JP2007084483A - 土壌改良機能も有する動物忌避組成物及びその製造方法並びに使用方法 - Google Patents

土壌改良機能も有する動物忌避組成物及びその製造方法並びに使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹木や農作物を摂取した人や家畜の健康を害することがなく、しかも、高いコストをかけずに、長期間、害虫、害鳥、害獣等の動物から樹木、農作物等を守ることができ、かつ、これらの農作物等の植えられる場所の土壌改良も行う技術を提供する。
【解決手段】 動物忌避組成物1は、小径の造粒機能を有する所定の大きさのバインダに対して、単独又は複数種類の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を各別に破砕して所定の大きさにした後、単独又は複数種類のものを、混合、撹拌することで所定の大きさの顆粒状に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、害虫、害獣、害鳥等の動物が、森林において植樹された苗木や果樹等の保護対象の樹木のほか穀物、野菜、果実等の作物を栽培する農地や、これらの収穫物を貯蔵する倉庫等の保護領域に近づかないようにするための動物忌避組成物であると共に、これら動物忌避組成物が用いられる農地等の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物及びその製造方法並びに使用方法に関する。
現在、森林における苗木や果樹等の樹木に対する害虫や害獣による被害の対策が求められている。
また、稲作における米の品質低下の主な原因として、カメムシ類(シラホシカメムシ、オオトゲシラホシカメムシ、トゲシラホシカメムシ、ホソハリカメムシ、アカヒメヘリカメムシなど)やイネミズゾウムシによる被害を挙げることができる。
また、畑作においては、苗床に植えた苗がネキリムシにより被害を受けることがある。
これらの害虫に対する防御対策としては、殺虫剤等の農薬を散布する方法が一般に利用されている。例えば、特許文献1には、カメムシやイネミズゾウムシ等の防除に用いられる殺虫剤が開示されている。
一方、熊、猪、鹿等の害獣から農作物や樹木を保護するためには、農地や樹木の周囲をフェンスや有刺鉄線で囲む等の手段が取られている。
特許文献2には、この種の農地を囲むためのフェンスが開示されている。最近ではフェンスとして電気柵も用いられるようになっている。
なお、果樹等の樹木をカラス等の害鳥から保護するためには、果樹を1本ずつ防鳥ネットで覆う等の手段が講じられている。
特開2004−043504号公報 特開2004−024230号公報
しかしながら、害虫の予防に殺虫剤等の農薬を使用すると、土壌等の生活環境を汚染すると共に、作物に残留した場合には摂取した人や家畜の健康を害する可能性がある。
また、防鳥ネット、フェンス等は環境汚染等の問題は少ないが、設備が大がかりとなり、コストがかかるという問題がある。
また、電気柵の場合は防獣対策としては有効であるが、最近、この電気柵に子供が触れて大怪我をした事例も起きているため、安全面で問題のある手段といえる。
また、最近は農業人口が平均73歳といわれるように高齢化してきているため、施肥作業を軽減化し、農作業を少しでも能率良く行える方策が求められている。この点は、森林の管理を行う林業の場合にも言えることであり、山林の持ち主などの高齢化に伴い、軽量な器具、手段を用いて、簡易で有効な動物防御方法が求められている。
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、森林等の植林地、生活環境において、作物を摂取した人や家畜の健康を害することがなく、しかも、高いコストをかけずに、長期間、害虫、害鳥、害獣等の動物から作物を守ることができ、かつ、土壌改良機能も有するため、施肥作業も軽減できる土壌改良機能も備えた動物忌避組成物及びその製造方法並びに使用方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる土壌改良機能も備えた動物忌避組成物は、上記の目的を達成させるため、請求項1に記載のものでは、小径の造粒機能を有する所定の大きさのバインダに対して、単独又は複数種類の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を各別に破砕して所定の大きさにした後、単独又は複数種類のものを、混合、撹拌することで所定の大きさの顆粒状に形成するようにしたことを特徴とする。
なお、上記バインダーとハーブの絞り粕の混合比としては、請求項2に記載のように、バインダーをAとし、ハーブの植物精油の絞り粕をBとしとき、Bを単独で用いるときは、A:B=70〜50:30〜50の重量比とするのが適当である。
この場合、Bを複数種類用いるときは、請求項3に記載のように、Aと混合されるB全体の重量比を、A:B=70〜50:30〜50の重量比としたとき、B内の混合比としては相互に略均等の割合の重量比とするのが適当である。
また、上記バインダーとしては、請求項4に記載のように、ニームオイルの絞り粕(Neem Cake)(以下ニームケーキという)または、椰子(Coir又はPalm)の絞り粕あるいは、シナモンの絞り粕を用いるのが望ましい。
一方、バインダーに対して混合される上記の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕としては、請求項5に記載のように、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパー(Black Pepper)、椰子、ウコン(Turmeric)の各絞り粕の内、当該バインダーとして用いられていないものを選択して単独又は複数種類用いるのが望ましい。
この場合、請求項6に記載のように、前記のバインダーの径としては、略1mm〜4mmに形成するのが望ましい。
また、請求項7に記載のように、比較的繊維質の多い動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕や比較的繊維質の多いバインダーが用いられる場合には、前記混合、撹拌を行う前に、4mm〜5mm程度のふるい目のふるいを用いて所定大きさ以上のものを取り除いたものを用いるようにすることが望ましい。
なお、本発明にかかる土壌改良機能も備えた動物忌避組成物は、次のような使用形態が考えられる。即ち、一つは、基本的な使用方法で、請求項8に記載のように、前記のように生成した土壌改良機能も備えた動物忌避組成物を、顆粒状の固形状態で農地等の使用場所で撒布または、設置するようにした使用方法である。
また、他の一つは、請求項9に記載のように、前記のように生成した土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の内、表皮の乾燥度合いが比較的低いものを、水に溶かすことにより、溶液状態にした後、樹木や果実の幹などの適用場所に対して塗布または散布するようにした使用方法である。
請求項1に記載の動物忌避組成物を、森林の苗木や果樹等の樹木の根元のほか、農地に撒布することにより、バインダーやこれに混合した動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕から発する臭いにより、昆虫及び鳥獣等の動物の侵入を防ぐことができる。なお、この動物忌避組成物は3mm〜6mm程度の小径の顆粒状の固形物で、小形、軽量であるから、携帯に便利であり、作業者が高齢者であっても農地等の適用場所に迅速、的確に、撒布することができる。
この場合、刺激性の植物精油の絞り粕を単独または複数種用いた場合には、ネキリムシやカメムシ類等の害虫、熊、鹿、猪、モグラ等の害獣、カラス、スズメ等の害鳥に対して忌避作用が増強するので、これらの動物が保護対象の植林地や農地に入るのを防ぐことができる。
また、この動物忌避組成物を倉庫等の穀物類の収納場所近辺に適当な容器に収納して設置することにより、穀物類が収納された倉庫等に侵入しようとするコクゾウムシ等の害虫や、ネズミ等の害獣も忌避することができる。
なお、本発明の動物忌避組成物は、前記のように所定の大きさに破砕されたバインダーとハーブの植物精油の絞り粕とを混合、撹拌するだけの簡単な作業で容易に生成される上に、その構成成分は、バインダーとして使用するものも、これに混合されるものも、後述のように、ハーブの植物精油の絞り粕を主に使用するので、従来は廃棄しているものをリサイクルして活用できるため、原料を安価に入手できる。従って、最終製品を安価に製作することが可能であるため、最終ユーザーにも安価な製品を提供できる点でも従来の同種製品より優っている。
さらに、請求項1に記載の動物忌避組成物には、バインダーの構成要素および/またはハーブの植物精油の絞り粕の構成要素中に、有機性の肥料成分を有するので、農地などの屋外に撒布するものでは、雨水等により徐々に溶解し、土壌改良機能と動物忌避効果を発揮し、これらの機能を持続することができる。後述する遅効性のものを用いると、たとえば、2〜3ケ月程度の長い期間、土壌改良機能と動物忌避機能を持続できるので、施肥作業も軽減でき、防虫、防鳥、防獣対策も不要とできる。したがって、本発明の動物忌避組成物の頒布回数を減らし、作業者にかかる労力を軽減することが可能となる。
なお、本発明の動物忌避組成物の速効性や遅効性は動物忌避組成物の表皮(表面部分)の乾燥度合い(硬度)により定まるので、速効性を必要とする場合には、表皮の乾燥度合いが比較的少なめにしたものを用い、一方、遅効性を必要とする場合には、表皮の乾燥度合いが比較的大きめにしたものを用いればよい。
また、請求項2に記載したように、動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を単独でバインダに混合する場合の混合比を選択すると、適正な大きさ、適正な硬度を持つ土壌改良機能を備えた動物忌避組成物を生成することができる。
これは、請求項3に記載したように、動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を複数種類用いたものをバインダに混合する場合の混合比を選択した場合も同様である。
また、請求項4に記載のように、バインダーとして、ニームケーキを用いるようにすると、ニームケーキには、繊維要素も少ないために攪拌機での攪拌作業で容易に造粒機能を有するバインダーを生成することができるほか、有機性の肥料成分を有するので土壌改良機能も有し、且つ、ハーブとしての動物忌避機能も備えているから、動物忌避機能が助長される効果がある。従って、本発明のバインダーとしては最適のものといえる。
一方、シナモンの絞り粕の場合も、繊維要素が少ないために攪拌機での攪拌作業で容易に造粒機能を有するバインダーを生成することができるほか、ハーブとしての動物忌避機能の助長効果がある。
なお、椰子の絞り粕の場合は、繊維要素が多いので、破砕機で破砕した後、攪拌機での攪拌作業をする前に、篩いなどを用いて、所定長さ(例えば4mm〜5mm)以上の繊維部分を取り除くことで、造粒機能を有するバインダーを生成することができるほか、有機性の肥料成分を有するので土壌改良機能も有する効果がある。
また、請求項5に記載のように、バインダーに対して混合される上記の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕として、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパー、椰子、ウコンの各絞り粕の内、当該バインダーとして用いられていないものを選択して単独又は複数種類用いると、次の効果がある。
即ち、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパーの絞り粕の場合は、ハーブとしての動物忌避性が高いハーブの組み合わせとなるため、防虫、防鳥、防獣効果を高めることができる。
この内、とくに、シトロネラの絞り粕を用いた場合には、柑橘系の臭いが強くなるため、動物忌避効果は高いものの、人間にとっては不快な臭いではなく、使用者の負担が軽減される。
なお、これらの絞り粕が有機性の肥料成分を有するので土壌改良機能も併せ有する点は前述の通りである。
また、椰子、ウコンの各絞り粕を用いた場合は夫々、有機性の肥料成分を有するので土壌改良機能も併せ有するほか、ウコンは動物忌避機能(防虫効果)も併せ有する。
また、請求項6に記載したように、バインダーの径としては、略1mm〜4mmに形成すると、最終的な動物忌組成物の径の大きさを3mm〜6mmという適正な大きさのものに的確に生成することができる。
さらに、請求項7に記載したように、比較的繊維質の多い動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕や比較的繊維質の多いバインダーが用いられる場合には、前記混合、撹拌を行う前に、4mm〜5mm程度のふるい目のふるいを用いて所定大きさ以上のものを取り除いたものを用いるようにすると、本発明の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物を迅速、的確に生成することができる。
なお、本発明の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の使用方法としては、請求項8に記載のように、土壌改良機能も備えた動物忌避組成物を、顆粒状の固形状態で農地等の使用場所で撒布、設置するようにして使用すればよい。この場合は、農地などの撒布場所で、前記のように適切な動物忌避作用及び土壌改良作用を発揮できる。
また、請求項9に記載のように、本発明の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の内、動物忌避組成物の表皮の乾燥度合いが比較的低いものを、水に溶かすことにより、溶液状態にした後、樹木や果実の幹などの適用場所に対して塗布または散布することができるので、これらの使用場所に対する動物忌避作用を発揮することができる。
以下、本発明にかかる土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる土壌改良機能も備えた動物忌避組成物1の外観構造を示す平面図である。図1に示すように、本発明の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物1は、基本的には、小径の造粒機能を有する所定の大きさのバインダに対して、単独又は複数種類の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を各別に破砕して所定の大きさにした後、単独又は複数種類のものを、混合、撹拌することで所定の大きさの顆粒状に形成して構成すればよい。それで、これを請求項1に記載した。
このように構成した図1に示す動物忌避組成物1を、森林の苗木や果樹等の樹木の根元のほか、農地に撒布することにより、動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕から発する臭いにより、昆虫及び鳥獣等の動物の侵入を防ぐことができる。
また、バインダーとしてニームケーキのような土壌改良機能を有するものを農地に撒布した場合では、土地の土壌が改良される。
このように、本発明の動物忌避組成物1では、土壌改良作用があるので、その散布状況や土壌の改良状態を見て、施肥作業を軽減することが可能である。
ハーブの植物精油の絞り粕としては、1種のみを単独で使用してもよいが、複数のものを使用した方がハーブによる動物忌避効果が増強するので効果的である。
ハーブの植物精油の絞り粕の具体例としては、シトロネラ等の柑橘系の植物精油、カユプテ等の樹木類の植物精油、ゼラニウム等の花の植物精油、パチェリ等のエキゾチック植物精油、テレビン等の樹脂類の植物精油、シナモン、クローブ、ブラックペッパー等のスパイス類の植物精油、ニームオイル等のセンダン科、スペアミント等のシソ科の植物精油やショウガ科のウコンが挙げられるが、本発明の動物組成物形成用としては、特に、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパー、ウコンの各絞り粕が有用であることが確認されている。
なお、複数のハーブの植物製油の絞り粕を使用する場合、例えば、カンキツ系の植物精油の絞り粕とセンダン科の植物精油の絞り粕とを使用し、あるいは、カンキツ系の植物精油の絞り粕とスパイス類の植物精油の絞り粕とを組み合わせて使用すると動物忌避性が高くなる。
特に、柑橘系のシトロネラとセンダン科のニームの各絞り粕との組み合わせが効果的である。
バインダー(以下Aという)と混合される動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕(以下Bという)の混合比は、各種の混合比が考えられるが、実用的な一例を示すと、Bを単独で用いるときは、A:B=70〜50:30〜50の重量比とするようにすることが考えられる。そこで、これを請求項2に記載した。
なお、Bを複数種類用いるときも、各種の混合比が考えられるが、実用的な一例を示すと、Aと混合されるB全体の重量比を、A:B=70〜50:30〜50の重量比としたとき、B内の混合比としては相互に略均等の割合の重量比とするようにすることが考えられる。そこで、これを請求項3に記載した。
本発明の動物忌避組成物を形成するバインダーとしては、小径の造粒機能を有するものであり、所定大きさのものであれば、各種のバインダ要素が適用可能であるが、実用的なバインダーの例を示すと、ニームケーキまたは、椰子の絞り粕あるいは、シナモンの絞り粕を用いることができる。そこで、これを請求項4に記載した。
なお、椰子の絞り粕の原料としては、CoirとPalmの両者のいずれの椰子を用いてもよいが、どちらかというとCoirの方がPalmよりも材質の点で優っているので、本発明への適用の原料としては有用である。
バインダーに対して混合される上記の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕の例としては、前記のように各種の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕が適用可能である。
一方、バインダーとして適用可能なものの中にも、段落番号0027に記載のようにニームケーキまたはシナモンの絞り粕等のように動物忌避機能を有するハーブの植物製油の絞り粕が存在する。従って、本発明の動物忌避組成物を生成する場合に、たとえば、ニームケーキをバインダーとして用いたときは、混合されるハーブ植物精油の絞り粕としては、ニームケーキを重複して使用せず、他のハーブ植物精油の絞り粕(例えば、シナモン、ブラックペッパー、ウコンなど)を用いるのが望ましい。
これはバインダーとして、シナモンの絞り粕を用いる場合も同様である。請求項5は、この点の選択条件を記載したものである。
本発明の動物忌避組成物の大きさとしては、実用性を考えると、3mm〜6mm程度の径の大きさの顆粒状にすることが望ましい。このためには動物忌避組成物を形成するときの核又は結合材の役割を果たすバインダーの径を略1mm〜4mm程度に形成するのが望ましい。そこで、この点を請求項6に記載した。
なお、本発明の動物忌避組成物を生成する過程で、動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕またはバインダーとして用いるものが、シトロネラや椰子などのように繊維質の多いものでは、これらの繊維質成分が顆粒状に造粒したときに表皮の表面から飛び出してしまい、最終生成物の顆粒状を形成するのに妨げとなるため、前記混合を行う前に、4mm〜5 mm程度のふるい目の篩を用いて所定大きさ以上の繊維質成分を取り除いたものを用いることが望ましい。請求項7の記載はこの前処理工程を記載したものである。
次に、本発明の動物忌避組成物の実用的に有効な使用形態について説明する。
第1の使用形態:
図2及び図3は夫々本発明の土壌改良機能を有する動物忌避組成物の第1の使用形態を示す図で、図2は側断面図、図3は平面図である。
図2、図3において、2は畑の畝、3は畦の部分、Nは畝2の部分に植えられた野菜等の農作物の苗、また、Kは畦又は畝に撒布・載置された顆粒状の本発明の動物忌避組成物K(図1に示した動物忌避組成物1を、ここでは表示の都合上、符号Kで示した)を少し拡大して模擬的に示したものである。
なお、本発明の動物忌避組成物Kは、前述のように土壌改良機能を有するため、苗Nが植え付けられる畝5の周囲に対して図3に示すように、動物忌避組成物Kを適当数撒布するという使用形態で載置(以下単に撒布という場合が多い)すればよい。
このようにして、本発明のように構成された動物忌避組成物Kが載置された農地では、苗にネキリムシが近付こうとしても、苗の周辺に載置された本発明の動物忌避組成物Kの構成成分中のハーブ(例えば、シトロネラの絞り粕やニームオイルの絞り粕中に存在するハーブの成分)から発せられる刺激性の異臭によりネキリムシに対して忌避作用を及ぼすため、苗の育成が阻害されることはなくなる。
さらに、本発明の動物忌避組成物Kの場合では、前述のように土壌改良機能を有するため、定期的に行う施肥作業の一部を省略しても苗が順調に生育される。
第2の使用形態:
第1の使用形態では、畑で栽培する野菜、果実等の路地栽培であったが、施設園芸栽培の場合のように、ビニール製、ガラス製、又は硬質樹脂製、或いは軟質樹脂製の温室施設(以下ビニールハウスと総称する)で栽培される農作物に対して被害を及ぼすネキリムシに対しても、本発明の動物忌避組成物Kを栽培地に撒布することで防虫効果が発揮できる。
なお、本発明の動物忌避組成物は、ネキリムシ以外の害虫にも、効果を発揮する。
即ち、最近の施設園芸は、暖房施設の常設により、施設内の害虫は季節性や地域性を無視し、南日本に特有の害虫(ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ等)や外来虫(オンシツコナジラミ等)の被害が、季節を問わず発生し、園芸農家を苦しめている。
このような害虫に対しても、本発明の動物忌避組成物を虫媒花の時期を除き、且つ、これら害虫の菜餌行動の抑制に合わせて施設内に各コーナーに撒布することにより、これらの害虫を施設内から適正に放逐することができる。
また、本発明の動物忌避組成物は、農作物の栽培地以外での農作物の保護にも適用可能である。
その一例として、ネズミのほかノシメマダラメイガやコクゾウムシ等の害虫発生場所(例えば、穀物倉庫)に適当な容器内に収納して設置すれば、その駆除に有効である。
さらに、本発明の動物忌避組成物は、農作物保護以外の用途例えば鹿等の保護動物による地域住民への被害から防御するための手段としても有効である。
本発明の動物忌避組成物をその境界区域の部分に、適正な量を、防御する対象に応じて所要の幅及び長さに亙って敷き詰めて載置することで、鹿等の保護動物は動物忌避組成物から発せられる異臭による忌避作用により、その境界線を越せて移動しないようにして円滑、適正に防ぐことができる。
イネミズゾウムシやカメムシの大半は、水田の畦際から侵入する性質があるため、上記のような動物忌避組成物を畦
に撒布することにより、動物忌避組成物から発せられるシトロネラ等のハーブ特有の刺激臭のためイネミズゾウムシやカメムシ等の害虫の侵入が防止される。
また、動物忌避組成物によるハーブの刺激臭はモグラに対しても忌避作用があるため、水田の水漏れも防止できる。
第3の使用形態:
これまでの本発明の動物忌避組成物の使用形態は顆粒状の固形物としての請求項8に記載した使用方法であったが、本発明の動物忌避組成物は、これを液状にして使用する第3の使用形態が考えられるので、以下に、説明する。
即ち、本発明の動物忌避組成物の内、動物忌避組成物の表皮の乾燥状態が比較的少ないものを選び、水に溶解して本発明の溶液を作成した後、この溶液を防虫、防鳥、防獣対策を必要とする森林における苗木や果樹や植木等の樹木の幹や枝にはけで塗布したり、スプレーを用いて散布する使用方法である。
この場合には、ハーブ成分の臭いにより、害虫の他、カラスのような害鳥や猿、イノシシ、鹿等の害獣に対して忌避効果を発揮するため、これらの害虫、害鳥、害獣に対する樹木、果実の被害に対しても効果的な防御を行うことができる。よって、この使用方法を請求項9に記載した。
本発明の動物忌避組成物は、森林における苗木や果樹や稲作に関する害虫、害鳥、害獣等の被害を及ぼす動物への防御、土壌改良効果のほか、路地、温室内の畑、果樹、収穫物を保管する倉庫等でも使用可能であり、それぞれ害虫、害鳥、害獣を忌避し、作物に対する被害から守るほか、これら場所が作物を栽培する場所の場合には、その場所の土壌改良効果も発揮できるので、土壌改良機能も備えた動物忌避組成物として広範囲の用途に適用可能である。
本発明の実施の形態にかかる動物忌避組成物の外観構造を示す平面図である。 本発明の一使用形態を示す側断面図である。 本発明の一使用形態を示す平面図である。
符号の説明
1、K:動物忌避組成物
2:畝
3:畦
N:農作物の苗

Claims (9)

  1. 小径の造粒機能を有する所定の大きさのバインダに対して、単独又は複数種類の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕を各別に破砕して所定の大きさにした後、単独又は複数種類のものを、混合、撹拌することで所定の大きさの顆粒状に形成するようにしたことを特徴とする土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  2. バインダー(以下Aという)と混合される動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕(以下Bという)の混合比は、Bを単独で用いるときは、A:B=70〜50:30〜50の重量比とするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  3. Bを複数種類用いるときは、Aと混合されるB全体の重量比を、A:B=70〜50:30〜50の重量比としたとき、B内の混合比としては相互に略均等の割合の重量比とするようにしたことを特徴とする請求項1に記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  4. 上記バインダーとして、ニームオイルの絞り粕(Neem Cake)(以下ニームケーキという)または、椰子(Coir又はPalm)の絞り粕あるいは、シナモンの絞り粕を用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  5. バインダーに対して混合される上記の動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕としては、シトロネラ、シナモン、ブラックペッパー(Black Pepper)、椰子、ウコン(Turmeric)の各絞り粕の内、当該バインダーとして用いられていないものを選択して単独又は複数種類用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  6. 前記のバインダーの径を略1mm〜4mmに形成するようにした特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物。
  7. 比較的繊維質の多い動物忌避性を持つハーブの植物精油の絞り粕や比較的繊維質の多いバインダーが用いられる場合には、前記混合、撹拌を行う前に、4mm 〜5 mm程度のふるい目のふるいを用いて所定大きさ以上のものを取り除いたものを用いるようにしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の製造方法。
  8. 前記のように生成した土壌改良機能も備えた動物忌避組成物を、顆粒状の固形状態で農地等の使用場所で撒布または設置するようにしたことを特徴とする土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の使用方法。
  9. 前記のように生成した土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の内、動物忌避組成物の表皮(表面部分)の乾燥度合いが比較的低いものを、水に溶かすことにより、溶液状態にした後、樹木や果実の幹などの適用場所に対して塗布または散布するようにしたことを特徴とする土壌改良機能も備えた動物忌避組成物の使用方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014015424A (ja) * 2012-07-10 2014-01-30 Kanzai-Net Co Ltd 動植物の育成環境改善材および育成環境改善材の使用方法
JP2019083736A (ja) * 2017-11-06 2019-06-06 学校法人東京理科大学 アブラナ科植物の免疫活性化方法及び免疫が活性化されたアブラナ科植物の生産方法

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