JP2010017195A - 薬剤揮散装置 - Google Patents

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純郎 勝田
Takeo Iwaki
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Abstract

【課題】優れた自然の揮散効果を発揮し得ると共に、薬剤の散逸による減少の程度を小さくし、かつ製造が容易である薬剤揮散装置の提供。
【解決手段】筒状貫通孔2を並設している薬剤含浸体5の周囲を外枠4によって覆い、当該外枠4に設けられている吊り下げ具6を介して前記薬剤含浸体5を吊設可能とし、吊設を行った場合において、外枠4における水平方向の両側及び/又は当該水平方向と直交する垂直方向の両側において、概略等しい面積を有している板状の風受け部材8を外枠4の外側表面に突設し、かつ該突設の方向を同一方向としたうえで、水平方向の両側に位置している外枠4に突設した場合の水平方向における突設角度、及び垂直方向の両側に位置している外枠4に突設した場合の垂直方向における突設角度を概略等しい状態とすることによって、前記課題を解決し得る薬剤揮散装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、モーターやゼンマイ等の駆動機構に基づいて回転するファンを使用せず、外部から侵入する空気流によって薬剤を揮散させる薬剤揮散装置に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的である。一方、電源として乾電池を用い、薬剤含浸体にファン等の風をあてて常温で薬剤を揮散、放出させるファン式薬剤揮散装置も携帯用として実用化され、これに関する特許出願も多い。例えば、特開平7−111850号公報は、薬剤含浸体として積層段ボールを用いたファン式殺虫・防虫方法を開示するものであるが、当然のことながらファンを回転させるモーターとその駆動用電源を必要とする。また、特開平11−92303号公報は、セルサイズが2〜5mmの範囲の貫通孔を有するハニカム状の薬剤保持用担体を開示しているが、セル幅が小さく風通しが悪いため、これも基本的にファンによる送風が必要である。
ファンを使用せずに、自然状態における空気の移動、即ち風によって薬剤を揮散させようとする提案も既に行われている。例えば特開平9−308421号公報に、折り畳み可能な紙製の穴を多数有する筒状体に常温揮散性の薬剤を保持させてなる防虫材が記載されているが、筒状体の構造が複雑であるため製造が煩雑である。他方、特開2000−189032号公報には、繊維状の薬剤保持体に20℃における蒸気圧が1×10-6〜1×10-3mmHgの薬剤を保持せしめ、単位空間容積当りの蒸散量を0.01〜0.5mg/hr/m3に調整した薬剤蒸散剤が開示されている。しかしながら、具体的にあげられている薬剤蒸散剤は、多数のセルを複雑に接合してなるハニカム構造体を示しており、特開平9−308421号公報と同様、製造性や蒸散の効率性において十分満足のいくものではない。一方、空気流を利用する薬剤揮散装置においても、使用しない場合には、揮散が生じない状態となっていることを不可欠とするが、前記特開平9−308421号公報、及び特開2000−189032号公報に記載の各構成においては、何れも使用していない段階では、装置全体を折り畳んだ状態としている。しかしながら、このような閉じた状態であっても、空気流を利用する薬剤揮散装置の場合には、必然的に常温揮散性薬剤を使用するため、薬剤を完全に密閉した状態にて揮散を防ぐことができない。このため、長期の不使用期間においては、順次常温揮散性薬剤が散逸して減少するという欠点を免れることができない。
特開平7−111850号公報 特開平9−308421号公報 特開平11−92303号公報 特開2000−189032号公報
本発明は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造で、外部から流入する空気流によって、薬剤を揮散させることを煩雑な製造工程を伴わずに実現し、かつ不使用の段階では、薬剤の散逸の程度を減少することができ、しかも長期間にわたり優れた害虫防除等の効果を奏する薬剤揮散装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下のような構成を採用する。
(1)複数個の筒状貫通孔を並設している薬剤含浸体の周囲を外枠によって覆い、当該外枠に設けられている吊り下げ具を介して前記薬剤含浸体を吊設可能とし、吊設を行った場合において、外枠における水平方向の両側及び/又は当該水平方向と直交する垂直方向の両側において、概略等しい面積を有している板状の風受け部材を外枠の外側表面に突設し、かつ該突設の方向を、筒状貫通孔に沿った特定方向を基準とした場合に、同一方向としたうえで、水平方向の両側に位置している外枠に突設した場合の水平方向における突設角度、及び垂直方向の両側に位置している外枠に突設した場合の垂直方向における突設角度を概略等しい状態としたことを特徴とする薬剤揮散装置。
(2)筒状貫通孔の両側をカバーすることができる外側ケースに対し、薬剤含浸体を挿脱自在としたことを特徴とする(1)に記載の薬剤揮散装置。
(3)筒状貫通孔の断面形状が略矩形であることを特徴とする(1)、(2)の何れかに記載の薬剤揮散装置。
(4)薬剤含浸体が、通気性を有しているシート状の担持体であることを特徴とする(1)、(2)、(3)の何れかに記載の薬剤揮散装置。
(5)筒状貫通孔の面積が60mm2〜250mm2の範囲であり、筒状貫通孔の長さが20mm〜30mmの範囲であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)の何れかに記載の薬剤揮散装置。
(6)含浸された薬剤が殺虫剤であることを特徴とする(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の何れかに記載の薬剤揮散装置。
(7)殺虫剤が、一般式(I)
Figure 2010017195


(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする(6)に記載の薬剤揮散装置。
本発明の薬剤揮散装置は、外側ケースからの挿脱によって、常温揮散性薬剤が揮散することによる使用状態及び揮散していないことによる不使用状態を実現しているが、このような外側ケースからの挿脱構成は、製造工程が簡便であり、かつ製造コストを安価とすることができると共に、前記不使用状態では、ケース内に薬剤含浸体を収納しているため、薬剤の自然散逸を極力少なくすることが可能となり、しかも筒状貫通孔を空気が貫通するという基本原理に基づき、薬剤含浸体に薬剤が残留している限り、長期間にわたって高い薬剤の揮散率を維持することができ、極めて高い実用性を発揮することができる。
更には、板状の風受け部材の突設によって、薬剤含浸体を使用中、常に風の流れる方向と直面させることが可能となり、効率的な薬剤の揮散を実現することができる。
複数個並設された筒状貫通孔に関する斜視図であり、1個の筒状貫通孔の断面形状として、(a)は、略矩形状断面(実際には略正方形断面)の場合を示しており、(b)は、略山形状断面の場合を示しており、(c)は、略網目状断面の場合を示している。 外側ケースから挿脱自在とすることによる本発明の基本構成を示す斜視図である。 使用状態を示す斜視図である。
図1(a)、(b)、(c)は、複数個の筒状貫通孔2を並設した薬剤含浸体5の斜視図を示すが、図1(a)は板状体が相互に直交するような交錯によって形成された略矩形状断面(実際には正方形状断面)の筒状貫通孔2を示しており、図1(b)は、平行状態に設定した板状体の間に、曲折自在の平面素材を順次略S字型に変形させながら当該板状体の間を区画することによる略山形状断面の筒状貫通孔2を示しており、図1(c)は、曲折自在の平面素材を順次規則的に接合及び離脱させることによって略網目状断面の筒状貫通孔2を示している。
但し、筒状貫通孔2の形状は、図1(a)、(b)、(c)に示す形状に限定される訳ではなく、例えば略六角形状、略三角形状、略円形状等をも採用することが可能である(但し、略円形状の場合には、貫通孔2の周囲に占める素材の割合が多くなり、空間を効率的に利用することができない。)。
図2は、図1(a)に示す薬剤含浸体5を、筒状貫通孔2の両側をカバーすることができる外側ケース3に対し、挿脱自在とした状態を示す斜視図であるが、このような挿脱自在状態とすることによって、薬剤揮散装置1の使用状態と不使用状態とに適用することができ、しかも挿脱の程度を調整自在とした場合には、薬剤の揮散量を適宜調整することが可能となる。
前記挿脱をスムーズに行うために、図2に示すように、筒状貫通孔2の周囲に外枠4を設けている。
本発明においては、常温揮散性薬剤を含浸することによって使用するが、その担持量は、薬剤担持体の材質、使用場所、使用期間などを考慮して適宜決定することになる。
そして、殺虫剤における担持量は、1個の薬剤揮散装置1における薬剤含浸体5あたり30〜500mgの範囲に設定することが、取扱上好ましい。
害虫防除成分の担持量が30mgより少ないと、害虫防除効力の持続性に不足を生じる場合があり、一方500mgを超えても大抵の場合使用期間が必要以上に延長されるだけで格別のメリットはない。
常温揮散性薬剤を薬剤担持体に担持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、従来から知られている各種処理手段を採用することができる。また、前記常温揮散性薬剤に、安定剤、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよく、例えば、常温揮散性の害虫防除成分量と連動する着色剤を薬剤担持体に担持させ、害虫防除成分の揮散終了を示すインジケーターとして利用することも可能である。
薬剤含浸体5の材質は、特に限定されないが、例えば、パルプ、リンターなどの天然由来材料、レーヨン、ビスコースなどのセルロース系繊維、あるいはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの合成繊維、ガラス繊維などがあげられ、これらの一種又は二種以上を絡合させて、紙、布、不織布、フェルトなどの通気性を有しているシート状の素材が好ましい。
特に、セルロース製の紙(ろ紙、厚紙、ダンボール紙など)は、薬剤の含浸性や薬剤の揮散性の点から好都合である。
本発明の薬剤揮散装置1においても、筒状貫通孔2に対し空気が流入し、かつ通過することによって、薬剤の揮散を実現しているが、空気は、通過に際し、筒状貫通孔2の表面に接触することによって、薬剤を揮散させていることから、筒状貫通孔2の面積及び長さを適宜設定することによって、薬剤揮散量を調整することができる。
通常、貫通孔2の面積が60mm2未満(断面正方形状の貫通孔2の場合の幅が約8mm弱未満)の場合には通気性が悪くなるが、断面積が250mm2を超える(正方形断面の場合の幅が16mm弱を超える)場合には、含浸表面積を確保するのが難しくなるので、筒状貫通孔2の断面積を60mm2〜250mm2(断面正方形状の場合には、1辺の長さを8mm弱〜16mm弱)に設定することが好ましい。また、筒状貫通孔2の奥行きを20mm〜30mmの範囲に形成すれば、空気の流れが薬剤の揮散を効率的に助長し、本発明の目的を達成する上で好適であることが確認されている。
筒状貫通孔2の断面積については、一方端から他方端にかけて略同一に設計する場合が多い。
通常、筒状貫通孔2は、図1(a)、(b)、(c)に示すように、直進状に設計する。
薬剤含浸体5を外側ケース3から完全に離脱させた状態にて使用する場合には図3に示すように、吊り下げ具6を介して吊設した状態を採用する。
図3に示すように、吊設を行った場合において、外枠4における水平方向の両側及び/又は当該水平方向と直交する垂直方向の両側において、概略等しい面積を有している板状の風受け部材8を外枠4の外側表面に突設し、かつ該突設の方向を、筒状貫通孔2に沿った特定方向を基準とした場合に、同一方向としたうえで、水平方向の両側に位置している外枠4に突設した場合の水平方向における突設角度、及び垂直方向の両側に位置している外枠4に突設した場合の垂直方向における突設角度を概略等しい状態とすることによって、薬剤含浸体5を使用中常に風の流れる方向と直面させることが可能となり、効率的な薬剤の揮散を実現することができる(尚、図3は、風受け部材8を外枠4における水平方向の両側に設けた場合を示している。)。
図2、図3において採用している外枠4は、通常、方形のプラスチック製が使いやすく、その材質としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネートなど非吸着性のものが適している。外枠4の高さは、筒状貫通孔2の奥行きに相応して20mm〜30mmの範囲が適当であり、またその大きさについては、使用場所やデザインによって適宜決定すればよいが、正方形による断面形状の場合には、縦横それぞれ50mm〜200mm程度のものが使いやすい。
尚、外側ケース3にデザイン性を付与することによって、リビングルームのサイドボードの上や玄関の下駄箱の上に置いた場合でも、十分インテリア性を発揮することもできる。
本発明において使用される常温揮散性薬剤としては、殺虫剤成分、害虫忌避成分、芳香成分、抗菌成分、消臭成分などがあげられる。このうち、殺虫剤成分として、一般式(I)
Figure 2010017195

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上に基づく構成が好適に用いられる。なお、化合物の酸成分において、不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Iと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Kと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Lと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Mと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Nと称す)、又は4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Pと称す)をあげることができる。
なかでも、Xが水素原子でYが1−プロペニル基、又はX及びYが共にメチル基であるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物が揮散性や生物活性の点からより好ましく、上記化合物B、化合物E、化合物H、化合物J、化合物L、化合物M、化合物N及び化合物Pが該当する。
害虫忌避成分としては、ディート、ヒノキチオール、シトロネラール、シトラール、リナロール、テルピネオール、p−メンタン−3,8−ジオール、カルボン、天然精油(シトロネラ油、ユーカリ油、シナモン油、ヒバ油、ラベンダー油など)があげられ、その他、芳香成分、抗菌成分、消臭成分などは、揮散性能に支障をきたさない限りにおいて、一般に入手できるものを任意に使用できる。
以上の実施形態からも明らかなように、本発明の薬剤揮散装置1は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造で、薬剤揮散具を外容器から取り出し、吊り下げ又は載置するだけで、外部から受ける空気の移動、例えばエアーコンディショナー、扇風機のエアーや、窓を通して入り込む風、あるいは自然蒸散を利用して、薬剤含浸体5から薬剤を揮散させる。
薬剤が害虫防除成分の場合、薬剤含浸体5からの薬剤揮散量は、使用場所や風力等にもよるが、1時間当たり0.01〜0.5mg程度とするような設計は十分可能であり、例えば通常の約10m2の居住部屋で十分な害虫防除効果を奏する。ここで、害虫防除効果とは致死に至る殺虫作用を必然とせず、蚊に対する刺咬阻止、忌避作用を含めた広義の防虫効果を意味する。
しかも、薬剤含浸体5を外側ケース3から挿脱する程度を調整することによって、外部の通気状態、部屋の広さに対応して、適宜揮散量を調整することも可能であり、しかも、揮散していない不使用状態の場合には、薬剤含浸体5を外側ケース3内に収納することによって常温揮散薬剤の自然散逸を極力少なくすることができる。
このような本発明を採用した場合には、例えば本発明で好適に用いる常温揮散性殺虫剤成分として従来のエムペントリンに比べて蒸気圧が幾分低いような性状を有しているにも拘らず、空気が筒状貫通孔2を通過する際、薬剤含浸体5と接触する機会を大きく設定することによって、極めて高い基礎殺虫活性を有するように前記筒状貫通孔2の断面積、長さ、形状を適宜選択したうえで実現することが可能である。
いうまでもなく、本発明の薬剤揮散装置1によれば、屋内はもちろん屋外のペット小屋などで、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対する害虫防除等の効果が、簡便にしかも長期間にわたり得られるのでその実用性は極めて高い。
次に、実施例ならびに具体的試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散装置1を更に具体的に説明する。
図1(b)、図3のような略山形状の断面による筒状貫通孔2を実現するために、外枠4の内側において、平行な板状体の間に、段ボール片を並設することによって、貫通孔2の幅(d)を8mmとし、長さ、即ち奥行(h)を25mmとし、筒状貫通孔2の表面積を162cm2とすることによる薬剤含浸体5を形成し、かつ外枠4に収納した。
当該薬剤含浸体5において、常温揮散性殺虫剤成分として化合物L[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]60mgを担持させ、かつ調製した。
外枠4に収納された薬剤含浸体5を外側ケース3から取り出し、図3に示すように、外枠4の側面に風受け部材8を装填した後、外枠4の吊り下げ具6を介して、風通しの良い窓際上方から吊設することによって、使用中、薬剤含浸体5を常に風の流れる方向と直面させたが、その結果1時間当たりの薬剤揮散量は平均で約0.08mgであった。本発明による薬剤揮散装置1は、電池や駆動装置を必要とせず簡便で使いやすく、およそ2ケ月間にわたり十分な害虫防除効果を示した。
しかも、薬剤含浸体5を外側ケース3に収納した状態にて、1ヶ月経た後、改めて薬剤を揮散させたところ、1時間当たりの薬剤揮散量は変化しておらず、前記1ヶ月間の不使用期間中薬剤が殆ど散逸していないことが判明した。
本発明による薬剤揮散装置は、一般家庭、事務所などの室内及び室外の広範な場所にて利用することができ、その簡便な構成を効率的な製造によって実現できる。
1 薬剤揮散装置
2 貫通孔
3 外側ケース
4 外枠
5 薬剤含浸体
6 吊り下げ具
8 風受け部材

Claims (7)

  1. 複数個の筒状貫通孔を並設している薬剤含浸体の周囲を外枠によって覆い、当該外枠に設けられている吊り下げ具を介して前記薬剤含浸体を吊設可能とし、吊設を行った場合において、外枠における水平方向の両側及び/又は当該水平方向と直交する垂直方向の両側において、概略等しい面積を有している板状の風受け部材を外枠の外側表面に突設し、かつ該突設の方向を、筒状貫通孔に沿った特定方向を基準とした場合に、同一方向としたうえで、水平方向の両側に位置している外枠に突設した場合の水平方向における突設角度、及び垂直方向の両側に位置している外枠に突設した場合の垂直方向における突設角度を概略等しい状態としたことを特徴とする薬剤揮散装置。
  2. 筒状貫通孔の両側をカバーすることができる外側ケースに対し、薬剤含浸体を挿脱自在としたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散装置。
  3. 筒状貫通孔の断面形状が略矩形であることを特徴とする請求項1、2の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  4. 薬剤含浸体が、通気性を有しているシート状の担持体であることを特徴とする請求項1、2、3の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  5. 筒状貫通孔の面積が60mm2〜250mm2の範囲であり、筒状貫通孔の長さが20mm〜30mmの範囲であることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  6. 含浸された薬剤が殺虫剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5の何れか一項に記載の薬剤揮散装置。
  7. 殺虫剤が、一般式(I)
    Figure 2010017195


    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項6に記載の薬剤揮散装置。
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