JP5071973B2 - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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本発明は、薬剤揮散装置に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的である。一方、電源として電池を用い、常温で薬剤含浸体にファン等の風をあてて薬剤を揮散、放出させる送風式薬剤揮散装置も、室内用や携帯用として実用化されている。しかしながら、後者の送風式薬剤揮散装置のうち、薬剤含浸体を装置に固定しファンの風力のみで薬剤を揮散させるものは、たとえ、特開平11−92303号公報に記載されているように、複雑なハニカム構造を有する薬剤含浸体を採用したとしても揮散が十分効率的とはいえない。
そこで、本発明者らは、特開2001−247406号公報において、薬剤含浸体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、遠心力とファンによる風力を利用して薬剤を一層効率的に揮散、放出させる薬剤揮散方法を開示した。またその後、粒状もしくは略粒状の吸液性担体の替わりに、三次元の繊維立体構造体の吸液性担体を用いる薬剤揮散装置についても明らかにした(特許第3911506号公報)。
これらの方式は、薬剤保持体が静置型のものと比べると薬剤揮散効率を飛躍的に向上させたが、例えば、排気口の形状と薬剤保持体を収納するカートリッジの形状の位置関係が薬剤揮散効率に及ぼす影響等については未だ検討の余地が残されていた。
特開平11−92303号公報 特開2001−247406号公報 特許第3911506号公報
本発明は、薬剤保持体を収納するカートリッジをモーターで回転させ、遠心力と風力を利用して薬剤を揮散させる薬剤揮散装置において、排気口の形状とカートリッジの形状の位置関係が薬剤揮散効率に及ぼす影響等を詳しく調べ、より一層揮散効率を向上させた薬剤揮散装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を採用する。
(1)薬剤を有する薬剤保持体及びこれを収納するカートリッジと、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池と、吸気口ならびに排気口を備え、該駆動モーターのモーター軸に前記カートリッジの軸孔を嵌合して前記薬剤保持体を回転させ、前記薬剤を大気中に揮散させるように構成した薬剤揮散装置において、
前記排気口に開口部内面側にを伴って形成されるスリットを前記薬剤保持体の回転面と平行に複数段設置し、しかも、前記カートリッジの側周面に複数本の枠体が設けられており、これらの枠体は前記スリットが形成する面と直交する位置関係にある薬剤揮散装置。
(2)前記庇を伴って形成されるスリット間の幅が、前記枠体の高さの0.1〜1.0倍長である(1)記載の薬剤揮散装置。
(3)薬剤が、一般式(I)
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の薬剤揮散装置。
本発明の薬剤揮散装置は、遠心力と風力を利用するとともに、排気口の形状とカートリッジの形状の位置関係が薬剤揮散効率の観点から高度に改良され、より一層優れた薬剤揮散性能を奏するので極めて実用的である。
本発明の薬剤揮散装置は、薬剤を有する薬剤保持体及びこれを収納するカートリッジと、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池と、吸気口ならびに排気口を備えている。
薬剤としては、揮散性の殺虫剤、殺ダニ剤、忌避剤(例えば、ディート、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネロール、ケイ皮アルデヒドなどの防虫香料など)、芳香剤、消臭剤などがあげられる。殺虫剤のなかでは、常温揮散性ピレスロイド系薬剤が好適で、このような薬剤としては、
一般式(I)
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物を例示することができる。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Aと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Dと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Gと称す)、又は4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)をあげることができる。これらの化合物は一種類を使用してもよいし、又は二種類以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。なお、一般式(I)で表される化合物には、その不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在するが、これらの各々やそれらの任意の混合物の使用も本発明に含まれるのは勿論である。
上記薬剤を担持し薬剤保持体を構成する通気性担体としては、三次元の繊維立体構造体、セルロース製ビーズ、段ボール紙、多孔性フォーム等があげられる。
繊維立体構造体は、好ましくは薬剤保持層と通気層から構成され、通気層は回転に伴い攪拌気流を生起して薬剤の揮散に寄与する。繊維の素材としては、木綿、麻等の天然繊維、レーヨン、ビスコースなどのセルロース系繊維、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロン、ABS、アクリル等の合成繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等が使用可能である。特に薬剤の取り込みの恐れのない、薬剤非吸着性のポリエステル及び/又はナイロンが好適である。
一方、セルロース製ビーズは、粒状もしくは略粒状で、その平均外径が3.0〜8.0mm程度のものが使いやすい。通気性担体としてこのような形状及び大きさを採用することによって、薬剤保持体内部の前記薬剤が徐々に表面に移行し、長期間にわたり安定した揮散量を保持することが可能となる。これに対し、例えば平均外径が3.0mmより小さいと、薬剤の揮散が速やかで効力の持続性に問題を生じる場合がある。
通気性担体に担持させる薬剤量は、薬剤の種類、使用期間、使用目的等に応じて適宜決定すればよい。例えば殺虫用途の場合、一般家庭向けの120時間用であれば、一般式(I)で表される化合物を30〜100mg程度、240時間用であれば50〜180mg程度が適当である。また、倉庫、工場、ストアなどを対象とし、用法・用量が長期間、広範囲に及ぶ場合は、それに応じて薬剤量を増量すればよく、例えば、100m3の工場前室に連続運転で2ケ月間有効な大型薬剤揮散装置を1台設置するケースでは、一般式(I)で表される化合物の担持量は0.5〜5.0g程度となる。当然のことながら、薬剤の担持量が少なすぎると殺虫効力の持続性に不足を生じる場合があり、一方、過度の担持量は薬剤保持能に支障をきたす恐れがあるので好ましくない。
薬剤を担持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、また従来から知られている各種手段を採用することができる。更に、前記薬剤組成物に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合しても構わない。
本発明で使用するカートリッジは、通常薬剤保持体の上下両面をそれぞれ上側部分及び下側部分によって囲み、側周面を複数本の枠体によって囲み、且つ中心位置において駆動モーターのモーター軸と嵌合しえる軸孔を有している。
カートリッジを採用することは、薬剤保持体が変形し易い形状であって、単独では駆動モーターのモーター軸の支持によって安定した回転が得られない場合に好都合であるとともに、薬剤保持体がセルロース製ビーズの場合はビーズの散逸を防止し、また薬剤に手指が触れるのを防ぐという機能を発揮することができる。
カートリッジの側周面に設けられる枠体は、遠心力による拡散効果の効率化を図るため、後記するように、排気口に開口部内面側にを伴って形成されるスリットが形成する面と直交する位置関係にある。枠体の断面形状は、設計上の便宜をも考慮し、三角形、四角形あるいは円形状のものが好適である。また、薬剤保持体がセルロース製ビーズの場合、枠体の間隔はビーズの外径より小さく、かつ1mm以上に設けられる。
本発明は、排気口に開口部内面側にを伴って形成されるスリットを前記薬剤保持体の回転面と平行に複数段設置したことに特徴を有する。
従来の薬剤保持体が回転するタイプの薬剤揮散装置では、外観上のデザインを重視して、排気口に設ける複数本のスリットと前記カートリッジの側周面に設ける枠体は平行関係にあり、この形態で十分実用的な効力を奏するが故に、両者の位置関係が薬剤揮散効率に及ぼす影響について検討されたことはなかった。一方、薬剤保持体を載置しこれにファンによる風を当てるタイプの薬剤揮散装置では、排気口のスリットとファンの回転面が平行しているものもあるが、この場合、遠心力の作用とは何ら関係なく単なるデザイン上の産物に過ぎない。
しかるに本発明者らは、遠心力が作用する薬剤揮散装置において、薬剤揮散効率をより一層向上させることを目的として、排気口の形状とカートリッジの形状の位置関係が薬剤揮散効率に及ぼす影響等を詳しく調べ、種々実施した試験結果に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
本発明では、排気口に開口部内面側にを伴って形成されるスリットが複数段設置される。そして、この開口部内面側にを伴って形成されるスリットは、カートリッジの枠体の略側方に位置し、スリット間の幅は前記枠体の高さの0.1〜1.0倍長であることが好ましい。流体力学に基づく詳細な理由は不明ながら、カートリッジの側周面に設けられた枠体が回転に伴って攪拌気流を派生し、この気流が庇状のスリット間に効率よく収束されて、薬剤の排気口から空中への拡散性を高めるものと考えられる。スリット間の幅が枠体の高さの0.1倍長より狭いと気流が収束しにくくなるし、一方1.0倍長より広くても効率が低下することが認められた。
開口部内面側にを伴って形成されるスリットの形状は特に限定されないが、その断面を内方から外方に向けてテーパー状に拡がるように形成すればより好適である。
本発明の薬剤揮散装置は、モーター駆動用の電池として、用法・用量に応じて種々の電池を用いることができる。例えば、一般家庭用の場合は、単2ないし単4電池が汎用的であるが、業務用の大型薬剤揮散装置には、単1電池を数本使用する仕様が実用的である。
本発明で用いる駆動モーターも、用法・用量や用いる電池の仕様に合わせて適宜選択することができるが、揮散性能やモーターの耐久性等を考慮すると、500〜3000rpm程度の回転数を与えるものが適当である。また、駆動モーターの負荷を低減させるために、薬剤保持体や薬剤カートリッジの負荷量をできるだけ減らした設計が好ましいのはもちろんである。更に、駆動モーターと電池ボックスが一体となった一体型電池ボックスを採用することもできる。かかるシステムによれば、薬剤揮散装置を高所に取り付けた場合などにおいて、カートリッジや電池の交換時に薬剤揮散装置から一体型電池ボックスを取り外し、手元で安全・確実に交換作業を行うことが可能となる。
本発明の薬剤揮散装置には、前記排気口とともに吸気口が備えられる。吸気口を天面中央部に設置すれば、上方から吸入された空気が回転する薬剤カートリッジ内部に取り込まれた後、カートリッジの側周面の枠体によって攪拌気流を生起するとともに、排気口の開口部内面側のを伴ったスリット間にスムーズに流入するので、薬剤はこの気流に乗って排気口から効率よく空中へ拡散する。なお、吸気口の位置は前記天面中央部に限らず、例えば排気口より更に上方側面部や電池収納部に相当する側面下部に設けても構わないが、天面中央部に比べると空気の流路が複雑となって幾分揮散効率に影響を及ぼす。但し、遠心力による拡散力が大きいので、薬剤保持体載置タイプに較べて揮散性能が依然として優れることに変わりなく実用上の問題はない。
また、電池の終点を表示するパイロットランプ、タイマー機能やマイコンによる制御機能等を適宜設けてもよいことはもちろんである。なお、使用前に薬剤担持体から薬剤が揮散することを防止するため、あらかじめ薬剤保持体をフィルムで密封しておき、使用直前に開封してセットするような構成が一般的である。
こうして得られた本発明の薬剤揮散装置は、薬剤保持体を回転させて薬剤を揮散させるタイプにおいて、遠心力による拡散力が高度に最適化され、より一層効率的な薬剤揮散性能を奏する。
そして、薬剤として殺虫剤を用いた場合には、一般家庭内はもちろん、倉庫、工場、ストア、学校、ホテル、電車内等で、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなど、また洋服タンスやクローゼットなどのイガ、カツオブシムシなどの各種害虫に対してすぐれた殺虫、防虫効果を示すので極めて実用的である。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散装置を更に詳細に説明する。
図1は本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
業務用向けの薬剤揮散装置1は、薬剤保持体2とこれを収納するカートリッジ3と、これを回転させる駆動モーター4と電源としての電池5を備え、装置の天面に吸気口6、側面に排気口7が設けられている。なお、駆動モーター4と電池5は一体化され一体型ボックスを形成しており、また、カートリッジ3は側周面に枠体(高さ:40mm)8を有し、排気口7には薬剤保持体2の回転面と平行に庇を伴ったスリット(間隔:5mm)9が6段設置されている。薬剤保持体2を回転させると遠心力と攪拌気流が生じ、上面吸気口6から吸入された空気は、カートリッジ3の内部、枠体8、庇を伴ったスリット9を経て排気口7から流出するが、この空気の流れに乗って薬剤は空中に放散される。
本発明の実施にあたり、通気性担体のセルロース製ビーズ(製品名:ビスコパール、平均外径:3.8mm)に、化合物D[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]3.0gをケロシンに溶解した薬液を担持させ、ポリカーボネート製カートリッジ3(外径70mm、高さ40mm)に収納した。
薬剤揮散装置は、倉庫(40m2)の入口の扉付近の高所に取り付けられていたので、一体型ボックスを取り外し、単1電池(5)1.5Vを6個入れるとともに上方モーター軸受け部にカートリッジ3を嵌合させた後、このボックスを薬剤揮散装置本体に装填した。入口の扉を閉め、駆動モーター4を約1600rpmの回転速度で、タイマー機能(オン12時間、オフ12時間)を用いて作動させた。約4ケ月にわたり、蚊やユスリカ等の害虫防除に有効で、使用終点はマイコンで電気的に制御されていた。
上下両側に、撚糸状態のポリエステル繊維を用いて二次元のメッシュ状薬剤保持層を編成し、当該両側間にポリエステル繊維からなる支持連結用通気層を柱構造に基づいて配置し、全体として上下方向の厚みが5.0mmで、外径が56mmの円盤状の通気性担体を作製した。この通気性担体に、化合物D[4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル 2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]180mgをケロシンに溶解した薬液を担持させ、ポリカーボネート製カートリッジ3(外径62mm、高さ8mm、周囲に断面が略三角の枠体6本)に収納し、薬剤保持体2(720時間用)を調製した。
また、薬剤揮散装置としては、側面上部に吸気口6、その下方に排気口7(スリットの間隔:7mm)を2段設置したものを用いた。
薬剤揮散装置に単3電池(5)1.5Vを4個装填し、薬剤保持体2を取り付け駆動モーター4を約1600rpmの回転速度にて作動させた。リビングルームで使用したところ、約740時間にわたり蚊の防除に有効で、使用終点はパイロットランプ(図示せず)の消灯によって認知できた。
実施例2に準じて表1に示す各種の薬剤揮散装置を作製し、殺虫効力試験を実施した。
<殺虫効力試験>
閉めきった25m3の部屋にアカイエカ雌成虫100匹を放った後、部屋の中央に供試薬剤揮散装置を置いた。2時間暴露させ、時間経過に伴い落下仰転したアカイエカ雌成虫を数え、KT50値を求めた。




試験の結果、排気口の開口部内面側のを伴ったスリットを薬剤保持体の回転面と平行に設置した本発明の薬剤揮散装置は、薬剤揮散性能が効率的で、従来の薬剤揮散装置(比較例1:排気口のスリットが薬剤保持体の回転面と直交)より優れた殺虫効力を示した。なお、庇を伴ったスリット間の幅が枠体の高さの0.1〜1.0倍長のものがより好ましかった。
これに対し、比較例2及び3のように、薬剤保持体を載置するタイプでは、排気口のスリットがファンの回転面と平行、直交のいずれであっても同じ程度に効力が劣り、薬剤保持体を回転させるタイプとは異なる傾向を示した
本発明の薬剤揮散装置の一例の断面図を示す。
符号の説明
1:薬剤揮散装置、
2:薬剤保持体、
3:カートリッジ、
4:駆動モーター、
5:電池、
6:吸気口、
7:排気口、
8:枠体、
9:スリット

Claims (3)

  1. 薬剤を有する薬剤保持体及びこれを収納するカートリッジと、駆動モーターと、該駆動モーターに電力を供給するための電池と、吸気口ならびに排気口を備え、該駆動モーターのモーター軸に前記カートリッジの軸孔を嵌合して前記薬剤保持体を回転させ、前記薬剤を大気中に揮散させるように構成した薬剤揮散装置において、
    前記排気口に開口部内面側にを伴って形成されるスリットを前記薬剤保持体の回転面と平行に複数段設置し、しかも、前記カートリッジの側周面に複数本の枠体が設けられており、これらの枠体は前記スリットが形成する面と直交する位置関係にあることを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 前記庇を伴って形成されるスリット間の幅が、前記枠体の高さの0.1〜1.0倍長であることを特徴とする請求項1記載の薬剤揮散装置。
  3. 薬剤が、一般式(I)
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤揮散装置。
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