JP2001181105A - 忌避剤 - Google Patents

忌避剤

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JP2001181105A
JP2001181105A JP37062499A JP37062499A JP2001181105A JP 2001181105 A JP2001181105 A JP 2001181105A JP 37062499 A JP37062499 A JP 37062499A JP 37062499 A JP37062499 A JP 37062499A JP 2001181105 A JP2001181105 A JP 2001181105A
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Taiichiro Iwakura
泰一郎 岩倉
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MORI SHINKO BOEKI KK
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ITEC KK
MORI SHINKO BOEKI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】扱いが簡便で、衛生的で安全性が高く、快適空
間を保ちつつ広範囲にネズミ類,ゴキブリ類,シロアリ
類,鳥類,ダニ類等を確実に寄せ付けない忌避効果を有
し、かつ長時間に亘って忌避効果を持続する忌避剤を提
供することにある。 【解決手段】天然又は合成高分子を主体とし忌避成分を
含有したペースト状の膏体に、忌避成分の徐放化作用を
有するゼオライト、マイクロカプセル、シリカゲル、ケ
イ酸アルミニウム、シクロデキストリンのいずれか又は
これらを組み合わせて含有させた膏体を、通気性のある
織布、編布、不織布等の薄膜状の支持体に一定の厚さに
展延した忌避剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネズミ等の有害動
物、カラス,ハト等の鳥類、ゴキブリ,シロアリ、ダニ等
の有害昆虫に対しての忌避剤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年のハイテクビル等の近代建築物は空
調設備が完備し、コンピューターケーブル等が配線され
ている床下も同様な条件下であり、ネズミ類,ゴキブリ
類,シロアリ類の生活に快適な条件となっている。これ
らの小動物は配線をかじったり、電源回路に接触してシ
ョートや接触不良を引き起こす被害が多発する傾向にあ
る。また、飲食店の食品原料を餌としてネズミ類、ゴキ
ブリ類が繁殖し、これらの小動物の排泄物や摂食で食品
原料を汚染して、非衛生的な状態にすることが多々報告
されている。
【0003】従来からのネズミ類の駆除には、クマリン
系化合物に代表される殺鼠剤による殺鼠、捕獲器による
生け捕りや粘着テープによる捕殺する方法が一般的に行
われている。また、ゴキブリ類の駆除には粘着剤を塗布
した紙製の捕獲器に誘引物質を使って捕獲する方法、ホ
ウ酸を混合した餌を出没する場所に設置する方法、或い
はフェニトロチオン等の殺虫剤を用いる方法が一般的で
ある。また、飲食ゴミの入ったゴミ袋を戸外に放置した
場合等もカラス,ハト等により、ゴミ袋が破られ、飲食
ゴミが道路に散乱する等の被害があり、カラス,ハト等
のゴミ袋を破られないようにする対策としては、ゴミ袋
にネット等を被せる方法がある。 ネズミの駆除に関し
ては、エサによって誘導する捕獲器、粘着テープによる
捕獲、シリロシド、ノルボマイド、燐化亜鉛等の急性毒
性による殺鼠剤、ワルファリン、クマテトラリル、フマ
リン等の血液の凝固を阻止するクマリン系殺鼠剤が一般
的に利用されている。最近の技術革新によって、超音波
を使ったネズミの撃退方法も検討されている。また、衛
生害虫の中でもゴキブリの駆除に関しては、誘引剤を利
用した粘着テープの捕獲、スプレー方式の殺虫剤等が利
用されている。また、最近になってハッカ油等の天然精
油成分をスプレー方式で利用した忌避剤が簡便性の観点
から利用されている。
【0004】なお、一般にパップ剤、プラスター剤等の
貼付剤は、人体の皮膚に貼付することが基本となってお
り、例外的に、ワイシャツやブラウス等に添付するもの
が特開平11-89922号公報等として知られているが、消臭
剤や芳香剤の添付シートであって、忌避物質を含有する
ペースト状の貼付シート剤はない。また、忌避物質を樹
脂等で硬くした忌避剤も特開平5-320003号公報、実開平
6-54701号公報として知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ネズミ
の捕獲器や粘着テープによる捕獲は、一般的にネズミの
生息数は見かける数に対して非常に多く、生息匹数に対
して効率的ではなく、捕獲の確率も低い。特に後者の粘
着テープは、ハツカネズミのような小さな動物を捕獲す
ることはできるが、クマネズミ、ドブネズミといった大
型の動物は捕獲が極めて困難である。また、殺鼠剤は急
性毒性或いは慢性毒性を目的としたものであれ、ネズミ
を殺すのが目的であるため天井裏や床下等の目につかな
い場所で死ぬことが多いために、死体を処理できずに不
衛生な状態にすることが問題となっており、また、殺鼠
剤や殺虫剤に用いる薬品は剤型が菓子や錠剤品に類似し
ているため、誤って人間が摂取する危険性もあり使用上
の問題点も多い。更に、超音波によるネズミの撃退方法
は、設置当初は効果を示すものの、ネズミが学習する事
によって超音波を避けて行動するようになるため、持続
的効果という点で問題が生じている。また、ゴキブリの
誘因剤を利用した粘着テープによる捕獲方法は、確実に
捕獲できるものの、捕獲数量に限界があり、実際の生息
数を一網打尽にすることは不可能であり、捕獲器の設置
回数及び回収の手間も大いに問題となっている。また、
スプレー方式の殺虫剤の噴霧は、人体にも有害であり、
作業性とその施行の安全性の観点から、敬遠されること
が多くなっている。また、スプレー剤は頻繁に噴霧する
必要があり、効果の持続性が長くなく、機能性と安全性
の観点からの問題点を指摘されていた。
【0006】本発明は上記の問題点に鑑みて為されたも
ので、その課題は、簡便で衛生的で安全性が高く、快適
空間を保ちつつ広範囲にネズミ類,ゴキブリ類,シロア
リ類,鳥類等を確実に寄せ付けない忌避効果を有し、か
つ長時間に亘って忌避効果を持続する忌避剤を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、天然又は合成高分子を主
体とし忌避成分を含有したペースト状の膏体を、通気性
のある織布、編布、不織布等の薄膜状の支持体に一定の
厚さに展延した忌避剤である。上記課題を解決するため
に、請求項2に記載の発明は、前記膏体に忌避成分の徐
放化作用を有するゼオライト、マイクロカプセル、シリ
カゲル、ケイ酸アルミニウム、シクロデキストリンのい
ずれか又はこれらを組み合わせて含有させた請求項1に
記載の忌避剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者は、ネズミやゴキブリ等
の有害動物や有害害虫を安全に、衛生的に且つ効率良く
駆除するには如何なる方法、手段があるかという点につ
いて、いろいろと考察し、研究を重ねた。その結果、殺
鼠剤、殺虫剤等の薬剤で殺すという手段は、殺した後の
ネズミ、ゴキブリ等の死体の処理・廃棄にかなりの労力
が必要であり、完璧に総ての死体を回収処理することは
不可能であることを見出した。また、未回収の死体の腐
敗により蛆虫之発生等の衛生上好ましからざる状況を呈
することもわかった。更に、薬剤が直接肌に触れたり、
誤って飲用したりして直接人体に有害な影響を与える危
険性が懸念されることが判明した。従来の捕獲器及び粘
着テープによる捕獲は効率性に問題があり、捕獲後の処
理にも手間と費用がかかることがわかった。超音波によ
る撃退法は、場所、機器、機器の数等の設置上の問題に
加えてネズミの学習効果によって、比較的短期間に効果
が無くなることも判明した。
【0009】そこで、忌避剤に焦点を絞って研究を重ね
た結果、ハッカ油等の一部の精油成分に忌避効果がある
ことが判ったが、従来のスプレー方式では精油成分は沸
点が低い為に揮散性が高く、直ぐに効果が減弱すること
が判明した。また、スプレーした液が壁、床等に残った
ときにシミ等の汚れを残したり、直接家具等の高級調度
品を薬液の化学変化で傷つけることが考えられた。ま
た、誤って人に直接スプレーすることによって目、肌等
に対する健康被害を招来する危険性すらある。
【0010】しかしながら忌避剤の本来持つ機能、つま
りネズミやゴキブリを殺さずに臭いで退散させるという
機能に着目して、更に研究を重ねた結果、忌避効果を持
つ薬剤の徐放性を達成する目的で、高分子を主体とした
ペースト状の膏体に薬剤を含有させ、通気性のある織
布、編布、不織布等の支持体に一定の厚さに展延して、
貼付剤型を採用することによって、この発明を想到し
た。
【0011】前述した本発明に係る忌避剤は、次のとう
りのものである。すなわち、カルボキシメチルセルロ−
スナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸
ナトリウム等の水溶性高分子を用いたペースト状の含水
膏体中に、ハッカ油、l- メントール、木酢液等の忌避
成分の一定量を含有させたものを、不織布に一定の厚さ
に展延したのち、貼付可能な一定の大きさに裁断したも
のである。また、合成イソプレンゴム、ポリスチレン・
ポリイソプレン・ポリスチレンブロックコポリマー、ポ
リイソブチレン等の親油性(非水性)ポリマーを用いた
プラスター膏体中に、ハッカ油、l- メントール、木酢
液等の忌避成分の一定量を含有させたものを、不織布、
織布、合成フィルム(無数の揮散孔を有する)上に一定
の厚さに展延・塗工したのち、貼付可能な一定の面積に
裁断したものでもある。
【0012】忌避剤として、メントール、ハッカ油、木
酢液の他にローズゼラニウム油、シトラール、メチルオ
イゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルアセ
トアルデヒド、ベンズアルデヒド、ギ酸ネリル、アネト
ール、オイゲノール、ヒノキ精油、リモネン、シネオー
ル、ピペリトン、α-ピネン、スギ精油、トドマツ精
油、ユーカリ油、ヒバ油、ヌートカトン、バレンセン、
ジエチルトルアミド(DEET)、にんにく精油、コエン
ドロ抽出物、2-デセナール、酢酸ボルネル、ボルネオ
ール、α-テルピネオール、樟脳、1,8-シネオール、γ-
ノニルラクトン、竹酢液等が使用できる。
【0013】忌避剤の効果の持続性を得る徐放化剤とし
て、忌避剤を含有する膏体中にゼオライト、マイクロカ
プセル、シリカゲル、ケイ酸アルミニウム等の忌避剤を
吸着或いはトラップする成分を添加することができる。
更に、膏体を展延する支持体である不織布、織布等の厚
さや目付、繊維組成を変更することによって膏体からの
忌避剤の揮散率をコントロールすることも可能である。
通気性の無い合成フィルム状の支持体では、フィルムに
微細な通気孔をあけることによって忌避剤の揮散を可能
とし、更にその通気孔の単位面積あたりの径と数の増減
によって忌避剤の揮散量を調節し、忌避効果の持続性を
確立することができる。
【0014】従来のパップ剤、プラスター剤等の貼付剤
は、成形外科領域での患部の消炎・鎮痛効果や局所麻
酔、化粧領域では貼付部位の肌の保湿効果、しみ、そば
かすの予防等といった人体貼付部位に作用するものに加
えて、最近ニトログリセリン、硝酸イソソルビド等の冠
動脈拡張剤を皮膚に貼付し、薬物を経皮吸収させて血液
循環によって患部に薬物を送達し、効果を期待した製剤
も既に市民権を得ているが、これらの製剤は総て人体の
皮膚に貼付することが基本となっている。
【0015】しかしながら、本発明品である忌避剤含有
の貼付剤は、従来のパップ剤、プラスター剤等の形態に
似ているが、使用対象が有害動物及び有害昆虫の忌避効
果であることから、薬剤の貼付場所が人体ではなく、天
井、柱、床、壁、電気器機といった非生命体に貼付する
ものである。また、本発明の忌避剤は、時によっては貼
付せずに、直接天井裏や床に支持体面を上にして放置し
て、薬物剤の揮散による忌避効果を得ることもできる。
【0016】ところで、ネズミの建物内部への侵入は、
駐車場の入り口、ガス管の導入部分、ドアのすき間等が
考えられるが、パイプやケーブルのすき間、天井や内装
壁の周囲のすき間といった小さなすき間や穴を通して侵
入したり、移動したりしている。また、時にはネズミ自
身が壁、天井、ドアのすき間に穴を開けて、移動通路を
作る場合も多い。このような移動用の穴を人為的に塞い
でも、ネズミは容易に新しい通路用の穴を作ってしまう
のが現状である。この場合にも、忌避剤含有の貼付剤は
粘着性と被覆性のあるシート状の形態を有することから
穴を塞いで修復することが容易であり、更に薬剤の忌避
効果でネズミを寄せつけないために再度の修復作業も必
要なく、確実なネズミの駆除を可能にするのである。ま
た、薬剤膏体自体が粘着性を持つため、膏体面を被覆し
ている剥離紙を剥がして膏体面を上にしてセットする
と、忌避剤で混乱したネズミやゴキブリを捕獲すること
も出来る。
【0017】不織布、織布、編布、通気性のフィルム等
の薄膜状の支持体をカラーコーディネイトすることによ
って、ネズミの忌避効果を高めたり、人が出入りする場
所では人の目を安らげることに加えて、支持体面に作画
することによって、前記と同様な効果を出すこともでき
る。また、支持体にセットした年月日を記録しておくこ
とによって、製剤の有効期限を知ることができる。更
に、不織布自体に水に溶解すると色を発生し、乾燥する
と無色になる色素を処理することによって、膏体の有効
性が消失したことを察知する事も可能となる。
【0018】[作用]本発明に係る忌避剤においては、ネ
ズミ、ゴキブリ、ダニといった有害動物や有害昆虫に対
して忌避効果を有する薬物を、水溶性高分子又は非水溶
性高分子を主体とした膏体中に一定濃度に含有させたの
ち、不織布、織布等の支持体に一定の厚さに展延塗工し
たものを一定の面積に裁断して製作したものである。こ
の製剤を支持体面を上にして有害動物や有害昆虫の生活
圏にセットすると、膏体内の忌避成分が支持体を通して
揮散し、生活圏に拡散することによって有害動物や有害
昆虫に不快感を与えることによって、その生活圏から撃
退することが出来る。忌避効果は一般的に緩慢な作用で
あるが、急激な効果を期待する場合は、単位面積当たり
のセット枚数を増加させたり、一枚当たりの忌避剤の濃
度を上げることで可能となるが、製剤の剥離紙(膏体表
面を被覆するシート)を剥離し、剥離した膏体面を上に
して、つまり支持体面を下にしてセットすることが手段
となる。逆に緩慢な作用を期待するときは、支持体の厚
さ、材質(孔空きの程度)を変更することが出来る。ま
た、膏体の忌避薬物をマイクロカプセル、ゼオライト、
シクロデキストリン等に含有させることによって、除放
化機能を持たせ、結果としてゆるやかな忌避効果を維持
することが可能となる。
【0019】[実施例]以下、本発明の好適な実施例を以
下に説明する。本実施例の忌避剤の成分重量%は下記の
[表1]のとうりである。
【0020】 [表1]実施例の忌避剤の成分表 ハッカ油 ----------------------------- 2.0重量% l-メントール ------------------------ 1.0重量% 竹酢液 ------------------------------- 1.0重量% カルボキシメチルセルロースナトリウム - 2.5重量% ゼオライト --------------------------- 5.0重量% ポリアクリル酸ナトリウム ------------- 3.0重量% カオリン ---------------------------- 10.0重量% グリセリン -------------------------- 10.0重量% ソルビトール ------------------------ 18.0重量% 精製水 --------------------------------- 適量(47.5重量%)
【0021】[調製法]忌避成分であるハッカ油(好まし
くは0.5〜5.0重量%)、l-メントール(好ましくは0.5〜
5.0重量%)、竹酢液(好ましくは0.5〜5.0重量%)を良く
混合・攪拌した液を攪拌下に徐放化剤としてゼオライト
(好ましくは3.0〜10.0重量%)をを徐々に添加して調製
液Aを調製する。次に、凝集剤としてポリアクリル酸ナ
トリウム(好ましくは0.1〜5.0重量%)、賦形剤としてカ
オリン(好ましくは5.0〜20.0重量%)、増粘剤としてカ
ルボキシメチルセルロースナトリウム(好ましくは2.0〜
5.0重量%)を良く混合したものに、精製水を加え、更
に、保湿剤としてソルビトール(好ましくは10.0〜30.0
重量%)、グリセリン(好ましくは10.0〜40.0重量%)、
を添加し、加温下で良く攪拌・練合したものを調製液B
とする。この調製液Bに先に調製した調製液Aを攪拌下
に徐々に添加し、約5分間にわたって充分に練合して膏
体を調製した。
【0022】このペースト状膏体を展延機を用いて、一
定の厚さ(約1mm,1000g/m2)でポリエステルの不織布
(この不織布は、薄膜状の織布、編布、微細の無数の揮
散孔を有する合成フィルムでも良い。)に展延したの
ち、一定面積(10cm×15cm)に裁断して製造した。ペー
スト状膏体を展延状態は、余り薄いと貼付機能がなく、
忌避効果の持続時間も短いが、あまり多すぎても費用対
効果が下がるので、1000g/m2の場合には、その厚さは0.
5mmから3mm程度が好ましい。また、上記のポリエステル
の不織布は、忌避効果の持続時間を長くするため通気性
のあるもので目付100g/m2で厚さ1mm程度としたが、目
付は40g/m2から200g/m2が好ましく、厚さも0.2mmから
1.5mmが好ましい。但し、膏体展延時にラミネートフィ
ルムで膏体表面を被覆したのち裁断し、使用に際して
は、不織布を上面にしてラミネートフィルム(剥離紙)を
剥がして粘着性のペースト状の忌避剤をダンボール(天
井、柱、床、壁、電気器機等の非生命体)に直接貼付し
た。また、製剤の練合・攪拌及び展延・塗工にはパップ
剤の専用製造機の実験室モデルを用いた。上記の不織布
の支持体をカラーコーディネイトして、ネズミの忌避効
果を高めたり、人が出入りする場所では人の目を安らげ
ることに加えて、支持体面に作画することによって、忌
避効果を高めることもできる。また、支持体の上面にセ
ットした年月日を記録する欄を印刷し、使用した年月日
を記入することによって、製剤の有効期限を知ることが
できるようにしてもよい。更に、不織布自体に水に溶解
すると色を発生し、乾燥すると無色になる色素を処理す
ることによって、ペースト状態の湿潤状態を検出して、
忌避材が乾燥して固形化した場合には膏体の有効性が消
失したことを察知するような構成にしてもよい。
【0023】[効果確認]前記の実施例のパップ型のペー
スト状の忌避剤の効果を確認するために、次の比較試験
を行った。比較例として、従来のスプレー型の噴霧状の
忌避剤を使用した場合と、無処置の場合との忌避効果を
確認した。比較例となるスプレー型の対照薬剤は、上記
のパップ剤と同じ成分で各5倍の分量(ハッカ油:10重
量%,l-メントール:5重量%,竹酢液:5重量%)
であり、界面活性剤Tween 80 1重量%を用いて、精製
水に可溶化(乳化)して製造したものである。
【0024】[比較試験]以下の試験例1は下記の本発明
の実施例のパップ型の製剤、比較例をネズミに対して、
忌避の作用・効果の確認を行った。 被検体:(1)本実施例の忌避剤(膏体面積:5mc×5cm,膏体重量:2.5g) (2)比較例1〜3のスプレー剤(有効成分:本実施例の忌避剤の5倍濃度) (3)比較例4のコントロール(無処置) 試験動物:ddY 系雄性マウス(体重20〜25g)各群10匹 試験方法:縦1m,横2m,高さ50cmのダンボール箱の中央
部に幅5cm,高さ5cmの通路用穴をあけた仕切り板を設
け、2部屋の空間(A,B)を設定した。一方の空間A
の中央部に本発明品の実施例の忌避剤を貼付してセット
したのち、マウス10匹を空間Aに入れ、10分間のあいだ
に空間Aから空間Bに移動(0UT)した動物数をカウント
した。また、上記の条件の基にマウスを空間Bに10匹入
れ、10分間のあいだに空間Bから空間Aに移動(IN)した
動物数をカウントした。対照品である同種のスプレー剤
は、噴射回数を1回(比較例1)、2回(比較例2)、3回
(比較例3)の3段階を設定して、それぞれの効果を本発
明品と同様な方法で評価した。試験期間は初回の処置日
を1日目として、6日まで実施した。なお、コントロー
ル(無処置)として薬剤を何もセットしない群(比較例4)
を設けた。空間Aから空間Bに移動した動物数から空間
Bから空間Aに移動した動物数を差し引いた数値を動物
数10で割った値を忌避係数とした。この忌避係数に100
を掛けて各薬剤忌避率(%)を算出した。
【0025】上記の条件で行った比較試験の結果を図1
の[表2]及び、それをグラフにした図2の[グラフ1]に
示す。パップ剤は、1枚(膏体面積:5cm×5cm,膏体重
量2.5g)のセットで1日目から6日まで忌避剤をセット
した空間Aから無処置空間Bに移動(OUT)したネズミは
10匹中10匹であり、逆に空間Bから空間Aに移動(IN)
したネズミは0であった。 なお、(OUT)と(IN)の数値か
ら求めた忌避係数は10.0であり忌避率は100%であっ
た。
【0026】これに対してスプレー剤は、本実施例の忌
避剤の5倍濃度の液を噴霧状もので、噴射1回(比較例
1)では1日目に空間Aから空間Bに移動したネズミは10
匹中9匹、空間Bから10匹中1匹であり、忌避係数は9.
0,忌避率90%であったが2日目以降、徐々に(OUT)の数
は減少し、反対に(IN)の数が上昇する傾向を示した。2
日目の忌避係数2.0、忌避率20%、3日目の忌避係数1.
0,忌避率10%であり、4日目以降は忌避係数及び忌避
率は算出不可能となった。スプレー剤(比較例2、3)は噴
射回数の増加に比例してネズミが空間Aから空間Bに移
動(OUT)する匹数は多くなり、逆に空間Bから空間Aに
移動(IN) する匹数は減少する傾向を示したが、4日目
以降は噴射回数に関係なく忌避係数及び忌避率は求めら
れない状況、つまり忌避効果が全く認められない結果を
示した。以上の結果から、パップ剤はスプレー剤に比較
して忌避効果及びその持続性において、はるかに優れた
特徴を持つ製剤であることが確認できた。
【0027】また、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の実施例に限定されるものではなく、例えば、
忌避成分は実施例に限定されるものではなく、持続時間
を調整するために除放化剤、保湿剤、精製水の量を多
く、或いは少なくするとともに、他の成分を上記()内に
記載した好ましい範囲内で適宜設定すればよく、支持体
の通気性も必要とする持続時間と忌避効果を得るために
適宜変更すればよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の忌避剤に
よれば、別途接着剤等を用いることなしに、忌避剤がペ
ースト状で粘着性を有することから、天井、柱、床、
壁、電気器機等の非生命体に直接貼付することができ扱
いが簡便であるという効果が得られ、また、使用に際し
てペースト状の忌避剤が支持体によって露出しないので
衛生的で安全性が高く、快適空間を保ちつつ広範囲にネ
ズミ類、ゴキブリ類、シロアリ類、鳥類、ダニ類等を確
実に寄せ付けない忌避効果を有し、かつ、忌避材がペー
スト状で表面になる支持体が通気性のある織布、編布、
不織布等の薄膜状であることから、長時間に亘って忌避
効果を持続できるという効果が得られる。また、本発明
の忌避剤に除放化剤を含有させれば、通気性のある織
布、編布、不織布等の薄膜状の支持体を用いたことと相
俟って、より長時間に亘って忌避効果を維持することが
できるという効果が得られる。更に、忌避材がペース状
であるから、ネズミ等が通過する穴を塞いで修復するこ
とが容易であり、確実なネズミの駆除を可能にするとい
う効果も有し、また、薬剤膏体自体が粘着性を持つた
め、膏体面を被覆している剥離紙を剥がして支持体を下
にして膏体面を上にセットした場合には、忌避剤で混乱
したネズミやゴキブリを捕獲することも出来るという効
果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のペースト状の忌避剤使用と、比較例
のスプレーによる噴霧状の忌避剤使用及び無処置の場合
のハツカネズミに対する忌避効果を表にした[表2]の図
【図2】[表2]本実施例のペースト状の忌避剤使用と、
比較例のスプレーによる噴霧状の忌避剤使用の場合の忌
避効果の経時変化を表すグラフの図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然又は合成高分子を主体とし忌避成分を
    含有したペースト状の膏体を、通気性のある薄膜状の支
    持体に一定の厚さに展延したことを特徴とする忌避剤。
  2. 【請求項2】 前記膏体に忌避成分の徐放化作用を有す
    るゼオライト、マイクロカプセル、シリカゲル、ケイ酸
    アルミニウム、シクロデキストリンのいずれか又はこれ
    らを組み合わせて含有させたことを特徴とする請求項1
    に記載の忌避剤。
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