JP2006166745A - 害虫のランディング抑制方法、揮散装置および揮散製剤 - Google Patents

害虫のランディング抑制方法、揮散装置および揮散製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 飛翔性害虫が体表面にランディングするのを抑制し、ランディングによる不快感をなくすことができる害虫のランディング抑制方法、これに使用する揮散装置および揮散製剤を提供することである。
【解決手段】 殺虫剤をノックダウン活性または殺虫活性が発現する量よりも極めて低い揮散量でかつ害虫のランディング抑制するのに有効な揮散量で揮散させる害虫のランディング抑制方法であり、殺虫剤を常温下、風で瞬間的に揮散させる。このランディング抑制方法に使用するための揮散装置は、移動することにより風を起す担体の少なくとも一部に殺虫剤を保持している。この揮散装置は、例えば、殺虫剤を少なくとも一部に保持した団扇、扇子などの起風手段からなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、蚊などの飛翔性害虫が人、家畜等の体表面にランディング(着地)するのを抑制してランディング抑制効果を得る害虫のランディング抑制方法、これに使用する揮散装置および揮散製剤に関する。
従来、害虫の刺咬行動による被害から人や家畜、ペット等の動物を保護するため、種々の薬剤や防除方法が検討されてきた。その一つとして、害虫を忌避することを目的としたものがある。例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ジアルキルフタレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール等が忌避剤として知られ、これらを用いた例として、N,N−ジエチル−m−トルアミドとヒマシ油を配合した刺咬性害虫忌避剤(特許文献1)、N,N−ジエチル−m−トルアミドと1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオールを配合した害虫忌避剤(特許文献2)等が挙げられる。
しかし、これらの害虫忌避剤では、飛翔性害虫が人、家畜等の体表面にランディングするのを抑制することができない。このため、たとえ害虫の吸血行動は抑制できるとしても、害虫がランディングすることによる不快感が残るという問題がある。
特開平1−172303号公報 特開平6−183910号公報
本発明の課題は、飛翔性害虫が体表面にランディングするのを抑制し、ランディングによる不快感をなくすことができる害虫のランディング抑制方法、これに使用する揮散装置および揮散製剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ノックダウン活性または殺虫活性が発現する量より少ない極微量の殺虫剤を揮散させる場合には、体表面へのランディング数を低減させることができるという、従来知られていなかった新たな事実を見出した。
本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであって、以下の構成からなる。
(1)殺虫剤をノックダウン活性または殺虫活性が発現する量よりも極めて低い揮散量でかつ害虫のランディング抑制するのに有効な揮散量で揮散させることを特徴とする害虫のランディング抑制方法。
(2)殺虫剤を常温下、風で揮散させる(1)記載のランディング抑制方法。
(3)常温下、風で瞬間的に前記殺虫剤を揮散させる(2)記載のランディング抑制方法。
(4)殺虫剤を樹脂に含有・保持させ、常温下、風で揮散させる(1)〜(3)のいずれかに記載のランディング抑制方法。
(5)前記殺虫剤が高温揮散性の薬剤である(1)〜(4)のいずれかに記載のランディング抑制方法。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散装置であって、移動することにより風を起す担体の少なくとも一部に殺虫剤を保持していることを特徴とする揮散装置。
(7)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散装置であって、殺虫剤を保持した担体を通風路内に設置したことを特徴とする揮散装置。
(8)前記殺虫剤は樹脂に含有された形態で担体の少なくとも一部に保持されている(6)または(7)記載の揮散装置。
(9)殺虫剤を少なくとも一部に保持した起風手段からなる揮散装置。
(10)前記起風手段が団扇または扇子である(9)記載の揮散装置。
(11)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散製剤であって、殺虫剤を樹脂に含有していることを特徴とする揮散製剤。
本発明において「常温」とは、通常、屋内の場合は室温を、屋外の場合は外気温度を意味するが、極微量の揮散でかつ害虫のランディングを抑制できる限りにおいて室温または外気温が15℃以上となるように加温する場合も含む概念である。また、本発明において「風」とは自然の風や、ファンなどによる送風のほか、団扇や扇子などのように移動によって発生する風をも意味する。
本発明によれば、ノックダウン活性または殺虫活性が発現する量より少ない極微量の殺虫剤を揮散させる場合には、飛翔性害虫が体表面にランディングする数が低減し、その結果、害虫が体表面に接触する不快感をなくすことができ、しかも極微量の揮散であるから安全性および持続性に優れているという効果がある。特に、本発明の方法および装置は、飛翔性害虫の活動が活発な屋外での使用に適している。
本発明にかかる害虫のランディング抑制方法は、極微量の殺虫剤を揮散させて害虫のランディングを抑制するものである。殺虫剤の揮散量は、害虫のランディングを抑制するのに有効な揮散量であり、具体的には、ノックダウン活性または殺虫活性が発現する量の1/5〜1/200程度であるのがよい。好ましくは1/10〜1/30である。
本発明で使用される殺虫剤は、上記のように揮散量が極微量となるように制御されている限り、特にその種類が限定されるものではなく、常温ないし高温揮散性殺虫剤がいずれも使用可能である。このような殺虫剤としては、以下に示すようなピレスロイド系化合物が例示されるが、これに限定されるものではない。
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン(以下、「アレスリン」という))
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名エンペントリン(以下、「エンペントリン」という)
・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名d・d−T80−プラレトリン:商品名エトック(以下、「プラレトリン」という))
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名dl・d−T80−アレスリン:商品名ピナミンフォルテ)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名バイオアレスリン)
・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−インドリル)メチル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン:商品名ネオピナミン)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−インドリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名d−T80−フタルスリン:商品名ネオピナミンフォルテ)
・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レストメリン:商品名クリスロンフォルテ)
・5−プロパルギル−2−フリルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンDフォルテ)
・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリン:商品名エクスミン)
・3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン:商品名スミスリン)
・α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−クロロフェニル)−3−メチルブチレート(一般名フェンバレレート)
・2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジル−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名テフルスリン)
・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ベンフルスリン(以下、「ベンフルスリン」という))
・(±)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル (+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名d−T80−シフェノトリン:商品名ゴキラート)
・α−シアノ−3−フェノキシベンジル シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名フェンプロパトリン)
・2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−dl−シス/トランス 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名フェンフルスリン)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d1−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名テラレスリン)が挙げられ、
さらに一般名トランスフルトリン(商品名バイオスリン)、一般名メトフルトリン(商品名エミネンス)、一般名プロフルトリン(商品名フェアリテール)等も好適に使用可能である。
殺虫剤をノックダウン活性または殺虫活性が発現する量よりも極めて低い揮散量しか揮散させないためには、様々な方法が採用可能であり、例えば以下のような方法が挙げられる。
(1)高温揮散性殺虫剤等の殺虫剤を担体に保持させ、常温下、風で揮散させる。
(2)常温ないし高温揮散性殺虫剤を樹脂に含有・保持させ、常温下、風で揮散させる。
前記(1)に記載の高温揮散性殺虫剤とは、蒸気圧が1.34×10-3Pa(20℃)以下の殺虫剤をいい、通常は加熱しないと蒸散しないものである。このような高温揮散性殺虫剤、すなわち常温で難揮散性の薬剤としては、上記殺虫剤のうち、一般名がフタルスリン、レスメトリン、ペルメトリン、フェノトリン、フェンバレレート、ベンフルスリン、フェンプロパトリンである殺虫剤などが挙げられる。このような高温揮散性殺虫剤は担体に保持させて使用する。担体が、固体担体である場合は、殺虫剤をそのまま、または適当な溶剤に溶解させて担体の表面に塗布するなどして、担体の表面に保持させるか、担体内部に含浸させ乾燥させて用いればよい。
このような担体としては、特に制限されるものではなく、例えば紙、不織布、織布、木材、パルプ、無機高分子物質、無機多孔質物質(ケイ酸塩、シリカ、ゼオライト等)、有機高分子物質(セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等)、ゲル化物質(寒天、カラギーナン、ゼラチン等)、昇華性物質(アダマンタン、シクロドデカン、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等)、樹脂類、油性溶剤、水性溶剤などが挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、担体の形状も限定されるものではなく、屋内、屋外、車内、テント、物置小屋などで使用するために各種の形態、形状で使用することができるが、特に常温で風が当たるような使用形態であるのがよい。このような形態としては、例えば殺虫剤を紙部分に含浸させた団扇もしくは扇子、さらに不織布や織布で作られる衣服(シャツ、パンツ、スカート、ジャケット、作業着など)、帽子、日傘、手袋、靴下、リストバンド、浴衣、アウトドア用品(テント、パーカー、シュラフなど)、腕章、腕抜き、ペットウェア、蚊帳、ハンモック、幟(のぼり)、旗などが挙げられる。また、上記担体の他の形状として、通気性、薬剤の十分な保持性などの点から、例えば筒状、ハニカム状、スノコ状、格子状、網状等の構造であってもよい。この場合は、特に送風手段によって強制的に発生した風が通過する通路に設置するのに適している。送風手段としては、例えば扇風機、エアコンディショナ、空気清浄機、冷風扇などが上げられる。また、繊維マットに含浸させてもよい。高温揮散性殺虫剤は、担体100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で保持される。
また、前記(2)の常温ないし高温揮散性殺虫剤を樹脂に含有・保持させ、常温下、風で揮散させる態様について以下説明する。殺虫剤、特に常温揮散性殺虫剤は、常温下で容易に揮散するため、前記樹脂に含有させて、揮散量を制御する。ここで、常温揮散性殺虫剤とは、前記した高温揮散性殺虫剤を除く殺虫剤であって、蒸気圧が1.34×10-3Pa(20℃)を下回る殺虫剤をいう。
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、アセタール樹脂、ポリスチレン、ポリアミド、ポリカーボネートなどが挙げられる。使用する樹脂は、揮散量を制御するうえで、比表面積が10〜500g/m2、厚さ0.01〜5mm、開口面積比0.3〜0.8の樹脂製剤の形態で使用するのがよく、使用する殺虫剤に応じて比表面積や開口面積の大きさを調整し、揮散量を制御する。なお、開口面積比は投影面積あたりの開口面積から求めることができる。
これらの樹脂製剤に殺虫剤を含有させるには、原料樹脂に所定量の殺虫剤を練り込み、必要に応じて所定形状に成形する。殺虫剤の含有量は、樹脂製剤100重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。樹脂製剤はそのまま使用するほか、担体の少なくとも一部に含浸、貼着などにより保持させて使用される。
得られた樹脂製剤は、屋内、屋外、車内、小屋、物置、テントなどで使用するために様々な形態で使用することができ、例えば虫除けネット製剤、団扇製剤、扇子製剤、エアコンディショナ取付け製剤、空気清浄機取付け製剤、扇風機取付け製剤、冷風扇取付け製剤、ドア取付け製剤、網戸取付け製剤、送風手段(ピエゾファン、軸流ファン、シロッコファンなど)への極微量滴下装置、前記送風手段の送風路への樹脂製剤の繰出し・巻取り装置などが挙げられる。
虫除けネット製剤は、前記樹脂製剤でネットを形成したり、ネットの片面または両面に樹脂製剤を貼り付けるなどして使用する。団扇製剤および扇子製剤は、それらの片面または両面に樹脂製剤を貼り付けるなどして使用する。虫除けネットは自然の風で、団扇および扇子はそれらをあおぐときに発生する風で、それぞれ殺虫剤成分が揮散する。
エアコンディショナ取付け製剤、空気清浄機取付け製剤、扇風機取付け製剤、冷風扇取付け製剤は、例えばそれらの風吹き出し口の前に樹脂製剤を設置して、風が樹脂製剤に当たるようにすればよい。ドア取付け製剤は、ドアの片面または両面の少なくとも一部に樹脂製剤を貼り付けるなどして、ドアの開閉時に発生する風で薬剤を揮散させるものである。網戸取付け製剤は、片面または両面の少なくとも一部に樹脂製剤を貼り付けるなどして、網戸の開閉時および網戸を通る風によって薬剤を揮散させる。
送風手段への極微量滴下装置は、送風手段のファン部分に極微量の殺虫剤成分を滴下して揮散させるものである。この場合、殺虫剤成分は溶剤を含有しない殺虫剤原体、溶剤に溶解した溶液の形態などで滴下される。送風手段の送風路への樹脂製剤の繰出し・巻取り装置は、テープ状の製剤を必要量繰出し、露出させ、殺虫成分が揮散した後に露出部分を順次巻取るものである。また、揮散量が極めて低く保たれ、かつ害虫のランディングを抑制するのに有効な揮散量である限りにおいて、これを吸液芯で吸い上げて室温または加熱して揮散させる形態で用いることもできる。
また、樹脂製剤は、前記した紙、不織布、織布、木材、パルプ、無機高分子物質、無機多孔質物質、有機高分子物質、ゲル化物質、昇華性物質、樹脂類などの担体に貼着、含浸などにより保持させることができる。そして、担体は、前記した衣服、帽子、日傘、手袋、靴下、リストバンド、浴衣、アウトドア用品、腕章、腕抜き、ペットウェア、蚊帳、ハンモック、幟などの各種形態で使用することができる。また、樹脂製剤を所定形状に成形し、または所定形状の担体に保持させて、これを体表面に付けるようにしてもよい。例えば、帯状成形して、腰から吊下げる、腰に巻きつける、肩に掛ける、ワッペンのように粘着剤等を使用して体表面に貼り付ける、クリップ状のもので挟持するなどである。
本発明に係る揮散製剤は、前記したように殺虫剤原体や、有機溶剤などの溶剤に殺虫剤成分を溶解させた液体製剤の形態でも使用可能である。液体製剤を調製するための溶剤としては、例えば水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル等のエステル類、へキサン、ケロシン、パラフィン、灯油、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素類、エチルエーテル、エチレングリコール、エチレングリコールジエチル等のエーテル類が挙げられる。これらの溶媒は2種以上を混合して使用してもよい。
前記有効成分を可溶化ないし乳化するために可溶化剤または乳化剤を用いることができる。可溶化剤または乳化剤としては、例えば、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(10モルから40モル)硬化ヒマシ油、トリポリオキシエチレンアルキルエーテル、1,3−ブチレングリコール、デカグリセリンモノオレエート、ジオレイン酸プロピレングリコール、ポリオキシエチレン(16モルから20モル)ステアリル酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸、グリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられ、その他にもステアリルアルコール、ポリビニルピロリドン、ラノリン脂肪酸など各種界面活性剤が挙げられ、これらは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明方法は、各種の衛生害虫、農業害虫、不快害虫による被害を防止ないし抑制するために使用することができる。本発明方法が適用される害虫としては、例えばシナハマダラカ、アカイエカ、コガカアカイエカ、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ、トウゴウヤブカ等の蚊;イエバエ、チョウバエ、サシバエ等のハエもしくはコバエ;シクロアブ、ウシアブ、ゴマフアブ等のアブ;クロオオブユ、キアシオオブユ、アオキツメトゲブユ等のブユ;トクナガクロヌカカ、オオシマヌカカ、ニワトリヌカカ等のヌカカ;キイロスズメバチ、セグロアシナガバチ、ミツバチ等のハチ;カメムシ、その他の害虫が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
EMMA(エチル−メタアクリレート共重合体)樹脂を150℃で溶融させ、これにエンペントリンを10重量%練り合わせ、金型に流して速やかに冷却させてネット状(網状)に成形した樹脂製剤を得た。このネット状樹脂製剤6.5gを通常の汎用団扇の片面に貼り付け、検体(処理団扇)を得た。
<評価試験>
予めヒトスジシマカが多く発生している屋外で、まず被験者の体表面へのヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を10分間調べた(ブランク)。
ついで、同じ場所で、前記樹脂製剤を貼り付けていない未処理団扇をあおいで被験者の体表面に風を送り、被験者の体表面へのヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を10分間調べた。
その後、5分間の間隔をあけて、実施例1で得た処理団扇を用いて、未処理団扇と同様にして、被験者の体表面へのヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を10分間調べた。試験は2回反復して行ない、その平均値を求めた。なお、試験は、気温26℃、微風の環境下で行った。試験結果を表1に示す。
Figure 2006166745
実施例1と同様にして、プロフルトリンをEMMA樹脂に8.7重量%練り込み、ネット状樹脂製剤を得た。この樹脂製剤8.0gを通常の汎用団扇の片面に貼り付け、検体(処理団扇)を得た。ついで、実施例1と同様にしてヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を調べた。試験は2回反復して行ない、その平均値を求めた。なお、試験は、気温26℃、微風の環境下で行った。試験結果を表2に示す。
Figure 2006166745
実施例1、2の評価試験結果から明らかなように、ブランクでは、被験者の体表面に誘引されたヒトスジシマカ雌成虫の個体数は多く、ランディングする個体数も多かった。未処理団扇をあおいだ場合も、同様に誘引個体数およびランディング個体数が多かった。これに対して、処理団扇であおぐと、被験者の体表面へのランディング個体数は激減し、高いランディング抑制効果が認められた。
実施例1と同様にして、プロフルトリンをEMMA樹脂に8.7重量%練り込み、ネット状樹脂製剤を得、これを検体として以下の評価試験を行った。
〈評価試験〉
予めヒトスジシマカが多く発生している屋外で、まず被験者2名(イ、ロ)の体表面へのヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を2分間調べた(ブランク)。ついで、同じ場所で、被験者の片方の脛部に実施例3で得た検体(重量:6.5g、大きさ:長さ14cm×幅23cm×厚さ0.8mm)を吊下げ、ブランクと同様にして体表面へのヒトスジシマカ雌成虫の誘引個体数およびランディング個体数を2分間調べた。なお、試験中は、被験者に試験場所内を通常の歩行速度で歩いてもらった。また、試験はA、Bの2箇所で実施した。なお、試験は、気温26℃、微風の環境下で行った。試験結果を表3に示す。
Figure 2006166745

実施例3の評価試験結果から明らかなように、ブランクでは、被験者2名とも体表面に誘引されたヒトスジシマカ雌成虫の個体数は多く、ランディングする個体数も多かった。これに対して、検体を吊下げた場合には、被験者の体表面へのランディング個体数は激減し、高いランディング抑制効果が認められた。
実施例1と同様にして、プロフルトリンをEMMA樹脂に9.2重量%練り込み、ネット状樹脂製剤を得、これを検体として以下の評価試験を行った。
〈評価試験〉
予めヒトスジシマカが多く発生している場所に被験者が立って、ヒトスジシマカ雌成虫の誘引行動を確認した後、被験者の腰に上記検体(重量:22g、大きさ:長さ100cm×幅11cm×厚さ0.8mm)を2つ折りにして吊下げ、ヒトスジシマカ雌成虫の行動を観察した。なお、試験は、気温26℃、微風の環境下で行った。試験結果を表4に示す。
Figure 2006166745

実施例4の評価試験結果から明らかなように、ブランクでは、被験者の体表面に誘引されたヒトスジシマカ雌成虫の個体数は多く、ランディングする個体数も多かった。これに対して、検体を吊下げた場合には、被験者の体表面へのランディング個体数は激減し、高いランディング抑制効果が認められた。
実施例1と同様にして、エンペントリンをEMMA樹脂に9.7重量%練り込み、ネット状樹脂製剤を得、これを検体として以下の評価試験を行った。
〈評価試験〉
予めヒトスジシマカ(雌)が多く発生している場所に被験者が立って、ヒトスジシマカ雌成虫の誘引行動を確認した後、被験者の腰に上記検体(重量:22g、大きさ:長さ100cm×幅11cm×厚さ0.8mm)を2つ折りにして吊下げ、ヒトスジシマカ雌成虫の行動を観察した。なお、試験は、気温26℃、微風の環境下で行った。試験結果を表5に示す。
Figure 2006166745

実施例5の評価試験結果から明らかなように、ブランクでは、被験者の体表面に誘引されたヒトスジシマカ雌成虫の個体数は多く、ランディングする個体数も多かった。これに対して、検体を吊下げた場合には、被験者の体表面へのランディング個体数は激減し、高いランディング抑制効果が認められた。
[試験例]
効力試験現場での風速とランディング抑制との関係を調べた。すなわち、実施例4の評価試験を行った効力試験現場周辺の風速を、当該場所で1時間にわたって風速センサを用いて測定し、平均風速を求めた。そして、実施例4で得たネット状樹脂製剤を用いて、かつ実施例4の評価試験と同様にして、風速の異なる時間および場所でのヒトスジシマカ雌成虫に対するランディング抑制率を求めた。その結果を表6に示す。
Figure 2006166745

表6から、平均風速が0.08m/秒から3.3m/秒までの範囲でヒトスジシマカ雌成虫の誘引行動が観察されたが、いずれの風速域でも高いランディング抑制効果が認められた。

Claims (11)

  1. 殺虫剤をノックダウン活性または殺虫活性が発現する量よりも極めて低い揮散量でかつ害虫のランディングを抑制するのに有効な揮散量で揮散させることを特徴とする害虫のランディング抑制方法。
  2. 殺虫剤を常温下、風で揮散させる請求項1記載のランディング抑制方法。
  3. 常温下、風で瞬間的に前記殺虫剤を揮散させる請求項2記載のランディング抑制方法。
  4. 殺虫剤を樹脂に含有・保持させ、常温下、風で揮散させる請求項1〜3のいずれかに記載のランディング抑制方法。
  5. 前記殺虫剤が高温揮散性の薬剤である請求項1〜4のいずれかに記載のランディング抑制方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散装置であって、移動することにより風を起す担体の少なくとも一部に殺虫剤を保持していることを特徴とする揮散装置。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散装置であって、殺虫剤を保持した担体を通風路内に設置したことを特徴とする揮散装置。
  8. 前記殺虫剤は樹脂に含有された形態で担体の少なくとも一部に保持されている請求項6または7記載の揮散装置。
  9. 殺虫剤を少なくとも一部に保持した起風手段からなる揮散装置。
  10. 前記起風手段が団扇または扇子である請求項9記載の揮散装置。
  11. 請求項1〜5のいずれかに記載のランディング抑制方法に使用するための揮散製剤であって、殺虫剤を樹脂に含有していることを特徴とする揮散製剤。
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