JP2004217623A - 有害動物による食害の防御用保護材 - Google Patents

有害動物による食害の防御用保護材 Download PDF

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Abstract

【課題】 軽くて持ち運びに便利であり、取り付けの作業性がよく、植物の成長を物理的に押さえつけることもなく、比較的長期にわたり、動物忌避作用が保たれる、有害動物による食害の防御用保護材を提供する。
【解決手段】 有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル及び/又は前記忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子が、生分解性樹脂をバインダーとして繊維又はプラスチックからなるシート状物、繊維又はプラスチックからなる紐状物から選ばれた基材に固着されており、一部の前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しており、残りの前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていて、前記埋もれているものの割合(個数)が50%(個数%)以上である食害防御用保護材。
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹木、果実、その他野菜類などの植物を食する有害動物による、植物の食害の防御用保護材に関する。
近年、人工的な土地開発などにより、鳥獣類の居住領域が狭められ、森林においては、鹿、猿、猪、野鼠、野兎などの哺乳類、あるいは鳥類による樹木、果実、その他の植物の食害が極めて深刻な問題となってきている。
食害とは、上述したような有害動物による樹木の樹皮、芯芽(樹木の上方向に向かう生長に最も影響のある芽)、新芽、新葉、果実などの樹木類やその他の野菜や果物などに対する食害を総称して、植物の食害と称している。また、有害動物とは、上述したような哺乳類あるいは鳥類を対象としている。
(1)樹木の樹皮の食害の問題
具体的には、鹿などの獣による、樹木の樹皮の食害が極めて深刻な問題となってきている。例えば50年から100年あまりもかけて育ってきた樹木でさえ樹皮の食害により、またたくまに枯れてしまい、その被害は極めて甚大である。特に、鳥獣保護区などの指定を受けた地域においては、鹿などが数が急激に増加しはじめ、樹木の立ち枯れにより、森林が明るくなっていくと言う現象さえ見られる。
(2)幼齢木・苗木の芯芽及び新芽などの食害
また、幼齢木・苗木の芯芽及び新芽などの食害については、例えば、檜や杉の苗木はおおよそ40cmから60cm位の高さで、植樹後約3年で約140cm〜160cmに成長し、ここまで成長すると最上部のほぼ中心にある芯芽を鹿などに食べられる恐れが無くなるが、近年鹿などの数が増え植樹した苗木の芯芽や新芽が食べられる被害が多発している。今まで取られてきた防御処置は金属ネットやパネルで苗木全体を囲ったり包み込む方法が取られて来た。これらの方法は費用や手問がかかり、又風雪や動物により倒されたりして結局、芯芽などを食べられてしまう。いったん芯芽を食べられるとその苗木の上方向に向かう成長が止まり植樹の意味が無くなる。このように林業などにおいて当初の目的が果されない食害による被害が頻繁に生じている。
(3)梅ノ木などの新芽、新枝、新葉の食害の問題
次に、梅ノ木などは剪定後新しい枝が成長し2〜3年後その枝に梅の実が生る。近年その新しい枝に茂る新葉を食べる被害が多発しており、鹿などは新葉を食べるため枝を折ってしまうので梅の実の収穫量が梅の木一本につき20〜50%位減ってしまうと言う甚大な被害となっている。梅ノ木は収穫しやすくする為に木の高さを低くしており又足場(地面)もよく整備されている為、鹿などにとっては大変好ましい環境である。以前は極僅かであった被害が近年の鹿の頭数の増加で急速に大きな問題となっており有効な対策が無い状態になっているのが現状である。
(4)柿、桃、梨、林檎等の実の生る木などの果実の食害の問題
柿、桃、梨、林檎等の果実の生る木に対する果実の食害も多発しており、主に鹿、猿、猪、野鼠、野兎、等の食害が多く報告されている。猪は果実に届かない場合に、比較的細めの樹木の場合には、樹木をなぎ倒したり、折ったりして果実を食べることも多く、農家にとっての被害は極めて甚大となってきている。
(5)芋、大根、人参などの野菜類、スイカ、メロン、瓜などの地表近辺に形成される果物の食害の問題
主に鹿、猿、猪、野鼠、野兎、等による耕作地の食害が多く報告されている。
しかして、樹木における樹皮の食害を防止するため、金網の様なネット状物を、樹木の幹の鹿などの樹皮を食する動物の口が届く範囲に巻き付けて固定し、物理的にかみ切れないようにして、樹皮の食害を防止することが近年行われている。幼齢木・苗木の芯芽及び新芽などの食害については、上述したように金属ネットやパネルで苗木全体を囲ったり包み込む方法が取られて来た。
一方、樹木の食害防御用保護材ではないが、有害動物忌避剤として、カプサイシン類、天然わさび、芥子油などをマイクロカプセル化したものが、犬、猫、イノシシ、イタチ、蛇などの有害動物忌避剤として使用できることも、知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−76502号公報
しかし、このような植物の食害防御用保護材として金網の様なネット状物を用いる場合には、少数の樹木などの植物が保護の対象であればそれほど問題にならないが、現実には、例えば山林などにおいては、極めて多数本の樹木を保護の対象にしなければならず、その場合に、持ち運ぶ際の重量が大きくなり少しずつしか持ち運べず、作業効率が極めて悪いと言う問題がある。特に、自然林や山林の中は、自動車による自由な運搬ができないし、山林などでは、急な斜面を重量が大きな金網ネット状物を持って登るのも大変である。しかも、若い樹木に施した場合には、金網の太いものでは樹木の成長を押さえ込むと言うような問題もある。また、その取り外し・処分などにも多大な労力を必要としている。
また、幼齢木・苗木の芯芽及び新芽などの食害については、上述したように今まで取られてきた防御処置は金属ネットやパネルで苗木全体を囲ったり包み込む方法が取られて来た。これらの方法は費用や上述したような手問がかかり、又風雪や動物により倒されたりして結局、芯芽などを食べられてしまう。
梅ノ木などの新芽、新枝、新葉の食害の問題、柿、桃、梨、等の実の生る木などの果実の食害の問題は、現状ではあまり有効な対策が見当たっていない。
また、野菜類や地表近辺に形成される果物類については、金網による柵を耕作地の周囲に張り巡らして有害動物の侵入を物理的に防いでいるが、忌避剤が使用されていない場合には、忌避する臭いもないので、猪などの大きな動物には破壊されてしまったり、小さな野ねずみなどの動物には何らかの隙間から耕作地内に入り込まれてしまうことが多い。
本発明は、これらの植物の食害防御用保護材としての機能にも優れ、しかも、軽くて持ち運びに便利であり、持ち運びの際に、金網などより一層コンパクトに収納することも可能で、且つ取り付けの際の作業が金網などに比べてより楽にでき、植物の成長を物理的に押さえつけることもなく、しかも比較的長期にわたり、動物忌避作用が保たれる、優れた食害防御用保護材を提供することを目的とする。
更に本発明の、好ましい態様においては、上記の目的に加え、取り付けがより簡単な食害防御用保護材を提供することを目的とする。
また、本発明の、好ましい態様においては、更に、食害防御の対象となる有害動物や、目的とする植物などへの悪影響が少なく、地球環境の汚染も少ない優れた食害防御用保護材を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の有害動物による食害防御用保護材は、有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル、及び/又は、有害動物用の忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子が、生分解性樹脂をバインダーとして繊維又はプラスチックからなるシート状物、繊維又はプラスチックからなる紐状物から選ばれた基材に固着されており、一部の前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しており、残りの前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていて、前記埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)が50%(個数%)以上であることを特徴とする。
本発明の食害防御用保護材は、植物の食害防御用保護材としての機能にも優れ、しかも、軽くて持ち運びに便利であり、持ち運びの際に、植物に取り付けるために所定の大きさに切断する前の連続シート状、あるいは大面積のシート状のような大きなものでも金網などより一層コンパクトに収納することも可能で、且つ植物への取り付けの際の作業が金網などに比べてより容易であり作業性がよく、植物の成長の妨げになることも少なく、しかもバインダー樹脂層の中に埋没していたマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が次々と現れ比較的長期にわたり、動物忌避作用が保たれ、また、不要になった場合には簡単に取り外すことができ、有害動物による食害防御用保護手段としてはまさに画期的な優れた食害防御用保護材を提供できる。
更に本発明の、好ましい態様においては、上記の目的に加え、取り付けがより簡単な植物の食害防御用保護材を提供出来る。
また、本発明の、好ましい態様においては、更に、食害防御の対象となる動物や、目的とする植物などへの悪影響が少なく、地球環境の汚染も少ない優れた植物の食害防御用保護材を提供できる。特に、基材の素材も生分解性樹脂からなる基材を用いた場合には、その場に放置するか土中に埋めるかすると自然に分解することから処理の手間が無く環境にも影響を与えない画期的な優れた食害防御用保護材を提供できる。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物であって、食害防御用保護材の形状がシート状である態様のものは、シート状物を樹木の樹皮を食する動物の口が届く範囲の樹木の幹などの太さなどのサイズにあわせて適宜その場でカットするなどして、樹木の幹や太い枝などに巻き付けて固定して用い、樹皮の食害を防止する場合などに好ましく使用できる。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物がネット状物からなるシート状物であることが好ましい。
シート状物が通常の布類(不織布、編物、織物)やプラスチックフィルムのようにネット状物に比べて網目などの隙間がないか小さいものは、通常、紫外線はかなり透過するが、紫外線以外の太陽光や、空気、水分、などの透過性が小さくなるが、ネット状物とすると、太陽光や、空気、水分、などの透過性をより必要とする場合にも容易に適用でき極めて好ましい。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物も含む)であって、形状が長い帯状である態様のものは、成長した樹木の果実の猿や鳥類による食害防御などに特に有効な態様であり好ましい。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物も含む)であって、形状が小片シート状である態様のもの、あるいは更にこれに吊り下げ用又は固定用の紐が取り付けられている態様のものは、梅ノ木などの剪定後、成長して伸びた新しい枝あるいはその近辺の元枝などに紐でぶら下げるなど簡単に取り付けることが出来、樹木の新芽、新枝、新葉の食害防御などに特に有効な態様であり好ましい。この場合には、基材シート状物として、通常の布類(不織布、編物、織物)やプラスチックフィルムのような網目の大きくないもの、網目のないものも有効に使用でき、ネット状物に比べてはるかにコストを削減でき、特に不織布やプラスチックフィルムを基材とする場合には極めてコストを安くすることができ好ましい。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物も含む)からなり、形状が筒状に形成されている態様のもの、あるいは更にこれに吊り下げ用又は固定用の紐が取り付けられている態様のものは、上記と同様に剪定後、成長して伸びた新しい枝などに差し込んで使用したり、紐でぶら下げるなど簡単に取り付けることが出来、樹木の新芽、新枝、新葉の食害防御などに特に有効な態様であり好ましい。また、幼齢木・苗木の芯芽などの食害防御などにも有効に用いることができる。尚、剪定後、成長して伸びた新しい枝などに筒状の保護材を差し込んで使用する場合には、基材シートがネット状物からなるものを使用することが好ましい。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物も含む)からなり、形状が中空の略円錐台状に形成されている態様のもの、あるいは更にこれに固定用の紐が取り付けられている態様のものは、幼齢木・苗木の芯芽などの食害防御などに特に有効な態様であり好ましい。尚、この幼齢木・苗木の芯芽などの食害防御の用途に適用する場合には、シート状物がネット状物からなるものを使用することが太陽光の透過性が良好になるので特に好ましい。
なお、上記において、それぞれの態様が、どのような用途に好ましいか言及しているが、その用途のみに限定されるものではない。
上記、本発明の食害防御用保護材においては、基材の材質が、生分解性樹脂からなることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、基材シート状物が繊維からなるネット状物であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、基材シート状物が繊維編物からなるネット状物であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、基材シート状物がネット状物であって、ネットの目の大きさが4〜36メッシュ/(2.54cm)2のネット状物であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル系重合体又は脂肪族ポリエステルアミド系共重合体であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、生分解性樹脂が、ポリ乳酸、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、カプロラクトンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体から選ばれた生分解性樹脂からなることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子のうち生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が、樹木の食害防御用保護材に用いられているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の全量(個数)に対し50〜98%(個数%)であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、動物用の忌避剤が、唐辛子、わさび、芥子、胡椒、又はこれらの辛味成分から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明の食害防御用保護材においては、動物用の忌避剤が、カプサイシン類であることが好ましい。
本発明の食害防御用保護材は、有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル、及び/又は、有害動物用の忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子が、前記生分解性樹脂バインダー層の表面層のみに存在しているものでもなく、これらのマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の実質上全部が生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれているものでもなく、一部の個数の前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しており、残りの前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていて、前記埋もれているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)が50%(個数%)以上であることにより、本発明の保護材を樹木の幹に巻き付けるなど樹皮の上に取り付けた場合や、枝などにぶら下げたり、円筒状の形状のものを枝に差し込んだり、中空の略円錐台状の形状のものを幼齢木・苗木のなどにかぶせるなど、適宜の態様で取り付けた場合に、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が存在することにより、保護材を取り付けた場合に、直ちに又は比較的短時間の内に、食害防御効果を発揮することができる。しかも、かかるマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の実質上大部分が、前記生分解性樹脂バインダー層の表面に露出している場合には、風雨、日光、気温変化などにより、比較的短期間で忌避剤有効成分が分解したり、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子から忌避剤有効成分がにじみ出し、あるいは蒸発などにより消失したり、動物の食べようとする試み(即ち、足などによる引っ掻きやこすりなどの動作により保護材を除去しようとするしぐさ)などにより失われ易くなるが、50%(個数%)以上が生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていることにより、徐々に、生分解性樹脂バインダー層が分解していくので、生分解性樹脂バインダー層の分解に応じて、内部に埋もれていたマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が表面側に露出するなどの作用により、比較的長期間にわたって食害防御効果を発揮することができると言う優れた機能を発揮できる。忌避剤は、直接、強烈な辛味その他の味で食害を防ぐだけでなく、動物は臭いにも敏感なので、臭いによっても当該樹木などの植物に近寄るのを避ける効果も発揮される。
しかも、本発明の食害防御用保護材は、基材として繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物も含む)、繊維又はプラスチックからなる紐状物からなるので、従来の金網ネット状物に比べて、はるかに軽くて持ち運びに便利であり、持ち運びの際に、柔らかいので、金網などより一層コンパクトにたたんで収納することも可能で、従って一度により多く持ち運ぶことができ、また取り付け作業、例えば樹皮を保護するために樹木の幹に巻きつけて固定するなどの際の作業が金網ほど力を必要とせず、金網などに比べてより楽にでき、金網ほど強度が強すぎることもなく樹木などの植物の成長を物理的に押さえつけて拘束することもないと言う優れた特徴を有する。しかもネット状物や紐状物を用いた場合には、日光や、空気、雨水などが遮断されることもなく、植物への悪影響も防止できる。ネット状物以外のシート状物を用いた場合でも繊維又はプラスチックからなるシート状物なので、紫外線などは比較的透過し易い。プラスチックフィルムなどは透明ないし半透明の物が多く、織物や編物は通常それほど厚くないので紫外線を透過しやすく、不織布は必要に応じて光が一部透過するような目付けのやや小さめのもので強度も考慮したものも適宜選定できる。
シート状物(ネット状物を含む)の場合で樹皮の食害を防ぐ目的の場合には、シート状物(ネット状物を含む)を樹木を食する動物の口が届く範囲の樹木の幹などに巻き付けて固定して用いるのが一般的である。この場合には、ネット状物を用いることが、日光や、空気、雨水などが遮断されることが少ないので好ましい。一方、紐状物の場合には、樹木を食する動物の口が届く範囲の樹木にスパイラル状にぐるぐると巻き付けて使用する使い方が一般的であるが、その時の巻き付け間隔、すなわち樹木が露出する間隔については、樹皮を食する動物の口が入らない程度にするとよいし、例えば、右螺旋状に巻いた上に反対の角度で左螺旋状に巻き重ねて、見た目が、格子状になるように巻き付けて使用してもよい。特に、1〜2年目の若くて、細く、まだ成長が十分でない背丈の低い幼齢木や苗木などには紐状物が適用しやすい。また、成長した大きな樹木でも食害を受けやすい低い位置の細い枝などにも紐状物が適用しやすい。もちろん、シート状物(ネット状物を含む)の方が、より取り付けが簡便で、取り付け時間も少なくなる点でより好ましい。
繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物を含む)又は紐状物を構成する素材としては、特に限定されず、繊維素材としては、木綿、毛、絹、麻などの天然繊維;レーヨン、アセテートなどの再生ないし半合成繊維;ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステル繊維;ビニロン繊維;アクリル繊維;ポリプロピレン繊維;ポリエチレン繊維などの合成繊維、プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)ないしポリブチレンテレフタレート(PBT)などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニリデン樹脂(PVDC);ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などのポリアミド樹脂(PA)などが用いられるが、特に、生分解性樹脂からなる基材でネット状物又は紐状物を構成しておくと、本発明の保護材を樹木に取り付けて放置したままでも生分解し、また、本発明の保護材を取り替える際の廃棄する保護材の処理においても廃棄や焼却の際に環境汚染が少なく好ましい。
生分解性樹脂としては、脂肪族ポリエステル系重合体又は脂肪族ポリエステルアミド系共重合体からなる生分解性樹脂が好ましく、ポリ乳酸、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、カプロラクトンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体が好ましい。これらの生分解性樹脂は、生分解性樹脂のなかでは、比較的強度の大きい基材を作成することができ好ましい。
繊維又はプラスチックからなるシート状物としては、上記のような素材を用いた、布類(不織布、織物、編物)やフィルム、ネット状物などが挙げられ、ネット状物としては、いわゆるプラスチックネットと称される(蜜柑の小売りの際の袋状ネット状物などに用いられている)回転口金から溶融ポリマーを押し出しながら直接製網して得られるネット状物、基材が繊維からなり、繊維を織ってないしは編んでネット状物とした物などが使用され、基材が繊維からなるネット状物であるものが強度の上からも好ましく、特に繊維編物からなるネット状物は、伸縮性が大きいので、携帯する場合にはコンパクトに収納でき、嵩張らず、樹木などに取り付ける場合には、伸縮性が大きいので引っ掛かった場合などにおいても破けにくく、動物が噛んだ場合も、伸縮性があるので、伸縮性のないものに比べて噛み切りにくいので好ましい。ネット状物を構成する糸の太さは、食害防御用保護材をどのような形態とし、どのような目的で使用するかなど、食害防御用保護材の形態や使用態様によって異なるが、33〜1100dtexが好ましく、83〜330dtexがより好ましい。
ネット状物の場合には、ネットの目の大きさ(網目)も、食害防御用保護材をどのような形態とし、どのような目的で使用するかなど、食害防御用保護材の形態や使用態様によって異なるが、樹木の幹に巻きつけたり、円筒状物を枝に差し込んだり、形状が中空の略円錐台状である態様の保護材を幼齢木・苗木にかぶせて使用するような場合には、4〜36メッシュ/(2.54cm)2であることが好ましい。(2.54cm)2は1平方インチを意味しており、1平方インチ当たり、つまり2.54cm×2.54cmの面積中に何個の網目が存在するかを示した値であり、数値が小さいほど1個の網目の広さ(面積)が大きく、数値が大きいほど網目が小さくなる。このメッシュ/(2.54cm)2の数値は、通常の状態で測定する。通常の状態は、製造したネット状の保護材に特にテンションなどがかかっていない状態である。ネット状物が意図的に網目を縮めて保存されているような場合には、通常の状態に戻した状態で測定する。あまりにネット状物の網目が小さい場合には、生分解性樹脂からなるバインダーを塗布する場合に網目がふさがれてしまうおそれがあり、日光や、空気、水などの透過性が低下するおそれがある。あまりに網目が大きすぎる場合には、網目の開口部から、樹皮などをかじりとられるおそれがある。ネットの目の大きさが、4〜36メッシュ/(2.54cm)2の範囲では、日光や、空気、水などの透過性が低下することもなく、樹皮をかじりとられるおそれもなく極めて安全な範囲であり好ましい。尚、ネット状物の形状が小片シート状である態様のものや、略円筒状である態様のものを紐などで樹木の枝などに吊り下げて使用する態様の場合には、日光や、空気、水などの透過性はあまり問題にならないので、上記の場合より更に細かい網目のネット状物を使用することも出来る。
特に限定するものではないが、ネット状物1m2当たりの重量で(いわゆる目付け)30〜500g/m2のものが好ましく、40〜60g/m2のものがより好ましい。ネット状物におけるネットの目の形は、6角形、4角形、その他の多角形など本発明の目的が達成しうる限り任意である。
シート状物として不織布などを用いる場合には、特に限定するものではないが、1.3〜166dtex、好ましくは3.3〜22dtexの繊維を用いた不織布が好ましく、目付けは目的に応じて適宜選定すればよく、好ましくは30〜300g/m2、より好ましくは50〜100g/m2のものが好ましい。
紐状物を用いる場合には、その太さとしては特に限定するものではないが、直径で1〜20mmの範囲が好ましい。尚、扁平な紐状物の場合には、それを丸めた状態で太さを測定すればよい。紐状物としては、撚り紐、組み紐、編み紐、織り紐、スリットフィルム状物からなる紐、ガット状の紐などが挙げられる。
かかる基材に前記有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル、及び/又は、前記有害動物用の忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子を固着させるに使用する生分解性樹脂としては、前記基材の素材のところで説明したと同様の生分解性樹脂が好ましく用いられる。
基材に前記生分解性樹脂バインダーを塗布する場合には、生分解性樹脂の水性エマルションが好適に用いられる。特に限定するものではないが、通常、適宜の濃度に調整した生分解性樹脂の水性エマルション中に基材を浸し引き上げる、いわゆるディッピング法で容易に塗布可能であるが、これに限定されるものではなく、基材に前記生分解性樹脂バインダーを塗布できる方法であれば、吹き付け、ローラー塗布、刷毛塗り、その他特に限定されない。ディッピング法の場合などは、適宜マングルなどを通して絞り、生分解性樹脂の水性エマルションの付着量を調整することもできる。
生分解性樹脂の水性エマルションの濃度も、生分解性樹脂の種類や、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の基材への付着量などによっても異なるが、含有固形分濃度で30〜70重量%に調整して使用することが好ましい。あまりに固形分濃度が高すぎると、粘度が大きくなりすぎて、生分解性樹脂バインダーを基材に塗布するなどの作業性が低下しやすくなる傾向になり、あまりに固形分濃度が薄すぎると、粘度が小さくなりすぎて、基材へ塗布した際の歩留まりが低下して、十分な量を塗布しにくくなる傾向や、あるいは、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の実質上すべてが、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれてしまっている状態になる場合もあるし、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の固着力が低下する恐れもある。上記の範囲はこれらの問題の生じない好適なバインダー固形分濃度の目安となる。
前記生分解性樹脂バインダーの塗布量は特に限定するものではなく、基材の種類、太さ、ネット状物の場合には、ネットの目の大きさ(網目の大きさ)、固着させるマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の量などによって異なるので、本発明の目的が達成できる範囲で任意に選定すればよい。
ネット状物の場合には具体的には、生分解性樹脂バインダー固形分で25〜150g/m2が好ましく、40〜95g/m2がより好ましい。尚、ここで言うm2当たりの塗布量は、ネット状物の場合には、ネットの網目の空間も含めた面積を基準にしている。ネット状物以外のシート状物の場合にも、完全にシート状物表面をバインダーで覆い尽くすことは必ずしも必要ではなく、一部未塗布の部分があってもよい。尚、このようにネット状物以外のシート状物の場合における生分解性樹脂バインダーの塗布量は、生分解性樹脂バインダー固形分で25〜200g/m2が好ましく、40〜130g/m2がより好ましい。また、基材が紐状物の場合には、紐状物の太さや種類によってかなり異なるが、具体的には、生分解性樹脂バインダー固形分で1〜50g/mが好ましく、3〜40g/mがより好ましい(紐状物の場合には、長さ当たりの生分解性樹脂バインダー固形分付着量とした)。
生分解性樹脂バインダーがあまりに少なすぎて、忌避剤有効成分を含有するマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が、ぽろぽろ剥がれ落ちてしまわない程度以上であればよく、コストを安くするには、剥がれ落ちない程度以上の量で、なるべく少な目に使用することが好ましいが、これに限定されるものではない。あまりに生分解性樹脂バインダーの量が多すぎて、保護材が剛直になり過ぎて折りたたんだり巻き取ったりする際に取り扱いにくくなったり、ネット状物を基材に用いた場合にネットの網目が詰まってしまったりするほど無理に塗布する必要性やメリットも特にない。
有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセルの壁膜を構成する樹脂については、芯物質として前記忌避剤またはその希釈液を保持できるものであれば特に限定はなく、マイクロカプセルの壁膜として用いられている各種の熱可塑性樹脂、熱硬化樹脂等が挙げられる。
マイクロカプセルの壁膜を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂(PST樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂など)、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など)、(メタ)アクリル系樹脂(アルキルアクリレート重合体、アルキルメタクリレート重合体など)、ポリアクリロニトリル、熱可塑性ポリエステル樹脂(PET、PBTなど)、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンおよびポリフェニレンサルファイド樹脂が挙げられ、また熱硬化樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂および尿素樹脂等が挙げられる。ポリアクリロニトリル、(メタ)アクリル系樹脂、これらの共重合体、塩化ビニリデン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などが好ましい。
マイクロカプセルの大きさも特に限定はなく、通常の大きさの2μm〜1000μm程度、より好ましくは4〜100μm程度の大きさのものが用いられる。
また、樹木を食する動物用の忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子を用いる場合には、その大きさも特に限定はなく、本発明の目的が達成される範囲のものであれば良く、2μm〜1000μm程度の大きさのものが好ましく用いられるが、この範囲に限定されるものではない。
多孔質微粒子としては、セラミック系(例えば多孔質シリカ微粒子、中空ボール状の多孔質シリカ微粒子、天然又は合成のゼオライト微粒子など)、火山灰系、その他の無機系またはカーボン系その他任意の多孔質微粒子を使用できるが、セラミック系や火山灰系などの無機系の多孔質微粒子が好ましい。尚、中空ボール状の多孔質シリカ微粒子とは、多数の細かいシリカ微粒子で中空ボール状の微細球状物を形成したもので、中空ボール状の微細球状物を形成している多数の細かいシリカ微粒子からなる壁に細かいシリカ微粒子同士間の僅かの間隙が設けられ、多孔質となっているものであり、市販もされている。また、石油コークスやヤシ殻等の原料から製造される半径が10-6〜10-5mmの細孔を無数に有し、細孔容積が例えば約0.5〜2ml/gと大きく比表面積も例えば約2000〜3000m2/gと非常に大きな微細な連続気孔を有するカーボン系多孔質微粒子も使用可能である。
これらのマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、高圧静電界における静電気を利用して基材表面に固着させることもできる。火山灰系の多孔質微粒子は、火山の爆発により火山灰が空中に噴出された際の高熱で、溶融状態の火山灰中から揮発性成分が放出され、温度低下により固化することにより、揮発性成分が放出された放出路が、微多孔となったものとされており、いわゆる軽石の生成とほぼ同様の原理で微多孔質となったものである。かかる火山灰は、粒径が大きいものも含まれるので、粒度を調整したものが、多孔質微粒子として用いられている。特に、無機系の素材からなる多孔質微粒子が好ましく、火山灰系の多孔質微粒子は、比較的安価でもあり、セラミック系の多孔質微粒子も含めて、動物が餌として大量に食するというようなことがない限り動植物に無害であり、地球環境を汚染する恐れもなく極めて好ましい。
また、用いられる有害動物用の忌避剤としては、唐辛子、わさび、芥子、胡椒、などの香辛料又はこれらの辛味成分(抽出物や、合成品)など天然植物由来のものが、動物に無害であり、地球環境を汚染する恐れもなく好ましく、唐辛子中に含まれる辛味成分のカプサイシン類は、きわめて辛味が強く、臭いも強めであり、動物に無害であり、地球環境を汚染する恐れもなく特に好ましい。カプサイシン類などの辛味成分は、化学的に合成されたものも、動物や環境に悪影響を与えないものであれば用いることが可能である。通常は、これらの香辛料の辛味成分の抽出物やその化学合成品が好適に用いられる。これらは、必要に応じて、適宜、溶媒で希釈して用いてもよい。希釈溶媒としては、例えば、エチルアルコール、メチルアルコール、へキサン、キシレン、プロピオン酸エステルなどが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
前記忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル及び/又は前記忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子をシート状物(ネット状物を含む)または紐状物からなる基材に固着させる方法としては、例えば、基材にバインダーとなる生分解性樹脂水性エマルションを塗布し、バインダーが乾かないうちに、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子をシート状基材表面に散布して固着させる方法などが挙げられる。生分解性樹脂バインダー層に埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)が50%(個数%)以上となるようにするには、基材にバインダーとなる生分解性樹脂水性エマルションを塗布した後、すぐ前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子を散布することが好ましい。塗液として用いた生分解性樹脂エマルションの塗布時の粘度、塗布後の環境湿度や温度にもよるが、塗布したバインダーが乾き始めて粘度が上昇すると、バインダー層に埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)を50%(個数%)以上となるようにすることが困難になるので、塗布した後、どの程度の時間経過までに散布すればよいかは、実験により容易に決定できる。通常は、基材にバインダーを塗布した後、すぐ前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子を散布することが好ましい。また、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子を、静電吸着により固着させてもよい。前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子に静電気を帯びさせて、静電塗装や電気植毛と同様の原理による静電吸着により前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子をバインダーが塗布されている基材に固着させることもできる。
尚、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の固着は、必ずしも基材裏表など全面に固着させることは必要ではなく、必要なら片面のみでもよい。その場合には、樹皮保護用に樹木の幹に巻きつける場合や、前記略円筒状の形態や中空の略円錐台状の形態の保護材の場合には、前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が固着した面が、外側になるようにすることが好ましい。
尚、バインダー層に埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合を調整する手段として、必要に応じて、前記忌避剤を含有するマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の一部を、あらかじめバインダーである生分解性樹脂エマルションに混合しておいてバインダーを基材に塗布し、その後、残りの前記忌避剤を含有するマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子をバインダーに固着するようにふりかけて散布する方法も必要に応じて採用してもよい。
また、目的が達成できる限り、前記忌避剤を含有するマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の全部を、あらかじめバインダーである生分解性樹脂エマルションに混合しておいてバインダーを基材に塗布する方法は、行程が簡略化でき好ましい方法の1つである。
塗布方法は、特に限定するものではないが、バインダーである生分解性樹脂エマルション中又は前記忌避剤を含有するマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が混合された生分解性樹脂エマルション中に基材を漬けて、引き上げる所謂ディッピング法が効率がよい。
前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、その全個数の内の一部の個数のものが、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しており、残りの前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていて、前記埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)は、50%(個数%)以上であればよく、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の全量(個数)に対し50〜98%(個数%)が好ましい。この範囲とすることにより、本発明の保護材を用いる場合に、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が少しでも存在することにより、保護材を取り付けた場合に、直ちに又は比較的短時間の内に、食害防御効果(有害動物への忌避効果)を発揮することができる。しかも、かかるマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の実質上大部分が、前記生分解性樹脂バインダー層の表面に露出している場合には、風雨、日光、気温変化などにより、比較的短期間で忌避剤有効成分が分解したり、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子から忌避剤有効成分がにじみ出し、あるいは蒸発などにより消失したり、動物の食べようとする試み(即ち、足などによる引っ掻きやこすりなどの動作により保護材を除去しようとするしぐさ)などにより失われ易くなるが、50%〜98%(個数%)が生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていることにより、徐々に、生分解性樹脂バインダー層が分解していくので、約1〜3年もしくはそれ以上の比較的長期間にわたって食害防御効果を発揮することができ好ましい。最低でもマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の2%(個数%)以上が生分解性樹脂バインダー層の表面側に露出していれば、保護材を取り付けた場合に、直ちに又は比較的短時間の内に、食害防御効果を発揮することができ好ましい。
生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子と少なくともその一部がバインダー層の表面側に露出しているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合は、得られた食害防御用保護材を基材の厚み方向にカットすることにより生じた断面を電子顕微鏡で観察し、写真でそれぞれの個数を数えて算出する。サンプルの5箇所(必要ならそれ以上の箇所を測定しても良い)を上記方法で測定し、その平均値をもって生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子と少なくともその一部がバインダー層の表面側に露出しているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合とする。電子顕微鏡で観察する場合の倍率は、用いたマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の大きさ、基材の太さなどにより適宜観察しやすい倍率を選定すればよいが、通常、100倍程度がよい。バインダー層の厚みが大きく、1箇所1回の撮影で、バインダー層の表面から内部の基材に接する部位まで入りきれない時は、スキャンして2回以上に分けて2つ以上の写真を撮影しそれらを含めて測定し、1箇所のデータとすればよいが、測定可能であれば、電子顕微鏡で観察倍率を小さくして写真撮影するか、必要に応じて更にその写真を引き伸ばして測定してもよい。尚、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が、前記生分解性樹脂バインダー層の表面に一部が露出しているとは、電子顕微鏡写真の観察において、微粒子の一部がバインダー層の表面より突出して存在しているものはもとより、それだけではなく、微粒子のほとんどの部分がバインダー層中に埋没しているが当該微粒子の少なくとも一部がバインダー層の外側表面に接しているものを含める。なお、電子顕微鏡で観察では、前記微粒子がバインダー層の表面より外側に突出して存在している場合で、当該微粒子の突出している部分の外側にかなり薄いバインダーコート層が存在する場合もあるが、そのような微粒子は、バインダー層の表面に露出している微粒子としてカウントすればよい。
また、マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の基材へのトータルの固着量は、本発明の目的が達成される限り特に限定はないが、ネット状物以外のシート状物の場合には、2〜65g/m2の範囲が好ましく、5〜20g/m2がより好ましい。特にネット状物の場合には2〜50g/m2の範囲が好ましく、5〜15g/m2がより好ましい。また、紐状物の場合には、紐の太さによってかなり異なるが、0.1〜5g/mの範囲が好ましく、0.3〜2g/mがより好ましい。
上記、本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(ネット状物を含む)であって、形状がシート状である態様のものは、シート状物(ネット状物を含む)を樹木の樹皮を食する動物の口が届く範囲の樹木の幹などに巻き付けて固定して用いることができる。この場合に、シート状物(ネット状物を含む)の大きさは、それぞれの樹木の幹の太さによって、当該樹木の幹を一周する程度の大きさにカットして用いる。高さは、鹿などの樹皮を食する動物の口が届く範囲より少し高めになるような大きさとすればよい。シート状物がネット状物からなるシート状物は、太陽光や、空気、水分、などの透過性が優れており極めて好ましい。樹木の幹への固定の方法は任意であるが、通常、当該シート状物(ネット状物を含む)を樹木の幹に巻き付けて、シート状物(ネット状物を含む)の一方の縁と他方の縁同士を適宜の紐や糸状物によって絡めて固定(縫合する場合も含む)する方法が好適であるが、幹に巻きつけたシート状物(ネット状物を含む)の上から、適宜の紐状物を巻きつけて縛って取り付けてもよい。
次に、幼齢木・苗木の芯芽などの食害防御用保護材に好適な態様を、図1〜図2を用いて説明する。
図1が、基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が中空の略円錐台状に形成されている態様の食害防御用保護材の斜視図であり、図2は、それを幼齢木又は苗木に取り付けた状態を示しており、図2(a)が40cmから60cm位の高さの幼齢木又は苗木を植樹した段階、図2(b)が当該幼齢木又は苗木が約140cm〜160cmに成長した段階を示している。
図1、図2において、1が基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が中空の略円錐台状に形成されている態様の食害防御用保護材であり、2が樹木に固定するための取り付け用の紐を示している。4が幼齢木又は苗木、6は地面である。5が幼齢木又は苗木4の芯芽のある部分である。図2(a)に示すように40cmから60cm位の高さの幼齢木又は苗木4を植樹した段階で、中空の略円錐台状の食害防御用保護材1の上方の開口部3のところに、芯芽5が位置するように、食害防御用保護材1を幼齢木又は苗木4にかぶせて固定用の紐2などで適宜の枝などに結びつけて固定しておく。こうすることによって芯芽やその近辺の新芽を動物に食べられることなく図2(b)に示されるように樹木が成長し、約140cm〜160cmに成長した段階で、鹿などが届かなくなるまで芯芽が守られて成長することができる。
中空の略円錐台状である態様の食害防御用保護材1の大きさは、幼齢木又は苗木4の大きさに適合する大きさにすればよい。特に限定するものではないが、例えば幅13〜20cm、長さ25〜40cmぐらいのシート状のネット状物から、図1に示すような中空の略円錐台状の食害防御用保護材1を形成する。基材としては上述したネット状物が好ましいが、布類(不織布、編物、織物)や光を透過しやすい透明又は半透明なプラスチックフィルムとすることも可能である。不織布としては必要に応じて太陽光がある程度透過する薄手のもので強度も考慮して厚み(目付け)を適宜選定するとよい。この点を考慮した場合の不織布の目付けとしては、50g/m2〜100g/m2の範囲が特に好ましい。
次に、幼齢木・苗木の芯芽などの食害防御用保護材に別の態様を、図3〜図4を用いて説明する。
図3が、基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が筒状(この例では略円筒状)に形成されている態様の食害防御用保護材の斜視図であり、図4は、それを幼齢木又は苗木に取り付けた状態を示している。
図3、図4において、10が基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が略円筒状に形成されている態様の食害防御用保護材であり、2が樹木に固定するための取り付け用の紐を示している。
図3、図4に示した態様は、図1、図2に比べて、若干小さめの略円筒状の食害防御用保護材10として、幼齢木又は苗木4の主に芯芽部分のみ保護しようとする態様である。その他の点は、図1、図2の態様とほぼ同様であるので重複説明は省略した。前述した様に、いったん芯芽を食べられるとその苗木の上方向に向かう成長が止まるが、成長過程の芯芽を鹿などの口が届かなくなるまでの約3年くらいの間、芯芽を食害防御用保護材10の忌避作用により守る。芯芽以外の側面の新芽は多少食べられても木の成長にはあまり影響を及ぼさないので、図3、図4に示した態様も、幼齢木・苗木の芯芽の食害防御用保護材として有用である。
略円筒状の食害防御用保護材10の大きさも、幼齢木又は苗木4の芯芽のある部分の大きさに適合する大きさにすればよい。尚、基材としては上述したネット状物が好ましいが、布類(不織布、編物、織物)や光を透過しやすい透明又は半透明なプラスチックフィルムとすることも可能である。不織布としては不織布太陽光がある程度透過する薄手のもので強度も考慮して前述の如く適宜厚み(目付け)を選定するとよい。
次に、梅ノ木などは枝の剪定後、新しい枝が成長し2〜3年後その枝に梅の実が生るが、新しい枝に茂る新葉を食べる被害、ならびに、鹿などは新葉を食べるために枝を折ってしまう被害を防止するのに好適な態様の一例を、図5、図6、図7を用いて説明する。
図5は、かかる食害防御用保護材の一実施の形態例の正面図である。図5に示した食害防御用保護材11は基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物(図示したものはこの場合ネット状物)からなり、形状が短冊形(長方形)のものである。12は、枝に吊り下げるための紐状物である。食害防御用保護材11の形状は、図示したものに限られるものではなく小片シート状であれば、他の任意の形状(他の形状の多角形、丸型、楕円型、その他)であってもよい。また、素材シートもネット状物である必要はなく、布類(不織布、編物、織物)やプラスチックフィルムのものを用いてもよく、特にこの場合には、不織布やプラスチックフィルムがコストを安くでき好ましい。
かかる食害防御用保護材11は、図7に示すように、紐12で鹿などの動物が届きそうな梅の木などの樹木15の適宜の枝16などに吊り下げられて使用される。例として1本の梅の木に15cm×10cmの大きさの短冊型の保護材を5〜10枚吊り下げると鹿などを寄せ付けない忌避効果が認められる。
図6は、上記と同様な樹木15に使用する場合の食害防御用保護材の別の一実施の形態例の斜視図である。この食害防御用保護材は、基材がネット状物で形状が筒状(この例では略円筒形状)に形成されている食害防御用保護材13であり、図7に示すように枝16などから更に発生する小枝17などに差し込んで使用することもできる。尚、元枝16に差し込んで使用できる場合には使用してもよい。元枝16には、シート状の保護材を元枝16に巻きつけてからその両側の縁を結合して枝上で直接筒状に形成してもよい。
尚、基材としては上述したネット状物が好ましいが、布類(不織布、編物、織物)や光を透過しやすい透明又は半透明なプラスチックフィルムとすることも可能である。不織布としては太陽光がある程度透過する薄手のもので強度も考慮して前述の如く適宜厚み(目付け)を選定するとよい。
また、図示していないが、円筒状物に紐をつけて短冊形保護材11と同様に適宜の枝にぶら下げて使用してもよい。この場合には、日光や、空気、雨水などの透過性などを考慮する必要がないので、基材として、コストの安い各種の不織布やプラスチックフィルムを使用することもできる。
図8に本発明の食害防御用保護材において、基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物であって、形状が長い帯状である態様の食害防御用保護材の使用態様を示した。成長した樹木(柿、桃、梨、林檎等)の果実などを猿や鳥類による食害から防ぐ場合に好適に用いられる態様の一つである。
図8において、20が基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなる本発明の長い帯状の形態の食害防御用保護材である。6は地面、21が果実などの生る樹木を示している。
図8に示したように、果実などの生っている成長した樹木21の枝から枝に帯状の食害防御用保護材20を樹木の枝外側を巻くように張り巡らせて、適宜の部位で紐(図示せず)などで枝に結び付けて取り付けたものである。このような態様とすることにより、長い帯状のネット状物に含まれる忌避材の臭いにより、猿や鳥類が近づくのを防止することが出来、果実を猿や鳥類による食害から防止しようとする態様である。
帯状のネット状物の幅は、樹木の大きさなどによっても異なり、特に限定するものではないが、通常、8〜30cm程度が好ましく、より好ましくは10〜20cm程度である。尚、基材としては上述したネット状物が好ましいが、布類(不織布、編物、織物)や光を透過しやすい透明又は半透明なプラスチックフィルムとすることも可能である。不織布としては太陽光がある程度透過する薄手のもので強度も考慮して前述の如く適宜厚み(目付け)を選定するとよい。
また図8において、22で示したように円筒状のネット状物からなる本発明の食害防御用保護材22を更に幹の下の方に取り付けておいても良い。この円筒状のネット状物22は、野ネズミやイノシシなど比較的背丈の小さい動物を忌避する上で有効である。この場合も、基材としては上述したネット状物が好ましいが、布類(不織布、編物、織物)や光を透過しやすい透明又は半透明なプラスチックフィルムとすることも可能である。不織布としては不織布太陽光がある程度透過する薄手のもので強度も考慮して上記の如く厚み(目付け)を選定するとよい。
また、上記で説明した本発明の保護材の各種の態様のものを適宜組合せて使用することもできる。
基材として、165dtexのポリ乳酸からなる生分解性の糸でネット状物を編み(ネットの目の大きさ:16メッシュ/(2.54cm)2、目付け約50g/m2)、このネット状物をポリ乳酸からなる生分解性樹脂の水性エマルション(固形分50重量%)からなるバインダーに浸漬して、前記エマルションを約100g/m2(従って、ポリ乳酸からなる生分解性樹脂の付着量は、固形分で約50g/m2)塗布してネットの表面を被覆し、次いで直ちにカプサイシン原液[オレオレジン・カプサイシン(Capsicum oleoresin)の結晶濃度が2.5wt%の原液]を含浸させた多孔質火山灰からなる無機質の多孔質微粒子を、上記バインダーを塗布したネット状基材上に散布により約10g/m2の割合で固着させ、乾燥させた。この時前記多孔質微粒子は、5箇所の電子顕微鏡100倍での断面写真から測定して、その平均値から約97%(個数%)がバインダー樹脂層の中に埋没していた。
以上の条件で生産された本発明の樹木の食害防御用保護材(樹皮保護ネット)は、樹木の幹に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
生産性は非常によく、最終製品の重量も約100g/m2前後であり非常に軽く、植林地での足場の悪いところでも作業性が非常によい。また、はさみ等で簡単にカットできるので、木の太さによりその場で必要量をカットして使用でき無駄が無く効率的である。
基材として、550dtexの生分解性ポリ乳酸長繊維多数本からなるロープ状に仕上げた太さ(直径)10mmの撚り紐を用い、この撚り紐をポリ乳酸からなる生分解性樹脂の水性エマルション(固形分50重量%)からなるバインダーに浸漬して、前記エマルションを約10g/m(従って、ポリ乳酸からなる生分解性樹脂の付着量は、固形分で約5g/m)、塗布して撚り紐の表面を被覆し、次いで直ちにカプサイシン原液[オレオレジン・カプサイシン(Capsicum oleoresin)の結晶濃度が2.5wt%の原液]を含浸させた多孔質火山灰からなる無機質の多孔質微粒子を、上記バインダーを塗布したネット状基材に静電吸着により約1g/mの割合で固着させ、乾燥させた。この時前記多孔質微粒子は、5箇所の電子顕微鏡100倍での断面写真から測定して、その平均値から約97%(個数%)がバインダー樹脂層の中に埋没していた。
以上の条件で生産された本発明の樹木の食害防御用保護材(樹皮保護ネット)は、樹木の幹に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
生産性は非常によく、最終製品の重量も約37.7g/m前後であり非常に軽く、植林地での足場の悪いところでも作業性が非常によい。この紐状物は、目的とする樹木に3〜5cmの間隔を開けてスパイラル状に巻き付けて使用した。はさみ等で簡単にカットできるので、巻き付けた後、その場でカットして使用でき無駄が無く効率的である。
かかる紐状物の場合には、太い樹木の幹に対して巻き付けて使用することもできるが、特に、若くて、比較的細く、まだ成長が十分でない低い樹木などや、また、成長した大きな樹木でも食害を受けやすい低い位置の比較的細い枝などには枝が曲がっていることもあり、紐状物が適用しやすかった。
実施例1で得られたシート状のネット状食害防御用保護材を幅15cm長さ30cmの長方形状にし、これを用いて、図1で説明したような中空の略円錐台状である態様の食害防御用保護材1の形状に仕上げ、図2に示したと同様にして、食害防御用保護材1の上方の開口部3のところに、芯芽5が位置するように50cmほどの檜の苗木に被せ、固定用の紐2で枝に結びつけて固定して使用した。取り付け作業は簡単で、植林地での足場の悪いところでも作業性が非常によかった。
本発明の上記樹木の食害防御用保護材は、樹木に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
実施例1で得られたシート状のネット状食害防御用保護材を幅10cm長さ15cmの短冊状(長方形状)にし、図5に示したようにこれにぶら下げ用の紐12を取り付けて図5で説明したような食害防御用保護材11の態様に仕上げた。また、図6に示したように前記幅10cm長さ15cmの短冊状(長方形状)の保護材を用いて丸めて、重なった部分を止めることにより略円筒状物の食害防御用保護材13の形状にしたものも用意した。図7に示したと同様にして、短冊状(長方形状)の食害防御用保護材11を紐12で鹿などの動物が届きそうな梅の木の樹木15の枝16に吊り下げた。また、略円筒状物の食害防御用保護材13も枝16から更に発生している小枝17に差し込んで使用した。
取り付け作業は簡単で、作業性が非常によかった。本発明の上記樹木の食害防御用保護材は、樹木に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
実施例1で得られたシート状のネット状食害防御用保護材を図8に示したように15cm幅の長い帯状の形状の食害防御用保護材20とし、図8に示したように、柿の実が生っている樹木21の枝から枝に帯状の食害防御用保護材20を樹木の枝外側を巻くように張り巡らせて、ところどころ紐(図示せず)で枝に結び付けて取り付けた。
取り付け作業は比較的簡単で、作業性が非常によかった。本発明の上記樹木の食害防御用保護材は、樹木に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、猿や鳥類等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
実施例1で得られたシート状のネット状食害防御用保護材を幅10cm長さ15cmの長方形状にカットし、これを用いて、図3で説明したような略円筒状である態様の食害防御用保護材10の形状に仕上げ、図4に示したと同様にして、食害防御用保護材10を50cmほどの杉の苗木に、その芯芽5が存在する位置を囲むように差込み、固定用の紐2で幹に結びつけて固定して使用した。取り付け作業は簡単で、植林地での足場の悪いところでも作業性が非常によかった。
本発明の上記樹木の食害防御用保護材は、樹木に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
基材として、3.3〜10dtexのポリ乳酸からなる生分解性繊維(前記太さの短繊維混合物)からなる不織布(目付け約50g/m2)、をポリ乳酸からなる生分解性樹脂の水性エマルション(固形分50重量%)からなるバインダーに浸漬して、マングルで絞り、前記エマルションを約125g/m2(従って、ポリ乳酸からなる生分解性樹脂の付着量は、固形分で約62.5g/m2)塗布してネットの表面を被覆し、次いで直ちにカプサイシン原液[オレオレジン・カプサイシン(Capsicum oleoresin)の結晶濃度2.5wt%の原液]を含浸させた天然ゼオライト(福井市川西地域産のモルデナイトゼオライト凝灰石)からなる無機質の多孔質微粒子を、上記バインダーを塗布したネット状基材上に散布により約12.5g/m2の割合で固着させ、乾燥させた。この時前記多孔質微粒子は、5箇所の電子顕微鏡100倍での断面写真から測定して、その平均値から約97%(個数%)がバインダー樹脂層の中に埋没していた。
得られたシート状の食害防御用保護材を幅10cm長さ15cmの短冊状(長方形状)にし、図5に示したネット状物に代えて、図7に示した態様で使用した。即ち、図5に示した短冊状ネット状物の場合と同様に、この短冊状物にぶら下げ用の紐12を取り付けて図5で説明したような食害防御用保護材11とほぼ同様の態様に仕上げた。
図7に示したと同様にして、短冊状(長方形状)の食害防御用保護材を紐12で鹿などの動物が届きそうな梅の木の樹木15の枝16に吊り下げた。また、その他、柿木などの果実のなる木の枝にもぶら下げて使用した。
取り付け作業は簡単で、作業性が非常によかった。本発明の上記の食害防御用保護材は、樹木に取り付け作業をする人間には苦痛を感じるレベルではないが、鹿、猿、鳥等の動物には臭覚・味覚の上で忌避効果は非常に大きい。
本発明の食害防御用保護材は、食害防御用保護材としての機能にも優れ、しかも、軽くて持ち運びに便利であり、持ち運びの際に、金網などに比べてより一層コンパクトに収納することも可能で、且つ取り付けの際の作業が金網などに比べてより容易であり作業性がよく、樹木などの植物の成長を物理的に押さえつけることもなく、しかもバインダー樹脂層の中に埋没していたマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が次々と現れ比較的長期にわたり、動物忌避作用が保たれ、また、不要になった場合には簡単に取り外すことができ、有害動物による食害防御用保護手段としてはまさに画期的な優れた食害防御用保護材を提供できる。
更に本発明の、好ましい態様においては、上記の機能に加え、取り付けがより簡単な食害防御用保護材を提供出来る。
また、本発明の、好ましい態様においては、更に、食害防御の対象となる動物や、保護対象とする植物などへの悪影響が少なく、地球環境の汚染も少ない優れた食害防御用保護材を提供できる。特に、基材の素材も生分解性樹脂からなる基材を用いた場合には、その場に放置するか土中に埋めるかすると自然に分解することから 処理の手間が無く環境にも影響を与えない画期的な優れた樹木の食害防御用保護材を提供できる。
したがって、本発明の食害防御用保護材は、林業、農業分野や、山林、国立公園などの樹木、野菜、果物などに対する有害動物による食害防御用保護材として有効に用いられる。
基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が中空の略円錐台状に形成されている態様の食害防御用保護材の斜視図。 図1の食害防御用保護材を幼齢木又は苗木に取り付けた状態を示す図。 基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物からなり形状が略円筒状に形成されている態様の食害防御用保護材の斜視図。 図3の食害防御用保護材を幼齢木又は苗木に取り付けた状態を示す図。 本発明の食害防御用保護材の別の一実施の形態例の正面図。 本発明の食害防御用保護材の更に別の一実施の形態例の斜視図。 図5、図6の食害防御用保護材を樹木に取り付けた状態を示す図。 基材が繊維又はプラスチックからなるネット状物であって、形状が長い帯状である態様の食害防御用保護材の使用態様を示した図。
符号の説明
1 形状が中空の略円錐台状である態様の食害防御用保護材
2 紐
3 中空の略円錐台状の食害防御用保護材1の上方の開口部
4 幼齢木又は苗木
5 芯芽
6 地面
10 形状が略円筒状である態様の食害防御用保護材
11 食害防御用保護材
12 紐
13 略円筒形状の食害防御用保護材
15 樹木
16 枝
17 小枝
20 長い帯状の形態の樹木の食害防御用保護材
21 果実などの生る樹木
22 円筒状のネット状物からなる本発明の食害防御用保護材

Claims (18)

  1. 有害動物用の忌避剤を有効成分として内包するマイクロカプセル、及び/又は、有害動物用の忌避剤を有効成分として吸着した多孔質微粒子が、生分解性樹脂をバインダーとして、繊維又はプラスチックからなるシート状物、繊維又はプラスチックからなる紐状物から選ばれた基材に固着されており、一部の前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、前記生分解性樹脂バインダー層の表面にその少なくとも一部が露出しており、残りの前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子は、生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれていて、前記埋もれている前記マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の割合(個数)が50%(個数%)以上であることを特徴とする有害動物による食害防御用保護材。
  2. 基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物であって、前記シート状物がネット状物からなるシート状物である請求項1記載の食害防御用保護材。
  3. 基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物からなり、形状が長い帯状である請求項1又は2に記載の食害防御用保護材。
  4. 基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物からなり、形状が小片シート状である請求項1又は2に記載の食害防御用保護材。
  5. 更に吊り下げ用又は固定用の紐が取り付けられている請求項4記載の食害防御用保護材。
  6. 基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物からなり、形状が筒状に形成されている請求項1又は2記載の食害防御用保護材。
  7. 更に吊り下げ用又は固定用の紐が取り付けられている請求項6記載の食害防御用保護材。
  8. 基材が繊維又はプラスチックからなるシート状物からなり、形状が中空の略円錐台状に形成されている請求項1又は2記載の食害防御用保護材。
  9. 更に固定用の紐が取り付けられている請求項8記載の食害防御用保護材。
  10. 基材の材質が、生分解性樹脂からなる請求項1〜9のいずれかに記載の食害防御用保護材。
  11. ネット状物が繊維からなるネット状物である請求項2に記載の食害防御用保護材。
  12. ネット状物が繊維編物からなるネット状物である請求項2に記載の食害防御用保護材。
  13. ネット状物が、ネットの目の大きさが4〜36メッシュ/(2.54cm)2のネット状物である請求項2に記載の食害防御用保護材。
  14. 生分解性樹脂が、脂肪族ポリエステル系重合体又は脂肪族ポリエステルアミド系共重合体である請求項1〜13のいずれかに記載の食害防御用保護材。
  15. 生分解性樹脂が、ポリ乳酸、乳酸と他のヒドロキシカルボン酸との共重合体、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリブチレンサクシネート/アジペート共重合体、ポリヒドロキシブチレート/バリレート共重合体、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、カプロラクトンと他のヒドロキシカルボン酸との共重合体から選ばれた生分解性樹脂からなる請求項1〜13のいずれかに記載の食害防御用保護材。
  16. マイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子のうち生分解性樹脂バインダー層の内部に埋もれているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子が、植物の食害防御用保護材に用いられているマイクロカプセル及び/又は多孔質微粒子の全量(個数)に対し50〜98%(個数%)である請求項1〜15のいずれかに記載の食害防御用保護材。
  17. 有害動物用の忌避剤が、唐辛子、わさび、芥子、胡椒、又はこれらの辛味成分から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜16のいずれかに記載の食害防御用保護材。
  18. 有害動物用の忌避剤が、カプサイシン類である請求項1〜16のいずれかに記載の食害防御用保護材。
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