JP2017013309A - 多層積層フィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Taichi Negi
太一 祢▲ぎ▼
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Tatsuya Naruse
達也 成瀬
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Abstract

【課題】 化学薬品、添加剤の支持フィルムへの吸着を抑制することができ、安定的に化学薬品の放出が行えると共に、安定生産、取扱い性が良好であり、また被貼付体の曲面部、伸縮部への追随性、剥離が生じにくく、かつ 多層積層フィルム取外し時、被貼付体への粘着剤層(C)の残りがほとんどない多層積層フィルムを提供する。
【解決手段】 支持体層(A)上に、エチレンービニルアルコール共重合体(EVOH)を少なくとも含む薄層(B)、化学薬品 及び 添加剤を含む粘着剤層(C)、保護層(D)を積層した多層積層フィルム。薄層(B)はEVOH樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物で構成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、化学薬品、添加剤の飛散を抑え、良好な生産安定性、取扱い性を有すると共に、消臭性、防虫性、鮮度保持性などの薬効性に優れ、被貼付体の曲面部、伸縮部への追随性を大幅に改善する、あるいは取り外した時、粘着剤層が被貼付体に残るのを大幅に改善する多層積層フィルムに関するものである。
一般的に、エチレンービニルアルコール共重合体(以下、EVOHと称す)は、透明性、ガスバリアー性、保香性、耐溶剤性、耐油性などに優れており、かかる特性を生かして、食品用フィルム、化学薬品用フィルム、農業用フィルムなどに用いられている。
中でも、危険な化学薬品を外部に揮散、漏洩させることなく、曲面を有し、かつ伸縮性を有する被貼付体に該化学薬品を浸透させ、効率的に薬効を発現させる、貼付・取外しが容易で柔軟なフィルムが望まれており、従来から耐化学薬品性、バリアー性の面で有効なEVOH層の少なくとも片面に、化学薬品を含有した粘着剤層を積層した多層積層フィルムが提案されている。
多量の該化学薬品を粘着剤に含有させる方法としては、粘着剤に直接、該化学薬品を添加する方法があるが、粘着剤と化学薬品との相溶性・分散性が悪く、薬効を効率的に発現できない場合が多い。その為、粘着剤と化学薬品との相溶性を付与する為、可塑剤などの相溶化剤を含む添加剤を粘着剤に混合する方法が用いられる。しかし、多量の化学薬品と相溶化剤などを含む該粘着剤層は、EVOH層との接着性が十分に得られない問題がある。
また、耐化学薬品性が良好なEVOH樹脂は剛直な為、EVOH層を含む多層フィルムは、曲面を有し、かつ伸縮性を有する被貼付体への貼付が困難なだけでなく、貼付け中に被貼付体から剥離・脱離し薬効が十分に効率よく得られなかったり、危険な化学薬品が飛散する問題がある。その為、EVOH層を可能な限り薄くする方法も考えられ、柔軟化は可能であるが、逆に柔軟性のために、生産時の工程通過性の悪化、及び 貼付け使用時の取扱い性に問題が生じる。
例えば、特許文献1には、ポリオレフィン(以降、POと略記する)層/EVOH層/シーラント(溶融粘着材)層で構成される積層体を製袋し、該袋の内面に脱臭剤、揮発性防カビ剤、揮発性抗菌剤など各種機能化学薬品を練り込んだ樹脂膜を貼付け、袋内の雰囲気を改良することで、袋内の物質を消臭したり、カビや菌の発生を防止することが記載されているが、形態が袋状の為、家具、木材、機械など大型設備に採用できない問題がある。
また、特許文献2には、PO系フィルムの表面に、気化性防錆剤を含むEVOH樹脂層を積層した防錆フィルムが記載されている。さらに、特許文献3には、気化性防錆剤を含有するプラスチックフィルムの一方の面に、ポリビニルアルコール層、さらに、水蒸気バリア性の高いプラスチック薄膜を形成した防錆フィルムが開示されており、電気電子部品や自動車部品の輸送包装に多用されていることが記載されている。しかし、特許文献2、3のいずれの構成の防錆フィルムにおいても、防錆フィルム表面にブリードアウトした防錆剤がラミネート障害を起こし、加工が困難であると共に、使用中に剥離等の不良が発生する問題があった。
一方、特許文献4には、揮発性防錆剤の空気中への蒸発・揮散を低減する為、ガスバリアー性の良好なEVOH層を最外層に積層した、EVOH層/PO層/(PO+揮発性防錆剤)層/エチレン・酢酸ビニル共重合体(以降、EVAと記載する)層、で構成される多層積層ストレッチフィルムが大型機械設備の防錆対策としても有効であることが記載されている。しかし、特許文献4の多層積層フィルムでは接着剤を使用する必要があり、化学薬品のブリードによる接着性の悪化、使用中に剥離などの不良が発生する可能性があること、また剛直なEVOH層を積層することで、該ストレッチ性が大幅に低下し、例えば部品などの小物をラップした場合、シワが多数発生し、外気との遮断性が不良となるので長期保管時の防錆性が悪化するだけでなく、外観上も商品として好ましくない。
さらに、特許文献5には、(EVOH+消臭剤)層/(接着剤+消臭剤)層、を多層積層し、家具、木材などに貼付け、消臭性を付与することが開示されているが、(EVOH+消臭剤)層が剛直な為、該層を薄くする必要があり、それに伴い取扱い性を改善することを目的として、柔軟な基材(PVCなど)を更に積層した、例えば柔軟樹脂(PVCなど)層/接着剤層/(EVOH+消臭剤)層/(接着剤+消臭剤)層、で構成される多層積層体も開示されている。しかし、前記した構成の積層フィルムのように柔軟性を付与して、曲面部かつ伸縮部を有する被貼付体への貼付け性を改善する試みを行うと、かえってフィルムとしての取扱い性が悪化するなど、作業性と柔軟性との両立が達成できない。
特開2003−335376号公報 特公昭52−13988号公報 特開平01−297241号公報 特開2000−326455号公報 特開平10−29280号公報
消臭性、防虫性、鮮度保持性、防錆などの薬効性が発現する貼付用多層積層フィルムに用いる基本構成としては、支持体層/粘着剤層(化学薬品、添加剤含有)/保護層(粘着剤層を保護し、貼付直前に除去する)であるが、
a)薬効性に大きく影響する、化学薬品、添加剤の飛散防止性、
b)被貼付体への安定貼付性、特に 曲面、伸縮部での安定貼付性(部分剥離、脱離防止性)、
c)該多層フィルムを除去する時の易剥離性、粘着剤糊残り防止性、及び 多層フィルムの層間剥離防止性、
d)該多層フィルムの安定生産性、及び 良取扱い性(包材からの取出し性、被貼付体への貼付操作性、及び 被貼付体からの取外し性など)、
が技術課題であり、種々の検討がなされているが、未だ十分な解決策を見出せていない。
上記したように、支持体層に用いるフィルムには、化学薬品や添加剤等の飛散防止性を有することが必要であり、この要求性能を満足するフィルムとして、化学薬品、添加剤のバリアー性、耐溶解膨潤性を有するPETフィルムやEVOHフィルムなどを用いる提案がある。しかし、これらのフィルムは製造面からの制約で薄膜が得られにくく、その結果、剛直性が高くなり、該多層フィルム貼付している時に曲面部、屈曲部で部分剥離や脱離が生じ、それに起因して薬効が低減するなど、大きな問題となっていた。
また、支持体層と粘着剤層との粘着性が低いと、該多層フィルムを被貼付体から剥がす時、支持体層と粘着剤層との層間で剥離が先行し、粘着剤層が被接着物に残存する。その為、粘着剤層を被接着物から除去する場合、粘着剤が指などの肌に付着するなど安全衛生面で大きな問題が生じることがある。
支持体層と粘着剤層との接着性を改善する方法として、支持体層を形成するフィルムの界面に、化学変性処理を施す方法(イソシアネートなどの架橋剤を含むアンカーコートなど)などが提案されているが、イソシアネートなどの架橋剤を使用する場合、該多層フィルムに含有する化学薬品の作用で接着力が大幅に低下する場合があり、また安全衛生上の面でも問題がある。
従って、本発明は化学薬品、添加剤がほとんど飛散せず、被貼付体の曲面、伸縮面の追随性が改善され、かつ安定な薬効が確保でき、さらに剥がす時に粘着剤層の糊残りがなく、薬効を有する、新規な貼付用多層積層フィルムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明者等が鋭意検討した結果、支持体層を形成するフィルムと粘着剤層との間に、EVOH樹脂とPO系樹脂、或いはEVOH樹脂とPO系樹脂と変性PO系樹脂との溶融樹脂ブレンド製膜層よりなる薄層を積層することで、得られる多層積層フィルムは、貼付後に該多層積層フィルムを被貼付体から取り外した際に被貼付体に粘着剤層の残存物がほとんど認められないこと、かつ化学薬品、添加剤の吸着、揮散が抑制されるのを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、支持体層(A)に、EVOHを少なくとも含む薄層(B)、粘着剤層(C)、及び保護層(D)を順次積層した多層積層フィルムであり、該薄層(B)が、以下(1)〜(3)のいずれかであり、かつ該薄層(B)中におけるポリオレフィン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂との混合物の含有率が3〜40重量であることを特徴とする多層積層フィルムである。
(1)EVOH樹脂とPO系樹脂との混合物。
(2)EVOH樹脂とPO系樹脂および変性PO系樹脂との混合物。
(3)EVOH樹脂が、異なるEVOH樹脂(X)とEVOH樹脂(Y)との混合物で構成された、EVOH樹脂(X+Y)とPO系樹脂との混合物。
本発明によれば、製造工程通過性および取扱い性付与が良好で、化学薬品、添加剤がほとんど飛散せず、薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が大幅に改善され、かつ多層積層フィルムを被貼付体から剥がす際に粘着剤層(C)に含まれる糊などの残存物がほとんど認められない、多層積層フィルムが得られる。
薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が大幅に改善した原因は定かではないが、EVOH樹脂とPO系樹脂との混合物で形成された薄層(B)は柔軟性が増すと共に、表面が不均質化する事で粘着剤(C)との接着性が大幅に改善し、追随性が増した為ではないか思われる。
更に、薄層(B)を化学薬品、添加剤のバリアー性が損なわれない範囲で可能な限り薄膜化する事で、柔軟な粘着剤層(C)との引張り強伸度特性が類似するようになり、薄層(B)と粘着剤層(C)との界面で生じる、極端な応力集中による接着力低下が抑制されたのではないかと推定される。
本発明の多層積層フィルムを構成する支持体層(A)は、その片面に塗布して形成される薄層(B)の形態を保持する役割を担い、生産時の工程通過性、安定生産性、及び易取扱い性に大きく寄与するものである。支持体層(A)に用いる素材としてはフィルムであることが好適であり、具体的には、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、EVOHなどのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリウレタン(以下、PUと略記する)系樹脂フィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。なかでも、溶媒を含む下塗り剤を塗布することが可能であり、耐溶剤性、ガスバリアー性、薄層(B)との接着性、柔軟性、及び被貼付体追従性に優れる点で、EVOHフィルムがより好ましい。また、より柔軟性を付与する為、EVOHにポリウレタンを積層したフィルムであることが好ましく、あるいは多層積層フィルムを被貼付体に貼付後、除去する際に剥離性を容易とする観点から、PETなどのポリエステル系フィルム、高密度ポリエチレン(以降、HDPEと略す)系フィルム、PET/PU、PET/EVOH、PET/PU/EVOHなどの積層フィルム、あるいはPETをHDPEに置き換えたフィルム構成などがより好適である。
支持体層(A)を形成するフィルムは周知の溶融押出製膜法にて製造する。樹脂の溶融押出法としては、単層製膜法、単層押出ラミネート法、多層共押出法、多層共押出ラミネート法などがある。
さらに、より柔軟な多層積層フィルムを得るには、支持体層(A)、薄層(B)、粘着剤層(C)と保護層(D)とを順次積層した多層フィルムを作製した後、支持体層(A)を除去する方法がある。その際には、支持体層(A)と、該支持体層(A)上に本発明の特徴である後述する特定のEVOHを含む溶液を塗布して形成された薄層(B)との剥離強度を制御することが好ましく、具体的には支持体層(A)と薄層(B)との剥離強度は10〜200g/15mm巾であることが好ましく、より好ましくは、20〜150g/15mm巾、さらに好ましくは、30〜100g/15mm巾である。
上記剥離強度が10g/15mm巾未満の場合、多層積層フィルム製造工程中に、工程通過に伴う屈曲や、薄層(B)側に粘着剤用溶液を塗布・乾燥する工程がある場合などで両層間に剥離が発生し、生産収率が大幅に悪化したり、あるいは多層積層フィルムの保護層(D)を剥離しようとして支持体層(A)が先に剥離してしまう問題が発生する可能性がある。一方、剥離強度が200g/15mm巾より大きいと、製造安定性、収率の改善に繋がるが、保護層(D)を剥離した後、多層積層フィルムを被貼付体に粘着させ、最後に支持体層(A)を取り除く段階で、被貼付体/粘着剤層(C)、或いは粘着剤層(C)/薄層(B)の間で層間剥離が発生する問題が生じることがある。
各層間の剥離強度は、<薄膜(B)/粘着剤層(C)間の剥離強度>を(a)、<粘着剤層(C)/被貼付体間の剥離強度>を(b)、<支持体層(A)/薄膜(B)間の剥離強度>を(c)、<粘着剤層(C)/保護層(D)間の剥離強度>を(d)とした場合、(a)>(b)>(c)>(d) であることが好ましい。
支持体層(A)と薄層(B)との剥離強度を制御する方法としては、薄層(B)に接する側の支持体層(A)を形成するフィルムの表面を加工することが好ましい。加工方法としては、フィルム表面をコロナ処理、或いはプラズマ処理を行う方法、フィルムの投錨性を付与する為、微粒子を練り込む方法、或いは 微粒子を含有するバインダー液を塗布・乾燥する方法、フィルム表面に機械的、均一に凹凸を付与することを目的としたエンボス処理、ブラスト処理を行う方法、或いはプライマー処理、アンカー処理、場合によっては離型処理など化学的コート方法、及びこれらの組合せが用いられるが、これらの中でもコロナ処理、アンカー処理、及び エンボス処理がより望ましい。
本発明に用いられる薄層(B)は、以下(1)〜(3)のいずれかで構成されていることが重要である。
(1)EVOH樹脂とPO系樹脂との混合物。
(2)EVOH樹脂とPO系樹脂および変性PO系樹脂との混合物。
(3)EVOH樹脂が、異なるEVOH樹脂(X)とEVOH樹脂(Y)との混合物で構成された、EVOH樹脂(X+Y)とPO系樹脂との混合物。
薄層(B)を少なくとも構成するEVOH樹脂としては、耐水性,強度などの点からエチレン含有量20〜55モル%、特に25〜50モル%、酢酸ビニル成分のケン化度90モル%以上、特に95モル%以上のEVOHで,極限粘度が0.7〜1.5dl/gの範囲にあるものが好ましい。エチレン含有量が20モル%未満ではフィルム自体が硬くなって、被貼付体を貼付時にゴワゴワ感が生じたり、被貼付体への追従性が低下するようになって、貼付感に劣る傾向となる、一方、エチレン含有量が55モル%を超えると、疎水性が高まるので、粘着剤層中の油性添加剤を吸着する傾向を示しいずれも好ましくない。また、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%未満では化学薬品、及び添加剤の吸着や移行が顕著となり好ましくない。さらに極限粘度が0.7dl/g未満では機械的強度が不足し、極限粘度が1.5dl/gを超えるものは製造上困難となる場合が多い。なおここで、極限粘度とは、水/フェノールの15/85の重量比の混合溶媒中、温度30℃で測定したものをいう。
EVOH樹脂は、エチレンー酢酸ビニル共重合体のケン化によって得られるが、該EVOH樹脂は、公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合などにより製造することが可能であって、エチレンー酢酸ビニル共重合体のケン化も公知の方法で行うことができる。
また、EVOH樹脂のうち、50質量%未満であればα−オレフィン、不飽和カルボン酸系化合物、不飽和スルホン酸系化合物、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、ビニルエーテル、ビニルシラン化合物、塩化ビニル、スチレンなどの他のコモノマーで共重合変性されたEVOH樹脂であっても差し支えなく、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化など後変性されたEVOH樹脂であっても差し支えない。
また、本発明の趣旨を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機物微粒子、有機物系微粒子、増粘剤、可塑剤など各種添加剤を少量添加しても差し支えない。
薄層(B)において、EVOH樹脂と混合するPO系樹脂としては、特に限定するのもではないが、高密度ポリエチレン等のポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ1−ブテン,ポリ4−メチル−1−ペンテン,エチレン−プロピレン共重合体,エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体,エチレン−ビニルエステル共重合体,エチレン−アクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。なかでも,高密度ポリエチレンが好ましい。
前記PO系樹脂のメルトインデックス(MI)とEVOH樹脂のメルトインデックス(MI)との比率(MI比率)は、0.5以下、より好適には0.3以下である。MI比率が0.5より大きいと、薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が不十分である。
なお、ここでいうMIは溶融粘度を示す指標の一つであり、荷重2160g下、190℃の条件で測定され、単位はg/10minで示される。
EVOH樹脂へのPO系樹脂、またはEVOH樹脂へのPO系樹脂および変性PO系樹脂の混合割合としては、EVOH樹脂とPO系樹脂の合計量に対するPO系樹脂の割合、またはEVOH樹脂とPO系樹脂および変性PO系樹脂の合計量に対するPO系樹脂および変性PO系樹脂の割合が3〜40質量%であることが必要であり、5〜30質量%であることが好ましい。PO系樹脂、またはPO系樹脂および変性PO系樹脂の割合が3重量%未満では薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が不十分である。一方、40重量%より多い場合では、化学薬品、添加剤の吸着、揮散防止効果が低減することがある。
薄層(B)において、EVOH樹脂と混合するPO系樹脂の他に、さらに変性PO系樹脂を混合する場合、変性PO系樹脂としては、特に限定するものではないが、不飽和カルボン酸若しくはその誘導体でグラフト変性した変性ポリオレフィン等のポリオレフィンや、各種ポリオレフィンに、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,マレイン酸,イタコン酸等の炭素数が3〜10個のα,β−不飽和カルボン酸化合物またはそのカルボン酸化合物の無水物をグラフト変性して得られるような酸変性ポリオレフィン等が挙げられる。これらの中では、高密度ポリエチレンにカルボン酸化合物をグラフト変性して得られるようなカルボン酸変性ポリエチレンが特に好ましい。
混合する変性PO樹脂の割合としては、PO系樹脂と変性PO系樹脂の合計量に対する変性PO系樹脂の割合が1〜30重量%であることが好ましく、より好適には2〜20重量%である。変性PO系樹脂の割合が1重量%未満では、薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性改善効果が不十分である。また、30重量%より多い場合、EVOH樹脂との反応が顕在化し、ゲル状物が多発する問題を含むことがある。
薄層(B)において、用いるEVOH樹脂が異なるEVOH樹脂(X)とEVOH樹脂(Y)の混合物である場合がある。EVOH樹脂(X)と異なるEVOH(Y)としては、EVOH樹脂(X)におけるエチレン含有率とEVOH(Y)におけるエチレン含有率の差が3モル%以上、さらには5モル%以上であることが好ましく、また、上記で定義したMIの比が0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.3以下である。
EVOH樹脂(X)とEVOH樹脂(Y)において、エチレン含有率の差が大きく、かつ MIの比率が小さいほど、薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が向上する傾向を示す。従って、MIの比が0.5よりも大きくで、かつ エチレン含有率の差が3モル%未満では、ブレンドEVOH薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が不十分である。
薄層(B)において、EVOH樹脂にPO系樹脂を溶融ブレンドする方法としては、例えば、EVOH樹脂 及びPO系樹脂をドライブレンドし、二軸押出機に投入して、溶融下に混練、ペレット化する方法などが挙げられるが、これらの方法に限定するものではない。
薄層(B)は、支持体層(A)上に、上記方法により得られたEVOH樹脂とPO系樹脂の混合物を溶融押出ラミネート法等で製膜される。製膜された層の厚みは1〜30μm、より好適には2〜10μmである。厚みが1μm未満では、化学薬品、添加剤の吸着、揮散の抑制効果が不十分であり、30μmより厚い場合では、剛直性が増し、多層積層フィルムの肌追随性が悪く好ましくない。また、上記溶融押出ラミネート法以外の方法としては予めPUと上記混合樹脂とを積層させておき、その後支持体層(A)上に共押出ラミネートする方法などが挙げられる。
本発明の多層積層フィルムにおいて、薄層(B)の片面に形成する粘着剤層(C)は、化学薬品、及び添加剤とを含有するものであり、良好な被貼付体への接着性の観点からは通常10〜300μm、好ましくは15〜250μmの厚みで形成される。
化学薬品は、粘着剤層(C)に添加するが、機能の異なる化学薬品を更に添加する場合、薄層(B)側に化学薬品を添加することで、機能をより効率良く発揮できる場合がある。例えば、薄層(B)側に、酸素吸収剤、あるいは 紫外線防止剤を添加することで、粘着層(C)に添加の化学薬品の酸化や紫外線劣化を防止し、該化学薬品の薬効の低下を抑えるなどの効果が発現する場合がある。
粘着剤層(C)を形成する樹脂としては、例えば常温で感圧性を有するアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤等が用いられ、一種もしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル系粘着剤として、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル(ここで、(メタ)アクリル酸は、メタアクリル酸又はアクリル酸を意味する)を主成分とした単独重合物及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合性モノマーとの共重合体又は炭素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸アルキルエステルの(共)重合体等が好ましい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸イソブチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸オクチルエステル、(メタ)アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸デシルエステル、(メタ)アクリル酸イソデシルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル等が挙げられる。
上記共重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸ブチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノアクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチルアクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブタジエン等が挙げられる。
ゴム系粘着剤としては特に限定されず、例えば、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレン共重合体、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、合成イソプレンゴム、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ウレタンゴム等のゴムを主体とする従来公知のゴム系粘着剤が使用できる。
シリコーン系粘着基剤としては特に限定されず、例えばポリオルガノシロキサン等のシリコーンゴム等が挙げられる。
ビニルエーテル系粘着基剤としては、例えばビニルエーテル、イソブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、エチルイソブチルエーテル等が挙げられる。
また、粘着剤層(C)において、粘着剤の凝集力が低いと、粘着剤層間(あるいは粘着剤内部)で粘着剤が凝集破壊し、被貼付体に糊などの残存物が残るなどの問題が生じることがある。このような粘着剤の凝集力を高めたり、あるいは添加剤の保持量を増加させるためには、粘着剤層(C)を架橋処理することが好ましい。具体的には、紫外線照射や電子線照射などの放射線照射による物理的架橋や、イソシアネート化合物や有機過酸化物、有機金属塩、金属アルコラート、金属キレート、多官能化合物などの外部架橋剤による化学的架橋等が挙げられ、また重合反応によって粘着剤層を形成するためのポリマーを調製する場合は、多官能性単量体を共重合することによって内部架橋されたポリマーを得ることもできる。
上記した各種粘着剤のうち、所望の粘着物性を得るための調整の行いやすさや、化学薬品、及び 添加剤の溶解性(相溶性)向上、多量に含有保持できること、架橋処理が比較的容易であることなどの点からは、アクリル系粘着剤が好ましい。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤としては、浸透促進剤、溶解助剤、充填材、軟化可塑剤、粘着付与剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、化学薬品分解抑制剤などが挙げられるが、特に限定するものではなく、一種もしくは二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として浸透促進剤を用いる場合、浸透促進剤としては被貼付体への吸収促進作用が認められている化合物のいずれでも良く、例えば、C2−C4アルコール、例えばエタノール及びイソプロパノール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール−3−ラウラミド、ジメチルラウラミド、ソルビタントリオレアート、脂肪酸、約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド又はモノエステルが10〜20個の炭素原子を備えたモノエステルである場合、少なくとも51%の総モノエステル含有率を有する脂肪酸のモノグリセリドの混合物、ならびに脂肪酸のモノ−、ジ−及びトリ−グリセリドの混合物等が挙げられる。脂肪酸は、これに限定されないがラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリル酸、オレイン酸、リノール酸、及びパルミチン酸を含む。モノグリセリド浸透促進剤は、例えばグリセロールモノオレアート、グリセロールモノラウレート、及びグリセロールモノリノレアート等が好ましい。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として溶解助剤を用いる場合、溶解助剤としては、粘着剤との相溶性に優れており、化学薬品を充分に溶解し、化学薬品の粘着剤層からの滲み出し(ブリード)が少なく、粘着特性や化学薬品放出性に悪影響を及ぼさないものであればよい。具体的には、オレイン酸、ミリスチン酸、カプリン酸等の脂肪酸、アジピン酸、セバシン酸等のジカルボン酸等の有機酸と、エタノールや2−プロパノール等のアルコール類とのエステル類;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコールやそれらのジ、トリエステル類;多価アルコールと、トリアセチン等の有機酸とのエステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等のポリエーテル類、メチルエチルケトン、N-メチル-2-ピロリドン;その他クロタミトン等が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として充填材を用いる場合、充填材としては、粘着剤層における粘着剤の凝集力を向上させるものであれば特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化アルミニウム、タルク、カオリン、ベントナイト、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子、乳糖、カーボンブラック、ポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース類、アクリル樹脂等の有機微粒子、更にはポリエステル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、セルロース類、アクリル樹脂、ガラス等の繊維が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として軟化可塑剤を用いる場合、軟化可塑剤としては、石油系オイル、スクワラン、スクワレン、植物系オイル、シリコーンオイル、二塩基酸エステル、液状ゴム、液状脂肪酸エステル類、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、サリチル酸グリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、クロタミトン等が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として粘着付与剤を用いる場合、粘着付与剤としては、ゴム系粘着剤用タッキファイヤー類を適宜選択して用いればよく、例えば、石油系樹脂(例えば、芳香族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂)、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、マレイン酸レジン、クマロンインデン樹脂、スチレン系樹脂(例えば、スチレン樹脂、α−メチルスチレン樹脂)、水添石油樹脂(例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂)等が挙げられる。中でも、脂環族飽和炭化水素樹脂が化学薬品の保存安定性が良好になるため好適である。タッキファイヤーは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができ、2種以上を組み合わせて使用する場合には、例えば、樹脂の種類や軟化点の異なる樹脂を組み合わせてもよい。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として架橋剤を用いる場合、架橋剤としては、特に限定させるものではないが、アミノ樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物、有機系架橋剤、金属又は金属化合物等の無機系架橋剤等が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として酸化防止剤を用いる場合、酸化防止剤としては、特に限定させるものではないが、トコフェロール及びこれらのエステル誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、ノルジヒトログアヤレチン酸、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有する添加剤として紫外線吸収剤を用いる場合、紫外線吸収剤としては、特に限定させるものではないが、p−アミノ安息香酸誘導体、アントラニル酸誘導体、サリチル酸誘導体、クマリン誘導体、アミノ酸系化合物、イミダゾリン誘導体、ピリミジン誘導体、ジオキサン誘導体等が挙げられる。
上記粘着剤層(C)中に含有するこれらの添加剤は、粘着剤層(C)中に0.1〜60重量%、特に1〜50重量%の範囲で含有させることが好ましい。含有量が0.1重量%に満たない場合は、前記したような添加剤を含有することによる効果を充分に発揮できない場合があり、60重量%を超えて含有させた場合は、粘着剤層中に化学薬品、添加剤を安定的に保持できずに、保存中や貼付中に粘着剤層から化学薬品、添加剤が滲出して安定的な効果を発揮できない場合がある。なお、粘着剤層を架橋処理して化学薬品、添加剤を保持しやすくすることもできるが、添加剤の含有量が多すぎると架橋処理によっても保持できる限界を超えることがある。
本発明の多層積層フィルムにおける粘着剤層(C)には、化学薬品を含有させる。このような化学薬品としては特に限定されるものではなく、例えば、酸素吸収剤、抗菌剤、防ダニ剤、脱臭剤、生物忌避剤、防カビ剤、揮発性防カビ剤、防虫剤、動物忌避剤、防錆剤、防食剤、防腐剤、アルデヒド類吸着剤、消臭剤、酸化防止剤、防藻剤、脱酸素剤、鮮度保持成分、界面活性剤、難燃剤、剥離剤、静電防止剤、絶縁剤、着色防止剤、UV吸収剤、IR吸収剤、撥水剤、 吸水剤、及びこれらの揮発性化学薬品、医薬品などの化学薬品を一種もしくは二種以上併用することができる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に防カビ剤を用いる場合、防カビ剤としては、特に限定されるものではないが、揮発性防カビ剤、親水性有機系防カビ剤などが挙げられる。また、好気性の菌の繁殖防止に脱酸素剤も使用可能である。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に揮発性防カビ剤を用いる場合、揮発性防カビ剤としては、特に限定されるものではないが、有機スズ化合物、有機硫黄化合物、塩素系化合物、フェノール系化合物、チモール等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に親水性有機系防カビ剤を用いる場合、親水性有機系防カビ剤としては、特に限定されるものではないが、ベンズチアゾール系、フェノール系、イソチアゾリン系、第4アンモニウム塩系、ホスホニウム塩系、ベンズイミダゾール系、フェノール系、イソチアゾリン系、ピリジン系などの合成系防カビ剤や、キトサン、リゾチーム、プロタミン、ポリリジンなどの天然系防カビ剤が例示される。これらの内、ベンズチアゾール系、フェノール系、イソチアゾリン系が少量での添加で効果があり、好適である。これらの防カビ剤の例としては、2−(4−チアゾリル)ベンズチアゾール2−(4−チオシアノメチル−チオ)ベンズチアゾール、p−クロロ−m−メチルフェノール、O−フェニル−フェノール、5―クロロ2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、などが挙げられる。中でも、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オンは、効果のある菌・カビのスペクトルが広く、毒性等も低いので、特に好適である。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に抗菌剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、無機系抗菌剤、有機系抗菌剤、揮発性抗菌剤などが挙げられる。無機系抗菌剤としては、特に限定されるものではないが、塩素、臭素、ヨウ素を含有するハロゲン化合物;亜ヒ酸銅、酸化第一銅、硝酸銀、銀や銅を含有するガラス;結晶性ケイ酸アルミニウム(ゼオライト)、非晶質の合成ケイ酸アルミニウムなどのケイ酸アルミニウム;Ag、Cu、Zn等のイオンを担持したリン酸ジルコニウム;酸化亜鉛系化合物;酸化マグネシウム系化合物;水酸化カルシウム系化合物等が含まれる。
有機系抗菌剤としては、特に限定されるものではないが、アミン、トリアジン等の窒素化合物;ヒ素、銅、水銀、錫、亜鉛の有機金属化合物;イソチアゾロン、ピリチオンチオシアン酸塩等の有機硫黄化合物;アルキルジメチルベンジルアンモニウム化合物等の第四級アンモニウム化合物;塩素化フェノール、ビスフェノール、O−フェニルフェノール等のフェノール化合物等が含まれる。また、ヒノキチオール、ワサオーロ、キチンキトサン等の天然物由来の抗菌剤を用いることもできる。揮発性抗菌剤としては、特に限定されるものではないが、イソチアン酸化合物、ヒノキチオール、タケ抽出オイル、シソ抽出オイル、チアゾリルスルファミド化合物等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に防ダニ剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、揮発性防ダニ剤が好適である。揮発性防ダニ剤としては、特に限定されるものではないが、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、フェノトフラメトリン、ペルメトリン、シフェノトリン、トラロメスリン、エンペントリン、DDVP、フェニチオン、テメホス、ジフルベンズロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、ハッカ油等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に防虫剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、揮発性防虫剤が好適である。揮発性防虫剤としては、特に限定されるものではないが、クレゾール、o−フェニルフェノール、パラチオン、イミダゾール等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に動物忌避剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、揮発性動物忌避剤が好適である。揮発性動物忌避剤としては、特に限定されるものではないが、ピレトリン、ロテノン、フタルスリン、アレスリン、ペルメトリン、サイバーメトリン、アルファサイバーメトリン、フェノトリン、シフェノトリン、メントール、ヒノキオイル、スギオイル、ヒバオイル、ジチオカルバモリルスルファイド系化合物、シンナミックアルデヒド、リナロール等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に防腐剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、例えば、有機沃素系化合物、有機窒素硫黄系化合物、有機臭素系化合物、イソチアゾロン系組成物、ブロモニトロアルコール系組成物等がある。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に脱臭剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、シリカゲル、活性アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、ゼオライト、活性炭、アモルファスシリカ、シクロデキストリン、セピオライト、セラミックス等があり、活性炭にアミン類等の物質を化学処理したもの、例えば、日本エンバイロケミカルズ社製の粒状白鷺GAAxは好ましい例である。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品にアルデヒド類吸着剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、アミン基をもつ有機化合物としては、例えば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、5−メトキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿素、パラバン酸(グリオキザールモノウレイン)、4,5−ジメトキシプロピレン尿素、ヒドラジン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、ジシアンジアミド、2−ヒドラゾベンゾチアゾール、もしくはその誘導体、等のアミン類、アミド類、イミド類、など挙げられ、中でも、尿素系及びヒドラジン系の有機化合物が、アルデヒド類吸着性能上、好ましい。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に消臭剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、ポリエチレンイミン等のポリアルキレンイミン、ビタミンE、トコフェノール、酸化チタン、ヒドラジン誘導体、アミン化合物(ペンタエチレンヘキサミン、トリエチレンテトラミン、ポリビニルオキサゾリン、等)、無機塩基化合物(酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、等)、フラボノイド防臭剤、ポリフェノール、テレピン油、活性酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に防錆剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、気化性防錆剤、ジンクホスフェート、タンニン酸誘導体、リン酸エステル、塩基性スルホン酸塩、各種防錆顔料等が挙げられる。気化性防錆剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、亜硝酸塩、アンモニウム化合物、尿素系化合物及びこれらの混合物等が挙げられ、加水分解や中和反応を起こし、亜硝酸アンモニウム、アンモニア及び亜硝酸等の気化性の高い防錆剤を生成して、優れた防錆効果を発揮する。
亜硝酸塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム;アンモニウム化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、安息香酸アンモニウム、フタル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルミチン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム;尿素系化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、尿素、ウロトロピン、カルバミン酸フェニル等が挙げられる。また、安息香酸ナトリウム、亜硝酸塩類のジイソプロピルアンモニウム・ナイトライト(DIPAN)、ジシクロヘキシルアンモニウム・ナイトライト(DICHAN)、ニトロナフタリンアンモニウム・ナイトライト(NITAN)、二環のベンゾアゾール化合物、単環のイミダゾール、トリアゾール、ロジン、亜硝酸ジイソプロピルアンモニウム、安息香酸、カブリル酸、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム、炭酸ジシクロアンモニウム、ニトリット等が挙げられる。これらの気化性防錆剤は人体に有害なものが多く、その取り扱いには注意が必要である。
鉄用の気化性の防錆剤としては、アミン類の亜硝酸塩類、アミン類のカルボン酸塩類、アミン類のクロム酸塩類、カルボン酸のエステル類が挙げられる。
銅及び銅合金用としては、複素環状化合物であるトリアゾール環、ピロール環、ピラゾール環、チアゾール環、イミダゾール環やチオ尿素類、メルカプト基を有するもの等がある 。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に脱酸素剤を用いる場合、特に限定されるものではないが、鉄系脱酸素剤、非鉄系脱酸素剤、酸素と炭酸ガスを同時に吸収するものなどが挙げられ、鉄、亜鉛等の金属粉、FeO、FeTiO、Fe等の鉄の還元性低位酸化物、有機金属錯体、遷移金属化合物、アスコルビン酸、フェノール系物質亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、シュウ酸塩、ピロガロール、カテコール、ロンガリット、ビタミンC、ナノコンポジットナイロンレジン、ブタンジオールが分子内に分岐されたポリエステル、グルコース等が挙げられる。
粘着剤層(C)に含有させる化学薬品に鮮度保持成分を用いる場合、特に限定されるものではないが、イソチオシアネート化合物、香辛料抽出物、シンナミックアルデヒド、ゲラニオール、オイゲノール、カルバクロール、チモール、ボルネオール、ピネン等が挙げられ、特にイソチオシアネート化合物が有用である。
上記粘着剤層(C)と被貼付体との粘着性および剥離性をより最適化する為、保護層(D)に接する粘着剤層(C)側に、粘着性と剥離性を両立させた、再剥離性粘着層(C´)を積層することができる。
たとえば、被貼付体と接する側の再剥離性粘着剤層(C´)を凹凸状・吸盤状にし、被貼付体との接着面積を低減すると共に、吸盤吸着作用による、接着性と剥離性とを両立させる樹脂組成が選ばれる。例えば、重合度の異なる樹脂をブレンド、架橋剤の添加、発泡剤の添加などによる、凹凸処理を行う方法などが有効である。
本発明の多層積層フィルムは、上記のような構成からなるものであるが、一般的に粘着剤層(C)表面を被覆保護するために公知の保護層(D)を積層したシート状形態として提供される。また、該多層積層フィルムは包装材料(E)にて密封包装することによって、使用するまでの保存安定性を確保できるものである。
保護層(D)に用いられるフィルムとしては、貼付剤を使用する時まで前記粘着剤層(C)の表面を被覆して保護するためのフィルムであり、材質としては、特に制限されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、EVOH、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ナイロン等のポリアミド;ポリアクリロニトリル;セルロース又はその誘導体;アルミニウム等の金属箔等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。このようなフィルム及びシートとしては、その離型性を増すために、前記粘着剤層に接する面にあらかじめシリコーン処理やフッ素樹脂処理等が施されたものであってもよい。
包装材料(E)としては、該多層積層フィルムを、使用前まで密封して保存又は運搬する為のものであり、気密性の観点からヒートシール可能なものが望ましい。具体的には、ポリエチレン、アイオノマー樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、EVOH、ポリアクリロニトリル系共重合体、ポリビニルアルコール系共重合体等のヒートシール性を有するプラスチックシートを用いた包装材料が適している。特に該多層積層フィルムに含有される化学薬品の外気による汚染や酸化分解を防止するためには、ポリエステルフィルム、EVOHフィルム、及び これらの表面を無機物で蒸着コートしたフィルムや金属箔等のガス不透過性フィルムを積層したものを用いることが好ましい。
本発明の該多層積層フィルムの製造方法としては、例えば、粘着剤、化学薬品、各種添加剤を含む粘着剤組成物をトルエン等の適当な溶媒に溶解し、得られた溶液を剥離可能な保護層(D)を形成するフィルム表面に塗布、乾燥して粘着剤層(C)を形成する第一工程と、支持体層(A)を形成するフィルムと薄層(B)を形成する本発明のEVOH樹脂とPO系樹脂との混合樹脂とを共押出機に投入し、支持体層(A)を形成するフィルムに下記樹脂を押出ラミネート成形する第二工程、さらには両工程から得られた多層フィルムを粘着剤層(C)と薄層(B)とが対面するように積層し、圧着する第三工程を経ることにより製造される。第三工程においては、圧着時に加熱して該多層積層フィルムを製造しても良い。
しかし、上記第一工程において、保護層(D)を形成するフィルム表面の離型剤が粘着剤層(C)に移行し、粘着剤層と被貼付体との接着性が悪化する場合があったり、上記第三工程で、エアー噛みなど密着が悪化する場合がある。その対策として、第二工程の後、薄層(B)側に直接、粘着剤溶液を塗布・乾燥し、その後、保護層(D)を圧着する方法も有効である。特に、薄層(B)側に粘着剤を均一に粘着させるには、該方法がより接着性の面で有効である。
保護層(D)を剥離し、被貼付体に該多層積層フィルムを貼り付けた後、支持体層(A)を剥離する際、被貼付体と粘着剤層(C)との界面が先に剥離するなどの問題がある。その対策として、1)該多層積層フィルム周辺部を、支持体層(A)側に僅かに折り曲げる方法、2)多層積層フィルム周辺部の支持体層(A)と薄層(B)との間を部分的に剥離しておく方法、3)多層積層フィルム周辺部の支持体層(A)を形成するフィルムに予め離型剤を部分的に塗布しておく方法、4)支持体層(A)を局部的にカットしておく方法等が挙げられ、さらには、これら方法を2種類以上組み合わせた方法等があげられる。これらの中でも、2)の方法、または1)の方法と2)の方法の組合せ、或いは1)の方法と3)の方法との組合せがより好ましい。
本発明の多層積層フィルムは、安全衛生性、及び化学薬品、添加剤の飛散による効力低下を軽減する為、化学薬品、添加剤バリアー性を有する包装材料(E)で包装し、安全衛生性、及び長期保存性を確保する。包装方法としては、例えば、1枚あるいは数枚重ねた該多層積層フィルムを包装材料(E)に包装し、その周辺をヒートシールして密封する方法が挙げられる。
本発明の多層積層フィルムは、使用直前に上記包装体(E)を取り外し、保護層(D)を剥がして露出した粘着面を被貼付体に貼付した後、支持体層(A)を剥がして使用することができる。
なお、包装材料(E)の材質としては、PET、アルミニウム(アルミニウム箔、アルミニウム蒸着)、ポリアクリロニトリル、EVOH等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例の記載によって限定されるものではない。
<実施例1〜8および比較例1〜3>
表1に示す支持体層(A)上に薄層(B)を積層し、別途、保護層(D)上に化学薬品及び添加剤を含む粘着剤層(C)を積層し、層(B)と層(C)とが対面する方向で圧着する事で多層積層フィルムを作製した。
なお、表1に記載の材料、及び 粘着剤層(C)、保護層(D)の詳細は、以下の通りである。
<支持体層(A)に用いるフィルム>
(1)EVOHフィルム
(株)クラレ製、エバールフィルム EF−E #15(厚み=15μm、エチレン含有量44%、鹸化度99%)
(2)ポリエステルフィルム
以下の3種類を用いた。
PET−1:ユニチカ製エンブレットSM−50マット処理品(厚み=50μm)
PET−2:東レ社製ルミラーS−10#50、片面コロナ処理品(厚み=50μm)
PET−3:東レ社製ルミラーS−10#50、片面コロナ処理品(厚み=50μm)
<薄層(B)を形成するフィルムに用いる樹脂>
以下の4種類を用いた。
(1)EVOH樹脂
1)(株)クラレ製エバール樹脂 EP−E105(エチレン含有量44%、鹸化度99%)
MI=5.5g/10min
2)(株)クラレ製エバール樹脂 EP−L171(エチレン含有量27%、鹸化度99%)
MI=1.6g/10min
(2)ポリオレフィン樹脂
1)HDPE;プライムポリマー社製 ハイゼックス5000H
MI=0.1g/10min
2)変性HDPE;三井石油社製 アドマーHF500
MI=1.0g/10min
<支持体層(A)への薄層(B)の積層方法>
(1)実施例1〜3、実施例6〜8
(株)クラレ製エバール樹脂 EP−E105(エチレン含有量44%、鹸化度99%)75重量%、プライムポリマー社製ハイゼックス5000H(HDPE)20重量%、及び 三井石油社製 アドマーHF500(変性HDPE)5重量%を用いて二軸押出機を用い、230℃で溶融ブレンドし、ペレット化を行った。
(2)実施例4
(株)クラレ製エバール樹脂 EP−E105(エチレン含有量44%、鹸化度99%)70重量%、プライムポリマー社製ハイゼックス5000H(HDPE)30重量%を用いて二軸押出機を用い、230℃で溶融ブレンドし、ペレット化を行った。
(3)実施例5
(株)クラレ製エバール樹脂 EP−E105(エチレン含有量44%、鹸化度99%)75重量%、(株)クラレ製エバール樹脂 EP−L171(エチレン含有量27%、鹸化度99%)25重量%を用いて二軸押出機を用い、230℃で溶融ブレンドし、ペレット化を行った。
次に、支持体層(A)の上に、一軸溶融製膜機(東洋精機製作所製 ラボプラストミル、1軸押出機製)のT型ダイスより上記(1)〜(3)のいずれかの組成でペレット化した溶融ブレンド樹脂を樹脂温度250℃で薄膜製膜・圧着させる事で、押出ラミネートフィルム(2層構造)を得た。
<粘着剤層(C)>
下記の3種類の組成を有する溶液を調製し、後述する条件にて保護層(D)上に塗布し、粘着剤層(C)を形成した。
C−1:
シリコーン系樹脂(東レ・ダウコーニング社製、BIO-PSA 7-4202)の樹脂重量換算で79重量%、シリコーン系オイル(東レ・ダウコーニング社製、Q7-9120 SILICONE FLUID)5重量%、 化学薬品として、気化性防錆剤である亜硝酸ジイソプロピルアンモニウムサリチル酸メチル5重量%、及び 希釈溶剤として、酢酸メチル11重量%を混合し均一化した。
C−2:
高重合度ポリイソブチレン(BASF社製オパノールB−100)9重量%、低重合度ポリイソブチレン(BASF社製オパノールB−12)4重量%、流動パラフィン(カネダ社製ハイコールM−72)11重量%、化学薬品として、気化性抗菌剤であるヒノキチオールサリチル酸メチル1重量%及び希釈溶剤としてトルエン75重量%を煮沸攪拌下で混合し均一化した。
C−3:
アクリル系樹脂(ヘンケル社製DURO−TAK 87−2196)の樹脂重量換算で53重量%、ミリスチン酸イソプロピル(以降IPMと略す)11重量%、化学薬品として、気化性防虫剤であるo−フェニルフェノール5重量%、及び希釈溶剤として、酢酸メチル31重量%を混合し均一化した。
<保護層(D)に用いるフィルム>
以下の2種類を用いた。
D−1:藤森工業社製SF3(厚み=50μm)
D−2:東洋紡社製 K5104(厚み=50μm)
保護層(D)の離型コート面側に、粘着剤層(C)を形成させるための上記調製した溶液を塗布し、80℃で5分間乾燥後、粘着剤層(C)の厚みが、40〜60μmである粘着層(C)/保護層(D)の積層フィルムを得た。
支持体層(A)に薄層(B)を積層したフィルムと、該粘着剤層(C)/保護層(D)とをTOLAMI製 DX−700型 テーブルラミネーターにて常温下、ラミネート速度1m/minでラミネートし、多層積層フィルムを得た。該多層積層フィルムを4cm×5cmに切り出し、PET/アルミ/PAN(ポリアクリロニトリル)製の包装袋(E)に投入・熱シールを行った。
得られた多層積層フィルムについて、以下の性能評価を行った。
<剥離強度、支持体剥離性、糊残り性>
15mm幅×100mm長さの多層積層フィルムの保護層(D)を剥離し、ベークライト板に1kg加重のローラーで貼付け、23℃、50%RH湿度下、1時間放置後、強伸度測定装置(島津製作所社製オートグラフ、AG−1、500N)を用いて、100mm/minの速度で180度剥離を行い、剥離強度、剥離層位置及び 粘着層(C)由来の糊残りの有無を目視で観察した。
糊残り性は、目視で、無しを「○」、僅かにありを「△」、及び 多いを「×」と判定した。また、支持体剥離性は、目視で、保護フィルム(D)を剥離する際、支持体層(A)が先に剥離する場合を「×」と判定し、保護層(D)が先行して、容易に剥離する場合を「○」と判定した。
<引張強度(引張伸度10%時)>
得られた多層積層フィルムを23℃、50%RH湿度下で1日放置後、包装袋(E)を取り除いた後、支持体層(A)、及び保護層(D)を剥離し、15mm巾の試料を23℃、50%RH湿度下で、フィルム強伸度測定装置(島津製作所社製オートグラフ、AG−1、500N)を用い、引張り速度5mm/minで強伸度を測定し、引張伸度10%時の引張強度を求め、柔軟性の目安とした。
表1、表2の結果から明らかなように、EVOH樹脂とPO系樹脂の混合物で構成される薄層(B)と粘着剤層(C)との接着性が大幅に改善しており、多層積層フィルムの被貼付体からの粘着剤(C)残り、及び 被貼付体への刺激性が大幅に改善している。
従って、本発明の多層積層フィルムでは、保管中、粘着層の化学薬品、添加剤の吸着、移行がなく、貼り付け後の被貼付体伸縮追随性が優れており、かつ多層積層フィルムの被貼付体からの粘着剤(C)剥離残りが大幅に改善することが判る。
本発明は、家具、壁紙、衣装ケース、板紙、ダンボール紙、木材、建材、野菜、果物、医療用品などの機能性保護フィルムなどに適用できる。






















Claims (1)

  1. 支持体層(A)に、エチレンービニルアルコール共重合体(以下、EVOHと称す)を少なくとも含む薄層(B)、粘着剤層(C)、及び保護層(D)を順次積層した多層フィルムであり、該薄層(B)が、以下(1)〜(3)のいずれかであり、かつ該薄層(B)中におけるポリオレフィン系樹脂、またはポリオレフィン系樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂との混合物の含有率が3〜40重量%であることを特徴とする多層積層フィルム。
    (1)EVOH樹脂とポリオレフィン系樹脂との混合物。
    (2)EVOH樹脂とポリオレフィン系樹脂および変性ポリオレフィン系樹脂との混合物。
    (3)EVOH樹脂が、異なるEVOH樹脂(X)とEVOH樹脂(Y)との混合物で構成された、EVOH樹脂(X+Y)とポリオレフィン系樹脂との混合物。
























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