JP2019001756A - 防カビ剤、防カビ樹脂フィルム、防カビ積層フィルム及び防カビ包装体 - Google Patents

防カビ剤、防カビ樹脂フィルム、防カビ積層フィルム及び防カビ包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】食品等の保存用として使用可能な防カビ包装体、並びにこれを構成するのに好適な防カビ樹脂フィルム、及び前記防カビ樹脂フィルムを構成するのに好適な防カビ剤の提供。【解決手段】防カビ樹脂フィルム12、第1樹脂層11及び第2樹脂層13を備え、防カビ樹脂フィルム12が第1樹脂層11及び第2樹脂層13間に配置されてなる防カビ積層フィルム1において、第1樹脂層11を、25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が3000cm3/m2・atm・day以上のものとし、防カビ樹脂フィルム12を、防カビ剤及び樹脂を含むものとし、前記防カビ剤として、式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、防カビ剤。【選択図】図1

Description

本発明は、防カビ剤、防カビ樹脂フィルム、防カビ積層フィルム及び防カビ包装体に関する。
目的物を収容して保存するために、種々の保存用の包装体が用いられている。例えば、保存対象物が食品等の経口摂取されるものである場合には、この対象物を、良好な品質を維持しながら保存できることが求められ、このような目的を達成するための包装体が開示されている(特許文献1参照)。
一方で、包装体を衛生的に製造し、取り扱っても、保存対象物を包装体に収容するときに、この保存対象物などの、包装体の収容部へ接触するものに付着しているカビが、包装体の収容空間内に取り込まれることがある。保存対象物を衛生的に保存したい場合には、このようなカビの混入は大きな問題となる。
保存対象物を収容するときに、この保存対象物に付着しているカビの収容空間内への混入を抑制するためには、例えば、加熱処理、薬品処理、紫外線照射処理等のカビを死滅させる処理を行った後の保存対象物を、包装体へ収容することが考えられる。しかし、保存対象物が、上述のような経口摂取されるものである場合など、その種類によっては、これらの処理を行うことができない場合もあり、この方法は汎用性があるとはいえない。したがって、保存中の包装体の収容空間内で、問題点を生じない程度にカビの増殖を抑制することが、より現実的で重要であり、そのためには、例えば、包装体に防カビ性を付与することが考えられる。
特開平9−252718号公報
しかし、保存対象物が食品等の経口摂取されるものである場合には、防カビ性を有する包装体には、種々の制約が課される。例えば、保存対象物を収容した後の包装体は、外部からのカビの侵入を継続的に抑制する必要があり、そのためには、包装体を樹脂フィルムや金属箔等の、ある程度の密封性を有する材料で構成する必要がある。なかでも、樹脂フィルムは、収容された保存対象物を包装体の外部から目視できる点で有利である。また、防カビ性を発現する防カビ剤を用いる場合、このような防カビ剤としては、その保存対象物への付着の可能性を考慮して、人体に対して一定水準の安全性を有するものを用いる必要がある。そして、臭気の強い防カビ剤の使用は、官能上好ましくないため、控えることが望まれる。また、包装体の収容空間内において、防カビ効果を一定期間、継続的に発現させるためには、例えば、包装体自体から防カビ剤を収容空間内へ継続的に供給することが望ましく、揮発性を有する防カビ剤を気体として収容空間内へ供給可能であると有利である。しかし、特許文献1で開示されている包装体は、このような対策をすべて可能とするものではない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、食品等の保存用として使用可能な防カビ包装体、並びにこれを構成するのに好適な防カビ樹脂フィルム、前記防カビ樹脂フィルムを用いて得られた防カビ積層フィルム、及び前記防カビ樹脂フィルムを構成するのに好適な防カビ剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
[1].下記一般式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、防カビ剤。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のR21は互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜4の整数であり、nが2以上である場合、複数個のR22は互いに同一でも異なっていてもよく;oは1〜3の整数であり、ただしm+n+oは6以下である。)
[2].前記mが1である、[1]に記載の防カビ剤。
[3].前記oが1である、[1]又は[2]に記載の防カビ剤。
[4].前記nが0又は1である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の防カビ剤。
[5].[1]〜[4]のいずれか一項に記載の防カビ剤と、樹脂と、を含む、防カビ樹脂フィルム。
[6].前記樹脂として、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、チタネート系接着剤、イミン系接着剤、ブタジエン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びオレフィン系接着剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含み、前記防カビ樹脂フィルムが接着性を有する、[5]に記載の防カビ樹脂フィルム。
[7].前記一般式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする防カビ剤とは異なる、その他の防カビ剤をさらに含む、[5]又は[6]に記載の防カビ樹脂フィルム。
[8].前記その他の防カビ剤が、下記一般式(9)で表される化合物又はその塩である、[7]に記載の防カビ樹脂フィルム。
Figure 2019001756
(式中、Xは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり;Rは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のXは互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜5の整数であり、ただしm+nは6以下であり、nが2以上である場合、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
[9].[5]〜[8]のいずれか一項に記載の防カビ樹脂フィルムと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、を備え、前記防カビ樹脂フィルムが、前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、の間に配置され、前記第1樹脂層の25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が、3000cm/m・atm・day以上である、防カビ積層フィルム。
[10].前記第1樹脂層が低密度ポリエチレンを含む、[9]に記載の防カビ積層フィルム。
[11].前記第2樹脂層の25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が、3000cm/m・atm・day以下である、[9]又は[10]に記載の防カビ積層フィルム。
[12].前記第2樹脂層がポリエステル、ナイロン及びポリプロピレンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、[9]〜[11]のいずれか一項に記載の防カビ積層フィルム。
[13].[9]〜[12]のいずれか一項に記載の防カビ積層フィルムを用いて得られた防カビ包装体であって、前記第1樹脂層同士の一部が接着され、形成されている収容空間を有し、前記防カビ樹脂フィルムが前記第2樹脂層よりも前記収容空間側に配置されている、防カビ包装体。
本発明によれば、食品等の保存用として使用可能な防カビ包装体、並びにこれを構成するのに好適な防カビ樹脂フィルム、前記防カビ樹脂フィルムを用いて得られた防カビ積層フィルム、及び前記防カビ樹脂フィルムを構成するのに好適な防カビ剤が提供される。
本発明の防カビ積層フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の防カビ包装体の一実施形態を模式的に示す断面図である。
<<防カビ剤>>
本発明の防カビ剤は、下記一般式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする。
本発明の防カビ剤は、目的とする保存対象物と共存させることで、この保存対象物におけるカビの増殖を抑制する。なお、本明細書において、後述するような「カビの発生」とは、対象物において、カビが目視確認できない状態から、目視確認できる程度にまで増殖することを意味する。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のR21は互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜4の整数であり、nが2以上である場合、複数個のR22は互いに同一でも異なっていてもよく;oは1〜3の整数であり、ただしm+n+oは6以下である。)
<化合物(2)>
一般式(2)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)」と称することがある)は、防カビ性を有する。
一般式(2)中、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。
21及びR22における前記アルキル基として、より具体的には、メチル基(−CH)、エチル基(−CHCH)、n−プロピル基(−CHCHCH)、イソプロピル基(−CH(CH)が挙げられる。
一般式(2)中、mは1〜3の整数であり、化合物(2)1分子中の一般式「−C(=O)−R21(式中、R21は上記と同じである。)」で表される基の数を示す。
が2以上(すなわち、2又は3)である場合、複数個(すなわち、2個又は3個)のR21は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、mが2以上である場合、R21はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
化合物(2)においては、mの値によらず、一般式「−C(=O)−R21」で表される基のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
ただし、mが2である場合、一般式「−C(=O)−R21」で表される基が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している2個の炭素原子は、互いに隣接していないことが好ましい。
また、mが3である場合、一般式「−C(=O)−R21」で表される基が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している3個の炭素原子のうち、少なくとも2個の炭素原子は互いに隣接していないことが好ましく、3個の炭素原子すべてが互いに隣接していないことがより好ましい。
一般式(2)中、nは0〜4の整数であり、化合物(2)1分子中のR22の数を示す。
が2以上(すなわち、2、3又は4)である場合、複数個(すなわち、2個、3個又は4個)のR22は互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、nが2以上である場合、R22はすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
化合物(2)においては、nの値によらず、R22のベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
ただし、nが2である場合、R22が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している2個の炭素原子は、互いに隣接していないことが好ましい。
また、nが3である場合、R22が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している3個の炭素原子のうち、少なくとも2個の炭素原子は互いに隣接していないことが好ましく、3個の炭素原子すべてが互いに隣接していないことがより好ましい。
一般式(2)中、oは1〜3の整数であり、化合物(2)1分子中の水酸基(−OH)の数を示す。ただしm+n+oは6以下である。
ベンゼン環骨格における、一般式「−C(=O)−R21」で表される基と、R22と、水酸基と、の相対的な結合位置の関係は、特に限定されない。例えば、一般式「−C(=O)−R21」で表される基と、R22と、水酸基と、から選択される2種の基の、相対的な結合位置の関係は、例えば、オルト位、メタ位及びパラ位のいずれであってもよい。ただし、ベンゼン環骨格における、一般式「−C(=O)−R21」で表される基と、水酸基と、の相対的な結合位置の関係は、パラ位であることが好ましい。
が1である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−1Aで表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−1A」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、n211は0〜5の整数であり、o211は1〜3の整数であり、ただしn211+o211は5以下である。)
一般式(2)−1A中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−1A中、n211は0〜5の整数であり、一般式(2)中のnと同様のものである。
一般式(2)−1A中、o211は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしn211+o211は5以下である。
が2である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−2Aで表される化合物、下記一般式(2)−2Bで表される化合物、及び下記一般式(2)−2Cで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−2A」、「化合物(2)−2B」、「化合物(2)−2C」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、n221は0〜4の整数であり、o221は1〜3の整数であり、ただしn221+o221は4以下である。)
一般式(2)−2A〜一般式(2)−2C中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−2A〜一般式(2)−2C中、n221は0〜4の整数であり、5とはならない点以外は、一般式(2)中のnと同様のものである。
一般式(2)−2A〜一般式(2)−2C中、o221は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしn221+o221は4以下である。
が3である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−3Aで表される化合物、下記一般式(2)−3Bで表される化合物、及び下記一般式(2)−3Cで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−3A」、「化合物(2)−3B」、「化合物(2)−3C」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、n231は0〜3の整数であり、o231は1〜3の整数であり、ただしn231+o231は3以下である。)
一般式(2)−3A〜一般式(2)−3C中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−3A〜一般式(2)−3C中、n231は0〜3の整数であり、4及び5とはならない点以外は、一般式(2)中のnと同様のものである。
一般式(2)−3A〜一般式(2)−3C中、o231は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしn231+o231は3以下である。
化合物(2)において、mは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。このような化合物(2)は、優れた防カビ作用を有するだけでなく、より容易に且つ安価に製造できる。
が0である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−0で表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−0」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21は上記と同じであり、m202は1〜3の整数であり、o202は1〜3の整数である。)
一般式(2)−0中、R21は、一般式(2)中のR21と同じである。
一般式(2)−0中、m202は1〜3の整数であり、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−0中、o202は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。
が1である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−1aで表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−1a」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m212は1〜3の整数であり、o212は1〜3の整数であり、ただしm212+o212は5以下である。)
一般式(2)−1a中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−1a中、m212は1〜3の整数であり、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−1a中、o212は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしm212+o212は5以下である。
が2である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−2aで表される化合物、下記一般式(2)−2bで表される化合物、及び下記一般式(2)−2cで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−2a」、「化合物(2)−2b」、「化合物(2)−2c」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m222は1〜3の整数であり、o222は1〜3の整数であり、ただしm222+o222は4以下である。)
一般式(2)−2a〜一般式(2)−2c中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−2A〜一般式(2)−2C中、m222は1〜3の整数であり、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−2A〜一般式(2)−2C中、o222は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしm222+o222は4以下である。
が3である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−3aで表される化合物、下記一般式(2)−3bで表される化合物、及び下記一般式(2)−3cで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−3a」、「化合物(2)−3b」、「化合物(2)−3c」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m232は1又は2であり、o232は1又は2であり、ただしm232+o232は3以下である。)
一般式(2)−3a〜一般式(2)−3c中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−3A〜一般式(2)−3C中、m232は1又は2であり、3とはならない点以外は、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−3A〜一般式(2)−3C中、o232は1又は2であり、3とはならない点以外は、一般式(2)中のoと同様のものである。ただしm232+o232は3以下である。
が4である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−4aで表される化合物、下記一般式(2)−4bで表される化合物、及び下記一般式(2)−4cで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−4a」、「化合物(2)−4b」、「化合物(2)−4c」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じである。)
一般式(2)−4a〜一般式(2)−4c中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
化合物(2)において、nは0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが特に好ましい。このような化合物(2)は、優れた防カビ作用を有するだけでなく、より容易に且つ安価に製造できる。
が1である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−1αで表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−1α」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m213は1〜3の整数であり、n213は0〜4の整数であり、ただしm213+n213は5以下である。)
一般式(2)−1α中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−1α中、m213は1〜3の整数であり、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−1α中、n213は0〜4の整数であり、一般式(2)中のnと同様のものである。ただしm213+n213は5以下である。
が2である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−2αで表される化合物、下記一般式(2)−2βで表される化合物、及び下記一般式(2)−2γで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−2α」、「化合物(2)−2β」、「化合物(2)−2γ」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m223は1〜3の整数であり、n223は0〜3の整数であり、ただしm223+n223は4以下である。)
一般式(2)−2α〜一般式(2)−2γ中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−2α〜一般式(2)−2γ中、m223は1〜3の整数であり、一般式(2)中のoと同様のものである。
一般式(2)−2α〜一般式(2)−2γ中、n223は0〜3の整数であり、4とはならない点以外は、一般式(2)中のnと同様のものである。ただしm223+n223は4以下である。
が3である場合の化合物(2)としては、下記一般式(2)−3αで表される化合物、下記一般式(2)−3βで表される化合物、及び下記一般式(2)−3γで表される化合物(本明細書においては、付された符号に対応して、それぞれ「化合物(2)−3α」、「化合物(2)−3β」、「化合物(2)−3γ」と称することがある)が挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じであり、m233は1〜3の整数であり、n233は0〜2の整数であり、ただしm233+n233は3以下である。)
一般式(2)−3α〜一般式(2)−3γ中、R21及びR22は、一般式(2)中のR21及びR22と同じである。
一般式(2)−3α〜一般式(2)−3γ中、m233は1〜3の整数であり、一般式(2)中のmと同様のものである。
一般式(2)−3α〜一般式(2)−3γ中、n233は0〜2の整数であり、3及び4とはならない点以外は、一般式(2)中のnと同様のものである。ただしm233+n233は3以下である。
化合物(2)において、oは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。このような化合物(2)は、優れた防カビ作用を有するだけでなく、より容易に且つ安価に製造できる。
化合物(2)において、m、n及びoはいずれも、上述の好ましいいずれかの数値であることが好ましい。
例えば、化合物(2)において、mは1又は2であり、nは0〜4の整数であり且つoは1又は2であることが好ましく、mは1又は2であり、nは0〜3の整数であり、且つoは1又は2であることがより好ましく、mは1又は2であり、nは0〜2の整数であり、且つoは1又は2であることがさらに好ましく、mは1であり、nは0又は1であり、且つoは1であることが特に好ましい。
化合物(2)で特に好ましいものとしては、例えば、下記一般式(2)−1A−0で表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−1A−0」と称することがある)、及び下記一般式(2)−1A−1で表される化合物(本明細書においては、「化合物(2)−1A−1」と称することがある)が挙げられ、化合物(2)−1A−0が最も好ましい。
Figure 2019001756
(式中、R21及びR22は上記と同じである。)
<化合物(2)の塩>
化合物(2)の塩は、防カビ性を有する。
化合物(2)の塩としては、例えば、化合物(2)中の水酸基(−OH)がアニオン(−O)となったもの(本明細書においては、「化合物(2)由来のアニオン」と称することがある)と、カチオンと、で形成された塩が挙げられる。
化合物(2)の塩を形成している前記カチオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。通常、前記カチオンがp価(pは1以上の整数である)である場合、化合物(2)の塩を形成している前記カチオンの個数は1以上であり、化合物(2)由来のアニオンの個数はp以下である。
上記のように、一分子の化合物(2)の塩を構成するカチオンは、1個のみでもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これらカチオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
ただし、化合物(2)の塩は分子全体として電気的に中性、すなわち、化合物(2)一分子中のカチオンの価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
化合物(2)由来のアニオンと共に化合物(2)の塩を形成する前記カチオンは、特に限定されず、無機カチオン及び有機カチオンのいずれであってもよい。
前記カチオンのうち、無機カチオンとしては、例えば、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属のイオン;マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、バリウムイオン(Ba2+)等のアルカリ土類金属のイオン;アルミニウムイオン(Al3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、スズイオン(Sn2+、Sn4+)等の典型金属のイオン;銅イオン(Cu、Cu2+)、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)、マンガンイオン、ニッケルイオン等の遷移金属のイオン;アンモニウムイオン(NH )等の非金属のイオン等が挙げられる。
化合物(2)の塩のうち、例えば、化合物(2)−1A−0の塩、及び化合物(2)−1A−1の塩は、特に優れた防カビ性を有する。
本発明の防カビ剤において、有効成分は1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、本発明の防カビ剤は、有効成分として、化合物(2)のみを1種又は2種以上含んでいてもよいし、化合物(2)の塩のみを1種又は2種以上含んでいてもよいし、化合物(2)及び化合物(2)の塩を、それぞれ1種又は2種以上含んでいてもよい。
化合物(2)及びその塩は、食品添加物として使用可能なものが好ましい。ここで「食品添加物」とは、日本国厚生労働省が平成25年3月12日現在、その使用を認めているものを意味する。
化合物(2)及びその塩は、揮発性を有していてもよい。化合物(2)及びその塩で揮発性を有するものは、常温で気体となることで、後述する包装体の収容空間内において継続的に作用するのに有利であり、包装体において、優れた防カビ効果をより長時間維持できる。
化合物(2)及びその塩の分子量は、揮発し易いという点においては、300以下であることが好ましく、例えば、250以下、200以下及び150以下等のいずれかであってもよいが、これらは一例である。なお、化合物(2)及びその塩の分子量の下限値は、特に限定されない。
化合物(2)及びその塩は、無臭のもの又はにおいの弱いものが好ましい。このような化合物(2)及びその塩は、保存対象物に付着したとしても、保存対象物の使用時に、その存在を全く又はほとんど想起させないため、官能上好ましい。
化合物(2)及びその塩でにおいのあるものは、香料として使用可能なものが好ましい。このような化合物(2)及びその塩としては、例えば、食品添加物の天然香料に分類されるものが挙げられる。
化合物(2)及びその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
<化合物(2)の製造方法>
化合物(2)は、例えば、下記一般式(201)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(201)」と称することがある)と、下記一般式(202)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(202)」と称することがある)と、を反応させ、化合物(2)を得る工程(本明細書においては、「化合物(2)製造工程」と称することがある)を有する製造方法で、製造できる。
Figure 2019001756
(式中、R21、R22、m、n及びoは、上記と同じである。)
化合物(2)製造工程での反応は、公知の方法で行うことができ、反応条件は、使用原料の種類に応じて適宜選択すればよい。
化合物(2)製造工程での反応は、塩化アルミニウム(AlCl)等のルイス酸を触媒量以上の量だけ用いて行うことが好ましい。
化合物(2)製造工程においては、例えば、化合物(201)中の水酸基(−OH)等、使用原料中の目的外の反応が進行する可能性のある基については、あらかじめ保護基で保護しておいてから、反応を行い、反応終了後に脱保護を行うことで、化合物(2)を得てもよい。
化合物(2)製造工程においては、化合物(201)及び化合物(202)の反応の終了後、公知の手法によって、必要に応じて後処理を行い、目的物である化合物(2)を取り出すことができる。すなわち、反応終了後、適宜必要に応じて、ろ過、洗浄、抽出、pH調整、脱水、濃縮等の後処理操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて行い、濃縮、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等により、化合物(2)を取り出すことができる。また、取り出した化合物(2)は、さらに必要に応じて、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて1回以上行うことで、精製してもよい。
化合物(2)は、反応終了後に必要に応じて後処理を行った後、取り出すことなく、目的とする用途に引き続き用いてもよい。
なお、上述の製造方法は、化合物(2)の製造方法の一例に過ぎない。そして、化合物(2)の種類によっては、他の製造方法も適用できる。例えば、R22がメチル基である化合物(2)を製造する場合には、化合物(202)に代えて無水酢酸((CHCO)O)を用いて反応を行ってもよい。
得られた化合物(2)は、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法、質量分析法(MS)、赤外分光法(IR)、紫外・可視分光法(UV−VIS吸収スペクトル)等、公知の手法で、その構造を確認できる。
<化合物(2)の塩の製造方法>
化合物(2)の塩は、金属アルコキシドの通常の製造方法を適用することで、製造できる。例えば、化合物(2)のナトリウム塩(ナトリウムアルコキシド)の場合には、単離された状態の化合物(2)、又は上述の化合物(2)の製造方法における、取り出し前の化合物(2)に対して、金属ナトリウムや水素化ナトリウム等を作用させることで、化合物(2)の塩を得る工程を有する製造方法等により、化合物(2)の塩を製造できる。単離された状態の化合物(2)としては、市販品を用いてもよい。
化合物(2)の塩は、化合物(2)の場合と同様に、取り出して用いてもよいし、取り出すことなく、目的とする用途に引き続き用いてもよい。
得られた化合物(2)の塩は、化合物(2)の場合と同様の手法で、その構造を確認できる。
本発明の防カビ剤は、化合物(2)又はその塩以外に、その他の成分を含有していてもよい。
防カビ剤における前記その他の成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、任意に選択できる。
例えば、化合物(2)又はその塩は、常温及び常圧下において、固形状及び液状のいずれであってもよく、後述する防カビ樹脂フィルムの種類に応じて、適宜適した性状のものを選択すればよい。そして、化合物(2)又はその塩は、例えば、溶媒に溶解又は分散させて用いてもよく、溶媒で希釈して用いてもよい。すなわち、前記その他の成分としては、例えば、溶媒等が挙げられる。
なお、本明細書において、「常温」とは、特に冷やしたり、熱したりしない温度、すなわち平常の温度を意味し、例えば、15〜25℃の温度等が挙げられる。
前記溶媒は、化合物(2)又はその塩の種類に応じて適宜選択すればよく、その種類は特に限定されない。
好ましい前記溶媒としては、例えば、有機溶媒、水が挙げられる。
前記有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル(カルボン酸エステル);メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル;シクロヘキサン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
本発明の防カビ剤において、前記溶媒は1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。例えば、2種以上の溶媒を併用する場合、有機溶媒のみを2種以上併用して、有機溶媒のみの混合溶媒を用いてもよいし、1種又は2種以上の有機溶媒と水とを併用して、水性混合溶媒を用いてもよい。
本発明の防カビ剤が前記溶媒を含有する場合、溶媒の含有量は、特に限定されず、例えば、10〜90質量%とすることができるが、これは一例に過ぎない。
なお、溶媒を含有する本発明の防カビ剤は、そのまま、後述する防カビ樹脂フィルムを形成するための樹脂組成物として用いることができる。
本発明の防カビ剤が前記溶媒以外のその他の成分を含有する場合、前記その他の成分の含有量は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、その他の成分の種類に応じて適宜選択すればよい。
ただし、通常は、本発明の防カビ剤において、前記溶媒以外の成分(すなわち、化合物(2)、化合物(2)の塩、及び前記溶媒以外のその他の成分)の合計含有量に対する、前記溶媒以外のその他の成分の含有量の割合は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、例えば、2質量%以下、1質量%以下等のいずれかであってもよい。
本発明の防カビ剤の使用によって、増殖抑制効果(防カビ効果)が認められる微生物(カビ)は、一概に特定範囲のものに限定されるものではないが、防カビ効果が高いものとしては、ペニシリウム(Penicillium)属に属する微生物、アスペルギルス(Aspergillus)属に属する微生物、クラドスポリウム(Cladosporium)属に属する微生物、フザリウム(Fusarium)属に属する微生物、アルテルナリア(Alternaria)属に属する微生物、リゾプス(Rhizopus)属に属する微生物、ボトリチス(Botrytis)属に属する微生物等が挙げられる。
これらのうち、ペニシリウム属に属する微生物としては、例えば、アオカビ、白カビ等が挙げられる。アスペルギルス属に属する微生物としては、例えば、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)等が挙げられる。クラドスポリウム属に属する微生物としては、例えば、クロカワカビ等が挙げられる。フザリウム属に属する微生物としては、例えば、フザリウム ソラニ(Fusarium solani)等が挙げられる。アルテルナリア属に属する微生物としては、例えば、アルテルナリア テヌイス(Alternaria tenuis)等が挙げられる。リゾプス属に属する微生物としては、例えば、リゾプス ニグリカンス(Rhizopus nigricans)等が挙げられる。ボトリチス属に属する微生物としては、例えば、ボトリチス シネレア(Botrytis cinerea)等が挙げられる。
本発明の防カビ剤のうち、2種以上の成分を含有するものは、これらの成分を配合することで得られる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時の温度、及び配合時間は、各成分が劣化しない限り特に限定されない。配合時の温度は、例えば、5〜50℃とすることができ、配合時間は、例えば、5〜60分とすることができるが、これらは一例である。
<<防カビ樹脂フィルム>>
本発明の防カビ樹脂フィルムは、前記化合物(2)又はその塩を有効成分とする防カビ剤と、樹脂と、を含む。
本発明の防カビ樹脂フィルムは、前記防カビ剤を含んでいることにより、優れた防カビ性を有する。
前記防カビ樹脂フィルムにおいては、含まれている化合物(2)又はその塩が、防カビ樹脂フィルムの内部から外部に徐々に移行することで、防カビ性を発現する。
例えば、化合物(2)又はその塩として、揮発性を有するものを用いた場合には、この成分は、防カビ樹脂フィルムの外部へ、気体状となって移行可能である。
前記防カビ樹脂フィルムは、前記防カビ剤、前記樹脂等の、防カビ樹脂フィルムを構成するための成分を含有する樹脂組成物を用いて製造できる。より具体的には、前記樹脂組成物を、防カビ樹脂フィルムの形成対象面に塗工し、必要に応じて乾燥させることで、防カビ樹脂フィルムが得られる。
後述するような複数層からなる防カビ樹脂フィルムは、例えば、1層(単層)の防カビ樹脂フィルムを複数枚作製し、これらを貼り合わせることで、製造できる。
前記樹脂組成物は、例えば、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、マルチコーター等の各種コーターを用いて、塗工できる。
[樹脂]
前記樹脂は、前記防カビ樹脂フィルムにおいて、フィルムの形状を維持するために必要な成分である。前記樹脂は、このような機能を有するものであれば、特に限定されないが、接着性樹脂(本明細書においては「接着剤」と称することがある)であることが好ましい。前記樹脂として、接着性樹脂(接着剤)を用いることで、防カビ樹脂フィルムを、接着性を有するもの(すなわち、接着性防カビ樹脂フィルム)とすることができ、例えば、別途接着剤層を設けることなく、後述する防カビ積層フィルムを構成できる。
好ましい前記接着性樹脂としては、例えば、ポリウレタン等のウレタン系接着剤(ウレタン結合を有する接着性樹脂);アクリル共重合樹脂等のアクリル系接着剤((メタ)アクリロイル基を有する接着性樹脂)、チタネート系接着剤(チタン酸エステルを用いて得られた接着性樹脂)、イミン系接着剤(エチレンイミンを用いて得られた接着性樹脂)、スチレン・ブタジエン共重合体等のブタジエン系接着剤(モノマー成分としてブタジエンを用いて得られた接着性樹脂)、ポリ酢酸ビニル等のポリエステル系接着剤(エステル結合を有する接着性樹脂)、イソブテン・無水マレイン酸共重合樹脂等のオレフィン系接着剤(モノマー成分としてオレフィンを用いて得られた接着性樹脂)等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル基」とは、「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」の両方を包含する概念である。
前記防カビ樹脂フィルムにおいて、前記樹脂は1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、前記樹脂として、接着性を有しない非接着性樹脂のみを1種又は2種以上用いてもよいし、接着性樹脂のみを1種又は2種以上用いてもよいし、非接着性樹脂及び接着性樹脂を、それぞれ1種又は2種以上用いてもよい。
前記防カビ樹脂フィルムは、前記樹脂として、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、チタネート系接着剤、イミン系接着剤、ブタジエン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びオレフィン系接着剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含み、接着性を有するものが好ましい。
[その他の成分]
前記防カビ樹脂フィルム及び樹脂組成物は、前記防カビ剤及び前記樹脂以外に、その他の成分を含んでいてもよい。
防カビ樹脂フィルム及び樹脂組成物における前記その他の成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、任意に選択できる。
防カビ樹脂フィルム及び樹脂組成物において、前記その他の成分は1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
(その他の防カビ剤)
好ましい前記その他の成分としては、例えば、化合物(2)又はその塩を有効成分とする防カビ剤とは異なる、その他の防カビ剤が挙げられる。
すなわち、好ましい前記防カビ樹脂フィルムとしては、例えば、化合物(2)又はその塩を有効成分とする防カビ剤とは異なる、その他の防カビ剤をさらに含むものが挙げられる。
前記防カビ樹脂フィルムは、このように、その他の防カビ剤をさらに含むことにより、その他の防カビ剤を含まない場合よりも、防カビ性が顕著に高くなる相乗効果を示す場合がある。
前記その他の防カビ剤は、特に限定されず、例えば、併用する化合物(2)又はその塩の種類等に応じて、適宜選択できる。
前記その他の防カビ剤は、公知のものであってもよいし、新規のものであってもよい。
なかでも、好ましい前記その他の防カビ剤としては、例えば、下記一般式(9)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(9)」と称することがある)又はその塩が挙げられる。
すなわち、より好ましい前記防カビ樹脂フィルムとしては、例えば、防カビ剤として、化合物(9)又はその塩をさらに含むものが挙げられる。
Figure 2019001756
(式中、Xは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり;Rは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のXは互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜5の整数であり、ただしm+nは6以下であり、nが2以上である場合、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
一般式(9)中、Xは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、このようなアルキレン基として、より具体的には、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)、プロピレン基(−CH(CH)CH−、メチルエチレン基)、トリメチレン基(−CHCHCH−)が挙げられる。
一般式(9)中、Rは、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、一般式(2)中のR21と同様のものである。
一般式(9)中、mは1〜3の整数であり、化合物(9)1分子中の一般式「−O−X−OH(式中、Xは上記と同じである。)」で表される基の数を示す。
が2以上(すなわち、2又は3)である場合、複数個(すなわち、2個又は3個)のXは互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、mが2以上である場合、Xはすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
の値によらず、一般式「−O−X−OH」で表される基の、ベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
ただし、mが2である場合、一般式「−O−X−OH」で表される基が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している2個の炭素原子は、互いに隣接していないことが好ましい。
また、mが3である場合、一般式「−O−X−OH」で表される基が結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している3個の炭素原子のうち、少なくとも2個の炭素原子は互いに隣接していないことが好ましく、3個の炭素原子すべてが互いに隣接していないことがより好ましい。
化合物(9)において、mは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。このような化合物(9)は、優れた防カビ作用を有するだけでなく、より容易に且つ安価に製造できる。
一般式(9)中、nは0〜5の整数であり、化合物(9)1分子中のRの数を示す。ただしm+nは6以下である。
が2以上(すなわち、2、3、4又は5)である場合、複数個(すなわち、2個、3個、4個又は5個)のRは互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、nが2以上である場合、Rはすべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
の値によらず、Rのベンゼン環骨格への結合位置は特に限定されない。
ただし、nが2である場合、Rが結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している2個の炭素原子は、互いに隣接していないことが好ましい。
また、nが3である場合、Rが結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している3個の炭素原子のうち、少なくとも2個の炭素原子は互いに隣接していないことが好ましく、3個の炭素原子すべてが互いに隣接していないことがより好ましい。
また、nが4である場合、Rが結合している、前記ベンゼン環骨格を構成している4個の炭素原子のうち、1個の炭素原子は、残りの3個の炭素原子のいずれとも互いに隣接していないことが好ましい。
ベンゼン環骨格におけるRと一般式「−O−X−OH」で表される基との相対的な結合位置の関係は、特に限定されず、例えば、オルト位、メタ位及びパラ位のいずれであってもよい。
化合物(9)において、nは0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0〜2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることが特に好ましい。このような化合物(9)は、優れた防カビ作用を有するだけでなく、より容易に且つ安価に製造できる。
化合物(9)において、m及びnはともに、上述の好ましいいずれかの数値であることが好ましい。
例えば、化合物(9)において、mは1又は2であり且つnは0〜4の整数であることが好ましく、mは1又は2であり且つnは0〜3の整数であることがより好ましく、mは1又は2であり且つnは0〜2の整数であることがさらに好ましく、mは1であり且つnは0又は1であることが特に好ましい。
化合物(9)の塩としては、例えば、化合物(9)中の一般式「−O−X−OH」で表される基がアニオン(すなわち、一般式「−O−X−O」で表される基(式中、Xは上記と同じである。))となったもの(本明細書においては、「化合物(9)由来のアニオン」と称することがある)と、カチオンと、で形成された塩が挙げられる。
化合物(9)の塩を形成している前記カチオンの価数は特に限定されず、1(1価)でもよいし2(2価)以上でもよい。通常、前記カチオンがp価(pは1以上の整数である)である場合、化合物(9)の塩を形成している前記カチオンの個数は1以上であり、化合物(9)由来のアニオンの個数はp以下である。
上記のように、一分子の化合物(9)の塩を構成するカチオンは、1個のみでもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これらカチオンは、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよいし、一部のみ同一であってもよい。
ただし、化合物(9)の塩は分子全体として電気的に中性、すなわち、化合物(9)一分子中のカチオンの価数の合計値とアニオンの価数の合計値とは、同じであることが好ましい。
化合物(9)由来のアニオンと共に化合物(9)の塩を形成する前記カチオンは、特に限定されず、無機カチオン及び有機カチオンのいずれであってもよい。
前記カチオンのうち、無機カチオンとしては、例えば、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属のイオン;マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)、バリウムイオン(Ba2+)等のアルカリ土類金属のイオン;アルミニウムイオン(Al3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、スズイオン(Sn2+、Sn4+)等の典型金属のイオン;銅イオン(Cu、Cu2+)、鉄イオン(Fe2+、Fe3+)、マンガンイオン、ニッケルイオン等の遷移金属のイオン;アンモニウムイオン(NH )等の非金属のイオン等が挙げられる。
前記防カビ樹脂フィルムにおいて、化合物(9)又はその塩は、いずれも1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、前記防カビ樹脂フィルムは、前記その他の防カビ剤として、化合物(9)のみを1種又は2種以上含んでいてもよいし、化合物(9)の塩のみを1種又は2種以上含んでいてもよいし、化合物(9)及び化合物(9)の塩を、それぞれ1種又は2種以上含んでいてもよい。
化合物(9)及びその塩は、食品添加物として使用可能なものが好ましい。ここで「食品添加物」とは、日本国厚生労働省が平成25年3月12日現在、その使用を認めているものを意味する。
化合物(9)及びその塩は、揮発性を有するものが好ましい。化合物(9)及びその塩で揮発性を有するものは、常温で液体から気体となることで、後述する包装体の収容空間内において継続的に作用するのに有利であり、包装体において、優れた防カビ効果をより長時間維持できる。
化合物(9)及びその塩の分子量は、揮発し易いという点においては、300以下であることが好ましく、例えば、250以下、200以下及び150以下等のいずれかとすることができるが、これらは一例である。なお、化合物(9)及びその塩の分子量の下限値は、特に限定されない。
化合物(9)及びその塩は、無臭のもの又はにおいの弱いものが好ましい。このような化合物(9)及びその塩は、保存対象物に付着したとしても、保存対象物の使用時に、その存在を全く又はほとんど想起させないため、官能上好ましい。
化合物(9)及びその塩でにおいのあるものは、香料として使用可能なものが好ましい。このような化合物(9)及びその塩としては、例えば、食品添加物の天然香料に分類されるものが挙げられる。
このように、食品添加物して使用可能であり、揮発性を有し、無臭であるか又はにおいの弱い化合物(9)又はその塩としては、例えば、下記式で表される2−フェノキシエタノール等が挙げられる。
Figure 2019001756
化合物(9)及びその塩としては、市販品を用いてもよいし、公知の方法によって製造したものを用いてもよい。
化合物(9)は、例えば、下記一般式(901)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(901)」と称することがある)と、下記一般式(902)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(902)」と称することがある)と、を反応させ、化合物(9)を得る工程(本明細書においては、「化合物(9)製造工程」と称することがある)を有する製造方法で、製造できる。
Figure 2019001756
(式中、X、R、m及びnは、上記と同じであり;Lgは離脱基である。)
化合物(9)製造工程での反応は、公知の方法で行うことができ、反応条件は、使用原料の種類に応じて適宜選択すればよい。
Lgとしては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;アルキルスルホニルオキシ基;フルオロアルキルスルホニルオキシ基等が挙げられる。
化合物(9)製造工程においては、例えば、化合物(902)中の水酸基(−OH)等、使用原料中の目的外の反応が進行する可能性のある基については、あらかじめ保護基で保護しておいてから、反応を行い、反応終了後に脱保護を行うことで、化合物(9)を得てもよい。
化合物(901)は、ナトリウムアルコキシドの通常の製造方法を適用することで、製造できる。例えば、原料として対応するフェノール化合物、すなわち、化合物(901)において、式「−ONa」で表される基が式「−OH」で表される基に置き換えられた化合物を用いて、金属ナトリウムや水素化ナトリウム等を作用させることで、化合物(901)が得られる。
化合物(902)は、原料として対応するアルコール、すなわち、一般式「HO−X−OH(Xは上記と同じである。)」で表される化合物や、その一方の水酸基が保護基で保護された化合物を用いて、Lgを導入する方法で製造できる。保護基を用いた場合には、保護基は適したタイミングで除けば(脱保護すれば)よい。ただし、ここに示す化合物(902)の製造方法は一例である。
化合物(9)製造工程においては、化合物(901)及び化合物(902)の反応の終了後、公知の手法によって、必要に応じて後処理を行い、目的物である化合物(9)を取り出すことができる。すなわち、反応終了後、適宜必要に応じて、ろ過、洗浄、抽出、pH調整、脱水、濃縮等の後処理操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて行い、濃縮、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等により、化合物(9)を取り出すことができる。また、取り出した化合物(9)は、さらに必要に応じて、結晶化、再沈殿、カラムクロマトグラフィー、抽出、溶媒による結晶の撹拌洗浄等の操作をいずれか単独で、又は2種以上組み合わせて1回以上行うことで、精製してもよい。
化合物(9)は、反応終了後に必要に応じて後処理を行った後、取り出すことなく、目的とする用途に引き続き用いてもよい。
得られた化合物(9)は、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法、質量分析法(MS)、赤外分光法(IR)、紫外・可視分光法(UV−VIS吸収スペクトル)等、公知の手法で、その構造を確認できる。
化合物(9)の塩は、金属アルコキシドの通常の製造方法を適用することで、製造できる。例えば、化合物(9)のナトリウム塩(ナトリウムアルコキシド)の場合には、単離された状態の化合物(9)、又は上述の化合物(9)の製造方法における、取り出し前の化合物(9)に対して、上述の化合物(901)の製造の場合と同様の方法を適用することで、目的物が得られる。単離された状態の化合物(9)としては、市販品を用いてもよい。
化合物(9)の塩は、化合物(9)の場合と同様に、取り出して用いてもよいし、取り出すことなく、目的とする用途に引き続き用いてもよい。
得られた化合物(9)の塩は、化合物(9)の場合と同様の手法で、その構造を確認できる。
化合物(9)又はその塩の使用によって、増殖抑制効果(防カビ効果)が認められる微生物(カビ)は、一概に特定範囲のものに限定されるものではないが、防カビ効果が高いものとしては、上述の化合物(2)又はその塩を有効成分とする防カビ剤が高い防カビ効果を示すものと、同様のものが挙げられる。
(硬化剤、架橋剤)
前記防カビ樹脂フィルム及び樹脂組成物における前記その他の成分としては、前記その他の防カビ剤以外にも、例えば、硬化剤、架橋剤等が挙げられる。これらは前記樹脂に対して作用するものである。
前記樹脂組成物は、必要に応じて、前記その他の防カビ剤、硬化剤及び架橋剤のいずれにも該当しないその他の成分を含有していてもよく、この場合の好ましいその他の成分としては、溶媒が挙げられる。
前記溶媒は、前記樹脂組成物の取り扱い性を良好にするためのものであり、その種類は本発明の効果を損なわない範囲内において特に限定されない。
樹脂組成物における前記溶媒としては、例えば、本発明の防カビ剤が含有していてもよいものとして先に説明した溶媒と同様のものが挙げられる。
前記防カビ樹脂フィルムの化合物(2)及びその塩の合計含有量(換言すると、前記樹脂組成物における、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、化合物(2)及びその塩の合計含有量の割合)は、10〜44質量%であることが好ましく、14〜40質量%であることがより好ましく、18〜36質量%であることが特に好ましい。化合物(2)及びその塩の合計含有量が前記下限値以上であることで、防カビ樹脂フィルムを用いた場合の防カビ効果がより高くなる。また、化合物(2)及びその塩の合計含有量が前記上限値以下であることで、防カビ樹脂フィルムにおいて、化合物(2)及びその塩が高い均一性でより安定して保持される。
前記防カビ樹脂フィルムの前記樹脂の含有量(換言すると、前記樹脂組成物における、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、前記樹脂の含有量の割合)は、30〜90質量%であることが好ましく、40〜75質量%であることがより好ましく、50〜65質量%であることが特に好ましい。前記樹脂の含有量が前記下限値以上であることで、防カビ樹脂フィルムの強度がより向上する。また、前記樹脂の含有量が前記上限値以下であることで、防カビ樹脂フィルムの防カビ効果がより向上する。
前記防カビ樹脂フィルムの、溶媒以外の前記その他の成分の含有量(換言すると、前記樹脂組成物における、溶媒以外の成分の合計含有量に対する、溶媒以外の前記その他の成分の含有量の割合)は、前記その他の成分の種類に応じて、適宜選択すればよく、特に限定されない。
例えば、前記その他の成分が前記その他の防カビ剤である場合、防カビ樹脂フィルム及び前記樹脂組成物において、化合物(2)及びその塩の合計含有量に対する、前記その他の防カビ剤の含有量の割合は、15〜85質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、25〜75質量%であることが特に好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、その他の防カビ剤を用いたことによる効果がより顕著に得られ、前記割合が前記上限値以下であることで、その他の防カビ剤の過剰使用が抑制される。
また、例えば、前記その他の成分が前記硬化剤又は架橋剤である場合、防カビ樹脂フィルム及び前記樹脂組成物において、前記樹脂の含有量に対する、前記その他の成分の含有量の割合は、10〜40質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。前記割合が前記下限値以上であることで、その他の成分を用いたことによる効果がより顕著に得られ、前記割合が前記上限値以下であることで、その他の成分の過剰使用が抑制される。
前記樹脂組成物が溶媒を含有する場合の溶媒の含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、40〜70質量%であることがより好ましい。溶媒の含有量が前記下限値以上であることで、溶媒を用いたことによる効果がより顕著に得られ、溶媒の含有量が前記上限値以下であることで、溶媒の過剰使用が抑制される。
前記防カビ樹脂フィルムの、前記その他の防カビ剤、硬化剤、架橋剤及び溶媒、のいずれにも該当しない、その他の成分の含有量は、例えば、0〜10質量%とすることができる。
前記防カビ樹脂フィルムは1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。防カビ樹脂フィルムが複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
なお、本明細書においては、前記防カビ樹脂フィルムの場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
前記防カビ樹脂フィルムの厚さは、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。
防カビ樹脂フィルムを用いて、例えば、袋状等の包装体を作製する場合には、防カビ樹脂フィルムの厚さは、0.5〜15μmであることが好ましく、1〜12μmであることがより好ましく、1.3〜10μmであることが特に好ましく、例えば、1.3〜7.5μm等であってもよい。
防カビ樹脂フィルムが複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい防カビ樹脂フィルムの厚さとなるようにするとよい。
化合物(2)及びその塩は、防カビ樹脂フィルムとして用いるのに好適であるが、優れた防カビ効果を有することから、防カビ樹脂フィルム以外の用途に用いるのにも好適である。例えば、化合物(2)又はその塩は、フィルム以外の固形状(例えば、粒状、ブロック状等)の防カビ材、防カビインク組成物、防カビスプレー剤等として用いることもできる。このように、防カビ樹脂フィルム以外の用途に化合物(2)又はその塩を用いる場合には、化合物(2)又はその塩以外に、目的物を所望の性状とするのに必要な成分を併用した組成物を調製し、この組成物を用いて目的物を製造すればよい。
<<防カビ積層フィルム>>
本発明の防カビ積層フィルムは、上述の本発明の防カビ樹脂フィルムと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、を備え、前記防カビ樹脂フィルムが、前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、の間に配置され、前記第1樹脂層の25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が、3000cm/m・atm・day以上のものである。
本発明の防カビ積層フィルムは、前記防カビ樹脂フィルムを用いていることで、優れた防カビ性を有し、目的物を収容して保存するための包装体の製造に好適である。
図1は、本発明の防カビ積層フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。なお、以降の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
ここに示す防カビ積層フィルム1は、防カビ樹脂フィルム12と、第1樹脂層11と、第2樹脂層13と、を備え、防カビ樹脂フィルム12が、第1樹脂層11と、第2樹脂層13と、の間に配置されて、概略構成されている。すなわち、防カビ積層フィルム1は、第1樹脂層11、防カビ樹脂フィルム12及び第2樹脂層13がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなり、第1樹脂層11の露出面が一方の表面となり、第2樹脂層13の露出面が他方の表面となるように構成されている。
第1樹脂層11は、防カビ積層フィルム1を用いて目的物を保存するときに、防カビ樹脂フィルム12よりもこの保存対象物側に配置される層である。例えば、防カビ積層フィルム1を用いて作製された袋状等の包装体においては、第1樹脂層11が防カビ樹脂フィルム12よりも、この包装体の収容空間側に配置される。
したがって、例えば、第1樹脂層11が防カビ積層フィルム1の一方の最も外側の層となる場合には、第1樹脂層11は保存対象物と接触する層となる。
このように、第1樹脂層11は、防カビ樹脂フィルム12の保存対象物との接触を防止し、これにより、防カビ樹脂フィルム12から保存対象物への防カビ剤の過剰な移行を抑制する。
第1樹脂層11の、25℃、65%RH(相対湿度)の雰囲気下における酸素ガス透過量は、3000cm/m・atm・day以上であり、3000〜10000cm/m・atm・dayであることが好ましく、3000〜8000cm/m・atm・dayであることがより好ましく、3000〜6000cm/m・atm・dayであることが特に好ましい。第1樹脂層11の前記酸素ガス透過量が前記下限値以上であることで、防カビ樹脂フィルム12の内部から第1樹脂層11側へ移行した化合物(2)又はその塩が、第1樹脂層11を介してその外部(防カビ積層フィルム1の第1樹脂層11側の外部)へ容易に移行する。これにより、防カビ積層フィルム1は、優れた防カビ効果を発現する。
第1樹脂層11の構成材料は、上述の酸素ガス透過量の条件を満たすものであれば、特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセンLLDPE)等が挙げられる。
また、第1樹脂層11の構成材料としては、これら以外の合成樹脂も挙げられる。
第1樹脂層11の構成材料は、1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第1樹脂層11は、低密度ポリエチレン(LDPE)を含むことが好ましく、第1樹脂層11の低密度ポリエチレンの含有量は、60質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることが特に好ましく、例えば、99質量%以上であってもよいし、100質量%であってもよい。
第1樹脂層11は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。第1樹脂層11が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第1樹脂層11の厚さは、特に限定されないが、5〜200μmであることが好ましく、10〜150μmであることがより好ましく、15〜100μmであることが特に好ましい。第1樹脂層11の厚さが前記下限値以上であることで、第1樹脂層11の強度がより向上するとともに、防カビ樹脂フィルム12から保存対象物への防カビ剤の過剰な移行がより抑制される。また、第1樹脂層11の厚さが前記上限値以下であることで、防カビ積層フィルム1の防カビ効果がより向上する。
第1樹脂層11が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい第1樹脂層11の厚さとなるようにするとよい。
防カビ樹脂フィルム12は、先に説明した、本発明の防カビ樹脂フィルムである。ここでは、防カビ樹脂フィルム12についての詳細な説明は省略する。
第2樹脂層13は、防カビ積層フィルム1を用いて目的物を保存するときに、防カビ樹脂フィルム12よりも、この保存対象物側とは反対側に配置される層である。例えば、防カビ積層フィルム1を用いて作製された袋状等の包装体においては、防カビ樹脂フィルム12が第2樹脂層13よりも、この包装体の収容空間側に配置される。
第2樹脂層13は、防カビ樹脂フィルム12を保護する機能を有する。
第2樹脂層13の、25℃、65%RH(相対湿度)の雰囲気下における酸素ガス透過量は、3000cm/m・atm・day以下であることが好ましく、2500cm/m・atm・day以下であることがより好ましく、2000cm/m・atm・day以下であることが特に好ましい。
第2樹脂層13の前記酸素ガス透過量の上限値が小さいほど、化合物(2)又はその塩について、防カビ樹脂フィルム12の内部から第2樹脂層13への移行と、第2樹脂層13を介したその外部(防カビ積層フィルム1の第2樹脂層13側の外部)への移行とが、効果的に抑制される。したがって、防カビ樹脂フィルム12の内部から保存対象物側へ移行する化合物(2)又はその塩の量を、長期間、適切な水準で維持できるため、防カビ積層フィルム1は、より優れた防カビ効果を発現する。また、例えば、防カビ積層フィルム1を用いて作製された袋状の包装体に目的物を収容して、封止した場合には、この包装体の外部への化合物(2)又はその塩の移行が抑制され、目的物の保存時に、化合物(2)又はその塩の使用を全く又はほとんど想起させず、官能上好ましい。
さらに、第2樹脂層13の前記酸素ガス透過量の上限値が小さいほど、第2樹脂層13を介したその外部(防カビ積層フィルム1の第2樹脂層13側の外部)から内部への、酸素ガスの移行が効果的に抑制される。したがって、品質を劣化させずに目的物を保存できる効果がより高くなる。
一方、第2樹脂層13の、25℃、65%RH(相対湿度)の雰囲気下における酸素ガス透過量の下限値は、特に限定されず、例えば、50cm/m・atm・day、500cm/m・atm・day、及び1000cm/m・atm・dayのいずれかとすることができるが、これらは一例である。
第1樹脂層11及び第2樹脂層13の前記酸素ガス透過量は、いずれもJIS K7126Bに準拠して測定された値である。
第2樹脂層13の構成材料は、目的に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、上述の酸素ガス透過量の条件を満たすように第2樹脂層13を構成することが容易である点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル;ナイロン;ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
また、第2樹脂層13の構成材料としては、これら以外の合成樹脂も挙げられる。
第2樹脂層13の構成材料は、1種のみでよいし2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は、目的に応じて任意に選択できる。
第2樹脂層13は、ポリエステル、ナイロン及びポリプロピレンからなる群より選択される1種又は2種以上を含むことが好ましく、第2樹脂層13のポリエステル、ナイロン及びポリプロピレンの合計含有量は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましく、例えば、99質量%以上であってもよいし、100質量%であってもよい。
第2樹脂層13は1層(単層)からなるものでもよいし、2層以上の複数層からなるものでもよい。第2樹脂層13が複数層からなる場合、これら複数層は互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
第2樹脂層13の厚さは、特に限定されないが、2〜100μmであることが好ましく、5〜70μmであることがより好ましく、8〜40μmであることが特に好ましい。第2樹脂層13の厚さが前記下限値以上であることで、第2樹脂層13の強度がより向上するとともに、第2樹脂層13の前記酸素ガス透過量を小さくした場合と同様の効果がより顕著に得られる。また、第2樹脂層13の厚さが前記上限値以下であることで、過剰な厚さとなることが避けられる。
第2樹脂層13が複数層からなる場合には、これら複数層の合計の厚さが、上記の好ましい第2樹脂層13の厚さとなるようにするとよい。
本発明の防カビ積層フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲内において、第1樹脂層、防カビ樹脂フィルム及び第2樹脂層以外に、さらにその他の層を備えていてもよい。
前記その他の層は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
ただし、本発明の防カビ積層フィルムは、第1樹脂層、防カビ樹脂フィルム及び第2樹脂層が、この順に互いに直接接触して積層されているものが好ましい。このように、第1樹脂層と防カビ樹脂フィルムとの間、防カビ樹脂フィルムと第2樹脂層との間に、いずれも前記その他の層を備えていないことにより、本発明の防カビ積層フィルムは、防カビ効果にさらに優れたものとなる。
また、本発明の防カビ積層フィルムは、第1樹脂層の防カビ樹脂フィルムを備えている側とは反対側には、前記その他の層を備えていないことが好ましい。このように、第1樹脂層が防カビ積層フィルムの一方の最も外側の層となっていることにより、本発明の防カビ積層フィルムは、防カビ効果にさらに優れたものとなる。
本発明の防カビ積層フィルムが、前記その他の層を備えている場合、その他の層を、第2樹脂層の防カビ樹脂フィルムを備えている側とは反対側に備えていることが好ましい。
本発明の防カビ積層フィルムは、上述の防カビ樹脂フィルム用の樹脂組成物を用い、多層積層フィルムの公知の製造方法を適用することで製造できる。
例えば、第1樹脂層及び第2樹脂層のいずれか一方の表面(片面)に前記樹脂組成物を塗工し、必要に応じて乾燥させて、防カビ樹脂フィルムを形成することで、第1樹脂層又は第2樹脂層と、防カビ樹脂フィルムと、が積層されてなる中間積層体を形成する。このときの防カビ樹脂フィルムの形成方法は、先に説明した防カビ樹脂フィルムの製造方法と同じである。
次いで、前記中間積層体における防カビ樹脂フィルムの露出面(第1樹脂層又は第2樹脂層が設けられていない表面)と、第1樹脂層及び第2樹脂層のいずれか他方の表面(片面)と、を貼り合わせることで、防カビ積層フィルムを形成する。ここで、「第1樹脂層及び第2樹脂層のいずれか他方」とは、前記中間積層体において防カビ樹脂フィルムに積層されているものが第1樹脂層である場合には第2樹脂層のことを意味し、前記中間積層体において防カビ樹脂フィルムに積層されているものが第2樹脂層である場合には第1樹脂層のことを意味する。
前記中間積層体と第2樹脂層又は第1樹脂層との貼り合わせは、公知の各種ラミネート法を適用することで、行うことができる。
以上により、前記防カビ積層フィルムが得られるが、第1樹脂層、防カビ樹脂フィルム及び第2樹脂層以外に、さらにその他の層を備えてなる防カビ積層フィルムを製造する場合には、上述の製造方法において、前記その他の層が目的の積層位置に配置されるよう、適切なタイミングで、前記その他の層を形成する工程を追加して行えばよい。
ここまでは、防カビ積層フィルムの製造方法として、前記樹脂組成物を用いて、防カビ樹脂フィルムと前記中間積層体の形成を同時に行う工程を有するものについて説明した。ただし、防カビ積層フィルムの製造方法としては、他のものも挙げられ、例えば、あらかじめ形成済みの防カビ樹脂フィルムを用いて、前記中間積層体を形成する工程を有する製造方法も挙げられる。
このように、あらかじめ形成済みの防カビ樹脂フィルムを用いる場合には、例えば、以下のように防カビ積層フィルムを製造すればよい。
まず、剥離処理面を有する剥離フィルムの前記剥離処理面に、前記樹脂組成物を用いて、防カビ樹脂フィルムを形成する。このときの防カビ樹脂フィルムの形成方法は、先に説明した防カビ樹脂フィルムの製造方法と同じである。形成済みの防カビ樹脂フィルムは、剥離フィルムを備えていない側の表面に、さらに同様に剥離フィルムを備えたものとしてもよい。
次いで、適切なタイミングで剥離フィルムを取り除き、防カビ樹脂フィルムの一方の表面に第1樹脂層を貼り合わせ、防カビ樹脂フィルムの他方の表面に第2樹脂層を貼り合わせることで、防カビ積層フィルムを形成する。防カビ樹脂フィルムと第1樹脂層との貼り合わせと、防カビ樹脂フィルムと第2樹脂層との貼り合わせは、いずれか一方を先に行い、他方を後で行って、順次行ってもよいし、同時に行ってもよい。
<<防カビ包装体>>
本発明の防カビ包装体は、上述の本発明の防カビ積層フィルムを用いて得られた防カビ包装体であって、前記第1樹脂層同士の一部が接着され、形成されている収容空間を有し、前記防カビ樹脂フィルムが前記第2樹脂層よりも前記収容空間側に配置されているものである。
本発明の防カビ包装体は、前記防カビ積層フィルム(防カビ樹脂フィルム)を用いていることで、優れた防カビ性を有し、目的物の保存中に収容空間内において、カビの増殖を顕著に抑制する。
図2は、本発明の防カビ包装体の一実施形態を模式的に示す断面図である。
ここに示す防カビ包装体10は、図1に示す防カビ積層フィルム1を用いて形成されたものである。防カビ包装体10は、一対の防カビ積層フィルム1,1の第1樹脂層11,11同士の一部が接着され、形成されている収容空間Sを有しており、防カビ樹脂フィルム12が第2樹脂層13よりも収容空間S側に配置されて、概略構成されている。すなわち、一対の防カビ積層フィルム1,1は、これらの第1樹脂層11,11同士が対向するように配置されている。
防カビ包装体10の収容空間Sには、目的とする保存対象物(図示略)が収容される。
防カビ包装体10においては、防カビ樹脂フィルム12の内部から第1樹脂層11を介して収容空間S内へ、化合物(2)又はその塩が容易に移行する。これにより、防カビ包装体10は、収容空間S内の化合物(2)又はその塩の濃度を適切な水準で一定期間維持でき、優れた防カビ効果を発現する。
また、防カビ包装体10においては、第1樹脂層11により、収容空間S内の保存対象物と防カビ樹脂フィルム12との接触が防止され、防カビ樹脂フィルム12から保存対象物への防カビ剤の過剰な移行が抑制される。
さらに、防カビ包装体10においては、先に防カビ積層フィルムにおいて説明したとおり、第2樹脂層13の構成を調節することで、防カビ効果の持続性や、外部からの酸素ガスによる保存対象物の劣化の抑制効果を、より高めることが可能である。
また、防カビ包装体10を用い、化合物(2)又はその塩の種類を調節することで、保存後の使用時における保存対象物を、化合物(2)又はその塩(防カビ剤)の使用を全く又はほとんど想起させないような、官能上好ましいものとすることもできる。
ここまでは、本発明の防カビ包装体として、図1に示す防カビ積層フィルム1を用いたものについて説明したが、本発明の防カビ包装体は、本発明の他の実施形態の防カビ積層フィルムを用いて形成されたものであってもよい。
本発明の防カビ包装体は、上述の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、一部の構成が変更、削除又は追加されたものであってもよい。
例えば、図2に示す防カビ包装体10は、一対の同じ種類の防カビ積層フィルム1,1を用いたものであるが、本発明の防カビ包装体は、一対の異なる種類の防カビ積層フィルム用いたものであってもよい。
また、本発明の防カビ包装体は、本発明の効果を損なわない範囲内において、防カビ積層フィルム以外のその他の構成を備えていてもよい。前記その他の構成は特に限定されず、目的に応じて適宜選択すればよい。
本発明の防カビ包装体は、本発明の防カビ積層フィルムを用いて、収容空間を有するように、第1樹脂層同士の一部を接着することで製造できる。
第1樹脂層同士の接着は、例えば、公知の各種ラミネート法を適用することで、行うことができる。
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
<防カビ積層フィルムの製造>
[実施例1]
以下に示す手順により、図1に示す構成の防カビ積層フィルムを製造した。
(防カビ樹脂フィルムの製造)
主剤(三井化学株式会社製「タケラック(登録商標)A620」、固形分50質量%、酢酸エチル50質量%)(6質量部)、硬化剤(三井化学株式会社製「タケネート(登録商標) A10」、固形分75質量%、酢酸エチル25質量%)(1質量部)、及び酢酸エチル(6質量部)を混合して、ポリウレタン系接着剤を調製した。得られたポリウレタン系接着剤において、溶媒(酢酸エチル)の合計含有量は71.2質量%である。
次いで、p−ヒドロキシアセトフェノン(4’−ヒドロキシアセトフェノン、2質量部)を、上記で得られたポリウレタン系接着剤の全量と混合し、溶媒以外の成分の合計含有量に対するp−ヒドロキシアセトフェノンの含有量の割合が35質量%である樹脂組成物を得た。
次いで、PETフィルム(厚さ25μm)の一方の表面に、マルチコーターを用いて、上記で得られた樹脂組成物を塗工し、80℃で乾燥させることで、p−ヒドロキシアセトフェノンの含有量が35質量%である防カビ樹脂フィルム(厚さ4μm)をPETフィルム上に形成した。なお、樹脂組成物の塗工時には、グラビアロールの深さを80μmとした。
(防カビ積層フィルムの製造)
さらに、上記で得られた防カビ樹脂フィルムのPETフィルムが設けられている側とは反対側の表面に、LDPEフィルム(厚さ25μm)を貼り合わせることにより、PETフィルム、防カビ樹脂フィルム及びLDPEフィルムがこの順に積層されてなる、透明な防カビ積層フィルムを得た。
なお、JIS K7126Bに準拠して測定した、前記LDPEフィルムの25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量は、5000cm/m・atm・dayであり、前記PETフィルムの25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量は、80cm/m・atm・dayであった。
<積層フィルムの製造>
[比較例1]
p−ヒドロキシアセトフェノンを用いずに樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用いて、p−ヒドロキシアセトフェノンの含有量が35質量%である防カビ樹脂フィルム(厚さ4μm)に代えて、p−ヒドロキシアセトフェノンの含有量が0質量%である樹脂フィルム(厚さ4μm)を形成した点以外は、実施例1と同じ方法で、透明な積層フィルムを得た。
<防カビ積層フィルム及び積層フィルムの評価>
[試験例1]
(イチゴに対する防カビ効果の確認)
樹脂組成物の塗工後、48時間が経過して、上述の防カビ樹脂フィルムのエージングが終了後(以下、本明細書においては、この状態を「製造直後」と称する)の、実施例1の防カビ積層フィルムとして、大きさが15cm×15cmのものを2枚用意した。そして、直ちに大気下において、これら防カビ積層フィルムの間に、2個の完熟イチゴを挟んだ状態で、これらフィルムの周辺部同士を重ね合せ、熱ラミネートした。以上により、実施例1の防カビ積層フィルムから作製された透明な袋(包装体)の内部に、上述の2個のイチゴが収容され、密封されたサンプルを作製した。このようなサンプルを合計で24個作製した。
同様に、比較例1の積層フィルムを用いて、24個のサンプルを作製した。
次いで、上記で得られたサンプルを、20℃で1日間静置保存した後、袋(包装体)からイチゴを取り出し、このイチゴを目視観察して、カビが発生しているイチゴの数を確認した。そして、イチゴの合計数(48)に対する、カビが発生しているイチゴの数の割合(すなわち、[カビが発生しているイチゴの数]/48×100)を「カビ発生率(%)」として算出した。
その結果、カビ発生率(%)は、実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合には12%であり、比較例1の積層フィルムを用いた場合には70%であった。
[試験例2]
(餅に対する防カビ効果の確認)
袋(包装体)の内部に収容、密封するものとして、2個の完熟イチゴに代えて、30gの1個の餅を用いた点以外は、試験例1の場合と同じ方法でサンプルを作製した。サンプル数は1個とした。
次いで、得られたサンプルを、25℃で静置保存し、この間、密封されている餅を袋越しに目視観察して、餅にカビが発生するまでの日数(カビ発生日数)を確認した。
その結果、カビ発生日数は、実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合には5日であり、比較例1の積層フィルムを用いた場合には3日であった。
[試験例3]
(トマトに対する防カビ効果の確認)
袋(包装体)の内部に収容、密封するものとして、2個の完熟イチゴに代えて、1個の完熟トマトを用いた点以外は、試験例1の場合と同じ方法でサンプルを作製した。サンプル数は1個とした。
次いで、得られたサンプルを、25℃で2日間静置保存した後、袋(包装体)からトマトを取り出し、このトマトを目視観察して、カビの発生の有無を確認した。
その結果、実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合には、トマトにカビが全く発生していなかったのに対し、比較例1の積層フィルムを用いた場合には、トマトの「へた」の複数個所にカビが発生していた。
[試験例4]
(ショウガに対する防カビ効果の確認)
袋(包装体)の内部に収容、密封するものとして、2個の完熟イチゴに代えて、100gの1個のショウガを用いた点以外は、試験例1の場合と同じ方法でサンプルを作製した。サンプル数は8個とした。なお、ショウガはすべて、刃物による切断で生じた切り口を有するものとした。
次いで、上記で得られたサンプルを、30℃で4日間静置保存した後、袋(包装体)からショウガを取り出し、このショウガを目視観察して、カビが発生しているショウガの数を確認した。そして、ショウガの合計数(8)に対する、カビが発生しているショウガの数の割合(すなわち、[カビが発生しているショウガの数]/8×100)を「カビ発生率(%)」として算出した。
その結果、カビ発生率(%)は、実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合には25%であり、比較例1の積層フィルムを用いた場合には100%であった。実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合、比較例1の積層フィルムを用いた場合、のいずれにおいても、カビはおもにショウガの切り口に発生していた。
[試験例5]
(培地における防カビ効果の確認)
直径10cmの滅菌済みのシャーレ上に、滅菌培地を作製した。培地としては、ポテトデキストロース寒天培地を用いた。
次いで、培地上の3箇所に、ボトリチス菌を植菌した。
次いで、2個の完熟イチゴに代えて、この植菌済み培地をシャーレごと、袋(包装体)の内部に収容、密封した点以外は、試験例1の場合と同じ方法でサンプルを作製した。サンプル数は1個とした。
次いで、得られたサンプルを、25℃で1日間静置保存した後、袋(包装体)からシャーレを取り出し、培地を目視観察して、カビの発生の有無を確認した。
その結果、実施例1の防カビ積層フィルムを用いた場合には、培地上でのカビの増殖が認められなかったのに対し、比較例1の積層フィルムを用いた場合には、培地上でのカビの増殖が明確に認められた。
本発明は、食品等の保存時に用いる包装体に利用可能である。
1・・・防カビ積層フィルム
10・・・防カビ包装体
11・・・第1樹脂層
12・・・防カビ樹脂フィルム
13・・・第2樹脂層
S・・・防カビ包装体の収容空間

Claims (13)

  1. 下記一般式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする、防カビ剤。
    Figure 2019001756
    (式中、R21及びR22は、それぞれ独立に炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のR21は互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜4の整数であり、nが2以上である場合、複数個のR22は互いに同一でも異なっていてもよく;oは1〜3の整数であり、ただしm+n+oは6以下である。)
  2. 前記mが1である、請求項1に記載の防カビ剤。
  3. 前記oが1である、請求項1又は2に記載の防カビ剤。
  4. 前記nが0又は1である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防カビ剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の防カビ剤と、樹脂と、を含む、防カビ樹脂フィルム。
  6. 前記樹脂として、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、チタネート系接着剤、イミン系接着剤、ブタジエン系接着剤、ポリエステル系接着剤及びオレフィン系接着剤からなる群より選択される1種又は2種以上を含み、前記防カビ樹脂フィルムが接着性を有する、請求項5に記載の防カビ樹脂フィルム。
  7. 前記一般式(2)で表される化合物又はその塩を有効成分とする防カビ剤とは異なる、その他の防カビ剤をさらに含む、請求項5又は6に記載の防カビ樹脂フィルム。
  8. 前記その他の防カビ剤が、下記一般式(9)で表される化合物又はその塩である、請求項7に記載の防カビ樹脂フィルム。
    Figure 2019001756
    (式中、Xは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり;Rは炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり;mは1〜3の整数であり、mが2以上である場合、複数個のXは互いに同一でも異なっていてもよく;nは0〜5の整数であり、ただしm+nは6以下であり、nが2以上である場合、複数個のRは互いに同一でも異なっていてもよい。)
  9. 請求項5〜8のいずれか一項に記載の防カビ樹脂フィルムと、第1樹脂層と、第2樹脂層と、を備え、
    前記防カビ樹脂フィルムが、前記第1樹脂層と、前記第2樹脂層と、の間に配置され、
    前記第1樹脂層の25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が、3000cm/m・atm・day以上である、防カビ積層フィルム。
  10. 前記第1樹脂層が低密度ポリエチレンを含む、請求項9に記載の防カビ積層フィルム。
  11. 前記第2樹脂層の25℃、65%RHの雰囲気下における酸素ガス透過量が、3000cm/m・atm・day以下である、請求項9又は10に記載の防カビ積層フィルム。
  12. 前記第2樹脂層がポリエステル、ナイロン及びポリプロピレンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の防カビ積層フィルム。
  13. 請求項9〜12のいずれか一項に記載の防カビ積層フィルムを用いて得られた防カビ包装体であって、
    前記第1樹脂層同士の一部が接着され、形成されている収容空間を有し、
    前記防カビ樹脂フィルムが前記第2樹脂層よりも前記収容空間側に配置されている、防カビ包装体。
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