JP2022032436A - 揮散性製剤包装用フィルム及びこれを用いた蓋材 - Google Patents

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Abstract

【課題】流通段階や保管時等において、シーラント層とバリア層間でデラミネーションが生じにくい揮散性製剤包装用の複合積層フィルムを提供すること。【解決手段】延伸PETフィルムと、この延伸PETフィルムの一面に押出し積層された、結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなるシーラント層及び水蒸気バリア層を備え、シーラント層の延伸PETフィルム上に水蒸気バリア層が積層された揮散性製剤包装用フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、揮散性製剤包装用フィルムに関し、更に詳しくは、流通段階や保管中にデラミネーションが生じにくい揮散性製剤包装用フィルムおよびこれを用いた蓋材に関する。
従来から、トイレ、部屋、車等の空間に芳香を付与する芳香剤として、液状又はゲル状の芳香剤を、開口部を有するプラスチック成形容器に収納したものが提案されている。芳香剤以外にも、空間中で防虫・殺虫作用を発揮する揮散性薬剤を用いて同様の形態とした防虫剤、殺虫剤等が利用されている。
このような揮散性製剤では、容器の開口部を覆う蓋材として、開口部のフランジと融着するシーラント層と、揮散性の薬剤及び溶媒が容器外へ揮散することを防止するためのバリア層とを含む複合積層フィルムが用いられる。しかし、流通段階や保管中に、揮散性成分の影響により複合積層フィルムのシーラント層とバリア層の間でデラミネーションが発生し、薬剤及び溶媒が容器外に揮散して品質が低下したり、開封時にこれらの層間で剥離が生じる結果、容器のフランジにシーラント層が残存して開口部が十分に開口されないので、揮散性製剤の揮散が少なくなり製剤の効果が十分に発揮できない場合や外観を損ねる場合があった。
したがって、流通段階や保管時等において、シーラント層とバリア層間でデラミネーションが生じにくい揮散性製剤包装用の複合積層フィルムが求められており、本発明は、かかる複合積層フィルムの提供を課題とする。
本発明者らが鋭意研究を行った結果、シーラント層として延伸PETフィルムの一面に押出し積層された、結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなる積層材を用い、これを水蒸気バリア層と組み合わせることにより、揮散性製剤の包装材として使用した場合に、シーラント層とバリア層間のデラミネーションの発生が抑制されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、延伸PETフィルムと、この延伸PETフィルムの一面に押出し積層された、結晶化度が15%未満のPET樹脂層とからなるシーラント層及び水蒸気バリア層を備え、シーラント層の延伸PETフィルム上に水蒸気バリア層が積層された揮散性製剤包装用フィルム及び当該フィルムから形成される蓋材を提供するものである。
本発明の包装用フィルムは、揮散性製剤の包装体とした場合に、長期間にわたって保管しても、シーラント層とバリア層間でのデラミネーションが生じにくいものである。そのため、プラスチック容器の蓋材として利用した場合、保管中の揮散性の薬剤や溶媒の外部への揮散を防止できる。また開封する際フランジ部分にシーラント層が残存することがなく、容易に蓋材全体を剥離でき、揮散性製剤の効果が十分に発揮され、外観を損ねることがない。
本発明の揮散性製剤包装用フィルムの一態様を示す断面図である。 本発明の揮散性製剤包装用フィルムを、揮散性製剤を収容した容器の蓋材として使用した態様を示す断面図である。
本発明の揮散性製剤包装用フィルムは、延伸PETフィルムの一面に、結晶化度が15%未満のPET樹脂層を積層した積層材をシーラント層として用いる。
基材となる延伸PETフィルムは、PET素材をガラス転移点と融点の間の温度で延伸処理したものである。この延伸処理は、一方向に行う場合(一軸延伸)と、縦横二方向に行う場合(二軸延伸)があるが、ガスバリアー性が高いことから二軸延伸PETフィルムを用いることが好ましい。
このような二軸延伸PETフィルムの例としては、MD方向、TD方向の二軸方向に延伸され230℃内外の温度で熱固定されたフィルムが挙げられる。このフィルムは、その熱固定温度までの高耐熱性と剛性を有し、また透明である。本発明で使用する延伸PETフィルムの厚みは7μmから20μmが好ましいが、12μmの厚みのものは、一般に量産されて市販されており、価格も安いので、これを入手使用しても良い。
一方、上記延伸PETフィルム上で、ヒートシール層として使用されるPET樹脂は、その結晶化度が15%未満のものであり、好ましくは10%未満のものである。この結晶化度は、例えば、次の式により求めることができる。
Figure 2022032436000002
このような結晶化度のPET樹脂は、一般に使用されているヒートシール装置を用い、通常ヒートシールされる温度、例えば、120~190℃の範囲で良好なヒートシール性を示すPET樹脂である(以下、「ヒートシールPET樹脂」という)。
このヒートシールPET樹脂としては、特に限定されないが、例えば、テレフタル酸と重合させるグリコール成分の一部に1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂( Eastar PETG6763、長瀬産業株式会社製)や、鎖延長剤を添加したPET樹脂などが挙げられる。
このうち、1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂は、テレフタル酸と重合させるグリコール成分が、エチレングリコール65モル%、1,4-シクロヘキサンジメタノール35モル%の混合物であるPET系樹脂である。
また、鎖延長剤を添加したPET樹脂は、テレフタル酸とエチレングリコールの重合反応により得られる一般的なPET樹脂に、鎖延長剤を、PET樹脂量に対し、0.2~2.0質量%添加した状態で押出機において加熱・溶融させて得られるものである。
使用される鎖延長剤としては、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸グリシジル、スチレン-(メタ)アクリル酸メチル-メタクリル酸グリシジル、エポキシ化大豆油等が挙げられるが、少なくとも2個以上の多官能のエポキシ基を有するものであることが好ましい。このような、2個以上の多官能のエポキシ基を有する鎖延長剤としては、例えば、JONCRYL((登録商標)BASFジャパン株式会社製)、ARUFON((登録商標)東亜合成株式会社製)等として市販されている。
本発明の揮散性製剤包装用フィルムにおいては、ヒートシールPET樹脂として1,4-シクロヘキサンジメタノールを用いたPET系樹脂よりも、鎖延長剤を添加したPET樹脂を用いる方が原料に制約が少なく、かつ価格が安いPET樹脂等を使用出来ることから、特に有利である。
延伸PETフィルム上へのヒートシールPET樹脂の積層は、常法に従って行われるが、その好ましい態様の一例を示せば次の通りである。すなわち、ヒートシールPET樹脂を回転押出機等に投入し、260~300℃程度の押出し温度で、好ましくは真空条件下、吸引・脱気しながら、延伸PETフィルム上へ押出すことにより、積層することができる。
前記延伸PETフィルム上でのヒートシールPET樹脂層の厚みは、5~40μmが好ましく、10~30μmがより好ましい。5μm未満では、フィルム強度が不足し、ヒートシール強度が低下する。また、40μmを超えるとコスト高となる。
水蒸気バリア層としては、水蒸気バリア性を有していれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン樹脂層、蒸着フィルム、金属箔等が挙げられ、これらのいずれか1種のみでも、2種以上を含んでいてもよい。
ポリプロピレン樹脂層を形成するポリプロピレン樹脂は、延伸または無延伸のいずれでもよいが、水蒸気バリア性等の観点から延伸が好ましく、二軸延伸のものがより好ましい。ポリプロピレン樹脂層の厚みは、バリア性等の観点から10~60μmが好ましく、15~40μmがより好ましい。
蒸着としては、アルミニウム蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着が挙げられるが、遮光性等の観点からアルミニウム蒸着が好ましい。一方、蒸着膜が形成される樹脂層としては、例えば、PET、ポリプロピレン、ナイロン等が挙げられるが、デラミネーション抑制及びシーラント層との密着性等の観点からPETが好ましい。蒸着フィルムの厚みはバリア性の観点から10~100μmが好ましく、15~50μmがより好ましい。
金属箔としては、例えば、アルミ箔が挙げられるが、加工の容易さやシール時の熱伝導率が良い等の観点からアルミ箔が好ましい。金属箔の厚みはバリア性等の観点から3~20μmが好ましく、5~10μmがより好ましい。
これらの中でも、バリア性及びシーラント層との接着性に優れることから、蒸着フィルムが好ましく、中でも、アルミ蒸着PETが好ましい。さらにアルミ蒸着PET上にポリプロピレン樹脂層を積層させることにより、バリア性をより向上させることができる。
水蒸気バリア層の水蒸気透過係数は、好ましくは10m・day以下、より好ましくは3m・day以下である。本明細書において水蒸気透過係数はJIS K 7129に従って測定される値である。
シーラント層とバリア層は公知の方法により貼り合せることができ、例えば、接着剤を塗布し乾燥させた後、加圧し、接着剤を硬化させて貼り合せるドライラミネート法等を用いることができる。
本発明の揮散性製剤包装用フィルムを用いて、揮散性製剤を包装するための包装体が形成される。包装体の一部または全部が当該揮散性製剤包装用フィルムで形成されていればよい。また本発明において揮散性製剤とは、揮散性薬剤を製剤化した揮散性組成物の他、これを含む保持体や器具等を包含する。具体的には、固体状、ゲル状若しくは液体状の揮散性薬剤を含む揮散性組成物、この揮散性組成物を適当な保持体に含浸、担持等させた保持体、内部に揮発性組成物やこれを含む保持体が収納可能で、外面の一部に開口部や、空気流通部などの揮散口を有する容器体などで形成される薬剤揮散用器具などが例示される。包装の形態としては、特に制限されるものではないが、好ましい形態として蓋材、袋体等が挙げられる。
蓋材は、例えば、固体状、ゲル状若しくは液体状の揮散性製剤を収容したプラスチック容器と組み合わせて用いられる。本発明の揮散性製剤包装用フィルムを適宜の大きさに裁断した蓋材を、揮散性組成物が収容されたプラスチック成形容器の開口部に載置し、開口部周縁に設けられたフランジと揮散性製剤包装用フィルムのシーラント層とを、ヒートシール等公知のシール方法により融着して密封される。
プラスチック成形容器を形成する樹脂としては、例えば、PET、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PC(ポリカーボネート)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)等が挙げられるが、本発明の揮散性製剤包装用フィルムを蓋材として密封された容器の開封時に、蓋材のシーラント層とバリア層間で剥離が生じにくく、容器のフランジと蓋材のシーラント層間で容易に剥離可能な剥離強度となることからPETが好ましい。
袋体を製造する方法としては、従来公知の製袋機を用いた三方シール包装、四方シール包装、スタンディングパウチ包装、横ピロー包装又は縦ピロー包装等を挙げることができる。
揮散性製剤に用いられる揮散性薬剤は、常温又は加熱により揮散される薬剤であり、香料、消臭剤、防虫剤、殺虫剤、防カビ剤等が含まれる。
揮散性薬剤のうち、香料としては、天然香料、人工香料の何れも使用可能であり、その2種以上を混合した調合香料であってもよい。また、天然香料は、動物性香料、植物性香料を問わない。
このうち動物性香料としては、具体的に、麝香、霊猫香、竜延香等が挙げられる。また、植物性香料としては、アビエス油、アルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモット油、パーチ油、ポアパローズ油、カヤブチ油、カナンガ油、カプシカム油、キャラウェー油、カルダモン油、カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コニャック油、コリアンダー油、クミン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルーツ油、ホップ油、レモン油、レモングラス油、ナツメグ油、マンダリン油、ハッカ油、オレンジ油、セージ油、スターアニス油、テレピン油等が挙げられる。
更に、人工香料とは、合成香料又は抽出香料であり、例えば、ピネン、リモネン等の炭化水素系香料、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、β-フェネチルアルコール等のアルコール系香料、アネトール、オイゲノール等のフェノール系香料、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド等のアルデヒド系香料、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、イオノン等のケトン系香料、γ-ブチロラクトン、クマリン、シネオール等のラクトン系香料、オクチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル系香料等が挙げられる。これらのうち、リモネン、シトロネラール等の香料を含んでいるとデラミネーションが生じやすいが、本発明の揮散性製剤包装用フィルムを用いることにより、これらの香料を含有していてもデラミネーションの発生を抑制することができる。
消臭剤としては、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロリネート、シトロネリルセネシオネート、テルペンアルデヒド類等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
防虫剤としては、プロフルトリン、アレスリン、プラレトリン、フタルスリン、レスメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、シペルメトリン、シフェノトリン、エンペントリン、テラレスリン、イミプロスリン、トランスフルスリン、フェンプロパトリン、フェンフルスリン、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル(1R)-トランス-3-(2-クロロ-2-フルオロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等のピレスロイド系防虫薬剤やパラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
防カビ剤としては、チモール、α-ブロモシンナミックアルデヒド、パラクロロメタキシレノール、オルトフェニルフェノール、3-ヨード-2-プロピルブチルカーバメート、N-(フルオロジクロロメチルチオ)-フタルイミド、N-ジクロロフルオロメチルチオ-N',N'-ジメチル-N-フェニルスルファミド等の1種若しくは2種以上を混合して用いることができる。
本発明における揮散性製剤には、上記揮散性薬剤の他、溶媒、ゲル化剤、揮散調整剤、ミリスチン酸イソプロピル、シリコーン等の吸着抑制剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、殺菌剤、色素、金属不活性剤又は効力増強剤等を配合することができる。
溶媒としては、脱イオン水、蒸留水等の水;ヘキサン、パラフィン、イソパラフィン等の炭化水素系化合物;メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-メチル-2-プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール等のアルキルアルコール類;アリルアルコール等のアルケニルアルコール類;ベンジルアルコール等の芳香族環含有アルコール類;オイゲノール等のフェノール類;クロロホルム等のハロゲン化炭化水素化合物;ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系化合物;アセトン等のケトン系化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール系化合物;2-フェノキシエタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール等のグリコールエーテル系化合物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
ゲル化剤としては、例えば、カラギーナン、ジェランガム、寒天、ゼラチン、グアーガム、ペクチン、ローカストビーンガム、キサンタンガム、アルギン酸ソーダ、セルロース誘導体、ジベンジリデン-D-ソルビトール、ヒドロキシプロピル化多糖類、ステアリン酸イヌリン、アクリル酸ナトリウム等の高吸水性樹脂、オクチル酸アルミニウム等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上を混合して使用することができる。
好ましい揮散性製剤としては、溶媒に水を用いた水性ゲルが挙げられる。
本発明の揮散性製剤包装フィルムの好ましい一実施態様について以下に説明する。図1に示すとおり、本態様の揮散性製剤包装フィルム(10)は、シーラント層(13)に水蒸気バリア層(11,12)が積層した構成を有する。シーラント層(13)は、延伸PETフィルム(13a)の一面にヒートシールPET樹脂層(13b)が押出し積層されたものである。シーラント層(13)の延伸PETフィルム(13a)上に水蒸気バリア層が積層される。水蒸気バリア層として、延伸PETフィルム(13a)上にアルミ蒸着PET(12)、さらにその上に二軸延伸ポリプロピレン樹脂層(11)が積層される。シーラント層(13)とアルミ蒸着PET(12)、アルミ蒸着PET(12)と二軸遠心ポリプロピレン樹脂層(11)とは、ドライラミネート法など公知のラミネート法を用いて貼り合わせることができる。
図2では、上記本態様の揮散性製剤包装フィルムを、ゲル状揮散性製剤を収容したプラスチック容器の蓋材として用いた状態を示すものである。蓋付揮散性製剤(100)において、ゲル状揮散性製剤(30)を収容したPET容器(20)のフランジ(20a)上に、本態様の揮散性製剤包装フィルム(10)を載置し、シーラント層(13)のヒートシールPET樹脂層(13b)とフランジ(20a)を融着して密封される。
このように密封した状態で長期間保管しても、アルミ蒸着PET(12)と延伸PETフィルム(13a)との間でデラミネーションが生じにくく、開封時には、PET容器(20)のフランジ(20a)とヒートシールPET樹脂層(13b)との間で容易に剥離することができる。
以下実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
揮散性製剤包装用フィルムの作成:
(シーラント層の調製)
PET樹脂(MA-2101M、(固有粘度;0.62dl/g、水分量;2,900ppm)、ユニチカ株式会社製)100部と、鎖延長剤(AdR4368、BASFジャパン株式会社製)を30質量%含有したPETのマスターバッチ1.5部とをヘンシェルミキサーで混合攪拌した。この混合樹脂を同方向回転2軸押出し機(HMT100(L/D=38、吐出量;650kg/hr、2ベント孔)、日立造船株式会社製)に投入し、押出し温度280℃、ベント孔から-99.99kPaの高真空下で吸引・脱気しながら、二軸延伸PETフィルム(E5100:12μm、東洋紡株式会社製)へ押出し積層し、二軸延伸PETフィルム(12μm)/ヒートシールPET樹脂層(20μm)の積層材(NS-PET20)を作製した。ヒートシールPET樹脂層の結晶化度は9.8%であった。
(水蒸気バリア層の積層)
NS-PETにおける二軸延伸PETフィルム上に、押し出しラミネートの方法によって、アルミ蒸着PET(VMPET、12μm)及び二軸遠心ポリプロピレン樹脂(OPP、20μm)を順次ラミネートして揮散性製剤包装用フィルム(OPP20/VMPET12/NS-PET20)を調製した。
実 施 例 2
蓋材の評価:
実施例1で作製した揮散性製剤包装用フィルム(OPP20/VMPET12/NS-PET20)を11cm×11cmの大きさに裁断し、下記処方のゲル状芳香剤を収容したPET容器の開口部フランジに載置して150℃、2秒ヒートシールを行って密封した(本発明品1)。比較品として、PET12/AL7/PE30μmのフィルムを用いた(比較品1)。
(処方) (質量%)
シトロネラ精油 5%
カラギーナン 2%
エタノール 7%
香料 2%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 5%
イオン交換水 残
合計 100%
本発明品1と比較品1を40℃で3か月又は6か月保存後、蓋材を開封してデラミネーションの有無を確認したところ、本発明品1は6カ月後もデラミネーションは認められなかったが、比較品1は3か月後にデラミネーションの発生が確認された。
10 揮散性製剤包装用フィルム
11 二軸遠心ポリプロピレン樹脂層
12 アルミ蒸着PET層
13 シーラント層
13a 延伸PETフィルム
13b ヒートシールPET樹脂層
20 PET容器
20a フランジ
30 ゲル状揮散性製剤
100 蓋付揮散性製剤

Claims (16)

  1. 延伸PETフィルム及び当該延伸PETフィルムの一面に押出し積層された結晶化度が15%未満のPET樹脂層からなるシーラント層と水蒸気バリア層とを備え、シーラント層の延伸PETフィルム上に水蒸気バリア層が積層された揮散性薬剤を含有する揮散性製剤包装用フィルム。
  2. 水蒸気バリア層が、ポリプロピレン樹脂層、蒸着フィルム又は金属箔のいずれか1種を少なくとも含む請求項1記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  3. ポリプロピレン樹脂層が二軸遠心ポリプロピレン樹脂層である請求項2記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  4. 蒸着フィルムがアルミニウム蒸着PETである請求項2記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  5. 金属箔がアルミ箔である請求項2記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  6. 延伸PETフィルムが、二軸延伸PETフィルムである請求項1~5のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  7. 延伸PETフィルムの厚みが、7~20μmである請求項1~6のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  8. 結晶化度が15%未満のPET樹脂が、鎖延長剤を添加したPET樹脂である請求項1~7のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  9. 結晶化度が15%未満のPET樹脂が、PET樹脂量に対し、0.2~2.0質量%の鎖延長剤を添加したものである請求項1~8のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  10. 鎖延長剤が、少なくとも2個以上の多官能のエポキシ基を有するものである請求項8または9記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  11. 結晶化度が15%未満のPET樹脂層の厚みが、5~40μmである請求項1~10のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルム。
  12. 揮散性薬剤が、香料、消臭剤、防虫剤、殺虫剤および防カビ剤よりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項1~11のいずれかの項記載の揮散性製剤包装フィルム。
  13. 揮散性薬剤が、シトロネラ製油、シトロネラール、リモネン、よりなる群から選ばれる1種または2種以上である請求項12記載の揮散性製剤包装フィルム。
  14. 請求項1~13のいずれかの項記載の揮散性製剤包装用フィルムで形成された蓋材。
  15. PET樹脂で形成された容器に収容された揮散性製剤用である請求項14記載の蓋材。
  16. 揮散性製剤が水性ゲルである請求項14または15記載の蓋材。

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