JP4790508B2 - 害虫防除方法及び害虫防除用装置 - Google Patents
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Description
前記送風により薬剤を揮散させる方法で用いられている例の中においても、30℃における蒸気圧が1×10-3mmHgから1×10-6mmHgである害虫防除薬剤を使用する場合には送風する気体は熱風を使用する事が記載されている。
また、従来では飛翔性の害虫を駆除する方法は、簡便であり周囲の温度の上昇や火傷などの危険がないので、DDVPのように蒸気圧が非常に高く(1×10-2mmHg at30℃)殺虫活性が高い殺虫薬剤を用いて、樹脂蒸散剤として実用化されている。
上記のごとく、害虫、特に飛翔性の害虫に対して使用される殺虫薬剤の多くは、通常は加熱条件下でその有効成分を揮散、拡散するものである。この際に多くのエネルギーを必要とする他、器具やその周囲の温度の上昇や火傷などの危険を含んでいる。
そこで、これらの問題点を解消した非加熱条件下で安全性の高い有効成分を揮散、拡散させることにより害虫を防除する手段の開発が強く望まれている。
(1)装置本体に通気口につながるファンを備えた通気路を有し、該通気路内の少なくとも1箇所以上に、cox線図で表される温度−蒸気圧線図上の30℃での蒸気圧が1×10−7mmHg〜6.6×10−4mmHgである化合物から選ばれた1種以上の害虫防除成分を含む薬剤を、多数の穴をもつハニカム状又は網状の構造を有する通気性担体に保持した、厚みが20mmまでの薬剤保持材を薬剤保持材の外縁部が通路の内面に接するように設置し、前記通気路のファンにより前記通気口で生起させた気体の流れを非加熱下で該薬剤保持材に当てて、該薬剤保持材内を通過させ、該薬剤保持材から前記害虫防除成分をリリースさせて害虫を防除することを特徴とする害虫防除方法。
(2)前記化合物が、d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート、(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート、5−プロパギル−2−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート、(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (+)−シス/トランス−クリサンテマート、dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート及び/又はこれらの異性体及び/又は類縁体から選ばれた1種以上であることを特徴とする前記(1)に記載の害虫防除方法。
(3)装置本体に通気口につながるファンを備えた通気路を有し、該通気路内の少なくとも1箇所以上に、cox線図で表される温度−蒸気圧線図上の30℃での蒸気圧が1×10−7mmHg〜6.6×10−4mmHgである化合物から選ばれた1種以上の害虫防除成分を含む薬剤を、多数の穴をもつハニカム状又は網状の構造を有する通気性担体に保持した、厚みが20mmまでの薬剤保持材を薬剤保持材の外縁部が通路の内面に接するように設置し、前記通気路のファンにより前記通気口で生起させた気体の流れを非加熱下で該薬剤保持材に当てて、該薬剤保持材内を通過させ、該薬剤保持材から前記害虫防除成分をリリースさせて害虫を防除することを特徴とする害虫防除用装置。
(4)前記化合物が、d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート、(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート、5−プロパギル−2−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート、(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (+)−シス/トランス−クリサンテマート、dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート及び/又はこれらの異性体及び/又は類縁体から選ばれた1種以上であることを特徴とする前記(3)に記載の害虫防除用装置。
その理由の一つは、多数の害虫防除成分について、各温度における蒸気圧の正しい値はもとより、それらの相互の比較が正確に評価されているとはいえなかったためであると思われる。
ここで、害虫防除成分を含む薬剤を担体に保持した薬剤保持材に気体を送風する手段としては、電池で駆動させることができる簡単なファンのようなものでも良いが、送風を開始した直後から、30日後といった長期間にわたり、安定して一定濃度の薬剤をリリースさせるに適する送風方法などを挙げることができる。
送風方法については後に詳しく述べる。
図11において、a:DDVP、b:ニトラピリン、c:エンペントリン、d:デメトン−D、e:テラレスリン(M108)、f:フラメトリン、g:アルドリン、h:プラレトリン、i:アレスリン、j:フォスファミドン、k:メトプレン、1:フルクロラリン、m:レスメトリン、n:テトラメスリン、o:フェノスリン、p:シフェノトリン、q:ペルメトリン、r:エスフェンバレレート、s:フタルスリン、t:フルシスリネートである。
図12に示す蒸気圧測定装置(蒸気圧測定装置は化学工業実験法第4版〔昭61年 培風館〕に記載されている。測定装置説明の詳細は省略する。)を用いて得られた、ピレスロイド化合物の20℃から40℃の5℃おきの蒸気圧の値を、第1表に示す。ここで、下線(点線)のあるデータは文献値である。
(i) 農薬の製剤技術と基礎(日本植物防疫協会)昭和63年発行
(ii) 農薬データブック(ソフトサイエンス社)1989年版
(iii) 安全データ(テラレスリン)
(iv) 製品データ(フラメトリン、テトラメスリン、レスメトリン)
従来、害虫防除成分の蒸気圧の測定は任意の温度範囲でばらばらに行われており条件が定まっていない。通常は10℃から50℃の温度範囲で測定されてきた。従って、複数の害虫防除剤の蒸気圧を相互に比較することは困難であった。
しかし本発明者らの研究の結果、最低1つの実測値があれば、cox線図を用いることで目的とする温度での蒸気圧を推測もしくは知ることができ、前記の課題は解決できる。
多数の化学物質について温度tとその温度における蒸気圧Pを測定して、それらの値を用いてlogPとt/(t+C)を求め、logPを縦軸にt/(t+C)を横軸にとりグラフにプロットすると高い精度の直線性を示すことが工学的に知られている。ここでPは蒸気圧(mmHg)、tは温度(℃)、Cは定数(通常は230)である。
すなわち、多数の化学物質について温度tとその温度における蒸気圧Pとの間には次の一般式、
一般式 logP=D+Et/(t+C)
で示される関係があり、従ってlogPを縦軸にt/(t+C)を横軸にとりグラフにプロットすると直線を与える。
縦軸logP、横軸t/(t+C)のグラフにプロットして得られた直線ないし直線群がcox線図である。
・d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d1−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社製)
・d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製、以下「ピナミンフォルテ」という)
・d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名バイオアレスリン:ユクラフ社製)
・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製、商品名エスバイオール:ユクラフ社製、以下「エスバイオール」という)
・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製、以下「レスメトリン」という)
・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エトック:住友化学工業株式会社製、以下「プラレトリン」という)
・d1−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル−d1−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製、以下「テラレスリン」という)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d1−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−d1−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボオキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製)
・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル d1−シス/トランス−3−(2,2−ジメチルビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名エンペントリン、商品名ベーパースリン:住友化学工業株式会社製、以下「エンペントリン」という)
・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名ベンフルトリン)
本発明においては、これらから選ばれた1種以上の害虫防除成分を担体に保持して薬剤保持材として用いることができる。
これらのうち、エンペントリン、プラメトリン、レスメトリン、エスバイオール、フラメトリンおよびテラレスリンが特に好ましい。さらに、前記条件の有機リン系、カーバメイト系、昆虫成長抑制剤(IGR,JHなと)害虫防除成分を単独又は組み合わせて用いることに何ら制限はされない。また、これらの類縁体も用いられる。
担体は、簡単な構造で通気性が大きいという点で、ハニカム状、すのこ状、格子状、網状等の構造のものが好ましい。
この担体は、その通気性が、通気量で通常0.1リットル/sec以上のものであればよく、好ましくは0.1リットル/sec以上のものである。
さらに吸着用担体(薬剤を担体に保持させるための補助材)を使用する場合、吸着用担体としては、ゲル化物質(寒天、カラギーナン、澱粉、ゼラチン、アルギン酸など)や可塑化高分子物質などが挙げられる。高分子物質を可塑化する場合には、例えばジオクチルフタレートなどが使用される。
担体に本発明の薬剤(害虫防除成分など)を保持させる方法としては、該担体に薬剤を滴下塗布、含浸塗布、スプレー塗布などの液状塗布方法、液状印刷、はけ塗り等の方法、あるいは担体へ貼り付けする方法等の方法が利用でき、さらに使用する組成物が液状のものでない場合、あるいは溶剤を使用しない場合などでは、混練込み、塗布、印刷などにより適用することができる。また、薬剤を担体に上記のように適用する場合、担体の全面に適用する場合の他、点状、片面あるいは模様状等部分的に適用することができる。
また、薬剤を液体用ボトルに収納し、多孔性の薬剤保持材を経て揮散部に供給するような態様の場合もある。
担体に上記の害虫防除成分及び/又は各種薬剤を保持させる量は特に制限を受けないが、例えば前記薬剤(害虫防除成分など)を吸油性材料(例えば紙)に含有させる場合には吸油性材料中に薬剤を50mg/gから1000mg/gの範囲、好ましくは100mg/gから700mg/gの範囲である。この量は、少なくとも0.1mg/hrの揮散量となるのを目安に飽和含浸量まで保持させることができる。
ここで通気手段、具体的には通気路とは、通気口にて発生する気体の流れが移動する通路、空間域である。しかし、あえて設ける必要はない。また、通気口とは、装置内に外部より気体を取り入れる吸気口と装置内に吸引された気体を装置外部に排出する排気口とからなる。
ファンの形状としては、スクリュー状、あるいはプロペラ状に限らず、水車型、ロータリーファン型などがある。大きな送風作用を行なわせる場合にはスクリュー状あるいはプロペラ状などが良く、送風により揮散量を大きくできる利点がある。また、ファンに接触する空気量を増大させるために、ファンを形成する各ブレードに開口部を設けることができる。例えば、ブレードに多数の開口部を設けることにより薬剤を効率的に蒸散することができる。その開口部の形状としては、網目状の外に、格子状、ハニカム状等、種々の形を取ることができ、その開口部はなるべく均一に設けることが好ましい。ファンを構成するブレードの形状は、前記したファンの形状によって決まるが、単なる板状でなく、中空状のものでもよい。
本発明の装置においては、吸気口の位置はなるべく羽根車の前面に近いところがよいが、薬剤を担体に保持した薬剤保持体を設置する場所との関係により少しずれていてもよい。
前記薬剤保持体の設置位置はファンの吸気側でも、また排気側のいずれでも違いがないように考えられるが、ファンの吸気側に設置するときには、薬剤保持体にかかる空気流れの速度がその箇所によらず比較的均一であるのに対し、排気側ではファンの形状により薬剤保持体の各箇所における空気の流れの速度に大きな差異があるため、前記したように空気流路に整流板を設ける等して空気の流れを均一にすることが望ましい。
さらに詳しくいえば、送風手段であるファンと薬剤保持体である担体との間隔はあまり近接していないほうが良く、約5mm程度以上の間隔を設けることが好ましい。両者の間隔が近接していると担体の全面に均一に風を当てることが難しく、中央部に比べ外方部での揮散が不十分となり、揮散むらが起こる原因となる。例えば、紙製のハニカム状の担体(70×70×15mm)をシロッコファン(直径5cm、厚さ2cm)を用いて送風した場合、該ファンを駆動させるための電源電圧を2.0vから4.0vまでの範囲で変化させた時は、担体とファンとの間隔は5mmから15mmが好ましい。しかし、これらの範囲は限定されるものではなく、担体ファンの形状、電源電圧、装置の形状及び大きさそしてこれらの関係や組合せ等により適宜選択することができる。
捕集位置は室内の側壁から100cmで、高さを150cmとした。1m3 当たりの有効成分気中濃度は各経過時間の有効成分の捕集量から次の計算式より算出した。
この試験では、有効成分としてエンペントリンを使用した。
また、このファン式害虫防除用装置を用いてエンペントリンをリリースさせた場合を液体式電気蚊とり器を用いた場合と比較した。
両図より、害虫防除装置は液体式電気蚊とり器より多い量の薬剤有効成分をリリースしており、かつ初期30分間以内に平衡揮散濃度に達し、均一で安定したリリースを360時間まで続けることがわかる。
回路は、商用電源から直流電圧に変換して所定の直流電圧を供給する直流電源部101、商用電源周波数を識別する周波数識別部103、周波数識別部103の識別結果に基づいて商用電源周波数を1/5若しくは1/6に分周して10Hzの基準パルスを得る分周部105、分周部105の出力に基づいて所定時間パルスを送出するパルス生成部107、動作状態を外部表示するための発光ダイオード(LED)109を点灯点滅させるための輝度変調部111、駆動モーター113に電力を供給するサイリスタ115、サイリスタ115をゼロ電圧制御するためのゼロクロス制御部117、外部操作に基づいて輝度変調部111に対して点滅状態若しくは点灯状態を指示するとともに、ゼロクロス制御部117に対して予め設定されたシーケンスに基づいてトライアックを点弧すべくトリガ制御するためのモードコントローラ119とを有する。
使用者は、これらのシーケンスモードを用途に応じて選択すると、選択されたシーケンスモードに基づいて送風機の運転が制御され、薬液の蒸散も制御される。
さらに、使用者が任意にシーケンスモードを設定するためのプログラム設定機能が備えられている。
本発明者らは、多数の害虫防除成分についてそれらの温度−蒸気圧関係を研究し、それらの温度−蒸気圧関係をcox線図を用いて整理すると、各害虫防除成分の示す温度−蒸気圧関係は互いに平行な直線で表されることを明らかにすることができた。その研究成果に基づいてcox線図上30℃における蒸気圧が1×10-3mmHgより低く(1×10-3〜1×10-7mmHg)、常温で難揮散性で、沸点が低くとも120℃/1mmHgである害虫防除剤を適当な担体に保持せしめ、薬剤保持した保持材を固定した状態において非加熱状態で気体を保持材に当てることにより、これら害虫防除成分により飛翔性の害虫をはじめゴキブリ等もを駆除し得ることを見いだした。
以下に実施例により本発明の効果を示す。
図1に示すアクリル樹脂製シリンダー4からなる試験装置1の防虫網2、2の間にアカイエカ成虫(メス)を20頭入れ、試験装置1の底部に送風機3を設置し、送風機3の上部(シリンダー4の下部)に薬剤を含浸させた薬剤保持材5(ハニカム)を装着し、シリンダー4の下から送風し、気体を支持材5内を通す本発明の害虫防除用の装置1を用いて薬剤から害虫防除成分をリリースさせ、殺虫効果を調べた。
調査は30秒毎の経時的にアカイエカのノックダウンを数え、10分30秒まで観察した後、ノックダウンしたアカイエカを清潔なプラスチックカップ(容量約500ml)に移し、1%砂糖水を含浸させた脱脂綿を餌として入れ、蓋をして約25℃の恒温条件下に置き、24時間後の致死効果を観察した。その結果は下記第2表に示した。
試験に用いた害虫防除成分は、テラレスリン、エンペントリン、プラレトリン、フラメトリン、エスバイオール、レスメトリンである。
試験に用いた害虫防除成分のcox線図上30℃における蒸気圧の値を第3表に示す。
第2表から明らかなように、試験に用いた害虫防除成分の蒸気圧はいずれも30℃において1×10-3mmHgから1×10-6mmHgと小さいにもかかわらず、保持材を無加熱下に気体の流れに当てる本発明の方法により100〜80(%)の致死活性を得、きわめて優れた害虫駆除効果を示すことが判明した。
空間域の容積が24m3 の図6に示す気中揮散濃度測定装置を用いてアカイエカに対する殺虫効力試験を行った。
該装置の指定位置に図2に示す構成のファン式害虫防除用装置をおいた。この装置は70×70×15mmのハニカムにエンペントリン4.5gを含浸させたものである。比較として市販の液体式電気蚊取り器(プラレトリン使用)を使用した。
供試虫として、アカイエカ雌成虫を各20〜25頭をケージに入れ、室の床面より150cmおよび75cmの位置に2ケージずつ設置した。各殺虫器を2時間使用した。試験開始より10分ごとに入室し、仰転数を計数した。試験終了後、供試虫をプラスチックカップに集め、24時間後の致死数を計数した。
平均KT50値の比較では、ノックダウン効力は、
ファン式害虫防除用装置=液体式電気蚊取り器(プラレトリン)
24時間後の致死率の比較では、致死効果は、次のようである。
ファン式害虫防除用装置>液体式電気蚊取り器(プラレトリン)
24m3 の空間域で以下の条件において試験を行い、24時間後の各ゴキブリに対する仰転率及び致死率(%)を比較した。
本発明の害虫防除用装置を上記空間域の床面中央部に設置し、さらに同床面の対角の位置に各20頭のゴキブリを入れたカップを各2個ずつ置き、第5表の害虫防除成分をリリースし24時間連続的に暴露させた。ここで、ゴキブリとしては、チャバネゴキブリ(感受性)、クロゴキブリ(感受性)の2種を用いた。
70×70×15mmの大きさのハニカム(図3)には、害虫防除成分を各1.0g含浸させ、害虫防除用装置にセットした。
測定結果を第5表に示す。
(ハニカム含浸処方)
No.1
エンペントリン 4.0g
N−ベンゾイルパリン 0.05g
エタノール 0.50g
イルガノックス 1010(チバガイギー) 0.1g
テトラキス〔メチレン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)
プロピオネート〕
この組成液を66×66×15mmのハニカム状担体に含浸した。
No.2
エンペントリン 1.0g
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−
t−ブチルフェノール) 0.15g
ピペロニルブトキサイド 1.5g
この組成液を50×50×15mmのハニカム状担体に含浸した。
No.3
ベンフルスリン 0.5g
ビスフェノールA 0.02g
パルミチン酸イソステアリル 0.05g
この組成液を35×35×10mmのハニカム状担体に含浸した。
No.4
ベンフルスリン 2.0g
N−ヘキサノイル−ε−アミノカプロン酸 0.03g
ミリスチン酸イソプロピル 0.15g
この組成液を70×35×15mmのハニカム状担体に含浸した。
No.5
アレスリン 1.5g
S−421 1.5g
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン 0.2g
この組成物を50×50×20mmのハニカム状担体に滴下した。
No.6
テトラメスリン 1.3g
4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−
t−ブチルフェノール) 0.01g
この組成物を50×50×10mmのハニカム状担体に滴下した。
No.7
プラレトリン 0.5g
2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノン 0.2g この組成物を30×30×20mmのハニカム状担体に滴下した。
(溶液処方)
No.8
エンペントリン 5.0g
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン 0.6g
香料 0.1g
灯油 35 ml
No.9
ベンフルスリン 0.6g
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン 0.1g
香料 0.1g
ミリスチン酸イソプロピル 8 ml
灯油 32 ml
No.10
プラレトリン 1.3g
2,6−ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン 0.1g
香料 0.1g
灯油 40 ml
(水ベース処方)
No.11
ベンフルスリン 0.6g
ブチルカルビトール 25 ml
水 25 ml
ブチルヒドロキシトルエン 0.20g
No.12
エンペントリン 2.0g
ブチルカルビトール 25 ml
プロピレングリコール 17 ml
水 8 ml
ブチルヒドロキシトルエン 0.20g
一方、非加熱条件下で効果が発揮できるDDVPなどの薬剤を使用する害虫防除手段では、薬剤の安全性に問題があった。
従って、本発明により簡単でかつ安全性の高い害虫防除方法と害虫防除装置の開発が十分可能となった。
2 防虫アミ
3 送風機
4 アクリル樹脂製シリンダー
5 薬剤保持材
6 フアン(プロペラ)
7 モータ
12 吸気口
13 通気路
14 排気口
15 電池
16 電池ボックス
17 スウィッチ
20 送気手段(プロペラ)
21 送気手段(電動モータ)
30 担体(保持材)
31 担体カバー
40 整流板
41 平板
42 シロッコファン
43 モータ
44 吹き出し口
50 試験室
51 ファン式害虫防除用装置
52 殺虫ケージ(1)
53 殺虫ケージ(2)
54 シリカゲルトラップ(1)
55 シリカゲルトラップ(2)
56 流量計(1)
57 真空ポンプ(1)
58 流量計(2)
59 真空ポンプ(2)
60 排気ダクト
81 恒温水槽
82 ヒーター
83 攪拌器
84 リード線
85 冷却器
86 圧力計
87 定圧用びん
88 水流ポンプ
101 直流電源部
103 周波数識別部
105 分周部
107 パルス生成部
109 発光ダイオード(LED)
111 輝度変調部
113 駆動モータ
115 サイリスタ
117 ゼロクロス制御部
119 モードコントローラ
Claims (4)
- 装置本体に通気口につながるファンを備えた通気路を有し、該通気路内の少なくとも1箇所以上に、cox線図で表される温度−蒸気圧線図上の30℃での蒸気圧が1×10−7mmHg〜6.6×10−4mmHgである化合物から選ばれた1種以上の害虫防除成分を含む薬剤を、多数の穴をもつハニカム状又は網状の構造を有する通気性担体に保持した、厚みが20mmまでの薬剤保持材を薬剤保持材の外縁部が通路の内面に接するように設置し、前記通気路のファンにより前記通気口で生起させた気体の流れを非加熱下で該薬剤保持材に当てて、該薬剤保持材内を通過させ、該薬剤保持材から前記害虫防除成分をリリースさせて害虫を防除することを特徴とする害虫防除方法。
- 前記化合物が、d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート、(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート、5−プロパギル−2−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート、(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (+)−シス/トランス−クリサンテマート、dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート及び/又はこれらの異性体及び/又は類縁体から選ばれた1種以上であることを特徴とする前記請求項1に記載の害虫防除方法。
- 装置本体に通気口につながるファンを備えた通気路を有し、該通気路内の少なくとも1箇所以上に、cox線図で表される温度−蒸気圧線図上の30℃での蒸気圧が1×10−7mmHg〜6.6×10−4mmHgである化合物から選ばれた1種以上の害虫防除成分を含む薬剤を、多数の穴をもつハニカム状又は網状の構造を有する通気性担体に保持した、厚みが20mmまでの薬剤保持材を薬剤保持材の外縁部が通路の内面に接するように設置し、前記通気路のファンにより前記通気口で生起させた気体の流れを非加熱下で該薬剤保持材に当てて、該薬剤保持材内を通過させ、該薬剤保持材から前記害虫防除成分をリリースさせて害虫を防除することを特徴とする害虫防除用装置。
- 前記化合物が、d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート、(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート、d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート、5−プロパギル−2−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート、(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル (+)−シス/トランス−クリサンテマート、dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート及び/又はこれらの異性体及び/又は類縁体から選ばれた1種以上であることを特徴とする前記請求項3に記載の害虫防除用装置。
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