JP2007153774A - 防虫剤 - Google Patents

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知子 早味
Mizue Daimatsu
瑞恵 大松
Koji Nakayama
幸治 中山
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Abstract

【課題】常温揮散性薬剤濃度の高い薬剤担持体であっても、薬剤の滲み出しの危惧がなく、常温揮散性薬剤の揮散と昇華性物質の昇華がほぼ同時期に終了するので使用の終点表示が明確で、しかも高い防虫効力を奏すると共に製造性に優れた防虫剤の提供。
【課題を解決するための手段】常温揮散性薬剤を昇華性物質に0.5〜4.0重量%担持させてなる薬剤担持体を可撓性袋に収納した防虫剤において、この可撓性袋をある種材質の薬剤透過性フィルムからなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムからなる他の部分とから形成するか、もしくはある種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる他の部分とから形成し、前記可撓性袋から空中に放散される常温揮散性薬剤の揮散速度と昇華性物質の昇華速度を制御するように構成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、常温揮散性薬剤を昇華性物質に担持させてなる薬剤担持体を可撓性袋に収納してなる防虫剤の改良に関するものである。
従来、衣類用防虫剤としては、固形状のパラジクロルベンゼン、ナフタリン、樟脳等の昇華性防虫剤と、エムペントリン等の液状の常温揮散性薬剤を紙、プラスチック等の担持体に含浸させ容器に収納した防虫剤が知られている。
前者の昇華性防虫剤は、イガやヒメカツオブシムシ等の衣料害虫に対する効力が弱く、また有害性、環境汚染性等の点で問題となっている。一方、エムペントリン等の常温揮散性ピレスロイド剤は、前者の昇華性防虫剤に比べて防虫力は高く、僅かな量で防虫効力を示すが、紙、プラスチック等の担持体に含浸させた形態では、効力終点時においても外観的に何ら変化を起こさず、使用の終点を明確に認知することができない。
そこで、エムペントリン等の液状の常温揮散性薬剤を昇華性物質に担持させ、昇華性物質の消失をインジケーターに利用しようとする提案がある。例えば、特開昭61−83102号公報に、パラジクロルベンゼンやナフタリン等の昇華性物質の成形基材内にエムペントリン等の油性防虫薬剤を含有せしめ、通気性の和紙によって包装したものが記載されている。しかしこの場合、薬剤が通気性の和紙を通して無制約に拡散するので防虫効果が長続きしない。また、特開平7−285805号公報は、常温揮散性薬剤と昇華性物質を組み合わせた錠剤を、一部が透明な樹脂製フィルムからなり、他の部分が不織布又は紙の通気性材料であってかつその内面の少なくとも一部にガス透過抑制層を形成した通気性材料からなる包装容器に収納するとともに、前記透明な樹脂製フィルムを通して昇華性物質の昇華消失状態を認知できるように構成した衣料害虫用防虫剤を開示する。この防虫剤は、常温揮散性薬剤の揮散終了と昇華性物質の昇華終了がほぼ同時期になるように意図したものであるが、その揮散ならびに昇華制御技術の本質が、ガス透過抑制層の被覆面積と不織布又は紙の目付け量に依拠しているため、製造的にも複雑で実用的に満足のいく制御が得られているとは言いがたい。また、当該公報の好ましい形態では、ガス透過抑制層が被覆されていない不織布又は紙のみの部分を有しており、常温揮散性薬剤が高濃度で昇華性物質に含有された場合、目付けの大きい通気性材料を使用したとしても包装体表面から液状の薬剤が滲み出すという問題が避けられない。
本発明者らは先に、常温揮散性薬剤を昇華性物質に0.5〜2.0重量%担持させてなる薬剤担持体を収納した防虫剤において、揮散速度と昇華速度を効率的に制御しうる被包形態を発明し特許を出願した(特願2005−125781)。しかるに最近の社会趨勢を鑑みるに、昇華性物質といえども放散量を少なくするのが好ましく、この観点から常温揮散性薬剤濃度のより高い薬剤担持体を備え、かつ揮散と昇華がほぼ同時期に終了しうる防虫形態の開発が求められている。
特開昭61−83102号公報 特開平7−285805号公報 特願2005−125781
本発明は、常温揮散性薬剤濃度の高い薬剤担持体であっても、薬剤の滲み出しの危惧がなく、また常温揮散性薬剤の揮散と昇華性物質の昇華がほぼ同時期に終了するために使用の終点表示が明確であり、しかも高い防虫効力を奏するとともに製造性に優れた防虫剤を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような構成を採用する。
(1)エムペントリン、トランスフルトリン、プロフルトリン及びメトフルトリンから選ばれた1種又は2種の常温揮散性薬剤を昇華性物質に0.5〜4.0重量%担持させてなる薬剤担持体を可撓性袋に収納した防虫剤において、この可撓性袋をある種材質の薬剤透過性フィルムからなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムからなる他の部分とから形成するか、もしくはある種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる他の部分とから形成し、
前記可撓性袋から空中に放散される常温揮散性薬剤の揮散速度と昇華性物質の昇華速度を制御するように構成した防虫剤。
(2)可撓性袋を、厚さ20〜80μのポリエチレン(PE)フィルムからなる部分と厚さ20〜60μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1〜1:7とした(1)記載の防虫剤。
(3)可撓性袋を、厚さ40〜80μのポリエチレン(PE)フィルムからなる片面と厚さ20〜60μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他面とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1とした(2)記載の防虫剤。
(4)可撓性袋を、厚さ10〜50μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜300g/m2の和紙又は不織布からなる部分と、厚さ10〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1〜1:7とした(1)記載の防虫剤。
(5)可撓性袋を、厚さ20〜50μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付50〜300g/m2の和紙又は不織布からなる片面と、厚さ10〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他面とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1とした(4)記載の防虫剤。
(6)昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンである(1)ないし(5)のいずれか記載の防虫剤。
本発明の防虫剤は、薬剤の滲み出しの危惧がなく、また常温揮散性薬剤の揮散と昇華性物質の昇華がほぼ同時期に終了するため使用の終点表示が明確であり、しかも高い防虫効力を奏するとともに製造性に優れているので、その実用性は極めて高い。
本発明で用いられる常温揮散性薬剤は、エムペントリン、トランスフルトリン、プロフルトリン及びメトフルトリンから選ばれた1種又は2種である。これらのピレスロイド化合物は、従来のアレスリン、フラメトリン及びプラレトリンに比べて蒸気圧が高く、イガやヒメカツオブシムシ等の衣料害虫はもちろん、蚊、ハエ、ブユ、ユスリカ等の害虫に対して優れた殺虫、防虫効力を示す。なお、化合物の酸もしくはアルコール成分において、不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることはもちろんである。
なかんずく、殺虫、防虫効力の点でより有効で、化学的安定性にも優れたエムペントリン及びプロフルトリンが本発明の防虫剤に好適である。
本発明では、前記常温揮散性薬剤の揮散に支障を来たさない限りにおいて、揮散性に優れた他の殺虫、防虫成分、忌避成分、抗菌成分、防黴成分、消臭成分、芳香成分等を配合することができる。例えば、ヒノキチオール、テトラヒドロリナロール、オイゲノール、シトロネラール、アリルイソチオシアネート等の抗菌成分、イソプロピルメチルフェノール、オルトフェニルフェノール等の防黴成分、シトロネラ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ユズ油、ラベンダー油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジャスミン油、檜油、緑茶精油、リモネン、α−ピネン、リナロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール、アミルシンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、ベンジルアセテート等の芳香成分、「緑の香り」と呼ばれる青葉アルコールや青葉アルデヒド配合の香料成分などがあげられる。
本発明は、前記常温揮散性薬剤の担体として昇華性物質を用いる。昇華性物質としては、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサン[商品名:サンサブリ(小川香料株式会社製)]、アダマンタン、トリシクロドデカン[商品名:アイサワーD(出光石油化学株式会社製)]、2−ヒドロキシカンファー(慣用名:ボルネオール)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(慣用名:ネオペンチルグリコール)、などがあげられ、なかでも、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンが使いやすい。
本発明では、昇華性物質(通常0.5〜20g、好ましくは2〜14g)に対する常温揮散性薬剤の担持量を0.5〜4.0重量%に設定する。担持量が0.5重量%未満の場合、防虫効力の持続性に不足を生じる場合があり、一方、担持量が4.0重量%を超えると、本発明方式を採用したとしても、常温揮散性薬剤の揮散や昇華性物質の昇華制御が難しくなり、薬剤担持体を収納する和紙又は不織布に滲みを生じる危惧が避けられない。なお、本発明の趣旨に照らせば、昇華性物質に対する常温揮散性薬剤の担持量は、1.5〜3.5重量%が好ましい。
昇華性物質の形状は任意であるが、板状、棒状、円盤状、ドーナツ状などに成形された錠剤が一般的である。
常温揮散性薬剤を担持させる方法としては、必要に応じ溶剤、界面活性剤、分散剤などを用いて薬剤を成形された昇華性物質に含浸させてもよいし、あるいは薬剤と昇華性物質の混合物を溶融後冷却するか、もしくは加圧機を用いて錠剤状に成形することができる。
本発明の薬剤担持体には、安定剤、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよい。色彩の付加は、商品価値を高めるだけでなく、常温揮散性薬剤の揮散終点を明瞭に視認させえることから好ましい。
また、担体の一部として昇華性物質以外のものを使用することもできる。例えば紙、パルプ、ビスコースなどのセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、ポリエステル、オレフィンポリマーなどの合成樹脂担体、ケイ酸カルシウムなどの無機質担体などがあげられる。ただし、これらの担体は薬剤の揮散にのみ関与し、表示機能は昇華性物質に委ねられることは勿論である。
本発明は、可撓性袋をある種材質の薬剤透過性フィルムからなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムからなる他の部分とから形成するか、もしくはある種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる他の部分とから形成し、前記可撓性袋から空中に放散される常温揮散性薬剤の揮散速度と昇華性物質の昇華速度を制御するように構成したことに特徴を有する。
すなわち、可撓性袋を構成するにあたり、2種類の材質の異なるフィルムを使用し、各々が常温揮散性薬剤の揮散速度と昇華性物質の昇華速度に及ぼす特性を有効に活用する。この方式は、例えば特開平7−285805号公報のように、一種の内面フィルムを用いそのガス透過抑制層の被覆面積や不織布又は紙の目付け量によって制御する技術とは根本的に異なるものである。
本発明で用いる薬剤透過性フィルムの材質としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、あるいはエチレンビニルアセテート(EVA)等があげられ、これらから2種が選択される。好ましくは、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の組み合わせが使いやすい。なお、2種のうちの1種としてポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)の積層フィルムを用いることも可能である。
一方、これらの薬剤透過性フィルムが内面ラミネートされる和紙又は不織布の材質は、昇華性物質から滲出する常温揮散性薬剤を含浸、拡散せしめ得るものであれば全て使用可能であり、不織布としては、例えばレーヨン不織布、ポリプロピレン不織布、特殊ポリエステルと特殊ポリプロピレンの多層構造からなる帝人製の長繊維不織布(商品名:メルフィット)等があげられる。
可撓性袋の具体的な構成も本発明の趣旨から逸脱しない限り何ら限定されないが、種々試験の結果に基づき、好ましい形態を例示すれば以下の如くである。
(1)フィルムで形成
a)厚さ40〜80μのポリエチレン(PE)フィルムからなる片面と厚さ20〜60μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他面とで形成する[この場合、PEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)は1:1]。
b)厚さ20〜40μのポリエチレン(PE)フィルムからなる部分と厚さ20〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:2〜1:7とする。
c)厚さ20〜40μのポリエチレン(PE)フィルムからなる片面と厚さ20〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他面とで形成し、かつPEフィルム面の表面の一部に薬剤の透過性を遮断する手段を施して、PEフィルム全体から前記遮断部分を除いた部分とPPフィルムの面積比率(PE*:PP)を1:2〜1:7とする。ここで、透過性を遮断する手段としては、印刷、塗工、薬剤非透過性フィルム(ポリエステル、ポリアクリルニトリル等)の貼付等があげられるがこれらに限定されるものではない。
(2)フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布で形成
a)厚さ20〜50μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付50〜300g/m2の和紙又は不織布からなる片面と、厚さ10〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2和紙又は不織布からなる他面とで形成する[この場合、PEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)は1:1]。
b)厚さ10〜30μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる部分と、厚さ10〜30μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:2〜1:7とする。
c)厚さ10〜30μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる片面と、厚さ10〜30μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他面とで形成し、かつPEフィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布面の一部に薬剤の透過性を遮断する手段を施して、PEフィルム全体から前記遮断部分を除いた部分とPPフィルムの面積比率(PE*:PP)を1:2〜1:7とする。ここで、透過性を遮断する手段としては、前述と同様である。
このように、本発明は、2種類の材質の異なる薬剤透過性フィルムを用いることを基本とし、その上でフィルムの厚さならびに和紙や不織布の目付け量のファクターなどを組み合わせることによって、常温揮散性薬剤濃度の高い薬剤担持体であっても、薬剤の滲み出しの危惧がなく、また常温揮散性薬剤の揮散終了と昇華性物質の昇華終了をほぼ同時期に調整することが可能となり、明確な使用の終点表示機能を達成したものである。
なお、フィルムが内面ラミネートされた和紙や不織布を用いる形態において、目付け量が両面とも過度に大きくなると、可撓性が損なわれたり、あるいは不透明度が増して外から昇華性物質の消失を視認しづらくなるが、本発明では少なくとも片面は目付け量の小さいものを用いているのでかかる問題を呈しない。
可撓性袋は、デザイン性やキャラクター性を付与するために、適宜フィルムを着色したり印刷してももちろん構わない。
そして、通常、両面をヒートシール等の手段により接着して可撓性袋を作製することができる。
本発明の防虫剤の使用量は、使用期間、防除対象空間の広さ等によって適宜決定することができるが、例えば、6ケ月用の場合、50Lの引き出しあたり常温揮散性薬剤を10〜200mg程度昇華性物質に含有させればよい。
こうして得られた本発明の防虫剤は、タンス、衣装箱、クローゼットやウォークインクローゼット等の大空間収納設備などにおいて、イガ、コイガ、ヒメカツオブシムシ、ヒメマルカツオブシムシなどの衣料害虫、あるいは蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対して優れた殺虫、防虫効果を奏する。そして、薬剤担持体の消失状態を目視するだけで簡単に、薬剤担持体の交換時期を認知できるので、極めて有用かつ実用的である。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の防虫剤を更に詳細に説明する。
図1は本発明の防虫剤の一実施例(前記[0017]の(1)−cのタイプ)の断面図を示す。
防虫剤1は、常温揮散性薬剤を昇華性物質に担持させてなる薬剤担持体2を可撓性袋3に収納したもので、可撓性袋3は薬剤透過性のPEフィルム4(4cm×4cm)からなる片面と薬剤透過性のPPフィルム5(4cm×4cm)からなる他面とから形成され、そしてPEフィルム4の表面の2/3は印刷シール6で被覆されている。この被覆部分は薬剤の透過性が遮断されており、従ってPEフィルム全体から前記遮断部分を除いた部分とPPフィルムの面積比率(PE*:PP)は1:3である。
本実施例では、常温揮散性薬剤であるプロフルトリン60mgを、厚さ7mmで円盤状のサンサブリ(青色に着色)3.0gに担持させた薬剤担持体(昇華性物質に対する薬剤担持量:2.0%)2を調製し、この2個を容積約50Lの引き出しに入れて1年間使用する設計とした。また、PEフィルム4の肉厚は30μで、一方PPフィルム5の肉厚は25μであった。
本防虫剤1を衣類が収納されたタンスの引き出しに入れて使用した。1年間にわたり、衣料害虫の食害を受けることがなく、衣類に対する滲み等の問題も認められなかった。また、使用経過とともに青色のサンサブリが徐々に縮小し、約1年後の時点で全て消失した。本防虫剤1は、使いやすく終点表示が明確であり、極めて実用的であった。
図2は本発明の防虫剤の他の実施例(前記[0018]の(2)−aのタイプ)の断面図を示す。
可撓性袋3の片面は、薬剤透過性のPEフィルム4で内面ラミネートされたポリプロピレン不織布7で、一方他面は薬剤透過性のPPフィルム5で内面ラミネートされたポリプロピレン不織布7である。
本実施例では、常温揮散性薬剤であるエムペントリン240mgを、厚さ9mmで円盤状のサンサブリ(青色に着色)8gに担持させた薬剤担持体(昇華性物質に対する薬剤担持量:3.0%)2を調製し、この2個を容積約800Lの洋服タンスに入れて1年間使用する設計とした。また、PEフィルム側の不織布の目付けは200g/m2、内面PEの肉厚は30μで、一方PPフィルム側の不織布の目付けは30g/m2、内面PPの肉厚は15μであった。
本防虫剤1を洋服タンスに吊るして1年間使用した。その間、衣料害虫から衣類を完全に保護することができ、また、約1年後の時点で、エムペントリンの残量とサンサブリの残量がともに僅かで、優れた終点表示機能を有することが認められた。
実施例1に準じ、表1に示す各種の薬剤担持体2と可撓性袋3を調製した。25℃の条件下で50Lの衣装箱に入れて実施した揮散試験の結果を表2に示す。なお、常温揮散性薬剤と昇華性物質の時間経過に伴う残存量は、初期値に対する相対比で示した。
本発明の防虫剤は、1年間にわたり、常温揮散性薬剤の揮散と昇華性物質の昇華がほぼ平行、もしくは前者が幾分僅かに速く進行し、昇華性物質の昇華終了をもって防虫剤の終点を視認できることから、本発明の優れた終点表示機能が確認された。
これに対し、比較例1ないし比較例4のように、一種の材質の透過性フィルムを用いて可撓性袋を作製した場合は、肉厚や和紙又は不織布の目付け量、あるいは面積を調節したとしても、常温揮散性薬剤の揮散と昇華性物質の昇華とを制御するのが難しかった。
また、比較例5のように、昇華性物質に対する常温揮散性薬剤の担持量が4.0%を越えると、本発明の方式を採用しても常温揮散性薬剤の揮散や昇華性物質の昇華制御に困難が伴い、更に不織布への薬剤滲み出しの問題が避けられなかった。
本発明の防虫剤の一実施例の断面図を示す。 本発明の防虫剤の他の実施例の断面図を示す。
符号の説明
1:防虫剤
2:薬剤担持体
3:可撓性袋
4:薬剤透過性PEフィルム
5:薬剤透過性PPフィルム
6:印刷シール
7:PP不織布

Claims (6)

  1. エムペントリン、トランスフルトリン、プロフルトリン及びメトフルトリンから選ばれた1種又は2種の常温揮散性薬剤を昇華性物質に0.5〜4.0重量%担持させてなる薬剤担持体を可撓性袋に収納した防虫剤において、この可撓性袋をある種材質の薬剤透過性フィルムからなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムからなる他の部分とから形成するか、もしくはある種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる部分と他種材質の薬剤透過性フィルムで内面ラミネートされた和紙又は不織布からなる他の部分とから形成し、
    前記可撓性袋から空中に放散される常温揮散性薬剤の揮散速度と昇華性物質の昇華速度を制御するように構成したことを特徴とする防虫剤。
  2. 可撓性袋を、厚さ20〜80μのポリエチレン(PE)フィルムからなる部分と厚さ20〜60μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1〜1:7としたことを特徴とする請求項1記載の防虫剤。
  3. 可撓性袋を、厚さ40〜80μのポリエチレン(PE)フィルムからなる片面と厚さ20〜60μのポリプロピレン(PP)フィルムからなる他面とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1としたことを特徴とする請求項2記載の防虫剤。
  4. 可撓性袋を、厚さ10〜50μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜300g/m2の和紙又は不織布からなる部分と、厚さ10〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他の部分とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1〜1:7としたことを特徴とする請求項1記載の防虫剤。
  5. 可撓性袋を、厚さ20〜50μのポリエチレン(PE)フィルムで内面ラミネートされた目付50〜300g/m2の和紙又は不織布からなる片面と、厚さ10〜40μのポリプロピレン(PP)フィルムで内面ラミネートされた目付10〜50g/m2の和紙又は不織布からなる他面とで形成し、かつPEフィルムとPPフィルムの面積比率(PE:PP)を1:1としたことを特徴とする請求項4記載の防虫剤。
  6. 昇華性物質が、2,4,6−トリイソプロピル−1,3,5−トリオキサンであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の防虫剤。
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