JP2005145823A - 薬剤揮散方法 - Google Patents

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Masafumi Inoue
雅文 井上
Koji Nakayama
幸治 中山
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Abstract

【課題】 薬剤カートリッジ内の薬剤含浸体から長期にわたり安定した一定量以上の薬剤を揮散させることができる薬剤揮散方法を提供する。
【解決手段】 粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体3を、側面に通気部を有する薬剤カートリッジ2に収納し、薬剤カートリッジ2の回転により薬剤含浸体3に含浸させた薬剤を揮散させる薬剤揮散方法であって、薬剤含浸体3は、平均粒径2mm〜5mmであり、その全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有し、且つその比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内であることを特徴とする薬剤揮散方法。本発明の薬剤揮散方法では、薬剤含浸体3同士の間の空隙が空気流路7として働き、空気流路7が常に形成され続けるので、長期にわたる安定な薬剤の揮散が可能となる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、取り替え可能な薬剤カートリッジに収納した粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体に風力を利用することにより、常温で薬剤を揮散させる薬剤揮散方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、前記薬剤含浸体から一定の揮散速度で長時間連続して薬剤を揮散させることができる薬剤揮散方法に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(例えば建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内)全体に揮散・放出させる薬剤揮散方法としては、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的であるが、常温でファン等の風力を利用して薬剤を揮散・放出させる方法も試みられている。
火や電源コンセントからの電気を使用する薬剤揮散方法は、安全性や電源の確保の点で使用することが困難な場合がある。例えば、テント内にて使用する場合には、常温で薬剤を揮散・放出させる方法を使用することが好ましく、この場合、薬剤の揮散にファン等の風力を利用すれば、そのまま薬剤(又は薬剤含浸体)を放置する場合に比べて、薬剤の揮散効率を非常に高めることができる。
常温で薬剤を揮散・放出させる方法としては、従来、多くの方法が提案されている。例えば、実開昭61−182273号には、薬剤を保持し且つ適度な通気性を有する含浸体をファンの周囲に設置し、これにファンからの風をあてるように構成した器具が開示されている。また、特開平10−191862号には、粒状にした薬剤含浸体を含浸体容器に入れ、これにファンからの風をあててこの薬剤含浸体を風力により攪拌しながら、薬剤を揮散させる方法が開示されている。更に、特開平5−68459号には、揮散性薬剤を保持した拡散用材を回転させることにより、揮散性薬剤を気中に拡散させる揮散性薬剤の拡散方法が開示されている。
実開昭61−182273号公報 特開平10−191862号公報 特開平5−68459号公報
しかしながら、実開昭61−182273号の器具や特開平10−191862号の方法で用いられる器具においては、薬剤含浸体は、静止した収納容器に収納されている。特開平10−191862号に開示された方法では、ファンからの風を薬剤含浸体である粒状物にあてて風力により該粒状物を攪拌することが試みられているが、小型ファンの風力は大きなものではなく、それにより前記粒状物全体を充分に攪拌することは困難である。それ故、特開平10−191862号の方法では、薬剤含浸体である粒状物から長期間にわたり一定揮散量で薬剤を揮散させることが難しく、経時的に揮散薬量が減少することは避けられない。
一方、特開平5−68459号に開示された方法では、ガス透過性フィルムからなる膜部を有する袋又は容器或いは通気し得る微小孔を有する袋又は容器に揮散性薬剤を封入してなる拡散用材を採用しており、揮散性薬剤全体から効率良く薬剤を揮散させることが難しく、経時的に揮散薬量が減少することは避けられない。それ故、この方法で長期間にわたり安定した揮散薬量を保持することは困難である。
本発明は前記従来技術の問題点を解決するためのものであり、その目的とするところは、野外においても適用可能であり、長期間にわたってほぼ一定量の薬剤を安定して揮散することができ、従来に無い優れた殺虫効力を保持し、安全性が高く、使用性が良い等、多くの利点を有する薬剤揮散方法を提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解決するため鋭意研究した結果、薬剤を揮散させるにあたり、粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体に遠心力を付与し、さらに薬剤含浸体として粒度分布の狭いものを採用することにより、80時間以上の長期間にわたり安定した揮散性能を奏し得ることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の薬剤揮散方法は、粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を、側面に通気部を有する薬剤カートリッジに収納し、該薬剤カートリッジの回転により前記薬剤含浸体に含浸させた薬剤を揮散させる薬剤揮散方法であって、前記薬剤含浸体は、平均粒径2mm〜5mmであり、その全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有し、且つその比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内であることを特徴とする。
以下に本発明の薬剤揮散方法の好ましい態様を列挙する。
前記薬剤含浸体に薬剤を全体で30mg以上含浸させることを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤含浸体に薬剤を全体で60mg以上含浸させることを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤として、前記薬剤含浸体から薬剤を1時間当たり0.05〜0.6mgの揮散量で且つ80時間以上にわたり揮散可能である薬剤を使用することを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤カートリッジの回転により生じる遠心力の大きさが、9.8×10-1cm/s2〜9.8×104cm/s2であることを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤含浸体が、前記薬剤カートリッジ内に空隙率20%〜70%にて収納されていることを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤カートリッジの回転を、モーターにより500〜2000rpmの回転数で行うことを特徴とする前記薬剤揮散方法、
前記薬剤カートリッジをシロッコファンの空気流出側又は空気流入側に装着し、回転させることを特徴とする前記薬剤揮散方法。
前記薬剤が、以下の群:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物A)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物B)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物C)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物D)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物E)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物F)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物G)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物H)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物I)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物J)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−
テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物K)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物L)及び2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物M)から選択された少なくとも一種の化合物からなることを特徴とする前記薬剤揮散方法、および
前記薬剤カートリッジの側面に設けられた通気部は、多数並設された開口スリットからなり、開口スリット幅が1mm以上で且つ前記薬剤含浸体の平均粒径の0.7倍以下であることを特徴とする前記薬剤揮散方法。
また本発明は、
薬剤を含浸させてなる粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体と、
該薬剤含浸体を収納するとともに、側面に通気部を有する環状の中空構造体からなる薬剤カートリッジと、
該薬剤カートリッジに装着するシロッコファンと、
該薬剤カートリッジおよび該シロッコファンを回転する駆動手段
とからなる薬剤揮散装置であって、
前記薬剤含浸体は、平均粒径2mm〜5mmであり、その全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有し、且つその比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内であることを特徴とする薬剤揮散装置
にも関する。
本発明の薬剤揮散方法は、粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を収納した薬剤カートリッジを回転して薬剤を揮散・放出させるにあたり、一定範囲の平均粒径を有し且つ実質同一粒径の薬剤含浸体を使用したことにより、従来と比べて各段に、より揮散効率よく、より長期間にわたってほぼ一定量の薬剤を安定して揮散することができ、従来に無い優れた殺虫効力を長期間持続させることができるという効果を奏する。
また本発明の薬剤揮散方法は、乾電池で作動する小型・軽量な薬剤揮散装置を使用し得るので、屋内や屋外をとわず適用可能であり、例えば、旅行先の室内やキャンプにおけるテント内での衛生害虫や不快害虫の防除に非常に役立つ。
更に本発明の薬剤揮散方法は、目的に応じて、各種の異なる薬剤含浸体を含む異なる薬剤カートリッジを取り替えて使用することができるので、一つの薬剤揮散装置で多種類の有害虫に対応することができ、適用範囲が広い。
加えて本発明の薬剤揮散方法は、非加熱の薬剤揮散方式であるので、安全性、使用性等にも優れているため、蚊、ハエ等の衛生害虫、ブユ、ユスリカ、イガ、コイガ、カツオブシムシ等の不快害虫、特に蚊の防除用途に極めて有用である。
本発明の薬剤揮散方法では、薬剤含浸体を収納した薬剤カートリッジを回転させることにより生じる遠心力とファンによる風力を薬剤の揮散に利用するものである。薬剤カートリッジの回転は、例えばモーターで行ってよい。
本発明で用いる薬剤含浸体の平均粒径は、例えば2mm〜5mmとなるように成形することが好ましい。薬剤含浸体のこのような形状及び大きさを採用することによって、薬剤含浸体内部の前記ピレスロイド系殺虫剤が徐々に表面に移行し、長期間にわたり安定した揮散量を保持することが可能となる。これに対し、例えば平均粒径が2mmより小さいと
、薬剤の揮散がすみやかで殺虫効力の持続性に問題を生じる場合がある。また、たとえ平均粒径が2mm〜5mmの範囲で変化したとしても、粒度分布が上記した範囲内にあるならば、薬剤含浸体の間の空隙を保つことができる。粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体の具体的な形状は、例えば球状、楕円体状、卵状等の種々の形状であってよい。
本発明で用いられる薬剤含浸体は粒状若しくは略粒状で、全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有する。つまり本発明で用いられる薬剤含浸体は粒度分布が狭く、ほとんどの薬剤含浸体が略等しい粒径を有する。従って本発明では、薬剤含浸体の薬剤カートリッジへの収納状態は図8(a)に図示するようになる。図8(a)に図示される通り、薬剤含浸体3の粒度分布が狭く粒径が揃っていることにより、本発明では薬剤含浸体3の間に空隙が生じ空気流路7が形成されることとなる。そしてこの空気流路7を通して空気が流通し、薬剤の揮散効率が非常に高くなり、そして長期にわたる安定な薬剤の揮散が可能となる。一方、図8(b)に図示するように、薬剤含浸体3の粒度分布が広く、様々な粒径の薬剤含浸体3が混在している場合には、一部に空気流路7が形成されている部位もあるが、大きな粒径の薬剤含浸体3の間に生じた空隙に小さな粒径の薬剤含浸体3が入り込んで空隙を埋めたり、また空隙を生じないように密に収納したりしてしまう。よって、図8(b)に図示する場合では空気流路7が非常に少なくなり、薬剤の揮散が安定に行うことができなくなる。
この現象は、特に本発明のように薬剤カートリッジ2の回転と回転停止が繰り返される場合に顕著であり、様々な粒径の薬剤含浸体3が混在すると、回転・回転停止を繰り返すにつれ、薬剤含浸体3が移動して薬剤含浸体3の間の空隙はますます減少して空気流路7が存在しなくなる。しかしながら、薬剤含浸体3が略等しい粒径を有する本発明の場合には、薬剤カートリッジ2の回転と回転停止が繰り返されても、薬剤含浸体3の間の空隙は減少すること無く、薬剤揮散のための空気流路7を確保することができる。
また本発明で用いられる薬剤含浸体は、その比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内にある。比表面積が2m2/g未満であると薬剤の吸液能が低く、揮散性能の持続性が不充分な薬剤含浸体となる。また、70m2/gを超えると、一旦含浸された薬剤が放出し難い傾向となり、薬剤の揮散量が低下してしまう。
また、薬剤含浸体3に含浸した薬剤が揮散した場合に、薬剤含浸体3の比重は小さくなってもその寸法が実質的に変化しないので、薬剤に揮散に必要で十分な空気流路7が経時的に安定して形成され続ける。これにより、長期にわたり安定して一定量以上の薬剤の揮散が可能となる。しかしながら、薬剤の揮散により薬剤含浸体3の寸法が変化すると、たとえ薬剤の揮散前に薬剤含浸体3の粒度分布が狭かったとしても、薬剤の揮散の程度の差異により薬剤含浸体3同士の寸法に差異が生じ、結局は粒度分布が広い薬剤含浸体3を用いた場合の収納状態、即ち、図8(b)に図示するような収納状態となり、長期にわたる安定な薬剤の揮散を行うことはできない。
また薬剤含浸体は、薬剤カートリッジ内に空隙率20%〜70%、好ましくは25%〜65%、特に好ましくは30%〜60%で収納するとよい。空隙率が20%未満の場合には空気の流通が悪くなるので、充分な薬剤揮散量を確保できず、反対に空隙率が70%を超える場合には、空気が薬剤含浸体と接触する時間が短くなるので、充分な薬剤揮散量を確保できない。それ故、範囲内で空隙率を好適に選択する。
本発明の方法においては、粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体に遠心力を作用させることになる。この場合遠心力は、以下のような種々の効果を奏するものと推測される。
1)粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体は、予め薬剤カートリッジ内に好適な状態(例えば、最密充填に近い状態)で収納されているが、個々の粒は固定されていないので、薬剤カ
ートリッジに衝撃が加わったり薬剤カートリッジを動かした場合には、個々の粒が動いて薬剤含浸体の収納状態が変化する。しかし、使用に際して薬剤含浸体に遠心力が作用すると、遠心力によって粒状物が所定方向に押圧され、初期の好適な収納状態又はそれに近い収納状態が自動的に再現される。
2)薬剤カートリッジへの遠心力の作用を解除すると、薬剤カートリッジ内の個々の薬剤含浸体はある程度自由に動き得る状態となり、回転又は移動によりその位置を変化させる。つまり、薬剤カートリッジへの遠心力の作用及び解除に伴って個々の薬剤含浸体が動き、全体として攪拌される場合と同様の効果を奏する。
3)ある程度の柔軟性を有する薬剤含浸体に遠心力を作用させると、薬剤含浸体は押圧されて収縮し、遠心力の付与を解除すると薬剤含浸体は膨張してもとの大きさに戻る。それ故、薬剤カートリッジの回転(使用)及び薬剤カートリッジの回転停止(不使用)の繰り返しにて薬剤含浸体は収縮と膨張を繰り返すこととなり、このポンプ作用により薬剤含浸体内部の薬剤も表面に押し出され、その結果、薬剤が有効に利用される。
4)薬剤含浸体があまり柔軟性を有しない場合でも、薬剤含浸体に遠心力を作用させると、薬剤含浸体の内部の薬剤が遠心力により表面に押し出され、且つ遠心力を作用させる際に生じる風力によって搬送されるので、薬剤含浸体の内部の薬剤を有効に利用することができる。
遠心力の大きさは、薬剤カートリッジ及び薬剤含浸体の大きさや形状、薬剤の種類や揮散量等の諸条件を考慮して適宜選択する。例えば、遠心力の大きさは、重力加速度(9.8×102cm/s2)の1/1000〜100倍、具体的には9.8×10-1cm/s2〜9.8×104cm/s2であってよい。
薬剤カートリッジを回転させるモーターは、交流電源又は乾電池のいずれでも駆動できるのが好ましく、例えば、電圧1.5Vの乾電池1個で、500〜2000rpmの回転数を300時間以上持続可能なものが適している。
薬剤カートリッジをシロッコファンの空気流出側及び/又は空気流入側に装着すると、薬剤含浸体に遠心力が作用するとともに、薬剤含浸体にシロッコファンにより生じた風(シロッコファンから流出する空気流及び/又はシロッコファンに流入する空気流)があたるので、薬剤の揮散効率を高めることができる。薬剤カートリッジは、シロッコファンの空気流出側のみに又は空気流入側のみに装着してもよいし、或いは、シロッコファンの空気流出側及び空気流入側の双方に装着してもよい。薬剤カートリッジの数は1個以上であればよく、例えば、複数の薬剤カートリッジをシロッコファンの空気流出側又は空気流入側に適宜配分して装着することができる。この場合、複数の薬剤カートリッジは、同一又は異なる薬剤を含浸させた薬剤含浸体を収納したものであってよい。
本発明で用いられる薬剤としては、1時間当たりの揮散量を0.05〜0.6mgに調整することができ、且つこの薬量で十分な殺虫効力を奏し得る揮散性ピレスロイド系殺虫剤を選択することが好ましい。このような薬剤としては、例えば、一般式(I):
Figure 2005145823
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基、ハロゲン原子又はトリフル
オロメチル基を表し、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以降、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以降、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以降、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Iと称す)又は4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Jと称す)を挙げることができる。また、一般式(I)以外の化合物として、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物K)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物L)及び2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物M)も例示することができる。これらの化合物(薬剤)は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物(薬剤)を組み合わせて使用してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物には、その酸部の不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
加熱蒸散用殺虫剤の有効成分として使用されるアレスリンやプラレトリンは本発明の使用条件では揮散性に乏しく、一方、ピレスロイド系殺虫剤のなかで最も蒸気圧の高いエムペントリンは、殺虫効力の点から1時間当たり2mg以上の揮散量を必要とするため好ましくない。それ故、本発明の方法においては、常温で好適な揮散性を有する前述のような化合物を使用する。
本発明で用いられる薬剤含浸体の材質としては、例えば紙、パルプ、ビスコース等のセルロース系担体、エチレン−酢酸ビニール系樹脂、オレフィンボリマー等の合成樹脂担体、ケイ酸カルシウム等の無機質担体等が挙げられるが、なかでも天然由来の紙、パルプ、セルロース系担体が好ましい。更に種々の材質からなる薬剤含浸体を組み合わせて使用してもよい。
薬剤含浸体に関して、含浸された薬剤の種類が異なる多種類の薬剤含浸体を組み合わせて使用してもよい。このような薬剤含浸体を収納した極めて多種類の取り替え可能な薬剤カートリッジを得ることができ、用途に応じて、これらの薬剤カートリッジを適宜組み合わせて使用するとよい。
本発明では、薬剤含浸体に前述の薬剤を全体で30mg以上含浸させることが好ましい
。薬剤の含浸量が30mgより少ないと、殺虫効力の持続性に不足が生じる場合がある。薬剤の含浸に際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤等を用い、また従来から知られている各種含浸手段を採用することができる。更に、薬剤含浸体に安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤等を適宜配合してもよく、また薬剤組成物に、揮散性能に支障を来さない限りにおいて、揮散性の高い他の殺虫、忌避成分(例えばヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒド等の防虫香料等)、殺ダニ剤、殺菌剤、消臭剤等を添加して多目的薬剤組成物とすることもできる。また、薬剤含浸体に使用の終点を示すインジケーター機能(例えば変色機能)を付与すれば一層便利である。
本発明で使用する薬剤カートリッジに通気部を設ける方法としては、例えば開口スリットを多数並設する方法や、並設したホルダーにネットを固定して構成する方法等があるがこれらに限定されるものではない。但し、薬剤の凝縮が揮散性能に影響を及ぼさないよう充分な通気性を確保すると同時に、薬剤含浸体の散逸を防止するために、開口スリットの場合、開口スリット幅を1mm以上で且つ薬剤含浸体の平均粒径の0.7倍以下とするのが好ましい。総開口スリット面積の薬剤カートリッジ側面面積に対する開口比率は、例えば0.1〜0.5に設定するのが好ましく、一方ネットの場合、線間距離は、例えば1mm以上で且つ薬剤含浸体の平均粒径の0.7倍以下に設定するのが好ましい。
前記薬剤カートリッジの形状や大きさは、薬剤含浸体収納部の構造を考慮して任意に決定することができる。前述の如く、薬剤カートリッジをシロッコファンの空気流出側及び/又は空気流入側に装着することが好ましいが、これ以外のものであっても勿論よい。
シロッコファンを用いるもの以外のものとしては、例えば、通常外径が3cm〜6cm、高さが2cm〜5cm程度の円筒状の薬剤カートリッジが使いやすいが、例えば、薬剤カートリッジの中心軸部分を中空状となし、この中空部分を本体の回転軸に嵌め込むような形状にすれば、薬剤カートリッジを薬剤揮散装置本体に装填しやすく便利である。この他、薬剤カートリッジの形状は略円錐状であったり、回転軸が横方向に設けられた装置に装填されるタイプであってもよい。
薬剤カートリッジの周囲には、スリット状、メッシュ状等の保護カバーを装着し、指等が回転する薬剤カートリッジに触れないような構成にするとよい。薬剤カートリッジを収納する薬剤揮散装置の一部に保護カバーの機能を持たせてもよい。また、使用前に、薬剤カートリッジに収納した薬剤含浸体から薬剤が揮散することを防止するため、薬剤カートリッジの通気部には遮蔽部材(例えば、シールテープなど)を貼付し、遮蔽部材を使用直前に剥離することが好ましい。前記シールテープとして粘着テープを用いると、簡単に剥離することができるので便利である。なお、薬剤カートリッジのスリットバーや保護カバーのスリットバー部分は、風通しを良くするためにブレード状に好適なひねりの角度をつけてもよい。
粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体の平均粒径が2mm〜5mmであり、且つ薬剤含浸体が、前記薬剤カートリッジ内に空隙率20%〜70%で収納されている薬剤カートリッジは、使用しやすく、且つ長期間にわたりほぼ一定量の薬剤を安定して揮散することができ、実用上特に好ましい。
以下の実施例および試験例により本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を説明するためのものであり、本発明をこれらに限定することを意図しない。
実施例1 薬剤揮散装置の作製
25cm3の内部体積を有する断面矩形の環状中空構造体を作製した。該中空構造体の
外周面に、幅約2mmのスリット状の開口部を等間隔で40個設け、また内周面に、幅約2mmのスリット状の開口部を等間隔で24個設けた。さらに中空構造体の内周面に長さ約5mmの翼部を24個、一定の角度で傾けて一体成形して薬剤カートリッジとした。その結果、中空構造体の内壁から翼部の先端までの距離は7mmとなった。また、薬剤カートリッジの中心に円柱状の軸心部を設け、該軸心部は中空構造体と3本のスポーク部で連結した。
作製した薬剤カートリッジを、図1〜図3に図示する。図1は薬剤カートリッジを上側より図示する斜視図であり、図2は同じ薬剤カートリッジを下側より図示する斜視図であり、そして図3は同じ薬剤カートリッジを分解した状態で図示する斜視図である。
図1〜図3に図示されるように、薬剤カートリッジ2は断面が矩形の環状の中空構造体21よりなり、また、薬剤カートリッジ2の外周面および内周面には、共に平行に形成された多数のスリットである外周面開口部22と内周面開口部23が設けられている。さらに、薬剤カートリッジ2の内周面には、薬剤カートリッジ2の環の中心に向け、薬剤カートリッジ2と一体に成形されて多数の翼部26が設けられている。そして薬剤カートリッジ2は、中空構造体21の環の中心に、回転支持軸24と緩み無く嵌合する円柱状の軸心部25を有し、軸心部25はスポーク部27によって中空構造体21と連結される。この薬剤カートリッジ2は、環となった溝の形状の本体部材28と、その溝の蓋となる蓋部材29とから構成されており、両者の係合は、蓋部材29の表面に設けたリブによる嵌合によって為されている。
こうして作製した薬剤カートリッジを単3乾電池2個(計3.0V)により駆動するモーターを用いる薬剤揮散装置に取り付けた。
本実施例で用いた薬剤揮散装置を図4〜図7で図示する。図4は薬剤揮散装置の斜視図であり、図5は薬剤揮散装置の正面図であり、図6は薬剤揮散装置の側面図であり、そして図7は図5のA−A’線断面図である。
該薬剤揮散装置は、装置本体1の受け凹部11に収め入れられ回転自在に支持された薬剤カートリッジ2が、その中に薬剤含浸体3を収納し、そして電池5によって駆動されるモーター4によって回転され、薬剤カートリッジ2は露出しないようにカバー6によって覆われたものである。
装置本体1は、薬剤カートリッジ2の回転/回転停止を制御するための電源スイッチ12と、薬剤の揮散を妨げないための開口部13と、衣服に装着するためのホルダー14と、紐を通すための吊下部15と、装置本体1にモーター4を取り付けるためのモーター装着部16を有している。
またカバー6は、薬剤の揮散を阻害せぬよう開口部61を備え、また開口部61の寸法の拡大によりカバー6の強度が低下することを防止するために補強部62を有している。開閉スイッチ63は、薬剤カートリッジ2の交換の際にカバーを開閉するためのスイッチである。
試験例
殺虫薬剤を、様々な薬剤含浸体材料に含浸させて薬剤含浸体を得た。この薬剤含浸体を実施例薬剤カートリッジに収納し、実施例1の薬剤揮散装置にて1日12時間使用する条件下で、1日目、10日目および30日目に、薬剤揮散量測定および殺虫効力試験を行った。なお何れの薬剤含浸体も、全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有するものとした。また比較として、表1に図示する平均粒径およびその±10%の範囲の比率を有する薬剤含浸体を用いて同様の試験を行った。
殺虫効力試験は以下の手順に従う連続通気法で行った。
・殺虫効力試験手順
1. 内径20cm、高さ43cmのプラスチック製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網で上下を仕切った内径および高さが共に20cmの円筒(供試蚊を入れる場
所)を載せ、さらに内径20cm、高さ20cmの円筒を載せる。
2. この4段重ねの円筒を台に載せ、台の中央(最下段の円筒の中)に薬剤揮散装置を置いて薬剤含浸体中の薬剤を揮散させる。
3. その後、上から2段目の円筒に供試蚊約20匹を放ち、時間の経過に伴う供試蚊の仰転数を観察する。
なお、殺虫効力は、dl,d−シス,トランス−アレスリン(ピナミンフォルテ)を含有する蚊取マットを発熱体放熱板温度160℃の条件で蒸散させたときの初期仰転効果を1.00として相対有効比で示した。
上記の試験を、殺虫薬剤およびその量、含浸体材料およびその粒径、薬剤カートリッジの空隙率、モータの回転数を様々に変化させて繰り返した。
試験の結果を表1に示す。
なお表中の「ビスコパール」とは、レンゴー株式会社製の粒状発泡セルロースビーズの商品名である。
また薬剤として使用した化合物A〜Mは以下のものを表す。
化合物A:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物B:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物C:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物D:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物E:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物F:4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物G:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート
化合物H:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物I:2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート
化合物J:4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
化合物K:4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
化合物L:4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
化合物M:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
Figure 2005145823
備考:*120時間用、**80時間用、***720時間用。
表1に示すとおり、本発明の薬剤揮散方法によれば、薬剤の揮散量は30日間の長期間にわたり安定し、この間高い殺虫効力を保持することが認められた。すなわち、全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有する薬剤含浸体を使用することにより、優れた薬剤揮散効果が達成されることが判る。
これに対し、比較例では、本発明のものと比較して揮散効率について明らかに劣っていた。これは、様々な粒径を有する薬剤含浸体を用いたことにより薬剤含浸体の間の空隙が減少し、空気の流通が十分行われなくなったためであると考えられる。
図1は、実施例1の薬剤カートリッジを上側より図示する斜視図である。 図2は、実施例1の薬剤カートリッジを下側より図示する斜視図である。 図3は、実施例1の薬剤カートリッジを分解した状態で図示する斜視図である。 図4は、実施例1の薬剤揮散装置を図示する斜視図である。 図5は、実施例1の薬剤揮散装置を図示する正面図である。 図6は、実施例1の薬剤揮散装置を図示する側面図である。 図7は、図5のA−A’線断面を図示する模式図である。 図8(a)は、本発明の薬剤含浸体の収納状態を図示する断面図であり、図8(b)は、従来の薬剤含浸体の収納状態を図示する断面図である。
符号の説明
1 装置本体
2 薬剤カートリッジ
3 薬剤含浸体
4 モーター
5 電池
6 カバー
7 空気流路

Claims (11)

  1. 粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を、側面に通気部を有する薬剤カートリッジに収納し、該薬剤カートリッジの回転により前記薬剤含浸体に含浸させた薬剤を揮散させる薬剤揮散方法であって、前記薬剤含浸体は、平均粒径2mm〜5mmであり、その全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有し、且つその比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内であることを特徴とする薬剤揮散方法。
  2. 前記薬剤含浸体に薬剤を全体で30mg以上含浸させることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  3. 前記薬剤含浸体に薬剤を全体で60mg以上含浸させることを特徴とする請求項2記載の薬剤揮散方法。
  4. 前記薬剤として、前記薬剤含浸体から薬剤を1時間当たり0.05〜0.6mgの揮散量で且つ80時間以上にわたり揮散可能である薬剤を使用することを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  5. 前記薬剤カートリッジの回転により生じる遠心力の大きさが、9.8×10-1cm/s2〜9.8×104cm/s2であることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  6. 前記薬剤含浸体が、前記薬剤カートリッジ内に空隙率20%〜70%にて収納されていることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  7. 前記薬剤カートリッジの回転を、モーターにより500〜2000rpmの回転数で行うことを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  8. 前記薬剤カートリッジをシロッコファンの空気流出側又は空気流入側に装着し、回転させることを特徴とする請求項7記載の薬剤揮散方法。
  9. 前記薬剤が、以下の群:2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物A)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物B)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物C)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物D)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物E)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物F)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物G)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物H)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物I)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物J)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物K)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物L)及び2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ
    ート(化合物M)から選択された少なくとも一種の化合物からなることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  10. 前記薬剤カートリッジの側面に設けられた通気部は、多数並設された開口スリットからなり、開口スリット幅が1mm以上で且つ前記薬剤含浸体の平均粒径の0.7倍以下であることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散方法。
  11. 薬剤を含浸させてなる粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体と、
    該薬剤含浸体を収納するとともに、側面に通気部を有する環状の中空構造体からなる薬剤カートリッジと、
    該薬剤カートリッジに装着するシロッコファンと、
    該薬剤カートリッジおよび該シロッコファンを回転する駆動手段
    とからなる薬剤揮散装置であって、
    前記薬剤含浸体は、平均粒径2mm〜5mmであり、その全体の95%以上が平均粒径の±10%以内の範囲内の粒径を有し、且つその比表面積が2m2/g〜70m2/gの範囲内であることを特徴とする薬剤揮散装置。
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