本発明は、活性剤が中に組み込まれているパッケージ、パッケージ材料及び他の関係する構造に関する。従って、本発明は、再閉可能なプラスチック袋、ごみ袋とライナー、硬い廃棄物容器、気密容器、弁当箱、及び腐敗し易いものの包装又は腐敗し易いもののカバーに広く用いられる包装ラップ及びフォイルのような様々な可撓性で硬質の容器及びパッケージのための用途を有している。
ここで用いる「パッケージ」という用語は、可撓性プラスチック袋及び硬質容器のようなあらゆる種類のパッケージ又は容器、並びに腐敗し易い品目を包装又は保存するのに広く用いられるフォイル又はラップを含むものと理解されたい。
ここで用いる「活性剤」という用語は、パッケージ又は容器内に強化又は有益な効果を提供するあらゆる薬剤、成分、組成を含むものと理解されたい。活性剤は、パッケージ内に保存されている食品又は他の腐敗し易いものの鮮度又は貯蔵寿命を延長するための「鮮度延長」剤か、パッケージからの臭気を遮断、中和、及び/又は低減するための「臭気管理」剤か、又は他の機能剤を含んでいる。
本発明の各活性剤は、パッケージと組み合わせて用いられる。具体的には、本発明の各鮮度延長剤は、パッケージ内の食品又は他の腐敗し易いものが傷むのを抑制するのに用いられ、本発明の各臭気管理剤は、パッケージからの臭気を低減、中和、及び/又は遮断するために用いられる。本発明の各活性剤は、パッケージの環境内に配置されており、例えば、パッケージの構成要素に貼り付けられた被覆、パッチ、ポーチ、又はテープの形態で配置され、パッケージの構成要素と共に押出成形され、パッケージの構成要素上に噴射、ブラシがけ、被覆、積層又は型押しされ、パッケージの構成要素にしみ込ませ、及び/又はパッケージの構成要素の材料内に、例えばマイクロカプセル形態で分配されている。
限定するわけではなく分かり易くするためにであるが、本発明の鮮度延長剤は、腐敗し易い品物を保存するためのポリマー袋の環境内に配置することができる。ポリマー袋は、消費者が食品(例えば、使い残しの食品)を保存するため、又は食品を「形成、詰め込み及び密封」する包装作業のような用途のためのものである。ポリマー袋には、再閉不能なポリマー袋と再閉可能なポリマー袋がある。再閉可能なポリマー袋は、通常、再密閉可能な接着剤又は粘着性シール、噛み合い軌道及び噛み合い窪みのような、再閉可能要素又はファスナーによって、再閉可能になっている。噛み合い軌道は、指で圧力を掛けるか、又はスライダーのような補助装置を用いることによって、開閉することができる。再閉可能ポリマー袋の例には、米国特許第5,067,208号、第6,147,588号、及び米国特許出願第2004/0066985号に開示されている袋が含まれ、これらの文書の内容全体を、参考文献としてここに援用する。
更に、限定するわけではなく分かり易くするためにであるが、本発明の鮮度延長剤は、パン屋の容器、調理済み食品の容器、果物の容器、弁当箱、及びロースターの容器のような、腐敗し易いものを保存するための硬質パッケージの環境内に配置することもできる。容器の例には、米国特許第6,042,586号、第6,257,401号、第6,349,857号、第6,644,494号、第6,845,878号及び米国特許出願第2004/0074902号及び第2005/0000966号に開示されている容器が含まれ、これらの文書の内容全体を、参考文献としてここに援用する。
更に、制限するわけではなく分かり易くするためにであるが、本発明の臭気管理剤は、ごみ又は廃棄物を集めるための袋、ライナー及び硬質のごみ入れ容器、及び洗濯物及びオムツのような望ましくない臭気を醸す品目を集めるための他の容器等の環境で使用することができる。そのような廃棄物の袋は、袋又はライナーをしっかりと閉じ、廃棄する袋又はライナーを運ぶための取っ手を形成し、及び/又は袋又はライナーを開き易くするのを支援する結び機構を含んでいる。廃棄物袋の例には、米国特許出願第2003/0223657号に開示されている袋が含まれ、その文書の内容全体を参考文献としてここに援用する。
開示しているパッケージと、関係する構造及び活性剤について全般的に理解頂けるように、実証的実施形態について以下説明する。限定するわけではなく分かり易くするためにであるが、本発明のパッケージについて、再閉可能なポリマー袋に関して説明する。実証的実施形態の1つ又は複数の例を図面に示している。当業者には理解頂けるように、開示している活性剤付きの各袋は、他の用途に合わせて、活性剤付きの袋、容器及び他のパッケージの代替実施形態を提供するために適合させ、修正することができ、本開示の範囲から逸脱することなく、開示しているパッケージ及び活性剤に他の追加と修正を施すこともできる。例えば、各実証的実施形態の特徴を組み合わせ、分離し、交換し、及び/又は再配置して、他の実施形態を作ることもできる。そのような修正と変更は、本開示の範囲内に含まれるものとする。
図1は、活性剤が入っている薬剤構造50を備えた再閉可能なパッケージ10の口部を示している。薬剤構造50は、ファスナー又はジッパー14のような再閉可能な閉鎖装置の下方に配置されている。図2は、図1に示した口部が部分的に開いた状態にある再閉可能なパッケージ10を示している。
図1と図2では、再閉可能なパッケージ10の口部は、パッケージ本体20を形成し、内部空間22を画定する一対の相対する第1及び第2本体又は壁パネル16、18を含んでいる。第1本体パネル16には、第1形状部26と、第1形状部26から概ね下向きに伸張する第1フィン部分28とを有する第1軌道24が接続されている。第1本体パネル16は、外側表面16aと内側表面16bを有している。第2本体パネル18には、第2形状部32と、第2形状部32から概ね下向きに伸張する第2フィン部分34とを有する第2軌道30が接続されている。第2本体パネル18は、外側表面18aと内側表面18bを有している。内側表面16bは、第1フィン部分28に取り付けられている。内側表面18bは、第2フィン部分34に取り付けられている。1つ又は複数のフィン部分を外側表面16a、18aに取り付けることも考えられる。
第1及び第2形状部26、32は、パッケージ10に再閉可能なシールを提供するために、互いに解除可能に係合させることができる。最初は第1フィン部分28から第2フィン部分34まで伸張している随意の破断可能要素12を使用することもできる。図1に示す破断可能要素12は、一回限り破断可能な開封証拠機構を形成する随意の一回限り破断可能な優先弱体領域又は優先引裂領域38を備えている。破断可能要素12が、一回限り破断可能な優先弱体領域38を有している必要はない。例えば、或る実施形態では、破断可能要素12は、再密閉可能な接着剤又は粘着性シールを含んでいる。一回限り破断可能な優先弱体領域38は、切り目線、一連のミシン目、又は高指向性領域でもよい。更に、優先弱体領域38は、切断することによって分離させるように作ってもよい。優先弱体領域38は、再閉可能なパッケージ10を開封前にいじることを阻止する。
再閉可能なパッケージ10は、更に、閉位置と開位置の間で動かせるように、ファスナー14に滑動可能に取り付けられた随意のスライダー機構36(図2)を含んでいる。図1と図2に示すように、第1及び第2形状部26、32は、スライダー機構36が閉位置にあるときには互いに係合されており、スライダー機構36を閉位置から開位置へ動かすと、形状部26、32が互いに係合解除される。
図2のパッケージ10は、更に、終端部37を含んでいる。終端部は、(a)スライダー機構36がファスナー14の端部を通過するのを防ぐ又は阻止する、(b)スライダー36と相互作用して閉鎖したという触感を与える、(c)パッケージ10からの漏れを阻止又は防止するのを支援する、(d)第1及び第2形状部26、32を一体に保持し、パッケージ10を正常に使用する際に形状部26、32に掛かる応力に抗する追加的強度を提供する、等々の様々な目的を有している。スライダー機構36と終端部37の構造と作用に関する詳細については、Herington.Jrらへの米国特許第5,067,208号に記載されており、同特許全体を参考文献としてここに援用する。
上記終端部37の代わりに、別の終端部を使用することも考えられる。例えば、高温のバーをファスナーの端部に押し付けるか、超音波溶着か、又は当技術で既知の他の方法によって端部を溶着してもよい。
図1と図2に示しているように、本発明の再閉可能なパッケージ10は、消費者が、スライダー機構36を掴んで、第1及び第2軌道24、30それぞれの第1及び第2形状部26、32が互いに引き離れるように動かすことによって開かれる。次に、消費者は、優先弱体領域38に沿って(在る場合は)破断可能要素12を破って開く。代わりに、消費者は、破断可能要素12が使用されている場合は、それを切断することによって、破断可能要素12を開いてもよい。パッケージは、ファスナー14とスライダー機構36を使って再密閉することができる。具体的には、消費者は、スライダー機構36を握り、開位置から閉位置へ動かして、相補的な第1及び第2形状部26、32を係合させる。
一回限り破断可能要素12は、新しく購入したパッケージが以前に開かれていないことを消費者に保証するだけでなく、最初に開くまでは、パッケージの腐敗し易い内容物の鮮度を保ち、水分のような活性化の引き金を引く条件によって活性剤が活性化するのを阻止又は防止できる良好な初期シールを提供する。図1の再閉可能な閉鎖装置は、一回限り破断可能要素の上方に配置されている(即ち、再閉可能な閉鎖装置は、内部空間から遠い側にある)ので、再閉可能な閉鎖装置の操作は、一回限り破断可能要素が在ることによって妨害されることはない。
図1に概略的に示すように、第1本体パネルの内側表面16bには、少なくとも1つの活性剤が入っている薬剤構造50が取り付けられている。活性剤は、パッケージ又はその内容物に所望の機能又は効果を提供できることが知られている物質を含んでいる。或る実施形態では、活性剤は、パッケージの中に入っている食品又は他の腐敗し易いものの寿命又は鮮度を延長させる働きをする鮮度延長剤を含んでいる。別の実施形態では、活性剤は、望ましくない臭気を隠蔽、中和、及び/又は低減するか、又はパッケージ内に芳香性の臭気を作り出す働きをする臭気管理剤を含んでいる。
薬剤構造50は、所望の薬剤効果及びパッケージの構造に適した形態及び構造で提供される。例えば、或る実施形態では、薬剤構造50は、被覆、パッチ、テープ、ポーチ、それらの組み合わせの形態、又は、パッケージ10の構造に組み込まれているか統合されている何らかの別の形態を取っている。被覆、パッチ、ポーチ又はテープの選択は、しばしば、用いられる活性剤の種類によって決まる。例えば、粉末形態の活性剤(例えば、化学薬品が入ったミネラル)は、粉末をパッチ内に埋め込むことは難しいことが多いため、パッチではなく通気性のポーチの中に配置することができる。代わりに、粉末形態の活性剤は、本体パネルのようなパッケージの構成要素の上に振り掛けることもできる。限定するわけではないが、薬剤構造50に組み込むことのできる粉末状の活性剤には、パーライト、炭酸カルシウム、カオリン、及びEngelhardによって製造されたASEPTROL抗微生物性剤が含まれる。
薬剤構造50を支持するのにテープ又はポーチを用いる場合は、テープ又はパッチは、接着剤、パッチ状の構成要素、及び/又は、薬剤構造が接着剤に付着するのを阻止又は防止するのを支援をするスリップ添加剤のような剥離システムを含んでいてもよい。例えば、剥離システムは、テープ又はパッチが取り付けられる本体パネルに接触する表面から遠位側に配置されるテープ又はパッチの表面に配置して、パッケージがロールに巻かれるときに、付着が阻止又は防止されるようにする。そのような剥離システムの成分としては、シロキサン及びグリセロールモノステアレートのような材料がある。
本発明の別の態様によれば、活性剤は、本体パネル16と共に押出成形される。例えば、活性剤は、油又は粉末の形態で本体パネル材料に配合されるか、又は、マイクロカプセルの形態で本体パネル16の材料内に分配される。或る好適な実施形態では、活性剤は、パッケージ構造内に統合されるまでは、マイクロカプセルに包まれている。マイクロカプセル化は、活性剤を、包装処理及び製造中の熱に耐え得るポリマー材料の中に囲い込むが、このポリマー材料は、水分のような所定の環境要因と接触すると、劣化、溶解又は何らかの方法で破れて、活性剤を放出する。活性剤をマイクロカプセルに包み、大量生産する間に、マイクロカプセルを、本体パネルの溶融材料内に散在させ、本体パネル16へと押出成形してもよい。
また、本体パネル16に、何らかのやり方で活性剤をしみ込ませてもよい。本体パネル16に活性剤を噴射、ブラシがけ、被覆、積層、型押し、又は他の方法で塗布することも考えられる。
或る実施形態では、活性剤は、1つ又は複数の鮮度延長剤を含んでいる。鮮度延長剤は、例えば、天然の油、抗微生物物質、雰囲気修飾物質、又は食品又は他の腐敗し易い物質の鮮度又は貯蔵寿命を延長することのできる物質でもよい。例えば、限定するわけではないが、鮮度延長成分の例には、天然供給源からのイソチオシアン酸アリル(AIT)のようなイソチオシアン酸塩、d−リモネン、オイゲノール、アリシン、イソチモール、チモール、二酸化塩素、過酸化水素、過炭酸塩ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸、ケイ皮アルデヒド、マスタード、シナモン、ペパーミント、スペアミント、トリクロサン、ニラ(ユリ科ニラ)、シナモン(クスノキ科ニッケイ)、サンシュユ(みずき科サンシュユ)、シアン化アリル、1シアン2、3−エピチオプロパン、チオシアン酸アリル、乳酸菌reuteri、イソチオシアン酸メチル、シナモン樹皮油、レモングラス油、サイム油、メチルジャスモネート、チャノキ油、エチルアルコール、サリチルアルデヒド、カルバクロール、シメン、様々なタマネギのエッセンシャルオイル抽出物、ニンニクのエッセンシャルオイル抽出物、クランベリー、クラウドベリー、ラズベリー、ストロベリーとビルベリーからのベリーフェノール抽出物、ナツメグ、ミント、クローブ、オレガノ、シナモン、サッサフラス、セージ、タイムとローズマリーからのエッセンシャルオイル、バニリン、バニリルアルコール、バニリン酸、ジアセチル、天然ハチミツ、二酸化フッ素、二酸化炭素、雰囲気修飾物質、及びそれらの組み合わせが含まれる。雰囲気修飾物質には、窒素、酸素、二酸化硫黄、一酸化炭素、二酸化炭素、及びそれらの組み合わせが含まれる。
カラシ及びワサビのような植物又は腐敗し易いものから天然に得られるAITは、その抗微生物特性のために、鮮度延長剤として特に有用である。AITは、グルコシノレートとミロシナーゼ酵素が入っているカラシのような植物から作るのが望ましい。ミロシナーゼとグルコシノレートは、互いに反応してAITを作り、反応は加水分解を伴うので、湿気がAITの生成を活性化させる。AITは、抗細菌特性及び抗微生物特性を示すことが分かっており、パッケージ雰囲気全体に気体の形態で放出されると、細菌の成長を抑制するように雰囲気を増強するので、腐敗し易いものの鮮度が延長する。従って、抽出物、粉末、油又は細かく挽いた種のような様々な形態のワサビ、西洋ワサビ及びカラシを含むAIT生成製品を、本発明の実施形態の鮮度延長剤として用いることができる。
或る実施形態では、AIT入り鮮度延長剤を、他の機能剤と組み合わせて用いることもできる。例えば、そのような或る実施形態では、AITは、酸と組み合わされており、これは、カラシからのAIT生成、従って、カラシの抗微生物性効果を大いに促進する。この様に、細かく挽いたカラシの種を鮮度延長剤として用いれば、これを無水クエン酸のような無水酸と所望の比率で組み合わせて、AITの生成を増し、鮮度延長機能を増強することができる。
鮮度延長剤は、他の促進機能を提供することもできるので、そのような他の目的に用いることもできる。或る実施形態では、鮮度延長剤は、食品の鮮度を延長させるための鮮度成分と、パッケージ内に保存されている内容物の臭気ではなく鮮度成分の刺激臭だけを隠蔽、低減、及び/又は中和するための臭気成分を含んでいる。内容物の腐敗又は傷み具合が匂いによって検出できるように、臭気成分は、食品の臭気又は食品が傷んだ臭気のような、パッケージ内に保存されている内容物の臭気を隠蔽しないのが望ましい。例えば、AIT鮮度成分を含む鮮度延長剤は、AITの刺激臭を隠蔽するが、保存されている内容物の臭気を隠蔽しないか、又はこれに影響を及ぼさないバニラ、シナモン又は柑橘油のような芳香成分を含んでいてもよい。鮮度延長剤は、それ自体の感覚器官を刺激する特性を保存されている内容物に付与せず、従って、ユーザーが、保存されている内容物の腐敗又は傷み具合を臭いによって容易に検出できるのが望ましい。
代わりに、或る実施形態では、薬剤構造50は、1つ又は複数の臭気管理剤を含んでいる。好都合に、臭気管理剤は、望ましくない臭気を隠蔽、中和、及び/又は低減するために、ごみ又は廃棄物収集用に作られたパッケージ内に組み込むことができる。代わりに、臭気管理剤を使用して、臭気をパッケージに提供し又は作り出すこともできる。臭気管理剤は、この様に、熱可塑性樹脂の袋又はライナー、及びごみ又は廃棄物袋のような他の容器、おむつ容器、洗濯物袋、保存袋、及び廃棄可能な医療用袋又は容器に組み込むこともできる。
限定するわけではないが、臭気管理剤の例には、AIT、d−リモネン、カラシ、天然油、二酸化塩素、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、シトロネラ油、マツ、花、及びMETAZENEのような置換エステルが含まれる。
臭気管理剤の好適な実施形態にはAITが含まれており、AIT剤は、例えば、カラシを薬剤構造50に組み込むことによって提供することができる。カラシは、細かく挽かれたカラシの種、粉末、油又はペーストの何れかの形態で、単独で、又はカラシからのAIT生成に触媒作用を及ぼしてカラシの抗微生物性と臭気管理特性を促進する酸と組み合わせて提供することができる。先に述べたように、AITは、腐敗し易いものの鮮度を延長させるのに有効であることから、腐敗し易いもののパッケージに組み込まれたときに、複数の機能を提供し、例えば、AITは、鮮度延長と臭気管理機能の両方を実行することができる。
或る実施形態では、臭気管理剤は、ユーザーに心地良い又は所望の臭気又は芳香を提供するために追加の成分を含んでいる。例えば、レモングラス油のような天然油を使って、パッケージから放たれる臭気を管理するか、主要な臭気管理剤自体の臭気を隠蔽するか、或いは、臭気管理剤の臭気をユーザーにとって更に心地良くすることができる。細かく挽かれたカラシの種と無水酸を約5重量%のレモングラス油と混ぜ合わせた組成物は、不快な臭気を管理するのに特に有効であることが分かっている。
薬剤構造50は、パッケージに所望の香りを提供するための芳香族又は香料の成分を含んでいる場合は、パッケージ内部の香りの濃度を増強するための追加の物質を含んでいてもよい。例えば、薬剤構造50は、香の濃度を高めるためにパーライトを含んでいてもよい。パーライトには、香りを保持する能力、安定性、及びその表面領域があるので、使用するのに適している。限定するわけではないが、香りを増強するための他の材料の例には、微小球体、タルク、シリコン、ケイ酸アルミニウムのようなケイ酸塩、バーミキュライト、珪藻土、又はそれらの組み合わせが含まれる。
更に本発明によれば、薬剤構造50には、再閉可能なパッケージが開かれるか、又は内容物が詰め込まれると始動する、活性化システムを設けてもよい。活性化システムは、分離させると活性剤の放出を開始するミシン目又は剥離システムのような、機械的なものでもよい。別の活性化法は、パッケージ内に存在する湿気又は水分のレベル(例えば、内容物の水の活性に関係する)に基づいている。例えば、大量の湿気は、化学反応又は他の反応を開始させ、その結果、二酸化炭素又は二酸化塩素のような揮発性化学物質が放出される。そのような例では、再閉可能なパッケージ内の湿度が高いほど、大量の活性剤が加えられる。高い湿度レベルで活性化される反応の例は、炭酸水素ナトリウムとクエン酸か、次亜塩素酸ナトリウムとクエン酸のような塩と酸の反応である。AITの放出は、先に説明したように、湿気によっても助けられる。そのような例では、湿気が増すと、更に多くの量の活性剤がパッケージ雰囲気中に放出される。
湿気により活性化される鮮度延長剤の付いた再閉可能なパッケージの操作法では、例えば、腐敗し易いものがパッケージの内部に入れられると、腐敗し易いものの湿気又は水分レベルが鮮度延長剤を活性化させる。更に、薬剤構造が、袋状のパッケージの口部近く、又は容器状のパッケージの縁近くに配置されている場合は、選択的な活性化又は放出を行うことができる。例えば、腐敗し易いものが(例えば、腐敗し易い製品を内部に最初に入れる際にパッケージの口部を通るか、又は縁を越えて)薬剤の近くを通る際、腐敗し易い製品が内部に入ったままの状態になっているとき、及び(例えば、パッケージを開いた際に)空気が内部に入ると、腐敗し易いものの湿気又は水分レベルが薬剤を活性化する。薬剤構造をパッケージの口部又は縁近くに配置するのは、透明なパッケージで内容物を最大限に表示する必要がある場合にも、好都合である。
また、湿気活性化法は、遮断層材料を備えることによって制御することができる。例えば、本体パネルを遮断層とするか、又は遮断材料で形成して、密閉環境を作り、パッケージを閉じると湿気の導入及び活性剤の放出を防ぐか阻止できるようになっているのが望ましい。ここで用いる「遮断層」及び「遮断材料」という用語は、パッケージ雰囲気中への活性剤の放出を完全に遮断又は防止する層又は材料ではなく、そのような放出を抑制又は何らかの方法で制御する層または材料のことである。
そのような材料の一例は、低密度ポリエチレン(LDPE)に組み込まれているポリエチレングリコール(PEG)である。水、水蒸気、酸素、窒素、二酸化炭素、エチレン、揮発性又は不揮発性活性剤の移動に対する遮断壁となる他の材料には、限定するわけではないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、メタロセン(mPE)、ポリプロピレン(PP)、配向ポリプロピレン(OPP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート(ASA)、アクリロニトリル−EPDM−スチレン(AES)、ASA/AESコポリマー、ポリアミド6、ポリアミド66とそのコポリアミド、ポリビニル塩化物(PVC)、アクリル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性ポリエステル(TPE)、エチレン/エチルアクリレート(EEA)、エチレン/ビニルアセテート(EVA)、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、改良ポリスチレン、エチレン−ビニルアルコール(EVAL又はEVOH)、塩化ポリビニリデン(PVDC)、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、サラン、セラミック充填ポリマー、ナノ複合ポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリル−メチルアクリレート(AC−MA)、ポリフェニレンエテール(PPE)、酸化ポリフェニレン(PPO)、熱可塑性エラストマー、セロファン、ナイロン、ポリカーボネート(PC)、遮断特性を有する改良ポリオレフィン、環状オレフィンコポリマー、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリルコポリマー、ポリアセタール、改良ポリエステル、アクリル派生物、及び無機遮断被覆、のポリマー、コポリマー、配合物、押出成形物、同時押出成形物、被覆、金属化又は積層化が含まれる。
フォイルのような他の遮断材料や、金属化配向ポリプロピレン(OPP)のような金属化ポリマーを使用することも考えられる。遮断層は、少なくとも水蒸気と活性剤には実質的に不透過性で、或る実施形態では、酸素、窒素及び二酸化炭素、又はそれらの組み合わせに対しても不透過性である。遮断層は、従って、水蒸気が(或る実施形態では、酸素、窒素及び二酸化炭素も)パッケージの中に入るのを阻止又は防ぎ、一方では、活性剤がパッケージの内部から漏れ出すのを阻止又は防いでいる。遮断層を形成する際に用いられる代表的な環状オレフィンコポリマーは、TOPAS8007である。有用な環状オレフィンコポリマーは、数社から入手可能であると思われる。例えば、ニュージャージ州サミットのCelaneseAG企業のTiconaは、環状オレフィンコポリマーを販売している。環状オレフィンコポリマーを販売していると思われる他の会社には、ニッポンゼオン(日本)、三井化学(日本)、及び、正式名称が日本合成ゴムであるJSR(日本)が含まれている。CelaneseAG企業のTiconaは、環状オレフィンコポリマー(COCs)を、TOPASという商標で販売している。これらの環状オレフィンコポリマーは、ノルボルネン及びエチレンの供給原料で、メタロセン触媒を使って準備されるものと思われる。少なくとも4等級のTOPAS樹脂(TOPAS8007、TOPAS6013、TOPAS6015、TOPAS6017)が販売されていると思われる。販売されている4等級のTOPAS樹脂は、それぞれ80、140、160、180℃のガラス転移温度Tgを有している。4等級のTOPAS樹脂の対応するノルボルネンのレベルは、35、48、55、59モル%である。
薬剤構造50は、熱可塑性材料を含むポリマー材料で作ることができる。代わりに、パッケージの一部として形成される場合は、ポリマーマトリクス層に、マイクロカプセル封入活性剤をしみ込ませ、又はこれに支持させて、パッケージの構成要素、例えば本体パネルにしてもよい。薬剤構造50のマトリクス層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びそれらの組み合わせのようなポリオレフィン材料で作ることができる。限定するわけではないが、マトリクス層材料の例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、直鎖状中密度ポリエチレン(LMDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、メタロセン(mPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド6、ポリアミド66とそのコポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル、熱可塑性ポリエステル(TPE)、エチレン/ビニルアセテート(EVA)、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、改良ポリスチレン、液晶ポリマー(LCP)、ポリアミド、ポリアクリル酸(PAA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンエテール(PPE)、熱可塑性エラストマー、及びセルロースと充填プラスチックのポリマー、コポリマー又は配合物が含まれる。これらの材料は、一般的に、水蒸気に対して優れた遮断壁となるが、酸素と活性剤は透過させる。ポリエチレンは再生できるので、これを備えたパッチ、テープ又はポーチを有するのが望ましい。パッチ、テープ又はポーチ構造を形成するのに使用できる材料の別の例は、エチルメチルアクリレート(EMA)である。パッチ、テープ又はポーチの表面は、鮮度延長又は臭気管理剤のような活性剤を放出できる多孔性の不織材料(例えばガーゼ)で形成してもよい。臭気を管理するために、臭気管理構造の層の1つには、香材(例えば香水)、香強化鉱物、及び/又は、ポリマー樹脂(例えばLLDPE)を更に含ませてもよい。
当業者には理解頂けるように、パッケージと組み合わせて使用する薬剤の量は、薬剤が使用される環境、例えば、薬剤の消失及び放出速度によって決まる。放出速度は、薬剤がパッケージの内部に放出される速度のことであり、消失速度は、放出された薬剤がパッケージの内部から逃げ出す速度のことである。好適にも、本発明の薬剤は、所定の「貯蔵寿命」の間、又は耐用期間中は、薬剤の放出速度が薬剤の消失速度を上回る量だけ配置されているので、パッケージの内部の薬剤は、それが無くなるより早く補充され、従って、薬剤の効果的な機能が保証されている。薬剤の消失速度は、パッケージの設計、構造及び使用法に関係する様々な要因によって決まる。
追加の層を、被覆、パッチ、ポーチ又はテープに加えることも考えられる。例えば、遮断層を追加して、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージの内部と連通し続けるのを支援し、それによって、鮮度延長剤が本体パネルを透過するのを防止又は阻止するのを支援してもよい。
例えば、図1のパッケージの実施形態に示すように、相対する本体パネル16、18それぞれは、少なくとも水蒸気と活性剤を実質的に透過させず、或る実施形態では、酸素、窒素、二酸化炭素又はそれらの組み合わせも透過させない遮断層を形成している。相対する本体パネル16、18は、而して、先に述べた材料の1つ又はそれ以上を含んでおり、即ち少なくとも部分的にはそれらで形成されている。相対する本体パネル16、18は、パッケージの外部及び/又は内部表面に配置されている遮断層を含んでいてもよい。
分かり易くするために、開示している本発明のパッケージを、鮮度延長剤に関してここに説明する。当業者には理解頂けるように、開示しているパッケージは、他の種類の活性剤を含むように適宜修正することもできる。
そのような或る実施形態では、遮断層は、例えば図3aに示すように、鮮度延長構造の内側表面上に配置される。図3aには、鮮度延長構造214を含んでいる本体パネル212と、第2本体パネル(図3aには図示されていない)とを備えたパッケージの一方の側が描かれている。鮮度延長構造214の鮮度延長剤は、内部空間と連通しており、鮮度延長構造214の1つの表面は、接着剤、熱シール、又は超音波溶着のような溶着によって本体パネル212の表面212aに取り付けられている。他の取り付け方法を使用することも考えられる。例えば、鮮度延長構造を、クリップ又はステープルのような機械的方法を使って、本体パネルの少なくとも1つの表面に取り付けてもよい。この様に、鮮度延長構造は、同時押出成形構造又は積層として設けることもできる。代わりに、フィルム層上に被覆してもよい。
図3bに示す一例は、第1本体パネル212、第2本体パネル(図3bに図示せず)、及び鮮度延長構造234を備えた再閉可能なパッケージ230を含んでいる。構造234は、遮断層である第1層216と、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層218を備えている。第1層216は、先に述べた遮断材料の1つを使ったポリマー遮断層である。第2ポリマー層218に使用することのできるポリマーの一例は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のようなポリオレフィンである。図3bの第1層216の外側表面216aは、第1本体パネル212の内側表面212aに取り付けられている。第2ポリマー層218は、鮮度延長剤が内部空間と連通するように、第1層216に直接隣接している。第1及び第2層216、218を形成する材料に依っては、必ずしも層同士を接着で取り付けなくてよい。むしろ、例えば、第1層と第2層を形成するための材料に適合性があれば、第1と第2層を同時押出成形してもよい。
情報を、鮮度延長構造234上に、例えば遮断層の上に印刷することも考えられる。構造の異なる場所に印刷することも考えられる。構造が再閉可能なパッケージの内部に配置される場合は、印刷を見易く読み易くするために、本体パネルに最も近い鮮度延長構造の表面に印刷することが望ましい。例えば、図3bでは、印刷は、第1本体パネル212と第1層216の間に配置されるのが望ましい。接着剤を使って、図3bの第1層216を表面212aに取り付けると、印刷は、接着剤と第1層216との間に配置される。熱シール又は機械的方法のような他の取り付け法を使用することも考えられる。
図3cでは、再閉可能なパッケージ250は、第1本体パネル212、第2本体パネル(図3cに図示せず)、及びパッチ又はテープの形態をした鮮度延長構造254を備えている。構造がポーチ又は被覆の形態であることも考えられる。鮮度延長構造254は、遮断層である第1層216と、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層218と、拡散層である第3ポリマー層220とを備えている。第1層216は、先に論じたように、ポリマー層でもよい。鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層218は、第1層216と第3層220の間に配置されている。第2ポリマー層218に使用することのできるポリマーの一例は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のようなポリオレフィンである。鮮度延長剤は、透過可能な第3ポリマー層220を介して、再閉可能なパッケージの内部空間と連通している。従って、第3ポリマー層220は、透過性を制御し、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージの内部全体に入り込める程度まで透過性でなければならない。
第3ポリマー層220は、環状オレフィンコポリマーを備えていることが考えられる。第3ポリマー層は、ポリマー構造のカールを減らす助けとするため、約10から約80wt.%、より厳密には、約20から約40wt.%の環状オレフィンコポリマーを備えていてもよい。理論的に確かなわけではないが、カールは、ポリマー構造層を形成している材料が、例えば、収縮率が異なるために互いに適合していない場合に起こり易い。遮断層は、時間が経過するとカールする傾向があるポリエチレンのような材料を備えている拡散層と比べて、あるとしても、時間が経過してもあまりカールしない、より結晶性の材料を備えていてもよい。そのような構造のカールの欠点は、縁が、構造自体の上で横方向にカールする傾向があり、従って処理の問題を引き起こすことである。ポリマー構造のカールは、第3ポリマー層に環状オレフィンコポリマーを使用することによって低減又は阻止することができ、それによって、第1層と第3ポリマー層はより適合性のあるものとなる。環状オレフィンコポリマーを第3ポリマー層220に加えると、鮮度延長剤の、再閉可能なパッケージ250の内部への透過が遅くなる。
先に論じたように、図3cの鮮度延長構造254が、ポリマー構造が貼り付くのを防止又は阻止する助けとなる剥離剤(例えば、スリップ添加剤)を有していることも考えられる。情報を構造254に印刷することも考えられる。第1層216は、接着剤、熱シール又は他の方法で、本体パネルの表面に取り付けることができる。
図3dでは、再閉可能なパッケージ270は、第1本体パネル212、第2本体パネル(図3dに図示せず)、及びパッチ又はテープの形態をした鮮度延長構造274を備えている。構造274がポーチであることも考えられる。鮮度延長構造274は、遮断層である第1層216と、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層219とを備えている。鮮度延長剤は、再閉可能なパッケージ又は袋の内部空間と連通可能でなければならない。第1層216は、接着剤、熱シール、溶着又は他の方法で、本体パネル212に取り付けることができる。
再閉可能なパッケージは、中に鮮度延長剤を含んでいる2つ以上の鮮度延長構造を含んでいてもよい。例えば、再閉可能なパッケージは、それぞれ鮮度延長剤が入っている2つ又は3つの鮮度延長構造を含んでいてもよい。
鮮度延長構造(例えば、鮮度延長剤が入ったパッチ、ポーチ又は被覆)は、大きさが様々で、所望量の鮮度延長、用いられている具体的な鮮度延長剤、再閉可能なパッケージに用いられている鮮度延長構造の数、及び再閉可能なパッケージの大きさのような要因次第である。鮮度延長構造の寸法は、一般的に、約1/2インチ又は1インチから約12インチである。限定するわけではないが、鮮度延長構造の寸法は、例えば、1/2インチx1インチ、1インチx1インチ、1/2インチx2インチ、1インチx6インチ、2インチx4インチ、及び4インチx12インチである。鮮度延長構造の厚さは、本発明では様々であるが、概ね約20ミル未満であり、約12から16ミルであるのが望ましく、約14から15ミルであるのが更に望ましい。
別の実施形態によれば、再閉可能なパッケージの鮮度延長構造は、不織布マトリクスに引き渡されている。不織布マトリクスが形成された後で不織布マトリクスにしみ込ませることができる。不織布マトリクスにしみ込ませるのは、鮮度延長剤を被覆することによって行われる。代わりに、不織布マトリクスは、最初に鮮度延長剤付きで形成してもよい。別の実施形態によれば、再閉可能なパッケージの鮮度延長剤は、鮮度延長構造内でマイクロカプセル封入されている。
或る実施形態では、パッチ、テープ、ポーチ又は被覆である鮮度延長構造は、再閉可能なパッケージ10のような再閉可能なパッケージ又は袋の内部に配置されている。図3aの例では、再閉可能なパッケージ210の一方の側の部分断面図を、本体パネル212と鮮度延長構造214を備えて示している。構造214は、本体パネル212の内部表面212aに貼り付けられており、内部表面212aは、再閉可能なパッケージ210の内側部分を形成している。
代わりに、被覆、パッチ、ポーチ又はテープである鮮度延長構造は、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージの内部に透過できるか、内部と連通できるように、パッケージの外側表面上又はパッケージの層内に配置することができる。例えば、被覆、パッチ、ポーチ又はテープである鮮度延長構造を、再閉可能なパッケージの外側表面上に配置して、鮮度延長構造からの鮮度延長剤が再閉可能なパッケージの内部に透過できるように、本体パネルの一部分を取り外してもよい。例えば、図4は、再閉可能なパッケージ310の一方の側の部分断面図を示しており、鮮度延長構造314が本体パネル316の外側表面316aに取り付けられている。本体パネル316は、鮮度延長構造314からの鮮度延長剤が再閉可能なパッケージ310の内部に透過できるようにする少なくとも1つの開口部318を有している。開口部318は、再閉可能なパッケージ310の本体パネル316からこれを貫通して伸張する1つの大きな開口部でもよいし、複数の小さな開口部でもよい。開口部318は、穿孔処理を含む当該技術では既知の処理によって形成することができる。
別の例では、図5は、再閉可能なパッケージ又は袋410の一方の側の部分断面図を示している。再閉可能なパッケージ又は袋410は、外側層412、鮮度延長構造414、及び開口部418付きの内側層416を備えている。鮮度延長構造414は、外側層412と内側層416の間に配置され、取り付けられている。開口部418は、鮮度延長構造414からの鮮度延長剤が再閉可能なパッケージ又は袋410の内部と連通できるようにしている。
再閉可能なパッケージの層を鮮度延長構造の鮮度延長剤が透過できるようにして、鮮度延長剤を再閉可能なパッケージの内部と連通させることも考えられる。図6はその様な例を描いており、再閉可能なパッケージ510の部分断面図を示している。再閉可能なパッケージ510は、鮮度延長構造514と拡散層516を備えている。拡散層516は、鮮度延長構造514からの鮮度延長剤が、再閉可能なパッケージの内部に入れるようにしている。
拡散層516は、鮮度延長剤が、比較的迅速に再閉可能なパッケージの内部に到達できるようにするのに適した材料で作られている。従って、水、水蒸気、酸素、窒素、二酸化炭素、エチレン、揮発性又は不揮発性の活性剤が透過する材料が、拡散層に用いられる。拡散層516の例には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、メタロセン(mPE)、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド6、ポリアミド66とそのコポリアミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)熱可塑性ポリエステル(TPE)、エチレン/エチルアクリレート(EEA)、エチレン/ビニルアセテート(EVA)、ポリスチレン(PS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、改良ポリスチレン、エチレン−ビニル−アルコール(EVAL又はEVOH)、ポリアクリル酸(PAA)、ポリ乳酸(PLA)、充填ポリマー、親水性ナノ複合ポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、熱可塑性エラストマー、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリビニルアセテート(PVA)、ポリビニルアルコール(PVAL)、及びセルロースアセテート(CA)のポリマー、コポリマー、配合物、押出成形物、同時押出成形物、被覆、又は積層が含まれ、これらは全て概ね親水性である。
当業者には理解頂けるように、マトリクス、遮断壁、又は拡散層の何れかを形成するのに、層組成物内の材料の百分率比、層組成物内の材料の量(例えば層組成物の厚さ)及び/又は製作方法に依っては、同じ種類のポリマー材料を用いることができる。従って、特定のポリマー材料を、マトリクス、遮断壁、又は、拡散層の成分として用いるのは、その使用量と方法に依存する。
図7は、別の実施形態を、図6の再閉可能なパッケージ510と比べて追加の層(外側層512)を含んでいる再閉可能なパッケージ530の一方の側の部分断面図で示している。
図3−7に示している再閉可能なパッケージを形成する際に、追加の層を加えることも考えられる。例えば、エチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマー又はポリ塩化ビニリデン層(PVDC)を、再閉可能なパッケージの本体パネルを形成するのに、又はパッケージの遮断層を形成するのに用いることができる。そのような遮断層は、鮮度延長成分の再閉可能なパッケージの内部との連通を保持するのを支援をする。鮮度延長強化層のような他の層を考えることもできる。鮮度延長強化層は、湿気が増すと鮮度延長剤の送出を強化するように作用する。そのような鮮度延長強化層は、湿気が増すと、対応して細菌の成長が増し、腐敗し易いものが益々傷み易くなることが多いので、特に有用である。鮮度延長強化層の一例は、ポリビニルアルコール(PVOH)である。
鮮度延長構造214は、剥離可能なカバーを含んでいてもよい。そのような実施形態の一例を図8に示しており、本体パネル612、鮮度延長構造614、及び剥離可能なカバー622を備えている再閉可能なパッケージ610の一方の側の部分断面図である。剥離可能なカバー622は、鮮度延長構造614の少なくとも一部を覆っており、再閉可能なパッケージ610の内部に曝されている鮮度延長構造614全体を覆っていてもよい。剥離可能なカバー622は、鮮度延長剤が、図8に示す初期位置にある鮮度延長構造614から抜け出るのを防止又は阻止する。剥離可能なカバーは、本体パネル612及び/又は鮮度延長構造614に取り付けることができる。剥離可能なカバー622は、鮮度延長剤の鮮度延長構造614からの放出を強化又は開始するため、鮮度延長構造614からユーザーによって取り除かれる。通常、ユーザーが剥離可能なカバー622を取り外すのは、パッケージに腐敗し易いものを入れようとするときである。剥離可能なカバー622の一例は、EVOH又はPVDCのような遮断層である。剥離可能なカバーを、パッチ、テープ又はポーチの形態をした何らかの鮮度延長構造と共に使用することも考えられる。
或る実施形態によれば、再閉可能なパッケージは、品物を保存するように作られており、第1熱可塑性本体パネル、第2熱可塑性本体パネル、及び、パッケージ内に傷むことなく保存できる時限を延ばすことによって品物の鮮度を延長させるようになっている少なくとも1つのポリマー鮮度延長構造を備えている。第1及び第2本体パネルは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成する。ポリマー鮮度延長構造は、第1及び第2本体パネルの一方又は両方の表面に取り付けられ、内部空間と連通している。鮮度延長構造は、更に、最初はポリマー製の鮮度延長構造の少なくとも一部を覆うようになっている剥離可能なカバーを含んでいる。
別の実施形態によれば、2つの鮮度延長構造を含む再閉可能なパッケージが用いられている。例えば、図9aでは、再閉可能なパッケージ710は、第1熱可塑性本体パネル712、第2熱可塑性本体パネル(図9aに示さず)、第1鮮度延長構造714a、及び第2鮮度延長構造714bを備えている。先に論じたように、第1及び第2本体パネルは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成している。
第1鮮度延長構造714aは、2つの層を備えており、パッチ又はテープである。第1及び第2鮮度延長構造がポーチを形成することも考えられる。第1鮮度延長構造714aは、遮断層である第1層716aと、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層719aとを備えている。第1層716aは、ポリマー層でもよい。第2ポリマー層719aは、第1層716aに直接隣接している。接着剤、熱シール又は他の方法で第1本体パネル712に取り付けられている第1層716aを、図9aに示している。
同様に、第2鮮度延長構造714bは、2つの層を備えており、パッチ又はテープである。第2鮮度延長構造714bは、遮断層である第3層716bと、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第4ポリマー層719bとを備えている。第4ポリマー層719bは、第3層716bに直接隣接している。第3層716bは、ポリマー層でもよい。第2ポリマー層719aは、各鮮度延長剤が内部領域717を介して再閉可能なパッケージ710の内部に透過するように、選択された場所で第4ポリマー層719bに解除可能に熱シールされている。
内部領域717は、互いに対してカールしている第1及び第2鮮度延長構造714a、bを有することによって形成されている。図9aに示すように、内部領域717は、第2及び第4ポリマー層719a、bの間に形成されている。鮮度延長構造の僅かなカールによって、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージの内部と連通できるようになる。図9に示す実施形態では、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージ又は袋の内部と連通するのを支援するカールを有しているのが望ましい。先に述べたように、鮮度延長構造のカールは、鮮度延長構造を形成する際に、適合性の少ない(即ち、材料の収縮率が異なる)材料を使用することで形成することができる。
2つの鮮度延長構造を形成する際に追加の層を使用することも考えられる。例えば、図9bでは、再閉可能なパッケージ730は、第1熱可塑性本体パネル712、第2熱可塑性本体パネル(図9bに示さず)、第1鮮度延長構造734a、及び第2鮮度延長構造734bを備えている。第1及び第2本体パネルは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成している。
第1鮮度延長構造734aは、3つの層を備えており、パッチ又はテープである。第1及び第2鮮度延長構造が、ポーチ又は被覆を形成することも考えられる。第1鮮度延長構造734aは、遮断層である第1層716aと、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層718aと、拡散層である第3ポリマー層720aを備えている。第1層716aは、ポリマー層でもよい。第2ポリマー層718aは、第1層と第3層716a、720aの間に配置されている。鮮度延長剤が内部空間と連通するように、接着剤又は熱シールによって第1本体パネル712に取り付けられている第1層716aを、図9aに示している。例えばクリップ又はステープルなど機械的装置のような別の取り付け方法を使うことも考えられる。
同様に、第2鮮度延長構造734bも、3つの層を備えており、パッチ又はテープである。第2熱可塑性鮮度延長構造734bは、遮断層である第4層716bと、鮮度延長剤を備えている第5ポリマー層718bと、拡散層である第6ポリマー層720bを備えている。第4層716bは、ポリマー層でもよい。第5ポリマー層718bは、第4層と第6層716b、720bの間に配置されている。第3ポリマー層720aは、第2ポリマー層718aと第5ポリマー層718bの各鮮度延長剤が、第3ポリマー層720aと第6ポリマー層720bの間の再閉可能なパッケージの内部空間に入れるように、選択された場所で第6ポリマー層720bに熱シールされている。
先に述べたように、内部領域727は、第1及び第2鮮度延長構造734a、bが互いに対してカールしていることによって形成されている。図9bに示しているように、内部領域727は、第3及び第6ポリマー層720a、bの間に形成されている。
別の実施形態による、第1熱可塑性本体パネル812a、第2熱可塑性本体パネル812b、第1鮮度延長構造814a、及び第2鮮度延長構造814bを備えた再閉可能なパッケージ810を図10aに示している。第1及び第2本体パネル812a、812bは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成している。
第1鮮度延長構造814aは、2つの層を備えており、パッチ又はテープである。第1及び第2鮮度延長構造は、ポーチの形態をしていることも考えられる。第1鮮度延長構造814aは、遮断層である第1層816aと、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層819aとを備えている。第1層816aは、ポリマー層でもよい。第2ポリマー層819aは、第1層816aに直接隣接している。第1層816aを、接着剤、熱シールによって、第1本体パネル812aに取り付けられているように図10aに示している。他の取り付け方法を使用することも考えられる。第1本体パネル812aに貼り付けるため、第1層816aは、室温では付着又は粘着しない被覆を含んでいてもよい。その様な被覆は、例えば、高温になるか、赤外線放射又は熱に曝されると粘着性になるようなものでもよい。
同様に、第2鮮度延長構造814bは、2つの層を備えており、パッチ又はテープである。第2鮮度延長構造814bは、遮断層である第3層816bと、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第4ポリマー層819bとを備えている。第3層816bはポリマー層でもよい。第4ポリマー層819bは、第3層816bに直接隣接している。第3層816bを、接着剤、熱シールによって、第2本体パネル812bに取り付けられているように図10aに示している。他の取り付け方法を使用することも考えられる。第2本体パネルに貼り付けるために、第3層816bは、室温では付着又は粘着しない被覆を含んでいてもよい。その様な被覆は、例えば、高温になるか、赤外線放射又は熱に曝されると粘着性になるようなものでもよい。
第1鮮度延長構造と第2鮮度延長構造を異なる組成物で形成することも考えられる。例えば、第1構造は第1鮮度延長剤を含んでおり、第2鮮度延長構造は第2鮮度延長剤であってもよい。そのような実施形態を形成する際には、第1及び第2鮮度延長構造を、例えば、2つの異なるパッチ、テープ、ポーチを押出成形するか、又は2つの異なる被覆を施すことによって形成してもよい。
代わりに、再閉可能なパッケージを、2つ又はそれ以上の層構造以外のもので形成してもよい。例えば、本体パネル812が遮断層を画定するのに適した材料で形成されていれば、遮断層を設ける必要はない。更に、図10bに示しているように、再閉可能なパッケージ830は、鮮度延長剤を備えた第1層816aと、拡散層である第2ポリマー層818aを備えている第1鮮度延長構造834aを含んでいる。再閉可能なパッケージ830は、更に、鮮度延長剤を備えた第3層816bと、拡散層である第4ポリマー層818bを備えている第2鮮度延長構造834bを含んでいる。第1及び第2鮮度延長構造を、例えば異なる鮮度延長剤又は拡散層で作るように、異なる組成物で作ることも考えられる。
更に別の実施形態によれば、再閉可能なパッケージは、3つ又はそれ以上の層で形成することができる。例えば、図10cに示しているように、再閉可能なパッケージ850は、遮断層である第1層816aと、鮮度延長剤を備えている第2ポリマー層818aと、拡散層である第3ポリマー層820aとを備えている第1鮮度延長構造854aを含んでいる。再閉可能なパッケージ850は、遮断層である第4層816bと、鮮度延長剤を備えている第5ポリマー層818bと、拡散層である第6ポリマー層820bとを備えている第2鮮度延長構造854bを含んでいる。第1及び第2鮮度延長構造854a、bは、接着剤又は熱シールによって、それぞれ第1及び第2本体パネル812a、812bに取り付けられている。第1及び第2構造を、例えば異なる遮断材料又は鮮度延長剤で作るように、異なる組成物で作ることも考えられる。
先に述べたように、本発明の鮮度延長剤には、ユーザーが再閉可能なパッケージを開くか、又は中に内容物を入れることによって始動される活性化システムを備えることもできる。或る実施形態では、図8に示し、それに関連して説明した実施形態のように、本発明の鮮度延長剤の活性化システムは、機械的なものである。例えば、図8の実施形態では、活性化システムは、分離させると鮮度延長剤の放出が始まるミシン目又は剥離システムを含んでいる。
本発明のそのような別の態様による、第1熱可塑性本体パネル912a、第2熱可塑性本体パネル912b、及びそれらの間に配置されている鮮度延長構造914を備えた再閉可能なパッケージ910を図11aに示している。第1及び第2本体パネル912a、912bは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成している。鮮度延長構造914は、ここに具体化されているパッチ又はテープの形態をしており、3つの層を備えている。具体的には、図11aに示している鮮度延長構造914は、遮断層である第1層916aと、壊れ易い拡散層であり、鮮度延長剤を備えている第2ポリマー層919と、遮断層である第3層916bとを備えている。
図11aに示しているように、第2層919は、第1遮断層916aと第2遮断層916bの間に伸張している一回限り破断可能要素である。第2層919の一回限り破断可能要素は、従って、図11aに示している最初の状態にあるときには、鮮度延長剤がパッケージ内に漏れ出るのを阻止又は防止する。
一回限り破断可能要素921は、1つ又は複数のポリマー樹脂及びポリオレフィンを含んでいてもよく、先に述べた何れの鮮度延長構造とでも共に使用することができる。一回限り破断可能要素として用いられるポリオレフィンには、限定するわけではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらの組み合わせが含まれる。限定するわけではないが、ポリエチレンの種類には、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)及びそれらの組み合わせが含まれる。限定するわけではないが、他には、例えば、プラストマー、エラストマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチルメタクリレート、ポリメチルペンテンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリオレフィンイオノマー、環状オレフィンコポリマー(COCs)、又はポリエチレン及び/又はポリプロピレンを含め、それらの組み合わせが含まれる。
第2層919の一回限り破断可能要素は、先に述べた優先弱体領域又は引裂領域と同様の一回限り破断可能な優先弱体領域又は優先引裂領域か、又は一回限り破断可能な接着剤又は粘着性シールを含んでいる。代わりに、第2層919は、拡散材料を選択的に架橋結合させて、一回限り破断可能要素を画定することによって形成してもよい。一般的に、第2層919と隣接層の間の接着は、部分919aと919bを接合している一回限り破断可能要素の壊れ易い部分より強くなければならず、これについては以下更に説明する。
図11bに示しているように、一回限り破断可能要素が破断すると、第2層919は第1部分919aと第2部分919bに分割され、各部分の表面が露出して、鮮度延長剤のそこへの放出が開始又は強化される。通常、ユーザーが一回限り破断可能要素を破断するのは、中に内容物を入れるためにパッケージを最初に開くときである。
機械的な放出機構を有するそのような別の実施形態に関し、第1熱可塑性本体パネル本体パネル1012a、第2熱可塑性本体パネル本体パネル1012b、鮮度延長構造1014、及び取り外し可能又は剥離可能なカバー1021を備えた再閉可能なパッケージ1010を、図12aに示している。第1及び第2本体パネル1012a、1012bは、一対の相対する側辺と、側辺同士を架橋する底部とに沿って接続され、開放口部を形成している。接続されている第1及び第2本体パネルは、品物を保存するための内部空間を形成している。鮮度延長構造1014は、パッチ又はテープの形態をしており、2つの層、例えば、遮断層である第1層1016と、拡散層であり、鮮度延長剤を含んでいる第2ポリマー層1019とを備えている。
図12aに示しているように、取り外し可能なカバー1021は、図8のものと同様であるが、パネル1012bに堅く取り付けられている。取り外し可能なカバー1021は、第2層1019の少なくとも一部を覆っており、また、図示のように、第2層1019全体を覆って、パッケージ1010の内部に露出しないようにしているのが望ましい。図12bに示しているように、カバー1021を取り外すと、鮮度延長層1019がパッケージ1010の内部に露出して、少なくともパッケージが開いているときは、パッケージ内部への鮮度延長剤の放出を開始又は強化する。図12a及び12bのこの実施形態は、特に廃棄物の袋及びライナーなどに適している。
代わりに、或る実施形態では、取り外し可能なカバー1021は、再閉可能なパッケージ1010のファスナーのスライダーと協働するようになっていて、再閉可能なパッケージ1010がスライダーによって開かれるときに、取り外し可能なカバーが鮮度延長層から取り外せるようになっている。
パッチ、テープ又はポーチのような本発明の鮮度延長構造は、感圧性自己接着剤によって、再閉可能な袋のようなパッケージに取り付けることもできる。感圧性自己接着剤は、鮮度延長構造を再閉可能なパッケージに取り付けるのに適していればどの様な接着剤でもよい。限定するわけではないが、使用できる感圧性接着剤には、アクリル又はゴムベースの接着剤が含まれる。
テープ又はポーチである鮮度延長構造は、再閉可能なパッケージの層上にロールで供給してもよい。テープ又はポーチであるロールで供給される鮮度延長構造は、最初は、鮮度延長剤が再閉可能なパッケージに取り付ける前に自分に貼り付くのを防止又は阻止するのを支援する剥離ライナーを備えていてもよい。剥離ライナーを使用する場合、剥離ライナーは、ロールで供給される鮮度延長テープ又はポーチから、テープ又はポーチが再閉可能なパッケージ又は袋に取り付けられる前に剥がされる。剥離ライナーの例には、シリコン被覆紙が含まれる。しかしながら、剥離ライナーは、それに伴うコストが余分に掛かるので望ましくない。鮮度延長構造は、再閉可能なパッケージ又は袋に取り付けられるまで、剥離ライナーを使用せずにロールで供給することも考えられる。
代わりに、パッチ又はポーチである鮮度延長構造は、再閉可能なパッケージに取り付ける際に弾倉式に供給してもよい。パッチは、弾倉式に供給するのが望ましく、ポーチは、弾倉式に供給してもロールで供給してもよい。テープは、再閉可能なパッケージに取り付ける際にロールで供給するのが望ましい。例えば、テープは、巻きを解いて、所定の長さに切断し、再閉可能なパッケージに取り付ける。
別の実施形態によれば、鮮度延長構造のパッチ、テープ又はポーチは、再閉可能なパッケージ又は袋に直接に熱シール又は溶着(例えば、超音波溶着)することができる。鮮度延長構造は、再閉可能なパッケージに熱シール又は溶着される前に、ロールで供給されるか、又は弾倉式に供給される。熱シールの実施形態では、何らの接着剤も付いていない鮮度延長構造は、自分自身に貼り付かず、剥離ライナーは不必要なコストを追加するので、剥離ライナーが用いられることは少ない。鮮度延長構造は、幾つかの場所で再閉可能なパッケージに取り付けてもよい。鮮度延長構造は、熱シール形成の間に、本体パネルに取り付けることができる。例えば、鮮度延長構造は、第1及び第2本体パネルの間に形成される側辺シールの間に配置してもよい。他の取り付け法を使用することも考えられる。
再閉可能なパッケージ10のような再閉可能なパッケージは、腐敗し易いものの保存を含め、品物を保存し又は集めるのに適した熱可塑性材料のような、どの様な適した材料で形成してもよい。勿論、これには、パイント貯蔵及びフリーザーバッグと、クォート貯蔵及びフリーザーバッグと、ガロン貯蔵及びフリーザーバッグのような一般的なサイズの再閉可能なパッケージが含まれる。再閉可能なパッケージは、通常、ポリオレフィン材料のようなポリマー材料で形成される。限定するわけではないが、ポリオレフィン材料の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン及びそれらの組み合わせが含まれる。例えば、或る種のポリエチレン材料には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)及びそれらの組み合わせが含まれる。本発明の再閉可能なパッケージを形成するのに、プラストマー、エラストマー、エチレンビニルアセテート(EVA)、エチルメタクリレート、ポリメチルペンテンコポリマー、ポリイソブチレン、ポリオレフィンイオノマー、環状オレフィンコポリマー(COCs)、又はそれらの組み合わせのような材料を、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンを含め、使用することも考えられる。再閉可能なパッケージの厚さは、本発明では様々であるが、概ね約0.5から約5ミルであり、より特定的には、約1から約3ミルである。
先に説明したように、本発明の鮮度延長剤は、パッケージの本体パネルと組み合わせて用いることができる。代わりに、及び/又は組み合わせて、本発明の鮮度延長剤は、同時係属中の米国特許出願第(弁理士事件整理番号第086012−38600−USPT)で詳しく説明しているように、再閉可能なパッケージのファスナーのフィン部分と組み合わせて用いることができ、同出願の内容全体を、参考文献としてここに援用する。
以上、開示した活性剤付きパッケージを、図示の実施形態を参照しながら示し、説明してきたが、当業者には理解頂けるように、これらの実施形態には多くの等価物が考えられる。そのような等価物は、本開示の範囲及び特許請求の範囲に包含される。
例えば、当業者には理解頂けるように、本発明は、再閉不可能な袋及びライナー、プラスチック容器のような硬質の容器、弁当箱、硬質のくず箱、及び、腐敗し易い包装ラップとフォィルを含め、様々な型式のパッケージ及び容器に適用することができる。同様に、当業者には理解頂けるように、本発明は、臭気管理剤のような鮮度延長剤以外の活性剤、及びパッケージ又はその中に入っている内容物に所望の機能又は効果を提供する他の薬剤に適用することができる。
特に指定がなければ、ここで名詞を修飾するのに用いている冠詞は、修飾されている名詞の数に関し、1つ又はそれ以上を含むものと理解頂きたい。