JP2015047810A - 薬剤徐放性積層体および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】殺虫剤、芳香剤や消臭剤といった薬剤成分が、こぼれてしまうことなく、安定して長時間に渡り揮発し、構成が簡便で、製造工程において粉塵の発生のない徐放性積層体を提供すること。
【解決手段】揮発性薬剤を含有する機能材料3を含浸させた、直径0.01〜0.5μmの孔を全面に持つ微多孔フィルム1に、保護層4を積層した薬剤徐放性積層体であって、前記保護層4が、ポリエチレンを主成分とする材料で、熱溶融押出し法により積層した構成であり、前記保護層4と前記機能材料を含浸させた微多孔フィルムとの、接着強度が0.1〜1.0N/15mmである。
【選択図】図1
【解決手段】揮発性薬剤を含有する機能材料3を含浸させた、直径0.01〜0.5μmの孔を全面に持つ微多孔フィルム1に、保護層4を積層した薬剤徐放性積層体であって、前記保護層4が、ポリエチレンを主成分とする材料で、熱溶融押出し法により積層した構成であり、前記保護層4と前記機能材料を含浸させた微多孔フィルムとの、接着強度が0.1〜1.0N/15mmである。
【選択図】図1
Description
本発明は、芳香剤や消臭剤、防虫剤等の揮発性薬剤を安定して放出する易剥離可能な、薬剤徐放性積層体および製造方法に関する。
従来、芳香剤や消臭剤等の薬剤を通気性のシートを用いた包装袋や通気性素材を用いた成形体の内部に収納し、薬剤成分を徐々に放出するようにした包装袋または成形体が数多く出回っている。
例えば、2枚のプラスチックフィルムからなる積層体においてそれらを接着する際に用いる接着剤に薬剤を染み込ませたものを用い、プラスチックフィルム2枚のうち少なくとも1枚が微多孔性であることを特徴とした構成が提案されている(特許文献1)。
しかしながら、フィルム同士を圧着する際に接着剤が微多孔部から外面に染み出してしまう問題があった。また接着剤硬化後は薬剤成分が揮発しにくく、芳香剤や消臭剤としての効果を発揮しにくい等の問題点がある。
一方で紙や不織布に薬剤成分を含有させることを目的とし、紙や不織布を多孔質のプラスチックフィルムを積層接着させて使用する案も検討されている(特許文献2、3)。
しかしながらこれらは包装材料の製造工程が複雑であったり、製造中に粉塵が発生したりする可能性があるといった問題がある。
殺虫剤、芳香剤や消臭剤といった薬剤成分が、こぼれてしまうことなく、安定して長時間に渡り揮発し、構成が簡便で、製造工程において粉塵の発生のない徐放性積層体を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、微多孔性フィルムに保護層を積層して成り、前記微多孔性フィルムの孔に揮発性薬剤を含浸させた薬剤徐放性積層体であって、
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
前記保護層が熱溶融押出し法により微多孔性フィルムに積層された層であって、かつ、
前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmであることを特徴とする薬剤徐放性積層体である。
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
前記保護層が熱溶融押出し法により微多孔性フィルムに積層された層であって、かつ、
前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmであることを特徴とする薬剤徐放性積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記微多孔性フィルムの材質がポリプロピレン又はポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の薬剤徐放性積層体である。
また、請求項3に記載の発明は、前記微多孔性フィルムが延伸フィルムであり、かつ、その孔が非貫通の孔であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤徐放性積層体である。
また、請求項4に記載の発明は、前記保護層の上にバリア性フィルムを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤徐放性積層体である。
また、請求項5に記載の発明は、前記バリア性フィルムが酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項4に記載の薬剤徐放性積層体である。
また、請求項6に記載の発明は、微多孔性フィルムに、揮発性薬剤を含有する機能材料を塗布する工程と、微多孔性フィルムの孔に揮発性薬剤を含浸させる工程と、この上に保護層を積層する工程とから成る薬剤徐放性積層体の製造方法であって、
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
保護層積層工程が熱溶融押出し法により積層する工程であって、かつ、前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmとなるように積層する工程であることを特徴とする薬剤徐放性積層体の製造方法である。
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
保護層積層工程が熱溶融押出し法により積層する工程であって、かつ、前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmとなるように積層する工程であることを特徴とする薬剤徐放性積層体の製造方法である。
本発明により、芳香剤や消臭剤といった薬剤成分が、こぼれてしまうことなく、蓋材が容易に剥離でき、製造工程において粉塵の発生がなく、安定して長時間に渡り薬剤成分を揮発させることができる徐放性積層体を提供することができる。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、非貫通微多孔フィルム1に設けられている直径0.01〜0.5μmの孔に、揮発性薬剤を含有する機能材料3を含浸させ、保護層4および、バリア性フィルム5が積層されている。
<微多孔フィルム>
微多孔フィルムは、ポリプロピレンまたはポリエステルからなり、直径0.01〜0.5μmの微多孔が全面に設けられている延伸タイプと非延伸タイプがあり、延伸タイプは孔が非貫通状態である。
微多孔フィルムは、ポリプロピレンまたはポリエステルからなり、直径0.01〜0.5μmの微多孔が全面に設けられている延伸タイプと非延伸タイプがあり、延伸タイプは孔が非貫通状態である。
非貫通微多孔フィルム1は、インフレーション成形法またはTダイ成形法により作製され、流れ方向と直角の方向にクレイズが設けられている。クレイズの幅は直径0.01〜0.5μmが好ましく、0.01μmより小さい場合は機能材料が微多孔内に含浸しにくく、一方0.5μmよりも大きい場合はフィルムの強度が低下する等の問題が生じる。
フィルム厚みとしては10〜300μmが好ましく、中でも30〜150μmが取扱い上望ましく、市販の微多孔フィルムを使用することができる。
貫通微多孔フィルム2は、インフレーション成形法またはTダイ成形法により作製されるときに、無延伸にて形成され、孔が貫通状態となっているため、揮発性薬剤を含有する機能材料3を含浸させた後、貫通微多孔フィルム2の両面に保護層4または裏面バリアフィルム7を設ける必要がある。
<機能材料>
揮発性薬剤を含有する機能材料としては、バインダー、揮発性薬剤、溶剤、防腐剤、抗酸化剤等からなり、それらを混練し、塗液化して、微多孔フィルムに塗布、含浸する。
揮発性薬剤としては、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤等の使用が可能である。
揮発性薬剤を含有する機能材料としては、バインダー、揮発性薬剤、溶剤、防腐剤、抗酸化剤等からなり、それらを混練し、塗液化して、微多孔フィルムに塗布、含浸する。
揮発性薬剤としては、芳香剤、消臭剤、防虫剤、殺虫剤等の使用が可能である。
バインダーとしては、パラフィンの他、芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素等を挙げることができる。
溶剤としては、揮発性薬剤、バインダーを溶解できるもので、炭素数1〜5のアルコールおよび炭素数3〜5のケトンからなる群から選択される少なくとも1種の有機溶媒等を用いることが好ましい。このような有機溶媒としては、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができる。
<保護層>
保護層4は、ポリエチレンを主成分とする層であり、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンの使用が好ましく、これらは単体または2種以上使用しても良い。厚みとしては10〜100μmが望ましく、15〜50μmがより好ましい。
保護層4は、ポリエチレンを主成分とする層であり、例えば低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレンの使用が好ましく、これらは単体または2種以上使用しても良い。厚みとしては10〜100μmが望ましく、15〜50μmがより好ましい。
また、ポリエチレンを主成分とする層の中にエチレン−酢酸ビニル共重合体を添加することにより、柔軟性および酸素透過性が向上し、その結果、機能材料の揮散がしやすくなるだけでなく、フィルムとしての取扱いがしやすくなるというメリットがある。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の添加量としては、ポリエチレンに対して1〜20%が望ましく、5〜10%がより好ましい。1%よりも少ない場合は添加の効果が見られず、20%よりも多い場合は微多孔フィルム1との接着強度が1.0N/15mmよりも強くなってしまう。
揮発性薬剤を含有する機能材料を含浸させた微多孔フィルムと、保護層の接着強度は0.1〜1.0N/15mmであることが望ましく、0.1〜0.5N/15mmであることがより好ましい。シール強度が0.5N/15mm未満の場合は輸送時や落下時に自然剥離してしまい、1.0N/15mmより高い場合は剥離性が低下してしまう。
<保護層の積層>
保護層は、熱溶融押出し法により、揮発性薬剤を含有する機能材料を含浸させた微多孔フィルム上に積層する。また保護層を介してバリア性フィルムを微多孔フィルム上に積層しても良い。
保護層は、熱溶融押出し法により、揮発性薬剤を含有する機能材料を含浸させた微多孔フィルム上に積層する。また保護層を介してバリア性フィルムを微多孔フィルム上に積層しても良い。
熱溶融押出し法は高温で樹脂を押出すためフィルム表面が酸化され、プライマー剤や接着剤等を用いなくともフィルム/溶融樹脂間の接着強度が0.1〜1.0N/15mmとなり、接着性、易剥離性ともに優れた積層体を提供できる。
<バリア性フィルム>
保護層の上にポリエチレン上にポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素バリア性に優れた延伸フィルムを積層することによって、使用前の揮発性薬剤の自然揮散を防ぐことが可能になる。
保護層の上にポリエチレン上にポリエステル、ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体等の酸素バリア性に優れた延伸フィルムを積層することによって、使用前の揮発性薬剤の自然揮散を防ぐことが可能になる。
また、酸素バリア性に優れたポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等、アルミニウム箔等を使用することができる。
中でもアルミニウムや酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム等の無機物の蒸着層が形成されたフィルムを使用した場合、包材にバリア性を付与することもできる。
バリア性フィルム5を設けることにより酸素バリア性だけでなく、水蒸気バリア性、機械的強度、耐屈曲性、耐突き刺し性、耐衝撃性、耐磨耗性、耐寒性、耐熱性、耐薬品性、耐遮光性等を向上させることが可能となる。
本発明では、直径0.01〜0.5μmの孔を全面に設けたポリプロピレンまたはポリエステルを主成分とする延伸または無延伸フィルムの孔を設けた面に揮発性薬剤等の機能材料を塗布し、塗布面にポリエチレンを積層することによって微多孔部から内容物がこぼれることを防ぐことが可能なだけでなく、ポリエチレンを通しての機能材料の自然揮散も可能である。
加えて、ポリプロピレンまたはポリエステルを主成分とする微多孔フィルム(1)とポリエチレンを主成分とする保護層4間の接着強度を0.1〜1.0N/15mmになるように制御することにより、微多孔部を露出させたい場合もスムーズな剥離が可能となる。
また、本発明は機能材料を含浸後、続けてポリエチレンを主成分とする保護層4を熱溶融押出し法により積層することによって製造工程を少なくすることができるだけでなく、材料の自然揮散を防ぐことができる。
機能材料として防虫剤を含浸した場合、室内外の壁紙に貼り付けたり、粘着加工を施したものを手や首に貼り付けることで簡易虫除け剤としての用途展開が考えられる。一方で芳香剤成分を含浸した場合も室内に吊るすなど省スペース型の芳香剤としての使用が可能である。
また、本発明にて得られた積層体は使用時までバリア性に優れたフィルムを積層することによって、より機能材料の自然揮散を防ぐことができる。
まず延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製)40μmに機能材料として、
パラフィン:ハイコールK(カネダ株式会社製) 75重量部防虫剤:レモンユーカリ油 5重量部溶剤:メタノール 20重量部からなる塗液をドライ塗布量約10g/m2を塗布し、200kgの圧力で微多孔部に含浸した後、続けて塗布面に保護層として、熱溶融押出し法により、低密度ポリエチレン:LC600A(日本ポリエチレン社製)密度0.918g/cm3を、20μmの厚みに押出し、接着強度が0.2N/15mmになるように押出し温度を調整して積層品1を得
た。
パラフィン:ハイコールK(カネダ株式会社製) 75重量部防虫剤:レモンユーカリ油 5重量部溶剤:メタノール 20重量部からなる塗液をドライ塗布量約10g/m2を塗布し、200kgの圧力で微多孔部に含浸した後、続けて塗布面に保護層として、熱溶融押出し法により、低密度ポリエチレン:LC600A(日本ポリエチレン社製)密度0.918g/cm3を、20μmの厚みに押出し、接着強度が0.2N/15mmになるように押出し温度を調整して積層品1を得
た。
(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製)を用いた以外は、実施例1と同じとして積層品2を得た。
実施例1における低密度ポリエチレン:LC600A(日本ポリエチレン社製)の替わりに、保護層として低密度ポリエチレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を7%含むPE樹脂(東洋ケミカルズ社製・EVA樹脂)を実施例1と同じ押し出し温度で20μmの厚みに押出し、それ以外は、実施例1と同じとして積層品3を得た。
実施例2における低密度ポリエチレン:LC600A(日本ポリエチレン社製)の替わりに、保護層として低密度ポリエチレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を7%含むPE樹脂(東洋ケミカルズ社製・EVA樹脂)を実施例1と同じ押し出し温度で20μmの厚みに押出し、それ以外は、実施例2と同じとして積層品4を得た。
実施例1の保護層上に、バリア性フィルムとして厚さ12μmのPETを、イソシアネート系2液硬化型接着剤(東洋モートン製・TM272)を用いてドライラミネートし、それ以外は、実施例1と同じとし、積層品5を得た。
実施例2の保護層上に、バリア性フィルムとして厚さ12μmのPETを、イソシアネート系2液硬化型接着剤(東洋モートン製・TM272)を用いてドライラミネートし、それ以外は、実施例2と同じとし、積層品6を得た。
実施例3の保護層上に、バリア性フィルムとして厚さ12μmのPETを、イソシアネート系2液硬化型接着剤(東洋モートン製・TM272)を用いてドライラミネートし、それ以外は、実施例3と同じとし、積層品7を得た。
実施例4の保護層上に、バリア性フィルムとして厚さ12μmのPETを、イソシアネート系2液硬化型接着剤(東洋モートン製・TM272)を用いてドライラミネートし、それ以外は、実施例4と同じとし、積層品8を得た。
実施例5のバリア性フィルムである12μmのPETの替わりに、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例5と同じとし、積層品9を得た。
実施例6のバリア性フィルムである12μmのPETの替わりに、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例6と同じとし、積層品9を得た。
実施例7のバリア性フィルムである12μmのPETの替わりに、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例7と同じとし、積層品9を得た。
実施例8のバリア性フィルムである12μmのPETの替わりに、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例8と同じとし、積層品9を得た。
実施例1の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例1と同じとし、積層品13を得た。
実施例2の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例1と同じとし、積層品14を得た。
実施例3の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例3と同じとし、積層品15を得た。
実施例4の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例4と同じとし、積層品16を得た。
実施例5の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例5と同じとし、積層品17を得た。
実施例6の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィ
ルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例6と同じとし、積層品18を得た。
ルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例6と同じとし、積層品18を得た。
実施例7の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例7と同じとし、積層品19を得た。
実施例8の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例8と同じとし、積層品20を得た。
実施例9の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例9と同じとし、積層品21を得た。
実施例10の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例10と同じとし、積層品22を得た。
実施例11の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透明タイプ)のポリプロピレンを主成分とする微多孔フィルム(クレイズフィルム:アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例11と同じとし、積層品23を得た。
実施例12の延伸タイプ(非貫通透明タイプ)のポリエステルを主成分とする微多孔フィルムであるクレイズフィルム(アイセロ化学社製、40μm)の替わりに、無延伸タイプ(貫通透アイセロ化学社製、40μm)を用い、裏面バリアフィルムとして、酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムGL−AE、12μm(凸版印刷社製)を用いた以外は、実施例12と同じとし、積層品24を得た。
<比較例1>
実施例2と同一構成で、低密度ポリエチレン(以下、LDPE:日本ポリエチレン社製、LC600A、密度0.918g/cm3)押出し温度を調整して、接着強度を1.5N/15mmになるように押出し温度を高くして積層品25を得た。
実施例2と同一構成で、低密度ポリエチレン(以下、LDPE:日本ポリエチレン社製、LC600A、密度0.918g/cm3)押出し温度を調整して、接着強度を1.5N/15mmになるように押出し温度を高くして積層品25を得た。
<比較例2>
延伸ポリエステルフィルム(以下、PET:東洋紡社製・E5100、12μm)にパラフィン含有の防虫剤をイソシアネート系接着剤(三井化学社製A−525)に防虫剤/接着剤=2/1となるように添加し、ドライ塗布量約10g/m2を塗布し、クレイズフィルムとラミネートし積層品26を得た。
延伸ポリエステルフィルム(以下、PET:東洋紡社製・E5100、12μm)にパラフィン含有の防虫剤をイソシアネート系接着剤(三井化学社製A−525)に防虫剤/接着剤=2/1となるように添加し、ドライ塗布量約10g/m2を塗布し、クレイズフィルムとラミネートし積層品26を得た。
<評価方法>
各積層品のシール強度および腰強度を以下の方法にて評価した。
各積層品のシール強度および腰強度を以下の方法にて評価した。
<接着強度>
サンプルを15mm幅にカットし、クレイズフィルムとLDPE間の接着強度を引張圧縮試験機(エー・アンドディー製:RTF-1250)にてJIS−Z1707に従って測定した。
サンプルを15mm幅にカットし、クレイズフィルムとLDPE間の接着強度を引張圧縮試験機(エー・アンドディー製:RTF-1250)にてJIS−Z1707に従って測定した。
<機能材料の揮散性>
防虫成分の臭気を官能にて評価。◎◎、◎、○、×の四段階で表記した。
防虫成分の臭気を官能にて評価。◎◎、◎、○、×の四段階で表記した。
<保存性>
薬剤成分の保存安定性に関して、◎◎、◎、○、△、×の五段階で表記した。
薬剤成分の保存安定性に関して、◎◎、◎、○、△、×の五段階で表記した。
上記3項目に関して、総合評価を行った。その結果を表1に示す。
実施例2は、実施例1のポリプロピレン微多孔フィルムを、ポリエステルを主成分とする微多孔フィルムを用いたが、同様の特性が得られた。また実施例の1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23と実施例の2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24は、ポリプロピレン微多孔フィルムを、ポリエステル微多孔フィルムに替えて、他の条件を替えたものであるが、同等の特性が得られた。
実施例1、2、3、4と、実施例5、6、7、8及び実施例9、10、11、12は、非貫通タイプの微多孔フィルムを用い、バリア性フィルムの無いもの、バリア性フィルムとして12μmのPETを用いたもの、バリア性フィルムとして、酸化珪素蒸着膜を設けた12μmのPETを用いたものであるが、保存性の評価において、無いもの<PET<蒸着膜付PETの順で保存性が向上した。
また、貫通タイプの微多孔フィルムを用いた実施例13〜14においても同様の保存性を示した。
実施例3、7、11、15、19、23の結果より、ポリプロピレン微多孔フィルムを
用い、保護層として低密度ポリエチレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を7%含むPE樹脂を用いたものは、揮散性の点で、保護層として低密度ポリエチレンよりも優れていることがわかった。
用い、保護層として低密度ポリエチレンにエチレン−酢酸ビニル共重合体を7%含むPE樹脂を用いたものは、揮散性の点で、保護層として低密度ポリエチレンよりも優れていることがわかった。
実施例13〜24は、貫通タイプの微多孔フィルムであり、裏面に、剥離できないバリア性フィルムを設けたもので、表面の保護層はバリア性フィルムから容易に剥離でき、長期保存性も優れていた。
比較例1は、機能材料である殺虫剤を含浸させた微多孔フィルムであるクレイズフィルムと、低密度ポリエチレンである保護層との接着強度を1.5N/15mmにしたものは、クレイズフィルムから低密度ポリエチレンを剥離の際に、低密度ポリエチレンの一部が、クレイズフィルム表面に残り、臭気が弱くなった。
比較例2は、防虫剤を微多孔フィルムの孔に含浸させたのではなく、防虫剤を接着剤に混ぜ込んでおり、接着剤の硬化により、接着剤に混ぜ込んだ防虫剤が揮発できなくなったものであり、薬剤の揮発性に問題があった。
本発明により、芳香剤や消臭剤、防虫剤等の揮発性薬剤を安定して放出する易剥離可能なフィルム状の薬剤徐放性積層体を提供できた。
1・・・非貫通微多孔フィルム
2・・・貫通微多孔フィルム
3・・・揮発性薬剤を含有する機能材料
4・・・保護層
5・・・バリア性フィルム
6・・・硬化タイプ接着剤
7・・・裏面バリアフィルム
2・・・貫通微多孔フィルム
3・・・揮発性薬剤を含有する機能材料
4・・・保護層
5・・・バリア性フィルム
6・・・硬化タイプ接着剤
7・・・裏面バリアフィルム
Claims (6)
- 微多孔性フィルムに保護層を積層して成り、前記微多孔性フィルムの孔に揮発性薬剤を含浸させた薬剤徐放性積層体であって、
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
前記保護層が熱溶融押出し法により微多孔性フィルムに積層された層であって、かつ、
前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmであることを特徴とする薬剤徐放性積層体。 - 前記微多孔性フィルムの材質がポリプロピレン又はポリエステルであることを特徴とする請求項1に記載の薬剤徐放性積層体。
- 前記微多孔性フィルムが延伸フィルムであり、かつ、その孔が非貫通の孔であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤徐放性積層体。
- 前記保護層の上にバリア性フィルムを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤徐放性積層体。
- 前記バリア性フィルムが酸化珪素蒸着ポリエステルフィルムであることを特徴とする請求項4に記載の薬剤徐放性積層体。
- 微多孔性フィルムに、揮発性薬剤を含有する機能材料を塗布する工程と、微多孔性フィルムの孔に揮発性薬剤を含浸させる工程と、この上に保護層を積層する工程とから成る薬剤徐放性積層体の製造方法であって、
前記孔が径0.01〜0.5μmの孔であり、
前記保護層がポリエチレンを主成分とする材料から成り、
保護層積層工程が熱溶融押出し法により積層する工程であって、かつ、前記保護層と前記微多孔性フィルムとの接着強度が0.1〜1.0N/15mmとなるように積層する工程であることを特徴とする薬剤徐放性積層体の製造方法。
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JP2013182028A JP2015047810A (ja) | 2013-09-03 | 2013-09-03 | 薬剤徐放性積層体および製造方法 |
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WO2022163355A1 (ja) * | 2021-01-26 | 2022-08-04 | 小島プレス工業株式会社 | 徐放体および徐放体の製造方法 |
-
2013
- 2013-09-03 JP JP2013182028A patent/JP2015047810A/ja active Pending
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