JP2020006962A - 揮散性製剤包装用フイルム及びこれを用いた包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】流通段階や、保管時等において、ガスバリアー性が高く、かつ揮散性製剤の吸着が少ない、実用的なヒートシール性能を有する揮散性製剤包装用フイルムおよびこれを用いた包装体を提供すること。【解決手段】延伸PETフイルムと、この延伸PETフイルムの一面に押出し積層された、結晶化度15%未満のPET樹脂層とからなる積層材で形成された揮散性製剤包装用フイルムおよび当該フイルムで揮散性製剤を包装してなる揮散性製剤包装体。【選択図】なし

Description

本発明は、揮散性製剤包装用フイルム及び該フイルムを用いた包装体に関し、更に詳しくは、ガスバリアー性が高く、しかも実用的なヒートシール性を有する揮散性製剤包装用フイルムおよびこれを用いる包装体に関する。
従来から、紙、パルプなどの担持体に、香料、防虫剤、殺虫剤等の揮散性薬剤を担持させ、これを、揮散口などを有する成形容器に収納した芳香器、防虫器、殺虫器等の揮散性製剤が提案されている。例えば、衣類等を害虫の被害から守るために使用される防虫器としては、常温揮散性のピレスロイドを担持体に担持させ、これを熱可塑性樹脂製の成形容器に収納し、洋服ダンス、クローゼット、引き出し、衣装ケース等の内に設置することにより、洋服ダンスなどの内部に防虫剤が揮散させて防虫効果を発揮させるものが提案されている。
また、例えば、トイレ、部屋又は車等の空間に芳香を付与する芳香器としては、香料を親油性の界面活性剤、グリコール、グリコールエーテル、グリセリンエステル、ワックス成分等と混合させてパルプ等の担持体に担持させたものを樹脂製の成形容器に収納させたものや、液状又はゲル状の芳香剤を、揮散口を有する成形容器に収納させたものが提案されている。
一般にこのような、芳香器、防虫器、殺虫器等の揮散製剤では、これに含まれる防虫剤や香料等の揮散性製剤が流通段階又は消費者による使用開始前に揮散してしまわないように、薬剤が透過しない包装体に収納されることが一般的である。
そして、揮散性製剤の容器を包装している包装体には、薬剤非吸着性で、ガスバリアー性の高いフイルム、例えば、延伸ポリエステルフイルム、延伸ナイロンフイルムのようなフイルムが利用されていることが多いが、これらには、単独でヒートシール性がなく、揮散性製剤の包装が困難であるという問題があった。
これに対し、単独ではヒートシール性のない延伸ポリエステルフイルムや延伸ナイロンフイルムのフイルムの内面に、ポリエチレンやポリプロピレン等のヒートシール性層を設け、ヒートシール性を与える技術が知られている(特許文献1参照)。しかしながら、このようなヒートシール性層を設けたフイルムを用いて揮散性製剤を包装した場合には、長期間の流通段階でヒートシール性層に薬剤が吸着されてしまうという問題点があった。
このヒートシール性層に吸着された揮散性薬剤は、一旦吸着されるとほとんど揮散せず、しかも開封後は包装体とともにゴミとして廃棄されてしまうため、揮散性薬剤が無駄になるばかりか、実質的な有効成分量が減少してしまい、結果として使用期間中に十分な防虫効果や芳香効果が発揮できないという問題点が生じていた。
これらを解決するために、原料樹脂として、薬剤非吸着性材料とヒートシール性材料を使用した包装用フイルムが、ヒートシール性と薬剤低吸着性を両立させることができるフイルムとして提案されているが(特許文献2参照)、薬剤吸着抑制効果が十分なものではなかった。
このような問題を解決するための方法としては、例えば、延伸ポリエステルフイルム等の内面に、薬剤吸着性のない同種の樹脂層、例えば、ポリエステル樹脂層を設けることでヒートシール性を付与することも想定できる。しかし、一般のPET樹脂がヒートシール可能となる温度は、約260℃であり、PE樹脂の約110℃や、PP樹脂の約160℃に比べ、ずっと高く、その温度まで上げてヒートシールすることは、揮散性薬物を含む揮散性製剤の包装方法として適切でなく、また、従来の包材を使用した場合に比べ、作業効率が落ちることになり、実用性のあるものとは言えなかった。
特開2002−97104号 特開2004−331174号
よって、流通段階や、保管時等において、ガスバリアー性が高く、かつ揮散性製剤の吸着が少ない、実用的なヒートシール性能を有する揮散性製剤包装用フイルムおよびこれを用いた包装体の提供が求められていた。
本発明者らは上記問題の生じない揮散性製剤包装体に使用する包装用フイルムについて、特に延伸PETフイルム上でヒートシール性を付与可能なPET樹脂層に関し、鋭意研究を行っていたところ、特定の物性を有するPET樹脂は、相対的に低温でヒートシールが可能となること、そして、このPET樹脂を延伸PETフイルムに積層した包材を用いれば、従来の装置によってもヒートシールが可能で、揮散性製剤の包装材として使用した場合、揮散性薬剤の揮散や、ヒートシール層への吸着のおそれもないことを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明は、延伸PETフイルムと、この延伸PETフイルムの一面に押出し積層された、結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなる積層材で形成されたことを特徴とする揮散性製剤包装用フイルムを提供するものである。
また、本発明は、揮散性製剤を、延伸PETフイルムと、この延伸PETフイルムの一面に押出し積層された、結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなる積層材で形成された揮散性製剤包装用フイルムで密封包装してなる揮散性製剤包装体を提供するものである。
本発明の揮散性製剤包装用フイルムは、従来のPE樹脂やPP樹脂のヒートシール層を備えた包装用フイルムと同様な、実用性のあるヒートシール性能を有する。そして、ガスバリアー性の高い延伸PETフイルムと、そのヒートシール層として揮散性薬剤を吸着しないPET樹脂を使用するため、流通時や保管時等の揮散性薬剤の損失が極めて低く、薬剤を無駄なく使用でき、十分な薬剤効力を得ることができる。
本発明の揮散性製剤包装用フイルムで包装されるクローゼット用防虫器の一例である。
本発明の揮散性製剤包装用フイルムは、延伸PETフイルムの一面に、結晶化度が15%未満のPET樹脂層を積層した積層材である。
基材となる延伸PETフイルムは、PET素材をガラス転移点と融点の間の温度で延伸処理したものである。この延伸処理は、一方向に行う場合(一軸延伸)と、縦横二方向に行う場合(二軸延伸)があるが、本発明では、二軸延伸PETフイルムを用いることが、ガスバリアー性が高いことから好ましい。
このような二軸延伸PETフイルムの例としては、MD方向、TD方向の二軸方向に延伸され230℃内外の温度で熱固定されたフイルムが挙げられる。このフイルムは、その熱固定温度までの高耐熱性と剛性を有し、また透明である。本発明で使用する延伸PETフイルムの厚みは7μmから20μmが好ましいが、12μmの厚みのものは、一般に量産されて市販されており、価格も安いので、これを入手使用しても良い。
一方、上記延伸PETフイルム上で、ヒートシール層として使用されるPET樹脂は、その結晶化度が15%未満のものであり、好ましくは10%未満のものである。この結晶化度は、例えば、次の式により求めることができる。
Figure 2020006962
このような結晶化度のPET樹脂は、一般に使用されているヒートシール装置を用い、通常ヒートシールされる温度、例えば、120〜190℃の範囲で良好なヒートシール性を示すPET樹脂である(以下、「ヒートシールPET樹脂」という)。
このヒートシールPET樹脂としては、特に限定されないが、例えば、テレフタル酸と重合させるグリコール成分の一部に1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂( Eastar PETG6763、長瀬産業株式会社製)や、鎖延長剤を添加したPET樹脂などが挙げられる。
このうち、1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂は、テレフタル酸と重合させるグリコール成分が、エチレングリコール65モル%、1,4−シクロヘキサンジメタノール35モル%の混合物であるPET系樹脂である。
また、鎖延長剤を添加したPET樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールの重合反応により得られる一般的なPET樹脂に、鎖延長剤を、PET樹脂量に対し、0.2〜2.0質量%添加した状態で押出機において加熱・溶融させて得られるものである。
使用される鎖延長剤としては、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル−メタクリル酸グリシジル、エポキシ化大豆油等が挙げられるが、少なくとも2個以上の多官能のエポキシ基を有するものであることが好ましい。このような、2個以上の多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤としては、例えば、JONCRYL((登録商標)BASFジャパン株式会社製)、ARUFON((登録商標)東亜合成株式会社製)等として市販されている。
本発明の揮散性製剤包装用フイルムにおいては、ヒートシールPET樹脂として1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂よりも、鎖延長剤を添加したPET樹脂を用いる方が原料に制約が少なく、かつ価格が安いPET樹脂等を使用出来ることから、特に有利である。
延伸PETフイルム上へのヒートシールPET樹脂の積層は、常法に従って行われるが、その好ましい態様の一例を示せば次の通りである。すなわち、ヒートシールPET樹脂を回転押出機等に投入し、260〜300℃程度の押出し温度で、好ましくは真空条件下、吸引・脱気しながら、延伸PETフイルム上へ押出すことにより、積層することができる。
前記延伸PETフイルム上でのヒートシールPET樹脂層の厚みは、5〜40μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。5μm未満では、フイルム強度が不足し、ヒートシール強度が低下する。また、40μmを超えるとコスト高となる。
このようにして得られる揮散性製剤包装用フイルム(以下、「包装フイルム」ということがある)は、上記のように延伸PETフイルムの一面に、ヒートシールPET樹脂層が積層されているため、例えば、1枚の包装フイルムをヒートシール性PET樹脂が積層された側が内側となるように左右から折り込み、底部と背面を慣用のヒートシール機でヒートシールすれば容易に一方にのみ開口部を有する袋体とすることができる。
本発明の揮散性製剤包装体(以下、「包装体」ということがある)は、揮散性製剤の包装の少なくとも一部または全部が、上記包装フイルムで形成されているものである。本発明でいう揮散性製剤は、揮散性薬剤や、これを含む保持体、揮散性薬剤を含む器具を含むものである。
より具体的には、本発明揮散性製剤において用いられる揮散性薬剤は、常温又は加熱により揮散される薬剤であり、香料、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、防カビ剤等が含まれる。
従って、本発明包装体には、固体状、ゲル状若しくは液体状の上記揮散性薬剤自体を包装したものや、この揮散性薬剤を適当な保持体に含浸、担持等させた保持体を包装したものが挙げられる。また、内部に揮発性薬剤やこれを含む保持体が収納可能で、外面の一部に開口部や、空気流通部などの揮散口を有する容器体などで形成される薬剤揮散用器具を包装したものも挙げられる。
上記包装体による揮散性製剤の包装の形態としては、公知の種々の形態から選択できるが、好ましい態様の一つとしては、収納の容易さなどから袋体が挙げられる。このような袋体を製造する方法としては、従来公知の製袋機を用いての、三方シール包装、横ピロー包装又は縦ピロー包装等を挙げることができる。また、別の形態としては、他の熱可塑性材料で成形した容器体の揮散口を、本発明の包装用フイルムでヒートシールした薬剤揮散用器具を挙げることができる。
なお、上記において言及された、揮散性薬剤を含浸、担持等する保持体としては、常温で揮散性の薬剤、例えばピレスロイド等を含浸可能なものであれば特に限定されない。具体的な材質例としては、パルプ、紙、木片、シリカゲル、織布又は不織布等が挙げられ、その形状としては、粒状、球状、板状、マット状又はフイルム状等が挙げられる。
また、前記した揮散性薬剤のうち、香料としては、天然香料、人工香料の何れも使用可能であり、その2種以上を混合した調合香料であってもよい。また、天然香料は、動物性香料、植物性香料を問わない。
このうち動物性香料としては、具体的に、麝香、霊猫香、竜延香等が挙げられる。また、植物性香料としては、アビエス油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ポアパローズ油、カヤブチ油、カナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、レモングラス油、ナツメグ油、マンダリン油、ハッカ油、オレンジ油、セージ油、スターアニス油、テレピン油等が挙げられる。
更に、人工香料とは、合成香料又は抽出香料であり、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β−フェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ−ブチロラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。
一方揮散性製剤のうち、消臭剤としては、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロリネート、シトロネリルセネシオネート、テルペンアルデヒド類等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
また、防虫剤としては、プロフルトリン、アレスリン、プラレトリン、フタルスリン、レスメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン、エンペントリン、テラレスリン、イミプロスリン、トランスフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル(1R)−トランス−3−(2−クロロ−2−フルオロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等のピレスロイド系防虫薬剤やパラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、プロフルトリンに対して本発明の包装フイルムが特に好適に使用できる。
更に、防カビ剤としては、チモール、α−ブロモシンナミックアルデヒド、パラクロロメタキシレノール、オルトフェニルフェノール、3−ヨード−2−プロピルブチルカーバメート、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、N−ジクロロフルオロメチルチオ−N',N'−ジメチル−N−フェニルスルファミド等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
また、上記の揮散性製剤には、前記揮散性薬剤の他、さらにクエン酸トリエチル等の揮散調整剤、ミリスチン酸イソプロピル、シリコーン等の吸着抑制剤、溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、色素、金属不活性剤又は効力増強剤等を配合することができる。なお、前記したクエン酸トリエチルは、揮散調整剤としての作用の他、吸着抑制剤としても機能するので、これを利用することが好ましい。
以下実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
<揮散性製剤包装用フイルムの作成>
PET樹脂(MA−2101M、(固有粘度;0.62dl/g、水分量;2,900ppm)、ユニチカ株式会社製)100部と、鎖延長剤(AdR4368、BASFジャパン株式会社製)を30質量%含有したPETのマスターバッチ1.5部とをヘンシェルミキサーで混合攪拌した。この混合樹脂を同方向回転2軸押出し機(HMT100(L/D=38、吐出量;650kg/hr、2ベント孔)、日立造船株式会社製)に投入し、押出し温度280℃、ベント孔から−99.99kPaの高真空下で吸引・脱気しながら、二軸延伸PETフイルム(E5100:12μm、東洋紡株式会社製)へ押出し積層し、二軸延伸PETフイルム(12μm)/ヒートシールPET樹脂層(20μm)の積層材を作製した。ヒートシールPET樹脂層の結晶化度は9.8%であった。
実 施 例 2
<揮散性製剤吸着の評価>
実施例1で作製した、ヒートシール性PET樹脂層の結晶化度が9.8%である二軸延伸PETフイルム(12μm)/ヒートシール性PET樹脂層(20μm)からなる積層材を用い、背貼り製袋機で160℃、0.4秒のヒートシールを行うことにより縦21cm×横9.7cmの袋を製袋した。
揮散性の薬剤として、防虫剤であるプロフルトリン110mgと、クエン酸トリエチル110mgの混合液を、22.2cm×3.1cm、厚さ350μmのろ紙に含浸させた。このろ紙を、図1に示す薬剤揮散器にコの字型に折り曲げて収納し、更に上記積層材の袋に入れ、残りの辺も160℃でヒートシールして揮散性製剤包装体(本発明品1)を作成した。また、比較品としては、上記と同じプロフルトリン−クエン酸トリエチルの混合液を含浸したろ紙を収納した薬剤揮散器を、PETフイルム12μm/無軸延伸ポリプロピレン20μmを、PETの方が外側になるようにした袋に入れ、160℃で0.4秒ヒートシールしたものを用いた(比較品1)。
保存安定性は、発明品1と比較品1を、25℃で12カ月間放置した後、揮散性製剤包装体を開封し、揮散性製剤包装体に吸着されたプロフルトリンをアセトンで抽出し、吸着されたプロフルトリンの量を、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することにより評価した。この結果を表1に示す。
Figure 2020006962
上記表1から明らかなように、本発明品の揮散性製剤包装用フイルムを包装に使用した場合には、比較品のフイルムを使用した場合に比べ、薬剤吸着量が1/5も少なく、有効成分の吸着を大幅に抑制できることが示された。

Claims (13)

  1. 延伸PETフイルムと、この延伸PETフイルムの一面に押出し積層された結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなる積層材で形成されたことを特徴とする揮散性製剤包装用フイルム。
  2. 延伸PETフイルムが、二軸延伸PETフイルムである請求項1記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  3. 延伸PETフイルムの厚みが、7〜20μmである請求項1または2記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  4. 結晶化度が15%未満のPET樹脂が、鎖延長剤を添加したPET樹脂である請求項1ないし3のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  5. 結晶化度が15%未満のPET樹脂が、PET樹脂量に対し、0.2〜2.0質量%の鎖延長剤を添加したものである請求項1ないし4のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  6. 鎖延長剤が、少なくとも2個以上の多官能のエポキシ基を有するものである請求項4または5記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  7. 結晶化度が15%未満のPET樹脂層の厚みが、5〜40μmである請求項1ないし6のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  8. 揮散性薬剤、揮散性薬剤を含む保持体および揮散性薬剤を含む器具から選ばれる揮散性製剤を包装するものである請求項1ないし7のいずれかの項記載の揮散性製剤包装フイルム。
  9. 揮散性薬剤が、香料、消臭剤、防虫剤、殺虫剤および防カビ剤から選ばれる揮散性薬剤である請求項8記載の揮散性製剤包装フイルム。
  10. 揮散性薬剤がプロフルトリンである請求項8または9に記載の揮散性製剤包装用フイルム。
  11. 揮散性製剤を、延伸PETフイルムと、この延伸PETフイルムの一面に押出し積層された結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなる積層材で形成された揮散性製剤包装用フイルムで密封包装してなる揮散性製剤包装体。
  12. 揮散性製剤を、袋体に形成された揮散性製剤包装用フイルムで密封包装してなる請求項11記載の揮散性製剤包装体。
  13. 揮散性製剤が、内部に揮散性薬剤またはその保持体を収納可能な容器体であって、当該容器体の一部に揮散性薬剤の揮散口を有する器具であり、揮散性製剤包装用フイルムで少なくとも揮散口を密封包装してなる請求項10または11記載の揮散性製剤包装体。

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