JP4213025B2 - 薬剤揮散具 - Google Patents

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Description

本発明は、モーターやゼンマイ等を使用せず、外部から受ける空気の移動によって薬剤を揮散させる薬剤揮散具に関するものである。
害虫、例えば蚊や蚋などを駆除するために、薬剤を閉鎖空間(建築物や自動車の室内、アウトドアスポーツにおけるテント内など)全体に揮散、放出させる薬剤揮散方法として、熱エネルギーを利用した蚊取線香や電気蚊取マット、液体式電気蚊取(リキッド)が一般的である。一方、電源として乾電池を用い、薬剤含浸体にファン等の風をあてて常温で薬剤を揮散、放出させるファン式薬剤揮散装置も携帯用として実用化され、これに関する特許出願も多い。例えば、特開平7−111850号公報は、薬剤含浸体として積層段ボールを用いたファン式殺虫・防虫方法を開示するものであるが、当然のことながらファンを回転させるモーターとその駆動用電源を必要とする。
ところで、ファンを具備せず、自然状態で薬剤を揮散させようとする提案もある。例えば特開平9−308421号公報に、折り畳み可能な紙製の穴を多数有する筒状体に常温揮散性の薬剤を保持させてなる防虫材が記載されているが、筒状体の構造が複雑で製造性が良いとは言えない。また、特開2000−189032号公報には、繊維状の薬剤保持体に20℃における蒸気圧が1×10-6〜1×10-3mmHgの薬剤を保持せしめ、単位空間容積当りの蒸散量を0.01〜0.5mg/hr/m3に調整した薬剤蒸散剤が開示されている。しかしながら、具体的にあげられている薬剤蒸散剤は、多数のセルを接合してなるハニカム構造体を示しており、特開平9−308421号公報と同様、製造性や蒸散の効率性において十分満足のいくものではなかった。
特開平7−111850号公報 特開平9−308421号公報 特開2000−189032号公報
本発明は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造で、外部から受ける空気の移動のみで薬剤を揮散させ、しかも長期間にわたり優れた害虫防除効果を奏する薬剤揮散具を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、次のような構成を採用する。
(1)常温揮散性防虫成分を含有する薬剤担持体を収納し、正背面部が薄型の直方状プラスチックケース複数個からなる薬剤揮散具において、これらのプラスチックケースを背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成するとともに、これらのプラスチックケースの左右両側面部のうち、正面部で閉じた時に隠蔽される全ての側面部に開口窓を設け、プラスチックケースを正面部で開くことにより、開口窓が設けられた側面部を少なくとも2面以上露出させ、これらの開口窓を通して前記薬剤担持体から前記防虫成分を揮散させるように構成した薬剤揮散具。
(2)両端に位置するプラスチックケースの外側面部にも開口窓を設け、これらの外側面部にそれぞれプラスチック板を重ねるとともに、これらのプラスチック板も又背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成した(1)に記載の薬剤揮散具。
(3)薬剤担持体が、セルロース製のひだ折りの紙である(1)又は(2)に記載の薬剤揮散具。
(4)ひだ折りの紙の表面積の総計が、拡げた状態で薬剤揮散具あたり200〜2000cm2である(1)ないし(3)のいずれかに記載の薬剤揮散具。
(5)常温揮散性防虫成分が、テフラメトリン及び一般式(I)
Figure 0004213025

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であり、その30〜500mgを薬剤担持体に担持させた(1)ないし(4)のいずれかに記載の薬剤揮散具。
本発明の薬剤揮散具は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造であり、その使用に当たっては、玄関、リビングや、外気が入り込む窓などに設置すればよい。そして、この薬剤揮散具によれば、屋内はもちろん屋外のペット小屋などで、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対し、簡便でしかも長期間にわたり優れた害虫防除効果を示すのでその実用性は極めて高い。
本発明で用いられる常温揮散性防虫成分としては、テフラメトリン及び一般式(I)
Figure 0004213025

(式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上が好適に用いられる。なお、化合物の酸成分において、不斉炭素や二重結合に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらの各々や任意の混合物も本発明に包含されることは勿論である。
一般式(I)で表される化合物の具体例としては、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Aと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Bと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Cと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Dと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Eと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2,2−ジフルオロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Fと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート(以後、化合物Gと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Hと称す)、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Iと称す)、4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Jと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−ビニルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Kと称す)、2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Lと称す)、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Mと称す)、4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Nと称す)、又は4−プロパルギル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(以後、化合物Pと称す)をあげることができる。
なかでも、Xが水素原子でYが1−プロペニル基、又はX及びYが共にメチル基であるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物が揮散性や生物活性の点からより好ましく、上記化合物B、化合物E、化合物H、化合物J、化合物L、化合物M、化合物N及び化合物Pが該当する。
常温揮散性防虫成分の担持量は、薬剤担持体の材質、使用場所、使用期間などを考慮して適宜決定すればよいが、薬剤揮散具あたり30〜500mgの範囲が好ましい。防虫成分の担持量が30mgより少ないと、害虫防除効力の持続性に不足を生じる場合があり、一方500mgを超えても使用期間が必要以上に延長されるだけで格別のメリットはない。
常温揮散性防虫成分を薬剤担持体に担持させるに際しては、必要に応じ溶剤、希釈剤、界面活性剤、分散剤、徐放化剤などを用い、従来から知られている各種処理手段を採用することができる。また、前記防虫成分に、安定剤、香料、着色剤、帯電防止剤などを適宜配合してもよく、更に、防虫成分の揮散性能に支障をきたさない限りにおいて、揮散性の高い他の殺虫、忌避成分(例えば、ディート、ヒノキチオール、カルボン、サフロール、シトロネラール、ケイ皮アルデヒドなどの防虫香料など)、殺ダニ剤、殺菌剤、消臭剤などを添加して多目的組成物とすることもできる。
なお、常温揮散性防虫成分量と連動する着色剤を薬剤担持体に担持させ、防虫成分の揮散終了を示すインジケーターとして利用することも可能である。
本発明の薬剤揮散具は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を具備しない簡単な構造で、しかも外部から受ける空気の移動のみで薬剤を揮散させるべく、薬剤担持体及びこれを収納する複数個のプラスチックケースの構造を特定したことに特徴を有する。
すなわち、プラスチックケースを背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成するとともに、閉じた状態では薬剤の揮散を抑え、一方拡げた状態では開口窓が設けられたプラスチックケースの側面部を少なくとも2面以上露出させ、薬剤担持体から防虫成分を揮散させるように構成したものである。
薬剤担持体の材質としては特に限定されないが、例えば、パルプ、リンターなどの天然由来材料、レーヨン、ビスコースなどのセルロース系繊維、あるいはポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの合成繊維、ガラス繊維などがあげられ、これらの一種又は二種以上を絡合させて、紙、布、不織布、フェルトなどに成形したものが用いられる。なかでも、セルロース製の紙(ろ紙、厚紙、ダンボール紙など)が好ましく、ひだ折りにしたものが薬剤の揮散性の点から好適である。
薬剤担持体の大きさは、収納するプラスチックケースの大きさや個数にもよるが、その表面積の総計が、ひだ折りの紙の場合拡げた状態で、薬剤揮散具あたり200〜2000cm2程度に設計すればよい。例えば、横幅18cmで高さ13.5cmのろ紙(表面積:243cm2)を、横幅6.5cmで高さ13.5cmのひだ折り状(山折り部と谷折り部の個数:18個、ピッチ幅:4mm、山の高さ5mm)の薬剤担持体とし、これを4個のプラスチックケースにそれぞれ収納すれば、その表面積の総計は薬剤揮散具あたり約1000cm2となる。
前述のとおり、常温揮散性防虫成分は、好ましくは薬剤揮散具あたり30〜500mg担持されるが、担持量が同じであれば通常、表面積を大きくすればするほど単位時間あたりの蒸散量が高くなる反面、効力の持続期間が短くなる傾向がある。
プラスチックケースは、正背面部の厚さが1〜2cm程度の薄型で、側面部が5〜10cm×8〜20cm程度の直方状のものが使いやすく、通常同形のプラスチックケース複数個を用いて薬剤揮散具を構成する。
プラスチックケースの材質としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリルニトリル、ポリカーボネートなど非吸着性のものがあげられる。本発明の薬剤揮散具では、プラスチックケースを背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成するとともに、これらのプラスチックケースの左右両側面部のうち、正面部で閉じた時に隠蔽される全ての側面部に開口窓を設置する。すなわち、プラスチックケースを正面部で開くことにより、開口窓が設けられた側面部を少なくとも2面以上露出させ、これらの開口窓を通して前記薬剤担持体から前記防虫成分を揮散させるようになっている。
なお、両端に位置するプラスチックケースの外側面部にも開口窓を設けてもよく、この場合これらの外側面部にそれぞれプラスチック板を重ねるとともに、これらのプラスチック板も又背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成してもよいし、他方、未使用時にも継続して薬剤を揮散させるような場面では、プラスチック板を設置しない構成も採用しうる。
開口窓の形状や大きさも任意であるが、例えば、側面部の周辺を薬剤担持体の保持用として残し、残余の部分を開口窓として切り抜いた形態や、帯状の開口スリットを多数配設した形態等を例示できる。また、側面部以外の面に開口窓を設けてもよいし、あるいは開口窓の内側に薬剤担持体の脱落を防止するためのネットを付設しても構わない。
薬剤揮散具を作製するにあたっては、例えばプラスチックケースの一開放面から薬剤担持体を挿入後、好ましくはこの面を遮蔽し、プラスチックケースを背面部で接合して合冊型に形成すればよい。
こうして得られた本発明の薬剤揮散具は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造で、プラスチックケースを拡げることにより、外部から受ける空気の移動、例えばエアーコンディショナー、扇風機のエアーや、窓を通して入り込む風、あるいは自然蒸散を利用して、薬剤担持体から防虫成分を揮散させる。
薬剤担持体からの防虫成分揮散量は、使用場所や風力等にもよるが、1時間当たり0.01〜0.5mg程度であり、例えば通常の6畳の居住部屋で十分な害虫防除効果を奏する。ここで、害虫防除効果とは致死に至る殺虫作用を必然とせず、蚊に対する刺咬阻止、忌避作用を含めた広義の防虫効果を意味する。
本発明の薬剤揮散具は、通常置き型の虫よけ剤として供するが、プラスチックケースの外側面に吊り下げ具やフックを取り付け、窓のサッシやズボンのバンドから吊り下げて用いる形態とすることもできる。フックの形状としては、可繞性のプラスチック板を先端でJ状に屈曲させた形状が使いやすい。
かかる本発明の成果は、本発明で用いる常温揮散性防虫成分が従来のエムペントリンに比べて蒸気圧が幾分低いものの極めて高い基礎殺虫活性を有することを踏まえ、プラスチックケースの構造や薬剤担持体の形状等とを組み合わせて初めて得られたものである。
そして、本発明の薬剤揮散具によれば、屋内はもちろん屋外のペット小屋などで、蚊や蚋、ハエ、ユスリカなどの各種害虫に対し、簡便でしかも長期間にわたり優れた害虫防除効果を示すので極めて実用性が高い。
次に、具体的実施例ならびに試験例に基づいて、本発明の薬剤揮散具を更に詳細に説明する。
図1は本発明の薬剤揮散具1の第一の実施例の斜視図を示す。
正背面部の厚さが1cmで側面部が横幅7cm×高さ14cmの直方状のポリアクリル製プラスチックケース(2)4個を並べ、その背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成した。なお、両端の2個のプラスチックケース(2)ではそれらの内側の側面部に、また挟まれた2個のプラスチックケース(2)についてはそれらの左右両側面部に、それぞれ1cm幅の外周を残して横幅5cm×高さ12cmの開口窓3を設けた。
横幅18cm×高さ13.5cmのろ紙(表面積:243cm2)を、横幅6.5cm×高さ13.5cmのひだ折り状(山折り部と谷折り部の個数:18個、ピッチ幅:4mm、山の高さ:5mm)とし、これに常温揮散性防虫成分・化合物L[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート]30mgを担持させてなる薬剤担持体4を作製した。4個のこの薬剤担持体4をそれぞれプラスチックケースに収納して薬剤揮散具1(総薬剤担持量:120mg、総表面積:972cm2)を得た。
薬剤揮散具1を寝室(6畳間)に設置し、就寝の間8時間にわたり微風でエアーコンディショナーを作動させながらプラスチックケースの正面部を開いて使用した。1時間当たりの薬剤揮散量は約0.12mgで蚊に刺されることはなかった。なお、使用しない時はケースを閉じた。本薬剤揮散具はおよそ1ケ月間にわたり使用でき、使いやすく極めて実用的であった。
図2は本発明の薬剤揮散具1の第二の実施例の斜視図を示す。
実施例1に準じ、正背面部の厚さが2cmで側面部が横幅10cm×高さ5cmの直方状のポリエステル製プラスチックケース(2)2個と、その外側に横幅10cm×高さ5cmのポリエステル製プラスチック板5を並べ、それらの背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成した。プラスチックケース(2)の左右両側面部に横幅8.5cm×高さ3.5cmの開口窓3を設置し、上下面部にもそれぞれ6個の外径1cmの開口窓3を設けた。横幅9.5cm×高さ24cmのレーヨン製不織布(表面積:228cm2)を、横幅9.5cm×高さ4.5cmのひだ折り状(山折り部と谷折り部の個数:6個、ピッチ幅:6mm、山の高さ:16mm)とし、これに常温揮散性防虫成分・化合物E[4−メチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgを担持させてなる薬剤担持体4を作製した。この薬剤担持体4とともに脱落防止用のプラスチック製ネット6をそれぞれプラスチックケース(2)に収納して薬剤揮散具1(総薬剤担持量:80mg、総表面積:456cm2)を得た。
薬剤揮散具1を風通しのよい窓際の机上に置いて使用したところ、薬剤揮散具1は風を受けて1時間当たりの薬剤揮散量は平均で約0.08mgであった。本薬剤揮散具1は、電池や駆動装置を必要とせず簡便で使いやすく、およそ2ケ月間にわたり十分な害虫防除効果を示した。
図3は本発明の薬剤揮散具1の第三の実施例の斜視図を示す。
実施例2で用いた直方状のポリエステル製プラスチックケース(2)[正背面部の厚さ:2cm、側面部:横幅10cm×高さ5cm]2個を背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成した。プラスチックケース(2)の内側の側面部に、幅4mmの帯状の開口スリット7を幅2mmおきに配設した。横幅9.5cm×高さ24cmの紙(表面積:228cm2)を、横幅9.5cm×高さ4.5cmのひだ折り状(山折り部と谷折り部の個数:6個、ピッチ幅:6mm、山の高さ:16mm)とし、これに常温揮散性防虫成分・化合物B[2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート]40mgを担持させてなる薬剤担持体4を作製した。この薬剤担持体4をそれぞれプラスチックケース(2)に収納するとともに、一方のプラスチックケース(2)の外側の側面部に、ベルト吊り下げ用のフック8を取り付けて薬剤揮散具1(総薬剤担持量:80mg、総表面積:456cm2)を得た。
薬剤揮散具1をベルトに吊り下げ、庭仕事に従事したところ、蚊に悩まされることがなく、非常に実用的であった。
実施例1に準じ、正背面部の厚さが1cmで側面部が横幅6cm×高さ14cmの直方状のポリアクリル製プラスチックケースを用いて各種薬剤揮散具を作製した。実施例1と同様に、エアーコンディショナーを備えた部屋で8時間ケースを開いて使用し、残りの16時間はケースを閉じるサイクルを毎日繰り返した。使用開始時と1ケ月後に下記の殺虫効力試験を行い、評価結果を併せて表1に示したた。
[殺虫効力試験]:20m3の部屋で風速0.4m/秒の条件を設定し、アカイエカ成虫に対する殺虫効果を調べた。結果は、市販蚊取製剤と比較して、○、△、×で評価した。
Figure 0004213025
薬剤担持体を収納してなるプラスチックケースを背面部で接合し、かつ正面部で開閉可能な合冊型に形成した本発明の薬剤揮散具は、モーターやゼンマイ等の駆動装置を必要としない簡単な構造で、長期にわたり優れた害虫防除効果を示すので極めて実用的であることが認められた。なお、薬剤担持体はその表面積を確保するためにひだ折り状が好ましく、また、一般式(I)で示される常温揮散性防虫成分のなかでは、化合物Eのような、Xが水素原子でYが1−プロペニル基の化合物、あるいは化合物Lのような、X及びYが共にメチル基である化合物が揮散性や生物活性の点からより好ましかった。
これに対し、比較例1の如く、常温揮散性を有さないプラレトリンを用いた場合は本発明の薬剤揮散システムに合致せず、また、比較例2のように、薬剤揮散具を合冊型にせず各ケースを分離して使用した場合には未使用時にも薬剤が過度に揮散して非効率であった。更に、市販品のハニカム構造体(比較例3)は、満足のいく防除効果を有するものの、構造が複雑であり、また使用時に人の指などが薬剤含浸セルに接触しやすいという問題が避けられなかった。
本発明の薬剤揮散具の第一の実施例の斜視図を示す。 本発明の薬剤揮散具の第二の実施例の斜視図を示す。 本発明の薬剤揮散具の第三の実施例の斜視図を示す。
符号の説明
1:薬剤揮散具、
2:プラスチックケース、
3:開口窓、
4:薬剤担持体、
5:プラスチック板
6:ネット
7:開口スリット
8:フック

Claims (5)

  1. 常温揮散性防虫成分を含有する薬剤担持体を収納し、正背面部が薄型の直方状プラスチックケース複数個からなる薬剤揮散具において、これらのプラスチックケースを背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成するとともに、これらのプラスチックケースの左右両側面部のうち、正面部で閉じた時に隠蔽される全ての側面部に開口窓を設け、プラスチックケースを正面部で開くことにより、開口窓が設けられた側面部を少なくとも2面以上露出させ、これらの開口窓を通して前記薬剤担持体から前記防虫成分を揮散させるように構成したことを特徴とする薬剤揮散具。
  2. 両端に位置するプラスチックケースの外側面部にも開口窓を設け、これらの外側面部にそれぞれプラスチック板を重ねるとともに、これらのプラスチック板も又背面部で接合し正面部で開閉可能な合冊型に形成したことを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散具。
  3. 薬剤担持体が、セルロース製のひだ折りの紙であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤揮散具。
  4. ひだ折りの紙の表面積の総計が、拡げた状態で薬剤揮散具あたり200〜2000cm2であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の薬剤揮散具。
  5. 常温揮散性防虫成分が、テフラメトリン及び一般式(I)
    Figure 0004213025

    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表す。Xが水素原子の時、Yはビニル基、1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基又は2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル基を表し、Xがメチル基の時、Yはメチル基を表す。また、Zは水素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシメチル基又はプロパルギル基を表す)で表されるフッ素置換ベンジルアルコールエステル化合物から選ばれた1種又は2種以上であり、その30〜500mgを薬剤担持体に担持させたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の薬剤揮散具。
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