JP4406571B2 - 薬剤揮散用器具 - Google Patents
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Description
火や電源コンセントからの電気を使用する薬剤揮散用器具は、安全性や電源の確保の点で使用することが困難な場合がある。例えば、テント内にて使用する場合には、常温で薬剤を揮散・放出させる方法を使用することが好ましく、この場合、薬剤の揮散にファン等の風力を利用すれば、そのまま薬剤(又は薬剤含浸体)を放置する場合に比べて、薬剤の揮散効率を非常に高めることができる。
更に、特開平5−68459号には、揮散性薬剤を保持した拡散用材を回転させることにより、揮散性薬剤を気中に拡散させる揮散性薬剤の拡散用器具が開示されている。
一方、特開平5−68459号に開示された器具では、ガス透過性フィルムからなる膜部を有する袋又は容器或いは通気しうる微小孔を有する袋又は容器に揮散性薬剤を封入してなる拡散用材を採用しており、揮散性薬剤全体から効率良く薬剤を揮散させることが難しく、経時的に揮散薬量が減少することは避けられない。それ故、この器具で、10日間以上の長期間にわたり安定した揮散薬量を保持することは困難である。
すなわち、本発明の薬剤揮散用器具は、平均外径3mm〜10mmである粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を空隙率20%〜70%にて内部に充填し、側面に通気部を有するカートリッジを設け、前記薬剤含浸体中の薬剤を遠心力に基づいて揮散させるために前記カートリッジに対する回転機構を備えたことによる薬剤揮散用器具において、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物E)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物H)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物J)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物K)から選択された少なくとも一種の化合物からなることに基づく薬剤揮散用器具であることを基本的要件としている〔以下、i)と称する〕。
以下の発明の器具は、特に好ましい。
ii)カートリッジの通気部がスリット幅を1mm以上とし、薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下とする開口スリットであるか、又は、線間距離が1mm以上であって、薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下であることを特徴とするi)の薬剤揮散用器具。
iii)前記カートリッジの空気流出側及び/又は空気流入側にシロッコファン(多数の送風用の羽根)を装着することを特徴とするi)の薬剤揮散用器具。
iv)前記カートリッジの形状が環状であり、且つ前記カートリッジを前記シロッコファンの空気流出側に装着することを特徴とするiii)の薬剤揮散用器具。
v)前記カートリッジの形状が円板状であり、且つ前記カートリッジを前記シロッコファンの空気流入側に装着することを特徴とするiii)の薬剤揮散用器具。
vi)前記粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体が、紙、パルプ、セルロース系担体及び合成樹脂担体から選択された少なくとも一種からなることを特徴とするi)の薬剤揮散用器具。
しかも、乾電池で作動する小型・軽量な状態にて使用し得るように設計可能であることから、屋内や屋外をとわず適用可能であり、例えば、旅行先の室内やキャンプにおけるテント内での衛生害虫や不快害虫の防除に非常に役立つ。
更に、目的に応じて、各種の異なる薬剤含浸体を含む異なるカートリッジを取り替えて使用することができるので、一つの薬剤揮散用器具で多種類の有害虫に対応することができ、適用範囲が広い。
遠心力に基づく具体的な効果は、以下のとおりである。
1)粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体は、予めカートリッジ内に好適な状態(例えば、最密充填に近い状態)で充填されているが、個々の粒は固定されていないので、カートリッジに衝撃が加わったりカートリッジを動かした場合には、個々の粒が動くので前記薬剤含浸体の充填状態が変化する。しかし、使用に際して前記薬剤含浸体に遠心力が作用すると、遠心力によって粒状物が所定方向に押圧され、初期の好適な充填状態又はそれに近い充填状態が自動的に再現される。
2)カートリッジへの遠心力の作用を解除すると、カートリッジ内の個々の粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体はある程度自由に動き得る状態となり、回転又は移動によりその位置を変化させる。つまり、カートリッジへの遠心力の作用及び解除に伴って、粒状の薬剤含浸体は個々が動き、全体として攪拌される場合と同様の効果を奏する。
3)粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体に遠心力を作用させると、前記薬剤含浸体がある程度の柔軟性を有する場合には、前記薬剤含浸体は押圧されて収縮し、遠心力の付与を解除すると前記薬剤含浸体は膨張してもとの大きさに戻る。それ故、カートリッジの回転(使用)及びカートリッジの回転停止(不使用)の繰り返しにて前記薬剤含浸体は収縮と膨張を繰り返すこととなり、このポンプ作用により前記薬剤含浸体内部の薬剤も表面に押し出され、その結果、薬剤が有効に利用される。
4)粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体があまり柔軟性を有しない場合でも、前記薬剤含浸体に遠心力を作用させると、前記薬剤含浸体の内部の薬剤が遠心力により表面に押し出され、且つ遠心力を作用させる際に生じる風力によって搬送されるので、薬剤含浸体の内部の薬剤を有効に利用することができる。
前記薬剤含浸体は、前記カートリッジ内に空隙率20%〜70%であることを要件としているが、好ましくは25%〜65%、特に好ましくは30%〜60%で充填するとよい。空隙率が20%未満の場合には空気流の流れが悪くなるので、充分な薬剤揮散量を確保できず、反対に空隙率が70%を超える場合には、空気流が薬剤含浸体と接触する時間が短くなるので、充分な薬剤揮散量を確保できない。それ故、前記範囲内で、空隙率を選択する。
薬剤含浸体を収納したカートリッジを回転させることにより、前記薬剤含浸体に遠心力が作用し、且つこの際に生じる風力を利用することができる。前記カートリッジに対する回転機構の駆動源として、モーターを採用するのが通例である。
前記モーターは、交流電源又は乾電池のいずれでも駆動できるのが好ましく、例えば、電圧1.5Vの乾電池1個で、100〜2000rpmの回転数を300時間以上持続可能なものが適している。
よい。
(式中、X及びYは同一又は相異なって水素原子、メチル基を表し、Zはメチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
なお、一般式(I)で表される化合物には、その酸部の不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
薬剤含浸体をカートリッジに収納する場合、特定の大きさ、形状及び材質の薬剤含浸体をカートリッジに収納してもよいし、又は、大きさ、形状及び材質が異なる多種類の薬剤含浸体を好適な比率で混合して、カートリッジに収納してもよい。
それ故、このような薬剤含浸体を収納した極めて多種類の取り替え可能なカートリッジを得ることができ、用途に応じて、これらのカートリッジを適宜組み合わせて使用するとよい。
例えば、前記シロッコファンの空気流出側に装着するには、前記カートリッジの形状が環状であるものが好ましく、前記シロッコファンの空気流入側に装着するには、前記カートリッジの形状が円板状であるものが好ましい。
また、薬剤含浸体に使用の終点を示すインジケーター機能(例えば変色機能)を付与すれば一層便利である。
シロッコファンを用いるもの以外のものとしては、例えば、通常外径が3〜6cm、高さが2〜5cm程度の円筒状のカートリッジが使いやすいが、例えば、カートリッジの中心軸部分を中空状となし、この中空部分を本体の回転軸に嵌め込むような形状にすれば、カートリッジを薬剤揮散用器具本体に装填しやすく便利である。この他、カートリッジの形状は略円錐状であったり、回転軸が横方向に設けられた装置に装填されるタイプであってもよい。
前記粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体の材質は特に限定されないが、例えば、紙、パルプ、セルロース系担体及び合成樹脂担体から選択された少なくとも一種からなる材料(単一の材料又はこれらを組み合わせた材料)は、前記粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を構成する材料として好ましい。
以下に、粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を収納したカートリッジを、シロッコファンの空気流出側及び/又は空気流入側に装着する場合の例を示す。
A)シロッコファン
図4に、シロッコファンの一例の概略構成図を示す。図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)をA−A線に沿って切断した側部断面図、図4(c)は下面図である。シロッコファン12は、例えばプラスチック製の円筒の内周に沿って一定間隔で内側に突出した翼部13(少し湾曲している)が設けられており、各翼部13の間には開口スリット4(図示せず)が設けられた構成を有する。シロッコファン12の中央部には、4個の腕部14によって支持されたモーター装着部15が設けられている。モーターによりシロッコファン12を回転させると、翼部13により生じた風力により、シロッコファン12の上面側から流入した空気は開口スリット4を通過して流出する。
B)カートリッジの調製(実施例1)
シロッコファン12の空気流入側に装着するカートリッジの一例を示す。2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以降、化合物Aと称す。)200mgを、平均外径が約6mmの粒状発泡セルロースビーズ〔商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)〕3gに含浸させて得られた薬剤含浸体1を、外径3cm、高さ1cmの円板状カートリッジ2の薬剤含浸体収納部3に収納した。円板状カートリッジ2の内部容積は40cm3 であり、空隙率(薬剤含浸体が充填されずに空隙として残っている内部容積の比率,%)は50%である。なお、円板状カートリッジ2は、その側面に高さ方向ほぼ全長に幅2mmの開口スリット4(図示せず)を3mmおき(ピッチ間隔)に備えている。
図2に、実施例1の円板状カートリッジ2をシロッコファン12の空気流入側に装着した状態の側部断面図を示す。円板状カートリッジ2の中心部及びその近傍は円板状カートリッジ2の回転に際して遠心力が作用しないか又はほとんど作用しないため、薬剤含浸体1を収納せず、空隙として残す。
図3に、薬剤含浸体1を収納しない状態の実施例1の円板状カートリッジ2を示す。図3(a)は円板状カートリッジ2の上面図、図3(b)は、図3(a)をA−A線に沿って切断した場合の円板状カートリッジ2の側部断面図である。図3(a)に示される如く、円板状カートリッジ2の上面には、楔形や矩形などの開口スリット4が多数設けられている。
図2に示す如く、実施例1の円板状カートリッジ2をシロッコファン12の空気流入側に取り付けるためには、円板状カートリッジ2をシロッコファン12の空気流入側に保持するための保持部(例えば、蓋部)が必要となる。図5に、この蓋部の一例を示す。図5(a)は蓋部16の上面図、図5(b)は蓋部16の側面図、図5(c)は蓋部16を実施例1の円板状カートリッジ2に装着した状態を示す側部断面図である。蓋部16にも、円板状カートリッジ2の上面と同様に、楔形や矩形などの開口スリット4が多数設けられている。
C)薬剤揮散用器具1
図1に、実施例1の円板状カートリッジ2を装着したシロッコファン12を備えた薬剤揮散用器具の一例を示す。図1(a)は薬剤揮散用器具の上面図、図1(b)は前記薬剤揮散用器具の側部断面図、図1(c)は前記薬剤揮散用器具の下面図である。この薬剤揮散用器具は全体が小型で且つ軽量であり、容易に持ち運ぶことができる。また、乾電池8にて作動するので、野外で、例えばテント内で使用することもできる。
D)カートリッジの調製(実施例2)
シロッコファン12の空気流出側に装着するカートリッジの一例を示す。2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以降、化合物Bと称す。)400mgを、平均外径が約3mmのパルプ3gに含浸させて得られた薬剤含浸体1を、外径6.5cm、内径4cm、高さ2cmの環状カートリッジ2の薬剤含浸体収納部3に収納した。環状カートリッジ2の内部容積は40cm3 であり、空隙率は20%である。なお、環状カートリッジ2は、その側面に高さ方向ほぼ全長に幅2mmの開口スリット4(図示せず)を3mmおきに備えている。
図6に、実施例2の環状カートリッジ2をシロッコファン12の空気流出側に装着し、更にシロッコファン12にモーター9を装着する状態を示す。
E)薬剤揮散用器具2
図7に、実施例2の環状カートリッジ2を装着したシロッコファン12を備えた薬剤揮散用器具の一例を示す。図7(a)は薬剤揮散用器具の上面図、図7(b)は前記薬剤揮散用器具の側部断面図、図7(c)は前記薬剤揮散用器具の下面図である。環状カートリッジ2はシロッコファン12の空気流出側(外周部)に装着されるため、シロッコファン12の回転に伴う遠心力及び風力が有効に作用し、薬剤の揮散効率が非常に良い。
前記実施例1,2の薬剤含浸体に加えて、実施例2に準じ、下記表1に示す各種薬剤含浸体(実施例3〜6)を調製した。これを実施例2と同じカートリッジ(図6のカートリッジ)に収納し、前記カートリッジを図7の薬剤揮散用器具に装着して、1日12時間使用する条件下で、1日目、15日目及び30日目に、薬剤揮散量測定と下記の試験方法(連続通気法)による殺虫効力試験を行った。その結果を併せて下記表1に示す。
なお、殺虫効力は、dl,d−シス,トランス−アレスリン(ピナミンフォルテ)を含有する蚊取マットを発熱体放熱板温度160℃の条件で蒸散させた時の初期仰転効果を1.00として相対有効比で示した。
内径20cm、高さ43cmのプラスチック製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網で上下に仕切った内径及び高さが共に20cmの円筒(供試蚊を入れる場所)を載せ、さらに内径20cm、高さ20cmの円筒を載せる。この4段重ねの円筒を台に載せ、台の中央(最下段の円筒の中)に薬剤揮散用器具を置いて薬剤含浸体中の殺虫成分を揮散させる。そして、上から2段目の円筒に供試蚊約20匹を放ち、時間の経過に伴う該供試蚊の仰転数を観察する。暴露20分後に全供試蚊を清潔なポリエチレン容器に移し、3%砂糖水を与え、保存24時間後に死虫率を調べる。
表1に示すとおり、本発明の薬剤揮散用器具によれば、薬剤の揮散量は30日間の長期間にわたり安定し、この間高い殺虫効力を保持することが認められた。すなわち、実施例1のタイプのカートリッジを備えた図1の薬剤揮散用器具、特に実施例2のタイプのカートリッジを備えた図7の薬剤揮散用器具を使用すると、揮散量の経時変化がほとんどなく、30日間にわたって、殺虫効果はほぼ一定であり、優れた経時的安定性を有することが判る。
以下、図8,図9に基づいて実施例7を説明する。2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(化合物A)200mgを、平均外径が約6mmの粒状発泡セルロースビーズ〔商品名:ビスコパール(レンゴー株式会社製)〕3gに含浸させて得られた薬剤含浸体1(図9参照)を、図8(b)に示す外径5cm、高さ3cmの円筒状カートリッジ2の薬剤含浸体収納部3(図9参照)に収納した。なお、カートリッジ2は、その側面に高さ方向ほぼ全長に幅3mmの開口スリット4を3mmおきに備え、外周面から内方1cm幅の外筒部が薬剤含浸体収納部3となっている。このカートリッジ2を、図8(c)に示す薬剤揮散用器具の回転機構部5の回転軸部6に嵌め込み(図9参照)、更に図8(a)に示す保護カバー7を装着した後、単一乾電池8を用いてモーター9を500rpmで回転させた。この薬剤揮散用器具を6畳の部屋の中央に置いて使用したところ、1日12時間あたりの薬剤揮散量(約4mg)がほとんど変化することなく安定して推移し、30日間にわたり蚊の防除に有効であった。なお、使用中、回転音が気になることはなく、また回転するカートリッジに誤って触れる恐れもないことから、使用性についても満足のいくものであった。
以下、図10,図11に基づいて実施例8を説明する。2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物B)300mgと、安定剤ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)20mgを、パルプ製で平均外径が約3mmの略粒状ビーズ4gに含浸させて薬剤含浸体1を得た。図10に示すように、外径3cm、高さ5cmの円筒状で、その側面を10本の並設ホルダー10と線間距離2mmのネット11で構成したカートリッジ2に薬剤含浸体1を収納し、このカートリッジ2を図11の薬剤揮散用器具の回転機構部5に装填した。薬剤揮散用器具本体5には、図11(a)に示すように、カートリッジ2の外側に相当する部分に薬剤を揮散させるための開口部が設けられており、前記薬剤揮散用器具の回転機構部5の開口部は、カートリッジ2に対する保護カバーの機能も有する。なお、図11の薬剤揮散用器具は、図11(b)に示すように回転軸が横方向に備設されたものであり、図11(a)が斜視図を示し、図11(b)が側部断面図を示す。この薬
剤揮散用器具は、部屋のインテリアにもマッチし、1日12時間の使用で30日間にわたり充分な蚊防除効果を示した。
前記実施例7,8の薬剤含浸体に加えて、実施例7に準じ、下記表2に示す各種薬剤含浸体(実施例9,10)を調製した。これを実施例7と同じ薬剤揮散用器具(図8、図9の薬剤揮散用器具)に装填して、1日12時間使用する条件下で、1日目、15日目及び30日目に、薬剤揮散量測定と前述の試験方法(連続通気法)による殺虫効力試験を行った。その結果を併せて下記表2に示す。
Claims (6)
- 平均外径3mm〜10mmである粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体を空隙率20%〜70%にて内部に充填し、側面に通気部を有するカートリッジを設け、前記薬剤含浸体中の薬剤を遠心力に基づいて揮散させるために前記カートリッジに対する回転機構を備えたことによる薬剤揮散用器具において、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物E)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(化合物H)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(1−プロペニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物J)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(化合物K)から選択された少なくとも一種の化合物からなることに基づく薬剤揮散用器具。
- カートリッジの通気部がスリット幅を1mm以上とし、薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下とする開口スリットであるか、又は、線間距離が1mm以上であって、薬剤含浸体の平均外径の0.7倍以下とするネットであることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散用器具。
- 前記カートリッジの空気流出側及び/又は空気流入側にシロッコファンを装着することを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散用器具。
- 前記カートリッジの形状が環状であり、且つ前記カートリッジを前記シロッコファンの空気流出側に装着することを特徴とする請求項3記載の薬剤揮散用器具。
- 前記カートリッジの形状が円板状であり、且つ前記カートリッジを前記シロッコファンの空気流入側に装着することを特徴とする請求項3記載の薬剤揮散用器具。
- 前記粒状若しくは略粒状の薬剤含浸体が、紙、パルプ、セルロース系担体及び合成樹脂担体から選択された少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散用器具。
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