JP2002029907A - 衣料用害虫防除剤 - Google Patents
衣料用害虫防除剤Info
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Abstract
虫防除剤の提供。 【解決手段】 一般式 化3 【化3】 〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子
で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
含浸体に含浸させたものを衣料用害虫防除剤とする。
Description
剤、特にはその防除作用が衣料用害虫の活動温度帯にの
み、なされるようにした衣料用害虫防除剤に関する。
ラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのう、ピレス
ロイド系防虫剤(ベーパースリン)が使用されている。
パラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのうはそれ
自体の昇華性が高く、常温で良く昇華するものであり、
また、ピレスロイド系薬剤ベーパースリンはピレスロイ
ド系薬剤の中で蒸気圧が高く、常温で十分な防虫効果を
発揮する量の蒸散をなすものである。
ン、ナフタリン、しょうのうは衣類収納空間の気温が1
0℃未満の場合でも、臭気を感じるほどの昇華性を有す
る。また、ピレスロイド系薬剤ベーパースリンは現在上
市されている商品サイズでは、衣類収納空間の気温が1
0℃未満の場合でも、衣料害虫に対して有効的な効果を
発揮し得る量の蒸散を行う。ところで、ヒメカツオブシ
ムシ、イガ等の衣料害虫が活動し、衣類に対して食害ま
たは産卵、増殖を行う活動温度帯は15℃〜30℃であ
る。従って上記のような、現在市場に上市されている衣
料用防虫剤は、衣料用害虫の活動温度帯ではない気温1
0℃未満においても昇華または蒸散していることにな
る。日本の気候の統計では、気温10℃未満の日数は年
間120日程度とされるから、上記のような、現在市場
に上市されている衣料用防虫剤は、かなりの日数に亘っ
て、無駄な昇華または蒸散をなしている可能性がある。
また、常温蒸散性薬剤の蒸散媒体に関係しての蒸散性に
ついていえば、その蒸散性を主に含浸体の素材、面積お
よび目付けに依存していること、並びに商品性の面を考
慮すると、商品を極端に小型化、大型化することは技術
的に困難であるか、および/または経済的な不利を生ず
る。以上のように、現在市場に上市されている衣料用防
虫剤は、原体としても商品の構造としても衣料害虫の活
動しない温度帯においてもその有効成分を昇華または蒸
散させ続けるものとなっている。このことは、単純に薬
剤を無駄に使用しているだけでなく、人及びペット等の
小動物が常に薬剤を吸入するまたは摂取する可能性を示
唆するものである。本発明は、上記のような現在上市さ
れている衣料用防虫剤の欠点を解消して衣料害虫の活動
温度帯10℃以上においてのみ、有効に防虫効果を発揮
する量の蒸散を行い、虫の活動しない10℃以下の条件
下においては、ほぼ全く有効成分が蒸散しない防虫剤を
提供することを目的としている。
で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
含浸体に含浸させることによって衣料用防虫剤を構成
し、害虫の活動温度帯のみ防虫効果が得られるようにす
る。
体としての適正試験および温度の試験区での効力試験に
よるスクーリングテストから、一般式 化2(段落 0
004参照)で示されるエステル化合物を含浸体に含浸
させたものは、衣料害虫に対する衣料用防虫剤として顕
著な効果がある上、衣料用害虫の活動温度帯にもっぱら
効力を発揮するため、本発明の課題を解決しうるもので
あることが見出された。一般式 化2で示される化合物
の例を化合物番号とともに表1に示すが、化2で示され
る化合物はこれらの例に限定されないことはいうまでも
ない。
個体とウールモスリン布(5×5cm)を入れ蓋をす
る。各シャーレを0℃、5℃、10℃、15℃、20
℃、25℃、30℃の恒温室に静置する。一週間後にウ
ールモスリン布を回収し、ウールモスリン布の食害跡及
び食害量の算出を行う。試験は3回繰り返しで行う。ま
た、イガ中齢幼虫に対しても同様の操作を行い評価す
る。 ・結果 両供試虫の各温度での食害量を表2に示す。
リン布に食害は確認されなかった。15℃以上では、両
供試虫とも温度が上昇するにつれ、食害量も多くなり3
0℃で若干食害量が少なくなる。 ・考察 結果より、両供試虫とも10℃以下では、布に食害を与
えず、15℃以上で食害を与える。
オブシムシ中齢幼虫)10個体とウールモスリン布(5
×5cm)を入れたシャーレを設置する。各原体50m
gをPP不織布(5×5cm目付け100g/m2)に
塗布した供試剤をガラスシリンダー蓋に吊り下げ、ガラ
スシリンダーに蓋にする。0℃、5℃、10℃、15
℃、20℃、25℃、30℃の恒温室に作製したガラス
シリンダーを設置し、7日後の供試虫のノックダウン数
のカウントおよびウールモスリン布の食害跡の評価を行
う。 ・結果 結果を表3に示す。
る供試虫は確認されなかったが、ベーパースリン試験区
では、5℃と10℃の試験区においてノックダウンが確
認された。また、全試験区において食害跡は確認されな
かった。 ・考察 結果より、ブランクで食害が確認されなかった、ベーパ
ースリン5℃と10℃の試験区において供試虫のノック
ダウンが確認されたことから、虫の活動温度帯において
も、ベーパースリンが効力を発揮していると考えられ
る。供試薬剤において、5℃と10℃の試験区では供試
虫のノックダウン効果が確認できず、15℃以上のみ試
験区において供試虫のノックダウン効果が確認されたこ
とから虫の活動温度帯のみ効力を発揮していると考えら
れる。このことから供試薬剤は既存の蒸散性薬剤より蒸
気圧が低いため長期にわたって安定した防虫効果を得る
ことができ経済的であるということができる。
ての実験 ・方法 目付け15、25、50g/m2のPP不織布(5×5
cm RW2100:出光石油化学)及び目付け30、
40、70g/m2のクレープ紙(5×5cm:三木特
殊製紙)に各原体50mgをアセトンにて希釈塗布し、
供試剤を作製し、洋ダンス(500L)内に吊り下げ
る。0ヶ月目〜6ヶ月目に各供試剤を回収し、供試虫
(ヒメカツオブシムシ中齢幼虫)10個体を入れたガラ
スシリンダー(25L)蓋に各供試剤を吊り下げる。7
日後の供試虫のノックダウン数およびウールモスリン布
の食害跡の評価を行う。 ・結果 結果を表4に示す。
紙30g/m2で、4ヶ月以降の低下が確認された。 ・考察 結果より、各原体の安定した効力を維持させるにはPP
不織布において目付け15g/m2以上、クレープ紙に
おいては目付け30g/m2以上必要であると考えられ
る。これ以下の目付けでは両含浸体とも原体保持力が弱
く、また、通気の影響で揮散が促進されてしまうと考え
られる。
料害虫の活動温度帯でのみ、もっぱら効力を有する衣料
防虫剤が提携されるので、経済的である上、人やペット
等の小動物への影響も最小にすることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式 化1 【化1】 〔式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子
で置換されていてもよいC1〜C3アルキル基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよいC2〜C3アルケニル
基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1〜C3ア
ルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいC1
〜C3アルキルチオ基またはハロゲン原子で置換されて
いてもよい(C1〜C3アルコキシ)メチル基を表し、
nは1〜4の整数を意味し、Xは水素原子またはC1〜
C3アルキル基を表す。〕で示されるエステル化合物を
含浸体に含浸させたことを特徴とする衣料用害虫防除
剤。 - 【請求項2】 含浸体は、ポリオレフィン系またはポリ
エステル系不織布であり、その目付が20g/m2以上
である不織布であることを特徴とする請求項1記載の衣
料用害虫防除剤。 - 【請求項3】 含浸体は、パルプを主成分とし、その目
付が40g/m2であるシート状含浸体であることを特
徴とする請求項1記載の衣料用害虫防除剤。
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