実施の形態である。階調0と階調255などの電位差が大きい時は、白電圧プリチャージ(V255電圧を印加)が実施される。図99(a)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に白電圧プリチャージが実施される。白電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧が印加されて、ソース信号線18電位はV255となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性に応じてソース信号線18電位が補正される。一例として図99(a)では、ソース信号線18電位がアノード電位Vddの方向に上昇する。
図99(b)は階調255から階調0に変化させる実施の形態である。階調255と階調0などの電位差が大きい時は、黒電圧プリチャージ(V0電圧を印加)が実施される。図99(b)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に黒電圧プリチャージが実施される。黒電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧V0が印加されて、ソース信号線18電位はGND電圧に近いV0となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性に応じてソース信号線18電位が目標のプログラム電流に等しい電流が流れるように補正される。一例として図99(b)では、ソース信号線18電位がグランド(GND)電位の方向に下降する。
図99(c)は階調0から階調200に変化させる実施の形態である。階調0と階調200などの比較的電位差が大きい時は、白電圧プリチャージ(V255電圧を印加)が実施される。なお、黒電圧プリチャージは、全階調の1/4より低階調領域に変化する時に実施される。白電圧プリチャージは、全階調の1/2より高階調領域に変化する時に実施される。図99(c)に図示するように1Hの最初の期間(なお、1Hの最初の期間に限定するものではない)から1μsecの期間に白電圧プリチャージが実施される。白電圧プリチャージの実施により、ソース信号線18に電圧が印加されて、ソース信号線18電位はV255となる。その後、電流プログラムが実施され、画素16の駆動用トランジスタ11aが主に動作して、目標の階調電流200に相当するソース信号線18電位に補正される。
図100は過電流駆動(プリチャージ電流駆動)と電圧駆動(プリチャージ電圧駆動)の両方を実施する駆動方法の説明図である。なお、回路構成は一例としてスイッチ221はONでクローズ状態、OFFでオープン状態とする。スイッチ221aがONでプリチャージ電圧Vpcが出力端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。スイッチ221bがONでプログラム電流Iwが出力端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。また、スイッチDcがONで過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Iwが出力端子93に印加される(ソース信号線18に印加される)。
図100(a)に図示するように、スイッチ221aがONでプリチャージ電圧Vpcが出力端子93に印加される状態と、スイッチ221bがONでプログラム電流Iwが出力端子93に印加される状態が同時に発生しても動作上は問題がない。定電流回路251cなどは内部インピーダンスが高く、定電圧回路(プリチャージ電圧回路)と短絡しても正常動作を実施できるからである。ただし、図100(b)(c)に図示するように、スイッチDcがON状態の時は、スイッチ221aはOFF状態にすることが好ましい。過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)回路からの電流が定電圧回路に突入電流として流れる場合があるからである。図100(a)に図示するように、スイッチDcがOFF状態の時は、スイッチ221aがON状態であっても問題はない。
図100(b)(c)に図示するように、スイッチDcがONする期間を制御することにより、出力端子93に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間を調整することができる。図100(b)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間は1/(3H)であり、図100(c)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が印加される期間は1/(4H)である。図100(c)の方が、図100(b)よりもソース信号線18の電位変化を大きくすることができる。
図103、図104では、プログラム電流Iwを制御するD0〜D7スイッチを操作する構成を説明した。図105はさらに詳しい実施の形態あるいは他の実施の形態である。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは内部配線222bに印加するオンオフ信号によりオンする期間を制御することができる。図105の実施の形態では、1Hの0、82/4、3/4の4つの期間で制御できる。同様に、強制的にプログラム電流Iwを制御するスイッチD0〜Dを操作(制御)する期間(強制制御と記載する)も、図105の実施の形態では、1Hの0、82/4、3/4の4つの期間で制御できる。なお、図105では正規のプログラム電流を流す期間はデータ制御として記載し階調4から階調5(4→5と記載)などと記載している。図105の実施の形態では、少なくとも1Hの1/2の期間は、正規のプログラム電流を流す期間である。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hのすべての期間であってもよい。つまり、1H以下1/(4H)以上の期間であればいずれでもよい。
Dcスイッチと強制性によるD7〜D0スイッチの操作(制御)は、階調の変化に応じて実施される。Dcスイッチと強制性によるD7〜D0スイッチの操作(制御)は、コントローラIC(回路)722で、1Hごとの映像信号変化あるいは1F(1フレーム)内の映像信号変化あるいは変化割合などに基づいて判断される。判断されたデータあるいは制御信号は差動信号などに変換されてソースドライバ回路(IC)14に伝送される。
図105(a)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(4H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から1/(4H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idと加算される期間は、1Hの最初から1/(4H)期間であり、比較的短い。正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調4から階調5レベルに変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。
図105(b)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(2H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調1から階調2レベルに変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、動作開始のソース信号線18の電位が階調1レベルである時は、Dcスイッチをオンする期間を長くし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを長時間、ソース信号線18に印加する必要がある。
図105(c)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から3/(4H)の期間オン(クローズ)される。したがって、1Hの最初から3/(4H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(4H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調0から階調1レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、動作開始のソース信号線18の電位が階調0レベルである時は、Dcスイッチをオンする期間を最も長くし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを長時間、ソース信号線18に印加する必要がある。
図105(d)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは動作しない。プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(2H)期間、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(2H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から1/(2H)期間に階調0から階調1レベルにほぼ変化し、1Hの後半の1/(2H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すDcスイッチを動作させないのは、階調変化が16階調目から18階調目のように、変化前の階調が比較的大きく(ソース信号線18電位が高く)、16から18階調目と比較的変化が小さいためである。
以上の実施の形態では、Dcスイッチは連続してオン状態を維持させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(e)は、Dcスイッチを1H期間は連続してオン状態を維持させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(e)は、Dcスイッチを1H期間で複数回(2回)オンさせた実施の形態である。図105(e)では、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)を流すスイッチDcは1Hの最初から1/(4H)の期間と、1/(2H)経過後の1/(4H)の期間にオン(クローズ)される。したがって、全体として1Hの1/(2H)期間、ソース信号線18には過電流(プリチャージ電流)が印加される。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から1/(2H)の期間、強制的に(クローズ)される。
したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間に、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。
以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調2から階調3レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、電流駆動では、定電流は加算することができる。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは1Hの後半以外(最終以外)のいずれの期間に印加してもよい。また、複数回に分割して印加してもよい。以上の事項は、D0〜D7スイッチの強制制御に対しても適用できることは言うまでもない。
以上の実施の形態では、Dcスイッチは1Hの最初からオン状態にするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。図105(f)は、Dcスイッチを最初から1/(4H)期間経過後にオンさせた実施の形態である。また、プログラム電流を流すスイッチD0〜D7は1Hの最初から3/(4H)の期間、強制的に(クローズ)される。
したがって、Dcスイッチの動作により流れる過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idに加算されて、1Hの最初から1/(4H)期間に、ソース信号線18にはスイッチD0〜D7によるプリチャージ電流が印加される。
正規のプログラム電流を流す期間(正規のプログラム電流となるように映像信号に該当するスイッチD0〜D7が設定(操作あるいは制御)されている状態)は、1Hの後半1/(4H)期間に実施される。以上の動作により、ソース信号線18の電位が1Hの最初から3/(4H)期間に階調5から階調6レベルに変化し、1Hの後半の1/(4H)期間に、正規のプログラム電流により補正されて画素16の駆動用トランジスタ11aが目標のプログラム電流Iwを流すように電流プログラムが実施される。以上のように、電流駆動では、定電流は加算することができる。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは、1Hの最初から印加することに限定されるものではない。1Hの後半以外(最終以外)のいずれの期間に印加してもよい。また、複数回に分割して印加してもよい。以上の事項は、D0〜D7スイッチの強制制御に対しても適用できることは言うまでもない。
なお、以上の実施の形態の制御期間あるいは操作期間は1Hとしたが、本発明はこれに限定するものではない。1H以上の特定の期間内に実施してもよいことは言うまでもない。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動とプリチャージ電圧(プログラム電圧)駆動とを組み合わせて実施してもよいことは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。
図106は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動とプリチャージ電圧(プログラム電圧)駆動とを組み合わせた実施の形態である。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id印加期間も変化させた実施の形態である。
図106は、プリチャージ電圧は0階調に対応するV0電圧の場合である。まず、図106(a1)(a2)(a3)について説明をする。図106(a1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初に1μsec印加している。また、図106(a2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。
したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。以上の図106(a)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、本発明の他の実施の形態における駆動方法について図106(b1)(b2)(b3)をもちいて説明をする。図106(b1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初からtxμsecの時間印加している。また、図106(b2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上の図106(b)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加する期間txを制御することにより、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージの印加期間を調整することができる。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図106(a)(b)はプリチャージ電圧を印加する回数は1回の場合であった。しかし、本発明は、プリチャージ電圧を印加する期間は、1回に限定するものではない。プリチャージ電圧を印加することにより、ソース信号線18電位をリセットすることができ、リセットにより過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id駆動によるソース信号線18の電位制御(調整)が容易になるからである。
図106(c1)(c2)(c3)は、1H期間(所定の時間間隔)に複数回、ソース信号線18にプリチャージ電圧を印加した実施の形態である。図106(c1)では、プリチャージ電圧を1Hの最初からと、t3時間からの2回1μsec印加している。また、図106(c2)に示すように1Hの最初から4/(5H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図106(c3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。t0〜t3の期間は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによりソース信号線18の電位は降下する。しかし、t3〜t4の期間に、プリチャージ電圧を印加するために、ソース信号線18の電位はV0にリセットされる。t4〜t5の期間は過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによりソース信号線18の電位は再び降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上の図106(c)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にリセットし、最終のプリチャージ電圧印加した時点から電流プログラムの動作が開始される。したがって、プリチャージ電圧を印加するタイミングを制御あるいは調整することにより、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に制御することが可能である。そのため、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易であり、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図106は、一定のプリチャージ電圧(プログラム電圧)を印加した実施の形態であった。図107はプリチャージ電圧を変化させた実施の形態である。なお、一例として図107における過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idは1Hの最初から1/(2H)の期間印加しているとする(t1〜t3期間)。
図107(a1)は、プリチャージ電圧は0階調に対応するV0電圧の場合である。図107(b1)は、プリチャージ電圧は1階調に対応するV1電圧の場合である。図107(c1)は、プリチャージ電圧は2階調に対応するV2電圧の場合である。
図107(a1)(a2)(a3)について説明をする。図107(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(a2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。
また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(a)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。したがって、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、図107(b1)(b2)(b3)について説明をする。図107(b1)では、1階調目に該当するプリチャージ電圧V1を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(b2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は1階調の電圧電位V1である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(b)の実施の形態では、プリチャージ電圧V1を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。プリチャージ電圧V1はV0よりもソース信号線18に書き込む電位が低い。一方、過電流(プリチャージ電流)の印加時間は一定で、かつ過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさもId0と一定である。したがって、図107(a)よりソース信号線18の電位を低くすることができるから、より高輝度表示を実現できる。
また、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
さらに、図107(c1)(c2)(c3)について説明をする。図107(c1)では、2階調目に該当するプリチャージ電圧V2を1Hの最初に1μsec印加している。また、図107(c2)に示すように1Hの最初から1/(2H)の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idをソース信号線18に印加している。したがって、図107(c3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は2階調目の電圧電位V2である。
また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図107(c)の実施の形態では、プリチャージ電圧V2を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる電流プリチャージを実施する。プリチャージ電圧V2はV1よりもさらにソース信号線18に書き込む電位が低い。一方、過電流(プリチャージ電流)の印加時間は一定で、かつ過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさもId0と一定である。したがって、図107(b)よりソース信号線18の電位を低くすることができるから、より高輝度表示を実現できる。
また、適切な過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を理論的に予測し、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
以上のように、プリチャージ電圧Vpcの大きさあるいは電位を変化させることにより、1H経過した時の、ソース信号線18電位を容易に制御することができる。
図107は、一定のプリチャージ電圧(プログラム電圧)と変化させた実施の形態であった。図108は、過電流(プリチャージ電流)を変化させた実施の形態である。なお、プリチャージ電流を変化させることは、図92、図93、図94のDc0、Dc1スイッチなどを制御することにより実現することができる。図108(a1)(b1)では、プリチャージ電圧はV0と固定している。図108(c1)ではプリチャージ電圧を印加していない実施の形態である。
図108(a1)(a2)(a3)について説明をする。図108(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図108(a2)に示すように1Hの最初(t1)〜t4の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。t4〜t3の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。
図108(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t4の期間は、大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t4〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0よりも小さい過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は比較的緩やかに降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(a)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、まず、第1の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を急変させる。次に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を目標電位近くまでさせる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。以上のように複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、これらの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。
また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
次に、図108(b1)(b2)(b3)について説明をする。図108(b1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図108(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t3の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。
図108(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は降下する。t3〜t2の期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(b)の実施の形態では、プリチャージ電圧V0を印加することによりソース信号線18の電位を所定値にした後、比較的小さな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を変化させる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
さらに、図108(c1)(c2)(c3)について説明をする。図108(c1)では、プリチャージ電圧を印加していない。したがって、ソース信号線18の電位は1H前の電位である。また、図108(c2)に示すように1Hの最初(t1)〜t4の期間に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1をソース信号線18に印加している。t4〜t3の期間に第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図108(c3)に示すように、t0〜t4の期間は、比較的小さな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は変化する。t4〜t3の期間は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1よりも大きな過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0(吸い込み電流方向)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t3〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図108(c)の実施の形態では、まず、第2の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id1による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を変化させる。次に第1の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0による電流プリチャージを実施してソース信号線の電位を目標電位近くまでさせる。最後は、目的の映像信号に該当するプログラム電流で駆動用トランジスタ11aが所定電流を流すように電流プログラムを行う。
以上のように複数の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、これらの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の大きさ、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間を調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、プリチャージ電圧を印加しないため、前画素行に印加した電位から相対的に電位を変化させることができる。前画素行に印加したソース信号線18の電位は理論的に予測あるいは推測することができる。コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図108では過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)(プリチャージ電流)を1H期間(所定期間)で変化させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、1H期間(所定期間)にプリチャージ電圧を変化してもよい。また、プリチャージ電流とプリチャージ電圧の両方の大きさを変化させてもよいことは言うまでもない。また、プリチャージ電流とプリチャージ電圧の両方の印加時間を変化させてもよいことは言うまでもない。
図109はプリチャージ電圧の印加タイミングを変化させた実施の形態である。過電流(プリチャージ電流)は同一であるとしている。図108(a1)(b1)(c1)では、プリチャージ電圧はV0と固定している。
図109(a1)(a2)(a3)について説明をする。図109(a1)では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec(t1〜t0の期間)印加している。また、図109(a2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(a3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。また、t0〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施の形態でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
同様に、図109(b1)(b2)(b3)について説明をする。図109(b1)では、プリチャージ電圧V0をt0から1μsec(t0〜t3の期間)印加している。また、図109(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(b3)に示すように、t1〜t0の期間は、ソース信号線18の電位は1H前の電位(前画素行に電流プログラムを行うために印加したソース信号線18電位)から変化が開始する。その後、t0時にプリチャージ電圧V0をt0から1μsec(t0〜t1期間)印加している。したがって、ソース信号線18電位は、V0電圧にリセットされる。
t3〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施の形態でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、任意の時間にプリチャージ電圧を印加することにより、任意のタイミングで規定されたソース信号線18電位(図109ではV0電圧)から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
図109(c)も図109(b)と同様である。図109(c1)では、プリチャージ電圧V0をt3から1μsec(t3〜t4の期間)印加している。また、図109(b2)に示すように1Hの最初(t1)〜t5の期間に過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Id0をソース信号線18に印加している。
図109(c3)に示すように、t1〜t3の期間は、ソース信号線18の電位は1H前の電位(前画素行に電流プログラムを行うために印加したソース信号線18電位)から変化が開始する。その後、t3時にプリチャージ電圧V0をt3から1μsec(t3〜t4期間)印加している。したがって、ソース信号線18電位は、V0電圧にリセットされる。
t4〜t5の期間は、Id0(一例として吸い込み電流方向としている。以上の事項は本発明の他の実施の形態でも同様である)により、ソース信号線電位18は急激に降下する。t5〜t2(1Hの最後)までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上のように、任意の時間にプリチャージ電圧を印加することにより、ソース信号線18電位は一定の値に変更することができる。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idの大きさは同一である。したがって、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idによる変化カーブは一定の傾斜角度となる。任意のタイミングで規定されたソース信号線18電位(図109ではV0電圧)から、規定された適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することによりソース信号線18電位を目標電位近傍まで変化することができる。電位が近傍になった以降は、プログラム電流により補正するだけであるので精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。
図106〜図109などは、過電流(プリチャージ電流)の方向は、ソースドライバ回路(IC)14に吸い込む方向の電流(シンク電流)を例示して説明をした。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、過電流(プリチャージ電流)は吐き出し方向であってもよい。また、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)は吐き出し電流と吸い込み電流の両方を有してもよい。
以上の実施の形態は、吸い込み電流方向のプリチャージ電流を発生する構成であった。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図222に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14内にシンク電流のプログラム電流出力段251caと、吐き出し電流を出力するプログラム電流出力段251cbを形成または構成してよい。シンク電流を発生するプログラム電流出力段251caはNチャンネルトランジスタで構成される。吐き出し電流を発生するプログラム電流出力段251cbはPチャンネルトランジスタで構成される。
シンク電流のプリチャージ電流を発生する場合は、出力段251caのスイッチDnを制御あるいは操作する。吐き出し電流を発生する場合は、出力段251cbスイッチDnを制御あるいは操作する。いずれかのプリチャージ電流は、スイッチ221b1とスイッチ221b2を制御することにより実現する。また、プリチャージする階調あるいは現在と目標の電位差などに応じて、シンク電流によるプリチャージ駆動(過電流駆動)を実施するか、吐き出し電流よるプリチャージ(過電流駆動)を実施するかを切り換えてもよい。
以上のように、本発明のプリチャージ電流は、シンク電流でも、吐き出し電流のいずれでもよい。また、トランジスタ群251cはPチャンネルトランジスタで構成しても、Nチャンネルトランジスタで構成してもよい。また、トランジスタ群251cは、Pチャンネルトランジスタ224とNチャンネルトランジスタ224の両方を用いて構成してもよい。また、図222のように組み合わせてもよい。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることはいうまでもない。たとえば、図33〜図63で説明した駆動方式にも適用できる。また、組み合わせることができる。
図111は、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)が吐き出し電流と吸い込み電流の両方を用いる場合の駆動方法の説明図である。回路構成としては図110の構成が例示される。図111において、スイッチ221aはプリチャージ電圧のオンオフ制御に用いる。オンの時、出力端子93にプリチャージ電圧が印加される。スイッチDc2は吐き出し方向のプリチャージ電流のオンオフ制御に用いる。オンの時、出力端子93に吐き出し方向のプリチャージ電流が印加される。また、スイッチDc1は吸い込み方向のプリチャージ電流のオンオフ制御に用いる。オンの時、出力端子93に吸い込み方向のプリチャージ電流が印加される。
図111のaの期間では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図111のDc1スイッチはt1〜ta期間オンしている。したがって、吸い込み方向の過電流Id1が流れる。t1から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。以降taまでの期間は、過電流(プリチャージ電流)Id0により、ソース信号線電位18は急激に降下する。ta〜t2までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のbの期間では、プリチャージ電圧は印加していない。また、図111のDc2スイッチはt2〜tb期間オンしている。したがって、吐き出し方向の過電流Id2が流れる。過電流(プリチャージ電流)Id2により、ソース信号線電位18は急激に上昇する。tb〜t3までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のcの期間は低階調領域の書き込みのため、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。図111のDc1、Dc2スイッチはオフ状態である。t3から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。以降t4までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のdの期間では、プリチャージ電圧V0を1Hの最初に1μsec印加している。また、図111のDc1スイッチはt4〜td期間オンしている。したがって、吸い込み方向の過電流Id1が流れる。t4から1μsecの期間は、ソース信号線18の電位は0階調の電圧電位V0である。
以降tdまでの期間は、過電流(プリチャージ電流)Id0により、ソース信号線電位18は急激に降下する。td〜t5までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
図111のeの期間では、プリチャージ電圧は印加していない。また、図111のDc2スイッチはt5〜te期間オンしている。したがって、吐き出し方向の過電流Id2が流れる。過電流(プリチャージ電流)Id2により、ソース信号線電位18は急激に上昇する。te〜t6までの期間は、映像データによる電流プログラムが実施される。したがって、ソース信号線18の電位は、画素16の駆動用トランジスタ11aがプログラム電流に一致する電流が流れるように低下する。
以上の実施の形態では、プリチャージ期間に過電流を印加するとした。過電流はスイッチDを制御することにより印加する。しかし、本発明はこれに限定するものではない。本発明は、過電流、あるいはプリチャージ電流は、図29、図30に図示するように基準電流Icを基準として発生している。基準電流Icは一例としてソースドライバ回路(IC)14の外づけ抵抗Rの値により調整する。
プリチャージ(電流)を印加する期間に、基準電流Icを大きくすること、あるいは、プリチャージの程度により基準電流を可変あるいは調整できれば、より良好なプリチャージを実現できる。図254はその実施の形態である。また、階調表示あるいは画面表示に必要な輝度に対応させて基準電流Icを変更あるいは調整もしくは可変できれば、柔軟なあるいは良好な画像表示を実現できる。
図254は、基準電流を変化させる実施の形態である。一例としてソースドライバ回路(IC)14に外づけ抵抗R1、R2が取り付けられている。R2>R1なる関係とし、R1とR2のどちらの抵抗を利用するかは、ソースドライバ回路(IC)14内に構成されたアナログスイッチSpで切り換えることができる。一例として、R2=10・R1なる関係とする。つまり、スイッチSpによりR2を選択した場合の基準電流Ic2は、R1を選択した場合の基準電流Ic1に対して10倍(Ic2=10・Ic1)の関係となる。つまり、基準電流を通常より大きく設定することができる。
基準電流IcはR2を選択したとき、Ic2となり、トランジスタ群228bに印加され、端子93から出力される電流も通常の10倍となる。基準電流IcはR1を選択したとき、Ic1となり、トランジスタ群228bに印加され、端子93から出力される電流は通常どおりとなる。
端子93から出力される電流はトランジスタ群251cを制御するスイッチDの状態により異なる。Ic2がトランジスタ群228に印加されるときは、プログラム電流は10倍となる。図255に図示するように、プリチャージ期間にはスイッチSpはb端子を選択している。したがって、抵抗R2が選択され、一例として通常の10倍の基準電流Ic2が流れる。プリチャージ期間以外は、スイッチSpはa端子を選択している。したがって、抵抗R1が選択され、一例として通常の基準電流Ic1が流れる。なお、プリチャージ期間は、コントローラ722からの制御信号により可変することが可能である。プリチャージ期間が長ければ、ソース信号線18への電流(電圧)印加期間が長くなる。プリチャージ期間が短ければ、ソース信号線18への電流(電圧)印加期間が短くなる。
したがって、図254の実施の形態では、プリチャージ期間は、基準電流が大きくなるため、プリチャージによるソース信号線18の電荷の充放電を短期間で実施できる。ただし、プリチャージビットが選択されていない場合は、プリチャージ期間にはプログラム電流を出力するスイッチD(221)(図22を参照のこと)がすべてオープン状態となる。したがって、端子93からは電流が出力されない。つまり、プリチャージ電流はソース信号線18に印加されない。この期間は図255のA期間である。プリチャージビットは0である。したがって、スイッチSpは選択されているが、スイッチD(221)がオープン状態のためプリチャージ電流(P電流)は出力されない。図255のBおよびC期間は、プリチャージビットは1である。したがって、スイッチSpはb端子を選択し、スイッチD(221)が制御信号に対応して制御され、プリチャージ電流(P電流)がプリチャージ期間にソース信号線18に出力される。基準電流がIc1の期間は、画素への電流プログラムが実施されている期間である。この期間は、映像データに対応するプログラム電流(映像電流)またはプログラム電圧が各画素16に書き込まれる。以上の動作は、端子ごとに、また、映像データごとに実施されることが好ましい。また、プリチャージ期間も、端子ごとに、また、映像データごとに変化あるいは可変してもよいことは言うまでもない。もちろん、ソースドライバ回路(IC)14全体で、プリチャージ期間の長さ、プリチャージ期間の基準電流Ic2の大きさなどを同一動作させてもよい。
図254は、外付け抵抗R(R1、R2)を選択して基準電流を可変するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図256に記載するように、ソースドライバ回路(IC)14に内蔵の抵抗R(Ra、Rb)を形成し、この抵抗をスイッチSrで切り換えることにより基準電流Icの大きさを変化させてもよい。スイッチSrがクローズすることにより、内蔵抵抗はRaとなり、スイッチSrをオープンさせれば内蔵抵抗はRa+Rbとなる。また、外付け抵抗は、図254のように2つに限定するものではなく、図256に図示するように3つ以上から選択してもよい。
また、図258に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14内に内蔵抵抗を複数直列または並列に接続して構成し、スイッチSp(Spa〜Spn)を選択することにより基準電流Icを多様に変化あるいは変更してもよい。
図254の外付け抵抗は、図257に図示するように、RGBで変更できるように構成することが好ましい。EL表示パネルでは、RGBで発光効率が異なるため、RGBの基準電流Ic(Icr、Icg、Icb)が異なるからである。したがって、RGBごとに、プリチャージ期間に印加するプリチャージ電流の大きさも異なる。図257のように構成することにより、RGBで最適なプログラム電流、プリチャージ電流に設定できる。図257の事項は、図254のように、以上の事項は図256などの内蔵抵抗にも適用される。つまり、RGBで内蔵抵抗の値を変化させたソースドライバ回路(IC)14を形成すればよい。
以上の説明では、抵抗Rの値を変化させることにより、基準電流Icの大きさを変化するとして説明した。しかし、本発明は、プリチャージ期間の基準電流と、プログラム期間(通常期間)の基準電流とを変化させることを技術的思想としている。したがって、図252に図示する構成も本発明の技術的範疇である。
図252はトランジスタ群228bを複数のトランジスタで構成している。各トランジスタには選択するスイッチS(S1〜S4)が形成されている。スイッチSのクローズ数を変更することにより、基準電流Icを分流するトランジスタ228b数を変更できる。変更により、トランジスタ228bとカレントミラー回路を構成するトランジスタ群251cとのミラー比を変更できる。ミラー比を変更することにより、端子93から出力する電流を変更(可変)することができる。したがって、図254と同様に、プリチャージ期間に出力電流(プリチャージ電流)を大きくし、通常期間に出力電流(プログラム電流)を映像データに最適な大きさにすることができる。
図259はトランジスタ群228bを複数のトランジスタ群(228b1、228b2)で構成している。トランジスタ群228b1(一例として2個のトランジスタ228b1で構成されている)には基準電流Ic1が印加され、トランジスタ群228b2(一例として2個のトランジスタ228b2で構成されている)には基準電流Ic2が印加される。それぞれの基準電流Ic1、Ic2の大きさを変化させることにより、また、それぞれの基準電流Ic1、Ic2をオンオフさせることにより、トランジスタ228bとカレントミラー回路を構成するトランジスタ群251cとのミラー比を変更できる。ミラー比を変更することにより、端子93から出力する電流を変更(可変)することができる。したがって、図254と同様に、プリチャージ期間に出力電流(プリチャージ電流)を大きくし、通常期間に出力電流(プログラム電流)を映像データに最適な大きさにすることができる。
図253はトランジスタ群228aを複数のトランジスタで構成した実施の形態である。各トランジスタには選択するスイッチSa(Sa1〜Sa3)が形成されている。スイッチSaのクローズ数を変更することにより、基準電流Icの大きさを変更できる。スイッチSaの設定変更により、トランジスタ228bに流れる基準電流Icの大きさが変化し、端子93から出力する電流を変更(可変)することができる。したがって、図254と同様に、プリチャージ期間に出力電流(プリチャージ電流)を大きくし、通常期間に出力電流(プログラム電流)を映像データに最適な大きさにすることができる。
なお、以上の実施の形態は、外付け抵抗Rの一端子をVdd電圧など高電圧側に接続する実施の形態であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図260に図示するように、外付け抵抗Rの一端子をGND側に接続する構成であってもよい。つまり、基準電流の発生方式に制約はない。図260の他の構成は他の実施の形態と同様である。また、図252から図260の実施の形態は相互に組み合わせできることも言うまでのない。
以上のことは、本発明のソースドライバ回路(IC)14のすべてに適用できることは言うまでもない。また、端子93から出力されるプリチャージ電流、プログラム電流の方向は、吐き出し電流方向、吸い込み(シンク)電流方向のいずれでもよいことは言うまでもない。
以上のように、目標プログラム電流あるいはソース信号線18電位から適切な大きさの過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)Idを制御に用い、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)の印加時間あるいは大きさを調整することにより精度のよい電流プログラムを実現できる。また、ソース信号線18の電位変化を理論的に予測あるいは推測することができるから、コントローラIC(回路)722(図示せず)で制御あるいは設定することが容易である。そのため、良好で精度のよい電流プログラムを実施することができる。
以上の実施の形態は、1H期間内の過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動または/およびプリチャージ電圧駆動の実施の形態であった。しかし、過電流(プリチャージ電流もしくはディスチャージ電流)駆動または/およびプリチャージ電圧駆動は1H期間内だけではなく、1フレームあるいは複数水平走査期間のソース信号線18の電位状態を考慮して行うことが好ましい。
本発明では、図132で図示するようにプリチャージ電圧もFRC化している。たとえば、図132(b)は4FRCの駆動方法である。図132(b)において、○(白丸)はプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加(出力)されたことを示しており、●(黒丸)はプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されていないことを示している。つまり、図132(b)(1)では、4フレーム(フィールド)で1回しかプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されないことを示している。
同様に図132(b)(2)では、4フレーム(フィールド)で2回しかプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されないことを示しており、図132(b)(3)では、4フレーム(フィールド)で3回プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されることを示している。図132(b)(4)では、4フレーム(フィールド)ともプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)が印加されることを示している。
以上の動作(方法)を実施することによりプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)で階調表示を増大することができる。したがって、階調数が増加しより良好な画像表示を実現できる。つまり、低階調領域では主としてプリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)で階調表示を実現し、高階調領域ではプログラム電流により階調表示を実現する。
FRCとプリチャージ駆動(プリチャージ電圧を印加する駆動方式)を組み合わせた場合、プリチャージ駆動を実施する階調と、プリチャージ駆動を実施しない階調で画像表示のみだれが発生する場合がある。
たとえば、7階調目と8階調目の組み合わせで階調表示を行っている複数の第2の画素行の帯表示(横線)があるとする。前記画素の1画素行前の第1の画素行に、1階調目の階調表示が実施されているとする。1階調目から7階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施する。1階調目から8階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施しないとする。すると、第1の画素行の画素から、第2の画素行の画素に変化する時、第2の画素行の画素が、7階調目の時はプリチャージ駆動を実施され、比較的完全な階調に対応する輝度表示(高輝度)が実現される。第1の画素行の画素から、第2の画素行の画素に変化する時、第2の画素行の画素が、8階調目の時はプリチャージ駆動を実施されず、比較的低輝度表示となる。そのため、第2の画素行では、FRC駆動に同期して、比較的高輝度と低輝度表示が入り混じり、また、次の画素行にお引きが発生し、ノイズっぽい表示となる。
第2の画素行の帯表示が、8階調目と9階調目の組み合わせでFRC駆動による表示が行われている場合は、第1の画素行の画素から、第2の画素行の画素に変化する時であっても、前述の課題は発生しない。1画素行前の第1の画素行に1階調目の階調表示が実施されているとし、1階調目から8階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施しないし、1階調目から9階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施しないからである。つまり、第2の画素行の帯表示では、FRCは実施されていても、その表示部の画素には、プリチャージ駆動が実施されていないからである(プリチャージ駆動を実施する画素と、実施しない画素が入り混じっていない)。
第2の画素行の帯表示が、6階調目と7階調目の組み合わせでFRC駆動による表示が行われている場合も、第1の画素行の画素から、第2の画素行の画素に変化する時であっても、前述の課題は発生しない。1階調目から6階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施するし、1階調目から7階調目に変化する時もプリチャージ駆動を実施するからである。つまり、第2の画素行の帯表示では、FRCは実施されていても、その表示部の画素はすべて、プリチャージ駆動は実施されているからである(プリチャージ駆動を実施する画素と、実施しない画素が入り混じっていない)。
本発明は、上記の課題を解決するため、プリチャージ駆動を実施し、かつFRC駆動を実施する場合において、以下の条件でプリチャージ駆動を実施するかしないかを判定して、プリチャージ駆動を実施する。
本発明では、プリチャージ駆動を実施する階調を、プリチャージ駆動を実施しない階調が入り混じるFRC階調(前述の実施の形態では、7階調目と8階調目によるFRC駆動の範囲)では、プリチャージ駆動は実施しない。
たとえば、1階調目から7階調目に変化する時はプリチャージ駆動を実施し、第1階調目から8階調目に変化する時は、プリチャージ駆動を実施する場合、
・7階調目と8階調目でFRC駆動を実施している階調には、プリチャージ駆動を実施しない。
・6階調目と7階調目でFRC駆動を実施している階調には、プリチャージ駆動を実施する。
・8階調目と9階調目でFRC駆動を実施している階調には、プリチャージ駆動を実施しない。
つまり、プリチャージ駆動を実施する階調(階調差、階調変化あるいは変化量)と、プリチャージ駆動を実施する階調(階調差、階調変化あるいは変化量)の組み合わせによるFRC駆動の階調では、プリチャージ駆動を実施しない。
判定は以下のロジックで行う。まず、プリチャージ駆動を行う階調は、あらかじめ設定されている、あるいは、条件判断で設定されるから既定値(たとえば、7階調目はプリチャージする)あるいは既定範囲(たとえば、1階調目から7階調目の変化ではプリチャージする)である。この階調が、どのFRCの階調を構成しているかも既定値あるいは既定範囲である(たとえば、7階調目と8階調目において、4FRC駆動で階調表示する)。以上のことから、たとえば、7階調目と8階調目のFRCが、プリチャージしないと判断できればよい。
FRC駆動が4フレームで階調表示するFRC(4FRC)をすると、映像データの下位2ビットを用いてFRC駆動を実施する。プリチャージ駆動を実施するかの判定は、ある映像データの階調データから変化する映像データの階調データ(次に印加する階調データ)において、プリチャージ駆動を実施すると判断される条件において、変化する映像データの階調データの下位ビット(4FRCの場合は下位2ビット、8FRCの場合は下位3ビット、つまり、nFRCの場合は、2のnでFRC数が表現されるから、下位nビット)を無視する(0とする)。なお、この場合、下位nビットは、階調の小数点以下を表現している。
たとえば、7階調目と8階調目で、4FRCによる階調表示を行う場合は、7.25、7.50、7.75、8.00と表現されるが、小数点以下は無視されるから、8.00以外は表現されない。8階調目はプリチャージ駆動を実施しないから、この階調(7階調目と8階調目によるFRC)において、プリチャージしないと判定される。したがって、プリチャージ駆動する階調と、プリチャージ駆動しない階調からなる階調範囲では、プリチャージ駆動は実施しないと判定される。
一方、6階調目と7階調目で、4FRCによる階調表示を行う場合は、6.25、6.50、6.75、7.00と表現されるが、小数点以下は無視されるから、7.00以外は表現されない。7階調目はプリチャージ駆動を実施するし、6階調目も実施するから、この階調(6階調目と7階調目によるFRC)において、プリチャージすると判定される。
また、8階調目と9階調目で、4FRCによる階調表示を行う場合は、8.25、8.50、8.75、9.00と表現されるが、小数点以下は無視されるから、9.00以外は表現されない。8階調目はプリチャージ駆動を実施しないし、9階調目も実施しないから、この階調(8階調目と9階調目によるFRC)において、プリチャージしないと判定される。
プリチャージ駆動の実施範囲は、条件により多種多様な設定がある。たとえば、1階調目から7階調目の変化ではプリチャージするとし、2階調目から7階調目の変化ではプリチャージしないとする場合もある。1階調目から7階調目の変化ではプリチャージしないが、0階調目から7階調目の変化ではプリチャージするという場合もある。いずれの場合も、変化先の階調を含むFRC(たとえば、1階調目から7階調目の変化ではプリチャージするとし、8階調目ではプリチャージ駆動をしない場合の、7階調目と8階調目によるFRC駆動)の映像データの下位nビットで判定を行い、プリチャージを実施するしないを設定する。他の階範囲においても同様であり、他のnFRC駆動との組み合わせにおいても同様である。
本発明では、プリチャージ電流あるいはプリチャージ電圧駆動を実施するとした。たとえば、8ビット(256階調)のソースドライバ回路(IC)14で1024階調を実現するためには、図132で説明したように4FRCと組み合わせる。したがって、1024階調で、2階調目は、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、0階調目の出力と1階調目の出力とを組み合わせて表示する。したがって、FRC駆動ではソース信号線18には、1Hごとに0階調目の電圧(プリチャージ電圧と1階調目のプログラム電圧またはプログラム電流)が交互に印加される。この領域は低階調領域であるから、1階調目は必ずプリチャージ駆動が実施される。プリチャージ駆動はラスター表示でも実施される。プリチャージ駆動すると、電流駆動であっても電圧駆動状態となり表示の均一性が低下する。一方ラスター表示では、たとえ低階調領域であっても書き込み不足は発生しないため、プログラム電流のみで均一表示を実現できる。プリチャージ駆動を実施することにより均一性が低下することは好ましくない。
この課題を解決するため、本発明は、FRC駆動を実施する場合は、隣接した階調出力の場合(256階調のソースドライバ回路(IC)14では、0階調目の出力と1階調目が隣接出力である。また、1階調目の出力と2階調目が隣接出力である)は、プリチャージ駆動は実施しない。つまり、ソース信号線18に印加される出力が、1階調分しか差がないときはプリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施しない。FRCによるラスター表示あるいは画像に変化が発生しないと判断し、電流駆動のみで均一表示を実現するためである。1階調差はFRCを実施するため、プリチャージ駆動を実施すると、画面全体に電圧駆動が実施されることになり、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきが画面64に表示される可能性が高いからである。
なお、FRCとは、隣接した階調を組み合わせて間の階調表示を実現する技術である。たとえば、6ビット表示(64階調)で4FRCを実施すると、約256階調表示を実現できる。この表示方法では、たとえば、1階調目と2階調目(隣接した階調)を組み合わせて、1階調目と2階調目間に7階調の表示を実現できる。同様に、2階調目と3階調目(隣接した階調)を組み合わせて、1階調目と2階調目間に7階調の表示を実現できる。
2階調以上の差があるときは、プリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施する(特に低階調領域では実施する)。たとえば、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、ソース信号線18に印加する出力が0階調目から2階調目に変化する時である。また、1階調目の出力から3階調目に変化するときである。2階調以上変化する時は、FRC以上の階調変化として判断し、書き込み不足をプリチャージ駆動で解決する。以上の判断は、コントローラ回路(IC)722で行う。つまり、2階調差以上では、FRC駆動は実施されないからである。
さらに実施の形態を記載すれば、1024階調の6階調目は、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、1階調目の出力と2階調目の出力で表示する。ソース信号線18には256階調のソースドライバ回路(IC)14から、1階調目の出力と2階調目の出力が交互にあるいは一定周期で印加される。
このように、ソース信号線18に印加する映像データが1階調分の時は、プリチャージ駆動は実施しない。つまり、ソース信号線18に印加される出力が、FRCを考慮しない階調(本実施の形態では256階調)で1階調分しか差がないときはプリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施しない。FRCによるラスター表示あるいは画像に変化が発生しないと判断し、電流駆動のみで均一表示を実現するためである。
2階調以上の差があるときは、プリチャージ駆動(電圧プリチャージ、電流プリチャージなど)を実施する。特に低階調領域で実施する。たとえば、256階調のソースドライバ回路(IC)14では、ソース信号線18に印加する出力が1階調目から3階調目以上に変化する場合が例示される。なお、高階調領域ではプリチャージ駆動を実施する必要がない。書き込み電流が大きいためである。
以上はFRCを実施するときに、本階調(実施の形態では256階調)で、ソース信号線18に印加する階調数が2階調以上変化する時に、必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。FRCを実施しない場合においても、ソース信号線18に印加する階調数が2階調以上変化する時に、必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよいことは言うまでもない。
ただし、隣接した画素行での変化(ソース信号線18に印加する信号レベルの変化)が1階調差の場合であっても、プリチャージ駆動を実施してもよい。たとえば、自然画を表示する場合は、プリチャージ駆動を実施しても、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきはめだたない(白ラスターなどのパターン表示の場合は、駆動用トランジスタ11aの特性ばらつきがめだつ)。したがって、表示画像をコントローラ回路(IC)722で判断して、プリチャージ駆動の実施の有無を決定すればよい。
また、nFRC後の階調で変化する階調数がCとした場合に、C/nが1よりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよいことは言うまでもない。たとえば、4FRCで、1024階調表示をする場合、1024階調で変化する階調数が4(C=4)であれば、4/4=1で、プリチャージ駆動は実施しない。1024階調で変化する階調数が5以上(C=5以上)であれば、5/4>1で、必要に応じてプリチャージ駆動を実施する。
以上の実施の形態では、C/nが1よりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとして説明したが、C/nがKよりも大きい場合に必要に応じてプリチャージ駆動を実施するとしてもよい。Kの値は、点灯率により変化させる。たとえば、4FRCで、1024階調表示をする場合、点灯率が70%以上の場合はK=4とし、1024階調で変化する階調数が16(C=16)以上であれば、プリチャージ駆動を実施するとしてもよい。C=16未満の場合はプリチャージ駆動を実施しない。また、4FRCで、1024階調表示をする場合、点灯率が20%以上の場合はK=2とし、1024階調で変化する階調数が8(C=8)以上であれば、8/4=2=Kで、プリチャージ駆動を実施するとしてもよい。C=8未満の場合はプリチャージ駆動を実施しない。
プリチャージするか否かの判断は、1画素前のソース信号線18の電位(1画素前に印加する映像データ)だけでなく、複数画素前のソース信号線18の電位(複数画素前に印加する映像データ)も考慮して実施することが好ましい。この実施の形態を図261に図示している。
図261の表の横方向には、画素列の番号(0、1、2、・・・・・、9、10、・・・・・・)を示している。縦方向のi行はi画素行のプリチャージ条件に該当するか否かの判定である。0はプリチャージしない。1はプリチャージすることを示す。縦方向のi−1行はi−1画素行(i行に対して1画素行前)のプリチャージ条件に該当するか否かの判定である。同様に0はプリチャージしない。1はプリチャージすることを示す。
今回の本実施の形態では、i画素行がプリチャージ条件に該当(1)で、かつ、i−1画素行がプリチャージ条件に該当(1)の時に、プリチャージ電圧をソース信号線18に印加する。つまり、2画素あるいはそれ以上の画素行に印加される映像データあるいはその変化から、プリチャージ電圧を印加するか否かを決定(判断)する。以上のように、実施するようにより、より良好なプリチャージ駆動を実現することができる。
前述の実施の形態では、ソース信号線18に印加する出力が1階調目から3階調目以上に変化する場合など、低階調から高階調に変化する時、3階調目から1階調目以下、10階調目から8階調目以下などのように、高階調から低階調に変化する時に、プリチャージ駆動してもよいことは言うまでもない。なお、所定階調以上の高階調領域ではプリチャージ駆動を実施する必要がない。書き込み電流が大きいためである。
プリチャージ駆動を実施する範囲は、点灯率によって可変することが望ましい。図213はその実施の形態である。点灯率が低い範囲では、画面全体が暗い場合が多い。したがって、プリチャージ電圧を印加する階調は低階調あるいは低階調の範囲だけでよい。逆にあまり広い階調でプリチャージ電圧を印加すると、プリチャージ電圧を印加した階調で色づきが発生したりする場合がある。しかし、一定以上の低階調の範囲では、プリチャージ電圧を印加する階調あるいは階調範囲を広くするほうがよい場合がある。プリチャージ電圧を印加しないと画像のお引きが発生し、視覚的に目立つからである。
点灯率が高い場合は、比較的高い階調においてもプリチャージ電圧を印加してもよい。高階調あるいは高階調の範囲でプリチャージ電圧を印加することにより、画像の輪郭(階調変化が発生する箇所)がはっきりとし高精細の画像表示を実現できる。
図213(a)では、点灯率75%以上でプリチャージ電圧を印加する階調範囲(プリチャージ階調範囲)を大きくしている。点灯率75%以下では、0階調から6階調の範囲でプリチャージ電圧電圧を印加する。なお、この範囲であっても、前述のFRC駆動の組み合わせなどによりプリチャージ電圧を印加しない階調あるいは階調変化の範囲があることは言うまでもない。点灯率75%以上では、点灯率が大きくなるにつれ、プリチャージ階調範囲を大きくしている。一例として点灯率100%では、0−24階調の範囲でプリチャージ電圧を印加する階調あるいは階調変化の範囲がある。
図213(b)は、図213(a)に加えて、点灯率25%以下の範囲においても、プリチャージ階調範囲を増加させている。点灯率25%以上の時は、0−6階調の範囲でプリチャージ電圧を印加する。点灯率0%近傍では、一例として0−24階調の範囲でプリチャージ電圧を印加する。
なお、図213の実施の形態では、点灯率に対応してプリチャージ電圧を印加する範囲を変化させるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、動画と静止画でプリチャージ電圧を印加する階調あるいは階調範囲を変化あるいは変更もしくは調整してもよい。また、1画面に表示されるあるいは連続した表示画像において、静止画像と動画像の割合に応じてプリチャージ電圧を印加する階調あるいは階調範囲を変化あるいは変更もしくは調整してもよいことは言うまでもない。
また、一定の階調が連続する時と、非連続の状態で、各ソース信号線に階調に印加するプリチャージ電圧あるいはプログラム電圧を変化させてもよい。たとえば、図214(a)は、表示画面94に白線に囲まれた黒格子が表示された画像を示している。図214(a)において、縦方向にソース信号線18が形成されている。したがって、Aの範囲に対応するソース信号線18には、常時白表示に対応するプログラム電流が印加されている。Bの範囲に対応するソース信号線18は、ほとんどの時間は、黒表示のプログラム電流が印加されているが、一定の周期で短い期間は、白表示のプログラム電流が印加される。
図214(a)のa−a’に対応するソース信号線18には、図214(b)に図示するように、黒表示のときは。ソース信号線18には、黒表示のアノード電圧Vddに近い電圧Vddに維持される。白表示のときは、ソース信号線電位はVb電圧となる。図214(b)で図示されるように、白表示から黒表示、黒表示から白表示に変化するが、ソース信号線18の電位は、Va電圧まで変化しない(Vb電圧までしか上昇しない)。また、変化は時定数により遅延するため、白表示輝度は低下する。
一方、図214(c)に図示するように、b−b’のような変化では、ソース信号線18に印加されるプログラム電流に対するソース信号線18の電位は一定である。したがって、ソース信号線18の電位はほぼ理想てきな電位Vaとなる。
以上のことから、図214(a)のa−a’線におけるソース信号線18の電位と、b−b’線の電位では白表示部での輝度が異なる。a−a’線の白表示での輝度は、b−b’線での白表示での輝度より低い。
この課題を解決するため、本発明では、図214(a)のa−a’線での白表示の階調に対して、図214(a)のb−b’線の白表示の階調では、階調番号を低下させている。たとえば、図214(a)のa−a’線での白表示の階調が階調255であれば、図214(a)のb−b’線の白表示の階調は、240としている。
以上のように、本発明は、同一階調であっても、階調が連続するか、変化するかに対応して階調番号を変化させている。図214(a)のように1つのソース信号線18に印加するプログラム電流が変化するばあいは、白表示での階調番号と黒表示での階調番号は正規またはそれ以上とする。図214(b)のように1つのソース信号線18に印加するプログラム電流が連続するばあいは、白表示での階調番号の階調番号を正規より小さく(階調番号を小さく)する。
プリチャージ電圧V0を得ることは本発明の重要な事項である。カソード端子あるいはアノード端子に流れる電流が小さいほど、良好な黒表示を実現できる。図216では、カソード端子にR0抵抗を挿入し、R0を分流する抵抗Rmを投入する。抵抗Rmには抵抗R0を分流した電流が流れる。分流した電流はRmに流れ、抵抗Rmの端子電圧を電圧計1701で測定することにより抵抗R0に流れる電流を取得することができる。
抵抗R0に流れる電流が小さいほど、表示領域94に流れる電流が小さいということになり、良好な黒表示を実現できることになる。基本的には、黒表示は電流駆動の場合、プログラム電流=0(階調0)であり、ソース信号線18に印加する電流は0である。つまり、ソース信号線18に電流などは印加されていない状態である。ゲート信号線17aにはオン電圧が印加され、トランジスタ11cはクローズ状態である。その後、ゲート信号線17bにオン電圧が印加されクローズ状態となる。
前述の状態が黒表示(階調0の表示状態)であり、この黒表示での電流が最小であるほど、良好な黒表示を実現できる。図216では、R0またはRmに流れる電流が小さいほど良好な黒表示を実現できる。逆に、図216の状態で測定したR0に流れる電流を最小にする、ソース信号線18の電位をプリチャージ電圧V0とすることが適正である。このプリチャージ電圧V0を階調0の電圧として採用する。
プリチャージ電圧V0は図217で取得することも好ましい。図217では、複数のソース信号線18は、短絡配線2171で短絡されている。短絡配線2171は黒電圧(プリチャージ電圧V0)を測定した後、a−a’線で割断される。
図217においては、すべてのソース信号線18は短絡配線2171で短絡されている。したがって、各ソース信号線18はフローティング状態である。短絡配線2171には端子電極2172が形成または配置されている。端子電極2172にはプローブ2173が圧接されている。プローブ2173には、配線2175を介して定電流源2174が接続されている。定電流源2174はプリチャージ電圧V0の場合は、出力する電流は0である。
配線2175には、配線2175の電位を測定する電圧測定手段1701が接続されている。電圧測定手段1701はプローブ2173を介してソース信号線18の電位を測定していることになる。今、定電流源2174の出力電流は0であるから、ソース信号線18には電流が印加されていない。つまり、ソース信号線18はプリチャージ電圧V0(階調0)の状態である。
以下、本発明のEL表示装置などの駆動方法について説明をする。本発明のEL表示パネルは主として電流駆動方式である。特徴ある画像表示制御方法は主として2つある。1つは、基準電流の制御である。もう1つはduty比制御である。この基準電流比制御と比制御を単独であるいは組み合わせることにより、ダイナミックレンジが広く、かつ高画質表示、高コントラストを実現できる。
なお、本発明の明細書において、表示画面64において、表示領域63と全表示領域64の割合をduty比と呼ぶ。つまり、duty比は表示領域63の面積/全表示領域64の面積である。あるいは、duty比はオン電圧が印加されているゲート信号線17bの本数/全ゲート信号線17bの本数でもある。また、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、このゲート信号線17bに接続されている選択画素行数/表示領域64の全画素行数でもある。
本明細書において、点灯率に応じてduty比制御などを変化させるとして説明する。しかし、点灯率とは、一定の意味ではない。たとえば、低点灯率とは、画面64に流れる電流が小さいことを意味しているが、画像を構成する低階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面64を構成する映像は、暗い画素(低階調の画素)が多い。
したがって、低点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、低階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。高点灯率とは、画面64に流れる電流が大きいことを意味しているが、画像を構成する高階調表示の画素が多いことも意味する。つまり、画面64を構成する映像は、明るい画素(高階調の画素)が多い。高点灯率とは、画面を構成する映像データのヒストグラム処理をした時、高階調の映像データが多い状態と言い換えることができる。つまり、点灯率に対応して制御するとは、画素の階調分布状態あるいはヒストグラム分布に対応して制御することと同義あるいは類似の状態を意味することがある。
以上のことから、点灯率にもとづいて制御するとは、場合に応じて画像の階調分布状態(低点灯率=低階調画素が多い。高点灯率=高階調画素が多い。)にもとづいて制御すると言い換えることができる。たとえば、低点灯率になるにしたがって基準電流比を増加させ、高点灯率になるにしたがってduty比を小さくするとは、低階調の画素数が多くなるにしたがって、基準電流比を増加させ、高階調の画素数が多くなるにしたがってduty比を小さくすると言い換えることができる。または、低点灯率になるにしたがって基準電流比を増加させ、高点灯率になるにしたがってduty比を小さくするとは、低階調の画素数が多くなるにしたがって基準電流比を増加させ、高階調の画素数が多くなるにしたがってduty比を小さくするのと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
また、たとえば、所定の低点灯率以下で基準電流比をN倍し、かつ選択信号線数をN本にするとは、低階調の画素数が一定以上の時に、基準電流比をN倍し、かつ選択信号線数をN本にすることと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
また、たとえば、通常は、duty比1/1で駆動し、所定の高点灯率以上で段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させるとは、低階調あるいは高階調の画素数が一定の範囲以内の時に、duty比1/1で駆動し、高階調の画素数が一定の以上数となった時に、段階的にあるいはスムーズにduty比を低下させることと同一あるいは類似の意味あるいは動作もしくは制御である。
EL表示パネルで、フルカラー表示を実現するためには、RGBのそれぞれに基準電流を形成(作成)する必要がある。RGBの基準電流の比率でホワイトバランスを調整できる。基準電流は、単位トランジスタ224が流す電流値を決定する。したがって、基準電流の大きさを決定すれば、単位トランジスタ224が流す電流を決定することができる。そのため、R、G、Bのそれぞれの基準電流を設定すれば、すべての階調におけるホワイトバランスが取れることになる。以上の事項は、ソースドライバ回路(IC)14が電流きざみ出力(電流駆動)であることから発揮される効果である。
本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の内部に電子ボリウムを形成または配置することのより、ソースドライバ回路(IC)14の外部からのデジタルデータ制御により基準電流を可変あるいは変更することができる。この事項は、電流駆動ドライバにおいて重要な事項である。電流駆動では、映像データがEL素子15に流れる電流に比例する。したがって、映像データをロジック処理することにより全EL素子に流れる電流を制御できる。基準電流もEL素子15に流れる電流に比例するから、基準電流をデジタル制御することにより、全EL素子15に流れる電流を制御できる。以上のことから、映像データに基づき、基準電流比制御を実施することにより、表示輝度のダイナミックレンジの拡大などを容易に実現できる。また、表示輝度を変化した場合においてもホワイトバランスも維持することができる。
基準電流比制御は図29、図30などに図示するように、ソースドライバ回路(IC)14は、各RGBの基準電流Icを調整する回路291などを具備している。また、ソースドライバ回路(IC)14からのプログラム電流Iwは、単位トランジスタ224の個数で決定される。
1つの単位トランジスタ224が出力する電流は、基準電流の大きさに比例する。したがって、基準電流を調整することにより、1つの単位トランジスタ224が出力する電流が決定され、プログラム電流の大きさが決定される。基準電流と単位トランジスタ224の出力電流がリニアの関係にあり、かつ、プログラム電流と輝度がリニアの関係にあることから、白ラスター表示で各RGBの基準電流を調整してホワイトバランスを調整すれば、すべての階調でホワイトバランスが維持される。
図6、図7、図12、図13、図14、図15などはduty比制御方法である。図6は非表示領域62を連続して挿入する方法である。動画表示に適する。ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17bにオンまたはオフ電圧を印加することにより自由にduty比を変更できる。基準電流を一定にした状態で、duty比を変化させれば画面62の輝度を変更することができる。
図14は非表示領域62を多数に分割して挿入する方法である。特に静止画表示に適する。ゲートドライバ回路12bを制御し、ゲート信号線17bにオンオフ電圧を周期的に印加することにより、自由にduty比を変更できる。
以上のように、duty比制御とは、ソース信号線18に印加するプログラム電流Iwは変化させずに、EL素子15に流れる電流を制御することにより、画面64の明るさ制御を実現する方式である。つまり、基準電流を一定にした状態(変化させずに)で、画面64の明るさ制御を実現する方式である。もちろん、基準電流を変化するとともに、duty比を変化させてもよい。
駆動用トランジスタ11aが流す電流を変更することなく、画面64の明るさ制御を実現する方式である。また、駆動用トランジスタ11aのゲート端子(G)電圧を変更することなく、画面64の明るさ制御を実現する方式である。また、ゲートドライバ12bの走査状態を変化させることにより、ゲート信号線17bなどを制御し、画面64の明るさ制御を実現する方式である。
表示領域63の分散は、表示パネルの画素行数が220本で、1/4duty比であれば、220/4=55となるから、1から55(1の明るさからその55倍の明るさまで調整できる)。また、表示パネルの画素行が220本で、1/2duty比であれば、220/2=110となるから、1から110(1の明るさからその110倍の明るさまで調整できる)。したがって、画面輝度64の明るさの調整レンジは非常に広い(画像表示のダイナミックレンジが広い)。また、いずれに明るさであっても、表現できる階調数を維持できると特徴がある。たとえば、64階調表示であれば、白ラスターでの表示画面64輝度が300ntであっても、3ntであっても64階調表示を実現できる。
以前にも説明したが、duty比は、ゲートドライバ回路12bへのスタートパルスを制御することにより容易に変更できる。したがって、1/2duty比、1/4duty比、3/4duty比、3/8duty比と多種多様なduty比を容易に変更できる。
1水平走査期間(1H)単位のduty比駆動は、水平同期信号に同期させてゲート信号線17bのオンオフ信号を印加すればよい。さらに、1H単位以下でもduty比制御することができる。
duty比が1/4duty比以下で1H以内のduty比制御を実施する必要が発生するのは、1ステップあたりの変化量が大きいことが主な原因である。また、画像が中間調であるため、微小な変化でも視覚的に認識されやすいためでもある。人間の視覚は、一定以上の暗い画面では、明るさ変化に対する検出能力が低い。また、一定以上の明るい画面でも、明るさ変化に対する検出能力が低い。これは、人間の視覚が2乗特性に依存しているためと思われる。
パネルの画素行が200本であれば、20/200duty比以下(1/200以上20/200以下)で、1H内でのオンオフ制御を行って、1H以下の期間のduty比制御を行う。1/200duty比から2/200duty比に変化すると1/200duty比と2/200duty比の差は、1/200であり、100%の変化となる。この変化はフリッカとして視覚的に認識されてしまう。したがって、1H内のオンオフ制御を行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御する。なお、1H期間以下(1H期間以内)でduty比制御するとしたが、これに限定するものではない。図6でもわかるように非表示領域62は連続している。つまり、10.5H期間というような制御も本発明の範疇である。つまり、本発明は1H期間に限定されず(小数点以下が発生する)、duty比駆動を行うものである。
40/200duty比から41/200duty比に変化すると、40/200duty比と41/200duty比の差は、1/200であり、(1/200)/(40/200)で2.5%の変化となる。この変化はフリッカとして視覚的に認識されるか否かは、画面輝度64に依存する可能性が高い。ただし、40/200duty比は中間調表示であるので、視覚的に敏感である。したがって、OEV2制御(図40などを参照のこと)を行い、1H(1水平走査期間)以下の期間でEL素子15への電流供給を制御することが望ましい。
以上のように、本発明の駆動方法および表示装置は、画素16にEL素子15に流す電流値を記憶できる構成(図1ではコンデンサ19が該当する)と、駆動用トランジスタ11aと発光素子(EL素子15が例示される)との電流経路をオンオフできる構成(図1、図18、図19などの画素構成が該当する)の表示パネルにあって、少なくとも表示画像の表示状態において図6、図14の表示状態が発生させる(画像の輝度によっては、表示画面64が表示領域63(duty比1/1になってもよい)駆動方法である。かつ、duty比駆動(少なくとも表示画面64の一部が非表示領域63となる駆動方法または駆動状態)が所定のduty比以下では、1水平走査期間(1H期間)以内あるいは1H期間単位に限定されるEL素子15に流す電流を制御して、表示画面64の輝度制御を行うものである。
以上の駆動方法は、所定duty比以下の場合に実施する。逆に所定duty比以上では、1H単位でduty比制御を行う。もしくはOEV2制御は実施しない。また、1H期間以外のduty比制御は、1ステップの変化が変化前から変化後で1/20(5%)以上変化する時に実施する。さらに好ましくは、222(2%)以下の変化でもOEV2制御を行い微小なduty比駆動制御を行うことが望ましい。もしくは、白ラスターの最大輝度の1/4以下の輝度で実施する。
本発明のduty比制御駆動によれば、EL表示パネルの階調表現数が64階調であれば、表示画面64の表示輝度(nt)がいずれの輝度(輝度が低いあるいは高いに関わらず)であっても、64階調表示が維持される。たとえば、画素行数が220本で、1画素行のみが表示領域63(表示状態)の時(duty比1/220)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この1画素行分が順次画像表示されるからである。全画素行が表示領域63(表示状態)の時(duty比1/1)であっても、64階調表示を実現できる。
もちろん、20画素行が表示領域63(表示状態)の時(duty比20/220=duty比1/11)であっても、64階調表示を実現できる。画素行にソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bによりすべての画素行が同時に画像表示されるからである。また、20画素行のみが表示領域63(表示状態)の時(duty比20/220=duty比1/11)であっても、64階調表示を実現できる。各画素行がソースドライバ回路(IC)14のプログラム電流Iwにより順次画像が書き込まれ、ゲート信号線17bにより、この20画素行分が順次走査されて画像表示されるからである。
なお、本発明の基準電流比制御(図29、図30などの回路構成を参照のこと)においても同様であり、基準電流が小さくとも大きくとも、64階調表示を実現できる。
本発明のduty比制御駆動は、EL素子15の点灯時間の制御であるから、duty比に対する表示画面64の明るさは、リニアの関係にある。したがって、画像の明るさ制御がきわめて容易であり、その信号処理回路もシンプルとなり、低コスト化を実現できる。図29のようにRGBの基準電流を調整し、ホワイトバランスをとる。基準電流の調整方法としては、各RGBの電子ボリウム291を変化させる方法、各RGBの抵抗R1(R1r、R1g、R1b)の値を調整する方法がある。duty比制御では、R、G、Bを同時に明るさ制御するためにいずれの階調、表示画面64の明るさにおいてもホワイトバランスは維持される。
duty比制御は、表示画面64に対する表示領域63の面積を変化させることにより、表示画面64の輝度を変化するものであった。当然、表示面積63に比例してEL表示パネルに流れる電流はほぼ比例して変化する。したがって、映像データの総和を求めることにより、表示画面64のEL素子15に流れる全消費電流を算出することができる。EL素子15のアノード電圧Vddは直流電圧で固定値のため、全消費電流が算出できれば、画像データに応じて全消費電力をリアルタイムで算出することができる。算出された全消費電力が規定された最大電力を越えると予測される場合は、図29などの基準電流Icを電子ボリウムなどの調整回路で調整し、RGBの基準電流を抑制制御すればよい。
また、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をduty比最小になるように設定する。たとえば、duty比1/8にする。自然画像はduty比を大きくする。最大のduty比は1/1である。たとえば、表示画面64の1/100しか画像が表示されない自然画像をduty比1/1とする。duty比1/1からduty比1/8は表示画面64の自然画像の表示状態で滑らかに変化させる。
以上のように一実施の形態として、白ラスター表示で(自然画像ではすべての画素が100%点灯している状態)でduty比1/8とし、表示画面64の1/100の画素が点灯している状態をduty比1/1とする。概略の消費電力は、画素数×点灯画素数の割合×duty比で算出できる。
説明を容易にするため、画素数を100とすると、白ラスター表示での消費電力は、100×1(100%)×duty比1/8=80となる。一方、1/100が点灯している自然画像の消費電力は、100×(1/100)(1%)×duty比1/1=1となる。duty比1/1〜duty比1/8は画像の点灯画素数(実際には、点灯画素の総電流=1フレームのプログラム電流の総和)に応じてフリッカが発生しないように穏やかにduty比制御が実施される。
以上のように白ラスターで消費電力割合は80であり、1/100が点灯している自然画像の消費電力割合は、1になる。したがって、白ラスター表示での所定輝度を設定し、この時をduty比最小になるように設定すれば、最大電流を抑制することができる。
本発明は、1画面のプログラム電流の総和をSとし、duty比をDとし、S×Dで駆動制御を実施するものである。また、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、最大のduty比をDmax(通常は、duty比1/1が最大である)とし、最小のduty比をDminとし、また、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとした時、Sw×Dmin≧Ss×Dmaxの関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
なお、duty比の最大は1/1とする。最小はduty比1/16以上(1/8など)にすることが好ましい。つまり、duty比は1/16以上1/1以下にする。なお、1/1を必ず使用することには制約されないことは言うまでもない。好ましくは、最小のduty比は1/10以上にする。duty比が小さすぎると、フリッカの発生が目立ちやすく、また、画像内容による画面の輝度変化が大きくなりすぎ、画像が見づらくなるからである。
先にも説明したがプログラム電流は映像データと比例の関係にある。したがって、プログラム電流の総和とは映像データの総和と同義である。なお、1フレーム(1フィールド)期間のプログラム電流の総和を求めるとしたが、これに限定するものではない。1フレーム(1フィールド)において、所定間隔あるいは、所定周期などでプログラム電流を加算する画素をサンプリングしてプログラム電流(映像データ)の総和としてもよい。また、制御を行うフレーム(フィールド)の前後の総和データを用いてもよいし、推定あるいは予測による総和データをもちいて、duty比制御を行っても良い。
duty比駆動において、点灯領域63の分割数は動画あるいは静止画の表示状態に応じて変化せることが好ましい。動画の場合は、表示画面62に点灯(表示)領域63を1または2の分割数とする。静止画の場合は表示画面62に点灯(表示)領域63は3以上にする。
図112は本発明の駆動回路のブロック図である。以下、本発明の駆動回路について説明をする。図112では、外部からY/UV映像信号と、コンポジット(COMP)映像信号が入力できるように構成されている。どちらに映像信号を入力するかは、スイッチ回路1121により選択される。
スイッチ回路1121で選択された映像信号は、デコーダおよびA/D回路によりデコードおよびAD変換され、デジタルのRGB画像データに変換される。RGB画像データは各8ビットである。また、RGB画像データはガンマ回路1124でガンマ処理される。同時に輝度(Y)信号が求められる。ガンマ処理により、RGB画像データは各10ビットの画像データに変換される。
ガンマ処理後、画像データはFRC処理または誤差拡散処理が処理回路1129で行われる。FRC処理または誤差拡散処理によりRGB画像データは6ビットに変換される。この画像データはAI処理回路1126でAI処理あるいはピーク電流処理が実施される。また、動画検出回路1127で動画検出が行われる。同時に、カラーマネージメント回路1128でカラーマネージメント処理が行われる。
AI処理回路1126、動画検出回路1127、カラーマネージメント回路1128の処理結果は演算回路1129に送られ、演算処理回路1129で制御演算され、フレーム間制御変換、映像データ変換、duty比制御、基準電流比制御データに変換され、変換された結果が、ソースドライバ回路(IC)14およびゲートドライバ回路12に制御データとして送出される。
なお、コントローラ722の機能は、ソースドライバ回路(IC)14に組み込んで一体としてもよいことは言うまでもない。
duty比制御、基準電流比制御、ピーク電流制御などは、OSD(オンスクリーンディスプレイまたはオンスクリーンデマンド)には適用しないことが好ましい。OSDでは、ビデオカメラなどにおいて、メニュー画面表示などを行うものである。OSDにおいても、ピーク電流制御などを行うと、メニューの表示状態によって画面が暗くなったり明るくなったりし、視覚的に不具合が発生する。
この課題に対しては、OSDのデータ(OSDDATA)と映像データ(動画データ)とを別のコントロール回路1126で処理をする。基本的には、OSDデータは輝度変調を実施しない。
なお、コントローラ回路(IC)722に関しても、1チップ化することに限定するものではない。たとえば、ゲートドライバ回路12を制御するコントローラ回路(IC)722Gと、ソースドライバ回路(IC)14を制御するコントローラ回路(IC)722Sに分離してもよい。分離により処理内容が明確になり、コントローラICを小サイズ化することが可能である。
duty比制御データはゲートドライバ回路12bに送られ、duty比制御が実施される。一方、基準電流比制御データはソースドライバ回路(IC)14に送られ、基準電流比制御が実施される。ガンマ補正され、FRCまたは誤差拡散処理された画像データもソースドライバ回路(IC)14に送られる。
画像データ変換は、ガンマ回路1124のガンマ処理により行う必要がある。ガンマ回路1124は、多点折れガンマカーブにより階調変換を行う。256階調の画像データは、多点折れガンマカーブにより1024階調に変換される。ガンマ回路1124により多点折れガンマカーブでガンマ変換するとしたが、これに限定するものではない。
以上の説明ではduty比で制御するとして説明したが、duty比は、所定期間(通常は1フィールドまたは1フレームである。つまり、一般的には任意の画素の画像データが書き換えられる周期もしくは時間である)におけるEL素子15の点灯期間である。つまり、duty比1/8とは、1フレームの1/8の期間(1F/8)の間、EL素子15が点灯していることを意味する。したがって、duty比は、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、画素の点灯期間Taとした時、duty比=Ta/Tfと読み替えることができる。
なお、画素16が書き変えられる周期時間をTfとし、Tfを基準とするとしたがこれに限定されるものではない。本発明のduty比制御駆動は、1フレームあるいは1フィールドで動作を完結させる必要はない。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間を1周期としてduty比制御を実施してもよい。したがって、Tfは画素を書き換える周期だけに限定されるものではなく、1フレームあるいは1フィールド以上であってもよい。たとえば、1フィールドあるいは1フレームごとに点灯期間Taがことなる場合は、繰り返し周期(期間)をTfとし、この期間の総点灯期間Taを採用すればよい。つまり、数フィールドあるいは数フレーム期間の平均点灯時間をTaとしてもよい。duty比についても同様である。duty比がフレーム(フィールド)ごとに異なる場合は、複数フレーム(フィールド)の平均duty比を算出して用いればよい。
したがって、白ラスター表示でのプログラム電流の総和をSwとし、任意の自然画像でのプログラム電流の総和をSsとし、最小の点灯期間をTas、最大の点灯期間をTam(通常はTam=TfであるからTam/Tf=1)とした時、Sw×(Tas/Tf)≧Ss×(Tam/Tf)の関係が維持されるようにする駆動方法およびそれを実現する表示装置である。
図29、図30に図示あるいは説明したように基準電流の制御により、プログラム電流をリニアに調整することができる。1つあたりの単位トランジスタ224の出力電流が変化するからである。単位トランジスタ224の出力電流を変化させるとプログラム電流Iwも変化する。画素のコンデンサ19にプログラムされる電流(実際はプログラム電流に相当する電圧である)が大きいほど、EL素子15に流れる電流も大きくなる。EL素子15に流れる電流と発光輝度はリニアに比例する。したがって、基準電流を変化することによりEL素子15の発光輝度をリニアに変化させることができる。
本発明のソースドライバ回路(IC)14は、出力端子93に接続される単位トランジスタ224の個数を制御することによりプログラム電流Iwを変化させるものであった。また、プログラム電流Iwは図29、図30などで説明したように、基準電流Icを変化させることにより実現した。
しかし、本発明の基準電流比制御などは限定するものではない、一定の基準となるもの(電圧、電流、設定データなど)を変化し、この変化により出力端子93から出力される電流Iwを変更できるものであればいずれでもよい。ただし、基準となるものの変化により、各出力端子93のプログラム電流Iwが同一割合で変化させることが重要である。なお、プログラム電流Iwの変化に限定するものではない。プログラム電圧であってもよい。各出力端子93のプログラム電圧が同一割合で変化させることにより、表示画面64の輝度を調整することができるからである。また、RGB端子で変化させることによりホワイトバランスを調整することができるからである。
本発明は、説明した基準電流比制御方式と、duty比制御方式のうち、少なくとも一方の方式を用いて画面の明るさなどの制御を行うものである。好ましくは、基準電流比制御方式とduty比制御方式を組み合わせて実施することが好ましい。
さらに、本発明の駆動方式について説明をする。本発明の駆動方法は、EL表示パネルに消費される消費電流の上限にリミットすることが1つの目的である。EL表示パネルはEL素子15に流れる電流を輝度が比例関係にある。したがって、EL素子15に流れる電流を増大させれば、EL表示パネルの輝度もどんどん明るくすることができる。輝度に比例して消費される電流(=消費電力)も増大する。
携帯装置などのモバイル機器に用いる場合は、電池などの容量に制限がある。また、電源回路も消費される電流が大きくなると規模が大きくなる。したがって、消費する電流にはリミットを設ける必要がある。このリミットを設けること(ピーク電流抑制)が本発明の1つの目的である。
画像がコントラストを大きくすることにより、表示が良好になる。めりはりのあるように画像(ダイナックレンジが広い、コントラスト比が高い、階調表現力が大きいなど)変換して画像を表示することにより表示が良好になる。以上のように画像表示を良好にすることが本発明の2つめの目的である。以上の目的を実現する本発明をAI駆動と呼ぶことにする。
説明を容易にするために、本発明のICチップ14は64階調表示であるとする。AI駆動を実現するためには、階調表現範囲を拡大することが望ましい。説明を容易にするために、本発明のソースドライバ回路(IC)14は64階調表示とし、画像データは256階調とする。この画像データをEL表示装置のガンマ特性に適合するように、ガンマ変換を行う。ガンマ変換は入力256階調を1024階調に拡大することによって実施する。ガンマ変換された画像データは、ソースドライバIC14の64階調に適合するように、誤差拡散処理あるいはフレームレートコントロール(FRC)処理が行われ、ソースドライバIC14に印加される。
1画面の画像データが全体的に大きいときは画像データの総和は大きくなる。たとえば、白ラスターは64階調表示の場合は画像データとしては63であるから、表示画面64の画素数×63が画像データの総和である。1/100の白ウインドウ表示で、白表示部が最大輝度の白表示では、表示画面64の画素数×(1/100)×63が画像データの総和である。
本発明では画像データの総和あるいは画面の消費電流量を予測できる値を求め、この総和あるいは値により、duty比制御あるいは基準電流比制御を行う。
なお、画像データの総和を求めるとしたが、これに限定するものではない。たとえば、画像データの1フレームの平均レベルを求めてこれを用いてもよい。アナログ信号であれば、アナログ画像信号をコンデンサによりフィルタリングすることにより映像信号の平均レベルを得ることができる。アナログの映像信号に対しフィルタを介して直流レベルを抽出し、この直流レベルをAD変換して画像データの総和としてもよい。この場合は、画像データはAPLレベルとも言うことができる。
30フレームから300フレーム期間の画像データの総和あるいは総和を推定できるデータを求め、このデータの大きさに基づいて、duty比制御を行うこと好ましい。総和データは画像変化に応じてゆっくりと変化する。総和データを求めるフレーム期間が長いほど画像の明るさ変化はゆっくりとなる。
表示画面64を構成する画像のすべてのデータを加算する必要はなく、表示画面64の1/W(Wは1より大きい値)をピックアップして抽出し、ピックアップしたデータの総和を求めてもよい。たとえば、1画素とばしで映像データをサンプリングし、サンプリングされた映像データから総和を求めるなどの方法が例示される。また、1画素行ごとに1または複数の画素の映像データをサンプリングし、サンプリングされた映像データから総和を求める方法が例示される。
説明を容易にするため、以上の場合も画像データの総和を求めるとして説明をする。画像データの総和は、画像のAPLレベルをもとめる事に一致する場合が多い。また、画像データの総和とは、デジタル的に加算する手段もあるが、以上のデジタルおよびアナログによる画像データの総和を求める方法を、以後、説明を容易にするためAPLレベルと呼ぶ。
白ラスターの時にAPLレベルは画像がRGB各6ビットであるから63(63階調目であるからデータの表現としては63で示されている)×画素数(QCIFパネルの場合は176×RGB×220)となる。したがって、APLレベルは最大となる。ただし、RGBのEL素子15で消費する電流は異なるから、RGBで分離して画像データを算出することが好ましい。
この課題に対して、図113に図示する演算回路を使用する。図113において、1131、1132乗算器である。1131は発光輝度を重み付けする乗算器である。 R、G、Bでは視感度が異なる。NTSCでの視感度は、R:G:B=3:6:1である。したがって、Rの乗算器1131Rでは、R画像データ(Rdata)に対して3倍の乗算を行う。また、Gの乗算器1131Gでは、G画像データ(Gdata)に対して6倍の乗算を行う。また、Bの乗算器1131Bでは、B画像データ(Bdata)に対して1倍の乗算を行う。ただし、この記述は概念的である。EL素子はRGBで効率が異なっているからである。
EL素子15はRGBで発光効率が異なる。通常、Bの発光効率が最も悪い。次にGが悪い。Rが最も発光効率が良好である。そこで、乗算器1132で発光効率の重み付けを行う。Rの乗算器1132Rでは、R画像データ(Rdata)に対してRの発光効率の乗算を行う。また、Gの乗算器1132Gでは、G画像データ(Gdata)に対してGの発光効率の乗算を行う。また、Bの乗算器1132Bでは、B画像データ(Bdata)に対してBの発光効率の乗算を行う。
乗算器1131および1132の結果は、加算器1133で加算され、総和回路1134に蓄積される。この総和回路1134の結果にもとづき、duty比制御、基準電流比制御を実施する。
以上の実施の形態では、映像データに、EL素子15などの効率を考慮し、所定値を乗算することによりデータを求める。本発明は、映像データから表示パネルのアノードまたはカソード端子に流れる電流を求めるものである。
通常、RGBのEL素子15は、EL材料ごとに発光効率が既知であり、電流と輝度の関係がわかっている。また、EL表示パネルは生産する時の目標色温度が決定されている。したがって、EL表示パネルの表示サイズと目標輝度が決定されれば、目標色温度にするための、EL表示パネルに流すRGB電流の比率と大きさがわかる。このことから、EL表示パネルのアノード端子あるいはカソード端子に流す電流を所定値にすることにより、目標とする輝度と色温度を得ることができる。
アノード端子あるいはカソード端子に流れる電流は映像データの総和に比例する。以上のことから、映像データの総和からアノード電流(カソード電流)を求めることができる。アノード電流とは表示領域に接続されたアノード端子に流れ込む電流である。カソード電流とは表示領域に接続されたカソード端子から流れ出す電流である。アノード電圧またはカソード電圧は固定値であるから、映像データからEL表示パネルの消費電力を制御することができる。
つまり、映像データ(の総和)の大きさあるいは大きさの変化をリアルタイムでモニタ(演算)することにより、EL表示パネルが必要とするカソード(アノード)電流を得ることができる。この電流の大きさをどの大きさに抑制すべきであるかがわかっていれば、基準電流比制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。
もちろん、アノード電流あるいはカソード電流の大きさをAD(アナログデジタル)変換することにより、変換されたデジタルデータから基準電流比制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。また、アナログデータを直接用いてオペアンプなどにより増幅率のフィードバック制御を実施することにより、基準電流比制御、duty比制御により電流の大きさを制御することができる。つまり、制御方式としてはデジタル、アナログ方式を問わない。
入力データはRGBデータ(赤はRDATA、緑はGDATA、青はBDATA)としているがこれに限定するものではない。YUV(輝度データと色度データ)であってもよい。YUVの場合は、Y(輝度)データあるいはYデータとUV(色度)データに直接にあるいは、色度に対する発光効率を考慮して輝度データなどに変換して重みづけ処理を行う。
なお、この動作を実施する場合も現動作状態のduty比を考慮することは言うまでもない。duty比が小さければ、重みづけを行ったデータが大きくともパネルに流れ込む電流は小さく、パネルが過熱状態とはならないからである。
RDATAには、定数Raが乗算される。GDATAには、定数Gaが乗算される。BDATAには、定数Baが乗算される。乗算されたデータは総和回路(SUM)1134で1画面分の電流データ(もしくは類似するデータ)が求められる。なお、以下の説明を容易にするため、Ry、Gy、Byは1とする。総和回路1134は比較回路(図示せず)に送る。比較回路はあらかじめ設定された比較データ(所定の電流データ以上では過熱状態であることを示すために設定された値またはデータ)と比較し、電流データが比較データ以上の場合、カウンタ回路(図示せず)を制御し、カウンタ回路のカウンタ値を1つアップする。また、電流データが比較データよりも小さい時、カウンタ回路のカウンタ値を1つダウンする。
以上の動作を継続し、カウンタ回路のカウンタ値が所定以上に到達した場合、コントローラ回路(IC)722は、ゲートドライバ12bを制御して、duty比を小さくし、パネルに流れる電流を抑制する。したがって、パネルが過熱状態になり劣化することがなくなる。
定数Ra、Ga、Baは、コントローラ回路(IC)722によりコマンドで書き換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。もちろん、ユーザーが手動で書き変えできるように構成してもよいことは言うまでもない。比較回路の比較データも書き換えできるように構成することが好ましいことは言うまでもない。また、EL素子15は温度依存性があるため、パネルの温度により定数を書き換えるように構成することが好ましい。また、点灯率によっても(EL素子15に流れる電流の大きさによっても)発光効率が変化する。したがって、点灯率によっても定数を書き換えるように構成することが好ましい。以上の事項は、Ry、Gy、Byについても同様である。
以上のように、本発明は、映像データ(もしくはこれに比例するデータ)の大きさ(もしくは推定できるデータ)から、EL表示パネルで消費する電力(電流)を算出あるいは制御し、duty比制御、基準電流比制御を実施するものである。
映像データ(もしくはこれに比例するデータ)の大きさ(もしくは推定できるデータ)から、EL表示パネルで消費する電力(電流)の算出は、1フレーム(1フィールド)ごとに実施することに限定されるものではなく、複数フレーム(フィールド)ごとに行ってもよく、また、1フレーム(1フィールド)で複数回行っても良いことは言うまでもない。また、基準電流比制御、duty比制御はリアルタイムで実施することに限定されるものではなく、遅延させたり、ヒステリシスで実施したり、飛ばし飛ばしで実施してもよいことは言うまでもない。
基準電流比制御、duty比制御によりEL表示パネルのアノード電流またはカソード電流の大きさを制御するとしたが、これに限定するものではなく、アノード電圧またはカソード電圧を制御することによっても、EL表示パネルの消費電力を制御することとができることは言うまでもない。
図113のように制御すると、輝度信号(Y信号)に対するduty比制御、基準電流比制御を実施することができる。しかし、輝度信号(Y信号)を求めて、duty比制御などを行うと課題が発生する場合がある。たとえば、ブルーバック表示である。ブルーバック表示ではEL表示パネルで消費する電流は比較的大きい。しかし、表示輝度は低い。ブルー(B)の視感度が低いためである。そのため、輝度信号(Y信号)の総和(APLレベル)は小さく算出されるため、duty比制御が高duty比になる。したがって、フリッカの発生などが生じる。
この課題に対しては、乗算器1131をスルーにして用いるとよい。消費電流に対する総和(APLレベル)が求められるからである。輝度信号(Y信号)による総和(APLレベル)と消費電流による総和(APLレベル)は、両方を求めて加味して総合APLレベルを求めることが望ましい。総合APLレベルによりduty比制御、基準電流比制御またプリチャージ制御などを実施する。
黒ラスターは64階調表示の場合は0階調目であるから、APLレベルは0で最小値となる。電流駆動方式では、消費電力(消費電流)は画像データに比例する。なお、画像データは、表示画面64を構成するデータの全ビットをカウントする必要はなく、たとえば、画像が6ビットで表現される場合、上位ビット(MSB)のみをカウントしてもよい。この場合は、階調数が32以上で、1カウントされる。したがって、表示画面64を構成する画像データによりAPLレベルは変化する。つまり、映像データの総和とは、完全な総和ではなく、総和を推定できる方式であればいずれでもよい。
アナログ的な概念から映像データの総和あるいは総和に類似する指標としてAPLレベルという語を用いる。しかし、後半では、点灯率という語を用いて本発明の駆動方式の説明を行う。なお、点灯率は後に説明をする。
理解を容易にするため、具体的に数値を例示して説明する。ただし、これは仮想的であり、実際には実験、画像評価により制御データ、制御方法を決定する必要がある。
EL表示パネルで最大に流せる電流を100(mA)とする。白ラスター表示のとき、総和(APLレベル)は200(単位なし)になるとする。このAPLレベルが200の時、そのままパネルに印加するとEL表示パネルに200(mA)が流れるとする。なお、APLレベルが0の時、EL表示パネルに流れる電流は0(mA)である。また、APLレベルが100の時、duty比は1/2で駆動するものとする。
したがって、APLが100以上の場合は、制限である100(mA)以下となるようにする必要がある。最も簡単には、APLレベルが200の時、duty比を(1/2)×(1/2)=1/4にし、APLレベルが100の時、duty比を1/2とする。APLレベルが100以上200以下の時は、duty比が1/4〜1/2の間をとるように制御する。duty比1/4〜1/2は、EL選択側のゲートドライバ回路12bが、同時に選択するゲート信号線17bの本数を制御することにより実現できる。
ただし、APLレベルのみを考慮し、duty比制御を実施すれば、画像に応じて表示画面64の平均輝度(APL)に応じで表示画面64の輝度が変化し、フリッカが発生する。この課題に対して、もとめるAPLレベルは、少なくとも2フレーム、このましくは、10フレームさらに好ましくは60フレーム以上の期間保持し、この期間で演算して、APLレベルによりduty比制御によるduty比を算出する。また、表示画面64の最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)などの画像の特徴抽出を行ってduty比制御を行うことが好ましい。以上の事項は、基準電流比制御にも適用されることは言うまでもない。
画像の特徴抽出により、黒伸張、白伸張を実施することも重要である。これは、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)、シーンの変化状態を考慮して行うとよい。つまり、総和(APLレベルあるいは点灯率)は、映像データの加算だけでなく、画像表示の分布状態などを考慮して補正などを行うことが好ましい。回路構成としては、図113の加算器1133cの補正回路(図示せず)の補正量を加算する構成などが例示される。
図118は横軸を点灯率としている。最大値は100%である。縦軸はduty比である。点灯率=100%は、全画素行が最大の白表示状態である。点灯率が小さい時は、暗い画面あるいは表示(点灯)領域が少ない画面である。この時は、duty比を大きくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は高い。そのため、画像のダイナミックレンジが拡大されて高画質表示される。点灯率が大きい時(最大値は100%)は、明るい画面あるいは表示(点灯)領域が広い画面である。この時は、duty比を小さくしている。したがって、画像を表示している画素の輝度は低い。そのため、低消費電力化が可能である。画面から放射される光量は大きいため、画像が暗く感じることはない。
図118では、点灯率が100%の時に、到達するduty比値を変化させている。たとえば、duty比=1/2は画面の1/2が画像表示状態になる。したがって、画像は明るい。duty比=1/8は画面の1/8が画像表示状態になる。したがって、duty比=1/2に比較して1/4の明るさである。
本発明の駆動方式では、点灯率、duty比、基準電流、データ和などにより画像輝度を制御し、また、ダイナミックレンジを拡大する。また、高コントラスト表示を実現する。
液晶表示パネルでは、白表示および黒表示はバックライトからの透過率で決定される。本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示における透過率は一定である。逆に非表示領域を発生させることにより、1フレーム期間における白表示輝度が低下するから表示コントラストは低下する。
EL表示パネルは、黒表示は、EL素子に流れる電流が0の状態である。したがって、本発明の駆動方法のように画面に非表示領域を発生させても、黒表示の輝度は0である。非表示領域の面積を大きくすると白表示輝度は低下する。しかし、黒表示の輝度が0であるから、コントラストは無限大である。したがって、良好な画像表示を実現できる。
本発明の駆動方法では、全階調範囲で階調数が保持され、また、全階調範囲でホワイトバランスが維持される。また、duty比制御により画面の輝度変化は10倍近く変化させることができる。また、変化はduty比に線形の関係になるから制御も容易である。また、R、G、Bを同一比率で変化させることできる。したがって、どのduty比においてもホワイトバランスは維持される。
点灯率とduty比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。
以上の切り換え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。表示輝度を低下させるため、duty比を小さくし、または基準電流を小さくする。もしくは、duty比をまたは基準電流のいずれか一方を小さくする。基準電流またはduty比を小さくすることによりEL表示パネルの消費電力を低下させることができる。
以上の制御はユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。つまり、屋外では、図118のaのカーブを選択する。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。たとえば、通常では、cのカーブを選択する。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタンで切り換えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り換えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。また、外部のマイコンなどにより、duty比カーブ、傾きなどを書き換えるように構成することが好ましい。また、メモリされた複数のduty比カーブから1つを選択できるように構成することが好ましい。
なお、duty比カーブなどの選択は、APLレベル、最大輝度(MAX)、最小輝度(MIN)、輝度の分布状態(SGM)の1つあるいは複数を加味して行うことが好ましいことは言うまでもない。
以上のように、たとえば、aは屋外用のカーブである。cは屋内用のカーブである。bは屋内と屋外との中間状態用のカーブである。カーブa、b、cとの切り換えは、ユーザーがスイッチを操作することにより切り換えるようにする。また、外光の明るさをホトセンサで検出し、自動的に切り換えるようにしてもよい。なお、ガンマカーブを切り換えるとしたが、これに限定するものではない。計算によりガンマカーブを発生させてもよいことは言うまでもない。
図118のduty比は直線であったが、これに限定するものではない。図119に図示するように、一点折れカーブとしてもよい。つまり、点灯率に応じてduty比の傾きを変化させる。もちろん、duty比カーブは曲線としてもよいし、多点折れカーブとしてもよい。また、外光あるいは画像の種類によりリアルタイムでduty比カーブを変化させてもよい。以上の事項は、基準電流の変化制御においても同様である。
表示パネルの消費電力低減が必要な場合は、図119のcカーブを選択する。消費電力が低減する効果が発揮される。表示輝度は低下するが、階調数などの画像表示の低下はない。高い表示輝度が必要な場合は、図119のaカーブを選択する。画像の表示が明るくなり、また、フリッカの発生が少なくなる。消費電力は増大するが、階調数などの画像表示の低下はない。
本発明の他の実施の形態において、duty比の変化は、点灯率が1/10以上の範囲で実施する(図120を参照のこと)。点灯率が1に近い画像の発生は少なく、図118のように点灯率が100まで、duty比が変化するように駆動すると、画像表示が暗く感じられるからである。さらに好ましくは、duty比の変化は点灯率が8/10以上の範囲で実施する。
自然画では、点灯率が20%から40%の画像が多い。したがって、この範囲ではduty比が大きい方が好ましい。一方で点灯率が高い(60%以上)では消費電力が大きくEL表示パネルが発熱し劣化する傾向になる。したがって、点灯率が20%から40%の範囲あるいは近傍ではduty比1/1あるいはその近傍とし、点灯率が60%あるいはその近傍以上では、duty比を1/1よりも小さくするように制御することが好ましい。
図120では点灯率が0.9以下ではduty比を1/1から1/5まで変化させている。したがって、5倍のダイナミックレンジが実現されていることになる。図120において、点灯率が0.9以上ではduty比が1/5である。したがって、表示輝度は最大値輝度の1/5になっている。点灯率100%は白ラスター表示である。つまり、白ラスター表示では表示輝度が最大輝度の1/5に低下している。
点灯率が10%以下では、duty比は1/1である。画面の1/10が表示領域(白ウインドウなどの場合)である。もちろん、自然画では、暗い部分が多い画像である。duty比が1/1では、非点灯領域62がないため、EL素子の発光輝度がそのまま画素の表示輝度となる。
点灯率10%とはイメージ的には画像表示はほとんどが黒表示であり、一部に画像が表示されている状態である。たとえば、点灯率が10%以下の画像表示とは、真っ暗な夜空に月がでている画像である(説明のための参考イメージ画像例である。白ウインドウでは、1/10白ウインドウ表示である)。この画像でduty比を1/1にするということは、月の部分は、白ラスターの輝度(図120で点灯率100%での輝度)の5倍の輝度で表示されることになる。したがって、ダイナミックレンジの広い画像表示を実現できる。画像表示されているのは1/10の領域であるから、1/10の領域の輝度を5倍にしたとしても消費電力の増加はわずかである。
以上のように、本発明では点灯率が低い画像では、duty比を1/1あるいは比較的大きくしている。duty比1/1では発光している画素は常時電流が流れている。したがって、1つの画素からみれば消費電流が大きい。しかし、EL表示パネルにおいて、発光している画素が少ないため、EL表示パネル全体からみれば、消費電力の増加はほとんどない。EL表示パネルでは黒部分は完全黒(非発光)である。したがって、duty比1/1で最高輝度が表示できればダイナミックレンジを拡大でき、メリハリのある良好な画像表示を実現できる。
一方、本発明では点灯率が高い画像では、duty比を1/5など比較的小さくしている。また、点灯率に応じて、duty比が小さくなるように制御を行う。duty比が小さい時は発光している画素は間欠電流が流れている。したがって、1つの画素の消費電流は小さい。EL表示パネルにおいて、発光している画素は多いが、1画素あたりの消費電流が少ないため、EL表示パネル全体からみれば、消費電力の増加は少ない。
以上のように点灯率に対してduty比を制御する本発明の駆動方法はEL表示パネルなどの自己発光表示パネルに最適な駆動方法である。duty比が小さくなれば画像輝度は小さくなるが、画面全体として発生光束が多いため、暗くなったという印象は感じられない。
以上のように、duty比制御と、基準電流比制御の一方または両方を実施することにより、画像のコントラスト比を拡大でき、ダイナミックレンジを拡大され、低消費電力化を実現できる。
以上の制御は点灯率を用いて行う。点灯率は先にも説明したが、通常の駆動(duty比1/1)では、アノードまたはカソードに流れ込む(流れ出す)電流の大きさである。点灯率が増加すると比例してアノードまたはカソード端子の電流は増加する。前記電流は基準電流の大きさに比例して増減し、また、duty比に比例して増減する。なお、本発明はduty比、基準電流は点灯率により、変化させることに特徴ある。つまり、duty比、基準電流は固定ではない。画像の表示状態に応じて少なくとも複数の状態に変化させる。
点灯率が0に近い画像は、ほとんどの画素が低階調表示である。ヒストグラムで表現すれば、ヒストグラムの低階調領域に大多数のデータが分布している。この画像表示では、画像が黒つぶれ状態でありメリハリ感がない。そのため、ガンマカーブを制御して黒表示部のダイナミックレンジを広くする。
以上の実施の形態では、点灯率が0では、duty比を1/1にするとしたが、本発明はこれに限定するものではない。duty比を1より小さい値となるようにしてもよいことは言うまでもない。duty比のカーブは曲線となるようにしてもよい。なお、曲線とは、サインカーブ状、円弧状、三角形状などが例示される。
duty比に最大値を設ける場合は、少なくとも点灯率20%以上50%以下の範囲でいずれかの位置で最大値となるようにすることが好ましい。この範囲は、画像表示でよく出現する。したがって、duty比を1/1など、他の点灯率の範囲よりも大きくすることにより、画像が高輝度表示しているように認識されるからである。たとえば、点灯率35%でduty比を1/1とし、点灯率20%、60%ではduty比を1/2とする制御方式が例示される。
点灯率に応じて階段状に制御してもよい。階段状とは、たとえば、点灯率0%以上20%以下の場合は、duty比を1/1とし、点灯率20%より大きく60%以下の場合は、duty比を1/2とし、点灯率60%より大きく100%以下の場合は、duty比を1/4とする制御方法を言う。
図117に図示するように、赤(R)、緑(G)、青(B)の画素で、duty比カーブを変化させてもよい。図117では、青(B)のduty比の変化の傾きを最も大きくし、緑(G)のduty比の変化の傾きを次に大きくし、赤(R)のduty比の変化の傾きを最も小さくしている。以上のように駆動すれば、RGBのホワイトバランス調整を最適にすることができる。もちろん、1色を一定(点灯率が変化しても変化させない)とし、他の2色を点灯率に応じて変化するように制御してもよい。
点灯率とduty比の関係は、画像データの内容、画像表示状態、外部環境に合わせて設定することが好ましい。また、ユーザーが自由に設定あるいは調整できるように構成することが好ましい。また、ホトセンサあるいは温度センサから出力により自動で、duty比、基準電流比などを調整できるように構成することが好ましい。たとえば、周囲温度(パネル温度)が高い場合は、duty比を低下(1/4など)させることにより、パネルに流れ込む消費電流を抑制することができ、パネルの自己発熱が低下し、結果としてパネル温度を低下させることができる。したがって、パネルが熱劣化することを防止できる。
温度変化は温度変化を積分し、その積分値が所定値を超えた時、duty比制御などの電流抑制手段を動作させるように制御してもよい。なお、積分時には、パネルからの放熱によるパネル温度の低下を考慮することが好ましい。したがって、単純に積分値で制御するのではなく、放熱量分を減算して制御する。放熱量は実験などにより容易に導出できる。
以上のことから、映像データの総和を求め、総和を積分し、また、積分値から放熱量を減算することにより、パネル温度を推定あるいは予測することができる。予測の結果、パネル温度が規定以上の上昇する場合あるいは可能性があるとき、duty比制御、基準電流比制御などを実施して、パネルの消費電力を抑制する。また、抑制によりパネルが規定温度以下に低下したと予測される時は、通常のduty比制御、基準電流比制御などを実施する。
早いスピードで明るい画面と暗い画面とは交互に繰り返す時、変化に応じてduty比、基準電流などを変化させるとのフリッカが発生する。したがって、あるduty比から他のduty比などに変化する時は、ヒステリシス(時間遅延)を設けて変化させることが好ましい。たとえば、ヒステリシス期間を1secとすると、1sec期間内に、画面輝度が明るい暗いが複数回繰り返しても、以前のduty比が維持される。つまり、duty比は変化しない。以上の事項は、基準電流比制御などにも適用できることは言うまでもない。なお、変化は、R、G、Bで異ならせても良い。
このヒステリシス(時間遅延)時間をWait時間と呼ぶ。また、変化前のduty比を変化前duty比と呼び、変化後のduty比を変化後duty比と呼ぶ。なお、ヒステリシス(時間遅延)と呼ぶが、ヒステリシスには、変化をゆっくりと行う意味も含まれる。たとえば、duty比1/1から1/2に変化させる時、2秒の時間をかけてゆっくりと変化させる例が例示される(ほとんど、制御はこの方式である)。
変化前duty比が小さい状態から、他のduty比に変化する時は、変化によるフリッカの発生が起こりやすい。変化前duty比が小さい状態は、画面のデータ和が小さい状態あるいは画面に黒表示部が多い状態である。
特に中間調あるいは点灯率が中央値付近では変化はゆっくりと行う。画面が中間調の表示で視感度が高いためと思われる。また、duty比が小さい領域では、変化duty比との差が大きくなる傾向がある。もちろん、duty比の差が大きくなる時は、OEVを用いて制御する。しかし、OEV制御にも限界がある。以上のことから、変化前duty比が小さい時は、wait時間を長くする必要がある。
以上のように、本発明のduty比制御はduty比に応じてWait時間を変化させる。duty比が小さい時はWait時間を長くし、duty比が大きい時はWait時間を短くする。つまり、少なくともduty比を可変する駆動方法にあって、第1の変化前のduty比が第2の変化前のduty比よりも小さく、第1の変化前duty比のWait時間が、第2の変化前duty比のWait時間よりも長く設定することを特徴とするものである。
以上の実施の形態では、変化前duty比を基準にしてWait時間を制御あるいは規定するとした。しかし、変化前duty比と変化後duty比との差はわずかである。したがって、前述の実施の形態において変化前duty比を変化後duty比と読み替えても良い。
以上の実施の形態において、変化前duty比と変化後duty比を基準にして説明した。変化前duty比と変化後duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる必要があることはいうまでもない。また、duty比の差が大きい時は、中間状態のduty比を経由して変化後duty比に変化させることが良好であることは言うまでもない。
本発明のduty比制御方法は、変化前duty比と変化後duty比との差が大きい時はWait時間を長くとる駆動方法である。つまり、duty比の差に応じてWait時間を変化させる駆動方法である。また、duty比の差が大きい時にWait時間を長くとる駆動方法である。なお、先にも説明したようにWait時間あるいはヒステリシスとは、ゆっくりと変化させる意味である。もちろん、広義には、変化を開始するのを遅延させるという意味もあることは言うまでもない。
本発明のduty比の方法は、duty比の差が大きい時は、中間状態のduty比を経由して変化後duty比に変化させることを特徴とする駆動方法である。
以上の実施の形態では、duty比に対するWait時間を、R(赤)G(緑)B(青)で異ならせるとして説明した。しかし、本発明は、R、G、BでWait時間を変化させてもよいことは言うまでもない。RGBで視感度が異なるからである。視感度にあわせてWait時間を設定することにより、より良好な画像表示を実現できる。
以上の実施の形態は、duty比制御に関する実施の形態であった。基準電流比制御についてもWait時間を設定することが好ましい。
以上のように、本発明の駆動方法では、duty比、基準電流は急激に変化させない。急激に変化させると変化状態がフリッカとして認識されてしまうからである。通常、0.2秒以上10秒以下の遅延時間で変化させる。以上の事項は、後に説明するアノード電圧の変化制御、プリチャージ電圧の変化制御、周囲温度による変化制御(パネル温度により、duty比、基準電流を変化させる)などにも適用できることは言うまでもない。
基準電流が小さい時は表示画面64が暗く、基準電流が大きい時は表示画面64が明るい。つまり、基準電流倍率が小さい時は、中間調表示状態と言い換えることができる。基準電流倍率が高いときは、高輝度の画像表示状態である。したがって、基準電流倍率が低い時は、変化に対する視感度が高いため、Wait時間を長くする必要がある。一方、基準電流倍率が高いときは、変化に対する視感度が低いため、Wait時間が短くても良い。
以上のような、duty比制御は、1フレームあるいは1フィールドで完結する必要はない。数フィールド(数フレーム)の期間でduty比制御を行っても良い。この場合のduty比は数フィールド(数フレーム)の平均値をduty比とする。なお、数フィールド(数フレーム)でduty比制御を行う場合であっても、数フィールド(数フレーム)期間は、6フィールド(6フレーム)以下にすることが好ましい。これ以上であるとフリッカが発生する場合があるからである。また、数フィールド(数フレーム)とは整数ではなく、2.5フレーム(2.5フィールド)などでもよい。つまり、フィールド(フレーム)単位には限定されない。
以上の事項は、電流駆動方式だけでなく、電圧駆動方式にも適用できる。また、一般的な自己発光表示装置に適用できることは言うまでもない。
動画と静止画とでは、duty比パターンを変化させる。duty比パターンを急激に変化させると画像変化が認識されてしまうことがある。また、フリッカが発生する場合がある。この課題は動画のduty比と静止画のduty比との差異によって発生する。動画では非表示領域62を一括して挿入するduty比パターンを用いる。静止画では非表示領域62を分散して挿入するduty比パターンを用いる。非表示領域62の面積/画面面積64の比率がduty比となる。しかし、同一duty比であっても、非表示領域62の分散状態で人間の視感度は異なる。これは人間の動画応答性に依存するためと考えられる。
中間動画は、非表示領域62の分散状態が、動画の分散状態と静止画の分散状態との中間の分散状態である。なお、中間動画は複数の状態を準備し、変化前の動画状態あるいは静止画状態に対応させて複数の中間動画から選択してもよい。複数の中間動画状態とは、非表示領域の分散状態が動画表示に近く、たとえば、非表示領域62が3分割された構成が一例として例示される。また、逆に非表示領域が静止画のように多数に分散された状態が例示される。
静止画でも明るい画像もあれば暗い画像もある。動画も同様である。したがって、変化前の状態に応じてどの中間動画の状態に移行するかを決定すればよい。また、場合によっては、中間動画を経由せずに動画から静止画に移行してもよい。中間動画を経由せずに静止画から動画に移行してもよい。たとえば、表示画面64が低輝度の画像は動画表示と静止画表示とが直接移動しても違和感はない。また、複数の中間動画表示を経由して表示状態を移行させてもよい。たとえば、動画表示のduty比状態から、中間動画表示1のduty比状態に移行し、さらに中間動画表示2のduty比状態に移行してから静止画表示のduty比状態に移行させてもよい。
動画表示から静止画表示に移動する時に、中間動画状態を経由させる。また、静止画表示から中間動画表示を経由して動画表示に移行させる。各状態の移行時間はWait時間をおくことが好ましい。また、静止画から動画あるいは中間動画に移行する時は、非表示領域62の変化がゆっくりとなるようにする。
FRC(フレームレートコントロール)と動画表示とは関係する。FRCで用いるフレーム数(たとえば、4FRCでは、4フレームを用いて、2ビット分の階調表示(階調数を4倍)にする。16FRCでは、16フレームを用いて、4ビット分の階調表示(階調数を16倍)にする。しかし、nFRC(nは2以上の整数)のn(フレーム数)が増加すると、静止画では問題がないが、動画では、動画性能が低下する。したがって、動画表示では、nFRCのnは小さい方が望ましい。また、動画表示では、一定以上の階調数は必要でない。ほとんどの場合が、256階調以下で十分である。一方、静止画では、多くの階調数が必要である。
たとえば、第1フレームと次の第2フレーム間で、同一位置の画素データの差分を求め、差分の値が一定以上ある場合に動画画素と判定する。1パネルの画素数が10万画素とすれば、前記差分演算により動画画素と判定された画素の割合が2.5万画素であれば、動画画素の割合は25%である。
動画画素の割合が0%〜25%以下で、完全静止画あるいはそれに近いと判断し、16FRC(n=16)としている。また、動画画素の割合が25%〜50%以下で、動画に近い中間画像と判断し、12FRC(n=12)としている。また、動画画素の割合が50%〜75%以下で、静止画に近い中間画像と判断し、8FRC(n=8)としている。動画画素の割合が75%以上で、完全動画あるいはそれに近いと判断し、1FRC(n=1つまりFRC制御しない)としている。
以上のように、表示画像の内容にもとづいて、FRCを変化させることのより最適な画像表示を実現できる。FRCの変更はコントローラ回路(IC)722のより行う。
FRCの変更は、画像のシーンが急変する時に実施することが好ましい。画像シーンが急変する状態とは、画面がコマーシャルに変化したとき、チャンネルを切り換えた時、ドラマのシーンが変化したときなどが例示される。なお、シーンの急変時は、本発明のピーク電流抑制、duty比制御でも説明をしている。
したがって、動画画像の割合が変化した場合にリアルタイムでnFRCのFRC数を変化させると画面がフリッカ的な表示状態になる。したがって、シーンの急変時にFRC数を変化させることが好ましい。
プリチャージ電圧の印加は点灯率あるいはduty比と連動させることが好ましい。プリチャージ電圧の印加は必要がない箇所には印加しないことが好ましい。白表示の輝度低下などが発生する場合があるからである。したがって、プリチャージ電圧の印加は限定されることが好ましい。
プリチャージ駆動は、特に電流駆動方式において、白表示部の下にクロストークする現象を解消するために実施する。したがって、このクロストークが目立つのは、画面に黒表示部が多く、一部に白表示がある画像である。点灯率で示せば、点灯率が小さい領域でプリチャージが必要である。表示画面64全体が白表示であればクロストークが発生しても視覚的に認識されることはないからである。したがって、プリチャージ駆動は実施する必要がない。
本発明は点灯率が高い(表示画面64において全体的に白表示部分が多い)時に、duty比を小さくする。つまり、duty比1/nのnを大きくする。点灯率が低い(表示画面64の全体的に黒表示部分が多い)時に、duty比を大きくする。つまり、duty比1/1に近づく。したがって、duty比と点灯率とは相関関係がある。映像データから点灯率(点灯率)を求め、点灯率からduty比制御を行うのであるから当然である。また、点灯率をプリチャージ制御とも関係がある。
図126(a)に図示するように、duty比と点灯率(%)の関係があるとする。図126(b)はプリチャージのオンオフ状態を示している。図126(b)では、duty比が20%以下でプリチャージ駆動するように設定している。ただし、プリチャージ駆動するとしても、本発明のプリチャージ駆動には、allプリチャージモード、適応型プリチャージモード、0階調プリチャージモード、選択階調プリチャージモードがある。したがって、図126(b)ではプリチャージ駆動が実施されるように設定するというポイントであり、どのプリチャージが行われるかにより駆動状態は異なる。重要なのは、duty比あるいは点灯率により、プリチャージ駆動をするかしないかを変化させることである。
duty比あるいは点灯率(%)とガンマ制御も相関がある。図127はその説明図である。点灯率が高い画像では、全体的に輝度が高い画像が多い。そのため、画像が白っぽくなる。そのため、ガンマ定数の係数(通常、係数は2.2とされている)を大きくして、黒階調領域の面積を多くすることが好ましい。黒階調領域の面積を多くすることにより画像のメリハリ感がつく。
点灯率に対するduty比を図114であるとする。図114の制御では、表示画像の点灯率が100%に近いとduty比はほぼ1/4にする。階調は輝度と比例する。点灯率が高い画像では、画像の階調表示がつぶれて解像度のない画像になっていまうので、ガンマカーブを変化させる必要がある。つまり、ガンマカーブの乗数である係数を大きくし、ガンマカーブを急峻にする必要がある。
以上のことから、本発明では、点灯率あるいはduty比に応じて、ガンマカーブの係数を変化させている。図127はその説明図である。
本発明は点灯率が高い(表示画面64の全体的に白表示部分が多い)時に、duty比を小さくする。つまり、duty比1/nのnを大きくする。点灯率が低い(表示画面64の全体的に黒表示部分が多い)時に、duty比を大きくする。つまり、duty比1/1に近づく。したがって、duty比と点灯率とは相関関係がある。映像データから点灯率(点灯率)を求め、点灯率からduty比制御を行うのであるから当然である。
図127(a)に図示するように、duty比と点灯率(%)の関係があるとする。図127(b)のグラフは縦軸をガンマカーブの係数を示している。図127(b)では、duty比が70%以上でガンマカーブの係数が大きくなるように設定している。つまり、ガンマカーブが急峻になるように、高階調領域で階調表現が大きくなるようにしている。したがって、白つぶれ画像が改善される。
duty比制御と電源容量には密接な関係がある。電源サイズは最大の電源容量が大きくなるにつれ、大きくなる。特に、表示装置がモバイルの場合、電源サイズが大きいと重大課題となる。また、ELは電流と輝度が比例の関係である。黒表示では電流が流れない。白ラスター表示では最大電流が流れる。したがって、画像による電流の変化が大きい。電流の変化が大きいと電源サイズも大きくなり、消費電力も増加する。
本発明では、点灯率が高いときに、duty比制御の1/nのnを大きくし、消費電流(消費電力)を低減させている。逆に点灯率が低い時は、duty比を1/1=1または1/1に近くし、最大輝度が表示されるようにしている。以下にこの制御方法について説明をする。
まず、点灯率(点灯率)とduty比の関係を図114に図示する。なお、点灯率は、以前にも説明したようにパネルに流れる電流で換算されているものであるとする。なぜなら、EL表示パネルではBの発光効率が悪いため、海の表示などが表示されると、消費電力が一気に増加するからである。したがって、最大値は、電源容量の最大値である。また、データ和とは単純な映像データの加算値ではなく、映像データを消費電流に換算したものとしている。したがって、点灯率も最大電流に対する各画像の使用電流から求められたものである。
図114は点灯率0%の時に、duty比を1/1とし、点灯率100%の時に最低duty比を1/4とした例である。図115は、電力と点灯率との掛算をした結果である。図114で点灯率が0から100%まで、絶えずduty比1/1であれば、図115のaで示すカーブとなる。なお、図115において点灯率とは、duty比制御などを実施する前の値である。図115の縦軸は、電源容量に対する使用電力の比(電力比)である。つまり、カーブaでは、点灯率と消費電力は比例関係にある。したがって、点灯率0%で消費電力は0(電力比0)であり、点灯率100%では、消費電力100(電力比100%)となる。
図115のカーブbは、図114のduty比カーブで電力制限を実施した実施の形態である。点灯率100%の時のduty比は1/4であるから、カーブaに比較して、電力比は1/4の25%になる。カーブbは電力1/3よりも小さい範囲で動作している。したがって、図114のようにduty比制御を実施すると、電源容量は、従来(カーブa)に比較して1/3で十分であることになる。つまり、本発明では、電源サイズを従来に比較して小さくすることができる。
従来(カーブa)で点灯率が高い状態がつづくとパネルに流れる電流が大きく、発熱によるパネルの劣化が発生する。しかし、duty比制御を実施した本発明ではカーブbでわかるように、点灯率に関わらず、平均した電流がパネルに流れる。したがって、発熱の発生が少なくパネルの劣化も発生しない。
duty比と点灯率との積(a=duty比×点灯率)は以下の条件に合致するように制御することが好ましい。
0.2≦duty比×点灯率≦0.6 ただし、点灯率は、15%以上。
たとえば、duty比が1/2で、点灯率が50%であれば、duty比×点灯率=0.25で上記条件に合致する。点灯率は、100%と1.0として計算している。また、duty比が1/4で、点灯率が100%であれば、duty比×点灯率=0.25で上記条件に合致する。duty比が1/3で、点灯率が90%であれば、duty比×点灯率=0.30で上記条件に合致する。しかし、duty比が1/1で、点灯率が10%であれば、duty比×点灯率=0.10で上記条件に合致しない。なお、点灯率は、duty比制御などをピーク電流抑制処理がされない場合に表示パネルのアノードあるいはカソード端子に流れる電流より求めたものである。
a=duty比×点灯率が、0.2より小さい場合は、画像表示輝度が低く、実用的でない。一方、aが0.6より大きい場合は、輝度変化が大きい画像が表示された場合、フリッカが発生しやすい。また、電源モジュールの電源容量が大きくなり実用的ではない。
図114のduty比カーブにおいて、最低duty比を1/2にした実施の形態がカーブcである。また、最低duty比を1/3にして実施の形態がカーブdである。同様に最低duty比を1/8にして実施の形態がカーブeである。
図114はduty比カーブを直線にしたものあった。しかし、duty比カーブは、多種多様な直線あるいは曲線で発生させることができる。duty比カーブにより、図115のb、c、d、eに示すように点灯率に対する電力比が変化する。以上のようにduty比カーブあるいは基準電流比カーブは、マイコンなどのプログラミングあるいは外部制御により、可変できるように構成することが好ましい。
duty比制御カーブは、ユーザーが外部環境に応じてボタンで自由にduty比カーブを切り換えるようにする。明るい外部環境では、duty比の大きなカーブを選択し、外部環境が暗いときは、より電力を抑制するため、duty比の小さなカーブを選択するようにする。また、duty比制御カーブは自由に変更できるように構成しておくことが好ましい。
図116に図示するように、低点灯率領域(図116では点灯率20%以下)でduty比を低下させ(図116(a))、duty比の低下にあわせて、基準電流比を上昇させ(図116(b))てもよい。以上のようにduty比制御と基準電流比制御を同時に行うことにより、図116(c)で図示するように輝度の変化はなくなる。低点灯率では低階調領域でのプログラム電流の書き込み不足が顕著に目立つ。しかし、図116に実施するように低点灯率領域で基準電流を増加させることによりプログラム電流を基準電流に比例して増加させることができるので電流の書き込み不足がなくなる。かつ輝度も一定であるから良好な画像表示を実現できる。
図116において、点灯率が高い領域(図116では40%以上)では、duty比は低下させるが、基準電流比は1のまま一定とする。したがって、輝度はduty比の低下にともなって低下するから、パネルの消費電力を制御(基本的には少なく)することができる。なお、duty比の最大を1/1とする駆動方法では、非表示領域62は一括して挿入することが好ましい。
基準電流比、duty比と点灯率との関係は以下に説明するように一定の関係を保つことが好ましい。フリッカの発生の増加またはパネルの自己発熱による劣化が加速されるからである。検討の結果によれば、点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.7以上1.4以下にすることが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下にすることが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.1以上0.8以下になるように制御あるいは設定することが好ましい。また、さらに好ましくは0.2以上0.6以下なるように制御あるいは設定することが好ましい。
あるいは、点灯率50%の時のduty比×基準電流比をAとした時、点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.7以上1.4以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下に設定あるいは制御することが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.1以上0.8以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.2以上0.6以下に設定あるいは制御することが好ましい。
本発明は第1の点灯率(アノード端子のアノード電流、データの総和に対する比率などでもよいことは以前に説明をした)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲、データの総和に対する比率の範囲などでもよいことは以前に説明をした)において、第1のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積などもしくはこれらの組合せとして変化させる。
また、第2の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第2のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積などもしくはこれらの組合せとして変化させる。もしくは、点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)に応じて(適応して)、FRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度、基準電流比とduty比との積など、もしくはこれらの組合せとして変化させるものである。また、変化させる時は、ヒステリシスをもたせて、あるいは遅延させて、あるいはゆっくりと変化させる。
図122は、一例としての点灯率とアノード電圧の関係を示したものである。なお、Vdd+2、Vdd+4は、絶対的な電圧を示しているものではなく、説明を容易にするため相対的に図示したものである。
図122において、点灯率が25%以下で基準電流(プログラム電流)を増大させている。この状態ではアノード電圧を高くする必要があるので、基準電流の増大に伴って、アノード電圧も高くしている。なお、点灯率75%以上で基準電流を大きくしている。また、基準電流の増大に伴い、アノード電圧も高くしている。
図122は、一例としての点灯率とアノード電圧の関係を示したものである。本発明はこれに限定するものではない。たとえば、点灯率などに応じて、アノード端子電圧とカソード端子電圧との電位差を変化させてもよいことはいうまでもない。たとえば、アノード端子電圧が6(V)、カソード端子電圧が−9(V)であれば、電位差は6−(−9)=15(V)である。つまり、アノード電圧をカソード電圧との絶対値を点灯率あるいは基準電流もしくはアノード端子に流れる電流などに応じて変化させる。
図123において、点灯率に応じて基準電流(プログラム電流)を段階的に変化させている。基準電流の変化に伴って、アノード電圧も変化させている。
プログラム電流の大きさ(基準電流の大きさ)に対するアノード電圧は、図124に図示するように変化させてもよい。図124の実線aは、プログラム電流(基準電流)に比例させてアノード電圧を変化させた例である。図124の点線bは、所定のプログラム電流(基準電流)以上の時に、アノード電圧を変化させた実施の形態である。点線bでは、基準電流に対するアノード電圧の変化点は1点であるので回路構成が容易となる。
以上の実施の形態では、基準電流あるいはプログラム電流の大きさによってアノード電圧を変化させる実施の形態であった。しかし、基準電流あるいはプログラム電流の大きさの変化は、ソース信号線18の電位を変化させることと同義である。図1などの駆動用トランジスタ11aがPチャンネルの場合は、プログラム電流Iwあるいは基準電流を増加させることは、ソース信号線18の電位を低くすることである(GND電位に近くなる)。逆に、プログラム電流Iwあるいは基準電流を小さくすることは、ソース信号線18の電位を高くすることである(アノードVddに近くなる)。
以上のことから、図125に図示するように、制御を行っても良い。つまり、ソース信号線18の電位が0(GND)電位の時に、アノード電圧を最も高くする(基準電流およびプログラム電流が最大値)。ソース信号線18の電位がVdd電位の時に、アノード電圧を最も低くする(基準電流およびプログラム電流が最小値)。以上のように構成あるいは制御することにより、EL素子15に高電圧が印加される期間を短くすることができ、EL素子15を長寿命化できる。
パネルあるいはパネルの周囲温度に応じて、duty比などを変化させてもよい。図121はその実施の形態である。図121において実線は、パネル温度が40℃以下の場合である。実線では、点灯率40%以下で、duty比を1/1とし、40%以上でduty比を低下させている。点線では点灯率20%以下でduty比を1/2とし、点灯率20%以上でduty比を低下させる。40℃から60℃の間では、点線と実線の間のカーブを描く。
図128は、他の実施の形態における本発明の表示装置の電源回路の構成図である。バッテリーあるいはDC電源からの出力電圧Vinが昇圧回路1281a、電圧反転回路1282に印加される。昇圧回路1281はDCDCコンバータ回路、チャージポンプ回路が例示される。DCDCコンバータ回路は、スイッチング素子とコイルなどから構成される。スイッチング素子によりDC電圧Vin電圧を矩形波に変換し、コイルの共振作用などにより電圧を昇圧させる。昇圧した電圧は、昇圧回路1281aのコンデンサにより平滑化し、アノード電圧Vddを得る。一方、電圧反転回路1282に入力された電圧Vinは、極性反転される。極性反転された電圧は、昇圧回路1281bに入力され、昇圧されてカソード電圧Vssとなる。
図128などにおいて、電圧反転回路1282と昇圧回路1281bとは別ブロックで図示しているが、これに限定するものではなく、電圧反転回路1282と昇圧回路1281bは1つの回路構成(1ブロック)で作製あるいは構成してもよいことは言うまでもない。以上のように、本発明は、主として2つのコイルにより正極性の電圧Vddと、負極性の電圧Vssを発生する。電圧反転回路1282と昇圧回路1281は接地電位(GND)を基準として動作する。また、Vinも同様である。接地電位(GND)はソースドライバ回路(IC)14のGNDでもある。
説明を容易にするため、本発明の実施の形態における電圧Vinは、2.7(V)〜4.5(V)とする。また、アノード電圧Vddは、6(V)とし、カソード電圧Vssは、−9(V)とする。
図129は、本発明の表示装置の電源回路などの出力電圧の関係を図示している。本発明では、ソースドライバ回路(IC)14の接地電位(GND)と、昇圧回路1281の接地電位(GND)は共通である。ソースドライバ回路(IC)14の電源電圧Vccは、Vdd電圧をレギュレートして作成(発生)するか、もしくは別途構成したDCDCコンバータでVin電圧から作成(発生)させる。
EL表示装置では図1で説明したように、アノード電圧Vddからカソード電圧Vssに電流Ieが流れる。また、アノード端子を流れる電流とカソード端子を流れる電流は、等しいという特徴がある。つまり、Ie=Idd=Issなる関係がある。このことはEL表示装置に特徴ある事項である。
図129の実施の形態では、Aで示すアノード電圧Vddの絶対値と、Bで示すカソード電圧Vssの絶対値とは、A<Bの関係となるように構成している。具体的にはアノード電圧Vddは、6(V)とし、カソード電圧Vssは、−9(V)としている。つまり、1.5×A=Bである。
本発明は、図128の昇圧回路128aの電源発生容量(アノード電源容量と呼ぶ=アノード電圧Vdd×アノード電流Idd)と、昇圧回路128bの電源発生容量(カソード電源容量と呼ぶ=カソード電圧Vdd×カソード電流Idd)は、略同一に構成(作製)している。アノード電源容量=カソード電源容量とすることにより、電源モジュールサイズを小型化できる。特に、カソード電源容量を必要容量よりも小さい設計できることによる効果が大きい。また、昇圧回路128aで使用するコイルLと昇圧回路128bで使用するコイルLとは同一のものを使用することができるため、コストを低減することができる。
1.5×A=B、Idd=Issとし、アノード電源容量=カソード電源容量であれば、カソード電流Iss=(1/1.5)×アノード電流Iddとなる。先にも説明したように、EL表示装置では、Idd=Issの関係がある。したがって、図129の構成において、アノード電源容量をフルに使用した時、カソード電源容量が足りなくなる。1.5×A=Bであれば、カソード電源容量は、約50%分が、必要電源容量に対して足りなくなる。なお、図1を用いてアノード電流Idd、カソード電流Issを説明しているが、Idd、Issは、以下の本明細書においては、画素単位の電流の意味ではなく、表示領域64全体に流れ込む電流である。つまり、点灯率に対応して変化する電流である。
本発明ではカソード電源容量が規定値以上は出力されないように構成されている。したがって、カソード電源容量が足りなくなれば、カソード電圧Vssが上昇し、規定値の電源容量で頭打ちになって制御される。カソード電圧Vssが上昇しても(例えば、−9V→−6V)、Iss電流は最大電流を維持する。カソード電圧が上昇した分だけ、カソード電流Issを増大させることができる。つまり、カソード電源容量の規格の最大値は守られる。また、Idd=Issの関係が維持される。逆に言えば、Idd=Issの関係を維持するように、カソード電源容量を構成する昇圧回路1281bは、カソード電圧Vssを上昇させ、カソード電源容量の上限値以上とならないように制御される。
なお、図128などにおいて、Idd、IssはDC電流であるが、昇圧回路1281内では、矩形波あるいは三角波が発生し、交流動作が行われている。本発明では、カソード電源容量あるいはアノード電源容量が一定容量以上とならないように制御するとしている。しかし、一定容量以上にならないようにとは、DCレベルではなく、矩形波あるいは三角波の最大値で検討する必要がある。昇圧回路1281内のIC耐圧で最大電圧が規定されるからである。
図128、図129では、Idd=Issとし、A<Bとしている。したがって、従来の実施の形態では、昇圧回路128bの電源発生容量(カソード電圧Vss×カソード電流Iss)は、昇圧回路128aの電源発生容量(アノード電圧Vdd×アノード電流Idd)よりも大きくしている。
本発明では、A<Bとし、Bに対応する昇圧回路128bの電源発生容量を、本来必要な電源容量よりも小さくしている。そのため、Idd=Issを維持し、昇圧回路128bの電源発生容量以上にIssが大きくなると、カソード電圧Vssを上昇させて、電源容量の規定上限値を維持する。
以上のように、カソード電源容量を規定よりも小さくし、カソード電圧Vssを上昇させても、表示画面64の表示画像の劣化(たとえば、フリッカが発生するとか、視覚的に認識されるレベルの輝度が発生するとか)はない。本発明はこれらのEL表示パネルの特徴をうまく利用している。
本発明は、図1に図示するように、駆動用トランジスタ11aをPチャンネルトランジスタで構成(形成)している。駆動用トランジスタ11aの動作起点は、アノード電圧Vddである。また、Vdd電圧はソースドライバ回路(IC)14からみても、起点電圧である。つまり、ソース信号線18の電位が、Vdd電圧の時、EL素子15には電流が流れない。ソースドライバ回路(IC)14が動作し、Vdd電圧からソース信号線18にプログラム電流Iwがながれることにより、ソース信号線18の電位が低下する。ソース信号線18の電位がVddから離れるにしたがって、EL素子15に流れる電流は大きくなる。以上のことから、Vdd電圧は起点電圧として、所定値に安定に保つ必要がある。
一方、カソード電圧Vssは、起点電圧ではない。Vdd電圧とVss電圧との電位差がEL素子15の飽和電圧として影響があるだけである。したがって、Vss電圧が変化しても、画像表示に影響を与えにくい。本発明は、Iss電流が小さい時には、カソード電圧Vssを規定値に維持し、Iss電流が大きい時に、カソード電圧を上昇させる駆動方法または駆動回路または駆動方式である。
Iss電流が大きい時とは、点灯率が高い場合である。点灯率が高い画像表示は画面に白表示(高輝度表示)が占める割合が高い画像表示状態である。このような画像表示状態では、多少輝度が低下しても、表示ムラが発生しても視覚的には認識されない。点灯率が低い時は、カソード電圧は規定値を維持するため、当然のことながら画像表示劣化はない。
以上のように、本発明は、画素16の駆動用トランジスタ11aをPチャンネルで構成し、ソースドライバ回路(IC)14が吸い込み電流方式で動作し(ソースドライバ回路(IC)14の単位トランジスタ224をNチャンネルトランジスタで形成または構成している)などの構成において、カソード電源容量を規定値電源容量(本来必要な電源容量)よりも小さくした構成である。小さくするとは、10%以上60%以下の範囲とすることが好ましい。10%より小さければ、コストメリット、電源サイズメリットを出しにくい。60%より大きければ、点灯率が少し大きくなると、カソード電圧が上昇してしまい画像表示に影響が発生する。
特にカソード電源容量などに関する本発明は、duty比制御、基準電流比制御と組み合わせて用いることにより相乗効果が発揮される。たとえば、duty比制御は、加算などの処理により点灯率を制御する方法である。
たとえば、duty比が1/1近傍で点灯率が低い画像表示において、急に点灯率が高い画像表示(シーン)に変化した場合を例示して考える。この場合は、duty比を小さく(1/4など0に近づける)し、ピーク電流を抑制する動作を実施する。duty比1/1から1/4に急に変化させると、フリッカが発生する。このフリッカの発生を抑制するため、duty比の変化は数フレームあるいは十数フレームかけてゆっくりと行う。しかし、duty比をゆっくり変化させると、変化の期間には電源容量の規定値を超える電流が流れる場合がある。duty比を急に変化させる期間とは、画像シーンの急変時であり、発生する機会は極めて少ない。
画像シーンの急変時に対応するため、カソード電源容量を大きく作製するのは、非効率である。本発明では、画像シーンの急変時に発生する大きなIss電流に対しては、Vss電圧を上昇させてカソード電源容量を規定値以下に維持するように構成する。したがって、電源の使用効率が高い。また、昇圧回路1281aと1281bのいずれもが、比較的高い電力で使用する。したがって、昇圧回路128において、最大効率が発揮する箇所を、比較的高い電力時に設定しておくことにより高効率設計を実現できる。
なお、duty比制御を実施する場合は、点灯率に対するIdd電流は変化する。たとえば、点灯率100%でduty比1/4となる制御を実施する駆動方式では、従来の点灯率100%でduty比1/1の駆動方法に比較して、Iddは1/4である。電力比はアノード電流の変化比率を示すことになる。
以上の事項は、電流駆動方式に限定されるものではなく、電圧駆動方式の画素構成あるいは表示パネル、表示装置などにも適用できることは言うまでもない。また、本発明の昇圧回路などの電源構成などに関する事項は、本発明の他の事項と組み合わせることができる。たとえば、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度などにより、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整と連動あるいは組み合わせても良い。また、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度の変化割合あるいは変化を予想または予測して、調整もしくは変化あるいは可変もしくは制御してもよいことは言うまでもない。
以上の実施の形態は、駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタの場合である。しかし、本発明はこれに限定されるものでない。たとえば、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合であっても適用することができる。駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合は、駆動用トランジスタ11aの動作起点は、カソード電圧Vssである。また、Vss電圧はソースドライバ回路(IC)14からみても、起点電圧とする場合がほとんどである。つまり、ソース信号線18の電位が、Vss電圧の時、EL素子15には電流が流れない。ソースドライバ回路(IC)14が動作し、Vss電圧からソース信号線18にプログラム電流Iwがながれることにより、ソース信号線18の電位が上昇する。ソース信号線18の電位がVddから離れるにしたがって、EL素子15に流れる電流は大きくなる。以上のことから、Vss電圧は起点電圧として、所定値に安定に保つ必要がある。
一方、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、アノード電圧Vddは、起点電圧ではない。Vdd電圧とVss電圧との電位差がEL素子15の飽和電圧として影響があるだけである。したがって、Vdd電圧が変化しても、画像表示に影響を与えにくい。本発明は、Idd=Iss電流が小さい時には、アノード電圧Vddを規定値に維持し、Idd電流が大きい時に、アノード電圧を低下させる駆動方法または駆動回路または駆動方式である。
つまり、本発明は、アノード電源容量あるいはカソード電源容量のうち少なくとも一方の電源容量を規定値(表示パネルが使用する最大電流を流す電流×アノード電圧またはカソード電圧)よりも小さく形成(構成)する。そして、IddまたはIss電流が所定値以上流れる場合に、カソード電圧またはアノード電圧のうち少なくとも一方の電圧を変化せる駆動方法あるいは駆動装置もしくは駆動方式である。また、特にduty比制御または基準電流比制御を組み合わせることが好ましい方式である。
本発明は、GND電圧に対するアノード電圧とカソード電圧のうち一方の電圧を大きくし、大きくした方の電源容量(アノード電源容量またはカソード電源容量)の出力電圧(アノード電圧またはカソード電圧)を点灯率あるいは点灯率の大きさあるいは所定の点灯率の範囲もしくは点灯率変化に応じて、変化させる駆動方式、駆動方法あるいは駆動装置である。特にduty比制御または基準電流比制御を組み合わせることが好ましい。
本発明は、画素の駆動用トランジスタをPチャンネルで構成した場合は、カソード電圧を、点灯率の大きさあるいは点灯率の変化あるいは点灯率変化量に応じて変化させる駆動方式あるいは駆動方法もしくは駆動装置である。また、本発明は、画素の駆動用トランジスタをNチャンネルで構成した場合は、アノード電圧を、点灯率の大きさあるいは点灯率の変化あるいは点灯率変化量に応じて変化させる駆動方式あるいは駆動方法もしくは駆動装置である。以上の事項は特にduty比制御または基準電流比制御を組み合わせることが好ましい。
以上の実施の形態において、カソード電圧あるいはアノード電圧の変化はヒステリシスをもたせて(遅延時間をもたせて)、ゆっくりと変化あるいは変更させることが好ましいことはいうまでもない。
また、カソード電流は点灯率に応じて増加するように構成することが好ましい。本発明では、検討の結果、点灯率が30%以上80%以下の範囲でカソード電圧を低下させるように構成することが好ましい。点灯率が30%以上80%以下の範囲でカソード電圧を低下させるように構成することが好ましい。さらに好ましくは、昇圧回路1281bの電源容量は点灯率100%の40%以上70%以下でカソード電圧を低下させるように構成する(駆動する)ことが好ましい。つまり、本発明の方式では、昇圧回路1281bの電源容量は、点灯率100%の電源容量は必要でなく、50%程度の容量サイズにすることができる。したがって、低コスト、電源サイズの小型化を実現できる。なお、昇圧回路1281a内で使用するコイルのインダクタンスL1(μヘンリー)と、昇圧回路1281b内で使用するコイルのインダクタンスL2(μヘンリー)との関係は、L2=L1×±1.2(精度によるバラツキは除く。つまりタイプ値の比較である。)に設定することが好ましい。さらに好ましくはL2=L1×±1.1に設定することが好ましい。特性が安定し、実装面積を小さくすることができる。また、コストの低減も実現できる。
以上の本発明は、電源容量が限定されるモバイル機器(DVC、DSC、DVDテレビ、携帯テレビ、携帯電話など)に用いることにより大きな効果を発揮する。
図128、図129の実施の形態では、点灯率などに応じてカソード電圧を変化させるとした。なお、カソード電圧は電源容量から自動的に変化することを想定しているが、意識的に変化させる場合もある。つまり、本発明のカソード電圧などを変化させるとは、自動的な制御と手動的な制御の双方の概念を含む。
カソード電流Issまたはアノード電流Iddの最大値は、設定により可変できるように構成しておくことが好ましい。可変は、昇圧回路1281のスイッチング素子などにリミッタ機能を設け、複数のリミッタ値から1つを設定できるように構成すればよいから実現は容易である。
図130は点灯率に対応してカソード電圧を変化させた実施の形態である。図130において、実線の例は、第1の点灯率(図130では一例として20%)と第2の点灯率(図130では一例として80%)間でリニアにカソード電圧を変化させている。点灯率が高くなるにつれて、カソード電圧は上昇させる。この範囲では、カソード電流Issはカソード電圧が上昇した分だけ、カソード電流Issを増大させる。一方のアノード電流Iddは、アノード電圧の大きさA(図129を参照のこと)がカソード電圧の大きさBより小さい。アノード電源容量=カソード電源容量であれば、カソード電圧が上昇し、A=Bとなるまで、アノード電圧の低下は発生しない。アノード電流Iddとカソード電流Issは同一に保たれる。
図130の実線の例では、点灯率80%以上では、カソード電圧は一定になるように保たれる。以上のようにカソード電圧の上昇に一定のリミットを設定しないと、さすがに画像表示が破綻するからである。点灯率80%以上では、カソード電圧Vssが一定となるように制御するため、点灯率が80%から100%の範囲では、カソード電流Iddは一定に維持される。したがって、表示パネルから発生する全光速の増加はない(画面輝度は変化しない)。ただし、上記の記載は、点灯率80%以上では、昇圧回路1281bが最大電源容量で動作していることを想定している。もちろん、点灯率80%以上でも電源容量に余裕があれば、点灯率が高くなるにつれてカソード電流Issは増加する。
図130の実線において、点灯率20%以下でも、カソード電圧は一定になるように保たれる。以上のようにカソード電圧の上昇に一定のリミットを設定しないと、昇圧回路1281bで使用するIC耐圧が上限を超えるからである。点灯率20%以下では、カソード電圧Vssが一定となるように制御するため、点灯率が0%から20%の範囲では、カソード電流Iddは点灯率が低下すれば、減少する。
図130の点線は、点灯率に応じてカソード電圧が線形に変化させた実施の形態である。点灯率が高く、つまり、Idd電流が増加するにつれてカソード電圧は上昇する。点灯率100%では、カソード電圧は−5Vに上昇するが、画質の劣化はない。また、通常の映像表示の点灯率は20%〜40%である。点灯率80%以上はほとんど発生しない。したがって、点灯率が高い領域で画質劣化は発生したとしても、ごく稀であり、視覚的に認識されることはない。本発明はこの映像表示の高点灯率の発生が稀であるという特徴もうまく利用している。また、本発明ではduty比制御を実施し、高点灯率領域ではアノード電流Iddを抑制している。したがって、電源容量を小さくしている。したがって、点灯率が高くとも、カソード電圧を上昇させる事態はほとんど発生しない。
カソード電圧を上昇させる事態が発生するのは、点灯率が低い画像表示で、かつ、duty比が1/1あるいはそれに近い画像表示を行っている場合に、映像表示シーンが急変し点灯率が高くなった場合である。もちろん、点灯率が高くなれば、duty比は低くするから(たとえば、1/4に近づける)、一定期間経過後は、高点灯率かつ低duty比状態に移行する。したがって、カソード電圧は正常電圧に低下する。以上ことからもカソード電圧Vssを上昇させる駆動状態が発生することはごく稀である。
本発明は、電源容量を小さくし、ごく稀に発生するIddまたはIss電流増加状態は、カソード電圧Vssを上昇させて画像表示の劣化を抑制する。以上のことはEL表示装置など自己発光表示デバイスに特有の構成であり、極めて有効である。
表示パネルの温度に応じて、点灯率に対するカソード電圧変化を可変あるいは変更してもよい。図131はその実施の形態である。図131に図示するように、表示パネルが50℃と高い場合は、点灯率60%以上の比較的低い点灯率の状態からカソード電圧を一定値に保持する。一定値に保持されているため、点灯率が60%以上に高くなる状態では、Idd電流は増加しない。つまりIdd電流のリミッタ機能が働く。したがって、表示パネルでの発熱が抑制される。表示パネルが高温状態で、さらに発熱すると表示パネルの劣化が促進されてしまうからである。なお、カソード電圧を上昇させ、EL素子15に印加される電圧と小さくすることにより、発熱も抑制できることは言うまでもない。
表示パネルの温度が10℃と低い場合は、点灯率60%以下と比較的高い点灯率までカソード電圧を低い状態で保持する。したがって、点灯率が高くなるにつれて、アノード電流Iddは増加する(duty比制御が実施されていない場合)。点灯率60%以上では、カソード電圧を上昇させる。上昇により表示パネルで発生する発熱も抑制される。
表示パネルが高温の場合は、カソード電圧は比較的高くてもよい。EL素子15のVt電圧(立ち上がり電圧)が低くなり、また、同一輝度を得るためのEL素子15の両端に印加する電圧の絶対値も低くなるからである。つまり、表示パネルの温度によりカソード電圧を変化させることが低消費電力化に有利である。図131の点線(パネル温度が高い場合)では、カソード電圧を−8Vとしている。実線(パネル温度が低い場合)の場合は、カソード電圧を−9Vとしている。さらにパネル温度が低い一点鎖線の場合は、カソード電圧を−9.5Vとしている。本発明では、表示パネルあるいは表示パネルの周囲温度を検出(測定)し、温度によりカソード電圧またはアノード電圧を変化させることを特徴とする。
図130、図131において、点灯率に対応してカソード電圧はリニア(線形)に変化させるとしたが、これに限定するものではなく、2乗カーブなど非線形に変化(対応)させてもよいことは言うまでもない。また、図130の実線のように2点折れ線に限定するものではなく、3点以上の折れ線としてもよいことは言うまでもない。
以上のように、本発明は、点灯率に対応してあるいは応じてカソード電圧を変化させる。また、本発明はduty比制御、基準電流比制御と組みあせて実施することが好ましい。図143はカソード電圧制御(図130、図131など)と、基準電流比制御とを組み合わせて実施した実施の形態である。
図143において、点灯率75%以上で基準電流を増加させる。基準電流比の変化は、プログラム電流の変化である。したがって、基準電流比に比例してプログラム電流が大きくなり、EL素子15の輝度も高くなる。図143では、基準電流を増加させる範囲(点灯率75%以上)では、カソード電圧を一定にしている。点灯率25%以上ではカソード電圧を上昇させている。
図144はカソード電圧制御(図130、図131など)と、duty比制御とを組み合わせて実施した実施の形態である。
図143において、点灯率75%以上でduty比を1/2=0.5に低下させる。duty比の変化は、Idd(Iss)電流の変化である。したがって、duty比に対応して表示画面64の輝度は低下する。図144では、点灯率75%以上では、カソード電圧を−4Vと一定にしている。点灯率25%以上ではカソード電圧を上昇させている。また、点灯率に応じてduty比を低下させている。
以上のように、カソード電流制御を実施し、カソード(アノード)電源電力を抑制する。また、本発明はduty比制御などと組み合わせることにより、ピーク電流を抑制し、カソード(アノード)電源電力を抑制する。図147はその実施の形態の説明図である。
図147(a)は、従来例(カソード電圧一定、duty比制御)の場合である。横軸は経過時間である。EL表示装置(自己発光表示装置)に動画などが表示されていく状態(時間)を示している。図147(a)では、画像の点灯率に合わせて、duty比を可変している。点灯率はコントローラ722で映像信号を加算処理などすることにより得られ、得られたSUMデータによりduty比制御などが実施される。しかし、点灯率が変化に伴い、duty比を急変させるとフリッカが発生する(画面の輝度の強弱が短時間で変化する)。発生するフリッカを抑制するため、duty比の変化はゆっくりと実施される。点灯率が急変する画像表示とは、暗い表示でduty比が1/1で画像を表示しているとき、シーンが変化し、非常に明るい画像表示になったときである。非常に明るい画像表示では、表示パネルに流れる電流を抑制するため、本来はduty比1/4などに低下させる必要がある。しかし、duty比1/1から1/4に急変させるとフリッカが発生してしまう。
点灯率が急変した時刻は、図147(a)のaとbの時である。duty比の変化は遅延して、また0.5〜2秒程度の時間をかけて目標のduty比に変化させるため、この時、大きなカソード電流が流れる(単位時間2からa点(頂点)までの期間、単位時間4.5からb点(頂点)までの期間)。したがって、カソード電源電力の容量も一例として160%近く必要である。a点、b点の時間あるいはその前から、duty比が変化し、duty比制御によりカソード電流が低下してカソード電源電力が100%以内となる(a点(頂点)もしくはその前から単位時間2.6の期間、b点(頂点)もしくはその前から単位時間5の期間)。カソード電流が増大した状態は一定期間継続する。しかし、duty比をゆっくりと低下させることにより、カソード電流が低下され、カソード電源電力の容量は100%以内の規定範囲内となる。しかし、a点、b点の期間ではカソード電源電力容量を超えてしまう。従来ではこの電源容量を超えることを見越して、カソード電源サイズを決定していたため、カソード電源サイズは非常に大きなものを配置または設置していた。この大きな電源サイズはコストが増大し、また、モバイル機器には許容不可能なサイズであった。
図147(b1)、図147(b2)は、カソード電流制御(図128、図129、図146などを参照のこと)と、duty比制御とを組み合わせて実施した実施の形態である。点灯率が急変した時刻は、図147(a)と同様にaとbの時である(図147(a)と本発明の図147(b)とを比較して説明している)。この時、図147(b2)に図示するように、カソード電圧は上昇する(カソード電圧の絶対値が小さくなる)。そのため、EL素子15に印加される電圧は低下する。なお、アノード電圧は一定値(本発明では6Vとする)を保持している。カソード電流Issは増加するが、カソード電圧が上昇(絶対値が小さくなる)するために、結果としてカソード電源電力は一定に保たれる。したがって、図147(b1)に図示するように、カソード電源電力比は100%を超えることはない。duty比は、a、b時刻と起点としてゆっくりと低下し、duty比の変化に伴い、カソード電圧も正規の電圧に復帰する(−9Vとなる)。
本発明のEL表示装置では、アノード電圧Vddの絶対値(GNDを基準とする)<カソード電圧Vssの絶対値(GNDを基準とする)の関係で電源電圧を構成している。したがって、アノード電流=カソード電流であり、アノード電源容量=カソード電源容量であれば、点灯率が高いときは、カソード電源容量が不足する。カソード電源容量の上限値を維持するため、カソード電流は増加させ必要なカソード電流をEL表示パネルに供給する。カソード電源容量の上限値を維持するため、カソード電圧の絶対値は小さくなるように変化させる。図1などに図示するような画素の構成あるいは、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで構成した場合は、カソード電圧を変化させても画像表示を劣化させることはほとんどない。また、点灯率が急変するときのみに、カソード電圧を変化させても、点灯率が急変している時は、画像が急変しているときであるから、画像表示状態が劣化していても、視覚的に認識されることはない。
図147は、カソード電流制御(図128、図129、図146などを参照のこと)と、duty比制御とを組みあせた駆動方式として説明したが本発明はこれに限定するものではない。たとえば、カソード電流制御と、基準電流比制御とを組みあわせてもよい。基準電流比を増減することによっても、プログラム電流を増減でき、アノード(カソード)電流を増減できるからである。また、カソード電流制御と、duty比制御および基準電流比制御とを組みあせてもよい。
図145の実施の形態は、カソード電流Issの変化割合(カソード電流比とし、%で示す)と、カソード電圧との関係を示すものである。カソード電流比100%とは、カソード電圧の初期値電圧(点灯率が低い領域での電圧。図145ではカソード電圧=−9V。つまり、カソード電圧を−9Vに保持し、出力できるカソード電流の最大値を100%とする。100%以上では、カソード電圧はGND側に上昇する)の場合において、昇圧回路1281bから取り出せるカソード電流Issの最大電流である。変過点は、カソード電流比100%であり、カソード電流比100%以上では、カソード電圧を上昇させている。
説明を容易にするため、一例として具体的な数字を記載して説明をする。図145において、カソード電流比が100%の時のカソード電流Iss=0.1Aとする。したがって、カソード電流比150%の時は、カソード電流Iss=0.15Aである。昇圧回路1281bの電源容量は、カソード電流比100%の時の0.1A×(−9)V=0.9Wである。カソード電流比150%の時は、カソード電流Iss=0.15Aであり、カソード電圧は−6Vである。したがって、必要な電源容量は、0.15A×(−6)=0.9Wとなる。つまり、カソード電流が1.5倍(カソード電流比150%)になっても、カソード電圧を上昇(−9V→−6V)とすることにより、昇圧回路1281bの電源容量は増加させる必要はない。カソード電流比100%〜150%の範囲ではカソード電圧を線形に変化させることにより、昇圧回路1281bの電源容量は最大使用範囲(内)に保たれる。
以上のように、本発明は、カソード電流の増加に対応させて、カソード電圧を変化させる。したがって、電源回路の小型化が可能となる。点灯率が短期間で複数回急変する時は、カソード電圧も複数回変化する。
従来の電源回路は、出力電圧を一定に保つ回路構成である。出力電流が増加しても出力電圧は一定に保持する。したがって、電源回路の電力は出力電流の増加に伴って大きくなる。有機EL表示パネルは、自己発光型の表示パネルで発光に伴う光束の増加に伴って電流が増加する。また、点灯率の変化に伴い電流量は変化する。したがって、点灯率が高くなれば電流量も大きくなる。そのため、電源の出力電流も大きくす必要があり、電源サイズ(電力容量)が大きくなる。
本発明は、最大電力容量に上限を持たせたものである。つまり、(最大)電力一定制御を実施するものである。したがって、電源サイズは従来の電源サイズに比較して小さくできる。本発明ではカソード電流が所定値までは、カソード電圧を一定に保持する。カソード電流が一定値を超えると、カソード電流の増加にともない、カソード電圧の絶対値を低下させ、カソード電源の最大電力を超えないよう動作する。この動作は、カソード電流の大きさをモニターし、モニターした電流によりカソード電圧を低下させる。また、電源回路のカソード電流の出力端子に接続した抵抗の両端電圧を測定することにより、この抵抗に発生する電圧によりカソード電圧を低下させる。また、抵抗の発熱量を検出することにより、制御を実施する。カソード電流の変化に伴うカソード電圧の低下制御は瞬時に行う。瞬時とは1秒以内の時間である。
カソード電源の最大電力Pm=カソード電流Iss×カソード電圧Vssとすれば、カソード電流が変化してもPmが一定となるように、カソード電圧Vssが調整される。調整に遅延が発生するが、最大電力の理想値を1とした時、1秒以内に、理想値の0.9以上1.1以下となるように、カソード電圧が調整される。好ましくは、0.9以上1.0以下となるように制御される。
なお、本発明では、一定以上のカソード電流Issが増加に伴い、カソード電圧Vssを低下させることにより、カソード電源電力の上限(最大)を超えないように制御あるいは動作させるとして説明するが、これに限定するものではない。たとえば、一定以上のアノード電流Iddが増加に伴い、アノード電圧Vddを低下させることによりアノード電源電力の上限(最大)を超えないように制御あるいは動作させるとしてもよい。また、アノード電源電力とカソード電源電力の両方を同時に制御してもよい。また、アノード電圧(電流)とカソード電圧(電流)の両方を1つの電源で発生させる場合も本発明の技術的範疇である。
図146は、横軸を昇圧回路1281bのカソード電源の電力(%)としている。電力100%とは、昇圧回路1281bが使用できる最大電力である。つまり、カソード電源電力の出力上限(最大)である。図146の実施の形態では、電力100%以上で、カソード電圧Vssの絶対値を小さくすることにより、カソード電源の電力100%を超えないように制御している。カソード電流Issは増加させている。カソード電源電力100%までは、カソード電圧Vssは所定値(規定値、本発明の実施の形態では−9Vである)を保持しており、また、カソード電流も100%まで増加する。カソード電流100%がカソード電源電力の最大値である。カソード電流Issは増加させるが、カソード電圧Vssを低下させることにより電力が上限値を超えないよう制御している。一例として、カソード電流150%とは、カソード電圧が既定値の−9Vを保持した状態で出力できるカソード電流を100%とした時の1.5倍である。カソード電流150%では、カソード電圧は、−6Vまで上昇する。
説明を容易にするため、一例として具体的な数字を記載して説明をする。図146において、カソード電流比が100%の時のカソード電流Iss=0.1Aとする。したがって、カソード電流150%では、Iss=0.15Aとなる。昇圧回路1281bの電源容量100%とは、カソード電流100%の時の0.1A×(−9)V=0.9Wである。カソード電流が1.5倍の0.15Aとなったとき、昇圧回路1281bの電源容量100%の上限を超えないようにするには、0.9W/0.15A=6Vとなるから、カソード電圧Vssは−6Vに調整すればよい。つまり、カソード電流Issが150%の時は、昇圧回路1281bが出力する電力は、1.5×0.1A×(−6V)=0.9Wとなる。つまり、カソード電圧Vssを1.5分の1倍に抑制することにより、昇圧回路1281bの電源容量は増加させる必要はない。カソード電流Issが0〜100%の時は、昇圧回路1281bの出力電力は0%〜100%の範囲で、カソード電流Issに比例して線形に変化させている。もちろん、カソード電源の電力が上限値を超えなければ線形でなくともよい。
以上のように、本発明は、カソード電流Issが100%以上の領域であっても、カソード電源の最大電力Pm=カソード電流Iss×カソード電圧Vssが維持されるように制御することを特徴とする。EL表示装置(自己発光表示装置)に供給する電流(アノード電流またはカソード電流)が設定された電流以下(カソード電流100%以下)の場合は、アノード電圧とカソード電圧を保持した状態で、必要なカソード電流Issを供給し、カソード電流100%以上の領域では、アノード電圧、カソード電圧の絶対値を小さくし、Pmが一定となるように、カソード電流を供給する。
本発明では、図115から図119などに図示するように、duty比制御などを実施することによりEL表示パネルに流れ込む電流を、点灯率に対応して制御する。例えば、画像の点灯率が10%などから低い状態から、90%以上の点灯率に急変したときは、duty比を小さくすることにより、EL表示パネルに流れ込む電流(カソード電流Iss、アノード電流Idd)を抑制する。その抑制期間は0.5〜2秒程度である。つまり、点灯率が急変時は0.5〜2秒の短期間の間、カソード電流などは増加するが、短時間でカソード電流などは低下する。この短期間の間は、図146などで説明したカソード電圧Vssの絶対値を低下させるなどの方式を用いて、カソード電力の最大値を超えないようにする。特に、本発明のEL表示パネルでは、カソード電圧Vssの絶対値が小さくなっても、電流プログラムによる駆動用トランジスタ11aのプログラムは良好に実施できるので、問題ない。たとえ、以上にカソード電圧の絶対値が小さくなっても、0.5〜2秒の短期間の間だけ、レーザーショットの筋ムラが発生するだけである。この期間は画像が急変している期間であるから、視覚的にはレーザーショットがめだつことはない。以上のように、本発明の電源回路あるいは構成もしくは制御方法は、EL表示装置などの自己発光表示装置に特に有効である。
図146では、カソード電流が100%と超えてもカソード電源電力Pmが一定となるように制御されている。電力比100%(カソード電源の最大電力)までは、カソード電流Issの増加に伴い、カソード電源の出力電流は増加する。カソード電圧Vssは一定に保持されている。電力比100%以上ではカソード電流は増加を続けるが、電力を一定値以内とするため、カソード電圧Vssの絶対値は小さくされる。
カソード電流Issが増加をつづけ、それに伴いカソード電圧Vssの絶対値が低下する。一定以上のカソード電流Issが増加すれば、増加は停止し、また、カソード電圧Vssの絶対値の低下もなくなり、一定値を保持するように制御される。
以上の本発明の実施の形態において、一定以上のカソード電流IssをEL表示パネルに供給する時は、「カソード電圧の絶対値が小さくする」として説明した。しかし、絶対値の基準は、GNDに限定するものでない。アノード電圧Vddあるいはそれと比例して変化する電圧(たとえばプリチャージ電圧Vpなど)を基準としてもよい。特に電流駆動方式で画素が図1のようにPチャンネルの場合は、アノード電圧Vddが電圧の原点(基準)である。したがって、本発明において、カソード電圧の絶対値を小さくするとは、アノード電圧を基準として小さくすると考えてもよい。また、駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合は、カソード電圧を基準としてアノード電圧の絶対値を小さくするとして置き換えても良い。また、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルであっても、カソード電圧(Vss)を基準とする場合もある。その場合は、カソード電圧を基準としてアノード電圧の絶対値を小さくするとして置き換えても良い。
以上のように、本発明では、電流あるいは電圧駆動を実施する基準電圧(本実施の形態ではアノード電圧Vdd)を基準として他方の電圧(本実施の形態ではカソード電圧Vss)の絶対値を小さくする。また、カソード電源容量とアノード電源容量が同一あるいは類似の容量に形成し、アノード電圧の絶対値(本実施の形態では6V)をカソード電圧の絶対値(本実施の形態では9V)よりも小さく構成する。基準電圧はアノード電圧とし、カソード電圧を一定以上のカソード電流を出力するときは、カソード電圧の絶対値を小さくする。つまり、基準でないほうの電圧を変化させる点が技術的特徴である。
本発明は、アノード電流(電源回路から出力される正電流)とカソード電流(電源回路から出力される負電流)が一致もしくは略一致する自己発光表示装置において、カソード電流あるいはアノード電流が規定値を超えるときに、一方の電圧(カソード電圧またはアノード電圧)の一方の電圧の絶対値を小さくする駆動方式である。
また、本発明は、電圧または電流プログラムを実施する自己発光表示装置において、カソード電流あるいはアノード電流が規定値を超えるときに、電圧または電流プログラムの基準電圧(本発明の図1の実施の形態ではアノード電圧Vdd)を変化させず(一定電圧を保持し)、他方の電圧(本発明ではカソード電圧Vss)の絶対値を小さくする駆動方式である。
また、本発明は、アノード電流(電源回路から出力される正電流)とカソード電流(電源回路から出力される負電流)が一致もしくは略一致し、電流プログラムを実施する自己発光表示装置にあって、カソード電流あるいはアノード電流が所定値を超えるときに、電流プログラムの基準電圧(本発明の図1の実施の形態ではアノード電圧Vdd)を変化させず(一定電圧を保持し)、他方の電圧(本発明ではカソード電圧Vss)の絶対値を小さくする駆動方式または電源回路構成である。
また、本発明の電源あるいは電源回路構成もしくは電源を用いた駆動方法は、duty比制御、基準電流比制御など表示パネルに流れる電流(電源回路から出力される電流)を抑制する駆動方式と組み合わせることにより、より特徴ある効果を発揮する。
以上の実施の形態では、図1などに図示するような画素の構成あるいは、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで構成した場合は、カソード電圧を変化させても画像表示を劣化させることはほとんどない。駆動用トランジスタ11dがPチャンネルの場合は、基準とする電圧(電位)がアノード電圧Vddであるため、カソード電圧の変化は画像表示あるいは電圧/電流プログラムに影響を与えないからである。つまり、本発明は、電圧または電流プログラムで基準となる電圧とならない電圧(本実施の形態では基準となる電圧はアノード電圧Vddであり、基準とならない電圧はカソード電圧Vssである)を、100%を超える電流をEL表示装置(自己発光表示装置)に供給するときは変化させる(変化させる電圧は、カソード電圧Vssである)。
図1などに図示するような画素の構成あるいは、画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルトランジスタで構成した実施の形態について説明したが、画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルトランジスタの場合も本発明を適用できることは言うまでもない。画素16の駆動用トランジスタ11aがNチャンネルの場合は、基準とする電圧(電位)がカソード電圧Vssとなる場合が多い。この場合は、アノード電圧の変化は画像表示あるいは電圧/電流プログラムに影響を与えない。つまり、本発明は、電圧または電流プログラムで基準となる電圧とならない電圧(本実施の形態では、基準とならない電圧はアノード電圧Vddである)を、100%を超える電流をEL表示装置(自己発光表示装置)に供給するときは変化させる。
なお、以上の実施の形態では、点灯率が短期間で急変する時に、カソード電圧の絶対値などを小さくするとしたが、本発明はこれに限定するものでない。EL表示装置では、RGBで発光効率が異なる。特に、BはGなどに比較して発光効率が悪い。そのため、Bのラスター表示などを表示された場合は、必要な電力がGあるいはRラスター表示に比較して大きい。電源電力容量を決定する場合に、Bラスター表示を基準としてサイズを決定すれば、電源サイズが非常に大きくなる。モバイル表示装置では不可能に近い。
この課題に対して、本発明を実施すれば有効である。RGBの中間的な効率での電力から電源サイズを決定する。したがって、Bラスター表示では、電源電力よりオーバーとなる。この場合は、カソード電流は、B表示状態に対応して出力するが、カソード電圧は電源オーバーにならないように電圧 の絶対値を小さくする。青空の表示、海の表示では比較的カソード電流出力が規定値より大きくなる状態が連続する。しかし、本発明では、カソード電圧を制御するだけであるので画質劣化はほとんど発生しない。
また、図2のように電圧駆動の画素構成にも、本発明の電源回路およびそれを用いた表示装置、表示装置の駆動方法にも有効であることは言うまでもない。特に、図1、図19のトランジスタ11d、図18のトランジスタ11e、図21(a)のトランジスタ11d、図21(b)のトランジスタ11fのように、EL素子15にカソード電流Issまたはアノード電流Iddの供給を切断あるいは接続制御できる構成では、本発明のduty比制御などを有効に実施することができる。したがって、EL表示装置に流れ込む電流制御が容易であり、本発明の電源回路およびその制御方式を実施する効果が大きい(特徴ある効果が発揮される)。
また、本発明は、点灯率を演算などして得ることができる駆動方式と組み合わせることにより効果を発揮できることも言うまでもない。点灯率により、EL表示装置などの自己発光表示装置に流れ込む電流を得ることにより、電源から出力される電流(アノード電流、カソード電流)を把握することできるからである。この電流の把握により、カソード電圧またはアノード電圧もしくはその両方を可変処理することができ、電源容量の上限値を越えないように制御することが可能になるからである。
図148は本発明の他の実施例である。図148はVin電圧を昇圧し、Vdd電圧を発生する昇圧回路1281と、昇圧されたVdd電圧をGND電圧と中心として、極性反転したVss電圧を発生する電圧反転回路1282から構成された電源回路の構成図である。
図148のように構成することにより、回路構成が簡単になり、低コスト化を実現できる。しかし、発生する電圧は、図149に図示するように、Vdd電圧の大きさAとVss電圧の大きさBとは、A=Bとなる。なお、図149に図示するように、Vcc電圧とVdd電圧とを共通(同一の電圧)にすることにより、より電源回路の低コスト化が可能になる。
図149の構成であっても、カソード(アノード)電圧制御(駆動用トランジスタがPチャンネルトランジスタの場合は、主としてカソード電圧を変化させるカソード電圧制御と実施し、駆動用トランジスタがNチャンネルトランジスタの場合は、主としてアノード電圧を変化させるアノード電圧制御と実施する)を適用できることは言うまでもない。
また、図130、図131では、カソード電圧の変化は連続して変化させるとして説明したが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図150に図示するように、カソード電圧をVss0、Vss1、Vss2、Vss3とデジタル的に変化させてもよい(飛び飛びな値で変化させてもよい)。図210も同様である。図210では、カソード電圧をデジタル的に、V1、V2、V3、V4から選択できるように構成している。図210ではスイッチにより、カソード電圧V2が選択されている。また、一部を連続で、一部をデジタル的に変化させてもよい。たとえば、高輝度表示モードとノーマル輝度表示モードの切り換え時は、デジタル的に変化させ、温度による変化では連続的に変化させてもよい。また、図152に図示するように、Vin電圧を昇圧回路1281bしてから反転させてもよい。
図211は、カソード電圧をDAコンバータ回路(デジタル−アナログ変換手段)2111によりカソード電圧を変化あるいは可変できるように構成した実施の形態である。コントロールICから出力されるデジタル8ビットのVKDATAデータを、DAコンバータ2111でアナログ信号に変換し、カソード端子に印加する。
また、以上の実施の形態は、昇圧回路1281の動作により、アノード電圧を低下させたり、カソード電圧を上昇させたりするとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図151に図示するように、カソード電圧の出力端子に抵抗Rを配置する。抵抗RにIss電流が流れると、抵抗Rの両端電圧がIss電流に比例して高くなる。したがって、Iss電流が大きくなるにしたがって、カソード端子電圧が上昇する。Iss電流は点灯率に比例するから、点灯率に対応してカソード電圧を上昇させる(変化させる)ことができる。なお、抵抗Rの変わりに、ボジスタ、サイリスタなどの非線形素子と用いても良い。
コントローラ回路(IC)722あるいはその機能は、ソースドライバ回路(IC)14内に組み込んでもよい。たとえば、ソースドライバ回路(IC)14とコントローラ回路(IC)722とを1チップの半導体ICとして構成し、基板30にCOG実装する構成が例示される。図76、図78のように、1つのパネルに複数のソースドライバ回路(IC)14あるいは1枚のアレイ基板30に複数のソースドライバ回路(IC)14を実装する場合は、選択されたソースドライバ回路(IC)14内のコントローラ722機能を動作させ、他のコントローラ機能を停止させる。動作と停止はソースドライバ回路(IC)14に印加するコマンドあるいはロジック信号により設定あるいは調整する。
また、1つのパネルに複数のソースドライバ回路(IC)14あるいは1枚のアレイ基板30に複数のソースドライバ回路(IC)14を実装する場合であっても、各ソースドライバ回路(IC)14内のコントローラ722機能を動作させてもよい。例えば、図76において、ソースドライバ回路(IC)14内に組み込まれた各コントローラ回路722は、図112などで説明した動作を行う。たとえば、入力された映像信号を演算し、表示領域全域に渡り点灯率を求める演算、duty比あるいは/または基準電流比を求める演算を行う。
この演算結果は、ソースドライバ回路(IC)14aとソースドライバ回路(IC)14bでは同一の結果となる。ソースドライバ回路(IC)14aは、表示領域64の1/2のソース信号線18にプログラム電流などを出力し、ソースドライバ回路(IC)14bは先の表示領域64以外の1/2のソース信号線18にプログラム電流などを出力する。また、ソースドライバ回路(IC)14aは、ゲートドライバ12aの制御信号を出力し、ゲートドライバ12bの制御信号に出力は停止(出力はハイインピーダンス状態、図78なども参照のこと)する。ソースドライバ回路(IC)14bは、ゲートドライバ12bの制御信号を出力し、ゲートドライバ12aの制御信号に出力は停止(出力はハイインピーダンス状態)する。
つまり、各ソースドライバ回路(IC)14は、同一の映像データなどに基づき、同一の演算を行う。ソース信号線18への出力は、担当するソース信号線18に対して行う。ゲートドライバ12の制御は担当するゲートドライバ12がある場合に行う。なお、各ソースドライバ回路(IC)14で演算した演算結果(制御も含む)は、複数のソースドライバ回路(IC)14間に比較し、一方あるいは多数決により1つの演算結果としてもよい。また、フレームあるいは一定周期または不定期周期で、演算あるいは制御を担当するソースドライバ回路(IC)14を切り換えてもよいことはいうまでもない。
図250などで説明した実施の形態は、フリッカの発生を抑制あるいは防止することが1つの目的である。フリッカの防止などは、図263に図示する方式によっても対策(対応)できる。つまり、非点灯領域62あるいは点灯領域63を複数に分割するのである。フリッカが発生するのは、点灯率が高場合において、表示パネルで消費する電流を抑制するために、黒表示領域(非点灯領域)62の面積が大きくした場合である。非表示領域62の走査状態が視覚的に観察されるために、フリッカとして認識される。消費する電流抑制は本発明において主としてduty比制御で実施する。図114、図115、図116などに実施の形態とともに記載しているので参照されたい。
これを防止するためには、非表示領域62あるいは表示領域63を複数に分割すればよい。つまり、duty比が小さい時は、非表示領域62が多くなるため、非表示領域62が連続しないようにすればよい。逆に、duty比が大きい時は、非表示領域62が少なくあるいは0になるため、非表示領域62が発生する場合であっても、一括挿入すればよい。
図263はその実施の形態である。duty比が0.6(3/5)より大きい時、分割数は1である。つまり、表示画面64の表示領域(点灯領域)63は3/5(表示画面64の有効表示領域を1/1とする)であり、この表示領域63は連続して表示される。逆に言えば、表示画面64の非表示領域(非点灯領域)62は2/5(表示画面64の有効表示領域を1/1とする)であり、この非表示領域62は連続して一括挿入される。
点灯率が高い範囲では、duty比は小さくなる。図263の実施の形態では、duty比が0.2(1/5)以下の領域では、非表示領域62あるいは表示領域63を4つ(分割数4)としている。つまり、duty比が小さい時は、非表示領域62が多くなるため、非表示領域62が連続しないようにし、また、duty比を小さくなるにつれ、分割数を多くすればよい。図263では、duty比が0.2(1/5)より大きい時、分割数は4である。つまり、表示画面64の表示領域(点灯領域)63は1/5(表示画面64の有効表示領域を1/1とする)であり、この表示領域63の面積1/5は4分割(均等分割の場合は、1/20)されて表示される。逆に言えば、表示画面64の非表示領域(非点灯領域)62は4/5(表示画面64の有効表示領域を1/1とする)であり、この非表示領域62は1/5に分割して挿入される。
なお、図263の実施の形態では、duty比が0.2(1/5)〜0.4(2/5)の範囲では、分割数は3である。duty比が0.4(2/5)〜0.6(3/5)の範囲では、分割数は2としている。
表示領域63などの分割数は、デジタル的である。しかし、急に表示領域63が均等な1分割から2分割などに変更するとこの変更開始時の変化点が視覚的に認識されてしまう。この課題に対しては、図262に図示するように、徐々に分割する。図262は表示領域62が連続する(分割されていない)状態から(図262(a)、表示領域62が均等に2分割された状態(図262(b))に変化させたときの実施の形態である。図26では、duty比0.7からduty比0.5に変化させた場合を想定している(分割数1から分割数2)。
図262(a)において、表示領域63はゲートドライバ12bのシフトレジスタの動作に同期して下方向に移動する。移動に伴い、非表示領域62aも移動する(図262(b))。また、画面64の上部から表示領域63aが挿入される。図262(b)の表示領域63a面積+表示領域63bの面積が、図262(a)の表示領域63の面積である。以上の動作により、図262(c)に図示するように表示領域63aの面積が増加する。図262(c)の表示領域63a面積+表示領域63bの面積が、図262(a)の表示領域63の面積である。また、図262(b)の表示領域63a面積+表示領域63bの面積である。
さらに、図262(d)に図示するように、表示領域63bはゲートドライバ12bのシフトレジスタの動作に同期して下方向に移動する。移動に伴い、非表示領域62b、表示領域63aも移動する。また、画面64の上部から非表示領域62aが挿入され、また、表示領域63aも挿入される。図262(d)の表示領域63a面積+表示領域63bの面積が、図262(a)の表示領域63の面積である。また、図262(d)の非表示領域62aの面積+非表示領域62bの面積が、図262(b)の非表示領域62aの面積である。また、図262(a)の表示面積63の1/2が図262(d)の表示領域63aの面積、表示領域63bの面積である。
さらに、図262(e)に図示するように、表示領域はゲートドライバ12bのシフトレジスタの動作に同期して下方向に移動する。移動に伴い、非表示領域62a、62b、表示領域63a、63bも移動する。また、画面64の上部から非表示領域62cが挿入される。
以上の動作により、表示領域62が連続する(分割されていない)状態から(図262(a)、表示領域62が均等に2分割された状態(図262(e))に変化する。このように実施することにより、表示領域63の分割数を変化させる時に変化点が視覚的に認識されることはない。
以上の実施の形態は、分割数を増大させる(図262のA方向)実施の形態の説明であったが、逆もなりたつ。つまり、分割数を減少させるときは、図262のB方向に実施すればよい。
以上の動作あるいは制御は、コントローラ722で演算され、演算結果により、ゲートドライバ12bに印加されるスタートパルスが制御される。スタートパルスはシフトレジスタ内を順次シフトされる。つまり、スタートパルスにより、各画素行の画素16のスイッチ用トランジスタ11dがオンオフ制御される。
以上のように、本発明は、表示領域63と非表示領域62のうち、少なくとも一方の面積を略同一に保持しつつ、表示領域63と非表示領域62のうち、少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変する駆動方法と駆動装置である。
なお、表示領域63と非表示領域62の分割数を変化あるいは可変を開始するとき、1フレームあるいは1フィールド、場合によっては、数フレームあるいは数フィールドの期間は、表示領域63と非表示領域62の面積を略同一に保持できない場合がある。ゲートドライバ12bへのスタートパルスの入力が順番であり、一時的に非表示領域62あるいは表示領域63の面積が維持されたまま画面64を走査されていくからである。しかし、この期間は非常に短期間であること、また、面積のずれは大きくないことから、視覚的に認識されることはない。したがって、以上の場合も、本発明の範疇である。つまり、表示領域63と非表示領域62のうち、少なくとも一方の面積を略同一に保持して状態とみなす。
図263の実施の形態は、基準電流比を1とし、一定にした実施の形態であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図265に図示するように、基準電流比をduty比にあわせて変化させてもよい。この際、画面64の輝度を一定に保つには、表示領域63または非表示領域62の面積を調整すればよいことは言うまでもない。
基準電流比を変化させる場合は、表示領域63と非表示領域62のうち、少なくとも一方の面積を略同一に保持するという条件から逸脱する。基準電流比により、表示領域63の輝度が異なるからである。しかし、表示領域63の面積を変化あるいは調整することにより、表示画面64の輝度は一定に保持することができる。したがって、本発明は、表示画面64の輝度、あるいは表示画面から発生する光束量を略同一に保持しつつ、表示領域63と非表示領域62のうち、少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変する駆動方法あるいは駆動装置である。
なお、表示領域63と非表示領域62の分割数を変化あるいは可変を開始するとき、1フレームあるいは1フィールド、場合によっては、数フレームあるいは数フィールドの期間は、表示画面64の輝度を略同一に保持できない場合がある。ゲートドライバ12bへのスタートパルスの入力がゲートドライバ12bのシフトレジスタ内を順番にシフトされていく方式であり、スタートパルスのH、Lレベルにより、非表示領域62あるいは表示領域63の面積が維持されたまま画面64を走査されていくからである。スタートパルスはシフトレジスタ内を順次シフトされる。つまり、スタートパルスにより、各画素行の画素16のスイッチ用トランジスタ11dがオンオフ制御される。しかし、この期間は非常に短期間であること、また、輝度あるいは光束量のずれは大きくないことから、視覚的に認識されることはない。したがって、以上の場合も、本発明の範疇である。つまり、表示画面64の輝度などが略同一に保持された状態とみなす。
以上の実施の形態は、duty比あるいは基準電流比などの変化に伴い、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変する駆動方法を駆動装置である。しかし、本発明は、この場合に限定するものではない。たとえば、動画と静止画の変更時に、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変してもよい。動画では、分割数を少なくし、静止画では分割数を多くする。つまり、動画表示から静止画に変化した場合は、duty比などによらず、分割数を増加させる。静止画表示から動画画に変化した場合は、duty比などによらず、分割数を減少させる。図262では、表の横軸において、duty比1.0の方向を動画表示(方向)とし、duty比0.2の方向を、静止画表示(方向)と置き換えればよい(言い換えればよい)。もちろん、duty比、基準電流比なども変化させてもよいことは言うまでもない。
また、図263の実施の形態は、多段階に分割数を変更した実施の形態であったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図264に図示するように、1段階であってもよい。図263の実施の形態では、duty比が0.2(1/5)以下で分割数を4としている。duty比0.2以上の分割数1の状態から分割数4への変更は、図262を応用することによりスムーズに実現できる。図262は分割数が1から2への変更である。これを応用し、分割数1→分割数2→分割数3→分割数4と徐々に変化させていけばよい。あるいは、分割数4→分割数3→分割数2→分割数1と徐々に変化させていけばよい。もちろん、duty比の変化状態により、分割数1→分割数2→分割数3→分割数2→分割数1→分割数2→分割数3→分割数4となることもあることは言うまでもない。
以上の事項は、電流駆動の図1の画素構成の表示パネルに限定されるものではなく、電流プログラム方式の1つであるカレントミラー方式であっても、図11に図示する構成であっても適用できる。また、電圧駆動の画素構成であっても、図21(a)(b)(c)などの画素構成であっても適用できることは言うまでもない。
以上の実施の形態は、duty比あるいは基準電流比などの変化に伴い、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変する駆動方法を駆動装置であり、動画と静止画の変更時に、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変する駆動方法を駆動装置であるが、この駆動方式はリアルタイムで実施することに限定するものではない。計画された制御にもとづいて実施してもよい。また、一定の期間の変化をコントローラなどで関し、高速に変化する時は、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変せず、変化が継続的になされるときに、表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変してもよい。高速に変化する時に、変化に追随して表示領域63と非表示領域62の少なくとも一方の分割数を変更あるいは可変すると画像表示がフリッカ的になるからである。
以下、図面を参照しながら、本発明のアレイ基板またはパネルの検査方法について説明をする。図22は、本発明の検査方式の説明図である。端子382とはプローブ(図示せず)を介して、または、図217の配線2171で接続する。図223では、プローブ2173を省略している。なお、プローブに限定するものではなく、コネクタ接続であってもよい。
各端子382には、抵抗RとダイオードDが接続されている。抵抗Rは、複数のソース信号線18が短絡した場合に、過電流が流れることを防止すること、異常な電圧が各ソース信号線18に印加されることを防止するためである。ダイオードDは、電流が流れる方向を一方向に制限するためである。
ダイオードDは、個別部品としてプリント基板に実装する方法でもよいし、アレイ30にトランジスタを形成し、ダイオード接続して形成あるいは構成してもよい。たとえば、図251の実施の形態が例示される。図251はアレイ基板30にPチャンネルあるいはNチャンネルのTFTでダイオードを形成している。また、抵抗Rは配線による抵抗あるいは半導体膜による抵抗で形成している。なお、耐圧あるいは安定性の問題などからダイオードはPチャンネルトランジスタで形成または構成することが好ましい。
なお、図223では、各ソース信号線18にダイオードなどが接続されているとしている。しかし本発明はこれに限定するものではない。例えば、R用のソース信号線18を配線2171R(図221などを参照のこと)で共通し、この共通配線2171Rにダイオードなどを接続し、G用のソース信号線18を配線2171Gで共通して、この共通配線2171Gにダイオードなどを接続し、B用のソース信号線18を配線2171Bで共通し、この共通配線2171Bにダイオードなどを接続してもよい。表示領域64には、RGBのソース信号線18が隣接して形成されている。したがって、ソース信号線の隣接ショートは、R用ソース信号線18RとG用ソース信号線18Gの短絡、G用ソース信号線18GとB用ソース信号線18Bの短絡、または、B用ソース信号線18BとR用ソース信号線18Rの短絡であるからである。したがって、ソース信号線18の隣接ショートによる課題は、共通配線2171に接続したダイオードで防止することができる。
ダイオードに一端子は、配線2171で短絡されている。配線2171には、電流値を可変あるいは調整できる定電流源2174が接続されている。定電流源2174は、階調に対応したプログラム電流を発生することができる。n本のソース信号線18が共通にされている時は、階調のプログラム電流のn倍の電流を出力する(出力できる)。
図224は、各ソース信号線18にダイオードDが配置されていない例である。ソース信号線18aとソース信号線18b間に短絡(抵抗Rfで示す)が発生しているとする。また、検査は、スイッチSWGがクローズし、定電流源2174Gにより配線2171Gに定電流IGが印加されているとする。なお、図224などでは作図を容易にするため、また、説明を容易にするため、ソース信号線数はRGBで各2〜3本と少なくしているが、実際には、QVGAの場合は、配線2171で共通にされるソース信号線18は、RGBで各320本である。
図223では、IG=Ig1+Ig2である。短絡Rfが発生していると、Im1とIm2が流れ、IG=Ig1’+Ig2’+Im1+Im2となる(Im+Im1+Im2)。Im1とIm2の電流経路が発生するということは、Gの画素だけでなく、Rの画素も点灯することになり、また、定電流IGがIm1、Im2にも分割されることになるから、点灯状態も異常となる。図223では、Rの共通配線2171Rに接続されているR用ソース信号線は2本であるが、実際には、すべてのR用信号線が接続されている。したがって、表示は、G画素とR画素が、同時に点灯する状態となり、検査することができない。
図225は、各ソース信号線18にダイオードDを挿入あるいは配置した構成である。図224と同様に、短絡Rfが発生している。図225では、ダイオードDが抵抗R1rに直列に挿入されているため、IG=Ig1+Ig2+Im2となる。つまり、Im1の電流経路が発生しない。したがって、短絡Rfが発生していることにより、1組の隣接したソース信号線18が点灯するが、他のR用画素は点灯することはない。したがって、G画素の一括点灯による画像表示による検査と、Gのソース信号線18と隣接したソース信号線を検出することができる。
以上の検査を、定電流源2171R、2171G、2171BをスイッチSW(SWR、SWG、SWB)で選択し、検査を実施する。
図225は、画素16の駆動用トランジスタ11aの特性を検査あるいは特性を評価する方法を説明する説明図である。なお、本発明では、定電流源2171R、2171G、2171BをスイッチSW(SWR、SWG、SWB)で選択し、順次検査を実施するが、説明を容易にするため、各定電流源2171(2171R、2171G、2171B)の定電流をI1とし、そのうち1つを例示して説明をする。
図226の検査では、ゲートドライバ回路12aは、画像を表示するように動作する。あるいはその動作と類似で動作する。この方法はすでに何度も説明しているので説明を省略する。図226で図示するように、水平走査クロックにより、ゲートドライバ12aはシフト動作し、ゲート信号線17aは順次選択される。図226では、選択されるゲート信号線17aを1、2、3、4、5、6、・・・・・・・N、1、2、3、・・・・・・・と図示している(図8とその説明を参照のこと)。数字は、選択した画素行を示す。ゲートドライバ12bにはスタートパルス(ST2、図8とその説明を参照のこと)が印加されないため、EL素子う15にが電流は供給されない。すべてのゲート信号線17bは非選択状態である。この状態を図226では、−で示している。したがって、表示領域64は非点灯である。
この状態で、図221で図示するように、各配線2171に電圧測定手段1701を用いて配線2171の電位を測定する。図226では、測定される画素行を1、2、3、4、5、6、・・・・・・・N、1、2、3、・・・・・・・と図示している。つまり、数字は、測定を行っている画素行を示す。測定されている画素行に異常が発生していると、ソース信号線18の電位を示す共通配線2171の電位が標準値から離れるので検出できる。異常とは、駆動用トランジスタ11aのソース−ドレイン端子の短絡などである。
点灯検査を行う場合は、以下のようにして実施する。図226において、ゲートドライバ回路12aとゲートドライバ12bは、画像を表示するように動作する。あるいはその動作と類似で動作する。この方法はすでに何度も説明しているので説明を省略する。図226で図示するように、水平走査クロックにより、ゲートドライバ12aはシフト動作し、ゲート信号線17aは順次選択される。図225では、選択されるゲート信号線17aを1、2、3、4、5、6、・・・・・・・N、1、2、3、・・・・・・・と図示している(図8とその説明を参照のこと)。ゲートドライバ12bには絶えず、スタートパルス(ST2、図8とその説明を参照のこと)が印加する。したがって、すべてのゲート信号線17bは選択状態である。したがって、画素15のEL素子15は点灯する。この点灯状態から画素欠陥を検出できる。
図226において、図221で図示するように、各配線2171に電圧測定手段1701を用いて配線2171の電位を測定するとした。具体的には、図227で図示するようにスイッチSW1により、定電流源2174から、定電流Ibを配線2171に印加し、スイッチSW2をクローズすることにより、配線2171の電位を電圧測定手段1701に導き、電位を測定する。
図227では、ソース信号線18、画素16などの保持特性も測定できる。図227で図示するようにスイッチSW1により、定電流源2174から、定電流Ibを配線2171に印加する。ゲートドライバ回路12aは、画像を表示するように動作する。あるいはその動作と類似で動作する。図226で図示するように、水平走査クロックにより、ゲートドライバ12aはシフト動作し、ゲート信号線17aは順次選択される。図226では、選択されるゲート信号線17aを1、2、3、4、5、6、・・・・・・・Nと図示している(図8とその説明を参照のこと)。数字は、選択した画素行を示す。最終画素行Nまで書き込むと、スイッチSW1をオープンし、スイッチSW2をクローズさせて電圧測定手段1701でソース信号線18の電位変化を測定する。この測定により保持特性を取得できる。画素行などに異常が発生していると、ソース信号線18の電位を示す共通配線2171の電位が急激に変化するので検出できる。異常とは、駆動用トランジスタ11aのソース−ドレイン端子の短絡、ソース信号線18の隣接ショートなどである。
保持特性は1画素行ずつでも測定あるいは評価できる。その実施の形態を図228に図示している。図227、図228で図示するようにスイッチSW1により、定電流源2174から、定電流Ibを配線2171に印加する。ゲートドライバ回路12aは、画像を表示するように動作する。あるいはその動作と類似で動作する。図228で図示するように、水平走査クロックにより、ゲートドライバ12aはシフト動作し、ゲート信号線17aは順次選択される。図228では、選択されるゲート信号線17aを1、2、3、4、5、6、・・・・・・・Nと図示している。Nは最終画素行である。数字は、選択した画素行を示す。最終画素行Nまで書き込むと、スイッチSW1をオープンし、スイッチSW2をクローズさせる。
次の周期では、図228で図示するように、水平走査クロックにより、再びゲートドライバ12aをシフト動作させ、ゲート信号線17aは順次選択される。同期させて、各画素行から出力される電流(実際に測定されるのは電圧)を電圧測定手段1701で測定する。図228では、測定される画素行を1、2、3、4、5、6、・・・・・・・Nと図示している。Nは最終画素行である。画素16のコンデンサ19の電位が低下していると測定される電位も低くなる。
図229は定電流源2174の出力電流を変化(I1、I2、I3・・・・・)と変化させ、また、ゲートドライバ12aを走査してゲート信号線17aに順次オン電圧を印加した実施の形態である。オン電圧の印加に同期して、ソース信号線18の電位を電圧測定手段1701で測定する。ソース信号線18の電位を測定することにより画素16の欠陥、特性を測定することができる。また、定電流源2174の出力電流を変化させることにより、階調に対する画素16特性も検査することができる。
図230は、表示パネルを点灯検査する実施の形態である。定電流源2174から所定の定電流I1を印加し、ゲートドライバ12aを動作させて、ゲート信号線17aを順次選択する。ゲート信号線17aを順次選択し、定電流I1を画素に書き込む。図1におけるゲート信号線17bは常時選択状態とするが、画素16に電流I1を書き込むときは、対応する画素行のゲート信号線17bにはオフ電圧を印加する。
以上のように動作させることにより、画面94全体にI1電流の電流プログラムが実施され、画像表示される。この画像表示状態から画素欠陥、不良、表示状態を検査することができる。
図231は、本発明の表示パネルの定電圧検査の説明図である。スイッチSWにより、配線2171を介して、各ソース信号線18にアノード電圧Vddを印加する。なお、アノード電圧Vddは適正な電圧に可変(調整)して検査する。
図232は、駆動方法(検査方法)の説明図である。検査は点灯検査である。アノード電圧を各ソース信号線18に印加し、ゲートドライバ12aを動作させて、ゲート信号線17aを順次選択する。ゲート信号線17aを順次選択し、定電圧Vdd=V1を画素に書き込む。図1におけるゲート信号線17bは常時選択状態とするが、画素16に電流I1を書き込むときは、対応する画素行のゲート信号線17bにはオフ電圧を印加する。
以上のように動作させることにより、画面94全体にV1電圧の電圧プログラムが実施され、画像表示される。この画像表示状態から画素欠陥、不良、表示状態を検査することができる。
図233は、定電流をEL素子15に流し込んで検査する検査あるいは評価方法の説明図である。図233(a)に図示するように、画素構成は図1と類似する。差違は、トランジスタ11bを制御するゲート信号線17a1と、トランジスタ11cを制御するゲート信号線17a2が分離されている点である。
検査工程では、図233(b)に図示するように、ゲート信号線17a1には、オフ電圧を引火し、トランジスタ11bをオフ状態に設定する。したがって、トランジスタ11aは駆動電流を出力しない。一方、ゲート信号線17a2は1つずつ順次選択する。ゲート信号線17a2が選択されると選択された画素行に、図234に図示するように、定電流回路2174からの電流Iが印加される。印加された電流Iは、1画素行のすべてのEL素子15に分流されて印加される。図235に図示するように、スイッチSW1のクローズにより、定電流I(I=I1+I2+I3+・・・・・・・・)が選択された1画素行に印加され、EL素子15が発光する。各画素16のEL素子15の特性が同一であれば、I1=I2=I3=・・・・・・・・・の関係となるが、実際には、EL素子15の特性が異なるため、選択された1画素行の各画素16のEL素子15に流れる電流は異なる。EL素子15に流れる電流が異なれば、発光輝度が異なる。この発光輝度の差違を光学的検出手段(視覚、CCD、ホトセンサ、カメラなど)で検出あるいは測定することにより、表示パネルの検査を実現できる。
図236は図235などの検査方法の説明図である。定電流を各ソース信号線18に印加し、ゲートドライバ12aを動作させて、ゲート信号線17a2を順次選択する。ゲート信号線17a1は非選択状態とする。また、ゲート信号線17bは常時選択状態とする。ゲート信号線17a2を順次選択し、定電流I1を画素に書き込む。
以上のように動作させることにより、画面94を1画素行(場合によっては、複数の画素行を同時に選択してもよい)し、定電流を画素行に印加することにより、EL素子15を点灯させることができる。この画像表示状態から画素欠陥、不良、表示状態を検査することができる。
また、図239に図示するように、1画素行ずつ電圧源2381で、電圧Vを画素行に書き込み、その時の電流を測定し、電圧Vを可変して所定電流となるまで繰り返しても良い。所定電流賭成った時のソース信号線18に印加した電圧Vを測定し、プリチャージ電圧Vとしてもよい。
なお、以上の検査などは、配線2171で複数のソース信号線18を共通にして測定あるいは評価するとしたが、本発明はこれに限定するものではない。各ダイオードDと配線2171間に選択スイッチを配置し、この選択スイッチを制御して、1本あるいは複数本のソース信号線18を選択し、検査あるいは評価を行ってもよい。
また、本発明の実施の形態では、画素構成は図1あるいは図1と類似の画素構成を例示して説明した。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図237の画素16がカレントミラー回路であっても、ゲート信号線17aを選択することにより、電流Iまたは電圧を画素16に印加することができる。また、図238のように画素16が2つのトランジスタで構成される構成であっても、ゲート信号線17aを選択することにより、電圧Vを画素16に印加することができる。したがって、これまでに説明した検査方式を実施することができる。
また、図235では、全ソース信号線18に電流Iを印加するとしたが、これに限定するものではなく、図240に図示するように、隣接したソース信号線18には、別電流源(奇数番目のソース信号線18には、定電流源2174aを接続し、偶数番目のソース信号線18には、定電流源2174bを接続している)を接続してもよい。また、定電流源は定電圧源としてもよい。
また、本発明の検査方法には多種の方式がある。図241は、配線2171と接続をするアナログスイッチS(S1、S2、S3、・・・・・・・・)が形成または配置されている。任意のスイッチSを選択することにより、電流源2174の電流が端子382を介して選択したソース信号線18に印加される。このように構成することにより、選択したソース信号線18ごとに検査あるいは評価を実現できる。もちろん、図242に図示するように、スイッチSを形成せずとも検査を実施できることは言うまでもない。ただし、少なくとも1画素行を選択し、1画素行ごとの検査となる。また、図241のように画素列方向に検査を実施する場合は、図243に図示するように、表示領域94をブロックaに分割し、一定の範囲内(a範囲)のソース信号線18を選択して検査を実施することが好ましい。
図266はソース信号線18の信号波形である。図266(a)の電流駆動の場合はプログラム電流が微弱であるため、寄生容量により信号波形はなまってしまう(書き込み不足する)。図266(b)の電圧駆動の場合は、ソースドライバ回路(IC)14の出力インピーダンスが小さいため、ソース信号線18に印加される信号波形は、ほとんど、なまることがない。したがって、駆動信号を確実に画素16に書き込める方法としては電圧駆動方式が良好である。しかし、電圧駆動方式では画素16に駆動用トランジスタ11aのバラツキを補償することができない。電流駆動では画素16の駆動用トランジスタ11aを良好に補償することができる。
以下に本発明の他の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、主として図35から図111の本発明の駆動方式のいずれか、あるいは組みあせたものと類似または発展あるいは改良もしくは変更したものである。あるいは追加、組み合わせたものである。また、類似あるいは組み合わせたものである。したがって、図35から図111の本発明の実施で説明した事項は、以下に説明する本発明に適用もしくは組み合わせることができることは言うまでもない。
特に、ソースドライバ回路(IC)14から所定の電流をソース信号線18に印加し、ソース信号線18の電位を測定して、測定したデータを記憶し、また、電圧階調に対応するデータを発生する点は基本的には同一である。たとえば、図170〜図204の構成と図267の構成は同一または類似する。したがって、以前に説明した本発明の構成は以下の本発明の実施の形態にも適用される。また、組み合わせることができる。
以下、図267などを参照しながら、本発明の駆動方式を説明する。なお、駆動方式とは駆動回路と駆動方法である。定電流出力回路334は所定の階調番号に対応する電流を出力する。説明を容易にするため、一例として出力する階調電流I1は、256階調の128階調目であり、その値がI1=1μAであるとする。なお、定電流出力回路334はすべての階調に対応するプログラム電流を出力する必要はなく、128階調目、64階調目、0階調目、1階調目、255階調目など特定の階調の電流を出力できればよい。もちろん、全階調電圧を出力できる電圧階調回路371に構成することが望ましいことは言うまでもない。また、低階調(127階調以下)のプログラム電圧を出力できるものであればよいことは言うまでもない。また、複数のプログラム電圧または定電圧を出力できるものであればよい。
なお、説明を容易にするため、定電流出力回路334はソースドライバ回路(IC)14内に形成あるいは構成するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、ソースドライバ回路(IC)14外に定電流I1を発生する回路を設け、この定電流I1はスイッチ回路を介して、ソース信号線18に供給し、画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧(ソース信号線18)V1を測定してもよい。
また、測定した電圧は、ソースドライバ回路(IC)14の外部に配置したEEPROMに書き込み、書き込んだデータから画素16の駆動用トランジスタ11aV−Iカーブを発生させてもよい。以上の測定はパネル出荷前のパネル調整工程で実施してもよいことは言うまでもない。
まず、駆動用の電圧データを測定あるいは発生する測定段階について説明をする。測定段階は、電源投入時など、画像表示を行っていない状態で実施する。または、画像表示に影響を与えない状態で実施する。
なお、説明を容易にするため画素16構成は、図1、図18、図19などの電流駆動型であるとする。図267の実施の形態である本発明の駆動方式は、ソースドライバ回路(IC)14から印加する定電流を、該当駆動用トランジスタ11aなどに流し、駆動用トランジスタ11aのゲート端子の電位を変化させ、ソース信号線18の電位を測定する必要があるからである。なお、定電流とは、0μA(電流0)も含む。
電流を流す場合、駆動用トランジスタ11aから流れる電流がソース信号線18に流入あるいは流出するように画素16が構成されている必要がある。電圧駆動型の画素(たとえば、図2の画素構成)では、駆動用トランジスタ11aからの出力電流はソース信号線18には流れ込まない。また、電圧オフセットキャンセル型の画素構成では、ソース信号線18と駆動用トランジスタ11a間はコンデンサでDC電流のカットが行われている。したがって、本発明のEL表示パネルには採用できない。しかし、駆動用トランジスタ11aあるいはEL素子15に流す電流を規定するトランジスタに電流を流し、そのゲート端子の電圧を測定あるいは把握できる構成であれば採用できる。また、後に説明する本発明の実施の形態を適用することにより、以下の本発明の駆動方式を実現することができる。
以上のように、本発明は、画素構成は電流駆動型の画素構成であり、この画素にプログラム電圧を印加し、電圧駆動(プログラム電圧を印加)を実施するものである。また、少なくとも1点以上の画素16の駆動用トランジスタ11aの特性カーブの電圧(0μAである原点も含む)を測定し、この電圧から電圧駆動に対応する特性カーブを発生し、駆動するものである。階調0の電圧を測定あるいは発生し、この階調0の電圧を基準に電圧プログラムデータを発生し、駆動する状態は電圧オフセットキャンセルと同一あるいは類似の電圧方式である。もちろん、階調0に限定するものではない。ただし、階調0の測定電圧値を精度よく求めることにより、精度のより電圧オフセットを実施することができ好ましい。また、階調0以外であれば、中間階調(最大階調の1/8以上1/2以下の階調)で測定あるいは求めた電圧値を用いて特性カーブを求めることが好ましい。この範囲での駆動用トランジスタの特性バラツキがめだつからである。
駆動用トランジスタ(EL素子15に電流を供給するトランジスタまたは前記トランジスタに流れる電流を規定するトランジスタ)の特性カーブは、多項式を演算することにより、あるいはマトリックステーブルあるいはルックアップテーブルを参照することにより、発生することができる。前記処理は、映像信号データに対応して逐次求めてもよいし、あらかじめ求めておいてもよい。また、すべての映像信号データに対応して求める必要はなく、間欠あるいは飛び飛びにもとめてもよい。近傍の画素の映像信号データは近似しており、また、アレイ30の駆動用トランジスタなどの特性も近傍の画素では近似しているからである。
以上のように構成することにより、本発明のEL表示装置は電圧駆動と電流駆動の両方が実施できることになる。したがって、電圧+電流駆動を実施することができる(図36などを参照のこと)。特に、プログラム電流の小さい低階調領域では、精度のよい電圧駆動を実施することができ、プログラム電流が大きい高階調領域では、精度のよい電流駆動を実施することができ、また、電圧駆動と電流駆動とを双方を補完した駆動方式を実施することができる。
複数のソースドライバ回路(IC)14を用いる場合は、各ソースドライバ回路(IC)14内に電圧測定回路1701を構成あるいは形成し、複数のソースドライバ回路(IC)14のうち、1つの電圧測定回路1701を動作させ、この電圧測定回路1701からのプリチャージ電圧Vpcを他のソースドライバ回路(IC)14に供給あるいは印加すればよい。図288はこの構成の説明図である。3つのソースドライバ回路(IC)14は、マスタースレーブ選択端子(M/S)により、マスターとスレーブ設定がロジック的に設定される。マスターモードの時は、M/S端子はロジックレベル1とされ、スレーブモードの時は、M/S端子はロジックレベル0と設定される。
図288ではソースドライバ回路(IC)14aがマスターモードに設定され、ソースドライバ回路(IC)14bと14cがスレーブモードに設定されている。マスターモードでは、ソースドライバ回路(IC)14a内の電圧測定回路1701が動作し、ソース信号線18sの電位を測定してプリチャージ電圧V0〜V5を出力する。出力されたプリチャージ電圧V0〜V5はスレーブモードのソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電子ボリウム回路などに印加される。スレーブモードに設定されたソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電圧測定回路1701は動作しないように構成されている。
以上のように、マスターモードとスレーブモードがソースドライバ回路(IC)14に設定されるのは、プリチャージ電圧Vpcを測定するソース信号線18sまたは測定画素16sが表示領域64以外の箇所に形成されるためである。したがって、これらは、表示領域64の端に構成されることになる。したがって、プリチャージ電圧Vpcを測定するソースドライバ回路(IC)14は、表示画面64の端に位置するものが選択されることになる(図288ではソースドライバ回路(IC)14aが該当する)。この選択をM/S端子で設定する。
表示領域64の両端にソース信号線18s、測定画素16sが形成できる場合は、画面64の両端に位置するソースドライバ回路(IC)14(14a、14d)をマスターモードに設定する。ソースドライバ回路(IC)14aが出力するプリチャージ電圧Vpcを選択するか、ソースドライバ回路(IC)14dが出力するプリチャージ電圧Vpcを選択してスレーブモードのソースドライバ回路(IC)14に印加するかは、スイッチSaとSbにより行う。
ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにする時は、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにして、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。ソースドライバ回路(IC)14dをマスターモードにする時は、スイッチSbをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14aをスレーブモードにして、スイッチSaをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)は常時スレーブモードとして使用する。
ソースドライバ回路(IC)14aを常時マスターモードするか、もしくはソースドライバ回路(IC)14dを常時マスターモードするかを固定する方法も例示されるが、ソースドライバ回路(IC)14aとソースドライバ回路(IC)14dを交互にマスターモードにして使用するほうが、プリチャージ電圧Vpcが平均化され、良好な結果が得られる。切り換えは、1フィールドあるいは1フレームなど周期的に行う。もちろん、1水平走査期間などの周期で切り換えてもよい。また、マスターモードにするソースドライバ回路(IC)14は、2つ以上であってもよい。たとえば、4つであれば、4つのソースドライバ回路(IC)14から1つのスイッチSを制御してプリチャージ電圧Vpcを他のソースドライバ回路(IC)14に印加すればよい。
たとえば、第1フレームで、ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにし、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにし、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。第1フレームの次の第2フレームでは、ソースドライバ回路(IC)14dをマスターモードにし、スイッチSbをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14aをスレーブモードにし、スイッチSaをオープンにする。同様に、第2フレームの次の第3フレームでは、ソースドライバ回路(IC)14aをマスターモードにし、スイッチSaをクローズし、ソースドライバ回路(IC)14dをスレーブモードにし、スイッチSbをオープンにする。他のソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)はスレーブモードとして使用する。
図289は3つのソースドライバ回路(IC)14にAD変換回路からのデジタル信号にされたプリチャージ電圧Vpcを印加した構成である。
複数のソースドライバ回路(IC)14を用いる場合は、各ソースドライバ回路(IC)14内に電圧測定回路1701を構成あるいは形成し、複数のソースドライバ回路(IC)14のうち、1つの電圧測定回路1701を動作させ、この電圧測定回路1701からのプリチャージ電圧Vpcを他のソースドライバ回路(IC)14に供給あるいは印加すればよい。図288はこの構成の説明図である。3つのソースドライバ回路(IC)14は、マスタースレーブ選択端子(M/S)により、マスターとスレーブ設定がロジック的に設定される。マスターモードの時は、M/S端子はロジックレベル1とされ、スレーブモードの時は、M/S端子はロジックレベル0と設定される。
図288ではソースドライバ回路(IC)14aがマスターモードに設定され、ソースドライバ回路(IC)14bと14cがスレーブモードに設定されている。マスターモードでは、ソースドライバ回路(IC)14a内の電圧測定回路1701が動作し、ソース信号線18sの電位を測定してプリチャージ電圧V0〜V5を出力する。出力されたプリチャージ電圧V0〜V5はスレーブモードのソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電子ボリウム回路などに印加される。スレーブモードに設定されたソースドライバ回路(IC)14(14b、14c)の電圧測定回路1701は動作しないように構成されている。
以上のように、マスターモードとスレーブモードがソースドライバ回路(IC)14に設定されるのは、プリチャージ電圧Vpcを測定するソース信号線18sまたは測定画素16sが表示領域64以外の箇所に形成されるためである。したがって、これらは、表示領域64の端に構成されることになる。したがって、プリチャージ電圧Vpcを測定するソースドライバ回路(IC)14は、表示画面64の端に位置するものが選択されることになる(図288ではソースドライバ回路(IC)14aが該当する)。この選択をM/S端子で設定する。
図267の構成は、図9、図22、図24、図25、図29、図35、図36、図37〜図40、図53、図61、図75などの本発明のソースドライバ回路(IC)14に、ソース信号線18に発生している電位を順次選択して出力するか、あるいは複数のソース信号線18を選択してその電位を出力するスイッチSx(x=1〜n:nはソース信号線18の形成数)を付加した構成である。スイッチSxは、ソースドライバIC(回路)14内に形成する。もちろん、スイッチSxはアレイ基板(ガラス基板)に形成あるいは配置してもよい。また、スイッチSxの機能を有するスイッチングICをアレイ基板にCOG実装などをおこなってもよい。
なお、ソース信号線18の電位を測定するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、電荷の移動を検出したり、電界の強度を測定したりして、近似的にソース信号線18の電位を測定あるいは推定するものであればよい。また、ソース信号線18の電位に限定するものではなく、画素16の駆動用トランジスタ11のゲート端子電圧を直接にあるいは間接的に測定できるものであればいずれの構成であってもよい。
また、本発明は、ゲートドライバ回路12aを制御し、ゲート信号線17aを順次選択し、選択した画素行の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を順次測定する点にも特徴がある。つまり、画素行を選択し、規定の定電流をソース信号線18に印加し、選択した画素行の駆動用トランジスタのゲート端子電圧を測定する。もちろん、複数のゲート信号線17aを同時に選択して実施してもよい。また、すべてのゲート信号線17bを同時に選択してもよい。測定時は、ゲート信号線17bにはオフ電圧を印加する。
測定は十分時間をかけて行われる。測定したゲート端子電圧から前記駆動用トランジスタのV−I特性を推定する。映像信号は、推定されたV−Iカーブからプログラム電圧に変換され、前記プログラム電圧が画像表示時にソース信号線に印加される。
なお、説明を容易にするため、プログラム電圧を印加するとして説明するが、これに限定するものではなく、プログラム電流であってもよいことは言うもでもない。つまり、電流駆動を実施する。その際は、測定した電圧から、階調0に相当する電圧を必要に応じてソース信号線18に印加し(プリチャージ駆動(電圧駆動、過電流駆動))、その後、階調に対応するプログラム電流を印加する。
スイッチSx(x=1〜n)は、各ソース信号線18に形成され、スイッチSxは主としてアナログスイッチで形成される。スイッチSxは、電圧の検出だけであり、電流はほとんど流さないからスイッチのサイズが小さな、高インピーダンスのもので十分である。
スイッチSxは、図271、図268に図示するように、A端子から各ソース信号線18に電位を入力あるいは出力できるように構成してもよい。また、スイッチSxで入出力するのは電圧だけでなく、電流、電荷であってもよいことは言うまでもない。
スイッチSxはソースドライバ回路(IC)14内に形成すること限定されるものではなく、ソースドライバ回路(IC)14外に形成してもよい。たとえば、プローブ針を各ソース信号線18に接続し、各プローブ針をリレー回路などにより選択することにより、各ソース信号線18に電圧を印加したり、電圧を出力したり、また、電流を印加したり、電流を取り出したりする構成が例示される。
スイッチSxは各ソース信号線18に形成するとしたが、これに限定するものではなく、たとえば、奇数番目のソース信号線18のみに形成してもよい。またRGBの画素16の組みうちを1つを選択してもよい(たとえば、G画素が選択されたソース信号線18G)。4の倍数に位置するソース信号線18に形成してもよい。また、表示パネルの構成によっては、ゲート信号線17にスイッチあるいはそれに類するものを形成もしくは接続してもよい。
スイッチSxは図269で説明するように、各カソード線(アノード線)を選択するように形成してもよいことは言うまでもない。つまり、本発明の構成は、各画素16あるいは選択した画素16に印加する電圧あるいは出力される電圧もしくは電流(EL素子15に流れる電流、EL素子15に流れ込む電流など)もしくはこれらに類する電流あるいは電圧を、検出あるいは出力もしくは選択して処理できるように構成するものであればいずれの構成であってもよい。
なお、図267の構成図は、ソースドライバ回路(IC)14内にAD変換(アナログーデジタル変換回路)、メモリ(RRPROM、フラッシュメモリ2831など)351などを形成または配置するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、図271に図示するように、ソースドライバ回路(IC)14に端子Aを設け、ここからソース信号線18に印加あるいは出力されている電圧を出力し、この電圧を外部に配置または構成したAD変換回路1711に印加するように構成してもよい。
また、図271に図示するようにメモリ351も外付け部品を用いてもよい。また、図268に図示するように、定電流出力回路334(もしくは電流階調回路)もソースドライバ回路(IC)14外に形成または配置し、この定電流出力回路334からの出力電流を各ソース信号線18に印加できるように構成してもよいことは言うまでもない。また、ソース信号線18の電位をアナログサンプルホールドして、一定の期間保持してもよい。このようにすることにより、AD回路1711、メモリ351、DA回路などが不要になる。
図267のブロック図は本発明のソースドライバ回路(IC)14を説明するブロック図である。端子93はアレイ基板のソース信号線18の端子と接続する。定電流出力回路334は電流階調回路である。電圧出力回路371は電圧階調回路であり、プログラム電圧を出力する。シフトレジスタ352は外部クロックによりスイッチ回路S(S1〜Sn、nは画素行数)を順次選択し、端子93に印加されている電圧をアナログ−デジタル変換回路(A/D回路)1711と接続する。
A/D回路1711は各ソース信号線18に印加された電圧(端子93に印加された電圧)をデジタル化して、ソースドライバ回路(IC)14のメモリ351に保持する。各メモリのビット数は8ビットであり、メモリ351は、画素数分が作製または形成されている。もちろん、JPEG技術などにより圧縮を実施してメモリ351に格納してもよい。また、全画素分をメモリ351に格納する必要はなく、一定の間隔で選択した画素16のデータのみをメモリ351に格納してもよい。格納されていない画素のデータは、格納した画素のデータから補間して発生する。また、各ソース信号線18に接続された画素16のデータを平均処理などを実施して、ソース信号線18ごとにデータを求め、メモリ351に格納(記憶)してもよい。
A/D回路1711により、端子93に印加されている電圧(ソース信号線18の電位=駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧)をデジタル化するとしたが、これに限定するものではない。アナログ信号をサンプルホールドし、アナログ信号から電圧階調データを生成できる場合は、A/D回路1711、メモリ351などは不要である。
なお、説明に不要な箇所は省略している。また、本発明の他の実施の形態と組みあせることができることもいうまでもない。
図267をさらに主要部を取り出すと、図270の構成となる。スイッチSvをクローズすることによりプログラム電圧が出力される。スイッチSiをクローズすることにより定電流が出力される。定電流回路334は単位トランジスタで構成される。また、1μA、0.5μAなど規定の電流を選択して出力される構成が例示される。
本発明のEL表示パネル(表示装置)は、本発明のソースドライバ回路(IC)14を用いる。図267において、定電流出力回路334は所定の定電流I1をソース信号線18に供給する。ゲートドライバ回路12は順次画素行を選択する。図272(a)に図示するように、画素16は駆動用トランジスタ11aを介してソース信号線18に定電流I1を供給する。駆動用トランジスタ11aのゲート端子は、定電流I1を流せるように電位が変化する(図272(b)を参照のこと)。駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位はスイッチ用トランジスタ11cを介してソース信号線18と接続されている。したがって、ソース信号線18の電位をA/D回路1711で測定すれば、定電流I1を流す場合の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定あるいは把握することができる。
以上のことから、定電流I1を流すプログラム電圧V1を測定できることになる。前記プログラム電圧V1は駆動用トランジスタ11aの特性カーブ(ゲート電圧−出力電流(V−I)カーブ)の一点である。このV1から、特性カーブを推定できることになる。
なお、プログラム電圧V1は特性カーブの任意の一点でよい。階調0番目の電圧V0であってもよい。ただし、階調0番目の定電流は0である。V0は電流0のときの駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧である。
表示領域64の画素16はレーザーアニ−ル特性ムラなどにより特性がばらついている。しかし、定電流I1を流し、V1電圧を測定し、V1電圧の大きさから各画素の特性を把握することができる。したがって、V1電圧の大きさから各画素16の特性カーブを求めることができる。特性カーブは、V1データからマトリックステーブルあるいはルックアップテーブル変換によりリアルタイムに求める。また、単項あるいは多項の演算式により求めることもできる。
ルックアップテーブル2991による変換を図299に図示している。8ビットの映像データDATAはルックアップテーブル2991に入力される。測定された8ビットのV0x(V1x)データもルックアップテーブル2991に入力される。V0x(V1x)データがアドレスとなり、ルックアップテーブル2991の1つの階調特性データを指定する。また、映像データDATAにより前記指定された階調特性データより、映像データDATAに対応する階調VDATAが選択される。VDATAは9ビットで出力される。VDATAは図286に図示するように、電子ボリウム291に入力され、電子ボリウム291は、VbbとVdd間の電圧を複数にきざんで出力する。電子ボリウム291の出力は電圧階調回路371に入力される。
以上により電圧階調プログラムデータが求まる。つまり、映像階調データは推定あるいは求められたV−Iカーブで電圧階調プログラムデータに変換される。変換は画素16ごとに行われる。電圧階調データの精度を高めるためには、定電流出力回路334から複数の定電流を発生させ、各定電流を各表示領域64の画素16に流し、ソース信号線18の電位を測定すればよい。
電圧V1を測定するときは、出力端子93a〜93nから定電流I1を流し、ゲートドライバ回路12aを選択し、選択された画素16行の駆動用トランジスタ11aからI1電流を供給する。前記状態で、シフトレジスタ回路352は、スイッチS1からSnを順次選択し、A/D回路1711でソース信号線18の電位を測定する。A/D回路1711でデジタル変換された8ビットの電圧データは図273(a)に図示するように、論理的にはマトリックス状の配置されたSRAM、EEPROM351に格納される。なお、8ビットに限定されるものではない。少なくとも4ビット以上あればいずれのビット数であってもよい。
図273において、a、b、c、d、・・・・は画素列を示している。1、2、3、4、・・・・・は画素行を示している。スイッチS1〜snを順次選択し、1画素行の画素16の駆動用トランジスタ11aの特性の測定を完了すると、ゲートドライバ回路12aを制御して選択位置を1画素行シフトさせ、次の画素行の画素16の特性を測定する。
図274は、図267をさらに詳細に記載したブロック図である。VDATAにより、電圧プログラムデータが発生させられる。プリチャージ電圧Vpcを印加するときは、OR回路2741のPCHG端子にHレベル信号が印加され、スイッチ221aがクローズする。また、プリチャージ電圧VpcのデータPDATAにより電子ボリウム291はプリチャージ電圧Vpcを発生させ、スイッチ221cはa端子を選択し、端子93からプリチャージ電圧Vpcが出力される。ソース信号線18の電位を測定(V1電圧を測定)するときは、シフトレジスタ回路352によりOR回路を介して、順次スイッチ221aをクローズし、またスイッチ221cはb端子側に切り替えられ、A/D回路1711と接続される。測定されたV1データはメモリ351に格納され、格納されたデータは電圧出力回路371で各映像データに対応する階調データVDATAに変換され、画像表示期間に端子93から出力される。
電圧データはすべての画素16に対して格納する必要はない。たとえば、図273(b)に図示するように、間引いて格納してもよい。図273(b)において、画素列は、a、c、e、g、i・・・・と格納し、画素行は8画素行置きの8、16、24、32、40・・・・と格納している。近傍の各画素16の特性は近似しているから、間引いて取得した画素16の特性からSRAMに格納しなかった画素16の特性を求めることができるからである。
以上の実施の形態では、ソースドライバ回路(IC)14から1μA、0.5μAなどの定電流I1をソース信号線18または駆動用トランジスタ11aに供給し、ソース信号線18の電位V1を測定する。あるいは電位を推定する。もしくは、該当の画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定する。また、定電流を流さない時のソース信号線18の電位V0を測定するとした(図275(a)を参照のこと)。この測定したV1とV0から駆動用トランジスタ11aの特性カーブを求め、各階調に対応する電圧プログラムデータを作成する。特性カーブは略2乗カーブである。したがって、V0を基点とし、一定の刻みを加算して各階調に対する電圧値を求める。また、V0を基点とし、V0とV1から特性カーブを想定し、各階調に対する電圧値を求める。
ソースドライバ回路(IC)14には、各画素16のV0データ、もしくは各画素16のV0とV1データをメモリする。他の階調に対する電圧値は、メモリしたV0データ、V0とV1データから映像信号データに対応して、その都度、発生し、発生したプログラム電圧をソース信号線18に印加する。印加したプログラム電圧はゲートドライバ回路12aと同期して、各画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子に印加され、1フィールド(フレーム)の期間、保持される。
また、V0のみを測定し、特性カーブを想定して電圧階調を求めてもよい。また、図275(b)に図示するように、定電流I2をソース信号線18に印加し、画素16の駆動用トランジスタ11aからI2電流を供給し、I2電流に対するソース信号線18の電位V2を求め、V0、V2、V1から階調電圧を求めてもよい。つまり、本発明の駆動方式は、少なくとも1つの定電流(電流0を含む)からソース信号線18の電位を測定し、測定した電位から、階調に対応する電圧(プログラム電圧)を求めるものである。
また、V0電圧などから特性カーブを求める場合は、V0電圧から特性カーブ(V−Iカーブ)の傾きが固定であるとしてもよい。図276(a)はその実施の形態である。ある画素16の0階調目の電圧値がV0aとし、他の画素16の0階調目の電圧値がV0bとする。V0aを用いて点線の特性カーブを発生する。V0bを用いて実線の特性カーブを発生する。点線の特性カーブと実線の特性カーブの傾きは同一であるとして、特性カーブを発生させる。つまり、基点のV0aとV0bがシフトしたとして特性カーブを発生させる。
図276(b)は特性カーブの傾きを変化させている。立ち上がり電圧が高い場合(図276(b)のV0bはV0aよりも立ち上がり電圧が高い)は、特性カーブの傾きを小さくする(図276(b)の実線は点線よりも傾きが小さい)。立ち上がり電圧が高い場合は、駆動用トランジスタ11aのモビリティが悪い場合が多いからである。立ち上がり電圧が低い場合は、特性カーブの傾きを大きくする。立ち上がり電圧が低い場合は、駆動用トランジスタ11aのモビリティが良好な場合が多いからである。
図277の実線と点線に一例として図示するように、駆動用トランジスタ11aのV−I(ゲート電圧−ドレイン電流)特性は、レーザーアニ−ル条件などにより特性がばらつく。しかし、一例としてI1=1μAを流し、そのときの駆動用トランジスタ11aのゲート電圧V(実線の駆動用トランジスタ11aはV1、点線で示す駆動用トランジスタ用11aはV2)を測定できれば、ゲート電圧Vに対する出力電流Iが推定できる。また、V1あるいはV2に対する出力電流Iが精度よく1μAであることがわかっているから、各階調に対する出力電流(=EL素子15に流れる電流)をほほ精度よく決定できる。以上の実施の形態は、I=1μAを測定してV−Iカーブを推測し、各階調電流を算出するものである。Iを0μA(階調0が該当)、2μA、0.5μAと複数点にわたって測定し、各電流値に対する駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定できれば、さらに良好なV−Iカーブを決定でき、特性ムラのない良好な画像表示を実現できる。
図267〜図275などで説明した本発明の駆動方法および表示パネルおよび表示装置とそれを用いた平面表示装置では、V0、V1電圧もしくはI1電流を測定あるいは対応するデータを求め、測定あるいは求めたデータより駆動用トランジスタ11aなどのV−Iカーブを想定あるいは発生させるとした。もちろん、あらかじめ、データからV−Iカーブを求め、あるいは推定し、各階調に対するプログラム電流あるいはプログラム電圧をメモリなどに蓄積しておき、このメモリ(記憶手段)から各階調に対するプログラム電圧またはプログラム電流に対応するデータを読み出し画素16に印加する。
しかし、本発明は、求めたプログラム電流あるいはプログラム電圧のみで駆動するものに限定されるものではない。好ましくは、図38、図41、図93などで説明した電圧+電流駆動を実施することが好ましい。図277、図267〜図275で説明した本発明の駆動方式V−Iカーブを求め、あるいは対応する階調電圧データを求める。この求めたあるいは得られた階調電圧データが図41のAの期間(電圧書き込み期間)に印加する電圧データ、図93の過電流データ(過電流駆動期間)とする。B期間は、図36などで説明したように、電流階調回路334から階調電流データ(プログラム電流、電流駆動)を各ソース信号線18に印加する(図93、図267とその説明も参照のこと)。
本発明の表示パネルは、表示期間以外の期間に、電流階調回路334などから所定定電流を各画素16に印加し、定電流に対する駆動用トランジスタ11aなどのEL素子15に電流を供給するトランジスタあるいはそれと同様の動作をするトランジスタのゲート電圧Vを取得する。この取得する電圧Vは1つ以上の電圧データである。この電圧データを用いて電圧階調回路371が発生する映像信号に対応する階調電圧データを求める。あるいは取得した電圧Vを用いる。なお所定定電流は、ソースドライバ回路(IC)14の外部で発生し、各ソース信号線18に供給してもよいことは言うまでもない。
この階調電圧データを図41のA期間に印加する。なお、必ずしもA期間が必要でないことは以前に説明した。階調が大きい時は、電流階調回路334のデータで十分駆動できるからである。A期間に印加して電圧により、まず目標値に近い輝度まで駆動用トランジスタなどはプログラムされる。さらに、B期間に印加する電流階調回路371から階調電流(プログラム電流)により駆動用トランジスタ11aは目標値に近くプログラムされる。図267などと図38、図41、図93などの組み合わせによる駆動方法は、低階調領域は測定したV0、V1から求めた駆動用トランジスタのV−Iカーブにもとづいた電圧プログラムを主として実施し、高階調領域は、電流プログラムを実施することにより、低階調から高階調の全範囲にわたり良好な画像表示を実現できる。
なお、以上の実施の形態においても、本明細書で記載された画素16構成、ソースドライバ回路(IC)14構成、ゲートドライバ回路12構成、他の駆動方式などを組みあわせて適用できることは言うまでもない。
以上のことから、図267〜図275などで説明した本発明の駆動方法は、図38、図41、図93などで説明した駆動方式と組み合わせることにより、すぐれた効果を発揮できる。
以上の事項は、V0、V1あるいはそれ以上の電圧値を測定した場合も同様である。なお、測定したV0、V1電圧から特性カーブを発生させるとしたが、ソース信号線18から測定した電圧データをそのまま使用するものでない。たとえば、図1などの画素構成において、ゲート信号線17aにオフ電圧が印加される際に発生する駆動用トランジスタ11aのゲート端子への突き抜け電圧の大きさ、影響を考慮して階調電圧を発生させる。つまり、測定された電圧から前述の影響を考慮してV−Iカーブを作成する。たとえば、測定あるいは取得したV0、V1電圧から一定電圧を減算あるいは加算する。一定比率を乗算あるいは除算する。
ソース信号線18電圧の測定と、測定された電位から階調電圧を求めるのは、電源オン時に実施する。つまり、画像表示前に行う。図278(a)は電源の立ち上げ波形である。Aの期間はVddまで到達する期間である。この期間は、EL表示装置の回路全体が不安定状態である。したがって、ソース信号線の電圧測定を行うことはできない。Bの期間は電源が立ち上がり安定している。画像表示状態ではない。このBの期間を1フィールド(フレーム)期間以上とり、このBの期間に定電流に対するソース信号線18の電位を測定するとともに、階調電圧値を発生させる。その後、C期間に入り、EL表示パネルに画像表示を行う(図278(b)を参照のこと)。
ソース信号線18電圧の測定と、測定された電位から階調電圧を求めるのは、垂直ブランキング期間あるいは水平ブランキング期間に実施してもよい。図279(a)は水平ブランキング時間に実施した実施の形態である。映像信号は図279のBの期間にソース信号線18に印加される。Aの期間はブランキング時間であり、ソース信号線18には映像信号は印加されない。このAの期間にソースドライバ回路(IC)14から定電流を出力し、該当の画素行から電流I1を供給するとともに、ソース信号線18の電位を測定し、測定した電位から階調電圧を求める。水平ブランキング時間では、すべての表示領域64の階調電圧を求めることはできない。図279(b)に図示するように、bの期間に区分された領域(1、2、3、4、5・・・・・)ごとに実施する。
0階調目に対応するV0電圧を図278のように電源オン時に測定し、中間あるいは最大階調に対応するV1電圧を図279のようにブランキング時間に測定してもよい。
V0電圧などの低階調部に対応する電圧は、微小定電流(プログラム電流)をソース信号線18に印加して測定する。したがって、ソース信号線18の寄生容量の影響を受け、時定数が長い。したがって、ゲートドライバ回路12aのクロックを遅くし、十分な時間をかけて低階調部に該当する電圧を測定する。したがって、低階調部の電圧を測定するときは、電源オン時などに測定することが好ましい。
なお、以上の実施の形態では、表示領域64のすべての画素に対応する定電流を流し、それぞれの画素のソース信号線18の電位(各画素16の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧)を測定するとしたが、これに限定するものではない。すべての画素を測定せずとも、任意の画素の周辺の画素の特性は類似しているからである。
たとえば、図280(a)に1画素置きの画素(斜線部に対応する画素)16を測定し、測定していない画素16は隣接した画素から作成する。図280(b)で図示するように、画素16cの駆動電圧を求めるには、隣接した画素16aと画素16bに定電流を流し、対応するソース信号線18の電位を測定する。今、測定されたデータが画素16aは8、画素16bは12であるとする。画素16cは(8+12)/2=10として求まる。以上のように定電流に対する画素16はすべてを測定する必要はない。
また、画素16は1画素ずつ測定する必要はない。たとえば、図281(a)に図示するように、2画素行(複数画素行)を同時に選択して、定電流を流してもよい。図281に図示するように、2画素行を同時に選択する場合は、定電流I1は2倍(つまり、I1×2)をソースドライバ回路(IC)14からソース信号線18に供給する。図281(a)は2番目と3番目の画素行が選択されている状態を示している。次のクロックでは、画素(3)と画素(4)を選択する駆動でもよいし、画素(4)と画素(5)を選択する駆動のいずれでもよい。
ソースドライバ回路(IC)14から2・I1の電流を画素16(2)と画素16(3)に供給する。画素16(2)が出力する電流と、画素16(3)が出力する電流とを加算した電流は2・I1であるが、画素16(2)が出力する電流と、画素16(3)が出力する電流とは異なっていてもよい。ソース信号線18の電位は、画素16(2)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位と画素16(3)の駆動用トランジスタ11aのゲート端子電位が釣り合った電位となる。しかし、隣接した画素の特性は近似するため、AD回路1711で測定される電位から求められた電圧階調データは実用上問題ない。
複数画素行を選択する場合は、図281(b)に図示するように隣接する必要はない。図281(b)は隣接しない画素行を複数選択している。また、連続した10画素行程度(つまり、ブロック的)にゲート信号線17aを選択し、ソース信号線18の電位を測定してもよい。
なお、以上の実施の形態では、駆動用トランジスタ11aに電流を流し、前記電流を流したときの駆動用トランジスタ11aのゲート端子電圧を測定するとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、画素列ごとに配線あるいは形成されたVss端子(カソード端子)に電流計2201を接続する。つぎに、0階調目に対応するV0電圧を印加し、V0電圧を印加したときに、電流計2201に流れる電流を0あるいは微小な値となるように、印加するV0を調整すれば、階調0に対するプログラム電圧V0が精度よく求めることができる。その他、前記電流計2201で測定される電流が1μAとなるように、駆動用トランジスタ11aに印加する電圧を調整すれば1μAを流す電圧を測定することができる。複数点の電圧と電流の関係を測定すれば、さらに精度のよいV−Iカーブを推定あるいは求めることができる。
また、図2、図21に図示するような電圧駆動方式の画素構成であっても、本発明を実施できる。この説明を図269に図示している。なお、図269では画素16はマトリックス状に形成または配置されるが、説明を容易にするため2画素分の画素16のみ図示している。なお、各画素16に流れるカソード電流(アノード電流)を選択するスイッチSxを各カソード(アノード)電流を取り出す位置に形成または構成もしくは配置してもよいことは言うまでもない。この構成は、たとえば、図267を応用することにより容易に構成できるので説明を省略する。
電圧駆動の場合は、駆動用トランジスタ11aに電圧V1を印加する必要がある。また、前記電圧V1により流れる電流IはVss端子で測定する。たとえば、画素列ごとに配線あるいは形成されたVss端子(カソード端子)に電流計2201を接続する。または、図269に図示するように、カソード電流が流れる経路にピックアップ抵抗Rを接続し、電圧計(電圧測定手段)2201で抵抗Rなお、カソード端子に限定されるものではなく、アノード端子でもよい。また、電流はカソード端子とアノード端子で測定してもよい。また、電流I1を直接測定することに限定されるものではなく、ピックアップコイルなどで測定してもよい。また、電気力線を測定してもよい。特に精度が必要でないときは、複数あるいはすべてのカソード端子もしくはアノード端子を短絡し、短絡した箇所に電流計2201を接続してもよい。
以上のように、駆動用トランジスタ11aに電圧階調回路371により各ソース信号線18に既知の電圧V1を印加し、その電圧に対する出力電流I1を測定する。もちろん、1つまたは複数のソース信号線18を選択して既知の電圧を印加してもよい。したがって、図272(b)の逆の関係になる。つまり、V1印加によりI1を測定し、このV1とI1との関係から、図272(b)の実線で示す駆動用トランジスタ11aのV−I特性を求める。V1の他、0階調目に対応するV0電圧を印加し、V0電圧を印加したときに、電流計2201に流れる電流を0あるいは微小な値となるように、印加するV0を調整すれば、階調0に対するプログラム電圧V0が精度よく求めることができる。そのときは、電圧階調回路371の出力電圧を変化させて0になるように調整する。その他、たとえば1μAが流れるように、駆動用トランジスタ11aに印加する電圧Vxを調整する。複数点の電圧Vと電流の関係を測定すれば、さらに精度のよいV−Iカーブを推定あるいは求めることができる。また、一箇所の電圧を複数回測定し、平均などの処理を行ってもよい。
図269の実施の形態では、スイッチSをシフトレジスタ352により、クロックに同期させて順次クローズさせている。スイッチSx(x=1〜n)により各ソース信号線18に接続された画素16が選択される。また、選択する画素行の画素16はゲートドライバ12aにより選択され、選択画素行位置は順次シフトされる。
各スイッチSが選択されることにより、選択された画素16のカソード電流I1(あるいはアノード電流)は抵抗Rに流れ込む。カソード電流などにより抵抗Rの両端に発生する電圧はA/D変換回路1711により、デジタル化され、メモリ351に蓄えられる。蓄えられたデータによりプログラム電圧に対応する階調電圧が算出あるいは求められる。もちろん、カソード電流I1などは電流計により測定してもよいことは言うまでもない。なお、階調0の場合は、抵抗Rの両端に発生する電圧は0であることは言うまでもない。また、カソード電流の方向は吐き出し方向の場合もある。この場合は、電圧または電流の絶対値をとる(または正負を逆にする)。
以上のように、本発明は、駆動用トランジスタ11aに電圧あるいは電流を印加あるいは供給し、この印加した電圧あるいは電流に対して駆動用トランジスタなど(図18のカレントミラーの画素構成ではトランジスタ11b)から出力される電流あるいは測定することにより、駆動用トランジスタのV−Iカーブを求め、この求めたV−Iカーブから各階調に対応するプログラム電圧あるいはプログラム電流を求めるものである。つまり、既知の電圧あるいは電流を各ソース信号線18に印加し、出力される電流あるいは電圧を測定し、もしくは、出力される電流あるいは電圧が所定の値となるように、ソース信号線18に印加する電圧または電流を調整することにより、EL素子15に電流を供給する駆動用トランジスタのV−Iカーブを求め、あるいは類推し、各階調に対するプログラム電圧あるいはプログラム電流を決定するものである。
図282は電圧プログラムの画素構成における本発明の第2の実施の形態での適用例である。画素16の駆動用トランジスタ11aはPチャンネルトランジスタで形成されている。また、電流I1はアノード端子Vdd側に供給される。
電圧駆動の場合は、駆動用トランジスタ11aに電圧V1を印加する必要がある。また、前記電圧V1により流れる電流I1はVdd端子側で測定する。たとえば、図282に図示するように、アノード電流が流れる経路にピックアップ抵抗Rを接続し、電圧計(A/D変換回路1711)などRの両端の電圧を測定する。
以上のように、駆動用トランジスタ11aに電圧階調回路371により各ソース信号線18に既知の電圧V1を印加し、その電圧に対する出力(入力)電流I1を測定する。もちろん、1つまたは複数のソース信号線18を選択して既知の電圧を印加してもよい。したがって、図272(b)の逆の関係になる。つまり、V1印加によりI1を測定し、このV1とI1との関係から、図272(b)の実線で示す駆動用トランジスタ11aのV−I特性を求める。V1の他、0階調目に対応するV0電圧を印加してもよい。V0電圧の場合はV0電圧を印加したときに、電流計2201に流れる電流を0あるいは微小な値となるように、印加するV0を調整すれば、階調0に対するプログラム電圧V0が精度よく求めることができる。そのときは、電圧階調回路371の出力電圧を変化させて0になるように調整する。その他、たとえば1μAが流れるように、駆動用トランジスタ11aに印加する電圧Vxを調整する。複数点の電圧Vと電流の関係を測定すれば、さらに精度のよいV−Iカーブを推定あるいは求めることができる。
図282の実施の形態でも図269と同様に、スイッチSをシフトレジスタ352により、クロックに同期させて順次クローズさせている。スイッチSx(x=1〜n)により各ソース信号線18に接続された画素16が選択される。また、選択する画素行の画素16はゲートドライバ12aにより選択され、選択画素行位置は順次シフトされる。
各スイッチSが選択されることにより、選択された画素16にアノード電流が流れ込む。アノード電流により抵抗Rの両端に電圧が発生する。発生する電圧はA/D変換回路1711により、デジタル化され、メモリ351に蓄えられる。蓄えられたデータによりプログラム電圧に対応する階調電圧が算出あるいは求められる。もちろん、カソード電流I1などは電流計により測定してもよいことは言うまでもない。なお、階調0の場合は、抵抗Rの両端に発生する電圧は0であることは言うまでもない。また、カソード電流の方向は吐き出し方向の場合もある。
図269、図282では、ソース信号線18に電圧Vxを印加し、そのときに流れる電流I1を測定して、V−I特性を求めるとしたが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図298に図示するように、ピックアップ抵抗Rの電圧が所定電圧(V1、V0、つまり電流I1を測定)となるように、ソース信号線18に印加する電圧Vxを調整してもよい。つまり、I1電流になるときのソース信号線18に印加した電圧Vxを調整する。このVx−I1の関係からV−I特性を決定する。
ソース信号線18に電圧Vxを印加することにより、駆動用トランジスタ11aからのカソード電流I1が流れる。カソード電流I1はピックアップ抵抗Rで電圧に変換されて測定される。測定される電圧V=I1×Rとなるように、ソース信号線18に印加する電圧Vxを調整する。
図298の実施の形態でも図269と同様に、スイッチSをシフトレジスタ352により、クロックに同期させて順次クローズさせている。スイッチSx(x=1〜n)により各ソース信号線18に接続された画素16が選択される。また、選択する画素行の画素16はゲートドライバ12aにより選択され、選択画素行位置は順次シフトされる。
各スイッチSが選択されることにより、選択された画素16にアノード電流が流れ込む。アノード電流により抵抗Rの両端に電圧が発生する。ソース信号線18に印加した電圧はA/D変換回路1711により、デジタル化され、メモリ351に蓄えられる。蓄えられたデータによりプログラム電圧に対応する階調電圧が算出あるいは求められる。他の構成は図269、図282と同様あるいは類似であるので説明を省略する。
本発明は測定した電圧あるいは電流はフラッシュメモリ2831などに記憶させ、この記憶したデータに基づいて、映像信号にたいするプログラム電圧またはプログラム電流を求め画素16に印加するものである。したがって、画素構成は、電流プログラム、電圧プログラムのいずれであっても本発明の実施の形態を適用することができる。
測定あるいは取得した電圧データVは、EEPROM、フラッシュメモリ2831などの不揮発性メモリに格納し、EEPROM、フラッシュメモリ2831からデータをコントローラIC722のメモリに転送して映像データに対応するプログラム電圧またはプログラム電流を発生させる。しかし、フラッシュメモリ2831などの読み出し速度は低速である。本発明では、図283に図示するように、フラッシュメモリ2831を複数個、表示装置に実装する。実装したフラッシュメモリ2831からコントローラ722の制御により、対応するソースドライバ回路(IC)14に電圧データを転送している。各ソースドライバ回路(IC)14は転送された電圧データによりV−Iカーブを発生させ、映像データに対応するプログラム電圧またはプログラム電流をソース信号線18出力し、対応する画素16に駆動用トランジスタ11aに印加する。
以上に説明した本発明の技術的思想は、本発明の他の実施の形態と組み合わせることができることはいうまでもない。また、以上の本発明の技術的思想を用いて、ソースドライバ回路(IC)14などの半導体、表示パネル、表示装置を構成できることは言うまでもない。
以上のように実施することにより、V−Iカーブを精度よく求めることができる。求められた電圧はプログラム電圧となり、また、プログラム電流となる。各プログラム電流、プログラム電圧は映像信号に対応する。
図284に図示するように、電圧データは、求められたV−Iカーブより映像信号データに対応するように変換されて9ビットのデータとなる。8ビット以上の9ビットとしているのは、立ち上がり電圧Vt以下の電圧を発生させるためである。つまり、プログラム電流の範囲よりのプログラム電圧範囲が広く必要である。
映像信号に対応するVDATAは、電圧階調回路371に入力され、図41のA期間(電圧)、図93などに示すようにソース信号線18にプログラム電圧として印加される。このプログラム電圧は、V−Iカーブで補正されているから、各画素16の駆動用トランジスタ11aの特性バラツキを反映している。つまり、電圧オフセットキャンセルされた値となっている。A期間のこのプログラム電圧により、ソース信号線18は、目標の電流が精度よくEL素子15に流れるように充放電される。
次に、IDATAは、電流階調回路334でプログラム電流に変換され、ソース信号線18に供給される。供給期間は、図41のB期間である。図41などでも説明したように、プログラム電流は非常に精度が高いものである。したがって、精度のよいA期間のプログラム電圧とB期間のプログラム電圧により、画素16のコンデンサ19には、目標の電流がEL素子15に流れるようにプログラムされる。つまり、電圧+電流プログラムを実施できる。
なお、図284では、A期間の電圧印加と、B期間の電流印加の両方を1H期間(1水平走査期間)に実施するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、低階調領域では1Hのすべての期間をA期間としてもよい。また、高階調領域では1Hのすべての期間をB期間としてもよい。低階調領域では、プログラム電流は微小でありほとんどソース信号線18の充放電には影響を与えないからである。また、低階調領域では、プログラム電圧が支配的となるからである。
以上の実施の形態では、電圧+電流プログラム駆動を実施することにより、あたかも、低階調領域では電圧オフセットキャンセルを実施しているように駆動され、高階調領域では、電流プログラム駆動を実施していることなる。したがって、電圧駆動の効果と電流駆動の欠点を補間し、両方の効果を発揮して実施することできる。
図284における電流データIDATAと、電圧データVDATAの関係は、図285のように示される。図284において、Vtとは駆動用トランジスタの立ち上がり電圧であり、Vt電圧以下では、EL素子15には電流が供給されない。Vt電圧は駆動用トランジスタの特性バラツキにより各駆動用トランジスタで異なっている。したがって、VDATAはすべての駆動用トランジスタをオフ状態(電流が流れない)にする電圧Vbbを原点とする必要がある。つまり、VDATAはVbb電圧を0とし、9ビット(512)きざみとしている。一方、プログラム電流であるIDATAは、EL素子15に電流が流れないときは、0であるから、0を限定とし、8ビット(256きざみ)としている。
図284の構成を図35、図38、図40などに適用し、さらに詳しく図示すれば図286となる。VDATAは電子ボリウム291に入力され、電子ボリウム291は、VbbとVdd間の電圧を複数にきざんで出力する。電子ボリウム291の出力は電圧階調回路371に入力される。なお、電圧階調回路371は電子ボリウム291を含むと考えてもよい。他の構成は、図35、図38、図40などと同様であるので説明を省略する。
図284、図286に図示するように、1つの画素16には、プログラム電流データ(IDATA)とプログラム電圧データ(VDATA)が必要である。したがって、図293(a)に図示するように倍速でIDATA、VDATAを伝送している。しかし、倍速伝送は回路系の負担が大きい。この課題を解決するために、まず、アレイ30の作製方法などについて説明をする。
画素16のトランジスタ11を構成する半導体膜は、低温ポリシリコン技術において、レーザーアニ−ルにより形成するのが一般的である。このレーザーアニ−ルの条件のバラツキがトランジスタ11特性のバラツキとなる。しかし、1画素16内のトランジスタ11の特性が一致していれば、図1の画素構成で電流プログラムを行う方式では、所定の電流がEL素子15に流れるように駆動することができる。この点は、電圧プログラムにない利点である。レーザーとしてはエキシマレーザーを用いることが好ましい。
なお、本発明において、アレイ30の半導体膜の形成は、レーザーアニール方法に限定するものではなく、熱アニ-ル方法、固相(CGS)成長による方法でもよい。その他、低温ポリシリコン技術に限定するものではなく、高温ポリシリコン技術を用いても良いことはいうまでもない。
本発明では図292に示すように、アニ−ルの時のレーザー照射スポット(レーザー照射範囲)72をソース信号線18に平行に照射する。また、1画素列に一致するようにレーザー照射スポット72を移動させる。もちろん、1画素列に限定するものではなく、たとえば、RGBを1画素16という単位でレーザーを照射してもよい(この場合は、3画素列ということになる)。また、複数の画素に同時に照射してもよい。また、レーザーの照射範囲の移動がオーバーラップしてもよいことは言うまでもない(通常、移動するレーザー光の照射範囲はオーバーラップするのが普通である)。
画素はRGBの3画素で正方形の形状となるように作製されている。したがって、R、G、Bの各画素は縦長の画素形状となる。したがって、レーザー照射スポット72を縦長にしてアニ−ルすることにより、1画素内ではトランジスタ11の特性バラツキが発生しないようにすることができる。また、1つのソース信号線18に接続されたトランジスタ11の特性(モビリティ、Vt、S値など)を均一にすることができる(つまり、隣接したソース信号線18のトランジスタ11とは特性が異なる場合があるが、1つのソース信号線に接続されたトランジスタ11の特性はほぼ等しくすることができる)。
一般的にレーザー照射スポット72の長さは10インチというように固定値である。このレーザー照射スポット72を移動させるのであるから、1つのレーザー照射スポット72を移動できる範囲内におさまるようにパネルを配置する必要がある(つまり、パネルの表示領域64の中央部でレーザー照射スポット72が重ならないよういする)。
図292の構成では、レーザー照射スポット72の長さの範囲内に3つのパネルが縦に配置されるように形成されている。レーザー照射スポット72を照射するアニ−ル装置はガラス基板74の位置決めマーカー73a、73bを認識(パターン認識による自動位置決め)してレーザー照射スポット72を移動させる。位置決めマーカー73の認識はパターン認識装置で行う。アニ−ル装置(図示せず)は位置決めマーカー73を認識し、画素列の位置をわりだす(レーザー照射範囲72がソース信号線18と平行になるようにする)。画素列位置に重なるようにレーザー照射スポット72を照射してアニ−ルを順次行う。
図292で説明したレーザーアニ−ル方法(ソース信号線18に平行にライン状のレーザースポットを照射する方式)は、有機EL表示パネルの電流プログラム方式の時に特に採用することが好ましい。なぜならば、ソース信号線に平行方向にトランジスタ11の特性が一致しているためである(縦方向に隣接した画素トランジスタの特性が近似している)。そのため、電流駆動時にソース信号線の電圧レベルの変化が少なく、電流書き込み不足が発生しにくい。駆動用トランジスタ11aの特性が一致するとは、たとえば図285においてVt電圧が一致あるいは類似していることである。したがって、ソース信号線18に沿った画素の駆動用トランジスタ11aのVtに対するプログラム電圧は略一致してことになる。ソース信号線18に平行にレーザーを照射し、そのレーザー照射範囲72をソース信号線18に垂直に移動させているからである。
1つのソース信号線18に接続された駆動用トランジスタ11aの特性が一致していることは電流駆動において以下の利点がある。たとえば、白ラスター表示であれば、隣接した各画素のトランジスタ11aに流す電流はほぼ同一のため、ソースドライバIC14から出力する電流振幅の変化が少ない。もし、図1のトランジスタ11aの特性が同一であり、各画素に電流プログラムする電流値が画素列で等しいのであれば、電流プログラム時のソース信号線18の電位は一定である。したがって、ソース信号線18の電位変動は発生しない。また、電圧+電流駆動を実施する場合においても、印加する電圧(プログラム電圧)は変化させる必要がないということになる。また、1つのソース信号線18に接続されたトランジスタ11aの特性がほぼ同一であれば、ソース信号線18の電位変動は小さいことになる。このことは、ソース信号線18に沿った画素のV0電圧は略同一の値としてもよいことを意味する。また、V−I特性も略一致しているため、V1電圧なども同一でよい。つまり、ソース信号線18に沿った画素のV−I特性は略一致していると考えてよい。
なお、ゲート信号線18に平行にレーザーを照射し、そのレーザー照射範囲72をゲート信号線18に垂直に移動させル場合は、ゲート信号線18に沿った画素のV0電圧は略同一の値としてもよいことを意味する。また、V−I特性も略一致しているため、V1電圧なども同一でよい。つまり、ゲート信号線18に沿った画素のV−I特性は略一致していると考えて以下の実施の形態を適用することは言うまでもない。
図292のようにアレイを作製することにより、ソース信号線18に沿って駆動用トランジスタ11aのV0特性などのプログラム電圧が略一致している。したがって、複数画素のV0電圧などが同一であってもよい。
図294はソース信号線18に沿った2画素のV0電圧を同一にした実施の形態である。V0電圧は駆動用トランジスタ11aで異なる。図294などの以下で示す実施の形態では、異なるV0電圧をV0xとし、xの添え字をつけて示している(V01、V02など)。なお、V0などのVDATAは複数画素で共通にするが、IDATAが各画素で映像信号に対応して異ならせている。もちろん、画像の解像度が必要でない場合は、IDATAも複数画素で共通にしてもよいことは言うまでもない。
図294(a)は第1F(フィールド(フレーム))の状態である。図294(a)の点線で示すように奇数画素行と偶数画素行でV0電圧を共通にしている。このように構成することにより、2つのIDATAに対して1つのVDATAを伝送することだけでよい。したがって、図293のIDATA、VDATAの伝送速度は、1.5倍速で済むことになる。
しかし、図294のように、2画素に共通のVDATAにすると、解像度が低下する可能がある。この課題に対しては、図294(b)に図示するように、第1F(フィールド(フレーム))の次の第2F(フィールド(フレーム))では、偶数画素行と奇数画素行で共通にしている(点線で示している)。第3F(フィールド(フレーム))では、図294(a)のようにVDATAを共通にする(V−Iカーブを共通にする)。
図295では、ソース信号線18に沿った画素16のV0データ(V−Iカーブ)を共通にした実施の形態である。図292の実施の形態のようにアレイを形成する場合に有効である。V0電圧は、1つの画素列のV0、V1、V−Iカーブなどを平均化してものを用いる。
平均化の方法としては各画素列のソース信号線18に定電流(0電流を含む)を印加し、第1番目の画素行から最後の画素行まで順次選択し、選択するごとにソース信号線18のV0あるいはV1電圧を測定する。測定後、得られたV1またはV0電圧を平均化して、プログラム電圧V0、V1を求める。
図296は、RGBの画素でV0電圧などを共通にした実施の形態である。近接したV0電圧は略一致しているからである。図296のようにRGBで共通にする場合は、IDATA、VDATAの伝送は、図293(b)のようになる。RGBで共通のVDATAを伝送し、次に各RGB画素のIDATAを伝送する。以上のように構成すれば、伝送速度はほとんど高くならない。
当然のことながら、図297に図示するようにマトリックス状(ブロック状)にV0電圧などを共通にしてもよいことは言うまでもない。
なお、図294などの実施の形態では、複数画素においてV0電圧を共通にするとしたが、これに限定するものではなく、複数画素のV1電圧などを一致させてもよい。また、本発明は複数画素でV−I特性を共通にするという技術的思想である。したがって、V0、V1電圧を複数画素で共通にすることに限定されるものではない。V−Iカーブを共通にするとしてよい。また、2画素に限定されるものではないことも言うまでもない。
以上の実施の形態は、定電流をソース信号線18に印加し、V0電圧を測定するとした。この動作を実施することによりV−Iカーブを求める。同時に、本発明では、画素16の欠陥などを検出することができる。以下その実施の形態について説明をする。
図287に図示するように、ソースドライバ回路14から定電流I1を流す。定電流I1は画素16の駆動用トランジスタ11aから流れ込んでくる。駆動用トランジスタ11aはI1の電流を流すようにゲート端子電位を変化させる。AD変化回路1711はゲート端子電位を測定する。図287に図示するように、駆動用トランジスタ11aにSDショート(チャンネルショート)が発生すると、Vdd端子電位がソース信号線18に印加させる。したがって、AD変換回路1711が測定する電位は、Vdd電位となる。つまり、AD変換回路1711でSDショートを検出できる。
図267などの回路構成によれば、ソース信号線18に定電流I1が流れるから、ゲート信号線17a(G1、G2、G3、・・・・・・・・・、Gn 1は画面最初の画素行番号、nは画面最後の画素行番号)を順次シフトしていくと(図290(b)を参照のこと)、図290(a)の電圧(電流)波形を測定することができる。AD変換回路1711は図290(c)の取り込み信号に同期してソース信号線18の電位を取り込む。この電圧波形をパーソナルコンピュータ(PC)などのデータ収集手段および制御手段に取り込む。
図290がソース信号線18の電位(出力される電流または電圧)を測定する回路(検査回路)のタイミングチャートである。図290(a)は1Hに同期したソース信号線18の電位(電圧または電流)変化を示している。図290(b)はゲート信号線17bの電位を図示している。つまり、1画素行ずつオン電圧位置がシフトされていることを示している。この選択画素行に同期して、選択された画素行のトランジスタ11aが動作し、ソース信号線18の電位が変化する。
図290(c)はAD変換回路1711へのデータ取り込み信号である。なお、取り込み信号は、説明を容易にするため、また作図を容易にするため1画素列分について記載している。実際には、図267のスイッチSx(x=1〜n nは最大画素列番号)があるから、このxの個数分の取り込み信号が必要である。このデータ取り込み信号の立ち上がりでデータ入力手段にデータが取り込まれる。
PCでは取り込まれたデータの値を評価/判断する。また、データの値を蓄積する。この結果により、アレイあるいはパネルの欠陥状態、欠陥位置、欠陥モード、不良状態などを検出あるいは検査する。不良位置は、表示時に、該当箇所の画素16にアノード電圧Vddを印加するなどして、黒点化させる。
図287の画素構成で、ゲート信号線17aにオン電圧を印加し、ゲート信号線17bにオフ電圧を印加した状態では、Vdd端子→トランジスタ11aのSDショート→トランジスタ11c→ソース信号線18への電流経路が生じる。
トランジスタ11aにソース端子S−ドレイン端子D間ショート(SDショートまたはチャンネルショートと呼ぶ)が発生していると、ソース信号線18にはVdd電圧が出力される。したがって、トランジスタ11aのSDショート(画素欠陥)を電気的に検出できる(図291(a)を参照のこと)。
ゲート信号線17aが断線していれば、プログラム電流I1の経路は発生しないので、ソース信号線18の電位がグランド電位に近くなる(図291(b)のゲート断線を参照のこと)。したがって、ゲート信号線17aの断線などの線欠陥も検出できる(検査できる)。もちろん、ソース信号線が断線していれば、出力が全くでないのでソース信号線18の断線を検出できる。
また、すべてのゲート信号線17aにオフ電圧を印加した状態で、規定以外の電圧がソース信号線18に出力されていれば、いずれかの画素16のトランジスタ11cあるいはトランジスタ11bに欠陥が発生しているということを検出もできる。また、Vdd端子にVdd電圧(アノード電圧)を印加するか、Vdd端子をオープンにするかを変化させることにより、ソース信号線18に出力される信号が変化する。この変化により画素16内で発生している欠陥を詳細に検討、検査することができる。また、カソード電極に対しても、信号印加状態でより、ソース信号線18に出力される信号が変化するから、画素16の欠陥を検出できる。
逆に、ソース信号線18に信号を印加し、カソード電極に出力される信号を検出することにより画素16の欠陥などを検出できることは言うまでもない。この場合も、画素行を選択するオン電圧位置を順次走査することにより実施すればよい。
ゲートドライバ回路12により選択する画素行位置を順次シフトし、シフト動作と同期してソース信号線18の電位を順次測定している。以上の動作を画面64の上から下まで実施する(1画素列の検査が完了する)ことにより表示パネル(アレイ基板30)の検査を行うことができる。
以上のように構成あるいは動作させることにより、V−Iカーブの発生のためのV1、V0電圧の測定と同時にアレイ30の画素欠陥などの検査も同時に実施することができる。
なお、本発明の実施の形態において、各画素でV0電圧などを測定するとしたが、これに限定するものでない。たとえば、図292などのように、アレイ30が形成される場合は、ソース信号線18に沿った画素列(レーザー照射範囲に沿った画素領域)で共通のV0、V1、V−Iカーブとしてもよいことは言うまでもない。たとえば、画素列でV0電圧を共通にする場合は、V0電圧は画素列ごとに1つだけ測定するだけでよいことは言うまでもない。また、図294〜図297のようにV−Iカーブ、プログラム電圧V0、V1などを設定してもよい。
以上の実施の形態は、V0、V1などを測定し、V−Iカーブを求めあるいは算出し、電圧+電流駆動などを実施する方式であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図300に図示するように、スイッチS1〜Sn(nはソース信号線14番号の最大値)を順次クローズさせ、各ソース信号線14の電位を測定し、測定した電位をAD変換回路1711でAD変換してEEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ351に保持する。保持はJPEGなどの圧縮技術を用いておこなってもよい。この保持したデータと映像信号とを用いて電圧出力回路371から電圧階調信号をソース信号線18に印加し、電圧駆動を実施してよい。
また、V0、V1を測定する際は、図301に図示するように、ソースドライバ回路14内に定電流発生回路または電流階調回路334を設け、前記回路334から定電流を発生させ、この定電流をスイッチSI1からスイッチSIn(nはソース信号線18の最大値)を順次クローズし、かつスイッチS1からスイッチSnを順次クローズさせてソース信号線18の電位を測定してもよい。
たとえば、スイッチSI2をクローズするとともにソース信号線18に定電流Ixを印加し、スイッチS2をクローズさせてソース信号線18の電位Vxを測定する。測定したVxはAD変換回路1711でAD変換し、メモリ351に保持させる。以上の動作をすべてのソース信号線18に対して実施し、各ソース信号線18の電位を測定してメモリ351に保持させる。この保持したデータよりV−Iカーブを求めあるいは立ち上がり電圧を発生させて、電圧階調回路371または電流階調回路などを用いて電圧駆動あるいは電圧+電流駆動もしくは過電流+階調電流駆動を実施する。
図301は1つの定電流回路334を用いた構成であったが、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図302に図示するように、複数(図302では3つの定電流回路334(334a、334b、334c))の定電流回路を構成してもよい。それぞれの定電流回路334は出力する定電流値が固定されている。たとえば、定電流回路334aは定電流I1を出力し、定電流回路334bは定電流I2を出力し、定電流回路334cは定電流I3を出力する。どの定電流回路334を選択するかは、スイッチSW1で選択する。定電流回路334が出力する相対的な定電流の大きさは、ソースドライバ回路14に外付けの抵抗により可変することができる。
図281、図295、図296、図297などで説明したように、各ソース信号線18には定電流などを印加し、ゲート信号線17aを順次選択して、ソース信号線18の電位を測定する。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図303に図示するように、すべてのゲート信号線17aを選択し、画素16のトランジスタ11aを動作状態にしてもよい。
図303では、一例としてゲートドライバ回路12aを用いて、すべてのゲート信号線17aにオン電圧を印加する。前記オン電圧印加状態で、各ソース信号線18または1つ以上のソース信号線18に定電流を印加する。一方、ゲートドライバ回路12bを動作させてゲート信号線17bにはオフ電圧を印加しておく。つまり、EL素子15には電流経路は発生していない。他の動作は以前に説明した実施の形態と同様であるので説明を省略する。
また、ソース信号線18には電流を流さない状態にする。つまり、ソースドライバ回路14は図34、図33のスイッチ221bをオープン状態にする。表示領域64のすべての画素16の駆動用トランジスタ11aは平均して最も電流EL素子15に電流を流さないように自然に調整される。この状態のソース信号線18の電圧をV0電圧としてメモリに保持させる。他の動作は以前に説明した実施の形態と同様であるので説明を省略する。
もちろん、図304に図示するように、1つのソース信号線18を選択して定電流を印加し、1つ以上のゲート信号線17aを順次選択して、V1電圧などを測定してもよいことはいうまでもない。また、図33、図34などのスイッチ221bをオープン状態にしてV0電圧を測定する。または、ソースドライバIC(回路)14からソース信号線18を見た時、ハイインピーダンス状態にする。
また、図305に図示するように、表示領域64を選択ブロック(64a、64b)に分割し、複数の表示ブロックのいずれかをブロック単位で選択(選択されたブロックのゲート信号線17aにはオン電圧を印加する)し、各ブロックに定電流などを印加あるいはソース信号線18をソースドライバ回路14から切り離して灰インピーダンス状態にして、V1電圧、V0電圧を測定してもよいことはいうまでもない。この場合は、各選択したブロックでV0あるいはV1電圧などを測定し、平均化処理を実施する。たとえば、64a、64bの2ブロックでV01、V02の電圧を測定されたとするならば、V0=(V01+V02)/2とする。
以上のように、複数の画素行を同時に選択し、定電流を印加することにより平均した電圧V0,V1などを測定することができる。したがって、後に平均化処理などを実施する必要がなくなる。
なお、測定されたV0、V1電圧などは、AD変換されたメモリ351などに記憶され、また、メモリから読み出されDA変換されることに限定されるものではない。表示状態(たとえば、0階調目の黒表示)に適合したように、測定などされたV0、V1は処理される。たとえば、測定などされたV0、V1から一定の値を加算あるいは減算される。また、一定の比率で除算あるいは乗算される。また、パネル温度などにより補正される。たとえば、ソース信号線S1で測定されたV0=4.1V、ソース信号線S2で測定されたV0=3.9Vの場合、一定比率の0.2Vが加算されて、ソース信号線S1に4.3Vが、ソース信号線S2に4.1Vが0階調目の電圧として印加される。0階調目の電圧の印加後、電流プリチャージ電圧Vprcが実施され、その後、階調電流が印加される。
もちろん、図306に図示するように、表示領域64を複数のブロックに区分し、
なお、図306(a)のV01、V02などの表示は、各処理ブロックで測定された電圧値である。また、図306(b)は縦方向の処理ブロックで平均した値である。たとえば、図306(a)のa列は、V01、V02、V01、V01・・・・・V04である。この平均化処理した結果が、図306(b)のa列のV01となっている。同様に、図306(a)のb列は、V02、V04、V06、V02・・・・・V02である。この平均化処理した結果が、図306(b)のb列のV02となっている。図306(a)のc列は、V01、V02、V01、V01・・・・・V01である。この平均化処理した結果が、図306(b)のc列のV01となっている。
なお、本発明において、図292などで説明したように、レーザー照射はソース信号線18に平行になるようにすることが好ましい。また、ドーピング方向もトランジスタ11aの特性がソース信号線に平衡方向に近似するように実施することが好ましい。図306などで説明したV0、V1電圧が画素列方向に近似し、補間、補正あるいは補償処理が容易になるからである。
図307に図示するように、ソースドライバIC(回路)14aの定電流源334は、カスケード接続により隣接したドライバIC14bに定電流を引き渡せるように構成されている。図307のソースドライバIC(回路)14の定電流源334aはスイッチSa〜Snによりソース信号線18に定電流を印加できるように構成されている。また、階調電圧回路371aは、V0、V1電圧で補正された階調電圧をソース信号線18に印加されるように構成されている。
また、各ソース信号線18に印加(出力)された電圧はソースドライバIC(回路)14aのスイッチS1〜S160と、ソースドライバIC(回路)14bのスイッチS161〜S320に共通に接続あるいは配置されている。したがって、1〜320本の各ソース信号線18の電位は、1つのAD変換回路1711に出力される。スイッチSの出力配線3072は各ソースドライバIC(回路)14内を横方向に配線されている。ソースドライバIC(回路)14aとソースドライバIC(回路)14b間はソースドライバIC(回路)14のa、b端子で接続されている。
ソースドライバIC(回路)14aの定電流源334aはトランジスタ231aとカレントミラー回路を構成している。トランジスタ231aに流れる電流は外付け抵抗R1で調整される(図23、図29、図30などを参照のこと)。トランジスタ231aへの経路にカスケード回路3071aが形成されている。基本的には、カスケード回路3071は図23、図30などで説明したようにオペアンプ回路231aとトランジスタ228aから構成される。同様に、ソースドライバIC(回路)14bのトランジスタ231bと定電流源334bもカレントミラー回路を構成している。
カスケード回路3071aは2つの同一の定電流を発生させ、1つの電流をトランジスタ231aに供給し、もう一方の電流を端子c、d端子で、ソースドライバIC(回路)14bのカスケード回路3071bに供給される。この構成により、トランジスタ231aとトランジスタ231bには同一の電流が供給される。したがって、ソースドライバIC(回路)14aの定電流源334aの出力電流は抵抗R1で調整あるいは可変される。この電流と同一の電流がソースドライバIC(回路)14bの定電流源334bにも印加される。そのため、ソース信号線18の1〜320には同一の定電流が供給されることになる。
図318は、主として図307にEEPROM351などの接続状態を記載した説明図である。ソース信号線18はオープン状態に保持されてV0電圧を測定されるか、階調電流出力回路334から定電流が各ソース信号線18に供給されて、V1などの電圧が測定される。測定は、スイッチS1〜Snを順次クローズされることにより実施される。
測定されたV0、V1電圧などは、端子cより出力され、AD変換回路1711でアナログ−デジタル変換されてEEPROM1711などのメモリに格納される。メモリ351に格納するデータは、1つの絶対値を示すV0データと、このデータとの差分であるVsデータである。具体的には、V0=1.5Vとすると、ソース信号線S1の電圧値は1.6とすると、差分であるVs1=0.1Vが格納される。また、ソース信号線S2の電圧値は1.7とすると、差分であるVs2=0.2Vが格納される。・・・・・・・、ソース信号線Snの電圧値は1.4とすると、差分であるVs1=−0.1VがEEPROM351に格納される。差分データなどは、JPEG圧縮などを実施してもよいことはいうまでもない。EEPROM351には、パネルの特性データ(ガンマカーブなど)、制御DATA(ゲート信号線のタイミング信号など)も格納される。
EEPROM351のデータV0xは、コントローラIC722の制御信号により3線シリアルバスによって、コントローラIC722のメモリ領域に転送される。格納されたデータは、サンプルホールド回路337にデジタル映像信号DATAのCLKに対して、1/2以下のゆっくりしたクロックSCLKで転送される。なお、デジタルデータV0xはDA変換回路511でアナログの電圧データV0xに変換される。
一方、デジタル映像DATAはCLKに同期して、コントローラIC722に印加され、コントローラICはデジタル映像DATAをソースドライバIC(回路)14の入力フォーマットに適応するように処理し、クロックMCLKに同期して、ソースドライバIC(回路)14に印加される。
以上の実施の形態では、表示を行う画素16に定電流を供給し、ソース信号線18の電位を測定あるいは計測もしくは取得するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図308に図示するように、V0電圧を測定する画素16dを形成しておいてもよい。画素16dでV0、V1電圧などを測定し、測定したデータを前記画素16dが接続されたソース信号線18に接続された画素列の特性データとする。
図308に図示するように、画素16dに定電流I1を印加する。また、ゲート信号線17adにオン電圧を印加する。このようにすることにより、電流I1が駆動トランジスタ11adから供給される。電流I1が流れている時の、ソース信号線18の電位V0、V1などを測定する。他の構成は以前に説明した内容と同一または類似であるので説明を省略する。
階調電圧出力回路371は、図309に図示するようにサンプルホールド回路で構成してもよい。階調電流出力回路334で定電流がソース信号線18に供給される。また、スイッチS1〜Snにより、各ソース信号線18の電位は電圧配線3072に読み出され、AD変換回路1711でデジタルデータに変換されてEEPROM351に格納される。
EEPROM351に格納されたデータは、コントローラ回路722により定期的に読み出され、DA変換回路511でアナログデータに変換される。この際、プリチャージに適合するように、値は補正される。サンプルホールド回路371では、前記データをサンプルホールドする。サンプルホールドするのは、回路規模が小さく、チップサイズを小さくできるからである。サンプルホールドされた電圧は、1Hの同期信号に同期して、各ソース信号線18に印加される。ただし、サンプルホールド電圧を出力する必要がないソース信号線18には印加されない。必要印加後、電流あるいは電圧プリチャージが必要な階調変化が発生する箇所には、プリチャージ処理が実施される。プリチャージ処理の後、またはサンプルホールド電圧が出力された後、階調電流出力回路334から映像信号に対応する駆動電流がソース信号線18に出力される。
以上のように、本発明は、必要に応じてサンプルホールド電圧をソース信号線18に印加後、必要に応じて電流あるいは電圧プリチャージを実施する。その後、階調電流をソース信号線18に印加する駆動方式である。なお、以上の信号をソース信号線18に印加するとしたが、画素16あるいは画素の駆動トランジスタ11aに印加あるいは供給すると読み替えてもよいことは言うまでもない。
図309は、ソースドライバIC(回路)14の外にAD変換回路などを具備する構成であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図310に図示するように、ソースドライバIC(回路)14の内部にEEPROM351を形成してもよい。V0などのオフセット電圧は、端子aからソースドライバIC(回路)14外部に出力される。また、EEPROM351からのデータをソースドライバIC(回路)14の内部に形成したDA変換回路511でアナログデータに変換して、電圧サンプルホールド回路371に供給してもよい。
サンプルホールド回路371はクロックSCLKに同期して動作する。SCLKは映像信号の同期クロックよりもゆっくりとしたクロックである。SCLKはサンプルホールドが放電によりゆれば発生しないレベルに低速動作する。たとえば、水平同期クロックで動作する。他の構成あるいは動作は、本発明の他の実施の形態で説明しているので説明を省略する。
また、図311に図示するように、完全に電圧駆動としてもよい。図311において、定電流出力回路3111から定電流Ixがソース信号線18に供給される(なお、供給あるいは印加とは、吐き出し電流と吸い込み電流の2通りがある)。各ソース信号線18の電位Vxは、スイッチS1〜Sxの操作により端子aから出力される。出力された電圧Vx(定電流を供給しない場合はV0、定電流の場合はVx、なお、xは階調に該当し1以上255以下(8ビット表示の場合)である。)は、AD変換回路1711でAD変換されEEPROM351に保持される。EEPROM351の出力は、階調電圧出力回路371で、V0、V1などの値から映像データに対応してガンマ処理などが実施されて各ソース信号線18に印加される。つまり、駆動状態としては電圧駆動である。ただし、最初に画素16に定電流を供給し、オフセットの電圧(V0)を取得している点が従来のプログラム電圧駆動と異なる。
図311に図示するように、階調0の電位(V0)を測定できるのは、図1に図示するように電流駆動の画素構成である効果である。つまり、駆動トランジスタ11aの出力がソース信号線18と直流接続されている。そのため、ソースドライバIC(回路)14などから印加する定電流を供給でき、もしくは無電流状態として動作させることができ、駆動トランジスタ11aのゲート端子の電位Vxをソース信号線18の電位として読み出すことができる。電圧プログラムの画素構成は、図2に図示するように、ソース信号線18に電流などを供給しても、トランジスタ11aのドレインあるいはソース端子に印加することができない。
以上のように、本発明の表示装置は、画素構成が電流プログラムの画素構成であり、この画素構成で電圧駆動を実施する方式とも言うことができる。また、各ソース信号線18の電位を測定し、必要に応じて、測定した電位またはこの電位を補正処理した電圧をソース信号線18に印加し、その後、階調電流(プログラム電流)を印加する方式(回路、装置および方法)である。
また、ソースドライバIC(回路)14の出力(階調電圧出力回路371の出力)が電圧の場合は、図312に図示するように3選択切り替えなど複数選択切り替え構成を実現できる。ソースドライバIC(回路)14の出力端子93は、RGB共通である。RGBの切り替えは、アレイ基板に形成した出力切り替え回路3121で実施する。出力切り替え回路3121には切り替えスイッチ3122が形成されている。切り替えスイッチ3122でRGBのソース信号線18に振り分ける。
ソースドライバIC(回路)14は、端子93からRGBに対応する映像出力電圧を出力する。また、Rの映像信号を出力している時は、ゲート信号線17aRにオン電圧が印加される。同様にソースドライバIC(回路)14がGの映像信号を出力している時は、ゲート信号線17aGにオン電圧が印加され、Bの映像信号を出力している時は、ゲート信号線17aBにオン電圧が印加される。
本発明は、図23、図30などで説明したように本発明は基準電流を変化あるいは設定することによりプログラム電流を変化あるいは設定する。
図313に図示するように、低点灯率領域(図313では点灯率20%以下)でduty比を低下させ(図313(a))、duty比の低下にあわせて、基準電流比を上昇させ(図313(b))てもよい。以上のようにduty比制御と基準電流比制御を同時に行うことにより、図313(c)で図示するように輝度の変化はなくなる。
低点灯率では低階調領域でのプログラム電流の書き込み不足が顕著に目立つ。しかし、図313(a)(b)に図示するように低点灯率領域で基準電流を増加させることによりプログラム電流を基準電流に比例して増加させることができるので電流の書き込み不足がなくなる。かつ輝度も一定であるから良好な画像表示を実現できる。つまり、低点灯率あるいは所定の点灯率の範囲で基準電流比×duty比が定数の関係となるように制御する。
図313において、点灯率が高い領域(図313では40%以上)では、duty比は低下させるが、基準電流比は1のまま一定とする。したがって、輝度はduty比の低下にともなって低下するから、パネルの消費電力を制御(基本的には少なく)することができる。
基準電流比、duty比と点灯率との関係は以下に説明するように一定の関係を保つことが好ましい。フリッカの発生の増加またはパネルの自己発熱による劣化が加速されるからである。点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.7以上1.4以下にすることが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下にすることが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比(A)が0.1以上0.8以下になるように制御あるいは設定することが好ましい。また、さらに好ましくは0.2以上0.6以下なるように制御あるいは設定することが好ましい。
あるいは、点灯率50%の時のduty比×基準電流比をAとした時、点灯率が30%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.7以上1.4以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.8以上1.2以下に設定あるいは制御することが好ましい。また、点灯率が80%以下の領域では、duty比×基準電流比×Aが0.1以上0.8以下に設定あるいは制御することが好ましい。さらに好ましくは0.2以上0.6以下に設定あるいは制御することが好ましい。
しかし、基準電流の可変は、図85、図93、図99、図109、図110で説明した過電流駆動で課題となる。過電流の大きさが、基準電流の大きさに比例するからである。したがって、図313(b)に図示するように低点灯率の領域で基準電流の大きさを変化させると、この領域での過電流プリチャージの大きさが変化する。具体的には、基準電流比を2倍にすると過電流も2倍となり、目標の階調値に到達する時間が1/2となる。過電流を印加する期間は、固定であるから、基準電流比が大きくなるなど変化すると目標値からずれてしまう。
この課題に対して、図313(d)に図示するように、過電流(プリチャージ電流)の比(プリチャージ電流比と呼ぶ)も、基準電流比および点灯率に対応して変化させる。図313(d)では、基準電流比が点灯率20%以下で2まで変化するため、点灯率20%以下でプリチャージ電流比を1から1/2まで変化させる。(過電流)プリチャージ電流比×基準電流比が定数(C)となるように設定する。つまり、C=プリチャージ電流比×基準電流比とする。また、基準電流比がn倍になれば、プリチャージ電流比を1/nにする。なお、Cは完全に固定(定数)値とすることに限定されない。多少の変化があっても、表示には反映されないからである。Cの変動幅は、0.8以上1.2以下となるようにする。
なお、図313(d)において、点灯率に対応させて線形に、プリチャージ電流比を変化させるとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。プリチャージ電流比などをステップで変化させてもよい。たとえば、図313の実施の形態において、点灯率0以上5%以下は、プリチャージ電流比を2.0とし、点灯率5以上10%以下は、プリチャージ電流比を1.75とし、点灯率10以上15%以下は、プリチャージ電流比を1.50とし、点灯率15上20%以下は、プリチャージ電流比を1.25Vとし、点灯率20%以上でプリチャージ電流比を1.0と変化させてもよい。
プリチャージ電流比をステップ的に変化させた場合であっても、プリチャージ電流比の変化に対応して基準電流比を変化させる。また、基準電流比、プリチャージ電流比などの変化スピードは、ローパスフィルタ特性(速い点灯率の変化には追従しない)を持たせることが好ましい。また、ヒステリシス特性(一度、変化すると、再び点灯率が元に復帰しても比が変化しない)と持たせることが好ましい。
特に、本発明は、低点灯率(点灯率が略25%以下の領域)において、基準電流の増加に対応して、プリチャージ電流(過電流駆動)の大きさを変化させることに特徴がある。基準電流の大きさはプログラム電流の大きさに比例する。一方で、基準電流の大きさ×プリチャージ電流(過電流)の大きさ=略一定(所定値)とすることにより、プリチャージ駆動(電圧駆動、過電流駆動)を容易にするものである。
本発明は、必要に応じて(書き込み不足が発生する場合)、V0電圧(オフセット電圧)をソース信号線18または該当画素16に印加する。また、必要に応じて、V0電圧後にプリチャージ電流(過電流)駆動を実施する。その後、プログラム電流をソース信号線18または該当画素16に印加する。過電流は、V0電圧の電位位置から電圧の積み上げ動作になる。したがって、V0電位を起点として相対的な電圧変化動作となる。プログラム電流は、過電流駆動の実施による電圧変化位置と目標電圧位置とのずれを補正し、精度よい目標電圧を画素16に設定する。
同様の処理あるいは方法(V0電圧を印加すること、過電流駆動を実施すること、ステップ的に変化させること、ヒステリシス特性を有することなど)は、duty比についても適用される。
以上のように、duty比、基準電流比、プリチャージ電流比は、相関の関係に制御する。duty比×基準電流比は定数の関係とする。基準電流比×プリチャージ電流比も定数の関係にする。したがって、duty比×(1/プリチャージ電流比)も定数の関係にする。あるいは略定数の関係にする。
図84の実施の形態では、プリチャージ電流としての過電流は最上位ビットのD5スイッチをオン(クローズ)させることにより実施していた。過電流の大きさは、D5スイッチがクローズする期間によって制御あるいは調整する。図84は6ビットの実施の形態であるが、図314は8ビットの実施の形態である。
図314の実施の形態は、階調は階調スイッチ制御回路3141で実施する。つまり、8ビットの映像信号に対応して該当のスイッチD0〜D7がオンオフ制御される。一方プリチャージ電流(過電流)は、の基準電流比に対応して、スイッチS0〜S7を制御して出力される。
図314は、8ビットの映像電流信号の1出力段である。映像データD0〜D7はスイッチD*a(*は0〜7で、ビット位置を示す)がクローズすることにより端子93から出力される。スイッチD*aは、映像データに応じて該当スイッチがクローズする。一方、スイッチD*b(*は0〜7で、ビット位置を示す)は、電流プリチャージ期間の間クローズする。スイッチD*bのクローズにより、プリチャージ電流(過電流Id)が端子93から出力される。
0階調目に相当するオフセット電圧であるプリチャージ電圧V0はスイッチ221aがクローズすることにより端子93から出力される。プリチャージ電流Idおよびプログラム電流Iwはスイッチ221bがクローズすることにより端子93から出力される。スイッチ221aとスイッチ221bとは同時にクローズしないようにインバータ3144により排他的に制御されている。
インバータ3144へのロジックデータは、プリチャージ期間判定部3143により印加される。つまり、プリチャージ期間判定部3143は、電流プリチャージパルスの長さ設定値によりインバータ3143を制御する。
実施の形態では、基準電流比が1から2まで変化する。したがって、プリチャージ電流の大きさ(比率)も、1から1/2に変化させる。たとえば、基準電流比が1の時は、プリチャージ電流制御回路3142によりスイッチS7がクローズすると設定されていれば、基準電流比が2に変化した時は、プリチャージ電流制御回路3142によりスイッチS6がクローズするように制御される。スイッチS7がクローズ状態でのプリチャージ電流の大きさと、スイッチS6がクローズ状態でのプリチャージ電流の大きさは、2倍差が発生するからである。基準電流比1から2の間のプリチャージ電流の変化はスイッチS0〜S7を制御することによりリニアに調整することができる。
以上のように実施することにより、プリチャージ電流比×基準電流比が定数(C)となるように設定あるいは制御することができる。つまり、C=プリチャージ電流比×基準電流比とする。また、プリチャージ電流の大きさも、プリチャージ電流期間の調整、スイッチSの選択の組み合わせにより調整することができる。
以上のように、図313に図示するように、低点灯率範囲など点灯率に対応させて基準電流を変化させても、同時に点灯率に対応してプリチャージ電流の大きさの相対値を変化させることにより、プリチャージ電流を良好に実現できる。したがって、階調が変化してもプリチャージ電流により良好に目標階調に到達させることができる。
基準電流を大きくすることは、EL素子15に流れる電流の大きさも大きくなる。また、駆動用トランジスタ11aのチャンネル(S−D)間電圧も高くなる。したがって、基準電流比が大きくなれば、アノード電圧(Vdd)とカソード電圧(Vss)間の絶対値を大きくする必要がある。
図313、図313はソースドライバIC(回路)14の階調出力段をスイッチなどで制御することにより基準電流を可変あるいは制御するものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図319に図示するように、RGBの電子ボリウム291の供給電圧を変化あるいは可変してもよい。供給電源電圧を変化させることにより、電子ボリウム291のタップ位置が変化なくとも、出力電圧は変化する。出力電圧の変化により基準電流Ic(IcR、IcG、IcB)が変化する。この基準電流の変化を図313で説明した事項あるいは内容を満足するようにする。
電子ボリウム291(291R、291G、291B)の電源電圧は1つの供給源で制御する。つまり、3つの電子ボリウムの供給電圧は同時に変化される。したがって、RGBの基準電流Icは同時に変化するから、変化に伴うホワイトバランスは維持される。
供給電圧は、電源IC3191内に形成あるいは構成されている。電源IC3191内にDA回路511があり、DA回路511は、コントローラ722からの制御信号により出力電圧(電子ボリウム291の供給電圧)が変化する。制御信号は8ビットとし、256段階の変化が可能である。
図319の基準電流Ic発生回路は、+電圧(Vs)とトランジスタ228a間に抵抗R1を配置した構成であった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。たとえば、図320に図示するように、カソード電圧(図320の実施の形態ではグランド(GND)電圧としている)とトランジスタ228a間に抵抗R1を配置してもよい。
また、図329は、電子ボリウム291(291R、291G、291B)の供給電圧は共通とした。しかし、本発明はこれに限定するものでない。たとえば、図321に図示するように、電子ボリウム291R、291G、291Bで個別の電圧(VpR、VpG、VpB)を印加するように構成してもよい。また、図322に図示するように、RGBの基準電流発生回路で1つの電子ボリウム回路291とし、RGBの各オペアンプ231aに供給する電圧を共通にしてもよい。
アノード電圧(Vdd)とカソード電圧(Vss)間の絶対値を大きくすることは、EL表示装置の消費電力が増大することになる。消費電力の増大は発熱を引き起こし、EL表示装置を劣化させる。本発明は、点灯率にあわせて、特に低点灯率の範囲で書き込み不足を解消する点から基準電流を大きくする。したがって、低点灯率領域で、基準電流が大きくなるため、アノード電圧(Vdd)とカソード電圧(Vss)間の絶対値を大きくする必要がある。しかし、従来の電圧発生回路は点灯率によらず、アノード電圧(Vdd)とカソード電圧(Vss)の電圧値は一定であった。そのため、特に、高点灯率の領域で消費電流も増大するため、EL表示装置が発熱するという問題点があった。
この課題に解決するため、図315に図示するように、低点灯率領域でカソード電圧を低下させている。カソード電圧の低下制御は、基準電流の変化に対応して行う。図313の実施の形態では、点灯率が20%以下で基準電流を増大させている。したがって、図315の実施の形態でも点灯率20%以下でカソード電圧を低下させている。
図315でアノード電圧を一定にし、基準電流の変化に対応してカソード電圧を変化させているのは、本発明の実施の形態における画素16の駆動用トランジスタ11aがPチャンネルであるからである。アノード電位を起点として、電流プログラムを行うからである。したがって、アノード電圧を一定値とした方が、電流プログラムの精度が高く維持でき、また、回路構成も容易だからである。また、本発明のEL表示装置は、カソードにEL素子15の一端子が接続されているため、カソード電圧の変化が発生しても表示に影響を与えないからである。しかし、アノード電圧を基準電流に対応して変化させてもよい。
以上のように、本発明は、点灯率に応じてEL表示装置の電源電圧を変化させることに特徴がある。特に、基準電流の変化に対応して電源電圧を変化させる。また、点灯率に対応して電源電圧(アノード電圧Vddとカソード電圧Vssのうち、少なくとも一方)を変化させる駆動方式である。また、プリチャージ電流の大きさに対応して電源電圧を変化させる。もしくは、アノード電圧Vddとカソード電圧Vssの絶対値を大きくする。特に、低点灯率の領域において、電源電圧(アノード電圧Vddとカソード電圧Vss)の絶対値を大きくする。
電源電圧の絶対値を大きくする方法は、容易である。通常、電源ICは、パルス制御が行われている。印加される(電源ICの内部で発生する)パルスの周波数が高くなれば、電圧は上昇する。印加される(電源ICの内部で発生するあるいは発振する)パルスの周波数が低くなれば、電圧は低下する。したがって、電源ICのパルス制御を行うことにより、電源ICから出力される電圧の大きさを容易に制御できる。
逆に、基準電流が大きい領域を基準として考えれば、本発明は点灯率に対応して電源電圧(アノード電圧Vddとカソード電圧Vssのうち、少なくとも一方)を低下させる駆動方式である。つまり、高点灯率領域で電源電圧を低下させる。また、プリチャージ電流の大きさに対応して電源電圧を低下させる。もしくは、アノード電圧Vddとカソード電圧Vssの絶対値を大きくする。つまり、プリチャージ電流が小さくなれば、電源電圧を低下させる。特に、高点灯率の領域において、電源電圧(アノード電圧Vddとカソード電圧Vss)の絶対値を小さくする方式である。
図315はアノード電圧とカソード電圧を発生させる2電源方式の実施の形態である。図317は、カソード側をグランド(GND)とし、アノード電圧を変化させる方式である。図317でも、図315と同様に、点灯率に応じてEL表示装置の電源電圧を変化させることに特徴がある。特に、基準電流の変化に対応して電源電圧を変化させる。また、点灯率に対応して電源電圧(アノード電圧Vdd)を変化させる駆動方式である。また、プリチャージ電流の大きさに対応して電源電圧を変化させる。もしくは、アノード電圧Vddの絶対値を大きくする。特に、低点灯率の領域において、電源電圧(アノード電圧Vdd)の絶対値を大きくする。
図317の単一電源の場合は、図316に図示するように、パルス制御などを実施するロジック信号レベルVccをレベルシフトしてアノード電圧Vddレベルまで上昇させる。オフセットキャンセル電圧V0などのプリチャージ電圧Vprcレベルは、アノード電圧Vddを基準となるようにする。この構成により、Vdd電圧が変化してもプリチャージ電圧には影響を与えない。
なお、図315、図316において、点灯率に対応させて線形に、カソード電圧またはアノード電圧を変化させるとした。しかし、本発明はこれに限定するものではない。カソード電圧などをステップで変化させてもよい。たとえば、図315の実施の形態において、点灯率0以上5%以下は、カソード電圧を−9Vとし、点灯率5以上10%以下は、カソード電圧を−9Vとし、点灯率10以上15%以下は、カソード電圧を−8.0Vとし、点灯率15上20%以下は、カソード電圧を−6.5Vとし、点灯率20%以上で−5.5Vと変化させてもよい。
カソード電圧とアノード電圧は同時に変化させてもよい。また、カソード電圧とアノード電圧との絶対値を変化させるように制御してもよいことはいうまでもない。
カソード電圧の変化は、電源ICの外付け抵抗の分圧比で調整する。したがって、スイッチ回路により複数の抵抗を切り替え、選択することにより、抵抗値はステップ的に変更あるいは変化させることができる。また、他ステップを有する電子ボリウムなどを用いることにより、点灯率に対してほぼリニアに変化させることができる。
カソード電圧値、アノード電圧値などの電圧の変化スピードは、ローパスフィルタ特性(速い点灯率の変化には追従しない)を持たせることが好ましい。また、ヒステリシス特性(一度、カソード電圧値、アノード電圧値が変化すると、再び点灯率が元に復帰しても電圧値が変化しない)と持たせることが好ましい。
本発明の実施の形態において、ソース信号線18などに定電流を流す、あるいは、ソース信号線18を灰インピーダンス状態に保持してV1、V0電圧などを測定するとした。測定した電圧は、EEPROMや、ROMなどに電圧データ(あるいは電流データ)として保持される。あるいはソースドライバIC(回路)14などに保持される。しかし、すべての電圧データなどを保持すると非常に膨大なデータ量となる。そのため、圧縮技術を用いてROM351などに保持させてもよい。たとえば、JPEGなどの静止画圧縮技術あるいはフォーマットが例示される。とくに、トランジスタ11aの特性分布はランダムではなく、周辺部の特定と近似している。そのため、画像データの圧縮技術を用いることにより良好な圧縮を実施することができる。また、MPEGなどの動画圧縮技術などを用いてもよいことはいうまでのない。以上の事項は本発明の他の実施の形態にも適用できることは言うまでもない。
また、測定されたV0、V1電圧データなどは、EEPROM351などに保持される。保持されたデータは、コントローラ722により定期的に読み出され、ソースドライバ回路(IC)14のRAM回路に転送される。もしくは、ソースドライバ回路14内に形成あるいは構成されたコントローラ回路により読み出され、随時DA変換されてアナログデータとなりサンプルホールド回路371に保持される。
以下、本発明のEL表示パネルまたはEL表示装置もしくはその駆動方法などを用いた装置などについて説明をする。以下の装置は、以前に説明した本発明の装置または方法を実施する。図133は情報端末装置の一例としての携帯電話の平面図である。筐体1333にアンテナ1331、テンキー1332などが取り付けられている。1332などが表示色切換キーあるいは電源オンオフ、フレームレート切り換えキーである。
キー1332を1度押さえると表示色は8色モードに、つづいて同一キー1332を押さえると表示色は4096色モード、さらにキー1332を押さえると表示色は26万色モードとなるようにシーケンスを組んでもよい。キーは押さえるごとに表示色モードが変化するトグルスイッチとする。なお、別途表示色に対する変更キーを設けてもよい。この場合、キー1332は3つ(以上)となる。
キー1332はプッシュスイッチの他、スライドスイッチなどの他のメカニカルなスイッチでもよく、また、音声認識などにより切換るものでもよい。たとえば、4096色を受話器に音声入力すること、たとえば、「高品位表示」、「4096色モード」あるいは「低表示色モード」と受話器に音声入力することにより表示パネルの表示画面64に表示される表示色が変化するように構成する。これは現行の音声認識技術を採用することにより容易に実現することができる。表示色の切り換えは、FRC、プリチャージ駆動などによっても実施できる。FRCあるいはプリチャージ駆動の実施の形態は以前に説明しているため省略する。
なお、RGBのEL素子の効率が異なり、ホワイトバランスがとりにくい場合は、図168に図示するように、光出射面に色フィルタ1681を配置すればよい。図168では、Rの発光効率が高い場合に、R光の出射割合を減衰させるため、R光の一部をカットする、あるいは狭帯域化して色純度をよくすることを目的として、赤(R)フィルタ1681を配置した構成である。
また、表示色の切り換えは電気的に切換るスイッチでもよく、表示パネルの表示部64に表示させたメニューを触れることにより選択するタッチパネルでも良い。また、スイッチを押さえる回数で切換る、あるいはクリックボールのように回転あるいは方向により切換るように構成してもよい。
1332は表示色切換キーとしたが、フレームレートを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とを切換るキーなどとしてもよい。また、動画と静止画とフレームレートなどの複数の要件を同時に切り換えてもよい。また、押さえ続けると徐々に(連続的に)フレームレートが変化するように構成してもよい。この場合は発振器を構成するコンデンサC、抵抗Rのうち、抵抗Rを可変抵抗にしたり、電子ボリウムにしたりすることにより実現できる。また、コンデンサはトリマコンデンサとすることにより実現できる。また、半導体チップに複数のコンデンサを形成しておき、1つ以上のコンデンサを選択し、これらを回路的に並列に接続することにより実現してもよい。
本発明の表示パネル(表示装置)において、ブライトネス調整は、duty比制御あるいは基準電流比制御などにより実施する。特に、基準電流比制御回路の構成では、ホワイトバランスを維持したまま、表示画面64の明るさをリニアに制御あるいは調整することができるので好ましい。ブライトネス調整はコントローラ回路(IC)722によるソフト的制御でもよく、表示パネルの表示部64に表示させたメニューを触れることにより選択するタッチスイッチなどによる調整でもよい。また、外光の強さをホトセンサで検出し、オートマチックに調整する方式でもよい。以上の事項は、コントラスト調整などにも適用できることは言うまでもない。また、duty比制御にも適用できることは言うまでもない。
図134は本発明の実施の形態におけるビューファインダの断面図である。但し、説明を容易にするため模式的に描いている。また一部拡大あるいは縮小した箇所が存在し、また、省略した箇所もある。たとえば、図134において、接眼カバーを省略している。以上のことは他の図面においても該当する。
ボデー1333の裏面は暗色あるいは黒色にされている。これは、EL表示パネル(表示装置)1334から出射した迷光がボデー1333の内面で乱反射し表示コントラストの低下を防止するためである。また、表示パネルの光出射側には位相板(λ/4板など)38、偏光板39などが配置されている。このことは図3、図4でも説明している。
接眼リング1341には拡大レンズ1342が取り付けられている。観察者は接眼リング1341をボデー1333内での挿入位置を可変して、表示パネル1334の表示画面64にピントがあうように調整する。
また、必要に応じて表示パネル1334の光出射側に正レンズ1343を配置すれば、拡大レンズ1342に入射する主光線を収束させることができる。そのため、拡大レンズのレンズ径を小さくすることができ、ビューファインダを小型化することができる。
図135はビデオカメラの斜視図である。ビデオカメラは撮影(撮像)レンズ部1352とビデオかメラ本体1333と具備し、撮影レンズ部1352とビューファインダ部1333とは背中合わせとなっている。また、ビューファインダ(図134も参照)1333には接眼カバーが取り付けられている。観察者(ユーザー)はこの接眼カバー部から表示パネル1334の表示画面64を観察する。
一方、本発明のEL表示パネルは表示モニターとしても使用されている。表示部64は支点1351で角度を自由に調整できる。表示部64を使用しない時は、格納部1353に格納される。
スイッチ1354は以下の機能を実施する切り換えあるいは制御スイッチである。スイッチ1354は表示モード切り換えスイッチである。スイッチ1354は、携帯電話などにも取り付けることが好ましい。この表示モード切り換えスイッチ1354について説明をする。
本発明の駆動方法の1つにN倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法がある。この点灯させる期間を変化させることのより、明るさをデジタル的に変更することができる。たとえば、N=4として、EL素子15には4倍の電流を流す。点灯期間を1/Mとし、M=1、2、3、4と切り換えれば、1倍から4倍までの明るさ切り換えが可能となる。なお、M=1、1.5、2、3、4、5、6などと変更できるように構成してもよい。
以上の切り換え動作は、携帯電話、モニターなどの電源をオンしたときに、表示画面64を非常に明るく表示し、一定の時間を経過した後は、電力セーブするために、表示輝度を低下させる構成に用いる。また、ユーザーが希望する明るさに設定する機能としても用いることができる。たとえば、屋外などでは、画面を非常に明るくする。屋外では周辺が明るく、画面が全く見えなくなるからである。しかし、高い輝度で表示し続けるとEL素子15は急激に劣化する。そのため、非常に明るくする場合は、短時間で通常の輝度に復帰させるように構成しておく。さらに、高輝度で表示させる場合は、ユーザーがボタンと押すことにより表示輝度を高くできるようの構成しておく。
したがって、ユーザーがボタン1354で切り換えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り換えできるように構成しておくことが好ましい。また、表示輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことが好ましい。
なお、表示画面64はガウス分布表示にすることが好ましい。ガウス分布表示とは、中央部の輝度が明るく、周辺部を比較的暗くする方式である。視覚的には、中央部が明るければ周辺部が暗くとも明るいと感じられる。主観評価によれば、周辺部が中央部に比較して70%の輝度を保っておれば、視覚的に遜色ない。さらに低減させて、50%輝度としてもほぼ、問題がない。本発明の自己発光型表示パネルでは、以前に説明したN倍パルス駆動(N倍の電流をEL素子15に流し、1Fの1/Mの期間だけ点灯させる方法)を用いて画面の上から下方向に、ガウス分布を発生させている。
具体的には、画面の上部と下部ではMの値と大きくし、中央部でMの値を小さくする。これは、ゲートドライバ回路12のシフトレジスタの動作速度を変調することなどにより実現する。画面の左右の明るさ変調は、テーブルのデータと映像データとを乗算することにより発生させている。以上の動作により、周辺輝度(画角0.9)を50%にした時、100%輝度の場合に比較して約20%の低消費電力化が可能である。周辺輝度(画角0.9)を70%にした時、100%輝度の場合に比較して約15%の低消費電力化が可能である。
ガウス分布は、基準電流を変化させること(たとえば、画面の中央部で基準電流比を大きくし、画面の上下部で基準電流比を小さくする)、duty比を変化させること(たとえば、画面の中央部でduty比を大きくし、画面の上下部でduty比を小さくする)、プリチャージ電流あるいはプリチャージ電圧などを変化させることによっても実現できることはいうまでもない。
なお、ガウス分布表示はオンオフできるように切り換えスイッチなどを設けることが好ましい。たとえば、屋外などで、ガウス表示させると画面周辺部が全く見えなくなるからである。したがって、ユーザーがボタンで切り換えできるようにしておくか、設定モードで自動的に変更できるか、外光の明るさを検出して自動的に切り換えできるように構成しておくことが好ましい。また、周辺輝度を50%、60%、80%とユーザーなどが設定できるように構成しておくことがこのましい。
液晶表示パネルではバックライトで固定のガウス分布を発生させている。したがって、ガウス分布のオンオフを行うことはできない。ガウス分布をオンオフできるのは自己発光型の表示デバイス特有の効果である。
本実施の形態のEL表示装置などはビデオカメラだけでなく、図136に示すような電子カメラ、スチルカメラなどにも適用することができる。表示装置はカメラ本体1361に付属されたモニター64として用いる。カメラ本体1361にはシャッタ1363の他、スイッチ1354が取り付けられている。
本発明のEL表示パネルは、3D(立体)表示装置にも採用できる。図141、図142は本発明の3D表示装置の説明図である。図141に図示するように、2枚のEL表示パネル(EL表示アレイ)30a、30bは対面して配置されている。また、表示パネル30aの画素電極15aと、表示パネル30bの画素電極15bとは対面する位置に配置されている。2枚のEL表示パネルの間隔は隔離柱1411で保持されている。隔離柱1411は表示領域64の周囲に配置され、リング状の形状をしている。ガラスなどの無機材料で構成されている。隔離柱1411(高さ)は圧膜技術、塗布技術、印刷技術などで形成または構成してもよい。また、アレイ基板30をエッチング技術あるいは研磨技術を用いて表示領域64などを掘り下げることにより形成してもよい。
隔離柱1411は1mm以上8mm以下の厚みである。特に、隔離柱1411は3mm以上7mm以下の厚みにすることが好ましい(図165のdが該当する)。隔離柱1411は封止樹脂6332でパネル30a、30bに貼り付けられている。空間6333には必要に応じて乾燥剤が配置あるいは形成または構成される。
なお、図142では、表示パネル30aと30bは2枚の基板で一体化されているように図示したがこれに限定するものではない。表示パネル30aと30bはそれぞれアレイ基板と対向基板(封止基板)を有するように構成してもよい。つまり、独立した表示パネル30aと30bを隔離柱1411などの隔離手段(一定間隔を保持する手段)を用いて配置してもよい。
表示パネル30aの画素電極15aと、表示パネル30bの画素電極15bとは、異なる画像あるいは同一の画像を表示する。画像はA方向から観察する。したがって、EL表示パネル30aは透過型である必要がある。画素電極15aを介して表示パネル30bの画素電極15bに表示される画像を観察する必要があるからである。表示パネル30bのEL素子15の両電極は透過性を有する必要がある。液晶表示装置では画像表示にバックライトが必要である。したがって、透過型に構成することはできない。EL表示パネルは自己発光パネルであるので、表示画像を両面から見えるように構成することができる。つまり、A側から表示パネル30aの画像を観察することができる。かつ、表示パネルはA側から表示パネル30bの画像を観察できるように構成する必要がある。表示パネル30bは透過型であっても、反射型であってもよい。
表示パネル30bは液晶表示パネルで構成してもよい。その場合は、図141に図示するようにバックライト1414を配置し、表示パネル30bの画像がA側から観察できるように構成する。表示パネル30aと30bの画面サイズは一致されることが好ましいが、これに限定するものではない。一方の表示パネル30の画面サイズを大小させてもよい。
表示パネル30aと30bに映像信号を供給する映像処理回路は共通にすれば低コスト化が望める。また、表示パネル30aと30bの表示画像の明るさうち、一方の明るさを他方の明るさに対して変化ありは変更できるように構成することが好ましい。
表示パネル30aの表示画像64aは、表示パネル30bの表示画層64bよりも明るく(輝度を高く)表示させる。表示画像64aと表示画像64bとの輝度差を発生させることにより、A側から見た画像が立体的に見える。輝度差は、10%以上80%以下にするとよい。特に、20%以上60%以下にするとよい。
図142は、2つの表示パネル30の画像表示状態の説明図である。コントローラ回路(IC)722は表示パネル30aのソースドライバ回路(IC)14aなどと、表示パネル30bのソースドライバ回路(IC)14bなどを制御して画像を制御し、表示画像64aと64bとで3D表示を実現する。
図165は、透過型の自発光型表示パネル30aと、非発光型の液晶表示パネル1653とを組み合わせた実施の形態である。液晶表示パネル1653の背面にはバックライト1651が配置されている。バックライト1651と液晶表示パネル1653間には偏光板(偏光フィルム)39aが配置されており、液晶表示パネル1653の光出射面側にも偏光板(偏光フィルム)39bが配置されている。液晶表示パネル1653はノーマリホワイトモードであり、偏光板39aと偏光板39bの偏光軸は直交している。液晶表示パネル1653、バックライト1651、EL表示パネル30aは保持具(筐体)1652に一体となるように取り付けられている。したがって、液晶表示パネル1653の画像表示位置と、EL表示パネル30aの画像表示位置間距離dは精度よく一定に保たれている。
なお、ここでいう直交とは、液晶表示パネルの液晶層に電圧が印加されていない時、偏光板39aに入射した光が、液晶表示パネル1653を透過し、偏光板39bに入射した際に、偏光板39bで吸収されて、偏光板39bから透過しない状態(最も光を透過しない状態)に構成または配置することを意味する。
一方、EL表示パネル30aと液晶表示パネル1651間には、円偏光板1654aが配置されている。円偏光板1654はλ/4板(λ/4フィルム)38と偏光板(偏光フィルム)39から構成される。EL表示パネル30aの光出射面にも、円偏光板1654bが配置されている。円偏光板1654aの偏光板39cの偏光軸と、円偏光板1654bの偏光板39dの偏光軸とは、直交するように配置されている。
なお、ここでいう直交とは、偏光板39cに入射した直線偏光が、λ/4板(λ/4フィルム)38cで円偏光に変換され、EL表示パネル30aを透過し、円偏光板38dで先の直線偏光と90度位相が異なる直線偏光に変換され、偏光板39dを透過する状態(最も光を透過する状態)に構成または配置することを意味する。
以上の関係を図166に図示している。図166の偏光板39上に示す矢印は、偏光軸を示している。バックライト1651からの光は、偏光板39aに入射し、直線偏光に変換される。直線偏光は、液晶表示パネル1653に入射し、液晶表示パネル1653は直線偏光を印加される映像信号に応じて変調する。変調された直線偏光は、変調の割合に応じて偏光板39bで吸収または透過する。偏光板39bを透過する直線偏光は、偏光板39aを透過する直線偏光を90度位相が回転している。
偏光板39bを透過した直線偏光は、そのまま、偏光板39cを透過する(一部減衰する)。偏光板39cに入射した直線偏光が、λ/4板(λ/4フィルム)38cで円偏光に変換され、EL表示パネル30a透過し、円偏光板38dで先の直線偏光と90度位相が異なる直線偏光に変換され、偏光板39dを透過する。したがって、液晶表示パネル1653の表示画像は、EL表示パネル30aを透過して、観察することができる。もちろん、EL表示パネル30aは自己発光であるから、円偏光板1654bを介して、EL表示パネルの表示画像も観察することができる。以上の構成により、図141で説明したように、A側から見た画像が立体的に見える。
図167は、外光の抑制を説明する説明図である。外光BはEL表示パネル30a側から入射する。外光Bは偏光板39dに入射し、直線偏光となる。この直線偏光は、λ/4板(λ/4フィルム)38dで円偏光に変換され、EL表示パネル30aに入射する。外光は、主としてカソード電極30で反射される。反射された光Cは、再び、λ/4板(λ/4フィルム)38dに入射する。入射した反射光Cは、λ/4板(λ/4フィルム)38dで直線偏光に変換される。この直線偏光は、外光Bが偏光板39dを透過した直線偏光と90度位相が異なっている。したがって、光Cは偏光板39dで吸収される。そのため、本発明は、外光Bの影響を受けず、良好なコントラスト表示を実現できる。
図165などにおいて、表示パネル30aはEL表示パネルとして説明したが、表示パネル30aは、自己発光表示パネルであり、光透過性を有するものであればいずれの表示パネルであればよいことは言うまでもない。また、1653は、液晶表示パネルに限定するものではなく、画像を表示する表示パネル(有機および無機EL表示パネル、SED、FEDなど)であればいずれでもよい。
なお、図165、図166、図167などにおいて、液晶表示パネル1653とEL表示パネル(自己発光パネル)30aとの位置関係は入れ替えてもよい。たとえば、図165において、液晶表示パネル1653および偏光板39などをEL表示パネル(自己発光パネル)30aおよび円偏光板1654を入れ替えてもよい。また、自己発光パネル30aは本発明の駆動方式、構造、構成などを採用することにより、より良好な3D(立体)表示を実現できる。
以上は表示パネルの表示領域が比較的小型の場合であるが、30インチ以上と大型となると表示画面64がたわみやすい。その対策のため、本発明では図137に示すように表示パネルに外枠1371をつけ、外枠1371をつりさげられるように固定部材1374で取り付けている。この固定部材1374を用いて、壁などに取り付ける。
しかし、表示パネルの画面サイズが大きくなると重量も重たくなる。そのため、表示パネルの下側に脚取り付け部1373を配置し、複数の脚1372で表示パネルの重量を保持できるようにしている。
脚1372はAに示すように左右に移動でき、また、脚1372はBに示すように収縮できるように構成されている。そのため、狭い場所であっても表示装置を容易に設置することができる。
図137のテレビでは、画面の表面を保護フィルム(保護板でもよい)で被覆している。これは、表示パネルの表面に物体があたって破損することを防止することが1つの目的である。保護フィルムの表面にはAIRコートが形成されており、また、表面をエンボス加工することにより表示パネルに外の状況(外光)が写り込むことを抑制している。
保護フィルムと表示パネル間にビーズなどを散布することにより、一定の空間が配置されるように構成されている。また、保護フィルムの裏面に微細な凸部を形成し、この凸部で表示パネルと保護フィルム間に空間を保持させる。このように空間を保持することにより保護フィルムからの衝撃が表示パネルに伝達することを抑制する。
また、保護フィルムと表示パネル間にアルコール、エチレングリコールなど液体あるいはゲル状のアクリル樹脂あるいはエポキシなどの固体樹脂などの光結合剤を配置または注入することも効果がある。界面反射を防止できるとともに、前記光結合剤が緩衝材として機能するからである。
保護フィルムをしては、ポリカーボネートフィルム(板)、ポリプロピレンフィルム(板)、アクリルフィルム(板)、ポリエステルフィルム(板)、PVAフィルム(板)などが例示される。その他エンジニアリング樹脂フィルム(ABSなど)を用いることができることは言うまでもない。また、強化ガラスなど無機材料からなるものでもよい。保護フィルムを配置するかわりに、表示パネルの表面をエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂で0.5mm以上2.0mm以下の厚みでコーティングすることも同様の効果がある。また、これらの樹脂表面にエンボス加工などをすることも有効である。
また、保護フィルムあるいはコーティング材料の表面をフッ素コートすることも効果がある。表面についた汚れを洗剤などで容易にふき落とすことができるからである。また、保護フィルムを厚く形成し、フロントライトと兼用してもよい。
以上の実施の形態は、本発明の表示パネルなどを表示装置として用いるものであった。しかし、本発明はこれに限定するものではない。図140は、情報発生装置として用いるものである。図8などで説明したように、ゲートドライバ回路12に入力する信号(特にST信号)により、非点灯領域62と点灯領域63を発生することができる。点灯領域63は該当画素16のEL素子15が発光している領域である。つまり、ゲート信号線17bにオン電圧が印加され、図1の画素構成では、トランジスタ11dがオン状態となっている領域である。非点灯領域62は該当画素16のEL素子15に電流が流れていない領域である。つまり、ゲート信号線17bにオフ電圧が印加され、図1の画素構成では、トランジスタ11dがオフ状態となっている領域である。
ソースドライバ回路(IC)14から表示領域64に白ラスター表示の信号が印加されているとする。ゲートドライバ12bを制御することにより、表示領域64にストライプ状(画素行単位で点灯、非点灯制御されるため)に点灯領域63と非点灯領域62を発生させることができる。図140に図示するように、ゲートドライバ回路12bの制御によりバーコード表示を実現できる。
ゲートドライバ回路12aのST1端子には、1フレームに1回のスタートパルスが印加される。ゲートドライバ回路12bのST2端子には、バーコード表示に対応させてスタートパルスが印加される。通常の印刷物のバーコードと異なる点は、表示領域64の各バーコード表示位置が水平走査信号に同期して移動する点である。
したがって、図139に図示するように、EL表示パネルの表示領域64に、1画素行の点灯状態を検出できるホトセンサ1391を配置または形成すれば、ホトセンサ1391を固定した状態で、1/(1秒間のフレーム数・画素行数)のレートでバーコードの表示状態を検出できる。ホトセンサ1391で検出したデータはデコーダ(バーコード解読器)1392により電気信号に変換され解読されて情報になる。EL表示パネルは応答性が速いため、高速の情報を表示することができる。
duty比制御駆動、基準電流比制御、N倍パルス駆動、ソースドライバ回路(IC)、ゲートドライバ構成、PDP(プラズマディスプレイパネル)など本明細書で記載した本発明の駆動方法および駆動回路などは、有機EL表示パネルの駆動方法および駆動回路などに限定されるものではない。図138に図示するようにフィールドエミッションディスプレイ(FED)、SED(キャノンと東芝が開発したディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶表示デバイス、カーボンナノチューブ(Carbon nano tube、CNTと略されることがある)を用いたディスプレイ、陰極線管(CRT、Cathode Ray Tube)などの他のディスプレイにも適用できることは言うまでもない。特にFED、SEDは電流駆動のため、本発明のソースドライバ回路(IC)14、駆動方式(基準電流比制御、duty比制御など多くの実施の形態を例示している)、表示装置の技術思想を良好に適用することができる。
なお、SEDとは、表面伝導型電子放出素子を用いたディスプレイ「SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)」である。SEDは、ブラウン管の電子銃に相当する電子放出部を画素の数だけ設けたガラス基板と、これと対になる蛍光体の付いたもう一枚のガラス基板を、数ミリメートル程度の間隔に近隣して配置し、中が真空となるように封止して作製する。
図138のFEDでは基板30上にマトリックス状に電子を放出する電子放出突起1383(図3では画素電極35が該当する)が形成されている。画素には映像信号回路1382(図1ではソースドライバ回路(IC)14が該当する)からの画像データを保持する保持回路1384が形成されている(図1ではコンデンサが該当する)。また、電子放出突起1383の前面には制御電極1381が配置されている。制御電極1381にはオンオフ制御回路1385(図1ではゲートドライバ回路12が該当する)により電圧信号が印加される。
図138の画素構成で、周辺回路を構成すれば、duty比制御駆動あるいはN倍パルス駆動などを実施できる。映像信号回路1382からソース信号線18に画像データ信号が印加される。オンオフ制御回路1385aから選択信号線に画素16選択信号が印加され順次画素16が選択され、画像データが書き込まれる。
図138などの構成にも、本発明のduty比制御、基準電流比制御、プリチャージ制御、点灯率制御、AI制御、ピーク電流抑制制御、パネルの配線引き回し、ソースドライバ回路(IC)14の構成あるいは駆動方法、ゲートドライバ回路構成あるいは制御方法、トリミング方法、プログラム電圧+プログラム電流駆動方法、検査方法など、本発明の明細書で記載した各種の構成あるいは方法、構成、方式、装置構成、表示方法などが適用できることは言うまでもない。以上の事項は本発明の他の実施の形態においても同様に適用できることは言うまでもない。
本発明は、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度などにより、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整もしくは変化あるいは可変するとしたが、これに限定するものではない。たとえば、画像(映像)データ、点灯率、アノード(カソード)端子に流れる電流、パネル温度の変化割合あるいは変化を予想または予測して、基準電流、duty比、プリチャージ電圧(プログラム電圧と同義あるいは類似)、ソース信号線18の出力電流、ゲート信号線電圧(Vgh、Vgl)、ガンマカーブなどを変更あるいは調整もしくは変化あるいは可変もしくは制御してもよいことは言うまでもない。また、フレームレートなどを変更あるいは変化させてもよいことは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明は第1の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第1のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度などもしくはこれらの組合せとして変化させる。
また、第2の点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)において、第2のFRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度などもしくはこれらの組合せとして変化させる。もしくは、点灯率(アノード端子のアノード電流などでもよい)もしくは点灯率範囲(アノード端子のアノード電流範囲などでもよい)に応じて(適応して)、FRCあるいは点灯率あるいはアノード(カソード)端子に流れる電流あるいは基準電流あるいはduty比あるいはパネル温度など、もしくはこれらの組合せとして変化させるものである。
また、変化させる時は、ヒステリシスをもたせて、あるいは遅延させて、あるいはゆっくりと変化させる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明のドライバ回路(IC)で説明する事項は、ゲートドライバ回路(IC)12、ソースドライバ回路(IC)14に適用することができ、また、有機(無機)EL表示パネル(表示装置)だけでなく、液晶表示パネル(表示装置)にも適用することができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。基本的に、本発明は、自発光表示パネル(画像表示のためにバックライトなどを必要とせず、自ら発光して画像を表示する表示装置あるいは表示パネル)に適用した時、とくに優れた効果を発揮する。
図1、図3、図4、図8、図10、図11、図18、図19、図21、図62、図65〜67、図72、図76〜84、図112、図128、図133〜142、図148〜153、図165〜168、図169〜172、図176〜212、図215、図244〜246、図247、図251、図266〜図322などで説明したあるいは記載した本発明の画素構成あるいは表示パネル(表示装置)とその構成回路あるいはその制御方法もしくは技術的思想は、相互に組み合わせることができる。また、相互に適用あるいは複合の構成もしくは形成あるいは組み合わせをすることができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
図5、図6、図7、図9、図12、図13、図14、図15、図16、図17、図20、図41、図42、図43、図44、図45〜50、図73、図74、図85〜88、図98〜100、図105〜109、図111、図113〜127、図129〜132、図143〜147、図154〜161、図163、図164、図173〜175、図213〜214、図249、図250、図255、図261〜図265などで説明あるいは記載した本発明の表示パネルあるいは表示装置の駆動方法もしくは制御方法もしくは技術的思想は、相互に組み合わせることができる。また、相互に適用あるいは構成もしくは形成することができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
図22、図23、図24、図25、図26、図27、図28、図29、図30、図31、図32、図33、図34、図35、図36、図37、図38、図39、図40、図51〜61、図63、図64、図68〜71、図89〜97、図101〜104、図110、図162、図219、図222、図252〜254、図256〜260、図261〜図265などに記載あるいは説明した本発明のソースドライバ回路(IC)もしくはドライバ回路とその調整あるいは制御方法(ゲートドライバ回路なども含む)もしくは技術的思想は相互に組み合わせることができる。また、相互に適用あるいは構成もしくは形成することができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
図217、図218、図220〜221、図223〜243、図248などに記載あるいは説明した本発明の検査(評価)装置と検査(評価)方法もしくは調整方法あるいは製造方法、製造装置などの技術的思想は、相互に組み合わせることができる。また、本発明の表示パネル(表示装置)、ソースドライバ回路(IC)、駆動方法などに対して相互に適用あるいは構成もしくは形成することができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
さらに、以上に記載した、画素構成あるいは表示パネル(表示装置)あるいはその制御方法もしくは技術的思想、表示パネルあるいは表示装置の駆動方法もしくは制御方法もしくはその技術的思想、ソースドライバ回路(IC)、ゲートドライバIC(回路)などの駆動回路あるいはコントローラIC(回路)もしくはそれらの制御回路とその調整あるいは制御方法(ゲートドライバ回路なども含む)もしくは技術的思想、検査(評価)装置および検査(評価)方法の技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。また、相互に適用あるいは構成もしくは形成することができることはいうまでもない。また、本発明の検査装置と検査方法もしくは調整方法の技術的思想などは、本発明の表示パネルもしくは表示装置などに適用できることは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。たとえば、本発明のソースドライバ回路(IC)14とコントローラ722を一体として半導体チップとして構成し、この半導体チップを用いて携帯電話、デジタルスチルカメラ(DSC)などを構成する例が例示される。
本発明の表示パネルは、表示装置を意味することがあることは言うまでもない。また、表示装置とは、撮影レンズなど他の構成物を有するものを意味する場合も含まれる。つまり、表示パネルあるいは表示装置とは、何らかの表示手段をもつ装置である。
本発明の実施の形態で説明した表示装置あるいは駆動方法あるいは制御方法あるいは方式などの技術的思想は、ビデオカメラ、プロジェクター、立体(3D)テレビ、プロジェクションテレビ、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、SED(キャノンと東芝が開発したディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイパネル)などに適用できる。
また、ビューファインダ、携帯電話のメインモニターおよびサブモニターあるいは時計表示部、PHS、携帯情報端末およびそのモニター、デジタルカメラ、衛星テレビ、衛星モバイルテレビおよびそのモニターにも適用できる。
また、電子写真システム、ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子スチルカメラにも適用できる。
また、現金自動引き出し機のモニター、公衆電話、テレビ電話、パーソナルコンピュータ、腕時計およびその表示装置などにも適用できる。また、バーコードなどの情報の発生機器にも適用することができる。これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
本発明は、炊飯器などの家庭電器機器の表示モニター、カーオーディオの表示部、車のスピードメーター、ひげそりの表示部、ポケットゲーム機器およびそのモニター、電話器の番号、工場の計測器のインジケーターなどの表示モニター、電車の行き先表示モニター、ネオン表示装置の置き換え、表示パネル用バックライトあるいは家庭用もしくは業務用の照明装置、天井灯、窓ガラス、車のヘッドライトなどの照明装置などにも適用あるいは応用展開できることは言うまでもない。照明装置は色温度を可変できるように構成することが好ましい。これは、RGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更できる。
また、広告あるいはポスターなどの表示装置、RGBの信号器、警報表示灯などにも応用できる。これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
また、スキャナの光源としても本発明の自己発光素子もしくは表示装置あるいは有機EL表示パネルは有効である。RGBのドットマトリックスを光源として、対象物に光を照射し、画像を読み取る。もちろん、単色でもよいことは言うまでもない。また、本発明の表示装置から出力される光を単一波長あるいは狭帯域の波長がでるように構成し、レーザー表示装置またはその応用として用いても良いことは言うまでもない。狭帯域化は、干渉効果あるいは光学フィルタなどを用いることにより実現できる。
また、アクティブマトリックスに限定するものではなく、単純マトリックスでもよい。たとえば、基準電流比制御(図29、図30、図116、図122、図123、図143、duty比制御(図114図〜126など)、複数画素行同時選択駆動(図16など)、表示領域分割(図12、図14など)、プリチャージ駆動(図37〜図63など)あるいは過電流駆動(図83〜図110など)重み付け処理(図113など)、ソースドライバICの構成(図64〜82など)、FRC制御(図132など)、検査方法など、およびこれらを適用した装置などが例示される。その他、7セグメント表示など表示装置にも適用できる。これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
以上のように、本発明は、有機ELあるいは無機ELに限定されるものではなく、LEDディスプレイ、SED、FED、PDPなどを含む自己発光表示装置あるいはその駆動方法に広く適用できるものである。
また、本発明は、液晶表示装置のバックライトにも有機EL表示装置は有効である。EL表示装置(バックライト)のRGBの画素をストライプ状あるいはドットマトリックス状に形成し、これらに流す電流を調整することにより色温度を変更でき、また、明るさの調整も容易である。その上、面光源であるから、画面の中央部を明るく、周辺部を暗くするガウス分布を容易に構成できる。また、点滅表示も高速で行えるため、液晶表示装置などの動画表示の特性改善にも有効である。
また、R、G、B光を交互に走査する、フィールドシーケンシャルコントロール(FSC)方式の液晶表示パネルのバックライトとしても有効である。もちろん、画素16などを形成せず、白色あるいは単色のバックライトもしくはフロンとライトとして本発明の技術的思想を用いてもよいことは言うまでもない。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
また、アクティブマトリックス表示パネルだけでなく、単純マトリックス表示パネルに本発明の技術的思想を用いてもよい。また、バックライトを点滅しても黒挿入することにより動画表示用などの液晶表示パネルのバックライトとしても用いることができる。また、本発明の装置あるいは方法により、白色発光を実現し、液晶表示装置などのバックライトとしても用いることができる。また、これらの技術的思想などは、一部あるいは全部を問わず相互に組み合わせることができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々な変形・変更が可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施されてもよく、その場合は、その組み合わせによる特徴ある効果が得られる。