JPH09252718A - 青果物の鮮度保持用包材 - Google Patents

青果物の鮮度保持用包材

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JPH09252718A
JPH09252718A JP9598196A JP9598196A JPH09252718A JP H09252718 A JPH09252718 A JP H09252718A JP 9598196 A JP9598196 A JP 9598196A JP 9598196 A JP9598196 A JP 9598196A JP H09252718 A JPH09252718 A JP H09252718A
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Kazunori Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実際に青果物を包装しているときの包材の酸
素透過度が、その青果物の鮮度保持に適した酸素透過度
になり、しかも、少なくとも最内層が防曇性を有する微
細孔包材からなる青果物の鮮度保持用包材を提供する。 【解決手段】 本発明の青果物の鮮度保持用包材は、外
層の基材フィルム2と内層の防曇剤の添加された熱融着
性樹脂フィルム3との積層フィルム1に、孔径が数μm
〜数十μmの微細な貫通孔4あるいは未貫通孔5を無数
に形成することにより、実際に青果物を包装したときの
包材の酸素透過度がその青果物の鮮度保持に適した酸素
透過度になるように加工された包材である。そして、こ
の積層フィルム1に微細な孔を形成させる加工は、加工
直後の包材の酸素透過度が、包装する青果物の鮮度保持
に必要とされる酸素透過度の5〜10倍の範囲内になる
ように加工される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果物等の青
果物の鮮度を長期に保つことが可能な青果物の鮮度保持
包装に用いる包材に関するものであり、特に防曇性を有
する青果物の鮮度保持用包材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の青果物の鮮度保持包装として、包
装内のガス組成を調整することにより青果物の鮮度保持
を図る方法がある。この方法は、青果物は一般に通常の
空気よりも低酸素、高二酸化炭素のガス組成下におかれ
ると鮮度が保持されるという性質を利用したものであ
り、青果物を一定のガス透過度を有する包材で密封包装
することにより、包装内での青果物の呼吸による酸素の
消費及び二酸化炭素の発生と包材のガス透過度のバラン
スから包装内のガス組成が一定の濃度(分圧)で平衡す
るようにして、青果物の鮮度保持を図るというものであ
る。
【0003】ところで、包装内の酸素及び二酸化炭素を
一定の組成に保つためには、青果物の呼吸量にあわせた
包材のガス透過度の設定が重要となるが、このとき包材
のガス透過度は、青果物の呼吸量、青果物の重量、包材
表面積、目標とするガス組成(平衡ガス分圧)により決
定される。なお、ここでいう青果物の呼吸量とは、保存
温度における大気中での呼吸量ではなく、目標とする包
装内でのガス組成中で期待される呼吸量であり、一般に
は大気中での呼吸量の1/3〜1/2の呼吸量である。
本発明者らは、これまで包材のガス透過度を設定する式
として下記数式1を用いて青果物の鮮度保持包装におけ
る包材の酸素透過度の設定を行っていた。
【0004】
【数1】 包材の酸素透過度:cc/m2・day・atm 青果物の呼吸量 :cc/kg・day 青果物の重量 :kg 包材表面積 :m2 包装内平衡酸素分圧:atm 一方、包材を必要なガス透過度を有するように加工する
方法として、特開平4−2499号や同5−38765
号などの各公報に記載の方法でフィルムに孔径が数μm
〜数十μmの貫通あるいは未貫通の微細な孔を多数形成
させる方法がある。
【0005】ところが、このような微細な孔を形成した
包材(以下「微細孔包材」という)で、上記数式1で設
定したガス透過度を有する包材を用いて青果物の鮮度保
持を行った場合に、包装内の酸素分圧が目標とする平衡
酸素分圧よりも低下し、期待した鮮度保持効果が得られ
ない場合がある。これは、微細な孔を包材内面側より形
成させた場合、青果物を包装したときに青果物の呼吸に
より発生する水分によって包材の内面に水滴が付着し、
その付着した水滴により孔がふさがり、包材のガス透過
度が低下するためである。
【0006】即ち、内面側から加工した微細孔包材で
は、内面に水滴が付着することによって、酸素透過度が
水滴の付着がない場合の20〜50%にまで低下する。
そのため、微細孔包材を用いる場合には、特開平7−2
03843号公報に示されているように、上記数式1の
代わりに下記数式2を用いて包材の酸素透過度を設定す
る必要がある。
【0007】
【数2】 包材の酸素透過度:cc/m2・day・atm 青果物の呼吸量 :cc/kg・day 青果物の重量 :kg 包材表面積 :m2 包装内平衡酸素分圧:atm a:補正係数(1.2〜5.0) 一方、外面側から加工した微細孔包材では、内面への水
滴の付着の影響は少なく、水滴付着による酸素透過度の
低下は最大でも20%程度であり、特開平7−2649
75号公報に示されているように、前記数式1による酸
素透過度の設定が可能である。しかし、実際には、鮮度
保持用包材が特に必要とされる夏場は、高湿下での冷蔵
保存や氷詰め等が行われ、包材の外表面が濡れる場合が
多く、内表面側から加工した場合と同様の酸素透過度の
低下が生じる。
【0008】また、包材表面への水滴の付着は、包材の
透明性を低下させ、中身が見えにくくなるため、青果物
用の包材では少なくとも内面には防曇性が要求されてい
る。ところが、内面に防曇性を有する包材を使用した場
合、見かけ上は水滴の付着はなくなるが、実際には包材
表面に水の薄膜が形成されており、微細孔包材では防曇
性の包材でも水により孔がふさがれ、前述の酸素透過度
の低下が生じる。
【0009】さらに、微細孔包材に防曇性の包材を用い
た場合には、包材に添加されている防曇剤が包材に形成
された微細孔に溶出し、孔をふさぐため、時間の経過と
ともに酸素透過度が低下する。しかし、その現象は加工
後1週間以内には平衡に達し、それ以上時間が経過して
も酸素透過度は低下しない。その平衡に達したときの酸
素透過度は、加工直後の酸素透過度の30〜50%であ
る。
【0010】したがって、防曇性の包材を使用した微細
孔包材では、青果物を包装した場合、防曇剤の溶出によ
る酸素透過度の低下と、水の付着による酸素透過度の低
下がともに生じ、青果物包装時の酸素透過度が著しく低
下するため、酸素透過度を包装する青果物に最適な酸素
透過度にあわせて微細孔包材の加工を行っても、鮮度保
持ができないという問題がある。さらに、前記の数式2
を用いて水の影響に配慮しても、防曇剤による酸素透過
度の低下が生じるため、やはり鮮度保持が出来ないとい
う問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題に鑑み為されたもので、その課題とするところは、
実際に青果物を包装しているときの包材の酸素透過度
が、その青果物の鮮度保持に適した酸素透過度になり、
しかも、少なくとも最内層が防曇性を有する微細孔包材
からなる青果物の鮮度保持用包材を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、少なくとも最内層が熱融着性樹
脂層からなる多層フィルムに、孔径が数μm〜数十μm
の微細な貫通あるいは未貫通の孔を無数に形成すること
により、その多層フィルムの酸素透過度を制御する青果
物の鮮度保持用包材において、少なくとも前記熱融着性
樹脂層が防曇性を有し、かつ、その多層フィルムの孔を
形成した直後の酸素透過度が、包装する青果物の鮮度保
持に必要とされる酸素透過度3,000〜30,000
cc/m2・day・atmの5〜10倍の範囲内にな
るように多層フィルムに孔を形成したことを特徴とする
青果物の鮮度保持用包材である。
【0013】また、請求項2の発明は、前記多層フィル
ムの孔を形成した直後の酸素透過度が、15,000〜
300,000cc/m2・day・atmの範囲であ
ることを特徴とする請求項1記載の青果物の鮮度保持用
包材である。
【0014】また、請求項3の発明は、前記多層フィル
ムが、基材フィルムと、防曇剤が添加された熱融着性樹
脂フィルムとの積層フィルムであることを特徴とする請
求項1または2記載の青果物の鮮度保持用包材である。
【0015】また、請求項4の発明は、前記基材フィル
ムが、延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィ
ルムまたはポリエチレンテレフタレートフィルムである
ことを特徴とする請求項3記載の青果物の鮮度保持用包
材である。
【0016】また、請求項5の発明は、前記熱融着性樹
脂フィルムが、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ
エチレン、無延伸ポリプロピレンまたはエチレン−酢酸
ビニル共重合体樹脂のフィルムであることを特徴とする
請求項3記載の青果物の鮮度保持用包材である。
【0017】本発明の青果物の鮮度保持用包材は、上記
のとおり、少なくとも最内層が防曇性を有し、かつ、少
なくとも最内層が熱融着性樹脂層からなる多層フィルム
に、孔径が数μm〜数十μmの微細な貫通あるいは未貫
通の孔を無数に形成することにより、実際に青果物を包
装したときの包材の酸素透過度がその青果物の鮮度保持
に適した酸素透過度すなわち、3,000〜30,00
0cc/m2・day・atmの範囲になるように加工
された包材である。
【0018】すなわち、本発明の青果物の鮮度保持用包
材は、上記多層フィルムに微細な孔を形成させる(以
下、単に「加工」という)際に、防曇剤と水による酸素
透過度の低下を考慮して、加工直後の包材の酸素透過度
が、包装する青果物の鮮度保持に必要とされる酸素透過
度の5〜10倍の範囲内になるように加工される。ここ
で、包装する青果物の鮮度保持に必要とされる酸素透過
度とは、前記の数式1により設定される最適な酸素透過
度のことであり、一般的には3,000〜30,000
cc/m2・day・atmの範囲である。
【0019】したがって、本発明の青果物の鮮度保持用
包材は、加工直後の酸素透過度が、15,000〜30
0,000cc/m2・day・atmの範囲となる。
【0020】従来の微細孔包材を用いた鮮度保持用包材
は、酸素透過度の設定にあたっては、包材に付着する水
の影響しか考慮していなかったが、本発明では、防曇剤
による酸素透過度の低下も考慮して加工直後の酸素透過
度を包装時に要求される酸素透過度よりも5〜10倍に
高く設定して微細孔包材の加工を行うため、実際に青果
物を包装したときに最適な酸素透過度となり、防曇性の
包材を使用した微細孔包材による青果物の鮮度保持が可
能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。
【0022】本発明の青果物の鮮度保持用包材は、青果
物を密封包装して使用するため、熱融着によるシールが
可能であるように熱融着性が必要であり、しかも、包装
機械適性等を考慮すれば、多層フィルムからなる包材で
あることが好ましい。したがって、本発明に使用できる
包材の構成としては、たとえば、延伸ポリプロピレン、
延伸ナイロン、ポリエチレンテレフタレート等の基材フ
ィルムと、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチ
レン、無延伸ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体等の熱融着性樹脂に防曇剤が添加されたフィルム
とを積層した構成が好ましいが、本発明は勿論これに限
定されるものではなく、基材フィルムと防曇剤を含む熱
融着性樹脂フィルムとの積層フィルムであればどのよう
な構成でも使用できる。また、この積層フィルムの層数
は、基本的には基材フィルムと熱融着性樹脂フィルムの
二層であるが、基材フィルム及び熱融着性樹脂フィルム
のそれぞれが2層以上からなる多層構成であっても構わ
ない。包材の厚みは、青果物の包装に要求される強度及
び加工適性等を考慮して決定されるが、一般には30〜
50μm程度の厚みのものが適当である。
【0023】本発明の青果物の鮮度保持用包材は、上記
のとおり、防曇性をもたせるため、少なくとも最内層、
つまり熱融着性樹脂フィルムに防曇剤が添加されている
が、上記の基材フィルムの方にも防曇剤が含まれていて
も勿論構わない。本発明に使用する防曇剤としては、内
容物が青果物であることから、青果物にまったく影響を
与えないような材質のものであることが望ましい。した
がって、本発明に使用する防曇剤は、具体的には、ソル
ビタン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ジ
グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセ
リンモノ脂肪酸エステル等があげられるが、これに限定
するものではない。防曇剤の添加量は、特に制限がある
わけではないが、通常、防曇性をもたせるのに必要な程
度の量を添加すれば足りる。
【0024】包材として、上記のような積層フィルムを
用いる場合、必要な酸素透過度を有するように加工する
必要がある。具体的には、積層フィルムのどちらか一方
の面から孔径数μm〜数十μmの貫通あるいは未貫通の
微細孔を無数に形成させ、その孔の数、深さ、大きさを
制御することにより必要な酸素透過度を得る方法が好ま
しい。そこで、上記積層フィルムに微細な孔を無数に形
成させる方法であるが、例えば特開平4−2499号や
同5−38765号の各公報に記載の方法に代表される
方法を用いて加工すればよい。すなわち、金属製ローラ
の表面に微細な人工ダイヤモンドの粒子をコーティング
して形成し、そのローラと相対するローラとの間にフィ
ルムを通し、微細な孔を開ける方法である。この加工の
際、積層フィルムの外層側(基材フィルム側)から加工
しても、内層側(熱融着性樹脂フィルム側)から加工し
てもどちらでも構わない。すなわち、包材の構成や厚み
等により、加工しやすい面から加工すればよい。この
際、積層フィルムに形成させる微細な孔は、孔径が数μ
m〜数十μmの範囲にある限り、貫通孔であってもよ
く、未貫通孔であってもよく、あるいは両者が混ざって
いてもよく、本発明では特に限定されるものではない。
すなわち、必要な酸素透過度が得られるように加工すれ
ばよい。ただし、孔径が100μmよりも大きくなる
と、孔は完全な貫通孔となり、しかも、酸素透過度が極
端に高くなるので、青果物の鮮度保持に適した範囲での
酸素透過度の制御が困難になるため好ましくない。
【0025】なお、図1に示すように、上記公報に記載
の方法で開孔された積層フィルム1(外層の基材フィル
ム2と内層の熱融着性樹脂フィルム3とからなる)に
は、ほとんどの場合、貫通孔4と未貫通孔5の両方が形
成され、その比率は得られる酸素透過度によって0〜1
00%の範囲で変動し、その酸素透過度が高いほど貫通
孔の比率が高くなる。そして、ここでいう貫通孔とは、
完全な貫通孔4以外に、未貫通孔5のフィルム残存部分
6に亀裂7が入り、フィルムの両面がつながった状態の
ものも含まれる。
【0026】ところで、上記微細孔包材に要求される酸
素透過度は、前記の数式1により設定することが可能で
あるが、数式1により設定される酸素透過度は、実際の
青果物の包装時に必要とされる酸素透過度であり、防曇
性を有する微細孔包材では、防曇剤の溶出と水の付着に
より、実際の包材使用時には加工直後よりも著しく酸素
透過度が低下する。そのため、加工にあたっては、使用
時の酸素透過度の低下を見越して、数式1により設定さ
れる酸素透過度よりも高い酸素透過度になるように加工
を行う。実際には、防曇剤による低下分を考慮して2〜
3倍に、水の付着による低下分を考慮してさらにその2
〜4倍の酸素透過度になるように加工する。すなわち、
防曇剤と水の両者による低下分をあわせて、加工直後の
酸素透過度が数式1により設定される酸素透過度のおよ
そ5〜10倍、好ましくは7〜8倍の酸素透過度になる
ように加工すればよい。
【0027】なお、実際の包材使用時の酸素透過度は、
包材の加工状態や内容物である青果物の状態でも異なる
ので、予め正確に予測することはできないが、青果物の
鮮度保持に適した酸素透過度は前述の数式1により設定
される酸素透過度の1点だけではなく、その値を中心と
して±50%程度の許容範囲があり、実際にはその範囲
の酸素透過度を有する包材を用いれば青果物の鮮度保持
が可能である。したがって、本発明の青果物の鮮度保持
用包材では、加工直後の酸素透過度が上記の倍率の範囲
内に入るように加工することにより、実際の青果物を包
装した時点でほぼ上記の鮮度保持に適した許容範囲の酸
素透過度となる。
【0028】なおここで、数式1により設定される酸素
透過度は青果物の保存温度における酸素透過度である
が、本発明に係る微細孔包材の酸素透過度は温度の影響
をほとんど受けないため、保存温度での酸素透過度であ
る必要はなく、実際には常温での酸素透過度で代用する
ことができる。
【0029】そして、実際に数式1により設定される酸
素透過度は、特殊な内容物の場合を除き、通常は3,0
00〜30,000cc/m2・day・atmの範囲
であるため、本発明に係る微細孔包材の加工直後の酸素
透過度は、その5〜10倍の15,000〜300,0
00cc/m2・day・atmの範囲となる。したが
って、そのような酸素透過度の範囲となるように包材の
加工を行えばよい。
【0030】このような本発明の青果物の鮮度保持用包
材は、野菜、果実などの青果物の鮮度を長期に保つこと
を可能とするものであるが、この他に、例えばきのこ、
花などの鮮度保持包装にも使用することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示す。
【0032】実施例1 厚さ20μmの延伸ポリプロピレンフィルム(本州製紙
(株)製、SS121)と厚さ25μmの防曇タイプ直
鎖状低密度ポリエチレンフィルム(東セロ(株)製、T
UX TNF)とをドライラミネート法で積層し、得ら
れた積層フィルムに上記ポリエチレンフィルム側から、
前述の公報記載の方法を用いて孔径が数μm〜数十μm
の微細な孔を無数に形成させ、加工直後の酸素透過度が
およそ20,000、40,000、80,000、1
50,000および250,000cc/m2・day
・atmになるように5種類の微細孔包材の加工を行っ
た。これらの包材は、使用時の酸素透過度として、それ
ぞれ3,000、5,000、10,000、20,0
00および30,000cc/m2・day・atmを
想定したものである。
【0033】次に、各包材の酸素透過度を加工直後、5
日後、および7日後に測定した。なお、酸素透過度は、
次のようにして求めた。すなわち、各包材ごとに表面積
400cm2の袋を作製し、その袋に窒素ガス400c
cを充填密封し、25℃で1〜2時間放置後、袋内の酸
素濃度を測定することにより求めた。また、7日後に
は、袋内面に霧吹きで水を吹きかけ、その状態での酸素
透過度を同様の方法で測定した。
【0034】得られた結果をまとめて下記表1に示し
た。
【0035】比較例 上述の実施例1と同じ積層フィルムに同様にして加工直
後の酸素透過度が10,000および400,000c
c/m2・day・atmになるように微細孔包材の加
工を行い、実施例1と同様の酸素透過度の測定を行っ
た。その結果についても下記表1にあわせて示した。
【0036】
【表1】 表1の結果から、本発明実施例の包材はいずれも、使用
時を想定した水に濡れた状態で、想定した酸素透過度
(表1中の使用時予測値)の±50%以内、実際には±
15%以内の酸素透過度を示した。したがって、各包材
は、想定した酸素透過度を必要とする青果物の鮮度保持
に使用可能であることがわかる。
【0037】一方、比較例の包材の場合、加工直後の酸
素透過度が10,000cc/m2・day・atmに
なるように加工した包材では、水で濡らしたときの酸素
透過度が1,400cc/m2・day・atmであ
り、これは未加工の包材とほぼ同じ酸素透過度を示すも
ので、微細孔加工を施さないのと結局同じ結果となり、
鮮度保持に必要な酸素透過度が得られない。また、加工
直後の酸素透過度が400,000cc/m2・day
・atmになるように加工した包材では、水で濡らした
ときでも酸素透過度が56,000cc/m2・day
・atmを示し、これは青果物の鮮度保持に必要な一般
的な酸素透過度の最大値である30,000cc/m2
・day・atmの+50%以上の値であり、青果物の
鮮度保持用包材としては使用できない。
【0038】実施例2 厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフ
ィルム((株)東レ製、ルミラーQ−27)と厚さ25
μmの防曇タイプ無延伸ポリプロピレンフィルム(二村
化学工業(株)製、FHBK)とをドライラミネート法
で積層し、得られた積層フィルムに上記ポリプロピレン
フィルム側から、前述の公報記載の方法を用いて、加工
直後の酸素透過度がおよそ15,000、50,00
0、100,000および300,000cc/m2
day・atmになるように4種類の微細孔包材の加工
を行い、次いで前述の実施例1と同様の方法で酸素透過
度を測定した。
【0039】得られた結果をまとめて下記表2に示し
た。
【0040】
【表2】 前に述べたように、使用時の酸素透過度が、前記数式1
により求められる青果物の鮮度保持に必要な酸素透過度
の±50%の範囲にあれば青果物の鮮度保持が可能であ
るため、上記表2に示したとおり、例えば加工直後の酸
素透過度を15,000cc/m2・day・atmに
設定した場合、最終的には2,000cc/m2・da
y・atmの酸素透過度となり、たとえば3,000c
c/m2・day・atmの酸素透過度を必要とする青
果物の鮮度保持に使用可能である。また、加工直後の酸
素透過度を300,000cc/m2・day・atm
に設定した場合、最終的には43,000cc/m2
day・atmの酸素透過度となり、たとえば30,0
00cc/m2・day・atmの酸素透過度を必要と
する青果物の鮮度保持に使用可能である。さらに、加工
直後の酸素透過度を50,000cc/m2・day・
atmおよび100,000cc/m2・day・at
mに設定した場合は、最終的にはそれぞれ6,900c
c/m2・day・atmおよび11,500cc/m2
・day・atmの酸素透過度となり、それぞれ設定酸
素透過度の5分の1〜10分の1の範囲内の酸素透過度
を必要とする青果物の鮮度保持に使用可能である。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の青
果物の鮮度保持用包材によれば、防曇性を有し、しか
も、包材の酸素透過度が、包材に含まれている防曇剤の
溶出や青果物より発生する水分の付着による影響を受け
て低下したとき、すなわち、実際に青果物を包装してい
る状態のときに、包装されている青果物の鮮度保持に適
した酸素透過度になるため、その結果青果物の鮮度を長
期に保つことができる鮮度保持包装を可能にするという
優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の包材として用いる積層フィルムに微細
な孔を開けた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 積層フィルム 2 基材フィルム 3 熱融着性樹脂フィルム 4 貫通孔 5 未貫通孔 6 未貫通孔のフィルム残存部分 7 亀裂
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/32 B32B 27/32 Z B65D 65/40 B65D 65/40 81/26 81/26 A (72)発明者 掘田 博 埼玉県富士見市西みずほ台3−9−9−3 −202 (72)発明者 竹下 耕二 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 高橋 麻子 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 石谷 孝佑 茨城県つくば市吾妻3−19−1 パークヒ ル吾妻2−402 (72)発明者 佐藤 和憲 茨城県つくば市松代4−424−302

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも最内層が熱融着性樹脂層から
    なる多層フィルムに、孔径が数μm〜数十μmの微細な
    貫通あるいは未貫通の孔を無数に形成することにより、
    その多層フィルムの酸素透過度を制御する青果物の鮮度
    保持用包材において、少なくとも前記熱融着性樹脂層が
    防曇性を有し、かつ、その多層フィルムの孔を形成した
    直後の酸素透過度が、包装する青果物の鮮度保持に必要
    とされる酸素透過度3,000〜30,000cc/m
    2・day・atmの5〜10倍の範囲内になるように
    多層フィルムに孔を形成したことを特徴とする青果物の
    鮮度保持用包材。
  2. 【請求項2】 前記多層フィルムの孔を形成した直後の
    酸素透過度が、15,000〜300,000cc/m
    2・day・atmの範囲であることを特徴とする請求
    項1記載の青果物の鮮度保持用包材。
  3. 【請求項3】 前記多層フィルムが、基材フィルムと、
    防曇剤が添加された熱融着性樹脂フィルムとの積層フィ
    ルムであることを特徴とする請求項1または2記載の青
    果物の鮮度保持用包材。
  4. 【請求項4】 前記基材フィルムが、延伸ポリプロピレ
    ンフィルム、延伸ナイロンフィルムまたはポリエチレン
    テレフタレートフィルムであることを特徴とする請求項
    3記載の青果物の鮮度保持用包材。
  5. 【請求項5】 前記熱融着性樹脂フィルムが、低密度ポ
    リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリプ
    ロピレンまたはエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のフ
    ィルムであることを特徴とする請求項3記載の青果物の
    鮮度保持用包材。
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