JP2007077068A - 害虫防除剤保存方法 - Google Patents
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Abstract
Description
〔式中、
R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
CH=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が害虫防除剤の有効成分として知られており、(例えば、特許文献1〜5参照。)また該エステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤は、そのまま施用場所に設置するだけで使用できることも知られている(例えば、特許文献6参照)。
本発明は式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を、長期間保存した後においても安定した害虫防除効力を発揮することが可能となる保存方法を提供することを課題とする。
即ち、本発明は以下のものである。
1. 式(1)
〔式中、
R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
CH=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。
2. 式(2)
〔式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。〕
で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。
3. 無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層が、エチレン共重合比率が35〜50mol%の無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層である請求項1又は2記載の害虫防除剤保存方法。
4. 積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリエチレンテレフタレート層を有する請求項1〜3いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
5. 熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を害虫防除剤全体に対して55〜90重量%含有する請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
かかる市販のエチレンビニルアルコール共重合体としては、例えばエバール(EVAL)(登録商標、株式会社クラレ商品名)E105A(エチレン共重合比率:44mol%)、H101(エチレン共重合比率:38mol%)、及びソアノ−ル(Soarnol)(登録商標、日本合成化学株式会社商品名)AT4406(エチレン共重合比率:44mol%)が挙げられる。
本発明に用いられる積層フィルムにおける無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層の厚さは通常15〜50μm程度であり、延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層の厚さは通常5〜30μm程度であり、積層フィルム全体の厚さは通常20〜120μm程度である
式(1)で示されるエステル化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
R2が
CH=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である化合物が挙げられる。
式(1)で示されるエステル化合物としては具体的には、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。
また、本防除剤は、前記により賦形された成形体をスリット加工、スライス加工、ペレット加工等の二次加工により形状を変更されたものであってもよい。
塩化ビニルと共重合可能なモノマー成分としては例えば、不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられる。)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。)及びマレイン酸エステル等のカルボン酸エステル、無水マレイン酸等のジカルボン酸無水物、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、並びにオレフィン単量体(例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレンが挙げられる。)が挙げられる。
塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体としては例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステルとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
エチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン/α−オレフィン共重合体)並びにα−オレフィン以外のエチレンと共重合可能なモノマー成分とエチレンとからなるエチレン系共重合体が挙げられる。
α−オレフィン以外のエチレンと共重合可能なモノマー成分としては例えば、不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられる。)及びカルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。)等のカルボン酸エステル、及びビニルアルコールが挙げられる。
エチレン及びエチレンと共重合可能なモノマー成分からなるエチレン系共重合体としては、例えばエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。また、EVAの酢酸ビニル部分を鹸化することで得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)も挙げることが出来る。
スチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(ポリスチレン、GPPS)、耐衝撃性ポリエチレン(HIPS)並びにスチレン及びスチレンと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体、が挙げられる。
スチレンと共重合可能なモノマー成分としては、例えばアクリロニトリル、ブタジエン等が挙げられる。
スチレン及びスチレンと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体としては、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が挙げられる。
かかる害虫防除活性化合物としては、例えばアレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シフルトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シラフルオフェン、テラレトリン、ビフェントリン、エンペントリン、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−シクロペント−2−エニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機リン化合物、プロポキサー、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア等のキチン形成阻害物質、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、ネオニコチノイド系化合物、及びN−フェニルピラゾール系化合物が挙げられ、忌避剤としては、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874、及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
かかる溶剤としては、例えば灯油、イソパラフィン等のパラフィン系溶剤、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、及び、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、ラウリン酸ブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アジピン酸イソノニル等のエステル系溶剤が挙げられる。
色素としては、例えば1,4−ジブチルアミノアントラキノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、1,4−ビス(2,6−ジエチル−4−メチルフェニルアミノ)アントラキノン、1−メチルアミノ−4−オルトトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−メタトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−パラトリルアミノアントラキノン等のアントラキノン系青色色素、及びこれらの混合物、並びにこれらの青色色素と他の色素との混合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル等のフェノール系抗酸化剤が挙げられる。
共力剤としては、例えばビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エ−テル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(MGK264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(PBO)が挙げられる。
安定化剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤が挙げられる。
まず、本防除剤被覆体の製造例を示す。
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体を構成するモノマー成分中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約2.5mmの略ひし形の網(網を形成するフィラメントの直径は約0.5mm、開孔率64%)が直径約16cmの円筒状となった成形体(以下、本防除剤(1)と記す。)を得た。
Tダイキャスト成形により製造した無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(厚さ:30μm、エチレン共重合比率:44mol%)及びニ軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ:12μm)を脂肪族ポリエステル系接着剤により積層し得られたラミネートフィルム袋(19cm×25cm、内層:無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層)に本防除剤(1)を入れて、開口部をヒートシールすることにより本防除剤被覆体を得た。
製造例と同様の操作により得られた本防除剤(1)を無延伸ポリプロピレン層(厚さ:30μm、商品名:パイレン(登録商標)−CT P1128、東洋紡績株式会社製)及びアルミニウム層を脂肪族ポリエステル系接着剤により積層し得られたラミネートフィルム袋(19cm×25cm、内層:無延伸ポリプロピレン層)に入れて、開口部をヒートシールすることにより比較防除剤被覆体を得た。
製造例で得られた本防除剤被覆体を60℃で2週間保存した後、ラミネート袋を開封し、害虫防除剤を取り出し、約0.34m3(底面:0.7×0.7m、高さ:0.7m)の試験室内の天井中央から縦に吊り下げた。この際、本防除剤の下端は床面から約60cmの高さであった。本防除剤を吊り下げると同時にアカイエカ(Culex pipiens pallens)10頭を試験室内に放ち、20分後にノックダウンしているアカイエカの数を数えた。
比較製造例で得られた比較防除剤被覆体においても同様の試験を行った。その結果を〔表1〕に示す。
Claims (5)
- 式(1)
〔式中、
R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
CH=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。 - 無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層が、エチレン共重合比率が35〜50mol%の無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層である請求項1又は2記載の害虫防除剤保存方法。
- 積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリエチレンテレフタレート層を有する請求項1〜3いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
- 熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を害虫防除剤全体に対して55〜90重量%含有する請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
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