JP4222470B2 - シロアリ用防除組成物および当該組成物を用いたシロアリ防除方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシロアリ防除組成物、ならびにシロアリ防除組成物を用いるシロアリ防除方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シロアリ類を防除するためには、殺虫剤を建物の床下の土壌へ散布したり、シロアリが食害する木部へ直接処理する方法が一般的である。一方、近年レスケミカル化の動きや処理の簡便さから食毒剤が好まれる傾向になった。しかし、これまでの食毒剤は、木片でできた杭と同じように地中で埋めるような容器、または蟻道に貼り付けるような大型の容器を用いて食毒剤を収納するものがほとんどであり、それ以外は、粉剤を蟻道または被害部に吹き付けるような施工が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シロアリの蟻道や食害場所などで、液剤による殺虫剤が処理されると、直接被曝されたシロアリは死亡するが、被曝しなかったシロアリは、自らの巣に帰ろうとする。しかし、液剤に阻まれて帰巣できなくなり、その場所で継続的に営巣を行い、新しい巣を創り、被害が進行することが問題であった。この現象をここでは再発という。大型の容器を用いるような食毒剤では、木部内部に生息するシロアリに投与することが不可能であり、また粉剤は処理することはできるものの、粉立ちなどが生じ、作業性や作業者の安全性に問題があった。このように、再発を阻止し、かつ作業者の安全性も配慮した優れたシロアリ防除組成物および有効にシロアリを防除する方法が切に望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、作業者に被曝せず、かつシロアリを簡単かつ簡便に防除する方法について鋭意検討した結果、筒状の形状を有する容器または包装材料に、遅効性殺虫剤を少なくとも一種類含有させたセルロースを主要成分とする粉末を充填していることを特徴とするシロアリ防除組成物かまたは遅効性殺虫剤を少なくとも一種類含有させたセルロースを主要成分とする粉末を固着剤により棒状に固化させていることを特徴とするシロアリ防除組成物(以下、本シロアリ防除組成物という)を、シロアリの棲息するまたは食害している場所、地中、木部内などに投入、設置することにより、高い防除効果を示すことを見出した。
【0005】
本発明に用いる遅効性殺虫剤はピレスロイド系殺虫剤のように速効的にシロアリを麻痺させる薬剤でなければ特に限定されない。好ましくは、ビストリフルロン、ノバルロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロンなどのベンゾイルウレア系殺虫剤、イミダクロプリド、アセタミプリドなどのネオニコチノド系殺虫剤、クロルフェナピルなどのピロール系殺虫剤、フィプロニルなどのフェニルピラゾール系殺虫剤などがあげられるが、シロアリに対して遅効的に作用する薬剤として、とくにビストリフルロン、ノバルロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロンなどのベンゾイルウレア系殺虫剤が好ましい。本発明に用いる遅効性殺虫剤はセルロースを主要成分とする粉末100重量部に対し、0.01重量部以上5重量部以下が望ましい。
【0006】
包装材の材質については、濾紙、ダンボール紙、トイレットペーパー、ペーパーウエス、不織布などの紙、パラフィン紙、ポリエチレン、塩化ビニル、EVA(エチレンと酢酸ビニルの共重合体)、EMMA(エチレンとメチルメタクルレートの共重合体)などの高分子プラスチックなどが挙げられるが、シロアリが材質に忌避性を示さないものであれば、特に限定は無い。また、筒状の形状を有する容器または包装材料とは、筒状であれば、その断面の形状はとくに限定されず、円形、楕円形、四角形、六角形、八角形などの多角形や、表面が凹凸のある形状でもよく、またゼラチン、セルロースなどでできた市販の飲み薬用ソフトカプセルを使用することもできる。
【0007】
セルロースを主要成分とする粉末としては、セルロース粉末、オガ屑、木紛などがあげられ、木紛の場合は、シロアリが好む樹種が好ましく、たとえば木材種としてサクラ、アオキ、マツ、スプルース、スギなどが望ましく、ヒノキなどはあまり好ましくない。
【0008】
セルロースを主要成分とする粉末を固化させる固着剤としては、タブ粉、デンプン粉、もち米、酢酸ビニールエマルジョン系、合成ゴム系、エポキシ樹脂系、シアノアクリレート系、塩化ビニール系などの人工合成された固着剤等を使用することができるが、タブ粉、デンプン粉、もち米を使用することが好ましい。その配合は、セルロースを主要成分とする粉末100重量部に対し20重量部以上60重量部以下が望ましい。
【0009】
本シロアリ防除組成物を用いてシロアリの棲息、食害場所、地中、木部内に投与する方法としては、既存のシロアリ探知機で家屋内にいるシロアリを調査し、シロアリの棲息するまたは食害している場所に孔を開け、その中に本シロアリ防除組成物を投与することにより、シロアリを防除する方法である。孔を開ける大きさは、20mm以下が望ましい。また、シロアリがいなくても、将来的に家屋に侵入する可能性のある場合は、家屋周囲の地中に、および/または床下の地中に、10cmから5mおきに、好ましくは30cmから3mおきに、本シロアリ防除組成物を埋めることにより、シロアリを予防的に防除することができる。さらにまた、シロアリにより被害をうけやすい木部をあらかじめ電動ドリル等により、3cmから2mおきに、好ましくは5cmから30cmおきに穿孔し、その中へ本シロアリ防除組成物を投与することにより、シロアリを予防的に防除することができる。
【0010】
次に製造例、実施例および施工例により詳細に説明するが、本発明がこれらによって限定されることはない。なお、以下に示す部は全て重量部を意味する。製造例1 ビストリフルロン0.5部、セルロース粉末99.5部を均一に攪拌後、セルロース粉末と同量の水道水を添加し、均一に攪拌する。次にこのセルロース粉末を、長さ3cmで斬った直径8mmの市販紙製ストローの内部に詰める。ストローの両端が乾かないように、保存時には、キャップ等でふさいでおく。
【0011】
製造例2 フィプロニル0.05部、セルロース粉末99.95部を均一に攪拌後、セルロース粉末と同量の水道水を添加し、均一に攪拌する。次にこのセルロース粉末を、長さ3cmで斬った直径8mmの市販紙製ストローの内部に詰める。ストローの両端が乾かないように、保存時には、キャップ等でふさいでおく。
【0012】
製造例3 クロルフェナピル0.1部、セルロース粉末99.9部を均一に攪拌後、セルロース粉末と同量の水道水を添加し、均一に攪拌する。次にこのセルロース粉末を、長さ3cmで斬った直径8mmの市販紙製ストローの内部に詰める。ストローの両端が乾かないように、保存時には、キャップ等でふさいでおく。
【0013】
製造例4 ビストリフルロン0.5部、セルロース粉末79.5部、タブ粉20部を均一に攪拌後、99.5部の水道水を添加して、均一に練りこみ、直径8mmの太さの棒状にして、風乾させる。その後、3cmの長さごとに切断して、製剤を得る。
【0014】
【実施例1】
イエシロアリに対する殺虫効果試験
高さ6cm、直径8.5cmのプラスチックカップの中に、木片とともにイエシロアリ職蟻200頭を放虫し、その中に、製造例1、2または3で製造した製剤を投入し、経時的に生死を調査し、死虫率を求めた。その結果を表1に示す。
【表1】
本発明組成物は何れもイエシロアリに対して適度な遅効性と高い防除効果を示した。
【0015】
施工例1 実際の家屋の土台に、直径10mmのドリルで孔を30cm間隔で数箇所開け、シロアリによる被害部分を確認した。その場所へ、製造例2の製剤をそれぞれの孔へ3ヶ投入して、栓をした。
【0016】
施工例2 風呂場の木柱部分を直径8mmのドリルで孔を10cm間隔で数箇所開け、シロアリによる被害部分を確認した。その場所へ、製造例4をそれぞれの孔へ3ヶ投入して、栓をした。
【0017】
施工例3 家屋の中庭に切り株があり、そこを直径10mmのドリルで孔を数箇所開け、シロアリによる被害部分を確認した。その場所へ、製造例4をそれぞれの孔へ3ヶ投入して、栓をした。
【0018】
【発明の効果】
本発明組成物を用いることによって、シロアリを防除することができた。
Claims (2)
- 直径20mm以下の孔に挿入可能な筒状の形状を有する容器または包装材料に、ベンゾイルウレア系殺虫剤を少なくとも一種類含有させたセルロースを主要成分とする粉末を、タブ粉、でん粉粉、もち米から選ばれる少なくとも一種類以上の固着剤により棒状に固化させたものを充填してなることを特徴とするシロアリ防除組成物。
- ベンゾイルウレア系殺虫剤を0.01〜5重量部含み、固化剤の配合範囲が粉末100重量部に対し、20〜60重量部の範囲内としてなることを特徴とする請求項1に記載のシロアリ防除組成物。
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