JP7433745B2 - 抗菌フィルム - Google Patents

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Description

本発明は抗菌フィルム、およびそれを用いて形成される包装材に関する。
空間殺菌を可能とする包装材を形成するための、アリルイソチオシアネートを表面吸着させた抗菌フィルムが提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、殺菌剤として用いるアリルイソチオシアネートは、カラシ、ワサビなどの辛み成分であり、強い刺激臭を有する。そのため、包装材中で保存すべき食品の風味を損なう恐れがある。
アリルイソチオシアネートの強い刺激臭に対処するため、ケイ皮酸、バニリン、酢酸ゲラニル、ペッパーオイル、酢酸エチルなどの芳香剤を併用する提案がなされている(特許文献2参照)。ただし、組み合わせによっては刺激臭の改善が見込めないことも予測されるため、用いる芳香剤の種類の検討が必要である。また、追加成分である芳香剤の使用により、製造コスト上昇の可能性が考えられる。
アリルイソチオシアネートなどの高い揮発性を有する抗菌剤を用いる場合の問題点の1つは、フィルム製造時の揮発による抗菌剤の損失である。この点に関して、2枚のフィルムを貼り合わせるための接着層に、アリルイソチオシアネート、アルデヒド化合物などの殺菌剤を含む接着層を用いて2枚のフィルムを貼り合わせた、積層構造を有する抗菌フィルムが提案されている(特許文献3参照)。しかしながら、得られた抗菌フィルムが所望される抗菌性を発揮するための抗菌剤の揮発量について、何ら開示も示唆もしていない。
アリルイソチオシアネートなどの高い揮発性を有する抗菌剤を用いる場合の別の問題点は、時間経過に伴う抗菌性の低下である。この問題に対して、アリルイソチオシアネートのシクロデキストリン包接物を含む接着層を用いた積層構造を有する抗菌フィルムが提案されている(特許文献4~6参照)。この提案においては、乾燥時にはアリルイソチオシアネートが揮発せず、水分(湿気)によりシクロデキストリンが溶解した時に、アリルイソチオシアネートが揮発するという徐放機構を用いている。しかしながら、シクロデキストリン包接物を調製するための工程数の増加、ならびにそれに伴う製造コストの上昇という問題点がある。さらに、抗菌性を有するアルデヒド化合物に対して包接による徐放が有効であるか否かという点について、何ら開示していない。
特開平3-151972号公報 特開平6-100048号公報 特開平11-245343号公報 特開平6-92842号公報 特開平7-108641号公報 国際公開第WO2007/004389号パンフレット
本発明の課題の1つは、接触する物品の特性(食品の風味など)を損なうことなく、十分な空間抗菌効果を発揮することができる抗菌フィルムを提供することである。本発明の別の課題は、製造工程数および製造コストの増大を招くシクロデキストリンを使用することなしに、時間経過に伴う抗菌性の低下の少ない抗菌フィルムを提供することである。
本発明の第1の実施形態の抗菌フィルムは、基材、接着層、および熱融着樹脂層を含み、接着層は、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物からなる群から選択される抗菌性薬剤を含み、前記抗菌フィルムを20分間にわたって150℃に加熱した際の前記抗菌性薬剤の揮発量が0.1~1.5g/mであることを特徴とする。ここで、接着層は、好ましくは1~10μm、より好ましくは2~7μmの膜厚を有してもよい。また、抗菌性薬剤は、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、およびデカナールからなる群から選択されてもよい。
本発明の第2の実施形態の包装材は、第1の実施形態の抗菌フィルムを含むことを特徴とする。たとえば、本実施形態の包装材は、貼り合わせられた2枚のフィルムからなり、前記2枚のフィルムの少なくとも一方が第1の実施形態の抗菌フィルムであってもよい。
上記の構成を採用することにより、本発明の抗菌フィルムは、接触する物品の特性(食品の風味など)を損なうことなく、長期間にわたって十分な空間抗菌効果を発揮することができる。
本発明の抗菌フィルムを示す概略断面図である。
本発明の第1の実施形態の抗菌フィルムは、基材、接着層、および熱融着樹脂層を含み、接着層は、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物からなる群から選択される抗菌性薬剤を含み、前記抗菌フィルムを20分間にわたって150℃に加熱した際の前記抗菌性薬剤の揮発量が0.1~1.5g/mであることを特徴とする。図1に、本実施形態の抗菌フィルムの概略断面図を示す。図1の抗菌フィルムは、基材10、接着層20および熱融着樹脂層30を含む。
基材10は、優れた機械的強度および優れた耐熱性を有するフィルムであることが望ましい。また、基材10は、用いる抗菌性薬剤の透過性が低い材料で形成することが望ましい。基材10を形成するための材料の非制限的な例は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレン(PP)、および、ナイロン(登録商標)などのポリアミド(PA)からなる群から選択される合成樹脂を含む。基材10は、単層であってもよいし、複数層の積層構造を有してもよい。基材10は、10μm~50μmの膜厚を有することが好ましい。前述の範囲内の膜厚を有することにより、良好な加工性および取り扱い性を得ることができる。必要に応じて、基材10は、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、増粘剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
熱融着樹脂層30は、加熱時に被着材に対する優れた接着性を示すことが望ましい。熱融着樹脂層30は、自立フィルムであってもよいし、塗布などにより形成される非自立性層であってもよい。また、熱融着樹脂層30は、必要とされる抗菌効果と、用いる抗菌性薬剤の透過量とに応じて選定するとよい。熱融着樹脂層30を形成するための材料の非制限的な例は、PE、PP、および、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)からなる群から選択される合成樹脂を含む。熱融着樹脂層30は、単層であってもよいし、複数層の積層構造を有してもよい。熱融着樹脂層30は、10μm~100μmの膜厚を有していることが好ましい。前述の範囲内の膜厚を有することにより、良好な加工性、取り扱い性、開封性、熱接着性を得ることができる。必要に応じて、熱融着樹脂層30は、接着促進剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、増粘剤、防曇剤、スリップ剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
接着層20は、抗菌性薬剤と接着剤とを含む。接着層20は、抗菌性薬剤の貯蔵および放出の機能と、基材10と熱融着樹脂層30とを接着させる機能とを有する。用いることができる接着剤の非制限的な例は、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエーテル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、エチレン-酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、およびゴム系接着剤を含む。
接着層20に含まれる抗菌性薬剤は、200以下、好ましくは60以上200以下、より好ましくは90以上200以下の分子量を有するアルデヒド化合物である。接着層20は、1種または複数種の抗菌性薬剤を含んでもよい。用いることができるアルデヒド化合物の非制限的な例は、(E)-2-ヘキセナール(分子量98.14)、ヘキサナール(分子量100.16)、ベンズアルデヒド(分子量106.12)、オクタナール(分子量128.21)、シンナムアルデヒド(分子量132.16)、アニスアルデヒド(分子量136.15)、ピペロナール(分子量150.13)、ペリルアルデヒド(分子量150.22)、バニリン(分子量152.15)、シトラール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール)(分子量152.23)、シトロネラール(分子量154.25)、デカナール(分子量156.27)、およびヒドロキシシトロネラール(分子量172.26)を含む。好ましいアルデヒド化合物は、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、およびデカナールを含む。
接着層20は、好ましくは1μm~10μmの膜厚を有する。前述の範囲内の膜厚を有することにより、基材10と熱融着樹脂層30との接着強度(以下、「ラミネート強度」と称する場合がある)を十分に高くして、使用時または流通時の基材10および/または熱融着樹脂層30の剥離(デラミネーション)を防止することができる。同時に、接着層20を形成する際の加工性が向上する。より好ましくは、接着層20は、2μm~7μmの膜厚を有する。この範囲内の膜厚を有することにより、ラミネート強度をさらに増大させることができ、かつ、接着層20形成時の乾燥時間短縮および乾燥不良の防止が可能となる。
必要に応じて、接着層20は、着色剤、充填材、紫外線吸収剤、増粘剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
本実施形態の抗菌フィルムにおいて、所望される空間抗菌効果は、抗菌性薬剤の揮発量に依存する。本発明の抗菌フィルムは、20分間にわたって150℃に加熱した際に、0.1~1.5g/mの量で抗菌性薬剤を揮発することにより、所望される空間抗菌効果を達成することができる。一方、抗菌性薬剤の揮発量は、抗菌性薬剤の種類および含有量、基材10の材料および膜厚、接着層20に含まれる接着剤の種類、接着層20の膜厚、熱融着樹脂層30の材料および膜厚などにより制御することができる。
本実施形態の抗菌フィルムは、基材10の上に、接着剤および抗菌性薬剤を含む組成物を塗布して接着層20を形成し、接着層20の上に熱融着樹脂層30を形成することで製造することができる。熱融着樹脂層30の形成は、熱融着樹脂の押出ラミネート、熱融着フィルムのドライラミネートなどの当該技術において知られている任意の技術によって実施することができる。
また、本実施形態の抗菌フィルムは、基材10の接着層20と反対側の面上、基材10と接着層20との間、接着層20と熱融着樹脂層30との間、または熱融着樹脂層30の接着剤層2と反対側の面上に追加の層を含んでもよい。追加の層の非制限的な例は、着色層、遮光層、ガスバリア層、水蒸気透過層、UV吸収層、保香層、遮熱層などを含む。
本発明の第2の実施形態である包装材は、第1の実施形態の抗菌フィルムを含むことを特徴とする。具体的には、包装材の少なくとも一部が、第1の実施形態の抗菌フィルムで形成される。
本実施形態の包装材の非制限的な例は、袋(MA包材、チャックつき袋など)、蓋材(トップ材)、シート、カバーフィルム、内装段ボールを含む。袋形状の包装材は、第1の実施形態の抗菌フィルムと、第2のフィルムとを、熱融着樹脂層30が内側に配置した状態で周縁部を加熱して貼り合わせることによって形成することができる。第2のフィルムは、加熱した熱融着樹脂層30による接着が可能であることを条件として、PE、PET、PEN、PP、PAなどの当該技術において知られている任意の材料を用いて形成することができる。あるいはまた、袋形状の包装材は、2枚の第1の実施形態の抗菌フィルムを、熱融着樹脂層が内側に配置した状態で周縁部を加熱して貼り合わせることによって形成してもよい。さらに、貼り合わせを行う周縁部に第3のフィルムを介在させて、いわゆる「マチ」付きの袋を形成してもよい。袋形状の包装材は、矩形、円形、三角形を含む任意の形状を有してもよい。本実施形態のチャック付き袋は、機械加工によって、袋形状の包装材の開口部に開閉自在の嵌合部を設けたものである。
本実施形態の蓋材は、第1の実施形態の抗菌フィルムの熱融着樹脂層30の加熱融着により、ガラス、金属、ポリマーなどの種々の材料で形成された容器の開口部に接着される。本実施形態のカバーフィルムは、支持体上に載置された物品を被覆する用途に有用である。カバーフィルムは、物品の周囲において、第1の実施形態の抗菌フィルムの熱融着樹脂層30と支持体とを加熱融着することによって用いられる。本実施形態の内装段ボールは、抗菌フィルムの熱融着樹脂層30が最終的な包装体を形成した際に内面となるように、段ボールと第1の実施形態の抗菌フィルムの基材10とを貼り合わせることによって形成できる。貼り合わせは、当該技術において知られている任意の接着剤を用いて実施してもよい。
本実施形態の包装材を用いて包装される物品の非制限的な例は、食品、靴、衣類、文化財、布団、電子機器、皮革製品、木製品、紙製品(本など)、医療器具、および化粧品を含む。
(実施例1)
最初に、ウレタン接着剤(東洋インキ株式会社製TM-320/CAT-13B)およびシンナムアルデヒドを含む塗布組成物を調製した。得られた塗布組成物を、12μmの膜厚を有するPET(東洋紡株式会社製E5100)製の基材10に塗布し、80℃の温度で乾燥させて5μmの膜厚を有する接着層20を形成した。接着層20の形成段階を「加工性」として評価した。15秒以下の乾燥時間で何の問題もなく接着層20が形成できた場合を「◎」、15秒超1分未満の乾燥時間で何の問題もなく接着層20が形成できた場合を「○」、1分以上の乾燥時間を必要としたことを除いて問題なしに接着層20が形成できた場合を「△」、乾燥時間以外の何らかの問題が発生した場合を「×」と評価した。
最後に、接着層20の上に、30μmの膜厚を有するPE(フタムラ化学株式会社製LL-XMTD)フィルムを貼り合わせて、熱融着樹脂層30を形成し、抗菌フィルムを得た。
続いて、得られた抗菌フィルムから、2cmの面積を有するサンプルを切り出した。サンプルを20mLバイアル瓶に導入し、20分間にわたって150℃に加熱した。バイアル瓶内の気体1mLを採取し、ガスクロマトグラフにて分析して、シンナムアルデヒドの揮発量を求めた。本実施例の抗菌フィルムのシンナムアルデヒドの揮発量は0.5g/mであった。
次に、作製した抗菌フィルムから、15mmの幅および10cmの長さを有するサンプルを切り出した。引張速度を300mm/minに変更したことを除いてJIS K6854-3:1999に準拠して、基材10と熱融着樹脂層30とのT字剥離試験を行い、剥離接着強さを測定した。得られた剥離接着強さを、本実施例の抗菌フィルムのラミネート強度とした。2N以上のラミネート強度を「◎」、1N以上2N未満のラミネート強度を「○」、0.5N以上1N未満のラミネート強度を「△」、0.5N未満のラミネート強度を「×」と評価した。
次に、得られた抗菌フィルムから2枚のフィルムを切り出し、熱融着樹脂層30同士が対向するように貼り合わせて、10cm×10cmの内寸を有するパウチを得た。次に、直径5cmの円形の培地に、クロコウジカビ(Aspergillus niger)を1.0×10cfu/mLの濃度で含む菌液を塗布し、パウチ内に収容した。パウチ内に収容した培地を、25℃の条件で3日間および30日間にわたって培養した。培養終了時の培地の状態を、抗カビ持続性として評価した。クロコウジカビ(Aspergillus niger)の生育が視覚的に観察されない場合を「○」、生育が視覚的に観察された場合を「×」と評価した。
さらに、得られた抗菌フィルムの臭気を官能評価した。不快臭がない場合を「○」、不快臭がある場合を「×」と評価した。
得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例2)
シンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、5μmの膜厚を有する接着層20を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例3)
接着層20の膜厚を1μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例4)
シンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例3の手順を繰り返して、1μmの膜厚を有する接着層20を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例5)
接着層20の膜厚を2μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例6)
接着層20の膜厚を7μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例7)
接着層20の膜厚を10μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例8)
シンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例7の手順を繰り返して、10μmの膜厚を有する接着層20を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例9)
接着層20の膜厚を0.1μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例10)
接着層20の膜厚を30μmに変更したこと、およびシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(実施例11)
シンナムアルデヒドに代えてシトラールを含む塗布組成物を調製したこと、およびシトラールの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、5μmの膜厚を有する接着層20を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(比較例1)
シンナムアルデヒドに代えてアリルイソチオシアネートを含む塗布組成物を調製したこと、およびアリルイソチオシアネートの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.1g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(比較例2)
シンナムアルデヒドに代えてヘキシルシンナムアルデヒド(分子量216.32)を含む塗布組成物を調製したこと、およびヘキシルシンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、1.5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(比較例3)
シンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例3の手順を繰り返して、5μmの膜厚を有する接着層を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、5g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
(比較例4)
シンナムアルデヒドの使用量を変更したことを除いて、実施例3の手順を繰り返して、5μmの膜厚を有する接着層を有する抗菌フィルムを形成した。得られた抗菌フィルムは、0.01g/mの揮発量を示した。得られた抗菌フィルムの接着層膜厚および評価結果を第1表に示す。
Figure 0007433745000001
第1表に示すように、抗菌性薬剤としてアリルイソチオシアネートを用いた場合(比較例1)、揮発量を下限値の0.1g/mに設定した場合であっても、不快な刺激臭が発生した。比較例2より、200以上の分子量を有するアルデヒド化合物を抗菌性薬剤として用いると、抗カビ持続性が得られなかった。また、比較例3から、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物を抗菌性薬剤として用いた場合であっても、揮発量が高すぎると、臭気が強く、よい匂いではなくなってしまった。さらに、比較例4から、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物を抗菌性薬剤として用いた場合であっても、揮発量が低すぎると、抗カビ持続性が発揮できないことが分かった。以上を総合すると、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物を抗菌性薬剤として用い、揮発量を0.1~1.5g/mに設定することにより、不快臭の発生なしに、優れた抗カビ持続性を達成できることが明らかとなった。
また、抗菌性薬剤としてシンナムアルデヒドを用いる実施例1~8および10の比較から、接着層20の膜厚が小さくなると、実用的な範囲内であるもののラミネート強度が低下する傾向が認められた。また、接着層20の膜厚が大きいと、加工性が低下する傾向(接着層20の形成に必要な乾燥時間が増大する傾向)が認められた。これらのことから、1μm~10μm、好ましくは2μm~7μmの膜厚を有する接着層20を用いることにより、優れた抗カビ持続性に加えて、実用的な加工性およびラミネート強度を達成できることが分かる。
10 基材
20 接着層
30 熱融着樹脂層

Claims (5)

  1. 基材、接着層、および熱融着樹脂層を含む抗菌フィルムであって、接着層は、200以
    下の分子量を有するアルデヒド化合物からなる群から選択される抗菌性薬剤シンナムアルデヒドを含み、前記抗菌フィルムを20分間にわたって150℃に加熱した際の前記抗菌性薬剤シンナムアルデヒドの揮発量が0.1~1.5g/mであることを特徴とする抗菌フィルム。
  2. 前記接着層が1~10μmの膜厚を有することを特徴とする請求項1に記載の抗菌フィ
    ルム。
  3. 前記接着層が2~7μmの膜厚を有することを特徴とする請求項2に記載の抗菌フィル
    ム。
  4. 請求項1からのいずれかに記載の抗菌フィルムを含むことを特徴とする包装材。
  5. 貼り合わせられた2枚のフィルムからなり、前記2枚のフィルムの少なくとも一方が請
    求項1から3のいずれかに記載の抗菌フィルムであることを特徴とする請求項に記載の
    包装材。
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