JPH1128040A - 害虫防除装置 - Google Patents

害虫防除装置

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JPH1128040A
JPH1128040A JP9185284A JP18528497A JPH1128040A JP H1128040 A JPH1128040 A JP H1128040A JP 9185284 A JP9185284 A JP 9185284A JP 18528497 A JP18528497 A JP 18528497A JP H1128040 A JPH1128040 A JP H1128040A
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fan
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正永 山口
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光宣 鎌谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入手容易な電池を使用する電動モータ駆動方
式とすることで、設置場所の制約を受けず、しかも、十
分な薬剤揮散量及び運転時間を確保すること。 【解決手段】 害虫防除装置1において、チャンバ9
と、チャンバ9の両端に設けた吸気口11と排気口13
と、チャンバ9の内部に設けられ吸気口11から吸気し
た外気を排気口13から排気するファン15と、ファン
15を無負荷時の消費電流量が100mA以下で駆動す
る直流モータ7と、直流モータ7へ電源を供給する電池
3と、吸気口11とファン15との間又はファン15と
排気口13との間の少なくとも何れか一方に設けられ常
温で難揮散性の化合物から選ばれた1種類以上の害虫防
除成分を含む薬剤を保持した薬剤保持材17とを設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池を電源とする
送風手段の気流を利用して薬剤保持材から害虫防除成分
をリリースさせる害虫防除装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、加熱条件下で薬剤を蒸散して
害虫を防除するマット式や液体式の蒸散装置が多く使用
されている。この種の蒸散装置では、害虫防除成分を含
む薬剤を適当な基材に含浸又は浸透させ、薬剤を含んだ
基材の一部をヒータなどで加熱して薬剤を蒸散する。こ
のような蒸散装置によれば、加熱条件下で蒸散する薬剤
を使用するので、貯蔵中に薬剤がなくなることがなく、
害虫防除効果の消失を防止できるとともに、使用時に薬
剤を必要量揮散させることができた。
【0003】ところが、この種の蒸散装置は、通常、加
熱条件下で薬剤を蒸散するので、上述した効果を有する
反面、多くのエネルギーを必要とするのに加え、装置や
その周囲の温度上昇や火傷等の危険性を有していた。こ
のため、加熱手段を用いず、送風により常温で薬剤を揮
散させる防虫装置が提案された。その例としては、装置
内にナフタリン等の昇華性防虫剤を収納し、装置の吸入
孔から外気を吸入し、装置内で防虫剤の揮発成分を揮散
させ、防虫剤の揮発成分を含んだ空気を排気孔から排出
する防虫装置が知られている。また、駆動手段としての
電動モータによりファンを回転させ、その気流により揮
散性薬剤を拡散させて殺虫する防虫装置が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た強制的に薬剤を揮散させる防虫装置は、ファン回転用
の電動モータを一般家庭用の商用電源(100V)で駆
動するため、供給電圧は常に一定で揮散量は安定するも
のの、当然ながら商用電源の供給されない場所では使用
できないとともに、商用電源の供給される場所であって
も接続コード長の限界から設置場所に制約を受け、ま
た、接続配線の露出により見栄えの悪い問題があった。
【0005】一方、商用電源によらず、電池等を用いて
電動モータを駆動することも考えられるが、一般的な入
手の容易な電池を最小限の数用い、しかも、従来のマッ
ト式や液体式の蒸散装置と同等の運転時間(例えば、3
0日程度)を満足するものは未だなく、その開発が強く
望まれていた。
【0006】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、入手容易な電池を使用する電動モータ駆動方式とす
ることで、設置場所の制約を受けず、しかも、十分な薬
剤の揮散量及び運転時間を確保することのできる害虫防
除装置を提供し、利便性の向上、長時間運転による経済
性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る害虫防除装置の構成は、チャンバと、該
チャンバの両端に設けた吸気口と排気口と、前記チャン
バの内部に設けられ前記吸気口から吸気した外気を前記
排気口から排気するファンと、該ファンを無負荷時の消
費電流量が100mA以下で駆動する直流モータと、該
直流モータへ電源を供給する電池と、前記吸気口と前記
ファンとの間又は前記ファンと前記排気口との間の少な
くとも何れか一方に設けられ害虫防除成分を保持した薬
剤保持材とを具備したことを特徴とするものである。
【0008】そして、前記排気口から排気される風量
は、0.1リットル/sec〜10リットル/secで
あることが好ましい。
【0009】また、前記ファンは、回転中心軸を中心に
複数の翼部を放射状に設けたものであることが好まし
い。
【0010】また、前記薬剤保持材は、前記チャンバ内
の気流方向に開口した通気口を前記気流方向に直交する
面方向に複数並設したハニカム形状、網形状、スリット
形状、格子形状及び開孔を設けた紙の何れか一つであり
且つ前記薬剤を保持することのできる無機質又は有機質
の成型材料からなることが好ましい。
【0011】このように構成した害虫防除装置では、入
手容易な電池を使用して直流モータを駆動するので、設
置場所の制約がなくなり、利便性が向上するとともに、
小型化させることができる。また、加熱を必要としない
ので、火災の危険性が無くなる。更に、広い空間に速や
かに有効量の害虫防除成分をリリースし拡散することに
なる。
【0012】そして、無負荷時の消費電流量が100m
A以下の直流モータを、電池で駆動することで、十分な
薬剤揮散量及び長時間運転が可能になる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る害虫防除装置
の1つの好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明に係る害虫防除装置の概略構成
図、図2は図1の害虫防除装置に用いる薬剤保持材を示
す斜視図である。
【0014】害虫防除装置1は、電池3を収容する電池
収容部5と、直流モータ7と、チャンバ9とからなる。
電池収容部5には電池3の電極に接触する不図示の端子
を設けてあり、端子は不図示の運転制御回路を介して直
流モータ7へと接続してある。電池収容部5とチャンバ
9とは、例えば図1に示すように直流モータ7のケーシ
ング部を介して連結することができる。
【0015】直流モータ7は、チャンバ9の下面から駆
動軸7aを内部へ垂直に突出してある。チャンバ9は、
内部が中空となっており、直流モータ7を設けた下面に
吸気口11を形成する一方、上面に排気口13を形成し
てある。直流モータ7の駆動軸7aには、吸気口11の
直上に位置するファン15を固定してある。従って、フ
ァン15が回転することにより、吸気口11からは外気
が取り入れられ、ファン15を通過した外気はチャンバ
9内の上方へ送られるようになっている。そして、排気
口からの風量範囲は、0.1リットル/sec〜10リ
ットル/sec、望ましくは0.2リットル/sec〜
6リットル/secが示される。
【0016】上記のようにファン15の設定が固定され
ている場合の他に、ファン15をフレキシブル可動させ
ることもでき、例えば、扇風機のように、ファン15が
左右若しくは上下に移動するタイプが挙げられる。チャ
ンバ9内の上方には、薬剤保持材を構成する薬剤保持材
17を排気口13の直下に配設してある。薬剤保持材1
7は、簡単な構造で、通気性の大きいものが好ましく、
例えば図2に示すハニカム形状の他、網形状、スリット
形状、格子形状若しくは開孔を設けた紙類等の構造のも
のとすることができる。
【0017】薬剤保持材17は、薬剤(害虫防除成分
等)を十分に保持することができるものが好ましい。そ
の材質としては無機質及び有機質の成型材料が挙げら
れ、それらから成型されたものとしては、例えば紙類
(濾紙、パルプ、リンター、厚紙等)、樹脂類(ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポ
リマー等)、セラミック、ガラス繊維、炭素繊維、化学
繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、
ポリエチレン、ポリプロピレン等)、天然繊維(木綿、
絹、羊毛、麻等)、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、
天然繊維等からなる不織布、編織布等の布綿、多孔性ガ
ラス材料、多孔性金属材料、金網等が挙げられる。
【0018】また、薬剤保持材17は、害虫防除成分を
含む薬剤を保持し、これらの一種又は二種以上を組み合
わせて任意の形状にして使用するものであってもよい。
薬剤保持材17に害虫防除成分等を保持させるには、薬
剤保持材17に薬剤を滴下塗布、含浸塗布、スプレー塗
布等の液状塗布方法、液状印刷、はけ塗り等の方法、或
いは薬剤保持材17へ貼りつけする方法が利用でき、更
に使用する組成物が液状のものでない場合、或いは溶剤
を使用しない場合では、混練込み、塗布、印刷等の方法
を適用することができる。
【0019】本発明において用いることができる害虫防
除成分は、常温で難揮散性の化合物であればよく、安全
性の観点からピレスロイド系化合物及びその異性体、類
縁体を用いることが好ましく、代表的なものを例示する
と以下の通りである。
【0020】・dl−3−アリル−2−メチル−4−オ
キソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−
クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミ
ン:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマー
ト(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社
製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商
品名バイオアスレリン:ユクラフ社製) ・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シク
ロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品
名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバ
イオール:ユクラフ社製) ・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン:商品
名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・5−プロパギル−2−フリルメチル− d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名フラメトリン:商品
名ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピ
ニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス
−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エト
ック:住友化学工業株式会社製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一
般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/
トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商
品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォル
テ:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリ
サンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリ
ン:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1
−シクロプロパンカルボオキシラート(一般名ペルメト
リン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製) ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−
シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノト
リン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−
シス/トランス−3−(2,2−ジメチルビニル)−
2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラー
ト(一般名エンペントリン、商品名ベーパースリン:住
友化学工業株式会社製) ・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベン
ジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメ
チル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名ト
ランスフルスリン)
【0021】また、害虫防除成分としては、上記したも
のの類縁体として上記した化合物に構造上似ている化合
物を用いることができ、例えばエンペントリンの場合3
位の2個の置換基はメチル基であるが、その置換基とし
て他のアルキル基、不飽和アルキル基又はハロゲン原子
である化合物を用いることもできる。本発明において
は、これらから選ばれた1種以上の害虫防除成分を薬剤
保持材に保持して用いることができる。
【0022】これらのうち、エンペントリン、プラレト
リン、レスメトリン、エスバイオール、フラメトリン、
テラレスリン、及びトランスフルスリンが特に好まし
い。さらに前記条件の有機リン系、カーバメイト系、昆
虫成長抑制剤(IGR,JH)など害虫防除成分を単独
又は組み合わせて用いることに何ら制限はされない。ま
た、これらの類縁体も用いられる。
【0023】ファン15は、複数枚の傾斜羽根を駆動軸
7aに放射状に設けて形成してある。従って、ファン1
5と直流モータ7とは、所謂軸流式送風手段を構成す
る。この他、送風手段としては、駆動軸7aに平行な方
向に多数の羽根を円筒状に設け駆動軸7aと直交する方
向へ送風を行う所謂多翼式送風手段(シロッコファン)
であってもよい。
【0024】これらファン15の重量としては、電池駆
動可能な負荷との関係から30グラムよりも軽量のもの
が適当であり、その例を示すと、プロペラファンでは3
〜17グラム程度、シロッコファンでは7〜15グラム
程度のものが挙げられる。さらに、ICを内蔵するブラ
シレス軸流ファンタイプのもの等を使用することができ
る。以下に上記条件を満たすファンの例を示す。
【0025】 ・プロペラファン (1)直径56mm 11枚翼 (2)直径48mm 11枚翼 (3)直径74mm 7枚翼 ・シロッコファン (1)直径58mm 翼巾23mm 翼弦長10mm 翼枚数12枚 (2)直径45mm 翼巾20mm 翼弦長8mm 翼枚数12枚 (3)直径54mm 翼巾13mm 翼弦長8mm 翼枚数8枚 ・ブラシレス軸流ファン (1)直径56mm 11枚翼
【0026】本実施形態に示す軸流式送風手段の場合
は、吸気口11から吸気される外気の流速は、ファン1
5の中心部付近ほど遅く、外縁部に近づくに従って速く
なる特性を有する。従って、薬剤保持材17に当たる空
気量は、薬剤保持材17の中心部付近では少なく、外縁
部に近づくに従って多くなるため、揮散性薬剤の拡散量
が薬剤保持材17の各部において不均一となる場合もあ
る。
【0027】このため、ファン15と薬剤保持材17と
の間の風路には、平板を交差して設けた整流板を設ける
ようにしても良い。整流板は、このような軸流式送風手
段の特性によって生じた不均一な空気を整流し、薬剤保
持材17の各部における風量を均一に是正することがで
きる。薬剤保持材17に当たった空気には薬剤保持材1
7から薬剤の有効成分が入り、有効成分の入った空気は
排気口13から装置外部へと拡散、放出されることとな
る。なお、整流板を別途設ける他、薬剤保持材17に整
流機能を持たせたり、若しくは、整流板に薬剤保持機能
を持たせるようにすることもできる。
【0028】なお、本実施形態では、薬剤保持材17の
設置位置をファン15の排気側としたが、薬剤保持材1
7はファン15の吸気側に設置するものであってもよ
い。
【0029】上述のように構成した害虫防除装置1によ
れば、加熱を必要としないので、火災の危険性がなく、
広い空間に速やかに有効量の害虫防除成分をリリースし
拡散することができ、且つその効果が長時間にわたり維
持できるので、害虫を有効に防除することができる。ま
た、電池を用いた直流モータ駆動方式であるため、設置
場所の制約を受けることがなく、利便性を向上させるこ
とができる。
【0030】
【実施例】次に、上述の実施形態による害虫防除装置の
実施例を説明する。なお、実施は、以下の条件に基づい
た。
【0031】(実施例1)薬剤保持材は、ハニカム形状
の紙(ダンボール)とし、縦66mm×横66mm×厚
さ15mmのものを使用した。薬剤としては害虫防除成
分のトランスフルスリンを用い、上記薬剤保持材に2グ
ラム含有されるように処理した。
【0032】直流モータは、無負荷時の消費電流量が1
00mA以下の直流モータとして、無負荷時の消費電流
が25mAのものを使用した。ファンは、直径58m
m、翼巾23mmのシロッコファンを用いた。電池は、
単1アルカリ電池2個を直列で使用した。比較として、
無負荷時の消費電流量が160mAの直流モータを上記
と同じ条件で用いた。
【0033】本発明の無負荷時の消費電流量が25mA
の直流モータを用いた場合は、比較の無負荷時の消費電
流量が160mAの直流モータに比べ、長期間にわたり
使用が可能であり、かつトランスフルスリンも十分な揮
散量が得られた(図3参照)。
【0034】(実施例2)無負荷時の消費電流が6mA
の直流モータと直径58mm、翼巾23mmのシロッコ
ファンを備えた害虫防除装置に実施例1に示すハニカム
を挿着した。この害虫防除装置を単一マンガン乾電池2
個直列および比較例として3V定電圧で運転した。運転
時間は12時間/日とし30日間運転を行い、トランス
フルスリンの揮散量を測定した。この結果、図4に示す
ように、電池でもトランスフルスリンの揮散量は3V定
電圧運転と略同等の安定した揮散量が長期に及び得られ
た。
【0035】この条件での風量は2リットル/sec、
揮散量1.5mg/hrであった。
【0036】(実施例3)実施例2の害虫防除装置にト
ランスフルスリン1gを処理したハニカム(縦66mm
×横66mm×厚さ15mm)を挿着し、単2マンガン
電池2個を直列に接続し、1日12時間、2分毎にオン
オフを繰り返し、30日間運転した。この期間中、トラ
ンスフルスリンの揮散量を測定した。
【0037】実施例2で得られたと同様にトランスフル
スリンは30日間安定して有効量の揮散が得られた。
【0038】次に、実施例の害虫防除装置を運転してア
カイエ蚊雌成虫に対する効力を評価した結果を図5及び
表1に基づき説明する。
【0039】・試験方法 図5に示す縦2.5×横3.5×高さ2.6m=22.
8m3 の容積を有する試験室31にて行った。害虫防除
装置1a(上述の実施形態に係る害虫防除装置1と同等
のもの)を床面の中央に設置する。試験室31の4隅に
供試虫約15匹を入れた25cm立方のステンレス網で
作ったケージ33を床面から0.75及び1.5mの高
さに2箇所ずつ対角方向にセットする。
【0040】供試虫セット後、時間の経過に伴ってノッ
クダウンする個体数を観察し、2時間後供試虫を別の清
潔なポリ容器に移し、25°C前後の別の部屋で1%砂
糖水を与え、24時間後の死虫数を観察し、致死率を求
めた。
【0041】この条件での風量は2リットル/sec、
揮散量0.4mg/hrであった。なお、トランスフル
スリンの揮散量を測定するため、有効成分を、25±1
°Cに調整した室内で補集し、捕集した有効成分を分析
した。なお、内部標準としてフタル酸ジブチルを用い、
ガスクロマトグラフィーで分析した。なお、表中の値は
4つの平均値である。
【0042】
【表1】
【0043】以上の試験結果を表1に示す。表1よりK
50値が約43分、KT90値が約58分であり、比較の
液体電子蚊とり器より優れたノックダウン効果を示し、
致死率も90%以上と高い値を示した。また、害虫防除
装置1aは各通電経過時点の何れにおいても安定したノ
ックダウン効果と致死効果を示した。また、揮散量を
0.2mg/hrとしたときにも十分な殺虫効果が得ら
れた。
【0044】更に、害虫防除装置1aでは、強制的な送
風により薬剤がすばやくリリースされるため、従来の蒸
散装置に比べて、広い空間に対しての薬剤の拡散が速く
なる等の効果が期待できることが知見できた。
【0045】(実施例4)図6は、本願発明の害虫防除
装置の小型軽量化を図るため、特に、シロッコファンに
代えてプロペラファンを用いたものである。なお、この
装置は、センサ、タイマ等を有する制御回路19を備え
ている。すなわち、薬剤保持材は、ハニカム形状の紙
(ダンボール)とし、縦60mm×横60mm×厚さ5
mmのものを使用した。
【0046】上記薬剤保持材に薬剤を1グラム含有され
るように処理した。直流モータは、型番RF−330−
TK(マブチモーター株式会社製)を使用した。ファン
は、ICファン0610用φ60mmプロペラ(株式会
社シコー技研製)を用いた。
【0047】電池は、単1アルカリを使用した。
【0048】直径60mmプロペラファンは直径60m
mシロッコファンに比して同じ回転数での風量が多く、
厚さも6mmと薄く、またシロッコファンのような外枠
も必要ないため、ファンを小型化できる利点がある。
【0049】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る害虫防除装置によれば、入手容易な電池を使用し、無
負荷時の消費電流量が100mA以下の直流モータを駆
動するので、設置場所の制約を受けず、利便性を向上さ
せることができる。また、加熱を必要としないので、火
災の危険性がなく、広い空間に速やかに害虫防除成分を
有効量拡散することができる。また、電池駆動により十
分な薬剤揮散量及び長時間運転が可能となり、経済性を
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る害虫防除装置の概略構成図であ
る。
【図2】図1の害虫防除装置に用いる薬剤保持材を示す
斜視図である。
【図3】無負荷消費電流と揮散量とを比較するための図
である。
【図4】揮散量と運転時間との関係を示す説明図であ
る。
【図5】試験の実施を説明する模式図である。
【図6】害虫防除装置の他の実施例を示す分解構成図で
ある。
【符号の説明】
1 害虫防除装置 3 電池 7 直流モータ 9 チャンバ 11 吸気口 13 排気口 15 ファン 17 薬剤保持材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバと、 該チャンバの両端に設けた吸気口と排気口と、 前記チャンバの内部に設けられ前記吸気口から吸気した
    外気を前記排気口から排気するファンと、 該ファンを、無負荷時の消費電流量が100mA以下で
    駆動する直流モータと、 該直流モータへ電源を供給する電池と、 前記吸気口と前記ファンとの間又は前記ファンと前記排
    気口との間の少なくとも何れか一方に設けられ害虫防除
    成分を保持した薬剤保持材とを具備したことを特徴とす
    る害虫防除装置。
  2. 【請求項2】 前記排気口から排気される風量は、 0.1リットル/sec〜10リットル/secである
    ことを特徴とする請求項1記載の害虫防除装置
  3. 【請求項3】 前記ファンは、 回転中心軸を中心に複数の翼部を放射状に設けたもので
    あることを特徴とする請求項2記載の害虫防除装置。
  4. 【請求項4】 前記薬剤保持材は、 前記チャンバ内の気流方向に開口した通気口を前記気流
    方向に直交する面方向に複数並設したハニカム形状、網
    形状、スリット形状、格子形状及び開孔を設けた紙の何
    れか一つであり且つ前記薬剤を保持することのできる無
    機質又は有機質の成型材料からなることを特徴とする請
    求項3記載の害虫防除装置。
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