JP2006273742A - 害虫防除剤保存方法 - Google Patents
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Abstract
紙基材に、害虫防除成分を保持してなる害虫防除剤を、長期間保存した後でも安定した害虫防除効力を発揮することが可能となる保存方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
紙基材に、害虫防除成分を保持してなる害虫防除剤を、アルミニウム箔により被覆することを特徴とする害虫防除剤保存方法により、長期間保存した後でも安定した害虫防除効力を発揮することができる。
【選択図】 なし
Description
非加熱蒸散式の害虫防除剤の担体には、薬剤を多く担持する、あるいは効果的に蒸散させるためにその形状の加工が容易である等の性能が求めらている。そのため非加熱蒸散式の害虫防除剤の担体として紙基材を用いることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が、害虫防除活性化合物として知られている(例えば、特許文献3〜6参照)。
即ち、本発明は紙基材に、前記式(1)で示される化合物を含有する害虫防除成分を保持してなる害虫防除剤を、長期間保存した後でも安定した害虫防除効力を発揮することが可能となる保存方法を提供することを課題とする。
1. 紙基材に、式(1)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物を含有する害虫防除成分を保持してなる害虫防除剤を、アルミニウム箔により被覆することを特徴とする害虫防除剤保存方法。
2. さらに、1種以上の樹脂層を含有するフィルムにより密封してなる1.記載の害虫防除剤保存方法。
3. 密封の手段がヒートシールである2.記載の害虫防除剤保存方法。
4. 式(1)で示される化合物において、
R1が水素原子であり、
R2が
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である1.〜3.いずれか1項記載の害虫防除剤保存方法。
5. 紙基材に、式(1)
〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、
R2はメチル基又は
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
R3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示される化合物を含有する害虫防除成分を保持してなる害虫防除剤を、アルミニウム箔により被覆してなることを特徴とする害虫防除剤包装体。
6. さらに、1種以上の樹脂層を含有してなるフィルムにより密封してなる5.記載の害虫防除剤包装体。
7. 密封の手段がヒートシールである6.記載の害虫防除剤包装体。
8. 式(1)で示される化合物において、
R1が水素原子であり、
R2が
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である5.〜7.いずれか1項記載の害虫防除剤包装体。
本発明において用いられるアルミニウム箔とは、市販のアルミニウム箔であってもよく、その厚さは通常、日本工業規格(JIS)で規定される6〜200μmであり、汎用性、入手性等の点で好ましくは8〜100μmである。
前記の操作により得られる本防除剤包装体は、さらに1種以上の樹脂層を含有してなるフィルムを用いて密封することにより、一層保存安定性を向上させることも可能である。その場合に用いられる1種以上の樹脂層を含有してなるフィルムとしては、樹脂層として、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリオレフィン(低密度及び高密度ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等が挙げられる。)、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、メタクリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の熱可塑性樹脂からなる群より選ばれる1以上の樹脂層を含有してなるフィルムが挙げられる。その中でも熱溶着性、超音波溶着性に優れるポリエチレン、ポリプロピレンをシール層に用いることが本防除剤を密封する際の簡便性の点で好ましく、その溶着方法としては例えば、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等が挙げられるが、簡便性の点からはヒートシールが好ましい。
また金属層と樹脂層とからなるフィルムが本発明における保存安定性の一層の向上の点で好ましく、特にアルミニウム層を含有するアルミラミネートを用いることが保存安定性、経済性、入手性の点で好ましい。
式(1)で示される化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
R2が
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である化合物が挙げられる。
式(1)で示される化合物としては具体的には、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。
かかる害虫防除活性化合物としては、例えばアレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シフルトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シラフルオフェン、テラレトリン、ビフェントリン、エンペントリン、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−シクロペント−2−エニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機リン化合物、プロポキサー、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア等のキチン形成阻害物質、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、ネオニコチノイド系化合物、及びN−フェニルピラゾール系化合物が挙げられ、忌避剤としては、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874、及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
かかる溶剤としては、例えば灯油、イソパラフィン等のパラフィン系溶剤、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、及び、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、ラウリン酸ブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アジピン酸イソノニル等のエステル系溶剤が挙げられる。
色素としては、例えば1,4−ジブチルアミノアントラキノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、1,4−ビス(2,6−ジエチル−4−メチルフェニルアミノ)アントラキノン、1−メチルアミノ−4−オルトトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−メタトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−パラトリルアミノアントラキノン等のアントラキノン系青色色素、及びこれらの混合物、並びにこれらの青色色素と他の色素との混合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル等のフェノール系抗酸化剤が挙げられる。
共力剤としては、例えばビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エ−テル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(MGK264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(PBO)が挙げられる。
安定化剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤が挙げられる。
これらの紙基材は、必要に応じて適宜、折り畳んだり、その一部分を張り合わせたり、ハニカム状に加工したり、或いはその表面に凹凸を設けたりするなどして、担体の体積に対する表面積の拡大を図る構造を有している。また本防除剤は、扇子、団扇等のように使用形態によっては、紙基材は樹脂等からなる支持部材と接着等の加工をされる場合もある。そのように部材と加工されてなる本防除剤においては、本防除剤全体が、アルミニウム箔で被覆されていてもよく、また支持部材の一部がアルミニウム箔に被覆されていなくても、薬剤保持部が実質的にアルミニウム箔に被覆されていることにより、本発明の効果を示す。
このようにして得られる本防除剤には、式(1)で示されるエステル化合物が紙基材1gあたり、通常1〜1000mg、好ましくは5〜500mg保持される。
まず、本防除剤包装体の製造例を示す。
A7サイズ(10.5cm×7.4cm、0.108g)の改良半紙(丸為製紙有限会社製)に、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの1.25%(w/v)アセトン溶液1mlを滴下することにより含浸させた後、室温にて10分間風乾した。その後、該改良半紙を両面からアルミニウム箔(12cm×9cm、厚さ12μm)で挟み、ポリエチレン層及びアルミニウム層からなるA6サイズのラミネートフィルム袋に入れて、開口部をヒートシールすることにより害虫防除剤包装体を得た。
A7サイズ(10.5cm×7.4cm、0.108g)の改良半紙(丸為製紙有限会社製)に、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの1.25%(w/v)アセトン溶液1mlを滴下することにより含浸させた後、室温にて10分間風乾した。その後、該改良半紙を両面からアルミニウム箔(12cm×9cm、厚さ12μm)で挟み、アルミニウム箔の各辺を折り曲げて、ポリエチレン層及びアルミニウム層からなるA6サイズのラミネートフィルム袋に入れて、開口部をヒートシールすることにより害虫防除剤包装体を得た。
A7サイズ(10.5cm×7.4cm、0.108g)の改良半紙(丸為製紙有限会社製)に、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートの1.25%(w/v)アセトン溶液1mlを滴下することにより含浸させた後、室温にて10分間風乾した。その後、該改良半紙をポリエチレン層及びアルミニウム層からなるA6サイズのラミネートフィルム袋に入れて、開口部をヒートシールすることにより害虫防除剤包装体を得た。
製造例1で得られた害虫防除剤包装体 4個を60℃で2週間保存した後、ラミネート袋を開封し、アルミニウム箔を除去して害虫防除剤を取り出した。該害虫防除剤 4個を約0.34m3(底面:0.7×0.7m、高さ:0.7m)の試験室内の天井中央から縦に吊り下げた。この際、該害虫防除剤の底面からの下端は床から約55cmの高さであった。害虫防除剤を吊り下げると同時にアカイエカ(Culex pipiens pallens)20頭を試験室内に放ち、30分後にノックダウンしているアカイエカの数を数えた。
製造例2及び比較製造例において製造された害虫防除剤包装体においても同様の試験を行った。
その結果を〔表1〕に示す。
Claims (8)
- さらに、1種以上の樹脂層を含有するフィルムにより密封してなる請求項1記載の害虫防除剤保存方法。
- 密封の手段がヒートシールである請求項2記載の害虫防除剤保存方法。
- 式(1)で示される化合物において、
R1が水素原子であり、
R2が
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である請求項1〜3いずれか1項記載の害虫防除剤保存方法。 - さらに、1種以上の樹脂層を含有してなるフィルムにより密封してなる請求項5記載の害虫防除剤包装体。
- 密封の手段がヒートシールである請求項6記載の害虫防除剤包装体。
- 式(1)で示される化合物において、
R1が水素原子であり、
R2が
C=CR21R22
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
R3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である請求項5〜7いずれか1項記載の害虫防除剤包装体。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20101109 |