JP2002265304A - 害虫防除用加熱蒸散体 - Google Patents

害虫防除用加熱蒸散体

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JP2002265304A
JP2002265304A JP2001064618A JP2001064618A JP2002265304A JP 2002265304 A JP2002265304 A JP 2002265304A JP 2001064618 A JP2001064618 A JP 2001064618A JP 2001064618 A JP2001064618 A JP 2001064618A JP 2002265304 A JP2002265304 A JP 2002265304A
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heat
carrier
pest control
permeable layer
tetrafluoro
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JP2001064618A
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Tomonori Iwasaki
智則 岩崎
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 長時間にわたって害虫を防除するのに有効な
害虫防除用加熱蒸散体を提供する。 【解決手段】 加熱蒸散性害虫防除剤を含有する板状担
体が、該担体の片面のうちの0.1〜70%を除き防除
剤非透過性層によって被覆されてなる害虫防除用加熱蒸
散体及び該蒸散体を用いる害虫防除方法。好ましくは、
非透過性層が金属層であり、害虫防除剤がピレスロイド
化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は害虫防除のための加
熱蒸散体および害虫防除方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】電気
蚊取り用マットは、害虫防除剤を繊維質や多孔質担体に
保持させたもので、通常約140〜200℃に加熱して
蚊などの害虫防除に用いられている。電気蚊取り用マッ
トは使用し易い製剤である反面、害虫防除剤の揮散をコ
ントロールするのが非常に困難であるため、長期間にわ
たって効果的に害虫を防除しうる製品の開発はなされて
いないのが現状である。本発明は、長時間にわたって、
害虫を防除するのに有効な害虫防除用加熱蒸散体を提供
することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、加熱蒸散性害虫防除剤を含有しかつ特定
構造を有する加熱蒸散体により前述の課題が解決できる
ことを見出し本発明を完成するに至った。即ち本発明
は、加熱蒸散性害虫防除剤を含有する板状担体(以下、
本担体と記す。)が、該担体の片面のうちの0.1〜7
0%を除き本防除剤非透過性層によって被覆されてなる
害虫防除用加熱蒸散体(以下、本蒸散体と記す。)及び
本蒸散体を用いる害虫防除方法を提供するものである。
【0004】
【発明の実施の形態】本蒸散体における板状担体は、加
熱蒸散性害虫防除剤を保持することができ、かつ、加熱
により該防除剤を適度に揮散させ得るものでる。かかる
担体としては、繊維質担体や多孔質担体等があげられ
る。具体的に繊維質担体としては、例えばパルプ、セル
ロース、綿等の天然繊維、ポリエステル、アクリル等の
合成繊維、ガラス繊維、石綿などの無機繊維等を用いた
担体を挙げることができ、多孔質担体としては、例えば
ケイソウ土等の多孔質無機物質、素焼等の多孔質磁性物
質、発泡ウレタン、発泡ポリプロピレン等の多孔質樹脂
等を用いた担体を挙げることができる。
【0005】本蒸散体は、一般的にはそのための加熱装
置に装着して使用されるので、担体としては、通常、平
板状に成形されたものが使用され、その大きさは加熱装
置により変わり得るが、例えば約2cm(縦)×約3c
m(横)×約3mm(厚み)程度のものが挙げられる。
本明細書において、板状担体あるいは本担体における片
面とは、板状担体或いは本担体の面のうち、面積の大き
な対向する2つの面のいずれかを言い、上面及び下面と
は、該面積の大きな対向する2つの面を平面に置いたと
きのそれぞれ上側及び下側の面を言う。そして該面積の
大きな対向する2つの面以外の面を側面と言う。例えば
前記した約2cm(縦)×約3cm(横)×約3mm
(厚み)の板状担体において、約2cm(縦)×約3c
m(横)の2面の一方が片面であり、これを平面上にお
いたときの上側の面が上面、下側の面が下面、約2cm
×約3mmの2面及び約3cm×約3mmの2面が側面
となる。
【0006】本蒸散体における加熱蒸散性害虫防除剤
(以下、本防除剤と記す。)としては、通常、約50〜
200℃において揮散してその効力を発揮し得る化合物
を使用することができ、代表的にはピレスロイド化合物
を挙げることができる。ピレスロイド化合物の具体例と
しては、アレスリン(蒸気圧5.9×10-6mmHg
(25℃))、プラレトリン(蒸気圧4.8×10-6
mmHg(25℃))、フラメトリン(蒸気圧2.5×
10-5 mmHg(25℃))、トランスフルスリン
(蒸気圧2.6×10-6 mmHg(25℃))、テラ
レトリン(蒸気圧3.5×10-6 mmHg(25
℃))、エンペントリン(蒸気圧1.6×10-4 mm
Hg(25℃))、5−プロパルギル−2−フルフリル
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボ
キシラート(蒸気圧1.6×10 -4 mmHg(25
℃))、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチル
ベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧
3.1×10-5 mmHg(25℃))、2,3,5,
6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−
プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシラート(蒸気圧7.7×10-5 mmHg(25
℃))、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチル
ベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−
ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧4.
9×10-6 mmHg(25℃))、2,3,5,6−
テトラフルオロ−4−メトキシベンジル 3−(2,2
−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
カルボキシラート(蒸気圧4.1×10-6 mmHg
(25℃))、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−
メトキシメチルベンジル 3−メトキシイミノメチル−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(蒸
気圧5.8×10-6 mmHg(25℃))、2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル
3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシラート(蒸気圧6.8×
10-6 mmHg(25℃))、2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル3−(1−プ
ロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキ
シラート(蒸気圧1.4×10-5 mmHg(25
℃))、天然ピレトリン等を挙げることができる(化合
物名の後の括弧内の値はその化合物の25℃の蒸気圧を
意味する。)。
【0007】中でもその害虫防除活性、揮散性の観点か
ら、25℃の蒸気圧が1×10-6mmHg以上のピレス
ロイド化合物が好ましい。尚、本発明において25℃の
蒸気圧とは、Stephen F. Donovanによって報告された方
法(New method for estimating vapor pressure by th
e use of gas chromatography: Journal of Chromatogr
aphy A. 749(1996)123-129、以下、Donovan法と
記す。)により求められる蒸気圧を意味する。
【0008】さらに、その害虫防除活性、揮散性の観点
から2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメ
チルベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメ
チルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6
−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(1−プ
ロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキ
シラート、トランスフルスリン、2,3,5,6−テト
ラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−
メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボキシラート及び2−メチル−3−プロパル
ギル−4−オキソ−2−シクロペンテン−1−イル 3
−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシラートが好ましく、2,3,
5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル
−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプ
ロパンカルボキシラート、2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−メチルベンジル−3−(1−プロペニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び
2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル
ベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,
2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラートがより好
ましい。
【0009】本防除剤の担体中の含有量は、使用する担
体の材質、目標とする害虫防除効果持続期間、使用する
害虫防除剤等により適宜決めることができるが、担体1
cm 3あたり通常は0.02〜0.5g程度である。
【0010】本担体は、本防除剤のほかに、必要により
溶剤、色素、酸化防止剤、共力剤、安定化剤、香料など
を含有していてもよい。
【0011】溶剤としては、例えばノルマルパラフィン
系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、エス
テル系溶剤、ケトン系溶剤、エーテル系溶剤、アルコー
ル系溶剤等が挙げられ、これらを単独で、或いは2種以
上の混合物で使用してもよい。
【0012】色素としては、例えば、1,4−ジブチル
アミノアントラキノン、1,4−ジイソプロピルアミノ
アントラキノン、1,4−ビス(2,6−ジエチル−4
−メチルフェニルアミノ)アントラキノン、1−メチル
アミノ−4−オルトトリルアミノアントラキノン、1−
メチルアミノ−4−メタトリルアミノアントラキノン、
1−メチルアミノ−4−パラトリルアミノアントラキノ
ン等のアントラキノン系青色色素等があげられる。これ
らを単独で、或いは2種以上の混合物で使用してもよ
く、また色の異なる他の色素との混合物として使用する
こともできる。
【0013】酸化防止剤としては、例えばジブチルヒド
ロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,2
−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノ−ル等のフェノール系抗酸化剤等が挙げられる。
【0014】共力剤としては、例えばビス−(2,3,
3,3−テトラクロロプロピル)エ−テル(S−42
1)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(M
GK264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エ
トキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルト
ルエン(PBO)等が挙げられる。
【0015】安定化剤としては、例えばベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等
の紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0016】板状担体へ本防除剤を含有させるには、例
えば、本防除剤を、或いは本防除剤その他を含有する溶
剤液を、該担体に含浸させることにより行うことができ
る。
【0017】本蒸散体は、本防除剤非透過性層(以下、
本非透過層と記す。)によって本担体が被覆されている
構造をとる。本非透過層とは、本防除剤の蒸気を実質的
に透過させない層である。実質的に透過させないとは、
本蒸散体使用時において、殺虫効力に影響を与える量の
本防除剤を透過させないということを意味する。具体的
には、本蒸散体を本非透過層で全て覆って、試験例1で
説明している殺虫効力試験を行い、30分間観察しても
ノックダウンしている蚊を1匹も認められないレベルの
非透過性を備えた層のことである。そして、本非透過層
としては、本蒸散体を使用する温度(例えば、50〜2
00℃程度)において、その使用期間中(例えば50時
間程度以上)は、破れ、融解等による本担体の露出を生
じない程度の耐熱性を備えていることが好ましい。
【0018】本非透過層としては、例えば本防除剤蒸気
を実質的に透過させない材質を用いたフィルムやシート
を挙げることができ、かかる材質としては、例えば鉄、
ニッケル、クロム、亜鉛、モリブデン、チタン、銅、ア
ルミニウム、すず、鉛、銀、白金、金等の金属;ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアク
リロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合、エチレン−メチルアクリレ−ト共重合体、エチレン
−メチルメタアクリレ−ト共重合体、エチレン−エチル
アクリレ−ト共重合体等の共重合体、ナイロン等のポリ
アミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタラ−ト、ポ
リブチレンテレフタラ−ト等のポリエステル、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリエーテルスルホン等のポリエーテ
ル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂等のプ
ラスチック等が挙げられる。
【0019】本非透過層は、フィルム、シートとして成
形可能である限りにおいて前記材質が組み合わせられた
複合材質であってもよいし、2層以上重ねた積層体であ
ってもよい。また、強度、耐熱性、接着性等を付与する
ために本非透過層に、例えば紙等の本防除剤蒸気の透過
性の高い層を1層以上重ねた積層体であってもよい。耐
熱性、加工性等の観点から、アルミニウム、銅、ステン
レス等の金属層とポリエチレン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合、エチレン−
メチルアクリレ−ト共重合体、エチレン−メチルメタア
クリレ−ト共重合体、エチレン−エチルアクリレ−ト共
重合体等の共重合体、ナイロン等のポリアミド、ポリイ
ミド、ポリエチレンテレフタラ−ト、ポリブチレンテレ
フタラ−ト等のポリエステル、ポリフェニレンオキシ
ド、ポリエーテルスルホン等のポリエーテル等の樹脂層
からなる積層体を用いるのが好ましく、アルミニウム層
と、ポリエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエチレンテレフタラ−ト、ポリブチレンテレフ
タラ−ト等のポリエステル、ポリフェニレンオキシド、
ポリエーテルスルホン等のポリエーテル等の樹脂層から
なる積層体を用いるのがさらに好ましい。
【0020】本発明において、「被覆されてなる」と
は、被覆対象物(担体)の表面に被覆物(本非透過層)
が密着している状態はもちろんのこと、幾分か(例えば
5mm以下程度)の隙間を隔てて被覆対象物を被覆物が
覆っている状態をも含む。担体と本非透過層との隙間
は、通常5mm以下、好ましくは3mm以下である。
【0021】また、本非透過層の厚さは特に制限はない
が、通常は0.0001〜5mmであり、好ましくは、
0.001〜2mmである。
【0022】また、本蒸散体において本担体の片面のう
ちの約0.1〜約70%は本非透過層によって被覆され
ておらず、それ以外の面は本非透過層で被覆されてい
る。例えば、該片面を上面としておいたとき、本担体の
下面及び側面については全面が本非透過層で被覆されて
いるが、本担体の上面についてはその約0.1〜約70
%は本非透過層で被覆されていない。
【0023】本担体が本非透過層で被覆されていない状
態としては、本担体の片面を被覆した本非透過層が部分
的に開口部を有している状態や、本担体の片面を被覆し
た本非透過層が多数の例えば0.01〜0.1mm程度
の小孔を有している状態、本担体の片面を被覆した本非
透過層の一部が本防除剤の蒸気透過性層で置き換えられ
た状態等が挙げられる。
【0024】本非透過層により本担体を被覆する方法と
しては、例えば、フィルム状またはシート状の本非透過
層をヒートシール、超音波シール、高周波シール、接着
剤等により本担体の各面に貼り付ける方法、ディップコ
ーティング法、スプレーコーティング法、はけ塗り法等
の通常の樹脂コーティング方法により樹脂膜を本担体面
上に形成させる方法、本非透過層からなる袋に本担体入
れて該袋の口をヒートシール、超音波シール、高周波シ
ール、接着剤等により閉じる方法等が挙げられる。
【0025】また、他の面は本非透過層で全面が実質的
に被覆され、本担体の片面のうちの約0.1〜約70%
が本非透過層で被覆されていない本蒸散体を製造する方
法としては、本非透過層として、その本担体の片面を被
覆する部分に対応する箇所に所定の開口を有しているも
の、小孔を有しているもの、本防除剤透過性層を有して
いるもの等を用いて該開口、小孔、本防除剤透過性層を
有する部分が本担体の片面になるように被覆する方法
や、本担体表面の全体を本非透過層で被覆後、本担体の
片面を被覆する箇所の本非透過層を一部除去(剥ぎ取
り、切り取り)したり、孔あけしたり、一部除去後、該
除去部分を本防除剤透過性層で覆うように貼り付ける方
法等を挙げることができる。
【0026】本蒸散体を加熱装置に装着する際、前記本
非透過層部分を持つことにより、本防除剤を指等に付着
させることなく取扱うことが可能であり便利である。
【0027】また、本蒸散体を使用(加熱)する前、あ
るいは使用を中断する場合は、本防除剤の不必要な揮散
を防ぎ、かつ害虫防除剤が手などに付着する可能性を減
少させるために、本非透過層で被覆されていない部分を
本防除剤非透過性のシールなどによって塞いでいてもよ
い。また、該シールは繰り返し着脱可能なように片面に
貼り付け/剥がしが容易に行える接着層を備えたものが
好ましい。特に最初の使用開始前は、本蒸散体の非透過
層で被覆されていない部分を本防除剤非透過性のシール
等で被覆しておき、使用開始時に該シールを剥がす、破
く、切り取る等の方法により除去して用いることが好ま
しい。
【0028】本蒸散体は、特に長時間の使用に適した蒸
散体であるため、害虫防除効果の低下あるいは消失を使
用者に知らしめうるインジケーター機能が備わっている
ことが好ましい。インジケーターとしては、例えば、以
下のようなものが挙げられる。 ・板状担体に色素を保持させて、その退色を観察する。 ・板状担体に蒸散性酸または塩基およびPH指示薬を保
持させて、その退色を観察する(参考 特開昭56−5
3461)。 ・担体に蒸散性酸または塩基およびPH指示薬を保持さ
せて、本蒸散体表面に貼り付け、その退色を観察する
(参考 特開昭56−53461)。 ・板状担体に電子供与性呈色有機化合物、顕色剤を保持
させて、その退色を観察する(参考 特開昭63−60
901)。 ・担体に電子供与性呈色有機化合物、揮散性減感剤及び
顕色剤を保持させて、本蒸散体表面に貼り付け、その退
色を観察する(参考 特開昭63−60901)。
【0029】本蒸散体を、加熱装置により約50〜約2
00℃程度に加熱することによって、害虫を防除するこ
とができる。該防除は本蒸散体を、約0.1〜約70%
が本非透過層によって被覆されていない片面と対向する
面から加熱ことにより行うことができる。本蒸散体を用
いる害虫防除における具体的な本蒸散体の加熱装置によ
る加熱は、通常、加熱装置のヒーター面に接する(また
は近接する)面を下面とすると、前記約0.1〜約70
%が本非透過層によって被覆されていない片面が上面と
なるように装着され、本蒸散体の下面側から該ヒーター
により加熱されることにより行うことができる。
【0030】防除し得る害虫としては、例えば、各種の
有害昆虫、ダニ類等の節足動物を挙げることができ、特
に飛翔性害虫、例えばアカイエカ、コガタアカイエカ等
のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブ
カ類、シナハマダラカ等のハマダラカ類、ユスリカ類、
イエバエ、オオイエバエ、ヒメイエバエ等のイエバエ
類、クロバエ類、ニクバエ類、ショウジョウバエ類、チ
ョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、サシバエ
類、ヌカカ類等の双し目害虫が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、製造例及び試験例をあげて、本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限
定されるものではない。 実施例1 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル
ベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシラート20重量%、ジブチル
ヒドロキシトルエン10重量%、1,4−ジイソプロピ
ルアミノアントラキノン0.5重量%及びジイソノニル
アジペ−ト69.5重量%からなる溶液900mgを
2.2cm×3.5cm×0.31cmのパルプ、コッ
トンリンターからなる繊維質板状担体に含浸させ、該担
体を4.1cm×2.8cmのアルミラミネ−ト袋に入
れ、該袋の口をヒ−トシ−ルして密閉した。該担体とア
ルミラミネート袋の隙間は2mm以下である。該アルミ
ラミネ−ト袋の片面の中央部を切り取って0.3cm×
0.3cmの四角形の開口部を形成させて、本蒸散体1
を得た。
【0032】実施例2 繊維質板状担体に含浸させる溶液の量を600mgと
し、アルミラミネ−ト袋の片面の中央部に形成させる開
口部を0.3cm×0.6cmとした以外は実施例1と
同様にして本蒸散体2を得た。
【0033】実施例3 2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチル
ベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシラート150mgを2cm×
3cmの濾紙に含浸させ、該濾紙を2.3cm×3.3
cmのアルミラミネ−ト袋に入れ、該袋の口をヒ−トシ
−ルして密閉した。該担体とアルミラミネート袋の隙間
は2mm以下である。アルミラミネ−ト袋の片面の中央
部を切り取って0.3cm×0.3cmの四角形の開口
部を形成させ、本発明マット3を得た。
【0034】実施例4 四角形の開口部の大きさを0.6cm×0.6cmとし
た以外は実施例3と同様にして本蒸散体4を得た。
【0035】実施例5 四角形の開口部の大きさを0.9cm×0.9cmとし
た以外は実施例3と同様にして本蒸散体5を得た。
【0036】実施例6 四角形の開口部の大きさを1.0cm×2.0cmとし
た以外は実施例3と同様にして本蒸散体6を得た。
【0037】試験例1 アカイエカ(Culex pipiens pallens)雌成虫10頭を
入れたガラス管(高さ12cm、内径4cm、両端を1
6メッシュナイロンネットで閉じたもの)を2本準備し
た。高さ80cm、直径20cmの試験用シリンダーの
上部に直径方向、中心部分に巾7.8cmの金属製の上
記ガラス管用台座を渡した。この台座にはシリンダーの
中心より4cmの位置にガラス管内径と同じ直径4cm
の穴が対称に2個開いており、この台座にアカイエカ雌
成虫を入れた上記ガラス管を置き、試験用シリンダーの
下からの気流がガラス管内を通り抜ける状態とした。直
径20cm、高さ30cmの観察用の透明樹脂製円筒を
試験用シリンダーの上部に、両者の外径が重なるように
設置した。
【0038】一方、本蒸散体1を電気蚊取り器に装着し
て別途試験用シリンダー外で約170℃加熱を行い、該
加熱が168時間経過した時点でこれを上記した試験用
シリンダー内の底面に移動し、該電気蚊取り器による加
熱を継続し、経過時間ごとのノックダウンしたアカイエ
カ雌成虫数をカウントし、供試したアカイエカ雌成虫の
50%がノックダウンする時間(KT50値)を求め
た。該ガラス管を取り除き、さらに該電気蚊取り器によ
る加熱を継続した。最初に加熱を開始した時点(上記し
た試験用シリンダー外で約170℃での加熱を開始した
時点)から288、528、673及び819時間後に
新たなアカイエカを用いて同様の試験を行なった。ま
た、本蒸散体2、3、4、5、6および表2〜6に示す
ヒ−タ−温度の電気蚊取り器を用いて、表2〜6に示す
時間経過後にアカイエカのノックダウン試験を、上述の
方法と同様にして行った。結果を表1〜6に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】 N.D.:測定せず
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、長時間にわたって、極
めて効果的に害虫、特に蚊等の飛翔性害虫を防除するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 53/06 A01N 53/00 506B 506Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱蒸散性害虫防除剤を含有する板状担体
    が、該担体の片面のうちの0.1〜70%を除き加熱蒸
    散性害虫防除剤非透過性層によって被覆されてなる害虫
    防除用加熱蒸散体。
  2. 【請求項2】該非透過性層が金属層を含むものである請
    求項1に記載の加熱蒸散体。
  3. 【請求項3】該非透過性層がアルミニウム層を含むもの
    である請求項1または2に記載の加熱蒸散体。
  4. 【請求項4】該非透過性層がアルミニウム層及び樹脂層
    からなる積層体を含むものである請求項1〜3のいずれ
    かに記載の加熱蒸散体。
  5. 【請求項5】加熱蒸散性害虫防除剤が、ピレスロイド化
    合物である請求項1〜4のいずれかに記載の加熱蒸散
    体。
  6. 【請求項6】加熱蒸散性害虫防除剤が、Donovan
    法による25℃における蒸気圧が1×10-6mmHg以
    上のピレスロイド化合物である請求項1〜5のいずれか
    に記載の加熱蒸散体。
  7. 【請求項7】加熱蒸散性害虫防除剤が、2,3,5,6
    −テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−3−
    (1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
    カルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−
    4−メチルベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2
    −ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、トランス
    フルスリン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メ
    トキシメチルベンジル3−(2−メチル−1−プロペニ
    ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラー
    ト及びプラレトリンから選ばれる少なくとも1種類であ
    る請求項1〜6のいずれかに記載の加熱蒸散体。
  8. 【請求項8】加熱蒸散性害虫防除剤が、2,3,5,6
    −テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル−3−
    (1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン
    カルボキシラート、2,3,5,6−テトラフルオロ−
    4−メチルベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2
    −ジメチルシクロプロパンカルボキシラート及び2,
    3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベン
    ジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−
    ジメチルシクロプロパンカルボキシラートから選ばれる
    少なくとも1種類である請求項1〜7のいずれかに記載
    の加熱蒸散体。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の加熱蒸散
    体を、加熱蒸散性害虫防除剤を含有する担体のうち、約
    0.1〜約70%が加熱蒸散性害虫防除剤非透過性層に
    よって被覆されていない片面と対向する面から加熱する
    ことを特徴とする害虫防除方法。
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