JPH0688887B2 - 薬効指示性防虫剤 - Google Patents

薬効指示性防虫剤

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JPH0688887B2
JPH0688887B2 JP61201845A JP20184586A JPH0688887B2 JP H0688887 B2 JPH0688887 B2 JP H0688887B2 JP 61201845 A JP61201845 A JP 61201845A JP 20184586 A JP20184586 A JP 20184586A JP H0688887 B2 JPH0688887 B2 JP H0688887B2
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哲 大井
康治 武井
史朗 大山
志延 山本
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フマキラ−株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、薬効指示性防虫剤に関し、さらに詳しくは色
調の変化により視覚的に常温揮散性の液状防虫剤の薬効
残存状態及び使用のエンドポイント(終点)を容易に確
認し得るようにした発色性の薬効指示性防虫剤に関す
る。
従来の技術 従来、衣料用防虫剤としてはパラジクロルベンゼン、ナ
フタレン、樟脳などの昇華性固体薬剤が用いられてき
た。これらはそれ自身常温常圧下で徐々に昇華するた
め、顆粒、錠剤、ボール状の剤型においてその大きさ及
び消失状態で薬効残存状態及びその終点を認知すること
ができる。しかしながら、これらの固形防虫剤は殺虫効
力が低く、多量に用いなければならず、それに伴つて毒
性、臭気が問題視されていた。
このような問題を解決するものとして、近年、常温揮散
性の液状の殺虫剤、防虫剤等、殊にピレスロイド系殺虫
剤であるエムペンスリンが注目されてきており、これを
使つた商品も多数出廻つている。
発明が解決しようとする問題点 上記エムペンスリンに代表される常温揮散性の液状の殺
虫剤等はその効力が高く、上記昇華性固形防虫剤に比べ
て充分に満足すべきものである。しかしながら、反面、
上記昇華性防虫剤が消失することによつてその終点を明
確に表示するのに比較して、上記エムペンスリン等の液
状薬剤はその性状から一般に含浸体に含浸保持させた剤
型として使用されるので、効力終点時においても外観的
には何等変化を起こさず、終点を明確に認知することが
困難である。
このため、これらの商品には、一般に、薬剤の有効期間
を予め確定した上で、予定終了時期を印刷したり印刷し
たシールを貼付したりして、使用者に薬効終了時期を告
知する方法などが採用されている。しかし、このような
方法は実際の薬効を正確に表示するものではなく、薬剤
の輝散速度が例えば夏場の暑い時期と冬場の寒い時期と
ではかなり違つているにも拘らず、一定期間経過すると
交換するようになつている。このため、含浸体中の薬剤
が消失して効力がないにも拘らず使用を続けたり、逆に
薬剤が十分に残存していて効力があるにも拘らず廃棄す
るなど、予め設定した有効期間と実際に使用した時に得
られる効力のある期間とが一致しないという問題があ
る。
従つて、本発明の目的は、常温揮散性の液状薬剤を用い
た防虫剤において、薬剤が輝散する過程において色調の
変化を示し、これによつて薬効の残存状態及び終点を視
覚的に容易にしかも正確に認知することができる発色性
の薬効指示性防虫剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、常温揮散性の液状薬剤を含浸保持
する含浸体が発色したときに包装材との組合せ模様が表
出するようにして、薬効の残存状態及び終点を視覚的に
しかも美的に確認することのできる発色性の薬効指示性
防虫剤を提供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明の薬効指示性防虫剤は、上記目的を達成するた
め、常温揮散性及び減感性を有する液状の防虫薬剤、電
子供与性呈色性有機化合物及び顕色剤の三成分を必須成
分として含有保持する含浸体を、上記防虫薬剤の輝散ガ
スに対し透過性を有する透明状乃至半透明状の包装材で
包装し、該包装材を通して上記含浸体の発色による使用
のエンドポイントを容易に確認し得るようにしたことを
特徴とするものである。さらに、上記包装材に模様を印
刷し、あるいは含浸体に模様を印刷し又は含浸体を種々
の形状に成形することによつて、含浸体が発色したとき
にひとつの組合せ模様を形成するようにすることができ
る。
発明の作用及び態様 本発明の薬効指示性防虫剤の発色機構と薬効表示機能に
ついて説明する。
前記した電子供与性呈色性有機化合物としては、一般に
感熱感圧染料と称されているものがこれに属する。この
染料で工業的規模で生産されているものにはトリフエニ
ルメタン‐フタリド系、フルオラン系、フエノチアジン
系など種々のものがあるが、一例としてトリフエニメタ
ン‐フタリド系の染料であるクリスタルバイオレツトラ
クトン(CVL)について発色の原理を簡単に説明する
と、まずこの染料の顕色剤及び減感剤との反応機構は以
下のとおりである。
クリスタリバイオレツトラクトンそのものは無色である
が、顕色剤(例えばビスフエノールA)の作用によりク
リスタルバイオレツトラクトン中のラクトン環が開環
し、クリスタルバイオレツトとなり青色を呈する。一
方、減感剤(例えばエステル類、アミド類等)が作用す
ると、逆の反応が進み、ラクトン環にもどり無色とな
る。
本発明の薬効指示性防虫剤は、この発色原理を薬効表示
に応用したものであり、前記した電子供与性呈色性有機
化合物と顕色剤とにさらに揮散性減感性を有する液状の
防虫薬剤を共存せしめ、これら三成分を必須成分として
含有する発色性薬剤組成物をパルプ板等の含浸体に塗
布、含浸もしくは保持せしめることによつて、揮散前す
なわち上記薬剤が充分に残存している間は上記薬剤の減
感作用が顕色剤の作用に勝り、発色を抑える。上記薬剤
が揮散して残存率が低くなると、顕色剤と電子供与性呈
色性有機化合物との反応が開始し、呈色し始め、さらに
薬剤が完全に揮散して残存しなくなつた時に電子供与性
呈色性有機化合物特有の色調を呈する。従つて、上記反
応過程と揮散性減感性の液状防虫薬剤の揮散過程とが対
応し、上記組成物の色調の変化により視覚的に揮散性減
感性の液状防虫薬剤の薬効残存状態及びその終点を極め
て正確に認知することができる。
以下、本発明の各種態様について詳細に説明する。
本発明において使用する揮散性減感性を有する液状の防
虫薬剤とは、通常の使用状態(常温常圧下)において揮
散し、かつ前記電子供与性呈色性有機化合物に対して減
感作用を有する防虫性薬剤であり、例えば(R,S)‐1-
エチニル‐2-メチルペント‐2-エニル(1R)‐シス、ト
ランスクリサンテマート(以下、エムペンスリンとい
う)、1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル‐2,2-ジメ
チル‐3-(2′,2′‐ジクロルビニル)‐シクロプロパ
ン‐1-カルボキシレート、1-エチニル‐2-メチル‐2-ペ
ンテニル‐2,2-ジメチル‐3-(2′‐メチル‐1′‐プ
ロペニル)‐シクロプロパン‐1-カルボキシレート、1-
エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル‐2,2,3,3-テトラメ
チルシクロプロパンカルボキシレート、5-(2-プロパル
ギル)‐3-フリルメチルクリサンテマート(一般名フラ
メトリン)、等のピレスロイド系殺虫剤、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フマル酸
ジエチル、N,N-ジエチル‐m-トルアミド等の防虫・忌避
剤、安息香酸エチル、サフロール、イソサフロール、オ
イゲノール、シトロネロール、アネトール、l-カルボン
等の防虫性香料、ケイ皮アルデヒド、ベンズアルデヒド
等の防虫・防黴剤、などが挙げられ、上記防虫性薬剤を
単独であるいは2種以上組み合わせて使用することがで
きる。
上記揮散性減感性を有する液状防虫薬剤は、電子供与性
呈色性有機化合物及び/又は顕色剤を均一に溶解または
混合できることが好ましいが、不溶または難溶の場合は
溶剤を使用してもよい。溶剤としては、上記薬剤、電子
供与性呈色性有機化合物及び顕色剤を均一に溶解するも
ので、経時的に溶解物を安定に保つものであればよく、
例えば脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ハロゲン
化炭化水素類、アルコール類、エステル類、エーテル
類、ケトン類、アミド類等が挙げられる。薬剤の揮散速
度と溶剤の揮散速度が大きく異なると、正確な薬効表示
が困難になるなどの弊害を生じる場合がある。この場合
には、薬剤と溶剤の揮散速度が大きく異ならないものを
使用すればよい。溶剤は、それ自身薬効を有していても
有さなくても構わない。
本発明において使用する電子供与性呈色性有機化合物と
しては、トリフエニルメタンフタリド類、フルオラン
類、フエノチアジン類、インドリルフタリド類、スピロ
ピラン類、ロイコオーラミン類、ローダミンラクタム類
等があり、例示するとマラカイトグリーンラクトン、ク
リスタルバイオレツトラクトン、ローダミンラクトン、
3-ジエチルアミノ‐6,8-ジメチルフルオラン、3-シクロ
ヘキシルアミノ‐6-クロロフルオラン、2-メチル‐6-
(N-p-トリル‐N-エチルアミノ)フルオラン、3-ジエチ
ルアミノ‐6-メチル‐7-クロロフルオラン、3-ジエチル
アミノ‐7-メトキシフルオラン、3-ジエチルアミノ‐6-
ベンジルオキシフルオラン、3-ジエチルアミノ‐6-メチ
ルフルオラン、3-ジエチルアミノ‐7-クロロフルオラ
ン、3-ジエチルアミノ‐5-メチル‐7-(N,N-ジベンジル
アミノ)フルオラン、3-ジエチルアミノ‐6-メチル‐7-
アニリノフルオラン、3-ジエチルアミノ‐7-クロロアニ
リノフルオラン、3-ピロリジノ‐6-メチル‐7-アニリノ
フルオラン、3-(ジエチルアミノ)‐7-(N,N-ジベンジ
ルアミノ)フルオラン、3-ピペリジノ‐6-メチル‐7-ア
ニリノフルオラン、3,6-ビス(ジエチルアミノ)フルオ
ラン‐γ‐(4′‐ニトロアニリノ)ラクタム、3-(N-
シクロヘキシル‐N-メチルアミノ)6-メチル‐7-アニリ
ノフルオラン、2,3-ブチレン‐6-ジ‐n-ブチルアミノフ
ルオラン、3-ジエチル‐7-(p-トルイジノ)フルオラ
ン、3-ジエチルアミノ‐7-(N-メチルアニリノ)フルオ
ラン、3-ジメチルアミノ‐6-メトキシフルオラン、1,2-
ベンツ‐6-ジエチルアミノフルオラン、3,6-ジエトキシ
フルオラン、3-ジエチルアミノ‐6-メチル‐7-クロルフ
ルオラン、1,2-ベンツ‐6-ジエチルアミノフルオラン、
N-フエニルローダミンラクタム、2-〔3,6-ビス(ジエチ
ルアミノ)‐9-(0-クロロアニリノ)キサンチル〕安息
香酸ラクタム、2-(フエニルイミノエタンジリデン)‐
3,3-ジメチルインドリン,8′‐メトキシ‐N-3,3-トリメ
チルインドリノベンゾスピロピラン、N-3,3-トリメチル
インドリノベンゾスピロピラン、1,3,3-トリメチルイン
ドリノ‐2,2′‐スピロ‐6′‐ニトロ‐8′‐メトキ
シベンゾピラン、1,3,3-トリメチル‐インドリノ‐7′
‐クロル‐β‐ナフトスピロピラン、ジ‐β‐ナフスト
ピロピラン、ベンゾ‐β‐ナフトイソスピロピラン、キ
サント‐β‐ナフトスピロピラン、N-アセチルオーラミ
ン、N-フエニルオーラミン、ローダミンBラクタム、ベ
ンゾイルロイコメチレンブルー、メチルロイコメチレン
ブルー、エチルロイコメチレンブルー、メトキシベンゾ
イルロイコメチレンブルー等が挙げられ、その使用に当
つては単独でも2種以上でもよい。上記電子供与性呈色
性有機化合物は、薬剤組成物の使用状態で揮散せずに残
存し、すなわち、非揮散性もしくは難揮散性のものであ
れば従来公知の各種の化合物が使用できる。
以上の電子供与性呈色性有機化合物は、単独では無色な
いし淡色であるが、顕色剤が存在すると発色するもので
ある。本発明において使用する顕色剤を例示すると、2,
2-ビス(4′‐ヒドロキシフエニル)プロパン、3,3′
‐チオジプロピオン酸ジミリスチル、2,2′‐メチレン
ビス(4-クロルフエノール)、4,4′‐メチレンビス‐
2,6-ジ‐t-ブチルフエノール、2,4,6-トリス(3′,5′
‐ジ‐t-ブチル‐4′‐ヒドロキシベンジル)メシチレ
ン、4,4′‐チオジフエノール、4-4′‐ビス(4ヒドロ
キシフエニル)スルホン、ブチリデンビス‐6-t-ブチル
‐m-クレゾール、p-フエニルフエノール、1,1,3-トリス
(2-メチル‐4-ヒドロキシ‐5-t-ブチルフエニル)ブタ
ン、3,5-ジ‐t-ブチルカテコール、カテコール、p-t-ブ
チルカテコール、没食子酸メチル、サリチル酸フエニ
ル、サリチルアニリド、サリチル酸p-オクチルフエニ
ル、サリチル酸p-t-ブチルフエニル、2-ヒドロキシ‐4-
メトキシベンゾフエノン、2,2′,4,4′‐テトラヒドロ
キシベンゾフエノン、2,2′‐ジヒドロキシ‐4-メトキ
シベンゾフエノン、2,2′‐ジヒドロキシ‐4,4′‐ジメ
トキシベンゾフエノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフエノ
ン、2-ヒドロキシ‐4-n-オクトキシベンゾフエノン、β
‐ナフトール、p-クレゾール、ハイドロキノン、ブチル
ヒドロキシアニソール、6-t-ブチル‐2,4-キシレノー
ル、p-ヒドロキシベンジルアルコール、0-t-ブチルフエ
ノール、t-ブチルハイドロキノン、2-t-ブチル‐6-メチ
ルフエノール、2,5-ジ‐t-ブチルハイドロキノン、p-ヒ
ドロキシ安息香酸プロピル、1,2,4-トリヒドロキシベン
ゼン、1,2,3-ベンゾトリアゾール、等が挙げられ、前記
した意味での非揮散性もしくは難揮散性の従来公知の各
種顕色剤が使用できる。上記顕色剤は単独もしくは2種
以上で使用してもよい。これらの顕色剤の中には、薬剤
に混入した場合に抗酸化剤及び紫外線吸収剤としても有
用な化合物が多く、そのような作用を有する顕色剤を使
用すれば薬剤の安定化に有効となる。
本発明における揮散性減感性を有する液状防虫剤と電子
供与性呈色性有機化合物及び顕色剤の配合割合は、通
常、重量比で薬剤:電子供与性呈色性有機化合物:顕色
剤=100:0.1〜50:0.01〜100程度で充分である。電子供
与性呈色性有機化合物の配合量が多い程その発色濃度が
高くなるが、大過剰になると均一な混合、溶解が困難と
なり、また薬剤の揮散抑制、電子供与性呈色性有機化合
物等による汚染などの問題を生じるので好ましくない。
一方、顕色剤の配合量は、本発明の発色性薬剤組成物特
に該組成物含浸保持体の場合、全体的に発色濃度が低い
ため多くする程よいが、大過剰の場合には均一な混合、
溶解が困難となり、また発色状態が安定しない等の問題
を生じるので好ましくない。従つて、上記配合割合の好
ましい範囲は100:0.2〜30:0.1〜50である。
なお、本発明の発色性薬剤組成物は、前記発明の作用の
項目で説明したように、揮散性減感性の液状防虫薬剤に
より電子供与性呈色性有機化合物の顕色剤による呈色を
抑制し、上記薬剤の揮散により呈色を生起させるもので
ある。従つて、電子供与性呈色性有機化合物が呈色する
か否かは上記減感性薬剤の反応性(減感性)と顕色剤の
反応性(顕色性)の強弱について決まる。上記薬剤が残
存している間は、電子供与性呈色性有機化合物の呈色は
抑制される必要がある。従つて、上記薬剤そのものの減
感性が弱い場合には、その作用の弱い顕色剤を用いる
か、あるいは減感性の薬剤を使用して上記薬剤の減感性
を補償してやればよい。この場合、何らかの薬効を有す
る溶媒を使用することもできる。但し、揮散性減感性の
液状防虫薬剤と減感性溶剤の揮散速度が大きく異なると
正確な薬効表示が困難となるので、同じような揮散速度
のものが好ましい。
このような揮散性でしかも減感性の溶剤としては、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチ
ル、酢酸イソアミル、酢酸n-オクチル、フマル酸ジメチ
ル、n-カプロン酸メチル、n-カプリン酸メチル、ラウリ
ン酸メチル、アジピン酸ジオクチル、サリチル酸n-プロ
ピル、ミリスチン酸エチル、n-カプリン酸n-アミル、ウ
ンデカン酸イソブチル、ラウリン酸イソブチル、ラウリ
ン酸エチル、n-カプロン酸イソアミル、アジピン酸ジブ
チル、ブチルカルビトール、n-デカン、1,1,1-トリクロ
ルエタン、ヤシ油、トリエチルアミン、ジエチルアミ
ン、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、n-オクチルアル
コール、トルエン、モルホリン、ジメチルグリコール等
のケトン類、エーテル類、エステル類、アルコール類、
炭化水素類、アミン類などが挙げられる。
電子供与性呈色性有機化合物が発色して得られる色調と
しては、赤,黒,青,緑,紫,橙,黄,茶と殆んどの色
が得られるため、使用する薬剤に対して適当に電子供与
性呈色性有機化合物と顕色剤、さらに必要とあれば溶剤
を選定することによつて、目的とする色調、色濃度及び
色変期間を得ることができる。
また、一般の油溶性染料等着色剤を添加することによ
り、有色から有色への色変も可能である。一例を示す
と、忌避剤N,N-ジエチル‐m-トリアミド100部に油溶性
染料アイゼンスピロンブル‐GNH 1部、電子供与性呈
色性有機化合物NC-R-1(フルオラン系化合物)1部、顕
色剤ビスフエノールA2部の混合溶解液をリンターマツト
に塗布し、室温で放置すると、上記忌避剤の揮散に応じ
て青色→青紫→赤紫の変色が得られる。
含浸体としては、紙、不織布、布、木材、パルプ、無機
高分子物質、無機多孔質物質(ケイ酸塩、シリカ、ゼオ
ライト等)、有機高分子物質(セルロース、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリビニルアル
コール、酢酸ビニル‐塩化ビニル共重合体、スチレン‐
ジビニルベンゼン共重合体等)、ゲル化物質(寒天、カ
ラギーナン、でん粉、ゼラチン、アルギン酸等)、昇華
性物質(アダマンタン、シクロドデカン、ノルボルナ
ン、トリメチルノルボルナン、エンド‐トリメチレンノ
ルボルナン、パラジクロロベンゼン、ナフタリン、樟脳
等)などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み
合わせて使用でき、マツト状、シート状、フイルム状、
ゲル状、粉状、粒状、打錠形など任意の剤型で使用でき
る。
含浸体への薬剤の適用方法としては各種方法が採用で
き、例えば多孔質含浸体の場合、滴下塗布、浸漬塗布、
スプレー塗布、印刷、ハゲ塗りなどにより塗布含浸で
き、またゲル化物質等の場合は薬剤との混合物をそのま
まゲル状あるいは粉状、粒状等に製剤することができ
る。
含浸体に対する薬剤組成物含有濃度は、目的とする色変
が起こり、それを視覚的に判別できればよく、含浸体自
身の色にもよるが、通常、含浸体に対して飽和含浸量
(もしくは飽和保持量)の10〜80%程度が適当である。
例えば、飽和含浸量1.5gのリンター製マツト(白色無
地)にN,N-ジエチル‐m-トルアミド100部、NC-R-1 1
部、ビスフエノールA2部の薬剤組成物を含浸した場合
に、塗布量が約0.1g以下では薬剤組成物のマツトへの拡
散が悪く、色変後の色濃度も低く、呈色の具合が判然と
しにくい。逆に飽和量に近い量を塗布すると、薬剤組成
物の滲出が起こり、汚染等の問題を生じる。但し、浸
透、拡散のない薬剤組成物(固形物あるいは流動物もし
くは半流動物等)、例えば無機物質、高分子物質などを
配合した組成物にスポツト的に塗布又は印刷する場合に
は上記範囲でなくてもよい。また、有機高分子化合物ま
たは昇華剤などを保持体として使用した場合には、薬剤
組成物を高濃度に保持(含有)することができない。そ
のような時には保持能力の高い吸着物質に保持させた後
に混入する方法が利用できる。
前記含浸体には、必要に応じてバインダー、紫外線吸収
剤、抗酸化剤、減感剤、増感剤、協力剤、揮散調節剤等
を配合することができる。また、含浸体は、それ自体色
を有するものであつてもよく、この場合、有色から有色
への色変が得られる。
前記常温揮散性、減感性を有する液状防虫薬剤、電子供
与性呈色性有機化合物及び顕色剤の三成分を必須成分と
して含有保持する含浸体は、上記防虫薬剤の揮散ガスに
対し透過性を有する透明状乃至半透明状の包装材で包装
される。これにより、上記液状防虫薬剤は包装材を通し
て揮散され、また該包装材を介して上記含浸体の発色に
より薬効残存状態及び効力終点を容易に確認することが
できる。なお、上記ガス透過性を有する透明状乃至半透
明状の包装材で含浸体全体を包装することは充分な薬剤
揮散を行なう上では好ましいが、必ずしもそうする必要
はなく、例えば含浸体の一方の面を揮散ガス遮断性カバ
ー材で被い、他方の面を上記包装材で被うように包装す
ることも可能であり、また上記包装材の使用面積を変え
ることによつて揮散面積を調整することも可能である。
上記包装材としては上記性質を有する各種材料が使用可
能であり、例えば天然あるいは合成繊維の不織布あるい
はこれらを薄いフイルムでラミネート加工したもの、フ
イルムに多数の微小孔を穿孔したものなどが使用可能で
あるが、好ましくはポリエステル、ポリプロピレン、ナ
イロンなどの合成繊維で構成され、35〜70g/m2、より好
ましくは40〜60g/m2/の目付の不織布が好適に使用でき
る。このような不織布で包装することによつて、含浸体
から薬剤が不織布を介して他物質へ移行するのを防止で
き、なおかつこの不織布は充分な気体透過性を有してい
るため、効力の低下を殆んど招かない。すなわち、薬剤
の揮散をそれ程犠牲にすることなく接触汚染を防止する
ことが可能となる。使用される不織布の目付が35g/m2
り小さい場合、不織布は薄くかつ粗い目になつてしま
い、薬液汚染を充分に防止することが困難となり、一
方、70g/m2より大きくなつた場合、不織布は厚く目も細
かくなるため、充分な薬剤揮散量を確保することが困難
となるので好ましくない。
前記含浸体あるいは不織布に種々の模様を印刷したり、
あるいは含浸体を種々の形状に成形することができる。
このようにすることによつて、含浸体が前記作用に基づ
いて発色したときにひとつの組合せ模様が表出し、例え
ば衣料用防虫剤など具体的な商品形態における使用にお
いて、需要者に意匠的審美感を満足させ、商品価値をよ
り高めることができる。
実 施 例 以下、実施例を示して本発明について具体的に説明す
る。
実施例1 エムペンスリン 100重量部 NC-0-1*) 2重量部 ビスフエノールA 5重量部 *)フルオラン系化合物、保土谷化学工業(株)製 上記の割合で配合した調合薬液300mgを、矩形(6cm×10
cm×2mm厚)のパルプマツト1aに塗布したものを、第1
図に示すように、チユーリツプの花の部分を残して枝葉
の部分が緑色に背景がスカイブルー色に着色印刷された
不織布の包装材2aに収納し、四辺を溶着して衣料用防虫
剤を得た。
この衣料用防虫剤の薬液含浸体は、4ケ月目位から周囲
が色変し始め、7ケ月で全体がオレンジ色になり、第2
図に示すようにチユーリツプの花の部分が半透明な不織
布を通してオレンジ色に表出してきた。
実施例2 上記実施例1と同一配合の調合薬液を、チユーリツプの
花形に切り抜いたパルプマツト1b(約20cm2,厚み1mm)
に100mg、矩形状のパルプマツト1c(約10cm2,厚み1mm)
に50mg塗布したものを、第3図に示すように、枝葉の部
分が緑色に着色印刷された不織布の包装材2bに分割収納
し、四辺及び分割部を溶着して衣料用防虫剤を得た。
この衣料用防虫剤の薬液含浸体は、2ケ月目位から周囲
が色づき始め、3ケ月余りで第4図に示すように花全体
及び架台部が半透明な不織布を通してオレンジ色に表出
してきた。
実施例3 第5図に示すように、バラの花形に切り抜いたパルプマ
ツト1d(約80cm2,厚み1mm)に花柄を印刷し、上記実施
例1と同一配合の調合薬液400mgを塗布したものを、枝
葉の部分が緑色に着色印刷された不織布の包装材2cに収
納し、四辺を溶着して衣料用防虫剤を得た。
この衣料用防虫剤の薬液含浸体は、3ケ月目位から周囲
が色づき始め、6ケ月目で花全体がオレンジ色になり、
第6図に示すように半透明な不織布を通してオレンジ色
に表出してきた。
前記した各実施例の変形として、例えば第7図に示すよ
うにリンゴの果実の部分を残して枝葉及び幹の部分を着
色印刷した不織布2dを用い、あるいは第8図に示すよう
に放射状の未印刷部3を残して他の部分を着色印刷した
不織布2eを用い、中に収納した円板状、矩形状等の薬液
含浸体が周囲から順次色変してゆく様子がわかるように
することもできる。
実施例4 (A)各種薬剤、(B)各種電子供与性呈色性有機化合
物、及び(C)各種顕色剤を概して(A):(B):
(C)=100:2:4の重量比で混合溶解し、リンターマツ
ト2.8mm厚、2.2×3.5cmに0.5g塗布したものを不織布で
包装した。これを20〜40℃の恒過槽中に放置し、マツト
の色変を観察した。その結果を表‐1に示す。
種々の効能を有する薬剤について、赤,青,橙,黒色の
色変が得られ、明確に終点を認知することができた。
実施例5 (A)薬剤としてN,N-ジエチル‐m-トルアミド、(B)
電子供与性呈色性有機化合物としてNC-R-1、及び(C)
各種顕色剤を(A):(B):(C)=100:2:4〜6の
重量比で混合溶解し、前記実施例4と全く同様にリンタ
ーマツトに塗布含浸させ、不織布で包装した。これを前
記実施例4と同様にしてマツトの色変を観察した。
その結果を表‐2に示す。
薬剤(A)及び電子供与性呈色有機化合物(B)を一定
の化合物に統一して、顕色剤(C)を種々変化させたも
のであるが、表‐2から明らかなように、電子供与性呈
色性有機化合物を変えなくても、顕色剤を変えるだけで
種々の色変を得ることができた。
なお、前記各表において、電子供与性呈色性有機化合物
についての各略語は以下の化合物を示す。
NC-R-1:保土谷化学工業(株)製フルオラン系化合物 NC-R-2: 〃 NC-Black-1: 〃 NC-O-1: 〃 NC-Blue-3: 〃 CVL:クリスタルバイオレツトラクトン BLMB:ベンゾイルロイコメチレンブルー 発明の効果 以上述べたように、本発明に係る薬効指示性防虫剤は、
常温揮散性及び減感性を有する液状の防虫薬剤、電子供
与性呈色性有機化合物及び顕色剤の三成分を必須成分と
して含有保持する含浸体を、上記防虫薬剤の揮散ガスに
対し透過性を有する透明状乃至半透明状の包装材で包装
したものであり、揮散性減感性の液状防虫薬剤が充分に
残存している間は顕色剤の電子供与性呈色性有機化合物
に対する反応を抑圧して呈色を抑え、上記薬剤の揮散に
よつて呈色を生起させるものである。このため、上記呈
色変化により、使用者は薬効の終点や中間点等を視覚的
に極めて正確に認知することができる。また、本発明の
薬効指示性防虫剤は、上記のような薬効指示性組成物を
紙、布、パルプ、多孔質物質、高分子物質、ゲル化物質
等に含浸、塗布もしくは保持させたものを不織布等の包
装材で包装したものであり、これによりマツト状、ゲル
状、粉状、粒状等各種剤型に極めて容易にまた安価に製
造でき、またこれにより液状の揮散性薬剤を固形状とし
て扱うことができ、汚染を防止できると共に、安定した
色調の発色が得られて色変をより明確にできる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の薬効指示性防虫剤の一実施例を示す色
変前の状態を示す部分破断図、第2図は色変後の状態を
示す部分破断図、第3図乃至第6図は他の実施例を示す
部分破断図であり、第3図及び第5図は色変前、第4図
及び第6図は色変後の状態を示し、第7図及び第8図は
不織布の印刷模様の例を示す正面図である。 1a,1b,1c,1d……パルプマツト、 2a,2b,2c,2d,2e……包装材(不織布)。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】常温揮散性及び減感性を有する液状の防虫
    薬剤、電子供与性呈色性有機化合物及び顕色剤の三成分
    を必須成分として含有保持する含浸体を、上記防虫薬剤
    の揮散ガスに対し透過性を有する透明状乃至半透明状の
    包装材で包装し、該包装材を通して上記含浸体の発色に
    よる使用のエンドポイントを容易に確認し得るようにし
    たことを特徴とする薬効指示性防虫剤。
  2. 【請求項2】液状の防虫薬剤がエムペンスリンである特
    許請求の範囲第1項に記載の薬効指示性防虫剤。
  3. 【請求項3】包装材が不織布である特許請求の範囲第1
    項又は第2項に記載の薬効指示性防虫剤。
  4. 【請求項4】含浸体が発色したときにひとつの組合せ模
    様を形成するように包装材に模様を印刷したものである
    特許請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の薬
    効指示性防虫剤。
  5. 【請求項5】含浸体が発色したときにひとつの組合せ模
    様を形成するように含浸体に模様を印刷したものである
    特許請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の薬
    効指示性防虫剤。
  6. 【請求項6】含浸体が発色したときにひとつの組合せ模
    様を形成するように含浸体を種々の形状に成形したもの
    である特許請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記
    載の薬効指示性防虫剤。
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