JP4857680B2 - 害虫防除剤保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、害虫防除剤保存方法、詳しくは熱可塑性樹脂に特定の薬剤が保持されてなる害虫防除剤の保存方法に関する。
式(1)
Figure 0004857680
〔式中、
1は水素原子又はメチル基を表し、
2はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が害虫防除剤の有効成分として知られており、(例えば、特許文献1〜5参照。)また該エステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤は、そのまま施用場所に設置するだけで使用できることも知られている(例えば、特許文献6参照)。
欧州特許公開第60617号明細書 特開平7−17916号公報 特開2001−302590号公報 特開2000−63329号公報 特開2001−11022号公報 特開2002−114613号公報
式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤は、常温で設置するのみで高い蒸散効果により害虫を防除することができる反面、その未使用時においても害虫防除成分が蒸散するため、該害虫防除剤を長期間保存した後に使用する場合には必ずしも十分な害虫防除効果が得られず、式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤の優れた保存方法が求められている。
本発明は式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を、長期間保存した後においても安定した害虫防除効力を発揮することが可能となる保存方法を提供することを課題とする。
かかる状況下、本発明者は害虫防除剤保存方法について検討を重ねた結果、式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤(以下、本防除剤と記す。)を、積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法に上記の課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下のものである。
1. 式(1)
Figure 0004857680
〔式中、
1は水素原子又はメチル基を表し、
2はメチル基又は
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基を表し、
3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。
2. 式(2)
Figure 0004857680
〔式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。〕
で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。
3. 無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層が、エチレン共重合比率が35〜50mol%の無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層である請求項1又は2記載の害虫防除剤保存方法。
4. 積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリエチレンテレフタレート層を有する請求項1〜3いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
5. 熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を害虫防除剤全体に対して55〜90重量%含有する請求項1〜4いずれか一項記載の害虫防除剤保存方法。
本発明の害虫防除剤保存方法により、式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤は長期間保存した後でも安定した害虫防除効力を発揮することが可能となる。
本発明は式(1)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする。
かかる無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層には通常、市販される無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムをそのまま用いてもよく、また市販のエチレン−ビニルアルコール共重合体をTダイキャスト成形法、インフレーション成形法等により無延伸フィルムとして用いることもできる。また無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層は必要に応じてコロナ処理等の表面処理を行ってもよく、さらに本発明の効果を損なわない範囲で印刷等を施してもよい。本発明にはエチレンビニルアルコール共重合体を構成するエチレン単量体の含有率(本明細書中、エチレン共重合比率と記す。)が通常30〜50mol%、好ましくは35〜50mol%、より好ましくは40〜50mol%であるものが用いられる。30mol%より小さい場合には本発明においてヒートシールにより被覆する場合に満足なシールをすることが難しく加工性の面では不充分となる場合もある。また50mol%より大きい場合には、式(1)で示されるエステル化合物が僅かながらも移行するおそれがある。
かかる市販のエチレンビニルアルコール共重合体としては、例えばエバール(EVAL)(登録商標、株式会社クラレ商品名)E105A(エチレン共重合比率:44mol%)、H101(エチレン共重合比率:38mol%)、及びソアノ−ル(Soarnol)(登録商標、日本合成化学株式会社商品名)AT4406(エチレン共重合比率:44mol%)が挙げられる。
本発明に用いられる延伸ポリアルキレンテレフタレート層とは、ポリアルキレンテレフタレートの無延伸フィルムを一軸又はニ軸延伸したフィルムからなる層であり、市販される延伸ポリアルキレンフィルムをそのまま用いてもよい。かかる市販の延伸ポリアルキレンフィルムとしては、例えばエンブレット(登録商標、ユニチカ株式会社)、東洋紡エステル(登録商標、東洋紡績株式会社)、シーラー(登録商標)PT(三井・デュポン ポリケミカル株式会社)が挙げられる。
本発明に用いられる延伸ポリオレフィン層とは、例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂の無延伸フィルムを一軸又はニ軸延伸したフィルムからなる層であり、かかるフィルムとしては、例えば延伸ポリエチレンフィルム及び延伸ポリプロピレンフィルムが挙げられる。
本発明に用いられる延伸ポリアミド層とは、ポリアミド系樹脂の無延伸フィルムを一軸又はニ軸延伸したフィルムからなる層であり、かかるフィルムとしては例えば延伸6−ナイロンフィルム及び6,6−ナイロンフィルムが挙げられる
本発明に用いられる延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリオレフィン層及び延伸ポリアミド層に用いられる延伸樹脂フィルムはTダイキャスト成形、共押出Tダイキャスト成形、インフレーション成形、共押出インフレーション成形等の公知の成形方法により対応する無延伸フィルムを製造し、該無延伸フィルムをテンダー延伸法、ロール延伸法、チューブラー延伸法等の延伸方法により、一軸方向又は二軸方向に延伸することにより製造することができる。該延伸樹脂フィルムは必要に応じて、コロナ処理等の表面処理を行ってもよく、ガスバリア性材料をコーティング等で設けてもよく、また印刷等を施してもよい。
本発明に用いられるアルミニウム層は、医療用の包装材料、あるいは各種食品包装などで用いられている市販のアルミニウム箔であってもよく、その厚さは通常、日本工業規格(JIS)で規定では6〜200μmのものが挙げられるが、汎用性、入手性等の点で好ましくは30μm以下程度のものが用いられる。
本発明に用いられる積層フィルムは、無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムと、延伸ポリアルキレンテレフタレートフィルム、延伸ポリアミドフィルム及びアルミニウムから選ばれるいずれかのフィルムと、必要に応じて接着剤、アンカーコート剤及び又は樹脂等を介して通常の押出ラミネート方法、ドライラミネート方法等の積層方法により積層することで製造することができる。
本発明に用いられる積層フィルムにおける無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層の厚さは通常15〜50μm程度であり、延伸ポリアルキレンテレフタレート層、延伸ポリアミド層及びアルミニウム層から選ばれるいずれかの層の厚さは通常5〜30μm程度であり、積層フィルム全体の厚さは通常20〜120μm程度である
本発明において、本防除剤には害虫防除成分として式(1)で示されるエステル化合物が含有される。式(1)で示されるエステル化合物は、例えばEP0060617号明細書、特開2000−63329号公報、特開2001−11022号公報、特開昭63−203649号公報、特開平7−17916号公報等に記載された化合物であり、該公報に記載の方法により製造することができる。
式(1)で示されるエステル化合物には不斉炭素に基づく異性体が存在し、また炭素−炭素二重結合に基づく異性体が存在する場合があるが、本発明には活性な異性体のいずれをも使用することができる。
式(1)で示されるエステル化合物の態様としては、例えばR1が水素原子であり、
2
CH=CR2122
(式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
で示される基であり、
3が水素原子、メチル基又はメトキシメチル基である化合物が挙げられる。
式(1)で示されるエステル化合物としては具体的には、例えば2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(2−メチル−1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−2,2,3−トリメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 1R−トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレートが挙げられる。
本防除剤は、式(I)で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなるものであり、例えば式(I)で示されるエステル化合物及び熱可塑性樹脂、さらに必要に応じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料等を混合・混練し、得られる混練物を熱可塑性樹脂に通常用いられる成形方法(例えば、プレス成形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形、真空成形、射出成形、回転成形等)により賦形することにより製造される。
また、本防除剤は、前記により賦形された成形体をスリット加工、スライス加工、ペレット加工等の二次加工により形状を変更されたものであってもよい。
本防除剤の製造に用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂が挙げられ、これらの樹脂の1種又は2種以上を用いることができる。
塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルを主なモノマー成分とする樹脂であり、塩化ビニル単独重合体(ポリ塩化ビニル)、並びに塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体が挙げられる。
塩化ビニルと共重合可能なモノマー成分としては例えば、不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられる。)、カルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。)及びマレイン酸エステル等のカルボン酸エステル、無水マレイン酸等のジカルボン酸無水物、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、並びにオレフィン単量体(例えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、スチレンが挙げられる。)が挙げられる。
塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体としては例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−酢酸ビニル三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体への塩化ビニルグラフト共重合体、及びこれらの混合物が挙げられる。
ポリアミドとしては例えば、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のナイロンが挙げられる。
ポリエステルとしては例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)が挙げられる。
オレフィン系樹脂とはオレフィン単量体(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜12のα−オレフィンが挙げられる。)を主なモノマー成分とする樹脂であり、例えばエチレン系樹脂が挙げられる。
エチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン/α−オレフィン共重合体)並びにα−オレフィン以外のエチレンと共重合可能なモノマー成分とエチレンとからなるエチレン系共重合体が挙げられる。
α−オレフィン以外のエチレンと共重合可能なモノマー成分としては例えば、不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸の低級アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸の低級アルキルエステルが挙げられる。)及びカルボン酸ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル等の低級脂肪酸のビニルエステルが挙げられる。)等のカルボン酸エステル、及びビニルアルコールが挙げられる。
エチレン及びエチレンと共重合可能なモノマー成分からなるエチレン系共重合体としては、例えばエチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が挙げられる。また、EVAの酢酸ビニル部分を鹸化することで得られるエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)も挙げることが出来る。
スチレン系樹脂としては、スチレン単独重合体(ポリスチレン、GPPS)、耐衝撃性ポリエチレン(HIPS)並びにスチレン及びスチレンと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体、が挙げられる。
スチレンと共重合可能なモノマー成分としては、例えばアクリロニトリル、ブタジエン等が挙げられる。
スチレン及びスチレンと共重合可能なモノマー成分からなる共重合体としては、例えばアクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が挙げられる。
本防除剤の製造に用いられる熱可塑性樹脂は、1種類の熱可塑性樹脂を単独で用いてもよいし、2種類以上の熱可塑性樹脂を適宜混合した樹脂組成物であってもよい。
本発明の害虫防除剤保存方法は、本防除剤が常温において高い揮散効率を有する場合において、優れた効果を示す。かかる場合としては、例えば熱可塑性樹脂としてオレフィン系樹脂を含有する場合、カルボン酸エステルをモノマー成分として含有してなるオレフィン系樹脂である場合、さらには該オレフィン系樹脂がポリエチレン及び/又はエチレン−メタクリル酸メチル共重合体を含有する場合が挙げられる。
本防除剤には、式(1)で示されるエステル化合物とともに、他の害虫防除活性化合物、忌避剤等が含有されていてもよい。
かかる害虫防除活性化合物としては、例えばアレスリン、テトラメスリン、プラレトリン、フェノトリン、レスメトリン、シフェノトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、トラロメトリン、シフルトリン、フラメトリン、イミプロトリン、エトフェンプロックス、フェンバレレート、フェンプロパスリン、シラフルオフェン、テラレトリン、ビフェントリン、エンペントリン、2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−シクロペント−2−エニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート等のピレスロイド化合物、ジクロルボス、フェニトロチオン、テトラクロロビンホス、フェンチオン、クロルピリホス、ダイアジノン等の有機リン化合物、プロポキサー、カルバリル、メトキサジアゾン、フェノブカルブ等のカーバメート化合物、ルフェヌロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、ジフルベンズロン、シロマジン、1−(2,6−ジフルオロベンゾイル)−3−[2−フルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)フェニル]ウレア等のキチン形成阻害物質、ピリプロキシフェン、メトプレン、ハイドロプレン、フェノキシカルブ等の幼若ホルモン様物質、ネオニコチノイド系化合物、及びN−フェニルピラゾール系化合物が挙げられ、忌避剤としては、例えばN,N−ジエチル−m−トルアミド、リモネン、リナロール、シトロネラール、メントール、メントン、ヒノキチオール、ゲラニオール、ユーカリプトール、インドキサカルブ、カラン−3,4−ジオール、MGK−R−326、MGK−R−874、及びBAY−KBR−3023が挙げられる。
本防除剤にはさらに必要に応じて溶剤、色素、酸化防止剤、共力剤、安定化剤等が保持されていてもよい。
かかる溶剤としては、例えば灯油、イソパラフィン等のパラフィン系溶剤、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、及び、ミリスチン酸イソプロピル、クエン酸トリエチル、ラウリン酸ブチル、アセチルクエン酸トリエチル、アジピン酸イソノニル等のエステル系溶剤が挙げられる。
色素としては、例えば1,4−ジブチルアミノアントラキノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、1,4−ビス(2,6−ジエチル−4−メチルフェニルアミノ)アントラキノン、1−メチルアミノ−4−オルトトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−メタトリルアミノアントラキノン、1−メチルアミノ−4−パラトリルアミノアントラキノン等のアントラキノン系青色色素、及びこれらの混合物、並びにこれらの青色色素と他の色素との混合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノ−ル等のフェノール系抗酸化剤が挙げられる。
共力剤としては、例えばビス−(2,3,3,3−テトラクロロプロピル)エ−テル(S−421)、N−(2−エチルヘキシル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3ジカルボキシイミド(MGK264)、α−[2−(2−ブトキシエトキシ)エトキシ]−4,5−メチレンジオキシ−2−プロピルトルエン(PBO)が挙げられる。
安定化剤としては、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤が挙げられる。
次に、本発明を製造例、試験例等にさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
まず、本防除剤被覆体の製造例を示す。
製造例
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(共重合体を構成するモノマー成分中のメタクリル酸メチルの割合:25重量%、商品名:アクリフトWK307、住友化学株式会社製)28重量部及び2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メトキシメチルベンジル 1R−トランス−3−(1−プロペニル(E/Z=1/8))−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート5重量部を密閉式加圧ニーダー(森山製作所製)を用いて溶融混練し、得られた混練物を押出機から押し出しながらホットカットして、ペレットを得た。
このペレット33重量部と直鎖状低密度ポリエチレン(商品名:スミカセン−E FV405、住友化学株式会社製)のペレット67重量部とを混合・混練して混練物を得た。
次いで、この混練物を押出成形機からネット成形用異形ダイスを介して押出すことにより、一辺が約2.5mmの略ひし形の網(網を形成するフィラメントの直径は約0.5mm、開孔率64%)が直径約16cmの円筒状となった成形体(以下、本防除剤(1)と記す。)を得た。
Tダイキャスト成形により製造した無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(厚さ:30μm、エチレン共重合比率:44mol%)及びニ軸延伸ポリエチレンテレフタレート(厚さ:12μm)を脂肪族ポリエステル系接着剤により積層し得られたラミネートフィルム袋(19cm×25cm、内層:無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層)に本防除剤(1)を入れて、開口部をヒートシールすることにより本防除剤被覆体を得た。
比較製造例
製造例と同様の操作により得られた本防除剤(1)を無延伸ポリプロピレン層(厚さ:30μm、商品名:パイレン(登録商標)−CT P1128、東洋紡績株式会社製)及びアルミニウム層を脂肪族ポリエステル系接着剤により積層し得られたラミネートフィルム袋(19cm×25cm、内層:無延伸ポリプロピレン層)に入れて、開口部をヒートシールすることにより比較防除剤被覆体を得た。
次に本発明の効果を試験例を示す。
製造例で得られた本防除剤被覆体を60℃で2週間保存した後、ラミネート袋を開封し、害虫防除剤を取り出し、約0.34m3(底面:0.7×0.7m、高さ:0.7m)の試験室内の天井中央から縦に吊り下げた。この際、本防除剤の下端は床面から約60cmの高さであった。本防除剤を吊り下げると同時にアカイエカ(Culex pipiens pallens)10頭を試験室内に放ち、20分後にノックダウンしているアカイエカの数を数えた。
比較製造例で得られた比較防除剤被覆体においても同様の試験を行った。その結果を〔表1〕に示す。
Figure 0004857680


Claims (3)

  1. 式(1)
    Figure 0004857680
    〔式中、
    1は水素原子又はメチル基を表し、
    2はメチル基又は
    CH=CR2122
    (式中、R21及びR22は独立して、水素原子、メチル基又は塩素原子を表す。)
    で示される基を表し、
    3は水素原子、メチル基又はメトキシメチル基を表す。〕
    で示されるエステル化合物が熱可塑性樹脂に保持されてなる害虫防除剤を積層フィルムで被覆して害虫防除剤被覆体とする工程を有する害虫防除剤保存方法において、該積層フィルムの一方の表面層が無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であり、かつ延伸ポリエチレンテレフタレート層を有し、該害虫防除剤被覆体としたときに該積層フィルムの内表面層が該無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層であることを特徴とする害虫防除剤保存方法。
  2. 無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体層が、エチレン共重合比率が35〜50mol%の無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる層である請求項記載の害虫防除剤保存方法。
  3. 熱可塑性樹脂がオレフィン系樹脂を害虫防除剤全体に対して55〜90重量%含有する請求項1又は2記載の害虫防除剤保存方法。
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