JP2000247807A - 害虫の飛来及び/又は吸血行動抑制剤 - Google Patents

害虫の飛来及び/又は吸血行動抑制剤

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JP2000247807A
JP2000247807A JP11051250A JP5125099A JP2000247807A JP 2000247807 A JP2000247807 A JP 2000247807A JP 11051250 A JP11051250 A JP 11051250A JP 5125099 A JP5125099 A JP 5125099A JP 2000247807 A JP2000247807 A JP 2000247807A
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Atsuhiko Hattori
篤彦 服部
Masaaki Sugiura
正昭 杉浦
Hiroaki Inoue
裕章 井上
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
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Fumakilla Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 害虫の飛来及び/又は吸血阻止効果が得られ
る程度の濃度の薬剤を一定の空間に安定して留まらせる
ことができ、また薬剤の拡散性を制御し、不要な薬剤量
を減らすことができ、しかも持ち運びが簡便な害虫の飛
来及び/又は吸血行動抑制剤を提供する。 【解決手段】 害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制す
る有効主成分を、害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制
しようとする空間容積当たりの薬剤含浸面積が1×10
0〜5.0×102cm2/m3の範囲内となるような割合
で担体に含浸・保持させてなる薬剤蒸散体であって、自
然蒸散、1×10-3〜1×10-13/秒の微送風、及
び/又は40〜70℃の微加熱により薬剤を徐々に蒸散
させることで、薬剤蒸散体を中心とした薬剤濃度勾配を
生じさせ、それを、開放空間又は閉鎖空間の一部に局所
的に存在させることで局所的な空間における害虫の飛来
及び/又は吸血行動を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸散性薬剤を用い
た害虫の飛来及び/又は吸血行動抑制剤に関し、さらに
詳しくは、家畜小屋、犬小屋、室内等に設置したり、又
は身につけたりすることで、開放空間や室内の一部分の
空間内における蚊やサシバエなどの吸血性害虫の吸血行
動や、イエバエ、ヒメイエバエ、メマトイなどの害虫の
飛来行動を抑制する製剤に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来の害
虫の飛来を抑制したり、吸血昆虫を駆除するものとし
て、線香、電気蚊取りマット、電気蚊取り液、そしてエ
アゾール式の殺虫剤のような害虫駆除剤が上市されてい
るが、いずれも殺虫やノックダウンを目的とし、比較的
広範囲にわたってその効力を維持するためにかなり高濃
度の薬剤を空気中に存在させる必要があった。そのた
め、薬剤による人体に対する害がしばしば問題となって
いる。また、これらの殺虫剤は100℃以上の加熱蒸散
や噴射剤によって強制的に空間へ放出されるため、薬剤
が局所空間に留まりにくく、加熱蒸散の場合は部屋の上
部へ、エアゾール剤の場合はその噴射方向に薬剤が広が
るため、室内に拡散しやすい傾向があった。その他、吸
血性害虫の忌避剤として、ジエチルトルアミドを有効成
分とするエアゾール式、ウェットティッシュ式、そして
ゲル式のものが上市されているが、いずれも人や動物類
の体表面に直接塗布するものであることから、有効成分
やその添加物、噴射ガスなどによる悪影響が懸念されて
いる。
【0003】本発明は、従来の殺虫剤のように殺虫を目
的としたものではなく、所定の空間における害虫の飛来
及び/又は吸血行動を抑制させることが目的であり、そ
のために害虫の飛来及び/又は吸血阻止効果が得られる
程度の濃度の薬剤を一定の空間に安定して留まらせるこ
とができ、また薬剤の拡散性を制御し、不要な薬剤量を
減らすことができ、しかも持ち運びが簡便な害虫の飛来
及び/又は吸血行動抑制剤を提供しようとするものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る害虫の飛来
及び/又は吸血行動抑制剤は、害虫の飛来及び/又は吸
血行動を抑制する有効主成分を、害虫の飛来及び/又は
吸血行動を抑制しようとする空間容積当たりの薬剤含浸
面積が1×100〜5.0×102cm2/m3の範囲内と
なるような割合で担体に含浸・保持させてなる薬剤蒸散
体であって、自然蒸散、1×10-3〜1×10-13
秒の微送風、及び/又は40〜70℃の微加熱により薬
剤を徐々に蒸散させることで、薬剤蒸散体を中心とした
薬剤濃度勾配を生じさせ、それを、開放空間又は閉鎖空
間の一部に局所的に存在させることで局所的な空間にお
ける害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制するように構
成したことを特徴としている。上記薬剤蒸散体は、薬剤
を含浸・保持させる担体自体が平面状又は立体状に構成
されたものでよく、あるいは他の支持部材と組み合わせ
て平面状又は立体状に構成したものでもよい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者らは、従来の殺虫剤のよ
うに殺虫を目的とせず、或る所定の空間における害虫の
飛来及び/又は吸血行動を抑制するためには、このよう
な効果が得られる程度に所定空間内の薬剤濃度を比較的
に低くかつ安定的に保持し、またそのために薬剤の拡散
性を制御して薬剤蒸散体を中心とした薬剤濃度勾配を生
じさせることが重要であり、このような状態は、害虫の
飛来及び/又は吸血行動を抑制しようとする空間容積当
たりの薬剤含浸面積が1×100〜5.0×102cm2
/m3の範囲内となるような割合で担体に含浸・保持さ
せてなる薬剤蒸散体を用い、かつ、蒸散方式を自然蒸散
とするか、又は補助的機構を用いる場合でも微送風もし
くは微加熱程度にすることにより達成されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、
所定空間内の薬剤濃度は薬剤含浸面積(もしくは薬剤蒸
散面積)と密接な関係にあり、また、薬剤の拡散は薬剤
粒子の重量と温度による分子レベルの熱エネルギーによ
って変化する。本発明では、空間容積当たりの薬剤含浸
面積を上記特定の範囲に規制すると共に、噴射剤を使わ
ず、必要以上の熱や風を与えず、自然蒸散や1×10-3
〜1×10-13/秒の微送風及び/又は40〜70℃
の微加熱による補助的機構を用いることで、薬剤の拡散
を抑制し、薬剤蒸散体を中心としてある一定の範囲の空
間内における害虫の飛来や吸血行動の抑制を行なうこと
を特徴とするものである。
【0006】吸血性昆虫による吸血行動の抑制に使われ
る薬剤には、薬剤が吸血行動自体を狂わすもの、薬剤が
殺虫、ノックダウン効果より低レベルで吸血行動の抑制
や忌避効果があるもの、吸血性昆虫に対して忌避性のあ
る薬剤を蒸散させることで吸血性昆虫の寄り付きを減少
させるもの、に分類される。一般的には、吸血行動を錯
乱するジエチルトルアミドの他、本来殺虫剤として利用
されているピレスロイド系殺虫剤も、殺虫効果、ノック
ダウン効果に加えて、低濃度において吸血阻止効果があ
ることが知られている。殺虫効果、ノックダウン効果は
ないものの、忌避性のある薬剤としては、p−メンタン
−3,8−ジオールをはじめ、シトロネラ油、レモング
ラスなどの天然精油系のものが挙げられる。本発明の基
本的態様においては、それらの常温揮散性の薬剤を不織
布、紙、プラスチック、植物体などの担体に含浸させ、
その薬剤含浸体から薬剤を自然蒸散させることで、一定
の空間における吸血性昆虫の吸血行動を抑制させるもの
である。
【0007】蚊の遠距離からの誘引刺激は、風行(走風
性)や動物の匂い(嗅覚)、炭酸ガスである。また、近
距離からの動物の定着要因は、動物の動き(動視覚)や
色、形、大きさ、動物からの対流熱(熱勾配)、湿度、
匂いなどの物理的、化学的刺激である。炭酸ガスによる
誘引刺激においては、炭酸ガス放出量と蚊の誘引距離と
の間には比例関係がある。本発明者らは、薬剤の蒸散量
(空気中濃度)と吸血忌避距離の間にも比例関係が生じ
ること(テラレスリン蒸散量と吸血阻止距離の関係を示
す図3及び図4参照)を見出したものであり、本発明で
は、薬剤を蒸散させることで匂い、熱、炭酸ガス等に対
する害虫の感覚子、さらにある種の運動感覚器を妨害す
ることで、化学的刺激による誘引を減退させるものであ
る。
【0008】薬剤の蒸散量は、前記のようにノックダウ
ン効力や致死効力を有する現在市販されている殺虫剤よ
りもその薬剤の空気中濃度がさらに低い濃度となるよう
な割合でよく、本発明者らの試験から(試験例1参
照)、ピレスロイド系殺虫剤の場合は有効主成分蒸散量
が1×10-4〜5×10-1mg/hr/m3、ジエチル
トルアミド及びp−メンタン−3,8−ジオールの場合
1×10-1〜5×102mg/hr/m3の範囲内とする
ことで、充分な吸血行動の抑制及び飛来抑制効果が得ら
れることを見出した。(試験例3参照)。その結果、必
要以上の薬剤使用を抑え、経済的であり、さらには消費
者の健康に対しても充分配慮した製剤である。
【0009】自然蒸散における薬剤の蒸散量は薬剤の蒸
散性によって決まり、それぞれの薬剤蒸散量は薬剤蒸散
体の蒸散面積と比例関係にある。しかしながら、薬剤の
吸血阻止効力は各薬剤の活性とも関連しており、一概に
規定することは難しい。そこで、本発明では、吸血阻止
の範囲を平均的な部屋の面積の10畳の空間を最大の害
虫の飛来及び/又は吸血阻止範囲とし、これに対する薬
剤蒸散体の薬剤含浸面積(薬剤蒸散面積)を規定したも
のである。つまり、害虫の飛来及び吸血行動を抑制する
空間容積当たりの薬剤含浸面積が1×100〜5.0×
102cm2/m3の範囲内で、本発明に含まれる20℃
における蒸気圧が1×10-3〜1×10-6mm/Hgの
範囲のピレスロイド系殺虫剤やジエチルトルアミド、p
−メンタン−3,8−ジオールの薬剤蒸散については、
蒸散面積と害虫の飛来及び吸血行動を抑制する範囲との
間に正比例の関係が成り立つことになる。しかし、薬剤
の蒸散面積を広げれば広げるほど害虫の飛来及び吸血行
動を抑制する範囲は広がっていくが、実際、室外などで
使用した場合、風の流れなどから、薬剤蒸散体を中心に
10畳の空間(約5×107cm3)を超える範囲で害虫
の飛来及び吸血行動を抑制させることは難しい。
【0010】さらに、薬剤の蒸散面積が大きくなればそ
れだけ薬剤の蒸散量が増え、害虫の飛来や吸血阻止の効
力は大きくなっていくが、蒸散面積が増していけば薬剤
蒸散体もそれだけ大きくなるため、持ち運びに不便であ
り、設置する広い場所も必要となる。本発明者らは、直
接大気に触れる構造である、紙、不織布、織編物、植物
体又はその一部を用いることで、蒸散面積が10,00
0cm2以下であれば、上記の空間範囲に害虫の飛来や
吸血阻止を維持できる程度の濃度の薬剤を蒸散させるこ
とが可能なことを見出した。また、薬剤蒸散体は、シー
トタイプとしてだけでなく、薬剤蒸散面が大気と触れる
構造であればそれを折り曲げたりすることも可能であ
り、薬剤蒸散体の薬剤が直接手などに触れないようにラ
ミシートなどとの組み合わせも可能である。しかしなが
ら、薬剤蒸散体と外気との触れ合う面が少なければそれ
だけ薬剤の蒸散量は減少し、その効力は低下するので、
薬剤蒸散体が内部空間を有する立体状構造であり、蒸散
面が内部空間に面している構造の場合、その開口部の開
口率は10%以上が好ましい。開口部の数は、開口率が
低い場合には2個以上が好ましいが、開口率が高い場合
には1つ以上有ればよい。開口部を設ける位置は何ら制
約されるものではないが、ある局所空間のなかで特に害
虫の飛来及び吸血行動を抑制する範囲を限定する場合に
は、大気の流れに従って、空気の侵入口及び排出口を開
口率10%以上の範囲で設けることで、排出口周辺に比
較的高濃度の薬剤を滞留させることも可能である。
【0011】害虫の飛来及び吸血行動を抑制できる期間
は、薬剤蒸散体に含有する薬剤量に比例しているが、含
有可能な薬剤量は、薬剤を含浸させる各担体によって異
なっている。本発明で用いることが可能な紙、不織布、
編織物、植物体などの担体に対しては、薬剤の含有性能
から薬剤含有量は担体の重さに対して200%以下が好
ましい。200%より多く薬剤を含浸させることも可能
であるが、担体表面のべたつきやむらが生じ、担体表面
への付着物などの影響により効率よく薬剤が蒸散されな
い可能性がある。
【0012】このような担体を用いて室内及び室外に設
置するタイプとしては、タペストリー、ペーパークラフ
ト、ドライフラワー、カードなどが挙げられ、インテリ
アへの応用も可能である。また、身につける害虫の飛来
及び/又は吸血行動抑制剤は、リストバンドタイプ、ワ
ッペン、帽子、アンクタット、バンダナなどのように着
脱が簡便でかつ持ち運びに比較的容易なタイプへの適用
が挙げられる。人が運ぶタイプの吸血阻止剤は、人が動
くことにより、薬剤を一ヵ所に留まらせることは難し
く、人一人の範囲を吸血阻止空間とし、かつ持ち運びの
簡便さから蒸散体面積は1000cm 2以下が望まし
い。
【0013】本発明において用いられる常温揮散性の薬
剤としては、20℃における蒸気圧が1×10-3〜1×
10-6mm/Hgの範囲のピレスロイド系殺虫剤やジエ
チルトルアミド、p−メンタン−3,8−ジオールが好
ましいが、従来からの害虫駆除剤(殺虫剤、殺ダニ
剤)、殺菌剤、忌避剤、芳香剤(香水、ハーブなど)、
医薬品(メントール、ユーカリオイル等、気管、風邪等
の吸入用薬剤)等の目的で使用されている各種の薬剤を
使用できる。
【0014】また、用いる薬剤としては、使用目的に応
じて種々の蒸散性薬剤を使用できる。例えば、ピレスロ
イド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、有機リン系殺虫
剤等を挙げることができる。一般に安全性が高いことか
らピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられており、それ
らの具体例として以下のものが例示できる。 ・一般名;化学名(商品名、メーカー) *アレスリン;dl−3−アリル−2−メチル−4−オ
キソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−
クリサンテマート(ピナミン、住友化学工業(株)) *dl・d−T80−アレスリン;dl−3−アリル−
2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−
シス/トランス−クリサンテマート(ピナミンフォル
テ、住友化学工業(株)) *dl・d−T−アレスリン;dl−3−アリル−2−
メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トラ
ンス−クリサンテマート(バイオアレスリン) *d・d−T−アレスリン;d−3−アリル−2−メチ
ル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス
−クリサンテマート(エスビオール) *d・d−T80−プラレトリン;(+)−2−メチル
−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペ
ンテニル (+)−シス/トランス−クリサンテマート
(エトック、住友化学工業(株)) *フタルスリン;N−(3,4,5,6−テトラヒドロ
フタリミド)−メチルdl−シス/トランス−クリサン
テマート(ネオピナミン、住友化学工業(株)) *dl・d−T80−フタルスリン;(1,3,4,
5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イ
ンドリル)メチル dl−シス/トランス−クリサンテ
マート(ネオピナミンフォルテ、住友化学工業(株)) *レスメトリン;5−ベンジル−3−フリルメチル d
l−シス/トランス−クリサンテマート(クリスロン、
住友化学工業(株)) *dl・d−T80−レスメトリン;5−ベンジル−3
−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマー
ト(クリスロンフォルテ、住友化学工業(株)) *フラメトリン;5−プロパギル−2−フリルメチル
d−シス/トランス−クリサンテマート(ピナミンD、
住友化学工業(株)) *ペルメトリン;3−フェノキシベンジル dl−シス
/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2
−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(エ
クスミン、住友化学工業(株)) *フェノトリン;3−フェノキシベンジル d−シス/
トランス−クリサンテマート(スミスリン、住友化学工
業(株)) *フェンバレレート;α−シアノ−3−フェノキシベン
ジル−2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレ
ート(スミサイジン、住友化学工業(株)) *シペルメトリン;α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラ
ート(アグロスリン、住友化学工業(株)) *シフェノトリン;(±)α−シアノ−3−フェノキシ
ベンジル (+)−シス/トランス−クリサンテマート
(ゴキラート、住友化学工業(株)) *エンペントリン;1−エチニル−2−メチル−2−ペ
ンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジメ
チルビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパン
カルボキシラート(ベーパースリン、住友化学工業
(株)) *テラレスリン;dl−3−アリル−2−メチル−4−
オキソ−2−シクロペンテニル−d1−シス/トランス
−2,2,3,3−テトラメチル−シクロプロパンカン
ボキシラート(ノックスリン、住友化学工業(株)) *イミプロスリン;2,4−ジオキソ−1−(プロプ−
2−イニル)−イミダゾリジン−3−イルメチル(1
R)−シス/トランス−クリサンテマート(プラール、
住友化学工業(株)) *エトフェンプロックス;2−(4−エトキシフェニ
ル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエ
ーテル(トレボン) *トランスフルスリン;d−トランス−2,3,5,6
−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビ
ニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボ
キシラート *テフルスリン;2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−メチルベンジル−3−(2−クロロ−3,3,3−ト
リフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−1
−シクロプロパンカルボキシラート *フェンプロパトリン;α−シアノ−3−フェノキシベ
ンジル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチ
ルシクロプロパンカルボキシラート *フェンフルスリン;2,3,4,5,6−ペンタフル
オロベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−
ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロ
パンカルボキシラート *1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル シス/
トランス−2,2,3,3−テトラメチル−1−シクロ
プロパンカルボキシラート
【0015】有機リン系殺虫剤の具体例としては、以下
のものが挙げられる。 *ダイアジノン;(2−イソプロピル−4−メチルピリ
ミジル−6)−ジエチルチオホスフェート(ダイアジノ
ン) *フェニトロチオン、MEP;O,O−ジメチル−O−
(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホスフェート
(スミチオン) *ピリダフェンチオン;O,O−ジメチル−O−(3−
オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジン−6−イル)
ホスホロチオエート(オフナック) *マラチオン;ジメチルジカルベトキシエチルジチオホ
スフェート(マラソン) *ディプテレックス;O,O−ジメチル−2,2,2−
トリクロロ−1−ハイドロオキシエチル ホスホネイト *クロルピリホス;O,O−ジエチル−O−(3,5,
6−トリクロル−2−ピリジル)−ホスホロチオエート *フェンチオン;O,O−ジエチル−O−(3−メチル
−4−メチルチオフェニル)−ホスホロチオエート(バ
イテックス) *ジクロルボス;O,O−ジメチル−2,2−ジクロロ
ビニルホスフェート(DDVP) *プロペタンホス;O−[(E)−2−イソプロポキシ
カルボニル−1−メチルビニル]−O−メチルエチルホ
スホラミドチオエート(サフロチン) *アベイト;O,O,O´,O´−テトラメチル−O,
O´−チオジ−P−フェニレン ホスホロチオエート *プロチオホス;ジチオリン酸O−2,4−ジクロロフ
ェニル O−エチルS−プロピルエステル(トヨチオ
ン) *ホキシム;O,O−ジエチル−O−(α−シアノベン
ジリデンアミノ)チオホスフェート
【0016】昆虫成長阻害剤の具体例としては、以下の
ものが挙げられる。 *ピリプロキシフェン;2−[1−メチル−2−(4−
フェノキシフェノキシ)エトキシ]ピリジン(スミラ
ブ) *メトプレン;11−メトキシ−3,7,11−トリメ
チル−2,4−ドデカジエノイックアシド−1−メチル
エチルエステル *フェノキシカルブ;エチル[2−(4−フェノキシフ
ェノキシ)エチル]カーバメート *ジフルベンズロン;1−(4−クロロフェニル)−3
−(2,6−ジフロロベンゾイル)ウレア *シロマジン;2−シクロプロピルアミノ−4,6−ジ
アミノ−s−トリアジン *テフルベンズロン;N−[[(3,5−ジクロロ−
2,4−ジフロロフェニル)アミノ]カルボニル]−
2,6−ジフロロベンズアミド
【0017】オキサジアゾール系殺虫剤としては次のも
のが挙げられる。 *メトキサジアゾン;5−メトキシ−3−(2−メトキ
シフェニル)−O−1,3,4−オキサジアゾール−2
(3H)−オン(エレミック) クロロニコチン系殺虫剤の具体例としては、以下のもの
が挙げられる。 *イミダクロプリド;1−(6−クロロ−3−ピリジル
メチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンア
ミン(ハチクサン) *アセタミプロリド;(E)−N1−[(6−クロロ−
3−ピリジル)メチル]−N2−シアノ−N1−メチルア
セトンアミジン(モスピラン)
【0018】また、使用目的に応じて、殺菌剤、殺ダニ
剤、防虫剤、防カビ剤、防錆剤、消臭剤、忌避剤、香料
等、従来から用いられている蒸散性薬剤も使用でき、例
えば殺菌剤の具体例としては以下のものが挙げられる。 *トリフルミゾール;(E)−4−クロロ−α,α,α
−トリフルオロ−N−(1−イミダゾール−1−イル−
2−プロポキシエチリデン−O−トルイジン) *ヘキサコナゾール;(R,S)−2−(2,4−ジク
ロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾー
ル−1−イル)ヘキサン−2−オール(アンピル) *硫黄(S) *TPN;テトラクロロイソフタロニトリル(ダコニー
ル) *カルベンダゾール;2−(メトキシカルボニルアミ
ノ)ベンゾイミダゾール(MBC) *チオファメートメチル;1,2−ビス(3−メトキシ
カルボニル−2−チオウレイド)ベンゼン(トップジン
M) *プロシミドン;N−(3,5−ジクロロフェニル)−
12−ジメチルシクロプロパン−1,2−ジカルボキシ
ミド(スミレックス) *ミクロブタニル;2−P−クロロフェニル−2−(1
H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ヘキ
サンニトリル(ラリー) *イソプロチオラン;ジイソプロピル−1,3−ジチオ
ラン−2−イソデン−マロネート(フジワン)
【0019】殺ダニ剤としては以下のものが挙げられ
る。 *ケルセン;1,1−ビス(クロロフェニル)−2,
2,2−トリクロロエタノール *キノメチオネート;6−メチルキノキサリン−2,3
−ジチオカ−ボネート *ヘキサチアゾクス;トランス−5−(4−クロロフェ
ニル)−N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソ
チアゾリジン−3−カルボキサミド
【0020】さらに、殺菌・防カビ剤としては、o−フ
ェニルフェノール、イソプロピルメチルフエノール、2
−クロロ−4−フェニルフェノール、チモール等、香料
としては、天然及び人工の各種香料を使用でき、例えば
動物性、植物性の天然香料、あるいは炭化水素、アルコ
ール、フェノール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、オ
キシド、エステル類等の人工香料などが挙げられる。
【0021】忌避剤の具体例としては、以下のようなも
のが挙げられる。 *N,N−ジエチル−m−トルアミド(ディート) *ジメチルフタレート *ジブチルフタレート *2−エチル−1,3−へキサンジオール *1,4,4a,5a,6,9,9a,9b−オクタヒ
ドロジベンゾフラン−4a−カルバルデヒド *ジ−n−プロピル イソシンコメロネート *p−ジクロロベンゼン *ジ−n−ブチルサクシネート *カプリン酸ジエチルアミド *N−プロピルアセトアニリド *β−ナフトール *カンファー
【0022】天然精油及び/又はその成分としては以下
のものが挙げられる。 *シトラール、シトロネラール、シトロネロール、オイ
ゲノール、メチルオイゲノール、ゲラニオール、シンナ
ミックアルデヒド、リナロール、ペリラアルデヒド、ネ
ペタリック酸、メチルヘプテノン、デシルアルデヒド、
ミルセン、酢酸ゲラニオール、チモール、リモネン、シ
ネオール、ピネン、シメン、テルピネン、サビネン、エ
レメン、セドレン、エレモール、ビドロール、セドロー
ル、ヒノキチオール、ツヤプリシン、トロポロイド、ヒ
ノキチン、ツヨプセン、ボルネオール、カンフェン、テ
ルピネオール、テルピニルエステル、ジペンテン、ファ
ランドレン、シネオール、カリオレフィン、バニリン、
フルフラール、フルフリルアルコール、ピノカルベオー
ル、ピノカルボン、ミルテノール、ベルベノン、カルボ
ン、オイデスモール、ピペリトン、ツエン、ファンキル
アルコール、メチルアンスラニレート、ビサボレン、ベ
ンガプトール、ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、
ヌートカトン、オクチルアルデヒド、酢酸リナリル、酢
酸ゲラニル、ネロリドール、オシメン、アンスラニル酸
メチル、インドール、ジャスモン、ベンツアルデヒド、
プレゴン等 *上記の異性体及び/又は誘導体 *上記から選ばれる少なくとも1つ以上を含有する精油
【0023】前記したような蒸散性薬剤は、1種類を単
独で使用できる他、2種以上を混合して使用することも
できる。さらに、下記のような共力剤を他の薬剤と混合
して使用できる。 *ブチルカービトル 6−プロピル−ピペロニル エー
テル(商品名ピペロニルブトキサイド) *オクタクロロジプロピルエーテル(商品名S−42
1) *イソボルニルチオシアナアセテート(商品名IBT
A) *N−オクチルビシクロヘプテンカルボキシイミド(商
品名サイネピリン222) (2−エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチ
ルビシクロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−
ジカルボキシイミド(商品名サイネピリン500)
【0024】また、薬剤の分解やそれに伴う薬剤担体の
目詰り防止のために酸化防止剤を併用することができ
る。本発明に適する酸化防止剤としては、2,2´−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2,2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4´−メチレンビス(2−メ
チル−6−t−ブチルフェノール)、4,4´−ブチリ
デンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4,4´−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4´−メチレンビス(2,6−ジーt−
ブチルフェノール)、ステアリル−β−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、テトラキス
[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
シンナメート)]メタン、BHT、BHA、3,5−ジ
ーt−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、メルカブト
ベンズイミダゾール、ジラウリル−チオ−ジ−プロピオ
ネート、2−t−ブチル−4−メトキシフェノール、3
−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,6−ジ−
t−ブチル−4−エチルフェノール、α−トコフェロー
ル、アスコルビン酸、エリソルビン酸、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、オクタデ
シル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロ
シンナメート、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N
−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−
トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポリマー、6−
エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロ
キノリン、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステ
ル、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジルホスホン酸エチル)カルシウム;ポリエチレンワ
ックス、オクチル化ジフェニルアミン、トリス[2−
(3´,5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシヒド
ロ−シンナモイルオキシル)エチル]イソシアヌレー
ト、トリス−(4−t−ブチル−2,6−ジメチル−3
−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、3,9−ビ
ス[1,1−ジ−エチル−2−(β−(3−t−ブチル
−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニル)プロピオニ
ルオキシ)エチル]−2,4,8,10−テトラオキザ
スピロ[5.5]ウンデカン、ジトリデシル−3,3´
−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3´−チ
オジプロピオネート、ジステアリル−3,3´−チオジ
プロピオネート等の化合物が挙げられる。
【0025】上記のような酸化防止剤は、単独でも、ま
た2種以上を組み合わせて混合使用することもできる。
また添加方法としては、薬液中に添加することや、得ら
れた担体に添加することが考えられるが任意である。さ
らに、過酸化物分解剤と一般に呼ばれる酸化防止剤とし
て、ジラウリルチオジプロピオネート(DLTP)やジ
ステアリルチオジプロピオネート(DSTP)を前記酸
化防止剤と組み合わせて混合使用することもできる。さ
らには蒸散性を調節するために、パラフィン類、グリコ
ール類、エーテル類及びワックス類が使用できる。
【0026】さらに、紫外線吸収阻害剤としてパラアミ
ノ安息香酸類、桂皮酸類、サリチル酸類、ベンゾフェノ
ン類及びベンゾトリアゾール類などの紫外線吸収剤を用
いることにより、保管時、使用時の耐光性を一段と向上
させることができる。
【0027】薬液を調製するためには、必要に応じて溶
剤を用いることもできる。溶剤としては、水性、油性ど
ちらでもよく、水、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等のアルコール類、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸
イソプロピル、ステアリン酸ブチル、リン酸トリエチ
ル、リン酸トリブチル等のエステル類、ヘキサン、ケロ
シン、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、流動パラ
フィン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、さらにエチレングリコール、エチレ
ングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、動植物
由来の各種油脂類を例示できる。
【0028】本発明の害虫の飛来及び/又は吸血行動抑
制剤は、使用した薬剤に応じて、アカイエカ、チカイエ
カ、ヒトスジシマカ、シナハマダラカなどの蚊類、チャ
バネゴキブリ、クロゴキブリ、ワモンゴキブリ、トビイ
ロゴキブリ、ヤマトゴキブリなどのゴキブリ類、イエバ
エ、ヒメイエバエ、センチニクバエ、ケブカクロバエ、
キイロショウジョウバエ、ノミバエなどのハエ類、オオ
チョウバエ、ホシチョウバエなどのチョウバエ類、ネコ
ノミ、イヌノミ、ヒトノミなどのノミ類、イガ、コイ
ガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなど
の衣料害虫、ノシメマダラメイガ、コクヌストモドキ、
コクゾウなどの貯穀害虫、マルカメムシ、チャバネアオ
カメムシ、スコットカメムシなどのカメムシ類、シラミ
類などの様々な害虫に対して有効であり、使用場面とし
ても一般家庭、倉庫、工場、飲食店等の屋内や屋外など
多様な場面に使用が可能である。
【0029】担体に対する蒸散性薬剤の塗布方法は特に
限定されるものではないが、滴下塗布、含浸塗布、スプ
レー塗布などの液状塗布方法、液状印刷、はけ塗り等の
方法、あるいは担体へ貼り付ける方法などを採用でき
る。また、蒸散性薬剤を液体用ボトルに収納し、担体
(吸液芯)の一部を薬液中に浸漬して薬液を吸液させ、
蒸散部へ供給することも可能である。薬剤蒸散体の形態
としては、単層シート状構造体、複層シート状構造体な
どのシート形態の他、ダンボール状構造体、ハニカム状
構造体などの立体状構造にすることもでき、またシート
状構造体に格子状、網目状等の任意の模様となる多数の
透孔を形成することもできる。また、三次元構造として
は、断面がハニカム状、格子状、網目状等のセル壁で構
成される球状、楕円球状、円柱状、円筒状、円錐状、四
角錐状(ピラミッド状)、立方体状、直方体状等の立体
状構造体の他に、シート材を造花、折り鶴、吹流し等に
加工した立体状構造体などが挙げられる。以下、立体状
構造体の幾つかの例を添付図面を参照しながら説明す
る。
【0030】図1及び図2はハニカム構造体の一実施態
様を示し、図1はハニカム構造体1を2分割した状態、
図2は全体外観を示している。ハニカム構造体1は、セ
ル壁2によって囲まれる各セル3が、中心軸線Xに対し
て垂直に、球体外周面に向って平行に配列された全体的
に球状の構造体に構成され、かつ、その中央部に内部空
間Sが形成されている。従って、各セル3の殆ど大部分
が内部空間Sと連通状態にあり、空気の流れが抑制され
ないようにされている。薬剤は、スプレー法、浸漬法等
の任意の方法により、セル壁2に含浸・保持される。こ
のように、薬剤を含浸・保持できる材料から作製された
ハニカム状(又は格子状、網目状等)のセル壁で立体状
構造体を構成すると共に、その内部に空間を形成するこ
とによって、一つ一つのセルへの通気が促進され、それ
によって有効成分の蒸散量が増大し、長期間に亘って有
効成分を安定して蒸散させることができる。
【0031】前記図1及び図2に示すハニカム構造体1
の製造は、半分割したリング状のシート(図1の中心軸
線Xの右側(又は左側)のリング状部分)を積層する際
に、帯状の接着部分Aを各セルの所望の大きさに応じた
適宜の間隔で平行に、しかも先の層間と後の層間で段違
い状態となるように順次接着しながら多数枚積層し、得
られた積層体の中心軸線X側の端縁を接着した後、積層
体を拡げて両側のシートを接着することにより行うこと
ができ、図2に示すような全体的に球状のハニカム構造
体が得られる。あるいは、半円形のシート(又は矩形の
シート)を上記と同様に接着しながら積層し、得られた
積層体の内部空間に相当する半円形部分(矩形のシート
を用いた場合には、さらに外周より外の部分)を打抜き
除去することによって、半分割リング状の積層体を製造
することもできる。また、帯状の接着部分Aが球の中心
から放射状になるように配列することにより、各セルが
全て内部空間と連通し、かつ、内部空間から球状外周面
に向って放射状に配列されたハニカム構造体とすること
もできる。なお、接着剤としては、水溶性接着剤又はホ
ットメルト接着剤を用いることが好ましい。
【0032】本発明による立体状構造の薬剤蒸散体は、
図1及び図2に示すようなハニカム構造に限定されるも
のではなく、種々の構造、形態に構成することができ
る。例えば、前記図1において接着部分Aを細くした場
合には格子状のセルとなる。また、格子状、網目状等任
意の模様となるように多数の透孔を形成したシートを積
層することもできる。さらに、立体状構造体の外観も、
図示のような球状に限られず、円柱体、立方体、ピラミ
ッド形、その他の多角体など任意の立体形状とすること
ができる。
【0033】また、前記ハニカム構造体1を作製する際
に、多数のシートを積層した積層体の中に、薬剤の移行
を阻止又は抑制する1枚又は複数枚のバリアー性材料の
シートを挟み、又は積層体の両側のシートとしてバリア
ー性材料のシートを配し、このバリアー性材料のシート
の両側に配された積層体部分に異なる薬剤を含浸・保持
させるようにすることもできる。これによって、積層体
を拡げて球状のハニカム構造体としたときに、バリアー
性材料のシートによって球が縦方向に2分割又は多分割
された各部分に異なる薬剤が含浸・保持された構造とな
り、異なる薬効を同時に発揮させることができる。この
方法は、後述する多重ハニカム構造体にも適用できる。
【0034】さらに、常温蒸散性薬剤を保持する多数の
セル壁を有する立体状構造体は、所定の間隔をあけて互
いに離間した少なくとも二層の多重構造に構成したり、
使用利便性に優れた折り畳み自在に構成することもでき
る。特に、互いに接することのないように所定の間隔を
あけて互いに離間した少なくとも内外二層の多重構造の
立体状構造体とすることにより、種々の形態で利用する
ことが可能となる。第一の利用形態は、薬剤蒸散体の最
外層を、有効成分を保持させない保護層とすることであ
る。これによって、最外層の保護層は、内部の有効成分
保持層に光が直接照射されたり埃が付着するのを防止す
るバリヤー層として機能し、有効成分の分解や蒸散抑制
といった現象が著しく低減する。また、最外層を保護層
とすることにより、薬剤蒸散体に含浸・保持されている
薬剤が手などに付着することもなく、有効成分の損失防
止や安全性の向上の点でも有利である。このような効果
は、薬剤蒸散体を折り畳み自在に構成することによって
も得ることができる。
【0035】第二の利用形態は、多重構造の各層にそれ
ぞれ作用又は蒸気圧の異なる常温蒸散性薬剤を保持さ
せ、数種の効力を同時に発揮させることである。このよ
うな蒸散体構造が有利な点は、有効成分保持層が互いに
接することのない多重構造であるため、異なった作用又
は蒸気圧を有する有効成分を保持させ、各々の作用を充
分に発揮させることが可能な点である。単一構造の担体
に多種の有効成分を保持させた場合、例えば蒸気圧の異
なる複数種の物質を混合して用いると、蒸気圧の高い易
蒸散性物質の蒸散が蒸気圧の低い難蒸散性物質によって
抑制されるといった現象が起こり、性能を充分に発揮す
ることができない。それに対し、多重構造の各層にそれ
ぞれ作用又は蒸気圧の異なる常温蒸散性薬剤を保持させ
た構造であれば、長期にわたって安定して効力を発揮す
る持続成分と、使用初期を中心に大きな効力を発揮する
即効性成分の双方を確実に蒸散させることが可能であ
る。また、複数の有効成分保持層を構造体中心から同心
円上に配する構造とした場合、内部ほど通気が悪く蒸散
量が低下するので、内部に易蒸散性成分を、通気のよい
外部に難蒸散性成分を保持させ、双方の成分の蒸散量を
調整することが可能となる。これにより効力を長期にわ
たって持続させることが可能となるほか、数種の効果を
同時に発揮させ、効力の増強を図ることが可能となる。
なお、このような利用形態においても、例えば少なくと
も三層の多重構造の立体状構造体からなり、最外層を常
温蒸散性薬剤を保持しない保護層とし、内部の各層にそ
れぞれ作用又は蒸気圧の異なる常温蒸散性薬剤を保持さ
せることもできるが、最外層に蒸気圧の高い易蒸散性成
分を保持させ、この成分が蒸散した後に保護層として利
用する態様も可能である。
【0036】多重構造のハニカム構造体の一実施態様を
図3及び図4に示す。図3はハニカム構造体1を2分割
した状態、図4は折り畳んだ状態を示している。なお、
全体外観は図2と同じである。ハニカム構造体1は、セ
ル壁2によって囲まれる各セル3が、中心軸線Xに対し
て垂直に、球体外周面に向って平行に配列された全体的
に球状の構造体に構成されているが、外層4と内層5の
二重構造であり、内外層間には所定間隔の空隙部6が形
成されて互いに直に接しないようにされ、かつ、その中
央部に内部空間Sが形成されている。従って、各セル3
の殆ど大部分が内部空間Sと連通状態にあり、空気の流
れが抑制されないようにされている。薬剤はスプレー
法、浸漬法等の任意の方法により内層5のセル壁2に含
浸・保持される。一方、外層4は無処理で薬剤を保持し
ておらず、有効成分保持層である内層5の保護層として
機能するが、前記したように、内層5に保持される有効
成分と作用や蒸気圧の異なる有効成分を含浸・保持する
ようにしてもよい。
【0037】前記図3及び図4に示すハニカム構造体1
の製造は、半円形の支持シート7の上に、内層5及び外
層4を構成するそれぞれ半分割した小リング状及び大リ
ング状の複数枚の薬剤保持シート(図1の中心軸線Xの
右側(又は左側)の大小リング状部分)を図3に示すよ
うな所定の間隔で配置・積層する際に、帯状の接着部分
Aを各セルの所望の大きさに応じた適宜の間隔で平行
に、しかも先の保持シート間と後の保持シート間で段違
い状態となるように順次接着しながら多数枚積層し、得
られた積層体の中心軸線X側の端縁を接着し、最後に他
方の表面の支持シート8を接着することにより行い、こ
れによって図4に示すような積層体が得られる。使用に
際しては、両側の支持シート7、8を開いて積層体を拡
げ、両側の支持シート7、8を接合することにより、図
2に示すような全体的に球状のハニカム構造体を組み立
てることができる。両側の支持シート7、8の接合は、
一方の支持シート(7又は8)の先端辺縁部所定箇所に
両面粘着テープを貼着したり、接着剤を塗布するなど、
適宜の方法により行うことができる。なお、帯状の接着
部分Aが球の中心から放射状になるように配列すること
により、各セルが全て内部空間Sと連通し、かつ、内部
空間から球状外周面に向って放射状に配列されたハニカ
ム構造体とすることもできる。
【0038】薬剤の蒸散を促進するためには、目付けの
小さい保持シートを用いるのが好ましく、その場合、シ
ートは概してコシの弱いものとなることが多い。従っ
て、保持体全体の形状を維持するためには、支持シート
にコシの強い材質を選択する方が好ましい。コシの強い
支持シートは、概して目付けが大きく、薬剤が移行した
場合、蒸散量が抑えられる可能性がある。それを回避す
るための手段としては、支持シートと薬剤保持シートと
の間にバリア層を設けることが考えられ、具体的には、
支持シートにガスバリア性のフィルムやアルミ箔等をラ
ミネートするといった方法が好ましい。
【0039】図5は、前記図3及び図4に示すハニカム
構造体の変形例を示す。このハニカム構造体1aは、外
層4aと内層5aとの間の空隙部6aと、内部空間Sと
の間を連通する空隙部11が、中心軸線Xに対して垂直
方向に内層5a全体に形成され、内層5aが12−1層
と12−2層に二分割されている点において、図3及び
図4に示すハニカム構造体1と異なるが、他の構成は同
様である。なお、図5は両側の支持シート7a、8aを
180度開いた状態で示している。一方、図6は三層構
造のハニカム構造体1bの実施態様を示している。すな
わち、外層4bと内層5bの間に中間層13が配設され
た多重構造を有し、各層間にそれぞれ空隙部6b、14
が形成されている点において、図3及び図4に示すハニ
カム構造体と異なる。なお、図6も両側の支持シート7
b、8bを180度開いた状態で示している。このハニ
カム構造体1bの場合、外層4bは有効成分を保持しな
い保護層とし、中間層13及び内層5bに作用もしくは
蒸気圧の異なる2種の有効成分を含浸・保持させること
が好ましい。
【0040】図7乃至図9は、本発明の薬剤蒸散体の他
の実施態様を示している。このハニカム構造体1cは、
空隙部6cにより互いに直に接しないように離間された
ハニカム構造の外層4cと内層5cを有し、全体的に略
楕円球状の立体形状を有するが、折り畳んだ状態を示す
図8からわかるように、前記図1乃至図6に示すハニカ
ム構造体とは異なり内部には空間は形成されない。ま
た、両側の支持シート7c、8cの一端部は突出されて
把持部15が形成されている。このハニカム構造体1c
は、含浸・保持されている有効成分の蒸散量を多くした
い場合には、図7に示すように組み立てた後、把持部1
5を握って振って用いることもできるが、図10に示す
ように把持部15に弾性線状部材16の一端部を固定
し、他端部を支持台17の支持部18に嵌め込み、図1
0に示すように支持されているハニカム構造体1cを押
して首振り運動させ、全体的にゆっくり振動させながら
用いることができる。あるいはまた、把持部15を必要
に応じて適当な連結部材を介して振動装置もしくは開閉
装置(図示せず)に取り付け、ハニカム構造体1cを振
動もしくは開閉させながら用いることもできる。
【0041】図11及び図12は、それぞれ前記図7乃
至図9に示すハニカム構造体の変形例を示し、それぞれ
折り畳んだ状態で示している。前記図7乃至図9に示す
ハニカム構造体1cの場合、組み立てられた状態では2
枚の支持シート7c、8cが重ね合わされるので(図9
参照)、この部分で空隙部6cの連通状態が遮断される
ことになり、各セル3の通気状態が充分でない場合があ
る。そこで、図11に示すハニカム構造体1dでは、両
側の支持シート7d(8dは図示せず)の空隙部6dと
対応する箇所に複数(図示の例では各3個)の通気孔1
9を形成して、重ね合わされる支持シート7d、8dの
両側を連通するように構成されている。一方、図12に
示すハニカム構造体1eでは、上記通気孔19の他に、
両側の支持シート7e(8eは図示せず)及びそれらの
間に積層されるセル壁を構成する多数のシートの一辺
(中心軸線)中間部に略半円形状の切欠き20を設け、
この切欠き20部分により、組み立てたときにハニカム
構造体1eの中心部に内部空間が形成されるように構成
されている。
【0042】なお、多重構造体の目付けを10g/m2
から200g/m2の範囲で調整することで、構造すな
わち含浸部位による有効成分の蒸散量をさらに任意にコ
ントロールすることが可能となる。例えば図4に示す構
造の薬剤蒸散体で、蒸気圧の異なる有効成分を含浸させ
同量蒸散させたい場合、難蒸散性成分の保持部(例えば
12−1の部分)には目付け20g/m2のシート状部
材を用い、易蒸散性成分の保持部(例えば12−2の部
分)には目付け70g/m2のシート状部材を用いるこ
とで、面積を変更することなく同じ蒸散量を得ることが
可能となる。
【0043】また、前記したような薬剤蒸散体は、使用
箇所に放置(折り畳み自在な薬剤蒸散体の場合には開い
た状態で放置)して、保持される常温蒸散性の有効成分
が常温で自然に蒸散させるにまかせた状態で使用するこ
ともできるが、強制的に有効成分の蒸散を促進する態様
で用いることもできる。すなわち、前記したような薬剤
蒸散体を振動もしくは開閉させ、有効成分の蒸散を促進
することもできるし、内部空間が形成される立体状構造
体の場合、薬剤蒸散体の内部空間にファンを設け、有効
成分の蒸散を促進することもできる。このような薬剤蒸
散方法を実施するための装置の幾つかの例を図面を参照
しながら説明する。
【0044】図13は、通気を促進するためにハニカム
構造体を全体的に振動させる態様の例を示している。こ
の薬剤蒸散装置は、図3及び図4に示すハニカム構造体
と同様に、空隙部6fを介して離間された外層4fと内
層5fの二重構造からなり、内部に空間Sが形成された
ハニカム構造体1fと、上記内部空間7fに配設される
駆動装置21とからなる。なお、ハニカム構造体1f
は、両側の支持シート7f、8fを180度開いた状態
で示されている。駆動装置21は、図14に示すよう
に、駆動軸22と、一端部が該駆動軸22に回動自在に
取り付けられ、他端部に永久磁石24が取り付けられた
振子23と、該振子23の揺動軌跡に近接して配設され
る電磁石25とから構成される。符号26は電磁石25
を励磁するための乾電池である。駆動軸22は、図13
に示されるように、ハニカム構造体1fの相対する支持
シート7f、8fの中心軸線側端縁部間の隙間に配座さ
れ、両支持シート7f、8fを接合することにより駆動
装置は内部空間S内に収容される。
【0045】この薬剤蒸散装置の場合、電磁石25の励
磁と消磁が繰り返されることにより、振子23が揺動運
動を行い、それによってハニカム構造体1fが全体的に
駆動し、通気が促進されることによってセル壁に含浸・
保持されている有効成分の蒸散が促進される。なお、振
動装置21のスイッチ(図示せず)をハニカム構造体1
fの外部に導出することにより、所望の時にハニカム構
造体1fを振動させるようにすることもできる。薬剤蒸
散体全体を駆動する動力源としては、上記実施態様のよ
うに電磁石と永久磁石を利用した振り子の他、モータ
ー、ゼンマイ、ゴムなどが考えられるが、長期に亘る使
用を考えた場合の利便性の点ではモーターか電磁石の振
り子が好ましく、電池等を利用する場合は消費電力の点
で電磁石振り子が好ましい。
【0046】図15は、強制的に通気を促進させるため
にファンを用いた薬剤蒸散装置の一実施態様を示してい
る。図15に示す強制通気方式(風力蒸散方式)の薬剤
蒸散装置は、内部空間Sを有する中空円柱状のハニカム
構造体1gを用いた例を示している。容器36上に配設
されたハニカム構造体1gは、セル壁2によって囲まれ
るハニカム状の各セル3が内部空間Sから外周にかけて
連通するように構成されており、その内部空間Sにはフ
ァン30が回転自在に配設されている。ファン30は、
対称的に平行に配列された4枚の羽根31の上端にリン
グ状の羽根固定部材32が、また下端に回転板33が固
定された構造を有し、回転板33の中心は容器36内に
収容されているモーター35の回転軸34に取り付けら
れている。モーター35への電力供給方式は、例えば乾
電池を容器36内に収容する内部電源方式や、配線コー
ドを接続する外部電源方式のいずれでもよい。
【0047】上記薬剤蒸散装置の場合、スイッチ(図示
せず)を入れてモーター35を駆動させ、ファン30を
回転させると、上部より流入した空気を、ファン30に
より内部空間Sから外周に向って各セル3内を強制的に
通気させることができるので、ハニカム構造体1gに含
浸されている有効成分の蒸散を促進することができ、ま
た有効成分の蒸散量はファンの風力(回転数、羽根のサ
イズ、数、形状等)によって任意に調節できる。なお、
実施の際には、ファン及び薬剤蒸散体への接触及び異物
混入を避けるため、一つ以上の通気口を設けた外殻容器
が必要である。また、ファンへの接触回避のため器具全
体を逆転させ、下部より空気を取り入れる方法も考えら
れる。
【0048】図16は、強制的に通気を促進させるため
にファンを用いた薬剤蒸散装置の他の実施態様を示して
いる。図16に示す強制通気方式(風力蒸散方式)の薬
剤蒸散装置は、空隙部6hを介して離間された外層4h
と内層5hの二重構造からなり、内部空間Sを有する中
空円柱状のハニカム構造体1hを用いた例を示してい
る。容器36上に配設されたハニカム構造体1hは、外
層4hと内層5hの各層において、セル壁2によって囲
まれるハニカム状の各セル3が内部空間Sから外周にか
けて連通するように構成されており、その内部空間Sに
は図15に示す実施態様と同様にファン30が回転自在
に配設されている。
【0049】強制的に通気を促進させる薬剤蒸散方式
は、前記図15及び図16に示すものに限られるもので
はなく、種々の構造とすることができる。例えば、前記
ハニカム構造体1g,1hは、中空の円柱状体の他、立
方体、五角柱状、六角柱状等の任意の多角柱状体とする
ことができる。また、前記図1乃至図6に示す球状のハ
ニカム構造体を半分割した半球状の構造とし、これを内
部空間内にファンが配置されるように、例えば図15及
び図16に示すファン30を覆うように容器36上に配
置したドーム状構造とすることもできる。この場合、下
方からハニカム構造体の内部空間内に空気が流入するよ
うに容器36あるいはさらに下部回転板33に吸気孔を
形成すればよい。また、ハニカム構造体1g,1hを、
格子状、網目状等任意の模様となるように多数の透孔を
形成したシートから作製することもできる。
【0050】前記のようにハニカム構造体の内部に設け
た空間内にファンを設置する場合、有効成分の蒸散量
は、設ける内部空間の体積やセルの開口面積以上に、フ
ァンの風力に左右される。そして、ファンを駆動する動
力源としては、モーター、ゼンマイ、ゴム等が考えられ
るが、長期に亘って安定した効力を得るためにはモータ
ーを使用することが好ましい。ファンの材質としては、
プラスチックや厚紙等、特に限定されるものではない
が、軽量な材質を選択したほうがエネルギー効率の向上
の点で好ましい。
【0051】また、前記したような立体状構造体の最外
層の材質を透明にすることで、内部の有効成分保持層を
見易くすることができる。例えば、有効成分保持層が、
有効成分の蒸散と共に顕色する色素を利用したインジケ
ーター機能を有する場合、その色調変化を見易くするこ
とができる。このようなインジケーター機能を有する薬
効指示性組成物は、例えば電子供与性呈色性有機化合物
(色素)と顕色剤とにさらに蒸散性減感性薬剤を存在せ
しめることによって、蒸散性減感性薬剤が充分に残存し
ている間は上記薬剤の減感作用が顕色剤の作用に勝り、
発色を抑えるが、上記薬剤が蒸散して残存率が低くなる
と、顕色剤と電子供与性呈色性有機化合物との反応が始
まり、呈色し始め、さらに上記薬剤が完全に蒸散して残
存しなくなった時に電子供与性呈色性有機化合物特有の
色調を呈する発色原理を薬効表示に応用したものであ
る。従って、上記反応過程と蒸散性減感性薬剤の蒸散過
程とが対応し、上記組成物の色調の変化により視覚的に
蒸散性減感性薬剤の薬効残存状態及びその終点を正確に
知ることができる。このような薬効指示性組成物は既に
公知であり、常温蒸散性減感性の殺虫剤や防虫剤等の種
々の分野で応用されているので、その詳細な説明は省略
する(例えば、特許第2607361号参照)。
【0052】図17は、自動巻取ロールスクリーン方式
の薬剤蒸散装置の一実施態様を示している。この装置4
0は、中空円筒体41内に回転自在に配設されたロール
42に、蒸散性薬剤を含浸・保持するシート状の薬剤蒸
散体45が巻回された構造を有し、薬剤蒸散体45の下
端縁は中空円筒体41の下部に軸線方向に形成されたス
リット状開口部(図示せず)から空出している。薬剤蒸
散体45の下端縁には補強シート46が貼着されてお
り、薬剤蒸散体45が全体的に中空円筒体41内部に収
納されたときに、補強シート46がスリット状開口部に
密接・シールして、薬剤蒸散が起こらないように構成さ
れている。
【0053】ロール42の一端部(図17の左側端部)
は、補強シート46に取り付けられた把持部材47を持
って薬剤蒸散体45を下方に所定長さ引き下げたとき
に、薬剤蒸散体45が元に戻らないように、ラチェット
機構を介して中空円筒体41に取り付けられており、ラ
チェット解除ボタン43を押したときに薬剤蒸散体45
は自動巻取機構によりロール42に全体的に巻回された
元の状態に戻る。従って、使用しないときは薬剤蒸散体
45を中空円筒体41内に収納することで薬剤蒸散を遮
断することに加え、所望の蒸散量に応じた長さ分だけ、
薬剤蒸散体45を引き下げて露出するようにするといっ
た蒸散調整が可能となる。これは、蒸散調整が難しい本
製剤にとって非常に重要な機能の一つである。なお、符
号44は上記装置を壁等に吊り下げるための掛止部材で
ある。上記薬剤蒸散体45としては、前記したような単
層シート材、複層シート材、又は波形シート材の片面又
は両側面に不織布を貼り合わせたダンボール状シート材
などを用いることができる。
【0054】図18は、風力蒸散方式による薬剤蒸散装
置の別の実施態様を示している。この薬剤蒸散装置50
は、枠体51の後側に軸流ファン52を備えており、こ
の軸流ファン52はモータ53により回転される。薬剤
を保持する薬剤蒸散体54は枠体51の前面に取り付け
られ、軸流ファン52の回転による送風によって強制的
に薬剤の蒸散が行われる。ここで用いられる薬剤蒸散体
としても、前記したような単層シート材、複層シート
材、又は波形シート材の片面又は両側面に不織布を貼り
合わせたダンボール状シート材などを用いることができ
る。
【0055】また、本発明においては、乾燥及び/又は
薬剤処理により加工された植物体、所謂ドライフラワー
を、常温蒸散性薬剤の担体として利用することができ
る。このようなドライフラワーは、従来担体として用い
られている紙、不織布等の材質に比べて薬剤保持力及び
薬剤蒸散性の両方に優れており、蒸散面積が小さいにも
拘らず、充分な薬剤量を長期に亘って均一に蒸散するこ
とができる。また、ドライフラワーであるため、インテ
リア商品(屋内装飾品)としての意匠性も高く、高付加
価値の製品とすることができることも特徴の一つであ
る。なお、ファン等の送風手段や加熱手段などの補助的
機構を併せて設け、強制的に薬剤有効成分を蒸散させる
態様とすることもでき、その場合、蒸散面積をより小さ
くし、小型化することも可能である。
【0056】乾燥及び/又は薬剤処理により加工されて
なる植物体の組織に蒸散性薬剤を含浸もしくは保持させ
る場合、インテリア商品としての付加価値を付与するた
めには、上記加工植物体が植物器官(根、茎、葉、花、
果実)の外部形態又はその一部を留め、かつ維管束系を
有することが重要である。ここで、植物器官の外部形態
とは、葉の場合、葉身、葉柄、托葉、葉脈、水中葉、浮
葉、捕虫葉を指し、茎の場合には地上茎、地下茎、葉状
茎、とげ、巻きひげ、鱗茎、塊茎、球茎、根茎を、根の
場合には主根、支根、根毛、根冠、不定根、地上根、水
中根、貯蔵根、呼吸根、寄生根、気根を、花の場合には
めしべ、おしべ、花弁、がく、花托、花柄を、果実の場
合には果皮、種子を指す。
【0057】常温蒸散性薬剤の担体として前記したよう
な加工植物体を利用することの利点は、その構造及び機
能にある。植物の構造は、ザックスの分類に従って、表
皮系、基本組織系、維管束系の3つに分けられる。表皮
系は植物体を包み、蒸散を防ぎ、気孔からのガス交換、
根毛からの水、養分の吸収を、基本的組織系は光合成や
呼吸といった基本的な機能を営み、維管束系は根から葉
へ水や養分を移動させたり、光合成産物などの栄養分を
上下方向に転流するという機能を果たしていると考えら
れている。その中でも、植物全体に水や光合成産物など
を運ぶ維管束系は、根から葉へと道管、篩管などの管が
細かく通り、根の先から葉の先端まで隅々に水や栄養分
を運んでいる。こうした流れの原動力になっているもの
として浸透、毛細管現象そして圧が考えられている。
【0058】道管は、根が取り込んだ水を植物体の隅々
まで運ぶ役割を果たしているが、そのうち約99%は葉
から大気中に蒸散する。葉には導管を通ってきた水分を
蒸散する機能があり、葉の道管から出た水は葉の細胞壁
の間を通って気孔から蒸散される。この場合、クチクラ
層を形成する表皮と気孔周辺の口辺細胞の働きが水蒸発
の抵抗となっている。一方、養分の通路となる篩管で
は、上下の隔壁には篩(ふるい)のような多くの小孔
(直径1〜15μm)があいている。この孔を通して植
物細胞は養分を得ている。
【0059】こうした一連の植物の働きから、乾燥及び
/又は薬剤処理などで水分及び養分を抜き取った、表皮
系、基本組織系、維管束系の組織からなる、栄養器官の
葉、茎、根、そして生殖器官である花、果実の諸器官を
蒸散性薬剤の担体として利用することで、速やかな薬剤
浸透性と安定した薬剤の蒸散が可能となる。さらに、薬
剤処理によって、維管束系の組織を露出させることによ
ってさらに効率よく薬剤を蒸散させることが可能とな
る。また、加工植物体を用いることで屋内の装飾品とし
ても使用可能となる。
【0060】本発明において用いられる加工植物体の形
状は特に限定されず、薬剤の蒸散部分に全体でも、ある
いはその一部でも、加工植物体を利用してさえいればよ
い。その加工植物体は、植物の花、茎、葉を乾燥及び/
又は薬剤処理によって加工したものであり、ドライフラ
ワー、押し花、あるいはまた、薬剤により基本組織系、
表皮系の一部を分解除去し、外部形態を留めた葉脈、地
上茎、主根、支根、根毛等である。ドライフラワーは、
花だけでなく、茎、葉、果実などが乾燥したもの又は乾
燥させたものを指す。こうした加工植物体の作成方法を
以下に示すが、特に以下の方法に限定されるものではな
い。
【0061】まず、乾燥法によるドライフラワーの作り
方としては、自然乾燥法、乾燥剤による方法、及び加熱
乾燥法がある。自然乾燥法としては、陰干しや加圧乾燥
法の他、少量の水に挿したまま乾燥させる方法がある。
乾燥剤による方法においては、乾燥剤としてシリカゲ
ル、ホウ砂、ミョウバン、砂、セカード、パーライト、
石灰などが用いられる。また、密閉容器内に植物と乾燥
剤を接触又は非接触状態で収容し、乾燥させることがで
きる。加熱乾燥法としては、植物の葉などをアイロン熱
と圧力で瞬間的に処理する方法や、熱風乾燥法、マイク
ロウェーブ波による電子レンジ乾燥法などがある。
【0062】薬剤処理によるドライフラワーの作り方と
しては、グリセリン溶液による方法がある。この方法
は、植物にグリセリンを吸収させ、植物体中の水分をグ
リセリンと入れ替えることでその植物形態を保つ方法で
あり、しなやかで艶のある状態に仕上がる。グリセリン
は吸湿性があるので、空気中の水分を吸収し、植物は枯
れることなく柔らかい状態に保たれる。グリセリン溶液
による方法としては、吸い上げ法と浸漬法がある。植物
の薬剤処理による他の加工例としては、植物を70%メ
タノールに漬け、湯煎(60〜70℃)する方法による
色素の除去、10%水酸化ナトリウム液に葉を入れ、3
0〜40分煮た後、流水で洗浄後、葉肉を比較的硬い毛
足のブラシを使って剥ぎ取り、葉脈のみを残した状態に
する葉脈加工(葉肉組織の除去)、及び濃硝酸50ml
に対して塩素酸カリウムを1gの割合で溶かした液に茎
を入れることによる仮道管、木部繊維の茎細胞の分解が
ある。その他、植物体を乾燥させた、干し椎茸、昆布、
ワカメなども利用することが可能である。
【0063】
【実施例】以下に実施例及び試験例を示して本発明につ
いて具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定さ
れるものではない。
【0064】実施例1〜7 ポリプロピレン不織布(RW2100、出光石油化学社
製)を100cm2(10×10cm)に切断し、テラ
レスリンの5%(W/V)ヘキサン溶液を1mg/cm
2となるように塗布含浸した。 加熱蒸散:図19に示される種々の温度に設定した面状
ヒーター60の上に上記で得られた供試剤61を設置
し、加熱蒸散した(実施例1〜4)。なお、符号62は
温度可変スイッチである。 送風蒸散:図18に示されるファン式駆動装置の電圧を
変化させ、種々の風量に設定した送風装置に上記で得ら
れた供試剤を設置し、送風蒸散した(実施例5〜7)。
【0065】試験例1:蒸散方式と吸血行動抑制の範囲
に関する効力試験 試験は、12畳の平均的な室内を想定し、無風恒温室に
て最大出力で給排気しながら室温32℃の条件下で行な
った。上記において作成した供試剤を装着した加熱蒸散
装置又は送風蒸散装置を室内中央の床面に設置し、ケー
ジに入れて固定したラット3頭を表1に示した距離(そ
れぞれの距離毎に試験を行なった)に設置した。準備の
後60分後に、羽化後6〜9日経過したヒトスジシマカ
(Aedesalbopictus)の雌成虫約100匹を放し、2時
間後に電気式蚊取りマットを用いてノックダウンさせた
後、回収し、その数及び吸血数を記録した。また、同時
に無処理区を設け、同様な試験を行ない、対照とした。
吸血阻止率は、処理区の吸血率及び無処理区の吸血率か
ら下記式(1)より算出した。
【数1】 得られた結果を表1に示す。
【0066】
【表1】 薬剤を徐々に蒸散させることで、薬剤の担体を中心とし
た薬剤濃度勾配を生じさせ、それを、開放空間又は閉鎖
空間の一部に局所的に存在させるには、70℃以下の微
加熱、もしくは1×10-13/秒以下の微送風が好ま
しい。それ以上の加熱及び送風では、薬剤蒸散が進み効
力的には増大する傾向が見られたが、その分、薬剤拡散
も促進され、薬剤のロスが生じる。また、供試剤付近よ
りも、部屋の隅側(壁側)の効力が高い傾向が見られた
ことから、局所空間的に忌避は難しい。
【0067】実施例8〜14 ポリプロピレン不織布(RW2100、出光石油化学社
製)を100cm2(10×10cm)、200cm
2(20×10cm)、500cm2(25×20c
m)、1000cm2(40×25cm)、1500c
2(50×30cm)、2500cm2(50×50c
m)、5000cm2(100×50cm)の7段階に
設定し、テラレスリンの5%(W/V)ヘキサン溶液を
それぞれ1mg/cm2となるように塗布含浸したもの
を供試剤とした。
【0068】試験例2:閉鎖空間における蒸散面積と吸
血行動抑制の範囲に関する効力試験 試験は、12畳の平均的な室内を想定し、無風恒温室に
て最大出力で給排気しながら室温32℃の条件下で行な
った。上記において作成した各サンプルを室内中央の天
井から吊り下げ、ケージに入れて固定したラット3頭を
表2に示した距離(それぞれの距離毎に試験を行なっ
た)に設置した。準備の後60分後に、羽化後6〜9日
経過したヒトスジシマカの雌成虫約100匹を放し、2
時間後に電気式蚊取りマットを用いてノックダウンさせ
た後、回収し、その数及び吸血数を記録した。また、同
時に無処理区を設け、同様な試験を行ない、対照とし
た。吸血阻止率は、処理区の吸血率及び無処理区の吸血
率から前記式(1)より算出した。得られた結果を表
2、表3、図20及び図21に示す。
【表2】
【0069】
【表3】 これらの結果から明らかなように、薬剤蒸散体の面積が
大きくなれば、それに伴って吸血阻止率80%以上とな
る供試剤からの距離は、ほぼ比例的に伸びていった。
【0070】実施例15〜20 テラレスリン、d−T80−プラレトリン、dl,d−
T80−アレスリン、エンペントリン、ジエチルトルア
ミド、p−メンタン−3,8−ジオールをそれぞれ種々
の蒸散量に調製したリキッド製剤を供試剤とした。
【0071】試験例3:有効主成分蒸散量と吸血行動抑
制に関する効力試験 試験は、10畳の無風恒温室において、室温32℃の条
件下で実施した。予め室外で予備通電を行なった各供試
リキッドを試験室内にて30分燻蒸した後、ケージに入
れて固定したラット3頭を試験室中央に等間隔に並べて
設置し、ヒトスジシマカの雌成虫約100匹を放った。
蚊を放ってから2時間後に、全ての供試虫を回収し、そ
の吸血率を求めた。対照として同時に無処理区でも行な
った。処理区及び無処理区の吸血率から前記式(1)よ
り吸血阻止率を求めた。また、各蒸散量と吸血阻止率に
基づき、50%吸血阻止蒸散量(IC50値)及び100
%吸血阻止蒸散量(IC100値)を求めた。得られた結
果を表4に示す。
【0072】
【表4】 表4に示されるように、ピレスロイド系殺虫剤の有効主
成分蒸散量が1×10 -4〜5×10-1mg/hr/
3、ジエチルトルアミド、p−メンタン−3,8−ジ
オールが1×10-1〜5×102mg/hr/m3の範囲
内において有効な効力が得られた。
【0073】実施例21〜27 和紙を100cm2(10×10cm)に切断し、有効
主成分としてテラレスリン、エムペントリン、トランス
フルスリン、ジエチルトルアミド、p−メンタン−3,
8−ジオール、レモングラス、シトロネラの各々5%
(W/V)ヘキサン溶液をそれぞれ1mg/cm2とな
るように塗布含浸したものを供試剤とした。
【0074】試験例4:閉鎖空間における有効主成分と
吸血行動抑制の範囲に関する効力試験 試験は、10畳の平均的な室内を想定し、無風恒温室に
て最大出力で給排気しながら室温32℃の条件下で行な
った。上記において作成した各サンプルを室内中央床面
に設置し、ケージに入れて固定したラット3頭を20c
m、50cm、80cm、100cm又は120cmの
距離に設置し、それぞれの距離において試験を行なっ
た。準備の後60分後に、羽化後6〜9日経過したヒト
スジシマカの雌成虫約100匹を放し、2時間後に電気
式蚊取りマットを用いてノックダウンさせた後、回収
し、その数及び吸血数を記録した。また、同時に無処理
区を設け、同様な試験を行ない、対照とした。吸血阻止
率は、処理区の吸血率及び無処理区の吸血率から前記式
(1)より算出した。得られた結果を表5に示す。
【0075】
【表5】 表5に示されるように、ピレスロイド系殺虫剤及びジエ
チルトルアミド、p−メンタン−3,8−ジオールは忌
避剤として有効な効力が得られたが、植物精油はその効
力が劣る傾向が見られた。
【0076】実施例28〜30 ホオノキ(Magnolia obovata Thunb.)の葉(約300
cm2)を10%水酸化ナトリウム液に入れて30分煮
た後、ブラシで葉肉細胞を落し、一昼夜、乾燥した。こ
の植物体と和紙及びポリプロピレン不織布(RW210
0、出光石油化学社製)をそれぞれ100cm2(10
×10cm)に切断したものに、有効主成分としてエム
ペントリンの5%(W/V)ヘキサン溶液をそれぞれ1
mg/cm 2となるように塗布含浸したものを供試剤と
した。
【0077】試験例5:薬剤を含浸させる担体と吸血行
動抑制に関する効力試験 試験は、10畳の平均的な室内を想定し、無風恒温室に
て最大出力で給排気しながら室温32℃の条件下で行な
った。上記において作成した各サンプルを室内中央床面
に設置し、ケージに入れて固定したラット3頭を供試剤
から80cmの距離に置いた。準備の後60分後に、羽
化後6〜9日経過したヒトスジシマカの雌成虫約100
匹を放し、2時間後に電気式蚊取りマットを用いてノッ
クダウンさせた後、回収し、その数及び吸血数を記録し
た。また、同時に無処理区を設け、同様な試験を行な
い、対照とした。吸血阻止率は、処理区の吸血率及び無
処理区の吸血率から前記式(1)より算出した。得られ
た結果を表6に示す。
【0078】
【表6】 表6に示されるように、薬剤を含浸させる担体の種類に
より効力に差がみられたが、いずれも、有効な吸血阻止
効力が認められた。
【0079】実施例31 ホオノキの葉(約300cm2)を10%水酸化ナトリ
ウム液に入れ、30分煮た。これを流水で充分洗った
後、ブラシで葉肉細胞を落とした。その後、薄いサラシ
粉に一昼夜つけて漂白し、新聞紙にはさんで乾燥した。
得られた加工植物体に1枚(300cm2)当たりトラ
ンスフルスリンの1%(W/V)ヘキサン溶液10ml
を塗布含浸し、一昼夜風乾させたものを薬剤蒸散体とし
た。
【0080】試験例6:閉鎖空間における害虫の飛来行
動抑制に関する効力試験 10畳の試験室中央に、前記で得られた薬剤蒸散体10
本(枚)を花瓶に挿して配置し、誘引トラップを薬剤蒸
散体から50cm、100cm、150cm、200c
m又は250cmの位置に2ヵ所づつ設置した。その状
態のまま1時間放置した後、イエバエ(Musca domestic
a)の雄雌成虫をそれぞれ100匹づつ室内に放した。
6時間後にトラップを回収し、そのトラップ内のイエバ
エの数から距離による飛来行動抑制率を調査した。ま
た、無処理区を設け、同様に試験をし、その誘引率から
下記式(2)によって飛来行動抑制率を算出した。
【数2】 得られた結果を表7に示す。
【0081】
【表7】 表7に示されるように、薬剤を局所的に存在させること
で、その空間内におけるイエバエの誘引性を阻害する傾
向が認められた。
【0082】実施例32〜34 ポリプロピレン不織布(RW2100、出光石油化学社
製)を10,000cm2(100×100cm)に切
断し、表8に示される有効成分の5%(W/V)ヘキサ
ン溶液をそれぞれ1mg/cm2となるように塗布含浸
したものを供試剤とした。
【0083】試験例7:開放空間における忌避試験 上記実施例32〜34で得られた各供試剤を、屋外の高
さ1.6mの位置に揚げる形で設置し、上下を固定した
後、30分放置した。その後、供試剤から200cm、
400cm又は600cmの位置に人が立ち、10分間
に飛来するヒトスジシマカを捕虫網にて捕獲し、その数
を調査した。なお、無処理区は供試剤を設置する1時間
前に行ない、捕獲したヒトスジシマカはすべて放した。
得られた結果を表8に示す。
【0084】
【表8】 表8に示されるように、薬剤の種類によって効力的な差
はあるものの、屋外の開放空間においてもある程度の空
間においては害虫の飛来行動を抑制する有効性が確認さ
れた。
【0085】実施例35〜40 厚紙にろ紙を接着し、ろ紙面にテラレスリンの5%(W
/V)ヘキサン溶液を1mg/cm2となるように塗布
含浸した。こうして得られた含浸体を含浸面が内側にな
るようにして図22に示されるような一辺が10cmの
立方体70(蒸散面積600cm2)を作成した。この
立方体の底面以外の面から半径1cmの円の孔71を5
箇所(開口率2.6%)、10箇所(5.2%)、20
箇所(10.5%)、30箇所(15.7%)又は40
箇所(20.9%)切り取り、他のすべての隙間をセロ
ハンテープで完全に塞いだものを供試剤とした。
【0086】試験例8:開口率と吸血行動抑制に関する
効力試験 試験は、8畳の平均的な室内を想定し、無風恒温室にて
最大出力で給排気しながら室温32℃の条件下で行なっ
た。上記において作成した各サンプル(実施例35〜4
0)を室内中央床面に配置し、ケージに入れて固定した
ラット3頭を中央床面から1mの距離に設置した。準備
の後、60分後に羽化後6〜9日経過したヒトスジシマ
カ(Aedes albopictus)の雌成虫約100匹を放し、
2時間後電気式蚊取りマットを用いてノックダウンさせ
た後、回収し、その数及び吸血数を記録した。また、同
時に無処理区を設け、同様な試験を行ない対照とした。
得られた結果を表9に示す。
【0087】
【表9】 表9に示される結果から明らかなように、薬剤蒸散体の
蒸散面が立体状(箱状)構造体の内部空間に面している
構造の場合、その開口部の開口率は10%以上が好まし
い。
【0088】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る害虫の飛来
及び/又は吸血行動抑制剤は、害虫の飛来及び/又は吸
血行動を抑制する有効主成分を、害虫の飛来及び/又は
吸血行動を抑制しようとする空間容積当たりの薬剤含浸
面積が1×100〜5.0×102cm2/m3の範囲内と
なるような割合で担体に含浸・保持させてなる薬剤蒸散
体であって、自然蒸散、1×10-3〜1×10-13
秒の微送風、及び/又は40〜70℃の微加熱により薬
剤を徐々に蒸散させることで、薬剤蒸散体を中心とした
薬剤濃度勾配を生じさせ、それを、開放空間又は閉鎖空
間の一部に局所的に存在させることを可能としたもので
あり、これを家畜小屋、犬小屋、室内等に設置したり、
又は身につけたりすることで、局所的な空間内における
蚊やサシバエなどの種々の吸血性害虫の吸血行動や、イ
エバエ、ヒメイエバエ、メマトイなどの種々の害虫の飛
来行動を効果的に抑制することができると共に、薬剤の
拡散性が制御されることにより不要な薬剤消費を減らす
ことができ、経済的である。また、平面状又は立体状構
造を有し、持ち運びに簡便であると共に、種々の装飾品
に加工することができるため、携帯用や室内のインテリ
ア等にも使用することができ、製品設計が飛躍的に行な
い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬剤含浸体の一実施態様である球状ハ
ニカム構造体の断面図である。
【図2】図1に示す球状ハニカム構造体の斜視図であ
る。
【図3】本発明の薬剤含浸体の他の実施態様である球状
多重ハニカム構造体の断面図である。
【図4】図3に示す球状多重ハニカム構造体の組立前の
積層状態を示す側面図である。
【図5】本発明の球状多重ハニカム構造体の他の実施態
様を180度開いた状態で示す平面図である。
【図6】本発明の球状多重ハニカム構造体の別の実施態
様を180度開いた状態で示す平面図である。
【図7】本発明の薬剤保持体の別の実施態様である楕円
状多重ハニカム構造体の斜視図である。
【図8】図7に示す楕円状多重ハニカム構造体の組立前
の積層状態を示す平面図である。
【図9】図7に示す楕円状多重ハニカム構造体の組立前
の積層状態を示す側面図である。
【図10】図7に示す楕円状多重ハニカム構造体の使用
例を示す斜視図である。
【図11】本発明の楕円状多重ハニカム構造体の他の実
施態様の組立前の積層状態を示す平面図である。
【図12】本発明の楕円状多重ハニカム構造体の別の実
施態様の組立前の積層状態を示す平面図である。
【図13】本発明の薬剤含浸体を用いた薬剤蒸散装置の
一実施態様を示す概略構成図である。
【図14】図12に示す薬剤蒸散装置に用いた振動装置
の概略構成図である。
【図15】本発明の薬剤含浸体を用いた強制通気方式の
薬剤蒸散装置の一実施態様を示す部分破断概略斜視図で
ある。
【図16】本発明の薬剤含浸体を用いた強制通気方式の
薬剤蒸散装置の他の実施態様を示す部分破断概略斜視図
である。
【図17】本発明の薬剤含浸体を用いた自動巻取ロール
スクリーン方式の薬剤蒸散装置の一実施態様を示す概略
斜視図である。
【図18】本発明の薬剤含浸体を用いた風力蒸散方式の
薬剤蒸散装置の別の実施様態を示す概略構成図である。
【図19】実施例1〜4の試験に用いた加熱蒸散装置の
概略構成図である。
【図20】試験例2における供試剤(薬剤蒸散体)から
の距離と吸血阻止率の関係を示すグラフである。
【図21】試験例2における吸血阻止率80%以上に達
する供試剤(薬剤蒸散体)からの距離と蒸散面積との関
係を示すグラフである。
【図22】実施例35〜40で作成した供試剤(薬剤蒸
散体)の概略構成図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h
ハニカム構造体 2 セル壁 3 セル 4,4a,4b,4c,4d,4e,4f,4h 外層 5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5h 内層 6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6h,1
1,14 空隙部 7,7a,7b,7c,7d,7e,7f,8,8a,
8b,8c,8f 支持シート 13 中間層 15 把持部 16 弾性線状部材 19 通気孔 20 切欠き部 21 駆動装置 23 振子 25 電磁石 30 ファン 31 羽根 32 羽根固定部材 33 回転板 35 モーター 40 自動巻取ロールスクリーン方式薬剤蒸散装置 41 中空円筒体 43 ラチェット解除ボタン 45,54 薬剤含浸体 50 送風装置 60 面状ヒーター A 接着部分 S 内部空間 X 中心軸線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H011 AC02 BA06 BB03 BB06 BB15 BC19 BC22 DA07 DA09 DA10 DA14 DB04 DD05 DE07 DF02 DG03 DH02 DH10 DH18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制す
    る有効主成分を、害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制
    しようとする空間容積当たりの薬剤含浸面積が1×10
    0〜5.0×102cm2/m3の範囲内となるような割合
    で担体に含浸・保持させてなる薬剤蒸散体であって、自
    然蒸散、1×10-3〜1×10-13/秒の微送風、及
    び/又は40〜70℃の微加熱により薬剤を徐々に蒸散
    させることで、薬剤蒸散体を中心とした薬剤濃度勾配を
    生じさせ、それを、開放空間又は閉鎖空間の一部に局所
    的に存在させることで局所的な空間における害虫の飛来
    及び/又は吸血行動を抑制するように構成したことを特
    徴とする害虫の飛来及び/又は吸血行動抑制剤。
  2. 【請求項2】 含浸・保持させる薬剤が、20℃におけ
    る蒸気圧が1×10 -3〜1×10-6mm/Hgの範囲内
    にあるピレスロイド系殺虫剤、ジエチルトルアミド及び
    p−メンタン−3,8−ジオールのうち少なくとも1種
    以上を有効主成分として含有することを特徴とする請求
    項1に記載の害虫の飛来及び/又は吸血行動抑制剤。
  3. 【請求項3】 含浸・保持させる薬剤量が、担体重量に
    対して200%以下の範囲内にあることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の害虫の飛来及び/又は吸血行動抑
    制剤。
  4. 【請求項4】 害虫の飛来及び/又は吸血行動を抑制す
    る局所空間が、50m3以内であることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれか一項に記載の害虫の飛来及び/
    又は吸血行動抑制剤。
  5. 【請求項5】 単位時間、単位空間容積当たりの有効主
    成分の蒸散量が、ピレスロイド系殺虫剤の場合1×10
    -4〜5×10-1mg/hr/m3、ジエチルトルアミド
    及びp−メンタン−3,8−ジオールの場合1×10-1
    〜5×102mg/hr/m3の範囲内であることを特徴
    とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の害虫の飛
    来及び/又は吸血行動抑制剤。
  6. 【請求項6】 前記薬剤蒸散体が、内部空間を有し、そ
    の薬剤蒸散面が外部空間に対して露出せず内部空間に面
    している立体状構造体であり、上記蒸散面積に対して1
    0%以上の開口率を有し、そこから蒸散された薬剤を自
    然放出させる開口部を有することを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれか一項に記載の害虫の飛来及び/又は吸
    血行動抑制剤。
  7. 【請求項7】 担体が、紙、不織布、織編物、植物体又
    はその一部のいずれか1種であることを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれか一項に記載の害虫の飛来及び/又
    は吸血行動抑制剤。
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