JP2008178384A - 携帯型害虫防除装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池やモータなどの高価な駆動手段を備えることなく、単に携帯型害虫防除装置を身体などに装着しておくだけで、薬剤保持体を回転させて害虫防除成分を効率的に揮散させることができ、且つコンパクトで安価に製造することができる携帯型害虫防除装置を提供する。
【解決手段】身体13または携帯品に装着して使用される携帯型害虫防除装置100であって、害虫防除成分を保持する薬剤保持体11と、薬剤保持体11を回転自在に収容すると共に通気口20,22が設けられた器体10と、器体10を身体13または携帯品に装着する装着手段12と、を備える。身体13または携帯品を動かすことによって回転駆動機構41が作動して薬剤保持体11を回転させると、薬剤保持体11が備える送風機構32により、通気口20,22を介して害虫防除成分を揮散させて害虫を効率的に防除する。
【選択図】図1

Description

本発明は、携帯型害虫防除装置に関し、より詳細には、使用者が身につけて屋外などで使用するのに好適な携帯型害虫防除装置に関する。
使用者が身につけて使用する従来の害虫防除装置としては、虫忌避剤と紫外線感光剤を含有する樹脂を環状に形成し、手首や足首などに装着して使用するようにした装飾用リングが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、常温で揮散する忌避剤を担体に含浸させた虫除け本体の一面に粘着剤層を設け、或いは、該虫除け本体を底面に粘着剤層が設けられたプラスチックケースに収納し、粘着剤層によって人体や衣服に貼着して使用するようにした虫除け具が知られている(例えば、特許文献2参照。)。更に、電池駆動されるモータによって送風機を回転させ、揮散性の薬剤を納める薬剤容器に空気を吸い込み、放出して、揮散性の薬剤を積極的に放散するようにした送風式薬剤放散装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
登録実用新案3124897号公報 特開平9−154470号公報 特開2005−312335号公報
しかし、特許文献1に開示されている装飾用リングや、特許文献2に開示されている虫除け具に使用可能な薬剤成分は、必ずしも害虫防除機能が十分に発揮できない問題があった。また、特許文献3に開示されている送風式薬剤放散装置は、送風機によって薬剤容器の吸込み口から空気を吸い込み、揮散した薬剤を吸い込んだ空気と共に放出口から放散するようにしたものであり、揮散性の薬剤を積極的に放散して効率的に害虫防除機能を発揮することができるものの、送風機の駆動手段としてモータ及び電池が必要であり、製造コストが嵩むばかりでなく、薬剤放散装置が大型となって携帯用として用いるには改善の余地があった。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電池やモータなどの駆動手段を備えることなく害虫防除成分を効率的に揮散させて害虫を防除することができ、且つコンパクトで安価に製造することができる携帯型害虫防除装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 身体または携帯品に装着して使用される携帯型害虫防除装置であって、
害虫防除成分を保持する薬剤保持体と、
前記薬剤保持体を回転自在に収容すると共に、通気口が設けられた器体と、
前記器体を前記身体または携帯品に装着する装着手段と、を備え、
前記身体または携帯品を動かすことにより前記薬剤保持体を回転させ、前記通気口を介して前記害虫防除成分を揮散させて害虫防除することを特徴とする携帯型害虫防除装置。
上記構成の携帯型害虫防除装置によれば、通気口が設けられた器体内に、害虫防除成分を保持する薬剤保持体を回転自在に収容したので、携帯時に携帯型害虫防除装置に加えられる振動や移動によって薬剤保持体を回転させて効率的に害虫防除成分を、通気口を介して揮散させて効果的に害虫を防除することができる。
尚、ここで言う回転とは、回転軸を有し該軸周りの回転だけではなく、回転軸を備えずにあらゆる方向に回転する回転も含むものであり、また同じ方向に回転する場合に限らず、半回転を繰り返す、或いは回転方向がランダムに変わる回転も含めるものである。
また、携帯型害虫防除装置を身体または携帯品に装着する装着手段を備えたので、携帯型害虫防除装置を容易に身体や携帯品などに装着することができ、屋外において使用する携帯型害虫防除装置として好適である。
(2) 前記薬剤保持体は、回転によって外気を、前記通気口を介して送風させる送風機構を備えることを特徴とする上記(1)に記載の携帯型害虫防除装置。
上記構成の携帯型害虫防除装置によれば、薬剤保持体が、回転によって外気を、通気口を介して送風させる送風機構を備えるので、薬剤保持体から揮散する害虫防除成分を、積極的に携帯型害虫防除装置から拡散することができ、より効果的に害虫を防除することができる。
(3) 前記薬剤保持体または前記器体は、前記身体または携帯品を動かすことにより前記薬剤保持体を回転させる回転駆動機構を備えることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の携帯型害虫防除装置。
上記構成の携帯型害虫防除装置によれば、薬剤保持体または器体が、携帯型害虫防除装置に加えられる慣性力や重力を動力源として薬剤保持体に回転力を付与する回転駆動機構を備えるので、単に携帯型害虫防除装置を身体や携帯品に装着して携帯するだけで薬剤保持体を回転させることができる。これにより、モータや電池などの高価な装置を用いることなく、害虫防除成分を効率的に揮散及び拡散させて害虫を防除すると共に、携帯型害虫防除装置を携帯に好適な大きさに小型化し、且つ安価に製造することができる。
本発明の携帯型害虫防除装置によれば、電池やモータなどの高価な駆動手段を備えることなく、単に携帯型害虫防除装置を身体などに装着しておくだけで薬剤保持体を回転させて害虫防除成分を効率的に揮散させることができ、且つコンパクトで安価な携帯型害虫防除装置を提供することができる。
以下、本発明に係る携帯型害虫防除装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態である腕装着型の携帯型害虫防除装置の全体斜視図、図2は図1における携帯型害虫防除装置の分解斜視図、図3は上カバーの斜視図、図4は下カバーの斜視図、図5は下カバーの裏面斜視図、図6は保持体の斜視図、図7はファン部の斜視図、図8は装着手段であるリストバンドの斜視図である。
尚、以下の説明においては、上カバー側を上方向、下カバー側を下方向と定義して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の携帯型害虫防除装置100は、器体10と、器体10内に回転自在に収容される薬剤保持体11と、器体10を使用者の腕13に装着する装着手段であるリストバンド12とを備える。器体10は、樹脂によって略椀形に形成された上カバー14及び下カバー15とからなり、下カバー15に上カバー14を嵌合させることにより内部に薬剤保持体11を収容するための空間Sが形成される。
尚、リストバンド12は、伸縮自在の幅を有するゴム紐状のものでもよく、そして腕に嵌める際にはマジックテープを用いた構造としてもよい。
図3に示すように、上カバー14は、円形の側壁19を有する略円筒状に形成されており、側壁19の上端からは中心に配置された軸支持部17に連続する6本のリブ18が放射状に延設されている。これにより、上カバー14の上面には、略3角形の6個の開口からなる吸気口(通気口)20が形成される。軸支持部17の中心には、後に詳述する薬剤保持体11を回転自在に支承するための上部軸受穴21が形成されている。側壁19の内周面下部には、半径方向内側に突出する一対の係合突起23が180度離間して設けられている。側壁19には、円周方向に沿って形成された8個の長穴からなる排気口(通気口)22が、側壁19の全周に亘って形成されている。尚、吸気口20及び排気口22の大きさ、形状、個数は、これに限定されることなく、実施を妨げない範囲で任意に設定することができる。また、前記上部軸受穴21は貫通穴でもよく、この場合には後述するファン部32の支持軸45の周りに、軸方の移動を抑制するための円環状部を設けることが望ましい(図7参照)。
下カバー15は、図4及び図5に示すように、略有底円筒状に形成されており、底面24の上面(内面)には、その中心に薬剤保持体11を回転自在に支承するための下部軸受穴26が設けられた軸支持部25が軸方向に突出して形成されている。また、底面24の下面(外面)には、軸方向下方に突出し更に半径方向外方に突出する略L字形の一対の取付ボス27が形成されている。取付ボス27は、リストバンド12への取り付けのために用いられる。下カバー15の円筒状側壁28の外周面には、その上端から軸方向に彫り込まれ、更に円周方向に延びる一対のL字形溝29が、上カバー14の一対の係合突起23に対応して形成されている。
下カバー15のL字形溝29に上カバー14の係合突起23を挿入して回転させて、L字形溝29と係合突起23を係合させて下カバー15と上カバー14が一体的に組み付けられる。これにより、上カバー14と下カバー15の内部に、薬剤保持体11を収容するための空間Sが形成される。
図2に示すように、薬剤保持体11は、害虫防除成分を保持する担体30と、該担体30を収容・保持する保持器31と、ファン部32と、が組み付けられて構成される。担体30は、円盤状の外形を有しており、害虫防除成分を含む薬剤が保持されている。
担体30は、形態、材質、サイズ等を任意に設定できるが、簡単な構造で、通気性の大きいものが好ましい。例えば、ハニカム形状、スノコ形状、蛇腹形状、網形状、スリット形状、格子形状、粒状、顆粒状、または開孔を設けた紙類等の構造のものを採用できる。各セルの形状も本発明の効果の面では問題にならない。上記した以外の形状として、例えば6角形蜂の巣形状でも、円形状、S字形状でもよい。通気性ケース(保持体ケース)中に、粒体、ブロック、粉砕物等を、通気性を阻害しないように収納した通気性担体も、担体30として使用し得る。
担体30を形成する材質は、有効成分を十分に保持できるものであれば特に限定されない。しかし、保持した有効成分を一時に揮散させるようなものより、要求される時間にわたって同じ量の有効成分を連続的に揮散させることができるような材質であることが好ましい。例えば紙類(濾紙、パルプ、リンター、厚紙、ダンボール等)、樹脂類(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、高吸油性ポリマー等)、セラミック、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維(ポリエステル、ナイロン、アクリル、ビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、天然繊維(木綿、絹、羊毛、麻等)、ガラス繊維、炭素繊維、化学繊維、天然繊維等からなる不織布、編織布等の布綿、多孔性ガラス材料、多孔性金属材料、金網等が挙げられる。
また、担体30は、有効成分を含む薬剤を保持し、これらの一種または二種以上を組み合わせて任意の形状にして使用するものであってもよい。担体30に有効成分等を保持させるには、担体30に薬剤を滴下塗布、含浸塗布、スプレー塗布等の液状塗布方法、液状印刷、はけ塗り等の方法、或いは担体30へ貼り付けする方法等を用いることができる。更に、使用する組成物が液状のものでない場合、或いは溶剤を使用しない場合、混練込み、塗布、印刷等の方法を適用できる。
担体30に保持させる薬剤の有効成分としては、害虫防除剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤等を例示できる。害虫防除成分として代表的なものを、以下に例示する。
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(一般名バイオアレスリン、商品名エスバイオール:ユクラフ社製)
・d−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル d−トランス−クリサンテマート(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製)
・(5−ベンジル−3−フリル)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン:商品名クリスロンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・5−プロパギル−2−フリルメチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フラメトリン:商品名ピナミンDフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・(+)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)−2−シクロペンテニル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名プラレトリン、商品名エトック:住友化学工業株式会社製)
・dl−3−アリル−2−メチル−4−オキソ−2−シクロペンテニル−dl−シス/トランス−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボシキラート(一般名テラレスリン:住友化学工業株式会社製)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フタルスリン、商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製)
・(1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1,3−ジオキソ−2−イソインドリル)メチル−d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名ネオピナミンフォルテ:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名フェノトリン、商品名スミスリン:住友化学工業株式会社製)
・3−フェノキシベンジル−dl−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名ペルメトリン、商品名エクスミン:住友化学工業株式会社製)
・(±)α−シアノ−3−フェノキシベンジル(+)−シス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリン、商品名ゴキラート:住友化学工業株式会社製)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル dl−シス/トランス−3−(2,2−ジメチルビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシラート(一般名エンペントリン、商品名ベーパースリン:住友化学工業株式会社製)
・d−トランス−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル−1−シクロプロパンカルボキシレート(一般名トランスフルスリン)
・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート等。
また、上記した化合物に例えば構造上類似し、実質的には同様の薬効のある化合物も挙げることができる。例えばエンペントリンの場合3位の2個の置換基はメチル基であるが、その置換基として他のアルキル基、不飽和アルキル基またはハロゲン原子である化合物を用いることもできる。この他にも、フィプロニール、イミプロトリン、フラニル系の殺虫剤であるジノテフラン(化学名:(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン)、トリクロルホン、カルタップ、アセタミプリド、イミダクロプリド(Imidacloprid、日本バイエルアグロケム社製)、ニテンピラム(Nitenpyram、住化武田農薬社製)、チアクロプリド(Thiacloprid、日本バイエルアグロケム社製)、クロチアニジン(Clotianidin、住化武田農薬社製)、チアメトキサム(Thiamethoxam、シンジェンタ社製)、プロポクスル(Propoxur、バイエル薬品社製)、ピメトロジン(Pymetrozine、シンジェンタ社製)、フェニトロチオン(住友化学社製)、フェンチオン(バイエル社製)、メトフルトリン(住友化学社製)、プロフルトリン(住友化学社製)、アミドフルメト(住友化学社製)、植物精油などの殺虫剤やメトプレン(イソプロピル(2E−2E)−11−メトキシ−3,7,11−トリメチル−2,4−トリメチルドデカ−2,4−ジエノエート)、ピリプロキシフェン、82−[1−メチル−2−(フェノキシフェノキシ)エトキシ]ピリジン)などの昆虫幼若ホルモン、ジフルペンズロン(1−(4−クロロフェニル)−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア)、テフルベンズロン(1−(3,5−ジフルオロベンゾイル)ウレア)などの昆虫キチン形成阻害化合物などが挙げられる。
こうした中でも、常温で難揮散性のものが好ましく、さらに、プラレトリン、レスメトリン、バイオアレスリン、フラメトリン、テラレスリン、トランスフルスリン、メトフルトリン、プロフルトリンが特に好ましい。このような害虫防除成分は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。また、これらの類縁体も用いられる。これらのうち常温で揮散しやすいものについては、例えば、揮散を調整するためのカバーを設けたり、ポリブテン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン等の炭化水素類や、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、フタル酸ブチルなどのエステル類からなる揮散調整剤を併用したりすることで、難揮散性となり長時間にわたって害虫防除効果を得ることができる。
担体30に薬剤を保持させる際に、担体30に薬剤を容易に含浸させるための理由で液状薬剤を低粘度化する添加剤として、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシルなどの脂肪酸エステルやイソプロピルアルコール、ポリエチレングリコール、脱臭ケロシンなどの溶剤を必要に応じて使用することができる。また、担体30に薬剤を保持させる際に、その他の補助成分とともにこれを保持させることができ、例えば、蒸散促進用助剤として昇華性物質を添加すると揮散効果が高まってよい。害虫防除成分としてピレスロイド系化合物を使用する場合には、これに対して有効な既知の共力剤を混合することも好ましい。さらにBHTやBHAなどの酸化防止剤や紫外線吸収剤を添加すると光、熱、酸化などに対する安定性が高まる。
保持器31は、ファン部32と協動して担体30を挟持して保持するための部材であり、図6に示すように、中心に設けられた軸支持部33から45度間隔で放射状に延設された8本のリブ34の先端が、リング状枠体35の下面に接続して形成されている。これにより、保持器31には、担体30を露出させる略3角形の複数の開口40が形成される。リング状枠体35の内径及び高さは、担体30の外径及び厚さと同じ寸法となっており、担体30がリング状枠体35内に嵌合して収容される。
一対のリブ34間には、該リブ34の下部同士を連続させる略3角板状の底板36が設けられており、これにより略3角形の凹部37が形成されている。凹部37には、回転駆動機構である金属、樹脂などの錘41が嵌合装着される(図2参照)。錘41は、保持器31(薬剤保持体11)に回転力を付与するためのものであり(後に詳述する)、底板36の質量だけで十分な回転力を付与できるのであれば、必ずしも錘41を装着しなくてもよい。
軸支持部33には、下カバー15の下部軸受穴26に回動自在に嵌合する支持軸38が下方に突出して形成されている。また、リング状枠体35には、ファン部32と係合するための一対の係合突起39が上方に突出して形成されている。
送風機構を構成するファン部32は、図7に示すように、リング状枠体42と、中心に配置された軸支持部43と、リング状枠体42と軸支持部43とを連結して45度間隔で放射状に設けられた8枚の羽根44とからなる。軸支持部43には、上カバー14の上部軸受穴21に回動自在に嵌合する支持軸45が上方に突出して形成されている。8枚の羽根44は、支持軸45と直交する面に対して一定の角度で立ち上がる略3角板状に形成されており、中心(軸支持部43)から半径方向外方(リング状枠体42)に向かうに従って次第に幅が広くなるように(換言すれば、次第に高さが高くなるように)形成されている。リング状枠体42には、保持器31のリング状枠体35に設けられた係合突起39と係合する一対の係合溝(図示せず)が形成されている。
図2に示すように、薬剤保持体11は、保持器31の凹部37に錘41を嵌合装着した後、リング状枠体35に担体30を嵌合させ、更にファン部32を載せて担体30を挟持し、保持器31の係合溝に係合突起39を係合させて一体に組み付けられた構成となっている。このとき、保持器31の支持軸38の軸心とファン部32の支持軸45の軸心は、同一直線上を通る。また、保持器31には錘41が装着されているので、薬剤保持体11の重心Gは、回転の中心CP(支持軸38及び45の軸心)から離間した位置にある(図10参照)。
このように一体に組み付けられた薬剤保持体11は、保持器31の支持軸38を下カバー15の下部軸受穴26に嵌合させ、更にファン部32の支持軸45を上カバー14の上部軸受穴21に嵌合させて、上カバー14及び下カバー15で形成される空間S内に回動自在に収容される。そして、下カバー15のL字形溝29と上カバー14の係合突起23を係合させて組み付け、薬剤保持体11を上カバー14及び下カバー15により回動自在に支承する。
尚、害虫防除成分が保持された担体30は消耗品であり、携帯型害虫防除装置100の使用により害虫防除成分が消費されたとき、担体30の交換が必要となる。消耗品の販売形態としては、担体30のみを供給してもよく、或いは担体30、保持器31及びファン部32を一体に組み付けた薬剤保持体11を消耗品として供給してもよい。使用者は、上記した組付け手順と逆の手順により取り出して容易に交換することができる。
図8に示すように、腕装着型の携帯型害虫防除装置100を使用者の腕13に装着する装着手段であるリストバンド12は、柔軟性を有する樹脂やゴムなどで長尺帯状に形成されており、その一端には、球状頭部を有する係合突起部50が形成され、他の一端には、係合突起部50が嵌合する複数の穴51が形成されている。リストバンド12の略中央には、下カバー15の取付ボス27を挿入して係合させるための略L字型の一対の係合穴52が設けられている。係合穴52に下カバー15の取付ボス27を挿入して回転させることにより、器体10がリストバンド12に着脱自在に装着される。
本実施形態の作用を説明する。本実施形態の腕装着型の携帯型害虫防除装置100は、図9に示すように、リストバンド12によって使用者の腕13に装着され、主に屋外において携帯して使用される。図10に示すように、使用者がウオーキング、ハイキング、または各種作業を行うなどのために腕13を矢印A方向に動かすと、携帯型害虫防除装置100、即ち、薬剤保持体11内に装着された錘41には、重力Fgと共に慣性力Fiが作用する。これにより、薬剤保持体11には、重力Fgと慣性力Fiとの合成力Fによる回転力F・rが付与され、薬剤保持体11が回転の中心CP(支持軸38及び45の軸心)を中心として矢印B方向に回転する。ここで、rは、回転中心CPと重心Gの距離の合成力作用方向と直交する方向成分である。
薬剤保持体11が回転することにより、担体30の周囲に生じる気流が担体30にあたって該担体30に保持されている害虫防除成分が効率的に揮散する。またこれにより、従来の害虫防除装置で用いられている常温で揮散する害虫防除成分だけでなく、気流によって揮散する害虫防除成分の使用も可能となり、より効果的な害虫防除を行うことができる。更に、ファン部32の回転により外気を吸気口20から取り込み、担体30から揮散した害虫防除成分と共に排気口22から携帯型害虫防除装置100の側方全周に向けて排出して拡散させ、使用者周囲の害虫を防除する。また、ファン部32の回転は、吸気口20や排気口22を介して視認することができるので、気流が生じて害虫防除成分が有効に拡散していることのインジケータとして用いることもできる。
尚、薬剤保持体11が逆回転する場合には、前記排気口から外気を取り込み、前記吸気口20から害虫防除成分を含んだ気流が排出されることとなる。
本実施形態の携帯型害虫防除装置100によれば、単に携帯型害虫防除装置100を腕13に装着しておくだけで、薬剤保持体11が回転して害虫防除成分を揮散させ、更に、外気を取り込んで揮散した害虫防除成分と共に周囲に拡散されるので、従来の装置のようにモータや電池などの高価な装置を用いることなく害虫防除成分を効果的に拡散させて害虫を防除することができる。また、モータや電池などの駆動装置が不要となるので、害虫防除装置を小型化して、携帯に好適な大きさにすることができ、利便性が大幅に向上する。また、携帯型害虫防除装置100は、装着手段であるリストバンド12を装着部位に好適な形態のものに適宜交換することによって、腕だけでなく、首、衣服、帽子、かばん等の身体や携帯品の任意の位置に装着することができる。
(第1変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第1変形例について図11を参照して説明する。図11は第1変形例の回転駆動機構の概略構成図である。第1変形例の携帯型害虫防除装置は、回転駆動機構が異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図11に示すように、第1変形例の回転駆動機構60は、担体(30)を保持する保持器61の内部に、支持軸38を中心として略扇状に形成された扇状溝62と、扇状溝62内に移動自在に入れられた鋼球などの球状錘63とから構成されている。
このような回転駆動機構60を有する携帯型害虫防除装置が、身体または携帯品に装着されて振られると、重力及び慣性力によって球状錘63が扇状溝62内で矢印CまたはD方向に移動して扇状溝62の端面62aに当接する。これにより、保持器61に回転力が付与されて支持軸38を中心として回転し、担体(30)に保持された害虫防除成分が揮散し、更に羽根(44)によって拡散される。また、球状錘63が扇状溝62内で移動するとき移動音が発生するので、この移動音によって作動していることが容易に確認でき、使用感が向上する。その他の作用、効果については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、説明を省略する。
(第2変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第2変形例について図12を参照して説明する。図12は第2変形例の回転駆動機構の概略構成図である。第2変形例の携帯型害虫防除装置は、回転駆動機構が異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図12に示すように、第2変形例の回転駆動機構65は、担体(30)を保持する保持器66の裏面に配設された3個の鋼球67として構成されている。具体的には、保持器66の裏面には、120°間隔で3個の半球状のボール収容凹部68が設けられている。それぞれのボール収容凹部68には、鋼球67が回転自在に嵌合し、保持器66の回転に伴って下カバー(15)の底面(24)上を転動する。また、保持器66の支持軸38は、下カバー(15)の下部軸受穴(26)に回動自在に嵌合している。
このような回転駆動機構65を有する携帯型害虫防除装置が、身体または携帯品に装着されて振られると、鋼球67が、図10に示す錘41と同様に作用して保持器66に回転力を付与して回転させる。このとき、鋼球67は下カバー(15)の底面(24)上を転動するので、転動音が発生して回転していることを容易に確認することができる。その他の作用、効果については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、説明を省略する。
(第3変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第3変形例について図13を参照して説明する。図13は第3変形例の回転駆動機構の概略構成図である。第3変形例の携帯型害虫防除装置は、回転駆動機構が異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図13に示すように、第3変形例の回転駆動機構70は、担体(30)を保持する保持器71の支持軸38に回動自在に嵌合する略3角形の錘73と、錘73より大きな幅を有し保持器71の裏面に形成された扇状凹部72とから構成されている。錘73は、支持軸38を中心として扇状凹部72内で矢印EまたはF方向に揺動自在とされている。
このような回転駆動機構70を有する携帯型害虫防除装置が、身体または携帯品に装着されて振られると、重力及び慣性力によって錘73が支持軸38を中心として矢印EまたはF方向に揺動し、扇状凹部72の端面72aに当接する。これにより、保持器71に回転力が付与されて支持軸38を中心として回転し、害虫防除成分が揮散し、更に拡散する。また、錘73が端面72aに当接する際に発生する衝突音によって作動していることを確認することができ、使用感が向上する。その他の作用、効果については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、説明を省略する。
(第4変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第4変形例について図14を参照して説明する。図14は第4変形例の回転駆動機構の概略構成図である。第4変形例の携帯型害虫防除装置は、回転駆動機構が異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図14に示すように、第4変形例の回転駆動機構75は、担体(30)を保持する保持器76の裏面外周部に、1本の突起片77が下方に突出して形成されている。また、下カバー15の底面には、中心に下部軸受穴(26)が設けられると共に、円筒状側壁19に沿って環状溝79が形成されている。保持器76は、支持軸38を下カバーの下部軸受穴(26)に回転自在に嵌合させて組み付けたとき、突起片77が環状溝79内に挿入された状態で組み付けられる。環状溝79には、鋼球78が環状溝79内で回転移動可能に組み込まれている。
このような回転駆動機構75を有する携帯型害虫防除装置が、身体または携帯品に装着されて振られると、重力及び慣性力によって鋼球78が環状溝79内で矢印H方向に回転移動して、保持器76の突起片77に当接する。これにより、保持器76に回転力が付与されて支持軸38を中心として回転し、害虫防除成分が揮散し、更に拡散する。また、鋼球78が突起片77に当接する際に発生する衝突音によって作動していることを確認することができ、使用感が向上する。その他の作用、効果については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、説明を省略する。
(第5変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第5変形例について図15を参照して説明する。図15は第5変形例の携帯型害虫防除装置の外観斜視図である。第5変形例の携帯型害虫防除装置は、外観形状が異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図15に示すように、第5変形例の携帯型害虫防除装置200は、紐状部材によって使用者の首に掛けて携帯使用される首掛け型の携帯型害虫防除装置であり、外観形状のみが図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と異なるだけで、内部構造については同様に構成されている。尚、回転駆動機構については、第1変形例から第4変形例に記載した構造とすることもできる。
前カバー82および後カバー83の外観形状は、略卵型に形成されており、上部にはストラップ81が取り付けられている。前カバー82の前面には、前方に開口する3つの長穴からなる吸気口84が縦方向に形成され、下部側面には下方に開口する3つの長穴からなる排気口85が、また上部側面には上方に開口する2つの長穴からなる排気口86が形成されている。
使用者がストラップ81を首に掛け、携帯型害虫防除装置200を胸の近傍に配置して移動すると、重力及び慣性力によって回転駆動機構(図示せず)が作動して薬剤保持体(11)が回転する。これにより、吸気口84から外気が携帯型害虫防除装置200内に矢印I方向に取り込まれ、薬剤保持体(11)から揮散した害虫防除成分と共に排気口85、86から矢印J方向(下方及び上方)に拡散されて、害虫を防除する。
尚、携帯型害虫防除装置200を胸の近傍に配置してウオーキングなどで使用する場合、回転駆動機構は必ずしも必要ではない。即ち、使用者の前方への移動によって外気が吸気口84から入り込み(矢印I方向)、ファン部(32)の羽根(44)に当たって薬剤保持体(11)を回転させるので、取り込まれた外気が、揮散した害虫防除成分と共に排気口85、86から拡散し(矢印J方向)、害虫を防除する。しかし、回転駆動機構を配設して積極的にファン部(32)を回転させた方がより効率的に害虫防除が可能となる。
また、本実施形態の携帯型害虫防除装置200において、図16に示すように、後カバー83の周縁部に亙って先細状の突起部87を設けると共に、後カバー83の底面88に外部と内部が連通するための通気孔89を設けてもよい。この場合には、使用者が身に付けた際にも、突起部87が使用者の身体表面と係止して、当該身体表面と前記底面88との間に空間S´が画成される。このため、身体表面側にも害虫防除成分が拡散されて、効果的に害虫防除が可能となる。
(第6変形例)
更に、携帯型害虫防除装置の第6変形例について図17を参照して説明する。図17は第6変形例の携帯型害虫防除装置の下カバーの断面図である。第6変形例の携帯型害虫防除装置は、下カバーが異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図17に示すように、第6変形例の下カバー315は、第1底面301と第2底面302とを有する二層構造を有して成形される。即ち、第1底面301は、下カバー315が中央部で更に下方に有底円筒状に延出されて周縁で段部を有するように形成された面とされる。また、第2底面302は、前記第1底面301の上方で僅かな隙間を有して前記第1底面301を被いかぶすように形成された面とされる。
そして、第2底面には、前記空間Sと前記隙間とを連通するための通気孔304が複数設けられている。一方、前記第1底面の周縁に設けられた段部にも、外部と前記隙間とが連通するように、通気孔303が周方向に亙って等間隔に設けられている。これにより、上カバー(14)の上方のみならず、下カバー315の下方にも害虫防除成分が拡散されて、効果的に害虫防除が可能となる。
(第7変形例)
次に、携帯型害虫防除装置の第7変形例について図18を参照して説明する。図18は第7変形例の携帯型害虫防除装置の下カバーの要部断面図である。第7変形例の携帯型害虫防除装置も第6変形例と同様に、下カバーが異なるだけで、その他の部分については、図1から図10において既に説明した携帯型害虫防除装置100と同様であるので、同一部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
図18に示すように、第7変形例の下カバー415は、底面424において下面(外面)に凹部402が複数凹設されており、そして当該凹部の先端部に通気孔403が設けられている。これにより、変形例6と同様に上カバー(14)上方のみならず、下カバー415の下方にも害虫防除成分が拡散されて、効果的に害虫防除が可能となる。更に、前記凹部402先端部に通気孔403を設けたので、通気孔403の詰まりを防ぐことができる。
更に、表1、2を参照して本発明に係る携帯型害虫防除装置100の有効性を検証するために行った実施例について説明する。尚、本実施例では、上記第1変形例の回転駆動機構(60)を用いて試験を行った。また、表1は担体(30)に保持させる薬剤の配合表であり、表2は効力試験結果表である。
(実施例)
上述した携帯型害虫捕獲器100の有効性を確認するため試験を行った。その試験内容について以下に示す。
[試験]
(供試虫) ヒトスジシマカ(雌) 25頭
(試験空間) 6畳チャンバー
(換気率) 10回/h(試験中において1時間当たり10回、強制的に換気を行った。)
(担体の薬剤処方)
Figure 2008178384

表1に示した薬剤を不織布(エクーレ3601A(東洋紡株式会社製)、厚み0.30mm、目付け60g/m、直径φ40mm)に含浸させて担体(30)とし、そして薬剤保持体(11)として組み立てて、携帯型害虫防除装置(100)内に装着してファン部(32)を回転させて試験を行った。
(試験・評価方法)
1.薬剤が含浸された担体が取り付けられた携帯型害虫防除装置を両腕及び両脚につけて、チャンバー内を4分30秒間歩行し、その歩行後30秒間の身体へのランディング数をカウントする。
2.試験全体の所要時間を25分として設定し、5分ごとに30秒間の身体へのランディング数をカウントする。即ち、カウントポイントは5、10、15、20、25の5区域とした。
3.カウントしたランディング数に基づき忌避率を算出する。なお、忌避率は以下の式により導出した。
忌避率(%)=100−100×(携帯型害虫防除装置装着時のランディング数)/(コントロール(非装着時)のランディング数)
この試験結果を表2に示す。
Figure 2008178384
表2に示すように、いずれの区域においても高い忌避率を示している。このことにより、携帯型害虫防除装置は害虫防除成分を効率的に拡散させて害虫を防除することができることが試験によって確かめられた。
尚、本発明は、前述した実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、薬剤保持体の回転は、回転軸を備え該回転軸を中心とする回転でも、特定の回転軸を持たない任意方向の回転であってもよい。また、本発明においては、錘などの回転駆動機構を配設してファン部を回転させるとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えばファン部自体の一部を重くしたものでも、或いは担体の一部を重くしたものでもよい。
さらに、本発明においては、携帯型害虫防除装置は、リストバンドによる腕装着型、或いは吊り紐による首掛け型として説明したが、これに限定されるものではなく、適宜、装着手段を変えることによりベルト、帽子、かばんなどに装着するようにしてもよく、更に、ブローチ型として衣服に装着するようにすることもできる。
また、本発明においては、担体を自由な形状とすることができ、例えば図19に示すように、担体530を一対の90°の円弧状部を点対象となるように中心部で連結した形状とすることができる。この場合には、回転のバランスが偏って回転力を更に付与することができる。
さらに、前述した実施形態及び変形例では、薬剤が含浸された担体を紙類等の構造のものとして主に説明したが、これに代えて、図20に示すように、各々通気孔603が複数設けられた上枠体601と下枠体602とで、薬剤が含浸された多数の粒状担体604を挟持するように構成したもの(カートリッジタイプ)を組み込んでも同等な効果を得ることができる。なお、当該粒状担体は、薬剤が含浸可能であるものであればよく、例えば、発泡体、スポンジ、又は微小風船などに代えることができる。
そして、担体に含浸された薬剤が昇華性薬剤である場合には、通気口及び通気孔を非使用時に塞いて内部の空間を密閉するようなシャッター、例えばスライド式の閉鎖弁等を設けると良い。
本発明の実施形態である腕装着型の携帯型害虫防除装置の全体斜視図である。 図1における携帯型害虫防除装置の分解斜視図である。 上カバーの斜視図である。 下カバーの斜視図である。 下カバーの裏面斜視図である。 保持体の斜視図である。 ファン部の斜視図である。 装着手段であるリストバンドの斜視図である。 腕に装着された携帯型害虫防除装置の斜視図である。 回転駆動機構の動作説明図である。 第1変形例の回転駆動機構の概略構成図である。 第2変形例の回転駆動機構の概略構成図である。 第3変形例の回転駆動機構の概略構成図である。 第4変形例の回転駆動機構の概略構成図である。 首掛け型の携帯型害虫防除装置の外観斜視図である。 図15の携帯型害虫防除装置の後カバーの断面図である。 第6変形例の携帯型害虫防除装置の下カバーの断面図である。 第7変形例の携帯型害虫防除装置の下カバーの要部断面図である。 携帯型害虫防除装置の担体の他の変形例を示す斜視図である。 携帯型害虫防除装置の担体のさらに他の変形例を示す外観斜視図である。
符号の説明
10 器体
11 薬剤保持体
12 リストバンド(装着手段)
13 腕(身体)
20 吸気口(通気口)
22 排気口(通気口)
32 ファン部(送風機構)
41 錘(回転駆動機構)
60 回転駆動機構
65 回転駆動機構
70 回転駆動機構
75 回転駆動機構
84 吸気口(通気口)
85 排気口(通気口)
86 排気口(通気口)
100 腕装着型の携帯型害虫防除装置
200 首掛け型の携帯型害虫防除装置

Claims (3)

  1. 身体または携帯品に装着して使用される携帯型害虫防除装置であって、
    害虫防除成分を保持する薬剤保持体と、
    前記薬剤保持体を回転自在に収容すると共に、通気口が設けられた器体と、
    前記器体を前記身体または携帯品に装着する装着手段と、を備え、
    前記身体または携帯品を動かすことにより前記薬剤保持体を回転させ、前記通気口を介して前記害虫防除成分を揮散させて害虫防除することを特徴とする携帯型害虫防除装置。
  2. 前記薬剤保持体は、回転によって外気を、前記通気口を介して送風させる送風機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯型害虫防除装置。
  3. 前記薬剤保持体または前記器体は、前記身体または携帯品を動かすことにより前記薬剤保持体を回転させる回転駆動機構を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の携帯型害虫防除装置。
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