JP2002003313A - 飛翔害虫防除方法 - Google Patents

飛翔害虫防除方法

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JP2002003313A
JP2002003313A JP2000186221A JP2000186221A JP2002003313A JP 2002003313 A JP2002003313 A JP 2002003313A JP 2000186221 A JP2000186221 A JP 2000186221A JP 2000186221 A JP2000186221 A JP 2000186221A JP 2002003313 A JP2002003313 A JP 2002003313A
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Japan
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carrier
air
halogen atom
flying
controlling
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Satoshi Yamazaki
聡 山▲崎▼
Naoki Sakamoto
直樹 坂本
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Fumakilla Ltd
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Fumakilla Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸散性の薬剤を低エネルギーで放出する害虫
防除方法の提供。 【解決手段】 一般式 化3 【化3】 〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子
で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
有効主成分として空気中に放出することを特徴とする飛
翔害虫防除方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、双翅目の飛翔害虫
の防除方法、特には蒸散性製剤を利用した防除方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在市販されている害虫防除剤の蒸散シ
ステムとしては、代表的なものに液化ガスなどの噴射剤
を推進力として薬剤を空気中に放出するエアゾール剤が
あるが、このシステムは必要な薬剤以外に多量の噴射剤
や溶剤を空気中に放出するものであるため、昨今環境へ
の影響が問題視されている。また、エアゾール剤ほど余
分な成分を放出することのない製剤として、蚊取り線香
やマット式または液体式電気蚊取り剤に代表される加熱
蒸散製剤があるが、これらの製剤には火を使うことや、
AC電源の存在する場所でしか使えないことなどの問題
を有する。したがって今後の害虫防除剤に求められる機
能の方向性としては、これら諸問題を解決した製剤すな
わち余分なものを空気中に放出せず、使用する場所を限
定しないものであることが挙げられる。そのためには、
蒸散性の薬剤を低エネルギーで放出するシステムが求め
られている。薬剤の蒸散量を決定する因子としては、保
持体の表面積、風力、熱、気圧などが既に知られてい
る。しかしながら、これらのうち、気圧を変動させるこ
とは大掛かりな装置が必要となるため実用的でなく、そ
れに対して保持体表面積、風力、熱を変動させる装置は
実用化が可能な範囲であり、検討が為されてきている。
具体的な例を挙げるなら、特開平9−289855号公
報(出願人:住友化学工業株式会社)には、貫通穴を有
し(表面積/体積)が1〜20cm−1の範囲内にある
担体に、常温揮散性の防虫性化合物を保持させる防虫剤
が記載されている。特開平9−308421号公報(出
願人:住友化学工業株式会社)には、折り畳み可能な紙
製の穴を多数有する筒状材に、常温揮散性の殺虫性化合
物が保持させる防虫剤が記載されている。また実開昭6
1−182273号公報(出願人:天昇電気工業株式会
社)、特開平5−68459号公報(出願人:アース製
薬株式会社)、特開平7−111850号公報(出願
人:アース製薬株式会社)、WO96/04786公報
(出願人:アース製薬株式会社)にはファンによって薬
剤を空気中に放出する方式の製剤が記載されている。ま
た特開昭56−75411号公報(出願人:勝田純
朗)、特開昭56−97201号公報(出願人:東洋イ
ンキ製造株式会社ほか)、特開昭58−21601号公
報(出願人:株式会社白元)などには、微加熱によって
薬剤を空気中に放出する方式の製剤が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、今求め
られている、どんな場所でも使用できる害虫防除剤を造
るためには、前述した公知技術だけでは不十分である。
なぜならどんな場所でも使用できるようにするために
は、製剤の小型・軽量化が必要であり、それを実現する
ためにはエネルギーの効率化が不可欠である。しかし前
述の公知技術においては、システムの紹介が中心であ
り、薬剤保持体の表面積を増やすハニカム構造体の提案
以外に、製剤の小型化延いてはエネルギーの効率化に繋
がる蒸散促進方法という総合的観点での言及はほとんど
ない。更に、製剤またはそれを使用する装置の小型化・
効率化を行うためには、好適な有効主成分の選定が最も
重要であるが、ほとんどの先願技術においてそれを特定
していない。従って、本発明の目的は、エネルギーの効
率化を含めた製剤の小型・軽量化を総合的に考慮した蒸
散性の薬剤を低いエネルギーで放出する害虫防除方法の
提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1)一般式 化2
【化2】 〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子
で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
有効主成分として空気中に放出することにより飛翔害虫
を防除するようにする。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明によるところの効率の良い
防除方法とは、少ないエネルギーを有効に用いて成分を
空気中に放出する方法であり、詳しくは小型モーターに
具備したファンを電池などの電力で回転させて風力を
得、その風力で有効成分を空気中に放出する風力蒸散方
式や、単位空間あたりの担体面積が15cm/m
いった小面積から使用可能な自然蒸散方式、70℃以下
の微加熱発熱体が利用可能な微加熱蒸散方式を利用する
防除方法のことである。これらの製剤に搭載可能な有効
成分の条件としては、まず蒸気圧が高いことである。こ
れは、高エネルギー手段である加熱蒸散方式を取らず少
ないエネルギーで小型製剤の完成を目指す上で蒸気圧の
高さすなわち蒸散しやすさは必須条件であるからであ
る。さらに重要な性能としては活性の高さがある。これ
は、いくら蒸散しやすい蒸気圧を有していても、活性が
低い場合は大量に空気中に放出しなければならないた
め、それだけエネルギーを費やす必要があるからであ
る。したがって蒸気圧の高さと活性の高さ双方の性能を
有することが本発明の目的を達成するために必要不可欠
である。このような認識のもとに本発明者らはスクリー
ニングテストを鋭意行ってきたが、一般式 化2(段落
0004参照)で示されるエステル化合物は、前記必要
な性能を全て満足する非常に優れた化合物であることが
確認された。一般式 化2で示される化合物の例を化合
物番号とともに表1に示すが、化2で示される化合物は
これらの例に限定されないことはいうまでもない。
【表1】 本発明による飛翔害虫防除方法の好ましい実施形態とし
てはその蒸散方法の観点から、ファン式拡散装置を用い
る例、自然蒸散による例、加熱蒸散装置を用いる例、が
考えられ、以下これらについて詳細に説明する。
【0006】1.ファン式拡散装置を用いる例 1−1.ファン式拡散装置 ファン式拡散装置としては、吸気口、通風部、排気口の
順に空気が流れる空気流路および送風手段を有し、該空
気流路に薬剤を担時しうる担体を備え、送風手段の作動
に伴い空気流路に発生する空気流によって担体に担時さ
れる薬剤を空気中に拡散させる装置を挙げることができ
る。さらに詳しくは、該装置内に外部から空気に吸入す
る送風手段あるいは該装置内から外部へ空気を排出する
送風手段を有するもので、送風手段を作動させることに
より外部より空気が装置内部に吸気口より吸引され、送
風部を経て排気口より排出される。そしてこれらによっ
て生じる空気流が担体と接触した際に、担時されている
薬剤が空気流とともに排気口を経て外部に排出されるも
のである。また該装置によって生起された空気流にとも
なって、担体周辺部を引圧状態にすることにより、薬剤
の蒸散を促すという方法も好ましい。また、担体自身に
よって気体の流れを生起する装置も、本発明を実施する
上で有用である。そして駆動する担体の形状としては例
えばファンなどが好ましい。
【0007】揮散性薬剤をファンに保持させる手段とし
ては、種々の手段があり、大別して(1)ファンに直接
保持させる方式、(2)ファンに間接的に保持させる方
式がある。(1)の方式では、(a)ファン自体を揮散
性薬剤を混和した吸油性材料(例えば樹脂)によって構
成する、(b)ファン全体又はその表面に近い内部層を
多孔性の吸油性材料で構成し、その多孔性吸油性材料部
分に揮散性薬剤を含浸させたものとするなどの、ファン
内部に保持させる手段などを取ることができ、また
(c)ファン表面に揮散性薬剤を含有する液体を塗布す
る、などのファン表面に保持させる手段を取ることがで
きる。(2)の方式では、(a)ファン自体に揮散性薬
剤を封入したものを挟持させたり、収納させる、(b)
ファンの表面に揮散性薬剤を含有する、又は含浸させた
吸油性材料片を支持させる、(c)ファンの表面に揮散
性薬剤を封入したものを固定するなどの手段を取ること
ができる。上記のようにしてファンに保持させた揮散性
薬剤が消費し終ったならば、継続的に使用するためには
揮散性薬剤を補給する必要があるが、(1)の方式のう
ち、(a)ではファンそのものを交換し、(b)及び
(c)の含浸型では揮散性薬剤を溶液による含浸によっ
て補給してやればよい。(2)の方式では、(a),
(c)とも揮散性薬剤を封入したものを取換えればよ
く、(b)では前記吸油性材料片を取り換えればよい。
【0008】1−2.ファンの駆動手段 ファンの駆動手段としては、電動モーター等が好まし
く、通常の室内等での使用を考えると、乾電池、太陽電
池等の蓄電池やコードにより電流プラグなどから電源を
得ることで駆動可能なものが適している。さらに、ゼン
マイ等の駆動手段によるものでも何ら問題はない。ファ
ンの形状としては、遠心式ファンが一般的であり、例え
ばスクリュー型あるいはプロペラ型、さらに水車型、ロ
ータリーファン型なとが挙げられる。そして空気中への
薬剤の揮散量を調整する1つの手段として、これらファ
ンの形状を送風作用の強いものとすることで可能とな
り、スクリュー型やプロペラ型のものが挙げられる。こ
の他にも、ファンを形成する各ブレードに開口部を設け
るなどすることで送風作用をより強いものとすることが
できる。これらファンの形状としてはシロッコファンが
好適である。またこの時ファンの回転数としては、例え
ば500〜1500rpm程度が示される。
【0009】1−3.担体 担体は、簡単な構造で通気性が大きいという点で、ハニ
カム状、すのこ状、格子状、網状、粒状等の構造のもの
が好ましい。この担体は、その通気性が、通気量で通常
0.1リットル/sec以上のものであればよい。材質
としては無機質および有機質の成型材料が挙げられ、そ
れらから成型されたものとしては、例えば紙類(濾紙、
パルプ、厚紙など)、樹脂類(ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポリマーなど)、セ
ラミック、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維(ポリエス
テル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン
製、ポリプロピレン製など)、天然繊維(木綿、絹、羊
毛、麻など)、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、天然
繊維などからの不織布、多孔性ガラス材料、金網などが
挙げられる。これら担体に本発明の害虫防除成分を含む
薬剤を保持し、これらの一種又は二種以上を組み合わせ
て任意の形状にして使用できる。さらに吸着用担体(薬
剤を担体に保持させるための補助材)を使用する場合、
吸着用担体としては、ゲル化物質(寒天、カラギーナ
ン、澱粉、ゼラチン、アルギン酸など)や可塑化高分子
物質などが挙げられる。高分子物質を可塑化する場合に
は、例えばジオクチルフタレートなどが使用される。さ
らに担体を入れる容器としては、生産性が良くコストメ
リットも有する熱可塑性樹脂、いわゆるプラスチックが
適している。そして熱可塑性樹脂の中でも、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、ABS樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、メタクリル
樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネートが好ましい。
【0010】1−4.蒸散補助剤等 蒸散促進用助剤としてアダマンタン、シクロドデカン、
シクロデカン、ノルボルナン、トリメチルノルボンナ
ン、ナフタリン、樟脳などの昇華性物質を添加すること
により、さらに蒸散効果を高めることもできる。また、
α−〔2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ〕−4,
5メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(ピペロニ
ルブトキシド)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ
〔2,2,1〕ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド(MGK−264)、オクタクロロジイソプロ
ピルエーテル(S−421)、サイネピリン500など
その他のピレスロイド系化合物に対して有効成分の既知
の共力剤と混合して使用することができる。なお、光、
熱、酸化などに対する安定性を高めるために酸化防止剤
や紫外線吸収剤を添加して使用することにより、効力を
安定させることができる。酸化防止剤としては、例えば
2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチ
ルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
メチルフェノール(BHT)、2,6−ジ−tert−
ブチルフェノール 2,2′−メチレンビス(6−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4′−メ
チレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチ
ル−3−メチルフェノール)、4,4′−チオビス(6
−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、ジブチ
ルヒドロキシノン(DBH)が挙げられ、紫外線吸収剤
としては、例えばBHTのようなフェノール誘導体、ビ
スフェノール誘導体またはフェノール−α−ナフチルア
ミン、フェネチジンとアセトンとの縮合物などのアリー
ルアミン類、ベンゾフェノン系化合物が挙げられる。薬
剤を前記保持材に吸収・保持させ、空気等の気体を送っ
て揮散させる場合には、薬剤保持材に残存する薬剤を知
るためインジケーターを直接若しくは間接的に用いるこ
とができる。インジケーター機能を持たせるため、例え
ば、担体の色を変化させるにはアリルアミノアントラキ
ノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、
1,4−ジアミノアントラキノン、1,4−ジブチルア
ミノアントラキノン、1−アミノ−4−アニリノアント
ラキノンなどの色素を使用することができる。
【0011】電子供与性呈色化合物を利用した終点の判
別方法を使用することもできる。これは、電子供与性呈
色化合物、顕色剤および減感剤からなるもので、これら
の化学反応により、処理した担体の色が経時的に変わる
ために上記の薬剤との組合せを調製することにより、使
用時における終点の判別に有効なものとなるものであ
る。これら可変色色素を構成する各化合物は既に公知で
ある化合物を適宜用いることができる。例えば、電子供
与性呈色化合物としてはトリフェニルメタン−フタリド
類、フルオラン類、フェノチアゾン類、インドリルフタ
リド類、スピロピラン類、ローダミンラクタム類等の感
熱感圧染料が挙げられる。顕色剤としては、サリチル酸
フェニル、p−クレゾール、p−ヒドロキシ安息香酸プ
ロピル、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸メチ
ル、2,2−ビス(4′−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン等が挙げられる。そして減感剤としては、ケトン類、
エーテル類、エステル類、アルコール類、アミン類、炭
化水素類等が挙げられる。
【0012】またさらに蒸散組成物用の香料などを添加
したり混合してもよい。また、薬剤を液体として液体用
ボトルに収納し、保持材に吸収させつつボトル外に供給
し、ボトル外の保持材部分に送気して揮散させるような
態様の場合には、ボトル内の液量の変化が確認できるよ
うにすればよく、インジケーターを使用する必要はな
い。担体に本発明の薬剤(害虫防除成分など)を保持さ
せる方法としては、該担体に薬剤を滴下塗布、含浸塗
布、スプレー塗布などの液状塗布方法、液状印刷、はけ
塗り等の方法、あるいは担体へ貼り付けする方法等の方
法が利用でき、さらに使用する組成物が液状のものでな
い場合、あるいは溶剤を使用しない場合などでは、混練
込み、塗布、印刷などにより適用することができる。ま
た、薬剤を担体に上記のように適用する場合、担体の全
面に適用する場合の他、点状、片面あるいは模様状等部
分的に適用することができる。また、薬剤を液体用ボト
ルに収納し、多孔性の薬剤保持材を経て揮散部に供給す
るような態様の場合もある。担体に本発明の薬剤を適用
する際に、担体に薬剤の含浸を容易にするためなどの理
由で液状薬剤を低粘度化する添加剤として、ミリスチン
酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリル
酸ヘキシルなどの脂肪酸エステルやイソプロピルアルコ
ール、ポリエチレングリコール、脱臭ケロシンなどの有
機溶剤を必要により使用することができる。担体に上記
の害虫防除成分及び/又は各種薬剤を保持させる量は特
に制限を受けないが、例えば前記薬剤(害虫防除成分な
ど)を吸油性材料(例えば紙)に含有させる場合には吸
油性材料中に薬剤を50mg/gから1000mg/g
の範囲、好ましくは100mg/gから700mg/g
の範囲である。この量は、少なくとも0.1mg/hr
の揮散量となるのを目安に飽和含浸量まで保持させるこ
とができる。
【0013】2.自然蒸散による方法 自然蒸散方式は、本発明の薬剤を使う方式の中でもメリ
ットの大きい方式のひとつである。従来の技術として実
用化されているものでは、エンペンスリンを用いた衣類
用防虫剤や浄化槽用駆除剤があるが、該薬剤は活性面で
本発明の薬剤に劣り、いずれも小空間においてのみ有効
な製剤である。本実施例に用いることができる薬剤担体
は、必要な薬剤量を含浸させる能力が要求されるため、
不織布等に加工してなる形状が好ましい。さらに材質と
しては、使用される薬剤に応じ、耐薬剤性を有すること
が望まれる。例えば天然繊維としてパルプ、綿、羊毛、
麻、絹、合成繊維としてポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリサルフォン、レーヨン、メ
タアクリル酸樹脂、ガラス繊維等が挙げられる。これら
の薬剤担体は薬剤の保持力を確保するためには厚さ10
μm以上、好ましくは30μm以上、密度が0.05g
/cm以上、好ましくは0.1g/cm以上である
ことが望ましく、薬剤を常温において蒸散させやすくす
るためには厚さが1000μm以下、好ましくは800
μm以下、密度が1.0g/cm 以下、好ましくは
0.8g/cm以下であることが望ましい。これらの
薬剤担体に薬剤を含浸させたものを製剤化して、例えば
蚊成虫の駆除に用いる場合、製剤としての薬剤蒸散量は
効力面からは0.001mg/hr/m以上、好まし
くは0.003mg/hr/m以上であることが望ま
しく、安全性および経済性の面からは、薬剤蒸散量の上
限は0.5mg/hr/m以下が望ましい。これらの
薬剤担体の処理面積は、自然蒸散式の場合、効力面から
は50cm/m以上であることが望ましく、扱いや
すさ、安全性、経済性の面からは1000cm/m
以下であることが望ましい。また、送風式の場合は効力
面からは10cm/m以上であることが望ましく、
扱いやすさ、安全性、経済性の面からは200cm
以下であることが望ましい。本剤型に用いる終点表
示方法も、前記剤型の方法を使用することが可能であ
る。また本製剤に添加する共力剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、担体への本薬剤の添加の際の低粘度化剤として
は、前述の公知化合物を使用することが可能である。
【0014】3.加熱蒸散装置を用いる例 次に、本発明に使用する薬剤を70℃以下の微加熱によ
って空気中に放出する剤型について述べる。70℃以下
の微加熱をエネルギー源として選択した理由としては、
AC電源を使うことなく得ることができる範囲であり、
それにより使用場所を限定しないフリーな製剤にするこ
とが可能となる点が挙げられる。その際本発明の薬剤の
高蒸気圧、高活性の特性がエネルギーの効率利用を可能
とする点で有利である。具体的な発熱源としては、使い
捨てカイロの熱を利用する方式、PTC素子を電池によ
って発熱させる方式、石油ベンジン、可燃性ガスを燃焼
させる等が考えられる。このうち使い捨てカイロを利用
する方式が、公知技術としても古く、手軽に利用可能で
ある。
【0015】使い捨てカイロの発熱方式とは、酸化反応
でこれによる酸化熱を熱源とするものである。その組成
としては金属鉄が主成分であり、この鉄分の酸化には水
分が不可欠であり、この水分を1つ袋の中で、使用する
時まで鉄分と分離する方法として種々のものがあり、例
えば、水を袋の中に入れ、封入して使用時に破るも
の、珪酸および/または珪酸ナトリウム含水塩として
水分を保持させる方法、水分を含ませた活性炭や珪藻
土を袋に何らかの仕かけを施して金属鉄(鉄粉)と分離
する方法があるが、いずれも使用時には鉄分と水分その
他食塩、活性炭、珪藻土等の補助剤を含む組成物が酸素
(空気)の供給によりカイロとしての適温の50゜〜7
0℃に発熱するものである。発熱温度は、その組成によ
っても、又酸化反応に不可欠の酸素(空気)の供給量に
よってある程度の範囲で調節することが可能である。即
ち、空気供給を多くするように、例えば通気孔を大きく
すると温度は高くなるが、その温度の持続時間が短かく
なる。逆に空気の供給量を少なくすれば、温度は低いが
長時間保つことが可能である。
【0016】本剤型の場合も、薬剤とともに添加する終
点表示剤、共力剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、低粘度
化剤としては前述の公知化合物を使用することが可能で
ある。また本剤型に使用する薬剤担体としては、前述の
自然蒸散方式において好適な担体物性を使用するのが好
ましい。
【0017】本発明の害虫防除方法において、一般式
化2(段落 0004参照)とともに相加、相乗または
付加作用を発揮することが考えられる物質を例示すると
以下のとおりである。 アレスリン;3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2
−エン−4−オン−1−イル dl−シス/トランス−
クリサンテマート (ピナミン) dl・d−T80−アレスリン;3−アリル−2−メチ
ルシクロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−
シス/トランス−クリサンテマート (ピナミンフォル
テ) dl・d−T−アレスリン;3−アリル−2−メチルシ
クロペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トラ
ンス−クリサンテマート (バイオアレスリン)d・d
−T−アレスリン;d−3−アリル−2−メチルシクロ
ペンタ−2−エン−4−オン−1−イル d−トランス
−クリサンテマート (エスビオール) d・d−T80−プラレトリン;d−2−メチル−4−
オキソ−3−プロパルギルシクロペント−2−エニル
d−シス/トランス−クリサンテマート (エトック) レスメトリン;5−ベンジル−3−フリルメチル dl
−シス/トランス−クリサンテマート (クリスロン) dl・d−T80−レスメトリン;5−ベンジル−3−
フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート
(クリスロンフォルテ) エンペントリン;1−エチニル−2−メチルペント−2
−エニル d−シス/トランス−クリサンテマート
(ベーパースリン) テラレスリン;2−アリル−3−メチル−2−シクロペ
ンテン−1−オン−4−イル−2,2,3,3,テトラ
メチル−シクロプロパンカルボキシラート (ノックス
リン) トランスフルトリン;2,3,5,6−テトラフルオロ
ベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロ
ビニル)シクロプロパンカルボキシラート 上記化合物および/またはこれらの異性体および/また
は類縁体から選ばれた少なくとも1種以上を用いること
が好ましいが、必要に応じて以下の害虫防除成分を単独
または組み合わせて用いることになんら制限はされな
い。
【0018】ピレスロイド系殺虫剤 フタルスリン;N−(3,4,5,6−テトラヒドロフ
タリミド)−メチルdl−シス/トランス−クリサンテ
マート (ネオピナミン) dl・d−T80−フタルスリン;N−(3,4,5,
6−テトラヒドロフタリミド)−メチル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート (ネオピナミンフォルテ) フラメトリン;5−(2−プロパギル)−3−フリルメ
チル クリサンテマート(ピナミンD) ペルメトリン;3−フェノキシベンジル dl−シス/
トランス−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロ
ビニル)シクロプロパンカルボキシラート (エクスミ
ン) フェノトリン;3−フェノキシベンジル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート (スミスリン) イミプロスリン;2,4−ジオキソ−1−(プロプ−2
−イニル)−イミダゾリジン−3−イルメチル(1R)
−シス/トランス−クリサンテマート (プラール) フェンバレレート;α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレー
ト (スミサイジン) シペルメトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジル
dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラー
ト (アグロスリン) シフェノトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジル
d−シス/トランス−クリサンテマート (ゴキラー
ト) エトフェンプロックス;2−(4−エトキシフェニル)
−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテ
ル (トレボン) テフルスリン;2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メチルベンジル−3−(2−クロロ−3,3,3−トリ
フルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−1−
シクロプロパンカルボキシラート フェンプロパトリン;α−シアノ−3−フェノキシベン
ジル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチル
シクロプロパンカルボキシラート フェンフルスリン;2,3,4,5,6−ペンタフルオ
ロベンジル−dl−シス/トランス 3−(2,2−ジ
クロロビニル)2,2−ジメチル−1−シクロプロパン
カルボキシラート
【0019】有機リン系殺虫剤 ダイアジノン;(2−イソプロピル−4−メチルピリミ
ジル−6)−ジエチルチオホスフェート (ダイアジノ
ン) フェニトロチオン、MEP;0,0−ジメチル−0−
(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェート
(スミチオン) ピリダフェンチオン;0,0−ジメチル−0−(3−オ
キソ−2−フェニル−2H−ピリダジン−6−イル)ホ
スホロチオエート (オフナック) マラチオン;ジメチルジカルベトキシエチルジチオホス
フェート (マラソン) ディプテレックス;0,0−ジメチル−2,2,2−ト
リクロロ−1−ハイドロオキシエチル ホスホネイト クロルピリホス;0,0−ジエチル−0−(3,5,6
−トリクロル−2−ピリジル)−ホスホロチオエート フェンチオン;0,0−ジエチル−0−(3−メチル−
4−メチルチオフェニル)−ホスホロチオエート (バ
イテックス) ジクロルボス;0,0−ジメチル−2,2−ジクロロビ
ニルホスフェート (DDVP) プロペタンホス;0−〔(E)−2−イソプロポキシカ
ルボニル−1−メチルビニル〕0−メチルエチルホスホ
ラミドチオエート (サフロチン) アベイト;0,0,0’,0’−テトラメチル 0,
0’−チオジ−P−フェニレン ホスホロチオエート プロチオホス;ジチオリン酸 0−2,4−ジクロロフ
ェニル 0−エチルS−プロピルエステル (トヨチオ
ン) ホキシム;0,0−ジエチル−0−(α−シアノベンジ
リデンアミノ)チオホスフェート
【0020】昆虫成長阻害剤 ピリプロキシフェン;2−〔1−メチル−2−(4−フ
ェノキシフェノキシ)エトキシ〕ピリジン (スミラ
ブ) メトプレン:11−メトキシ−3,7,11−トリメチ
ル−2,4−ドデカジエノイックアシド−1−メチルエ
チルエステル フェノキシカルブ:エチル〔2−(4−フェノキシフェ
ノキシ)エチル〕カーバーメート ジフルベンズロン:N−〔〔(4−クロロフェニル)ア
ミノ〕カルボニル〕−2,6−ジフロロベンズアミド シロマジン:N−シクロプロピル−1,3,5−トリア
ジン−2,4,6−トリアミン テフルベンズロン:N−〔〔(3,5−ジクロロ−2,
4−ジクロロフェニル)アミノ〕カルボニル〕−2,6
−ジフロロベンズアミド
【0021】オキサジアゾール系殺虫剤 メトキサジアゾン;5−メトキシ−3−(2−メトキシ
フェニル0−1,3,4−オキサジアゾール−2(3
H))−オン (エレミック)
【0022】クロロニコチン系殺虫剤 イミダクロプリド;1−(6−クロロ−3−ピリジルメ
チル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミ
ン (ハチクサン) アセタミプロリド;N’−〔(6−クロロ−3−ピリジ
イル)メチル〕−N’−シアノ−N’メチルアセトンア
ミジイン (モスピラン)
【0023】殺菌剤 トリフルミゾール;(E)−4−クロロ−α,α,α−
トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−2
−プロポキシエチリデン)−0−トルイジン ヘキサコナゾール;(R,S)−2−(2,4−ジクロ
ロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール
−1−イル)ヘキサン−2−オール (アンピル) 硫黄(S) TPN;テトラクロロイソフタロニトリル (ダコニー
ル) カルベンダゾール;2−(メトキシカルボニルアミノ)
ベンゾイミダゾール(MBC) チオファメートメチル;1,2−ビス(3−メトキシカ
ルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン (トップジン
M) プロシミドン;N−(3,5−ジクロロフェニル)−1
2−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシミ
ド (スミレックス) ミクロブタニル;2−P−クロロフェニル−2−(1H
−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ヘキサ
ンニトリル (ラリー) イソプロチオラン;ジイソプロピル−1,3−ジチオラ
ン−2−イソデン−マロネート (フジワン)
【0024】殺菌・防カビ剤 o−フェニルフェノール イソプロピルメチルフェノール 2−クロロ−4−フェニルフェノール チモール
【0025】殺ダニ剤 ケルセン;1,1−ビス(クロロフェニル)−2,2,
2−トリクロロエタノール キノメチオネート;6−メチルキノキサリン−2,3−
ジチオカーボネート ヘキサチアゾクス;トランス−5−(4−クロロフェニ
ル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチ
アゾリジン−3−カルボキサミド
【0026】香料 動物性、植物性の天然香料 炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒド、ケト
ン、ラクトン、オキシド、エステル類等の人工香料
【0027】忌避剤 N,N−ジエチル−m−トルアミド ジメチルフタレート ジブチルフタレート 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−octah
ydrodibenzofuran−4a−carba
ldehyde ジ−n−プロピル イソシンコメロネート p−ジクロロベンゼン ジ−n−ブチルサクシネート カプリン酸ジエチルアミド N−プロピルアセトアニリド β−ナフトール カンファー
【0028】天然精油および/またはその成分 シトラール、シトロネラール、シトロネロール、オイゲ
ノール、メチルオイゲノール、ゲラニオール、シンナミ
ックアルデヒド、リナロール、ペリラアルデヒド、ネペ
タリック酸、メチルヘプテノン、デシルアルデヒド、ミ
ルセン、酢酸ゲラニオール、チモール、リモネン、シオ
ネール、ピネン、シメン、テルピネン、サビネン、エレ
メン、セドレン、エレモール、ビドロール、セドロー
ル、ヒノキチオール、ツヤプリシン、トロポロイド、ヒ
ノキチン、ツヨプセン、ボルネオール、カンフェン、テ
ルピネオール、テルピニルエステル、ジペンテン、ファ
ランドレン、シネオール、カリオレフィン、バニリン、
フルフラール、フルフリルアルコール、ピノカルベオー
ル、ピノカルボン、ミルテノール、ベルベノン、カルボ
ン、オイデスモール、ピペリトン、ツエン、ファンキル
アルコール、メチルアンスラニレート、ビサボレン、ベ
ルガプトール、ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、
ヌートカトン、オクチルアルデヒド、酢酸リナリル、酢
酸ゲラニル、ネロリドール、オシメン、アンスラニル酸
メチル、インドール、ジャスモン、ベンツアルデヒド、
プレゴン 上記の異性体および/または誘導体 上記から選ばれる少なくとも1つ以上を含有する精油
【0029】共力剤 ブチルカービトル 6−プロピル−ピペロニル エーテ
ル(商品名 ピペロニルブトキサイド) オクタクロロジプロピルエーテル(商品名 S−42
1) イソボルニルチオシアナアセテート(商品名 IBT
A) N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商品
名 サイネピリン222) N−(2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−
メチルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,
3−ジカルボキシイミド(商品名 サイネピリン50
0)
【0030】
【実施例1】直径4mmのセルロース製粒状含浸体(レ
ンゴー(株)製 商品名:ビスコパール)を用い、アカ
イエカに対するノックダウン効力を調査した。効力試験
は、8畳居室に供試虫を約100個体放飼し、薬剤処理
からの経時的なノックダウン虫数をカウントする方法で
行い、結果はBlissのプロビット法により算出した
KT50値で表記した。有効成分には何種類かの本発明
化合物を用い、配合量は1献体当り300mgとした。
試験においてファンはシロッコファンとし、該ファンは
印加電圧1.5Vでの無負荷時の消費電流が4mAであ
るモーター(マブチモーター(株)製 RF−330T
K−07800)に直結し、ファンを取り巻くようファ
ンケースを設けた。含浸体を入れるカートリッジは、フ
ァンの吸気口側に設置した。電池は、アルカリ単3電池
2本を直列で用いた。結果を表2に示す。
【表2】 〔判定〕 ◎:KT50=5分以内 ○:KT50=5〜10分 △:KT50=10〜20分 ×:KT50=20分以上
【0031】
【実施例2】JIS−P−8117に則って行った試験
において、透気度を1.0×10秒/100ccに調
製した不織布と、クレープ紙とPETフィルムをポリエ
チレンによって貼り合わせたシートを用いて10×13
cmの袋を作製し、その中に使い捨てカイロ原粉として
還元鉄粉、活性炭、塩水などを封入した。この発熱材の
平均表面温度は約65℃である。該材に、本発明化合物
を20mgヘキサンに溶解させて塗布し、ヘキサンを風
乾させた後に得たサンプルの屋外における蚊の吸血被害
状況を観察した。結果を表3に示す。
【表3】 〔吸血被害状況〕 ++:重度の被害(吸血数5ヶ所以上) +−:軽度の被害(吸血数1〜4ヶ所) −−:被害なし
【0032】
【実施例3】目付100g/cmのPP不織布(RW
2100)を500cmに切断し、本発明化合物を5
00mg塗布し試験サンプルを得た。該サンプルを8畳
居室(32.4m)に吊るし、3時間後にヒトスジシ
マカ雌成虫を投入した際の該供試虫の経時ノックダウン
数をカウントし、結果をBlissのプロビット法によ
り算出したKT50値で表記した。また、居室の中心部
にマウスを設置したときの吸血阻止効果についても同時
に測定した。結果を表4に示す。
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 25/18 103 A01N 25/18 103B 53/00 506Z Fターム(参考) 2B121 AA12 CA02 CA07 CA28 CA43 CA53 CA58 CA61 CC02 FA05 FA06 4H011 AC01 AC02 BA01 BB15 DA10 DA20 DB04 DC10 DD05 DE04 DE06 DF04 DG03 DG06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 化1 【化1】 〔式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子
    で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
    ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
    基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
    ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
    〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
    いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
    nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
    C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
    有効主成分として空気中に放出することを特徴とする飛
    翔害虫防除方法。
  2. 【請求項2】 空気中への放出は、風力を生成する装置
    の風力によることを特徴とする請求項1記載の飛翔害虫
    防除方法。
  3. 【請求項3】 風力を生成する装置は、吸気から排気ま
    で連通した空気流路を有し、該空気流路に送風手段によ
    って気体の流れを生起する装置であり、前記有効成分を
    保持させた担体の少なくとも一部を該連通空気流路に設
    置した装置であることを特徴とする請求項2記載の飛翔
    害虫防除方法。
  4. 【請求項4】 風力を生成する装置は、モーターによっ
    て駆動される送風手段によって気体の流れを生起し、該
    気体流に伴って担体周辺部を引圧することにより前記有
    効成分を放出する装置であることを特徴とする請求項2
    記載の飛翔害虫防除方法。
  5. 【請求項5】 風の吸気口側に配した担体の風力抵抗値
    Rが、担体を設置しない場合のモーター消費電流値E1
    に対する、担体を設置した場合のモーター消費電流値E
    2の割合で、5〜25%(R=100−E2/E1×1
    00)となることを特徴とする請求項4記載の飛翔害虫
    防除方法。
  6. 【請求項6】 モーターが、印加電圧1.5Vでの無負
    荷時の消費電流を100mA以下とする省電力型である
    ことを特徴とする請求項4記載の飛翔害虫防除方法。
  7. 【請求項7】 担体の形状が、粒状、線状、糸状、より
    選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項4記載
    の飛翔害虫防除方法。
  8. 【請求項8】 風力を生成する装置は、前記有効成分を
    保持させた担体自身によって気体の流れを生起する装置
    であることを特徴とする請求項2記載の飛翔害虫防除方
    法。
  9. 【請求項9】 空気中への放出は、単位空間あたりの担
    体面積が15cm/m以上である担体を用いた、自
    然蒸散によることを特徴とする請求項1記載の飛翔害虫
    防除方法。
  10. 【請求項10】 空気中への放出は、70℃以下の微加
    熱を発生させる装置による微加熱によることを特徴とす
    る請求項1記載の飛翔害虫防除方法。
  11. 【請求項11】 微加熱を発生させる装置は、主に酸化
    発熱の際のエネルギーを利用する装置であることを特徴
    とする請求項10記載の飛翔害虫防除方法。
  12. 【請求項12】 終点表示方法として、アントラキノン
    系色素を利用する方法、電子供与性呈色性有機化合物お
    よび減感剤からなる可変色色素を利用した方法、電子供
    与性呈色性有機化合物、減感剤および顕色剤からなる可
    変色色素を利用した方法、または昇華剤の昇華速度と薬
    剤の蒸散速度を略一致させる方法の一つ以上が付加され
    ていることを特徴とする請求項1〜11記載の飛翔害虫
    防除方法。
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