JP2000281515A - 害虫防除方法及び害虫防除装置 - Google Patents

害虫防除方法及び害虫防除装置

Info

Publication number
JP2000281515A
JP2000281515A JP11148167A JP14816799A JP2000281515A JP 2000281515 A JP2000281515 A JP 2000281515A JP 11148167 A JP11148167 A JP 11148167A JP 14816799 A JP14816799 A JP 14816799A JP 2000281515 A JP2000281515 A JP 2000281515A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carrier
shaft
air
insect repellent
pest control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11148167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4237336B2 (ja
Inventor
Takao Ishiwatari
多賀男 石渡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP14816799A priority Critical patent/JP4237336B2/ja
Publication of JP2000281515A publication Critical patent/JP2000281515A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4237336B2 publication Critical patent/JP4237336B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱源を使用することなく安定でかつ持続的な
優れた害虫防除効果が得られる害虫防除方法を提供する
こと。 【解決手段】 特定の有効成分を担体に保持させてなる
防虫材の表面に相対的な空気の流れを生じさせて、この
有効成分を空気中に揮散させる。なお、有効成分は、1
-エチニル-2-メチル-2-ペンテニル 3-(2-クロロ-2
-フルオロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカル
ボキシラート、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチル
ベンジル 3-(2-メチル-1-プロペニル)-2,2-ジメチ
ルシクロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6-テト
ラフルオロ-4-メチルベンジル3-(2-クロロ-2-フル
オロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシ
ラートおよび2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベ
ンジル 3-(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロ
パンカルボキシラートから選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、害虫防除方法に関
し、さらに詳しくは、害虫の殺滅方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、蚊などの殺虫または刺咬防止を目的として、蚊取り
線香や、マットタイプまたは液体タイプの電気蚊取器が
用いられてきた。前者は線香の燃焼による熱を、後者は
電源を用いた発熱基盤による120〜170℃の発熱を
利用して、有効成分を蒸散させるものである。
【0003】しかしながら、上記の方法では、火災や火
傷の危険性があり、火などの熱源を用いることから、野
外や無人環境での使用に制限があった。また、有効成分
を高温で加熱するので、安定化剤などを用いても、有効
成分の熱分解を防ぐことが困難であった。
【0004】一方、熱源を使用しない害虫防除方法とし
て、WO 96/04786には、送風手段を用いて発生させた空
気の流れに接触させることにより、エンペントリンなど
の有効成分を揮散させる方法が記載されているが、この
方法を採用しても、必ずしも十分な効果が得られない場
合があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るために、本発明者は種々の検討を行った結果、特定の
有効成分を担体に保持させてなる防虫材の表面に相対的
な空気の流れを生じさせることにより、該有効成分が効
率よく空気中に揮散し、その結果、優れた害虫防除効果
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、1-エチニル-2-メ
チル-2-ペンテニル 3-(2-クロロ-2-フルオロビニ
ル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、
2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 3-
(2-メチル-1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロ
パンカルボキシラート、2,3,5,6-テトラフルオロ-
4-メチルベンジル 3-(2-クロロ-2-フルオロビニル)
-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラートおよ
び2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル3-
(1-プロペニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボ
キシラートからなる群から選択される少なくとも1種の
有効成分を担体に保持させてなる防虫材の表面に相対的
な空気の流れを生じさせて、該有効成分を揮散させるこ
とを特徴とする害虫防除方法を提供する。
【0007】本発明に係る害虫防除方法の他の形態は、
空気と接触することにより蒸発し得る防虫材を有するキ
ャリアを用意し、このキャリアを移動させ、それにより
キャリアに対する空気の流れを形成するものである。
【0008】本発明に係る害虫防除装置は、空気と接触
することにより蒸発し得る防虫材を有するキャリアと、
キャリアを移動し、これによりキャリアに対する空気の
流れを形成する手段とを備えている。
【0009】本発明の他の形態において、害虫防除装置
は、キャリアとモータを有する。キャリアは、空気との
接触により蒸発し得る防虫材を含み、シャフトと、この
シャフトに固定的に支持されてシャフトからほぼ半径方
向外側に伸びる特定部分を有する。モータは、シャフト
を中心にキャリアを回転し、これによりキャリアに対す
る空気の流れを形成して防虫材の蒸発を促進する。
【0010】本発明の他の形態において、害虫防除装置
は、空気との接触により蒸発し得る防虫材を含む。キャ
リアはシャフトとブレードを有する。ブレードは、シャ
フトに固定的に支持されてシャフトからほぼ半径方向外
側に伸びている。特に、ブレードはシャフトに垂直な平
面に対して斜めになっている。キャリアがシャフトを中
心に回転できるようにキャリアを支持する軸受が設けて
ある。この装置はさらに、モータとファンを有する。フ
ァンは、モータに駆動連結されており、ファンは回転し
てブレードの傾斜ブレードに空気の流れを与えてキャリ
アを回転する。これにより、キャリアに対して別の空気
の流れを形成され、防虫材の蒸発が促進される。
【0011】上記キャリアには、シャフトを中心に等間
隔に配置された複数のブレードを設けてもよい。また、
その装置には、キャリアの周囲を囲む通気性の部材を設
けてもよい。
【0012】本発明の他の形態において、害虫防除装置
は、空気との接触により蒸発し得る防虫材を含むキャリ
アを備えている。このキャリアは、軸受部分と、軸受部
分からほぼ半径方向外側に伸びる水平部分と、水平部分
からほぼ下方に伸びる垂直部分とを有する。シャフト
は、回転できるようにモータに駆動連結され、シャフト
の回転時に形成される軸受部分と上記シャフトとの間の
摩擦接触によりシャフトを中心にキャリアが回転するよ
うに軸受部分に係合されている。これにより、キャリア
に対する空気の流れが形成され、防虫材の蒸発が促進さ
れる。ファンは、シャフトに固定的に支持されており、
シャフトと共に回転してキャリアの蒸発を促進する別の
空気の流れをキャリアに提供する。このファンを遠心フ
ァンとし、これをキャリアの内側に配置してもよい。
【0013】本発明の他の形態において、害虫防除装置
は、回転自在なシャフトと、シャフトに固定的に支持さ
れ、シャフトから半径方向外側に伸びるアームと、アー
ムに支持され、空気との接触により蒸発し得る防虫材を
含むキャリアと、シャフトを回転し、キャリアに対する
空気の流れを形成して防虫材の蒸発を促進するモータと
を備えている。シャフトは、シャフトに垂直な面に対し
て斜めのブレードを固定的に支持し、これにより別の空
気の流れを形成してキャリアの蒸発を促進する。
【0014】本発明の他の形態において、害虫防除装置
は、第1と第2の端部を有する垂直部材を有する。この
垂直部材は、第1の端部で固定されている。垂直部材の
第2の端部を中心に回転できるように、垂直部材の第2
の端部に水平部材が接続されている。また、水平部材
は、垂直部材の第2の端部から両方向に伸びる第1と第
2のアームを有する。キャリアは、水平部材の第1のア
ームに支持され、空気との接触により蒸発し得る防虫材
を含む。他方、カウンタウェイトが水平部材の第2のア
ームに支持され、キャリアに対して釣り合っている。こ
の装置はさらに、垂直部材の第2の端部を中心に水平部
材を回転し、キャリアに対する空気の流れを形成する手
段とを備えている。水平部材を回転する手段は、キャリ
アに設けたモータとモータに駆動連結されたプロペラと
を有する。また、カウンタウェイトはモータに電気を供
給する電池と、モータと電池との間を接続する電気回路
とを有する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の方法に用いられる有効成
分は、常法に従い、公知のアルコールと公知のカルボン
酸とをエステル化することにより調製することができ
る。
【0016】これらの有効成分については、不斉炭素の
存在に基づく光学異性体が存在しうるが、それらがR配
置またはS配置のいずれを有するかを問わず、生物学的
活性を有する限り、これらの光学異性体およびその任意
割合の混合物は、本発明の範囲内に包含される。さら
に、シクロプロパン環および/または二重結合の存在に
基づく幾何異性体が存在しうるが、それらがZ形または
E形のいずれであるかを問わず、生物学的活性を有する
限り、これらの幾何異性体およびその任意割合の混合物
は、本発明の範囲内に包含される。
【0017】上記の有効成分のうち、2,3,5,6-テト
ラフルオロ-4-メチルベンジル 3-(2-クロロ-2-フル
オロビニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシ
ラートを用いることが好ましい。
【0018】本発明の方法に用いられる防虫材は、例え
ば、有効成分を、必要に応じて有機溶剤に溶解した後、
担体に含浸または塗布したり、あるいは、溶融させた担
体に練り込んだ後に成形することにより得られる。
【0019】本発明の方法に用いられる担体は、有効成
分を保持することができ、かつ、その表面に生じた相対
的な空気の流れにより、該有効成分を適度に揮散させ得
るものである。このような担体としては、固体担体、こ
れに水を含浸させてゲル状にしたもの、有効成分を練り
込むために溶融させ得るものなどが挙げられる。
【0020】担体の具体例としては、紙、不織布、布、
スポンジ、樹脂フィルム、ポリウレタン、海綿、分散性
シリカ、有機モンモリロナイト、ステアリン酸ナトリウ
ム、カラギーナンなどが挙げられる。高い揮散効率およ
び調製の容易性の点で、紙、不織布、布、スポンジまた
は樹脂フィルムからなるシート状担体の使用が好まし
い。また、シート状担体を、必要に応じて、適宜、折り
畳んだり、その一部分を貼り合わせたり、ハニカム状に
加工したり、あるいは、その表面に凹凸を設けたりする
などして、担体の体積に対する表面積の拡大を図ること
もできる。
【0021】防虫材の担体に保持される有効成分の量
は、その用途、使用場面、使用期間などにより変化しう
るが、一般的には0.01〜100g程度、好ましくは
0.1〜100g程度、より好ましくは0.1〜10g程
度である。
【0022】防虫材の表面に相対的な空気の流れを生じ
させることにより、該防虫材の担体に保持されている有
効成分が空気中に揮散し、こうして揮散した有効成分に
より害虫防除効果が発揮される。
【0023】ここで、「相対的な空気の流れ」という用
語は、防虫材と空気との間の相対的な運動により生じる
空気の流れをいう。さらに詳しくは、防虫材を固定して
いる場合は、送風手段を用いて送風することにより、該
防虫材の表面に相対的な空気の流れを生じさせればよ
い。あるいは、防虫材自身を空気中で移動させることに
より、相対的な空気の流れを生じさせてもよく、また、
これらの方法を組み合わせてもよい。
【0024】送風手段としては、代表的には、小型電動
ファンなどの送風装置を利用するものが挙げられる。
【0025】防虫材自身を移動させる方法としては、例
えば、有効成分が保持された風車状またはプロペラ状の
防虫材を回転させたり、有効成分が保持されたモビール
を旋回させたり、有効成分が保持されたスリット状の回
転体を回転させたりする方法などが挙げられる。
【0026】本発明の方法において、防虫材の表面にお
ける相対的な空気の流れの速度は、該防虫材の担体に保
持されている有効成分が、十分な害虫防除効果を発揮で
きる量で揮散するのに十分な速度であり、通常は、0.
1〜10m/秒程度である。
【0027】防虫材は、風が通り抜けるように配置さ
れ、例えば、防虫材の表面が送風手段による送風方向と
平行になるように配置される。本発明の方法を実施する
に際には、防虫材を、例えば、両端が開口している筒状
体の内部に配設し、該防虫材に対し、該筒状体の一方の
開口部に設置されている送風手段を用いて送風すること
ができる。このような筒状体としては、例えば、その断
面が円形、または三角形、四角形、六角形などの多角形
の筒状体が挙げられ、その材質としては、例えば、樹
脂、ボール紙などを挙げることができる。かかる樹脂の
具体例としては、ポリエチレン;ポリプロピレン;エチ
レン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メチル(メタ)アク
リレート共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重
合体、エチレン-酢酸ビニル-メチル(メタ)アクリレート
共重合体などの、エチレンと、極性基を有する単量体と
の共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなど
の含塩素合成樹脂などの合成樹脂を挙げることができ
る。また、筒状体に、防虫材を配設固定するための内面
突起、スリット、把持手段、挟持手段を設けることもで
きる。さらに、筒状体における防虫材の配設部位を着脱
可能なカセットとして構成することもできる。また、筒
状体は、防虫材の配設を容易にするために、上下に二分
割し、上部を開閉可能な構成にしてもよい。
【0028】本発明の方法において、安定でかつ持続的
な優れた害虫防除効果を得るために、式: a×b/c [式中、aは担体の表面積(m2)、bは防虫材の表面に
おける相対的な空気の流れの速度(m/秒)、cは担体に
保持されている有効成分の量(g)を表す]の値が0.0
01〜10の範囲内であるように設定することが好まし
く、0.01〜1の範囲内に設定することがより好まし
い。
【0029】本発明の方法により防除し得る害虫として
は、節足動物、例えば、ハエ、カ、ゴキブリなどの衛生
害虫や、木材害虫、食品害虫など、各種の害虫および有
害ダニ類が挙げられる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
【0031】実施例1 0.0138m2の表面積を有する0.5cm×69cm
×0.5cmのハニカム構造の紙細工片を一方の端から
巻いて、直径5.5cm、幅0.5cmの渦巻状材料を作
成した。1-エチニル-2-メチル-2-ペンテニル 3-(2
-クロロ-2-フルオロビニル)-(1R)-トランス-2,2-
ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(化合物1)1
50mgのアセトン溶液を、該材料に均一に塗布した
後、アセトンを風乾させて、図1および図2に示す試験
用防虫材1(表面積0.0138m2)を調製した。
【0032】2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベ
ンジル (1R)-トランス-3-(2-メチル-1-プロペニ
ル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(化合物2)、2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベ
ンジル (1R)-トランス-3-(2-クロロ-2-フルオロビ
ニル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート
(化合物3)および2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチ
ルベンジル (1R)-トランス-3((Z)-1-プロペニル)-
2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(化合
物4)についても同様にして、それぞれ試験用防虫材
2、3、4を調製した。また、1-エチニル-2-メチル-
2-ペンテニル (1R)-3-(2-メチル-1-プロペニル)-
2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般
名:エンペントリン、比較化合物1)についても同様に
して、比較用防虫材1を調製した。
【0033】このようにして調製した各防虫材を、下方
に電動ファンが設置してある内径6.5cm、長さ8c
mの金属円筒上部に、下方の電動ファンから送られる風
が防虫材の渦巻き面に垂直に当たるように設置して、試
験装置とする。
【0034】殺虫試験は、以下のように実施した。ま
ず、直径4cm、高さ12cmのガラス管内にアカイエ
カ(Culex pipens pallens)の雌成虫10頭を放ち、ガラ
ス管の両端をナイロン網で閉じたものを2本用意した。
これらのガラス管を、直径18cm、高さ30cmのプ
ラスチック製筒状カバー内に入れ、該筒状カバーの下に
直径20cm、高さ80cmの金属筒を設置した。該金
属筒の底部に上記試験装置を設置し、該装置のファンを
5分間駆動させて1.5m/秒で送風した。5分後にノ
ックダウンしたアカイエカの虫数を数えて、ノックダウ
ン率(%)を求めた。結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】表1から明らかなように、試験用防虫材1
〜4は、いずれもアカイエカに対して優れた害虫防除効
果を示したが、比較用防虫材1の害虫防除効果は非常に
劣っていた。このことは、本発明の方法によれば、熱源
を使用することなく優れた害虫防除効果が得られること
を示している。
【0037】実施例2 2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル (1
R)-トランス-3-(2-クロロ-フルオロビニル)-2,2-
ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(化合物3)3
00mgのアセトン溶液を、実施例1と同様にして作成
した渦巻状材料に均一に塗布した後、アセトンを風乾さ
せて、図1および図2に示す試験用防虫材5(表面積0.
0138m2)を調製した。
【0038】また、2,3,5,6-テトラフルオロベンジ
ル (1R)-トランス-3-(2,2-ジクロロビニル)-2,2
-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート(一般名:ト
ランスフルスリン、比較化合物2)についても同様にし
て、比較用防虫材2を調製した。
【0039】殺虫試験は、以下のように実施した。ま
ず。上で調製した各防虫材を設置した試験装置を実施例
1と同様にして作製した。該試験装置を広さ28m
3(4.3m×2.65m×高さ2.45m)の試験室の床中
央に設置した。該試験装置から水平方向に60cm離れ
た位置に、アカイエカ(Culex pipiens pallens)の雌成
虫20頭を入れたナイロンネット製ケージ(直径30c
m、高さ20cmの円柱形)を、下端が床から60cm
の高さになるように吊るした。該ゲージは、4方向に各
1個、計4個を吊るした。
【0040】試験装置のファンを120分間駆動させて
1.5m/秒で送風した後、ケージを回収し、ノックダ
ウンしたアカイエカの虫数を数えて、ノックダウン率
(%)を求めた。試験装置を別室に移動し、1日当たり8
時間使用したものと想定して連続送風した後、試験室に
試験装置を戻し、新たなアカイエカを用いて同様の試験
を繰り返し行った。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】表2から明らかなように、試験用防虫材5
は、比較用防虫材2と比べて、初期効力、残効性ともに
顕著に優れた害虫防除効果を示した。化合物3は、比較
化合物2と比べて、本発明の害虫防除方法において、特
段に優れた効果を示すものである。
【0043】参考例 線香(タブ粉:粕粉:木粉を4:3:3の割合で混合・
攪拌した後、水を加えて十分に練り合わせたものを成形
乾燥させて得る)3gを、本発明化合物3の所定濃度ア
セトン溶液1.8mlで均一に処理し、風乾させて、有
効成分濃度0.1% w/wの試験用蚊取り線香を得た。
【0044】広さ28m3(4.3m×2.65m×高さ
2.45m)の試験室の床一面に模造紙を敷き、床中央に
上記のようにして得られた蚊取り線香を線香立てに立て
て設置した。該線香の片端に点火した後、速やかに試験
室入り口の小窓からアカイエカ(Culex pipiens pallen
s)の雌成虫約100頭を放ち、75分後にノックダウン
したアカイエカの虫数を数えて、ノックダウン率(%)を
求めた。なお、75分間での線香の燃焼量は、約2.2
〜2.3gであった。試験は2反復で行った。比較化合
物2についても同様にして試験を行った。結果を表3に
示す。
【0045】
【表3】
【0046】次に、図面を参照して、本発明に係る害虫
防除装置について以下に説明する。図3には、本発明に
係る第1実施形態の害虫防除装置が示されており、この
害虫防除装置は全体を符号20で示してある。害虫防除
装置20は円筒状の垂直ハウジング21を有する。ハウ
ジング21は、その上端開口部22で開放され、その底
部は該ハウジング21に固定した仕切壁23で閉鎖され
ている。仕切壁23は、符号24で示す駆動機構24を
支持している。駆動機構24は、仕切壁23に固定した
ケース25を有する。このケース25は垂直シャフト2
6をこのシャフト26の長手方向軸27を中心として回
転自在に支持している。また、ケース25は、垂直シャ
フト26に駆動連結されたモータ28を収容しており、
このモータ28を駆動すると、垂直シャフト26が長手
方向軸27を中心に回転するようにしてある。モータ2
8は、適当な減速機構(例えば、公知のプーリとベルト
からなる機構又は歯車機構)を介してシャフト26と連
結するのが好ましい。モータ28は、電池29等の電源
に電気的に接続されている。本実施形態では、仕切壁2
3の下に電池29が着脱自在に設けてあるが、この電池
29は仕切壁23の上に設けてもよい。いずれにして
も、電池29は、新しい電池と容易に交換できるように
配置すべきである。モータ28と電池29は、垂直ハウ
ジング21に好適に設けた手動スイッチ30を介して接
続し、このスイッチ30をオンしたときに電池29が所
定の電圧をモータ28に供給するようにすべきである。
なお、電池29に代えて、商用電源も利用可能である。
【0047】垂直シャフト26は複数のブレード32
(すなわち、プロペラ)を担持している。ブレード32
は、垂直シャフト26の上部から半径方向外側に向かっ
て等角度に伸びている。本実施形態では、4つのブレー
ド32が設けてあるが、本発明はそれに限定されるもの
でない。各ブレード32は、垂直方向(Z方向)に伸びる
垂直シャフト26に垂直な仮想平面(すなわち、図3の
X-Y平面)に対して傾斜している。そのため、垂直シャ
フト26とブレード32が符号33で示す方向に回転す
ると、ハウジング21の上部開口部22に向けて、ブレ
ード32は矢印34で示す空気の流れを形成する。ハウ
ジング21には複数の切欠(すなわち、空気導入部35)
を形成し、ハウジング21の内部に外部から十分な空気
が吸引されるようにすべきである。空気導入部35はブ
レード32の下方に形成するのが好ましい。別の空気導
入部を仕切壁23に形成してもよい。この場合、更なる
空気導入部を、仕切壁23の下に位置するハウジング2
1の部分に形成すべきである。
【0048】概略符号36で示す担持部材がハウジング
21の上部開口部22に設けてある。この担持部材36
は垂直方向に伸びる軸受円筒部37を有する。軸受円筒
部37は、ハウジング21の内面と軸受シリンダ37の
外面との間に伸びる複数のブリッジ38を用いて、ハウ
ジング21における開口部22の中央に固定的に支持さ
れている。4つのブリッジが等角度に設けてあるが、軸
受シリンダ37が安定して支持されれば、その数は限定
的なものでない。
【0049】軸受シリンダ37は、概略符号39で示す
防虫材担持体(キャリア)を支持している。キャリア39
は、上述した防虫有効成分を含む担持材料で全体又は一
部が形成されている。キャリア39はシャフト40を有
する。このシャフト40は、軸受シリンダ37の内径よ
りも僅かに小さな外径を有する大きさとしてあり、それ
により、キャリア39が容易に軸受シリンダ37から取
外すことができると共に、シャフト40が軸受シリンダ
37の中で自由に回転できるようになっている。シャフ
ト40がスムーズに回転できるようにするために、すな
わち、シャフト40と軸受シリンダ37との対向する面
の間に発生する摩擦力を最小化するために、軸受シリン
ダ37の内面は低摩擦材料(例えば、ポリテトラフロオ
ロエチレン)で被覆してもよい。
【0050】シャフト40は、シャフト40の上部から
半径方向外側に等角度で伸びる複数のブレード41(す
なわち、プロペラ)を支持している。4つのブレード4
1がシャフト40に設けてあるが、本発明はそれに限定
されるものでない。各ブレード41は、図3において、
垂直軸40に垂直な水平面(すなわち、X-Y平面)に対
して傾斜している。そのため、ブレード41が空気の流
れ34を受けると、これらブレードは符号42で示す方
向の回転力をキャリア39に与える。そしてまた、キャ
リア39は空気と動的に接触し、防虫材が蒸発して空気
中に拡散するのを促進する。
【0051】安全のために、キャリア39は通気性のネ
ット又はメッシュ43で防護するのが好ましい。メッシ
ュ43はドーム状に形成し、メッシュ43がキャリア3
9の回転を邪魔しないように、メッシュ43と回転ブレ
ード41との間に所定の空間を残すのが好ましい。ドー
ム状のメッシュ43にはその底部の周縁部に弾性の金属
又は樹脂からなるリング44を設け、ハウジング21の
上部に容易に装着できるようにするのが更に好ましい。
メッシュ43のメッシュサイズは、蒸発した防虫材が空
気中に拡散するのを邪魔しないように決めなければなら
ない。
【0052】動作を説明する。スイッチ30がオンされ
ると、モータ28が起動して垂直シャフト26とブレー
ド32を符号33の方向に回転する。これにより、ハウ
ジング21内には上方への空気の流れ34が形成され
る。形成された空気の流れ34はキャリア39における
ブレード41の表面に接触し、このブレード41を付勢
してキャリア39を符号42の方向に回転する。空気の
流れ34により、防虫材の蒸発が促進される。また、キ
ャリア39、特にブレード41の回転により、キャリア
39の表面に対する空気の流れ45が発生し、これがキ
ャリアにおける防虫材の蒸発を促進する。
【0053】蒸発した防虫材は空気の流れ34と45に
よって防護メッシュ43を介して空気中に拡散する。キ
ャリアにおける防虫材のすべて又は大部分が蒸発する
と、メッシュ43を取外し、新たなキャリア39が古い
ものと交換される。
【0054】図4と図5には、本発明に係る第2実施形
態の害虫防除装置(概略符号50で示す。)が示されてい
る。害虫防除装置50は、円錐台状のハウジング51を
有する。ハウジング51は、内部に固定されたモータ5
2と、内部に着脱自在に設けた電池53を有する。モー
タ52と電池53は、ハウジング51に設けた手動スイ
ッチ54を介して電気的に接続されており、スイッチ5
4をオンすると、モータ52に電池53から所定の電圧
が供給されるようにしてある。第1実施形態と同様に、
ハウジング51は、電池53が容易に着脱できるように
設計し構成すべきである。電池53に代えて、商用電源
を利用することもできる。
【0055】図5に最も良く示すように、ハウジング5
1は垂直シャフト55を有する。垂直シャフト55は、
垂直軸56に沿って伸び、垂直軸56の周りを回転自在
に支持されている。垂直シャフト55はモータ52に駆
動連結されており、モータ52を起動すると、垂直シャ
フト55が垂直軸56の周りを矢印57で示す方向に回
転するようにしてある。上述した実施形態で説明したよ
うに、プーリとベルトなどの適当な減速機構をモータ5
2と垂直シャフト55の間に設けるのが好ましい。
【0056】垂直シャフト55は、符号58で示す遠心
ファンを固定的に保持している。図5に最も良く示され
るように、遠心ファン58は、上部の円形板59と、こ
の上部の円形板59から所定の距離をあけた底部リング
板60とを有する。上部円形板59とリング板60はほ
ぼ同一の外径を有するのが好ましい。上部円形板59と
底部リング板60との間には複数のフィン61が設けて
ある。これらのフィン61は、上部の板59と底部の板
60を固定的に連結している。各フィン61は、円形板
59の半径方向に対して斜めに方向付けられており、遠
心ファン58が円形板59の中心を垂直方向に伸びる軸
を中心として回転すると、フィン61で囲まれた内部空
間62の空気を吸引し、それを半径方向外側に吹き出す
ようにしてある。吹き出される空気が図5に矢印63で
示してある。また、上部円形板59は、その板の中央に
形成した貫通孔64を有する。貫通孔64は垂直軸55
を固定的に受けており、これによりファン58は垂直シ
ャフト55の回転に基づいて回転できるようにしてあ
る。垂直シャフト55は上部円形板59から所定長さ突
出している。
【0057】装置50はさらに、符号65で示すキャリ
アを有する。キャリア65は、上述した防虫材を含む担
持材料で全体が又は一部が形成されており、円形板66
と、この円形板66の周縁から下方に伸びる円筒垂直壁
67(すなわち、スカート部)を有する。円形板66と垂
直壁67は遠心ファン58の外径よりも大きな内径を有
する大きさとしてあり、図4に示す動作状態にあると
き、キャリア65が遠心ファン58を囲って覆うように
してある。垂直壁67は複数の開口部68を有する。各
開口部68は長方形としてあるが、その他の形状であっ
てもよい。上部の円形板66は底面中央部に円筒状軸受
部69を有する。円筒軸受部69は、垂直シャフト55
の上部突出部の外径よりも僅かに大きな内径を有する。
これにより、垂直シャフト55はキャリア65の円筒軸
受部69を受け、キャリア65が垂直シャフト55の周
りを回転できるようにしてある。また、垂直シャフト5
5が回転すると、垂直シャフト55と円筒軸受部69と
の対向する面の間で生じる摩擦力により、キャリア65
が垂直シャフト55の周りを同一方向に回転するように
してある。
【0058】動作を説明する。スイッチ54がオンされ
ると、電池53から供給される電圧によりモータ52が
起動し、垂直シャフト55を矢印57の方向に回転す
る。これにより、垂直シャフト55と円筒軸受部69の
接触部に摩擦力が発生し、キャリア65が同一方向に回
転する。キャリア65の回転時、このキャリアの表面は
空気と動的に接触する。すなわち、空気の流れ70が、
キャリア65の表面に対して形成される。この空気の流
れ70は、防虫材の有効成分の蒸発を促進し、それを空
気中に拡散する。垂直シャフト55の回転はファン58
にも伝達される。ファン58は、矢印57の方向に回転
すると、空間62から空気を吸引し、その空気をキャリ
アの垂直壁67に向かって外側に向けて斜めに吹き出
す。これにより、防虫材有効成分の蒸発が促進される。
このように蒸発した有効成分は、その後、空気中に拡散
する。
【0059】図6には、概略符号80で示す本発明に係
る害虫防除装置の第3実施形態が示されている。この装
置80は、長方形の箱の形をしたベースハウジング81
を有する。ハウジング81は、内部に固定されたモータ
82と、内部に着脱自在に設けた電池83とを有する。
モータ82と電池83は、ハウジング81に設けた手動
スイッチ84を介して電気的に接続されており、このス
イッチ84をオンすると、モータ82に電池83から所
定の電圧が供給されるようにしてある。第1の実施形態
と同様に、ハウジング81は、電池83が容易に着脱で
きるように、設計し構成されるべきである。また、電池
に代えて、商用電源を利用してもよい。
【0060】ハウジング81は垂直シャフト85を保持
している。この垂直シャフト85は、垂直軸86に沿っ
て伸び、この垂直軸86の周りを回転自在としてある。
垂直シャフト85はモータ82に駆動連結されており、
このモータ82が駆動すると、垂直シャフト85が垂直
軸86を中心として矢印87で示す方向に回転するよう
にしてある。上記実施形態で説明したように、プーリと
ベルト等の適当な減速機構を、モータ82と垂直シャフ
ト85の間に設けてもよい。
【0061】垂直シャフト85は、この垂直シャフト8
5から半径方向外側に向かって等角度に伸びる複数のア
ーム88を支持している。本実施形態では4つのアーム
88が設けてあるが、本発明はそれに限定されるもので
ない。各アーム88は円筒体89を支持している。この
円筒体89は、両端部に開口部91、92を有し、その
長手方向の軸90が水平に向けられている。キャリア9
3は、上述した防虫材で全体又は一部が形成されてお
り、各円筒体89の中に配置されている。
【0062】キャリア93は、防虫有効成分を含む一つ
以上の担持部材(図7参照)を含む。この担持部材は、上
述した防虫材を含むもので矢印94で示してあり、異な
る径を有し且つ軸96を中心に同心的に配置された複数
の円筒部材95で構成されている。各円筒部材95は隣
接する円筒部材と、それらの間をジグザグ状に伸びる連
結部材97で固定的に連結されており、これにより、円
筒部材95と連結部材97との間に多数の開口部98が
形成されている。キャリア93は、軸96を開口部9
1、92に向けて円筒体89に着脱自在に挿入されてお
り、円筒体89が矢印87で示す方向に回転すると、キ
ャリア93が開口部98において部材95と97の表面
で動的な空気との接触が生じる。すなわち、空気の流れ
が、部材95と97との表面に対して形成される。
【0063】なお、支持部材94は、異なるサイズの複
数の円筒部材で形成したが、螺旋部材と、この螺旋部材
の隣接する部分の間をジグザグ状に伸びる連結部材とで
形成してもよい。代わりに、支持部材はハニカム状構造
としてもよい。
【0064】また、垂直シャフト85は複数のブレード
99(すなわち、プロペラ)を支持している。ブレード
は、垂直シャフト85から半径方向外側に等角度で伸び
ている。本実施形態では3つのブレード99が設けてあ
るが、本発明はそれに限るものでない。各ブレード99
は、図6の水平面(すなわち、X-Y平面)に対して傾斜
させてあり、垂直シャフトが矢印87の方向に回転する
と、空気の流れ101が円筒体89に向かって形成され
るようにしてある。
【0065】動作を説明する。スイッチ84がオンされ
ると、電池83から供給される電圧によりモータ82が
起動して垂直軸85と円筒体89を矢印87方向に回転
する。これにより、円筒体89の中の防虫材担持部材9
4が空気と動的に接触する。具体的に、図7に矢印10
0で示す空気の流れが部材95と97の表面に対して形
成される。この空気の流れ100は防虫材の蒸発を促進
する。そして、蒸発した防虫材は空気中に拡散する。ま
た、ブレード99が垂直シャフト85と共に回転し、別
の空気の流れ101を形成し、これが蒸発した防虫材の
空気中への拡散を促進する。
【0066】本実施形態ではブレード99が設けてある
が、これは装置80から取り除いてもよい。その場合
も、部材95と97の表面に対する空気の流れ100に
よって防虫材は効果的に蒸発する。
【0067】図8は、本発明に係る害虫防除装置の第4
実施形態(符号110で示す。)を示す。この装置110
は、上端部112と下端部113を有する垂直シャフト
111を有する。上端部112は、天井等の適当な固定
部に連結されている。他方、下端部113は、連結部材
114を有し、この連結部材114は垂直シャフト11
1の長手方向軸115を中心として回転自在に連結され
ている。連結部材114は、両方向に伸びる水平シャフ
ト116を保持する。水平シャフト116の一端は、符
号117で示すキャリアを着脱自在に支持している。キ
ャリア117は、例えば外観が飛行機に似せてあり、上
述した防虫材を含む担持材料で全体が又は一部が形成さ
れている。キャリア117は、内部に設けたモータ11
8を有する。モータ118の出力軸119は複数のプロ
ペラ120を支持している。水平シャフト116の他端
部はカウンタウェイト(すなわち、電池ホルダ121)を
備えており、この電池ホルダ121には電池122が着
脱自在に設けてある。電池122は、水平シャフト11
6に配置した電気回路を介して、モータ118に電気的
に接続されている。この電気回路は、電池ホルダ121
に設けた手動スイッチ123を含んでいる。
【0068】動作を説明する。スイッチ123がオンさ
れると、所定の電圧が電池122から電源ラインを介し
てモータ118に供給され、モータ118が起動して出
力シャフト119及びプロペラ120を回転する。プロ
ペラ120の回転は推進力を生じ、これによりキャリア
117が電池ホルダ121と共に矢印124で示す方向
に回転する。その結果、キャリア117が空気と動的に
接触し、すなわち、空気の流れがキャリア117の表面
に形成され、これが防虫材の蒸発を促進する。蒸発した
有効成分は、キャリア117と電池ホルダ121で撹乱
された空気により拡散する。
【0069】以上より、本発明の目的が達成されると共
に、その他の利点が得られることが理解できる。
【0070】本発明の範囲から逸脱することなく、上述
の構成には種々の改変を加えることができるので、以上
の説明又は添付図面に示した全ての事項は説明のためで
あって限定的な意味をもつものでないと理解すべきであ
る。
【0071】
【発明の効果】本発明の方法によれば、熱源を使用する
ことなく優れた害虫防除効果が得られる。また、本発明
の装置によれば、防虫材が効果的に蒸発し、キャリアの
移動により形成される空気の流れによって拡散される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の殺虫試験に用いた防虫材の上面図
である。
【図2】 図1に示す防虫材の斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施形態に係る害虫防除装置の
分解斜視図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係る害虫防除装置の
斜視図である。
【図5】 図4に示す害虫防除装置の遠心ファンとキャ
リアの分解斜視図である。
【図6】 本発明の第3実施形態に係る害虫防除装置の
斜視図である。
【図7】 図6に示す害虫防除装置に組み込まれた防虫
材担持体の斜視図である。
【図8】 本発明の第4実施形態に係る害虫防除装置の
斜視図である。
【符号の説明】
20…害虫防除装置、26…垂直シャフト、28…モー
タ、29…電池、32…ブレード、34…空気の流れ、
37…軸受円筒部、39…キャリア、40…シャフト、
41…ブレード、43…メッシュ。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1-エチニル-2-メチル-2-ペンテニル
    3-(2-クロロ-2-フルオロビニル)-2,2-ジメチルシ
    クロプロパンカルボキシラート、2,3,5,6-テトラフ
    ルオロ-4-メチルベンジル 3-(2-メチル-1-プロペニ
    ル)-2,2-ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、
    2,3,5,6-テトラフルオロ-4-メチルベンジル 3-
    (2-クロロ-2-フルオロビニル)-2,2-ジメチルシクロ
    プロパンカルボキシラートおよび2,3,5,6-テトラフ
    ルオロ-4-メチルベンジル 3-(1-プロペニル)-2,2-
    ジメチルシクロプロパンカルボキシラートからなる群か
    ら選択される少なくとも1種の有効成分を担体に保持さ
    せてなる防虫材の表面に、相対的な空気の流れを生じさ
    せて、該有効成分を空気中に揮散させることを特徴とす
    る害虫防除方法。
  2. 【請求項2】 送風手段を用いて防虫材に送風すること
    により、相対的な空気の流れを生じさせる請求項1記載
    の害虫防除方法。
  3. 【請求項3】 防虫材を空気中で移動させることによ
    り、相対的な空気の流れを生じさせる請求項1記載の害
    虫防除方法。
  4. 【請求項4】 送風手段を用いて防虫材に送風し、か
    つ、防虫材を空気中で移動させることにより、相対的な
    空気の流れを生じさせる請求項1記載の害虫防除方法。
  5. 【請求項5】 防虫材が、両端が開口している筒状体の
    内部に配設され、送風手段が、該筒状体の一方の開口部
    に設置される請求項2に記載の害虫防除方法。
  6. 【請求項6】 式: a×b/c [式中、aは担体の表面積(m2)、bは防虫材の表面に
    おける相対的な空気の流れの速度(m/秒)、cは担体に
    保持されている有効成分の量(g)を表す]の値が0.0
    01〜10の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項
    に記載の害虫防除方法。
  7. 【請求項7】 担体が、紙、不織布、布または樹脂フィ
    ルムからなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の害虫
    防除方法。
  8. 【請求項8】 空気と接触することにより蒸発し得る防
    虫材を有するキャリアを用意し、 上記キャリアを移動させ、それにより、上記キャリアに
    対する空気の流れを形成する害虫防除方法。
  9. 【請求項9】 空気と接触することにより蒸発し得る防
    虫材を有するキャリアと、 上記キャリアを移動し、これにより、上記キャリアに対
    する空気の流れを形成する手段と、を備えた害虫防除装
    置。
  10. 【請求項10】 空気との接触により蒸発し得る防虫材
    を含むキャリアであって、上記キャリアはシャフトと特
    定部分を有し、上記特定部分は上記シャフトに固定的に
    支持されて上記シャフトからほぼ半径方向外側に伸びて
    いる、キャリアと、 上記シャフトを中心に上記キャリアを回転し、これによ
    り上記キャリアに対する空気の流れを形成して上記防虫
    材の蒸発を促進するモータと、を有する害虫防除装置。
  11. 【請求項11】 空気との接触により蒸発し得る防虫材
    を含むキャリアであって、上記キャリアはシャフトとブ
    レードを有し、上記ブレードは上記シャフトに固定的に
    支持されて上記シャフトからほぼ半径方向外側に伸びて
    おり、上記ブレードは上記シャフトに垂直な平面に対し
    て斜めになっている、キャリアと、 上記キャリアが上記シャフトを中心に回転できるように
    キャリアを支持する軸受と、 モータと、 上記モータに駆動連結されたファンであって、上記ファ
    ンは回転して上記ブレードの傾斜ブレードに空気の流れ
    を与えて、上記キャリアを回転し、それにより上記キャ
    リアに対して別の空気の流れを形成して上記防虫材の蒸
    発を促進するファンと、を備えた害虫防除装置。
  12. 【請求項12】 上記キャリアは、上記シャフトを中心
    に等間隔に配置された複数のブレードを有し、これによ
    りプロペラ形状を有する請求項11の害虫防除装置。
  13. 【請求項13】 上記キャリアを囲む通気性のメッシュ
    を更に有する請求項11の害虫防除装置。
  14. 【請求項14】 空気との接触により蒸発し得る防虫材
    を含むキャリアであって、上記キャリアは、軸受部分
    と、上記軸受部分からほぼ半径方向外側に伸びる水平部
    分と、上記水平部分からほぼ下方に伸びる垂直部分とを
    有するキャリアと、 モータと、 シャフトであって、上記シャフトは回転できるように上
    記モータに駆動連結され、上記シャフトの回転時に形成
    される上記軸受部分と上記シャフトとの間の摩擦接触に
    より上記シャフトを中心に上記キャリアが回転すること
    で上記キャリアに対する空気の流れを形成して上記防虫
    材の蒸発を促進するように上記軸受部分に係合されたシ
    ャフトと、 上記シャフトに固定的に支持されたファンであって、上
    記ファンは上記シャフトと共に回転して上記キャリアの
    蒸発を促進する別の空気の流れを上記キャリアに提供す
    るファンとを備えた害虫防除装置。
  15. 【請求項15】 上記ファンが遠心ファンで、上記キャ
    リアの内側に配置されている請求項14の害虫防除装
    置。
  16. 【請求項16】 回転自在なシャフトと、 上記シャフトに固定的に支持され、上記シャフトから半
    径方向外側に伸びるアームと、 上記アームに支持され、空気との接触により蒸発し得る
    防虫材を含むキャリアと、 上記シャフトを回転し、上記キャリアに対する空気の流
    れを形成して上記防虫材の蒸発を促進するモータと、を
    備えた害虫防除装置。
  17. 【請求項17】 上記シャフトは、上記シャフトに垂直
    な面に対して斜めのブレードを固定的に支持し、これに
    より別の空気の流れを形成して上記キャリアの蒸発を促
    進する請求項16の害虫防除装置。
  18. 【請求項18】 第1と第2の端部を有する垂直部材で
    あって、上記第1の端部で固定されている垂直部材と、 水平部材であって、上記垂直部材の第2の端部を中心に
    回転できるように上記垂直部材の第2の端部に接続さ
    れ、上記垂直部材の第2の端部から両方向に伸びる第1
    と第2のアームを有する水平部材と、 上記水平部材の第1のアームに支持され、空気との接触
    により蒸発し得る防虫材を含むキャリアと、 カウンタウェイトであって、上記水平部材の上記第2の
    アームに支持され、上記キャリアに対して釣り合ってい
    るカウンタウェイトと、 上記垂直部材の上記第2の端部を中心に上記水平部材を
    回転し、上記キャリアに対する空気の流れを形成する手
    段とを備えた害虫防除装置。
  19. 【請求項19】 上記水平部材を回転する手段は、上記
    キャリアに設けたモータと上記モータに駆動連結された
    プロペラとを有し、 上記カウンタウェイトは上記モータに電気を供給する電
    池と、上記モータと電池との間を接続する電気回路とを
    有する請求項18の害虫防除装置。
JP14816799A 1998-05-28 1999-05-27 害虫防除方法及び害虫防除装置 Expired - Lifetime JP4237336B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14816799A JP4237336B2 (ja) 1998-05-28 1999-05-27 害虫防除方法及び害虫防除装置

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14742098 1998-05-28
JP32204698 1998-11-12
JP11-22351 1999-01-29
JP10-322046 1999-01-29
JP2235199 1999-01-29
JP10-147420 1999-01-29
JP14816799A JP4237336B2 (ja) 1998-05-28 1999-05-27 害虫防除方法及び害虫防除装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008289996A Division JP2009082134A (ja) 1998-05-28 2008-11-12 害虫防除方法及び害虫防除装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000281515A true JP2000281515A (ja) 2000-10-10
JP4237336B2 JP4237336B2 (ja) 2009-03-11

Family

ID=27457753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14816799A Expired - Lifetime JP4237336B2 (ja) 1998-05-28 1999-05-27 害虫防除方法及び害虫防除装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4237336B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029907A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Fumakilla Ltd 衣料用害虫防除剤
JP2004352650A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Fumakilla Ltd ゴキブリ忌避剤
JP2012036219A (ja) * 2008-01-08 2012-02-23 Earth Chemical Co Ltd 漏れ防止用組成物
JP2012077070A (ja) * 2010-09-09 2012-04-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、及び静電噴霧装置
JP2012144495A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置
JP2012144496A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置
US9044002B2 (en) 2011-01-12 2015-06-02 Sumitomo Chemical Company, Limited Method of controlling harmful arthropod, composition, and electrostatic spray device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029907A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Fumakilla Ltd 衣料用害虫防除剤
JP2004352650A (ja) * 2003-05-29 2004-12-16 Fumakilla Ltd ゴキブリ忌避剤
JP2012036219A (ja) * 2008-01-08 2012-02-23 Earth Chemical Co Ltd 漏れ防止用組成物
JP2012077070A (ja) * 2010-09-09 2012-04-19 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、及び静電噴霧装置
US9044002B2 (en) 2011-01-12 2015-06-02 Sumitomo Chemical Company, Limited Method of controlling harmful arthropod, composition, and electrostatic spray device
JP2012144495A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置
JP2012144496A (ja) * 2011-01-13 2012-08-02 Sumitomo Chemical Co Ltd 有害節足動物の防除方法、組成物、静電噴霧装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4237336B2 (ja) 2009-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009082134A (ja) 害虫防除方法及び害虫防除装置
JP4191243B2 (ja) 害虫防除方法
EP0925717B1 (en) Pesticide applicator
JP3361541B2 (ja) 揮散性薬剤の拡散方法及びそれに用いる薬剤拡散用材
JP4340996B2 (ja) 薬剤揮散方法
US20100187324A1 (en) Method and System for Scent Delivery
JP4237336B2 (ja) 害虫防除方法及び害虫防除装置
JP3802196B2 (ja) 害虫防除装置
WO2014008245A2 (en) Candle dispenser device
JP4790508B2 (ja) 害虫防除方法及び害虫防除用装置
JPH0675179U (ja) 揮散性薬剤の拡散装置
JP4543517B2 (ja) 害虫防除方法
KR20040040428A (ko) 약제 휘산용 카트리지 및 약제 휘산 장치
JPH11169051A (ja) 害虫防除装置
JPH1192303A (ja) 薬剤保持用担体、薬剤保持材及び薬剤の揮散方法
JP2001114615A (ja) 害虫防除方法
JP2007116967A (ja) 薬剤揮散装置
JP2009124987A (ja) 薬剤揮散装置
JP2003079713A (ja) 揮散性薬剤の送風放散装置
JP2003102361A (ja) 薬剤揮散装置
US20150078921A1 (en) Air treatment chemical dispenser having angled dispersion of chemicals
JP2005145823A (ja) 薬剤揮散方法
JPH04365439A (ja) 揮散性薬剤の拡散方法及びそれに用いる拡散用ファン
JP3901708B2 (ja) ロータリーファン型害虫駆除剤拡散装置
JP5667900B2 (ja) 薬剤揮散装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111226

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121226

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131226

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term