JPH08147A - 揮散性薬剤の拡散装置 - Google Patents

揮散性薬剤の拡散装置

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JPH08147A
JPH08147A JP6143491A JP14349194A JPH08147A JP H08147 A JPH08147 A JP H08147A JP 6143491 A JP6143491 A JP 6143491A JP 14349194 A JP14349194 A JP 14349194A JP H08147 A JPH08147 A JP H08147A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 揮散性薬剤を強制的な空気の流れによって拡
散させる際に、その薬剤の有効な残存量に基づく終点を
的確に判別できるようにすることにより、効力のある薬
剤の揮散を行わせるようにする。 【構成】 吸気口、通風部、排気口の順に空気が送風手
段により流される装置において、揮散性薬剤及び可変色
色素を担体に保持した薬剤保持体が、通気性であって、
前記吸気口に設置されるか、あるいは吸気口に近い通風
部に設置され、かつ該薬剤保持体の少なくとも一部が外
部から目視可能な箇所に位置させていることを特徴とす
る揮散性薬剤の拡散装置。前記可変色色素は、電子供与
性呈色性有機化合物、顕色剤及び減感剤、あるいは電子
供与性呈色性有機化合物及び顕色剤からなる組成物であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、送風手段により揮散
性薬剤を充分に室内等の空間に拡散させるための揮散性
薬剤の拡散装置において、該薬剤が消失したことを目視
確認できることを特徴とした揮散性薬剤の拡散装置、及
びその際に適用される揮散性薬剤の終点を判別する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、揮散性薬剤を所定の空間に揮散さ
せる場合、揮散性薬剤またはそれを担体に保持した薬剤
保持体を所定の空間内に設置して、蒸発拡散により揮散
させている。しかし、この場合は揮散に時間がかかり、
早く揮散させたい場合には、揮散性薬剤を保持する薬剤
保持体を加熱するか、あるいは送風機により空気を吹き
出し、それを揮散性薬剤を保持する薬剤保持体に当てる
ことにより該薬剤を強制的に揮散させる方法が知られて
いる。さらに揮散性薬剤を保持した拡散用材を駆動手段
で駆動させることにより、揮散性薬剤を気中に拡散させ
る方法を本願出願人は出願している(特開平5−684
59号)。これらの方法によって効率良く揮散性薬剤を
所定の空間に揮散させることが可能になっている。
【0003】一方、室温での揮散性薬剤の終点の判別方
法、すなわち揮散性薬剤の残量がないことを確認する方
法としては、例えば揮散性薬剤が昇華性薬剤(例えば樟
脳、ナフタリンなど)であれば、昇華性薬剤の量を直接
目視できる包装部材で包装し、該薬剤がなくなったこと
を目視確認する方法(実公昭52−50237号な
ど)、液体が付着している間は乾燥時と異なる色に変わ
る表面を有する材料に液体を付着させ、液体の揮発によ
り表面が変色することにより期間を表示する表示具(特
開昭57−158682号)、可変色素として塩基指示
薬とアルカリ性物質とを共存させるタイムインジケータ
ー(特開昭57−104884号)、下地色を呈する油
透過性の基板とその一部の面に油透過性で低屈折率の地
色層からなる基材に油性物を含有する表示器(特開昭6
0−224603号)などが例示できる。
【0004】また、その他、透明合成樹脂フィルムの片
面にあるアルミニウム薄面の一部を防食処理面を被覆す
るように吸水性素材をのせ、当該水溶性素材の周囲にヒ
ートシールラッカーを施した経時間インジケーター(特
開昭61−176879号)、および空気中の物質また
は他の物質と反応して蛍光性または光吸収性を発生また
は変化せしめる色素を用いる積算実効経時間表示方法
(特開昭62−294992号)などのタイムインジケ
ーターを揮散性薬剤のなくなる時間と同調させ、かつこ
れを揮散性薬剤を保持した担体に付与してそのタイムイ
ンジケーターにて判別する方法などが例示できる。これ
らは通常は、継続的な薬剤の揮散において用いられてい
る。即ち常に薬剤の有効成分が大気中に絶え間なく放出
されている状況下にある。一方、断続的な薬剤の揮散に
際して揮散性薬剤の終点の判別方法としては、例えば加
熱条件下で強制揮散する場合として、電気蚊取マットに
見られるように色素の移動による方法がある。ここで云
う断続的な薬剤の揮散とは、人為的な操作により任意に
揮散性薬剤もしくは該薬剤を担体に保持した薬剤保持体
の揮散を調節することで、例えば、電気蚊取マットの場
合では、通電スイッチのオン、オフにより該マットの加
熱を調節することで揮散量を調節することを示すもので
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、これらの揮散
性薬剤の終点の判別方法は、いずれも蒸発拡散または加
熱で該薬剤を揮散する事を想定しており、送風で断続的
に揮散性薬剤を揮散させる場合に、これらの方法を用い
ることは知られていない。さらに、前記の送風により揮
散性薬剤を早く揮散させたい場合には、表面積が広い形
状の担体、すなわち該担体が平板状でなく、むしろ立体
的な形状のもの(例えばハニカム状、格子状など)を用
いることが有効である。この場合、担体自体の変色は一
時に担体全体が変色することはなく、担体の側面、断面
あるいは内部に流路を持つ構造ではその流路の面のうち
どの面を変色面とするかは、その担体の設置方法あるい
は器具の構造により決められる。
【0006】このことより、室温で断続的に揮散性薬剤
を揮散させる場合において、立体的な形状の担体に保持
させた揮散性薬剤の終点を判別するために、本発明の揮
散装置に薬剤保持体としての担体を設置した場合に限定
された面、好ましくは装置の外部から容易に目視確認で
きる面を変色面とする必要がある。この課題を解決する
ために鋭意検討した結果、立体的な形状の担体の各面の
うち外部から目視できる面を変色させ、揮散性薬剤の終
点を判別することができる装置、及び判別する方法を見
つけ、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の(1)、
(2)(3)および(4)からならる。 (1)吸気口、通風部、排気口の順に空気が送風手段に
より流れる揮散性薬剤の拡散装置において、揮散性薬剤
および可変色色素を担体に保持した薬剤保持体が通気性
のものであり、かつ該薬剤保持体の少なくとも一部が外
部から目視可能な箇所に位置させていることを特徴とす
る揮散性薬剤の拡散装置。 (2)前記可変色色素が、電子供与性呈色性有機化合物
および減感剤、あるいは電子供与性呈色性有機化合物、
減感剤および顕色剤からなる組成物であることを特徴と
する(1)項記載の揮散性薬剤の拡散装置。 (3)吸気口と排気口の大きさが、排気口の面積1に対
して吸気口の面積が1から6の割合であり、前記薬剤保
持体の担体がハニカム構造体からなることを特徴とする
(1)項記載の揮散性薬剤の拡散装置。 (4)前記(1)ないし(3)項のいずれか1項に記載
の揮散性薬剤の拡散装置において、揮散性薬剤および可
変色色素を担体に保持した薬剤保持体に送風手段により
空気の流れを接触させることにより、該装置の外部より
その一部が目視可能な箇所に位置させた薬剤保持体を変
色させることにより揮散性薬剤の終点を判別する方法。
【0008】本発明の装置は、吸気口、通風部、排気口
の順に空気が送風手段により流れるものであり、装置内
の空気を排出する装置と装置内に空気を吸入する装置が
ある。吸入する装置としては、例えばモーター等の回転
装置とプロペラなどのファンからなる装置を、該回転装
置を回転させてファンを回転させることで、該ファンの
前方より空気を追い出し、後方より吸気する装置を排気
口側に向けて設置したような、そのファンの周囲より外
方に送気する形式のものである。その吸気ファンは遠心
式ファンが一般的であるが、そのファンの形状だけによ
って決まるものでなく、ファンの後面に設ける中仕切板
の形状によっても変る。
【0009】ファンの形状としては、スクリュー状、あ
るいはプロペラ状に限らず、水車型、ロータリーファン
型などがある。大きな送風作用を行なわせる場合にはス
クリュー状あるいはプロペラ状などが良く、送風により
揮散量を大きくできる利点がある。また、ファンに接触
する空気量を増大させるために、ファンを形成する各ブ
レードに開口部を設けることができる。例えば、ブレー
ドに多数の開口部を設けることにより薬剤を効率的に蒸
散することができる。その開口部の形状としては、網目
状の外に、格子状、ハニカム状等、種々の形を取ること
ができ、その開口部はなるべく均一に設けることが好ま
しい。ファンを構成するブレードの形状は、前記したフ
ァンの形状によって決まるが、単なる板状でなく、中空
状のものでもよい。本発明においては、上記の各種形態
のファンの中で、シロッコファンと呼ばれるものを使用
することが好ましい。該ファンにおいて電池からアダプ
ターまで様々な電源、電圧により送風が調節できる。ま
た、該ファンの形状を換えることで、例えば直径を大き
くしたり、厚みを増やすことで風量を増やすことがで
き、反対に直径を小さくしたり、薄くすることで風量を
減らすこともできる。本発明の装置においては、吸気口
の位置はなるべく羽根車の前面に近いところがよいが、
薬剤を担体に保持した薬剤保持体を設置する場所との関
係により少しずれていてもよい。
【0010】また、排気口は前記ファンの周囲方向に設
けることが効率的に薬剤を外部に揮散させるには適して
いる。その位置については少なくとも1方向以上の排気
口があればよく、より十分な揮散を必要とする時には、
2から4方向を設けることができる。これにより室内等
にすみやかに拡散させることができる。排気口の近くに
揮散性薬剤を保持させた担体を置く従来の型式では、装
置の全周に排気口を設けるようにする場合には、前記の
担体を装置の全周に設ける必要があるが、この発明では
そのようにしなくても装置の全周への揮散を行うことが
できる。また、必要により、装置内で全周に薬剤揮散成
分が回らないように、例えば一方向にだけ排出されるよ
うにガイドを設けコントロールすることもできる。ここ
での通風部とは、吸気口と排気口とを結ぶもので、吸気
口から流入した空気が排気口へと移動するための空気流
の通路となりうる空間のことであり、装置内に仕切り板
などを設けることで空気の流れる通路を確保しコントロ
ールすることができる。本発明の装置で吸気口と排気口
の大きさは、例えば、排気口の面積を変化させ、他の条
件を一定にした場合、排気口が1に対して吸気口は1か
ら6の割合が吸気風速との関係から好ましい。排気口に
対して吸気口が大き過ぎたり、逆に吸気口が小さいと気
体の吸排気流のバランスが崩れる。しかし、吸気口と排
気口の関係はこれに限定されることなく、気体の流れの
バランスが崩れ、適した風速、風量が得られない場合
は、送風手段、即ちファンの形状や構造の異なるものを
選択したり、電源電圧を加減したり、該装置内の通風部
にて気体の流れを調節することで目的とする風速、風量
を得ることも可能である。
【0011】本発明において薬剤を担体に保持した薬剤
保持体は、前記ファンの前面に設けられることから、吸
引された空気が該薬剤保持体によりその流れを遮断さ
れ、あるいは阻害され、外方に分散拡散されないように
通気性を有するものがよい。前記薬剤保持体の設置位置
はファンの吸気側でも、また排気側のいずれでも違いが
ないように考えられるが、ファンの吸気側に設置すると
きには、薬剤保持体にかかる空気流れの速度がその箇所
によらず比較的均一であるのに対し、排気側ではファン
の形状により薬剤保持体の各箇所における空気流れの速
度に大きな差異があるため、薬剤保持体の箇所により薬
剤の揮散に大きな差が出るため、吸気側とすることが好
ましい。ただし薬剤保持体の設置はファンのすぐ前面で
なくて少しずれていてもよいが、吸気口よりファンへ吸
引される空気流の中に薬剤保持体があるような位置とす
る。さらに詳しくいえば、送風手段であるファンと薬剤
保持体である担体との間隔はあまり近接していないほう
が良く、約5mm程度以上の間隔を設けることが好まし
い。両者の間隔が近接していると担体の全面に均一に風
を当てることが難しく、中央部に比べ外方部での揮散が
不十分となり、揮散むらが起こる原因となる。例えば、
紙製の担体(70×70×15mm)をシロッコファン
(直径5cm、厚さ2cm)を用いて送風した場合、該
ファンを駆動させるための電源電圧を2.0vから4.
0vまでの範囲で変化させた時は、担体とファンとの間
隔は5mmから15mmが好ましい。しかし、これらの
範囲は限定されるものではなく、担体ファンの形状、電
源電圧、装置の形状及び大きさそしてこれらの関係や組
合せ等により適宜選択することができる。そして、本発
明の拡散装置に薬剤保持体を設置し、送風手段により空
気を接触させた場合、薬剤の揮散量はこの時に風速が一
定であるならば、担体の風の当たる面積そして担体の密
度に比して増加する傾向にある。一方、担体の面積そし
て密度が一定であるならば、風量に比して揮散量は増大
する傾向を示す。但し、変化が大きい場合においては例
外もありうる。
【0012】薬剤保持体に用いる担体としては、通気性
が良く、薬剤を充分に保持できるものならばどのような
ものでもよく、簡単な構造で通気性が大きいという点
で、ハニカム状、すのこ状、格子状、網状等の構造のも
のであればよい。また、担体の材質としては、例えば、
紙、不織布、布、木材、パルプ、無機高分子物質、無機
多孔質物質(ケイ酸塩、シリカ、ゼオライト等)、有機
高分子物質(セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体等)などが挙げられ、これらの1種又は2種以
上を組み合わせて任意の形状で使用することができる。
また、吸着用担体としては、ゲル化物質(寒天、カラギ
ーナン、でん粉、ゼラチン、アルギン酸等)、昇華性物
質(アマダン、シクロドデカン、ノルボルナン、トリメ
チルボルナン、エンド−トリメチレンノルボルナン、パ
ラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳等)などが挙げ
られる。また、樹脂、油性溶剤や水性溶剤等を使用する
こともでき、本発明において用いることのできる薬剤を
上記の担体に保持させることができるものであれば何ら
制限されるものではない。
【0013】また、薬剤の終点を装置外部より目視可能
とするためには、薬剤を担体に保持した薬剤保持体の位
置が前記のとおりファンの前にあることはもちろんのこ
と、吸気口もしくはそれより内部に入った通風部の一部
に設置することができる。吸気口に設置した場合は、外
部より吸気口を通して直接担体を目視することができる
が、内部に入った通風部に設置する場合には、装置の外
壁に薬剤保持体の一部、即ち、吸気口より流入する気体
が初めて接触する面が目視できるような透明な材料で構
成することが必要となる。本発明の揮散装置に設置する
薬剤保持体に用いる担体は、使用状態、即ち保持させる
薬剤、担体の容積、接触させる風量及びこれらの組合せ
等により適したものを選んで用いることができる。例え
ば、該担体の厚さとしては、5mmから50mm、好ま
しくは10mmから30mm、より好ましくは15mm
から20mmが示される。この数値は、担体の風に当た
る面積や容積等の形状の変化に伴い選択でき、この範囲
に必ずしも限定されるものではない。さらに、担体自体
の形状は、装置に設置できる形態を有するものであれば
良く、例えば風の当たる面が三角形、四角形、五角形等
の多角形、円形、楕円形のものが任意に使用できる。設
置して該装置と担体との間に隙間が生じる場合には、該
隙間に逆流防止板などを設けることで風の逆流、拡散を
防止し、密閉性を保つことが好ましい。この発明におい
て用いることができる揮散性薬剤としては、従来からの
害虫駆除剤(殺虫剤、殺ダニ剤)、殺菌剤、忌避剤、芳
香剤(香水、ハーブ等)、医薬品(メントール、ユーカ
リオイル等、気管、カゼ等吸入用薬剤)等の目的で使用
されている各種の薬剤を使用できる。代表的な薬剤とし
ては次のものが挙げられる。
【0014】(I)殺虫剤・殺ダニ剤 (1)ピレスロイド系薬剤 ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマ
ート(一般名アレスリン:商品名ピナミン) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマー
ト(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社
製) ・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シ
クロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商
品名バイオアレスリン:ユクラフ社製) ・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シク
ロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品
名エキスリン:住友化学工業株式会社製) ・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−
ジオキソ−2−インドリル)メチル dl−シス/トラ
ンス−クリサンテマート(一般名フタルスリン:商品名
ネオピナミン)
【0015】・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒド
ロ−1,3−ジオキソ−2−インドリル)メチル d−
シス/トランス−クリサンテマート(商品名:ネオピナ
ミンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン、商品
名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製) ・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3
−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1
−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリ
ン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社) ・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリ
サンテマート(一般名フェノトリン:商品名スミスリ
ン:住友化学工業株式会社) ・α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2−(4−ク
ロロフェニル)−3−メチルブチレート(一般名フェン
バレレート)
【0016】・α−シアノ−3−フェノキシベンジル
シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロ
プロパンカルボキシラート(一般名フェンプロパトリ
ン) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−
シス/トランス−クリサンテマート(一般名エンペンス
リン) ・2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−dl
−シス/トランス 3−(2,2−ジクロロビニル)−
2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラー
ト(一般名フェンフルスリン) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−
シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−
2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラー
ト ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル シス/
トランス−2,2,3,3−テトラメチル−1−シクロ
プロパンカルボキシラート
【0017】・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−
(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シ
ス/トランス−クリサンテマート(商品名エトック:住
友化学工業株式会社) ・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベン
ジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメ
チル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ベ
ンフルスリン) ・2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルベンジ
ル−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1
−プロペニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパ
ンカルボキシラート(一般名テフルスリン) ・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル (+)
−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ゴキラー
ト:住友化学工業株式会社)
【0018】(2)有機リン系薬剤 ・O,O−ジメチル O−(2,2−ジクロロ)ビニル
ホスフェート(一般名DDVP) ・O,O−ジメチル O−(3−メチル−4−ニトロフ
ェニル)チオノフォスフェート・O,O−ジエチル O
−2−イソプロピル−4−メチル−ピリミジル−(6)
−チオフォスフェート ・O,O−ジメチル S−(1,2−ジカルボエトキシ
エチル)−ジチオフォスフェート (3)カーバメート系薬剤 ・O−イソプロポキシフェニル メチルカーバメート
(商品名バイゴン)
【0019】(4)その他の薬剤 ・ベンジルベンゾエート ・イソボニールチオシアノアセテート ・デヒドロ酢酸 ・ピペロニルブトキシド ・パラオキシ安息香酸 ・サリチル酸フェニル ・S−421 ・サイネピリン222(登録商標)(N−(2−エチル
ヘキシル)−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタ−5−エ
ン−2,3−ジカルボキシイミド) ・N,N−ジエチル−m−トルアミド(一般名ディー
ト) ・5−メトキシ−3−(0−メトキシフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(一般名
メトキサジアゾン、商品名エレミック:住友化学工業株
式会社製)
【0020】(II)殺菌剤 ・S−n−ブチル−S′−p−ターシャリーブチルベン
ジル N−3−ピリジルイミドジチオカーボネート(商
品名デンマート:住友化学工業株式会社製 ・N−(3′,5′−ジクロロフェニル)−1,2−ジ
メチル−シクロプロパン−ジカルボキシイミド(商品名
スミレックス:住友化学工業株式会社製) ・ペリルアルデヒド ・アリルイソチアシアネート ・パラクロロメタキシレノール(一般名PCMX)
【0021】(III)忌避剤 ・ジ−n−ブチル サクシネート(一般名DNBS) ・ジ−n−プロピル イソシンコメロネート
【0022】前記の揮散性薬剤としては、後記する可変
色色素の呈色反応において減感作用を有するものが使用
できる。これは揮散性減感性薬剤として既に知られてい
るものであるが、揮散性薬剤として徐々に揮散して有効
な薬効成分を必要な空間に作用する他に、電子供与性呈
色有機化合物と顕色剤との反応により生ずる色素の形成
を阻害する作用を有し、いわゆる減感剤としての作用を
する。そして、これは揮散性であるためにその揮散量に
比例してその減感作用も減少する。このため、その薬剤
の残量が少なくなるのに比例してその減感作用が減少し
て色素の形成が増加するので、その薬剤の残量を極めて
よく表示できるという利点を有する。もっとも、揮散性
薬剤として揮散性減感性薬剤を使用しない場合には、通
常の減感剤を使用すればよい。
【0023】なお、上記した薬剤の分類は、その主たる
薬効に基づくものであって、殺虫剤が殺ダニ剤として使
用されるものもあるし、また後記する効力増強剤の成分
が殺ダニ剤として使用されるものもあるから、これらの
薬剤は使用目的により変るため、上の分類は便宜上のも
のである。本発明において用いられる上記殺虫剤等には
通常用いられている酸化防止剤、効力増強剤、揮散率向
上剤、消臭剤、香料等の各種添加剤を任意に添加するこ
とができる。効力増強剤としては、ピペロニルブトキサ
イド、N−プロピルイゾーム、サイネピリン222、サ
イネピリン500、リーセン384、IBTA、S−4
21等が、揮散率向上剤としてはフェネチルイソチオシ
アネート、ハイミックス酸ジメチル等が、消臭剤として
はラウリル酸メタクリレート(LMA)等が、香料とし
てはシトラール、シトロネラール、アネトール等が夫々
挙げられる。
【0024】そして、害虫防除剤を用いて害虫を防除し
うる場所は何ら制限を受けない。例えば、家屋、ビニル
ハウス、浄化槽等があり、そこに生息する害虫が対象と
なる。家屋内においてはハエ、カ、ゴキブリ、屋内塵性
ダニ及び迷入して来る不快害虫、タンス内においてはイ
ガ、コイガ、カツオブシムシ等の衣類害虫、ビニルハウ
ス内においてはそこで栽培されている作物に影響を与え
る害虫、畜鶏舎内においてはヌカカ、ハエ、カ及びダニ
類、そして浄化槽内ではチョウバエ、カ等が例示され
る。これらの薬剤を使用する形態において、前記の通気
性を有する担体に保持されて用いられるものであればな
んら限定されない。またその使用量は特に制限を受けな
いが、例えば揮散性薬剤を吸油性材料(例えば紙)に含
有させる場合には、その中に揮散性薬剤を50mg/g
から1000mg/g、好ましくは100mg/gから
700mg/gの範囲で含有させることが好ましい。
【0025】実際の使用についてみると、通常の家屋の
居室程度の空間に対してはかなり小型の送風機を使用す
れば十分足りるものであって、ファンの回転数としては
300rpm以上好ましくは、500〜10,000r
pm程度で用いるのがよい。前記ファンの駆動手段とし
てはモーター、ゼンマイなどを用いることができる。上
記の居室程度の空間に対しては乾電池などで動く小型モ
ーターにより駆動する程度のファンを使用しても十分効
果を奏する。また、長期間にわたり使用するには乾電池
では難しい場合などでは、電源プラグを設けたコードに
より継続的に電源より駆動エネルギーを得ることができ
る。ここで示したような場合、30日間におよび1日1
2時間の断続使用では、70×70×15mmの担体に
揮散性薬剤を3.6g以上から飽和量までの間で、好ま
しくは4gから5gを保持させることで実施ができる。
この時、送風による薬剤の揮散量は、120mg/日程
度に調整して用いることがよい。但し、揮散性薬剤が温
度依存性により、非送風条件であっても揮散する場合に
は、担体への保持量や送風量を調整することが必要であ
る。次に本発明に係る可変色色素について説明する。該
可変色色素は後記する薬効指示性組成物よりなるもの
で、本発明の目的を達成するため、電子供与性呈色性
有機化合物、顕色剤及び減感剤、または揮散性減感性
薬剤と、電子供与性呈色性有機化合物と、顕色剤の三成
分を必須成分として含有することを特徴とするものであ
り、前記の揮散性薬剤を保持しうる担体として例示した
ものに含浸、塗布もしくは保持させるなどして使用する
ことができる。
【0026】
【作用】以下に本発明の可変色色素である薬効指示性組
成物の発色機構と薬効表示機能について説明する。前記
した電子供与性呈色性有機化合物としては、一般に感熱
感圧染料と称されているものがこれに属する。この染料
で工業的規模で生産されているものには、トリフェニル
メタン−フタリド系、フルオラン系、フェノチアジン系
など種々のものがあるが、一例としてトリフェニルメタ
ン−フタリド系の染料であるクリスタルバイオレットラ
クトン(以下「CVL」という)について発色の原理を
簡単に説明する。まずCVLと顕色剤及び減感剤との反
応機構は以下のとおりである。CVLそのものは無色で
あるが、顕色剤(例えばビスフェノールA)の作用によ
りCVL中のラクトン環が開環し、クリスタルバイオレ
ットとなり青色を呈する。一方、減感剤(例えばエステ
ル類、アミド類等)が作用すると、逆の反応が進み閉環
し、ラクトン環にもどり無色となる。
【0027】本発明の薬効指示性組成物は、この発色原
理を薬効表示に応用したものであり、前記した電子供与
性呈色性有機化合物と顕色剤とにさらに揮散性減感性薬
剤を存在せしめることによって、揮散性減感性薬剤が充
分に残存している間は上記薬剤の減感作用が顕色剤の作
用に勝り、発色を抑える。上記薬剤が揮散して残存率が
低くなると、顕色剤と電子供与性呈色性有機化合物との
反応が始まり、呈色し始め、さらに上記薬剤が完全に揮
散して残存しなくなった時に電子供与性呈色性有機化合
物特有の色調を呈する。従って、上記反応過程と揮散性
減感性薬剤の揮散過程とが対応し、上記組成物の色調の
変化により視覚的に揮散性減感性薬剤の薬効残存状態及
びその終点を正確に知ることができる。また、前記した
三成分を必須成分として含有する薬効指示性薬剤組成物
を前記の担体に保持させることによって、使用が簡便に
なり、その作用機構は必ずしも明確ではないが安定した
色調の発色を示し、また経時的な薬剤及び電子供与性呈
色性有機化合物の安定性が高められる。
【0028】
【発明の態様】以下、本発明の各種態様について詳細に
説明する。本発明において使用する揮散性減感性薬剤と
は、通常の使用状態(常温常圧下又は加熱下)で揮散
し、かつ前記電子供与性呈色性化合物に対して減感作用
を有するものであり、エトック、クリスロンフォルテ、
エスバイオール、ピナミンDフォルテ、テラレスリン、
エンペンスリン、レスメトリン、フラメトリンのピレス
ロイド系殺虫剤が挙げられ、さらに、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フマル酸ジ
エチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド等の防虫・
忌避剤、安息香酸エチル、サフロール、イソサフロー
ル、オイゲノール、シトロネロール、アネトール、l−
カルボン等の防虫性香料、シトラール、シトロネラー
ル、ネロール、ゲラニオール、酢酸リナリル、アセトフ
ェノン、テルピネオール、メントン、安息香酸ベンジ
ル、フェニル酢酸エチル、酢酸イソアミル、ユーカリブ
トール等の香料、ケイ皮アルデヒド、ベンズアルデヒド
等の防虫・防黴剤、などが挙げられる。
【0029】上記薬剤は、殺虫、防虫、忌避、誘引、芳
香、消臭、防菌、防黴、殺菌等の各種効能を有する化合
物であり、通常は常温下で徐々に放散し効力を発揮する
ものである。そして、それぞれの薬剤は単独で使用して
もよく、あるいは2種以上を併用しても良いことはもち
ろんである。
【0030】上記の揮散性減感性薬剤は、電子供与性呈
色性有機化合物及び/又は顕色剤と均一に溶解または溶
融できることが好ましいが、不溶または難溶の場合は溶
剤を使用してもよい。溶剤としては、上記薬剤、電子供
与性呈色性有機化合物及び顕色剤を均一に溶解するもの
で、経時的に溶解物を安定に保つものであればよく、例
えば脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン化
炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル類、
ケトン類、アミド類等が挙げられる。薬剤の揮散速度と
溶剤の揮散速度が大きく異なると、正確な薬効表示が困
難になるなどの弊害を生じる場合がある。この場合に
は、薬剤と溶剤の揮散速度が大きく異ならないものを使
用すればよい。溶剤は、それ自身薬効を有していても有
さなくても構わない。
【0031】本発明において使用する電子供与性呈色性
有機化合物としては、トリフェニルメタンフタリド類、
フルオラン類、フェノチアジン類、インドリルフタリド
類、スピロピラン類、ロイコオーラミン類、ローダミン
ラクタム類等があり、例示するとマラカイトグリーンラ
クトン、クリスタルバイオレットラクトン、ローダミン
ラクトン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフル
オラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオ
ラン、2−メチル−6−(N−p−トリル−N−エチル
アミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル
−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−メ
トキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−ベンジル
オキシフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−(N,N−
ジベンジルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルア
ミノ−7−クロロアニリノフルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(ジエチ
ルアミノ)−7−(N,N−ジベンジルアミノ)フルオ
ラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン
−γ−(4’−ニトロアニリノ)ラクタム、3−(N−
シクロヘキシル−N−メチルアミノ)6−メチル−7−
アニリノフルオラン、2,3−ブチレン−6−ジ−n−
ブチルアミノフルオラン、3−ジエチル−7−(p−ト
ルイジノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(N
−メチルアニリノ)フルオラン、3−ジメチルアミノ−
6−メトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチ
ルアミノフルオラン、3,6−ジエトキシフルオラン、
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロルフルオラ
ン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
N−フェニルローダミンラクタム、2−〔3,6−ビス
(ジエチルアミノ)−9−(o−クロロアニリノ)キサ
ンチル〕安息香酸ラクタム、2−(フェニルイミノエタ
ンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、8’−メ
トキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピ
ロピラン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾス
ピロピラン、1,3,3−トリメチルインドリノ−2,
2’−スピロ−6’−ニトロ−8’−メトキシベンゾピ
ラン、1,3,3−トリメチル−インドリノ−7’−ク
ロル−β−ナフトスピロピラン、ジ−β−ナフトスピロ
ピラン、ベンゾ−β−ナフトイソスピロピラン、キサン
ト−β−ナフトスピロピラン、N−アセチルオーラミ
ン、N−フェニルオーラミン、ローダミンBラクタム、
ベンゾイルロイコメチレンブルー、メチルロイコメチレ
ンブルー、エチルロイコメチレンブルー、メトキシベン
ゾイルロイコメチレンブルー等が挙げられ、その使用に
際しては単独でも2種以上でもよい。上記の電子供与性
呈色性有機化合物は、薬剤組成物の使用状態で揮散せず
に残存し、すなわち、非揮散性もしくは難揮散性のもの
であれば従来公知の各種の化合物が使用できる。以上の
電子供与性呈色性有機化合物は、単独では無色ないし淡
色であるが、顕色剤が存在すると発色するものである。
【0032】本発明において使用する顕色剤を例示する
と、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、3,3’−チオジプロピオン酸ジミリスチル、2,
2’−メチレンビス(4−クロルフェノール)、4,
4’−メチレンビス−2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル
−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、4,4’−
チオジフェノール、4−4’−ビス(4ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ブチリデンビス−6−t−ブチル−m
−クレゾール、p−フェニルフェノール、1,1,3−
トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン、3,5−ジ−t−ブチルカテコー
ル、カテコール、p−t−ブチルカテコール、没食子酸
メチル、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、サリ
チル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−t−ブチ
ルフェニル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメト
キシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェ
ノン、β−ナフトール、p−クレゾール、ハイドロキノ
ン、ブチルヒドロキシアニソール、6−t−ブチル−
2,4−キシレノール、p−ヒドロキシベンジルアルコ
ール、o−t−ブチルフェノール、t−ブチルハイドロ
キノン、2−t−ブチル−6−メチルフェノール、2,
5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、p−ヒドロキシ安
息香酸プロピル、1,2,4−トリヒドロキシベンゼ
ン、1,2,3−ベンゾトリアゾール、等が挙げられ、
前記した意味での非揮散性もしくは難揮散性の従来公知
の各種顕色剤が使用できる。上記の顕色剤は単独もしく
は2種以上で使用してもよい。これらの顕色剤の中に
は、薬剤に混入した場合に抗酸化剤及び紫外線吸収剤と
しても有用な化合物が多く、そのような作用を有する顕
色剤を使用すれば薬剤の安定化に有効となる。
【0033】本発明における揮散性減感性薬剤と電子供
与性呈色性有機化合物及び顕色剤の配合割合は、通常、
重量比で薬剤:電子供与性呈色性有機化合物:顕色剤=
100:0.1〜50:0.01〜100程度で充分で
ある。電子供与性呈色性有機化合物の配合量を多くする
程その発色濃度が高くなるが、過剰になると均一な混
合、溶解が困難となり、また薬剤の揮散抑制、電子供与
性呈色性有機化合物等による汚染などの問題を生じるの
で好ましくない。一方、顕色剤の配合量は、発色を十分
に確保するため多くする方が良いが、過剰になり過ぎる
と均一でなくなり、発色がむらになるなど問題が生じる
ので好ましくはない。従って、好ましい配合割合の範囲
は100:0.2〜30:0.1〜50である。前記揮
散性減感性薬剤の代わりに減感剤を使用する場合には、
減感剤を揮散性減感性薬剤とほぼ等モルを使用すればよ
いから、重量比でいう場合にはもう少し少なく使用する
ことができる。
【0034】なお、本発明の発色性薬剤組成物は、前述
したように、揮散性減感性薬剤または減感剤により電子
供与性呈色性有機化合物の顕色剤による呈色を抑制し、
上記薬剤の揮散により発色をおこさせるものである。従
って、電子供与性呈色性有機化合物が発色するか否かは
上記減感性薬剤の反応性(減感性)と顕色剤の反応性
(顕色性)の強弱によって決まる。上記薬剤が残存して
いる間は、電子供与性呈色性有機化合物の発色は抑制さ
れる必要がある。従って、上記薬剤そのものの減感性が
弱い場合には、その作用の弱い顕色剤を用いるか、ある
いは減感性の溶剤を使用して上記薬剤の減感性を補償し
てやればよい。この場合、何らかの薬効を有する溶媒を
使用することもできる。但し、揮散性減感性薬剤と減感
性溶剤の揮散速度が大きく異なると正確な薬効表示が困
難となるので、同じような揮散速度のものが好ましい。
本発明においては、送風、つまり空気の流れによりその
揮散が図られるものであるため、その揮散性は加熱によ
る場合とは異なって送風時に良く適合するものであるこ
とが好ましい。
【0035】このような揮散性でしかも減感性の溶剤と
しては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸n−オクチル、
フマル酸ジメチル、n−カプロン酸メチル、n−カプリ
ン酸メチル、ラウリン酸メチル、アジピン酸ジオクチ
ル、サリチル酸n−プロピル、ミリスチン酸エチル、n
−カプリン酸n−アミル、ウンデカン酸イソブチル、ラ
ウリン酸イソチル、n−カプリル酸n−アミル、ウンデ
カン酸イソブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリン酸
エチル、n−カプロン酸イソアミル、アジピン酸ジブチ
ル、ブチルカルビトール、n−デカン、1,1,1−ト
リクロルエタン、ヤシ油、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、n−オ
クチルアルコール、トルエン、モルホリン、ジメチルグ
リコール等のケトン類、エーテル類、エステル類、アル
コール類、炭化水素類、アミン類などが挙げられる。
【0036】電子供与性呈色性有機化合物が発色して得
られる色調としては、赤、黒、青、緑、紫、橙、黄、茶
と殆どの色が得られるため、使用する薬剤に対して適当
に電子供与性呈色性有機化合物と顕色剤、さらに必要と
あれば溶剤を選定することによって、目的とする色調、
色濃度及び色変期間を得ることができる。また、一般の
油溶性染料等着色剤を添加することにより、有色から有
色への色変も可能である。一つの例を示すと、忌避剤
N,N−ジエチル−m−トリアミド100部に油溶性染
料アイゼンスピロンブルーGNH 1部、電子供与性呈
色性有機化合物NC−R−1(フルオラン系化合物)1
部、顕色剤ビスフェノールA2部の混合溶解液をリンタ
ーマットに塗布し、室温で放置すると、前記の忌避剤の
揮散に応じて青色→青紫→赤紫の変色が得られる。
【0037】使用する薬剤が徐々に揮散してその効力を
発揮するようなタイプのものでない場合、例えば昇華性
あるいは昇華はしないが徐々に分解し効力を失うような
薬剤に対しても使用することは可能である。すなわち、
前者においては昇華することにより、後者においては分
解することにより薬剤自身が有する減感性が弱まり、顕
色剤の顕色性が強まることにより徐々に発色することが
できる。また、薬剤の分解速度に合わせた揮散速度を有
する適当な揮散性溶剤を使用し、溶剤が揮散することに
より発色するように調節することもできる。従って、本
発明でいう「揮散性」薬剤とは、使用状態(常温常圧下
及び加熱下)において分解せずに揮散する薬剤の他、昇
華性あるいは分解性薬剤をも含み、「揮散性」とは呈色
反応系から薬剤が逸散する状態を示す広い概念の用語と
解釈されねばならない。
【0038】本発明の薬効指示性組成物には、必要に応
じて紫外線吸収剤、抗酸化剤、増感剤、協力剤、揮散調
節剤等を添加することができる。さらに本発明は、前記
した薬効指示性組成物を使用する上で、担体に保持させ
て使用することにより有効かつ効果的な効力表示を得る
ことができる。担体を使用することにより、液状の揮散
性薬剤は固形状として扱うことができ、汚染を抑えるこ
とができると共に、該組成物による色の変化を明確にす
ることができ、また場合によっては経時安定性をより向
上させることができる。これらの担体は、薬効指示性組
成物を安定に保持することができ、色変が視覚的に判定
できるものであれば何でもよく、前記の揮散性薬剤の担
体として例示されたものを用いることができる。
【0039】本発明の薬効指示性薬剤を担体に保持させ
る場合、該担体に滴下塗布、浸漬塗布、スプレー塗布、
印刷、ハケ塗り等、あるいは担体への貼り付けなどの方
法が利用でき、さらに使用する組成物が液状のものでな
い場合あるいは溶剤を使用しない場合などにおいては、
混練り、混合溶融などの方法によって得られた混合物を
担体に練り込み、塗布、印刷等によって適用したりする
ことができる。また、混合物を担体に塗布、含浸等によ
り適用する場合には、担体の全面的に、部分的に、点状
に、片面に、あるいは模様状に塗布、含浸等することが
できる。
【0040】担体に対する薬剤組成物の含有濃度は、目
的とする色変が起こり、それを視覚的に判別できればよ
く、担体自身の色にもよるが、通常は担体に対して飽和
含浸量(もしくは飽和保持量)の10〜80%程度が適
当である。飽和量に近い量を塗布した場合、薬剤組成物
の溢出が起こり、汚染等の問題を生じる。但し、薬剤組
成液の浸透、拡散のない担体、例えば金属、プラスチッ
ク、合成紙などに、あるいは浸透、拡散のない薬剤組成
物(固形物あるいは流動物もしくは半流動物等)、例え
ば無機物質、高分子物質などを配合した組成物にスポッ
ト的に塗布又は印刷する場合には上記の範囲とは異なっ
てくる。また、有機高分子化合物などを担体として使用
した場合には、薬剤組成物を高濃度に保持(含有)する
ことができない。そのような時には保持能力の高い吸着
物質に保持させた後に混入する方法が利用できる。
【0041】前記の担体には、必要に応じてバインダ
ー、抗酸化剤、紫外線吸収剤、分散剤、固着剤等を配合
することができる。また、担体は、それ自体が色を有す
るものであってもよく、この場合、有色から有色への色
変が得られる。本発明の薬効指示性薬剤の担体を使用す
る上で、色の移行による汚染などの防止を行なわなけれ
ばならない場合には、必要に応じて通気性の不織布、
紙、布、フィルム等による包装、プラスチック容器、紙
容器等への収納、あるいは皮膜処理、積層加工等を施す
ことができ、その用途に応じて適宜形態を選定すること
ができる。
【0042】次に、本発明における揮散性薬剤と可変色
色素を用いた終点の確認の方法について以下に説明す
る。前記した揮散性薬剤および可変色色素を同一の通気
性の担体に保持させた薬剤保持体を、吸気口もしくは通
風部の一部に設置し、通風部に設置する場合には、その
箇所の外壁を透明な材料で構成して該保持体の少なくと
も一部が本発明の装置の外部より目視が可能な状態に設
置する。そして装置内に設置されたファンを駆動させ空
気を吸気することで、外部より吸気口を経て通風部およ
び排気口へと移動する空気の流れを発生させ、前記の設
置した該保持体に空気流を接触させることで、保持体の
各種の面の中で初めに空気の当る面、即ち外部より目視
可能である面から主として保持体に保持されている揮散
性薬剤もしくは揮散性の減感剤が揮散、拡散されていく
ことになる。
【0043】そして前記したように電子供与性呈色性有
機化合物、減感剤および顕色剤よりなる可変色色素の各
物質間での反応機構により、前記担体の特定面、即ち、
外部より目視可能である面が色調の変化を生じることに
なる。例えば、揮発性減感剤と非揮発性顕色剤を用いた
場合、当初は、減感剤の働きが顕色剤の作用に勝ため発
色はせず、送風手段により空気の流れを接触させること
で減感剤を揮散させることで時間の経過につれて次第に
顕色剤の作用が強くなり、発色効果が現れ、目視にて色
の変化を確認することで揮散量が容易に判断される。こ
の場合、揮散性薬剤と可変色色素を同一条件下で空気の
流れに接触させるため、揮散性薬剤及び揮散性減感剤の
各々の揮散量はほぼ同等となる。また、揮散性薬剤が揮
散性減感性薬剤であって、揮散性減感剤を使用しない場
合にはこの1つの薬剤が両者の作用を兼ねるために両者
の作用に差ができることはない。即ち、薬剤の揮散に伴
い変色が起こり、変色が終了したときは薬剤の揮散がほ
ぼ終了したものと判断できる指標とすることができる。
さらに、単に風の当たる平面の色調を変化させる他に、
前記の薬効組成物を処理する際に調製することにより文
字、マーク、記号及び図柄等の平面上の一部に色調の変
化を起こすこともでき、揮散性薬剤の終点を目視確認す
る際に様々な変化を持たすことができる。
【0044】本願発明により、吸気口、通風部、排気口
の順に空気が送風手段により流れる拡散装置に、揮散性
薬剤及び可変色色素を担体に保持した通気性の薬剤保持
体を設置した際には、この薬剤保持体に空気が通ること
により揮散性薬剤が揮散されて、所定の箇所に広く揮散
性薬剤を送ることができるが、その際薬剤保持体に空気
が当たる面から揮散性薬剤及び揮散性減感剤(揮散性減
感性薬剤の場合には両者を兼ねている)が揮散してい
き、このため薬剤保持体の空気が当たる面側におけるそ
れらの濃度が低下するために、薬剤保持体の内部及び反
対側の面から揮散性薬剤及び揮散性減感剤が前記面側に
移動し、その際可変色色素も一緒に移動するため、前記
の空気が当たる面側における可変色色素の濃度が高くな
り、揮散性減感剤の揮散に伴い発色するようになり、揮
散の継続に従ってその可変色色素の発色の濃度が高くな
る。
【0045】これは、揮散性薬剤、揮散性減感剤及び可
変色色素が担体に保持されるさいには、溶解状態で保持
されているように溶剤が共存しているため、薬剤等は薬
剤保持体内部を移動するものである。このため、薬剤保
持体の空気が当たる面側における可変色色素の発色濃度
が高く、それにより薬剤保持体の表面を外面から観察す
ることにより薬剤の残存状態を容易に判断することがで
きるものであって、例えば前記拡散装置の吸気口に薬剤
保持体を設ければ、外部から目視可能であって極めて容
易に判断することができる。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 実施例1 80g/m2 のサラシクラフト紙で作製した片段ボール
(穴の高さ2mm)を積層して接着させてハニカム体を
製造し、そのハニカム体から70×70×15mmの大
きさのハニカム体片(15mmの高さは穴方向の長さで
ある)を切り取り、それに揮散性減感性薬剤のエンペン
スリン1g、電子供与性呈色性有機化合物のインドール
アザリド系化合物(山本化成株式会社、R−40)4m
g、顕色剤のN−ベンゾイルフェニルアラニン35mg
を含有するアセトン溶液5mlを均一に含浸させた。そ
の含浸体からアセトンを揮散させることにより薬剤保持
体を得た。この薬剤保持体を図1に示す拡散装置の吸気
口側にセットして、その通風に伴う薬剤保持体の色の変
化を外から観察できるようにした。この拡散装置1は、
モーター3に直結したシロッコファン2を有し、そのシ
ロッコファン2に対する吸気口4の側に薬剤保持体5を
取り付けた。このシロッコファン2はその構造上そのフ
ァンの外周方向に空気を送りだす作用をするものであっ
て、広く薬剤を拡散させる上で有効である。
【0047】この拡散装置を室温下で1日12時間作動
し、通風させて、その際の揮散量と呈色の関係を調べ
た。この通風における風速は0.3〜0.4m/秒であ
る。その風速は、図2に示すように、吸気口4側に円筒
筒6を設け、薬剤保持体の表面から5cm離れた位置に
風速測定用のセンサー7(Tr式微風測計AM−11
型、リオン株式会社製)を設け、そのセンサー7と円筒
筒6の入口との間隔が5cmであるようにした。揮散量
は、毎日通風後、4〜5時間後に30分間吸引補集し、
ガスクロマトグラフィーで分析を行った。その測定結果
は、図3に示すとおりであり、ハニカム体表面の呈色
は、6日目より始まり、8日目で本来の色調となり、エ
ムペンスリンの揮散量の低下と一致した。なお、図3の
グラフは、1日目の揮散量を100とした場合のもので
ある。色調の変化としては、無色からエンペンスリンの
揮散に伴い6日目より徐々に赤色調を呈し始め、8日目
赤色になった。
【0048】実験例1 本発明の拡散装置において、薬剤保持体を設置する位置
を吸気口とする場合の有利性を確認するために次の実験
を行った。実施例1で用いた段ボール紙を渦巻き状に巻
いて接着させ、直径72mmの円筒状体を形成し、それ
を厚さ10mmで切断して、直径72mm、厚さ10m
mのハニカム体を作る。このハニカム体は端からほどい
て行くと、長さが222.5cmある細長い段ボール紙
となるものである。このハニカム体にエンペンスリン約
520mgを含有するアセトン溶液5mlを含浸させ、
乾燥することにより薬剤保持体を作製した。この薬剤保
持体における薬剤の含有量を測定したところ、520.
1957mgであった。
【0049】この薬剤保持体のサンプルを、直径65m
mのプロペラ状ファンを有し、その前面に送風口を、ま
たその後面に吸気口を設けた構造からなる拡散装置の吸
気口に設置し、24時間通風し、その後の薬剤残存量を
測定することにより、薬剤の揮散量を測定した。その
際、ハニカム体を端から解き、外周の部分から一定の長
さ毎に5つの部分に分けて、各部分毎に薬剤残存量を測
定した。ハニカム体のの部分は、中心から直径30m
mまでの部分であり、またの部分は直径30〜43m
mまでの部分、の部分は直径43〜54mmまでの部
分、の部分は直径54〜67mmまでの部分、の部
分は直径67〜72mmまでの部分である。次に、前記
拡散装置の送風口に前記と同様なサンプルを設置し、2
4時間通風し、同様にして薬剤揮散量を測定した。その
測定結果を第1表に示す。この結果にみるように、吸気
口に設けた場合の方が薬剤の揮散がよく、拡散装置とし
ての効率が高い。また、薬剤保持体の発色もよく観察で
きる。
【0050】
【表1】
【0051】実験例2 本発明の拡散装置において、薬剤の揮散における風速と
揮散量の関係を確認するために以下の実験を行った。ロ
イコ体4mg、ビスフェノールA35mg、フタル酸ジ
エチル1gを含むアセトン溶液5mlをハニカム体に含
浸させ、アセトンを留去して、薬剤保持体を作成した。
そして、該薬剤保持体を拡散装置の吸気口部に設置し、
シロッコファンを駆動させることにより、風速0.2m
/秒から0.8m/秒となるような気体の流れを起こし
該薬剤保持体に当て、薬剤を揮散させるようにし、5日
間送風してこの時の揮散量を測定した。
【0052】使用したロイコ体の種類とその物質名を下
記に示す。 R−DCF 6−ジエチルアミノ−ベンゾ〔α〕−フルオラン(商品名フルオ ラン系化合物R−DCF、保土ヶ谷化学工業社製) O−DCF 1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン(商品名フル オラン系化合物O−DCF、保土ヶ谷化学工業社製) TH−107 2−(2−クロロアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン( 商品名フルオラン系化合物TH−107、保土ヶ谷化学工業社 製) B−63 3−(4−ジメチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1 −エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタ リド(商品名インドールアザフタリド系化合物ブルーの63、 山本化成株式会社製)
【0053】使用したロイコ体の種類と送風後の色の変
化を示す。 ロイコ体の種類 送風前 送風後 R−DCF 無色 赤 O−DCF 無色 橙 TH−107 無色 黒 B−63 無色 青 測定結果については、図4に風速と揮散量との関係を示
す。
【0054】
【発明の効果】この発明では、吸気口、通風部、排気口
の順に空気が送風手段により流れる揮散製薬剤の拡散装
置において、揮散性薬剤および可変色色素を担体に保持
した薬剤保持体を通気性のものとし、かつ薬剤保持体の
少なくとも一部が外部から目視可能な箇所に位置させて
いることにより、薬剤保持体から揮散性薬剤が送風手段
によって生ずる空気流により揮散され、かつその揮散性
薬剤を含有する空気がその吸引ファンの周囲に設けた排
気口から排出されるために、室内等に広く分散すること
ができるとともに、薬剤保持体の外部より目視可能な面
を高い発色濃度で変色させることできるので薬剤揮散の
終点の確認が容易にすることができる。特に、吸気口の
前に薬剤保持体を設置した場合には、高い揮散量で薬剤
を揮散させることができる効果がある。この発明は、前
記のような送風手段により揮散性薬剤を揮散させる場合
において、断続的に行われる通風条件下において薬剤揮
散の終点を確認するのを容易に行える利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡散装置の概要図を示す。
【図2】拡散装置における通風量の測定条件を示す。
【図3】本発明の拡散装置における揮散量の変化を表す
グラフを示す。
【図4】実験例2における風速と揮散量との関係を表す
グラフを示す。
【符号の説明】
1 拡散装置 2 シロッコファン 3 モーター 4 吸気口 5 薬剤保持体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気口、通風部、排気口の順に空気が送
    風手段により流れる揮散性薬剤の拡散装置において、揮
    散性薬剤および可変色色素を担体に保持した薬剤保持体
    が通気性のものであり、かつ該薬剤保持体の少なくとも
    一部が外部から目視可能な箇所に位置させていることを
    特徴とする揮散性薬剤の拡散装置。
  2. 【請求項2】 前記可変色色素が、電子供与性呈色性有
    機化合物および減感剤、あるいは電子供与性呈色性有機
    化合物、減感剤および顕色剤からなる組成物であること
    を特徴とする請求項1記載の揮散性薬剤の拡散装置。
  3. 【請求項3】 吸気口と排気口の大きさが、排気口の面
    積1に対して吸気口の面積が1から6の割合であり、前
    記薬剤保持体の担体がハニカム構造体からなることを特
    徴とする請求項1記載の揮散性薬剤の拡散装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    に記載の揮散性薬剤の拡散装置において、揮散性薬剤お
    よび可変色色素を担体に保持した薬剤保持体に送風手段
    により空気の流れを接触させることにより、該装置の外
    部よりその一部が目視可能な箇所に位置させた薬剤保持
    体を変色させることにより揮散性薬剤の終点を判別する
    方法。
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