JP2000204004A - 忌避剤および忌避部材 - Google Patents

忌避剤および忌避部材

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JP2000204004A
JP2000204004A JP11005714A JP571499A JP2000204004A JP 2000204004 A JP2000204004 A JP 2000204004A JP 11005714 A JP11005714 A JP 11005714A JP 571499 A JP571499 A JP 571499A JP 2000204004 A JP2000204004 A JP 2000204004A
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plaster
repelling
paste
cockroaches
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Taiichiro Iwakura
泰一郎 岩倉
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡便で衛生的で安全性が高く、快適空間を保ち
つつ広範囲にネズミ類,ゴキブリ類,シロアリ類,鳥類
等を確実に寄せ付けない忌避剤および忌避部材を提供す
ることにある。 【解決手段】水溶性又は非水溶性高分子を主体とした膏
体中にヒガンバナの鱗茎(学名:セキサン)の磨り潰し
たもの、あるいは、その抽出液を含有させた膏体に樟
脳、ハッカ油等の精油成分、または、ホウ酸を含有させ
た忌避剤であり、前記膏体を口径の大きな蓋付き容器に
充填するか、膏体を不織布,織布、あるいは、フィルム
等の支持体に一定の厚さに展延してシート状にした忌避
剤である。また、前記忌避剤のペースト状材を直接忌避
作用を必要とする部材に塗布、または、直接忌避作用を
必要とする材料中に製造時に含有させた忌避部材でもあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ネズミ等の有害動
物、カラス,ハト等の鳥類、ゴキブリ,シロアリ等の有害
昆虫に対しての忌避剤の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】近年のハイテクビル等の近代建築物は空
調設備が完備し、コンピュータ−ケーブル等が配線され
ている床下も同様な条件下であり、ネズミ類,ゴキブリ
類,シロアリ類の生活に快適な条件となっている。これ
らの小動物は配線をかじったり、電源回路に接触してシ
ョートや接触不良を引き起こす被害が多発する傾向にあ
る。また、飲食店の食品原料を餌としてネズミ類、ゴキ
ブリ類が繁殖し、これらの小動物の排泄物や摂食で食品
原料を汚染して、非衛生的な状態にすることが多々報告
されている。従来からのネズミ類の駆除には、クマリン
系化合物に代表される殺鼠剤による殺鼠、捕獲器による
生け捕りや粘着テープによる捕殺する方法が一般的に行
われている。また、ゴキブリ類の駆除には粘着剤を塗布
した紙製の捕獲器に誘引物質を使って捕獲する方法、ホ
ウ酸を混合した餌を出没する場所に設置する方法、或い
はフェニトロチオン等の殺虫剤を用いる方法が一般的で
ある。また、飲食ゴミの入ったゴミ袋を戸外に放置した
場合等もカラス,ハト等により、ゴミ袋が破られ、飲食
ゴミが道路に散乱する等の被害があり、カラス,ハト等
のゴミ袋を破られないようにする対策としては、ゴミ袋
にネット等を被せる方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の方法はネズミ類,ゴキブリ類,シロアリ類の侵
入を防止する効果はまったく無く、ネズミ類或いはゴキ
ブリ類の侵入によって飲食店の食品原料が排泄物等で汚
染されて非衛生的な状況を作ることになる。また、殺鼠
剤や殺虫剤に用いる薬品は剤型が菓子や錠剤品に類似し
ているため、誤って人間が摂取する危険性もあり使用上
の問題点も多い。さらに殺鼠、捕獲した動物の処理に苦
慮することも多いという問題点があった。また、ハイテ
クビル等の近代建築物の床下に敷設されているコンピュ
ータ−ケーブル等の配線の樹脂中にシクロヘキシミド或
いは唐辛子成分であるカプサイシン等をマイクロカプセ
ルの中に胞入し、電線等に被覆したものが忌避剤として
用いられているが、電線等を噛んだ一部の動物にしか効
果はなく、多くの有害動物を一掃することは出来ないと
いう問題点があった。さらに、ネズミ類,ゴキブリ類,
シロアリ類を一掃する忌避剤としてクレオソート油、木
搾液があるが、両方とも忌避効果はあるものの、その刺
激臭が人間に対しても極めて強くハイテクビル、飲食店
等の屋内で使用することは極めて困難であるという問題
点があった。また、カラス,ハト等のゴミ袋を破られな
いようにする対策としては、ネット等を被せる従来の方
法は、手間がかかり、設備費用も高価であるという問題
点があった。
【0004】本発明は上記の問題点に鑑みて為されたも
ので、その課題は、従来の殺鼠剤、殺虫剤及び忌避剤に
ついて検討した結果、簡便で衛生的で安全性が高く、快
適空間を保ちつつ広範囲にネズミ類,ゴキブリ類,シロ
アリ類,鳥類等を確実に寄せ付けない忌避剤および忌避
部材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、水溶性又は非水溶性高分
子を主体とした膏体中にヒガンバナの鱗茎(学名:セキ
サン)の磨り潰したもの、あるいは、その抽出液を含有
させた膏体よりなる忌避剤である。上記課題を解決する
ために、請求項2に記載の発明は、請求項1において、
前記膏体には樟脳、ハッカ油等の精油成分、および/ま
たは、ホウ酸を含有する忌避剤である。上記課題を解決
するために、請求項3に記載の発明は、請求項1および
請求項2において、前記膏体を口径の大きな蓋付き容器
に充填した忌避剤である。上記課題を解決するために、
請求項4に記載の発明は、請求項1および請求項2にお
いて、前記膏体を不織布,織布或いはフィルム等の支持
体に一定の厚さに展延したシート状とした忌避剤であ
る。上記課題を解決するために、請求項5に記載の発明
は、請求項1および請求項2に記載された忌避剤を忌避
作用を必要とする部材に直接塗布するか、または、忌避
作用を必要とする材料中に製造時に含有させた忌避部材
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者は前記課題(目的)を達成
すべく鋭意研究を重ねた結果、彼岸花(ヒガンバナ)の
鱗茎(球根)(学名:セキサン)の成分にネズミ類,ゴキ
ブリ類,シロアリ類が全く寄りつかないことを発見し、
セキサンの臭いがネズミ類及びゴキブリ類の忌避効果が
あることを実験的に確認した。それは、セキサンの成分
としてホモリコリン,リコレニン,タゼッチン,リコラ
ミン,リコリン,プソイドリコリン,ガランタミン,さ
らにプルビイン,ノルプルビイン,デメチルホモリコリ
ン,ヒッペアストリン,2−エピガランタミン,ピッタ
チン及びヘマンチジン等のアルカロイドの主成分が確認
され、そのセキサン自体、および、その加工品(粉砕ま
たはペースト化)を磨り潰したもの、あるいは、その抽
出液を、水溶性又は非水溶性高分子を主体とした膏体中
に含有させたものが忌避効果があることを実験的に確認
した。しかも、これらの忌避剤は人間に対しては刺激臭
は弱く、安全性も高いものであることを確認した。
【0007】また、本発明者は、セキサン及びその加工
品(粉砕またはペースト化)、更にその抽出液にハッカ
油,樟脳等の揮散成分を添加することによって、より忌
避効果が高まることを見出した。さらに、本発明者は、
セキサンのペースト状加工品又は抽出液にハッカ油、樟
脳のいずれか、または、両方を添加したものに、防腐・
安定剤として一定量のホウ酸を添加し、更に水溶性高分
子を主体とした含水膏体と合わせたのち、混合・攪拌し
てペースト状の膏体としものは、長期に亘って忌避作用
が維持できるとともに、長期の保管・使用に際しても衛
生的で安全性も高いことを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、ヒガンバナの鱗茎
(セキサン)の有効成分であるアルカロイドのネズミ類
及びゴキブリ類の忌避効果を有するものであり、セキサ
ンをペースト状に加工したもの、抽出液の何れの状態で
もよいが、水溶性高分子又は非水溶性高分子を利用して
軟膏状としてもよく、更にその膏体を支持体上に展延・
塗工し、裁断したパップ剤、あるいはプラスター剤とし
て、忌避効果の持続性と安定性に加えて使用上の簡便性
と安全性を追究したものである。上記のセキサン成分に
ハッカ油,樟脳等の揮散成分を添加することによって、
より強力な忌避効果を発揮することが可能となる。ま
た、膏体の防腐剤(保存剤)として添加したホウ酸はゴ
キブリの殺虫効果を有し、揮発性の有効成分が揮散後も
その効果を発揮する。また、製剤膏体又は支持体を赤色
系統に着色することによって揮散成分が消失したのち
に、ネズミ類又はゴキブリ類が乾燥膏体を食べることに
よって、忌避効果と殺虫効果を新たに発揮することがで
きる。製剤的特徴として、シート状であり、膏体自体が
粘着性をもっているためフィルムの剥離程度によって、
有効成分の揮散量をコントロールすることが可能であ
り、従って効果の強弱を制御できることになる。また、
その粘着特性をいかして何処にでも張り付けることが可
能であり、製剤の設置が従来の方法に比較して極めて簡
便であり、使用後の処理も安全かつ衛生的に可燃ゴミと
して処理できる。
【0009】したがって、前記のヒガンバナの鱗茎(学
名:セキサン)自体を忌避剤として忌避の必要箇所に置
いてもよいが、具体的には、前記の本忌避剤の膏体を蓋
付き容器に充填して、使用時に開封して用いることによ
って、必要な忌避作用が得られ、蓋付き容器に充填した
製剤は、蓋の開放の程度によって有効成分の揮散の程度
を調節する事ができる。この場合、蓋の部分には扇形の
開口と開口面積を調整する半円の回動する開閉部材とか
らなる開口調整部材を設けて、蓋の開口面積を調整でき
るものとすれば、使用に際いしてはより簡便なものとな
る。
【0010】また、前記の本忌避剤の膏体を織布或いは
不織布といった支持体に一定の厚さに展延・塗工したの
ち、一定の面積に裁断してパップ剤型或いはシート剤型
とし、ネズミ類或いはゴキブリ類が出没する場所に置け
ばよい。すなわち、パップ剤型の製剤は、支持体面を上
にしてセットし、持続性を延長したい場合は支持体面を
下にしてセットすることもできる。更に、膏体面を被覆
しているフィルム状剥離紙の剥離程度によって、有効成
分の揮散の程度、つまり効果の程度を調節できる。シー
ト剤型には、上記の水溶性高分子を用いた含水膏体の他
に、合成ポリイソプレンゴム,ポリイソブチレン,ポリ
スチレン・ポリブタジエンゴム,ポリアクリル酸エステ
ル等の非水溶性ポリマーを主体としたプラスター剤の膏
体中にセキサンのペースト状加工品又は抽出液、ハッカ
油、樟脳等の忌避成分を混合・攪拌して膏体を作成し、
織布、不織布、プラスチックフィルム等の支持体に一定
の厚さに展延・塗工したのち一定の面積に裁断したもの
でもよい。かかるシート製剤は、剥離紙(ライナー)の
剥離程度によって、有効成分の揮散の程度を調節できる
ことに加えて、膏体面の持つ粘着特性を活かして壁等に
張り付けることができ、狭い施行場所での忌避剤のセッ
トを可能とする。
【0011】さらに、前記の本忌避剤のペースト状膏体
を忌避作用を必要とする部材、例えば、ケーブル,配
線,ゴミ袋等に直接塗布するか、または、忌避作用を必
要とする材料中、例えばケーブルや配線の被覆剤,ゴミ
袋の合成樹脂剤中に製造時に含有させることによって、
その部材自体が忌避作用・効果を有する。
【0012】[実施例] 以下本発明の実施例を実験例1
により更に詳細に説明する。本実施例の忌避剤の成分重
量%は下記の[表1]のとうりである。
【0013】
【表1】 セキサン抽出液−−−−−−−−−−20重量% ポリビニルアルコ−ル−−−−−−− 8重量% ポリアクリル酸ナトリウム−−−−− 5重量% カオリン−−−−−−−−−−−−−15重量% グリセリン−−−−−−−−−−−−25重量% 精製水−−−−−−−−−−−−−− 適量
【0014】[調製法]セキサン抽出液にグリセリンを加
えて良く攪拌したものをA液とする。次に、ポリビニル
アルコール,ポリアクリル酸ナトリウム,カオリンを混
合したのち、精製水を加えて約10分間混合・攪拌した
ものをB液とする。このB液に上記で調製したA液を少
しずつ攪拌しながら添加し、完全に添加が終了したの
ち、約10分間練合してペースト状膏体を調製した。本
実施例の膏体は、着色料を添加してピンクの赤系色とし
たが、着色料を使用しなくてもよく、他の白色の膏体に
してもよい。
【0015】このペースト状膏体を、アクリル繊維から
なる不織布上に一定の厚さ(1000g/m2)に展延・
塗工したのち、10cm×14cmの面積に裁断後アルミ製
風袋にいれて本発明品を作成した。また、製剤の練合・
攪拌及び展延・塗工にはパップ剤の専用製造機の実験室
モデル機を用いた。
【0016】[試験例1]以下の試験例1には上記方法で
製造した本発明の実施例のパップ剤型の製剤をネズミに
対して、作用・効果の確認を行った。 被検体:(1)本実施例の忌避剤(膏体面積:3.5cm×5.
0cm,膏体重量:1.8g) (2)A社製忌避剤(有効成分:ハッカ油,製剤重量:
2.0g) (3)コントロール(無処置) 試験動物:ddY 系雄性マウス(体重20〜25g)各群5匹 試験方法:縦1m,横2m,高さ50cmのダンボール箱の
中央部に幅5cm,高さ5cmの通路用穴を設けた仕切り板
を設け、2部屋の空間(A,B)を設定した。一方の空
間Aの中央部に本発明品の実施例の忌避剤をセットした
のち、マウス5匹を空間Aに入れ、マーカーを付けた各
動物の空間Aから空間Bへ移動に要した時間を測定し
た。又、試験開始から20分後に空間Aに残っている動
物の数をカウントして、移動前の数から忌避率を算定し
た。20分後に移動しなかったものは、移動時間は最大
の20分とした。上記の条件で行った試験結果を[表2]
に示す。
【0017】
【表2】 [本実施例および従来品の忌避剤のネズミに対する忌避効果試験] 動物被検体(マウス) 本実施例(本発明品) B社製品(従来品) コントロール 1 8秒 27秒 5分30秒 2 12秒 30秒 18分05秒 3 5秒 40秒 * 4 10秒 − 5 7秒 19秒 平均値 8.4秒 47.2秒 16分43秒 忌避率** 100% 80.0% 40.0% *:移動しない場合は、最大値20分として計算した。 **:忌避率(%)=〔空間A(忌避剤設置)→空間Bの移動匹数〕/5×100
【0018】本実施例の忌避剤は、総てのマウスが忌避
剤を設置している空間Aから無処置の空間Bに移動し、
その移動時間も一匹平均で8.4秒と短時間であり、忌避
率も100%であった。これに対して比較対照品である従
来のA社製忌避剤は、空間Aから空間Bに移動するのに
要した時間は平均で47.3秒であり、5匹中1匹が移動し
はかった結果、忌避率は80%に止まった。また、コント
ロールとして設けた無処置群は、5匹中3匹が全く移動
せずに最初の空間Aに止まったままであり、忌避率は最
低の40%であり、移動に要した時間も16分43秒と極めて
長時間であった。以上の結果から、本発明の実施例の忌
避効果は明確であり、対象品である従来の市販の忌避剤
に比較して忌避効果(忌避率)及び忌避強度(移動時
間)ともに優れていることが確認された。
【0019】[試験例2]以下の試験例2には上記方法で
製造した本発明の実施例のパップ剤型の製剤をゴキブリ
に対して、作用・効果の確認を行った。 被検体:(1)本実施例の忌避剤(膏体面積:3.5cm×5.
0cm,膏体重量:1.8g) (2)B社製忌避剤(有効成分:ディート,製剤重量:
2.0g) (3)コントロール(無処置) 試験動物:クロゴキブリ(各群10匹) 試験方法:縦20cm,横20cm,高さ30cmのダンボール箱2
個の横の面を接合したのち、その接合部の底辺にに縦3
cm×横3cmの通路用の穴を設けた試験容器を作成した。
接合した容器の片方Aに本発明品をセットしたのち、ゴ
キブリを箱Aに入れて箱Aから箱Bに移動したゴキブリ
の数をカウントした。また、逆にゴキブリを箱Bに入れ
て、箱Bから箱Aに移動したゴキブリの移動数、つまり
箱Bのゴキブリの残存数をカウントした。比較対照品で
ある従来のA社製品についても上記と同様に試験を実施
した。又、コントロールとして忌避剤を全く使用しない
で箱Aから箱Bへのゴキブリの移動数及び箱Bから箱A
へのゴキブリの移動数、つまり箱Bのゴキブリの残存数
をカウントした。上記のカウント数から下記の計算式に
従って忌避率を算出した。 *(シャーレA→Bの移動数/10+シャーレBの残存数
/10)÷2×100 ただし、1回の試験時間は10分間とし、試験時間中ダン
ボール箱は蓋をかぶせて閉鎖状態とした。 試験結果:試験結果を[表3]に示す
【0020】
【表3】 [本実施例および従来品の忌避剤のゴキブリに対する忌避効果試験] 被検体 本実施例(本発明品) A社製品(従来品) コントロール 移動先 箱A 箱B 箱A 箱B 箱A 箱B 箱Aから 0匹 10匹 4匹 6匹 7匹 3匹 箱Bから 0匹 10匹 3匹 7匹 4匹 6匹 忌避率* 100% 65% 45% *:忌避率(%)={〔箱A(忌避剤設置)→箱Bへの移動匹数〕/10+ 箱Bの残存匹数/10}÷2×100
【0021】本実施例は、試験時間の10分以内に箱A
から箱Bに移動したゴキブリは10匹中10匹であり、
又箱Bから箱Aに移動しなかった匹数、つまり箱Bに残
った匹数は10匹であり、両者から算出した忌避率は10
0%であった。比較対照品である市販のA社製品は、箱
Aから箱Bに移動したゴキブリは10匹中6匹であり、
4匹が箱Aに残った。同様に箱Bから箱Aに移動したゴ
キブリは3匹であり、箱Bに大多数の7匹が残った。両
者から算出したA社製品の忌避率は65%であった。これ
らに対して無処置のコントロールは、箱Aから箱B移動
した匹数は10匹中3匹、箱Bから箱Aに移動しなかっ
た匹数、つまり箱Bに残ったゴキブリは6匹であり、上
記と同様に算出した忌避率はわずか45%に止まり、箱A
と箱B間の移動差は殆ど無かった。以上の結果から、本
発明品はゴキブリに対する忌避効果は確実にあり、その
効果は市販の忌避剤に比較して極めて強いものと考えら
れた。
【0022】[試験例3]以下の試験例3には上記方法で
製造した本発明の実施例のパップ剤型の製剤を野生カラ
スに対して下記の条件下で、作用・効果の確認を行っ
た。 被検体:(1)本実施例(膏体面積:10cm×14cm,膏体
重量:14g) (2)オオタカの風船モデル(D社製天敵グッズ) (3)コントロール(無処置) 試験動物:野性カラス(雌雄不明) 試験方法:カラスの出没が頻繁なゴミ集積所に約5 の
鶏肉を主体とした残飯を入れた黒色のゴミ袋5個を置
き、1検体に付き2日間(午前7時〜午後5時迄の計1
0時間)に渡ってカラスの飛来数及び被害度(ゴミ袋の
破損率)を記録した。1回目はコントロールとして何も
処置をしていないゴミ袋に対して飛来したカラスの羽数
を計数したのち、ゴミ袋の被害数とその程度を2日間に
わたって観察した。2回目は比較対照としてオオタカの
風船モデル2個をゴミ袋の周辺に設置した後、上記と同
様に観察した。最後に3回目は本発明品を各ゴミ袋に1
枚ずつ貼付表面が上になるように貼付した後、上記と同
様な方法で2日間カラスの動向を観察した。又、ゴミ袋
の被害の程度(破損度)を下記の[表4]の判定基準に従
って評価し、被害率(破損率)を算出した。
【0023】
【表4】 被害点数(破損点数) *被害の程度(破損度):内容物の飛散量が全く無い−−−−−−0点 内容物の飛散量が少量−−−−−−−−1点 内容物の飛散量が多い−−−−−−−−2点 内容物の飛散量が非常に多い−−−−−3点 ゴミ袋の原形を留めない−−−−−−−4点 *破損率(%)=5個のゴミ袋の被害点数の合計/30×100
【0024】上記の条件下での試験結果を[表5]に示
す。
【0025】
【表5】 [本実施例および従来の忌避剤のカラスに対する忌避効果試験] 被検体 本実施例(本発明品) オオタカの風船 コントロール 設定日 1日目 2日目 1日目 2日目 1日目 2日目 カラスの飛来数 2 0 1 5 3 7 上記合計 2 上記合計 6 上記合計10 日程別被害分数 0/5 0/5 2/5 5/5 5/5 5/5 被害率(%) 0% 70% 100% 破損度合計点数 0 20 30 破損率(%) 0% 66.7% 100%
【0026】上記[表5]において、コントロールは1日
目に3羽、2日目に7羽の計10羽飛来し、1日目と2
日目共に総てのゴミ袋が破られ、破損率,被害率共に1
00%であった。オオタカの風船モデルは1日目1羽、
2日目5羽の計6羽が飛来し、1日目は5袋中2袋、2
日目は5袋が破られ、1日目と2日目から求めた被害率
は70%、破損率は66.7%であった。これに対して
本実施例の忌避剤は1日目に2羽飛来したもののゴミ袋
の破損は無く、2日目に飛来したカラスは皆無であっ
た。また、破損率及び被害率は共に0%であった。以上
の結果から本実施例の忌避剤(発明品)はカラスし対し
て極めて高い忌避効果を持つことが判明した。
【0027】なお、前記[表1]の重量%の数値は、最適
の重量%を提示したが、下記の範囲の重量%でも忌避作
用が得られことが確認され、特に、セキサン抽出液は5
重量%以下だと従来品と顕著な差異は認められず、好ま
しくは8%重量以上が良いことが確認できた。 セキサン抽出液−−−−−−− 5(8)重量%以上 ポリビニルアルコ−ル−−−− 2〜16重量% ポリアクリル酸ナトリウム−− 1〜10重量% カオリン−−−−−−−−−− 5〜30重量% グリセリン−−−−−−−−−10〜50重量% 精製水−−−−−−−−−−−−−−− 適量
【0028】また、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の実施例に限定されるものではなく、上記のネ
ズミ類,ゴキブリ類以外のシロアリ類やその他の有害動
物及び昆虫の忌避剤として用いても有効である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
水溶性又は非水溶性高分子を主体とした膏体中にヒガン
バナの鱗茎(学名:セキサン)の磨り潰したもの、或い
はその抽出液を含有させた膏体は、ネズミ類,ゴキブリ
類,シロアリ類,鳥類に対して、極めて強力な忌避効果
が得られる。また、セキサン、その加工品(粉砕または
ペースト化)、その抽出液にハッカ油,樟脳等の揮散成
分を添加することによって、更に高い忌避効果が得られ
る。さらに、防腐・安定剤として一定量のホウ酸を添加
したことにより、高い忌避効果が長期に亘って維持でき
るとともに、長期に亘って保管・使用しても衛生的で安
全性も高いという効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 65/00 A01N 65/00 D Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性又は非水溶性高分子を主体とした膏
    体中にヒガンバナの鱗茎(学名:セキサン)の磨り潰し
    たもの、あるいは、その抽出液を含有させた膏体よりな
    ることを特徴とする忌避剤
  2. 【請求項2】前記膏体には樟脳、ハッカ油等の精油成
    分、および/または、ホウ酸を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載の忌避剤
  3. 【請求項3】前記膏体を口径の大きな蓋付き容器に充填
    したことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の
    忌避剤
  4. 【請求項4】前記膏体を不織布,織布、あるいは、フィ
    ルム等の支持体に一定の厚さに展延してシート状とした
    ことを特徴とする請求項1および請求項2に記載の忌避
  5. 【請求項5】請求項1および請求項2に記載された忌避
    剤を忌避作用を必要とする部材に直接塗布するか、また
    は、忌避剤を忌避作用を必要とする材料中に製造時に含
    有させることを特徴とする忌避部材
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008056623A (ja) * 2006-09-01 2008-03-13 Tomematsu Abe 鳥獣類忌避合成樹脂製袋
CN101238809B (zh) * 2008-03-24 2010-06-09 施泽荣 一种鸟类驱避剂
KR101417907B1 (ko) 2012-10-24 2014-07-10 일신화학공업 주식회사 설치류 방지용 필름

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