JP7251275B2 - 抗菌性フィルムおよび包装材 - Google Patents
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Description
(例えば、特許文献1、2を参照。)
したがって、内容物に応じて異なる薬剤放出量を有する包装材をそれぞれに用意する必要があった。
基材、発熱層、断熱層、接着層、熱融着樹脂層の5層以上からなるフィルムであって、前記接着層は揮発性抗菌薬剤を含み、
前記発熱層はマイクロ波照射により発熱する成分を含む層であることを特徴とする。
前記発熱層のマイクロ波照射により発熱する成分を含む層が、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、銅、のいずれかを含む蒸着薄膜層、または、アルミニウムと酸化アルミニウムの混合層であってもよい。
前記抗菌薬剤が、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物からなるものであって
もよい。
前記アルデヒド化合物が、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、およびデカナールからなる群から選択されるものであってもよい。
前記断熱層が、紙、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とするものであってもよい。
前記記載の抗菌性フィルムを用いてなることを特徴とする。
貼り合わせられた少なくとも2枚のフィルムからなる袋形状の包装材であって、前記2枚のフィルムの少なくとも一方が前記記載の抗菌性フィルムであってもよい。
本発明の抗菌性フィルム1は、基材10、発熱層20、断熱層30、接着層40、熱融着樹脂層50の5層以上からなるフィルムであって、接着層40には揮発性抗菌薬剤を含むことを特徴とする。
また必要に応じて、基材10は、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、充填材、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、難燃化剤、増粘剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
熱融着樹脂層50は、自立フィルムであってもよいし、塗布などにより形成される非自立性層であってもよい。
熱融着樹脂層50は、単層であってもよいし、複数層の積層構造を有してもよい。熱融着樹脂層50は、10μm~100μmの膜厚を有していることが好ましい。前述の範囲内の膜厚を有することにより、良好な加工性、取り扱い性、開封性、熱接着性を得ることができる。
発熱層20を形成するための材料の非制限的な例は、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、銅、などの金属蒸着薄膜、およびアルミニウムと酸化アルミニウムの混合層を含むが、発熱量及び加熱時スパークの問題から、アルミニウムの使用が好ましい。
接着層40は、抗菌薬剤の貯蔵および放出の機能と、断熱層30と熱融着樹脂層50とを接着させる機能とを有する。
断熱層30の構成にもよるが、用いることができる接着剤の非制限的な例は、ポリエステル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエーテル系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、エチレン-酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、およびゴム系接着剤を含む。必要に応じて、接着層40は、着色剤、充填材、増粘剤などの当該技術において知られている任意の添加剤を含有してもよい。
接着層40は、1種または複数種の抗菌薬剤を含んでもよい。用いることができるアルデヒド化合物の非制限的な例は、(E)-2-ヘキセナール(分子量98.14)、ヘキサナール(分子量100.16)、ベンズアルデヒド(分子量106.12)、オクタナール(分子量128.21)、シンナムアルデヒド(分子量132.16)、アニスアルデヒド(分子量136.15)、ピペロナール(分子量150.13)、ペリルアルデヒド(分子量150.22)、バニリン(分子量152.15)、シトラール(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール)(分子量152.23)、シトロネラール(分子量154.25)、デカナール(分子量156.27)、およびヒドロキシシトロネラール(分子量172.26)を含む。好ましいアルデヒド化合物は、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、およびデカナールを含む。
上記のうち、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、及びデカナールが特に抗菌性の強さの点から好ましい。
最初に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム基材の片面に、連続式真空蒸着機を用いて、蒸着膜厚12nm、光線透過率50%の条件でアルミニウムを蒸着し発熱層を設けた。
次に、この蒸着面にシリコーン系接着剤を介して、セラミックス蒸着発泡ポリプロピレンを貼り合せ断熱層を設けた。さらに、ウレタン接着剤(東洋インキ株式会社製TM-320/CAT-13B)30重量部、酢酸エチル67重量部、シンナムアルデヒド3重量部を含む塗布組成物を断熱層に塗布し、80℃の温度で乾燥させて接着層を形成した。
最後に、接着層の上に、30μmの膜厚を有するPE(フタムラ化学株式会社製LL-XMTD)フィルムを貼り合わせて、熱融着樹脂層を形成し、抗菌性フィルムを得た。
得られた抗菌性フィルムから2枚のフィルムを切り出し、熱融着樹脂層同士が対向するように貼り合わせて、10cm×10cmの内寸を有するパウチを得た。次に、作製したパウチを電子レンジで100W、10秒加熱し、クロコウジカビ(Aspergillus niger)を1.0×103cfu/mLの濃度で含む菌液を塗布した直径5cmの円形の培地を、パウチ内に収容した。
電子レンジでの加熱条件を100W30秒に変更したことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
電子レンジでの加熱条件を100W60秒に変更したことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
電子レンジでの加熱条件を500W30秒に変更したことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
電子レンジでの加熱を行わなかったことを除いて、実施例1と同様の手順を繰り返した。
これらの結果から、本実施形態に係る抗菌性フィルムおよび包装材は、電子レンジによる加熱によって抗菌性を制御可能であることがわかった。
20 発熱層
30 断熱層
40 接着層
50 熱融着樹脂層
Claims (7)
- 基材、発熱層、断熱層、接着層、熱融着樹脂層の5層以上からなるフィルムであって、前記接着層は揮発性抗菌薬剤を含み、
前記発熱層はマイクロ波照射により発熱する成分を含む層である、
ことを特徴とする抗菌性フィルム。 - 前記発熱層のマイクロ波照射により発熱する成分を含む層が、アルミニウム、錫、亜鉛、鉄、銅、のいずれかを含む蒸着薄膜層、または、アルミニウムと酸化アルミニウムの混合層であることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性フィルム。
- 前記抗菌薬剤が、200以下の分子量を有するアルデヒド化合物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の抗菌性フィルム。
- 前記アルデヒド化合物が、(E)-2-ヘキセナール、ヘキサナール、シンナムアルデヒド、シトラール、およびデカナールからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の抗菌性フィルム。
- 前記断熱層が、紙、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレンのいずれかを含むことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の抗菌性フィルム。
- 請求項1~5のいずれかに記載の抗菌性フィルムを用いてなることを特徴とする包装材。
- 貼り合わせられた少なくとも2枚のフィルムからなる袋形状の包装材であって、前記2枚のフィルムの少なくとも一方が請求項1~5のいずれかに記載の抗菌性フィルムであることを特徴とする請求項6に記載の包装材。
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